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#1
第142回国会 本会議 第10号
平成十年二月七日(土曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  平成十年二月七日
    午前零時十分開議
 第一 預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案(内閣提出)


    午前零時十三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 預金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案(内閣提出)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、預金保険法の一部を改正する法律案、日程第二、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長村上誠一郎君。
    〔村上誠一郎君登壇〕
#4
○村上誠一郎君 ただいま議題となりました両案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、預金保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、預金の全額保護の徹底を図る体制を整備するための措置を講ずるものであり、以下その概要を申し上げます。
 第一に、整理回収銀行について、信用協同組合のみならず、一般金融機関の受け皿銀行としての機能も果たせることにしております。
 第二に、預金保険機構において、これまで住宅金融債権管理機構の貸付債権の回収業務に限り認められていた罰則つき立入調査権を、破綻した金融機関から整理回収銀行に引き継がれた貸出債権の回収業務にも拡大すること等にしております。
 第三に、預金保険機構の特別勘定について、一般金融機関と信用協同組合の区分を廃止し、一つの特例業務勘定に統合することにしております。
 第四に、七兆円の国債を特例業務勘定に交付し、破綻処理に伴い発生する損失等について、国債の償還金を充てられることにしております。
 第五に、一般勘定及び特例業務勘定において、日銀等からの借り入れに加え債券発行機能を付与するとともに、借り入れ等に対し政府保証を付与することができることにしております。
 次に、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、金融機関の自己資本の充実のための措置を講ずるものであり、以下その概要を申し上げます。
 第一に、預金保険機構に金融危機管理勘定を設置し、平成十三年三月末までの間、整理回収銀行に委託して金融機関等が発行する優先株式等の引き受け等を行うことができることにしております。
 第二に、預金保険機構に金融危機管理審査委員会を設置することとし、優先株式等の引き受け等につきまして、審査委員会において策定した審査基準に基づいて審査するとともに、引き受け等を申請する金融機関は、経営の健全性の確保のための計画を審査委員会に提出することにしております。
 また、優先株式等の引き受け等については、審査委員会全員の一致をもって議決することとし、議決された案件については、閣議においてそれを承認するかどうか決定がなされることにしております。
 第三に、金融危機管理勘定に三兆円の国債を交付し、優先株式等の引き受け等のための資金の貸し付けや優先株式等の処分等に伴い損失が発生した場合の補てん等について、国債の償還金を充てられることにしております。
 また、金融危機管理勘定において日銀等からの借り入れ及び債券発行が行えることとするとともに、借り入れ等に対し政府保証を付することができることにしております。
 両案は、去る一月二十日三塚大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、参考人の意見聴取を行う等慎重な審査を進め、昨六日質疑を終局いたしました。次いで、両案及び預金保険法の一部を改正する法律案に対する民友連の提案に係る修正案について討論を行った後、順次採決いたしましたところ、修正案は否決され、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 両案中、日程第一に対しては、池田元久君外二名から、成規により修正案が提出されております。
 この際、修正案の趣旨弁明を許します。池田元久君。
    〔池田元久君登壇〕
#6
○池田元久君 私は、民友連を代表して、ただいま議題となりました預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案の概要とその趣旨について御説明をいたします。
 昨今の景気低迷は、バブル崩壊後の不良債権処理のおくれによる金融システムの不安が、橋本内閣と大蔵行政への信頼の失墜とあわせてその大きな原因になっております。この不安を取り除くことは、我が国経済の回復に向けた緊急の課題となっております。
 私たち民友連は、金融システム安定化のために、第一に、預金者の保護を徹底して図ること、第二に、効率的で公的負担の少ない金融破綻処理の仕組みを確立すること、さらに第三に、不健全経営の銀行の救済に公的資金を使わないことの三原則が極めて重要であると考えております。こうした観点から、政府提出の金融システム安定化関連二法案に対する対案として修正案を提案するものです。
 政府提出の預金保険法改正案は、破綻金融機関の処理に際して、不良債権の回収を整理回収銀行に委託し、回収できない損失のツケをすべて国民に回すことにしております。しかし、ノウハウを持った大手の銀行でも回収できない不良債権を、取り立て能力が低い整理回収銀行に任せても、回収が不十分になることは明らかです。政府案では、まさに穴のあいたバケツに国民の税金を注ぎ込むようなもので、不良債権の回収ができなければ国民の負担はふえる一方です。
 政府案では、公的資金投入の前提とすべき関係者の責任追及も極めて不十分です。預金保険機構に与えられている調査権限は、協定に基づいて整理回収銀行に委託された債権の回収に関連するものに限られ、その権限も貸し手には及ばないという欠陥があります。整理回収銀行のトップは、現在、過去の不透明で無責任な行政の責任が今問われている大蔵省のOBであり、金融機関や関係者の責任追及が公正にできるとは考えられません。
 こうした政府案の欠陥、不十分な点について、民友連の修正案では、整理回収銀行を預金保険機構が全額出資する「整理回収機構」に改め、破産法上の更生管財人等の機能や、貸し手も含めて関係者に対する罰則つきの立入調査権を与えて、強力に債権が回収できるようにしております。
 また、整理回収銀行の営業の全部譲渡を受ける整理回収機構自身が、破綻処理に際して一時的に営業を管理するブリッジバンク、いわゆる橋渡し銀行の機能を有することになります。
 みなし公務員とする債権回収機構の職員には、債権回収に伴う関係者の民事上の責任追及に関する責任と義務があることを明記し、また、不法行為に対して刑事上の告発義務を果たさない場合は懲戒する規定を服務準則で定めることにしております。
 また、責任追及の公正さを保つために、整理回収機構の責任者である理事長と副理事長には、大蔵省、日銀、金融関係者はつけない旨を規定し、役員はすべて国会の同意人事としております。こうした公的な債権回収機構を設けて、債権を強力に回収することが公的資金導入の大前提でなければならないと思います。
 民友連の修正案は、金融監督当局に対して、公的な負担が最も少なくなる破綻処理策の作成を義務づける「最小費用原則」を定め、破綻処理の状況について国会に年二回定期的に、あるいは求めに応じて報告するよう義務づけております。
 また、破綻処理に必要なブリッジバンクの設立を含めて、受け皿となる金融機関への出資機能を預金保険機構に持たせています。従来の資金援助に加えて出資を併用し、あらゆる金融機関の破綻に柔軟に対応できるようにしています。政府提案の金融安定化緊急措置法案のように、金融機関全般に資本注入をするのではなく、資本の注入は破綻処理に限定すべきであると私たちは考えております。
 金融機関の破綻処理によって発生した預金保険機構の損失については、特例業務が終了する平成十三年三月末時点で集計し、まず特別保険料で金融機関に一定の負担を求めた上で、なお残る損失については、期間を定めて一般会計から支出することとしており、国民の皆様の目に見える形で処理することにしております。
 政府案のように、ほとんど根拠もなく七兆円の交付国債の形で負担の上限をあらかじめ決めるのではなく、破綻処理にかかった費用を予算編成で優先的に措置する方針を定めることで、市場の不安を取り除こうとするものです。同時に、市場における残存者のメリットを考慮して金融機関に一定の負担を義務づけることで、金融機関の経営努力を促し、政府案よりも国民の負担を少なくすることができます。
 最後に、政府案のように、預金保険機構に債券を発行させたり、交付国債を市場で売却することは、民間の資金を吸い上げることになり、貸し渋り対策とも矛盾することになります。また、債券の発行コスト分が余計にかかり、税金のむだ遣いともなります。また、前国会で問題となりました不健全な銀行同士を大蔵大臣のあっせんで合併させる特定合併のケースは、明らかに不良金融機関の救済になりますので、特例業務の対象から外しました。
 以上が、民友連が提案している修正案の概要です。
 私たちの提案は、明確なルールと破綻処理に必要な財源を明示することにより、金融システム不安の解消を図るもので、市場の信認を得られるものと確信します。また、不良債権の徹底した回収と将来の金融機関の負担で、公的資金の投入額は政府案よりも少なくすることができます。金融システムの再生を図るためには最良の提案と確信をしております。各党会派の賛同をお願いし、私の趣旨弁明といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。坂井隆憲君。
    〔坂井隆憲君登壇〕
#8
○坂井隆憲君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけを代表いたしまして、ただいま議題となっております民友連提出の預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案に反対し、政府提案の預金保険法の一部を改正する法律案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に対する賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 現下の我が国の経済及び金融情勢は、金融機関の相次ぐ破綻やアジアの経済危機を背景に、極めて深刻な状況にあります。昨年の十一月下旬から十二月にかけて、銀行の株価が急落し、格付の低下が起こり、ジャパン・プレミアムが拡大し、国内コール市場における金融機関の資金調達難も発生しました。また、風評等から一部の銀行では急激な預金の引き出しも見られたことは、議員各位の記憶に新しいところであります。
 また、本年四月に向けた自己資本比率の確保、向上のため、さらに資金繰りに対する不安から金融機関が必要以上の資金を抱え込もうとする行動に出ることによって、いわゆる貸し渋り現象が健全な経済活動を阻害するおそれが出るほど深刻な状況に立ち至っております。これにより、中小企業だけでなく、我が国を代表するような大企業からも悲鳴が聞こえてきております。
 このような状況において、政府・与党の果たすべき役割とは、我が国金融システムに対する信頼を一刻も早く回復させ、国民の将来に対する不透明感を一掃し、我が国経済を回復軌道に乗せるべく、果断かつ有効な対策を講じていくことであります。まさに、この役割を担っているのが、さきに成立した特別減税法と一体となってその効果を発揮する預金保険法改正及び金融機能の安定化緊急措置法の二法であります。
 以下、この法案に対する賛成の理由を申し述べます。
 まず第一に、金融安定化二法では、預金者の保護と金融システムの安定化を図る万全の備えとして、十兆円の国債と二十兆円の政府保証、合わせて三十兆円の公的資金を活用できるよう措置しており、政府の断固たる姿勢が示されているところであります。
 金融の根本は信用でありますが、自由主義経済のもとにおいては、時としてさまざまな理由により信用不安が広がるという危険性が本質的に内在しております。このような信用不安に際しては、国家財政を預かる政府が最後のよりどころとなることこそ、まさに国家、政府の役割であり、使命でもあります。加えて、国民にわかりやすく、御安心いただける仕組みを提示することが今まさに求められており、今回の対策はそれに十分こたえるものであります。(拍手)
 第二に、金融安定化二法により、預金の全額保護が徹底され、国民の預金に対する不安感が完全に払拭されることが期待できることであります。国民の基本的貯蓄手段である預金を保護することこそ金融システムの安定の基本であり、いたずらに風評などで預金者に動揺を与えることは是が非でも防がなければなりません。
 現代のように情報があふれ、しかも、その伝達が迅速に行われる時代においては、こうしたことが起こりやすくなっている面がありますが、預金者の安心を確保することが、いつの時代でも共通の為政者に課せられた責務であります。
 第三に、今回のスキームにより、公的資金により預金保険機構の財政基盤の強化を図るとともに、預金保険機構の回収体制や責任追及の体制が強化されることになります。これにより、預金者を保護しつつ、市場原理に基づき、退場すべき銀行は速やかに退場させ、責任追及を行うという競争時代の基本的なルールが確立されることになります。また、この機会に、金融機関のディスクロージャーの充実を急ぎ、リストラを徹底させることが極めて重要であり、これに着実に取り組むことが必要であることをつけ加えておきます。
 そして第四に、金融機関の自己資本の充実により、経済活動に必要な資金が十分に供給され、地域経済の安定や雇用の確保にも資することであります。
 これは個別金融機関を救済するものでは決してなく、我が国金融システムを安定化させ、我が国経済を活力あるものとする措置であります。このため、今回のスキームでは、公正で中立な審査機関を設置し、透明性の高い厳正な運用を行うこととしており、金融機関のモラルハザードを招くことはないと考えられます。この措置こそ、金融本来の役割である資金供給機能を回復させることにつながるものと確信しております。
 繰り返しになりますが、金融システムは経済の根幹であり、現下の危機的な金融情勢の中にあってまず我々がなすべきことは、預金者保護を徹底し、そして我が国金融システムの安定性と内外からの信頼を確保することであります。
 以上、申し述べましたとおり、政府提案の金融安定化二法こそはまさにそのための措置であり、大きく賛同の意を表するものであります。(拍手)
 これに対し、民友連案は、単に損失を先延ばしするとともに、損失の負担をあいまいにする中途半端なものであり、いたずらに金融不安を増長させることになりかねないものであります。また、金融の危機的な事態においては、財務内容の健全な一般の金融機関にあっても、内外の金融市場において資金調達が極めて困難な状況に至ることにより、我が国の金融機能に著しい支障が生ずることも考えられます。民友連案のように、こうした場合を除外することは、国民経済の中で金融の果たすべき役割や機能の重要性を十分に理解していない議論であり、危機管理上の体制に著しく不備があるものと言わざるを得ません。
 したがって、このような責任感のない民友連案には断固反対であることを申し上げ、政府提案の預金保険法の一部を改正する法律案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案が一日も早く成立し、預金者保護と金融システムの安定に多大な効果をもたらすことを祈念して、金融安定化二法に対する賛成の討論といたします。(拍手)
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 中川正春君。
    〔中川正春君登壇〕
#10
○中川正春君 私は、民友連を代表し、内閣提出の預金保険法の一部を改正する法律案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に反対し、民友連提出の預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正後の預金保険法の一部を改正する法律案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)
 私は、今回の金融二法の論議を通じ、この国の将来に対して改めて大きな不安を持ちました。それは、この国の経済の根幹である金融政策に対し、一つは、現在の橋本政権に当事者能力がなくなったという事実であります。相次ぐ政策の失敗と、これまでの護送船団方式によって醸成された官僚のおごりと腐敗が、大蔵省の金融政策に対する信頼性を一気に崩してしまったのであります。それにもかかわらず、三十兆円にも上る公的資金の投入を国民に納得してもらいたい、そう思えば、まずその政策を進める大蔵省と橋本政権の責任をはっきりさせることが大前提であります。(拍手)
 また、もう一方で、金融業界の体質そのものも問われなければなりません。世界の市場が、日本売りとジャパン・プレミアムで、日本に対してこれだけの攻勢をかけてきているにもかかわらず、金融業界は、いまだ十分な合理化努力を怠っているばかりでなく、それにみずからの力で戦いを挑むという気迫に欠けているのであります。日本の金融業界とその経営者が、いまだに大蔵省ひいては国民の税金に頼ろうとする体質に私は大きな不安を感じるところであります。本質的に、そんなことでどうして世界の資本を相手にこれからのビッグバンを戦っていくことができるのでしょうか。
 以上の前提に立って、以下、金融二法に対し、具体的な意見を述べます。
 私たち民友連は、大蔵省のすべての施策に対して、まず徹底した情報開示を行うこと、そして金融機関経営者や行政の責任をはっきりさせることがまず出発であると考えております。
 その上で、公的資金の投入については、金融機関破綻処理に伴う預金者保護に限定すべきであります。公的資金による優先株等の引き受けについては、破綻処理に伴う受け皿銀行に限定して行うべきであり、一般金融機関への資本注入には反対であります。
 今回の金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案は、信用秩序の維持という大義名分のもとに、一般金融機関の救済を預金者保護の原則を超えて行おうとするものであります。優良な銀行は、みずから市場を通じて自己資本の増強をすることができるのであります。
 また、政府の預金保険法改正案の中での整理回収銀行の機能強化は、全く不十分なものであります。これは、主に債務者の担保不動産等への立入調査権にとどまっているのであります。大切なのは、関係金融機関やその経営者に対する調査ができるということでありますが、それらの権限は、政府案では付与されていません。これでは、無理な追い貸しや系列ノンバンクへの乱脈融資を行った無責任な金融機関経営者の責任を十分に追及することができません。これは債権の回収が十分に行われないということであり、結局その分は、国民にツケが回るということであります。
 また一方で、政府提出の両法案は、公的資金の投入について有効な歯どめを持っていません。これは、金融機関のモラルハザードを招き、安易な国民負担への流れを増幅していくのであります。
 これに対し、民友連の修正案では、金融破綻処理に最小費用原則を義務づけ、さらに二〇〇一年三月時点で累積欠損金があるときは、特別預金保険料という形で、銀行業界による自己負担を求めているのであります。
 また、一般金融機関の優先株等の引き受けは行わず、破綻処理時の受け皿銀行への、それのみの資本注入を可能にしております。このようにしてモラルハザードを避け、また一方では預金者保護に万全を期していくわけであります。
 次に、民友連の修正案では、整理回収銀行を公的機関である整理回収機構に改組し、これに日本版RTCの機能を持たせています。悪質な借り手のみならず、関係する銀行や経営者に不正があった場合には、その告発の義務を負わせているのであります。こうして債権の回収の権限を強力に与え、同時にそれぞれの責任追及を徹底的に行うことができる仕組みだと考えております。国民の理解は、こうした仕組みがあって初めて得られるのであり、今の金融業界に結果責任を問うていく仕組みとしては不可欠のものであると考えております。(拍手)
 最後に、日本は危機的な状況にあります。それであるからこそ現実を見据えて、まず国としてすべきこと、そして真の当事者である金融業界みずからがなすべきことを、ここでしっかりと峻別すべきときだと思うのであります。それが国民に対して理解を求めるための大前提であり、さらに本当の意味で強い日本をつくる第一歩となっていくことを信じてやみません。
 以上のような理由から、私ども民友連としては、内閣提出の預金保険法の一部を改正する法律案及び金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に反対し、民友連提出の預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案及び修正後の預金保険法の一部を改正する法律案に賛成することを強く申し上げ、各党の皆さんに勇気ある決断を期待し、私の討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 赤松正雄君。
    〔赤松正雄君登壇〕
#12
○赤松正雄君 私は、会派平和・改革を代表し、ただいま議題となりました内閣提出の金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に反対し、内閣提出の預金保険法の一部を改正する法律案と民友連提出の修正案双方に賛成する立場から見解を述べ、討論をいたします。(拍手)
 このたびの一連の大蔵省不祥事は、国民の大蔵省に対する信頼を完全に失墜させ、根の深い金融機関と大蔵省幹部とのなれ合い、癒着の実態に、国民の怒りは頂点に達しております。
 今、政府が最優先で取り組むべき課題は何か。それは、大蔵省内に蔓延した業界との接待汚染などの実態を徹底して調査するとともに、その全容を国民の前に明らかにすること、そして、緩み切った官僚、公務員の綱紀粛正を公務員倫理法の成立によって実現させることではないでしょうか。
 私は、本日の深夜に及ぶ職権による本会議開会は、法案採決の前提として国民が強く望んでいる大蔵汚職の徹底解明などの議論を封殺し、国民の声にまじめにこたえようとしない政府・与党の姿勢を端的に示すものであり、その横暴なやり方について断固抗議するものであります。(拍手)
 さらに、ここで指摘をしておきたいことは、政権党たる自由民主党への銀行からの政治献金についてであります。
 自由民主党総裁である橋本総理は、一昨日の衆議院本会議、さらに衆議院予算委員会で、金融機関からの政治献金を自粛する旨の答弁をされました。しかし、過去の経緯を見れば、自民党の中に自粛の声があった平成八年においても、例えば十大都市銀行からの政治献金は、政治資金収支報告書では一億八千四百五十六万円となっており、あの破綻をした北海道拓殖銀行からでさえ一千八百二十四万円の献金を受けているのであります。
 政治献金そのものについては法的には問題はないとはいえ、国民感情からすれば、銀行救済に公的資金が導入されるのにその銀行から政治献金を受けているということは、納得しがたいものがあるのであります。
 自民党は、政権政党として、国民に公的負担を求めるというのであるならば、少なくとも赤字国債の発行をゼロにしたいとされる二〇〇三年までぐらいの期間は、金融機関からの政治献金をきっぱりと断るべきであると考えます。
 以下、順次、二法案、修正案についての見解を三点に絞って申し上げます。
 まず第一に、今回の金融システム安定化対策のスキームである総計三十兆円の公的資金の導入は、言うまでもなく預金者保護のためであって、金融機関を救済するためのものであってはなりません。事実上破綻していると見られる金融機関については、むしろ早急にまとめて整理することこそ急がれます。病巣を切除せずして、危ないからといってやみくもに公的資金を導入することは、結局のところはむだ金になってしまうことが指摘され、三十兆円で事足りるという保証はどこにもないと言わざるを得ません。
 法案の中で、民間金融機関の優先株や劣後債などの引き受けによる自己資本増強策は、結局、経営の優良な銀行に対する政府の過剰な保護をもたらす一方、市場からは本来退場すべき問題多い経営を中途半端な形でよみがえらせるだけであり、容認することはできません。
 第二に、政府案では、膨大な不良債権回収の強力な手だても講じない形での預金保護は、名のみだけで真実の預金者保護にはつながらず、中小企業経営者への貸し渋り対策でも決定打にならないという点であります。
 今日の金融不安を招くまで放漫経営を続けてきた金融機関経営者や、護送船団方式という裁量行政で問題を隠ぺい、先送りしてきた大蔵行政の責任が問われないということでは、決して問題の本質的解決につながりません。大蔵省の責任の明確化や、官業癒着構造にメスを入れ、金融機関経営者の責任を追及するシステムこそ確立されるべきであります。そのためにこそ、情報の開示が今ほど求められているときはないのであります。
 また、今緊急の国民的課題である貸し渋り対策でも、原案のようなやり方のみでは、優先株引き受けなどによる自己資本増強の目的がBIS規制対策であるとしても、貸し渋り対策としての実効性は極めて薄いと言わざるを得ません。
 第三に、今日の事態をもたらした元凶である大蔵省、金融業界の密室性とも言うべき体質改善に何ら手が打たれず、むしろ護送船団方式の継続でしかなく、裁量行政を拡大しかねないという点であります。
 内閣提出の金融安定化法案では、優先株等を購入する対象金融機関をどこにするかを審査するのは、大蔵大臣、金融監督庁長官、日銀総裁を含めた審査機関となっておりますが、その本質は、大蔵省の影響が隠然と存在する制度になっており、裁量行政は温存され、むしろ拡大するものと言わざるを得ません。
 一方、預金保険法の一部を改正する法律案につきましては、かねてより我々が主張してきた預金者保護のための公的資金導入であり、おおむね評価できますけれども、民友連提出の修正案は、日本版RTCである整理回収機構を創設していることや、金融機関にも一定の負担を課していることなど、さらに前進した内容となっていることなどから、賛成をする次第であります。(拍手)
 最後に、そもそも今日の金融システムの不安をもたらした橋本内閣の経済失政を指摘しなければなりません。
 日本経済の実情については改めてここで言うまでもないほどの惨たんたるありさまであります。なぜ、かくも事態が悪化したか。それはやはり、景気回復がまだまだ本格化していない状況の中で、デフレ政策とも言うべき強引なまでの経済運営を行ったことに最大の原因があります。
 昨年三月五日の衆議院本会議討論を改めて読み返してみますと、見事なまでに我々の指摘、主張が当たっております。すなわち、消費税率の三%から五%へのアップ、二兆円の特別減税の継続廃止、医療保険の自己負担引き上げなど九兆円に及ぶ国民負担増は、必ずや景気を大きく悪化させ、未曾有の不況を招くに違いないと我々野党側は異口同音に述べていたのであります。政府・与党は、これらの声を全く無視し、既定路線どおりに財政構造改革を進めようとしてきたわけであります。
 そういった経済状況の中で、未曾有の金融危機、金融システム不安が起きてきていることを私たちは認識する必要があります。
 今、二十世紀末を迎え、世界の経済は大転換のときを迎えていると言われます。すなわち、実需、実物、実体経済からかけ離れた、いわば実需の百倍という巨額のワールドマネーがインターネットによって瞬時に世界を駆け回り、為替価格や株価を動かしております。コントロールすることのできないワールドマネーが実体経済を支配するというのが実態であります。
 そこでのいわばルールともいうべき国際基準、グローバルスタンダードは、実際にはアメリカンスタンダードともいうべきものであり、識者たちは、そうした動きを総称して、カジノ資本主義とかむき出しの資本主義と呼んでおります。全世界がアメリカのサブシステムになろうとしている状況の中で、果たして日本型の経済、財政、金融構造システムで太刀打ちできるのかどうか、強い懸念を抱かざるを得ません。
 こうした新しい資本主義の現実にどう立ち向かおうとしているのか、残念ながら総理のさきの金融経済演説にもその認識の一端すらうかがえなかったということは、重大な問題だろうと指摘せざるを得ません。こうした現状に大いなる警鐘を私は乱打をしたい、そう思う次第でございます。
 巷間言われる、橋本総理の退陣こそが最大の金融経済対策であるというのも、預金者という名の国民有権者が、金融機関の破綻という現実の背後にある橋本政権の危うさに不安と動揺を抱いているからにほかなりません。誇り高い橋本総理なれば、御自身こそ、今日の事態を招いた責任を一番感じておられるはずだと私は確信をいたしております。
 どうか、一日も早い退陣の決断をされますよう心からお願いを申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 鈴木淑夫君。
    〔鈴木淑夫君登壇〕
#14
○鈴木淑夫君 私は、自由党を代表して、政府提出の預金保険法の一部を改正する法律案及び民友連提出の預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成し、政府提出の金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に反対する立場から討論いたします。(拍手)
 今や、日本の金融システムは昭和二年の金融恐慌以来の危機的状況であり、信用収縮が倒産の多発を招くなど、まさに恐慌寸前とも言える状況であります。
 総理は、預金を取り扱わない住専の処理に六千八百五十億円の血税を投じた後、我が国金融機関の不良債権処理は順調に進んでいる、今後公的資金は信用組合の破綻処理以外には使わないと言い続けていたのであります。
 しかるに、今、三十兆円に及ぶ公的資金の投入を用意する二法案を提出してまいりました。総理の不良債権処理の見通しの誤りこそが、今、日本経済と日本国民にツケとして重くのしかかってきているのであります。
 また、続発する大蔵省関連の不祥事は、まさに政官業癒着の典型であり、護送船団行政のなれの果てであります。今や、金融行政、銀行業界への国民の信頼などは一かけらもありません。三塚大蔵大臣の辞任は当然であり、遅きに失しておりますが、大蔵大臣の辞任程度では行政への信頼回復などはあり得ません。金融システムへの不安を解消するための第一歩は、事前指導型の裁量行政から事後チェック型のルール行政へと明確に転換し、行政の透明性を高めて市場の信頼を取り戻すことであります。
 今回、二名の逮捕者と痛ましい一名の犠牲者を出しました大蔵省金融検査部の不祥事は、まさに不良債権検査にかかわるものでありますが、法案審議の前提となるべき不良債権の額が、高級料亭や風俗店などでの談合と贈収賄検査によりねじ曲げられて報告されていた事実に、国民は唖然とし、激しい怒りが込み上げてくるのをこらえることができない状況であります。まずは真相究明と再発防止、情報開示が先決であり、やみくもに金融二法の成立を急げば金融システムが安定するということでは決してないのであります。
 さて、私ども自由党が今回の預金保険法改正案に賛成いたしますのは、二年間もおくれたとはいえ、住専処理の際、私ども旧新進党が主張しておりました日本版RTCの設立に、ようやく政府・与党が重い腰を上げたからであります。
 私たちは、会社更生法を前提とする法的処理によって、破綻金融機関の経営者の民事上、刑事上の責任を追及し、また強力に不良債権を回収する機構を設立した上で、預金保証の不足資金に限り公的資金を投入する不良債権処理公社案を主張しておりました。
 今回の預金保険法改正案は、基本的には二年前から今日に至るまで私どもが一貫して主張していた線に沿っており、それゆえに、極めて遅きに失したとはいえ、賛成するものであります。
 ただし、公的資金を大規模に投入する前提として、特定合併も含め金融機関救済には使用せず、預金者保護に限定することを明確にしなければなりません。そのためには、破綻金融機関の整理に際し、解散するか、受け皿銀行に継承させるかの決定については、厳格なコストテストによりまして社会的コストの小さい方を選ぶことが必要なのであります。受け皿銀行は大蔵省が強制的に名乗りを上げさせて、破綻金融機関の経営者は辞任して終わりというのでは、公的資金導入に対する国民の理解は決して得られないのであります。
 次に、金融安定化法案に反対する理由を申し上げます。
 優先株等の公的資金による引き受けは、護送船団行政を強化して金融機関の経営を救済するものであり、真っ向から金融ビッグバンの原理、哲学に反するものであります。
 健全な金融機関であれば、マーケットから資本を調達できるので、経営内容を政府に干渉されてまで公的資金の投入を望まないのは当然であります。不健全な金融機関は公的資金の投入を望んでおりますが、それでは不良行のレッテルを張られるのに等しく、信用は著しく失墜いたします。その結果、密室の行政指導が行われ、健全な金融機関に優先株などを強制的に発行させて公的資金を注入することになるのは目に見えております。これこそ官が民を指導、誘導する護送船団型の裁量行政への逆戻りであり、現在続発している政官業癒着による不祥事の温床を再生産するものであります。
 このような公的な資本注入は、自主的な経営努力によって八%あるいは四%の自己資本比率をクリアしたまじめな金融機関との間に著しい不公平を生み出します。また、資本不足に陥って倒産していく一般企業に比べて、余りにも不公平な金融機関優遇であります。モラルハザードは日本全土に蔓延するに違いありません。
 さらに、国際的に見ても、公的資本の注入によって競争力を取り戻す日本の銀行に対して批判が集中し、その信用は失墜するに違いありません。公的な資本注入は、システミックリスクを回避するために受け皿銀行となった銀行が、市場で資本調達できなくなった場合に限られなければなりません。私ども自由党が民友連の修正案に賛成いたします大きな理由は、この受け皿銀行の公的資本注入のケースのみが預金保険法修正案の形で組み込まれているからであります。
 本来、預金者保護に限定されなければならない公的資金が、いつの間にか貸し渋り対策と混同され、金融機関の経営救済のために用意されようとしております。しかし、この貸し渋りは自己資本比率対策のみではないのであります。本年四月から為替管理を完全に撤廃する外為法改正が施行され、日本版金融ビッグバンが始まろうとしておりますが、この時点から始まる国際的な激烈な競争に備えて、今、日本の金融機関は真剣に顧客の整理を進めており、その動きの一環がこの貸し渋りとなってあらわれている面がございます。資本注入のみで是正できるような問題ではないのであります。
 金融機関の貸し渋りが景気悪化の一つの要因となったのは事実でありますが、そもそも景気悪化の根本的原因は現在の金融危機ではありません。根本的な原因は、九兆円の国民負担増と三兆円の公共投資削減、合計十二兆円の規模に達する超デフレ予算であります。本年度のこの超デフレ予算こそが現在の景気悪化の根本的な原因であります。
 したがって、金融危機の拡大を抑えてみても不況は直りません。逆に、抜本的な金融システム対策は景気対策にほかならないのであります。景気対策を実施し、株価と円相場が回復する経済環境を整えれば、銀行の自己資本比率は大きく上昇し、十三兆円の資本注入よりもはるかに大きな効果が生まれ、金融危機、貸し渋りなどは雲散霧消するのであります。金融機関救済のために公的資本注入の資金を用意するのではなく、そのほとんどを景気対策に使うのが最も効率的な対策であります。
 以上、政府提出の預金保険法の一部を改正する法律案及び民友連提出の預金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成し、政府提出の金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案に反対する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 佐々木憲昭君。
    〔佐々木憲昭君登壇〕
#16
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の預金保険法の一部改正案並びに金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案の両案に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 まず指弾しなければならないのは、三十兆円の銀行支援計画の前提そのものが根本的に崩れているのに、しゃにむに強行しようとしていることであります。
 大蔵省検査がわいろと接待でゆがめられ、乱脈経営と不良債権の実態が隠ぺいされた大蔵省汚職事件で所管の大臣と事務次官が辞任に追い込まれるという、まさに大蔵省始まって以来の重大疑惑が明るみに出ました。とりわけ、政府が三十兆円投入法案を提出する理由として、拓銀、山一が破綻し、金融システムが不安定化したことを挙げていますが、その理由とされたこの二つの金融機関の破綻に大蔵省が密接に関与していた疑いがますます濃厚になっているのであります。
 ところが、政府・与党は、その疑惑にふたをしたまま、三十兆円の銀行支援計画を短時間の審議で衆院通過を強行しようとしているのであります。政府は、拓銀などの検査結果の資料を野党が一致して要求した結果、不十分ながら提出することを約束しました。にもかかわらず、その提出前に本法案の採決を強行するなど、言語道断の暴挙と言わざるを得ません。(拍手)
 次に、内容の面で道理のなさが全面的に明らかになっているということであります。
 第一は、明白な国会と国民に対する公約違反であるということであります。住専国会の際、政府は、一般金融機関に税金は使わない、金融システム内で処理すると明言してきました。橋本首相自身もこの本会議場でこのように明言しました。ところが、本預金保険法改正案は、一般金融機関の破綻に対し十七兆円を投入するというものであります。これは公約の真っ向からのじゅうりんであります。預金者保護は、金融機関、業界がみずから行うべき最低限の責務であります。
 しかも、我が党の追及の中で、政府は、金融機関の体力を総体として見れば不良債権の十分な償却能力を持っている、つまり十分に体力があると認めざるを得ませんでした。それなら、なぜこれまでの当然のルールであった銀行業界への負担をさせずに公的資金投入なのか、全く道理がありません。
 その上重大なことは、預金保険料の引き上げや特別保険料の二〇〇一年以降の延長を検討せよとの我が党の指摘に、与党幹部が、特別保険料の延長を検討すると公的な場で言明したことであります。本法案は、二〇〇一年に穴があいたら税金で穴埋めするというものです。特別保険料の延長で銀行に負担をという与党幹部の発言は、税金を投入する本法案処理策の根拠のなさをみずから認めるものと言わざるを得ません。
 第二は、体力のある大銀行にさらに体力をつけてやるために十三兆円もの血税を注ぎ込もうとしていることであります。トップクラスの大銀行の優先株を公的資金で引き受けて、自己資本を強化し、競争で相手を打ち倒し、新たな大もうけを保証するために、なぜ国民の血税を使わなければならないのでしょうか。到底容認できるものではありません。
 貸し渋り対策などという口実も、銀行が自分の利益だけを考え資金回収を強引に進め、中小企業をつぶしても平気という大手銀行の横暴勝手を、自然のプロセスでなどといって容認する大蔵省の姿勢のもとで、全く実効性がないことも明らかになっています。
 まさに、法案は、二〇〇一年に向けた金融ビッグバンを口実に、国民の犠牲と負担によって大銀行を支援し、中小金融機関の整理、淘汰を一層促進し、弱肉強食の金融再編を進めるものにほかなりません。
 最後に、庶民には消費税増税など九兆円の負担増を押しつけた上、超低金利政策で家計から所得をどんどん吸い上げて庶民の体力を奪い、その上さらにこの法案で三十兆円にも上る大銀行支援計画を推進するものにほかなりません。こんな逆立ちした政治に多くの国民の反発と批判が集中していることは当然であります。
 この逆立ちした政治の大もとに政官財癒着の構造があることは、今やだれの目にも明らかであります。高級官僚の金融業界への天下りを禁止すること、金融業界からの政治献金は直ちにきっぱりやめることこそ必要であります。
 以上のように、この法案は、提出の前提そのものが崩れており、道理も説得力も失っているのであります。両法案は、廃案以外にはありません。
 なお、民友連提出の預金保険法案に対する修正案につきましては、全体として公的資金投入が前提となっており、賛成できないことを申し添えておきます。
 以上で、日本共産党を代表しての反対討論といたします。(拍手)
#17
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#18
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一に対する池田元久君外二名提出の修正案につき採決いたします。
 池田元久君外二名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、修正案は否決されました。
 次に、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
 次に、日程第二につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五十四
  可とする者(白票)      二百六十一
  否とする者(青票)       百九十三
    〔拍手〕
#23
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律案は委員長報告のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
  〔参照〕
 可とする議員の氏名
      相沢 英之君    逢沢 一郎君
      愛知 和男君    赤城 徳彦君
      浅野 勝人君    麻生 太郎君
      甘利  明君    荒井 広幸君
      新井 将敬君    井奥 貞雄君
      伊藤 公介君    伊吹 文明君
      飯島 忠義君    池田 行彦君
      石川 要三君    石崎  岳君
      石破  茂君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    今井  宏君
      今村 雅弘君    岩永 峯一君
      植竹 繁雄君    臼井日出男君
      江口 一雄君    江渡 聡徳君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 武彦君
      遠藤 利明君    小川  元君
      小此木八郎君    小里 貞利君
      小澤  潔君    小野 晋也君
      小野寺五典君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 通雄君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 秀章君
      太田 誠一君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      金田 英行君    亀井 静香君
      亀井 久興君    亀井 善之君
      鴨下 一郎君    川崎 二郎君
      河井 克行君    河村 建夫君
      瓦   力君    木村 隆秀君
      木村 義雄君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    北村 直人君
      久間 章生君    久野統一郎君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 市雄君
      熊代 昭彦君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    栗本慎一郎君
      小泉純一郎君    小杉  隆君
      小林 興起君    小林 多門君
      古賀 正浩君    古賀  誠君
      河野 洋平君    河本 三郎君
      高村 正彦君    佐田玄一郎君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 剛男君    佐藤  勉君
      斉藤斗志二君    坂井 隆憲君
      坂本三十次君    阪上 善秀君
      桜井 郁三君    桜井  新君
      桜田 義孝君    笹川  堯君
      自見庄三郎君    実川 幸夫君
      島村 宜伸君    下地 幹郎君
      下村 博文君    白川 勝彦君
      新藤 義孝君    菅  義偉君
      杉浦 正健君    杉山 憲夫君
      鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君
      鈴木 宗男君    砂田 圭佑君
      関谷 勝嗣君    園田 修光君
      田中 和徳君    田中 昭一君
      田中眞紀子君    田邉 國男君
      田野瀬良太郎君    田村 憲久君
      高市 早苗君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    滝   実君
      竹下  登君    竹本 直一君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      棚橋 泰文君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      谷畑  孝君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      戸井田 徹君    東家 嘉幸君
      中尾 栄一君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島洋次郎君
      中谷  元君    中野 正志君
      中村正三郎君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 成彬君
      中山 正暉君    仲村 正治君
      長勢 甚遠君    丹羽 雄哉君
      西川 公也君    西田  司君
      額賀福志郎君    根本  匠君
      能勢 和子君    野田 聖子君
      野田  実君    野中 広務君
      野呂田芳成君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    林  幹雄君
      林  義郎君    原田昇左右君
      原田 義昭君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 博之君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    牧野 隆守君
      増田 敏男君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    松本 和那君
      松本  純君    三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    宮本 一三君
      武藤 嘉文君    村井  仁君
      村岡 兼造君    村上誠一郎君
      村田敬次郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    目片  信君
      持永 和見君    望月 義夫君
      茂木 敏充君    森  英介君
      森  喜朗君    森田  一君
      森山 眞弓君    八代 英太君
      矢上 雅義君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      柳本 卓治君    山口 俊一君
      山口 泰明君    山下 徳夫君
      山本 公一君    山本 幸三君
      山本 有二君    与謝野 馨君
      横内 正明君    吉川 貴盛君
      吉田六左エ門君    米田 建三君
      渡辺 具能君    渡辺 博道君
      渡辺 喜美君    綿貫 民輔君
      秋葉 忠利君    北沢 清功君
      辻元 清美君    土井たか子君
      中西 績介君    畠山健治郎君
      濱田 健一君    深田  肇君
      保坂 展人君    前島 秀行君
      村山 富市君    横光 克彦君
      園田 博之君    武村 正義君
      岩浅 嘉仁君    土屋 品子君
      中村喜四郎君
 否とする議員の氏名
      安住  淳君    愛野興一郎君
      赤松 広隆君    粟屋 敏信君
      伊藤 英成君    伊藤 達也君
      伊藤 忠治君    池田 元久君
      池端 清一君    石毛 ^子君
      石橋 大吉君    岩國 哲人君
      岩田 順介君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      岡田 克也君    鹿野 道彦君
      海江田万里君    鍵田 節哉君
      金田 誠一君    川内 博史君
      神田  厚君    菅  直人君
      北橋 健治君    北村 哲男君
      桑原  豊君    玄葉光一郎君
      小坂 憲次君    小平 忠正君
      小林  守君    木幡 弘道君
      古賀 一成君    五島 正規君
      今田 保典君    近藤 昭一君
      佐々木秀典君    佐藤謙一郎君
      佐藤 敬夫君    坂上 富男君
      島   聡君    島津 尚純君
      城島 正光君    末松 義規君
      仙谷 由人君    田中 慶秋君
      田中  甲君    高木 義明君
      玉置 一弥君    樽床 伸二君
      辻  一彦君    土肥 隆一君
      中川 正春君    中桐 伸五君
      中野 寛成君    永井 英慈君
      羽田  孜君    葉山  峻君
      畑 英次郎君    鉢呂 吉雄君
      鳩山 邦夫君    鳩山由紀夫君
      原口 一博君    日野 市朗君
      肥田美代子君    平野 博文君
      福岡 宗也君    古川 元久君
      細川 護煕君    細川 律夫君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      前原 誠司君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    松本  龍君
      山花 貞夫君    山元  勉君
      山本 譲司君    山本 孝史君
      横路 孝弘君    吉田  治君
      吉田 公一君    渡辺  周君
      青山 二三君    赤羽 一嘉君
      赤松 正雄君    井上 義久君
      池坊 保子君    石井 啓一君
      石田 勝之君    石田幸四郎君
      市川 雄一君    上田  勇君
      漆原 良夫君    遠藤 乙彦君
      遠藤 和良君    小沢 辰男君
      大口 善徳君    大野由利子君
      太田 昭宏君    近江巳記夫君
      長内 順一君    河合 正智君
      河上 覃雄君    神崎 武法君
      木村 太郎君    北側 一雄君
      旭道山和泰君    草川 昭三君
      倉田 栄喜君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    白保 台一君
      田端 正広君    冨沢 篤紘君
      富田 茂之君    中野  清君
      並木 正芳君    西川 知雄君
      平田 米男君    福島  豊君
      福留 泰蔵君    冬柴 鐵三君
      前田  正君    桝屋 敬悟君
      丸谷 佳織君    宮地 正介君
      山中 Y子君    若松 謙維君
      安倍 基雄君    青木 宏之君
      東  祥三君    井上 喜一君
      一川 保夫君    江崎 鐵磨君
      加藤 六月君    河村たかし君
      久保 哲司君    小池百合子君
      佐々木洋平君    佐藤 茂樹君
      塩田  晋君    鈴木 淑夫君
      達増 拓也君    谷口 隆義君
      中井  洽君    中西 啓介君
      中村 鋭一君    二階 俊博君
      西  博義君    西川太一郎君
      西田  猛君    西野  陽君
      西村 章三君    西村 眞悟君
      野田  毅君    藤井 裕久君
      二見 伸明君    松浪健四郎君
      三沢  淳君    吉田 幸弘君
      米津 等史君    鰐淵 俊之君
      石井 郁子君    大森  猛君
      金子 満広君    木島日出夫君
      児玉 健次君    穀田 恵二君
      佐々木憲昭君    佐々木陸海君
      瀬古由起子君    辻  第一君
      寺前  巖君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    中林よし子君
      春名 直章君    東中 光雄君
      平賀 高成君    不破 哲三君
      藤木 洋子君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    松本 善明君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
      吉井 英勝君    笹木 竜三君
      渡部 恒三君
     ――――◇―――――
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午前一時三十八分散会


ソース: 国立国会図書館
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