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#1
第142回国会 予算委員会 第8号
平成十年一月二十八日(水曜日)
   午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 松永  光君
    理事 伊藤 公介君  理事 石川 要三君
    理事 西田  司君  理事 深谷 隆司君
    理事 山本 有二君  理事 五島 正規君
    理事 高木 義明君  理事 北側 一雄君
    理事 加藤 六月君
       相沢 英之君     江藤 隆美君
       小澤  潔君     越智 通雄君
       大原 一三君     河村 建夫君
       栗原 博久君     桜井  新君
       関谷 勝嗣君     津島 雄二君
       東家 嘉幸君     中川 昭一君
       中山 正暉君     野中 広務君
       葉梨 信行君     萩野 浩基君
       林  幹雄君     増田 敏男君
       村田 吉隆君     村山 達雄君
       岩國 哲人君     生方 幸夫君
       岡田 克也君     海江田万里君
       小林  守君     原口 一博君
       松沢 成文君     山花 貞夫君
       上田  勇君     草川 昭三君
       斉藤 鉄夫君     西川 知雄君
       鈴木 淑夫君     中井  洽君
       西村 眞悟君     木島日出夫君
       古堅 実吉君     矢島 恒夫君
       上原 康助君     中川 智子君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣
        大蔵大臣      橋本龍太郎君
        法務大臣      下稲葉耕吉君
        外務大臣      小渕 恵三君

        文部大臣      町村 信孝君
        厚生大臣      小泉純一郎君
        農林水産大臣    島村 宣伸君
        通商産業大臣    堀内 光雄君
        運輸大臣      藤井 孝男君
        郵政大臣      自見庄三郎君
        労働大臣      伊吹 文明君
        建設大臣      瓦   力君
        自治大臣
        国家公安委員会
        委員長       上杉 光弘君
        国務大臣
        (内閣官房長官)  村岡 兼造君
        国務大臣
        (総務庁長官)   小里 貞利君
        国務大臣
        (北海道開発庁長官)
        (沖縄開発庁長官) 鈴木 宗男君
        国務大臣
        (防衛庁長官)   久間 章生君
        国務大臣
        (経済企画庁長官) 尾身 幸次君
        国務大臣
        (科学技術庁長官) 谷垣 禎一君
        国務大臣
        (環境庁長官)   大木  浩君
        国務大臣
        (国土庁長官)   亀井 久興君
 出席政府委員
        内閣法制局長官   大森 政輔君
        大蔵省主計局長   涌井 洋治君
 委員外の出席者
        予算委員会専門員  大西  勉君
    ─────────────
委員の異動
一月二十八日
 辞任           補欠選任
  綿貫 民輔        君林  幹雄君
  志位 和夫君       古堅 実吉君
  不破 哲三君       矢島 恒夫君
  北沢 清功君       中川 智子君
同日
 辞任           補欠選任
  林  幹雄君       綿貫 民輔君
  古堅 実吉君       志位 和夫君
  矢島 恒夫君       不破 哲三君
  中川 智子君       北沢 清功君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 平成九年度一般会計補正予算(第1号)
 平成九年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)
     ─────◇─────

#2
○松永委員長 これより会議を開きます。
 平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。
 三案に対する質疑は、去る二十六日終局いたしております。
 ただいままでに、民友連及び平和・改革の両会派共同で五島正規君外二名から、また自由党加藤六月君外三名から、それぞれ平成九年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。まず、五島正規君。
#3
○五島委員 私は、民友連、平和・改革両会派共同の平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)及び平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を提出いたします。
 平成九年度一般会計補正予算、平成九年度特別会計補正予算及び平成九年度政府関係機関補正予算について、政府はこれを撤回し、左記の要領により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求します。
 橋本政権は、消費税の五%へのアップ、特別減税の打ち切り、国民医療費の引き上げなど、九兆円に上る負担を国民に押しつけ、その結果、消費は甚だしく落ち込み、景気回復の兆しは一向に見えない状況が続いている。
 我々は、冷え切った消費と景気の回復に資すべく、所得税、住民税の恒久減税、法人税率の引き下げ、有価証券取引税の廃止等、土地、住宅等の政策減税による六兆円規模の減税を要求している。ところが、橋本政権は、我々の要求をこれまで一顧だにせず、景気の落ち込みが金融不安につながる今となって、無責任な政策転換を行い、慌てて二兆円の特別減税を決定するに至った。
 橋本政権は、景気の落ち込みに対する誤った認識と、赤字国債を発行してまで減税を行うことは財政構造改革に逆行するというかたくなな考えに縛られ、不況に苦しむ国民のあえぎ声を置き去りにしてきたと言わざるを得ない。早晩、六兆円規模の減税を要求する我々の主張が正しいことが実証されると確信する。
 同時に、本補正予算が抱えた大きな問題点は、予算総則の債務保証契約に、預金保険機構に創設される金融危機管理勘定の借入金等に係る債務を盛り込んだことである。
 政府は、一昨年の住専国会において、公的資金の投入は住専と信用組合に限定すると繰り返し説明してきた。今回、金融行政失敗の責任は棚上げにして政策転換し、最大三十兆円もの公的資金の投入の枠組みを決定した。公的資金が投入されるとすれば、金融機関経営者等や行政の責任追及と情報開示の徹底を前提として、金融機関の破綻処理に伴う預金者保護に限定されるべきである。
 検察による強制捜査が行われ、また、大蔵省の現職金融検査官が逮捕された。大蔵省と金融機関の癒着が表面化した現状においては、橋本総理の責任追及、事件の徹底解明を行うとともに、公的資金導入の前提について徹底した審議を行うことが不可欠である。
 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案は、一般金融機関の優先株等を整理回収銀行が引き受けるスキームを含んだ金融機関救済のための法案であり、到底認めることはできない。そのため、我々は、予算総則第七条二十五項に関して、預金保険機構による十兆円の金融危機管理勘定への借入金等の政府保証に係る記述を削除することを要求する。
 また、預金保険機構による借り入れ等への政府保証はできるだけスキームを単純化すべきとの観点から、前項に関して「預金保険機構債券及び」の語句を削除することをあわせて要求する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#4
○松永委員長 次に、中井洽君。
#5
○中井委員 私は、自由党を代表して、平成九年度補正予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。
 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。
 平成十年を迎え、日本金融システムは崩壊寸前であり、信用収縮が倒産の多発を招くなど恐慌寸前とも言える経済状況にあり、国民は今、深刻な経済危機を憂い、金融不安、生活不安におびえています。
 平成八年度に三・二%成長まで回復した日本経済は、景気・財政中立型予算が執行されれば、少なくとも四%近い成長率となり、民需主導型の持続的成長軌道に回復しておりました。しかるに、橋本内閣は、経済の見通しを誤り、我々の、財政再建のためにもまず経済再建、日本経済を回復軌道に乗せるために減税という主張を全く無視して、特別減税の打ち切り、消費税率の引き上げなどの約九兆円の国民負担増加を柱とするデフレ型の平成九年度予算を強行し、国民の夢と希望をたたきつぶしたのであります。
 橋本内閣の失政は、日本国民に取り返しのつかない経済的ロスと苦渋をもたらし、また、海外から我が国に内需拡大を求める声が一段と強まっております。橋本内閣の無能無策、先見性のなさが今日の不況を招き、日本の権威を失墜させたことは明白であります。
 しかるに、橋本総理は、みずから招いたこの不況、金融危機に全く反省もなく、我々が昨年の通常国会に提出した特別減税継続法案を廃案にしておきながら、昨年十二月に突如として特別減税の再実施を表明いたしました。まさに支離滅裂であります。
 我々の主張どおり特別減税を継続しておれば、この恐慌寸前とも言える経済状況は回避できたはずであり、今さら二兆円の特別減税再実施では、規模も小さく、不十分であります。また、特別減税である限り、増税が待ち構えている増税予告つき減税であり、景気浮揚効果は全く期待できません。単なる予算のばらまきに終わり、財政を悪化させるのみであります。
 また、金融システム安定化策と称して、銀行に優先株等を発行させ、公的資金により引き受けるとしております。これは悪名高い護送船団行政の拡充強化でしかありません。実際、今回の大蔵省金融検査部と銀行業界の不祥事は刑事事件にまで進展しており、政官業癒着の構図、事前指導型行政が改まらない限り、公的資金による金融機関救済はまさに盗人に追い銭であります。
 公的資金による安易な救済は、金融機関の経営努力を怠らせ、かえって国際競争力をそぐ結果となり、モラルハザードは銀行だけでなく日本全土に蔓延するに違いありません。
 これらの問題点について、これ以上の景気の悪化を防ぎ、国民生活を守るため、平成九年度補正予算案を以下の重点事項に基づいて組み替え、施策の充実を求めるものであります。
 以下、組み替えの重点事項について申し述べます。
 現下の厳しい経済情勢に対応し、国民の可処分所得をふやし消費の拡大を図り、民間活力が最大限発揮されるよう抜本的な経済対策、税制改革を実施するとともに、金融システムへの不安を解消するために、ルール型の透明な行政制度により市場の信頼を取り戻すことが必要であります。
 したがって、第一は、所得税、法人税の国際的水準への引き下げを初めとする税制の抜本的な改革の必要性を踏まえつつ、平成十年度分特別減税はこれを恒久化することであります。ただし、二兆円の財源を使って、最高限界税率の引き下げ、税率構造のフラット化、簡素化を実施してすべての税率を下げることとし、財源については恒久的財源を措置することであります。
 第二は、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律による預金保険機構の借入金のうち、金融危機管理業務に関する債務に対する保証はこれを削除することであります。
 以上が動議の概要であります。
 何とぞ、委員各位におかれましては、本動議の趣旨を御理解いただきまして、御賛同賜りますようお願いいたしまして、私の趣旨弁明といたします。(拍手)
#6
○松永委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#7
○松永委員長 これより討論に入ります。
 平成九年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。石川要三君。
#8
○石川委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成九年度補正予算(第1号)三案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 今回の補正予算は、財政構造改革を着実に推進する中で、当面の経済情勢に対する配慮を行うためのものであり、まことに時宜を得た適切な補正予算であると評価することができるものであります。
 以下、賛成する主な理由を申し上げます。
 賛成の第一の理由は、今回の補正予算等においては、当面の経済情勢に対する配慮が行われており、緊急かつ真に必要な経費等をその内容としているところであります。
 税制面については、平成十年分の所得税、個人住民税の定額による二兆円規模の特別減税を行うこととしております。
 金融システム安定化のための措置についても、今後いかなる事態が生じても預金の全額保護が可能となる体制を整備することとしているほか、金融危機の際の対応として、金融機関の発行する優先株等を一時的に引き受ける制度を設けることとしております。これらの措置に関し、三十兆円の公的資金を活用できることとしております。
 予算面に関しましても、中小企業、中堅企業の事業活動を支援するため、中小企業金融公庫等に新たな融資制度を創設することなどにより、深刻な貸し渋り問題に対応することとしております。また、事業規模約一兆円の災害復旧事業等の公共事業の追加、さらには事業規模一兆五千億円の国庫債務負担行為の確保等を行うこととしております。
 これらの諸施策は、経済を下支えし、我が国経済の景気回復軌道への復帰に大きく寄与し、我が国経済の自律的な安定成長につながるものと確信しております。
 賛成の理由の第二は、我が国財政にとって喫緊の課題である財政構造改革の推進という観点を踏まえたものとなっていることであります。
 すなわち、今回の補正予算においては、既定経費の節減等を可能な限り追加財政需要に対する財源としております。
 また、平成八年度に発生した新規剰余金のうち、財政法第六条の純剰余金の二分の一を公債の償還財源に充てるため、国債整理基金特別会計へ繰り入れるほか、その残余の額については、いわゆる特例的歳出削減措置の返済に充てることとしております。
 以上申し述べたように、私は、本補正予算が必要かつ不可欠なものであるとして賛成の意を表明するものであります。本補正予算を初めとするさまざまな取り組みなどが相乗効果を持って、我が国経済の力強い回復をもたらすものであり、そのためにも本補正予算の速やかな成立を期するものであります。
 なお、民友連、平和・改革共同提案及び自由党提案の平成九年度補正予算(第1号)三案の編成替えを求める動議については、残念ながら意見を異にするものであり、容認できるものではないことを申し添えて、討論を終わります。(拍手)
#9
○松永委員長 次に、高木義明君。
#10
○高木委員 私は、民友連を代表し、政府提出の平成九年度一般会計補正予算案外二案について撤回のうえ編成替えを求める民友連、平和・改革の共同動議に賛成し、政府案に反対する立場で討論を行います。
 今日の我が国経済は、深刻な金融不安、株価の低迷に見舞われ、景気は一向に回復する兆しを見せません。このような状況に陥ったのも、橋本内閣が官僚主導で経済見通しを誤ったことと、九兆円もの国民負担増を押しつけたことにあります。
 橋本総理は、景気の落ち込みが金融不安につながる今となって、慌てて二兆円の特別減税を決定し、財政構造改革は中長期的なスパンであり、経済の状況に応じて臨機応変に対処するのは当然と、財政構造改革との整合性を主張しております。しかし、これは今までの後手後手に終始した政策の誤りをごまかす以外の何物でもなく、みずからの財政再建路線をあからさまに変更するものであります。
 橋本総理や政府のこのような姿勢に国民や市場の反応は極めて冷ややかであり、二兆円の特別減税発表後も景気の好転は見られません。今や、国民の多くは、情報や施策を官僚に依存し、秘書官政治とまで批判される橋本総理を信頼しておりません。橋本内閣の無節操な政策転換は国民の政治への信頼を失墜させるものであり、その政治責任は重大であります。
 さて、昨日、大蔵官僚の不祥事に伴い、三塚大蔵大臣が辞任されました。これは、監督責任のみならず、日本を経済危機に至らしめ、今なお回復への道のりを示し得ない経済政策全般の責任をとっての辞任と言われております。しかし、これで大蔵省や政府の責任問題が決着したものではなく、今後も我々は政策の失敗についての最終的な責任の所在を明確にしなければなりません。
 以下、平成九年度補正予算案に反対する理由を申し述べます。
 私たち民友連は、今回の政府提案の二兆円減税は、遅い、少ないの点において極めて不満でありますが、景気を一刻も早く回復させる観点から、減税そのものの早期実現には協力を惜しむものではありません。
 最も大きな反対の理由は、予算総則に、金融危機管理勘定における借入金等に十兆円の政府保証を行うことであります。
 政府は、一昨年の住専国会で、公的資金の投入は住専と信用組合に限定すると明言し、その一方で、本来的課題である預金者の保護、金融システムの改革を怠ってきたのであります。しかるに、橋本内閣は、責任を棚上げして、またも政策転換し、最大三十兆円の公的資金投入のスキームを決定したのであります。
 スキームを見れば、対象となる金融機関の決定などには大蔵省の裁量行政が見え隠れし、十年度に実施される早期是正措置に対応するための金融機関の救済や体力強化そのものであります。公的資金が投入されるとすれば、預金者保護に限定されるべきであります。
 したがって、金融機関への支援策となる公的資金投入は、大蔵省と金融機関の癒着が表面化した現在において、国民理解を得られるかどうかを含め、慎重審議が必要であり、予算総則から十兆円の金融危機管理勘定への借入金等の政府保証限度額を削除すべきであると考えます。
 同様に、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案第三十一条による三兆円の国債交付についても、当然、削除されなければなりません。
 現下の経済金融危機の打開は政治の緊急の課題でありますが、今となっては、二兆円という減税規模では遅きに失しております。私たち民友連、平和・改革は、所得税、住民税の恒久減税、法人税率の引き下げ、有価証券取引税の撤廃、土地、住宅の政策減税等で六兆円の減税実施を政府に求めるものであります。
 以上、民友連、平和・改革提出の動議に賛成し、政府案に反対する理由、並びに民友連、平和・改革の六兆円恒久減税の要求を強く申し述べ、私の討論といたします。(拍手)
#11
○松永委員長 次に、上田勇君。
#12
○上田(勇)委員 私は、平和・改革を代表し、政府提出、平成九年度一般会計補正予算案外二案に反対を表明し、以下、その理由を申し述べます。
 反対の理由の第一は、補正予算案の最大の柱である二兆円規模の特別減税は、その実施が余りにも遅く、かつその額が余りにも少なく、現在の我が国経済の厳しい状況を回復するためには不十分であるからです。
 私たちは、単年度限りの特別減税ではなく、恒久減税として制度化するとともに、所得税、法人税等を合わせて六兆円規模とすることが必要と考えます。
 私たちは、昨年の通常国会で二兆円の特別減税の継続を主張し、法案を提出しましたが、与党はこれを一顧だにせず、廃案としました。その後の我が国経済は、特別減税の廃止、消費税率の引き上げ、医療費の値上げといった九兆円に上る国民負担の増大や金融システム不安の増幅などにより、深刻な事態に陥っています。
 にもかかわらず、橋本内閣は、景気は緩やかな回復基調との、経済の実態とかけ離れた認識に固執し、何ら有効な対策を講じようとしませんでした。今日の事態を招いた最大の原因は橋本内閣の経済政策の失敗であり、その責任は極めて重大であると断ぜざるを得ません。
 今回、政府は、一年前の私たちの主張と全く同じ規模の減税を提案していますが、対応が遅過ぎたために、景気対策として十分な効果を期待するのは困難であります。
 第二の理由は、今回の補正予算案が、政府・与党が進めてきた財政改革路線と全く整合性のとれないものであるからです。
 昨年、政府・与党は、私たちの反対を強引に押し切って財政構造改革法を成立させ、費目ごとに上限を設定する緊縮型の財政運営を選択しました。しかし、今回の補正予算案は、特別減税や公共投資の追加など財政出動そのものであり、明確な説明のないまま政策を百八十度転換することは、国民のみならず世界の信頼を失うものであります。
 第三の理由は、一般の金融機関の優先株等を引き受けるために公的資金を使う財政的な手当てが予算総則の中に織り込まれていることであります。
 十三兆円規模の公的資金による優先株等の買い取りスキームは、金融不安の解消という名のもとに、実際は銀行救済以外の何物でもなく、旧来の護送船団方式の強化であり、金融ビッグバンと逆行するものです。また、優先株購入に際しての審査基準もあいまいで、大蔵省の裁量がますます高まるばかりか、経営のモラルハザードを引き起こしかねないものであります。大蔵省と金融機関の構造的な腐敗が次々と明らかになっていく中で、金融機関救済のために国民の血税を投入することは認めるわけにはいきません。
 金融システム安定化法案は撤回し、それに関する予算措置は削除すべきであることを強く主張します。
 最後に、大蔵省職員及び出身者をめぐる一連の不祥事は、強大な権力を背景とした極めて悪質なものであり、到底容認できるものではありません。こうした状況を放置してきた橋本内閣の責任は重大であり、三塚大蔵大臣の辞任は当然のことでありますが、事は大臣辞任で済むものではありません。
 私たち平和・改革は、徹底的な真相究明に努め、橋本内閣の責任の追及と構造腐敗の一掃に全力を挙げる決意であります。加えて、政府に対して公務員の綱紀粛正の徹底と大蔵省の抜本的な改革を求めるとともに、早急に公務員倫理法を制定するよう主張します。
 民友連及び平和・改革共同提出の組み替え動議には賛成であることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)
#13
○松永委員長 次に、鈴木淑夫君。
#14
○鈴木(淑)委員 私は、自由党を代表いたしまして、政府提出、平成九年度補正予算案及び関連予算案に反対をし、自由党提出の組み替え動議に賛成する立場から討論を行います。
 今や日本の金融システムは崩壊寸前であり、信用収縮が倒産の多発を招くなど恐慌寸前とも言える状況であります。
 我々が幾度にもわたって警告したにもかかわらず、政府は国民負担増九兆円と公共投資削減のデフレ予算を強行した結果、今や我が国の景気は後退局面に入っております。来年度予算は、公共事業予算の削減など再びデフレ予算が待ち構えており、消費マインドは冷え込み、景気が上向く要因はほとんどありません。景気の悪化が現在の金融危機を招き、金融危機が景気悪化を加速するという負の相乗効果により、今や日本経済は地獄行きの超特急に乗っているような状態であります。
 これらはすべて橋本内閣の失政がもたらしたものであり、橋本内閣の無能無策、先見性のなさが今日の不況を招き、国民生活の安定を根底から脅かしているのであります。
 この補正予算案も、欺瞞に満ち満ちております。以下、反対の理由を申し述べます。
 第一に、理念、哲学なき特別減税の場当たり的復活であります。
 橋本総理は、昨年十二月に、特別減税の復活を突如表明いたしました。我々が昨年の通常国会に提出した特別減税継続法案を廃案に追い込み、財源を特例公債に求めなければならない減税は実施できないとたびたび答弁してきたにもかかわらず、まさに支離滅裂であります。また、みずから招いたこの不況、金融危機に全く反省もありません。我々の主張どおり特別減税を継続しておれば、この恐慌寸前とも言える経済状態は回避できたはずであります。まずはみずからの過ちを認め、国民に謝罪をするべきであります。
 また、二兆円の特別減税復活では規模も小さく不十分であり、特別減税である限り期限が来れば増税が待ち構えており、景気浮揚効果は期待できず、まさに増税予告つきばらまき減税であります。かえって財政を悪化させるのみに終わるに違いありません。
 真に景気への影響を考え、庶民の困窮を救うためであるならば、平成十年度分特別減税は恒久制度減税とすべきであります。すなわち、恒久化する際には、最高限界税率の引き下げ、税率構造のフラット化、簡素化を実現し、すべての税率を引き下げて、抜本的な税制改革を行わなければなりません。
 第二は、金融システム安定化策と称するものであります。
 さきの大蔵省金融検査部の不祥事は、まさに政官業癒着の典型であり、護送船団行政のなれの果てであります。今や金融行政、銀行業界への国民の信頼など一かけらもありません。三塚大蔵大臣の辞任は当然であり、遅きに失しておりますが、大蔵大臣の辞任程度では行政への信頼回復などあり得ません。金融システムへの不安を解消するための第一歩は、事前指導型の裁量行政から事後チェック型のルール行政へと改革し、透明さを増して市場の信頼を取り戻すことであります。
 銀行に優先株等を発行させ公的資金により引き受けるのも、悪名高い護送船団行政の拡充強化、継続でしかありません。市場原理という理念は看板倒れに終わり、国際世論からも理解が得られるはずがないのは当然であります。
 安易な救済は金融機関の経営努力を怠らせ、かえって国際競争力をそぐ結果となります。頻発する不祥事をなくし、他産業に比べて高い給与を是正し、店舗を合理化するなど、金融機関にはまだまだ大胆なリストラの余地があるはずであります。また、金融機関だけを救済するのはまことに不公平であり、モラルハザードは銀行だけではなく日本全土に蔓延するに違いありません。
 今回の大蔵省の不祥事は不良債権検査に関係しておりますが、このような贈収賄となれ合い検査のもとで報告された不良債権額をもとに公的資金が導入されようとしており、言語道断であります。政官業の癒着、護送船団行政が改まらない限り、公的資金による金融機関救済は、まさに盗人に追い銭であります。つまり、問われるべきは橋本内閣の政治姿勢そのものであり、橋本総理のもとでは市場から信認を受ける改革など到底不可能であることが改めて明らかになったのであります。
 もはや橋本内閣はこの経済危機に対する能力も責任も持ち合わせておらず、橋本内閣の編成する予算に、あすの日本をどのようにしたいかというビジョンを見出すことなど全く不可能であります。
 以上、政府提出、平成九年度補正予算案及び関連予算案に反対し、自由党提出の組み替え動議に賛成する理由を申し述べ、私の討論を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
#15
○松永委員長 次に、矢島恒夫君。
#16
○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の一九九七年度補正予算三案に反対の討論を行います。
 まず最初に、銀行の破綻処理には国民の税金を使わないというこれまでの橋本内閣の国会と国民に対する公約をじゅうりんして、三十兆円の公的資金を銀行支援、救済のためにつぎ込むこととなる本補正予算を、十分な審議も行わずに短時間で採決しようということに強く抗議するものです。あえて強行するというのであれば、国民に信を問うことを厳しく求めるものであります。
 反対の最大の理由は、本補正予算案が、預金保険法一部改正案、金融機能安定化緊急措置法案と相まって、三十兆円という政府当初予算の四割にも達する巨額の公的資金を銀行支援、救済のためにつぎ込むことになることであります。
 これは、住専処理に当たり、金融機関の破綻処理については、金融システム内の負担により対応することが原則、信用組合以外の金融機関の破綻には税金を使わないとした一九九六年住専国会のときの政府の国会と国民に対する公約への重大なじゅうりんであります。
 税金投入を正当化する政府の口実は、質疑を通じてすべて崩れ去りました。銀行業界は、不良債権処理の十分な体力を持っていること、貸し渋りや資金回収という横暴勝手に対して政府は実効ある行政指導を何ら行ってこなかったこと、日本の金融業界と金融行政に対する内外からの不信は、政官と金融業界との癒着など無法な体質から生まれていることが浮き彫りとなりました。
 とりわけ、現役大蔵省金融検査室長や大蔵省OBなどの逮捕、新井将敬議員への証券業界からの不当な利益供与など、次々と明るみに出る金融業界と大蔵省、政治家との醜い癒着に対し、国民の怒りは頂点に達しています。まず、真相を徹底して解明し、こうした癒着を大もとから断ち切ることにこそ全力を尽くすべきではありませんか。
 巨額な公金投入の真の目的が、巨大銀行に、バブル以降の乱脈経営による不始末を税金で穴埋めしてやり、さらにビッグバン対応のため大銀行の体力を増強させるものであることは明らかです。本補正予算総則の第七条「平成九年度一般会計予算総則第十一条第一項の債務保証契約の限度額」の表中「預金保険機構」の部分、二十兆円をすべて削除すべきであります。
 反対の第二の理由は、米軍による沖縄県の県道越え実弾演習を本土に移転、拡張するための追加経費を含むSACO関係経費七十二億円を計上していることであります。
 既に、北富士、矢臼別、王城寺原では実弾演習が行われ、二月には東富士での演習が計画されていますが、これら米軍による実弾訓練の実態は、米軍が日本列島を我が物顔に使用するものとなっています。SACO関係経費は、その財政的なてこの役割を果たすものにほかなりません。
 本補正予算には二兆円の特別減税を盛り込んでいますが、今日の深刻な不況は、政府が強行した九兆円もの国民負担増によるものであることは明白であり、不況打開の最大の柱である個人消費の拡大のためには、一回きりの特別減税ではなく、これを恒久、継続化するとともに、消費税の三%への引き下げ、社会保障制度の連続改悪の中止など、実効性のある思い切った対策こそ必要です。
 なお、民友連、平和・改革共同提案及び自由党提案に係る組み替え動議は、いずれも銀行、金融業界への十兆円の公的資金投入を容認するものとなっており、賛成できません。
 以上で反対討論を終わります。(拍手)
#17
○松永委員長 次に、上原康助君。
#18
○上原委員 三塚大蔵大臣の辞任という事態の中で迎えた九七年度補正予算三案の議了、採決に当たり、社会民主党・市民連合を代表して、これに賛成する立場を明確にした上で、橋本総理に若干の緊急提言をさせていただきたいと存じます。
 まず、補正予算案賛成の理由を簡潔に申し上げると、第一に、九七年度当初予算で過剰になった国民負担について、所得税、住民税の特別減税などによって不十分ながら軽減措置がとられるとともに、総理答弁や与党三党の確認によって、今後、その延長や制度化にも含みを持たせていること、第二に、金融システム安定化に向けた公的資金の投入に、審査機関による厳正な審査、対象金融機関の経営責任の追及など、納税者の納得を得るための最善の努力が担保されていること、第三に、貸し渋り対策として、政府系金融機関の融資枠と融資条件、信用保証協会の保証枠などに改善策がとられ、なおかつ、さらなる拡大に努めることを与党間で確認したことなどであります。
 緊急に橋本総理に提言したい問題は、大蔵省の金融証券検査官二人の逮捕についてであります。
 大蔵省は、一九七九年、昭和五十四年十月、職務上の関係者からの会食等への招待には原則として応じない、いわゆる陣中見舞い、歳暮、中元等についても同様といった内容の内部通達を大臣官房長名で出し、また、九六年には官房長のもとに規律保持委員会を設置いたしました。
 そもそも、検査監督及び行政指導を行う側は、本来、その対象者とは特別な権力関係、言いかえれば利害が全く相反しており、厳格に一線を画すべき関係にあります。したがって、会食等はもとより、両者の癒着を疑われるような行為は、公務員全体に対し、一切禁止する立法措置をとるべきであると私は考えます。
 社会民主党は、九六年十二月、アメリカ政府倫理法をモデルに国家公務員倫理法案大綱を発表し、翌九七年から与党協議を継続中でありますが、今こそ政府・与党は我が党提案をさらに強化する観点から本格的に検討し、国会において制定を期すべきであります。
 ところで、さきの官房長通達の遵守に向けた大蔵省の服務管理及び規律保持委員会は、なぜ実効が上がらなかったのか。総括責任者である官房長、実務責任者である官房秘書課長がどの程度真剣に取り組んでいたのか。この際、総理大臣のイニシアチブによって、同省外部に民間人を中心とした特別監査チームを委嘱し、早急に総括と点検を行い、その結果を国民の前に明らかにする必要があります。
 大蔵省は、大臣官房に職員の服務管理に関する監査官を数名新設する方向と伝えられております。しかし、多発する同省の不祥事は、権力の集中を背景とした構造的な体質に原因があり、新たに置かれる監査官自身がその体質の中で育っている以上、これには何も期待できないとの国民の厳しい目もあります。大蔵省に集中した権力の分離こそ、その対策でなければなりません。
 そのため、省庁再編に伴い、内閣府金融庁によって金融行政を完全分離すること、国税庁を大蔵省から独立させること、内閣府に予算編成局を設置すること、財政投融資は基本制度を所管する各省において行うことなど、大蔵行政の総合改革を断行しなければならないと存じます。
 また、大蔵省に蔓延したがん細胞ともいうべき不祥事は他省庁にも転移していると見なければなりません。したがって、すべての省庁にわたって公務員の腐敗をチェックすることとし、このため、市民参加による外部監査システムを新たに構想し、省庁再編の一環としてこれを追加することを総理に御検討いただきたいと存じます。
 なお、民友連、平和・改革並びに自由党から提出された補正予算三案への編成替え動議については賛成いたしかねます。
 以上、社会民主党から橋本総理に緊急提言を行い、私の予算三案に対する賛成討論といたします。(拍手)
#19
○松永委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#20
○松永委員長 これより採決に入ります。
 まず、五島正規君外二名提出の平成九年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○松永委員長 起立少数。よって、五島正規君外二名提出の動議は否決されました。
 次に、加藤六月君外三名提出の平成九年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#22
○松永委員長 起立少数。よって、加藤六月君外三名提出の動議は否決されました。
 次に、平成九年度一般会計補正予算(第1号)、平成九年度特別会計補正予算(特第1号)、平成九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○松永委員長 起立多数。よって、平成九年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました平成九年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○松永委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 次回は、来る三十日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時十一分散会


ソース: 国立国会図書館
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