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#1
第142回国会 逓信委員会 第9号
平成十年五月十五日(金曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 坂上 富男君
   理事 野田 聖子君 理事 古屋 圭司君
   理事 山口 俊一君 理事 小沢 鋭仁君
   理事 永井 英慈君 理事 石田 勝之君
   理事 西田  猛君
      浅野 勝人君    石崎  岳君
      今村 雅弘君    岩永 峯一君
      大石 秀政君    川崎 二郎君
      佐藤  勉君    坂井 隆憲君
      菅  義偉君    園田 修光君
      竹本 直一君   吉田六左エ門君
      渡辺 博道君    伊藤 忠治君
      今田 保典君    吉田  治君
      漆原 良夫君    遠藤 和良君
      石垣 一夫君    矢島 恒夫君
      横光 克彦君    小坂 憲次君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 自見庄三郎君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 天野 定功君
        郵政省郵務局長 長谷川憲正君
        郵政省貯金局長 安岡 裕幸君
        郵政省簡易保険 金澤  薫君
        郵政省放送行政
        局長      品川 萬里君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務総局審査局
        管理企画課長  伊東 章二君
        郵政大臣官房首
        席監察官    有村 正意君
        郵政大臣官房財
        務部長     是枝 義人君
        逓信委員会専門
        員       丸山 一敏君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
 辞任        補欠選任
  河村たかし君     西田  猛君
五月十五日
 辞任        補欠選任
  倉成 正和君     渡辺 博道君
  坂井 隆憲君     岩永 峯一君
  野中 広務君     菅  義偉君
  伊藤 忠治君     今田 保典君
  神崎 武法君     漆原 良夫君
同日
 辞任        補欠選任
  岩永 峯一君     坂井 隆憲君
  菅  義偉君     野中 広務君
  渡辺 博道君     倉成 正和君
  今田 保典君     伊藤 忠治君
  漆原 良夫君     神崎 武法君
同日
 理事河村たかし君四月二十七日委員辞任につ
 き、その補欠として西田猛君が理事に当選し
 た。
    ―――――――――――――
五月七日
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第五
 五号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 参考人出頭要求に関する件
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六一号)(参議院送付)
 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託
 に関する法律案(内閣提出第六二号)(参議院
 送付)
 郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六三号)(参議院送付)
 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六四号)(参
 議院送付)
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第五
 五号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○坂上委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○坂上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に西田猛君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○坂上委員長 内閣提出、参議院送付、郵便貯金法の一部を改正する法律案、内閣提出、参議院送付、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案、内閣提出、参議院送付、郵便振替法の一部を改正する法律案及び内閣提出、参議院送付、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今村雅弘君。
#5
○今村委員 皆さん、おはようございます。
 大臣、どうも御苦労さまでございます。
 質問のお時間をいただきましてありがとうございます。早速始めさせていただきます。
 ただいま日本の経済、バブルの後遺症もいえぬままに、金融ビッグバンの大波が襲いかかっているということでございます。昨年は、北海道拓殖銀行、そして山二証券と、大変な目に遭ったわけでありますし、また、昨日からでございますが、インドネシアでは、通貨危機に端を発した経済混乱が今や政治的あるいは社会的混乱にまで達しようとしているという大変な時代でございます。
 そういう中で、昨今、景気の動向を初めといたしまして、ともすれば悲観論が幅をきかせているような状況でございます。しかしながら、同じくこういう厳しい局面にある中でも、東南アジアの諸国等々と違いますのは、やはり日本の国にはまだ千二百兆円を超すと言われる個人金融資産あるいは対外資産あるいは外貨準備高等々十分ございますし、また、次々と新製品を生み出していく高い技術力等もあるわけでございまして、体力は十分まだあるというふうに思っております。
 この体力のあるうちに、いかに筋肉質の国家をもう一度つくり直すかということがこれからの課題でありますし、また、そういった面で政治の果たす役割というものは大変大きいというふうに自覚している次第でございます。
 とにかく、お金の使い方あるいは生かし方ということが大きな課題であるのではないかというふうに考える次第でございます。やはりもっともっとお金に働いてもらわなければいけない、また、そのための仕組みづくりも非常に大切であるというふうに考えます。
 現在、大蔵委員会でも金融関連法案の審議を鋭意継続中でございます。そういった意味で、大臣に冒頭所信を伺いたいというふうに思っております。
 自見大臣、かつてといいますか、今でもそうでございましょうが、優秀な青年の医師ということでありました。まさに、人命は地球よりも重しということでしっかりと守ってこられたと思いますが、今や国民の皆様の本当にとらの子の貴重な財産である郵貯、簡保’合わせて三百四十兆を超すこの大変貴重な財産をしっかりと守る立場にあられるわけでございます。利息もたくさんつけてほしいというのが庶民の願いであります。
 そういった関連から幾つか伺いたいと思いますが、まずもって金融ビッグバンの大波に対する郵政当局の基本的な考え、これは民間金融機関に限らず、必ずや郵政当局もこの大波に襲われることは間違いないわけでありますから、そういったものに対する基本的な見解、あるいは決意のほど等をまず伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#6
○自見国務大臣 今村委員にお答えをさせていただきます。
 三百四十兆円の国民からの貴重な資金をお預かりしておるわけでございまして、本当に胸に食い入るような責任の重大さを感じさせていただいております。
 その中で、先生の質問は、金融ビッグバンの中で、特に郵貯、簡保がいかなる基本に基づいて対処することが必要であるかという御質問だ、こう思っております。
 今、金融ビッグバンは、先生御質問の中にございましたように、利用者の利便を向上させるものとして、これは私は積極的に推進されるべきものだというふうに思っております。
 しかしながら、先生よくおわかりのように、政策というのはやはり光と影がございまして、そういった中で、一方で影の面として、特に金融ビッグバンを先にやりましたイギリス、アメリガでも見られるように、当然でございますが、規制緩和に伴いまして民間金融機関が効率性を最優先するために、金融サービスの地域間格差あるいは顧客問の格差が拡大する懸念があるところでございます。
 一例を挙げてみますと、例えばロンドンでございますが、これは民間シンクタンクレポートで、NEFというところがまとめた抜粋でございます。
 当然効率性を追求しますから、そういった中で、ロンドンの市民の約三二%が銀行口座を持っておらず、その多くは女性あるいは若年者、老年者、失業者、低賃金労働者だ、こういった現象が起きておりまして、ロンドンの中でも銀行の支店が二百七十一も減少したということでございます。銀行支店閉鎖率は貧しい区ほど高く、支店閉鎖は、地域における金融サービスヘのアクセスという意味において金融排除を助長している、こういったレポートもございます。
 それから、一方、アメリカにおいては、これは近年大変有名になってきましたが、ライフライン・バンキングと申しまして、こういった問題が起きております。
 これは、一九八〇年代、米国において、金利の自由化の進展に伴い、金融サービスの手数料の賦課、引き上げが生じたわけでございまして、その結果、米国では、貧しい家庭が銀行口座を失っていき、現在、銀行口座を持っていない世帯が実にアメリカの四分の一以上となっているということでございます。
 マサチューセッツ州では、これは実は法律によりまして、金融サービスを確保すべく一定の者の手数料を無料化する等の動き、これをライフライン・バンキング、こう言うわけでございますが、そういった現象も起きております。
 そういった中で、日本も、金融ビッグバンの進展によりましてそういった現象が起きてくることが懸念されるわけでございますから、こういった中で、やはり郵便貯金、簡易保険は小口個人を念頭にいたしておりまして、御存じのように二万四千六百の郵便局ネットワークを通じまして、約三千三百の市町村すべてに郵便局が明治四年以来国民の財産としてあるわけでございますから、基礎的な金融、生活保障というサービスを全国あまねく公平に提供するという重要な役割を私は果たしていかなければならないというふうに思うわけでございます。
 ビッグバンが進展する中でございますが、郵便貯金及び簡易保険がこうした役割を引き受けっつ、当然不断の効率化に努める必要もございますし、よりよいサービスを提供することを通じて、全体として利用者利便あるいは国民の利便が一層向上するような事業運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
#7
○今村委員 ありがとうございました。
 ただいまは、まさに光と影という表現をなされたわけでございますが、ぜひとも、郵政当局におきましても、しっかり頑張る分は頑張る、そして守る分は守るということで、今後とも頑張ってもらいたいというふうに、まず冒頭お願いしておきます。
 それで、中身に入ってまいりますが、いわゆる郵便貯金等につきましては、ある意味では入り口と出口があるというふうに考えております。まず、お金を、きちんと貴重な財産をお預かりするということが入り口、そしてまた、それをいかに生かして使っていくか、運用していくかということが出口ということで御理解願いたいと思いますが、何しろ、お金が集まらないことには、いろいろな財政投融資等のお金にも使えないということでありますから、入り口論ということが非常に大事だと思っております。
 しかし、その入り口を守る全国の郵便局の皆さんが、最近、特に特定郵便局と言えるかと思いますが、非常に強盗事件等凶悪な事件が発生して、大変不安にさらされておるということでございまして、これは極めてゆゆしい事態というふうに思っているわけでございます。
 そういう意味で、今回、これまでいろいろな事件がありますが、大体、どういう事件が起きて、被害状況、これは金額でありますとかあるいは身体的な被害でありますとか、そういったものの概況をお知らせいただき、そしてまた、それに対して、今後どのような対策を講じていくのか、あるいは講じようとしているのか、そういうところについて伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#8
○有村説明員 ただいま先生がお話しになりました郵便局に対する強盗事件でございますけれども、過去三年間で申し上げてみますと、平成七年度には六十七件、平成八年度には四十九件、平成九年度には、これは過去で最も多かったわけでございますけれども、八十五件発生をしております。
 このうち人身被害がございましたのは、七年度では十件で十三人、これは利用者の方が三名と職員が十名でございます。それから八年度は三件で四人、これはいずれも職員でございます。九年度は十二件で十五人、これは利用者の方が三名と職員が十二名。この三年間は、命にかかわるといったようなものはないと思っております。
 それから、現金被害の方は、七年度は三十七件ございまして、五千九百八十六万円が被害に遭っております。八年度は二十四件で三千三百五十四万円、九年度は四十一件で七千二十一万円というふうになっておりまして、大体ここ数年平均いたしますと、年平均五千四百万円程度の被害ということになっているわけでございます。
 こういった強盗事件を未然防止するというのは極めて大事でございますので、郵政省といたしましても、従来から力を入れて取り組んでいるわけでございますけれども、例えば設備的に申し上げますと、防犯ビデオとか防犯カメラ、あるいは事件の発生を直ちに警察あるいは監察に通報する装置、こういったものをすべての特定郵便局に設置をしております。
 それからまた、強盗対策の模擬訓練というものも全特定郵便局で実施しているわけでございまして、この模擬訓練というのは大変訓練効果が高うございまして、ことしの三月から四月まででは約五千九百局で実施をしているわけでございます。これをまた外にアピールするということも必要でございまして、延べで三百三十一社のテレビ局あるいは新聞に報道されているというところでございます。
 そのほか、郵政監察官とか警察署の警察官にお願いします警戒パトロールとか、あるいは強盗対策マニュアル、こういったものによって指導を行うといったようないろいろな施策を講じております。
 ただ、先ほど先生もおっしゃいましたように、最近特にふえておりまして、この二月ごろから郵便局だけではなくいろいろな金融機関等にふえているわけでございますけれども、本年度に入りましても、昨日までで、四月、五月で二十五件発生をしているわけでございます。
 それから、四月には茨城県の郵便局で局長が刺殺をされましたり、あるいは先般は、ピストルを発射するといったような凶悪化の傾向がございます。
 それからまた、地域的にも大変広がりを見せておりますので、これらの施策に加えまして、この際、抜本的な防止策をとることが必要だということで検討しておったわけでございますけれども、この五月から、すべての特定郵便局に常時警戒する人を配置いたしまして、常に警戒をして牽制効果を上げるという施策をとることにいたしました。こういった防止策は世の中に御存じいただくことも大事でございますので、先ほどの閣議後の記者会見におきまして、大臣から発表していただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、強盗事件の未然防止に格段の力を傾注いたしまして、先生先ほどおっしゃいましたように、郵便局は国民の貴重な財産をお預かりしているわけでございますから、国民の皆様が安心して御利用になれる郵便局、あるいは職員もまた安心して仕事のできる郵便局づくりというものに努めてまいりたいと考えております。
#9
○今村委員 とにかく事件を起こさない。やはり前もって、郵便局はこれだけ防備がかたいんだ、郵便局を襲っても必ず捕まる、そういう防御の存在感といいますか、そういったプレゼンスをしっかりとアピールされることを強くお願いしておきます。
 だんだん時間がなくなってきたのでありますが、続きまして、お手元にもちょっと資料を配っておりますが、今外貨預金等を含めていろいろな形でさまざまな金融商品が出てまいり、いろいろな方たち、この低金利の中、庶民の皆さんも、どうやってお金をふやそうかということで一生懸命だということでございます。
 こういう中で、郵便局の皆さんも、これから先はぜひ、いろいろな金融知識等々を含めて、現場の第一線で基本的なことはお客様の質問等にも答えられるような職員の教育、あるいは、直ちに今相場がどうなっているとか金利がどうなっているかすぐ見られるようないろいろな情報機器の充実とか、そういったものをぜひ充実していただいて、ほかの競争相手に負けないということで、今後とも職員の教育、あるいは設備の充実にぜひ力を入れていただきたい、これは質問するつもりでございましたが、とりあえずお願いにとどめておきます。
 次に、出口論でございますが、これもちょっと大臣にお伺いしたいと思っております。
 基本的に、今日まで、この郵便貯金の関係は、いわゆる日本特有の制度といいますか、非常に特徴的でありますが、こういった形でお金を集めて、そしてそれをいろいろなインフラの整備に使ってきたという側面がございます。そういうことで大変効果を発揮してきたわけでございますが、最近、やはり財政投融資のあり方等についてだんだん問題が出てきていることは御承知かと思っております。
 これについて、今後、やはりせっかく集めたお金をどうしつかり生かして、そして国の骨格をつくっていくか。そしてまた、片一方では、やはりお預かりした人の貴重な財産でありますから、その保証といいますか、担保をどういうふうにきちんと維持していくのかといったことが大きな課題になっていくかと思います。特に、今後は、いわゆる預託の全面廃止、そして全額自主運用という方向にも進んでいくわけでありまして、この運用につきましては、重大な責任をこれから負うことになると思っております。
 特に、国鉄清算事業団の債務が今問題になっておりますが、ああいう融資の仕方をすると、やはり預けた方も大丈夫なのかという不安も出てくるわけでありますから、こういったことがあってはならないというふうに私は考えるわけでございます。他方で、そうはいっても、やはり国策の遂行といいますか、まだまだやらなければいけないいろいろな公共施設の充実等々もあるわけでございます。
 そういった観点で、これから非常に難しい選択を迫られると思いますが、こういったものもぜひ、人任せにしないで、やはり預かった者の責任として、運用の方についてもできるだけしっかり見ていくといいますか、あるいはお金の配り方も含めて、そういったコミットの仕方も必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 こういった観点で、今後、どういうふうな基本的な取り組みをされるのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#10
○自見国務大臣 今村委員にお答えをさせていただきます。
 郵便貯金資金の預託の廃止と全額自主運用ということについては、その責任の重大さを大変痛感いたしております。
 郵便貯金においては、先生御存じのように、昭和六十二年から一部自主運用を行っておりまして、平成八年度末現在の残高は約四十兆円になっております。
 また、簡保の積立金につきましては、これは実は創業以来、大正八年でございますが、また戦後は昭和二十八年より、郵政大臣が直接管理運用をいたしておりまして、平成八年度末現在の簡保資金総額約九十九兆円でございますが、うち、今九四%が自主運用となっております。
 一口に、平成八年度末でざっと百四十兆円、平成九年度末には約百五十兆円になっていると思いますが、そのお金を、実は、郵政省といたしましても、今までずっと自主運用してきたわけでございます。
 郵政省といたしましても、こういった長年の自主運用の経験と実績を踏まえて、預金者利益の確保や、また経営が健全でないとこれは大変困るわけでございますから、健全な経営の確保の観点に留意しつつ、適切に対応していきたいというふうに思っております。
 具体的には、運用スキームについては今後検討していくことにいたしますが、いずれにいたしましても、引き続きその充実が政策的に急がれている社会資本整備等公的分野への長期資金を安定的に供給するということがまた大変大事でございますし、また日本版ビッグバンの進展により拡大する証券・金融市場で、国債、社債等の長期債を中心として有利な運用を行っていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、安全確実な資産の運用を中心として、長期安定的な資金運用を行うことを基本としてこの健全経営を維持していきたいというふうに思っております。
#11
○今村委員 まだ聞きたいことがあったのですが、時間が参りました。
 とにかく厳しい戦いが始まると思います。郵政当局の職員の皆さんもひとつ元気いっぱい奮起していただいて、また研さんされまして、この戦いに勝たれますことを心より祈念いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#12
○坂上委員長 横光克彦君。
#13
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。
 きょうは質問順位を繰り上げていただきまして、各党の皆様方の御配慮に感謝を申し上げたいと思います。
 今、中央省庁等改革基本法案が国会の中で審議中でございます。この法案の中で規定されております郵便貯金資金が全額自主運用となるわけでございますが、ただいま今村議員の方からも御質問がございました。全額自主運用になった場合、非常に考えなければならないことはやはりリスク管理だと思うのですね。そういったことから、今大臣の御答弁で、簡保も含めて約百四十兆自主運用されている。しかし、これからもっとその額は大きくなるわけですね。そういった意味から、郵政省としてこれから自主運用する場合、この投資配分をどのように考えておられるのか、大きな変化はあるのか。
 大臣、先ほど、スキームはこれから検討するのだというお話でございましたが、やはりもうここはある程度方向性を決めていかなければならない時期ではなかろうかと思っております。長期的な安定ということが最大限でございましょうが、全額自主運用になった場合、やはりこれまでと違うのじゃなかろうか。こういった投資配分のことについてまずお伺いいたしたいと思います。
#14
○安岡政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、郵便貯金資金は資金運用部への預託を廃止して全額自主運用されるという格好になっているわけでございますけれども、ただいま大臣からも申し上げましたとおり、郵貯については既に昭和六十二年から一部自主運用をやっておりまして^平成八年度末現在でございますけれども、四十兆円ということでしっかりとやっておるところでございます。
 それから、簡保の方も創業当初から郵政大臣が直接管理運用するということになっておりまして、郵政省といたしましては、こうした郵貯や簡保の長年の自主運用の経験と実績を踏まえて、あくまでも預金者利益の確保や健全な経営の確保の観点に留意して適切に行っていくというのが筋道であろうというふうに思っております。
 具体的な投資配分の関係でございますけれども、これからいろいろ市場動向の推移等も踏まえながら検討するということになりますけれども、一つの基本的な道筋といたしましては、引き続き社会資本整備等の公的分野に長期資金を供給するという役割が一つあるかなと思います。
 それから、いろいろこれからビッグバンで恐らく拡大するであろう債券市場、金融市場の中で、国債、社債等の長期債を中心に有利に運用するという格好をやることにいたしまして、安全確実な資産を中心にして、期間でいいますと長期安定的な資金運用を行う、これを基本にして健全経営を確保する、こんなことで考えておるところでございます。
#15
○横光委員 預金者にはそこのところをやはり、これから全額自主運用になった場合非常に心配の種の一つだと思うのですね。資金の運用、これはリスク管理も含めて専門的な知識や経験が必要であるということはもう申すまでもございません。
 昨年の秋に、NHKで郵政三事業という討論番組をやられて、自民党の山口理事も出席された番組がございましたが、その中で、私ちょっと印象に残ったお話があったのですね。
 それは、東海総合研究所の水谷さんのお話で、金を集めるのは割合簡単だが、貸すのが非常に難しい、貸しても後で返してもらえるのかどうか見きわめるのがだれがやっても非常に難しい、こういった発言があったのですね。銀行出身のいわばプロフェッショナルな方がこう言うぐらいですから、安全確実な運用をすることがいかに難しいことであるかということだと思うのですね。
 しかも、これから郵貯二百三十兆という巨大な資金を運用していくわけでございます。ですから、郵政省にはこれまでそういった経験もあるわけで、優秀な人材ももちろん育っているとは思いますが、安全確実をモットーとする郵便貯金のさらなる発展のために、組織あるいは人員等運用体制の充実強化について、これは将来の全額自主運用も踏まえてどのように考えておられるのか。例えば、民間のノウハウを活用することも必要になってくるでしょうし、また、さらに言えば民間の経験豊かな専門家を非常勤職員としてでも採用するようなことも効果的だという気はするのですが、こういったことも含めてどのようにお考えでしょうか。
#16
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。
 今後、預託廃止になって全額自主運用になる場合におきましても、先ほど申し上げましたように、基本的には公社債を中心に長期安定的な運用をしていくという手がたい運用を基本に置こうというふうに考えております。同時に、これから非常に大事なポイントというのは、リスク管理を充実させていくということでございます。資金量も増大してまいりますので、そういうことから運用体制の一層の充実強化を図っていきたいというふうに思います。
 人材育成という観点で言えば、まさにこのビッグバンも進展するということでございますので、自主運用に当たりまして、高度な倫理観に裏づけされました専門的知識や技能を持った職員を育成するということ、今も当然やっておりますけれども、そこに力を注いでいきたいというふうに思います。
 それから、民間のいろいろなノウハウ等を活用するという見地から、私どもの方も既に対策資金の運用についても指定単という格好で信託銀行のノウハウをかりるということもやっておりまして、今後とも取り組んでいきたいと思いますし、今後は一種の投資顧問会社のいろいろな助言だとかそういったところについても考えていきまして、民間ノウハウの活用について積極的に検討する。それから、我々自身の人材開発、これと両方でしっかりしたものをつくっていきたい、こんなふうに考えております。
#17
○横光委員 どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、今回の法律改正により、民間金融機関との間でATM、CDの相互利用が可能になるわけですね。これは国民利用者の立場から見ると大変結構なことだと思います。
 これまでこういった相互利用は、利用者からの要望も高まってきておると思いますし、郵政省も平成六年度からこの接続の予算要求をしてきておりますが、なかなか実現をすることができませんでした。この原因は何だったのでしょうか。
#18
○安岡政府委員 先生御指摘のように、国民共有財産ということでの郵貯のネットワークの開放については、平成六年から、国民利用者の利便を図ろう、こういう見地で予算要求をいたしました。
 ただ、当時は、なかなか民間さんの賛同が得られなかったということでございまして、実現をしなかったわけでございますけれども、九年度の予算で実験経費がつきまして、今回、本格実施について予算措置もされ、今法案をかけていただいておるというのが経緯でございます。
#19
○横光委員 今、郵政省の意欲はそういったふうにありながら、やはり民間金融銀行がもうひとつ積極的でなかったということでございますが、その積極的でなかった一つの原因として、金利等の関係から、銀行の普通預金が郵貯の通常貯金にシフトすることが懸念されたのではないか。要するに、当時、金利差が一%ありましたね。そういったことが接続をためらった一つの大きな理由だとも言われておりますが、そこのところはどうでしょうか。
#20
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。
 ATM提携というのは、国民共有の財産を提供するということで、基本的には国民利用者の利便に資していくということでございますけれども、一つ民間さんが心配した話は、郵貯に資金がシフトするのではないか、そういう懸念だったわけでございます。
 実は私ども、今回やるに当たっていろいろな話をする中で、これは民間さんから聞いた話ですけれども、民間さん同士の提携、つまり、都銀さんと地銀さんが提携しようといったときに、地銀さんの方から、都銀にとられるのではないかという懸念があったのですけれども、実際はそんなことなくて、相互補完になったということも、この前、ある場面でもはっきり話をしているところでございます。
 それで、金利の関係についても、いろいろな実証的なアンケート結果がございますけれども、民間の機関で、これは金融財政事情研究会の平成七年五月の調査でございますが、普通預金または通常貯金の金利を意識している世帯、これは一五%世帯ぐらいにすぎませんということです。また、一%程度の金利差で預け先を変えるということを検討するという世帯は七%だということでございまして、郵貯と民間との提携において資金シフトの問題は生じない、こんなふうに思っているところでございます。
#21
○横光委員 よくわかりました。
 ところが、今回、こうして相互利用ができることになった。そして、きのういただいた資料で、直近の郵便貯金ATMとの接続の要望、これが百三十六社にも上っておる。しかも、都市銀行は入っておりますし、大変な幅広い形で郵便貯金とのネットワークを結ぼうという形があらわれ始めているわけですね。これは、これまでの消極的だったことに比べれば画期的な出来事であろう、私はこのように思っております。
 最近までは、民間金融銀行は、郵便貯金に対して批判的でしたね。官が民を圧迫するとか、あるいは公正な競争を阻害するとかいうことで批判的であったわけですが、こうして要望が相次いでいる。これはやはり、先ほどからお話が出ておりますビッグバンの影響が非常に大きいのではなかろうか。
 つまり、生き残りをかけた大競争の時代に入るわけで、そうなりますと、オンライン提携の最大の魅力は、全国津々浦々にあります二万四千のこのネットワーク、この店舗網、ここが最大の魅力であろう、このように思うわけでございます。それは、提携することによって、それぞれの利用者にとってこれほどありがたいことはないわけでございます。
 ところが、これは、ただ接続するだけ、足し算という感覚で運用するだけでなくて、掛け算的に、総合的なシステムとしてやはり活用していくべきではなかろうか。例えば、災害時において、相互に国民のライフラインとしてのバックアップ機能を果たすとか、あるいは、国民の日常生活上の主要な金融サービスを、付加価値を高めて、そしてより充実したものに常時変えながら有機的に提供していく。国民の金融機関が一つのネットワークにつながるといいますか、いわば国民金融総合通信サービスというような大構想に最後はたどり着くのではなかろうかという気がいたしております。
 このようなシステム構築を郵政大臣がイニシアチブをとってやるということは非常に意義があることだと私は思うのですが、最後に、総合的な国民金融総合通信サービスシステムみたいな大構想について、ひとつ大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#22
○自見国務大臣 横光委員にお答えをさせていただきます。
 先生今御指摘のように、今回のATM、CDの提携は、民間金融機関のサービスが郵便局で受けられるとともに、また、郵便局のサービスが民間金融機関の店舗において受けられるというようなものでございまして、今、百三十六でございますか、民間金融機関が御協力いただくということでございまして、たしか、昨年の年末の予算編成のころに比べれば三倍以上の数にふえた、大変御理解と御協力をいたただいたということで、ありがたいことだというふうに私は思っております。
 先生の御指摘も踏まえて、今後とも、国民のニーズを見きわめながら、民間の金融サービスの受託を進める等、この郵便局のネットワーク、言うまでもなく二万四千六百のネットワークは国民のものでございますから、国民共有の生活インフラでございますから、そういったことを踏まえて、国民の生活の安定と向上に役立つように、積極的に活用に取り組んでまいりたいと思っております。
#23
○横光委員 終わります。どうもありがとうございました。
#24
○坂上委員長 今田保典君。
#25
○今田委員 私は、民主党の今田保典でございます。郵便貯金法の一部を改正する法律案等に関連して質問をいたしたいと思います。
 かねて、北海道拓殖銀行や山一証券等の破綻による今日の金融不安、これは、たとえ都銀や大手銀行あるいは大手証券会社であっても、経営状況いかんによっては破綻の危険性があるということは、大変衝撃的な出来事ではあったと言えます。また、四月からの早期是正措置を控えての貸し渋り現象、さらに、外為法改正に伴う本格的な金融ビッグバンの幕あけなど、我が国の金融界は、これまでにない大変革の真つただ中にあるというふうに言っても過言ではないかと思います。
 このような状況の中で、郵便貯金や簡易保険の果たすべき役割の意義はなお一層重要になるのではないかというふうに考えております。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、我が国の経済を立て直し、発展させるためには、現在の金融不安を解消する一方で、大胆な金融制度改革を推進していく必要があると思います。
 郵便貯金は、いわゆる金融ビッグバンの直接の対象にはなっていないわけでありますが、一部には、国営の郵便貯金の存在が金融ビッグバンとは相入れないのではないかという議論も見受けられます。郵便貯金としては、金融ビッグバンの中で、今後、どのような役割を果たしていこうとしているのか、まず最初に大臣にお聞きしたいと思います。
#26
○自見国務大臣 お答えをさせていただきます。
 今委員も御指摘のように、金融ビッグバンそのものは利用者の利便を向上させることでございますから、これは積極的に推進されるべきものだというふうに思っています。
 しかし、一方、今さっきも答弁させていただきましたが、あらゆる政策はやはり光と影があるわけでございまして、特にイギリスやアメリカで見られるように、ビッグバンでございますから、規制緩和に伴い民間の金融機関が当然効率性を最優先するわけでございます。そういった中で、やはり金融サービスの地域間格差や顧客間の格差が拡大する懸念があるところでございます。
 こういった中でも、郵便貯金は、小口個人を念頭に置きまして、基礎的な金融サービスを全国あまねく公平に提供する重要な役割を果たしていきたいというふうに思っております。
 金融ビッグバンが進展する中でございますが、郵便貯金がこうした役割を引き続き果たしつつ、国民の共有財産でございます郵便局ネットワークを広く開放して有効活用を図るなどしまして、全体として、利用者利便、国民の利便が一層向上するように事業運営に努めてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
 今さっきも御答弁させていただきましたが、アメリカに一例をとりますと、一九八〇年代に、金利の自由化の進展に伴いまして、金融サービスの手数料の賦課、引き上げが生じたわけでございます。御存じのように、預金している額が少ないと、日本のお金でいうと二十万とか三十万銀行に預金しておかなければ口座がもらえない、こういった現象が起きてまいりまして、その結果、米国では、貧しい家庭が銀行口座を失っていくという現象が起きたわけでございます。現在、銀行口座を持っていない世帯が実にあの広いアメリカの四分の一以上となっているというような報告をいただいております。
 そういった中で、実はライフライン・バンキングという、これはマサチューセッツ州では州の法律で定めておるようでございますが、一定の者の手数料を無料化する等の動きが起きているわけでございまして、例えばマサチューセッツ州では、六十五歳以上または十八歳以下に対しまして口座維持手数料の無料化を義務づけているということでございます。
 やはり金融ビッグバンは行わなければなりませんが、当然金融機関の効率化が行われる、そういった中で、低所得者の方々あるいは若い人あるいは高齢者の方々がアメリカでは現実に銀行口座を失っていく。アメリカで銀行口座を失うということは、御存じのように大変小切手社会でもございますから、実際の生活に非常に支障を来すということでございます。
 やはり、政治はトータルなものだというふうに私は思っておりますから、そういったことにもきちっと視野を置きつつ、やはり郵便貯金、御存じのように全国三千三百の全地域にあまねく広くあるわけでございますし、金融ビッグバンの中でも、やはり郵便局が郵政事業として郵便貯金を引き続き国民のために、利用者のために働かせていただける価値があるというふうに私は確信をしておるわけでございまして、今後ともそういった精神に沿いまして事業運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
#27
○今田委員 どうもありがとうございました。
 私もそういう認識でおるわけでありますが、そもそも郵便局は全国津々浦々くまなく設置されておるわけであります。さらに、創業以来百二十年間、為替、貯金や簡易保険といったサービスを通じまして、国民に最も身近な公的機関として親しまれてきたわけであります。私は、郵便局の果たしてきたこれらの役割はこれからも引き続き重要であると考えておるところであります。
 私の地元である山形では、金融機関といえば郵便局しかない地域も数多くあります。その方々の声として、子供が東京の学校に行っているが、郵便局の通帳で銀行のATMを使ってお金をおろすことができないのかという地元の方々からの要望もありましたし、以前からそういった声もあったわけであります。
 金融ビッグバンを迎えたとき、約二万四千の郵便局を結んだ郵便貯金とのオンラインネットワークを開放し、郵便貯金の現金自動預払い機や現金自動支払い機、いわゆるATMやCD等を通じてあらゆる金融機関の商品が利用できることは多くの利用者にとって大変便利なことだと思うわけでございます。
 そんなことで、今回の改正案では、郵便貯金のオンライン網を民間金融機関等に開放し、ATM、CDを相互に利用できるようにしようということでありますが、まさに多くの国民が望んでいることだというふうに思うわけであります。
 しかし、今までなぜ郵便貯金と民間金融機関との提携が行われなかったのか、そういった面で大変不思議でございますが、その点についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど横光委員の方からも、民間が積極的でなかったということ、お話がありましたが、その積極的でなかった点というものも何か原因があったのかどうか、お聞きをしたいと思います。
#28
○安岡政府委員 今回御提案申し上げております郵貯オンラインの提携の関係でございますけれども、先生御指摘のように、本当に私どもの郵貯のオンラインネットワークは国民共有の財産だ、こういう認識でございまして、それをできるだけ効率的に活用しまして、銀行預金者であれ郵貯の預金者であれ、国民利用者の利便を増進させたいということで、要求を平成六年のときからやっております。
 実は、もっと以前からもいろいろな格好で提起もしておったわけですけれども、ただ、当時は、残念ながら民間金融機関の方の幾つかの資金シフト等の懸念もあるということで、なかなか政府の中でも調整がっかなかったということでございます。
 ただ、ようやくにいたしまして、平成九年度の予算から新しい展開が生まれまして、信販会社とのデータ送受信の実験という格好で認められました。これを踏まえまして、平成十年度予算案におきまして、民間とのATM提携の実施のための予算が計上されたということでござます。
 それで、今御審議いただいております法律案、御裁可いただきまして、できるだけ早く準備を進めまして、国民利用者の利便に資していくという観点でやっていきたいなというふうに思います。
 いろいろな格好でこれは機能がございまして、銀行の預金者であっても郵貯の店舗、あまねく公平に田舎の地域であってもおろしができるとか、それから、銀行あるいは郵貯のシステムがダウンするような場合にもお互いに補完し合う、そんな機能もこれありということで、推進に努めてまいりたい、こんなふうに思っています。
#29
○今田委員 次に、郵便貯金のオンラインシステム開放は多くの国民にとって利便性を向上させる点では極めて有意義であり、より多くの民間金融機関との提携が今後の課題であるというふうに思っております。
 そこでお尋ねしたいわけですが、現在郵便貯金とのATMの提携を希望している金融機関の数はどのぐらいあるのかお聞きをしたいと思います。
#30
○安岡政府委員 ATMの提携は、何度も申し上げて恐縮ですが、国民利用者の利便性を一層向上させるというものでございますから、私どもの方も広く金融機関に参画を呼びかけてまいったところでございます。
 それで、現在の状況でございますが、昨日現在で、都市銀行、信託銀行、第二地方銀行協会加盟行、長期信用銀行、それから信用金庫、農協など合計百三十六社から相互開放の要望があるところでございます。
#31
○今田委員 これからもふえる可能性がある、こういうことでしょうか。
#32
○安岡政府委員 ただいま、百三十六社の数は、郵政省に対しまして正式に要望書を提出した数でございます。したがいまして、今いろいろな格好で、参加を呼びかけたり、ぜひ郵貯と手を結びたいという動きがございまして、これからもふえる、こんなふうに感じておるところでございます。
#33
○今田委員 ありがとうございました。
 次に、郵貯の運用についてお尋ねをいたしたいと思います。
 郵便貯金については既に昭和六十二年からその一部を自主運用しているところでありますが、昨年の行革会議において、郵便貯金資金の預託義務を廃止し、全額自主運用することが決まりました。
 一部には、郵貯には民間のような運用能力やノウハウがなく、全額自主運用することに対し大変不安視をする向きもあります。また、郵便貯金は国営で運営されるにもかかわらず、投機的な取引を増加させていくのではないかと危惧する声もあります。やはり、国営である以上、基本的な社会資本への投資を今後とも継続していくべきだという意見も数多くあるわけであります。
 本当に全額を自主運用していくことが可能なのか、あるいは運用していくのであればどのような方法でお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
#34
○安岡政府委員 郵貯資金の預託の廃止と全額自主運用につきましては、私どもとしまして、本当にこの責任の重大さを感じておるところでございます。
 ただ、郵貯につきましては、昭和六十二年からでございますけれども、既に一部資金を自主運用いたしております。平成八年度末現在の残高でございますが、約四十兆円、こういうことで実績を積んでいるということでございます。簡保につきましても、創業当初から郵政大臣が直接管理運用しているということでございます。
 郵貯、簡保ともども長年の自主運用の経験と実績があるということでございまして、それを踏まえまして、預金者利益の確保や健全な経営の確保の観点に留意しつつ適切に対応していくというのが基本スタンスでございます。
 具体的には、どういうところにどういうふうにやっていくかということにつきましては、これからいろいろな動きを踏まえながら検討していくことになりますが、基本的な方向性といたしましては、一つは、先ほど先生も御指摘ございましたように、公共郵貯として、引き続き社会資本整備等公的分野へ長期資金を供給するということ。
 それから二つ目の方向としましては、日本版ビッグバンの進展によりまして、いろいろな市場ですけれども、債券市場とか金融市場が拡大するということが予測をされます。その中で、国債、社債等の公社債、こういう手がたいものに長期債を中心に有利運用を考えていくということをやりまして、安全確実な資産を中心にして長期安定的な資金運用を行うことを基本にして、健全運用をしていこうということでございます。その辺で、投機的な点については十分リスク管理等も考えながら対処していくというのが基本的な考え方でございます。
#35
○今田委員 私も余り専門的ではございませんのであれなのですが、このことによりまして、他の金融機関とのいろいろなトラブルというものまではいかなくとも、競争するわけですから、そういった面での不安というものはございませんか。
#36
○安岡政府委員 お答え申し上げます。
 日本の金融市場全体というのは、民間金融機関という民間の金融関係と、それからいわば公的資金という格好で、郵貯、簡保とか、広い意味では年金もあろうかと思いますけれども、その両者が調和を保つ格好の中で資金を適切な資源配分をしていくということになろうかと思います。
 基本的には、民間さんの方は、基本の対応は短期の金融を中心にいたしております。資金調達の方も、いろいろな長期の商品もありますけれども、大体一年定期が主力でございまして、短期で集めて短期で回していくというのを主眼に置いているということでございます。一方、私どもの方は、基本的には長期運用をやっていくということで、長期のプロジェクト等の公共部門に資金供給するというのが大まかな資金配分の流れではないかなというふうに思います。
 それから、相互に市場に連結するという意味合いでは、例えば指定単という格好ですね。信託銀行にお金を流します、信託銀行がその資金を信託銀行の判断でまた市場に流していくということで、適切な資金循環がかなり可能になっているのじゃないかなと思います。その辺もまた十分心がけていかなければならぬ、こんなふうに思っております。
#37
○今田委員 ありがとうございました。
 そもそも郵便貯金とは小口個人を念頭に置いたものでありますから、我々にとっては身近な金融機関として引き続きその役割を果たしていかれることを強く要望したい、このように思っています。
 次に、簡易保険についてお尋ねをいたします。
 金融ビッグバン等の厳しい環境の中で、簡易保険についても同様にその経営が危惧されております。近年、急速な勢いで少子化あるいは高齢化社会を迎えた我が国は、社会経済構造の大きな転換点へと差しかかっております。同時に、多くの国民が老後の生活設計に対して大きな不安感を持っていることは事実であります。
 このような中で、国営事業としての簡易保険の役割は大変重要だと思っております。生命保険分野においては、保険業法改正により、平成八年十月より子会社方式による生保と損保の相互乗り入れ、外資系生命保険会社の新規参入、また金融界においては、先ほど来述べているように、金融ビッグバンの到来により、これまでにない大競争時代に突入することが予想されます。
 そこでお尋ねをいたしたいと思いますが、簡易保険の契約状況あるいは現況についてお伺いをしたいと思います。
#38
○金澤政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、我が国は本格的な少子・高齢社会の到来を迎えておりますが、このような状況にあって、非常にベーシックな、簡易で基礎的な生活保障手段としての簡易保険の役割、これを全国あまねく提供していくということは非常に重要な私どもの務めではないかというふうに考えている次第でございます。
 お尋ねの平成九年度の新契約状況を見てみますと、保険につきましては、件数で六百七万件、前年度比一二・七%の減となっております。保険金額で十九兆四百二十二億円、前年度比一二・六%の減となっております。年金保険につきましては、件数で六出二万件、前年度比二・六%の増、年金額で二千四百三十五億円、前年度比七・七%の増となっているところでございます。
 このような保険の新契約の減少、つまりフローベースでの減少の理由でございますけれども、これは、平成八年四月から予定利率を引き下げまして、保険料を改定いたしました。その結果、他の金融商品と比較しても優位性が薄れたというふうなことがございます。
 それから、超低金利が非常に継続しておりますけれども、現在生命保険に加入いたしますと、長期にわたり低い予定利率で運用せざるを得なくなってしまうということについての抵抗感が非常にあるということではないかと思っております。
 さらに、平成九年度末のストックベース、つまり保有契約状況でございますけれども、保険について申し上げますと、件数で八千三百四十万件、前年度比一・一%の減となっておりますが、このように前年度比が減少に転じましたのは、昭和五十七年度以来十五年ぶりのことでございます。保険金額は二百六兆三千八百四十二億円ということで、前年度比二・〇%の増というふうなことでございますけれども、このような低い伸び率は、大正五年の創業以来初めてのことということでございます。
 お話し申し上げましたように、保険につきましては、新契約、保有契約件数とも非常に厳しい状況にございまして、私どもとしては、これに対応していく必要があるものというふうに認識しているところでございます。
#39
○今田委員 今ほど回答の中で、大変厳しい状況である、また前年度から見ると大変落ち込んでいる、こういうお話がありましたけれども、その原因は何が考えられるか、もし今おわかりでありましたら聞かせていただきたいのです。
#40
○金澤政府委員 このように新契約、保有契約件数とも減少しておりますのは、私どもだけではなくて保険業界全体の流れでございます。それは、日産生命等の経営破綻を起こした企業がございまして、それに伴いまして生命保険に対する信用が薄れたということが大きな理由としてございます。
 それから、現在超低金利でございますが、超低金利でございますと運用利回りがどうしても低くなってしまう、したがいまして配当金が非常に低くなるということがございまして、金融商品としての魅力が薄れてきたというふうなこともございますし、保険契約というのは非常に長期にわたるわけでございまして、長期間非常に低い金利で固定するということについて、国民の皆様方から非常に抵抗感があるというふうなことではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、この超低金利というのは、生命保険に対して非常に打撃を与えているのではないかというふうに考えております。
#41
○今田委員 どうもありがとうございました。
 あと二、三質問するものを用意しておったのですけれども、その部分については省かせていただきまして、最後に大臣にお聞かせをいただきたいのですが、今後、国営事業として簡易保険の役割を果たしていくために、どのような営業活動を展開していくのか、この点について決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。
#42
○自見国務大臣 平成九年度における簡易保険新契約あるいは保有契約件数の落ち込みが今局長から答弁があったわけでございますが、今後とも継続するということになりますと、これは基礎的な生活保障手段としての簡易保険がその本来の役割を果たし、また健全な事業経営を行っていく上でも支障が生ずるおそれがあるわけでございますので、今の今田委員のお言葉のとおり、より一層営業努力を行っていく必要があるというふうに認識をいたしております。
#43
○今田委員 これで私の質問を終わらせていただきますが、いろいろ国民は非常に心配されている面もございます。ぜひひとつ心を締めて郵政省の皆さん頑張っていただきたい、このことをお願いを申し上げて質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#44
○坂上委員長 吉田治君。
#45
○吉田(治)委員 民主党の吉田治です。
 郵貯、金融、簡保の問題につきましては、私も逓信委員会での一番最初の質問のときに、特定郵便局のお話を聞かせていただいて、そのお答えをまだ全然いただいていない。これは、またいっかこの委員会で特定郵便局に関することについては集中的に質問をさせていただきたいなと思っておるのですけれども、今回は、同僚議員の質問にもございましたように、郵便貯金、簡易保険という形で、それを金融自由化資金、または外国債運用等の形で活用をしていくというふうな中において、先ほどの同僚議員の質問の中でちょっと私、確認というか、それに基づいてもう少し聞いていきたいなと思うことがございますので、お答えをしていただきたいと思います。
 昭和六十二年以降は自主運用についてのノウハウをためてきたと誇らしげに局長が言われました。今の段階、四十兆円やってきた。これからは二点、社会資本とビッグバンに対応して、債券市場、公社債で運用するということですけれども、まず一点目、では、その十年近くのノウハウでどういう人が省内で人材として育成されたのか、育成してきたのか、それでその人たちは未来永劫ずっとこの自主運用というものに対して携わり、私たちの大事な郵便貯金というものをもうけるように頑張るのか、どういうふうなローテーションになっているのか、まずお聞かせください。
#46
○安岡政府委員 資金運用のこの運用体制を充実させるという観点でございますけれども、郵貯は、先ほど来も申し上げておりますけれども、昭和六十二年からでございます。そういう意味でいいますと、既に経験年数が十二年という格好で、私ども、かなり人材も育ってきているのじゃないかな、こんなふうに思っています。
 そのときに、当時私、運用担当の準備をするということにもかかわっておりまして、簡保の方が既に自主運用をやっておるということで、簡保から人材をいただくという格好、あるいはいろいろな証券会社等の実践訓練をしていくという中で、次第に人材が確保されているのじゃないかな、こんなふうに思っています。その運用の実績の方も、十分かどうかは別にいたしましても、かなりの積立金、今現在で約三千億円ぐらい確保されているということでございます。
 ただ、これからいろいろな範囲で、今までは一部自主運用という格好でございますので、これが全額自主運用になってくるということになりますと、運用範囲の方も広くなりますし、いろいろビッグバン等の進展の中でリスク管理を適切にしていかなければいかぬということで、これからもそういう倫理観にも裏づけられました高度のプロを養っていかなければいかぬ、こんなふうに思っています。
 それから、ちょっとついでなんですが、現在、郵政省の方もいろいろな訓練のシステムがございまして、企画科訓練というのがございます。その中に運用コースというのも設けまして、人材開発の強化に努めるということでございます。
#47
○吉田(治)委員 局長、いなければ説明員でも結構です、御答弁いただきたい。
 私が聞いたのは、証券で実践というのと同じです、いわば証券会社の人というのは、入ったら一生これをするわけですね、金融制度の中で。郵政というのは、郵政の事業さまざまの中で、たまたま今局長は、運用コースというコースを履修した、また証券会社へ実践に行った、しばらく研修に行った、そういう人たちが今後二百四十兆円に上る郵貯資金を自主運用という形で運用していくよと、局長は先ほどの答弁の中で長期で安定的なものだと言いながらも、やはりリスクというのはどこかあるわけですね。
 例えばの話、これは後ほど質問しますけれども、指定単という形で信託銀行に預ける、今もう毎週のように週刊誌では信託銀行のランクづけが出ていますね。次はどこがつぶれそうだとか、どこがいけるんだ、まさに先ほどの大臣の答弁の中にもありましたように、ビッグバンというのはそういうふうな中で、信託銀行、たしか二〇〇一年までは一般預金者については預金者保護をするということですけれども、これは後ほどにします。
 では、その人材をたかだか二、三年、先ほど局長は、自分が十数年前始めたとき簡保から人をもらったと言いましたけれども、郵政の中では、その運用コースだとか運用になった人は一生それをするのか、それとも、広い人事交流というか、人事のローテーションの中でたまたまその人が数年なりもしくは長ければ五年間ぐらいをやるのか、そこはどうなんですか。
#48
○安岡政府委員 この郵便貯金といいますか資金運用につきましては、やはりある程度のちゃんとしたノウハウが必要だということで、かなり専門的な知識を付与してその職務を遂行するという形になりますので、ある意味ではいろいろな業務関係だとかとは違いまして、ある程度長期に運用に携わって経験を踏んで一人前になるという形になるだろうというふうに思います。
 したがいまして、ローテーションの面におきましても、かなり長期的にその職務についていくという中でやっていくということになっております。
 ただ、いろいろ運用と一口で言いましても、実際のオペレーションの部門とか企画部門がございますので、それぞれの職務の内容に応じては、企画的な観点で言えばスペシャリストとして完全に仕切るということではなくて、一定のローテーションでやるケースは当然それはあるのじゃないかな、こんなふうに思っております。
#49
○吉田(治)委員 聞いていて非常に危惧の念を感じるんですね、これは。今局長言われたように、いや長期だ、長期というのは大体十年ということをめどにすればいいと思うのですけれども、しかしながら居つくわけではない。
 二点目は、そのスペシャリストというのは、極端なことを言うと、郵政という大きな中においてはその人しかわからない。では、それを管理運営する人は、ひょっとしたら、二、三年たったら、いや一年で部署がかわるかもしれない。ひょっとしますと、民間企業でもあるように、一人だけもしくは数名だけがわかって、その人が五年、十年しているうちに、とんでもない穴があいている。しかしながら、それを管理する立場の人たちは一年、二年でさようならということで、もうわからなくなっていっている。中心が公社債という形で安定だとは言いながら、もし万が一誘惑に駆られて何か民間的な形で、デリバティブまでやるかどうかは別にしても、そういうふうな渦の中に巻き込まれていくと、見つけることも助けることも、そして結果として何年か先のこの逓信委員会かもしくは新たなそういう省庁の委員会で、いや、大変なことになりましてと、何兆円か穴があきましてという話になるかもしれない。
 まさかのときの、私が質問の予定で申し上げたリスクヘッジというのは、単にお金がどう回るかじゃなくて、人の部分で、ではその辺はやる人に対してどう管理というか、監視というか、その後の検査というか、する予定になっているのですか。
#50
○安岡政府委員 運用の話は、やはり資金の運用でございますので専門職を、専門的にやっていく、ある程度の一定の期間をその仕事の中でやっていくということで、基本的にはそういうローテーションの中で考えていくということです。
 先ほど言いましたように、十二年の実績の中で、ちょっと中での評価かもわかりませんけれども、かなりの人材がやられているということです。例えば、いろいろなアナリストの資格等がございますけれども、それにも受かっているという職員もございます。そういうような格好で、そういう専門的な観点でやっていこうということでございます。
 それで、もう一つの質問でございますけれども、もう一つ大事なポイントというのは、そういう専門的な職員が倫理観を持ってきちっとやっていくということでございまして、例えばその運用分ら得られましたいろいろな情報等については、これは当然情報を外に漏らさないとか、それから直接株に手を出さないといったことはきちっと内規に定めて遵守させてやっているということでございます。
#51
○吉田(治)委員 私、二点ほどこの件についてもうちょっと聞きたいのは、一点目は、実践という部分、今局長は随分資格であるとか専門知識という言葉を使われましたけれども、やはり実践とは違うと思うのですね。
 そうしますと、先ほど言われたように、証券での実践トレーニングという形になると、これだけ証券会社がつぶれていく中においては優秀な人もたくさん出てくる。郵政としてそういう人を、例えば運用に対して特別な担当者として採用する。
 今警察関係は、御承知のとおり金融事案が多くなったという形で、公認会計士を初め、また破綻した北海道拓殖銀行の人たちをたくさん雇ったというふうにも聞いております。そういう中において、郵政省としてそういうふうな人材というものを中に求めるだけじゃなくて、まず外に求めるというふうなことを考えているのかどうか。
 そして二点目、質問で、不正行為についての防止策というふうなことを申し上げました。会計検査院の決算報告によりますと、平成六年度で四十三件で七億六千万、平成八年度では四十六件で約八億円と指摘されていますが、もしも不正が今回のこの運用について行われたら、件数は少なくても金額はこれでは済まないと言われているのですね。
 ですから、先ほど申しましたように、局長が言うような倫理観、本当にそれだけでいいのか。金融不祥事が起こったときに、銀行のある頭取というか銀行の方がこういうようなことを言っているのですね。銀行の給料は高い高いと言われているけれども当たり前だ。何で当たり前かというと、毎日毎日何億円、何十億円という金を見ている人間が、給料を高く出さなければその金を猫ばばしてしまう。そうならないためにも給料を高くしているのだと言っていました。
 では、そういうふうな意味も含めて、不正防止も含めて、例えばこの運用をするなり、また実践者を外部から雇う場合には、単に倫理観で言葉だけで言うのではなくして、給与の部分、そういうふうな待遇面で特別の措置を講じるのかどうか。
 それでないと、人間というのは弱いものですから、右から左にちらっと流されれば、ちょっとこれはやろうかなというふうなことにもなるはずです。その辺は、待遇面も含めて、単に倫理観というきれいな言葉のみならず、どういうふうに考えているのか、どういうふうに対応していくのか、お答えください。
#52
○安岡政府委員 まず一つ目の、先生御指摘の民間の人材を活用したらどうかという点でございますけれども、私どもの方もいろいろな格好で民間さんのいろいろなノウハウを活用していかなければいかぬということでありまして、例えば、今、任期つきの研究員とか中途採用制度が導入されようというところでございまして、郵政省としてもこういう新しい制度も一つ視野に置きながら、高度の専門的知識とか経験を有する民間の人材の採用について検討をしていきたいというふうに思います。
 それで、同時にこの処遇ということで、非常に安い給料では民間からなかなか来手がないということになりますので、その運用の職務にふさわしいものを考えていかなければならぬということですけれども、これは私ども、国家公務員という中で、その職務の困難性に応じた職務体系もいろいろと真剣に検討していかなければいかぬ、こんなふうに思っております。
 それから、いわゆる運用によりまして、一種の不祥事みたいな話を、これは厳にしてはならないという格好でやっているわけですけれども、それに違反いたしますと、私どもは国家公務員でございますので、国家公務員法九十六条に「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」ということでございますので、職務専念義務違反という格好で公務員法に照らして厳正に措置をしていくという格好になります。
#53
○吉田(治)委員 法律を遵守していくですか。
 失礼な話ですけれども、局長、ちょっと話を聞いてよ。こういう委員会で聞くべきことじゃないかもしれないけれども、局長は、手取り給料、月々何ぼぐらいもらっておられますか。
#54
○安岡政府委員 今、給与預入みたいな格好で正確ではないのですけれども、今まで結構低かったのですけれども、指定職になって若干ふえました。ただ、確定申告の額がございますね、そこまでにはなっていないということです。
#55
○吉田(治)委員 余り個人の、公のことですから官房長か何かに後ほどお聞きしたらわかると思うのですけれども、やはり局長、それほどの金額で、それほどがどれだけかわかりませんけれども、ちょっと確定申告に足らないというのは世間一般から考えると相当多いとも思うのです。
 それ以外に、局長の場合でしたら車と運転手と、それから秘書と大きな部屋と、それから、やはり職務権限というのか、毎日接待があるのかどうかわかりませんけれども、そういうふうなものを含めていくとその何倍にも上るものが支払われていると考えた場合に、一人材をこういうふうな形で、いや、倫理観だとか、公務員は給料でと、やはり民間企業でも、それは悪いと言うと語弊があるけれども、ちょっと誘惑に負けるというのは、その人はそれをやれば、ばれたら会社を首になる。やるときはそうだと思うのですね。しかも金額が、会社関係であれば何千億、何兆という形かもしれない。しかしながら、国民が預けた貯金をそういうふうな形にしないような人材というふうなものをぜひとも私は育成をしていただきたい。
 時間もありませんから、そういうふうな中において、これは簡保の方も私は同じだと思うのですよ。先ほど簡保局長は、うちは関係ないわと思っていたかもしれませんけれども、今、局長が十二年前には簡保さんから教えてもらった、ということは、簡保はもっと長い歴史がある。郵便貯金なんかへのかっぱだというぐらいかもしれない。その辺はどうなんですか。
#56
○金澤政府委員 簡保は大正八年以降自主運用をやってきておりまして、現在余裕金を除くそのすべてを郵政大臣の管理運営のもとに運用しているということでございます。
 人的な問題でございますけれども、人材につきましては、簡保も基本的にはスペシャリスト育成という観点から、大体その運用担当に当たる人は長くそこに居続けるということを基本といたしております。ただ、ゼネラリストの方もあわせて配置することによって、それぞれの牽制効果も発揮しているというところでございます。
 また、人事面の処遇でございますけれども、証券アナリスト資格取得者に対しては、特別昇給というものを実施しております。
 現在、証券アナリストに受かった方々が十一名いまして、これは全部簡保が養成してきたわけでございますが、そのうち四名が現職についていらっしゃるということでございます。もちろん、派遣研修もやっておりますし、新人の職員研修もやっております。それから、研修所訓練もやっているというふうなことでございます。
 それから、倫理の問題でございますけれども、基本的には組織でこれに対応していく必要があるというふうに考えておりまして、簡保の運用組織は、資金運用課、運用分析室、市場運用室というふうに三つのセクションから成っておりまして、それぞれのところがそれぞれの実績を互いに見合うというふうな形になっておりまして、その中で牽制しているということでございます。
 もちろん、簡保の運用に携わる職員につきましては、株式は購入してはならないということになっておりまして、その面からの誘惑は断ち切るということで運用しているわけでございます。
#57
○吉田(治)委員 貯金局長の答弁を聞いていたら簡保局長はこういう答弁になる、非常に学習効果があったのかなと、ふと思ったりもするのです。
 失礼な話を申し上げましたが、そんな中で、大臣、郵便貯金事業における赤字見通しというのがこのごろ言われております。平成十一年には一兆円の赤字が出てくるだろう。これはもう私が申すまでもなく、預託では七年、しかし、先ほどの貯金局長の答弁にもございましたように、郵便貯金というのはやはり長期、つまり、十年ものの定額貯金というのが主流になってくるという形になりますと、バブルの非常に金利の高いときのお金が償還されていく、返されていく。それが大体平成十一、十二、十三年ぐらいという中において、大臣、この一兆円の赤字見通しについてどういうふうにお考えなのか。また、預託七年と定額十年という、この三年の時差というのですか、これがここに至っては非常に大きなこういう赤字の原因になった。これについて今後どういうふうに対応されるのか。
 そしてもう一点は、国鉄の長期債務の処理問題において、郵便貯金の利益の中から二千億ずつ毎年出すというふうな話が今出されておりますが、それについてどう思うのかというのと同時に、果たして現状、これから先赤字になっていくものから二千億ずつも出せるのか。出せないとなると、政府が出されている法案、また特別委員会までつぐつた国鉄長期債務の処理スキームというものは実は虚構ではなかったかな、JR各社にだけ負担を求めてというふうになってしまいはしないかと思うのですけれども、この辺を含めて大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
#58
○自見国務大臣 吉田委員にお答えをさせていただきます。
 郵便貯金特別会計の一般勘定においては、平成七年、八年と二年度にわたり一兆円を超える黒字を計上したところでございます。
 しかし、今先生御指摘のように、平成九年度以降は、平成二年、三年度に預託された高金利の預託金が順次満期を迎えて低金利の預託金に振りかわるため、預託金利の収入が大幅に減少することから、平成十年度以降は一時的に赤字の時期を迎えるものというふうに見ております。
 平成十年度については、郵便貯金特別会計予算の一般勘定の損益は約千五百五十二億円の赤字となりまして、平成十一年度には、現行の金利水準がそのまま続くとすれば、今御指摘のように、一兆円を超える赤字になるものと見込んでおります。
 ただし、平成十二年度以降につきましては、平成二年、三年度に預入された高い利率の定額貯金が満期を迎え、払い戻されるわけでございますから、支払い利子の負担が軽減し、損益は好転するものというふうに考えております。
 このように郵便貯金事業は金利の影響を御存じのように大変受ける事業でありますが、経営の安定を図るために、黒字が生ずれば積立金として積み立てておりまして、赤字が生ずれば積立金を取りますという仕組みとなっております。そして、直近の決算期である平成八年度では、四兆三千億円の積立金を有しているところでございます。
 今後とも経済金融情勢等を注意深く踏まえつつ、引き続き長期的視点から健全経営の維持に努めていくことが私は大変大事だ、こういうふうに思うわけでございます。
 また、二点目の質問でございますが、これはその時代、その時代の金利状況がございますから、やはり貯金者に払う利子と預託金利は差がある、ギャップがある、これはもう当然事業上あるわけでございますけれども、今長期的にこういった金利の変動も、郵便貯金というのは御存じのように大変長い間預け入れをしていただきますから、そういった長期的視野で金利変動を考え、そういった意味でリスク管理をしていく必要があるというふうに思っております。
 それから、最後の国鉄の再建に対して二千億円を五年間繰り入れる、総計一兆円でございますが、そういったことについては、御存じのように、旧国鉄長期債務の処理につきましては、国家財政が大変非常事態であるということでございまして、他の機関も協力するということで取り組みが行われている中、国の機関である郵便貯金として五年間の特別措置をとることはやむを得ないというふうに考えたわけでございます。
 なお、預金者の利益を確保するということは大変大事でございますから、一般会計に繰り入れる繰入額については、平成十四年度におきまして、郵便貯金事業の経営の健全性の確保の観点から必要と認められる場合には適切な措置を検討することになっておりまして、このことは実は、年末大変いろいろ折衝があったわけでございますけれども、法律に明記をさせていただいております。
 また、預金者の理解と納得を得られるような施策については、平成十年度の予算案にも盛り込まれるようになったところでございます。
 もう一点、先生の最後の質問に関しまして、四兆三千億積立金がございますが、二千億ずつ五年間、一兆円出すということでございます。これは、何よりも郵貯資金というのはまず加入者の利益のために使うべきでございますし、また経営が安定化しなければなりませんから、実はそのお金を出しても経営の安定化を損することがないのかということを、私は専門家ではございませんけれども、局長を初め、モンテカルロ法というのがあるそうでございますが、いろいろなケースを分けて計算したけれども、今の経済情勢、金利情勢が続く限り、そう大きくは健全経営を損なわないという話もございまして、国家財政非常時の折でございますからやむを得ない、要するに、そういったことで、二千億、五年間で一兆円でございますが、出すことを決断をさせていただいたわけでございます。
 しかし、今繰り返し申し上げますように、五年たちまして、もし、万が一でございますが、万々が一金融情勢が非常に困難を来しまして、郵便貯金事業に健全性の確保から何かあった場合はきちっと、繰り入れたわけでございますけれども、そのことに関してまた適切な措置をとるということをはっきり法律に明記をさせていただいたということも御理解をしていただきたいというふうに思っております。
#59
○吉田(治)委員 大臣、懇切丁寧な答弁で時間が終わってしまったのですけれども、最後一点だけ申し上げるのは、せっかく積み立てたお金を将来の赤字だとか、また国鉄の長期債務のお金、民間企業だったら株主代表訴訟になってもおかしくないと私は思うのですね。
 一つの大きな国家という会社の中の部門が違うから、そういう発想でいけばそうならないかもしれないけれども、預けたものをそんなものに使われるなんてだれも考えてもいない。それが特別委員会でこれから審議されるのでしょうけれども、ちょっと解せない。今黒字があるからそれを使ってというふうになると、ちょっとこれもおかしい話じゃないか。
 二月二日の野中自民党幹事長代理の何か御発言もあるようですけれども、そういうようなことも含めてこの点についてはまた機会を改めて質問を続けたいと思います。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
#60
○坂上委員長 漆原良夫君。
#61
○漆原委員 平和・改革の漆原でございます。
 まず、郵便貯金法の改正についてお尋ねしたいと思うのですが、今回の法改正の一つは、金融自由化対策資金で取得をした債券を信託会社等に信託ができる、そういうふうにする改正であると聞いておりますが、なぜそう改正するかという理由として、事務の煩瑣、それから貸し債による収益の低迷ということが挙げられておるようですが、具体的な状況を御説明願いたいと思います。
#62
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。
 現在の郵貯の債券貸し付け、これは既に行っているわけですけれども、まず、借り入れの注文があるたびに、一つは貸付先の信用リスク、それから貸し付け条件の吟味をいたします。それから貸付債券の名義の移転手続を行いまして、貸付期間終了後は、貸付債券それから貸借料の収受等の事務を実施しているということでございます。
 さらに、いろいろ担保をとるという手法がございまして、有担保債券貸し付けの取引に当たりましては、これらの事務に加えまして、担保条件の確認作業、それから担保債券の値洗い等、担保徴収に係る事務を実施しているということが事務の煩雑さの事務内容の中身でございます。
#63
○漆原委員 もう一点の収益の低迷についての御説明を願いたいと思います。
#64
○安岡政府委員 失礼いたしました。
 このように、現在行っております貸し債に係る事務量が大変大きくなったということでございまして、限られた要員の中ではなかなか取引額がふやせないということが収益の低迷につながっているということでございます。
#65
○漆原委員 今の収益の低迷、今おっしゃったのは、人数が限られているので収益が上げられないということなのでしょうか、ちょっともう一度。
#66
○安岡政府委員 現在、国債等をやるわけですけれども、国債等、あるいは地方債でもいいのですけれども、そういう貸し債のニーズというのはあるのです。ところが、ニーズにこたえて注文するということになりますと、先ほど来申し上げたような諸手続がございますので、やむを得ずそこまで手が回らぬということもございまして、それが収益がなかなか伸びていないということでございます。そこのところが収益が低迷しているということでございます。
#67
○漆原委員 ちょっとわからないのは、ニーズがあるのだけれども、いろいろ事務が煩瑣で手が回らないということなのでしょうか。もしそうであれば、例えば人数をふやすとかいうことは考えられないのですか。
#68
○安岡政府委員 現在の貸し債ではその事務量が大きいということで、限られた要員の中ではこれ以上取引額をふやすことができないということで、収益が低迷しているということでございます。
 そこで、専門的ノウハウを有しまして、貸し付ける相手先に関する情報を豊富に有する信託銀行に債券貸付事務を委託することによりまして、実際に貸し付けが行われる額が増加して運用収益の増加が期待できる、こういうことでございます。
#69
○漆原委員 そうすると、今までやってきた郵貯のその業務、事務、それはこの際、全部廃止するというふうにお考えなのでしょうか、それとも減縮していくというふうなお考えなのでしょうか。
#70
○安岡政府委員 現行の貸し債の事務は信託銀行にかなり大幅に委託をするという格好になりますけれども、現在郵貯本体でやっている事務については、できる範囲で、運用収益の増加を図るということもありますし、債券貸借市場の状況が把握できるということ、それから有価証券の運用状況の分析にも役立てるという観点から、引き続き郵貯本体による債券貸し付けを継続したいということでございます。
#71
○漆原委員 相当部分の事務の軽減というふうになると思うのですが、それによって見込まれる収益、どのくらいの増収が見込まれるのか、それから、実際に人数等が軽減することによってどのくらいの経費節減になるのか、その辺の数字は、試算されておったら教えてもらいたいと思います。
#72
○安岡政府委員 今度の有価証券信託ですけれども、これは信託銀行に委託することによりまして稼働率を高めていこうということでございまして、現行の運用要員はそのまま、いろいろな事務がございますので、引き続きその体制でやっていこうということでございます。
 それで、どの程度かということなのですけれども、今、稼働率のデータで、現行では郵貯の貸し債は九・八%、一割程度の話になっていまして、例えばA信託銀行だと八四%回転するということもございますので、かなり稼働率のアップが期待できるということでございます。
#73
○漆原委員 かなりの稼働率が期待できるということでございますが、従来、債券の貸し付けを郵貯が行う場合には、貸し付け相手方の信用を調査、先ほど事務の煩瑣とおっしゃったこと、この貸し付けの安全性確保の作業を郵貯の立場でやってこられたわけなのですが、今後は、法改正後、直接信託会社に信託できるとすると、この作業はどこでやることになるのでしょうか。
#74
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。
 今回の有価証券信託の導入は、信託銀行にその事務を委託するということでございまして、その債券貸し付けに係る判断の対象といいますか、その分野は、仮に信託銀行に信託されても、信託銀行がどこへどういうふうにやっていくかという対象は、現行の貸付債券の範囲と同じという格好でございます。
#75
○金澤政府委員 簡保の立場から御説明させていただきたいと思いますが、簡保は、既に昨年法律改正を行いまして、有価証券信託が行えることとなっております。
 郵貯も同じような取り扱いになるだろうと思いますが、信託会社との間で有価証券運用信託契約書というものを結んでおります。その中で、有価証券を担保とした貸し付けについて、どういう貸付先を選ぶのか、それから貸付限度額をどうするのか、それから担保の種類をどうするのかということにつきましては覚書を締結することになっておりまして、その覚書の内容というのは現在郵政省が本体で債券貸し付けをやっている範囲と同じでございまして、現在我々がクレジットリスクその他をきちっと精査したものについて信託銀行もその範囲内でやるということでございまして、それによってリスクが増大するということは一切ございません。
#76
○漆原委員 そうすると、証券会社と郵貯、簡保の間で貸し付け条件に関する枠組みみたいなものをあらかじめ決める、こういうことなのでしょうね。ただ、そうなった場合には、逆に証券会社の機動的な判断を縛ることになりはしないかなという心配はあるのですが、その枠組みはどの程度の大きさの枠組みなのでしょうか。
#77
○金澤政府委員 まず、貸付先をどのようなものとするか、それから、限度額をどの程度とするかというふうなことでございまして、その個々の有価証券信託を受けた信託会社がその貸付業務を行うタイミングその他については一切信託会社に任されているということでございます。
#78
○漆原委員 そうすると、実際の貸付先は、例えば、銀行なら、銀行名で決めておくというのか、それとも、資本金で縛るのか、取引額で縛るのか、その辺の縛りはどうなっているのでしょうか。
#79
○金澤政府委員 お答え申し上げます。
 具体的な金融機関の名称で縛るというのが基本でございますが、もちろん、その他資産の状況、クレジットリスクの状況等も勘案するということでございます。
#80
○漆原委員 法的には、結局、中に証券会社が入るということによって、郵貯と現実の借り受け銀行との間の法的関係は切断されることになるわけで、万一、現実の借り先が倒産をした、あるいは、何らかの事情、理由で、回収不能になった、こういう事態の発生を非常に心配をしているわけです。
 従来は、郵貯の判断で貸付先を具体的、個別的に判断できたわけですが、今後はその具体的な判断ができず、それを証券会社の判断にゆだねてしまう。結局、仮に証券会社がいい加減な判断をすれば、その回収不能のツケは全部郵貯の方に回ってくる、これを心配しておるのですが、その辺の心配については大丈夫でしょうか。
#81
○安岡政府委員 まず、一つは、この有価証券の貸付先ですけれども、これは現行の本体でやっている先と一緒だということでございます。
 今度は、信託銀行が運用するという話になりますけれども、この貸付先の倒産リスクに対しまして、取引の安全上必要に応じ担保をとることができる、こういう格好になっていまして、適切に業務執行がなされるものというふうに私ども理解をしているところでございます。
 それから、ポイントでございますけれども、仮に信託銀行が倒産した場合でも、信託銀行は、信託財産を自己の固有財産及び他の信託財産と区別して管理する義務を負うという格好になります。それから、破産手続に際しまして、委託者は信託財産に対する取り戻し権を行使することができる、こういうことになっておりますので、債権の保全は問題が生じないというふうに思っています。
#82
○漆原委員 今、担保をとることができるとおっしゃったのは、信託会社がその現実の借り主に対して担保をとるという意味なのか、郵貯が担保をとるという意味なのか、どっちなのでしょうか。
#83
○安岡政府委員 これは、信託銀行が貸付先に対して必要があれば担保をとる、こういうことです。
#84
○漆原委員 その判断は多分信託会社の判断にゆだねられていると思うのですが、郵貯の方から口を出して、その場合はとってくれというふうなことはできるのでしょうか。例えば、具体的な取引に対して郵貯から口を挟むということはできるのでしょうか。
#85
○安岡政府委員 信託銀行に対しまして、信託銀行が○○銀行に運用する、貸し付けするというケースであれば、郵貯の方からそれを指示することができるということでございます。
#86
○漆原委員 わかりました。その辺、実際、郵貯が目を光らせて、回収不能あるいは不正確な取引がなされないように、ひとつくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
 それから、法改正の二つ目は、金融自由化対策資金を直接郵貯の方で運用できる、こういうことでございますね。この運用対象に先物外国為替が追加されたのは平成七年のことでありますが、このときは証券会社を通さなければならないというふうな条文になっておりますが、今回はこれを廃止するわけですね。
 先回、証券会社を通さなければならないとした理由、そして、今回これを要らないというふうに、三年後、要らないとしたこの理由は何か、教えてもらいたいと思います。
#87
○安岡政府委員 証券会社を通してやるというのは平成七年当時でございますけれども、平成七年当時は、外為法によりまして先物外国為替の取引は外国為替公認銀行に限られており、郵貯、簡保の名をもって為銀と取引を行った場合には市場に影響を与えるのではないか、そういう懸念があったところから、証券会社に対しまして委託をして取引を行うというふうにしたものでございます。
 その後、平成九年一月の規制緩和によりまして、証券会社も直接顧客と取引することが可能になりまして、さらに、平成十年四月施行の外為法によりまして、だれもが先物外為取引を行えるようになっている。この結果、先物外国為替の取引を委託して行うのは郵貯、簡保のみという格好になりまして、逆にその郵貯、簡保の取引であることが推測される状況になってしまっているということでございまして、郵貯、簡保を一般の投資家と同様に直接銀行等と取引が行えるようにするということでございます。
#88
○漆原委員 郵貯、簡保が直接取引をする場合に、外国為替取引は非常に投機性が高い、ある意味ではリスクも高いということになると思うわけですが、そもそも郵貯の方でそういうノウハウを今まで持っていたのかどうか、それから、そういう人材の育成確保をどういうふうにされているのか、この辺についてお尋ねしたいと思います。
#89
○安岡政府委員 この先物の外国為替取引でございますけれども、これは、郵貯の資金運用といたしまして、いろいろ分散投資するという中で外貨債の運用をやっているわけでございます。これにつきましては、為替変動リスクが伴うものでございまして、例えば為替相場が円高に進むと保有外貨債の為替評価損が発生するということになります。
 このときに、先物外国為替を活用いたしまして、反対売買を行うことによりまして利益を得ることができ、保有外貨債に発生しました為替評価損をカバーすることができるということで、いわば、まさにこの取引をヘッジ取引という格好にいたしまして、自由化対策資金の先物為替の運用は、保有外貨債の為替リスクをヘッジする、こういうことを目的としたものでございます。
 その実際の運用に当たりましては、私ども、先ほど来何度も申し上げておりますが、安全確実で、かつ有利な運用を行うには、内外の金融経済情勢や為替相場の動向を慎重に見きわめる必要がございます。今後とも、その運用ノウハウの向上に努めることが必要であると認識いたしております。
 人材育成につきましても、例えば、為替取引に精通いたしております銀行職員等による業務研修、それから模擬売買、こういうことを実施いたしまして、専門的知識や技能を持った職員を育成するように取り組んでいるところでございまして、今後とも引き続き人材育成には取り組んでいきたいというふうに思っております。
#90
○漆原委員 先ほど来この点は問題になっておりますので、これ以上申しませんが、くれぐれも人材の確保、育成についてはしっかりやっていただきたい、こう思っております。
 郵貯の場合は、庶民からの小口資金を集めるという郵貯の性質があるわけですね。そういう意味では、やはり資金の安全運用ということが第一義ではないか、私はこう思っております。したがって、ハイリスク・ハイリターンとなるような取引については余り好ましくないとは思っておるのです。一定の歯どめをかける必要があるのではないか、こんなふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#91
○安岡政府委員 外貨債の運用は為替リスクが伴うということでございますので、それに対しまして適切な手を打たなければいかぬということでございまして、そのために先物の外国為替を活用していわゆるヘッジ取引をやるということで為替リスクをヘッジするということでございます。
 そういうことでございまして、私どもはあくまでも外国債の運用を適正たらしめるという観点からの話でございまして、ハイリスクのものを追っていくという趣旨ではございませんで、その点を省令におきまして、「保有する外貨債の為替変動の危険の防止又は軽減を目的とし、資金の運用の健全性に配意し、投機的な運用は行わない。」こととしているということでございまして、今回の改善後も引き続きそういう投機的ディーリングを行うということはやらないということでございます。
 したがいまして、実際に先物外国為替の取引を行うに当たりましても、保有外貨債の範囲で行うことになるものでございます。
#92
○漆原委員 次に、ATM、CDについてお尋ねしたいと思うのです。
 郵貯と民間金融機関がこのATM、CDの提携をするということは、金利の問題なんかもありまして民間資金が郵貯の方に流れることに拍車をかけるのじゃないか、民業に対する圧迫になるのじゃないかという危惧をする声があるのですが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
#93
○安岡政府委員 今回のATMの提携は、国民共有インフラを民間の銀行にも開放して、もって国民全体の利便を向上させるという話でございまして、国営郵貯であれ民間であれ、ともども発展させていこうという観点でございます。
 それで、以前、民間金融機関の、例えば都銀さんと地銀さんが相互接続のときに、地銀の方が地銀の資金をとられるのじゃないかという懸念があったのですけれども、実際に提携してふたをあけてみますと、相互に店舗を補完し合うということで相乗効果があったということを聞いておりますし、今回、郵貯と民間もそのような効果ができるのじゃないかと思います。
 特に、郵貯の場合は全国にあまねく公平に二万四千六百の店舗がございますので、山間辺地に至るまで店舗があるということでございます。民間金融さんはどちらかといえば都市部に集中するということでございますので、民間さんの方もかなり利便があるのじゃないかなと思います。
 今回、民間の方がいろいろ提携の申し出もあるのも、これからビッグバンを控えまして、より一層民間金融機関として顧客嗜好を指向していこうという動きになっていまして、そういう一環にも資していくことができるのじゃないかなというふうに思っているところでございます。
#94
○漆原委員 現在民間の方で接続を希望しているところはたしか百三十一社ぐらいもあるというふうに聞いておるのですが、基本的には、郵貯の方は民間金融機関の要望があれば全部応じるという考えなのか、あるいは一定の基準で区別を設けていくのか。その辺、基準がありましたら教えていただきたいと思います。
#95
○安岡政府委員 私ども郵貯と民間のATMの関係につきましては、国民利便性の向上を図るということでございますので、民間さんの希望を前提に考えていくということでございます。ただ、郵政省は国の機関でございますので、利用の公平性、それから利用者の利便性の観点から、ATM提携を行う金融機関についての基本的な基準は設けることが必要なものと考えておるところでございます。
 その具体的な基準につきましては今後検討することになりますけれども、ATM提携は、ATM等でカードを利用して金銭の受け払い業務を行う業務だということで、国民利用者へのサービスの安定的な提供を行うためには、提携先でございます金融機関の経営の基盤が安定しているということ、それから十分に社会的な信用を有することなどがあるのじゃないか、こんなふうに考えているところでございます。
#96
○漆原委員 金融機関でもいろいろな、大きいのから小さいのからあろうと思うのですが、いわゆるサラ金だとかそういうものも、実際利用する側からすればサラ金の支払いもそこでできるというのは便がいいのかな、こういうふうに思うのです。反面、サラ金業者などそういうところと提携することは国家の機関としていかがかなと思うのですが、その辺についてのお考えはあるのでしょうか。
#97
○安岡政府委員 ATMの提携でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、その利用を希望する民間金融機関に広く開放するというのが基本精神でございますけれども、一方で、実際の提携に当たりましては、国営事業としての性格を踏まえまして、国民の理解を得るということもこれまた必要なことでございまして、そういう理解を得られる相手先であるべきだ、こういうふうに考えております。
 今のサラ金でございますけれども、いろいろ今、多重債務だとかカード破産問題の原因となっている、こういう指摘もございまして、都銀さんとかあるいは地銀上位行との提携は民間さんの方では進んでいないということで、慎重であるべきでないかというふうに考えております。
#98
○漆原委員 全国の郵便局は二万四千少しある、こう聞いておるのですが、そのうち約四千四百のところで日曜祝日にATM、CDの利用ができるようになっている、こう聞いております。
 これは非常に助かるなと私は思いますが、これをもっと拡大していく、特に特定郵便局なんかでは山間僻地の場合が多いと思うのですが、そういうところにまで拡大をしていくという予定はあるのかないのか、その辺はいかがでしょうか。
#99
○安岡政府委員 ATMの利用につきましては、平日の場合はもちろんでございますけれども、日曜日とか祝日についても需要のあるところがあるということで、郵貯はこれをホリデーサービスという言い方をしておりまして、お客様のニーズにこたえましてサービスの向上を図るということにしております。その対象のところも順次拡大をしているということでございます。
 平成十年度には約六百カ所の特定局に拡大するということで、約五千カ所の郵便局で利用ができるように取り組んでおりまして、これによりまして、ほぼすべての市町村で一カ所は日曜日あるいは祝日に郵貯のATM、CDが利用可能になるということでございます。今後一層拡大を図ってまいりたいという所存でございます。
#100
○漆原委員 特に特定郵便局全部について設置できれば一番いいと思うのですが、実際上、設置できない何か不都合な点はあるのでしょうか。
#101
○安岡政府委員 ATMの稼働の話は、本来、基本的に郵貯サービス、特に支払い事務に対するニーズが強い地域でやっていくべきだということでございます。
 私どもとしても、最近日曜日とか祝日でもそういう支払い需要がございますので、そこのニーズの強いところについてはもっと時間を延長する、あるいはふだんは日曜日は閉めているところをあけていくという格好にしていまして、あくまでもその地域、地域の預金者というかその方々のニーズに即する話ではないかなと思っています。
 特に、私ども、今考えていかなければいかぬのは、いろいろ公共機関で、例えば空港とか非常に公共的に人の集まる地域で必ずしも十分こたえていない面がございますので、そういうことにつきましては、単にホリデーだけじゃなくても、平時の時間ももう少し延長するということも、地域のニーズとか、あるいは民間金融機関の動きなんかも踏まえながら対応をしていかなければいかぬ、こんなふうに考えております。
#102
○漆原委員 最後に、郵便振替法について若干お尋ねします。
 今回、料金免除の対象をがんとか結核、小児麻痺その他特殊な疾病の学術的研究、治療または予防、それから地球環境の保全を図るための事業というふうに拡張をしたわけなんですが、これは、従来なかったものを今回特に追加するに至った理由はどんな理由によるのでしょうか。
#103
○安岡政府委員 お答えをいたします。
 これまでの郵便振替によります寄附金送金の料金免除でございますが、一つは、災害発生時におきます被災者の援護を目的とする事業及び社会福祉の増進を目的とする事業を対象にしてきたところでございます。
 今回、「がん、結核、小児まひその他特殊な疾病の学術的研究、治療又は予防を行う事業」を追加したところでございますが、この「その他特殊な疾病」の解釈につきましてでございますが、昭和四十七年の難病対策要綱に基づいて国が行っています種々の難病対策事業の対象とされている疾病、例えばパーキンソン病やクローン病など百十八疾患とか、あるいは小児慢性特別疾患として指定されております疾病で先天性代謝異常や小児ぜんそくなど十疾患、それから国の保健医療行政として特別な対策が講じられている疾病といたしまして、例えばエイズ、感染症などを広く対象といたしまして、寄附金を送金される方々の善意が生かされるように考えていきたいという趣旨でございます。
#104
○漆原委員 今はちょっと僕は別な、拡張した理由は何かという質問をしたのだけれども、今のお答えに従ってお聞きします。
 その特殊な疾病というのはあらかじめもう決まっているものなのか、申請があった場合に個別的に判断をしていくのか、その辺はどうなっているのでしょうか。
#105
○安岡政府委員 あらかじめきちっとした基準を設けて、決まったものを対象にしたいということでございます。
#106
○漆原委員 ちょっと先ほどの質問に戻りますが、今回そういう病気だとかあるいは地球環境まで拡張したわけですね。さらに文化財の保護まで入れたらどうかというような話もいろいろあるのですけれども、今回、がん、結核、小児麻癖等の特殊な疾病と、それから地球環境の保全に限った、この理由は何かあるのでしょうか。
#107
○安岡政府委員 郵便振替の寄附金送金の料金免除の制度ですけれども、その取り扱い自身に係る経費というのは他の利用者に転嫁するということになりますので、免除対象というのは、あくまでも公共的で、かつ合理的な分野ということが必要であるところでございます。
 今回対象を追加するに当たりましては、その基準でございますが、一つは公益性が高いということ、それから事業主体におきまして寄附を広く一般に募集しているものであること、それから事業主体から料金免除の要請があるということ、それから郵便振替事業の財政に大きな影響を与えるものではないということであるほか、民間金融機関においても既に料金免除の取り扱いが実施されていることなどを考慮したところでございます。
 今回加えました、先ほどのがん、結核等その他特殊な疾病の学術的研究、治療または予防を行う事業、それから地球環境の保全に関するための事業の二分野につきましては、当該ジャンルの法人からの具体的要望にこたえて追加するものでございますが、他の分野につきましてはこうした顕著なニーズが見られないというのが実情であるところから、さらなる対象の拡張につきましては、今後ニーズの動向を見きわめつつ検討してまいりたいというのが基本スタンスでございます。
#108
○漆原委員 二十三条の二という条文で、天災、災害、それから社会福祉、がん、結核等、それから地球環境、この免除対象となる事由、これは日本国内の事由に限られるのか、それとも海外における事由でもいいのか、この辺はいかがでしょうか。
#109
○安岡政府委員 現在、社会福祉の増進を目的とする事業について料金免除をしているわけでございますが、この分野におきます事業活動というのは、国内のみにとどまらず広く海外の住民の福祉向上を目的として行われているところでございまして、こうした海外において行われる事業も当然料金免除に値する意義があるものと考えておりまして、料金免除対象、現行の事業に対してはそうなっております。
 今回新たに追加いたしますがん等の学術的研究、治療または予防を行う事業、そして地球環境の保全を図るために行う事業の分野におきましても、海外での事業活動が非常に活発に行われているというふうに承知しておりまして、そういう事業につきましては、従来同様、国内であれ、海外でもその目的に沿うものであれば料金免除の対象としてまいりたいということでございます。
#110
○漆原委員 最後に、もう一点だけ。免除の対象となる法人とか団体の認定基準はどのようになっておりますでしょうか。
#111
○安岡政府委員 寄附金送金の料金免除の対象となる法人または団体につきましては、非営利の法人等を対象といたしておりまして、例えば特別な法律により設立された法人ということで、例えばでございますが環境事業団ということでございます。それから、民法第三十四条の規定により設立された法人ということで、例えば緑の地球防衛基金、それからがん研究振興財団というのがこれに当たろうかと思います。それと、これらの法人を構成員とする団体等を予定しているということでございます。
#112
○漆原委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#113
○坂上委員長 石垣一夫君。
#114
○石垣委員 自由党の石垣一夫でございます。
 先ほどからATMの接続問題について種々論議が行われております。先ほどの発表では、五月十五日現在で百三十六社に及ぶ、こういうお話がございました。先般の、四月二十七日現在では七十一社という御報告をいただいておったのですけれども、ここ急速にそういう民間金融機関の要望がふえてまいったということは、私はこれは非常に喜ばしいことだ、このように思います。
 郵政省がかねがねシンボルとして掲げますユニバーサルサービスが広く国民の間に、また民間金融機関の間にも周知徹底されてきて、その成果を期待しているところでございます。
 そこで、私は、きょうは、ATM、CD機械の問題について、あるいはまたそれの保守点検、それから郵便番号の読み取り区分機の入札、受注及び保守管理体制について若干質問したいと思うのです。
 まず最初に、ATM、CDの問題でございますけれども、この入札制度は一般競争入札を採用しているということでございますけれども、ATM小型機は、毎年、日立一社の独占受注になっております。
 郵政省の提出資料、平成七年から九年度三カ年を分析いたしますと、ATM、CD機械六種類の受注金額を会社別、年度別に見ますと、富士通、オムロン、東芝、沖電気、日立製作所、この五社が毎年百二十億から百五十六億円台で契約が順調に分かれている、こういう実態が見えてくるわけであります。
 例えばATM小型機、これは大体一台六百十万円と言われておりますけれども、毎年、日立一社だけが落札している。その実態を見ますと、平成七年度二十一台、一億二千九百万円、平成八年度七百四十九台、四十五億七千二百万円、平成九年度六百九十九台、四十三億八百万円、平成十年度においても、郵政省に聞きますと大体四十一億程度を予定している、こういうことでございます。恐らくこれも日立に落ちるのじゃないか、こういう推察をするのですけれども、この入札は一般競争入札と聞いておりますけれども、このATM小型機は、日立製作所以外に製作している会社はありますか。
#115
○是枝説明員 お答えいたします。
 郵便貯金のATM、自動預払い機の調達関係につきまして先生の方から御質問がございましたが、小型機でございますが、小型機の調達実績、これは平成七年度から開始をいたしまして、これは主に、一般のATMでは郵便局でスペースの狭いところがございますので、そういった郵便局でも配置できるようにしようというようなことで調達を開始したところでございます。
 私どもは、基本的には、ATMの調達につきましては、政府調達手続、こういったものに基づきまして、仕様書作成に当たりましては、事前に官報に公示して意見を求めるというようなことで、あるいは透明かつ公正な一般競争入札というようなことで広く内外に参加を求めてきたところでございます。七年度、八年度、九年度、結果としてはまだ日立一社だけの応札ということでございます。
 私ども、こういったATMのいろいろ一般的な形、あるいは小型というようなことでございますけれども、ATMの製造能力のあるところであればこういった小型機も対応できるのではなかろうかなというふうに考えているところでございます。そういったことで、今後とも、こういったオープンの手続によりまして、広く参加ができるような努力を重ねていきたいというふうに考えているところでございます。
#116
○石垣委員 仕様書を官報に掲載をして、いわゆる一般公募、入札の手続をとっておる、こういうことなのですけれども、結果として日立製作所が独占受注しているわけなのですね。これは普通こういう社会では考えられない事実なのですね。こういうことが米国から言わせますと日本の入札制度は極めて不透明だ、こういう批判を今日受けているわけです。
 こういう一社独占受注しているという実態について、三年間もたまたま、最初の年はそれはわかりませんよ、二年、三年も続いて、今日なおこれが続いている状態についてはどのようにお考えなのですか。
#117
○是枝説明員 お答えいたします。
 私ども、こういった郵便事業用の機械、こういったものにつきましては、よりよい製品をより低廉な価格で調達するというようなことがやはり事業運営上は必要だというふうに考えております。こういったATMの調達におきましても、いろいろ多くの会社、企業が参入をして競争が起こるということが望ましいというふうに考えているところでございまして、一社がずっと継続的に落札をしていくということは必ずしも好ましいものというふうには思っておりませんので、今後ともこういったたくさんの企業が参加し、そして競争が活発になるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#118
○石垣委員 この日立製作所が毎年独占受注しているATM小型機は、ATM大型機を製作している富士通、オムロン、東芝、また、小型U機を製作している沖、富士通が製作できないわけがない、と思うのですね。そういう技術を持っておると思うのですよ。なぜこれに応募しないのか。
 大型機は一万三千枚ですか、小型機は大体七千枚、そういう性能の違いはございますけれども、これは何も難しい技術じゃないと思うのですね。なぜこの分野だけ日立以外に技術を持っているそれぞれの業者が結局参入してこないのか、非常に私は疑問に思うのですね。
 結果的に、結局、日立製作所が自分で製造したATM小型機を自分で入札する、それで自分で落札する、こういう形が果たして、公募、いわゆる一般競争入札として正式な、正当な了解を得られるシステムなのか、私は極めて疑問なのですね。
 自分のところで製作しているわけですから、価格は全部わかっているわけですね。あえて郵政省が一般競争入札のためにわざわざ適正価格をつくって、公募して、二重の手間を入れているわけですね。私は極めてこれは疑問に思うのですね。
 こういう受注体制について、郵政大臣、どう考えられますか。
#119
○自見国務大臣 今、財務部長からの答弁がございましたように、政府調達手続に従って、仕様書作成に当たっても、事前に官報に公示し、意見を求めるとともに、透明かつ公平な一般競争入札により広く内外から参加を求めたものであるが、結果として一社しか応札がなかったということでございます。
 そういった答弁があったわけでございますが、今後とも一般競争入札することとし、多くの入札参加が実現できるように取り組んでいきたいというように思っております。
#120
○石垣委員 だからへ先ほどちょっと若干答弁がありましたけれども、こういう制度は早急に改める、こういう体制を迅速にとる、いかがですか。
#121
○是枝説明員 私ども、こういった一社だけが応札するというような状態は好ましくないというふうに考えていることは先ほども申し上げたとおりでございます。
 それぞれのATMをつくっている個々の会社の事情と申しますか、どういう判断か、そこまでは私どもフォローいたしておりませんので、申し上げかねるところもございますけれども、やはりそれぞれのATMをつくっている会社ではどういったものをつくっていこうか、それはそれぞれの会社の方針というものもあるのではなかろうかなというふうに思っております。
 ただ、私どもはやはり、こういった競争を促進させるというふうな形で、これからもいろいろ積み重ねといいますか、そういうものをやって、競争を活発化させていきたいというふうに考えているところでございます。
#122
○石垣委員 第二の問題でございますけれども、先ほど若干ちょっと触れましたけれども、実は、このATM機械の契約状況を見ますと、非常に奇妙なことがわかってくるのです。これは、日立製作所、富士通、オムロン、東芝、沖電気、五社がおのおの機種別、分野別、年度別に、大体百二十億から百五十六億の範囲で契約が非常に順序よくとれている状況がわかります。こういう実態を私はもう一度郵政省として調査をして検討する必要があるのではないかと思うのです。
 先ほど私が指摘しました日立製作所のATM小型機は、独占受注体制にあるにもかかわらずなぜ改善されないのか。逆に言えば、この分野に他社が参入すると、いわゆる日立製作所が受注しているATM小型機が、本年度の予想も入れまして、大体百三十億円の受注価格が維持できない。機種別、年度別、分野別、受注調整をしているという疑いが問われる、こういうふうに私は推測するのです。
 その実態を一つ私は申し上げたいと思うのですけれども、オムロンが、平成七年度、自動支払い機U型CD、四億七千百万円、平成八年度、自動預払い機大型ATM、百五十一億三千二百万円、計百五十六億三百万円、これはオムロンです。
 それから沖電気工業、これが平成七年度、自動支払い機カード専用ATM、十六億二千二百万円、平成七年度、自動支払い機薄型CD、十一億八千四百万円、平成八年度、自動支払い機薄型CD、四億二千五百万円、平成九年度、自動支払い機小型U、これはATM、百二十億七千万円、合計百五十三億百万円、これは沖電気です。
 それから、富士通、平成七年度、自動預払い機大型ATM、百五十四億九千四百万円、平成八年度、自動支払い機小型UATM、一億二百万円、合計百五十五億九千六百万円。
 それで、先ほど述べました日立製作所、これが平成七年度、自動支払い機ATM、一億二千九百万円、平成八年度、自動支払い機小型、これは全部小型ですね、四十五億七千二百万円、平成九年度、小型ATM、四十三億八百万円。それで、郵政省に聞きますと、恐らく、平成十年度は同じく小型機を発注する、その価格は大体四十億円を超えるだろう、こういうふうに言われております。これを合計いたしますと大体百三十億。
 それで、平成九年度、初めて東芝が受注いたしました。これは自動預払い機大型ATM、大体百十六億九千万円、非常にこれは金額がうまく調整されているのですね。
 こういう実態を見て、明らかに業者間で分野調整しているのではないか、こういうふうに私は疑いを持つのですけれども、この実態について郵政省はどういう見解を持っていますか。
#123
○是枝説明員 お答えいたします。
 平成七年度から三年間のATMあるいはCDの調達の数字につきましては、今先生がおっしゃったとおりでございます。
 私どもは、やはりこのATM、CDの調達というものは、一般競争という形で公明正大に調達をしているところでございます。やはり競争ということをしっかりやることによりまして、よりいい製品を、そして、より低廉な価格で購入するということが私どもの役割でございますので、そういう競争促進と申しますか、そういうものを今後とも引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。
 今先生がおっしゃいましたような数字につきまして、私どももそういう分析が不十分だったのかなというふうに思うわけでございますが、やはりいろいろ問題を指摘されることのないような、そういう調達ということについては引き続き努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#124
○石垣委員 郵政省として、今明らかにしましたこういう実態はもう既につかんでおられると思うのですよ。普通だったら、これちょっとおかしいのと違うかと、極めてこれは素朴な疑問が生じて当然だと私は思うのですけれども、これは、局の中でこういう問題は今まで議論にならなかったのですか。
#125
○是枝説明員 お答えいたします。
 私ども契約担当サイドでは、そういう議論というのはこれまではございませんでした。
#126
○石垣委員 だから、極めて私は無責任だと思うのですよ。これは国民の大切な税金なのです、お金なのですよ。それは、やはりだれが見ても、いわゆる透明に、公平に契約され、それが実行されている、こういうことが納得できるような受注体制になっていかなければいかぬと私は思うのです。
 これは、今後どうされますか。
#127
○是枝説明員 ただいま先生の御指摘もございまして、また、やはり公正な競争促進ということが私どもの立場でございますので、そういった価格の動きとか受注動向、そういうものについては細心の注意を払っていきたいというふうに考えております。
#128
○石垣委員 だから、透明性のあるそういうシステム、あるいはまた結果として納得できる形にやはりなるように、ひとつ担当者として誠心誠意取り組んでいただきたい、これを要望しておきます。
 次に、ATM、CD機械の保守点検会社に日本オンライン整備株式会社がありますが、職員数は四百十九名、うち百二十一人が郵政省関係の天下りである、このように報告をいただきました。過去三年間の天下り数は、平成七年二十四人、平成八年三十九人、平成九年三十八人ということになっておりますね。
 そこで、この会社の役員、何名中何名が郵政省関係のOBで占められているのか、答弁してください。
#129
○安岡政府委員 日本オンライン整備の常勤役員で、現在、郵政省OBとして把握している者は四名であるということでございます。
#130
○石垣委員 では、その現職名と就任月日、それから最終官職、これを挙げてください。
#131
○安岡政府委員 代表取締役社長は小山森也でございまして、郵政事務次官を六十一年六月に退官しております。それから、代表取締役専務は福崎政雄でございまして、岐阜簡易保険事務センター所長でございます。平成二年七月退官ということでございます。それから、取締役管理本部長の西尾省三は横浜中央郵便局長、平成六年七月退官。それから、取締役業務本部長石井薫は新東京郵便局長、平成五年七月退官ということでございます。
 就任月日につきましては、ちょっと手元にございませんので、お答えできない状況でございます。
#132
○坂上委員長 追加ありますか。どうぞ。
#133
○安岡政府委員 就任年月でございますけれども、社長は平成九年九月でございます。それから、専務は平成八年九月でございます。それから、取締役の西尾でございますが、平成九年九月でございます。それから、取締役の石井でございますが、平成七年九月ということで聞いております。
#134
○石垣委員 そこで、日本オンライン整備株式会社の業務内容を見ますと、ほとんどがいわゆる郵政省所管の業務内容になっておりますね。その中に保守費用という項目があります。毎年どのぐらいの保守費用を払っているのか、過去三年間を発表してください。
#135
○是枝説明員 お答えいたします。
 過去三カ年のATM、CDの保守料でございますが、平成七年度が六十億、それから平成八年度六十三億、平成九年度六十五億となっております。
#136
○石垣委員 日本オンラインの年商売上高が平成八年度で百九十二億なんですね。三分の一近くが今おっしゃった保守費用という形で郵政省の方から支払ってもらっているわけです。この保守費用のいわゆる積算資料、どういうふうに積算して出しているのか、ちょっとおっしゃってください。
#137
○是枝説明員 お答えいたします。
 ATM、CDの保守契約、こういった請負契約でございますけれども、定価がございませんので、実際の保守会社がどういう作業をするのかというような見積もりをとりまして、交通費でございますとか人件費、さらには物件費、そういうものについて逐次詰めまして、内容を精査の上価格折衝を行い、適正な予定価格、そういうものを算出しているところでございます。
#138
○石垣委員 いや、定価がないと言いながら、適正な予定価格を積算している。積算根拠は何ですか、これの積算根拠は。
#139
○是枝説明員 保守の作業に要します交通費あるいは人件費、さらにいろいろな部品代とか、そういったそれぞれの物価資料、そういうものに基づいて積算をしているところでございます。
#140
○石垣委員 では、なぜこれは一社に独占になるのですか。競争させないのですか。
 例えば、この機械を入れている富士通、オムロン、日立製作所、これは全部自分のところの機械ですから保守点検できるわけです。なぜこういう会社をこの保守点検の競争入札に参加させないのですか。日本オンラインだけを何で独占で契約させるのですか。そこのところの意味が私はわからないのですけれどもね。
#141
○安岡政府委員 お答え申し上げます。
 ATMとかCDの設置につきましては、その利用の増大に伴いまして、郵便局で一局一台ということではなくて、複数のATM、CDを設置するケースもかなり多くなっているということでございます。一方、ATM、CDの機器調達というのは、先ほどのとおり競争入札で行うということでございまして、さまざまなメーカーと契約を締結しているということでございます。その結果、同一郵便局に異なるメーカーの機器が混在するという事情があることを御理解いただきたいということでございます。
 そういうことなので、この機器保守については、我々の方も、できるだけ品質の高く、かつ保守をできるだけ安く効率よく行うというのが肝要でございますけれども、同一郵便局で異なるメーカーの機器、A社のもの、B社のものという状況になりますと、各メーカーがそれぞれの機器を保守するより、一括して保守した方が能率的でありますし、低コストで保守業務が実施できるものだ、こういうふうに考えております。
 それから、故障が起きるというケースでも、連絡体制も一元化されるということで郵便局の事務処理も簡素化されるということで、結果として迅速な復旧作業が可能となるということでございます。
 全国津々浦々に存在しますさまざまなメーカーのATM、CDの保守を安価で効率的に行うには、全国のATM、CDを保守できるネットワークを有していること、配備されている機器に関しましてハード、ソフト両面の技術的内容を十分把握いたしまして、すべてのメーカーからメンテナンスプログラムの使用許可をされていることが必要でございます。このような要件を満たしているところは、現在日本オンライン整備株式会社のみであることから、同社に委託しているということでございます。
#142
○石垣委員 いわゆる専門的な技術を要する、あるいはまたサービス、今、いろいろな点を挙げられましたけれども、これはメーカーが自分の機械ですから一番よく知っておるわけですわ。メーカーに全部責任持たせたらどうですか、アフターサービス。そんな、えらいこと要りません。電話一本でメーカーは全部、メーカーは全国各地に散らばっていますよ。なぜこれはそういう形をとるのですか。私はいろいろな疑問点が出てくるのです。
 だから、先ほど、いわゆる郵政省のメンバーが百二十一人天下っている。しかも、社長を初め専務四名がいわゆる郵政省のOBである。こういうことを考えてみますと、これは郵政省直轄のいわゆる構造的な天下りシステムだと私は思うのですよ。その中からこの日本オンラインという会社ができ上がってきた、こういうふうに私は思うのですね。
 そうしたら、この日本オンライン整備は、その保守点検以外に郵政省から、この日本オンラインにその他の郵政省関係の仕事について幾ら支払っていますか。
#143
○是枝説明員 お答えいたします。
 ATM、CDの保守以外で郵政省から日本オンライン整備に発注している主な業務といたしましては、郵便局用の窓口端末機の保守がございます。これは郵便貯金の窓口でのお客様サービスに使います端末機、これの保守ということでございます。それが約三十八億円ございます。
 それから、ATM、CDでございますけれども、これは時間外とかあるいは土曜日曜、職員が配置している時間外に稼働させているわけでございますが、そういったときにトラブルが起こる、そういうものの対応事務、こういうものの委託をやっております。これが約四十三億円。これが主なものでございます。
#144
○石垣委員 そうしたら、年商売り上げの百九十二億円の中で、今おっしゃった三十八億とそれから四十三億、これで八十一億ですね。それと、先ほど話がございました六十億で百四十億ですね。百九十二億の百四十億が郵政省が支払っているわけです。言うたら、ほとんど郵政省の仕事ばかりですね。
 これではっきりしてきましたよ、独占契約というものが。こういうことがいいのかという問題です。だからさっき、構造的な天下りシステムになっている、こう申し上げたのですけれども、郵政大臣、この現状をどのように判断されますか。
#145
○安岡政府委員 私ども、ATMを初めといたしまして、郵便局の事務処理をきちんとやっていくというのが大変重大な話だというふうに思いますけれども、その事務処理の仕方も時代とともに変化していまして、かつてのオフライン処理からオンライン処理に大幅に移行するという状況になっています。
 事務処理の機器の種類も増加しているということで、その機器の納入メーカーも数多くなる、保守業務につきましても、先ほども申し上げましたけれども、一つの郵便局で異なったメーカーの機器、多くの機器がございまして、これに迅速に対応できる保守体制が確立されないと、お客様に業務サービスが十分を期せないというふうになってきたわけでございます。
 それで、先ほども申し上げましたけれども、一つの郵便局で複数あるということで、いろいろな連絡体制だとか、それから例えば保守をやる場合に、それぞれのメーカーが来まして、何月何日はA社のものを見ます、次はこれを見ますというよりは、一社でもって二つのものを同時に保守できるというのが能率的ではないかと思うわけでございますし、事故発生のときも連絡が容易かなというふうに思います。
 それで、メーカーさんにとっても、全国津々浦々に郵便局というのは設置されておりますので、そこに全部置くというのはやはりなかなか難しいのではないかなということがございまして、それぞれのメーカーさんから中立性を保った形でオンライン機器類の保守を一元的に請け負う会社ができ上がったというふうに私ども聞いておるところでございます。
#146
○石垣委員 せっかく答弁いただきましたけれども、答弁になっていませんよ、そんなもの。
 百九十二億の売上金の中で百六十億が郵政省から支払われる。しかも、社長以下、専務、これは天下りOBだ。しかも、四百の中で百二十名が郵政省の職員である。私は、こういう実態をどう考えればいいかと聞いているのですよ。そんなもの、答弁になっていませんよ。こういう実態がいいのかと私は聞いているわけです。
 今、民間企業に対して天下りの問題、いろいろ指摘されています。何遍も言いますが、郵政省ぐるみの下請会社なんだ、日本オンラインというのは。そういうことについてやはり今後きちっと改めるべきだと私は思うのですよ。私は、これはけしからぬと思うのですよ。
 今の答弁、答弁になっていませんよ、そんなものはっきりしてください。そんなにがたがた答弁要りません。これを是正する方向に持っていくのか持っていかないのか、イエスかノーか、それだけでいいです。
#147
○安岡政府委員 私どもとしまして、基本的には、貯金事業を預かるものとしては、ATMの保守管理を効率的に、またきちんと復旧作業をするということが一番大事なポイントでございまして、それが効率的にできるところは、今のところは、そういうハード、ソフトのメンテナンスの資格を持っているところが日本オンライン整備でございますので、そういう体制でやっているところだということでございます。
 それから、それぞれ……(石垣委員「そんな答弁、どっちか、イエスかノーか聞いているわけです」と呼ぶ)したがいまして、私どもとしては、きちんとした保守管理をやっていく上では、日本オンライン整備で十分の保守管理をしていただくということだというふうに考えておるところでございます。
#148
○石垣委員 こういう独占契約については今後も改めないということなんですね、今の答弁は。わかりました。今後私は改めて追及します。きょうは時間がありません。これを置きます。
 最後にもう一点、せっかくきょうは公正取引委員会にお越しいただいたわけでございますから、現在公正取引委員会が立入調査している郵便番号読み取り区分機について、資料を見ますと、過去五年間の落札結果は全部東芝、NEC、この二社が年度別に順繰りに落札している、こういう事実があるのです。私は、これは明らかに談合の疑いがある、こう思うのですけれども、公取は現在どのような疑いで立入調査されているのか、その経過と課題について答弁してください。
#149
○伊東説明員 お答えいたします。
 御指摘の件につきましては、ただいまお話がございましたように、入札に関する独占禁止法の違反行為が行われている疑いがあるということで、昨年十二月に立入検査を実施し、その後関係者から事情聴取をするなどして、現在鋭意審査を進めさせていただいているところでございます。
#150
○石垣委員 現在調査中ということで対外的になかなか発表できないということなんですけれども、大体調査はどんなところまで進んでいるのですか。
#151
○伊東説明員 調査中ということでございますので内容についてのお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、できるだけ早く結論を得るべく、現在努力しておるところでございます。
#152
○石垣委員 郵政大臣として、こういう公取が結局調査に入ったという事実について、どのように思われますか。
#153
○自見国務大臣 石垣委員にお答えをさせていただきます。
 区分機の調達については、政府調達手続に基づきまして、透明かつ公正な一般競争入札を行ってきたところであります。しかし、今お話がございました、昨年十二月、公正取引委員会が区分機の契約に関しまして区分機製造メーカーに対しまして立入調査を開始して、当省といたしましても、調査に協力を求めてきたので、契約関係資料提出など積極的に調査に協力をしているところでございます。
 今答弁ございましたように、現在も公正取引委員会が調査を継続しているということでございまして、当省といたしましても今後の調査の推移を見守りたいというふうに考えております。
#154
○石垣委員 時間が来ましたので終わります。また改めて、この問題がありますので、続いてやらさせていただきたいと思います。
#155
○坂上委員長 矢島恒夫君。
#156
○矢島委員 私、まず、先物外国為替取引の問題で質問したいと思います。
 郵貯、簡保は、九五年の法改正で、先物外国為替取引が証券会社等を通して実施できるようになりました。今回のこの法案は証券会社等を通さずに実施できるようにしようということですが、「簡易保険97」というディスクロージャー誌を見ますと、郵貯も簡保も、九五年度末、九六年度末、いずれも残高を保有していない、こういうような中身になっているわけです。いずれも年度末は保有していません、こういうような表現になっております。
 先物外国為替は大体三カ月物が中心だろう、基本になっていると思うのですが、ですから期末までに取引が終了してしまえば期末に残高は残らない、こういうことにもなると思います。
 そこで、九五年、九六年度は期末に残高を保有していないわけですが、運用実績そのものがなかったのか、それとも運用したとすればその実績はどうなのか、お答えいただきたいと思います。
#157
○金澤政府委員 先物外国為替につきましては、九五年、平成七年五月に運用対象に追加されたわけでございますが、御承知のように、為替相場が一貫して円安傾向にございました。したがいまして、平成七年度、平成八年度の取引実績はございません。これは郵貯も簡保も同じでございます。
#158
○矢島委員 年度途中で行った取引、つまり最終段階では、期末では残高を保有していなかったけれども、実際に、その間において先物外国為替取引、ヘッジとしてやった経験は一度もないのですか。
#159
○金澤政府委員 平成七年度、平成八年度はございませんけれども、平成九年度で為替相場が円高に振れる局面がございました。私ども、これはヘッジをかけるタイミングと判断いたしまして、先物の外国為替取引を数件実施したということがございます。保有外貨債の為替変動リスク、このためのヘッジをかけたということでございます。
#160
○矢島委員 郵貯はどうですか。
#161
○安岡政府委員 平成八年でございますけれども、この八月に円高に向かった時期がございまして、その際、保有外貨債のうちドル建て債の一部について為替のリスクヘッジを行ったところでございます。運用残高はないところでございます。
#162
○矢島委員 安岡局長に郵貯の方で聞きますが、平成八年の八月、円高に向かう状況の中で一部についてやったということですが、どれだけの額を行って、どういう結果になったか、取引期間はどれぐらいかわかりますか。
#163
○安岡政府委員 平成八年度の先物外国為替の売買額でございますが、三千万米ドルということでございます。
#164
○矢島委員 もうちょっと聞いたのですが、わからないのですか。もしわかれば、どれだけの差益があったか、それから取引期間はどういう期間だったか。
#165
○安岡政府委員 どうも失礼しました。
 売買益でございますけれども、三百三十三万円の売買益を得ているところでございます。期間ですが、正確のところはちょっと、手元にございますけれども、八月に円高に向かった短い時期だというふうに承知しております。
#166
○矢島委員 そうすると、今の御答弁ですと、三百三十三万円の差益があった、取引期間は短い期間であった、こういうことでありますが、このヘッジをかけた外国債は、このヘッジ終了時には償還あるいは売却したのかどうか、その辺を。
#167
○安岡政府委員 お答えいたします。
 本体の外国債は、保有したままでございます。
#168
○矢島委員 ヘッジ終了時保有している、こういうわけですが、そうしますと、その後、円安に為替が振れていきますと、ヘッジをかけたこの外国債は、その後の状況によって、差益を生んでいるかもしれないわけですね。そうすれば、この差益というのは、現物の実現損と相殺されることなくその利益になっているということになると思うのです。
 この郵貯でやった平成八年の先物取引、非常に短期間であった、どれぐらいかわかりませんが、しかも差益は三百三十三万円である、ヘッジをかけた外国債はこのヘッジ終了後も保有している、大体そういうことがわかったわけですが、こういうやり方というのは、ヘッジではなくて為替投機そのものじゃないかと私は思うのですよ。
 つまり、外国債がもしリスクを生じるようなことがあるといけないから、ヘッジをかけるために先物を取得しておくということでこの九五年以降の取引の中で考えていったわけでしょう。そうすると、この取引がどうしてヘッジ取引と言えるのかという点に私は非常に疑問を持つわけです。
 そこで、円高傾向に向かったとか、その時期の問題等も今御答弁いただいたので、どういう状況の中で円高方向への予想をされたのかというようなことも含めてもう少し詳しくその点を調べたいと思うのですが、そのためには、どの外債にヘッジをかけた、そして八月ごろ、それから短期間というわけですが、その辺をもう少し詳しく答弁いただきたいと思うのです。
 なぜヘッジをかける必要があると判断されたか、その根拠は先ほど大ざっぱですが局長が答弁したようですが、どうもあれだけの答弁ではなぜここでヘッジをかける必要があったのかがはっきりわからないのです。ひとつその辺のことをもう少し詳しく答弁していただきたい。
#169
○安岡政府委員 ヘッジをかけたことは事実でございまして、先ほどその辺については申し上げたとおりだということでございます。
 ちょっと前の話でございますので、少し一般論でしか申し上げられないところがありますけれども、円高傾向がありまして、ヘッジをかけるべきときだという判断をしてヘッジをさせていただいたということでございます。
 それで、ポイントのところは、外国債、外貨建て債につきまして先物為替でヘッジをしていくという話でございまして、債券そのものは保有する格好で保持しているということでございます。あくまでも外国債運用を適正たらしめるという観点からの先物の外国為替のヘッジだということでございます。
#170
○矢島委員 どうも今の答弁では、繰り返しをしたわけですが、その取引が本当にヘッジ取引なのかどうか、きちんと私が判断できる材料を与えていただけないのです。
 つまり、私が言いたいのは、そのとき本当にヘッジが必要だった、円高方向だと判断された、そうすると、そのとき保有していたドル建て外債すべてにヘッジをかける必要があったのだろうと思うのですよ。
 つまり、実際かけたのは、そのときの保有のドル建て外債、資料によりますと約八千億円、その中でかけたのは三十億円程度、何百分の一のオーダーですね。なぜ、円高方向だ、ヘッジだ、外債持っている、しかし、ほんの百分の一以下の部分にだけヘッジをかけて残りはヘッジをかけていない、こういうことは、むしろどう見ても投機的な取引だと考えざるを得ないのです。それはどうしてそうなったのですか。
#171
○安岡政府委員 この先物外国為替の制度がその当時できたばかりでございまして、制度を円滑に実施する意味で、保有している債券の中の一部から入ったということでございます。
#172
○矢島委員 平成七年に法律的にでき上がって、八年度の実績の中でそういうことが行われたわけですが、その後は別にそういうことは郵貯の場合はないのですか。
#173
○安岡政府委員 八年度につきましてはございません。
#174
○矢島委員 円安の方向ですからヘッジをかける必要はないという御判断だろうと思うのですが、ただ、私が非常に危惧するのは、局長、短期間だということで言葉を濁されましたが、私、一日だと思うのですよ、これは一日取引。後で調べてください。一日取引だ、間違いないと思います。
 つまり、三千万ドルのヘッジをかけたわけですが、一日取引だということになると、本来、法律的には持っている外債の元本分の先物外国為替の取引ができるようになっているわけです。ですから、九六年度末、八年度末について調べてみますと、郵貯で三兆五百九十九億円、簡保で四兆三千九百四十八億円の外国債を持っているわけですよ。合計しますと約七兆円強ですね。そうすると、これだけの先物外国為替の取引を行うことが可能になっているわけです。
 そして、たったの一日の取引をやって、先はどのように三百三十三万円ですか、売買益を得た。本当にヘッジ取引なのか。まさに、中身から考えてみれば、これは一日取引を一年間やったら三百六十五回やることになるわけですけれども、いわゆる投機取引だと言われても仕方のない内容ではないか。
 もう少し中身を詳しく、私の質問した中身について局長は部分的にしか答えていないので、その確証をこれからやりたいと思うので、後でまたこの問題を取り上げたいと思います。
 そこで、ヘッジ、ヘッジと局長言われるわけで、これは法案が出たときに私もこの問題で質問しているわけですから、なぜ先物取引を行うかということについてはわかっていますから、一々繰り返していただかなくても結構ですが、現物を保有し続けて、その外国債のいわゆる償還あるいは売却、こういうことによって、差損がある、あるいは差益を生じる、これはもう何年も先のことなのです。
 保有している、これは何年物かわかりませんが、十年あるいは数年先の問題だ。言葉では、この現物にヘッジをかけた、こう言っても、実際にはこの為替差益をねらった為替投機取引、わずか一日でひとつ差益をもうけようというやり方、これはヘッジというよりも、むしろ投機だと言わざるを得ないと思うのですよ。
 もし差益ではなくて為替取引によって差損が生まれたとき、このときに現物は手放さない、持っている。そうすると、これは言うなればその差損が現物の差益によって相殺されないわけです。保有してしまっているわけですから、もしそういう取引を行えば、結局この為替差損だけが残ることになるわけです。
 満期保有を原則にしているわけですね。だから、この上で短期の為替取引を行えば、必然的にこの短期取引というのは差益をねらった投機的取引にならざるを得ないというふうに考えるのです。そのことが、先ほどの答弁にあった三千万ドルの九六年度の取引、一日ですぐに売ってその差益を得る、まさにヘッジではなくて投機だ。
 今回の法改正は、ビッグバンに対応してこうした外国為替取引を証券会社を通さずに郵貯、簡保本体が直接やろうというものでありますが、これは国民のいわゆる貯金、簡保資金を使うわけですから、恐らく投機的な取引に機動的に活用しようなどということをねらっているのではないかと言われても、この実績から見ると、言いわけの言いようがないではないですか。
 つまり、私が言いたいのは、先物外国為替取引に簡保やあるいは郵貯を投入するというのは、まさに今局長が挙げられた一つの例でもわかるように、投機的取引だ、やめるべきではないか。いかがですか。
#175
○金澤政府委員 外国債運用におきましては、為替レートが一定であれば、満期まで、バイ・アンド・ホールドということで、長期間保有することにより高い利子収入を得ることが可能でございますけれども、為替の変動によりまして、受取金利が低下したり、償還時の元本割れの可能性があるということでございます。このような為替リスクを回避する手段として、先物外国為替等を的確に活用するということが簡保本来の確実、有利な運用のために非常に重要だというふうに考えております。
 私どもがなぜこのような為替ヘッジをかけるか、先物外国為替を行うかということでございますが、これは大きな為替変動が予測される場合に、先物外国為替により一定期間、市場では大体三カ月から六カ月というのが非常に多いわけですが、これを対象にヘッジを行うことによりまして、円高が進行した場合には、先物外国為替の為替益を確保し、保有債券を売却して、その売却損を為替益によりカバーするということでございまして、これにより為替の動向に適切に対応した外国債投資が可能となるというふうに判断しているわけでございます。
 たまたま円高が円安に振れたというふうな場合に、これと逆のような事例が生じるわけでございますけれども、保有債券を売却することは、その場合には損になりますので、先物外国為替だけを処分いたしまして保有債券をそのまま保有するということは当然ございます。
 いずれにいたしましても、基本はヘッジを目的として私どもは行っているということでございます。
#176
○安岡政府委員 今私どもの方も、基本的には、外国債についても長期保有ということが基本でございます。その中で、この市場の中で、一部を売却するというケースのときに、為替の動向をにらんだ中でヘッジをかけるケースがある、こういうことでございます。
#177
○矢島委員 外債の方は長期保有であるし、先物の方は三カ月が基本というのですから、ヘッジをかけざるを得ないときには三カ月、三カ月、三カ月と継続してヘッジをかけ続けなければならないということになろうかと思うのです。
 そこで、時間の関係がありますので、この外債の差益損が生ずるような事態、つまり円高に動いた場合の手当てとして先物外国為替を導入していく、これはこれを導入するときの言い方であるし、今も答弁はそういうことであったわけです。そこで、私、外債の方の問題で為替差損のことをこの委員会で以前、中身はどうなっているかということを聞きましたが、いずれも評価損の段階だったから確定的なものは言えないと、それはそのとおりなんです。
 そこで、「簡易保険97」、先ほど私がちょっと御紹介したこれですが、このディスクロージャー誌を見ますと、資産運用明細表というのがありますが、九四年、九五年、九六年度に七百八十八億円、六百七十五億円、七百二十八億円の有価証券償還損があり、さらに売却損としてそれぞれ年度別に二百十三億円、千七百二十億円、千七十三億円、これは売却損ですね。いずれも有価証券の償還益やあるいは外国債の売却益をはるかに上回る額になっている。
 つまり、これで私、以前わからなかった部分がはっきりしてきたわけですが、これまでのこの評価損が現実の損として確定してきたわけです。つまり、これは簡保資金の運用第一条の「確実」という面に抵触するのじゃないか。
 実は、この問題は、九五年三月十四日の参議院の方の逓信委員会で問題が出された。そのとき、谷局長だったと思いますが、こういう答弁をされている。「現実に含み損を生じておるわけでございます。この含み損は、現在は含みではありますけれどもいずれ現実の損になっていくというものでございます」、だから、「法律の文言上の確実であるかどうかは別として、確実な運用では結果としてなかったと言わざるを得ないと思います。」こういう答弁をされているのですね。
 大臣、この間の参議院の交通・情報通信委員会ですか、自主運用の基本としてこういうふうに言われているのですが、いろいろシステムが変わってもやはり安全、確実、有利という法律上のきちんとした縛りがあります、そして、ローリスク・ローリターン、こういう言葉も使われました。
 ローリスク・ローリターンということであれば、先物外国為替以前に、その前の問題として、そうしたリスクヘッジを必要とするような外国債の運用、これ自体考え直さなければならないのじゃないかと思うのですが、大臣のお考えを。
#178
○金澤政府委員 お示しのような九四年度以降の償還損、売却損、事実関係でございますのでお話し申し上げたいと思いますが……(矢島委員「同じ数字だったらいいですよ、時間がないんだから」と呼ぶ)はい。
 ドルが九四年四月の百十円台から九五年四月の八十円台まで、約一年間で三〇%近く急落いたしました。このために外国債に償還損が発生したとともに、損失を一定限度以上に拡大させないために、債券を売却いたしまして新たな資産運用に再投資したことによりまして、実現損が発生したということでございます。
 簡保の場合、御指摘のように、九四から九六年度の三年間で償還、売却損が約五千百八十八億円発生しております。しかしながら、この間の利子収入、つまり外国債の利子は七%程度ございまして、その利子収入が約六千九百四十三億円発生しております。それで、償還、売却益も約四十九億円発生しておりまして、外債運用全体として収益千八百四億円が上がっているということでございます。しかも、平成八年度末現在で評価益も二千五十億円上がっておりまして、合計三千八百五十四億円の利益が出ているということでございます。
 もちろん、外国債につきましては為替の変動等に伴うさまざまなリスクがあるということは私ども承知しておりますので、先生御指摘のようなより慎重な運用が必要かというふうに思っております。
#179
○矢島委員 いろいろな、ほかのもひっくるめて今局長が答弁されましたが、外国債について、このディスクロージャー誌に書かれていることは私が先ほど申し上げた数字で、実際にその額は償還益やあるいは売買益よりも上回るという、全体を通してどうかというより、その外国債のところだけを私は問題にしたわけです。
 いずれにしろ、運用するに当たっては確実ということが重要だということをさらに指摘をしておきまして、時間がありませんので、次の問題に移りたいと思います。
 次に、実は今度の法案の中で、例えば貯金証書に写真を複写するなどサービスがいろいろ追加されました。私は結構なことだと思います。
 しかし、郵便局の窓口で提供されるサービスが多様化していきますと、どうしてもその窓口職員に負担がかかってくるわけですね。いろいろな商品が出てきます。多様なサービス、こういうものをスムーズに行うためには、やはり職員の労働環境を向上させていくことが強く求められているわけです。
 私は、九六年六月五日の逓信委員会で窓口の現金過不足事故の問題でお尋ねしたわけです。それで、実はそのときの過不足の問題で、少なかった場合に職員自身が自腹を切って弁済するところの任意弁償、それから正規に処理した状況、それからお客さんからもらったお金が多かった、いわゆる過剰金、こういうものもお聞きしながら、同時に、最近のそれらの件数やあるいは金額等を私は資料としていただきました。
 お話しいただいてもいいのですが、時間の関係でその資料から見ますと、任意弁償の件数が八九年以降大体四十万件を超えたまま推移している。それから、現金過剰金は八九年は大体五十万件を超えている。七十万件を超えた年もあります。これらの現金過不足事故というのは、足りなかった場合は職員が任意弁償という形で自腹を切る。それから、多かった場合にはお客さんの方が払い過ぎたという被害をこうむるわけであります。
 こうした現金過不足事故が、足し算しますと九〇年以降は大体年間百万件ぐらいになるのですね。平均して郵便局一局当たりにしますと、年間一つの郵便局で四十二回こういう事故が起きている計算になるわけです。
 私は、民間金融機関ではこんなことが起こっているのだろうか、どうなっているのだろうというので、実は窓口業務を行っている銀行員から話を聞いてきました。民間銀行では、窓口を閉めてから手元の現金と勘定が合わないということが月に何回かは起こることがあるけれども、必要な取引の記録がすべて残っていますから、どこでそういう事故が起きたかはその記録を見ればすべてわかるようになっているわけです。ですから、原因がわからなかった事故は一件もないということですね。
 これに対して、今私が申し上げましたように、一局当たり平均しますと年間四十二件、全体で百万件の事故がここ数年間ずっと続いているわけですね。これはやはり国が行っていく郵便事業の中で、郵貯の問題も含めていろいろな取引が、窓口でいろいろなサービスが行われるわけですけれども、やはり非常に信用問題になってくるだろうと思うのですよ。ぜひこういう問題についてはしっかりとやってもらいたいということ。
 もう一つは、これを労働者に、窓口の職員に弁償させるというやり方、ここがまた一つ問題があるのですね。銀行のことで聞いてみましたら、全部これは銀行が負担するわけですよ。これはもう随分前から、一九五九年度、この段階から銀行が負担するというふうに決めている。個人の負担ではないとしている。
 私自身、やはりこういう問題は、そこの窓口にいた職員が能力がないとかなんとかという問題じゃないのだ、窓口の業務環境、システム、ここに構造的問題があると思うのですよ。ここへきちんと手を入れて対策を立てるべきだと思うのです。
 以上のことで、二つほどまとめましたが、大臣の方から。
#180
○自見国務大臣 矢島委員にお答えをさせていただきます。
 郵政事業に対する国民あるいは利用者の皆様方の御信頼をいただくために、郵便、貯金、保険の各事業における各種のサービス、先生の御指摘のように、適正に提供するとともに、お客様の大切なお金でございますから、誤りなく取り扱うことが私は大変重要なことだというふうに認識を持っています。
 そのため、こうした窓口の取り扱いにおいては、現金過不足の発生の防止を図るため、現金過不足事故防止のためのマニュアルづくりやら、あるいはビデオを作成、配置をいたしまして、各種会議で活用するなど、従来から職員に対する指導を図ってきたところでございます。
 また、後半の質問でございますが、任意弁済の件でございます。郵便局で出納職員が欠損を生じた場合、会計法の規定によりまして、先生御存じのように、会計法の第四十一条でございますが、「善良な管理者の注意を怠ったときは、弁償の責を免れることができない。」こう書いてあるわけでございます。そういった会計法の規定があり、善良な管理者の注意を怠ったときは弁済の責は免れることができない、こういうふうになっておるわけでございます。
 このような職員の過誤によりまして生じた欠損金等を弁済によらず国費で補てんすることについては、郵便局を利用する国民の皆様方の理解を得ることができないものというふうに考えております。
 しかし、これはやはり非常に工夫の要るところだということはわかっておりますけれども、今の制度の中では非常に、いろいろ研修で、マニュアルをつくったり、ビデオを作成いたしまして、いろいろな各種の会議で徹底しておるわけでございます。
 そういったことでございますが、弁済につきましては、先生御存じのように会計法の規定もございますし^善良な管理者の注意を怠った場合は、その弁済は本人にしていただくというふうに今の仕組みはなっていますので、やはりそこは管理者の責任というものもあるわけでございますから、そこら辺が今の線かなというふうに思っております。
#181
○矢島委員 時間になりましたので、いろいろなマニュアルをつくったり何かと言いますが、マニュアルの数も物すごく少ないのですよ。郵便局の窓口全部に行き渡るような数をつくっていないのです、その中身も問題ですが。また、善管注意義務違反であれ、やはりいろいろな手だてをしているということは、どうも窓口の労働者だけの責任というふうに負わせるには問題がある、やはりいろいろな配置、設備、こういうものが必要になってくるのだということ、このことをお認めになったのだと思うのですよ。
 ぜひ、法律を変えなければならない部分もあろうかと思いますけれども、御研究いただきたい、このことを申し上げて、終わります。
#182
○坂上委員長 園田修光君。
#183
○園田(修)委員 自由民主党の園田修光です。
 先ほど来から委員の先生方から質問をされておられます。また、自主運用の面ではどの先生も大変御心配をされておられます。
 しかしながら、金融ビッグバンということで自主運用、やはりリスクを背負うという形で、まあ行革のときもそうでありましたけれども、郵便局あるいはまた郵便貯金に対して一般の金融機関からいろいろな御批判をいただいて、財投、郵政省の扱うお金はこれは必ず間違いないのだからということで国民が信頼をされている、そこに対して民間の金融機関から大変な批判をいただいたところであります。
 国民の大事な貯金でありますから、やはりしっかりと運用をしていただいて、しっかり利息をいただくというのが基本であろうかと思いますけれども、それにはやはり神様でない限り絶対間違いないということは言えない、そういうふうに私は考えておりますから、そうはいってもしっかりと運用していただくようにお願いいたします。
 最後になって、質問も、皆さんから言われていることをもう何回も尋ねるということもできないと思っておりますけれども、私は基本的なことをまた再認識をさせていただきたいという面から質問をさせていただきます。
 今回、郵便貯金のネットワークの充実ということで、今ICカードの実験とか、そしてまた先ほどから出ている民間金融機関とのATMの相互接続、それに海外の郵便局のCDネットワークとの相互接続、この三つが新しく、また今実験段階でやっておられるわけであります。そのこと一つ一つを、現状の取り組み、そしてまたATMの意義、そして海外郵便局CDネットワークの相互接続が認められたわけでありますけれども、その内容をお聞かせいただきたいと思います。
#184
○安岡政府委員 お答えを申し上げます。
 郵貯のネットワークサービスを充実させるという観点で、まず郵便貯金のICカードの実験でございますけれども、ICカード化につきましては、近年、国内外におけるさまざまな取り組みがなされまして、その流れは大変世界的潮流だということで、ICカードに移行するのは時代の趨勢だ、こういう認識でございます。
 郵貯としましても、こうした流れに的確に対応するということで、郵便貯金磁気ストライプカードを一。カードに移行するための実証実験を実施するものでございます。
 実験は、埼玉県の大宮市及びJR大宮駅周辺において、ICカード七万枚を発行いたしまして、スーパーやコンビニなどにおけるキャッシュレスショッピングや公衆電話などで電子財布としてICカードを利用するものでございまして、去る二月の九日から取り扱いを開始したところでございます。
 本実証実験は、国民利用者がICカードを安心して活用できるようにするためのものでございまして、その利用動向、技術条件等を把握する観点から実施するものでございまして、この実験の結果を踏まえて、今後いろいろ、実験対象を拡大するとか本格実施等について検討をしていきたいということでございます。
 それから、郵貯オンラインネットワークの関係でございまして、まさに国民共有の生活インフラという形で郵便貯金のオンラインシステムを民間の方にも開放するということでございます。
 このことは、郵便貯金の利用者が民間金融機関のATM、CDを使用するということだけではなくて、民間金融機関の利用者が離島とか山間辺地を含めた全国津々浦々に設置されております郵便局のATMを利用できるようになるものでございまして、郵便貯金の預金者、銀行の預金者ともども国民利用者の利便性を飛躍的に向上させるもの、こういうことでございます。
 それから、海外の郵便局のCDネットワークの相互接続関係でございますけれども、昨年末の予算折衝におきまして、海外のCDとの相互接続も所要経費が平成十年度予算に盛り込まれてございます。
 これは、郵便小切手業務に関する約定に基づきまして、現在、欧州五カ国において形成されております郵便局のCDネットワーク、これはポストネットというふうに言っておりますけれども、このCDネットワークに加盟をいたしまして、郵便振替の加入者が相互に加盟国の郵便局CD等により現地通貨で自己の口座から払い出しができるようにするものでございます。
 例えば、フランスへ郵貯のキャッシュカードを持っていけば、フランスの郵便局のCDでフランが引き出せるということでございますし、逆に、フランスから日本に来た郵便振替加入者は、自国のカードで日本の郵便局のATMから日本円を引き出せる、こういうことでございまして、このサービスは、平成十一年一月から実施できるように鋭意取り組んでいるということでございます。
#185
○園田(修)委員 今局長の方から答弁をいただきました。離島で、先ほどどの先生か質問がありましたけれども、まさしく、親元から東京の学校に出して、どうしてもお金を振り込む場合に、ATMというのは大変便利なことであります。他の民営の金融機関と接続をしてやっていただく、これはもうありがたいことでありますから、これからどしどしやっていただきたいと思います。
 新しいサービスができたわけでありますけれども、従来、私は、地方税とか公立学校の授業料などの公金の自動払い込みが郵便局で取り扱えない地域もたくさんあるのではなかろうか、私の地域もそういうところがありますけれども、地方公共団体における公金自動払い込み導入についての考えと、現状はどのような現状になっているのか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
#186
○安岡政府委員 地方公共団体関係の地方税、それから公営住宅の使用料だとか授業料もございますけれども、そういう料金につきまして、地方公共団体の公金の自動払い込みにつきまして、それを身近な郵便局でも取り扱ってほしいというのは、地域住民からも大変強い要望があるわけでございます。
 私どもとしても、もともと、郵貯は、国民の皆さんにあまねく利用していただきたいという立場でございまして、この公金の自動払い込みの利用につきまして、各地方公共団体といろいろ折衝を強化しているという結果、今の実情を申し上げますと、平成十年の三月末でございますが、三千三百二の地方公共団体のうちの二千五百十団体、導入率でいいますと七六・〇%の団体に御利用いただいておるということで、地域住民の利便性の向上に役に立っているということでございます。
 ただ、それで十分かということからいいますと、まだまだ利用していない市町村も二四%あるということでございますし、同じ公共団体でも、税金はできているけれども授業料はまだできていないとか、そういうケースもございますので、私どものすべての住民サービスをしていくという見地からいえば、もっともっと、やはり公共団体に対する働きかけをこれからも強化していきたい、こういう気持ちでございます。
#187
○園田(修)委員 民間とは、新しくATMなんかで接続をやっているわけであります。しかしながら、公共団体と郵政省と文部省でありますとか県でありますとか、そういう公的な機関でまだ七六%というのは、私は一〇〇%になってしかるべきだと思っていますから、ぜひ、早くやっていただきたいと思っております。
 次に、もうどの先生からも質問が出ましたけれども、外為法の改正で、今回金融ビッグバンの中で、やはり国営事業としての郵便貯金の果たす役割というものをもう一回お聞かせいただきたいと思っております。
 それと同時に、金融ビッグバンで、やはり、今度は金融サービスの中で、今言われているのは、金融機関同士の金利、これは自由に設定できるということでありますけれども、今後は郵便貯金の金利決定については、自己の判断で、郵政省の判断でして、決定していくべきであると考えているかどうか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#188
○安岡政府委員 金融ビッグバンの中で郵便貯金の果たす役割という基本的なことでございますけれども、金融ビッグバンというのは、もうきょうもいろいろお話がございましたように、我が国の金融市場を活性化させるということでございまして、もって、金利あるいは商品面で利用者の利便を向上させることでございますので、積極的に推進させていくものということだと認識しています。
 ただ、その中で、そういう光の面はございますけれども、一面、影の面といいますか、金融サービスの地域間格差とか顧客間格差が拡大する可能性があるということでございます。
 大臣からも申し上げておりましたけれども、イギリスにおきましては、平成二年から七年の五年間の間だけなんですけれども、ロンドンの銀行支店数は二百七十一も減少しているということです。
 アメリカの方では、貧しい家庭が銀行口座を失っていくということですね。この主因というのは、一定の残高がないと手数料を取ります。日本ですと、貯金すると、お客さんにとっては、低利ですけれども利子がもらえる。それを支払わなければいかぬというようなこともございまして、現在、銀行口座を持っていない世帯が全体の四分の一以上になっているということもございます。
 そういう中で、郵便貯金は、もともと小口個人を念頭に、基礎的な金融サービスを全国あまねく公平に提供するという役割を果たしていますので、ビッグバンが進展する中でも役割は大きいものがあるというふうに認識しています。
 もう一方、郵貯がこういう役割を果たすわけですが、国民共有の財産である郵便局ネットワーク、つまり、本日おかけしておりますATMの提携なんかも大いに進めていきまして、国全体、国民全体の利便性をもっともっと向上させるということを基本に置いて対応していかなければいかぬ、こんなふうに考えています。
 それから、もう一つは、金利の関係でございます。
 現在、郵便貯金金利は貯金法第十二条に金利の決定原則が定められておりまして、一つは、市場金利を勘案すべきであるということでございます。それからもう一つは、預金者の利益を確保するとともに、民間金融機関の金利にも配意する、こういう原則のもとで郵政大臣が定めるという格好になっておるところでございます。
 これからビッグバンの進展を受ける中で、個人の金融市場も、これはかなり変化するのじゃないかなというふうに思いますが、金利の決定に当たっても、郵便貯金の基本精神を踏まえて、健全経営の範囲の中でございますが、預金者の利益の増進になるような金利の決め方をしていくというところが基本的な考えでございます。
#189
○園田(修)委員 ちょっと時間がなくなりましたけれども、一つだけ簡保のことについてお聞きをいたします。
 今郵貯の件については民間金融機関との連携が言われましたけれども、簡保については民間金融機関との連携による郵便局のネットワークの活用、どのような取り組みになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#190
○金澤政府委員 郵便局ネットワークの民間への開放でございますけれども、昨年六月の郵政審議会答申、郵便局ビジョン二〇一〇におきまして、「郵便学窓口を通じて民間金融商品を提供すること」というふうな提言がなされております。簡易保険におきましても、この「郵便学窓口を通じて民間金融商品を提供すること」という趣旨を生かしてどのようなことができるか、現在民間事業者等とも鋭意検討しているところでございます。
 また、簡易保険のサービスを民間のネットワークを通じて提供するという観点からは、平成十一年度から簡易保険の保険金、年金等を加入者の有します預金口座を通じて支払うことができるようにいたしました。
 今後とも国民の利便の向上を図るため、民間金融機関との連携による相互のネットワークの活用、これに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#191
○園田(修)委員 よくわかりました。しっかりやっていただきたいと思います。
 終わります。
#192
○坂上委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#193
○坂上委員長 郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会での協議によりまして、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。
 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案及び郵便振替法の一部を改正する法律案に対する討論の申し出はありませんので、これより各案について順次採決に入ります。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#194
○坂上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#195
○坂上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、郵便振替法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#196
○坂上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#197
○坂上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○坂上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#199
○坂上委員長 内閣提出、参議院送付、放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。自見郵政大臣。
    ―――――――――――――
 放送法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#200
○自見国務大臣 放送法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、デジタル方式の衛星放送に関する技術の進展と普及にかんがみ、日本放送協会について国内向けの放送番組を受託放送事業者に委託して放送させることができるようにするほか、衛星放送に係る受託放送役務の提供条件に関する郵政大臣への届け出について総括原価主義の撤廃等制度の合理化を図る等の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を申し上げます。
 その第一は、日本放送協会の業務についてであります。
 日本放送協会は、テレビジョン放送による委託放送業務であって受託国内放送をする無線局の免許を受けた者に委託して放送番組を放送させるものを行うこととするとともに、日本放送協会が当該委託放送業務を行おうとする場合は、郵政大臣の認定を要することとしております。
 第二は、受託放送役務の提供条件についてであります。
 受託放送役務の料金その他の提供条件が適合すべき総括原価主義等の基準を撤廃するとともに、受託放送役務の料金が不当な差別的取り扱いをするものであるため委託放送業務等の運営を阻害していると認めるときは、郵政大臣は、当該料金を変更すべきことを命ずることができることとしております。
 第三は、委託放送業務についての認定の特例についてであります。
 アナログ方式の衛星放送を行っている者が、その放送番組と同一の放送番組をデジタル方式の衛星放送の免許を受けた者に委託して同時に放送させる業務を行おうとする場合には、当該業務について郵政大臣の認定を要せず、届け出で足りることとすることとしております。
 その他規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。ただし、受託放送役務の提供条件に関する改正については、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#201
○坂上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#202
○坂上委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○坂上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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