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#1
第142回国会 文教委員会 第9号
平成十年五月七日(木曜日)
    午前九時五分開議
出席委員
  委員長 高橋 一郎君
   理事 稲葉 大和君 理事 小川  元君
   理事 河村 建夫君 理事 田中眞紀子君
   理事 肥田美代子君 理事 藤村  修君
   理事 富田 茂之君 理事 西  博義君
      今井  宏君    大野 松茂君
      大村 秀章君    奥山 茂彦君
      小杉  隆君    下村 博文君
     田野瀬良太郎君    中山 成彬君
      根本  匠君    野田 聖子君
      横内 正明君    渡辺 博道君
      石毛 ^子君    近藤 昭一君
      鳩山 邦夫君    池坊 保子君
      旭道山和泰君    松浪健四郎君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      中川 智子君    保坂 展人君
      粟屋 敏信君
 出席政府委員
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省体育局長  工藤 智規君
 委員外の出席者
       参  考  人
       (大阪体育大学
       教授)      池田  勝君
       参  考  人
       (社団法人日本
       PTA全国協議
       会会長)     岡部 観栄君
       参  考  人
       (日本弁護士連
       合会)
       (子どもの権利
       委員会委員長)  佐々木和郎君
       参  考  人
        (日本水泳連盟
       理事)
       (日本水泳連盟
       シンクロ委員
       長)       金子 正子君
       参  考  人
       (横浜市立東高
       等学校教諭)   飯田  洋君
       参  考  人
       (ノンフィクショ
       ンライター)   藤井 誠二君
       文教委員会専門
       員        岡村  豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月七日
 辞任        補欠選任
  大野 松茂君     大村 秀章君
  金子 一義君     根本  匠君
  佐田玄一郎君     横内 正明君
  安住  淳君     近藤 昭一君
  中野 寛成君     石毛 ^子君
  保坂 展人君     中川 智子君
同日
 辞任        補欠選任
  大村 秀章君     大野 松茂君
  根本  匠君     金子 一義君
  横内 正明君     佐田玄一郎君
  石毛 ^子君     中野 寛成君
  近藤 昭一君     安住  淳君
  中川 智子君     保坂 展人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第
 百四十回国会衆法第二一号)(参議院送付)
 日本体育・学校健康センター法の一部を改正す
 る法律案(第百四十回国会衆法第二二号)(参
 議院送付)
 スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百
 四十回国会衆法第二三号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 第百四十回国会、衆議院提出、参議院送付、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案及びスポーツ振興法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、三法律案審査のため、参考人として大阪体育大学教授池田勝君、社団法人日本PTA全国協議会会長岡部観栄君、日本弁護士連合会子どもの権利委員会委員長佐々木和郎君、日本水泳連盟理事・日本水泳連盟シンクロ委員長金子正子君、横浜市立東高等学校教諭飯田洋君、ノンフィクションライター藤井誠二君、以上六名の方々に御出席をいただき、御意見を賜ることにいたしております。
 この際、参考人各位に一曹ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 池田参考人、岡部参考人、佐々木参考人、金子参考人、飯田参考人、藤井参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は委員長の許可を得ることになっております。
 それでは、池田参考人にお願いいたします。
#3
○池田参考人 私は、本委員会のスポーツ振興くじ導入に関連いたしまして、諸外国における最近のスポーツ振興策あるいはそのための財源確保についてお話しし、今後の我が国のスポーツ振興策を考える上で少しでも参考になればと思っております。皆様に配付されておると思いますが、その資料に基づきましてお話を進めたいと思います。最近、諸外国のスポーツ振興策を調べてみますと、特に四つの非常に注目される国がございます。
 二ページ目をお開きいただきたいと思います。これは過去十年にわたりまして行われました、ソウル、バルセロナ、アトランタの夏季オリンピック大会の六カ国におけるメダル獲得数でございます。オーストラリア、イタリア、カナダ、フランス、イギリス、そして我が国日本のメダル獲得数でございます。
 このグラフをごらんになって御理解していただけると思いますが、オーストラリア、イタリア、カナダ、フランスの四カ国は、ソウル、バルセロナ、アトランタとその大会を重ねるごとにメダル獲得数が飛躍的に伸びております。お断りしておきますが、私は何もオリンピックのメダル獲得数でもってその国のスポーツ振興策が非常にいいというようなことは決して申すつもりはございません。しかし、このようにメダル獲得数が四カ国において非常に顕著な伸びを示しているということは、それなりのそれぞれの国のスポーツ政策あるいはスポーツ振興策というものがあったのではないかということがわかります。例えばオーストラリアはアトランタ・オリンピックで四十一のメダル獲得数を数えておりますか、これは何も二〇〇〇年にシドニー・オリンピックが開かれるというその対策としてこのように伸びたわけではございません。一九七六年のモントリオール・オリンピック大会のときに、オーストラリアは初めて金メダルゼロという悲惨な結果に終わりました。しかもモントリオールというカナダの、同胞国で行われた大会でゼロだったわけでございまして、これには政治家のみならずオーストラリア国民も大変なショックを受けました。一九五六年にメルボルン・オリンピック大会を開いた国が、その後衰退の一途をたどったわけです。
 それではだめだということで、政府は積極的な方針を打ち出しまして、オーストラリアスポーツ委員会も設立しまして、一九八一年一月二十六日、オーストラリアの建国記念日に、首都キャンベラに世界に最も誇れるナショナルトレーニングセンターをつくりました。オーストラリアのアスリートが諸外国でトレーニングを受けないで、あるいは諸外国に移住しないで自分たちの本国のために頑張る、そういうふうなことで今日に参ったわけでございます。
 イタリアは、御承知のように、戦後まもなく一九四六年にトトカルチョを、今のこのいわばスポーツ振興くじの参考にもなっていると思いますが、トトカルチョを導入いたしまして、その資金でもって積極的なスポーツ振興策、特に施設の整備を行っておりました。
 トトカルチョの配分につきましては、皆様御承知だと思いますが、私、一つだけ触れておきたいと思いますのは、トトカルチョの収益の配分率の中に、三%をスポーツ信用銀行に入れるという項目がございます。これは、地方自治体あるいは民間団体のスポーツ関係団体がスポーツ施設整備を行うときに低金利で融資する額でございます。こういうようなお金を使いまして、イタリアでは大変スポーツ施設が完備するようになってきております。
 カナダは、御承知のように、一九八八年のソウル・オリンピックのときにベン・ジョンソンがドーピングで金メダルを剥奪されるということになりました。それを一つのきっかけといたしまして、カナダの国会は、最高裁判事のデュービン判事を委員長としまして、徹底的なカナダのスポーツの調査を行いました。その結果、ベン・ジョンソンの事件にこだわることなく、カナダという国をスポーツの誇れる、スポーツを国のトレードマークにしようという政策方針を打ち出しまして、今日に参っております。
 フランスでございますが、イタリアとかドイツなどの近隣国が非常にスポーツに活躍しておるわけでございますけれども、これではフランスがいつまでたってもこういうような近隣諸国に立ちおくれるということで、一九八四年に体育スポーツ基本法を制定いたしまして、その翌年にスポーツ振興くじの導入を図りました。そうしまして、このように積極的なことをやっておるわけでございます。
 パリの郊外にバンセンスの森というのがございます。そこにINSEPと称する、いわばナショナルトレーニングセンターでございますが、一九八八年のソウル・オリンピック以後、そこはオリンピック準備センターとして位置づけておりまして、そこで寝泊まりしているアスリートが九百五十名、その九百五十名を指導し、監督し、お世話している専任のスタッフ、これはすべて国家公務員でございますが、約六百名配置されております。いわば選手二人にスタッフが一人ついているような勘定でございます。
 こういうふうに、フランスも積極的なスポーツ振興策をとっておりまして、ことし、御承知のようにワールドカップが開かれる。そういうふうにスポーツの先進国を目指して今日まで取り組んでまいりたわけでございます。
 これに反しまして、その次のイギリスでございますが、このデータを、グラフをごらんになってわかりますように、ソウルでは二十四、バルセロナでは二十、アトランタではメダル獲得数が十五、しかも、アトランタでは、金メダルがボートのかじなしペアの一つという全く悲惨な結果になりました。近代スポーツの発祥の国、あるいはスポーツの祖国と言われているイギリスが、このような悲惨な結果になって、果たしてその後どのような対策を練っているのか。これはイギリスの国にとっても大きな問題となりまして、一九九五年、ここにお持ちしましたが、時のジョン・メージャー首相は、スポーツ振興策を打ち出しました。これは大変注目すべきことでございまして、大きく三つの柱を立てております。
 一つは、学校体育・スポーツの改革でございます。つまり、学校、特に小学校の段階では、週二時間の体育の必修科目以外に四時間、昼休みとか、あるいは放課後とか、あるいは週末にスポーツを取り入れるように学校に奨励しております。さらに、学校の体育の先生のみならず、小学校の一般の先生方にも何らかのスポーツにかかわってもらうために、それぞれの競技団体が出しております資格を取るようにしむけております。
 それから、第二番目は、学校と地域スポーツクラブとの連携というものを大変重視しております。例えば、有能なコーチを学校の体育の授業に派遣するとか、あるいは有名選手あるいはスタープレーヤーを学校に訪問させるとか、あるいは学校の児童生徒が地域のスポーツクラブに行ってスポーツ活動を行うとか、そういうようなことを奨励しております。
 もう一つ重要な点は、イギリスがオーストラリアとかカナダとか、いわば自分の子供のような国にももう既に遠く及ばないような現状になっておりますので、これではいけないということで、新たなナショナルトレーニングセンターをつくるようになりました。皆さんにお配りしました三枚目をお開きいただきたいと思います。
 この表は、いわゆるG7、いわゆる主要大国と言われているG7及びオーストラリア、韓国、中国等近隣諸国におけるナショナルトレーニングセンターの現況でございます。日本を除いて、いずれの国もナショナルトレーニングセンターというものが整備されております。
 イギリスも五つの主なナショナルトレーニングセンターがあるわけでございますけれども、これはいずれも三十年以上前につくられましたので、これは今のスポーツ、特にトップアスリートを目指すアスリートたちには通用しないということで、新たな施設をつくることを行っております。
 それが、昨年の十二月、二年七カ月にわたっていろいろ募集をしまして、最初はイギリス国内の三十六の地域から応募がありたわけですけれども、最終的に三つを選びまして、さらに最終的にシェフィールドという町が昨年の暮れに決定いたしました。これには最初に約二百億円のお金をかけて行うという計画でございます。しかも、そこに書いておりますように、ことしから二〇〇四年までの七カ年計画でこれが実施されるということでございます。
 このように、スポーツに対しましてもイギリスは積極的に取り組んでおるわけでございますが、御承知のように、メージャー首相から昨年の五月にトニー・ブレアにかわりました。では、労働党はどうしたかといいますと、労働党はそれ以上にスポーツ政策に対して積極的に取り組んでおります。これがそのブレア率いる労働党のスポーツの提言書でございます。レーバース・スポーティング・ネーション、つまり、労働党が考えているスポーツ共和国というものをつくろうではないかという趣旨でございます。これにブレアは大胆なことをいろいろ提言しております。
 というのは、今までイギリスの背景にあったのは、御承知だと思いますが、イギリスは、一九九四年十一月から国営宝くじ、ナショナルロッタリーというものを導入しております。これが予想以上の収益を上げておりまして、五つの分野にその収益の配分を行っております。スポーツはその一つに当たっているわけですけれども、日本円にいたしますと約三百億円ともあるいは四百億円とも言われておりますが、それだけスポーツに回ってくるわけです。
 その金を有効に使おうということで、最初のうちは、施設の整備あるいは施設の建設だけにお金が使われていたわけですけれども、今では、例えばオリンピックに出る、あるいはワールドカップに出る、あるいは世界選手権、国際大会等に出る、そういう選手にいろいろかかる費用まで、つまり、ハードだけはなしにソフト面にもお金をつぎ込もうということになっております。もちろん、先ほど申しました、例えば学校の一般の先生方にコーチの資格を取ってもらおう、そういうことにもお金を回そうとしております。
 こういうふうにして、イギリスもようやくかつてのスポーツ大国の復権を目指して政府が積極的に取り組んでいるということでございます。その取り組む背景となったのは、国営宝くじの導入でございます。
 時間が限られておりますので、はしょってお話ししますが、それでは一体、いわゆる諸外国のスポーツ財源状況がどうなっているのかということで、五枚目をお開きいただきたいと思います。
 これは、日本を除くG7のスポーツ財源の概況でございます。お断りしておきますが、このデータは、あくまでも国レベルの財源の状況でございまして、地方自治体が非常に財源を出している国もございます。そういうふうにごらんいただきたいと思うわけでございますが、先ほど申しましたように、イギリスは、国営宝くじを一九九四年に導入いたしまして、非常に豊かな財源になっております。
 それから、アメリカでございますが、アメリカは四カ年度予算を組んでおります。これは今世界の趨勢でございます。オリンピックの翌年から四カ年、いわゆる単年度予算ではなしに四カ年を立てて組んでいるというのがスポーツ先進国の状況でございます。そのうち、テレビ放映権収入というものが約百五億円ございます。
 御承知のように、アメリカのNBCはシドニー・オリンピック以降、二〇〇八年までのオリンピックの放映権を獲得しております。そのNBCの放映権料の一〇%がアメリカのオリンピック委員会に入るというふうな仕組みになっております。したがいまして、財源が豊かであるとともに、四カ年予算でこういうふうに組めるわけでございます。
 さらに、各国ともスポーツ振興国家基金というものを設けております。これは、主としてサッカーくじとかあるいは宝くじの資金配分額を入れているということでございます。このように見ましても、いずれの国も、厳しい財政状況、国家財政の中で、財源の確保にはいろいろ頭を使っているということを御理解していただけるのではないかと思うわけでございます。
 そういうふうに、市民レベルのアスリートから国際レベルのアスリートまで、広くそういうアスリートに対するいわゆる手当てを施してきているということでございます。これは、スポーツというものがその国にとって大変重要な意味を持つという国の認識、あるいは国民の認識があるからではないかと思うわけでございます。
 時間が来ましたので、私の話の紹介はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
#4
○高橋委員長 ありがとうございました。
 次に、岡部参考人にお願いいたします。
#5
○岡部参考人 ただいま御紹介を賜りました、私、日本PTAの会長の岡部と申します。
 常日ごろは、私ども日本PTAに格別な御協力を賜りまして、まことにありがとうございます。また本日は、私どもの意見を聞くこのような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。御礼を申し上げます。
 PTAのことにつきましては、皆様方、既にPTAがどのような組織であるかということは御承知のとおりでございますけれども、少しここでPTAの概要について説明をさせていただきたいと思います。
 戦後、アメリカの指導のもとに、日本のPTAが発足をいたしまして、ちょうど五十周年という大きな節目をことしは迎えております。記念すべき年になろうかと思っております。私どもは、公立の小中学校、全国に約三万三千校ございますが、そのPTAが加入しておるわけでございまして、会員数はおよそ一千二百万会員でございます。ただし、この会員数は児童生徒数でございますので、保護者の数等を加えますと、これよりもかなり多い人数になろうかと思っております。そのような大変多くの会員を擁する社会教育団体といたしまして、教育にかかわる多くの問題解決に努め、正しい世論づくりや望ましい教育環境づくりに日夜努力いたしておる次第でございます。
 今、私どもを取り巻く社会環境の諸問題につきまして、さまざまなことが起こっております。昨年の神戸の事件、また小学生、中学生におきます刃物等の事件、我々に予測もつかないようなことが最近次々と発生しております。日本PTAも、都道府県あるいは政令指定都市のPTAも、その対応に追われておるのが現状であるということでございます。また、その要因の一つといたしまして、家庭教育力の低下ということも最近特に叫ばれております。
 その中にありまして、家庭の中にテレビ等も入り込んでかなりの影響を与えております。子供に見せたくないテレビ番組等もかなりある、私どもはそのような認識を持っております。また、テレビの台数は、私どもの調査によりますと、一軒につき二・七台あるということでございますので、これは、もう保護者がチャンネルを選択するというような時代でもなくなってきたということで、ぜひともこのような問題につきましても、文教委員の先生方のお力添えを今後いただきたい、かように思っておる次第でございます。また、私どもも、家庭教育力向上に向けてやはり努力してまいらなければならない、そのように思っております。
 さて、本日のサッカーくじのことでございますが、日本PTAの意見を申し上げますと、平成六年五月に日本PTAは、全国都道府県の会長さん、政令指定都市の会長さんが集まりまして議論をいたしました。それ以降PTAといたしましては、青少年の健全育成上好ましくないという観点から、サッカーくじについては反対であるということを一貫して表明してまいったわけでございます。
 なぜかと申しますと、サッカーにおけるスポーツの世代は大体十代、二十代が主な世代であるということでございまして、しかも人気のあるスポーツでありますので、くじを発行することによりましてますます子供たちの射幸心をあおる結果になるのではなかろうか、そういう懸念があるわけでございます。
 ほかにも、例えば公営ギャンブルの競輪、競馬あるいは競艇等もございますけれども、競輪等も、自転車は子供のときから乗っておるではないかという御意見もあるようでございますが、しかしこれは交通の手段でございまして、競技ではないというような考えを持っております。サッカーにつきましては、子供のときからそれを競技として、しかも学校教育現場でやはり指導しておるスポーツでございます。影響も大きいのではないか、かように思っております。
 このサッカーくじでございますが、それを我々はギャンブルである、こういうふうにとらえておるわけでございますが、サッカーくじは当せん確率が低く、宝くじかお年玉つき年賀はがきのようなものでギャンブルとは言えないのではないかというような御意見も承知いたしております。確かに、宝くじやお年玉つき年賀はがきは購入後の偶然によって当たりが決まるのでギャンブルとは言えないだろう、そのように思っております。
 しかし、サッカーくじは勝ち負けを自分で判断し、その上でくじを購入するわけでありますので、やはりあくまでもその性質はかけであり、当せん確率がいかに低くともギャンブルであるという認識をいたしております。あえて申せば、オッズの平均値を全体的に高くした競馬のようなものではないかと思っておるところでございます。
 また、宝くじかお年玉つき年賀はがきのようなものだということになりますと、それはスポーツ宝くじというようなものを発行していただければ結構ではないかと私どもは判断しておるところでございます。しかしギャンブルと判断しておるわけでございますので、それが入ってくることに対して我々は強く疑問を持っております。
 諸外国において、サッカーくじを行って、それが青少年に悪影響を与え非行がふえたということはないと言われるような御意見も伺っておりますが、しかしながら、欧米の文化を安易に輸入することへの疑問も私どもは考えております。長いスポーツ文化の歴史を持つイギリスやイタリアで行われているからといって、我が国で行っていいものではないのではないか。むしろ、文化的、歴史的背景を軽視して、外国の制度を我が国に当てはめようとする安易な姿勢に私どもは多少疑問を感じておる次第でございます。
 イギリスなどの諸外国では、サッカーくじの青少年への悪影響はないと言う人もいるようでございますが、しかしながら、そのようなものが調査できるのかどうか、サッカーくじの青少年に及ぼす影響の因果関係等を簡単に調査できるのか、また説明できるのかなという疑問も持っておる次第でございます。
 今の日本の社会においてくじに強い関心を持つ者は、どちらにいたしましてもサッカーをよく知っておる高校生とか中学生であり、くじは全国で売られ、子供たちが町の中で触れることが多く、新たに問題を起こすことが予測されます。例えばいじめの問題でございますけれども、自殺の報道等によれば、お金を持ってこさせていろいろなものを買いにやらせるというようなことも聞いておりますし、今までもこの問題でとうとい命をなくした子供たちがいるようなことも御理解いただければありがたいなと思っております。
 私たち保護者といたしましては、ナイフの問題など青少年の非行が多く起こっているとき、青少年を取り巻く環境がますます悪化するのではないかと懸念のあるサッカーくじはいかがなものかな、そのように判断いたしております。
 また、青少年への悪影響がある場合の文部大臣の停止措置が盛り込まれましたが、青少年への悪影響が全くないものであれば文部大臣による停止措置規定は盛り込まれなかったはずでございまして、規定の存在自体がこの法案に問題が多いことを認めておられるのではなかろうかな、かように思います。
 一たん実施されたものが青少年への悪影響という理由だけで本当に停止できるのか。停止できるとすれば、よほど重大かつ明白な悪影響が証明された場合だけであって、実質的には徐々に及ぶことが予想される青少年への悪影響をとめることはできないのではないだろうか。また、青少年への影響をどのように測定されて、どのような基準で判断されるのか、そのようなことも疑問に思っておるところでございます。
 また、販売場所は、ガソリンスタンドであるとかコンビニであるとか、そのようなことも聞かれるわけでございますが、このような場所は青少年の出入りも大変激しくて、販売する人たちも店員が十九歳以下の方もあり得るということで、果たして、十九歳以下には販売しないと言っておりますが、どのような方法でこれを見分けて販売されるのか、このようにいろいろな影響が懸念されております。
 それに、何と申しましても、この問題につきましては国見的なコンセンサスがまだ得られていないのではないか、そのようにも思います。日本世論調査会が行った全国一万人を対象にいたしました調査の結果が四月二十七日の新聞で報道されましたけれども、スポーツをギャンブル化するだけ、子供に悪影響を与える、八百長試合が発生するなどの声が推進派を大きく上回っておりますし、国民の理解を得ているとは言いがたいのが実情ではなかろうか。また、賛否両論の中、議論が十分に尽くされないままに導入することに、世論はノーという答えを出しているのではないか、かように思うところでございます。
 核家族化、都市化、労働形態の変化などを背景に、家庭や地域の教育力が低下したと懸念されております。また、いじめや不登校もますます増加傾向にあり、少年犯罪が戦後第四のピークを迎えたとさえ言われている。だれもがこの国と若者の行く末に不安を抱き始めている中にあって、なぜこのような時期にサッカーくじなのか。むしろ今こそ時流に流されず、大人の良識を子供たちに示すときではないのか。スポーツ振興やお金のことも大事なことではありますが、そこに目が行き過ぎて大切なものを見失っているのではないだろうか。組織も一つの人格であります。どうぞ文部省にも教育者としての人格を貫いていただければありがたいと思っております。
 私たちは、この日本の教育や住みやすい社会は世界に誇れるものと思っております。二十一世紀を担う子供にとって、こんなよい国に生まれ育ってよかったと、子供たちの健全な成長を念願する親の願いをおわかりいただければありがたいと思っております。
 時間も参りましたので、これで終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
#6
○高橋委員長 ありがとうございました。
 次に、佐々木参考人にお願いいたします。
#7
○佐々木参考人 私は、日本弁護士連合会子どもの権利委員会委員長の佐々木和郎であります。
 この子どもの権利委員会と申しますのは、子供の権利を擁護し、子供の成長発達を援助する活動を行っている日弁連の中の委員会でございます。
 本日のテーマとなっておりますスポーツ振興投票の実施等に関する法律案、いわゆるサッカーくじ法案につきまして、日本弁護士連合会は反対の意見を表明しております。私もこの立場から意見を陳述させていただきます。
 その反対の理由でありますが、これは大きく分けて二つございます。一つは、このサッカーくじが賭博であるということであります。さらに、サッカーくじは、その言葉のとおりサッカーを対象としているものでありますから、サッカーについて非常に興味を持ち、かつ知識を持っている子供たち、すなわち二十歳未満のいわゆる少年に対して与える悪影響が極めて大きいという点であります。この二点から私たちはサッカーくじ法案に反対しているわけでございます。
 まず、サッカーくじが賭博であるという点について意見を申し上げます。
 本日配付いたしました日弁連の会長声明にございますとおり、サッカーくじは、サッカーの試合の結果を予想して、結果が的中すれば金銭を得るという性質のものでございます。このような偶然の勝敗の結果によって金銭を得ると申します行為は、刑法が禁じております賭博に該当いたします。
 刑法がなぜ賭博を禁止するのかということについて考えてみますと、確かに、自分の財産を自分で処分するのであるからそれは勝手ではないかという意見もあるかと思います。しかし、そのような行為を国が容認するということになれば、国民はそのような安易な方法によって金銭を得るという習慣を身につけ、怠惰あるいは浪費というような好ましからざる状況が発生しますし、それによって社会の基礎となる勤労意欲という重要な精神が損なわれる結果になるからであります。さらに副次的には、この賭博をめぐりまして、例えば資金を得るための恐喝であるとか強盗、窃盗、あるいは賭博をめぐるところの暴力事件というような犯罪を引き起こすおそれがあるからであります。
 しかしながら他方で、国家的な財政あるいは経済政策的な理由から、特別法によって刑法上の賭博に当たる行為を合法化している場合がございます。例えば、競馬についての競馬法、それから競輪についての自転車競技法、オートレースについての小型自動車競走法、競艇についてのモーターボート競走法であります。これらの法律は、その法律が存することによって、これら競馬等の行為が法律的に容認されるという構成をとっておりますが、サッカーくじ法案はこの競馬法等の法律と同じ線上にあるものであります。法案の第三条を見ますと「日本体育・学校健康センターは、この法律で定めるところにより、スポーツ振興投票を行うことができる。」と定めておりますが、これは競馬法等の定めと同じ定め方でございます。
 このように、競馬等はいわゆる公営ギャンブル、公営競技と呼ばれておりますけれども、これらが先ほど述べましたような悪影響を国民に与えるおそれは非常に大きいわけで、私どもが弁護士として取り扱ったいろいろな事件の中にも、公営ギャンブルのための資金欲しさから刑事事件を引き起こすというようなことも多々ございますし、またこのような公営ギャンブルにおぼれるということによって家庭崩壊を招いているという話も聞いております。
 二番目の理由として申し上げましたところについて御説明いたします。二番目の理由は、このサッカーくじ法案が子供に与える影響が極めて大きいということであります。
 まず第一に、この法案の対象となる競技がサッカーであるという点です。現在、皆様御存じのように、サッカーは子供の世界で大変な人気を得ております。子供たちはプロのJリーグのサッカーに大変な関心を持っておりますし、またみずからも小学生のときから地域あるいは学校のサッカーチームに所属してサッカーに励んでおります。子供はサッカーをすることによって達成感を得ます。また、Jリーグのようなプロ選手の鍛え抜かれた技術を見ることによって感動を受けます。そして仲間とともにサッカーをしている、あるいは同じ競技をしている人たちがいるということで連帯感を得ております。特に、トップレベルにある選手の競技には子供は尊敬に近い深い感動を覚えているのであります。
 このようなサッカーに対する子供のスポーツ観は、サッカーをサッカーくじという公営ギャンブル、公営競技の対象とすることによって著しくゆがめられ崩れ去るのではないかと危惧しております。
 もちろん、スポーツですから、その競技において勝つということは大変重要なことです。選手たちは勝つことを目指して競技をしています。しかし、サッカーくじが導入されたときに、サッカーは、その勝敗のみを目的とする、その勝敗がお金につながるということになって、最終的にはサッカーの勝敗のみにこだわるという意識が養われていくおそれがあります。そのような悪い影響がスポーツにあっていいはずはないと考えております。
 また、このサッカーくじの場合は、サッカーを対象とするということにおいて、競馬、競輪、競艇、オートレースなどとは異なります。先ほどの参考人のお話にもありましたけれども、このような既に存在する公営競技は、これらを許す法律が存立することによって始められた競技であります。
 ところが、サッカーは既存のスポーツでありまして、先ほど申しましたように子供のあこがれの対象であります。子供は、既に行われておりますJリーグ等のプロサッカーに対しまして非常なあこがれを持っておりますし、大変な興味と知識、情報を持っております。
 したがって、サッカーくじが実施されるようになりますと、これまでにありました競馬等とは違いまして、既に知識を得ているものがギャンブルの対象になるわけでありますから、子供たちには非常に入りやすいものであります。子供はいやでもこれに関心を持ち、自分も購入してみたいという気持ちを持つようになるのではないかと思います。
 そして、この法案では、十九歳未満の少年には購入あるいは譲り受けができないということを定めておりますけれども、現在の競馬等の状況を見れば明らかなとおり、法律で禁止されていても、子供たちはそれをなんとか手に入れるためにさまざまな工夫を凝らして、あるいは堂々と馬券を買ったりしている状況がございます。同じようなことがサッカーくじでも起こるのではないか、そういう危惧を抱きます。
 重複するかもしれませんけれども、例えば競馬の場合に、学生生徒及び未成年者は馬券を購入することができません。しかしながら、子供は場外馬券売場等に出入りをして、例えば中央競馬会が監視員等を置きあるいは掲示をして注意を促しているにもかかわらず馬券を購入しておりますし、また、馬券の譲り受けが禁止されているにもかかわらず、大人に頼んで馬券を購入してもらって譲り受けるということを行っていることは周知の事実でございます。このようなことがサッカーくじについて起こらないという保証は全くございません。
 次に、このサッカーくじをめぐって子供の非行が起こるのではないかと心配されます。つまり、サッカーくじが誘因となって金銭を得るための非行が行われ、あるいは、その購入をめぐるいざこざからの暴力事件が起こるというようなことが考えられます。
 最近は、金銭をめぐる少年非行が非常にふえていると言われております。例えば、皆さんも御存じでしょうが、オヤジ狩りと称する集団強盗がございます。このような事件は、遊ぶ金欲しさから集団で中年以上の人たちを襲って金品を奪うというものでございますが、以前に比べますとこのような事件が多発していることは、残念ながら事実であります。先ほど申しましたように、サッカーくじが子供にとって非常に興味があるという点からいたしますと、このサッカーくじのための資金を得るために子供たちが非行を起こす可能性は非常に大きいのではないかと思います。
 この法案を見ますと、当初は、第十条で投票の購入または譲り受けについて制限を設け、これに反した場合処罰する旨の規定を設けてありましたし、いわゆるのみ行為について第三十二条に罰則を設けておりました。
 しかし、今回の参議院での修正案を拝見しますと、三十七条以下に、試合関係者等に対する収賄及びこれに関する贈賄の罰則は設けられました。また、文部大臣による停止という措置も盛り込まれました。
 このように、この法案自体が将来不正行為が発生するのではないかと予想していること、そして、それに対する対処、処罰規定を設けているということは、まさにこの法案が問題性を有していることの証明であろうと存じます。
 現在、子供による深刻な事件が後を絶ちません。これは、現在の子供が置かれている状況を象徴していると考えております。子供は、家庭や学校や地域社会において充実感を持てず、いらいらやストレスをためて、非常に苦しい状態にあります。これがこのような深刻な事件を引き起こす原因になっていると考えられるのですが、今我々大人がなすべきことは、子供のスポーツに対する夢を砕き、非行の誘因となるようなサッカーくじを導入してスポーツを振興することではなく、子供を取り巻くよりよい環境をつくり上げていくことではないか、こう考えております。
 スポーツ振興は、サッカーくじによる方法ではなく、国家予算をもって解決すべき問題であると私は考えております。
 以上です。どうもありがとうございました。(拍手)
#8
○高橋委員長 ありがとうございました。
 次に、金子参考人にお願いいたします。
#9
○金子参考人 ただいま御紹介いただきました金子でございます。
 私は、シンクロスイミングの指導者として、この三十数年間ひとえに指導に当たってまいりました。私、この三十数年の間に、ロサンゼルス・オリンピックからオリンピック種目にシンクロナイズドスイミングが入りましてからアトランタまでの四回のオリンピックを、オリンピックのヘッドコーチとしてもスポーツの現場の一線で働かせていただいてまいりましたので、きょう私が皆様の前でお話しできることは、指導者たち、選手たちがどのような窮状の中でスポーツをやっているかということについてお話をさせていただきたいと思います。
 私が指導者になりましたころ、今もそうですけれども、シンクロナイズドスイミングと申しますのは、皆様も御承知のように、本当に大変マイナーなスポーツでございます。私が指導者になりましたのは、この奥の深い、こんな運動能力の高いスポーツを国民の中にもっと普及させてみたい、そして夢のある子供たちをこのスポーツに参加させたい、私は選手であるときから、このスポーツを日本全国に普及するような、そんな普及の指導者になりたいという夢を持って選手をやり続けてまいりました。
 選手を終わりましてから、私はそんな気持ちで指導者になりましたが、若輩の指導者に対しまして、ついてくる子供たちはみんな夢を持って、目的を持って、目を輝かしてついてくるんですね。そうした子供たちを後ろに見たときに、私は、中途半端なことで人の指導ということはできない、私が全身全霊をかけてこの子どもたちの目的とするところをしっかりなし遂げてやることが指導者としての役割であるということを考えまして、指導に邁進してまいりました。
 やがて国際大会が盛んに行われるようになりますと、私も初めて、とりたてて国旗ですとか国歌にですとか興味のあるというような人間ではございませんでしたが、初めて日本を代表して外に出ましたときに、国歌を聞き、そして国旗を見たときに、日本の選手としての誇りを持って私は戦わなければならないんだということを本当に熱く感じました。
 私、この三十数年間に、自費で、あるいは予算を少しいただきながら、もう数十回、百回に近い遠征を続けてまいりました。この三十数年の間に、では日本のスポーツ政策はどんなふうに変わってきたかといいますと、今振り返ってみますと、私にとりましてはあっという間の三十年間でございましたけれども、もう何にも変わっていないんですね。
 私が二十五、六歳のときに、コーチといたしまして初めてアメリカに渡りました。そのときに、見るもの聞くもの、すべてのものが感動でした。何て町の中にごみ一つ落ちていなくてクリーンなんだろう、何てすばらしい文化的な生活をしているんだろう、私にとりましては感動そのものでございましたが、三十年間たった今、私は、外国へ出て見ますのに、もう日本が最高でございます。国の環境といい、それから整備された道路といい、クリーンさといい、みんなの食生活といい、本当に日本は誇れるすばらしい環境が整いました。でも、その環境に対して、では私たちのスポーツ環境はどうかといいますと、全く変わっておりません。不思議なほど変わっておりません。
 その現状をちょっとお話ししたいと思うのですが、私のスポーツは、御存じのように、三メートルあるいは三メートル以上の水深が必要なスポーツでございますが、今日本の中には、それだけの深さを有したプールは本当に十指の指の中に数えるほどしかございません。一メートルあるいは一メートル三十から一メートル五十のプールを使えれば本当にありがたいことだと思って、私たちはそれもどきの練習をしております。
 長い指導者の体験の中で、私は、皆様も御存じと思いますが、小谷実可子を十数年間にわたって、あの選手だけではなくてたくさんのオリンピック選手を育ててまいりましたが、あの選手を育てているころ、おかの上で練習をしながら日本選手権に出た経験が何回もございます。泣きたいほど情けないと思いました。しかし、選手の前では指導者として弱気は出せませんので、大丈夫、これでもいけるということで、おかの上で、泳いでいるつもり、そういうトレーニングをして大会に出たという経験もあるほど、大変スポーツ施設には苦慮いたしました。
 理解をしてくださるスポーツクラブのプールを借りましても、そのスポーツクラブが一般に運営する以前の時間ですから、それこそ朝四時に起きまして、五時から学校へ行くまでの練習、あるいは学校から帰ってまいりましたら、二十五メートルのプールを一コース借りまして、一コース二十五メートルの中に四十人ほどの選手が泳ぐという現状をお考えいただきたいと思うのですが、私はそれも工夫しなければならないと思いましたので、上で泳ぐ選手もいれば息こらえをして下で泳ぐ選手もいる、それでも二十五メートルの中には何十人の選手が詰まってしまいますので、二十五メートルのトレーニングはできませんから、選手たちはプールサイドにタッチをしたら間髪入れず腕の筋力をつけるために駆け上がる、そして上でトレーニングをする、そして自分の順番を待つというようなトレーニングを、選手たちには、こういうない施設もまことにすばらしいトレーニングであるというようなことを説き伏せながらトレーニングをしてまいりました。
 最近でこそ、少し日本の中にもいいプールがふえてまいりました。大阪の国体が昨年行われましたが、その国体のために大阪にもすばらしいプールができました。そして東京にも、国際水泳場というのが数年前にできました。しかし、日本のスポーツ、競技スポーツの政策がうまくいっていない現状でしょうか、オリンピックを目指す選手たちがそれを自由に使えるということは全くできません。私たちも週に二回ほど東京の辰巳国際水泳場というのを使っておりますが、一般の皆様と一緒に抽せんを受けて、そして二時間ほど、数万円という高いお金を出して私たちはプールを借りております。このプール代を一カ月間に出すことはなかなか大変なことでございまして、親たちが廃品回収をしましてバザーをしたりいたしまして、そういうお金を集めてはプール代にかけているというのが現状でございます。
 私たちナショナルコーチたちがナショナルトレーニングをいたしますのにも、本当にプールに困っておりまして、幾つかのプールがナショナルトレーニングのために使われておりますが、シンクロだけではなくて水球の選手あるいは飛び込みの選手と共存しなければなりませんので、国際大会に行くのにもトレーニングをする施設がないというのが現状でございます。
 そしてしかも、私たちコーチは、千円という日当をいただいてコーチをしております。この千円の日当は、私は家庭の主婦であってコーチでありますから、うちのおかずを減らし家計を質素にすることで家計のお金を持ち出してやっておりますが、ここで能力のある若いコーチたちが育つかといったら絶対育つわけがないんですね。アルバイトをしてみんな指導者を続けておりますが、そのアルバイトも休んでこういうナショナルトレーニングに参加するということになりますと、千円の日当でやっていけというのは、これはもう本当に無理な話でございます。
 それから、オリンピックも含めて国際大会に参加するときは、コーチも選手もみんな、私どもは十万円の負担をさせられております。これもなかなか簡単なことではございません。長野オリンピックでの清水選手のお話もありました。遠征費に事欠いて遠征ができなかったことがあるというのは、私たちスポーツ界では本当に日常茶飯事でございます。
 そういう中で私たちは選手を育ててまいりました。しかし、皆様も御存じのように、あるいは私の先にお話をくださいました先生方のお話にもありますように、スポーツが与える子供たちへの影響のすばらしさというものは、これはもう本当に金銭にはかえがたいすばらしいものがあります。国際的に見れば、言葉が通じない、あるいは肌の色が違う、そうした人たちも、同じ、共有した感動を一緒に持てる喜び、これはもう大変なものでございます。
 それから、私どものところに、今小さな子供たちが、夢を持ってシンクロのオリンピック選手になりたいといって門をたたいて入ってまいりますが、本当に皆さんたちに訴えたいのは、子供たちの体は物すごく病んでおります。子供たちに柔軟をちょっとやって見せてごらんと申しましたら、老婆のように、体をほとんど折ることもできないほど子供たちの体は非常にかたくなっております。恐らく学校体育の中でもそれほどの基本的なトレーニング、基本的なスポーツ教育が行われていない結果だと思いますが、子供たちは木登りもできません。そして細い木の上を歩かせてみても、平衡感覚をとって歩くこともできません。そういう子供たちの体の病みを、私は非常に残念に思っております。
 そして、そういう子供たちは、やはり心も病んでおります。オリンピック選手になりたいといっても、苦しいことに耐えるのは嫌だと申します。そして、華やかなことを楽にできるんならトライしてみたいけれども、私は参加するだけでいいのだ、余りこんなに苦しいのなら選手になりたくない、我慢をして続けるということができないという子供たちが多くなっているのも現実でございます。
 先ほど弁護士の先生からも、今の日本の国内におけるいろいろな子供たちの凶悪な犯罪が多いという現状をお聞きいたしましたが、じゃ、そういう子供たちはどうしたらいいかといいますと、私は決してお金が欲しいためにああいう事件が起こっているばかりだとは思いません。子供たちは、恐らく身の置きどころが全くないのが現状だと思います。
 家に帰りましても、それなりの自分の身近な地域の中で思いっ切り動き回れるようなスポーツ施設がない。思いっ切りみんな仲間と遊べるようなそういう環境にない。恐らく親たちは、勉強しなさい、本を読みなさい、塾に行きなさい、親たちも恐らくどうしていいかわからないのだと思います。そういうような日常の中で子供たちは、年齢的に見てはならないはんらんしている雑誌を手に入れたり、あるいはビデオテープを手に入れたり、親の知らないところで恐らく不健全な遊びにふけっているのではないか、そういうような子供が多いのじゃないかというような気がいたします。やはり子供たちは子供なりに、その年齢で思いっ切り心と体の力を発散して成長していくのが私は正しい成長だというふうに思っております。
 私は、競技スポーツも大変窮状ではございますが、この法案で、スポーツ政策で競技スポーツだけを発展させてほしいというのではなくて、本当に競技スポーツが真の力をつけて、日本が世界に誇れるようなスポーツ国になるためには、本当に生まれたときから子供たちが、生涯スポーツの中で多くの子供たちがスポーツに親しんでこそ初めて本当に能力のある子供たちがその中から生まれてきて、競技スポーツとしても力をつけていくのじゃないかなというふうに思っております。競技スポーツに進みたい子は進めるような施設をつくってやったらいいと思うのです。そして、少々運動能力には疎いけれども、思いっ切り好きな遊びをして、好きな運動をして、自然に親しんで、友と親しんで、地域社会の中で子供たちがはぐくまれて、心と体が健全に育っていくということを私は願ってやみません。
 私が育成をしてまいりました小谷実可子選手を例に挙げましても、今でこそ堂々と世界にわたって仕事をしておりますが、私が何百人となく育てた選手の中で、あれほど気の弱い、スポーツ選手には向かないのじゃないかと思いながら、非常に苦労して育ててきた選手はございません。あの選手がやがて自分の真のスポーツの力をつけて、自分というものに自信を持って、そして多くのいろいろな方と交わって、そしてまた自然を知って、そして国際大会でいろいろなことを見聞きして、彼女は今成長してきたと思います。国連の場で世界平和を訴えてお話をさせていただいたり、あるいは数日前ですが、OCAの会議でアジアの選手会の会長にも日本、アジアを代表して選ばれたというふうに聞いております。それを聞きますときに、私は、彼女の育ってきた、小さいころからの彼女の性格がそこまで育ってきたことを思うと、私はスポーツの指導者として誇らしくさえ思っております。
 彼女が先日私どもの日本選手権を手伝いに参りまして、そのときに、先生、感動したんですよ、長野オリンピックのパラリンピックのときに、先生と一緒に私たちが合宿していたときにじっと見学に来ていた身障者の方が、小谷さんの練習に非常に感動した、そして僕もスポーツを始めてここまでになりましたという人に私は競技会場で会いました、先生覚えていますか、私すごく感動、震えるほど感動しましたということを彼女が申しておりましたが、私は、そうした触れ合いの場をもっともっと多くつくっていただきたいというように思っております。
 私、サッカーくじが賛成か反対かと言われましても、私はそのことについては、どういう形であれ、スポーツ振興政策が国民全体の場に公開されて、このように審議されるということはすばらしいことだと思うのです。
 ただし、これが何年も審議された結果、絶対に後退してはならないと思うのです。終わりになってしまって、後退してしまったら、何もならないと思います。私は、前進あるのみだと思います。一歩も二歩も前進をして、その中で大人の知恵で、このサッカーくじを健全に、健全なシステムの中で行うには一体どうしたらいいのかということをいろいろな分野の皆様方と話し合いを持たれて、そういうシステムをつくっていただきたい、そして前進を私はしていただきたいというふうに思っております。マイナス要因よりも、病んでいる子供たちの心を健全にすること、それが国全体が明るくて力がつくということにほかならないと私は思っております。
 最後に、私が特に感動いたしました諸外国の幾つかの施設のことについて申し上げておきたいと思いますが、私、ソウル・オリンピックのときに、本当に日本の中ではトレーニングする場所がございませんでした。鹿屋あるいは北海道の野幌に一つあるプールを渡り歩きながら、鹿屋には、非常に費用がかかりますので、船で行ったりというような形でトレーニングをいたしました。
 最後は深いプールでトレーニングをしたいということで、ソウルのナショナルトレーニングセンター、外国の人は入れないということでしたけれども、ソウルのオリンピック選手を私たちが強くする、面倒を見るという約束を取りつけまして、私はそこの中で最後の一週間合宿をさせてもらいました。たしか日本の国会議員の先生もちょうど視察に見えられておりましたので、御存じの先生もたくさんいらっしゃると思いますが、そこの場所は本当に簡単な、簡素なトレーニングセンターでございました。
 日本で今ナショナルトレーニングセンターをこれから、このサッカーくじ法案がもし成立して、つくられるとしたら、恐らく超豪華なものが皆さんの頭の中には想定されているのじゃないかと思いますが、私はそうしたものは要らないと思っています。コンクリートむき出しの、これはスケート場です、一年じゅう滑れるアイススケート場ですといって外から見せられましたが、本当にプレハブの簡単なものでした。
 しかし、中には本当に必要なものがきちっとついておりました。管理する人もきちっとおりました。そして、ナショナルトレーニングをする際には長期に学校を選手たちが休みますので、学校教育との連係プレーがありまして、学校の先生が当番制でそういうナショナルトレーニングセンターに見えて、選手たちに一定の与えられたカリキュラムを消化できるようにきちっと指導もしている、そういう非常に整ったスポーツ政策を目の当たりにいたしました。
 また、ソ連からロシアへ移行いたしましたただいまのロシアでございますが、私はソ連のスポーツのすばらしさはもちろんよく見聞きしておりましたが、ロシアに移りましたときに、これで恐らく旧ソ連の力はなくなるのかなというふうに思いましたが、今しっかりと復帰してきて、私たちの世界でも今ナンバーワンの、世界一の力を誇っております。
 どうしてこんな力がつくのかという話をしましたら、非常に食べるものも困って、政治が大変なときに陥ったときに、私たちの大統領は、スポー
ツ政策だけは続けていく、国民が元気になるために、そして世界にロシアを誇るために、スポーツ政策だけはしっかりと続けていくので、あなたたちは頑張りなさいというふうに私たちは励まされて、私たちは何も困ることなくスポーツは続けているという話を聞きました。
 私はまさにそのとおりだと思います。外で日本の国民が元気になって、このすばらしい日本をアピールできるということは、こういうスポーツにかける力、スポーツに占める力は本当に大きいというふうに考えております。こういうことと、そして子供たちの健全な育成、そして非常に長生きをできるようになりました。長寿国家になってまいりました私たちの、日本の国民の生涯スポーツのために、ぜひこのスポーツ振興政策を推し進めていただきたいということを切にお願いをして、終わりにさせていただきます。(拍手)
#10
○高橋委員長 ありがとうございました。
 次に、飯田参考人にお願いいたします。
#11
○飯田参考人 飯田と申します。
 きょうこういう機会をいただきまして、委員長を初め委員の方々、どうもありがとうございます。
 後ろの席に座っておりまして、心が余り穏やかではありませんで、感慨が二つばかりよぎりました。
 一つは、日本の民主主義というのはばかにならないな、私のような一介の高校教師を呼ぶということで、そこで意見を聞こうということがあるわけですので、そのことが一つ。
 それからもう一つ、しかしながら、そういう一介の教員が呼ばれるというのはどういうことになるかといいますと、五月の三連休はもう原稿書きでつぶれてしまいました。そして、さっき席に座っておりましてその原稿をいろいろ読んだのですけれども、この雰囲気を見たら、これは原稿を読んでいたのじゃだめだなというふうに思いましたので、原稿は読まないことにしたいと思います。
 そしてまた、今資料が配られていると思いますけれども、表紙がどうも余りいい顔はしておりませんが、本人はここにおりますので、よろしくお願いしたいと思います。ただ、それはしんぶん赤旗というもののコピーですので、余りメジャーな新聞ではないようで、しかしインタビューは私にしか来なかったものですから、そういうことで表紙にさせていただきました。
 飯田と申しますけれども、私自身もサッカーをずっとやってきました。サッカーの中で育てられたというふうに言って過言ではないと思います。そして、私が高校時代に始めたころのサッカーは大変マイナーでございまして、きょう五月七日、ワールドカップのメンバーが発表される、こういう日でございますけれども、こんなふうになるとは夢にも思わなかったです。ですから、その間のサッカー関係者、スポーツ関係者あるいはそれを支える底辺の人々に思いをはせておったところでございます。
 そして、今は横浜市立東高校サッカー部の顧問ということで、二十六年間そこの顧問をさせていただいております。その間にまた、国民体育大会というのがありますが、神奈川選抜チームの監督などもやったりして、サッカーについては結構地方では活躍している方かなというふうに思いますが、全国的には余り有名ではありません。
 もう一つ私は肩書がありまして、それは資料との関係でも申し上げますけれども、横浜市立高等学校教職員組合という組合があります。そこの委員長を六年ほど前からしております。そして、サッカーくじ法案が登場したときに、ちょうど委員長になって一、二年目ぐらいだったと思うのですけれども、これは大変な法案が出てきたなというのが率直な気持ちでありました。ですから、かなり当初からサッカーくじについては興味を示し、反対運動もしてきたところです。
 ですから、私の立場ははっきりしているわけですけれども、その点については資料の@とA、それからBというのがそのアピールだとか決議だとか、そういったことになっておりますので、お目通しいただければと思います。
 特に、昨年の十二月に参議院で審議が急に行われるということになったときには、やや刺激的な文章かもしれませんけれども、警告なんというふうに出しました。ほかの文章とちょっと違うと思いますが、実はそこには私の本音があるというふうに思っております。
 また、ことしの二月には、高等学校のサッカー関係者二十六名の呼びかけということで、全国にサッカーくじ法案について反対しようじゃないかということをしたところ、現在三千名以上の賛同者がありまして、自分でも驚いているくらいでございます。
 また、私の所属している横浜市立高教組というのは、ちょっと紹介しますと、組織率は大変高いのです。九五%あります。ただ、人数は八百人弱ですから小さくて、全国組織には加入しておりません。ですから、何でも自分の頭で行動していくというような、いわゆる上部からの指示だとかそういったことで動いている組織ではないということも念頭に置いていただきたいというふうに思います。
 ちょっと前置きが長くなって大変申しわけございません。
 次に、昨日も参考人質疑であったかと思いますけれども、四月の十八、十九日に日本世論調査会が調査したサッカーくじ関係の世論調査の結果も、資料Cということでコピーをさせていただいております。この内容については、改めて紹介をするというようなことは省かせていただこうと思います。
 ただ私は、この世論調査というのは、これは本当だなというふうに思っております。といいますのは、参考人招致が決まってから、私は私なりに高体連、高等学校体育連盟というのがありますけれども、そこのサッカー専門部の幹部の人たちに聞いたり、あるいは管理職、校長とか教頭とかが学校におりますけれども、そういう人たちに意見を聞いたり同僚に意見を聞いたり、もちろん私の立場を先に言うのではなくて、どう思うかというふうに率直に聞いてきました。また後ほど紹介しますが、生徒にも聞きました。
 教員の方はどうかといいますと、いろいろな意見はありますけれども、一点だけ共通しているのは、青少年に対して、もっと言えば高校生に対して影響はあるだろう、それはいい影響ではなくて、悪影響は必ずあるというのが共通した意見です。ですから、私はここに、ぜひそういう感覚を持っているんだということを委員の皆さんにお伝えしたいということで、激励をされて参っているということも話させていただきたいというふうに思います。
 さてそこで、なぜいわゆるサッカーくじ法案について反対なのかということを四点にわたって申し上げたいというふうに思うわけです。
 一点目は、先ほど法律の論議のことについて御紹介がありましたけれども、やはりギャンブルだということは法律上もう仕方がないのじゃないでしょうか。決着はついているだろう、ギャンブルだということについては。当せん確率の云々の問題ではなくて、やはり刑法上問題があるということで、これはもうそういうふうに言われても仕方がないというふうに思っております。このことについては、私はもうこれ以上言及するということは、法律の専門家でもありませんし、避けたいというふうに思います。
 しかし、それと関連して、第二点目なんですけれども、二点目は、スポーツというものとかけるということとの関係です。やはりスポーツにかけはなじまないというふうに思うのです。スポーツの種目がどうあれということなんですけれども。
 参議院の質疑の中で、日本体育協会がかなり推進しているようですけれども、日本体育協会の安西参考人が特にサッカーについて述べているわけです。なぜくじの対象なのかということで、私は大変疑問に思ったのですけれども、安西参考人はこう言っております。
 サッカーは集団スポーツで特定の個人に負担が偏らない、試合が公正に行われる条件があり、天候に左右されない人気のあるプロスポーツである、こういうことだからサッカーをくじの対象にしたい、こういうふうに言っているわけですが、私はちょっと変だなというふうに思います。
 一つは、特定の個人に負担が偏らないというふうに言っていますけれども、サッカーは確かに集団スポーツではありますが、しかし個人の責任が積み重なって集団責任になるということであるわけです。結果はそれは集団責任かもしれませんけれども、しかしそれは相当無理があるだろう。
 これはどうやら念頭に相撲を挙げているのではないかなというふうに思うのです。相撲だったら個人に負担が、負けたりなんかすれば偏る。しかし集団スポーツならば一人一人には分担が公平にいくだろうというような考えなのかというふうに思って、これはそんなことはないだろうというふうに思います。
 それは、資料のDにもあるとおりに、武田選手は、今はヴェルディではないようですけれども、フォワードの選手ですね。それから本並はゴールキーパーです。この二人がいみじくも、点を外したら街を歩けないな、あるいはゴールキーパーの本並は、もしシュートを受けとめられなかったらというようなことを言っているわけです。それから、豊田というかつてプロ野球の選手も登場しております。
 要するに、種目にかかわらず、個人であれ集団であれ、結果にかけることという行為がもし行われるならば、その当事者である選手に必ず影響が出るというふうに思いますし、また、選手だけでなくて監督、コーチ、あるいはサッカーの場合には審判、これは大変な権限を持っておりますから、審判の仕方によっては、勝たせるチームを決めれば本当に勝ってしまいますよね。実際に私はプレーしていて思いますけれども、そんなに公正だというふうに思わないですけれども……。まあ、公正でないと言うのは問題かと思いますが、これはやはりちょっと問題があるだろうというふうに思います。これは余り時間をかけたくないんですけれども。
 それで、三番目の理由というのは、実は三番目と四番目が特に大きいと私は思うんですけれども、三番目は、文部省がくじの胴元だということであります。
 これは本当にひどい話だなというふうに思うんです。たとえギャンブルであったとしても、いいとは言いませんけれどもギャンブルだとしましょう。スポーツにかけるということがあったとしましょう。しかしそれを、ほかの省庁ならば僕は許せるということではありませんけれども、文部省がやるということはどういうことなのかということなんです。平たく言えば、もう示しがっかなくなるよということを私は言いたいんですね。文部省が胴元だということは、示しがつきません。
 僕は、生徒にこういうふうに聞かれました。先生、文部省が推進しようとしていることになぜ協力してはいけないのかと。どなたかお答え願いたいんですけれども、しかし、公述人は委員の方には質問できないというのが、衆議院規則八十四条を見ましたらそういうふうに書いてありますので、これは私のひとり言だというふうに聞いていただければと思います。
 どう見ても、文部省がやるということについてはやはりおかしいというのが世論調査の結果に反映されているんじゃないかというふうに僕は思うんです。こんなに教育が大変なときに、文部省は心の教育だとか道徳だといろいろ言いますけれども、その方向とサッカーくじというのは、どう見てもお互いに逆のベクトルだというふうにしか思えない、率直に申し上げまして。
 そして、それと関連するんですけれども、第四番目は、やはり、高校生を中心とする青少年に対する影響の問題です。
 これについては、予想とかなんとかということではなくて、先ほど申し上げましたように、東高校のサッカー部、男子七十四人いますけれども、七十四人、五月二日に集まってもらって、実は僕は国会に行くんだけれども、率直に聞きたい、世論調査の中にある、くじが導入されたら買うだろうか、買わないだろうかということでちょっと手を挙げてくれないかと聞いたんですが、買うだろうというのがやはり半数いますね。買わないというのは十人ぐらいでした。ほかは手を挙げなかったんですけれども、やはり半数ぐらいは、買うんじゃないか、買うだろうというふうに言っています。ですから、これは確実に買うなということですね。悪いということは知っているんです。十九歳未満が購入してはいけない法律なんだよというのは知っているんですね、どういうわけか知っている。しかし、買うだろうというふうに言っています。
 そうなったときに、それでは高校現場はどうなるのかということなんですが、容易に想像できるのはこういうことです。
 大体、高等学校の校門の前にはコンビニエンスストアがあります。生徒が買いに行きます。アルバイトも高校生である場合が多いわけですけれども、そこへ先生は、購入するかどうかなんて目を光らせに行くみたいな光景が浮かぶんですね。
 あるいは、現実に今でも馬券を持っている生徒はいますし、その上にまたサッカーくじの取り締まりかということになったら、本当にもうやりきれないということなんです。これは、現場感覚ではっきり申し上げまして、そういうことなんです。
 ですから、新たにこれを導入するというのは、教師と生徒間の新たな障害を生むことになるだろうということで、ぜひ、教師に警察の役割を果たさせないようにお願いしますということであります。
 最後に申し上げますが、スポーツ関係の予算は確かに低い。私も国体の監督をやっていて、こんな強化費で勝てよなんて無理だなと思いますし、何も競技スポーツだけではなく、地域の生活スポーツなどについても予算は大変足りないというふうに聞きます。
 これについては政治の責任だというふうに思いますので、私がとやかく言う問題ではないんですけれども、しかし、国民のスポーツ要求と国の経済力を勘案して、どの程度スポーツ予算を組んだらいいのかということについて、ぜひこの機会を、こういうせっかくのスポーツ政策の論議の機会ですから、これをむだにしないでいただきたいなというふうに思っています。
 そこで、最後に訴えたいのですけれども、しかしながら、ずっと論議を聞いておりまして、多数派はどうも、強引にこれを通そうというふうにすれば通ってしまいますね。幾ら僕がこんなところで何か言ったって、翌日むなしいなというふうになってしまうということはぜひ避けていただきたいというふうに思うんです。スポーツ予算の増額についてはだれも異存がないと思います。しかし、サッカーくじでいいのかということが問題なんだというふうに思いますので、ぜひその辺を御論議いただきたい。
 そして、僕はこういう危惧もしています。たとえ法案が通ったとした場合にも、国民はそっぽを向くだろうと思うんです。そういうふうになって、サッカーくじがその後どういうふうになるのかということも考えたときに、ぜひ慎重審議をお願いしたいということを最後に訴えまして、意見陳述にさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
#12
○高橋委員長 ありがとうございました。
 次に、藤井参考人にお願いいたします。
#13
○藤井参考人 きょうはお呼びいただき、どうもありがとうございます。藤井誠二といいます。ノンフィクションライターをやっております。
 一九八九年に女子高生コンクリート詰め殺人事件という非常に凶悪な事件が十代の子供たちによって引き起こされましたが、その事件を取材して以来、いろいろなテーマを扱っているんですけれども、少年の凶悪事件とかあるいは学校の問題というのを一つの大きな柱にしております。
 昨今、中学生によるナイフ事件といったものも幾つか起きておりますけれども、この数カ月間取材で全国を回っております。そういう立場から、今回は簡潔に、幾つかのことを御提案というか、賛成、反対と言う前に、幾つか私の意見を述べさせていただけたらというふうに思っております。
 まず、との参考人のお話をいただいてから、私、ふだん学校の現場なんかを回っておりますし、ふだんプライベートで中学生、高校生といろいろ会う機会が多いんですけれども、サッカーくじというのが国会で今議論されているんだけれども、どう思う、何か百円らしいよというようなことを中学生、高校生十数人に質問してみました。聞いてみました、みんな買うかなと。どうも君たちは買ってはいけないらしいよということももちろんつけ加えてです。十九歳未満は買ってはいけないというようなことに決まるらしいよということはもちろんつけ加えて、アンケートではないんですけれども、雑談の中で、たまたまこの一週間、十日のうちに聞いてみました。
 その中でどういう反応があったかといいますと、先ほどの飯田先生のお話にもあったように、やはり半分以上の子供、中学生、高校生、僕が聞いたのは男の子が多かったんですけれども、六割ぐらいの子供たちが、買いたい、あるいは買うよというようなことを言っていました。
 なるほどというふうに聞いたんですけれども、このように、発売になっても子供たちは買えないというルールがあっても、まず買う子は買う、あるいは、買いたいと思っている子が相当数いる、半分以上はいるのじゃないかということがわかったわけです。
 彼らといろいろ話し合って、このサッカーくじの法律というものができ上がったときにどういうことがシミュレーションできるかということをちょっと考えてみたのです。まずは、先ほど言いましたとおり、何かコンビニとかガソリンスタンドで売るというようなことも言われていますけれども、恐らく買いやすいというふうに思います。
 先ほどのお話にもあったように、学校の前にコンビニは幾らでもありますし、二十四時間コンビニはあいていますので、コンビニの前でたまっている高校生もたくさんいますよね。今子供たちにとってコンビニが非常に大事な居場所になっていることをも含めて考えると、とても身近なんですね、コンビニという場所が。ですから、簡単にそこに行って買うことができるということがあると思います。そして、もちろん競馬の馬券にしたって、今の高校生で買っている子はいろいろな方法を使って買っていますから、もっともっとそれよりもサッカーくじというのは方法的に買いやすくなるというのは、これは自明だと思います。
 そして、仮に年齢の提示を求められたり、あるいはほかのギャンブルのように監視がついても、例えば二十の青年と十六歳、十七歳の子どもがタッグを組めばいいんですよ。要するに、チームを組めばいいんじゃないかということはみんな子供たちが言っていました。グループを組んで、買える年齢の子がお金をみんなで集めて買いに行って、みんなでやればいいんじゃないか、そういうようなことは簡単にできるよ、当たり前じゃんというようなことは中学生、高校生の子たちは言っていました。こんなことははっきり言って大人だってシミュレーションできることだと思うのですけれどもね。そして、そういうチームを組んで、要するにグループでやれば、簡単に年齢制限という枠は越えられてしまうということがあります。
 それから、きのうの何か質疑でもお話があったようですけれども、確率は百六十万分の一ですか、数字上は百六十万分の一といいますけれども、実際のJリーグは、この中でサッカーをどのくらい見られている方がいらっしゃるかわかりませんけれども、結構チームの力というのは二極化している部分があったり、あるいはPK戦というのは全体の中の非常に低い割合でしかありません、PK戦で勝敗を決めるというのは。ですから、実際的にはもう少し高い確率で当てることができるということが言えると思うのですね。
 そして、なおかつ、今のJリーグ人気とかあるいはサッカーのブームといったものを支えているのは子供たちなんですね、小学生、中学生、高校生の子供たちです。彼らが僕ら大人よりも豊富な知識とそれから情報分析力をもってそのような勝敗の確率を当てることは結構難しいことではない、至難のわざではないということが言えると思うのですね。
 これは、この辺の話を子供たちとしていると、恐らくサッカーくじ研究会みたいなものが子供たちの中にぽこぽこできていって、先ほどの年長者と組むということもそうなんですけれども、秘密結社のような、サッカーくじ研究会あるいはサッカーくじ同好会でもいいのですけれども、そういったものを子供たちが幾つかつくって研究する可能性もあるねということを子供たちと話してきました。
 実際、子供たちは今パソコンを駆使してやっていますから、過去の勝敗データとかJリーグのデータとか選手の力量とか、いろいろなデータをパソコンに打ち込んでいけば、結構簡単に勝敗がわかるのじゃないかというようなことも言えます。
 実際、競馬なんかではそういう、何といいますか、勝敗を打ち込むソフトが売られていたり、あるいはプロの人も使っているような、予想できるようなコンピューターのソフトを売っているらしいですね。実際、それを使うと、テレビでもよく紹介されていますけれども、高い確率で当たったりするようです、僕はそれをやったことはないのですけれども。
 ですから、そういうものを同じ方法や理論でサッカーに当てはめていけば、結構子供たちはパソコンを使いこなして、自分たちでいろいろな方法でお金を集めて、高い確率で子供たちのサッカーくじ研究会なるものがくじを当てていく可能性が非常に高い、これも自明じゃないかなという気が、簡単にシミュレーションできることだという気がしています。
 そして、同時にこういうことも子供たちは言っていました。恐らく、そこから派生して、恐喝とか売買をめぐるトラブルというのが起きることは間違いないんじゃないかというようなことも言っていました。実際、高校生の中ではパーティー券、いわゆるパー券をめぐっていじめが起きたり、あるいはリンチが起きたり、いじめられて死に至るというようなことも実際起きています。パー券というのは、パーティー券をつくって、売りさばかなければおまえに暴力、制裁を加えるというようなことがいろいろ高校なんかで実際あるのですね。そういうことを見ていると、サッカーくじがそういうような一つの温床になる可能性もやはり否定はできないなというような気がしております。
    〔委員長退席、河村(建)委員長代理着席〕
 今回、原案というか法律案を読ませていただいたのですけれども、これはギャンブルではなく知的ゲームだというようなことで、射幸心をあおるものではないというようなことが書いてありますけれども、だったら、なぜ子供は買ってはいけないという制限を加えてあるのかなというような気がするのですね。これは、僕は論理の矛盾じゃないか、論理の破綻じゃないかというような気がしてなりません。
 本当にこれはサッカーの勝敗を当てるという知的ゲームであるというようなことを立法の主体者の方々がおっしゃるのであれば、むしろこのサッカーくじを親子で楽しもうとか親子で当てっこをしようとか、そういうことを提唱された方が僕は論理矛盾がないと思うのですね。それを子供は買ってはいけないとかいうのは、むしろ自分たちの矛盾を露呈しているだけのような気がしてならないのですね。
 そして、大臣の停止命令という文言もあります。そして、この大臣の停止命令というのは一体どういうものなのかなという気もします。一体、どういう状況になったら大臣がサッカーくじ停止という命令を出すのでしょうか。それは、このサッカーくじをめぐって子供たちがばたばた自殺をした状況でしょうか、あるいは、先ほども飯田先生のお話にもあったように、もう一点差で負けた選手をファンが、サポーターが取り囲んで、おまえのせいで金を損したというふうに袋だたきにしたり、選手の家に放火をしたりとか石を投げたりとか、そういうことが頻発する状況になったとき、これは非常事態だということで停止命令を出されるのでしょうか。そういうようなシミュレーションをなされているのかどうかということも僕の中の疑問としてはあります。ぜひそこのところもはっきりと具体的に国民の前に開示していただきたいなということも思っております。
 とにかく、年齢制限を設けようと設けまいと、やはり子供たちはサッカーくじには接近していくと思います。そして、ある種、当事者になっていくと思います。もっと一般論で言えば、大人が規制を設ければ設けるほど子供たちはそこをのぞきたくなるし、そこに行きたくなるし、必ず逸脱はするものであるというふうに僕は考えております。
    〔河村(建)委員長代理退席、委員長着席〕
 そろそろ時間が来ましたので、もうあと二点だけ言わせていただきたいのですけれども、一点は、文部省が胴元になるという点で、やはり腑に落ちない点があります。
 今、これだけ官僚の腐敗とかわいろとかいろいろな問題が世の中で糾弾をされている状況の中で、また新しくサッカーくじを統括するようなものをつくっても、そこに官僚の天下り先をつくるだけではないかというふうな世論が起きてもこれは当然だと思います。そして、三百億円というお金ですか、そのお金の使途の透明さをきちんと我々の前に開示していただくような、あるいは透明さを担保できるようなシステムがまだ僕にはよくわかりません。そして、もっと言えば、それは文部省とか官僚がやるのではなくて、仮にやるとすれば、もっと何で民間から登用しないのかな、どうしてそういう発想が生まれないのかなという気もしています。
 そして、もう一つ胴元になる予定の文部省の方々に言いたいのは、社会スポーツ、社会体育といったものを振興させるために財源が必要である、だからサッカーくじをやるのだというロジックだと思うのですけれども、僕が言いたいのは、それは確かにお金は必要だと思います、先ほど何人かの先生方からお話もあったように、お金は必要だと思うのです。だけれども、その前にできることがあるのじゃないか。
 それは一つ、僕が学校現場を取材している中で思うことですけれども、はっきり言って、文部省が統括しているような学校体育といったものを解体してほしいのですよ。考えてみれば、Jリーグが発足したとき、僕はJリーグを大歓迎しましたけれども、Jリーグが発足したときには、学校体育から社会スポーツへ、社会体育へという理念を、Jリーグの川淵チェアマンを含めておっしゃっておりました。僕は大賛成です。
 学校体育というのは競争至上主義で、精神主義が非常にはびこっておりまして、先輩、後輩の理不尽な上下関係があって、結構いじめの温床になっております。その先輩、後輩の上下関係の厳しさを苦にして、リンチを受けたことを苦にして自殺をした高校生の例を僕は何例も知っています。そして過剰な競争主義によって、全員を丸坊主にしたり、あるいは顧問教師が体罰を子供に振るったりするような状況も多々見られます。子供たちの学校ストレスというか、子供たちが非常にきっさを感じている一つの温床になっている学校教育があると思うのです。そういう側面があると思うのです。
 もちろん、そういうことをクリアしながら、そういう問題を解決しながらやっている学校のクラブ、部活もあると思うのですけれども、僕が見ている限り、大半はやはり非科学的で、精神主義で、過剰な競争を強いるものが学校体育である。部活に強制的に入らなければいけなかったりとか、そういうものも全部学校体育の弊害であるというふうに僕は考えております。
 ですから、まず、僕は、その学校体育を解体して、まずそこから子供たちを解放して、自由に地域へ行けるような方に方向を変える、ベクトルを変えていってほしいのですね。
 サッカーの取材なんかをしておりますと、ユースチームの子供たちと話しておりますと、あるいは中学校の子たちと話していると、学校の部活が強制だから地域のサッカーのクラブチームに行けないんだよと言うのです。顧問の先生が、おまえだけ行くのかとか、あるいは一人だけクラブチームに行くと、同級生や先輩のいじめに遭ったりするということをよく聞きます。
 ですから、まず、学校体育の見直しといったものを、お金云々の問題よりも先に考えていただいた方がよいのではないかなというような思いが僕は現在しております。
 そろそろ時間を過ぎましたので、私の意見は以上にさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
#14
○高橋委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#15
○高橋委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田聖子さん。
#16
○野田(聖)委員 自由民主党の野田聖子でございます。
 参考人の皆様方にはありがとうございました。
 まず、私の、この法案についての自分の立場を明らかにしたいと思うのですが、今、賛成派、反対派と、いろいろ国会議員は色分けされていますけれども、私はいわゆる中間層の一人でありまして、皆様方のお話をしっかり聞いて、ぎりぎりまで判断をしていきたいなということを考えているところであります。
 ただし、私は、新聞なんかの世論調査にありました、買わない人七割の一人ではないかなと。私はサッカーが大好きです。実は、十歳から十七歳まで女子サッカーの選手をずっと務めておりましたから、Jリーグももちろん好きですし、ただ、自分としては、サッカーくじができても、やるかなといったときには、やらない一人であろうと想像しています。
 ただし、国会議員として、PTAの方がダブっているケースが多いのですけれども、さまざまなスポーツ関係の団体から、地域の設備、施設の整備とか、これはサッカーを問わず、野球、また剣道場とか柔道場とか、子供たちはサッカーばかりやっているわけじゃなくて、さまざまなスポーツをやっているわけですけれども、岐阜市においてもそういう施設が足りないということで、多くの保護者の方から陳情をいただいている立場として、この法案について考えているところです。
 蛇足ですけれども、宝くじはしょっちゅう買っており、自治省には随分寄附をさせていただいている人間の一人であります。
 最初に質問させていただきたいのは、今回、入り口の部分で、賭博かどうかという議論が随分長く続いています。非常にあいまいだなというふうに思っているのですけれども、きょう来ていただいた参考人の皆さんのうち、これが賭博であると明らかにしていただいたのは、岡部参考人、佐々木参考人そして飯田参考人だと思います。
 そこで、池田参考人、金子参考人、藤井参考人に、このスポーツ振興投票の実施と言われている法律案は賭博であるかどうかの見解をお示しいただきたいと思います。
#17
○池田参考人 野田先生はサッカーくじを買わないと言われていましたけれども、ぜひ買っていただきたいというふうに私は思います。
 と申しますのは、先ほども申しましたように、諸外国のスポーツ状況あるいはスポーツ政策、財源を考えましても、喫緊の課題ではないかと思います。この国がスポーツあるいはアスリートをどのように評価しているかの問題ではないかというふうに思うわけでございます。
 野田先生の御質問でございますが、外国の例を少し申したいと思います。(野田(聖)委員「時間がないので、賭博かどうかだけ言っていただきたい」と呼ぶ)賭博かどうかの、その背景として……(野田(聖)委員「いや、もう簡単に」と呼ぶ)賭博であるかどうかは私はお答えできませんが、少なくとも、外国の、ヨーロッパの例を見ますと、サッカーくじ、宝くじを含めまして、ゲーム・オブ・チャンスという言葉を使っております。つまり、運試し、これはヨーロッパ評議会で使っている言葉でございます。
#18
○高橋委員長 念のために申し上げますが、午後は本会議が予定されておりますし、委員会の進行が大分おくれております。質疑者には時間厳守をお願いしますと同時に、恐縮ですが、参考人の方々も簡潔に御答弁願いたいと存じます。
 どうぞ、野田さん。
#19
○野田(聖)委員 金子参考人と藤井参考人からも。
#20
○金子参考人 私は、賭博という言葉が悪い言葉なのか、いい言葉なのか、そういうことも、私自身は経験したことがございませんので、わかりません。
 しかし、悪いというよりも、私は、それが一つの方法であるならば、それもいいことではないかと思います。いいこと、悪いことというのは、その内容がいい、悪いは、これからいい方向へ持っていっていただきたいと思います。
#21
○藤井参考人 賭博かどうかということについては、その専門家ではないので詳しくわからないのですが、お金を出してかけて、お金がバックしてくることを考えると、やはり賭博性が強いのではないかというふうに考えます。
#22
○野田(聖)委員 私も金子参考人と一緒で、賭博という言葉がいいか悪いかという議論じゃなくて、賭博というのは、例えば、皆さんが持っている、学校の子供たちが使うような辞書で調べてみると、金銭や品物をかけて勝ち負けを争う遊び、そうやって出ているわけですよ。となると、これは完全に賭博であって、そして今、日本というのは、賭博というのは、私的には禁じられているけれども、やむを得ない事情がある場合は公営賭博というのは認められている。それが競馬であり、競輪であり、競艇であるということを申し上げたいわけです。
 実は、そこら辺が一番歯がゆい点は、例えば、スポーツ振興投票の投票というのは、英語でいうとボートですね。だけれども、かけというのはベットですね。そうやって言葉を巧みに使い分けて、一番最初の肝心な原理原則をうやむやにしているところに問題がある。これは公営ギャンブルだ、公営賭博だということをきちっと位置づけて、それに対してどういうルールをつくるかということから始まっていけば、ここまでこじれることはなかったのじゃないかなと思うわけです。
 そこで、質問ですけれども、もう既に公営賭博というのはございます。その中で、私の地元は岐阜市、ここには競輪がございます。競輪について少し調べてみたのですけれども、競輪のディスクロージャー雑誌には、売上金の中で地域社会の発展に大きく寄与しているというところがあって、一番多いのが学校関係費ということで、随分競輪の売り上げを、学校関係の地方自治体の要請に応じてですけれども、お金が行っているわけですね。こういうことに関して、PTAの立場として、どういうふうな思いを持っていらっしゃるか。
 いわゆる公営賭博の売り上げが、現実には、学校の一般財源とか足らない部分に地方自治体の要請によって使われているのだ、子供たちの役に立っているのだという事実は実際にあるのですね。これに対してどういう御見解でございますか。
#23
○岡部参考人 競輪のことについては、私もそこまで詳しくはございませんけれども、ただ、それが学校教育現場で使われておるということになりますと、やはり公営ギャンブルというものそのものがもう過去に認められて、今の制度の中で行われておるわけでございますし、かといって、それは望ましいことではないとは思いますけれども、それはやむを得ないのかなという判断でございます。
#24
○野田(聖)委員 そこで、私たちは、やはりここで堂々と、このスポーツくじというのは公営賭博なんだ、だからこそ、きちんとしたルールづくりをしていかなければいけないということを冷静に考えていかなければいけない。それで、青少年に対してどうあるべきかとか、あと、さっき飯田参考人がお話しになったように、八百長に関しての取り組みなんです。
 たくさんいるから全員を買収しなければ八百長が成立しないとよく言うけれども、逆に、たくさんいるからごまかしがききやすいのかなというのも、自分もプレーしていて感ずることがある。自分がゴールキーパーをやっていたときに、かったるかったらとるふりをすればいいとか、そういうことはいかようにも、サッカーをやっていればわかるわけなんです。そこで、八百長の不正防止についても、何となく処罰をつくればいいというようないいかげんな、それで文部大臣がいざとなればしゃしゃり出てくればいい、そんなようなものではないと思うのです。
 競輪のケースを言いますと、競輪の場合は選手管理の要領というのはしっかりできているのですよ。これは公営賭博だから、そういう不正が未然に防止されるようにということで、もうがちがちの選手管理要領というのが出ていて、例えば、申し上げるならば、本当に競輪選手というのは御苦労さんで、宿舎はもう決められています、好きなところにはまず泊まれません。その上、輸送中、要するに競輪場と宿舎の間というのは、決められた輸送計画をもって選手管理を行う係員が同乗したバスでなければだめだとか、競輪の選手が泊まっている宿舎には、必ず宿泊管理員というのを宿泊させなければいけない。それでまた、食事の献立表までも決められる。さらには、私も大変驚いたのですけれども、選手の電報、電話の取り扱いに関しては取り次いでもらえないのですよ。どうしてもというときには立会人がいるというぐらいです。公営賭博だからこそ選手の不正防止とか八百長防止にはここまでやらざるを得ないという状況がある、だからこそいいのかもしれないのだけれども、これが果たしてサッカーの選手に対してできるのかどうか。では、できれば池田参考人に。
 ここまで、やはり競輪の選手というのは、まずは、賭博があるからこそこういうふうでなければいけないという教育を受けます、一年間競輪学校で。そういう賭博という前提で教育をしっかり受ける、不正がないように。なおかつ選手になってからは、宿舎から電話から食べ物から買い物までかなり厳しい制限を受けて初めてこういうことが成り立っている。それでもまだ文句が出ている。
 これに対して、今サッカーは人気があるからとか不正がしづらいからというあいまいな状況で、これはやっていけるのかどうか。逆に、選手たちにとって、さっきのコメントにあるとおり、色眼鏡で見られて、何かにつけて八百長をやっているのではないかと言われるような悲しい状況になってしまうのではないか。そうならないためにはここまでぎちぎちにやらなければいけないということが、果たして現実対応が可能なのかどうか、ちょっと御見識を。
#25
○池田参考人 少なくともサッカーくじを導入している外国では、今申された日本の競輪選手のような拘束は行っていないというふうに思います。
#26
○野田(聖)委員 日本という国は賭博を禁止しています。でも、どうしてもやらざるを得ない公営賭博だからこそ、競輪一つとってもかなり厳しく管理して初めてこの国では成り立っているのかなという実態があります。
 サッカーに関しては、Jリーグの人気がある、複数であるから不正がしづらいというような漠然とした内容だけではそれが本当にそうなのかということは難しいわけで、今までの公営賭博というのはここまでやってきたということを御理解いただきたいと思います。
 最後に、さっき池田参考人からぜひサッカーくじを買ってくれと言われたのですが、私はくじは嫌いではありません。うちの両親は寛大でしたから、マージャンも教えてくれましたしパチンコにも行ったことがあります。競馬ももちろん両親に連れていってもらったことがあります。
 ただ、なぜこのサッカーくじが自分になじまないかというと、はっきり言えば面倒くさいのです。十三試合の勝ち負けをやらなければいけない。私は、サッカーは好きですけれども、今、基本的には地元の名古屋グランパスだけを応援していますから、ほかのチームの勝ち負けなんというのはどうでもいい。そういう人が結構多いのではないかと思うのですね。ですから、私自身はそういう理由でやらないけれども、そういう人が結構多いのではないか。だから、今、二千億だか何千億だか売れると言われているけれども、これは果たしてそんなに売れるのかなという不安があります。
 できれば多くのスポーツファン、相撲、野球、ラグビー、そういう人たちが楽しめるような大ざっぱなスポーツくじの方が、おじいちゃん、おばあちゃんも買えるのではないか。十三試合頭で考えて、知的でない人はやれないようなスポーツくじをやるぐらいだったら、もっともっと大ざっぱな宝くじ方式になった方がいいのではないかなという感じがするのですけれども、それについて金子参考人はどう思いますか。
#27
○金子参考人 私、やり方とかについても熟知しておりませんので、そう言われてみれば難しいのかなと。私も面倒くさいことは嫌いで、単純明快で、突っ走ることしかしませんので、そんなに面倒くさいのかなというふうには思いますが、ここまで議論されてきたものを後退させてほしくないということと、それから、ほかにこれを超える経済、スポーツに対するお金を得るものがあるなら、どなたにでもお聞かせいただきたいというふうに思っています。
#28
○野田(聖)委員 参考人の皆さん、いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 私自身、地元でいろいろな仕事をしていますと、先ほどもプールの話が出ましたけれども、国体強化選手が、泳げるプールがないので地元にある自衛隊のプールを使わせてもらえるように頼んでくれとか、そういうような陳情を僅々受けたことがございます。
 ですから私は、これからの子供たちにとってのスポーツ施設、例えば河川敷のグラウンドでもいいのだけれども、そういうものがどんどんできるような財源の必要性を感じていますけれども、残念ながら、ここではスポーツばかりが語られているから、さも日本の国の重要なものはスポーツの振興だと言われるけれども、一歩文教委員会の外へ出れば、やはり福祉が重要なんだとか、これからの高齢化の寝たきりとか介護についてが重要なんだとさまざまな声が上がってくる中、確かにスポーツ振興だけの財源をどれにも増してとってくるというのは容易でない、政治の責任と言われるかもしれないけれども。では、お年寄りはほかっていいのかとか、そんなような話になってきてしまうのですね。
 ですから、そういう意味でこれは一つの考え方であるということを理解して、では、ほかにどういう方法があるかということを反対される方には挙げていただく中で、現実的な道を歩んでいきたいと思います。
 終了いたしました。どうもありがとうございました。
#29
○高橋委員長 次に、石毛^子さん。
#30
○石毛委員 民主党の石毛^子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。参考人の皆様には、本当にどうもありがとうございました。
 私も、まず最初に、サッカーくじに対します私の態度を申し上げておきます。
 私自身は余りかけごとが好きではないという個人的性格もあるかと思います。それと、随分議論に出てまいりましたけれども、サッカーというスポーツが、少年たちが自分たちの地域のチームで育ち上がっていき選手になっていく、そのプロセス、そして、ほかの公営ギャンブルと比較をしますと、子供たちの参加の度合いが格段に多いスポーツでございます。そういう意味で、成長の過程で、法律が対象にする年齢は何歳であれ、実質的にくじというかけごとの中に巻き込まれてしまう、こういう競技をかけごとの対象にするということは、私自身がかけごとを余り好きではないという個人的な性格に重ね合わせて、この法案に私個人としては賛成いたしかねるという立場で考えておりますということをまず申し上げさせていただきます。
 そして、第一点の質問でございますが、岡部参考人それから飯田参考人にぜひお尋ねしたいことがございます。
 と申しますのは、ずっと参考人の皆様の議論でも、結局、青少年に対する影響が非常に大きいという御意見が随分出されたと思いますけれども、それでは、影響を受ける青少年の立場にいる人たちはこのサッカーくじ法案に対しましてどういう議論あるいは会話を交わされているのだろうかということをぜひお尋ねしたいと思います。
 先ほど飯田参考人からは、部活動のメンバーに手を挙げていただいたというような最初の部分の御紹介はいただきましたけれども、やってみたいかといえば、どうしようかな、やってみようがなというような意見というのは結構出ると思うのですけれども、もう少し子供さんたち、青少年の方たちとも議論をしていけば、もうちょっと真剣に考えて意見を言ったり態度を表明されたりするのだと思います。
 今までの議論は、主として大人の側がどう考えるかというその判断が開陳されてきたというふうに私は思いますので、影響を受ける当事者である青少年たちにどんな議論が起こっているのだろうかというような点を、お立場上、子供さんたちにかかわりが深いお二方からまずお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#31
○岡部参考人 私たちは、御承知のように、保護者と教師の会でございまして、またその立場から青少年の健全育成を考えるということでございますので、直接的に全国の子供たちにそれを調査したという事実はございませんけれども、ただ、平成九年の十月に子供の社会環境についてのアンケート調査というのを全国的に行いました。これがそうでございます。
 その中で保護者に、子供たちと「自分たちの世代と倫理感が異なっていると思う」というところにつきましては、七四・九%が、子供たちとは倫理観が明らかに違うという調査結果が出ております。
 また、個別に聞いたところによりますと、実は、私の真ん中の娘も今大学でサッカーをやっておるわけなんでございますが、サッカーくじそのものには余り興味がないということは聞いておりますが、全体的な意見は調査をしていないというのが事実でございます。
#32
○飯田参考人 まず、生徒に聞くのは大変勇気が要ります。といいますのは、やはり教員の身分ですので、今、国会にかかっている法律のことについて言い出すときに、うかつには言えないということがあるのです。政治のことはうかつに教育の現場で余り発言してはいけない。自分の考えも入ってきたりしてしまうので、その辺は避けるということがあるものですから、余り聞いていないということなんです。
 ただ、私は国会に出るので、子供の権利ではありませんけれども、何か意見を代弁してきてやるよというふうに言ったら、さっきのような、文部省がやるのになぜ協力してはいけないのだということが出たという程度にとどめさせていただきたいと思います。
 もう一つは、そこで出たのは、かえって禁止なんかするからやりたくなるんじゃないかといううがった発言をした生徒もいるということだけお伝えしたいと思います。数の問題はちょっとつかんでおりません。
#33
○石毛委員 ありがとうございます。
 同じ質問でございますけれども、選手養成の立場でシンクロスイミングにかかわっていらっしゃいます金子参考人と、それから先ほど藤井参考人も中学生の方たちと話をしたというふうにおっしゃられておりますので、もう少しそのあたりをひもといて、もうちょっと話を進めていったら子供たちがどんな意見を出すだろうかというようなところを教えていただけたらと思います。
#34
○金子参考人 選手を指導しております現場では、そういうような話をする機会はございません。ただただ目の前にあります自分たちが目的とするものに対して、プールがない、施設がない、トレーニング時間が足りない、そして器具を買いたくてもお金がない。そして専門の指導者について、私たちは芸術スポーツですから、まがいものの芸術ではなくて、本物の芸術を身につけて、自分は本物の選手として、世界に、私たちは今銀メダルまで来ておりますが、金に立ち向かいたいというところで、芸術国のロシアを相手にしまして私たち大変苦戦をしております。
 というのは、今ロシアは、ソ連からロシアのああいう時代になりましても、しっかりと芸術スポーツに対してサポート役がきちっとついております。もうトレーナーから、ダンス教師から、表現力の先生から、衣装の先生から、栄養学から、すべてのプロジェクトができております。そういうことが私たちは金銭的にできないような環境におりますので、ただただそればかりでございます。
 ただ子供たちが、時折私がこういうところにきょうは行くので練習を休むと申しましたときに、早くスポーツが世の中でもっともっと活性化して私たちの後輩が世界に羽ばたけるような、そんなふうに日本のスポーツの政策がなったらいいですね、先生頑張ってきてくださいねという話はされました。
#35
○藤井参考人 先ほども少し触れましたが、私は仕事上、今世の中で起きていることをどう子供が考えるのか、特に子供にかかわることについて子供自身がどう思っているのかということをモニターするような十人ぐらいの年下の友人たちを持っているのですけれども、先ほども少し触れましたが、子供たちにしてみれば単純でおもしろければやるということですね。ゲームソフトもそうですけれども、子供たちにとってとにかくおもしろいものが原則的に一番売れるということです。そして、今回のくじのように、おもしろそうで、今後はまだわかりませんよ、おもしろそうでかつ金ももうかるのじゃないかというようなことがあればなおさら楽しみは倍加するというようなことを子供たちは言っていました。
 そして、これも話し合いの中で出てきたことですけれども、元来子供たちがおもしろいと思うものとか楽しいと思うものは大体大人から見て有害だというものですね。ビデオにしろ、テレビにしろ、写真にしろ、大人が有害だというふうなレッテルを張って子供に見せると、ほぼこれはよくない。子供に受けさせるとこれはよくないというようなものを大体子供たちはおもしろがっていくものです。これはもう歴史が証明しておりますので、今回もそのような論理が当てはまるのではないかなというふうに考えております。
#36
○石毛委員 ありがとうございました。
 私は、子どもの権利条約で意見表明権が大変重要視されているというようなことも考えつつ、サッカーの選手に真剣になりたいと思っている子供さんたちは、今地域で、少年サッカーというのでしょうか、そういうところに一生懸命かかわっている方たちじゃないかなというふうに推察いたします。そして、その子供さんたちは、先ほどどなたかの御意見にもあったと思いますけれども、自分たちがもしかけの対象とされるチームでプレーをするというようなことになるとすれば、そのことについてどう考えるかというのは、十分にやはり意見を表明されるだけの経験とかあるいは推察力、洞察力を持っていらっしゃるのだと思うのです。
 とすれば、やはりこの法案というのは、もっと年齢を下げたところでも議論を広げていって、そして結論を得ていくべきではないか。大人の良識を次の世代に伝えていくということは大変重要なことだと思いますけれども、大人だけが、だけがと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、議論をするのではやはり足りないことがあるのではないかという思いがございまして、今のような質問をさせていただきました。
 あとの時間がほんの少しになりましたけれども、池田参考人にお尋ねしたいと思います。
 私は、冒頭に私の立場を申し上げましたけれども、まあ知的ゲームかあるいはかけかというような議論があるということをまずは受けとめるといたしまして、それにしても、私は、今これを導入しますということは、先ほど子供たちへの影響がとても述べられましたけれども、大蔵省の問題ですとか、官と民間の癒着の問題ですとか、社会総体に対する信頼感が非常に喪失しているこの時代に、サッカーのくじを買うというのがよりかけへ傾斜していく、シフトが強くなるのだと思います。
 もっと静かな社会で冷静にサッカーを楽しんでかけることができるという時代状況と、今、世の中にいろいろな悪がはびこっていると言ったらちょっと表現がきついかもしれませんけれども、そういう時代状況では、やはりこの法案をどう受けとめるかということの認識が違ってくるのかなという思いが私はいたします。その辺の御説明を池田参考人には伺うことができませんでしたので、私の方から、一言、今の社会状況でのこの法律に対する受けとめをどのようにお考えかということを御披瀝いただければと思います。よろしくお願いいたします。
#37
○池田参考人 先ほども申しましたように、私の立場というのは、今の日本のスポーツを振興する、これは諸外国の例を見ましても、やはりこれを理解していただくこと、その意味でサッカーくじというものをある一つの重要な財源確保の選択肢として考えていただくというふうな立場で、むしろスポーツ財源を確保するためにどうするのか、それでサッカーくじをお認めいただくというような、一つの選択肢であるという立場で考えていくことが今日本のスポーツ界では非常に重要ではないかと思っています。
#38
○石毛委員 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
#39
○高橋委員長 次に、池坊保子さん。
#40
○池坊委員 新党平和の池坊保子でございます。
 六人の参考人の先生方には大変貴重なお話を伺って、ありがとうございました。
 昨日からこの質疑をやっているわけでございますけれども、昨日は、射幸性をあおることは決して悪いことではないのだ、これは資本主義の最たるものではないか、あるいは、ギャンブルも容認してもいいのではないかというような意見もございまして、ちょっと暗たんたる思いがいたしました。
 私は、先回の委員会でも申し上げましたけれども、日本人のすばらしい特性は質実剛健なのではないだろうか。一獲千金を夢見ていいことはない。勤労意欲を失わせるし、その最たるものはバブルではなかっただろうか。バブルは決していいことを何にももたらさずに、その後遺症が今でも残っている。戦後五十年、これだけ日本が世界水準まで経済繁栄を遂げることができたのは、何も射幸心とかそういう気持ちではなくて、質実剛健の勤勉な日本人の性格が今日をつくったのではないかというふうに思っております。
 では、私自身はどうかといえば、私は機会があったらギャンブルもしたい。それだけに、余計に、文部省がこんなことをしていいのだろうかという気持ちがあるのです。だけれども、ギャンブルにのめり込まなかったのは、父が、小さいときから、勤勉こそがすばらしいのだ、まじめでなければいけないのだと言ってきたのが体にしみついているからだと思うのです。事ほどさように、幼児教育というのは、先を歩む大人たちが常に言い続けていると、無意識のうちに体にしみ込んでいくのではないかと思います。
 そういう観点からすると、このサッカーくじを導入するということは、大好きなサッカーを通じて子供たちがかけごとの楽しさあるいは一獲千金を夢見る、そのような体質に染まっていくのではないかというふうに危惧いたしております。
 先ほど岡部参考人がおっしゃったように、もしスポーツ振興のために力を注ぎたいならば、スポーツ振興くじはどうかというお話があって、私も全くこれに賛成でございます。
 スポーツは、もちろん子供に与える影響は大でございます。でも、スポーツだけがすべてではない。例えば本が好きな子供たちもおります。今、本を読まないことが子供の健全な成長を阻んでいるのではないかと私は思います。例えば図書館の拡充をもっとしてほしい。それとはまた別に、私は日本の伝統文化をやってまいりましたけれども、日本にはたくさんの伝統文化がございます。日本の伝統文化は自助努力によって今日まで続いてまいりましたが、政府の援助がないために廃れてしまった貴重な伝統文化もございます。
 では、こういうのを振興するとき一推進するのに何をするのか。かけごとなんてかけられないしなと思っておりましたら、くじがいいのだというお話を伺って、そうなんだ、例えば子供のための図書館拡充のためのくじ、あるいは日本の伝統文化推進のための宝くじがあってもいいなと今伺いながら思った次第でございます。
 私は、今スポーツ施設が足りないのだというお話はそのとおりだというふうに思っておりますけれども、今スポーツ施設をたくさんつくっても、現実として環境整備がなされなければ、内容が伴わなければ仕方がないのではないか。今大切なことは、一握りのスポーツ選手を育てることよりも、それも大切ですけれども、むしろ多くの子供たちがスポーツを楽しむその場所をつくってあげることなのではないかというふうに考えております。
 現実に子供と向かい合っていらっしゃる飯田参考人に伺いたいのですけれども、今本当に子供たちがスポーツ分野で必要としているのは何かということをお伺いしたいと存じます。施設が足りないのを困っているのか、あるいは指導者が足りないのか、子供たちが今スポーツの分野で何を望んでいるかということをちょっと伺いたいと思います。
#41
○飯田参考人 大変広い話で、うまく答えられるかどうかわかりませんけれども、地域の中でのいわゆる生活スポーツ、競技スポーツではなくて、選手養成のスポーツではなくて、地域における生活に密着したスポーツということでいえば、今大変寒々とした状況にあるというふうに思っておりますので、それは、ぜひ必要だろう。
 といいますのは、学校にいて、例えば地域の少年サッカーチームからよくグラウンドを貸してくれというふうに言われるのですけれども、ほかに施設がないからこういうふうに来ます。ところが、学校では部活動がありまして、日曜日も土曜日の午後もやっておりまして、いつもあいていないという状況ですから、地域には開放できないというジレンマがありまして、大変困っています。絶対的な不足があるだろうということがあります。
 それからもう一つは、やはり指導者の問題というのがありますので、これは学校に限って言いますが、部活動の顧問が、なり手がどんどん減っています。何しろ七時まで学校にいて手当六百円ですから、そういうことからすると、子育てを自分もしなければならないというときに、早くうちへ帰らなければいけないのに学校にずっといられない、そういう教員もふえておりますので、そういう形で指導者が、力がありながらいないという状況が出てきているということですから、両方とも、施設についても人的な面でも子供にとっては不足しているというふうにお答えする以外にないなというふうに思います。
#42
○池坊委員 では、現実にお金が要るスポーツ施設なども必要であるというふうにはお考えでございますね。そうすると、それはどういうところから――私はこれは反対ですけれども、もしこのくじを導入しないとすると、やはりそれは国庫で負担すべきというふうにお考えでございますか。
#43
○飯田参考人 私はそこが政治の問題かなと思うのですが、逃げているわけではありません。もっとちゃんと言ってしまえば、予算配分をもう少しちゃんと、教育、文化、福祉、スポーツ、そういった余り生産的でない部分、そういった方に回すような努力をしていくことによって解決できる、一つはそう思います。
 それから、くじそのものについて言いますけれども、どうしようもなかったらくじということだってあり得るなというふうには思っていますけれども、先ほど申し上げたように、それが今何で文部省がやるサッカーくじなんだということに結びついてしまうので、先ほどと重複しますからこれ以上はお答えできません。
#44
○池坊委員 藤井参考人がおっしゃった学校体育解体というのに私も賛成でございます。スポーツというのはしたい人間がしたらいいのであって、スポーツは嫌いだけれどもほかのことが好きという人はたくさんいると私は思います。日本人というのは画一的なのが好きだから、スポーツをやろうというと、みんなさせなければいけない。私は、自分がスポーツが苦手なので、今いたら私はきっと落ちこぼれになって小さく生きなければいけないんだなと思うのですけれども、もっと地域社会でやって、好きな人たちだけがやったらいいのじゃないかというふうに思っているのです。
 それと、さっきおっしゃいました、十九歳未満なんてつけなかったらいいんじゃないかと。私も先回の委員会で申し上げましたことは、どうせ取り入れるならば、もう明るくさわやかに、大っぴらにするより方法がない、そうしたらお父さんと一緒にやるのじゃないか。
 十九歳未満といえば、子供は、さっきのお話にも出ていましたけれども、禁止されればされるほどやりたいというのが子供の心理だと思います。第一、十九歳未満というのをどういうふうに禁じることができるのか。コンビニなんかで、今の子供は体が大きいですから、もう十七、十五歳ぐらいでも大人に見える子供たちもおりますし、たった百円のものを売るためにコンビニの社員に売ることのマニュアルを教えるということもあり得ないと思うのですね。そうすると、十九歳未満なんてつくっても、これは現実には難しいのではないかというふうに思っております。
 佐々木参考人、子供の権利を守るために、こういうような、あってもむだなようなものができておりますけれども、どのように今後、これは通ってしまうと思いますけれども、お考えでございますか。
#45
○佐々木参考人 これが通ってしまうという前提でお話はしたくないのですが、仮に通ってしまえば、今やはり競馬とかそのほかの公営競技、公営ギャンブルで起こっていると同じような問題が、弊害が起こってくるでしょうし、先ほど申し上げたように、サッカーについては子供が非常に関心を持ち、知識、情報を得ているというところからすると、子供に対する大きな影響が出てくる、こういうふうに考えております。
#46
○池坊委員 私も通してはならないというふうに考えております。スポーツが子供に与える影響として大なるものがあったとしても、でも、その補助のために片方で子供が害されていく、そういう事実があるとしたら、それを通すというのは全くおかしな話ではないかというふうに思っております。
 でも、文部大臣が禁止するといっても、現実には文部大臣が禁止するなんということは本当によほどのことがない限りあり得ないと思うのです。
 全国PTA協議会としては、これから何か方針をお考えかどうかを岡部参考人にちょっと伺いたいと思います。
#47
○岡部参考人 私どもは、御承知のように青少年の健全育成の観点から反対しておるわけでございまして、またそのことを第一義に考える団体でございます。
 それで、今後どのようなことを考えておるかということでございますが、今後いろいろな調査等をしながら会員の意識がどうあるのか、もっと末端まで調査をいたしたい、かように思っております。
#48
○池坊委員 私、昨日も申し上げましたけれども、成田で中学二年生の子供が自殺いたしました。その自殺は、ギャンブルにのめり込んでいる上級生がお金が欲しくて恐喝をしていた、それに耐えられなくて自殺した。これは一例ですけれども、そういうような例がたくさんこれから出てくるのではないかというふうに懸念しております。
 それに対して、私、今頼りになるのはPTA協議会ではないかな、PTA協議会の方たちあるいは先生方が学校の現場で、では、どういうふうにそれに対処していったらいいのかというのを私思うわけです。
 藤井参考人、もしこれが通ってしまったらどういう対策などがあるとお考えですか。通さないことが一番いいには違いないのですけれども、近い将来できてしまうのではないかなというような不安を抱いている者として、では次に何をなすべきかと。
#49
○藤井参考人 大変難しい質問で、ちょっと僕もどう答えていいかわからないのですが、この法案というのは、買う子供に制限を加えてこのまま通るということですね。そうしましても間違いなく子供は買うと思います。子供は買うと思いますので、やはり禁止はされていても子供は買うという前提で、このことを子供と話すしかないと思います。
 これはギャンブルだから、賭博だからいけないんだよということで遠ざけるのではなくて、むしろ家庭や学校の中で、今こういうことがあるけれども、これは君たちどう考えるんだい、僕はこう考えるというようなことを、教師と生徒とかあるいは親と子と、あるいは地域の中で大人と子供といった関係の中で、覆い隠すのではなくて、むしろ大っぴらに開示をする中で、このサッカーくじに対するポジショニングといいますか、距離のとり方みたいなものを話し合っていく方法が一番いいのではないかなということしか思いつきませんが。
#50
○池坊委員 もう時間が参りました。ありがとうございます。
 ただ、今のお話などを伺っておりますと、通してしまったらもう手だては少ないのだということなんだと思いますので、私たち文教委員は心してこの問題を深く考えなければいけないんだ、文部省もこの問題を深く考えなければいけないのだという再認識をいたしました。ありがとうございました。
#51
○高橋委員長 次に、西博義君。
#52
○西委員 自由党の西博義でございます。
 きょうは、早朝より六人の先生方、本当に熱心な意見発表並びに質疑に対する御答弁をちょうだいいたしておりまして、心から感謝申し上げたいと存じます。
 私は、今回のサッカーくじの議論に入る前に、今の教育を取り巻く状況についてちょっと私の考えでいるところをお話を申し上げたいと思っております。
 と申しますのは、最近学校が週五日制にだんだんと移行してきております。また、もうすぐ完全週五日制、こういう状況が生まれてまいります。これをどう子供たちは受けていくのか。土曜日だけの問題ではなく、土日の休みの期間をどう教育に活用していくのか、教育というか、子供の育成に活用していくのかということが一つの大きな課題になっております。そんな中で文部省は今、家庭、地域それから学校、この三者の連携によって子供の育成に取り組んでいく、こういうことが言われております。
 一方、今、月に二回の休みになっておりますけれども、この土曜日がどう使われているのかという調査がございます。この調査を見てみますと、子供たちはほとんど家の中で過ごしている。テレビを見、音楽を聞き、また漫画を読んだり、ほとんどの人たちがそういうふうに過ごしているという実態が出てまいります。時間がございませんので詳しい数字は省かせていただきたいと思いますが、これが現実だと、私も同じ世代の子供を持つ親として実感をしております。
 つまり、当初からこの休みの期間をだんだんと社会が抱えていくのだ、また家庭が抱えていくんだという方針を打ち出しているわけですけれども、なかなかそう理想どおりにはいかない。むしろ大人の側は、塾に行ってしまうのじゃないかという心配を大変いたしました。今でもそういうふうに信じている人がいるぐらいですが、実は、疲れた子供たちはほとんど塾なんかには行っておりません。そんな実態の中で、これからやはり地域の子供たちのサークルといいますか、コミュニティーをどう運営していくかということが大変大きな問題になってくるように思います。
 きのう、実は参考人として武隈先生、鹿児島大学の先生でしたが、おいでになって、その問題についてお話をいただきました。地域の中で、地域スポーツのリーダー的な、マネジャーというふうにおっしゃいましたけれども、そういう人たちが要るのではないか。私もずっと田舎で暮らしておりましたから、子供は少年野球、お年寄りはゲートボールと、この一種類しかない環境の中で過ごしてまいりましたけれども、いろいろなスポーツをできるような環境づくりが必要だと。
 同時に、武隈先生は、もっと地域社会に溶け込める、スポーツだけではなしに、いろいろな地域社会に溶け込めるようなリーダー的存在を育成していく必要がある、こういう趣旨のお話をいただきました。これは、今崩壊しかけている地域コミュニティーの中での活動という意味からも大変重要な意味を持っているお話だなというふうに考えている次第でございます。
 そこで、それぞれの参考人の皆さんにお伺いをしたいわけでございますが、まず池田先生にお伺いをさせていただきます。
 先ほどは、どちらかというとナショナルスポーツを中心としたお話でございました。その実情もよく理解させていただいたつもりでございますが、その前提となるのは、やはり各地域における子供たちのスポーツを通して優秀な生徒が育成され、そしてナショナルレベルに持ち上がっていく、こういう構図になるのではないか。先生はその上部の部分についての実情とこれからの方向性をお示しいただいたのだと思うんですが、その地域におけるスポーツに関するお考えについて、一言お伺いをしておきたいと思います。
#53
○池田参考人 先ほど、時間の関係で私その部分を抜かしまして申しわけございませんでした。
 たしか資料の三枚目か四枚目にあると思いますが、日本のスポーツというものを考えた場合、やはり地域のスポーツクラブの重要性というのはこれから大変ウエートが置かれるんじゃないかと思います。諸外国に比べましてそこが欠けていると思います。
 日本のスポーツのこれまでの基盤というのは四つあったと思います。一つは学校、二番目は企業、実業団と言われるもの、三番目が最近伸びてきました民間のスポーツクラブ、そして地域ということでございますが、その地域に根差したスポーツクラブというのが、残念ながら日本ではまだまだ定着していない。つまり、ママさんバレーとかそういうものがありますけれども、これは根なし草で拠点がないわけでございまして、そういうことでも、これから非常に地域のスポーツクラブというものがますます大事じゃないかと思います。
 学校のスポーツが、子供の数が、生徒数も減ってきました、先生も高齢化してきました、先ほどもお話ありましたように、なかなか指導も行き渡らない。そういうふうに考えますと、学校と地域の連携、そこに導く、その地域に根差したスポーツクラブの拠点というもの、これはぜひ必要ではないかというふうに思っています。イギリスのスポーツ政策でも、このことを大変重視して積極的に取り組んでおります。
#54
○西委員 次に、岡部参考人にお聞きをしたいと思います。
 日ごろからPTAの活動については大変御尽力をいただいていることに感謝したいと思います。
 そんな中で、私、今申し上げましたように、実情はなかなか社会として子供たちを受け入れられない状況、むしろそういうスポーツの方面だとか、またはスポーツだけじゃなくて文化でも結構なんですが、そういう中に入らないで、先ほどおっしゃられたように、コンビニの周辺にたむろしてみたり、またどこか繁華街をみんなでうろうろしてみたりということが比較的目立つような今の社会情勢だと思います。
 そんな意味で、私は、PTA協議会の皆さん、つまり家庭を持つ親御さんという意味なんですが、その影響力というのはこれまた大変大きなものがあろうかと思います。PTA協議会として、その辺についての活動、具体的なことについて、完全な週五日制になっていくわけですが、何らかの方向性または方針とかいうものをもしお持ちでしたらお教え願いたいと思います。
#55
○岡部参考人 学校週五日制につきましては、平成八年度に私どもが全国的に調査した資料がございまして、小学校六年生千八百二十六人、中学三年生千九百二十六人、また保護者三千六百九十五人を全国から調査した結果でございますけれども、この中で、小学生は七六・七%、中学生は七八・一%が学校週五日制には賛成だということでございます。これに対して保護者は、賛成二八・六%、反対三二・五%、どちらとも言えないが三七・三%、このように意見が分かれておるところでございます。
 先ほどの質問でございますけれども、やはり生涯学習時代を迎えておりまして、その中で学校教育と社会教育が車の両輪でなければならないということが言われておりますけれども、どうも我が国では、やはり学校教育の水準に比べまして社会教育の力がまだ依然としてない、私はそのように認識しておりますので、今後は、どうぞ社会教育の力をつけるために、やはりその部分に、議員の先生方も御認識いただいて、社会教育の力を十分つけるような御協力を賜りたいと思っております。
#56
○西委員 思いは当然同じことだと思いますが、私、この法案をお聞きしたときに、実はそういう意味でやはり新しい社会の形態をつくっていく必要が絶対にあるだろう、これから特に。そこを特に強調、自分自身としては、そういう方向にぜひとも活用していただきたいと思って賛成の立場で今おるわけですけれども。
 そんな中で、先ほど野田委員も話がありましたように、実情はなかなか、日本全体の予算の中でも〇・一%上がった、下がったで一喜一憂しているこの予算配分の中では動かしがたい限界がありまして、もちろん心配される部分もないことはないんですが、大きく見てやはり、それよりも早急に新しいそういう方向性を見出していきたいという思いでおります。
 そこで、もう一度岡部参考人にお聞かせ願いたいのですけれども、今までの議論を通して、お立場は反対ということを基本的にはお聞きしたんですが、ここの部分はどうしてもやはり回避していただきたい、予算を獲得するとしてもここだけはまずいというようなことを特に一点挙げるとしたら何かございますか。今の仕組みの中でです。
#57
○岡部参考人 ちょっと質問を完全に私は理解できていないわけなんでございますが、このサッカーくじのことについては、先ほど私申し上げましたように、全体的には反対であるということなんです。
 それで、ではスポーツ振興はどうかということになりますと、私どもは、先ほど私が何回も申し上げておりますように、青少年の健全育成を第一義に考える団体であります、そもそもが。スポーツ振興を第一義に考える団体ではないというような組織でございますが、では、そのことについてはどうなのか、スポーツ振興は、それは私は個人的に大変必要なことだろうと思っております。思っておりますが、では、それでサッカーくじがいいのかということになると、これは薬に毒をまぜて飲むようなものだ、私はこのように考えておりますので、それならばやめた方がいいだろうという判断でございます。
#58
○西委員 時間も差し迫ってまいりましたので、金子参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほどから、子供の育成を通して大変立派な人材を発掘されている、また育成されているということをお伺いをしました。大変すばらしい御活躍をされていると思います。スポーツを通して人材が育成されるということは、昨日の花原参考人からもお聞きをしたんですけれども、やはりその辺のことについて、あと一言何かコメントがございましたらお願いをしたいと思います。
#59
○金子参考人 先ほど池坊先生からもお話がありました。先生から、スポーツだけではなくて文化にもというお話がありましたが、この法案が通って大変経済的にスポーツにお金がかけられるようになって、日本全国に、地域にスポーツ施設ができるようになりましたら、それはスポーツだけではなくて、今崩壊しつつある家族との対話ですとか、それから地域社会でのコミュニティーの場所ですとか、それから助け合いですとか、それから自然に親しむとか、そこからさらに、その子たちが、スポーツだけじゃなくていろんなものへ発展していくということを考えますと、今うちの中だけで、灰色にマンションの中でみんな暮らしているということを考えますと、教育にも、それから子供だけではなくて大人にも、社会の人たちにもいろいろな意味ですごく大きな意義があると思うのですね。
 私、最後にもう一つ、質実剛健の中で日本人はというお話がさっき池坊先生からもございましたけれども、もちろんそれが日本人の中にぬぐってもぬぐえない持っているものだと思うのですが、これだけテレビが発達して、諸外国のことがもう本当に隣のことのように入ってくるような世の中で、日本人が質実剛健だけと申しましても、そういうことを子供に説くことすら、子供たちがやはり先生とも親とも対話をしなくなってしまう。やはり子供たちはもっと進んでいると思うのです。私たちよりももっといろいろな情報を持っていると思いますので、サッカーくじの十九歳の年齢については、私もちょっと疑問を持ちます。もっとオープンになって、みんなが参加して、もっとクリアになったらいいと思うのです。そして、今失いかけている親子の対話も、そういうことで活性化していったらいいと思うのですね。
 それともう一つは、国が本当にスポーツの予算があって、スポーツ省でもできてすごくスポーツ政策が進めばより結構ですけれども、そういうことをする予算がないならば、こういうことは国民参加で物ができるということも一つの大事なことではないかと思います。人に与えてもらう、国が出した予算でつくったら、多分国民の私たちは当たり前というふうに思うと思うのですが、そうじゃなくて、子供たち、国民一人一人が自分たちの費用で、自分たちの出したお金がこんなふうな遺産になって生きているということは、やはりすごく心に響くものもありますし、物も大事にして使用していくのじゃないかなというふうに思います。
#60
○西委員 時間が来たので、終了させていただきます。ありがとうございました。
#61
○高橋委員長 次に、山原健二郎君。
#62
○山原委員 スポーツ予算が少ないということは、今まで随分指摘をされてきました。でも、解決できないのですね。そして、サッカーくじというものが出てきたわけでありますが、スポーツ予算をふやせという声も随分たくさん出てきているのです。それに正しくこたえてこなかったところにもう一つの問題があると思いますが、私は物は考えようだと思います。
 去年の十二月に国会は、お金が足らないということで、財政構造改革などと称して三十五人学級まで削ったのですからね、予算で。四十人学級なんて世界じゅうどこにもないのですよね。それを三十五人にせよという圧倒的な父母の声もここでは無視されて、ついにこの予算も削られる。農林予算も中小企業者に対する予算も削られる中で、十二月の中ごろになったら、金融機関が困っておるから三十兆出す。とんでもない金が出てくるわけでしょう。物は考えようなんですね。
 政党助成金につきまして、日本共産党はいただいておりませんけれども、私も国会議員の一人ですから割り当てが来るはずですね。幾ら来ておるのだと言ったら、去年の一月の調査ですけれども、二億二千五百万来ておる。私はびっくりしまして、そんな金が来るのかと言ってびっくりしたわけでございますけれども、本当にお金というものに対する考え方というのは、これは政治の問題でありますし、政治家の考え方によってどうにでもなるわけでして、そういう意味で、最初にそのことを申し上げたいわけでございます。
 三十兆なんていう金、想像もできない金ですよ。それがぼかっと出てくる。どうなっているのだ、日本の国の財政は。それに、今度のサッカーくじでは、三百億円欲しいということが出ていますけれども、三百億なんて微々たるものです。今まで何年も何年もスポーツ予算をふやせという要求が出ておりますけれども、それがかなえられないで、そして三百億のお金をつくるためにこのサッカーくじをやる、こういうことになっておりますけれども、これはやはり政治の力で変えるという方向に向かって、全議員が、この金を出せということをなぜ言わないのか。こんな大きな問題が次々出てくるわけでして、私は、その点をぜひお考えいただきたいと思いますから、最初にそのことを申し上げたいと思います。
 飯田参考人にお伺いしますが、先ほどサッカーくじ法案につきまして、サッカー関係者やPTA会員、そして生徒にも生の声を聞かれたということを聞きました。現場におられる先生としては当然のことだと思いますが、連休もこの参考人の原稿をつくるために苦労されたというお話を伺いました。先ほどは時間がなかったためにかなり省略されているのではないかと思いますが、この生の声を、もし幾つかの例がありましたら、短くて結構ですから、お答えをいただきたいと思います。
#63
○飯田参考人 二つだけ申し上げます。
 一つは、サッカー関係者ですけれども、最初から受け付けない。そんなことよりも、要するに政治家のところ、皆さん政治家の前でそういうことを言うのはちょっと口幅ったくて申しわけないのですけれども、政治家がどうせ懐に入れるのだろうと言うのですよね。本当に政治不信というのはもう骨の髄まで今庶民の間に行き渡っておりまして、サッカーくじどころではない。サッカーくじなんかもしあったとすれば、文部省がどうせそれは、競馬が農林水産省で、オートレースがどこ省でどこ省でといって、そして文部省はこれを利権みたいなふうにしてやるのじゃないかというようなことを言うのです、それは生の声として。ですから、いいか悪いかなんて、そんなふうになかなか入れなかったということだけ申し上げます。
 それからもう一つは、ある管理職なんですけれども、校長さんに聞きましたけれども、もし入ったら、先ほど通ってしまうことを前提にというふうにどなたか聞かれましたけれども、私も答えたかったのですが、もし通ってしまったら、これは現場は大変だなと思います。
 校長さんは、その高等学校はそんなにいわゆる進学有名校ではなくて、普通高校でも御存じのようにいろいろな学校がありますから、神奈川県では課題集中校といっています。いわゆる底辺校ともいいますけれども、偏差値ランクで生徒が余り勉強できない、嫌いな子が入ってくるというような学校では、もうたまらないということですね。それだけ申し上げておきます、生の声として。
#64
○山原委員 もう一点、Jリーグを夢のあるものにしたいというお考えはわかるわけでございますが、その発展のためにサッカーくじが導入された場合、選手やスタッフあるいは審判への影響、これはどういうふうになるとお考えになりますか、もう一回飯田さんにお伺いします。
#65
○飯田参考人 その件については、先ほど一部紹介したと思いますけれども、私自身も選手をしたり、先ほど野田先生が十歳から十七歳までサッカー選手だというふうに言われて、それは知らなかったのですけれども、よく御存じだと思いますが、大変なことになるだろうというふうに思います。
 さっきの競輪の話も僕はよくわからなかったですけれども、競輪選手がそうなっていて、公営ギャンブルになったときにそういったことをされると、実はサッカーをやる人間というのは、かなり自由な人間が多いのですね。ほかが違うというわけではないのですけれども、いいかげんなところもあったりして、ちょっとほかの種目と違う。ふまじめなといいますか、そういうプレーヤーの方が実はうまかったりするというようなのがありますから、そういう束縛をされるということはもう絶対嫌うわけですね。そういうことからすると、選手は嫌がるだろうなというふうに思います。
 そこで、なおその上にお金をかけられたら、これはさっきの資料の中にあったようなぐあいになるだろうし、それは選手の話ですが、多分監督、審判、これはもっと大変になるのではないか、勝負のことについて大変になるのではないかと思います。
#66
○山原委員 私も高等学校の教師をしておったものですから、私の友人も、あなたの出しているあの名簿の中に名前が出ているのですよ。高知県の窪田一郎君というのがそうなんですが、サッカーマンというのは、本当にルーズなといいますか、のんきなといいますか、天衣無縫といいますか、そういうところがある人間の集まりだとばかりは言えませんけれども、そういう感じがしますので、本当に自由に生きた人間の姿がそこに出ているように思いますが、そういう意味では、非常にいろいろな感想を持つわけでございます。
 今度、子供たちの影響ですけれども、サッカーくじ、ギャンブル三味の学生にサッカーくじは火に油を注ぐようなものだという投書がここへ出ておりますが、これから考えましても、かなり子供たちは影響を受けるのではないかと思いますが、その点について一言お伺いします。
#67
○飯田参考人 東京新聞の投書のことかと思いますけれども、率直に言いまして、これが導入されたらば全青少年が急に悪くなってしまう、そういうことは考えられないと思います。
 しかし、先ほど申し上げましたように、学校によっては、昼休みにもう競馬の話を赤鉛筆を持ってやっているというような状況というのはかなり蔓延しているということも聞いておりますので、そういうところにまたサッカーくじが入ってくるということは、もっと大変な状況が生まれるのだということは容易に想像できるというふうに思っております。
#68
○山原委員 日弁連の佐々木参考人にお伺いをします。
 当初から日弁連は、会長声明に見られますように、サッカーくじ法案について、ギャンブル法であるという立場で反対をされておられるわけですし、さらに二十四県の弁護士会も反対をしております。これは、法律の専門家ですから大変重要な声明だと思いますが、新たなギャンブル法を子供社会に持ち込むことについて、佐々木先生はどういうふうにお考えになりますか。
#69
○佐々木参考人 先ほども申し上げましたように、サッカーに対する子供の関心、知識は大変深いものがございます。したがって、子供の社会にサッカーくじが入り込んでくることは火を見るよりも明らかであろうと思います。そのことが、先ほども私の意見の中でも申し上げましたが、少年非行を誘発する原因にもなり、そしてまたサッカーくじにまつわる不正行為を引き起こすことにもなって、青少年のあこがれであるはずのサッカーが犯罪を引き起こす原因となるというあってはならない事態が起こってくるだろう、こういうふうに憂慮しております。
#70
○山原委員 最後に、日本PTA全国協議会の会長さんの岡部さんに質問をいたします。
 私も、全国協議会には何度かお訪ねしまして懇談もしたこともございますが、この団体は最初からサッカーくじに対しては疑問を表明されておりますし、反対だということを言われておるわけでございます。特に、青少年の非行や犯罪が多発しているとき、子供たちを取り巻く環境が悪化するのではないかと懸念をしております、こういうふうに表現されておりまして、その点で、子供たちにこれは本当にどういう事態が影響していくのかということ。
 それからもう一つは、いわゆる胴元と呼んでいますけれども、文部省が主催者といいますか、胴元をやるということについて、私はこれはどうしても納得がいかぬのです。その意味で、幾ら賛成であっても、文部省がやるということ、だれだってこれは賛成できないと思いますが、その点につきまして御意見を伺いたいと思います。
#71
○岡部参考人 私どもの調査でも明らかなんですが、青少年を取り巻く環境がますます近年悪化してきておる。例えば、先ほどいろいろお願いいたしましたテレビ等の問題、またインターネット等の問題、また不良ビデオや不良図書等の問題、いろいろな要素が絡み合いまして、近ごろの青少年の性格は変化してきておるのだ、このように認識しております。その中の要因の一つとして、このサッカーくじが青少年に悪影響を与えないかという懸念でございます。
 また、文部省の問題でございますけれども、やはりこれは文部省の方々も心の底では子供たちの悪影響を懸念されておるのではなかろうかな、これは私の推測でございます。もちろん、すべての方ではございませんけれども、しかし、立場上なかなかそれも言いがたい。議員の先生方も実はそうではないかな、私はそのように認識しておる次第でございます。
 以上です。
#72
○山原委員 事態は去年とまた違うでしょう。それから、このサッカーくじ法案が提出される段階から随分変わっていますからね。子供たちの置かれておる状況も違うのですね。その中で文部省の果たす役割は何か。これは教育基本法に基づかなければいかぬですね。そういうことを忘れてこういうことに触手が走るということ自体が大問題だと思いますので、そのことを申し上げまして、参考にしていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#73
○高橋委員長 次に、中川智子さん。
#74
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子でございます。
 きょうは本当にお忙しい中ありがとうございました。それにまた、六人の御参考人のうち四人が明確に反対の姿勢を示していただいたことに大変うれしく質問させていただきます。
 私もギャンブルというのは基本的に余り嫌いじゃなくて、夫とのデートの場所は阪神競馬場ですとか中山競馬場という人間でございますが、今回のこのサッカーくじ法案に関しましては、もう心底反対の立場から質問をさせていただきます。
 文部省が、ギャンブルだということが明確であるにもかかわらず、いろいろな詭弁を弄してギャンブルじゃないようなイメージをさせながら、十九歳というところで年齢を切って、その後に関しては、修正の中で、非常な事態に対して文部大臣が停止命令をかけられるということが参議院で修正になったわけなんですけれども、このあたりも、ギャンブルだという前提の中で、そして国民世論、きっちりとそこに対して議論がないままにこのように強行をしようとしている。私は冒頭に、これをきっちりと慎重審議して、できれば廃案にしたいという思いでございますので、積極的なお答えをお願いします。
 まず最初に、藤井参考人にお伺いいたします。その次に飯田参考人にお願いいたします。
 藤井参考人にお伺いしたいのですけれども、私が子供を育てた時代といいますのは、まだまだこういう形での、子供たちが本当に五円、十円のお金を大事にしながら、いじめなんかに関してもまだまだ今のような社会問題になっていなかったという状況がございます。そして、私たちはついつい私たちの子供の時代というのをイメージしながら、この議論を親の立場、そして国の立場、教師の立場から議論してきたように思うのですね。
 今の子供の状態、恐喝とかさまざまなことが起きていますが、実は私の友達の子供さんがやはり、パーティー券を何十枚売ってこいというふうに言われまして、それで最初は五百円ぐらいで買わされて、それを二千円、三千円で売ってこいということでリンチを受けて学校に行けなくなったということが、ごくごく身近な私のつき合いの中でも聞かれるという状況がございます。
 そこで、恐喝や売買の実態といいますか、先ほどのお話の中で、サッカーくじ研究会というのが生まれる。そうなりましたら、私は、もう中学生も高校生も赤鉛筆を耳のところにこう置きまして、教室の中でやっていくというのがすぐに想像できるのですが、そのあたりの子供たちの今日的な状況を少し詳しくお伺いしたいと思います。
#75
○藤井参考人 先ほども申し上げましたけれども、僕が中学生や高校生と話して、このサッカーくじができた場合、どうシミュレーションしたらいいかと考えたときに、いわゆるパソコンを使ってシミュレーションゲームというか、研究会をつくって子供たちが当てにいくという状況が生まれるというふうに話をしたのですけれども、これは、純粋に子供たちから見ておもしろいというか、知的な側面を持っているからだと思うのですね。それは子供たちがあくまでもそう思ったということなんですけれども。そして、それプラスうまくいけば金銭の見返りがあるというところでも、子供たちにとっては魅力がきっとあるんだろうなという気がしています。
 そしてもう一つ、先ほどの前者の方の質問の答えになるかどうかわからないのですけれども、パーティー券の問題にしろ、あるいは金銭を恐喝して、それがいじめになって自殺に至るという問題が、確かに僕の時代と比べても今はもう急増しています。どういうことかといいますと、子供たちの中に、お金の論理というか、お金こそ第一、お金を持っている者が強い、そして力の強い者がお金を握るんだというような論理が蔓延しているのは、僕はこれは否めない事実だというふうに考えています。
 それは、いろいろな原因があると思います。
 一つは、やはり今の中学生、高校生、十代の子たちというのは、バブル期に育ってきた子供たちですね。やはり話してみますと金銭感覚が全然違うし、楽してお金をもうけることや、あるいはお金がお金を生むという構造とか、そういうものにどっぷり、僕らも浸ってきたし、その影響を受けて子供たちも育ってきたわけです。
 その渦中で心身をはぐくんできた、成長してきた子供たちというのは、やはりお金の論理というものが割と体や心の中心にあってももう仕方がないというか、お金のためなら何でもするというような行動をとったりやったりする。これはある種、我々の責任ではあるけれども、仕方がない状況はあると思うのです。もちろん、そこは変えなければいけないというふうには思っていますけれども、憂慮すべき状況です。悲しいかな、そういう状況にあります。先ほどどなたかの議員の方から、日本人は質実剛健で云々という話があったけれども、確かに半面は、それは僕は当たっていると思うのですけれども、半面はどうかなという気がするのですね。
 というのは、子供たちと話していると、バブル期も含めて、そして昨今の官僚の汚職とか政治家の汚職とか日々報道されているのを見ていると、やはりぬれ手にアワというか、権益や権力を手に入れた力の強い者がお金を楽してもうける、そこに人間がおぼれていく。高い点数をとった人間がおほれていくという構造を目の当たりに子供たちがしている状況が、やはり金銭中心主義というか拝金主義といったものにさらに拍車をかけている状況があるというふうに僕は感じています。ですから、今の子供たちの心のありようというのはやはり大きな問題であるなというふうには感じています。
#76
○中川(智)委員 私も、先ほど池坊議員が触れられましたように、三月に千葉県成田で起こった、たったと言ったらおかしいのですが、子供にとってはとても大きなお金ですが、五万円で命を失う、自殺をしてしまう、それほど子供たちのいじめの構図の中でお金というのが中心になってきているということ、それがとても怖いと思います。
 それで、先ほどの飯田参考人のお話の中で、学校の前にコンビニなんかがあって、家の周りにもはんらんしておりますよね。こういう状況の中で、先生がまた新たな仕事がふえる。それはもう目に見えると思うのですよね。生活指導、いろいろ制服チェックとか朝の遅刻とかのチェック以外に、やはりそのような券を買う、サッカーくじを買う子供たちを新たに取り締まらなければいけない。また、学校の中でも、幾らで売ってやるよというようなこととか、情報を上げるよということで、結局、学校教育の中に警察が介入してくる、そのあたりの御心配というところがありましたら、飯田参考人にお伺いしたいのです。
 もう一つ、飯田参考人に、八百長か八百長ではないか、サッカーを余り知らない人間にとっては、あのスポーツに対して、最後のゴールキーパーのところでちょっとごうすれば、本当に数ミリの差で、数センチの差で受けられるか受けられないかという非常に微妙なスポーツだと思うのですが、八百長などに対して、サッカーの心配なり、それが見分けられるようなスポーツであるというような御認識があるかどうか。ちょっと変な質問で、難しくてきっちりお答えになられなければ個人的な今の感想で結構ですが、お願いします。
#77
○飯田参考人 後の方から答えさせていただきます。
 八百長の問題ですけれども、これは選手というよりもむしろ、選手というのは、きのうも何か参考人質疑であったようですけれども、長沼さんが二十二人あれするのは無理だよと言っていたようですが、二十二人なんて要りません。むしろ選手よりも、どちらかといったら一番抱き込みやすいのは審判なんだろうというふうに思いますね。
 実例は、インドでのアジア大会でクウェート対北朝鮮の試合がありまして、御存じかと思いますけれども、前の日に審判がクウェートに抱き込まれたといいますか、金銭で、石油のお金でやられた。それは公然たる秘密のようですね。北朝鮮はそれをわかっていたので、やった結果、北朝鮮は圧倒的に押して、点になりそうなものでも点にしてくれないというような状況があって、とうとう北朝鮮は今の言葉で言うとキレてしまって、暴動を起こしまして、一年間国際試合が停止になった例がありました。それ以来、北朝鮮は全然弱くなってしまった例があります。
 それから、ついこの前のワールドカップの予選の日本対UAEの試合のときも、やはりそういううわさが流れました。それは実際にはなかったようですけれども、そこで審判が八百長に巻き込まれそうになったというようなこともありたり、いろいろそのことについては、サッカーの試合というのはそれにまつわる話というのは幾らでもありますね。
 そういうことで、やはりそれをやめさせるには相当のまたお金がかかってガードをしなければならないという状況が生まれてくるのではないかなというふうに、競技の性質上思います。
 それから、前の質問なんですけれども、警察が入る可能性はあると思いますが、今、馬券の問題は、生徒は持っていますけれども、警察は実際には学校には入りません。その程度のことではと言うのは変ですけれども。傷害だとかなんとかというのが、もっと大きなことがありますから、そういうことでは、くじを持っているというようなことでは入りませんけれども、むしろ、警察のかわりにまず先生がなってしまうということですね、警察が入る前に。教師が目を光らせているわけですから、警察の役割を教師が果たさなければならないということの方が問題なんです。それは労力が要るから嫌だとかいうことではなくて、そのことによって、注意すれば当然生徒と先生の間の溝がどうしてもできてしまうのですね、お説教しなければなりませんから。それは、具体的に、もりと高められる会話になればもちろんいいですけれども、そういうことがあります。
 それからちょっともう一つ、申しわけございませんが、さっき言い忘れたのですけれども、今教育の問題は非常にたくさんいろいろありまして、特に受験の弊害や何かが、受験産業だとか受験競争の弊害がありますね。そういう中で先生はもうくたくたになっていますけれども、僕は、受験競争の弊害というのも、もとをただせば、教育制度や入試制度をいろいろ変えても何もよくならないですから、大もとのところは、今藤井さんが言われたように、やはり金とか物とか利益とか経済効率とか、そんなことばかり優先しているからこういう事態になっているんだなということだけぜひとも発言したかったものですから、質問にないのにごめんなさい。
 以上です。
#78
○中川(智)委員 私も、これまではサッカーを観戦するときに、勝ったら心から、ああ勝った勝った、それで負けたら負けたというのが、得した得したというふうになるのと損した損したというふうになると思うのですよ。もうそうなったらお金が動いているように見えてしまう。それが非常に悲しいと思うし、そうあってはならない、そうさせてはならない。
 でも、このサッカーくじ法案そのものが通る、そういうふうになってしまうということで、池田参考人にお伺いしたいのですが、子供たちに人気のあるこのスポーツが、やはりいわゆる設備投資とかいろいろスポーツのそういう施設整備をするためのお金にもなってしまう。
 文教が正々堂々と予算をとればいいのですよ。文部省が闘えばいいわけですね、議員も一緒になって。本当は厚生委員なんですけれども、小泉さんは結構闘ってとっているのですよ。やはり町村大臣も、ナイフを持ち歩かないようにしましょうとかいうのじゃなくて、金よこせという大臣になればいいと思っています。それが基本だと思うのですが、スポーツ本来を見るきれいなひとみが、子どもが濁ったひとみになる心配があるとはお思いになりませんか。ちょっとで結構ですが、お願いします。
#79
○池田参考人 私は先ほどから諸外国の例ばかりを申して恐縮なんですけれども、サッカーくじというのは日本では初めてで、もちろんやっていないわけですね。サッカーくじというのは外国でやっている。そういうことで、どういうことかということで外国の例を申し上げているのですけれども、今のような心配をまず聞いたことはございませんし、一つだけ言わせていただきたいと思いますが、イギリスが、先ほど申しましたように、国営宝くじを一九九四年十一月に導入したわけですね。そのときに十六歳以上という年齢制限をした。サッカーは十八歳以上だったわけです。それではバランスが悪いということでサッカーくじも十六歳以上になったわけです。二歳下げたわけです。
 そういう例を考えましても、そんなに、子どもにどういう影響を与えるのか、ネガティブな影響を与えているのかということは、まず外国では、私の知る限りは大きな問題としては取り上げた例はないし、サッカーくじをやってそういう問題が出たからサッカーくじを廃止したという国もまずございません。それだけは申しておきたいと思います。
#80
○中川(智)委員 もう最後なんですが、最後に一点、日Pの会長さんの岡部さんにお伺いしたいのですが、日Pの今の人数、いわゆる組織人数。そして、大臣が停止するということが、PTAが、やはりこれはもう最悪の状況だ、大臣、これに対してもうやめさせてくださいということが生きるような形での停止の法案修正になっているかどうかというところを最後にお伺いして、質問を終わりたいのですが。
#81
○岡部参考人 日本PTAの会員は、冒頭に申しましたように、一千二百万でございますが、ただしこれは児童生徒の数でございますので、保護者の数を含めますととてもそのような人数ではない、かなりの人数になります。
 それから、大臣の措置でございますが、そのときに何かもう目に見えるような、因果関係がはっきりするようなことであれば、当然我々もそのようなときには強くそれをやめるようにお願いするようになるとは思いますけれども、ただしそれはサッカーくじ法案が通って、その後のことでありますし、その後のことについてはまだそれほど私どもは考えていないというか、そうならないように願っておるところでございます。
 そもそも、サッカーくじ法案はスポーツ振興のために考えられておるわけでございますから、スポーツ振興の予算をサッカーくじで充当するのは私はもともと筋違いではなかろうかな、かように思っておるところでございます。
#82
○中川(智)委員 ありがとうございました。
 子供のお年玉をかすめ取るような文部省にならないように心からお願いして、終わります。
#83
○高橋委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただき、また貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 次回は、明八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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