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#1
第142回国会 予算委員会 第28号
平成十年三月十九日(木曜日)委員長の指名で、
次のとおり分科員及び主査を選任した。
 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査
 院、内閣及び総理府所管(経済企画庁、環境庁、
 国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外の
 事項〕
   主 査 山本 有二君
      越智 通雄君    河村 建夫君
      海江田万里君    北側 一雄君
      木島日出夫君
 第二分科会(法務省、外務省及び大蔵省所管)
   主 査 伊藤 公介君
      相沢 英之君    久野統一郎君
      深谷 隆司君    生方 幸夫君
      岡田 克也君    加藤 六月君
 第三分科会(文部省及び自治省所管)
   主 査 中山 利生君
      甘利  明君    江藤 隆美君
      大原 一三君    原口 一博君
      松沢 成文君    草川 昭三君
 第四分科会(厚生省及び労働省所管)
   主 査 石川 要三君
      津島 雄二君    萩野 浩基君
      五島 正規君    中井  洽君
      矢島 恒夫君
 第五分科会〔総理府(環境庁)及び農林水産省
 所管〕
   主 査 関谷 勝嗣君
      岸田 文雄君    中山 正暉君
      岩國 哲人君    斉藤 鉄夫君
      北沢 清功君
 第六分科会〔総理府(経済企画庁)及び通商産
 業省所管〕
   主 査 中川 昭一君
      栗原 博久君    綿貫 民輔君
      高木 義明君    鈴木 淑夫君
      春名 直章君
 第七分科会(運輸省及び郵政省所管)
   主 査 桜井  新君
      葉梨 信行君    増田 敏男君
      山花 貞夫君    上田  勇君
      上原 康助君
 第八分科会〔総理府(国土庁)及び建設省所管〕
   主 査 小澤  潔君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      小林  守君    西川 知雄君
      西村 眞悟君
―――――――――――――――――――――――
平成十年三月十九日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 越智 通雄君
   理事 伊藤 公介君 理事 石川 要三君
   理事 中山 利生君 理事 深谷 隆司君
   理事 山本 有二君 理事 五島 正規君
   理事 高木 義明君 理事 北側 一雄君
   理事 加藤 六月君
      相沢 英之君    甘利  明君
      江藤 隆美君    小澤  潔君
      大原 一三君    河村 建夫君
      岸田 文雄君    久野統一郎君
      栗原 博久君    阪上 善秀君
      桜井  新君    関谷 勝嗣君
      津島 雄二君    中川 昭一君
      中山 正暉君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    増田 敏男君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      綿貫 民輔君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      岡田 克也君    海江田万里君
      小林  守君    原口 一博君
      松沢 成文君    山花 貞夫君
      上田  勇君    大口 善徳君
      草川 昭三君    斉藤 鉄夫君
      並木 正芳君    鈴木 淑夫君
      中井  洽君    西村 眞悟君
      木島日出夫君    平賀 高成君
      矢島 恒夫君    上原 康助君
      北沢 清功君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 松永  光君
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
        運 輸 大 臣 藤井 孝男君
        建 設 大 臣 瓦   力君
        自 治 大 臣 上杉 光弘君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 村岡 兼造君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 小里 貞利君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      尾身 幸次君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 大木  浩君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 亀井 久興君
 出席政府委員
        首席内閣参事官
        兼内閣総理大臣
        官房総務課長  江利川 毅君
        内閣審議官   坂野 泰治君
        阪神・淡路復興
        対策本部事務局
        次長      田中 正章君
        総務庁長官官房
        審議官     西村 正紀君
        経済企画庁調整
        局審議官    小林 勇造君
        経済企画庁国民
        生活局長    井出 亜夫君
        経済企画庁調査
        局長      新保 生二君
        環境庁大気保全
        局長      野村  瞭君
        国土庁防災局長 山本 正堯君
        法務省刑事局長 原田 明夫君
        大蔵大臣官房長 武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房金
        融検査部長   原口 恒和君
        大蔵省主計局長 涌井 洋治君
        大蔵省主税局長 尾原 榮夫君
        大蔵省証券局長 長野 厖士君
        大蔵省銀行局長 山口 公生君
        証券取引等監視
        委員会事務局長 堀田 隆夫君
        厚生省生活衛生
        局長      小野 昭雄君
        厚生省社会・援
        護局長     炭谷  茂君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        厚生省児童家庭
        局長      横田 吉男君
        厚生省年金局長 矢野 朝水君
        運輸省鉄道局長 小幡 政人君
        建設省道路局長 佐藤 信彦君
        建設省住宅局長 小川 忠男君
        自治省行政局長 鈴木 正明君
        自治省税務局長 成瀬 宣孝君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (預金保険機構
        理事長)    松田  昇君
        参  考  人
        (日本道路公団
        総裁)     鈴木 道雄君
        予算委員会専門
        員       大西  勉君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  河村 建夫君     阪上 善秀君
  岩國 哲人君     上田 清司君
  山花 貞夫君     枝野 幸男君
  上田  勇君     大口 善徳君
  西川 知雄君     並木 正芳君
  春名 直章君     平賀 高成君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     河村 建夫君
  上田 清司君     岩國 哲人君
  枝野 幸男君     山花 貞夫君
  大口 善徳君     上田  勇君
  並木 正芳君     西川 知雄君
  平賀 高成君     春名 直章君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十年度一般会計予算
 平成十年度特別会計予算
 平成十年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○越智委員長 これより会議を開きます。
 平成十年度一般会計予算、平成十年度特別会計予算、平成十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。
#3
○海江田委員 おはようございます。
 朝早くからではございますが、大蔵大臣、まず最初に一言でございますが、昨日、当委員会で松野元証券局長の証人喚問がございましたけれども、その中身は大体聞いたというか聴取しておりますか、どんな証言をしたかということは。
#4
○松永国務大臣 文字どおり概略を承知いたしております。細かい点については、大変恐縮でございますが、一々のことについては必ずしも私は見ることはできなかったのですが、概略は承知いたしております。
#5
○海江田委員 本日の新聞記事、とりわけ社説などでも、これは読売の社説でございますけれども、「山一廃業を招いた不透明行政」ということが書かれておるのですが、まだこれはお目通しありませんか。そういう新聞論調あるいは概略をお聞きになりまして、どんな印象をお持ちになられましたか。
#6
○松永国務大臣 大変恐縮でございますが、きょうはインドネシアの副大統領さんとお目にかかるということでありましたので、詳細なことは新聞も読んでいないわけでありますが、問題は、もう少し的確に山一の状態を把握しておればほかに打つ手があったのじゃなかろうかという趣旨の論調があるというふうに承知いたしております。
#7
○海江田委員 きょうは証券取引等監視委員会の事務局長の堀田さんにもお越しいただいておりますが、きょうは、むしろ、証券取引等監視委員会のお仕事よりも、まさに松野元証券局長が証券局長でありましたときの大蔵省の業務課長として少しお話をいただきたいのです。
 きのうの松野証言の中では、松野元局長が山一証券の三木副社長とお目にかかったのが九二年、平成四年の一月であるというふうに証言がありました。そして、そのとき、松野証券局長が三木さんを呼んだのではなくて、担当部局、担当部課、つまり業務課で三木さんをお呼びして、そしてその流れで松野・三木会談があった、こういうふうに証言をしておるわけでございますが、担当部課の業務課長として三木さんをお呼びしたというような事実があるのかどうなのか、お答え願いたいと思います。
#8
○堀田政府委員 先生からお話がございましたように、監視委員会の事務局長として政府委員を仰せつかっておりますので、今の御質問に答えるのはどうなのかなという感じもいたしますけれども、御質問でございますので、御指名でございますのでお答えいたしますが、今お話しのように、三木副社長を業務課で呼んでお話を伺ったという記憶はございません。
#9
○海江田委員 委員もお聞きいただいたと思いますが、そういう記憶はございませんということを言っておるのですね。ございませんということですよね、これは。うなずいておりますからそうですけれども、そうすると、どこが呼んだのですかね、これは。あるいはこれはもう、ここのところで松野元証券局長は大変大きな、偽証の可能性も大いにあると私は思うのですが、これは山一の方にも聞いてみなきゃいけないことでございますので、山一の方は呼ばれたということを言っている。これは、三木さんなどの事情聴取で、松野さんから呼ばれたということをはっきり言っておるということでございます。
 それから、大和と東急百貨店の間でもトラブルがありまして、これは当然業務課が当時この問題の処理に当たっていたと思うのですが、その中でいわゆる海外の飛ばし、飛ばしというより現先取引という言葉を使った方がお役人の用語としては正確なんでしょうが、この海外での現先取引については、大和と業務課との間の話で出てきて、そのことが証券局長に、こういうアイデアもありますよということで報告をされたというふうに証言をしておるのですが、これも事実関係はどうなっておりますか。
#10
○堀田政府委員 大和証券の東急百貨店等とのトラブルの問題につきましては、大和証券の管理担当と申しますか、コンプライアンスを担当している役員から私の方に、十一月下旬から報告がございました。十一月になってその不祥事を把握するに至ったということで私の方に報告がございまして、そこは恐らく前後して、きのうお話に出ておりましたけれども、松野局長と同前社長とのお話し合いがあったと思いますが、会社の側からは、顧客との折衝状況、あるいは扱い者がどういうふうにそこを話しているかというような状況につきまして、時々私の方に報告がございまして、私はそれを時々聞いておりました。
 今お話のございましたように、外国への現先、飛ばしといいますか、というアイデアが大和証券の中にあって、そういう議論もしている、ただ、いろいろ問題があってどうするかということだけれども、まだやりたいとか決めたということではなくて、そういうアイデアがあるんだという話を、これは恐らく、記憶ははっきりいたしませんけれども、一月の中旬から下旬、かなり押し詰まったころになってそういうお話を伺った記憶がございます。それを、私の上司であります当時の審議官、それから松野局長に報告したということでございます。
 これは、今申し上げましたように、大和証券の側でそういう議論が行われているという報告がございまして、それを上げたということで、業務課の中でそんなアイデアが出てきた、あるいは両者の協議の中で立案されたというようなことは毛頭ございません。
#11
○海江田委員 もう一つ、そこのところですけれども、その場合、こういうアイデアが出てきたということで、そのアイデアが適切なものなのか。きのう、記者懇ですか、堀田さんはやっておられるようですけれども、そういうような海外の法人への飛ばしというのは極めて不適切なものであるというような発言もしておるようなんですが、そういうアイデアがあるということについて、このアイデアが不適切なものであるという意見を添えて上に上げたということはあるのですか、ないのですか。
#12
○堀田政府委員 私は、大和証券の側からそのお話が出ましたときに、大和証券に対しましては、どういう言葉を使いましたかはっきりいたしませんけれども、好ましくない話だなということを申し上げたと思います。改正証取法と申しますか、損失補てんを禁止した法律が間もなく施行される、あるいはもう施行されている、この一月段階では施行されておりますけれども、そういう中では、やはり公明正大に対応しなきゃいかぬということを私は申し上げたと思います。
 ただ、これは、きのうも松野局長がお話ししておられましたけれども、基本的には顧客とのトラブルをどう解決するかという会社の経営判断でございますので、私どもは、その会社の対応ぶりを結局見守る。見守った上で、それが極めて不適切な方向に行けば、違法行為というような話になれば、それは違法だよということを警告しなければいけませんし、あるいはそれが実行されれば処分をしなければいけないということでございますけれども、まだそこに至る前の段階で、アイデアということでございましたので、それを聞いていた、決して好ましくない話だなというコメントを加えつつ聞いていたということでございます。
 松野局長にその私の感じをどう伝えたかというのははっきり覚えておりませんけれども、いずれにしても、顧客とのトラブルについてそういう対応をするということは、何と申しますか、褒められた話ではないというのが常識でございますので、そんな顔をして局長室に入ったのではないかと思います。
#13
○海江田委員 好ましくない話だということですが、全くそのとおりだろうと思います。
 この大和と東急百貨店の方もそうですけれども、今度は山一と東急百貨店のトラブルですね。このトラブルの中身を業務課はどの程度、どういう性格のものであるということを認識していたのか、あるいは把握をしていたのか。
 昨日の証言では、松野元局長は、東急百貨店の方から出した催告書のようなものをちらっと見た記憶があるというようなことを証言しておるのですけれども、実際にトラブルの一番現場にいる業務課としては、どんなトラブルであったというふうに認識をしていたのか。それから、業務課としては催告書を見たことがあるのかどうなのか、お尋ねをします。
#14
○堀田政府委員 山一証券と東急百貨店とのトラブルにつきましては、私は具体的に聞いた記憶がございません。部下から報告を受けた記憶もございませんし、それを上司に報告した記憶もございません。具体的にどういうことが行われているかというのは私はわかりませんでした。
 私は、かたがた、大和証券のお話があり、別途、別のコスモ証券、山種証券という会社からの同じような話が持ち込まれまして、これらはいずれもこの春の段階に、御案内のように行政処分をしております。法令違反であるということで行政処分をしております。そういう傍らで、いろいろうわさがございましたので、どうなっているんだと、社内調査をして業務課の方に報告してくるようにという指示を出した記憶がございます。いつだかちょっとはっきりいたしません、まあ、春だと思いますけれども。それに対しましては、そのようなことはないという報告があったということを部下から聞いたという程度のことでございます。
 催告書について、催告書のようなものでございますけれども、私は見た記憶がございません。
#15
○海江田委員 そういう意味では、全くこの山一の件については、本来でしたらまさに業務課がそういう仕事をやるわけですから、当然山一が業務課に相談に来ていなきゃいけないわけですけれども、今のお話を聞いてわかったことは、山一の話は全く業務課を経由していなかった。そういう意味では、ダイレクトでこれは松野元証券局長のところに行ったということでございますが、それでは、少なくとも松野証券局長は九二年の一月下旬に会っていることは確かでございますが、それは、例えば、局長のところに証券会社の副社長が来ているわけですから、こういうのが来たけれどもどういう話だったんだろうということで、会談があった後、何か局長から話が業務課の方におりてきたのかどうなのか。あるいは、業務課で当時どんなような話をしておったのか。
 そういうふうに、業務課として、松野さんと三木さんの会談があったということも知らなかったのですか、どうですか。
#16
○堀田政府委員 前の話になりますので記憶が定かでないところはございますけれども、松野局長が三木副社長とお会いになったということは全く記憶に残っておりません。当時、その話を聞いたということは覚えておりません。
#17
○海江田委員 そうすると、全くこれは、松野さんは会ったということも報告も何にもしてないわけですね。
 そういう意味では、全く一人で独断で会って、それから独断でアドバイスをして、アドバイスというのは選択肢を示したという言い方をしておりますけれども、そうして動いていったということなわけですが、あともう一つ、きのう私が松野元局長にお示しをしたのですが、この山一証券と東急百貨店の間の飛ばし、そちらの言葉では現先取引ということでございますけれども、ところが、この現先取引については、もう最初から一割の利息分、この利息分というのは実は帳簿汚し代とかいうことでいうわけですけれども、そういうものを最初から保証しているわけですね。
 今度新たに東急百貨店から別の会社に飛ばしをする、しかもその飛ばし先ももちろん証券会社が見つけてくるということですが、もしその飛ばし先が見つからなかったときは山一証券の方で責任を持って引き取る、こういうようなことを東急百貨店の側に示している。それは東急百貨店の側でも念書だとか何だとか全部証拠はそろっているわけですね。
 そういう取引というのは、これは一般に言われておるような現先取引とは大いに違って、これはまさに損失補てん、利回り保証につながって、改正されました証券取引法が禁止をしている内容そのものではないだろうか、私はそういう認識を持つのですが、いかがでしょうか。
#18
○堀田政府委員 現先取引と申しますのはもちろんきちっとした証券会社の業務でございますし、あるいは顧客間の仲介をするというのも、媒介と呼んでおりますけれども、証券会社の本来業務でございます。ですから、それで違法ということはあり得ないことでございますけれども、今お話のございました山一証券と東急百貨店との内容についてはちょっとよくわかりませんので、一般論でお答えさせていただきますけれども、顧客を勧誘する際に、一定の時期が来たら別の顧客を紹介するとか、紹介し切れなければ自分が引き取るというような勧誘をするということは、証取法、省令で禁止しております特別の利益を提供して勧誘する行為に当たるであろうと思います。
 現に、大和証券ほか二社、計三社につきまして、その四年の春に行政処分を行っておりますけれども、それはそういう法令違反であるということで処分をしたところでございます。
#19
○海江田委員 きょうの新聞などは、この山一の問題について、すべて証券局ぐるみ、飛ばし認識証券局ぐるみ、証券局ぐるみの疑いと、証券局ぐるみ、証券局ぐるみという書き方になっておるのですが、ただ、今、元業務課長であります堀田さんがおっしゃるのには、そういう意味では、この問題に関しては証券局ぐるみでは全然ないということですね、これは。
 それからあともう一つは、やはり堀田さんは、お立場として、今、証券取引等監視委員会の事務局長をやっておられて、これは本当に厳正中立にこの問題について検査なんかもやっておられるわけですから、やはりそういう立場を貫かなきゃいけないわけでございますから、そういうときに、業務課長として山一の問題に関与をしていて、全部知っておりながら何か知らないような形をしておるとか、そんなようなことは一切ないということをやはりはっきりおっしゃる必要があると思うので、そこのところをはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
#20
○堀田政府委員 私は、私が記憶しているとおりに、何といいますか、何の話もつくらずにそのまま申し上げているつもりでございます。
#21
○海江田委員 委員の皆様方、それから委員長も、今の、当時の業務課長でありますこの堀田さんの、まあこれは証言ではありませんけれども、当委員会での発言。当委員会での発言というのもこれも大変重きのある発言でございますが、その中で、山一と東急百貨店のトラブルについては全く業務課としては関知していないということを非常にはっきりおっしゃられておる。
 これは、昨日の松野証券局長の話とは大変大きく、それこそ百八十度発言の中身が違うと思いますので、私は、松野さんを再喚問するか、あるいは場合によっては偽証ということも、偽証で告発ということも考えられると思いますので、その取り扱いをよろしくしていただきますようにお願いをしまして、私の持ち時間が終わりましたので、質問を終わらせていただきます。
#22
○越智委員長 各党の理事からお申し出があれば、理事会において協議いたします。
 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。
 次に、枝野幸男君。
#23
○枝野委員 民友連の枝野でございます。
 私は、金融機関への優先株、劣後債、いよいよ実行され始めてきております、その過程についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
 金融危機管理審査委員会の方で、二月二十六日に審査基準というものをつくっておりますが、全部の銀行を順番に挙げておりますと時間がなくなりますので、幾つか典型的なところについてお尋ねをいたしますが、例えば東京三菱銀行、これは優先株でしょうか、お決めになっておられますが、基準二のどの事項に該当するという判断で優先株の購入をお決めになったのか。これは預金保険機構の理事長でしょうか、お願いをいたします。
#24
○松田参考人 お答えをいたします。
 委員御案内のとおり、このたびの臨時措置法では、一般申請の銀行の場合に五つの要件を定めておりまして、その五つの要件につきましてそれぞれ、審査基準で具体的な基準を設定いたしております。
 御指摘の審査基準二は、法律によりますと第三条第三項第二号にいろいろ書いてある例でございますけれども、それは大きく分けまして二つに分かれます。
 一つは、主として全国的規模の金融機関、いわゆるマネーセンターバンクと呼ばれる金融機関が申請してきた場合でございまして、申請金融機関等が内外の金融市場において資金の調達をすることが極めて困難な状況に至ることとなるなどにより、我が国における金融の機能に著しい支障が生ずるおそれがある場合、これを法に書いてありますので、これを受けまして、審査基準の二の一としまして、具体的に二つの要件を決めております。その第一の方は、海外市場における調達金利の上乗せ、いわゆるジャパン・プレミアムその他、四つの要件がございます。第二では、それによってどういう状態が起きるかということで、例えば金融市場全般にわたる資金逼迫その他の要件が起きるかどうか、これについて審査をいたしました。
 大手都市銀行につきましては、この要件を審査いたしまして、いずれもこの要件に該当するということで認容したということでございます。
 それから、御指摘の地域性の強い金融機関につきましては、審査基準二の二がございまして、これは、第一に資金繰り破綻のおそれが生ずる場合云々というのが(1)、(2)とございまして、さらにその状態によって、第二の審査基準として、取引先企業における資金繰り倒産の発生とか、連鎖倒産の発生とか、そういうような事態を予想した審査基準になっておりまして、これも厳正に審査をいたしまして、いずれも該当するということで認容した次第でございます。
#25
○枝野委員 質問したことにお答えいただかないと困るのですが、私、基準の中身は把握している上で、例えば東京三菱銀行は、その基準二の一の、「具体的には、」ということで(1)から(4)までございますが、そのどれに該当するという判断をされたのかと聞いているのです。
#26
○松田参考人 いろいろと先生に率直にお答えしなければいけないということはよくわかっているのでございますけれども、個別行が具体的にどの要件に当たるかということを、いまだ議事録も公開いたしておりませんので、例えばマーケットに与える不測の影響等を考えますと、若干、そこまで踏み込むことができずに、いささか恐縮でございましたが、先ほど申し上げましたように、例えば第一であるジャパン・プレミアムの存在など、そういう事情が認められたということでお答えさせていただいた次第でございます。
#27
○枝野委員 おかしいのですよ。審査基準をしっかりしっかりとつくって、その上でやりますということでこの法案は通っているのですね。
 審査基準をちゃんとおつくりになって公開された。なぜ公開するかといったら、それぞれのチェックをしたときに、後で周りから見て、きちんとそれに当たっているのか当たっていないのか、第三者の目でチェックできるように基準をつくって、当てはまっているか当てはまっていないかをチェックできるようにするために審査基準をつくって、しかも(1)から(4)だなんて分けてわざわざ具体的に書いているのです。それなのに、そのどれに当たるか答えられませんと。
 こんな審査基準、つくって公開すること意味ないじゃないですか。答えてください、ちゃんと。
#28
○松田参考人 この審査基準は、もう先生も御案内のとおりで、例えば、細かく書いてあるものの(1)から(4)までありますと、そのいずれかに該当すればパスすることになるわけでございます。先ほど申し上げましたように、例えば海外市場における調達金利の上乗せという状態、これは大体そのとおりでございますので、そういうことでそれを認めましたし、それから金融市場全般にわたる資金の逼迫という状況の申請がございまして、厳正に審査委員六名で審査をいたしまして、この要件ありと認めたというところでございます。
#29
○枝野委員 質問に答えていないですよ。
 じゃ、どういう資料でどういうふうにチェックしたのですか。少なくとも、公開されている審査の申請書類についているいろいろな数字の中に、こういったことをうかがわせるような書類はついていませんよ。非公式なところで何かいろいろな資料をもらって、それで判断したのですか。どういう資料で判断したのですか、この(1)から(4)に該当すると。
#30
○松田参考人 この点につきましては、当該申請行からの申請事由に書いてある事由を審査いたした次第でございます。
#31
○枝野委員 ちゃんと答えてください。その資料を見て、どこからどういうふうに例えば調達金利の上乗せということが生じるという結論になるのですか。どういったところから株価の下落や預金等の流出等が発生する事態ということになるのですか。東京三菱はこうなる可能性あるのですね、そういう判断をしているのですね。(発言する者あり)
#32
○越智委員長 お静かに願います。
#33
○松田参考人 お答えいたします。
 それぞれの申請行から申請のありました事由につきまして、詳細にそれを見まして、関係の資料も全部点検をいたしまして、申請に理由ありとして認めたところでございます。今のところ、そういうところでございます。
#34
○枝野委員 大蔵大臣もメンバーでいらっしゃいますね、この審査の。大蔵大臣、どの要件に当たるということで大臣はこれに賛成をされたのですか、東京三菱は。
#35
○松永国務大臣 私のその当時の審査のときの議論の中で記憶に残っているのは、やはりジャパン・プレミアムの存在、これが私の頭にありましたが、大分縮小してきておりましたけれども、依然として解消していなかったということが私の記憶にあります。
#36
○枝野委員 今の認識、理事長も一緒ですか。
#37
○松田参考人 そういうことでございます。
 それで、ジャパン・プレミアムにつきましては、かつて、昨年の十二月、十一月、非常に高いものが、少しずつ落ちついてはまいりましたけれども、なおかつ不安定な動きもあったように記憶いたしております。
#38
○枝野委員 東京三菱は幾ら入れたのでしたっけ。今回の自己資本投入によってジャパン・プレミアムが解消されるという因果関係になるというのはどういう理屈からですか、理事長。
#39
○松田参考人 お答えいたします。
 私どもの審査は、あくまでも金融機能の安定のための緊急措置として、どういう要件をクリアするかという観点で行いました。その場合に、例えばその審査基準の二について、例えばでございますけれども、ジャパン・プレミアムの存在、それから起きる懸念、それが日本の金融全体に及ぼす資金逼迫のおそれ、そういうものを全体的に、総合的に判断をしたところでございます。
#40
○枝野委員 じゃ、もう一つの方を聞きましょう、違う側の極端な例。
 足利銀行、これは多分基準二の二でしょうね。足利銀行は自己資本投入をしなければ資金繰りが破綻するおそれが生じるという認識を大臣も理事長もしているのですね、御本人の口からおっしゃってください。
#41
○松田参考人 当該申請行の申請を審査いたしまして、審査基準二の第一及び第二の要件にはまる、そのように判断をいたしました。
#42
○枝野委員 資金繰り破綻のおそれが生じると思っていらっしゃるのですね。
#43
○松田参考人 審査基準の第一は「申請金融機関等において資金繰り破綻のおそれが生じ、これにより、他の金融機関等においても資金繰り破綻が連鎖的に発生するおそれが生ずる事態」とございますので、このような事態であろうということでございます。
#44
○枝野委員 大臣も同じ認識でよろしいのですね。
#45
○松永国務大臣 足利銀行のケースでございますが、余り具体的に言いますと足利銀行の経営に支障があってはいかぬということを私心配しますので、詳しくは申し上げませんが、今預金保険機構の松田理事長の申したことと同じ認識でございました。
#46
○枝野委員 というのは、条文に書いてある資金繰り破綻のおそれが生ずると思っていらっしゃるのですね。
#47
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、個別銀行にかかわることでございますから、具体的にそこまで申すわけにはまいらぬわけでありまして、先ほど松田理事長が申したとおり、私も、この金融機関については申請の理由あり、基準に合致しているというふうに判断をして賛成をしたわけであります。
#48
○枝野委員 審査委員会の方でつくった審査基準のところの条件として「資金繰り破綻のおそれが生じ」ということが書いてあるのです。それで認めているのですよ。ということは、資金繰り破綻のおそれが生じるという認識を持っているということでなければ承認できない、だから確認をさせていただいているのです。それでないと、この基準と違う判断をしましたということになるわけですよ。
 どうなんですか。大臣の言葉で答えてほしい。資金繰り破綻のおそれが生じるという認識をされたのですか、されていないのですか。されていないのだったら、この基準違反で判断したということになりますよ。大臣に伺っています。
#49
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、個別金融機関の内容について詳細に申し上げることは差し控えさせていただきますが、この金融安定のための特別措置法、それに基づく審査基準、これに合致するものというふうに判断をし、賛成をした次第でございます。
#50
○枝野委員 審査基準をつくったのもこの委員会でつくられたのですね。この段階は大臣も入っていらっしゃったのかな、まだ前大臣だったですかね。大蔵大臣がお入りになってつくった審査基準に書いてあるとおりのことを、認識として当てはまっているのですねとお尋ねをしているのに、それについては答えられませんというのはおかしいじゃないですか。この基準がおかしいのですか。
 ここの基準に書いてあるとおりのことを、具体的な中身を聞いているわけじゃないですよ。どういう根拠で破綻のおそれがあるのですかと聞いているのでしたら、今のようなお答えもあるかもしれない。破綻のおそれが生じるという要件に該当しているということを確認しているだけなのに、何でそんなに答えたがらないのですか。
#51
○松永国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたとおり、審査基準に該当しているというふうに判断をした次第でございます。
#52
○枝野委員 何を嫌がっていらっしゃるのかさっぱりわからないのですが、もう一度だけ申し上げておきますけれども、大臣もお加わりになって審査基準というのがあって、「いずれかの事態が生ずることを前提とする」という審査基準を大臣もお入りになった委員会でつくって、そこのところの「以下のいずれかの」、(1)と(2)と二つあるうち、どちらも、資金繰り破綻のおそれが生じ、これにより、生ずるということを前提としている。
 それがクリアされなければ自己資本増強のためのことはできないという基準を御自分でおつくりになって、それに当てはまっていますと言っているから確認をさせていただいているのに、お答えになれない。そこがよくわからないのです。
#53
○松田参考人 ちょっと奥歯に物の挟まったような言い方で甚だ恐縮でございましたけれども、これはすべて生きている銀行の話でございまして、透明性確保のために審査基準は公表いたしておりまして、そのいずれかに該当すれば資本注入を行う、そのように決めまして、厳正に審査をして、そのいずれかの要件に該当するということでやらせていただきました。
 不測の事態を避けるための意図で、その具体的な、どの銀行がどの要件に当たるということを申し上げかねているということを申し上げているところでございます。
#54
○枝野委員 これ以上やっても時間のむだですから、この話はこれぐらいにしますが、基準をつくっておいて、その基準に当てはまっていますか、当てはまっていませんかと。しかも、詳細な基準を、具体的な基準をつくっておいて、どの要件に当たるのですかということを確認していったら答えられない、東京三菱の話にしても。
 そんな話だったら、初めから基準をつくることないですよ。基準をつくったということは、この基準のどれにどう当たっていくかということを具体的に示すことの前提として基準を公開するのじゃないですか。どこに当たるのか答えられないという話だったら、こんな基準を公開したことは意味がないということを申し上げておきます。
 次に、大蔵大臣は、これはもう松永大臣になっていますね、二月二十五日の予算委員会で、二見委員の質問に対して、この金融システム安定化と称する資本投入の前提として、銀行にはリストラをしっかりやらせる、まだ真剣にリストラをやっておるという姿は十分には見られないということをおっしゃっておりますが、この認識は変わっておりませんね。
#55
○松永国務大臣 申請銀行について、健全性確保に関する計画書を提出させたわけでありますが、その計画書の中で、経営の健全化を図るための計画、いわゆるリストラ計画、これは非常に大事な要件であるという認識のもとに、そのリストラ計画については、申請行の責任者を呼んで、そして調査をしたわけでありますが、それぞれ真剣にリストラ計画を立て、実行に移そうとしているということの判断をして、そして承認をしたということでございます。
#56
○枝野委員 このリストラ策の例えば一番象徴的な話として、当然のことながら、今すぐに税金とはならないにしても、公的なお金を自分のところの、それは大蔵省的に言えば直接の利益ではないかもしれません、目的ではないかもしれませんが、自分の銀行がジャパン・プレミアムがつかないようになったりとかというような利益を受けることを前提としてやる以上、まず役員の報酬、賞与というところをある程度カットしていくということは当然だと思いますが、例えば東京三菱銀行の役員報酬、賞与がどういうふうにリストラ、減らそうとすることになっているのか、これは御存じですか。
#57
○松永国務大臣 この点につきましては、既に公表をされておるわけでありますが、役員数、従業員数それから支店数、こういったものについて減らすという具体的な計画書、計画が提出されておるわけであります。
#58
○枝野委員 役員を減らすというのを少しなさるようなのは結構なことだと思いますが、役員報酬、賞与の平均値が、この出されている申請書の中に出ていますが、平成八年度の実績で常勤役員の平均の報酬、賞与が二千八百万円、平成九年度の見込みは二千九百万円、平成十二年度計画も二千九百万円、当然この数字は認識をされておられましたね。
#59
○松永国務大臣 役員賞与掛ける役員数、これが当該銀行の役員賞与に係る経費の額だと思うのでありますが、役員数については減らすという数字が出ておりますので、役員に係る経費の節減をしようとしているというふうに見たわけであります。
#60
○枝野委員 役員の数が減るのは結構ですねということを申し上げたのですが、一人当たりの役員の報酬、賞与が、八年度から、微増ですからふえたというよりも変わらないという言い方でいいのでしょうが、変わらないということについてお尋ねしているのです。認識、ごらんになっていればわかりますね、一人当たりの役員報酬は変わりませんね、確認をさせてください。
#61
○山口政府委員 内容が公表されておりますので、それを私ども見させていただきまして、一人当たりの平均報酬は変わらない、しかし、役員数を大幅に減らしますので、今二十億円程度ありますのを十四億円程度に総体としては減らす、そういう意味でのリストラを考えているというふうに思料されます。
#62
○枝野委員 大臣御自身が、二月二十五日のこの予算委員会でこういうふうにお答えになっているのです。「もちろん、人件費の問題、あるいはまた重役等の数とか、その報酬とか、これが異常に高いという批判もあります。そういった点もきちっと直していただく。」というふうに、大臣、二月二十五日におっしゃっているのです。
 確かに、トータルとしての人件費を減らすというのはリストラ策として非常に大事なポイントで、役員の数を減らそうとしている、それは評価しましょう。しかし、この場合、一人一人の役員の人たちがもらっている報酬が高過ぎるという批判も、これは世間に非常にあるわけです。圧倒的な、特に民間中小企業は、この不景気の中で、従業員の皆さんはもちろんのこと、特に役員、取締役などは、中小零細で頑張っているところであればあるほど、従業員の給料を払うために役員などの報酬を切り詰めて、食べていけるか食べていけないかという世界の中で回しているわけですよ。
 この金額がもともと低い、銀行の役員の報酬が低いというのならまだしも、二千九百万円とか二千八百万円、年収でですよ。これ、例えば大蔵省の銀行局長の年収より高いんじゃないですか。銀行局長、御自身の年俸より高くないですか、これ。
#63
○山口政府委員 私よりは高うございます。
#64
○枝野委員 しかも、これが平均ですからね。
 大臣いいですか、まさに、最終的にはもしかするとそれは、我々はかなりその蓋然性が高いと思っていますが、税金を使わざるを得ないことになるかもしれないような公的資金の使い方をして、この東京三菱銀行から、こっちがお願いしたんじゃないですよ、東京三菱銀行から申請をされて、では公的資金を使いましょうといって使う。そのことによって、金融システムも守られるかもしれないけれども、東京三菱銀行にもプラスがあるわけです。そこの役員が、従来と同じような報酬を受け取り続けられる。しかも、二千八百万円とか九百万円。平均ですから、もっと多い人もいるわけですよ。納税者の立場からしてみれば、冗談じゃないというのが普通じゃありませんか、大臣。
#65
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、役員の報酬の総額がどれだけ圧縮されるかというのがその銀行の経営の健全化につながるわけでありまして、三年間は上げないという前提、そして数を約三割減らすということ、これは、リストラをしようという計画、そしてその意欲は私は認めていいというふうに思ったわけであります。
#66
○枝野委員 一度お認めになってしまったんだから、そういうふうにおっしゃるしかないのでしょう。リストラによって経営健全化させるということも一方であります、それは総額のところでどうなるかというところで見ていく話ですが、大臣御自身が予算委員会で、異常に高いという批判もあります、こうした点もきちんと直していただくとおっしゃっているのですよ。
 今、大臣は私の質問にお答えになっていただいていません。納税者の立場からしてみて、こんなこと冗談じゃないという話だと大臣はお思いになりませんかとお尋ねしているのです。
#67
○松永国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、企業がどうすれば合理的な、そして健全な経営ができるかというのは、総額においてどれだけ使うかという問題だろうと思います。そして、その中で、今の情勢でございますから、少なくとも上げない、こういうことであるならば、それはそれとして認めるのは、これは妥当なことではないか、こういうふうに思います。
#68
○枝野委員 質問にお答えください。納税者の立場から見て納得してもらえると大臣は思っていらっしゃるのですね。
#69
○松永国務大臣 要するに、経営健全化のための計画を立て、それを実行しようとしているかどうかというのが大事なポイントだというふうに思います。
#70
○枝野委員 質問にお答えください。大臣は、そういった理由で納税者はこの一人当たり二千九百万の賞与、給与が変わらないことに納得してもらえると思っていらっしゃるのですね。
#71
○松永国務大臣 納税者の全員がといえば恐縮でございますが、役員数を三割近く減らすということについては、リストラについての努力をしようとする意思がありというふうに認める納税者もいるだろうというふうに思います。
#72
○枝野委員 納税者全体は一億人いるわけですから……(発言する者あり)いや、消費税入れれば一億人ぐらいいますよ、それはいろいろな人もいるでしょう。大方の理解が得られると思っていらっしゃるのですかということをお尋ねしているのです。思っていらっしゃるからこれで了解をしていらっしゃるのですよね。いや、大臣の認識を伺っているので、いいですよ。大臣がお答えになれないんだったら先に行きます。
 それでは、時間もだんだんなくなっていってしまうのですが、もう一つだけリストラの話を聞きます。
 大手銀行というのは、いろいろなところに、保養所とか研修所とかと称するような直接業務にかかわらないような施設をたくさん持っているというふうに巷間言われていますが、例えば東京三菱なり足利銀行なり、今、具体名二つ挙げましたから、こういったところのリストラ策をチェックするときに、こういった支店、本店等の直接営業にかかわるような資産以外の資産が全体でどれだけあるのか、数とか面積とか、こういったものは、理事長、当然把握しておられたのでしょうね。
#73
○松田参考人 お答えをいたします。
 リストラ計画、いろいろな項目ございますけれども、このたび私どもがリストラ計画を特に求めましたのは、一つは、緊急の措置であることを踏まえまして、公的資金の投入によって、自助努力をしない銀行の安易な救済はしないよ、それは排除するよということが一つと、それからもう一つは、公的資金を投入したときの回収の確実性というか、それを担保する手だてとして、当該発行する銀行の経営努力、財政状況の改善、収益力の強化、それを占う、それを見ると申しますか、観察する代表的な指標としていろいろな指標を集めたものでございます。それが、経営健全性確保のための計画の中で、いろいろ人件費なり役職員の数なり店舗の数なり、そういうものについて求めたものでございます。
#74
○枝野委員 質問に答えてください。調べたのですか、調べていないのですか。把握していたのですか、していないのですか。認識をイエス、ノーで聞いているのです。今のようなことは聞いていません。聞かれたことに答えてください。
#75
○松田参考人 お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、私どものリストラ計画で出していただく指標は代表的なものに限定しておりましたので、それ以外のものについては、あるいは物件費の中に入っているかどうかは定かではございませんけれども、とりたててお聞きしたことはありません。
#76
○枝野委員 先ほどの役員報酬の話にしても、今の保養所、研修所等の話にしても、だからこの話はうさん臭いというか納得できないという納税者の意識というものをもうちょっとしっかり考えていただかないと困るのですよ。
 確かに、金融システム、これからその話も時間があればやりますが、金融システムを守らなければいけないと何となくみんなそう思っています。そこにお金を使わなければならないこともあるのかもしれないというところまではそれなりに思っている人もたくさんいるでしょう。しかし、どこよりも、少なくとも日本の企業の相対的なところで金融機関の給料とかというのは物すごく条件がいいわけですよ。そんなのはみんな知っているわけですよ。ましてや、給料がいいだけじゃなくて、日本の温泉地とかいろいろなところに行くと何とか銀行の保養所とか何とか銀行の研修所とか、物すごい条件、そういった福利厚生に恵まれているわけですよ。
 これは、例えば労使関係の問題とかいろいろありますから、一気に物事は進まないということも当然わかりますよ。しかし、そういったいろいろな普通の企業から比べれば圧倒的にいい条件を抱えているところが、国に助けてくださいといって最終的には税金で穴埋めしなければならないようなお金を使う。
 それである以上は、普通の企業並みに、まずはそういったほかの企業よりも恵まれている部分のところを減らすというのが先だというのはむしろ当然のことであるはずで、当然のことながら、その前提としてリストラ策などというときには、支店の数をどれぐらい減らして云々ということと同時に、そういった福利厚生的なところでどれぐらいこの金融機関が一般平均水準よりも恵まれているのか、把握するのは当然じゃないですか。
 そういったこともなしに、総額で少しばかり人件費が減ります、だからお金を出しますという話でしてしまうような審査では困るということを申し上げている。大臣、いかがですか。
#77
○山口政府委員 審査に当たりまして、六人の委員の方々が厳正にいろいろごらんになったわけでございますし、先ほどの遊休施設につきましても、例えば今東京三菱のを私、見させていただきますと、引き続き福利厚生施設の集約、処分、遊休不動産の売却を促進するというようなことも書かれております。
 いずれにせよ、先生にぜひ御理解いただきたいのは、これまでなかなか、リストラをと私どももかなり強調し続けてまいりました、この国会でも随分御指摘をいただきました、そういったものが今回の措置によりましてようやく動き出したなという感じがしております。先生はまだ不十分だという御認識をお持ちだと思いますし、そういった感じを持っておられる国民の方も多々いらっしゃると思いますけれども、これから金融機関が生き残っていくためにこういったものを引き続き続けていくという姿勢は評価をすべきものではないだろうかというふうに考えております。
 私どもも、引き続きこうした動きを促進するように努めていきたいと考えております。
#78
○枝野委員 私が納得するかどうかじゃなくて、一般の有権者、納税者が納得するかどうかという問題で、到底、今のようなお話で納得をしてもらえるというふうな認識をされているとすれば、国民感情から離れていると言わざるを得ないというふうに指摘をしておきたいと思います。
 いろいろ聞きたいことがあるのですが、もう一点だけ伺います。
 大蔵省、日銀と相次いで不祥事があって逮捕者などが出て、そのことによって日銀総裁なども退任をいたしましたが、三月十七日付の日本経済新聞の一面にこういう記事が載っております。この日銀の汚職事件に合わせて、「山口理事は副総裁昇格が内定したが、他の理事についても多くが退任する可能性が出ている。」「局長級についても接待事件の監督責任などで、一部が退任する見通しだ。」ということで、見出しは「日銀 幹部大幅刷新へ」というのが三月十七日の日経の朝刊一面に載っております。
 日銀の理事は大蔵大臣に任免権がおありということでございますので、大蔵大臣にお尋ねをしますが、日銀と大蔵省と、同じように重要性を持っている二つの金融にかかわるところで、同じように不祥事をその職員が起こして逮捕されている。当然のことながら、日銀で行われるような大幅刷新と大蔵省の中で行われるような大幅刷新のレベルは横並びに近い形になりますよね。つまり、大蔵省は刷新されないのに日銀だけ刷新するなどという一方に偏ったような刷新ということにはならないですよね。
#79
○松永国務大臣 お答え申し上げますが、大蔵省の方については、国民の信頼を著しく傷つけた結果になっておるわけでありまして、それを回復するためには、刑事手続で捜査の対象になっている人、それから捜査の対象になっていないとしても公務員倫理にもとる行為をした者、特に後者につきましては大蔵省の中で内部的な調査をきちっとやって、そして責任を徹底して明らかにして、国家公務員法、人事院規則等々によって厳正な処分をするということによって、大蔵省の綱紀の徹底した確立を図ってまいる、こういう方針で今内部調査を鋭意進めているところであります。
 日銀につきましては、御存じのとおり、日銀の独立性はあくまでも尊重しなければならぬという立場を私はとっておるわけでありまして、日銀の人事の刷新等については、日銀がその責任においてきちっとした計画を立てて実行されるものだというふうに思っておるわけでありまして、私の方からあれこれ今の段階で言うことは差し控えさせていただきたい、こういうふうに思います。
#80
○枝野委員 そういうお答えになるのだろうと思いましたが、よもや大蔵省、日銀もみなし公務員ですが、大蔵省の方が立場も重いわけでありますから、日銀の方が不祥事を受けてしっかりとした内部刷新が行われているのに大蔵省の方は不十分だなあなどという指摘を後々受けることのないように、大臣にしっかりやっていただきたい。少なくとも新聞紙上的には、日銀の方が大胆に刷新をしようとしているなというふうに受けとめられる状況になっていることを指摘しておきたいと思います。
 時間の割り振りがなかなかうまくいきませんが、経済企画庁長官にわざわざおいでをいただいております。株などに対する、日本の経済に対する信用という問題で、JRの年金負担の問題についてお尋ねをしたいと思います。株ですから大蔵大臣かもしれませんが、むしろ経済全体に対する日本に対する評価という意味で、経済企画庁長官の認識をお伺いしたいのです。
 JRの年金負担について、今法律も出されておりますが、これに対しては、例えばこれは三月八日の朝日新聞のたしか三面だったと思いますが、投資家向け広報のコンサルタント会社、アメリカのテクニメトリクスというところが、機関投資家もノーというような評価をしております。
 野村週報の三月十六日付の銘柄研究、東日本旅客鉄道のところには、幸い今のところJR東日本株など下がっておりませんが、ここのところについてもこういう評価をしています。「法案の成否や金額の多寡が問題ではない。当社経営者は、外部からの経営干渉に、毅然とした反対姿勢で一貫している。」「事業団債務問題を抱えながらも、株主の負託に応えようとする経営への共鳴が、上場来高値圏にある株価パフォーマンスを支えていると見ている。」
 先ほどの朝日新聞のもとになっているテクニメトリクス社というところの調査によりますと、特に外国人投資家を初めとして、この年金負担の法案が成立すると日本株式に対する認識が変わる。JR株に対する認識ということではありません、日本株式に対する認識が変化をする。日本政府のこうした試みは株主の環境を悪化させるだけである、株式が公開されている以上は国際資本市場のルールを遵守しなければならないという事実を把握していない日本政府の姿が浮かび上がったなどという言い方をされています。
 この年金負担の問題が法的に許されるのかどうかという問題はこの後議論しますが、世間から、この年金負担をJRにかぶせようという法案が出ているということに対して、世界の日本経済、その後ろにある日本社会を見る目が、非常に冷たく見ているということについて、経済の見通しその他の担当大臣として、経済企画庁長官の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
#81
○尾身国務大臣 JR各社に国鉄清算事業団の債務のうちJR社員分の厚生年金移換分に伴う負担をお願いしている理由は、かねがね総理あるいは運輸大臣から答弁をしているところでございます。
 もとより、株価は、さまざまな要因を背景に、自由な市場の需給関係によって決まるものでございまして、この処理策の株価に対する影響を特定することは困難であるというふうに考えております。
 一般論として申し上げますれば、JRの負担がふえるということは、JRの株価にマイナスの影響を与えるということは言えるかと思います。ただしかし、この国鉄債務処理という長年の懸案をいわば解決し得ないで長い間来た、そのことの処理をしっかりと解決したということに対する好影響、マーケットに対する好影響というものも考えられるところでございまして、私ども、今後の動向を慎重に見きわめてまいりたいと考えている次第でございます。
#82
○枝野委員 大臣、もう一点だけ今の点。JR株に対してどうなるかということよりも、日本の経済、日本の株式市場というものに対する特に外国の見方がどうなるか。先ほど来申し上げているテクニメトリクス社の意識調査によりますと、調査をした十九の外国の投資家のうち十四人が、法案成立により日本株式に対する認識が変わるという言い方をしています。JR東日本株に対する、あるいは西日本株に対する評価が変わるではないのです、日本株式に対する評価が変わると。こういったことは御心配にはなりませんか。
#83
○尾身国務大臣 この点につきましてはさまざまな意見があろうかと思いますが、今、枝野委員のおっしゃったような御意見の方もおられますし、また、長年の懸案であった日本経済の課題を解決する、そのことに対する、日本経済全体に対する、あるいは財政全体に対する信頼感の回復といいますか上昇といいますか、そういうものもあるというふうに考えているわけでございまして、さまざまな要因で決まってくる問題であるというふうに考えております。
#84
○枝野委員 もうちょっと踏み込んでいただければなと期待をしても、閣内にいらっしゃる方は、閣内不統一と後から野党にいじめられますから言えないのでしょうけれども、じゃ、本質の方の話に入ります。
 JRの長期負担問題が本当に許されるのかどうか。まず、平成八年にこの年金の移換金について、一度JRと事業団とで負担区分を決めましたね。この平成八年のときに、どういう基準で、どういう理由でJR負担部分と事業団負担区分を分けたのでしょうか。
#85
○藤井国務大臣 お答え申し上げます。
 平成八年の法律、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案におきましては、厚生年金移換金の不足分は、共済の関係事業主、つまりこれは身内だけで負担することとされたものでございます。そして、共済の内部の関係事業主間での配分は、組合員が各事業主に属した期間の標準報酬額、これは保険料の算定基礎に応じて不足額九千四百億円を案分することとしたものでございます。
 この考え方に基づきまして、国鉄の移行体である国鉄清算事業団が共済関係事業主として存在いたしておりましたので、国鉄期間分の七千七百億円は事業団が分担し、昭和六十年四月以降の期間分千七百億円はJRが分担することとされたものでございます。
#86
○枝野委員 念のため確認しますが、わかりやすく言いますと、国鉄時代に勤めていて積んでいた部分に該当する部分は清算事業団のお金、そしてJRになってからの期間の部分についてはJRの負担、これでよろしいのですね。うなずいていただいていますので、それでよろしいということのようであります。
 それでは、今回、その国鉄清算事業団の負担部分をまた分けて、その一部をJRに負担させるということの、どういう理屈で分けたのか、そのことについて御説明いただけますか。
#87
○藤井国務大臣 お答えいたします。
 今回JRの負担とするものの中身についてでございますが、JRの共済を厚生年金に統合するに当たって必要になった移換金、先ほど申し上げた七千七百億円の一部でございまして、そのうちJRの社員分の三千六百億円、毎年二百四十億円の負担をお願いしているものでございます。
 もう先生も御承知のことと存じますが、この分もだれかに負担をしていただかなければならない問題でございまして、結局、これを一般国民に負担していただく、いわゆる国民の税金で負担していただくか、その社員の事業主であるJRの負担にするのが妥当かということが問題になっているところでございます。
 JRの社員の移換金は、JRの社員の年金のための負担でございまして、JRにとって、自分の社員の福利厚生のための費用でございます。実は、先生これも御案内のとおりと思いますが、JRは昨年度まで、年金のために毎年二百二十億円を任意で負担してきた経緯がございます。今回もこれと同様に、自分の社員の福利厚生のための年金負担をお願いしているものでございます。
 一方で、JRの共済に対しましては、厚生年金等の他の制度から、これまでも九千三百億円の御支援をいただいてきておりまして、今後とも四十年間にわたって毎年一千五百億円、総額六兆円の支援をJRの共済に対していただかなければならないものでございます。
 こうしたことを考慮いたしますと、政府といたしましては、このような特定の企業の社員の福利厚生のための費用まで一般国民に負担をお願いするわけにはいかないという判断をいたしまして、また、年金の問題は、先ほど申し上げましたように、当事者で処理するというのが年金制度の原則でございます。それに従いまして、事業主であるJRの負担とすることが適当であると判断した次第でございます。
 以上のように、今回の措置は、民間企業の社員の福利厚生のための通常負担する合理的な負担でありまして、国が民間企業に対して不合理な負担を強いたり、あるいは憲法に反するような措置を講ずるものではなく、また、先ほど経企庁長官に海外投資家の話がございましたけれども、海外投資家を含め、株主の正当な利益を、信頼を損なうものではないと考えておるところでございます。
#88
○枝野委員 経済企画庁長官、もしあれでしたら、質問は終わっておりますので、後は結構でございます。
 従業員の福利厚生のためだからというところが何となく説得力を持ちそうな部分なんですけれども、果たして本当にそうなのか。そこが非常にわかったようなわからないような話なんですね。
 確かに、自分の従業員の福利厚生のために会社がいろんなお金を出すということはあり得るわけで、それはむしろ望ましいことであります。JRが従来任意で出してきた部分がある、それはそれで結構なことだと思います。しかし、例えば、今雇用主である会社が、その従業員が前に勤めていた会社との関係でいろいろ出ている負担について、今あなたが雇い主なんだから払いなさい、これは一般的には成り立たないですね、大臣。
#89
○藤井国務大臣 お答えいたします。
 委員おっしゃられることは、よく私もわかります。しかし、先ほど来申し上げておりますように、これは年金の問題でございます。
 実は、もうこの委員会におきましても何度か同趣旨の御質問を承って、私も答弁をさせていただきました。何か、六十二年の改革時にJRと国とはもう完全に分離されたものであるから、それを今さら負担するのはおかしいではないかという趣旨の話もございました。
 しかし、これは昭和六十二年の改革以降に発生した問題であり、しかも年金という、移換金の問題でありますから、先ほど来申し上げておりますように、いわゆる年金の共済の原則であります、その社員の福利厚生のための負担であるので、これはまず事業主が負担することが原則でありますから、この部分についてはぜひ御理解いただきたい。
 そしてまた、これは、六十二年の国鉄清算事業団が負った債務について、その後膨らんだものについて、今回JRに負担をお願いしたり、あるいは株主の利益を収奪するような負担をお願いしたものではございません。この点が、海外の投資家、あるいは新聞等々におきまして、外国人株主あるいは外国投資家から誤解を招く、大変日本の信頼を損ねるという記事を私も読んでおりますけれども、どうもそのところが誤解をされているのではないか。
 これは年金の問題であるということの、負担の分担ということで、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#90
○枝野委員 じゃ、こういうお尋ねの仕方をします。
 仮に、六十二年当時に年金の統合が行われていたとしたら、どういうふうになっていたんですか。このときも、統合するのに当たって積み立てが足りなかったという計算になるんですか。それとも、そのときに統合していれば追加負担的な部分は必要なかったんだけれども、平成八年にやったから必要になったんですか。これは厚生省、そういったことわかりますか。
#91
○涌井政府委員 お答えいたします。
 積立不足額の算定の前提となる厚生年金移換金所要額と申しますのは、これは、平成九年四月の鉄道共済の厚生年金への統合において、厚生省におきまして、年金受給者、加入者ごとの統合前期間に係る再評価前の標準報酬月額等のデータを用いて積み上げて計算したものでございます。
 これを、先生言われるように、六十二年四月の時点で統合が行われたと仮定して同様の積み上げ計算を行うことは、今から十一年前のことでございまして、データの保存がないことから、実行困難であることを御理解いただきたいと思います。
#92
○枝野委員 細かい具体的な数字までは確かに難しいんでしょう。それは非常によくわかります。しかし、六十二年の段階で会社は別なんですね。別法人で、法的地位を承継してないんですね、JRは。従業員も一たん全員解雇して新規雇用をした関係ですから、その会社と全くの別法人ですよね、年金の部分を別とすれば。
 もし六十二年の段階で、それは仮定の話ですから、できなかったいろいろな事情もありますけれども、その段階で統合していたら負担はなかったのが、その後のいろいろな年金の仕組みの改正とか、いろいろなことの積み重ねの上で、平成八年の統合のときには一兆何千億でしたか、必要になったというんでしたらば、それは大臣のおっしゃる理屈は非常によくわかるんですが、六十二年の段階で恐らくやっていても、つまり、それまで長い間積み立て不足がたくさんあって、もちろん六十二年以降も積み立て不足があって、だから移行のときに足りない部分が生じたということで、発生原因は六十二年より前、国有鉄道が雇用主の時代に生じている原因なわけですよ。債務が確定したのは平成八年かもしれないけれども、原因行為はその六十二年より前にあるんです。
 その六十二年より前のところについて最終的に責任を負っていたのはだれなのか、雇用主として責任を負っていたのはだれなのかということを考えると、それは国有鉄道であり、清算事業団が承継をして、これは基本的には国が面倒を見なければならない相手ではないんですか。消えてなくなって、破産して倒産してしまってなくなってしまいましたというんでしたら、これは今の雇用主が何とかしてやってくれという話も出てくるでしょうし、それこそ、そういった場合なら任意で何とかうちの従業員のことをやってやらなきゃいけないなと、経営努力の可能な範囲内でやるでしょう。
 しかし、国有鉄道、清算事業団という形で続いてきて、なおかつそれは国が面倒を見る対象の特殊法人として、その国自体は消えてなくなっていないわけですから、六十二年より前に原因行為が生じている部分については、消えてなくなっていない国の方が責任をまずは持つというのがむしろ自然な考え方じゃないでしょうか。
#93
○小幡政府委員 お答え申し上げます。
 先生お話しのように、六十二年の国鉄改革におきましては、確かに、鉄道の経営形態あるいは労組法関係等につきましては、国鉄とJRを明確に断ち切ることといたしております。
 しかしながら、実は、共済年金という職員の福利厚生の問題につきましては、職員の利益を守るために共済制度を継続させていただきまして、国鉄期間との連続性を確保したわけでございまして、現にこれまでも、先ほど大臣から申し上げましたように、JRによる二百二十億円の任意の負担も、国鉄期間を含めた年金の給付に充てられてきたものでございます。
 また、職員の国鉄期間の取り扱いについて言えば、国鉄改革では、JRの社員の退職手当につきましても、JRは国鉄期間分を含めて自分の社員の退職手当を支払うこととされたものでございます。したがいまして、共済年金に関しましては、JRは国鉄期間とは無関係とは言えないというものでございます。
 こうしたことを考慮いたしまして、政府といたしましては、このような特定企業の社員の福利厚生のための費用まで一般国民にその負担をお願いするわけにいかないと判断いたしまして、また、年金の問題は当事者で処理をするという年金制度の原則に従いまして、事業主であるJRの負担とすることが適当であると判断し、お願いしているわけでございます。
#94
○枝野委員 これはエンドレスになるので、あと一問だけお伺いしますが、今の話の中で、退職金の話は、JR発足のときに退職引当金的なものをJRに乗っけてませんか。それが基本的には原資になっていませんか。国鉄時代の在職期間部分についての将来払わなきゃならない退職金の部分については、引当金的なものを発足のときに積んでいたんじゃないかなと思うんですが、その一点の確認。
 それから、今のような御説明をるるされるんであるならば、じゃ、なぜ平成八年のときにそういう決め方をしなかったのかというのが全くわからないわけです。今おっしゃっていることが正論で正しいんだとしたら、平成八年のときにそうすべきであった。何でそうしなかったのかという説明をいただけないと納得できないんですが、いかがですか。
#95
○小幡政府委員 六十二年の国鉄改革の際に、先ほど申し上げましたように、退職手当については継続いたしまして、新生JRが負担していただくということにしたわけでございますが、そういう負担をしても経営上一定の成績が上げ得るというような債務として分担していただいているということでございます。
#96
○藤井国務大臣 平成八年の法律におきましては、移換金につきましては国鉄清算事業団が負担すると定められており、国が負担するとは定められてはおりません。平成八年の法律では、移換金はそもそも鉄道共済内部で積み立てておくべきものでありますことから、その不足分は当事者である共済関係事業主、いわゆる身内だけで負担するとされたものでございます。
 また、平成八年の法律では、将来事業団が廃止された場合に、事業団の負担分を最終的にだれが負担するかは定められていないとされているところでございます。
#97
○枝野委員 国において処理するとしか言ってないということについては、平成八年五月十七日に厚生委員会で柳田稔議員が、清算事業団が土地を売ったとしても株を売ったとしても二十兆を超える債務はやはり残る、これをだれかが払ってもらわなければならないし、さらに八千億という移換金を払わなければならない、そうすると、もう倒産してもおかしくない、本当に八千億を国鉄清算事業団から持ってきていただけるのだろうか、物すごく心配だと。
 つまり、国鉄清算事業団の資産で処理をしようとしても、もうたくさん借金があり過ぎるのに、さらに移換金八千億を清算事業団に持たせたら大変だということを指摘したのに対して、当時の橋本総理大臣が、八千億の移換金というものが移換されなければこの仕組み自体が壊れてしまうわけで、当然のことながらこの移換は行われると思うし、またそうでなければならないという答弁の仕方をしているのです。
 これは、もしよかったら後で議事録を調べていただいて読んでいただければ、当然のことながら、清算事業団のところで、たくさん借金もあるけれども何とかするので、JRじゃなくて清算事業団の方にかぶせても大丈夫ですよという趣旨の答弁になっておりますので、よろしかったら後で御確認をしていただければと思います。
 時間がありませんので、次へ進みます。
 総務庁長官にわざわざおいでいただいておりますが、けさの新聞にも若干出ておりましたので、大臣は頑張っていただけるんだろうと思いますが、いつの間にか行政改革の話がどこかにすっ飛んでしまっているという心配をしております。中央省庁の再編の法案そのものの中身については、私ども、大変いろいろと異論を持っておりますが、ただ、この話自体が消えてなくなってしまうということではどうにもならない。
 大臣、そんなことはないということをしっかりとここで確認をさせていただきたいのですが。
#98
○小里国務大臣 今次の改革の重要性を十分御認識をいただきまして、大きな関心を払っていただいておりますこと、昨今刮目申し上げておるところでございます。
 決して、提出をいたしておりまするこの中央省庁等改革基本法案が審議のテーブルにのらないということはない、かように思っておりまして、ぜひ今次国会におきましてきちんと成立をさせていただきますことを念願する次第でございます。
#99
○枝野委員 大臣、知っているか知っていないかだけで結構でございますが、二月十二日に、中央省庁再編等準備委員会の参与として磯部先生以下五名の方が総理あてに、中央省庁等改革基本法案に対する意見というものをお出しになっておりますが、この存在、御存じでしょうか。
#100
○小里国務大臣 概要、お伺いいたしております。
#101
○枝野委員 時間がないので、三つ、ここで指摘をしている話をまとめて確認させていただきます。
 一つは、今回、内閣府という制度をつくって省と別建てにするということについて、内閣府は他の省庁とちょっと、上、下という言い方がいいのかどうかわかりませんが、府の方で全体的な調整的な仕事をしっかりやってもらう、総合調整的なところが今までなかったからということで内閣府を置くということなのに、この法案では横並び的に見られるような書かれ方をしているから、そこのところはしっかりとめり張りをつけてもらわないと困るとおっしゃっています。少なくとも、その認識、法案をどうするかというよりも、その認識について確認をさせていただきたいのが一点。
 それからもう一点、無任所大臣に強力な調整のための権限を付与するという法案をつくっておられますが、この「強力な調整のための権限」という中には、行革会議の最終報告の「強力な調整権」と書いてあった括弧の中にある「指示」が入っているのだなということをこの意見は言っておりますが、これについての認識も確認をさせていただきたい。
 最後に、省庁の具体的な再編の、それぞれの新しくできる省の権限の割り振りについては、役所同士でやらせたのではどうにもならないので、第三者の強力な機関が必要ではないかとおっしゃっている。
 この三つの点について、大臣の認識を確認させてください。
#102
○小里国務大臣 答弁の都合上、最後の方から答弁申し上げますが、お話がございましたように、仮にと申し上げましょうか、中央省庁等改革基本法を、国会の意思を決定していただきますと、直ちに、ただいま議員からお話がございました内閣法、国家行政組織法等を初め、さらに各省庁設置法の法案作成作業にかかります。
 このときに、第三者の、いわば客観的に意見を述べる、あるいはまた基本法に忠実にその作業が進められるか、その辺を監視と申し上げましょうか、助言をする、そのような機関が必要ではないかというお話であろうと思うのでございますが、まさにそのとおりでございます。
 私は、厳粛に、かつまた適切に、しかも大胆に作業を進める性質を持った課題でございますから、きちんとその辺は留意するべきである。総理もまた、その点はしばしば強調いたしておるところでございます。
 最初の内閣府についてのお話でございますが、内閣及び内閣総理大臣を補佐、支援するために内閣府を置きます、これははっきりいたしておりますし、さらに、その内閣府はいわゆる内閣に置く一つの機関であります、他の省は内閣の統括のもとに置く一つの機関である、この概念においてきちんと理解をいただけるものと思っております。
 それから、指示についてのお話でございますが、これは態様の例示として書いてあったことはそのとおりでございますが、私どもは、強力なる調整機能を発揮し得る一つのものである、そういう意味におきまして指示と理解をいたしておるところでございます。
#103
○枝野委員 ありがとうございます。
 官房長官にもおいでをいただいていて、一点だけ官房長官に確認をさせていただきたいと思っております。
 私ども民友連から、各省庁間で取り交わされたすべての覚書というものを提出資料として出していただきたいということをお願いしていますが、例えば外務省は、原則として公開をしない、特定されたときだけ検討するというようなことを言っております。しかし、省庁間で何をどこの役所でどうするのかということがわからなければ、例えば質問するときも、こちらは何省に聞いていいのかわかりません。
 こういった覚書は、現行制度では内閣府のような強力な調整権限はまだないのかもしれませんが、官房長官のところで、きちんと統一的に省庁間の覚書をしっかり出させていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#104
○村岡国務大臣 ただいまの枝野委員の要請に対して、私も調べてみましたら、該当ないという覚書のところもございます。検討中、整理中、調査中、こういうのもあります。現在お尋ねの、資料要求を民友連からちょうだいしていることは承知をいたしております。
 本件は、おのおのの実態に応じて各省庁の判断で資料を提出するということになっておりますが、覚書という、各省庁間でございますけれども、法律を作成するに当たって各省庁間の解釈の違いが生じないように意見を整理するためとか、予算とか税制改正等で、例えば二年後に導入後の状況を見て見直しとか、こういうようなのが代表的な覚書の例ではないか、こう思っているところでございます。
 守秘義務との関係、公益を害す場合にはあれでございますが、情報公開法もありますので、どの程度出ているのか、あるいはまた、例えば私どもかつて予算折衝のとき、大蔵大臣と政党が覚書なんて、こんなものはすぐ出るわけですね。そういうようなもので、検討いたしまして、政府の立場としてできる限り御協力を申し上げたいし、それから委員からの御指摘を省庁にもお伝えいたしますし、検討もいたしたい、こう思っております。
#105
○枝野委員 ぜひ、省庁間の調整という官房の仕事、職務にまさにぴったり当てはまる仕事ですので、しっかりお願いをできればと思っています。
 時間がなくなってしまって、減税の話を本来はメーンにしなければならない立場だったのですが、どうせ財政構造改革法が足かせになって云々だなんというお話が出てくるんでしょうが、私どもが組み替えとして要求をしておりますとおり、特例公債と建設国債の区別というのがまさに今この時代にはナンセンスになっている。特例公債と建設国債の区別というものをなくして、総額で借金がどれぐらいになるのかということで管理をするやり方にしていただければ、むしろ筋が通って、制度減税が可能になるというふうに考えております。
 特に、先ほど一番冒頭でお話をしました、銀行の、高い給料をもらって、たくさんの福利厚生施設があって、相対的にはいい立場だなと世間から思われている人たちのところにお金を使うというようなことをやっておいて、減税などに消極的というのは許されないというふうに思っておりますので、我々も、要求が認められなければ動議等を出して求めてまいるつもりでおりますので、ぜひ御検討をお願いしたいと申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#106
○越智委員長 これにて枝野君の質疑は終了いたしました。
 次に、大口善徳君。
#107
○大口委員 平和・改革の大口でございます。
 きょうは、有料老人ホームについてお伺いしたいのです。それから介護保険の適用との関係、それから消費者保護との関係、そしてまた建設省の高齢者のための住宅政策についてお伺いをしたいと思います。
 有料老人ホームというのは、今、入居一時金が、一人の場合は二千七百十三万円、あるいは二人入居の場合は三千七百四十八万円、多額の入居一時金というものを出しまして、老後のすべてをかけて入居する、こういうようなことでございます。そういう点で、非常に消費者の保護という観点から大事だろう。また、高齢社会ということを考えますと、民間の活力、そしていろいろな選択肢を用意する、そういう点では非常に大事なのでございますけれども、消費者保護ということをしっかりと考えていかなければいけない、こういうふうに思っております。
 そういう中で、有料老人ホームのこれまでの状況を見てみますと、行政の方からいろいろと警告ですとか監察だとか、そういうものが出されておるわけです。
 例えば、一九九二年の六月には、関東管区の行政監察局が、東京都にホーム指導の徹底を求める、こういうことがありますし、一九九三年の十二月には、公取が五施設に不当表示の警告を発しておりますし、また一九九四年には、総務庁が勧告をしております。そしてまた一九九六年には、公取が関西の六施設に不当表示で警告しております。一九九七年には、東日本の五施設について、これも警告をしております。そしてまた、同じくその六月には、社団法人の全国有料老人ホーム協会にも異例の警告をしております。その後、行政監察も中部においてなされておる。
 たびたび警告がなされ、行政監察もなされ、また都道府県も調査をしたりしているわけでございますが、一向に改善が見られない、こういう状況でございます。
 そういう中で、愛知県における全十四の施設、これは総務庁の中部行政監察局が行政監察をやりました。そしてまた、さらに愛知県も立入調査をしております。行政監察局もそうでございますけれども、都道府県の立入調査によってその中身がかなりよくわかります。
 それによりますと、この愛知県の十四の有料老人ホームにつきまして見てみますと、まず、老人ホーム協会に入っていないのが十、入っているのは四という状況。それから、入居一時金もかなり多額の入居一時金を入れているわけでございますので、この入居基金というのがございます、後ほど質問いたしますが。これに入っていないのが十一、入っているのが三。それから、入居金の返還債務について銀行の保証を付されているかということで、付されているのが二、付されていないのが十二。それからまた、入居者募集でいきますと、パンフレット、募集広告に類型の明示をしていないのが十一、しているのが三。また、広告の誇大表現はどうかというと、三が誇大な表現をしている。
 そしてまた、経営主体の状況を見てみますと、個人経営というのはこういうのは余りふさわしくないわけですけれども、それが十四のうち二が個人経営である。それからまた、他の事業の財務内容が適切でないというものが一つありまして、これは六十九億の負債が実はある。それからまた、役員の経験、知識ということでいきますと、異常にこれも、全く役員の中に経験、知識を持っていないものが六施設ある。そしてまた、経営基盤が整っているかどうかということで、これは不適だというのが三ある、こういうような状況であります。
 そしてまた、三十年の収支計画をつくっているところはわずか五であって、九の施設はつくっていない。そしてまた、借入金について無理があるのが二施設。また、適正な資産残高があるかどうかについて、不適切が三。そしてまた、経理区分をきちっとやっていないのが一。
 こういうことで、中部監察局及び愛知県の調査によって、ただ愛知県ということだけをとってみましても、これだけ非常に問題があるわけでございます。
 そしてまた、この監察の前に、公取においてもこれを調査しておりまして、また警告もしておるわけでございます。その中を見てみますと、特に公取が九十六のうち五つについて警告を行っているわけです。
 その中身を見ますと、これは平成九年五月十三日の報告書でございますけれども、実際には病院等に移しているにもかかわらず、施設内で終身介護するかのような表示をしている。あるいは、提携の老健施設で介護を受ける権利が保障されているかのような表示をしている。多額の費用を要することを明示せず、居室内で付添人による介護が容易に受けられるかのような表示をしている。それから、夜間は警備員が勤務しているだけにもかかわらず、常勤の看護婦により二十四時間万全の体制で対応しているかのような表示がある。また、根拠のない、入居者が寝たきりやぼけ状態になる可能性が低いかのような表示。そしてまた、根拠のない、提携病院や協力病院の名前の表示。こういうことで、非常に不当な表示がある。
 そしてまた、有料老人ホーム協会に対しても、これは平成五年のときにも要望しておるわけですけれども、とにかくこういう不当な表示をきちっと総点検しなさい、そしてまた必要表示事項をきちっと策定しなさい、こういうふうに言っているにもかかわらず、全然なされていない、こういう状況がございます。
 こういろいろ見てまいりましたけれども、この有料老人ホームを取り巻く状況というのは、非常に大変な状況であることが言えるわけでございます。
 そこで、質問に入りたいと思うわけでございますけれども、まず有料老人ホーム協会が、平成五年、公取委員会から有料老人ホームの表示に関する要望を受けているわけですね。しっかりとパンフレット等の必要表示事項の策定をしなさい、そして傘下の会員に広告表示の適正化を図りなさい、こう言っているにもかかわらず効果が上がらない。そして、さらに昨年にまた、今度はもう公取が異例に協会に対しても警告をして、必要表示事項の策定をしなさい、そしてまた会員について総点検をしなさい、こういうことを言っているわけです。
 ところが、もう十カ月もたっているにもかかわらず、何ら協会からそういう報告がない、公取に対してもそういう報告がない、こういうことなんですね。これはもうとんでもないことでありまして、この点につきまして厚生大臣からお伺いしたいと思います。
#108
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生御指摘ございましたように、平成五年に続きまして平成九年、昨年におきましても、公正取引委員会から、先生今お挙げになりましたような、十分な介護体制がとれていないのに介護体制が十分であるかのごとき、消費者に対してそういう認識を与えるような表示をしている等々のことにつきまして、改善方を警告いただいたわけであります。
 その中の主な事項としましては、そもそも有料老人ホーム協会が出しておるその広報誌の中における事項についても、そういった不当表示のおそれのある表示があるというようなことで、これを改善しろ、あるいはそれぞれの会員が広告において表示しなければならない必要表示事項を早急に定める必要があるなど、有料老人ホームに関します表示の一層の適正化を図れという警告をいただきまして、その後におきまして、今の、まず協会自身の広報誌につきましては、確かに不適切なところがございましたので、昨年十月にその廃棄を行いますとともに、いわば代替の形での資料集というものを作成し、周知を図りました。
 また、新たに、入居のガイドと申しますか表示事項の適正化を図る、このことにつきましては、目下、協会の中に公正表示委員会という形で、学識者等の参加を仰ぎまして、必要事項につきましての検討をお願いしておりまして、私どもの方で昨年の十二月に厚生省で有料老人ホーム設置運営指導指針というものの改正を行いましたので、これをも踏まえまして、さらに検討して、本年の五月ごろには、今の表示につきまして公正表示検討委員会で結論を得るというような段取りになっております。したがって、これらのことにつきまして結論を得ますれば、きちっとした報告をしてもらうということにいたしたいと思っております。
 また、有料老人ホームに関します表示の適正化につきましては、昨年七月には会員に対します自主点検の指導、あるいはその結果の報告というような形でもう一回チェックをしましたし、先ほど申し上げました、昨年十二月に有料老人ホームの設置運営の指導指針を改正して、有料老人ホームのいわば類型表示を改めましたので、そういったものが契約内容に合っているか等、そういったことの見直しをしておりまして、そういった調査を今進めておるところでございます。
 こういった状況で今進めておりますけれども、厚生省といたしましても、二度にわたりまして要望あるいは警告をいただきましたので、今後におきましても、きちっとさせるという意味でも、必要事項につきましては、先ほどの公正表示委員会等で検討しております内部検討の結果が終わり次第公正取引委員会にも早急に報告をいたしますように、指導をいたしてまいりたいというふうに思っております。
 あわせまして、協会の運営につきまして、現在、理事構成でございますとか協会の運営の公開でございますとか、そういった点については逐次改善を図っておるところでございます。
#109
○大口委員 この協会は、平成五年度に二千三百五十四万六千円の補助金を受けています。平成六年度は四千三百五十四万九千円の補助金。平成七年度五千百五十一万九千円。平成八年度五千二百七十万九千円。平成九年度千七百四十九万八千円。また、本年度は三千万円というような形で補助金を受けているわけです。これは、多いときですと、総収入に占める割合というのは八・一%に相当するわけでございます。
 ですから、この協会については、広告のうち、せめてこれだけは必要な表示であるということを策定するように、既に平成五年に要望が公取からあったわけです。今回また、昨年六月に警告という形で、出しなさいと言っているわけです。それが十カ月もたっているのにまだ出さない。これはとんでもないことなのです。どうですか、大臣。
#110
○小泉国務大臣 いろいろな警告を受けているということに対して、厚生省としても適切に対処をするよう強く指導しているところであります。
 昨年十二月の厚生省の有料老人ホーム設置運営指導指針の改正の結果も踏まえたものとするために、その結論は、ことし五月ごろとなると承知しております。公正取引委員会から協会に求められたいろいろな事項等、適正な対処をするよう、できるだけ早急に改善策を講ずるよう強く厚生省も指導しているところでありますが、結論としては、ことし五月ごろとなると思います取りまとめ、これがまとまり次第、厚生省としても文書で報告を受けまして、適切な表示なり消費者に誤解のないような表示をするように、そして有料老人ホームのあり方についても正すべきところは正すような改善策を講ずるように、今後とも強く指導していきたいと思います。
#111
○大口委員 しっかり指導していただきたいと思います。
 次に、有料老人ホームにつきまして、昨年岡山で倒産したという例が非常に出ております。入居者の方は、ある意味では人生の後半を棒に振るというような、こういう非常に大変な事態になっているわけでございます。
 入居率が七割を割ると厳しいとも言われております。これは平成九年七月一日時点で見ますと、事業開始が平成五年からのものでいきますと五四%しか入居率がない。それから、昭和四十八年から五十二年に事業を開始したものは六五%ということで、七割を切っております。
 ですから、私は、こういう不況でもありますし、また実は、非常に入居一時金が格安といいますか、何千万円台というのではなくて、五百万円台で遊休施設を使って、そういうのが出てきているということを思いますと、非常にこの有料老人ホームについては心配しております。それから、今愛知県の例を挙げましたように、十四のうち三つがちょっと厳しいというようなこともあります。
 そこで、入居者の保護をどうするかということで、入居基金制度というのがあるわけですね。二十万円で五百万、一定の要件があれば受け取れる、こういうことでございますが、今のところ、これが協会に入っている施設についての適用であって、協会の会員以外は入れない、こういうふうになっておるわけです。
 ですけれども、これを見ますと、協会に入っているのは五〇%を割っているわけでございますね。そういうことからいきますと、こういう入居者の保護についてどうお考えになるのか、これが非常に大変な問題になってくると思うのですけれども、これは大臣にお伺いしたいと思います。
#112
○小泉国務大臣 老人ホームというのは、人生ついの住みか、最後のよりどころと思って入る方が多いわけです。そのホームが倒産してしまった、行くところがない、これは非常に困ることであります。
 この点についても、民間経営とはいいながら、この事業については、多くの方々に迷惑がかかるということも考えまして、厚生省としても何らかの措置をしなければいかぬ。大事なことは情報開示だと思います。民間の事業者がどういう老人ホーム事業をやっているのかということを、入居する段階で利用者がよく理解してもらわなければならない。
 そして、一つではありませんから、こっちの老人ホームはこういう条件だな、あっちの老人ホームはこういう条件だなということで、それぞれの消費者に合ったような選択ができるわけですから、入る方もよく気をつけてもらいたい。いいかげんな表示をしていないのか、いいかげんな運営がないのか、あるいは経営者がしっかりしているかどうか、そういうことが判断できるような、事業者による説明の徹底が必要だし、情報開示が十分に行われていることが重要だと考えております。
 しかしながら、万が一倒産ということもあり得ないことではない。その場合にどういう救済策があるかということでありますが、現在、有料老人ホーム協会において、会員ホームの互助的制度として入居者基金を運営しているというところもあるようであります。
 当事者間の契約関係を基本とする有料老人ホームについては、互助的制度と同時に、この互助的制度を超えて、どのような入居者保護策を講ずることが適当か、またその場合にはどういう問題点があるかといった基本的な施策の方向性について、現在、有料老人ホーム等のあり方に関する検討会において有識者の方々に議論をいただいているところであります。この検討会の報告を踏まえ、施策の充実を図っていく必要があると考えております。
#113
○大口委員 そういうことで基金制度を拡大するというか、対象を拡大するということについては、大臣としてはどうですか。前向きな答弁をお願いしたいと思います。
#114
○羽毛田政府委員 現在、有料老人ホーム協会の入居者基金制度は、会員ホームの互助的な救済制度としてやられているわけですけれども、これをすべての有料老人ホームに拡大をするということにつきましては、消費者保護という観点と同時に、やはり、たくさん入られることによる保険としてのリスクの問題、あるいは既に財政基盤がそれぞれ違うところがどうなるか。これは保険料としての二十万円を払うというところもございますから、そこらの兼ね合いを含めて今後総合的に検討するということで、大臣が言われたような検討を進めていかなければならないというふうに思っております。
#115
○小泉国務大臣 いろいろな議論、問題点があるようですから、専門家の検討会を今開いているわけですから、私はその結論を待ちたいと思っております。
#116
○大口委員 それから、情報公開が非常に大事だということでございます。確かに、これから市場原理というものも働かせてこういう福祉の問題をやっていかなければいけないわけですから、その場合はきちっと公正な取引が行われるよう、情報公開は大事だと思います。
 昨年の十二月十九日、有料老人ホームについて新しい運営指針が出ました。情報公開について踏み込んではいると思うのですが、しかしながら、その中で、要するに、パンフレットのほかに、入居者の希望があれば重要事項説明書だとか契約書、管理規程を公開する、こうあるわけであります。そしてまた、希望者については十分な説明を行う、こうなっております。そして、有料老人ホームの情報開示等の一覧表、これは情報開示をきちっとやっているかどうかの一覧ですね、これを都道府県の窓口において公開する、こういうふうになっているわけでございます。
 しかしながら、公取の平成九年六月二十七日の意見にもありますように、私は、もっとこれらは情報開示すべきである。すなわち、どういうことかといいますと、公取の意見を引用しますと、各都道府県それから市町村の老人福祉担当窓口や消費者センターにおいて、有料老人ホームの募集パンフレットだけじゃなく、重要事項説明書についても消費者が閲覧でき、有料老人ホームの比較検討が十分できるようにすることが望ましい。これは公取の意見です。それからいきますと、まだ十分ではない、こう思っております。
 これも大臣に、このことについてお伺いしたいと思います。
#117
○小泉国務大臣 必要な措置は、きちんと改めなければいかぬと思っております。
#118
○大口委員 そうしますと、この公取の意見は前向きにこれから検討していくということですか。もう一度。
#119
○小泉国務大臣 公正取引委員会の勧告やら警告は重く受けとめていかなければならない。それに沿って改善策を講ずるということであります。
#120
○大口委員 大変前向きの答弁、ありがとうございました。
 冒頭でも言いましたように、それとともに、きちっと定期的にこの有料老人ホームについて調査をしていくということ、都道府県がかなりしっかりやってもらわなければいけないわけでございます。そして、そのことについても新指針で、きちっと介護専用型あるいは介護つきの終身利用型のホームについては一年ごとに定期的に立入調査をする、そのほかのものについても定期的な調査をする、こうなっておるわけですが、これは抜き打ち調査ということも必要なときにはやるべきであると思うのです。その点についてはどうでございましょうか。
#121
○小泉国務大臣 いろいろな調査の方法があると思います。いかに有効な調査ができるかという点を考えて、それぞれ臨機応変にできるような調査が必要ではないかと思います。
#122
○大口委員 次に、介護保険が導入されますと、二〇〇〇年からこれが導入されるわけでございますが、そういうときにいろいろな問題が出てまいります。
 一つは、入居一時金を払う、そしてまた、それが前払いの介護費用という場合も出てきます。そうなってきますと、介護保険法が適用されますと、これは特定施設というふうな形で指定を有料老人ホームが受けますと、それでちゃんと保険給付が適用されます。保険から給付がなされる。こうなってきますと、前払いの介護費用と清算しなければいけない、こういう問題も生じてきます。
 そういう点でいきますと、有料老人ホームが指定を受けるか受けないかによってかなり違ってくる。要するに、病院でいけば、自由診療か保険診療かというぐらいの差があるわけですから、この指定基準をどうするのかというのが非常に大事になってきます。
 そしてまた、今、有料老人ホームは六類型になっていますが、これはやはり、この保険適用との関係から、その類型もまた考えていかなければいけないのではないか。そういうことで、いろいろこの介護保険導入によって問題があります。
 そしてまた、さらに、その特定施設の指定を受けない場合、では、入居者は介護保険の保険料は払っているけれども、介護のサービスを受けられないのか、こういう問題があります。こういうことについて、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#123
○羽毛田政府委員 お答えを申し上げます。
 今先生お挙げいただきましたような事項につきまして、介護保険の導入に伴う調整が必要であるという点は、そのとおりでございます。そういった観点に立ちまして、私ども、今先生がお挙げになったような事項を今早急に詰めておるところでございます。
 それにあわせまして、先生お話のございました、有料老人ホームがいわゆる施設指定が受けられなかった場合、そこに入っていた人たちの介護保険からのサービスがどうなるかという点は、確かにそれはサービス提供の施設としての要件に合致しないわけでありますから、それは受けられないわけでありますけれども、その場合には、いわば在宅と同じでございますから、ホームヘルパーの派遣等々の外部における在宅サービスというのは、同様に、そこに入っていても受けられるという形になろうと思います。
 指定が受けられないということは、その有料老人ホームにおける在宅サービスの体制が十分でないという判定を受けたところでございますから、そういう形で外部からサービスを入れるということは可能でございますし、それは介護保険で見られるという形になってまいります。
#124
○大口委員 限りなく有料老人ホームに近い類型も今どんどん出ております。そういう点で、抜本的にもう一度きちっと情報開示をする、それから、それに対して入居者の保護をきちっとする。しかしながら、市場原理というものを働かせていかなければいけないということで、これから検討を要すると思うわけでございます。
 それと同じような分野として、高齢者のケアつきの居住施策というのが建設省でなされておるわけでございます。そして平成二年に、中堅所得者にはシニア住宅ということで、これは住宅の供給、生活関連サービスの供給、家賃の支払い方等についての配慮がなされておる。それと、低所得者としてのシルバーハウジングというものが継続しておるわけでございます。
 さらに、十年度の予算を見ますと、シニア住宅というものはもうやめて、そして高齢者向けの特優賃の制度といいますか、これを利用した優良賃貸住宅制度というものを設ける。ここには生活関連サービスというのは入っていませんで、緊急時の対応サービスについての義務がなされている、こういうことでございます。
 このあたりの、シニア住宅と今回の平成十年度の高齢者向け優良賃貸住宅制度について、その政策転換についてどうなのか、お伺いします。
#125
○小川政府委員 お答えいたします。
 十年度の予算案におきまして、御指摘のように、高齢者向け優良賃貸住宅制度、こういうのを創設いたしたいと思っております。これは、基本的には、今先生お触れになりましたシニア住宅を発展的に解消いたしまして、さらに強化した形で新しい枠組みをつくりたい、こういうことでございますが、基本は、公営住宅を補完するというふうな観点から、量的にもあるいはスピードにおいてもやはり公営住宅だけでは対応し切れないというふうなことから、民間の賃貸住宅を高齢者向けにきちっと活用する政策の枠組みを構築したい、こういうことでございます。
 ポイントは二つございます。一つは、やはり設備とか住宅の仕様の問題として、バリアフリーで代表される高齢者向けの住宅である、これは当然のことながら一つでございます。それからもう一つは、高齢者特有のサービス面でございます。シニア住宅におきましては、かなり重いといいますか、何といいますか、行政サイドにも負担の重いサービスが中心でございましたけれども、これからは、やはり需要に応じまして、単なる安否確認とか緊急通報装置から、さらにはより広い生活支援サービス等多様なサービスがそれぞれ必要であろうと思います。それを選択肢として、幅広いサービスを念頭に置くというふうなこと。
 それから、家賃でございますけれども、やはり一律の家賃ではなくて、一時金をお支払いになれば月々の家賃は安く抑える、そういうふうなことを念頭に置いた上で、今後の高齢社会を念頭に置いた上での新しい枠組みとして発展的に創設したい、こういうふうなことでございます。
#126
○大口委員 最後に、もう一つ、行政の関与によって消費者を保護するということとともに、やはり契約関係においてどう消費者を保護していくかということが、これから大事になってくるだろうと思います。特に高齢者の場合、理解力の問題もあります。また、入居一時金が多額になることもあります。
 そういうことからいきまして、ことしの一月に、消費者契約法の具体的内容について、中間報告が国民生活審議会の消費者政策部会から出されました。その消費者契約法というものが消費者保護にとって非常におもしろい制度ではないかと思います。例えば、重要情報をきちっと出さなければ取り消しができる、不意打ち条項は無効だ、あるいは不当条項についても、例えば高額の違約解約料、こういうものも無効だ、こういうことでございます。
 そういう点で、中間報告が一月に出されたわけですけれども、この消費者契約法の早期の制定ということを推進すべきである。それとともに、あと、契約だけじゃなくて、この後、契約に基づいて裁判となってくるわけですが、裁判という前に、例えば簡便な紛争解決手段というものも考えておられるのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#127
○尾身国務大臣 ただいま大口委員のおっしゃいましたとおり、老人ホーム等に関しますいろいろなトラブルが最近発生をしておりまして、大変大事な問題になっているというふうに認識をしております。
 消費者契約法でございますが、そういう状況に応じまして、先般、国民生活審議会の消費者政策部会で、一応中間報告が出されました。
 その内容は、ただいま大口委員のおっしゃいましたように、消費者の判断に必要な、重要な基本的な事項について情報提供がなされなかった場合とか、そういう場合には契約を取り消すことができる、あるいは、強引な勧誘等によりまして契約が行われたような場合に、これまた契約も取り消すことができる、それから、不当に消費者に不利益になるような条項は無効とするというような内容のものでございます。
 これにつきまして、今後、私ども、関係方面からの幅広い意見聴取をいたしまして調整を進めまして、来年の通常国会にはこの法律を提案させていただくべく、全力を尽くしているところでございます。
 それから、ただいま御指摘の簡易な紛争処理方法の導入につきましては、例えば国民生活センター等の機能を充実させるとか、あるいは民間の裁判外紛争処理機関の機能の充実を図ること等が考えられるわけでございまして、こういう点も国民生活審議会等におきまして検討を進め、結論を出してまいりたいと考えている次第でございます。
#128
○大口委員 どうもありがとうございました。
#129
○越智委員長 これにて大口君の質疑は終了いたしました。
 次に、並木正芳君。
#130
○並木委員 改革クラブの並木正芳でございます。
 環境ホルモン、すなわち内分泌攪乱化学物質問題と、環境ホルモンでもございます、地上最強の猛毒物質であると言われておりますダイオキシンについて、お伺いしたいと思います。平和、改革とも、この問題については大変関心を持って取り組んでいるところでございます。
 きょうは環境委員会も開かれているということでございまして、環境庁長官は後ほどおいでいただけるということでございますので、まず小泉大臣にお伺いしたいと思います。
 このダイオキシンの問題でございますけれども、私もこれまでに小泉大臣に御質問させていただきました。
 埼玉県の所沢周辺では、産業廃棄物焼却施設を中心に、ダイオキシン対策をとらない焼却施設が五十近くも密集しておりまして、これら施設の焼却能力規模を合計しますと、一日約五百トン、一年では何と十八万トンにもなると言われているわけでございます。この地についてはパネル等で大臣にも御紹介をしたわけでございますけれども、その後、大臣はこの地を御視察いただいたかと思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、山本(有)委員長代理着席〕
#131
○小泉国務大臣 ダイオキシンの問題が深刻であるという認識のもとに、昨年八月、私も、埼玉県の廃棄物処理施設、焼却状況を実際見る必要があると思いまして、視察に伺いました。
 視察をして感じたことは、これでは住民の方々、特に近くに住んでいる方々の不安は当然だな、この対策を急がなければならないと。と同時に、これは付近住民だけの問題ではない、全国民に大きな影響を与える環境問題であるという認識を新たにした次第であります。
 そして、この視察後、八月末に廃棄物処理法に基づく政省令を厚生省は改正いたしまして、ダイオキシンに関する規制の強化を図るとともに、この十年度予算案につきましても、ダイオキシン類の総合的対策関連の予算を充実させたところであります。
#132
○並木委員 こうした問題は、もともと日本の、大量に発生するごみを焼却していく、こういうようなやり方そのものが大きな問題になるわけでございますけれども、こうしたダイオキシン類の発生源となるであろう廃棄物につきまして、最近、研究もかなり進んできているわけです。もちろん、製造段階でそうした有機塩素系の化合物を含んだ製品をつくらない、こういう努力もされているわけでございますけれども、もともと日本の、廃棄物を焼いていくというシステムそのものについて、今後見直していくべきではないか、こういう方向性を打ち立てるべきではないかと考えますけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
#133
○小泉国務大臣 廃棄物の処理において、大量消費、大量廃棄ということではいけない。むしろこれからは、ごみを少なくして、また、ごみを出した場合にもそのごみを再生利用できないかというような、資源循環型の社会をつくっていかなければならない。
 同時に、ダイオキシン対策等、焼けばダイオキシンが発生する可能性が高いということから、科学技術の分野におきましても、焼却処理だけでなくて、もっといい方法はないかということも研究しなければならない。
 一例でありますけれども、タイヤの処理においては、これは冷凍させて、焼かないで冷凍して粉にしてしまう、そして粉の中からこれから新しい資源として使える部分があるというのが、既に民間で行われております。このような点も参考にしながら、ただ焼くだけじゃなくて、いろいろな科学技術の進歩によって、この廃棄物処理というものができるだけ環境に悪影響を与えないようなことを考えていく必要もあるというふうに思います。
 特に、このダイオキシンについては猛毒でありまして、これからの将来の若い世代、子供の世代にも健康に与える大きな影響があるということを考えましても、より一層そのような研究は必要でありますし、規制措置も円滑に講じていくことが必要でありますので、可能な限り、ダイオキシンの排出量が削減できるような措置を研究し、対処していきたいというふうに考えております。
#134
○並木委員 大変前向きなお答えをいただいて、小泉大臣のもとでの対策を期待するところです。
 廃棄物の中で、産業廃棄物の問題というのは掌握がきちっとなされていない。推計値等によって、年間およそ七百万トンぐらいはあるのではないかとか、そういうようなことも言われております。こういうものは建設関係の廃棄物が多いわけですけれども、これについて東京都と埼玉県の関係という点では、東京のこうした廃棄物が七割から八割は埼玉県に行く。きょうは大蔵大臣の松永先生もいらっしゃいますけれども、その廃棄物が燃やされていく。
 燃やすということについても、今、考え直すべきだという小泉大臣の意見もいただいたわけですけれども、この辺について、産業廃棄物というものの移動をはっきりマニフェストで、今度の廃棄物処理法ではきちっとやるということですけれども、移動監視と移動抑制、そういうことを具体的にやっていくべきだと思うわけです。その辺について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
    〔山本(有)委員長代理退席、委員長着席〕
#135
○小泉国務大臣 今、廃棄物事業者の活動は全国で行われておりまして、考え方としては、都道府県ごとに、その地域の廃棄物は全部その地域で処理するというのは望ましいことはわかります。しかし、現実に言って、東京の場合を考えましても、東京に全国の方が集まって活動を展開している。特に昼間の人口と夜の人口はもうがらっと変わってしまう。東京に出るごみは全部東京で処理しろといったって、これは無理な面があるということでありますので、適正な廃棄物の処理のためには、私は、ある程度広域の処理が必要だと考えております。
 そこで、移動監視を徹底するということでありますが、全部その移動を監視するということも現実に考えて無理な点がありますので、昨年六月の廃棄物処理法の改正によりまして、廃棄物管理票制度がすべての産業廃棄物に拡大されましたので、これが本年十二月より施行されることになっております。これにより、都道府県等による報告徴収や立入検査の際に、管理票を確認することにより、移動の監視をさらに徹底できるものと考えておりますので、この面から、移動の監視体制を強化することが必要であり、不当な廃棄物処理が行われないような対策を、今後も鋭意図っていかなければならないと考えております。
#136
○並木委員 今、お忙しい中、環境庁長官もおいでいただいたわけですけれども、ありがとうございます。
 今、環境ホルモンとダイオキシン等の問題を質問させていただいております。先日は、環境委員会の方でも御質問させていただいたわけですが、その際にも申し上げたわけですけれども、この問題の取り組みに関しての日本の現状というのは、不十分であり、おくれている。大臣も同じような御認識だったと思いますけれども、こういう感は否めないと思います。
 内分泌攪乱化学物質の影響について、欧州とか米国で国際会議が相次いで開かれております。こうした場での情報収集とか、あるいは研究成果に関する国際協力の推進の必要性が再三指摘されているところでありますけれども、日本は、こういう分野の国際的な共同研究といいますか、そういうところにどの程度参加しているのでしょうか。
 そして、私はもちろん、こういったところの共同研究に国レベルで積極的に参加すべきであると考えているわけでありますけれども、環境庁長官、国際通であるとも言われているわけでございますが、この辺についての御見解と、具体的に今後指示をどうされていくか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#137
○大木国務大臣 具体的な事例につきましては、後でまた必要がありましたら政府委員からも御説明いたしますけれども、確かに、国際的に協力しないとなかなか科学的な知見が十分に得られないという認識は持っております。
 私も、これはこの間も申し上げましたけれども、国立環境研究所の方でも、行ってまいりまして、いろいろな分野の研究をしているのですけれども、では、それから、今何をするかということになりますと、いろいろな議論がありまして、研究はたくさん行われているけれども、どこから手をつけるかということについては、まだいろいろと意見がまとまっていないというような感じもあります。
 これから、環境研究所自体はいろいろと、外国からの研究者も受け入れておりますし、それから、環境庁あるいは日本政府としても、いろいろな国際的な会議等にはできるだけ出るようにということで、ちょっと今必要があれば具体的な説明はいたさせますけれども、そういうことで、確かに国際的に研究というか検討というのですか、これを強化しないと、なかなかいい結果が出ないのではないかなという認識は持っております。
#138
○野村政府委員 お答え申し上げます。
 環境ホルモンに対する国際会議、最近、特にこの問題に対する意識が高まっておりまして、国際会議が開かれておりますが、これに対しましては、私ども、できるだけ参画するようにいたしております。
 事例的に申し上げますと、一昨年、一九九六年の十一月でございますけれども、OECDにおきまして、この環境ホルモンのスクリーニング方法についての検討を開始するということがございまして、これには担当課長が参画をいたしております。
 翌年の一九九七年一月に、米国のホワイトハウスそれからEPAが主催者となりまして、世界からこの問題の専門家を集めて討議をしようという会合が持たれましたが、これに対しましては担当課長と専門家が参画をいたしております。
 それから、同じく昨年の二月でございますが、IFCSと申しまして、リオの環境会議の後設けられました化学物質の安全性にかかわる政府間のフォーラムでございますが、これにも担当課長が参画をいたしております。
 それから、昨年の五月には、G7の環境大臣会合がございましたが、この中でもこの問題がテーマとして取り上げられておりますが、これには外務省の環境問題担当大使なり私どもの担当部長が参画をいたしております。
 それから、直近の例では、ことしの三月、OECD、先ほども申し上げましたが、これの継続ということでございまして、専門家会合がございまして、これにも我が国から専門家四人が参画をしているというようなことで、私ども、できるだけ積極的に国際会議には参画するようにいたしております。
#139
○並木委員 そうした会議にも御参加いただいているということなんですけれども、次の質問は、小泉大臣そして大木大臣、お二人にお聞きしたいのです。
 大体、こうした新分野の問題といいますか、そういうことになりますと、お役所の対応というのはいつも、慎重であることも必要ですけれども、慎重に過ぎるのではないか、こういう感がするわけです。
 よく、科学的知見に乏しいとか、あるいは、まだ十分に解明されていないのだ、こういうふうに言われて、実際対応することになったらおくれをとってしまった、そういう例も数多くあるわけであります。
 水俣病のような、大きな公害問題として今日も多大な犠牲を強いられているそうした問題も、最初、水俣湾で奇形の魚が発見されたとか、こういう自然の警告があったわけです。しかし、対応がややおくれていった中で、やはり被害も進行してしまった、そういうようなこともあったわけであります。
 今、環境ホルモンの影響ではないかというようなことで、自然界のたくさんのそうした事例が報告されております。
 例えば、トリブチルすずとかトリフェニルすずの影響だろう、これは船底の塗料ということですけれども、それでイボニシの雌に雄の生殖器ができる、こういうインポセックス症状が特に日本では一〇〇%も出現している。あるいはノニルフェノールの影響と考えられます、東京のすぐ近くでございますけれども、多摩川のコイの精巣異常。
 あるいはアメリカ・フロリダ州では、これは化学工場の事故によっての影響と思われますけれども、アポプカ湖というところでのワニの性器異常、そしてワニの個体数が減少している。あるいはカモメが雌同士で配偶するというか、笑えないような、オシドリが雄同士で泳いでいるというようなことになってしまったりとか。あるいはPCBとか、これもよく言われた物質ですけれども、今質問しておりますダイオキシン、こうしたものの影響が考えられます、カナダのケベック州セントローレンス川のシロイルカの卵巣異常、間性、中性みたいなものですね、そういうものが出現している。オランダの方では、ゼニガタアザラシが生殖障害、これもPCBだ。もう挙げれば切りがないほど自然界ではこうした数々の警告を発しているわけです。
 しかし、こうしたことがあってさえ、なお、科学的知見に乏しいんだとか、十分に解明されていない、そういうもので肯定も否定もできませんよ、そういう段階なんですよという結論を今現状では持っている。
 この点について、去年の三月に外因性内分泌攪乱化学物質問題に関する研究班、長い名前ですけれども、こういうものがつくられました。その中間報告では、WHO、国際的には大変な権威ある機関です、その国際がん研究機関が発がん性を明確に認めている四塩化ダイオキシン、こういうものでさえ、この報告書を見ますと、可能性は認める、しかし結論は出せない、そういうような報告になっているわけです。
 学問的には、そういうものをさらに確かめる、もちろんこれはいいことであるし、間違いであるとは申し上げられないわけですけれども、こうしたような疫学的な問題というのは結論を出すのに数十年かかる。しかも生態への影響となりますと、なかなか、今実験動物の問題とかもあります。そうそうは、人間に近いような犬とか猿の動物を余り使えない、こういうような学問的な制限もあったりして、とにかく結論が出たときにはもう手おくれだというようなことにもなりかねない、こういう深刻な事態だと思います。
 こういうふうな役所的な手法、これはもっともといえばもっともなんです、確かに予算を使っていくには裏づけがきちっとなきゃいけないんだ、しかしそれでは、今言ったように遅くなってしまう。つまり、政治がどうするかという強力なリーダーシップを持ってこの危機管理に当たらなければ、これはお役所的な手法に任せていたんじゃできないのじゃないか、そういうふうに私は思うわけです。
 まさに自然の警告に対して、人類の存亡の危機とも言われるこうした問題に対して、政治家であられるお二人の大臣が、危機管理能力が問われるこういう問題に対してどういう見解をお持ちになっているのか、それぞれにお答えを賜れればと思います。
#140
○小泉国務大臣 最近ではいろいろな物質が出てきて、未解明の分野が非常に多くなってきていると思います。しかし、健康に与える影響ということを考えますと、この環境ホルモン等まだまだわからない点がたくさんあるわけですが、今御指摘のように、ワニやら鳥やら魚介類に現実として深刻な影響が出ていることを考えますと、疑わしきは罰せずという犯罪の原則がありますけれども、この問題については、事実そういう公的機関の研究によってかなり危険が指摘される問題については、疑わしいものもさらに疑わなきゃいけないという気持ちで調査研究が必要ではないか。
 非常に学問的な調査を必要とする事項でありますし、多くの専門家が集まってもはっきりとした結論が出ない分野でありますけれども、人間の健康に与える影響というのは、まずいい方向には出ない。悪い影響がありそうだというものに対しては敏感になって、厚生省としても、その危険度というものを国民にわかってもらうように、情報の収集やらあるいは各種研究機関の調査を参考にすること等必要な措置を講じて、このような全人類に与え得る問題については、敏感な反応と、それからより十分な調査研究が必要ではないか、このような姿勢で、今後、少しでも健康に悪影響を与えるようなものに関しては国民に周知徹底を図るということが必要ではないかと私は思います。
#141
○大木国務大臣 私も厚生大臣と同じような認識と悩みを持つわけでございますけれども、やはり、疑わしきというところが出てきましたら、これをどういう形で国民に、何といいますか、ウオーニング、警戒警報を出すかというところでございまして、これにつきましては、物の性格をよく説明しませんと、何でも大変だということになりますとまた無用の混乱を起こす面もありますから、そういうことは十分考えなければいけませんけれども、やはり、こういった知見がある程度得られているよということを、これから精力的にまたひとつPRといいますか、周知徹底ということを考えたいと思います。
 それから、ある程度、科学的に一〇〇%明確な知見ではないにしても、いろいろ危険が出ておるということにつきましては、例えばアメリカの食品衛生局などは割に早く、とにかく危ないということで、危ないと言うだけではなくて、とめるというようなところに及んでいるようなところもあるようでございますが、なかなか日本で同じことができるかどうかわかりませんが、よその方のいろいろな体験も考えながら、これはひとつ前向きに検討させていただきたいと思います。
#142
○並木委員 お二人とも前向きな御見解をいただいて、ぜひ御期待しております。
 ところで、ダイオキシンの方の具体的な問題でございますけれども、先ほど小泉大臣にもお聞きしたわけですが、埼玉の所沢周辺では、産業廃棄物焼却施設が大変密集している、こういうようなことで問題が起きているわけです。
 市や県の大気調査によりますと、平成九年八月時点での所沢のダイオキシン類大気環境濃度というのはすべて、調査地点すべて指針値〇・八ピコグラムTEQ・パー・立米を上回った。特に、くぬぎ山という、施設が集中しているこの周辺の平均というのは、平成八年十一月時点ですけれども、一・七ピコグラムTEQ・パー・立米、こういうものを記録しているわけです。
 それで、環境委員会でも御質問申し上げたのですけれども、こうした多くの施設が密集しているところの汚染を改善するためには、個々の施設の規制、これは去年の十二月からいろいろやっていただく、もちろんこういうものが効果を発揮するだろうということも言えるわけですけれども、やはり特定地域、かつて公害訴訟等では特定の問題がいろいろ起きております。その特定地域における対策として、ダイオキシンの排出の総量を抑制していただく、これがどうしても必要であると思います。
 この影響が強いと言われる六キロ圏内には百以上の学校とか幼稚園、保育園もあるわけです。ぜひこれを指定ばい煙とするとともに、指定地域をつくって強力な対策を講じていただきたい、そのように思うわけですけれども、環境庁長官の御見解を伺いたいと思います。
#143
○野村政府委員 総量規制制度についてのお尋ねでございますが、大気汚染防止法におきましては、硫黄酸化物、窒素酸化物につきまして総量規制制度をしいているわけでございますけれども、前提として二つの要件がございまして、一つは、排出源が集中をしておる地域におきまして、個別の発生源対策ではなかなか排出総量を抑制できないということが一つでございます。それから、大規模な発生源につきまして網をかけるということが二つの要件で、大規模なものに網をかけるというのは、非常に効率がいいという観点からでございます。
 それに比較いたしまして、ダイオキシンの場合には、先ほど御指摘もいただきましたけれども、昨年の十二月から焼却炉等の規制につきまして施行したばかりだということで、その効果につきましては、私ども、五年のうちに約九割は大気中の排出量が減少するだろうということを見込んでいるわけでございます。
 それから、大規模であるかどうかということからいいますと、焼却炉につきましては小規模のものが多いということでございまして、ここに総量規制をかけるということになりますと、なかなか効率的でないという面がございます。
 いずれにいたしましても、私ども、繰り返しになりますけれども、まずは個別発生源対策に地方自治体とも連携をいたしまして、全力を尽くしたいと思っております。その結果どういうことになるか、その状況を見まして、また何らかの方策はとる必要も出てくるかもしれませんが、その時点でまた考えさせていただきたいと思っております。
#144
○大木国務大臣 今いろいろと事務的には御説明申し上げましたけれども、非常に集中して、地元の住民の方が大変に心配しておられるということは十分に承知しておりますので、今後も、法律の中であろうが外であろうが、ひとつ十分に状況は見守って、また今後のことも考えたいと思っております。
#145
○越智委員長 時間が経過しております。
#146
○並木委員 はい。質疑時間が、お答えがいろいろありまして、経過しましたけれども、最後に一点だけお聞きしたいと思います。
#147
○越智委員長 きょう本会議がございますので、ぜひ御協力いただきたいと思います。
#148
○並木委員 そうですか。わかりました。
 時間ということでございますから、今後ともこの環境ホルモン、ダイオキシン両問題については、継続して注視して、また質問も続けさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#149
○越智委員長 これにて並木君の質疑は終了いたしました。
 次に、中井洽君。
#150
○中井委員 最初に、委員長にお取り計らいをお願い申し上げたいと思いますが、私も、実はだれかここへ呼んで答弁をしてもらうのかなと思ったのですが、我が党でも国会のそれぞれのところへ申し上げていきたいと考えていますが、昨日、松野証人が証人喚問に応じて、この場で質疑をいたしました。あの中に虚偽の答弁があるとかそういうことではなしに、彼があそこの場所で真実をああいう形で述べたとするならば、平成三年あるいは平成四年、松永大蔵大臣も理事でいらっしゃいましたが、証券・金融の不祥事の特別委員会等で彼がずっと答弁してきたことと随分食い違いがある。
 過去、省庁をただすときに、数年前あるいは五年前のことといいますと、いや、それでも一貫しているから、関連しているからと言って現職の連中が答弁をなさる。その当時の担当者が出てきて答弁するということはめったになかったのですね。最近はこういうことが随分ふえてきた。こういったときに、どういう制裁というのがあるんだろう。国会法を見ても、何を見てもありません。
 残念なことですが、こういう時代でありますから、そういったことに対する国会としての対応をみんなで考えていかなきゃならないのではないか。特に、予算委員会ではそういう形での質疑がこれからも多いと考えております。ぜひ、きょう、あすということではなしに、各党の課題としてお取り上げをいただきますようお願いをいたします。
#151
○越智委員長 理事会でよく検討させていただきます。
#152
○中井委員 ありがとうございます。
 松永大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 昨年から消費税の問題について、たびたび私どもは総理と議論をいたしてまいりました。そのたびに総理は、自分は総選挙のときに、消費税五%をお願いしたい、こういったことを真っ正面から訴えて選挙を勝たせていただいた、こういう御答弁を繰り返されております。
 松永大蔵大臣は、選挙のときに、消費税についてどういう公約を掲げてお戦いになられましたか。
#153
○松永国務大臣 私の一昨年の選挙のときの公約はどうだったかという御質問と思うのでありますけれども、私は、思い切った行政改革の道筋をつけてからすべきだというふうになっておった、そういうふうにしておったと思うのです。
#154
○中井委員 思い切った行政改革を断行し、消費税アップは、抜本的行政改革の道筋を決めてからとします、こうなっております。
 去年の四月一日、行政改革の道筋というのはちっとも見えてこなかったんじゃないでしょうか。ここら辺は、今大蔵大臣となられて、本当に政治家の良心に照らして恥じない、こうお考えでしょうか。いかがでしょうか。
#155
○松永国務大臣 おととしの十月の時点だと思うのでありますが、大体道筋は見えてきつつあったと思うのでございますが。
#156
○中井委員 行政改革の道筋というのはさっぱり今も見えておりません。そういう意味で、どうぞひとつ選挙公約をお守りいただくように、この際にあえて申し上げておきたい、このように思います。
 その次に、三月の十八日でしたか、和歌山県で信用組合が一つ営業を譲渡する、こういう決定が報じられました。和歌山県の商工信用組合であります。紀陽銀行に一年後に営業譲渡する、こういう形で廃業が決められたようでございます。
 この組合につきましては、県あるいは大蔵当局、特に、こんな席であれですが、亡くなられた杉山君が担当しておったのじゃないかと僕は思っております。この機会に同君の御冥福を祈りたい、また大臣から、機会がありましたら御家族にお伝えをいただきたい、こういうふうにも思います。
 この和歌山の商工信用組合、制度も十分できていますから、県民も利用者も混乱なしに落ちついた状況だと聞かせていただいて、私どももおいおいといろいろな効果が出てきていると安心をいたしております。しかし、前回にも地方銀行が倒産をして、これもまた同じ地域を拠点とする銀行でございます。
 そういった意味で、三千億余りの貸し出しのうちの大半が不良債権だ、こうも言われておりますが、大半が中小企業、零細企業であろうか。ここら辺に対して、十分な対応をしながら整理に取り組む、こういったことを強く要請したいと思いますが、銀行当局いかがですか。
#157
○山口政府委員 お答えを申し上げます。
 和歌山県商工信用組合の経営問題につきましては、監督官庁であります和歌山県など関係機関において現在協議を行っているところでございます。大蔵省としましても、預金者保護に万全を期しますとともに、金融システム全体や地域経済に大きな影響を与えないよう万全を期したいと考えておりまして、今後、監督官庁であります和歌山県知事を中心とする処理方策の取りまとめに、私どももできるだけの協力をしてまいる所存でございます。
#158
○中井委員 次に移ります。
 こういう形で金融機関の不安というものがいつまでも続いておることが、幾ら努力しても日本の景気が上向いてこない大きな要因であることは、私が言うまでもありません。
 既に何度も議論されておりますが、金融機関のいわゆる不良債権、三分類になっておるのが八兆七千二百四十億、四分類が二兆六千九百五十億、二分類が六十五兆、ここら辺が非常に論議のあるところでございますが、この問題で幾つかお尋ねをいたします。
 まず、この八兆七千二百四十億円の第三分類、第四分類の二兆六千九百五十億円、これは、この三月期決算あるいはこの九月期決算等で完全に処理される、これは処理されなければ早期是正措置も含めていろいろな対応がなされる、こういうふうに理解しておりますが、間違いありませんか。
#159
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 あくまで、引き当て、償却は企業会計原則にのっとってやるものでございますが、感じとして申し上げますと、四分類にされたものというのは、破綻先債権、あるいは自主的にもう破綻先ということなので、ほぼ全額償却をしなければならないだろうというふうに思います。
 三分類につきましては、個々の債権ごとにいろいろ、企業会計的に見まして、引き当て、償却をすべきもの、あるいはまだそれに至らないものも含まれているというふうに考えるわけでございます。
 いずれにしても、三と四はかなり、回収という面からいうと問題が多い債権だと思います。
#160
○中井委員 この二分類、六十五兆円というものは、まあまあ平年でいけば、三年間で一四、五%ぐらいのロスかと私どもは聞いておりますが、大体、それぞれの金融機関においてこのロスについても確率で引き当てがなされておる、このように考えて間違いありませんか。
#161
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 この二分類につきましては、個別に適切なリスク管理を要する債権という性格のものでございますので、各銀行によってその二分類のとらえ方が若干違うかもしれません。
 そうしますと、各公認会計士は、その銀行のこれまでの実績はどうだったか、あるいはどういう傾向にあるかということで、企業会計的に見て適切な引き当て率をやるということでございまして、それぞれの銀行が今自己査定をやり、また公認会計士にその点も含めてチェックをしてもらうということをやっている最中でございます。
#162
○中井委員 金融機関の会計あるいは営業状況というのは、なかなか私どもわかりにくいわけですが、周りから見させていただいておりますと、どうも優柔不断なところがあるのじゃないか、このことを感じます。
 拓銀の問題等でもいろいろと論議がなされているわけですが、要は、一つは、思い切ったリストラをやっていない。それから、土地の値上がりがまた出てきたらこんな損なんか一遍に取り返すじゃないか、こういうので、ずるずると今日まで不良債権を処理せずに引っ張ってきた。これは旧国鉄の債務の処理と同じだと僕は思います。
 それからもう一つは、やはり金融機関ということでありますから、子会社を丸抱えで面倒を見ちゃった。私どもが住専のときに申し上げたような法的処理を子会社といえどもやっていけば、本体は生き残れた銀行もあったはずだと私は考えております。そういった意味で、いつまでも、土地が値上がりすればしまいだというような安易なことじゃなしに、思い切って経営者が損切りをしていく、こういうことが大事じゃないかと思います。
 それからもう一つは、処理を一生懸命されてもされても出てくるのは、それぞれを見させていただきますと、どうも二年交代で役員さんの任期が来る。そうすると、二年間連続で無配当、赤字、こうなると自分たちの責任問題になってくる。そこら辺を考えて、一年ちょっと処理したと思ったら、次の年は含み益を含めて何か黒字を出す。また次の年に不良債権の処理に走る。こういうことで、少しずつ進むけれども、いつまでたっても終わらない。
 私は、ここら辺を金融機関全体がお考えをいただき、当局もいろいろな手を打たれて、思い切った処理をする。早く、不良債権処理は終わったよ、こういう空気を出さない限り、日本の経済の視界不良は続いていく、ますます悪くなる、こう考えておりますが、大蔵大臣、今申し上げたこと、時間がないものですから、はしょって一遍に私の意見を申し上げました。これらについてどのようにお考えでしょうか。
#163
○松永国務大臣 御指摘のように、不良債権の処理は銀行自身が本当に立ち直っていくために非常に大事なことでありまして、大蔵省の方もそれを促しておるわけでありますけれども、御存じのとおり、今回の資本注入を申請した銀行については、その点も相当厳しく審査の対象にしたところであります。
 そういうふうにして、日本の金融機関というものがやるべきことをきちっとやっていく、その中にはリストラもありますが、そういったことをきちっとやっていくことが非常に大事なことだ、こういうふうに私は思っております。
#164
○中井委員 お聞きいただいておったのかどうか、あるいはおとぼけいただいたのか、さっぱりわかりませんが、ぜひとも早期に不良債権の処理を終えていただく、このことをお願い申し上げます。
 今お話しのありました公的資金の導入に対して、金融危機管理委員会に二兆円ぐらいのお申し込みがあって、一兆八千億既に認められたわけでございます。これから後、残り、地方銀行であるとかあるいは幾つかの金融機関でどのぐらいの申し込みがあると予想されておられますか。これは大蔵省で答えられますか。
#165
○山口政府委員 現時点において、予測は全くできません。
#166
○中井委員 まあ、あと地方銀行ということであろうかと思いますが、私ども三重県の百五銀行、お隣静岡の静岡銀行、超優良でございまして、こんなところが申し込むはずはありません。そうすると、地方銀行で申し込むというと、何か不安かな、こういうところもあって、なかなか地方銀行も大変だなと私は拝察をいたしております。
 そういう中で、まあせいぜいお認めいただいても一千億か二千億、こうなりますと、二兆円であります。これは十三兆、三兆は政府保証債、十兆は交付公債。逆か。ごめんなさい。これは残りせいぜい二兆円、十一兆円余裕が出てくる。これはどうされるのですか、大蔵大臣。
#167
○松永国務大臣 十兆の方が預金保険機構が日銀からお借りする場合の政府の保証、三兆円の方が交付国債、こうなっておりますが、これは、どういうふうに使うかは基本的には預金保険機構が決めることでありますけれども、今回済ませた二十一行分は全額預金保険機構が日銀から借りて処理したわけでありまして、三兆の方は最後のとりでとして残しておくという感じでございましたね。
#168
○越智委員長 銀行局長。答弁は、簡潔にして要を得たものにしていただきたいと思います。
#169
○山口政府委員 三兆円が交付公債、十兆円が政府保証つきの借り入れでございます。十三兆ございますが、二兆円近くを今度注入するわけですが、これはあくまで危機管理のためのものでございまして、そういった観点から、必要ないものに無理に入れるという性格のものでもありませんし、ただ、これはあくまで二〇〇一年三月までの措置でございますことをぜひ御理解いただきたいと思います。
#170
○中井委員 銀行局長のお答えはそういうことであろうかと思いますが、ここら辺に少し、十兆円ぐらいの枠が景気対策であるという考えがちらちらとしているのじゃないか、こういうことを政府・与党の対応を見ておりますと私は思わざるを得ません。金融危機ということでこういう制度をおつくりになった、このことをお忘れなく御対応いただきますよう、この機会に念を押しておきたいと思います。
 持ち時間が三十分で、建設大臣と自治大臣にお越しいただいていますので、大蔵省関係はこれぐらいにいたしまして、建設大臣にお尋ねをいたします。
 過般、国会でも私も論議をいたしましたが、国鉄の長期債務、ああいう処理の仕方をいたしました。私は、あのときにふっと思って、これは一言建設大臣に申し上げておきたいと思いましたのは、道路公団あるいは本四公団、莫大な借入金を抱えております。これらを建設省の計算では返せるということなのでしょうが、国民全般も、第二の国鉄になるのじゃないかと大変心配をいたしております。
 今回の国鉄の長期債務の処理の仕方は、あれはあれのやり方しかないのかとは思いますが、いかにも無責任な、後世にわけのわからないツケを残す処理である、私はこう思っています。ああいう処理の仕方じゃなしに、きちっと対応ができる、こういったことについて建設大臣のお考えを承ります。
#171
○瓦国務大臣 我が国の経済の伸展に伴って、いわゆる国土の整備を行う、また道路整備を行うということは、国民にとりましても必要な事業でございまして、委員御理解をいただいておるように、予定路線は一万一千五百二十キロございますが、供用が六千三百六十二キロでございますから、今道半ばでございます。
 第三十回の国幹審で審議された経費節減等の工夫、努力、こういう問題にも真剣に取り組みまして、建設費のコスト縮減であるとか管理費のコスト縮減であるとか、あるいはまた一般道路事業の活用を通じた地方からの支援であるとか、国費助成の継続的、安定的充当であるとか、これらのことに格別留意をしながら、さらに事業に取り組んでいかなきゃならない、要請に取り組んでいかなきゃならぬ。
 私は、将来を見通しても、この道路整備の要請に対して、これからの作業を積み上げることによってこたえていかなきゃならぬし、財政の事情からいたしましても、それは計画どおり償還し得る、こういう確信のもとで作業を進めさせていただいておるところであります。
#172
○中井委員 財投の方も、郵貯やその他のものが自主運用、こういうことに方向として決められております。これから財投債という形でいくのかどうかわかりませんが、二十兆円累積借入金をお持ちの道路公団について、なかなか厳しい議論があります。当予算委員会でもたびたび行われているわけでございます。この収支の長期的な見通し、この借入金をどうするのだ、これについて公団総裁から御意見を承ります。
#173
○鈴木参考人 お答えいたします。
 まず、現在の経営状況についてお話しさせていただきます。(中井委員「いや、結構ですから、どうやって返すのだと」と呼ぶ)
#174
○越智委員長 答弁は、簡潔にお願いいたします。
#175
○鈴木参考人 はい、わかりました。
 平成八年度決算におきまして、まず収支差、これが償還準備金に充てられておりますが、約七千九百億円出ております。それによって借金を返しているわけでございます。従来まで二十三兆円の累積借入金を行いまして、今申し上げた償還準備金六兆円をもちましてそれを返還しておりまして、現在十七兆ございます。ことし八千億ぐらいでございますから、毎年七千九百億を返していけばこれは十分返せるのじゃないか、もちろん、これから投資してまいりますからふえてくるわけでございますが、償還の見通しは十分あると思っております。ただいま、推計値でございますが、平成九年の今の収支差は約八千五百億円、平成十年の見込みでございますが、八千六百億となっておりますので、現在の決算から見ても十分いけるのじゃないか。
 それから、将来につきましては、償還計画をつくっておりまして、先ほど大臣が御説明されました八千二百七十七キロメートルにつきましても、一応四十年以内に十分返還できると。現在の考え方では、料金を現在のまま抑えてやっていくという状況の中で、大臣も御指示ございました、コスト削減、事業の効率化、増収対策に努めることによって四十年未満にいけるのじゃないか。ただし、これから右肩下がりの経済情勢になりますので、私ども、その経営の内容について十分厳しい認識を持って、今申し上げた対策をとりながら進めていけば償還できるというふうに考えております。
#176
○中井委員 私は、道路は必要だと思っていますし、高速道路もどんどん整備をしていっていただければいいと思っています。しかし、こういう経理状況を続けておっていいのかということを心配いたしております。特に、各地区のを見せていただきますと、キロ当たり五十億、六十億というようなお金がかかっておる道路もある。十八億でできているところもある。バブル時代と違うわけですから、十分お考えをいただいて、費用効果の上がるような道路をおつくりいただきたい、こう思います。
 それから、同時に、幾つか注文をいたしますが、例えば、私は伊賀上野というところにおります。ここから百キロぐらいで関空へたどり着きます。私の家から関空まで、信号が三つしかありません。その間、料金所を五回通らなきゃなりません。五回お金を払うのです。プリペイドカードが通用するところと通用しないところがあります。何でこんなに要るのですか。高速道路が込むのは、料金所があるからです。
 この料金所はもともと、御存じだと思いますが、一台通るのに八秒ではけるという計算のもとにあれはブースをつくるのでしょう、今は違うけれども。八秒でさばけますか。お役人さんだから、さばけないのを平気で計算してやってしまう。五十キロ、六十キロの渋滞でも平気でほったらかすじゃないですか。そういうところに限ってもうかっておるのですね。私ども西名阪というところは、五センチ雪が降ったら通行どめ。すさまじい関西と東海を結ぶ大動脈、どうして五センチの雪で動かなくなるのだ。青森、北海道の方、まことに恐縮だけれども、大赤字のところ、二メートルの雪でも動いとるじゃないですか。これはちょっと違うのじゃないでしょうか。黒字のところでもっておるのでしょう。
 そういったことを含めてやり方をお考えいただかないと、私は、国民から到底支援いただけない、こう思っておりますので、ぜひ柔軟な発想で御対応をいただきたい、このように思います。
 最後に建設大臣、私は一度橋本総理が大蔵大臣のときに、行政改革か何かの質問で、本州―四国の橋一つでやめたらどうだと言いました。そうしたら橋本さんが、二つ目は自分の選挙区だと言うて、わけのわからぬ答弁をされたのを覚えておりますが、これはことしの四月に二つ目ができます。本四、三本目が来年できます。トータル三兆四百億。これは、今供用されておる橋だけでも大変な赤字、毎年毎年赤字。二本目も三本目もずっと赤字でしょう。これはどうされるんですか。お答えをいただきます。どういう処理をされるんでしょうか。
#177
○瓦国務大臣 中井委員から本四架橋についての御質問でございますが、現在まで三ルートのうち、児島―坂出ルート全線と大鳴門橋ほか五橋が供用されておりまして、供用延長は、計画延長約百八十キロの六割に相当する百八キロとなっておるわけであります。
 この三ルートが供用されていないことから、毎年の費用が収入を上回っている状況にございます。累積欠損金が七千二百億円となっておりまして、これは厳しい状況ではありますが、この本四の架橋を間近に控えておりまして、平成十七年には単年度収支が黒字に転じ、約五十年ですべての費用の償還が可能である、こういう採算見通しを持って今取り組んでおるわけであります。これは西日本、四国経済にとりまして大きく貢献するであろう、こういうことでこの作業を目下進めておるところであります。
#178
○中井委員 例えば、松山と徳島の四国縦貫自動車道は収支率が一七九%、あるいはまた高松と高知のこの率は一五六%、オール大変な赤字の中で営業されております。三本のルートが全部でき上がって十七年から収支とんとんになるという話は、到底私どもは信頼できません。
 四国の方は東京、大阪へ大半飛行機で来られる、この橋を見に行かれるのは本州の老人クラブだけだ、こういう話もございます。私どもは、別につくってはだめだと言いません。しかし、本当にこの財政の厳しい中で、返せる見込みのない公共事業というのはどうなんだ、ここら辺をぜひ建設省全体でもお考えいただきたい。そういったことを申し上げて、質問を終わります。
#179
○越智委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。
 次に、平賀高成君。
#180
○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。
 阪神・淡路大震災から既に三年が過ぎ、四年目になりますが、いまだに二万四千世帯を超える被災者が仮設住宅から抜け出せないままに置かれております。仮設では、あの震災から命からがら助かったにもかかわらず、孤独死がいまだに後を絶ちません。被災者は生活再建の希望を見出せないでいます。
 昨年十二月の第四次公営住宅募集の結果は、被災者が仮設から恒久住宅に全員移る見通しもなく、ますます事態は深刻になっております。公営住宅に落選した仮設の被災者から、たび重なる落選によって奈落の底に突き落とされたような気持ちです、一体いつになったら脱出できるのか、政府の三十兆円の銀行に対する援助は、怒りを通り越して気が狂いそうです、目の前でおぼれている被災者をどうして救おうとしないのですかと、怒りを込めて訴えられました。
 仮設住宅の被災者だけでなく、住宅を自立再建した被災者も、収入の半分以上を二重ローンに持っていかれるという大変な状況です。今公的支援があれば、広範な被災者が生活再建に大きく足を踏み出すことができます。阪神・淡路大震災の被災者に公的支援をというのは、これは国民的な合意であり、政府はこの国民の声にこたえる義務があると思います。
 私は、阪神・淡路大震災の被災者に対する公的支援が今どれほど必要になっているのか、被災者に対する恒久住宅の保障、生活保護のあり方などについて伺います。
 まず最初に、阪神大震災の被災者の実態から、中堅層も含めた広範な被災者を対象にし、給付額も、生活再建できる、それに十分なものでなければならないことは言うまでもないことです。国土庁は、阪神大震災における被災者の、全壊、半壊の一戸当たりの平均の被害額について調べておられますか。
#181
○山本(正)政府委員 お答えをいたします。
 先生今お尋ねの阪神・淡路大震災は、兵庫県を中心に極めて深刻な被害が生じておったことは御案内のとおりでございまして、生命、身体、財産に対する被害を生じております。
 住宅被害につきましては、全壊が十万四千九百戸、それから半壊が十四万四千二百五十六棟となっておるところでございます。
 なお、先生のお尋ねの住宅の被害につきましての被害額は報告をされておりません。これは個人資産でございまして、資産の形態あるいは被害の形態も多様な被害を正確に算定することは大変容易でないというようなこと等から、棟数、被災世帯、人員等については報告事項となっておるわけでございますけれども、被害額については承知していないということでございます。
#182
○平賀委員 私が聞いているのは、個人の被害額を調査されているかどうかの点について聞いているわけですから、その点について一言お願いします。
#183
○越智委員長 答弁は簡潔にして要を得たものにしてください。
#184
○山本(正)政府委員 恐縮でございます。
 その点につきましては、被害額については承知をいたしておりません。
#185
○平賀委員 私は、一体どういう公的支援が必要かについて、これは被害がどういうものであるのか、一体どういう規模の被害なのか、こういうことがわからずして適切な援助をすることはできないと思います。私は、直ちに調査をすることを要求します。
 救援復興県民会議の調査によりますと、被災者の被害額の平均は、全壊では千五百九十一万円、半壊では七百九十二万円。もとの生活に戻るためには、全壊世帯では八百八十万円、半壊の場合は四百十万円、こういう状況になっています。中央防災会議に設けられました大都市震災対策専門委員会の委員をされています文教大学の吉井博明教授は、高齢者を含めた個人の生活再建を図ることが、消費拡大など地域の経済復興に結びつく、そしてさらに、初会合では、各省庁がどんな復興施策を行い、どんな効果を生み、何ができなかったのか、行政が自己分析するべきであろうと述べています。ですから、私は改めて調査を要求いたします。
 そこで次に移りますが、今各政党も、この公的支援でどうやったら阪神・淡路大震災の被災者を救済することができるのか、こういう点でさまざまな党からも公的支援の案が出ています。最近でも、今度は自民党からもこの支援法案が出るという報道がありますので、この点について少し伺います。
 自民党案の給付対象は、自然災害による全壊世帯に限り、給付額は最高で百万円です。給付の区分の対象は、第一が年収が五百万円以下、第二が五百万円以上七百万円未満の四十五歳以上六十歳未満の世帯、第三が五百万円以上八百万円未満の六十歳以上の世帯、年収が八百万円を超える世帯は給付の対象から外される、こういう内容になっています。しかも、阪神大震災の被災者には遡及をしないという、これはとても被災者が納得できる内容ではないと思います。
 総務庁の平成六年の全国消費実態調査報告の資料で、自民党案のカバー率を試算しますと、年収が五百万円以下の世帯は三九%です。五百万円以上七百万円未満で、年齢が四十五歳以上六十歳未満の世帯が六%です。五百万円以上八百万円未満で、年齢が六十歳以上の世帯は五%であり、これを全部合計いたしますと、全世帯の五〇%しかカバーができないことになります。
 阪神・淡路に同等適用された場合のカバー率と必要総額を試算した資料を配付しておりますが、阪神大震災を例に試算をしますと、全壊、半壊合わせて四十五万世帯、そのうち全壊は二十万世帯であり、全壊、半壊に占める全壊世帯の比率は四四%です。自民党案では、全壊世帯のみが対象なので、全壊、半壊世帯の二二%しかカバーされないものです。最高額で支給をされた場合でも、総額で八百九十億円程度にしかならないものです。
 参議院に超党派で提出をしております災害被災者等支援法案では、全壊、半壊世帯に五百万円、二百五十万円を支給し、所得は二千万円以下を対象としております。中堅層も含めた広範な被災者を対象に、額も生活再建に足るものとして、阪神・淡路に適用するという、被災者の実態に即した給付と対象になっております。
 亀井長官に伺いますが、給付も対象も狭めた自民党案と、超党派で国会に提出をしている公的支援法案のどちらが被災者の生活再建になると考えますか。
#186
○亀井国務大臣 被災者の生活再建の支援についてのお尋ねでございますけれども、既に御承知のとおり、内閣総理大臣が設置をいたしました防災問題懇談会におきまして、将来の災害に備えました基金制度について検討すべきであるという提言がなされているところでございまして、私どもといたしましても、そうした基金制度について検討することが必要だという認識は十分に持っているわけでございます。
 今お尋ねの点につきましては、二つの法案が現在継続審議になっておる。いずれも議員提案ということでございますし、また現在、自民党におきましても、新しい案が検討されているということは承知をいたしておりますけれども、議員立法ということでございますので、政府としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#187
○平賀委員 政府としての態度表明は避けさせていただきますと言っておりますが、二月十日の神戸新聞で、記者会見を長官がやられまして、自民党案と政府と調整をして合意をしたという記事があります。
 ですから、この点について長官自身も認めているわけですから、この点について最初の質問にしっかりと答えてください。
#188
○亀井国務大臣 自民党として今検討をしていただいているところでございまして、それに対して、政府としてどういう御協力ができるかという、そうした御相談は確かにいたしておりますけれども、今具体的な中身について私が申し上げるような立場にはなかろうと思います。
#189
○平賀委員 私は、いかにして被災者を救済するかというふうなことを考えた場合、長官として判断はできると思うのですよ。なぜ判断できないのですか。
#190
○亀井国務大臣 重ねてのお尋ねでございますけれども、政府としてどういった御協力ができるか、どうした支援ができるかという、そのぎりぎりのことを踏まえながら、自民党の現在の検討の中で私どものそれなりの御意見は申し上げておるところでございますけれども、まだその中身のことにつきまして私がここで御答弁できるような状況ではございません。
#191
○平賀委員 もう一つ長官にお伺いしたいのですが、だとするならば、長官自身が考えていらっしゃるこの阪神・淡路大震災の救済方法について、観点といいますか、理念を述べてもらいたいと思います。
#192
○亀井国務大臣 確かに、生活再建支援というものが必要である、そのことは十分に認識をしておるところでございますが、今日まで、政府といたしましても、御承知のように既に四兆円を超える国費を確保いたしまして、インフラ施設の法整備を初めといたしまして、被災者の支援ということについても一兆円以上の国費を投入してまいったところでございまして、その具体的なことは改めて申し上げませんけれども、公営住宅の大量供給とか、家賃の大幅な引き下げであるとか、あるいは住宅金融公庫融資についての優遇措置であるとか瓦れきの処理とか、いわゆる個人的な被災者の支援ということにつきましても、それなりの対応はしてきたつもりでございます。
 また、地方公共団体がつくりました阪神・淡路大震災復興基金の制度を活用いたしまして、既に生活再建支援給付金が支給を開始しておるところでございますし、また、中高年者の自立のための支援基金も昨年の十二月から受け付けを開始したというような状況でございまして、そうした支援については政府としても精いっぱいの対応をしてきておるつもりでございまして、将来の災害に備えた基金については検討が必要であるという、そのことについては十分に認識をしておるつもりでございます。
#193
○平賀委員 最後まで明確な答弁がありませんでしたが、この公的支援の必要性については、国民の運動の面でも、国会の議論としても、すべての党派が個人給付は共通して要求しているのが到達点です。
 それで、私たちは、この公的支援について、少なくとも三つの内容が必要だと思います。
 一つは、当然これは阪神・淡路の被災者を救済する、それが第一の中身でありますし、二つ目には、給付対象は中堅層も含めた広範な被災者を救済するべきだ、そして三つ目には、生活再建に足る額だという、この三つの内容が絶対なければ、被災者の皆さんに本当に希望を与える支援策にはならないということを私は指摘しておきたいと思います。
 そして次に、被災者の生活再建のかなめの問題であります住宅問題について伺います。
 昨年の十二月、第四次公営住宅募集の結果も明らかになりました。仮設から恒久住宅に移る見通しが立たない世帯が七千世帯も残されております。三年以上も仮設住宅で我慢をしても、なぜ恒久住宅に移れない被災者が七千世帯もいるのか。これは私は国の責任だと思います。
 建設大臣に伺いますが、仮設から今なお恒久住宅に移るめどのない七千世帯に対して、どのようにして最後の一人まで住宅を供給するお考えですか。
#194
○小川政府委員 お答えいたします。
 平成八年の七月でございましたが、兵庫県におきましては、恒久住宅への移行のための総合プログラム、こういうのを決定いたしました。この中で、公営住宅を合計三万八千六百戸供給する、こういうふうな方針を決定いたしたわけでございます。
 現段階でございますが、昨年の第四次募集、この断面におきまして、仮設住宅に入居されている方々のうち、まだ公営住宅に当選されていない方は五千百世帯ございます。また、これは推計でございますが、応募されていないという方も千八百世帯ございます。これが先生おっしゃいました約七千世帯というふうな数字であろうかと思います。これにつきましては、先ほど申し上げました三万八千六百戸、このうち新設が三万戸弱でございますが、平成十年度の秋口以降できるだけ早い時期までにすべてを完成させるというふうなことで、現在、県におきまして全力を挙げて整備を進めております。
 県からの報告でございますが、この計画戸数三万八千六百戸が完全に供給された場合には、先生おっしゃいました約七千弱のまだ入居されていない方々に対しても十分に対応可能であるというふうな報告を県から受けております。
#195
○平賀委員 私は、数だけは足りているかもしれませんが、それで解決しないことはこれまでの四回にわたる公営住宅の募集を通じてはっきりしていると思います。被災者が希望するところに公営住宅が足りないという問題、そして被災者が支払い可能な家賃の住宅が足りない、この二つの問題が私は大きな問題としてあると思います。これらの問題が解決しなければ、私は被災者の皆さんが恒久住宅に移る可能性はないと思えてなりません。
 もとの町に戻りたい、この被災者の願いにどうこたえるのかが今問われています。暫定入居制度ということで、遠いところに空き家があるからといって、間違っても、無理やり押し込めるなどということは行政として行ってはならないことです。
 そこで、大臣に伺いますが、今の資料を見ていただきたいと思います。
 神戸市の北区は倍率が〇・七倍です。垂水区は〇・四五倍で大きく応募割れをしています。その一方で、兵庫区六・六倍、長田区四・三倍など、圧倒的に募集戸数が不足をしています。これは、もとの町に戻りたいという被災者の願いに行政が十分こたえていないということです。応募の多い地域にどのようにして公営住宅を初め低家賃の住宅をふやしていくのか、ここのところが今問われていると思います。
 仮設住宅の単身の高齢者の多くは、収入も一カ月四万円ちょっとの年金で、震災前の家賃は一万円以下で、大体六千円ぐらいです。兵庫区や長田区の低家賃の住宅に住んでいた方が多いわけです。こうした高齢者は収入の増加も見込めるわけではありません。公営住宅といえども、安心して移り住むことができないわけです。
 被災者が希望する地域に低家賃の住宅を供給する、今の制度でできないというのであれば、特例をつくるとか、被災者の実態に合った対策を行う考えはありませんか。大臣にお伺いします。
#196
○小川政府委員 お答えいたします。
 入居者が希望される場所にというのは、県においてもやはり一番頭を悩ませている難しい問題であろうかと思います。ただ、政策といたしましては、できるだけそういうふうな御要望が満たされるようなことで、例えば、三万八千六百戸と先ほど申し上げましたが、このうち比較的中心部においても供給可能な借り上げ戸数を最大限見込んでいるとかというふうなことで、国としては応援をさせていただいております。
 また、家賃の問題の指摘がございました。これにつきましては、総理の指示もございまして、四十平米程度の住宅を念頭に置いた場合に、一般的には三万円前後が通常の想定される家賃でございますが、これを最低約六千円まで引き下げるというふうな特例措置を講じております。平成九年度末でございますが、この適用は既に八千五百世帯について適用いたしております。
 また、仮設住宅から公営住宅へ円滑に移行するというふうなことで、県においてもさまざまな努力をされているというふうな報告を聞いております。例えば、希望する公営住宅にすぐには入れないというふうな場合には、とりあえずほかの公営住宅に暫定的に入っていただいて、あいたときに引っ越ししていただくとか、あるいは、なかなか公営住宅に入れないときに、とりあえず暫定的に民間住宅に入っていただいて、その間県が家賃補助を行うというふうなことで、現実的にはいろいろな最大限の努力をしているというふうに理解しております。
#197
○平賀委員 今いろいろお答えになられましたが、家賃の補助は六千円程度にするために五年間の補助があるということを言われましたが、実際に当選されて恒久住宅に入った方でも、本当に今事態は大変です。本当にお金がないために、公営住宅に入ったとしても、カーテンは一つしかありませんから窓に一個かけておくだけですし、それから電灯も一つしかありません。そういうのが今の生活の実態なのです。
 公営住宅の五年間の家賃の補助はありますけれども、しかし、これが切れてしまいますと一気に家賃は四倍、五倍にはね上がりますから、そういうことが耐えられなくて公営住宅になかなか応募することができないという人たちもまだたくさん残っている、これが現地の実態です。
 さてそこで、今のこういう事態に対して諸団体の皆さんがいろいろ活動されておりますが、大阪、神戸弁護士会や近畿税理士会、そして土地家屋調査士会近畿ブロック協議会など公的な専門家団体九団体によって組織をされている阪神・淡路まちづくり支援機構が具体的な提言を行っています。
 市街地に住宅を確保するためには、民間住宅や特優賃住宅、公団賃貸住宅の空き家に家賃補助を連結し、低所得者が入居できる住宅をふやすこと、少なくとも高齢者に対しては生涯の低家賃を保障するようにするべきだ、こういう提案もされております。そして、対策を講じなければ実際の問題として仮設から移れない被災者が多く取り残されるわけですから、こうした被災者に対して大臣はどのように恒久住宅を提供していく予定ですか。
#198
○瓦国務大臣 平賀委員にお答えをいたします。
 阪神・淡路大地震は大変大きな被害をもたらしました。私も、一議員といたしまして現地を一人で歩きながら視察をさせていただきましたし、また大臣に就任いたしましてから、現地にも赴き、視察をしてまいりまして、なお住宅の問題が市民の方々にとり深刻な問題であることは承知をいたしておるわけであります。
 恒久住宅を希望するすべての仮設住宅居住者に対しまして、公営住宅を初めとする被災者向け住宅を供給するため、国といたしまして総額約七千億を投入しているところでございます。
 今ほど住宅局長がいろいろ答弁してまいりましたが、地元地方公共団体からのこれまでの要望については基本的にすべて対応してきたところでございまして、いろいろ要望も踏まえながら被災者の住宅需要におこたえができるもの、かように思っておるわけでございますし、今後とも地元地方公共団体の要望を踏まえまして建設省といたしましても対応してまいりたい、かように考えております。
#199
○平賀委員 この点では、雲仙・普賢岳の災害で、島原市では、地主から土地を借りて、かわらの屋根と、それから断熱材の入った改造仮設住宅を建てて、被災者の要望にこたえる努力をこれまでやってきました。現に、やろうと思えば、そういうさまざまな工夫や努力もできるわけです。
 もとの町に戻りたいというこうした願いにこたえることは、減った人口がもとに戻り、中小業者の再建を支援することにもなりますし、町の経済復興とも相乗効果を発揮することになります。そのためにも、公営住宅という単線ではなく、被災者の立場に立った複線的な対応をしていくことが私は必要だと思います。
 神戸市街地での全壊、半壊の長屋や文化住宅の経営者は高齢者が多く、建てかえにもちゅうちょしていると言われています。先ほど紹介しました提言の中で、このような経営者の土地を借り、住宅を建設し、最初は公営住宅として活用し、一定期間が過ぎたら地主に払い下げて、それ以後は民間借家として賃貸される時限公営住宅の供給方式などを提言していますが、実際に土地を提供すると意思表示をされている方々も相当数いると聞いております。
 大臣に改めて伺いますが、専門家のこうした提言も含めて、被災者の実態に合った低家賃の住宅建設について検討するお考えはありませんか。
#200
○小川政府委員 お答えいたします。
 先ほど三万八千数百戸と申し上げましたのは、いわゆる公営住宅を中心とした施策でございますが、今いろいろお触れになりましたように、それ以外にも、例えば公団を、二百数十人を現地に駐屯させまして公団住宅の大量供給を行っている。あるいは、地主さんがおつくりになった賃貸住宅、私ども特定優良賃貸住宅と呼んでおりますが、そういうふうなものを借り上げて供給するというふうな、現段階で考え得るありとあらゆる供給形態を総動員して現在対応いたしております。
 ただ、いろいろ工夫する余地がもしあって、県においていろいろ御相談がございましたら、私どもとして、国としてできるものがあれば協力していきたいというふうに考えております。
#201
○平賀委員 最大限の可能性や対応をやっていくという言明だったと思います。
 昨年一月のこの予算委員会で、我が党の藤木議員の質問に対して橋本首相は、特に低所得の被災者に対します公営住宅の整備については、そのほぼ全員が九八年度中に入居できるように、そして公営住宅の立地につきましては、極力その被災地に近い市街地に用地を確保し、民間住宅の借り上げなどを行い、被災者の希望地にできるだけ近い場所に供給するよう努めると明確に答弁をしております。
 ぜひ、この点で、大臣も一言決意を表明していただきたいと思います。
#202
○瓦国務大臣 今この平成十年度につきましても、予算配分の段階で所要の経費を確保するなど努力してまいりたい、こう考えて、予算につきましてもお願いをしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 今ほど委員からの御質問もあり、また、今日まで取り組んできた建設省、兵庫県一体となりまして、これらの問題につきまして一層の努力をしてまいるということを先ほどお答えをさせていただきましたが、改めてということでございますので、改めてその決意を申し述べさせていただきます。努力をしてまいります。
#203
○平賀委員 私は、この点で、ヨーロッパの国々では公的支援というのは当然のこととして行われておりますし、GDPが日本の二十分の一というメキシコの国でも、低所得者層を初めとして被災者が数万の規模である、こういうところで、新しい住宅を確保するためには六〇%を政府が支援する、こういうことで対応しているわけですので、ぜひ全面的な支援をやっていただくことを重ねてお願いしておきたいと思います。
 次に、生活保護の問題について伺います。
 ひょうご福祉ネットワークの事務局長の方がおられますが、いろいろ実態も伺いました。九六年の三月にこのひょうご福祉ネットワークは発足をしているわけですが、県内の弁護士や専門家が主体となって、仮設住宅で毎月一回の相談活動と学習会を開催して、さまざまな活動を展開されております。
 この中で、特に、民生委員の方から、あなたはもう生活保護を受けるべきだ、そういうふうに言われた被災者の方が、福祉事務所に行きますと、窓口で、女性は六十歳、男性は六十五歳までが稼働年齢であるから働きなさいと職安を紹介されるという全く冷たい対応がされました。
 阪神大震災では、被災者の実態から多くの災害特例をつくりましたが、生活保護制度において新しい特例など、そういう制度をつくられましたか。大臣にお伺いします。
#204
○炭谷政府委員 お答えいたします。
 阪神・淡路大震災の被災者に対しましては、その実情を見まして、現行の生活保護制度の範囲内で、できるだけその実態に即したような運用を図るよう努めているところでございます。
#205
○平賀委員 私は、実際の事態というのは本当に大変な事態だと思います。特に、震災で、体は外見的には大丈夫だと言われるかもしれませんが、精神的なダメージでまともな働き口がない、こういう方もおられます。しかし、そういう方々に対してハローワークを紹介するという、こういう事態があるわけです。
 具体的な例を言いますと、神戸市北区の仮設住宅の四十二歳の女性は、家賃一万五千円のアパートが全壊して、当時自給七百五十円で働いていたお好み焼き屋を失業しまして、足の悪い姉の店を手伝い、月に一万円から三万円もらって生活をしていました。これでは生活ができないということで北福祉事務所に相談に行くと、窓口では、六十歳までが稼働年齢だということで、それで就職案内のビラを渡されて追い返されたわけです。
 その女性は、生活が大変なために、電気代が六カ月分、ガス代が七カ月分、水道は五カ月分、電話代二カ月分で、合わせて七万円を超える滞納になりました。そして、お金がないために、毛布三枚で、服を着て寝るという生活をする中で、電力会社から一方的に、送電をお断りします、そういう通知が送られるという状況です。
 この女性の例からいいましても、必要な保護が行われていないのが実態です。保護を受ける人が人間としての誇りを失うような対応では被災者はたまりませんから、こうした指導を改めるようにぜひ厚生大臣に要請をしたいと思いますが、いかがですか。
#206
○炭谷政府委員 生活保護制度運営全般でございますし、特に阪神・淡路の被災者の方々のようなケースにおきましては、その実情を十分把握いたしまして、親切、懇切な対応をするよう常日ごろから指導いたしておりますし、また最近も、都道府県の課長会議の席上でも私自身からそのような指示をしているところでございます。
#207
○平賀委員 この女性の方も、最終的にはボランティアの援助によりまして生活保護の申請をして保護がおりましたけれども、しかし、最後は手持ちのお金が五百円、預金が六百円という悲惨な状況になって初めて保護された、このことを言っておきたいと思います。
 そして、もう一つ、生活保護を申請すると、生命保険を解約しろとか、貯金があるからとか、こういういろいろなことが言われます。しかし、なぜ生命保険に入っているかといえば、自分が亡くなったときに葬式代としてとっておきたい、こういう思いで生命保険に入っているわけです。中には、生命保険を残して餓死するという、こういう人もおりました。(発言する者あり)笑い事じゃないです。
 こうした貯金や生命保険は絶対認めない、こういう対応をされるのですか。
#208
○炭谷政府委員 生活保護につきましては、先生御案内のように、補足性の原則というものがあるわけでございます。利用できる資産はできる限り利用していただくということになっているわけでございます。
 そして、ただいまお尋ねの生命保険のケースでございますけれども、現在の取り扱いにつきましては、貯蓄性の高いものにつきましては解約等をしていただいて資産として御活用していただくということになりますが、貯蓄性の高くないもので解約返戻金が少額である、かつ保険金額及び保険料額が当該地域の一般世帯との均衡を失していない場合には解約を求めておらないところでございます。
#209
○平賀委員 そういう場合でいいますと、例えば月八千円ぐらいの掛金とか、百万円ぐらいの生命保険は認めるということですか。
#210
○炭谷政府委員 個別具体的な事例につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたように、地域の実情というものを勘案して決められることになっているわけでございます。
 例えば、今問題になっている神戸市の事例について申しますと、神戸市の取り扱いでは、保険料につきましては、最低生活費の八%ぐらいの保険料の支払いというような場合につきましては解約を求めておらないという実情だったり、また、解約返戻金が他の収入と合わせて最低生活費の一カ月分程度というものとか、また、保険金額が一般世帯との均衡を失しない範囲の額であるというような条件を満たしているというような場合は、神戸市においては解約を求めておらないというふうな取り扱いになっております。
#211
○平賀委員 さらに伺いたいと思いますが、生活保護を受けるに当たって、弔慰金が収入認定される、こういうことがあります。それで保護が打ち切られる、こういう事例もあります。厚生省がつかんでいる事例を少しお話ししてください。
#212
○炭谷政府委員 災害弔慰金、義援金等につきましても、これは資産として活用していただくということが原則になっているわけでございますけれども、これらのうち当該世帯の自力更生のために充てられる額、例えば家屋の補修費とか、家財道具などの失われた生活基盤の回復のために要する経費、葬祭などの弔慰に充てられる経費等については、収入として認定しない取り扱いとしているところでございます。
 そして、具体的な事例というものを一つ御紹介させていただきますと、阪神・淡路大震災において、弔慰金、義援金を合わせまして、二百八十万円を受給された世帯がございます。この世帯につきましては、先ほどお話ししましたような考えで、例えば家具、什器や生活用品の購入に充てる経費、また葬祭料や仏壇の購入などの弔慰に充てられる経費などで、百五十万円を自力更生分として収入認定除外いたしました。したがいまして、残りの百三十万円を収入認定いたしましたので、五カ月間の生活費が賄えるということから、五カ月間保護を停止し、五カ月経過後保護を再開いたしております。
#213
○平賀委員 広辞苑を見ましても、弔慰とは、死者を弔い、遺族を慰めることだというふうになっています。厚生省が、そういうふうな弔慰金を出しながら、片一方でそれを食いつぶすまで保護を打ち切る、こういうふうなやり方は、私は本当におかしなやり方だと思います。
 この点で、ぜひ厚生大臣に、こういうおかしな矛盾したような対応はやらない、こういう言明をしていただきたいと思います。
#214
○小泉国務大臣 弔慰金が収入として認定されるか認定されないか、地域の実情、その個人の自立更生いかん、生活程度いかんによってくると思います。
 今回の場合は、ある期間これは収入として認定し、保護を停止した、しかし、自立更生が困難だという場合に再開しているわけでありますので、それは実情に合って対応したということが言えるのではないでしょうか。
#215
○越智委員長 時間が経過いたしております。
#216
○平賀委員 私は、本当に温かみのある人間的な対応ではないということを、一言言っておきたいと思います。
 特に、今、国会でも銀行の三十兆円の支援の問題がありますが、私は本当に、こういうことをやるのだったら、まず最初に阪神・淡路の被災者の支援をするべきだ、そのことを言いたいと思います。そして、アメリカやドイツやイタリアなどの先進諸国では、直接給付の公的支援は常識になっています。少なくとも、先進国の一員である、そういう自覚があるのだったら、私は、国の責任で阪神・淡路の被災者の公的支援を行うことを強く要求して、質問を終わります。
#217
○越智委員長 これにて平賀君の質疑は終了いたしました。
 次に、木島日出夫君。
#218
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。
 私は、大蔵不祥事についてお尋ねをいたします。
 谷内敏美大臣官房金融検査部管理課課長補佐は、ことし二月十六日に東京地方検察庁特捜部に再逮捕されました。容疑事実の一つは、九三年九月ころから九七年八月ころまでの間、十三回にわたり、百十万円相当の接待を三菱銀行企画部の者らから受けたことが収賄容疑とされたものであります。便宜供与の一つとして、三菱銀行が新規金融商品に関する行政指導において便宜を図ってもらったことが、被疑事実の中で指摘されております。
 再逮捕の日から大分時間がたっておりますが、法務省をお呼びしております。この部分だけで結構であります。この逮捕被疑事実に関して追起訴はなされているのでしょうか。
#219
○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。
 お尋ねの事実関係に関しまして、追起訴はなされております。
#220
○木島委員 追起訴がなされているということになりますと、もう公然、表に出たわけでありますから、その部分についての公訴事実を披露していただけませんか。
#221
○原田(明)政府委員 お尋ねの事実関係でございますが、ただいま御指摘の被疑者に関しましては、金融証券検査官等として、銀行に対する検査や新規金融商品についての行政指導に関し種々便宜な取り計らいを受けたいなどの趣旨のもとに、飲食、ゴルフ等の接待等を受けたということで、三菱銀行、現在の東京三菱銀行でございますが、その関係では、平成五年九月から平成九年八月までの間、前後十五回にわたりまして、関係者から約百三十九万円相当の接待等を受けた事実について追起訴がなされております。
#222
○木島委員 便宜の方は。
#223
○原田(明)政府委員 便宜の中身でございますが、ただいま申し上げたのは公訴事実の要旨でございまして、具体的に職務行為との関連性ということになりますと、これは、公判におきまして検察官が証拠に基づいて証明しようとする事実ということで具体的に提示をいたしまして、公判において立証すべき事柄でございますので、それは公判廷にまちたいというふうに感じます。
#224
○木島委員 しかし、その起訴事実の、公訴事実の要旨の中にも、便宜の一つとして、新規金融商品に関する行政指導において便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたい趣旨、これが入っていることは間違いないですね。それだけ確認したい。
#225
○原田(明)政府委員 公訴事実として書かれました中に、御指摘の点があることはそのとおりでございます。
#226
○木島委員 それで、一点だけ。その新規金融商品というものの中身を、詳しく言えとは言いませんから、どういうものだとか、表示ぐらいはしてくださいな。新規金融商品、何が起訴の対象になったのか。
#227
○原田(明)政府委員 お答え申し上げます。
 まさにその点が具体的な公訴事実の中身でありまして、公判廷で明らかにすべきことというふうに考えますので、私の立場で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
#228
○木島委員 もう公訴されたんだし、はっきりしているわけです。マスコミ関係でももうはっきりしています。言えないのはおかしいと私は思いますが、その新規金融商品の一つにコミットメントラインという金融新商品があるということ、これはもう公然たる事実になっているんじゃないかというふうに思います。
 大蔵省、これはどういう新商品なんですか。
#229
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 今、先生、コミットメントラインはどういう商品かというお尋ねでございますので、定義があるわけではありませんが、一般的に言えば、顧客が契約期間中におきまして、一定の金額、これは融資枠の範囲内で借り入れを行うことができる権利を取得し、銀行はその範囲内で顧客に対し金銭を貸し付ける義務を負う、こういった性格のものではないかと考えます。
#230
○木島委員 これは従来認められていたんですか。銀行は自由にこういう商品で融資をしていたんですか。どうですか。
#231
○山口政府委員 これは法令上、別に認可とかいうものを必要とするものではありません。ただ、手数料を取っている場合に、出資法とか利息制限法上のみなし利息との関係で、金利規制との関係で問題になることはあり得るものかなという感じはいたします。
#232
○木島委員 初めてこれを始めたのは三菱銀行ですね。それは間違いないですね。
#233
○山口政府委員 認可事項でもございませんし、届け出もとっておりませんので、よくわかりません。
#234
○木島委員 とんでもない答弁だと思うんです。それまでだれもやれなかったんですよ、やりたいけれども。
 今答弁から明らかなように、これはどういうものか。要するに、銀行と融資相手先の企業があらかじめ融資限度を決めるわけです、総枠を。それで、その後は一々融資の契約をしなくても、限度内で何回でも融資ができる。非常に便利なんです。今の大蔵省の銀行局長の答弁なら、だれだってこんなことをやっていますよ。
 しかし、やれなかったんです。なぜか。手数料をまとめて冒頭取ってしまいます。頭取りしてしまいます。融資が、結局金額が少なかったり、あるいは一回一回の融資が少なかった場合には、その手数料を逆算しますと、出資法や特に利息制限法、これを超えてしまうんですね。ですから、法務省は、こんな金融商品はだめだという態度だったらしいんです。ですから発行できなかった。
 それで、もう時間がないから私の方から言いますけれども、三菱銀行は、九三年、平成五年ですが、九月十一日ごろから接待を非常にやっているんですが、九三年十二月に、この商品を売り出していいか、了解をとってもらいたいと。認可事項じゃないかもしれませんけれども、大蔵省の銀行局の了解がなければ、事実上やれないわけですよ。それで銀行局に打診が始まった。そして、実際にお墨つきが得られたのが、半年かかっている。九四年六月です。それは、今言ったような出資法とか利息制限法上の大問題があったから、できなかったのではないんでしょうか。
 大蔵省、そういう折衝が九三年十二月から九四年六月まであったことは事実なんでしょう。
#235
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 本件は、現在、刑事事件として起訴されているところでございますので、当局としてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#236
○木島委員 私は、刑事事件の裁判をここでやろうというのではないんですよ。どういう行政行為がなされたか。まさにそれは、国会のこの委員会でやらなきゃいかぬ性質のものですよ。今の理由では、答弁を拒否する理由にならぬと思います。
 そういう状況があったんでしょう、答えてください。そして、結局大蔵省は了解したんじゃないですか、半年後に、しかも条件をつけて。違うんですか。
#237
○山口政府委員 お答え申し上げます。
 今まさに刑事事件として起訴されているわけでございますので、当局としてコメントは差し控えさせていただきます。
#238
○木島委員 もう拒否理由、ないですね。こんなのじゃ、質問続けられないですよ。裁判をやろうというわけじゃないんです。大事な銀行局の持っている権限、それがどんな手順で発動されているのか、この商品についてどうだったのか。当然これは刑事事件と関係ないですよ。行政のあり方を聞いているんです。私は承服できないですね。
 大臣、じゃ、答えてください。
#239
○松永国務大臣 これは、委員も職業柄このことについては御存じと思いますけれども、起訴状の記載で書いてある事柄ですよ。それはまさに刑事裁判の法廷で証拠に基づいて判定さるべきことだ、こう思うわけでありまして、その意味で、私が、また行政側がいろいろ言うことは、これは差し控えさせていただく、その範囲内のことじゃないかな、こういうふうに思います。起訴状に書いてあるんですから。さようなことだと思います。
#240
○木島委員 起訴状に書いてないじゃないですか。だから、法務省の原田刑事局長、言わなかったじゃないですか。金融新商品という抽象的な言葉であって、それは言わなかったじゃないですか。コミットメントラインというのは私が言ったんですよ。おかしいじゃないですか。
 それじゃ、こういう質問をします。大蔵省、三菱銀行がこの商品について売り出しを始めたのは、結局九四年六月以降だった、それはいいですか、その事実は。
#241
○山口政府委員 承知しておりません。
#242
○木島委員 承知していない。調べてないのですか。そんなことを銀行局長が知らないなんということは、そんな銀行行政、通用しませんよ。
 じゃ、この商品は、ほかの銀行は九四年六月ごろやれたんですか、やっていたんですか、三菱だけがやったんですか。そのぐらいどうですか。
#243
○山口政府委員 これは、先ほども御説明しましたように、認可でも届け出でもございません。したがいまして、私どもとしては把握しておりません。
#244
○木島委員 認可事項じゃなくても、なぜやれないか。それは、銀行法二十四条、二十五条、二十六条、二十七条があるからなんです。
 二十四条、二十五条は、大蔵大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、資料の提出、検査ができる。まさにここが問題になっておる。銀行業務の健全かつ適切な運営確保のため、何でもこれに当たるといえば、入れるんですよ。だから、こんなコミットメントラインの新商品はちょっと利息制限法上問題だ、世間的にも問題になる、そうすると、すぐ入れるんですよ。
 二十六条、業務の停止です。業務または財産の状況に照らして、必要があると認めるときは、業務停止命令ができる。業務の状況に照らし、必要があると認めるときは、停止ができる。こんな商品は利息制限法上問題だ、法務省からも問題が提起されている、そういうこともできる。
 二十七条、免許の取り消しもできる。法律を読みます。処分に反したとき、または公益を害する行為をしたときは、業務停止、役員の解任、免許取り消しができる。公益を害する行為、この商品はどうも利息制限法上問題だ、公益が害されていると大蔵省が判断すれば、銀行局長か審議官のさじかげん一つで、免許剥奪まで行くような商品なんですよ。
 だから、許認可が法律上書いてなくとも大蔵省が絶大な権限を持っておる。それがまさに今問題になっているんじゃないですか。だから、そういう権限を持った大蔵官僚に対して、銀行業界は、MOF担をつくり、そして湯水のような接待攻勢をかけている、そこが問題じゃないですか。今のような答弁、納得できるものじゃないですよ。
 では、聞きます。ちょうどそのとき、今の長野証券局長は、大臣官房審議官銀行局担当でありました。あなたは、私が今言ったような申請といいますかお願いが三菱銀行からあり、半年かかってようやくのことで了解が得られた、そういう状況があったということを、審議官銀行局担当として承知しておりましたか。
#245
○長野政府委員 私個人としてのお尋ねでございますから、その部分についてお答え申し上げますと、コミットメントラインという言葉は、実は私は、最近の報道で初めて知りました。当時、何にも承知しておりません。
#246
○木島委員 そんなことを知らないで、大臣官房審議官銀行局担当が務まるはずないのですよ。私は銀行については素人ですよ。しかし、その筋の人ならだれでも知っている話じゃないですか。
 長野局長は、九三年六月から九五年の五月か六月、まさにこの問題が問題になっていた真っさなか、銀行局担当審議官でございます。
 当時、金融機関からどの程度接待を受けたのか。特に、三菱銀行からどの程度接待を受けたのか。最も銀行から人気があったと言われているのが、当時の長野さんであったそうであります。ちょっと答弁いただきたい。
#247
○長野政府委員 私の当時の都市銀行との関係につきましては、当委員会でたびたび御答弁申し上げました。
 個別の銀行についてのお尋ねでございます。あえて申し上げますと、三菱銀行と、私の記憶する限り、年一回、幹部の異動の顔合わせがありましたのと、たしか、私自身、もう一回役員さんとの会合を持った記憶がございます。
#248
○木島委員 では、その二回について、時期と出席した銀行の方の顔ぶれを言ってください。
#249
○長野政府委員 時期は、官房の方に報告しておりますので、確認できるかなと思いますけれども、今手元に持っておりません。
 出席者につきましては、役員と申し上げます。
#250
○木島委員 時間が来たから終わりますけれども、逮捕されたのは当時の課長補佐であります。長野さんの部下ですよ。もう起訴もされているのです。公訴事実上明らかなんです。疑惑がもっと上部官僚に向けられるのは当然だと考えます。
 大蔵大臣、こういう状況のもとで、あなたが内部調査の報告を先延ばしし続けている、そのこと自体が国民の不信をますます高める一方だと思いませんか。そのことだけ所感をお伺いして、質問を終えます。
#251
○松永国務大臣 先延ばしをしているつもりは全くありません。その気持ちもありません。できる限り速やかに調査をして、そして国家公務員法、人事院規則等によって処分をする方針でございます。
#252
○木島委員 そういう態度が国民の信頼を失わせているということを申し述べまして、終わらせていただきます。
#253
○越智委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして一般質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#254
○越智委員長 この際、御報告いたします。
 去る十六日の分科会設置の際に、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。
    ―――――――――――――
  第一分科員
      越智 通雄君    河村 建夫君
      海江田万里君    北側 一雄君
      木島日出夫君
  第二分科員
      相沢 英之君    久野統一郎君
      深谷 隆司君    生方 幸夫君
      岡田 克也君    加藤 六月君
  第三分科員
      甘利  明君    江藤 隆美君
      大原 一三君    原口 一博君
      松沢 成文君    草川 昭三君
  第四分科員
      津島 雄二君    萩野 浩基君
      五島 正規君    中井  洽君
      矢島 恒夫君
  第五分科員
      岸田 文雄君    中山 正暉君
      岩國 哲人君    斉藤 鉄夫君
      北沢 清功君
  第六分科員
      栗原 博久君    綿貫 民輔君
      高木 義明君    鈴木 淑夫君
      春名 直章君
  第七分科員
      葉梨 信行君    増田 敏男君
      山花 貞夫君    上田  勇君
      上原 康助君
  第八分科員
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      小林  守君    西川 知雄君
      西村 眞悟君
    ―――――――――――――
#255
○越智委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。
        第一分科会主査 山本 有二君
        第二分科会主査 伊藤 公介君
        第三分科会主査 中山 利生君
        第四分科会主査 石川 要三君
        第五分科会主査 関谷 勝嗣君
        第六分科会主査 中川 昭一君
        第七分科会主査 桜井  新君
        第八分科会主査 小澤  潔君
以上であります。
 次回は、明二十日午後一時十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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