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#1
第142回国会 本会議 第22号
平成十年三月二十七日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  平成十年三月二十七日
    午後一時開議
 第一 常任委員長の選挙
 第二 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 常任委員長の選挙
 議員請暇の件
 日程第二 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時四分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 常任委員長の選挙
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、常任委員長の選挙に入ります。
 懲罰委員長が欠員となっておりますので、この際、懲罰委員長の選挙を行います。
#4
○田野瀬良太郎君 懲罰委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、懲罰委員長に神田厚君を指名いたします。
    〔拍手〕
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 石垣一夫君、生方幸夫君、漆原良夫君、島聡君、中川智子君及び望月義夫君から、三月二十九日から四月五日まで八日間、栗原博久君から、三月二十九日から四月七日まで十日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第二 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長葉梨信行君。
    〔葉梨信行君登壇〕
#10
○葉梨信行君 ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、公職選挙法改正に関する調査特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における公務員給与の改定、賃金及び物価の変動等の事情を考慮し、並びに公職選挙法の改正による投票時間の延長等に伴い、国会議員の選挙等の執行について国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定しようとするものであります。
 本案の主な内容は、次のとおりであります。
 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費、事務費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である労務賃その他の額を実情に即するよう見直し、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第三は、公職選挙法の改正による投票時間及び不在者投票時間の延長等に伴い、投票所経費、開票所経費、事務費等の積算単価である超過勤務手当並びに投票管理者及び投票立会人の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第四は、不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所を増設する場合において、事務費に所要の額の加算を行おうとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしておりますが、公職選挙法の改正に伴う改正規定は、平成十年六月一日から施行することといたしております。
 本案は、三月十三日参議院から本院に送付され、去る二十四日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、三月二十五日上杉自治大臣から提案理由の説明を聴取し、直ちに採決を行った結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#13
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣谷垣禎一君。
    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
#14
○国務大臣(谷垣禎一君) 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 これまで、動力炉・核燃料開発事業団は、昭和四十二年に設立されて以来、原子力基本法に基づく原子力の開発機関として高速増殖炉及び新型転換炉に関する開発、核燃料物質の生産及び再処理、核原料物質の探鉱等を行うことにより、我が国の原子力の開発及び利用の促進に寄与するといった重要な役割を担ってきたところであります。
 しかしながら、平成七年十二月に、高速増殖原型炉「もんじゅ」において、また、平成九年三月にアスファルト固化処理施設において事故を起こし、さらに、それらに関連して虚偽報告や不十分な通報連絡といった一連の不適切な対応がなされました。
 このようなことから、同事業団を抜本的に改革することとし、その体質及び組織、体制について徹底的にチェックするため、組織論や危機管理等に関する有識者で構成する動燃改革検討委員会を設置し、その改革の方向について検討を行ったところであります。
 本法律案は、動燃改革検討委員会報告書、原子力委員会高速増殖炉懇談会報告書等を踏まえ、これまでの動力炉・核燃料開発事業団の業務を抜本的に見直し、整理縮小するとともに、経営の刷新や機能強化を図り、核燃料サイクルの技術的な確立に向けた開発や、これに必要な研究を行う法人として再出発させるために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に、改組後の法人の名称を核燃料サイクル開発機構に改めることとしております。
 第二に、立地地元重視の観点から、同機構の主たる事務所を茨城県に置くこととしております。
 第三に、同機構における業務運営の透明性を確保するとともに、社会等との乖離を未然に防ぐため、内閣総理大臣の認可を受けて理事長が任命する委員により構成される運営審議会を設置することとしております。
 第四に、同機構は、これまでの業務のうち、新型転換炉に関する開発、ウラン濃縮を含む核燃料物質の生産を行う等の業務を整理縮小することとし、核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な、高速増殖炉、核燃料物質の再処理、高レベル放射性廃棄物の処理及び処分等に関する開発及びこれに必要な研究を行うとともに、その成果の普及を行う等の業務を行うこととしております。
 なお、これまで同事業団が行ってきた新型転換炉に関する開発等の業務につきましては、同機構の業務の特例として、適切な期限を設けて業務の廃止に向けた準備を行うとともに、その後においても、当分の間、それら業務に伴い発生した放射性廃棄物を管理する業務、施設を廃止する業務やその措置に関する技術の開発等を行うこととしております。
 第五に、同機構の業務の運営につきましては、安全の確保を旨としてこれを行うものとし、適切な情報の公開により業務運営における透明性を確保するとともに、適正かつ効率的に業務を運営するよう努めなければならないこととしております。
 以上が、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#15
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。辻一彦君。
    〔辻一彦君登壇〕
#16
○辻一彦君 私は、民友連を代表して、ただいま議題となりました原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案につき、総理並びに担当大臣に質問をいたします。
 一九九五年十二月、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」ナトリウム漏れ火災事故を初めとして、昨年一年は、動燃東海事業所再処理工場における火災爆発事故、「ふげん」の重水漏れ、東海事業所低廃棄物ずさん管理、人形峠残鉱問題などが続出いたしました。このような動燃の打ち続く事故は、原子力行政への大きな不信を招き、まことに遺憾な年であったわけであります。
 この不信を払拭するには、事故原因の徹底究明と、厳しい反省の上に立って、責任の所在を明らかにし、十分な情報公開のもと、今、一歩立ちどまり、原子力の研究開発について広範な国民論議を起こし、国民合意を形成することが第一と思いますが、これについて総理の所信をお伺いいたしたい。
 原子力発電所から出る使用済み燃料について、使い捨て方式をとる米、ロと再処理方式をとる仏、日本と大別されるが、我が国においても、今日、硬直した再処理路線の柔軟な見直しが必要になっているのではないか。
 今にも枯渇すると言われたウラン鉱は、石油四十三年に対し七十三年間可採可能と推定されている。一九七一年当時、政府は、高速増殖炉の実用化は三十年後と国会で答えている。九四年の原子力利用開発長期計画、いわゆる長計では、二〇三〇年ごろ技術体系を確立するとあるが、実用化はさらに二十年後とも言われている。既に、政府の見通しでも、六十年ないし七十年もおくれている。これらの状況を考えれば、高速増殖炉の開発は、二年や三年を急ぐ必要はないと考えるが、どうか。
 今日、政府のプルサーマル計画は、プルトニウム需給の数合わせであると言わざるを得ない。原子力利用開発長期計画では、プルトニウム利用の主役は新型転換炉、高速増殖炉であったが、新型転換炉はコスト高から開発が中止となり、高速増殖炉も、三十年―五十年先のこと、見通しは立っていない。使用済み燃料の全量再処理路線をとる限り、原子力発電とともに出るプルトニウムは、余剰を持たないという国際的約束を守るため、全部を一般軽水炉で燃やすプルサーマル計画に振り向けざるを得ないのが実情でないか。
 九四年長計によれば、今後、我が国は十五年間に八十トンのプルトニウムを使う計画である。冷戦時代、米ソ両国、米ロ両国が核弾頭に詰めたプルトニウムは、おのおのおよそ百トンとも言われている。八十トンはこれに匹敵する量であり、いかに商業用とはいえ、このような大量のプルトニウムを使うことは国際社会からの批判を招くことになるのではないか。
 イラク、北朝鮮では、数百グラムから数キログラムのプルトニウムが核拡散防止の上から世界の大きな問題になっている。もちろん、我が国はIAEA、国際原子力機関の厳しい核防護の監視下に置かれているとはいえ、このようなプルトニウム大量消費社会への道を歩むことは、非核三原則、核拡散防止につき道義的説得力を国際的に失うことになるのではないか。我が国の国是からしてもとるべき道でないと思う。原子力の利用は、技術論のみならず、もっと幅広い文明論から論議をされるべきものと思うが、どうか。
 アメリカでは、使用済み燃料は再処理をせずに使い捨てのワンスルー方式をとるとしている。水中プールに保管をしている。しかし、この中にプルトニウムを将来エネルギーとして生かす道があるなら、あるいは人間が制御できる道があるのなら、三十―五十年は水中につけて様子を見ようという考えもあると言える。仮にこのような道があるとしたら、資源小国の我が国がプルトニウムを早く取り出し燃やしてしまうより、その見きわめがつくまで水中保管あるいは乾式保管の方式をとることで大量のプルトニウム使用の道を避けることを考えることも一つの選択肢でないかと思うが、どうか。
 一方、原発立地の自治体では使用済み燃料がたまり続け、半永久的に使用済み燃料の保管地となるのではないかとの不安が高まっている。政府、原子力委員会は、これに対して中間貯蔵保管の方針を決めているが、いつまでに敷地外に搬出するか、その時期を明確にすべきであり、法律に書き込むべきではないか。見解を伺いたい。
 また、今やエネルギーや電力は湯水のごとく使えばよいという時代は既に過ぎている。エネルギー確保には国民もひとしく痛みを分け合うことが必要であり、使用済み燃料中間貯蔵保管を消費地の近くにも分散する考えはないか。
 今や地球環境問題が世界最大の課題となっている。化石燃料から出るCO2による地球の温暖化、酸性雨、オゾン層破壊とともに、原発による廃炉を含む放射性廃棄物が地球環境の大きな課題となるおそれが十分にある。政府の対策は極めておくれているが、国際的な管理、監視体制を構築すべきであり、そのために我が国がリーダーシップをとるべきと考えるが、この問題をどう認識しているかを伺いたい。
 エネルギーの確保とは、エネルギー源の適切な組み合わせが必要であり、今日原子力が電力の三分の一を供給している事実から、原子力発電の安全性の最優先と万一に備えての防災体制の確立はぜひ必要である。立地自治体より要望の強い原子力防災特別措置法制定につきどう考えるかを伺いたい。
 動燃の打ち続く事故から、安全に対する動燃と国民意識との乖離、外国やみずからの体験から十分に学ばない独善性、技術過信、情報隠し、閉鎖性集団的体質が指摘をされておる。動燃はまずみずからの意識改革が第一に必要でないか。動燃の解体的改革は必要であるが、組織を変え、新法人に移ってもこの意識が変わるわけではない。意識改革には動燃の縦割り運営の見直し、組織、体制における工夫が要るのではないか。これをどう考えるかをお伺いいたしたい。
 一面、動燃が、ウラン採鉱、ウラン濃縮技術や再処理技術研究開発に果たした役割も大きい。これら新法人から分離される職員の安定雇用にも十分配慮する必要がある。これらをどう考えるか。
 高速増殖炉懇談会は、最初に結論ありきの人選との批判を聞いた。新法人の運営審議会委員の認可に当たっては十分な配慮が必要と思うが、どう考えるかを伺いたい。
 動燃の一連の事故は、動燃そのものにも問題があったのは事実である。だが、監督官庁の科学技術庁も大きな責任がある。
 さきの東海の廃棄物のずさん管理で、ドラム缶の地下保管倉庫に水がたまっていることを指摘しながら、十数年も水づけを放置し、あまつさえやってもいない工事の建設から取り壊しの予算まで認めて、十数年も放置しておいた科学技術庁の監督官庁としての責任は一体どうなのか。
 フランスのスーパーフェニックスのナトリウム漏れ火災対策でも現地調査をせず、動燃のナトリウム火災対策の報告を受けて、独自の検討も不十分のまま「もんじゅ」事故に至った監督官庁の責任について「もんじゅ」報告書は何ら触れられていない。科技庁の反省と総括、責任の所在を明らかにした報告書を提出すべきではないか。報告書の再提出を要求する。
 科技庁の監督不十分の原因を考えると、我が国の原子力行政が、政策の推進と安全規制を実質的に同一の官庁が持ち、かつ、原子力安全委員会が十分な規制権限と機能を持たず、スタッフも極めて弱体なところに原因があるのではないか。アメリカの原子力規制委員会は、独立した強力な行政委員会で、三千名のスタッフを擁している。これに比べて我が国の原子力安全規制当局は、余りにも弱体であると言わざるを得ない。政府は、行革、官庁再編の中で、内閣府に原子力安全委員会を位置づけようとしているが、この際、原子力安全委員会を、八条諮問委員会から三条行政委員会に改組、拡充し、強力な原子力安全規制機関を独立させるべきと思うが、どう考えるか。
 「もんじゅ」の運転再開は急ぐことはない。今日、世界が高速増殖炉から撤退しているときに、特にフランスでは、日本の「もんじゅ」二十八万キロワット原型炉に対してもう一段上の百二十五万キロワット実証炉スーパーフェニックスを、技術的、経済的困難さから廃炉と決定をしている。このような中で、「もんじゅ」の運転再開の可否については、国民的論議を起こし、広く国民世論に問う必要があると思うがどうか。
 さて、以下は私の私見であるが、「もんじゅ」は、まず、三年間凍結をする、二、この間、徹底した総点検を行う、三、第三者による検討機関を設置し、事故原因の徹底究明と安全問題につき徹底論議を行い、公開をする、四、原子力安全委員会による安全性の再審査、五、新原子力円卓会議を設置し、再処理、核燃料サイクル、プルサーマル、使用済み燃料中間貯蔵保管、高レベル放射性廃棄物最終処分問題について広範な国民論議の展開、六、この上で、三年後、政府は、「もんじゅ」運転再開の可否を国会に諮る、以上の提言について、動燃改革法案に取り入れる考えはないか。
 重ねて最後に申し上げますが、拙速を避け、国民論議を尽くすことを強く要求して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 辻議員にお答えを申し上げます。
 まず、原子力の国民合意に関する御質問がございました。
 原子力の研究開発を進めるに当たりまして、国民の理解と協力が不可欠であることは、議員御指摘のとおりであります。
 動燃事故により、原子力行政への不信が広がったことは極めて遺憾でありまして、徹底した原因究明、再発防止策を講じることはもとより、十分な情報公開のもとに、原子力に対する国民的合意形成に努力していかなければならないと考えております。
 再処理路線の柔軟な見直しが必要との御指摘もいただきました。
 しかし、資源の乏しい我が国として、将来にわたるエネルギーの安定確保及び放射性廃棄物の環境への負荷の軽減という観点から、使用済み燃料を再処理し、回収されたプルトニウムなどを有効利用することが重要であり、安全確保を大前提にしながら、国民の理解を得つつ、核燃料サイクルを着実に推進してまいりたいと考えております。
 また、高速増殖炉の開発について、二年や三年を急ぐ必要はない、そういう御指摘をいただきましたが、高速増殖炉は、原子力委員会高速増殖炉懇談会の報告書を踏まえて、今後とも、柔軟な計画のもとに、安全確保を大前提に、実用化の可能性を追求するため、一歩一歩着実に研究開発を進め、その成果を蓄積していくことが重要だと考えております。
 プルトニウムの余剰を持たないようプルサーマル計画に振り向けるか、そうしたお尋ねもありました。
 我が国では、原子力開発利用の初期段階からプルサーマルの実施を目指して所要の取り組みを行ってきており、また、欧米諸国における多数の実績も踏まえ、現時点で最も確実なプルトニウムの利用方法として、プルサーマルを着実に推進してまいりたいと考えております。
 また、プルトニウムの大量消費への道を歩めば、国際的な道義的説得力を失うとの御意見がございましたが、我が国では、原子力基本法に基づき、厳に平和目的に限り原子力開発利用を推進しており、国際的には、核不拡散条約上の義務を遵守しております。
 今後とも、平和利用、安全確保に徹しながら、国内外の理解を得てプルトニウム利用を進めてまいりたいと考えております。
 また、プルトニウムのエネルギー利用の見きわめがつくまで使用済み燃料を保管するという御意見がございました。
 しかし、資源の乏しい我が国は、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウムなどを再利用することとしておりまして、まずはプルサーマルを進め、プルトニウム利用を着実に推進することが重要と考えております。
 次に、使用済み燃料の敷地外への搬出時期を法律上明確にすべきであるという御指摘をいただきました。
 使用済み燃料は、再処理するまでの間、適切に貯蔵、管理することが適当であります。現在、発電所外における貯蔵の具体化に努めているところでありますが、各原子力発電所ごとに状況は異なっておりますことなどから、具体的な搬出時期を法律に書き込むというのは適当でないように思います。
 次に、放射性廃棄物対策についてのお尋ねがございました。
 原子力発電所からの低レベル放射性廃棄物は既に安全に処分を実施しており、廃炉廃棄物を含め、それ以外についても処分事業の具体化に努力をいたしております。
 我が国としては、放射性廃棄物管理安全条約の策定にも貢献したところでありまして、廃棄物管理の国際的取り組みにつきましては、引き続き積極的にかかわってまいります。
 次に、高速増殖炉懇談会についての人事に御意見をいただきました。
 新法人の運営審議会の委員についての御質問でありますが、運営審議会の委員の認可に際しましては、業務運営における透明性の確保、機構と社会などとの乖離の防止という審議会の設置の趣旨を踏まえまして、幅広い分野から委員が適切に任命されるよう慎重にチェックし、認可してまいります。
 次に、原子力安全委員会の三条委員会への改組、拡充についてもお尋ねがございました。
 内閣総理大臣の尊重義務など、通常の審議会などより強い権限を有し、数百人の専門家を活用する現在の体制は私は有効だと思っております。
 また、原子力安全委員会は、中央省庁等の再編におきまして内閣府に設置することとされておりまして、その中で機能がより一層発揮されるようにしてまいりたいと考えております。
 最後に、「もんじゅ」の再開に関連し、六つの提言を動燃改革法案に取り入れるべきだという御意見をいただきました。
 これまで原子力安全委員会などにおきまして事故の原因究明が行われてきており、今後は、国の安全審査などを通じて「もんじゅ」の安全性を確認し、その上で運転再開について地元の御了解を得ていくなど、慎重に手順を踏んでいくことが重要であると考えておりますが、法律上年限を切って行うようなものではないと思っております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
#18
○国務大臣(谷垣禎一君) 辻議員にお答えいたします。
 原子力防災特別措置法制定についてのお尋ねがございましたが、原子力施設において環境に影響を及ぼすような事故があってはならないことはもちろんでありますが、地元住民の安全を確保し、また安心していただくために、防災対策は必ず必要であります。このため、国においては、防災基本計画に原子力災害対策編を追加し、防災対策の充実強化に努めてきたところであります。
 今後とも、地元自治体の声も踏まえまして、防災対策の一層の充実強化に積極的に取り組んでまいります。
 それから、動燃の意識改革についてのお尋ねがございました。
 私も、動燃の抜本的改革には職員の意識改革が極めて重要と認識しております。現在、動燃におきまして、自己改革のための徹底した研修活動などを行っております。また、組織、体制につきましても、安全確保と危機管理体制を構築するとともに、本社の縦割り事業部制を廃止するなど、現場責任を徹底した体制としていくこととしております。
 それから、職員の安定雇用についてのお尋ねがございました。
 ウラン濃縮など、動燃で開発された技術成果を民間等に着実に移転するに当たりましては、人材も含めた移転を考慮いたしますが、そのほかの廃止事業にかかわる者につきましても、内部で配置転換するなど、職員の雇用安定には十分配慮してまいります。
 ウラン廃棄物貯蔵ピットの管理問題についてのお尋ねもございました。
 当庁が動燃の現場を把握し、適切な安全監視や業務指導をしていればこのような不祥事を防ぎ得たことから、当庁としても反省すべき点は多いと考え、現在、施設の状況や予算執行の実態を的確かつ継続的に把握できるよう、現場重視の徹底などに取り組んでいるところであります。
 それから、科学技術庁の報告書を再提出すべきとの御指摘がございました。
 フランスのスーパーフェニックスにおいて一九九二年から九四年にかけて行われたナトリウム火災対策について、科学技術庁は、フランスの規制当局の報告書を入手し、「もんじゅ」の設計に反映すべくその内容の分析、検討を行ったものと承知しております。
 一方、問題の温度計さや管の設計、製作を事業者の自主保安にゆだねていたことなど、科学技術庁としても反省すべき点については、平成八年五月二十三日のナトリウム漏えい事故報告書に示しておりまして、その後、安全総点検等、これを踏まえた措置を講じてきたところでございます。
 それから、「もんじゅ」の運転再開を急ぐことなく、国民的議論を尽くせという御趣旨でございました。
 高速増殖炉懇談会では、国民各界各層の意見を聴取しつつ、幅広く審議され、また、報告書の取りまとめに際しましては国民に意見募集しており、その結果として、「もんじゅ」の位置づけを明確にしたところでございます。
 今後は、同懇談会報告書を踏まえまして、「もんじゅ」を活用した研究開発の意義や進め方について、広く国民と対話し、一層の理解が得られるよう努力してまいります。(拍手)
    〔国務大臣小渕恵三君登壇〕
#19
○国務大臣(小渕恵三君) 我が国のプルトニウム利用計画についてのお尋ねでございますが、今後、プルトニウムを使う計画につきましては、現在、関係省庁で国際社会からの批判を招くことのないように対策を立てていると承知をいたしておりまして、この努力を継続していくことが重要だと考えております。(拍手)
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#20
○国務大臣(堀内光雄君) 辻議員の御質問にお答えを申し上げます。
 使用済み燃料の貯蔵施設の立地に関する御質問でございますが、立地地点の選定は、基本的には、事業者によって判断されあるいは検討されて、立地が決められることになっております。
 しかし、議員の御指摘のとおり、エネルギー問題につきましては、供給地だけではなく消費地における理解が極めて重要だと認識をいたしております。
 今後とも、原子力発電立地地域の貢献、あるいは使用済み核燃料貯蔵対策の重要性、こういうものについて消費地の理解が深まるように、さらに努力を続けてまいる覚悟でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 斉藤鉄夫君。
    〔斉藤鉄夫君登壇〕
#22
○斉藤鉄夫君 私は、平和・改革を代表して、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず初めに、先日、米国が行った臨界前核実験に対し、平和・改革は、昨日、抗議声明を発表いたしました。また、報道によりますと、ロシアも臨界前核実験を定期的に実施してきたと原子力省高官が明らかにしました。私たちは、ロシアに対しても強く抗議するものでございます。
 アメリカ、ロシアの論理は、実際に核爆発を伴わないのだから、包括的核実験禁止条約、CTBTに違反しないというものです。しかし、アメリカ、ロシアは、これまでの核実験の莫大なデータの保有があります。臨界前核実験は、そのデータを有効に利用して、より高性能の核兵器を開発するためのものです。核実験データの独占的保有があるから臨界前核実験に意味があるのです。これは、核大国の核保有の固定化とその脅威性を高めるものであり、国際社会の相互不信がより一層増幅されることになります。このように考えますと、臨界前核実験がCTBTの精神に反することは明らかであります。
 総理、我が国は、核兵器廃絶に向けて指導的役割を担っていると思います。臨界前核実験を即刻中止するようアメリカ、ロシアに要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)
 さて、私たち平和・改革は、原子力を否定する立場はとりません。特に、地球温暖化防止のための二酸化炭素排出抑制を考えれば、原子力の重要性は今後いよいよ増してくるとさえ考えております。
 しかし、今国民が原子力を見る目はどうでしょうか。昭和三十年代、被爆国であるにもかかわらず、日本は生まれたばかりの原子力の平和利用に温かいまなざしを向けておりました。鉄腕アトムの妹はウランちゃん、かわいいキャラクターで、まさしく原子力が一つの希望であったことをあらわしています。
 それが今では、例えば大学では、昔たくさんあった原子力工学科という名前はほとんど姿を消し、量子システム工学科とかエネルギー科学科に変わっています。ちょっと聞いただけでは何をやっているのかわからない名前になっています。原子力と名がつくと学生が来ないのだそうです。原子力に対して、国民はかつての温かいまなざしから冷たいまなざしに変わっています。これは、国の原子力行政の失敗を意味していると思います。それを国民が確信したのが、今回の動燃の一連の不祥事です。
 総理、昭和三十年代初期に、国民に温かく迎えられて始まった我が国の原子力平和利用の歴史と、その結末としての今回の動燃の不祥事に対してどのような感想をお持ちかお伺いいたします。
 国の原子力行政の失敗の大きな原因の一つは、研究開発というオープンで自由な競争の場であるべきところに、官僚主導という我が国独特のやり方を持ち込んだ点にあるのではないかと思います。金融業界に対する大蔵の裁量行政と同根の問題だと思います。
 国の金をつぎ込む原子力のようなビッグプロジェクトに、多少の官僚主義が入り込むのはやむを得ないとの意見がありますが、日本は外国に比べ度を越しております。一つは、一度決めたことは世の中の状況がどう変わろうが最後まで変更しないという点です。いい例が原子力船「むつ」です。計画段階では確かに商用原子力船の研究は必要だったのですが、途中で商用原子力船は市場競争力を持たないことがわかっても、日本は当初の計画を変更しない、放射線漏れ事故を起こしてその改修に多大の追加研究費がかかろうとも、当初の計画は絶対に貫徹するというその硬直性です。先輩が決めた方針は後輩が変えられないという官僚主義です。
 米国の場合、世の中の状況とそれに敏感な政治の力によって大きなサイエンスプロジェクトがすぐ変更になる、途中で打ち切りになるということがたくさんあります。その一貫性のなさを外国から非難されるぐらいです。日本と全く逆です。私は、その中間あたりが、税金の有効利用という意味では一番いいのではないかと思っておりますが、いずれにせよ、日本の硬直性は行き過ぎです。
 日本の科学技術国家プロジェクトが官僚主義に陥った二番目の理由は、役所、特殊法人、民間企業一体となった閉鎖性だと思います。私は、日本、米国の両国で国のビッグプロジェクトに参加するという経験を持ちました。民間の一研究者としてです。
 日本の場合、トップにお役所があり、その下に役所から天下りを迎えた特殊法人があり、その下で民間企業の研究者がいるという構成になります。ここでお役所の方針は絶対であり、民間人である私などは、お役所の課長補佐さんなどまさに雲の上の人、声もかけていただけないという感じの中で研究が進みます。フランクな意見交換などほとんどない中で、役所、特殊法人、民間がそれぞれ余り情報の交流、共有がないままおのおの固まって、役所の決めた方針で進んでいくという閉鎖集団ができ上がっていきます。
 米国での経験は全く逆で、能力による厳しい選別はありますが、一たん認められれば役人、マネジメント、民間研究者が他の分野の人も交えてフランクに意見交換し、それが全体の方針変更にも十分つながり得ました。
 私は、ここで原子力及び原子力行政が国民の信頼を回復するためには、この官僚主導、閉鎖性をなくし、原子力基本法にうたわれた自主、民主、公開の原則に立ち返り、オープンな自由競争と議論が重要だと考えますが、総理並びに科学技術庁長官のお考えをお伺いいたします。
 また、動燃改革検討委員会の結論では、一連の動燃不祥事の根本原因を経営の不在と結論づけています。私の言う官僚主導と相通ずるところがあると思うのですけれども、それを克服するために、新しい機構においては、理事長や各事業所長の権限、裁量権を大幅に強化し、科学技術庁は結果を評価、監査するだけとなっています。その点は評価しますが、動燃に限らず他の巨大科学プロジェクトも、動燃と同様の経営不在、官僚主導が存在すると容易に類推できますが、国民の不信を取り除くために今後どのような対策をとられるのか、科学技術庁長官にお伺いします。
 さて、官僚主導を克服し、自主、民主、公開で、透明な科学技術行政、エネルギー行政とするために、二つの側面から質問します。
 一つは、原子力の基本計画を策定する原子力委員会、そして安全規制の立場からチェックする原子力安全委員会、この二つの委員会の問題です。
 本来、行政から独立した存在であるべきですが、現実には、科学技術庁、通産省と一体であると言われております。計画、推進、規制が一つになってしまっているということです。両委員会とも、スタッフも少なく、事務局は科学技術庁がやっているということではそうなるのもいたし方ないわけで、本来の機能を果たしていない。独立した三条行政委員会として機能を拡充すべきで、これが日本の原子力行政の透明化の第一歩と考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
 二番目は、情報公開です。
 官僚化、閉鎖集団化を防ぐもう一つの有効な手段は情報公開です。動燃は情報公開指針を出しましたが、それは研究成果の公表という意味合いのものでしかありません。本当の情報公開は、経営実態や、科学技術庁、通産省とのやりとりである通達、指示、報告などについても行われるべきです。特に、事故隠しや情報改ざんなどにより信用を失墜した後ということを考えれば、経営及び管理にかかわる実態がわかるような資料も対象とすべきと考えますが、科学技術庁長官、いかがでしょうか。
 また、理事長が非公開と判断したものについて、請求者が不服を申し立てることのできる手続についても定めるべきと考えるが、科学技術庁長官、いかがでございましょうか。
 さて、今回の動燃改革において、新しい機構は三つの主要な事業に限定されることになりました。すなわち、高速増殖炉、再処理、高レベル放射性廃棄物です。そしてそのほかの、これまで行ってきた新型転換炉、ウラン濃縮、海外ウラン探鉱などの業務から撤退をすることになりました。
 このうち、ウラン濃縮、海外ウラン探鉱については、技術を民間に移転するとのことですが、コスト意識の高い民間で、国主導で開発された高コストの技術がうまく受け入れられるのか、また、技術は人にくっついているという属人的な性格もあり、技術移転に伴う研究者の移動も不可避と考えられますが、その体制は整備されているのか、科学技術庁長官にお伺いします。
 さて、ウラン濃縮の研究プラントは、山深い、岡山県と鳥取県の県境、人形峠にあります。動燃人形峠事業所です。昭和三十年、ウラン鉱床が発見されて以来、四十数年間の日本の原子力開発の歴史を刻んできたところです。ウラン鉱の採掘そのものは昭和六十二年に終わっていますが、海外産のウランを使ったウラン濃縮研究が続けられています。今回、動燃は、ウラン濃縮研究から撤退し、民間である六ケ所村の日本原燃に移転することにより、この事業所もいずれはなくなることになりました。そして、地元岡山県上斎原村は、今、雇用の不安や、コミュニティーそのものが存続できるかどうかの不安に大きく揺れております。
 私たち平和・改革は、先日、大野由利子科学技術常任委員長を先頭に、人形峠事業所、そして上斎原村に視察団を派遣し、実情を調査してまいりました。ウラン濃縮研究からの撤退、民間への移転という方針は我々も正しいと判断しますが、しかし、これまでその研究開発を支えてきた地域コミュニティーについても、撤退に当たって十分な配慮が必要と感じました。
 上斎原村の人口は約千人、人形峠事業所に働く人は約四百六十人、まさに事業所がなくては存続できない地域コミュニティーになっております。ウラン鉱山跡地という環境上の問題もあります。東海村に並ぶ日本の原子力の原点の地として科学教育上の施設を誘致できないものかとの村長さんの提言もありました。将来にわたる地域コミュニティー対策について科学技術庁長官にお伺いします。
 さて、新しくできる核燃料サイクル開発機構の最大の任務は高速増殖炉です。高速増殖炉にはこれまで一兆円近い国費が投入されてきました。高速増殖炉は、ウラン燃料を今ある軽水炉より数十倍有効に使える夢の原子炉というふれ込みですが、技術的には本当に難しく、商業的に成り立つという意味での実用化のめどは立っていません。うまくいって実用化のめどは二〇三〇年ごろと言われております。
 今、高速増殖炉を研究開発していこうという国は、先日フランスが脱落して日本一国となりました。これからも多額の資金を投入して研究を続けるのか、それともやめるのか、いずれにしても、ここで大いなる議論をすべきと考えています。成功すればこれほどの人類への貢献はないし、失敗すれば投入したお金は基本的にはむだになります。総理及び科学技術庁長官の率直な御見解をお伺いします。
 新型転換炉は、三千五百億円の国費を投入しながら、国会で一度の議論をされることなく、三年前中止になりました。中止されること自体を悪いと言っているのではありません。その決定が、国民の代表たる国会で一度も議論されることなく、科学技術庁、通産省、そして電力業界三者で密室で決められたことが大きな問題であると言っているのでございます。
 高速増殖炉はこれから数兆円かかるプロジェクトです。今回の動燃改革法を契機にこの国会において大いに議論をして決めるべきであると主張して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#23
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 斉藤議員にお答えを申し上げます。
 まず、未臨界実験についてのお尋ねがございましたが、我が国は、核兵器のない世界を目指して核軍縮に努めております。未臨界実験は、核兵器の安全性確保などのために行われるものであり、また包括的核実験禁止で禁止されていないというのが国際認識でありますので、中止の要請は行いませんが、将来の核軍縮の取り組みの中で検討していかなければならないことだと考えております。
 次に、昭和三十年代に始まった我が国の原子力平和利用の歴史、今回の動燃の不祥事に対する感想というお話をいただきました。
 私どもが本当に大学を出るころ、在学中だったと思いますが、原子力の問題がクローズアップされた時期がありました。そして、まさに議員が言われたような思いで私どもはこれを見ておりました。そして、今日まで原子力平和利用に官民挙げて取り組んでまいりました結果として、現在電力の三分の一を賄うなど、その成果は着実に国民生活の向上に寄与していると評価をしております。
 一方、議員から挙げられましたような、例えば「むつ」あるいは今回の動燃の不祥事、こうした事態が原子力に対する国民の信頼を大きく傷つけたこと、こうした点は極めて遺憾でありますし、動燃を抜本的に改革し、早急に原子力に対する国民の信頼回復に努めなければならないと考えております。
 その上で、議員御自身の日米両国のプロジェクトチームに参加をされた体験をもとに、原子力及び原子力行政というものが自主、民主、公開というその原則に戻れ、そうした御指摘をいただきました。そして、オープンな自由競争、自由な論争という点も御指摘になりました。
 私は、その御自身の体験を通じての指摘を重く受けとめたいと思います。
 そして、原子力行政に対する国民の信頼を回復するために、原子力基本法の自主、民主、公開の原則を改めて肝に銘じながら、十分な情報公開と真に国民に開かれた体制のもとで、研究者間においても当然ながらフランクな意見交換を行い、お互いを高めながら、国民の理解と協力を得ながら原子力行政を進めていけるようにするのが重要だと考えております。
 よき御指摘をいただいたとお礼を申し上げます。
 また、原子力委員会及び原子力安全委員会を独立した三条委員会とすべしという御提言をいただきました。
 この点は、私は、内閣総理大臣の尊重義務など通常の審議会などより強い権限を有し、数百人の専門家を活用する今の体制は有効だと考えております。
 同時に、この両委員会は、中央省庁等の再編におきまして内閣府に設置されることとなっており、その中で機能がより一層発揮されるようにしてまいりたいと考えます。
 次に、高速増殖炉について研究を続けるべきかやめるべきか大いに議論すべきではないかという御意見をいただきました。
 高速増殖炉の研究開発の推進に当たり、安全確保を大前提に進めていくことは当然でありますが、その意義や進め方について広く国民と対話し、一層の理解が得られるよう努力することが重要であると考えており、国会でも議論をされるということに全く異論はありません。
 残余の質問については、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
#24
○国務大臣(谷垣禎一君) 斉藤議員にお答えをいたします。
 まず、国民の信頼を取り戻すために原子力基本法の原則に立ち返るべきだという御指摘をいただきました。
 先ほど総理からも答弁申し上げたとおりでございますが、私も、原子力基本法の民主、自主、公開、この原則は何度でも確認しなければならないし、また、御指摘のように、オープンな体制を旨としていくことが一番大事であると思っております。御指摘を正面から受けとめたいと思います。
 それから、次に、巨大科学プロジェクト開発において経営の不在というのが動燃に限らずあるのではないか、そのため、国民の不信を取り除くためどのような対策をとるのかという御質問をいただきました。
 原子力を初めとする巨大科学技術プロジェクトを円滑に進めていくためには、その実施主体に明確な裁量権と責任を付与していくということが必要であると思います。それと同時に、外部の評価を受けるなど、透明性のある運営を図ることが極めて重要であると考えております。
 こういう研究開発体制の実現に向けた環境づくりに努めていきたいと考えております。
 それから、動燃に関する情報公開についての御質問がございました。
 動燃の閉鎖的な体質を改善するため、御質問の中でも触れられましたように、昨年七月に情報公開指針を定めまして、経営に係る情報も含め、積極的な情報公開に努めているところでございます。また、今回の法改正におきましても、「適切な情報の公開」を機構の責務として規定しておりまして、国民の声にも耳を傾けながら、今後一層、情報公開を徹底していきたいと考えております。
 それから、技術移転に関する御質問がございました。
 ウラン濃縮については、これまでも技術移転を進めてきたところでありますが、今後、国際的な競争力を持つためには経済性の向上を図ることが重要でございまして、人材の移転も含めて、円滑に技術移転が進むよう努めてまいりたいと思います。
 また、海外ウラン探鉱につきまして、民間活動にゆだねることを基本に、動燃の技術、人材の扱いについて関係者間で検討を行うこととしております。
 それから、人形峠に関しまして、上斎原村における将来にわたる地域コミュニティー対策についてのお尋ねでございますが、人形峠事業所の整理縮小に伴う地域社会への影響に関する地元の御懸念は十分に認識しております。このため、地域社会への影響緩和を図るよう、上斎原村、岡山県、動燃及び科学技術庁の四者において協議しつつ、事業の整理縮小を進めてまいります。
 それから、高速増殖炉について大いに議論をすべきとのお尋ねでありますが、高速増殖炉については、将来の非化石エネルギー源の一つの有力な選択肢として実用化の可能性を追求するため、研究開発を進めていくこととしております。この研究開発の推進に当たっては、先ほど総理からも述べられましたように、さまざまな場において国民と対話をし、理解を得ていくことが重要であると考えております。
 差し当たって、この法案の審議で大いに御議論をさせていただきたい、このように考えております。(拍手)
#25
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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