くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第142回国会 本会議 第40号
平成十年五月十九日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十八号
  平成十年五月十九日
    午後零時三十分開議
 第一 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第三 船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件
 第五 国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
 第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第八 郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第九 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第八 郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第九 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 地球温暖化対策の推進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後零時三十四分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生委員長柳沢伯夫君。
    〔柳沢伯夫君登壇〕
#4
○柳沢伯夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定を実施するため、厚生年金保険法を初めとする我が国の公的年金各法について、被保険者の資格、給付の支給要件及び給付の額の計算に関する特例を設けるものであります。
 本案は、五月十三日参議院より送付され、同日付託となり、去る十五日小泉厚生大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第三 船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長大野功統君。
    〔大野功統君登壇〕
#8
○大野功統君 ただいま議題となりました両法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、海上保安庁長官が海上災害防止センターに排出油の防除のための措置を講ずべきことを指示し得る範囲を拡大する等所要の改正を行おうとするものであります。
 本案は、四月二十四日に参議院より送付され、五月七日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、五月八日藤井運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十五日質疑に入り、同日質疑を終了いたしました。
 次いで、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、船員職業安定法及び船舶職員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、文書等による船員募集を自由化するとともに、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締約国が発給した資格証明書を持つ者が運輸大臣の承認を受けて船舶職員になれることとする等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、四月二十二日に参議院より送付され、五月七日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、五月八日藤井運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、去る十五日質疑に入り、同日質疑を終了いたしました。
 次いで、討論を行い、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第五 国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第四、サービスの貿易に関する一般協定の第五議定書の締結について承認を求めるの件、日程第五、国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長中馬弘毅君。
    〔中馬弘毅君登壇〕
#13
○中馬弘毅君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、サービス協定第五議定書について申し上げます。
 WTO協定の附属書として作成されたサービス貿易一般協定の金融サービス分野については、交渉が難航し、WTO協定の効力発生後も交渉が継続され、平成七年十月に第二議定書が作成されました。同分野については、約束表の修正または撤回等を行う機会が再度与えられることになっていたことから、平成九年四月交渉が再開された結果、平成十年二月二十七日、本議定書が作成されました。
 本議定書は、議定書に附属する関係加盟国の約束表等を、現行の約束表等にかわるものとして発効させるための手続を定めたものであります。
 次に、外国公務員に対する贈賄防止条約について申し上げます。
 国際商取引に関連して行われる外国公務員に対する贈賄行為が公正な競争を阻害しているとの問題意識から、平成九年五月、OECD閣僚理事会は、加盟国の国内法の基盤となる条約について条約交渉を開始することを決定いたしました。これを受けて、平成九年七月より条約交渉が開始され、その結果、同年十一月二十一日、本条約が採択されました。
 本条約の主な内容は、締約国は、国際商取引に関連して行われる外国公務員に対する贈賄を国内法令のもとで犯罪とすること、外国公務員に対する贈賄について法人の責任を確立すること等であります。
 両件は、去る五月十二日外務委員会に付託され、外務委員会におきましては、翌十三日小渕外務大臣から提案理由の説明を聴取し、十五日質疑を行い、これを終了し、まず、サービス協定第五議定書について討論を行った後、採決を行いました結果、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。次に、外国公務員に対する贈賄防止条約について採決を行いました結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
 次に、日程第五につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第六 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第八 郵便振替法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第九 簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六、郵便貯金法の一部を改正する法律案、日程第七、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案、日程第八、郵便振替法の一部を改正する法律案、日程第九、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長坂上富男君。
    〔坂上富男君登壇〕
#18
○坂上富男君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、郵便貯金の預金者に対するサービスの向上を図るため、貯金証書に写真を複写する取り扱いその他の特別な取り扱いを行い、当該取り扱いに係る手数料の徴収等を行うことができることとするとともに、金融自由化に適切に対応した郵便貯金事業の健全な経営の確保に資するため、郵便貯金特別会計の金融自由化対策資金の運用の範囲を拡大すること等を行おうとするものであります。
 次に、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案について申し上げます。
 本案は、預金者等の利便の増進を図るため、郵便貯金等の業務に係る金銭の受け入れまたは払い渡し等の事務を金融機関に委託して行わせるとともに、郵政官署において金融機関から委託を受けて預金等の業務に係る金銭の受け入れまたは払い渡し等の事務を行うことができるようにするものであります。
 次に、郵便振替法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、利用者の利便の向上等を図るため、がん、結核、小児麻痺その他特殊な疾病の学術的研究、治療または予防の事業等を行う法人または団体に対する寄附金の送金に係る料金を免除することができることとするとともに、払い出し証書一枚当たりの金額の制限を引き上げることとすること等を行おうとするものであります。
 最後に、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、金融経済環境の変化に適切に対応し、簡易生命保険の加入者の利益の増進を図るため、簡易生命保険特別会計の積立金を先物外国為替に運用する場合における証券会社に取引を委託してしなければならないとの条件を撤廃するものであります。
 四法律案は、いずれも四月三日参議院より送付され、四月二十一日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、四月二十三日自見郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、去る五月十五日質疑を行い、採決の結果、郵便貯金及び預金等の受払事務の委託及び受託に関する法律案及び郵便振替法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、郵便貯金法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案は賛成多数をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第六及び第九の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第七及び第八の両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地球温暖化対策の推進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#22
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣大木浩君。
    〔国務大臣大木浩君登壇〕
#23
○国務大臣(大木浩君) 地球温暖化対策の推進に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨年十二月、地球温暖化防止京都会議において、法的拘束力のある温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書が採択されました。一方、我が国の現状を見ますと、二酸化炭素排出量はここ数年増加基調にあり、実施可能な対策を現段階から講じていかなければなりません。
 このような状況の中で、地球温暖化対策の推進を図るため、今般、この法律案を提案した次第であります。
 次に、法律案の主要事項の概略を御説明申し上げます。
 第一に、国、地方公共団体、事業者及び国民それぞれが地球温暖化防止のために取り組みを行う責務を定めることとしております。
 第二に、政府は、国、地方公共団体、事業者及び国民が講ずべき措置に関する基本的事項、みずからの事務及び事業に関して実行すべき措置について定める計画に関する事項等について、基本方針を策定することとしております。
 第三に、地方公共団体は、みずからの事務及び事業に関して実行すべき措置について計画を定め、その公表等を行うこととしております。
 第四に、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者は、単独にまたは共同して温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を策定し、その公表等に努めなければならないこととしております。
 第五に、国民が行う温室効果ガスの排出の抑制等に関し、都道府県知事は地球温暖化防止活動推進員を委嘱すること、国及び都道府県は地球温暖化防止活動推進センターを指定することができることとしております。
 以上が、地球温暖化対策の推進に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 地球温暖化対策の推進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#24
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。岩國哲人君。
    〔岩國哲人君登壇〕
#25
○岩國哲人君 私は、民主党を代表し、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律案及び環境全般の問題について、総理並びに関係大臣に御質問いたします。
 この法律案は、京都のCOP3で採択された議定書による、我が国の二〇一〇年までの一九九〇年比六%の温室効果ガスの削減合意実現のための第一歩であることは評価いたします。しかし、本法案の趣旨、目的が、温暖化ガスの排出抑制を国、地方自治体、事業者、国民の責務とすることにあるとするのであれば、修正が必要であります。
 国と地方自治体には排出抑制計画の作成、その結果の公表等を義務づけながら、事業者には計画の作成、公表への努力を求めていることです。中央環境審議会の昨年十一月の答申では、事業者についても、計画の作成、届け出が義務づけられていたはずですが、いつの間にか、義務が努力にすりかわっているではありませんか。国や地方自治体が政府の公約に基づいて率先して計画をつくるのは当然ですが、いわゆる民間である企業が同じ土俵で計画をつくることに大きな意義があったのではありませんか。本法案に先立って省エネ法の改正案が提出されています。省エネ計画の届け出が義務づけられていることから、二重規制だとして反発を受け、こうした後退となったことは容易に想像できることですが、私はこれは主客転倒だと思います。
 この温暖化対策推進法案は、京都議定書に基づいて我が国が今後進めていく対策すべてを網羅した、いわば基本法に当たるものです。省エネは、温暖化防止の一つの有力な方法にすぎません。温暖化対策の基本法ではなく、各論にすぎない省エネ法が優先するがごときことは、断じて認めるわけにはまいりません。総理並びに環境庁長官の御所見をお伺いしたいと思います。
 本法案の目的では、地球の温暖化対策に対する国民の責務を明らかにすることがうたわれています。ともすれば、温暖化対策というと、排出量を削減するための技術的側面に目が向けられますが、それだけではこうした全人類共通の問題を解決することは不可能です。技術の果たす役割は言うまでもありませんが、まず何よりも大切なことは、社会の仕組み、国民の生活そのものを温暖化防止に合致したものとするための意識改革であり、今後そうした意識を持った国民を大きくはぐくんでいくことではないでしょうか。そして、そのための政治のリーダーシップこそ求められているのではないでしょうか。
 九二年六月のブラジル・リオでの地球サミットを前にして、竹下登元総理は、「今や、環境を論ぜざるは、知性と教養と良心と勇気なき政治家と言える」と述べられました。私は、この元総理の言葉は、政治と環境について触れた世紀の名言であり、小学校の教科書に入れられてしかるべきものと考えますが、総理、文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
 環境問題は、世代を超え、目前に迫った二十一世紀を見据えた国家ビジョンです。そこで、次の世代を担う学童に対する環境教育に対するお考えをぜひ伺っておきたいと思います。
 私たちは、小さいころは、一年生の国語の教科書は「サイタ サイタ サクラガサイタ」で始まったものです。一番最初に桜が出てきました。身近な木、美しさの象徴、国を愛する気持ちがこうして教育の第一歩の中で育てられたのです。木に対するなじみというものが、自然に一年生のときから幼友達同士の共通の感情の中でしっかりと植えつけられ、教えられ、身についてきたのです。
 例えば、衆議院の予算委員会の審議においても、景気回復のめどについては、数字ではなく、桜の花の咲くころとか、もみじのころとか、花や木に託して議論される、深刻な景気情勢の中で、花や木が自然に出てくる、これほど優雅で文化的な国会が世界のどこにあるのでしょうか。
 今の教科書には、しかしながら、木の話はほとんど出てきません。これで自然を大切にする教育はできるとお考えですか。文部大臣の見解をお伺いしたいと思います。
 確かに、動物というものは、環境が悪化しますと逃げていける動物もあります。しかし、逃げていけない動物、魚、貝などは、ムツゴロウのように、農水省の手で殺されていきます。こういう環境の悪化に、一番犠牲になるのは植物です。木は動けないからです。地球には、とりわけ日本にはきれいな緑があります。これは地球がいまだ健全であることのあかしであり、そのことを学校の教科書の中でもっと教育していく必要があります。そして、常に身近なところで木と接触し、そのぬくもりを感じていることが必要ではないでしょうか。
 昨年七月、大手建設会社大林組が、木造建築は地球温暖化防止につながるとの試算をまとめ、新聞で報じられました。学校の体育館等を鉄筋コンクリートづくりにせず、木造にすることで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を削減できるというものです。鉄やセメントなどに比べ、木材は生産段階での二酸化炭素の排出量が少ないというのが根拠で、木造の場合、一平方メートル当たり二分の一という数字も出ています。
 こうした技術的な問題だけではなく、木のぬくもりとコンクリートの冷ややかさが学童に与える影響は歴然たるものがあります。木造校舎の場合、多くは二階建てであり、廊下越しに友達の声が聞こえたり、生徒同士のコミュニケーションの場が自然にできているのです。最近の学校におけるいじめの多発も、こうしたぬくもり、コミュニケーションの欠如と無縁とは思えません。木のぬくもり、木の香り、木のやわらかさが人の関係をぬくもりあるものとするのです。
 こうしたことは町づくりに関しても言えます。例えば東京では、都市化の結果、川や運河が消えてしまい、東京の水空間はこの百年間で四三%も減少し、東京の町から水辺の潤いが消えてしまいました。真の豊かさにあふれた都市生活のために、水辺の復活も積極的に進めるべきではありませんか。
 自治大臣には、地方交付税の算定等に当たって、こうした環境施策への配慮を要望いたしますとともに、総理、文部大臣の木造校舎の推進に対するお考えを伺いたいと思います。
 総理、バーミンガム・サミット、大変御苦労さまでした。アジア危機解決、我が国景気回復等、我が国に寄せられた期待は大きなものがあったことが報じられております。しかし、私は残念でなりません。それは、京都会議の議長国である我が国の総理として、環境問題に積極的にイニシアチブをとり貢献する具体策をお示しにならなかったことです。
 一九八九年、出雲市で木のお医者さんが誕生しました。人間が病気をしたらお医者さんがいる。動物が病気をしたら獣医さんがいる。木にも命があります。それを市民にあるいは学童にわかりやすくするために、十人の木のお医者さん、樹医さんが誕生しました。九一年以降、農水省、林野庁がそれに倣って、現在全国に五百四十七人の樹医さんが誕生しております。
 私は、これこそ地球全体に、世界各国に広げて、世界じゅうの子供に、木にも命がある、木にもお医者さんがいるということを知らせる格好のものだと思います。我が国で一万人の樹木医を養成し、緑の平和部隊としてODA予算を使って世界へ送り出す。これこそ我が国の環境保護、温暖化防止への取り組み姿勢、決意を目に見える形で示すことになるのです。これは一例ですが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。(拍手)
 今回出されましたこの法律案は超党派で論じられるべきものです。自民党を初め委員会では、そのような超党派の立場で終始熱心に議論をしてまいりました。国会の審議を通じ、修正すべきは修正していかねばならないと考えますが、総理の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#26
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 岩國議員にお答えを申し上げます。
 まず第一に、本法案で事業者の計画の作成等が努力義務であることについて御意見をいただきました。
 事業者のエネルギー利用等に対する規制等の措置を定める省エネ法改正案と、六種類の温室効果ガスについて自主的かつ計画的取り組みを促す本法案は、省エネ法による省エネ計画の届け出の義務づけにより、一方が他方に優先するというのではなく、双方が相まって地球温暖化対策の推進が図られるもの、そのように考えております。
 次に、国民の意識改革について、竹下元総理の言葉を引用されてのお尋ねがございました。
 地球温暖化防止の努力に向ける国民の意識改革は不可欠であります。私が本部長を務める地球温暖化対策推進本部では、学校における環境教育、エネルギー教育を初め、地域社会や家庭などさまざまな場において教育学習の充実を図る方針を決めたところであり、今後とも具体的施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、木造の校舎の推進についてのお尋ねがございました。
 私自身は小学校の、空襲で焼かれる前の校舎しか木造校舎の経験がございません。しかし、学校施設については防災あるいは安全上の観点に配慮して整備が行われているところでありますけれども、木の特性を生かした温かみと潤いのある環境づくりが推進されること、これは教室のみではなく、附属する、例えば屋内体育館等を含めまして、私は児童生徒の豊かな情操を涵養する上で有意義なことだと考えております。
 また、今回のサミットにおいて、京都会議の成果を受け、日本からは、途上国をいかにして自主的にこの地球温暖化防止に参加させていくことを慫慂するか、こうしたことについての論議を展開してまいりました。
 その上で、樹木医の海外派遣についての御意見をいただきました。我が国としては、樹木医の派遣実績は御指摘のとおりございません。しかし、ODAを通じてこれまでに、森林の保全、造成のために延べ千七百五十名の専門家を海外に派遣した実績を持っております。我が国としては、今後とも、温暖化対策に関する京都イニシアチブなどを踏まえて、相手国の具体的な要請に応じ、専門家の派遣等、適切に対処していく所存であります。
 最後に、本法案の修正についてお尋ねがございました。
 政府といたしましては、十分に検討を行って提出した法律案として、速やかな成立を心から願っている次第であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣大木浩君登壇〕
#27
○国務大臣(大木浩君) 省エネ法と今回のこの法案の関連について御質問があったわけでございますけれども、これはたまたま一部は同じ、例えばガスというものを対象にしておりますけれども、必ずしも全部一緒というわけではございませんし、またその目的も、あるいは今後法案を実施するために対象となる人という面からとらえましても、必ずしも一緒ではないということでございますから、これはやはり総理がおっしゃいましたように、片っ方が基本法で、もう一つが部分を扱う各論の法律だというふうには私どもは受けとめておりません。
 ただ、省エネ法が実施されれば、これは当然にその結果として温暖化防止にも大きな効果があるというふうに受けとめておりますので、両者を上手に連携させながら運用してまいりたいと思っております。
 なお、御承知のとおりに、COP3で決められた内容というものがまだ十分に、不確定なものがたくさん残っておるわけでございますから、私どもとしては、現段階ではこの法律が妥当なものだと思っておりますけれども、今後の国際的な取り決めの内容の変化に伴ってまた国内法もしかるべき段階においては見直すことが必要であるかもしれないということは、私どもも想定しております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣町村信孝君登壇〕
#28
○国務大臣(町村信孝君) 岩國議員にお答えをいたします。
 三点ございました。
 まず第一点の、竹下元総理の環境に関する言葉を教科書に入れるべきではないかというお尋ねでございました。
 環境問題は、人類の将来の生存と繁栄にとって非常に重要な課題でございまして、二十一世紀に生きる児童生徒にこれらの問題について正しい理解を深めさせ、責任ある行動がとれるようにすることは、極めて重要であると認識をいたしております。
 教科書の具体的な記述については、我が国は御承知のように検定制度をとっておりますため、御指摘のとおりの記述を教科書に盛り込ませることは残念ながらこれは困難でございますが、今使われている教科書におきましても、例えば、地球環境の悪化を防ぎ、自然を守るために、各国の政府や国際連合を初めいろいろな国際団体が会議を開き、計画をつくるなどさまざまな努力をしている、こういうことが記述をされておりまして、環境を守ることの重要性を既に取り扱っているところでございます。
 二番目に、自然を大切にすることに関する教科書記述の充実についてのお尋ねがございました。
 学校におきます環境教育については、環境と人間とのかかわりや環境を保全することの大切さなどを指導しているところであります。小学校の教科書におきましても、小学校低学年の生活科において、自然を利用した遊びの工夫や動植物の飼育、栽培、こうした活動を扱った教材が取り上げられているところであります。また、社会科、道徳、その他の教科におきましても、自然を愛する心を育てることや、あるいは国土の保全や水資源の涵養などのために森林資源が大切である、こうしたことを踏まえた記述もなされているところであります。
 文部省といたしましては、今後とも環境問題に対する教科書の記述の一層の充実が図られ、子供たちが環境保全やよりよい環境の創造のために主体的に行動する実践的な態度や資質、能力が養われることを期待しているところでございます。
 三番目のポイントですが、木材の特性や環境への配慮の観点から木造校舎の推進についてのお尋ねでありました。
 総理の御答弁にもありましたように、学校施設の整備に当たりまして積極的に木材を活用することは、温かみと潤いがあり、かつ環境への負荷が少ない施設づくりを進める上で効果が期待できるものでございます。
 文部省といたしましても、昭和六十年に既に学校施設における木材使用について通知を発出してその促進を図ってきているところでございます。今後とも設置者である市町村等に対して木材の積極的な活用を促してまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣上杉光弘君登壇〕
#29
○国務大臣(上杉光弘君) 環境施策への配慮に関するお尋ねでございますが、義務教育施設の木造化につきましては、御指摘のように、木造には木のぬくもりがあり、香りがあり、やわらかさがございますが、その上に雑菌に対する滅菌作用もあると言われております。よりよい教育環境をつくる上からも一つの方策と存じます。地方公共団体におきましては、校舎を木造で建築する場合を含め、国庫負担に係る地方負担額に対して適切な地方財政措置を講じておるところでございます。
 次に、ふるさとの水辺の空間づくり等についての質問でございますが、これにつきましては、地方単独事業によりまして、水辺の空間づくりなど各種の施策が推進できるよう財政的な措置をいたしておるところでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(伊藤宗一郎君) 田端正広君。
    〔田端正広君登壇〕
#31
○田端正広君 新党平和の田端正広でございます。
 私は、平和・改革を代表して、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律案について、橋本総理並びに関係大臣に質問いたします。
 世界に先駆けて地球温暖化対策推進法案が上程され、こうした議論が展開できることに敬意を表するところであります。
 ところで、皆様も御承知のとおり、ことしの桜前線は一週間から十日早く北上いたしました。エルニーニョ現象の影響とも言われていますが、この四月は全国的に気温が高く、東京で十六・三度、平年差プラス二・二度、名古屋市で十七・二度、プラス三・四度、京都市で十七・三度、プラス三・四度と、全国六十八地点で観測史上最高を記録しました。
 原因はともあれ、地球温暖化の傾向は明らかに迫ってきているわけです。もし、言われているように、今後五十年で年平均気温が一、二度上昇すれば、東京が福岡並みの気温になり、大阪が鹿児島になってしまいます。コシヒカリやササニシキといったおいしいお米がとれなくなり、伝染病の発生地図が塗りかえられることになり、生活様式も大きく変化するでしょう。つまり、これら気候変動は、全地球的なテーマであり、人類の将来にかかわる課題と言えます。
 その意味では、昨年十二月に京都において開催された地球温暖化防止京都会議、COP3は大変に重要な国際会議であったと言えますし、同時に、大木環境庁長官が議長として京都議定書をまとめるという大役を果たしました。日本はこの京都会議で、二〇一〇年時点で、CO2など六つの温室効果ガスを一九九〇年比六%削減することを約束したわけであります。
 そこで、橋本総理に伺います。
 総理は、議長国のトップとして、昨年六月の国連環境開発特別総会でこう宣言されました。多くの環境問題の中でも気候変動は、現代の人類はもちろん、将来の人類の生存に直接かかわる深刻な課題です、この十二月に我が国の古都京都で開催される気候変動枠組条約第三回締約国会議はぜひ成功させなければなりませんと世界に向けて訴えました。
 そして、橋本総理は、昨年の京都会議の席上、こうも述べました。我が国は、二〇〇〇年以降の厳しい削減を進めるため、具体的な実効ある対策を総合的かつ計画的に講じていく考えであり、私みずからがリーダーシップをとり、対策の実施とフォローアップを進めていきますと演説されたことを私も記憶していますが、あれから半年、総理はどう温暖化防止への具体的な指導力を発揮されましたか。百五十カ国五千人が参加した国際会議での発言にはぜひ責任を持ってもらいたい。そして、政策実行の総責任者としての自覚を強く促すところであります。
 橋本総理、ぜひ、日本の顔が国際社会の中で見えてくるような指揮をとっていただきたい。世界が注目しています。しかし、残念ながら、先日のバーミンガム・サミットの席上でも、この問題に対して積極的で明確な主張が見られませんでした。アメリカやロシアに対しても、京都議定書への署名を強く求めるべきであったと思います。このままでは、国際的にも、そして国内的にも、NGOの方々からも、橋本総理は本気でCO2削減に取り組む意思があるのかと問われることになります。ぜひ、この本会議の席で明快に答えていただきたい。
 以下、法案の中身について質問します。
 まず、この法案と京都議定書の関係はどう位置づけられるのか。文案の中には、COP3を受けた温暖化対策という表現は見当たりません。また、この法案は、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務が示されていますが、国の責務として、総合的な地球温暖化対策を策定し、実施すると記されている、その総合的の意味するところとは何でしょうか。
 さらに、この法律はいわゆる努力規定にとどまっていて、法律事項と申しますか、義務規定がなく、罰則もありません。その意味では、新しい発想の理念的な枠組み法案であるとも言えます。しかし、現実に六%削減を目指すわけですから、このままでは世界に誇り得る内容と言えるかどうか疑問が残ります。これらについて大木環境庁長官の見解を伺います。
 CO2削減のかなめは何といっても産業界にありますが、本法案は、事業者に対して排出抑制の計画を作成し公表するように努めなければならないと努力規定になっていて、抑制計画の策定及び公表は事業者次第となっているわけであります。これはまことに残念です。私は、これからの企業は、地域社会の中での貢献なくして発展はあり得ないと思います。したがって、すべてをオープンにして地域住民の理解を得ることが近道かと思いますが、環境庁長官の明確な見解を伺います。
 また、この点に関しては通産大臣にも伺います。つまり、省エネ法改正案では、事業者に対して省エネ計画の国への提出を義務づけてはいますが、企業秘密を理由に公表しないことになっています。これでは実効を上げられないと思いますが、見解を伺いたい。
 次に、本法案と省エネ法改正案との関係について通産大臣にお尋ねします。
 本法案は、地球温暖化対策を推進するという政策の骨格をなす枠組み法であり、省エネ法は個別の政策実行法という関係にあると思います。一言で言うなら、総合政策と個別政策、あるいは幹と枝のような関係かと思いますが、通産大臣、今後は、この二つの法律が相まって実績を上げ、縦割り行政の弊害を克服するよう取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 これまで、環境行政に関しては環境庁の力量が問われるケースが多々ありましたが、この地球温暖化防止という一点に関しては、環境庁はぜひとも一歩も引かないという決意で臨んでいただきたい。本法案には、「環境庁長官は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、温室効果ガスの排出の抑制等に資する施策の実施に関し、地球温暖化対策の推進について必要な協力を求めることができる。」とありますが、その決意を伺いたい。
 橋本総理に訴えたい。橋本総理が掲げてきた六つの改革はことごとく挫折し、行き詰まっている現状を考えるとき、もし総理に国民からの信頼回復のチャンスがあるとすれば、それは、この地球温暖化対策で国際的リーダーシップを発揮し、日本及び人類の将来に過ちのないように実績を上げるときのみであると考えます。その意味では、一縷の望みを地球温暖化対策に託して総力で取り組むべきでありますが、しかしながら、その姿勢はいまだ見えず、気迫も感じられません。現在、橋本総理が本部長を務める地球温暖化対策推進本部もほとんど稼働していません。これでは六つの改革と同じ運命をたどることは必至だと思いますが、総理の見解を伺いたい。
 最後に、重ねて橋本総理にお尋ねします。
 今回のインドの核実験は、折からバーミンガム・サミットに挑戦するかのように行われました。首脳会議参加八カ国の中で、橋本総理はアジアからのただ一人の出席者であり、日本は唯一の被爆国であります。その意味では、核保有五カ国に対して、また全世界に向けて、核廃絶への具体的な主張を強力に発信すべきチャンスでありました。二十一世紀の人類の平和と地球環境を守るために、橋本総理のこの点に関する所見、認識を伺い、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#32
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 田端議員にお答えを申し上げます。
 まず、京都会議以降の温暖化防止に向けた取り組みについてお尋ねをいただきました。
 京都会議直後に、私が本部長となり地球温暖化対策推進本部を内閣に設置し、本年一月に重点的に取り組むべき対策を決定いたしました。その後、省エネルギー法改正法案及び地球温暖化対策推進法案の今国会への提出を初めとして、本推進本部において実効のある対策を総合的に推進するために検討を進めております。
 特に、国民の意識あるいはライフスタイルの見直しに当たっては、運動の軸になるものがなければなかなか容易には進まないのではないかという問題意識から、夏時間の導入と地球環境にやさしい生活のあり方について国民的な議論を行おうとしております。
 また、ロシアとの間で共同実施を行うために、私の強い指示で調査を始めることといたしました。
 なお、四月二十四日に閣議決定をいたしました総合経済対策におきましても、地球温暖化の防止に配慮しておりますことを申し添えます。
 また、バーミンガム・サミットにおける議論及び私の決意というお尋ねがございました。
 会議におきましては、地球温暖化の防止が議論をされました。そして私からは、京都議定書の実現に向けた取り組みを継続しながら、いかにすれば途上国の自主的な参加を促すことができるか、そのための協力を進めるべきことを強く指摘いたしました。温暖化防止を内閣の最重要課題の一つと位置づけており、引き続き内外の取り組みを進めてまいります。
 また、政府が一体となり温暖化対策に総力を挙げるべきという御指摘をいただきましたが、この問題を内閣の最重要課題として、国際的な役割を積極的に果たすとともに、地球温暖化対策推進本部におきまして、ライフスタイルの見直しを含めた各分野の具体的かつ実効ある対策を、地球温暖化対策推進要綱として本年六月を目途に取りまとめ、政府一体となって総合的に対策を進めてまいります。ぜひ御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、インドの核実験に関して御質問がございました。
 日本政府のこれに対する反応が非常に早かったことは、御承知のとおりであります。そして、この核実験は国際的な核軍縮・不拡散体制への深刻な挑戦であり、インドに対し、明確でしかも力強いメッセージを発するべきことを強調してまいりました。これを受け、G8首脳声明は、インドの核実験を非難し、NPT、CTBTに無条件に従うよう要請するとともに、核軍縮・不拡散体制に対する完全な支持を強調し、その重要性を全世界に発信いたしました。殊に地域の安定という点に対し、他国にも呼びかけを行っておりますことは、御承知のとおりであります。
 いずれにいたしましても、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器、将来、二度と使用されるようなことがあってはなりません。核兵器のない世界を目指した現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要だと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣大木浩君登壇〕
#33
○国務大臣(大木浩君) 私に対する御質問が五つあったと思いますが、まず、今回の法案にCOP3を受けた温暖化対策という表現がないのじゃないかと御質問がございましたが、御存じのとおりに、今度の京都議定書というのは実はまだ発効もしておりません。それから内容につきましても、あえて言えば、まだ、だんだんこれから充実していかなきゃならぬという性格も持っておりますので、今回はあえて京都議定書に直接には言及せずに、とにかく今やれることをスタートしよう、こういうことでこの法案をつくらせていただいたわけでございます。
 二番目に、総合的な地球温暖化対策を策定し、実施すると書いてあるが、総合的というのはどういう意味だ、こういうことでございますが、これは、いろいろと今までも、温暖化対策とは書いていなくても結果的には温暖化対策に資するようないろいろな法案やら規定やら政策というものがあったわけでございますが、今回のCOP3を機にいたしまして、政府としても、そういった姿勢をきちっと内外に鮮明にするということで総合的なということを言っておるわけでございます。
 具体的には、差し当たっては国、地方公共団体に主としていろいろなことをやっていただこうということでございますけれども、気持ちの上では、いろいろとこれからさらに一般の事業者やらあるいは国民一般にも協力をお願いしたいということも含んでおりまして、そういう意味で、総合的というふうにうたっておるわけであります。
 三つ目に、この法案は努力規定ばかりで義務規定やら罰則がほとんどないじゃないか、こういうお話でございますが、これは、現在はこれだけ世論も盛り上がっておりますし、各事業者あるいは事業団体、あるいは地方公共団体等々でもいろいろとこれからの姿勢というものを示していこうということで御努力中でございますから、これは、ひとまずは、そういったいろいろな団体なり地方公共団体の努力の姿を見せていただきまして、これを自主的にまた外へ示していただく、こういうことがいいのではないか。あえて罰則というようなことではない方がいいのではないかというふうに考えておるわけであります。
 第四に、事業者に対して排出抑制の計画を作成し公表するように、公表ということを非常に御質問で言っておられるわけでございますが、これも、現在では、公表ということになると今度はどこまで出すのだというような議論もいろいろ出てまいりますので、先ほどから申し上げておりますように、各事業者あるいは地方公共団体等々でそういったむしろ自主的にやろう、こういう機運も進んでおりますから、とりあえずは自主的な結果というものを見せていただく。ですから、もちろん事業者の方でみずから公表していただくことは私どもは大いに歓迎するところであります。
 それから第五に、環境庁が従来からもちゃんとリーダーシップを発揮してきたか、縦割り行政の中でもっとしっかりやれ、こういう御激励の言葉もございましたけれども、今回の法案でもそういった気持ちを受けて、第十四条で環境庁長官としては関係各省庁に対して必要な要請はするということも書いていただいておりますので、その趣旨に沿ってしっかりと頑張ってまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣堀内光雄君登壇〕
#34
○国務大臣(堀内光雄君) 田端議員にお答えを申し上げます。
 改正省エネ法に基づき提出された計画を公表すべきではないかという御指摘でございますが、当該計画につきましては、国が必要な措置を的確に講じることができるように、導入する設備の内容あるいは投資の計画についても具体的に記載を求めるようになっております。こうした具体的な事項は、通常、企業の経営上の秘密に属するものも数多く含まれておりますことから、一般に公開することはなじまないと考えております。
 次に、地球温暖化対策法案と省エネ法の改正法案との関係についての御指摘でございますが、前者は、主に温室効果ガスを排出する各主体の自主的な取り組みを喚起するための枠組みを定める法律であり、また一方、後者の方は、省エネを進めるための規制措置を含めた具体的な措置を講じる法律であると認識をいたしております。この両者が相まって、地球温暖化の防止が的確に図られるものと認識をいたしておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○議長(伊藤宗一郎君) 武山百合子君。
    〔武山百合子君登壇〕
#36
○武山百合子君 私は、自由党を代表して、橋本総理並びに大木環境庁長官に質問をいたします。
 冒頭、バーミンガム・サミットについてお尋ねします。
 今回のサミットは、昨年十二月に日本が議長国となった気候変動枠組条約第三回締約国会議、いわゆる京都会議を受けて、先進国首脳間で地球温暖化対策を話し合う絶好の機会であったと思います。総理が、サミットで地球温暖化防止のため各国首脳とどのような協議を行ったか、御報告いただきたいと思います。
 さて、本題に入ります。
 まず、橋本総理の環境問題に対する基本認識、特に地球温暖化防止について御見解を伺います。
 京都会議は、国際社会が温室効果ガス削減の必要を認め、京都議定書という形で地球温暖化防止へ確かな道筋をつけました。我が国は、二〇〇八年から始まる目標期間に、一九九〇年排出量に比べ六%の温室効果ガス排出削減を約束しました。既に我が国の排出量は、一定の対策が講じられましたが、現時点で、一九九〇年に比べ九%近く増加しました。トータルで一五%の削減を実施することは、もはや小手先の計画ではできません。総理が環境問題を本当に重視しているのなら、地球温暖化防止対策に明確な基本方針を表明すべきではないでしょうか。総理の御見解を伺います。
 一九九〇年レベルの六%削減は、京都議定書に基づくものであり、現時点でも一五%の削減目標であり、すぐに取り組むべき国民的重要課題です。六%削減を達成するため、政府の当面の削減方針について、総理の御方針を伺います。
 また、六%削減を達成するため、便利になり過ぎた私たちの生活水準を引き下げることもある程度やむを得ないと思います。政府は、民間のシンクタンクや広く国民の意見やアイデアを募って、温暖化防止のため望ましい生活レベルの姿を明らかにする必要があります。望ましい国民の生活様式について、国民の合意を形成し実行していくリーダーシップを発揮することこそ、橋本総理、あなたに課せられた役割ではないでしょうか。
 この法案は、温暖化防止行動計画で失敗した反省が生かされておりません。これが効果を上げ、温暖化の防止に寄与するものと期待を込め、法案の内容について伺います。
 まず、この法案は、地球温暖化防止活動推進センターを都道府県に一カ所ずつ指定することと、活動推進員の委嘱が中心となっております。施設と普及啓発の推進員がいれば温暖化防止が進むかのような、本質から外れた法案と言わざるを得ません。しかも、センターの指定は、問題の多い公益法人への人的、財政的資源の投入を促すものであります。民間のNGOやNPOとの間の公平性の観点から、私は問題があると思います。
 そこで、市民参加の規定を設け、推進員の委嘱はNGOの人材を積極的に登用すべきであります。行政とNGOが互いに協力して削減目標達成の枠組みをつくることが重要です。また、排出抑制計画の内容や実施状況を監視する独立機関の設置が必要です。国の計画でも、第三者的監視機関の評価を受ける仕組みが必要ではないでしょうか。環境庁長官の御見解を伺います。
 次に、地方公共団体のうち、市町村は排出抑制の実行計画を作成するよう努めるとありますが、私は、市町村も都道府県と同じように計画を義務づける必要があると思います。環境庁長官の御見解を伺います。
 次に、温室効果ガスの排出事業者による抑制の計画が努力規定となっていますが、削減効果を上げるため、事業者に税制や金融面の優遇措置を行う必要があります。今、誘導的な奨励政策をとるべきです。総理の御見解を伺います。
 最後に、総理に申し上げます。
 私は、これからの環境政策は、グローバル化のもとで新環境政策の展開が必要だと思います。すなわち、生産技術の向上とともに、環境保全技術の開発を行うことです。社会経済システムに環境保全システムを組み込むことであり、私たちは資源循環型社会をつくらなければなりません。環境破壊を食いとめ、環境保全に重点を置き、経済成長との調和を図る持続可能な開発を進める必要があります。
 しかし、橋本総理がこのことを実践しているとは思いません。総理就任以来、日本経済は悪化の一途をたどり、だれもが認める戦後最悪の経済状態になっています。また、温室効果ガスは減少どころか増加の一途をたどり続け、環境は悪化する一方であります。環境と経済を同時に悪化させたのは歴代内閣では橋本総理だけだとの指摘を受けないよう、経済が悪化しているのですから、せめて環境だけは守る努力を行うべきではないでしょうか。総理の反省を求めて、私の質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#37
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 武山議員にお答えを申し上げます。
 バーミンガム・サミットにおける地球温暖化の議論についてお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたように、会議では地球温暖化の防止が議論をされ、私から、京都議定書の実現に向けた取り組みを継続しながら、途上国の自主的参加を促すための協力を進めるべきことを強く指摘をいたしました。これらの点については、参加国首脳の間で意見の一致を見ております。
 次に、対策の基本方針についてお尋ねがございました。
 この問題は内閣の最重要課題であり、京都会議直後に、私が本部長となり地球温暖化対策推進本部を内閣に設置し、具体的かつ実効ある対策を総合的に推進することを決定いたしました。今後、各分野の対策を地球温暖化対策推進大綱として本年六月を目途に取りまとめる所存であり、また、本法案に基づく基本方針も速やかに策定をいたします。
 次に、六%削減のための当面の方針についてのお尋ねがございました。
 まず、CO2、メタン、亜酸化窒素につきましては二・五%の削減を達成し、HFC、PFC、SF6につきましては二%程度の増加にとどめるよう排出抑制に努めます。また、吸収源につきましては、必要な追加的吸収分の確保に向けた適切な方法論等の確立に努めるほか、共同実施、排出量取引等の活用を図ることにより、目標を達成していく方針であります。
 なお、ロシアとの間で共同実施を行うために、私の指示で調査を始めることといたしました。
 次に、生活水準の引き下げや国民の生活様式についての御質問がございました。
 御指摘の点を含め、国民の意識あるいはライフスタイルの見直しというのは、抽象的に言うのは簡単ですけれども、現実にはなかなか容易に進まないことは、議員も御承知のとおりであります。そのために、私としては、運動の軸になるものが何か必要ではないか、そうした考え方から、夏時間の導入と地球環境に優しい生活のあり方について国民的議論を行うことといたしております。
 また、事業者の取り組みに対する誘導的、奨励的施策について御意見をいただきましたが、省エネ型の装置等への投資を促進するための税制や政策融資が既に設けられております。事業者の自主的努力を促進するために、引き続きこれらの施策の活用が図られるよう努めるとともに、技術的な助言その他、きめ細やかな措置についても講じていくことといたしております。
 最後に、これからの環境政策についてのお尋ねがございました。
 リサイクルに適切に配慮した資源の有効利用や環境保全の技術開発等を進めつつ、経済社会における物質循環をできる限り確保することによって、環境に負荷の少ない循環を基調とした経済社会システムを実現していくことが重要であり、そのことによって経済社会の持続的な発展が可能となる、そう考えておりますが、その一環として、家電製品のリサイクル法案を今国会に提案させていただいているところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣大木浩君登壇〕
#38
○国務大臣(大木浩君) 武山議員の御質問、二つだったと思います。
 一つはNGOと、それからそれに関連でございますが、独立の監視機関というお話もございました。これをまとめてお答え申し上げますが、NGOにつきましては、京都会議の前後、大変に、大いにこの温暖化防止の意義についてもPRしていただきましたし、現場でもいろいろと御協力いただいたわけでございますが、とりあえずは、非常にそのNGOも数が多い、それからまだ今いろいろお立場も違うようでございますから、私どもはその個々のNGOとは積極的に接触しておりますけれども、NGO全体として政府はどういうふうに関係を持つかということについては、目下ちょっとまだ検討中という感じを持っております。
 ただ、推進員の選定とかそういうことについては、どうぞひとつまた意見を寄せていただきたいと思っておりますし、またいろいろな形で私どもは、今申し上げましたように、こちらから接触する意図は十分ございますので、どうぞひとつ各NGOともそういうお立場で環境庁と接触を願いたい。
 それから、監視員のお話でございますが、これも先ほどから同じような趣旨を述べておりますけれども、差し当たっては、国民各般、事業者を含め、あるいは都道府県やらといった地方自治体を含めて、それぞれでやはりまず自発的にできることをやっていただきたいということでございますので、だれか上から監視をして、それでもって大いに促進するというのは、ちょっと今のところなじまないのじゃないかなという感じを持っております。
 それからもう一つの御質問、これは、市町村についても都道府県と同様にいろいろな温暖化防止の実行計画をつくることを義務づけたらどうか、こういうお話でございます。これは、私もいろいろな市町村を回りましてお話を聞いておりますが、今の段階で、いろいろ市町村にも大きいのもあるし小さいのもあるし、非常にその環境問題について関心が強いところもあるし、そうでないところもあるということでございますから、とりあえずは義務づけはいたしませんが、既に現実に市町村でいろいろと自発的に計画をおつくりのところもありますから、そういったところがどんどんと計画をつくっていただくことにつきましては私どもも大いに歓迎ということでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
 ありがとうございます。以上です。(拍手)
#39
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#40
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十八分散会

ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト