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#1
第142回国会 労働委員会 第5号
平成十年三月二十日(金曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 田中 慶秋君
   理事 荒井 広幸君 理事 小林 興起君
   理事 佐藤 剛男君 理事 森  英介君
   理事 鍵田 節哉君 理事 中桐 伸五君
   理事 河上 覃雄君 理事 青山  丘君
      井奥 貞雄君    飯島 忠義君
      大野 松茂君    大村 秀章君
      川崎 二郎君    白川 勝彦君
      棚橋 泰文君    長勢 甚遠君
      能勢 和子君    藤波 孝生君
      保利 耕輔君    柳本 卓治君
      近藤 昭一君    玉置 一弥君
      松本 惟子君    桝屋 敬悟君
      岡島 正之君    大森  猛君
      金子 満広君    濱田 健一君
      土屋 品子君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 伊吹 文明君
 出席政府委員
        防衛施設庁次長 小澤  毅君
        労働政務次官  柳本 卓治君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        労働省労政局長 澤田陽太郎君
        労働省労働基準
        局長      伊藤 庄平君
        労働省職業安定
        局長      征矢 紀臣君
 委員外の出席者
        防衛施設庁労務
        部長      柳澤 協二君
        外務省北米局北
        米第一課長   鶴岡 公二君
        水産庁漁政部企
        画課長     林  建之君
        水産庁資源管理
        部管理課長   石木 俊治君
        運輸省鉄道局国
        有鉄道清算業務
        指導課長    本田  勝君
        労働委員会専門
        員       中島  勝君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十日
辞任       補欠選任
  飯島 忠義君     大野 松茂君
同日
 辞任       補欠選任
  大野 松茂君    飯島 忠義君
    ―――――――――――――
三月十九日
 労働法制の全面改悪反対、労働行政の充実に関
 する請願(石井郁子君紹介)(第八五五号)
 同(大森猛君紹介)(第八五六号)
 同(中林よし子君紹介)(第八五七号)
 同(春名直章君紹介)(第八五八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の
 締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
 雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一二号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。濱田健一君。
#3
○濱田(健)委員 おはようございます。
 議題となっております駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これに全面的に賛成する立場で、補強的な質問をさせていただきたいというふうに思います。
 御案内のとおりに、駐留軍関係離職者、いわゆる国際情勢の変動に即応するさまざまな変化等々に基づいて離職を余儀なくされる皆さん方、また国際環境の変化によって離職を余儀なくされる漁業関係者の皆さん方に、その後の生活の保障等と新しい職を見つけられるバックアップをこの法律によって規定されているものというふうに、私は存じ上げているところでございます。
 基本的なところから質問させていただきたいというふうに思いますが、まず、駐留軍関係従業員数の推移が近年どのようになっているのか、それと退職者の数はどのようになっているのか。また、そのうち解雇者数の推移、その解雇の理由や年齢層、それらについて、防衛施設庁から見解を求めたいと思います。
#4
○小澤政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生の御質問にございました点、幾つかにわたりますけれども、逐次申し上げたいと思います。
 まず、在日米軍の従業員数でございますけれども、平成十年二月末現在で二万四千二百八十三名でございます。ここ五年間の推移でございますけれども、平成五年におきましては、これは各年度末でございますけれども、二万二千六百九十四人、平成六年におきましては二万二千三百四人、平成七年におきましては二万三千二百二十三人、平成八年におきましては二万三千八百七十七人、同じく平成九年におきましては二万四千二百八十三名でございまして、平均しまして大体二万三千人前後で推移しているという状況でございます。
 また、この五年間におきます毎年の年平均の退職者数でございますけれども、これは、定年または自己都合等による退職者すべて含めまして、三千人前後で推移してございます。
 次に、駐留軍関係の離職者等臨時措置法、ただいま御審議いただいている法律の適用される離職者、すなわち在日米軍の撤退や、また部隊の縮小、機構の改変等に伴い離職を余儀なくされた人の数でございますけれども、これは、平成五年度におきましては九十六人、平成六年度におきましては七十四人、平成七年度におきましては八十二人、平成八年度におきましては六十二人、平成九年度、これは十年の二月末現在でございますけれども三十五名でございます。
 この離職者につきましては、在日米軍の駐留経費の負担の一環といたしまして日本側で労務費の負担を行うようになりました結果、予算の削減を理由とするものはなくなっておりますが、組織の改編等の理由が多うございます。また、その離職者の年齢層でございますけれども、これは五十代後半が大半を占めているという状況でございます。
 当庁といたしましては、組織の再編等によりやむを得ず人員整理を実施する必要が生じた場合におきましても、退職希望者を募集するなど、日米間で調整することにより、極力従業員の意思に反する離職を生じないよう努めているところでございます。
#5
○濱田(健)委員 この関係については、退職金プラス特別給付金等々、ある程度手厚い対応がなされているというふうに理解をしておりますが、やはりお金だけではなくて再就職、特に五十六歳以上の従業員の割合が一三%というふうに、この数字が高いのか低いのかは定かではございませんが、やはり再就職のための準備、手当てというのが大事ではないかというふうに思うわけでございます。
 いわゆる解雇者に対する再就職のための職業訓練等は、現職中も、そして離職された後も、どのように対応なさっているのか、防衛施設庁と労働省の両方にお聞きしたいと思います。
#6
○小澤政府委員 お答えいたします。
 防衛施設庁におきます職業訓練につきましては、駐留軍従業員が離職した場合に速やかに他の職業につくことができるようにするために、在職中に実施しているものでございます。
 この職業訓練の種目の選定に当たりましては、最近の労働事情の動向だとか現地の事情に即したものとするよう十分配慮するとともに、また、従業員の方々の意向も聴取した上で、どういう種目が再就職に適するか、その点を十分検討した上で訓練を実施しているところでございます。
 現実には、今のところ一番多いのが、大型自動車の運転免許を取るための訓練だとか、またコンピューター関係の訓練、そういうものをいわゆる在職中に職業訓練として、防衛施設庁としては実施しておるところでございます。
#7
○征矢政府委員 駐留軍関係離職者の方で職業訓練の受講を希望する方につきましては、その再就職を円滑に進めるため、公共職業安定所長がこの訓練の受講につきまして積極的に指示をすることといたしております。現在、在日米軍基地のあります東京都、神奈川県、沖縄県など十都県の八十六の公共職業訓練施設で、受講希望者のニーズに応じた職業訓練を実施することといたしております。
 ただ、先生御指摘のように高齢の方が多いため、最近五年間におきます実績を見ますと、建築塗装、電子機器、造園関係等で三十二名の方がこの職業訓練を受講されております。
#8
○濱田(健)委員 この手当ての中で、いわゆる雇用保険による求職者給付の受給期間にプラスアルファ、さまざまな手当等で、新しい仕事を見つけられる期間、手当てがなされております。
 幾つかの項目が出てきておりますが、いわゆる就職促進手当とか特定求職者雇用開発助成金というものが示されているわけでございますが、これはどのような求職のための訓練、活動等々に使われているのか、その内容をお示しいただければ幸いです。
#9
○征矢政府委員 御指摘のように、就職促進手当、これにつきましては、今回御審議をいただいております駐留軍関係離職者あるいは漁業関係離職者等の方に、まず雇用保険制度が適用になりますから、それによります失業給付とあわせまして、その期間が終了後、就職促進手当が失業をしている場合に支給される、こういうことでございまして、両方合わせまして、最大三年間支給される、こういうことになっています。
 この考え方につきましては、これは、駐留軍関係離職者の方あるいは漁業関係離職者の方、これは基本的に国の政策により離職を余儀なくされた方々でございまして、そういう方につきまして、今回御審議をいただいておりますこの特別措置法に基づいてただいまのような特別の手当を支給する、こういう考え方でございます。
 公共職業安定所が行います職業指導等を受けている期間、あるいは公共職業安定所長の指示により公共職業能力開発施設の行います職業訓練を受けるために待期している期間、あるいは求職者の生活の安定を図るとともに求職活動を容易にするために、離職前の賃金日額等に応じて、ただいま申しましたような形で最大限三年間支給される、こういうことでございます。
 また、特定求職者雇用開発助成金につきましては、これは高齢者、障害者あるいは就職が特に困難な方の就職を促進するため、これらの者を公共職業安定所の紹介により雇い入れた事業主の方に、これは原則一年間でございますが、賃金の一部を助成するものでございますが、国の政策によりまして離職された駐留軍関係離職者あるいは漁業関係離職者等の方につきましては、特別にそういう年齢等にかかわらずこの助成金を支給することとしているものでございます。
#10
○濱田(健)委員 ありがとうございます。
 この法律の施策の概要として、「雇用促進事業団の援護業務として、事業開始に必要な資金の借入に係る債務保証の実施」という項目が示されております。いわゆる離職された皆さんを雇い入れるための事業者が事業開始に必要な資金の借り入れということになるのだろうと思うわけですが、現実的に、今の景気低迷の中で、貸し渋り等々厳しい状況、特に沖縄等々の中小の企業、しかと言っては言い過ぎになるかもしれませんが、そういうところが多いところはさまざまな問題があるかと思うのですが、この債務保証の内容について、要望にマッチしたものが対応されているのかどうか、その辺も教えていただければ幸いです。
#11
○征矢政府委員 駐留軍関係離職者の方に対します御指摘の債務保証制度でありますが、この保証限度額は四百万円、事業に将来性があり、かつ多額の資金を要する場合には六百万円という限度額でございます。保証期間は五年間、これにつきましても、事業に公益性があり、かつ収益を上げるのに長期間を要する場合は七年間となっております。
 制度創設以来、二回にわたりまして保証限度額の引き上げを行うなど、適宜見直しを行ってきているところでございますが、先ほど先生の御指摘もございますように、年齢の高い離職者の方が多いようなこと、あるいは離職後に自営業を開始しようと希望する方が必ずしも多くないということから、最近の事業実績は少なくなっておりまして、最近の実績で見ますと、昭和四十二年度以降で見まして四十五件というような数字になっております。
 今後の制度の見直し等につきましては、これはやはり自営を開始しようとする方のニーズの状況等を踏まえまして、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
#12
○濱田(健)委員 ありがとうございました。
 今局長の方から答弁いただいたわけですが、離職した方がみずから商売か何かをやろうというときにもこれは適用されるのかどうか、逆にそういう場合に別な形でバックアップする制度があるのかどうか、その辺おわかりでしたら。
#13
○征矢政府委員 この債務保証制度につきましては、これは駐留軍関係離職者の方が自営業を開始しようというときに援助する、債務保証をする制度でございますから、何か新しい事業を自分でおやりになる場合にこの制度が適用になるということでございます。
#14
○濱田(健)委員 済みません、少し勉強不足で。わかりました。
 なかなか現実的に利用されていないようなこの数年間の動きのようでございますけれども、それは現実的に離職が少ないということ、それが一番中心である、そして高齢者の方が多いということで、新しい仕事ということにはなかなかなり得ないというプラス・マイナスの面があるようでございますけれども、今回この法律が新しくまた五年間延長されることによって、その運用が適切になされるようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 もう一点の漁業離職者に関する臨時措置法でございますが、いわゆる漁業を営むというか、漁業という仕事に従事されている方がいろいろな関係でおやめになる、そのときにこの法律が適用されると思うのですが、その対象者と離職者の数、どういう漁業に適用されているのか。
 また、この法律が通りましたら五年間延長になるわけですが、必要なのかどうか。その場合に、必要であればその理由というものがきちっとこれから先の展望を含めてあるわけでございますの
で、お示しいただきたいと思います。
#15
○征矢政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、今回御審議いただいている特別措置法は、これは国の政策によりまして離職を余儀なくされるというような特別のケースの方でございまして、漁業関係につきましては、具体的には、漁業に関します国際協定の締結等に伴って例えば漁獲量が縮小します、そうしますと仕事がなくなる、そういうことで漁業離職者が発生するわけでございまして、そういう方が現在おられる。
 それから、今回延長をいたします必要性につきましては、そういう国際協定の締結等は今後もあるわけでありまして、現実にもいろいろ日ロその他ございますので、そういう意味で、本法律、今後さらに五年間延長する必要がある、こういう考え方で御審議をお願いしているところであります。
#16
○濱田(健)委員 さまざまな漁業に対する規制というものが強められたり、国際的な環境が整えられたりしている状況にございますが、具体的にどのような中身があるのか。よその役所のこともございますので深く中身についてはお聞きする必要はないと思いますけれども、適用される中身について。
#17
○征矢政府委員 私ども、離職者対策を担当しているわけでございますが、漁業離職者の方につきましては、船で働いておられるわけでございますから、船から船への離職者の場合は本法の対象ということではございませんで、漁業離職者のうちで陸上の職業へ再就職を希望する方について本法に基づき施策を担当している、こういうことでございます。
 その実績でございますが、昭和五十三年の法施行以降の運用状況を見ますと、これまでに千二百九十七名の方々についてこの法律に基づく漁業離職者求職手帳を発給し、そのうち六七・二%、七割近くの方、八百七十一名でございますが、この手帳の有効期間内に再就職をしているというような形になっております。
 また、漁業離職者のうちで船員への再就職を希望する方につきましては、これは運輸省が対策の実施を担当しているわけでございますが、これまでに一万三千二百六十九人の方に手帳を発給し、うち四五・四%に当たります六千二十九人の方がこの手帳の有効期間内に再就職をしているというような実績がございます。
#18
○濱田(健)委員 詳しく教えていただきましてありがとうございました。
 先ほどの駐留軍関係と同じ質問なんですが、いわゆる就職促進手当、特定求職者雇用開発助成金等々、この漁業離職者に対してはどのように再就職への道を模索するための手だてとして使われているのか。
#19
○征矢政府委員 基本的には、この対策の中身につきましては、漁業関係離職者の方につきましても駐留軍関係離職者の方と同様の中身でございまして、繰り返しは避けますけれども、まず、雇用保険の給付、これが適用になりまして、その支給終了後、なおかつ就職できない場合には最大限合わせて三年間の期間内で就職促進手当を支給しながら、その生活の安定を図りながら、再就職の促進に努めていただく、こういうことでございます。その間に、必要があれば、やはり積極的に陸に上がるための、陸の職業につくための職業訓練を指示して受講をしていただく。あるいは、就職をする際に特定求職者雇用開発助成金も適用する、こういう考え方であります。
#20
○濱田(健)委員 ありがとうございました。
 次に、提案されている法律案とは関係ございませんが、今度の国会にいわゆる国鉄長期債務の最終的な清算をするための法律案が出ております。去年の財政構造改革会議等々、どのような方向性を見つけるかということで、与党は本当に難儀をしたところでございまして、たばこや郵貯の特別会計、そしてJRにも負担をお願いをしている現状でございますが、なかなか難しい問題も残っているところでございます。
 これをきちっと清算をしていくために、国鉄清算事業団十月一日解散という時間的なめども立っているところでございますけれども、去年の六月六日に清算事業団から、「国鉄長期債務等の本格的処理及び平成九年度において講ずる措置について」に基づいて職員の早期退職や転職等を促進する措置というものが提案されております。
 そして、団体交渉を重ねられまして、去年の八月二十九日にいわゆる協定を結ばれたわけでございます。その中では、JRに千人以上の受け入れを要請するということが明記をされておりまして、確認事項の一つとして、転職の応募に際して所属組合による差別は行わないという項目も明記をされているところでございます。JRの各社も、ことし一月二十九日に新聞紙上において「国鉄清算事業団職員の受け入れに最大限協力する」という、本当にありがたい新聞広告を出してもらっているところでございます。
 いよいよその時期が近づいてくる中で、所管の運輸省も、そして働く皆さん方を守っていくという労働省の方も、転職の部分について本当に大変な御苦労をいただいていることを私自身も強く認識をしているところでございます。
 しかしながら、それはそれとして、いろいろな声が現場段階から聞こえてくるわけでございます、どこどこ組合に所属していたら新しい就職口は見つからないよというようなことなどが。JR各社、いろいろな力関係があるように聞いているわけでございますけれども、今まで申し上げました、所属組合の違いによる差別、選別は行わないように、二つの役所、十分配慮していただきたいというふうに要望したいのでございますが、運輸省、労働省、御所見を伺えたら幸いでございます。
#21
○伊吹国務大臣 旧国鉄の債務問題につきましては、今、濱田委員御指摘がございましたように、与党内で、社民党にも大変な御協力をいただき、苦渋の決断の結果、御承知のような処理の方針を決めたわけでございます。
 しかし同時に、旧国鉄のもう一つ引き継いでいる大きな問題は、今先生がおっしゃった再雇用の問題でありまして、清算事業団は、御指摘のようにその業務を鉄道建設公団に引き継がれますが、その際に、JR各社以外にも地方公共団体、国及び民間会社に再就職のお願いをしております。しかし、JRそのものについては、旧国鉄から分かれたところでございますから、千人強という御指摘のような数をお願いすることになると思います。
 基本的には、JR各社を所管しておる運輸省において強力に働きかけていただかねばなりませんが、労働省としては、所属組合によって再就職の可否が決まるなどということは無論あってはならないことであって、必要があれば、必要があればというよりも、事務的にはもちろんでありますが、さらに必要があれば私から運輸大臣にもそのことは申し上げるつもりでございます。
#22
○本田説明員 運輸省からお答えを申し上げます。
 ただいま労働大臣からお答えをいただきましたとおりでございますが、まず第一に、現在の国鉄清算事業団の職員は、国鉄に残されました土地その他の資産を売却して巨額の債務を償還していくという大変困難な業務、その業務を行うために事業団に残っていただいた優秀な職員でございます。また、現にこの十余年にわたりまして、土地の整備、開発、その他の業務に精いっぱい努力してこられた職員の方々でございます。
 かようなことから、私どもも既に、平成八年十二月の閣議決定に基づきまして、今年度からその再就職対策を円滑に実施すべく努力をさせていただいておりますが、いよいよ事業団の解散をお願いするに当たりまして、先生から御指摘のありましたとおり、所属組合のいかんを問わず職員の雇用の安定と確保が図られること、これが何よりも重要であると認識しております。
 また、私どもも既にみずから職員を採用させていただいておりますが、今後、他省庁、あるいは御指摘のJR各社を中心に、現実に職員の採用を
お願いしてまいります。現に、事業団におきましてもさまざまな就職情報を職員に示しておるところでございますが、その際にも、所属組合による差別が生じないように、すべての職員の方々に公平に応募者の募集をさせていただくなどやらせていただいておるところでございますが、本日の御指摘を踏まえて、さらに徹底を図ってまいりたい、かように思っております。
#23
○濱田(健)委員 伊吹大臣、本田指導課長、お二人の力強い決意に感謝申し上げたいというふうに思います。
 最後に、いわゆる国鉄長期債務の解消問題、清算事業団の解体に向けた今のような取り組みの方向性を、私たちが財政構造改革会議企画委員会で論議をした際に、千四十七名のいわゆる国労の皆さん方の十年に及ぶ地労委、中労委での不当労働行為裁定に基づく問題解決も同時に、村山元総理、伊藤幹事長等々を含めて要請をしているところでございます。裁判もそろそろ判決が出る時期が近づいてきておりますが、地裁を含めさまざまな皆さんが和解に向けての御努力をそれなりにしていただいているところでございますが、その成果というものはまだ目に見えていないという現状の中で、この問題についてもしっかりとした労働省、運輸省のバックアップをこれまで以上にお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#24
○田中委員長 次に、玉置一弥君。
#25
○玉置委員 労働委員会、大変雇用情勢が厳しい中で、これから皆さん方いろいろ論議をいただいて、よりいい方向へ導いていただく、大変貴重な委員会になったわけであります。
 これからの経済動向を見ながら、あるいは今回の法案は特に外国との関係が強いわけでありますが、そういう中身からして、緊急にそして幅広く手当てをしていかなければいけない、こういう事項が相次いでいるわけでありますけれども、それを見ながら、あるいは今までの対策の状況を見ながら御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 昨年の四月以降、日本の経済が大変大きく方向転換し、それまでせっかく景気浮揚という力をため込んできたのが、橋本政権の政策ミスというふうに言われるように、初めての政策不況、政治がここまで経済に大きく影響を出したというのは初めてだというふうに思います。特に、大幅な国民負担増加、このことを背景にして、国民が一斉に身構えてしまった、こういうところから今回の不況があると思います。
 いろいろな業種の中で、特に小売業から始まりましたこの不況の波が、今や製造業にまで来ているというような状況でございまして、ここ数日、雇用情勢の変化等を見せていただきましても、そういう結果がだんだん大きく出てきている。最終的には、昨年一年の統計としては、労働時間そのものはそう大きく変化をしておりませんけれども、実質的な労働者の賃金とか、あるいはいわゆる常雇用からパートへ人が移動しているというような状況を考えていきますと、経営される方もより身軽になろうという動きが出始めているということでありまして、大変な危機感を感じるわけであります。
 今回の法律の中の、駐留軍に関係する離職者の臨時措置法とかあるいは漁業離職者に対する臨時措置法、いろいろあるわけでありますが、こういうふうにある程度限定されて対応される場合は比較的早くその手続ができるということでございますが、私どもが心配しておりますのは、ある程度地域的に集中していればいいですけれども、今回のように日本全国でいつの間にかかなりの大不況になってきたというようなときに、いわゆる失業者、離職者、こういう人たちになかなか手が打てない。いつの間にかどんどん広がってきて、気がついてみると相当多くの失業者を出している、これが今かと思います。
 こういうときに、労働省としていろいろな状況把握をされて対応されてきたと思いますが、特に、平成九年度、金融不安を中心にしたいろいろな企業倒産があります。それに付随して、昨年一年あるいはことしの三月まで、全般としてどういう対応をされてきたのか、これについてまずお伺いしたいと思います。
#26
○征矢政府委員 不幸にして失業された方々につきまして、これは私ども全国の公共職業安定所におきまして最大限適切な職業紹介を行う。なおかつ、紹介して就職できない、そういう方につきましては、雇用保険の給付によってその生活の安定を図るということを基本として、この厳しい雇用情勢の中で、私ども、職業安定行政に全力を挙げて取り組んできているところでございます。
 そういう中で、ただいま先生御指摘ございましたように、日本経済、戦後の混乱期は別といたしまして、高度成長期以降いまだかってなかったような事態、そういう厳しい状況が出ているのも事実でございます。
 具体的には最近の金融破綻等に関連します一連の大型の倒産企業等の問題、これはいまだかってなかったことでございますが、経営が破綻した企業からの離職者に対します再就職支援につきましても、基本的にはやはり企業の自助努力ということが必要でございます。ただ、離職した方々につきましては、これは経営が破綻したことについて何ら責任もないわけでございます。
 そういう意味では、労働省といたしましても、関係行政機関、私どもの出先機関あるいは経済団体等をメンバーとします雇用問題の連絡会議等を具体的に設置いたしまして、離職者の方あるいは従業員の方の雇用の動向の把握、あるいは求人の要請、確保対策、そういう協議等を行い、求人確保、情報収集、提供等に努めてきているところでございます。
 各公共職業安定所におきましては、この連絡会議等におきまして把握した情報あるいは対応策の協議を踏まえつつ、具体的な求人開拓、求人情報の提供、あるいは就職面接会の開催等により、再就職の支援をしているところでございます。
 さらに、先般、伊吹労働大臣の指示を受けまして、いわば官民連携の初めての試みとして、特に就職の厳しいホワイトカラー中高年等の求人につきまして積極的に確保する必要性があるということから、ホワイトカラー等雇用支援ネットワークというような全国的なネットワーク、これは公共職業安定所、あるいは特に人材銀行等を中心としまして、関係団体と協力をしながら求人開拓をしていく、こういうものでございますが、そういうものをつくりまして、求人の確保に努めていく、求人開拓を進めていくというようなことも始めているところであります。
#27
○玉置委員 昨年の山一の倒産につきましては、大臣初め労働省の皆さん方がいろいろなところで活躍をされていること、我々も十分承知をしております。ああいうふうに大型倒産といいますか、大きな企業が倒産すると、確かに社会的な影響も大きいし失業者も一度にたくさん出てくるということでありますが、山一のように比較的能力のあるなしがはっきりするような業種というのはまだ引き取り手があるわけですね。ただ、山一の場合でも一般事務職の方はなかなか大変だと思うのです。
 そういう意味で、私いつも思いますのは、例えば求人の項目を見ておりまして、業種が大変大きく分かれ過ぎているのではないか、だから、専門職のランクづけ、こういうようなものがもうちょっと正当に評価されれば、もっと職種間での移動というものが可能じゃないか。この法律によります駐留軍の離職者の状況も、片方で退職者がたくさんありながら、解雇者数というのが出ている数字を見ておりまして、この中身をお聞きいたしますと、採用の職種が非常に限定をされて、習慣の違いで違う職種に移れない、だから一度解雇という状況になるのだ、こういうお話でございますね。
 私も、昔ある会社におりまして、資本自由化でアメリカの企業と一緒になる可能性が非常に強いと言われたときに、技術屋さんの場合は専門とい
うのがわかるわけですけれども、事務屋の場合は専門職がわからない。そういうときに何を評価するのかということでありまして、事務職というのは非常に幅が広い。最近でありますと、アナリストとか、それからコンピューターのソフトの開発とか、あるいはハードとか、あるいは統計とか、いろいろな分野に分かれていくわけでありますけれども、そういう専門的な業務がかなりふえております。そういう方も、私どもこういう職業にありますと、いろいろな仕事の紹介を頼まれることがあるわけですね。
 そういうときに、労働省の職業安定所、そういうところの業種分類を見ますと、細かく分かれているところとかなり大ざっぱなところと極端に差があるということがありまして、その業種分類がいかがかということと、それから、申し込まれる方の能力評価がどういうふうに分類されているのか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
#28
○征矢政府委員 具体的な公共職業安定所におきます状況の御指摘でございますが、求人票の中で、仕事の種類について、現状は確かに精粗あるのは御指摘のとおりでございます。非常に幅広い形での求人申し込みと、それから専門的に具体的なものというようなものとありまして、今後の課題としましては、やはりできるだけ中身がわかるようにすることも必要かと思います。ただ一方で、中小企業におきましては、いわば専門的という面よりは、全体的にいろいろなことをやるという意味で事務職とか販売職とか、そんな形での求人申し込みもあるのも事実でございまして、その辺は両面の対応を考えていく必要があろうかと思います。
 それから、本人の能力評価の問題につきまして、確かに我が国の場合には職種という考え方が労働市場の中でいわばきちんとしていない。言いかえれば弾力的である。終身雇用制の中で、会社の中でいろいろなセクションを移っていきながら定年まで働いていくというパターンでございますから、一つの職種に深くという形で対処しているという形になっておりません。したがって、職種の格付とか、それに応じた賃金というような形に必ずしもなっていないのは先生も御承知のとおりでございます。
 ただ一方で、仕事がきちんとされるためには、そういう専門的な能力、技能、そういうものが適切に評価されて、それが労働条件にきちんと反映されるということは、これはやはり非常に重要でございまして、そういう意味では、そういう点についてさらに対策を強化していくことも今後の課題であるというふうに考えております。
 安定所の窓口で具体的に相談する場合の能力評価等につきまして、これは客観的にこういうランクとか、なかなかそういうわけにもまいりませんものですから、職業相談をする中で、御本人の過去の経験であるとかあるいは経歴であるとか、そういうものをお聞きして、今後の方向等を相談する中で、求人票の中から適切なものを選んで紹介するというような形であっせんをしているのが状況でございます。
#29
○玉置委員 この間、数日前のニュースですが、どこかの自治体で管理職を募集されたというときに、いわゆる中間管理職ですね、五倍以上の人が集まってかなり優秀な人が選べた、こういう話があるのですね。そのときの応募も単なる管理職という形での応募だということで、かなりあいまいな表示で、片方ではどんな人が行ったのかなということを興味深く見守りながら一ああいういわゆる中間管理職が今非常に危険な状態にある。要するに、会社からも見放され、組合からも見放されということで行き場がない、それで再就職が非常に難しい、こういう状況でございます。やはりそういうふうに職種、能力の分析がかなり明快にされておれば、いろいろな仕事も、求人もそうですし、また評価も適正にある程度出てくるのではないかということで、できるだけ細かい状況把握をしていただくということも必要じゃないかと思います。
 欧米では、自分の能力を売り込み過ぎて、高く評価し過ぎて、かなり吹っかけているところもたくさんあるのですね。日本人の場合はそんなことは余りないと思いますが、少なくとも自己PRができて、要するに相手を見つけやすいという状況をぜひつくっていただきたいというふうに思います。
 それで、とりあえずは業種分類ということになりますが、最近の失業者の状況をちょっとお伺いしたいのですが、どういう状態ですか。製造業、サービス業、小売業、こういう分類だと思いますが、そういう分類別に、どういうところで今失業者がふえてきているかということをお伺いしたいと思います。
#30
○征矢政府委員 昨年一年間の感じを概括的に申し上げますと、具体的な数字は別にしまして感じを申し上げますと、これはもう先生十分御承知のことと思いますが、やはり一貫して減少しておりますのは製造業、やはり厳しい。特に、製造業の中で、御指摘のような中高年あるいは管理職、ホワイトカラー、そういうところが厳しい、そういう状況がございます。
 それから、年後半以降の厳しくなってきている状況としては、これも御承知のとおり建設業でございます。これは公共事業その他の影響で求人が減っているというようなことで状況は厳しくなっております。それから、それに反しまして、堅調に伸びておりますのはやはりサービス業、そういうところにつきましては、雇用者等も堅調に伸びてきている、こういうことでございます。
 トータルとしての雇用者についてどうかということになりますと、これは全体としてはマイナスのところをプラスの方が補っておりまして、平成九年ですと、大体四、五十万人は対前年同月でふえてきております。ただし、ことしに入りましてやや厳しさを増しておりまして、この増加が相当減ってきているという現状でございます。
#31
○玉置委員 労働省が毎月発表されております労働統計、これによりますと、年間の労働時間は減少、そして雇用は微増、パートは大幅増ということなんですね。パートが大幅増ということは、緊急に備えて常用の人たちをパートにかえてきている、あるいは増加分をパートにかえてきている、こういうことだと思うのですが、これからいきますと、雇用状況から見て、今の景気状況はどういうふうに判断されますか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#32
○征矢政府委員 二つの指標で見ますと、まず、完全失業率が三・五%というのは、我が国におきましては、戦後の混乱期を除きまして、統計開始以来最悪の水準である、それがなかなか改善されない、そういう現状であるというふうに考えております。
 それから、私どもの公共職業安定所の窓口で扱っております業務統計、これで見ますと、有効求人倍率が〇・六四倍ということでございまして、これも過去の数字から見るとかなり厳しい数字になると思います。ただし、過去最悪の数字は昭和五十年代の初めにおきます〇・五一倍という数字がございます。今回の不況におきましても〇・六一倍というような数字もございますが、それに近い数字になっておりまして、そういう意味では雇用情勢はかなり厳しくなっているというふうに考えております。
#33
○玉置委員 昨年の経済指標なんかを見ておりまして、四月から小売業が特に大変影響を受け始めて、製造業がだんだん生産調整に入ってきた。私どもは現場の声をすぐ聞きますから、予測も入っていましたけれども、その月その月で大体状況はわかるのですけれども、政府統計に出てくるのは非常に時間がかかるのですね。特に経済指標で、言葉を聞いてもわかりますように、「停滞」とか「足踏み」とかいうような感じで表現をされておりますが、それはもう私どもからすると三カ月以上おくれているような感じがするわけですね。だから、例えば五月、六月ぐらいのものが九月、十月になって初めてわかるというような状況で、今ごろ何を言っているんだという気持ちが非常に強いのです。
 では大臣、ちょっと暇そうでございますから大臣にお伺いしたいのですが、こういう統計によってそれを受けて動く業界がかなりあるのですけれども、そういうことを考えると、もっと早く反映させないといけないと思うのですね。経済閣僚の一員として、こういう指標を早く世に流して、それで対応を考えていただくという意味でも、今の発表のタイミングが実態と三カ月以上離れていることについて、どういうふうにしたらいいか、あるいはこれでいいのか、あるいはもうちょっと早くすべきか、そして的確な判断でそれぞれが動くわけですから、より反応がおくれてしまうということでありますので、その辺について御意見がありましたら、ぜひお願いしたいと思います。
#34
○伊吹国務大臣 政策判断も数字を見てやることが非常に多いですし、先生御指摘のとおり、特に政府という、ある意味では一番権威を持っていると考えられているところの統計数字によっていろいろな経営判断をなさるところもございます。したがって、御指摘のように、統計数字は私はできるだけ早く出した方がいいし、それによって御判断を迅速に願えるのがいいと思いますが、何分統計というのは、多くの数字を集めて、それを集計して、そして一種の分析を加えるわけですから、それに要する時間というものが今御指摘のような三カ月なのか二カ月なのか、もう少し何かやれる範囲があるのか。
 実は、経済企画庁長官が桜の花の咲くころ、桜の花の咲くころとよく申しますが、金融二法を国会の御判断で通していただいて迅速に動き始めると、貸し渋り現象というものがある程度緩和され、実体経済に、先ほど来御指摘になっているような将来に対する不安というものが消えてくるのは桜の花の咲くころだろうと私も思うのですが、企画庁長官に、数字が出てくるのは、しかし七月前なのではないのか、だから実体経済的な動きと統計上に出てくることの動きはちょっと時期的にはずれるということを申し上げておかないとということを言っておるわけです。
 どういう工夫ができるか、特に私の所管しております労働省の中で少しでも早く速報値みたいなものが一般に公表できるのかということは、おっしゃるとおりでございますから、検討させていただきたいと思います。
#35
○玉置委員 何かことしは桜が二週間ぐらい早まっているそうですから、それだけ早く景気回復するのではないかというふうに期待しておりますし、また今大臣がおっしゃったように、速報値が昔は結構流れていたのですけれども、今は後処理が早くなったものだから速報値を出さなくなったというのがありまして、その辺でかえっておくれているのではないかというふうに思いますので、ぜひまた閣議の中ででも発言いただいて、なるべく早い対応ができるような、そういう手だてをお願い申し上げたいというふうに思います。
 農水省に来ていただいておりますが、今回の漁業離職者の臨時措置ですが、お聞きしますと、今のところ十二品目についての指定が一応されておりますけれども、これから先、この間の日韓漁業条約破棄とかいろいろな問題がありました、また尖閣諸島をめぐって中国との関係とか、あるいは南太平洋あるいは大西洋、それぞれに大きな変動がありそうだというふうに情報はあるわけですが、具体的にこの十二品目の指定された業種といいますか、魚の状態ですね、それから、今後離職者を含めて、どう対応していくのか、どう動いていくのか。それから、片方でこういう離職者がたくさん出ながら、もう一つの心配は後継者問題というのが昔からあるわけでありまして、この辺にどう対応されるのか、時間が六分しかありませんので、その範囲でお答えいただきたいと思います。
#36
○林説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、マグロ類等の保存管理措置の強化でございますとか、日中漁業協定、日韓漁業協定の動き等厳しい状況が続いておりますので、今後においても引き続き漁業離職者が発生することは十分考えられるというふうに考えております。一方、我が国漁業につきましては、漁業就業者の減少、高齢化というものが顕著でございます。こうした状況が続きますと、まさに漁業生産力の維持そのものが困難になるという懸念があるわけでございます。
 そういう意味で、農林水産省といたしましては、漁業就業者の確保あるいは担い手の育成を図るという観点から、漁業就業者の確保のための体制整備をいたしまして、漁業労働力の需給情報の収集とか提供をいたす、あるいは漁業そのものの魅力をPRするといったことに努力をしておるところでございます。そもそも漁業就業者の育成確保を図るためには、漁業自体をやはりこれから魅力ある産業としていかなければいかぬということが非常に基本的に重要であるというふうに考えておりまして、ただいま申し上げた点以外にも、まさに適切な資源管理でございますとか、つくり育てる漁業、さらには漁業者の就業環境でありますとか生活環境の整備、こういった対策をしっかり行っていかなければいかぬというふうに思っているところでございます。
 こうした施策を通じまして、減船に伴って漁業離職者が発生した場合に、漁業離職者の持っておられた貴重な技術でございますとか体験を生かした他の漁業分野への就業といったことも含めまして、漁業就業者対策をこれからもしっかり行っていきたいというふうに考えております。
#37
○玉置委員 漁業は外国の価格と、いろいろ製品の値段を調べてみますと、大変な格差がありまして、これはやはり流通の問題だというふうに思うのですね。
 それで、たまたまきのうテレビを見ておりましたら、いわゆる動物性の脂肪を食べているネズミと、それから脂肪四%のネズミと、それから魚類の脂肪を食べているネズミとを比較すると、脂肪四%のネズミは一応血糖値が健康状態、そしていわゆる豚とか牛の脂肪を食べているのは血糖値が二倍以上だ。魚類を食べていると二〇%以内におさまるということで、健康上も非常にいいのじゃないかということを大分そのテレビの人たちは力説していましたけれども、日本人の動物性たんぱく質の摂取で見ると、かなり重要なウエートを占めていると思うのですね。
 そういう点から見ると、やはり値段もこれから考えていかなければいけないかといって漁獲量が適正に確保されないと困るということで、需給調整が、人も物も非常に難しい状態が続いていくと思うのです。そういう点で、いろいろな指標をうまく出されて、業界の方がそれに応じて動けるように、ぜひ新しい需給のシステムを考えていただきたい、こういうふうに思います。
 それから、私がつくづく思いましたのは、今、韓国の経済状態が非常に悪い。日本がIMFを通じて出資をするというのと個別に出そうという両方ありますが、ちょうどそのときに漁業協定を破棄するというような、タイミングが合ったわけですね。
 私どもから見ると、農水省は外務省を通じていろいろ交渉をされているわけでありますけれども、片方、大蔵省の方が韓国とこれまた外務省を通じてIMFの問題をやっているというふうなときに、同じ国なのに、なぜ片方ではけんかして片方では協調するかということがちょっとわからないのですが、大臣、そういうふうなものは閣議の中で出なかったのですか。IMFを出すのをやめて、韓国にもうちょっと話を聞いてくれという話ができそうなものですが、その辺が縦割り行政でありまして、部局が違うと人も知らないという、何となくそんな感じを受けたのですが、いかがでございますか。
#38
○伊吹国務大臣 恐縮でございますが、閣議の内容は一切お話ししてはいけないということになっておりますが、大体のことを申し上げますと、戦争状態にあるとか交戦状態にあるというようなことではございませんで、漁業分野においてお互いの意見の調整が必要である。しかし、韓国経済の困った状態が万一大きなことになった場合には、実は日本が一番困るわけでありますし、韓国に債
権を持っている多くの国が困るわけでございますから、国際協調の観点からIMFの中に日本も当然入って努力をしていく。そして、そういうこともまた韓国政府もよく考えていただいて、漁業交渉についても、お互いに互譲の精神でうまくいくだろうということは関係大臣の間では当然話し合いはなされていると思います。
#39
○玉置委員 時間が参りましたので終わりますが、縦割り行政ということではなくて、いろいろな関連の部署がたくさんあるわけですから、それぞれ十分情報を交換をしながらやっていただきたいと思います。
 では、終わります。ありがとうございました。
#40
○田中委員長 次に、河上覃雄君。
#41
○河上委員 この法律について何点か確認をいたしたいと思いますが、昭和三十三年に制定されました駐留軍関係離職者等臨時措置法、今回まで七回にわたって有効期限の延長を行ってきたわけでございますが、今回改めまして有効期限を延長する必要性ということについて、まず御見解を賜りたいと思います。
#42
○征矢政府委員 駐留軍関係離職者等臨時措置法等を延長する必要性いかん、こういうことでございますが、日本国内の米軍基地で勤務する駐留軍従業員の方々につきましては、米軍の展開によって労働事情が変化するため、その雇用は不安定であります。例えば、平成八年十二月に公表されましたSACOの最終報告におきましても、沖縄県における米軍の施設及び区域の一部の返還について盛り込まれておりまして、これらが雇用に与える影響も定かではございません。
 このような意味で、駐留軍関係従業員は常に失業の不安にさらされており、現在おられる方々につきましても、仮に失業された場合、その再就職は、年齢の高い方が多いことなどから難しい状況にあると考えられます。このため、私どもとして、法律の有効期限を延長して、引き続きこれらの方々に特別な対策を講じる必要があると考えており、今回の法案の御審議をお願いしているところでございます。
#43
○河上委員 防衛施設庁、いらっしゃっておりますね。
 何点か御確認させていただきたいと思いますが、駐留軍従業員というのは、使用者が在日米軍であるところから、働き方もアメリカンスタイル、このような形が専らだと思っております。細かく細分化された職種に長年従事してきている方が多いと思います。したがって、一たん離職をいたしますと転職の融通性というものに欠ける、こういう実態にあるのではないかと思います。また、高齢者の離職者も多いことなどから再就職が厳しい状況にある。
 このように一応承知はいたしておりますが、この駐留軍従業員の勤続年数は平均どのぐらいなのか、それから平均年齢、そして労働条件などの就業実態、過去五年間の離職者の発生状況、さらに今後の離職者の発生についての見通し、これらについて、あわせて実態をリアルに浮き彫りにしていただきたい。
#44
○小澤政府委員 ただいま先生からもお話ございましたように、在日米軍の従業員と申しますのは、雇用主は国、事実上は防衛施設庁長官になります、使用主は在日米軍という、いわゆる間接雇用の方式をとっております。その身分につきましては、私法上の雇用契約によりまして国に雇用されているものでありますけれども、国家公務員という身分ではございません。
 次に、勤続年数でございますけれども、平成九年四月一日現在での平均の勤続年数でございますが、十一・八年でございます。また、平均年齢でございますが、平均年齢は三十九・八歳というふうになっております。
 次に、労働条件でございますが、これにつきましては、生計費並びに国家公務員及び民間事業の従事員におきます給与その他の勤務条件を考慮いたしまして、防衛施設庁長官が定めるということになっております。
 そのうち、主なものをちょっと申し上げますれば、具体的に給与について申し上げれば、昭和三十八年以来、国家公務員のそれを基礎といたしまして、これに米軍基地での勤務の特殊性などを加味した給与体系というものをとっております。また、社会保険等につきましても、我が国の関係法令に基づきまして、健康保険、厚生年金保険、雇用保険等の社会保険制度が適用されているというところでございます。
 次に、離職者の状況について申し述べたいと思います。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法、現在御審議いただいています法律の適用される離職者、これはすなわち在日米軍の撤退とか部隊の改編等に伴って離職を余儀なくされる人でございますけれども、先ほどもちょっと申し述べましたけれども、平成五年度に九十六人、平成六年度に七十四人、平成七年度に八十二人、平成八年度に六十二人、平成九年度は十年二月現在で三十五人となっております。
 そこで、離職者の今後の見通しでございますけれども、これにつきましては、在日米軍従業員の雇用は、その使用者が在日米軍であることから部隊の移動とか撤退等の可能性があることから、長期的な見通しについては事前に把握するということはなかなか困難でございます。
 しかしながら、現在特に問題になっております沖縄の関係につきましては、SACOの最終報告で、ある程度の基地が返還される。そうしますと、そこに現在勤務している従業員が幾人かございます、これらにつきましてはその影響が生じるということが見込まれるということでございます。
 いずれにしましても、我々としましても、従業員の安定的な雇用については最大限の努力を払ってまいるということで臨んでいきたいと思っております。
#45
○河上委員 今お話が出ましたSACO最終報告によると、平成十九年度末までを目途として、沖縄県における米軍施設及び区域の約二一%が返還されることが盛り込まれているわけであります。
 この点について、地元の従業員を中心に雇用に対する不安もあるわけでありまして、この際、この対策の内容の見直しに伴って、有効期限も五年ではなくて十年というふうにしてもいいのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#46
○征矢政府委員 ただいま御指摘にございましたが、平成八年十二月に公表されましたSACOの最終報告において、平成十九年度末までを目途として、沖縄県における米軍の施設及び区域の総面積の約二一%が返還されることが盛り込まれております。
 この返還に伴います駐留軍従業員の方の雇用につきましては、従業員の削減がどの程度になるか、また基地の移転に伴う配置転換がどの程度行われるか等により影響を受けますので、今後の動きを見守り、適切な対応を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
 したがいまして、法の有効期限について、ただいま十年程度延長すべきではないかという御意見でございますが、私ども、これは過去制度発足以来五年ごとに見直しをし延長してきた、そういう経緯も踏まえまして、これまでと同様に五年間の延長というお願いをいたしているところでございますが、ただいまのような状況も踏まえ、五年経過した時点におきまして、さらに延長するかどうかにつきましては、その時点において駐留軍従業員を取り巻く状況等を踏まえながら検討したいというふうに考えております。
#47
○河上委員 全般の沖縄の雇用情勢、これも厳しいわけでございます。平成十年一月時点、これは前回、前々回と大臣とも若干議論をさせていただいた雇用失業情勢でございますが、全国平均の三・五%と比較しますと、沖縄は六・五という、ある意味では既にすさまじい数字になっておるわけであります。特に若年層の失業率が高いという特徴もある、このように伺っております。
 労働省はこれまで県外離職者の雇用促進等に努めてまいりましたが、県外からのUターンで戻っ
てくる若年層も多い状況にございますし、その意味では、今後、沖縄県の産業を振興する雇用機会の創出や確保をしっかりと図っていくべきであろうと私は考えますが、この具体的な対策について御見解を伺いたいと思います。
#48
○伊吹国務大臣 実は、普天間の基地返還の問題に関しまして、私、関係閣僚会議にも何度か出席をいたしました。その中で、今先生がおっしゃいましたように、沖縄の失業率は六・〇と、本土に比べると大変高い率。それよりも私が驚いたのは、若い人たちの失業率がべらぼうに高いということであります。日本の米国に対する日米安保条約上の義務を沖縄の方に、沖縄県に大変多くの御負担をおかけしたという中で、率直に申せば基地依存型の経済の仕組みができてしまっている。これはやはり、日本の安全保障というために御無理をお願いしている限りは、北海道から鹿児島までのすべての日本の国民がこのことに対して意を用いて、負担をして、改善しなければならない。全く今御指摘のとおりでございまして、沖縄開発庁長官も、いろいろ労働省にもアプローチをいただいております。
 そこで、河上先生にも御指導いただきながらやってきたわけですが、合同求人説明会の開催などに加えまして、沖縄県において雇用開発をさらに推進するため、若い人たちの雇用開発を行う事業主に対しまして、沖縄若年者雇用開発推進事業というものを行っております。それからまた、沖縄県の雇用開発推進機構による技能開発について財政的な支援を行っているわけでございまして、これは、基地を返還する、移転するからやるとかやらないとかということではなくて、やはり、今まで御迷惑をかけているということに対して、基地移転の推移にかかわらず、きちっとやらせていただきたいと私は思っております。
#49
○河上委員 私も大臣のお考えとほぼ同じ考えでございますので、この対策につきましては、ぜひともよろしくお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
 先ほども触れましたが、SACOの最終報告によって返還の対象となっている施設に在職している従業員は今後の雇用を御心配なさっていらっしゃると思います。
 そこで、雇用主であると防衛施設庁は申しましたから、雇用主である防衛施設庁は、返還に際して、できるだけ解雇者を出さないよう最大の配慮をすべきである、私はこのように考えますが、いかがでしょうか。
#50
○小澤政府委員 SACOの最終報告で日本側へ返還されるとされている施設のうち、在日米軍の従業員が雇用されているところは、瀬名波通信施設、楚辺通信所、キャンプ桑江、普天間飛行場及び那覇港湾施設におります。その人数でございますけれども、全体として約七百名ほどの従業員が当該施設等で働いておるということでございます。
 当庁といたしましては、できる限り移設先への配置転換等の措置により対応したいと考えております。このため、雇用に影響を受けると思われる従業員への意向調査、または関係自治体等も含めました意見聴取会を今実施しておるところでございます。
 なお、従業員が仮に離職をせざるを得ないという場合におきましては、関係法令に基づきまして、各種援護措置については万全を期したいと思います。
 いずれにしましても、私ども、在日米軍従業員の雇用主としての立場から、従来から在日米軍従業員の雇用の安定には努めてきたところであります。今後とも、米側とも緊密に連絡、協力をしつつ、沖縄県とも連携を図りながら、SACOの最終報告に伴います従業員対策については万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#51
○河上委員 ぜひ丁寧にやっていただきたい、こう思います。
 次に、漁業離職者に関する臨時措置法について若干御質問をさせていただきたいと思っております。
 この法律も、五十二年に制定されまして、その後四回にわたって有効期限の延長を行ってきたところでありますが、今回の改正に当たり、国際協定という側面から非常に配慮しつついろいろやっていかなければならないと思いますけれども、この国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する改正の趣旨、大臣はどのような認識で今回臨まれていらっしゃいますでしょうか。
#52
○伊吹国務大臣 先ほど駐留軍の問題につきまして政府委員から御説明申し上げたのと同様に、国の一種の意思決定によって失業者が出るという場合に、これは当然何らかの措置を国としてはしなければならないということで、この法律が国会の御決議をいただいて今動いているのだと思います。
 最近の漁業の状況も、必要があれば水産庁の方からお話をすると思いますが、日韓の問題がああいう状況になっております。それから日中の問題もございますし、またいろいろな魚類の種の保存というのでしょうか、中長期的に水産資源の有効利用ができるように余りとりすぎてはいけないというような動きもございますので、そういうことを考えれば、今回やはり延長をお願いするのが適当ではないか、こういう判断をして御審議をお願いしているところでございます。
#53
○河上委員 漁業関係の離職者も、これもまた大変なのですね。海でずっと働いていらっしゃいました。海上の職業に再就職するということも厳しいわけでありますが、さらに、陸上へ上がりますと、再就職についても全く異なる職業への転換ということも考えられますし、生活の基盤そのものがうんと変わってしまうというのは、海の上の方々の条件が大きく変わる一つの要素になっていると思いますけれども、その意味では、御苦労が大変多いと私も思います。こうした実情の中で、漁業離職者の再就職、そして失業中の対応、これは手厚い措置を講ずる必要があるのではないか、私はこう考えます。
 延長するに際しまして、この法律による特別の措置の概要につきましてお尋ねをしておきたいと思います。
#54
○征矢政府委員 ただいま御指摘の漁業離職者の方の再就職の促進及び失業期間中の生活の安定を図るための特別の措置でございますが、一定の要件に該当する漁業離職者に対して漁業離職者求職手帳を発給し、特別の職業指導を実施する等により再就職の促進を図る、四十歳以上の手帳所持者に対しましては、船員保険失業保険金の給付日数について九十日間を限度とする個別延長を行う、手帳所持者に対して、雇用対策法の規定に基づき、就職促進手当、訓練手当等の給付金を支給する、公共職業安定所の紹介により四十五歳以上の手帳所持者を常用労働者として雇い入れた事業主に対して、特定求職者雇用開発助成金を支給する等の特別措置を講じているところでございます。
#55
○河上委員 これまで、北洋漁業における旧ソ連による漁業規制やあるいは公海の漁業規制などによって減船を余儀なくされてまいって、多くの漁業離職者が発生をしてまいりました。また、最近、我が国の漁業をめぐる国際環境の変化についても依然として厳しい実態下にあるわけでございますが、過去の減船等に伴う漁業離職者対策としてこの措置法がどのように運用されてまいったのか、運用実績についてお尋ねをいたしておきたいと思います。
#56
○征矢政府委員 漁業離職者の方のうち陸上への職業の再就職を希望する方につきましては労働省が対策の実施を担当しているところでございますが、昭和五十三年の法施行以降の運用状況を見ますと、これまでに千二百九十七人に漁業離職者求職手帳を発給し、そのりち六七・二%に当たります八百七十一人の方が手帳の有効期間内に再就職いたしております。
 また、漁業離職者のりち船員への再就職を希望する方につきましては、これは運輸省が対策の実施を担当しているわけでございますが、これまでに一万三千二百六十九人に手帳を発給し、うち四五・四%に当たります六千二十九人が手帳の有効
期間内に再就職しているという状況でございます。
#57
○河上委員 農水省いらっしゃっていると思いますが、最近の漁業をめぐる情勢、国際環境に関しまして、今大臣からもお話がありましたが、非常に大きな問題としては、日中漁業協定、それと日韓漁業協定の改定問題がございます。日中漁業協定については新協定の署名が行われましたが、日韓漁業協定についてはいまだ予断を許さない状況である。日韓漁業協定の具体的措置内容によっては、関係する漁業にはかり知れない影響が生ずることも予想されるわけでございまして、やや慎重に今後見ていかなくてはならない。
 それで、それぞれの協定の動向、現時点でどのようになっているのか、それに伴って今後発生する離職者の状況、どうとらえていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
#58
○石木説明員 お答えいたします。
 まず、中国との間でございますが、委員御指摘のように、昨年、新たな日中漁業協定に署名がされておりまして、今国会において締結の承認をお願いしているところでございます。
 内容的には、原則として、いわゆる沿岸国主義に基づく相互入会措置をとるということ、それから東海の一部の水域におきまして共同管理措置をとるというような内容でございます。
 私どもといたしましては、本年中に発効できるように期待しておるところでございます。今後、発効までの準備といたしまして、日中両国周辺の相互入会水域におきます操業条件、それから東海の一部に設定される暫定措置水域における資源管理の方法につき協議をしていくということになっております。
 そういうことでございますが、新たな協定が発効すれば、中国の周辺でのいわゆる相互入会水域においては、日中漁業共同委員会の協議を経まして、最終的には中国側の決定によって漁獲量制限が行われるということ、それから、先ほど申しました東海の一部水域の暫定措置水域におきましては、その共同委員会によって水産資源の量的管理の決定が行われるということでございまして、我が国漁業が新たな規制を受けるということになると思います。ただ、実際にどの程度の規制を受けることになるかにつきましては今後の協議の結果によるということでございます。
 我が国漁業への影響について注視していく必要があるということは、委員のおっしゃるとおりだと考えております。
 それから、日韓漁業交渉でございますが、一昨年に国連海洋法条約を締結しまして、過去二年近く交渉を重ねてまいりましたが、いまだに合意に至っておりません。このままでは国連海洋法条約に基づく我が国二百海里水域内の資源管理ができず、引き続く韓国漁船の違反操業に対し漁業者の不満も頂点に達しております。また一方では、日中漁業協定の方は新たな協定が既に署名されておりまして、中国漁船については資源管理の規制が行われるということになっておりますので、韓国漁船のみいつまでも放置できないという状況になっております。
 こうした状況のもとに、いつまでも見通しの立たない交渉を続けることは許されないということで、新しい協定締結に向けての、いわば期限を明確にするという趣旨で、現行の協定に定めるところに従いまして先般現行協定の終了通告を行ったところでございます。
 終了通告後一年間は現行協定が有効でございますので、国連海洋法条約に基づいた水産資源の保存、管理を図るための新協定が締結できるよう、今後、外交ルートや民間協議を通じ交渉再開に向けて努力してまいりたいと考えております。まだ内容はこれからということでございます。
#59
○河上委員 最後になりますが、今後とも国際協定の中で規制が強化されていくことが予想されます。今御報告のとおりでございますし、漁業をめぐる状況というものは一層厳しい環境になると思われます。この状況は、いずれにいたしましても個人や企業で対応できない問題でございますから、国として離職者に対する特別な配慮をする必要がある。これは、大臣もさっき御答弁いただきましたが、ぜひとも、国際協定という国の政策によって離職等を余儀なくされた場合、これらの対策を強力に進めていく必要があるのではないかと思います。
 これらの状況を通して、漁業離職者等の今後のあり方、そして今後の対応について、最後に大臣の御見解をいただいて終わりたいと思います。
#60
○伊吹国務大臣 本法の趣旨は今先生が御指摘になったとおりでございますので、予想される厳しい状況ができるだけ顕在化しないように、これは外交当局と水産庁に最大の努力をしてもらうということが前提でございますが、不幸にして難しい問題が生じた場合は、法律によって負託を受けている範囲内で行政として全力を尽くすことをお誓いいたします。
#61
○河上委員 終わります。ありがとうございました。
#62
○田中委員長 次に、青山丘君。
#63
○青山(丘)委員 最初に、防衛施設庁にお尋ねしておきたいと思います。新聞のニュースで、米軍基地内のことであろうと思いますが、駐留軍関係従業員、基地従業員の方がアメリカ軍人のトイレを使うことができない。恐らく基地従業員用のトイレが他にあるのかもしれませんが、アメリカ軍人用のトイレを使うことも許されておらないというニュースがありました。恐らく間違いではないかと私は思いましたが、そのときの率直な印象は、本当かなという気がいたしましたが、このあたりはつかんでおられますか。
#64
○柳澤説明員 ただいまの先生御指摘のニュースそのものは私ちょっと見ておりませんが、私は、労務部長という立場で労働組合や県の労務管理事務所の皆さんと絶えずいろんな意見交換もしておりますし、現場レベルのいろんな苦情もいろんな形で聞いております。中で、今御指摘いただいたようなことは私はまだちょっと聞いたことがございません。
 私の承知している限りでは、特に従業員用のトイレと米軍人用のトイレとはっきり分けていることも私はないと思います。ただ、何かそういうことが仮にあるとすれば、危険防止上特定の者しか入れないような区画がございます、そういう中のトイレは、当然やはりクリアランスを持った人間でなければ入れませんし、もう一つ考えられますのは、将校クラブとかレストランのような職場もございます、そういうところでは、米軍人用といいますよりはお客さん用のトイレと分けているようなケースはあると思いますが、今御指摘いただいたような事実、そのような形での区別がされているということは私は承知しておりませんし、多分何かの間違いではないかという感じがしております。
#65
○青山(丘)委員 率直に私の印象は、今申し上げたようにそんなことがあるはずがない。民間会社でも、役員用のエリア、普通の従業員の方が働くエリア、ビルの中でも階で分かれていたり、基地ですから特殊なエリアもあったりするのかもしれませんが、日本人の従業員が基地内で働いていて差別を受けているような報道について、もしその報道が事実であれば、この事実関係をただしていき、是正していく必要があります。
 これは労働組合も取り組むべき課題でしょうが、関係者もこの種ニュースを見過ごしてはいけない。誤字脱字のたぐいではなくて、ニュースの内容が違っておる場合は事実と違うんだということをやはり追及していかないと、活字を読んだ人たちは、駐留軍の中では随分日本人はひどい仕打ちをされているんだなという印象を受けます、そのまま見過ごしてはいけないことでございます。つまり、正しい認識がないと、国全体の正しい方向を見誤るようなことになってはいけませんから、その点はぜひひとつ、この報道についての真偽はただしていただきたいと思います。
#66
○小澤政府委員 ただいま労務部長からもお答え申し上げたとおりでございますけれども、ただいま先生からのお話もございますので、その報道等
についての調査をしてみたいと思っております。
#67
○青山(丘)委員 後で今のことをもう一回ちょっとだけ触れさせていただくつもりでおります。
 駐留軍従業員の今の仕事の実態をどう受けとめておられますか。基地の縮小で離職を余儀なくされる人々の気持ち、既に離職を前提として再就職の職業訓練をされていたり、その後のいろんな手当てや指導をして訓練もしてきておられますが、そのあたりについて御説明をいただきたいと思います。
#68
○小澤政府委員 お答え申し上げます。
 駐留軍の従業員の方々とは、ただいま労務部長からもお話がございましたように、月何回か実際の意見交換をする等の場を設けまして、従業員の意見の収集に努めております。また、各都道府県の渉外労務管理関係の方々とも定期的な会合等を持ちまして、従業員の方々が実際にどのようなお考えでおるかということにつきましても、我々としても意見を聞いておるところでございます。
 そのうちで、従業員の方々からすれば、現在国家公務員並みというふうな一つの大きな給与上の前提がございますので、それに対しては、大変我々としては安定的雇用を図れているということでそれなりの評価をいただいているんではないかというふうに思っております。
 そこで、先生からただいまお話がございました離職を余儀なくされる人の状況等でございますけれども、最近の五カ年間で見てみますと約百人弱というところでございまして、平成九年度におきましては、十年二月現在でございますけれども、三十五名程度というふうになっております。
 また、離職を余儀なくされる方等の離職前の訓練につきましては、我々は、再就職を容易にするということでございまして、在職中にいろいろな訓練等を実施してございます。平成八年度の状況について見ますと、自動車運転等の十種目について職業訓練を行っておりまして、訓練した対象人員はおおむね五十九人となっております。
 また、今後の駐留軍従業員の雇用の安定を図るという意味から大きな問題になろうかと思いますのが、先ほども御論議がございましたSACOの関係でございます。これにつきましては五つほどの施設が対象になりますけれども、ここにつきましては、約七百人の従業員についてできる限り移設先への配置転換等の措置により対応していきたいというふうな考えで今対応してございます。そのために、雇用に影響を受けると思われる従業員への意向調査とか意見聴取会を実施して、従業員の意向の把握に努めておるところでございます。
#69
○青山(丘)委員 沖縄の基地労働者たちで組織する全駐労沖縄地区本部が、米軍基地の撤去を方針として掲げることはできない、こういうふうに決められたのが昨年の八月であります。やはり雇用不安にはかてない、雇用を守らなければならない、これは人間としてよくわかることですが、しかし、それでも沖縄の基地労働者たちは、みずからの職場の撤去を求めるというジレンマの中で反基地闘争を進めてきました。こうした深刻な苦しみの中でも、それでも我々は答えを出していかなければなりません。
 その点で、SACOの最終報告が示されましたが、沖縄の米軍施設の一部返還による雇用への影響、これを今どういうふうに受けとめておられるのかが一点。
 それから、沖縄県の方針で自由貿易地域化、全島を自由貿易にしていきたいというような考え方が示されております。これは経済振興対策として沖縄県の一つの考え方が示されておるんだろうと思いますが、そのことが雇用の安定にどういうかかわりを持っているか、労働の円満な移動というものが図られなければなりませんが、職業訓練の問題もあり、かつ労働移動について沖縄県がどのようなシミュレーションをしてその方向へ進めていこうとしているのかを、労働省あるいは防衛施設庁、つかんでおられるのかどうか、このあたりはいかがでしょうか、二点。
#70
○小澤政府委員 お答え申し上げます。
 まず、前段部分について防衛施設庁の方からお答え申し上げます。
 防衛施設庁といたしましては、雇用主という立場でございますので、従来から在日米軍従業員の雇用の安定には努めてきております。今後とも、SACO報告等も踏まえまして、米側と密接に連絡、協力をとりつつ、また沖縄県とも連携を図りながら、雇用の安定的確保については最大限の努力を行ってまいりたいと思っております。
 なお、仮に従業員が離職することとなる場合、我々はそのようなことがないように頑張っていきたいと思いますけれども、そのような場合にもまた各種援護施策、これにつきましては、SACOの進展状況等を見ながら、現在御審議いただいていますこの臨措法での離職前の職業訓練の実施とか特別給付金の支給について万全を期していきたいと思っております。
 なお、沖縄県のマスコミ等では、八八%が返還後も基地で働きたいというような調査等も出ております。我々、これもよく頭の中に入れながら、従業員対策については万全を期していくという方針で臨んでいきたいと思っております。
#71
○征矢政府委員 先生御指摘の第二点目の問題につきまして、これは高度の政治課題でございまして、どうするかについてはお答えは申しかねますけれども、仮に沖縄県で検討しておりますようなことが実現した場合に雇用にどう影響を与えるかという点になりますと、これは、いずれにいたしましても、新しい産業活動が興れば必ずそれに雇用が伴うわけですから、雇用が活発化する、そういうふうに思います。
 ただし、雇用の中身が相当違うとすれば、そこに就職するためには、必要な能力開発、職業訓練、これが非常に重要課題だと、若い方は別にしまして、中高年の方についてはそういう課題があるというふうに考えております。
 なお、沖縄県につきましては、地元の御要望も踏まえまして、私どもの雇用促進事業団の職業能力開発施設につきましては、来年度、職業訓練大学校をつくる方向で予算措置をいたしております。
    〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
#72
○青山(丘)委員 先ほど駐留軍関係従業員の働く環境について少し触れましたが、もし、彼らが仕事の中で屈辱を感じながら働いていたとしたら、そういう人たちに献身的に働いていただきたい、という気持ちを持ってもらいたくても、それはなかなか難しいこと、大変なことだなという印象を実は持ちました。
 それは、駐留軍関係従業員は、いろいろな特殊性がありまして、先ほどの議論の中にも出ておりましたが、離職者になられる方が高齢化している、普通の民間会社でもそれは言えるのかもしれませんが、新しい職場で、海から陸に上がられる離職者の方も同じような苦しみがあります。あるいはそちらの方がもっと大変かもしれません。けれども、率直に申し上げて、日本の雇用関係とはかなり違っている雇用慣行の中で、雇用形態の中で働いてきておられる。仕事が九百二十八種類に細分化されておるようでして、仕事が細分化されればされるほど、先ほども議論がありましたが、簡単な作業や労務にだんだんなっていく。簡単というのは、細分化されると専門化していって強さが出てくるという一面もありますが、しかし、働く人の立場からすると、そこしか使えないという人になっていってしまって、全体の機能の中では弱くなっていくのではないか、そこに生きがいがなくなっていくようなことがあってはいけない。つまり、誇りや名誉を持って働いていただけるような環境になっておるのかという点を心配します。
 これは防衛施設庁か労働省か、防衛施設庁、どんなぐあいでしょうか。
#73
○柳澤説明員 二つの側面からの先生の御指摘だと思います。
 一つは、いわゆる日本人であるがゆえに不当な差別待遇があるのかどうかということでございます。これは、先ほどトイレの例でも申し上げましたけれども、確かにいろいろ現場レベルの人間関
係の行き違いといったようなケースは私どもも何例か承知しておりますが、いろいろ突き詰めていきますと、大概の場合は、いわゆる人種差別とかあるいは制度的な構造的な差別といったようなことではなくて、これは非常に言い方は不適切かもしれませんが、どこの職場でも物わかりの悪い上司といったようなタイプの監督者はございます。突き詰めていくと、どうもそういう人との行き違いとかあるいは言葉のニュアンスの差のようなことが多いように私は思っております。仮にひどい事例がございますと、現地の渉外労務管理事務所の方で現地の米軍とかけ合って、そういう監督者はかえてもらうとかいうようなことも現にやっております。
 それから、もう一つは、仕事の内容の問題でございますが、これは、アメリカの労務管理といいましょうか、特に米軍の軍人などと一緒になって仕事をするわけでございまして、非常に具体的に仕事の中身が規定をされております。そのことは、一面、仕事の定量性といいましょうか、思いもかけない余分な仕事をさせられるということがないという意味では労働者の立場を保護するものでもございますけれども、他面、非常に単純な業務に終始するということも確かにございます。
 もう一つは、そういう仕事ごとに実は給料が決まっておるものでございますから、処遇改善という観点からも、私ども、今米軍の方とも、より上位の職務ができるような形で、その職務内容の見直しというのは、これは米軍の方からもいろいろなニーズに応じた提案がございますし、我々の方も、さらに処遇改善の観点も兼ねまして、その職務内容の見直しを絶えずやっております。
 基本的に米軍のシステムの中で働いているがゆえの細分性という問題はなかなかクリアできないわけでございますけれども、一歩一歩改善の努力は今後ともさせていただきたいと思っておるところでございます。
#74
○青山(丘)委員 あるいは私の方が正しい認識がなければ、それはそれで指摘してまた教えていただきたいのですけれども、働く人々が仕事に誇りを持って、充実感を持って働いていただきたい、それがまた仕事に対しても献身的に取り組んでいただくことができる。時に屈辱を感じながら仕事に対して誠意を持って働くなどということは、これはなかなかできることではありません、心を持っている人間として。そういう人たちが職を去るというときは、これはもっと複雑な思いで去っていかれるわけですから、制度としてはできるだけ手厚く、そういう意味で、今回また新たに延長されることを私は評価しますが、ぜひひとつ運用の面で十分配慮していただきたいと思います。
 現在、この臨時措置法に直接かかわりがあると言えるかどうかわかりませんが、米軍基地が多い沖縄県においては、若年層を中心に失業率が非常に高いと言われています。これは全国的にも言えることなのかもしれませんが、沖縄においてはどういう理由が考えられるのでしょうか。また、若年層の雇用対策を進めるに当たって、どのような方針を持っておられるのか、また取り組んできておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#75
○征矢政府委員 沖縄県におきます雇用失業情勢でございますが、平成九年平均の完全失業率が六%と、全国平均の三・四%を大きく上回るなど、依然として厳しい状況にあり、その内容を見ますと、三十歳未満の若年者が失業者の約半数を占めるという特徴がございます。
 その原因でございますが、二つほど考えられまして、一つは産業の事情でございます。沖縄県内の産業構造が、サービス業、卸・小売業など第三次産業を中心とした小規模企業で占められておりまして、雇用吸収力が弱いこと、これは水等の関係でなかなか工業立地が難しいという問題点がございます。それから二点目は、今度は若年者の意識の問題でございまして、学卒者の方の県内志向が極めて強く、一たん県外に就職しましてもUターンが多数に上る、こういう事情がございます。そんなことが若年者の失業率の高い原因ではないかと考えております。
 その対策といたしましては、沖縄県内の産業の振興と一体となった雇用機会の創出を図るということが非常に重要でありますが、あわせて、職場定着指導などを推進することが重要であるというふうに考えております。
 このために、若年者の雇用開発を行う事業主に対して、これは地場の特性を生かした産業等を興して、それに若年者の方を雇っていただく、その場合に賃金の一部などを助成する、沖縄若年者雇用開発推進事業と言っておりますが、そんなのを行っております。また、若年者就職相談員の配置による就職の相談、援助の実施、就職指導教諭のための職業セミナーの開催等の就職指導等を行っているところでございます。
#76
○青山(丘)委員 沖縄の失業率が六・五%、全国平均が三・五%。全国平均の三・五%も大変高いのですが、沖縄の失業状態は極めて深刻な状態だと受けとめるべきだと思います。また有効求人倍率も、沖縄では〇・二〇倍、全国平均が〇・六四。今局長がおっしゃられたように、なかなか難しい。雇用吸収力のある産業が十分育っておらない。したがって、若い人たちに職業能力をつけてもらっても、働く先は、県外へ出て、本土へ入ってしまうというようなことになってきておるような難しい状況だろうと思います。それだけに、基礎的に沖縄の産業、これは第一産業も第二次産業も第三次産業も含めて、やはり総合的に経済の振興を図っていく、労働省としてもそういう立場に立って、労働大臣もひとつ、経済全体の中で沖縄対策を考えていただけるようにお願いしたいと思います。
 最後に労働大臣に、今回もまた法律を五年延長するに当たって、労働大臣の決意をひとつお聞かせいただきたいことと、さっきも話が出ておりましたが、特に我が国の漁業をめぐる国際環境、日中漁業協定関係、日韓漁業協定の動き、なかなか厳しい状況にあります。漁業の離職者対策は、ほかの船に移れればよろしいのですけれども、おかに上がらなければならないかもしれない。そうなると、どうしてもいろいろな雇用失業施策が必要になってきます。その意味で適切に講じていただかなければならない、このことが非常に重要になると思いますが、この点も含めて、最後に、労働大臣の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
    〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕
#77
○伊吹国務大臣 ただいま御提案申し上げております二法の延長につきましては、いずれも、政府の条約あるいは安全保障上の意思決定によりまして生じている問題でございますから、全国民の見地に立って、全国民の財源で必要な措置を講じていくことは当然だと思っておりますし、ただいま先生から御指摘がございましたように、単に法律ということだけではなくて、その運用にやはり適切を期しませんと、新聞記事にあったようなことがもし真実であるとすれば、人間としてまことに尊厳を失われることであると私は思いますし、五年間御延長願って、そして、国会から与えられたその権限の中で、実行上、我々としては、御趣旨に沿って万全を期していく決意でございます。
#78
○青山(丘)委員 ありがとうございました。
 質問を終わります。
#79
○田中委員長 次に、金子満広君。
#80
○金子(満)委員 限定された時間ですから、端的に質問をさせていただきます。
 出されている駐留軍関係離職者等臨時措置法などについて一部を改正する、これはこれとして理解できますが、これに関連して、今後の問題もありますから、幾つかの点について質問をさせていただきます。
 言われているように、離職者に対する再就職の促進とか生活の安定、これはそのとおりであり、もっと力を入れていく、こういうことを前提にして伺うわけですが、まず、米軍基地で働いている日本人労働者の数について、これは施設庁の方だと思いますけれども、先ほども言われ、また国会に出されている衆議院労働調査室の資料でも、昨年末で二万四千八十六名ということになっております。
 そこで、同じ時期における在日米軍人の数と家族の数、おわかりになりましたら知らせていただきたいと同時に、陸海空、海兵隊の内容もわかれば報告してほしいと思います。
#81
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。
 まず、一般的な米国の軍事力の展開でございますけれども、冷戦の終結以来、アジア・太平洋地域における米軍の戦力につきましては、一定の調整を実施しつつも、現在の安全保障情勢のもとで米国のコミットメントを守るためには、日本におけるほぼ現在の水準を含めて、この地域におきましては約十万人の前方展開兵力を維持していくということで確認をしてきております。
 このような中で、我が国に駐留いたします米軍兵力の実員数は、昭和六十二年から平成九年までの間におきましては、おおむね四万一千人から四万九千人程度の幅の中で変動をしております。これは米軍の運用上の都合などによるものでございまして、場合によっては短期間のうちに一時的に大きく変動することもありますけれども、このような移動というものは、機動性という軍隊の属性上自然なことであると思います。
 ただいま御質問の中にございました家族数でございますけれども、家族単位で幾つということは私どもの方で把握もしておりませんし、そういった統計はとってございません。
 また、ただいまの御質問の中の、それぞれの軍の所属の内訳でございますが、先ほどの御説明にもございましたとおり、一定時点をとらえて申し上げますれば、一九九七年の六月末の在日米軍などの兵力数ということで御説明をさしていただきたいと思いますけれども、本土と沖縄で別々にとっておりますが、まず、陸軍につきまして、本土においては九百六十六名、沖縄においては八百四十二名の合計千八百八名。海軍につきましては、それぞれ四千四百七十六と千三百八十五で合計五千八百六十一。海兵隊につきましては、それぞれ三千十と一万六千百八十一で合計一万九千百九十一。空軍につきましては、七千二百七と六千九百十三で合計一万四千百二十。この時点での総数は四万九百八十ということになります。
 以上でございます。
#82
○金子(満)委員 家族の数も、例えば思いやり予算で米軍の家族の住宅もつくっているわけですから、ぜひそれも掌握して別な機会に報告をしていただきたいと思います。
 そこで、米軍基地で働く日本人労働者について、間接雇用という言葉がよく使われます。先ほどもそういうお答えがありましたけれども、それは、直接は政府、施設庁が採用して雇用主になって、そして日本人の労働者を基地に派遣して働いてもらうということで解釈してよろしいんですか。
#83
○小澤政府委員 お答えいたします。
 雇用主は国でございまして、直接的には施設庁長官が雇用主になります。使用者としては在日米軍がなります。
#84
○金子(満)委員 雇い主はいわば日本政府ということになるわけですね。それで働いている場所は米軍基地の中ということにこれは当然なるわけですけれども、そこで、基地労働者の労務費の問題。この労務費、つまり賃金とか諸手当、その負担は現在は全額日本負担ということになっている、こういうように解釈してよろしいんですね。これは施設庁でも外務省でもどちらでも結構です。
#85
○柳澤説明員 今先生指摘された点につきましては、平成七年の特別協定に、基本給その他諸手当の全部または一部を日本側が負担するというふうに規定されております。ごく大きくはほぼ全額を負担ということでございますが、一応予算計上の方法ですとかあるいは負担の限度というものも別途決められているという意味では厳密には一〇〇%ではございませんが、大部分を負担しているという状況でございます。
#86
○金子(満)委員 解釈はいろいろありますけれども、一〇〇%ではないがといったら、じゃ九十何%か。実際は労務費は九五年から全額日本負担になっていることは別に隠してもいないことだし、それはそのとおりだと思うんですね。それが特別協定でやられているということも事実であるわけですね。
 それでは、全額負担してどのくらいの総額になるのか、日本円でお答えいただけますか。
#87
○小澤政府委員 お答えいたします。
 ただいま御審議いただいております平成十年度の予算案では、一千四百八十一億程度が労務費の負担としてのお願いしている額でございます。
#88
○金子(満)委員 六〇年に安保条約が改定をされた、同時に日米地位協定ということで合意が成ったわけですね。その二十四条はもう繰り返しあらゆる場所で問題にされていますけれども、二十四条で、経費の負担という項目では、日本の国内で合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は、二に規定するところ、二というのは基地の施設・区域その他を言っているわけですけれども、この二に規定するところにより日本が負担すべきものを除くほか、この協定存続期間中日本国に負担をかけないで米国が負担することが合意されているわけですね。
 ですから、米軍がそういう点では負担しておったわけです。それが、いろいろの経過はあるでしょうけれども、一九七八年当時の防衛庁長官、金丸さんがやっていたときに、米側との話し合いの中で、米側の意向を入れて、条約にも協定にも義務はないけれども、俗称思いやりとして一部を負担するということになったんだと思うんですね。そういう中で負担の額がだんだんふえてきて、八七年に特別協定、そして八八年にも特別協定、そして九一年にも特別協定の改定改定をやって次々に負担の額がふえて、九五年には全額になったというのが経過だと私は思うんですね。
 言ってみれば、結果から見て、アメリカの要求は次々に実現をした、日本政府はそれを受け入れたということになると思います。これは事実の経過ですから消しゴムで消えるわけじゃないんですね、数字ですから。お認めになると思いますが、どうですか。
#89
○小澤政府委員 労務費の駐留経費負担の推移等についてお答えさしていただきます。
 在日米軍駐留経費が、昭和四十年代後半からの我が国の賃金、物価の高騰や国際経済情勢の変動等により相当圧迫を受けて窮屈になってきたことを背景といたしまして、我が国は、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の効果的な活動を確保するため、ただいまお話がございましたように、昭和五十三年度から福利費などを、昭和五十四年度から国家公務員の給与条件に相当する部分を超える格差級などを負担してまいりました。その後、日米両国を取り巻く経済情勢の変化により在日米軍駐留経費が急激に圧迫されている事態にかんがみ、昭和六十二年六月に特別協定を締結し、調整手当等八手当の全部または一部について負担を行ってまいりました。さらに、日米両国を取り巻く諸情勢の変化に留意しまして、在日米軍の効果的な活動を確保するため、平成三年四月に特別協定を締結し、同年十月から、調整手当等八手当の負担に加え在日米軍従業員の基本給等の全部または一部を負担することとしました。さらに、平成七年十二月には、平成三年の特別協定の期限切れに伴いまして現行特別協定が締結されまして、平成八年四月以降も在日米軍従業員に対する給与の支払いに要する経費の全部または一部について現在負担しているところでございます。
#90
○金子(満)委員 地位協定二十四条の条文は全然変わってないんですよ。それで、解釈をしながら、実際は内容を全部変えていっているんです。これを私は手練手管と言うんです。これは国民を惑わすだけじゃなくて、私は、実際は真実を隠していると思う。二十四条というのは、日本は持たなくてもいいようになっている。それを一つ一つだんだんだんだん持って、全部負担するようになるわけですね。これは非常に重大な問題になって
いると思います。今読まれたように解釈はいろいろつくんだと思うんです、理屈は後から幾らでもつくんです。しかし現実は変わらない。日本が負担している金額もさっき報告されたとおりなんだ。
 こういう中で、これはちょっと表現が極端かもしれませんけれども、全体の経過を見ると、日本が一つ譲れば向こうは二つ譲ってくれとくるんです。二つ譲ったら次々に全部よこせ、極端に言えばそうなってしまう。その都度返事をしてきたのが現実だと私は思うんです。こういう点は、私は国会も国民の前に事態を明らかにしていく必要がある。どの時期にだれがやって責任なんて、そんなこともありますけれども、そうではなくて、長い歴史の経過はそういうことを浮き彫りにしているんだと思うんですね。
 そして九五年から全額負担になって、じゃ翌年九六年、おととし何があったか。ここでできたのが日米安保共同宣言じゃないですか。そして、米軍基地の機能は強化するし、兵力は維持する、先ほど言った数字がそのとおりなんです。そして、極東の範囲はアジア・太平洋地域に広がった、そうして新ガイドラインに道をあけたことも、いい悪いの解釈はそれぞれあるだろうけれども、事実はそうだと思うのです。
 私は、そういう中で、なるほど大変なことになっているなと思って、沖縄にも私はたびたび行くわけですけれども、そのときに、共同宣言の中の最初の項、一の項の中に次のような文章があります。これは総理大臣と大統領が合意したということでよく言われていることでありますけれども、こういう一項の結びがあるんです。「総理大臣と大統領は、この同盟関係」、この同盟関係とは日米安保体制のことだと思うんです、「この同盟関係を支えている人々、とりわけ、米軍を受け入れている日本の地域社会及び、故郷を遠く離れて平和と自由を守るために身を捧げている米国の人々に対し、深い感謝の気持ちを表明した。」というくだりがあるんです。
 いろいろ解釈はあるけれども、これはもう活字なんです。全世界に広がっているんです。全額日本人労働者の労務費を負担した上で、さらに今度は共同宣言で基地を強化する方向が出る。その上に米軍、米国人に感謝をするとまで言っているんです。これはだれが考えても理解できませんね。これを理解するという人は、相当何か腹になければ理解できないんです。こういうのが現実の問題としてやられているということなんですね。
 そして、去年九月にあの新ガイドラインですよ。その内容はここでは申し上げませんけれども、そのガイドラインが発動されたときに日本人の基地労働者がどういう仕事をさせられるか、ここに大きな問題が出てくると思うんです。
 さてそこで、雇用主は防衛施設庁です。日本の法律は米軍基地の中に一般的に適用されていないと思いますが、どういう状況ですか。これは施設庁でも外務省でもいいです。
#91
○小澤政府委員 先生のただいまの御質問の趣旨は駐留軍従業員に対しての法律云々の話でございますれば、原則的に労働基準法等は適用されているというふうに我々は解しております。
#92
○金子(満)委員 米軍基地の中で働いている日本人労働者に対しては、日本国の憲法からあらゆる法律から労働基準法まで全部適用されているんですか。だとすれば団体交渉権というものはどうなんですか。
#93
○柳澤説明員 日本の労働法令などが適用されることは地位協定にも書いてあったと思います。
 労働三権につきましては、当然、全駐労などの労働組合がございます、そして団体交渉につきましては、雇用主であります防衛施設庁が中央レベルで団交を受けておりますし、地方レベルにおきましては、機関委任事務で労務管理をやっております各都道府県の渉外労務管理事務所あるいは県のその担当の部において地方レベルの団交も行っております。かなり頻繁に活発に行われていると承知しております。
#94
○金子(満)委員 これはうんと大事な問題、原則上の問題ですから、もう少し具体的にお聞きします。
 それでは、日本の法律、労働基準法は、米軍基地の中で働いている日本人労働者には完全に適用されているんですね。アメリカもそれを認めているんですね。そこをはっきり言ってください。
#95
○柳澤説明員 いろいろ勤務形態ですとか労務管理のシステムの違いなどがありまして、一言一句引き写してそのままということはないのは事実でございますが、ほとんどの労働基準法の考え方は基地の従業員についても、当然日米間でも絶えず議論をしておりますし、何といいましょうか内容的には労働基準法と同等、同様のものが実施されているということでございます。
#96
○金子(満)委員 法律というのは勤務形態で変わるものじゃないのですよ。どこでも適用するということになればそれに従うということが当然です。
 そこで、これは労働省でも外務省でもどこでもいいですけれども、年間総労働時間千八百、週間四十時間という問題は閣議の決定でもあり、政府が追求してきたことですよ。これを米軍に説明してあるかどうかです。米軍基地内の労働者は労働基準法がそれほど適用されているんだったら、これでやりますからこれ以上のことはだめですよというだめ押しがしてあるかどうか、聞きたいのです。
#97
○柳澤説明員 週の所定内労働時間の問題につきまして申し上げますと、これは一部にまだ四十八時間体制の部分の方がおります。これは……(金子(満)委員「米側に通告してあるかどうかです」と呼ぶ)もちろんこれについては、実は、先ほど申し上げました現在の特別協定をつくりますときに米側とも、この特別協定の期間中に四十時間に合わせるというそのためのいろんな、現場は交代制の消防とかそういった職場でございましてなかなか、任務に支障を来さないように何とか四十時間に合わせていく、今現に米側と共同作業をやっております。
#98
○金子(満)委員 持って回ったようなことを言わないで、特別協定と言うんだったら、特別協定の中に千八百時間という文字が入っているかどうか聞いているんです。入っていなければ入っていないでいいですよ。
#99
○柳澤説明員 ちょっとくどうございましたが、特別協定そのものにその文言が入っているわけではございません。
#100
○金子(満)委員 大体そういうことなんですよ。ですから、詰めていくと内容が変になってくるんですよ。
 それでは、千八百時間ということを米側に説明したんなら、米側はそれを、わかったとか理解するとかそのとおりに約束しますとか言ったことはあるんですか、千八百時間に。米側の回答です。
#101
○柳澤説明員 私は先ほどその部分を先に申し上げたことになったわけでありますが、米側も、五年間かけて千八百時間といいましょうか、週の所定労働時間を四十時間にするということで、具体的な改善策、ごく一部の職種でございますが、週の所定労働時間を四十時間にするための方策を、今米側も一緒に我々と考えて、検討しているところでございます。ですから、先と言われた、所定労働時間をそろえるということについては、米側も了解して、了解してというか合意した努力の方向でございます。
#102
○金子(満)委員 合意したのなら、それじゃ今在日米軍基地の中で働いている日本人労働者の現在の労働時間はどのぐらいになっていますか。つかんでおるはずです、それだけ努力しているのなら。
#103
○柳澤説明員 先ほども申し上げましたように、大半の、もうほとんどの従業員は週所定内労働時間四十時間でございます。もちろん超過勤務は別途ございます。ここは実は各県の管理でございますので、私ども今詳細なデータを持っているわけではございません。大部分の、ほとんどの従業員は四十時間であります。消防等の交代制の勤務で一部四十八時間が残っているという状況でござい
ます。
#104
○金子(満)委員 問題は超過勤務なんですよ。だから、そういうことを聞いているのじゃなくて、つかんでいないということははっきりしているのですから、これ以上この問題はやりませんけれども、今後もこれは明らかにしてほしいと、私もその点は要求していきます。
 それから、これは労働省になるのか、労働災害が米軍基地の中に起きた場合、これを即座に入って調査できるようになっているのかいないのか、この問題です。
#105
○伊藤(庄)政府委員 駐留軍労働者を被災者とする労働災害が発生しました場合、労働基準監督機関は、必要に応じまして、もちろん基地内に立ち入りまして、災害の発生状況、発生原因等を把握するための調査を行う場合がございます。過去にもそういったことで基地内に入っている例がございます。
#106
○金子(満)委員 こういうのは、厳しくやった方がもちろんいいわけだし、やらなければならない責任が労働省にはあるわけですから、今後ともそれは追及してほしいと思うのですね。
 さて、時間がなくなりましたけれども、米軍は日本だけでなくて世界の各地に駐留をさせていると思うのです。これは、外務省からの資料でも十九カ国に駐留しているということで一覧表が出ています。
 そこで伺いたいのですけれども、米軍を受け入れているそれぞれの国で、そこで働いている基地の労働者の労務費、これを米軍が全部持っているのか、あるいは逆にその国の政府が全額持っているのか。全額持っている国があったとしたら、ひとつ知らせていただきたい。
 これと、もう一つは、よく比較されるのですが、韓国、ドイツ、イギリスはどうなっているのか、報告をしてほしいと思うのです。
#107
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。
 我が国以外の外国におきます米軍の駐留に関する状況などにつきましては、基本的には、受け入れをしておりますそれらの国々と米国の間の問題でございますので、我が国自身が詳細に承知する立場にはございませんけれども、先生からの御質問を受けまして、私どもの方でも調べを可能な範囲でいたしました。
 ただ、単純な比較をするということで申し上げますと、積算方法やそれぞれの項目の定義も異なりますので、やや困難であるということをまずもって申し上げた上での御説明をさせていただきたいと思いますが、韓国につきましては、米国との取り決めに基づきまして、米軍の駐留経費のうち現地従業員の労務費また基地整備費などにかかわる経費に充てることを目的として、一九九八会計年度におきましては総額四億五千五百万ドルの分担金を負担しております。米国政府側では、この分担金の中から労務費といたしまして約一億九千四百万ドルを充てているものというふうに承知をしております。
 二つ目の国としての御質問ございましたドイツにつきましては、ドイツ側で労務費は負担していないものと承知しております。
 イギリスにつきましては、先ほどの単純比較をするのが困難な国の一つでございますけれども、英国側では、米軍の駐留経費に対する英国政府の負担といたしまして、土地及び施設の提供並びに税金及び料金の免除を行っておりますけれども、具体的な負担額などの詳細につきましては、公表を英国側でしておりませんので、私どもの方でも詳細を承知してはおりません。
 以上でございます。
#108
○金子(満)委員 お話があったように、一〇〇%持っているのは世界じゅうで日本だけなんです。とても気前がいい格好だというのは、これは、私どもの党の機関紙、新聞赤旗の調査ですけれども、アメリカの九五会計年度でいきますと、基地従業員の給与負担ということで議会に出されているのは、韓国三五%、イタリア二八%、イギリス九%、ドイツ六%、日本一〇〇%。
 こういう中で、言ってみれば日本がそういうふうに全額持っていることについて、これは、昨年三月のアメリカ国防総省のアメリカ議会に対する共通の防衛に対する同盟国の貢献に関する報告という文書の中で、日本に関した部分があるのですね。そこでは、日本は、我々が他の同盟国から受け取っている直接の経費分担より大きな水準を供給している、こういうように言っているわけですけれども、私は非常にこれは大事な問題の指摘だと思うのです。
 いい悪いは、これはもうそれぞれの解釈によるわけですけれども、最後に、伊吹労働大臣、大臣はいろいろ深く物を考える人ですから、こういうような実態で、外国は負担していない、日本は一〇〇%負担する。今後の問題もあり、私は、こういう実態は国民に明らかにする。最終的にほ、いい悪いは、是非は国民が判断しますよ。そういう意味で、今後のことを見ながら、こういう日本の事実について、歓迎すべきことなのか、続けることなのか、それとも、これはどうもと考えるのか、これは全く御自由でありますから、今後の参考にもしたいと思うので、大臣の所見、見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#109
○伊吹国務大臣 ただいま、施設庁を初めとする政府委員と委員との御討議をお伺いいたしておりました。駐留米軍というか外国軍隊の駐留については、その国の安全保障の観点が一つございますし、また、その観点から、お互いの国力、経済力等からどのようにしたらいいかということは、国それぞれによって私は異なると思います。
 しかしながら、最後に御判断を下さるのは、先生がおっしゃったとおり国民でございます。日本国憲法によって、国権の最高機関である委員各位が所属しておられる国会に必ずその経費は予算という形で御審議をお願いしておるわけでございますから、その過程でおのおのの党の御主張を国民の前に明らかにしていただいて、そしてその結果について国民の審判を仰いでくるという仕組みが日本の議会制民主主義の成り立ちだと考えております。
#110
○田中委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#111
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#112
○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
     ――――◇―――――
#113
○田中委員長 次に、内閣提出、雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る十八日に終局をしております。
 議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。大森猛君。
#114
○大森委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、雇用保険に対する国庫負担を大幅に削減していることであります。
 これまで労働省は、雇用保険制度について、高度の国家的課題として考慮されるべき性格を有している、失業の性格を考慮すれば、むしろ国として当然の責務であると言わなければならないと強調してきたところであります。
 戦後最悪の失業が続き、雇用保険の役割がかつてなく大きくなっているときに、そこからおよそ千五百億円もの巨額な国庫負担の削減を行い、社会保障に対する国の責任を大きく後退させることは、憲法の生存権にもつながる制度の根幹を揺る
がすものであり、断じて容認できません。
 さらに、保険財政の面から見ても、単年度収支は九四年度から連続赤字となっており、今年度は三千五百億円、さらに来年度はその二倍、七千億円もの赤字まで見込まれているのであります。積立金も、ピーク時の四兆八千億円から大幅に減少し、来年度末には三兆円そこそこという状況です。このようなときに国庫負担の削減を行うことは、財政悪化に拍車をかけるものであり、絶対に許せないことであります。
 第二に、高年齢求職者給付金を約半分に切り下げている点であります。
 現在、六十五歳以上で失業した労働者は、平均で一人当たり約七十万円の一時金を受給しておりますが、これを来年四月一日から半減するなどということは、余りにも高齢者に対する冷たい仕打ちではありませんか。さらに、「高年齢者が在職中から引退後の生活設計に向けての準備を行えるよう、その援助に努める。」と述べている労働省の高年齢者職業安定対策基本方針にも逆行するものであります。
 なお、介護休業制度の創設及び船員保険での給付改善については当然の措置であり、賛成できるものであります。新設される教育訓練給付制度については、個々の労働者には一定の実利をもたらすものですが、同時に、財界の総賃金抑制、産業間の雇用流動化政策に沿った制度という性格を持っていることを指摘しておきたいと思います。
 以上、法案は、幾つかの改善がありますが、全体として根本的な改悪であり、反対であります。
 最後に、雇用保険を含む社会保障制度をしっかり守ることこそが政府の責務であることを強調して、討論を終わります。
#115
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#116
○田中委員長 これより採決に入ります。
 雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#117
○田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#118
○田中委員長 この際、本案に対し、佐藤剛男君外五名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合六会派共同提案に係る附帯決議を付すべきとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。中桐伸五君。
#119
○中桐委員 民友連の中桐伸五でございます。
 私は、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、介護休業及び育児休業の取得促進を図り、職業生活の円滑な継続や家庭生活との両立を支援するため、育児、介護休業の取得状況等を勘案しつつ、諸制度の内容や給付水準について、引き続き検討するよう努めること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#120
○田中委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決をいたします。
 佐藤剛男君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#121
○田中委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。伊吹労働大臣。
#122
○伊吹国務大臣 ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#123
○田中委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○田中委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#125
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせをすることとし、本日は、これで散会をいたします。
    午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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