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1998/04/02 第142回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第142回国会 地方行政委員会 第10号
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1998/04/02 第142回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第142回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第142回国会 地方行政委員会 第10号
平成十年四月二日(木曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 加藤 卓二君
   理事 今井  宏君 理事 谷  洋一君
   理事 平林 鴻三君 理事 宮路 和明君
   理事 古賀 一成君 理事 葉山  峻君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 佐藤 茂樹君
      石橋 一弥君    稲葉 大和君
      下村 博文君    滝   実君
      中野 正志君    西川 公也君
      西田  司君    平沢 勝栄君
      藤本 孝雄君    持永 和見君
      矢上 雅義君    桑原  豊君
      松崎 公昭君    吉田 公一君
      渡辺  周君    白保 台一君
      富田 茂之君    西川太一郎君
      西村 章三君    穀田 恵二君
      春名 直章君    畠山健治郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 上杉 光弘君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        総務審議官   金重 凱之君
        自治大臣官房長 嶋津  昭君
        自治省行政局長 鈴木 正明君
        自治省財政局長 二橋 正弘君
        自治省税務局長 成瀬 宣孝君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        専門員     黒沢  宥君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二日
 辞任         補欠選任
  住  博司君     矢上 雅義君
  保岡 興治君     下村 博文君
  川端 達夫君     吉田 公一君
  古川 元久君     渡辺  周君
  西村 章三君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  下村 博文君     保岡 興治君
  矢上 雅義君     住  博司君
  吉田 公一君     川端 達夫君
  渡辺  周君     古川 元久君
  西川太一郎君     西村 章三君
    ―――――――――――――
三月三十一日
 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第八〇号)
同月二十七日
 軽油引取税増税分の延長措置反対に関する請願
 (穀田恵二君紹介)(第九二〇号)
 同(寺前巖君紹介)(第九二一号)
 同(春名直章君紹介)(第九二二号)
 同(平賀高成君紹介)(第九二三号)
 同(吉田公一君紹介)(第九二四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月三十日
 住居集合地域をパチンコ店の進出から守るため
 の風適法改正に関する陳情書(東京都練馬区光
 が丘三の九の一祖慶雅子)(第一二九号)
 地方自治体への税源移譲等に関する陳情書外十
 六件(金沢市広坂二の一の一石川県議会内角光
 雄外十六名)(第一三〇号)
 特別職地方公務員駐在員の事務遂行に関する陳
 情書(佐賀県伊万里市脇田町三四二の二濱砂徹
 )(第一七九号)
 現行行政書士制度の堅持に関する陳情書外一件
 (三重県度会郡御薗村大字長屋一二二一御薗村
 議会内辻村勝二外一名)(第二〇四号)
 地方議会活性化のための関係法令の改正に関す
 る陳情書(鹿児島市山下町二の一鹿児島市議
 会内中島耕二)(第二〇五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第八〇号)
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。上杉自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方自治法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○上杉国務大臣 おはようございます。連日御苦労さまでございます。
 ただいま議題となりました地方自治法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 この法律案は、地方制度調査会の答申にのっとり、大都市の一体性及び統一性の確保の要請に配慮しつつ特別区の自主性及び自立性を強化するとともに、都から特別区への事務の移譲を行い、あわせて都と特別区との間の役割分担の原則を定めるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、地方自治法の一部改正に関する事項であります。
 まず、都と特別区との役割分担の原則に関する事項として、都道府県と市町村の役割分担の規定に準じて、都と特別区との役割分担の原則に関する規定を設けることとしております。
 すなわち、都は、特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として、都道府県が処理するものとされている事務、特別区に関する連絡調整の事務のほか、市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、当該区域を通じて都が一体的に処理する必要のある事務を処理するものとし、特別区は、基礎的な地方公共団体として、都が処理するものを除き、一般的に、市町村が処理するものとされている事務を処理するものとすることとしております。
 次に、特別区の廃置分合または境界変更に関する事項として、その手続について一般の市町村の廃置分合または境界変更に準じた取り扱いをすることとしております。
 また、特別区における事務の処理に関する事項として、都知事は、主として特別区の区域内に関する事務について、都の規則により、特別区の区長に委任して管理し及び執行させるものとする規定、都は、条例で特別区の事務について特別区相互の間の調整上必要な規定を設けることができるものとする規定などを削除することとしております。
 さらに、特別区財政調整交付金に関する事項として、都は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的か
つ計画的な運営を確保するため、市町村民税法人分、固定資産税及び特別土地保有税の一定割合を特別区財政調整交付金として交付するものとする等、特別区財政調整交付金の内容を規定することとしております。
 第二は、関係法律の整備に関する事項であります。
 まず、地方財政法の一部改正に関する事項として、年度間の財源調整のために積み立て等を要する一般財源の範囲に特別区財政調整交付金を加えるものとするほか、特別区の起債制限に係る都との連動を緩和するための改正を行うこととしております。
 次に、地方税法の一部改正に関する事項として、都はゴルフ場所在の特別区に対してゴルフ場利用税交付金を交付するものとすること、及び鉱泉浴場所在の特別区は入湯税を課するものとするほか、特別区が法定外普通税の新設及び変更について都の同意を得なければならないものとする規定を削除することとしております。
 さらに、都から特別区への事務の移譲に関する関係法律の一部改正に関する事項として、都から特別区への事務の移譲に関し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律などの関係法律について、所要の改正を行うこととしております。
 最後に、地方自治法別表の規定の改正等所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、地方自治法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#4
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○加藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。
#6
○下村委員 自由民主党の下村博文でございます。このような機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。
 それというのも、私も、東京板橋区より選出をさせていただいておりまして、都議会議員もしておりましたから、長年の特別区を中心とする都民の五十年余りにわたる念願が、いよいよ今回国会の中で出されたということで、関係者の方々にとっては大変に感慨無量の思いできょうのこの委員会も見詰めているのではないかというふうに思います。
 今回、特に上杉自治大臣を初めとして自治省の方々には、特段の御努力をいただきましたことを感謝申し上げたいと存じます。
 そして、実は、この都区制度移管は東京だけの特殊なシステムの部分がございますから、ほかの地域の方々にとってはなじみがない、あるいは余り理解をされていないことも多いかというふうに思います。同じ区といっても、政令指定都市、大阪とかあるいは横浜等にもやはり区というのがございますけれども、この区と、そして東京の二十三区における区というのはそもそもあり方が違うわけでございます。しかし、この都区制度移管をきっかけとして、さらにこれから我が国における地方分権の大きな流れをつくるきっかけにもなるようなこういう位置づけの中で、今回の自治法の改正をぜひ自治省としても推し進めていただきたいと思います。
 ちょっと整理の意味で、そもそも都区制度改革の今回までの経緯について、簡単に私の方から御説明を申し上げたいと存じます。
 この二十三区はほかの市町村と異なりまして、東京都を基礎的自治体とし、特別区はその内部団体として自治権を制限する方がよいということの自治法の改正が昭和二十七年に行われたということから端を発しているわけであります。しかし、実際に、昭和三十九年とかあるいは昭和四十九年等の改正で、特別区の自治権の制限を少なくする方向で都区制度改革というのが行われてきました。
 大阪や、あるいはほかの政令指定都市には区長というのはいらっしゃるとは思いますけれども、二十三区の場合には、その区長も公選になりましたし、それから、それぞれの区の中に区議会があり、ある意味では、実質的には基礎的自治体として機能していたわけであります。しかし、形式的には、昭和二十七年に、基礎的自治体は東京都であり、特別区は内部団体だということで形としては進めて、実態的にはあったにもかかわらず、実際のところは、法律的に基礎的自治体として認められていなかった。
 その辺の制約の中で、ぜひ、特別区もほかの市町村と同じような基礎的自治体として位置づけをし、活動をさせてほしいという中での運動が長年繰り広げられてきたわけであります。
 その熱意の中で、自治省でもその思いを受けていただき、いろいろな関係機関に対する調整をされた中で、昨年、平成九年十二月二十五日に、上杉自治大臣が、自治省として三位一体の改革が同時に決定され、そして、平成十二年四月に法制的にも実態的にも実施されることを前提に改正法案をこの国会で提出したいということの中で、今回提出がされたわけでございます。
 そういう中で、まず基本的に、三位一体の改革ということについて、自治省として、具体的にこの法改正の中でどのような盛り込みをする中で、東京都の位置づけ、そして特別区の位置づけを明確にされたのか。基本的なことについてまずお伺いしたいと存じます。
#7
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 今回の改革につきましては、今お話ございましたが、基本的に、財政自主権の強化を初めとする特別区の自主性、主体性の強化ということ、また、清掃事業など住民に身近な事務を特別区の方に移譲すること、それとあわせまして、そういうことによりまして基礎的地方公共団体として特別区を位置づける、いわば三つの事柄を一体として改革を行おうとするものでございます。
 特別区が基礎的な地方公共団体として位置づけられますと、まず、特別区は、一般の市町村と同様に、住民に身近な地方公共団体ということで、住民に身近な行政を、いわば広域団体である都に優先して行うという役割分担の原則が明確にされるものと考えております。
 また、第二点としては、特別区の都の内部団体としての性格というものが払拭されますことから、都の内部団体であるということを前提として設けられておりました、いわば特別区に対する都の関与につきまして、地方自治法上の特例措置は廃止するということで、法制度上も都から独立した地方公共団体になるということになります。
 さらに、特別区が基礎的な地方公共団体として位置づけられますとともに、特別区の存する区域においては、都が特別区を包括する広域の地方公共団体として位置づけられることになりまして、特別区の存する区域においても二層制の地方自治制度がとられる、こういうことに相なる次第でございます。
#8
○下村委員 この中で、特に、特別区が基礎的自治体になる、それから、特別区の財政自主権、それから、清掃事業を初めとする住民に身近な事務を特別区に移譲するということで、基礎的自治体として位置づけられることにより、これから、より明確な地方分権、東京都からそれぞれの区に対して権限が移譲されるということになるわけでございます。
 ぜひそういう意味では、地方分権という大きな流れの中でいえば、ほかの道府県においても同様に、基礎的自治体としての市町村等に対する分権の加速度がこれによってつくような、そういう動きを自治省としても考えていただきたいというふうに思いますが、そもそも、東京における特別区と政令指定都市における区の違い、その辺の分権の相違、それをちょっと、基本的なことについてお示しいただきたいと存じます。
#9
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 特別区といわゆる指定都市の行政区との違いでございますが、基本的なことで恐縮でございますが、お尋ねでございますので申し上げます。
 特別区は、先生からもお話ございましたが、法人格を有しておりますが、指定都市の行政区は、これは住民に身近な行政の円滑な処理ということで、行政の必要のためにいわば区域を画する行政区画というものでございまして、地方公共団体としての法人格は有しておりません。それから、特別区には、区長は公選でございまして、区議会も置かれております。委員会、委員等の執行機関あるいは附属機関につきましても、市と同様のものが設けられております。
 一方、指定都市の行政区には区議会は置かれておりません。また、区長は市の職員の中から市長から任命されるということとなっておりまして、選挙管理委員会のほかは、一般の市町村に置かれる委員会、委員等は設けられておりません。
 また、特別区の仕事でございますが、今ほども御説明申し上げましたか、住民に身近な事務でありながら、大都市の一体性ということで都に留保されている事務もございますが、それを除きますと、おおむね市の処理する事務を処理するということでございまして、それを処理するために独自の条例、規則の制定権あるいは課税権を有しておりまして、予算の編成も行っております。
 一方、指定都市の行政区は、指定都市の事務を分掌するということで、条例、規則制定ということはありませんし、課税権、予算編成の機能も有していないということでございまして、特別区は行政区とは異なりまして、ほぼ一般の市町村と同様の行政組織、機能を有しているものでございます。
 しかし、先ほども申し上げましたように、依然として、特別区は都の内部団体という性格、また位置づけにとどまっているところでございまして、今回、大都市の一体性及び統一性の確保の要請に留意しながら、特別区の自主性、自立性を強化して、改正を行おうとするものでございます。
#10
○下村委員 特別区の自主性がさらにこれから増すという中での基礎的自治体として位置づけられるということでありますが、そもそも、東京都においてこの区制度がスタートしてから、それぞれの区の中においてかなりのアンバランスといいますか、人口的な開きも出ております。
 二十三区の中で一番人口が少ない千代田区が約三万五千ぐらいですか、一番大きい世田谷区が七十八、九万ということで、これだけの大きな開きがある中での基礎的自治体としての位置づけということですから、今後、国の方で、あるいは政府が考えている地方分権という中で、さらに次の段階として、この二十三区の基本的な位置づけが、基礎的自治体の一つのものとして、廃置分合というのが独自にできる、これが基礎的自治体の要件になる。
 これは、市町村が合併を行う場合はみずから発意することができるけれども、特別区の場合は、今まではこの発意権が東京都知事に専属をしていた。また、市町村で認められた住民からの合併協議会設置の要求についても、特別区民は認められていなかった。これが、今まで特別区が都の内部団体としての位置づけだったわけだけれども、それが、この基礎的自治体となることによって、この廃置分合もみずからできるようになるということになってくるのではないかというふうに思います。
 先日、東京四区で衆議院の補選がございましたが、この大田区等も、実際、衆議院の選挙区の方が、区よりも小さい。ですから、衆議院の選挙区よりも都議会議員や区議会議員の選挙区の方が広い。一方で、幾つかの区が一緒になって衆議院の一つの選挙区になっている。そういうアンバランスな部分もあるわけでありますから、今後、これは別に選挙制度に合わせるということではありませんが、この次の段階として、それぞれの区のみずからの発意によって廃置分合等も理想的な分権への方向性の中で考えていくことも必要になってくるのではないかというふうに思います。
 基本的に、こういうことについて自治省ではどのような認識を持っておられるか、お聞きしたいと存じます。
#11
○鈴木政府委員 特別区につきましてですが、成り立ちは、今お話ございましたように、区域は従来からの沿革に基づいておりまして、かなり長い期間にわたりまして特別区の合体、分立といった措置がなされておりませんので、御指摘のような状況になっております。
 特別区のあり方の議論でございますが、その沿革からいいまして、また大都市としての特質からいいまして、一般市町村間における以上に相互の統一性というものが求められている、こういうことがあります。また、地域社会の実態が非常に大きく変わってきているということを踏まえて、特に人口減少等の著しい都心地域の特別区の再編、あるいは周辺地域とも合わせた特別区の存する区域の見直し、こういつたことの必要があるという御指摘もなされてきております。
 それで、こういった点につきましては、他方で、特別区の再編というものは、その効果や影響というものの及ぶ範囲というものを考えますと大変大きなものがあります。単に都区制度の枠内にとどまるだけでなくて、大都市制度あるいは首都圏制度のあり方を含めまして今後十分な論議が必要である、こういうふうに考えております。また、その際には、特別区の存する区域における昼夜間人口の著しい流動性、また税源の地域的偏在、また多摩地区と特別区の存する区域との関係といったこと、地域社会の実態というものの変化ということを頭に置きながら検討していく、論議をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 今お話のございましたように、今回の改正におきましては、特別区の廃置分合、境界変更に関しまして、特別区にいわば発意、発議の機能というものを付与いたしておりますので、またこれを前提としまして、合併につきましても一般の市町村の合併の特例に関する法律を適用することといたしておりますので、将来に向かいましては、特別区の再編といった面でも分権の趣旨に沿っているものではないかと考えております。
#12
○下村委員 これから大都市圏の中における特別区の自主性がさらに増してきた中での、地方分権に向けて大きな流れにもなってくる中での今のテーマ、課題であるというふうに思います。
 その中の特殊性の一つとして、財源の問題がございます。
 これは、やはり昨年の暮れ、上杉大臣の三位一体の中の一つとして、財政自主権を強化することというのが入ってございました。しかし、ここ東京の場合には、都区財政調整制度という独特なシステムもございます。この都区財政調整制度、それから地方交付税等、この辺の経緯と、それから財政自主権を強化するということは具体的にどういうことなのか、これについて御答弁をお願いいたします。
#13
○二橋政府委員 今回の都区制度の改革は、特別区の自主性、自立性を強化しようとするものでございまして、税財政制度につきましても、特別区の財政運営の自主性を高めるという観点から、何点かの改正を行うことにいたしておるわけでございます。
 今お話のございました税源の関係、まず第一点でございますが、入湯税それからゴルフ場利用税交付金、航空機燃料譲与税、これを都から特別区に移譲することにいたしております。
 それから、もう一つ御指摘のございました都区財政調整制度でございますが、これにつきましては、基本的には現在の仕組みが存続することになりますが、今回の特別区の制度改正にかんがみまして、この都区財調の財源になっておりますいわゆる調整三税でございますが、これについて法律上にそれを明記するということにいたすことによりまして、特別区の財源保障を明確にして、財政運営の安定性を高めるということにいたしております。
 それから、この都区財調の中で、財源超過団体からの納付金を納付させるいわゆる納付金制度がございましたが、これを廃止いたしますとともに、財源不足額を都の一般会計から補てんするという、いわゆる総額補てん制度が現在ございますが、これを廃止して、特別区の財政の自主性を高めるということにいたしておるところでございます。
 さらに、第三点として、地方債の制度につきましては、特別区の起債制限の対象となります都税の範囲、これまではすべての普通税ということになっておりますが、これを都区財調の調整財源となります市町村民税の法人分と固定資産税に限るという形で改正をいたすことにいたしておりまして、このようなことを通じて特別区の財政運営の自主性を高めるという観点の改正を行うことにしておるものでございます。
#14
○下村委員 独特の都区財調の調整制度をそれぞれ明確化しながら、さらにこれを生かす形で、この大都市における位置づけの中でさらなるそれぞれの特別区の独自性が出るような、そういう財源の強化、財政自主権の強化についてさらに進めていただきたいというふうに思います。
 そして、今回の法改正は、そもそも平成二年九月二十日、第二十二次地方制度調査会の答申の中で、この特別区が、三つの要点がございましたけれども、一つには、都の特別区の存する区域の基礎的な地方公共団体であるようにすること、二つ目として、今回の改革は清掃事業の区移管と一括して実施すべきこと、三つ目として、清掃事業の区移管は労組との意見の一致が望まれること、これが実現されて都区制度改革がなされるということで、当然これが関係各機関の御努力により達成をされることによって、今回の法改正としてこの国会で、きょう議論をされているというふうに思います。
 こういう中で、清掃事業が大きなポイントでもございましたが、この清掃事業を初め、ほかの部分で具体的に住民に身近になる項目、東京都からそれぞれの特別区に移譲する項目について、例えば教育関係では今度どんなふうに変わっていくのか、あるいは教育関係以外でもこんなふうに身近になるという象徴的な例について御答弁を願いたいと存じます。
#15
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 今回の改正で特別区に移譲される事務のうち、大きなものは今お話のございました一般廃棄物の処理の関係でございます。この収集から運搬から処分、最終処分までの事務が法制度上特別区の事務に移管されるということでございまして、それに伴いましていろいろな、例えば浄化槽の関係のもの、し尿処理施設あるいはし尿処理業者に対する行政権とかいうものがあわせて行われます。
 また、教育関係で申し上げますと、特別区の教育委員会の仕事がほかの市町村と全く同じになっていきます。例えば、区立幼稚園などの教職員の方の任命権等の仕事が特別区に移されていく、あるいは教科書の採択とか配付の関係の仕事も移っていく、こういうことでございます。
 また、保健所の関係の仕事も、大都市の一体性ということで都で留保して都の方がやっておりましたもののうち、例えば化製場の関係とか有害物質を有する家庭用品の規制の関係とかいったものを今度は特別区の方で行っていくということになります。
#16
○下村委員 上杉大臣にお聞きしたいと存じますが、今までの大変な御努力と、またきょうの話の中でも、実際に特別区民にとって五十年近くの悲願であったわけでありますが、それが今回改正としてこの国会で出ている、これは大変な発展であるというふうに思います。
 ただ、一方で、今行政改革そして地方分権というのが言われているわけであります。今までの延長線上の中では、今回の法改正というのは区の方から見たら大変な進歩であるし、また大きな分権であるというふうに思います。
 ただ、歴史的な橋本内閣の六つの改革の中の一つとして行政改革があり一その行政改革というのは、官の仕事であっても民でできることは民に移譲する、あるいは国であっても地方にできることは地方に移譲する。地方の中でも同じような、東京都の仕事、都道府県の仕事を市町村に移譲するというような分権的な大きな流れがこれから我が国においては当然必要になってくるというふうに思いますし、またそれを加速度的にこれからしていかなければならないというふうに思うわけてあります。
 そういう視点から見たら、まだまだこの程度の改革は百歩のうちのほんの第一歩であって、これから大きく本当の地方分権ということについて進めていかなければならないというふうに思うわけでありますが、その一つとして、あるいは具体的なスタートとしてこの都区制度移管というのがあるのではないかというふうに位置づけておりますし、これで終わりということでなく、これからたゆまず、基礎的な自治体という活性化の中での分権というのがさらに求められてくるというふうに思います。
 その辺における上杉大臣の地方分権に対するお考えあるいは進めるに当たっての御決意をお聞きいたしまして、私の質問を終了させていただきたいと存じます。
#17
○上杉国務大臣 お答えいたします。
 都区制につきまして、私、大臣就任早々から、東京都、これは知事さん、副知事さん、あるいは議会関係、出身国会議員の皆さんから熱心な御陳情をいただきました。私ども田舎生まれの田舎育ちにとりましては余りなじみのない制度でございますが、よく勉強してみると考えさせられることが大変あるわけでございます。
 その前提を置いて申し上げたいと思いますが、地方分権の推進は、御承知のとおり、明治以来形成されてきました国、都道府県、市町村という縦の関係、言えば上下の関係、この上下の関係で中央集権という一つの行政システムを構築して今日の繁栄を導いてきたことも事実でございます。しかし、これが国内的にも国際的にも通用しなくなっている。我が国の行政システムというものは一体どうずればいいのかというのが一つの問題としてあろうかと思うわけです。
 そのような意味から、中央集権システムといいますか、これを大改革をいたしまして、国、都道府県、市町村というこれを横に置く、すなわちそれぞれが対等であり協力関係に置くということにするわけですから、私は、我が国の歴史上、徳川幕藩体制から明治政府になったときの廃藩置県以来の大改革だという認識を持っておるわけでございまして、この大改革が成功しない限り地方分権の推進というものは実効あるものにならない、こう思っておるわけであります。
 そのような意味で、都区制度の改正によりまして、市町村並みの扱いに区がなるわけですから、地方公共団体としての全く市町村並みの扱いということになれば、その自主性、自立性というものは高まっていくわけでございます。
 また、住民に身近な行政というものは特にその身近な市町村と同じような区によってこれから担っていくということになるわけでございまして、そういう意味では、今回の都区制度改革は地方分権の流れに沿ったものであり、ぜひこれは成功させていかなければならない、こう考えております。
 自治省といたしましては、機関委任事務の廃止をいたしまして、昨年末に分権推進大綱を取りまとめ、今分権推進計画の作業を日夜を問わずこれに全精力をつぎ込んでおると言っても決して過言ではございません。その四次にわたります勧告を最大限に尊重いたしまして作業をいたしておるわけでございますが、また第五次の勧告も夏にはなされると聞いておるわけであります。
 したがって、私どもはこの国会中に、できるだけ早い機会にと申し上げておりますが、分権推進計画を取りまとめをいたしまして、そしてまた五次の勧告等もいただければ、当然足らざるもの、補わなければならないもの、そういうものは柔軟に対応していかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、地方分権推進計画を立派に仕上げたい、熱意を持ってこれに自治省は取り組んでいかなければならないと考えておるわけでございます。
 私といたしましても、二十一世紀に向けました新地方の時代といいますか、新地方自治の時代、こういう時代を迎えるに当たりまして、地方公共団体が自己決定、自己責任の原則のもとにみずからの行政を行うことができるこうした新しい時代にふさわしい地方自治を確立するために全力を持って取り組んでまいりたい。
 特に、橋本政権における地方分権の推進は、私は国民の目線から見れば、これが成功するかしないかが全体の成功にもかかわるような重大な改革の柱である、私はこのような認識と、もう一つは、明治政府以来の大改革であるということを十分肝に銘じまして取り組んでまいりたいと考えております。
#18
○下村委員 ありがとうございました。終わります。
#19
○加藤委員長 吉田公一君。
#20
○吉田(公)委員 先ほどの下村議員に引き続きまして、私も都会議員出身でございますから、予算の分科会で既に質問をいたしましたけれども、都会議員出身ということでもう一回やれ、こういうことで、本当はやりたくなかったのですけれども、古賀一成理事のメンツもあるでしょうから、無理やり問題を探してきょうは質問をしたい、そう思います。
 昭和四十六年に実は私も区会議員に当選をいたしまして、その間、各区の自治権拡充運動というのが大変盛んでございまして、私自身もそれに参画をしてきた一人でございます。当時を思い起こしますと、四十六年当時は、福祉事務所、保健所、建築行政、それらは全部東京都がまだやっておりまして、特別区がやる仕事というのは、まことに限られた範囲の中で、半独立の状態でやっておったわけであります。
 当時、区会議員は選挙で選ばれておりましたが、私が区会議員になりましたときは、まだ区長は区議会が選んでおりまして、東京都から、大体このぐらいの人ならいいだろうというようなことで区議会へ持ち込まれて、区議会が承認して区長になった、こういうことでございます。特に慣例ではありませんけれども、当時、区長は公選制ではありませんでしたから、東京都の局長という人はまず来ませんで、古参部長が区長にどうだと、大体選ばれてきたわけです。
 つい最近までは、その公選の区長でない、当時の東京都から古参部長で来た人たちが長いこと区長をおやりになっている区がまだ、若干ですけれども、ありますけれども、そのことを考えますと、格段の違いが今度は出てきたわけでございます。
 したがいまして、私自身は、今度の法改正については、区会議員以来かかわってまいりました者といたしましては賛成でございますが、ただ、経過については若干私の趣旨と違うところもございました。しかし、それぞれ、都区協議会の中で東京都と自治省と区と詰めてまいりましたわけで、私、区会議員の出身としては、まさに隔世の感がある、そう思っているわけでございます。
 したがいまして、無理やり探した質問の中から質問をしたいと思いますが、今回の法改正は、直接的には第二十二次地方制度調査会の答申を受けたものとされておりますが、法案を成立する上で、都区の協議案とのすり合わせも当然行われたものと思います。
 そこでお伺いしますけれども、今回の改正法案において、都区の協議案と違う部分があるのかどうか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#21
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 今回の都区制度改革は、お話ございましたように、第二十二次の地方制度調査会の答申にのっとり行うものでございますが、同時に、東京都と二十三区の要望を踏まえて行うものでありますので、改正案の立案に当たりましては、基本的には平成六年に東京都と特別区が合意しました都区制度改革に関するまとめ、いわゆる協議案でございますが、その内容におおむね沿ったものでございます。二、三点異なっている点は、一つは都区協議会、これを都区財政調整のための協議会に再編することと協議案ではされておりましたが、この法案におきましては、都区協議会における協議事項はなお財政調整だけではなくて広く一般的なものとするということで、従来どおり存続するということといたしております。
 また、協議会におきましては、都知事が都と特別区あるいは特別区相互間の調整上必要な助言・勧告ができるとする規定を廃止するということにしておりましたが、今回の法案におきましては、この規定は維持存続するということといたしております。
 このほか、都区協議案にはない事項で法案に盛り込んでおりますのは、一つは、特別区が法定外普通税を新設、変更する場合における都の同意を廃止する、それから、特別区でも複合的一部事務組合の設置ができる、あるいは、市町村の合併の特例に関する法律を適用する、あるいは、都市計画上、開発行為の許可などの事務を特別区の区長に委任できるということを法律上明記する、こういったことも盛り込んでいるところでございます。
#22
○吉田(公)委員 都区協議会の規定や都知事の助言・勧告権の規定をそのまま残すことにしたわけでありますが、それらの規定を残すということとしたのはどういうことからか、その点について伺いたいと思います。
#23
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 今回の都区制度改革におきましては、自治法上の特別区に係る特例措置を廃止、改正ということ、あるいは、都区に係る税財政制度の改正によりまして特別区の自主性、自立性というものを強化するということにいたしておりますが、大都市としての一体性、統一性の確保に配慮しつつ、これを行うという考え方でございます。
 したがいまして、特別区の、内部団体としての性格に由来する特例、自主性、自立性を阻害するような特例については見直すことといたしておりますが、お話の都区協議会あるいは都知事の助言・勧告権の規定につきましては、今回の改革によりまして特別区の自主性、自立性が強化された場合に、その特別区の事務処理に関しまして、十分な連絡調整を図ることによりまして大都市行政として一体性を確保し、または統一性も確保していくという仕組みとしてはなお重要な機能を果たすのではないかということで、存置するということにいたしております。
#24
○吉田(公)委員 今回の法改正に当たって、当事者である都区がどのように評価しているかということも大変重要なことだと思うのですね。都と特別区は今回の改正法案をどのように受けとめているかということについて、局長の御見解を伺いたいと思います。
#25
○上杉国務大臣 私からお答えを申し上げておきたいと思います。
 都におきましては、今回の法改正の内容は、全体として、都区間で合意をいたしております都区制度に関するまとめ、協議案でございますが、この考え方を十分踏まえており、大都市の一体性、統一性の確保と特別区の自主性、自立性の強化の両面に的確に配慮されている、都区が一体となって目指してきた改革を実現するものであると評価をしていると聞いております。
 また、特別区からも、協議案の考え方を十分踏まえた内容となっており、大都市の一体性、統一性の確保と特別区の自主性、自立性の強化の両面に的確な配慮がなされたものであるとの認識が示されておると聞いております。
 このことは答弁の中で求められていないかもしれませんが、特に清掃事業等の関係、労使間の十分な話し合い、合意というものは、これは当然求めなければならぬものでございますから、私からもその点についてはお願いをして、そういうものもきれいに合意がなされたもの、そういう認識を私は持っておるわけでございます。
#26
○吉田(公)委員 市町村が処理する事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性、統一性の確保から、特別区については特例が設けられることになりましたが、人口が高度に集中する大都市地域とは一体人口数をどのぐらいと考えているかということなのですね。二十三区の人口はたしか八百万人だと思いますが、その点についてもお尋ねをしておきたい、そう思うのです。
#27
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 都区制度、都と特別区という制度につきましては、今お話のございましたように、人口が高度に集中する大都市地域におけるいわば行政の一体性、統一性の確保を目的とした大都市制度という位置づけでございます。
 現行の地方自治制度のもとでは、先ほども出ました大都市制度として指定都市制度というものもございますことから、都政というものを施行するに当たりましては、その区域というものが、指定都市制度では対応し切れない規模といたしまして、既存の指定都市を相当上回る数百万程度の人口が狭隘な地域に集中しているといういわば社会的実態というものが一体性を持って存在する、こういうことが必要であると考えております。
#28
○吉田(公)委員 さっき下村議員からもお尋ねがあったと思うのですが、政令指定都市制度と特別区制度とはどのように違うのかということなのですが、同じ答弁なら別に答弁しなくて結構ですよ。
#29
○鈴木政府委員 見方といたしまして、基礎的団体から考えると、特別区と行政区というものの考え方がございますが、さらに大都市制度として都道府県との関係もあわせて考えますと、特別区制度というのは、いわば特別区が存する区域において考えますと、特別区が原則として市の処理する事務を行いますが、大都市の一体性ということで、広域団体である都が市町村の処理する事務まで行う、これが都区制度だろうと思います。
 また、指定都市制度は、都道府県が行う事務について、都市である政令指定都市が県の仕事まで行うということによって、大都市としての一体性を確保した大都市行政をやっていこうということで、いずれも一般の市町村とは異なった制度という面では同じですが、今お話ししましたように、特別区制度というものは、いわば都道府県段階に属する都が一般的に市町村が処理する事務の一部を行っていく。それに対して指定都市制度は、大都市地域における事務を基礎的な地方団体である政令指定都市が行う、こういう点において違いがあるのではないかと思います。
#30
○吉田(公)委員 何だかよくわからないけれども……。
 次に、財政調整制度に関係するわけでありますが、千代田区というのはさっき言ったように人口が四万かそこらしかない。そして片方、足立、世田谷、大田だとか周辺区、練馬もそうだけれども、江戸川、そういう周辺区と中心区では全然財源が違う。
 例えば、千代田区なんかは調整三税で約三千億円の収入があるわけであります。だけれども実際は、千代田区の予算総額というのは大体四百六十億ぐらいで済んでしまう。例えば、練馬なんかは、もう一千七百億ぐらい、世田谷なんかは二千億ぐらい、要するに年間の予算があるわけです。そうすると、アンバランスですね。二十三区の収入配分は、財政調整は今後どのようにしていくのかということについてもお尋ねをしたいと思うのです。
#31
○二橋政府委員 今回の法改正におきましては、今委員がお挙げになりましたように、特別区相互間で著しい税源の偏在がございます。その中で、一方で、大都市行政の一体性、統一性を確保するための行政水準の均衡を図るという必要がございますので、都区財政調整制度につきましては、財政運営の自主性を高める観点から幾つかの見直しは行っておりますが、基本的な仕組みとしては存続することにいたしております。
 この見直しの内容といたしましては、調整三税というのを財源にするわけでありますが、これを法律上明記するということにいたしまして、特別区の財源保障を明確にいたしますとともに、納付金制度の廃止、あるいは都の一般会計からの補てんをいたしますいわゆる総額補てん制度を廃止するといったような形で一特別区の財政の自主性を高めるような改正を行うことにいたしております。
 したがいまして、今回の法改正によりまして、特別区の財政運営の自主性、安定性は高まることになりますが、基本的には、現在の都区財政調整制度を存続することによりまして、特別区の財源保障と、それから、特別区間の税源偏在に対する財政調整を引き続き行うということにいたしておるわけでございます。
#32
○吉田(公)委員 今まで二十三区というのは、どちらかというと、他の市町村と違いまして、余り財源のことを心配しないで区政運営をやってこられた。それはもう都区財調制度があるから、足りなければ東京都へ行って、そして予算を確保してきた。
 しかし、今度は独立して自分たちで財政をやっていかなければならぬということになると、区独自に財源を確保しなければならなくなる場合もあると思うのですね。それが法定外普通税、その次に私質問しようと思っているのですが、そういうものを創設しなければならぬときもある。そういう場合に、さっき申し上げたように、こんなにアンバランスになっていて、自主財源なんというのは大丈夫なのですか。
#33
○二橋政府委員 先ほど申し上げましたように、税源の不均衡、偏在が大変著しいわけでございます。したがいまして、その中で現在の都区財政調整制度がとられておりまして、これにつきまして、先ほど申しましたように、東京都にどうしても依存しがちになります総額補てんという仕組みを廃止いたしまして、また、特別区相互間の依存関係の一つのあらわれでございました納付金制度も廃止するということにいたしておりまして、都区財調そのものは、そういう形で改正を行うことによりまして、特別区の財政運営の自主性、自立性を高めるということにいたしておるわけでございます。
 基本的に、この特別区間の財政調整、それから行政を均衡化していくための財源保障というのは、この都区財政調整制度が担うことになりますが、今委員から御指摘ございましたように、全体として特別区の財政運営の自立性が高まるわけでございまして、また、責任はその分重くなってくるわけでございます。
 したがいまして、今後、特別区は、基礎的な地方団体として、行政経費の節減合理化あるいは税収入の確保、それから中期的観点に立った財政運営ということをこれまでにも増して求められることになるだろうというふうに私ども考えております。
#34
○吉田(公)委員 独立するということは大変喜ばしいことなんですけれども、ただ独立だ独立だと言ったって、ちゃんと財源を確保するという見通しの上に独立をしなければ、要するに地方分権にならないわけですよ。だから、そういう点では今後、各区は、独立はしたけれども財源がということにならないように、その点を自治省も十分留意をしていただきたい、こう思うのです。
 今度、法定外普通税を区が独自に創設することができるようになりました。区が法定外普通税というのを課税することになったのだけれども、例えばどういう税目があるのですか。
#35
○成瀬政府委員 お答えをいたします。
 今回の改正におきましては、特別区の課税自主権を尊重する観点から、法定外普通税の新設等の際の要件であります都の同意を廃止することといたしまして、これによりまして、法定外普通税の新設、変更の手続につきましては、特別区も他の市町村と同様となるわけでございます。今後は、特別区が、みずからの地域の実情に即しつつ、地域に特有の行政需要を踏まえまして新たな租税負担を地域住民に求める場合には、法定外普通税の制度の活用について、特別区の自主性が拡大することになります。
 したがいまして、ただいまいただきました、どのようなものが法定外普通税として考えられるかというお尋ねの点でございますけれども、まずは、地域の事情を熟知し、地域特有の行政需要と負担のあり方につきましても理解の得やすい特別区におきまして検討していただくことが適当なのではないかというふうに考えております。
#36
○吉田(公)委員 その地域の実情に合った法定外普通税といっても、杉並と中野区では大して違わないし、練馬と板橋でも大して違わないし、練馬だけが必要とか板橋区だけが必要とかそういう法定外普通税というのはなかなか実態は創設しにくいわけで、その点も十分考慮に入れていただきたい、そう思います。
 それから、関連ですけれども、私は、これで三回だか四回質問しているのですが、例の東京都の起債の自由化ということを言ってまいりました。
 それは、もう戦後一貫して不交付団体は東京都しかないわけで、今までは自治省の許可をもらっていたわけですが、もともとこれは内務大臣の、内務大臣なんというときですから、それからもう五十数年ぐらいたっているわけですね。当分の間、起債は許可をしていく、当分の間ということになってもう五十年ぐらいたっている。だから、法事だって五十年たてばおしまいで、当分の間というのは、自治省は大体五十年と思っているらしいのだけれども、普通、世間では余り五十年とは思わない。
 だから、再三再四言っているのですが、これは不交付団体なんだから起債は自由にしてもらう、そういう意味で、いかがでございますか、東京都の起債の自由化ということについて、もう地方分権だから一歩踏み出して、どうですか。
#37
○二橋政府委員 いわゆる地方債の許可制度は、地方自治法の規定によりまして、現在、許可制がとられておるわけでございます。
 この問題につきましては、かねてからいろいろな御議論があるということは私ども十分承知いたしておりまして、地方分権推進委員会からは、この地方債の制度につきましては、地方公共団体の自主性を高める観点に立って許可制度を廃止して、原則として事前協議制度に移行することについて勧告をいただいたところでございます。
 あわせてまた、現在、財政構造改革が進行中でございまして、少なくとも財政構造改革期間中においては、この国、地方の財政赤字の縮小のために地方団体の歳出の抑制が求められていることにかんがみ、許可制を維持することというのが分権委員会からの勧告でございます。
 私どもといたしましては、この地方財政の健全化の早期達成に努めることにあわせまして、この勧告に沿いまして今作成作業を進めております地方分権推進計画にこういう趣旨に即した内容を盛り込むべく、今具体的な制度のあり方、内容について検討を進めておるところでございます。
#38
○吉田(公)委員 検討を進めてまた五十年なんというのでは、合計百年になってしまう。もう、きょう質問した人やいる人は一人もいなくなってしまう。ぜひ、実行に移してもらって、お願いしたい。そう思って、ちょっと時間が早いのですけれども、これで質問を終わります。
#39
○加藤委員長 西川太一郎君。
#40
○西川(太)委員 自由党の西川太一郎でございます。下村議員、吉田議員と同じように私も東京都議会議員出身でございます。昭和五十二年から四期十六年間、三人の中では一番長く都会議員をやっておりました。
 きょう、上杉自治大臣は、そういうことを意識しておられないと思いますが、東京都の続く限り、上杉自治大臣には八百万都民は感謝を申し上げる、歴史に残る自治大臣である。野党の私が申し上げるのですから、身内から褒められるよりはうれしいだろう、こう思います。
 そこで、早速お尋ねをいたすわけでありますけれども、今回の都区制度改革をめぐりましては、先ほど来お話が出ております平成二年九月の第二十二次地方制度調査会で都区制度の改革に関する答申が出されましてから、七年余の月日が経過をしました。
 私どもも、国会議員になりましてから、吉田議員や同僚の皆さんと一緒に、当時の吉田行政局長に陳情に上がったり、いろいろな苦労をしてまいりましたから、本当にきょうこうやって、大臣の決断によってこの法律が上程をされ、審議に加わることができることは、大げさな表現でありますが感無量であります。
 そういう意味で、先ほど来いろいろな問題があると思いますが、基礎的自治体になりたい、こういう要望だけを二十三区は言ってきたのではありません。厳しい財政状況も、水平調整等の中で守られてきたものも、いろいろな意味で変化を受ける。言ってみれば、温室の中から寒風の中に出て、二十三区も入れてでございますが他の六百九十二の市と一緒に苦労していかなければいけない。先ほどのお話のとおり責任を持って自立していかなければいけない。こういう覚悟で二十三区はこのことを迎えるわけでございます。
 しかし、長い間、都の内部団体的性格を持ちながらやってまいりましたそういうものもございますから、ひとつ温かく見守って育ててやっていただきたい、こういうふうに冒頭、お願いを申し上げたいと思うわけであります。
 そこで質問の一番目は、そういう経緯もありましたが、今回の法改正に当たって都や特別区はどういうふうに対応してきたのか、このことをレビューしていただきたい、こう思うわけであります。まず一問目は、そこからお尋ねをいたします。
#41
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 都区制度の改革につきましては、長い前史もございます。四十九年の区長公選の改正後から、いろいろ関係者の皆さんの御努力があったわけでございますが、二十二次地方制度調査会の答申ということから御答弁申し上げます。
 二十二次地方制度調査会の答申を受けまして、その内容を具体化するために関係者間での協議、調整というものが続けられておりまして、平成六年九月、東京都と特別区が、いわば都区制度改革に関するまとめ、いわゆる協議案というもので合意をいたしまして、同年十二月に都知事から自治大臣に対しまして地方自治法等の関係法令の改正の要請がなされております。これを受けまして、自治省におきましては、平成七年に自治省と東京都と特別区から成ります都区制度改革連絡調整会議を設けまして、都区制度改革推進のために関係者間の調整を図ってきたところでございます。
 都議会におきましても、平成九年十月に、平成十年通常国会において法改正を求める旨の決議が全会一致で行われるとともに、全会派の賛同による都議会議長から都知事への改革実現の要請というものが二度にわたっていると承知しております。特別区におきましては、一貫して早期法改正を望んでこられたところでありまして、特別区長会、特別区議会議長会が再三にわたり都知事に対しまして要請を行われ、また各区議会も全区で都区制度改革の実現に向けた決議等を行っております。
 こうした状況を背景にいたしまして、平成九年十二月に都知事から自治大臣に対しまして、平成十二年四月一日の一括実施のため、都区制度改革に関連する法律を平成十年通常国会において改正するということの要請が行われたところでございまして、今回の法改正につきましては、都区いずれも強い要望に基づくものでございます。
#42
○西川(太)委員 そもそも都と特別区という制度は、地方自治法の制定以来大都市の一体性の確保と、一方で特別区の自主性、自立性の強化といういわば二律背反的なテーマをめぐって数次の改革が行われてきたわけであります。こういう中で、二十七年の地方自治法の改正によって、都の内部団体であるというふうに二十三区は位置づけられてきたわけでありますけれども、一方で特別区は自治権拡充という旗印のもとで運動を展開して、昭和三十九年、昭和四十九年と改革を実現させてきた経緯があります。
 これは余談でありますけれども、例えば自治大臣が二十三区の区長と名刺を交換されて裏を見ると、英語でメイヤー・オブ・何とか、こう書いてあります。つまり、自分じゃメイヤーというふうに名乗っている区長さんが大勢いる。そして、プリシンクトとかワードとかという英語があるのだけれども、みんなシティーという英語を、自分を外国に紹介するときには、それは決して背伸びをしているわけじゃなくて区長たちが早く市になりたい、そういう気持ちがあらわれているわけでございます。
 今回の法改正は、そういう自主性や自立性を強化しながら基礎的な地方公共団体に特別区を位置づける。先ほどもお話がありましたが、地方分権の大きな潮流の中で、私は、まことに時宜にかなった法改正である、よくやっていただけた、今まで本当に難しかったわけでありますから、そういう意味では本当にありがたいというふうに思っているわけであります。
 しかしながら、今度の法改正において大事なことは、特別区の自主性とか自立性というものを法的にどう強化されるのか、そういう具体的な問題がございますが、これについての御見解を承りたいと存じます。
#43
○上杉国務大臣 お答えいたします。
 今回の改正法案におきましては、御指摘の点が極めて重要な柱だと思っております。そのような前提を置いて申し上げますが、特別区の自主性、自立性を強化するため大都市の一体性、統一性の確保に配慮しつつ地方自治法上の特例措置の廃止、都区に係る税財政制度の改正等を行ったところでございます。
 具体的には、地方自治法上の特別区に係る特例措置の改正といたしましては幾つかございますが、まずその一つは、特別区の廃置分合または境界変更の手続について一般の市町村に準じた扱いとするということであります。それから二つ目には、都の規則で主として特別区の区域内に関する事務を特別区に委任をいたしまして、その事務の執行につきましては都知事が指揮監督を行うことを定めた規定を廃止する。三つ目には、都条例で特別区の事務に係る調整措置を講じることとされている制度を撤廃することとしておるわけでございます。
 また、都区に係ります税財政制度の改正がございますが、これも四項目程度のものがございます。
 都区財政調整制度につきましては、特別区がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように都が特別区財政調整交付金の交付を行うものであることを明確にいたしますとともに、その財源は固定資産税、それから市町村民税法人分及び特別土地保有税から成るいわゆる調整三税から構成されることを明記をいたしております。また、不足分にかかる都の一般会計からの総額補てん、収入額が超過する特別区による納付金の納付を廃止する、これが第一点でございます。
 第二は、特別区の起債制限に係る都の普通税の税率との連動を緩和する。
 それから三つ目には、都から特別区に対して入湯税、ゴルフ場利用税交付金及び航空機燃料譲与税を移譲する、特に航空機燃料の譲与税は非常に大きいものになっております。
 それから、四つ目が特別区が法定外普通税を新設、変更する場合においては都の同意を廃止する、こういうことにいたしておるわけでございまして、これによりこの自主性、自立性というかそういう方向というものはできるのではないか。
 しかし、これが万全であると私は思っておりません。初めての試みでもございますから、経験を積み上げた中で、行政的にもこれは十分検討、研究をしていかなければならない問題と考えております。
#44
○西川(太)委員 今、大臣の最後の御答弁の部分は大変ありがたいことだというふうに率直に受けとめます。ぜひひとつ、そういうお気持ちで自治省も援護していただきたい、こう思います。
 実は、今お話がありましたが、調整三税、私の出身区は人口も小さいし、財政力も強くありません。それで、調整三税で計算をいたしますと、多分百三十億ぐらいの収入しかなくなってしまう。ところが、今、財政調整制度のもとでは三百三十億、都からいただいております。およそ二百億近い差額ができるわけであります。
 こういう問題は、財政力の小さい特別区の中には非常に憂慮しているところもあるということを、これは意見としてひとつ申し上げて、だからこそ、大臣の先ほどの後半の最後の御決意はまことに心強い、こういうふうにも思うわけであります。
 そこで、質問を続けますが、今回新たに二百八十一条の二が設けられたわけでありますけれども、これによって都区の役割の分担に指針が与えられたというふうに理解をいたすわけであります。
 これまで、都と特別区の役割分担というのは、行政責任がある意味では不明確であった、こういうふうに言えると思います。これの新設によって大きな効果を持つというふうに感ずるわけでありますが、この新しい条文の中で、特別区は基礎的な地方公共団体と明確に位置づけられている。このことは非常に大事でありまして、これによって特別区は東京都の内部団体的な性格を払拭されて、名実ともに基礎的な地方公共団体になる。言わずもがなのことでありますけれども、これに対して御所見を伺いたい、こういうことであります。
#45
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 特別区が基礎的な地方公共団体としてそういう実質を備えるということで考えてみますと、二つの要件があると思います。一つは、都の内部団体としての性格が払拭されること、もう一つは、原則として、法制度上、住民に身近な事務を処理する地方公共団体として位置づけられること、この二つが必要であると考えております。
 今回の制度改革後の特別区につきましては、今ほど大臣から御説明ございましたが、廃置分合、境界変更の発議の機能が特別区に付与される。また、都の調整条例というものの規定が廃止される。またさらに、いわゆる区長委任条項というものが廃止される。さらに都区財政調整制度の見直しが行われ、自主性、自立性の観点からの改正を行うということでございまして、立法面から、また行政面から、また財政面から、いずれにいたしましても、一般の市町村と遜色のない状態に至るということでございまして、都の内部団体としての性格は払拭されるものと考えております。
 また、事務の面でも、改革後の特別区に対しましては一般廃棄物の処理に関する事務などが移譲されまして、大都市の一体性、統一性の確保の観点から都に留保される事務はございますけれども、一般の市町村が処理する事務は、大半特別区が処理するということになります。
 こういうことで、特別区は、基礎的な地方公共団体としての実質を備えるということでございまして、いわば自己決定、自己責任ということで、それだけ責任も重いものであると考えております。
#46
○西川(太)委員 鈴木局長に続いて伺いますが、同じ条文の中で、今度は東京都について、特別区を包括する広域の地方公共団体という位置づけをされたわけでありますけれども、これは、従前の都の性格と変わるものなのでしょうか。どういう理解をしておりますでしょうか。
#47
○鈴木政府委員 今回の都区制度改革におきましては、特別区の性格の変更を行いまして、今ほど申し上げましたように、地方自治法上、特別区を基礎的な地方公共団体として位置づけようとするものでございます。これに伴いまして、都は、特別区の存する区域において、基礎的な地方公共団体ではなく、特別区を包括する広域的な地方公共団体としての性格に徹することになるものである、このように考えております。
#48
○西川(太)委員 ただいま二つの質問に対する局長の御答弁を伺いますと、今回の改正によって特別区の自主性、自立性が強化される、これは大変意義深い重要なことである。しかし一方で、一つの大都市としての一体的に発展してきた経緯というものが二十三区にあるわけでございますが、これが都区制度を論ずる上には非常に大事だと私は思っておりまして、大都市としての一体性や統一性の確保ということを欠いてしまった都区制度の改革というのは、これは困るわけでございます。
 この大都市の一体性 統一性の確保というものに対して今回の法改正ではどういう御配慮をなさったのか、改めて伺いたいと思います。
#49
○鈴木政府委員 今回の都区制度改革におきまして、大都市行政の一体性、統一性の確保という観点から申し上げますと、例えば消防、上下水道などの事務は引き続き都において処理することといたしております。また、都知事の特別区に対します必要な助言・勧告の制度、また都区協議会というものの制度を残しまして、都と特別区の間、また特別区相互間の十分な連絡、連携、調整のもとに事務が円滑に処理されるようにしているところでございます。
 あわせまして、特別区の財政運営の自主性を高めるための見直しを行った上で、都区財政調整制度につきましてもこれを残しまして、特別区相互間に著しい税源の偏在がある中で、大都市行政の一体性、統一性を確保するため、行政水準の均衡を図ること、このようにいたしております。
#50
○西川(太)委員 先ほど吉田委員の質問にもありましたが、いわゆる財政自主権の強化といいますかそういうものが必要で、都区財政調整制度を残す、こういう二橋局長のお答えでございました。私はこの点について、ただいま鈴木局長からもそういう趣旨の御答弁がありましたから、お尋ねを特にするわけではありませんが、特別区の起債制限に係る都との連動を今回は緩和する、こういうことは非常に大事でありますが、同時に、これは財政運営の責任を二十三区に厳しく求めることにもなるわけで、このことについても十分我々は認識をしなければいけない、こういうふうに意見を申し上げておきたいと思います。
 最後の質問でありますけれども、特別区が存する区域においては、本来市町村が行うことになっている事務でありながら、長年の経緯で都が行っているものがあります。今回の改正で、一番ある意味ではネックになり、ある意味では重大な問題でございます清掃事業の問題がございます。また、教科書や教員の任命をめぐる教育委員会の事務もあります。こういう身近な事務を都から特別区に移していく、こういうことでありますけれども、なかんずく清掃事業の移管は大変大きな課題でございます。
 清掃事業は、我々の日常生活の中で最も身近な大切な行政サービスの一つでありまして、一日たりとも混乱は許されません。円滑な事務の移譲のためには、関係者間における協議も極めて重要でございます。今回の法案を上程していただくに当たって、東京都と自治省の間のこの問題についても、私どもはよく承知をしているわけでございますけれども、改めて今、協議の状況を自治省としてはどんなふうに認識しておられるか、伺いたいと思います。
#51
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 東京都から特別区への清掃事業の移管に関しましては、平成六年に関係者間で、平成十二年四月を移管の時期とするというごとで合意を見たところでございます。東京都また特別区を初め関係者間におきまして、平成十二年四月に円滑に清掃事業が移管されるように、これまで鋭意協議を続けてこられたというふうに承知をいたしております。そこで大筋の合意がなされている、このように承知をいたしております。
 清掃事業の移管に伴ういろいろな課題、施設の整備あるいは事業の運営形態、その他の課題があります。それにつきましては、引き続き関係者間で協議が続けられているというふうに承知をいたしております。
#52
○西川(太)委員 いろいろお伺いしてまいりましたけれども、今回提出されました法案は、先ほど自治大臣、ベストとおっしゃったか最善とおっしゃったか、これでいいというふうには思っておられない、まだまだスタートだから、もっともっとこれを育てていかなきゃいけない、こういう趣旨の御発言があったと理解をしております。もし間違っていたら訂正していただいて結構でございますが。
 私も、長年都会議員としてこの問題にかかわってきた者として、これはお世辞で申し上げるのじゃなくて、この法案を見ますと、自治省の高い見識が、知恵が非常によく出ているというふうに評価をいたしております。
 何度も申し上げますけれども、これは本当に今まで悲願だったわけであります。これをよくこういう具体的な形にしてくださったということを私は本当に感謝をいたしておりまして、この制度改革が都民からも喜ばれ、あの改革を行ってよかったと言われるかどうかということは、円滑にこれが移行していかなければいけないという意味では、清掃事業の移管というものは非常に大事な意味がある、私はこう思うわけであります。
 清掃事業については、事業の運営形態だとか職員の方々の身分にかかわる問題などがありまして、これから誠心誠意都区間で、また関係者間で協議をしていかなければならないというふうに思いますが、平成十二年四月の実施までにわずか二年しかありません。残された期間を有効に使って、清掃工場や車庫の整備などの条件整備に努めるとともに、移管に当たっての諸課題を現実的な解決に向けて国と特別区そして職員団体との間で十分協議し、事業運営に支障がないように、円滑な移管が行われるように私は強く希望したいというふうに思います。
 そういう意味では、どうか自治省におかれましても、このことについて、善意あるといいますか好意あるといいますか、東京都に対する、また二十三区に対するそういう御支援をひとつぜひお願いをしたいということを、大臣に御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#53
○上杉国務大臣 この改正案を国会に出します経過の中で、東京都というか知事さんあるいは副知事さん、知事さんも二回、副知事さんも一回でございましたが、直接おいでになりました。そして、この清掃事業の労使間の話し合いがまだ行き着かないうちでございましたが、ぜひ出してほしい、こういうことでございまして、事務当局は困ったわけです。私の判断もありまして、それはだめだと。都民生活にすぐ支障を来すことでありますから、労使間の合意というか円満な決着というものがそこへっかなければこの改正案を国会に上げるわけにはまいらない、こういう経緯もございました。
 それは、やはりせっかく新しくスタートする、市町村並みに扱う行政体制をつくるわけですから、都民生活に悪い形での影響を及ぼすようなことになってはならない、これが基本的な考え方として自治省の事務方にも、私自身特にありましたことを経過の一つとして御説明を申し上げ、一生懸命今後、取り組んでまいりたいと考えております。
#54
○西川(太)委員 ありがとうございました。
#55
○加藤委員長 畠山健治郎君。
#56
○畠山委員 けさ以来、下村さん、吉田さん、西川さん、東京都デーみたいな委員会の経過を踏まえておりますが、歴史的な法改正であるという立場からすれば当然だろうというふうに思っております。しかし、東京という立場からだけでなしにという意味でも、私の立場からも少しお聞かせをいただきたいというふうに思っております。特に、私は、時間があれば、清掃事業等にかかわり合いの深い今出ておりますいわゆる家電リサイクル問題あるいは地球温暖化防止法とのかかわり合い等々を含めた幅広い、掘り下げた議論をしたいところでありますけれども、時間が極めて限られておりますので、基本的な幾つかの問題についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 今回の法改正は、地方制度調査会答申に基づき、特別区を基礎的地方公共団体と位置づけ、一般に市町村が行う事務を区も行うこととしております。しかし他方では、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性、統一性確保の観点からは、都は一体的に処理することが必要と認められる事務を処理するとしていることから、依然本法改正案をもって特別区が一般市町村と全く同じ基礎的地方公共団体と位置づけるには無理な面があることは否めないというふうに思うのです。
 そこでお尋ねをいたします。
 一点は、地方分権にかかわって事務事業の広域性が求められておる今日、二十三本もの関連法案改正を行い、あえて行政の狭域性を求める積極的な理由は一体何だろうか、これが第一であります。
 また、基礎的地方公共団体とするならば、都区間の税源配分については積極的施策があってしかるべきではないかと思いますが、この点はいかがなのか。
 そして三つ目には、このような点に配慮を欠いたまま今回の法改正を行おうとする積極的な意義は一体何なのか。
 この三点について、大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
#57
○上杉国務大臣 委員御指摘の都区制度改革によって狭域性を求める、私はそうは思っていないのであります。
 それを前提に申し上げてお答えしたいと思いますが、今回の都区制の制度改革というのは、特別区を基礎的な地方公共団体、すなわち市町村並みの扱いにする、こういう位置づけを明確にしておるわけでございます。そして、これまで伝統的に築いてこられた大都市行政というものの基本はここに確保するという形で、大都市の一体性、統一性の確保ということで十分配慮しながら、しかし一方では、その特別区の自主性、自立性はしっかり強化をし、住民に身近な事務を都から特別区へ移譲していく、こういうのが今回の制度改革であると私は認識をいたしておるわけでございます。
 このように、今回の改革は、地方公共団体の自主性、自立性を高めまして、住民に身近な市町村が行っておりますのと同じように権限移譲を進めていこうとする地方分権の一つの求め、流れに沿ったものだ、私はこういうふうに考えておるわけでございます。
 近年、市町村の処理する事務については、広域化でありますとか共同化でこれを処理するということが強く進められておるわけでございまして、これも御指摘のとおりだと思います。今回の改正は、そのような一つの考え方に沿いまして、特別区であろうとも住民に身近な事務ということにつきましては、これは今回の改正した法律で区でやっていただきたい。
 これはもう市町村に対するものと全く一緒でございまして、あわせて法令上の事務権限を付与された特別区が、今度みずからの判断のもとに、広域的な対応も含めて適切に責任を果たしていかれるもの、また、そうならなければ、せっかくこういう制度改革をやった意味がない、こう思っておるわけでございます。
 ただ、私は、地方分権を進めるに当たりまして、これから、市町村あるいは区の今後の受けとめ方といたしましても、分権を広域的に受けとめるのか、あるいは、今回の区でありますとか市町村がそれを単独で受けとめるかというのは、それは地域住民の皆様の意向であり、私は、その地方行政単位の自主的な判断、自立的な判断、将来の展望に基づくものでなければならぬ、こう思っておるわけでございます。
 これからそういう地方分権が具体的に進みますれば、市町村でありますとか今回の制度改革によります区がどういう判断をされるのか、当然今度はそちらの判断になるわけでございまして、分権の受け皿づくりというものは、私は、この大改革でございますから、そこには厳しい選択の判断というものが求められている。広域行政でこれと取り組むのか、あるいは単独でこれを受けるのか、それは非常に厳しい選択がそこには求められなければならないし、それは避けて通るべきものではなかろう、私はそのように考えておるわけでございます。
#58
○畠山委員 いろいろと論の分かれる部分があります。議論をしたいところでありますが、時間がございません。先へ進まさせていただきたいというふうに思います。
 地方交付税法二十一条、都の特例についてお尋ねをいたしたいと思います。
 区を基礎的地方公共団体と位置づけ、さらに都区財政調整制度を法定化する以上、合算規定を定めた都の特例についてはもはや廃止してよいのではないかと思うのです。仮に当面の措置として残すならば、今後の制度改正の条件、展望を示す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#59
○二橋政府委員 いわゆる交付税の都区合算に関しますお尋ねでございます。
 今回の改正によりまして特別区は基礎的な地方公共団体とされるわけでございますが、一方で、改正後におきましても、消防、上下水道等の事務が法令によりまして都に留保されることになります。それから、交通事業など、通常は市が行っている事務は今後とも引き続きこれも都が行うということになっております。
 税制の面におきましても、市町村民税の法人分、固定資産税、特別土地保有税の調整三税のほか、都市計画税、事業所税等は、都が課税する特例はこれを維持するということになっております。
 こういうことも踏まえて都区財調制度は一部見直した上で存続することになっておりまして、都と特別区におきましては、このように、都道府県、一般市とは一面でまた異なる事務処理あるいは税財政の仕組みが存続されることになるわけでございます。
 一方で、交付税制度は、御案内のように、標準的な団体を基準にして、全国の普遍的な需要をとらえて標準的な行政水準を確保するという観点で算定をいたすものでございまして、そういうものであります以上、都区間の先ほど申しましたような事務や財源の区分、これに応じて全く別個に部分と特別区分というのを算定することは技術的には極めて困難でございまして、都区合算をやはり存続する必要があるというふうに私ども考えております。
 なお、今後の見込みでございますが、この問題は、やはり基本的に、都と特別区間におきます他の地方公共団体と異なる事務処理、税財政の仕組みとの関係で考えていく必要があると思います。この事務処理なり税財政の仕組みがどうなっていくかということといわば裏腹の関係のものとして考えていく必要があるだろうというふうに考えております。
#60
○畠山委員 都区財政調整財源を法定化することは特別区の財政自主権に枠組みをはめるということであり、今後、特別区財政の弾力性を阻害しかねません。事務事業の移管や将来の財政需要の変化に対応する財源保障のあり方についてどのように考えておるのか。
 また、現在都が標準税率を下回って課税をしているのは都市計画税だけのはずであり、それ以外で標準税率を下回っている例はございません。そうした実態や都区協議という制度を踏まえるならば、これまですべての税目に適用していた起債制限を、たとえ都区財政調整税目に限ったとはいえ、標準税率を下回っている場合の起債制限制度は必要ないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#61
○二橋政府委員 最初に、この都区財調の調整三税、これを法定化するということは特別区の財政運営を将来縛るのじゃないか、こういうお話でございますが、今回、これまで法律上明記されておりませんでしたが、調整三税の一定割合を原資とするということを法律上明記することは、私どもは、特別区の財政面にとりまして自主性、安定性を高めることになるというふうに考えています。
 また、今回の法改正におきましては、具体的には二百八十二条の第二項でございますが、この都区財政調整制度は、特別区がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように都が交付するのだということを法律上明記いたしておりまして、こういうことから申しますと、今委員がおっしゃいましたような事務事業の移管とかあるいは将来の財政需要の変化に対応いたしましても、こういう規定を置くことによりまして都区財政調整制度において財源保障がされることになると考えます。
 具体的には、この特別区に配分される割合が、もちろん事務事業の移管とかあるいは将来の財政需要の変化に対応して変更されるということになると考えますので、そういう意味でも財源保障はされるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 それからもう一点、地方債と標準税率の問題でございます。
 特別区の起債制限の対象となります都税の範囲を、これまではすべての普通税ということにいたしておりましたが、今回、都区財調におきます調整財源であります市町村民税の法人分と固定資産税に限ることにしたわけでございます。これらの税は一般市町村におきましても基幹的な税でございますし、それから、特別区民にとっても基幹的な税ということが言えるものでございます。また、都区財政調整制度を通じまして、特別区の行う住民に身近な事務の財源になるものでございまして、そういう意味では特別区の固有財源的な性格を持つものと考えております。
 この標準税率と地方債の関係は、これは、基本的には世代間の負担の公平あるいは財政の健全性を確保する観点からとられている制限でございまして、今申しましたような固有財源的な二つの税の性格、それから、今の、都のこれらの税目に係ります課税状況、引き継ぎを行いますということを考えまして、この二税に限るという形で存続することにしたものでございまして、平成六年九月の都区協議会の取りまとめにおきましても、都と特別区の間の合意にもこういう趣旨のことが盛り込まれておりまして、それに沿ったものになると考えておるところでございます。
#62
○畠山委員 清掃事業の区移管なくして特別区の基礎的地方公共団体はあり得ないという論議が展開されている、まあ、当然といえば当然かと思います。大都市の一体性、統一性及び清掃事業の歴史的経緯からすれば、この問題については慎重の上にも慎重な配慮が必要かと考えます。
 そこで、お尋ねをいたしますが、清掃事業の区移管に当たっては、全区における都区による条件整備が不可欠であると考えますが、大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
#63
○上杉国務大臣 先ほどお答えしましたように、これが未決着のまま法改正を東京都から強く求められたわけでございます。しかし、これが円満な形で話し合いがつかない以上はだめだといって、この法律というものについての作業を進めることにいたしませんでした。そのような意味では、自治省としては、総体的に全くその考え方でございまして、慎重の上にも慎重を期し、都民生活にいささかの支障もこの法律改正によってないように我々は念じてきたわけでございまして、全く委員のお気持ちと同じ気持ちで取り組んできたつもりでございます。
 事務的なものは事務方からお答えさせます。
#64
○鈴木政府委員 都から特別区への清掃事業の移管につきましては、平成六年に関係者間で、平成十二年四月を移管の時期とすることで合意を得て、これを受けまして、都と特別区において清掃車の車庫あるいは清掃工場の整備などに鋭意取り組んできている、このように承知をいたしております。
 自治省といたしましても、移管後において清掃事業が円滑に実施できるような条件が整備されることが必要であると考えております。都と特別区においては、平成十二年四月の移管の時期までに、清掃車の車庫の整備などに最大限の努力を行うこと、仮に整備等が整わない区がある場合においても清掃事業を円滑にできるように必要な措置を講じること、このようにしているというふうに承知をしておりまして、自治省としても、都と特別区が責任を持って円滑な清掃事業の移管を図っていくものと認識をいたしているところでございます。
#65
○畠山委員 もう一点でございますが、清掃事業について、法改正後の清掃事業の運営形態、職員の身分等については労使協議での合意が尊重されるべきものと考えますが、この点も最後に確認をしておきたいというふうに思います。
#66
○鈴木政府委員 お答えいたします。
 清掃事業の実施に関しましては、法律改正によりまして法律上の権限が移譲されます特別区の責任のもとに行われるということが基本でございます。平成十二年四月の移管の時期までに車庫等の整備が整わない区がある場合において必要な措置を講ずるということとか、清掃事業を円滑に実施していくために、東京都や特別区を初めとする関係者間で、移管後の事業形態などにつきまして十分な協議というものが行われるべきものと考えております。
 職員の引き継ぎにつきましては、都から特別区への事務の移管を進めるとともに、その事務に従事している職員の身分等の取り扱いをどのように考えるかという点で重要な課題であると認識をいたしております。労使協議はあくまでも東京都の中における問題でございますが、東京都、特別区を初めとする関係者間で十分な協議が行われまして、円滑な事務の移管が図られることが望ましいというふうに考えておりまして、自治省といたしましても、そういった点を踏まえまして、この改正案が円滑に実施に移されますように努力をしてまいりたいと考えております。
#67
○畠山委員 最後になりますが、知事が、未調整部分があるとすれば施行日までに責任を持って処理をする、こういう強い意向を述べられております。それに基づいて自治省はこの法案の改正に取り組んで、今提案なさっておるわけでありますから、当然、自治省も責任はあるというふうに思います。しっかりと円満な清掃事業が進められますようにフォローしていくというようなことを、その決意のほどをひとつ大臣から最後にお述べいただきたいというふうに思います。
#68
○上杉国務大臣 都知事さんとしてもそのようなことを公にされ、また、自治省としてもそのような都の強い求めに応じて対応したことでございまして、長いこと温めておったものを決断したわけでございますから、初めての試みとして、失敗のないように、また都民の皆様の期待を裏切ることのないように取り組んでまいらなければならない、このように考えております。
#69
○畠山委員 ありがとうございました。終わります。
#70
○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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