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#1
第142回国会 農林水産委員会 第8号
平成十年三月二十五日(水曜日)
    午前十時七分開議
出席委員
  委員長 北村 直人君
   理事 赤城 徳彦君 理事 松岡 利勝君
   理事 松下 忠洋君 理事 小平 忠正君
   理事 木幡 弘道君 理事 宮地 正介君
   理事 一川 保夫君
      石破  茂君    小野寺五典君
      金田 英行君    鴨下 一郎君
      岸本 光造君    熊谷 市雄君
      園田 修光君    武部  勤君
      戸井田 徹君    中山 成彬君
      仲村 正治君    林  幹雄君
      二田 孝治君    松本  純君
      御法川英文君    宮本 一三君
      矢上 雅義君    石橋 大吉君
      神田  厚君    今田 保典君
      鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君
      漆原 良夫君    木村 太郎君
      佐々木洋平君    菅原喜重郎君
      二階 俊博君    中林よし子君
      藤田 スミ君    前島 秀行君
 出席政府委員
       農林水産政務次
       官        岸本 光造君
       農林水産省経済
       局長       熊澤 英昭君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
 委員外の出席者
        農林水産大臣官
        房審議官    竹中 美晴君
        農林水産省経済
        局統計情報部長 遠藤 保雄君
        農林水産委員会
        専門員     黒木 敏郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十五日
 辞任        補欠選任
  木部 佳昭君     林  幹雄君
  岸本 光造君     萩山 教嚴君
  高鳥  修君     戸井田 徹君
  中尾 栄一君     武部  勤君
  丹羽 雄哉君     松本  純君
  矢上 雅義君     鴨下 一郎君
同日
 辞任        補欠選任
  鴨下 一郎君     矢上 雅義君
  武部  勤君     中尾 栄一君
  戸井田 徹君     高鳥  修君
  林  幹雄君     木部 佳昭君
  松本  純君     丹羽 雄哉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(畜産問題等)
 平成十年度畜産物価格等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○北村委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
#3
○松下委員 私は、自由民主党の松下忠洋であります。
 鹿児島県の薩摩半島を選挙地盤として出てまいっておりますけれども、鹿児島県は、牛にしましても豚にしましても、そしてまた鶏にしましても、日本一の畜産県でございまして、そういう観点も含めて、農林大臣、農林省当局に御質問を申し上げたいと存じます。
 まず初めに、農業基本法を新たに制定しようということで、それぞれのつかさつかさで勉強し、議論をし、検討をしているところでございますが、米の政策を中心として農業が大きく転換しようとしておるわけでございます。所得政策に思い切って踏み込んでいくいわゆるデカップリングという政策、それから、日本の土地政策の中で重要な部分を占めている中山間地の活性化を図っていくべきだという、大きな方向転換をしながら思い切って政策を転換しようとしておりますけれども、その中で、この畜産、酪農、養鶏といった、食の部分で非常に大事な分野を受け持っているこの部門に対して、どのようにその重要性を認識し、位置づけていこうとしておられるのか。世界の貿易の機構の中で日本の畜産、酪農、養鶏がきちっと生きていき、そしてまた競争力をつけていくためにも、日本の農業の憲法とも言える農業基本法の中における重要性の認識と位置づけは大事だと考えております。
 それについて、農林大臣、政務次官のお考え方を教えていただきたいと存じます。
#4
○岸本政府委員 ただいま松下委員の方から、畜産と農業基本法の問題の関連につきまして御質問がございました。
 我が国の畜産は、御存じのように、動物性たんぱく質の重要な供給源として国民の食生活の向上に大きく貢献してまいりましたし、我が国農業の基幹部門として重要な位置を占めております。特に、議員御指摘のとおり、農業総産出額では米に次いで四分の一を占めるという極めて重要な位置を畜産は占めておるというふうに認識をしております。さらにまた、国土の有効利用、農山村地域の活性化に重要な役割を担っております。
 一方、社会情勢の変化や国際化の進展に対応し、新たな基本法制定を含む農政の改革につきましては、御存じのように、食料・農業・農村基本問題調査会においてただいま議論が進められておりまして、昨年十二月に中間取りまとめがなされたところでございます。この夏をめどにして具体的な議論をさらに進めていく、こういうことになっておりますが、冒頭申しましたように、我が国畜産が重要な役割を果たしているという認識に立って、位置づけをして、検討を進めてまいりたいと存じております。
#5
○松下委員 大変大事な畜産、酪農、そして養鶏でございますので、しっかりと位置づけを真ん真ん中にしていただきたい、そのように考えております。特に、米の大きな生産調整を地域に強いている状況の中で、土地を有効に活用していくという意味から、この畜産、酪農の持っている役割というのは非常に大事だと考えておりますので、よろしく議論を進めていきたい、そのように考えております。
 二番目の質問でございますが、家畜ふん尿対策、畜産環境対策についてお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 今牛が約五百万頭日本におります。それから、豚が約一千万頭おります。鶏が約三億羽おります。これが大量のふん尿を排出いたします。牛は人間の六十倍ふん尿を出します。豚は人間の十倍ふん尿を出します。ですから、牛は五百万頭おりますので、六十倍いたしますと、六、五、一二十、人間でいきますと三億人分のふん尿を出すということですね。それから、豚は一千万頭ですから、十倍いたしますと一億人分のふん尿を排出するということで、牛と豚で人間に換算して四億人分のふん尿を出す、こうなるわけです。そして、それ
に鶏の三億羽が入ります。これは大量の排出になるという現実の問題があるわけですね。これは現実、事実です。
 そして、建設省が人間一億二千五百万人のし尿処理のために使っている年間の経費は約三兆円です。事業費で三兆円。それに農林水産省の集落排水でありますとかあるいは厚生省の簡易下水、いろいろありますので、そういうのを加えますと、三兆円をはるかに超える三兆五千億にもなるようなし尿処理を人間一億二千五百万人にやっているわけであります。
 それに加えて、この家畜のふん尿処理、人間でいいますと約四億人を超えるふん尿を出す家畜、三億羽の鶏を含めて、これにどれだけの経費がかかっているか。私の概算では約二百億円ぐらいしかこのためにかけていないのじゃないかと考えているわけですが、これでは十分に処理し切っていないのじゃないかと思うのです。
 もちろん、この家畜ふん尿というのは、耕種農家やいろいろな園芸農家も含めて土地に返していくという大きなサイクルの中で回っているものでございますので、全部それを処理して海や川に処分していくという性質のものではありませんけれども、それにしましても、これだけの大量のものを、そしてまた、それを処理していく農業の仕組みも変わってきておりますし、一町歩当たりあるいは一反歩当たりの堆肥の利用状況も、二十年前の十分の一に減っている、あるいは五分の一に減っているというような話も聞いておりますから、十分に還元し切っていないというふうに思います。
 そしてまた、地下水の汚染でありますとか、あるいはにおいという問題が広い範囲で、ふん尿がいわゆる公害として、言葉をかえますとばらまかれているということにもなりかねないし、なっている現実も見ております。
 ですから、いわば産業廃棄物扱いというような取り扱いをするだけではなくて、そしてまた、畜産農家だけにそれを負わせるのではなくて、もう少し幅広く、生ごみの処理なんかも含めて、地方公共団体が入る、それから公共のお金も投資するという形で広く処理していかないと、二十一世紀にわたって畜産、酪農、養鶏の人たちが継続して仕事をしていく、そういうことができなくなってくると思うのです。
 例えば、大規模化が言われておりますので、豚を五百頭飼っている人がいるとします。そうしますと、人間でいいますと五千人分のふん尿を出すわけです。五千人の町といいますと、これは一つの大きな町ですから、その処理をわずか二人の御夫婦で処理するということになるわけで、本当にそれを処理し切っているのかということがあるのですね。ここをもっと、今までの視点を変えて、幅広く地方公共団体もきちっと入れ、そして、国や県もしっかりとした支援体制をする中できちっと農地に還元する、あるいは無害にして川や自然界に返していくという仕組みをぜひしていく必要があると思うのです。
 もちろん、その点の技術開発も必要ですし、それから低コストのいろいろな技術開発も必要ですけれども、それについてのお考え方をぜひ聞かせていただきたいと存じます。
#6
○竹中説明員 お答えを申し上げます。
 畜産経営に起因いたします水質汚濁や悪臭等、地域住民からの苦情につきましては、近年、全体としての件数としましては減少傾向にあるわけでございますが、一方で、農家当たり苦情発生率というような観点から見ますと、家畜の飼養戸数の減少や飼養規模の拡大に伴いまして、むしろ増加傾向にある現状でございます。
 家畜のふん尿につきましては、先生からも詳しく御指摘ございましたように、環境の保全のみならず、有機質資源の有効利用というような観点から、例えば、地域の食品産業残渣を含めて堆肥化するというようなことを含めまして、地域における耕種農家との連携等を図りながら、農地に還元することを基本にしましたリサイクル利用が重要であろうと考えております。
 これまでも、食品産業残渣も加えた堆厩肥生産のための有機質資源活用リサイクルセンターの整備など、家畜ふん尿処理利用機械・施設等の整備に助成をいたしますほか、これらの施設整備につきまして、低利の融資とかリースとか各般の対策を講ずることによりまして、畜産経営のふん尿処理施設への投資の負担軽減を図ってきているところでございます。
 平成十年度におきましても、新たに公共事業、非公共事業を通じまして、堆厩肥の敷料としての利用とかあるいは浄化処理水の再利用等を促進する事業、さらにはまたメタン発酵等の家畜排せつ物のエネルギー利用を推進するような事業等々を創設いたしまして、畜産環境対策の充実強化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#7
○松下委員 大変重要なふん尿対策でございます。一人一人の個人に対する支援対策、それから集団で、数人のグループでやる人たちに対する支援対策、それから広域的に、広い範囲で地域の生ごみ等も含めて処理する施設に対する支援対策、きちっと仕分けしながら幅広く取り組んでいく、そして公共も入っていくということで新しく取り組んでいただきたい、そういうことをお願い申し上げる次第でございます。
 それからもう一つは、畜産物の熱量ベースでの自給率向上、これをさせるための粗飼料生産基盤の強化の問題でございます。
 今後の日本の畜産、酪農を発展させるためにも、この粗飼料生産基盤を強化するということは大変大事でございます。これについて具体的にどのようにしておられるのか。この点が大変おくれていると思いますけれども、それについての考え方をお聞かせいただきたい。
#8
○竹中説明員 粗飼料生産基盤を強化するという点についてでございます。
 濃厚飼料に加えまして粗飼料の供給を外国に依存しますことは、為替レートや海上運賃の変動とかあるいは輸出国の作況等に影響されまして、価格面、品質面、供給面で大きな不安定要因を抱えることになります。畜産経営の安定とか国内土地資源の有効活用あるいは環境保全等の観点からいたしますと、自給飼料生産を極力拡大していくということが重要であると考えております。
 そういう観点から、粗飼料の国内生産を振興し飼料自給率を向上させますために、これまで、自給飼料基盤の造成、整備とそれを契機とした農地利用の集積とか、転作田等既耕地におきます飼料作物の作付拡大とか、優良品種の普及なり飼料生産技術の高位平準化等による単収の向上などの施策を総合的に進めてきているところでございます。
 十年度におきましても、新たに、中山間地域における耕作放棄地や林地等の集積を支援いたしまして、農林地一体で放牧地として活用を促進するような事業とか、あるいは、放牧主体の生産方式への転換を促進するために、放牧向けの草の種類への転換とか牧さくの設置等の条件整備等を実施することにいたしておりまして、こうした施策の推進によりまして、先生御指摘の今後の自給飼料生産の振興を図ってまいりたいと考えております。
#9
○松下委員 外国に頼っているえさ、飼料というものから大きく脱皮していくという意味で、これは極めて大切ですので、本格的に気合いを入れてやっていただきたい分野でございますので、よろしくお願いいたします。
 それからもう一つは、中山間地の活性化に関連いたしまして、耕作放棄地あるいは休耕田、そういった活用されていない農地、そういうものを畜産、酪農それから養鶏といった分野に思い切って開放する、そういう政策を取り入れていく、あるいは支援していくということを思い切ってやっていかなければいけないと考えておるのです。現在、鹿児島県のいろいろな中山間地を歩いておりましても、こういう耕作放棄地、休耕田、未活用の土地が大変多く広がっております。そこの活用、これをぜひ議論していただき、そしてまた政
策として取り上げていただきたい、こう思っているわけです。
 私は今、自由民主党の畜産酪農対策小委員会の委員長をして、二月からずっとこの問題を議論してきておりますし、まさに今、畜産物価格あるいは乳価等の決定の山場でございますけれども、そういう価格とか数量ということだけではなくて、こういう将来を展望した畜産、酪農、養鶏等のあり方というものをきちっと示していく必要があると思います。
 そういう議論も出てきておりますけれども、その中での中山間地の耕作放棄地の活用というものをどう考えておるのか。大変議論のあるところですので、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
#10
○竹中説明員 御指摘の耕作放棄地でございますが、最近の動向を見ますと、昭和六十年に九万七千ヘクタールでありましたものが、平成二年は十五万一千ヘクタール、平成七年は十六万二千ヘクタールというふうに急増してきております。耕作放棄地率ということで見ますと三・八%程度になっておるわけでございますが、これに過去一年間作付がなかった、いわゆる不作付地を含めて考えますと、三十二万七千ヘクタールにも及ぶという現状でございます。
 こういう耕作放棄地を見てみますと、概して基盤整備が行われていない土地が多い、また、一団地当たりの面積が小さいとか、それがまた分散しているというような傾向にございまして、そのままではなかなか採草利用には向いていない土地が多いということでございますが、一方で、地代が安いということもございますから、使い方によっては低コストの飼料生産を行うことが十分可能であろうと考えております。
 そういうことから従来からも、コントラクター組織によります耕作放棄地の畜産的利用とか、あるいはまた、いわゆる蹄耕法、ひづめで耕す蹄耕法でございますが、そういう蹄耕法による傾斜地の草地造成、放牧地としての活用等を進めてきているところでございます。
 また、平成十年度におきましても、新たに耕作放棄地等活用畜産振興事業という事業をつくりまして、中山間地域における放牧可能な耕作放棄地や林地等を一体的に集積して放牧地として整備するような事業を実施いたしております。そうしたことも含めまして、御指摘の耕作放棄地の有効活用、畜産的活用を図っていきたいというふうに考えております。
#11
○松下委員 十五万ヘクタールといいますと、コシヒカリをつくっている新潟県、そこの耕作地、農地と同じ面積なんですね。それから、四国の香川県がありますが、そこの面積とほぼ同じぐらいの面積なんですよ。それが耕作放棄地として要するに放置されているということですから、この活用は、分散しているから集約するのはなかなか骨が折れますけれども、これは地域の農業団体等も含め、あるいは地域のいろいろな集落の人たちの協力も得ながら努力していく必要があると思いますので、真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 この中山間地を活用するためにも、ふん尿対策というのを処理した上でないと、やはり周辺の住民に対するいろいろな、苦情も出てくる状況ですので、それもあわせてやらないと進んでいかないということですから、そこの御認識をお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、飲用乳価についてお尋ねをいたします。
 今、加工原料乳の保証乳価を決めている真っ最中でございますけれども、それとあわせて飲用乳価というのがこれはまた極めて大切でありまして、この両方がともに繁栄していく、共存し共栄していくという形でないと日本の酪農界は発展していかないと考えております。その飲用乳価は、生産者団体と乳業メーカーとの間の交渉で決まっているわけであります。この両者の交渉力は極めて格差が大きいと私は認識しております。
 昨年もことしも、この畜産酪農の委員長を二年続けてやりましたけれども、ここの問題が常に大きな問題として我々の前に提示されてきておりました。そういう両者の交渉力に格差があるという中で、交渉の環境を整備していく、同じ条件で、対等にきちっと話し合いが進められていくような仕組みをやはりつくっていかなければいけないと思うのであります。生産者団体の方にも、個々の小さい団体でそれぞれ交渉していくというのではなくて、広域化しブロック化して広くそういう力をつけていきながら交渉をしていくという自助努力も大変大事でありますし、これはこれで進めていかなければいけないと思っていろいろ支援しておりますけれども、農林水産省の方でもこの辺のバックアップ体制、そういう組織化をしていくために必要な助成とか補助とかそういうことがなければ、やはり地域の飲用乳価の団体の人たちの力がついていかないと思います。
 そういう助成、補助も含めてどのように考えておられるか。ぜひ進めてもらいたいと思っておりますので、そういう観点からお話をいただきたいと存じます。
#12
○竹中説明員 飲用乳価についてでありますけれども、御承知のとおり、取引の当事者である生産者団体と乳業者の交渉によりまして自主的に決定されているところでございまして、まずは生産者団体と乳業者が誠意を持って十分話し合いを尽くしていただくということが前提条件であろうと考えております。
 一方で、御指摘にもございましたように、飲用乳価について対等な交渉が行われますためには、生乳の広域流通の進展に対応いたしました集送乳の合理化や適切な需給調整体制の強化など、周辺条件の整備を図っていく必要があろうと考えております。
 私どもといたしましても、生乳広域流通組織化モデル事業といったような事業を実施することによりまして、関東や九州などにおきまして、ブロック単位での流通の合理化や需給調整体制の整備などをモデル的に実施をいたしまして、今後の指定団体の広域化への推進に資しますとともに、乳業再編整備等対策事業の中で余乳の処理施設やあるいはクーラーステーションの整備などを行いまして、集送乳の合理化や余乳の適切な処理体制の整備を推進しているところでございます。こうした対策の適切な推進によりまして、生乳需給の安定確保に努めていきたいと考えております。
#13
○松下委員 生産者団体の広域化、ブロック化の問題は、いろいろ難しい問題もありましたけれども、九州でも広域化の動きが出てきましてまとまってまいりました。それから、中国地方でもブロック化が進んでいるというふうに動きが出てきておりますから、それを支援するための補助、助成というものにしっかり取り組んでいかなければいけないと考えておりますし、我々の委員会の中でもそれは議論してぜひ実現を図っていきたいと考えておりますので、御承知おきいただきたいと存じます。
 それから、最後になりますけれども、ゆとりある畜産経営というのが非常に大事であります。我々の委員会の中でも、単に乳価や限度数量というものを決めるだけの畜産酪農対策であってはいけないということで、今までの畜産物価格等という名前の委員会から、ことしから畜産酪農対策という幅広いものに取り組んでいくというふうに衣がえして、もう二月の初めから議論をしてまいりました。
 その中で今、畜産、酪農、その人たちが何に一番困っているのか、養鶏の人たちが何に困っているのかというのが四つにまとまってきました。
 一つが、ふん尿対策、環境対策をしっかりしなければいけないということ。
 それからもう一つは、労働が非常に過重だ、そして一年間のうちに休みがなかなかとれないということ。過重だけではなくて、その場からなかなか離れられない、手がかかるということ。二十四時間ずっといなければいけないということ。そういう状況だということがありました。
 それからもう一つは、農家が大きな負債を抱え
ている。特に酪農、畜産の施設にかかる、それからふん尿対策や環境対策に極めて大きな投資をしなければいけない。そういうものの負債がやはり固定化してきているということなんですね。そして、やめたくてもやめられないし、またそのやめたくてもやめられない人たちの原因は何かというと、この負債の問題。返したけれども、いろいろ処分したけれども、まだ残っているのが平均して二千万近くあるということを聞いておりますので、そういう問題をどう処理していくかという問題も出てきておりました。
 それからもう一つは、やはり高齢化に伴って後継者がなかなか見つからないということですね。酪農は少しまだ平均的には若い人たちが多いですけれども、畜産関係は非常に高齢化が進んでいる。牛が好きだし豚が好きだしそれをやりたいと思うけれども、年とってきてやれないということになりますと、そういうやりたい人にはやり続けられるような仕組みをやはりきちっとつくっていかなければいけないと思っています。そういうところのゆとりある仕組みというものをこれから本当に思い切ってやらなければいかぬ、こう思っているのですけれども、それについての基本的な考え方、ゆとりある経営をどうするか、これを最後に大臣にお伺いしたいと存じます。
#14
○岸本政府委員 委員御指摘のとおり、畜産酪農農家が一番困っていることは、一番にふん尿処理の問題でございます。それから二つ目は労働過重の問題がございます。三つ目は負債問題。四つ目は高齢化等後継者難の問題がございます。
 御指摘のとおりでございまして、厳しい状況を踏まえまして、環境対策、担い手対策、それから飼料対策、安全衛生対策などを通じて、我が国の畜産の足腰が強くなるように全力で取り組んでまいりたいと存じます。
#15
○松下委員 再生産可能な、持続して、そして活性化して、畜産、酪農、養鶏の農家の人たちが仕事ができていくような仕組みをぜひやっていただきたい。我々の委員会も、自民党としても、しっかりとそれに対応できる対案をつくってまいりますので、その実現をよろしくお願いしたいと存じます。
 終わります。ありがとうございました。
#16
○北村委員長 次に、鉢呂吉雄君。
#17
○鉢呂委員 民主党の鉢呂吉雄です。民友連を代表して、岸本政務次官、そしてきょうは参議院での予算委員会、また畜産審議会も開かれておるということで、畜産局長はそちらに出向いているということで、竹中畜産審議官を中心に質問をいたしたいと思います。
 委員長に事願いいたしますけれども、竹中審議官は政務次官の横に来て答弁していただきたい。その時間が大変惜しいので、そこのところはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず最初に、政務次官にお尋ねをしたいわけであります。
 きょうも畜産審議会が開かれておりまして、食肉関係の諮問が私どもの手元に配付をされておるわけでありますけれども、食肉部会を畜産審議会の中につくられて、この委員の名簿を見ますと、相も変わらず部会長に農水省のOB、部会長代理にも農水省の局長OBということで、昨今、ひとり大蔵省だけでなくて行政と官僚のOB、日銀の総裁もそういう形で、民間経済人を登用するという時代になってきました。あるいは政府の審議会であっても、透明性を確保して国民の幅広い意見を聴取するという形に、審議会の経過においても変わってきました。
 したがって、こういう大事についても、やはり役所のOBが入ればどうしても、しかもこれは二人とも特殊法人の役員であります。農水省の管轄下にあると言わなければなりません。こういう方が取りまとめ役ということでは、本当に国民の皆さんの意見が反映されるのか。きょうも傍聴席には酪農家の皆さんが来ておるわけでありますけれども、こういう形では本当に審議会は役割を果たしているのかと言わざるを得ないと思います。きょうはどうにもなりませんでしょうけれども、政務次官のその辺の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#18
○岸本政府委員 御指摘の問題につきましては、今後検討課題とさせていただきたいと思います。特に経験を重視する、あるいは学識経験の知識を活用するという意味ではそういう慣例になっておったのだろうと思いますが、委員御指摘の面も含めまして、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
#19
○鉢呂委員 そこで、三月十四日の畜審に報告をされました、畜産局長の「最近における畜産の動向等について」、この報告に基づきまして、最近の日本の畜産状況並びに国際的な貿易のあり方等について、まず御質問をいたしたいと思います。
 ただ、残念ながら、私も数年前に指摘をしたのでありますけれども、今回の畜産局長の報告も去年の報告も全く同じであります。O157の関係だけがことし入っておらない程度の話でありまして、本当にこのような報告で日本の畜産情勢を的確に指摘しておるのかなというふうに疑問を持たざるを得ないわけであります。
 まず第一に、我が国の畜産は、需要の増大を背景として順調な発展を遂げておるというふうに指摘をされております。同時に、最近大きな変化もいたしておるということで、まず最初に、需給面では、需要の伸びが総じて鈍化している中で、生産動向いかんによっては需給の不均衡を招来しやすい状況となっておる、このように冒頭述べておりますけれども、私は、これは若干違うのではないかというふうに思いますので、指摘をさせていただきたいと思います。
 確かに、この三年ほどの畜産物の消費、需要については若干鈍化の傾向になっています。国民一人当たりの一日当たりの消費量を見ますと、平成六年が四百二十九キロカロリー、平成八年が四百三十五キロカロリーでありますから、そういった意味では需要の伸びは若干停滞現象にも見受けられます。
 しかし、まず指摘をしておかなければなりませんのは、例えば生乳の総消費量、これは平成五年が一千七十五万三千トン、平成八年が一千二百七万トン、百三十二万トンほど増加をしています。単純に言えば年率四%、この平成五年対平成八年で一二%ふえておるわけであります。しかしながら、国内の生産は八百五十五万トンから八百六十五万トンということで、約十万トンしか伸びておりません。十万トンです。皆さんも御案内のとおり、輸入は二百四十三万四千トンから三百四十一万八千トン、これは生乳換算でありますけれども、約百万トン伸びておるところであります。
 あるいは食肉全体でありますけれども、国内生産は、御案内のとおり戸数も二けた台で毎年減っております。生産量は、平成五年が三百三十五万八千トン、平成八年が三百五万六千トン。ですから、国内の生産量は三十万トン減っておるのであります。それに対して、輸入量は百九十七万九千トンから二百五十三万九千トンというふうに、五十六万トンもふえておるわけであります。差し引きしますと二十六万トンほどの消費の伸びということでありまして、必ずしも消費というのはそう停滞をしておらない。むしろ順調に伸びていると言っても過言ではありません。その反面、輸入がそれを加える形で急増しておる。
 私は、畜産局長の報告があのように、生産動向いかんによっては需給の不均衡を招来しやすい状況となっておる、これは当たっておらないのではないか。むしろ生産の増加を阻害しておるのは輸入畜産物の影響によるのではないか、このように思うわけでありますけれども、まず御答弁をいただきたいと思います。
#20
○竹中説明員 最近の畜産物の需給の動向を見ますと、総じて消費が堅調に伸びる、特に食肉の分野はそうでございますが、伸びる中で、これを補う形で、これをカバーする形で輸入がふえてきたというような状況ではないかというふうに考えております。国内生産もそれなりに頑張ってきておるわけでございますが、消費の大きな伸びに十分対応できない部分は輸入が補ってきているという
形ではないかと考えております。
#21
○鉢呂委員 私の質問に答えていないと思いますけれども、局長が報告いたしました、生産動向いかんによっては需給の不均衡を招来しやすくなっておる、私はこの点について、これはもちろん国内生産動向いかんということだと思います。このことは当たっていますか。
#22
○竹中説明員 例えば乳製品等を考えますと、生産の状況によっては需給の不均衡を招来する可能性がある、そういった認識を申し上げたものと理解いたしております。
#23
○鉢呂委員 私が明確に申し上げておりますように、生産が過剰で需給のバランスを崩すとかあるいは価格が不安定になるということ、この近年はそういう形になっておりません。むしろ、需要に足らざるところを輸入によって補うという姿が顕著になっておるところであります。もちろん、ガット・ウルグアイ・ラウンドの自由化に伴うカレントアクセス等のやむを得ざる輸入というものもあるわけでありますけれども、この農水省の見解は、私は間違っておるというふうに思います。
 一般的に、生産動向いかんによって需給の不均衡を生じやすくなるという形ではないということを畜産審議官はきちっと認めていただかなければなりません。次の質問に入れません。
#24
○竹中説明員 需給の状況というのは、また品目によって事情が違う面があろうかと思いますが、例えば乳製品の需給で申しますと、近年の動向を見ますと、需要の動向に照らして足りない分を輸入しているという状況でございますが、それも国内の需要の動向に合わせて、数量につきましては、例えば脱脂粉乳の追加輸入というような形で対応してきているという状況でございます。
#25
○鉢呂委員 時間がなくなりますから、これ以上費やすことは難しいわけでありますけれども、例えば食肉にしても、これはもちろん歯どめはあります。急増した場合の関税引き上げの措置はあるわけでありますけれども、基本的には価格は自由プラス関税という形で入ってきておるわけでありまして、このことが、ここに書いてあります需給不均衡の大きな原因になっておると言わざるを得ないわけであります。このことを農水省はしっかり認識をしながら畜産行政というものに当たっていただきたいわけであります。
 次に、畜産農家戸数は小規模飼養層を中心に減少傾向にある、こういうふうに言ってきました。これもずっとここまでは近年そういう形で進んできた、そういう形があったと思います。例えば酪農についても小規模層はもちろん減っております。
 しかし同時に、近年の傾向は、ここにも統計資料がありますけれども、例えば三十頭以上の畜産農家戸数は減少傾向に入っておるのであります。これについてはどのように認識していますか。
#26
○竹中説明員 酪農の農家戸数でございますが、基本的には、小規模層を中心にして減少が進み、その一方で大規模層のシェアが高まるという形になっておるわけでございます。小規模層を中心にした離脱の理由といたしましては、いろいろ高齢化なり後継者の不在とか病気、けがといったような理由でそういう現象が起きているものと考えております。
#27
○鉢呂委員 例えば平成五年が、三十頭以上、これは上は制限ございません、全体で二万一千戸ございました。ところが、平成九年、これは一万九千戸に減少しております。これはこの二、三年顕著にあらわれてきた例であります。これは皆さんの資料です。何千戸以下は書いてありませんが、二万一千戸から一万九千戸に減少傾向に入っております。これまでは皆さん、飼養戸数が減ってきますから、それで割り返せば一戸当たりの平均頭数はふえておるというようなことで、規模の拡大が顕著に進んできておるのだということでプラスの評価をしておりました。
 しかし、私ども北海道あたりで酪農地帯に入れば、どんどん大きい酪農家も、どんどんとは言いません、大きい酪農家もいろいろな要因の中で、借金があったり後継者がなかったり、あるいはいろいろなことで、三百六十五日このような過重労働はもうへとへと疲れたということで酪農自体をやめておる農家が見え始めておるということであります。
 このことが皆さんの資料にあらわれておるわけでありまして、このことの皆さんのとらえ方は従来どおり書いてあるわけであります。この辺もやはり皆さんの御認識を変えていかなければならないのではないかというふうに私は思いますけれども、どうでしょうか。
#28
○竹中説明員 確かに大きな規模の酪農家においても離脱されるというような例はあるわけでございますが、それはそれぞれのいろいろな理由があることであろうと思います。全体の傾向としては、小規模層が離脱していくことによりまして規模拡大、大規模層のシェアが高まってきている、そういう傾向であろうと考えております。
#29
○鉢呂委員 今までは、中規模層から大規模に頭数を拡大してきたという意味では、竹中審議官の言われるとおりであったでしょう。今は中規模層からも大規模化するというのが極めて少なくなっておるからこういう資料になってきます。
 二十頭から二十九頭クラスでも、平成五年は九千戸あったものが七千戸に減っておるのであります。これが本来であれば三十頭以上の大規模層に行ってもよろしいのですけれども、そうはなっておらないわけでありまして、単にやめている方もいるだろうというような、酪農家の個人的な理由に帰すような状況になっておらない、私はそう思わざるを得ません。同時に、日本全国の乳牛の飼養頭数もずっとこの四、五年は対前年比で減ってきておるではありませんか。
 私どもも、この間、農水大臣にきのうもお会いしました。畜産局長にも数回お会いしておりますけれども、農水省の見解は、畜産についての構造的な減少傾向には入っておらない、単なる一時的な、酪農家戸数は減っておるけれども、日本の畜産の生産量なりそういうものについては問題ないと。いろいろな問題はあるけれども基本的には問題ないというような形でありますが、私は、ここで日本の畜産全体は構造的な大きな問題点を抱えるに至っておるのではないか、とりわけ酪農などについてもそう言える状況がこの成畜頭数の戸数割合にあらわれておるというふうに思うわけであります。
 この辺も農水省として、別に私、あなたの責任を問おうとして言っているわけではありません、認識を一致したいがために、竹中審議官の私に対する、そうであればそうであるという骨太の御答弁を聞かせていただきたいと思います。
#30
○竹中説明員 我が国の酪農は、これまでの過程におきまして目覚ましく発展してまいりまして、規模拡大という面をとりましても目覚ましい発展をしてきたわけでございますが、そういう中で、特に北海道等の酪農におきましても、規模的にはかなりのところまで達して、今までのような形で今後も規模拡大が続くかあるいは規模拡大を進められるかというと、確かに一定の限界感というのもあろうかと思います。
 そういう中で、今後は、従来どおりのような規模拡大、もちろんそれができる農家はやっていただくというのが結構なわけでございますが、むしろ、規模拡大よりもその中身の充実といいますか、経営の内容をよくしていくというようなことも課題になっておる、それは私どももそういう認識でおります。
#31
○鉢呂委員 私は、日本全体の畜産がどうこれから繁栄するかという視点で、個々の経営の内的な充実ということでなくて、畜産が本当に日本の食糧の自給率の大方のところを担っていけるような基盤というものが充実しているのかという視点で質問させていただいております。
 そこで、自給粗飼料生産の拡大についてであります。
 基本問題調査会も中間報告で、畜産は飼料を輸入に頼っていることから、自給率を下げる大きな要因となっているが、飼料作物の生産に真剣に取り組むべきでないかという報告をしております。
資料を見ましても、昭和六十二年には日本の飼料基盤は百五万四千ヘクタールありました。これをピークにどんどん落ち込んで、今や平成九年度で九十六万五千ヘクタール、八万九千ヘクタールほど、約一割弱減っておるわけであります。
 ところで、生産の長期見通し、これは農水省が閣議了解で平成七年度にお立てになったわけでありますけれども、平成十七年度に百二十万ヘクタールの粗飼料基盤をつくりたいというふうな計画を立てておるわけであります。生産の長期見通しては、粗飼料面積は年率一・四%増ですね。ところが、実際には、平成五年を基準としてこの間マイナス一・三%ずつ減少しております。このように、粗飼料についてはどんどん減っております。
 農水省も我々も、やはり家畜の粗飼料は国内で供給しなければならない、粗飼料基盤の充実は大変大きな課題である。この基本問題調査会中間報告の意見においても、「畜産において、草地資源の活用等により飼料の国内生産を拡大していくべきである。」これは毎年のようにこのように言っています。そのように現実にはなっておらないわけであります。
 この点についての竹中審議官の御見解をお伺いしたいと思います。
#32
○竹中説明員 粗飼料基盤の拡大という問題につきましては、私どもも大変重要な課題であると考えております。
 長期見通しにおきましては、飼料作物作付面積につきまして、家畜の飼養頭数の見通しや粗飼料生産の重要性ということも踏まえまして、百二十万ヘクタールという目標を立てているところでございます。
 また、酪農・肉用牛近代化基本方針におきましても、飼料自給率につきましては経営のフォーム別に目標が設定されておりまして、その目標値は平成八年に比べて一〇ないし四〇ポイント程度高くなっております。
 こうした目標を達成してまいりますために、私どもといたしましては、自給飼料基盤の造成、整備とこれを契機としました農用地の利用集積、あるいは転作田等の既耕地における飼料作物の作付拡大、優良品種の普及なり飼料生産技術の高位平準化等による単収の向上といったことに努めているところでございます。
#33
○鉢呂委員 一般的にはそういう答弁になるんでしょうか。
 例えば、農水省も補助を出しています草地造成事業、その面積は昭和六十三年に六千ヘクタールありました。これが平成七年度には一千三百ヘクタールと急減しています。それから草地整備事業、これは既耕地を整備する事業でありますけれども、全国一方六千ヘクタールが一万一千ヘクタールとこれも減少をしておるわけであります。
 私は、そういう意味では、先ほども松下委員からお話がありましたが、草地というのはある面では非常に条件の不利な地域につくられている面もありますから耕作放棄地になっておる面積は相当数あるので、酪農家の皆さんからも、飛び地になって大変だと。飼養規模は大きくなったわけでありますから粗飼料を生産するというところが多くなっておるんでありますけれども、必ずしもそれが効率的になされておらない、あるいは、この粗飼料の単位当たりの収穫量も必ずしも上がっておらない。
 ここは、農水省が一般的に答えるのではなくて、もとはやはり粗飼料だと思います。これは、一たび世界的な飼料の需給に大きな変動を来しますと、日本の畜産はもう一挙にこれは、人間の食糧も大切でありますけれども、その前に家畜の食糧がなければ、北朝鮮の今の事情を笑えないような状況が来るというふうに私は思いますから、やはり粗飼料基盤をきちっとしていただきたい。
 北海道でさえ昭和六十年には飼料の自給率は六三・八%でした。平成八年は五四%に減っております。北海道でさえ濃厚飼料多給型の、購入したえさでやるというふうに変わっておるというように言わざるを得ません。
 それはいろいろな飼養形態があってもいいと思いますけれども、もう一度、粗飼料に立脚をした酪農のあり方というものを農水省自体も、何も多頭飼育、高泌乳、高コストということでない飼養形態もあるのではないかというふうに思いますから、そういう点で粗飼料基盤の拡大にもっと根本的な充実を図っていただきたい。
 今、補正予算を組むかというような話も聞かれておりますから、やはり食糧生産の大事さというのは、最も中心的な日本の二十一世紀のインフラ整備にしなきゃならないというふうに私は思うわけでありますから、そういう点で、今度の補正予算、あるとは言っていませんけれども、ある場合には、飼料生産の拡大についてきちっとした対応をしていただきたい。
 これはぜひ岸本政務次官の決意を聞かせていただきたいと思います。補正予算をやると言ってもいいんですよ、補正予算を組むと言っても。
#34
○岸本政府委員 委員御指摘のとおりでございまして、家畜を育成していくためにはどうしても飼料が必要でございまして、海外に飼料を依存しているというような状態は、できるだけその率を低くすることが、国民生活の上からも、これは食糧生活の上からもやっていかなければいけないことだと存じますので、補正予算の問題は私はわかりませんが、今後とも、粗飼料、家畜の飼料の確保に全力を挙げていくように努力をしてまいりたいと存じます。
#35
○鉢呂委員 次に、次のラウンドに対する日本政府の対応についてお聞かせ願いたいと思います。
 時間がありませんから、もう畜産の貿易上の今の状況についてはお話ししません。
 そこで、来年の末にでも始まろうかとしております次のWTOのラウンド、これに対して政府はどのような対応で臨むのか。そう言っても抽象的な御答弁しか返ってこない可能性もありますから、例えば、今、乳製品についての関税化並びにカレントアクセスを実施しております。これは、平成十二年までに原則として関税、関税相当量を一五%引き下げることと、同時に、毎年度、カレントアクセス分として生乳換算で十三万七千トンを乳製品として輸入することになっております。
 これについて、例えば平成九年度でも乳製品で二万九千四百トンを輸入しております。これはカレントアクセス分としては、これは脱粉でありますけれども一万七千トン、そして追加輸入ということで一万二千トン。これはカレントアクセス分以外で、いろいろ脱粉の跛行性とか乳製品の被行性ということで輸入せざるを得ないということで今日輸入しておるのでありますけれども、そういう方向をとっていくのが妥当なのかどうか。むしろ、カレントアクセス分以上のものをとった場合に、そのことが次のラウンドでは実績として輸入せざるを得ないような局面になるのではないでしょうか。
 私は、そういう意味でこのようなカレントアクセス分以上のものを輸入すべきでないというふうに思うわけでありますけれども、このことも含めて、次のラウンドに対して、日本政府としてこの畜産部門に対してどのような方向で臨むのか。関税相当量の引き下げというものを容認し、カレントアクセス分の増大ということを容認するという方向なのか、できればお答え願いたいと思います。
#36
○岸本政府委員 これまでも、さまざまな国際会議、あるいは一昨年の世界食料サミット、この間からのOECDの農業大臣会議などで、我が国の食糧安全保障あるいは国土環境保全に農業が果たしている役割につきましては、我が国では多面的な機能を果たしているということで、従来からの考えを変えることなく、積極果敢に主張してきたところでございます。
 委員御指摘の、二〇〇〇年に行われるWTOの次期農業交渉におきましては、これらの今申し上げた点とともに、我が国畜産の現状を十分踏まえて交渉に臨むことになると存じております。
 今御指摘のカレントアクセスの扱いにつきましても、我が国が輸入国としての立場を十分主張し
て対応してまいりたい。
 今後とも、日本が国際的に理解されるよう最大限努力をしてまいります。
#37
○鉢呂委員 政務次官から決意を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 きのうも島村農水大臣にお会いしたときに、この連休中でも海外に赴いて、とりわけ日本に輸出しておる各国に対して日本の立場をもっと積極的に訴えていきたいというふうに具体的におっしゃっておりました。前回のラウンドは、若干日本は消極的、EUとアメリカの交渉度合いを見てというような待ちの姿勢が強かったと思いますけれども、早目にこのラウンド対応の基本政策を国内で統一していただいて、それに基づいて、政務次官も海外に行って各国を説得するくらいのことをぜひやっていただきたいものだと期待をしておるところであります。
 そこで、次に、畜産の中長期的な視点に立った政策、制度のあり方について、竹中審議官の御見解を求めたいと思います。
 畜産局長はこの報告の中で、「畜産の分野においても、中長期の視点に立った政策・制度のあり方について検討を行う必要がある。」こう述べております。
 基本問題調査会では、個別の酪農、畜産については一切出てこないわけであります。しかしながら、中間報告で、これは論点としてでなくて統一の形で出てきておりますから、これが調査会の基本方針になるのだろうと思っていますけれども、いわゆる「市場原理の活用と経営の安定」という項目の中で、今後とも、国民生活と農業経営の安定を図るという価格政策が果たしている機能は重要である。しかし、経営感覚にすぐれた意欲ある農業者を育成するには、市場評価が生産現場に迅速に反映するものとして、価格の機能が大切である。米以外の他の作目について、市場の動向を反映し価格形成が行われるよう、制度や運用の見直しが必要である。しかしながら、価格形成についての市場原理の一層の活用は、需給事情等による価格の変動幅が大きく、価格が大幅に低落する場合は零細な経営より大規模な経営等意欲ある農業者の経営が大きな打撃を受ける。このような経営者の経営安定を図るため、作目ごとの経営安定のための措置が必要である。また同時に、中長期的には、作目ごとではなくて、農業経営全体としてとらえた経営安定対策が必要であるというふうに述べておるところであります。
 これに対する畜産局の御見解をお聞きいたしたい。
#38
○竹中説明員 食料・農業・農村基本問題調査会におきましては、具体的な政策につきましては今後議論を深めていくということにされているところでありまして、基本的には、畜産分野につきましてもそうした議論を踏まえながら私どもとしましても検討を深めていきたいと考えております。
 中間取りまとめの段階では個別品目ごとの議論というのは余り入っていないわけでございますが、そういう中でも、畜産に関連する事項としましては、担い手の確保とか、御指摘もありましたように市場原理の一層の価格政策における活用とか、経営安定対策のあり方とか、中山間地域振興のあり方、あるいは環境に対する負荷を軽減した農業のあり方といった点が掲げられております。
 こうした点につきまして、私どもとしましてもこれから議論を深めていきたいというふうに考えております。
#39
○鉢呂委員 明確な畜産局の方向が述べられたというふうには受け取れませんけれども、いずれにしても、米についてはああいう形で一気に価格の自由化の方向をとったわけであります。そのことが逆に相当の、ここにも書いてありますような、価格変動幅が農家経営に与えた影響も大きいというふうに思います。そういう意味では、価格政策を全く否定はしていませんけれども、より市場の動向を反映した価格政策というような言い方になっております。
 これを特に生乳の価格政策に合わせたときに、一気に市場に連動するといっても、乳業、生乳を加工する製造工程が必要になりますから、どこでもだれでもできるというものではありません。そういう中で、どういった価格制度というものが混乱を来さずにやれるかということは、やはり慎重に考えながらやっていただきたい。
 一点だけ聞きますけれども、現行の生乳の不足払い制度は堅持いたしますか。
#40
○竹中説明員 不足払い制度のあり方につきましても、今後の基本法の検討過程において私どもとしては検討させていただきたいと考えております。
#41
○鉢呂委員 そこで、個別の問題に移りますけれども、酪農労働における家族労働評価について御質問いたします。
 この問題は、昨年の三月十九日に、私の質問に対して当時の保利政務次官が御答弁をされまして、酪農における労働評価、男女差、そういうものがあってはならないという指摘について、非常に重要な指摘というふうに受けとめております、労働省と検討させていただき、他の労働市場からの賃金評価をそのまま持ってきていいものかどうかがポイントだというふうに思います、そういったものを含めて検討させていただきたい、このように御答弁をされました。
 その後の検討結果についてお聞かせ願いたいと思います。
#42
○岸本政府委員 家族労働評価については、昨年三月の国会での議論を踏まえまして事務局に検討させてまいったところでございます。事務局からは、検討過程で学識経験者からの意見聴取それから実態調査などを行ってまいりましたが、さまざまな問題がございまして、当面、現行方法の継続が妥当だと判断したというふうに報告を受けております。
 詳しくは事務局の方から答弁させます。
#43
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 ただいま政務次官から答弁申し上げましたが、私ども、政務次官それから大臣からの指示を受けまして検討してまいりました。そして、具体的には、昨年の三月の本委員会での議論を踏まえまして、男女別賃金の労働評価について改善の方途が技術的に可能かどうか、学識経験者からの意見聴取あるいは現地調査を行って検討したところでございます。
 学識経験者の意見聴取の過程におきまして共通した意見として出されましたのは、第一は、酪農労働は男女の差が少ないとしても、男女間にはそれぞれの労働特性を否定し得ない、第二は、生産費調査上、酪農労働の特性に着目し他の作目と異なる労働評価を行うことは、統計技術上の面でもまた統計利用上の面でも問題が生ずるとの意見が多く出されたところでございます。
 さらに、現地調査も行いました。ここでは、酪農においては、搾乳などの飼育管理に関する作業そのものは男女間の差は少ないと思われるが、牧草生産あるいは経営方針、作業計画等は経営主の大宗を占める男性が判断する場合が多いという実態であったということでございます。
 したがいまして、家族労働評価につきましては、以上のような学識経験者の意見、現地実態調査の結果を踏まえて検討してまいりましたが、他に適切な方法がないことから、当面、現行の評価方法を継続して採用するとした次第でございます。
 以上でございます。
#44
○鉢呂委員 男女間の労働の特性があり、質の差があるというまとめ方をされたということであります。昨年も労働省の答弁は、乳牛の飼養管理であるとか牧草の生産に関するさまざまな労働の内容が一般的に男女で異なる、あるいは男の仕事、女の仕事とはっきり分かれているというものではないというふうにこの場でも御答弁をされております。
 今、例えば牧草の収穫あるいは経営方針、作業計画の決定、これはもともと生産費調査でも分けて労働時間等を出しておるわけであります。とりわけ大きいのは、少なくとも搾乳の関係の労働については質の差がないというふうに皆さんもお認
めになっておるわけであります。同時に、男女に適用される労働評価の差が、昨年も申し上げましたけれども、男性が一に対して女性は〇・五、半分の評価しか与えられておらない。その半分の評価に値しないほど女性の労働というのは単に補助的で評価に値しないものかどうか。
 皆さんもう既に資料を持っておりますからおわかりのとおり、普通の酪農家であればもう男性も女性も同じように、二・七人で女性は一・二人、男性は一・五人。労働時間も、この前、大臣にお会いをした四人の女性も異口同音にしゃべっておったのは、三時半ごろ起きて、学校に行っている子供さんの朝食を用意して、自分は食べずに出て、朝飯抜きで十時半ごろまで働いて、そして家庭に帰って御飯を食べて、また三時過ぎから夜の搾乳に入る、うちに帰るのは八時過ぎだ、これも三百六十五日ずっとこういうことで、まさに自分の時間は本当に昼間の二、三時間しかない。子供との語らいも欠くぐらいの労働時間の拘束性、作業の拘束性、またそのほかに分娩等がいつやってくるかわからないという状況の中で、半分の労働の評価、価値しかないということは、やはり統計上あるいは政府が決めるこういう資料上看過できないものであるのではないか。
 それを、今政務次官が言われましたように従来を踏襲すると、幾ら統計技術上難しい面があるとはいいながら、やはりこれは酪農生産者の不信を買ってしまう。例えば、これを男女が同一の価格でやった場合は、乳価はもう二、三円はすぐ上がってしまう。そのぐらい、まさにこれが酪農家の所得に類する中身であるだけに、ここはやはり説得性を持った統計情報部のあり方に変えてもらわなければならない。やむを得ないからこれを使わざるを得ないというのでは、まさに昨年から一年間検討した意味合いかないのではないでしょうか。
 労働省は、皆さんに繰り返してもどうにもなりませんけれども、例えば当時の労働大臣が、平均賃金というのは労働者が得た賃金の平均額で、大きな格差を男女間で生じせしめている、これは職種や雇用形態、雇用形態というのは正社員かパートか、あるいは勤続年数などが男女間で差があることの結果であり、これをそのまま男女別に酪農労働における家族労働の評価として使用することについては検討を要する問題ではないかと考えますと。労働大臣は、そのような方法で男女別に労働費を推計することは男女同一賃金の原則の精神からも疑問である、今後の労働推計に当たっては、労働に対する評価を男女で異にすることがないようにすべきであると。
 皆さんは、労働市場での現在ある評価をそのまま適用するのだということを盛んに繰り返しておりますけれども、これとて単なる三業種の実態、製造業あるいは建設業、運搬業、その三つの業種の男女の実態というのはかなり異なるわけであります。
 この前もお話ししましたけれども、女性はその事業所の事務員が多いわけであります。男性はダンプに乗ったり現場の仕事であります。勤続年数も大変違います。酪農の場合は男性と女性の共同労働であります。若干の、トラクターに乗るか乗らぬか、私の見ている範囲ではむしろ男性が楽な役割をしています。トラクターに乗れば今はエアコンがありますから、ランニングシャツ一つでもと言ったら後で怒られるかもわかりませんけれども、むしろ女性の方が家庭の仕事も持ちながら同時に男性と同じぐらいの仕事をしておるわけです。年間三千時間近く、あるいは超える時間をともにやっておるわけであります。これを半分の評価にするということは私は当たらないと思います。
 政務次官、どうですか。そんなに詳しくはおわかりにならぬと思いますけれども、こういうことについて政治が決断をすべきであるというふうに思います。
#45
○岸本政府委員 委員御指摘のとおり、男女同一労働同一賃金というのは、これはもう当たり前の常識でございます。
 この生産費の計算につきましては、評価の方法の改善を技術的にできるものかどうかということが昨年三月の本委員会でも問題にされて検討を加えてきたところですが、引き続きこの問題につきましては、男女同一賃金同一労働というような立場の問題も含めて、さらに技術的に可能かどうか検討してまいりたいと存じます。
#46
○遠藤説明員 今、鉢呂委員からさまざまな論点が出されました。
 まず第一に、男女労働をどういうふうに見るかということでございますけれども、先生御指摘のように、酪農労働全体を見ますと、作業は畜舎内の作業として幾つかございます。
 一つ目は、飼料の調理、給与、給水、二つ目は、敷料の搬入、厩肥の搬出、厩肥の廃棄処理、三つ目は搾乳、牛乳処理、四つ目は飼育管理労働、あと畜舎以外の作業もございます。
 こういうふうにいろいろございまして、このうち、搾乳などの飼育管理につきましては、先生御指摘のように、男女の差は少ないと思われますけれども、牧草生産あるいは作業計画とか作業方針等を決める際のいろいろな判断というのも別途ある。そういう場合に、牧草生産とかあるいは作業計画の決定等はやはり男性が主体となって行っている。
 したがいまして、酪農における男女の労働が同質か否かについては、一連のトータルの労働内容で判断する必要があるだろう、こういうふうに我々は考えておるわけでございまして、学識経験者からもそういう強い示唆を得たということでございます。
 次に、男女同一労働同一賃金の原則との関連でございますけれども、昨年の論議の過程でもありましたように、同一の労働であるならば同一の賃金だということが前提となっておりまして、我々の場合は、いろいろ実態調査をしましたところ、男女間では質の差があるということで、それを踏まえた市価評価という生産費上のルールを適用せざるを得ない、こういうことでございます。
 その他もう一つ、男女間の労賃の差でございます。先生は一対〇・五と申されましたけれども、それに近いものでございますが、ただ、男性賃金の中には扶養手当等々もございます。したがいまして、そういうものも除いた上でいろいろ考えていかなければいかぬだろう、それが実質的な差ではないか、こう思っております。
 次に、男性と女性の勤続年数の差とかあるいはパート労働等の多寡なんかにつきましていろいろ配慮して、男性、女性の賃金の評価についてもっと考える道はないのかということについては鋭意検討いたしました。
 しかし、そういう要素を除いて、客観的に男性、女性の就農年数に合わせた、あるいは男性、女性のいわゆるパートタイム的な労働と周年的な労働とに分けていろいろ適用しようとする際の客観的基準がなかなか得られない、客観的基準が得られない中で、それを公正かつ客観的に国民、消費者あるいは農業者等々の方に御理解いただけるような算定方法もなかなか見出し得なかった、そういう経緯もあるということだけは御報告申し上げたいと思います。
#47
○鉢呂委員 細かいことにわたって差異を見つけて、例えば扶養手当が入っているとか入っていないとか、そういうことの差異を求めるのであれば、男女の差異をなぜそこで求めてやるのですか。労働省は大変大きな不信感を持ってこのことに対して言っております。なぜ男女差をそこに持ち出して、なぜ男女差をそれだけ大きな要因としてそこにつけ加えるのか。勤続年数も社員の形態も何も全然区分けをしないで、単に、例えば北海道の三業種の賃金実態はこうであるから市場の評価としてそれを使うからというのは、余りにもめちゃくちゃ過ぎる。これは私が言っているのではなくて労働省が言っているのですよ。そう思いませんか、そんな扶養手当がどうだとか言うのであれば。それだけきちっとしておらないというのであれば、やはり使い方がある。
 例えば、賃金構造基本統計調査というのが労働
省にはあるんだそうです。これは毎月は出ておりません。しかし、乳価に算定するときのものとしては過去三カ月のものを評価するわけでありますから、そこには難点があるといいながら、統計情報上は問題はないわけであります。
 ですから、半分でしかないというものをそのまま踏襲してこれからも続けていくというのは――何年もこの問題をやって、国会でもそういう形で、去年も検討するということで、岸本政務次官からことしも検討していくという温かいお言葉をいただきました。ことしの乳価算定、今晩から行われると思いますけれども、その辺についてぜひ与党の皆さんも温かい御配慮を願いたいものだなというふうに思います。
 そういう点で、例えば保証価格算定上の扱いは、今度は製造業だけを取り上げてそれを適用するようになっています、これは乳価を算定するときですよ、統計情報部から持ってくるとき。なぜ三業種の統計資料を使わないのか。三業種の統計資料を使えばキロ当たり八十二銭、これは平成九年度ですけれども、増加になるわけであります。こういうものを半分のまま、そのままにしておいても、酪農家の不信感は非常に高まるばかりであります。女性も同じぐらいやっていて半分の評価である。しかも、こういう製造業だけのものを使って、この場合は男女混合賃金を使っておりますけれども、三業種で使えば八十二銭も増加をするということでありますから、その辺も含めて検討をいただきたいものだなというふうに思います。
 時間がなくなりましたから次に移りますけれども、今度の加工原料乳の算定上で大きな問題になっておりますのは、ヘルパー増加分として入れ込んだこの乳価算定上の単価、あるいはまた環境、ふん尿対策として入れ込んだもの、一円数十銭のものを外枠にするか乳価の中に入れ込むかということが今年最大の課題であるというふうに聞いております。
 労賃について、このような男女格差をそのままにして適用しておるという問題点。あるいはまた、乳価に織り込んだ以上はその中で、酪農家が苦労して、ヘルパー等の雇用をしていきたい、しかしながら、地域によってはヘルパー要員が少ないとか、あるいはまた経営上大変困難性があるからみずから身を焦がしてやっておるとか、いろいろな状況があるわけでありますから、そこは大きな政治的な決断をしていただきたい。
 今不況が深刻化して、ひとり農業もその枠外でないというふうに思っております。同時に、先ほど言いましたように、外からはどんどん乳製品が入ってくる。しかし、必ずしも国内生産は順調でない。担い手が大規模層も含めてやめていくという状況があるわけでありますから、ここは岸本政務次官、今晩決めるでしょうけれども、大きな形で、この保証乳価については私どもも昨日農水大臣には据え置きを要請してきたわけでありますけれども、その辺の決断をお願いいたしたい。政務次官の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#48
○岸本政府委員 乳価の決定につきましては、畜産振興審議会の御意見をいただいて適正に決定をしてまいりたいと思いますが、我々としては、持続可能な畜産農家の維持育成のためにも全力で取り組みたい、こう思っております。
#49
○鉢呂委員 委員長も大変酪農には御造詣が深いんですけれども、家畜共済に対する負担軽減対策についてお尋ねを申し上げます。
 近年は、規模の拡大あるいは生産性向上を目指して、先ほど言った濃厚飼料依存型になっております。そういうことで、個体の生理に反して飼養管理が行われておるということで、乳房炎の多発を初め、第四胃変位症とか、あるいはまた産前産後の起立不能症ですとか、そういう意味では、大変家畜共済も運営が厳しいものになっておるわけであります。被害率も、従来の三%から一気に六%にまで達しておるという状況です。
 したがって、例えば家畜共済事業における共済掛金に対する国庫助成金の引き上げ、あるいは組合運営費への助成、補てん率を九〇%に引き上げる等、国の特別の施策を講ずる段階にあるのではないか。長期的には、この乳牛の飼養管理を生理に合った形にしていかなければなりません。しかし、当面は、そういう形で家畜の事故、疾病が多発をしておる現状でありますから、ぜひその対策を特別対策という形でやっていただきたい。委員長からもぜひ一言お言葉をいただくというわけにいきませんでしょうから、御答弁をお願いいたします。
#50
○熊澤政府委員 お答えを申し上げます。
 ただいま先生から御指摘のありました種々の点について、私どもは、現在の畜産の実態というのはいろいろな方面から承知をいたしているつもりでございますが、最初に先生からの御質問がございました国庫負担率の引き上げ、あるいは組合運営費の補助の点でございますけれども、御承知のとおり、平成九年度で見ましても、共済掛金千八百億のうち約二分の一、八百九十億を予算に計上しておりますが、いわば国の負担が二分の一でございますので、これ以上国庫負担を上げるのは非常に難しいと考えております。
 また、運営費でございますが、これは平成九年度で同じく五百四十億円を計上しておりますけれども、この運営費の補助がやはり全体の運営費でいいますと二分の一でございます。したがいまして、国の負担率が二分の一までやっておるわけでございますので、それ以上の国庫負担を求めてもなかなか難しいというふうに私どもは考えております。
 それから、補てん率の引き上げの点を御指摘になりました。これは御承知のとおり、現在最高限度を八割にいたしておりますが、これは、共済の対象物の価格、価値が変動いたしますので、二割程度のアローアンスを持っていないと超過保険という事態が生ずるということが保険の技術的な面でございますが、他方、実態を見ますと、平均的な付保率が約六割でございます。これは全国平均で見ますと六割でございますので、付保率八割が最高限度としておりますので、実態としてはまだすき間があるのではないかというふうに考えております。
 それから、最近の事故で乳房炎がふえている、これは実態として私ども承知をいたしております。それは、多頭飼育なりあるいは管理のシステムが変わってきているということはございます。そこで、私ども、予防事業にかなり現在力を入れております。家畜診療所の充実なり巡回診療なり、そういった点にも力を入れております。むしろそうした巡回診療等を利用いただいて、農家の方の家畜衛生管理の面にも十分配慮を払っていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#51
○鉢呂委員 時間が来ましたから終わりますけれども、ふん尿処理対策、あるいは負債対策、あるいは自給飼料活用を促進する対策、またヘルパーの充実を促す対策等も、ぜひ関連対策として政務次官の方で御配慮を願えればというふうに思うところであります。
 終わります。ありがとうございました。
#52
○北村委員長 次に、宮地正介君。
#53
○宮地委員 きょうは、畜産振興審議会の審議と並行して、当農水委員会におきまして、食肉あるいは乳価の政府の価格の決定を前にいたしまして、国民の立場から、新党平和を代表いたしまして質問させていただきたいと思います。また、現在平和・改革の会派でございますので、会派を代表して御質問をさせていただきたいと思っております。
 特に私は、現在行われている畜産振興審議会、ことしのこの審議会の状況は大変重要な局面であろうと考えております。例年、こうした審議会が行われまして政府の価格が決定をされていく。農林水産大臣が諮問をして、審議会から答申が行われる。これが、何か定例化、恒例化して、時期が来たからこうした問題に取り組むという、そうした甘い姿勢はないと思いますけれども、ことしは大変重要な時期、また、これからの日本の酪農の
将来に向けても大変重要な節目であろう。
 一つは、現在、いわゆる食料・農業・農村基本問題調査会において、いよいよ夏ごろには最終答申が出され、来年の通常国会には新しい農業基本法という形で恐らく政府は提案をしてくる、こういう国内的に重要な法律の整備の段階に入っている。また、国際的にも、二年後にはWTOの見直しという大変重要な段階に来ているわけでございます。こういうことを考えますと、まさに今や我が国の酪農あるいは畜産事業の将来に向けての大変重要な時期に我が国はあるわけでございます。
 そういう中で、今、食肉部会あるいは生乳の政府の基準価格が決定をされようという審議会が行われている。そうした背景、バックグラウンドを考えて今審議会が行われているかと思います。この視点に立って農林水産大臣は新たな決意とまた将来に向けての諮問をされたと思いますが、この角度において、きょうは政務次官でございますが、今回の諮問に当たって、どのような哲学とまた将来に向けての方針、期待、こういうものを込めて諮問されたのか、まずこの点について確認をしておきたいと思います。
#54
○岸本政府委員 委員御指摘のとおり、諮問に当たりましては、農業基本法がこの夏を目途に集大成されるということでございまして、その観点が一つと、それからWTOの交渉二年前というこの時期、委員御指摘のとおりの重要な時期でございます。
 それと、酪農、畜産につきましては、我が国のたんぱく資源として極めて国民にとって重要な食糧でありますとともに、農業総生産の中で四分の一を占める、米に次ぐ重要なものでございます。しかも、その生産活動を通じまして、中山間地域初め各地域で活力ある農村の維持のために畜産、酪農が果たしている役割は非常に大きいわけでございまして、そういう立場をとりまして諮問をしたところでございます。
#55
○宮地委員 政務次官の答弁ですから、それなりに大臣と違ったものもあろうかと思いますが、私は、やはり政府として今回のこの諮問に当たって、相当な決意と、またこれからの日本の酪農のあり方というものについて、厳重な、シビアなチェックをされた中で本当に諮問されたのか。今回の審議会のメンバーも変わらない、あるいは先ほどの畜産局長のこの諮問に当たっての説明、この趣旨の内容、これも例年の内容と余り文面も変わっていない、参考資料の、予算書の予算のところの数字が少し変わっている。我々から見ると、本当に農水省はやる気があるのかな、日本の酪農生産農家に対して、今後の新しい時代に対してどう取り組もうとしているのかな、こういう基本の姿勢なり哲学が見えてこない。言葉悪く言えば、時期が来たから一つのプロセスとしてこなしている、こんな感じを受けるわけでございます。
 特に、今酪農家の皆さん、今回のこうした政府の価格の決定のプロセス、どう行われるか、現場はどうだろう、こういうことで、私も先日、埼玉の経済連、あるいは代表する牧場、あるいは牛乳のメーカー等々、現場を視察をして、現場の生の声も聞いてまいりました。異口同音に皆さんがおっしゃっている。生産酪農家にしても、メーカーにしても、あるいは経済連の酪農担当の皆さんの声というのは、本当に今大変な経営です、これから酪農家として生きていくためには大変な実態ですという悲痛な叫びでございました。
 そういう中で、例えば私が先ほど申し上げた食料・農業・農村基本問題調査会、新農業基本法を検討している、この中で酪農に対してどういう位置づけを政府はしていこうとされているのか。中間取りまとめはできました。しかし、まだこの中には酪農の二字は全く入っていない。農水省の役人を呼んで、どうしたんだと聞けば、これからなんです、中間取りまとめができたから、これをもとにしてこれから夏にかけて酪農については議論をしてまいるんです、こういうまことに悠長なというか、本気で酪農に対して取り組もうというものが見えてこない。
 昭和三十六年に農業基本法ができた。その中には、選択の拡大ということで、その選択の拡大の四文字から、畜産に対しての価格の安定法とか乳価に対しての法律がつくられてきた。今回、この新農業基本法の中に、きちっと酪農に対して位置づけを明確にしていこうというその意欲が見えない。
 私は、先ほど申し上げたように、これからのWTOの見直しの問題、あるいは農業の、米を初めとした農産物と同じように、食糧安全保障の問題、こういう国家的な重要な課題から見たら、もっともっとシビアにこの問題は位置づけをしていくべきであろう。まずこの基本のところがしっかりしなければ、価格で、生産費がどうだ、飼料費が上がった、人件費が上がった、細かなことについてもいろいろ議論をしたいけれども、大骨のところの、この基本のところをしっかりと農水省が位置づけをしていかなかったら日本の将来の酪農はない、私はこう思っております。
 きょうは畜産局長にかわって審議官も来ておりますから、まず、審議官、この点についてはどういう決意で今おられるのか、将来日本の酪農をどういうふうにしていこうとしているのか、この点について確認しておきたいと思います。
#56
○竹中説明員 お答えを申し上げます。
 先生から御指摘もございましたが、我が国の畜産は、動物性たんぱく質の重要な供給源として国民の食生活の上でも大変大きく貢献しておりますし、我が国農業の基幹的な部門として重要な地位を占めております。また、国土の有効利用あるいは農村地域の活性化といった面でも大きな役割を果たしているところでございます。
 今後の農政の改革の方向につきましては、御指摘もございましたように、食料・農業・農村基本問題調査会で議論が進められているところでございます。各論的な部分につきましては今後さらに議論を深めていくということにされているわけでございまして、私どもとしましても、畜産、酪農の重要な役割にかんがみまして、その中で適切な位置づけがされるように検討を加えていきたいと考えておるところでございます。
 なお、畜産物価格の決定に当たりましては、農家、農業団体、いろいろ各方面からの議論も伺い、あるいは与党とも御相談させていただき、各般の議論を深めた上で、私どもとしても検討した上で、畜産振興審議会のそれぞれ専門分野の先生方の御意見も伺いながら、毎年決定しているところでございます。
#57
○宮地委員 この点については、また大臣のいらっしゃるときにいろいろ議論したいと思います。
 きょうは限られた少ない時間でございますから端的にお伺いしてまいりますが、先日、JAでも、今、畜産酪農家が一番困っていることは何か、こういうことで調査をされたようであります。
 こうした調査の中で、一番困っているのはふん尿処理の問題である。
 二番目に困っているのはいわゆる労働過重の問題である。特に、この労働過重については、平均二千三百時間、大変な労働時間。日曜日も休みもなく、大変な御苦労をしておる。ヘルパーを使っても、月に二日ぐらい使えるかどうか、使えばお一人二万円かかる。大変な労働過重です。今ILOなどでは千五百時間ぐらいにしようということで、連合を初め勤労者の皆さんにおいても、千八百時間を切って千五百時間に向けて大変な努力をしている。しかし、いまだに二千三百時間、もう大変な過重労働。
 また、負債問題。金融業界等、不良債権を抱えて、国からの大変な、金融機関に対しては預金保険機構を初め金融システムの安定化などといって、今回三十兆円に上るいわゆる公的資金の導入も行われているさなか、まさにこの酪農家の負債問題というのも大変な問題である。特に、平成三年の牛肉の自由化以降、大変な設備投資を初め政府の方針に沿ってやってきた酪農家は、今、負債を抱えて火だるまの実態であります。私も、牛肉自由化の直後、北海道羊蹄山のふもとで行ってい
る酪農家の方を激励に行ったこともありますけれども、政府の方針に沿ってやればやるほど経営は赤字になっている、政府と反対のことをしなければ赤字の解消はできない、こういう悲痛な声を聞いたこともあります。
 さらに、高齢化と後継者難の問題。
 この四つの大変な問題で今酪農家は、生産農家は、経営の悲痛な叫びを上げているわけであります。
 さらに、これから、先ほど申し上げたようなWTOの見直しによって、牛肉も五〇%の関税から二年後は三八・五%まで落ちて、そこで再びそこを見直さなければならない。これは、最大の課題を我が国は迎えるわけであります。
 こうした問題に対して、単に補助事業だとか補給金制度だとか、ただ財政、金融、税制上のフォローアップ、これだけで解決するのかどうか。私は、今大変難しい実態に生産農家は置かれていると思うのであります。
 例えば、養豚の経営の場合、一つの事例でございますけれども、いわゆる堆肥の施設をつくったり、あるいは浄化の処理施設をつくりますと、今大体平均四千万円かかる。金利二%でもって借りてもこれは大変な負担なんです。
 さらに、百頭の母豚を飼っている例とした場合に、この処理をする経費が年間百二十万。年間約二千頭の肉豚を出荷するといたしましても、一頭当たり二千二百円、減価償却あるいは処理費がかかります。肉豚一頭当たりの所得は大体三千円から六千円ぐらい、こう言われている。これをざっと計算いたしますと、一頭当たり三千円ということで所得があるとすれば六百万ぐらい。六千円としても千二百万ぐらい。大体六百万から千二百万ぐらいの所得といたしましても、先ほど申し上げた処理費だとか人件費だとか設備投資の返済費等を引いていくと、もうほとんどの農家は赤字経営だ。そういう中で今回政府が答申を受けて価格を決定していく。
 先日私も、乳牛の、埼玉県でも有能なある牧場を視察させていただきました。百五十頭。その方も、埼玉県の中でもトップレベルの牧場です。いい牛を欲しいということで、ブラウンスイスというアメリカの乳牛を一頭百万円で買ってきた。今、幸いにして七頭ぐらいブラウンスイスがふえた。非常にすばらしいお乳を出す。普通の牛は、大体四頭から五頭、四年か五年、それも、お乳を搾るだけ搾って、そして子供を産ませる、牛も大変な過重労働です。もう人間以上です。その中でも、ブラウンスイスというのは非常に優秀な牛だということで買ってきた。
 それで、立派な牛舎もつくった。あるいは、最近はコンピューターシステムのすばらしいお乳搾り機がある。その設備投資といったら数億かかる。お乳搾り機だけで七千万ぐらいする。牛がどんどん列をなして行って、何日の何時に一回搾ったら、次は、ちゃんと行ってもだめよとコンピューターで全部インプットされて自動的に、衛生的にもすばらしい。有限会社で、こうした施設に対しては、利子補給あるいは融資の制度、減価償却という税制上の措置はある。ところが、これは団体じゃないからということで補助金の制度はない。
 ところが、ちょっと前に来たら、その方は、生乳だけでなくて、今度はヨーグルトも、来年からはチーズをつくろうと。関越高速道路から車で降りてちょうど十分ぐらいの非常に地の利のいいところです。最近は、観光客も来て、牛を見ながらそこでヨーグルトを食べたり牛乳を飲んだりして、そうした経営を家族総出で、十人未満の家族でやっておる。
 その方でさえ、この設備投資を返すのに大変な苦労だ。埼玉県は北海道と違いますから、いわゆる近郊酪農です。観光客に牛を見せたり実際の生産工場を見せることによって情操教育も担って、そうした子供の情操教育にもつながるということで、今埼玉県は近郊酪農家に大変力を入れている。
 私は、こういう実態を見まして、もっともっとやはり農水省が現場の意見を、また現場をしっかり把握して、審議会の答申はそれなりに尊重して結構です、しかし、もっと地についた、新しい時代の新しい畜産農家の、あるいは日本の酪農のあり方について政策づくりに励んでいただきたい。まさに市場原理の、あるいは競争原理のこういう経済哲学至上主義でこの酪農問題の政策づくりをしてはならない。
 食糧の安全保障という観点、あるいは自給率の向上という観点、あるいは日本国民に安心して質のよい食肉なり牛乳を飲んでいただくのだ、そのための哲学と方針を二十一世紀に向けて明確にしていくのだ、裏づけとして法律の中にも、きちっと新農業基本法の中に位置づけるのだ、この強い姿勢と方針があってしかるべきだ、私はこう考えておりますが、政務次官、いかがでございますか。
#58
○岸本政府委員 非常に見聞の広い、また含蓄に富んだ農の哲学、畜産の哲学とも言えるような御質問をいただいたわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど御指摘がございましたふん尿処理、労働過重、負債問題、高齢者・後継者対策などを含めまして、畜産酪農農家が意欲を持って生産を続けていけるような政策、そのことを農業基本法の見直しの中に盛り込んでいくように努力をしてまいりたい、こう思います。
#59
○宮地委員 審議官。
#60
○竹中説明員 大変貴重な御意見、御見解をちょうだいいたしましてありがとうございました。
 御指摘のありました、現場の実態、現場の声を十分踏まえてやっていけというお話でございますが、日ごろ、私どもといたしましてもそういう努力をしているつもりではございますが、なお一層、先ほどからの御指摘を肝に銘じまして今後の行政に当たっていきたいと考えております。
#61
○宮地委員 もう一つ非常に大事な視点として、いわゆる安心、安全な食肉なりあるいは牛乳等が飲めるためにHACCP手法の導入、ほとんど大手はもう既にこれはやっております。問題は、中小の加工メーカーに対してどうフォローアップするか。特にアメリカあたりは、もう昨年の十二月十八日から、HACCPでチェックされていないような水産加工品などは一切アメリカ国内では流通させない、こういう厳しい規制措置が行われておりますから、我が国においてもいち早く水産関係の大手あるいは乳業メーカー等はHACCPの管理をしっかりHACCP手法を導入してやっております。
 先日、私も乳業メーカーに行ってまいりました。殺菌をするのに、高熱のところは百二十度以上二秒間入れて必ず殺菌をする。冷却の場合は五度以下のところにきちっと保存する。大体二度ぐらいのところに入れて、生乳が来てもきちっと保存管理をしている。こういうことが工程管理の要所要所ではCCPということできちっとされておりました。
 そうした大手のところは経営の中でそうした新たなシステムの導入はそれなりにきちっと対応できる。問題は、中小の加工メーカーに対してどう国なりがきちっとフォローアップしていくか。
 今回、HACCP法という法律も提案されておりまして、来年度からきちっとなるわけでございますが、私は、こうした問題についても、金融、税制、さらに財政的なフォローアップ、ここまで踏み込んで、これは国際化の新しい流れの中の、日本国民ならず世界の民の安全と安心の消費者に対する一つの対応のシステムでございますので、ぜひこの際、畜産農家あるいは酪農家の生産者の根本的な改革と同時に、加工メーカーに対しましても、きちっとした法律をつくると同時に財政的なフォローアップをやるべきであろう、私はこう考えておりますが、この点についての決意を最後に岸本政務次官にお伺いをして、終わりたいと思います。
#62
○岸本政府委員 HACCPの問題でございますが、これは食品衛生管理の上で非常に重要なことでございまして、法の整備あるいは財政的な援助の問題も含めて今鋭意検討しているところでござ
いまして、委員御指摘の点につきましては、特に注意して努力をしてまいる所存でございます。
#63
○宮地委員 残余の質問等につきましては、また改めて当委員会で質問させていただきたいと思います。
 きょうは時間が参りましたので、これで終わります。
#64
○北村委員長 次に、佐々木洋平君。
#65
○佐々木(洋)委員 乳価、畜産物価格が今月決定をされるわけでございますけれども、その価格の基礎になる生産費調査を見ますと、各畜種ごとに前年より上回っておるわけで、これは配合飼料の値上げということになるのでしょう。生産者も経営安定のために大変な努力をし、コスト低減に努めておるわけですが、生産者といいますか、農家の皆さん方に言わせると、本当に努力が還元されているのかなということをよく言われるわけでございます。
 いずれこの価格決定については、先ほど来るる質疑があったわけですけれども、ルールに基づいた決定をされるわけで、ひとつ現状をよく把握されて、そしてまた将来を見据えた価格決定にしていただきたい。それがまた畜産農家、酪農家の努力、あるいは夢を与えるわけでございますから、ひとつ国民も理解するようなそういう決定をしていただきたいと御要望を申し上げておきたいと思います。
 政務次官にお尋ねしたいと思いますが、私は、今年は畜産酪農政策上非常に大事な年になると思います。それは、先ほど来話がございましたけれども、新しい農業基本法の制定に向けて調査会がこの夏にも最終答申を出されるということでございますが、その中に当然ながら、畜産酪農政策をどのように位置づけるか、あるいはまた経営安定のための政策はどう盛り込まれるか、あるいは新たな政策といいますか、そういうものは何なのかということがあると思います。
 またもう一つは、二年後に迫ったWTOの農業交渉に向けてまた重要な時期であろうというふうに思います。現行の農産物の貿易ルールは、どうしても輸入国に不利な内容になっておると私は思っております。二十一世紀に向けて大変な食糧危機が来るというふうに言われておりますが、各国とも食糧の自給率を高めるためにそれぞれ努力をされ、安定的な生産を続けるために新たな貿易ルールをつくるということが私はやはり大事だろうと思います。
 そういう意味では、しっかりと我が国の立場も主張されて、まさに畜産、酪農が日本の中ですばらしい位置づけになるように私は期待をするわけでございますが、政務次官の決意のほどをお願いします。
#66
○岸本政府委員 委員御指摘のとおり、畜産、酪農をめぐる状況は大変重要な時期に差しかかっております。御指摘のとおり、食料・農業・農村基本問題調査会におきまして、この夏を目途に最終答申を目指して作業を進めていただいておりますが、畜産施策につきましてもこの論議を踏まえて検討をしてまいりたいと考えております。特に、基本法に畜産を持続可能な活力あるものとしていくような方向づけをするという非常に重要なときに至っております。
 それから、いま一つ御指摘ございました外交面では、今までもあらゆる国際会議等で、ごく最近ではOECDの農業大臣会議などで日本の立場を明確に主張してまいりましたし、一昨年の世界食料サミットにおきましても、我が国の主張を強硬に貫いてまいったところでございます。特に、食糧の安全保障、それから国土保全の機能を持つ我が国の多面的な農業の役割ということを主張してまいっております。
 今後も、このような立場を国際的に理解されるようにあらゆる機会をつかまえて努力をしてまいりたい、こう存じております。
#67
○佐々木(洋)委員 ひとつしっかりと対策を講じていただきたいと思います。
 次に、飼料作物の自給体制についてお伺いします。
 我が国の飼料穀物は、ほとんど外国に依存しておるという非常に不安定な状況にあるわけでございますが、先般、韓国では通貨のウォンが暴落をいたしまして、輸入による家畜飼料あるいは農業資材といったものが暴騰して、畜産農家が大変な経営危機に陥っているという報道がございました。特に、配合飼料が三五%上昇した、あるいは農薬、化学肥料などはもちろんでございますが、ガソリンも五〇%値上げをしたというふうに言われております。このために、急速、委員会を設置して、飼料も、稲わらの利用、あるいは残飯といいますか、そういうものの利用等々、まさに節約型農業への転換を図っている、そしてまた資金援助も行いながら、何とかこれを乗り切ろうと大変な努力をしているわけでございます。
 今こういう韓国の状況を見ておりますと、本当に日本も全く同じような環境にあるわけでございまして、何か警告を鳴らしておるような感じがしてならないわけでございますが、このことも踏まえて、家畜の飼料の自給率、あるいはまた今後の対策、そしてまた転作田の利用状況などについて、まずお伺いしたいと思います。
#68
○竹中説明員 お答えいたします。
 我が国の飼料の自給率ということでございますが、現状、純国内産飼料自給率ということで見ますと、畜産物の需要の急増に対応する形で、輸入飼料穀物を主体とした濃厚飼料への依存度が高まってまいりましたことから、昭和四十年度の五四・六%に比べますと、最近、平成八年度では二五・四%というふうに減少をいたしております。
 これは、円高の進展によりまして濃厚飼料原料の輸入価格が低下してまいりましたこととか、濃厚飼料は給与が楽で、省力化を基本とした飼養規模の拡大に適していたこと、あるいは家畜の能力発揮のために養分含量の高い穀物の給与が積極的に行われてきた、そんな要因によるものというふうに考えております。
 それから、飼料自給率の向上対策というお尋ねもございました。
 我が国の気候条件、土地条件等からいたしますと、トウモロコシ、大豆、大麦等の飼料穀物を国内で生産するということにつきましてはなかなか限界があるわけでございますが、畜産経営の安定とか国内の土地資源の有効利用というようなことを考えますと、自給飼料生産を中心に極力拡大していくことが重要であろうと考えております。
 そういう観点から、これまでも、自給飼料基盤の造成、整備、あるいは転作田等を活用しました飼料作物の作付拡大、また、優良品種の普及なり飼料生産技術の高位平準化といったことに努めてきているところでございます。
 平成十年度におきましても、新たに、中山間地域における耕作放棄地や林地等を集積して、農林地一体で放牧地として活用するといったことを促進する事業とか、また、放牧主体の生産方式への転換の支援とか、そういった事業も実施することにいたしておりまして、各般の施策を通じまして、自給飼料生産の振興、飼料自給率のいささかなりともの向上に努めていきたいと考えております。
#69
○佐々木(洋)委員 今の御答弁ですと、飼料穀物は非常に難しいというような御答弁と承ったのです。
 そこで、えさ米についてちょっとお伺いしたいと思いますが、十年以上前になりますか、えさ米が非常にブームになったことがございまして、ハイブリッド米とかあるいはいろいろな多収穫品種が紹介をされたわけです。さらに、お米をサイレージにするということで、ホールクロップサイレージといいますか、そういうものも技術開発の紹介があったわけですが、今えさ米は全く姿を消したというわけです。これは確かに、主食への横流しのチェックが非常に難しいという面があるだろうと思うし、また、輸入穀物との価格差という面があったろうと思いますが、今このような状況を踏まえてみますと、やはりえさ米の生産というのをもう少し考えるときが来たのじゃないのかなという感じがします。
 特に、中山間地域における水田機能の維持とか、あるいは今現実に機械や設備があるわけですからその活用、そしてまた、農家の今まで持っておる技術蓄積といいますか、そういうものがあるわけですから、将来食糧危機が来た場合に、やはりそういう部分を含めて今後えさ米について考えていく必要があるのかなというふうに私は思うのです。
 現に、九州とかいろいろな地域で地鳥の育成をやられている農家がございまして、そこではやはり米で飼育しておる、非常に味がいいということで大変な評価がされ、そしてまた経営もいいということで紹介されておりますが、農家自体も、やはり水田として維持していきたいという気持ちは皆さん持っていると思うのですね。多少価格が安くてもいいという農家が出始めたんですね。といいますのは、例えば一度水田を畑地に変えちゃうと、復田するのに大変な経費がかかっちゃうということもあると思うのですね。
 ですから、やはりもう一度えさ米というものに対する検討をしてはどうか。それでまた、その状況がどうなっているか。もちろんこれは、実際に政策に取り入れるというふうになった場合には、先ほど申し上げた主食への横流しの問題等々があるとは思います。あるいはまた、畜産農家に対する経済性や飼料効果といった技術的な面もこれあり。しかし私は、水田というのはやはり貴重な我が国の資源といいますか、財産なわけでございまして、こういう見地からもぜひ検討していただきたいというのがまず第一点でございます。
 そしてまた、今までそういう、ハイブリッド米ですか、そういった品種改良がなされたと思うのですが、当時十アールで一トンぐらいとれた、そういうえさ米もあったというふうに聞いております。その辺の品種の改良についてもお伺いしたいと思います。
#70
○高木(賢)政府委員 飼料用米の取り扱いについてでございます。
 ただいま先生御指摘のとおり、平成五年度、六年度、七年度という三カ年は、飼料用米の実績がございませんでした。八年度になりまして二つの県で二ヘクタール、九年度では四県に広がりまして十八ヘクタールという実績になっております。
 これは、今御指摘にあったとおり、まさに食用のものへの横流れが防止されるということが一つの大きな条件でございますが、その点さえ担保していただければ、これは御指摘のあったような湿田地帯とか中山間地帯とか、転換が困難な地域におきます有効な作物であるというふうに私どもも位置づけております。
 十年度から実施いたします緊急生産調整推進対策におきましても、いわゆる全国共補償におきまして奨励措置があるわけですが、この受取額につきましては、麦、大豆などの一般作物と同じ額の十アール当たり二万五千円という支給額にする。さらに、地域で集団的に加入する場合にはプラス五千円という措置の対象作物にしております。
 また、水田営農確立助成金におきまして、大規模な経営体の育成なり転作田の団地化等、望ましい水田農業の実現に取り組む農業者に対しましては十アール当たり二万円の助成金の対象ということにしておりますが、この飼料用米もその対象作物というふうにしております。要すれば、転作作物のうちで最も高い水準のものというふうに位置づけているわけでございます。
 そういうことで、横流れということさえクリアしていただければ、これは推進されるべきものというふうに考えております。
#71
○三輪政府委員 飼料用の超多収品種の品種改良の状況についてお答え申し上げます。
 これまでの研究で、地上の乾物重、米とわらの部分ですが、両方合わせまして一般品種よりも二〇%以上大きい、ホールクロップサイレージ用の適性が高いホシユタカという品種を初め、幾つかの品種開発を行ってきたところであります。
 今後とも、飼料用稲ということの用途を特定した稲の開発、品種改良に取り組んでまいりたいと思いますが、平成十年度から、多様な自給飼料基盤を基軸とした次世代乳肉生産技術の開発という研究の中で、飼料用の稲の品種系統選抜、飼料用稲の栽培管理技術の開発、飼料用稲の収穫技術の開発等の課題に取り組むべく、この国会で御審議をいただくことになっております。
#72
○佐々木(洋)委員 えさ米については主食への横流しをどうやって防ぐかということが問題だということですが、いろいろな方法があると私は思うのです。その辺はぜひひとつ解決していただきたいと思うのです。
 その他に、稲わらについても話が出たのですが、今、稲わらが非常に不足をしているのですね。特に、稲作農家が機械化によって、コンバインによって切断して燃やしてしまうというようなことで環境にも大きな影響を与えているのですが、そういうことで畜産農家が稲わら不足で大変苦労をしているという実態がございます。
 東北地方のある地域で、稲わらを研究改良して、二メーターぐらいになる稲わらを今度植えつけるのだということを聞いております。今の説明によると、これからいろいろ研究するのだということでございますが、実はそれほどならないのだそうですが、大体十アール当たり一トンぐらいの稲わらがとれるということでございます。
 今、稲わらで大体トン四万円ぐらいしていますので、転作水田も含めて、この活用ということも大事だろうと私は思いますし、後でちょっとまた質問しますけれども、ふん尿問題についてもお互いに連携をとれるのではないかという意味で、ぜひ新しい品種を、わらを生産するための品種の改良と、先ほど申し上げたえさ米としての多収穫の品種改良をぜひもっともっと研究改良をしていただきたい。
#73
○三輪政府委員 稲わらにつきましては、これまで、例えばインド稲のわらの方が消化率が高いとか、そういう知見がございますが、一般的に、粗繊維源として、牛、羊等の反すう動物に非常に重要な機能を持っております。栄養価自体は低いものでありますので、先ほど先生の御指摘の、自給率の向上とか輸入飼料にかわる国内飼料という観点からは、先ほどお答え申し上げたように、わらだけではなくて実も含めて全体を使う、そういう研究を重点にしておりますが、その中で、わらも含めて乾物生産の高い品種改良等に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#74
○佐々木(洋)委員 次に移らせていただきます。
 先ほども質問があったわけですけれども、畜産、酪農の経営環境調査というのが発表になりまして、ふん尿処理あるいは労働過重の問題、負債問題、高齢化と後継者問題というのがあったわけです。これを見ておりますと、やはり畜産農家も、国際化の対応のため、あるいはまた規模拡大や低コスト化に努力すればするほどこういう問題に直面をするわけでございますが、そういう意味で、生産も伸び悩んでいるというふうに思うのです。二十一世紀に向けた、畜産、酪農を持続的に発展させるために抜本的な対策が必要なわけでございます。
 そこで、環境問題といいますか、ふん尿問題について、先ほども質問があったわけですけれども、質問させていただきたいと思います。
 今、畜産経営の中で一番の問題点は、やはりふん尿問題だろうと思います。地域間でのいろいろなトラブルが起きておるわけでございまして、においの問題もこれありということで、非常につらい立場に追い込まれておることは御案内のとおりでございます。私は、この問題については、やはり行政がしっかりと支えなければならないと思います。畜種によっては堆肥等で農地に還元するという方法もまたあるわけですけれども、特に養豚とか養鶏になりますとなかなか還元は難しい部分があるわけでございまして、施設の整備には多額の投資がかかる、あるいは労働力がかかるということで、本当に畜産農家はこれに泣いておるわけでございます。
 先ほども御答弁があったわけですけれども、改めて、この辺の状況あるいはまた今後の対応についてお伺いします。
#75
○竹中説明員 畜産の環境問題でございますが、畜産経営に起因いたします水質汚濁なり悪臭等、周辺住民からの苦情につきましては、最近、総件数としては減少傾向にあるわけでございますが、農家当たり苦情発生率というような観点から見ますと、むしろ増加傾向にあると言ってよかろうかと思います。
 畜種別の実情を見ますと、養豚関係が三四%程度ということで最も苦情が多い。次いで乳用牛が三三%、鶏が二〇%、肉用牛が一一%というような実情になっております。また、苦情の種類では、各畜種とも悪臭関連が大変多くて全体の六割程度を占めておる、次いで水質汚濁が続いているというような状況でございます。
 家畜のふん尿につきましては、環境保全という観点だけでなしに、また有機質資源の有効利用という観点から、これを堆肥化して農地に返していくというリサイクル利用を基本的に進めていくことが重要であろうと考えております。
 そういう観点から、これまでも、家畜のふん尿処理利用施設の整備とか、これに対する助成とか、そのほか施設整備についての低利融資なりリース事業なりといった手当てを講じているところでございまして、今後とも、畜産にとっての重要性にかんがみまして、環境問題への施策の充実に努めていきたいと考えております。
#76
○佐々木(洋)委員 確かに、このふん尿処理、やはり生産者が基本的には処理すべきものだというふうに私も思いますが、規模拡大をしたり生産コストを下げるために大変な努力をされている姿を見ておりますと、また新たな負担をと思うと、本当に涙が出る思いがするわけです。そういう中で、農家の皆さんも、何とかこれを解決しようと、常にそういう意識ではいるわけですけれども、なかなかそれに踏み切れないというような状況があるわけです。
 またもう一つは、牧場ができた時点はその辺は非常に畜産に適した地域であった、しかし、その辺が非常に混住化といいますか、住宅が建ったり、そうしますと新たな農村の社会ができてくるわけですが、そういう方々が来て、においがどうのこうのという話になるわけですね。
 ですから、これを考えましたときに、本当にこの問題は単に農家個人の問題ではなくなってきているというふうに私は思うのです。そういう意味で、これは市町村もそうですが、県も国もやはりこの対策についてはきちっと、新たなルールといいますか仕組みといいますか、そういうものをつくる必要があるのではないかというふうに思っておる私は一人でございます。やはりこの畜産の公害問題については社会全体で考えていくということがこれから基本になるだろうと私は思いますが、その辺の対策等々、御意見があったらお聞かせを願います。
#77
○竹中説明員 ただいま御指摘ございましたように、畜産経営の規模拡大なり農村の混住化ということが進展いたします中で、今後、地域と調和した安定的な畜産経営の発展を図っていきますためには、環境問題を地域全体の課題としてとらえまして、家畜ふん尿の適切な処理、地域環境の保全に努めていくことが必要であろうと考えております。
 家畜ふん尿の処理に当たりましても、例えば、地域の食品残渣などを含めまして堆肥化してリサイクル利用をしていく、御指摘がございましたようにそういう地域ぐるみの取り組みが重要な課題であろうと考えております。
 そのためには、これまでも、食品産業の残渣等も加えた堆厩肥生産のためのリサイクルセンターの整備などそういったこともやっておるわけでございますが、今後、こういった面でも充実を図っていきたいと考えております。
#78
○佐々木(洋)委員 公害問題、本当に大変でございます。あちこちに環境整備事業ということで堆肥舎がつくられておりますけれども、私はあれを見て、大変な立派な施設だなといつも思うのです。あれは大体坪四十万とかそういうぐらいの、普通の住宅と同じぐらいの設備投資なんですね。そういう部分というのは多々あるわけです。ひとつその辺も含めて、これからの畜産の一番大変な部分というのは公害問題ですので、しっかりと皆さんで知恵を出し合って、乗り越えていただきたいと思います。
 以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
#79
○北村委員長 次に、藤田スミさん。
#80
○藤田(ス)委員 きょう、豚肉の安定基準価格、あるいは牛肉も諮問を出されておりますけれども、豚肉は三年連続、牛肉は九年連続の引き下げであります。もし賃金がこんな姿になったら、世の中どんなふうな騒ぎになるだろうか、私はそのことを本当に考えてしまいます。こんなことではとても日本の畜産業は生き残れない、そんなふうに思われませんか。
 肉類の自給率は、十年前に比べて二〇%も低下し、あわせて、畜産農家、酪農家戸数は、十年前から五二・三%も激減しています。例えば酪農で見ますと、対前年比で五・三%減っておりますし、それから北海道では、平成六年から八年の間に千三百戸も酪農をやめているわけであります。
 全中の調査を見ましても、全国で経営再建が困難な農家が百七十三戸あり、一戸当たりの負債額は九千八百十七万円、このうち酪農が百戸、一戸当たりの負債残高は八千五百六十八万円というふうに報告されております。
 一年で五・三%も酪農戸数が減っている。畜産農家、酪農家戸数は十年で半分以下に減ってしまっている。しかも、EUの水準に達していると言われる模範的な規模拡大を進めてきた畜産農家ほど莫大な負債を抱えて、深刻な困難に直面している。このこと自身、私は、皆さんが異常なことだとお考えにならないかと思うわけです。農家の経営が成り立って、後継者が希望を持って畜産経営に取り組めるようにすることこそ、今政治の責任ではありませんか。
 そういう点では、私は、加工原料乳の保証価格についても、これをことしはどうしても引き上げるべきだ、二十年前の水準価格というようなことはもう繰り返してはならないということを申し上げて、答弁を求めたいと思います。
#81
○竹中説明員 加工原料乳の保証価格でございますが、明日の畜産振興審議会の酪農部会への諮問に向けて鋭意詰めの作業を行っておるところでございまして、その詰めの作業を経て諮問案を明日提出し、適切に決定していきたいと考えております。
#82
○藤田(ス)委員 国民の重要なたんぱく源を供給する酪農、畜産の生産基盤をこれ以上破壊してはいけない、自給率を引き下げるわけにはいかない、そういうことを前提にするならば、これはどうしても、これ以上の離農を食いとめていくという立場からも、国内生産を拡大するという立場からも、農家経営が成り立つ価格の保証、所得を保障するべきだというふうに思いますが、政務次官、いかがお考えですか。
#83
○岸本政府委員 仰せのとおりでございまして、そのために、農林水産省も全力を挙げて取り組んでおるところでございます。
#84
○藤田(ス)委員 私は、政務次官のそのお言葉を胸にして、次の質問に入りたいと思います。
 私がきょう問題にしたいのは、輸入牛肉の関税収入二千三百三十一億円に上る未使用分についてであります。
 この問題は、当委員会でも繰り返し取り上げてきましたし、歴代の大臣にも基本的なお考えは確認をしてまいりましたけれども、要するに、予算の段階で関税収入を見込み、結果として予算と決算の差が未使用となる、未使用分については、今後必要な状態になれば肉用対策に使用できる、法律上の根拠もあるのだ、こういうふうに言われてきました。
 ところで、その肉用子牛等対策費と関税収入の実績を見てみますと、未使用分は、平成三年四百十億、平成四年五百七十一億、平成五年四百十八億、平成六年四百四十五億、平成七年三百四十六億、平成八年百四十一億、トータルで実に二千三
百三十一億円も未使用になっているわけであります。
 私は、肉用子牛生産安定等特別措置法の十三条に基づき、この未使用は何よりも牛肉の輸入自由化で苦境に追い込まれた畜産農家のために使われるべきだと考えますが、この点はいかがお考えでしょうか。
#85
○岸本政府委員 輸入牛肉の関税未使用分についてでございますが、平成三年度以降の関税収入実績と肉用子牛等対策費との差額の取り扱いにつきましては、平成十一年度以降において、関税収入見込みと肉用子牛等対策費に照らして必要があると認められる場合には、必要な額を肉用子牛等対策費に充当するという法律の趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#86
○藤田(ス)委員 そういう答えはずっと、歴代、どの大臣もおっしゃりながら未使用分をつくってきて、積もり積もって二千三百三十一億円というような数字になっているわけです。
 この二千三百三十一億円というのはさかのぼって活用できるということになるわけでありますが、私は、先ほど来も問題になっているふん尿対策、環境保全上、衛生管理上、今本当に緊急を要するふん尿対策だとかあるいは負債対策、もちろんこの中で最も大きな柱になっている肉用子牛対策の充実は言うまでもありませんけれども、そういうところに即刻活用していく、そういう立場で具体的にもう入っていかなければ、また来年同じように、必要とあらば云々かんぬんということで、また積み上げていく、結局、輸入自由化で苦しむ農家のところにはちっとも返らない、こういうことになろうかと思いますので、この点、御答弁を願いたいわけです。
#87
○竹中説明員 肉用子牛等対策費でございますが、これまでも、肉用子牛生産者補給金交付事業のほか、家畜を取り巻くそれぞれの時点の情勢に対応いたしまして、畜産経営の安定対策でありますとか、家畜衛生防疫対策、あるいは食肉流通施設の整備等、非常に多岐にわたる国内対策に充ててきたところでございます。
 平成十年度、当面のもろもろの課題に対応いたします国用子牛等対策費の具体的な内容につきましては、これから三月末の畜産物価格決定とあわせまして具体的に決めていきたいというふうに考えております。
#88
○藤田(ス)委員 審議会の意見も聞いて具体的に詰めていきたいということは、来年度はこういう同じ繰り返しの姿ではなく、二千三百三十一億円の未使用分、平成九年の分も足したらもっとふえるでしょうが、そういう未使用分を大きく活用するというふうに理解していいですか。
#89
○竹中説明員 先生御存じのとおりでございますが、このいわゆる未使用分につきましては、法律上の規定も、その全部または一部を、予算で定めるところにより肉用子牛等対策費の財源に充てる、こういう表現になっておるわけでございまして、今後のこの子牛対策費の設定の仕方につきましては、当然のことながら、財政当局とも十分御相談しながら、それぞれの時点における必要な対策について確保していきたいと考えております。
#90
○藤田(ス)委員 政務次官、覚えておいてください。今までどおりだったらだめなんです。未使用分が募るばかりです。つまり、自由化に対する農家の苦痛を和らげるために使うということにはなっていないのです。だから、国の全体の予算がどうのこうのの問題じゃない、当然それは農家の方に充てていく、具体的に踏み込んで、来年度の予算を定めるときにはもうこれは実にしよう、そういう立場で取り組む、そういうことをぜひ政務次官もお仕事として取り組んでいただきたいと思います。
#91
○岸本政府委員 貴重な御意見でございますので、よく勉強をさせていただきます。
#92
○藤田(ス)委員 次に、肉用子牛生産者補給金制度の問題についてお伺いいたします。
 今、もうどこに行きましても乳牛の雄子牛の価格が暴落したということで大変問題になっておりますが、これはこの補給金制度の欠陥にある、私はそういうふうに思っています。
 この補給金制度は四つに区分されておりまして、黒毛和種、褐毛和種、その他の肉専用種、そして肉専用種以外の品種、それぞれで保証基準価格を定めているわけであります。この肉専用種以外の品種、すなわち乳用種の中にホルスタインの雄の子牛とホルスタインに和牛の種をつけたF1と呼ばれる交雑種を一緒にしているわけです。
 そのことでどういうことになるかというと、九七年の平均価格はF1が二十万五千円。これは交雑種の方ですね。ところが、ホルスタインの方は十一万七千円。これだけの差があるわけです。だから、値のいいF1がふえていけばいくほど平均売買価格は上がっていく。しかし、その分補給金は減ってしまっているわけです。だから、ピーク時には九万三千円の補給金が、九七年は一万円に減っています。
 この補給金が減ったために最も打撃を受けるのがホルスタインの雄子牛です。そして、ぬれ子の価格が暴落をした。私は、北海道に行きましたら、ことし一月に一カ月飼育したぬれ子を売ったけれども一万五千円にしかならなかった、結局、種つけ料や一カ月分の脱脂粉乳代などを差し引くと赤字になった、だから、もう猫の子をやるように欲しいというところにはくれてやっているんだ、こういう訴えを聞いたわけであります。このままでは乳牛の後継牛が減少する心配の声も出ているほどでありまして、何としても改善をしなければならない。
 つまり、補給金の区分をホルスタイン種と交雑種に分けること、そしてホルスタインの子牛の価格は保証基準価格で適正に定めていく、そういうことが非常に大事じゃないかというふうに考えます。いかがですか。
#93
○竹中説明員 ぬれ子の価格の問題でございます。
 初生牛の市場取引価格は、六年度以降おおむね五万円前後で推移してきたところでございますが、平成九年七月以降低下傾向で推移いたしまして、本年一月には二万七千円弱まで低落したわけでございますが、現在は三万一千円程度に回復いたしております。
 こういうぬれ予価格の低下は、生産者補給金の交付額の減少のほか、例年八、九月ごろには価格が低下するという季節的な変動が見られること、それから、本年度の場合には春先のぬれ予価格が堅調に推移したことから、育成農家でぬれ予価格上昇への警戒感があるといったようなこと、さらには、F1、交雑種を飼育する育成農家が増加していることに伴い初生牛の需給が緩和したといったことなど、短期的な需給の影響が関与しているものと考えております。
 今後のぬれ予価格につきましては、九年度に入ってから生産者補給金が交付されていること、例年春に向けてぬれ予価格は回復傾向で推移すること等から、ある程度回復するものと見込まれますけれども、今後とも価格の動向については注視をしてまいりたいと考えております。
 それから、補給金制度をぬれ子段階で実施するという点についてもお話があったかと思いますが、ぬれ子段階で補給金を交付することにつきましては、子牛段階で価格安定を図ればぬれ子の価格安定も図り得ると考えられること、あるいは、ぬれ子の生産者である酪農家は、みずからがぬれ子の哺育、育成を行うことにより補給金制度の対象として経営の安定を図ることができること、酪農経営の安定は基本的には主生産物である生乳の価格安定により図られるべきものであることといった理由から、適当とは考えにくい面がございまして、現行の子牛段階での制度の実施を継続していくべきものと考えております。
#94
○藤田(ス)委員 長い御答弁をいただいたのですが、要するにこの制度を変える気はないということなのです。
 しかし、これは一遍現地へ行って調べてください。和牛の種つけではないホルスタイン正味の雄子牛の価格がどんなに暴落して困っているか。そして、そのことはホルスタインの種がやはり枯渇
していく方向に進むのです。北海道もそういう傾向がずっと出てきているのです。
 いいホルスタインを残していこうと思ったら、豊富にホルスタインの種を残せる環境をつくらなければいけない。それを阻害しているのが、この補給金の乳用牛の区分の中に、和牛の種つけをしたそういう子と、それからホルスタインとホルスタインの間にできた正味のホルスタインの雄子牛とを一緒にしているというこの制度の欠陥がそういう問題をつくり出してきているのです。
 私はもう残念ながら時間がありませんのでこれ以上あなたに追及することはできませんけれども、しかしこの問題は、現地に行って、しっかりとよく耳を傾けてください。
 それから、最後に、酪農ヘルパー傷病時利用円滑化特別対策事業というのをことしから始められるということで、私はもう二十数年前から酪農ヘルパーの問題に大変関心を持って取り組んでまいりまして、こういう施策が打ち出されたことを実は歓迎しております。
 だけれども、これはモデル的ということでありますので、一体どの程度の利用組合が対象になるのか。それから、私は、やはりこうなればいよいよもってヘルパー制度はヘルパーの身分保障の確立、人件費に対する国の助成、これが求められてくると考えますので、最後にその点の御答弁を求めて終わりたいと思います。
#95
○竹中説明員 今年度スタートさせております傷病時ヘルパーでございますが、今年度の実施見込みは、現在把握しておりますところでは、北海道では十組合、都府県では二十三組合、初年度でございますのでまだ数は少ないわけでございますが、来年度以降はかなりふえていくだろうというふうに考えております。
 それから、人件費助成のお話がございました。
 酪農ヘルパーを雇うというのは、酪農家が休日をとりやすくするために導入するということでございますけれども、こういう休日をとるために労働力を雇用するという話につきましては、ほかのどんな産業におきましても、また農業のほかの分野におきましても、その経営主本人が本来的に負担すべきものであるという原則がございます。御理解をいただきたいと思います。
#96
○藤田(ス)委員 時間が参りましたのでこれで終わります。理解はしていません。これからも粘り強く要求してまいりたいと思います。
#97
○北村委員長 次に、前島秀行君。
#98
○前島委員 最後ですので、改めて政務次官に乳価の問題で決意表明をいただきたいと思っています。
 酪農家にとっての今一番の要求は、やはり乳価を上げてほしい、所得を保障してほしいということです。国際化が進んで乳製品が外から入ってくる、不況が農家のところにも及んできている、やはり原点である乳価をともかく上げてほしい、せめて現状維持、据え置きぐらいはぜひやってほしい、これが今年度の酪農家の最大の要望だろうと思います。
 そして、ついてくるのが、今もありました環境問題とヘルパーの問題について、これはそれぞれ乳価の中に加算された部分を取ってもらっては困るので、それとは別にこの制度の充実ということをぜひやってほしい。そうしないと、新しい、若い就農意欲というものもなくなってくるし、後継ぎもなくなってくる。その辺のところが私は酪農家の今年度の最大の要望だろうと思います。
 その辺のところをまず政務次官に決意表明として聞かせていただきたいと思います。
#99
○岸本政府委員 加工原料乳の保証価格の問題につきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして、その文中にも、生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、加工原料乳地域の生乳の再生産を確保すること等が書かれておりまして、平成十年度の保証価格につきましても、生産費調査を基礎として算定し、明二十六日の畜産振興審議会の意見を聞いて適正に決定をさせていただくところでございます。
 ヘルパーの問題につきましては、先ほどからも重労働それから拘束される時間が非常に長いという労働の体系などのお話も各委員から出されたところでございますが、ヘルパーの問題につきましては、今後とも畜産の振興の上で重要な課題と位置づけして努力をしてまいりたい、こう思います。
#100
○前島委員 例のキロ二円の部分、良質生産対策費の部分だとか、あるいはヘルパーだとか環境整備費等々の加算の部分をちゃんと従来どおり確保して、最低、現状維持ができるように、据え置きができるように、ぜひここのところはお願いをしたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、最近、酪農合理化といいましょうか、生産性を上げるという意味で、規模拡大がかなり進んできているわけでして、この規模拡大農家の資金手当てといいましょうか、負債手当てという意味で出されているのが借入金の平準化という問題ですね。具体的に言うと、畜産特別資金制度の拡充という意味で、さまざま、短期的に借りている負債といいましょうか、それを一括借りかえて、長期に移行して平準化してくれないかと。
 生産性を上げる、あるいは競争力をつけるために、規模拡大をして大型化が進んでいる農家、酪農家の借金というのはかなりふえているわけで、これは北海道でも内地でもやはりその傾向というのはあるわけです。そういう大型酪農家の悩みといいましょうか、要望というのは、この資金手当て、長期に借りかえすることによっての資金の平準化を、何とかそういう制度をもう少し進めてくれないかと。具体的に言うと、この畜産特別資金制度の拡充というのがやはり経営安定との絡みの中で今要望が強いということが一つ。
 時間がありませんから、もう一つ一緒に。
 畜舎等々の建っている土地の固定資産税の評価問題なのです。これは今宅地並みになっているのでして、やはり酪農家にしてみれば、畜舎等々というのは生産手段でありまして、その辺のところが農地並みの課税にならないかというのが一つの要望です。これはばかにならない数字なのでございまして、その辺のところもあわせて、経営安定の側面として要望が強いところでもありますので、この二点をひとつ今後検討してもらうということを質問して、私は終わりたいと思います。
#101
○竹中説明員 まず、畜特資金の関係でございますが、昭和六十三年に創設いたしました大家畜経営体質強化資金につきましては、制度の最終年度である平成四年度に一括借りかえを実施したところでございます。
 その後、平成五年度に創設いたしました大家畜経営活性化資金におきましては、毎年の約定償還額のうちの償還不能な部分の借りかえによる経営改善を進めているところでございますが、制度の途中段階における一括借りかえというのはなかなか難しい課題ではないかと考えております。
 なお、現在の大家畜経営活性化資金の枠組みの中でも、後継者への経営継承を円滑にするための特別な措置として、既往負債のうち経営の再建に必要な額につきましては一括借りかえを可能にしているところでございます。
 それから、畜舎用地の固定資産税のお話がございました。実は、平成八年度の税制改正におきまして、農用地区域内にある畜舎用地等につきましては、転用規制等があることを踏まえまして、固定資産税の特例措置を要望したところでございますが、これにつきましては、固定資産税の評価が公法上の利用制限を受けているということに留意して適正に行われるようにという通達が発出されているところでございます。平成九年度の固定資産税の評価がえにおきましては、この通達も踏まえまして、畜舎用地の適正な評価が実施されたものと考えております。
 今後とも、畜舎用地の固定資産税評価の実態の把握等に努めますとともに、畜舎用地等のより適正な固定資産税評価が図られますように働きかけていきたいと考えております。
#102
○前島委員 終わります。
     ――――◇―――――
#103
○北村委員長 この際、小平忠正君外五名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による平成十年度畜産物価格等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。宮地正介君。
#104
○宮地委員 私は、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合を代表して、平成十年度畜産物価格等に関する件の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    平成十年度畜産物価格等に関する件(案)
  我が国の畜産を取り巻く最近の情勢には、ウルグァイ・ラウンド農業合意に基づく関税の引下げ等による畜産物輸入の増大、担い手の減少・高齢化、負債問題、畜産環境問題の発生等極めて厳しいものがある。
  よって政府は、平成十年度畜産物価格の決定等に当たっては、左記事項の実現に万全を期すべきである。
      記
 一 新たな基本法において畜産・酪農の持続的発展を目指す観点に立ち、その役割を明確にするとともに、中長期的な畜産政策・制度の確立に努めること。
 二 加工原料乳の保証価格については、酪農家が意欲を持って営農に取り組めるよう、生乳の再生産の確保を図ることを旨として決定すること。また、加工原料乳限度数量については、最近の牛乳・乳製品の需給動向を踏まえて適正に決定すること。
 三 牛肉・豚肉の安定価格については、畜産農家の経営の安定が図られるよう適正に決定すること。また、肉用子牛の保証基準価格については、繁殖農家の経営の安定を図ることを旨として決定するとともに、合理化目標価格については、我が国の国用子牛生産の実態等を踏まえて決定すること。
 四 混住化の進展等に伴うふん尿処理等の畜産環境問題に対処するため、地域・畜種に応じたふん尿処理対策の確立、環境保全型農業の推進等畜産環境対策の充実を図ること。
 五 安全で良質な畜産物の供給を図るため、畜産物の生産・流通過程における衛生管理の徹底を図るとともに、食肉処理施設の再編整備、原産国表示の徹底を図ること。
 六 畜産業の安定的発展に資するため、酪農ヘルパー及びコントラクターの積極的活用、配合飼料価格安定制度の適切な運用、国産ナチュラルチーズや生クリームの生産振興、負債対策を含めた畜産経営に対する財政、金融、税制に係る支援の適切な運用等の諸施策を講ずること。
  右決議する。
 以上の決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#105
○北村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 小平忠正君外五名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#106
○北村委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。
 この際、ただいまの決議につきまして、農林水産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産政務次官岸本光造君。
#107
○岸本政府委員 ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従い、最近の畜産をめぐる諸情勢を踏まえつつ、十分検討してまいる所存でございます。
#108
○北村委員長 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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