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#1
第142回国会 本会議 第37号
平成十年五月十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十五号
  平成十年五月十二日
    午後一時開議
 第一 特別委員会設置の件
 第二 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 第四 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 第五 スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 第六 保護司法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 行政改革基本法案(伊藤英成君外三名提出)
 第八 中央省庁等改革基本法案(内閣提出)
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
  二 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 特別委員会設置の件
 日程第二 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 日程第四 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 日程第五 スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 日程第六 保護司法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 行政改革基本法案(伊藤英成君外三名提出)
 日程第八 中央省庁等改革基本法案(内閣提出)
 松永大蔵大臣の財政についての演説
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
 国務大臣の演説及び財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)外四案の趣旨説明に対する質疑

    午後一時四分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 中田宏君から、五月十五日から二十二日まで八日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 特別委員会設置の件
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、特別委員会設置の件につきお諮りいたします。
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案を審査するため委員四十人よりなる緊急経済対策に関する特別委員会を設置いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。前原誠司君。
    〔前原誠司君登壇〕
#6
○前原誠司君 私は、民主党を代表し、ただいま議題になりました緊急経済対策に関する特別委員会設置に反対の討論を行います。
 このたび政府は、あれほど橋本内閣がこだわり長時間を費やして審議を行った財政構造改革法を、半年もたたないうちに再び変更し、総額十六兆円を超える経済対策を行うという決定をいたしました。朝令暮改とはまさにこのことでありますが、私がさらにあきれましたのは、記者会見のときの橋本総理のこの言葉でございました。困難なときに何もしないことの責任の方が重い。確かに日本経済の現状は大変厳しいものがあります。何らかの対策が求められるのは当然であります。
 しかし、今の大変な状況をつくり出したのは一体だれなのか、ほかならぬ橋本総理御自身ではないでしょうか。かすかに回復の兆しが見えていた昨年、消費税率の引き上げ、特別減税の打ち切り、医療費の負担増など、国民に社会負担の増加を求める政策を、ほぼ同時期に、しかも一挙に行った結果、経済は再び失速してしまいました。不況の元凶である不良債権処理も、金融システム安定の美名のもとに思い切って行われないばかりか、護送船団方式の復活さながら、銀行に横並びで税金を投入して自己資本率強化を行い、しかし、それが貸し渋り対策に全くと言っていいほどつながっていない。つまり、橋本総理がとってきた政策が、矛盾と失敗の連続であり、その結果、日本を今のようなより困難な状況に追い込んでしまったと断ぜざるを得ません。
 このような厳しい状況を生み出した総理が、自分の失政を棚に上げて、今大変なときだから、何もしない責任の方が重いと言われても、全く説得力がありませんし、単なるマッチポンプだと言わざるを得ません。橋本総理がとられるべき行動はただ一つ、今までの失政の責任をとってすぐにおやめになることだと、この際、強く指摘をしておきたいと思います。
 この右往左往ぶりは今国会の運営にも如実にあらわれています。一月十二日という通例より随分早い時期に今国会は召集をされましたが、平成九年度の補正予算、平成十年度の本予算、暫定予算、そして今回出てきた補正予算と、一国会で四つもの予算を審議することになりました。本来、いろいろな状況を勘案してベストの本予算をあらかじめつくっておけば一回で済むものを、ころころと政策転換を行い、何度も予算を出してくる。これは前代未聞であり、政府のこの腰の定まらない姿勢に対して猛省を促すものであります。
 その結果、国会の日程が極めて窮屈になっております。今回提出される財政構造改革法や補正予算あるいは減税法案は、本来であれば、前の国会で財政構造改革法案を審議した財政構造改革に関する特別委員会を再び設置して十分に議論した上で、引き続き予算委員会を開き補正予算を審議する。さらに、それに基づいて、大蔵委員会、地方行政委員会の現場で、関連する所得税や地方税法などについて議論するというのが当然の筋道であります。しかし、今回、すべてを一まとめにした特別委員会をつくるという提案は、今までの審議の流れを無視し、単に早く通すがための安易な便法にすぎず、到底認めるわけにはまいりません。
 六月に減税を実施するためには五月中の減税法案の仕上げというのが政府・自民党の言い分のようであります。私たち民主党は、減税の必要性は従来より主張してきております。恒久化の問題、いわゆるツーリトル・ツーレート、または小出しという観点から、政府案には異議があるものの、減税の必要性と景気対策には与野党を超えて協力すべきものはするという理由から、税法については五月中に議了するという我が党の立場も、議院運営委員会理事会で再三表明してきたところでございます。
 にもかかわらず、他の法案も一くくりにし、いわば減税を人質にとって他の法案も早期に成立させる枠組みを、今までの経緯を無視してつくろうとしています。このような悪しき前例を残せば、審議促進のためにはいろいろな法案を寄せ集めて特別委員会をつくれることを国会として認めることになり、現在ある常任委員会の形骸化、ひいては国会審議の形骸化につながり、議会制民主主義を守る立場から、到底認めることができません。(拍手)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 前原誠司君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#8
○前原誠司君(続) 以上のような理由から、民主党は、ただいま提案のありました便宜的な特別委員会の設置には断固反対をし、財革法は財政構造改革特別委員会を再度設置し、補正予算は予算委員会で議論し、その後、関連法案を、大蔵、地方行政、そして商工の各常任委員会の場で審議することを強く求めまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 西川太一郎君。
    〔西川太一郎君登壇〕
#10
○西川太一郎君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました特別委員会の設置について、反対の立場から討論を行います。
 平成十年度を迎えても、我が国経済はいまだ深刻な危機を脱し得ず、株価、為替の低迷が続いております。総理御自身が我々の主張を一顧だにせず、自信満々に行ってきた九兆円国民負担増を初めとする財政帳じり合わせの結果が今日の危機をもたらしたことは、今や明白な事実であります。
 橋本内閣は、平成十年度補正予算及び予算関連法案を提出しようとしております。政府は、平成十年度予算審議中に幾度となく本予算案が最善のものであると答弁してこられました。また、我々の提出した予算組み替え要求も否決いたしました。しかるに、みずから招いたこの不況に反省も謝罪もなく、平成十年度予算成立直後に大型補正予算を提出するなど、議会軽視も甚だしく、言語道断であります。
 橋本内閣は、半年前に、我々の反対を押し切って財政構造改革法を強引に成立させました。前国会における財政構造改革法審議の際、予定されない経済政策について、直ちにそのことが補正要因になるとは考えるべきではないと繰り返し答弁をし、特に集中三カ年においては、景気対策としての補正予算を編成しないことが財政構造改革法にかなう原理であると答弁をされたのであります。また、補正予算案を提出するには、財政構造改革法に規定された財政健全化目標の見直しが不可欠であることは当然であります。
 そもそも、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審議以前に補正予算案、関連法案を提出することは、政府の言う財政構造改革法の原理に反し認められるものではありません。原案が審議された財政構造改革の推進等に関する特別委員会を設置の上、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を徹底的に審議し、望ましい財政構造改革のあり方、経済対策のあり方を論議し、橋本内閣の政治責任を明らかにした上で、補正予算案、補正予算関連法案を審議するべきであります。
 減税法案等を審議する前提が財政構造改革法の改正であり、財政改革法改正案と減税関係法案等を同じ委員会において一緒に審議することは本末転倒であります。
 また、国会法第四十五条では、「各議院は、その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる。」と明記されています。しかし、今回の減税関係法案等のどの部分が常任委員会の所管に属しない特定の案件に当たるのでしょうか。
 今回の減税法案等は、今国会において平成九年補正予算関連法案として提出された法案と変わるところはなく、当然に大蔵常任委員会、地方行政常任委員会、また商工常任委員会で審議するべき法案であります。それにもかかわらず強引に特別委員会を設置して審議することは、まさに国会法第四十五条に反することになり、常任委員会の存在意義さえ問われるのであります。
 私は、かかる観点に立ち、緊急経済対策に関する特別委員会設置の速やかなる撤回を強く求め、その上で、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、財政構造改革の推進等に関する特別委員会を設置の上先行して審議をし、減税関係法案等については、従来どおり大蔵常任委員会、地方行政常任委員会、商工常任委員会において審議することを強く求めるものであります。
 以上、特別委員会の設置について反対の意見を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 東中光雄君。
    〔東中光雄君登壇〕
#12
○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる緊急経済対策特別委員会の設置に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、特別委員会設置という院の構成にかかわる重要な案件は、本来、全会一致で行うのが議会制民主主義からいって当然のことであります。(拍手)
 しかるに、今回の特別委員会の設置は、野党第一党を初め、所属議員百五十人を超える野党三会派が反対意見を表明しているにもかかわらず、一部野党の賛成があるからといって、こうした状況で国会運営の基本にかかわる重要問題を強行するのは、まさに前代未聞であります。断じて容認することはできません。
 第二の理由は、提案されている特別委員会の名称は緊急経済対策としておりますが、その内容は、財政構造改革法の一部改正案と所得税の特別減税法案などの補正予算関連法案の審議をするためのものであり、五月中に法案を成立させるための審議促進を図っていることは明白であります。
 緊急経済対策というのであれば、今日の深刻な不況は、政府が、昨年、消費税率引き上げ、医療費の負担増など、九兆円もの国民負担をふやし、一方では、大銀行、ゼネコン、大企業には惜しまぬ支援をするなどの逆立ち政治を進めてきた結果であり、その責任を明らかにし、改めることこそ求められているのであります。今回、政府が提出した補正予算や関連法案は、浪費型公共事業の推進、社会保障連続改悪はそのままであり、国民が求める緊急経済対策の名に全く値しないものであります。
 また、重大なのは、財政構造改革法改正案も一括して審議しようとしていることです。
 財政構造改革法は、憲法で定められた財政民主主義の原則を踏みにじり、国会の予算審議権、予算修正権まで事実上制限するものとして、昨年十二月に、我が党を初め、野党の強い反対を押し切って強行成立させたものであります。昨年の臨時国会では、全省庁を拘束する財政構造改革は重要案件として、五十人規模の財政構造改革特別委員会を設置し、審議してきたものであります。
 法律を制定してわずか五カ月を経て同法律の改正案を提出するということは、政府の財政構造改革路線が破綻したことをみずから証明しているものです。
 我が党は、この間、国民に将来への展望を失わせ、犠牲と負担を強いる財政構造改革法は廃止すべきことを強く一貫して主張してきました。あえて政府が財政構造改革法の改正案を提出するのであれば、我が党初め野党三会派は、昨年の臨時国会と同様に財政構造改革特別委員会を設置し、十分審議を行うべきであること、所得減税法案などは所管の常任委員会で審議すべきであることを要求してきました。これらの性格の違う重要法案を一括して審議するというのは、まさに言語道断であります。断固反対するものであります。
 第三の理由は、特別委員会設置について定めた国会法第四十五条に照らしても問題があります。
 すなわち、国会法は、「その院において特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため」特別委員会を設置するとなっています。性質の異なる法案を特別委員会に一括付託をして審議促進を図るということは、国会法の定めた委員会制度と反するものであり、議員の審議権をじゅうりんするものであります。国会にあしき先例を残すものでありますから、断じて許すわけにはまいりません。
 以上、反対討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 緊急経済対策に関する特別委員会を設置するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十三
  可とする者(白票)       三百十七
  否とする者(青票)       百五十六
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、緊急経済対策に関する特別委員会を設置することに決まりました。(拍手)
    ―――――――――――――
緊急経済対策に関する特別委員会を設置を可とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      浅野 勝人君    麻生 太郎君
      甘利  明君    荒井 広幸君
      井奥 貞雄君    伊藤 公介君
      伊吹 文明君    飯島 忠義君
      池田 行彦君    石川 要三君
      石崎  岳君    石破  茂君
      石橋 一弥君    石原 伸晃君
      稲垣 実男君    稲葉 大和君
      今井  宏君    今村 雅弘君
      岩永 峯一君    植竹 繁雄君
      臼井日出男君    江口 一雄君
      江渡 聡徳君    江藤 隆美君
      衛藤征士郎君    衛藤 晟一君
      遠藤 武彦君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小野寺五典君
      小渕 恵三君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 秀章君
      太田 誠一君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      金田 英行君    亀井 久興君
      亀井 善之君    鴨下 一郎君
      川崎 二郎君    河井 克行君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木村 隆秀君    木村 義雄君
      岸田 文雄君    岸本 光造君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野統一郎君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 市雄君    熊代 昭彦君
      倉成 正和君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    栗本慎一郎君
      小泉純一郎君    小杉  隆君
      小林 興起君    小林 多門君
      古賀  誠君    古賀 正浩君
      河野 太郎君    河野 洋平君
      河本 三郎君    高村 正彦君
      佐田玄一郎君    佐藤 孝行君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 剛男君    佐藤  勉君
      斉藤斗志二君    坂井 隆憲君
      阪上 善秀君    桜井 郁三君
      桜井  新君    桜田 義孝君
      笹川  堯君    自見庄三郎君
      実川 幸夫君    島村 宜伸君
      下地 幹郎君    下村 博文君
      白川 勝彦君    新藤 義孝君
      菅  義偉君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 俊一君
      鈴木 恒夫君    鈴木 宗男君
      砂田 圭佑君    関谷 勝嗣君
      園田 修光君    田中 和徳君
      田中 昭一君    田中眞紀子君
      田邉 國男君    田野瀬良太郎君
      田村 憲久君    高市 早苗君
      高鳥  修君    高橋 一郎君
      滝   実君    竹下  登君
      竹本 直一君    武部  勤君
      橘 康太郎君    棚橋 泰文君
      谷  洋一君    谷垣 禎一君
      谷川 和穗君    谷畑  孝君
      玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
      中馬 弘毅君    津島 雄二君
      戸井田 徹君    東家 嘉幸君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島洋次郎君    中曽根康弘君
      中谷  元君    中野 正志君
      中村正三郎君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 成彬君
      中山 正暉君    仲村 正治君
      長勢 甚遠君    丹羽 雄哉君
      西川 公也君    西田  司君
      額賀福志郎君    根本  匠君
      能勢 和子君    野田 聖子君
      野田  実君    野中 広務君
      野呂田芳成君    葉梨 信行君
      萩野 浩基君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    林  幹雄君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田昇左右君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      堀之内久男君    牧野 隆守君
      増田 敏男君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    松本 和那君
      松本  純君    三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    宮島 大典君
      宮本 一三君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      目片  信君    持永 和見君
      望月 義夫君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田 健作君    森田  一君
      森山 眞弓君    八代 英太君
      矢上 雅義君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      柳本 卓治君    山口 俊一君
      山口 泰明君    山崎  拓君
      山中 貞則君    山本 公一君
      山本 幸三君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      吉川 貴盛君    吉田六左エ門君
      米田 建三君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    渡辺 喜美君
      綿貫 民輔君    青山 二三君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      井上 義久君    池坊 保子君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      上田  勇君    漆原 良夫君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      大口 善徳君    大野由利子君
      太田 昭宏君    近江巳記夫君
      長内 順一君    河合 正智君
      河上 覃雄君    神崎 武法君
      北側 一雄君    旭道山和泰君
      草川 昭三君    倉田 栄喜君
      斉藤 鉄夫君    坂口  力君
      白保 台一君    田端 正広君
      富田 茂之君    中野  清君
      並木 正芳君    西川 知雄君
      東  順治君    平田 米男君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      冬柴 鐵三君    前田  正君
      丸谷 佳織君    宮地 正介君
      若松 謙維君    秋葉 忠利君
      伊藤  茂君    上原 康助君
      辻元 清美君    土井たか子君
      中川 智子君    中西 績介君
      畠山健治郎君    濱田 健一君
      深田  肇君    保坂 展人君
      前島 秀行君    村山 富市君
      横光 克彦君    海部 俊樹君
      笹木 竜三君    園田 博之君
      武村 正義君    粟屋 敏信君
      伊藤 達也君    岩浅 嘉仁君
      小坂 憲次君    左藤  恵君
      坂本 剛二君    笹山 登生君
      中村喜四郎君
 否とする議員の氏名
      安住  淳君    赤松 広隆君
      伊藤 英成君    伊藤 忠治君
      家西  悟君    池田 元久君
      池端 清一君    石井 紘基君
      石井  一君    石毛 ^子君
      石橋 大吉君    岩國 哲人君
      岩田 順介君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      岡田 克也君    鹿野 道彦君
      海江田万里君    鍵田 節哉君
      川内 博史君    川端 達夫君
      神田  厚君    菅  直人君
      北橋 健治君    北村 哲男君
      北脇 保之君    熊谷  弘君
      桑原  豊君    玄葉光一郎君
      小平 忠正君    小林  守君
      木幡 弘道君    古賀 一成君
      五島 正規君    今田 保典君
      近藤 昭一君    佐々木秀典君
      佐藤謙一郎君    佐藤 敬夫君
      坂上 富男君    島   聡君
      島津 尚純君    城島 正光君
      末松 義規君    仙谷 由人君
      田中 慶秋君    田中  甲君
      高木 義明君    玉置 一弥君
      樽床 伸二君    辻  一彦君
      土肥 隆一君    中川 正春君
      中桐 伸五君    中沢 健次君
      中野 寛成君    永井 英慈君
      羽田  孜君    葉山  峻君
      畑 英次郎君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    原口 一博君
      日野 市朗君    肥田美代子君
      平野 博文君    福岡 宗也君
      藤田 幸久君    藤村  修君
      古川 元久君    細川 律夫君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      前原 誠司君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    松本 惟子君
      松本  龍君    山花 貞夫君
      山元  勉君    山本 譲司君
      山本 孝史君    横路 孝弘君
      吉田  治君    吉田 公一君
      渡辺  周君    安倍 基雄君
      青木 宏之君    青山  丘君
      東  祥三君    井上 喜一君
      石垣 一夫君    一川 保夫君
      江崎 鐵磨君    小沢 一郎君
      岡島 正之君    加藤 六月君
      久保 哲司君    佐々木洋平君
      佐藤 茂樹君    塩田  晋君
      菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君
      武山百合子君    達増 拓也君
      谷口 隆義君    中井  洽君
      中西 啓介君    中村 鋭一君
      二階 俊博君    西  博義君
      西川太一郎君    西田  猛君
      西野  陽君    西村 章三君
      西村 眞悟君    野田  毅君
      藤井 裕久君    二見 伸明君
      松浪健四郎君    三沢  淳君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      鰐淵 俊之君    石井 郁子君
      大森  猛君    金子 満広君
      木島日出夫君    児玉 健次君
      穀田 恵二君    佐々木憲昭君
      佐々木陸海君    志位 和夫君
      瀬古由起子君    辻  第一君
      寺前  巖君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    中林よし子君
      春名 直章君    東中 光雄君
      平賀 高成君    不破 哲三君
      藤木 洋子君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    松本 善明君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
      吉井 英勝君    河村たかし君
      中田  宏君    渡部 恒三君
    ―――――――――――――
#18
○議長(伊藤宗一郎君) ただいま議決されました特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第二 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#19
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長大野功統君。
    〔大野功統君登壇〕
#20
○大野功統君 ただいま議題となりました道路運送車両法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における自動車の装置の共通化等に対応して自動車の型式指定制度を合理化するため、自動車の装置の型式指定制度を創設するとともに、自動車の使用者の負担を軽減するため、分解整備検査を廃止する等所要の改正を行おうとするものであります。
 本案は、三月三日本院に提出され、四月二十三日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、四月二十四日藤井運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、去る五月八日質疑に入り、同日質疑を終了いたしました。
 次いで、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 日程第四 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
 日程第五 スポーツ振興法の一部を改正する法律案(第百四十回国会、本院提出)(参議院送付)
#23
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案、日程第四、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案、日程第五、スポーツ振興法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長高橋一郎君。
    〔高橋一郎君登壇〕
#24
○高橋一郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案は、スポーツ振興のために必要な資金を確保してスポーツの振興に寄与するため、スポーツ振興投票に関する事項を定めるものであり、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案は、スポーツ振興投票の実施等に関する法律の施行に伴い、スポーツ振興投票の実施に関連する業務を日本体育・学校健康センターの業務とする等の所要の規定を整備するものであります。
 また、スポーツ振興法の一部を改正する法律案は、最近におけるスポーツに関する情勢の変化等にかんがみ、スポーツの振興のための措置を一層適切に講じるため、必要な措置を講じようとするものであります。
 これら三法律案は、第百四十回国会に島村宜伸君外十二名から提出され、本院において原案のとおり可決し、参議院に送付され、同院において継続審査となっていたものでありますが、今国会において、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案及び日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案の二案は修正議決、スポーツ振興法の一部を改正する法律案は原案のとおり可決の上、去る三月二十日本院に送付され、四月二十四日本委員会に付託されたものであります。
 今回の参議院におけるスポーツ振興投票の実施等に関する法律案に対する修正の内容は、第一に、地方公共団体等が行うスポーツ振興事業に対する支援の強化、第二に、文部大臣によるスポーツ振興投票の実施の停止命令の規定の追加、第三に、スポーツ振興投票に係る収益の使途に関する国会への報告等情報公開の強化、第四に、指定試合の公正を確保するための罰則規定の追加等であります。
 また、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対する修正の内容は、スポーツ振興投票に係る収益の二分の一に相当する金額とされていた国庫への納付金の額を三分の一に相当する金額とするものであります。
 本委員会におきましては、去る四月二十四日参議院における修正部分についての趣旨説明を聴取し、以来参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を重ね、五月八日質疑を終了し、討論の後、採決の結果、これら三法律案はいずれも賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、これら三法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(伊藤宗一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#27
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百六十
  可とする者(白票)      三百四十六
  否とする者(青票)        百十四
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、スポーツ振興投票の実施等に関する法律案外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 スポーツ振興投票の実施等に関する法律案外二案を委員長報告のとおり可とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      浅野 勝人君    麻生 太郎君
      甘利  明君    荒井 広幸君
      井奥 貞雄君    伊藤 公介君
      伊吹 文明君    飯島 忠義君
      池田 行彦君    石川 要三君
      石崎  岳君    石破  茂君
      石橋 一弥君    石原 伸晃君
      稲垣 実男君    稲葉 大和君
      今井  宏君    今村 雅弘君
      岩永 峯一君    植竹 繁雄君
      臼井日出男君    江口 一雄君
      江渡 聡徳君    江藤 隆美君
      衛藤征士郎君    衛藤 晟一君
      遠藤 武彦君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小野寺五典君
      小渕 恵三君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 秀章君
      太田 誠一君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      金田 英行君    亀井 久興君
      亀井 善之君    鴨下 一郎君
      川崎 二郎君    河井 克行君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木村 隆秀君    木村 義雄君
      岸田 文雄君    岸本 光造君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野統一郎君    熊谷 市雄君
      熊代 昭彦君    倉成 正和君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    小林 興起君
      小林 多門君    古賀  誠君
      古賀 正浩君    河野 洋平君
      河本 三郎君    高村 正彦君
      佐田玄一郎君    佐藤 孝行君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 剛男君    佐藤  勉君
      斉藤斗志二君    坂井 隆憲君
      阪上 善秀君    桜井 郁三君
      桜井  新君    桜田 義孝君
      笹川  堯君    自見庄三郎君
      実川 幸夫君    島村 宜伸君
      下地 幹郎君    下村 博文君
      白川 勝彦君    新藤 義孝君
      菅  義偉君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 俊一君
      鈴木 恒夫君    鈴木 宗男君
      砂田 圭佑君    関谷 勝嗣君
      園田 修光君    田中 和徳君
      田中 昭一君    田邉 國男君
      田野瀬良太郎君    田村 憲久君
      高市 早苗君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    滝   実君
      竹下  登君    竹本 直一君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      棚橋 泰文君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      谷畑  孝君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    戸井田 徹君
      東家 嘉幸君    虎島 和夫君
      中尾 栄一君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島洋次郎君
      中曽根康弘君    中谷  元君
      中野 正志君    中村正三郎君
      中山 太郎君    中山 利生君
      中山 成彬君    中山 正暉君
      仲村 正治君    長勢 甚遠君
      丹羽 雄哉君    西川 公也君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    能勢 和子君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
      蓮実  進君    浜田 靖一君
      林  幹雄君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田昇左右君
      桧田  仁君    平沢 勝栄君
      平沼 赳夫君    平林 鴻三君
      深谷 隆司君    福田 康夫君
      福永 信彦君    藤井 孝男君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      二田 孝治君    船田  元君
      古屋 圭司君    保利 耕輔君
      穂積 良行君    堀之内久男君
      牧野 隆守君    増田 敏男君
      町村 信孝君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    松永  光君
      松本 和那君    松本  純君
      三ツ林弥太郎君    三塚  博君
      御法川英文君    宮澤 喜一君
      宮路 和明君    宮下 創平君
      宮島 大典君    宮本 一三君
      武藤 嘉文君    村井  仁君
      村岡 兼造君    村上誠一郎君
      村田敬次郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    目片  信君
      持永 和見君    望月 義夫君
      茂木 敏充君    森  英介君
      森  喜朗君    森田 健作君
      森田  一君    森山 眞弓君
      八代 英太君    矢上 雅義君
      谷津 義男君    保岡 興治君
      柳沢 伯夫君    柳本 卓治君
      山口 俊一君    山口 泰明君
      山崎  拓君    山中 貞則君
      山本 公一君    山本 幸三君
      山本 有二君    与謝野 馨君
      横内 正明君    吉川 貴盛君
      吉田六左エ門君    米田 建三君
      渡辺 具能君    渡辺 博道君
      渡辺 喜美君    綿貫 民輔君
      安住  淳君    赤松 広隆君
      伊藤 英成君    小沢 鋭仁君
      大畠 章宏君    鹿野 道彦君
      鍵田 節哉君    川内 博史君
      川端 達夫君    熊谷  弘君
      木幡 弘道君    古賀 一成君
      五島 正規君    今田 保典君
      佐藤 敬夫君    島   聡君
      島津 尚純君    末松 義規君
      田中 慶秋君    高木 義明君
      玉置 一弥君    土肥 隆一君
      中川 正春君    中沢 健次君
      中野 寛成君    羽田  孜君
      畑 英次郎君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    藤村  修君
      堀込 征雄君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    山元  勉君
      吉田  治君    吉田 公一君
      渡辺  周君    石田 勝之君
      市川 雄一君    小沢 辰男君
      大口 善徳君    太田 昭宏君
      河合 正智君    旭道山和泰君
      草川 昭三君    坂口  力君
      冨沢 篤紘君    中野  清君
      並木 正芳君    福留 泰蔵君
      前田  正君    宮地 正介君
      若松 謙維君    安倍 基雄君
      青山  丘君    東  祥三君
      石垣 一夫君    一川 保夫君
      岡島 正之君    加藤 六月君
      久保 哲司君    佐々木洋平君
      佐藤 茂樹君    塩田  晋君
      菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君
      達増 拓也君    谷口 隆義君
      中井  洽君    中西 啓介君
      西  博義君    西川太一郎君
      西田  猛君    西野  陽君
      西村 眞悟君    二見 伸明君
      松浪健四郎君    三沢  淳君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      鰐淵 俊之君    上原 康助君
      中西 績介君    深田  肇君
      前島 秀行君    村山 富市君
      横光 克彦君    海部 俊樹君
      笹木 竜三君    中田  宏君
      園田 博之君    武村 正義君
      粟屋 敏信君    伊藤 達也君
      小坂 憲次君    左藤  恵君
      坂本 剛二君    笹山 登生君
      中村喜四郎君    渡部 恒三君
 否とする議員の氏名
      伊藤 忠治君    家西  悟君
      池田 元久君    池端 清一君
      石井 紘基君    石毛 ^子君
      石橋 大吉君    岩國 哲人君
      岩田 順介君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      岡田 克也君    海江田万里君
      神田  厚君    菅  直人君
      北橋 健治君    北村 哲男君
      北脇 保之君    桑原  豊君
      玄葉光一郎君    小平 忠正君
      小林  守君    近藤 昭一君
      佐々木秀典君    佐藤謙一郎君
      坂上 富男君    城島 正光君
      仙谷 由人君    田中  甲君
      樽床 伸二君    辻  一彦君
      中桐 伸五君    永井 英慈君
      葉山  峻君    日野 市朗君
      肥田美代子君    平野 博文君
      福岡 宗也君    藤田 幸久君
      古川 元久君    細川 律夫君
      前原 誠司君    松本 惟子君
      松本  龍君    山花 貞夫君
      山本 譲司君    山本 孝史君
      横路 孝弘君    青山 二三君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      井上 義久君    池坊 保子君
      石井 啓一君    石田幸四郎君
      上田  勇君    漆原 良夫君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      大野由利子君    近江巳記夫君
      長内 順一君    河上 覃雄君
      神崎 武法君    北側 一雄君
      倉田 栄喜君    斉藤 鉄夫君
      白保 台一君    田端 正広君
      富田 茂之君    西川 知雄君
      東  順治君    平田 米男君
      福島  豊君    冬柴 鐵三君
      丸谷 佳織君    青木 宏之君
      石井 郁子君    大森  猛君
      金子 満広君    木島日出夫君
      児玉 健次君    穀田 恵二君
      佐々木憲昭君    佐々木陸海君
      志位 和夫君    瀬古由起子君
      辻  第一君    寺前  巖君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
      中林よし子君    春名 直章君
      東中 光雄君    平賀 高成君
      不破 哲三君    藤木 洋子君
      藤田 スミ君    古堅 実吉君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      秋葉 忠利君    伊藤  茂君
      辻元 清美君    土井たか子君
      中川 智子君    畠山健治郎君
      濱田 健一君    保坂 展人君
      河村たかし君    岩浅 嘉仁君
     ――――◇―――――
 日程第六 保護司法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#29
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六、保護司法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長笹川堯君。
    〔笹川堯君登壇〕
#30
○笹川堯君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、保護司制度の充実強化を図るため、保護司の職務の遂行に関する規定を整備するとともに、保護司組織を法定化する等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は、
 第一に、保護司は、地方更生保護委員会または保護観察所の長から指定を受けて当該地方更生保護委員会または保護観察所の所掌に属する事務に従事するほか、保護観察所の長の承認を得た保護司会の計画の定めるところに従い、当該保護観察所の所掌に属する一定の事務に従事するものとすること、
 第二に、保護司は、その置かれた保護区ごとに保護司会を組織するものとし、保護司会は原則として都道府県ごとに保護司会連合会を組織するものとすること、
 第三に、地方公共団体は、保護司、保護司会及び保護司会連合会の活動に対して必要な協力をすることができるものとすること
であります。
 本案は、参議院先議に係るもので、四月十七日同院において原案のとおり可決され、本院に送付されたものであります。
 委員会においては、去る六日下稲葉法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、八日に質疑を行い、これを終了し、直ちに採決を行った結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 行政改革基本法案(伊藤英成君外三名提出)
 日程第八 中央省庁等改革基本法案(内閣提出)
#33
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第七、伊藤英成君外三名提出、行政改革基本法案、日程第八、内閣提出、中央省庁等改革基本法案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。行政改革に関する特別委員長高鳥修君。
    〔高鳥修君登壇〕
#34
○高鳥修君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、行政改革に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、伊藤英成君外三名提出の行政改革基本法案について申し上げます。
 本案は、行政改革について、基本理念及び国の責務を明らかにするとともに、行政改革の推進に関する施策の基本となる事項を定め、並びに国会に行政改革調査会を置くものとすることにより、国会の主導のもとに、行政改革を総合的かつ効果的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、行政改革は、行政の公正の確保と透明性の向上並びにその簡素化及び効率化を旨とし、住民参加を真に実現するための地方分権の推進、市場原理及び市民の自立的な活動を尊重して行う国の規制の撤廃等による国の役割の限定等により、戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、もってより自由かつ公正で国民が安心して暮らすことのできる社会の形成に資することを基本として行われるものとし、国は、この基本理念にのっとり行政改革を推進する責務を有すること、
 第二に、国は、地方分権を推進する観点から、国の役割を限定するとともに、国と地方公共団体のそれぞれの事務に要する経費の割合に見合う地方税財源の確保等の措置を講ずるものとすること、
 第三に、内閣総理大臣その他の国務大臣に対する補佐体制の充実を図るため、副大臣制度を導入するとともに、内閣に副大臣等会議を置くものとすること、
 第四に、国会に、行政改革の実施に必要な立法について検討を行い、案を示して両議院に勧告する機関として、行政改革調査会を置くものとすること
としております。
 本案は、去る五月七日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、翌八日提出者伊藤忠治君から提案理由の説明を聴取し、昨十一日に質疑を行い、討論、採決の結果、賛成少数をもって否決すべきものと議決した次第であります。
 次に、内閣提出の中央省庁等改革基本法案について申し上げます。
 本案は、行政改革会議の最終報告を最大限に尊重する旨の閣議決定に従い、同報告の趣旨にのっとって行われる内閣機能の強化、国の行政機関の再編成等の改革について、その基本的な理念及び方針等を定めるとともに、その推進に必要な体制を整備しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、中央省庁等の改革は、国の行政組織並びに事務及び事業の運営を簡素かつ効率的なものとするとともに、その総合性、機動性及び透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、もって自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとし、国は、この基本理念にのっとり中央省庁等の改革を推進する責務を有すること、
 第二に、政府は、内閣機能の強化を図るため、内閣総理大臣の発議権、国務大臣の総数、内閣官房の任務及び組織のあり方、内閣府の設置等の措置について定めること、
 第三に、国務大臣を長とする現行の一府二十一省庁を一府十二省庁に編成する等中央省庁を行政目的別に大くくりし、新たな省の名称、主要な任務及び主要な行政機能並びに編成方針を定めるものとすること、
 第四に、政府は、郵政事業等現業の改革、独立行政法人制度の創設などにより、国の行政組織等の減量、効率化等を積極的かつ計画的に推進するとともに、国家公務員制度の改革、行政情報の公開、地方分権の推進等について所要の措置を講ずるものとすること、
 第五に、中央省庁等の改革による新たな体制への移行の推進に必要な中核的事務を集中的かつ一体的に処理するため、内閣に、中央省庁等改革推進本部を設置すること、
 第六に、政府は、遅くともこの法律の施行後五年以内に、できれば平成十三年一月一日を目標として、新たな体制へ移行を開始するもの
としております。
 本案は、去る二月十七日本院に提出され、四月十日の本会議において趣旨説明を聴取した後、質疑を行い、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、同月十六日小里総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、昨十一日まで十一回にわたり政府等に対する質疑を行ってまいりました。この間、四月三十日及び五月六日には参考人から意見を聴取する等慎重に審査を重ね、昨十一日質疑を終了いたしましたところ、本案に対し平和・改革から修正案が提出され、討論、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○議長(伊藤宗一郎君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。古川元久君。
    〔古川元久君登壇〕
#36
○古川元久君 私は、民主党を代表して、政府提出の中央省庁等改革基本法案に反対、民主党提出の行政改革基本法案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 今回の行政改革においては、中央政府のスリム化は大前提であり、不可欠な改革であります。当然、橋本総理もこの点を以前から何度も繰り返しています。しかし、総理も担当大臣である総務庁長官も、この最も重要な点について、これまでの議論では何ら具体的な方向性を示すことができませんでした。
 中央政府のスリム化を進めるためには、地方分権と規制緩和が両輪であることは議論のないところだと考えます。しかし、この法案には、その中身について何ら具体的な改革内容が示されていません。
 地方分権に関しては、政府案の五十一条で触れられています。その内容は、地方分権推進委員会の勧告を着実に実施することという当たり前のことにすぎません。しかも、問題は、この地方分権推進委員会の勧告の中身です。地方分権推進委員会の活発な活動については、私は心より敬意を表しています。しかし、総理は当然御承知のこととは思いますが、地方分権推進委員会の勧告では、実際の事務事業の移譲は全くと言っていいほどありません。昨年十月に提出された第四次勧告に、おまけのように盛り込まれただけであります。
 地方分権推進委員会の中心となるテーマは、機関委任事務の廃止と、これに伴う事務の新たな振り分けです。しかし、機関委任事務を新たに自治事務に振り分けたからといって、その事務は以前から自治体が行っていた事務であり、何ら変わるところはありません。法律は、従来と同じように、自治体の事務を細部まで縛っているのです。
 さらに、地方分権推進委員会の勧告では、自治体が最も望んでいた地方財源の拡充について、総理が主宰する財政構造改革会議が先に出した結論に縛られ、何ら期待にこたえる勧告は行えませんでした。
 このように実際に国から地方への事務も財源も移譲していない地方分権推進委員会の勧告を着実に実施したところで、中央政府のスリム化が進むはずはありません。唯一公共事業については国の事業を限定するそぶりを見せてはいますが、その移譲先が地方支局では、全く地方分権とは言えません。
 規制緩和についても同様であります。
 規制緩和は、ゆっくりですが、それなりに近年進んでまいりました。細川政権が行った携帯電話に関する規制緩和ほど大きな効果は見られませんが、セルフガソリンスタンドの解禁や割安タクシーの導入などはその成果だと評価いたします。
 しかし、この規制緩和の推進を担っていた行政改革委員会は、昨年十二月をもって設置期限が切れてしまいました。行政改革委員会が言うように、規制緩和は本格的に始まったばかりであり、法令の改正など具体的な措置はこれからであります。この大事な時期に、肝心の行政改革委員会が廃止されてしまったのであります。あとは官僚任せというのが実情であります。
 今回の行政改革の目的は、手法、体制とも時代に合わなくなった行政システムを二十一世紀型の社会にふさわしい形に再構築すべきこと、すなわち、行政の形だけでなく、質をも含めた転換にあります。二十一世紀型の社会は、これまでの中央集権型、官僚主導型の社会から、地方分権型、民主導型の社会へ変わっていかなければなりません。今求められている行政改革とは、行政システムもそうした社会に適合するような形に変えていくことなのであります。そのためには、官から民へ、中央から地方へという視点で行政の役割の見直しがまず行われるべきであり、中央省庁再編はその上で、残った中央政府の役割をどのような形で分担していくかという観点から論じられなければなりません。
 しかし、今回の法案は、こうした前提となる部分が抜け落ちたまま、中央省庁再編だけを先行させたものであり、あるべき手順と全く逆と言わざるを得ません。まさに意図的に、行政改革イコール中央省庁再編と、行政改革の議論を矮小化させたものであります。より重要な改革をなおざりにして、性急に省庁の再編という箱物づくりばかり急ぐ総理の姿勢は、従来の箱物優先、公共事業優先の姿勢の延長に思えてなりません。
 さらに、政府案の大きな欠点は、行政改革の主導権を官僚にゆだねていることであります。今回の基本法はプログラム法であり、実質的な中身の改革は今後の設置法等の制定作業の中で具体化するものであります。このプログラム法が成立すれば、この最も重要な改革の部分が、本来まないたの上のコイであるはずの官僚の手に事実上ゆだねられ、このままでは官僚による行革になるおそれがあります。
 昨日、委員会においてこれを防ぐための附帯決議が採択されましたが、本来ならば、これは行政改革を推進するための、しかもプログラム法である本法律案の根幹をなす部分であり、これが本法に盛り込まれなかったこと自体が官僚による行革のそしりを免れないと考えます。
 以上のように、改革の中身を先送りし、その作業を官僚にゆだねようとする本行革案では、実質的な行政改革の進展は全く望めません。次々と破綻する橋本六大改革を取り繕うだけの、すなわち総理のメンツだけの法案であると断ぜざるを得ません。
 これに対し、民主党提案の行政改革基本法案は、中央政府の役割の限定を明らかにしております。そのために、地方財源の拡充の方針と目標を明らかにしており、また規制のサンセット化を盛り込んでいます。この法案が成立し、これらが実現した暁には、中央政府のスリム化が大幅に進展することは明白であります。
 また、政治のリーダーシップを確立するために、複数の政治家が省庁の内部に入っていくことを盛り込んでおります。大臣は省庁の代表ではありません。国民の代表者として行政機関を指揮監督するのが務めであります。しかし、一人で役所に入ってもその実効性が確保できないことは明らかであり、そのために、副大臣あるいは政務補佐官といった形で、複数の政治家がグループで役所を管理する必要があります。その上でこれらの政治家が内閣を補佐することで、初めて政治の指導性の強化が実現できるのであります。
 さらに、何よりも評価すべきことは、これらの改革を立法府が責任を持って二年以内に行うということであります。
 地方分権も規制緩和も、そして省庁再編も、政府案では官僚に依存しています。これでは、いつまでたっても、官僚主導の「この国のかたち」を民主導の新しい国の形に根本的に生まれ変わらせることはできません。政治が責任を持って二十一世紀の「この国のかたち」を描き、国民に対して将来への展望を示し、そのために必要な行政の改革を断行することによって、初めてこの国を覆う行き詰まり感を払拭することができるのであります。官僚の官僚による官僚のための行政改革から、国民の国民による国民のための行政改革に転換するためには、民主党案のように国会が行革の主体的な役割を果たすことが不可欠であります。
 以上のように、今回の行政改革に求められている視点から見ると、彼我の優劣は明らかであります。政府案は官僚による単なる看板のかけかえであるという問題点から反対を、民主党案こそが二十一世紀の「この国のかたち」を再構築する真の行革への第一歩であるという観点から賛成を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#37
○議長(伊藤宗一郎君) 二田孝治君。
    〔二田孝治君登壇〕
#38
○二田孝治君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合及び新党さきがけの与党三党を代表して、内閣提出の中央省庁等改革基本法案に賛成、民主党提出の行政改革基本法案に反対の討論を行います。(拍手)
 我が国の行政システムは、明治十八年の太政官制の廃止と内閣制度の創設によりその基礎が築かれ、これまでその時代時代に必要な部分的な改革は行われたものの、基本的には今日まで引き継がれてきました。このシステムは、近代国家の建設と豊かな社会経済の実現には貢献してまいりましたが、今日、内外の環境変化や複雑多岐にわたる行政課題に十分に対応できなくなり、もはや限界を見せつつあります。
 そこで、明治以来一世紀以上続いてきた行政システムを抜本的に改め、より自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい行政システムを構築していこうとするのが今回の大改革であります。
 この改革は、これまでの改革とは次元を異にし、我が国社会経済システムの基本にかかわるような世紀の大改革であります。官僚組織を初め大きな痛みを伴うことになりますが、産みの苦しみを克服し、歴史的な大改革に皆さんとともに参画できることを光栄に思う次第であります。
 それでは、政府の基本法案に具体的に賛成する理由を申し述べます。
 まず第一に、内外の情勢変化に機動的に対応し、政府の中枢として総合的、戦略的な政策決定ができるようにするため、内閣の機能を高度化し、総理の指導性が明確化されます。
 第二に、行政の減量、効率化のための基本方針を定めるだけでなく、郵政事業の公社化や独立行政法人制度の創設、公共事業の見直しなど、画期的な改革が盛り込まれるとともに、新たな省ごとにきめ細かく見直し事項が列挙されております。
 第三に、新たな行政課題に対応した中央省庁の再編であります。中央省庁の機能を政策の企画立案に重点化し、縦割りを排した新たな政策調整システムが考案され、政策評価機能の確立や情報公開の徹底など、行政の透明化に資する措置も盛り込まれております。
 なお、今回の審議の過程で、再編により巨大官庁ができるのではないかとの懸念が指摘されておりますが、この点に関しては、地方分権や規制撤廃・緩和などを強力に推進し、仕事の減量、効率化を行った上で再編を行うこととされており、御懸念は当たらないと考えます。
 最後に、改革の実施体制やスケジュールについては、新体制への移行のための具体的作業の中核になる組織として、政府内に推進本部を設置することとし、二〇〇一年一月一日に新体制への移行を目指すこととされております。
 これに対し、民主党の行政改革基本法案は、その内容が抽象的であいまいであり、改革の具体案づくりは今後設置される行政改革調査会での検討にすべてゆだねられているなど、実質的に改革の先送りと言わざるを得ないものであり、反対であります。
 今後の道筋を展望すると、改革を進めていく過程ではさまざまな反発や抵抗も予想されるところであります。しかしながら、政府におかれては、これらの困難を克服して、来るべき二十一世紀へ向け、中央省庁の改革を着実に推進していかれることを期待いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#39
○議長(伊藤宗一郎君) 若松謙維君。
    〔若松謙維君登壇〕
#40
○若松謙維君 私は、平和・改革を代表して、ただいま議題となりました政府提出の中央省庁等改革基本法案に反対の立場から討論を行います。
 さきの総選挙では、各党がこぞって行政改革を公約に掲げました。今や日本は経済の高度成長とキャッチアップの時代を終え、成熟経済の段階に突入しております。高度成長の時代に有効であった行政運営と行政のあり方が、現在は逆に民間経済の健全な発展を阻害し、海外からは不公正なシステムとして批判を浴びる結果となっているのです。もはや、行政改革は単に現政権だけの課題ではなく、政治全体の国民に対する課題であり、約束でもあります。その意味で、橋本政権が戦後初めてとも言える中央省庁の再編を含む包括的な行政改革法案を提出したことに対しては、一定の評価をいたします。
 しかしながら、その内容について子細に検討し、委員会の審議を通じて明らかになった点を考慮すると、政府案には幾つかの重要な問題点が残されています。
 以下、具体的に本法案の問題点を指摘したいと思います。
 第一の問題点は、今回の行革が中央省庁の再編にエネルギーを費やした結果、中央から地方へ、官から民へという分権の視点が非常に弱いものになっているということであります。
 地方分権と規制緩和という二つの柱は、理念としては本法案に盛り込まれているものの、具体的な分権の仕組みやスケジュールが盛り込まれていないため、二つの分権が単なる精神規定に終わるおそれがあります。中央官庁に過度に集中した権限を地方と民間に移譲することが行革の星であり、かなめであります。
 例えば、法案の三十二条に「国の事務及び事業の見直しを行い、国の事務及び事業とする必要性が失われ、又は減少しているものについては、民間事業への転換、民間若しくは地方公共団体への移譲又は廃止を進めること。」とありますが、これらの見直しはいつまでにやるのか、どの程度の減量化の目標を想定しているのか。委員会の質疑の中でもこれらの点はたびたび取り上げられたにもかかわらず、政府は明確な答弁を行いませんでした。
 単に省庁を一府十二省に再編しただけでは、国民にとっては役所が巨大化したにすぎません。国民生活に直接かかわる地方分権と規制緩和の具体像が示されない行革では、行革会議最終報告に言う「この国のかたち」ではなく「この国の役所のかたち」を描いたものにすぎないと言わざるを得ません。
 第二点は、設置法行政のあり方の見直しについてであります。
 基本法案成立後には新たな各省設置法が作成されることになりますが、その際に、各省の設置法から権限規定を削除することが不可欠と考えます。現行の設置法には、所掌事務とほぼ対応する形で権限規定が書かれており、これがいわゆる役所の裁量行政の根拠となってきたのであります。裁量行政は官民のもたれ合いを生み、また、近年相次いだ官僚汚職の温床となります。各省設置法を新たに制定するという千載一遇のチャンスをとらえ、この際、設置法から権限規定を削除すべきであります。
 日本が法治国家である以上、行政の権限は個別の法律に基づいたものに限定されるべきであります。裁量を許容する行政は、国民を統治する存在として君臨する行政であり、行革会議最終報告に言うような、国民を統治の主役ではなく、対象とする行政であります。
 この設置法からの権限規定削除は、我々が委員会質疑でもたびたび指摘し、参考人質疑でも有識者から提言された点でもあります。政府は十分にこの指摘を受けとめ、省庁再編を行う以上はその具体化に努力すべきであります。
 第三点目は、今回の行革によって、どれだけ行政のスリム化が可能になるのかが明らかにされなかった点であります。
 国民にとって最大の関心事は、今回の行革によって、どれだけ行政経費の削減が可能になるかであります。公務員の不祥事が相次ぎ、今や行政への信頼は極度に低下する中で、国民は、我々の納めた税金が本当にむだなく有効に使われているかについて、大きな疑問を持っております。民間が血を流すような思いでリストラを進める中、政府が行政改革を掲げる以上、行政経費の削減に思い切って取り組むことなしに、到底国民の理解が得られるものではありません。
 しかしながら、この点についても、委員会審議では、政府は目標値すら明らかにしませんでした。どれだけ削減できるかはやってみなけりゃわからないというのでは、余りにも無責任であり、空手形を切れと言うのに等しい。現在求められている行政のアカウンタビリティーを放棄した態度と言わざるを得ません。
 第四の問題点は、省庁再編に戦略的視点がないということであります。
 郵政三事業の国営・一体化による郵政公社化、総務省への電気通信・放送行政の帰属、農業人口の大幅な減少にもかかわらずほぼ現状維持となった農林水産省など、今回の省庁再編には戦略的視点が欠如しております。二十一世紀の世界を見据えながら、削るべきところは削り、重点化すべきところは重点化するという柔軟な戦略的思考がなければ、大競争時代と言われる国際競争の中で、日本は埋没していく運命をたどることになります。
 特に、問題点として指摘しておきたいのが、金融と財政の分離が貫徹されず、金融破綻処理及び金融危機管理が、「当分の間」という極めてあいまいな表現で財務省に残された点であります。各省庁の中でもずば抜けた権力を保持してきた大蔵省の改革に禍根を残すことは、改革全体の成否を象徴するものであり、「当分の間」という、いかようにでも解釈できる文言をやめ、期限を明確にしなければなりません。
 このほかにも、対象となる独立行政法人が明らかにされず、政治的決着の要素を残したことや、今後の改革を推進、監視する第三者的機関の設置が盛り込まれていないことなどが、委員会審議で主要な論点として指摘されたにもかかわらず、政府は明確な対処方針を示しておりません。
 我々としては、以上指摘したような問題点を残したままの政府原案は、このままでは到底賛成することができません。
 幸い、自民、民主、社民、平和・改革を含む四会派で、第三者機関の設置及び設置法改正における裁量行政の排除を附帯決議として合意いたしました。平和・改革としても、今後の政府の起草作業に対して、この附帯決議が着実に反映されていくことをしっかり監視してまいります。
 一方、民主党提案の行政改革基本法案は、中央政府の役割を限定し、そのほかはすべて地方と民間へゆだねること、地方税財源の大幅拡充などを掲げ、理念としては、我々と立場を同じくするものであります。しかしながら、省庁等の具体的な改革像が法案に明らかになっておらず、改革が数年先に先送りされるおそれが払拭できず、残念ながら、賛成することはできません。
 最後に、我々、平和・改革は、本法案が与党多数の数の力によって可決されたとしても、以上指摘した問題点の改善を今後も粘り強く主張し、真の行政改革に全力を尽くすことを明言し、私の討論といたします。(拍手)
#41
○議長(伊藤宗一郎君) 佐々木洋平君。
    〔佐々木洋平君登壇〕
#42
○佐々木洋平君 私は、自由党の佐々木洋平です。
 党を代表して、政府提出、中央省庁等改革基本法案に対して、反対の立場から討論をいたします。
 二十一世紀を目の前にして、今我が国は、政治、行政、経済、社会のすべてにわたり、構造改革を断行しなければなりません。行政改革の必要性については、今さら言うまでもございません。
 我々は、かつて三度にわたり、特殊法人の全廃を含んだ中央省庁統廃合のための法律案を提出いたしましたが、政府・与党はこれを廃案といたしました。今になって、単なる機構いじり、省庁半減の数合わせの基本法ではなく、直接、各省庁設置法の改正案を提出すべきであります。この中央省庁等改革基本法案では、行政改革とは言えないのであります。
 また橋本総理は、昨年末、みずから強引に成立させた財政構造改革法の改正案を提出されますが、橋本内閣は、わずか半年先のことも見通せないありさまであります。このような橋本内閣に、国家百年の大計に立った、国の仕組みの基本を考え、既得権益の強力なしがらみを打破しなければならないこの行政改革などを、行う資格も能力もあるはずがありません。橋本内閣では、この中央省庁等改革基本法案も着実に実行されるかどうか、甚だ疑問であります。
 以下、法案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対する第一の理由は、この中央省庁等改革基本法案は肝心な中身の見直しを伴っていないことでございます。
 国、地方、民間の役割分担を見直し、官から民へ、中央から地方への考えに基づき、規制の撤廃・緩和、地方分権、官業の民間への移管など、民間経済に活力を与え、地方の活性化を図り、もって、中央省庁の仕事を減らす行政改革を断行しなければならないにもかかわらず、その視点が欠落しております。
 大きな政府か小さな政府か、この判断基準は、財政の規模や公務員の数の大小ではなく、民間活動への介入の度合いが大きいか小さいかが判断の基準にならなければなりません。権限が集中する巨大官庁の誕生により、今以上にチェックが困難となるおそれがあります。この法案は、中央省庁等改革基本法案ではなく、省庁の数合わせ法案であります。
 反対する第二の理由は、陳情政治や利権政治の温床となり、与党集票システムの一環と化している現在の裁量行政の仕組みや、一連の官僚による不祥事を初め、政治腐敗を生む元凶となっている仕組みを全廃するという視点がないことであります。
 政官業の癒着を断ち切り、利権政治をなくし、フリー、フェア、オープン、すなわち公明正大、正々堂々、透明度の高い社会をつくり、政治家や役人に取り入るのではなく、自立した個人、地方自治体が、自己責任を持って正々堂々と胸を張って活動できる社会につくりかえなければならない、その施策が全く入っていません。
 そして、反対する最大の理由は、公務員制度、政策の立案執行体制、財政投融資、公共事業のあり方、そして統治機構のあり方など、機構改革に一切のメスが入っていないという点であります。
 国と地方でどのように役割分担をするのか、そして、権限を移譲する自治体がどうあるべきなのかという視点も欠落しております。肥大化するのみの公共事業官庁で、効率よく社会資本の整備は行えません。省益優先の官僚機構の改革に大胆にメスを入れない限り、それこそ利権の巣窟になってしまうのであります。
 公共事業は、国が責任を持って行う大規模事業とそれ以外に峻別をすべきであります。国の直轄事業以外の公共事業の補助金制度を廃止して、地方自治体に一括交付金として交付をし、自治体の裁量によって、自治体が真に必要とする事業が自由に行えるようにしなければなりません。これによって初めて国、地方の役割分担、効率よい社会資本の整備が可能となります。
 また、地方自治体も、体力をつけるために三百程度に再編することも必要と思います。
 中央省庁の権限の縮小は、政官業癒着の構図を断ち切るのみでなく、経済政策においても市場原理の導入ということになります。
 昨今の我が国を含めたアジアの金融・通貨危機の原因の一つに、政府主導の経済運営が挙げられております。つまり、政府の過剰な市場介入によりマーケットメカニズムがゆがみ、金融危機を招いているということを言われております。にもかかわらず、与党幹部は、郵貯、簡保などの公的資金によって株価をつり上げたり不動産担保証券を購入することに、何のためらいもなく言及しております。政府・与党には、行政改革を行う資格などありません。
 また、中央省庁改革基本法には、役所の数以外の数値目標がありません。財政構造改革法では、帳じり合わせのためではあるが、歳出一律削減を規定しておりますが、行政改革においても、歳出削減目標をはっきりと定めるべきであります。
 橋本総理の六つの改革は、日本の抱えておる課題を単に羅列したにすぎず、相互にリンクしていないからであります。行政、財政一体の見直しを行い、歳出削減を行うべきであります。
 今、我が国の少子・高齢化社会を目の前にして、また、グローバル化、ボーダーレス化する経済に対応するために政治、行政、経済、社会のすべてにわたる構造改革を断行しなければなりません。民間活力が最大限に発揮でき、世界とも調和を可能とする、国民が主役の社会を確立するために根本から再構築、つまり民力の回復のための政策が必要であり、改革はすべて一体のものとして行わなければなりません。
 肥大化した官が民からお金を吸い上げ使い道を決めるのではなく、国民がみずからの才覚と自己責任で金の使い道を決めることを可能とするような制度改革を実行するべきであります。行政改革により削減した支出は減税財源とすることにより、金の流れるルートも改革しなければなりません。
 また、行政改革を成功させるためには、経済環境の整備も必要であります。
 行政改革ほど、戦略的手法が必要であり、常に痛みが伴います。これまでの行政や規制で保護や利益を受けた人たちにとって、厳しい試練にさらされます。したがって、病院で手術を行う場合患者さんの体力の回復を施してから手術を行うように、行政改革を成功させるためには、これらの人々が対応しやすくするための経済環境の整備が不可欠であります。
 財政デフレで経済を失速させ続けている橋本内閣の行政改革は、成功するはずはありません。
 今取り組むべきものは、大型減税などを柱として我が国の経済を自律的成長の軌道に乗せる経済構造改革を推進すると同時に、官から民へ、中央から地方への考えに基づき、規制の撤廃・緩和、地方分権、官業の民間への移管など、民間経済に活力を与え地方の活性化を図る行政改革を断行することであります。改革はすべて一つのパッケージとして取り組まなければなりません。
 行政改革は、機構をいじることや、看板をかけかえたり役所の名前が長いとか短いとかという話ではございません。
 中央省庁等改革基本法は、構造改革を妨げるものであり、廃案とすべきであります。
 なお、民主党提出の行政改革基本法案については、一部賛成のできる点はありますが、反対いたします。
 以上をもって、反対の理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)
#43
○議長(伊藤宗一郎君) 平賀高成君。
    〔平賀高成君登壇〕
#44
○平賀高成君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁等改革基本法案に対する反対討論を行います。(拍手)
 今国民が求めている行政改革は、政財官の癒着構造を抜本的に打ち破り、行政のゆがみを正すことです。ところが、本法案は、続発する汚職腐敗事件、政財官癒着をなくすことは行政改革会議でも全く審議された形跡もなく、法案では完全に欠落をしています。法案は橋本六大改革の一環として行われるものでありますが、既に財政構造改革法は国民の大きな批判のもとで大幅修正せざるを得なくなるなど破綻をしております。既に破綻した財政構造改革の推進を盛り込んだ本法案は成り立たないものであります。
 審議の中で、政府から将来の国のあり方について展望ある説明はついに聞けなかったのであります。橋本行革は国民が求めている行政改革とは無縁のものであり、史上最悪の経済状況に国民生活を追い込んでいる自民党・橋本内閣に二十一世紀を語る資格はありません。
 以下、具体的に反対の理由を述べるものであります。
 反対の第一の理由は、本法案は、首相権限を強化し、トップダウン的な政策の実行、新ガイドラインを推進するために内閣機能の強化を進めようとしているからです。しかも、小里総務庁長官は、法案をとにかく通してくれと繰り返しています。これは通した後で自由にやろうということであり、許されるものではありません。
 トップダウン政治が国民に何をもたらすかは、九兆円の国民負担を押しつけ、不況を深刻にし、贈賄銀行に三十兆円もの税金投入を行うなど、文字どおり国民を欺く悪政の連続です。こうしたことからも明らかなように、トップダウン政治は民意の無視であり、国会の行政に対するコントロール強化に逆行するものです。
 さらに重大なことは、新ガイドラインに基づく対米軍事支援法によって、周辺事態での米軍への支援は、戦闘中の米軍空母に公海上で武器弾薬の輸送さえも可能になっています。国会の承認を得ないまま、閣議決定だけで米軍支援計画を発動できるようにするなど、内閣機能の強化は、新ガイドラインに沿った有事に即応できる軍事優先の強権的国家体制をつくる一環であり、到底認められるものではありません。
 反対理由の第二は、建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁を合体させ、公共事業の七割を占める巨大利権官庁を出現させ、破綻した苫小牧東部開発やむつ小川原開発などゼネコン浪費型の国家的プロジェクトを進めるものであるからです。
 行政改革会議の最終報告は、膨大な財政赤字に象徴される負の遺産を問題にしています。ゼネコン型の大規模公共事業の浪費とむだをなくし、公共事業の見直しを行わなければ、財政再建はできません。国土交通省をつくり六百三十兆円の公共投資の総量や道路五カ年計画など、長期計画の抜本的な見直しも行わず、従来型のゼネコン浪費型公共事業を推進し、利権と腐敗構造を二十一世紀まで温存させるものです。
 橋本首相は、五全総推進の理由として、阪神・淡路大震災を持ち出していますが、阪神・淡路の教訓は、国民の命と財産を守り、人命第一の政治を実現することです。複数の国土軸が必要であるなどとして六つもの巨大な橋をかける計画はとんでもないものであります。阪神・淡路のことを言うのであれば、被災者救済のために直ちに生活再建のできる公的支援に踏み切るべきです。
 反対理由の第三は、本来国の責任で行うべき公共分野を放棄し、国民生活に密着した部門を縮小しているからであります。また、政策立案機能と実施機能の分離は、政策立案が国民生活の実態から一層の乖離を招くことは明らかです。
 労働省と厚生省を統合し、効率性、スリム化を図ろうとしています。行政目的の異なる行政機関を統合しても、それは到底期待できないばかりか、国民生活を守る責任の放棄につながります。
 財務省の編成方針には財政構造改革の推進が明記され、労働福祉省の編成方針では社会保障制度の構造改革を推進することになっています。財政構造改革は、社会保障や医療、教育、中小企業、農業予算を容赦なく削減するものであり、社会保障制度の構造改革は、保険あって介護なしの介護保険、医療保険制度、年金制度の全般的改悪など、社会保障制度の連続切り捨てをねらったものであります。
 今、深刻な不況と貸し渋りで、中小企業に対する国の大きな支援が求められているもとで、経済産業省の編成方針では、中小企業対策をさらに縮小することになっています。
 農水省の編成方針は、食料自給率の向上が一言も触れられていないばかりか、大規模農家に農業政策を絞り込む、いわゆる新政策を推進することにしています。農業に対する国の財政支出を削減し、新政策を進めることは、家族経営中心の日本農業を崩壊させ、ひいては食料自給率を引き下げることになります。
 さらに、法案は、郵政事業の民営化にレールを敷くものであるからです。
 反対理由の第四は、この法案が、独立行政法人制度を導入し、国民生活にかかわる公共の分野を、減量という名で徹底的に切り捨てる仕組みづくりを目指しているからです。独立行政法人の対象は、実施庁、国立試験研究機関、国立病院・療養所、国立大学など、公務員全体の七五%にも及ぶものであります。
 ところが、行政改革会議の中で、なぜこれらの研究機関などが独立行政法人の対象となるのか、まともに審議された形跡すらありません。
 また、独立行政法人の対象になっている基礎研究や、公共的、長期的視野に立った研究などは、どれをとっても、独立行政法人が求める評価を三年から五年で出せるような単純なものではありません。しかも、国立大学まで独立行政法人の対象にするなど、国の責任を放棄し、公務員に大きな雇用不安を起こすものであります。
 そもそも国の行政とは、憲法でも明確なように、国民の福利と基本的人権の保障を実現するために存在するものであります。
 今日、正さなければならない行政とは何か。それは、大銀行の不始末を国民の税金で後始末する大蔵行政のゆがみであり、公共事業に年間五十兆円をつぎ込みながら社会保障には二十兆円しか使わないという、国民よりゼネコンを優先する行政のゆがみであります。こうした行政のゆがみに指一本触れない橋本行革は、「この国のかたち」を一層いびつにするだけであります。このゆがんだ国の形を正常な形にするためには、まず国づくりに失敗した自民党橋本内閣が退陣することであります。(拍手)
 日本共産党は、二十一世紀に向け取り返しのつかない破局に国民を導く本法案を廃案に追い込むまで、全力で奮闘する決意であります。
 なお、民主党案は、二年間かけて行政改革を議論することは積極的でありますが、基本方針の中に我が党の方向と異なっている部分があり、賛成できないことを述べて、反対討論を終わります。(拍手)
#45
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#46
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第七、伊藤英成君外三名提出、行政改革基本法案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#47
○議長(伊藤宗一郎君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
 次に、日程第八、内閣提出、中央省庁等改革基本法案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#48
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#49
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百六十七
  可とする者(白票)      二百六十七
  否とする者(青票)         二百
#50
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、内閣提出、中央省庁等改革基本法案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 中央省庁等改革基本法案を委員長報告のとおり可とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      浅野 勝人君    麻生 太郎君
      甘利  明君    荒井 広幸君
      井奥 貞雄君    伊藤 公介君
      伊吹 文明君    飯島 忠義君
      池田 行彦君    石川 要三君
      石崎  岳君    石破  茂君
      石橋 一弥君    石原 伸晃君
      稲垣 実男君    稲葉 大和君
      今井  宏君    今村 雅弘君
      岩永 峯一君    植竹 繁雄君
      臼井日出男君    江口 一雄君
      江渡 聡徳君    江藤 隆美君
      衛藤征士郎君    衛藤 晟一君
      遠藤 武彦君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小野寺五典君
      小渕 恵三君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 秀章君
      太田 誠一君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      金田 英行君    亀井 久興君
      亀井 善之君    鴨下 一郎君
      川崎 二郎君    河井 克行君
      河村 建夫君    瓦   力君
      木村 隆秀君    木村 義雄君
      岸田 文雄君    岸本 光造君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野統一郎君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 市雄君    熊代 昭彦君
      倉成 正和君    栗原 博久君
      栗原 裕康君    栗本慎一郎君
      小泉純一郎君    小杉  隆君
      小林 興起君    小林 多門君
      古賀  誠君    古賀 正浩君
      河野 太郎君    河野 洋平君
      河本 三郎君    高村 正彦君
      佐田玄一郎君    佐藤 孝行君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 剛男君    佐藤  勉君
      斉藤斗志二君    坂井 隆憲君
      阪上 善秀君    桜井 郁三君
      桜井  新君    桜田 義孝君
      自見庄三郎君    実川 幸夫君
      島村 宜伸君    下地 幹郎君
      下村 博文君    白川 勝彦君
      新藤 義孝君    菅  義偉君
      杉浦 正健君    杉山 憲夫君
      鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君
      鈴木 宗男君    砂田 圭佑君
      関谷 勝嗣君    園田 修光君
      田中 和徳君    田中 昭一君
      田中眞紀子君    田邉 國男君
      田野瀬良太郎君    田村 憲久君
      高市 早苗君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    滝   実君
      竹下  登君    竹本 直一君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      棚橋 泰文君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      谷畑  孝君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    戸井田 徹君
      東家 嘉幸君    虎島 和夫君
      中尾 栄一君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島洋次郎君
      中曽根康弘君    中谷  元君
      中野 正志君    中村正三郎君
      中山 太郎君    中山 利生君
      中山 成彬君    中山 正暉君
      仲村 正治君    長勢 甚遠君
      丹羽 雄哉君    西川 公也君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    能勢 和子君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      萩野 浩基君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    林  幹雄君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田昇左右君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      牧野 隆守君    増田 敏男君
      町村 信孝君    松岡 利勝君
      松下 忠洋君    松永  光君
      松本 和那君    松本  純君
      三ツ林弥太郎君    三塚  博君
      御法川英文君    宮路 和明君
      宮下 創平君    宮島 大典君
      宮本 一三君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      目片  信君    持永 和見君
      望月 義夫君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田 健作君    森田  一君
      森山 眞弓君    八代 英太君
      矢上 雅義君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      柳本 卓治君    山口 俊一君
      山口 泰明君    山崎  拓君
      山中 貞則君    山本 公一君
      山本 幸三君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      吉川 貴盛君    吉田六左エ門君
      米田 建三君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    渡辺 喜美君
      綿貫 民輔君    秋葉 忠利君
      伊藤  茂君    上原 康助君
      辻元 清美君    土井たか子君
      中川 智子君    中西 績介君
      畠山健治郎君    濱田 健一君
      深田  肇君    保坂 展人君
      前島 秀行君    村山 富市君
      横光 克彦君    園田 博之君
      武村 正義君    岩浅 嘉仁君
      坂本 剛二君    笹山 登生君
      中村喜四郎君
 否とする議員の氏名
      安住  淳君    赤松 広隆君
      伊藤 英成君    伊藤 忠治君
      家西  悟君    池田 元久君
      池端 清一君    石井 紘基君
      石井  一君    石毛 ^子君
      石橋 大吉君    岩國 哲人君
      岩田 順介君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      岡田 克也君    鹿野 道彦君
      海江田万里君    鍵田 節哉君
      川内 博史君    川端 達夫君
      神田  厚君    菅  直人君
      北橋 健治君    北村 哲男君
      北脇 保之君    熊谷  弘君
      桑原  豊君    玄葉光一郎君
      小平 忠正君    小林  守君
      木幡 弘道君    古賀 一成君
      五島 正規君    今田 保典君
      近藤 昭一君    佐々木秀典君
      佐藤謙一郎君    佐藤 敬夫君
      坂上 富男君    島   聡君
      島津 尚純君    城島 正光君
      末松 義規君    仙谷 由人君
      田中 慶秋君    田中  甲君
      高木 義明君    玉置 一弥君
      樽床 伸二君    辻  一彦君
      土肥 隆一君    中川 正春君
      中桐 伸五君    中沢 健次君
      中野 寛成君    永井 英慈君
      羽田  孜君    葉山  峻君
      畑 英次郎君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    原口 一博君
      日野 市朗君    肥田美代子君
      平野 博文君    福岡 宗也君
      藤田 幸久君    藤村  修君
      古川 元久君    細川 律夫君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      前原 誠司君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    松本 惟子君
      松本  龍君    山花 貞夫君
      山元  勉君    山本 譲司君
      山本 孝史君    横路 孝弘君
      吉田  治君    吉田 公一君
      渡辺  周君    青山 二三君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      井上 義久君    池坊 保子君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      上田  勇君    漆原 良夫君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 辰男君    大口 善徳君
      大野由利子君    太田 昭宏君
      近江巳記夫君    長内 順一君
      河合 正智君    河上 覃雄君
      神崎 武法君    北側 一雄君
      旭道山和泰君    草川 昭三君
      倉田 栄喜君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    白保 台一君
      田端 正広君    冨沢 篤紘君
      富田 茂之君    中野  清君
      並木 正芳君    西川 知雄君
      東  順治君    平田 米男君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      冬柴 鐵三君    前田  正君
      丸谷 佳織君    宮地 正介君
      若松 謙維君    安倍 基雄君
      青木 宏之君    青山  丘君
      東  祥三君    井上 喜一君
      石垣 一夫君    一川 保夫君
      江崎 鐵磨君    岡島 正之君
      加藤 六月君    久保 哲司君
      佐々木洋平君    佐藤 茂樹君
      塩田  晋君    菅原喜重郎君
      鈴木 淑夫君    武山百合子君
      達増 拓也君    谷口 隆義君
      中井  洽君    中西 啓介君
      中村 鋭一君    二階 俊博君
      西  博義君    西川太一郎君
      西田  猛君    西野  陽君
      西村 章三君    西村 眞悟君
      野田  毅君    藤井 裕久君
      二見 伸明君    松浪健四郎君
      三沢  淳君    吉田 幸弘君
      米津 等史君    鰐淵 俊之君
      石井 郁子君    大森  猛君
      木島日出夫君    児玉 健次君
      穀田 恵二君    佐々木憲昭君
      佐々木陸海君    志位 和夫君
      瀬古由起子君    辻  第一君
      寺前  巖君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    中林よし子君
      春名 直章君    東中 光雄君
      平賀 高成君    藤木 洋子君
      藤田 スミ君    古堅 実吉君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      中田  宏君    粟屋 敏信君
      伊藤 達也君    小坂 憲次君
      左藤  恵君    渡部 恒三君
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説(財政について)
#51
○議長(伊藤宗一郎君) 大蔵大臣から、財政について発言を求められております。これを許します。大蔵大臣松永光君。
    〔国務大臣松永光君登壇〕
#52
○国務大臣(松永光君) 今般、政府は、四月二十四日に決定した総合経済対策を実施するため、平成十年度補正予算を提出いたしました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政及び金融行政の運営の基本的考え方を申し述べますとともに、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 最近の経済情勢は、家計や企業の景況感が悪化したことを背景に、景気は停滞し、一層厳しさを増しております。
 政府は、こうした経済状況に対応し、我が国経済を力強い回復軌道に乗せ、我が国経済に対する内外の信頼を回復するため、総事業規模で十六兆円を超え、国、地方の財政負担が十二兆円規模の過去最大の総合経済対策を決定いたしました。
 本対策においては、国内需要の喚起を図ると同時に、豊かで活力のある経済社会の構築に向け二十一世紀を見据えて真に必要となる社会資本の整備に配慮し、国、地方を合わせて総額七兆七千億円程度の事業を実施することとしております。
 具体的には、環境・新エネルギー、情報通信高度化・科学技術振興、福祉・医療・教育、物流効率化、緊急防災及び中心市街地活性化等民間投資誘発のための事業を実施するほか、災害復旧等のための事業に加え、地方単独事業についても追加を要請することとしております。
 また、税制面では、国、地方を合わせて二兆円規模の特別減税を既に実施中でありますが、これに二兆円規模の特別減税を追加し、定額方式によりできる限り早期に実施いたします。さらに、来年も二兆円規模の特別減税を継続することとしております。また、投資や住宅取得の促進を図るために、中小企業投資促進税制の創設、住宅取得促進税制の拡充等の措置を講じてまいります。
 法人課税については、今後三年間のうちにできるだけ早く、国、地方を合わせた総合的な税率を国際的な水準並みにするよう、検討を行うこととしており、今後、税制調査会において、税体系全体のあり方も踏まえつつ、地方の法人事業税の外形標準課税の検討を初め、法人課税のあり方について真剣に検討してまいります。また、個人所得課税のあり方についても、税制調査会において、公正、透明で国民の意欲が引き出せるような税制を目指し、幅広い観点から腰を据えた検討を行うこととしております。
 今回の総合経済対策のように、経済金融情勢の変化に機敏に対応し、臨機応変の措置を講ずることは当然のことであります。それと同時に、主要先進国中最悪の危機的状況にある我が国の財政構造を中長期的に改革し、さまざまな政策要請に十分対応できるようにすることも重要な政策課題であります。
 こうした認識のもと、財政構造改革を推進しつつも、その時々の状況に応じ、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するため、財政構造改革法に修正を加えることとし、そのための所要の改正法案を提出したところであります。具体的には、特例公債発行枠の弾力化を可能とする措置を講ずるとともに、財政健全化の目標年度を平成十七年度とするほか、平成十一年度の社会保障関係費の増加額をできる限り抑制した額とすることとしております。
 次に、金融上の措置について申し述べます。
 金融は、経済活動に必要な資金を供給するという経済全体にとって動脈ともいうべき役割を担うものであり、金融システムの安定性確保とその活性化を図っていくことは極めて重要な課題であります。
 本対策においては、債権債務関係の迅速円滑な処理、土地の整形、集約化を行うとともに、資産担保証券市場の環境整備を図るなど、土地、債権の流動化を促進するための総合戦略を策定したところであり、不良債権問題の抜本的な解決に取り組むこととしております。
 また、中小企業、中堅企業を初めとする各経済主体への資金供給の円滑化により経済構造改革に資するとともに、最近のいわゆる貸し渋り問題にも対応していくため、金融システム改革を着実に推進していくほか、中小企業金融公庫等の政府系金融機関に対して、追加出資、融資の拡充等の措置を講じます。
 一方、昨年夏以降、通貨・金融市場の変動が続いていたアジア諸国では、成長率の低下、失業者の増加といった厳しい経済状況が続いておりますが、ほとんどの国において、最近の為替市場や株式市場は小康状態にあります。これらの諸国が持続的な経済成長軌道に戻ることができるよう、我が国としても、本対策の中で、アジア諸国の経済安定化や構造改革支援のための措置を講ずることとしております。
 以上、御説明申し上げました総合経済対策については、先日のサミット準備のための主要国蔵相会合において、私から説明をいたしました。各国からは、我が国の経済動向等に関し強い関心が示されるとともに、本対策の早期実施に期待が寄せられたところであります。
 次に、今国会に提出いたしました平成十年度補正予算の大要について御説明申し上げます。
 平成十年度一般会計補正予算では、歳出面において、二十一世紀を見据えた社会資本の整備の一環として、環境・新エネルギー特別対策費七千八百四十九億円、情報通信高度化・科学技術振興特別対策費八千二百六十五億円、福祉・医療・教育特別対策費五千二百三十八億円、物流効率化特別対策費四千三百三十億円、緊急防災特別対策費四千三百十七億円、中心市街地活性化等民間投資誘発特別対策費四千三億円、災害復旧等事業費千七百二億円を計上しております。また、最近の経済金融情勢等にかんがみ、土地流動化対策費四千百三十五億円、中小企業等特別対策費等二千九百七十二億円等を計上するとともに、アジア諸国の経済安定化等に必要な経費三百億円を計上することとしております。
 なお、今般の平成十年分所得税等の特別減税の追加実施等に関連して、臨時福祉特別給付金等二千七百二十九億円を計上しているほか、その税収の減少に伴う地方交付税交付金の減額四千七百十四億円に対し、同額の地方交付税交付金の追加を計上しております。
 他方、歳入面においては、租税及び印紙収入について、本対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴う減収見込額一兆四千七百三十億円を減額するとともに、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として六兆千百八十億円の公債の追加発行を行うこととしております。なお、追加発行する公債のうち、四兆千八十億円が建設公債、二兆百億円が特例公債となっております。今回の措置により、平成十年度の公債発行額は二十一兆六千七百五十億円となり、公債依存度についても、平成十年度当初予算に対し六・三ポイント増加し、二六・三%となります。
 これらの結果、平成十年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し四兆六千四百五十五億円増加し、八十二兆三千百四十六億円となります。
 以上の一般会計予算補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画については、総合経済対策を実施するため、日本輸出入銀行、中小企業金融公庫等に対し一兆千五百六十九億円、郵便貯金特別会計に対し四兆円、合計十五機関に対し総額五兆千五百六十九億円を追加することとしております。
 以上、平成十年度補正予算の大要について御説明いたしました。何とぞ、関係の法律案とともに、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
 最後に、大蔵省の不祥事をめぐる問題について一言申し述べたいと思います。
 大蔵省においては、金融関連部局に在籍した職員を中心に調査を行い、その結果を去る四月二十七日に発表いたしました。多数の職員において民間金融機関等との間に公務員としての節度を欠いた関係があったことはまことに遺憾であり、改めて国民の皆様に深くおわび申し上げます。
 大蔵省職員一同これを契機に、綱紀の厳正な確保を図るとともに、新しい時代の要請を踏まえて、真に国民の負託にこたえられるよう全力を尽くしていく決意であります。
 国民各位の御理解を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#53
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。大蔵大臣松永光君。
    〔国務大臣松永光君登壇〕
#54
○国務大臣(松永光君) ただいま議題となりました財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、人口構造の高齢化等、財政を取り巻く環境は大きく変容しており、財政構造改革を推進する必要性は変わるものではありません。
 しかしながら、昨年末に大型金融機関の破綻が相次ぎ、また、アジアの幾つかの国で、金融、経済の混乱が生じたことに伴い、家計や企業の景況感が厳しさを増すなど、内外の悪条件が一斉に重なり、我が国経済は極めて深刻な状況にあります。こうした状況にかんがみますと、バブル崩壊後の資産価格の下落等による企業や金融機関の財務面の悪化への対応が長引くなど、我が国経済はいまだバブルの後遺症から抜け切れていないと言えます。
 こうした我が国経済の状況を踏まえれば、財政構造改革を進めつつも、その時々の状況に応じ適切な財政措置を講じ得るような枠組みを整備する必要があります。
 本法律案は、こうした考え方を踏まえ、所要の規定の整備を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、特例公債発行額の各年度縮減の規定について、著しく異常かつ激甚な非常災害の発生あるいは経済活動の著しい停滞という状況に応じ、特例公債の発行枠の弾力化が可能となるよう所要の改正を行うこととしております。
 第二に、財政構造改革の当面の目標年度を平成十七年度とすることとしております。
 第三に、平成十一年度の当初予算における社会保障関係費の増加額は、できる限り抑制した額とすることとしております。
 次に、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 本法律案は、当面の景気に配慮して、平成十年分の所得税について特別減税を追加実施するとともに、中小企業投資促進税制の創設等を行うほか、住宅取得促進税制の拡充等を行うものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、今回の特別減税は、既に実施している特別減税に加え、定額による特別減税を追加実施するものであります。この追加分の特別減税の額は、本人について二万円、控除対象配偶者または扶養親族一人について一万円としております。したがって、当初分と追加分を合わせた特別減税の額は、本人について三万八千円、控除対象配偶者または扶養親族一人について一万九千円の合計額となります。ただし、その合計額がその者の特別減税前の所得税額を超える場合には、その所得税額を限度としております。
 この特別減税の具体的な実施方法に関しましては、給与所得者については、平成十年八月一日以後最初に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から追加分の特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、以後に支払われる主たる給与等に対する源泉徴収税額から順次控除することにより実施することとしております。最終的には、平成十年分の年末調整の際に、年税額から当初分と追加分を合わせた特別減税額を控除することにより精算することとしております。
 次に、公的年金等の受給者については、給与等の特別減税に準じた方法により実施することとし、最終的には、来年の確定申告の際に、当初分と追加分を合わせた特別減税の額を精算することとしております。
 また、事業所得者等については、平成十年分の所得税に係る第一期の予定納税額の納期を七月から八月に一カ月おくらせる等の特例措置を講じた上で、原則として、その第一期の予定納税額から当初分と追加分を合わせた特別減税額を控除し、控除し切れない部分の金額は、第二期の予定納税額から控除することにより実施することとしております。なお、予定納税の必要のない者を含め、最終的には、来年の確定申告の際に、当初分と追加分を合わせた特別減税の額を精算することとしております。
 第二に、民間投資及び研究開発の促進のための一年限りの措置として、中小企業者等が取得する機械等について税額控除と特別償却の選択適用等を認める中小企業投資促進税制の創設等を行うとともに、ベンチャー企業を含む中小企業者等の試験研究費の税額控除の特例の拡充を行うこととしております。
 第三に、住宅取得促進税制について、住宅借入金等の年末残高千万円以下の部分に適用される控除率を拡充し、平成十年居住分について六年間の控除限度額の総額を百七十万円から百八十万円に引き上げる等の措置を講じることとしております。
 以上、財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○議長(伊藤宗一郎君) 自治大臣上杉光弘君。
    〔国務大臣上杉光弘君登壇〕
#56
○国務大臣(上杉光弘君) 地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、当面の経済状況を踏まえ、平成十年度分の個人住民税について、定額による特別減税の額の引き上げ等を行うとともに、不動産取得税について、宅地建物取引業者による一定の住宅及びその用に供する土地の取得に係る特例措置を講じることとし、あわせて、これらの措置による減収額を埋めるための地方債の特例措置を講じるものであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 今回の補正予算においては、平成十年分の所得税の特別減税措置等に伴い、平成十年度分の地方交付税が減少することとなりますが、地方財政の状況にかんがみ、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保する必要があります。このため、平成十年度分の地方交付税の総額の特例として、四千七百億円余を一般会計から交付税特別会計に繰り入れることとし、さらに、総合経済対策の円滑な実施に必要な財源を措置するため、交付税総額を交付税特別会計借入金により四千億円増額することとしております。
 以上が、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#57
○議長(伊藤宗一郎君) 通商産業大臣堀内光雄君。
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#58
○国務大臣(堀内光雄君) 中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨今の不良債権問題への対応や、本年四月から導入された早期是正措置により、いわゆる貸し渋りという事態が深刻になっており、また、最近の金融システム改革の動きを契機として、金融機関による取引先選別強化の動きがあらわれてきていることから、間接金融に依存せざるを得ない企業の資金調達は引き続き大変厳しい状況になることが予想されております。
 一方、中小企業信用保険法を初めとする中小企業金融関係法律における中小企業者等の範囲につきましては、昭和四十八年以後改定されておらず、特に卸売業、小売業及びサービス業に関する資本金基準が実態に比べて低くなり、本来であれば中小企業として扱われるべき企業が金融支援を受けられなくなっていることが問題となっております。
 そこで、中小企業金融対策において、本来対象とすべき企業の資金の融通の円滑化を図る必要があることから、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、中小企業信用保険法、中小企業金融公庫法、環境衛生金融公庫法及び中小企業倒産防止共済法における中小企業者等の範囲を改定し、卸売業の資本金基準を三千万円以下から七千万円以下に、小売業及びサービス業の資本金基準を一千万円以下から五千万円以下に引き上げるものであります。
 第二は、中小企業信用保険法及び中小企業金融公庫法における中小企業者の範囲について、それぞれの業種の実態に応じ、政令で特例を設けることができることとするものであります。
 以上が、本法律案の要旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説(財政について)並びに財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、平成十年分所得税の特別減税のための臨時措置法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出)、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#59
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの国務大臣の演説及び財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外四案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中野寛成君。
    〔中野寛成君登壇〕
#60
○中野寛成君 私は、民主党を代表し、ただいまの財政演説及び経済対策関連法案のうち、財政構造改革法及び補正予算を中心に質問を行います。
 まず、先ほどの蔵相の財政演説等に対する率直な感想を申し上げたいと思います。
 一言で言えば、まさに臨機応変に名をかりた朝令暮改そのものであります。古来、日本には、顔を洗って出直せという言葉がありますが、私は、首を洗って早々に総辞職しろと申し上げたいと思います。(拍手)
 今回改正しようとしている財政構造改革法は、わずか五カ月ほど前に政府・与党が野党の反対を押し切って強引に成立させたものであります。あれは一体何だったのでしょうか。
 その結果、案の定、金融不安が高まる中でのデフレ政策が個人消費や企業の投資マインドを冷え込ませ、それらの悪循環によって、過去最高の企業倒産や失業率に象徴される、いわゆる複合政策不況の一層の深刻化を招いたことは、もはや疑う余地のない事実であります。日本発世界恐慌の危険性が国際社会から強く警告されるほど経済政策のかじ取りを決定的に間違った責任は、極めて重大と言わざるを得ません。まさに国民にうそをついたのです。せめて、まず国民に謝罪すべきであります。
 そもそも橋本内閣の政策は、脈絡がない、理念がない、計画性がない、まして反省もない、まさにないない尽くしと言うほかありません。あるのはスキャンダルばかりであります。景気対策も、中身が少ない、間に合わない、効果がない、もう一つついでに情けない。まさに橋本ない閣であります。それでもやめない、後がないとでも言うのでしょうか。
 しかし、今、危機の時代だからこそ、政治家や政党はみずからが信じる政治思想や哲学を堂々と提示して、国民に未来への道を示すべきだと考えます。
 私たちは、去る四月二十七日に新しい民主党に統一いたしました。私たちは、これまで既得権益の構造から排除されてきた人々、まじめに働き税金を納めている人々、困難な状況にありながら自立を目指す人々の立場、すなわち生活者、納税者、消費者の立場を代表するとの理念を明らかにしています。
 民主党が掲げる民主・中道は、自由放任、弱肉強食に通ずる社会を目指す動きとは一線を画すものであります。私たちの経済政策も、市場原理を基本といたしますが、その前提として、あくまでも適正な富の配分、公正、透明な競争確保、環境との調和、完全雇用実現等に資するシステムの確立に最重点を置いております。
 前にもここで紹介しましたが、およそ七十年前の世界大恐慌の中からいち早く立ち上がった北欧諸国の例を改めて申し上げます。
 社会保障制度、労使間の調整ルールを確立し、失業、老後、病気の不安を解消したことが消費を活性化させ、最終的には長期の経済的繁栄をもたらしました。もちろん時代は移り、例えば理想の国ともてはやされたスウェーデン等も、今や高い国民負担率を招き、活力を失った国との反面教師として言及されることもふえましたが、それこそ大胆に行政改革を進めております。英国のブレア労働党政権も、従来の依存の福祉から自立の福祉へと転換を進めています。
 私は、これら欧州諸国を初めとする民主・中道勢力が追求してきたこの路線に、やはりこだわりを持ちたいと思います。政府・自民党が取り組んでいる目先の財政再建や景気回復だけでは全く効果はなく、今我が国が最悪の状況にある三つの不安、すなわち、年金など老後の不安、医療費高騰等による病気になったときの不安、そして戦後最悪、現在の失業率の最悪の状況を解消しなければ、国民の消費は回復せず、ましてや長期的な安定成長を持続させることは全く不可能だということであります。
 失業問題については、新産業・雇用創出、職業訓練、情報提供の三点セットが有機的に結びついた雇用対策を実施しなければなりません。また、人間と自然が共生し、国民一人一人が個性的、創造的に生きる次の世紀を切り開くためにも、今日までの経済学に欠落していたエコロジーやノーマライゼーションを重視した新たな経済学の確立に取り組んでいかなければなりません。また、自助、公助、共助のバランスを図り、NPOを経済システムの中に取り入れていく視点も重要であります。
 政府・与党の首脳は、減税をしても消費に回らない等々とぬけぬけと言いますが、今私が提起したような施策をまず実行し、積極的に減税分や貯蓄が消費に回るための方途をこそ構築するべきであります。総理の見識と方策を伺いたいと思います。
 次に、財政構造改革法の改正についてお尋ねいたします。
 改正案の内容は、第一に、経済情勢に応じて特例公債発行枠の弾力化を可能とする措置、第二に、財政健全化目標年度の二年延長、第三に、経費別キャップを維持しつつ、来年度当初予算における社会保障関係費のキャップのみの緩和の三点であります。
 しかし、このような中途半端な改正では、仮に恒久減税を実施しなかったとしても、いずれ遠からず再改正は避けられますまい。現に、大蔵省が公表している中期財政試算では、現行法下でも、一般歳出の伸びをゼロ%と仮置きした場合に、二〇〇三年度時点でなお最大五兆円余の要調整額が生じることとなっております。二年間目標年次を延長したとしても、結局同程度の要調整額が特例公債としてそのまま残ることとならざるを得ないのではありませんか。それとも、他の増税や国有財産の売却で償う予定があるのでしょうか。見通しをお示しいただきたい。
 私は、総理の掲げた六つの改革のフロントランナーと位置づけられた財政構造改革法自体が、むしろ皮肉にも真の構造改革の妨げとなり、かえって財政再建すら不可能にしていると考えます。財政構造改革法の制定段階でも、当時の新進党や民主党など野党側は、この法律がいたずらに財政再建のみを急ぐ余り、官民の役割分担のあり方や公共事業や社会保障などの中期的な構造改革の視点を一切欠いた、一律歳出削減手法による構造改革なき財政赤字削減法にすぎないと強く批判をいたしましたが、総理は、今回もなお、骨格を変えないということに強くこだわっております。しかし、この五カ月間に財政構造改革法が果たした負の役割を直視し、思い切って骨格を含めて抜本的に見直す勇気こそが総理に求められていたのではありませんか。
 私たちは、当面は景気回復を経済運営の最優先課題とし、場当たり的な所得税特別減税の繰り返しではなく、税率構造の見直し等による大規模な恒久減税の実施を初めとする積極的な施策をためらうことなく実施すべきであると考えます。このためには、恒久減税に対応できない政府の改正案では決定的に不十分であり、この際、財政構造改革法の施行を最低二年間停止し、その間の経済情勢の変化も踏まえつつ、財政構造改革のあり方を含め、現行法の抜本的見直しを行う必要があると考えます。御所見を承りたいと思います。
 さて、政府は、総合的な経済対策によって二十一世紀の展望を開くと銘打って、事業費ベースで総額十六兆の景気対策を決定し、その実施のために今般四・六兆円の補正を行うとしております。
 我が国経済の現状は、将来の社会保障負担の増大への懸念等による消費マインドの減退、官主導から民主導への経済構造改革の視点を欠落させた硬直的な財政再建策の発動による民間設備投資の下押しなどの政策デフレと、不良債権問題にめどが立たないこと等による金融デフレの複合デフレであります。
 しかしながら、こうした状況に直面して政府が今提案している景気対策の内容は、景気悪化の根底にある構造問題にメスを入れることなく、相変わらずの従来型公共事業と場当たり的な特別減税を追加するものにすぎず、一時的に実質成長率をわずかに押し上げる効果はあったとしても、民主導による景気の自律回復軌道への復帰はおよそ困難または不可能と断ぜざるを得ません。今回の政府の景気対策の総合的な評価については、既に対策決定以来のマーケットの反応の中にはっきりとあらわれているではありませんか。現に株価はほぼ下がりっぱなしであります。
 総理は、いつまで構造改革を先送りしようというのでしょうか。今回の補正で追加される事業費総計六兆円の公共事業について、環境、情報、福祉等の分野が六割、物流、防災、中心市街地活性化等の従来型の分野が四割と説明しておりますが、環境対策といいつつ下水道整備、情報通信といいつつ共同溝整備というぐあいに、要するに全体の七、八割が土木型の公共事業というのが実態ではありませんか。総理はどうお考えなのでしょう。
 いかに景気対策といえども、また経済統計上の乗数が減税より公共投資の方が高いという理屈を用いようとも、国民のニーズに無関係な土木工事を固定的な省庁別シェアに従って続ける限り、後には国に膨大な不良資産の山、そして国民には借金の山が残るだけであります。我が国では、生産性の低い不効率分野ほど多額の国費がつぎ込まれ、しかも、その結果生産性が上がって経済構造改革につながったためしがないというのが常であります。
 補助事業にしても一・五兆円の地方単独事業の追加にしても、地方公共団体からは、押しつけはもういいかげんにしてくれという声が強くなっております。現在の地方団体の深刻な財政状況からすれば、事業の消化率は従来よりも相当に低下するとも考えられますが、いかがお考えでしょうか。
 この際、私は、地方分権推進の先導的な試みとして、追加分の公共投資をすべて包括補助金や第二交付税というような形で地方公共団体に資金を交付し、住民のニーズや地方の特性に合った事業をそれぞれ自主的に実施できるようにすることを改めて提起いたします。総理の御所見を伺います。
 以上、私の考えを申し上げつつ、総理にお尋ねしてまいりました。
 しかし、橋本内閣のもとで数次にわたって景気対策が発表されましたが、そのたびに例外なく株価が下がり、いっそのこともう余計なことはしないでくれという皮肉な悲鳴が上がっています。
 最後に一言申し上げるならば、総理は、今こそやめどきを誤るべきではないと思います。そろそろ楽になさったらいかがでしょうか。このままでは、あなたは、日本の政治史上、無能、無策、厚顔無恥、最悪の総理として悪名を残すことになりましょう。これまでの犯罪的経済失政の罪と責任を認め、国民に対して謝罪した上で潔く身を引くことが、せめて橋本総理の後世の評価を高め、また国民に安堵と幸福をもたらすものであることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#61
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 中野議員にお答えを申し上げます。
 冒頭と終わりに、友情にあふれた御忠告をいただきました。しかし、私の責任は、国政を停滞させずに、構造改革を進めながら一刻も早く景気を回復させることにあると考えており、今後とも、全力を尽くして適切な経済運営に努めてまいります。
 次に、新産業・雇用創出、職業訓練、情報提供が結びついた雇用対策が必要というお尋ねをいただきました。
 総合経済対策や、その一環として実施することとしております緊急雇用開発プログラムの内容には、新産業・雇用創出対策、職業能力開発の推進、勤労者への情報提供の充実等が含まれており、これらの施策を有機的に推進することにより、国民の雇用不安を解消し、雇用の安定を図ってまいりたいと考えます。
 また、NPOを経済システムの中に取り入れることについても御意見をいただきました。
 国際化や高齢化が進展する中で、環境に配慮し、障害者にも開かれた経済社会を確立するためには、政府部門、企業部門に次ぐ第三の部門ともいうべきNPOが重要な役割を果たすと思います。そのため、先般成立した特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法の円滑な施行を初め、NPOの活動を促進するための環境整備を行ってまいりたいと考えております。
 また、老後や病気、失業等の国民の不安を解消すべきではないかという御意見をいただきました。
 少子・高齢化の進展や経済の低迷の続く中において、セーフティーネットとしての社会保障制度等の役割はますます重要になると私は思います。将来にわたって安定した制度を構築するために、制度の効率化などの改革を進めながら、必要な給付は確実に保障するなど、これらの不安の解消に努めてまいります。
 また、財政構造改革の見通しについてもお尋ねをいただきました。
 本日国会に提出をいたしました財政事情の試算におきまして、目標年次を二年延長したことにより、要調整額が減額された財政の姿が示されております。いずれにいたしましても、財政構造改革を着実に推進し、試算に示された要調整額を公債金収入以外で解消し、目標達成に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 また、財政構造改革法の基本的な骨格を抜本的に見直すべきであったという御指摘をいただきました。
 内外の経済金融情勢の変化に応じ臨機応変の措置を講ずることは当然ではありますが、我が国の財政の現状にかんがみれば、二十一世紀に向けて、安心して豊かな福祉社会や健全で活力のある経済の実現等に十分対応できる財政構造を実現することは喫緊の課題であることから、財政構造改革法の基本的骨格は維持すべきだと私は考えてまいりました。
 このため、改正案におきましては、財政構造改革法の基本的な骨格である主要な経費に係る量的縮減目標の仕組みと財政健全化目標は堅持しているところでありまして、今般の改正は、その時々の状況に応じ、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するために必要最小限の修正と考えております。
 次に、大規模な恒久減税を実現するためにも財政構造改革法を二年間停止し、財政構造改革のあり方全般を見直すべきではないのかという御指摘をいただきました。
 今、財政構造改革の推進が喫緊の課題だということを申し上げてまいりましたけれども、そうした考えをとります限りにおきまして、施行を二年間停止するというのは、私は適切ではないと考えております。
 なお、個人所得課税につきましては、諸外国と比較して低い個人所得課税負担の水準、あるいは税率構造、各種の控除などのあり方、資産性所得課税や年金課税など、さまざまな論点がございます。こうした論点について幅広くきちんとした検討を行い、公正、透明で、国民の皆様の意欲を引き出せるような制度改正を目指してまいります。
 次に、政府の景気対策についても御批判をちょうだいをいたしました。
 政府が行おうとする総合経済対策は、当面の景気の回復のための内需拡大、景気回復の足かせとなっております不良債権問題の本質的な処理を目指すものであります。同時に、私自身やり遂げていこうと強く決意している構造改革を見据えて、それに沿う内容としておるつもりであります。従来からも民需主導の経済運営に努めてまいりましたが、今後とも、構造改革を進めながら一刻も早く景気を回復してまいりたいと思います。
 また、今回の景気対策及び補正予算における社会資本整備についても御意見がございました。
 総合経済対策及び補正予算の第一の柱は社会資本の整備等による国内需要の拡大であり、また、その中でも経済構造改革、社会保障構造改革、教育改革などを念頭に置きながら、二十一世紀を見据えた我が国社会の発展にとって真に必要な社会資本を整備することといたしております。
 補助事業あるいは地方単独事業の消化の見込みについてもお尋ねがございました。
 総合経済対策により追加される公共事業及び地方単独事業の円滑な実施が図られますように、地方交付税を増額することとしているなど、地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対処することとしているところでありまして、地方公共団体におかれてもできるだけの協力をしていただけるよう努力してまいる所存であります。
 追加分の公共投資に関して御意見がございましたが、地方公共団体に財源を包括補助金等として一括して交付することには、国が一定の行政水準を維持するため、あるいは特定の政策を推進するための政策手段である補助金等の重要な機能を損なう等の問題があると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#62
○副議長(渡部恒三君) 前田正君。
    〔前田正君登壇〕
#63
○前田正君 私は、平和・改革を代表して、ただいま議題となりました財政演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたしたいと思います。
 日本の経済はますます深刻の度を増してきており、三月の完全失業率は史上最悪の三・九%となり、実質賃金も八カ月連続の減少、株価、長期金利とも低迷など、ありとあらゆる経済の指標は日本の経済の厳しい現実をはっきりとあらわしております。
 こうした事態を招いたのは、これまで再三にわたって指摘してきたとおり、橋本内閣の経済の見通しの甘さと政策の転換のおくれにあるということは言うまでもありません。もっと早く総理が経済の認識を改め、政策の転換をしていれば、これほど日本の経済が重い病に陥ることも、中小零細企業の相次ぐ倒産も、そしてさらには一億二千万人の国民が将来の不安におびえながら生活の防衛に走ることもなかったはずであります。
 ところが、こうした深刻な不況に国民を陥れておきながら、平成十年度予算成立直後に橋本総理が行った総合経済対策を発表した記者会見では、いとも簡単にみずからの主張を脱ぎ捨て政策の大転換をしたにもかかわらず、政治責任の追及ということを恐れて必要な政策を実施できないということだったら、その方が政治責任だと思うと開き直り、みずからの政策の誤りを国民に対し謝罪の言葉すらなかったのであります。不況にあえぐ中小企業の皆さんや、働く意欲がありながらも失業に追いやられた方々、また将来の不安におびえている国民のことを総理は一体どうお考えになっておられるのか、責任を感じておられないのか、率直な御意見をお伺いいたしたいと思います。
 平成十年度第一次補正予算案に関連してお伺いをいたします。
 総理は、当初予算の審議の中で我が党が予算の修正、組み替えを迫った折に、平成十年度予算は最善であると言っておられました。当初の予算成立からわずか三十四日しかたっていないこの時点で補正予算を提出をしてこられたということは、当初の予算は最善ではなく欠陥であったということなのですか、明確な答弁を求めます。
 次に、補正予算の編成の理由についてお伺いをいたします。
 補正予算の編成については、財政法第二十九条には補正の理由として、当初予算の作成後に生じた理由に基づき特に緊急となった経費の支出というのが原則となっております。四月の九日の総理の記者会見では、私は今、国民の景気をよくしてほしいという強い要請と期待にこたえるために、構造改革を推進しながら我が国の経済及び経済運営に対する内外の信頼を回復するのに必要かつ十分な規模の経済対策を講じることを決意しましたと述べておられますが、国民の景気をよくしてほしいという強い要請と期待というのが予算作成後に生じた理由になるということでしょうか。私は、本予算の作成前に起きた橋本内閣の経済政策の選択とその失敗こそが補正編成の最大の理由だと考えておりますが、このたびの補正予算の編成の理由、すなわち予算作成後に生じた理由とは一体何なのか、明確に御答弁を願います。
 また、平成十年度の実質経済成長率について、橋本内閣は平成十年度本予算だけで一・九%を達成すると考えておられますが、これはほとんど不可能であろうと考えます。このたびの補正予算の編成によって名目GDPを二%程度押し上げるという試算もあるようですが、補正後の平成十年度における実質経済成長率の見通しについて、経済企画庁長官の答弁を求めます。
 さて、政府がまとめた総合経済対策は、十六兆円と見かけの数字、規模は厚化粧したものの、実態は小出しの特別減税の積み増しと従来型の社会資本の整備が中心であり、その効果のほどは疑うところであります。手法たるや、七月の国政選挙を前にして、族議員の主張に屈した、まさにばらまき型財政支出と言わざるを得ません。これでは、昨年来の九兆円の財政デフレの分を相殺できるとは到底考えられないのであります。
 その証拠に、国内において市場は全く反応せず、国外においても、先日行われましたG7蔵相会議では、総合経済対策への評価はそこそこに、各国からは日本の構造改革の断行と不良債権問題の早期解決を強く求められているというありさまでございます。また、アメリカのゴア副大統領も、日本の経済対策は問題解決には十分でないと表明しております。
 本番のバーミンガム・サミットの主要議題は日本の経済問題であると言われており、我が国の経済の危機について海外では相当深刻に受けとめられているという実態を総理は強く認識すべきであります。この点について総理の答弁を求めたいと思います。
 また、サミットにおいては、総合経済対策はお土産としてはむしろ喜ばれず、かえって大きな宿題を持って帰ってくることになりそうですが、総理はバーミンガム・サミットにどのように臨まれようとされておられるのか、明快に御答弁を願います。
 次に、減税についてお伺いをいたします。
 本年二月に実施した二兆円規模の特別減税と合わせ、追加的に四兆円の特別減税を行うとしておられますが、実態は、平成十年においては二兆円が追加されるだけであり、残りの二兆円は来年のいつ行うかも全く不明確であります。このような、小出しで、しかも規模も小さく、実施の時期もばらばら、さらには特別減税が終われば次の年からは増税になるというのであれば、将来、不安の解消するどころか、国民はかえって生活防衛に走って貯蓄に回すということになりかねません。このような減税案では余りにも中途半端であり、消費マインドを決定的に高めることはほとんど不可能であります。
 また、追加的な特別減税では、一つ、既に前回の特別減税で課税最低額が引き上げられ、その恩恵を受けられない世帯が出ること、二つ、所得税については減税が八月以降になること、この二点からも、減税の効果は極めて限定的と言わざるを得ませんが、総理の御所見をお伺いをいたします。
 私は、国民の将来の不安を解消し、消費マインドを高めるのであれば、ますます進む少子・高齢社会の明確なビジョンとそのための構造改革の処方せんを示し、思い切った税制改正、すなわち恒久減税に踏み込むべきであると考えます。減税規模は、少なくとも所得税、法人課税合わせて六兆円規模とすべきと考えます。総理は、法人課税は三年以内に国際的な水準並みにするとしておられますが、そんなのんきなことを言わず、今すぐにでも実行に移す決意と意気込みを示すことが内外の不安の解消につながり、ひいては我が国の経済構造改革と景気の回復につながってくるのではありませんか。本年中に恒久減税の実施を決めるお気持ちは全くないのか、総理の明快な答弁を求めます。
 総合経済対策においては、十六兆円のうち、地方単独事業が何と一兆五千億円を占めております。これは、この不況下で税収は伸び悩み、地方債の起債もままならない地方公共団体が、単独事業などできるはずはありません。財政状況の厳しい地方公共団体が全国に数多くあります。借金をしてまで単独事業をやるくらいなら、借金を少しでも返したいというのが本音ではないでしょうか。この一点を見ても、総合経済対策がいかに見せかけだけのものかが明白であると言えるのであります。地方単独事業が果たして総理の思いどおりに実行されると本気でお考えなのか、答弁を求めます。
 社会資本整備については、環境・新エネルギー、情報通信高度化・科学技術振興、福祉・医療・教育の新社会資本整備に重点的に六割の配分を行ったと総理は胸を張っておられますが、その事業内容は、結局のところ建設国債を中心とした一般公共事業がそのほとんどを占めており、いわゆる従来型の域を抜けておりません。このことは、公共事業のあり方を見直さない限り、新しい投資分野やソフト面への公共投資は不可能であります。これまでの建設国債や公共事業の考え方では、二十一世紀に本当に必要とされる社会資本の効率的な整備はできず、この際、建設国債と赤字国債の区別の見直しなど、公共事業のあり方を抜本的に見直すべきであると考えますが、総理の見解を求めたいと思います。
 次に、財政構造改革法改正案に関連して質問をいたします。
 総理、昨年末の財政構造改革法審議のときには、既に金融不安を初めとして我が国の経済に暗い影が差しつつありました。その時点で、財革法の制定を見送るという判断は当然あり得たわけであります。それを我々野党の反対を押し切って強引に成立をさせたほどでありますから、総理にとって、この法律は橋本内閣の経済政策の根源、まさに魂とも言えるものであったのでありましょう。
 しかし、今般、この財革法を、わずか五カ月で、一回の予算すらクリアできずにあえなく改正することになったこと自体、橋本内閣の経済財政政策の失敗を示しているものであり、もはや魂が抜けてしまったものと言わざるを得ません。さらに申し上げるならば、財政構造改革会議において総理は基本的な骨格は維持すると言っていたのが、目標年次は先延ばしにし、キャップ制も一部外すでは、ずたずたの状態ではありませんか。
 総理、私は、財政構造改革法改正案の基本的な骨格は、これでは維持されているとは到底考えられません。この原因は総理のリーダーシップの欠如にあると言わざるを得ないのでありますが、総理、いかがお考えでしょうか、答弁を求めます。
 具体的な改正内容について、端的にお伺いいたします。
 第一に、特例公債発行枠の弾力化を可能とする、措置、すなわち弾力条項についてでありますが、「経済活動の著しい停滞」という極めて抽象的な表現があります。すなわち、国会のチェックもなく、やろうと思えば、時の内閣の裁量や作為的な判断でいともたやすく弾力条項が適用となってしまうことがありませんか。当初予算の審議の中で、我が党の議員から弾力条項について提案があったときに真剣にこの問題に取り組んでいれば、展開はもっと変わったものになったと思います。すなわち、後手後手に回る経済対策のツケが回ってきているのであり、今となっては、小手先だけではなく、一歩進んだ恒久減税など思い切った政策を考えるときではありませんか。
 第二に、キャップ制について、社会保障関係費に限り平成十一年度だけキャップを外すとしておられますが、これは、なし崩し的に他の分野のキャップの形骸化を招くおそれがあると言わざるを得ません。この際、社会保障に限らず、キャップ制全体のあり方を議論することが重要であると考えますが、いかがでしょうか。
 社会保障関係費については、その性格上他の分野と一律に論じることは困難であることから、キャップが外れることについては基本的に歓迎いたします。しかし、社会保障の分野においても、構造改革を進め、むだを省き効率化すべき点は多くあります。キャップが外れたのをよいことに、やみくもに、無原則にすべての分野横並びの配分をするのではなく、社会保障関係費の中でもきっちりと優先順位をつけ、例えば、介護の基盤整備、保育、子育て支援、難病対策など重点的に配分するといったことを考えるべきであります。厚生大臣の御所見を賜ります。
 また、厚生大臣は、財政構造改革について、かねてから後世にツケを残さないよう血を流してでも改革に取り組むべきだとのお考えをお持ちと認識しております。今回政府が出されました改革案とは少し考え方に違いがあるのではないかと考えていますが、この点につきましてもあわせて御所見をお伺いしたいと思います。
 第三に、目標年次の二〇〇五年への先延ばしについてであります。これは、そもそも方針を橋本総理自身が二〇〇三年に前倒しした経緯があり、まさに総理の失態であります。何より総理は、将来にわたる経済状況を勘案して二〇〇三年としたはずであり、今般の十六兆に及ぶ総合経済対策によって景気が回復すると考えるのであれば、あえて目標年次を先延ばす必要はなかったのではありませんか。
 以上三点について、総理の明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#64
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 前田議員にお答えを申し上げます。
 まず、失業など国民生活の不安への対応、また予算成立直後の政策転換についてのお尋ねがございました。
 私としては、中小企業の方々あるいは国民の暮らしの状況、雇用情勢などに常に注意を払っており、その経済情勢を的確に判断をしながら一刻も早く景気を回復させていくことが私の責任であると考えております。今後ともに、全力を尽くして国民生活の安定に努力してまいりたいと考えております。
 また、当初予算成立から直ちに補正予算を出したのは欠陥予算だという御指摘をいただきました。
 平成十年度当初予算は、予算作成時点における内外の経済金融情勢を踏まえながら、財政、金融両面にわたる措置を講じたものであり、現在、その早期執行に全力を尽くしているところであります。
 また、補正予算の編成理由についてお尋ねがございましたが、インドネシアなどアジアの経済金融情勢の影響やいわゆる貸し渋りなどによる家計や企業の景況感の悪化の影響などが本年に入ってから実体経済全体にまで影響を及ぼし、景気は一層厳しさを増していることなどが、十―十二月のQEや日銀短観、さらには失業率といった新たな経済指標により判明をしたことから、政府としては、さらなる追加措置を講ずる必要があると判断し、我が国経済を力強い回復軌道に乗せるために、先般、総合経済対策を決定し、このたびそのための補正予算を提出させていただきました。
 また、バーミンガム・サミットにどう臨むのか、我が国経済の海外での深刻な受けとめ方に対しての認識をというお尋ねをいただきましたが、私自身、我が国の景気は、内外の悪条件が重なったことから引き続き停滞し、厳しい状況にあると認識しておりますし、そうした雰囲気は、先般行われましたASEMの席上でも率直に受けとめて帰り、同時に、説明の努力もしてまいりました。そして、だからこそ総合経済対策を策定し、補正予算なども提出させていただいております。
 サミットでは、当然ながら、参加各国が自国の経済あるいは世界経済について意見交換をするのが常であります。日本経済は、米国、欧州と並んで世界経済の中で重要な役割を占めるものであり、我が国の経済運営についての考え方は十分説明をしてまいります。ただ、それだけが今回のサミットのテーマではありません。国際組織犯罪、あるいは麻薬、覚せい剤といったテーマは、今回非常に大きなテーマになっておりまして、こうした点については、ぜひこの撲滅のための御協力を院に対してもお願いを申し上げたいと考えております。
 次に、特別減税の効果についてお尋ねがございました。
 既に実施している特別減税に加えて、今回の特別減税の追加、継続を行うこと、これは、豊かで活力ある経済社会の構築に向けて、真に必要となる社会資本の整備など、各般の施策と相まって消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 また、所得課税、法人課税の恒久減税の実施を本年中に決めるつもりはないかというお尋ねがありました。もう一度同趣旨の御発言を後半でもいただいておりますけれども、あわせてここでお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、所得課税、法人課税ということでありますが、所得税及び個人住民税につきましては、諸外国と比較して低い個人所得課税負担の水準、あるいは税率構造、各種の控除のあり方など、あるいは資産性所得課税や年金課税、さまざまな論点について幅広い検討を、きちんとした検討を行い、公正、透明で、国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指してまいります。
 また、法人課税につきましては、今後三年の間にできるだけ早く総合的な税率を国際的な水準並みにしたいと考えております。今後、税体系全体のあり方も踏まえながら、地方の法人事業税の外形標準課税の検討を初め、法人課税のあり方について真剣な検討を行っていかなければならないと考えております。
 また、地方単独事業についての御質問をいただきました。
 総合経済対策におきましては、地方単独事業について、地域の実情に即しながら住民に身近な社会資本の整備が図られますように、一兆五千億円の事業費の追加を要請しているところであります。地方単独事業の追加規模につきましては、種々の機会を通じて地方の状況を把握した上で決定したものでありますが、総合経済対策の円滑な実施に必要な財源を措置するために、地方交付税を増額することとしておりまして、地方団体においてできる限り協力をしていただけますように努力してまいりたいと考えております。
 また、公共事業のあり方についても御意見をいただきました。
 公共事業については、二十一世紀を見据えた豊かで活力ある経済社会の構築に向けて、真に必要となる社会資本を重点的に整備をするとともに、コストの縮減、費用対効果分析の活用及び再評価システムの導入などを通じて、効果的、効率的な実施を図る必要があると考えております。
 なお、国債のあり方につきましては、その対象となる経費などにつきましてもさまざまな議論がありますが、いずれも財政運営の根幹に係る大きな課題であり、幅広く深い議論をしていただきたいと考えております。
 次に、財政構造改革法の基本的な骨格は維持されていないという御指摘をいただきました。
 しかし、改正案におきましては、財政構造改革法の基本的な骨格である主要な経費に係る量的縮減目標の仕組みと財政健全化目標は堅持しているところであります。今般の改正は、その時々の状況に応じて、いわば緊急避難的に適切な措置を講じ得る枠組みを整備するための必要最小限の修正であると考えております。
 特例公債発行枠の弾力化を可能にする措置につきましては、「経済活動の著しい停滞」という状況につきましては、その基準を政令で定め、法体系の中で明確にすることにいたしております。また、そうした経済状況において所要の施策の実施のために特例公債に財源を求めることが適切かどうかにつきましては、予算の姿によって国会に御判断をいただくものと考えております。
 恒久減税につきましては、先ほど所得税、また個人所得課税及び法人課税についてお答えを申し上げたとおりでありまして、税体系全般のあり方も踏まえながら考えてまいることであると思います。
 次に、社会保障関係費に限らず、キャップ制全体のあり方を議論すべきではないかというお尋ねもありました。
 改正案におきましては、主要な経費ごとに量的縮減目標を設定するという仕組みそれ自体は財政構造改革法の基本的な骨格として維持することとしております。社会保障関係費のキャップにつきましては、現下の経済情勢を踏まえ、その歳出縮減のために新たな国民負担を求めることがないように配慮する必要がある、こうしたことからこれを見直しまして、平成十一年度に限り、その増加額を極力抑制することといたしております。
 また、財政健全化の目標年度の延期についてもお尋ねをいただきましたが、現在の特別な経済状況にかんがみて、財政構造改革を進めながら特例公債発行枠の弾力化措置を設け、同時に速やかに緊急避難的な財政措置を講ずることを踏まえますと、目標達成の道のりは一層険しいものとなりますけれども、他方、中期的に整合性のとれた安定的な財政運営を行う姿勢を示すことが我が国の政策に対する内外の信頼を確保する上で重要なことと考えられることから、目標年度につきましては平成十七年度とすることが適当と判断をいたしました。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣松永光君登壇〕
#65
○国務大臣(松永光君) 補正予算の編成事由となる財政法二十九条にある予算編成後に生じた事由とは何かという御質問でございますが、インドネシアなどアジアの経済金融情勢の影響、大型金融機関の破綻やいわゆる貸し渋り等による家計や企業の景況感の悪化の影響等が本年に入ってから実体経済全体にまで影響を及ぼし、景気は停滞して一層厳しさを増していることなどが、十―十二月のQEや日銀短観、さらには失業率といった新たな経済指標により判明したことがこれに当たるものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣尾身幸次君登壇〕
#66
○国務大臣(尾身幸次君) 平成十年度の実質経済成長率の見通しについてのお尋ねがございました。
 今回の総合経済対策は、景気停滞から一日も早く抜け出すとともに、二十一世紀の活力ある我が国経済社会を実現するため、中長期的に我が国経済の体質を改善強化することを目的に策定したものであります。
 この経済対策の波及効果も含めた効果を試算をいたしますと、かた目に見まして、向こう一年間で名目GDPの二%程度の効果を持つものと見込まれます。したがいまして、既に実施している財政、金融両面からの諸施策等に加え、本対策の着実かつ速やかな実施により、消費者や企業の経済の先行きに対する信頼感が回復し、経済は順調な回復軌道に乗るものと考えられます。
 こうしたことから、十年度の実質経済成長率の政府経済見通し一・九%程度は実現可能であると考えております。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#67
○国務大臣(小泉純一郎君) 社会保障関係費の重点配分についての御質問ですが、社会保障関係費の上限枠が外れても、私は、無原則な、むちゃな要求をするつもりはありません。財政構造改革の趣旨にのっとって、重点化、効率化を図って、予算編成を行いたいと考えております。
 財政構造改革の考え方について御質問がありました。
 確かに、当初は、社会保障関係費の上限枠を外せという私の主張と食い違いがありましたが、最終的に、平成十一年度の社会保障関係費についての上限枠を外すということに対しての私の考え方について、大方の理解が得られたと思っております。そして、現在提案されております改正案が取りまとめられたと私は思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#68
○副議長(渡部恒三君) 上田清司君。
    〔上田清司君登壇〕
#69
○上田清司君 私は、民主党を代表し、ただいまの財政演説及び経済対策関連五法案の趣旨説明に対して質問を行います。
 先ほど、民主党から中野寛成代表代行が、財政構造改革法改正案及び補正予算案を中心に質問されましたので、私は、それ以外の部分に絞って、総理及び大蔵大臣に質問をいたします。
 まず、特別減税の追加について、総理にお尋ねいたします。
 政府の提案では、平成十年分所得税特別減税、同個人住民税特別減税を計二兆円、定額控除方式で追加実施し、これにより、夫婦子供二人の場合、減税額は、当初分六・五万円から十三・七五万円に引き上げられるとのことであります。
 景気回復のためにはGDPの約六割を占める個人消費の回復が不可欠であり、所得税減税は、そのためにとり得る対策としては、最も有効な対策の一つであると考えます。しかし、このような特別減税の小出しの繰り返しでは、効果も半減と言わざるを得ません。殊に、定額減税を繰り返すことについては、総理御自身も、予算委員会での海江田議員の問いに答えて、愚の骨頂であると認めておられたではありませんか。今でも愚の骨頂であるとお思いでしょうか。
 私は、既にことしの初め、統一会派民友連の時期から、税率構造の見直し等による三兆円の所得税恒久減税と法人税率の主要先進国並みの水準への引き下げ等、総額六兆円の減税を主張してまいりました。それは、単に消費をふやすということからだけではなく、中央政府のスリム化を実現するという行政改革の側面からも極めて有益であると考えたからであります。
 政府の失敗がさまざまな分野で明らかになり、規制緩和を進めている今日、中央政府が民間から租税として多くの富を吸い上げ、それを中央政府が必要と考える分野に分配するという仕組み自体も、当然に縮小していくべきものと考えるからであります。この意味から、恒久減税こそ日本経済の活力を取り戻す最善の方法であると考えます。
 恒久減税については、私たちの提案にとどまらず、今や、多くの民間エコノミスト、有識者、外国政府要人等が異口同音にその必要性を論じております。こうした声に押され、政府は、今回の経済対策の中でこれらの恒久減税を今後の検討課題に掲げたことは承知しておりますが、いずれにしても、当面の景気への効果という意味からすれば、またもやツーレート、遅過ぎると言うほかありません。
 私たちの提案している三兆円の所得税恒久減税については、総理はこれまで、我が国では課税最低限が諸外国よりも高く、国民の租税負担率が低いこと等を理由に拒絶するような発言を繰り返してこられましたが、現時点では前向きに考えていられるのか、それともやはり消極的なのか、その理由を含め、明確にしていただきたいと思います。
 もう一つ強調しておきたいのは、私たちが提案している所得減税の考え方は、すべて国税である所得税だけについて実施すべきだという点であります。
 個人住民税は、もともと地方公共団体の行政サービスに対する応益的課税の性格が強いものであり、高度の累進税率構造を持ち所得再分配やビルトインスタビライザーの機能を求められている国の所得税と同列に扱うべきではないと考えます。
 景気回復の果実は地方も享受するから特別減税は国、地方が車の両輪でという説明はもっともらしく聞こえますが、実際のところ、この五年間の経済対策の繰り返しの中で地方に残ったのは膨大な借金の山にすぎず、何の果実も生じておりません。多くの地方公共団体や地方議会から住民税減税に反対する声が上がってきていることを総理はどのように受けとめておられるか、お聞きしたいと思います。
 ところで、総務庁の公表した昨年一年間の家計調査報告速報を見ますと、世帯主二十歳代から四十歳代の世帯と六十歳以上の無職世帯で、可処分所得と消費支出の落ち込みが顕著となっております。これらは、子育て世帯と年金暮らし世帯と見て差し支えないだろうと思います。これらの階層については、今回の特別減税の追加分の効果も、限定的か、または全くないという方々も少なくないと思われ、少子・高齢化対策という視点も踏まえ、何らかの別途の対策を講じる必要があると考えます。
 特に、私が必要と思うのは、税制面よりも給付面の対策です。例えば、子育て世帯に対する税制上の扶養控除は所得控除であるために、所得が多く高い限界税率が適用される人ほど税の控除額が大きくなるという欠点を持っています。
 一方、給付面で実施されている児童手当については、制度発足以来の幾度かの法改正を経て、現在では、三歳未満児のみを対象とし金額も第二子までは月額五千円と、極めて貧弱なものになっております。次代の社会を担う児童の健全育成を目標に創設され、当時の調査でも児童の扶養に要する平均的経費の半額を給付するとした画期的な制度でありましたが、今や貧弱な制度になってしまっています。
 他方、諸外国の児童手当制度の現状を見ますと、英、独、仏では、対象児童年齢はおおむね十六歳未満、学生の場合には二十歳未満あたりまで、給付額も、最近のレート換算で、児童一人当たり月額一万円から二万五千円であり、親の所得による給付制限もないというのが平均的な姿と言っていいと思います。
 若い世代の国民が安心して出産し子育てをできる経済環境を整備することは、これからの国づくりの基本中の基本であります。私は、このような観点から、児童手当制度を諸外国並みに大幅に拡充し、せめて義務教育終了までの児童一人に月額一万円程度の給付を行うようにすべきではないかと考えます。諸外国と比較した我が国児童手当制度の現状の評価、今後のあり方について、総理の御所見をお聞かせください。
 次に、貸し渋り対策について、総理にお尋ねいたします。
 現在、民間金融機関による貸し渋りがいかに厳しい状況であるかが各種調査からも明らかになっております。貸し渋りに遭った経営者が何人も自殺するという痛ましい事件も起きており、ただでさえ景気の悪化で暗い世相がますます沈み込んでいくような気がいたします。
 今回の中小企業信用保険法等の改正案と補正予算措置により、新たに二万の事業者が中小企業信用保険等の適用対象となり得ることなど、一定の効果は期待できるものと思います。しかし、問題は、先般野党の反対を押し切って成立させた金融機能安定化緊急措置法による公的資金の投入の効果というものを、一体どのように評価するかという点であります。
 もともと、この公的資金による優先株等の引き受けは、貸し渋り対策のためと称して提唱されたものであったはずです。それがいつの間にか、貸し渋り対策にもなるとトーンダウンし、結局、現在も貸し渋りは解消していないというのでは、まるで詐欺のような話ではありませんか。この点については、梶山前官房長官も、月刊文芸春秋六月号で、「政府がこの間打ち出してきた対策は、貸し渋りの解消には何の効果もない彌縫策に過ぎなかったことがわかります。」と述べておられます。
 公的資金という国民のお金を何と考えるのか、総理はこの点についてどのように評価されるのか、明確にお答えをいただきたいと思います。(拍手)
 最後に、私は、先般大蔵省が行った金融関連部局職員等に対する省内調査結果を踏まえた処分に関連してお尋ねいたします。
 今回の一連の金融不祥事の過程で、中途半端な処分、遅過ぎる処分によって、国民の不信と相まって、職員の士気、モラルにも悪影響を与えております。大蔵委員会野党理事のしつこい要求、失礼、粘り強い要求によって実現した実名公表の処分者三十二名の五年間の接待の合計数が、二千二百回以上と判明しております。一人七十回以上という恐るべき事実です。
 国民のだれ一人、大蔵行政が公平、公正であったと思う者はいないでしょう。これが行政をねじ曲げなかったとすれば、これらの人は全く恩知らずと言えます。まさに、行政のクレディビリティークライシスであります。
 こうした事態に終止符を打つためには、国民にわかりやすい明快なけじめをつけ、今後の金融行政機関のあり方を明確にし、再出発を期すべきであります。その意味で、先般の省内調査の範囲、資料の公表や処分内容が十分であったのかどうか。改めて総理及び大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
 この調査結果を踏まえて停職処分を受けた杉井元審議官、減給処分を受けた長野元証券局長の二名は、同日中に辞職を申し出て受理されていますが、その退職金の取り扱いについては、今日もなお、宙に浮いたままであります。厳密には、退職後一カ月の間、つまりあと半月の間に本人から辞退の申し出がない限り、法律の規定に従って退職給与を支給せざるを得ないため、現在は本人らの自発的申し出を待っているにすぎないという状態ではなかろうかと思います。
 総理として、国民感情等に照らして、どのような解決が望ましいとお考えでしょうか。大蔵大臣としては、この二名が辞退すべきか否かについてどう思っておられますか、お伺いをしたいと思います。
 また、これら二人に比べて内規に基づく軽い処分とはいえ、内閣総理大臣秘書官事務取扱である坂篤郎氏が訓告処分対象になったことについては、あるいは総理官邸内の機密事項が接待相手に筒抜けになっていたのではと、内閣の危機管理についても懸念が残ります。総理としては、このような接待漬けで処分を受けるような者を秘書官として身辺に置いてきたことをどのようにお感じになり、また今後も現職にとどめるつもりなのか、明らかにしていただきたい。
 このように総理並びに大蔵大臣に御質問をして、終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#70
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 上田議員にお答えを申し上げます。
 まず、所得減税についてのお尋ねがございました。
 これまで、現在実施している特別減税の効果について、政府としては、この減税を含む財政、金融両面にわたるさまざまな措置が相まって我が国経済の回復に役立つものと考えていると申し上げてまいりました。
 今回の経済対策では、所得税、個人住民税について四兆円の特別減税の追加、継続を行うこととしており、こうした措置は各般の施策と相まって消費者マインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 個人所得課税については、諸外国と比較して低い個人所得課税負担の水準、税率構造、各種控除等のあり方、資産性所得課税や年金課税などさまざまな論点について幅広くきちんとした検討を行い、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を目指してまいります。
 また、個人住民税における特別減税の実施について御意見をいただきました。
 特別減税の追加については、我が国経済及び経済運営に対する内外の信頼の回復のために必要な措置として、国を挙げて対処する必要があるものと考えております。国の財政と地方財政は車の両輪であり、個人住民税につきましては、所得税と共通する税源により国民に負担していただいているものでもありますので、国全体の政策として必要がある場合には、一体として減税を行うこともあるものと考えております。
 次に、児童手当についてのお尋ねがございました。
 政府としても子育て支援は重要だと考えておりまして、今回の補正予算でも子育て支援基金の創設等を行ったところでありますけれども、児童手当の拡充につきましては、人間形成の基礎となる三歳未満の時期に給付を重点化した制度の改正経緯、あるいはさまざまな御意見があることを考えますと、慎重な検討が必要ではないかと思います。
 また、今回の自己資本充実策で貸し渋りが解消されていないという御指摘をいただきました。
 今般の対策は、金融の危機的な状況に対処し、金融システムの安定化を図ることを目的としたものであり、同時に貸し渋りの解消にも資することを期待しているものであります。
 今般の対策などにより金融システム不安が遠のいたこともあり、貸し渋りの状況はある程度緩和しつつあるとは認識していますが、いずれにせよ、金融機関の融資動向については引き続き注視していく必要があるのは御指摘のとおりであります。
 次に、大蔵省の省内調査の範囲、資料の公表等についての御意見をいただきました。
 今回の調査は、金融検査部の職員が逮捕されたこと等により、金融行政そのものに対する不信感も高まりかねない状況にありましたことから、金融関連部局に在籍した職員を対象に行ったものであると聞いております。
 調査の結果、厳正な処分が行われましたが、これはかつて例を見ない厳しいものであり、調査結果については全体の姿がわかるような形で公表されたところであると私は承知をしております。
 大蔵省職員一同が、これを契機に、松永大臣の指揮のもとに厳正な綱紀の確保を図りつつ、新しい時代の要請を踏まえて、本当に国民の負託にこたえられるよう全力を尽くしてくれることを期待しております。
 また、特定人の名前を挙げて退職金の取り扱いについてのお尋ねがございました。
 国家公務員退職手当法上、議員が名を挙げられました両氏に対し退職手当を支給することに法律上なっておりますが、任命権者である大蔵大臣が、それぞれの方から気持ちを聞いた上で適正に判断されるものと思います。
 最後に、私の秘書官についてお尋ねがありました。
 秘書官の就任前、七年五月以前のことでありますけれども、本人は深く反省をいたしております。今内閣の一員でありますので、私から厳しく訓告をいたしたところでありますが、官邸の機密云々と言われましたことについては、大変恐縮でありますが、処分事由は平成七年五月以前、秘書官就任前のことでありまして、秘書官としての部分についてお触れいただいたところだけは、これはちょっと事実に反しますので、御理解をいただきたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣松永光君登壇〕
#71
○国務大臣(松永光君) 上田議員にお答えいたします。
 まず、大蔵省の省内調査及び処分の関係でございますが、総理から御答弁がございました。
 調査の対象が実は千五十人にも及んだわけであります。したがいまして、遅かったというのはちょっと酷な言い方じゃないか、こういうふうに思います。
 また、処分の内容につきましても、国家公務員法に基づく処分、前例に従い、あるいはまた過去のいろいろな役所の処分の内容等も参考にしながら、それと比較して数段重い処分をしたつもりであります。
 なお、この処分を契機といたしまして、私どもは、大蔵省職員一同、心を新たに、特に綱紀の厳正な確保を図り、新しい時代の要請を踏まえて、真に国民の負託にこたえられるように全力を尽くしてまいる決意でございます。
 それから、退職した二人の退職金の話もございました。
 総理からも話がございましたけれども、国家公務員退職手当法上は、退職した人は退職手当の支給を受ける資格を有するのでありますけれども、事柄の性質上、まず本人の気持ちを聞いた上で適正に対処したい、そういうふうに考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#72
○副議長(渡部恒三君) 谷口隆義君。
    〔谷口隆義君登壇〕
#73
○谷口隆義君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいまの財政演説及び提出法案に対し、橋本総理並びに大蔵大臣に質問を行うものであります。
 平成十年度を迎えても、日本経済はいまだ深刻な危機を脱し得ず、株価、為替の低迷が続いております。総理自身が、我々の主張を一顧だにせず、自信満々に行ってきた九兆円国民負担増を初めとする財政帳じり合わせの結果が今日の危機をもたらしたことは、今や明白な事実であります。
 橋本総理は、平成十年度予算案審議の際、本予算案が最善のものであると言い続けてまいりました。与党も補正予算など一切検討していないと回答しておりました。我々野党が提出した予算組み替え要求も否決したのであります。総理は、国会を欺いておられたのでしょうか。本予算成立の次の日に記者会見で補正予算編成を言うなど、本予算が欠陥予算であったことをみずから露呈するものであります。また、みずから招いたこの不況に反省も謝罪もいまだありません。なぜ、本予算が不十分であったなら、撤回の上再提出をしなかったのでありますか。総理は、この国の行く末、国民生活よりも、みずからのメンツ、政権の方が大切なのでしょうか、明確にお答えをいただきたいのであります。
 橋本総理は、予算委員会において、二枚舌であると指摘され気色ばんでおられましたが、これを二枚舌と言わずして何を二枚舌と言うわけでありましょうか。橋本総理の六つの改革の中には教育改革が含まれております。みずから他人を欺いて恬として恥じないこのありさまを子供たちが見たときに、どのように感じるとお考えでしょうか。
 また、みずから強引に成立させた財政構造改革法についても改正案が提出されております。もはや論外であります。財政構造改革法を成立させたときでさえ、我が国経済は危機的状況にありました。山一証券、三洋証券は破綻し、アジアの通貨危機は深刻となっていたのであります。我々の反対を押し切って強引に成立させたのはだれですか。橋本総理、あなたではないですか。
 前国会における財政構造改革法審議の際、予定されていない経済政策について、直ちにそのことが補正要因になるとは考えるべきでないと繰り返し答弁をし、特に集中三カ年においては景気対策としての補正予算を編成しないことが財政構造改革法にかなう原理であると答弁をしているのであります。財革法改正案審議以前に平成十年度補正予算案、関連法案を提出することは、政府の言う財政構造改革法の原理に反しないのでしょうか。補正予算と関連法案を提出する前に財政構造改革法を徹底審議するべきであり、その議論を反映した上で補正予算を提出するべきであります。
 財政構造改革法は十年前にできた法律ではありません。昨年十一月、我々の反対を押し切って成立させたのは橋本総理であります。橋本総理に財政構造改革法改正を言う資格はありません。橋本内閣は、みずから決めた財政構造改革法さえ、たったの数カ月も守れないではありませんか。臨機応変とか緊急避難ではなく、何でもありと言うべきであります。半年先のことさえ見通すことのできない橋本総理に、我が国の命運を託すわけにはいきません。
 以上、橋本総理の明確な答弁を求めます。
 次に、財政演説について質問をいたします。
 平成十年度予算は財政構造改革法による史上空前のデフレ予算であり、ほとんどの歳出項目について対前年比マイナスとなっております。公共事業については七%のカットとなっていたにもかかわらず、補正予算において六兆円強を計上するのであれば、本予算の査定に何の意味があるのでしょうか。
 また、経済対策として一兆五千億の地方単独事業を計上いたしております。過去行った経済対策による地方負担もいまだ完全に消化できず、地方財政事情も大変厳しい中、橋本内閣はいつまで旧態依然とした手法をとり続けていくのか。地方負担を強要する方式の地方単独事業の追加は、地方財政の自己責任原則と逆行するものであります。
 確かに我が国の社会資本整備は他の先進国と比べて進んでいるとは言えませんが、政府・与党は公共事業を景気対策としかとらえておらず、選挙目当てのばらまきの批判を免れ得ません。また、我が国の置かれた危機的状況、経済危機の要因が構造問題にあることを少しも理解しておらず、根本問題はすべて先送りにされております。今回の減税、公共事業も今までの手法の延長線上のものであり、規模、内容ともに構造改革の一環では全くありません。
 今日の日本の経済危機は、日本の産業、経済の構造的要因にあるのであり、その改革をしなければ日本経済の再生はあり得ません。過去最大を売り物にするなど、みずからの無能を世界にアピールするのと全く同じであります。公共事業中心の経済対策であれば、再来年度以降の民需主導型の持続的成長につながる期待が持てないため、公共部門から民需へのバトンタッチのための施策がなければ、九九年度以降の反動減が深刻となるのは当然であります。公共事業による景気対策は麻薬のようなものであり、一度実施すれば、景気を維持するため次々と追加していかなければならないものであります。
 以上について、大蔵大臣の答弁を求めるものであります。
 次に、特別減税についてお伺いいたします。
 政府・与党は、いまだに特別減税でこの日本の危機的状況が救えると考えておられるのでしょうか。特別減税は、期間限定、減税が終われば増税が待ち構えている増税予告つき減税であり、しかも財源はみずから否定していた赤字国債であります。米国の格付会社は、我が国の格付をネガティブに変更いたしました。経済成長と財政収支の改善を図るための政策を一致できるかどうか、不確実性が高まっているのがその理由であります。
 内外からの我が国に対する先行き不安は、特別減税では解消することができません。むしろ、赤字国債を財源とする特別減税は将来の大増税につながるという懸念から、消費に回らず、景気浮揚効果もなければ、財政の悪化を招くのみであり、かえって先行き不安をあおっているのであります。何回延長しても、景気浮揚効果はありません。
 また、九八年度は計四兆円の特別減税、九九年度も二兆円の特別減税継続とはいうものの、九八年度分の二兆円は、九七年度の特別減税を年度初めに一度打ち切った後、九八年度にずれ込み復活したのも同然であります。定額方式、定率方式の差異はあるにせよ、結局九四年から始まった二兆円の特別減税を九九年まで続ける、つまり、二〇〇〇年まで増税はしないという程度のことではありませんか。九四年から九九年まで六年間も継続していては、もはや特別はもちろん、減税という名にすら値しないのであります。
 また、なぜ特別減税の方式を、定率控除方式ではなく定額控除方式、つまり課税最低限引き上げという方式をとったのか。公共事業と同様、減税を景気対策としかとらえられない橋本内閣は、望ましい税制に対する理念も哲学もなく、税制をゆがめ続けており、まことに無責任きわまりない。この特別減税は、臨時福祉給付金とあわせて選挙目当ての迎合主義、ばらまき以外の何物でもなく、必ずやすべての税率の緩和を中心とする抜本税制改革の阻害要因になるに違いありません。
 また、自民党幹部は減税に懐疑的な発言を繰り返しております。このような政府・与党の不一致こそが、政策の信頼性を失わせているのではありませんか。大蔵大臣の答弁を求めます。
 次に、財政構造改革法改正案についてお伺いいたします。
 そもそも財政構造改革法は、目先の財政の帳じり合わせのみを主眼に置き、構造改革という視点は一切なく、歳出の一律削減を定めただけのものであり、財政構造改革の名に値しません。そして、それさえ、今ずるずるとなし崩しにしようとしているではありませんか。基本方針は変更しないと何度もおっしゃるが、橋本総理の財政構造改革に基本方針などあるのですか。取りやすいところから金を取って、財政を帳じり合わせするのみではありませんか。つまり、根本の発想が間違っているのであり、目標年次を繰り延べてみたり特例公債発行枠を弾力化したりしても、財政再建など不可能であります。
 今回の改正により、社会保障関係費のみ特別扱いしておられるが、高齢化が進展するのはことしや来年だけではありません。社会保障制度にせよ、公共事業にせよ、構造改革に切り込まないで歳出削減をするなら、国民負担がふえるだけの話であります。歳出削減を構造改革とすりかえ、ごまかしてきた結果が、このありさまであります。財政構造改革法は廃止をするべきであります。
 また、総理は、恒久減税にも言及されました。
 財政構造改革法をどのように改正すれば恒久減税が実施できるのでしょうか。恒久減税検討発言も、いつもの口先介入なのですか。恒久減税を実施するなら、今財政構造改革法を凍結、廃止すべきであります。
 以上、総理の明確な答弁を求めます。
 自由党は、民間活力が最大限に発揮でき、世界経済とも調和を可能にする経済を根本から再構築すること、つまり民力の回復のための政策として、所得課税六兆円、法人課税四兆円、計十兆円の大規模減税を要求いたしております。政府の経済対策は、我々の所得税、法人税の直接税減税十兆円という考えとは全く相入れないものであり、国が国民から金を吸い上げてばらまくといういびつな構造を温存しているものであります。もはや、我が国経済は、政府の提出する小手先の景気対策により立ち直るような状況ではありません。
 官が民から金を吸い上げ、使い道を決めるのではなく、国民がみずからの判断と自己責任で金の使い方を決めることを可能にする税制改革を行い、経済のあり方を民間中心として、国民が主役の社会へと改革していかなければなりません。
 二十一世紀までの残された三年間は、経済構造改革、経済再建のための三年間とするべきであります。経済再建なくして財政再建はあり得ません。増税しなければ税収はふえないといった考えは捨て去らなければなりません。増税と歳出一律削減によって経済を失速させていて、財政再建など実現するわけはないのであります。財政再建は、民力中心のたくましい経済から得られる租税の自然増収と規制の撤廃・緩和など、民間経済に活力を与え、地方の活性化を図る、政府の仕事減らしにつながる行財政一体の歳出構造の改革によって達成できるものであります。
 総理は、果たすべき責任を果たすことが責任のとり方だと言われております。これは開き直り、居直り、責任逃れの論理であります。株式市場は半年先の経済を予見すると言いますが、政府の総合経済対策発表後も株価は一万五千円台であり、先行き不安を如実に示しております。財革法の小手先の改革、ばらまきの景気対策など、中途半端な対応では済まされないのであります。財政構造改革法は凍結あるいは廃止にして、明確に路線転換をし、抜本的経済構造改革を行わなければなりません。
 もはや、橋本内閣が続けば続くほど日本がだめになっていくのは、揺るぎのない事実であります。まず橋本内閣の退陣、次に大胆な政策転換こそが経済再建の道であり、日本再構築の第一歩であります。総理の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#74
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 谷口議員にお答えを申し上げます。
 平成十年度当初予算は、予算作成時点における内外の経済金融情勢を踏まえながら、財政、金融両面にわたる適切な措置を講じたものであり、現在、その早期執行に全力を尽くしております。
 さらに、今般、現下の極めて深刻な経済状況にかんがみて、我が国経済及びその運営に対する内外の信頼を回復するに必要かつ十分な規模の総合経済対策を講じて、そのために必要な補正予算を編成し、提出をしたところであります。これらは必ずや皆様に御理解をいただけるものと考えております。いずれにせよ、今後とも、責任を持って構造改革を進めながら景気回復に努めてまいります。
 次に、財革法改正法案の審議以前に十年度補正予算案、関連法案を提出することは不適当ではないか、そういう御指摘をいただきました。
 今回、我が国経済を力強い回復軌道に乗せるために総合経済対策を決定し、そのための補正予算を提出したところでありますが、あわせて、我が国経済がバブルの後遺症から抜け切れていないという状況を踏まえ、財政構造改革を進めつつも、緊急避難的な措置を講ずる枠組みを整備すべく財政構造改革法をも御提案を申し上げているところであり、これらの十年度補正予算及び関連法案の一刻も早い成立に心から御協力をお願いを申し上げます。
 次に、財政構造改革法は構造改革の名前に値せず廃止すべきという御意見をいただきました。
 財政構造改革法は、財政赤字対GDP比を三%以下とするなどの財政健全化目標を定め、その目標達成に向けて主要な経費ごとに量的縮減目標を設定しております。また、財政運営の方針として、官と民、国と地方の役割の見直し、歳出全般の見直しに当たっての具体的な観点を定めており、単なる歳出削減にとどまらず、硬直した財政構造に直接切り込むものになっております。
 また、恒久減税を実施するなら財革法を凍結、廃止しろという御意見をいただきました。
 内外の経済金融情勢の変化に対応し臨機応変の措置をとることは当然ですが、主要先進国中最悪の危機的状況にある我が国財政の現状を考えれば、将来を考えるとき、財政構造をさまざまな課題に十分対応できるものにしていくことは当然必要なことであり、こうした財政構造改革の必要性からして、御指摘のような考え方は適切ではないと考えております。
 次に、財政再建には行財政一体の改革が必要だというお尋ねもございました。
 将来に向けてさらに効率的で信頼のできる行政を確立し、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力ある経済を実現するために、行財政改革あるいは財政構造改革に取り組む必要があることは当然であります。そして、行政の各分野において、国及び地方公共団体と民間が負担すべき役割を見直すこと、国と地方公共団体が分担すべき役割を見直すこと、そうした観点を踏まえつつ改革を進めてまいることは当然必要なことだと考えております。
 残余の質問は、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔副議長退席、議長着席〕
    〔国務大臣松永光君登壇〕
#75
○国務大臣(松永光君) 谷口議員にお答えいたします。
 今回の経済対策と構造的問題との関係についてのお尋ねでありますが、政府としては、これまでもしばしば申し上げておりますように、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではありません。同時に、内外の経済金融情勢の変化に対して臨機応変の措置をとることも当然であると考えております。こうした考えのもとで、二十一世紀の活力ある我が国経済社会を実現するため、今般、総事業規模十六兆円を上回る過去最大規模の経済対策を策定したところでありまして、今後我が国経済を一日も早く順調な回復軌道に乗せていくため、今回の経済対策を強力に推進していく必要があると考えております。
 減税についてのお尋ねですが、今回の経済対策では、所得税、住民税について四兆円の特別減税の追加、継続を行うほか、住宅、投資促進についていわゆる政策減税を実施することとしており、こうした措置は、各般の施策と相まって、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えております。
 今回の特別減税の実施方法については、最近の深刻な経済情勢を踏まえて、減税の効果をできるだけ早期に発揮させるために定額方式で行うことにしたものであります。
 政府・与党としては、今後とも、我が国経済及び経済運営に対する内外の信頼の確保を念頭に置きながら、適時適切に政策を遂行していく必要があると考えておるところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#76
○議長(伊藤宗一郎君) 矢島恒夫君。
    〔矢島恒夫君登壇〕
#77
○矢島恒夫君 私は、日本共産党を代表して、橋本総理に質問いたします。
 今、日本経済は大変な状態に陥っています。どの商店街を歩いても、売り上げはさっぱりと中小業者の嘆きのため息ばかりが聞こえてきます。大学生は卒業を迎えたのに就職の行き場がなく、前途多難そのものです。我が国の完全失業率は過去最悪の三・九%を記録しました。このままではアメリカとの比較で逆転も必至であります。国民の消費生活はどうか。昨年度の全世帯消費支出が二・一%減少し、三十五年前の調査開始以来最悪という結果であります。
 橋本総理、一年前の予算審議を覚えておりますか。橋本内閣が打ち出したのは九兆円の国民負担増でした。日本共産党は、これは国民の消費購買力を奪い経済不況を招くものとして、重大な警告を発し、撤回を迫りました。
 これに対して、橋本総理、あなたがとった行動は、数の力で予算を通し、六大改革といって、教育だ、行革だ、金融改革だと突っ走り、急激な消費不況のさなかの昨年秋、財政構造改革法案をごり押ししました。それに基づく社会保障の削減と国民生活の全面的破壊型となった九八年度予算は、景気後退をさらに加速させました。四月、予算成立直後に経済対策を発表すると同時に、出発したばかりの財革法の破綻を宣言しました。
 日本経済と国民生活をここまで窮地に追い込んだのは、橋本内閣の経済失政であり、その責任は、総理、あなた自身にあることはもはや明白な事実であります。しかるに、あなたはこうした指摘には一顧だにせず、国民生活に一層の将来不安を持ち込み、消費不況をさらに悪化させ、経済再建に逆行する補正予算を国会に提出したのであります。私は、橋本首相の経済失政を初めとするみずからの責任について、まず冒頭に見解を求めるとともに、厳しくその責任を問うものであります。(拍手)
 今度の経済対策とそれに基づく補正予算案は、消費不況の克服など必要な対策はやらずに、既に破綻した公共事業費の積み増しや大銀行支援の対策など、やるべきでない対策ばかり並べたのが、政府が言う史上最大規模の実体にほかなりません。
 まず、総額十六兆円を超える事業費の約半分を占める公共事業費です。政府は新社会資本などと新味を出そうと苦労しましたが、結局のところ、従来どおりのゼネコン向けの積み増しでしかありません。下からの積み上げで住民の生活に直結した真に必要な公共事業を予算化するのなら、国民の理解も得られます。ところが、先に総額ありき方式で、大手ゼネコンと関連業界だけが潤うだけの積み増しであっては、事業のための事業でしかありません。政府は、七・七兆円という公共投資をどのように積算したのか、下からの積み上げで国民生活に真に必要という観点をどのように見積もったのですか。総理の責任ある答弁を求めます。
 肝心の問題は、財政投入による消費購買力への波及効果であります。国と地方合わせた財政出動は今回分で約十兆円、うち国費は六兆円ですが、一体、国民の懐を暖める効果がどれだけ期待できますか。国民の消費に回る力は大変弱いと言わねばなりません。私は、結局のところ、むだと浪費を積み重ね、どう転んでもゼネコン奉仕に回るだけという意味で、従来型公共事業の転換を求めているのであります。こうしたあり方を抜本的に変える意思があるかどうか、橋本総理の態度をただすものであります。
 公共事業の積み増しは、財政難に苦しむ地方自治体をさらに苦しめることになります。地方自治体による財政出動は、地方単独の公共事業一兆五千億円を含め四兆円規模に達します。他方、自治体の借金は、この六年間で倍増し、国を上回るテンポでふえています。その主たる原因が、国による地方単独事業の押しつけなのであります。地方単独事業を追加できるのは半数の自治体どまりとか、見込み額の半分というのがマスコミの報道です。地方財政の実態を無視した押しつけはやめるべきではありませんか。政府が対応できるという確かな裏づけがあるというのなら、その根拠は何ですか。具体的な答弁を要求するものであります。
 政府の対策の中身で、直接に国民の懐を温める対策は二兆円の特別減税だけであります。来年も二兆円継続するというので計四兆円というふれ込みですが、昨年十二月突如とした政策変更でことし二月に実施した特別減税も、遅過ぎ、小さ過ぎるため、その効果が薄いことは既に実証済みであります。来年継続した後はもとに戻ることがわかっているから、消費に回らないのではありませんか。所得税を納税していない高齢者や低所得者には恩恵は何もありません。
 九兆円負担増の悪影響を打ち消し、消費不況を打開する道は、もはや消費税の減税しかありません。橋本首相は、我が党の志位書記局長の質問に答えて、消費税が消費に直結した税であること、それを減税するのが消費に直結しているのはそのとおりと認めました。これはすなわち、消費税減税が消費不況打開につながるという、だれも否定できない自明の原理を示した答弁であったことであります。総理、景気回復にとって何が必要か、原点に立ち返った答弁を要求するものであります。
 消費税の減税は、実施さえすればすぐその瞬間からでも消費刺激となり、二%減税で約五兆円の直接的効果があり、生産活動への波及効果も含めればさらなる景気刺激が期待できるのではありませんか。こうした景気刺激効果を計算したことがありますか。私は、この際、公共事業偏重の景気対策ではなく、社会保障対策や消費向上を中心とした景気対策とし、消費税減税に踏み出すことを改めて求めるものであります。答弁を求めます。
 財政構造改革法が国民生活にいかに害悪をもたらしたか、九八年度予算で既に実証済みであります。橋本首相は、昨年六月三日の記者会見で、バブル崩壊後、経済状況に対応するため景気対策として大型の補正を何回も編成し、その結果、ある程度景気は立ち直った、そういう局面もありましたけれども、公債残高は非常にふえて、財政状況は本当に危機的な状況にありますと述べました。
 今度の補正予算の公共投資額の積み増しは約三兆四千億円、この結果、補正後総額は十三兆四千億円、この数字は前年当初比で何と二五%もの増加ではありませんか。財革法で言う七%カットなどはどこに吹っ飛んだのですか。橋本総理、あなたは、わずか七カ月前に退けた手法を、さらに規模を拡大して進めようとするのですか。その理由は何ですか。明確な答弁を求めます。
 公共投資とは全く正反対に、社会保障は削減一方で、国民生活に犠牲を強いるのが財革法の本質そのものです。総理は、財政構造改革の骨格は維持いたしますと本会議で答弁しましたが、これは、社会保障削減を盛り込んだ最悪の部分はそのまま残すということを表明したのですか。今度提案された改正案では、キャップ制を停止するのは九九年度のみです。すなわち、財政構造改革法に盛り込まれている医療、年金の抜本的な大改悪を二〇〇〇年度には計画どおり強行するということにほかなりません。このような悪政の継続を国民のだれも決して許さないでしょう。その破綻が明白な財政構造改革法は、改正でなく、廃止こそ最善の措置であります。答弁を求めます。(拍手)
 財政の構造改革を言うなら、今やるべきは、財政危機の真の原因である公共投資や軍事費の浪費に思い切ってメスを入れ、国及び自治体の社会保障公費負担は二十兆円、公共投資は五十兆円という、欧米諸国には例のないゆがんだ財政構造を根本的に改めることではありませんか。このことによって、国民生活の向上と景気の回復を図り、財政再建を進めることです。総理の見解を求めます。
 大銀行への三十兆円支援や大手ゼネコン奉仕の財政経済政策ではなく、国民経済の主役である個人消費や中小企業が真に豊かに成長できる経済政策に転換することが、今こそ必要であることを強調するものであります。
 ここまで暮らしを追い詰め、景気を落ち込ませた橋本内閣の責任、この責任も痛感しないで、明確な景気対策も打ち出せない内閣の延命こそ、最大の害悪にほかなりません。私は、橋本内閣の退陣、そして解散・総選挙によって国民の信を問う道こそが最もふさわしい選択であることを強調して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#78
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 矢島議員にお答えを申し上げます。
 まず、今回の補正予算を含めた私の責任についての御意見をいただきました。
 今回、政府が行おうとする総合経済対策及びこれを実施するための補正予算は、当面の景気の回復と、景気回復の足かせとなっております不良債権問題の本質的な処理を目指すもので、今後、日本経済がバブル崩壊後の後遺症から抜け出すために必要な措置を盛り込んだものであります。我が国経済及び経済運営に対する内外の信頼を回復するためにも、この十年度補正予算及び関連法案の一刻も早い成立に心から御協力をお願いを申し上げます。
 次に、今回の景気対策及び補正予算における社会資本整備について御意見をいただきました。
 総合経済対策及び補正予算の第一の柱は、社会資本の整備等による国内需要の拡大であり、また、その中でも経済構造改革、社会保障構造改革、教育改革などを念頭に置いて、二十一世紀を見据えた我が国社会の発展にとり真に必要な社会資本を整備することとしております。
 その際、特に緊急性の高いダイオキシン、環境ホルモン対策や新エネルギー対策、将来の発展基盤となる科学技術の振興や情報通信の高度化への対応、少子・高齢化の進展等に対応するための福祉、医療、教育などに事業費を重点配分し、国と地方を合わせ七兆七千億円程度の事業を実施することといたしております。
 公共事業のあり方についても御意見をいただきました。
 公共事業につきましては、二十一世紀を見据えた豊かで活力のある経済社会の構築に向けて、真に必要となる社会資本を重点的に整備するとともに、コストの縮減、費用対効果分析の活用及び再評価システムの導入などを通じ、効率的、効果的な実施を図ってまいるところであります。
 次に、地方公共団体の公共事業への積み増しへの対応について御懸念をいただきました。
 総合経済対策により追加される公共事業等の円滑な実施が図られるよう、地方交付税の増額、地方債の増発を行うなどにより、地方団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対処することとしているところでありまして、地方団体においてもできる限り協力していただけるよう努力してまいる所存であります。
 次に、消費税減税及びその景気刺激効果についての御質問がありました。
 地方消費税分を含む消費税率五%への引き上げを含む税制改革は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するもので、真に必要な改革であったと考えておりまして、消費税率の引き下げは考えておりません。
 志位書記局長とのやりとりを引用されましたが、関連する部分全部を引用していただけば誤解を生じないようなやりとりになっております。
 なお、消費税減税の景気に与える影響につきましては、税率引き下げ実施までの間に相当の買い控えが発生するであろう、そのほかにも、社会経済的コストが生じ価格にはね返るといった問題があると思います。
 公共投資に対してまたお尋ねがありましたが、政府としては、これまでも申し上げてまいっておりますように、財政構造改革の必要性はいささかも変わるものではありませんけれども、同時に、内外の経済金融情勢の変化に対し臨機応変の措置をとることも当然だと考え、こうした考えのもとに今回の経済対策を策定したところでありまして、今後、我が国経済を一日も早く順調な回復軌道に乗せていくため必要な措置だと考えております。
 社会保障関係費のキャップ停止に関連して、財政構造改革法を廃止しろという御意見をもいただきました。
 私どもは、我が国財政の現状にかんがみれば、二十一世紀に向けた財政構造改革の必要性は変わりはないと考えております。
 なお、平成十二年度の社会保障関係費につきましては、医療保険制度の抜本的な改革、介護保険制度の施行等の社会保障構造改革により効率化が期待できることから、現行の財政構造改革法の規定が適用されることとしております。
 最後に、我が国の今後の財政構造について、公共投資や軍事費の浪費にメスを入れる財政構造改革を行えという御指摘をいただきました。
 公共投資に関しては、集中改革期間中にその水準をおおむね景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の適正な水準にまで引き下げることを目指していくこととしております。
 社会保障につきましては、高齢化の進展に伴い社会保障給付費の増加が見込まれる中で、社会保障構造改革を推進し、制度の効率化、合理化を進めながら、必要な給付を確保していこうと考えております。(拍手)
#79
○議長(伊藤宗一郎君) これにて国務大臣の演説及び財政構造改革の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案外四案の趣旨の説明に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#80
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十五分散会

ソース: 国立国会図書館
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