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#1
第142回国会 運輸委員会 第2号
平成十年三月十日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 大野 功統君
   理事 衛藤 晟一君 理事 久野統一郎君
   理事 実川 幸夫君 理事 林  幹雄君
   理事 佐藤 敬夫君 理事 細川 律夫君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 江崎 鐵磨君
      江口 一雄君    木村 隆秀君
      橘 康太郎君    細田 博之君
      松本  純君    望月 義夫君
      森田  一君    米田 建三君
      渡辺 具能君    今田 保典君
      近藤 昭一君    田中  甲君
      長内 順一君    福留 泰蔵君
      久保 哲司君    寺前  巖君
      平賀 高成君    秋葉 忠利君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 藤井 孝男君
 出席政府委員
        運輸政務次官  江口 一雄君
        運輸大臣官房長 梅崎  壽君
        運輸省運輸政策
        局長      土井 勝二君
 委員外の出席者
        運輸委員会専門
        員       長尾 正和君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  川崎 二郎君     宮島 大典君
三月十日
 辞任         補欠選任
  菅  義偉君     松本  純君
  三塚  博君     大島 理森君
  赤松 広隆君     近藤 昭一君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  純君     菅  義偉君
  近藤 昭一君     赤松 広隆君
    ―――――――――――――
二月十日
 北陸新幹線の早期建設に関する陳情書(富山市
 新桜町七の三八富山市議会内鈴木秀一)(第四
 一号)
 北海道国際航空株式会社に関する陳情書(北海
 道伊達市鹿島町二〇の一伊達市議会内中里慶
 三)(第四二号)
 JR採用差別事件の解決に向けた交渉の指導に
 関する陳情書(北海道雨竜郡北竜町宇和一一の
 一北竜町議会内田中盛亮)(第四三号)
 九州における新幹線網の建設促進に関する陳情
 書(宮崎市橘通東二の一〇の一宮崎県議会内菊
 野高雄)(第九九号)
 日豊本線の高速化、複線化及び活性化の促進に
 関する陳情書(宮崎市橘通東二の一〇の一宮崎
 県議会内菊野高雄)(第一〇〇号)
 公共交通機関の維持確保に関する陳情書外四件
 (島根県簸川郡佐田町反辺一七四七の六佐田町
 議会内伊藤國昭外四名)(第一〇一号)
 国民生活に必要不可欠な公共交通機関の維持確
 保に関する陳情書外六件(長野県諏訪部下諏訪
 町四六一三の八下諏訪町議会内小林幸毅外六
 名)(第一〇二号)
 地方公共交通の維持確保に関する陳情書外七件
 (香川県綾歌郡飯山町川原一一一四の一飯山町
 議会内三谷清明外七名)(第一〇三号)
 過疎地におけるバス等の規制緩和に関する陳情
 書外二件(岡山県浅口郡寄島町二八〇一〇寄島
 町議会内小笠原謹哉外二名)(第一〇四号)
 離島空路整備法の制定に関する陳情書(宮崎市
 橘通東二の一〇の一宮崎県議会内菊野高雄)(
 第一〇五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運及び航空に関する件等(運輸行政の
 基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 この際、運輸大臣から、運輸行政の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。藤井運輸大臣。
#3
○藤井国務大臣 第百四十二回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し所信を述べ、委員各位の御理解と御支援を賜りたいと思います。
 昨今の我が国を取り巻く状況に目を向けてみますと、景気回復に向けた足取りは依然として重く、我が国経済社会は今非常に厳しい状況にあります。運輸分野もこの例外ではなく、大競争時代を生き抜くため、現在、官民ともに懸命の努力を行っている状況であり、運輸行政に課せられた使命はこれまでになく大きなものとなっております。
 折しも昨年末には、行政改革会議から国土交通省の設置を初めとする中央省庁再編案等が報告されたところであり、運輸省としては、二十一世紀にふさわしい総合的な交通行政の実現に向け、安全の確保を基本としつつ、陸海空にわたり整合性のとれた交通体系の形成と安定的で質の高い交通運輸サービスの提供を目指して邁進してまいる所存でございます。あわせて、行政をめぐる厳しい情勢を真摯に受けとめ、綱紀の厳正な保持を徹底することにより、運輸行政に対する信頼の確保に努めてまいります。
 このような認識のもと、各般にわたる以下の施策の実現に積極的に取り組んでまいります。
 まず第一に、国鉄長期債務問題についてでありますが、国鉄改革の総仕上げ及び財政構造改革の観点から、先送りの許されない最重要課題であります。
 国鉄長期債務の処理方策につきましては、昨年十二月十七日の財政構造改革会議において、「国鉄長期債務の処理のための具体的方策」が決定され、政府としては、これを受け、同月二十五日、同会議で決定された処理方策に基づき、平成十年度より国鉄長期債務の処理の実現を図るものとし、このための所要の法律案を本国会に提出する等必要な措置をとることを閣議決定したところであります。今後、本格的処理の実施に向け、引き続き懸命の努力を払ってまいります。
 第二に、行政改革、経済構造改革の要請や、国民のニーズの多様化等に対応して、みずからの行政や規制等のあり方について抜本的に見直してまいります。
 運輸省は、平成八年末、従来の運輸行政からの大転換を行い、需給調整規制を原則として目標期限を定めて廃止していく方針を決定したところであり、現在、需給調整規制廃止後の地域における生活路線の維持、安全の確保、消費者の保護等の諸課題に関する環境整備方策等について、運輸政策審議会において熱心な御審議をいただいているところであります。今後とも、経済社会の活性化、国民生活の質の向上等の視点に立ち、積極的に規制緩和に取り組んでまいる所存であります。
 経済構造改革を実現する上で特に重要な物流分
野につきましては、昨年四月に閣議決定された総合物流施策大綱に基づき、道路交通混雑の解消や環境負荷の低減等の諸課題を解決し、円滑な物流を確保するため、総合的な物流施策の推進に積極的に取り組んでまいります。具体的には、国際ハブ港湾・空港等の社会資本及び物流拠点の整備、規制緩和の推進、情報化、標準化、商慣行の是正等による物流システムの高度化の推進、モーダルシフトの推進といったハード、ソフト両面にわたる施策を推進してまいります。
 地方分権につきましても、従来より、関係地方公共団体との密接な連携のもと、地域の実情に対応した運輸行政を行ってきたところでありますが、今後とも地方分権推進委員会の勧告等を踏まえ適切に対処してまいります。
 第三に、厳しい財政的な制約の中で、投資の重点化、建設コストの縮減等に特に留意しつつ、陸海空の交通モードがそれぞれの特性を発揮しながら連携して、安全、円滑で効率的な交通運輸サービスを提供していくための社会資本整備に一層努めてまいります。
 整備新幹線につきましては、平成八年十二月の政府・与党合意に基づき、現在着工している三線四区間の着実な整備を進めるとともに、未着工区間については、昨年七月より政府・与党整備新幹線検討委員会において収支採算性の見通し等の基本条件の確認を行ってまいりましたが、本年一月に結論を得たところであり、今後は、この検討結果に基づき適切に対処してまいります。また、幹線鉄道の高速化等を推進してまいります。
 港湾につきましては、物流コストの削減、港湾の国際競争力の強化を図るため、中枢・中核国際港湾における国際海上コンテナターミナルの整備や港湾諸手続の情報化の推進を最重点課題として推進するとともに、廃棄物海面処分場の整備や災害に強い港湾システムの構築にも努めてまいります。
 海岸につきましては、質の高い海岸保全施設等の着実な整備を進めてまいります。
 空港につきましては、国際ハブ空港を初めとする大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として推進いたします。
 成田空港については、円卓会議の結論を踏まえて、平成八年十二月に、共生策、空港整備、地域整備を一体のものとして今後の空港つくりを実施するという基本的考え方を公表しており、この基本的考え方に基づき、共生施策のより一層の充実を図り、また、地権者の方々と引き続き誠心誠意話し合いを行い、平行滑走路の西暦二〇〇〇年度完成を目指して最大限の努力を重ねてまいります。
 また、中部国際空港については、平成十年度政府予算案に新規事業化のための予算を計上するとともに、関連法案についても本国会に提出させていただいているところであります。本空港の整備については、昨年十一月の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」におきましても、民間活力を活用した社会資本整備としてその推進を図ることがうたわれており、今後、円滑な事業の推進がなされるよう、地元関係者の方々との連携を図りながら、早期開港を目指して最大限の努力を行ってまいります。
 さらに、関西国際空港については、平成八年度より二期事業に着工しておりますが、平成十年度においては、これまで進めてきた実施設計調査の取りまとめを行うとともに、護岸、埋立工事等に着手する現地着工のための準備を進め、西暦二〇〇七年の平行滑走路供用を目指して整備を推進してまいります。
 第四に、ゆとりと優しさを実感できる社会に向けての諸施策を推進してまいります。
 まず、高齢化の急速な進展や障害者の自立と社会参加の要請等に適切に対応するため、高齢者や障害者の方々が安全かつ円滑に利用できる公共交通機関の整備を強力に推進してまいります。
 都市における交通の円滑化を図り、安全かつ快適で使いやすい交通体系を構築するため、鉄道、バス等公共交通機関の整備充実を図るとともに、公共交通機関の利用促進、自家用車の使用の合理化等を推進する施策の一層の充実を図るほか、オフピーク通勤、中心市街地の活性化のための施策等の推進を積極的に図ってまいります。
 また、地域住民の日常生活を支える地域交通については、所要の助成措置を講ずることにより、その安全確保、維持整備に努めてまいります。
 さらに、ゆとりある生活や地域の活性化にとって観光の果たす役割が重要であることから、観光地づくり推進モデル事業の積極的推進、旅の総合見本市である旅フェア98の開催や、観光基盤施設の整備等に取り組むほか、一部祝日の月曜日指定により連休の創出を目指すいわゆる祝日三連休化運動を支援してまいります。また、我が国に対する理解の増進と地域の活性化を図るため、国際的に低水準にある訪日外国人観光客の増加を図るとともに一多様な地域への来訪を促進するための施策を推進してまいります。
 環境問題への対応方策としては、まず、地球温暖化問題について、昨年十二月に京都で開催された気候変動枠組条約第三回締約国会議において、西暦二〇〇〇年以降の二酸化炭素等温室効果ガスの排出削減目標等が決定されたところであり、我が国全体の二酸化炭素排出量の約二割を占める運輸部門においても、自動車の燃費向上、低公害車の開発、普及促進、物流効率化及び公共交通機関の利用促進等を今後強力に推進してまいります。また、窒素酸化物等による大気汚染や騒音等の問題につきましても、その解決に向け引き続き尽力してまいります。
 第五に、経済社会の国際的相互依存関係の高まりに伴う国際運輸サービスに関する調整や協力体制の確立に取り組んでまいります。
 特に、アジア諸国との間において、APEC等の場における多国間政策対話を推進してまいるほか、主要各国との二国間での運輸ハイレベル協議についても、対象国の拡大を図り、的確な国際運輸行政の推進に努めてまいります。
 国際協力につきましては、開発途上国の実情を十分に把握しつつ、鉄道、港湾、空港等の運輸関係社会資本整備、人材養成や環境保全に関する協力を引き続き推進してまいります。
 個別の課題としては、自動車マーケットのグローバル化等を踏まえ、自動車の型式指定制度の合理化を図るほか、外航海運分野においては、引き続き公正かつ公平な海運秩序の形成を目指すとともに,国際船舶制度を初めとする国際競争力強化のための諸施策の実施に取り組んでまいります。
 さらに、航空分野においては、利用者利便のさらなる向上のための路線網の充実に努めてまいります。
 特に、日米航空協定の見直しについては、一月三十一日に大筋合意に達し、一九五二年に同協定が締結されて以来、四十六年ぶりに平等化が達成され、日米双方の権益が大きく拡大しました。今後、この合意の枠組みのもとで、日米関係がますます発展していくことを期待するとともに、双方の航空企業が積極的に活動を展開し、利用者の利便が飛躍的に向上することを念願するものであります。
 また、航空機の耐空証明及び船舶職員の資格についても、国際的な制度との調整を積極的に図ってまいります。
 第六に、次世代に向けた技術開発の推進に一層取り組んでまいります。
 まず、運輸分野における技術の創出、高度化を図るため、公募方式による基礎的研究推進制度を充実するほか、実証実験の結果等を踏まえ、引き続きメガフロート、超電導リニアモーターカー等の研究開発を促進し、また、先進安全自動車の開発等の高度道路交通システムを推進してまいります。
 このほか、増大する航空需要に対応するための次世代の航空保安システムの整備や気象監視、予報体制の強化等に資する運輸多目的衛星についても、平成十一年度の打ち上げを目指し着々と準備を進めてまいります。
 第七に、運輸行政の基本である安全確保のための体制強化に取り組むとともに、事故の再発防止のために万全の措置を講じてまいります。
 交通安全対策につきましては、引き続き交通安全施設の整備、輸送機器の安全性の確保、適切な運行の確保、被害者救済対策の充実等に努めてまいります。
 また、昨年は、我が国周辺海域においてナホトカ号、ダイヤモンドグレース号などの大型タンカーによる大規模な油流出事故等が相次いで発生しました。今後は、この経験を踏まえ、即応体制、情報収集体制等の確立とともに、大型しゅんせつ兼油回収船の建造等による油防除体制の充実等に尽力してまいります。
 また、アジア・太平洋地域の諸国と協力しつつ、外国船舶への立入検査の強化、ダブルハルタンカーへの代替促進等を通じ、事故の再発防止対策についても積極的に推進してまいります。
 海上保安業務につきましては、国連海洋法条約締結に伴う新たな海洋秩序の形成と我が国領海をめぐる昨今の諸情勢に的確に対応しつつ、巡視船艇、航空機の増強等を推進し、我が国の権益の確保と警備救難体制の強化を図ってまいります。また、海の安全を守るべく、航行安全対策の推進、航路標識の整備、水路業務の充実強化等に努めてまいります。
 気象業務につきましては、引き続き、台風、集中豪雨等の気象現象の的確な把握・予測、地震・津波・火山に関する情報の迅速かつ的確な発表、気候予報等の気候変動対策や温室効果ガスの観測、監視等の地球環境対策への取り組みの強化など、その充実に積極的に取り組んでまいります。
 以上、運輸行政をめぐる課題は山積しておりますが、私といたしましては、長期的展望に立ち、また、国民の行政に対する信頼を確保しつつ、機を失することなく果敢に諸課題の解決に取り組んでまいる所存でございます。これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解と御協力を必要とする問題ばかりであります。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
#4
○大野委員長 次に、平成十年度運輸省予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。江口運輸政務次官。
#5
○江口政府委員 運輸省所管の平成十年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でございますが、歳出予算額として九千百五十八億九千九百万円を計上しております。
 次に、特別会計予算でございますが、自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては六千四百六十九億七千六百万円、自動車検査登録特別会計につきましては四百九十四億四千四百万円、港湾整備特別会計につきましては四千五百八十億五千三百万円、空港整備特別会計につきましては四千七百二十七億八千万円をそれぞれ歳出予算額として計上しております。
 また、財政投融資計画中には、当省関係の公団等分として二千八百四十九億円が予定されております。
 以下、主要な事項につきまして御説明申し上げます。
 まず、鉄道の整備につきまして申し上げます。
 整備新幹線の建設につきましては、既着工区間の着実な整備を進めるとともに、未着工区間については、政府・与党整備新幹線検討委員会の検討結果を踏まえ、その整備を図ることとしております。
 地下高速鉄道、ニュータウン鉄道等の都市鉄道の整備、幹線鉄道の高速化及び貨物鉄道の整備等につきましては、必要な助成を行い、整備を推進してまいります。
 国鉄長期債務等の問題につきましては、昨年十二月十七日の財政構造改革会議の決定に基づき、国鉄改革の総仕上げの観点及び財政構造改革の観点から避けて通れない課題である国鉄長期債務の本格的処理を平成十年度より実施することとし、所要の措置を講じてまいります。
 次に、港湾及び海岸の整備につきまして申し上げます。
 港湾整備事業につきましては、物流の効率化、国民生活の質の向上に資するために、中枢国際港湾の国際海上コンテナターミナルの整備及び港湾諸手続に係る情報システムの導入、地方圏の物流コスト削減のためのコンテナターミナルの拠点的整備、廃棄物海面処分場の整備を最重点施策として推進することとしております。
 海岸事業につきましては、二十一世紀初頭における安全で豊かな海岸の整備を進めるため、防災機能の高度化等による質の高い海岸保全施設の整備や生活環境の改善に資する海岸の整備を進めることとしております。
 次に、空港の整備につきまして申し上げます。
 航空ネットワーク形成の拠点となる大都市圏拠点空港及びこれに準ずる機能を有する拠点空港の整備を最優先課題として重点化し、特に、増大する航空需要に適切に対応するため、関西国際空港二期事業を推進するとともに、中部国際空港の整備に着手することとしております。
 また、地方空港については、滑走路延長等の継続事業を中心とした整備を推進するとともに、あわせて、空港周辺環境対策及び航空路施設の整備を推進することとしております。
 次に、地域における公共交通の維持整備につきまして申し上げます。
 地域住民の生活に不可欠な地方バスの運行の確保及び自動車事故の防止と都市交通の円滑化対策の総合的、一体的推進を図るとともに、中小民鉄の近代化等を図るため、所要の補助を行うこととしております。
 また、離島住民の生活に不可欠な離島航路の整備、近代化を図るため、事業の欠損及び船舶建造費用につきまして補助することとしております。
 次に、海運、造船及び船員雇用対策につきまして申し上げます。
 海運対策につきましては、外航海運の国際競争力の強化等に向けて、国際船舶制度の拡充、日本開発銀行からの融資等の諸施策を推進することとしております。また、運輸施設整備事業団により、離島航路を含む国内船舶の共有建造等を行うこととしております。
 造船対策につきましては、メガフロートの総合的信頼性評価に関する調査研究等を推進するとともに、船舶輸出を行うために必要な日本輸出入銀行からの融資、造船・舶用工業の産業基盤の整備、公平な競争条件の確保に関する造船協定の円滑な履行等を図ることとしております。また、中小造船業につきましては、構造対策の推進のために必要な日本開発銀行からの融資を行うこととしております。
 さらに、船員雇用対策につきましては、本四架橋開設に伴う船員離職者等に対する職業転換給付金の支給や技能訓練事業の実施等の施策を推進することとしております。
 次に、タンカー事故対策、人と環境に優しい交通の実現、観光の振興等につきまして申し上げます。
 昨年のタンカー事故の経験にかんがみまして、海上保安庁等における油防除資機材の整備、港湾局における大型のしゅんせつ兼油回収船の代替建造等油防除体制を強化するとともに、船舶交通がふくそうする海域での航路標識の整備、ポートステートコントロールにおける老朽船対策等を図ることとしております。また、荒天下において高粘度の流出油を回収できる荒天対応型大型油回収装置等の研究開発を実施することとしております。
 次に、人と環境に優しい交通の実現でありますが、鉄道駅における障害者対応型のエレベーター等の整備、ノンステップバス等の普及を促進するため所要の補助を行うとともに、地球温暖化問題等に対応するため、環境に優しい自動車の開発普及の促進、気候情報提供システムの整備等を推進することとしております。
 また、観光交流の拡大及び観光の振興を図るため、国際観光振興会による効果的な誘客、宣伝活動等の実施、観光基盤施設の整備等を推進するこ
ととしております。
 さらに、国際協力につきましては、開発途上国における交通基盤の整備、人材養成、環境保全、輸送安全への協力等の事業を推進するとともに、貨物流通対策として、日本開発銀行等からの所要の融資等を行うこととしております。
 次に、運輸関係の技術開発の推進につきまして申し上げます。
 二十一世紀に向けてより高度な運輸サービスを提供するため、超電導リニアモーターカー、次世代の舶用エンジン等の技術開発を推進するとともに、基礎的研究に係る研究資金を拡充するほか、研究開発に係る評価制度を整備することとしております。
 次に、海上保安体制の充実強化につきまして申し上げます。
 国連海洋法条約締結に伴う新たな海洋秩序の形成への対応、尖閣諸島周辺海域等における我が国の権益の確保等を図るため、巡視船艇、航空機の整備、海洋調査の充実強化等を推進することとしております。
 また、航路標識の整備を推進することとしております。
 次に、気象業務体制の充実強化につきまして申し上げます。
 台風、集中豪雨等の観測予報体制を強化するため、静止気象衛星及び観測予報施設の整備を推進するとともに、地震・火山対策として、津波予報の高度化及び監視体制の強化を図ることとしております。
 以上申し述べましたほかにも、運輸行政の要請である交通安全対策を初め、各般にわたる施策を推進するため必要な予算を計上しております。
 以上をもちまして、運輸省所管の平成十年度予算につきましての説明を終わります。(拍手)
#6
○大野委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、明十一日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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