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#1
第142回国会 地方行政委員会 第9号
平成十年三月二十日(金曜日)
    午後七時四十一分開議
出席委員
  委員長 加藤 卓二君
   理事 今井  宏君 理事 谷  洋一君
   理事 平林 鴻三君 理事 宮路 和明君
   理事 古賀 一成君 理事 葉山  峻君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 佐藤 茂樹君
      石橋 一弥君    稲葉 大和君
      住  博司君    滝   実君
      中野 正志君    西川 公也君
      西田  司君    平沢 勝栄君
      藤本 孝雄君    持永 和見君
      保岡 興治君    川端 達夫君
      桑原  豊君    古川 元久君
      松崎 公昭君    白保 台一君
      富田 茂之君    西村 章三君
      穀田 恵二君    春名 直章君
      畠山健治郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 上杉 光弘君
 出席政府委員
        自治大臣官房長 嶋津  昭君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
        自治省税務局長 成瀬 宣孝君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        専門員     黒沢  宥君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三四号)
 地方財政の拡充強化に関する件
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 両案に対する質疑は、昨十九日終了いたしております。
 これより両案に対する討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。滝実君。
#3
○滝委員 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、法人事業税の税率の引き下げ、住民税の土地譲渡益課税の見直し、特別土地保有税の特例措置の見直し等の措置を講じるほか、地方分権に対応し、地方団体の課税自主権を拡充するための所要の見直しを行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。
 これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状及び地方財政の状況等から見て、いずれも当面の課題に的確に対応するものであり、適切かつ妥当なものと考えます。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、平成十年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるほか、財政構造改革の集中改革期間中における交付税総額の安定的な確保を図るための特例を設けるとともに、国土保全対策に要する経費を初め所要の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正することとしております。
 これらの改正は、現在の経済情勢の動向、国及び地方の財政状況等から見て、いずれも地方財政の円滑な運営にとりまして極めて適切なものと考えます。
 以上のような理由により、両案に賛成の意を表するものであります。
 政府におかれましては、地方分権を推進し、新時代にふさわしい地方自治を確立されるよう強く希望するものであります。
 以上で、政府提出の両法案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)
#4
○加藤委員長 古川元久君。
#5
○古川委員 私は、民友連を代表しまして、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。
 まず最初に、私どもは、地方に対し一刻も早く地方の自主財源たる地方交付税を交付できる状況にしたいという点に関しては、政府の考え方といささかの相違もないことを申し上げます。
 しかしながら、この二法案は、これまでの国と地方の財源配分に関する問題を何ら改善するものではなく、むしろ悪化する国の負担を地方も一部負担せよといった考えから、ますます地方財政を悪化させる形で国への追従を強要するものであり、到底容認できるものではありません。
 今は、昨年出されました地方分権推進委員会の勧告に従って、地方分権の推進を言葉から実行に移すべきときであります。とりわけ地方財政の充実はそのかなめであり、それなくしての地方分権はあり得ません。にもかかわらず、従来どおりに国への追従を地方に求めるのでは何の前進もありません。
 私どもは、今回の二法案に反対をすることで、こうした課題先延ばしの姿勢はもう認められないことを強く主張したいと思います。
 以上のような理由から、民友連としては地方税法等の一部改正法案及び地方交付税法等の一部改正法案の両案ともに反対であることを重ねて申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
#6
○加藤委員長 桝屋敬悟君。
#7
○桝屋委員 私は、平和・改革を代表して、両法律案に対する反対討論を行います。
 反対する第一の理由を申し上げます。
 私ども平和・改革は、平成十年度予算政府案は、当面の厳しい不況や経済の構造改革、少子・高齢社会への準備など、当面する課題にも中長期的にも対応しているとは認めがたいため、国の責任に重点を置いた総額六兆円超規模の大幅減税の実施や預金保険機構の金融危機管理業務に係る債務への政府保証の削除、さらには社会保障、教育、環境対策、社会資本の整備拡充、財政構造改革法の改正などに重点項目を絞り、平成十年度予算政府案を撤回の上組み替えることを強く要望してまいりました。
 しかるに、三月十九日、自由民主党国対委員長名でありました回答は、残念ながら全くのゼロ回答でありました。
 したがいまして、平成十年度予算に基づき地方財政の動向を決定する両法律案は、我が国を取り巻く厳しい不況を乗り越えるものではなく、国の財政を守るため国民生活を犠牲にするものであると断ぜざるを得ません。さらに、公共事業の大幅前倒し発注との話も、年度後半の予算枯れから大型補正予算が顔を出すのではと大いに危惧をするものであります。
 反対する第二の理由は、平成八年度以来三年連続の大幅な財源不足の状況に対する制度改正は、地方交付税特別会計借入金の償還繰り延べなど、財政構造改革という悪法にとらわれた問題先送りの対応であり、法に則した制度改正とは認めがたい点であります。
 第三の理由は、地方税法の改正案についても、法人、土地税制においてネット減税ではあるものの、法人税の課税ベースの改正により中小零細企業への対応はかえって厳しくなっており、また地方団体の歳出と税収の乖離を縮小するための抜本的な改革への道筋が全く見えない状況となっております。
 以上が反対する理由でありますが、最後に、現下の厳しい経済状況を克服し、急務である地方財政の再建のため、政府の抜本的な対応を強く求め、討論といたします。(拍手)
#8
○加藤委員長 佐藤茂樹君。
#9
○佐藤(茂)委員 私は、自由党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。
 反対する第一の理由は、我が国の経済情勢がいまだ深刻であることは今さら言うまでもなく、その影響は地方財政にも当然に及んでおります。橋本内閣が我々の反対を押し切って行った九兆円にも上る国民負担増が九七年度をマイナス成長にまで落ち込ませようとしている以上、同程度の、国と地方にわたる経済対策を実施しなければならないのは当然であります。特別減税やそのほかの税制改正による実質減税額を含めても三兆円にもならない減税では、まさにばらまき効果しかありません。
 我が党は、平成十年度予算案に対し組み替え動議を出し、その中で十兆円規模の恒久減税の実施や国、地方公共団体の行財政構造の抜本的な見直しを強く求めてまいりました。
 今回の法改正の関連では、我が党はかねてより、法人関係税の実効税率を一〇%引き下げ、四〇%とすることを主張しております。グローバル化の加速する経済状況にあっては当然のことであり、少子・高齢化社会にあっても民間活力が最大限に発揮され、世界経済とも調和のとれる税体系を構築しなければなりません。
 そのためには、課税ベースの適正化もさることながら、国、地方をあわせた体系的な税制、行政、財政の構造改革が必要であります。国、地方をあわせた歳出歳入構造の改革に着手し、国、地方自治体の税源配分の適正化を行わなくてはなりません。
 しかるに、今回の改正はこのような抜本的な改革にはほど遠く、反対せざるを得ません。
 反対の第二の理由は、橋本内閣は財政構造改革法によりみずからの手足を縛ってしまわれました。
 平成十年度地方財政計画も財政構造改革法に基づく超緊縮型であり、特に今回の制度改正で平成六年度以降の多額の財源不足並びに平成八年度以降三年連続して地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当することを踏まえ、地方交付税特別会計借入金の償還を平成十三年度以降に繰り延べる等とされた措置は、まさに財政構造改革法という悪法に縛られた後年度への問題先送りで、地方財政の再建のための抜本的な改革にほど遠い内容であり、断じて認めるわけにはいきません。
 以上の観点から、両法律案に反対し、私の討論を終わります。(拍手)
#10
○加藤委員長 春名直章君。
#11
○春名委員 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案に対して、反対の討論を行います。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案についてであります。
 反対の第一の理由は、改正の最大の特徴が大企業向け減税にあるからであります。
 経団連は九八年度の税制改正に当たって、法人課税の実効税率を先進諸国並みの四〇%程度に引き下げることを最優先課題として政府に働きかけをしましたが、最も大きな減税規模である法人事業税の改正は、まさにこの要望にこたえたものであります。国税庁の平成八年分の会社標本調査結果によっても、資本金百億円以上の法人の場合、赤字法人の割合は三二・一%、一方、資本金百万円未満の場合は七九・五%という実態からして、減税の恩恵が担税力のある大企業に集中することは明らかであります。
 第二は、国民を苦しめたバブル経済の再現につながる改正内容であるからであります。
 特別土地保有税三百十一億円の減税は、バブル期の課税強化の撤廃をその主な内容とするもので、大手ゼネコンや不動産業界、金融機関等が抱える不良資産、遊休土地に関する企業の負担を軽減するものであります。土地取引が回復しつつあるとき、地価税の凍結とあわせて特別土地保有税の減税は、それに水を差すものであり、企業を再び土地の買い占めに走らせることにつながるのであります。
 これらはいずれも景気対策として打ち出されたものでありますが、現在の景気の後退は昨年四月の消費税率の引き上げを初めとした九兆円の国民負担増にあります。景気回復というなら国民の懐を直接暖めること、すなわち消費税率の五%から三%への引き下げ、所得税、住民税の恒久減税こそが求められているのであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。
 法案は、借入金償還の三年間の先送り、三年間の交付税特別会計の借入金による財源不足の補てんなど、国の財政構造改革法の路線に沿った内容になっていますが、与党幹部からも公共事業中心の大型補正予算の声が上がるなど、その路線の破綻は今や明白になっております。ところが、社会保障や教育など国民生活へのしわ寄せ、削減だけは継続し、押しつけているのであります。本改正案は、この破綻路線に沿って地方財政にますます困難を持ち込むものであり、断じて許せません。
 また、内容においても五年連続の地方財政の大幅な財源不足、とりわけこの三年間は交付税法第六条の三第二項に該当する事態にありながら、財源不足の大半を地方債の増発や地方の借入金で賄っているのであります。しかもこの借入金方式は、かつて地方の借金が増大するとの理由で廃止したものではありませんか。それを再び導入するなら、少なくとも、かつて廃止したことについての真摯な反省の上に立って行われるべきであることを厳しく申し上げ、討論を終わります。(拍手)
#12
○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#13
○加藤委員長 この際、地方税法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#15
○加藤委員長 この際、本案に対し、今井宏君外四名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。古賀一成君。
#16
○古賀(一)委員 私は、この際、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の五会派を代表し、地方税法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方公共団体の財政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左の点についてその実現に努めるべきである。
 一 地方分権推進委員会の勧告を尊重し、地方税の充実確保を図るため、国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、国と地方の税源配分の在り方を検討すること。また、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築について検討すること。
 二 地方税については、地方における歳出規模と地方税収入の乖離を縮小するという観点に立ち、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図ること。法定外普通税の許可制度の廃止や法定外目的税の創設等について、国と地方の関係についての一般的なルールが制定され次第、速やかにその実現に努めること。
 三 地方の法人課税については、税収の安定化、事業に対する応益課税としての税の性格の明確化等の観点から、事業税の外形標準課税の問題を中心に総合的な検討を進めること。
 四 税制の簡素化・税負担の公正化を図るため、非課税等特別措置については、引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたしたいと思います。
#17
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 今井宏君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○加藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上杉自治大臣。
#19
○上杉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
 どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#20
○加藤委員長 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#23
○加藤委員長 次に、地方財政に関する件について調査を進めます。
 この際、今井宏君外四名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による地方財政の拡充強化に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。今井宏君。
#24
○今井委員 この際、地方財政の拡充強化に関する件につきまして、決議をいたしたいと存じます。
 本件につきましては、理事会等におきまして、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の五会派間で協議が調い、お手元に配付してございます案文がまとまりました。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    地方財政の拡充強化に関する件(案)
  厳しい地方財政の状況と財政需要の増大にかんがみ、政府は次の諸点について措置すべきである。
 一 百五十六兆円に上る多額の借入金が地方団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にかんがみ、地方の一般財源の充実強化に努め、地方財政の健全化を図ること。
 二 地方分権の進展に伴い、地方団体の自主性・自立性を高めるため、地方税の充実強化に努めること。
 三 地方交付税の中長期的な安定確保を図るため、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨を尊重し、通常収支不足を解消するための方策を講じること。また、地方交付税が地方団体共有の固有財源であることを明確にするため、国の一般会計を通すことなく国税収納金整理資金から直接交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を検討すること。
 四 地方団体が、社会経済情勢の変化、地方分権の進展及び増大する行政需要に的確に対応するため、自主的な市町村合併や広域行政など行政体制の整備や、自主的かつ計画的な行財政改革の一層の推進を行うよう支援すること。
 五 介護保険制度について、円滑な事務が遂行できるよう適切かつ十分な準備措置を講ずること。
 六 国庫補助負担金の廃止・縮減に当たっては、その内容、規模等を考慮しつつ、対応して地方税、地方交付税等一般財源の確保を図ること。
  右決議する。
以上でございます。
 何とぞ委員の皆様方の御賛同をお願いいたします。
#25
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 今井宏君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#26
○加藤委員長 起立多数。よって、動議のとおり地方財政の拡充強化に関する件を本委員会の決議とするに決しました。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上杉自治大臣。
#27
○上杉国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#28
○加藤委員長 お諮りいたします。
 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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