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#1
第142回国会 逓信委員会 第4号
平成十年三月十八日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 坂上 富男君
   理事 住  博司君 理事 野田 聖子君
   理事 古屋 圭司君 理事 山口 俊一君
   理事 小沢 鋭仁君 理事 永井 英慈君
   理事 石田 勝之君 理事 河村たかし君
      浅野 勝人君    石崎  岳君
      今村 雅弘君    大石 秀政君
      佐藤  勉君    坂井 隆憲君
      園田 修光君    竹本 直一君
      中谷  元君    野中 広務君
      林  幹雄君   吉田六左エ門君
      伊藤 忠治君    小坂 憲次君
      島津 尚純君    吉田  治君
      遠藤 和良君    神崎 武法君
      石垣 一夫君    矢島 恒夫君
      横光 克彦君    中田  宏君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 自見庄三郎君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 天野 定功君
        郵政大臣官房総
        努審議官    濱田 弘二君
        郵政省放送行政
        局長      品川 萬里君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     海老沢勝二君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事・技師
        長)      長谷川豊明君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   河野 尚行君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     石渡 和夫君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     酒井 治盛君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     松尾  武君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     芳賀  譲君
        参  考  人
        (日本放送協会
        総合企画室〔経
        営計画〕局長) 中里  毅君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   笠井 鉄夫君
        逓信委員会専門
        員       丸山 一敏君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十六日
 辞任        補欠選任
  木村 義雄君     林  幹雄君
同月十八日
 辞任        補欠選任
  吉田  治君     島津 尚純君
同日
 辞任        補欠選任
  島津 尚純君     吉田  治君
    ―――――――――――――
三月十二日
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
#2
○坂上委員長 これより会議を開きます。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○坂上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○坂上委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。自見郵政大臣。
    ―――――――――――――
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○自見国務大臣 ただいま議題とされました日本放送協会の平成十年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算につきまして、その概略を申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入は六千二百四十六億円、事業支出は六千百五十六億円となっており、事業収支差金九十億円は、債務償還に使用することとしております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出とも七百十一億円となっており、放送設備の整備など建設費に六百七億円を計上しております。
 次に、事業計画につきましては、公正な報道と多様で質の高い放送番組の提供に努めるとともに、新しい放送技術の研究開発などに積極的に取り組み、デジタル放送時代への基盤整備を図ること等を計画しており、あわせて、経営全般にわたる改革とその実行に取り組み、一層効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に信頼され、かつ、創造性と活力にあふれた公共放送を実現していくこととしております。最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等につきまして、おおむね適当であると認めた上で、引き続き事業運営の刷新、効率化を徹底するとともに、地上放送を初めすべての放送のデジタル化の推進等に先導的役割を積極的に果たしていけるよう、事業計画等の実施に当たって配意すべき事項として、受信料収納の促進と受信料体系のあり方の検討等を指摘した意見を付することといたした次第でございます。以上のとおりでございますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。
#6
○坂上委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長海老沢勝二君。
#7
○海老沢参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の平成十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。
 平成十年度の事業運営に当たりましては、改めて公共放送の使命と責任を自覚し、その役割を着実に果たしていくこととし、公正な報道と多様で質の高い放送番組の提供に努めるとともに、新しい放送技術の研究開発などに積極的に取り組み、デジタル放送時代への基盤整備を図ることといたします。
 あわせて、協会の主たる経営財源が視聴者の負担する受信料であることを深く認識し、経営全般にわたる改革とその実行に取り組み、一層効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に信頼され、かつ、創造性と活力にあふれた公共放送を実現してまいります。
 平成十年度の主な事業計画につきまして、御説明申し上げます。
 まず、建設計画につきましては、緊急報道体制強化のための設備の整備を初め、衛星放送やハイビジョン放送設備の整備及び放送会館の整備等を実施いたします。
 次に、事業運営計画につきまして申し上げます。
 国内放送におきましては、多様な視聴者の要望にこたえて、番組の充実を図り、信頼感のある公正で的確なニュース・情報番組及び人々の共感を呼ぶ豊かで潤いのある番組の提供に努めるとともに、地域に密着した放送サービスの充実強化、福祉番組の充実、字幕・手話放送の拡充を行ってまいります。
 国際放送におきましては、国際間の相互理解と国際交流に貢献するとともに、海外在留の日本人に多様な情報を的確に伝えるため、ラジオ国際放送の充実に努め、テレビジョン国際放送については、世界のほぼ全地域向けの放送を開始いたします。
 契約収納業務につきましては、受信料負担の公平を期するため、受信料制度に対する理解促進を図るとともに、効果的、効率的な営業活動を行い、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めてまいります。
 調査研究につきましては、新しい放送技術の研究開発を行うとともに、放送番組の向上に寄与する調査研究を積極的に推進し、その成果を放送に生かし、また、広く一般に公開することとしております。
 以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり業務の見直しを一層徹底し、要員については、年度内百八十人の純減を行い、総員一万二千八百四十七人とし、給与につきましては、適正な水準を維持することとしております。
 これらの事業計画に対応する収支予算につきまして、御説明申し上げます。
 一般勘定において、事業収支で収入総額六千二百四十六億八千万円を計上し、このうち、受信料については、六千七十五億三千万円を予定しております。これは契約総数において四十七万件、衛星契約において七十万件の年度内増加を見込んだものであります。
 これに対し、支出は、国内放送費など、総額六千百五十六億三千万円を計上しております。
 事業収支差金九十億五千万円につきましては、債務償還に使用することとしております。
 次に、資本収支につきましては、支出において、建設費六百七億円、出資一億六千万円、放送債券の償還等に百三億三千万円、総額七百十一億九千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源として、事業収支差金、減価償却資金及び借入金など、総額七百十一億九千万円を計上しております。
 なお、受託業務等勘定におきましては、収入四億八千万円、支出四億円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、日本放送協会の平成十年度収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを御説明申し上げましたが、今後の事業運営に当たりましては、一層効率的な業務運営を徹底し、協会に課せられた責務の遂行に努めてまいります。
 委員各位の変わらぬ御協力と御支援をお願いし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#8
○坂上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○坂上委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古屋圭司君。
#10
○古屋委員 自由民主党の古屋圭司でございます。
 海老沢会長におかれましては、わざわざ当委員会に御出席いただきました。感謝申し上げます。
 早速質問させていただきたいと思います。
 新会長は、就任に当たりまして、改革と実行というスローガンを掲げられました。まさしく、世界が大きなうねりを上げて大改革、大変革の時代に突入している今、特に情報メディアというものはその顕著な例だと思います。それはデジタル化というようなものでも象徴されておるでしょうし、そういった時代に、この改革と実行には幾つかの側面があると思うのですね。
 例えば、リストラという言葉に象徴されるような労務管理あるいは人事管理、こういった側面と、デジタル化に象徴されるようなハード的、技術的な側面、あるいはコンテンツ、番組の充実に象徴されるようなソフト面の充実というものがあると思います。
 当然のことながら、このリストラというのは、今民間の企業がもう大変な血のにじみ出るような努力をして断行しているわけでありますから、当然受信料収入により運営をしている日本放送協会としては、徹底したリストラをするということはもう申し上げるまでもないと思います。
 こういったリストラもさることながら、やはり大切なものは、ソフト、ハード両面のリエンジニアリング、こういったものが私は非常に大切だと思います。
 その代表的なものがやはりデジタル化問題だと思います。地上デジタル放送懇談会が六月に中間報告を出しますけれども、これでは、二〇〇〇年をめどに放送を開始しようということだそうであります。しかし、アメリカとかイギリスでは、もう既に本年からデジタル放送を開始していこう、こういうふうに言われております。
 そういう中で、放送法七条には、NHKの目的として、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行っていきなさい、こういう精神規定もあるわけでありまして、まさしく放送事業者のフロントランナーとして、地上放送のデジタル化に積極的に取り組んでいくべきだと私は思います。場合によっては前倒しをしてでも取り組むべきだ、私はこれぐらいの気持ちでおります。
 どうもNHKのいろいろ報道を見ておりますと、BSのデジタル化はともかくとして、地上放送のデジタル化にはいまいち何かちょっと積極性が欠けるのかなという嫌いがあるようでございますけれども、この点について会長の見解をまずお伺いしたいと思います。
#11
○海老沢参考人 今、古屋委員から放送界をめぐる環境の厳しさ、御指摘がありました。認識は私も同じだと思っております。
 今放送業界も大きな転換期を迎えておりますし、そういう中で、デジタル技術が急速に発展し、それと同時に規制緩和というような問題が出てきました。そういう中で、私どもはデジタル技術を有効に国民に還元していくべきだろう。そういう面で、今度のNHKのビジョンにも、デジタル放送には積極的に取り組む姿勢を示したわけであります。
 そういう意味で、十年度予算でも、今デジタル技術開発のために二十億円の予算を計上しております。そういうことで、これからの時代はデジタル化の方向へ進んでいくわけでありますから、我々もこれに積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 ただ、物には順序がありますので、やはりアメリカ、イギリス、それぞれ事情もありますし、我が国の事情もあります。そういう面で、まず地上波の場合、周波数をどういうふうに確保するのか、それから資金計画をどうするのか、あるいはどういう放送内容を国民にサービスしていくのか、その辺をやはりきちっと研究し、勉強し、そして国民の合意といいますか納得を得た上で推進するのが順当ではなかろうかと思っております。
 そういうことで、私どもは、衛星放送、二〇〇〇年からやるわけでありますけれども、それと同時に、地上デジタルの方もその方向に向かって、今いろいろ研究、勉強しております。
 この問題は、やはり日本の放送業界が公共放送のNHKと民間放送との併存関係で発展してまいりました。我々先導的役割があると同時に、また民放とも協力関係を密接にしなければならない立場でありますので、そういう面で、郵政省の中に設けられました地上デジタル放送懇談会等でもいろいろな意見を申し上げております。
 そういうことで、民放連ともいろいろ話し合いを進め、また行政当局の意見あるいは国会の先生方の意見等も参考にしながら、この問題は着実に推進するという立場からさらに研究を進めていきたいと思っております。
#12
○古屋委員 前倒しという意味は、一日でも早く、一年でも早くそれを実現してほしいという意味合いでございますので、私はぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 郵政大臣にもこのことについてお伺いしたいと思いますけれども、技術は日進月歩でありますし、コンピューターしかり、情報通信技術しかり、放送も当然なのですね。そういった意味で、監督官庁の大臣として一言、このデジタル化について、特に地上デジタル化につきまして御答弁をいただきたいと思います。
#13
○自見国務大臣 古屋委員にお答えをいたします。
 今委員御指摘のとおり、まさに技術の高度化が本当に日進月歩でございまして、まさにデジタル化、あるいは光ファイバーの使用、あるいはコンピューターのダウンサイジング化、この三つが今日のいわゆるマルチメディア社会あるいは高度情報社会をもたらした技術的なベースだ、こう言われているわけでございます。
 先生の御指摘のように、デジタル化をいたしますと視聴者にとってどのような映像が可能になるかと申しますと、まず、御存じのようにチャンネル数が三倍になります。それから、私はワイドな画面でくっきり、はっきり、こう申し上げておるわけでございますが、大画面で高品質のテレビを見ることができるわけでございます。また、いつでも取り出せる番組、これは私が番組の缶詰だ、こう言っておるわけでございまして、この一週間、例えば通信行政に関係のある一週間のテレビ番組をみんな見たいというふうな希望があれば、操作をすれば、デジタル化にすればそういったことが可能になるというふうにお聞きをいたしております。また、車の中でテレビがちらつくわけでございますが、デジタル化をすれば車の中でもちらっかない画面が見られる。こういったことが可能になり、今まで以上にまさに情報リテラシーの向上につながるものと期待をされています。
 また、デジタル化は我が国の情報通信技術の飛躍的発展につながりますし、我が国の電子産業の発展にも貢献する役割になるなど、我が国のまさに経済社会の活性化に資するものとしても私は重要でないかというふうに思っています。
 このように、放送のデジタル化が我が国にとっても重要な意義を有することは、政府、それから今NHKの会長も述べられましたように、デジタル化そのものについては放送事業者の共通の認識に立っているというふうに私は認識いたしておりますので、やはり二〇〇〇年、平成十二年において円滑に導入されるように努力をしてまいりたいと思います。
 そのためには、政府に与えられた諸施策がいろいろとあるわけでございますが、そういったことを段取りよく着実に進めていきたいというふうに思っております。
 今も御指摘ございました、アメリカはことしには四大ネットが十大都市で地上デジタル放送を始める計画があるというふうにもお聞きしておるわけでございますし、世界の流れも大きくそういった方向になるわけでございますから、関係事業者の方々と共通の認識に立って、政府の方としても、行政がやる役割というのはしっかりあるわけでございますから、そこら辺を着実に御協力、御理解をいただきながらやっていきたいというふうに思っております。
#14
○古屋委員 デジタル化は初期投資が大変な莫大な額を要するわけでありますが、しかしその投資効果は十二分にある、おつりが来るぐらいの波及効果はあると私は思います。そういった意味で、NHKがフロントランナーとしてこの地上放送のデジタル化に積極的に取り組んでいただきたい、このことをお願いをしておきます。
 次に入ります。
 いわゆる実行と改革の中で、今度はソフトの面についてお伺いしたいと思います。
 最近のNHKの番組は、大河ドラマのような娯楽番組から報道番組まで、いわば放送法に規定する豊かでよい番組の編成のために大変努力をしておられると思います。特に私は「クローズアップ現代」という番組が好きなのですけれども、これなんかは大分細かな分析をして、いい内容じゃないかなと思います。報道番組を見ましても、民放と比べてフェアな報道をしているなという気持ちはあります。
 しかし、もう一歩踏み込んで番組というものを制作できないだろうか、いわば国益の観点からとらえた番組づくりというものはできないだろうか、こんなことを思うわけであります。
 また、放送法の三条の二によりまして、政治的公平性であるとか、あるいはいろいろな意見があるときは多方面の論点を言いなさい、不偏不党の原則であるとか、報道事実を曲げないというような原則はあることは事実でありますけれども、しかし一方では、社説放送について是非を争ったケースもないわけでありまして、事実関係とか背景あるいは原因というような内容だけにとどまらず、例えば、バブルを引き起こした、これだけバブルを肥大化させた原因は何だったのか。それは、例えば大蔵の政策的な失敗もあろうかと思います。二度とこういった失敗を繰り返さないために、将来に向けての政策的提言の色彩をちりばめながら、一体何をすべきか、どのような政策を実現をしていくべきか、公共放送という重責にふさわしい具体的かつ現実的なそういった番組づくり、もう一歩踏み込んでつくれないだろうか。
 このことこそがソフト面の改革の一環になると思いますし、またこのような番組をつくることがNHKのアイデンティティーを示すことになると思いますし、一方では、制作現場の人間の意識改革にもつながると私は思いますので、この点につきまして会長からお話を伺いたいと思います。
#15
○海老沢参考人 本当に世の中暗いニュースばかりが続いております。特に、最近は何が起こるかわからないと言われるような不透明な時代であります。特に我が日本では、金融の問題あるいは景気の問題少年問題と相次いでおります。
 そういう面で、私ども国民の支持と信頼で成り立っている公共放送といたしましては、こういう国民的な課題につきましては、やはり機動的に、柔軟にひとつ対応していこうということで、御承知のように、NHKスペシャルなり「クローズアップ現代」なり、あるいは特別番組等でいろいろ取り上げております。
 そういう中で、また今御指摘のような、金融ビッグバンと言われる時代であります。この金融問題につきましては、まだまだ国民が理解が十分でないだろうと思いまして、来月、四月の六日から九日まで四日間、教育テレビのETV特集という番組が夜の十時台にあります。四十五分の番組でありますが、この時間帯、四回シリーズで、金融問題を多角的に取り上げてみたいと思っております。
 それから、総合テレビでは、やはり来月の十七日と十九日、NHKスペシャル「日本再建」という番組があります。この中で、やはりこの金融ビッグバンの問題をいろいろな角度から取り上げて国民と一緒にこの問題を考えてみよう、そういう番組を今計画しております。
 そのほか、二十一世紀を目指していろいろな世界的な課題、食糧問題あるいは人口問題、エネルギー、環境問題、いろいろあります。そういう世界共通の課題につきましても、私は、二年間ぐらい続けて、世紀を越えてというようなタイトルで世界的な規模の番組を今検討させております。
 そういうことで、やはり公共放送としての使命、役割がありますから、そういう面でできるだけ多くの問題を取り上げて、国民の判断材料といいますか、あるいはまたいろいろな提言もしてまいりたい、そういうふうに考えております。
#16
○古屋委員 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、ただ一言、ぜひ会長に申し上げたいのは、そういった番組づくりに当たっては、ひとつ単に報道をする、報告をするということではなくて、もう一歩踏み込んで、政策的な提言の色彩がある、いわばオピニオンリーダー的な、そういった内容のものにまで踏み込んで、やはりNHKでしかこれはできないと思いますので、ぜひその点を踏まえて、改革と実行を標傍している新会長ですから、期待をいたしております。
 以上で質問を終わります。
#17
○坂上委員長 山口俊一君。
#18
○山口(俊)委員 自由民主党の山口俊一でございます。
 それでは、我が党の古屋議員に続きまして、質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど、デジタル化についていろいろお話がございました。確かにお話のとおりでございまして、実は、先ほどいただきました当委員会の資料の中に平成十年度国内放送番組編集の基本計画、NHKさんの基本的な考え方というのが出ておりますが、これを拝見しても、「私たちは今こそ、このデジタル・多チャンネル時代を飛躍の時ととらえ、」恐らく会長の個性も反映しておるのではないかと思いますが、大変すばらしい文言が並んでおるわけであります。同時に、先ほど大臣の方からも、デジタル化、三倍のチャンネル数がある、すっきり、くっきりだというふうなお話もございました。
 確かに、お話のとおり、デジタル化を進めることによってまさに多チャンネル化時代を迎える。同時に、いわゆるデジタル化ということで若干の加工もできる、あるいはインターネットとの融合もできる等々さまざまなメリットが考えられるわけでありまして、もう既にアメリカ、イギリス等も取り組んでおるところであります。
 ただ、我が国の場合、御承知のとおり、これまでよりも若干前倒しをさせていただいて、先般も自由民主党の方からもそうした考え方を打ち出させていただきましたけれども、二〇〇〇年に地上波デジタル化というふうなことで打ち上げさせていただいております。しかしながら、今の現状を見ておりますと、どうもまず二〇〇〇年のBS4が先じゃないか。あるいはまた、民放の皆さん方のお話を聞いていましても、資金的にもなかなかこれは難しいなというふうな話がございます。
 そうした中で、もう既にNHKさんも郵政省等々といろいろ協力し合いながら実験的に始められるというふうなお話を聞いておりますが、そこら辺について、NHKとしての取り組み、同時にまた、二〇〇〇年というのでNHKさんはスタートできるのかどうか、そこら辺ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
#19
○海老沢参考人 今、二〇〇〇年から地上もデジタル化できないかという御質問でありますけれども、私ども、できればそうしたいと思いますけれども、なかなか、先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年に衛星デジタル放送をやるということで、これはもう既に決まった問題であります。そういうことで、今この衛星デジタルをきちっと打ち上げて、やはり企業化して成功できるような枠組みをつくらなければなりませんので、今、地上も大事でありますけれども、まず衛星をどうするか、これにも設備等で百億前後の資金が必要であります。この二年、三年かけてこれをきちんと整備したいと思っております。
 そういう中で、先ほど言いましたように、地上の方も研究開発も進めておりますし、また、いろいろなソフトを、どういうふうなソフトを国民に提供してどれだけのメリットが上がるのか、そしてまた、この地上デジタルがスムーズに今のアナログから移行できるかどうか、その辺、今勉強している最中であります。
 そういう面で、できるだけ早くできるようにいろいろ勉強しておりますので、その辺の検討をこれから、先ほど言いましたように、民放連なりあるいは行政当局ともいろいろ話し合いをしながら、さらに勉強させてもらいたいと思っております。
#20
○山口(俊)委員 できればというふうなお話でありますが、日本全体が民放も含めて用意ドンでやる必要はないわけなんです。ただ、なかなか準備が整わないというふうな中で、先ほどもお話がありましたが、やはりNHKさんが先導的な役割を果たして、できれば二〇〇一年からやるぞというふうなお考えで進めていただきたいと思うわけであります。
 ただ、これも実はデジタル化といっても、確かに相当お金のかかる話でもありますし、特に地方のローカル局あたりは、恐らく大変なことになるのじゃないかなというふうな心配も実はいたしております。
 そうした中で、郵政省として、そうしたデジタル化に対しての支援というかバックアップというか、どのような形で進めていかれようとしておられるのか、そこら辺ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#21
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 先般、民放業界におきまして、大体どのぐらいデジタル化のためにコストがかかるかというような試算も出されました。今、放送業界の年々の設備投資というのは大体、過去三、四年を見ますと三千億前後かなという数字でございます。
 それから見ますと、NHK、民放合わせまして全部で三年分ぐらいの総投資額になるかなと思いますけれども、これはやるとしても何年かに分けてやることになろうかと思いますが、そうした設備投資計画というものを、できるだけ政府としても、どのような計画になるか、またそれにどのように対応していくかということをいろいろ研究をしなければならないというふうに考えております。
 新しい時代におきまして、情報通信というのが放送も含めまして社会の基礎になっていく、あるいはまた社会の進歩の原動力になっていくということもございますので、政府としても、今までにとってきたいろいろな支援手段、税制でございますとかあるいは融資制度等、あるいは技術開発についての支援等ございますけれども、私どもも知恵を絞りまして新しい政策支援手段も開発しながら御支援してまいりたい、かように存じております。
 NHKにおかれましては、今先生方もごらんのことと思いますけれども、NHKの技術研究所において大変先導的な研究をしておられます。私ども、研究の中身によりましては、これは受信料で研究開発を進めるよりはむしろ国費で賄った方がいいのではないかというものも中には少なくないわけでございますので、その辺、NHKさんとよく相談をいたしまして、できるものについては郵政省としても積極的にまたNHKにも御支援をできればと考えておりますし、また実際には大変NHKさんの方が研究が進んでおりますけれども、やはり共同で知恵を出し合うということも大事でございますので、国際的な共同研究の場をセットするとか、あるいは国内における共同研究の場をセットするとか、そういう形でも支援体制を強化してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#22
○山口(俊)委員 これは、かなり抽象的なお話ではあったのですが、もう目の前の話でありますので、是が非でも郵政省としてもきちんとしたバックアップ体制をとってあげる。そうしませんと、相当大幅な放送業界の再編成みたいにまで展開をする可能性もある話でありますので、そこら辺、十二分な対応を期待をいたしておきたいと思います。
 同時に、デジタル化、多チャンネル化になってきますと、どうしてもそのコンテンツというか、いわゆるソフトというか、放送の番組の中身の話が出てくるわけです。
 実は、私も早くからパーフェクTV等々一生懸命見ておったわけでありますが、どうも余りおもしろくないのですね。いろいろあっちこっち聞いてみますと、例えばNHKさんなんかも、大河ドラマ等々、過去の蓄積というのは非常にたくさんある。御高齢の皆さん方あたりは、昔の大河ドラマの「赤穂浪士」の長谷川一夫あたり出てきたら大変喜ぶと思うのですね。
 ところが、なかなかそれが放送できないという話を実は聞きました。というのはなぜかといいますと、やはり本来テレビのああいう番組というのは、一過性というか、大体せいぜい再放送までしか前提としておらないというふうなことで、どうしても新たに放送する場合、あるいは外国で放送する場合等々のときには、著作権等々が問題になって、なかなかできないというふうな話を実は聞いております。
 これをちゃんとクリアをしておきませんと、せっかく多チャンネル化したのに見るところがないなというふうなことにもなりかねないわけでありますので、そこら辺を個々の放送事業者がやるというのはかなり限界があると思います。そうした意味で、NHKさんが先頭に立って、民放連の皆さん方と協力をしながら、そうした問題の整理をする必要があるのではないか。そこら辺、会長、いかがですか。
#23
○海老沢参考人 私ども、国民からの受信料でつくった映像素材あるいは番組を今全国で百三十万本ほど保存しております。これを有効に活用するのは当然であります。ただ、今先生御指摘のように、ほとんどのものが著作権が絡むということであります。この著作権をどう処理するか、またこの権利関係をどうするか、非常に大きな課題を持っております。
 そういうことで、私ども、放送法に基づいた放送番組センターにもいろいろな番組を提供しております。それと同時にまた、私ども、今総合テレビでは二十四時間体制をやっておりますし、深夜時間はいい番組を再放送するというようなこともやっておりますし、それからCATVの事業者には、私どもの大河ドラマとか、ほかのいろいろないいソフトをかなり提供しております。私どもが著作権を持ち出してまでも協力しているというような現状であります。
 ただ、CSにつきましては、まだそこまでいっておりませんので、これからそういうNHKの保存番組をどうしようとするか、私どもも、今、新しいアーカイブといいますか、映像図書館的なものをつくってこれを保存し、また整理し、そしてまた著作権をクリアしながら有効活用したいと考えておりますが、まだまだこれは非常に複雑な問題が絡んでおりますので、これからさらに勉強していきたいと思っております。
#24
○山口(俊)委員 この問題、おっしゃるとおりで、確かにそうした御努力もお願いをいたしたいわけですが、やはり重ねて申し上げますけれども、一社一社で対応というのは非常に難しいと思うのです。ですから、それこそNHKを含めた放送事業者が皆さん方集まって何らかの組織をつくって、そこと、いわゆる音楽者協会というのですか作曲者協会というか、そういうところと交渉する等々、そういったこともできるだけ早い時期に考えていっていただきたいな、そんなふうに思っております。
 もう時間がなくなりましたが、最後に一問だけ。
 実は、先般ある本を読んでおりましたら、大変興味深いことを書いておりました。それは、御承知のとおり、民放というのはいわゆる受信料を取っておりません。結局、民放というのは、受信料を取っておるNHKとは異なって、実はスポンサーから収入を得ておるわけですね。つまり、視聴者はただだけれども、スポンサーからお金をいただいてやっておるというふうな形でやっておりますので、民放というのはスポンサーに対する責任というのは明確なんだけれども、ところが視聴者に対する責任というものがどうもはっきりしないというふうなことを書いておりました。
 この際、民放も堂々と受信料を取ったらどうだというふうなお話でありましたが、確かにそうした点から派生をする問題も多々あるのではないか。視聴者の皆さん方はただだからいいと思っておりますが、実はただほど怖いものはないわけなんですね。
 そこら辺を実は会長にお伺いをいたしたかったわけでありますが、質問時間が終了いたしましたということでありますので、そこら辺、問題提起をさせていただいて、同時にまた、後ほど我が党の他の議員の方からも質問があるようでありますが、我が郵政大臣は、レーティング、Vチップ、いわゆる子供に対する有害放送に対する対応は非常に積極的であります。私も政務次官のときにそのような答弁をいたしました。どうも会長は消極的じゃないかというお話を聞いておりまして、どうかそこら辺もそろそろ考えるべき時期じゃないかなと思っておりますので、今後の課題としてぜひとも御検討いただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。
#25
○坂上委員長 佐藤勉君。
#26
○佐藤(勉)委員 自由民主党の佐藤勉でございます。
 大変先輩方の先に恐縮でございますけれども、質問させていただきたいと思います。
 NHKに対してでありますが、平成九年三月に閣議決定をされている規制緩和推進計画の再改定において、NHKのBS放送のスクランブル化について検討することとなっております。
 また、平成十年度NHK予算に対する郵政大臣の意見の中では、受信料体系のあり方について検討を行うことが配慮すべき事項として挙げられておりますし、BS放送のスクランブル化について、NHKに対して検討が求められていると聞いております。
 さらに、NHKが本年一月に公表した「デジタル時代へのNHKビジョン」の中では、スクランブル方式の活用など、デジタル時代の新しい料金システムの可能性について検討する旨、明らかにされております。
 また、NHKのBS放送についてでありますが、デジタル放送時代をにらんで、規制緩和の観点から、有料スクランブル化を検討すべきだという考え方があるようであります。
 私見でありますけれども、私は、受信料制度に基づくNHKの総合サービス料金と、市場原理に基づく有料放送サービスの料金とは、そもそも本質的なところで違いがあるのではないかというふうに思っております。公共放送として使命を果たす観点から、総合的に見て、NHKを支える財源としては、将来的にも私は受信料が最もふさわしいと考えておる一人でありまして、NHKはデジタル時代の公共放送の財源のあり方についてどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#27
○海老沢参考人 今先生から、衛星放送について、スクランブルをかけて有料化を検討している云々というお話がありました。
 これにつきましては、政府の規制緩和小委員会から、WOWOWのように、民間のように、NHKの衛星放送にもスクランブルをかけて有料とすることを検討してほしいというような要望をいただきました。それについて私どもも、そういう指摘でありますので、その可能性についていろいろな面で今検討をしている段階であります。
 ただ、私この前も記者会見でも申したわけでありますけれども、御承知のように、今私どもの衛星放送は千二百万世帯まで普及いたしました。そのうち八百七十万世帯から契約をいただいて、料金をいただいているわけであります。そういう中でこのスクランブルをかける場合には、いわゆる料金の課金システムといいますか、料金のためのデコーダーが必要であります。これを千二百万世帯にやりますと、やはり五千億から六千億の資金がかかる。これは国民の納得を得られないだろうし、我々もそれを負担できない。そういうことで、今の衛星放送にこれからかけるということは到底無理だというふうに判断しております。
 それならば、次のBS4、二〇〇〇年から放送を始めるBS4後発機からどうなんだといいますと、片方は受信料、片方は有料放送というので非常に混乱を来しますし、また、先ほど先生からの意見として、やはり私ども公共放送というのは、国民からひとしく負担金という形でいただいてその中から運営する、そういう基本的な受信料制度でやっておるわけであります。そういう面で、そういう二つの料金制度が混在していくことは、やはりNHKそのものの存在意義にもいろいろかかわる重要な問題であります。
 私は、今のノンスクランブル、今の受信制度とそれは相入れないものだろうと思っておりますので、この点、もう少し先生方の御意見なりあるいは国民の意見等もさらに聞きながら、慎重に対応していきたいというふうに思っております。
#28
○佐藤(勉)委員 ぜひともお願いをしたいと思います。
 それでなくても、WOWOW、CS、BSの機器が煩雑にある中で、NHKがまたスクランブルをかけるなんという話になりますと、もちろん資金の面でも大変なことになりますし、大変混乱するということでありますし、NHKの基本理念として反することになっていくのではないかなというふうな懸念もございますので、ぜひともその辺のところは十分に考慮していただきたいと私は思っております。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次の質問でありますけれども、最近ケーブルテレビが大きく普及しております。ケーブルテレビによりましてテレビを見ている世帯が大変多くなっております。
 そこででありますが、ケーブルテレビの現況と推移について郵政省にお伺いをしたいと思います。
#29
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 ケーブルテレビの現況と推移でございますが、平成八年度末の数字で申し上げますと、まず、自主放送を行っている施設といたしまして約九百四十、これは対前年度比約一三%の増加でございます。事業者数は一〇%の増で七百八事業者、それから加入世帯は約三八%の増加で五百万世帯に及んでおります。全国の世帯数の比率で、普及率は約一一%という数字になっております。
 これを経営状況で見ますと、今申し上げましたように約七百の事業者がございますけれども、いわゆる営利法人としてやっておるのが約二百八十ございます。その売上高のトータルは二千百億のオーダーになっております。対前年度伸び率は約九〇%の増加でございます。
 そして、財務状況でございますけれども、年々黒字の事業者がふえておりまして、平成八年度末におきましては黒字の事業者が約五割一四九%で、恐らく九年度末には半分以上のケーブルテレビ会社が黒字になるのではないかというふうに見ております。
 設備投資の面におきましても、この約二百社で、八年度の設備投資額が七百二十五億円で、対前年度比五八%増というような数字になっております。九年度計画では、今承知しているところでは千三十六億円で、前年度比によりますと四三%増という状況でございます。
 ざっと申し上げましてこれが現況でございますけれども、五年前と比べますと、施設数が約二倍、事業者数も約二倍、加入世帯数が三・六倍、売上高は五・三倍、このような推移をたどっておる次第でございます。
 以上でございます。
#30
○佐藤(勉)委員 そこで、先ほどの山口先生の話とダブるかもしれませんけれども、地上放送においてデジタル化の検討が進められているということになっておりますし、ケーブルテレビにおいても技術革新等によるデジタル化が図られるというふうなことにもなってくるのだと思います。
 そこで、ケーブルテレビのデジタル化に当たっては、特に、既存の事業者において設備更新を行わなければならないという事情があると思います。従来の設備投資に加えて、新たにかなりの資金負担が必要なところから、大変公的資金が必要になってくると思います。
 黒字に転換をしているというお話もございますが、この設備投資で赤字にまた下がってしまうというふうな状況もあるわけでありまして、そういう小さいところにも公的資金がぜひとも必要になってくるのだと思いますが、郵政省として、ケーブルテレビのデジタル化について今後どんな支援を考えているのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
#31
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 今までケーブルテレビジョンのデジタル化につきましては制度整備が中心でございましたが、いよいよ実践と申しますか実施の段階に差しかかっておりまして、平成十年度から、デジタル化設備についての税制支援措置、それから無利子融資制度の創設をお願いしているところでございます。
 これから放送全体がデジタル化していくわけでございますから、むしろ、大変な設備投資になりますけれども、これをやっていくことがまたCATVのこれからの機能発揮に役に立つのではないかと思っております。
 また同時に、ただいまのケーブルテレビの普及状況を見ておりますと、必ずしも、学校でございますとか病院でございますとか、公共施設での普及というのはいま一つかなという感じでございます。よりいろいろな分野で社会システムとしてケーブルテレビジョンが使われていくことが、さらにCATVの財政面での強化にもつながりまして、それがまたCATVの事業者みずからのデジタル化のインセンティブになっていくのではなかろうかと存じますので、こうした面での普及もあわせていろいろ御検討いただければというふうに考えている次第でございます。
#32
○佐藤(勉)委員 いずれにいたしましても、大変な状況の中で頑張っているケーブルテレビの会社に対して積極的な支援をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#33
○坂上委員長 住博司君。
#34
○住委員 いろいろとお話が続いておりますけれども、私は経営の効率化の問題についてお伺いをしたいと思います。
 受信料で賄われているNHKでございますから、国民の共有財産である電波というものを寄託を受けて、そして国民のためにいろいろな放送を出される、この仕事が非常に大事だ。一方で、非常に技術革新が進んできて、この開発についても、それからそれを駆使するためにも、大変な資金が必要になってくる。受信料の伸び悩みというのはある。そういう中でいろいろな対応をしていかなければいけないということになれば、当然、経営全般を見直しをして、業務運営の内容というものを吟味していかなければいかぬ。そういう御決意は、海老沢会長の方からもお話がありました。
 しかし、ここでちょっと水を差すようですけれども、やはり今までの放送の歩みを考えてみますと、技術とともにあるわけですね。そして、例えば、急激な技術の進歩というものに対して極めてたくましい想像力を駆使して、そしてそれを使いこなすための努力をする。そこはやはり人なんですね。そしてまた、報道という面でも、番組内容についても、人がしっかりしていなければしっかりとした放送は出せないし、国民の皆様方が納得するような内容にはならないということです。
 先ほど要員の効率化の話がありまして、純減百八十人ちょっと、そして一万二千人体制だ、こういうふうにおっしゃられた。私がお世話になっていたときには一万六千人と言っていたわけだから、大分御努力をなさったのだな、私もいたら今ごろ要員削減の対象になっていたのかもしらぬ、こういうふうに思いながらお聞きをしておったわけです。
 実を言いますと、この要員効率化の問題についてぜひお考えをいただきたいのは、一方で、例えばデジタル化を含めてのそういう面、それからBSの充実というのもありますね。しかし、一方でローカル放送というものがある。ローカル放送も地域の住民にとっては非常に大切な要素でございます。
 ところが、地域に行きますと人員はどんどん減っていますね。これで本当に地域放送の充実といういわゆるお題目に対して答えが出せるのだろうか、その決意をまずお聞きしたいと思います。
#35
○海老沢参考人 質の高い放送を出すことと、いわゆる経営の効率化、非常に矛盾する課題に今私ども取り組んでおります。
 御承知のように、平成十年度も百八十人純減をいたしますけれども、やはり放送の内容が、コンテンツが我々の命でありますから、それと同時にまた、人材の育成というものも我々の命でありますから、そういう面でこの辺を十分勘案しながら、経費の節減と経営の効率化を図っていくわけであります。
 そういう中で、今一万二千人体制でありますけれども、放送部分、いわゆる番組制作の方は人を減らしておりません。やはり間接部門といいますか、それを支える支援の方を効率化していこう、その辺を関連団体なりあるいは外部にお願いする、そういうことで今効率化を進めております。
 やはり質の低下を招いてはいけませんし、今委員から御指摘がありましたように、多メディア・多チャンネルになればなるほど、私は地域放送というものは必要だろうと思っております。
 そういう面で、今、地域改革に取り組んでおります。これも単にリストラで人を減らすということでなくて、これまでの七十三年の歴史を我々持っているわけでありますから、そういう中のいろいろな積み重ねがあります、それをいま一度この機会に、新しいデジタル技術というものの恩恵をここできちっと認識をして、そういう中でこれまでの番組制作のやり方、システムなり、そういうものをひとつ抜本的に見直して、むだを省いて仕事を進めていこう、そういうことで今、自己改革を進めていこうということでやっておるわけであります。
 そういう面で、質の低下を来しては何の意味もありませんし、また単に人を減らすということではなくて、国民の受信料で賄っておるわけでありますから、そういう面でできるだけ効率的な業務運営を図っていきたい。そういう矛盾する仕事、この改革というのは非常に難しい問題があります。そこを一つ一つクリアしながらやっていきたいと思っておるところであります。
#36
○住委員 言葉で言うのは簡単なんですけれども、二律背反みたいなところがありまして、この要員の問題については非常に重要な要素がある。そしてまた、そのことは中で働いている人たちの意欲というものをそいではならないということを思いますので、ぜひその点を考えながらしっかりとした体制をお組みいただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 そして、先ほどからもお話がありましたけれども、言ってみればニューメディアをめぐるいろいろな事業が出てきた。そのことが、実を言うと、放送・通信政策でありますとか、あるいは制度の再検討というのを迫ってきているわけですね。先ほどのBSのスクランブルの話も含めて、公共放送のあり方というものも問われるようになってきた。そういう中で、毎年毎年とは言いませんけれども、やはり役割というものを常に考えていただいて、NHKの役割というものをしっかりと果たしていただくことが重要だ、私はこういうふうに考えておりますので、その点よくお考えをいただきたい。
 もう少しローカルのことに触れていきますと、実を言いますと、CATVというのがあって、それぞれの地域で極めて細かい地域情報を流すようになってきた。一方で、衛星放送というのがあって、これになりますと地域放送というのは全く出ないというか、地域の情報というのはほとんど一握りしか出てこない。要するに、極端に細分化されてくるわけですね。
 そういう中でNHK、民放も含めて、それぞれの地域にある放送局というものがその地域の文化の向上の面も含めて一体どんな役割を果たしていくべきなんだろうか、それぞれが今悩んで考えている最中だと思うのです。
 海老沢会長は、この点について、地域放送、NHKの例えば県域の放送を担当している放送局がどんな役割を果たすべきだというふうにお考えになっているのか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
#37
○海老沢参考人 御案内のように、地方にはそれぞれの特有の文化があります。昔、日本に三百諸公がいて、それぞれの三百の文化を持ったというふうに言われております。やはり我が国は、長い伝統を持った国でありますし、それぞれの地域にそれぞれの文化が花を開き、そしてまた人材が育ってきたわけであります。
 そういうことで、私は、明治以来の四十七都道府県体制はこれからも当分変わらないだろうと思っております。この四十七都道府県体制の中で、各県に我々放送局を持っております。そういう面で、その地域、地域の文化の向上といいますか、あるいは福祉の向上に寄与するような番組をつくっていくべきだろう、この信念は一つも変わっておりません。そういう面で、それをどういうふうに地域住民に知らせるかということであります。
 今テレビでは、地域放送を二時間ほどやっております。首都圏は今度三時間になりますけれども、この時間をふやすと同時に、また地域の情報を全国に発信する。やはり地域にそれぞれの営みがありますし、文化がありますから、それを地域だけでなくて全国、あるいはNHKは国際放送を持っているわけでありますから、ひいてはそれを世界に知らせる、そういう二つの面があろうかと思います。
 そういう面で、地域間の情報提供と、同時に全国発信という二つの面をバランスよくとりながら、さらに充実させなければならぬだろうと思っております。
#38
○住委員 ぜひ、そういう観点でこれからもローカル放送の充実に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから最後に、私の持ち時間もなくなってまいりましたので、繰り返しになりますけれども、やはりNHKも含めて、電波というものは国民の共有の財産でございます。ですから、電波を使って放送を出すということの意味というものをそれぞれの放送業者、放送業に携わっている方々は考えていただかなければいけない。ましてや電波は郵政大臣の免許で、再免許も必要になってきてやらなければいけない。
 一方で、同時に、そうなるとどうしても権力の介入を招く可能性があるということもあるわけですね。いろいろと話題になる問題点もたくさんありました。そこのところは指摘されてもやむを得ないだろうと思えるようなところもある。
 しかし同時に、それは電波と放送ということから考えればどうしても避けて通れない。そういう意味でいえば、実を言うと、放送業界にいるその内部での倫理観、なぜその放送を出して、そしてその放送をどういうふうに共有してお伝えをするのか、自分たちの役割は何なのかということをやはり考えていただかないと、いつまでもその問題は何度も何度も起きることになってしまうのだろうと思うのです。ましてや技術革新が進んで、想像もできないようないろいろな手法も出てきた、そういう中で、ぜひそういう面でもNHKというものが先端的な、言ってみればリーダーシップをとって、本来こうあるべきものなのだということを口で言わなくても放送内容の中できちんとお示しをしていただく、そういう立場であってほしい、そのことを御期待を申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました
#39
○坂上委員長 野田聖子君。
#40
○野田(聖)委員 自由民主党の野田聖子でございます。
 先週、文教委員会がございまして、その場所で町村文部大臣が所信表明をされました。そして、最重要課題に掲げられましたのが、子供たちの心の教育をはぐくんでいくということで、それには学校、家庭、そして社会が協力し合ってやっていかなければならないという強い御意思の表明がありました。そこで、町村文部大臣は重ねて、社会の中でマスメディア、特にテレビメディアの影響というのは大きいものがあるというふうにおっしゃったわけでございます。
 そこで、三月十一日には、中央教育審議会の小委員会から、Vチップの導入に関して関係機関に求めることを決めたとあります。それを受けまして、海老沢会長が、定例会見では、このことについてはかなり、若干否定的な御発言をされましたので、いま一度この場所でお考えを承りたいと思います。
#41
○海老沢参考人 今、少年の犯罪が非常に国民の関心を呼んでおります。やはり二十一世紀を担う子供たちが豊かな心で育ってもらいたいというのは、もう皆さん共通の問題だろうと思っております。
 そういう中で、アメリカでVチップを導入する動きを我々も十分承知しております。このVチップの導入につきましては、これまでもいろいろな場で議論がなされました。そういうことで、郵政省の懇談会の中でも、Vチップを導入することについては、時期尚早といいますか、まだ日本では早過ぎるのではなかろうかという意見があったということを聞いております。
 そういう中で、私どももいろいろ番組をこの際検証してみました。私どもNHKでは、今、問題になるような、少年に悪い影響を与えるような番組はつくっていないというふうに自負しております。
 我々は、やはり子供たちが豊かな心、すくすく育つということを願って番組をつくっておりますので、暴力の場面なりあるいは性的な描写については、放送基準といいますか番組基準にのっとって、先ほど指摘がありましたように、放送倫理をきちっと踏まえながら番組をつくっておりますので、今私どもがこのVチップをつくるいわれはないと私は判断してそういうことを申し上げたわけであります。
 ただ、暴力場面なりいろいろな問題があることは承知しておりますが、これはそれぞれの放送事業者が自主的に判断して取り扱うべき問題だろうと思っております。ただVチップをやればすべてこの問題が解決するというものでもありませんし、家庭の問題、学校の問題、いろいろな問題が複雑に絡んでおりますので、そういう面で十分慎重に考えるべき課題だろうと思っております。
 いずれにしても、私ども、そういう社会的な影響が大きいテレビでありますので、そういう面で、今後ともそういう批判を受けないように、きちっとした、子供たちの将来を考えた番組をこれからもつくっていきたいと思っております。
#42
○野田(聖)委員 実は、私も、先ほどの山口委員同様、自見郵政大臣にVチップの洗脳を受けた一人でございます。数年前、まだ大臣ではなかった自見先生が、ぜひ野田君、Vチップの研究をしなさいということで、私は数年来関係各位と勉強をしてまいりました。
 特に、アメリカが導入を決めたということで、その点についても勉強したのですけれども、Vチップというのはいわゆる青少年保護の究極の形であるとするならば、アメリカですらそこに至るまで四十年近くの研究とか調査があったわけですから、一足飛びにVチップというわけにはまいりません。しかしながら、その大前提でありますレーティングについても日本国内では議論が乏しいような感じがしてなりませんが、レーティングについてはどうお考えでしょうか。
#43
○海老沢参考人 このレーティング、どういうふうにランクづけするとか、どういう基準を設けるか、これはいろいろ置かれた立場によって価値判断が変わってくるのではなかろうかと思っております。
 ですから、この問題は非常に難しい要素を持っておるものですから、私は、どの辺までが許容されるのか、これもまた時代とともに変わってきております。最近の雑誌等を見てもわかりますように、首をかしげるようなものがかなりあります。
 そういう面で、やはりこの問題は、そういう時代的な背景もありますし、またそれぞれの置かれた価値観によっても変わってきますので、私どもはできるだけそういう悪い影響を及ぼさぬような、常識の範囲といいますか、その中で今判断して番組基準をつくり指導しているわけであります。そういう面で、このレーティングについては、やはりかなりいろいろな問題を含んでいるというだけにとどめておきたいと思っております。
#44
○野田(聖)委員 会長の御発言もそうですけれども、レーティングと申し上げますと、放送事業者の方は非常にかたくなになってしまわれるのですが、実は、社団法人日本PTA全国協議会というところが、全国のPTA、保護者を対象にして、「家庭教育におけるテレビメディアの実態と保護者の意識調査」、そういうアンケート調査をやっております。私は、そこでいろいろな資料が出ていて、感銘を受けたのは、子供に見せたい番組というのも実はあるわけでございます。
 レーティングといいますと、ややともすると否定的に事業者の方はとらえがちなんですけれども、私は、むしろ発想を転換して、子供たちにいいテレビメディアを通じて育っていただくために、グッドレーティング、つまりいいレーティングをどんどん推薦していったらどうだ。
 例えば、こういうアンケート調査に親が子供に見せたい番組というのがあるとするならば、そういうPTAの推薦がある番組だということで、新聞のテレビ欄とかテレビガイドにつけておけば、親さんからすると、ある程度のガイドラインになるのじゃないか。こういうテレビ番組を情操教育の一環として見せていけばいいのだろうな、多くの親たちがそういう勉強をしてくれるのではないかという感じがするわけです。
 つまり、私が非常に懸念しているのは、そういうレーティングとかVチップといったときに、必ず悪いことばかり考えられる。そうじゃなくて、逆に、いいことを伸ばしていくために放送事業者があるとするならば、それについてもう少し余裕というか、ゆとりを持って研究をしていただきたいなと思うのですが、これに対してはいかがでしょうか。
#45
○河野参考人 NHKの河野でございます。
 ただいまの野田委員の御質問にお答えします。
 レーティングについて同じ考えに立てるかどうかわかりませんが、今御指摘のように、積極的な面といいますと、私たちも、今のメディア状況の中で、どうやって子供たちに本当に感動させるような番組がつくれないかというふうなことを考えておりまして、例えば子供向けのドラマとかドキュメンタリーとかは、これから三カ月たち、半年たち、一年たって、いろいろなことでやっていこうと思っています。
 その際、例えば統一的な何かすてきなタイトルをつけて、そういうことを編成上工夫しまして、子供たちにぜひ見てもらいたいという工夫をしたいと思っています。多分、その考えは、今野田先生が御指摘の考えに近いのだろうと思います。
 具体的に言いますと、五月の特集などでは、これは必ずしも新しい番組ではございませんけれども、この半年、さまざまなNHKスペシャルとかいろいろな番組の中で、深く感動を呼んだような番組を束にして集めまして、それをシリーズとして放送して、いろいろな番組のPR等も通じまして、ぜひ、子供たちも、それから教育に関心をお持ちの家庭でも見ていただくような工夫をこれからしていきたいと思っております。
#46
○野田(聖)委員 ぜひ、NHKが先頭に立っていただきまして、そういうぎすぎすした社会づくりではなくて、やはりどれだけそういう子供たちのためにそれぞれの立場で提供していけるかということを考えつつ、前向きに進んでいただきたいと思います。
 そんな中で、私が特に最近子供たちにぜひ見てもらいたかったなと思うものに、番組ではないのですけれども、パラリンピックがございます。
 これは、冬季のパラリンピックではアジア初めてでありますし、大変結果として日本の選手が大活躍をしてくれ、なおかつ、テレビでほんのわずかですけれども選手たちの活躍を見ていた小さな子供たちが、そういうハンディを背負った人たちが自分たち以上に頑張っている姿にいろいろな思いを持ったのではなかろうかと思います。
 ところが、このパラリンピックの放送について調べますと、特にオリンピックが余りに連日連夜あったせいもあるのでしょうけれども、ちょっとNHKにしてはけちだな、非常にささやかなテレビ放映だったなということ、これはもう私が言うまでもなく、いろいろ既に国民の間から声が上がっているところでございます。
 もう既に終わったことに対して言っては申しわけないのですけれども、これからの先々の考え方として、例えば子供たちに見せたいなと思っても、NHKがやっていたのは夜の十時四十五分からの十五分、大概子供たちを寝かしつけるころにやっていただいても、いまいち子供たちにとっては喜ばしい時間なのかどうかとか、とにかくオリンピックはすごくお金が高いらしいですね、放映権。私はよくわかりません。ただ、パラリンピックは無料だったわけですよ。でも、民放の人たちは、もうからないなと、勝手にそう推測されて、番組を編成されなかったけれども、だからこそNHK、公共放送の視聴率にこだわらないそういう態度をパラリンピックで見せていただきたかった、そういうことがありますので、それについて、会長、これからの思いも込めてお願いします。
#47
○海老沢参考人 パラリンピックについては、私も開会式に出席してまいりました。御承知のように、パラリンピック、私どもも中継は開会式、閉会式にとどめて、競技の方はいろいろな問題がありましたのでやりませんでしたけれども、そのほかの番組、夜、総合でやりました。その後いろいろ反響がありましたものですから、これを教育テレビの方でも子供たちが見られる時間に編成したわけであります。
 そういう面で、もっとやればよかったなという自戒もありますし、これは予想以上にというと語弊がありますけれども、オリンピックの成功あるいはその後の社会の関心の度合いというものが我々の予想をはるかに超えてしまったという面もあります。
 そういう面で、これから、四年後でありますけれども、まだその前にいろいろそういう障害者のスポーツ大会がありますので、できるだけ、子供たちも相当感動と触れ合いといいますか、それを感じたわけでありますから、今野田委員が指摘されました点を十分踏まえて、さらに番組の充実を図っていきたいと思っております。
 ただ、我々、障害者に対してはいろいろな面から多角的に取り上げておりますし、これからも、ゆうべも「クローズアップ現代」でパラリンピックの後追いをしましたり、またいろいろな面でこの障害者のスポーツ物については取り上げていきたいと思っております。
#48
○野田(聖)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
#49
○坂上委員長 浅野勝人君。
#50
○浅野委員 放送・通信のデジタル化は、情報産業を二十一世紀の花形産業に押し上げるだけではなく、人々の生活様式にも大きな変革をもたらす、言ってみればマルチメディア革命なんですね。
 中でも、CSデジタル放送は三百チャンネルの時代を迎えましたけれども、気がかりなのはテレビ番組の内容です。例えて言うと、売り場の面積だけは何十倍にも広げられましたけれども、そこで売っている商品は旧態依然のままで、まごまごしていると品質の低下は免れない。NHKでさえ地上波二つ、BS二つのたった四チャンネルの放送の質を維持するのに大勢のプロたちが四苦八苦して、やっと放送文化のとりでを守っているというのが実情だと存じます。どうしてもソフトを充実させる政策誘導が求められます。
 そこで、著作権処理された映像素材を保管する大がかりなソフトアーカイブをつくって、中小零細の市中の制作会社や個人にも自由に安い値段で素材が利用できるような便宜を図って、制作の手助けをして、言ってみればCS多チャンネル時代のコンテンツ不足を補っていくような施策が求められております。
 そこで、郵政大臣、大型補正予算の編成などを見越して何か具体的なお考えはございますか。
#51
○自見国務大臣 浅野委員から補正予算に対する御質問でございますが、現在、平成十年度の本予算を国会の方に審議をお願いしている状態にあるわけでございますから、我々内閣の一員として、まさに平成十年度の予算をできるだけ早く可決していただきたいとお願いをさせていただきまして、具体的には、今、補正予算についてはコメントする立場にないという立場は御理解をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 しかしながら、先生の質問の要旨、ソフトの分野も充実せいという話は、一般論としては全くそのとおりでございまして、大変私は貴重な御指摘だというふうに思っております。
 先生御存じのように、先生の方がずっと御専門でございますが、放送番組ソフトには、制作、流通、保存を推進する必要がございます。まさに、今さっき言いましたように、この制作、流通、保存に関する政策がいわゆる放送番組ソフト政策の三本柱だというふうに思っております。
 具体的に何をやっているのかという御質問でございますが、著作権フリーの映像素材をだれでも利用できるようにする、そういった環境整備が非常に重要であるというふうに思いますので、平成十年度予算におきましても、放送番組の流通情報の提供方法のあり方に関する調査研究、あるいは国会図書館と提携して行う放送番組の保存のあり方に関する調査研究をお願いしてあるところでございます。
 いずれにいたしましても、審議会の推計によりましても、二〇一〇年にマルチメディアの分野は百二十五兆ぐらいの規模になるだろうという推計をいたしております。その中でも、約五五%がソフトと申しますか、コンテンツと申しますか、そういったものになるだろうというふうに推計をいたしておるわけでございまして、ハードの整備も大事でございますが、まさに先生の言われるようなソフトの拡充について、さらに一層先生初め皆さんの御意見をいただきながら、施策の充実に努めていきたいというふうに思っております。
#52
○浅野委員 放送ソフトアーカイブなどの充実は、NHKを初め実績のある地上波各社の協力がなくては到底実現できません。海老沢会長の見解を伺っておきます。
#53
○海老沢参考人 御承知のように、映画のソフトの場合は非常に保存がよくできておりましたけれども、私ども放送の場合は、御承知のようにVTRというものがなくて、生放送でそのまま終わってしまう、キネコで若干撮ってある程度ということで、本当にテレビの映像が非常に大事だ、あるいは、将来これがいろいろな面で活用されるというのがわかったのは二十年前ぐらいなんですね。
 私どもNHKも、二十数年前から、全番組を保存し、これを再利用、再活用しようということで今その整理を急いでいるところであります。そういうことで、今東京の放送センターあるいは鶴岡、浜松等に分散してあります。これをできるだけ一カ所にまとめてきちっとした保存をし、それを再利用、再活用するように今準備を急いでいるところであります。
 そういう面で、この映像ソフトは国民受信料でつくった番組でありますから、国民全体の共有財産だろう、私はそういう認識を持っております。
 その場合に、先ほど議論が出ていますように、やはり著作権という問題があります。図書とかそういうものと違いまして、非常に映像というものはいろいろな人がかかわっておりますし、それぞれのかかわった人たちの著作権というものが複雑に絡んでおりますので、その辺をどうクリアするか。これは、文部省、いろいろなところでまた研究を進めておりますけれども、その辺を十分我々も審議の場に意見を述べていって、できるだけそういうニーズにこたえられるような体制をこれから進めていかなければならぬだろうという認識を持っております。
#54
○浅野委員 いずれ大がかりなソフトアーカイブというのは避けられないと思いますので、その場合、NHKは率先して多くの放送事業者のために協力をしていただきたい、そのことを念を押させていただきます。
 先ほど同僚議員からもちょっと指摘がありましたけれども、CS、BSとも星を使った全国向けの放送だけがふえて、視聴者にとって身近な地域の情報がおろそかになりがちです。衛星を使ったデジタル放送が進むということは、同時にローカル放送がないがしろにされるという技術的な宿命を伴うわけなんですね。NHKは、この矛盾をどう克服して公共放送としての使命を達していく御方針でしょうか。
#55
○海老沢参考人 デジタルの技術が進みますと、衛星、いわゆるBS、CSの多チャンネル化というふうになるわけでありますが、この前、私どもの文化研究所が世論調査いたしました。それを見ますると、やはり国民の大多数は、多メディア・多チャンネルになればなるほど、地上の放送というものの役割が逆に増すのではなかろうかという意見がかなり出ております。
 それはやはり、メーンチャンネルである地上波というものは国民生活にとって欠かせないもの、あるいは国民の生命財産を守るといいますか、災害等から守るためのいわゆる緊急報道なり、あるいは教育、教養、娯楽という四つの分野をバランスよく総合的に編成したものを見たい、そういうニーズというものは私は変わらないと思っています。
 ただ、BSとかCSが何百チャンネルできましても、これはあくまでも専門チャンネルといいますか、サブ的に見るチャンネルではなかろうか。やはり基本は、基幹放送といいますか、地上波が当分の間は大きな役割を果たしていくのは変わらないだろうというふうに見ております。
 そういう中で、私は、先ほども申しましたように、地域にはそれぞれの文化がありますし、営みがあるわけでありますから、そういう面で、やはり地域放送というものは今後とも変わるわけではありませんし、逆にまた強化していくべき、充実していくべきだろうというふうに考えておりますし、私どももその方向で、今、地域放送局の改革といいますか、再構築に取りかかっているということであります。
#56
○浅野委員 BS1、BS2、WOWOWをBSアナログと併存させるサイマル化には問題ないと思いますけれども、ハイビジョンの試験放送について、NHKはどのように対処をしていく御方針ですか。
#57
○酒井参考人 お答えします。
 ハイビジョンにつきましては、御承知のとおり、現在、NHKと民放各局がそれぞれ免許を取りまして、BSAT1、BS4先発機でございますけれども、これで実用化試験放送を行っております。ハイビジョン普及チャンネルにつきましても、このBSデジタル放送で同内容の放送を行うということになっております。しかし、現在の実用化試験放送をいつの時点で本放送化するか、そのことにつきましては、現時点ではまだ決まっていないというのが実情でございます。
 NHKとしましては、BS4後発機によるBSデジタル放送でも、ハイビジョン普及チャンネルのサイマル放送を実施していく考えでございます。非常に画質がいい、それから音質もいい、こういうデジタルハイビジョンの放送によるサービスの高度化というものがBSデジタル放送の中核になるというふうに考えておりまして、今後もハイビジョンの普及に一層努めていきたい、早期の本放送化を期待しているところでございます。
#58
○浅野委員 ハイビジョンの試験放送に当たっては、民放各社と十分協議しながら協調してやっていっていただきたいと存じます。
 時間が参ったようですから、テレビの国際放送について、日本語の放送というのは、海外の邦人の情報、娯楽提供には十分役割は果たしておりますけれども、やはり、英語に吹きかえるというのがかなり重要だと存じます。大変なコストを伴うものだそうでございますので、この工夫について、きょうは時間がありませんのでこれでおきますけれども、次の機会に、テレビの国際放送を一歩前進させる施策について論議をさせていただきたいと存じます。
 終わります。
#59
○坂上委員長 石崎岳君。
#60
○石崎委員 自由民主党の石崎岳であります。
 二年後からいよいよ日本のテレビもデジタル時代に入るということになっておりますが、一月に出ましたこの「デジタル時代へのNHKビジョン」という冊子の中で、デジタル時代であっても受信料制度をあらゆる努力を払って守る、あるいは、どこでもだれにでも廉価にという原則は堅持するといった方針が書かれております。
 その一方で、同じ冊子の中に、受信料制度を基本にしつつ、スクランブル方式の活用などデジタル時代の新しい料金システムの可能性についても引き続き検討するという表現があります。
 これを虚心坦懐に読むと、非常に矛盾した二つの方向性といったものが同じ冊子に盛り込まれているというふうに思います。明らかに相対立する矛盾した要素が含まれていると思いますけれども、会長の真意はどこにあるのでしょうか。
#61
○海老沢参考人 私どもはやはり受信料制度をこれからも維持すべきであろうというふうに私は思っております。
 そういう中で、政府の規制緩和小委員会から、スクランブルのこともひとつ検討してほしいという要請が来ましたし、また郵政省の方から、その小委員会の意見を踏まえてそういう意味のお話がありました。
 そういうことで、これを無視するわけにはいきませんので、私ども、いろいろな角度からその可能性について勉強していこう、検討していこうということで今検討しております。しておりますけれども、まだ結論は最終的に出しておりませんけれども、先ほど言いましたように、今千二百万世帯まで普及したものを受信料、これからのものをスクランブル、有料ということになりますと、やはり非常に混乱を起こしますし、また受信料制度そのものの基本的問題にかかわりますので、私は、スクランブルじゃなくて今の受信料制度でやっていった方が国民の理解は得られるだろう、そういうふうに思っております。
 そういうことで、これからもいろいろな意見を聞きますけれども、今の時点でスクランブル、有料化というのは非常に難しいなというふうに私は考えております。
#62
○石崎委員 そうすると、まあそういうふうに言われたので検討するけれども、実質的には受信料体系を維持するというお考えだというふうに今の答弁を聞くと思いますけれども、郵政大臣意見の中でも、「受信料体系の在り方について検討を行うこと。」という表現があります。
 こういった表現、NHKはその意思がないというふうに答弁がありましたが、大臣意見に盛り込んだ大臣の真意をちょっとお聞かせください。
#63
○自見国務大臣 石崎委員にお答えをいたしますが、郵政大臣意見の中の受信料体系のあり方を検討とは、NHKに対しまして、今先生御指摘のように、BSデジタル放送のスクランブル化と受信料免除措置の見直しという受信料徴収の仕組みに関する検討を行うことを求める趣旨でございます。
 特に、このNHKのBS放送のスクランブル化については、財源確保というよりも、私の認識としてはむしろ公正競争ですね。NHKといろいろな民放事業者も競争しているわけでございますから、公正競争の見地から提起されたものである、私はそういうふうに思っております。
 受信料制度そのもののあり方については、公共放送としてのNHKの事業運営を支えるにふさわしい基本的財源として国民の支持を得ているものと考えております。
 御存じのように、NHKを初め、民間放送事業者につきましても、これは財政的にきちっと安定をしていただくということは大変重要な、ある意味で放送の表現の自由を守るきちっとした、大変大事な要件だ、こういうふうにも認識をいたしておるわけでございますから、そういったことを含めて、NHKの受信料制度そのものについては引き続き維持されるべきものであるというふうに私は確信をいたしております。
#64
○石崎委員 そうすると、やはり外部の意見にそういうものがあったから一応検討はしようということでありますけれども、NHK、郵政省双方とも現時点ではそういう考えがないという認識だというふうに受け取りましたが、私は、やはり受信料制度というのは、NHKのあり方、公共放送としてのあり方、ユニバーサルサービスの責務といったものと一体であるというふうな認識を持っております。
 そして、これから多チャンネル時代、三百チャンネル、三百五十といった規模になりますと、そういう中で、多チャンネル時代においても、既に周波数、たくさんの波を持っているNHKが、そのすべてを受信料では運営できないから一部スクランブル放送にするといったことになりますと、やはりユニバーサルサービスあるいは公共放送としての基本に抵触するのじゃないかというふうに私は思います。
 ですから、本当に、そのままで、現在の受信料制度のままで今の多チャンネル時代におけるNHKの経営規模といったものを維持できるのかどうか、維持できなかった場合にスクランブルにするのかどうか、その辺をはっきりしていただきたいなと思います。郵政大臣にもぜひお願いします。
#65
○海老沢参考人 私は、やはり受信料制度を維持するために、今機構改革といいますか改革を進めながら、国民の理解と信頼を得ながら、堅実にやっていきたいというふうに思っているわけであります。
 そのためには、やはり内部の財政基盤をきちっと確立すると同時に、さらに国民に対する理解といいますか、そのためには、質のいい豊かな内容の番組を提供しませんと国民の信頼を失ってしまいますから、そういう面で、質の高い番組を続けることができる限り、国民から支持され、信頼されて、受信料は維持できるだろう、私はそう思っています。
 そして、私は、あくまでもこの受信料の中で業務を展開していくべきだろう、そういうふうに思っております。
#66
○品川政府委員 大臣意見の考え方を申し上げますけれども、先ほど大臣から答弁申し上げましたように、今回スクランブルの是非、適否ということにつきまして議論しておりますのは、主として公正競争の見地からいかがかということでございまして、新たな財源という意味からではないというふうに受け取っております。
 ただ、また別な見方をしますと、スクランブルをかけることによって料金徴収が確実になるのではないか、受信料制度のためにも有効じゃないかという見方もまたございますが、いずれにしましても、スクランブルを要するかどうかということにつきましては、やはり先生も先ほどから御指摘のように、NHKの基本的な役割はどうあるべきなのか、また視聴者にどのような影響を及ぼすのか、そういった総合的な角度から考えるべきものだと思います。
 それで、BS4後発機になりますと、今まだ利用する委託放送事業者は決まっておりませんし、また有料放送で行うのか無料放送で行うのかも決まっておりませんけれども、しかしいずれにしましても、今後BS4後発機になりますとまた受信料の体系なりスクランブルのあり方というのはやはり検討すべき課題ではございますので、こういった今後の放送業界全体の動きというものを見ながら、NHKの今後果たすべき役割というものを総合的にとらえてこのスクランブル問題も検討していくべきものであると考えております。
#67
○石崎委員 もう一つ気になるのは、この「デジタル時代へのNHKビジョン」の中で、受信料収入を補うものとして副次収入の増加を目指す、あるいは関連団体による多様な事業展開を図るというような方針が示されております。多チャンネル時代では各メディアが収入を確保しようと躍起になっているわけでありますけれども、そういう中で、受信料体制を維持するために、それ以外の営業活動を強化していくという力がますます働いていく。多チャンネル時代でNHKがそういう力を拡大していくということになりますと、またぞろ肥大化、あるいは関連団体による、関連団体を使った商業活動といったものへの批判が出てくると思われますが、会長の見解はいかがでしょうか。
#68
○海老沢参考人 御承知のように、今、関連会社二十七団体があります。この中で、株式会社として営利を目的とした会社をつくり、いろいろな事業を展開しております。
 御承知のように、十数年前に、放送法の改正によって、NHKがいろいろな事業展開を関連会社をつくってできるということになりまして、それに基づいてやっているわけでありますが、その中で、私は、あくまでも公共放送がバックにいるわけでありますから、そういう面で節度を持って運営していこう、そしていわゆる民間放送の事業を横取りするとかあるいはそれを妨害するとか、そういうことはしないで、やはりNHKの関連団体でなければできないような公共性の高い仕事を中心に展開していこうということでやっております。
 しかし、そうしますと、やはりなかなか、収益ということになりますと限度があります。今、御承知のように、最近は関連団体からの副次収入は四十億前後でございます。NHKの受信料収入の一%に満たない額であります。これをさらにふやしていくべきだろうという意見と、それほど無理してほかの業界を圧迫するようなことはいかぬという二つの意見が当然出てきます。
 そういう面で、我々は節度を持ってやっていこうということを基本としながらも、やはり株式会社でありますから、いろいろな創意工夫をしながら、また新しい事業を開発しながら、幾分でも受信料収入を補うまでいきませんけれども、補うような気持ちで仕事をしなければならぬだろうと思っております。ただ、これもやはり限度があります。
 それからもう一つは、先ほど言いましたように、NHKの保存している番組を将来どういうふうに活用するか。これを再利用、再活用するため、やはり収入源に今の保存番組が出てくるだろうと思います。その辺を踏まえてそういう文章にしたわけであります。そういう面で、今持っている番組をこれからどういうふうに利用、再活用するか、それによってまたどれだけの収入があるか、その辺をこれからさらに検討を進めていきたいと思っているわけであります。
#69
○石崎委員 受信料体制を維持するために何か矛盾が起きる、あるいは逸脱が起きるということがないようにぜひ希望します。
 終わります。
#70
○坂上委員長 坂井隆憲君。
#71
○坂井委員 自由民主党の坂井隆憲でございます。
 昨年六月、放送と人権等権利に関する委員会機構というものが設立されました。いわゆるBRCというものでございますが、この機構は、御案内のように、平成五年、衆議院総選挙に際してテレビ朝日が偏向報道を行った、椿発言事件というものがあったわけでありまして、その後、テレビの公平中立というものを求めて議論されたその成果が四年越しに実ったなということでございました。
 当時、平成五年の八月、自由民主党が野党の時代でありますが、逓信委員会で欧米を視察いたしまして、ちょうどイギリスに苦情処理機関というものがある、私はこれをぜひ見たいというふうに思いまして、委員のメンバーの中でただ一人私が抜け出してその苦情処理機関を見に行くことにしたわけでありますが、当時一緒に同行していただいた自見郵政大臣が、まあ坂井君、かわいそうだしおれも関心あるから一緒に行こうと一緒に行っていただいて、非常にうれしく懐かしく思っているところでありますが、そのときに、この苦情処理機関、戻ってから江川放送行政局長とお話をして、こういうふうになって、本当によかったなと思っているわけであります。
 その当時から議論していることの一つに、テレビ朝日がそのときに偏向しているかどうか、ではビデオを見せてくれ、放送したテレビを見せてくれということを申し上げましたところ、それはもうないんだということで見せてくれませんでした。だから、これは本当に公平かどうかという問題は、やはりそのテレビを、ソフトを保存して聴衆に見せてもらわないと困るということで、そういう議論をしていたわけであります。
 その後、放送法が改正され、テレビのソフトの保存期間も延長されましたけれども、そういうことを考えていきますと、やはりこれからは、この苦情処理の問題に関連しましてもビデオのソフトの保存をどうしていくか、その公開をどうしていくかということが極めて重要な課題になってくると思います。
 このテレビビデオの保存ということは、単に苦情処理の問題だけでなくて、やはりテレビの文化というものがこれから重要になってくるときに、いろいろな文化的観点においても、例えばいいドラマをやっていたとかいい音楽をやっていたとかいろいろなことがあると思いますし、あるいはいろいろな経済的な、政治的な問題のときにテレビがいいドキュメントを報道したということもあろうかと思います。そういうものもなかなか見せてもらえません。
 著作権の問題ももちろんありますが、そういうことを考えていきますときに、これからのテレビ文化において、やはりどのように放映したソフトを保存提供していくかということが課題になってくると思います。
 そういうことを考えまして、日本放送協会、NHKがことしの一月に発表しました、「より豊かな公共放送のために デジタル時代へのNHKビジョン」というものを読んでおりましたけれども、なかなかそういうソフトの保存、提供という問題は出てきておりません。
 私は、民間のところにまでお願いするのはなかなか簡単にはいきませんので、NHKがまず率先してこういう放送ソフトの公開とか保存に尽力すべきだと思っておりますが、そういうことから考えまして、NHKの外部へのソフト提供の考え方と現状、それからソフト保存に対する取り組みの状況についてお聞かせいただければと思います。
#72
○河野参考人 先ほどからのNHK側からの答弁の中にもありますが、これまでは、放送番組、放送というのは、第一に、放送をする目的で保存をしております。これを公開するに当たっては、著作権の問題だけではございませんで、人権の問題とか、新たな、公開することによってどういう形で利用されるかによってプライバシー等の問題もございますから、ここについてはきちんとしたルールをつくった上でアーカイブ等に保存しようというふうに思っております。
 これまでも、NHK及び民放を中心に、番組については、放送番組センターというものがございまして、これは間もなく横浜で機能を新しくしますが、それには四千本のさまざまな権利関係をクリアした番組が既に保存されておりまして、それにつきましては、広く一般の方々がそこでアクセスすればそれを公開するというふうになっております。
 私どもも、将来のアーカイブに備えて、いろいろな面で研究、検討を続けていきたいというふうに考えております。
#73
○坂井委員 放送番組センターのことに関しましては、平成六年六月に、放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法の審議のときに私も質問に立ちまして、放送番組センターの議論をしたことがありました。
 そのときにも申し上げたことで、また繰り返しになりますが、そのとき、私はこの席で、平成四年六月十五日の郵政省の放送ソフトの充実に関する調査研究会という報告書がある。そして、この報告書の中には、「いつでも、どこでも、必要な情報を得られる豊かな情報環境づくり」を推進していかなければならない。あるいは「日本文化の創造・発展への貢献」ということで、「放送ソフトは、一面において「文化」そのもの」である、「「文化」の保存及び普及に大きく貢献」していかなければならない。さらに「民主主義の健全な発達への貢献」「合理的な判断を行っていく上で必要な正確かつ多角的な情報の提供を通じて、健全な民主主義の発達に貢献することが期待されている。」そういう報告書が実はあったわけでありまして、こういうことを引用しながらこの番組センターのことについても質問した経緯がありました。
 その番組センターは、そのときの委員会でも申し上げましたが、素材をつくっていく、ですから、いろいろな放送ソフトの制作を行う場合に、制作会社のためにそういう素材を提供していくというような観点が一つ。もう一つは、先ほどから申し上げていますように、国民の立場から見ると、どういうものをもう一度見ることができるかという二つの観点があって、どちらかというと、これは前者の方が重点になっているのじゃないかということを指摘したことがありました。
 その際、私は、国立国会図書館の話もいたしました。国立国会図書館というものがあって、そこは納本義務があって、本を納入されているのだ。ですから、放送番組をどういうふうに保管するかというシステムを考えていかないと、これは、これからの日本の文化というものを考えていくときに、やはり立ちおくれてしまうのじゃないか。
 国立国会図書館というのは、テレビのない時代にできた図書館法ですから、そういう意味で非常に不備なところがあります。ですから、私は、その後も国立国会図書館にいろいろお願いをして、少し研究をしてくれということのお願いをしたことがありました。
 この平成六年の質問のときに、そういう意味で私が質問したときに、当時の江川放送行政局長は、放送のソフトというのがある意味では国会図書館の書物に匹敵する重要さを今後ますます持ってくるものだと思いますから、私が質問したように、その意見を十分頭の中に入れて、次の一歩を研究する上での視点にさせていただきたいという答弁が実は行われたわけであります。
 私は、そういう意味で、これからの我が国のテレビ文化というものを考えた場合に、人権を保護していくという観点と、正常な、正しい民主主義を育てていくという観点、あるいは歴史や文化を保存していくという観点から、やはりビデオをどういうふうにして保存、活用していくかという問題は、単に横浜ライブラリーの素材の問題だけでなくて、幅広い観点からやっていただきたいということを平成六年のときにも強くお願いをしていたわけであります。
 ちょうど逓信委員会で自見大臣と一緒に海外視察したときに、当時郵政省からアメリカに赴任していた人の話では、アメリカにはどこかの大学にたしかそういう少し保存しているところがあったようでしたよというような話を聞いたこともありました。ですから、そういう話を国会図書館にも話をし、当時の江川局長にも話をして、勉強していただきたいということをお願いしていたわけであります。
 そういう中で、本当に、当時、野党時代に大臣と一緒に逓信委員会で視察して、イギリスの苦情処理機関も思ったようにきれいな建物でなくて、細々とした中で二人で一生懸命意見を聞いてきましたが、そのときに、お互いに、こういう文化をつくっていこうという話も大臣とした記憶があります。
 ぜひ、この機会に、放送番組ソフトの体系的な保存、活用という観点で、例えば国会図書館との関係は今どうなっているのか、私が前からお話をしておりましたが一その点はどうなっているのか、あるいは視聴者の要望、苦情という観点で、BRCとの関係についてどう考えているのか、そういう点について、事務方の答弁と大臣の決意もお聞かせいただければと思います。
#74
○品川政府委員 まず、事実関係から申し上げさせていただきます。
 先生御案内のように、国会図書館につきましては、第二十五条に基づきまして、図書及びその他の図書館資料の収集というのが任務になっております。現在、国会図書館におきましては、納本制度調査会というところで、電子出版物の納本のあり方を検討されているということでございます。
 これから、デジタル技術の普及に伴いまして、映像情報というものを保存あるいは閲覧させるにつきましても、デジタル映像処理技術の活用によりまして、保存、閲覧の新しい可能性が開けていくわけでございますので、ぜひその点を重視してまいりたいと思いますが、今申し上げましたように、国会図書館がこの問題については中心的役割を果たしておりますので、平成十年度予算におきまして、郵政省と国会図書館の間で、この放送番組の保存のあり方について共同研究をすることにしております。したがいまして、この予算を通していただきました暁には、速やかにこの研究に着手したいと思っております。
 それから、放送と人権等に関する委員会の件でございますが、三月十六日現在でここの利用状況を調べますと、開設以来、八百六十九件のいろいろな申し入れといいましょうか、問い合わせがあるということでございます。
 それで、これから放送番組について視聴者がいろいろ苦情を言う、あるいは意見を言うということにつきましては、こうした機関もございますけれども、民放連においても視聴者電話応対室というものを設け、あるいはNHKを初め各放送事業者においては、視聴者の声を聞く係を電話でもあるいはインターネットを通じても設けておりますから、そういうルートがあるのだということを広く視聴者の皆さんにPRしていく、あるいは情報を提供していくことも私どもの任務かなというふうに存じておる次第でございます。
#75
○自見国務大臣 坂井委員の質問に答えさせていただきます。
 もう言うまでもなく、放送というのは、表現の自由ということもこれは民主主義国家にとって大変大事なものでございますし、同時に、放送というのは公共の福祉に適合するように規律せねばならない、こういった放送法の基本的な精神もあるわけでございますから、私は、放送の自由、表現の自由と、もう一方、公共の福祉をどういうふうに調和をさせていくかということが、民主主義国家において大変貴重な判断だというふうに思っております。
 そういった中で、先生と昔ロンドンに逓信委員会の委員の派遣で行かせていただきました。いろいろ勉強させていただいたわけでございますが、先般、放送と人権等に関する委員会、これはNHK、民放連が自主的にお金も拠出し、委員も、お聞きするところによりますと、人権擁護分野で活躍しておられる弁護士さんだとか最高裁判所の判事経験者、あるいは国際経験、国際感覚豊かな人、放送法の権威者など八人で構成された委員会をつくられたということでございまして、これは番組審議会の外に共通に、NHKと民放連がつくられたという話を聞かせていただいております。
 やはり基本的に、自主自律ということでございまして、放送事業者が自主的に自分たちできちっとやっていただくということは、私は放送の一番大事な原点の一つだろうというふうに思っておりますので、こういった委員会をつくられたということを私は高く評価をさせていただきたいというふうに思っております。
#76
○坂井委員 どうもありがとうございました。
#77
○坂上委員長 大石秀政君。
#78
○大石委員 引き続き、自由民主党の大石秀政でございます。
 大臣、会長、大変御苦労さまでございます。
 各委員の質疑に対します、会長の衛星でのデジタル放送の二〇〇〇年の開始に対する熱意というものに私も大変熱い感動を受けましたし、ぜひともこれは何としても成功させなければいけないというふうに思っています。
 ただ、やはり衛星でのデジタル放送というものに対しますステップ、基盤というものを一番大切にしなければならないと思うのですけれども、それは、今のアナログでの衛星放送の番組内容とか、あるいはさまざまな環境に対するいろいろな評価というものが一つ大切な要素ではないかと思っているわけでございます。ですから、将来に対する意欲というものは大変重要ですけれども、しっかりと足元を見たそういったものに対する取り組み方も非常に大切ではないかと思います。
 その評価のバロメーターとして大変わかりやすいものとしては、やはり契約数といいますか、普及状態の数だと思います。最近は、若干伸び悩みと言ってはなんですけれども、飽和状態に来ているかなというような見方もある中で、現在のその数値と今後の見通しについてお教えをいただきたいのですけれども、よろしくお願いいたします。
#79
○海老沢参考人 BS衛星放送は間もなく十年になります。非常に順調に発展しているだろうというふうに自負しております。
 そういう中で、この平成九年度、景気の停滞、後退と言われる中、消費が非常に落ち込んでいる中で苦戦しております。ことしは、長野オリンピックがあって、私ども契約八十万件を目標にしましたけれども、ちょっとこれは難しくて、今六十三万から四万ぐらいかなというふうに思っております。十年度は、七十万の契約を見込んで予算を組んだわけであります。そういう面で、七十万前後の契約は今後とも推移していくだろうというふうに予測しております。
 ただ、それには、豊かな内容の番組を提供しませんとこれは普及しませんので、いずれにしても、毎年毎年ソフトの開発あるいはいろいろな番組の購入なり、そういうものでひとついいものを提供していこうというふうに思っております。
 二〇〇〇年からデジタル化するわけでありますけれども、その際に、やはりこのアナログからデータを買うためには、それだけのインセンティブといいますか、新しい要因というものを付加しませんとこれは普及しません。そういう面で、デジタルの特性であります、多機能を持ったデジタルでありますから、そういう意味でデータ放送といいますか、いつでもボタンを押せばニュースが見られる、あるいは天気予報が見られる、あるいはまた電子番組表といって、きょうはどういう番組をやるのか、きょうはどういうドラマが並ぶのか、あるいはそういうものを自動的に呼び出せるとか、あるいはビデオをいつでも撮れるようなシステムを付加するとか、そういうことをいろいろ考えております。
 それと同時に、やはりBS4後発機は、いわゆるHDTV、高精細度テレビとか高品位と言っていますけれども、私ども今ハイビジョンと称しています。このハイビジョンがやはりBS4後発機の中核になるだろうというわけであります。
 そういう面で、ハイビジョンにつきましても、今ニュースは一週間に一本しかやっておりませんけれども、今の総合テレビと同じように、二〇〇〇年のデジタル化ハイビジョンの時代には、ニュースもハイビジョンを非常に多くしていこう。当分の間は今の標準型テレビと同じような面が若干残っておりますけれども、いずれにしても、ハイビジョンでニュースを伝える、そういうことも今いろいろ検討させているところであります。
#80
○大石委員 どうもありがとうございました。
 そういった中で、今、ハイビジョンのチャンネルもあるのですけれども、普通は二波ということで、やはりBSを二波持っているということ、これは大変な財産というか、そういうものであると思いますし、この情報社会の中にあって大変貴重なものだと思っています。
 それで、衛星第二チャンネル、いわゆる十一チャンネルですが、今会長も十年前とおっしゃいましたけれども、放送免許を受けるに当たって、難視聴解消サービスの実施を目的とするチャンネルとして取得をした、そういうものもあるのかもしれませんけれども、幾分、NHK地上波の第一チャンネル等と番組がかなり、かなりといいますか、再放送的なものあるいは同じ時間帯に同じものをやっているというような状態がございます。
 十年近く前と違いまして、難視聴についても恐らくかなり改善をされておるでしょうし、今の会長の御答弁の中にもありましたし、それは先ほど石崎委員の方からのユニバーサルサービスということも考えなければいけませんけれども、このBSの二波の活用というものがこれからより重要になるかと思います。
 そんな中で、いろいろな要素の変化の中で、いわゆる衛星第二、NHK第二テレビ、十一チャンネルですけれども、この内容も含めまして、さらなる活用ということをどのように考えていらっしゃるのか、少しお伺いしたいのですが、よろしくお願いいたします。
#81
○海老沢参考人 御承知のように、BS1、BS2があります。
 BS1の方は、先生もう御承知のように、国際情報を中心としたいわゆる情報波、それにスポーツということに特化させております。
 BS2の方は、御承知のように、難視聴解消という大きな目的があります。この難視聴世帯というのがだんだん解消されまして、今七万世帯ぐらいまだ残っておるだろう。小笠原と大東島もCSを使って地上波も送れるようになりましたので、そういう面で、今、山間の中で七万世帯が残っておるというふうに伺っております。
 そのために、今総合テレビと教育テレビ、地上波の二つの波のうちの六割を非常に国民に関心が高い、いわゆる国会中継とか、あるいは大相撲とか、そういうものを中心に衛星第二の方で放送しております。これを二〇〇〇年のデジタル時代にどうするかは、これからどれだけ難視聴解消が進むかどうかということにかかっておると思います。
 そういう中で、二〇〇〇年、いわゆる衛星第二というものは、文化性の高いものとか芸術性の高いものとか、あるいは地域のものとか、そういうものをいろいろかみ合わせてやっております。そういう中で、私、やはり高齢化社会を迎えて非常に国民の関心のある健康の問題、いわゆる健康相談といいますか、健康な暮らしといいますか、そういう面で、来週、九時間にわたってこの衛星第二を使って健康相談を双方向で受けようという番組を組んでおりますし、また四月からは、それを週一回定時化していろいろな双方向の相談を受ける、そういうふうにいろいろな番組を開発して、国民のニーズにこたえるようなチャンネルにしていきたいと思っております。
#82
○大石委員 どうもありがとうございました。
 さらなる御活躍を祈念いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#83
○坂上委員長 今村雅弘君。
#84
○今村委員 自由民主党の今村雅弘でございます。
 逓信委員会で初めての質問の機会をいただきましてありがとうございます。そういう中で、まだまだ勉強中の身でございますので、質問ができるかどうか大変不安に思っておるところでございます。
 初めてこのNHKの予算を拝見させていただきまして、まだまだいろいろ勉強しなければいけないなということを感じているわけでございますが、感じを申しますと、全体の収入の割合にしますと、六百億から七百億ぐらいの設備投資、資本支出といいますか、そういったところについて、こういう非常に情報化時代を進める中で、この資本投資、こういったものでいいのかなという感じをちょっと持っております。
 そしてまた、この建設投資の中でも非常に、部門別によって、その年度によって、例えば対前年三〇%以上増減があるというようなこともあるようでございまして、例えば九年度と十年度で見ますと、全体からいうと六百億程度の設備投資、建設投資ということの中で、新放送施設については、九年度に比べて三二%ほどの減、またラジオ・FMについては三五%の増、あるいは演奏所の整備等につきましては八八%の増、こういったかなりでこぼこが大きいなということを各年度見て感じているところでございます。
 これにつきましては、恐らく全体の投資の枠の関係でありますとか、あるいはこのNHKの性格上、一挙に各部門ごとに単年度に思い切った投資をして広範なサービスを提供する、そういった業務の必要上もあるかというふうに思っておりますが、いずれにしろ、こういったことを中心にまた私も今後とも勉強してまいりたいというふうに思っているところでございます。
 そういう中で、私は、きょうは、そういうことでまだまだ素人でございますので、議員というよりも、むしろ一国民あるいは一視聴者という立場からちょっとお伺いしたいというふうに思っております。
 実は、私、NHKの番組で一番好きな番組は、全国のど自慢ということでございます。きょうも全員で二十五名の質問ということで、テレビの中継も入っているようでございまして、何かのど自慢の中継みたいな感じもあるわけでございますが、とにかく私も大好きな番組でございます。
 ふるさとの香りを乗せて、そしておじいちゃん、おばあちゃん、あるいはいろいろな職業を持った人が本当に個性豊かに大熱演をやられるということでございます。人生いろいろな喜び、悲しみもありますし、そういったこと、あるいはいろいろな境遇を乗り越えて、本当に日本の皆さんたくましく生きておられるなということを感じまして、私も一政治家として大変勇気づけられることも多いわけでございます。
 そういう意味で、ぜひとも、こののど自慢につきましては、今後ともしっかりと力を入れて充実していってもらいたいなというふうに実は思っているわけでございます。
 そういう中で、ちょっとお伺いしたいのですが、私はそう思っておりますが、NHK自身としては、この全国のど自慢大会の番組をどのように評価して、あるいは位置づけておられるのか。例えば視聴率等の問題もいろいろあると思いますが、そういったものが大体どういうふうになっているのか、そういった点について会長のお話をちょっと伺いたいというふうにお願いします。
#85
○海老沢参考人 のど自慢は、半世紀、五十年の歴史を持っておりますNHKの長寿番組の一つであります。それだけ国民から非常に熱いまなざしで、非常に希望が多いということでございます。
 私ども、こののど自慢もいろいろ紆余曲折がありましたけれども、やはりその地域の生の声があの画面を通じて緊張感を持って伝わってくるのではなかろうかと思います。そういう面で、放送というのはやはり生放送が大事だ。のど自慢は、台風とかそういう問題がありますので、二、三ビデオで撮る場合もありますけれども、原則として生放送をやっております。やはり生放送をやりますと、それだけ視聴者等の関心も高まります。そういう面で今、十数%、一五%近い視聴率で、非常に高い支持を得ております。
 先週も、土曜特集で全国大会をやりました。これも、NHKホールで生でやりましたけれども、かなりの関心を呼びました。それから、こののど自慢もだんだん国際的になりまして、二月は日本・ブラジル移民九十周年ということで、サンパウロでのど自慢大会をやりました。非常に関心を呼びまして、ブラジルの数千キロ離れたところから飛行機で飛んできてくれた方、そういうことで非常に盛り上がりを見せました。これは、編集して来月放送いたします。それから、それの予選の風景とかそういうものを含めまして、また番組をつくっていきたいというふうに思っております。そういう面で、やはりのど自慢というのは、かなりこれからも定着し、さらに発展していくだろうと思っております。
 我々は、やはりこういう視聴者にニーズの高いものについては引き続き頑張っていきたい。ただ、やはりマンネリにならないように、またその時代、時代に応じた演出を考えていけば、さらに続くだろうというふうに確信しております。
#86
○今村委員 そういうことを聞きまして、私も大変安心いたしました。
 そういう中で、今まで大体年間に開催が五十回弱、どうも五万人近く応募されているようにも伺っているわけでございます。実は、私は予選の大会にちょっと、私が出たわけじゃないのですが、参加させてもらいましたけれども、これは観客の皆さんも大変な盛況で、そういった方を入れると、年間五万人どころじゃない、これは大変な人気番組というふうに実は思っているわけでございます。
 そういう中で、スタッフの方もいろいろ苦労されることとか、あるいはそういう方が困っておられることなどもいろいろあると思うのですね。そういう中で、例えば開催地をどうするかとか、あるいはそれのお知らせとか、そういったことをどう決められておるのか。
 それから、これはなんでございますが、ぜひ聞いておいてくれと言われたのですが、予選通過のポイントといいますか、秘訣といいますか、こういったものをよければちょっと聞かせていただければ、私も、また地元に帰ってそれを皆さんにお伝えしたいなというふうに思っております。
 そういった点につきまして、よろしければ、苦労話等も含めてお話しいただければと思います。
#87
○河野参考人 今村委員の御質問にお答えします。
 大変のど自慢を楽しんでいただきまして、ありがとうございます。
 NHKのど自慢は、全国でテレビの前で楽しんでいただくだけでなくて、その地域の人たちとともに楽しむ、ある意味では、地域社会に元気を与えるということも目的でございまして、市町村の何々周年というふうなことがございます。そうしますと、そこの自治体からの要請が各地域の放送局にございまして、それが東京の方に上がるようになっております。その上で、会場の施設の規模とか、それから全国的に一年を通してバランスがとれるかどうかということを、いろいろな面を配慮しまして開催地を決めているところでございます。
 それから、応募はがきでたくさんの人の出演をお願いしているのですが、本番出演者は二十組あるのですけれども、予選は二百五十組でやっておりまして、予選も、時にCATVと協力しながら地元に流したりしております。
 どういうふうにすれば本番に出演ができるかということでございますが、一つは歌の上手なということもありますけれども、番組をごらんになってわかるように、必ずしも歌の上手な人ばかりではない。非常に話題性のある人とか、それから九十近いお年寄りから、それこそ今いろいろ問題になっている少年少女、そういうバランスをとるのが構成者の知恵だろうというふうに思っておりまして、人間ドキュメントそのものだと思いまして、なかなかハウツー的にこうすれば通るというふうに申し上げられないのが残念でございます。
#88
○今村委員 なかなか難しい質問をしまして申しわけございません。スタッフの皆さん方の苦労も大変かと思いますが、こういうことで期待しておりますので、ぜひ頑張っていただくようによろしくお伝え願いたいというふうに思っております。
 時間が余りございませんので、ちょっと次に進ませていただきます。
 もう一つは、最近テレビの時代とありますが、私は、ぜひラジオについても力を入れていただきたいなというふうに思っております。
 特に、ラジオの持つ情報の素早さといいますか、即効性の高さといいますか、速報性といいますか、大変なものだというふうに実は思っているわけでございます。今まさに情報化時代という中で、人はやはり常にいろいろな情報に接していれば不安感が減る、そういうことでもございますし、私も床屋に行って一番ゆっくり聞くのはラジオの放送でございますが、深夜放送等もいい番組をやっておられますし、大変これは大切なことじゃないかというふうに実は思っているわけでございます。
 そうした中で、この建設投資を見ますと、三十億前後ですか、全体で言うと五%前後ということで、何かちょっと少ないような気もいたしておりますが、ラジオについて今後どういう方針で臨んでいかれるのか、一言お願いいたします。
#89
○海老沢参考人 ラジオに対する期待といいますか、これはやはり年々増していると言っても過言ではありません。ラジオは、御承知のように七十三年の歴史と伝統のもとに今やっているわけでありますけれども、特にラジオの速報性、同時性というものは災害等には非常に役立つものでありますし、また乾電池でどこでも持ち運びできるものであります。それと同時にまた、聴取者参加といいますか、電話あるいはファクス等との対応もできますし、そういう面でやはりますますラジオの関心は高まっていると見ております。
 そういう面で、先生御承知のように、「ラジオ深夜便」ということで、これも二十四時間体制でやっております。それと同時に、平成十年度はFMも二十四時間放送に踏み切りを進めております、予算が通りましたら。そういうことで、FMも活用して、FMは御承知のようにステレオ化されておりますし、高音質でありますし、そういう面でFMの充実を図っていきたい。
 それから、一時第二放送を廃止するという意見もありましたけれども、私ども、やはりこのラジオ第二放送は、語学とかあるいは生涯教育といいますか、いろいろな面で、少聴取者でありますけれども、非常に聴取者の関心も高いといいますか、勉強のために活用する学習波的な要素がありますので、これも残して、このラジオ三波で今カバーしているわけであります。
 いずれにしても、私は、ラジオは今後とも永遠に続いていくメディアであろうと確信しておりますし、さらに充実を図っていきたいと思っております。
#90
○今村委員 どうもありがとうございました。終わります。
#91
○坂上委員長 竹本直一君。
#92
○竹本委員 きょうはNHK予算の審議でございますので、予算原案を読まさせていただきまして感じたことをまず一、二点御質問したいと思います。
 平成十年度予算におけるNHKの事業収入が六千二百四十六億円、このうち受信料収入が大体九七%を占めているわけですけれども、この受信料の徴収コストを何とか低くできないか、そのように思うわけでございます。そうすることによってNHKの安定した経営形態が保てるのではないか、そのように私は考えるわけでございます。
 ところで、現在この受信料を徴収するやり方として委託集全員というのがおられます。三千百六十七人と聞いておりますけれども、その人件費が相当高くついているのではないか。大体六千二百億の全体事業費の中で人件費が約一千五百億円、この委託集全員の費目が人件費に入っていないようでございますが、幾らぐらいかかっているのか。
 そして、これを郵便の振替とか自動振り込みとか、そういうことにして人件費を使わないようにすることがNHKの経営をより効率的にすることにつながるものだと私は思っております。
 先ほどこの書類を見ますと、平成五年ぐらいから比べますと、例えば委託集全員の数が平成十年度の予算書によりますと一三・六%。ところが、平成五年ぐらいだと一七%ぐらいありました。確かに減ってはいるのですけれども、なぜこれをもっと急速に低くできないのか、また、どのような努力をしておられるのか、ちょっと会長からお答えいただきたいと思います。
#93
○芳賀参考人 営業担当の芳賀でございます。
 先生御指摘のとおり、口座振替等のいわゆる間接集金を促進するということが営業経費を抑制する重要なポイントだというふうに私どもも認識しているわけであります。そういう点で、これまでも営業経費の抑制を図るという観点から、効率的に営業活動を取り進めてきました。
 そして、口座振替の利用率も、平成元年のときは七五%程度でございましたけれども、平成十年度の予算では八三%を見込んでおりまして、そのほかに、いつでも振り込んでくださいという継続振り込みと申していますが、そういうものをお送りして振り込んでいただく、それを入れますと八六%ほどになってまいりました。
 こういうことにあわせまして、委託取次収納員を平成元年度以降およそ二割程度削減をして、人的経費の抑制に努めてまいりました。
 ただ、NHKの営業活動は、ほかの公共料金等とちょっと違いまして、お客様の方から自主的にここへ越したとか新しくテレビをつけたよというふうにお届けをいただくということはなかなか期待できない面がございます。そういう意味で、全国四千六百万の世帯がございますが、一軒一軒訪問させていただいて、御転居がないかとかあるいは衛星テレビをつけていないかどうか等の点検をさせていただくという業務が不可欠でございます。
 こうしたことから、口座を御利用のお客さんがふえたからといって、単純にこういう現場を回っている要員を減らすということについては困難がございます。
 しかし、私どもは受信料で成り立っている公共放送として、引き続きこういう口座振替等の利用促進を積極的に取り進めてまいりたいというふうに思います。
 それから、先生御指摘の三千百六十七人の人件費でありますが、約二百三十億ということになっております。
 以上でございます。
#94
○竹本委員 ぜひその面の努力を引き続き精力的にやっていただきたいと思います。
 それから、もう一点お伺いします。
 我が国の海外への情報発信を促進するという意味で、NHKの国際放送の充実というのは喫緊の課題だと私は思っておるわけでございますが、この予算の内訳を見ますと、平成十年度で映像国際放送をほぼ全世界に拡充する、意欲的なところは見られるのですけれども、その予算が約七十億円。ところが、国内放送費が二千四百五十六億円ということになっております。
 国内と海外を比較しますと、大体三%ぐらいじゃないかというような感じがするわけで、この国際化時代に国際映像放送に対するNHKの予算の割り振りが余りにも低過ぎるのではないか、私はそのように感ずるのですが、この点について、会長の御意見というか御見解をまずお聞きいたしたいと思います。
#95
○海老沢参考人 国際放送の経費の問題でありますけれども、今、ラジオの場合は人件費等含めて九十九億程度を組んでおります。それから、テレビによる国際放送は二十五億、それに、番組の配信に十八億ほどかけております。
 これは、御承知のように、この国際放送そのものを地上波、衛星波と同じようにつくりますと、膨大な経費がかかります。そういう面で、NHKの場合は地上波、衛星波、国際波、三つの大きな波を持っておりますけれども、これを効率よく融通し合いながらやっているということであります。
 ですから、私どもと同じような企業体でありますイギリスのBBC放送の「BBCワールド」、これは国際放送でありますけれども、今、この映像部門だけで六百億程度の金をかけていると聞いております。
 それを私どもが同じような計算をしますと、NHKのテレビによる国際放送は八百億から一千億の金がかかっていると私は見ております。それは、人件費とか施設費とか素材費、そういうものを含んでおりませんし、ニュースを別に撮れば大変な金がかかりますから今の総合テレビをそのまま使っている、あるいは同じ人間をそこで使っている、そういうやりくりで成り立っているということが意外に安く上がっていることにつながるわけであります。ですから、これを分割してそれぞれ波別にやりますと金がかかってしまって、今の財政ではできないという状態だろうと思います。
 そういう面で、効率よく融通し合いながらやっているということで、直接費がそれだけだと御理解願いたいと思います。
#96
○竹本委員 いずれにしましても、国際化時代でございますし、NHKは日本の顔でございます。だから、NHKのニュースが全世界に渡っていくことを考えますと、この国際映像放送にもっともっと予算を充てるべきだと思いますし、我々も、委員としてその面の努力はいたしたいと思います。ぜひ頑張っていただきたい。
 それから、最後に一点でございますが、実は、ことしの二月七日から二十二日にかけまして長野オリンピックが開かれました。我が国における二十六年ぶりのオリンピックということで、大変な感動を与えたわけでございます。
 ところで、このオリンピックは映像のオリンピック、あるいは音声のオリンピックというような響きもあったようでございまして、確かにすばらしい映像がたくさん送られてまいりました。
 ところで、私の選挙区は大阪でございます。大阪は二〇〇八年にオリンピックをぜひ開きたいということで、昨年の八月、JOC、日本オリンピック委員会の方で、大阪が日本の代表というふうに決定いたしました。
 今度、西暦二〇〇〇年に、国際オリンピック委員会、IOCの方に立候補する準備を実はいたしておるわけでございますが、これは二〇〇一年に決まるわけでございますから、ぜひ大阪に引っ張ってきたいと思っておりますので、関係の皆様のぜひともの御努力をお願いいたしたいと思います。
 そこに、長野オリンピックで見せられた映像の技術、日本の最高の粋を集めた技術、これを全世界にぜひ紹介していただきたいなというふうに思うわけでございます。
 大阪になるかどうかはまだわかりませんけれども、日本は大変な文化国家であり、また大変な経済大国でもあります。政府が本腰を上げれば必ず大阪に持ってこられるものと私は確信しておるわけでございますが、今後、政府の取り組みもいろいろ課題を残すわけでございますけれども、大阪に来た場合にNHKとしてどのような映像技術面での腕の見せどころを発揮してみたいかというような御抱負があると思いますので、その点についてぜひ御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#97
○海老沢参考人 オリンピック、ことしは非常な盛り上がりを見せました。御承知のように、オリンピックの場合はIOC、国際オリンピック委員会が仕切っておりまして、放送権料が大会ごとに非常に高くなっております。そういう面で、このオリンピックの商業化とかいろいろな意見がありますけれども、私どもは、オリンピックは国民的な関心でありますし、また我々にとっても、放送技術をこれによって発展させる、また新しい番組を開発する絶好の機会ととらえて、オリンピックごとにいろいろな技術開発を進めてきましたし、また、国民に感動を与えられるような番組をつくってきたという歴史を持っているわけであります。
 そういうことで、その後、IOCといろいろ協議をしまして、二年後のシドニー・オリンピック、その後のギリシャでのオリンピック、それから二〇〇八年はまだ決まっておりませんけれども、今先生御指摘のように、日本は大阪開催を希望しております。二〇〇八年までの放送権料は、NHKと民放がジャパン・プールといいますかジャパン・コンソーシアムという形で共同で放送権利をとっておりますが、シドニー・オリンピックは一億三千五百万ドル、それから二〇〇八年のオリンピックは一億八千万ドルという金額で我々は権利を持っております。これを、どういう放送をするかはこれから、大会が近くなってからNHK、民放が協議して割り振りを決める予定であります。
 いずれにしても、そういう面で、オリンピックについては、我々も総力を挙げて技術の改良をさらに進め、またいろいろな番組をやっていきたいというふうに思っております。
 それと同時に、大阪放送会館が非常に老朽化したために、ようやく新しく放送会館を建て直す工事が今始まったところであります。三年後には完成しますので、この新しい大阪の放送会館を拠点にして、立派な放送ができるように準備を進めていきたいと思っております。
#98
○竹本委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、オリンピックが大阪で開かれることになりますと、オリンピックそのものを見たいという世界の人々の期待もございますが、同時に、NHKのすばらしい映像技術を見てみたいという世界の期待もまたあるわけでございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#99
○坂上委員長 吉田六左エ門君。
#100
○吉田(六)委員 午前中の最後の順番になりまして、何か食前酒のような役割かな、こう思っていますので、さわやかに伺いたいと思います。ぜひひとつ前向きな御答弁をちょうだいできればな、そのように思います。
 きょう、仲間のあるいは先輩の質問をずっと聞かせていていただいて、石崎岳委員とか今村雅弘委員、そしてまた竹本直一委員の御質問の中で、国鉄の長期債務、これは許し得ないなどということで一生懸命一緒に頑張った仲間と、十年度のNHKの予算に対して何か質問しようというときに発想が似てくるのかな、そんな気がいたしました。
 結果として、私も伺ってみたいなと思っていました受信料の問題、これは大体、前に質問された皆さんの質問で大臣の方向づけも会長様のお考えも何か理解し得るような気はいたしました。
 私は、将来にわたって、受信料だけで事業の財源確保はどうなのかなと危惧も持ちながら、ただ、こうした財政とか予算の原点であります、これも長老から昔、それこそ委員長などよく知っている私の親から教わったことでありますけれども、入るを足して出るを制すればすべてうまくいくのだよ。まさに九十億円という黒字は、一生懸命努力をされて入るを足して、そしてまた、御報告によりますと、大分の中で精査、整理をされて出るを制したが、その結果だと高く評価をしたいなと思います。
 そして、今度はこの入る出るの話でありますけれども、先ほども触れられましたけれども、徴収するための経費というのが大変にかかる。一三%という数字ですね。それから、なかなか、集金漏れというのが一七%もある。これは、両方合わせますと、三割に近い部分になる。逆に、これを月額の受信料にしますと、千三百九十五円、全部うまく取れれば千円で足るるということになると、NHKの立場としては、いわゆるパブリックブロードキャストという真っ正面に向けてのお立場もありますから、私が御提案することに対しては随分とひっかかる部分もあるかもしれませんが、いっそのこと、三割引いた千円を税金で賄うような形になったとしたならば、かえって節約もでき、また、正確な原資も確保できたというような気がいたします。
 もし、こうした方向に向けてお考えを整えていかれるような場合には、私にお声がけをいただければ、本気でそれが実現のために努力をしてみたいな、こう思います。
 この件につきましては、先ほどまでの御質問の中で大方網羅されたと思っておりますものですから、税でどうだろうというこの御提案だけさせていただいて、次の質問に移らせていただこうと思います。
 これも、過日、ブラジルの新潟県人会、先ほど会長様いみじくも触れられましたけれども、今、南雲良治さんという方が新潟県人会長なんですね。
 私のところに、また県人会の大会をやるから、六左エ門さん、代議士にもなったんだし、久々にお訪ねくださいと招待状が参りました。
 その招待状の中に、「明治四十一年六月十八日、第一回移民を乗せた「笠戸丸」サントス入港以来九十年の節目に当たる今年、日伯双方で種々の記念行事が立案されていますが、そのへき頭を飾り、NHKの人気番組である「NHKのど自慢」の公開録画が二月八日、サンパウロ市アニュンビー国際会議場にて開催され、」ということなんですけれども、百三十万とも言われる日系人社会は空前の盛り上がりだった、三千五百人という会場が割れんばかりの超満員に包まれたということで、私も、もう大分になりますけれども、一度お訪ねしたあの辺の様子が手にとるようにわかって、日系人とはいえもうブラジル人になり切っている連中ですから、きっとまた爆竹を上げてビンガなぞ飲んで大騒ぎしたのではないかな、このように思います。
 会長、いかがでございましょうか。NHKの影響力とかそれから役割、これを再認識されたのではないのかなと私は思います。
 故郷を遠く離れて、そしてかの地にあって、特にブラジル移民は大変な御苦労の歴史だったと私は聞いています。その二世、三世がNHKの来ることを本気で歓迎されたあかしだ、こう思っているのです。
 結果してブラジルではもちろんああした形でありますけれども、のど自慢に限らず、こうしたNHK手持ちのイベントが、十年度、外国で、かの地でいわゆる日本文化をアピールするという役割の中でどんなふうに計画されているのか、差し支えなければお漏らしいただきたいと思います。決して、出かけていって見てこようなんて、そんな気持ちで伺っているわけではありません。
 と同時に、これは、図らずもという政治家がよく使う言葉を冒頭に申し上げますが、「おしん」という帯ドラマが外国で、それも想像もしなかったトルコなんかで、あの国情に合ったのかもしれません、大変な人気だと聞いています。
 ラジオ体操なんかも、パリのコンコルド広場とかあるいはブローニュの森の空気のいいところあたりで催していただいて、そして、ちょうどフランス・パリ逗留中の日本の皆さん、何月何日にはこここで、エッフェル塔の前の広場でラジオ体操第一、第二をやりますのでぜひ七時半にお集まりいただきたいというようなことで、何をするのかなというけげんな思いも、これ啓蒙の一つでありますから、そんなことでNHKの国際的な役割、そして影響力、これをずっと前へ出していただきたい。
 これらについての会長の御所見を伺って、私の質問にさせていただきたいと思います。
#101
○海老沢参考人 今吉田先生からブラジルでののど自慢が非常に盛り上がったというお話を伺って、我々も本当にこののど自慢をやって非常によかったなと実感しております。
 御承知のように、ブラジルには百三十万とか百四十万の日系人がおります。そういう面で、私ども、去年からアメリカの衛星を使ってブラジルに映像を送っております。ブラジルでは、CATVを通じてかなりの世帯に見られるように工夫をしたところであります。
 その後も、来年度の七月から試験放送、十月から本放送で、NHKのいわゆる「NHKワールド」といいますか、映像国際放送を中南米にも見られるようにいたしますので、そういう面でかなり日本の番組が見られるようになるだろうというふうに我々も期待しているところであります。
 それから、のど自慢のような派遣番組、私どもかなり今国内でやっておりますけれども、これは外国に出しますとやはりなかなか金もかかりますので、そういう面で、今先生から御指摘受けたわけでありますけれども、どういうものが一番ふさわしいのか、また喜ばれるのか少し勉強して、御要望が強いものについてはひとつ考えてみようと思っております。
 ちなみに、平成八年度の統計を見ますると、私どものど自慢とか紅白歌合戦とかいろいろな番組をやっておりますけれども、公開番組ですね、これが全国で二千百件ほどでありました。これに参加した視聴者、国民といいますか、七百五十万人を数えるということで、私は、この平成十年度予算の審議にもお願いをしておりますけれども、これをさらにふやしたいと思っております。
 年間一千万の人がNHKのそういう催し物、番組に参加してもらう、それが私の言う参加、公開と参加ということをそう言っているわけですけれども、そういう面で、できればやはり外国にもそういう番組を出すことも検討してみたいと思っております。
#102
○吉田(六)委員 どうもありがとうございました。終わります。
#103
○坂上委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十分開議
#104
○坂上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小沢鋭仁君。
#105
○小沢(鋭)委員 きょうは、NHKの海老沢会長にもお越しいただいて、NHKに関する予算を中心にやらせていただいているわけですが、私は視聴者会議とそれから経営委員会、大きくこの二つに質問を絞らせていただいてやらせていただきたいと思います。
 まず、NHKは言うまでもなく公共放送でありまして、そういった意味では視聴率にとらわれない質の高い放送を行う、これが一つのほかの放送局にない特徴だ、こういうふうに思っています。
 そういう発想でやっていただいているのだろうと思うのですけれども、しかし同時に、それは逆に言うと独善に陥る可能性もあるわけです。視聴率を気にしないとか、あるいはまたいわゆるコマーシャリズムの方からのいろいろな要望もない、こういう話で、そういった意味で、独善に陥らないためにも視聴者会議というものが設置をされているのだろう、こういうふうに思うわけでありますけれども、どんな目的で設置をされ、どのような機能を今果たしておられるか、改めて御質問いたします。
#106
○酒井参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、独善に陥らないようにみずからを律していかなければならない、こういうふうに考えております。
 お尋ねの視聴者会議でございますけれども、全国的規模で広く視聴者の方々の意向、そういうものを積極的に受けとめて、協会業務への反映を図るということ、それと、公共放送の使命、考え方、業務運営全般について理解を深めてもらう、こういうことを目的といたしております。
 視聴者会議、昭和五十一年から年三回、全国五十三カ所で都道府県単位で開催しております。委員の任期は、原則として一年でありまして、平成九年度の委員の数は全国で七百二十一人。
 おおよそですけれども、一回の視聴者会議で全国からおよそ千三百件ほどの意見、要望が寄せられておりまして、そうした意見を集約した上で、理事会あるいは経営委員会というところに報告をされる、それから各現場、放送局にも伝えて業務の運営に参考にしていく、こういうことになっております。
 委員の皆さんからの意見、これは大変地域の特色に応じた問題点の指摘、大変示唆に富んだ意見が寄せられておりまして、そういう意味では、視聴者会議は私どもの業務上極めて重要な意向吸収の場として大きな位置づけを持っている、こういうふうに認識いたしております。
#107
○海老沢参考人 今の答弁、ちょっと補足させてもらいますと、この視聴者会議、各放送局ごとにつくっておりますけれども、そのほか消費者団体の方々から意見を聞く場とかあるいは大学生から聞くとか、各種団体からもいろいろな意見を聞く場を設けております。それから、委託集金人が拠点としている営業所でも、いろいろな方々からそういう意見を定期的に聞くというようなことで、かなり各界各層から意見を集約しているということであります。
 そのほかに、番組につきましては、もう先生御承知のように、中央放送番組審議会とかあるいは各ブロックごとに地方放送番組審議会とか、これは月一回でありますけれども、そういうところからの意見を集約して、国民のいろいろな声を聞く、それを番組、経営に反映させていっているわけであります。
#108
○小沢(鋭)委員 今もお話しいただきましたように、バランスをとっていろいろな皆さん方の意見が反映される、こういう視聴者会議をぜひこれからも運営をしていっていただきたい、こういうふうにお願いを申し上げるわけであります。
 改めてその関係で申し上げるのですけれども、けさの午前中の質疑の中でも出ておりましたが、三月五日からだったでしょうか、長野で開催されたパラリンピック、視聴者の皆さんからも、もうちょっと放送時間が長い方がいいんだ、こういう御要望が大変あったやに聞いておるわけであります。
 それで、視聴者会議で、こういう例えばパラリンピックのような、いろいろなハンディキャップを克服しながら頑張っている皆さんたちのような、ああいう本当にすばらしい姿をもっと長くやったらいいじゃないかとか、そういう議論は出ないのでありましょうか。あるいはまた、そういったことにある意味では関心を特にお持ちの福祉関係の皆さんたちの比率というのはどのぐらいなんでしょうか。
#109
○海老沢参考人 視聴者会議は、今、年三回ということで、そういう場ではいろいろそういう意見が出てまいります。もちろん、そういうものを我々聞いて現場にフィードバックといいますか、こういう意見を参考に、番組に反映させようというようなことでやっております。
 それと同時に、NHKには、毎日電話とかファクスなり、あるいは投書によっていろいろな意見が寄せられております。そういうことで、そういう電話なり文書による意見というものを現場におろして検討させ、またできるものは直ちにそれを取り入れる、そういうことでやっております。
#110
○小沢(鋭)委員 もう一点だけこの件で確認なんですが、パラリンピックの件に関しましては、午前中も出ていたように、かなり要望が高いわけでありまして、実際の競技はもう既に終わってしまっているわけでありますけれども、いろいろな映像があろうかと思います。改めて、いろいろな再編成などして皆さんにその感動を伝えていただきたいと思うのですが、会長、いかがですか。
#111
○海老沢参考人 パラリンピックにつきましては非常に要望といいますか、もっと中継をやりてほしいとかもっと詳しく見たいということで、御承知のように、教育テレビでも同じものを再放送するとかあるいは急速日曜日に五十分の番組を組むとか、いろいろ対応はいたしました。
 それでもまだ不十分な点がありますので、きのうも「クローズアップ現代」で三十分ほど、選手団長、選手、主将ですか、その物語をやりましたけれども、今先生御指摘のように、総集編的なものをつくってそれをいろいろなメディアで伝えていくようにこれから指示したいと思っております。多分、現場では当然編集していると思いますが、改めて現場の方に指示をしたいと思っております。
#112
○小沢(鋭)委員 ぜひお願い申し上げます。
 それでは、続きまして経営委員会について御質問を申し上げます。
 まさに公共放送のある意味では公共性、質を確保するという意味で、視聴者会議と経営委員会、この二本柱が重要なのかな、私はこういうふうに思っているわけでありまして、まず、経営委員会の本来の役割は何か、その期待されている役割どおりに今までの経営委員会がきちっと運営されているかどうか、俗に言うおざなりになってはいないか、こういったところに関して総体的に、まず会長の御意見を伺わせていただきたいと思います。
#113
○海老沢参考人 先生御案内のように、経営委員会は、放送法に基づいて設置された、私どもNHKの最高議決機関になっております。もちろん十二名の委員は国会の承認人事でございます。そういうことで、全国から四人、各地域から八人、合わせて十二名の委員で構成され、そして各界の有識者を網羅した委員会でございます。そういうことで、高い立場から私どもの執行部の経営の進め方について意見を聞き、それに対して的確な判断での指示なり御意見を賜っております。
 現在、月二回委員会が開かれております。十二人の委員の方々、非常に熱心で、八年度の統計によりますと、出席率は九二%となっております。月二回、一回二時間、あるいはその二時間の審議の後一時間懇談ということで、延べ三時間ほどいろいろ意見を交換をしております。月六時間になります。そういうことで、我々の議決機関として、経営委員会はかなり有効に機能しているだろうと思っております。
 そういう面で、委員会の審議の模様につきましてはきちっとした議事録をつくっておりますし、また、我々執行部の進め方についてもいろいろな御意見を賜っているということであります。
#114
○小沢(鋭)委員 今お話がありましたように、定員が十二名でございますね。それで、国会の同意を受け、総理大臣の任命、こういうことで、放送法第十六条では「その選任については、教育、文化、科学、産業その他の各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない。」こういうふうにされていると思います。
 今のメンバーの一覧をいただいたのでございますが、皆さんそれぞれすばらしい方でございますけれども、どの分野から、こういうことになりますと、経済界の皆さんが七名になるのでしょうか、かなり比重が経済界が中心というような印象を私は受けました。もっと視聴者あるいは国民の各層の声を聞くという意味では、その人選を少しお考えをいただくことは必要ではないか、こういうふうに考えるわけであります。
 私の提案でありますけれども、例えば、委員の中に障害者団体を代表するような人とか、あるいは今話題になっておりますNPO、ボランティア団体の皆さんたちであるとか、あるいはまた労働界であるとか、あるいは国際放送を初め、今度また頑張っていただきますが在日外国人を代表するような人とか、そういう皆さんを加えていただいたらいいのではないか、こういうふうに思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
#115
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 現在の放送法の第十六条に、今先生おっしゃられたような考え方でこの委員の選出、任命の考え方が示されているわけでございますが、私ども、この放送法のNHKに期待する役割というものからいたしますと、そしてまたNHKの最高意思決定機関としての経営委員会ということの性格からいたしますと、今日この放送法に示されたような考え方による選任方法がやはりふさわしい方法ではないかというふうに承知しております。
#116
○小沢(鋭)委員 時間がなくなりましたから、最後にお願いを申し上げながらするわけですが、NHKの海老沢会長を中心とする理事会、こういうものと経営委員会、こうあるわけですね。今経営委員会は議決機関である、こういうお話でありました。
 その理事会と経営委員会の関係といいますか、これはどういうふうに考えたらいいのか。ある意味では実務を担っている理事会が圧倒的に力が強くて、経営委員会というのはあくまでも隠れみのみたいな話ではいけないわけでありまして、今現状はどういうふうにそれを運営なさっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#117
○海老沢参考人 私は、最高意思決定機関と我々執行部内では、緊張感といいますか、お互いにそれぞれの役割をわきまえて機能しているだろうと見ております。
 私ども、この十年度予算をまとめるに当たって、また、NHKのビジョンもまとめて経営委員会にお諮りしたわけであります。その間にいろいろ経営委員の方々から指摘を受けました。我々も何回も説明し、またお互いに議論を交わす、そういう面では、非常にそれぞれの立場から高い識見に基づいた御意見を承り、それを我々が受けとめてまたそれを直すとか、いい意味での緊張感を持った関係だろうと見ております。
#118
○小沢(鋭)委員 終わります。
#119
○坂上委員長 永井英慈君。
#120
○永井委員 民友連の永井英慈でございます。
 先日の逓信委員会でも自見郵政大臣に申し上げたことなんでございますが、また、いろいろ御意見も伺いましたけれども、冒頭、我が国の国民意識やらあるいは世論形成に大変な影響を与えるNHKの会長の御見解もこの際伺っておきたいと思うのです。
 それは、今世界も日本も、そして政治も行政も経済も社会も文化も、あらゆる分野、領域で、かつて私たちが経験したことのないすごい変化が起きていると思うのです。そのさまざまな変化が複合的に同時進行している大変な時代だと思います。そういうことで、二十一世紀も間近に迫って、NHK会長として新しい世紀をどうとらえ現在を認識されておられるか、まずお伺いしたいと思います。
#121
○海老沢参考人 非常にグローバルな難しい指摘でございますけれども、もう先生御案内のように、東西冷戦が終結して、今、世を挙げて市場原理に基づく自由競争の時代になりました。そういう中で、グローバルスタンダードとかいろいろなことが言われております。このグローバルスタンダードというのは、世界をすべてアメリカの論理で支配する基準ではないかとか、いろいろな見方もあります。
 いずれにしても、そういう市場原理に基づく経済体制の中で、日本でも金融の問題を含めて景気の停滞、後退が起こっておりますし、またアジアも非常に不安定な状況、こういう混沌とした不透明な時代の中で、私ども、電波というメディアを預かっている者として、やはりこの世の中というものを的確に適切に報道していかなければならない使命を持っているだろう。
 一方では、電波というのは貴重な価値を持ったものでありますし、また、先生御指摘のように、社会的に大きな影響力を持ってきております。そういう面で、私どもの報道なり番組の発信というものがいろいろな面で世間に影響を及ぼすわけでありますから、常に、独善にならないように、またひとりよがりにならないように、いろいろな意見を国民に、情報といいますかこれを格差なく提供しなければならない立場にいると思っております。
 そういうことで、こういう国民的な課題などについては、やはりその起こった段階で速やかに、いわゆる機動的に番組をつくり、それをいろいろな面で国民に提供しなければならない立場だと思います。
 そういう面で、こういう難しい時代になればなるほど我々の力が大きくなるわけでありますから、そういう面で、職員一人一人がやはり放送倫理に基づいて冷静な的確な判断で番組をおつくりいたしていかなければならぬだろう、そういうふうに今みずからを戒めるところであります。
#122
○永井委員 独善やら独走に走ることなくしっかり時代の要請にこたえるべく自戒の念を持って当たっていきたい、こういうお話でございまして、そのとおりだと思っております。
 先ほど来から話が出ておりますけれども、デジタル技術を中心とした放送・通信の技術の進歩というのはすごい勢いで進んでいるわけですね。そうした中で、私は、二十一世紀という世紀は、マルチメディアがこの世紀を決定的に特徴づけるだろう、そう考えております。そうなってきますと、NHKの使命、責任というのは極めて重いと考えております。
 そこで、具体的に、NHKの放送、NHKの放送ということで私たちは日ごろ親しんでおるわけですが、ふと立ちどまって考えてみますと、NHKは十の波、電波を使って放送事業をやっておられるわけですね。
 そこで、総合テレビ、教育テレビ、BSの一、二等々ずっとあるわけですが、NHKとして、放送事業者として、公共事業として、このそれぞれの電波を使って出す放送の基本理念というのでしょうか、あるいは目標、目的、こういったものを改めて国民に、視聴者に明らかに示す必要があるのじゃないだろうかという感じがいたします。
 そこで、今申し上げましたような順で、極めて簡潔にそれぞれの放送事業の理念を明らかにしていただければと思います。
#123
○海老沢参考人 今、地上波、衛星波、国際波、ラジオ波という大きな分け方ができると思います。
 まず、地上波の方から申しますと、総合テレビというものは、国民の生命財産を守るという高い立場から、日本は災害が多い国でありますから災害等の緊急報道なり、あるいは世の中が時々刻々変わっております、そういう中で、国会の審議を国民に知らせるいわゆる国会中継とか、あるいはNHKスペシャル的な大型番組の編成とか、やはり国民の生活にとって必要な情報、あるいは心休まるような番組、これを総合的にバランスよく提供するような一つの波だろうと思っています。
 それから、教育テレビは、御承知のように、これだけ多チャンネルになりながら、教育テレビというのは、日本では残念ながらNHKの教育テレビただ一つなのですね。僕は、もっとこれはふやしてもいいと思っておりますけれども、そういう面で、教育テレビの果たす役割というのは大きいわけでありまして、これは、あくまでもやはり教育テレビというものはこの波を存続させていきたいと思っております。
 それから、衛星第一、第二、御承知のように、もともとこれは難視解消から出発したわけでありますけれども、先ほども申し上げましたように、だんだん難視のところも七万世帯と少なくなっておりますが、それでもまだ残っております。そういうことを加味しながら、また新しい波でありますので、これを有効に活用していくということで、衛星第一の方は、いわゆる国際情報、今私ども十数カ国の二十近い放送機関から世界の生のニュースをもらっております。番組交換によりとっております。それをそのまま放送することによって、その国の生活なり考え方というのがわかるわけでありますので、そういう面で、世界平和にも寄与するという意味から、この衛星第一放送を、国際情報波を中心とした、あるいは世界的なスポーツイベントを中心とした波にしておこうと思っております。
 それから、衛星第二の方は、先ほど言いました難視解消が六割になっております。そのほかに、世界的な芸術性の高い番組、例えばウィーン・フィルハーモニーとかベルリン・フィルハーモニーとか、そういう世界的な芸術性の高いクラシックを放送するとか、あるいはオペラを放送するとか、そういう芸術性の高いものを中心に持っていこうというような考えでやっておるわけであります。
 それから、国際放送の方は、もちろん、これは日本の国際理解に役立つということで、それと同時に、在留邦人に日本の国情を伝える、あるいは海外に千六百万から千七百万の人が今旅行しております。その人たちがどこでもホテル行ったら日本の情報がとれるようにという意味で国際波を出しておるわけであります。
 そういう面では、テレビの方は役割分担をはっきりさせております。
 それから、ラジオの方は、第一放送は、もちろん、これは情報通信波であります。
 それから、第二の方は、いわゆる語学講座とかあるいはそういう各種講座を中心にしたものであります。
 それから、FMは、クラシック音楽を中心とした音楽番組を中心にやっております。
 そういうことで、それぞれの波の特性を生かしながら、多様なニーズにこたえていく波として使っているわけであります。
 御承知のように、今民放も全部で百二十六社を抱えておりますし、またCSも三百チャンネル時代になってきました。そういう中で、NHK、公共放送のシェアも年々減ってきております。平成七年の統計によりますと、NHKの占める割合というのは二八%から一七%まで減ってきています。そういう面で、私は、これから多メディア・多チャンネルになればなるほど公共放送は必要だろうという立場におりますので、そういう中で、シェアは減ってきておりますけれども、やはり基本的な今の波を確保して、できれば、豊かな質の高い番組できちっとした放送をし、国民の信頼にこたえていきたいと思っている次第であります。
#124
○永井委員 そこで、会長からもお話がありましたけれども、このNHKの視聴率というのですか、あるいはシェアというのでしょうか、これが低下しておるというお話ですが、各放送事業の視聴率というのはとっておられるのでしょうか。
 それで、その中で、特に私は気になるのは、若年層、若い人たちがどうもNHKの番組を余り見ないということですね。これはゆゆしきことだと私は思っております。公共放送として受信料をいただいて放送しているわけですね。特に、NHKの番組の性質からして、若い人にも見ていただきたいと思うのですが、それが十分見ていただいていない。
 とりわけ、私、これはNHKのテレビだけじゃなくて、ほかの局も見ておるのですけれども、青少年の精神、心の健全育成のための番組が果たしてあるだろうか、そういうところに焦点を当て、意図的にそういう番組をつくっているだろうか。NHKの番組を見ましても、小学生あるいは幼稚園の生徒、低学年のものは時々あります。ところが、中学生、高校生、大学生、この層に絞った番組というのはめつたにお目にかかっていないわけですけれども、その辺について、実態とこれからの対応について、取り組みについてお話をいただければと思います。
#125
○河野参考人 NHK自身、視聴率調査というのは一年を通してはやっておりませんが、春と夏と年二回にわたりまして、十年以上にわたって、これは正確な世論調査に基づいて調査を行っております。
 その中で、おっしゃるとおり、NHKの放送に対して十代、二十代の若い人たちの視聴率がこの十年来の傾向として下がっていることは事実でございます。つまり、非常にファッショナブルな現代のトレンディーの傾向をつくり出すということにおいては、タレントの押さえ方を含めまして、民放さんの方が非常にお上手であります、そう思います。
 しかし、私どもも決してあきらめているわけではございませんで、それこそ、ドキュメンタリーみたいなものでもぜひ若い人たちに見てほしいと思っておりますし、そういう意味では、来年の編成の中で、ジュニアスペシャルというふうな形で、NHKスペシャルと同じような、きちんとした取材をしたものを若い人向けに再編成して出してみたり、それから、ドラマも、会長の方針でございまして、特に来年からは少年少女の心を打つような、そういうシリーズドラマも何とかNHKでは放送したい。
 例えば、購入ドラマでございましたけれども、「大草原の小さな家」というようなものについては、子供たちも、お母さん方にも見てもらっておりますし、私どもも決してあきらめているわけではございませんで、何とか、単に教育的見地だけでなくて、見てもおもしろいという形で、今の若い者の心をとれるような番組について開発していきたいというふうに思っております。
#126
○永井委員 申し上げるまでもなく、昨今、青少年の大変な刃物を使った凶悪事件が続発しているわけです。まさに心の荒廃が噴き出ているような状況だと思うのです。そういう意味で、ぜひ、これから青少年の健全育成、とりわけ心の健全の発展のために御留意をいただいて、頑張っていただきたいと思います。
 いろいろありますけれども、時間が参りました。この辺で失礼いたします。
 ありがとうございました。
#127
○坂上委員長 伊藤忠治君。
#128
○伊藤(忠)委員 民友連の伊藤忠治でございます。
 各委員のお話をお聞きしていまして、私たちの今置かれております時代認識なのですが、まさしく高度情報化社会に大変なスピードで進展をきわめているというふうに認識をするわけです。
 それぞれ御指摘ございましたとおり、マルチメディア化、もちろんこれはデジタル化によってどんどん変わるでありましょう。コンピューター化も介在いたしますから、インターネットそのものもぽつぽつ限界が出ていまして、次世代インターネットをどのように構築していくかということと、放送・通信の融合問題を含めまして、これは将来を見通した基本的な議論をやる必要があるだろうとも思っているわけでして、そういう委員会としての基本的な議論には、これから折に触れまして、ぜひとも積極的に参加をさせていただきたいと思っている一人でございます。
 時間の関係がございますので、当面の具体的問題について絞りながら御質問をさせていただきますが、CSデジタル放送のパーフェクTVとJスカイBが五月に対等合併するというニュースが既に伝えられております。この結果、これまでパーフェクTVと受信契約をしておられました約六十万と言われます視聴者の皆さんは、合併後、放送を完全に視聴しようと思いますと、新たな専用受信機を購入しなければならなくなります。私たちはそのように把握しておるわけであります。
 新しいメディアビジネスとして宣伝されてきましたCS放送も、事業者にとっては、市場競争が非常に激しくなってきておりますので、合併でもしなければ成り立っていかない、この合併劇はその側面をあらわしていると言えます。
 また、視聴者にとっては、多チャンネル化による恩恵を受けようとしますと、月々の契約料のほかにも、事業者の都合によって新たな出費を覚悟しなければならない、こういうケースがこれからは出てくるだろう、そういうことが十分予測される昨今でございます。
 多チャンネル化といいますのは、これはまさしくデジタル技術の導入によってそうなるわけですが、本来その目的というのは、視聴者、国民のためのものであるのだろうと思っているわけです。そのように技術革新が進み、情報化が進むに従って国民に負担がかかってくる、こういうことも否めない事実であります。これをどう考えるのか。
 さらに加えまして、BS放送でありますが、BS4の後発機が二〇〇〇年には打ち上げられますし、そのことによって、現在よりも多チャンネル化されます。地上波も、議論ございましたとおり、デジタル化を目指されているわけであります。当然多チャンネル化がどんどんこれから進むわけですが、これに加えて、CATVの世界でもデジタル化の方向に進んでまいります。
 このように考えますと、一体何チャンネルのテレビが放送されることになるのか、単純に計算しても、想像もつかないような状況が生まれてまいります。私はそう思っているのですが、そういうことでございます。このことで、日の当たる部分と影の部分が必ず出てくる、これが高度情報化社会の中で私たちがきちっと見きわめて、押さえて、問題の解決を図っていかなければならぬ点ではなかろうか、このように思っているわけでございます。
 そこで、郵政省に三点ほどお伺いしたいと思いますが、まず第一点、一家庭における情報を得るための支出は幾らぐらいが限界だとお考えなのか、これが第一点。
 二点目は、多チャンネル化を推進していくわけですが、今申し上げましたように、日本社会で一体何チャンネルぐらいを必要だと思っているのか。それはもう、市場がやることだから大いにやりなさいということで野方図にいっていいのかということが二点目でございます。
 三点目は、そんなに多チャンネル化をするということは一体何を目指しているのか。それはもう、放送文化というのはもちろんございますから、質の向上といいますが、私もこれまで再三指摘をさせていただきましたが、どんどんとチャンネルがふえれば質が上がるのか、専門チャンネル化すれば質が上がるのか。そうはいかない。これは同僚議員の御指摘もございました。やはりその辺の疑問を感じています。なかなかそうはいかないと思うのです。だから、ますますそういう状態に傾向はなるわけですが、そういう問題を一体どのように一定のイメージ、方針というのをお持ちなのか。
 以上、この三点を郵政省に質問いたしたいと思っております。
 次いでNHKにもお答えをいただきたいと思っておりますが、まず第一点としては、多チャンネル時代における公共放送としての役割をどのようにお考えなのか。
 二点目は、地上波で二波ございますし、BSで二波ございますし、ハイビジョンをこれから本格的にやられます。映像の国際放送、もちろんこれは、これからハイテク分野の導入を含めて、工SDB、こういうものにも取り組んでいかれるという方針を聞いているわけですが、こういうものに対して、将来を展望して、財源をどのように確保なさろうとしているのか。
 三点目、さらに今後、公共放送の放送サービスを大体どの範囲に置く、このように考えられているのか。
 四点目、CSのデジタル放送に対するNHKの対応はどうなっているのか、これからどのように対応されようとしているのか。
 質問事項が多岐にわたったと思いますが、順次御答弁をいただきたいと思います。
#129
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 一点目の、いわば家庭でどのぐらい支出が可能かということでございますが、現状で申し上げますと、平成八年度の通信利用動向調査、当省で調査しておりますが、これによりますと、一家庭当たりの月平均支出額は二千八十八円、所得の大体〇・六%という数字を得ております。それから、放送も含めまして通信分野全体の支出は九千六百六十八円で、二・九%という数字になっております。
 今後どうかということでございますけれども、なかなか予測の難しいところでございますが、まさに、高度情報化社会によりまして、情報を得るために支出したものによってどれだけいろいろな生活コストを下げることができるか、あるいはその支出によってどれだけ得るものがあるかということによってこの数字というのは決まってくるものかと存じます。
 例えば、放送大学が今度全国で視聴可能になりましたけれども、一体、この放送大学に払う授業料というのは放送・通信費と見るのかあるいは教育費と見るのか、こうしたことも今後、私ども、家計分析の検討課題になろうかと思いますけれども、いずれにしましても、得られるものとコスト、あるいは情報を得ることによって代替されるものが何かということで、情報支出も変わってくるのではないかと存じます。
 それから、一体何チャンネルあればいいのかということでございますが、一応今後の各放送手段ごとのチャンネル数の予測というのは、これは平成八年に放送高度化ビジョン懇談会ということでいろいろ御審議いただきまして、衛星放送につきましては、二〇一〇年におきましては四百ないし五百チャンネル、地上放送は二十ないし三十、あるいはケーブルテレビにつきましては二百ないし二百五十チャンネルまでとれるようになるのではないか、日本の経済力からいたしまして、あるいは技術発展の可能性からいたしまして、このような数字をいただいておりますけれども、これはあくまで、こうなるべきだということではなくて、とにかくここまで、もし事業を放送分野に進出したいという方があればこのぐらいのチャンネルを前提とすることも可能でありますという意味での数字とおとりいただければよろしいかと思います。
 何チャンネルあればいいかということにつきましては、まさにこうした新しい技術革新の成果でございますとか、高度情報社会によりまして視聴者が情報依存型の生活をしていくということによって、何チャンネルまで可能なのかということはおのずと決まってくるところではなかろうかと存じます。
 三点目に、多チャンネルによって一体何を目指すのかということでございますけれども、けさほど来お話がございますように、やはり情報が円滑に得られるということが我が国の民主主義の基礎でございますから、さまざまな情報が得たいときに得たい状況において得られるような環境をつくっていくということが多メディアの一つの目標かと存じます。
 また、単にメディアがふえるということ自体が大事なのではございませんで、多様なチャンネルがある、多様な情報が得られるということが大事でございまして、現行の放送法制もいろいろルールがございますけれども、基本は、できるだけ多くの方に放送の機会が得られる、また、表現の自由が機会が得られる。集中排除原則というようなものもそういう考え方で設けられたものでございますけれども、これが多チャンネル、いわゆるたくさんのチャンネルあるいはチャンネルの多様化によって目指されるべきものだと存じます。
 まさに高度情報社会というのは、やはり放送というもの、あるいは情報通信というものが生活、経済の中にビルトインされまして、そしてそれがそれぞれの分野の効率性を高めるとか、あるいは機能を発揮するということに究極の放送・通信の高度化の目標があるわけでございまして、政府といたしましては、このような通信・放送に期待される役割が我が国の経済社会全体に十分な効果、効用を発揮できるように施策を推進してまいるというのが課題だと存じております。
#130
○海老沢参考人 御案内のように、BS、CSともこれを一〇〇%日本全国普及させていくことはなかなか大変だし、時間がかかる問題だと思います。
 そういう中で、地上波、私ども総合、教育やっておりますけれども、これは全国あまねく普及しております。まあ七万ほど見えないところはありますけれども、ほぼ一〇〇%近い普及をしているわけであります。
 そして、我々は国民生活にとって欠かせないような情報なりあるいは教育、教養、娯楽というものをバランスよく総合的に国民に届けられる、つまり、情報に格差がないようにやっていく。つまりユニバーサルサービスといいますか、そういうことが使命でありますので、この使命というものは今後も私は変わらないだろうと思っております。
 それと同時に、民主主義の健全な育成に寄与すべきだというふうにもありますように、今、年五十回ほど国会中継もやっておりますし、また、選挙の際には、政見放送なり、あるいは選挙の各党の考え等の事前番組あるいは選挙開票速報、その後の政局の動向、いろいろこういうものもやはり民主主義の健全発展に寄与するということで公共放送がやっていく使命だろう。つまり、商業主義といいますか、コマーシャルとかあるいは視聴率に左右されない、そういう情報を的確に、適切にやっていくことが我々の使命だろうと思って、これも変わらない考えだろうと思っております。
 そういう中で、やはり教育テレビも、これは商業主義になじまないものでありますから、我々公共放送が今後ともその役割を果たすべきだろうというふうに考えております。
#131
○伊藤(忠)委員 時間が参りましたので、終わります。
#132
○坂上委員長 小坂憲次君。
#133
○小坂委員 民政党の小坂憲次でございます。
 私は、きょうは、NHK予算に関連いたしまして、長野オリンピック並びにパラリンピックの放送、そして地上波のテレビのデジタル放送化等について質問させていただきたいと存じます。
 まずもって、私の地元の長野で行われました第十八回冬季オリンピック大会、長野オリンピック、そして、引き続きましてパラリンピック、この放送に当たりまして、NHKの中継は、暗いニュースが続く中で、日本選手を初めとした選手の大変明るい、すばらしい活躍ぶりが放送されました。一気にオリンピックムードを盛り上げていただき、また世の中全体を明るくしたような気がいたします。
 そういう意味で、この大きな感動を私たちに与えてくださった中継放送に対して、まずもって地元の一員として心から感謝を申し上げ、御礼を申し上げたいと存じます。NHKの皆さん、また関連の皆さんには大変御苦労いただきました。
 その一方で、午前中も、また先ほども委員の質問の中にございましたけれども、パラリンピックの放送に関しましては、これまたオリンピックの非常に盛り上がったムードのその後すぐ引き続き行われました。
 そういう中で、障害者の皆さんが障害を克服して数多くのメダルを獲得する大活躍がありました。これもまた、その熱戦ぶりは、スポーツ競技大会として大変に質の高いものでありました。そういう意味で多くの皆さんが、もっと見たい、こういう気持ちをお持ちになったと思うのです。
 オリンピックが余りに盛り上がったものですから、その放送時間に対比して若干、開閉会式だけでは物足りなかったな、アイススレッジホッケーのように生中継の迫力のある、そういうプログラムもあったわけですので、もっと欲しいな、こういう不満があったのではないかと思います。
 若干御意見やあるいは激励、苦情等いろいろな意見がNHKに寄せられたと聞いておりますが、それはどのくらいの件数、どういった内容のものが多かったのでしょうか。ちょっと御報告いだだけますか。
#134
○河野参考人 ただいまの小坂委員の御質問にお答えします。
 パラリンピック関係につきましては、全体で四千件ぐらいの反響があったというふうに聞いております。頑張っている選手の姿を見て非常に感動して、勇気を与えてくれた、それから、これによって改めて障害者の頑張りというものがわかったというふうな意見がある一方で、今御指摘のとおり、もっと番組がふやせないか、生中継がふやせないかというふうな御意見がございました。
 実は私ども、パラリンピックの放送は三回放送計画を手直ししております。一つは、長野オリンピックの後にやるということがありまして、前回のリレハンメルと違ってしっかりやろうということで計画を立てたのですが、先生今御指摘のとおり、長野オリンピックが私どもが予想以上な反響を呼んだこともございまして、その段階で、パラリンピックをもっときちんとやろうということで、「パラリンピックアワー」の時間帯を、実は毎日放送している特別番組の時間をふやしました。
 ただ、パラリンピックが始まってみますとこういう御要望がございましたから、その時間帯を教育テレビで昼再放送するという処置もとりました。それからさらに、予定外でございましたけれども、生中継で閉会式等を教育テレビでもやりました。
 ただ、新聞と違って一覧性がございませんが、実は、競技以外に、特集番組、特別番組を事前、最中、事後を含めまして十四、五本放送をしておりまして、五年も追いかけたドキュメンタリーとか、個々の競技の仕方とか、手厚く総体でやったつもりでございますが、まだまだ足りないというおしかりを受けましたので、今後の放送には、これは私どもにとっても初めての経験という部分もございますので、生かしていきたいというふうに思っています。
#135
○小坂委員 今、初めての経験ということもありましてというお言葉がありましたけれども、障害者スポーツに対するテレビの取り組みは、必ずしも、まだ、今まで十分でなかったと思うのですね。
 そして、これは今お話にありましたように、障害者のみならず、我々健常者にとっても大変勇気を与えていただくすばらしい映像だったと思います。
 野球とかサッカーは、テレビで放送されるということで、どんどんその底辺が広がっております。ぜひとも、今後は障害者スポーツにもNHKとして積極的にお取り組みをいただきまして、障害者スポーツの底辺も拡大をして、次のパラリンピックになお一層活躍する選手がふえるように、御支援をお願いいたしたいと思います。
 また同時に、私は、NHKのスペシャルが大変好きでございます。再放送が時々ありますが、一度見たものでも、また見たくなる番組、そしてまたラジオの方も、私は特に日曜の夜九時半から森繁久弥さんのラジオドラマがあります。朗読とかドラマとか、昔懐かしい思いも一部ありますが、大変にイメージが膨らむ、すばらしい番組だと思っております。そういう番組をぜひともふやすように、会長としての決意をひとつ御披露いただきたいと思います。
#136
○海老沢参考人 私も、長野オリンピックには延べ十日間ほど行って、いろいろ現場を指揮してまいりました。パラリンピックも、開会式に行きまして、いろいろなことを指示してきたわけでありますけれども、まだまだ不十分だということで、今、この経験を放送に生かしたいと思っております。
 御承知のように、本当に、パラリンピックも、各選手の表情も明るいし、そして多くの人たちに感動と勇気を与えたと思います。そういう面で、先生御指摘のように、今後、やはり障害者に対しても、私ども、また温かい目を注いで、いろいろな障害者のスポーツ大会なり、あらゆる可能性を追求するような番組なり中継を一層充実させてまいりたいと思っております。
 そのほか、国民の要望のそういうものにつきましては、やはり柔軟に編成していきたいと思いますので、ひとついろいろアドバイスをお願いしたいと思います。
#137
○小坂委員 次は、地上波のテレビのデジタル放送化についてお伺いしたいと思いますが、既に各委員から質問も出ております。その部分を若干省略をいたしまして、すなわち省略する部分はバックグラウンドですが、英国、米国において、ことしから、あるいは来年から、いよいよこのテレビ放送は本格化いたします。
 そういう地上波のデジタル化が海外においてはスタートをする状況にあるわけですが、一方、我が方は、これは昨年の記事でありましたけれども、昨年三月に、当初計画を五年前倒しして、西暦二〇〇〇年から実施をする、こういう方針でありましたが、実施、すなわち開始ではなくして、条件整備をしていきたいというように、若干トーンダウンしたように見受けられます。
 私は、その地上波のデジタル化というのは、単に、先ほどお話のありました高画質、高品質、あるいは多チャンネル化というのみならず、コンピューターとの融合化によるマルチメディアとしての新たな需要開発に大変役に立つと思っておるのですね。これは画期的な技術革新でありますし、その意味で、受像機を初め関連機器、そして番組ソフト等の新規需要掘り起こしの効果は絶大である。まさに、今景気低迷している中で、規制緩和による新規需要開発にはこの分野はうってつけだ、こう思っておるわけであります。
 しかし、このように方針が揺らぎますと、これは、放送事業者あるいは家電メーカーともに慎重にならざるを得なくなってくるわけでありまして、この効果が半減されてしまいます。
 そういうような観点から、大臣にお伺いしたいわけでありますが、今後、決断を持って、明確な方針を示していく、そして、業界が世界の市場をにらみながら、日本の市場の拡大も確固たる自信を持ってこの分野に乗り出していけるように、そういう政府の方針を打ち出す、こういう観点で、大臣の御見解、決意を聞かせていただきたいと思います。
#138
○自見国務大臣 小坂委員にお答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、デジタル化は、今さっき私はデジタル放送というのはいろいろな特徴があるというふうに申し上げたわけでございますが、同時に、大変視聴者にとっても、チャンネル数が三倍だとか、はっきり、くっきり、いつでも取り出せる番組の缶詰だ、あるいは車の中でもちらっかない画面だというふうな側面も申し上げたわけでございます。
 同時に、今先生御指摘のように、デジタル化は我が国の情報通信技術の飛躍的な発展につながりまして、また我が国の電子産業の発展にも大変貢献するものでございますから、そういった貢献する手がかりともなるものでもございますから、我が国のまさに経済社会の活性化に資するものだというふうに思っております。
 先生の御指摘でございます、そういったことを踏まえて、放送のデジタル化が我が国にとって大変重要な意義を有するわけでございますから、政府、放送事業者が共通の認識に立って、二〇〇〇年、平成十二年において円滑に導入されるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 そのためには、やはり放送事業者の御理解、御協力も必要なわけでございますから、そこら辺をしっかり、我々は政府としてなすべき諸施策を段取りよく着実に進めたいというふうに思っておりますし、また、今さっき話も出ておりましたが、特に地方の放送事業者ですね、設備投資が過大になるというような話もございました。そういったことを考えまして、やはり、負担軽減のため、税制上の措置あるいは金融上の措置、財政上の措置を含めて、しっかり前向きにやっていきたいというふうに我々は思っております。
#139
○小坂委員 若干、時間が残り少ないものですから、質問をまとめさせていただきますが、NHKの海老沢会長が、昨年、一人で二本の橋を一緒には、同時には渡れない、こういう表現で、衛星とそれから地上波、同時にデジタル化するのはなかなか無理がある、こういうことをおっしゃいました。この意味で、物には順番があると先ほどもおっしゃいましたが、しかしながら、世界の市場を見ますと、これは同時並行で進めざるを得ないような環境になりつつあると思うのですね。
 Uでやるのか、Vでやるのか、UHF、VHF帯、この問題もさることながら、同時に、今度はケーブルの方もデジタル化が進んでおりますし、また一方、放送と通信の融合化という観点からしますと、今度は光ファイバーの中に通す内容ということになってまいります。コンテンツをどうするか。この分野でも、やはり放送のケーブル化が進んでくると思うのですね。
 そうしますと、電波の配分という問題とか、そういうものを考えると、これは、ケーブルとUとVと全部をトータルで見て、そして周波数帯の配分等を考えないと、これはデジタル化と単に一言で言ってしまいますけれども、非常に大きな基本的な政策の問題を含んでおります。この辺、NHKとしてしっかり対応していただきたいということが一つ。
 それから、もう一つは、衛星においても、BSの方でもハイビジョン放送が始まりました。ハイビジョン、私どもの認識では、日本の開発したアナログ方式による高品位、高精細度といいますか、テレビの搬送方式として画期的なものだというふうには思っておったわけですが、最近の流れになりますと、むしろデジタル化になってしまって、電波の方式が変わってくる。そうなると、このミューズの部分も、いわゆるHDTVという一般的な欧米の同じような方式に協調していく必要が出てくる。
 そういう意味で、ダブルトラックで追いかけていくと、大変に幅が広くなってくる。ミューズなのかHDTVなのか、あるいは並行してアナログを流しながらデジタルも流すのか、こういうふうになりますと、大変に分野が広くて、選択の幅が広い。そういうふうに考えますと、やはり、そこに明確な指針が必要であります。
 同時に、デジタル化は時代の趨勢になると私は思います。携帯電話を例にとりましても、アナログからデジタルに今切りかえるのに必死であります。それはなぜならば、デジタルの方が電波の有効活用ができる、効率が高いからであります。放送もしかり。したがって、携帯電話のように、今アナログの携帯電話を切りかえるためにはデジタルの携帯電話をただでくれます。交換してくれます。このくらいのことが必要だ。
 すなわち、アダプターを販売してやるのではなくて、一気にもうデジタル化に変えるために、従来のアナログの受信方式の高精細度テレビを持っている人には、アダプターを無料供給してでも一気に切りかえてしまう、そういう国としての政策、あるいはNHKとしての政策的な配慮が必要なのではないかと思いますが、大臣並びに海老沢会長の御意見を賜りたいと思います。
#140
○自見国務大臣 小坂委員御指摘のように、デジタル方式への一本化促進のために、国がアダプター費用を負担することについてはいかがなものかという御質問だったと思いますが、直ちにはその是非については申しかねますが、コスト低減のための一つの方法として、私は貴重なものだと承らせていただきました。
#141
○海老沢参考人 先ほども答弁しましたけれども、デジタル化の方向は世界の趨勢でありますし、私どもの方も衛星、地上ともデジタル化の方向へ向けていろいろ今研究開発しておりますし、そういう方向で検討をしておりますが、周波数の確保の問題とか財政の問題とか、いろいろ問題はありますので、これからさらに具体的に勉強させていただきたいと思っております。
#142
○小坂委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#143
○坂上委員長 吉田治君。
#144
○吉田(治)委員 新党友愛の吉田治でございます。
 多チャンネル化の時代、デジタル等々いろいろお話がありますけれども、やはり基本は、放送事業というのは最後は視聴率の競争だ、結果は視聴率であらわされる。NHKさんの場合はそういうことを余り考えなくてもいいような番組づくりもできているという中で、これはいい意味、悪い意味両方あると思うのですけれども、この視聴率の競争のためには何をしてもいいんだというふうな、どうも放送業界全般の雰囲気があるやに聞いております。
 俗に言うエロ、グロ、ナンセンスというのですか、視聴率を上げるためには何でもしていくというふうな中で、これから大事なことは、特に多チャンネル化になっていく中において、視聴者、見る側の番組を選べる権利というのですか、極端なこと言ったら、スイッチ変えればそれでいいじゃないかという話はあるのですけれども、実は私は、それだけじゃなくして、昨今話題になっております一連の青少年のさまざまな殺人事件を含めた暴力事件に、深くテレビの持つ影響力というのはあるのではないかなというふうなことも思っているところでございます。
 その中におきまして、諸外国におきましては、Vチップというふうなものの導入が試みられ、また現実に導入もされていっている。まさに私は、このVチップの導入というもの、こういうふうなものから視聴者の見る、また見る方の選択権というふうなものを大いに進めていく必要があると思うのです。
 まず、大臣と会長、この一連の青少年事件等々に関係してのさまざまな話、特にテレビは、昔は一家に一台、私も子供時分には一家に一台しかまさにテレビはなかった。白黒テレビだった。それが小学校一年生になると、高度経済成長の中で何とかカラーテレビが買えた。これも一台で、チャンネル権はだれが握っているかといったら、我が家の場合は父親なんですね。絶対にNHK以外は見せない。チャンネルはハンダごてされたように、大阪ですから二から動かなかった。ほかに番組があるとは子供心に知らなかった、というのはうそですけれども。
 しかし、そういう中で育っていますと、まさに、NHKによって育てられたから議員になったのかどうかは別にしまして、そういう中において番組が青少年に与える影響というのは大きい。Vチップの導入も含めて、大臣と会長、この辺のことについての取り組み、お考えというものをまずお聞かせいただきます。
#145
○自見国務大臣 吉田委員にお答えをさせていただきます。
 放送というのは、御存じのように、まさに表現の自由と公共の福祉に適合するように規律せねばならない、こういう二つの大事な民主主義社会における理念をいかに調和させるかというところにあると私は思うわけでございます。
 そういった中で、放送法の中でも、今先生がいろいろるる述べられましたが、三条の二に放送番組準則というのがございます。これを読んでみますと、御存じのように、「一 公安及び善良な風俗を害しないこと。」いわゆる公序良俗、こういう部分でございます。二番目が「政治的に公平であること。」三番目に「報道は事実をまげないですること。」事実を報道しなさい、こういうことでございます。また、四番目が「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」こういったことが貴重な、まさに放送の不偏不党、あるいは真実、あるいは自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する、いろいろなことがあるわけでございますが、こういった貴重な放送番組準則というのがあるわけでございます。
 これを受けて、御存じのように、民間の放送事業者も、いわゆる日本民間放送連盟の放送基準、これは今さっきの放送番組準則を受けて自主的につくっていただいておる放送基準でございますが、この中の三章の十八番にも、「武力や暴力を表現するときは、青少年に対する影響を考慮しなければならない。」こういったふうに自主的に実は放送基準をつくっていただいておるわけでございます。
 今さっき申し上げましたように、放送の表現の自由も大事でございますが、同時に、やはり公共の福祉に適合するようにしなければならないということでございますから、私は、青少年の健全育成ということは社会におきまして極めて重要なことだ、こう思うわけでございます。
 そういった中で、私は、そういった原則を守りつつ、やはりきちっと両者の調和の中でこういった問題を考えていくことが必要だ、こういうふうに思っております。
 それから、Vチップの問題についてのお答えでございますが、これは、御存じのように、今の観点に立って、実はアメリカでは、レーティング、それからVチップと申しまして、子供に番組を見せるか見せないかの選択権を親に与えよう、こういったことで、ことしの二月以降、FCCが定めた日から実施をするということでございますが、お聞きするところによりますと、アメリカのテレビ受信機の製造について、二段階方式でVチップを埋め込むことを法律的に義務化したというようなこともあるわけでございます。レーティングは既に行っておりますが、そういった装置も法律で製造を義務づけるということがいよいよ具体化したようでございます。
 そういった動向を踏まえつつ、やはり放送のいろいろな深い背景もあるわけでございますし、青少年健全育成についても、今さっきも一筋縄ではいかないというようなお話もあったわけでございますから、そういったことを含めて、本年度予算が通ればそういった意味の調査研究会をつくるということになっておるわけでございますから、各界各層の意見を吸い上げながら、また各国の動向も踏まえながら、しっかりやっていきたいというふうに思っております。
#146
○海老沢参考人 今先生から御指摘がありますように、青少年の犯罪問題、我々もこの問題はやはり公共放送としてきちっと取り上げるべきだろうということで、いろいろな関連の番組を放送しておりますが、そういう中で、青少年の健全な育成といいますか、少年たちが悪い方向に進まないような示唆に富んだ番組をつくるのが我々の使命だろうと思っております。やはりほっておけば青少年に悪い影響を及ぼすような番組がどんどん出てしまう。そのために、何らかの規制といいますか、今お話ししましたように、Vチップ、バイオレンスチップといいますか、暴力的な場面をカットするような、そういう装置をつけて規制すべきだという御意見も承っております。
 ただ、やはり私ども公共放送として、放送法に基づきいろいろな番組基準をつくっております。そういう中で、青少年が悪い方向へ進まないようにということで非常に気を使った番組をつくっておりますので、私どもが今ここでVチップを積極的に取り入れてやるのはいかがなものか、といいますか、私は、それだけ自信を持って、やる必要はないと今思っておるわけであります。
 ほかの民放さんはどうかといいますと、これは各放送事業者がそれぞれ自主的判断でやるべき問題だろう、そういうふうに思っているわけでありますので、そういうことで、我々も今後とも、きちっとした番組をつくるように一層努力していきたいと思っております。
#147
○吉田(治)委員 子供心に覚えている番組に「特派員報告」という番組がございました。そこで、南ベトナムで、今アメリカへ亡命されている政府高官が、路上で、ピストルでこめかみを撃ってベトコンを殺すシーンというのを私は子供心に覚えております。これはまさに暴力シーンです。しかし、これは真実なんですね。今テレビにおいては、これはNHKさんじゃない、民放でありますけれども、障害者をある意味では犯すというふうな番組、これはまさに番組ですよ。
 NHKとしての立場は、今ほかの委員からのお話もございましたけれども、まさに、いや、自分のところだけは違うからそれでいいんだというのではなくして、自分のところの番組はいいものをつくっているからそれでいいじゃないか、民放は、あいつらはという、そうではなくして、まさにNHKこそがこのVチップを初めとするそういうものをどんどん先に導入していく。そういうことがあって、放送業界における、また放送というようなものの中において、リーダーとしての役割、指導的役割というものをしなければならないし、予算を国会で審議するという立場にあってはその義務があるのではないかと私は思うのです。
 まず、会長、その辺についての御所見と、それから具体的にVチップについて、今大臣は検討を始めたと言われましたけれども、事務方として、今NHKでVチップについての検討、もしくは資料取り寄せ等を始めているのかどうか、この二点、お答えをお願いしたいと思います。
#148
○海老沢参考人 私ども放送協会として、NHKは先導的役割という一つの立場があります。そういう面で、これまでいろいろな問題が起こるたびに、民放ともいろいろ話し合いをしながら、放送倫理基本綱領をつくったり、あるいは放送と人権等権利に関する委員会も民放と一緒につくりました。そういうことで、できるだけ放送界全体の質のレベルアップということで相協力してやっていくことは重要であります。
 そういう中で、このVチップについてもNHKが率先してやるべきであるという御指摘であります。それも一つの考え方だとは思います。
 ただ、私ども今この議論を、改めて出てきた問題でありますので、私自身の方は今Vチップについて具体的な検討はしておりませんけれども、やはりアメリカのそういう放送事業者の動向というものは常にフォローしております。
 御承知のように、日本にも放送文化研究所もありますし、また、ニューヨーク、ワシントンあるいはロスにも特派員がおりますので、そういうところからいろいろな情報が入って、そういう面での勉強はしておりますけれども、今NHKがVチップを具体的に導入するという検討はしておりませんし、また、今、ともかく考えておりません。
 ただ、民放の社長さんといろいろな会合がありますので、そういう面で、私の方から、そういう問題を提起するといいますか、こういう話がありますよという話は、機会があればしておきたいと思いますが、私の方から今率先してVチップをどうとかいうのは、ちょっとまだ、もう少し考えさせてもらいたいと思っております。
#149
○吉田(治)委員 機会があればとか考えておく、大阪弁で考えておきますわというのはこれはノーということでございますので、はっきり申し上げたいと思います。考えておくんじゃない、実際やっていただきたい、これは強く申し上げたいと思います。
 最後になりましたけれども、受信料、六千数百億集められまして、これは、番組制作という形になりますと、ソフトという形で番組は残ってまいります。多チャンネル化になってまいりますと、このソフトというものをどう保護していくか。これは何もNHKとして、また国民の財産として保護、運用するというだけじゃなくて、今度は、テレビに携わる人たち、視聴率が上がっていってソフトがよくなれば、笑うのはテレビ局、NHKだけであるとか、そういうふうにならないように、やはり放送事業全体、これからこういう産業というものは、制作という部門では、非常に大きく広がっていく産業だと思うのです。
 NHKの会長として、このソフト保護というのですか、番組というふうなもの、ここにお集まりの方は絶対払っていると思いますけれども、まさに私たち一人一人が受信料を払っている、それでできたものをどう活用していくのか、この辺をはっきりお答えいただきたいと思います。
#150
○海老沢参考人 国民の受信料でつくった番組でありますので、NHKのソフトは国民共通の財産だろうという認識でおります。
 そういう面で、二十年ほど前から、この保存には力を入れております。ただ、今保存場所が放送センターを中心に各地にばらついております。これをできるだけ一本化して、著作権をクリアし、そしてまたこれが一般に利用できるようなきちっとした方策を鋭意具体化する準備を今しております。
 できれば、私は数年後に、これを一本化するNHK映像図書館といいますか、アーカイブをつくりたいと思っております。そして、これをできるだけ有効に活用したいというふうに思っております。
#151
○吉田(治)委員 もう時間ですので終わらせたいのですが、最後に一点だけ。
 このソフトというのは、守るという発想ですか。それとも、これを使って、多チャンネル化の中、先ほど同僚議員の質問の中にありました、こんな番組見たい、あんな番組見たいということに対して積極的に売る、皆さんよく御承知のとおり「おしん」は海外ではんばん放送されている、そういう形で活用して、もうけるという方向でいくのか。その辺の方向性というのはどちらなんですか。
#152
○海老沢参考人 御承知のように、「おしん」等は世界四十数カ国に我々番組を提供しております。そういうふうに外国に売れるもの、あるいは国際協力ということで無料提供するとか、いろいろなやり方があります。それと同時に、また、私ども、関連会社を通じてNHKスペシャルとか大河ドラマ等はビデオ化して、これを一般に販売もしております。それの収入も上げております。そういうものが集まって、副次収入四十億前後になるということであります。
 それと同時に、これからこのソフトをどういうふうに利用、再活用するか。一般放送事業者に売って、NHK財源に上げたらいいのか。また、ほかのやり方があるのか。またNHK自身も、今深夜帯は再放送しておりますし、またデジタル化して多チャンネルになれば、そういうNHKのソフトを再利用する場所に使うのか。いろいろな方法があると思いますので、これから具体的に検討していきたいと思っています。
#153
○吉田(治)委員 これで終わりますが、ソフトビジネスに一生懸命頑張っていただいて、受信料が上がらぬように頼みます。
 以上です。
#154
○坂上委員長 神崎武法君。
#155
○神崎委員 私も、Vチップの問題を取り上げたいと思います。
 最近、ナイフを使った少年事件が大変多発しております。教育の現場においても起こっております。教育の荒廃が言われて久しいものでありますけれども、その原因として、学校の問題、家庭の問題、社会の問題、制度の問題などが複雑に絡み合った、これは複合汚染だということも言われてきたわけであります。
 ところが、最近のナイフを使った事件を通して、テレビ映像の影響が大変大きいのじゃないかというところで、ナイフを使った事件とテレビ映像という問題が指摘されているわけであります。
 事実、集団で少年をリンチ殺人した事件で、加害者である少年は、テレビ局に手紙を送って、やはりああいうナイフを使って殺傷するようなことが大変なことになるということは身をもってわかった、ぜひああいう暴力シーンの放映はやめてもらいたい、こういう手紙が行ったということも話題になっているわけであります。
 そしてまた、中教審の小委員会におきましては、Vチップあるいは事前表示制についてこれを導入すべきだ、こういう結論に至って、郵政省や放送事業者に働きかけたい、こういうことも言われております。
 そこで、まず大臣にお尋ねをいたしたいわけでありますけれども、このVチップの導入問題、どういうふうにお考えになっているのか。特に郵政省の場合は、以前は、この問題については時期尚早だ、アメリカで導入後の状況をよく見た上で判断をしたい、こういうお立場だったと思いますけれども、アメリカでは来年からこのVチップを導入するということを決定したということが最近伝えられておりますし、郵政省でも研究会をつくるという動きもあるということも報道されております。
 そういう点も含めまして、こういう問題が少年の事件の多発を防ぐ意味でも効果があるのかという点も含めて、大臣にお考えを伺いたいと思います。
#156
○自見国務大臣 神崎委員にお答えをさせていただきます。
 先生御存じのように、我が国の現行放送制度は、憲法で保障されている表現の自由と公共の福祉との調和に成り立っております。放送番組における青少年対策あるいは青少年健全育成ということは、今先生御指摘のとおり、国内的にも世界的にも取り組まれている大変重要な課題だというふうに認識をいたしておりまして、現行放送制度もこういった新たな課題への適切な対応が必要であるというふうに私は思っております。
 Vチップにつきましては、今先生も御質問の中でも述べられましたように、親が子供の番組選択を行うための支援技術でございまして、その旨を念頭に置き、米国等の先行事例を含めて内外の情報収集を行うとともに、関係者の意見を広く聞きながら調査研究を行ってまいりたいというふうに思っております。
 今さっきも御答弁させていただきましたが、アメリカでは、レーティングと申しまして、年齢によってたしか六つの段階によって分けます。あるいはシーンによりまして、五つのシーンによって分ける。中には直接的な暴力シーンだとか、いろいろ分類があるわけでございます。
 そのレーティングを私も実際に見せていただきましたが、アメリカのテレビ番組、実際レーティングを行っております。同時に、Vチップという装置をテレビに埋め込まねばなりませんから、そういう意味では、先生御指摘のどおり、これはもう法律上義務づけられて、いよいよ話し合いができたようでございますから、二段階で、アメリカのテレビ受信機にこのVチップを埋めるということはいよいよ実際として行われるようになったわけでございます。
 そういった事情がございますから、平成十年度政府原案に計上いたします予算の中にこの調査研究会の設置を行い、できるだけ早い時期に検討に着手をしたいというふうに思っております。そういった意味で、これは大変重要な問題でございます。
 それからもう一点、先生の我が国における少年犯罪に有効かどうかという御質問がございましたが、これは私も実は専門家でございませんから、こういった調査研究会をつくっていろいろ専門家の方々にお集まりいただき、また、外国のデータもいろいろあるやに聞いておりますから、そういったことのデータの検討を含めつつ、やはり、何よりも青少年の健全育成というのは、国家に与えられた、政治に与えられた大変重要な課題でもございますから、そこら辺を踏まえて、関係者の意見を伺いながら、十分に検討してまいりたいというふうに思っております。
#157
○神崎委員 ぜひ調査研究の成果はその都度公表をしていただきたいと思います。
 それから、NHK会長にお伺いしたいわけでありますけれども、この問題についていろいろ伺っておりますと、会長御自身は余り積極的でないような印象を受けているわけでありますけれども、率直にどうお考えになっているのか、また部内でこの問題について検討をされているのか、あるいは将来される予定があるのか、その点をあわせてお尋ねしたいと思います。
#158
○海老沢参考人 Vチップ導入に消極的ではないかという御指摘でございますけれども、私は、その前に、やはり青少年に悪い影響を及ぼすような番組をつくらないことがまず先決だろうと思います。その議論をきちっとしておきませんと、前に進まない議論ではなかろうかと思っております。
 そういう面で、私ども、この青少年の犯罪問題はきのうきようにわかに出てきたように見えますけれども、これは前々からいろいろ指摘された問題であります。そういうことで、以前から、放送法に基づいて私どもは放送番組基準をつくり、また最近報道基準のガイドブックもつくって、全職員にいろいろな面で徹底させております。そういうことで、まず世間の批判を受けるような、また悪い影響を及ぼすような番組はつくらないんだ、そこを前提に番組をつくってきております。
 そういうことで、まずそういうものをつくらないことを前提にやっておるものですから、私は、NHKが率先してVチップを導入することは今考えておりませんというのは、その辺を指摘したわけであります。
 その前段の議論がなくて始まりますと、NHKは消極的だとなりますけれども、私どもは、まずそういうものをつくらなくて、二十一世紀を担う子供たちが思いやりを持った、愛と勇気を持った人間に育つようにするのが我々の仕事だろうと思っております。
 そういうことで、今も私ども、こういう問題が起こるたびに、NHKスペシャルなり「クローズアップ現代」なりあるいはETV特集なり、いろいろな問題で取り上げております。と同時に、先ほども放送局長が答弁しましたように、やはり子供たちが見て感激するような、感動するような、少年少女向けの新しいドラマを開発して、そういう面で我々は貢献するのが筋だろうと思っております。
 そういう面で、私どもがVチップを今直ちにやるのは、私はまだそこまで行っておりませんと言うのは、そういう意味合いでコメントした発言だというふうにお聞き取り願いたいと思います。
#159
○神崎委員 時間がありませんので簡単に、デジタル化の問題についてお尋ねしますけれども、BS、地上波も予定を前倒しして二〇〇〇年にデジタル化するという方針と伺っております。
 世界の趨勢もこれはデジタル化という大きな流れがあるわけでありますし、米英では本年中に地上放送のデジタル化を開始するということも言われておりますし、これはもう我が国としても、そういう大きな流れの中で積極的にデジタル化に取り組むべきだというふうに私は考えるわけであります。
 NHK会長は、この地上波のデジタル化につきまして、これもまた慎重な発言をされているように承っているわけであります。産業としての議論が先行して、視聴者の側に立った議論がなされていないのじゃないか、こういう御指摘もされているように伺っているわけであります。
 確かに、この費用ということを考えますと、視聴者に大変な費用の負担を課するものでございますけれども、メリットもいろいろなメリットが言われているわけです。多チャンネルを受信できる、あるいは高画質である、あるいはマルチメディア化に対応できるとか、移動体においても受信が可能になるとか、いろいろな点も言われておりますが、そういう点も踏まえて、会長は、視聴者にとってのメリット、デメリットをどういうふうにお考えになっているのか。あわせて、放送事業者としてこの問題のメリット、デメリットをどのようにお考えになっているのか。お伺いをいたしたいと思います。
#160
○海老沢参考人 今先生御指摘のように、デジタル化を進めるに当たって、デジタル技術というものは、国民にとってはいろいろなメリットがあると思っております。そういう面で、私は、この技術の進展を我々も積極的に取り入れて、デジタル化に踏み切りたいと思っております。
 そのためにさらに研究しなければならない面がありますので、今研究開発も進めていると同時に、どういう放送をデジタル時代にやっていったらいいのか、それもあわせて今検討を進めております。
 やはり我々は、できるだけ早くやりたいのはもうやまやまであります。ただ、先ほども申しましたように、これにはそういう財源の問題、NHKも受信料でやっておるわけでありますから、受信料を今直ちにこのために値上げをお願いするわけにはいきませんし、また二〇〇〇年からの衛星デジタルにもお金もかかりますし、そういう面で、こういう財政の問題をどういうふうにクリアしていったらいいのか。あるいは、衛星放送をやる中で地上波に対してまたどういうような新しいサービスができるのか。その辺をきちっと国民に示さないと、国民の方もアンテナなりデコーダーを買ってやるわけですから、ただで受信するわけにはいきまぜんので、国民にも応分の負担がかかるわけでありますから、やはりその辺を我々は考慮しなければならないだろう。
 そういう面で、いろいろなそういう問題、課題というものをもっと議論をして、そして国民が納得するといいますか、やはりこれは、もう四千五百万世帯全体にかかわる、国民全体の問題だろう。そういう面で、国民的な合意を得るためには、そういう国民を説得するだけの材料を我々はもう少し検討、勉強してみなければならぬだろう、そういう意味で言っているわけであります。
 そういう面で、今、我々も、デジタル放送推進室を設けて、財政の問題、放送内容をどうするか、その辺を鋭意勉強している、そういう段階でございます。
#161
○神崎委員 NHKの場合、公共放送ですから、このデジタルの問題は非常に難しい問題も抱えていることも事実だと思うのですね。デジタルになってスクランブル方式を採用した場合に、受信料を払っていない人は見られなくなる。そういう意味では、受信料制度の根幹にこれはかかわってくるだろうというふうに思うわけでありますけれども、そこの問題意識を会長はどのようにお考えになっておるのか、この問題、経営基盤への影響を含めて、会長のお考えをお伺いしたいと思います。
#162
○海老沢参考人 私はいこういうデジタル多チャンネル時代になればなるほど、公共放送というのは国民にとって必要なメディアだろうというふうに思っております。そういう面で、この公共放送を支えていくためには、スクランブルをかけて有料化するということは、いろいろな点で商業主義の方へ走ってしまう、あるいは番組の質の低下を招くおそれがあるのではなかろうかというふうにも思っております。
 私は、やはりまだまだNHKも、それだけのソフトをつくる制作力も持っております。また、それだけの人材もおりますので、当分の間、今の受信料制度を維持しながら、この制度を守っていくのが我々の使命であろう、そういうふうに思っております。
#163
○神崎委員 終わります。どうもありがとうございました。
#164
○坂上委員長 遠藤和良君。
#165
○遠藤(和)委員 海老沢会長にお尋ねをいたします。
 兵庫県の淡路島に、大河ドラマ 「高田屋嘉兵衛」を実現する会というのができまして、NHKにも熱心に陳情活動をしているようでございますが、どのように認識をされておりますか。
#166
○海老沢参考人 先生お話のありましたように、高田屋嘉兵衛、司馬遼太郎さんの原作の「菜の花の沖」の主人公であります。日ロの関係に非常に大きな役割を果たした幕末の偉人というふうに我々は思っております。
 これについては、淡路島、兵庫県から私の方に、ぜひ大河ドラマとして取り上げてもらいたいという陳情を受けています。それと同時に、函館を中心に、北海道からも、この高田屋嘉兵衛、ちょうど今、日ロの問題がいろいろ議論になってきている時代でありますので、非常に時期が煮詰まってきたのでぜひ取り上げてほしいという陳情を受けております。
 御承知のように、今、大河ドラマは、地域の活性化、地域文化の振興に役立っておりますので、全国各地から私どもの方に、今二十近い提案が来ております。そういう中で、現場の方で、いろいろな提案をどういうふうに料理していくか、どういうふうに番組化していくか、いろいろ検討しております。
 来年、再来年は大体決まってきていますが、その後どうするかということで、高田屋嘉兵衛も一つの候補に挙がっております。そういう面で、今、現場でいろいろ検討しておりますので、もう少し時間をかしてもらいたいと思っております。
#167
○遠藤(和)委員 この高田屋嘉兵衛という方は、今お話がありましたように、幕末に活躍をされた方でございまして、私の選挙区ではありませんけれども、兵庫県の五色町の御出身の方でございまして、函館を最初に開いた方ですね。北前船の回船問屋を起こしまして、盛んに交流をした。そればかりではなくて、民間人ですけれども、当時のロシアの政府の高官と交渉をして、大変険悪な外交関係を処理をした、こういう方でもあります。
 今まさに、日ロ関係、平和条約を策定しようということで、この四月にも川奈でエリツィン大統領と橋本総理の会談が予定されておりましたり、そういう時代状況でもございますし、ある意味では、日ロ関係の前史を飾る活躍をした方ではないかと思います。
 そういうことでございますので、私、選挙区とは直接関係がないのでございますが、大変いい意味の企画ではないかな、今の日本人に大きな夢を与えるものではないかな、こんなふうに思っておりますので、取り上げさせていただきました。
 それから、テレビの国際放送についてお伺いしたいのでございますが、この四月から、アジアと太平洋地域に向けたテレビ国際放送が開始されまして、十月にはほぼ全世界に拡大される予定と聞いております。
 これは、ノンスクランブルの無料放送ということでございますから、この国際放送に使う財源というものは国内の受信料で充てるということになろうかと思いますが、そうしたことに関して、どのような基本的な方針をお持ちであるか、その認識を問いたいと思います。
#168
○海老沢参考人 御承知のように、映像による国際放送につきましては、この衆議院逓信委員会、参議院の逓信委員会等から、附帯決議等におきまして、映像の国際放送を一層充実強化しろという附帯決議もついております。
 そういう中で、私どもも、日本の国内事情というものを世界に知らしめることが大事だろう、いわゆる日本の国際理解と申しますか、そういうことでお役に立てればという中で、受信料でやるわけでありますから、やはり国民に納得してもらわなければいけません。そういう面で、我々も、できるだけ効率のいい番組編成をしてやっていこうということで、今、この平成十年度予算では二十五億ほどの予算を組んでおります。
 そういうことで、今、ノンスクランブルで、アジア、四月から十八時間やりますけれども、その後、七月から試験放送、十月から本放送ということで、PANAMSAT4、PANAMSAT5という、今のPANAMSAT2と合わせて三つの衛星を借りて、これもデジタルで、ほぼ全世界に発信できるよう、今準備を進めております。
 御承知のように、今、世界は百九十五の国と地域がありますが、そのうち百七十五の国・地域をこの三つの衛星でカバーできる予定であります。
 そして、今世界に在留邦人が七十六万人ほど生活しております。このほぼ九九%はアンテナを立てれば見えるだろうというふうに見ております。残念なのは、南アフリカの一部が見えないということであります。この南アフリカまでカバーしますと、まだ中継器といいますか、衛星を借りませんとできませんので、また金がかかってしまうと思いますので、九九%カバーできるということで、十年度は予算をお願いしたわけであります。
 そういうことで、今、日本語だけでなくて、やはり、英語ももっとふやせというような声もありますので、英語ニュースも四つの英語ニュース番組を今度つくりましたし、そういう面ではかなり視聴者のニーズにこたえることができると思います。
 私は、できれば十一年度からは二十四時間体制に持っていきたいと思っております。
 そのほか、番組配信ということで、また別の、デジタルで、各国の放送局なりCATVなり、そういうところにも番組を配信して、これは商業ベースでやる予定でありますけれども、それに相まって日本の国情、日本の国民の生活ぶりを知らせる、そしてこれが世界平和に役立てばということで今仕事をしておるわけであります。
#169
○遠藤(和)委員 今テレビ番組配信サービスの話もあったのですが、これは商業放送だとおっしゃいましたが、NHKが世界各地のいわゆるケーブルテレビ局等にスクランブルをかけて有償で送信する、そのケーブルテレビ会社は、個々の視聴者に対して有料で放送する形になるわけでございますが、その番組でもやはりテレビニュース、ニュース番組をやるわけですね。そうすると、直接NHKから受けた方は無料のノンスクランブル番組である。それから、要するに、送信サービスで各地のCATVを通してきたニュースは、同じNHKのニュースなんですけれども有料放送である、こういう形になりますね。これでいいのでしょうか。
#170
○海老沢参考人 お答えいたします。
 今、先生御承知のように、ニューヨークとロンドンに平成三年から現地法人を設けまして、NHKの番組を提供しております。その二つの地元法人がいわゆるスクランブルをかけて有料放送でやっております。それを今度アジア各国にもやっていこうということであります。
 これは、放送法第九条二項ですか、そこにNHKが関連会社を通じて、関連会社がそういう仕事ができる規定があります。それに基づいてこの放送をやっておるわけであります。
 一部ニュースが同じものが出ますけれども、そのほかに、今の大河ドラマなりあるいは相撲なり、付加価値の高いサービスをしておるわけでありまして、これはやはり地元の在留邦人なりあるいは旅行者が、あるいはまた日本語を勉強しておる方あるいは外国の方が見たいということでありますので、これは合意に基づいてやっておるわけでありますから、私は御理解願えるだろうと思っております。
#171
○遠藤(和)委員 それは、NHKの持っているソフト、それを活用する、そういう意味では事業外収入の一部である、商業放送という言葉を使われたものですからちょっと戸惑ったのですけれども、NHKが行うそういうふうな事業もある、こういう理解でよろしゅうございますか。
#172
○海老沢参考人 ちょっと言葉が走ったわけでありますけれども、一応、受信料といいますか、視聴料といいますか、それをいただいているわけですから商業という言葉を使ったわけでありますけれども、要するに、我々はそれをやって、それで収入は逆に持ち出しになっております。ここで利益を上げるというよりは、やはり伝送料それから著作権が金がかかります、その分だけでも今、国内の予算の中から十年度は十八億ほど提供願わなければならぬという状態であります。
 そういう面で、これもいろいろ意見があろうかと思いますけれども、公共放送の使命の一つだろうということで、十八億ほど予算化しているわけであります。
#173
○遠藤(和)委員 郵政大臣にお伺いしますが、この国際放送の中でもラジオの方は国から交付金を出しておるわけですね。テレビの方には出しておりません。この整合性をどう考えるかという問題点。
 それから、私は、交付金というものは、テレビもラジオも同じ扱いにして、出すか出さないか、どちらかにした方がいいと思うのです。出さないのであれば両方出さない。そのかわりに、例えばNHKの技術研究所でやっている研究開発、それはNHKだけの財産ではなくて、放送事業者全体に寄与する研究をしているというところに着目をして交付金のようなものを考える、そういうふうに整理された方がよくわかるのではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
#174
○自見国務大臣 遠藤委員にお答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、テレビ、映像国際放送ですが、これは在留邦人に対する情報提供、あるいは諸外国において日本を理解していただく、こういった目的で、日本全体の利益にもなるだろうというふうな考えもございまして、受信料の中で今やらせていただいておるわけでございます。
 今も説明がございましたように、テレビの方は、比較的国内放送番組を活用できる、それからデジタル衛星の伝送技術により回線使用料を比較的抑制できる、比較的安くできるというふうな状況もあって、金銭的に見ても現行の受信料で運営することが適当だろうというふうに思っております。
 今先生の御質問の中に、ラジオは、これは短波放送、国際短波放送だと思いますが、これに直接十八、九億円の金を出させていただいておるのじゃないかというふうに思っております。テレビの方は翻訳の部分に、直接じゃございませんけれども翻訳をするある第三者機関に若干国の方から補助をさせていただいているのかな、その番組を、要するに映像国際放送、その翻訳の技術を利用する、こういったふうになっているのかなと思っております。
 今先生の御意見でございますから、しかし同時に、放送全体は今変革期にあるわけでございますから、NHKの運営上、映像国際放送の経費負担のあり方についても、私は常に検討すべき課題だ、こういうふうに思っておりますので、先生の意見もこれあり、今後ともやはりそういった課題についてしっかり検討すべきだというふうに思っております。
#175
○遠藤(和)委員 時間が参りましたので終わります。どうもありがとうございました。
#176
○坂上委員長 石田勝之君。
#177
○石田(勝)委員 午前中の委員の中でも御質問が出ましたけれども、私は、映像アーカイブにつきまして何点かまずお尋ねをしたいと思います。
 このNHKが出されました「より豊かな公共放送のために」という中で、平成十年から平成十二年までの事業運営の重点事項として、映像の保存、検索、提供のための映像アーカイブの検討が進められているということが書かれているわけであります。
 NHKは、今日まで放送された番組及び未編集の素材、これは多く、たしかNHKのデータ情報部が管理、保管している、こういうお話でありまして、先ほど海老沢会長のお話ですと、百三十万本を超えるというようなお話もあったわけであります。
 これまでも民放とかあるいはコマーシャルなどの二次利用のために映像を販売してきたわけでありますけれども、今後、先ほど来議論が出ておりますように、多チャンネル化とか、あるいはマルチメディアコンテンツの本格的展開の時代に入っていけば、従来以上にNHKの映像ソフトの二次利用は私は増加すると思っております。これらを活用して、午前中からの議論でもありましたが、受信料を補完するような二次利用展開が当然必要になってくるであろう、かように思うわけであります。
 まず一点お伺いをしたいのは、たしか先ほど、浜松と山形県の鶴岡ですか、そこに保管をされているというふうなお話がありましたが、それぞれの保有量は今どのような形になっているか。全体ではビデオ、フィルム、どれだけになっているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#178
○海老沢参考人 先ほども答弁いたしましたけれども、私ども、今東京にはVTRとフィルム合わせて五十万ちょっと持っております。それから、地方に八十数万、合わせて百三十万程度のVTR、フィルムを保管しております。
 それで、東京の放送センターが手狭なものですから、浜松放送局、それから鶴岡放送局、これが一県一局という行政改革の指摘によって支局化して、大分スタジオ等があきましたので、そこに一部保管しているというわけであります。
 そういう中で、やはりこれをもう少し効率よく活用していかなきゃならぬだろうということで、そのためには、やはり今世界的な話題になっておりますアーカイブ制度をどうするかということで、外国のそういうアーカイブも勉強しながら、データ情報で具体的にどういう設計でどういうふうにやれば一番効率的なアーカイブができるかどうか、今研究をしております。
 私としては、埼玉県の川口放送所跡が、今まだラジオのアンテナが予備機で立っております、ここを整備して、私どもNHKの資産であります川口放送所跡地の一部を利用してそこにアーカイブをつくったらどうか、そういうことを前提に、今具体的に設計といいますか、計画を立てているわけであります。いつから着工できるかは、もうちょっと時間をかしてもらいたいというふうに思っておるところであります。
#179
○石田(勝)委員 今、海老沢会長から、埼玉県の川口にアーカイブの施設をつくろう、こういう御答弁でありまして、鶴岡とか浜松にある、あるいは東京に持っている全部で約百三十万本、これらのビデオあるいはフィルムを一括してアーカイブ、いわゆる資料館でありますが、そこへおさめようということで川口の放送所をという話が出ました。
 高田屋嘉兵衛さんのお話が今遠藤委員から出まして、盛んに地元の話ではないのだということでありましたが、川口の放送局というのはまさしく私の地元中の地元でございまして、ちょっと恐縮をいたすわけでありますが、私の家の後ろがNHKの第二放送所だったわけであります。ちょうど私のすぐ裏でありました。上青木にある放送所というのはまたすぐ近くでありまして、私は子供のころからNHKに囲まれて育ったみたいなものであります。
 NHKの放送所等々についてはよく理解をしているわけでありますが、このアーカイブについて、先ほど来お話がありましたように、映像資産を有効的に活用して将来の映像文化の向上に資するためにも、これは本当に前向きに検討していかなければいけない課題であろうかと思っております。
 今、川口にということで明快なお話をいただいたわけでありますが、平成十年から十二年までの間にということで重点事項として掲げられているわけでありますが、何年をめどにやられるのかということも、非常に地元も注目をいたしております。
 ここの場所について若干お話をさせていただきますと、この川口の放送所というのは十四ヘクタールございます。もう本当の都市部にある空閑地でありまして、十四ヘクタールありまして、一部は既に埼玉県が取得をしております。それで、県と市が三分の二を買う約束がNHKさんとされているわけであります。あと二年数カ月後にはその近くに地下鉄が入ってまいりまして、東京の国会下の溜池山王から大体三十分ぐらいで行けるという大変便利のいいところになるわけであります。そこに、今言った百三十万本の資料が資料館に入ってくるということになると、それをいかに活用するかということをいろいろ今鋭意検討いたしております。
 以前、郵政省の木村局長にも御出席をいただいて、デジタルSKIPステーションの会社の設立式典がちょうど一年ほど前に行われました。そこで、NHKの系列会社も出資をしていただいておりまして、今三十六団体出資して、映像関係ソフトの制作を支援しようという目的からSKIPステーションというのができました。代表権は知事とNHKの関係会社の方が持たれておるわけでありますが、そういうふうな形で、地元としてもこのアーカイブの施設ができるべく、今鋭意そういう環境整備もやっておりますし、また、その地下鉄が入ってきて、当然そこにNHKのアーカイブ施設にアクセスするための道路だとか街路だとか、さまざまなことを今後やっていかなければいけない、そういう中で、作業スケジュールを確定ということではなくて大体どんな形でNHKが考えておられるのか、ちょっとお聞かせをいただければありがたいと思います。
#180
○河野参考人 平成十年度中にいろいろな問題については考えたいということでございます。
 先ほどからのこの審議の中で、アーカイブについてはまだまだ解決しなければならぬ問題が幾つかありますが、平成十年度に一応全体の問題について、そこで結論が出るかどうかわかりませんが、十年度に考えようということになっております。
#181
○石田(勝)委員 十年度中にスケジュール等々が決まる、こういうふうに理解をいたすわけであります。
 そこで、郵政省にお尋ねをいたしますが、NHKが映像アーカイブを川口に設ける、今こういう御答弁であったわけであります。平成十年度に具体的に決定をしたい。そして、郵政省として我が国全体の保存管理、いわゆる映像アーカイブのソフトの振興について、今後どのように支援をしていくのか、御答弁をいただきたいと思います。
#182
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 けさほど来お答え申し上げておりますように、これからの放送事業の発展のために、放送番組ソフトの制作、流通、保存というのは大変大事な課題でございます。私ども、今この問題について三つばかり方策を進めておりますが、これをさらに強化してまいりたいと思います。
 一つは、先生も御案内のように、放送番組センター、これはNHK、民放さんの御協力によりまして設けられた財団法人でございますが、横浜にございまして、横浜市が大変情報に力を入れておられまして、近々横浜市内に情報文化センターをつくられる、その中にこの放送番組センターが設けられる、移転することになっております。
 今まで、この点につきましては、郵政省といたしましては財政投融資あるいは補助金を交付するという形でおりましたけれども、これは著作権のこともございまして、このライブラリーを見る場合には無料で閲覧するということになっておりまして、基本的に、全部基本財産の果実で運営しなければならないということがベースになっております。したがいまして、この運営を充実するためにやはり政策支援が必要でございます。
 二点目は、これも先ほど御答弁申し上げましたけれども、我が国の出版物あるいは電子情報も、国会図書館が中心になって保存を図るということでございますので、平成十年度で国会図書館と協力いたしまして、今後の放送番組のいわば放送文化財と申しましょうか、そういったものの保存のあり方を研究してまいりたい。この点については、十年度予算で八百万円ばかり予算を計上し、御承認いただくべくお願いしているところでございます。
 今後、このデジタル技術が映像処理部門に非常に有効な技術として活用されることが期待されておりますので、この辺にも注目しながら、番組の保存問題について的確な政策を打ってまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#183
○石田(勝)委員 このアーカイブにつきましては、まさしく時代に対応した今後の放送のあり方について、郵政省においても全面的なバックアップをしていかなければいけないことであろうと思うわけでありますが、要するに、午前中の議論でも出ているように、著作権の問題が出てくるわけであります。前の委員からも御指摘があったように、この著作権をどういうふうにクリアしていくかという問題が一つの問題として残るわけであります。
 もう一点の問題は、これは財源の問題であろうかと思います。例えば具体的に、川口でアーカイブをつくる。そうすると、その機能によっても違うわけでありますが、おおむねどのぐらいの費用がかかると考えておられるのか、ちょっとNHKの方からお聞かせをいただきたいと思います。
#184
○海老沢参考人 まだ具体的な設計ができておりませんので具体的な数字を挙げるまでに至っておりませんが、やはり数十億、かなりの金がかかるだろうというふうに思っております。その辺、もう一度次の予算のときに詰めていきたいと思っております。
#185
○石田(勝)委員 最後に、受信料の値上げをしない方針を海老沢会長はおっしゃっているわけでありますが、この長引く不況の中で、これからもそう多く収益も望めない、そういう中で、経営の一層の効率化が求められてくる。要員の削減等を含めた経営の合理化あるいは効率化にこれまでどういう努力をしてきたのか、そして今後どうされるのか、もう時間がありませんから簡単で結構ですから、お聞かせをいただきたいと思います。
#186
○海老沢参考人 番組の質を保ちながら、効率化ということですから、先ほどお話ししましたように、やはり二律背反的な問題があるわけであります。そういう中で、これまでの仕事のやり方、番組制作の進め方、システムを根本的に変えていこう、そういう中で効率的に仕事をしていきましようというのが基本的な考えであります。
 それと同時に、やはり人材の育成といいますか、これも、我々文化事業に携わっているわけでありますから、そういう面では、人材を育成し、そして一人一人の能力を高める、そういうことをきちっとやっていかなければならぬだろうと思っております。
#187
○石田(勝)委員 終わります。
#188
○坂上委員長 河村たかし君。
#189
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
 とにかく、放送というのはすごい影響力がありまして、特にNHKはすごいですよね。大体視聴率一%百万人、こう言われておりますので、何かニュースなんかを聞きますと、七時のニュースはどうも視聴率が非常に高いようですけれども、十数%ですから、ですから、何かしゃべられると千五百万人ぐらいの方がそれを信ずるということでございます。
 それで、私は、聞く方の国民の立場に立って、ぽんとNHKからそういう情報のシャワーが来るわけですよ。そこからどう国民を守っていくかという立場からきょうはちょっと質問をさせていただきたい、こう思っております。
 実は、国会でまた問題になると思いますけれども、要するに人間に背番号ですね、自治省が出すと言っておりますけれども、住民基本台帳で番号を打っていく、今度そういう法律が出るということでございますけれども、私はこれは反対をしておるのです。それと、いわゆる納税者番号、納番ですね、これとどうも誤解がありまして、どうかなと思っていたんですよ。
 この間、朝ちょっとタクシーに乗ったら、NHKのラジオで、二月十何日でしたかね、この問題を解説されておられました。
 私、そのつもりで乗ったんじゃないから、ぱっと乗って、あっと聞いて、これは納税者番号と背番号と、どうなのかな、若干混同されているのじゃないか、いや僕が間違っているのか、正直に言いまして、どちらかはちょっとわかりません。
 解説委員さんのことをどうのこうの言うつもりは全くありません。しかし、やはりこれは大問題だと僕は思っていますので、何とかもう一回、これがどういうことを言われたのか聞きたいと思って、今まで三回ですか、NHKの方に、頼むで、そのテープをちょっと貸してもらえぬですかと言ったんです。
 きょうまたお願いしますけれども、そのテープをぜひ貸していただけませんでしょうか、これはNHK。
#190
○河野参考人 河村委員の御質問にお答えします。
 NHKは、放送テープそのもの、特にニュース、情報関係のものについては、放送後、放送前を問わず、放送目的以外には使用しないことを基本原則としております。
 それは、放送の目的以外に使われますと、取材対象との信頼関係、それからその結果として取材の自由が制約されたり、ひいてはNHKの報道、放送の公正に関していろいろな誤解が生ずるおそれがあるということで、基本的にはそれは出さないということになっております。
 ただし、そのことによって直接本人が権利侵害されたとか、直接の関係者というふうな場合については、去年、NHKと民放連との間で共同で設立しました放送と人権等に関する委員会のようなところで提起があった場合には出す場合もございます。
#191
○河村(た)委員 時間がないので短く答えてほしいのですけれども、では、いただけぬなら、私は渋谷の放送センターまで行きますので、ぜひそこでそれを聞かせていただけませんか。
#192
○河野参考人 今お答え申し上げましたとおり、放送そのものを外部に出すということについては、基本的にはこれをしないということになっております。
#193
○河村(た)委員 一体、これはなぜだめなんですかね。私、これは国民の一人として、どういう意見を形成するかについて、どういう放送があるかというのは非常に重要な問題なんですね。この朝のラジオはどのくらい視聴率がありますか。
#194
○河野参考人 一%ちょっとというふうに……。
#195
○河村(た)委員 一%といいますと、大体百万人の方なんですね。少なくとも百万人の方がそのラジオの放送を聞いて、納税者番号と国民背番号のことを聞いたんです。多分、解説委員の方が正しいことを言われたかもわかりません。しかし、どうかわからないから、少なくとも確認をさせてほしいと私は言っておるのですよ。国民の一人として、行って、だめなんですか。どうして断るんですか。著作権があるんですか。これは解説委員がしゃべられておるなら、NHKのものじゃないですか。国民はどうなるんですか。聞いて、それで終わりなんですか。どうしたらいいですか。なぜだめなんですか。
 会長にもひとつお願いします。
#196
○海老沢参考人 このテープの外部への提供については、長い間の慣行といいますか、よく裁判所からそういう要求があったときも、私ども、報道機関として、報道以外の目的にはこれを供しないということで対応してきております。
 そういう中で、今河村先生からいろいろ御指摘がありましたけれども、私ども、前に、解説委員が解説をした、それを文書で配った時代もありました。ですから、テープそのものを直接渡すといいますと、いろいろな視聴者から、あの番組が欲しい一この番組と、非常に収拾がつかないという面もあります。そういう面で一応原則的にはお答えをしているということでありますが、少し検討させてもらいたいと思います。
#197
○河村(た)委員 今、検討させていただくというお言葉があって、これは本当にどうなるかわかりませんけれども、たくさん押し寄せてきて収拾がきかないというのは、ちょっと会長さん、それはちょっと国民に対して申しわけないと思いますよ。それじゃ、国民からすれば反対に収拾がつかないじゃないですか。一方的に電波でぽんと来て、ニュースでしたら一千五百万人ですよ、それはやはり信ずるのですよ。
 それほどやはり放送というのはすごいんです。特にNHKはすごいですよね。放送法をさらに加重したガイドラインを持っているということでございまして、これは郵政大臣、この問題について何にもなしですか、ほったらかしですか。これは大臣にちょっとひとつ、重要な問題ですから。
#198
○自見国務大臣 河村委員に答弁を申し上げますが、一般的に放送された場合に、特に真実でない事項を放送された、あるいはその放送によって権利の侵害を受けたということは、一方、マルチメディア社会の大変大事な問題だというふうに私は思っております。
 今さっき、まさに訂正放送という制度がございまして、その制度を三カ月間に延長したのが、たしか私が逓信委員長のときに、河村委員にも御質問をいただきましたが、させていただいたわけでございまして、そういった意味で、私はやはりこの基本的な精神というのは大変大事だろうというふうに思っております。
 そういった放送法第四条に基づく訂正放送でございますが、同時に、これは訂正放送制度の要件を満たさない場合、いろいろな細かい要件があるようでございますが、ビデオあるいはテープ等の視聴により確認することを視聴者に認めるか否かはまさに放送事業者の判断にゆだねられており、確実にビデオ、テープ等を視聴することは放送制度上は手当てされておりません。
 しかし、今さっきお話がございましたし、私も今さっき質問で答えさせていただきましたが、昨年五月にNHKと民放連が共同して第三者機関としての放送と人権等権利に関する委員会を設置したのでございます。これは、先生御存じのように、名誉、信用、プライバシー等の権利侵害に関するものを原則として、審理の対象となる苦情は、放送された番組に関して苦情申立人と放送事業者との話し合いが相入れなくなった状況に陥っている問題でございます。こういう制度を昨年NHKと民放連でつくっていただいたわけでございますから、やはりこういった制度をきちっと活用し、こういった制度が定着し、こういった制度が前進することが私は放送の健全な育成に役立ち、民主主義の発展に役立つというふうに思っております。
#199
○河村(た)委員 どうも大臣はよくわかっておられぬと思いますね。その今度つくられたものはいわゆる名誉毀損というような場合でして、そこに申し込んでもこれはだめなんですよね。ニュースの内容が正確だったかどうかということですよ、解説がどうだったかどうか。
 もう一回ちょっと戻りますけれども、現状では私がこれをどれだけ頼んでもそのテープは聞かせていただけない。いただかなくてもいいですよ、私、行きますから。これはやはり聞きたいのですよね、国民として。受信料も払っていますよ、私は。なぜ聞かせてくれないのですか、これは。では、これは現場の方で結構です。
#200
○河野参考人 NHKには一年間五百六十七万件のいろいろなお問い合わせがございます。その中には放送に対する意見とかお問い合わせがございまして、そういうものにつきましては、どういう放送だったかということについては、こういう放送でございましたというふうなことは口頭で説明していることはございますが、放送そのものを直接提出するなり、そのものを再現して見せてほしいということについては、私どもは、先ほど申し上げましたように、原則としては応じてはおりません。
#201
○河村(た)委員 それはめちゃくちゃですね。五百六十七万件というのは、全然違う話がたくさんあって、物すごいあるから困るようなことを言っていますけれども、これはやはりたくさん来たら喜ぶべきじゃないですか、こういう話が国民から来たら、本当だったのかどうなのか、そういうことじゃないですか。
 だから、本当にそれだけの影響力があるというのをわかっているのかな。
 だから、きょうテレビを見ておられる国民の方にも言いたいのだけれども、もしニュースが間違っていたら、ニュース解説が間違っていたら、日本国民はどうなってしまうのですか。今回のラジオが間違いだとは言いません。だけれども、僕は確認したいのですよ、その中身を。確認さえも、僕も何にもできない。たくさん来るから困ると言ってみえるわけですね。
 これ、ぜひもう一回、最後、もう時間がありませんから、会長に、これはやはり放送という、やはり僕は報道の自由を守る立場から言っているのですよ。ここのルールをはっきりつくっていかないと、いつも国会が出てきたり、だれか権力が出てきて、すぐこれは取り締まれという話をやらないかぬようになるわけです。
 僕はNPO論者ですから、本当はこういうメディアウォッチドッグというのが出てきて、みんなの寄附金で支えられるような、こういうことを専門でやるような人たちが出てきて、お金としては寄附ですね、公権力でないところがチェックして、そういう間違った報道が行かないように、そういうふうにするのがいいと思っています。また、それをつくっていくつもりです。法律ももうすぐ通ります。
 ですから、それができるまでかもわかりませんけれども、ぜひこれは会長と大臣に、積極的に報道の自由を守る立場から、特にニュース解説なんていうのは、僕は絶対聞かせるべきだと思いますよ。ほかの何か著作権が発生するのは別だけれども、自分のところのものじゃないですか。そのくらいひとつ積極的な答弁を大臣と会長にお願いします。
#202
○海老沢参考人 今、河村委員の指摘については、今ちょっともう少し、私は現場から詳しく聞いておりませんので、今初めて聞いた話でありますので、少し検討させてもらいます。また後ほど御返事申し上げます。
#203
○河村(た)委員 もう少し積極的な何かありませんか。ありませんか、大臣、ひとつ。
#204
○自見国務大臣 御存じのように、公安及び善良な風俗を害しないこと、政治的には公平であること、報道は事実を曲げないですること、あるいは、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、こういう放送番組準則が法律上もきちっと規定をされております。
 また、放送番組編成の自由というのがございまして、御存じのように、放送番組は放送法に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることはない、こういう原則も同時にあるわけでございます。
 同時に、そういった中で、視聴者保護の観点からやはり今先生いろいろるる述べたわけでございますから、そういった点も大変大事な視点でございますから、今後とも放送制度の適切な運用に努めてまいりたいというふうに思っております。
#205
○河村(た)委員 では、最後でございます。どうも大臣の話も抽象的で何かようわけがわかりませんけれどもね。
 とにかく、こういうふうに僕が悩んだのですね。本当にあの内容はどうだったのだろうかと。何ともならないのですよ。これは国民の皆さんに言っておきます。言わさせていただきます。何ともならない。ただ、あの内容は信じてほしい、それだけなんですよね。これでは余りにも国民としては不幸なのではないか。
 この問題のルールづくりを早急にしていただきたい。私どもがやるということでございますけれども、ちょうど委員の方もたくさんお見えになりますので、ぜひこのことを報道の自由を守る、国民の知る権利を守る立場から進めていきたい、そんなふうに思っております。
 終わります。
#206
○坂上委員長 石垣一夫君。
#207
○石垣委員 長野オリンピックは国民にすばらしい感動を与えたと思うのですね。その中で、いわゆるスピードで清水選手、フリースタイルで里谷選手、それからショートトラックで西谷選手、ジャンプで船木選手の個人とそれから団体の金と、合計金五つ、銀一つ、銅四つのメダルをとったという中で、特にリレハンメル・オリンピック以来四年間の屈辱を見事にはね返した原田選手の劇的なジャンプ、これは今回のオリンピックの象徴であった、このように思うのです。
 たまたま、こういう長野オリンピックの特集が出ておりますけれども、この中に、「汚名返上慟哭のメダル」ということでこういう一枚の写真が出ております。この感激は、最近非常に暗いニュースの中で国民に大きな希望を与えた、私はこのように考えております。
 そういう中で、続いて行われましたパラリンピック、これについては、先般、皇后陛下も会場へ行かれて、思わず万歳と会場のウエーブにこたえて感動されておったというシーンを見たのです。先ほどからもいろいろとこの問題について話がございましたけれども、今回のこのパラリンピックに対するNHKの放送の取り組みについては非常に不満である、このように私は考えるわけであります。
 この番組の生中継に対する国民からの要望はNHKに殺到した、こう聞いておるのですけれども、何件ありましたか。
#208
○河野参考人 パラリンビック関係のお電話、ファクス等は、全体で四千件ございました。そのうちのざっと六割が、番組をもっとふやしてほしい、それから生中継をしてほしい。その番組をふやしてほしいというのと生中継についての正確な分類はしておりませんが、六割が番組を充実してほしいという声でございました。
#209
○石垣委員 正確には四千四十六件ですね。これに対して、通常のオリンピックの放送は何時間されましたか。通常のオリンピック放送、長野オリンピックの放送、何時間やられましたか。
#210
○河野参考人 今、正確な数字ははっきりとは把握しておりませんが、オリンピック放送については十万を超える問い合わせその他の……(「いや、放送時間」と呼ぶ者あり)放送時間は、総合テレビでおよそ百五十時間ぐらいでございます。それから、BSにつきましては、「BSは、ぜんぶやる。」というキャッチフレーズでしたものですから、三百時間近くを放送しております。
#211
○石垣委員 時間はやはり正確に答えてほしいのですけれども、全部で八百三時間ですね。その中で生放送は大体三百七十時間、こういうふうに聞いておるのですけれども、一方、パラリンピックは、最終的には閉会式だけでしょう、生放送をやったのは。ほかにやりましたか。
#212
○河野参考人 生放送をやったのは開会式、それから閉会式でございます。
#213
○石垣委員 なぜそういうふうな差がつくのですか。
 平成十年度の「国内放送番組編集の基本計画」という中に「公共放送の大切な使命である、障害者をはじめとした少数者向けの放送、高齢化社会の到来に対応する放送や、地域に密着した放送サービス、視聴者とのふれあいを大切にした番組の開発、」云々とありますね。ちゃんとこれは基本方針に載っておるわけです。そういう基本計画を立てながら、このパラリンピックに対する取り組みが、今言ったように、はるかに格差がついた状況、ちょっと考え方が私は納得できないのです。
#214
○河野参考人 健常者といいますか、長野オリンピックそのものとの比較においては、確かに地上波においても六分の一以下の放送でございました。というのは、オリンピックそのものは、IOCが百五十億近く国際映像発信のためにお金をかけております。それで、すべての競技を生放送を基準にして国際映像として提供します。それを受けて各放送局は放送しているわけでございますから、最初から金のかけ方その他の全体の規模そのものが、生放送というのは特に冬季の場合には本当に想像以上の人間と金がかかります。そういう意味からいいますと、長野のこの障害者のためのパラリンピックについては、そういう国際的な映像をつくるお金は一億ちょっとでございました。
#215
○石垣委員 これは放送権料が要るのですか。
#216
○河野参考人 オリンピックについては、御承知のとおり、相当の金額の放送権料が要りますが、今度の長野のパラリンピックについては、放送権料そのものについては請求されませんでした。
#217
○石垣委員 今あなたは、オリンピックは高額な放送料が要るのだ、だから取り上げるのも大きいのだと。これは放送権料は要らないじゃないか。しかも、あなたのところの基本計画にちゃんと出ているじゃないか、これ。なぜこの基本計画どおり取り組まないのだ。あなたの答弁はおかしいよ、そんなもの。今社会は、いわゆるノーマライゼーション、それからバリアフリー社会、こういう大きな流れになってきているわけですよ。その中で、しかも、基本計画に載っておりながらその計画を実行しない。この基本計画は何や、これ。
#218
○河野参考人 長野オリンピックの場合は、放送権料の問題でなくて、IOCそのものが生中継を中心に……(石垣委員「パラリンピックのことを聞いているのです、そんなの何も聞いていない」と呼ぶ)そういう意味では、長野オリンピックに比べれば、正直言いまして、放送の計画は少なくありました。(石垣委員「少ないところやないやないか」と呼ぶ)いや、でも、私どもとしては前の……(石垣委員「何を言ってるのや、そんなもの」と呼ぶ)はい、済みません。
#219
○石垣委員 今の担当の答弁は話になりません。会長どうぞ。
#220
○海老沢参考人 このパラリンピックにつきましては、私どもも、障害者のスポーツ大会、これについては、先ほど言いましたように、私も開会式にも行って、きちっとやろうということで放送計画を立てました。
 ただ、これまでのパラリンピックでは、こういうような生中継というものはこれまでもありませんし、私どもも組織委員会も、そういうことで、枠組みは全然つくっていなかったわけですね。我々自身もそうだし、民放さんもそうだし、そういう面で、御承知のように、雪の場合は、非常に急変をするとか、あるいは体調を崩して取りやめるとか、それに事故が多いとかいうことで、できるだけニュースを中心にというのが基本的な考え方であり、ました。
 その後、開会式等を生中継でやり、そういう中で、二日目ですか、私どもNHK職員の大日方邦子選手が女子滑降で初のメダルをとったという大ニュースが飛び込んできて、それ以来非常に大きな盛り上がりをした。
 そういうことで、私どもも急速、もう少しきめ細かくやろうということで、いろいろな企画がかなりありましたけれども、それを教育テレビでも再放送するとか、あるいは人を百五十人あそこに動員しました。そういうことで、関連の番組あるいはニュースサイドの情報というものをきめ細かくやった。
 ただ、先生からおしかりを受けましたように、中継はやらなかったことについては、全部はできませんけれども、やはり屋内競技などは、後、急速やってもよかったなと、今反省を持っております。
 いずれにしても、私は、人に優しい放送、やはり障害者が感動し、勇気を与えるわけでありますから、そういう面で、今の経験を踏まえて、次の大会には改めて計画を立て直して、視聴者の期待に沿うような番組づくりをしていきたいと思っております。
#221
○石垣委員 報道を見ましたら、NHK出身の大日方選手に何らかひとつ報いなければいかぬということで、報奨金ですか、金額とかいろいろと考えておられるそうですけれども、今、考えはまとまりましたか。
#222
○海老沢参考人 あさって三月二十日、私ども、放送記念日といいますか、放送が始まって七十三周年になりますので、その記念式典で、大日方選手を会長特別賞ということで表彰したいと思っております。金一封を差し上げたいと思っております。金額をこういう公の席で言うのはいかがかと思いますので、後で耳打ちをしたいと思っております。
#223
○石垣委員 その会長の思い、よくわかります。ぜひこの際、何と言われてもしっかりひとつ顕彰していただきたい。やはり、国民全体が今回のパラリンピックを見て大きな感動を覚えて、障害者に対する認識を改めたということは、私は国民的な大きな共通の意識だったと思うのです。
 そこで、きょうの収支予算、事業計画を見ますと、契約総数において四十七万件、衛星契約、BSにおいて約七十万件の年度内の増加を見込んでおる、こういう方針が出ておりますけれども、BS放送七十万件の増加を見込んでいるというのはどういう裏づけがあってこういう提案をなされたのか。
#224
○芳賀参考人 お答えいたします。
 御存じのように、景気の低迷がありまして、BSの普及がなかなか伸びないところではありますけれども、私どもとしては、事業運営に足る受信料収入を確保しなければなりませんから、そのために衛星放送の契約を伸ばす、それから契約総数を伸ばす、この両方と、それから収納をきっちりやる、この三つを柱にしているわけであります。
 衛星放送について言えば、来年、十年度ですね、ワールドカップのサッカーがございます。フランス大会がございますので、これをてこにして九十万ちょっと、九十万を超える普及を確保して、そしてその中で七十万の契約を確保する、このことによって衛星契約率も向上させたい、こういうふうに考えて決めました。
#225
○石垣委員 会長、何かこの七十万件ふやすウルトラCはないのですか。
#226
○海老沢参考人 いろいろ質のいい番組を提供するのが基本であります。そういう中で、やはりスポーツに対する需要が非常に多いものですから、今フランスのワールドカップサッカー、これには衛星、すべてこれを放送するつもりでおります。
 それを一つの起爆剤にすると同時に、私は、阪神戦をできるだけ多く放送したいということで、六十五試合全試合をひとつBSで放送したいという申し入れをしましたけれども、いろいろ阪神球団もそれぞれ事情がありまして、今のところ三十試合程度の契約を結ぶことになっております。これは、引き続き、十一年度、十二年度もそういう方向で進めていきたいと思っております。
#227
○石垣委員 今会長から、阪神戦を三十試合ほどBSでやりたい、これは関西のタイガースファンにとっては非常に大きな喜びであります。また、これは、何もタイガースは大阪だけではないのです。全国的にあるのです、アンチ巨人という立場で。巨人ファンがここにおるかどうか知りませんけれども、これは私はヒットだと思いますよ。関西において圧倒的にBSの契約はふえる、こういうふうに私は確信いたします。
 御健闘を祈ります。
#228
○坂上委員長 矢島恒夫君。
#229
○矢島委員 私は、NHK予算に関する質問に入る前に、海老沢会長に、政府関係審議会の委員の問題でお尋ねしたいと思います。
 このことは川口前会長にもお聞きしたことがございますが、会長は、副会長時代、九六年十二月だったかと思いますが、国会等移転審議会の委員に就任されて、現在も委員をお務めになっていらっしゃると思います。
 この首都機能移転の問題というのは、大変いろいろな角度から論議されております。もちろん、賛成、反対それぞれ分かれているわけです。国民の世論もやはり分かれておって、明確な合意ができていません。何のためにやるんだとか、あるいは何を移転するんだとか、いろいろ論議されているわけです。
 私がお聞きしたいのは、そういう国民的にまだ合意が成り立っていない、しかもいろいろ割れている問題、こういう問題で、しかも今審議会の方は移転を前提として候補地をどこに絞ろうかというような方向へと進んでおります。
 私、NHK会長がこういう審議会に参加することは、前の川口会長にもお話ししたのですが、いわゆる不偏不党、公平、こういうことが求められているNHKとしてやはり問題ではないのか、むしろ会長に就任されたときにこの審議会委員をやめられるのが一つの見識の示し方ではなかったのかな、こんなふうに思うのですが、これについての御感想をお願いします。
#230
○海老沢参考人 私、副会長当時、国会等移転審議会の委員になりました。
 これは先生御承知のように、国会等移転審議会は法律によって設けられた審議会でございます。そして、その委員も、国会の同意といいますか承認を得た人事で、そういう面では国会の多数の意見に従ったというわけであります。そういうことで、いろいろ個人的な思いはありましたけれども、そういう国会から同意されたということで委員を引き受けたわけであります。
 この国会等移転問題については、いろいろな意見があります。審議会だけでもいろいろありますし、私も、そういう面では国民的な立場から意見を申さなければならないわけであります。
 この国会等移転の問題は、やはり国民的合意がなければ進まないことでありますし、最終的には、東京都とそれから国会等移転審議会において決めるところがありますが、最終的には国会で決めるということになっておりますので、そういう面では、私は、そういう不偏不党、公平という立場から余り逸脱しないで審議に加わることができるだろうと思っております。
 そういう面で、いずれにしてもNHK会長という立場は、不偏不党、公平にやるのが我々の使命でありますので、その辺十分わきまえながらやっていきたいと思っております。
#231
○矢島委員 やはり国会の方で決めていくという形での審議会ですけれども、就任していただけますかという打診はあったのだろうと思うのです。
 その段階での問題ということも言えるかもしれませんが、実は、あれは九四年の三月二十五日のやはりNHK予算を審議している国会で、私が川口会長に大体今と同じように審議会の委員になることはどうだろうかという御質問をしましたところ、こんなふうな答弁をされているのですね。NHK関係者の政府審議会入りは慎重に考えたい、こういう答弁でした。
 今、会長は、やはりNHK会長として審議会に入っていらっしゃる。この場合、川口前会長は行革会議ですけれども、私は個人として入っているんだということを主張されたわけなんですが、その辺のお考えはどうですか。
#232
○海老沢参考人 私も個人的な考えとして意見を述べるつもりでおります。
 これによって、NHKの国会等移転審議会の報道の内容が偏るとか、あるいは変な方へ進むとか、そういうことはするつもりはありませんし、この国会等移転審議会というのはやはり先ほど言
 いましたように国民的な合意が必要でありますし、そういう面ではいろいろな角度からこの問題は番組で取り上げておりますし、またニュースとしてもそういう視点で、こういう意見があった、こういう課題が問題になっているということをきちっと伝えながら、偏らないようにやっていきたい。
 ですから、私の委員就任がこれによってゆがめられたりあるいは曲げて報道するということはないと思いますし、ないようにしたいと思っております。
#233
○矢島委員 川口前会長が言われたことはNHKの一つの考え方だと思うのですが、NHK関係者の政府審議会入りは慎重に考えていくと。
 前会長も、実際には行革会議やられました。そして、海老沢会長も、現在会長になられて、引き続き首都機能移転に入っている。慎重に考えるというのが、個人で入れば、それはこれからはいいんだよというようになってしまってはまずいのじゃないか、十分この点については配慮しながら、お考えいただきたい。
 次の質問に入りたいと思います。
 午前中にも受信料とスクランブル化の問題がいろいろと質疑されました。会長は、二月十二日の会見のことも引用しながら、デコーダーの問題だとかあるいは集金現場の混乱の問題などなかなか難しいではないか、そういうお話をされました。
 私、別の角度からこの問題でお聞きしたいのです。といいますのは、私は、受信料という考え方とそれからスクランブル方式という考え方は根本的に違うものだと考えております。というのは、スクランブル化するということは、その放送を見たかどうか、つまり、放送サービスを受けたかどうか、これによって料金を支払う、こういうシステムだと思うのですけれども、このことは逆に、NHKを見ないから受信料は払わなくていいという理屈にも逆説的にはなる可能性があるわけなのですね。見た分だけ払うのだ、見なければ払わないのだ。
 実は、こういう問題が起きたときに、もちろん受信料というのは放送サービスの対価ではないのだ、そして公共放送の必要性ということが言われる中で、今日の受信料制度、これを築いていったと思うのです。このスクランブル化を導入するというのは、やはりNHKがみずから放送サービスを受けた人だけ払えばよいという制度を導入するわけですから、受信料を払ってもらう基盤、こういうものを崩していってしまう可能性があるのではないか。その点、先ほど品川局長が受信料率を高めることになるだろう、別の面で見ればそういうこともあるけれども、逆の面では、非常に危険な部分もはらんでいるのはここだと思うのです。
 そこで、私は、会長がきょうも言われました、全国にあまねく情報を格差なく提供するという公共放送の使命がある。スクランブル制度というものと公共放送という役割、この関係、それからスクランブル制度と受信料制度との関係、この関係を基本的にどうお考えになっていらっしゃるか。
 つまり、両立というものが可能で、困難なのは事務的な問題なんだというようにお考えになっているのか、それとも、そもそもの原理的な部分に両立が不可能だ、こうお考えになっていらっしゃるのか、その辺のお考えをお聞かせください。
#234
○海老沢参考人 私どものNHKのビジョンの中には、政府の規制緩和小委員会の指摘を受けて、スクランブル化、有料化についても可能性を検討していくのだというふうに言ってあります。
 私ども、いろいろ今検討しておるわけでありますけれども、私個人といいますか、現在の私の考え方としては、やはりスクランブルと受信料制度は相入れないものだろう、切り離して考えるべきだろうというのが私の基本的な考えであります。そういう面で、やはり皆さんから負担をいただいて、先ほど言いましたように、情報の格差なくあまねくやるという公共放送の基本を崩すと、私はいろいろな別な問題が出てくるだろうと思っております。
 そういうことで、できれば今の受信料制度でNHKは存続して、維持していきたいというのが私の考えであります。
#235
○矢島委員 そういう会長のお考えをお聞きしました。
 そこで、九七年の初頭に川口前会長が記者会見で、料金体系の見直しということに言及をされています。それから、「より豊かな公共放送のために」、この中では、検討すると書いてあります。
 今、会長が言われた相入れないものだというのは、川口前会長が言われてから一年間検討したという中でのNHKの一つの結論というふうに考えていいのですか、それとも、まだ検討中だけれどもという上での一つの結論なのか、その辺をお聞きしたい。
#236
○海老沢参考人 私どもも、この一年間いろいろの面でいろいろな方の意見を聞いております。公の審議会とかそういうことではありませんけれども、個別的にいろいろな意見を聞いております。
 そういう中で、役員の間では私が今答弁したような意思統一をしておりますけれども、この問題につきましては、先ほど言いました最高意思決定機関であります経営委員会にまだ諮っておりません。それと同時にまた、行政当局ともまだ詰めておりませんし、そういう面でもう少しまだ皆さん方の御意見も賜りながら、そういう時期が来れば経営委員会にも諮るし、またいろいろな面で私ども考えを述べて最終的に判断したいと思いますが、私、今のところはそういう考えであります。
#237
○矢島委員 この「より豊かな公共放送のために デジタル時代へのNHKビジョン」、この十ページになりますか、「受信料を基本に、財源の確保に努力します」というのが九ページの終わりから十ページにかけて書いてあります。
 その中で、「受信料は、NHKが放送による表現の自由を確保しつつ、」以下省略いたしますけれども、「すべての人に廉価に提供できるのも、視聴者によって支えられる受信料制度によります。」という文章があります。私は、やはりスクランブル化というのはこの文章とは逆の方向を示すものだということを指摘しておきたいと思うのです。
 そこで、今のその続きのところの内容なのですけれども、最後の方になりますか、十ページの方になりますね、「さらに、視聴者の負担増を可能な限り抑えるために、受信料収入を補うものとして副次収入の増加を目指します。」副次収入の問題は、午前中にもちょっと質問がありました。
 私がお聞きしたいのは、どんな副次収入が今念頭にあるのかということと、どれくらいまでふやそうと考えていらっしゃるのか、この二点について。
#238
○海老沢参考人 今私どものビジョンの中にそういう文言を入れましたけれども、この副次収入、私ども関連会社をつくって十数年いろいろやっておりますけれども、非常に難しい問題があります。
 先ほども申し上げましたように、今関連会社の副次収入というのは四十億程度であります。そのほか含めて七十億ということになっております。これをさらにふやしますと、非常にこういう景気の停滞の時期でありますからなかなか難しい状態だ、しかし我々はやはりそういう努力はしなければならぬだろうという一つの気構えといいますか、そういうことを含めたこと。
 それから、先ほどから出ておりますNHKの持っている保存番組の有効活用といいますか、これをこれからどういうふうに活用していけるか、今検討しておりますけれども、それによって収入をどれくらい上げられるか、その辺今勉強している最中であります。
 これも、どこまでそういう受信料以外に収入が得られるかということは、私はやはり限度があると思います。やはり基本は受信料だろうと思っております。
#239
○矢島委員 確かに、視聴者の負担増を抑える、こういうことは非常に重要なことだし、言うまでもないことだろうと思います。
 ただ、受信料を左右するような、上げない、抑えるような量の副次収入ということになりますと、これは相当な額になるのではないかなと思うのです。そうした相当な額をこの副次収入で追求するということになると、やはり方向違いになっていく。売れるソフトづくりになったりする危険性というのもこれまたあるわけです。
 ですから、適度の副次収入というのは私は否定するものではありませんけれども、やはりこれには節度が必要だという今の会長のお考えの方向でぜひ進めていただきたい、このように思います。
 私、毎回毎回、予算のときも決算のときも字幕放送の問題でお聞きしております。時間がなくなりますので、何点かお聞きしたいと思います。
 郵政省にも、私、字幕放送で聞くよということだけは言ったんですが、中の資料を、こういう資料だけちょっと集めておいてくれないかということを言わなかったので、もしなければあれですが、あったら、字幕放送の現状についてちょっと教えていただけますか。
#240
○品川政府委員 お答えを申し上げます。
 字幕放送の努力義務を定めていただきまして、私どもも、御期待におこたえをすべく、字幕放送普及目標というものを定めまして、二〇〇〇年までにどこまでやるかということをしました。それ以降、NHKさん、民間放送事業者さん、それぞれ積極的にこの件に取り組まれまして、法律施行前は全国で十四社だけ字幕放送を試みておられましたけれども、現在は六十九社において字幕放送を行っていただいております。
 それからまた、本年度のNHK予算でもごらんいただけますように、教育放送においてもNHKは字幕放送を開始したい、こういう格好になっておりますので、大変拡大、拡充しているというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
#241
○矢島委員 この間、NHKの字幕放送が拡充され前進している、このことに対して、視聴者からも喜ばれています。その点につきましては、私も評価していきたいと思います。
 ただ、以前から私が毎回指摘しているのは、やはりアメリカやイギリスに比べたらまだまだ字幕番組の実施状況というのはおくれているな、何とかそこまで早い時点でということは毎回毎回提起してきた問題であります。
 そういう中で、ガイドラインというものが、郵政省の指針が定められてそれぞれ前進しているわけですけれども、私、この字幕付与が可能な番組については二〇〇七年というところまでに全部やるんだ、そこを待たずに、ひとつ可能なものから進めていく、実現する。例えば来年度はひとつ、それよりもこれだけやろうという目標といいますか年次目標といいますか、そういうものを定めながらやっていただきたいというのが私の前からの主張なんですが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
#242
○品川政府委員 私先ほどちょっと失礼いたしました。二〇〇〇年と申し上げましたが、先生おっしゃるように二〇〇七年ということを目標にしております。
 それで、今先生お話しになりましたとおり、これはもう二〇〇七年まで十分かけていいんだという趣旨ではございませんで、できるだけ、それこそ前倒ししてでも早くできればいいわけでございますが、先生御案内のように、日本語でやるために大変余分な負担もかかるということで、そのために、今私どもとしましては、この字幕放送の制作技術開発のために、五カ年計画で研究開発に予算を付与できるようにしておりまして、ニュース、天気予報、こういったものが簡単に字幕放送できるようにしたいというように考えております。
 それから、平成五年度から、字幕放送の制作費につきまして、その制作費の二分の一を上限とする助成措置を講じておりまして、平成十年度も一億三千万の予算要求をお願いしているところでございます。
#243
○矢島委員 会長にお聞きしたいんですが、そういう一つのガイドラインがあり、さらにそれを早めていくといういろいろな技術開発の問題も含まれます。
 一つには、私ちょっと最後に言った、年次的に、NHKとしては、来年はこれだけ、再来年はこれだけという年次計画というのはどうなんだろうか。
 もう一つお聞きしたいのですが、ニュースや生番組について今努力しているわけですけれども、一〇〇%じゃなくても、つまりニュースの内容が全部字幕に出るというのじゃなくても、その中の五〇%だとか六〇%だとか、いわゆる自動制作というものができるようになれば、そういうことを使いながらも字幕放送をふやしていくというお考えについてはいかがでしょうか。
#244
○海老沢参考人 字幕につきましては、私どもも前向きに取り組んでおりますし、今、年次計画を立てております。そういう面で、もう少し急げという御指摘でありますので、できるだけ、もう一度見直しながら年次計画を前進させたいと思っております。
 それから、この前のパラリンピックでもかなり字幕放送をあそこへ入れてみました。そういう意味で、非常に好評でありましたので、できるだけそういう努力をしていきたいと思っております。
#245
○矢島委員 最後に大臣にお聞きしたいのですけれども、指針が、ガイドラインが出された翌日の新聞で、二〇〇七年までに生番組を除く全番組に字幕導入という報道がなされました。それは前進面ですが、ただ、裏返せば、そうすると今後十年間生番組には字幕がつけられないのかという声も一方聴覚障害者の方々から出たわけなんですね。
 先ほど来私が質問しているように、やはりこれらの方々というのは、情報を入手するニュース番組、こういうようなものは非常につけてほしいという要望が高いものです。先ほど品川局長も、いわゆる自動制作システムの開発の問題にちょっと触れながら、予算づけの問題も出ていました。ぜひこういう生番組にも字幕をつけてもらいたいというのが非常に強いということから、あのシステムが開発されなければつけなくてもいいよという問題じゃないだろうと思うのです。
 ですから、そういう意味からすれば、なかなか民間の事業者が、字幕制作にも費用がかかりますし、独自の技術開発ということについても、なかなかこれは簡単に期待できるものではないと思うのです。
 そこで、郵政省が責任を持って技術開発に取り組んでいると言うのですけれども、ぜひこの四〇%の上限、これがもう目標なんだよというのじゃなくて、できるものからどんどん進めて、一日も早くアメリカやイギリス並みの字幕放送ができるようにしてもらいたいと思うのですが、大臣の決意を。
#246
○自見国務大臣 矢島委員にお答えをいたします。
 字幕放送の有用性につきましては、障害者の方々あるいは独居老人にとりましても、いざというときはまさに情報のライフラインと言っても過言でないというふうに思っております。
 このような字幕放送の意義にかんがみ、今いろいろ局長が申し上げましたように、一応私の理解としては、技術的に字幕を付すことができない放送番組として、例えば今先生も御指摘のように、ニュース、スポーツ、中継等の生番組には今のところは技術的になかなかこの字幕放送をつけることが難しいということでございますから、やはり、生放送等の現在字幕付与不可能な番組についても字幕を簡単に付与可能にするような技術開発でございますから、これも総力を挙げて、本当に知恵を絞って技術開発を郵政省としてもしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。
#247
○矢島委員 終わります。
#248
○坂上委員長 横光克彦君。
#249
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 きょう各委員からお話がありますように、NHKは公共放送であると言われております。しかし、公共の電波を使っている以上、NHKであろうと民放であろうと公共性を問われることには違いはないはずだと私は思うわけです。にもかかわらず、NHKは公共放送だと言われるには幾つかの理由があるわけですね。
 受信料制度で成り立っているということ、また、先ほど会長のお話がございましたように、全国どこで暮らしていてもあまねくNHKの放送を享受できるということもあります。また、番組の内容でいえば、お子様からお年寄りまで幅広い年齢層の人たち、そういった人たちがそれぞれに楽しめる番組や情報を網羅して、すべての視聴者に役に立つ放送が求められていると私は思うわけです。
 とはいっても、非常に価値観が多様化した今日、そうしたすべての視聴者に対して多様なる放送サービスを提供していくことは、これは大変なことだと思っております。
 またさらに、今日は共生の時代とも言われております。日本人と外国人との共生、また健常者と障害者との共生、さらに高齢化社会を迎えて、高齢者と若者との共生などなど、このよりよい共生社会を築いていくためにも、公共放送の果たす役割というものは、これは以前にも増してますます重要性が高まっている、このように思っております。
 どうか、そういった意味で、NHKも、すべての視聴者に対して優しい放送、すべての視聴者に対して役に立つ放送をこれからも心がけてつくっていただきたいな、まず、このように冒頭お願いいたしたいと思います。
 そういった観点から幾つか質問をさせていただきますが、今、私も字幕放送のことをお聞きしようと思ったのですが、矢島議員の質問でかなり詳しくわかりました。
 字幕放送というのは、本当に、耳の不自由な方だけでなく、高齢者の難聴の方にとっても非常に役に立つ。要するに、これから高齢化社会に向けて、高齢者の難聴者という方が物すごくふえてくると思うのですね。そういった意味でも、この字幕放送というのは、これからテレビ界の中で非常に大きな役割を果たしていくのじゃないか。
 郵政省のお話では、非常に前向きに取り組んでおられますし、制作費の二分の一、これは制作費はかかりますし、また時間もかかるわけですから、そういった二分の一の一億三千万円の予算を組んでいるということでございます。
 NHKでは、このほかに、手話ニュースの時間も行っておりますが、障害者の皆さんを対象とした福祉番組、これは一体どれだけあるのか、ちょっとお聞かせください。また、これから新年度に入るわけですが、新年度に始まるこういった福祉番組はあるのかどうか、ちょっとお聞かせください。
#250
○河野参考人 いろいろな番組で、福祉関係、障害者関係のことを扱っておりますが、福祉関連番組として私たちが強く意識しているのは、テレビで十四番組、ラジオで三番組ございます。
 主として教育テレビでございますが、夜の七時三十分、いい時間ですが、これは月曜日から金曜日までずっと福祉関係の番組が並んでおりますし、今年度は、子供さんを対象に手話でウイークリーニュースを出す、これは放送時間は教育テレビの金曜日の七時二十分からでございます。
#251
○横光委員 こういった手話ニュースも、非常に多くの方々がこれで番組を楽しめるわけですので、これからもどしどし推進していただきたいと思っております。
 字幕放送が高齢者にとっても大変役に立つサービスであるということは先ほど申しましたが、私、最近、ニュースを聞いていて、ちょっと気になることがあるのです。それは、アナウンスの人の話すスピードが以前よりちょっと速くなっているのじゃないかという気がしているわけです。
 そうしたところ、ちょうど昨年の秋に、NHKの番組で、確かに昔と比べて話すスピードが速くなってきているという放送をされたことがあるのです。スピードの時代ですから、人々の日常会話の中でだんだんと話す速度が変わっていくのは仕方がないといたしましても、高齢化社会の中で、高齢者に優しい放送を目指していくことも、これまた大切なことだと思うのです。
 そういった中で、NHKの技術研究所、ここで、放送で話す速度をゆっくりと変換することのできる装置を開発されているとお聞きしたわけですが、もしもこのようなことが実用化されれば、これは、高齢者にとってこんなありがたいことはないし、大変歓迎されることだと思うのですね。
 この話す速度を変える装置の開発状況、そしてまた実用化への見通しはどうなっているかということをお聞かせいただきたい。そのほかに、高齢者に優しい研究が何か行われているのかどうか、そこのところもお聞かせください。
#252
○長谷川参考人 お答えいたします。
 今、先生の方からニュースの話し言葉が速くなっているではないか、大体、私どもが把握している範囲では、標準的に申し上げますと、一分間に三百語ぐらい話すのが標準でございます。したがいまして、御高齢者の方には、例えば「ラジオ深夜便」というのは、もう少しゆっくり話して、わかりやすくお話をしております。しかし、番組によっては、どうしても標準より、三百五十とか、そういうスピードで話しております。
 そこで、研究所では、今先生御指摘の速く話してもゆっくり聞こえてくるという装置をここ五年ぐらい力を入れてまいりました。公開でも一部ごらんいただいたり、あるいはお聞きいただいておりますけれども、現在、大体カセットテープレコーダーぐらいのものまで開発ができております。
 ただ、問題は、価格の問題でございまして、まだどうしても量が出ませんものですから、数十万円いたします。この価格を下げるためには、IC化をして価格を下げるということになりますので、そのためには、多くの方にそういう利用ができるような状況をつくらなければいけない。たまたま、このゆっくりする装置は、日本語以外に、もちろん英語とかフランス語とかドイツ語も基本的には同じようなものでございまして、諸外国においても話し言葉を変えるということが今注目されております。今、研究所では、メーカーと協力して、ぜひIC化して、量産体制に持っていこうということで、協力している最中でございます。
 それから、高齢者に優しい研究はほかにあるかという御質問でございますけれども、先ほどございました字幕放送、耳の不自由な方には字幕放送をできるだけ人手をかけずにやろうということで、これは郵政省の御支援を得ながらやっております。
 あるいは、目の御不自由な方には、点字で、点字が機械的に出てくる、もちろん健常では耳で音声放送が聞けるわけでございますけれども、点字でもそういうニュースがとれるように、そういう装置の研究開発も行っておるところでございます。
 以上でございます。
#253
○横光委員 私は、こういうことこそ公共放送でしかなかなかこういった技術開発は難しいのじゃないかと思っていますし、まだまだ多くの課題があろうかと思いますが、ぜひともこの実用化に向けてさらなる御努力をお願いしたいと思います。
 次に、マルチメディアへの対応について、ちょっとお聞きいたしますが、マルチメディアの時代は、放送と通信が融合する時代とも言われております。NHKも、電波による放送サービスだけでなく、放送を補完する形で公共放送としてのサービスを考えていると思うわけですが、ここもまた民間放送と違う、独特の公共放送の分野だと私は思うのですね。
 NHKでは、パソコン通信を利用してボランティアネットをつくり、ネットワークづくりを進めていると聞いておりますが、このボランティアネットの現状と番組への活用状況、これはどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#254
○河野参考人 お答えします。
 ボランティアネットというのは、ボランティアをしたい人と、それからボランティアを欲しい、利用したい人を情報でつなぎましてお役に立てようというものでございまして、四年前始めました。
 それ以来、阪神大震災後のボランティア情報、それから日本海の重油事故がございましたときの情報、最近では、パラリンピック情報などを通じてお役に立っております。パラリンピックでは、見られるために、クイズ形式などというものをつくりましたりして、期間中、毎日二万件の利用がございました。
#255
○横光委員 最後に、これもきょう本当に多くの委員が問題提起されたわけですが、青少年の犯罪の問題でございます。
 番組が子供に有害であるかどうか、これは一概に決めるということは非常に難しい問題だと思うのです。しかし、昨今の中学生のナイフ殺傷事件、少年犯罪が続発しているのですが、これがテレビ下ラマ等の影響が大であると言われているのです。そして、先日の中教審でも、Vチップの導入を関係機関にお願いするというような決定も出された。ということは、もう映像とこういう問題は全く無関係とは言えない状況に来ていると思うのです。
 これは私見ですが、幼少期あるいは少年時代の最初に見たショッキングな映像、これは非常に深く残るのですね。ところが、そういったショッキングな映像が、順次あるいはしょっちゅう見たりすることによって、そのショッキングさがだんだん薄れていって、それがまるで当たり前のような感覚に今度はなるのじゃないか、麻痺してしまうのじゃないか。これだけ激しい暴力シーンが毎日のようにどこかの局で放送されるようなことになりますと、だんだん麻痺してくるのじゃないか。ということは、麻痺してしまえば、それが実生活でもまるで当たり前のようなことに錯覚してしまうのではないか、私はそういう思いを持っているのですね。
 もちろん表現の自由というのは、これは大切でございます。しかし、私は実は前に俳優をやっていたのですが、そのころの暴力シーンとかいろいろなシーンでは今日ほど激しくはございませんでした。今日は確かに、私たちそういった経験をした人間から見ても、撮影方法を知っていますから、そういった人間からしてみてもかなり目を背けたくなるような映像があるわけです。やはり、表現の自由は確かにあるわけですが、何らかの対応が郵政省としては必要ではなかろうか、このように考えておりますが、郵政省はどのようにお考えでしょうか。
#256
○品川政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の問題は、いろいろな社会事象と映像、テレビの報道の関係というようなことで議論ございました。特に、青少年の問題につきましては、政府全体の課題だということで取り組まれております。先生御指摘の中教審の検討状況というのも、その一環というふうに受けとめております。
 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、Vチップということがよく話題になりますが、これもアメリカの電気通信法を読みますと、親のテレビ番組の選択という条文の中の一つとしてこのVチップというのが触れられておりまして、私どもも、これから視聴者はみずからどの番組を見るか、どの情報に触れるかという積極的な選択行動を迫られるということを申し上げましたけれども、そうした見る、見ないということについて判断を支援する技術というのがこのVチップの機能かと思いますので、そういうところを着眼しながら、今後この調査研究費もお願いしておりますので、実現次第さらなる研究を進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
#257
○横光委員 何らかの対応が必要だと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#258
○坂上委員長 中田宏君。
#259
○中田委員 私が最後でございますので、たくさんのギャラリーに見守られまして、最後の質問を皆さんにお送りをいたしたいと思います。
 ありがとうございます。たくさんの御声援を賜りまして本当に感謝をしたいと思います。
 さて、今、私は、パラリンピックの合計メダル四十一個というような国民にオリンピックにまさるとも劣らずの勇気と希望を与えてくれたこの中継などについての問題点や、あるいはそうしたことを背景として、障害を持たれている方々と我々健常者とが自然に共生をしていける社会のための障害者向けの番組等について私もきょうは質疑をさせていただく予定だったのですが、既に他の議員からそうしたことについては質疑があり、NHKのお考えもわかりましたのでお答えは省略をいただいて、その上で私からの要望だけ申し上げておくと、まずは何といっても、聴覚障害の方が三十六万人おられて、そして高齢社会に伴って高齢化による難聴になられている方が六百万人もおられるわけですね。ですから、国民の五%ぐらいに当たる非常に大きい数字の方々がそういう意味では不自由をされているわけですから、高齢社会に伴って、ますますそうした環境整備ということ、これはお努めをいただきたいということを、これまでの議員からも指摘あったように、お願いをしたいと思います。
 そして、数字でいうならば、アメリカの三大ネットワークなどでは、九五年、字幕スーパーが出ているというような放送がニュースやスポーツを除いて約七〇%もある、あるいはイギリスでは、BBCで三三・八%、民間だと三三・二%ですから、NHKの総合は今三〇%ジャストですね、そういう意味ではまだまだ数字的にも努力をしていただきたいと思います。
 私の親しい方でも、本当に手話ニュースを物すごく楽しみにされておられるのですね。やはりあれだけがある意味では自分たちが何も考えずに画面に集中できるという時間として大変楽しみにしておられる皆さんが聴覚不自由な皆さんの中で多いということを申し上げて、そこら辺の御努力をお願いをしたいと思います。
 それを申し上げた上で、きょうお聞きをしたいのは、こっちもお聞きしたがったのですが答えがあったから省略をしましたが、私は別の角度から、今申し上げた健常者とハンディを持っておられる方々との共生という観点から聞きたいのです。
 というのは、うちには子供が二人いまして、まだちっちゃいのです。三歳と一歳なんですけれども、余談ですけれども非常にかわいい子供ですが、この子は、朝「おかあさんといっしょ」を見ながらリズムに合わせて踊っている。本当にそういう意味では屈託なく見ているわけですね。
 それで、私の子供友達というか、母親同士が友達の近所のお母さんからこういう意見が出た。これは本当の話なんですよ。
 夕方、オランダの絵本作家のディック・ブルーナ氏の絵本キャラクターを使ったアニメ放送が、毎日平日、月曜日から金曜日まで五分間、四時台にあるのです。その中で、私調べたら、昨年の九月二十五日の放送分だったのですけれども、このアニメの中で、車いすに乗ったキャラクターが出てくるのです。そうしたら、その近所のお子さんがお母さんにこう言ったわけです、何でこの人は車いすに乗っているのと。
 子供ですね。我々見たら、車いす、ああ障害を持っているなとすぐわかるけれども、子供だから、何で乗っているの、何で座っているのということをお母さんに発したわけです。そうしたら、お母さんはそこで、この子は足が不自由だから、車いす、ぐるぐる回るいすで移動しているんだよと言って、そこで自然に子供との中で、画面を通して普通の感覚で障害を持たれている方を確認をするということができたわけであります。無理なく子供に説明をすることができたのですね。
 翻って考えてみれば、うちの子もこうやって手足をばたばたさせながら「おかあさんといっしょ」を見ているわけですけれども、「おかあさんといっしょ」を見ても、ほかの番組を見ても、元気な子がはち切れんばかりの笑顔で出てくるものしかないのですよ、子供番組なんか。障害を持っている子が一緒になって出てくるなんという番組は、残念ながらないのですよ。
 これは、障害者の皆さん向けの放送というのも大事なんだけれども、我々が街角で普通に会うわけですね。そのときに、何かしてあげたい、何か、どうやって声をかけようというような、そういうふうに自然の感覚になるためには、「おかあさんといっしょ」もそうだ、あるいはドラマなんかでもそうだと思うのですけれども、もっと障害を持たれている方が自然に登場する風景がむしろ実社会同様にあっていいというふうに思うのです。
 このことをNHKにまずお伺いをしたいと思うのですけれども、このアニメの件でも結構でありますが、こういった配慮というものがどれだけ今までNHKの番組の中でなされているかということをちょっと御答弁をいただければと思います。
#260
○河野参考人 今中田委員から御指摘の点ですけれども、通常の番組の中には、いろいろな番組で、障害を持った方を描いたり、御出演願ったり、そういう番組がございますし、それからドラマ等でも、そういう意味では、障害者の日というのがございますが、それを中心に、身体にハンディを持っている方々をドラマの主人公にするものを毎年のように放送してきました。
 ただ、日常の子供番組その他について、そういうことが積極的にとられているかといいますと、御指摘のとおりでございまして、障害者に対する意識が毎年毎年大きくなってきました。先ほどのパラリンピックのおしかりもございましたし、そういう意味では、通常番組の中でもそういう人が主人公になるようなことを工夫しながら、ともに生きる社会というものに今後努力していきたいと思っております。
#261
○中田委員 誠意のある御答弁をいただいたのですけれども、ちょっとニュアンスが違うのです。
 すなわち、車いすの少年だとか目の不自由な少女だとか、例えばそういう方が主人公のドラマというのも、これは時として私たちは見たこともあるし、大事だとは思うのですよ。
 ただ、そうではなくて、例えば、今子供たちは、中学生がナイフを取り出して、我々では想像を絶するような非常に残忍な事件が幾つもありますね。そこで、因果関係というのは完全ではないけれども、しかしやはりテレビの暴力シーンなどがつながっていることはまず確実だということは一みんなわかっているわけですね。それをなくせというのもいろいろと議論はあるのだけれども、そうではなくて、例えば、バタフライナイフというのは、キムタクというSMAPの人気タレントがバタフライナイフを格好よく使ったというのが中学生に非常に波及したということでしたね。逆に言えば、ドラマで、キムタクが主人公で、満員電車に乗ったときに前にお年寄りがいた、さっと席を譲ったというシーンがあるとか、これはストーリーには関係ないのですよ、全然関係ないのですよ。
 でも、そういうことは日常的にあるわけじゃないですか。我々は席を譲るわけですよ。あるいは、目の不自由な人がいて、そして声をかけてお連れしましょうかと言って、断られたり、あるいはお願いしますと言われたり、そういう日常にあることが逆にドラマの中にないのですよ。何も、不自由な人、ハンディを背負った人を主人公にしろと言っているのではないのです。むしろ、それを積極的にやることは、ある意味には自然ではないのですね。
 むしろ、そういうことが自然にあれば、キムタクをそのドラマで見た子供が、ああ私も電車の中で席を譲ろう、あるいはキムタクが目の不自由な人に声をかけたというのを見て、今度はこれができるようになる、こういったことを自然に意識をしてもらいたい。むしろ、不自然に何か登場させるということではなく、日常の風景というものがドラマの中で日常的にあったっていいではないかということであります。
 会長、こういう視点というのは、もちろん、脚本を書く人がいるでしょう、その人に無理やり押し込めろということではないのです。だけれども、そういうことを一つ意識してドラマをつくるということが社会を明るくし、そして障害を持たれた人やお年寄りに席を譲ったりなんなりという行動を若い人たちがとれるような、そういう映像というのは僕はあってもいいと思うのですが、会長、ぜひそこら辺、御答弁をいただければと思います。
#262
○海老沢参考人 今、中田委員からいろいろな指摘がありました。
 先ほどもお話にありましたように、今度のパラリンピックでも、非常に障害者の方が明るく、そしてそういう障害者という意識を与えないような雰囲気がありました。そういう面で、私どもも、障害者と健常者との共生といいますか、そういうものをやはり考えさせられた体験だったと思います。
 そういう新しい経験を踏まえて、今委員から御指摘がありましたように、日常の中でそういうものが自然にドラマ化できるようなこともやはり必要だろうと思っています。そういう面で、私も現場の方にいろいろな面で検討させていきたいと思っております。
 いずれにしても、青少年の問題は非常に重大な問題でありますので、私どもも、先ほど答弁していますように、少年たちが健全に育つような、そしてまた勇気と思いやりが出るような、そういうドラマをさらにつくっていきたいと思っております。
#263
○中田委員 時間が来ましたので終了しますが、最後に、全然別のことですけれども、紅白歌合戦、ぜひ頑張って、視聴率をもっと、八割ぐらいに戻してもらいたい。
 僕は、あれも日本にとってすごく大事な番組だと思うのです。年末の十二月三十一日に、こたつに入りながら、お年寄りから子どもまで、演歌歌手からアイドルまで見る。それで家族の共通の話題ができてくる。そういう意味では非常に重要な、民放の番組を買い上げてでもNHKの紅白歌合戦を流すぐらいの覚悟で、視聴率八割ぐらいを目指していただきたいというふうに思います。
 ぜひ、今後のNHKの公共電波としてのさらなる充実をお願いしまして、質問を終わります。
#264
○坂上委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
#265
○坂上委員長 これより討論に入るのでありますが^その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決をいたします。
 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#266
○坂上委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#267
○坂上委員長 ただいま議決いたしました本件に対し、古屋圭司君外六名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び無所属の会の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。古屋圭司君。
#268
○古屋委員 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 放送の不偏不党と表現の自由を一層確保するとともに、放送の社会的影響力を深く認識し、公平な報道と豊かな情操を養う放送番組の提供に努めること。
 一 協会は、厳しい財政状況を深く自覚して、経営全般にわたる業務の見直しと職員の意識改革に取り組むとともに、業務運営の効率化に努め、視聴者の十分な理解が得られるように、経営の方針、財務内容等の開示に努めること。
 一 協会は、その経営基盤が受信料であることにかんがみ、受信料の公平負担の観点からも衛星契約を含む受信契約の確実な締結と受信料の収納に努めること。
 一 協会は、公共放送の先導的役割として、衛星・地上デジタル放送の円滑かつ積極的な導入に向けた研究開発等に努めること。
 一 放送が視聴覚機能に与える影響などの新たな課題に対応した調査研究を推進すること。
 一 視聴覚障害者や高齢者向けの字幕放送、解説放送等の更なる拡充、番組内容の充実に努めること。
 一 映像国際放送については、我が国の実情を的確に海外に伝えるとともに、海外在留日本人への情報提供を充実させるため、番組内容の一層の充実など、その在り方についても更に検討すること。
 一 協会は、地域放送について、地域の実情にあった放送番組の充実・強化を図るとともに、地域から全国へ向けた放送番組の拡充に努めること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び無所属の会の七派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成されたものでありますから、各項目についての説明は省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#269
○坂上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#270
○坂上委員長 起立総員。よって、本件に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、自見郵政大臣及び日本放送協会会長海老沢勝二君から発言を求められておりますので、これを許します。自見郵政大臣。
#271
○自見国務大臣 日本放送協会の平成十年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上、御承認いただき、厚くお礼を申し上げます。
 御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。(拍手)
#272
○坂上委員長 日本放送協会会長海老沢勝二君。
#273
○海老沢参考人 日本放送協会平成十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいろいろ御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。
 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これを体しまして、執行の万全を期したいと考えている次第でございます。
 まことにありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#274
○坂上委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#275
○坂上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#276
○坂上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二分散会
    ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
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