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#1
第142回国会 本会議 第30号
平成十年四月十六日(木曜日)
    ―――――――――――――
  平成十年四月十六日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 大規模小売店舗立地法案(内閣提出)、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)及び都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 大規模小売店舗立地法案(内閣提出)、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)及び都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、大規模小売店舗立地法案、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案及び都市計画法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。通商産業大臣堀内光雄君。
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#4
○国務大臣(堀内光雄君) 大規模小売店舗立地法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国の小売業は、需要面ではモータリゼーションの急速な進展と消費者の生活様式の変化により、また供給面では新たな業態の急速な成長等を背景に、大きな構造的変化を遂げつつあります。こうした中、単に規模の経済を追求するよりも、魅力ある商業集積の構築や情報化、システム化を進めることが小売業の競争上重要になっております。
 一方で、周辺の地域住民を主要な顧客とし、地域密着性が高いという特徴を有する小売業が健全な発展を図るためには、地域社会との融和が極めて重要であり、特に、近年、大規模小売店舗の立地に伴う交通渋滞や騒音等の社会的問題への対応について要請が高まっております。これらを背景に、事業活動の調整を行う現行制度の限界が指摘されており、社会的問題に対応し、新たな実効性ある措置を講ずることが必要となっております。
 以上のような観点から、大規模小売店舗の設置者がその周辺の地域の生活環境の保持のための適正な配慮を行うことを確保することにより、小売業の健全な発達を図るべく、店舗の新増設に際し、都道府県等が生活環境の保持の見地から意見を述べるための手続等を定めるとともに、その意見を反映させるための措置を講ずるため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、通商産業大臣は、大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持を通じた小売業の健全な発達を図る観点から、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について指針を定めることとしております。
 第二に、大規模小売店舗の設置者が店舗を新増設する場合には、大規模小売店舗の施設の配置や運営方法等について都道府県等に届け出を行い、その内容を周知させる説明会を開催することとしております。
 第三に、この届け出内容について、市町村、地域住民、事業者、商工会議所または商工会その他の団体等は、都道府県等に意見を述べることができることとしております。都道府県等は、これらの意見に配意するとともに、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、その周辺の地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることができることとしております。
 第四に、これに対する大規模小売店舗の設置者の対応が、都道府県等の意見を適正に反映しておらず、その周辺の地域の生活環境に著しい悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難と認められるときは、都道府県等は、市町村の意見を聞き、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、必要な措置をとるよう勧告できることとしております。さらに、正当な理由がなく設置者が勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。
 なお、このような新たな実効性ある制度が施行されることに伴い、現行の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律は、本法で廃止することといたしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。
 次に、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の地域の発展の中で、中心市街地は、文化、伝統をはぐくみ、経済社会活動を展開する町の顔であり、これまでも重要な役割を果たしてまいりました。こうした中心市街地は、今後とも、快適で利便性の高い生活空間として、また人、物、情報等の活発な交流による新たな経済活動の苗床として、豊かで活力ある地域経済社会の実現に大きく貢献することが期待されます。
 しかしながら、近年、車社会の進展、土地利用の効率化のおくれ、中心商店街の疲弊等を背景として、中心市街地は空洞化が進行しつつあり、その再活性化は我が国が取り組むべき緊急の課題となっております。そして、この課題に取り組むに当たっては、土地区画整理事業や道路等の公共施設の整備と、中小小売商業を初めとする商業の面的な振興のための施策をあわせて実施することが不可欠となっております。
 以上のような観点から、中心市街地について、地域における創意工夫を生かしつつ、市街地の整備改善と商業等の活性化を車の両輪として関連施策を一体的に推進するため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に向けた市町村及び事業者の取り組みに関する基本方針を定めることとしております。
 第二に、市町村は、この基本方針に基づき、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化に向けた基本計画を作成することといたしております。この基本計画には、本法律案に基づく措置を講じようとする中心市街地の位置及び区域、当該中心市街地において実施されるべき市街地の整備改善及び商業等の活性化のための事業の内容等を市町村が定めることとしております。
 第三に、市町村の作成した基本計画に定められた中心市街地の整備改善等を促進するため、土地区画整理事業を活用した公共施設の整備促進、地域振興整備公団による施設等の整備、都市公園の地下駐車場の整備を円滑化する手続の特例、都市再開発資金貸付制度の拡充等の措置を講ずることとしております。
 第四に、主務大臣の認定を受けた商業等の活性化のための特定事業計画及び中小小売商業高度化事業計画について、これらの事業を促進するため、産業基盤整備基金による債務保証等の実施、中小企業設備近代化資金貸し付けの特例、中小企業信用保険の特例、食品流通構造改善促進機構の業務の特例、道路運送法等の許認可の特例、通信・放送機構の出資、課税の特例等の措置を講ずることとしております。
 その他、国及び地方公共団体は、地域住民等の理解と協力を得るとともに、民間事業者の能力の活用を図るよう配慮し、また、施策全体にわたって総合的かつ相互に連携を図ることといたしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 建設大臣瓦力君。
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
#6
○国務大臣(瓦力君) 都市計画法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、地域の実情に的確に対応した市街地の整備の推進を図るため、特別用途地区の多様化及び臨港地区に関する都市計画の決定権限の見直しを行うとともに、市街化調整区域における良好な居住環境の維持及び形成を図るため、地区計画の策定対象地域及び開発許可の対象範囲の拡大を図る等の措置を講ずるものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の多様なニーズに対応し、用途地域の指定を補完してきめ細かな用途制限を実現するため、特別用途地区の類型をあらかじめ法令により限定せず、具体の都市計画において定めることができるものとしております。
 第二に、重要港湾以外の港湾に係る臨港地区に関する都市計画について、その決定権限を都道府県知事から市町村に変更することとしております。
 第三に、市街化調整区域における地区計画の策定対象地域について、小規模な事業が行われる土地の区域及び建築物の建築等が無秩序に行われ不良な街区の環境が形成されるおそれがある土地の区域を追加するとともに、地区計画適合行為を市街化調整区域における開発許可の類型に追加することとしております。
 以上が、都市計画法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 大規模小売店舗立地法案(内閣提出)、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案(内閣提出)及び都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#7
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。島聡君。
    〔島聡君登壇〕
#8
○島聡君 私は、民主党を代表し、ただいま趣旨説明されました大規模小売店舗立地法案、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律案、都市計画法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問を行います。
 流通環境が激変する中、大店法の運用強化が行われた一九八二年から運用基準の見直しが行われた一九九四年にかけて、従業者四人以下の零細小売店舗数は一貫して減少を続け、率にして約二二%の減少、実に三十一万四千の店舗が閉鎖に追い込まれております。これは、商店が五軒あれば、そのうち一軒が店を閉ざしたことを意味します。かつてにぎわいのあった駅前商店街がゴーストタウンのようになってしまったのを見て、胸を痛めているのは私だけではないはずであります。
 戦後の日本は、あらゆる問題を保護政策の枠組みで考えるという産業規制を政策の中心としていました。すなわち、商業・流通政策は、産業に対する規制、保護、助成の制度を中心に組み立てられていたのであります。大規模店舗法は、その目的においては「中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もつて国民経済の健全な進展に資すること」と定めておりました。果たして小売業の正常な発達がもたらされたのかどうか。答えは明白であります。前述のように、二二%、十二年間に五軒に一軒が店を閉鎖しています。このような中小小売業の衰退をもたらしたのは、政府・自民党の流通・商業政策の失敗にほかなりません。
 保護政策に名をかりた不自然な競争の制限は、流通コストと販売価格の上昇を通じて消費者利益を奪い去り、さらには、高コスト構造による日本経済全体の国際競争力の低下をもたらしました。要するに、商店、商店街も守れず、消費者の利益も尊重できず、日本経済に高コスト構造を残し、海外からは参入障壁として非難されるという最悪の、だれをも満足させない仕組みが政府・自民党の商業・流通政策であり、この愚かな政策が、既得権を基盤とする政府・自民党の改革意欲のなさゆえに、今日まで惰性で存在し続けてきたのであります。このような五軒に一軒が店を閉鎖しているという現実を目の前にして、大店法が施行されて以降の我が国の流通・商業政策についてどのような認識を持っておられるのか、通産大臣だった御経験をお持ちの橋本総理に、まず御所見をお伺いいたします。
 さて、豊かな生活を実現するために、消費の分野における価格構造の偏りを是正するのは急務であります。流通部門の規制緩和は、コスト低下に伴う需要増大によって実質GDPを一・五%押し上げるという民間研究機関の試算がございます。これは、国税、地方税合わせて七兆五千億円規模の恒久所得減税を実施したのと等しい効果であります。言いかえれば、政府・自民党がこれまで既得権益の擁護に固執し、流通部門の規制緩和がここまでおくれたばかりに、この間当然得られた消費者、生活者の利益が雲散霧消してしまったことにほかなりません。また、口先だけで抜本的な規制緩和を実行できない限り、今後とも規制緩和の恩恵に消費者が浴せないのは明白であります。
 そもそも大店法の見直しによる流通の規制緩和は、政府・自民党の自発的な改革によるものではなく、一九八九年から九〇年にかけての日米構造協議において日本市場の参入障壁の撤廃を強く求めたアメリカ政府の要請、すなわち外圧によるものであったということを忘れることはできません。我々民主党は、生活者、消費者、納税者の立場を代表し、ゆとりと豊かさの中で人々の個性と活力が生きる共同参画社会の実現を目指しております。これに対し、政府・自民党は、消費者、生活者などサイレントマジョリティーの声には耳を傾けず、かつアメリカに言われるまでは何もできないということが、今回の大規模店舗法の一連の対応によって明らかになったわけであります。(拍手)
 昨年十一月十四日、アメリカ政府は、規制緩和、競争政策に関する日米次官級協議で大店法の完全廃止を要求したと伝えられております。つまり、アメリカ政府は、大店法を橋本政権の規制緩和の姿勢を判断する試金石として位置づけているということであります。ところが、ポスト大店法の制度的枠組みの運用主体は地方自治体になりますから、運用次第では規制強化にもつながりかねないという懸念が指摘されています。規制強化を打ち出す地域が出現した際には、地方分権という言葉を逃げ口上として地方に責任を押しつけるおつもりなのか、それとも、実質的な規制緩和になるよう何らかの手だてを考慮し規制緩和の模範とすべきであるとお考えか、総理の御所見を伺います。
 今回の大規模店舗立地法案は、経済的規制から、出店周辺地域の環境変化や環境保全など社会的規制の観点から地域の意思を反映させるという方向を打ち出した点は、確かに政策転換だと言えます。しかし、地域住民みずからが大型店出店による生活環境への影響予測を行って意見書を取りまとめるのは困難であります。地域住民が客観的な影響調査の結果を容易に入手できるよう、情報公開をあわせて行うことが必須と考えますが、通産大臣に見解を伺います。
 また、法律案では、住民は意見書の提出でしか関与できない制度となっていますが、町づくりの観点からは、地元の住民同士の話し合いこそが非常に重要です。大規模小売店舗出店に伴う住民意見、都市計画の策定、中心市街地活性化の基本計画の策定など、それぞれを整合性のある内容とするためにも、計画策定の受け皿として住民各層の代表が参加する例えば町づくり推進会議のようなものを常設し、決定に際しては会議の意見を尊重するなど、十分に地元住民の意見を取り入れる制度を導入すべきと考えますが、関係大臣である通産大臣、建設大臣の御見解を伺います。
 次に、大規模小売店舗立地法案の第四条におきましては、通産大臣は、店舗の設置者が配慮すべき事項を指針によって示すこととされております。配慮すべき事項としては、店舗の施設の配置及び運営方法に関する事項、具体的には駐車場など地域住民、商業の利便を確保するために配慮する事項と騒音の発生など生活環境の悪化の防止に配慮する事項が掲げられておりますが、そもそもこの法律案で、周辺環境への影響を除去できないと認められる場合、大規模小売店舗の立地そのものが変更できるかどうか、御見解を伺います。
 地域の良好な生活環境、住環境の確保は、町づくりの重要な課題と理解しております。しかし、生活環境や住環境に影響を与える施設は、何も大型の小売店舗に限るわけではありません。飲食店や娯楽施設などさまざまなサービス業など、あらゆる大型建築物に共通する問題であります。大型店舗のみを対象としてこのような環境規制の法律を制定することは、社会的公平性の見地からいえば大いに議論の余地があるところでございますが、なぜ大型店舗のみを問題とする立法が必要なのか、御説明をいただきたいと思います。
 次に、中心市街地活性化法案についてお尋ねいたします。
 今、全国各地の中心市街地商店街は衰亡の危機に瀕しております。中小企業庁の実態調査によれば、調査対象となった約二千カ所のうち、空き店舗が一割、十分の一を超える商店街が実に全商店街の三割を超しております。一商店街当たりの空き店舗は平均で五店となっています。商店街における空き店舗は、がん細胞のように商店街全体にダメージを与えます。閉ざされたシャッターの前はいつの間にか駐輪場になり、さらに掃きだめにまで変わって、やがて商店街をむしばみ、かつての繁栄をした商店街がゴーストタウンのようになっております。
 競争環境の激化、消費者ニーズの多様化、後継者不足など、小売商業を取り巻く環境は極めて厳しいものがありますが、その上、有効な景気回復を実現できない橋本政権の無為無策が、中心市街地商店街の苦境に追い打ちをかけているのが実態であります。
 市街地の商店街は、私の地元でもそうでございますが、七夕祭りや秋祭りなど地域の歴史や文化の重要な担い手であります。商店街の空洞化は地域の均衡ある発展にとっても深刻な問題であり、中心市街地の商業集積にいかにして活力を取り戻すかは、緊急の課題となっております。
 そもそも、この法律案は、中心市街地活性化といいながらも、十一省庁の各種助成プログラムの寄せ集めにすぎません。この施策では、国が公共事業予算を地方に配分し、地方の側では中央からの補助金に依存するという構造を再生強化するに終わることが目に見えております。それどころか、十一省庁間のセクショナリズムがそのまま地域に持ち込まれる分だけ、状況はさらに悪いと言えます。どのようにこのセクショナリズムを乗り越えるのか、内閣の責任者であります総理にお聞きします。
 地方分権の推進の立場に立つこれからの地域振興策では、地域の自主性と独創性を生かし、自立しようとする地域を国が支援するという仕組みへの転換が不可欠であります。中心市街地活性化においても、例えば国は町づくりの人材育成に予算を集中投資し、特性がそれぞれに異なる全国の地域が町づくり指導者とともに長期にわたって自助努力ができるようにすべきと考えます。また、仮に補助金を交付するにしても、使途に制限を設けない一括交付にした方がよほど効果的と考えますが、いかがでしょうか。
 さて、不振にあえぐ中心市街地の商業に活気を取り戻すには、何といっても個人消費の活性化が最も効果的であります。しかし、総務庁の家計調査では、本年二月のサラリーマン世帯の平均消費性向は六八・四%、一九七〇年以降では最低の水準に落ち込んでいます。これは橋本総理の経済失政によるものです。
 アメリカのレーガン大統領、イギリスのサッチャー首相は、規制緩和と大幅な減税を一体的に行い、まず経済に活況をもたらすことによって円滑な経済改革に成功しました。ところが、我が国においては、総理の判断ミスにより経済を政策不況に突入させたため、改革に伴う痛みが国民に耐え切れないほどの大きな痛手となっています。橋本政権の経済運営は、常に三カ月から半年、タイミングがずれています。今回も、今ごろになって減税を持ち出すありさまで、総理は常に決断の失敗をしております。政策不況、消費の減退が苦境に立たされた商店街、中心市街地をさらに衰退させるのは、残念ながら間違いありません。
 橋本総理は、昨年一月、第百四十回通常国会の施政方針演説において「変革と創造の実現のために、困難を乗り越えるリーダーシップを発揮することは政治の使命」であると述べておられます。言うまでもなく、政治的リーダーシップには結果責任が伴います。政治家としての政策選択の結果責任を重く受けとめ、みずからの判断ミスが招いた災いの責めを負い、潔く職を辞して、橋本総理は政治の結果責任を見事に全うしたと後世の政治家に範を示すお考えが総理におありなのかどうか。今まさに、総理が職を辞されることが、最大の景気対策であると同時に、最高の政治改革であります。歴史の審判にたえ得る明確なお答えを期待して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 島議員にお答えを申し上げます。
 まず、大店法施行以来の流通政策に対する御指摘がございました。
 大店法は、大型店と周辺の中小のお店及び消費者との間の経済上の利益を調整する制度として、逐次、法改正や運用の見直しなどを行いながら、一定の役割を果たしてまいりました。しかし、消費者ニーズの多様化、大型店の出店に伴う生活環境への影響緩和への要請の高まり等時代の変化に対応するため、経済的規制としての現行の大店法からの転換を図り、今回、国会に提出をさせていただきました法律案などにより、地域社会と調和のとれた大型店の出店や、町の顔としての中心市街地の活性化などのために実効ある新たな制度を構築する、そうした考えに基づくものであります。
 ポスト大店法の地方自治体による運用についてもお尋ねがございました。
 今回の措置は、規制の強化あるいは緩和のいずれかを一義的に意図するものではございません。大店法による経済的規制から視点を転換し、都市計画法の改正を含むいわゆるゾーニングの手法と大店立地法によりまして、大型店の適正立地と周辺の生活環境の保持が地域の考え方に基づいて適正に行われ得る新たな制度を用意しようとするものであります。
 中心市街地活性化法案についての各省庁のセクショナリズムについてもお尋ねがございました。
 本法に基づく各種施策は、地元の市町村が作成する基本計画に盛り込まれた事業に対して、地元の主体性を尊重しながら支援を行うものであります。このため、関係省庁連絡協議会を設置して本法の政府における窓口を一元化するなど、各省庁の連携を確保しながら総合的かつ重点的な支援を行うよう考えております。
 町づくりの人材育成についての件でありますけれども、地域の自主性と独創性を生かすためには、幅広い知識と豊富な経験を有する町づくり指導者の育成が重要であります。このため、町づくりの専門家の育成、活用を積極的に図るとともに、地方公共団体の職員の研修の充実など人材の育成を図ってまいります。補助金の交付に当たりましても、地方公共団体の自主性を生かし、これを支援するよう努めてまいります。
 政策の責任をとって辞任すべきだという御指摘をいただきました。
 今後とも、責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努めてまいります。
 なお、私は、今この大事なときに政治的な空白をつくるべきではないと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#10
○国務大臣(堀内光雄君) 島議員にお答えを申し上げます。
 大店立地法について、地域住民に対する情報公開をあわせて行うべきとの御指摘でございますが、本法律の適切な運用のためには、大型店の出店について地域の住民の方々から幅広く生活環境面での意見を聴取することが重要であります。こうした観点から、大型店の設置者による新設等の届け出については、添付書類を含め、都道府県がその内容を一般にごらんいただけるように公告縦覧することといたしております。さらに、設置者に出店地での説明会の開催を義務づけているところであります。このように、地域の住民の方々が意見を述べるに当たっては、必要な情報の入手が可能となるように法律上手当てをいたしております。
 また、町づくり推進会議の制度を導入したらどうだという御意見でございます。
 大店立地法におきましては、その運用主体である都道府県等に対しまして、地域住民等幅広い各層からの意見提出ができるような手続を規定いたしているところでございます。また、中心市街地活性化法に基づいて市町村が基本計画を策定するに当たりましても、市町村の住民の幅広い意見が反映されることは重要であると考えております。他方で、地域住民の意見を具体的にどのように反映させていくかについては地域の判断にゆだねられるべきであり、御指摘のような会議を全国一律に設けていくということは適当でないと考えております。
 大店立地法により大型店の立地そのものを変更させることができるかどうかというお尋ねでございます。
 今回の政策転換におきましては、改正都市計画法を初めとするいわゆるゾーニングの手法をとりまして、立地の適否を決め得る仕組みを用意いたしました。これらをクリアした場合について、大店立地法により周辺の生活環境の保持を図ることといたしております。したがいまして、大型店の立地そのものについては、都市計画法等のゾーニングの手法によって対応すべきものであると考えているところでございます。
 また、大店立地法について、大型店舗のみを対象とする理由についてのお尋ねがございました。
 大型店舗は、生活利便施設であるために、生活空間から一定の範囲の近接地に立地をされることが不可欠でございます。また、不特定多数の来客、車の利用度の高さ、大規模な物流など、他の大型建築物とは物理的に一線を画する実態を有している施設でございます。これに加えまして、大型店舗が周辺の生活環境に及ぼす問題が現に顕在化している実情にも着目をいたしまして、今回、大型店舗について固有の制度を構築することにいたしたものであります。(拍手)
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
#11
○国務大臣(瓦力君) 島議員から、都市計画、町づくりにおける住民参加の拡充についてお尋ねでございますが、町づくりを進めていく上では、地方公共団体、特に市町村が住民の意見を十分反映させながら主体的に推進していくことが重要であると認識をいたしております。
 近年におきまして、住民参加型の町づくりの要請が高まっていることにかんがみまして、地方公共団体が町づくりを進める際には、地域住民による協議会組織との連携の強化や、市町村における都市計画のマスタープランの策定過程での住民意見の反映など、取り組みを進めてまいるつもりでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 中野清君。
    〔中野清君登壇〕
#13
○中野清君 改革クラブの中野清であります。
 私は、平和・改革を代表し、大店法廃止後のスキームである中心市街地活性化法案及び大規模小売店立地法案、都市計画法の一部を改正する法律案について、日本の中小小売商の一人として三十八年間商業の現場に立ち、川越市商店街連合会長として大店法成立から廃止に至る今日までをこの目で見、実際に体験してきた商業者の立場も踏まえて、総理及び関係大臣に質問いたします。(拍手)
 今日、我が国には一万九千近くの商店街があります。そのほとんどが大きな転換点に立っております。平成三年に百六十万店だった商店数が、わずか六年後の平成九年には百四十二万店と、十八万店も激減をしてしまいました。しかも、そのほとんどは中小の商店であります。また、五年前に比べまして、空き店舗が増加している商店街が半数近くに上り、さらには、平成の大不況下で大多数の商店街が後継者難、売り上げ減と、前途に希望のない停滞感に覆われているのが現状であります。
 私が商業の現場で長年携わった経験からいえば、最大の理由は、何よりも政府の今日までの町づくりに対する関心の低さ、一口に言って都市政策における理念の欠如と政府の今日までの大型店対策や商業対策の貧困さにあると思います。総理、この結果、これまで地域社会の振興に重要な役割を果たしてきた商店街が疲弊いたしております。
 総理は、ふだん、商店街の書店で本を購入され、時々には町中の商店街を歩かれるとも聞いております。総理の実体験、総理の目を通して見た現今の商店街をどう感じていられるのか、このことについて総理はどのような認識を持っておられるか、お伺いいたします。特に、大店法の廃止を含む大型店に関する政策転換が昨年末答申をされましたが、大店法が果たしてきた役割と廃止による影響についてどのような認識をされているか、改めてお伺いいたします。
 私は、本来ならば都市計画法等の法体系の中で位置づけられるべき町づくりの視点からの大型店適正立地への施策がほとんどなかったために、大店法のみがその代替をさせられ、犠牲を強いられてきたと思っております。そのため大店法は、アメリカなどから、規制緩和の名のもとにいわれのない強い非難まで浴びせられました。
 米国の各都市は、独自の都市計画法や環境法で我が国より強力に大型店を厳しく規制をしております。しかるに、クリントン大統領が通商政策等の基本方針を示す年次リポートの中で、立地法について大規模店の規制の継続に使われる可能性が高いとの懸念を示していますが、米国の言う懸念とは、大型店を日本が米国と同じぐらいの規制もしてはいけないということでしょうか。全く矛盾した姿勢であると思いますが、政府の御見解をお伺いいたします。
 また、町づくりの観点から商業施設の立地の適正化を図るため都市計画法体系に基づく規制が緩やかであったため、大型店は町づくりの視点からいえば無計画に力の論理のままに出店し、その結果、いわゆる商店街が衰退していき、中心市街地が寂れ、一言で言えば町壊しのような今日の状況をつくった責任の一端というものは、政治、特に政府にあると思います。かつて通産大臣として大店法を運用なさった総理の御所見をお伺いをいたしたいと思います。
 私は、昨年、商店街・街づくり部会の一員として、ニューヨーク、ボルティモア、ピッツバーグ等々アメリカの各地を視察してきましたが、私の率直な印象と問題意識といたしましては、今この時期に大店法を廃止し、今回の都市計画法の改正と立地法を制定するだけで、大型店の立地の適正化が果たして本当にうまくいくのだろうか、本当に調和ができるのだろうかという点であります。これらの課題を中心に、以下御質問いたします。
 まず、都市計画法改正で特別用途地区の弾力化がうたわれ、大型店の立地の適正化が図られることとされておりますが、特別用途地区を定められるのは全国土の四・六%を占める用途地域の狭い地域に限定されており、大型店の立地、配置の適正化は極めて限られていると言わざるを得ません。
 加えて、全国約三千三百の自治体の中で、都市計画区域を設定していない自治体は千三百にも上ります。政府は、このような都市計画区域外、未線引き都市計画区域や市街化調整区域など、都市郊外への大型店の出店を全く想定していないか、またはあえて誘導しているかのようにさえも見受けられます。私は、これらの地域に今まで以上に大型店がどんどん出店するのではないか、そして地域の生活環境を、そしてまた町を破壊するのではないかと懸念をしております。
 特に、農林水産省は、農地転用許可の制限が弱い農用地区域外の農業振興地域、いわゆる農振白地地域にもっと制限を課すべきではないか、また、農業地域、森林地域について地方自治体が独自のゾーニングや一定の開発規制を行う、いわゆる町づくり条例を作成することをどう考えているか、お伺いをいたします。
 また、建設省では、都市計画区域内の白地地域及び都市計画区域外ではどう対処していくのか、また、これらの地域においても町づくり条例を作成することについてどう考えているのか、お伺いをいたします。
 今、仮にマスタープランがなくとも、特別用途地区の指定はできます。しかし、全体的なグランドデザインともいえるマスタープランがないというのは、羅針盤のない船のようなものであります。マスタープランの策定を促進するとともに、極めて重要な位置づけを有するマスタープランをより具体化、現実化するためには、都市計画区域の内外を問わず、各市町村の全体的な視点から町づくり条例や町づくり要綱を制定することにより、住民の意思をより反映させ、確かな町づくりを強力に推進すべきと考えます。この点をあわせてお伺いいたします。
 次に、大規模小売店立地法の運用について通産大臣にお伺いいたします。
 まず、立地法の中核をなす事項について指針と省令にゆだねられておりますが、本来は法案に記載すべき重大な内容を含んでおり、より具体的につまびらかにすべきと考えます。特に、立地法四条の指針については都道府県の運用のガイドラインになるものであり、また第五条の届け出事項における店舗の配置等運営方法に関する通産省令の内容は都道府県の調整事項との関係が極めて密接であるため、でき得る限り多岐にわたる事項を記載させる必要があるとともに、関係者の意見を広く反映させるべきと考えますが、通産省のお考えを伺います。
 さらに、立地法で大型店の出店に際して、交通渋滞、駐車場、ごみ問題、騒音等の生活環境に与える影響を取り上げているのは当然であります。しかし、住民が大型店出店による生活環境への影響予測を行い、意見書をまとめても、それがどう実現されるかは現状では保証できません。私は、地元住民が容易に理解できるナショナルスタンダードとしての明確な基準をつくるべきと考えます。また、大型店が出店するときだけでなく、出店後に生ずる環境問題もフォローすべきと思いますが、御意見をお伺いいたします。
 また、立地法における社会的規制は、生活環境だけでなく、町づくりの視点から全体的に考える必要があるのではないでしょうか。例えば中心市街地活性化法を活用した町づくりとか、それ以外でも市の再開発プランによるショッピングセンターと競合するときなど、立地法は、需給調整だけでなく、主として町づくりの視点から調整できるのではないか、またすべきではないでしょうか。指針において町づくりの観点がどのように反映されるのか、お伺いいたします。
 また、立地法では、法の趣旨を踏まえない明らかに確信犯的な出店者が都道府県の勧告を無視した場合は、公表どまりで法的担保はとられないことになっておりますが、これでは不十分であり、罰則による実効性の高い担保が必要であると考えます。さらに、出店者、地元住民双方ともに不服を申し立てる手段がないのは問題であります。地域の生活環境の保持、町づくりの目的を実現するためにも、不服申し立ての制度は不可欠であります。御見解を承りたいと思います。
 さらに、地方公共団体の施策に関する立地法十三条の規定の解釈としては、この規定を拡大解釈すべきではないという立場でお伺いをいたします。運用によっては、地方の町づくりに対する意欲やコンセプトが失われる懸念もあります。地方分権を推進しようとする今日、自治体の独自の施策を尊重すべきであると思いますが、御見解をお伺いいたします。
 そして、本法の施行期間についてですが、二年間で特別用途地区の設定が可能なのでしょうか。現在のところ、都市計画法改正に関する市町村や都道府県の反応が極めて鈍いと聞いておりますが、この点、地方自治体の今後の対応状況についてはどう考えるのか、また、今後の指導、啓蒙の方針について建設大臣にお伺いをいたします。
 最後に、大店法が消えるときに、商店街が唯一の希望のよりどころとする中心市街地活性化についてお伺いをいたします。
 第一に、中心市街地における問題点と商店街の果たすべき役割について総理はどのように御認識になっているか、お伺いをいたします。
 商店街を地域社会の共有財産と考え、その永続性を図っていくことが中心市街地活性化の核となるというのは、先進国共通の理念でもあります。このまま中心市街地が衰退すると、都市の顔がなくなり、住民にとって何の魅力もない都市になり、これまでの地域整備投資がむだになり、都市の安全や治安を脅かすおそれがあるといったマイナスの影響を招くことになります。
 今、中小商店主は、特に中心市街地において面的な活性化が講じられ、市民のコミュニティーの場を復活し、商店街が再生されることを特に期待をいたしております。今後の中心市街地のあり方と今後のあるべき問題点を政府としてどのように対応しようとするのか、今、特に中心市街地整備に関するルールの確立、地方自治体への財政支援をどのように考えているのか、政府の決意をお伺いいたします。
 第二に、先ほど述べましたように、大店法が廃止されて、これにかわるべきものとして出された立地法の規制内容が極めてあいまいであり、都市計画法の改正も特別用途地区の弾力化のみにとどまっているなど、大型店の立地規制は極めて不十分なものになっております。そうした状況のもとで、中心市街地活性化が果たしてどの程度可能なのでしょうか、甚だ疑問であります。大型店の郊外立地等の問題をあいまいなままにして今後も今まで以上の大型店の拡大を黙認するようでは、幾ら政府が一兆円を超える支援策を実行しても、中心市街地の活性化はできません。多くの商店街の疲弊に歯どめがかかりません。住民の意向を反映し、安全で美しく、そして人間のぬくもりのある住みよい町づくりは望めないのではないでしょうか。今後、共存を求められる大型店の適正立地化の実現と中心市街地の活性化について、総理の総合的な観点からの御見解をお伺いいたします。
 終わりに、日本の多くの中小商業者は、店は客のためにありと、長年の間お客様を大切にし、地元を愛し、地域とともに生きてきました。そして、大型店と共存を願うものでしたが、結果として中小商店の著しい衰退を招きました。大店法が廃止され、中心市街地活性化法等新たなスキームがつくられようとする今、コンビニや大型店のみが伸び、中小小売店主は前途に希望を失いつつあります。
 私は、売り上げ減や貸し渋りで苦悩するこの日本の商人たちに一日も早く希望と活力を与え、真の中心市街地の活性化による町づくりを進展させるのが今後の政治の果たすべき使命と責任だと思うのでございます。この点に関する総理の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#14
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 中野議員にお答えを申し上げます。
 御自身の長い体験を踏まえた御質問、冒頭敬意を表します。
 そして、商店街の現状認識及び大店法の役割とその廃止の影響などについて、冒頭お尋ねがありました。
 近年、自家用車の普及でありますとか消費者行動の変化等を背景にして商店街の空洞化が深刻化している、自分の目で見ましてもそのとおりであり、これを深く受けとめております。また、大店法はその時代その時代において一定の役割を果たしてきたと私は思いますけれども、時代の変化に応じて経済的な規制である現在の大店制度を転換する、そして生活環境問題への対応等、大型店と地域社会との調和を図る制度に転換させることが適当だと考えました。
 同時に、大店立地法に対する米国の姿勢についてお尋ねがございましたが、米国の懸念は、大店立地法が実質的に経済規制として運用されるのではないか、そういうものだと承知をしております。大店立地法は、交通渋滞でありますとか騒音問題等の生活環境に与える問題に対処するものであり、国際的にも認められている考え方によるものでありまして、その適正な運用に努めていきたいと思います。
 また、商店街や中心市街地の今日の状況に関する政府の責任についての御指摘がありました。
 商店街等の衰退にはさまざまな要因があると考えられますし、政府として、その時々の状況に応じながら商店街振興あるいは大店法の見直しなどに努めてまいりました。しかし、その結果、現在、御指摘のような状況がある。その商店街の深刻な状況、御指摘は真剣に受けとめながら、今回、中心市街地活性化法などを提出させていただきました。
 次に、中心市街地における問題点と商店街の役割という点を、御自身の体験から地域社会の共有財産と形容されながらの御指摘がありました。
 商店街の疲弊や居住人口の減少、公共公益施設の郊外移転等、近年、各地の中心市街地におきまして都市機能の空洞化が進展し、町の顔が失われかねない危機的な状況にあると認識をいたしております。こうした中で、地域住民の生活や交流の場である商店街の再生、振興を図ること、これは中心市街地活性化の極めて重要なテーマであると受けとめております。
 そのあり方につきましては、今後、中心市街地は、商業機能を活性化するとともに、生活空間としての市街地という考え方のもとに総合的に整備することが必要であると思います。このため、商業振興策とあわせて、土地区画整理事業などの市街地整備のための事業を一体的に推進することが重要だと考えておりまして、今後とも、関係省庁が連携しながら地方自治体への必要な財政支援を積極的に講じてまいります。
 また、大型店の適正立地と中心市街地の活性化についても御意見をいただきました。
 今回御提案を申し上げております都市計画法の改正を含むいわゆるゾーニングの手法、そして大店立地法によりまして、地域の考え方に基づく大型店の適正立地と周辺の生活環境の保持が十分図られると考えています。これに加えまして、中心市街地活性化法の制定等による支援策により地域の創意を生かした地域づくりが進む、私はそのように考えております。
 また、お客様というものに対する中小小売店主の考え方として、店は客のためにあるという言葉を引いて、これからの決意をお尋ねいただきました。
 中心市街地等の商店街あるいは中小小売商業は、地域文化の保存、伝承などを通じて、町の顔としての重要な役割を今日までも担ってきました。今日でも担い続けております。このような商店主の皆様が、将来への希望と熱情を持って望ましい町づくりの実現に貢献していくことができますように、政府として、また政治としても積極的に支援していかなければならないと考えております。
 残余の御質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#15
○国務大臣(堀内光雄君) 大店立地法の指針あるいは省令の策定に関する御指摘についてでございますが、大店立地法が適正に運用されるためには、御指摘の指針あるいは省令の内容が実態に即したものとなることが不可欠でございます。詳細なこれらの事項を法律案に記するということはなかなか困難ではないかと思います。ただし、これらの内容について慎重かつ十分な調査検討を行いまして、そのプロセスの中で、幅広い意見を踏まえて策定することといたしたいと考えております。
 次に、ナショナルスタンダードとしての明確な基準をつくるべきだという御質問でございますが、大店立地法におきましては、周辺の地域の生活環境の保持を図るという観点から、大型小売店舗の設置者が出店等に当たりまして配慮すべき事項を指針として定めることといたしております。大店立地法においては、この指針をよりどころとして大型店の設置者が示す実際の配慮事項について周辺の住民や市町村等が意見を提示することとなっておりますが、御指摘のように、基準となる指針の内容は、できる限り関係者にとって明確かつ具体的なものとしていきたいと考えております。
 次に、指針における町づくりの観点の取り扱いについてのお尋ねでございますが、御指摘の町の構造上の視点から大型小売店舗の立地の適否を判断するという意味での町づくりについては、主として、都市計画体系による地域の判断に基づく柔軟なゾーニング手法の活用によることとなってまいります。他方、立地の適否についての判断ではなくて、周辺の地域の住民の利便、商業その他の業務の利便あるいは生活環境の保持、こういうような意味での町づくりという面への配慮については、今後、その具体的な内容について大店立地法の指針の中で明らかにしていくこととなってまいります。
 次に、実効性の担保及び不服申し立て制度についてのお尋ねでございますが、小売業は周辺の住民を顧客として、当該地域での評判がその競争力に大きな影響力を与えるものであるということを考えますと、勧告、公表という制度によって実効性を確保することができるのではないかと考えております。他方、本制度は、生活環境の保持の観点から住民の方々の意見を幅広く聴取をいたしまして、出店者の自主的な対応を促すところに本旨がございます。行政上の不服申し立て制度を設けることはなじまないのではないかと考えているところでございます。
 最後に、地方自治体の独自の施策を尊重すべきであり、大店立地法第十三条の規定を拡大解釈すべきではないとの御指摘でございますが、大店立地法は、大型店の周辺における生活環境上の問題に対処するために国として共通の手続、ルールを定めるものであります。大店立地法第十三条の規定は、生活環境保持の観点から、地方自治体が施策を講ずるに当たって、需給調整的な観点による本法の乱用が行われないことはもとより、ナショナルスタンダードとしての本法の趣旨を尊重するように求めるものでございます。したがいまして、本規定がこうした趣旨を離れて拡大解釈をされ、そして不当に地方自治体の施策を制約するものであってはならないということは、先生御指摘のとおりだと存じております。(拍手)
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
#16
○国務大臣(瓦力君) 中野議員から二問ございまして、まず、大型店の適正立地に関しまして、都市計画区域内の白地地域及び都市計画区域外でどう対処するかというお尋ねでございますが、建設省といたしましては、今後、都市計画区域を適切に定めるとともに、未線引き都市計画区域におきましても必要に応じた用途地域の指定を行うなど、良好な町づくりを進めるため、都市計画制度を地方公共団体に的確に活用していただきたいと考えております。この際、住民のコンセンサス形成をしつつ、都市の将来の姿を示すマスタープランを定めることが重要でありまして、市町村における都市計画のマスタープランの策定を引き続き促進するとともに、マスタープランに沿った的確な制度運用を期待しているところでございます。
 なお、いわゆる町づくり条例につきましては、地方公共団体が、法令との関係を十分勘案して固有の観点から定めることがあり得るものと考えております。
 また、特別用途地区の指定についてのお尋ねでございますが、改正都市計画法は、法律成立後六カ月以内に施行することとなっております。したがって、大型店の立地について対応が必要と考えている地方公共団体におきましては、地域の実情を踏まえつつ特別用途地区を指定することが十分可能であると考えております。建設省といたしましても、制度の周知、啓蒙に努めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣島村宜伸君登壇〕
#17
○国務大臣(島村宜伸君) 中野議員にお答えいたします。
 まず、農用地区域外の農業振興地域、いわゆる農振白地地域についてのお尋ねでありますが、食糧の安定供給を図るためには、優良農地の確保を図ることは重要な課題であると考えております。このため、将来とも農業に利用すべき農地については極力農用地区域に指定するとともに、農用地区域外の農地であっても、優良農地は原則として転用を認めないことといたしております。
 お尋ねのいわゆる農振白地地域の農地につきましては、優良農地だけでなく、市街地やその周辺にある農地などが含まれており、このようなさまざまな農地について一律に規制を強化することは適当でないと考えております。
 次に、町づくり条例についてのお尋ねでありますが、御高承のとおり、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができることとされております。いわゆる町づくり条例につきましても、一、農林業の健全な発展、二、優良な農地や森林の保全等の観点から、農業振興地域の整備に関する法律や森林法の範囲内で町づくりのために条例を定めることはあり得るものと考えております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 今田保典君。
    〔今田保典君登壇〕
#19
○今田保典君 私は、東北の山形出身の今田保典でございます。私は、民主党を代表いたしまして、ただいま提案のありました都市計画法の一部を改正する法律案等について、質問をさせていただきます。
 都市計画制度は、地方分権の時代にあって自治体が最も主体的に取り組むべきテーマです。地方分権推進委員会においても、都市計画中央審議会においても、その方向での答申がなされたのは当然のことです。この方向性については私の望むことであり、今回の法改正がそのためであるならば、歓迎すべきであります。
 しかし、例えば都市計画中央審議会の答申では、市街化調整区域における無秩序な開発が進展をしており、そのため土地利用の整序を図ることが必要となっていると、このことが最も重要な課題とされているにもかかわらず、いつの間にか本改正案では、市街化調整区域における郊外型住宅の促進と形を変えて提案されているなど、都合のよい部分をつまみ食いしている点もあります。このように、改正案は、都市計画に関し地方分権の方向を打ち出してはいるものの、細部については疑念が残ります。民主党といたしましては、国会の議論を通じまして賛否を検討していく所存であります。
 我が国の都市計画制度は、昭和四十三年に新都市計画法に移行した後、順次改正を重ねてまいりました。それでも現実の住民のニーズに追いついているとは決して言えません。その結果として、全国各地で町づくりに関する弊害を生じております。
 例えば昭和六十三年に端を発する京都ホテルの建てかえ問題であります。これは京都市が建築基準法に規定する総合設計制度を活用し、京都の真ん中に位置する京都駅に高さ六十メートルのビルを建てたものであります。これに対し、一部の住民は新聞一面に意見広告を掲載するなど一大論争を巻き起こしました。また、同様の問題が奈良でも発生しました。
 その後のバブル期の土地の高騰は、国の都市計画制度のみならず、土地利用政策そのものが破綻していることを明らかにしました。
 さらに決定的であったのが、平成七年に発生した阪神大震災の復興における町づくりの困難さであります。神戸では、復興をめぐり各地で行政と住民が対立をしました。本来、行政が住民と協力して当たるべき町づくりにこのような対立が生じたのは、都市計画制度そのものに問題があるからです。
 まずは、その基本的な論点について幾つかお伺いいたします。
 まずは、地方分権の必要性です。
 町づくりという作業は、自治体と住民が協力して、時には住民が中心となって行う作業です。地方分権は、単に自治体にその権限を移譲するということではなく、これが進展することによって、地域住民の意見の反映が可能になることが重要なのです。しかし、現在の制度は、非常に細かい部分まで法律、政令及び通達等によって拘束されています。住民の意思を反映しようにも、何か一つ変わったことをしようとすると霞が関まで出向く必要があるという、非常に使いづらい制度です。
 そこで、現在、都市計画中央審議会が一層の地方分権に向けて審議を進めていますが、今後、どのような方向性及び手順で都市計画制度における地方分権を推進していくのか、現在の審議会における議論の結論をいつまでに得て、これをどのように制度の改革に反映させていくのか、お伺いいたします。
 次に、都市計画における抜本的な地方分権を阻害している国の考え方についてお伺いいたします。
 国は、従来から、都市計画は国民の財産権を制限するものだから国が法律によって規制する必要があるとしていますが、この根拠は何でしょうか。
 平成元年に成立した土地基本法は、土地の利用に当たっての公益の重視を掲げております。したがって、十分な公共の利益が存在すれば、土地利用について私権を制限することが十分可能なことは、法律上明確になっています。問題は、だれが公益を判断するかです。公益とは、特に土地利用については、全国一律ではなく、その地域地域の事情に応じたものであることは明らかであります。神戸でも、被災地域という特殊事情に応じた町づくりの手法があれば、より円滑にマンションの建てかえ等が行われただろうというふうに思います。
 既に実情に合わなくなっている全国一律の都市計画制度は抜本的に改め、地域の事情に即した柔軟な町づくりを行える体制を整えることが喫緊の課題となっています。また、国が細部まで規定する現在の制度では、住民が真剣に町づくりに取り組もうとすればするほど不満が募ります。これらの状況を改善するためには、国のみが規制可能という都市計画高権を排除し、都市計画制度に関しては自治体が企画立案を含めて担っていく体制が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、住民参加の手続についてであります。
 都市計画制度に関して抜本的な地方分権を進めると、一部では開発主義に走り、良好な都市環境も景観もないがしろにする自治体が出現する可能性を否定できません。これを担保するのが住民参加です。地域住民が生活者の立場から多様な場面で発言できる機会を確保すれば、多くの乱開発は防げるものと考えます。また、都市計画制度が私権を制限する面でも、住民の意思の反映は必要です。さらに、都市計画制度は良好な都市環境や快適さという主観的な価値を求める制度です。これは自治体が決めるものではなく、まして国が決めるものでもありません。住民以外、だれも決める権利は持っていないのです。
 このように、都市計画制度にあって住民参加はまさに制度の根幹であり、存在価値でもあります。国が法律をもって定めるべきは、用途地域などの細かなメニューではなく、住民参加という適正手続であります。住民の多様な参加を得て、さまざまに意見を反映させてこそ私権の制限が可能となり、都市計画自体が合理性を有するのであります。しかし、現行の都市計画の決定手続では、この点が貧弱であります。公告縦覧の期間の延長や公聴会開催の義務づけあるいは住民の代表である地方議会の議決など、一層の住民参加の拡充が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 さて、次に、今回の改正案についてお伺いします。
 第一に、本改正案は、本来、開発を抑制すべき市街化調整区域において、地区計画の策定を前提として郊外型住宅の建設等を促進するとなっています。
 これは昨年政府が取りまとめた緊急経済対策に盛り込まれた事項であります。しかし、土地開発を活用した景気対策が招いたバブルの傷跡に、今なお苦しんでいるのではないでしょうか。八〇年代に中曽根政権がアーバンルネサンスを掲げ、土地利用に関する各種の規制緩和措置を行ったことが、その後の都市における地上げ等の問題を引き起こしたことは明らかであります。
 開発はその周辺に住む住民に多大な影響を与えます。本改正案に盛り込まれています市街化調整区域における郊外型住宅についても、これを前提にした地価の高騰、あるいは下水道等各種都市施設の整備が必要な自治体の財政負担、さらには、開発はしたけれども販売できなかった場合の当該地域のスラム化など、さまざまな問題が考えられます。このいつか来た道を政府が再度歩もうとしているのはなぜなのか、あるいはこれを予防する何らかの措置を考えているのか、御回答をお願いします。
 次に、特別用途地区関係についてお伺いします。
 今回の改正によって、特別用途地区の類型制限がなくなることによって自治体が自由にこれを設けることができることは、自治体の自主性の向上につながり、歓迎すべきことと思います。しかし、周知のように、特別用途地区に関する改革は、今国会に提案されております大規模小売店舗法の廃止と密接な関係にあります。
 政府は、この特別用途地区の多様化を図り、例えば中小小売店舗地区などを設定することにより、大規模店の立地の可否が地域の判断によってあらかじめきめ細かく決められると説明しています。しかし、現実を見ると、近年パワーセンターと呼ばれるような大規模な店舗の出店が目覚ましいのは、特別用途地区が適用できない都市計画区域外の地域であります。大規模な駐車場が設置でき、コストの安い都市計画区域外の地域で、歩いてくるお客さんなど初めから念頭に置かず、車で来る人のみをターゲットとしているのです。
 このような大規模店が地元の中心市街地の顧客層を奪い、結果として中心市街地の衰退を招いているのであります。私の地元である山形でも同様であります。田んぼの真ん中にまさかと思うような大きなお店ができ、近隣より顧客を引きつけます。その影響で、県庁所在地である山形市の中心市街地まで衰退の波は及んでいるのです。
 このような実態から見て、本改正案による都市計画区域内のみの対応では、中心市街地の活性化は困難であることが考えられます。中心市街地活性化法は建設省から提案されている法案でありますが、それに伴って、なぜ都市計画の分野でもこれら都市計画区域外への出店への対応策をとらなかったのか、お伺いをいたします。
 同様に、大店法廃止との関係ですが、この特別用途地区を活用して大型店を地域の望む地区へ誘導することはよいとしても、特別用途地区は都市計画上に定めるものであり、手続も、改めて都市計画を定めることが必要となります。大店法の廃止まで二年間という時間があるとはいうものの、都市計画を改めて定める期間としては、決して余裕のある期間ではありません。なぜ二年なのか、建設省はこの期間で十分と考えているのかをお伺いしたいと思います。
 あわせて、中小小売店の間では、この二年間における大規模店舗の駆け込み出店に懸念を持っています。この点について建設省はどう考えているのか、お伺いをいたします。
 最後に、都市区域での商業施設の出店における流通施設整備についてお伺いします。
 大規模店舗立地法においては、駐車需要、騒音等についての配慮が義務づけられておりますが、これらの問題は、来店客によるものばかりではなく、物流活動によって生じるものが多分にあります。特に大規模店舗においては、これらの活動が大規模であり、大規模店舗立地法の配慮程度では根本的な解決は不可能であります。大規模な荷受け施設整備など都市内物流対策は、本来、都市計画の中で明確に位置づける必要があると考えますが、政府としてこの点をどう考えておられるか、お伺いをいたします。
 従来の行政主体の都市計画は、我が国の都市を崩壊へ導いています。コミュニティーの核となるべき商店街から人の姿が消え、農地は開発の前に荒廃の歯どめが重要となっています。このままでは、この国から地方さえなくなりかねないという危機感を私は持っています。財政構造改革も重要です。行政改革も重要です。しかし、国民が生活する町の衰退をとめることが、何よりも重要であります。そのためには、国の支援も必要ですが、同時に、地域がその自主性、特徴を生かし自主的な町づくりをできる環境を整備することが絶対条件なのです。
 現在の我が国を見る限り、今までの都市計画制度が失敗に終わっていることは明らかです。一刻も早く都市計画制度の抜本的な見直しを行い、地域がその潜在能力を生かした多様な町づくりを行い得る環境へ転換することを提唱しまして、私の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 今田議員にお答えを申し上げます。
 私には、一点、都市計画制度における地方分権についてのお尋ねがございました。
 地方分権推進委員会の勧告及び都市計画中央審議会の答申に示されました市町村の役割を一層拡大するという基本的な考え方のもとに、今回の都市計画法改正案に、都市計画決定権限の見直しに係る改正を盛り込んでおります。そのほかの事項につきましても、順次制度化を進めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
#21
○国務大臣(瓦力君) 今田議員から私にたくさんの質問をいただきました。
 初めに、自治体が都市計画においてより積極的な役割を担うべきとのお尋ねでございます。
 都市計画における地方分権につきましては、都市計画中央審議会の答申で、都市計画決定につきましては市町村が中心的な主体となるべきとの考え方が示されたところでございます。建設省といたしましては、この答申の趣旨にのっとりまして、地方公共団体がより活用しやすい方向で制度の改善を行っていくことが必要と考えており、今回の改正案もその方向に沿ったものであると考えております。
 次に、都市計画における住民参加についてのお尋ねでございますが、公聴会の開催や案の縦覧など、住民参加の機会を設けております。地方公共団体によるこれらの制度の的確な運用によりまして、地域住民の意向を十分反映させるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、市街化調整区域における地区計画についてのお尋ねでございますが、八〇年代の地価高騰は当時の経済情勢に起因するものでございまして、規制緩和措置が直接の原因とは考えておりません。本改正案は、市町村が定める計画に基づきまして土地利用の整序を行おうとするものでございまして、御懸念のような事態は生じないと考えております。
 また、都市計画区域の外での大型店の出店対策についてのお尋ねがございました。
 都市計画は、一体の都市として総合的に整備する都市計画区域に適用する制度でございますので、その外での活用は想定いたしておりません。必要な場合は、都市計画区域の拡大を図ることによりまして対応してまいりたいと考えております。
 特別用途地区の指定についてのお尋ねもございました。
 改正都市計画法は、法律成立後六カ月以内に施行することとなっております。地域の実情を踏まえつつ特別用途地区を指定することが十分可能であると考えておりますので、建設省といたしましても、制度の周知、啓蒙に努めてまいります。
 最後に、都市内物流対策についてのお尋ねでございますが、都市内物流対策は都市交通政策上の重要課題であると認識いたしております。
 さきに閣議決定されました総合物流施策大綱を踏まえまして、流通業務市街地や土地区画整理事業等の面的な市街地整備による物流拠点の整備等を進めているところでございます。これらの事業は、都市計画に位置づけた上でその整備を図っており、今後とも、物流拠点につきましては適切に都市計画に位置づけ、その整備の促進を図ってまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#22
○副議長(渡部恒三君) 小池百合子君。
    〔小池百合子君登壇〕
#23
○小池百合子君 私は、自由党を代表し、大規模小売店舗立地法案等三案について、総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。
 前回、一月二十日の本会議場での代表質問で、私は総理もお読みになられたという名著「失敗の本質」をもとに橋本政権の経済政策の失敗の本質を指摘させていただいたこと、御記憶のことと存じます。突然、思い出したようにちびちびと発表される減税策、小分けの景気回復策など、後手後手で小出しの政策は兵力の逐次投入。景気は緩やかな回復基調にある、桜が咲くころにはと、実態とかけ離れ誤った情報を流し続けた経済企画庁の報告は大本営発表。省庁の縦割り組織の弊害は今さら指摘するまでもなく、総理と党幹部とのコミュニケーション不足は当時の陸軍と海軍、司令部と関東軍の関係に当てはまります。
 絶対に日本発の世界恐慌は起こさないと、もはや実質の伴わない総理の言葉は、やっぱり精神主義、竹やり精神以外の何物でもなく、現実に、今回のG7では日本問題が最大のテーマとなりました。このままでは日本発の世界恐慌が起こると各国が恐怖を抱くからにほかなりません。それ以外に理由があるのならば、それは一体何でしょうか。総理、お答えください。
 また、本日、財政構造改革会議が開かれると聞いておりますが、そもそも会議の位置づけはいかなるものなのか。任意団体でしょうか。メンバーはだれがお決めになるのでしょうか。この会議の顔ぶれ、主なメンバーを拝見いたしますと、私には日本経済をここまで悪化させた張本人ばかりがずらりとそろっておられるようにしか見えません。(拍手)現在の日本の状況を第二の敗戦と称する人がおられますが、であるならば、この財政構造改革会議は第二の東京裁判ではありませんか。問題は、被告人が、みずからを裁くどころか、正当化を図ろうとする余り新たな罪を重ねていることです。
 新たな罪の一つは、昨年暮れ強引に導入された財政構造改革法です。金融政策の幅が狭められているところに財政政策の手足を縛るなど、どだいむちゃな話であると新進党当時から何度も警告をしてまいりました。それを聞き入れなかったのは、総理、あなたではありませんか。ここへ来てようやく事態の重要性を認識されたのか、財革法の改正を検討され、しかし基本は変えず、必要最小限の改正にとどめると繰り返し総理は発言しておられます。しかし、必要最小限の改正ならば意味がありません。抜本的改正、いえ、思い切って当面廃止してこそ目的にかないます。さもなければ、自縛の道をたどることは目に見えております。さらに、基本は変えないという基本とは一体何を指しておられるのか、改めて総理に伺います。
 これまで失政を重ねてこられた総理が責任をとっておやめになることが最大の景気対策であることは、我々野党はもとより、内外の市場が求める最大最善の項目であります。しかし、総理は、何もしないことの方が問題、政治空白をつくらないと繰り返し述べておられます。であるならば、財革法をシャカリキにつくるよりも、何もしない方がよかったとさえ言えます。財革法の強行採決、わずか四カ月後の改正に割かれる時間と労力、右往左往する日本政府へのコンフィデンスの喪失などは政治の空白以上の問題であります。そもそもわずか四カ月後の見通しも誤る政府とは一体何なんでしょうか。双眼鏡もお持ちでないのでしょうか。
 現在日本が抱える問題は、消費税増税、医療費負担増、特別減税の廃止など、総理みずからが決断されたことに起因する問題がほとんどであります。これ以上、責任転嫁、めり張りのない政策転換を今後も続けていくマイナスよりも、総理が責任をとっておやめになることによるプラスの方が大きい。国民は、橋本総理の続投への望みよりも、一日も早い景気回復と真の日本の構造改革を強く望んでいるのであります。総理の御所見を伺います。
 さて、本日の議題となっております三案に関連してお伺いいたします。
 地域の特性、主体性を生かしつつ大型店の立地、中心市街地の活性化を進めるなど、理念においては望ましいと申せますが、具体性においては、私どもがかねてから主張し続けております地方分権の理想からはほど遠いと考えます。むしろ財源を地方に移すことが肝要であります。それらを前提に、以下質問をさせていただきます。
 初めに、都市計画法の改正法案について伺います。
 まず、都市計画制度の問題点として、市街化区域と市街化調整区域との線引きの問題、さらにそれらの見直しの煩雑さがあります。線引きが実施されている都市計画区域では、基礎調査の結果をもとに人口フレームや整備動向などを勘案して定期的見直しが行われているものの、現実には、方針の策定から認可手続まで平均二年、長いものでは五年近く要することもあります。経済同様、町も生き物であります。このような手続の煩雑さが町づくりの機動性をそいできたのであります。
 最大の原因は縦割り行政にあります。一物六価とも言われる地価が象徴するように、土地利用については、都市計画法を所管する建設省のほか、他の省庁がそれぞれ利用規制を行っています。こうした縦割り行政の弊害の除去をまず行うべきと考えますが、そのような観点を含めての省庁再編を考えておられるのか、行政改革を考えておられるのか、総理の御見解を求めます。
 また、本法案では特別用途地区の多様化等の措置を盛り込んでおられますが、これを政令、通達などで役人が得意とする細かい基準で縛ってしまえば、今までと全く変わるところはないのではありませんか。このような政省令の基準についてどのような方針で進めていくのか、建設大臣の御所見をお聞かせください。また、地方分権の基本である住民参加の確保についてどうあるべきなのか、総理のお考えをお聞かせください。
 次に、大規模小売店舗立地法案について伺います。
 一九六〇年代、大型スーパーの出店開始で我が国にも流通革命が始まりました。とともに、スーパーと中小小売業の事業活動、出店のあり方が問題となり、以来、その調整役を務めてきたのが現行の大店法であります。しかし、経済のグローバル化の進展とともに、環境は大きく変化いたしました。その意味で、当法案には、その必然性など一定の評価が認められます。
 その上で、通産大臣に次の点を伺います。
 まず、審査主体でございますが、都道府県、政令指定都市とあります。しかし、最も身近な行政単位は市町村であります。少なくとも人口二十万から三十万程度の一定規模以上の都市に審査主体を拡大すべきではありませんでしょうか。
 また、出店により影響を受ける地域の商工会議所や商工会、商店街、PTAなどの意見を都道府県に提出できるとありますが、その前に十分な情報開示が確保されるのでしょうか。それを一体どのようにして行われるのか。
 さらに、正当な理由なく勧告に従わなかった場合は公表されるとしても、それには命令や罰則はありません。これで有効な担保措置となり得るのでしょうか。以上、通産大臣の御見解を伺います。
 次に、中心市街地活性化法案について伺います。
 現在、全国各地における中心商店街の衰退、空洞化は目を覆うものがあります。平成九年の小売商店は百四十二万店ですが、一日七十三店、一時間に三店ずつ減少していることになります。特に、従業員が四人以下の小規模商店、いわゆるパパママストアは、後継者難が加わり、著しい減少を見せております。
 ですから、単に商店街の地盤沈下を食いとめるという観点のみならず、地域コミュニティーの中核として、歴史、文化、伝統の継承地として、そして高齢者などの豊かな生活空間の場として、総合的、構造的な位置づけをすべきと考えます。特に、加速する郊外化によって人口の重心が移動し、交通弱者がダウンタウンに取り残される現象も見られます。商店街の活性化は、こうした弱者に優しい町づくりの観点、また公共投資の効率という面からも必要ですが、商店街の活性化が国民生活にもたらす影響をどう予測されておられるのか、元通産大臣でもあられる総理の御見解を伺います。
 さらに、この法案を真に実効あるものとするためには、何よりも関係省庁の連携が欠かせません。建設、通産、自治、国土、運輸、警察、文部、厚生、農水、郵政、労働と、ずらりと並ぶ関係省庁名を拝見しますと、これまでの縦割り行政の実態にかんがみ、省庁間の連携に不安を覚えざるを得ません。総合的な事業の実施が不可欠でありながら、一つ詰まると滞り、すべての施策がうまく機能しなくなるという、多くの人が抱く懸念に総理はどうお答えになるでしょうか。
 また、関係省庁の予算を全部含めれば、三百カ所、一兆円規模と目されておりますが、実は自民党の選挙対策、ばらまき行政との批判もあります。選挙対策なら、国家予算ではなく自前でおやりください。この点について、総理の御所見をお聞かせください。
 最後に、豪華客船タイタニック号は、今から八十六年前のきのう、一九一二年四月十五日、氷山に衝突し沈没いたしました。同名の映画がことしのアカデミー賞をほぼ総なめにしたことで、再び注目されています。二千二百余名を乗せた鉄鋼製の不沈船がなぜ沈没し、千五百名もの犠牲者を出したのか。それは、正しい情報の伝達が決定的におくれたことに船長の判断ミスが重なり、加えて、船のデザイン、つまり見かけを優先させたために乗客の半分の救命ボートしか用意していなかったこと、乗組員が巨大客船の操縦にふなれであったことなどが挙げられます。
 実は、出港後、いろいろな船から氷山に関する警告が寄せられておりました。しかし、大西洋航路では氷山は珍しくなく、また船の巨大さへの過信もあり、タイタニック号は十分な注意を払いませんでした。それどころか船の社長が握りつぶしたり、また無線室では肝心の警告が乗客への私信に紛れ込み無視されるなどの不注意が続きました。実際に氷原の中で立ち往生していたカリフォルニアン号からの必死の警告にも、邪魔をするな、黙れと無線士が叫び、無視されたそうです。
 ちなみに、船には双眼鏡の一つもありませんでした。積み忘れたのであります。監視台が氷山を発見してから、衝突までわずか三十七秒。船が実際に海の藻くずと化すまでは四時間。当初は、乗客でさえ、その非常事態に気づかなかったと言います。船が巨大過ぎたからです。しかし、その後はパニックとなりました。
 総理、不沈であるはずの日本経済は今、タイタニック号に例えられます。貸し渋りにあえぐ中小零細企業、いつ自分の会社がつぶれるのか不安でいっぱいの父親、パートを切られた母親、外資企業に群がる若者、医療費の値上げで病院通いをセーブし、病気を悪化させる高齢者、国民の声、SOS、メーデーが聞こえませんでしょうか。
 私たちもずっと警告を発してきました。そして、いつも総理の強がりと政権維持の都合上、無視されてきました。総理は、いつも氷山を目前にした時点で器用に面かじ、取りかじと操舵なさっておられますが、乗客である国民は既に船酔い状態にあります。そして、どこへ連れていかれるのか不安に思っております。乗客にとっては船長がだれかよりも、安全で安心できる航海を望んでおります。成功の本質は成功の数だけありますが、失敗の本質は日本軍に、タイタニック号に、そして橋本政権のかじ取りにも共通しているように思えます。
 タイタニック号のスミス船長は、船長としての最後の責務として、自慢の船とともに運命をともにいたしました。ノーブレスオブリージュです。
 総理、日本丸の船長として、国民をどこに連れていこうとしておられるのか。なぜ我々の警告を無視し続けるのか。国民、そして生活の基盤である経済を守ることを優先されるのか、それとも操舵桿にかじりつくことを優先されるのかを繰り返しお尋ねし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#24
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 小池議員にお答えを申し上げます。
 まず第一に、今回のG7では日本が最大のテーマと仰せになりましたが、終わりました議事録を見ますと、各種の議論がなされております。その上で、G7では、我が国から、総額十六兆円を上回る過去最大規模の経済対策を早急に取りまとめ力強い景気の回復に最大限の努力をしていく旨の説明をするとともに、金融システムの改革の最近の進展についても説明をし、各国の理解を得たと報告を受けております。
 次に、財政構造改革会議についてのお尋ねがございました。
 これは、我が国財政の危機的な状況にかんがみ、早急に財政健全化の具体方策について財政構造改革という観点からの成案を得るために、政府・与党が一体となって検討を行う新たな場の必要性を感じたから、私が提案をしたものであります。政策決定に直接携わっている与党の責任者、政府の関係閣僚に加え、総理大臣経験者、大蔵大臣経験者等をメンバーとしており、これまで有意義な議論が行われております。
 次に、財政構造改革法の改正についての御質問をいただきました。
 今回の経済対策を講ずるに当たりましても、量的縮減目標や財政健全化目標といった財政構造改革法の基本は変更せず、緊急避難的に必要最小限の修正を行うにとどめたいと考えております。
 めり張りのない政策転換を行うよりも、辞任して、一日も早い景気回復と構造改革を優先すべきだという御指摘をいただきました。
 私は、繰り返し私の考え方、そして議員の御指摘のような政治責任の追及を恐れて必要な政策が打てないということなら、それこそが政治責任であり、同時に、今この大事な時期に政治的空白をつくるべきではないと考えており、今後とも、責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努力をしてまいります。
 また、土地利用に関するお尋ねがございました。
 今回の省庁再編におきましては、縦割り行政の弊害を除去するとともに、行政の総合性、機動性の向上を図ることを基本理念としており、省庁の大くくり化、関係機関相互の連携、調整、協力の緊密化等により、土地利用に関してもより機動的な運用が図られるよう努めてまいります。
 次に、都市計画における住民参加についてお尋ねがございました。
 既に、都市計画法では、都市計画の決定に当たって公聴会の開催や案の縦覧などの手続を定め、住民参加の機会を設けております。今後とも、地方公共団体によるこれらの制度の的確な運用によりまして、地域住民の意向を十分反映させるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、商店街の活性化が国民生活にもたらす影響という観点からのお尋ねがありました。
 商店街の活性化により、高齢者や障害を持つ方々などを含む地域住民にとっての生活、交流の場が提供され続けること、地域文化の保存、伝承などを通じて商店街が町の顔としての重要な役割を担うことが期待されるところであり、御指摘のように、既存の商店街の活性化を図ることは、公共投資の効率という観点からも重要だと考えております。
 次に、各省庁の連携についてお尋ねがございましたが、中心市街地活性化のための各種施策は、地元市町村が作成する基本計画に盛り込まれた事業に対し、地元の主体性を尊重して支援を行うものであります。その趣旨を生かして、御指摘のようなことが起きないように、関係省庁連絡協議会を設置して政府側の窓口の一元化や重点的、一体的な支援策の投入を図るなど、各省庁の連携を確保しながら運用してまいります。
 選挙対策、ばらまきではないかという御指摘がありました。
 今回の対策は、空洞化の危機にある中心市街地の大変厳しい状況にかんがみて、地域の特性を生かしたすぐれた計画に盛り込まれる事業につき、各省庁の種々の支援策を重点的、集中的に投入するものであります。したがって、私は、選挙対策、ばらまきという御批判は当たらないと考えております。
 最後に、貸し渋り、倒産、パートあるいは若年者、高齢者、さまざまな例を引きながら、またタイタニック号に例えられながら、国民の声についてのお尋ねをいただきました。
 私は、経済の停滞から一日も早く抜け出して、国民の将来に対する不安感を払拭し、力強い日本経済を再建しなければならないと考えておりますし、そのためにも、町の声、国民の暮らしの状況等に常に注意を払いながら、責任を持って経済運営を進めてまいります。
 そして、繰り返しお尋ねをいただきました辞任すべきとの御指摘につきましては、私は、今後とも、責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努力をしていく、今この大事な時期に空白をつくるべきではないと考えておりますとお答えを申し上げ、残余の質問は関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#25
○国務大臣(堀内光雄君) 小池議員の最初の御質問は大店立地法の審査主体の拡大についてのお尋ねでございましたが、大型店の立地には市町村域を超えて広域的に生活環境への影響を伴うものがありますことや、効率的かつ適正な運用のためには行政実務の蓄積が必要であるということなども勘案をいたしまして、主体としては、都道府県及び政令指定都市が適当であると判断したものであります。
 なお、大型店が立地する地元市町村については、大店立地法の手続の過程でその市町村の意見を必ず聴取することといたしており、意見が十分反映されるための仕組みを確保いたしておる次第でございます。
 次の御質問でございますが、情報開示についてのお尋ねでございました。
 大店立地法の適切な運用のためには、地域の住民の方々から幅広く生活環境面での御意見を聴取することが重要であります。こうした観点から、大型店の設置者による新設等の届け出につきましては、添付書類を含め、広く一般からアクセスできるように都道府県がその内容を公告縦覧する、そういうこととなっております。さらに、設置者に出店地での説明会の開催を義務づけているところでもございます。このように、地域の住民の方々が意見を述べるに当たっては、十分な情報開示が法律上確保されているところでございます。
 最後に、大店立地法の実効性に対する御懸念でございますけれども、小売業は周辺の地域の住民をお客様といたしております。当該地域での評判が、その競争力に大きな影響力を与えるものであると思います。大店立地法による勧告及びこれに従わなかった場合のその旨の公表は、当該地域の住民の皆様の意見を踏まえて地方自治体によって行われるものでございまして、実効性を有するものと考えている次第でございます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
#26
○国務大臣(瓦力君) 小池議員から特別用途地区等の基準についてお尋ねがございました。
 今般の改正は、地方分権の趣旨を踏まえまして、地方公共団体が制度を柔軟に活用できるよう、自由度を高めるものでございます。政省令はもとより、通達に基づく指示で無用な制約を地方公共団体に課する、かようなことは考えておりません。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○副議長(渡部恒三君) 吉井英勝君。
    〔吉井英勝君登壇〕
#28
○吉井英勝君 私は、日本共産党を代表して、大規模小売店舗立地法案外二法案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 我が党は、既に政府案に先立って、大規模小売店舗法改正案をこの国会に提出しています。
 その特徴の第一は、大店法の目的にある「中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、」「消費者利益の保護」を行うという規定に加えて、「良好な都市環境の形成」「地域社会の健全な進展」を追加して、大店法を町づくりの観点からも補強するものです。
 第二に、現行の届け出制を許可制に変えることで、ヨーロッパでは当然のこととなっている大型店の出店に許可制度を導入し、グローバルスタンダードに立った大店法へと発展させるものであります。
 そのほか、自治体の独自権限の付与、大型店の撤退や閉店に届け出を義務づけて、中心商店街の空洞化に歯どめをかけることなどを定めています。
 大店法は、廃止でなく、改正し強化を図るべきものであり、この立場から質問をいたします。(拍手)
 今、全国各地で、商店街を初めとする町の様子はどうなっているでしょうか。中小企業庁の商店街実態調査報告書によると、九五年には「繁栄している」と答えた商店街が全国で三%にも満たない状態で、九五%が「停滞または衰退」と答えるという、余りにも異常な姿に変わりました。先日、政府が発表した商業統計速報によると、従業員規模が五人未満の零細商店の数は、九一年から九七年の六年間に全国で二十一万五千店も減少しました。これは北海道、大阪、福岡の三道府県の全小売店が消滅したことに相当します。また、同じ零細商店で、六年間に四十七万八千人もの雇用が失われました。
 郊外に巨大なスーパー、ショッピングセンターが進出する一方で、地域住民の生活を支えていた買い物の場が失われていくことで、高齢化していく消費者の暮らしに重大な影響が生まれています。祭りや消防団活動を担ってきた商店街が寂れることで、各地で地域社会が崩壊する事態が広がっています。こういう事態が生まれたのは、九〇年四月の日米構造協議中間報告以降、歴代自民党政権による三回もの大店法の規制緩和によって、大型店の無秩序な出店が進んだことによる結果であります。総理、こうした現状を打開するには、大型店の出店規制を強化することこそ必要ではありませんか。
 総理は、予算委員会での私の質問に、消費者を引きつけるだけの魅力をその商店街が持ち得るかどうかだと答弁されたが、言うまでもなく、中小小売商や商店街は必死に努力して頑張っているのです。それでも深刻な事態に追い込まれているのです。さきに紹介した報告書でも、来街者が少なくなった理由の最大のものは「大型店にお客をとられる」で、その割合は九〇年度の六二・八%から九五年度には七九・四%へと急増しています。総理、中小小売商や商店街のこうした深刻な現状を打開するには、規制の強化しかないではありませんか。改めて明確な答弁を求めます。
 さて、大型店の進出について、ヨーロッパ各国はどのように対処しているでしょうか。
 既に予算委員会で外務省が認めておりますが、フランスは、ロワイエ法に基づいて、経済的側面と雇用など社会的側面を調査するなど義務づけた上で大型店の出店に許可制をとっていますが、九六年には規制強化をしています。イギリスでは、八〇年代に出店規制がなかったために郊外に大型店がどんどん出店して中小小売店の減少と都市中心部の空洞化が進んだ反省から、九〇年に都市田園計画法が制定され、その後二度にわたり規制強化を行い、経済的影響を考慮して大型店の出店に許可制をとっています。ドイツも、特別に指定した地域でのみ許可され、あとは国土全域で大型店の出店は許可されません。イタリア、ベルギーでも、大型店の出店はすべて許可制になっています。大店法の廃止は、こうしたヨーロッパにおける規制強化の流れに明らかに逆行するものではありませんか、答弁を求めます。
 ここで、外務大臣に伺いたい。
 アメリカは日本に対してだけ大店法の廃止を要求しているが、日本より大型店の出店規制が厳しく、さらに規制強化を行っているフランス、ドイツ、イギリスなどに対して、大型店の出店許可制の廃止などの規制緩和を要求したことがありますか、明らかにされたい。
 次に、WTOに関する問題です。
 堀内通産大臣がWTOに違反するところの経済的規制というものを外すと答弁したり、通産局の業界への説明の中で、大店法がWTO協定に違反するから廃止して、かわりに大規模小売店舗立地法をつくるのだと言われています。このことについて、予算委員会で外務省は、「大店法では、開店日の繰り下げ、店舗面積の削減、閉店時刻の繰り上げ、休業日数の増加等、そういったものについての変更勧告及び変更命令を実施できることを定めておりますが、こうした大店法上の措置は、」「WTOのサービス貿易一般協定に整合しない措置には当たらない」と答弁しています。
 そこで、総理、大店法はWTOのサービス貿易一般協定上問題ないというのが政府の一貫した見解ではありませんか、はっきり答えられたいと思います。
 政府は、大店法を廃止して、実効性ある新たな制度を用意するとして、大規模小売店舗立地法案と都市計画法改正案を出してきました。
 まず、立地法では、大型店の出店に際して検討するのは、駐車場対策と騒音やごみ、悪臭対策の二つとされています。しかし、郊外にどんどん出店する大型店にとって、駐車場整備と騒音やごみ対策などは現に解決しているものであり、大型店の無秩序な出店を規制する歯どめには全くなり得ません。
 それどころか、立地法では、大型店の出店に際して、市町村や商工会議所、地域住民等の意見を聞くだけ、都道府県は勧告するだけで、大型店が勧告を無視しても罰則はなし。その勧告も、大型店の利益を不当に害するおそれがないものと制限しています。これでは、事実上の大型店の出店自由化ではありませんか。総理、これでもあなたの言う実効性ある制度と言えるのか、伺いたいと思います。
 また、立地法では、附則第二条で、大店法を廃止するとしています。
 現行大店法は、規制緩和されたとはいえ、それでも、大型店の店舗面積を大幅に削減させて出店を断念させたり、閉店時間や年間休業日数を制限することで、勤労者の労働条件や健康、家庭生活を守るなど、一定の役割を果たしてきました。
 これまで総理自身が、その著書である「政権奪回論」の中で、「今まであった商店街が軒並み廃業に追い込まれることのないように、大規模小売店と中小小売店とがそれぞれの特性を生かして、うまく機能分担させるための規制といえる。つまり、巨大な資本を持つスーパーという強者から、魚屋さんや八百屋さんなどの弱者を守ることが、この大店法の眼目なのだ。」と指摘されました。
 今まさに、総理が言われた巨大資本のスーパーが郊外に次々と出店して、中小商店の倒産、廃業が進み、商店街が寂れていく中で、大店法を廃止すれば、商店街、地域社会はさらに重大な打撃を受けることになるのは明白です。それはやむを得ないことだというのが橋本内閣の立場ですか、明らかにされたいと思います。
 さらに、立地法では、「地域的な需給状況を勘案することなく、」として、地方自治体が周辺の中小商店や商店街への影響を考慮して独自に規制を行うことを禁止しています。これは、アメリカ政府の主張した、日本政府は地方自治体が同様の効果を有する規制を定立しないことを確保する手段をとるべきであるという要求を、そのとおり具体化したものにほかならないのではありませんか。
 次に、都市計画法改正案についてです。
 ドイツでは、連邦建設法、連邦利用令により、大型店は都市計画で指定された特別の地区においてのみ出店が許可され、その特別区域以外は全国どこででも大型店の出店は禁止されています。
 今回の都市計画法改正では、市町村が自由に設定できる特別用途地区制度によってゾーン規制をするとしていますが、この制度が適用される市街化区域は全国土の三・八%を占めるにすぎず、しかも、特別用途地区は用途地域制度の目的の範囲内でしか設定できないことになっていますから、適用範囲はさらに部分的となります。
 一方、市街化調整区域では、この都市計画法改正案で住宅地や大型店の開発をしやすくしています。また、未線引きの白地地域、農業地域などでは都市計画法改正案は無関係のままのものであります。これでは、これら地域へ大型店が集中出店してきた現状はさらに悪くなるものであります。総理、都市計画法改正案によるゾーニング規制をするといっても、それは市街化区域の中でごく部分的で限定的なものにならざるを得ないのではありませんか。
 さて、中心市街地の空洞化を食いとめ、衰退した市街地の活性化を図るのは必要なことです。しかし、中心市街地が空洞化している最大の原因は、郊外型大型店の無秩序な出店と都心部大型店の身勝手な撤退であります。それなのに、立地法案で大店法を廃止し、大型店の身勝手な出店や撤退をこれまで以上に野放しにして、中心市街地活性化法案で再開発事業や区画整理事業を核とした中心市街地活性化事業を行っても、巨額の負担が地域の中小小売事業者と住民、国民に残るだけで、中心市街地が活性化するという保証はないのではありませんか。総理は、活性化を保証すると断言できますか、はっきりお答えいただきたいと思います。
 今、全国で、改めて大店法廃止反対の声が高まってきています。大店法を廃止するのでなく、大型店の身勝手な出店や撤退に少しでも規制が加えられるよう、超党派的に共同の努力を払うことを呼びかけ、日本共産党も全力で頑張る決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#29
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 吉井議員にお答えを申し上げます。
 まず、大型店の出店規制強化が必要だという御意見をいただきました。
 しかし、商業の盛衰は、基本的には消費者を引きつける魅力をいかに備え得るかが決め手であると考えます。この意味において、大型店を規制し排除すればよいというものではなく、場合によっては大型店との共存共栄を図りながら、住民にとって利便性の高い商業機能を実現することも重要だと考えております。このような観点も踏まえ、中心市街地活性化法などを提出いたしております。
 次に、ヨーロッパにおける規制の動向との関係についてお尋ねがありました。
 欧米主要国の多くは、流通などにつきまして我が国の現行大店法のような経済的規制の考え方をとっておらず、規制の内容としては、生活環境や都市計画の観点からのものが多くなっております。したがって、今回の我が国の政策転換は、そのような考え方に沿うものだと考えております。
 次に、大店法とWTOのサービス貿易一般協定との関係についてお尋ねがありました。
 本件について、米国は異なった立場をとっておりますが、我が国としては、大店法上の措置はサービス貿易一般協定が原則として禁じている市場アクセスや内国民待遇に関する制限等には該当せず、同協定に整合しない措置には当たらないとの立場をとっております。
 次に、大店立地法の実効性に対する御懸念がございました。
 小売業は周辺の地域の住民をお客さんとされ、当該地域での評判がその競争力に大きな影響力を与えるものであります。大店立地法による勧告及びこれに従わなかった場合のその旨の公表は、それぞれの地域の住民の方々などの御意見を踏まえて地方自治体により行われるものであり、実効性を有するものと考えております。
 また、大店法廃止の影響についての御懸念をいただきました。
 近年の小売業を取り巻く環境変化にかんがみますと、経済的規制としての大店法からの転換を行って、今般の都市計画法の改正及び大店立地法の制定により、生活環境問題への対応及び計画的な地域づくりを確保するための実効性ある制度の構築を図ることが重要だと考えております。
 次に、地方自治体独自の規制についてのお尋ねがございました。
 今回の大店法の見直しは、現行の経済的規制からの転換を図り、地域社会と調和のとれた大型店の出店が行われるよう制度を構築するものであります。こうした政策転換の趣旨は地方自治体においても一貫されるべきであり、政府の判断として大店立地法に所要の規定を設けることといたしました。
 次に、ゾーニング規制についてお尋ねがございました。
 都市計画のゾーニングは、一体の都市の区域を総合的に整備する観点から、土地利用の動向を踏まえ、必要な範囲に指定するものであります。今般の特別用途地区の改正により、地域の実情を熟知した地方公共団体が、さらにきめ細かく対応できるようになるものと考えております。
 最後に、大型店の出退店、中心市街地活性化策との関連についてのお尋ねがありました。
 中心市街地の空洞化には、私はさまざまな原因があると思いますが、その中心市街地を再活性化するには、いかに消費者ニーズにこたえた商業機能を実現するかが特に重要であり、そのための支援を行ってまいります。
 なお、大型店の郊外立地の問題につきましては、いわゆるゾーニングの手法による地域の実情に即したきめ細かい対応を図ることとしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小渕恵三君登壇〕
#30
○国務大臣(小渕恵三君) 欧州におきます大店舗出店規制に対する米国の規制緩和要望等の有無についてのお尋ねでございますが、米国が御指摘のような規制緩和要求または許可制の撤廃要求をフランス、イギリス、ドイツ等に対して行ったという事実があるとは承知いたしておりません。(拍手)
#31
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#32
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十八分散会

ソース: 国立国会図書館
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