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#1
第142回国会 大蔵委員会 第15号
平成十年三月十八日(水曜日)
    午後六時五十二分開議
出席委員
  委員長 村上誠一郎君
   理事 井奥 貞雄君 理事 衛藤征士郎君
   理事 坂井 隆憲君 理事 浜田 靖一君
   理事 池田 元久君 理事 北橋 健治君
   理事 石井 啓一君 理事 谷口 隆義君
      今村 雅弘君    岩永 峯一君
      大石 秀政君    鴨下 一郎君
      河井 克行君    桜田 義孝君
      杉浦 正健君    砂田 圭佑君
      中野 正志君    根本  匠君
      宮路 和明君    村井  仁君
     吉田六左エ門君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    渡辺 喜美君
      上田 清司君    北脇 保之君
      末松 義規君    中川 正春君
      日野 市朗君    藤田 幸久君
      赤松 正雄君    河合 正智君
      並木 正芳君    小池百合子君
      鈴木 淑夫君    達増 拓也君
      西田  猛君    佐々木憲昭君
      佐々木陸海君    濱田 健一君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 松永  光君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中村正三郎君
        大蔵大臣官房長 武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房金
        融検査部長   原口 恒和君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    溝口善兵衛君
        大蔵省主計局次
        長       藤井 秀人君
        大蔵省主税局長 尾原 榮夫君
        大蔵省関税局長 斎藤 徹郎君
        大蔵省証券局長 長野 厖士君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        大蔵省国際金融
        局長      黒田 東彦君
        証券取引等監視
        委員会事務局長 堀田 隆夫君
        国税庁課税部長 乾  文男君
        通商産業省産業
        政策局長    江崎  格君
 委員外の出席者
        郵政省貯金局資
        金運用課長   篠田 政利君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       岩尾  隆君
        自治省税務学府
        県税課長    片山 善博君
        参 考  人
        (日本銀行副総
        裁)      福井 俊彦君
        大蔵委員会専門
        員       藤井 保憲君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十八日
 辞任         補欠選任
  西田  猛君     達増 拓也君
同日
 辞任        補欠選任
  達増 拓也君     西田  猛君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 平成十年度における財政運営のための公債の発
 行の特例等に関する法律案(内閣提出第六号)
 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第三〇号)
 法人税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第八号)
 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第九号)
 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書
 類の保存方法等の特例に関する法律案(内閣提
 出第一〇号)
     ――――◇―――――
#2
○村上委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河合正智君。
#3
○河合委員 新党平和の河合正智でございます。大臣、お疲れでございますが、質問させていただきます。
 まず最初に、経済企画庁が今月十三日に発表いたしました一九九七年十月−十二月期の国民所得統計速報によりますと、九七年度は、第一次石油危機の翌年の一九七四年度以来、戦後二度目のマイナス成長になることが確定的になったということでございます。この事実を踏まえまして、政府は景気対策の実施が迫られていると思いますけれども、この点につきまして大蔵大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#4
○松永国務大臣 九七年十−十二の状況が大変厳しい結果として数字に出たことは承知をいたしておりますが、あの時期はアジア地域の通貨、金融の大変な問題が発生をし、かつ我が国内でも大型金融破綻等が起こり、国民の中に非常な不安が広がつた、雇用不安もあった、そういうことから消費者もあるいはまた企業の方も大変マインドが冷え込んできた、その結果がああなったのかなというふうに私は思いました。
 これを大変重大に受けとめて、御存じのように二兆円の特別減税その他の手が打たれた、こう思うのでありまして、それによってあの最悪の事態は、金融システム安定化の法律を通していただいてそれを実行に移しましたので、金融システムについての信認も相当程度回復しつつある、こういう状況が現在の状況ではないかな、こう思っております。
    〔委員長退席、浜田(靖)委員長代理着席〕
#5
○河合委員 ただいまいみじくも大臣仰せでございますが、この国内の問題と国際的な状況、アジア通貨危機を踏まえまして繰り返し報道されておりますけれども、ルービン財務長官、またサマーズ財務副長官の内需を刺激するのに財政政策が最も効果的な状況に思えるといった三月十三日の報道等、いわゆる海外から見た日本に対する要望といったことの一連の報道につきまして、大臣はどのように受けとめておいででございましょうか。
#6
○松永国務大臣 今ルービン氏やサマーズ氏の話がございましたけれども、そういう意見、要望というものが出ていることは承知いたしております。
 しかし、我が国としては、我が国の財政事情その他もありますし、やはりそのような外国の人の意見も意見として承ることにいたしますけれども、日本の置かれている状況等を日本人みずからが自主的に判断をして、そしてそのときそのときの状況に応じて最良の手段をとっていくのが日本の政治に課せられた使命であろう、こう私は思っております。
#7
○河合委員 大臣のお言葉とはやや異なりまして、アジアがアジア通貨危機を起点として日本に期待しているのは、アジアの輸出吸収力を日本に期待しているというふうに受けとめられますけれども、そういった場合に、例えば中国は人民元を切り下げないで頑張っている、日本は財政均衡ばかりに専念しているというように受けとめられておりまずけれども、この点につきましては、いかがお考えでしょうか。
#8
○藤井政府委員 お答えいたします。これは既に予算委員会あるいは当大蔵委員会でも大蔵大臣からたびたびお答えをいたしておられるところでございますが、やはり財政構造改革の必要性というものは、先生既に御存じのとおり、やはりこれからの福祉の社会あるいはまた健全で活力ある経済社会をつくっていく上では、ぜひとも避けることのできない喫緊の課題であるというように考えております。
 他方、これもお答えが既になされておるわけでございますけれども、その時々の経済あるいは金融情勢に的確に対応していくこと、これも当然に必要なことでございまして、この二つの問題といいますのは、二者択一の問題ではないというように私どもは考えております。
 こういうことから、先般成立させていただきました九年度補正予算あるいはその関連法案というもの、これを着実に執行していく、あわせてまた、現在提案をさせていただいております十年度予算、さらにはこれらに絡みます関連法案、その成立をぜひとも早期にお願いし、そしてそれを実施に移していくということがこれらの状況に的確にこたえる道であるというように考えております。
#9
○河合委員 財政均衡と景気対策もしくは内需拡大というのは二者択一の問題ではない、こういう御認識でございます。
 そこで、今議題となっております公債特例法、この第二条第一項、「平成十年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。」したがいまして、この法律を可決いたしますと、予算総則に本予算で定める金額が書かれるわけでございますが、仮に追加景気対策が必要になって補正予算を組んだ場合には、それはその補正予算の総則に書き込まれることになってまいりますけれども、本委員会で審議するのは、この法律、一年間の授権という立場からしますと、その機会を逸するおそれがございますので、その辺を詳しく議論させていただきたいと思います。
 といいますのは、先ほど矛盾するものではないとおっしゃった景気対策と財政均衡。しかし現実に財革法の縛り、これは予算委員会等でも議論された論点でございますけれども、第一原則、特例公債は毎年度減額していく、第二原則は、特例公債は二〇〇三年度はゼロにする、それから第三原則は、国、地方を通じた財政赤字を二〇〇三年度にはGDP比三%以下にする、この命題があるわけでございます。
 しかし、本議題となっております特例公債の発行枠、これは、九七年度予算と九八年度予算を比較しまして三千四百億円という発行枠でございましたけれども、九七年度補正が加わりましたので一兆四百八十億円が加算されて、したがって、枠としては一兆三千八百八十億円ということになったわけでございます。しかし、これは非常に選択の幅が狭くなっているといいますか、特例公債についてはこの枠しか発行できない。したがって、減税財源としてはこれしかないと言えるのかもしれません。
 一方、建設国債につきましては、同じく財革法でございますけれども、公共事業費で、一九九八年度は前年度比マイナス七%、九九年度は前年度以下、二〇〇〇年度は前年度以下、しかしこれは当初予算のみの縛りである、このように考えますと、補正による積み増しというのは可能である。また、我が党の石井委員の予算委員会での質疑で、大蔵省の答弁によりますと、トータルとしての公共事業費の財革法における縛りは、二〇〇三年度までの期間内の枠であるという答弁がなされております。
 そうすると、例えば景気対策ということを考えました場合に、公共事業費についてはある意味で多額の公共事業費を組んでいける、しかし減税財源としての特例公債の発行枠は非常に縮減されているということからしますと、私は、予算委員会で我が党の神崎代表が指摘いたしましたように、アメリカにおきますように、景気が低迷した場合における財政改革を一時的に停止する弾力条項を設けない限り、この矛盾する命題を乗り越えられないと思いますけれども、改めて大臣のお考えをお伺いさせていただきます。
#10
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 今先生おっしゃいましたように、昨年成立させていただきました財政構造改革法におきましては、特例公債につきまして各年度縮減を図っていく、そして平成十五年度にはその発行からの脱却を図るという目標が定められております。また、それと同時に、一方では、国、地方を通じます財政赤字につきまして、対GDP比を平成十五年度には三%以下とするというような規定、さらには公債依存度を平成九年度に比べまして縮減を図っていくという規定がございます。
 したがいまして、建設公債につきましても、先生おっしゃるように、各年度について具体的な縛りがあるわけではございませんけれども、先ほど申し上げました目標との関連から申し上げますと、やはり全体としては抑制を図っていくというようなことが、対GDP比の三%以下とか公債依存度の観点からは、少なくとも平成十五年度においては目標として設定をされているところでございます。
 さらに申し上げますと、建設公債といえども、その発行に係ります元利の償還、これは場合によっては特例公債に依存せざるを得ないということもございますので、結果といたしましては、財政赤字の問題に帰着するということでございます。
 さらに、先生おっしゃいました建設公債の場合、これはもちろん公共事業が中心でございますが、やはり財政法の規定から申し上げますと、建設公債といえども、財政法の節度、財政節度からいえば、いわば例外の規定であるということでございますので、私どもは、この建設公債についても、そういう財政節度の観点から考えていく必要があろうというように考えております。
 なお、従前の景気対策におきましては、先生おっしゃいますように、建設公債を財源とする公共事業とか、あるいは赤字公債を財源とする減税等、各種の組み合わせで経済政策を行ってきたわけでございます。これは、その具体的内容とか、あるいはその時々の経済情勢というものを十分に勘案して適切に行ってきたものでございます。
 今年度におきましては、先ほど申し上げましたように、この提出いたしております十年度予算、これが最善のものであるということで、でき得る限り早期の成立をお願いしたいと思っております。
 それから、最後におっしゃいました、アメリカに倣った財政構造改革法についての停止条項につきましては、これも総理の方からたびたび、また大蔵大臣からも御答弁申し上げておるわけでございますけれども、一つの立法政策としてはあり得るのかなという感じはいたしております。ただ、現実問題として、具体的にどういうような規定を設けるかというような問題、当否の問題は別といたしまして、極めて難しい問題があるということでございます。
 とにかく、私どもが今申し上げられますことは、現在提出している十年度予算案の早期成立、そして執行というものをぜひともお願いしたいと思っております。
#11
○河合委員 大臣、一言お伺いをさせていただきます。
 この財革法につきましては、総理も一月二十日の予算委員会で、この財革法を考えた時点というのは、その後の大規模金融機関の破綻であるとかアジア経済情勢というものは何ら表面化していなかった、その中でまとめた議論だ、事情が変更しているということをおっしゃっておりますが、その点を踏まえまして、先ほどの停止条項についてどのようにお考えでございましょうか。
#12
○松永国務大臣 財政構造改革の必要性、これは現在も変わっていないというふうに私たちは思っております。
 実際、国債を中心にして国と地方の長期債務が五百兆を超しているという状況、これはあらゆる努力をして縮減していくということにしなければ、我々の子や孫に大きな負担を残すことになります。同時にまた、債務の利払いあるいは元金償還のために将来は多くの資金を使わなければならぬということになる、結果として必要な施策が行いにくくなる、いわゆる財政の硬直化を招くということも想像にかたくない等々のことを考えますと、大変厳しいことではあるけれども、やはり財政再建、財政構造改革へ向けての努力をしていかなければならぬ、こう思っているわけであります。
 それで、予算委員会の中でいろいろな議論がございました。日本の財政構造改革の場合には、先ほどもお話がありましたように、問題は、平成十五年、二〇〇三年度までに特例公債をゼロにするとか、あるいは国、地方を通ずる財政赤字をGDP比三%以下にするとか、そういうことが決められておるわけでありますけれども、しかし、その範囲内で、そのときそのときの経済情勢、景気の情勢を見ながら臨機応変の措置をとることは、その可能性は残されておるわけであります。アメリカのOBRAの場合はがっちり歳出と歳入を決められておるという状況でありますから、それを緩和するための措置がOBRAの場合にはある。日本の場合には、もともとがっちりしたものではない、多少のゆとりはあるというのが日本の財政構造改革法の仕組みだというふうに思います。
 その仕組みの中で、臨機応変の措置をとって、そして景気対策などをやるということは、これはそのときそのときの施策としてはやるべきことでありますし、また許されることである。しかし、中期の目標である二〇〇三年までの先ほど申したような目標、これは実現に向けて努力をしていかなければならぬ目標だ、こう考えておるわけであります。
#13
○河合委員 ここに持っておりますのは「予算と財政法」という、小村武前事務次官の著作になる書物でございますけれども、財政法四条、これを考えますときに、財政法制定以来一九六五年まで、建設国債、特例公債が発行されておりません。これはなぜでしょうか、簡単にお答え願います。
#14
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 今先生おっしゃいましたように、一九六五年度までは、建設公債、いわんや特例公債についての発行というものはなかったと承知をいたしております。
 これは、当時のいわば税収等の歳入の諸事情という、歳入面での要因が一つあったというように理解をいたしております。また他方では、歳出面につきまして、当時、いわゆる福祉、社会保障の充実というようなこと、あるいは世界的な経済等々との兼ね合いにおきまして、日本の経済の内需拡大というような要請が求められてきているというようないろいろな歳出面での諸事情ということで、その歳入と歳出とのギャップというものが表面化をし、そして公債の発行につながってきたというように理解をいたしております。
#15
○河合委員 ただいまの御説明を聞きましてもなお、このとき六五年度補正で二千億円の国債が発行されておりますが、これは今日の考えでいきましたら建設国債で分類されることだと思いますけれども、特例公債で発行されております。といいますのは、日本の財政というのは、財政法に非常に忠実に財政均衡主義、この第四条というものを非常に忠実に解釈してきたのではないかと思います。
 そこで、私が質問申し上げたいのは、ここにおきます例外として認められている公共事業費という解釈でございますけれども、先ほど申し上げましたこの「予算と財政法」によりますと、公共事業費等に限って公債発行を認めるというのは、負担の世代間公平という考え方と、もう一つは、経費支出の見合いが国の資産となって後々まで残って国民全体が利益を享受するからだという二つの理由づけを書かれております。実は、この二つの理由づけこそが、まさにこれ以後発生する公共事業費膨張財政主義を引導していった一番大きな原因になったのではないか。
 結論から申し上げますと、私は、公共事業費というのをもっと限定的に解釈しない限り、大臣が先ほどおっしゃいました、財革法で仮にどのようにキャップをしましても、それは水道の蛇口を出しっ放しにしておいてバケツの容量だけ小さくしていくような議論を一生懸命やっているのではないかなという観点から質問を申し上げたいと思います。
 この負担の世代間公平ということは非常にもっともな理屈のように聞こえますけれども、実は、例えば今日のように科学技術の進展が著しい時代におきまして、六十年後の人たちに私たちの今建設公債でつくったものについて世代間の公平感というのはあり得るのかどうか、また、それは非常に言葉のマジックに陥っているのではないかという疑問を私は持っております。
 また、経費支出の見合いが国の資産となっているというのですが、これは資産と負債という形で形式的に置けばそういうことになりますけれども、企業会計で言うような、資本投資をすれば、それが利潤を生んで、最終的にはその投下資本を吸収していくんだという感覚はこの議論の中には全くないわけでございまして、これもある意味では言葉のまやかしといいますか、この二つの考え方に基づく公共事業費の考え方そのものが、私は、今日の膨大な、先ほど大蔵大臣がおっしゃいました財政の硬直化を招いている原因ではないかと思います。
 したがいまして、私は、この財政法の四条というのは、立法の原点に立ち返って、やはり財政均衡主義というものを厳密に原則としてとらえた上で、公共事業費というのは、そういった現在この二つの理由づけで恒常的に行われている支出なのではなくて、景気対策として臨時的に、しかも選択の幅を持ってチョイスできるものとして、臨時的に支出される財源として建設公債を限定的に解釈していかない限り、今日の私たちが議論している問題というのは解決しないと私は思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
    〔浜田(靖一委員長代理退席、委員長着席〕
#16
○藤井政府委員 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、財政法におきましては、建設公債につきましては、公共事業あるいは出資金、さらには貸付金といった経費に限定いたしまして例外的に建設公債の発行が認められているというものでございます。私どもといたしましては、この財政法の精神というものを考えますと、後年度負担というものを考えて、受益者が後年度受益をし得るであろうというようないわば建設公債の概念に合致するもの、そういう経費に限定してこの建設公債の発行を認め得るというふうに、財政節度の観点から考えますと、やはり一定の範囲というものがどうしても必要ではないだろうかというように考えております。
 ただ、先ほども申し上げました、繰り返して恐縮でございますが、今回の財革法の中で平成十五年度という一連の目標が一つのいわば目標として掲げられているわけでございますから、私どもといたしましては、この建設公債といえども安易な発行というものは避けるべきであるというように考えております。
 それから、先生おっしゃいました企業会計的な考え方を取り入れてはどうだろうかという話もございますけれども、まさしく、いわば国の予算、公経済といいますものは、もう先生に申し上げるのも既に御存じのことと思いますけれども、あくまでもいわば民間企業のなし得ないもの、それを国が行うということでございますので、利潤を追求するといったような企業会計、その観点からのアプローチはなかなか難しいのではないだろうかなというように考えております。
#17
○河合委員 最後のところは私の申し上げたかったことをちょっと誤解されておりますけれども、この議論はまた後日させていただきたいと思います。
 いずれにしましても、私は、この適債事業としての公共事業の歯どめというのが崩れている、これをどうするかということ。また耐用年数につきましても、六十年というのはいかにも長い。情報インフラ、福祉等のインフラ整備といったことから考えますと、こういった考えが現在に適合しているかどうか、非常に疑問を持っております。
 きょうは、長野証券局長に来ていただいておりますので、ひとつお伺いさせていただきます。
 本日の予算委員会での証人喚問で、松野前証券局長は、一つは、一月の二十三日に松野氏と堀田氏が三木副社長に会ったという点について証言を訂正されております。それからもう一つ、証券事故としてこの件を処理するかもしくは飛ばしを続けるか、証券事故として処理すれば適法であり、飛ばしを続ければ違法ということを前提にして、この二つの選択肢があると申し上げた、あとは四大証券たる山一証券の会社の判断の問題だということを証言されました。
 この点を踏まえまして、しかし、これは適法処理していないということは、証券事故として大蔵省への届け出がなかったわけですから、明白ですね。あとは、飛ばしを続けていったのではないかという限りない疑惑というのは松野前証券局長は当然お持ちだったということがはっきりしたわけでございますが、こういつたことにつきまして、代々の証券局長として、機関として引き継ぎはなかったのですか。
 もう一問、ついでにお願いしたいと思います。
 その点と、山一の関係者の証言でございますけれども、これは長野証券局長の時代になってからの話でございますが、再建をどうするか決まっていない段階で急にやめればトラブルが起きて大変なことになる、とにかく時間が必要だった、長野証券局長からもストップの指示はなかったという証言がございます。これは長野証券局長がどうにかしろという指示をしたということではなくて、長野証券局長から、飛ばし、違法行為をストップしろという指示がなかったという関係者の証言がありますけれども、これは、そういった重要な事項については当然証券局長は代々引き継がれているものだという前提でこの証言があるわけでございますが、この点についての証券局長の見解をお伺いさせていただきます。
#18
○長野政府委員 第一点は、以前にも国会で御答弁したことがございますけれども、私と松野の間に二人証券局長が入っております。まず、私は前任者からこの件について全く引き継ぎを受けておりませんでした。そこで、前任者及び前々任者に、あなたたちはその時点で何らかの引き継ぎを受けておりましたかということはお伺いしましたけれども、彼らも引き継ぎを受けていないということでございましたから、つながってきておりませんでした。
 それから、後段のお尋ねでございますけれども、私になりましてから、報道等がございました。その折々は、私どもは山一の方に、この報道があるけれどもどうだということにつきましては問い合わせもいたしましたけれども、そういったことはないということでございました。
 それから、当時の会長、社長と私は何度か会ったことはございますけれども、私が知っておるのではないかということを示唆するようなお話もございませんでしたし、会長さんは、全くああいう報道は事実無根でございますというお話でございましたので、私は、一〇〇%信じておったかということになりますと、重大な情報だなとは思っておりましたけれども、少なくとも自分が承知しておったことはございません。
#19
○河合委員 終わります。
#20
○村上委員長 次に、赤松正雄君。
#21
○赤松(正)委員 私の方からは、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 まず、この法案審議に関連をいたしまして、当委員会でも今日までにたびたび取り上げられてきたことかとは思いますけれども、まず関税率審議会のあり方ということにつきましてお聞きをいたしたいと思います。
 この関税率審議会の構成、人数、会長、また現在の構成になったのはいつからなのか、任期はどれぐらいなのか、こういつたことにつきまして、冒頭お答えいただきたいと思います。
#22
○斎藤(徹)政府委員 関税率審議会の構成についてでございますけれども、法律上の定員は四十五名ということになっておりますが、審議会の委員を縮減するという方針のもと、現在、委員の人数は三十五名というふうになっております。
 委員の任命につきましては、審議会の設置趣旨、目的に照らし、委員により代表される意見、学識、経験等が公正かつ均衡のとれたものとなるように留意しているところでございます。このうち、省庁出身者の委員につきましては、行政経験に基づく知識や特定の立場にとらわれない意見を審議に反映させる観点から、また産業界からの委員につきましては、関税率等の改正がその対象となる物資あるいは産業に及ぼす影響にかんがみまして産業界からの意見を審議に反映させる観点から、選任しているところでございます。
 なお、省庁出身者である委員の数が特にふえているということではありませんで、また最近では、学界、言論界、消費者団体、女性有識者といった幅広い分野からの人選に努めているところでございます。
#23
○赤松(正)委員 今お答えの中で省庁出身の数についてお話がなかったですけれども、いただいているペーパーを見ましてもどなたが大蔵省出身であるかよくわからないのですが、三十五名中、大蔵省出身の方は現在のこの審議会の委員の中で何人いらっしゃるのでしょうか。
#24
○斎藤(徹)政府委員 関税率審議会の委員のうち、大蔵省OBの委員は五名でございます。
#25
○赤松(正)委員 前任者は大蔵省の事務次官であった竹内道雄氏だったということで、今は会長ではなくて、現在の会長はフランス文学者の木村尚三郎東京大学名誉教授だということをお聞きいたしておりますけれども、その委員の中に大蔵省出身のメンバーが五人いらっしゃる。これはちょっと私はいかがかと思います。
 審議会への相次ぐ批判の中で、政府としては原則として所轄官庁の出身者は委員に任命しない、そういう閣議決定があるはずだと私は理解をいたしておるのです。原則として所轄官庁の出身者は委員に任命しない、同時に、やむを得ない場合でも会長などに任命しない、そういう閣議決定があるはずです。この点についてどう考えるのか、その点について。
#26
○斎藤(徹)政府委員 ただいま御指摘の閣議決定については承知しているところでございます。
 現在の関税率審議会の委員の人選について、ただいま御指摘を受けました閣議決定による原則に必ずしも反していることはないのではないかというふうに理解しているところでございます。
#27
○赤松(正)委員 いや、要するに所轄官庁の出身者は委員に任命しないという原則がある、それに違う形で五人もメンバーが入っているという事実があるにもかかわらず、その閣議決定にそぐわないことはないというのはおかしな言い方だと思いますね。どうしてこの閣議決定を守ろうとされないのかということが一つ。
 それから、きょう私が質問させていただくのは、一貫して消費者サイドからの通関行政というか、税関行政というものを確立すべきだという角度でお話を進めたいと思っているのですけれども、そういう消費者代表という角度がやはり必要であるというふうに考えます。安易に産業者側の代表、あるいは行政に通じているからといって省庁の代表、そういったことは、政府サイドといいますか、おぜん立てとしての大蔵省の関税局の皆さんの考え方というものが結局は全体に色濃く反映するということになってしまう。本来的な意味の関税率審議会の役割をなさないのじゃないかというふうに考えます。
 もう一遍、その閣議決定に反している現状、三十五名中五人もの大蔵省関係者がいるということについて、そして消費者の代表が入っていないという観点についてお答え願いたいと思います。
#28
○斎藤(徹)政府委員 関税率審議会の性格上、いろいろな物資についての関税率を具体的に御検討いただくわけでありまして、その中で、私ども役所としましては、総括的な立場からこの関税率改正の取りまとめをしているということであります。一方で、関税率審議会に大蔵省のOBの方々に委員になっていただいておりますのは、公正中立な立場から関税率審議会の審議内容について意見をいただきたいという観点でありまして、決して役所としてのあるいは関税局としての物の考え方を反映させるという趣旨ではないわけでございます。
 それから、消費者につきましては、一名の方に代表として委員になっていただいているところでございます。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#29
○赤松(正)委員 大蔵省だからいけないというふうな言い方に聞こえておられるのかもしれませんが、今、日本全体で取りざたされている問題というのは、後ほども申し上げますけれども、関税局という立場で、日本の関税、通関行政というものに携わっている人たちが主宰するこの関税率審議会の中に大蔵省の関係者が三十五名中五名も入るということについては、皆さん方にそういう意識はなくても、公平中立を旨としてやっていくと言われていても、結局は消費者サイドの意見というものが薄められていくということを私は指摘をしたいと思います。
 関税定率法二十二条の中に、財政、産業、貿易等に関し学識経験のある者のうちから大蔵大臣が任命し、任期は二年、再任を妨げない、こういうふうな規定があるということから見れば、先ほどから局長がおっしゃっている観点に、特段、法に間違っているということはないのでしょうけれども、私は、やはりこの構成メンバーの中に、先ほど消費者代表としての位置づけをもって入っていただく人が一人とおっしゃっていましたけれども、さらに今後はそういう一般消費者の感覚を持った人を入れていくべきだ、そういうふうに思います。
 日本の貿易という観点からしても、消費者の代表というのはどういう人を指して消費者の代表というのかというのは、実際に選ばれる側からすればいろいろ難点があるというふうに思われているだろうと思うのですけれども、例えば我々が一般的に世の中の普通の庶民が考えるような意見を代弁する形では、テレビのさまざまな政治関係のトーク番組だとかそういった場面に出てくる評論家の皆さんとか、あるいは学者の皆さんなんかでも、そういう日本の貿易のあり方というふうなことについて一家言持っている人は随分たくさんいらっしゃるというふうに思うのです。
 現在の関税率審議会の三十五人の方のお名前をずっと見ましても、なかなかそういう私が今申し上げたような、普通の一般庶民感覚というものとは少しほど遠いなという感じを持つ人ばかり、だれかれとは申しませんけれども、そういう印象を強く抱くわけでございます。
 改めて、今申し上げた点について、もう終わりますので、局長あるいは大臣にお考えを聞かせていただきたいと思います。
#30
○斎藤(徹)政府委員 現在の関税の主な機能は、保護関税ということで産業の保護に重点があるわけでございますけれども、そうした機能を持つ関税について制度を立案していく上で、先生御指摘のように、消費者サイドの声を反映していくということは極めて重要であるというふうに認識しているところでございます。
 今後、関税率審議会の委員の人選に当たりまして、できるだけ今おっしゃったような趣旨が生かされていくように、幅広い分野から委員になっていただくように努力をしてまいりたいと思います。
#31
○松永国務大臣 私は、関税率審議会委員に、理解ある消費者代表、こういう方が入ることはいいことだ、こういうふうに思っております。
 これは私の個人的な見解になるかもしれませんが、関税の歴史からいえば、最初は、どうしても自国の産業を守りたい、保護したいということで関税を設け、それを高くしておったという時代がありました。しかし、そういうやり方は、結局においては世界の経済、世界の貿易を縮小させてしまって、そして世界にとってもその国にとってもプラスにならない、そういう時代になってきたわけですね。特に日本のような貿易立国という国是を持っている国の場合はなおさらのことでありまして、しかしながら、一面においては、やはり弱い産業はある程度は守っていかなければなりません。そういった点を総合的に勘案しながら、国民全体の利益を考えての関税のあり方、そういったものを審議していただくだけの学識経験、そしてまた消費者としての健全な物の考え方、こういった方々で構成されるのが望ましい、こういうふうに私は思っておりますし、その中で消費者代表というのもこれは大事にされなければならぬというふうに私は思います。
#32
○赤松(正)委員 今の大臣の御答弁は、非常に私は大事なことをおっしゃったと思います。個人的だけれどもと断られましたけれども、ぜひ大蔵大臣として在籍されている間に、今おっしゃったような点を大胆に実行に移していただきたい、そんなふうな感じを持ちます。
 先ほどの大臣の御答弁にもありましたけれども、関税が輸入商品の価格にはね返るという意味からいっても、国民消費者生活にとりまして非常に重要な影響を与えるということは論をまたないと思うのですね。それだけに、この審議会での議論というのは、私は非常に重要なものだと思います。
 従来、ここでの議論内容の細かい点というものが余り公開をされないで、ただ結論が発表されるだけなどの指摘がなされてきましたけれども、最近はそうでもないということで、最終的には、関税率審議会があった後、企画課長からの記者発表があったり、あるいはまたインターネットを通じてホームページによる公開もされているということで、私は、この委員会に入る前にこの関税率審議会の議事要旨についてのホームページを引っ張り出しました。
 なるほど平成七年十一月二十八日及び十二月十五日開催分から一回、二回、三回、四回と、平成八年の前半と平成八年の後半、それから平成九年の前半と、この四つについてはるる非常に興味のある中身が書かれておりまして、過去において関税率審議会の中身は余りよく国民にわからないという批判は当たらないなという感じはいたしましたけれども、一番最近の今回の平成十年度の関税率に関する審議会、今回の法案の中身を決定するに至った審議会であろうと思うのですが、平成九年九月二十四日と十一月十八日及び十二月十九日開催分については全く中身が出ていなくて、ずらっとタイトルだけが一から六まで、私たちがいただく法案の要旨みたいなものだけがホームページ上に上がっているというのはなぜか逆行しているような感じを抱きますけれども、どうしてこういうふうになってしまったんでしょうか。この三回にわたる関税率審議会では公開すべき中身がなかったということなんですか、それとも公開したらまずいような中身が展開されたんでしょうか。このホームページになぜ載っていないのかということについてお聞かせ願いたいと思います。
#33
○斎藤(徹)政府委員 関税率審議会の内容の公開につきましては、今先生から御指摘のありましたように、従来より運営の透明性の確保に努めてきているところでございます。
 昨年の十二月の関税率審議会総会あるいは調査部会の議事内容でございますけれども、議論の中身といたしましては、おおむね答申に盛られている内容どおりの議論があったということもありまして、やや簡略化された形で議事要旨を公開しているというふうに承知しておりますけれども、今後とも議事内容が適正に公開されるように努力をしてまいりたいと思います。
#34
○赤松(正)委員 今局長がおっしゃったことは、私が事前に課長から聞いていることとかなり違うんです。といいますのは、今回のこの関税率審議会において、要するに特恵関税のありようというものについてかなり幅広い議論が展開をされたというふうに理解をいたしております。
 それは非常に重要なことがあるというふうに思いましたので、私は詳しい中身をホームページ上から見ようと思って見たんですが、それは全く書かれていない。つまり、シンガポールとか韓国とか台湾地域とか香港地域とかという、いわばかつては発展途上国だったかもしれませんが、今やアジアの中における代表的な先進国の中に仲間入りするような国・地域が日本の特恵受益国になっているという状況はいささかおかしいなという感じを持っていたんですが、まさにそのことについての議論が今回の関税率審議会の中で幅広く展開をされて、そしてアメリカやEUではこうした国々を特恵受益国という対象から外すということが実際に行われているようですけれども、日本もそれに追随するというか、日本もそれに見習うというか、そういう形の議論があった、そして一定の結論を出したというふうにお聞きをしているんですけれども、その辺はどうなんでしょう。
#35
○斎藤(徹)政府委員 ただいま御指摘の点は、先進国に仲間入りをしたと見られる一部の国々について、主として開発途上国に供与しております特恵関税を適用除外にしていくという措置にかかわる議論でございます。
 この特恵の卒業は、もとより一部特定国をねらい撃ちにしてやるというよりも、客観的な基準に従って卒業国を定めていくべき性格のものでございますけれども、たまたま審議会の答申内容に盛り込まれております特恵卒業の基準に従いますと、韓国あるいは台湾、そういった国々が対象になってくるわけでありますけれども、当時の関係国、韓国あるいはシンガポール、台湾等々の経済情勢との関係で、特恵卒業について審議会である程度の議論があり、そしてまた、そうした国々の当時の経済状況について審議会全体として配慮があったことは事実でございます。
#36
○赤松(正)委員 ですから、ぜひそういう中身についても公開をきちっとしていただきたい、こういうふうに強く要望をしておきたいと思います。せっかく関税率審議会の中身について公開をしてきているという流れが、このような形で途絶えるというのはまずいというふうに思います。
 そこで、私は具体的な点で何点かお話ししたいと思うのですけれども、関税をめぐる問題につきましては、例えば保税地域強制搬入制度の障壁だとかあるいは高関税の障壁、輸入規制の障壁あるいは通関士参入規制の障壁などといった代表的なこういう障壁、課題といいますか、そういうものがかねてより指摘をされているわけですけれども、こういったテーマをどしどし取り上げて、積極的な議論が公開されてこそ本当の審議会じゃないかというふうに考えます。
 まず、保税地域強制搬入制度の障壁といいますか障害といいますか、これについて取り上げたいと思うのですけれども、保税地域の設立というのは、慶応年間にさかのぼって、まさに鎖国思想の生き残りだという指摘をする向きもあります。通関のスピードというのは、例えばアメリカに比べると二倍は時間がかかる、こう言われております。こういった点についての現状認識というのはどんなふうになっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#37
○斎藤(徹)政府委員 私ども、貿易の活性化を図り、国民生活に稗益する観点から、迅速な通関を図っていくというのは極めて重要な政策課題であろうというふうに考えているところでございます。
 御指摘のように、現在の仕組みの中では、一部の貨物を除きまして、保税地域に搬入のあったものについてのみ輸入申告を認める制度になってはおりますけれども、保税地域に入りました貨物について、いつ何どき輸入申告をするかというのは、専ら荷主なり輸入者の判断にかかわることでございます。その限りにおきまして、税関としてはいつ申告していただくか、あるいは通関のスピードを上げるという観点から、ありていに言いますと何もなすすべがないということでございます。したがいまして、保税地域の制度があるからといって、これがために通関のスピードがおくれるという関係にない点は御理解をいただきたいと存じます。
#38
○赤松(正)委員 この通関のスピードということにつきましては、先ほど来申し上げている関税率審議会の中にも何カ所か出てきますね。
 例えばこの委員の中でも私が指摘をしたようなことを言っている方がいて、大変な時間とコストがかかっているのは現実だけれども、政府全体としても一段の努力をしてほしいとの意見があった、こういうくだりがあって、それに対して、御指摘のような問題については十分認識しており、例えば去年から関係省庁の課長会議を開催して本件についても意見交換を行っている旨の説明があった、そういうふうなくだりがあります。
 ところが、これはそれなりに頑張りますというふうなことかなと思っておりましたら、一方で、今私が申し上げた、今回詳しく説明をなされていないという分のもう一つの前の審議会の中身の一番最後のくだりで、この関税定率法の一部を改正する法律案の国会審議の中身は、去年のこういつた法案審議の場の説明だろうと思うのですけれども、その中に、税関手続の簡素化については非常に結構であるとの議論が大部分を占めた、こういうふうに出てくるのですが、何かちょっと違和感を感じるのです。その辺の認識というのは、これはそういうふうなことがこの場において展開されたということですか。国会のこの委員会の中で、税関手続の簡素化については非常にうまくいっているというふうな発言があったのでしょうか。
#39
○斎藤(徹)政府委員 恐縮でございますけれども、ただいま御指摘のありましたインターネットの記事、それから昨年の当委員会における審議の状況を承知しておりませんので、答えを控えさせていただきたいと思います。
#40
○赤松(正)委員 御自分たちのところで出しておられるペーパーなんですから、しっかり熟知しておいていただきたいなというふうに思います。
 このくだりについては、私は事前にお話ししなかったということがあってそういうことなのかなという気はしますから、あえてこれ以上言いませんけれども、その辺の現在の税関の手続のありようというものに対するきちっとした認識を持っていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。
 それから、あと、時間が迫ってまいりましたのではしょりまして、通関士参入規制の障壁という問題について最後に指摘をしたいと思いますけれども、通関士が通関業に参入できないことの矛盾というものはいろいろな場面で指摘をされている。ある意味で、その通関士という立場が通関業に参入できないということで、結果的に通関業者の地位というもの、立場が保障されているということも言えるわけだと思うのですけれども、この通関業者を監督指導しているのが税関なわけですよ。
 その通関業者というものが、結局、税関官僚の、大蔵省の関税局の皆さん、最終的にはそういうことになると思うのですけれども、税関官僚の天下り先になっているという指摘がなされているわけです。私も、そのことについて今回質問するに当たって若干調べてみましたけれども、やはりここでも御多分に漏れず、各地域の税関の長がその立場を終えられた後そういう通関業者に天下りをしておられる、こういう事実というものが非常にくっきりと浮かび上がってきた。どこでも指摘されていることなんですが、やはり関税局、おまえもかという感じがするわけです。
 例えば、私は、一九九〇年から九四年までの五年間、ごく最近のところは調べてはいないのですが、この税関長から通関業者に天下りした人々のリストがあるわけです。大阪、横浜、神戸、名古屋などのいわゆる大きいところの税関長は、もちろん途中経緯としてまた違う大蔵省のポストに行かれるわけでしょうから、その職で退職をされているというケースはほとんどないようですけれども、門司、長崎、函館、こういつたところの税関長退職者二十人中十三人、先ほど申し上げた五年間に六五%にも及んでいる。こういった実態ということにつきましてどういうふうに考えられるか、最後に大蔵大臣にお聞きして終わりたいと思います。
#41
○斎藤(徹)政府委員 ただいま御指摘のありました事実関係につきましては、私ども手元に資料がありませんので確認はできませんけれども、一般論として申し上げますと、税関職員の民間企業への再就職は、基本的には企業と個人との私的な雇用契約の問題であるというふうに存じます。しかしながら、限られた定員、ポストの中で、活力ある行政組織や公務能率維持のため、高齢職員の一部について、高齢職員と申しましても五十歳代半ばということになろうかと思いますけれども、こうした高齢職員の一部について、勧奨退職を行っておりますこととの関係上、税関としても職員の再就職問題につきましては重大な関心を持っているところでございます。具体的には、税関在職中の知識、経験などを有する人材を企業の方から要請してくるような場合には、それが通関業界であろうと、あるいはそれ以外の分野であろうと、税関としてもしかるべき職員を紹介することがございます。
 このように、税関としましては、あくまでも企業の要請と退職職員との間を仲介している場合があるということでございます。
#42
○赤松(正)委員 終わります。
#43
○井奥委員長代理 次に、西田猛君。
#44
○西田(猛)委員 自由党の西田猛でございます。議題になっております法律案などについて質問をさせていただきたいと思います。
 大臣、それから当局の皆様、また委員も、夜遅くまでお疲れさまでございますけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、私は、いわゆる特例公債法について御質問を申し上げたいと思うのであります。
 これはもう言うまでもなく、財政法第四条の第一項は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」こういうふうに定められているわけでございます。そこで、このいわゆる特例公債と呼ばれる財政運営のための公債の発行とは、この財政の基本に関して定められた財政法の趣旨に反するのではないかという非常に根源的な疑問が起きてくるのでありますけれども、これについてはまずどのようにお考えをいたしておられますでしょうか。
#45
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 今先生がおっしゃいましたように、財政法第四条、御承知の財政節度ということで健全財政主義がうたわれている、そしてただし書きにおきまして建設公債がいわば例外的に認められているということでございます。そういうことから申し上げまして、残念なことではございますけれども、どうしても歳入と歳出とのギャップ、各般の努力を年々予算編成過程で行っておるわけでございますけれども、なおそこに残るいわば収支残というもの、これが現にございます。
 そういうことから申し上げまして、まさしく今国会そして本委員会におきまして特例公債法案として御審議をお願いしているということでございます。
#46
○西田(猛)委員 そのようなお答えでありますけれども、大臣、いかがでございましょうか。これはひとつ当局の御意見というよりは、国民に選ばれた政治家として大蔵省を指導しておられる政治家である、また大蔵大臣として、普通、御家庭とかであれば、入ってくる収入が幾ら、そうするとそれに合わせて出るを考えていくのが普通であると思うのです。にもかかわらず、こういうことがずっと、昭和五十年度の補正予算以来続けられてきたということが今の我が国の赤字財政の体質を築き上げてきたわけでございまして、大臣いかがでしょうか、今後の財政運営の意味合いも含めて、この特例公債法、今年度はやむなしというふうに我々も考えますけれども、平成十一年度以降の、要するに次々年度の財政運営についての心構えも踏まえて、いかがなお答えをいただけますでしょうか。
#47
○松永国務大臣 今委員のおっしゃったようなものを原則とすべし、こうなっているのが財政法第四条の一項本則だろうと思いますが、ただし書きで建設公債が認められる、そのまた特例として法律に基づいて足らざる分を補うためのいわゆる特例公債、こういうふうになっていると思うのでありまして、まさにそれは特例なことなのであります。
 しかし、そういう状態を続けていけば、ますますこの赤字は膨らんでいく。その結果は後世代の人に大きな負担を残すことになる。世代間の不公平もあれば、あるいは財政の硬直化も招く。だから、何といたしましてもそういう財政体質を改革をしていこうというのが財政構造改革の精神だろうと思う。
 そこで、大変厳しいことではあるけれども、つらさが伴うけれども、平成十五年度にはその特例的な公債をゼロにするようにしていこう、こういう目標を掲げて進んでいくということにしたのが財政構造改革法だろうと思う。この精神は財政法四条の精神に合致するものでありますし、将来を考えますと、その精神は正しいというふうにしなければならぬというふうに私は思います。
#48
○西田(猛)委員 今大臣は財政構造改革の精神であるというふうにおっしゃったわけでありますが、この委員会でも重々議論を尽くしてはおらなかったかもしれません。しかしながら、いわゆる財政構造改革法と呼ばれていたものは、よくごらんになっていただければわかるのですけれども、これは、実は、毎年度大蔵省が次年度の予算を編成するに当たって予算編成のある程度の枠組みを決めます、そういうものでしかないわけですね。
 各費目についてそれぞれ概算要求基準というものを定める、そういうものを省内でもつくってきておりました。それで何%カットをしょうとか、事務費は何%カット、投資的経費は何%カットというふうなことを内部的にも決めていたわけです。それでは、しかしながら、政治的な外圧に負けてどうしてもそれを逸脱しがちであったので、大蔵省当局の考え方としても、できればこれを法律化してくれれば、立法府である国会がみずからそのことを法律化すれば、その構成員である各国会議員すなわち政治家も余りの無理は言えないだろう、それであれば財政の歳出は削減していけるかもしれないという考え方が潜んでいるわけです。潜んでいるというよりも、そのことが大きく表立って見える法律なんですね。よくお読みいただいたらわかるように、これは歳出の一律削減基準法ということでしかないのです。財政構造の改革を志す法律であれば、一部の例外を除いて、一律七%カットだというふうな法律には絶対ならないはずであります。あらゆる歳出の構造を根底から見直すというよりは、全部がまずゼロだという発想に基づいて、本当に国家百年、あるいは五十年、十年の大計を図るに必要な、国民のインフラの整備のために必要なものは何かというところに国の大切な国民の資源であるところの財政資金を投入していくということが考えられて、初めてこれは財政構造改革法と言えたのであったと思います。残念ながら、通してしまったこの財政構造改革法は、いわば財政削減のための歳出一律削減法でしがなかったということであります。
 そのことを少しこれから証左立てていきたいと思うのでありますけれども、まず、当局からでも結構ですが、昭和五十年度の補正予算で二兆二千九百億円のいわゆる特例公債と呼ばれるものが初めて認められるに至ったときに、これをいわゆる特例法で認めるに当たっていろいろな議論があったと思います。そのときの議論の一端を少し紹介していただけませんでしょうか。
#49
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 昭和五十年度、おっしゃるとおり、四条公債に引き続きまして特例公債が、いわば特例法に基づきまして初めて発行されたわけでございます。当時、先ほどもお答え申し上げたわけでございますけれども、福祉の元年等々いわば社会福祉の増加要因が非常に大きかったというようなこと、あるいはまた国際的な経済環境のもと、我が国の内需拡大が求められている等々といいました歳出需要圧力、これが極めて大きかったということでございます。その結果、歳入と歳出との間のギャップ、足らざる部分が生じてきたということで、いわば万やむを得ないということで特例公債の発行を行ったという経緯があると承知いたしております。
#50
○西田(猛)委員 平成九年度、今年度でも当初予算で特例公債の発行を予定しておりましたけれども、これは幾らの額が予算に計上されておりましたでしょうか。
#51
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 平成九年度の当初予算におきます特例公債の発行額は七兆四千七百億円、十年度予算に対しますと、三千四百億円の増という数字になっております。
#52
○西田(猛)委員 ところで、その平成九年度の当初予算では、私ども新進党の時代からずっと言い続けてきたことですけれども、この現下の我が国経済の閉塞感を打破するには、やはり減税を行って、そして国民の皆様のお手元にあるいは企業の手元にたくさんお金を残す、そのことで国民経済が大きく回ってもらう、国の財政はその分歳出構造の抜本的な見直しで削減を行っていくということを我々は主張してまいりました。しかし、幾たびもの我々の要求そして提言にもかかわらず、橋本内閣そして三塚大蔵大臣、それを継がれた今の松永大蔵大臣も、減税はできないのだということを言い続けてこられたわけであります。
 ところが、昨年の十二月の末ごろになりまして、橋本内閣総理大臣が突然言い出したいわゆる二兆円の特別減税がございました。そして、それが実施されることによってさらに特例公債が増額発行されたわけでございますけれども、この二兆円の特別減税によって増額を余儀なくされた今年度分の特例公債は幾らございますでしょうか。
#53
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 この十年度の予算の特例公債発行額七兆一千三百億円ということでございますが、特別減税によって具体的に十年度予算の特例公債発行額が一対一対応で幾らになるかということはなかなか難しいわけでございますが、極めて単純に申し上げますと、二兆円の特別減税、このうち七割の一兆四千億、これがいわば国税に相当をいたします。このうち約四千億、これが十年度の国の税収に影響をするものというふうに考えております。それに加えまして、その他の十年度税制改正による減収、これが約七千五百億円ということでございますから、トータルいたしますと、極めてラフに申し上げまして約一兆円、さらにこのうち地方交付税のいわばはね返りというものを考えますと、非常に大ざっぱでございますが、九千億円強というものが、この二兆円の特別減税等によって特例公債の発行によらざるを得なかったという数字と言えようかと思います。
 ただ、先ほども申し上げましたように、特例公債発行額といいますものは、全体の歳入歳出予算のギャップとして出てくるわけでございますから、あえてこれを対応させるというのは必ずしも適当ではないのかなというようにも考えております。
#54
○西田(猛)委員 最後のところの主計局次長のお答えが議論を少しあいまいにしてしまいますので、私はあえてそこのところをもう一度おさらいをしておきたいのですが、二兆円の特別減税がなかりせば、今おっしゃったように、地方交付税へのはね返り分を除いて約九千億円の特例公債の増額はなかった、これはこれでよろしいですか。
#55
○藤井政府委員 計算上で申し上げますと、委員のおっしゃるとおりでございます。
#56
○西田(猛)委員 要するに、約二兆円の特別減税が出たから、九千億円分ほど、約一兆円に上る金額の特例公債の増額が余儀なくされたわけでございます。
 ところで、大蔵大臣、私どもは本会議でも予算委員会でも大蔵委員会でも何度も申し上げてきたことでございます。減税をしなければ日本経済は大変なことになるよと。そのたびごとに、与党三党あるいは当時他の野党であられたほかの党からも言われたことは、財源はどうするのだね、新進党の皆さんというようなお話がよく出てきたわけです。我々は、それに対して、大規模な減税をするのであればいっときの赤字公債の発行はやむなきかもしれない、しかし、それより以前にまだまだすることがある、それは、私が先ほど申し上げたように、合成立した財政構造改革法というような法律ではなくして、根本から国の予算編成のあり方を見直し、国の歳出の構造を組み直すような徹底した見直しで不要不急の事業を削っていく、そのことによる財政資金の余剰を減税に振り向けていくことができるのだということを主張してきたわけでございます。
 他方、橋本総理も、それから大蔵大臣も、いやいや財政は今均衡して行っているのだ、したがって、減税をするのであれば特例公債に頼らざるを得ない、そしてそんなことはできないということを言い続けてこられたわけであります。
 一例を申し上げます。平成十年、ことしの二月十八日のこれは本会議でありますけれども、羽田孜議員の質問に対して、羽田孜議員は減税をしろというふうに言っておられるわけです。これは羽田議員の主張によれば、二兆円の特別減税があったけれども、所得税、住民税等の三兆円の恒久減税等々をやっていくべきだという質問をしております。それに対して、橋本内閣総理大臣はこのように答えておられるわけです。「減税についての御意見をいただきました。後世代への負担の先送りである特例公債の大量発行を伴う、そうした問題点もございます。」と否定的な見解を述べておられるわけです。
 これは、大臣、全くおかしいのではありませんか。総理が去年末に途端に言い出した二兆円の特別減税で、現に九千億円の特例公債が増額されているのです。ところが総理は、昔も今も変わらず、減税をするにしちゃ特例公債に頼らざるを得ないからだめだ、こういうことを言っておられるわけですね。これはどんな人が見ても、政策が余りにもふらついている、一貫性がないと言われてもいたし方がないのではありませんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
#57
○松永国務大臣 大型の恒久的な減税というのは、今委員の御所論は、その財源は歳出の大幅な見直し、カットということでございますね。具体的にどこのどういう部分をカットするのかということが必ずしも明確でないという我々の側の判断なんです。そうすると、それは財源は何ですかという話になってくるわけですね。総理の立論は、そういうことによって明確な財源が示されていないとするならば、結局は特例公債に頼るということになるのではありませんか、こういう総理の立論だろうと思います。
 さて、それならば、何で二兆円の特別減税をやることになったのかなという御指摘だろうと思うのでありますが、この点については、もういろいろな機会に総理も答弁され、私も申し上げておるところでありますけれども、とにかく去年の秋深くなってからのあのアジアの通貨・金融の危機、そして国内でも相次ぐ金融機関の破綻、こういった予期せざる事態が発生したこと等もあって、国内においては雇用不安も発生し、そして企業や消費者のマインドも非常に悪化してきた、これを何とかしなければならぬ、そういう考え方のもとに、文字どおり特例の措置として特別減税をされた、こういうことだと思います。
 そうすると、財源がありませんものですから、先ほど主計局次長が答弁をしたように、一兆近い特例公債によって減税せざるを得なかった、この事態を乗り切るために。こういったのが今回の特別減税の措置であったというふうに思うわけでありまして、文字どおり特別の措置であったということでございます。
#58
○西田(猛)委員 御答弁いただきましてありがとうございました。しかし、今大臣言われたように、特例、まさにその特例の措置として減税をしたのであります、こうおっしゃいましたけれども、減税は平成七年も八年もやっていたわけであります、特別減税をですね。九年度も我々はちゃんとやりましょうよと当初申し上げたのです、去年の春に。でも、それはだめだ、こうおっしゃっていたのですよ。ところが、ここへ来てもまだ景気はどんどん悪くなるばかりだからということで、途端にやられたわけです。しかも去年の十二月の末ごろになってそれを急に言い出したものですから、どうだい、できるかという相談を持ちかけられた財政当局は大変だったと思うのですよ、大蔵省の主計局、自治省の財政局は。それで、最初はできないと言ったという内部情報もあります、無理ですと。しかし、何とかならぬかということで、それじゃやりましょうということになって出てきた結果が、今回の所得税法改正法案であり、地方税法、地方財政法、それから地方交付税法等の三法の改正法案であったわけです。それを見てください。大臣、平成十年度にずれ込んでいるのです。二月からやります、三月からやります。しかし、それでもまだ減税し切れない分が残ったら四月、五月と引いていけるのですよ。しかも、住民税に至っては平成十年六月から引かれていくという形になって、十年度にずれ込んだ措置なんですね。余りにも無理だという形が見え見えでございます。見る人が見たら、あるいは普通に見れば、これはもうわかってしまっております。
 私が申し上げたいのは、もちろん、減税がいけないと言っているのではありません。私たちは、もっと早く、もっと思い切った減税をする、それとともに思い切った財政の本当の構造改革をするということを申し上げてきたのでありまして、今大臣御答弁いただきましたけれども、それはもう何度も聞いています。しかし、私たちが申し上げたかったのは、今の橋本内閣の財政方針、財政政策は、やはりどこか物足りないといいますか、本当に国民のためになることであるのかどうかが、いま一つ私たちには訴えられておりません。そのことを申し上げたわけであります。
 それとともに、一つ矛盾を御指摘申し上げたのは、その我々の減税要求に対してできないとおっしゃっていたのは、特例公債を発行しなきゃいけないからだというようなことを言っていたのですけれども、やったら、やはり特例公債を発行されたわけですよね。ですから、これはいろいろな意味で矛盾、そこらあたりほころびが出てきているのであります。
 そこで、大臣、もう一点お聞きしたいのは、本当は、これはもう根本的な現内閣の財政基本方針にかかわることですから、もっともっと詰めて、本当に我々が納得いくようなお答えがいただけるまで委員長預かりにでもしていただきたいような内容の質問だと思うのです。しかし、そういうお答えしかいただけませんので、もう一度お聞きいたしますが、通ってしまった財政構造改革法によっても、平成十年度は集中改革元年のはずであります。二〇〇四年の三月三十一日までに公債の対GDP比率を三%にまで圧縮しようという趣旨でありますから、平成十年度は改革元年なのですが、その十年度にこれだけの、七兆一千三百億円の特例公債の発行を認めるような法律が出てきたこと自体、財政構造改革法の精神に反しているのではないでしょうか。
#59
○松永国務大臣 お答えいたします。
 これも何回も言うことでありますが、財政構造改革法のポイントは、平成十五年度末までに特例公債をゼロにするということ、そして国、地方合わせた財政赤字をGDP比三%以下にすること、それから特例公債については毎年の発行高を前の年よりも少なくすること、ここらあたりが財政構造改革法の主要なポイントだというふうに思うわけであります。その中で平成十年度の予算は編成されておるわけでありまして、平成九年度の発行高に比べてことしの発行高は減らしてあるわけでありますから、これは財政構造改革法に反するものではないというふうに思います。
#60
○西田(猛)委員 少し減っているからとおっしゃって、要するに、特例公債の額が少し減っているから財政構造改革の趣旨に反するものではない、こうおっしゃっているわけですね。
 大臣、それはちょっと立論がおかしいと思うんですね。というのは、平成九年度は財政構造改革法がかかっていないんです。だから、平成九年度
 に当初七兆四千七百億円、それから一次補正で兆四百八十億円が加えられた特例公債があった、それに比べてというのは、これはちょっとおかしいと思います。というのは、九年度は財政構造改革法はかかっていないわけですから。私が言っているのは、十年度からは集中改革元年なのに、それでもやはり特例公債をこれだけリザーブしておきますよという精神自体が財政構造改革法の趣旨に反しているんじゃないかということを申し上げているわけです。
 この大蔵委員会で何度も議論したいわゆる金融システム安定化のための二法案がございました。あれはいろいろと議論もありましたけれども、ある意味では、金融システムの秩序維持、回復のための本質的な制度を含んだ部分もございました。しかし、この財政構造改革法は、何度も言いまずけれども、毎年毎年の予算編成の過程でつくられている歳出削減のプログラムみたいなもの、予算編成の指針が閣議決定されていたわけですよ。それを法律化しただけのものなんです。そんな中で、この二兆円の特別減税により、今主計局次長からお答えがあった約九千億円の特例公債が上積みされてしまいまして、要するに目標年度で目標数値が達成できるためのハードルがまた一段と高くなったんです。
 さて、それで、財政当局からでも結構なんですが、こうやって若干ハードルが高くなってしまった今において、まだ目標年次に目標数値が達成できるということが言明できるのでありましょうか。
#61
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 先生おっしゃいました財政構造改革法、今大臣からもお答えございましたように、各種の目標が定められております。と同時に、各主要な経費等々におきましては、特に集中改革期間中、これについてはそれぞれキャップが定められております。
 これは先生十分御承知のこととは思いますけれども、かつて私ども、概算要求基準、いわゆるシーリングという方式をとっていたわけでございますが、これについての種々の御批判がございました。そういう御批判を踏まえまして、主要経費等々別にキャップを設けられたという経緯がございます。そして、その主要経費等々のキャップにおきましては、あわせてそれぞれ制度改革等々が規定をされているわけでございます。社会保障で申し上げますと、医療、年金等におきましてそれぞれ制度改革の視点等が明記されているという状況でございます。
 したがいまして、今先生おっしゃいましたように、確かに、先般提出をいたしました中期財政試算等をごらんいただきましても、要調整額が非常に大きな金額になっているということではございます。しかしながら、さはさりながら、そういう状況であればあるほど、制度改革等を一層行い、歳入歳出面の努力を行い、平成十五年度特例公債脱却等々の目標を達成すべく、財政当局としては精いっぱい努力をしていくべきものと考えております。
#62
○西田(猛)委員 精いっぱい努力をしていただけるということですが、今主計局次長は、目標年次に目標数値が、いろいろな意味の目標が達成できるように精いっぱいの努力をするとおっしゃったわけです。そのころには、今の主計局次長は大蔵省のどの辺にいらっしゃるのか、あるいはもういらっしゃらなくなってしまっておられるかもしれませんけれども、恐らく松永大蔵大臣はそのときもずっと立派な政治家でいらっしゃると思うのです。ですから、大臣の方から、これはひとつ政治のリーダーシップとしての決意を御表明いただきたいと思うわけでございます。
 それと、まとめてお答えをいただきたいのは、もちろん、それは政党が言っていることだから関係ない、そうだとしても、もしも万々が一、この平成十年度予算が成立して、その後に大型の補正予算を組むとして、その大型の補正予算の中身は、景気対策だと称してまた公共投資をしょうというふうなことが言われています。
 私ども何度も申し上げているように、公共投資というものは本来景気対策とは何ら関係のないものであります。これは、国家の大計を考えて、国民の共通の資産としてのインフラをいかに効率的かつ国民のためになるように整備するかという観点からなされるものだと思うのですね。だけれども、今かまびすしく言われているのは、公共投資を補正予算で組んで景気対策をするんだというふうなことが言われています。もしそういう補正予算を組むとしたら、赤字公債以外の財源は一体どうするんでしょうか。もしも赤字公債でそれを賄うのだとしたならば、今堅持しておられる財政構造改革法の集中改革元年の趣旨にそれこそ反するでしょうし、もし赤字公債以外の財源に求めるのだとしたならば、一体何にお求めになるつもりですか。大臣。
#63
○松永国務大臣 我が党の中で、今委員御指摘のように、必要な社会資本整備を補正予算で追加して進めよう、そしてそれが景気の回復に資するという考え方の議論がなされているということは私の耳にも入ってきます。入ってきますが、私の立場は、あと二週間後に迫っておる平成十年度について、きょうも予算委員会で審議がなされたわけでありますけれども、あの予算と、それからここで御審議を願っておる予算関連法案、それをなるべく早く成立をさせていただいて、九年度の補正予算と切れ目なく実行できるような状態をつくり上げてもらいたい、それを私はひたすらお願いする立場でございますから、党の方でいろいろ言っていらっしゃることについて今の段階でコメントすることは、これはもう御勘弁願いたい、こう思う次第でございます。
#64
○西田(猛)委員 財政構造改革法の趣旨についてはいかがでしょうか。政治家、大臣としての御決意を。
#65
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたように、現在の日本の財政状態、先進国の中で一番厳しい、悪い状態になっておるわけでありますから、後世代のために、こういう状態をなるたけ早く脱却していくということは非常に大事なことだというふうに思っております。
 したがいまして、非常に厳しいことでありますし、つらいことではありますけれども、財政構造改革法に定められておる目標、それを達成するために最大限の努力をしていくのが私は政治家として大事な務めだろう、こういうふうに思っております。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#66
○西田(猛)委員 もちろん、我々は今の大臣の御答弁で納得できるものではないのですけれども、これはもう本当に今国会が始まって以来何度も何度もやってきたことでありまして、どうしても十分な御議論がいただけないと我々は思っております、残念なことですが。
 そうこうしているうちに、今年の一月に始まったこの国会のさなかにも、だんだん事態の変化を受けて、今まで全く財政構造改革主義なんだと言っていた、減税なんかとんでもない、減税やるんだったら特例公債発行しなきゃいけなくなるじゃないかというふうに言われていたそのお仲間の方から、これはもう減税しなきゃいけない、あるいは景気対策を打たなきゃいけないというふうな声が上がってきているのですね。
 これは、我々ももう何度も言っていることですけれども、本当の法治国家、あるいは議院内閣制が正常に機能している法治国家であれば、その内閣が今後政権を維持していくということはできないような状態なんだと私は思うのです。政策を変えなければいけないのであれば、それはそれなりのやはり転換が必要であると思います。
 今世界じゅうから我が国が見られていること、それから、これはまた金融二法案のときにも申しましたけれども、公的な資金を注入して日本の銀行あるいは金融機関の自己資本比率が幾らか上がったとしても、世界の資本市場で本当に日本の銀行などがコールをすぐに取れるような状態になるのかといえば、きっとそうじゃないと思うのです。それは、我が国全体、そして我が国の金融システム、財政システムに対する世界からの不信感がきわまっているから、そういうジャパン・プレミアムのような問題も出てきているのであるというふうに私は思っております。そこのところをよくお考えいただきたいと思っております。
 特例公債法とともに今審議されておりますいわゆる関税関係の法律について、一つお伺いをしたいと思います。
 これは、平成八年の十一月にWTOで採択された報告で、我が国のしょうちゅう等の蒸留酒の酒税制度が内国民待遇ではないかというふうにされて、その是正措置を平成十年の二月一日までに実施しなければならないとの仲裁判断がなされたことに基づいているものであります。他方、これらの報告、仲裁判断を我が国が完全実施することができないための代償措置について、米国、EU、カナダと協議を行い、合意に至った結果に基づく今回の措置だというふうに理解しておりますけれども、簡単に今回の措置について。
 それから、これはやはりグローバルスタンダード、それから諸外国との円滑な通商という観点からも必要なことではありますけれども、他方、やはり我が国の歳入を支えている酒税をなりわいとしておられる皆様の立場もあります。そういう方たちへの急激な変化というものは、やはりこれは日本の社会の構造としては望ましくないものでありますから、それらについて政府としてどういうふうな対策をとっていこうというふうに考えておられるのかをお聞かせ願いたいと思います。
#67
○尾原政府委員 お答えいたします。
 まず、私の方から経緯について簡単にお話しさせていただきたいと思います。
 我が国の蒸留酒についての酒税問題でございますが、一昨年十一月、WTO勧告によりまして、ガット三条違反であるという勧告が出たわけでございます。それで、昨年、平成九年度の税制改正の中におきまして、この勧告に対応するため酒税法の改正を行わせていただきました。
 その際、急激にこのWTO勧告に対応するということになりますと、お仕事をなさっている方に大変なインパクトを与えることになってまいります。それで、所要の実施期間を設けてこの酒税法の改正を行うことにしたわけでございます。なお、これはEUと交渉をいたしまして、その実施期間を設け実施することにしたわけでございます。
 ところが、米国から、その実施期間が長過ぎるということでWTOに仲裁の要請がございました。その仲裁が、残念ながらことしの二月一日まで、つまり勧告が出ましてから十五カ月以内にすべての改正を実施すべきという旨の判断が昨年の二月に出されたわけでございます。
 このWTOの仲裁判断を踏まえまして、昨年の六月以降、米国と協議を重ねてまいりました。協議における米側の基本的な姿勢といいますのは、WTOの主要国である日本は、WTO協定の原則に従い、仲裁判断が示した実施期限、すなわち本年二月までにすべての改正を実施すべきであるというものでございました。これに対しまして、我が国の方からは、この実施期間というのはぜひとも必要である、仲裁判断どおりの実施は困難であるので、WTO協定上認められております代償を組み合わせて解決を図りたいということで、繰り返し米側の理解を求めてきたわけでございます。
 その結果、昨年の十二月十五日、しょうちゅう及びウイスキー類の最終税率への移行時期の繰り上げと蒸留酒の関税引き下げ等による代償措置を組み合わせることで米国との決着に至りまして、今回の改正の提案を当委員会にお願いしているところでございます。
 なお、この対策の方につきましては国税庁の方からお話しさせていただきます。
#68
○乾政府委員 業界に対する対策についてお答えいたします。
 御案内のように、しょうちゅうの乙類製造業者と申しますものはほとんどが中小零細企業でございますことから、まず、平成八年十一月のWTO勧告を受けました昨年の酒税法改正に当たりまして、業界の構造改善、それから経営の近代化の一層の促進を図ります観点から、日本酒造組合中央会にしょうちゅう乙類業対策基金というのがかねてからあるわけでございまして、これは一般会計から資金を貸し付けまして、それの運用益によりましていろいろな近代化支援事業等を行っているところでございますが、これに対しまして、昨年、平成八年度補正予算におきまして、同基金に二百億円の積み増しを行いまして、その基金からの運用益による事業の拡充を図ったところでございます。
 さらに、今般、昨年十二月の日米協議の結果を受けまして、経営環境の一層の変化というものが見込まれることになったところでございまして、こうした中におきまして、しょうちゅうの乙類製造業者は、環境問題という観点から、蒸留廃液、芋とかソバからしょうちゅうを絞った廃液、かすというふうにお考えいただきたいと思いますけれども、そうしたものの環境整備の観点から、そうしたものを外部に投棄するのではなくて処理施設を整備していこうということをやっておりまして、今回、過日お認めいただきました平成九年度の補正予算におきまして、新たに百億円の資金を先ほど申し上げましたしょうちゅう乙類業対策基金に貸し付けを行いまして、これの果実によりましてこの処理施設の整備を進めていくことを支援することとしたところでございます。
 このしょうちゅう乙類製造業につきましては、このWTOの勧告を受けました事態の変化に対処しまして、緊急に業界の構造改善を図る必要がありますことから、平成九年十一月に大蔵大臣が新たな近代化計画を策定したわけでございますけれども、それを受けまして、現在、日本酒造組合中央会が構造改善計画というのを策定いたしまして、昨年十二月からこの計画に基づく事業に取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
#69
○西田(猛)委員 我が国は今非常に厳しい経済状態に置かれているわけでございまして、今お話のあったような酒造業あるいは酒販業界に限らず、各般の企業が大変厳しい状況にあります。特例公債の話でも出てきましたけれども、これからの日本の抜本的な構造改革を行わなければならないというところなんでございます。
 そこで、これは一部の産業だけではなくして全体的な産業について少しお尋ねを申し上げたいと思いまして、きょうは、大変夜遅くにお忙しい中恐縮ですが、通産省の産業政策局長にもおいでいただいております。これはこの後、私どもの自由党の小池委員の方から詳しく今般の法人税法等の改正法案について質問をさせていただくことになると思いますが、その法人税等のあり方についてお尋ねを申し上げたいのでございます。
 大臣、まだお戻りじゃございませんが、私ども考えているのは、一九八五年ぐらいまで、日本経済は本当に右肩上がりの大きな経済成長を行ってまいりました。しかし、その後、我々の高い経済成長を支えた外的な環境条件が大きく変化して、日本が国際的に変わらなければならないという部分が非常にふえてきたのだと思います。例えば生産形態、流通形態、雇用形態などを、本当の意味での利潤の動機に基づいて、量的にも質的にも経済的なパフォーマンスに改善させていかなければならないのだというふうに考えております。
 ところが、今まで我が国経済を支えてきた諸規制などが、これらの高い経済的パフォーマンスを求めて動く利潤追求活動を阻害している部分もございますし、また、それらの規制、監督自体になれて、業界そのものが、そこの競争を行わなければいけない競争者そのものがそういうぬるま湯的な体質に染まって、これを打破しようという気概が失せているということも言えるのだと思います。
 そこで、きょうおいでいただいている通産省の産業政策局長にお聞きしたいのですけれども、我が国の生産性のレベル、それから生産性の伸び率の低さというものが国際的にも非常に顕著であって、もう今や、ある意味で世界の孤児のような形になりつつある我が国経済を構造的に改革していくためには、どういう我が国の構造の部分がどのように変えられたら構造改革が推進されていくというふうにお考えになられますでしょうか。
#70
○江崎政府委員 お答えいたします。
 世界の経済、今どんどんグローバル化しているわけでございまして、特に情報化などでますますその速度は加速しているわけでございますけれども、そうした中で、日本の経済社会システム、今先生御指摘のように、非常に高コスト構造ですとかあるいは企業の自由な活動を制約するもろもろの規制、こういった構造的な問題が顕在化しているのは御指摘のとおりだというふうに思います。
 それから、今お話ございました生産性の伸びでございますけれども、これもバブルの崩壊以降伸び悩んでおりまして、そういう意味で、我が国の経済社会システム、今まさに変革のときを迎えているという認識でございます。
 それで、こうした状況に対しまして、政府としまして経済構造改革というものを最重要課題の一つというふうに位置づけをしておりまして、これを解決するために、いかに国際的に魅力のある事業環境というものを日本の中につくっていくかということが大切だという認識のもとに、行動計画というものを、これは閣議のレベルで決めておりまして、それによりまして、もろもろの企業に対する制約となっている規制の緩和ですとか、例えばこれは物流とかエネルギーとか、そういった分野でございますけれども、そういったものの規制の緩和ですとかあるいは雇用ですとか、あるいは企業の組織などに関するいろいろな制度、こういったものにつきましても、企業の自由なあるいは多様な選択を妨げているわけでございますけれども、こういったものの制度改革というものに取り組んでいるところでございます。
 それから、企業の側におきましても、競争原理の一層の導入が進みますと、自己責任原則の徹底が求められるわけでございまして、従来以上に創造性とかあるいは柔軟性を求められることになるのではないかというふうに思います。
 こうした変化に対しまして、経営者の決断のもとに効率的に経営資源を調達し、それを有効に活用するということで、既に資金調達ですとかあるいは雇用のあり方とか、あるいは企業組織のあり方に関しましてさまざまな企業側の取り組みが見られるわけでございます。
 さらに、情報化ですとかあるいはソフト化が進む中にありまして、例えば終身雇用の問題ですとかあるいは従来系列と言われておりました長期的な取引関係の維持、こういった行動が必ずしも効率的ではなくなりまして、よりオープンといいますか、あるいはフレキシブルな企業の経営の優位性というのがだんだん高まってきているということが言えるかと思います。
 私ども通産省としましても、こうした企業の動きを支援するということで、民間企業の業務の革新につきまして、例えば事業革新法ですとかあるいは中小企業創造活動促進法といったような法律に基づきまして、既存の資源の有効活用による新しい生産方式の導入ですとかあるいは新しい販売方式の導入といったようなものにつきまして、税制とか金融上の措置を講じているところでございます。
 こうした諸施策を引き続き講ずることによりまして、我が国経済の中長期的な発展が可能になるような経済社会システムを一日も早くつくるというのが大切だというふうに考えております。
#71
○西田(猛)委員 今御説明いただきましたような諸施策が本当に必要なのだと思います。
 今通産省の方からお話をいただきました諸施策を行うのに、最も効果的でかつ適切な制度改革があるのですよね。大臣、これはもうよくおわかりのように、税制改革ですよ。もしもフリーハンドのままで税制改革ができるとしたら、これは本当に抜本的な、産業構造改革を招くような税制改革ができるのです。
 ところが、我が国は当然財政赤字であります。ですから、フリーハンドというわけにはいきません。だけれども、税制改革というものが抜本的に行われれば、ある意味で産業構造を大きく変革して、これからの二十一世紀に向けての日本の経済ビジョンをつくっていけるわけなのですが、ここにも残念ながら、橋本内閣の政策の考え方、もう一つわからない点があるのです。
 今、六つの改革ということを内閣は言っておられるのですけれども、なぜ税制改革というものがこの六つの中に入っていないのですか、大臣。
#72
○尾原政府委員 お答え申し上げます。
 内閣の六つの改革になぜ税制改革が入っていないか、やや僭越でございますが、感じていることを申し上げさせていただきますと、税制につきましては、ここ十年間、他の制度改革に先行して、時代の要請に応じた抜本的な改革が行われてきているというふうに考えてもよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。
 昭和六十三年、平成元年度の抜本改革がございました。ここにおきましては、個人所得課税を軽減いたしまして、法人税率の引き下げ、消費税の創設、あるいはこれに伴って、何がぜいたくかと国が決めていた物品税が廃止になったわけでございます。それから先般の税制改革も、個人所得課税の軽減と消費課税の充実、さらには地方消費税を創設するという改革を行わせていただきました。これらはいずれも、少子・高齢化の進展といった経済社会の構造変化を踏まえたものでございまして、よく税制調査会の報告などでは、これも一種の構造改革であると考えていいのではないかというような言い方もございます。
 また、今度の平成十年度税制改正でございますが、経済構造改革の推進に寄与する観点からは、法人税について、まさに税率、課税ベースの両面から改革を行うことにし、新規産業の創出、企業活力の発揮に大きく寄与すると期待している改正を行っておりますし、また、金融関係税制につきましても、金融システム改革に税制上適切に対応していくという観点から、有価証券取引税について税率を半減する、あるいはストックオプション、銀行持ち株会社、さらには新たな金融商品について適切な課税を検討していく等の措置を講じているというふうに考えているわけでございます。
#73
○西田(猛)委員 詳しく御説明いただきました。しかしながら、冒頭局長が言われた、なぜ税制改革が六つの中に入っていないかといえば、それは今まである程度の構造的な改革が行われてきたからなのだというふうな御見解については、我々は必ずしも賛成しかねるところでございます。
 例えば、大臣、ちょっと御見解をお伺いしたいのですけれども、こういう数字があるのですね。今回の、今の法人税法等の改正で、法人税と法人事業税を合わせた国、地方の法人課税の実効税率が四六・三六%にまで下がる、これはアメリカより五%だけ高い水準にまで下がったというふうに誇示されております。
 ところが他方、そういう法人課税の最高実効税率が適用される我が国の会社は、日本全国に大体二百三十万社とも二百五十万社とも言われているのですけれども、それらの法人のうちのわずか一%弱の大法人にしかすぎない、こう言われているわけですね。そして、その大法人が、実は利益計上している全法人の法人所得のうちの五八・三%にも達するということなのです。ですから、本当に一%弱の企業がほとんど半分以上法人税を納めているという統計数値があるのです。
 これらの数字について、大臣、どういう感慨をお持ちですか。
#74
○尾原政府委員 今先生の方から、まさに我が国の経済の一つの特徴のお話があったかと思います。
 平成八年分の法人税率の適用状況でございますが、全体の六五%が欠損法人でございまして、二五%が八百万円以下の中小法人でございます。また、一〇%がその他の中小法人でございまして、一%弱が、今先生おっしゃられましたように、資本金一億円超の大法人となっております。また、法人所得の三十八兆五千億円のうち大法人の所得は二十四兆五千億ということで、全体の六四%になっております。
 こういうことから申し上げますと、一つは、日本の法人のほとんどが中小法人である、また欠損法人の割合が高い、さらに法人所得のうち大法人の所得が三分の二を占めているということなどが読み取れるかなというふうに思っております。
#75
○西田(猛)委員 政治家としての大臣の感慨をお聞きしたがったのですけれども、すなわち、事ほどさように、まだまだ改革を行っていかなければいけない税制度というのはあるわけです。例えば、きょうは自治省の当局にも来ていただいておりますけれども、るるこの委員会でも問題になっております、都道府県税としての法人事業税が外形課税化されるべきではないかということなのです。簡単にお答え願いたいのですが、外形課税化するとしても、どういう形の外形課税化にするべきだと考えますか。私は、所得型の付加価値税というふうな形がいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#76
○片山説明員 外形課税を導入するとしました場合に、何を外形基準にするか、これが一番重要でございます。
 御指摘がありましたように、所得型といいますか、いわゆる加算型の付加価値をとることが、事業の活動量を客観的かつ公平にあらわしているので一番理論的にすぐれているのではないかという意見はもちろんございます。ただ、これ以外に、例えば事業所の面積でありますとか給与でありますとか、そういうものの方が客観的にとらえやすいのではないかというような意見もございます。また、それらの組み合わせという方法もあるのではないかという意見もあります。
 いずれにいたしましても、どれをとっても一長一短あると私は思っておりますので、今後、何が外形の基準として一番ふさわしいか、さらに検討を加えてまいりたいと考えております。
#77
○西田(猛)委員 税制改革に関する大蔵大臣の根本的なお考えをお聞きしたがったのですけれども、時間が参りましたので、次にいたします。ありがとうございました。
#78
○村上委員長 次に、佐々木陸海君。
#79
○佐々木(陸)委員 日本共産党の佐々木陸海でございます。
 私、委員会で松永大蔵大臣に質問するのは初めてであります。大蔵不祥事を受けて就任した蔵相に、まず不祥事にかかわる政治姿勢について若干お聞きをしたいと思います。
 大蔵省で最初の逮捕者が一月の末に出まして、三塚大臣がかわられて松永大蔵大臣になられた。そして大蔵省内でいろいろな内部調査も進めているということですが、そういうようなもとで、三月五日に、榊原証券局総務課課長補佐らが新しい大蔵大臣のもとで逮捕をされました。
 三月六日付の読売新聞によりますと、この大蔵省の内部調査は一月から進められていたわけでありまして、榊原容疑者は金融機関から接待を受けていたことを二月初旬に自己申告し、その上司が事情聴取をした上で二月半ばに金融服務監査官室に、調査と処分が必要と思われると報告をし、監査官室は、もう少し詳しく事情を聞くようにとして差し戻したという報道がありました。
 最初に大臣にお聞きしたいのですが、この榊原容疑者の自主申告の文書というものを大臣お読みになりましたでしょうか。
#80
○武藤政府委員 ただいま委員が御指摘になりました榊原の申告、それから、それに対して調査と処分が必要と思われるという報告を上げていたという新聞記事があるのは事実でありますけれども、それは事実ではございません。そういうような報告が上に上がってきてはおりません。あの段階では、まさに本人と服務管理官の間で話し合いを進めていたという、その中途段階でございます。
 したがって、この報告書が、大臣はもちろんでございますけれども、上の方にもまだ上がってこない、そういう段階でございました。
#81
○佐々木(陸)委員 しかし、その時点で、何らかのその問題についての、榊原容疑者についての自主申告みたいなものは出ていたわけですね。
#82
○武藤政府委員 この調査を進めるに当たりまして、私どもはそれぞれヒアリングをしておるわけでございますが、その際、自分の記憶あるいは何らかの記録に基づきまして、まずメモをつくってもらうということであります。そのメモはそれぞれ本人がつくっておりまして、そのヒアリングをやっている最中であった、こういうことでございます。
#83
○佐々木(陸)委員 榊原容疑者はそのメモの中で、接待を受けた事実なんかを述べていたのですか、いなかったのですか。いたのでしょう。
#84
○武藤政府委員 このメモは、それぞれ会食を、いつ、どういう相手と、どんなメンバーでやったかというようなことについて書いていただくわけでございまして、それがどのような趣旨であるかとか、そういうものはヒアリングをしていかなければもちろんわからないわけでございます。ですから、そういう自分なりのメモはつくったということでありまして、それがすべて真実なのか、そういうこともわからないわけでございますから、まさに調査の途中段階であった、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#85
○佐々木(陸)委員 それはよくわかりました。
 そこで大蔵大臣、榊原容疑者が逮捕されたという時点に立って、そういう調査は内部で進んできていたわけですから、大臣として、榊原容疑者についての調査がどんなふうに進んでいて、どんなことが出ていたかということを、特別にそのときにお調べになりましたか。
#86
○松永国務大臣 今官房長が御答弁申し上げましたように、まず書面が出ておりまして、書面に基づいてこれから本格的な調査をしょうという段階に、逮捕されて身柄を持っていかれたということであります。
 逮捕状の被疑事実によりますと、これは委員よく御承知でございましょうが、実は、野村、日興、住友、この三社から合計三十八回、そういう被疑事実で逮捕されておるわけであります。これは、野村、日興、住友、いずれも捜査当局の方は接待に関する資料を当局に出させておったと見えまして、それに基づいて捜査を続けていった結果としてこの逮捕がなされたものと私は想像いたします。
 ところが、実は我々の調査の方では、残念ながら、接待をしたと思われる側の方は資料が持っていかれて、ないということもありますし、裏づけとなる調査がなかなか難しいという面があるものですから、そこで、調査は非常に苦労しながらやっているという状況が現在の状況であります。
    〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
#87
○佐々木(陸)委員 そうするとあれですか、一月の末から行われていた省内の調査の中で、榊原容疑者が逮捕された時点で被疑事実が明らかになった。それで、その被疑事実に照らしてみて、榊原容疑者が自主申告はどの程度のことをしていたのか、どの程度のことをその調査によってつかめていたかというのは全然確かめていませんか。
#88
○松永国務大臣 そういう意味ではございません。
 先ほど申し上げましたのは、逮捕された逮捕状の被疑事実がこうなっています、こう申し上げたわけであります。
 それで、その被疑事実関係は捜査当局が目下厳しく捜査をしているものと想像するわけであります。したがって、この関係については、今の段階では捜査当局の厳しい捜査にまっしかありません。
#89
○佐々木(陸)委員 その結果はいいのですよ。被疑事実がああいうふうに明らかになっているわけでしょう。それで、そのときまでに大蔵省の内部で調査を一月からやってきているわけですね、一月の末から。やってきているわけですよね、ヒアリングをやったりしながら。調査をしてきている。
 そこで、榊原容疑者について、その時点までに大蔵省の調査でつかんでいた事実と被疑事実との間にどんな相関関係があるか、それを比べてみたことはあるのですか。
#90
○武藤政府委員 榊原のケースについての御質問でございますが、一般的に、捜査の対象になっているような者がみずから申告するということについては、これは客観的にと申しますか、本人がすべてありのままに申し立ててくるということが、実際問題としてなかなか簡単なことではないというふうに思われます。
 それで、私どもは、検察の捜査がどこまで進んでおるのかとか、実際にそういう対象になっておるのかどうかにつきましては、もちろんいろいろ報道等で知るぐらいが限界でございますけれども、しかし、そうなったときにはむしろ捜査当局の捜査にお任せして、もちろん並行して調査はやりますけれども、その調査で物事を解決するというのはなかなか難しいということだと思います。
 したがいまして、私どもは、それを比較して、だからどうだとかこうだとか、そういうことではなくて、むしろ捜査に協力するのが我々の考え方だというふうに考えております。
#91
○佐々木(陸)委員 ちょっと質問を取り違えておられるようなので、もう一回わかりやすく言いましょう。
 今、大蔵省で内部調査をやっておられると大蔵大臣は繰り返し言っておられるわけです。私、そのことを疑っているわけじゃありません。
 しかし、その大蔵省の内部で行っておられる今の調査というものがどれだけ核心に迫り得るものなのかという点を考える際に、一月から調査をやっていた、榊原容疑者についても何か聞いていたに違いないし、メモも出されていたに違いない。そのメモを大蔵大臣が取り寄せてごらんになって、そして被疑事実と比べてみて、大蔵省の調査能力というのはここまであるのか、あるいは自主申告というのはここまで真実が確かめられるものなのかというようなことを確かめてみられたかということをお聞きしているのです、逮捕の時点に立って。これは大事な点だと思うのですよ。
#92
○武藤政府委員 被疑事実で述べられていることは、御承知のとおり、何回とか、具体的な日付はわかりません。したがいまして、厳密な意味では比べようがございません。したがいまして、私どもは、そういう被疑事実と申告を比べてどうだというようなことに、何か自主申告の信憑性をそういり観点でとらえるというのは、実際問題としてなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
 むしろ、そういうことと関係なく、できる限り真実を申告してくれるようにお願いすると同時に、我々は我々なりにいろいろな観点から各種の情報を収集してより精度の高いものにするということでありますが、あくまでも強制捜査権に基づく検察の捜査とは違って、これは限界があるということは申し上げざるを得ないと思います。
#93
○佐々木(陸)委員 それは私、百も承知の上なんです。警察と同じような調査が大蔵省の中でできるとは思っていないのですよ。
 しかし、大蔵省が今これだけ疑惑にさらされて
 いて、そして中で調査をしているわけですから、その自浄能力というものが一体どの程度のものな
 のかということくらいせめて示してもらわないと、よくわからぬじゃないですか。結果の報告はまだこれからずっと先になるというお話なんですから。
 ですから、榊原容疑者の具体的な事実をとらえてみて、どの程度のことを彼は言っていたのか、そしてどの程度のことを聴取してわかっていたのか、それと被疑事実と比べてみたらどうなのかというくらいのことは、ここにちゃんと出していただければ、ああ大蔵省の調査でここまでわかるんだなということを我々が知ることができるわけですよ。その客観的な状況を教えてほしい、大臣はそれに関心を持って調べましたかということをお聞きしているわけです。
#94
○松永国務大臣 まだ調査の中途でございます。
 というのは、委員には初めてかもしれませんけれども、前にも申し上げたわけでありますけれども、まず本人が、自分の記憶あるいは自分の日記帳なり手帳なりがあればそれらも参考にしながら、自分の良心に従って、自主的に紙に書いて出してもらう。それに基づいて、直接の監督者、服務管理官にそれを出してもらう。服務管理官が本人からいろいろなことを聞く。そうした上で、新たに設けられた金融服務監査官室、ここでさらにチェックをし、ほかの資料とも突き合わせをする。そういったことをしながらだんだん上がってくるわけでありまして、まだ私のところまで来るような段階ではないということを申し上げておるわけであります。
#95
○佐々木(陸)委員 私、質問するのは初めてですけれども、大臣はそういうことを答弁しておられますから、それを五百五十人について今やっておられるということは承知しているのです。
 しかし、大臣も、そういう調査を命じてやらせているからには、それがどの程度真実に到達できるものなのかということは常に関心を持っておられなきゃ困るわけでありまして、榊原容疑者が逮捕された時点に立って、その榊原容疑者がどんな申告書を出していたか、この逮捕者という個別の問題について具体的に大臣が関、心を持って、どうなんだろうと調べるようなことは全然していなかったのか。しておられなかったということのようですけれども。
 やはり、それは大臣の政治姿勢として、私は率直に言って、大臣が就任されてから初めての逮捕者が出たわけでしょう。そして、それまでに省内で一定の調査もしてきているわけでしょう。その調査がどういうところまでいけるものなのかという点で、早速榊原容疑者関係のものを取り寄せて調べてみて、そして必要な指示もするということが大臣としてはなされてしかるべきじゃないかということを私は申し上げているつもりなんです。
#96
○松永国務大臣 先ほど官房長がお答え申し上げましたとおりでありまして、まだそこまでしか来ていなかったということでございます。
#97
○佐々木(陸)委員 まあ、いいです。
 五百五十人の一般的な調査の問題ではなくて、逮捕された人が出たという時点で、その逮捕者についてどんな調査ができていたのだろうか、どんな申告がなされていたのだろうかということを、本当に真相を解明しようとする立場に立っておられたら、関心を持って、その事例だけについては特別に大臣が命じて調べることもできるはずなんですから、調べていてしかるべきじゃないかということを私は申し上げているわけであります。
 正直申し上げて、大蔵省内部で調査しておられるということですけれども、しかし、それはどこまで信頼できるのか。大蔵大臣もいらいらしておられるというふうにおっしゃっていますけれども、我々もいらいらしているのですよ。
 つまり、この問題での本質というのは、こういう国会の審議のあり方にもかかわってくる問題だと私は申し上げたいと思うのです。
 この大蔵省汚職は何が出てくるかわからない、だれが逮捕されるかわからない、国民はそう思っているわけですよ。そして、今まで何人かの逮捕、それからまた不幸にして自殺者も出ましたけれども、本当に疑惑があるのはこのレベルじゃない、もっと高いレベルだということを大部分の国民は思っているわけですよ、率直に言って。そして、この委員会で、例えば答弁席に立つその答弁者があすはどうなるかということでは、本当に質問にならないわけでしょう。ここまで不信が広がっていれば、まじめに質問した方が後で笑い物になるということも正直言ってあり得るわけであります。大蔵省の自己検討と刷新の能力、自浄作用、そういう能力が一体どこまであるのか、今のところそれに頼るしかないという状況に我々は置かれているわけですけれども、その能力が確かだという保証は何もないわけです。
 大臣、では、お聞きしますけれども、この委員会に今並んでおられる答弁者の方々は、業界の接待などに断じて汚染されていないということを根拠を持って保証できますか。
#98
○松永国務大臣 保証する資料は私にはありません。ここにいらっしゃる方も内部調査の対象だろう、こう思っております。まだその途中でありますから、保証する立場にはありません。
#99
○佐々木(陸)委員 当然そういうことだろうと思うのです。ですから、私、さっき国会審議の根本にもかかわるということも申し上げたのですが、局長とか審議官クラスについては、五百五十人の中の一人ということではなくて、率先して、優先して調査をし、結果を公表する、発表する、そういうことをするおつもりはありませんか。
#100
○松永国務大臣 せっかくの委員のアドバイスといいましょうか、申し出ではございますけれども、一つのアイデアとは思っているのですよ、思っていますけれども、それだけ別に分けて調査する、こういつたことは今までしていないわけでありまして、今直ちにそれをする、こういつたことを申し上げるわけにはまいりません。やはり手順を踏んで進めていきたいな、こう思っているわけです。
#101
○佐々木(陸)委員 しかし、手順ということになれば、私どもからいえば、この国会でこうやって大蔵省の皆さんを相手に審議するわけですから、その審議をする相手は少なくとも大丈夫だということを率先してやるという手順は、何か間違ったことを言っているというふうには私は思いません。今大臣も一つのアイデアだというふうには評価をされましたけれども、やるつもりはない、これはやはり解せないところであります。
 そういう点を何も明らかにしないまま、大蔵省が作成した予算や法案だけは粛々と推進する、そしてそれらの法案をめぐって業界の接待など断じてなかった、接待等によるゆがみなどは絶対にないという証明があるかといえば、証明はないし、証明まで求めても無理でしょうけれども、そういう心証も今の段階では得られない、質問者とすればそういう立場だと言わざるを得ないですよ。だから、私、少し大げさな言い方をさせてもらえば、もうこれは審議できません、座ります、大臣どうしますかということも、正直言って言いたい気持ちになる、そういう状況じゃないかと思うのです。
 ですから、その意味では、大蔵省が今やっているその内部の調査というものを一刻も早くきちんとさせて発表していただく必要があるし、私は、必要なところ、できるところがら早くきちんとやっていただくという点では、その榊原容疑者に関してどんなところまで調査がいっていたのか、そんな資料をここへ出すことはできないのか、それからまた、この答弁に出てくるような人について優先して調査し、その結果は早く公表するということが、どちらもできないのか、重ねて大蔵大臣にお伺いをしたいと思います。
#102
○松永国務大臣 榊原については、先ほども申したとおり、身柄を捜査当局に持っていかれておるわけでありまして、恐らく関連の資料も捜査当局が押収するなり、任意提出を受けて持っておるものというふうに想像いたします。そういう状況でありますから、これは実際問題からすれば、捜査当局の厳格な捜査にまっしかない、身柄がないのですから、聞き取り調査をするにしてもいないのでございますから。そういうことであります。
 それからもう一つは、私自身、委員もよく御承知のとおり、けさも九時から十時過ぎまで全部体をとられておるわけでありますし、きのうも同じような状態で十一時までかかりました。そういう状況でありますので、いらいらするぐらい、実はこちらの方もあるし、内部調査のこともあるし、とにかく、こちらの方はこちらの方として大事な法案の審議でありますから、一生懸命勉強しながら答弁に立たせていただいている。それで、余裕がもう少しあれば、もう少し調査についての陣頭指揮もできるわけでありますけれども、残念ながら、今のところはちょっと体のすきがない、そのためにいらいらしているということを申し上げたわけでございます。
#103
○佐々木(陸)委員 私の方も率直に言っていらいらしていると申し上げざるを得ないと思うのです。
 そして、榊原容疑者の問題については先ほどからずっと誤解されているようなのですが、彼についての犯罪事実をここで調べようなんて言っているわけじゃないのです。彼は大蔵省内の調査が始まって三月に逮捕されているわけだから、それまでの彼に対する調査というものはどのくらいできたのだろうか、それが大蔵省の省内で今行われている調査なるものの信頼性を示すか示さないか、その資料になり得るではないかということを私は申し上げて、そういうものを出していただきたいということを申し上げたのですが、もうやめておきます。
 ちょっと法案の方も質問しないわけにはいきませんから、少し質問させていただきます。
 公債法案の方ですが、赤字国債三千四百億円減額、それから公債依存率二〇・〇%になるということを言うわけですが、財政構造改革法での目標は、赤字国債発行を二〇〇三年度までにゼロにする、それまでに年々減額してゼロにするという目標でありましたが、当初の目標に比べれば、今回の減額は四分の一の三千四百億円の減額にとどまっております。この結果に立って、財革法を前提にすると、九九年度以降は年々一・四兆円の削減が必要になっていくということになると思いますが、間違いありませんね。
#104
○藤井政府委員 お答えいたします。
 今先生おっしゃいましたように、計数的には、昨年の財政事情の試算におきましては、十年度につきまして一兆二千四百五十億円という機械的な減額幅を置いていたものが、現実の予算では三千四百億円の減額にとどまっている、そして十年度の特例公債発行額、これを前提といたしまして五年間で仮に機械的に減額するといたしますと、約一・四兆円という先生のおっしゃる数字でございます。
#105
○佐々木(陸)委員 去年の十一月の時点ではおよそ一・二五兆円ですか、それを毎年減らしていかなきやならぬということだった。それがもうそれから数カ月もたたないうちにこれが一・四兆円にふえてしまったということですよね。そして一月に出した大蔵省の試算でも、二〇〇三年度に赤字国債をゼロにするとすれば、二〇〇三年度までに必要な調整額の合計は少なくとも十四兆円、多い場合では二十七兆円になるということも、うなずいておられますから、間違いない。
 大蔵大臣、こんな財源があるわけでなし、大増税とかあるいは国民生活や福祉にさらに大なたを振るうということなしには、この目標は到底達成が不可能になってきているのじゃありませんか。
#106
○藤井政府委員 先生がおっしゃいましたように、要調整額、例えば十一年度の要調整額で申し上げますと、約三兆円程度の要調整額というようなことになっておりますし、後半の年度でさらに大きな要調整額ということでございますので、極めて容易ならざる状況にあるということはおっしゃるとおりだと思います。
 しかし、その中で、先般も大蔵大臣御答弁されましたように、財政当局としては精いっぱい努力をしていくということ、財政改革の緊要性というものに思いをいたして頑張っていきたいというように思っております。
#107
○佐々木(陸)委員 容易ならない、並々ならないということをおっしゃるのですけれども、今私が言った数字も、これも率直に言ってつかの間の数字にすぎないと思うのですよ。
 去年の十一月に一・二五兆円、それが今一・四兆円になっています。これは聞いてもお答えになりませんから聞きませんけれども、九八年度予算が成立した後、大型の補正ということが大々的に与党の中で言われているわけでありまして、そういう補正予算が出される可能性が極めて大きい、これは一方的に私、言うだけにしておきますけれども。
 それで、今この法案が提案されて、今の予算が審議されているわけですが、九八年度、赤字国債を財革法の限度まで出すとすると、あと幾ら出せますか。
    〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
#108
○藤井政府委員 お答え申し上げます。
 財政構造改革法の特例公債の発行額、これは各年度縮減ということが法律に規定されております。極めて機械的に計算をいたしますと、九年度の発行額に対しまして、十年度は一兆三千八百八十億円の、いわば天井といいますか、すき間があるということは、数字上はそうなっております。
#109
○佐々木(陸)委員 ついでに数字の問題だけでお聞きしますけれども、その限度額いっぱい出してしまったとすると、来年度から減らしていかなければならぬ額は、さっき一・四兆と言いましたが、今度は一・六八兆くらいになることも間違いありませんよね。
#110
○藤井政府委員 今手元に数字がございませんので確たることは申し上げられませんが、単純に申し上げますと、一・四兆円程度が仮に上乗せになり、かつ今度は分母の部分、割る部分が五から四ということになりますから、一兆四千を四で割った数字というようなことになるのかなというようには思います。ただ、これはあくまでも機械的な数字であるということは繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
#111
○佐々木(陸)委員 補正予算がどうかということは、大臣の頭の中には本予算を通すことしかないという答弁しか返ってきませんからお聞きしません。しかし、大臣、率直に言いますと、これも本当はこの委員会の審議をゆがめるものだと私は申し上げたいと思うのです。答弁者の信頼性という問題がある。同時に、もう与党は、本当に、景気の対策のために大型の補正を組むのだということは当たり前のような話になっている。それなのに大蔵大臣と首相だけは、今の予算しか頭にございません。頭にございませんのはそうかもしれないけれども、そこまで疑いやしませんけれども、しかし、現実に進んでいるのは、それで終わるわけではないわけですから、ここの審議もそういうことで、それ以上のことには一切触れませんよということになってしまうと本当にまともな審議にはならないという、その問題ももう一つの審議をゆがめる問題として私は指摘しておかなければならぬと思うのです。
 いずれにしても、この大型補正予算が例えば四月に組まれて、そこで限度額ぎりぎりまで赤字国債が出されるということになれば、去年の十一月の段階では毎年一・二五兆円減らしていかなければいかぬ、それがこの一月には丁四兆円になり、それがもうその補正を経た後は一・七兆円ぐらいになっていく。もともとが大変な数字だったのが、そういうことになっていけば、さっき申し上げましたように、国民の生活や福祉、そういった面に本当に大なたを振るう、同時に消費税の大幅増税をさらにやるというようなことをしなければ、とてもじゃないけれども赤字国債二〇〇三年度ゼロというようなことはできっこない。だれが考えたってそういうことになるのではないかというふうに思うのですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。
#112
○松永国務大臣 あと二週間すれば平成十年度に入るわけでありますが、平成十年度の予算を九年度の補正予算と切れ目なく執行できるような状態にするということが極めて重要なことだ、同時にまた、その平成十年度予算の関連法案、今御審議を願っている法人税法の改正を含めて、それが極めて重要だ、これは私と総理だけが言うのではありません、全閣僚はそう言っているはずでございます。
 なお、今委員申されましたように、平成十五年度までにあの財政構造改革法に書いてある達成事項、これを達成するということは大変難しいことであるということは私もわかります。しかし、今の我が国の財政事情を考えると、少なくとも後世代の人に多額の借金を負わせるようなことはしてはならないと思いますし、世代間の負担の不公平をもたらしてもいけませんし、あるいは、いわゆる財政の硬直化を招くというような状態も避けなければなりません。
 そういったことを考えますと、厳しゅうございますけれども、あらゆる努力をして財政構造改革の目標を達成するためにやっていかなければならぬというふうに私は思います。
#113
○佐々木(陸)委員 大変厳しいというお話がありましたが、四月の補正でまた赤字国債を目いっぱい出すというようなことをやっていけば、本当にこの財革法の目指すような目標というのは、つまり二〇〇三年度に赤字国債ゼロにするというような目標は到底達成できない。達成できないけれども、それだけではなくて、この財革法が国民に対してかぶせてくる、制度改正というようなことをさっき答弁もありましたけれども、そういう形で国民に対しての暮らしや福祉をさらに痛めつけるという方向を本当に強行するということにしかならない。そういう意味では、財革法というようなものはこの際廃止して、本当に国民本位の経済の方向に進み直すべきだということを私は申し上げておきたいと思います。
 関税の問題について質問する時間がほとんどなくなってしまいましたが、一言聞いておきます。
 保税地域の許可の承継問題で、許可を受けている者が死亡した場合あるいは合併等により解散した場合に、これまでは許可の失効であったのが、今度は合併後の新法人や相続人が承継できるということになりましたが、その理由は何でしょうか、簡単に説明してください。
#114
○斎藤(徹)政府委員 保税地域の許可を受けた法人が合併により解散した場合などにつきましては、現行法の規定では、さらに保税の許可を受けようとする場合には新たに税関長に許可申請を行う必要がございます。今御審議いただいております関税定率法等の一部を改正する法律案の中では、そうした合併の場合に、改めて許可申請をしなくても、承認を受けるだけで地位を承継できるという規定を設けておりますけれども、その趣旨は手続の簡素化を図る点にございます。
#115
○佐々木(陸)委員 こういうものを利用して大生物流業者がこういうところへの支配を強めるという懸念があるということを、私は率直に申し上げておかざるを得ないと思います。
 そして、先ほどしょうちゅうの問題について議論がありましたけれども、去年の酒税法の改正で決めた方向を、またさらにこうして一年前倒しとか五カ月前倒しとかいうことをせざるを得なくなってきている、そしてそれに対する一定の措置は講じているようでございますけれども、これはしようちゅう業者なり製造業者に対する打撃を一層大きくするものだ、そういう点での懸念を強めざるを得ないということを申し上げまして、質問を終わります。
     ――――◇―――――
#116
○村上委員長 次に、内閣提出、法人税法等の一部を改正する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案の各案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 各案審査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○村上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#118
○村上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小池百合子君。
#119
○小池委員 自由党の小池百合子でございます。
 大変夜遅い時間になりましたが、参考人にも御足労おかけいたしております。きのう、きょうと深夜にわたりましてのこの大蔵委員会、皆さんもお疲れのこととは存じますが、審議を伺っておりますと、たまにはこういう机の上に置いてあるものも見たくなりまして、この大蔵省広報とされている「ファイナンス」二月号、皆さんのお手元にもあるかと思いますが、私もじっくり拝読をさせていただきました。中には非常にわかりやすく、いろいろと大蔵関連の法律、また行政の執行に絡んでのさまざまなことが取り上げられておりまして、参考になるところでございます。
 ただ、大変気になりましたのは、まず一点は、今おられませんけれども、表紙あけてのところに塩崎恭久大蔵政務次官のエッセーが載っておりまして、「政務次官として大蔵省にお邪魔して早くも約半年近くが経とうとしています。」というふうなことで書き出しがございます。政務次官は大蔵省にお邪魔しているというのは、私はおかしいのではないかと思います。ましてや副大臣としてもっと本来大蔵省の、もしくは各省庁のかなめとして役割が期待されているわけでございまして、現職政務次官におかれる方々、やはりお邪魔するという意識があったならば、今のこのような行政と政治の関係、こういうことは基礎から正す、その思いかなければいつまでたってもこの霞が関、そして永田町の問題というのは解決ならないのではないかというふうに思うわけでございます。
 そして、今度は一番後ろの方をひっくり返してみますと、「編集後記」として広報室長のエッセーといいましょうか、まさに後記が載っております。最初の方では、「一月末、大蔵省の関係ではトップの異動が相次ぎました。一月三十日、小村事務次官から田波耕治新次官への交替、同日夜松永光新大臣の就任となりました。重ねて宜しくお願いします。」と、この五行が書いてあるのみで、あとは印象派の絵画の展覧会に行ったというようなお話が続いているわけでございます。そして最後には、成人の日に関して、「成人の日も十六センチを超える大雪となり新成人も雪の中での厳しい巣立ちとなりましたが、一人前の大人、社会の立派な構成員として大きく羽ばたくことを祈りたいものです。」というふうに結んでおられます。これはまさしく今最も国民がその成り行きを注目している、そして新しい出発を望んでいるはずの大蔵省そのものの広報の雑誌でございます。
 それに対しまして、もちろん皆様方にはスキャンダルの問題、不祥事の問題を徹底して追及し、そして改めていただくと同時に、実際の行政にしっかりとまじめに取り組んでいただきたいという、この両面があるわけでございますが、この中には、今町にもあふれているこの大蔵省の不祥事の問題については一言も触れていないのであります。まさに身内に甘いという体質を体現したのがこの雑誌、この広報誌ではないかということをこの二日間座っている間に発見したわけでございまして、本来質問するところでございますが、これは、私は今こういった大蔵省の姿勢、全体の姿勢こそが問われているという意味で最初に取り上げさせていただきました。
 大蔵大臣、いかがお考えになりますでしょうか。
#120
○松永国務大臣 まず、塩崎政務次官の話でございますが、「お邪魔して」という言葉はそんな気持ちで表現したのじゃないと思うのでありますけれども、表現の仕方がうまくなかったな、もう少し堂々とした表現の方がいいのじゃないか、こういうふうに思いましたが、実際は、塩崎政務次官は参議院出身でありまして、参議院の方では委員会審議その他に大いに活躍をしてくれておるということを申し添えておきたいと思います。
 それから、その大蔵省の広報誌の中に、不祥事について厳しい反省、そして大蔵省を立て直すためにみんなで心を新たにして立派な大蔵省にしていこうという意欲がその雑誌の中から読み取れないとするならば、それは大変遺憾なことだというふうに思います。
#121
○小池委員 まさに大蔵省の官僚、職員の皆様は公僕としてその行政をしっかりとまじめにやっていただくことが最も望まれていることでございまして、今はこれまでの日本的なと申しましょうか、大蔵省的なと申しましょうか、グローバルスタンダードにはほど遠い慣行を改める最大の機会でございます。よって、私は、不祥事の問題を解明する、そして責任をとっていただく方にはしっかりと責任をとっていただくと同時に、本当にまじめにやっている方々にはモラールを高めていただいて、そしてビッグバンを備えている日本の金融、そして経済、そのかなめとして、重鎮として立派な役割を果たしていただきたい、そういう思いで最初に取り上げさせていただいたわけでございます。
 それでは、早速、本日の法人税法等の一部を改正する法律案に関係いたしまして、法人税のことについて御質問をさせていただきます。
 まず、その前に私ども自由党の考え方を申し上げさせていただくわけでございますけれども、やはりグローバルスタンダード、そして国際競争力、さらには新しい産業を育てるといったような意味で、活力ある経済を育てるためにもその担い手である企業に立派に働いていただきたい、そういう思いを込めましてこの法人税に対しての取り組みをしているわけでございますが、一言で申しますと、基本税率の引き下げ、連結納税制度の導入によって実効税率を四〇%に引き下げて計四兆円の減税を目指す。これによって、単なる景気回復をねらうのではなくて、中長期的に日本経済の活力を取り戻すということを基本に考えている政策を打ち出させていただいているところでございます。
 本日、折しもイギリスで法人税の一%の下げということが発表されたところでございます。御承知のように、イギリスはEUの中でももともと法人税が低い国でございます。三一%という極めて低い税率のところにさらに一%を下げて三〇%にしよう、まさに今EUの中で各国の税率をどうするか、そういう論議が盛んなところに、イギリスはいち早くこの法人税のさらなる低減ということを打ち出したわけでございます。
 まさに欧州の中で、そして広くは世界全体の中で、この税率引き下げということによる魅力的な経済、そしてマーケットをつくっていこうという国際競争が起こっているところでございまして、今回の法人税率の引き下げ、これはかなり大胆に踏み込んだとされておられるようではございますけれども、私どもから考えますと、まだまだ不十分であるというふうに思うわけでございます。ですからまずその一点、これを指摘させていただきたいと思います。
 そして、これはかねてより私どもの同僚議員の方からも主張があったと思いますが、私どもは、あの持ち株会社を解禁したという歴史的な流れをつくっておきながら連結納税制度を導入しないというのは、まことに中途半端な措置であると言わざるを得ないと思います。野球をやってもいいよ、ただしバットやボールはありませんよと言っているようなもので、せっかく持ち株会社というのをスタートさせておきながら連結納税を認めないということは、まことに不十分でございます。
 この連結納税についてのお考えが今回欠落しているということは一体どうなのか、そして今回の法人税率は国際競争その他に十分対応できるものと自負しておられるのか、この点について伺いたいと思います。
#122
○尾原政府委員 二点お尋ねがございました。
 今回の法人課税でございますが、課税ベースを適正化するということと同時に、税率の引き下げを思い切って行いまして、実効税率で四九・九八から四六・三六%に引き下げることを御提案申し上げているわけでございます。これにより、国税でございます法人税の基本税率は、三%引き下げられまして三四・五%ということになりました。この水準は、シャウプ税制以降最も低い水準でございますほか、各国比較を行いましても、既に他の主要先進国並みかまたはそれ以下の水準になるというふうに認識しているわけでございます。
 なお、今後の法人課税の実効税率のあり方でございますが、平成十年度の税制改正に関する答申でも書かれてございますが、まさに今後は、事業税における外形標準課税の検討が法人課税の実効税率の議論にもつながることを念頭に置きながら検討を進めることが適当というふうに指摘されておりまして、この政府税制調査会で検討が進められていくというふうに考えているわけでございます。
 なお、イギリスの法人税率についてのお話がございました。一言申し上げますと、イギリスの租税負担率でございますが、三八・三%でございます。他方、日本でございますが、二四・五%というふうになっていることも御指摘させていただきたいと思っております。
 それから、連結納税の話がございました。恐らく、持ち株会社の実効を上げるためには連結納税制度の導入が必要ではないかというお尋ねであったかと思います。
 実は、この連結納税でございますが、現在の商法などの制度は、基本的に法人ごとに課税するということにしてございます。したがいまして、連結納税制度は、これまでの法人税制の基本的考え方を変更することにつながるわけでございます。税制調査会においてもこの連結納税制度の議論はされてまいりました。企業経営の実態がどうなっているのだろうか、あるいは商法等の関連諸制度がどうなっていくのだろうか。さらには租税回避の問題が出てまいります。さらには税収減の問題もございます。こういう諸点を踏まえて、引き続き検討を深めていく必要がある課題であるというふうに認識してございます。
 なお、今年度の税制改正の中で、分社化の促進という観点から、実は、土地を含む現物出資で子会社を設立する場合、これまで八割の圧縮記帳であったものを一〇〇%にするというような改正も行っておりまして、分社化についてもできる範囲で努力をしているところでございます。
#123
○小池委員 連結納税になぜまだ踏み切れないかというような理由がるる説明ございました。税収減ということもある、確かにそうだと思います。しかしながら、今、例えば昨年のあの駆け込みの特別減税、これも株価にすれば、その日のうちに全然反応もしない。そして実際これが懐といいますかたんす預金になってしまう、これは消費者に対しての問題ではございますけれども。その二兆円が効果的に使われていなくてその分のお金を使ってしまうのであるならば、この金融ビッグバン、そして現在のような金融危機、貸し渋りに遭っていて、そしておまけに税金を取られるというようなことを考えますと、ここで思い切った、今だからこそこの法人税のもっと大幅な減税、そしてこの連結納税を導入するむしろいいチャンスではないかというふうに思うわけでございます。
 そこで、例えば日本の場合は欠損法人が多い。そこで、赤字会社をわざと買って、そしてその分また税を逃れようというようなことが出てくるというように大体当局ではお考えになるでしょうけれども、しかし、この連結納税制度というのは、各国いろいろバラエティーはございますけれども、やはりある種の国際標準になっているわけでございますし、また、ベンチャーをこれから育てる、新産業の芽をこれからつくっていくというためにも、この連結納税というのを早急に導入すべきではないかというふうに思うわけでございます。そのためには、例えば、税収をもっと確保するという観点で、別に私が大蔵省のかわりに考える必要はさらさらないのでございますが、しかし国の健全な運営ということを担っていく政治の立場といたしまして、所得型の付加価値税などによって、むしろ赤字法人のところで、その応益の部分でキャッチをするということだって十分考えられるわけでございます。持ち株会社はオーケーと解禁しておいて連結納税がまだだ、まことにこれは効果を半減させてしまうものであるというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、井奥委員長代理着席〕
#124
○尾原政府委員 今、純粋持ち株会社が今回解禁されているのだから、連結納税制度の導入が必要ではないかという御趣旨かと思います。
 純粋持ち株会社の議論がなされてまいりましたが、実は我が国は、戦後、事業持ち株会社といいましょうか、いわば、みずからも仕事を営みながらさらに子会社を持つという事業持ち株会社、大企業はほとんどそのような形で経営がなされてきたと考えられるわけでございます。したがいまして、この純粋持ち株会社ができたから連結納税制度というのではなく、このような持ち株会社との関連ではなく、企業集団に対して課税のあり方をどう考えるかということになってくるわけでございます。
 それで、実は、この連結納税制度でございますが、企業経営の実態ということを申し上げました。やはり税制といいますのは、ある意味で、国民の納得を得るものでなければならないわけでございますが、果たして、今の企業経営の実態が親会社のことを考えた経営になってはいないだろうかというようなこともございますし、さらに、例えば今の法人税法を見ていただきますと、中小法人の軽減税率あるいは中小法人の貸倒引当金制度、他方、普通法人の税率、普通法人の貸倒引当金制度、そのように、ある意味でもう法人ごとに違った制度で既に成り立っているところでございまして、それ以外に、今申し上げましたように租税回避をどうするかという問題も出てまいります。
 したがいまして、この問題は引き続き検討を深めていく必要がある問題であるというふうに考えているわけでございます。
#125
○小池委員 いつまでも検討していると、世界は物すごいスピードで動いております。こういった持ち株会社と連結納税制度のセットでというぐらいの大きな転換を図る、日本はその時代に来ているのではないでしょうか。
 今申されましたその他の法人の課税対象でございますが、今回はこの課税ベースの適正化なども含まれております。これは、税制の簡素化というのはまことに必要なことであるというふうに私は思いますので、それぞれの業界、業種によって痛みを伴う部分もございましょう。しかしながら、やはり税制というのはできるだけ簡潔にわかりやすく、そして公平にというルールにのっとって行うべきではないかと思います。
 それからもう一点、法人税絡みのところで、第三十七条「寄付金」の項目がございます。ただしこれは、これから日本における寄附の問題をどうこうしよう、そういうことで今回改正されるのではなくて、「寄付」の「付」の字にこざとへんをつけるかつけないかという単なる字句の問題として今回取り扱われております。まさにNPO法案がこの国会で成立というような状況でございますが、しかしながら、今回のNPO法というのは肝、心の部分が欠落している。それは、すなわち寄附控除を認めるか否か、この部分のないNPO法というのは、まさに持ち株会社だけを認めて連結納税を導入しないと同じことでございます。
 ちなみに、私は、このNPOというのは、もちろんさまざまな問題も考えられますでしょうけれども、日本を仕組みから変える大きなポイントである、システムだというふうに考えているわけでございます。
 例えば、米国の場合は、いわゆるNPOは百万団体ございます。それに比べて、我が国日本では二万五千団体。いわゆる財団法人ということで、大蔵省とか厚生省とか建設省とか、そういった主管の官庁を持った、そしてもっと平たく言えば、天下り先としての財団法人というのが約二万五千団体ございます。そしてまた、アメリカの方でこのNPOで働くいわゆる有償の職員数でございますけれども、つまりサラリーをもらっている職員は、何と八百六十万人おるわけでございます。それに比べまして、我が国では、二万五千団体の中で四十万人が雇用されているというような状況でございます。これはまさに寄附が認められるか否かということで百万団体にも膨れ上がることだってできますし、また人口比で言うならば、日本なら五十万団体、そして有償の職員は四百三十万人まで可能だということも言い得るわけです、アメリカの場合をそのまま導入するならば。
 私は、トヨタであるとか新日鉄であるとか、またサービス産業にしても、どんなに大きな産業が出てきたとしても、この日本において四百三十万人を雇用するような、そういう労働市場がこれからぽんと生まれるとは思いがたい。であるならば、このNPOというのを雇用の場としても考え、さらには介護であるとか災害の援助であるとか、まさに行政の手が届かないようなところ、別に下請に使うわけではありません。今回のNPO法で心配するのは、行政の下請として使われるというおそれがあるから私どもはむしろ慎重になっているわけでございまして、この本来のNPOのあり方ということを考えていかなければならないのに、今回は、この法人税の中の寄附の項目のところでは、こざとへんをつけるか否か、この論議で、論議もしていないですね、この観点でしか取り扱われていない。
 どうぞ、この寄附の問題については、大蔵省、最大のポイントでございます。発想を変えなければ、日本の仕組みはいつまでも官に何らかの形で関連していかなければいけないということになってしまう、これを私は指摘しておきたいと思います。時間の関係がございますので、感想は結構でございます。
 続きまして、これは法案とはちょっと離れますが、きょうも松野元証券局長が証人喚問を受けたということがございますし、また、きょうは、こんなに遅くではございますが、今一番何かと御多忙であります副総裁にお越しいただいておりますので、日銀特融のことについて伺わせていただきたいと思います。
 前回、松下総裁の方から、現在の日銀法第二十五条におけるいわゆる日銀特融に関する残高ということで、平たく言って約三兆五千億という数字を出していただきました。そして、そのうち対山一があと五千億残っているということでございますけれども、この数字を確認していただきたいのと、であるならば、あとの三兆円というのは今どこに幾ら行っているのか、それについて明確にしていただきたいと思います。
#126
○福井参考人 お答えを申し上げます。
 まず、特融の総額でございますが、二月末時点の正確な数字は三兆三千五百六十六億円でございます。それから、その後、ごく直近時点、昨日三月十七日時点では、約三兆三千億円ということでございます。その中で、山二証券向けは約五千億円。前回総裁が御報告申し上げましたところと変わっておりません。
 さすれば、三兆三千億円から五千億円、山一を除きました残りの部分でございますけれども、一番大きなのが北海道拓殖銀行向けでございまして、約二兆五千億円でございます。それから徳陽シティ銀行向けが約千九百億円。
 現在、そういうところでございます。
#127
○小池委員 今、二兆六千九百億円の行方が明確にされたわけでございますが、改めて伺いたいのですが、この日銀法第二十五条で貸し出される日銀特融、これは例えば山一の場合一体幾ら投入するのか、それはだれがどのようにして判断するのでしょうか。日銀特融の貸し出しが行われるまでのプロセスというのを一度改めて教えていただきます。
#128
○福井参考人 お答えを申し上げます。
 普通は、特融が出ますのは銀行に対してでございます。特に破綻した銀行に対してでございますので、預金の払い戻し資金の不足部分ということで貸し出しを行うわけでございますが、御指摘の山一証券の場合には、これは銀行ではありませんで、証券会社でございます。したがいまして、預金の払い戻しのための資金ということではありませんで、山一証券が破綻いたしまして、廃業、そして最終的には解散を行うわけでありますが、そのプロセスを円滑に行いますために、つまり、もっと具体的に申しますと、その過程でお客様の財産をお返しする、それから既に約定済みの取引を解消してこれを決済していく、それから海外業務からも撤退をいたしますが、そのために必要な資金、そうしたものを供給するわけでございます。
 したがいまして、預金の払い戻しの場合に比べますと、中身が非常に複雑でございます。したがいまして、その破綻した後の山一証券全体の業務の遂行、それから財産の管理の状況をきちんと把握しながら貸し出しを行っていきませんと、むだな貸し出しが起こるリスクがあるというわけでございます。
 そのために、大蔵大臣が行政命令を出されまして、顧問委員会というのをつくって、そこをきちっと管理するようにということになっております。顧問委員会が山一証券の業務の遂行、それから会社財産全般についての管理を行っている。それを前提にしながら、なおかつ日銀貸し出しそのものにつきましては、日本銀行の担当部署におきまして、所要資金の規模、使途を刻々と的確に把握しながら実行している、そういう状況でございます。
#129
○小池委員 そうすると、今、顧問委員会という御説明がございました。大蔵大臣のもとでの顧問委員会という認識でございます。
 ただ、私、この山一に関連してさまざまなことを伺うわけでございますけれども、例えば一兆円とかそういう大きな単位の話であるのに比べて、非常にちまちまとしたことで恐縮ではございますけれども、今清算事業に当たっている方々のオーバータイムであるとか、それから本当に細かい話ではございますが、お弁当代とかこういうことまでかなり乱脈が行われていることを、むしろ顧問委員会関係の方で伺いたいと思いますが、御存じでしょうか。
#130
○長野政府委員 御質問の中で、乱脈な経理が行われておるのではないかという御指摘でございますか。顧問委員会そのものの活動でございますか。
#131
○小池委員 清算事務に当たっている山一の方々です。
#132
○長野政府委員 お答え申し上げます。
 この顧問委員会というものは、私どもの業務の停止命令の中で指示し、日本証券業協会が選任した方々が協議の上、今、日銀副総裁が申されました会社の業務の方法と会社財産の保全ということのために設けました。
 これは、何のためにかと言うと、通常の場合、会社更生でございますとか破産の手続でございますと、保全管理人とか破産管財人といったような方々が、一方的に財産の処分が不当に廉価に行われていないかというチェックをいたしますけれども、山一証券の場合任意清算という、しかもその規模は日本のこれまでの任意清算の歴史上最大の規模でございましたから、今例示に挙げましたような特定の財産がどなたかに不当に安く処分されて、結果的には最終的に日銀の特融の負担に結びつくわけでありますから、そういったものをチェックするシステムとして設けさせていただいたわけでございます。
 今日までのところ、全体として私が報告を受けておりますのは、山一証券御自身におかれて、この清算業務について、言ってみればあしたのない業務を必死になってやっておられる中で、大変立派に清算の業務をやっておられるという称賛を聞きますし、顧問委員会の方からごらんになって、この業務が現場で不当におかしな状況になっておるという報告も受けておりません。大勢としてはそんな状況でございます。
#133
○小池委員 もちろん、清算事務というのは、これから明るい見通しがあるわけでもなく、大変つらい仕事だとは思いますが、かつて木津信がつぶれましたときに、これは日銀特融ではもちろんございませんが、預金保険の方から出たお金のうち、窓口で一億円がなくなってしまったというような事態も発生をいたしました。まさにモラルハザードの典型でございます。今、山一の方でも同じような、まあその額が今お弁当代がどうだとか随分細かい話をしたようでございますけれども、しかしながら、そういった中で、これはそれに当たっている方々がおっしゃっているわけで、本当にいいのかしらというような声を聞くわけでございます。
 顧問委員会というのがそういった細かいところまで見るものではないかとは思いますけれども、しかし、これは山一の日銀特融、必ず返ってくるということを期待はいたしておりますけれども、最終的には、これはまた日銀のお金ではなくて、それが私たち国民の方に戻ってくるわけでございます。ですから、現場のモラルハザードなどもしっかりと顧問委員会でチェックをしていただくように、そしてまた、山一の方々がしっかりと働く場が見つけられるように、そのためにも景気回復を、そして金融の健全化ということを一刻も早く進めていかなければならないというふうに思うわけでございます。
 それでは、副総裁、ほかにもあるのですけれども、きょうはもう結構でございます。お引き取りください。
 きょう、松野元証券局長の証人喚問が行われました。また、先ほど長野局長の方からも、前の質問者の方に対してもう既にお答えになっていたかと思います。以前私も質問させていただきました、例の飛ばしの問題を引き継ぎをしていたか否かというようなことで、先ほどもお答えがあったので、それについては答弁を求めません。しかし、まだ山一の問題にいたしましても、証券業界、大変揺れているわけでございますし、また総会屋事件に関する大掃除、まだまだ終わっていないのではないかというふうにも私は思います。
 そこで、年末、証券会社に対しての簿外債務、山一証券が持っていた簿外債務の問題、これについてあらゆる証券会社をもう一度チェックなさったわけですが、その結果について、長野局長、お伝えいただければと思います。
#134
○長野政府委員 簿外債務という御質問でございましたが、正確に申しますと、飛ばし取引の調査をいたしました。ただ、飛ばし取引というのは大変定義の難しい言葉でございますので、技術的には現先取引の形態だとかいうような形で、飛ばしという言葉をそのまま使ったわけではございませんけれども、広範囲に行いました。
 すなわち、顧客の間を仲介するような取引がありますか、あるいは顧客と自分の間、それでまた顧客というような含み損を抱えた取引がございますか、あるいは自己に発生した損失を含み損を抱えた状況で証券化されたものとして他に転売したことがありますか、大ざっぱに言えばこの三通りの項目でございますけれども、調査をいたしましたところ、形式的に、一部にその取引に該当するものが一件だけございましたけれども、それは最終処理の確認をいたしましたところ、全く不当なものでないということでございましたので、全体としては該当するものはないということでございました。
#135
○小池委員 そうすると、その一件以外はないということでございますね。
 昨年の暮れなのですけれども、これは大和証券が飛ばしをやっているのではないかということで、市場がそれだけで動いたときがございました。大和証券についても簿外債務は認められないということなのでしょうか。
#136
○長野政府委員 おっしゃるような市場のうわさというものが広まりましたが、大和証券につきましても今回の調査対象でございまして、そういったものはないという報告を受けております。
#137
○小池委員 そうすると、大和証券そのものからの直接の報告もなかったということでございますね。
 市場の問題でございますけれども、とにかく株式市場、大変うわさ好きといいましょうか、何にでもプラス・マイナスに反応する、それがまさにマーケットの、よく言えばだいご味であり、また悪く言えば、まあそれはやめておきましょう。そういうのがマーケットの習性でございます。ですから、かえって、うわさをいかにしてクリアするかといいましょうか、それはまさに情報公開ではないかというふうに思います。
 これまでのことを振り返ってみましても、隠ぺい、隠ぺい。つまり、金融関係のものだからということで、常にそれは伏せておく方が金融市場にとっていいという判断でもってこれまでの隠す方向があったと思います。しかしながら、実際には、そういったものは関係者、当事者もいるわけでございまして、どこかからまた漏れる。それにまたうわさに尾ひれがつくというようなことで、結局隠ぺいそのものがかえって大きな事態を招いてしまう。それについて例を挙げれば枚挙にいとまがないわけでございます。
 ディスクロージャー、これは大蔵省、そして金融機関、そして先ほどお帰りになりましたけれども日銀、このディスクロージャーというのはまさにこれからの金融ビッグバンにおける、これからといいますか、もう本日もそうでございますけれども、これが私は一番大きなキーワードではないかと思っております。
 それから、山一証券に有価証券等々を預けている方々、三月二十六日をもって引き取りというのが終わるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
#138
○長野政府委員 現在、山一証券の株式は新聞の隅の欄で特設ポストということで取引されておりますけれども、その取り扱いを継続することができなくなる段階に参ります。最終的な処理は東京証券取引所において行われることと存じますが、その後は、未公開株というものと同じ扱いになる。
 ただし、この未公開株の扱いにつきましては、昨年までは証券会社が取り扱うことを許しておりませんでしたけれども、金融システム改革の中で証券会社が未公開株を取り扱うということの道を開きましたので、そういった形での流通が行われると考えております。
#139
○小池委員 私は、山一証券に有価証券を預けている人たちということでちょっと伺いたかったのです。いずれにせよ、まだなかなかとりに来ないのは政治家じゃないかというようなことを言われております。
 最後に、夜遅くまで引きとめまして申しわけございませんけれども、郵貯のことで。
 最近は、株価対策としてとにかく矢継ぎ早にあの手この手で、だんだんみんな感覚が麻律するような、やれ十兆円だ二十兆円だという大型の数字が乱舞しているわけでございますが、これはひとえに株価対策、三月三十一日の瞬間風速に向けてということで、私にはどうも長期的な視点を欠いているように思います。
 そして、一兆三千億の郵貯、簡保の資金を株式市場へという論議、これについて、私は、国民の大切な資産をいまだに不安定な株式市場に投入するというのはいかがなものかということを考えるんですが、郵政省の方、この資金について株式市場へ投入することについて法的な問題そして株式市場に投入することについての考え方、お伝えください。
#140
○篠田説明員 委員からお尋ねのございました郵貯の資金運用に関する新聞報道等につきましては承知をいたしておりますけれども、まだ与党におきましてさまざまな御議論があるようでございまして、正式に決定されたということは伺っておりません。
 一般論として申し上げますと、郵便貯金資金や簡易保険の資金の運用は確実で有利な方法で行うということが基本でございまして、郵便貯金事業及び簡易生命保険事業の経営を健全ならしめ、預金者及び加入者の利益の向上を図ることを目的として行っているものでございます。現行の制度では、郵貯、簡保の自主運用資金を直接株式の購入に充てるということは認められておりません。
 いずれにいたしましても、与党内での御議論、決定というものを踏まえまして、政府全体としてどのような取り組みを行うか、また郵政省としていかなることが可能かということにつきましては、慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
#141
○小池委員 最後はまことに官僚答弁、ありがとうございました。
 せっかくお越しいただいたので、最後に一つだけ伺いたいんですけれども、今さまざまな接待問題が出ております。やはり郵貯の御担当の方というのは資金を持っていらっしゃって、それの運用の責任といいましょうか、窓口として極めて重要なポストにおられると思うんですが、今ちまたでいろいろと上がっているような接待の問題、これについて郵政省の方はどういう接待を恒常的にもしくは特別に受けておられるのか、最後に伺わせていただきたいと思います。
 というのは、私もいろいろな友人関係もおりまして、結局みんな同じじゃないかというふうに聞いているんですが、もし違うのならそう言ってください。同じであるならば、どういうふうにやっているのか教えてください。
#142
○篠田説明員 郵政省におきましても厳格な内部の規定を定めておりまして、お尋ねのような接待につきましては一切ございません。
#143
○小池委員 では一最後の言葉、余韻を残して終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#144
○井奥委員長代理 次に、佐々木憲昭君。
#145
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。本日最後の質問ですので、どうかよろしくお願いをいたします。
 最初に、法人税問題で質問をさせていただきたいと思います。
 法人税率を大幅に引き下げまして、実質減税を実行しようというのが今度の法案でありますけれども、その理由として、景気対策のためということがいろいろと言われております。
 それで、経団連の豊田会長は、現行四九・九八%、この税率を法案で四六・三八%に下げ、さらに九九年度税制改正でも四〇%まで引き下げるように求めたということも報道されております。
 そこで、法人税の減税というのが景気対策としてどの程度有効なのかという点についてお聞きをしたいと思うわけであります。
 まず、基礎的なデータをお聞かせいただきたいと思います。
 全法人二百四十四万社でありますけれども、このうち赤字法人の数、その比率、それから赤字法人のうちで資本金一億円未満の中小法人は何%か、このことを聞きたいと思います。
#146
○乾政府委員 国税庁で行いました平成八年分の会社標本調査結果によりますと、繰越欠損金当期控除後の赤字法人は約百五十七万六千社でございまして、全法人約二百四十四万社に占めます赤字法人の割合は六四・七%というふうになっております。また、資本金一億円未満の中小法人のうち赤字法人は約百五十六万社でございまして、したがいまして、赤字法人の、先ほど申しました百五十七万六千社のうち、資本金一億円未満の中小法人の割合は約九九%ということになっております。
#147
○佐々木(憲)委員 今の数字でも明らかなように、法人税の減税の恩恵を受ける、そういう企業は、赤字法人には恩恵が行かないわけでありますから当然黒字法人であります、その比率は約三五%、つまり三分の一にしか法人税減税の効果が及ばないということになると思いますが、こういう解釈でよろしいでしょうか。
#148
○尾原政府委員 今の赤字法人の割合からいたしますとそのような数字になるわけでございますが、今回の法人課税の見直しの趣旨ですが、短期的な景気対策にも資するものではございますが、基本は経済構造改革をどう進めていくかという観点から行われているものでございまして、中長期的に、それこそ新規産業の創出、企業活力の発揮、あるいは日本への投資の拡大を求めているものでございます。
 なお、今赤字法人のお話がございました。現在赤字法人である法人につきましても、将来業績が上向いて黒字となる場合には、この税率引き下げの恩典に当然浴することになるわけでございます。
#149
○佐々木(憲)委員 赤字法人が黒字法人になればそれは減税の対象になる、これは当たり前のことでありますが、しかし赤字法人の比率がこの数年間ずっと三分の二ぐらいあるわけです。ですから、そういうところにはその恩恵が及ばないということは、これは事実でありまして、まさにそこに構造的な問題があるわけですね。景気対策というのも一つの理由に挙がっているわけですから、その効果がどうかという点について検討する必要があると思うわけです。
 そこで、政府税調の専門委員の神野直彦東大教授はこのようにおっしゃっているわけです。「法人税減税にしても、景気の先行きに不安を持っている企業は、景気効果のある設備投資に減税分を振り向けない。なまじ投資にいったとしても、海外投資にまわるだけです。」こういう評価をされているわけであります。
 つまり、三分の一にしか恩恵が及ばないわけだけれども、その三分の一の企業も、結果としては減税の効果が設備投資に回らずに、実際には蓄積に回っていく、あるいは投資に回っても国内投資ではなくて海外投資に回っていく、したがって減税効果というのは十分にあらわれない、このようにおっしゃっているわけであります。これは非常に重要な点でありまして、同じ減税といいましても、その減税の対象あるいはその性格、内容、これによって現在の消費不況に対して効果的かどうかというのが決まってくるわけであります。
 それで、今何が大事かといいますと、昨年来の九兆円の負担増によって国民の消費というのは非常に落ち込んでおります。これが現在の不況の最大の原因になっている。ですから、今、デパートの売り上げその他でも史上空前の落ち込みがまた始まっているわけであります。そういうときに、同じ規模の減税をやる場合でも、法人税の減税でそれを行うのかあるいは消費税の減税で行うのか、この選択が大変重要だと私は思うわけです。
 そこで、私は、法人税の減税の効果と消費税の減税の効果、消費拡大にとってどちらが効果があるか、この点についてお聞きをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#150
○尾原政府委員 ただいま、法人税と消費税の減税の効果についてお尋ねがございました。数量的な比較は困難かと思います。
 ただ、一点申し上げさせていただきたいのでございますが、今回の法人税制改革は、税率を引き下げるのみならず、課税ベースを広げるということをやっておりまして、経済活動に対しまして、まさに中立的なものにしようということでございます。
 ネット減税になっている点、確かにそれは短期的な景気対策になるわけでございますが、全体として私どもが期待しておりますのは、まさに新規産業が創出される、企業活力が発揮される、さらには日本への投資が期待できるという経済構造改革であるということも御理解いただきたいと思います。
 それから、消費税についてのお話がございましたが、消費税の五%への引き上げは、平成七年から先行実施いたしました所得税、個人住民税の恒久減税等とおおむね見合うものといたしまして、平成六年秋に法定したものでございます。この増減税一体の税制改革は、高齢化の進展ということで我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、非常に重要な改革であると考えております。一言申し添えさせていただきます。
    〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕
#151
○佐々木(憲)委員 新規産業への刺激ということをおっしゃいましたけれども、業種別に見ましても、赤字法人が非常に多いのは、繊維産業が八割、食料品、製造業七〇%、それから、料理飲食、旅館業八割。つまり、こういう国民生活に密着している部分については、減税効果というのは非常に低いわけであります。ですから、そういう点でも、国民の消費拡大につながっていくかどうかという点については極めて疑問がある。
 それから、もう一つは、課税ベースの拡大ということをおっしゃいましたけれども、当面は実質的な減税でありますから、その実質減税の効果がどうかということが今問われているわけでありまして、この点では、経団連も、これをもっと下げろ、こういう圧力を加えているわけで、我々はそれは非常に不当だと思っておりますけれども、そういうことを指摘をしておきたいと思います。
 それから、消費税の問題で、先行減税に見合う、こうおつしゃいましたけれども、先行減税、これを取りやめて消費税を拡大したわけであります、増税したわけですから、その重みが昨年大きく国民にのしかかって消費が冷やされてしまった、こういう重大な事態を招いたということを認識する必要がある。
 それから、高齢化社会のためと言いましたけれども、例えば九六年度までの数字で見ましても、消費税導入によって三十一兆円が国庫に入りました。しかし、高齢者のための新たな施策には六%しか回っていないわけですね。
 こういうことを考えましても、今の議論というのは、全く我々は納得できないところでございます。
 そこで、一番大事なのは、やはり消費税の減税というのが現在の消費不況に直接効果がある、そういう性格の減税だという点を私たちは強調したいと思います。
 先ほど紹介しました神野教授は、このようなことをおっしゃっているんです。「景気刺激効果を期待するのであれば、消費税をダウンするしかない。一時的にも消費税率を下げれば、大きな消費拡大効果が出ると思います。」こういうふうにおっしゃっているわけでありまして、この点をよく検討をしていただきたいというふうに思います。
 では、次に、銀行に対する公的資金導入の件について、関連してお伺いをしたいと思います。
 既に二十一行に対して投入が決められました。閣議決定が行われました。まず基礎的なことでありますが、資本注入の最終決定権、これは金融危機管理審査委員会にあるのか、それとも内閣にあるのか、これは極めて初歩的な質問でありますが、どちらにあるというふうに考えておられるか、このことをお聞きしたいと思います。
#152
○松永国務大臣 今般の自己資本充実策においては、優先株式等の引き受け等について、まずもって審査委員会が、金融の危機管理という観点から、優先株式等の引き受け等について厳正な審査の上申請を承認するかどうかにつき議決を行うこととなっております。
 また、審査委員会の議決が優先株式等の引き受け等を承認するものであったときは、公的資金を活用する金融危機管理のための自己資本注入という事柄の重要性にかんがみ、さらに慎重を期する観点から、預金保険機構が大蔵大臣の承認を求め、大蔵大臣は閣議にかけて当該承認をするかどうか決定する旨が、法律上の手続として規定されておるわけであります。
#153
○佐々木(憲)委員 したがって、決定権は内閣にある。これは当たり前のことだと思いますが、そういう答弁でございました。(松永国務大臣「承認なんだよ、決定権じゃない」と呼ぶ)何ですか。
#154
○山口政府委員 恐れ入ります。今、先生、最終決定権とおっしゃいましたが、その最終決定権という意味するところがいろいろあると思うんですね。プロセスとしての最後の手段、手続という意味では確かに内閣でございますが、しかし、実際は、国会での御承認をいただきました三名の方を含めた審査委員の合議でもって、実質的には承認の議決をされております。これがある意味では最も重要な位置づけでございますので、その先生のおっしゃる最終決定権という意味がどれが重要かという意味であると、むしろその審査委員会の御審査ではないか。
 ただ、手続上、最初か終わりかとおっしゃれば、その最終という意味の、ファイナルなのか、インポータントかということで意味が違ってくると思います。
#155
○佐々木(憲)委員 最終という意味は手続上の最後ということでありますが、しかし、内閣というものの決定、内閣自身が決める、これは先ほど大臣がおっしゃったことであります。一松永国務大臣「承認」と呼ぶ一承認をするということですね。承認するということは、そこで承認を決めるわけでありますから。そういう点で、内閣の重みというのは大変重要だと思うわけであります。
 そうしなければ、内閣が軽いのであれば、何もそこで承認する必要はないわけでありますから、審査委員会に任せればいいわけです。そうしないで、最後は内閣が承認するということになっているわけですね。内閣はその上にあるわけです。そういう意味で、極めて重要な位置にあるということは明らかだと思うわけです。
 そこで、国が直接公的資金投入の決定を行うということでありますから、これは申請した銀行が、その内閣の決定によって、もちろん審査委員会が決め、内閣が承認をし、そのことによって公的資金を活用する、こういう関係になるわけですね。
 そこで、政治資金規正法の第二十二条の三でありますけれども、ここで「国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」このように決めているわけでありますが、この給付金というのは当然広い意味でこれは用いられておりまして、名称いかんにかかわらず、国から交付される金銭である限りその対象に含まれるはずでありますが、この点は、自治省、確認できますか。
#156
○岩尾説明員 ただいまのことでございますけれども、政治資金規正法第二十二条の三でございますが、これは、国から直接その補助金等の交付の決定を受けた会社その他の法人が政治活動に関する寄附をすることは禁止されているという規定でございます。今回のケースは、個々の金融機関への出資、これは整理回収銀行が行うものでございまして、国が行うものではございませんので、この規定によりまして政治活動に関する寄附を禁止されるものではないということでございます。
#157
○佐々木(憲)委員 今の答弁は納得できません。国が決定を行うわけでありますから、交付の決定をするのですから、国が直接お金を渡すわけではないのはもちろんでありますが、整理回収銀行を通じて行くわけですね。しかし、この資金は国が承認するわけです。最終的に国が決めるわけであります。
 自治省選挙部政治資金課編集の「政治資金規正法」、この解説があります。それによりますと、このように書かれているわけです。国から直接給付金の交付の決定を受ける場合をいう、それで、交付の決定を受けた場合とは何かということの説明で、国が決めたということを意味すると解説をしているわけであります。ですから、当然これは入るのじゃありませんか。対象になるのじゃありませんか。
#158
○岩尾説明員 これは、交付決定手続を国が行うという意味でございます。
#159
○佐々木(憲)委員 交付決定の手続を国が行う、止そういう場合には対象になるということですね。ですから、今回の公的資金投入、優先株等の購入の資金を国が決定をする、最終的に承認をする、このことは当然この規定の中に入るわけであります。ですから、内閣が決めて、申請をした銀行が受け取る、その受け取った銀行が政治献金を行えば、これは政治資金規正法の規制対象になるのじゃありませんか。
#160
○岩尾説明員 今回のケースでございますが、これは補助金の交付ということでございませんで、整理回収銀行からこれらの金融機関に対する出資を行っているというふうに理解しております。
#161
○佐々木(憲)委員 今までの自治省の答弁あるいは自治省の解説、いろいろ自治省が出している本は私全部見ましたよ。全部、国が直接決定をして、その決定したお金が申請をした会社に入る、そういう場合に、ルートは問わず、決定権がどこにあるかということによって規制の対象が明確に規定されているわけです。規制されるということが決められているわけであります。だから、これは、政治献金は禁止ということが当然のことであります。
 最後に、大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、内閣が決めるわけですね。最終的に承認するわけです。その資金は、名称はどうあれ、国から交付される資金でありますから、したがって、それを受け取った銀行が例えば政権与党に献金をする、これは、当然こういうことはやめるべきじゃありませんか。当然その決定に影響を与える、そういう可能性があるわけですから、そういうものはやはり自粛するとか、あるいは受け取らないとか、そういう決意を大臣としてすべきじゃありませんか。いかがでしょうか。
#162
○松永国務大臣 委員はしばしば言葉を変えていらっしゃるわけでありますが、私は、正確に申し上げたのは、申請を承認するかどうかにつき議決を行う議決を行うのは審査委員会でございます。それを承認するのが閣議であります。それと、もう一つは……(発言する者あり)税金ではございません。株式等の引き受けあるいは社債等の引き受けをして、いわば購入するのは整理回収銀行であります。その資金は、預金保険機構が日銀から融資を受けた金でございます。日銀から融資を受けた預金保険機構の金が整理回収銀行に行って、整理回収銀行が言うなれば優先株を引き受け、買い取るわけですよね、あるいは社債を買い取るわけです。したがって、国の金が直接行ったということにはならないというふうに私は解釈いたします。
#163
○村上委員長 佐々木君に申し上げます。
 お約束の時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。
#164
○佐々木(憲)委員 簡潔に、質問を最後一問だけさせていただきますが、決定する、つまり最終的に承認するということは、銀行が申請をして、その銀行が政府の最終承認のもとで財政資金を投入されるわけです。そうでしょう。日銀から借りても政府保証がついているのです。政府保証がついているということは、最終的には財政資金の投入の可能性があるわけであります。交付国債だってそうでしょう。
 したがって、そういうお金を受けている銀行が政治資金を出すということは、これはこの法律からいってもおかしい。そして同時にまた、政治姿勢からいっても、そういうものを受け取っていながら、あなたの銀行には交付しますよ、あなたの銀行にはお金を注ぎますよ、こういうことになりますと、これはぐるみになってしまうわけでありますね。したがって、接待という問題が言われていますけれども、全体のこの仕組みが銀行の接待の枠の中にはまっていると言わざるを得ないわけであります。そういう点で先ほどの大臣の答弁は極めて問題がある、こういう点について自粛もしない、そういう点で私は極めて大きな問題を残す発言だというふうに思います。
 もう時間が参りました。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#165
○松永国務大臣 私は、今回の金融システム安定化法に基づく優先株式あるいは劣後債等の引き受けを、預金保険機構のもとにある、預金保険機構から委託を受けた整理回収銀行が行うその仕組みについて、私のつたない話でございますが、解釈論を申し上げたわけであります。それと政治資金規正法の問題は、これは自治省の方の解釈にゆだねたい、こう思います。
#166
○村上委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
     ――――◇―――――
#167
○村上委員長 平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案を追加して議題といたします。
 両案に対する質疑の申し出がありませんので、これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#168
○村上委員長 これより電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案及び関税定率法等の一部を改正する法律案の両案について議事を進めます。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#169
○村上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#170
○村上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#171
○村上委員長 ただいま議決いたしました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、坂井隆憲君外四名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。坂井隆憲君。
#172
○坂井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定に寄与するよう努めること。
   なお、関税の執行に当たっては、適正な課税の確保に向け、より一層努力すること。
 一 国際化の著しい進展、相互依存等による貿易量、出入国者数の伸長等に伴う業務量の増大、銃砲、覚せい剤をはじめとする不正薬物、知的財産権侵害物品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの国際的・社会的重要性にかんがみ、税関業務の一層の効率化、重点化に努めるとともに、今後とも税関業務の特殊性を考慮して、税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を払うこと。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願い申し上げます。
#173
○村上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#174
○村上委員長 起立総員。よって、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。大蔵大臣松永光君。
#175
○松永国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#176
○村上委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○村上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#178
○村上委員長 次回は、明十九日木曜日午前十一時十分理事会、午後一時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後十時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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