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#1
第142回国会 本会議 第46号
平成十年六月十二日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成十年六月十二日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 橋本内閣不信任決議案(菅直人君外八名提出)

    午後一時三十四分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○田野瀬良太郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 菅直人君外八名提出、橋本内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 田野瀬良太郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 橋本内閣不信任決議案(菅直人君外八名提出)
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 橋本内閣不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。羽田孜君。
    〔羽田孜君登壇〕
#7
○羽田孜君 私は、民主党、自由党、日本共産党を代表しまして、ただいま議題となりました橋本内閣に対する不信任決議案について、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
    橋本内閣不信任決議
  本院は、橋本内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
 二十一世紀を目前にして、我が国は今や戦後最大の経済危機に見舞われています。長引く不況、相次ぐ企業倒産により、失業率は過去最高の四・一%、二百九十万人に上っております。倒産や失業により生きる希望を失い、みずから命を絶つ人々が後を絶たず、昨日の警察庁の発表によると、中高年を中心に三千五百人を占め、この三年間で五〇%近くふえております。(発言する者あり)恥を知りなさい。
 十日に大蔵省が発表した一―三月期の法人企業統計によりますと、全産業の売上高は前年同期に比べ六・八%減と三四半期連続で減少し、一九五五年に調査を始めてから最大の減少幅となっております。
 ついに、本日午前の株価の終わり値は一万四千八百六十五円九十八銭まで下落し、為替も百四十三円九十八銭もの円安状態は、明らかに市場が、橋本売り、日本売りという形で橋本内閣の経済政策の失敗に対して完全に見放しております。
 世論調査も、内閣支持率は二十数%そこそこであり、国会を除いてすべての声が内閣交代を要求しているのであります。新たな企業倒産が起こる可能性さえ予測されております。このような現状で、果たして我が国は希望を持って二十一世紀を迎えることができるのでしょうか。
 このようなことになったのは、決して循環的なものではありません。橋本内閣自身の経済政策の失敗にあり、また自由民主党の執行部でもあります、判断の誤りと適切な対応ができなかった、まさしく失政の結果であり、世界じゅうから政策不況、橋本不況、自民党不況と極めて不名誉なそしりを受けており、しかも橋本政権と与党が犯した数々の失政を国民の前に正直にわびることもなく、国民を犠牲にすることによってのみ政権の延命を図ってきたのであります。
 もはや、橋本総理は、戦後最悪のリーダーとして実に不名誉な汚名を歴史に残すことは間違いありません。我が国が輝かしい未来を切り開いていくためには、総理の友人としてつらく残念なことではありますが、これまでの失政の責任をとり、速やかに総辞職し、我々野党に政権をゆだねることが最善の道であると確信するものであります。日本と世界を危機から救うため、一刻も早く退陣することをここに要求するものであります。(拍手)
 以下、具体的にその理由を申し上げます。
 まず第一に、今日の経済不況を招いた原因は、橋本内閣の誤った状況認識による経済運営によるものであることは明らかであります。
 その最たるものが、昨年の第百四十一回臨時国会において、我々野党各党の反対を押し切って成立を強行した財政構造改革法であります。我々も、財政構造改革の必要性を否定するものではありません。しかし、現下の経済情勢下にあっては、まさに車のブレーキとアクセルを同時に踏む政策であり、まさしく橋本不況の元凶であります。
 しかも、橋本内閣は、なし崩しに政策態度を変え続け、一たん打ち切った特別減税を年末になって突如復活させました。その理由は、アジア各国の首脳から苦衷を訴えられたからということでありました。ちょうどその日は、クアラルンプールからお帰りになった日でありました。しかも、その午前中には、こういった減税について、三党の合意によってこれは反対である、減税はやらないということを自民党の執行部の方がテレビを通じて話されていたはずであります。
 また、予算につきまして、二月十八日の本会議で私が指摘したほか、その後、各党議員が本会議や予算委員会等でこの予算をデフレ的と指摘し、所得税、法人税の恒久減税、政策減税を盛り込む組み替えをすべきとの指摘に対して、総理は、今年度の予算を最善のものと言い続け、かつ、この予算を一日でも、あるときには一分一秒でも早く成立させていただくことが最大の景気対策であると答弁をされております。
 財政構造改革法についても、二年の凍結とこの間に見直すようにとの提案に対しても、孫、子の代にツケを残すことはやるべきではなく、改正の意思のないことを我々に対してお説教のごとく述べられました。
 しかるに、予算が成立した次の四月九日の記者会見では、財政構造改革法の一部見直しと新たな十六兆円もの景気対策を発表し、補正予算を組むことを突如宣言したのであります。四月九日の記者会見による発言の内容は、明らかに総理自身の前日までの国会での発言をみずから翻し、明確な政策転換を言明したのであります。何ら反省も謝罪もなく、開き直ったのであります。これは国会の答弁じゃありません。国会の答弁と違うことを記者会見で発言したのであります。このことは、総理自身が国権の最高機関であるあなた方国会を否定し、主権者たる国民を欺いたとも言えるのであります。(拍手)
 しかも、政策転換の中身たるや、財政構造改革法の小手先の見直しの制約により、結局は参議院選挙目当ての、従来型土木中心の公共事業の追加と特別減税の積み増しというだけの、場当たり的な内容になっております。いたずらに額は大きくても、個人消費の拡大や民間設備投資の活性化も全く期待ができないのです。
 むしろ、景気は今日、各調査にあらわれているように、危機的な状況をたどっていると申し上げても過言ではありません。総理が政策転換を発表した記者会見直後、市場はまた下落したのであります。このことは、市場が明確に橋本内閣の景気判断や経済政策を信用していないあらわれであり、市場が橋本内閣への不信任を突きつけたということであります。
 加えて、鳴り物入りで提案された補正予算は、財政構造改革法の改正に次いで審議すべきという野党の主張を退けて、国会運営上のみの理由で、今日までこの補正予算は一カ月近く、与党みずからの意思でたなざらしにしていたのであります。まさに、この補正予算は腐ってしまっておるものであるとも言え、敏感な経済に対して、あくまでも鈍感でのうてんきな政権と与党と申し上げざるを得ません。
 第二に、橋本内閣が、金融不安解消のための不良債権問題等の抜本的な解決、処理策を何ら講じることなく、楽観的な見通しを持ち続けてきたことが、昨年秋以来の金融不安の拡大を招いたのであります。
 また、アジアの経済危機に対しても何ら有効な対策が打ち出されずにいる中、円安が急激に進行し、このままでは我が国が世界恐慌の引き金を引くのではないかという懸念が現実のものとなろうとしています。最近になって、ようやく事態の深刻さに気づきましたが、橋本総理のバーミンガム・サミットでの発言は、かえってみずからの無能あるいは無策ぶりを世界じゅうに披瀝したに等しいと申し上げることができます。
 橋本内閣は、金融システム安定化という大義名分のもと、銀行救済のため国民の血税十三兆円を投入するという金融安定化措置法を、我々野党の反対を押し切って成立させました。
 言うまでもなく、厳しく裁かれねばならないのは、銀行業界と金融行政を指導した橋本政権であります。バブル経済を生み出し、バブル経済の崩壊とともに多額の不良債権を発生させ、その不良債権を長年にわたって開示することもなく、自己保身のため貸し渋りを行い、多くの健全な企業までをも倒産に追い込み、我が国経済を今日の危機的状況に追い込んだのであります。これら不良債権処理に対し、我々が主張してきたように日本版RTCなど司法制度により対応することなく、密室で対処するというやり方でありました。言うならば、加害者の罪を被害者に償わせるのかという率直な声さえ聞こえてきております。
 また、与党のゼネコン救済のために再び公的資金の導入が言われていますが、これを聞いた国民の中から怒りの声が上がってきております。バブル経済の崩壊は、資産としての値打ちが下がった住宅ローンをまじめに支払い続けている人々、中小零細企業の多くの人も被害者であることを皆さんは知るべきであります。
 第三に、橋本内閣は、中央省庁等改革基本法を強引に成立させましたが、この基本法は単なる看板のかけかえによる数合わせであり、一府十二省庁への変更は、中央集権をさらに強めるおそれさえあるのであります。
 本来、地方分権を柱に据え、十年後のデザイン、哲学を示して、分権連邦国家により新たな時代の日本の形を示すことで省庁再編を行うべきであります。基本法は、およそ行政改革の名に値しない法律であります。
 ところが、橋本内閣が示した中身は、自民党族議員に振り回された結果、巨大な開発官庁である国土交通省や目的不明の総務省などの設置が盛り込まれるなど、まさに醜悪そのものであります。表面的に省庁間の数合わせをしたものであり、行政改革の本質とはほど遠いものになっており、橋本総理の行政改革に対する熱意とリーダーシップの欠如を露呈したものであると言えます。
 第四に、政治倫理の欠如であります。
 橋本総理が総裁を務める与党自民党の幹部が巨額の違法献金を受けたと言われる泉井違法献金疑惑に対しましても、橋本内閣は何ら真実を明らかにしようとしません。有罪判決を受けた議員を国務大臣にした橋本総理自身に政治倫理を望むことが無理なのは当然と言えます。
 また、政官財の癒着構造により、官僚までがモラルに欠けるようになりました。その原因をつくったのは我々政治家にも責任があるというふうに考えます。泉井問題についても、民間人は証人喚問を行って、政治家は非公開の政治倫理審査会で済ましてしまうようなことでは、国民の政治家に対する不信感を払拭することは到底できません。政治家みずからがうみを出すことによって、官にも産業界にも自浄作用を呼ぶことになるのであります。
 第五に、橋本総理は、外交面でも失敗の連続であります。
 米軍普天間基地返還では、代替地問題の最終判断を沖縄県に責任転嫁したあげくに完全に行き詰まり、米国からは信頼を失う一方、県民にも不信感を助長させる結果を招いているのであります。
 インド、パキスタンが核実験に至ったことは、バーミンガム・サミットにおいて、唯一の被爆国である日本が率先して、核保有国である米ロ英仏に対して核軍縮問題を提議することやインドへの経済制裁措置を共同して提示するなど、成果を上げることができたならば、その後の核実験を防ぐことになったと私は信じます。それが、見るべき成果もないどころか、話す案件がなくなったということで、サミット出席の各国の首脳とテレビでサッカーの試合に打ち興じていたという報道に接し、私自身、政治家として愕然とした気持ちを持ったのであります。橋本総理が示したのは、アリバイづくり以外の何物でもありません。
 さらに、不自然なODAによる資金援助に絡んで、中国人女性との交流がささやかれるという話も伝わっております。このような疑惑が出されること自体が総理としての資質を問われることであり、日本の国益を考えるとき、総理は速やかに辞職することこそ、最高責任者としてとるべき道であります。(拍手)
 以上、五項目にわたって申し上げたように、橋本内閣は、内政、外政全般にわたって戦後最悪の失政を重ね、世界における日本の信用を著しく失墜させ、国民の政治への信頼、ひいては議会制民主主義への信頼を失わせた責任は極めて重大であります。今後も橋本内閣に日本のかじ取りをゆだねることは、未来への無限の可能性を持つこの国を沈没させることにつながると思います。
 失政に対して正直でなく、責任をとらない橋本内閣に対する国民の怒りは極限に達しております。橋本内閣は、国民と世界のためにも直ちに退陣をすべきであります。与党の幹部の中には、自民党に橋本総理にかわる人材がいないから橋本続投という発言さえも聞こえてまいります。しかし、皆さん、そのことは与党のおごりであります。今問われているのは、総理のみならず、自民党そのものが問われているのであります。政治は結果責任であり、憲政の常道に従い、速やかに野党に政権を渡すべきであります。我々野党には多くの優秀な人材があり、いつでも政権を担い、必ずや日本の明るい未来を開いていくことを申し上げることができます。
 よって、ここに橋本内閣の不信任決議案を提出するものであります。良識ある議員の諸君、どうか子や孫たちの時代に思いをはせ、それぞれの立場を乗り越え、勇気を持って御賛同くださることを促し、趣旨弁明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。太田誠一君。
    〔太田誠一君登壇〕
#9
○太田誠一君 私は、自由民主党を代表し、野党提出に係る橋本内閣不信任案に対する反対討論を行います。(拍手)
 この不信任案は、共産主義を標榜する日本共産党と、自由主義を標榜しておられるはずの自由党と、社会主義ではないと思いますが、社会民主主義ですか、民主党の共同提案で出されたわけでございます。まことに支離滅裂、矛盾に満ちた、お互いに恐らく恥ずかしいと思いながら出された不信任案ではないでしょうか。(拍手)
 現在の自由民主党は、チームプレーの政党でございます。一人一人がそれぞれのポジションを担って、全体が連携をして、そのチームワークのよさでもって、今日までさまざまな仕事をこなしてきたわけでございます。橋本総理に対する不信任は、言ってみれば自由民主党の我々一人一人、執行部の末席を汚す私にも不信任案が提案された、このように感ずるのでございます。そのような自分自身の立場として、ここでその主張を申し上げます。
 橋本内閣は、これまでの冷戦後の国際社会に対応して、外交あるいは沖縄が抱える問題の解決、経済面の困難の克服、行政改革を初めとする六つの改革に全力で取り組んできました。
 外交面においては、日本外交の基軸となる日米関係を堅持し強化をするため、既にこの国会でもガイドライン関連法案を提出し、安全保障の面での日米両国の緊密な信頼関係を堅持できる見通しとなりました。日米間の信頼の醸成に全力を注いでいるということでございます。
 日中関係については、日中国交正常化二十五周年に当たる昨年以来、首脳同士の相互訪問を初め、野党の党首も含めさまざまなレベルの政治指導者の間で、すそ野の広い交流が活発化いたしております。まことに温かい、よい雰囲気のもとで、意見の相違は相違として健全な友好関係が構築されつつあります。
 経済危機に見舞われているその他のアジア諸国に対しては、どの国に対しても惜しみない援助を行っているところであります。
 また、ロシアのエリツィン大統領と橋本総理の個人的な信頼関係、これを深めてまいりまして、長年の懸案である北方領土問題を念頭に置いて、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすと、合意にこぎつけたことは歴史に残る成果であります。ユーラシア外交ともいうべき新たな視野に立った外交を積極果敢に進めておりますこの橋本外交は、高く評価されるものであります。
 今国会においても、国民生活に不可欠な平成九年度の補正予算、平成十年度の暫定予算、平成十年度の本予算、これを矢継ぎ早に成立をさせました。平成十年度の補正予算については、友党の皆様の協力もいただき、会期内の成立を目指そうといたしております。半年間に四回予算案を提案した、こういうことになるわけであります。大変なエネルギーではありませんか。恐らく橋本総理は、自分で自分を褒めてあげたい、こういう御心境ではないかと思いますよ。
 これらの予算のほかに、深刻な金融不安を取り除くために金融システム安定化法案、これを急ピッチで通した。財政構造改革改正案など重要法案も成立をいたしました。また、NPO法、被災者生活再建法など、骨太で前向きな議員立法が数多く見られました。つい最近までの連立与党としての真価が発揮されたものと思います。
 しかし、その中でも特筆されるべきことは、中央省庁再編基本法でございます。これは、一昨年の衆議院選挙直後から橋本内閣が最重要のテーマとして取り組んできたものであります。歴史に残る大変な仕事ではありませんか。この中央省庁再編法案に関連して、口では改革を唱えながら、いざ改革を実行するとなると、圧力団体に屈して先延ばしをしようとするような政党があったことは、まことに残念なことであります。
 今、我が国が直面する最重要課題は、何といっても、我が国経済を回復の軌道に乗せることであります。
 我が党は、昨年金融機関の大型倒産が続いたことに対して、預金者保護と金融システムの安定のために、合わせて三十兆円の公的資金を確保いたしております。わけても、預金者保護のための十兆円の交付国債を措置してこれを裏づけたこと、これによって金融システムの崩壊が食いとめられた、これはだれも否定することのできない実績でございます。
 思い起こせば、二年前に、住専の六千八百五十億、この六千八百五十億を投入するというときに、きょう提案をされました皆様方の中には、座り込みまでして反対をされた方々が多数おられるわけでございます。(発言する者あり)私はおりませんでした。その六千八百五十億は座り込みをしても反対するけれども、十兆円のときは何もしなかった。人間、反省することが大切でございますから、座り込みをしなかったことは、これは褒めてあげるべきだと思いますね。
 そもそもこの経済危機は、バブル崩壊による資産デフレなのであります。人間は誤りを犯すものでございますから、総量規制が長過ぎた、土地課税の強化も長過ぎた、それがこの土地を中心とする資産デフレを深刻なものにしたわけでございます。しかしながら、忘れもいたしませんが、三年前にまだ連立与党の中におられた、きょう不信任案を出された方々は、我々、自由民主党の同僚議員は一致して早くこの土地課税強化をやめるべきだということで大勢の意見が一致しておりましたが、その中で、頑としてこれを受け付けず、土地課税強化を長引かせた中心の人は、たしか菅直人議員であったのではないですかね。自由主義経済の中で、一つの資産、一つの業種だけを標的にしてこれをたたくというのは、社会主義者の発想から出てくるのですよ。
 そういえば、きのうの予算委員会のやりとりも同じでございますけれども、貸し手責任ということをきちんと位置づけるべく、債権償却の手続というものに債権放棄という考え方を導入しよう、これは自由主義の考え方であります。それがわからない、自由主義の考え方がわからない、だから、建設業だけをとらえて、建設業にだけは債権放棄を認めるなというのであります。職業による差別、こういう発想の仕方であります。我々は、自由主義者として堂々と我々の道を歩んでいかなければなりません。(拍手)
 財政構造改革も、財政再建あるいは省庁の再編成、行政改革、財政改革、これをやろうというのは、みんなが言っていたことではありませんか。あなた方も言っていたではありませんか。あるグループは、自民党では財政改革、行政改革ができないだろうということを理由にして、二年前に連立与党を離れていったわけであります。それを本当にやろうとしたらば、むしろ足を引っ張る。
 一昨年の選挙の結果、橋本政権が再度スタートをいたしました。そのときに、橋本政権は、日本丸のかじ取りをゆだねられたのであります。そうであれば、ある方向に進んでいく。しかし、途中で非常の事態があればとどまる、あるいはどこかの港に避難をする、当たり前のことではありませんか。臨機応変にやるということまで含めて、国民からの信頼をいただいているのであります。
 財政改革をあるいは行政改革をやれと言ったり、やり始めるとやめろと言う。政策転換をするとけしからぬと言う。右に進もうとすると左ではないからと言って怒る。左に進もうとすると右ではないと言って怒る。どうしたらいいんですか、これは。答えを聞きたい。自民党のやることはやることなすこと気に入らないと言うのならば、ただの感情論ではありませんか。批判をする側の首尾一貫性は要らないんですか。まことに理不尽な批判だと思います。
 我が国経済は、バブル経済が崩壊したことによる後遺症に見舞われております。戦後最悪の景気低迷の中にあります。
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 太田誠一君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#11
○太田誠一君(続) だれが内閣を担当したとしても、悪戦苦闘は余儀なくされる事態にあります。そういう中で、橋本総理も私たちも寝食を忘れ、真剣そのもので山のような課題に必死に取り組んでいるのであります。そして、連立与党の同僚の議員の方々も、本当に苦労をしながら運命をともにしてきていただきました。あるいは、一部の法案については皆様方にも協力をしていただきました。
 こういう時期に内閣不信任が出されました。臨機応変の思い切った対策をどんどんとっていくということは、我々も皆様方も同じ気持ちのはずでございます。内閣不信任案をこの時期に出してくるということは、参議院選挙向けのパフォーマンスでしょう。こういう無意味な不信任案を提案するということは、時間のむだであります。
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 太田誠一君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#13
○太田誠一君(続) この非常の事態に臨んで、我々は、与党、野党の区別を超えて、国を救うために一緒に手をとって頑張ろうではありませんか。
 橋本内閣の改革路線を支持し、ここに野党提出にかかる橋本内閣不信任案に対する反対の意思を強く表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 伊藤英成君。
    〔伊藤英成君登壇〕
#15
○伊藤英成君 私は、民主党を代表して、ただいま提案のありました橋本内閣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 平成八年一月橋本内閣が村山内閣を引き継いで、約二年半の月日が過ぎようとしております。橋本内閣が発足したとき、株価は二万三百七十七円でしたが、本日は一万四千八百円台、二七%下落をいたしました。為替レートは一ドル百四円であったものが百四十四円で、三八%下落いたしました。失業率は三・四%であったものが現在は四・一%と、二〇%悪化をいたしました。これが自民党・橋本政権の実績であります。数字は明確に落第点の烙印を押しており、自民党・橋本総理の政権担当能力の欠如、無能さを物語っております。特に、ここ数日の急激な株価や円相場の落ち込みは、まさに日本経済をどん底に突き落とすものであり、同時に、自民党・橋本政権に市場が不信任を突きつけたものであります。
 市場ばかりでなく、米国もとうとう現政権を突き放しました。
 昨日、米国のルービン財務長官は、上院公聴会において日本経済への重大な懸念を表明し、その上で、我々にできる役割は日本政府にこれらの困難な問題に正面から対処するよう積極的に訴え続けることだけだと発言をしております。これは、橋本内閣が何ら抜本的な経済対策に取り組んでおらず、これ以上無策な現政権につき合うことはできないという米国政府の意思表明と考えられます。
 このような能力なき政権が、国民の生活を極限まで圧迫をしているのであります。
 企業の倒産数はウナギ登りであり、四月は前年に比べ二一%も増加しております。さらに、非常に心の痛むことでありますが、年々自殺者が増加をしており、昨日の警察庁の発表では、対前年比で五・六%増加をいたしております。中でも、経済、生活問題を理由にみずからの命を絶たれた方は一七・六%増と急増をしております。国民の生活を守ることが政治の基本であるにもかかわらず、橋本内閣が守り通したものは、国民生活ではなく自民党政権であります。まさに橋本内閣は、国民生活圧迫内閣とも呼ぶべき内閣と断ぜざるを得ません。(拍手)
 橋本内閣の退陣こそ、国民の生活を守る唯一の道であります。
 以下に、橋本内閣不信任の具体的な理由を申し上げます。
 まず第一は、経済、財政、金融政策において、繰り返し誤った政策を実行していることであります。
 現在、我が国が経済危機に直面している最大の原因は、構造不況によるものであります。国際化、情報化、消費者嗜好の高度化、多様化など経済のファンダメンタルズが大きく変化をし、この経済不況を脱却するには、民間主導の自律的経済成長を実現するための経済構造改革の実現が不可欠です。これに対して政府が行った都合六回、総事業規模六十六兆円にも及ぶ経済対策は、一時的なカンフル剤にはなっても、景気回復、経済構造の転換には何ら寄与するものではなかったことは、現在の経済情勢を見れば一目瞭然であります。
 クリントン大統領は、日本政府関係者は、過去うまくいった政策が現在は通用しなくなっていることを理解しなければならないと喝破いたしました。にもかかわらず、今般の補正予算は過去の誤った経済政策の繰り返しであります。なぜにこれほどまでに橋本総理は誤った政策を次から次へと繰り返すのか。つまり、橋本内閣、橋本総理は、そもそも我が国経済の実情を全く理解していないのではないでしょうか。バブル崩壊以降、六十六兆円も投じた対策が、我が国経済のファンダメンタルズの好転、構造改革に何らつながっていないことに対する反省が全く欠落をしております。
 今回の橋本内閣が行った特別減税も、消費マインドの刺激効果は全く期待できません。国民が要求し、野党がそろって要求し、さらには海外からも要求されている恒久減税を退け、景気回復にも構造改革にも何ら資することのない一年限りの特別減税を橋本政権はなぜ選択するのか。橋本内閣は、経済政策を全く理解していないと断ぜざるを得ません。
 財政構造改革においてもしかりであります。昨年四月の消費税率引き上げや特別減税の打ち切り後、消費不振から景気の急速な冷え込みがもたらされたにもかかわらず、医療保険制度の抜本改革なき個人負担引き上げという失策をとり続けたのであります。あげくの果てには、大手金融機関の経営破綻が相次ぎ、諸外国から日本発の世界恐慌を懸念する声も上がっているさなかに、財政構造改革法の成立とデフレ予算の編成を強行したのであります。現在の不況は、まさに橋本内閣不況と呼ぶにふさわしいものであります。
 金融、不良債権対策においても、橋本総理の責任は重大であります。クリントン大統領に確約するまでもなく、不良債権処理が喫緊の課題であることは明白でありながら、総理自身が、この処理の前提である情報開示をあいまいにしたまま、金融機関の抱える不良債権を隠ぺいしてまいりました。さらに、都銀はつぶさない、公的資金は投入しないと国民に約束しながら、平然とこれを欺き、その上、だれ一人として責任をとらないというありさまであります。総理の対策のいずれもが中途半端であったために、貴重な国民の税金を大量に投入しながら、今もなお我が国は大量の不良債権を抱える羽目となっております。
 経済、財政、金融の構造改革は、いずれも橋本内閣が掲げた看板でありますが、以上のような橋本内閣の見識の欠如は、現政権に当事者能力が全くないことを証明しております。
 第二に、橋本内閣は中央省庁等改革基本法を強引に成立させましたが、これは、従来の箱物行政手法を踏襲した、形だけの行政改革、権限や財源の実質的な移譲のない地方分権、官僚への全面依存などを内容とする、およそ行政改革の名に値しない法律であります。本来なら、この行政改革を通じて、二十一世紀の我が国のあり方を国民に問うていくのが政治の責務であります。
 新たな社会の必要性を、地方分権推進委員会は明治維新、戦後改革に続く第三の改革と言い、行政改革会議は「この国のかたち」という表現で取り上げました。しかしながら、これを受けた総理の提案は、このような思想が全く欠落をし、自民党族議員に振り回され、官僚に依存した虚構の行政改革となっております。だからこそ、国土交通省などという公共事業の八割を担う巨大開発官庁を提案するのです。この一点だけを見ても、総理に新たな日本の創造という思想がないことは明らかであります。
 第三に、その場しのぎで国会や国民を欺くかのような発言を繰り返す橋本総理の言動であります。
 昨年末の特別減税の発表、今年度当初予算成立直後の経済対策の発表など、たびたび総理はそれまでの方針や国会における答弁を翻してまいりました。特に予算については、国権の最高機関たる国会において当初予算を最善のものと幾たびも繰り返しながら、これが成立したわずか二十数時間後に補正予算の編成を発表するという、我々には到底理解できない行動に出たのであります。また、行政改革では、火だるまになってもやり遂げるとまで言いながら、結果的に火だるまになって雲散霧消したのは国家国民のための真の行政改革でありました。
 現在の経済危機、政治の低迷、社会不安に対し、多くの国民が将来が見えずに不安な気持ちを抱いております。このような状況を打破するため、リーダーシップを発揮して、新たなる社会のあり方を提示し、国民を導いていくのが総理としての責務であります。しかるに、一国の総理としての言動の重さ、品格をおとしめたのは橋本総理、あなた御自身ではありませんか。
 第四に、政治不信を増大させているのが、総理の倫理観、一般常識の欠如であります。
 ロッキード有罪議員を大臣に登用したばかりか、はびこる与党幹部の献金疑惑や官僚腐敗に対して常に消極的姿勢をとり続ける総理の態度は、政治倫理、公務員倫理に対する国民の信頼を完全に失墜をさせてしまったのであります。みずからの政策の失敗に対し何ら痛痒を感じず、国民に対して謝罪の一言もない橋本総理が一国の指導者として不適格であることは、火を見るよりも明らかであります。(拍手)
 第五に、橋本総理は外交面でも失政続きで、日本丸の船長たり得ないことを露呈いたしました。
 米軍普天間基地返還問題では、代替地問題の最終判断を沖縄県に責任転嫁したあげくに完全に行き詰まり、米国からは信頼を失う一方で、沖縄県民の不安をあおっています。対ロ関係や核軍縮問題でも、橋本総理が示したものはパフォーマンスとアリバイづくり以外の何物でもなく、真のリーダーシップとはほど遠いものであります。さらに、ODAに関連をしてさまざまな醜聞、不正が露呈をするなど、その無能、無策ぶりをさらけ出すばかりであります。
 中国の古典「中庸」には、「政をなすは人にあり」との至言があります。まさに政治が国民のためになるかならないかは政をなす人によって決まるのであります。確たる思想を何ら持たず、誠意の見られない言動によって国民を惑わす橋本総理に、政を行う資格は全くありません。国民も市場も、さらに海外諸国でさえそう判断をしているのであります。総理が一半でも国民に対する責任を持つのであれば、誤った政策を繰り返してきたみずからの国家運営の失態を真摯に受けとめ、一刻も早く退陣されることが最善の道であることを進言いたしまして、私の討論を終了いたします。(拍手)
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 伊藤茂君。
    〔伊藤茂君登壇〕
#17
○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました橋本内閣不信任決議案に対して討論を行います。我が党の態度は、不信任案に同意できない、したがって反対であります。(拍手)
 その理由は二つであります。
 その第一は、連立政治のルールと責任を回避しないということであります。
 社会民主党は、村山内閣以来のこの四年間、また、前回の総選挙以来の一年七カ月の閣外協力、社民党の主張を政府に、政策に反映させるべく、息つく暇もない懸命な努力をいたしてまいりました。新党さきがけの友人の皆さんとともに、この間に、自民党単独政治時代ではできないさまざまの大きな成果を上げたと確信をいたしております。
 私たちは、先日、閣外協力をきっぱりと解消いたしました。しかし、連立政治のルール、連立に参加した政治責任をきちんとすることは大事なことだと考えます。
 今回の橋本内閣不信任決議案の趣旨の中心は、経済政策への批判になっております。私どもも、昨年来、最も重要な政策課題が経済でございますから、勤労市民の立場から、また弱者の味方という信念において、社民党の意見を反映させるよう懸命に努力をしてまいりました。その真剣な議論を通じて、幾つもの意見を反映させたと考えております。
 もちろん、連立の政治ですから、政府がやってきたことが十分だとは思いませんし、不満はあります。また、直面する現実を厳しく認識をして、率直な反省の気持ちもあります。しかし、連立三党が協議してやってきた政治責任は回避しません。それは、連立政治の将来のためにも大切なルールだと信ずるからであります。
 また、この不信任案で主張をしている内容が、経済政策としてすべて正当だとは思いません。批判は激しくなさっておりますが、国民の皆さんと日本の将来に本当に責任ある政策をお持ちなのかどうかは、提案を伺ってもよくわかりません。不信任案は共同で出されましたが政策はばらばらという事実も重いことだと考えます。
 これが不信任案に同意できない理由の第一であります。
 第二の理由は、私たち社会民主党が閣外協力を解消した理由と関連します。
 私たち社民党は、政治倫理問題とガイドライン立法の問題を妥協できないことと考えて、自民党と橋本内閣への協力を解消する決断をいたしました。それは憲法や外交の基本方向、政治の基本にかかわることだからであります。
 政治倫理では、政治資金規正法附則九条、十条で明確に規定されている企業・団体献金をやめることを自民党は否定なさいました。また、あっせん利得罪の制定につきましては、私どもは当然のことだと信じますが、橋本総裁はこれをお断りになりました。さらに、ガイドライン立法につきましては、有事の備えの前に平和外交の戦略が優先する、憲法の枠内であり安保の変質はしない、近隣諸国に懸念を抱かせない、この三つを与党間で何遍も確認をしてまいりましたが、自民党はそれを断って与党協議を打ち切って、閣議決定、国会提出をいたしました。社民党は、平和主義の党として主張は曲げられませんから、連立を解消いたしました。
 しかし、今提案をされている不信任決議案の内容は、私たちの政治倫理、私たちの平和外交の決意と比べましてあいまいであり、不鮮明であります。これが同意できない第二の理由であります。
 不信任案に反対する二つの理由を簡潔に申し上げました。
 最後に一言だけ、私ども社会民主党の今の気持ちと決意を申し上げます。
 社民党は、みずからの政治信念を鮮烈に貫いてまいります。それが二十一世紀に向けた新しい政治への欠かせない任務だと思います。橋本内閣への閣外協力を解消した以上、このような自民党と手を組むことはもうありません。
 今、ヨーロッパでは社会民主主義が政治の新しい主流となっております。そういう政治を、そういうドラマを日本でも実現するために、大きな使命と高い志を持って力を尽くしてまいる決意であります。
 以上をもって、社会民主党・市民連合を代表しての討論といたします。(拍手)
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 長内順一君。
    〔長内順一君登壇〕
#19
○長内順一君 私は、平和・改革を代表して、ただいま議題となりました橋本内閣不信任決議案について、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
 国家存亡の緊急事態に当たり、国政をつかさどる者の責任とは何か。それは、国民の生命と財産を守るために必要な施策を、時期をたがわず責任を持って決断、実行することにほかなりません。しかし、これまでの政府の対応を見る限り、橋本内閣の目指す改革はすべて中途半端にとどまり、特に経済対策の余りの迷走ぶりに、国民の間には、本当にこの国をこの人に任せていいのか、本当に生命と財産を預けて大丈夫なのかといった不安の声が高まっていることも事実なのであります。
 現に、先ほどからお話がございましたように、内閣支持率は低迷の一途をたどっており、しかも、本日午前中の市場は、国会の内閣不信任案に先立つようにして、一万四千八百円台の株安と百四十三円の円安となり、橋本内閣に事実上の不信任を突きつけたのは、象徴的な出来事なのであります。(拍手)
 現在直面する経済不況は、経済のグローバル化の中で、今や一国にとどまらず世界を恐慌へと誘いかねない底知れぬ恐ろしさを伴った様相を呈しており、まさに危機的な状況そのものとなっておるのであります。一方、一日一兆ドルという巨額の資金が流通する国際金融市場の大海の中で、我が国は、世界第二の経済規模を有しているのにもかかわらず、まるで笹小舟のように漂い翻弄されているのであります。
 それはなぜか。言うまでもなく、経済の本質と見通しと対策を完全に見誤った橋本内閣の失政に世界じゅうからブーイングのあらしが巻き起こり、いまだその信頼を回復できずにいるからであります。さらに、橋本内閣がいたずらに放置してきた金融機関の巨額の不良債権が我が国経済の大きなおもしとなって久しいからでもあります。
 つまり、不安定な金融市場が株式市場と相互に連動し合い、その上、金融不況と消費不況、資産デフレといった複合型不況が我が国経済の基礎体力を一層悪化させておりまして、四・一%という史上最悪の完全失業率、そして企業の連続倒産、在庫量の積み増しと極度に低下した資金需要、そして実質賃金のマイナス化などが同時にもたらされ、今やデフレスパイラルの深みにはまろうとしているのであります。この結果、国民の生活不安は増大し、世界経済における我が国の威信を、もはや回復不能とさえ思わせるほど失墜させているのであります。
 平成九年度当初、我が国の経済状況は、前年度GDP比三・二%の経済成長を遂げ、ようやくバブル崩壊から回復の兆しを見せ始めていたのであります。ところが、政府は、九兆六千億余の国民負担増という冷水を浴びせて個人消費をとめ、さらに、とどめのように、昨年末、野党の反対を押し切って財政構造改革法の施行を強行したのであります。その後の政府の景気対策の迷走ぶりは、日本のみならず世界じゅうから厳しく指摘されているとおりであり、今や内外の不信を買い続けている橋本内閣の退陣こそ、最良、最善の経済対策であることは周知の事実なのであります。(拍手)
 以下、順次、不信任決議案に賛成する理由を申し上げたいと思います。
 不信任案に賛成する第一の理由は、申すまでもなく、今日の深刻な経済危機を招いた橋本内閣の経済、財政、金融政策の失敗であります。
 中でも、財政構造改革法にかかわる方針転換はその最たるものでありました。法案が審議された昨年暮れのころには、既に金融不安を初めとして、我が国の経済には暗い影が漂っておりました。しかし、政府・与党は、我々野党の反対を押し切って、これを強引に成立させたのであります。
 財政構造改革法は、橋本内閣の政策運営の柱とされてきた財政再建政策の魂そのものであったはずであります。しかし、この内閣最大の売り物は、施行からわずか五カ月で改正案を提出せざるを得なくなりました。一度決定した六年間の長期計画をたった五カ月で変えるということは、政策に重大な判断ミスがあったことをみずから物語っていると私は思うのであります。しかも、一たん改正するとなると、目標年次やキャップ制など、総理の言う基本的な骨格まで全く失われてしまったのであります。まさに行き当たりばったり、橋本内閣の経済財政運営の先見性のなさは、この一事をもってしても明白なのであります。
 不信任案に賛成する第二の理由は、その無責任体質にあります。
 これまで橋本内閣が内外に公約したことは、数多くあります。代表的なものだけでも、銀行には公的資金を投入しない、大手銀行はつぶさない、不良債権は着実に処理されている、景気はそれほど悪くないしすぐにも回復する、特別減税は効果がないし実施しない、財構法は改正しない、当初予算は最善だ、補正予算は念頭にない等々、それこそ枚挙にいとまがないのでございます。
 橋本内閣は、これまでこのような場当たり的な政策変更を繰り返し、朝令暮改を恥じることなく、責任追及を恐れて必要な政策をとらない方が政治責任だなどと強弁、言い逃れを続けてきたのであります。
 こうした橋本内閣の体質に愛想を尽かしたのか、あるいは共倒れを恐れたのか、あれほどの基本政策の違いがありながら、かくも長期間みつ月関係を続けてきた連立与党の仲間である社民党、さきがけさえ、ついには橋本内閣を見限ったのであります。
 橋本内閣のこれまでの歴史は、そうしたみずからの発言をすべて覆してきた歴史でもあります。しかも、何よりも劣悪なことは、その都度、前言を翻したか翻さないのか明言しないままに、あいまいなまま、実質的には政策を変更させてきた事実であります。政治家が責任追及を恐れ、あいまいな言葉に終始するのは本末転倒であり、それこそが現在の政治不信の元凶なのであります。
 国民にぬぐい去れない政治不信の芽を植えつけぬうちに、また、まだ市場が政治家の言葉に少しでも反応しているうちに、わずかでも政治家の責任について深く思いをいたされますよう、強く申し上げるものであります。
 不信任案の賛成の第三の理由は、国民に政治への信頼を回復するには、もはや橋本内閣の退陣しかあり得ないということであります。
 総事業規模十六兆円、いわゆる真水十二兆円の経済対策。この対策自体、額としては大変なものであります。しかし、内外の評価は極めて低く、冷たいものでありました。政策は、中身と、もう一つタイミングであります。内容的に適切さを欠き、恒久減税などの本当に必要な対策が欠落していたことが評価されなかったということであります。株価は下がりっ放し、為替は円安の一方通行、見事なまでの橋本不信任現象なのであります。
 結論から申し上げれば、橋本内閣では、もはや何を言っても、何をやっても、どういう景気対策を講じても、既に失敗者のイメージが定着し過ぎておりまして、世の人々には全く信用されず、その効果は期待できないのであります。
 不信任案に賛成する第四の理由は、政治倫理の軽視及び欠落であります。
 橋本総理は、かつて、第二次橋本内閣の組閣に当たり、ロッキード疑惑議員を総務庁長官に起用し、世の指弾を浴びると、一転、任命権者の責任を全うすることなく、責任回避に終始いたしました。そしてまた、脱税と贈収賄で起訴されている石油卸商泉井被告の政治献金疑惑が晴れていない議員を党の中枢の幹部に登用したまま、一向に恥じることがありません。
 さらに、政治腐敗防止法をめぐる連立与党内の議論では、倫理観の欠如を理由とされ、連立政権の解消を招く事態となっております。その具体的な経緯についてはつまびらかにする立場にはありませんが、連立関係と引きかえにしてでも政治腐敗防止法は通さないとの橋本内閣の本音があらわとなり、政治倫理に後ろ向きな印象を強く持ったものであります。このような橋本内閣の政治倫理感覚は、国民感情を踏みにじるものであり、政治汚職を放置する内閣は、その存在が全く必要ないことをはっきり申し上げたいと思います。
 不信任案に賛成する第五の理由は、外交面の失政であります。
 米軍普天間基地返還では、返還の大前提である代替基地問題の最終判断を沖縄県に責任転嫁するなど、当初の華々しいパフォーマンスとは全く対照的に、基地返還は暗礁に乗り上げてしまっております。また、沖縄経済の振興と基地返還を交換条件とするなど、その強権的な体質にも問題があります。ここにおいても総理のリーダーシップは中途半端であり、沖縄県、米国双方から不安と不信を集める結果となっているのであります。
 さらに、インド、パキスタンの核実験強行に見られる核軍縮問題につきましても、唯一の被爆国の総理としてパキスタンに対し自制を求めたのにもかかわらず、全く無視をされました。我が国の核廃絶への願いが国際的にアピールしなかったことはまことに残念と言わざるを得ず、ここにおいても総理の指導力の欠如を指摘せざるを得ないのであります。
 最後になりますが、私の地元北海道は、今、開拓以来と言われている極めて厳しい経済状況にあります。御承知のとおり、拓銀の破綻や北海道開発庁の統廃合、苫東開発事業の行き詰まり等、明治以来の国策がすべて行き詰まり、企業倒産、雇用情勢とも過去最悪の記録を更新しております。このままでは地域経済が死滅してしまいます。一刻も早い即効性のある対策こそが急務なのであります。
 今回の大不況の原因は大震災のような天変地異ではなく、また避けようのない特殊事情によるものでもありません。まさしく、政治、経済の情勢を最もよく熟知し、行政知識の最も豊かな橋本総理による明らかな人災なのであります。
 私は以前より、橋本内閣の退陣こそが最大の景気対策と言い続けてまいりました。その状況は今も全く変わっておりません。「信なくば立たず」、古来からの大鉄則であります。速やかに橋本内閣が退陣することを求め、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 二見伸明君。
    〔二見伸明君登壇〕
#21
○二見伸明君 私は、自由党を代表して、ただいま提案されております橋本内閣不信任案に対し、賛成の討論を行います。(拍手)
 平成八年一月橋本内閣の誕生以来、今日で約二年五カ月が経過しました。この間、橋本内閣としての見るべき業績はほとんどありません。経済政策を初め数々の政策の誤りにより、日本経済は混乱をきわめております。株価の低迷、円安、史上最悪の失業率、続出する企業倒産など、事態は日を追うにつれて深刻化しております。国民も企業も、先行きの見通しが全く立たない中で深刻な不安に悩まされております。
 一方、このような状況がもたらすいら立ちと閉塞状況の中で、少年による刺殺事件が相次ぐなど、社会の荒廃も日増しに強まっております。
 私は、今日のこのような状況を招いたのは橋本内閣自身であることをまずもって指摘しなければなりません。
 まず、橋本内閣の相次ぐ経済政策の誤りであります。今日の不況の直接の原因は、橋本内閣の経済認識の誤りと、その結果としての経済財政政策の失敗によるものであることは明らかであります。
 総理、朝令暮改は国を滅ぼします。経済が立ち直りかけていた昨年には、消費税の引き上げや特別減税の打ち切りなどによって約九兆円もの負担を国民に押しつけ、平成八年度に三・二%成長まで回復した我が経済を〇%にたたき落としました。不況がさらに深刻化すると、それまでかたくなに拒否していた二兆円の特別減税をある日突然復活させました。一方、財政構造改革法成立後わずか四カ月もたたないうちに、その法律を改正し、赤字国債の発行による十六兆円規模の経済対策を発表しております。まさに支離滅裂であります。
 金融機関の不良債権処理の問題についても、橋本内閣は、不良債権の処理は順調に進んでいる、銀行はつぶれることはないし、つぶさない、銀行の処理には公的資金は使わないと一貫して主張してまいりました。ところが、その舌の根も乾かないうちに、通常国会の冒頭では、金融機関救済のための三十兆円の公的資金の投入であります。また、十分な準備期間を置くこともなく日本版金融ビッグバンを強行し、金融機能を麻痺させ、貸し渋りなどによって中小企業者を倒産、自殺といった悲惨な状況に追い込んでおります。昨年一年間の自殺者は三年連続で増加し、二万四千三百九十一人に達しています。その中でも、経済苦の自殺者が急増しています。橋本内閣はこの悲惨な実態にどう責任をとるのか、私は総理の弁明を聞きたいくらいであります。
 財政構造改革については、経済再建なくして財政再建なしの鉄則を忘れ、歴史に残る大増税を行い、景気を失速させてしまいました。一方、景気が悪いときに、財政を自縄自縛にしてしまう財政構造改革法を無理やり成立させた、財政機能を麻痺させた。その結果、景気がとんでもないことになると思った瞬間に、苦し紛れに、法の骨格を変えるものではないという詭弁を使って、赤字国債の発行を伴う十六兆円の規模の経済対策を実施するというありさまであります。まさに支離滅裂であり、理念も政策の一貫性も何にもありません。
 総理の支離滅裂さは、経済、財政、金融政策の面ばかりではありません。総理の公約である六つの改革すべてに及んでおります。
 行政改革は、戦略もなく、単なる機構いじりや看板のつけかえにすぎません。橋本総理はようやくベースキャンプに着いたと言われたそうですが、化け物のような巨大な利権官庁をつくっただけじゃありませんか。行政改革の本質は、まず中央から地方へ、官から民へという権限の移譲、規制緩和や、あるいは行政官庁の仕事の中身を見直す、これから始めるのが行政改革の本質なのです。その本質を忘れて、ばかでかい利権官庁をつくっただけであります。巨大官庁の誕生により、ますます権限、財源が集中し、チェックも難しくなり、政官業の癒着の構造は今以上に強化されるおそれすらあるのであります。
 社会保障改革も、国民のためではありません。いかにして社会保険制度を維持するかだけであります。昨年の医療費の値上げの結果、医者にかからなければならない人がかかりにくくなったという現実があります。これなどは悪政の最たるものであります。
 教育改革においても、その姿は全く見えておりません。教育の基本である何を教えるべきかという哲学も理念もありません。
 我々の前に明らかなことは、橋本総理には国政の最高責任者としての識見も政策判断力も全くないということであり、総理として失格であるということであります。橋本総理にもし時代を見抜く洞察力があるならば、不信任案を突きつけられるという醜態をさらす前に、みずからの不明を恥じ、総辞職すべきであります。これが不信任の第一の理由であります。
 賛成の第二の理由は、みずからの政権維持のため、政府・与党で二枚舌を使い、国民の代表である国会をだまし続けたということであります。
 橋本内閣は、平成十年度予算の審議を通じ、国会では、十年度予算は最善であると言い続けてきました。ところが、国会の外では、額賀官房副長官は通常国会が始まる前から、米国政府高官に、平成十年度予算成立直後の四月に大型補正を行うことを約束したではありませんか。自民党の加藤幹事長や山崎政調会長などは、大型補正予算の編成を示唆する発言を公然と繰り返してきました。結局、橋本総理が、平成十年度予算が成立した直後の四月九日、十六兆円規模の総合経済対策を発表し、そのための大型補正を行うことを内外に明らかにしたことにより、総理の国会での答弁が偽りであり、与党幹部の発言が事実であることが明白になりました。
 国会での偽りの発言は重大な政治責任を伴います。我が国は議院内閣制の国であり、政府・与党一体であります。橋本総理自身、内閣総理大臣たると同時に、自民党の総裁でもあります。政府と与党で役割を分担し、二枚舌を使うなどということはあってはならないことです。国会と国民をだまし続けてきた総理の態度は、まさに、国会の論議を不毛のものとし、議会制民主主義を否定するものであると言わざるを得ません。
 賛成の第三の理由は、橋本内閣は疑惑隠し内閣であり、信任できないということであります。
 今通常国会の焦点の一つは、石油卸商泉井氏からの自民党山崎拓政調会長への献金疑惑でありました。泉井氏は、昨年末の臨時国会において、議院証言法に基づく証人として、国会の場においてその真相を明らかにいたしました。しかしながら、山崎政調会長は我々の証人喚問要求を拒否し続け、会期末間際になって、政治倫理審査会という非公開の場において、しかも偽証をしても罪に問われることのない弁明という形で、一方的に泉井氏の証言を否定したのであります。議院証言法で偽証が罪に問われる泉井氏の証言と偽証をしても罪に問われない山崎氏の発言では、どちらが真実を語っているかは一目瞭然であります。
 政治倫理審査会は、政治家が罪を逃れるための駆け込み寺ではありません。疑惑解明のためには山崎氏の証人喚問が絶対必要であったにもかかわらず、自民党はこれを拒み続け、橋本総理は総裁として何ら指導力を発揮しませんでした。民間人ならば証人喚問し、仲間の政治家の証人喚問は拒否するというやり方は、国民に政治家に対する不信を増長させるだけであります。(拍手)
 また、橋本総理と中国人女性との交際問題は、単なる総理と通訳との交際の問題ではなく、我が国の中国に対するODAの無償援助にかかわる疑惑というように、総理自身の疑惑の問題であります。国政のリーダーたる総理自身に疑惑が持たれた以上、総理は、政治倫理綱領にのっとって、率先してみずからの疑惑を解明すべきであります。しかるに、総理の態度は全く逆であります。必要な資料の提出を拒み続けるなど疑惑隠しに奔走している始末であります。
 このような、政治倫理問題をないがしろにする橋本内閣に、国民の信頼が大前提である国政を担当する資格などありません。
 橋本内閣は、既に諸外国からも不信任されております。アジア通貨危機の原因は橋本内閣のとり続けるデフレ政策にあり、日本の景気後退が通貨危機に拍車をかけるのは紛れもない事実であります。
 橋本内閣の姿勢は、外交・安全保障政策においても常に場当たり、後手後手でありました。
 昨今のインドネシアの邦人帰国についても、またも準備行為というあいまいな形で、自衛隊に任務遂行を命じたのであります。沖縄基地問題が解決できないのも、国の責任において解決するという強い決意を示すことなく、その場その場のつじつま合わせに終始した結果であると言わなければなりません。
 橋本内閣二年五カ月は、まさに支離滅裂、朝令暮改の毎日でございました。中国の古典「中庸」にこういう一節があります、「国家まさに滅びんとするや、必ず妖げつあり」。橋本内閣二年五カ月の支離滅裂、官僚の目を覆いたくなるような腐敗、堕落など、国まさに滅びんとする状況であります。自民党の諸君もこのことはじっと胸に手を当てて反省をしてもらいたいと思います。
 最後に、自民党の諸君に申し上げたい。
 論語に「身を殺して仁をなす」という言葉があります。諸君がまさに本物の政治家たらんとするのであれば、小さな私の感情を乗り越えて、日本のため、社会、国民のために、不信任決議案に賛成する勇気を持っていただきたいということであります。改めて自民党の諸君の良心に私は炎をともしたいと思います。
 以上をもちまして、賛成討論を終わります。(拍手)
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 寺前巖君。
    〔寺前巖君登壇〕
#23
○寺前巖君 私は、日本共産党を代表して、民主党、自由党、日本共産党三党提出の「橋本内閣を信任せず。」という決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 国民主権の憲法になって昨年で五十年たちました。あらゆる分野で、国民が主人公の追求がなされているときに、自民党橋本内閣の政治はそれに逆行し、どこに国民が主人公という姿を見ることができるでしょうか。
 深刻な不況、生活苦、史上最悪の完全失業率、中小企業の相次ぐ倒産。橋本内閣は、戦後最悪のこの事態を一層悪化させる役割を果たしているのであります。戦後半世紀にわたる自民党政治は、今や政治、経済、平和・外交とあらゆる分野で行き詰まり、かじ取り不能の状況に陥っているのであります。
 また、政官財の癒着体質も極限に達しています。金融・証券不祥事が相次ぐ中での銀行、証券、ゼネコン、製薬会社などからの自民党への献金。官庁の中の官庁と言われる大蔵省、金融の中の金融と言われる日銀などの汚職腐敗事件。
 あなたの内閣の存続自体が国民にとって不幸なことです。政治、経済などのあらゆる分野の行き詰まりを打開するために、こんな内閣を一日も存続させるわけにはいきません。(拍手)
 私は、橋本内閣不信任案決議の賛成に当たって、特に二つの点を指摘したいと思います。
 第一は、橋本内閣の悪政の数々についてであります。
 橋本内閣は、この二年余りの間、一体何をやってきたのでしょうか。
 景気が低迷している中で、さらに追い打ちをかける消費税の増税などで九兆円の国民負担増。日本経済と国民の暮らしをどん底に落としました。昨年の九月からの医療費値上げに始まる社会保障の連続切り下げを義務づけた財政構造改革法の制定。サービス残業をなくせば四百万人も雇用がふえるにもかかわらず、サービス残業を天下御免で横行させる労基法改悪の道。中小小売店、商店街が大型店の出店ラッシュで大打撃を受けているにもかかわらず、大型店を野放しにする大規模小売店舗法の廃止。米の輸入拡大、減反の強要、事実上の価格保障の打ち切りで、日本農業の破壊と食糧政策の放棄。橋本内閣が行ってきたのは、これら国民に対する数々の悪政のあらしであり、悪政の洪水であります。
 しかも、あなたは、経済、財政の運営でも不況の問題でも、反省どころか経済失政の責任を何一つとろうとしないのであります。
 財政危機だから歳出を削る、赤字国債の発行を二〇〇三年度までにゼロにする、すなわち、昨年十一月、財政構造改革法の制定を強行してきました。ところが、驚くべきことに、年頭には銀行の救済といって三十兆円も投入するという緊急対策を行いました。そして、半年後には財政構造改革法の改定。
 また、これで景気がよくなると言ってきたのに、その本予算が成立するや、これでは不十分といって、新総合経済対策、新たに補正予算を提出しました。しかし、それは、過去六回実施してきた景気対策に見られるように、対策には一向に役立たず、破綻が証明済みのゼネコン奉仕の従来型公共事業を中心とするもので、これでは、国と地方の借金をふやし、むだと浪費を助長するだけであります。
 国民の願いを無視し、朝令暮改、右往左往の政治運営に終始しているあなたの内閣の存在は、国民にとってこれほど不幸なことはありません。悪政の洪水をせきとめるには、洪水の発生源であるあなたをやめさせることだと言わねばなりません。
 第二に指摘しなければならないのは、この悪政の洪水が自然発生的に起こったものでないことであります。こんな異常な政治がはびこってきた大もとには、歴代の自民党政治がとり続けてきた、大企業さえ栄えればあとは野となれ山となれの大企業最優先の政治、アメリカの言うことなら何でも従うアメリカ最優先の無責任な政治が横行していることにあります。
 その一つが、財政面にもあらわれています。
 アメリカの内需拡大圧力で大きく膨張した総額六百三十兆円のいわゆる公共投資基本計画。本当に必要とする事業を積み上げるのではなく、総額を先に決め、それを使い切るために、次から次へと不要不急の大型開発事業を進めてきました。それは、国、地方合わせて公共事業に五十兆円、社会保障には二十兆円という、世界に例のない逆立ちした税金の使い方を生み出しました。こうして、今日、国、地方を合わせて約五百三十兆円という莫大な借金をつくり出しているのであります。
 橋本内閣は、ここにメスを入れるのでなく、何の反省もなく、アメリカの言いなりになって国債を増発し、ゼネコン中心の公共投資の歯どめない拡大、無責任な浪費政策をとり続け、その負担を国民に押しつけているのであります。
 外交・安保の問題でもそうです。
 日米安保条約のもと、無期限に米軍の駐留を許しています。しかも、その建前に反して、日本の国土は今、日本防衛の任務でない海外出撃部隊の米軍の基地と化しているのであります。
 在日米軍のやりたい放題の超低空飛行、そして沖縄の海兵隊、横須賀、佐世保を拠点とした第七艦隊、三沢の空軍部隊、これら米軍の殴り込み部隊の世界各地への出撃に自衛隊から自治体、民間まで協力を義務づけるアメリカ有事参戦法の道、これで日本は主権国家と言えるのでしょうか。憲法の平和条項を守っていると言えるのでしょうか。
 ゆえに、大多数の国民は、日本の政治はこれでよいのか、何のために政治はあるのかと、真っ正面から今の政治を見詰め、怒りに燃えているのであります。出口のない逆立ち政治を打開するために、一刻も早く橋本内閣を退陣させねばなりません。
 政治は、アメリカのため、財界のため、政治家のためにあるのではありません。国民のためにあるのです。我が党は、政治も経済も平和・外交もかじ取り不能になっている自民党政治を終わらせ、政治は国民のものという日本の政治を実現するために奮闘することを表明し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#24
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#25
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#27
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十
  可とする者(白票)        二百七
  否とする者(青票)      二百七十三
    〔拍手〕
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、橋本内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 菅直人君外八名提出橋本内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
      安住  淳君    赤松 広隆君
      伊藤 英成君    伊藤 忠治君
      家西  悟君    池田 元久君
      池端 清一君    石井 紘基君
      石井  一君    石毛 ^子君
      石橋 大吉君    岩國 哲人君
      岩田 順介君    上田 清司君
      生方 幸夫君    枝野 幸男君
      小沢 鋭仁君    大畠 章宏君
      岡田 克也君    奥田 敬和君
      鹿野 道彦君    海江田万里君
      鍵田 節哉君    金田 誠一君
      川内 博史君    川端 達夫君
      神田  厚君    菅  直人君
      北橋 健治君    北村 哲男君
      北脇 保之君    桑原  豊君
      玄葉光一郎君    小平 忠正君
      小林  守君    木幡 弘道君
      古賀 一成君    五島 正規君
      今田 保典君    近藤 昭一君
      佐々木秀典君    佐藤謙一郎君
      佐藤 敬夫君    坂上 富男君
      島   聡君    島津 尚純君
      城島 正光君    末松 義規君
      仙谷 由人君    田中 慶秋君
      田中  甲君    高木 義明君
      玉置 一弥君    樽床 伸二君
      辻  一彦君    土肥 隆一君
      中川 正春君    中桐 伸五君
      中沢 健次君    中野 寛成君
      永井 英慈君    羽田  孜君
      葉山  峻君    畑 英次郎君
      鉢呂 吉雄君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    原口 一博君
      日野 市朗君    肥田美代子君
      平野 博文君    福岡 宗也君
      藤田 幸久君    藤村  修君
      古川 元久君    細川 律夫君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      前原 誠司君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    松本 惟子君
      松本  龍君    山花 貞夫君
      山元  勉君    山本 譲司君
      山本 孝史君    横路 孝弘君
      吉田  治君    吉田 公一君
      渡辺  周君    青山 二三君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      井上 義久君    池坊 保子君
      石井 啓一君    石田 勝之君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      上田  勇君    漆原 良夫君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 辰男君    大口 善徳君
      大野由利子君    太田 昭宏君
      近江巳記夫君    長内 順一君
      河合 正智君    河上 覃雄君
      神崎 武法君    木村 太郎君
      北側 一雄君    旭道山和泰君
      草川 昭三君    倉田 栄喜君
      斉藤 鉄夫君    坂口  力君
      白保 台一君    田端 正広君
      冨沢 篤紘君    中野  清君
      並木 正芳君    西川 知雄君
      東  順治君    平田 米男君
      福島  豊君    福留 泰蔵君
      冬柴 鐵三君    前田  正君
      桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君
      宮地 正介君    山中 Y子君
      若松 謙維君    安倍 基雄君
      青木 宏之君    青山  丘君
      東  祥三君    井上 喜一君
      石垣 一夫君    一川 保夫君
      江崎 鐵磨君    小沢 一郎君
      岡島 正之君    加藤 六月君
      久保 哲司君    佐々木洋平君
      佐藤 茂樹君    塩田  晋君
      菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君
      武山百合子君    達増 拓也君
      谷口 隆義君    中井  洽君
      中西 啓介君    中村 鋭一君
      二階 俊博君    西  博義君
      西川太一郎君    西田  猛君
      西野  陽君    西村 章三君
      西村 眞悟君    野田  毅君
      藤井 裕久君    二見 伸明君
      松浪健四郎君    三沢  淳君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      鰐淵 俊之君    石井 郁子君
      大森  猛君    金子 満広君
      木島日出夫君    児玉 健次君
      穀田 恵二君    佐々木憲昭君
      佐々木陸海君    志位 和夫君
      瀬古由起子君    辻  第一君
      寺前  巖君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    中林よし子君
      春名 直章君    東中 光雄君
      平賀 高成君    不破 哲三君
      藤木 洋子君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    松本 善明君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
      吉井 英勝君    海部 俊樹君
      河村たかし君    笹木 竜三君
      中田  宏君    岩浅 嘉仁君
      渡部 恒三君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    愛知 和男君
      赤城 徳彦君    浅野 勝人君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      荒井 広幸君    井奥 貞雄君
      伊藤 公介君    伊吹 文明君
      飯島 忠義君    池田 行彦君
      石川 要三君    石崎  岳君
      石破  茂君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    今井  宏君
      今村 雅弘君    岩永 峯一君
      植竹 繁雄君    臼井日出男君
      江口 一雄君    江渡 聡徳君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 武彦君
      遠藤 利明君    小川  元君
      小此木八郎君    小里 貞利君
      小澤  潔君    小野 晋也君
      小野寺五典君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 秀政君    大島 理森君
      大野 松茂君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 秀章君
      太田 誠一君    岡部 英男君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    金子 一義君
      金田 英行君    亀井 静香君
      亀井 久興君    亀井 善之君
      鴨下 一郎君    川崎 二郎君
      河井 克行君    河村 建夫君
      瓦   力君    木村 隆秀君
      木村 義雄君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    北村 直人君
      久間 章生君    久野統一郎君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 市雄君
      熊代 昭彦君    倉成 正和君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    小林 興起君
      小林 多門君    古賀  誠君
      古賀 正浩君    河野 太郎君
      河野 洋平君    河本 三郎君
      高村 正彦君    佐田玄一郎君
      佐藤 孝行君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 剛男君
      佐藤  勉君    斉藤斗志二君
      坂井 隆憲君    阪上 善秀君
      桜井 郁三君    桜井  新君
      櫻内 義雄君    桜田 義孝君
      笹川  堯君    自見庄三郎君
      実川 幸夫君    島村 宜伸君
      下地 幹郎君    下村 博文君
      白川 勝彦君    新藤 義孝君
      菅  義偉君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 俊一君
      鈴木 恒夫君    鈴木 宗男君
      砂田 圭佑君    関谷 勝嗣君
      園田 修光君    田中 和徳君
      田中 昭一君    田中眞紀子君
      田邉 國男君    田野瀬良太郎君
      田村 憲久君    高市 早苗君
      高鳥  修君    高橋 一郎君
      滝   実君    竹下  登君
      竹本 直一君    武部  勤君
      橘 康太郎君    棚橋 泰文君
      谷  洋一君    谷垣 禎一君
      谷川 和穗君    谷畑  孝君
      玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
      中馬 弘毅君    津島 雄二君
      戸井田 徹君    東家 嘉幸君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島洋次郎君    中曽根康弘君
      中谷  元君    中野 正志君
      中村正三郎君    中山 利生君
      中山 成彬君    中山 正暉君
      仲村 正治君    長勢 甚遠君
      丹羽 雄哉君    西川 公也君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    能勢 和子君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      葉梨 信行君    萩野 浩基君
      萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
      蓮実  進君    浜田 靖一君
      林  幹雄君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田昇左右君
      原田 義昭君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋 圭司君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 博之君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    牧野 隆守君
      増田 敏男君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    松本 和那君
      松本  純君    三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    宮島 大典君
      宮本 一三君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村田 吉隆君    村山 達雄君
      目片  信君    持永 和見君
      望月 義夫君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田 健作君    森田  一君
      森山 眞弓君    八代 英太君
      矢上 雅義君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      柳本 卓治君    山口 俊一君
      山口 泰明君    山崎  拓君
      山下 徳夫君    山本 公一君
      山本 幸三君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      吉川 貴盛君    吉田六左エ門君
      米田 建三君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    渡辺 喜美君
      綿貫 民輔君    秋葉 忠利君
      伊藤  茂君    上原 康助君
      北沢 清功君    土井たか子君
      中西 績介君    畠山健治郎君
      濱田 健一君    深田  肇君
      前島 秀行君    村山 富市君
      横光 克彦君    園田 博之君
      武村 正義君    伊藤 達也君
      坂本 剛二君    笹山 登生君
      中村喜四郎君
    ―――――――――――――
     ――――◇―――――
#29
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会

ソース: 国立国会図書館
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