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#1
第142回国会 大蔵委員会 第6号
平成十年二月三日(火曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 村上誠一郎君
   理事 井奥 貞雄君 理事 衛藤征士郎君
   理事 坂井 隆憲君 理事 浜田 靖一君
   理事 池田 元久君 理事 北橋 健治君
   理事 石井 啓一君 理事 谷口 隆義君
      今村 雅弘君    岩永 峯一君
      大石 秀政君    鴨下 一郎君
      河井 克行君    熊谷 市雄君
      桜田 義孝君    杉浦 正健君
      砂田 圭佑君    中野 正志君
      根本  匠君    能勢 和子君
      宮路 和明君    村井  仁君
      渡辺 具能君    渡辺 博道君
      渡辺 喜美君    上田 清司君
      北脇 保之君    末松 義規君
      中川 正春君    日野 市朗君
      藤田 幸久君    赤松 正雄君
      河合 正智君    並木 正芳君
      小池百合子君    鈴木 淑夫君
      米津 等史君    佐々木憲昭君
      佐々木陸海君    濱田 健一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 松永  光君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中村正三郎君
        大蔵大臣官房長 武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房金
        融検査部長   原口 恒和君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    溝口善兵衛君
        大蔵省主計局次
        長       藤井 秀人君
        大蔵省主税局長 尾原 榮夫君
        大蔵省証券局長 長野 厖士君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        大蔵省銀行局保
        険部長     福田  誠君
        国税庁次長   船橋 晴雄君
 委員外の出席者
        大蔵委員会専門
        員       藤井 保憲君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月三日
 辞任         補欠選任
  中野 正志君     熊谷 市雄君
 吉田六左エ門君     能勢 和子君
  西田  猛君     米津 等史君
同日
 辞任         補欠選任
  熊谷 市雄君     中野 正志君
  能勢 和子君    吉田六左エ門君
  米津 等史君     西田  猛君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 金融及び証券取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○村上委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、預金保険法の一部を改正する法律案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案の両案審査のため、明四日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○村上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○村上委員長 金融及び証券取引に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、明四日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○村上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○村上委員長 この際、松永大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣松永光君。
#7
○松永国務大臣 今般、大蔵大臣を拝命いたしました松永でございます。
 今回の大蔵省をめぐる不祥事は、行政に対する信頼を著しく傷つけるものであり、ざんきの念にたえません。職員一同、深く反省するとともに、綱紀の粛正を徹底し、国民の信頼の回復に全力で取り組む決意であります。
 また、現下の経済金融情勢への対応は緊急を要するものでありまして、金融システム安定化のための措置等を初めとする諸施策にも全力で取り組んでまいりたいと思います。
 このような折、大蔵大臣の任に当たることとなり、その責務の重大さを痛感いたしておりますが、皆様方の御指導と御協力をいただきつつ、その職責を果たしてまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○村上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。濱田健一君。
#9
○濱田(健)委員 松永新大臣には、この厳しい難局に大蔵大臣をお引き受けされましたことに心から敬意を表したいというふうに思っているところでございます。お体に気をつけられまして、役所の中をしっかりまとめ、そして、今国民の皆さん方がいろいろと疑問に思っていらっしゃるさまざまなことをしっかり表に出して、機構の改革を含めて頑張っていただきたいというふうにまず申し上げておきたいと思います。
 早速ですが、今回、大蔵省の金融検査部の検査官の接待汚職を初め、野村証券による道路公団理事への接待疑惑など、大蔵省職員や大蔵省OBの不祥事が露見をしているところでございます。まず最初に、新大臣として、これらの問題にどのように対処されていこうとしておられるのか、その決意を十分述べていただきたいというふうに思います。
#10
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 早速に御指導、御鞭撻を賜りまして、ありがとうございました。
 御指摘のように、大蔵省の職員及びOBによるさまざまな不祥事については、まことに遺憾千万なことであり、この事態を厳粛に受けとめております。同時にまた、国民の皆様に深くおわびをしなきやならぬ、こういうふうに思っております。
 私といたしましては、この事件が起こった原因を徹底的に解明していかなきやならぬと思います。捜査当局の手に渡っている件につきましては、捜査当局が厳正にその真相解明、原因の解明に当たっておられますので、その結果を待つわけでありますが、そうでないものにつきましても、
大蔵省の不祥事がいろいろ言われているときでありますので、内部調査も徹底してまいりたい、こう考えております。その上で、法令に照らして厳正な処置をしていく、そういう決意で取り組んでおるところでございます。
#11
○濱田(健)委員 今大臣の方から決意を述べていただきましたけれども、今回のような不祥事は今まで何回も何回も繰り返されてきました。そして、そのたびに対応策が示されてきたわけでございますが、実効性を伴っていない、効力がなかったというふうに国民は痛感をしているところでございます。
 不祥事が後を絶たない背景というのは、多くの人が言っているように、官と企業、まあ財界といいますか、その癒着という腐敗した構造が露見をしているわけでございまして、ここに大胆なメスを入れなければならないというふうに思っておりますが、先ほどの大臣の、役所の内部のことだけではなくて、外部のことを含めたお覚悟を聞かせていただければ幸いでございます。
#12
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 今お話ございました官と財との癒着、これについて厳しい批判があることは私もよく承知いたしております。
 そこで、官の側でも、先ほど申したように、みずからを厳しく律して、そして公務員としての倫理観、使命感に燃えて行政に当たっていただかなければならぬことはまず第一に大切なことなのでありますけれども、民間側でも、例えば接待をして、そして自分に有利な措置をしてもらおうなどというふうにして行動することは、これは道徳的にはよくないことでありますから、民の側でもそういう点については自戒をしていただきたい、こういうふうに思います。しかし、事は大蔵省の職員ないしOBにかかわることでありますから、まず第一に官の側が厳しく襟を正していかなければならぬことは当然のことであります。
 そこで、三塚前大臣が辞意を表明されるその日の朝でございますけれども、金融服務審査官という制度をつくっていただきました。そして、十名の審査官及び審査官補を任命していただきましたので、この審査官を中心にして、過去五年にさかのぼって金融関連の部局に勤務しておった者、その数五百五十名ぐらいになるようでありますが、その人たちに対して内部的な調査を厳しくやって、そしてその結果に基づいて厳正な処置をしていきたい、こう考えているところでございます。
#13
○濱田(健)委員 今大臣がお触れになられましたとおりに、あるマスコミのインタビューでも、今のように、過去五年間にさかのぼって金融関係部局に在籍した職員を調査し、厳正に処分したいと大臣は言明されておられます。ここで、新しく金融服務監査官室を中心にしてその調査を行うということを言われているわけですが、内部が内部を調査するということを含めて、本当に国民の納得いく調査ができるのかということを心配しているところでございます。
 そして、インタビューの記事を見ますと、「一か月や二か月では時間的に無理だ。しかし、五か月も六か月もかけるのは許されない。春にはできる」というふうに記事では載っているわけです。今二月の頭でございますけれども、四月ごろにはその調査の結果が公表されるのかどうか、その辺をお尋ねしたいのです。
#14
○武藤政府委員 二点お尋ねがございましたが、まず最初の、納得のいく調査ができるのかどうかということでございますけれども、御指摘のとおり、過去五年にさかのぼって、職員から、金融関連部局に在籍したことのある者、在籍している者から、自主的にまず事実を申告させるということが基本にならざるを得ません。
 これは強制調査権を伴う調査ということではなく、あくまでも任意の調査でございますから、基本はそういうことでございますが、できるだけ本人からの事情聴取を行う、あるいはその申告の際に、だれと一緒であったかといったようなことも尋ねたいと思っておりますので、相互の突合をするといったようなことによって内容の正確性をより高めたいというふうに思っております。
 しかしながら、そこにはあくまでも任意調査であるという限界があることは、これはやむを得ないことでございますけれども、私どもは、金融服務監査官というのを先般設置いたしましたけれども、今までの各部局に設置されております服務管理官の調査以外に、金融服務監査官が実情把握、場合によりましては相手の銀行等からも事情を聞くといったようなことを考えておるわけでございます。さらには、外部の顧問弁護士を委嘱いたしまして、その意見も取り入れて厳正な調査を行いたいというふうに考えております。
 次に、その調査結果が判明する時期でございますけれども、調査対象が、過去五年にわたりまして在籍した者を含めます結果、五百五十名を上回る状況でございます。この中には、現時点において本省にもういない者、海外勤務でありますとか地方勤務でありますとかいうこともありますし、このような大変大規模な調査ということは今まで実施したことがないものでございますから、現時点におきまして、どのぐらいの期間、時間がかかるかということは、確たることを申し上げられないわけでございます。
 大臣からはできるだけ早く調査結果を取りまとめるようにという御指示がございますので、私ども、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#15
○濱田(健)委員 その金融服務監査官室というところのメンバーといいますか、そういう部分、ちょっと私、頭に入っていないものですから教えていただきたいことと、今官房長が、任意、自主的という言葉を使われました。役所としてはそういうことぐらいしかできないのでしょうが、これまでもいろいろな疑惑に対して自主的な申告とか任意に内部調査をされてきたんだけれども、やはり出てくる不祥事というのは、そういう形でしかできないということで、本当のところを浮き彫りになかなかできていないというところから生じているというふうに思うのですね。その辺を本当に徹底してやろうとしていらっしゃるのかどうか。表現の仕方としては、こういう状況だからこういうふうな手だてを講じるんだというぐらいにしか聞き取れない感じが私はするわけでございます。
 それと、大臣は、先ほど私が申し上げた、一カ月や二カ月では時間的に無理だが、五カ月も六カ月もという形にはかけないよと。そういう形で、これはインタビューですからいろいろな表現の仕方があるとは思うのですが、この記事からいうと、春にはできる、春ということであると大体予測がつくわけでございますけれども、そういう部分もきょうのこの委員会で、いってどの辺までだということをぜひ御決意願いたいというふうに思うのですが、いかがでしょう。
#16
○武藤政府委員 まず、金融服務監査官のメンバーのお尋ねでございますけれども、総勢十名、室長は青山、現在は関税局の管理課長をやっておりますが、これが併任という形で室長になります。監査官が六名、監査官補が三名ということで、総勢十名でございます。
 この監査官室といいますのは、緊急に対応する必要があるという観点から、内部の訓令という規則によりまして創設したものでございます。これをより強力なものとしていくことが必要であろうかと思いますけれども、そのためには法令の根拠に基づく必要があります。そのためには、さらに予算の要求、これは機構要求と予算要求と二つございますけれども、定員・機構の要求、それに関連するお金の要求をきちっとしない限り正式なものにはなりません。そこで、専任の、恒久的な正式な機関にはならないわけでございます。将来はそういう方向に向かっていくべきではないかというふうに私ども思っておりますけれども、それを待つとちょっと時間が必要なものですから、取り急ぎ緊急対応としてこういうことにしたわけでございます。
 そういうことでありますので、調査権限も自主的なものにとどまっておるわけでございまして、それなりの、自主的ということから出てくる任意
調査に限界があるのは事実でございますが、ただ、確かに、今まではそういうことでなかなか機能しなかったではないかということ、御指摘のそういう点があるわけでございますけれども、捜査当局の捜査を受けるというような事態に立ち至ったこの時点におきましては、さまざまな、監査官室、監査官を使いまして、より精度の高いものに持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 調査の時点につきましては、大臣からは急ぐようにという御指示を得ておりますので、できる限り急いでやりたいと思っておりますが、先ほど申し上げたような事情によりまして、現時点で具体的にいつごろということを申し上げられる段階には至っていないということで、御理解を賜りたいと思います。
#17
○濱田(健)委員 金融服務監査官室、強い決意でこれを設置されただろうと私は理解をいたします。
 今官房長から答弁があったように、今までのような国民の目から見て形式的だなと言われるような調査ではない、しっかりとした把握をしていただきたいということを念を押してお願いをしておきたいと思いますし、この委員会の経過の中で、調査の公表ができる時期がいつごろになりそうだということのめどが立った場合には報告をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 それで、金融関係部局の調査を第一段階とするという認識を大臣は示されておられますが、この調査を金融関係部局だけに限定することは、国民は納得しないだろうと思うのです。大蔵行政の信頼を回復するのも、これだけでは難しいというふうに思います。いわゆる全体的な綱紀粛正という意味では、どのように調査を広げていかれるおつもりがあるのかないのか、その辺いかがでしょうか。
#18
○松永国務大臣 お答えいたします。
 先ほどからいつごろまでに調査が終わるのかということでございますが、先ほど来数字が出ておりますように、金融関係部局に過去五年の間に在籍した者、その数五百五十名でございます。
 それで、その一番最初は本人の良心に基づいた自己申告をしていただくわけでありますが、それから恐らく聞き取り調査ということになってくるのでしょう。そういたしますと、五百五十名でありますから、一日五人ずつやったとしても百日はかかるという計算なんです。すなわち三カ月余、それだけでかかるという結果になります。そのほかに、外部の顧問弁護士などにもお願いをしていろいろな点の調査もしていただくということになるわけでありますから、そこらを考えますと、先ほど言ったとおり、二カ月や三カ月では正確なといいますか実のある調査は終わらない。余り短期間でやりますと、中身がよくない。しかし、さればといって五カ月も六カ月もでは国民は許さないだろう。
 それに、委員御承知のとおり、六月までにはこの金融監督庁が総理府のもとで発足するわけであります。その金融監督庁の方に金融部局に勤務した経験者も相当数行くことになりますね、大蔵省の方から三百七十三名ぐらいが行くということになっておりますので。したがって、大蔵省としては、内部調査を終えて、そして問題ないというふうに自信の持てる人を新しくできる金融監督庁に送り出さなきゃならぬ。こう思いますと、まあ六月までは待てないねということで、二カ月、三カ月じゃ無理、六月までは待てないというふうに申し上げたわけでありまして、そこらの点、委員の方でしかるべく御判断願いたいというふうに思うわけであります。
 なお、ほかの部局におった人、すなわち金融関連部局の経験のない人まで広げてはどうかという話でございますが、まず五百五十名について調査をする。そうでありませんと、広げ過ぎますと、手間取ると同時に、実のある調査結果にはならぬと思いますので、当面は、先ほど来申し上げておりますように金融関連部局に勤務している人、あるいは過去五年にさかのぼって勤務した経験のある人、こういうふうにさせていただいたわけでございます。
#19
○濱田(健)委員 当面、第一グループとして五百五十名の金融部門の皆さん方の調査に当たる、また将来に向けては、ほかのところもきちっとやる展望を持っていらっしゃるということで私は理解をさせていただきたいというふうに思います。
 社会民主党は、これまでも、現在もそうなのでございますが、長年の公務員の不祥事について、政治家も含むアメリカ並みの、例えばお金にしても贈り物にしても年間五十ドル以上のものはもらってはいけないというような公務員倫理法、これは土井たか子党首が一昨年の暮れに党にお返りになったときに、橋本総理にもつくってはどうかという強い提言をされました。総理は、役所の中の規程で何とか対応できるというふうに申されたのでございますが、現時点ではそれでは足りなかったということがある意味で証明をされているところでございまして、政府もこの制定に向けて取り組んでいかれようとしているところでございますが、私たちは政治家も含めるということを主張させていただいております。
 また、一部政治家にある、仕事に金は当たり前という風潮から決別させるために、いわゆる政治改革、政治倫理改革という三党首直属の機関を設けてさまざまな論議をしているわけですが、私たちは地位利用利得罪、仮称ですが、これらの制定も要求をしておるところでございます。
 国民の目から見て、これらの制度は、本当に一部と申し上げなければ恥ずかしいわけでございますが、腐り切った政界、官界に当たり前の制度だという声が私の周りでも満ち満ちているわけでございまして、大臣の御経歴からして、これらの点についてどのようにお考えか、お聞かせいただければ幸いです。
#20
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 政治家を含む公務員について、その倫理をきちっと踏まえて行動していくというのは当然のことなんでありますが、その当然のことが刑罰を入れたいわゆる刑罰法令を新たにつくらなければ守れないなどというのは非常に恥ずかしいことだ、私はこう思っております。
 同時にまた、これは私個人の考え方でございますが、政治家が、政治家の地位を利用して何かを人のためにしてやった、その対価をもらうことが許されるものとは私は思っていないんです。そういうことをすればおのずから政治は腐ったものになる、私はそういう信念でおりますし、自分自身を振り返ってみて、大体自分の持っている倫理観に基づいて行動してきたつもりであります。
 今回の大蔵省の不祥事に関連して、総理も大変この事態を厳しく受けとめられまして、従来は公務員の倫理規程で対処できるというお考えのようでありましたけれども、それでは許されないという考え方に立たれまして、それで公務員倫理に関する法制化、法律をきちっとつくるべしということで、官房副長官にその検討を指示されておるわけであります。昨日、官房副長官を委員長として、各省庁の事務次官をメンバーとする公務員倫理問題に関する検討委員会が設置されたわけでありますが、検討が進められて、その結論が出ますれば、私も政府の一員として真剣に取り組んでいきたい、こう考えておるわけであります。
 先ほど委員御指摘のあっせん利得罪を創設するという問題、これは与党三党で協議が進められておりますので、その協議を見守っていくと同時に、協議がまとまれば、その趣旨に従って私も政府の一員としてしっかり行動していきたい、こう考えておるわけでございます。
#21
○濱田(健)委員 まさに今大臣がおっしゃったような認識、行動を、政治家も官僚も、そして業界といいますか経済界もとっていくべしということを改めて確認といいますか、そういう全体的な、高潔な思いが広がっていくように期待したいし、私たちとしては、先ほど申し上げました二つのいわゆる法制定、あってはならないかもしれませんが、それに向けて努力をさしていただくというふ
うにお伝えしておきたいと思います。
 時間が来ましたので終わりたいと思うんですが、実は私、学校の教員をしておりまして、地方に帰りまして、今の中学生のさまざまな問題を、学校の先生たち、お父さん、お母さんたち、ここにいらっしゃる同僚も一緒ですが、嘆いておられます。学校の現場の先生方は、いわゆる自分たちの教育が子供たちをこうしたんだというふうに、みずからにむちを打つ状況があるわけですね。私は、見方を変えろと言っているんです。今の中学校一年生、二年生、三年生が生まれた時期はどんな時期だったのか。いわゆるバブル全盛の前に生まれて、物心つくころには、私、教員でしたので、その当時の生活も今の生活もほとんど変わりませんけれども、いろんな企業ではお金ががっぽがっぽ入ってきて、物心つく子供たちにも大人の生活と同じような、派手なといいますか、物も金もあふれた中で育ってきた子供たちが多いのじゃなかろうか。そしてバブルがはじけて、今の不景気の状況、経済の低迷の状況の中で、大人の超むかつく、子供たちがよく言葉に使う超むかつくと同じような心理状況が出ているのじゃないか。そういう中で、やはり見方というものを、先生たちは子供たちの経済的な生活の状況まで踏み込んで、いろんなことを解決してあげる手だてが必要じゃないのかなというふうなことも話をしているところでございます。
 現在この委員会にかかっております二つの法案も、やはり国民の安心、そして将来に向けての展望を含めて、早急に実現しなければならない法案だというふうに思っております。そういう努力を私自身もさせていただきたいというふうな決意を申し上げて、大変失礼なことも申し上げたかもしれませんが、質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
#22
○村上委員長 次に、日野市朗君。
#23
○日野委員 大蔵大臣には、本当に大変な時期に御就任でございます。どうぞ御身をいといながら、しっかりと仕事をしていただきたいというふうに思います。何しろ、特にこういう大蔵の仕事が非常に大事な時期に御就任なさったわけでございますから、どうぞしっかり――大蔵省は優秀な連中がそろっておりますからね、何だかんだ言われたって。それは倫理的にどうかなんというこまいことを言わないで私は申し上げていますが、やはり優秀な人たちがそろっておいでです。しっかりとこれを使いこなしていいお仕事をしてくださいますように、私から要望を申し上げておきます。
 さて、今私はまくらで大蔵省の職員の皆さんを褒めたわけですが、しかし、大蔵省全体の信用というものを見てまいりますと、残念ながら信用失墜、これは争えません。実は私も、何度か大蔵の人たちと国の重要な施策についていろいろ相談をしながら仕事をやってきたという思いがございまして、私にとっても、政治的に褒められたりけなされたり、これはございます。しかし、いい仕事をしたと思っているのでございますよ。そういう目から見ると、現在の大蔵の信用失墜ということについては、本当に痛々しいといいますか、そんな思いで眺めております。
 ところで、このように大蔵省が信用を失墜してしまったということはまことに残念なことでございますが、私は、その中で失ったもの、これはいろいろございますが、一番大事なものというのは、大蔵省が打ち出す政策の持っている説得力といいますか、そういうものが失われたことだと実は思っております。
 大蔵省の諸君に対する国民の信頼というものは、非常に高いものがございました。大臣は、それは法務省で検察官をおやりになったという経歴をお持ちでございますから、官の世界のことについてもいろいろ御承知でございましょうが、官僚の中の官僚という言葉は若干語弊があるかもしれませんが、やはり大蔵省に対してはみんな一日置いていたものでございますね。国民も、あのいろいろなことをごちゃごちゃやっている政治よりは大蔵省に任せておいた方が安心だというような感じを持って見ていたという点もあるのだろうというふうに思います。
 私は、大蔵省がこれから政策を打ち出すについて国民に対する説得力を失ったとしたら、これを回復していくということは非常に大事なことだというふうに思っております。この点について、大臣、どのようにお考えになりますか。そして、それに対して対策といいますか、施策といいますか、それをお持ちでしたら伺わせていただきたいと思います。
#24
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 今回の不祥事によって大蔵省の失ったものは国民の大蔵省に対する信頼、これを失ったことが一つ大変大きなことでございますが、同時に、先ほど委員御指摘のように、大蔵省が企画立案した政策あるいは法案、こういったものについての説得力が実は非常に低下してくるような、そういう大きなマイナスもあるように思います。同時にまた、外国の金融、財政の方の関係者と日本の大蔵省との信用、信頼、こういったものにも傷がつくようなことにすら発展しかねない事態だ、こう思うわけでありまして、それだけに、私は今回の不祥事を厳粛に受けとめておるわけであります。
 大蔵省の職員すべてが倫理観を失ってしまっているわけではありません。その中に、幾らかと言えば語弊があるかもしれませんけれども、ある程度の人たちに間違いがあったというふうに私は思うわけでありまして、いい人もたくさんいる、こういうふうに私は職員を見ておるわけであります。そのいい人たちが元気を出して、今日のこの信用を失ったという事態を乗り越えるために頑張っていただきたいな、こう思っているわけであります。
 そのためにも、先ほど来申し上げておるような内部調査、こういったものを徹底して行って、そしてその結果に基づいて厳正な処置をする、同時にまた意識改革もきちっとしてもらって、大蔵省内の綱紀を粛正していく、こういうことに努めたいと考えておるわけであります。
 先ほど、委員は官庁の中の官庁とかいう言葉をお使いになりましたけれども、その言葉は、私は余り気に食わないわけなんです。ほかの役所だって、ちゃんと法律に基づく権限を与えられて、そして国家国民のために仕事をしておるわけでありますから、それぞれの中で大蔵省が一段上だというふうにとられかねない言葉は余り使いたくないなというのが私の気持ちであります。
 同時にまた、官庁の中の官庁という言葉がありますと、その次には官僚の中の官僚という言葉につながってくるわけでありまして、それが間々大蔵官僚の思い上がりとか、もっとひどくなれば、ある程度接待を受けてもおかしくないなどというふうな気持ちにつながりかねません。そういった点から私は直していくべきだ、こう思っているわけでございます。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#25
○日野委員 大臣のおっしゃること、わからないではないですが、私ちょっと厳しいことを申しましょう。
 大蔵省というのは、実は余り金のない役所なんでございますね。気の毒なことに、いっぱいお金を右から左に帳簿上移していくようなことはやるけれども、実際お金はないんですよね。実際お金を持っているのは、そのほかの経済官庁と言われるようなところが実は持っているわけで、その大蔵省の方々が、ほかの官庁それからその関連する業界、銀行業界であるとか保険であるとかそういったところとのおつき合いの仕方というのは、これはかなり難しいところがあるのではないかと私は思います。大蔵省というのは自分で使える金がない。そうすると、ほかとのおつき合いをするときにどうするんだというようなことがありまして、ややもすれば、ごちそうになるというようなことが常態化しているのではないかという感じが私は実はするんですね。
 大体、官僚の皆さんの世界というのは毒されていると私は思います。検察庁とか裁判所とかは、これは飛び抜けて厳しいモラルの中に身を置いて
いるわけですね。もう事件の関係者なんかとは一切、お互いに司法修習生同士は、非常に親しくつき合った人でも一たん事件をめぐって対立関係に立てばその間はつき合いをしないとか、そういうことはかなり厳しくやっているわけですね。
 ちょっと笑い話みたいな話がありまして、国選弁護人で、私、依頼人から裁判所の報酬のほかにかまぼこをごそっともらったことがあるのですよ。これには私も参ってしまって、返そうかと思ったが、遠隔の地であるからちょっと返すわけにもいかぬので、裁判所の書記官室それから検察庁の書記官室に食うのを手伝ってくれと言って分けたら全部戻ってきた。生のかまぼこですから、そう長く日もちがするわけでもありません。それの処置に困ったことがございました。そんなことはほかの官庁であれば、じゃ、それはごちそうになっておくかというようなことになるのだと思うのですね。
 私はそこまでやれとは言わない。いろいろなところがら情報の交換の必要というのはあります、情報をとるということもあります。しかし、その際に、たとえ安い宴席であっても、安直にごちそうになって、それを割り勘にせずごちそうになってそのまま済ますというようなことは、実はいろいろな官庁にかなり広くそういう風習、私は悪習だと思いますが、そういう風習があって、そしてそれが常態化して、余り深刻なものと思わないでずっと来ているというところが官庁全般に蔓延しているのじゃないか、こう思いますが、大臣、そこらはいかがお考えになりますか。
 そして、私は、これもやはりきちんと正す、このことは必要だと思うのですよ。また、人間関係をつくったりなんかする、それから情報の交換の場をつくる、これもまた一方で大事なこと、これも私もよくわかるのです。そこらの兼ね合いといいますか、これをどうするかということは特に今の時期非常に大切なことであって、私は、今の時期これをきちっと正すということが必要なのではなかろうか。そういう人間関係とか情報の交換の場とか、そういったものはまた別のいろいろな工夫を考えなければならないのではないか、そんなふうに私は思っていますが、大臣、どのようにお考えになりますか。私はここで厳しくそこは遮断をするということが必要だと思いますが、いかがでしょう。
#26
○松永国務大臣 委員御指摘がございましたけれども、私も短い期間司法関係の官庁に身を置いたことがございましたが、あそこの役所のつき合いというものは外とはまずありませんね。内部だけでございます。裁判所もそうだと思います。同時にまた、弁護士として仕事をやっている場合にも、幾つか誘惑めいた行為に遭うことがありますけれども、その方はちゃんと弁護士法その他の規定があるものですから、誘惑に負けることはありません。
 今委員が国選弁護の被告人の方から、お礼の意味でしょう、かまぼこが送られてきたという話がございました。たくさんのかまぼこだったら、恐らく大部分の弁護士は返すでしょうね。しかし、家庭だけで食べる程度のものだった場合どうなるかという問題でありますが、そこが厳しさの基準をどこに置くかということであります。私はそういう例に遭ったことはございませんけれども、もしかまぼこ五個か十個の場合に返し得ただろうかなと思いますと、そこらあたりがいわゆる社会的に許容される範囲の限界かなという感じを、私は先生の話を聞きながら感じました。私も、たくさん来たのならそれはもう返します。そこに多少の、許容という言葉は適当じゃありませんけれども、社会的に許されるというか常識の範囲を超えたものはやはり許されないものとして厳格に処理するのが当然だろう、こういうふうに思います。
 経済官庁の場合には外部とのつき合いがどうしてもありますね。それについての規律みたいなものが実は必ずしも明確でないということ等もあって、徐々に徐々にのりを超えての接待などというものがはやっておるんではなかろうかというふうに思います。それを、社会的にこの程度までは許される、この程度以上は許されないという基準を設けて、それに違背した場合には制裁がある、刑罰があるかどうかは別として、とにかく広い意味での制裁がある、こういつたことを法律でつくろうというのが公務員倫理法という考え方ではなかろうか、こう思うのであります。
 それは十分検討に値する考え方だと思いますので、先ほど申したように、総理の強い指示で、官房副長官を中心にして検討委員会を設けられているということでありますので、その検討の結果に私も政府の一員としてしっかり従うと同時に、その結果が実現するように努めていかなきやならぬ、こう思っておるところでございます。
#27
○日野委員 公務員倫理法は公務員倫理法として、これは私は大事な、やはり公務員の倫理を定める法律としてきちんとしたものをつくらなければならないだろう、こう思っておりますが、それはそれとして、まず大蔵省は、みずからその清廉性を保つためにかく行動したということがわかるような、世間の目から見えるような行動をひとつ期待したいというふうに私考えております。
 もう一つ、先ほど政策の説得力を失ったという話が出ましたけれども、この政策の信頼性を回復する手段として特に今必要なのは情報を公開すること、きちんと情報を公開して国民の目で見ていただく、私はこのことが大事なのではないかと思います。
 やはり大蔵省というと、やっている仕事というのはちょっと見ただけではなかなかわからぬ、そういうことが多いわけでありますから、情報をきちんと公開をして、こういう情報がありますよと、国民が常にそれにアプローチすることができるようにして、その情報はどのような意味を持っていて、その情報というものはどのように政策にかかわり合っていくのか、そういうことまできちんとした情報公開をやっていくという姿勢が、大蔵省のこれからの政策の説得力を回復するために私は非常に大事なことだと思いますが、いかがでしょうか。
#28
○松永国務大臣 私も委員と同意見でございます。すなわち、必ずしも透明でないような状況のもとで行政側の裁量で行政がなされるというようなことはできるだけ少なくしていって、そして透明性のある行政にしていくべきでありますし、ルールを定めて、そしてそのルールに合っているかどうかを事後にチェックするという事後チェック型の行政というものに変えていかなければならぬというふうに思うわけであります。
 特に大蔵省関係の行政については、その点をより一層大事なことだというふうに認識をして、そして情報の公開、透明性のある行政、そして事後チェックという基本的な考え方で大蔵行政のあり方を変えていきたい、こう思っているわけでございます。
#29
○日野委員 ぜひ情報公開についてはきちんとやっていただきたいと思います。これは、みんな情報公開、情報公開と言うからこんなことをやってお茶を濁そうということではいけないのでありまして、やはり国民が何を求めているかということ、そのニーズを把握しながらきちんとした情報の公開をやっていく、これは特に不祥事にさらされた大蔵省としては必要なことであると私はかたく信じております。
 それから、新聞の論評というのはいろいろおもしろいことを言うもので、大臣が検事上がりだから省内の不祥事についての責任の追及をきちんとやるにふさわしいというようなことを言う論調がややもすれば優越しているような感じがいたします。
 そこで、私、責任と一言で言った場合、それを幾つかに分けて考える必要があるんであって、責任と大ざっぱにくくっちゃいけないと思うんですね。まず、これからの大蔵行政をつかさどる、そしてこれからの大蔵省にかかわる種々の政策を考えていく場合に、責任というものを幾つかに分けて考えてみたいと思います。
 まず政治責任でありますが、これは三塚大蔵大臣、最初は、責任をとるというのはすぐやめるこ
とではない、ちゃんとそのポストにいてしっかりした仕事をするのがその責任を果たすゆえんであるということを言っておられました。私は、これもまことにもっともな話であろうと思うんですよ。それから日ならずして、彼は責任をとって大蔵大臣を辞するという態度をとられた。これも政治責任のとり方としては一つの方法であろうかと思いますが、政治家の、つまり大臣としての責任のとり方というものはどのようなものであろうと大臣はお考えになっておられますか。
#30
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 三塚前大臣、当初は、すぐやめることだけが唯一の責任のとり方ではない、与えられた使命をきちっとやり遂げていくという責任のとり方もあるという考え方に立っておられたと私は推察するわけです。
 ただ、国会の情勢その他を見て、今のこの金融行政に関する不祥事であったわけでありますが、現在の厳しい金融情勢、経済情勢を考えると、政府が国会に提案をして審議を願っておる金融安定のための二法、そして平成九年度の補正予算、さらには平成十年度の予算、そういったものをスムーズに成立させることが極めて重要と。したがって、当初は、その仕事を自分でやり遂げるという責任を責任のとり方としてお考えになっておったわけでありますけれども、今申した補正予算、本予算、関連法案、こういったものの成立を速やかにやっていただくためには、この際いわゆる監督責任をとって身を引くことが国家国民のためだ、こういう判断に立たれて辞任されたものというふうに私は思います。
 私は、政治家の責任のとり方には幾つかあると思うのでありますが、三塚前大臣の責任のとり方、大変残念な思いをなさったと思います。しかし、国家国民のためという高い見地に立って責任をとられた。私は、すぐれた身の処し方であられたというふうに思って敬意を表しているわけであります。
 私は、そういう事態にならぬように頑張っていくつもりでありますが、万が一の場合、そういう事態に遭遇した場合には、三塚前大臣のとり方等も参考にしながら、どうすることが国家国民のためかということを総合的に判断して、とるべき場合にはきちっと責任をとるということで行動していきたい、こう考えておるわけであります。
#31
○日野委員 お覚悟のほどはわかったのでありますが、政治家の責任、特に大臣の責任というのは、これは故意だの過失とは余り関係ない部分がありまして、責任要件、責任条件というのとはちょっと関係のないところがありまして、結果責任というようなことをよく言われます。
 私、先ほどから、清廉性をきちんとアピールするような方法をとらなくちゃいかぬよ、こういうことを言いましたのは、実は怖いんですよ。怖いというか、大蔵省の関係では随分多くの資料が司直の手に押収されていると伺っています。何が出てくるかわからぬ。この間の新井将敬衆議院議員のケースなんかもその中から出てきたわけでしょう。そういういろいろなことが出てくる、そういった場合に、大臣はどのように身を処されますか、結果責任ということについてですね。政治家の責任というのは結果責任、こう言われますが、そういった新しい事例がまた出てきたときにどのように身を処されますか。
#32
○松永国務大臣 お答えいたします。
 新井議員の場合は、捜査当局が調べておるといううわさも聞くわけでありますけれども、私個人で、先生と同じように弁護士をしておるという立場から判断いたしますと、大蔵省のOBである政治家という地位を利用して利得をしたという疑いが持たれるケースかな、そうでなければいいがな、こう思っておるわけでありまして、政治家の倫理に関する責任問題になりはせぬか、私はそう思います。捜査当局等の調べた結果を見ないと断定的には言えませんけれども、私個人は、そういう疑いがかけられるケースかな、こう思っておるところでございます。
#33
○日野委員 私が伺ったのは、新井君のケースというのは一つの例として挙げたわけで、そうじゃなくて、大蔵省の中でまた司直の手が及ぶというようなケースが出てきた場合、あなたの前任者の時代の話であっても、政治家の責任というのは結果責任というのがよく言われることなので、そのときの大臣の身の処し方いかん、こういうことです。
#34
○松永国務大臣 大変難しい御質問でございまして、私は、大蔵省の中からさらなる逮捕者その他が出ないことを心から願っておるわけであります。そしてまた、省内のことを考えますと、この際、内部調査を厳格にやって、そして捜査当局の手を煩わすことなく、誤ったことをした人があれば内部的にもきちっとチェックをして厳正な処置をしていきたい、こう考えておるわけであります。
 もしという話でございますが、もしの場合には、そのときにおいていろいろな点を総合的に判断して、政治家としてのきちっとした身の処し方をしたい、こう考えております。
#35
○日野委員 政治家の身の処し方というのは非常に難しいものでもございますが、そこに至るまでに大臣としては省内をきちっと、国民の目から見て清廉性を保つための努力がきちっと行われているということは、非常に政治家の出処進退にとっても大事な要因になってくると思いますから、そこらはきちんとやっていただきたいと思います。
 もし大蔵省の行政担当者の中にそういう不祥事が発生してくるということになれば、大臣としてはどのような行政上の責任をその担当者に求めることになりますか。
#36
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 事例によると思いますけれども、公務員の倫理規程あるいは国家公務員法その他の法令に照らして厳正な責任の追及をしていく、こういうふうに私は考えております。
#37
○日野委員 そのほかに、民事、刑事の責任のとり方というのは、これは裁判所のかかわる問題でありますから、ここではあえて問いますまい。
 ただ、そういった民事上の損害賠償等の請求権の構成要件に当たる場合というのもこれはありましょう。それから刑事上の構成要件に当たる場合というのもありましょう。しかし、そのほかにも、それ以外の分野で政策上の責任、政策遂行上の責任というのが、これは民事、刑事とは関係なく問われる場というのは出てくるのだと思うのです。
 例えば、今ここで例として、これは金融システムの安定化のための特別措置法の方に公正な審査機関というのがございますね。これについて、私はその問題が当てはまる場ではないかなと思うのですよ。
 私、その審査機関が、その審査会がどのように運営されるのだろうなと思ってイメージを描いてみるのですよ。もう本当に目に見えるようによくわかるわけです。充て職が四人いるわけでしょう。そのほかに三人の委員がいて、その下に事務局が構成されて、そして資料の収集や何かは日銀だとか大蔵省の方から提供されていく、こういうことになるわけですね。そうすると、その七人の人たちが集まって、そこで下から上がってきたそういった資料、事務局の方から提供された資料に基づいて、そしてその事務局の人たちの言うことを聞いて、はい、あなた方事務局の判断はそうですが、ではそうまいりましょう、こういうことになるのだと思うのですね。いかがですか、こういうイメージは。
#38
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘の審査機関でございますが、御指摘のように、四人はポストで決まっておりますが、あとの三人の方は有識者でございます。国会の同意を得て選ばれる立派な方々になろうかと思います。
 その方々全員が一致して優先株等の引き受け等を決めるというふうになっておりまして、確かに、実際運営上、事務方から上がってきた資料がそのまま影響を及ぼすというような御指摘というのは、全くそういうことはありませんと私が大見えを切るような状況ではないとは思いますけれど
も、しかし、そうしたデータを客観的に事務方が上げて、それを有識者すべての方が自分の目できちんと御判断いただけるものというふうに思っておりますので、委員の御懸念のような点はないのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#39
○日野委員 山口局長もよく御承知のとおり、いろいろな審議会等における実際の運営というのはどうなっているか。例えば税制調査会のようにけんけんがくがくの議論をする、そうやっていくと結局話がまとまらない。そうすると、審査会としては結論を出せないというようなことになってくると、まとめなくちゃいかぬ。そういうふうになると、委員の判断よりはむしろ事務局の判断が優先してしまって、そして何とかまとめてしまうということになるのだろうと思う。私も、いろいろな審議会の審議の模様、状況というものを見てみると、そういう感じがしてなりません。
 それで、その場合、そこで結論を誤った場合の責任というのはどういうふうになるのだという、一つのこれはポリシーが違って問題が起きたというような場合は、それは余り責任を問わないという風潮はありますが、そこの責任というものをきちんとしておかないと審議が形骸化してしまうというようなことは、間々あることではないかというふうに思います。大臣、いろいろな審議会のありようについて、大臣もよくおわかりのはずだ。こういうあり方というものをちゃんと正す必要があるのではないか。そして、そのような審議会なんかが誤った場合のそれに対する処置はどうするのか。
 例えば成田空港で、土地収用委員会ですか、あれがもう全然機能しなくなって、みんなやめたとなっちゃったことがありましたね。ああいうことも十分考えられる。そういうときに、行政府としてはどのように対処していくのかということも十分考えなくちゃいかぬと思うのですが、これは非常に難しい問題で、私も確たる答えを持っているわけではありませんが、どんなふうにしたいというその方向だけでも、どなたでも結構です、お示しいただければ。
#40
○山口政府委員 これは行政のあり方の根幹にかかわる御質問でございますので、私ごときがお答えはとてもできない話だと思うのでございますが、たまたま審査機関の話をお出しになりましたので、私自身の考え方とお断りした上で申し上げたいと思います。
 その時点で明白な、あるいは重大な過失等があって政策が誤られた、その原因が何かはっきりしているという場合はともかくとしまして、ポリシーとして右を行くか左を行くか、あるいは真ん中を行くかというときに、最後には全部それの責任が追及されていくという形になりますと、なかなか意思決定というものがスムーズにいかない面もあるのではないか。それは、世の中はいろいろ試行錯誤で進んでおります。私どもの行政も試行錯誤でございます。私自身も、行政が百点満点ということをとても申し上げられる状況ではないと思っております。
 そういうことを考えていただきますと、政策としてそのときにおけるベストのセレクション、選択をしたと思われるようなことでありますれば、そこは一応政策、ポリシーとして許容していただけないと、なかなか世の中が新たなことに挑戦しない、何かの決断をまた延ばしてしまうというようなことにもなるのではないか。その辺の兼ね合いを十分認識しながら、こういった行政上の意思決定というものをしていかなければならないのではないかというふうに思っておる次第でございます。
#41
○日野委員 公正な審査機関ということでこの法案がうたっておりますから例として挙げましたが、やはりこういう行政に対してトータルにチェックをしていく機関というのは、私は必要であろうと思うのですね。よく言われるところでは、アメリカのRTCのジャパニーズバージョンというようなものもよく言われたりなんかしますが、私も、トータルにきちっと見ていく機関というものを置く必要があるのではないかという思いがございますので、その点は、こういう私の意向として申し述べておきたいと思います。
 私は、大臣に余りいろいろこまいことを伺うのはきょうは避けたいと思います。それで、大蔵省と大臣との距離それから位置関係、これはどういうふうになさるおつもりなのかということを、私は今、非常に興味を持ってというとあれですが、見ております。私も、それは大臣経験者でございますから、事務方と大臣との関係というのはどういうものかということはある程度は知っているつもりでございます。それで、私、特にこのような時期であり、非常に大事な仕事に今大蔵省は取り組んでいるわけですから、注文しておきたいと思います。大臣が持っておられる、自分の個性からにじみ出るものを大事にしていただきたいと、私はこう思っています。
 大蔵省の人たちは非常に優秀で、積極的に政治家を説得しようということでおられるわけですが、大蔵省の方々は、経済の理論に強い、財政の理論に強い、こういうところがかえって、私、何か大事なところをどこかに置き忘れているような感じがしないこともないんですね。大体、私、現在のこの日本の置かれている景気の状況とか何かというのは、かえってそのような理論なるものが先に走ってつくり出しているという側面もないではないと思っているんですよ。
 私に言わせていただければ、私は経済学部出身じゃないから申し上げますが、経済学ほど人の心をとらえない学問はない。いろんな数値化できるものをまとめて、それで数式をつくったりなんかして、それを理論と称してやっておられるわけですが、経済学者が株で大もうけをしたなんという話も余り聞きませんし、今まで、やはり経済学の理論なるものは、かなり人の心をとらえるというところで失敗をしたか破綻をしてきていると私は思います。
 例えばマルクスは、下部構造である経済がちゃんとすれば上部構造である人の心とかなんとかいうものはうまく解決がっくと言いましたけれども、ソ連邦の大実験、あれは失敗をしているわけでありましょう。
 私、一部、そのことに積極的にチャレンジをしたのはケインズだと思っているんですよ。彼は、革命後ロシアに行ってロシアを見るわけですね。それで、ケインズという人はいっぱい小さな論文を書きますね。その中の一つに「ア・ショート・ビュー・オブ・ロシア」という、ショート・ビュー、ロシアをちょっと見てという感じですか、短い見解というか、そういう論文を書くんですね。
 そのロシアにおいて行われている実験、それは一生懸命平等を実現しようとしたりなんかしているのはわかるけれども、あれだけ人の自由を拘束し、経済活動を拘束し、自由を奪っていいのだろうか、こういう疑問を投げかけて、そしてその後の研さんの結果、一般理論を打ち立てていくわけですね。しかし、彼のその一般理論というのも、一時有効なように見えたけれども、結局は人の心をとらえることなしに、私は完全に失敗したかどうかという点についての評価は避けますが、今は経済学の主流ではなくなっている。また、厚生経済学なんという経済学の一分野を樹立した人がいて、結局は、経済的厚生をもって人の厚生となすというようなところに落ちついてしまっているわけでありますね。
 私、そういった経済学、決して経済学をおとしめるわけではないけれども、そういう理論は理論として、どうぞ大蔵省の人たちに議論はやってもらって、きちっと押さえるべきところは大臣に押さえておいてもらいたいと思うんです。
 例えば、私、一つの例として百貨店の話を申します。
 よく経済の景気判断の指標なんかに百貨店の売り上げとかなんとかが出てくるわけですね。私、あれを見ていていつも思うんですね。例えば百貨店で、専門店とかが百貨店の中に入って、人もそこに出してやっているところがありますな。そこ
に行ったところと、そもそもの百貨店のちゃんとした職員たちがやっているところでは、まるっきり雰囲気が違う。例えば化粧品屋さんなんかが下に店を出していると、一生懸命売ろうという態度があるのですね。しかし、百貨店のほかのところに行きますと、お客さんに言うことは、いらっしゃいませ、どうもありがとうございました、そのくらいの話でございまして、これはえらい気迫の違いがあるぞ、こういうふうに思うのですね。この気迫の違いというところが恐らく経済学で読み込めないのでしょう。やる気とか気迫とかファイトとか、そういったものの違いがあるのだと思うのですね。
 私、だから、百貨店の売り上げが低迷しているというのなら、もっと百貨店そのものがそこのところを努力して、そしてもっと販売額を上げるように努力をすれば、これはかなり百貨店がその指標としていつも悪い悪いと使われるようなことはなくなるんじゃないか、こう思うのです。
 それからもう一つ、どんどん時間がなくなってきていますから、済みませんがどんどん演説させてもらいます。
 よくマクロ経済学で、景気が悪いのです、だから百貨店も売り上げが悪いという。これは、経済学の中でのいろいろな指標というものはたまたまそれが合致したり若干おくれて出てきたりということで、景気を占う一つの指標というものは大事にしなくてはいかぬのはもちろんですけれども、では、景気が悪いからうちの方が悪いのも景気のせいだ、こういうふうに思ったら本当はいかぬのですよ。もっとみんなが一生懸命やるようにやって、そしてその結果が指標として出ていく、これが本当はマクロ経済の指標のあり方なんであって、ちゃんと景気対策でも何でもそういった考え方を生かしていけるというのは、やはり経済学のプロではなくて政治家の仕事であろう、私そんなふうに思っていますから、そう申し上げました。
 そして、なお悪いことには、景気の刺激なんていうのは国家の仕事である、だから自分たちの努力を棚に上げて国の方の景気対策を求める、もっと金を出せ、こういうような形がややもすればまかり通っている今の日本の現状というのを私は非常に憂慮をいたしております。そういう点も、これは大蔵省の諸君の意見を聞いてやられるのはもちろん大事なことですが、大臣は通産大臣もおやりになっておられるわけですから、そこらをぜひ考えながらひとつ仕事をやっていただければというふうに思います。
 どう思うなんていうことをもう言いません。もう時間もかなりなくなってきて、ちょっとほかにお話をしたい点もありますから、この点は私から言いっ放しにさせていただきます。
 橋本内閣としては、財政改革ということで努力をされておられます。そして、その財政改革と密接に関連する分野である金融部門で、ビッグバン政策を進めてこられたわけですね。私は決して橋本内閣総理大臣にごまをするつもりもないし、必要以上に褒めるつもりもありませんけれども、私は、この財政改革路線、それからビッグバンの路線、これは決して挫折をしたわけでも何でもない、かなり進んでいたと思うのですが、どのようにごらんになっておられますか。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#42
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 先ほどからいろいろな御意見を拝聴させていただきまして、ありがとうございました。委員の御見解の中で、私も随分同じような意見を持っている分野もありました。
 というのは、経企庁であろうと大蔵省であろうと、役所の持っている経済のもろもろの指標というのは、特に景気動向などについての指標というものは二カ月ぐらい前の数字なわけですね。したがって、景気の動向等を判断する場合にも二カ月前の指標に基づいて判断している、そういう点が一つあります。
 それからもう一つは、委員御指摘のように、やはり景気の動向などは気分というのが相当影響する。やる気とか、あるいはまた消費の場合には売る気とか、そして買う気を起こさせるとか、そういう気というものもこれは相当影響のある問題かな、こういうふうに思っております。
 したがって、資料として上がってくるものが二カ月前のことだという点、さすれば現場の、いろいろな産業界のそのときそのときにおける見解というものをやはりきちっと把握して、それも取り入れながらの判断でなければ正確な判断にはならないのではなかろうかという点を私も感じておりますし、委員の御指摘ももっともな点が多々あった、こういうふうに思っております。
 それからもう一つ、財政構造改革と行政改革のことでございますが、まずは成果を上げてきたという御指摘でありまして、まことにありがたい御指摘をいただいた、こういうふうに思っております。
 財政構造改革につきましても、要するに、二〇〇三年の時点で赤字公債依存体質からの脱却、国、地方を通じての財政赤字をGDP比三%以内に抑える、そして毎年赤字公債は少なくしていく、こういつたことが財政構造改革の基本だろうと思うのであります。その基本はきちっと守っていかなきやなりませんけれども、その範囲の中で、そのときそのときの経済情勢、景気の動向を見ながら臨機応変に対策を打ち出していくということは、これは財政構造改革の考え方と矛盾するものではない、そういう考え方で経済運営はやっていかなきやならぬ、こういうふうに思っているわけであります。
 行政改革の関係でございますが、よく言われておる、大蔵省は大きくなり過ぎておるという点もございまして、昨年法案を通していただいて、金融業界に対する監督・検査、こういった分野を、この六月までの間に総理府のもとに設けられる金融監督庁に金融機関に対する監督・検査の業務は全部移す、同時にまた、現在大蔵省にある証券局、銀行局、それは言うなればつぶして、金融企画局というややスリムにした金融の企画に関する局を置くというようなことも六月までには実施されるわけでありまして、この点も行政改革は着実に進んでいる、その方針に基づいてこれから実行しなきやならぬわけでありますから、着実に実行していきたい、こう考えているところでございます。
#43
○日野委員 特にきょうは大蔵委員会で、今問題になっているのは金融問題が非常に大きな問題になっておりますから、ビッグバンについてちょっとお話を伺いたいと思います。
 このビッグバンによって、どのような日本の金融界における未来図が描けるのか。日本の金融機関というのは衰退をしていくのでしょうか、それとも明るい未来をそこに描くことができるんでしょうか、いかがなものでしょう。
#44
○山口政府委員 最近いろいろな制度改革をお願いし、ビッグバンと言われるような改革を進めておるわけでございますが、我が国のこの東京マーケットというものは、千二百兆という個人金融資産を背景にいたしております。したがって、我が国の金融の産業としての位置づけというのは大変重要なものであり、そこには、我が国の国民あるいはそこに従事している人たちの努力によってはかなりこれは立派な産業としても成り立つ、逆にアジア等にとっては、東京市場は非常に頼りがいのある市場に育つという可能性を十分に秘めているものだというふうに思っております。
#45
○日野委員 そのビッグバンをやるについては、今明るい将来の可能性というものについてお話がありました。
 しかし、現実に日本の金融業界の置かれている状況というものを見ますと、金融システムの安定化ということにまず取り組まなければ、これはどうしようもないというような状況に置かれているわけでございますね。それで、この金融システムの安定化のための特別措置法が時限立法として今審議をされているわけです。私、そこに今深入りしようというのではありませんよ。そのようなものを準備せざるを得なかった、そのことは、これからどんどん新しい将来に向かって日本の金融機
関が自主的に努力をし、また国民もそのようなものに変わっていくんだということを十分に認識をしていくために、むしろ一つの障害になるのかな、障害になるんじゃないかなというような感じを、私、実は持っております。
 本当に自由に競争をさせて、そして日本の金融市場というものを先ほど局長が言われたような姿に持っていきたいというのであれば、これは、非常に緊急事態であることはわかりますが、一つの障害になる、つまずきの石ではないかな、そんな感じがしますが、どうですか。
#46
○山口政府委員 先生の御指摘は、大変奥深い面を含んだ御指摘だと思いますが、ビッグバンのねらいとしておりますのは、競争を通じて効率化を図り、それがより国民のためになる金融機能の高度化、それで市場が活性化する、産業として栄える、雇用がふえる、こういうことだろうと思いますね。それで、もう一方で金融機能の安定化ということで、金融二法の御審議をお願いしている。それがどうも何からぐはぐな感じではないかという御指摘ではないかと思いますが、これは、やはり歴史的な流れで物を見たときに、ややその点を、過去、現在、未来という形で見るべき問題ではないかと思うのでございます。
 それは、一つは、バブル期の清算というようなものが、最終的には金融機関の帳簿に不良債権という形でのしかかってくるわけでございます。それがかなり重くて、努力をしつつも、まだそこのところを完全には脱し切っていないという状態のもとで、一方で国際的な競争も激しくなり、国内的な競争も激しくなっている。そこで、不良債権処理をもっと進めなければいけない。そうすると、自己資本比率が下がってくる。そうすると、資金調達に困難を来す。
 また、もう一つ重要な点は、ビッグバンの前提としては、正常なマーケットが正常に機能するというのが前提でございます。すべてマーケットは正解を出す、直ちにそれは収れんしていくというようなことが、私は前提だと思うのです。
 ところが、今回、私どもが昨年の十一月ごろに経験しましたのは、市場がすくみ現象を起こしてしまいました。これは我が国国民性もあろうかと思いますが、一方にだけ走ってしまう。本当は、血流でいいますと、体全身に満遍なく回らなければいけないところがどうも一カ所は流れない、流れるところだけはどんどん流れるけれどもというようなすくみ現象を起こしている。
 マーケットを中心とした行政がビッグバンの行き着く先だとしますと、我が国が今マーケットというものをうまく維持し得ているかどうかという問題があるわけです。そこにはやはりマーケットに対する信認というものを高めるための努力をあわせてやっていく、これもビッグバンの方策のうちの一つでありますけれども、そういったものを、今歴史的な転回の中でバブル的なものを清算しつつ、新しいマーケット経済への移行になれていくといいましょうか、そういったものに移行していくという過程だと思うのでございます。
 したがいまして、結論的に言いますと、ビッグバンを通じ立派な、明るい未来をもたらすための基盤として、まずそのシステムが安定している、安定がない状態で競争あるいはマーケット原理というものを一挙に持っていくことにいろいろ難しい問題がある、しかし時間的には待ったなしという面があるということでこうした方策をお願いしているというふうに御理解賜れればと思います。
#47
○日野委員 金融秩序といっても、マーケットといっても、これは抽象的に存在しているわけのものではございませんで、それを担っている金融機関がそれぞれあって、それが正常に機能をしなければそれはもうマーケットも何もないよという、そのお考えはわからないではないのですね。
 しかし、ニューヨークにしてもロンドンにしても、それからフランクフルトにしても、それぞれかなりきつい思いをしながら、今金融市場の活性化に取り組んでいることは間違いないわけですね。日本も、そういう非常な痛みに耐えながら日本の市場というものをつくっていこうとしていたのかと実は思っていたが、この安定化のための緊急対策なんかを見ますと、そういう確信がぐらついたのかというふうに思わざるを得ない。これは、財政の改革についても同じようなことをやはり私はふっと感ずるのですな。
 私は、一つのことをやろうと思ったら、それを国民にこういうことをやるのですということをきちんとお話をしながら、強い意思でそれを貫くということではないかなというふうに実は思っていますよ。アメリカにおけるマーケットというのが今どのように激しく動いているか、またロンドンにおいてはどのように激しく動いているか、こういうことなんかを見てみますと、いささか日本の当局もこれは少しびびったかなという感じを私は持つのでございます。
 これはいろいろアメリカから言われたことや何かもそれはあるだろうとは思いますが、しかし、やはりそういう痛みの中で、いろいろ痛みに耐えながら事態を進めていくということから何か生まれてくるものでございますね。昔の体制を温存しようというところからは何も生まれないけれども、ある程度、かなり激しい痛みを感じながら、場合によってはこれは破滅的な痛みのように感じられたにしたって、そこから何かが生まれていくんだと私は思うんです。いかがでしょう。
#48
○山口政府委員 日野先生の御指摘なさっていること、私も一面では同感する面があるわけでございますが、ただ、今回の安定二法の考え方が、金融機関のあるべき姿という面だけではなくて、これは、金融機関が持っている金融機能が不全の状態に陥った場合に取引企業あるいは国民生活全体に大変な悪影響を及ぼすという、その危機があるからでございます。
 確かに、金融機関の競争力あるいは金融機関の業務の自由化、競争の促進という面からだけ議論しますと、先生のおっしゃるような、いろいろな自助努力でどんどんやっていくという強いしっかりした方針でやるべきだというのは、それは私も否定すべきものではないと思いますが、ただ、今回お願いしておりますのは、昨年の、例えば十一月に見たような非常に危ないとまで言われたああいう現象、しかも十二月には商社、これは食品を扱っている商社が倒産しました。突然倒産しました。これは数行がそれを支えておったんですが、下の方からだんだん回収しまして、どうせメーン銀行があるからいいだろうと思ったら、メーン銀行が持ちこたえられなくなってしまった。それであっという間に破綻してしまった。
 したがって、銀行のビヘービア一つが産業全体にまで影響を及ぼす、また雇用にまで影響を及ぼすという重大なことがある。しかも、ことしの三月期の状況を、株価等どう見るかによりますが、非常に悲観的に見ますと、今のうちからかなり金融機関は自制し過ぎる行動をとるおそれもあるわけです。したがって、そこに安心感を与えてあげないと、国民経済に大変な悪い影響を及ぼすという面もあることをひとつ御理解いただければありがたいと思います。
#49
○日野委員 よくわかるんです。局長言われることもよくわかるんですが、問題は、どれだけ強い意思を持って取り組むかということにもかかわるんだということを私は御指摘申し上げたいと思います。
 時間がなくなりました。大臣に最後に伺います。
 このビッグバンについて、どう考えているか。今局長言われたこと、これはわかるんだが、それにすがりつく古い構造、金融機関というのはあるんですよ、これは。それにすがりついていこうという、つまりアンシャンレジーム派とでもいいますかな、そういう人たちもこれはいるんです。そして、その人たちの言っていることもある程度説得力を持っているんです。
 例えばビッグバンが進んでいくと、自国の金融機関、これを保護しなければ、ナショナル・フラッグ・キャリア、つまり日の丸の旗立てて進んでいく銀行どこもなくなるじゃないのとか、それからそうやって外国の企業がどんどん入ってきた
場合、そこからちゃんと税金が取れるのかという税収上の問題、これは税金をちゃんと取ろうという考え方。それから雇用が維持されないではないか。ロンドンなんかでは雇用は維持されたけれども、あれは、金融界の標準語はもはや英語になつちゃっているんだ、だからあそこはいいんだけれども、日本はそうはいかないよという言い方をする人もある。それから日本のお金がそうやってよその国の金融機関にどんどん吸い上げられていって、それで安全保障上大丈夫なのか。こういうようなことを言えば、それは日本の金融機関はもうつぶしちゃいかぬよ、こういう考え方もある。
 しかし、一方では、私はこれは正しいと思うんだが、そういう金融機関の個々のものを見るよりは、やっぱりきちんとした、市場を見て、そこから日本の企業が資金を獲得していく、そういうやり方というのは非常に大事だというふうに私は思っているんですね。日本の市場から、日本の企業も、それから海外の企業も、金融上の、広い意味での金融機能を営んでいく、そのことは大事なんだという見方、こうあるわけですね。
 大臣、どっちをとりますか。
#50
○松永国務大臣 私の考え方を申し上げます。
 私は、国際的な大競争の時代に入ってまいりましたし、金融の分野でも文字どおり開放されてくるわけでありますから、したがって、委員御指摘のように、ある銀行を、ナショナル・フラッグといいますか、そういうことで保護していく、そういうやり方は国際的に通用しないことではなかろうか。このまま放置しておけば日本の金融界について空洞化現象が起こってくる、それを避けるためにも、公正、透明、そして国際的なルールに従った金融のシステムというものが日本でも確立されるようにしていかなければならぬ、それによって全体としての日本の金融システムを強化していく、そういう努力が必要であるというふうに私は思っております。
#51
○日野委員 終わります。
#52
○村上委員長 次に、石井啓一君。
#53
○石井(啓)委員 おはようございます。平和・改革の石井啓一でございます。
 私は、大臣に主に質問をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、今回の大蔵省の不祥事につきましては、大変厳しい国民の目が大蔵省に向けられております。金融行政、ひいては大蔵行政そのものへの不信が渦巻いている、こういう状況にございますが、これだけ厳しい国民の反発がある、その原因を大臣はどのように認識をされているのか、まず御答弁をいただきたいと思います。
#54
○松永国務大臣 大蔵省職員が二名も逮捕される、こういった事態というのは、これは極めて重大な事態なんでありまして、それによって著しく大蔵省の信用が傷ついた。傷ついたままの状態では、金融財政政策というものを円滑に遂行していくことはできません。そこで何よりも大事なのは、国民の大蔵行政に対する信用、信頼を回復することだ、こう私は思います。
 そのためには、システムの改革、これは先ほども申したことでありますけれども、そこに働く人の意識の改革も必要なんでありまして、言い古されたことでありますけれども、より大事な仕事に携わる人はより高い倫理が求められるということでなければ世間は許さない、こういうことだろうと思うのであります。その意味で、職員に対して高い倫理を求め、それを通じて徹底した綱紀の粛正を図っていきたい、私はそう考えておるところでございます。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#55
○石井(啓)委員 私、昨年の金融不安が広がった原因の一つは、従来の大蔵省あるいは金融業界が発表します不良債権等の情報が正確な情報じゃない、そもそもそういう不信というのが根っこにあったと思うんですね。
 といいますのは、ある銀行が破綻をいたしますと、従来公表していた不良債権額と比べて実態は何倍もの不良債権がある。こういうことが続きますと、大蔵省の言っていることが信じられない、大蔵省の公表している数字というのは信じられない、そういう疑惑が広がったといいますか、疑念が広がったといいますか、もしかするとあの銀行も危ないかもしれない、あの証券会社も危ないかもしれない、あの生命保険会社も危ないかもしれない、そういう疑念が、今回の、昨年から続いている金融不安を広げてきた、私はやはりこういう大きな要因があったのじゃないかと思うのです。いわば大蔵省に対する不信というのが金融不安を広げてきた、こういう側面は私は否めないのではないかと思うのですね。
 ましてや、今回、検査を担当する職員が逮捕をされた。そうすると、今までの検査というのは何だったんだろうか。今までもその検査をベースにいろいろな不良債権等が発表されていたわけですが、そこに対する信頼そのものが揺らいでいる、こういうことであるわけであります。ひいては、今回提案をされている金融安定化のための二法案そのものに対する信頼というものも揺らいでいるような、そういう状況にあるわけでございますね。
 私は、今回の法案が仮に早期に成立をしたとしても、大蔵省に対するこの不信がきちんと払拭されないようであっては、この金融不安というものの抜本的な解消にはつながらない、ジャパン・プレミアムどころか、大蔵省プレミアムとして残るのではないか、恐らくそういう深刻な事態ではないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、その点を大臣はやはり厳しく御認識をいただきたいと思います。
 もう一つは、従来、時折、いろいろな役所の不祥事、汚職事件というのは起きてまいりましたけれども、それはその起こした人間が例外的に悪いんだ、他の大半の職員はまじめに仕事をやっているんだ、こういうふうに理解されてきたのじゃないかと思うのです。
 ところが、今回の場合は、残念ながら、逮捕された職員二名にかかわらず、金融検査に携わる他の職員にも過剰な接待が蔓延していたのではないか、さらに加えて、この金融検査を担当する部局のみならず他の部局にもこれが広がっていたのではないか、こういう疑いが非常に強く国民から持たれているわけです。いろいろな報道もされております。ですから、いわば大蔵省の構造腐敗ではないか、こういう厳しい目があると思うのですね。
 そういう点に対して、私は、大臣は、これは構造的な問題なんだ、体質そのものを改善していかなければいけないんだ、そういう決意が必要だと思うのです。その点について、大臣、いかがでございますか。
#56
○松永国務大臣 お答えいたします。
 今回の不祥事の逮捕者、非常に重要な、銀行等に対する検査部門を担当する職員でありましたがために、それだけに国民の目は厳しいというふうに認識いたしております。
 しかし、銀行等の金融機関に対する検査部門は、先ほど来申し上げておりますように、大蔵省の仕組みが大き過ぎるということで、もっと公正に検査のできる、そういう仕組みにすべきだということになりまして、昨年、法律も通していただいて、この六月までに総理府傘下の金融監督庁という新たな仕組みに変わっていくわけであります。そこで厳正厳格な検査がなされるというふうに私は期待しておるわけであります。
 大蔵省全体が腐っているのではないかというような御指摘でございます。残念なことでありますけれども、先ほどの委員の質問の中にもありましたけれども、大蔵省という官庁は官庁の中の官庁だという言い方をする人もいらっしゃいますし、その続きとして、大蔵官僚は官僚の中の官僚という言い方をする人もおります。大蔵官僚がその言い方になれて、自分はほかの官庁の官僚よりも偉いんだなどという意識に仮になっておったとするならば、それは大きな誤りなんでありまして、そういう誤った意識を持ちまして、民間の方から接待を受けるなどというのも習い性になって平気で接待を受けるなどという習慣になっておるとすれ
ば、これはそういう習慣的なものがやや見られるわけでありますが、そういった点を徹底して直していくということが私は大事だ、こう思っておるわけであります。
 そういう見地から、逮捕された二人につきましては、これは捜査当局の捜査の結果を見なきゃならぬわけでありますけれども、捜査当局がきちっとした処分をするでしょう。しかし、同時にまた大蔵省としても、捜査の結果を待って法令に基づいて厳正な処置をして、そして綱紀粛正の一助にしたい、そう考えておりますが、それ以外に、逮捕されたりなどしないとしても内部調査を厳格に行って、そしてその結果を待って厳正な処置をして、そして綱紀粛正を図っていきたい、こう考えておるわけであります。
#57
○石井(啓)委員 私は、まず国民の信頼を回復するためには、今大臣のおっしゃった内部調査、これをやはりきちんと行って、その結果を公表する、これがまず大前提であろうと思いますが、この内部調査というのがどうも金融検査に携わった職員に限定して行われる、こういうことのようでございます。
 確かに、今回の汚職というのは金融検査に関係して金融機関から接待があったということでありますけれども、先ほど私申し上げましたように、それにとどまらず、金融検査部門にとどまらず、他の部門も過剰な接待を受けていたんだ、こういうさまざまな報道があるわけでございまして、金融検査担当部門のみならず、私は全省的にこの際きちんと調査を行って、そしてそれを国民の前に示す、それが私は国民の信頼を回復するための大前提である、このように思いますが、大臣はいかがでございますか。
#58
○武藤政府委員 御指摘のとおり、現在行っております内部調査は、金融検査部、銀行局、証券局等の金融関連部局の職員ということでございますが、この職員だけでも、先ほど申し上げましたとおり五百五十名以上に上るということでございます。
 この問題の発端というものを考えますと、金融関連部局に在籍している職員及び過去五年間在籍した職員からまず調査をするというふうに考えております。それ以外の職員につきましては、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#59
○石井(啓)委員 検討ということではなくて、それ以外の職員についてもやはりこれはきちんとやるべきですよ。当面、風当たりの強いときに関係する職員をやって、強い風が静まれば何かうやむやにされるんではないか、今の答弁ですと、そういうふうに思わざるを得ませんよ、何となく。検討するということであったら。
 やはり引き続いて、五百五十名以上いるからなかなか時間がかかるということでありますけれども、さっきの大臣のごあいさつにもありましたように、まず国民の信頼を回復することが大前提といいますか、大臣に与えられた最大の職務であるわけでありますから、人数がたくさんだからできないということではなくて、この際きちんとやるべきじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
#60
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 きちんとやるべきだという御意見については、私も基本的にはそうなんです。ただ、今回起こった不祥事、逮捕者が金融検査部でありまして、しかし金融検査にかかわる者だけじゃなくして、金融関連部局に在職した、しかも過去五年にさかのぼって内部調査をするわけでありまして、五百五十名に達するわけです。まずそこから始めるということなんです。その他の部局の関係でも、金融関連部局におった人でその他の部局に行っている人も、その内部調査の対象になります。
 その他の、金融関連部局に在職したことのない人についてどうするかという話だと思うのでありますが、その点につきましても、このごろは新聞や雑誌その他でいろいろな情報がありますので、具体的にそういう情報として出たものがあれば、それは内部調査はきちっとしなきやならぬ、こういうふうに思っております。
#61
○石井(啓)委員 そうしますと、今の大臣の御答弁ですと、いろいろな報道で名前が挙がっている方については、金融検査を担当した部局にいなかったとしても内部調査をまずやるということですね、ちょっと確認したいと思うのですけれども。
#62
○松永国務大臣 まずは金融関連部局に従事した者を先にやるのですよ。その後に、当然のことながら、いろいろな情報がある人の場合には内部調査はきちっとやらなきゃならぬ、そういうことでありまして、手順を追ってやっていって綱紀の粛正を徹底したい、こう考えておるわけです。
#63
○石井(啓)委員 それでは、その結果を早期に出されることを、またその結果をこの国会の場でも、委員会の場でもきちんと報告することを求めていきたいと思います。
 引き続きまして、私は今回の事件で大変問題であると思いますのは、一つは、今回逮捕された宮川金融証券検査官室長、この方は昨年の七月にもう既に第一勧銀から接待を受けたということで処分を受けておりますよね。ただ、そのときには、検査期間中に缶ビールとつまみの提供を受けた、その程度の接待だった、また検査後にゴルフの接待を受けた、こういうことで戒告処分を受けているわけですが、今回の容疑事実を見ますと、わかっているだけでも何と二百六十万円相当の接待を受けた、あるいはマンションの値引き、四百四十万円も値引きをさせている、こういうことで逮捕されているわけでありまして、昨年の大蔵省内で行われた調査がいかにずさんな調査であったのか、そういうことが一つはっきりした。
 もう一つは、一昨年の厚生省の岡光事務次官のあの汚職事件を契機に、その当時、公務員倫理法制定ということが野党の方から要求されましたが、政府としてはまず職員倫理規程で対応するということで、大蔵省においても大蔵省職員倫理規程というのを制定いたしましたね。平成八年十二月二十六日に定めたわけでありますけれども、それ以降も接待を受け続けていた。特にけしからぬと思いますのは、谷内容疑者というのは、昨年七月に宮川容疑者が処分を受けた後も接待を要求し続けてきた。これは全くその感覚が麻痺しちゃっているということですね。この職員倫理規程を制定しながらも、全くそれが守られていない。どうなっているんだろうか。この職員倫理規程を取り寄せてみましたけれども、これがきちんと守られていれば、こんな事態は起こるはずがないんです。
 例えば、この第五条に「関係業者等との接触に当たっての禁止事項」とありますが、「職員は、関係業者等との間で、次に掲げる行為を行ってはならない。」それで「接待を受けること。」とか「会食をすること。」「遊技、旅行をすること。」「転任、海外出張等に伴うせん別等を受けること。」「中元、歳暮等の贈答品を受領すること。」云々かんぬんと、この「一切の利益や便宜の供与を受けること。」これがならない、禁止されているわけであります。
 これが全く守られておらずに、堂々と接待が要求されている。ある意味で、現金を受け取らなければ大丈夫だろう、そういう甘い感覚もあったと思うのですけれども、これだけ感覚が麻痺しちゃっているという状況を踏まえて、あるいはこの内部の調査はやはり余りにも身内に甘いという実態を考えますと、私は、この再発防止というのは相当厳しい対策をとらなければその効果が上がらないのではないかと思いますけれども、大臣としましては、この再発防止策についてはどのようにおとりになるお考えか、見解を伺いたいと思います。
#64
○武藤政府委員 昨年七月の第一勧銀の検査に関する事件につきましては、平成六年の十月から七年の五月にかけて、いわゆる第一勧銀の検査忌避事件という、その際の検査にいろいろ問題があったという疑惑が生じたために調査をいたしました。
 この調査におきましては、宮川からいろいろ事情聴取を行いましたが、確かにゴルフを一回行っ
たということと、検査期間中に工場見学に行って若干の接待を受けたという回答に終始いたしました。谷内につきましては、その検査には参加していないということでありましたために、調査は行われなかったわけでございます。第一勧銀にも当方からいろいろ事情を尋ねましたけれども、接待関係の帳簿その他の資料が強制捜査によりまして捜査当局にすべて押収されて、銀行には残っていないという状況でありました。そこで、関係する行員から事情を聞きまして、確認がとれた限りにおいて、その処分の対象にされたわけでございます。
 しかし、その後に、宮川につきまして御指摘のようなまことに言語道断な行為があったということで、私どもも本当にこれは許しがたいことであるというふうに思っております。これが昨年の夏の調査で発見できなかったのは、調査が検査に係るものとして行われたことに加えまして、宮川が真実を全く述べなかったということと、第一勧銀にも資料が残っておらなかったために裏がとれなかったということでございます。任意調査の限界があるとはいいましても、このような結果になりましたことについては、深くおわびをしたいと思います。御指摘のとおり、再発防止策はどうなのかといいますと、確かに、平成八年末に制定されました大蔵省倫理規程の遵守というものを担保する仕組みが結果的に十分機能していないということは、まことに残念でございます。
 そこで、このような反省を踏まえまして、新たに金融服務監査官を設けまして、単なる職員の自主申告ばかりでなく、みずから積極的に情報の収集、分析でありますとか、あるいは金融機関に出向いて事情を聞き取るとか、職員の身上把握を行って事件の未然防止に当たらせたいということでございます。また、外部の意見も踏まえて厳正な調査を行うという観点から、顧問弁護士というものを委嘱いたしまして、相談をしながらできる限り客観的な調査をしてまいりたいということで、綱紀の保持と不祥事の再発防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
#65
○石井(啓)委員 この金融服務監査官ですか、これは今回の不祥事が起きてから直ちにこれができたわけですけれども、何でこういうものをそもそもつくっていなかったんだろうか、ある意味で全く泥縄的な対応じゃないかというふうに思わざるを得ませんですね。
 客観的な調査ができるようにするというお話ですが、残念ながら、やはり身内の調査であっては、先ほど言いましたように十分な、正確な調査ができないんじゃないか。本当にこの金融服務監査官に期待をするとしたら、調査に強制力を持たすとか、あるいは、先ほど弁護士に委嘱をして相談をしながらと言いましたけれども、この際、内部調査じゃなくて外部に委託をして調査をさせるだとか、そういう抜本的な対応をすべきではないかと思いますけれども、その点についてはどうでしょうか。
#66
○武藤政府委員 ただいまお話しいたしましたとおり、外部の意見をどのように反映させるかということは、確かに重要な視点だというふうに考えます。
 当面は、顧問弁護士に委嘱して司法手続というものを熟知した方から助言を受けようということでございます。
 それで、現在、例えば税の世界では国税監察官という法律に基づく機構がございます。これは刑事訴訟法に基づく捜査権まで持っておる組織でございます。行く行くは、こういうものまでいけるかどうか、これは今後の検討課題でございますけれども、今後の十一年度以降の予算、機構の要求の中で、法令に根拠を有するような恒久的な専任の監査官制度というものの可能性を検討してまいりたい。これは十一年度要求ということでありますので、当座の緊急な対応には間に合いませんけれども、そのように考えておるわけでございます。
#67
○石井(啓)委員 また、今回の汚職問題あるいは過剰な接待問題の背景といたしまして、霞が関の役所の中でも大蔵省に特に強大な権限が集中している、それが一連の不祥事の背景にある、こういう指摘がよくなされるわけでございます。
 私も、大蔵省の権限を分散するという意味から、この際、財政と金融の分離、これを徹底してやるべきである、このように考えます。大臣の見解を求めます。
#68
○松永国務大臣 大蔵省が余りにも大き過ぎる、したがってこれは分解してスリム化すべきだという、そういう意見が強いことは私も承知いたしております。そういうことを背景にして、第一段階として金融監督庁が総理府のもとに設置される、それに伴って大蔵省から金融監督庁の方に三百七十三名行くわけですね。その分だけスリムになるわけでありますが、同時に、現在の銀行局、それから証券局、これはつぶしまして、ややスリム化された新たな金融企画局ということになりまして、これが言うなれば組織の改革の第一弾だというふうに私は位置づけております。
 その後のことでありますけれども、これにつきましては、与党間で長い間の議論の末、合意が一月二十日に成立しておるわけでありまして、この合意を私どもは文言どおり重く受けとめていかなきやならぬ、こういうふうに思っております。そして、その内容は、中央省庁再編等の実施に必要な基本的合意事項を定めるとの方針のもとで、基本法の作成作業の中で忠実に織り込まれることになる、こう思っておるわけでありまして、それに基づいて、さらなる組織の改革をその方針のもとで進めていきたい、こう考えておるわけであります。
#69
○石井(啓)委員 私の申し上げたいのは、今大臣のおっしゃった与党合意、それが金融と財政の分離、徹底をされていないということを申し上げたいのです。
 与党合意の中で、もう御存じのとおりでありますけれども、金融破綻処理と金融危機管理の企画立案機能は、当分の間、大蔵省が担当する。それで国際金融部門は、当面、大蔵省に置く。この当分の間、当面という言葉がありますけれども、少なくともこの時期をきちんと明確にしなければ、半永久的にこれが棚上げにされる、こういう可能性がある。これを指摘したいわけでありまして、この当分の間あるいは当面というその時期、財政と金融のはっきりとした分離の時期を明確にすべきである、このように思いますけれども、大臣、いかがですか。
#70
○溝口政府委員 御指摘の当面とか当分という文言でございますけれども、これは与党合意の中に入っておるわけでございます。与党合意の中でお決めになったものを政府として受けとめておるということでございまして、私どもの方からこれについての解釈をすることは困難ではないかというふうに考えます。与党合意に沿って基本法に織り込んでいくということは、総理自身が国会で御答弁されているところでございます。
#71
○石井(啓)委員 与党合意はあるのだけれども、それを大蔵省としてはどう受けとめているのか、これを聞きたいわけですよ、大臣。当分の間、当面というのは、今直ちに大蔵省から全部それを移すとすると事務的な流れがスムーズに移行されない、そういう移行期間としての当面とか当分ということだと私は理解するのですけれども、それを大蔵省としてはどれぐらいの期間だというふうにお考えになっているんですか。それは政治が判断する問題じゃないでしょう。大臣として、この当面とか当分の間というのはどれぐらいで十分だと、あとはほかの日銀だとか金融監督庁に移せばいいというふうにお考えになっているのか。その大蔵省の見解を私は聞きたいと思っているんです。大臣、ちょっと答弁してください。
#72
○溝口政府委員 申しわけありません。ちょっと経緯を御説明させていただきたいと存じます。
 中央省庁の再編の問題は行革会議でずっと議論がされてまいったわけでございます。その過程で、十二月に至りまして最終結論が出ましたけれども、その部分は最終結論に至らずに与党三党の協議にゆだねようということになりまして、そう
いうことでああいう合意ができたわけでございます。それに基づきまして、総理も、先ほど私が申し上げましたような答弁をされているわけでございますから、それを超えて私どもが言う立場にはないかというふうに考えるわけでございます。
#73
○松永国務大臣 今事務方がお答えしたとおりなんでありますが、要するに、あの三党合意の中に書いてありますことは、金融破綻ないし金融危機管理に関する企画立案、それだけを残すということでありまして、それ以外は全部大蔵省からなくなる、こういうことなんであります。
 現在の金融情勢等々を考えますと、今申し上げた金融破綻ないし金融危機管理に関する企画立案の仕事というものは、財政と関係もあることでありますので、スリム化した上で大蔵省に当面残しておくというのは現段階では妥当な結論じゃないかな、こういうように私は思います。
 なお、当面というのがいつかと言われましても、これは私どもとしては、三党合意の文書をそのとおり受け取るというふうに言うしか、私の立場ではそれ以上のことを言うわけにはまいりません。
#74
○石井(啓)委員 何か一部の権限だけしか残らないようなおっしゃり方をしますけれども、いわば業法、銀行法や証券取引法、そういう業法も大蔵省は引き続き所管されるわけでしょう。この業法を握っているということが最大の権限なわけですよ。だから、それが本当に移るのかどうかというのがポイントだ、こういうふうに私は思っております。
 時間になりましたので、最後にちょっと質問いたしますけれども、今回の国民の信頼を回復する措置として、私は、やはり大蔵省として責任なりけじめというのはきちんとつけなければいけない。その責任、けじめという点から、大蔵省から金融機関への天下り、これを禁止すべきではないか。
 私は、天下りを全面的にやめろ、こういうふうに申し上げているのではなくて、今の人事システムの中では早期に五十前後から退職される方がいらっしゃるわけですから、その方々の再就職先の道をふさげという意味ではなくて、今回の不祥事を踏まえて大蔵省から金融機関への天下り、これはやはり禁止するぐらいのけじめというのが必要じゃないかと思うのです。大臣、いかがでしょう。
#75
○武藤政府委員 民間金融機関への再就職の問題でございますれども、従来より国家公務員法の規定に従って行ってきているわけでございます。しかしながら、大蔵省におきましては、住専問題の中で、金融行政の基本方針がゆがめられているのではないかという疑念を抱かせるような、そういう議論がございました。そこで、平成八年の六月に、この国家公務員法の規制のほかに、それに加えまして幹部職員の民間金融機関への再就職の自粛措置を定めまして、これを守ってきております。
 先日、総理が再就職問題を含めた公務員制度の再検討ということを関係機関に指示されたというふうに聞いておりますが、さらにその再就職の全体の問題ということであれば、その検討内容を見守っていきたいというふうに考えております。
#76
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、終了いたします。
#77
○井奥委員長代理 次に、谷口隆義君。
#78
○谷口委員 自由党の谷口隆義でございます。
 本日は、新しく大臣になられました松永大蔵大臣に主に質問をさせていただきたいというように考えております。
 先ほど、御就任のごあいさつをお聞きいたしました。大変厳しい状況の中で責任を感じるというようなお話でございました。お聞きしますと、大臣は法曹界出身でいらっしゃって、先ほどから質問がございましたが、今回の大蔵省の不祥事に対する信頼性を取り戻すために綱紀粛正をやっていくというようにおっしゃっておられるようでございますので、これはぜひやっていただきたい。金融行政の信頼、大蔵省に対する信頼を取り戻すべく全力でまた頑張っていただきたいというように考えておる次第でございます。
 一方、今回大臣が新しくなられたことで私が大変注目しておりますし、私以外にも国民が大変注目しておることは、この経済政策、今まで政府がとってまいりました経済政策をここで大きく転換するのではないかというようなことで、株式市場を見ておりましても、そのような傾向が見られるわけでございます。
 現に、前大蔵大臣が辞任の発表をされたときに株式市場は百円上がったわけでございまして、そういう状況を見ますと、新しく大臣がかわられて、今後この経済政策全般が大きく方向転換するのではないかというように思われておることを中心に、初めにお聞きしたいというように思います。
 現下の経済状態は、私は大変厳しいものがあるというように認識いたしております。先日、日銀の支店長会議もあったようでございますが、その状況を聞いておりますと、各地でやはり大変厳しいというような報告があったようであります。また株式市場を見ますと、三千数百社の上場企業が東京証券取引所にございますが、このうち百六十何社が百円割れという大変厳しい状況、これはいつ倒産があってもおかしくないというような状況のようでございます。ましてや、その下の中堅、中小零細企業の状況は大変厳しい状況にあるわけでございまして、完全失業率も三・五%というところで高どまりをしたまま、ずっと昨年の秋以降続いておるような状況であります。
 また、それにつけ加えて、我が国を取り巻く状況、特にアジアの状況が大変厳しい状況になっておる。昨年末には韓国がデフォルト寸前というような状況でございましたし、先日もインドネシアで、これも大変厳しい状況でございました。
 先日、予算委員会で、私、そういう状況も踏まえてお聞きしたのですが、我が国の金融機関、邦銀がアジア地域で融資しておる金額がどのくらいだとお聞きしますと、約二千五百億ドルというようなお話でございました。これもまた今後この推移を見ていかなければいけませんが、今、現下の厳しい経済状況、また先ほど話もございました金融システムの危機的な状況、金融システムの危機的な状況と現下の経済状態が相乗的に悪化のスパイラルに入っているというように言われておるところでございまして、今そういうスパイラルを断ち切っていかなければいけないというように私は考えておるところでございます。
 まず初めに大蔵大臣にお聞きしたいのですが、我が国の経済状況、現状の御認識についてお聞きいたしたいと思います。
#79
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、現在の我が国の経済の状況、大変厳しいという認識、これは委員と同じでございます。
 この厳しい状況から一日も早く抜け出していかなければならぬ、そういう考え方のもとで、しばしば総理も予算委員会等で答弁をしておったわけでありますけれども、二兆円の特別減税、そして補正予算による公共事業の追加、そして金融システム安定化のための特別の措置、そしてさらには本予算並びにそれの関連での法人税の税率引き下げ等々の施策、こういったものを、必要な予算並びに関連法案を速やかに成立をさせていただいて、そして速やかに実行に移すというのが私の務めだ、こう心得ております。
 幸いにして、二兆円の特別減税、先日参議院で成立を見ました。これが二月から実施されますと、二月、三月に重点的に減税がなされるわけでありますし、それからそれに引き続いて金融安定化の二法、そして補正予算さらには本予算というものが成立をして、そして次から次へと実行されていけば、悪化へのスパイラルじゃなくして、いい方向へのスパイラルが相乗効果の結果として出てくることを私どもは期待をしておる、こういうことであります。
#80
○谷口委員 市場で一番期待しておるのは、御存じのとおり、昨年末に財政構造改革法案が成立い
たしまして、本年の、来年度十年度予算からこれが適用されると申しますか、具体的に申し上げますと、例えば公共工事が七%削減であるとか、こういうようになるわけでございますが、今の現状をかんがみるに、このような財政構造改革法を一たん棚上げにして景気対策をやってほしいというような市場の要求もありますし、国民の要求もあるわけでございます。
 それに対しまして、先日成立いたしました二兆円減税法案、今大蔵大臣がおっしゃったわけでございますが、これは我々が一刻も早く減税をやらなきゃだめだというようなことを言っておったわけでございますが、それに対して、やらざるを得なくなってやられた。これはしかし、この金額も少ないし時期も遅かったということで、御存じのとおり株式市場の反応も、その発表した一日だけ株価が上昇して、翌日には株価がまた下落してしまうというような状況であったわけでございます。
 それで、短い時間でございますので端的にお聞きしたいのは、従来のような財政構造改革法を一たん棚上げにして、景気対策を中心にしてやるお考えであるのかないのかを御答弁お願いいたしたいというように思います。
#81
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 委員よく御承知のとおり、財政構造改革でございますが、これは二〇〇三年度の時点でこれこれこういう状態にすべしというのが目標であります。すなわち、赤字公債からの脱却二〇〇三年、国、地方を通じての財政赤字をGDP比三%以下、それから、それに二、三の条項がやはりついておるわけでありますが、それは二〇〇三年の時点での話なのでありまして、それまでの間のことにつきましては、経済状況、景気動向等々を勘案しながら適時適切に対策を打ち出していくということは財政構造改革と矛盾するものではないというのが総理の見解でありまして、私もその総理の見解どおり答えるという立場でございます。御了承願いたいと思います。
#82
○谷口委員 今そういう状況の中で、本年に入って、例の、額賀官房副長官がアメリカに行かれて、高官に対して、本年四月から大型の補正をやるというようなことが報道されました。それに対して総理は否定されたわけでございますが、これは朝日新聞は、そんなことはない、このように言っておるわけでございます。
 また、その後、加藤紘一自民党幹事長から、財政構造改革の目標年次を繰り延べるというような御発言があったり、また先日は、野中自民党幹事長代理が六兆円規模の補正予算の編成案を示されたというようなことで、今政治家の口先介入がどんどんありまして、その効果もあったのでしょう、一時一万四千円台の株価が今二千円ぐらい上がっておるわけでございますが、これは、そのような補正が行われるという前提で、国民が、市場が敏感に反応しておるわけでございます。
 一方、今申し上げましたような財政構造改革の金縛り状態と申しますか、歳出削減するわけですから、歳出を削減していかなければいけないという一面と、一方で、もうそれを我慢できない、どんどん自民党の議員の方がこのように口先介入される、このようなことは、これは二律背反じゃないかというように思われておるのです。現に市場関係者は最終的に不安心理に悩まされておると申しますか、これは本当にやるんですかというようなことで、市場は求めておると申しますか、そういう要求があるわけでございます。
 ですから、今、この方向転換をしたのならこれはしたんだというようにはっきり宣言することが、景気の活性により一層拍車をかけると思うのですよ。そのような観点で、もう一度大蔵大臣、御答弁をお願いいたしたいと思います。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#83
○藤井政府委員 お答えいたします。
 私どもも、新聞等で、与党の先生方等のいろいろな御発言がある旨は、その報道は承知をいたしております。
 ただ、今大臣申し上げましたように、財政構造改革、これは極めて緊要かっ重大な課題でございますし、一方で、その時々の経済あるいは金融システムに対応していくということ、これも極めて重要であるということは言をまたないと思います。総理もおっしゃっていますように、この二つの課題といいますものは相矛盾するものではない、二者択一の問題ではございません。
 今御提案申し上げております九年度の補正予算あるいは十年度予算案、これはともどもその二つの課題を満たすいわばぎりぎりの接点としての予算を編成いたしたところでございます。そういうことからいいまして、私どもといたしましては、まずもってこの九年度補正予算案、さらには引き続きまして十年度予算案、さらにはこれらに関連いたします諸関連法案、これの早期成立をぜひお願いいたしまして、まずはその執行、実行を行っていくことが重要であるというように考えております。
#84
○谷口委員 大臣がお答えいただく前にもう一つ私申し上げたいんですが、今のような状況の中で、例えば仮に、野中自民党幹事長代理がおっしゃっているように、この春にでも大型補正を組むということになれば、まだ十年度の予算の審議が始まっておらないわけでございますので、一体、提出される十年度予算はどういうものなんだ、当然これはそういう話になってくるわけでございます。一方、もしそういうように考えていらっしゃるなら、その段階で修正をしていただかなきゃいけません。
 もう一回お聞きしますが、そのような補正は組まないというように断言できるんですか、大蔵大臣。
#85
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 私どもは、現在ある法律に基づいて行政をやっていくわけです。財政構造改革法という法律を我々は守らなければなりません。その範囲内でできる限りの対策を打ち出していくというのが私の立場であります。
 同時にまた、参議院で審議をしていただいておる平成九年度の補正予算、平成十年度の本予算はこれから衆議院で審議をお願いする、両方とも現段階においては最善のものだ、こういう信念で御審議をお願いする立場でございますから、したがいまして、予算の修正などというのは現段階では全く考えていないところであります。
 ただ、党の偉い人が日本の経済の現状を憂えられて、いろんな知恵を絞っていろんな方策を提案される、それはそれで意味のあることだったと思いますが、それが正式に党の方針として決定され、これをやれと言われたならば、それに従うのもこれまた私の務めでありますが、現段階ではそういうことではありませんので、提案を申し上げておる補正予算、関連法案、本予算、関連法案、これの成立に向けて最大限の努力をし、それらの成立を速やかにやって、速やかに実行に移していくのが私の務めでございます。
#86
○谷口委員 先ほどから申し上げました額賀官房副長官、また野中さん、また加藤幹事長、このような方、これは自民党を引っ張っていらっしゃる方ですね、与党を引っ張っていらっしゃる方。このような方の発言をきっかけに、今、株式市場は二千円ほども上がっておるわけでございます。これが実際そうではないということになりましたら、これはまさに証券取引法に言う風説の流布になるわけでございますので、それこそ、それでもしゃらないということになったら、株式市場が大きく下落するだろうと予測されます。
 そういう状況の中で、今大蔵大臣は大変あいまいな答弁をされたのですが、今、もう既にそういうような発言が現状の中で起こっておるわけでございますが、この四月にそのような補正は出さないのですか。状況いかんによって変わるということですか。
#87
○松永国務大臣 お答え申し上げます。
 平成十年度の予算は提案をしてありますけれども、まだ審議に入っていない、これから審議をしていただく、その段階で補正を出すとか出さぬとか、それは言えるはずがございません。提案申し
上げておる十年度の予算が最良のものと確信をして審議をお願いするわけでありますから、早く審議をしていただいて、関連法案も含めて早く成立させていただければ、速やかにこれを実行に移していくというのが私の任務でございます。
#88
○谷口委員 どうも一貫しておらないと申しますか、大臣のおっしゃっていることと、この自民党の幹部の方がおっしゃっていることとは全く違うことをおっしゃっておりまして、国民の間では一体これはどうなっておるんだと政治に関する不信感がどんどん高まるわけでございますので、このような状況を見逃すわけにいかないわけでございます。そういうことがあるなら、この平成十年度の三予算を修正していただく、再提出していただくというようなことが必要であるというように申し上げたいと思います。
 この問題ばかり長いことやっておりますと時間がございませんので、この問題は一応この程度においておきます。
 あとは、先日、ちょっとこれは細かい話になるわけでございますが、金融検査部の問題が先ほども出ておりましたが、北拓の金融検査に参りまして、金融検査官が無税償却証明を出して、それで無税償却をしたというような報道がございましたし、本日の報道を見ますと、三和銀行もそのようなことがあったというようなことでございます。
 この無税償却証明は、昨年の三月にどうも今までの通達をなくされたようでございまして、現状はできないわけでありますが、金融検査を行う場合に、御存じのとおり第一分類から第四分類まで分類するわけですね。この第四分類のところはもう回収できないもの、こういうような状況でございますが、これと税制上の関係は全く関係ないというように考えてよろしいんですか。
#89
○原口政府委員 お答えします。
 不良債権の償却証明制度、いわゆる無税償却制度でございますが、これは国税庁との協議に基づきまして、昭和二十五年から実施をされております。
 金融証券検査官が回収不能または無価値もしくはこれに準ずる債権として証明した不良債権の金額を、原則として税法上も損金として是認するという制度でございますが、基本的には税法にのっとり処理をしているということで、税法上と関係がないということではございません。
#90
○谷口委員 そういう意味においては、通達がなくなった後も、金融検査の分類の仕方によって税務上の取り扱いが変わってくるわけでございますので、そのあたりの権限を持っていらっしゃるということで、厳しい対応、またそういうような綱紀粛正をやられると大臣もおっしゃっておるわけでございますので、これは今後厳しく対応していただきたいというように思います。
 それと、先ほどちょっと言い忘れましたが、野中幹事長代理がおっしゃった中に、先ほど申し上げたことにつけ加えて、現在の金融危機に関して、欧米の外貨によりアジアの市場が侵されるなら政府の保有する米国債を売ってもいいというような御発言があったようでございますが、大蔵大臣はこのような発言についてどのようにお考えですか。
#91
○溝口政府委員 突然の御質問でございまして、そういう御発言の内容について承知をしておりませんので、コメントは差し控えさせていただければと思います。
#92
○谷口委員 いや、大蔵大臣にちょっと御見解を。
#93
○松永国務大臣 お答えいたします。
 私も、そのことにつきましては聞いておりませんので、この場でコメントをすることはできません。
#94
○谷口委員 いや、聞いているか聞いていないかの問題ではなくて、そういうようなことで、欧米の外貨によりアジアの市場が侵されるなら政府の保有する米国債を売ってもいいと。これは一時、デンバー・サミットで総理がそういう発言をされて大きく米国市場の株価が下落したことがあるわけでございますが、自民党の党内でこういう意見を持っていらっしゃる方がいるのかと思ってびっくりしたんです。
 ですから、おっしゃったかどうかじゃなくて、この事実に関して、こういう米国債を売るというような話が出たということに関して、大蔵大臣の御見解をお聞きしたいということでございますので、よろしくお願いします。
#95
○溝口政府委員 そういうことは政府としては考えていないということでございます。
#96
○谷口委員 大蔵大臣、先ほど冒頭申し上げましたように、今大変厳しい状況でございます、金融問題をめぐりましても、経済状況をめぐりましても。ですから、大蔵大臣の立場を、大変厳しい状況になられたということは御自身でも認識されて、先ほどの就任のごあいさつにもあったわけでございますが、みずからの考え方をお話しいただかないと、また官僚の答弁を聞くのではなくて、大臣としてどのようにお考えなのかということを御答弁、お願いいたしたいと思います。
#97
○松永国務大臣 お答えを申し上げます。
 野中自民党幹事長代理のお話とのことでございますが、私はその話を聞いておりませんし、それから、私自身、そういう考えはございません。
#98
○谷口委員 そういう米国債を売るというようなことは一切考えておらないということですね。だから、全く野中さんの考え方と違うということでございますね。
 それで、これは記者会見の折に松永大蔵大臣の方からおっしゃったようでございますが、特別減税の恒久化については、赤字国債を発行しなければいけないので反対だというようなお話でございました。
 今、御存じのとおり、我が国は少子・高齢化社会にどんどん突入をいたしておるところでございまして、そういう状況の中で、税体系を改革していかなければいけないという議論がございます。これは、直間比率の是正というようなことであります。
 先日の特別減税、この折に我が党も主張したところでございますが、所得税の最高税率が今、国、地方を合わせまして六五%、このような状況になっておるわけでございます。これは国際的整合性と申しますか、国際間比較においても極めて高い税率になっておるところでございまして、これを五〇%ぐらいに落としていかなきゃいかぬだろう、こういう議論があるわけでございます。
 そうしますと、所得税は減税し、法人税も今回減税されるわけでございますが、一方、財政的にそれではもちませんから、消費税を上げるというような議論が出てくるんだろうと思いますが、そういう観点で、消費税の増税について大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
#99
○松永国務大臣 お答えいたします。
 消費税の増税は、私は考えておりません。
 それから、特別減税の恒久減税化の話でございますが、恒久減税には当然のことながら恒久的な財源が必要であります。恒久的財源なしに恒久化しますと、赤字公債の増発につながります。こういった点から、私は特別減税の恒久化は考えておりません。
 この特別減税の実施状況、そしてその他の施策を注意深く見守りつつ、恒久化しないでもいいような状態をつくり上げるのが私どもの務めであろう、こう思っております。
#100
○谷口委員 私が申し上げておるのは、税体系そのものをいらっていかなければいけないということを言っているんです。
 一つは、個人のやる気、会社のやる気を出すための税体系。それが景気の活性を伴いますし、先ほども申し上げたように国際的整合性がありますから、我が国だけが高くてもいいということはありませんから、そういう国際的整合性の中で我が国の税体系もやっていかなければいかぬといったときに、当然下げていかざるを得ないんです。
 そのときに、一方では、間接税を上げなければいかぬ、こういう議論は従来からあったわけでございまして、大蔵大臣がおっしゃったように、短期的にはそうであっても中長期的には、これは財
源を考えると、歳入はほとんど税収でございますから、これは直接税を落としますと間接税をふやさざるを得ないというような観点でいくと、一切これから消費税を上げないんだ、こういうように言えるんですか、大蔵大臣。
#101
○尾原政府委員 お答えいたします。
 ただいま所得税の最高税率のお尋ねがございました。
 従来、政府の税制調査会においても、所得税について、この六五%は高過ぎるのではないかという御指摘をいただいておりまして、今後の中長期的な検討課題の一つであるというふうに認識しているところでございます。
 それから、消費税の問題の御指摘がございました。
 御承知のように、少子・高齢化の進展ということで、日本の税体系、昭和六十三年前後の抜本的税制改革から最近に至る流れにおきまして、所得課税を税制の中心に据えつつ消費課税にウエートをやや移してきているというのが今の姿でございます。
 御承知のように、この少子・高齢化、これからも続きます。それから国際化の進展の問題もございました。税制といいますのは、そのときそのとき、公平、中立、簡素という原則にのっとっているかという問題、さらには所得、消費、資産等に対するバランスがとれているかということを常に点検していく必要があるというふうに考えておりまして、今後も、このような観点から随時点検をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#102
○谷口委員 時間が参りましたので、もう一問だけお聞きしまして終わりたいと思いますが、そのような税体系そのものについても大臣の御意見をぜひお聞きいたしたいというように思うわけでございます。
 今度、大手十九行についてはまたつぶさない、前の大蔵大臣が二十行はつぶさないということでやっていらっしゃったのですが、北拓が経営破綻したわけでございます。今回、大手十九行はっぷさないというようなお話であるようでございますが、仮に大手十九行の中で債務超過というような事態に陥った金融機関があった場合に、そのような状況も含めて、十九行はつぶさないというのは、大蔵大臣の御公約と考えてよろしいのでしょうか。
#103
○松永国務大臣 私が申し上げたことは、十九行について破綻するなどという事態が起こらぬようにしていくのが私の務めである、こう申し上げたわけでございます。
#104
○村上委員長 谷口君、時間ですので手短に。
#105
○谷口委員 じゃ、これで終わりたいと思います。
#106
○村上委員長 次に、佐々木憲昭君。
#107
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 これまでの内閣の答弁をお聞きしておりますと、三十兆円の銀行支援計画についての理由として、拓銀、山一の破綻によって金融システムが揺らいだ、これを最大の理由に挙げています。ところが、拓銀と大蔵金融検査官の贈収賄事件、さらに山一の飛ばしに加担したとされる松野元証券局長の疑惑も出てまいりました。これは、三十兆円の公的資金投入の根拠そのものに根本的な疑問を抱かせるものであります。法案の質疑に入る前に、まずこれらの疑惑を徹底的に解明すべきだということを申し上げたいと思うのです。
 そこで、具体的な問題についてお聞きをしたいと思いますが、大蔵大臣にお伺いをいたします。
 拓銀の破綻の原因というのは、直接的には、昨年の十月から十一月にかけまして巨額の預金の引き出しがあった、そういうことなどを理由として資金繰りがうまくいかなくなった、そういうふうに言われております。それが原因だと。しかし、それは自然にそうなったのではなくて、根本的な原因というのは、やはり隠された巨額の不良債権があって、最初、道銀との合併の話がありましたけれども、九月に棚上げになるということを契機にして、そのことが表面化をして道民に大変な不安を与えた。火のないところには煙は立たずという言葉がありますけれども。
 大蔵大臣は、拓銀破綻の根本的な要因として、不良債権の問題があったというふうに御認識でしょうか。この点、大臣にお伺いしたいと思います。
#108
○松永国務大臣 お答え申し上げますが、直接的には、去年の九月十二日に道銀と拓銀との合併延期の発表がありました。その合併延期のもととなることの中には、あるいは隠された不良債権の問題があったのかもしれません。合併延期の発表後、預金が減少する、あるいはまたコール市場での資金調達が著しく困難になった、こういつたことが業務継続の困難をもたらしたというふうに認識しております。
#109
○佐々木(憲)委員 不良債権が一つの大きな原因であったということ、そういう認識だということであります。不良債権が拓銀の乱脈経営によって非常に大きく肥大化をしまして、それが命取りになったということはもう既に周知の事実でございます。
 本来、このようなことを防ぐために金融の検査というのがあると思うわけですけれども、金融検査の本来の目的というのは、そもそもどういうところにあるとお考えでしょうか。
#110
○松永国務大臣 お答えいたします。
 金融検査の目的いかんということでございますが、信用秩序の維持、預金者保護等の銀行法等に定められた目的を達成する観点から、銀行法第二十五条に基づいて、金融機関の業務、財産の実態を的確に把握し、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するという目的を持って実施されるものであります。
#111
○佐々木(憲)委員 ところが、この経営の健全性、適切性を確保するという本来の目的が、大蔵省の金融検査官が拓銀などの接待攻勢を受けてゆがめられた。検査官の逆指名を受けて、それに応じたということさえ指摘されているわけであります。
 これでは、健全性の確保どころか、九四年八月の大蔵検査の際に手心を加えて、まさに乱脈経営あるいは不良債権の実態を隠ぺいしたということになるわけであります。本来の目的から大きく逸脱しているということは明白でありまして、これでは初めから健全性の確保などというのは問題にさえならない、驚くべき状況であります。
 具体的に、資産の査定で手心を加えたというのが容疑事実の一つとなっておりますけれども、大蔵省は九四年八月の拓銀の資産査定で一体どのような手心を加えたのか、この点について把握していますでしょうか。
#112
○原口政府委員 お答えをいたします。
 九四年八月に実施した拓銀の検査についていろいろな、今委員が御指摘になりましたけれども、この点について、我々として特にそういう事実は把握しておりません。現在、捜査の対象となっているということでございますので、今後、捜査当局による事実解明等を踏まえて厳正に対処してまいりたいと考えております。
#113
○佐々木(憲)委員 極めて怠慢だと思うのです。具体的に、みずからの身内の問題でありますから、これだけ重大な事実が指摘されていたら、当然それに対して、内部で真っ先にみずから調査をする、何があったのか、そういう事実を明らかにするというのが本来の任務だと思うわけです。
 それで、具体的にお聞きしたいのですけれども、例えば大蔵検査で公表した拓銀の不良債権のうち、第三分類の比率が一九九一年から九四年の間に不良債権の中で四%から二三%、これは急増しているわけです。実際の金額で百億から四千七百億、このふえ方は極めて異常であります。本来、回収不能な第四分類に入れるものを、極めて甘い査定で、五〇%相当の回収が見込めるとされる第三分類に入れて不良債権の内容を粉飾した疑いがある、この点いかがですか。
#114
○原口政府委員 前回の検査において、御指摘のように三分類が相当ふえておるということは事実
でございますが、同時に四分類につきましても、これは前々回の五億円が千七百億円ということで、いわばバブル崩壊に伴いますいろいろな状況のもとで相対的にこういうものがふえたのだというふうに考えております。
 また、三分類、四分類、これにつきましては、企業会計上の状況等で直ちに償却、引き当てすべきものであるか、あるいは時期、金額は確定しないものの全体として懸念があるということで分類をしておりますので、この金額の推移をもって手心を加えたとかという御指摘については、直ちにそういうことであるというふうには言えないのではないかと思います。
#115
○佐々木(憲)委員 調査もしないで否定できないと思うのですね、調査していないわけだから。そうでしょう。全然答弁になっていないですよ。
 ここに、銀行の立場でつくられた「営業店の自己資産査定 緊急対策Q&A」という本がありまして、こういうふうに解説があるのです。「金融検査官が納得すれば、非分類としたり分類額を減額することも可能でした。」従来の検査のやり方では、こうなっているわけです。銀行の側がこういう解説をしているわけです。まさに、ここに裁量の余地があるということを銀行のマニュアルには書いてあるわけですから、現実に何があったのか、具体的な調査をするというのが当然だと思うのですね。
 それだけじゃないです。第四分類が五億円から千七百億円に大きく膨らんだ。一月三十一日付の毎日によれば、谷内容疑者が拓銀からの要請で償却証明を出して償却費用を損金扱いする無税償却の工作を行っていた、こういう疑いが指摘されているわけであります。金融機関にとって、この償却が無税になるか有税になるかというのは極めて大きな問題であります。法人税や法人事業税、法人住民税、これらの二分の一が、損金と認められた場合には軽減されるわけであります。接待によって、本来無税償却として認められないものが無税償却として認められていたとすれば、これは贈収賄罪のほかに脱税事件の構成要因にもなるわけであります。そういう点については調査されましたか。
#116
○原口政府委員 谷内容疑者に係る無税償却の件については、現在捜査中ということでございますので、その進展を見守りたいと思っております。ただ、無税償却自身は決算期に行うわけでございますので、当該検査においてこの四分類がふえたということとはつながりがないというふうに、そういう意味では、この検査において四分類の査定は適正に行われたというふうに考えております。
#117
○佐々木(憲)委員 具体的な調査もしないで、そういう答弁は全くできないはずであります。調査していないわけだから、正しく行われたという、そういうことの証明ができないわけであります。
 同様のことは、きょうの毎日新聞、三和銀行にも便宜の疑い、「一九九五年二月、贈賄側の三和銀行本店(大阪市)に不良債権の償却をめぐる検査で出張した際、三日連続で接待を受けたうえ、自ら要求して帰りに名古屋駅周辺でゴルフ接待もさせていた」拓銀と同じように不良債権の償却費用を無税扱いする工作を依頼され、応じたことがこれでも判明しているわけであります。極めて重大な問題です。
 具体的に聞きたいのだけれども、拓銀と三和銀行に対して金融検査官がどのような償却証明を出したのか、その金額は幾らであったのか、具体的にここで数字を出してください。
#118
○原口政府委員 個別の企業にかかわる数字等につきましては、これは税務調査と同様、守秘義務の関係等、プライバシーの関係もございますので、特に守秘義務との関係で答弁を差し控えさせていただきます。
#119
○佐々木(憲)委員 これは極めて重大な疑惑がかけられている問題なんですよ。既に明らかなように、不良債権の実態を、あの拓銀の乱脈経営でつくられた、まさにめちゃくちゃな不動産融資、そういう実態を知っていながら隠ぺいした疑いがある。そのことによって経営改善の適切な手が打たれなかった。つまり、拓銀の破綻にそれがつながっていったとすれば、大蔵検査というのは破綻に手をかした検査だったと、そういう疑いさえ持たれても仕方がないわけであります。
 まともな検査が行われ、適切な手が打たれ、健全性確保のための指導が行われていれば破綻しなかったかもしれない、そういう重要な問題なんです。しかも、脱税の手助けをしたという疑いまである。乱脈経営を行った経営者に第一義的な責任があるのはもちろんだけれども、破綻の原因に大蔵省がかんでいたとすれば、極めて重大であります。
 政府は三十兆の公的資金の投入の枠組みを決めた。その理由として挙げているのが、いや、拓銀が破綻しました、山一が破綻しました、そういう重大な問題が起こって金融システムが不安定になったから三十兆円投入しようという計画を出してきているわけです。ところが、その投入する理由となった拓銀は、その破綻は大蔵省が手をかして引き金を引いたということになれば、私は、絶対に国民は納得しないと思います。
 当然、法案の審議の前にその実態を調査し、すべての内容を明らかにする、それが法案審議の前提ですよ。それをやらないで、いや、ともかく三十兆円だけ出してくれと。だれが納得しますか、そういうことを。
 大蔵大臣にお聞きしたいのですが、拓銀はもちろんですけれども、今回問題になっているあさひ銀行、第一勧銀、三和銀行、この四行に対する検査報告書及び検査内容、検査示達書、銀行からの示達回答書、これを当委員会に資料として提出されるようにお願いをいたします。いかがでしょうか。
#120
○原口政府委員 先ほど少し捜査容疑に絞ってお答えをいたしましたのでやや委員の誤解を招いたかもしれませんが、九四年八月に行われた拓銀の検査内容については、その後の、前回の検査もございますし、我々慎重に中身を見ておりますけれども、適正に行われたというふうに考えております。
 それから、検査報告書につきましては、これは各金融機関のいわば健康診断書ともいうべき生の情報でございます。これを公表するということにつきましては、守秘義務の関係あるいはプライバシーの問題、金融秩序等の問題がございます。そういうことで、諸外国においても公表はされていないということについても御理解をいただきたいと思います。
#121
○佐々木(憲)委員 全然調べもしないで適正に行われたなどというのは答弁になっていないですよ。答弁の根拠が成り立っていないですよ。全然理由にならないですよ、資料を出さないというのは。大体、住専のときにも立入調査の結果というのを何回も出しているじゃないですか。具体的な資産の査定の、その貸出先の固有名詞も含めた資料を出したじゃないですか。そういうのは全く、私は出さないという今の答弁は納得できません。
 委員長にお願いしたいと思います。
 今の関係の資料が提出されなければ、私は法案質疑の前提がそろわないというふうに思います。この資料を提出されるように取り計らっていただきたいと思います。
#122
○村上委員長 後日、理事会で協議いたします。
#123
○佐々木(憲)委員 以上で終わります。
#124
○村上委員長 次回は、明四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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