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#1
第142回国会 運輸委員会 第7号
平成十年四月二十八日(火曜日)
    午前九時三十二分開議
出席委員
  委員長 大野 功統君
   理事 衛藤 晟一君 理事 久野統一郎君
   理事 実川 幸夫君 理事 林  幹雄君
   理事 佐藤 敬夫君 理事 細川 律夫君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 江崎 鐵磨君
      小野 晋也君    木村 隆秀君
      下村 博文君    菅  義偉君
      橘 康太郎君    細田 博之君
      宮島 大典君    望月 義夫君
      森田  一君    米田 建三君
      渡辺 具能君    赤松 広隆君
      石井  一君    今田 保典君
      田中  甲君    長内 順一君
      福留 泰蔵君    久保 哲司君
      達増 拓也君    平賀 高成君
      矢島 恒夫君    秋葉 忠利君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 藤井 孝男君
 出席政府委員
        運輸省運輸政策
        局長      土井 勝二君
        運輸省航空局長 楠木 行雄君
 委員外の出席者
        外務省経済局国
        際経済第二課長 篠塚  隆君
        運輸省航空事故
        調査委員会事務
        局長      下出 敏幸君
        労働省労働基準
        局監督課長   青木  豊君
        運輸委員会専門
        員       長尾 正和君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
 辞任         補欠選任
  大島 理森君     下村 博文君
  久保 哲司君     達増 拓也君
  寺前  巖君     矢島 恒夫君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     大島 理森君
  達増 拓也君     久保 哲司君
  矢島 恒夫君     寺前  巖君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
 六号)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
#3
○細川(律)委員 おはようございます。民主党の細川律夫でございます。
 私は、本日議題になっております航空法の一部を改正する法律案について質問をしてまいりたいと思います。
 今回の航空法の改正の目的は、既に発効いたしておりますシカゴ条約の改正追加議定書の趣旨を踏まえまして、この議定書を批准することにあるというふうに理解をいたしておるところでございます。航空の分野におきましては、安全運航が最も重要であるということは言うまでもないわけでありますが、今回のこの改正が安全性の切り下げをもたらすというようなことがあってはならない、まず最初に、そういうことがないようにお願いをしたいというふうに思っております。
 まず、お聞きをいたしたいと思いますのは、今度の改正が我が国の航空企業へどういう影響を与えるかということでございます。今後我が国でも、この改正議定書に基づきまして他国と二国間協定を締結する可能性の道を開くことになるわけでございます。そういう点を含めまして、我が国の航空企業へどういう影響があるのか、この点についてまずお尋ねをいたします。
#4
○楠木政府委員 お答えいたします。
 先生今御指摘がございましたように、今回の航空法の一部改正につきましては、国際民間航空条約に基づきます航空安全に関する国際的な枠組みが、現在航空機が登録国を中心に運航されていたということから少し変えまして、航空機の耐空証明を行うこと等の航空機の運航の安全確保に関する責務は、最近リースが非常に行われるようになりまして、そういうことに対して、登録国以外の国で運航されるケースが出てきたことを踏まえて、運航国でもそういうことができるようにしようということになってきたわけでございます。
 そして、民間航空条約の八十三条の二の二国間協定に基づきまして、航空機の運航国たる外国が行う耐空証明等を受けた航空機について我が国の空港への乗り入れを受け入れる、そういうことを認めるのでございます。そうなりますと、では日本の航空企業にどのような影響があるかということになりますと、直接、直ちに影響というのはないわけでございます。
 それで、今後、我が国の航空会社が今度は外国籍の航空機をリースをいたしまして国際運航を行う場合になりますと、航空機の登録国との間で日本が二国間協定の締結を行いまして、それに伴います所要の法的措置を講ずることになるわけでございますが、今回の航空法の改正及び改正議定書の批准というものは、そういったことができ得るグループの中に入っていく、そして、それらの措置を円滑、容易にするということになるわけでございます。
#5
○細川(律)委員 次に、この法案の内容で質問をいたしたいと思います。
 この航空法の一部を改正する条文というのは百三十一条でございますが、その百三十一条に規定をしております「証明書等の承認」というところには、いろいろこれまで御説明を聞いておりましたら、航空機の耐空性の証明ということがよく説明で出てきたわけなんでありますけれども、しかし、この百三十一条は、単に耐空性の証明だけではなくて、航空機の騒音及び発動機の排出物並びに航空機乗務員の資格についての改正、こういうことでございます。
 そうしますと、騒音や発動機の排出物についても運航国の証明をもって乗り入れを認めるということになりますと、環境に対する規制というものが現在より低下をするんではないかというおそれがあろうかと思います。日本は国土が大変狭い、そして、空港が都市の周辺にあるというようなところでありますから、この騒音や排出物による大気汚染の防止というものは大変重要な問題でございます。
 したがって、これらの点、懸念される点についてはどういうふうにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#6
○楠木政府委員 現在、私どもの国際民間航空条約の締約国におきましては、騒音規制とか発動機の排出物規制に関しましては、この条約の附属書の第十六というのがございまして、そこに定められる規定に従うことが求められているわけでございます。したがって、私どもの空港に国際線とし
て入ってくるものにつきましては、こういったものが国際標準として守られているという前提がございます。
 確かに、先生おっしゃいますように、騒音とか発動機の排出物規制につきまして国ごとに若干細かい差があることは事実でございますけれども、こういった国際標準がきちっと守られているということにつきましては、運航国または登録国を問わず、そういった点の証明が条約の附属書に従いまして実施されるということでございますので、そういうふうに実施される場合には、我が国としてもその証明を受け入れることに支障はないというふうに考えております。
#7
○細川(律)委員 今まで私は、この法案、二点御質問をさせていただきました。一つは、この改正そのものが日本の航空企業に対してどういう影響を与えるのか。そして二番目には、環境に対して悪い影響などが出るのではないかというようなことも懸念としてお尋ねをいたしました。しかし、運輸省の答弁をお聞きをいたしますと、この航空法の改正及び議定書の批准に関しては、現在の航空行政あるいは将来、そんなに特段問題はないというような認識であるようでございます。
 それならば、私は次のようにお聞きをしたいというふうに思います。では、なぜ日本はこの条約について批准が主要先進諸国に比べて大変遅いのかということについて尋ねたいと思います。
 この改正議定書は、九十八カ国の批准によって発効することになっているわけでございます。昨年の六月二十日にモルドバ共和国が九十八番目に批准をいたしまして、この条約が発効いたしました。日本はまだ批准をいたしておりません。今国会で批准になるというふうに聞いております。日本がこの改正に賛成ならば、なぜもっと早く批准をしないのか。九十八カ国が批准をしてこの条約が発効して、その後に日本が条約について批准をするのではなくて、その前にむしろ批准をしてその発効を早くするようにするのが日本の立場ではないかというふうに私は思います。
 ちなみに、サミット構成国の、日本のほかの六カ国についてどういうときに批准をしているかと申し上げますと、イギリスはこの議定書の採択の翌年の一九八一年、米国とフランスは一九八二年、ドイツは八三年、カナダとイタリアは八五年に既に批准をいたしております。この一番最後のイタリアの批准から数えましても、既に十二年半経過をいたしております。これで日本は航空先進国と言えるのか、甚だ疑問であります。
 それで、私がお聞きをしたいのは、なぜこのように日本の批准がおくれたのか、こういうことで国際的な責務を日本が果たし得ると考えているのか、この点についてお伺いをいたします。
    〔委員長退席、久野委員長代理着席〕
#8
○篠塚説明員 お答え申し上げます。
 我が国は、この議定書につき、その採択を支持する等積極的な態度をとりましたが、我が国において航空機の国際的リースの実例が少なかったこともあり、批准状況の推移を見きわめていたところでございます。
 先生御指摘のとおり、昨年の六月に発効要件である九十八の締約国の批准によってこの議定書がようやく発効いたしましたこと、また、我が国の経済活動に照らし我が国における航空機リースの潜在的需要が実際にも増大しておりますことから、政府といたしましても、今次国会にこの議定書の締結につき承認を求めることといたしたものでございます。
#9
○細川(律)委員 もう一度、よくわかりませんでしたからお聞きをいたしますけれども、ほかの先進国は、もう十二年あるいは十四、五年前に批准をしている。日本も航空に関しては先進国だろうというふうに思いますけれども、一体そういう大変重要な条約について、議定書についてなぜおくれたのか、よくわからないのですが、もう一回はっきり、ゆっくり言ってください。
    〔久野委員長代理退席、委員長着席〕
#10
○篠塚説明員 先生から御指摘のございましたとおり、ほかのサミット参加国はいずれも八〇年代末までに本件議定書の締結を了しております。
 他方、我が国につきましては、先ほど申し上げましたとおり、航空機の国際的リースの実績が少なかったこともあり……(細川(律)委員「国際的に何ですか」と呼ぶ)国際的リースの状況が少なかったということでございます。そういうこともございまして、批准状況の推移を見きわめていたところでございますが、昨年六月の発効を受け、また我が国の航空事業の実態を踏まえ、今次国会で承認を求めることとしたものでございます。
#11
○細川(律)委員 この条約については、他の国の二国間でリースをしているような、その運航国の証明について、その国から日本に飛行機が飛来してきたときにその証明で、運航国の証明でいいというものでありますから、日本がリースをほかの国とたくさんしているかどうかということと、私は必ずしも関係ないのではないかというふうに思います。
 他の国でそういうリースの状況がたくさん進んでいれば、これは日本としても積極的にこの条約を早く批准をするのは、航空先進国の日本として当然ではないか。運輸の行政の立場からそう思うのですけれども、もう一度、ちょっとその点を答えてください。
 日本でリースをやっていなくてもいいのではないですか。外国でリースがたくさん行われているならば、それについての条約になってくるわけですから、これをおくれた理由にする必要はない。むしろ、日本も積極的にこれはやるべきではなかったかと思うのです。
#12
○篠塚説明員 それではお答えいたします。
 これまでは、改正議定書が未発効であるために、この国際民間航空条約第八十三条の二の二国間協定の締結への動きがほかのICAO締約国間で全く見られないという実情がございました。
 こうしたことも踏まえ、改正議定書の発効状況の推移のみならず、ほかのICAO締約国におけるこの条約の二国間協定の締結の動向をも見きわめていたところでございます。
#13
○細川(律)委員 それは理由にならないのではないか。むしろ、この条約を発効させるために早く日本もこの条約を批准すべきだったのではないか。余りにも遅過ぎる。条約が発効してからもうせっぱ詰まって日本がそれに対応するような形で批准をして、関係法案を今改正しているということでありますから、私はこの際、外務省に申し上げたいことは、もっと早くこういうことについては条約を批准してほしい。
 先ほど運輸省の方に聞きましたならば、この議定書の批准、これらについても問題はないわけでありますから、もっともっと国際社会においてきちんと外務省としてもほかの国からよく評価をされるようにぜひ今後は対応してほしい、こういうことを強く要望いたしておきたいというふうに思います。
 それでは次に、航空法に関連をいたしまして、昨今の航空行政について二、三お伺いをしておきたいと思います。
 中華航空機の事故についての事故調査委員会からの勧告についてお伺いをいたします。
 一九九四年の四月二十六日、中華航空機が名古屋空港で墜落をした事故につきまして、事故調査委員会が九六年の七月十九日に事故調査報告書を出した件でありますけれども、これは私はたびたびこの委員会で質問をしてまいりました。
 そして、この四月二十一日、台湾当局より安全勧告に対する回答が届いたというように聞いております。私自身はちょっと遅かったようにも思うわけでありますけれども、この回答が来たというところで一安心もしているところでございます。
 そこで、お伺いをいたしますが、この台湾当局から届きましたこの勧告に対する回答の内容、そして、航空事故調査委員会としてはこの回答に対してどういう評価をされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#14
○下出説明員 四月二十一日に私どもが台湾当局から受け取った安全勧告に対する回答の概要とい
いますか、そういうものは次のようであります。日本側の安全勧告の項目からいいますと、まず第一番目が乗員の教育訓練体制の充実強化ということを言っております。これに対して、回答の要旨といたしましては、エアバスの自動操縦システムの知識、情報の周知、教育、それから自動操縦システムに疑問が生じた場合、手動で操縦する、それから手動で自動操縦が解除できるように全機改修し、シミュレーターで各操作手順について訓練する、それから着陸時に誤ってゴーレバーを入れて着陸のやり直しのモードになった場合、そのまま着陸をやり直すというような回答になっております。
 それから二番目として、機長と副操縦士の最適な業務分担の確立、これに対しまして、機長と副操縦士の業務分担、運航中実際に操縦している操縦士とそうでない操縦士の職責区分を明確にして、操縦室内での相互協力訓練の方式を確立したということであります。
 それから三番目の柱として、用語、呼称の標準化がございますが、これにつきましては、マニュアルを改訂してシミュレーターで訓練することとしたということでございます。
 それから四番目の飛行の標準化ということでございますが、これにつきましては、異常、緊急手順のみならず、正常下における状況での着陸やり直しの訓練も新たに加えることとしたということでございます。
 私どもとしては、回答につきましては全体としてほぼ安全確保の趣旨に沿った内容であるということで、評価できるものというふうに考えております。
#15
○細川(律)委員 今説明のありました回答の最後のところ、結語というところに次のように書かれてあります。名古屋での事故、この事故は単純に操縦士の過失により起きたものではなく、人間とコンピューター、設計、耐空性管理等諸問題が含まれると認識している、このように書かれてあります。
 このことは、操縦士の単なる過失だけではなくて、エアバスの設計等に問題もあるということで、フランスに対する安全勧告を日本がしておりますけれども、その取り扱い方についてもこの回答は大変大きな関心を持っているというふうに思うわけでございます。
 前回も私はこの委員会で、フランス当局から回答が来ていない、これに対してはきちんと回答を求めなければ国の権威にもかかわるということを申し上げたのでありますけれども、それに対しては、強く回答を求めていきたいというようなお話がありましたが、フランス当局からはまだ何も来ていないということです。これに対して、一体どうなっているのか、あるいは今後の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
#16
○下出説明員 フランス側の回答につきましては、この間の先生の御指摘それから運輸大臣からの指示もありまして、この三月の末に、三回目になりますけれども、フランスの航空事故調査委員会へ文書によりさらに強く回答を求めております。
 現在のところ、回答はまだありませんけれども、現在フランスの航空局の方でその内容について鋭意検討中というふうに聞いております。
#17
○細川(律)委員 エアバスの方についてのフランス当局からの回答がどういう回答が出てくるのか、これは航空機の安全性にとって大変大事なことでございますし、最近でも同じようなエアバスが台湾で事故を起こして、大変多くの方が亡くなっている。そういうことからしましても、ぜひ早く回答をしてもらうということが今後の航空の安全性について大変大事だろうというふうに思いますので、今後とも積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、空港の使用料についてお伺いをいたします。
 ことし、この四月から、空港の使用料につきましては、その引き下げが新聞等で何度も問題になっております。確かに、国際線の着陸料は平均七十五万円ということでありまして、海外の平均から比べますと約三倍、特に成田は一回九十五万円、関西空港は九十一万円でありまして、それに加えて、航空機燃料税も課していることでありまして、国際的にも大変評判がよくないこの空港使用料でございます。この四月十五日にも、我が国の航空会社の業界団体であります定期航空協会が、運輸大臣に対して要請書を提出したということでございます。
 今後、航空業界では大変な競争激化になるだろうと予想されます。競争力を強化いたしまして、路線網の充実を図る、そして運賃を下げて、国民にも航空を利用してもらう、そういう便宜のためにも、ぜひとも空港使用料というものは引き下げをしなければならない、その必要があるというふうに私は認識をいたしております。
 ただしかし、一方では、現在の空港整備特別会計を見ますと、十年度の歳入総額は四千七百二十八億円、このうち、二千三百七億円、約半分が空港使用料に頼っているという現実でもございます。したがって、空港使用料を引き下げるには、一般会計からの繰り入れをふやすか、あるいは空整特会の歳出を減らす、つまり、空港整備予算を削るかのどちらかにしなければいけない、そういう大変難しい問題がございます。
 そこでお伺いをしたいのは、この空港使用料の引き下げにつきまして、運輸大臣はどのようにお考えであるのか、もし引き下げの方向であるならば、財源はどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#18
○藤井国務大臣 お答えをいたします。
 今委員御指摘のとおり、これからの航空業界は大競争時代になる。そしてまた、運輸省といたしましても、需給調整への規制を廃止するという規制緩和の方向、他の運輸行政と同様にこの航空業界においても同じでございます。
 そういう中で、我が国の空港建設コストというのは大変、他の国の空港建設コストに比べますと、どうしてもコスト高になる。これは委員も御理解いただいているところであります。
 しかし一方では、この競争時代に勝ち抜くためには、もちろん航空企業御自身の経営努力、合理化等々、体力をつけていただくための御努力もお願いしなければいけない。同時に、やはり空港使用料あるいは航空機燃料税、この公租公課と申しましょうか、そういったことについて、私どもは、これを今までの観点と同じくして、今後もこれについての政策を継続していくという考え方は、なかなか厳しいものがあろうかと思います。
 したがって、慎重にではありますけれども、何とかこの使用料を引き下げることができないだろうか。あるいは、空整特会の財源というものを、財政当局との折衝にもなりますし、今の財政状況が非常に厳しいという問題がある、そういった財源をどう確保するかにかかってくるんだろうと思います。
 したがいまして、これは十一年度に向けて、私は、実は記者会見のときにも同趣旨の、記者さんの皆さん方から質問がありましたから、積極的な姿勢で臨みます、しかし慎重に検討させていただく、こういうわかったようなわからないような答弁をしたわけですけれども、要するに、今委員御指摘のように、これはそれだけ難しい問題なんですね。
 使用料を下げるということになれば、では、空港整備はもういいのかという問題にぶつかる。それを我慢していただくならば、当然それは引き下げというものにつながるかもしれませんが、しかし一方では、それぞれの地域、自治体によっては、ぜひとももっともっと空港を整備してほしいという要望も強いわけですから、そのところのバランスというものをどうとらまえていくか。
 しかし、今までのような形で、この空港使用料あるいは特別会計のあり方については、これから、来年度税制に間に合うのかどうかは別といたしましても、今すぐに結論は出せるかどうかは、なかなかそう簡単にはいきませんけれども、真剣に検討をしていかなければならない、こういうふ
うに思っているところでございます。
#19
○細川(律)委員 大臣が言われるように、大変難しい問題であろうかと思います。
 そこで、空港整備との関係でお伺いをいたします。
 第七次空港整備計画に盛り込まれておりました地方空港建設を凍結するというような事務次官の発言があったということも聞いております。これは当然、今大臣の言われました空港使用料の財源確保の問題と大変関係があるわけでありまして、この事務次官の発言は本当であるのか、その真意のところをお聞かせいただきたいと思います。
#20
○楠木政府委員 先生今御指摘ございました第七次空港整備七カ年計画でございますが、そこにおきましては、もともと私どもは、大都市圏の拠点空港の整備を最優先課題にいたします、そこに重点化いたしますということを申し上げておりました。そして、その他の空港、例えば地域の拠点空港あるいは地方空港、離島空港といったものでございますが、こういったものにつきましては、継続事業を中心に事業を進めるということがまず第一でございまして、需要への対応を基本としつつ、既存空港の高質化を図るための、滑走路延長等所要の整備を進めることとしているところでございます。
 それで、今回あのような形が報道されましたのは、今般、空港整備事業を含む運輸関係公共事業に対しまして導入いたしました再評価システムというものがございますので、そういうものを、事業あるいは計画、こういうものに関連して活用する、あるいは費用対効果分析を行うことによりまして事業効果の明確化を図るというようなことで、真に必要性、緊急性の高いプロジェクトを重点的に整備する方針であるということを改めて申し上げたということで、その関連でございました。
#21
○細川(律)委員 そうしますと、これは空港使用料の引き下げとは直接関係がないのですか、むしろあるのではないかと思うのですけれども。
#22
○藤井国務大臣 運輸事務次官の発言の要旨は、今航空局長が申し上げたとおりでありますが、国会の論議の中でも、あるいは世論と申しましょうか、国民の御意見の中にも、要するに、公共事業を含めたむだ遣い、むだな投資、むだな事業があるのではないかという厳しい指摘が、運輸事業に限らず、他の省庁でも言われておるわけです。
 そうした中で、今後、空港整備をしていく中で、今航空局長が御答弁申し上げましたように、時の再評価、この事業を行うに当たって、実際にこれは需要があるのかどうか、また、事業を進めるに当たって、実際にこれが有効に活用されるのかどうか、そういった問題を十分見きわめていかなければ、せっかくつくった空港が、まさに需要が非常に満たない空港であったり、それが結果においてはむだな投資であるということがないようにするための、そういった観点からの運輸次官の話であったと思います。
 ですから、直接このことが、空港使用料を念頭に置いて、運輸次官がそれに関連して話をされたとは私は理解をいたしておりませんし、まさに、今後の公共事業、その中の空港の整備を進める場合において、やはり我々は、費用対効果あるいは時のアセスメント、そして実際に需要があるのかどうか。いま一つ言えば、要望はありますけれども、地元で非常に厳しい意見がなされている。なかなか地域において、例えば、県の知事がぜひやってほしいと言っても、その関係する市町村において、根強い、環境問題、騒音問題等の問題が解決されていない部分もございますから、そういったことも踏まえて次官は発言された、こういうふうに理解しているところでございます。
#23
○細川(律)委員 大変難しい問題でありますけれども、私は、この空港使用料は、国際的な競争にも勝つという意味では当然下げていかなければいけないことだというふうに考えておりますので、ひとつ積極的に進めていただきたいというふうに思います。
 次に、規制緩和の問題についてお伺いをしておきます。
 四月九日に、運輸政策審議会の航空部会から答申が出されました。そこでは、国内航空分野におきます需給調整規制の廃止に伴う環境整備方策についての考え方が提示をされております。
 運輸部門の規制緩和につきましては、運輸省では、既に既定の方針として、推進の立場をとっておられるというふうに私も理解をしております。しかし、昨年もこの委員会で、タクシーの問題で規制緩和問題を取り上げましたように、公共交通にとって、競争原理だけを強調することはまた危険性を感じているということも、タクシーの問題でも申し上げましたし、この航空の分野でも私はそのように考えております。
 アメリカでは、一九七八年にカーター大統領が航空自由法というものにサインをいたしまして、規制緩和の一番最初の始まりが航空であったわけでございます。確かに、最初は、新しい航空会社が次々と参入をいたしまして、運賃は下がりましたし、消費者は恩恵を受けたわけでございます。しかし、現在におきましては、その新規参入をいたしました会社のほとんど、百社以上が破産をいたしまして、上位十社で九九%を超える寡占体制ができ上がりまして、逆に運賃は上昇に転じております。その一方で、最初の一年で七十の小都市が運航が打ち切られるというようなことがありまして、約十年で百五十の小都市の路線が失われております。
 そして、航空自由法、この法律をつくりました一人でありますデンバー大学のポール・デンプシー教授は、この規制緩和について、後日、こういうふうに語っております。規制緩和とは、ほんの一握りの、非情でしかもどん欲な人間に、とてつもなく金持ちになるすばらしい機会を与え、一般の労働者にとっては、生活の安定、仕事の安定、こういったものすべてを窓の外に投げ捨ててしまうものだ、このように述べておられます。
 私は、日本の規制緩和がアメリカのコピーというふうになってはまずい、少なくともアメリカの悪い面についてはきちんと認識をいたしまして、そうならないような施策を講ずべきだというふうに思っております。
 そこで、運輸省は、アメリカの航空分野の規制緩和について、どんなプラス、マイナスの評価をしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
#24
○楠木政府委員 先生から御指摘がございましたように、カーター政権におきまして、一九七八年に航空規制緩和法が施行されまして、路線の参入規制あるいは運賃規制、こういったものの廃止が実施されたわけでございます。
 それで、規制緩和の評価につきましては、おっしゃるとおり、非常にプラス面、マイナス面があるわけでございます。一般論で申し上げますと、参入機会の増大とか競争の促進による運賃水準の低下、合理化、効率化による競争力の向上といったプラス面がまず挙げられておるわけでございますが、他方では、路線によっては、寡占化による普通運賃の上昇といったマイナス面もそれぞれ指摘されておる。見方によって、さまざまな評価があるというふうに認識をしております。
 簡単に数字を申し上げますと、マイナス面でいきますと、寡占化が進んだという点につきましては、ユナイテッド、デルタ、アメリカン、こういった大手三社の有償旅客マイルの占有率の合計値が、一九七八年で四〇・四%でございましたが、一九九六年には五〇・二%になっておりまして、寡占化は進んでおる。それから、当日売りの普通運賃につきましては、一九八七年以降十年で五五%程度上昇しているというのがございます。
 それから、今申し上げたのはマイナス面でございますが、プラス面でいいますと、運賃の全体でございますね、つまり一人一マイル当たりの実質収入、これは航空企業から見ますと収入という形になりますが、これが一九七八年に十二・二七セントであったものが、九五年には八・〇八セントというふうにかなり減少をしております。
 それから、提供座席の伸び率でございますが、これも一九七四年から七八年までの五年間の座席
マイルの年平均伸び率が六・三八%でございます。これは規制以前でございます。それに対して、規制緩和後の一九八二年から八六年までの年平均伸び率が八・四九%、これはかなり座席提供が伸びておる。それから利用者数も、こういうことに比例をいたしまして、緩和撤廃前が七・五六%でありましたものが、同じ期間の規制緩和後が九・四六%というふうに増加をしている。
 それから、航空会社の経常損益でございますが、これは景気の影響もございますけれども、一九九〇年から九四年までは赤字ではございましたが、九五、九六年はかなりの黒字を計上しておる、こういったことで、さまざまな評価があるわけでございます。ただし、その激化した競争の中でリストラを実施して競争を勝ち抜いた会社が、そういう国内で勝ち抜いて国際の航空市場の中で優位を占めているということは事実でございます。
 私ども、やはり今回の運政審の答申を受けまして、これからいろいろ検討に入るわけでございますが、もちろん規制緩和には痛みを伴うことは避けられないわけでございますけれども、先生おっしゃるように、できるだけプラス面は取り入れ、マイナス面を工夫をして減らしていく努力が必要というふうに考えております。
#25
○細川(律)委員 プラス面は評価をし、マイナス面についてはこれを避けるという形の施策が必要であろうかと思います。
 そこで、この運政審の航空部会の答申を見てみますと、離島など政策的に維持すべき路線について運航費補助を行うことが適当であるというような記述がございます。需給調整規制が廃止をされまして内部補助が困難というようなことになりますると、運航費補助は当然の結論になろうかというふうに思います。
 そこで、運航費補助の財源でありますけれども、私は、一般会計からの補助と地方財政面の措置が必要だというふうに考えております。現在大変厳しい財源の中、これがきちんと確保されるのかどうか、そういう点について財政当局と運輸省の方では議論をしているのかどうなのか。これは航空分野だけではなくて、今後乗り合いバスなどの生活維持路線の補助の問題等も当然出てくるわけでございます。
 環境の整備が整わないままに需給調整規制撤廃というようなことになりますると、私が先ほど申し上げましたように、アメリカ並みの混乱が起こることは間違いない。先ほど申し上げました、運輸省の方も認識をされておりますマイナス面が大変多く起こってくることは間違いないというように思います。もし、財政やその他の面で環境整備が不十分というようなことになった場合には、期限を定めております平成十一年度までというこの規制撤廃期限だけがひとり歩きをするというようなことがあってはならないというふうに私は思っております。少なくとも、需給調整規制の廃止と同時に、環境整備方策というものをきちんと並行的に進めていかなければいけないというふうに考えますけれども、その点どのようにお考えでしょうか。
    〔委員長退席、久野委員長代理着席〕
#26
○藤井国務大臣 細川委員の御指摘の点は大変重要なところだと思います。まさに規制緩和、私どもは二年前に、需給調整の規制を廃止すると年次を掲げまして、まあこれは一大政策転換をしたと言っても過言ではありません。
 しかし、これを進めるに当たっては、前の委員会でも御答弁を申し上げましたように、やはり光と影の部分というのがある。それは航空分野に限らず、他の運輸分野につきましても、今御質問にありましたように、地方の生活路線バス等々も含めてそうであります。鉄道も同じことが言えると思います。ですから、そういった生活路線としてどうしても必要不可欠なものについては、我々はこれから、この規制緩和によってその地域の方々の生活を含めて不自由な影響を受けないためにどうあるべきかということは、これこそ本当に大事な点だと思います。その辺を十分踏まえながら規制緩和を進めていかなければならない。これは四月九日の航空部会においてもその点を指摘されておりますから、その航空部会の御指摘を十分踏まえて今後検討を進め、また規制緩和に向けて政策を進めていきたい、このように考えております。
#27
○細川(律)委員 大臣の言われるように、需給調整規制の廃止と同時に、環境整備方策もぜひ強力に進めていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、日米航空協定について御質問をいたしたいと思います。
 ことしの一月三十日、一年余に及びます日米航空交渉が終結をいたしまして、暫定協定が結ばれたところでございます。特に、長年の不平等な状態が解消したということにつきましては、率直に、関係各位の皆さんの御努力を評価させていただきたいというふうに思います。
 しかし、他方で、この協定がアメリカの方が望むオープンスカイに道を開くものであることは確かでありまして、これから国際線でもさらに競争が激化することが予想をされます。現在の日本とアメリカの航空企業の競争力には格段の差があるというふうに言われておりまして、このまま進んでまいりますと、国際線での日本の航空企業は存亡の危機に瀕する可能性も十分考えられるわけでございます。
 私自身は、従来の護送船団方式による業界保護規制は緩和すべきでありまして、航空業界もグローバルスタンダードに近づけるべきだという認識は持っているものでありますけれども、それはあくまでも我が国の利用者の立場からのものでありまして、日本国籍機が国際路線から追放をされるというような事態は、むしろ我が国の利用者の利益に反して、到底認めることはできないものでございます。日本の航空当局は、本邦の航空企業に競争力の強化を期待をしている、そういうところでありますけれども、いわゆるリストラが人減らしあるいは賃下げだけを意味するならば、安全性の確保や利用者に対するサービスの向上に逆行して、アメリカ並みのマイナスを負うということになりかねないとも思います。
 先ほど質問で、空港使用料など公租公課を引き下げるべきだというふうに言いましたのも、それが航空企業の競争力の強化に欠かせないというふうに思いましたから、私の方でそのように述べたわけでございます。
 護送船団方式でもなく、さりとて勝者の企業のみが利益を独占するという結果を招くものでもない、安い運賃と高いサービスで利用者がより多く利益を受けられ、空の安全をしっかり確保できるような航空行政を今後望みたいというふうに思うわけでありますけれども、このような点を踏まえまして、今後の航空行政の基本的な方向について所見をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#28
○藤井国務大臣 去る三月十四日に、私は、ワシントンの方に赴きまして、日米航空協定の覚書に署名をしてまいりました。これはまさに、戦後一九五二年だったですか、昭和二十七年に結ばれた協定、あの当時はまだ日本が国際定期便を持っていない時代の協定でしたから、そのこと自体でもう不平等であった。それが四十六年ぶりに機会均等の、お互いに二国間でのそういった立場を維持することになった。しかし、オープンスカイという今お言葉があったと思いますが、これはもう私どもは今回の協定とは全く切り離しております。これはまさにアメリカの航空企業が米国内の権利はそのまま留保して、そして我が国にオープンスカイ、自由化を認めろということですから、これは全く不平等ですから、これには私どもはくみしていませんし、今回の協定においては、私どもは完全にこれは否定をいたしたところであります。
 しかし、一方では市場原理の競争というものが激しくなりますから、そういう中で我が国の航空企業が、先ほど申し上げましたように、企業努力として頑張ってほしい。そしてこの協定が、結果的には利用される方々、消費者の方々に非常に喜ばれる、今お話がありましたように、サービスが向上する、また、安い運賃ということになれば大
変結構なことだと思いますから、そういう中で私どもは我が国の航空業界、企業に対して、やはり徹底的な体力をつけるための努力はお願いをしていきたい。
 一方で、公租公課を含めた空港使用料の問題あるいは空港特会のこういった財源について、やはり積極的な姿勢でなるべく早く結論を得るべく、これは税制の問題、財源の問題、大変難しい問題ですけれども、その点もこれから真剣に検討し、そしてこの協定が結ばれた以上、結果において利用者の皆さん方、消費者の皆さん方に喜ばれるように、また日本の航空企業も世界に大きく羽ばたいていけるように、これは行政側におきましても、また企業側におきましても、お互いにこの努力をして、また皆さん方の御指導、委員各位の御理解もいただきながら進めていかなければならない、そのように考えているところでございます。
#29
○細川(律)委員 これで質問を終わりにしますけれども、ぜひ、国民の皆さんが安心して便利に利用できるように、そして、日本の企業が世界に羽ばたいて競争に勝てるようなそういう行政を、きちんと積極的にぜひ進めていただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#30
○久野委員長代理 次に、長内順一君。
    〔久野委員長代理退席、委員長着席〕
#31
○長内委員 平和・改革の長内順一でございます。
 ただいま、日本の航空行政につきましてるる質問のあったところでございます。本日の、航空法の一部改正案、この案件につきまして率直に質問をさせていただきたいと思います。ただ、今、かなり突っ込んだ質疑が大臣との間でなされたところでございますので、重複を避けながら、感じたところを質問させていただきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
 初めに、今も御指摘がありましたように、今、日本の航空行政、やはりかってなかった大きな時代の変化を迎えているのではないか、私はそういうふうに受けとめさせていただいております。特に、藤井大臣御就任後、日米の航空協定に調印をなされたというお話が今ございましたが、私は、知識としてではなくて実感として、この日米の航空協定締結後から何か大きく日本の航空界が動き出している、そんな気がしてなりません。先ほども、空港の使用料を初めさまざまな角度からの質問があったわけでございまして、私も、ある意味でこれから日本の航空業界として、世界へ、少なくともグローバルスタンダード、これを維持して競争に打ちかっていく、こういう企業をつくり上げていく、そしてそういう環境をつくり上げていく、これが今ここにいる我々の大きな使命なのかな、こんなふうにも感じていたところでございます。
 日本の航空業界、戦後まだ日本の制空権がアメリカに握られている中で産声を上げたわけでありますけれども、これに対して、運輸省は大変きめ細やかな保護行政をこれまでとってきたのではないか、そしてこれは残念ながら、いろいろな功罪はあるにせよ、大きな意味での航空業界の長期的なグランドデザインを描けなかったことにもつながっていくのではないだろうか、こんなふうにも考えております。
 先ほどの質問の中でもカーター大統領の規制緩和のお話がありましたけれども、この点なんかをアメリカと比較してみると非常に明確になってくる。カーター大統領がやられたのは例の、デレグと呼ばれました有名なあのアメリカの規制緩和を、先ほど御指摘のように、一九七八年から始めまして八五年に終えているわけでありますけれども、これはもう本当に、路線の認可制の廃止や運賃自由化など、猛烈な自由競争が起こったわけでございまして、その中で企業の淘汰が非常に進んだ。
 私どももよく記憶しておりますのは、有名な会社でパンナムなんという会社がありましたが、この時期に淘汰された企業の一つではなかったか。ただ、そのかわり、生き残った会社は大変に競争力のあるビッグカンパニーに成長したのではないか。こんな基盤に立って今、クリントン政権は、先ほどお話がございましたけれども、オープンスカイなる政策を打ち出している。バックグラウンドとしてほこういう中で、大臣がまさに日米の航空協定に調印をされた。戦後の不平等がここで解消された、このように言われておりますけれども、片一方では不平等が確かに改正されたことは間違いありません、しかし、もう一方では猛烈な競争社会がこれから現出することも間違いない、こんな観点からお尋ねをさせていただきたいというふうに思うわけであります。
 まず、ぐっとローカルな話になって恐縮なのでありますけれども、実は、昨年の七月一日から、沖縄と本州の間で空港の使用料が六分の一に引き下げられた。そしてその補てんとして、一般会計から空港特会に対しまして七十七億円が繰り入れられているわけであります。そうして今度は、この路線にかかわる航空機の燃料税が五分の三になりまして、東京−那覇の間でどうなったかというと、往復で八千円の運賃の引き下げが実現したわけであります。この結果、沖縄線の乗客が実に一一五%の伸びを示して、沖縄観光ブームが起きた。こんなことを見ますと、空港使用料と地域振興との関係が非常に密接であるというような感じを私は受けたところでございます。
 これは確かに平成十三年までの時限立法ということでございますけれども、この引き下げの実施に当たりまして、大臣のこういう経緯に対しての御所見をちょっとお伺いしたいと思います。
#32
○藤井国務大臣 この沖縄−本土間の空港使用料の引き下げにつきましては、まさに沖縄の置かれている立場と申しましょうか、振興策の一環として、特例的な措置としてこの措置がとられたわけであります。今御指摘のありましたように、これによって利用客がふえ、観光客が沖縄を訪問されることがふえたということ、これも事実であります。
 これを他の地域についても使用料等々について、あるいは航空機燃料税についても引き下げをした場合にどうか、こういうことも含めた御質問だと思いますけれども、先ほどの細川委員のときにも申し上げましたように、これからの大競争時代の中で日本の航空業界が生き抜くためには、企業の努力というのをまずお願いいたしたい。しかし、我々といたしましても、一方では、こうした難しい財政状況の中ではあるけれども、やはり行政として、我が国政府として、この航空業界に対してどのような措置がとれるだろうか。それが、結果的に使用料が引き下げられ、あるいは航空機燃料税が引き下げられることによって利用者がふえるということは、自明の理ではありますけれども、一方では空港の整備をではどうするのかということもあります。
 ですから、この問題につきましては、とりわけ先生、北海道ということを意識されていらっしゃると思いますけれども、これは今後、北海道の一地域ということを考えますと、他の地域からも同様な要望がやはり出てくるわけでありますし、そういった他地域間とのバランスも考えなければいけませんので、先ほど来申し上げておりますように、私どもは、この問題については、積極的な姿勢の中でも慎重に検討をしていかなければならない。ただ従来の発想の延長線で物を考えるのではなく、今委員がおっしゃられましたように、まさに航空ビッグバンの時代の中で、我が国の企業も競争力、体力をつけるためにどうあるべきか、そういう観点、またこの劇的な変化というものをどう認識していくかということも大事でありますから、そういった観点から、グローバルスタンダードにたえ得るような、そうした業界また企業をつくり上げるために、私どもは一生懸命これからも努力をしなければならない、このように考えているところでございます。
#33
○長内委員 ただいま大臣から御答弁をいただきましたように、私も今やはり変化ということが大事だと思うのですね。
 それで、冒頭に申し上げましたように、大臣くしくも航空ビッグバンというお言葉をお使いにな
りましたけれども、まさしくこういう業界が、航空業界がこれだけ変化に富んだ場面に直面したということは今までなかったのではないか、こんなふうに思います。そんな意味では、大臣が、従来の考え方ではなくて、やはりそこに対応していくという姿勢を今お示しいただいたことは、私は大変心強く受けとめさせていただいた次第でございます。
 今大臣からもお話がございましたけれども、私は北海道の選出の議員でございます。北海道では今大変な状況です。北海道拓殖銀行が破綻いたしました。地域経済が壊滅いたしました。そんな中で、実は今回の政府の総合経済対策、この中にひょっとしたら、ひょっとしたらですよ、この空港使用料の引き下げ、それが航空料金の低減につながって、観光産業初め、大きなばねになっていくのではないか、このように期待もされ、注目もされていたわけでありますけれども、結果としては残念ながら今回見送られております。
 私は、今北海道では一生懸命、例えば国内路線の中で、エア・ドゥ、北海道国際航空株式会社という御存じの新しい航空会社が設立されまして、道民みんなで金を出し合おうと資金を集めて、今まさに、道民の翼として飛行機を飛ばそう、こんな試みもされているところでございます。北海道の特殊性、そして新幹線が通っておりませんので、どうしても航空機に対する依存度が高い、こんな事情をお察しいただきまして、ぜひとも先ほどの変化に対応していくのだという姿勢を崩さず、これからも御検討いただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、ちょっと具体的な話になりますが、次の質問でございますけれども、先日、三月十七日に当委員会で、やはりこの引き下げの問題につきまして福留委員の方から、この空港使用料の国別の格差、具体的な数字を出しながら質問をさせていただいたわけであります。それに対して航空局長は、日米独のそれぞれの空港の使用料、この数字を出されまして、余りこの差はないというようなたしかお話をされたように記憶をしているわけであります。本当にそうなのかなというような受けとめ方をさせていただいているわけでありますけれども、この間局長が答弁されましたのは、国内線、767−300、この場合は日本では二十七万六千円、それからJ・F・ケネディ空港では二十万五千五百十三円、フランクフルトでは二十九万一千三百六十一円、これが三月十七日のときの局長の御答弁でございました。
 私も後からいろいろ調べてみますと、どうもこれではいけないのでないか。なぜならば、このときの議論というのは、少なくとも国際競争力をどうするのか、どうつけるのか、そしてグローバルスタンダード、ここへどう持っていくのか、そして航空会社がどういうふうに生き残っていくのか、たしかこんな議論だったわけでありますから、ここで議論するときに出されなければならない数字というのは、私は、金額ベース、実際に飛んだときにどれだけかかるのか、この比較検討でなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
 前回、三月十七日の局長の答弁、そして私が今申し上げたことを御勘案いただきまして、改めて局長からの御答弁をいただきたいと思います。
#34
○楠木政府委員 前回福留先生から御質問がございましたときに私がお答えをいたしましたのは、要するに空港の整備とか管理、そういうもの全体に対して、航空会社とかあるいは旅客が払っておるもの全体を見ると、大体同じような水準にあるのではないかという趣旨で申し上げたわけでございます。今先生から御質問がございましたようなことで申し上げますと、これは空港使用料も、特に着陸料等ということについて着目をして比較をすべきであるということになります。そうなりますと、国内線につきまして、767−300、これを例にとりますと、羽田、東京国際空港におきましては約二十八万円でございます。それからドイツのフランクフルト、マイン空港においては七万円、それから、ニューヨークのジョン・F・K空港におきましては約十五万円ということになっております。
 なお、これは国内線でございますが、国際線につきましても念のために申し上げますと、ボーイング747−400を例にとっておりますけれども、成田、新東京国際空港におきましては約九十五万円、関西国際空港は約九十一万円、それから先ほど申し上げましたフランクフルト、マイン空港においては約十九万円、ニューヨークのジョン・F・K空港においては約三十七万円ということになっております。
#35
○長内委員 ですから、私はまだそれでも不足ではないかなというふうに思うわけです。今の着陸料、そしてパッセンジャーチャージ、航行援助施設利用料、それから日本の場合に特に大きな燃料税、こういうものを全部見ていった上で、総合的にこのことについては議論されるべきなのではないか、こんなふうに私は思うわけであります。
 先般の三月十七日のときの局長の御答弁なんですが、こういうふうにあります。「私どもの空港使用料につきまして、大変高いではないかという話でございますが、」といきまして、これは非常に空港の建設コストが高くなっているというふうな段々のお話でございます。ところが、「非常に突出して高いかという点につきますと、」そうではなくて、「全体的に総合的な比較をしてみる必要がある」と考えていると。
 まさに局長のおっしゃったとおり、今私が申し上げましたさまざまなことを全部足して、その上で、空港コストですから、どのように対応していくのかというふうに考えなければならない。そうなったときに、まさしく巷間言われているように、日本の費用というのは非常に高い、私はそう思います。
 例えば、先はどのようなことを全部足し算をしていきますと、フランクフルトでは三十三万四千四百九十一円、J・F・ケネディ空港では十八万四千六百八十三円、日本の成田では六十二万五千九百円。ですから、俗に言われるところの、J・F・ケネディ空港、これと日本とを比較したときには日本の方が約三倍になっておるという、よく言われるところの空港使用料、そしてコストが高い、こういうことになると私は思うのであります。
 この空港使用料につきましては、ただいま大臣の方から踏み込んだ発言がございました。いま一度大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、この四月十五日の会見でも大臣はおっしゃった、それから十六日には官房長も引き下げの検討に着手したというふうに日経で報じられているわけであります。実際に、これは運輸省としての基本方針、どこまで踏み込まれるおつもりなのか、どのような形で踏み込まれるおつもりなのか、大臣から率直にお答えをいただきたいというふうに思います。
#36
○藤井国務大臣 これは、先ほど細川委員のときにも御答弁を申し上げましたように、大変難しい問題であるということで、お答えをさせていただきました。
 もちろん、日本の空港を整備する場合には、委員も御承知のとおり、用地買収の問題にいたしましても、あるいは海上につくる場合におきましてもやはり漁業補償であるとか、世界の、例えばアメリカの、単純にそういったことを比較してまいりますと、どうしても日本の空港を整備する場合には割高になってしまう。また一方では、地方の空港についてもさらなる整備を進めていかなければならない。そこには重点を置きながらこれからも整備をしてまいりますけれども、そのための財源をどう確保するかということで、空港使用料そして航空燃料税によってそれを賄ってきたということであります。
 ですから、これは、今の状況、これからの航空業界のあり方というものを考えますと、大変財政状況は厳しい折でありますけれども、財政当局等含めて、これは政府全体として、一運輸相が云々ということではありません。また、党としても、また委員御所属の党におきましても、これは本当
に、オーバーな言い方かもしれませんけれども、国家的見地からどうあるべきかということを真剣にやはり論じて、そこで何らかのいい形での税制あるいは使用料の問題、それが企業にとっても競争力、あるいは利用者にとっては利便性が向上ずる、サービスが向上する、そういうふうにどうやって持っていくかということで、我々も従来の発想の延長線上で考えるのではなくて、そういう今の置かれている状況、今後の状況を十分認識した上で、真剣に検討していかなければならないということでありますから、ぜひそこの点は委員の御理解もいただきたいと思っておるところでございます。
#37
○長内委員 まことに詳しく、そして具体的に御答弁いただきまして、よく理解できました。
 ただ、その中でやはり一つのポイントになるのは、これから、片っ方では空港の整備をいろいろな形でしていかなければならない、財源の問題が大きな問題になるのではないか、今の大臣のお話を伺ってそう感じたわけでありますが、財源について大臣にお伺いしたいと思います。
 最近、日本の上空を通過する上空通過料を徴収してはいかがか、こんな声があるわけであります。特例的に何か日本とアメリカが通過料を徴収していないというようなことも伺っているわけでありますけれども、午前零時以降、外国から外国、日本の上空を飛んでいく飛行機に、空港使用料の引き下げの代替財源として、先ほど申し上げました上空通過料を徴収するということについては、大臣、どのようにお考えになっているでしょうか。
#38
○藤井国務大臣 詳しくは航空局長から答弁をさせていただくことをお許しいただきたいのでございますが、基本的に、私から結論から申し上げますると、今の御提案等も今後の一つの検討の中に入ってくるのだろうと思うのです。
 ですから、上空通過料、そういったことも含めまして総合的に、今後のこの使用料の値下げあるいは航空機燃料税を下げるに当たっての財源、ではどういったものがあるのか。簡単に言えば、一般財源からの真水をいただくのが一番簡単ですが、それは、簡単に言いましたけれども、このような財政状況、なかなか厳しい。
 ですから、今おっしゃられた、御指摘の点も含めまして、これから検討の中に入れながら、直ちにではこれをしようということではありません、そういったことも当然含まれると考えておるところでございます。
#39
○楠木政府委員 大変貴重な御指摘をいただいておると思います。
 ICAO、国際民間航空機関の理事会の声明によりますと、サービスに対応した料金は取っていいんだということになっておりますので、私ども、それについて考えてみますと、現在上空を通過しておりますもの、これはまず管制等のサービスを受けておるわけでございます。
 それで、各国によりまして、その領空及び国際的に定められましたFIRと申します飛行情報区がございますが、そこでそういった管制等のサービスが行われております。これは、当該国に離着陸をいたします航空機のみならず、各FIR等の上空を通過する航空機もそのサービスを享受しておるわけでございます。
 御指摘がございました上空通過料につきましては、FIR等の通過機からサービスの対価を徴収するものでありますが、世界的に広く取り入れられている制度でございます。
 我が国におきましては、我が国に離着陸する航空機からは航行援助施設利用料という形で管制等のサービスの対価を徴収をしているところでありますけれども、上空通過機からは、御指摘のように、サービスの対価としては従来から徴収をしていない、こういう現状でございます。
 そこで、上空通過料の導入の可否でございますが、既に航行援助施設利用料を負担しております我が国離着陸機との公平性の観点あるいは諸外国における動向、先生御指摘ございましたアメリカは、一度導入しようとしたのですがIATA等から訴えられまして、裁判に負けて今徴収を中止している、こういう状況でございます。
 それから、提供するサービスと必要なコストとの関係等の観点から、実は従来から勉強は行っているところでございまして、このような検討の結果も踏まえながら、今大臣が申し上げたようなことに従って検討していく必要があると考えております。
#40
○長内委員 何事も、チャレンジするときにはメリットもあればデメリットもありますし、いいことばかりではありません。ただ、私は、冒頭申し上げたような、今の我が国の状況をしっかり受けとめたときに、あえてチャレンジする必要があるのではないか、こんなふうに申し上げておきたいと思います。
 それで、段々の議論をさせていただきましたけれども、やはりグローバルスタンダード、そこへどういうふうに我が国のさまざまな制度を持っていくのか、そして国際競争力をどうつけていくのか。そうしなければ、先ほど例に出しましたパンナムの二の舞、これが我が国の航空三社にも襲ってこないという保証はない、こんなふうに思うわけでございます。そのためには、確かに運輸省の皆さんが大変な御努力をされる、それと同時に、今度は逆に航空会社自体も血の出るようなリストラの必要もやはりありましょうし、それから、航空会社の中でのグローバルスタンダードを目指した、そういう取り組みもこれから大事になってくる、こんなふうに考えるわけであります。
 先ほど申し上げましたように、かつてないような大変な激震、そして航空ビッグバン、こういう状況の中で、今運輸省が一生懸命やっている、それから、ほかの、それを取り巻く人方も一生懸命やっている、これはわかるのでありますが、何か、有識者を入れた、こういう今の状況をどうするのだということをひとつ議論をする場が私は必要ではないかなというふうに考えております。
 この件につきましては、先日一部報道されているようでありますけれども、こういう場が果たして現実的にできるのかどうなのか、そして、その中でどのようなことがこれから議論されていくのか、明らかにしていただければありがたいと思います。
#41
○楠木政府委員 近々に、実は有識者の懇談会を設置するということを予定をしているわけでございます。我が国の航空事業の競争力向上方策ということにつきまして、学識経験者あるいはマスコミ関係者等から成る懇談会を実は四月三十日、あさってから開催をすることにしております。
 この懇談会におきましては、今まで議論が出ておりますような空港使用料とかそういう問題だけではなくて、そういったことだけ特に取り上げてということではなく、今後の内外の航空市場における競争の激化等を踏まえて幅広い検討をお願いしたいということで、きっかけといたしましては、先ほど来御議論が出ております日米航空交渉の決着や運輸政策審議会航空部会の答申など、最近の環境変化を踏まえて、非常に我が国の航空産業の厳しい立場を踏まえて幅広い議論をお願いをしたい、こう考えている次第でございます。
#42
○長内委員 これは、いつをめどに結論をお出しになるおつもりでしょうか。
#43
○楠木政府委員 やはり私ども、考えておりますのは、航空産業の重要性、そういった国における意義、こういったものを考えますと、なるべく早く出して、その中で必要なものにつきましては概算要求に間に合わせたい、こう考えております。
#44
○長内委員 局長、最後に、なるべく早くはだめですよ。何月をめどにというのをきちっと、これだけの状況になっているのですから、これは明示していただきたいと思います。
#45
○楠木政府委員 六月を目標に、そういった点を取りまとめたいと考えております。
#46
○長内委員 時間が終了いたしました。
 大変短い中での議論をさせていただいたわけでありますが、藤井大臣初め運輸省の皆さんが本当に現状の認識をしっかりされて、そして、きょう私はよかったのは、大臣が本当に変化を認識し
て、そこヘチャレンジしていくんだ、このような力強い御答弁が随所に見られた。大変うれしく思います。
 これからも、ぜひこの日本の、これはずっと私たちの子供だとか孫の代に影響する大きな問題でございますので、まさしく国家的見地から意欲を持って取り組んでいただきたい。このことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#47
○大野委員長 次に、達増拓也君。
#48
○達増委員 自由党の達増拓也でございます。
 航空法の一部を改正する法律案ということで、今回、シカゴ条約に基づきまして、航空機の運航国が行う耐空証明を認めていこうという内容であるということであります。
 これは、背景として、航空機をリースするケースがふえてきている。航空会社がその経営をより合理的に、効率的に行うという中で、そういうリースという新しいやり方がふえているということですけれども、そうした実態に合わせて制度を変えていくことはいいんですけれども、その新しいリースというやり方によって、登録国、そして運航国を分けて考えていく、この場合、いろいろと混乱が生じたりしないのかという問題意識から、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 船舶の場合、便宜置籍船というものが昔からありまして、国籍、いわば登録する国について、パナマですとかリベリアですとか、登録料とか優遇をすることによって便宜的に登録国となり、船主はまた別の国の人が船を運航する、そういうケースが船の場合あるわけですけれども、現在、航空機について、そのような便宜置籍船のような便宜置籍航空機とでもいいましょうか、特に登録国とだけなって運航は他の国に任せる、そういうことで利益を得ようとしている国というのはあるんでしょうか。また、今後そういう国が出てくるとして、今回のこういう制度改正によっていろいろ混乱が生ずるおそれはないのかを質問したいと思います。
#49
○楠木政府委員 船舶の便宜置籍船のように、航空機の登録国になることで利益を得ようとする国というのは、航空の分野におきましては、現段階では存在しないと理解をしております。これは、やはり航空機の精密な技術の問題とか公海の海運の自由というような形で海運が成り立っておりますものと比較いたしますと、シカゴ条約の、いわゆる二国間でお互いの航空企業の利益というものを考えていく、こういう体制の違いに恐らくあるのではないかと思っております。
 ただ、先生もし御心配のように、仮に今後そうした国が出てきた場合ということを考えてみますと、そうした場合でございましても、登録国に登録された航空機の運航の安全確保に関する責務と申しますものは、形式上の登録国ではなくて、登録国との間に国際民間航空条約第八十三条の二の二国間協定を締結して、実際に当該航空機が運航される運航国が負うということになりますので、今回の法案は、むしろ航空機の運航に係る安全性の一層の向上に寄与するのではないかというふうに考えております。
#50
○達増委員 ほかのいろいろな分野でのリースについては、二重リースと申しましょうか、リースしたものをまたさらにリースするというまた貸しのようなことが行われるケースがあるわけですけれども、航空機について、そういう二重リースのようなことはあるのでしょうか。もしそういうことが行われているとして、三カ国以上関連してくると、登録国と運航国との関係について混乱が生ずるおそれがあると思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
#51
○楠木政府委員 先生お尋ねのような、国際間の航空機の二重リースといいますか転貸といいますか、そういったものは私どもは現段階では存在するとは聞いておりません。
 それで、運航国が耐空証明等を行いますためには、登録国との間に国際民間航空条約第八十三条の二の二国間協定を締結いたしました上に、実際に当該登録国籍の航空機が運航される国であることが必要でありますことから、耐空証明等を行う運航国は実質的に一国に限られるわけでございます。そういたしますと、仮に航空機の二重リースが行われるといたしましても、運航国についてそれを把握しておけば混乱が生ずることはないと考えております。
#52
○達増委員 これは通告してなかったのですけれども、今回の法改正によりまして新しい制度ができて、実際運航国の耐空証明を持って日本に飛んでくる飛行機というのは、どのくらい出てくるような見通しなのでしょうか。
#53
○楠木政府委員 先ほど別の委員の方にお答えいたしましたけれども、まず第一に、何といいますか、この条約を批准しているグループに入るというのが今回の法改正及び協定承認の目的でございます。それが終わりますれば今度はそれぞれ二国間協定を結んでいくということでございまして、まず、この改正は、グループに入っていく、そうなりますと、先生の御指摘の点についての予測というのは、今の段階ではちょっとまだやっていないということでございます。
#54
○達増委員 なかなか時間がかかる作業、特に、多国間、二国間の国際的な作業ですから時間がかかるのでしょうけれども、経営の実態に合わせた法改正、制度改正を一生懸命やっていただきたいと思います。
 そのようにして制度がどんどん便利になり、航空機運航についてもより便利になってまいりますと、海外との人の行き来もどんどんふえていくだろうということで、今、日本から海外に行く観光客に比べて日本に来る外国人観光客が非常に少ない。また、世界の国々、先進国ですとか途上国でもリゾート等で有名な国々と比較しても、外国人観光客の数、日本は著しく低い、そういう問題があるわけであります。この点については、去年外国人観光客をふやそうということで法律ができて、政府としても取り組んでいるわけですけれども、その後のフォローアップ状況について伺いたいと思います。
 特に、ウエルカムプラン21というものを法律ができる前からつくって、いわばこのウエルカムプラン21実施のために法律をつくったということなんでしょうが、その中にある国際観光テーマ地区の設定、これについてはかなり全国各都道府県や地方の観光に携わる人々の間で非常に関心が高いわけでありますけれども、これについて、現在設定が終わっているところ、複数県にまたがっているところが既にテーマ地区になっているわけでありますけれども、その国際観光テーマ地区というのは主として複数県にまたがることを想定しているのか、これについて伺いたいと思います。
#55
○土井政府委員 お答え申し上げます。
 先生今言及された外客誘致法、去年制定されたわけでございますが、この法律の中で、国際観光テーマ地区を設定するということでございまして、その地区につきましては我が国の固有の文化、歴史、自然などのすぐれた観光資源を有する地域を想定いたしております。こういうような地域と、それから外国人観光旅客の利用に適したような宿泊拠点の地区、こういったことをネットワーク化しまして、広域的な地域におきまして外国人の観光客に旅行をしていただく、そういう想定をしてございます。
 したがいまして、このテーマ地区の広がりでございますが、原則といたしましては、複数の都道府県が共同して策定するということとされております。
#56
○達増委員 今のところ、国際観光テーマ地区とされたところは、静岡、山梨、神奈川の三県、愛知、岐阜、静岡、三重の四県、広島、山口、愛媛の三県、それぞれ、富士山の周辺、また東海から、愛知、岐阜、静岡、三重、その十字にクロスする地区、そして瀬戸内というところが指定されているわけでありますけれども、まだ北の方が指定されていないわけでありますが、例えば私の地元の岩手を含む北東北三県、岩手、秋田、青森三県でも、三県の知事が北東北サミットと称して集
まりまして、その北東北三県の観光の連携についてもやっていこうというふうに非常に関心が高くなっていまして、民間の方からの期待も非常に高い。
 それで、この国際観光テーマ地区の設定ですけれども、今まで指定された三カ所で終わるわけではなく、これはもうこれからもどんどんふえていく、そういうふうに見てよろしいのでしょうか。
#57
○土井政府委員 この国際観光テーマ地区の設定でございますが、先生も今お話になられました三つの地区が既にことしの四月八日に計画が策定されまして、運輸大臣の方から同意をさせていただいているという状況でございます。
 そのほかにも、全国で十カ所程度の地区がそういう御希望なり構想を持っていらっしゃるということでございます。その中には、ただいま先生のお話の秋田県、青森県、岩手県も割合近い将来に計画事案について私どもの方に相談に来られるというふうにも聞いてございます。それで、先ほど申しましたように、広域的な複数県による地域を想定しておりますので、大体全国で十カ所程度の地区が設定されるものと想定しています。その中には東北地方等も入っておるように聞いております。
#58
○達増委員 外国人にとって魅力的な観光地というのは日本人にとってもそれはまた魅力的な観光地となるわけでありますし、また、そこにふだんから暮らしている人たちにとっても魅力的な地域になるということで、国内における観光の振興ですとか地域おこし、地域の発展ということについても非常に意義があることだと思います。
 そういう意味で、外国人観光客をふやそうという地域、地方の努力に対して政府が支援することは意義があると思うわけですけれども、今回の新しい法律のもとで政府としてどのような措置、支援をとっていくのか、確認させていただきたいと思います。
#59
○土井政府委員 お答えいたします。
 この国際観光テーマ地区に指定されますと、一つは国際観光振興会、これは政府の特殊法人でございますが、国際観光振興会によりまして重点的な海外宣伝をその地区について行うということが第一点です。
 それから第二点といたしまして、宿泊拠点地区の宿泊施設整備につきまして、国税及び地方税の税制特例を行っていく、そういった支援措置を主として特に国で行います。
 それから、そのほか、地方の方でウエルカムカードとか共通乗車船券等の設定等も行って、外国人の方の旅行費用の低廉化を図るわけでございますが、これにつきましても、運輸省がそのモデル設計等を行う、あるいは許認可等でスムーズにそういうことが設定できるようにするといったことを、国として支援していくということでございます。
 ただ、国としても一生懸命支援いたしますが、これは結局国だけでなくて、その地域の地方公共団体あるいは観光業に携わる事業者の方々、この方々がいわば官民一体、関係者一体となって外国人観光旅客にその当該地域へ来ていただくということでございますので、そういう三者一体の積極的な施策を推進していきたいというふうに考えております。
#60
○達増委員 今の施策の中で、最初、国際観光振興会による宣伝をどんどんやっていくということで、これは外国の政府観光局ですとかいろいろな部署でかなり積極的に対外的に観光の宣伝をやっている、そういうのに負けないように、これは日本も頑張ってやっていかなければならないと思います。
 また、私の経験なのですが、外国に四年間住んでいたことがあるのですけれども、その間、私の生まれ故郷の盛岡市の四季の映像をビデオにした「もりおか百景」というビデオ、地元のテレビ岩手というテレビ局がつくったビデオがあったのですけれども、これを外国の人たちに見せて歩いていたのですが、やはり外国人、東京と京都のイメージ、まあプラス広島ぐらいでしょうか、日本で観光に行くとすると、普通の人はそのくらいのイメージしかないわけですね。そういう中で、普通の地方都市といいますか、そういうところの映像を見せますと、日本にはこういうところもあるのか、そこは本当に普通の人が普通に住んでいて、それでも四季があり、いろいろな歴史や文化や伝統があって、これはぜひ行ってみたい、そういう反応を示した外国人がたくさんおりましたので、そういう意味で、まだまだこれから対外的にそういう市場、かなり開拓の余地があると思うので、政府も頑張っていただきたいと思います。
 ちなみに、そういう国際観光テーマ地区を設定していく場合に、やはり豊かな自然と歴史、文化、そういったものが調和してある地区というのがふさわしいと思うわけでありますけれども、この点、政府の方で特に具体的な国際観光テーマ地区の条件というものは考えているのでしょうか。
#61
○土井政府委員 お答えいたします。
 国際観光テーマ地区を設定するために、都道府県が外客来訪促進計画を策定するわけでございまして、これについて運輸大臣が同意をするという法律の規定になっております。
 それで、この条件と申しますか、具体的にどういう国際観光テーマ地区が策定され、あるいは運輸大臣が同意するかということでございますが、ちょっと先ほどの繰り返しで恐縮ですが、このイメージとして、我が国固有の文化、歴史、自然等の観光資源を有する地域と、外国人観光旅客の利用に適した温泉地等の宿泊拠点となる地区、このような地域と地区をネットワーク化しまして、それで三泊から五泊程度で周遊できる観光ルートを整備する広域的な地域を想定してございます。
 したがいまして、運輸大臣の同意に当たりましては、当該計画が、計画地域への外国人観光旅客の来訪が、我が国固有の、先ほどの文化、歴史等に関する理解、あるいは地域住民との交流の増進に資するものであるということを第一点、ポイントとして挙げております。それから第二点といたしまして、計画にかかわる宿泊拠点地区が外国人観光旅客の宿泊の拠点として適切であること、それから第三点といたしまして、計画地域における観光ルートが外国人観光旅客の旅行に適するものであること、こういったような条件ないし要件に該当するかどうかを調べまして、該当する場合に運輸大臣が同意をさせていただくということでございます。
#62
○達増委員 岩手、秋田、青森三県についてもまさに該当するなと思いながら聞いていたのですけれども、全国各地からどんどん名乗りを上げて、盛んにこの制度を利用していってほしいと思います。
 きょう、航空法改正法案ということだったわけですが、このようにして航空行政、航空機の運航をどんどん便利にしていくというのも、ひっきょう、国境を越えた内外の交流を盛んにし、人や心の交流を盛んにしていくという目的に資するというためだと思うわけです。
 最後に、大臣に外国人観光客誘致にかける政府の決意を伺って、終わりにしたいと思います。
#63
○藤井国務大臣 我が国は、戦後、先人の皆さん方の努力によりまして経済大国と言われるようになりました。しかし、観光という面からいいますと、まだ観光小国であります。これは数字にあらわれておりまして、年間、日本人で海外に行かれる方々が大体千六百八十万人、約千七百万人近くになってきている。外国から日本を訪れる方々が四百万人、四百二十万人ですから、四分の一。これは、観光インバランスという言葉があったのかどうかわかりませんが、そういう点から見ますと、非常に観光赤字といえましなうか。
 それはどういう理由があるのかというのを私なりにも考えましたけれども、一つには物価高、日本は物価が高いというイメージ。いま一つは言葉の問題があるのかな。それからもう一つは、やはりPR不足というのがある。今委員が海外に赴任されているときに地元の岩手県のビデオを外国人の方々に紹介したら、きっとすばらしい自然、私どものところは、岐阜県も岩手県に負けないぐ
らいのすばらしい自然と伝統、文化を持っていますが、そういったPR不足もあるのだろうと思います。ですから、この外客誘致法をせっかく私どもつくりまして、それにのっとってウエルカム21というプランも立て、何とかやはり倍増をしたい。
 まことに恥ずかしいなと思うのは、一億二千万人余の我が国の人口ですが、それに対する外国人の訪問客のパーセンテージ、インバウンドの人口比というものを比較しますと、三%。スイスという国は、たしか七百万人ぐらいの人口ですが、スイスを訪れる外国人観光客は一千万人以上。フランスも、五千八百万人ぐらいの人口ですが、フランスに行かれる方々は年間六千万人。そこまではなかなかいけないと思いますけれども、少なくともやはり八百万人ぐらいの方々が来られる。しかもその中でも、今の統計でいきますと、外国人で来られる方々の六割が東京ということであります。
 そういった意味で、テーマ地区を三地区この間同意をいたしたわけですが、今後とも、先ほど運政局長から答弁申し上げましたように、全国で十カ所の地区、岩手県、青森県、秋田県の方も近々事前相談という状況でありますから、積極的にこういった問題に取り組み、一人でも多くの方々に日本の文化、伝統、歴史というものを知っていただくために、私どもは――私は、観光産業というのはむしろ余り金のかからない中で、いわゆる公益的な、非常に付加価値が出る、そういう産業ではなかろうか、むしろ運輸省はもっともっと観光政策に力を入れるべきだ、これは私の運輸大臣としての個人的な意見でありますけれども、今後とも先生の御指摘のことも踏まえて、さらに、観光振興のために頑張っていきたいと思っているところでございます。
#64
○達増委員 最後に一つ、蛇足になりますけれども、観光振興ということでは休日三連休をふやしていくということが非常に効果的という議論がありまして、国会の方にもそういう法案が提出されているわけですけれども、そちらの方にも取り組んでいくことで、ますます日本観光立国、成功させていくよう頑張りたいと思います。
 ということで、私のきょうの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#65
○大野委員長 次に、平賀高成君。
#66
○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。
 私は、航空法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 世界航空業界では航空機のリースが普及し、今回の航空法の改正案は、そのような現状に対応するものとして政府が提出をしてきたものであります。
 そこで質問をいたしますが、登録国にかわり、運航国が航空機の耐空性証明に関する監督責任を負うとするシカゴ条約改正に基づく今回の航空法改正は、我が国への乗り入れを認めることに限ったもので、我が国が二国間協定を結ぶことについては、改正の対象には入っておりませんね。
#67
○楠木政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
 今回の法律改正におきましては、外国問で国際民間航空条約第八十三条の二の二国間協定が締結された場合に、運航国が行った耐空証明等も登録国が行った耐空証明等に加えて、航空法上の耐空証明等とみなし、運航国が行った耐空証明等のみを有する外国籍機も我が国に乗り入れることができるようにするものでありまして、日本が二国間協定を締結する場合の措置というものは含まれておりません。
#68
○平賀委員 私は、リース機の導入によって安全が低下することのないように、運輸省としてもしっかりと万全を期していただきたいと思います。
 そこで、次に航空会社の経営問題について質問をいたします。
 運輸大臣も当委員会で、たびたび運輸行政の最大の使命は安全の確保であると述べられております。私もそのとおりだと思います。特に航空会社は、公共輸送機関としての使命を担っている以上、その経営姿勢は航空安全に重大な影響を与えることは言うまでもありません。
 日航大事故等が発生するたびに、公共輸送機関として安全輸送を確保するためには、航空労使関係の安定が重要であるとの認識を従来の運輸大臣は示されてきましたが、藤井運輸大臣としても、同様の認識をお持ちなんでしょうか。
#69
○藤井国務大臣 運輸行政の基本は安全の確保というのは、私は前々から申し上げているところでございます。
 それぞれの企業に労使関係が民間企業ではあるわけでありますけれども、航空業界におきまする労使関係も、やはり経営の安定、それから、先ほど来御質問がありましたように、航空ビッグバンと言われる大変競争の厳しい時代に突入をしてきております。そういう中で、やはり我が国の航空企業がそうした競争にたえ得るような、対応し得るような企業の安定、そして合理化、それは、労使において健全な話し合いを持ちながら、この厳しい現状をどう認識するか、これは労使ともども同じ立場だろうと思います。
 そういう意味におきまする、この厳しい状況を踏まえた上での経営の安定化を図っていただくというのが、大事なことだろうと考えております。
#70
○平賀委員 もうちょっと確認をしたいと思いますが、一九八五年に日航の大事故がありました。その問題で運輸委員会でも議論がされまして、当時の山下運輸大臣は、今後とも安全の度合いを高める意味においても、日航の体質を改善するとともに、日航の労使の関係をさらにいいものにしていくためにも、私どもはこれを指導監督する立場からひとついろいろと助言をしてまいりたいと思いますと、このように、労使関係の健全化のためにさまざまな指導もする、こういうことを答弁しています。
 この立場に変わりはないということを改めて私は確認をしたいのですが、いかがですか。
#71
○藤井国務大臣 変わりはございません。
#72
○平賀委員 そこで、全日空乗員労組は、全日空当局が一方的に労使協議を打ち切りしたことに原因があるとして、四月の五日から二十日までストライキに入り、ゴールデンウイークを挟んで、再突入をする事態になっています。
 ところで、労働省にお聞きしますが、全日空の野村社長は、新賃金体系の凍結期限を目前にして、三月三十一日に協議打ち切り、導入を宣言しました。このように全日空当局は、一方的に労使協議を打ち切りながら、四月の一日には、大田労働基準監督署に乗務員の就業規則を届け出しております。従来の労働協約が無効である状況のもとで、新たな就業規則を労働基準監督署へ提出をしているわけです。全日空当局は、就業規則を提出する以上、同規則が乗務員の労働実態を反映し、かつ労働基準法に基づくものでなければならないと思いますが、この点についてどうでしょうか。
#73
○青木説明員 御指摘のありました就業規則の件でございますけれども、就業規則は、働く場でのルールを、事業所内におけるルールを定めるものでございまして、事業主が作成するものでありますけれども、そこで働く労働者の方々の意見を聞いて、十分話をしながら決めていただくというのが最もいいというふうに思っております。
#74
○平賀委員 重ねてというか、改めて、さらに追及をいたしますが、全日空当局は、この就業規則を、一カ月の変形制労働を採用していると言っているが、それでは、この規則に所定労働時間や時間外労働時間について明記がされているのでしょうか。
#75
○青木説明員 就業規則においては、労働時間でありますとか、あるいは始業、終業の時刻についての記載はございます。ただ、始終業の時刻につきましては、勤務割表に別に定めるということで、そういう意味で、就業規則の中に具体的に記載をしているということにはなっておりません。
#76
○平賀委員 明記がされていないという答弁でした。このことは全日空の当局自身も認めているも
のです。これでは、全日空当局が労基署に届け出た就業規則は始業時間や終業時間が明記をされず、時間外労働については、労働基準法の第三十六条に基づく担保が何らなされていないということです。このことからも、形式的に見ただけでも、労働基準法第九十二条第二項に基づき、全日空の就業規則に対して変更命令を命ずることになるのではありませんか。労働省に伺います。
#77
○青木説明員 今の点につきましては、全日本空輸に対しまして、所轄の署におきまして改善指導を逐次行ってきております。そういったことで、改善のための指導、幹部の出頭を求めて指導をしたりしているところでございます。
#78
○平賀委員 もし、この改善指導でも改められない場合は、どうされますか。
#79
○青木説明員 こういった場合に、監督署で、基本的には十分話をしまして、直していただくということで指導を進めているわけでございます。
 お話にありましたような改善命令というものについても、労働基準法に抵触するようなものについては改善命令を出すということでございますし、あるいは文書等による指導をしたりいたしまして、是正を求めていくということでございます。
#80
○平賀委員 次に進みます。
 国際民間条約と、これを受けて、航空法によって運航乗務員の労働時間の制限などや労働基準法による乗務時間の労働時間管理が必要とされています。我が国の航空法で、乗務時間等は航空法等によって法定化がされずに、労使間の労働協約によって乗務員の労働条件が定められてきました。
 今、全日空の乗務員の職場は、労働協約の破棄によって違法な労働条件が続いております。今、政府は、航空の規制緩和のために競争力の強化やコスト削減については航空会社を叱咤していながら、乗務員の労働管理等については関係法令によって法定化しないという現状にあることはゆゆしき事態であると言わなければなりません。
 このような中で、全日空の労使が労働条件について長期間にわたって協議を続けられてきましたが、全日空当局は、乗務員労組の、賃金をどの程度削減することになるのかとか、どの程度のコスト削減を検討しているのかなことする質問には一切回答もせずに、労使協議の一方的な破棄によって無協定状態になり、今後とも引き続きストライキが続行されようとしていることは、公共輸送機関としての公益性や安全性を確保する上でも重大な事態だと思います。
 私は、賃金の問題を含めて労働条件の問題は、あくまでも労使の自治に基づき、両者が誠意を持って話し合って決定すべきであると考えております。
 このように、全日空当局の労使協議の一方的な放棄によって違法な労働条件がつくり出され、ストライキが無期限に続行されるようであれば、運輸省としても公共輸送機関として安全輸送を確保する立場から、ストライキの発生原因になっている労使協議を一方的に放棄した全日空当局の経営責任は重大であると思いますが、いかがでしょうか。
#81
○藤井国務大臣 これは労使関係の問題でありますから、運輸省がこの問題についてコメントする立場にないということをまず申し上げておきたいと思います。ですから、労使ともの真摯な話し合いによって解決に向けてぜひ努力を願いたい、こう思うわけであります。
 ただ、申し上げたいことは、やはり今航空業界が置かれている状況というのはいかに厳しいか、先ほど来他の委員からも質問がありましたが、そうした認識で、労使ともその同じテーブルの上にのっかって、その上でぜひ労使間での協議をしていただき、解決に向けて御努力いただきたい。これは、そういう今の現況、将来の航空業界の見通し等は大変厳しい、航空ビッグバンと言われている時代ですから、将来に向かって現状のままでいいのかどうか、今後どうすべきであるのか。それは、賃金にしろ何にしろ、労使間での話し合いによって解決すべき問題であることは間違いございませんが、ただ、私が一般的に申し上げれば、この現状の厳しい状況認識をやはり同じレベルで労使間が真剣に話し合っていただきたい、このように考えているところでございます。
#82
○平賀委員 労使関係の正常化というのは、私は安全運航にとっても極めて大事な問題だと思います。
 さらに続けて質問をしますが、四月十三日の新聞報道によりますと、黒野運輸事務次官は、全日空ストについて、仮に国民の皆さんが見てまだまだ甘いというようなところに落ちつくとすると、将来の日本の航空事業に対して暗雲が立ち込めるようなことになりかねないと述べています。また、四月十日の藤井運輸大臣の記者会見では、調停に乗り出す考えはないとした上で、航空ビッグバンに向けて競争力をつけなければならないという厳しい現状を労使双方が認識してほしいとして、労使協議を一方的に破棄した全日空当局を擁護しているともとれるような発言をしていることは、私は重大だと思います。
 ストライキによる紛争の長期化など、安全運航の障害をなくし、不正常な運航を余儀なくされている状態を回復するためにも、運輸大臣は労使協議を一方的に破棄した全日空当局に対して労使協議のテーブルに着くようにしっかりと説得をするべきではないのですか。
#83
○藤井国務大臣 私は、先ほどから申し上げておりますように、その記者会見におきましても前提で申し上げたし、今委員にも申し上げたとおり、これは労使関係の問題でありますから、運輸省があるいは運輸大臣がコメントをする立場にございません。
 ただ、一般的な立場からいえば、労使の方々が真摯なお話し合いの努力によって、ぜひ一日も早く、これはある面では利用者にとっては迷惑をかけているわけですから、解決に向けて努力をしてほしい。これは労使ともに私は申し上げているところです。
 そして、その上で、今の置かれている状況は大変厳しい状況ですよと、労使ともそういった航空業界の厳しい状況、将来というものを見据えて、どうあるべきかということを同じテーブルに着いてやっていただく。
 私は、一方的に経営者の立場で物を言っているわけではございません。この航空業界の厳しい状況を踏まえて、しかも公共輸送という一つの大きな役割を担っている企業でありますから、そういった面での、やはり利用者にとってみれば一日も早い解決を望んでいるだろうと思います。ぜひそういった意味での真摯なお互いの話し合いをしていただきたい、このように申し上げているところでございます。
#84
○平賀委員 大臣も、同じテーブルに着いて協議をしてもらいたいという答弁がありましたが、今の全日空の協議の経過というのは、先ほども労働省の答弁でもありましたが、会社側が一方的にこの交渉を決裂させているわけですね。ですから、同じテーブルに着いて話し合いをしようと思っても、一方の側がこの交渉を打ち切っているわけですから、こういう打ち切りをするような態度ではなくて、やはりちゃんと交渉の場に着くべきだ、こういう指導をやっていただくことが運輸省の立場ではないのですか。
#85
○藤井国務大臣 それは、委員の御指摘は御指摘としてわかりますけれども、私はだからそうだというふうにお答えする立場にないと思います。ですから、今私が申し上げられることは、労使ともに真摯な話し合いを続けてほしいということであります。
 今委員の御指摘にあったことが、本当に一方的であるのかどうかということは、まだ私は今それに対してそうであるという立場にもございませんし、そうも理解しておるわけでもありませんから、いずれにいたしましても、労使双方が真摯な話し合いを続けてほしい、こういうことを申し上げているところでございます。
#86
○平賀委員 一番最初の段階で、一九八五年の、当時の山下運輸大臣が、やはり労使関係が不正常
な状況にあるということは、本当に安全問題に直結する問題だということで、今後とも指導監督する立場からひとついろいろ助言をしてまいりたいと思いますという立場を述べているわけですから、大臣もこの立場に変わりはないと言われているわけでありますから、少なくとも、まともな交渉をしないで、自分たちから交渉をけって出ていってしまって、労働基準監督署にも自分がつくった就業規則を勝手に届け出をしているという態度は、やはり改めてもらうことが必要なのじゃないですか。私は、一般的な話し合いというようなことでは済まない問題だと思います。
#87
○藤井国務大臣 委員の御指摘のことはよくわかります。わかりますが、そのことをもってして経営者側にテーブルに着かないというふうに私が今判断せよと言われましても、それはそういう立場にございませんと。
 ですから、そういう事情があるのかどうかということも私ども確認をしなければいけませんし、本当にそういうことであるならば、それはそれなりの私どもは助言というのがあろうかと思いますけれども、まずは労使関係の問題でありますから、今委員の御指摘のことは御指摘として十分わかりますけれども、私どもは労使関係の真摯な話し合いの努力を今後とも続けていただきたいということを申し上げているわけでございます。
#88
○平賀委員 実際にそういうことがあるのならばという話がありまして、それで確認をされるというふうなことを言われましたので、ぜひその点についてはしっかり確認をしていただいて、対応していただきたいと思います。
#89
○藤井国務大臣 誤解のないようにしていただきたい。
 今委員から御指摘があったこと自体を、今この立場で、私はそれを前提にお答えするわけにいかない。労使双方の言い分がありましょうから、そういう言い分があることは、お互いにあるのだろうと思います。だから、どっちがいいとか悪いとかというのではなくて、まさに、今の現況というような厳しい状況にある中で、お互いに努力してほしい。私は今、それ以上のことをコメントする立場にはない、このように考えていることをぜひ御理解いただきたいと思います。
#90
○平賀委員 それ以上のことをコメントする立場にないと言われましたが、しかし、記者会見では、会社が新賃金体系を出していて、これでいきますと自分勝手に言っているわけですね。それに対して、労使双方が厳しい状況を認識してというようなことを言ったら、これはやはり会社の側に肩入れしていると思わざるを得ないですよ。
 私は、やはり労使関係の正常化というのは安全な運航に対しては本当に大きなかぎを握るわけですから、こういう問題をぜひ運輸省としてもしっかり指導していただきたいということを改めて要求いたします。
 私は、あと経営問題なども質問したいと思っておりましたが、これはまた別の機会に譲りまして、以上で私の質問を終わります。
#91
○大野委員長 次に、秋葉忠利君。
#92
○秋葉委員 社民党の秋葉です。
 航空法の一部を改正する法律案について、まず最初に、この法律の基本的な考え方について確認をしたいのです。
 これは、要するに、飛行機の所属国がどこであろうと、実際にその飛行機が運航している国における耐空証明書、それが代表する安全性の確保という問題ですが、運航国が責務を負うという、いわばどこに所属しているかというある意味ではより抽象的なレベルでの判断ではなく、実地のレベル、現場で実際に安全性の確保をするためには、一番条件の整っているところに責任を持ってもらおう、そういう実際的な見地からの法律案の改正である、条約もそうですけれども、法律案の改正であるというふうに理解をしておりますが、それでよろしいわけですね、確認をしたいと思います。
#93
○楠木政府委員 今先生御指摘のように、登録国主義ということでございますが、それを一部、運航国のレギュレーションも取り入れよう、運航国の主義も取り入れようということになっております。
 今回の改正によりまして、登録国と運航国との間で協定が締結をされた、そういう場合にそういう形になるわけでございますが、そういう形で運航国が耐空証明を行うこととなった場合にありましても、この証明が国際民間航空条約による規定に従って行われることに変わりはない。つまり、同じ水準は確保されているということで、より身近にある運航国にそれをゆだねる場合ができることになる。そういうことによって、航空機の安全性も低下することなくやっていける、こういうふうに考えているわけでございます。
#94
○秋葉委員 そういたしますと、具体的に、例えば、アメリカの飛行機で、アメリカに所属している飛行機、アメリカの会社がどこかで持っている飛行機で、それを日本のどこかの会社がリースをするなりというようなことで日本で運航しているというような場合には、それが当てはまると思いますけれども、それでよろしいわけですね。
#95
○楠木政府委員 現在、アメリカの航空機を日本で航空会社がリースを受けているというケースがございます。そういうものにつきまして、お互いにアメリカと日本の間で、運航国と登録国という形での二国間協定を結びますと、そのような形でこの法律の適用が行われるということが考えられるわけでございますが、現在のこの法律につきましては、まず、そういった条約に入る、そして二国間協定を結ぶ手順をつくるということでございますので、その二段階目は今回は入れていない。先生おっしゃった点は、二段階目まで入ってくると、そういう点が達成されるということでございます。
#96
○秋葉委員 現状ではなくて、要するに、一つの姿としてそういうことになる、その基本的な考え方について念を押したのです。それに関連して、実は、ある意味では機材の安全性以上と言ってもいいのですが、少なくとも同じぐらい安全性確保の問題で重要なのは、やはり飛行機を運航するパイロットや乗組員の責任、あるいはその安全性確保の仕事ということだと思うのです。
 これはいわば労働面からの安全性確保の責務というような形で整理をされると思うのですけれども、仮に、外国の飛行機会社であろうと、日本で仕事をしている、そして日本人の乗客をほとんどの場合運んでいるような会社、例えば、前回の質問で私が取り上げましたコンチネンタル・ミクロネシア航空というのはそういう形ですけれども、そういったケースでも、安全性確保の責務は、精神においては、今の、実際に一番安全性確保ができる場所あるいは国が責任を持つというような考え方を適用すべきだ。もう既に適用されているのかもしれませんけれども、前回の質問では、どうもそれは所属国の方が責任を持つのだということで、例えば、機材の面ではもう既にかなり実際的な考慮が行われているにもかかわらず、労働面あるいは乗客の面ではそういったことが行われていないような感じを受けたのですが、その点について、いかがでしょう。
#97
○楠木政府委員 先生今御指摘の場合は、外国の航空会社が日本の空港に乗り入れてくる場合ということでございまして、そういった国際線運航の場合に、現在は、登録国が耐空証明等を行います場合に、それを尊重する形になっておりますものを、今度は、二国間で結びました場合に、運航国がそういったことができるという形になります。
 したがって、だれが中心になって運航しているかということと今の労務面等は関係してくるわけでございますので、そういった、どこの国が現実に運航しておるか、そしてそれについて、二国間協定で、どの運航国としての責任を負っておるのか、こういった点を中心に見ていくことになると思います。
#98
○秋葉委員 ただ、実態としては、働いている人はほとんど日本人、しかも日本に住んでいる、乗客もすべて日本人だと言っていいという状況ですから、しかもそれが、たまたま利益だけはアメリ
カに行くという形で、その際に、では、安全性確保は、ともかく、どういうような運航をしようとも、利益だけ最終的には中心に考えているような存在が安全性確保を行うべきであるという理屈はちょっとどうかなと思うのですが、この問題は、また法律面等ありますから、別の時点でさらに厳しい議論をしたいと思います。
 今度、労働面に関しては、運輸省とそれから労働省、両方かかわっていると思うのですけれども、亀井運輸大臣の時代に、契約制のスチュワーデスということがマスコミを通して日本じゅうの話題になりましたけれども、その際には、運輸省の考え方としては、労働面ではあっても、安全性確保に関連があるから、運輸省としてやはり重大な関心を持つのだということを発言されて、その方針を実際に行政面で実行した結果,それなりの解決策に至ったというふうに理解をしておりますけれども、その考え方に今でもお変わりありませんか。
#99
○楠木政府委員 これは、主としてどの国がそういったことについて監督するかという、先ほどの先生の話とも大いに関係してくるわけでございますが、日本の航空企業のそういう問題について先般とりましたそういった態度については、私どもは変わっておりません。
#100
○秋葉委員 今のはミクロネシアの話だけではなくて、先ほど全日空の話もありましたけれども、亀井運輸大臣の話は日本の航空会社ですから、日本の航空会社に限っての話でもいいのですけれども、ともかく、やはり安全面からの関心は、それが労働問題であろうとも、運輸省並びに運輸大臣としては当然持つべきではないのでしょうか。
#101
○楠木政府委員 事安全に関する問題につきまして、私どもの方は、十分そういった点も配慮して判断をしていくべきだと考えております。
#102
○秋葉委員 またコンチネンタル・ミクロネシア航空の問題に戻りますけれども、前回、三月に質問をしたときには、運輸省は今よりもうちょっと後ろ向きの考え方を示されたような気がするんですが、ちょっと誤解だったらおわびしますが、労働省はそれなりの調査をするということを言われました。
 どんな調査をしたのか、その調査結果を簡単に御報告いただけますでしょうか。
#103
○青木説明員 このコンチネンタル・ミクロネシア航空につきましては、三月十九日に所轄の地方労働基準監督署におきまして労働基準法二条と十四条に違反するという申告がございまして、その申告を受理いたしまして、その事実関係を把握するために事業場の責任者から事情を聞くなどの調査を行いました。
 調査いたしましたけれども、二点ほどございまして、その第一点、基準法二条の問題につきましては、長時間ホテルに監禁されて、一方的に不利となる契約内容を提示されてサインを強要されたということでございまして、これについては九年の二月二十三日に会社側が契約変更を申し出た際の話ということを指していると思いますけれども、その実際のところを調査いたしましたところ、その場では会社側の提案説明をし、労働者からの質問にも十分に応じる旨を説明し、また、事柄も大変重大なことでございますので質問も多くて、社員から、むしろ社員だけでも話し合いたいというぐらいの話があったということでございます。借りていた会場も利用時間をそういうことで延長するということがありましたり、途中で休憩時間を設けたり、あるいは会場の利用時間終了後も、むしろ一部の乗務員の申し入れにこたえて話し合いをさらにホテルのロビーでその後も続けてやったというようなことから、長時間ホテルの部屋に監禁してサインを強要されたものとは考えがたいのではないかなというふうに思っております。
 それから、十四条の問題につきましては、提案した内容が一年契約で更新して五年間やるという内容でございましたので、直接に労働基準法に今違反をするというものではないということでございまして、所轄の署においては、今後こういった申告された労働者に対しましても説明をし、必要な情報提供には努めてまいりたいというふうに思っております。
#104
○秋葉委員 一年契約の方から先に申し上げますけれども、きのういただきました文書によると、ここに書いてあるのは、一年契約として五回更新するという提案があって、これはいいんだというふうに労働省は言っている。なぜかというと、一年間の契約期間経過後は労働者は契約を終了させることができるから、労働者を五年間拘束するものではない、だからいいんだと言っているんですが、これは話が正反対ですよね。今は終身雇用で、これはフライトアテンダントの方はずうっと仕事が保障されているんです。それを会社側が、要するに、首切りというと言葉が悪いですけれども、人員整理をしたいということで、本来であれば例えば一年ぐらいというところで何とか決着を図りたい話だったんでしょうけれども、それでは終身雇用と余りにも差があるから五年ぐらいにして出そうと。ところが、それだと労働法にひっかかるから一年契約を五回にしたという話で、これは雇用者の方の、要するに労働者の方は長く働きたいという気持ちがあって、それを保障すべきというところを全く見ないで、こういう結論を出しているというところが全然おかしいですね。
 それから、第一番目の、七時間も結局拘束された、監禁されたというふうに見るかどうかは別ですけれども、拘束をされ、その間に、突然解雇、あるいは労働条件を大幅に、二百万円も例えば一年間の収入減らせとか、あるいは、今まで終身雇用だと思っていたのが、これが、五年契約にするか早期退職をしろというようなことを言われれば、それはだれだってびっくりする話で、そういう状況のもとでそもそも労使の交渉をやってはいけないというのが労働法の基本的な考え方だと思いますし、憲法に保障された労働者の権利だと思います。そういったところを全く無視して、「強要されたとの事実は認められなかった。」という判断を下すことで非常に大きな問題を投げかけていると思います。
 例えば一例だけ申し上げますと、これは七時間こういうひどいことを会社側はやっている。それで、それを調べた、しかも、労働者側、使用者側、両方から事情聴取をして、そして客観的な立場で、しかも権力を持っているこの労働基準監督署が「同意するよう強要されたとの事実は認められなかった。」問題はないということを言ってしまえば、これは、この次は、会社側としては、十時間やったっておかしくないということになって、十時間こういった拘束をすることを保護し、促進し、助長するような調査結果を出している。これは非常にゆゆしき問題だと思います。これは労働省にぜひまた考え直していただきたいところなんです。
 そこで、運輸省に最後に一問だけ伺いたいと思います。それで終わりにします。
 こういった答え方を見ると、労働省は、それは労働法の立場からはそれなりに言い分があるというふうに百歩譲って考えたとしても、こういう調査結果でそれが空の安全性につながるとは私にはどうしても思えない。となると、やはり労働省の管轄分野であっても、運輸省としてはやはり安全確保という観点から、何らかの措置をするように最低限検討するぐらいのことはできないものなんですか。そのことを一つだけ伺いたいと思います。
#105
○楠木政府委員 前回、この問題についてはいろいろ御議論がございまして、外国企業の労使問題だとか、あるいは、どこの国に所属している航空会社についてはどういう規定が適用があるかというのは、私、先生に申し上げたところでございますが、それはさておきまして、そういう前回の先生の御質問もございますし、今回重ねてのお尋ねもございますので、こういう点を踏まえて考えますと、いずれにせよ、客室乗務員というのは安全な運航の確保に重要な役割を果たしていると認識しておりまして、今後とも安全運航の問題に注意を払ってまいる所存でございますが、この問題に
ついては、私どもとしても注目をして十分フォローしたいと考えております。
#106
○秋葉委員 終わります。ありがとうございました。
#107
○大野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#108
○大野委員長 本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 航空法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#109
○大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#111
○大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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