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1996/12/16 第139回国会 参議院 参議院会議録情報 第139回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第2号
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1996/12/16 第139回国会 参議院

参議院会議録情報 第139回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第2号

#1
第139回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第2号
 平成八年十二月十六日(月曜日)
    午前九時開会
    ―――――――――――――
    委員の異動
  十二月十三日
     辞任       補欠選任
      沓掛 哲男君    山本 一太君
      角田 義一君    三重野栄子君
  十二月十六日
     辞任       補欠選任
      山本 一太君    沓掛 哲男君
      久保  亘君    瀬谷 英行君
      三重野栄子君    角田 義一君
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                片山虎之助君
                倉田 寛之君
                永田 良雄君
                松谷蒼一郎君
                荒木 清寛君
                寺澤 芳男君
                一井 淳治君
                筆坂 秀世君
                今井  澄君
    委 員
                石川  弘君
                岩井 國臣君
                狩野  安君
                亀谷 博昭君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                嶋崎  均君
                関根 則之君
                竹山  裕君
                中島 眞人君
                長峯  基君
                保坂 三蔵君
                三浦 一水君
                宮澤  弘君
                山本 一太君
                吉村剛太郎君
                石田 美栄君
                泉  信也君
                岩瀬 良三君
                牛嶋  正君
                小林  元君
                小山 峰男君
                菅川 健二君
                鈴木 正孝君
                浜四津敏子君
                和田 洋子君
                久保  亘君
               日下部禧代子君
                清水 澄子君
                瀬谷 英行君
                三重野栄子君
                聴濤  弘君
                吉岡 吉典君
                笹野 貞子君
                中尾 則幸君
                佐藤 道夫君
                田村 公平君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  松浦  功君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       文 部 大 臣  小杉  隆君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   藤本 孝雄君
       通商産業大臣   佐藤 信二君
       運 輸 大 臣  古賀  誠君
       郵 政 大 臣  堀之内久男君
       労 働 大 臣  岡野  裕君
       建 設 大 臣  亀井 静香君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    白川 勝彦君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       稲垣 実男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       麻生 太郎君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       近岡理一郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  石井 道子君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  伊藤 公介君
   政府委員
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       任用局長     角野 敬明君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       防衛庁参事官   藤島 正之君
       防衛庁教育訓練
       局長       粟  威之君
       防衛施設庁建設
       部長       竹永 三英君
       経済企画庁調整
       局長       土志田征一君
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
       経済企画庁物価
       局長       河出 英治君
       経済企画庁総合
       計画局長     坂本 導聰君
       経済企画庁調査
       局長       中名生 隆君
       科学技術庁長官
       官房長      沖村 憲樹君
       環境庁長官官房
       長        岡田 康彦君
       外務大臣官房長  原口 幸市君
       外務大臣官房領
       事移住部長    齋藤 正樹君
       外務省経済協力
       局長       畠中  篤君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     武藤 敏郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       永田 俊一君
       大蔵省主計局次
       長        林  正和君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省理財局次
       長        戸恒 東人君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省銀行局保
       険部長      福田  誠君
       大蔵省国際金融
       局長       榊原 英資君
       国税庁次長    堀田 隆夫君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部省生涯学習
       局長       草原 克豪君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省教育助成
       局長       小林 敬治君
       文部省高等教育
       局長       雨宮  忠君
       文部省体育局長  佐々木正峰君
       厚生大臣官房長  近藤純五郎君
       厚生大臣官房総
       務審議官     中西 明典君
       厚生省大臣官房
       審議官      江利川 毅君
       厚生省健康政策
       局長       谷  修一君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
       農林水産大臣官
       房長       高木 勇樹君
       農林水産省農産
       園芸局長     高木  賢君
       農林水産省畜産
       局長       熊澤 英昭君
       通商産業大臣官
       房長       広瀬 勝貞君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        今野 秀洋君
       通商産業大臣官
       房審議官     藤島 安之君
       通商産業省通商
       政策局長     林  康夫君
       通商産業省産業
       政策局長     渡辺  修君
       中小企業庁計画
       部長       田島 秀雄君
       運輸大臣官房長  土井 勝二君
       運輸大臣官房総
       務審議官     西村 泰彦君
       運輸省運輸政策
       局長       相原  力君
       運輸省鉄道局長  梅崎  壽君
       運輸省自動車交
       通局長      荒谷 俊昭君
       郵政大臣官房総
       務審議官     高田 昭義君
       郵政省貯金局長  品川 萬里君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労政局長  松原 亘子君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設省建設経済
       局長       小鷲  茂君
       建設省都市局長  木下 博夫君
       建設省住宅局長  小川 忠男君
       自治大臣官房長  谷合 靖夫君
       自治省大臣官房
       総務審議官    嶋津  昭君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省行政局公
       務員部長     芳山 達郎君
       自治省行政局選
       挙部長      牧之内隆久君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  湊  和夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
    ―――――――――――――
    本日の会議に付した案件
○行財政改革・税制等に関する調査
○消費税率五%の中止に関する請願(第六号外二件)
○消費税率五%の中止、消費税法附則第二十五条
 に基づく消費税率見直しに関する国会審議に関
 する請願(第七号外二件)
○特別地方消費税の廃止に関する請願(第八号外
 八三件)
○消費税の五%への増税中止に関する請願(第一
 七号外二二件)
○消費税増税反対等に関する請願(第三一号外三件)
○消費税の引上げ中止等に関する請願(第五五号外四件)
○所得税の基礎控除の大幅な引上げによる課税最
 低限の抜本的な改正に関する請願(第六六号)
○消費税率の引上げ中止、生活必需品に対する完
 全非課税等に関する請願(第七八号)
○消費税の税率引上げ反対、中止に関する請願
 (第二四三号外一件)
○消費税の税率引上げと中小業者への特例措置改
 廃の中止に関する請願(第二六九号外一三件)
○消費税率の引上げ中止等に関する請願(第二九
 二号外一件)
○消費税の引上げ反対、消費税廃止に関する請願
 (第二九七号外八件)
○消費税率の引上げをめぐる国会審議に関する請
 願(第三三九号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、角田義一君及び沓掛哲男君が委員を辞任され、その補欠として三重野栄子君及び山本一太君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) 行財政改革・税制等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。当特別委員会の一番バッターとして質問できることを大変光栄に思っております。また、きょうはテレビが入っておりますし、国民の皆さんもごらんになっておりますので、できるだけ私はわかりやすい質問を心がけたいと思います。どうか、答弁の方もわかりやすく直截簡潔な御答弁をお願いいたします。
 ずっと同じような質問で総理も憂うつだろうと思いますけれども、まず、公務員の不祥事についての質問から始めさせていただきたい、こういうふうに思います。
 我が国の公務員は、かつては大変国民の信頼が厚かったと私は思っております。高度経済成長時代でございましょうか、とにかく、政治は三流、経済は二流だけれども、官僚が一流だから日本はこうなるんだと。政治家の方は選挙でエレクション、官僚の方は選抜でセレクションだと、こういう国民の大変高い信頼や評価が私はあったと思います。
 また、司馬遼太郎という偉い方、お亡くなりになりましたけれども、彼が明治維新前後のいろんな著作を物にされておりますけれども、その中で、明治政府の役人は痛々しいほど清潔であったと、こう書いているんですね。近代国家にするために、官営の産業を興し、企業を起こして、それを民間に払い下げる、日本じゅうに鉄道を敷く一いろんなことがあったわけでありますけれども、言葉が悪うございますが、いわば汚職の種は山ほどあった。しかし、ほとんど役人中心の汚職はなかったわけですね。しかも、坂の上の雲を目指す大変強い使命感があった。私は、ある意味では日本のそれに続く役人の原型がそこにあったんではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。
 しかし、何かこのところ、公務員と申しますかお役人の気風、あり方が大変変わってきた。それは経済の高度成長のときだとかバブルが云々だとかいろんな議論がありますけれども、先般もこの場所の予算委員会で小島議員が言われました。文明が滅ぶ要因はいろいろあるけれども、一つはモラルの崩壊だと。また、ある人は、民族が滅ぶときはまず節度を失うと。私は、今の公務員からモラルや節度が急速になくなっているんではなかろうか。
 私も公務員のOBとして、ここ何十年か本当にいろんな問題が起こりまして、そのたびに官庁綱紀の粛正、公務員倫理の確立のいろんな試みが行われてきた。次官の申し合わせ、官房長の申し合わせ、官房長官の通達、いろんなことが行われてきました。しかし、全体としてはだんだん悪くなっているんではないかとでり心配を私はしているわけであります。しかも、財政は大変悪くなっている。行財政改革、財政再建は急務であります。しかし、そういうときに公務員に対する信頼が失われるということは、それらの成功もなかなかおぼつかない。
 そういう意味で、行財政改革に大変な熱意をお持ちの総理は、それとあわせて公務員倫理の確立にどういう決意をお持ちか、不退転の決意をぜひ御表明いただきたい。冒頭にまずそれをお願いいたします。
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本当に今回の不祥事というもの、国民に対しておわびを申し上げる以外にありませんし、私自身が遺憾でありますし、こうした事態というものを本当に厳しく受けとめております。
 そして、去る十一月二十一日のことでありますが、これは本当に異例ですけれども、事務次官会議に官房長官とともに出席をして、本当に実の上がる綱紀粛正策を考えるようにということを徹底させるべく指示をいたしました。また、それを受けて、総務庁長官の方から官房長会に対しても同様の指示を具体的な作業として命じていただいております。
 これを受けまして、現在、政府部内で真に実効の上がる綱紀粛正の方策について真剣な検討がなされておりますし、十二月二十日ごろまでには結一論が得られるであろうと思っております。その間、臨時の閣僚懇談会を開きまして、閣僚同士でもこの問題は徹底的に議論をしてみたい、今そのように考えております。そして、今後そこで得られました方策については政府を挙げて速やかにそれを実行することによりまして、こうした不祥事の再発を防ぐと同時に、国民の信頼をもう一度回復すべく全力を尽くしたいと考えております。
 同時に私は、いつの間にか国に必要以上に権限が集まり過ぎてしまった、これを例えば規制の緩和、撤廃により、地方分権の推進により中央省庁の権限そのものを縮小することもあわせて行わなければならないという思いに駆られております。
 こうしたことすべてをあわせまして全力を尽くして再発防止に努めてまいりたい、そのように考えております。
#6
○片山虎之助君 具体の粛正策については今政府でも御検討中だそうでございますが、後ほど個々にお聞きいたしたいと思います。
 今、総理が言われた中で、やっぱり私は一つそれはあると思うんですね。今のお役人、役所、官僚に権限や役割や機能が集中し過ぎている。利用価値があるからこういうことは起こるわけでありますから、できるだけそれをスリムにしていく、あるいは民間に移す、地方に移す、そういうことがこの綱紀粛正にもつながってくると、こう私は思います。
 それからまた、ある人は、今の公務員、役所には目的がなくなっている、使命感を生かすあれがなくなっていると。かつては、欧米先進国に追いつけ追い越せ、あるいは自由主義経済をしっかりと守らなければいかぬと。そういうことが今はある意味では目的に達してきている、弛緩状態にあるんだ。だから、もう一度公務員の皆さんにあるいは日本の中央省庁に目的意識を与え、使命感を与えるべきだ、それが同時に綱紀粛正につながるんだと。
 一方では、権限を落とせ、もう一方では目的や使命感を与えろと、ちょっとなかなかはずが合わないような感じもあるんですが、私もそうだと思いますし、もう一度その点についての総理の御見解をお願いいたします。
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員は、目的意識がなくなったのではないかという御指摘をいただきましたけれども、私は、確かに従来の感覚からくるそれぞれの省庁における目的意識というものはある意味での限界に来ておると思います。
 しかし同時に、この国が二十一世紀においてなお活力を持った社会を維持し続けよう、そうした意識から将来を眺めましたときには、私は国としての目的意識というものは当然のことながら厳然として存在をすると思います。それは、財政構造の改革一つをとりましてもそうでありますし、国際的な基軸通貨が二つ誕生じようとしている中で、我が国の金融というものが円というものの価値をどう守ろうかという視点で物をとらえましたときにも当然ながら目的意識は出てくる。従来の発想から次の時代をにらんだ目的意識というものを我々はつくり出していかなければなりません。
 今、五つの改革ということにそれを要約しながら私は国民にもお願いを申し上げ、協力を求めておるわけでありますが、こうした中から私は、目的意識というものは当然ながら今後も公務員としては持ち続けてもらわなければならないものだと、そのように思います。
#8
○片山虎之助君 そこで、私は今回の一連の不祥事につながるこのありようは、一に公務員だけではないと思うんですね。国民全体の風潮というのか世間の動向といいましょうか、そういうものと私は無縁ではないと思うんです。
 日本人は戦後五十年、本当に懸命に走り続けて、世界でもまれな経済の繁栄と豊かさを手に入れたわけでありますが、同時に私はいいものを幾つか失ったと。日本にはあらゆるものがあるが、日本がないということが言われている。私は、昔の日本人は愛国心があり、愛郷心があり、恥を知り、思いやりや慎みがあったと思うんですね。働くこと、奉仕や勤勉や質素を恥としなかった、それをむしろ美徳とした。
 ところが、今の日本人を見るときに、おまえ何を偉そうなことを言うかと言われそうですけれども、拝金主義というのかエゴティズムというのか、自己中心主義というのかミーイズムというのか、自分だけがよければいい、汗を流すことをべっ視したり、公というものは自分と反対のものだ、文句を言って金をふんだくるものだと、そういう風潮がびまんしている、私はこういうふうに思います。幾ら金や物があっても、そういうことでは私は世界から尊敬されないと思います。やはり日本の国民は道義が高いんだ、倫理がしっかりしているんだ、そういうことによって世界の尊敬を得ることが私は二十一世紀の生きる道だと、こういうふうに思うわけであります。
 道義国家だとか倫理立国だとか、偉そうなことは言いません。しかし、国民の皆さんにもそこは考えていただきたい。我々もやることはやらなければいけないと思いますが、総理の御所見はいかがでございましょうか。
#9
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員の御指摘、私はそのとおりだと思います。
 そして、私自身を含めて、政治家もまたみずからの心を問い直さなければならない、そのような思いもございます。同時に私は、最近の風潮、今の若い方というような言い方をするつもりはありませんが、非常に気になっておることが一つあります。それは三Kという言葉であります。私自身学生生活から社会人になりましたとき、生産現場のある産業に職を求めました。そして、工場においての生活というのは私にとっては極めて楽しい、厳しいものでしたけれども楽しいものでもありました。
 今、生産ということに携わることが何か一段下がった仕事のような世間の風潮がございます。しかし、物つくりというものを失って果たしてこの国は生きていけるんでしょうか。私は、道義とかそうしたこと以前に、生産に携わることをべつ視する、これはマスコミの皆さんにも考えていただかなければならないことでありますが、三Kというような言葉がなくならなければこの国のあすはない、そんな思いもいたしております。
#10
○片山虎之助君 総理の意見に私も同感でございます。
 そこで、今も総理は言われましたが、やっぱりこの風潮を直していく。私は、一つは政治の率先垂範だと。かつて、政治は最高の道徳でなければならないと、こういうことが言われました。私は、きょうおられるすべての議員さんを含める政治家がそのことを心しなければならないと。同時に、教育や行政の努力あるいは国民運動の展開、いろいろありますけれども、政治の方は今総理が御答弁されましたので、教育について。
 教育について大変問題があるという指摘は、文部大臣、多いわけですね。もう予算委員会でも衆参を通じて大変な御指摘がありました。ここで教科書問題は言いません。私も言いたいことは山ほどある。しかし、今の道義や倫理についての国民に対するいろんな教育、学校教育だけじゃありませんよ、家庭教育も社会教育もあるいは職場教育も。それについての御所見があれば簡潔にお願いいたします。
#11
○国務大臣(小杉隆君) 社会が著しく変化していく中で、また価値観が多様化していく中で、人々の間に道義心やモラルが欠如してきたということ、そういう風潮がびまんしていることは教育行政に携わる者として大変深く憂慮しております。特に、二十一世紀を担う子供たちの豊かな人格形成ということを私はこれからの日本の社会の重要な課題だというふうに考えております。
 学校の現場におきましても、今子供たちが本当にゆとりを失っている。塾通いとか、あるいはテレビとか情報化の進展によって本当に余裕がなくなっている。子供自身も非常に忙しい思いをしている。そこで、もう少しゆとりある教育というようなことで学校五日制ということも始まったわけでございますが、それとあわせて、教育現場のみならず、片山委員が今御指摘のとおり、これは家庭も社会もそのような学校外の教育環境の整備に努力をしなきゃいけないと思っております。
 子供の人間形成の行われる最初の場である家庭の役割というものは非常に重要であります。最近、家庭の教育力というものが非常に低下しております。母親も父親も忙しい。そこで、私は先般、日経連の会長にお目にかかりまして、もう少し父親が家庭教育に参加できるようなそういう環境づくりをしてほしいと、こういうことを要請してまいりました。
 それと、特に私は、家庭教育、社会教育の中で大事な要素を占めておりますのはマスメディアだと思います。子供たちが最近テレビや新聞に接触する時間が非常に多くなっておりますし、マスメディアの皆様に対しましても、私は、大きな人間形成に対する影響から考えましても十分な配慮をお願いしたい、こういうことを痛感する次第でございます。
#12
○片山虎之助君 ちょっとそれにもいろいろ意見がありますが、時間がございませんので公務員制度に移ります。
 我が国の公務員制度は、御承知のようにメリットシステムであります。能力、業績によって採用され昇進して退職していく。アメリカはスポイルズシステムであります。スポイルズというのは、御承知のように獲物とこの場合は訳されますけれども、選挙で勝った方が獲物を分け取りするような論功行賞というんでしょうか、そういうことでポストを分ける、スポイルズシステム。だから、アメリカの場合には大統領選挙が終わりますと御承知のように高級公務員が三千人も異動するわけですね。だから、アメリカの場合には厳しい公務員倫理法が必要なんですよ。二十ドル以上物をもらったらいけませんよ、二十ドル以下でも年間通算五十ドル以上はいけませんよと。あるいは、お金はもちろん、有価証券その他もいけませんと。課長以上は資産も公開しなさい、そういうことをやっているのは私はスポイルズシステムだと、こういうふうに思います。
 ところが、日本の場合にはメリットシステムで、役所がちゃんと自分で採用し昇進させていき、政治家の皆さんが閣僚になっても役所の大事になかなかくちばしを入れさせないような、入れる方もおりますけれども、そういう仕組みに基本的にはなっておるわけであります。
 しかし、問題は我が国のメリットの問題なんですね。このメリットは国民、国家に対するメリットじゃないですよ。省や自分の組織に対するメリットなんですね。だから、日本の役人で偉くなる人、よくできる人というのは、上手に法案を通す、予算を持ってくる、組織や定数をふやす、国会や政党とのつき合いがうまくて根回しが大変巧みだと、そういう人が偉くなっていっているんですね。彼らの念頭にあるのは、おまえもかつてそうじやなかったかと言われると私も困るんですけれども、まさにその省益なんですね。私はやつぱりそこに問題がある、それが一つ。
 それから同時に、日本の場合にはタコつぼ人事というんでしょうか、クローズドシステムなんですよ。一つの省でずっと偉くなっていく。その中でよそに出向したりなんかする人は余り偉くなれないんですよ、ほかの省に行ったり外国に行ったりどこかに行ったりなんという人は。ずっとそこで純粋培養されていく人が偉くなっていくんですね、クローズドシステム。だから、省益しか考えられない人が出てくるのは私は当たり前だと思うんです。
 だから、日本の公務員に風穴をあけるのは、やっぱり今のメリットのあり方を切りかえる、任用の評価基準をもっと客観的、公平な、国家や国民に対する評価基準にしていく、あるいはもっと人事交流をオープンにしてクローズドシステムをぶち壊していく、意識も自由にする、そういうことが必要だと思いますが、全閣僚を代表して総務庁長官、御所見をお伺いいたします。
#13
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かにいろいろ現状を踏まえての御質問だと思うのでございますが、私は必ずしもそうは思わないので、それは結果そうなっているんであって、私いつも申し上げておりますように、公務員一人一人が国民全体への奉仕者であるという意識をしっかり持っておれば、必ずしも省益を考えなくて、まず国益を考えるのが当然だと思うんです。その意識がやや薄れてきておる。
 そして、今御指摘のありましたように、採用もそれぞれの役所が最終的には採用をする、そして交流も必ずしも十分行われてこなかった。そうなると、その役所の中で、人間として出世をしていきたい、少しでも上のポストにつきたい、こういう考え方でおりますから、結果的に省益を考えることになったのかもしれません。私は、一番最初の前提の本当に国家公務員すべてが国民全体の奉仕者であるという意識を持っておれば、たとえそういうシステムであってももう少し変わってきたのではなかろうかと思うわけでございます。
 しかし、それを踏まえて、ことしの八月でございましたか、私がまだここへ来る前でございますけれども、閣議でお決めをいただいたのは、とにかくこれからはキャリア組は五年間三割ずつ削減していくんだとか、あるいは各省庁の部課長になる前に少なくとも二つ以上のほかの役所へ行って修行をしてこいとか、あるいは今検討しておりますのは、人事採用においてもこういう形が果たしていいのかどうか、もう少し何か工夫はないのかということで検討をいたしておるわけでございます。今、現状を踏まえて私ども改善をしていくのは当然だということで努力をしておるつもりでございます。
#14
○片山虎之助君 公務員倫理法制定のお話が多いんですけれども、私は、倫理は心の問題ですから、法律でがんじがらめにやってどういうことになるのかなという気がするわけであります。
 現在の国家公務員法や地方公務員法の不備は補う必要がありますけれども、それより私は、総理や総務庁長官が言われましたように、当面の綱紀粛正、倫理確立のいろんな方策を考えていく。
 何かマスコミの報ずるところによると、各省庁ごとに訓令で倫理規定をつくってもらう、あるいは服務管理者ですか、総括服務管理者を官房長にして部局ごとに服務管理者を置くと、形式を整えるようなお話があるわけで、具体的にどういう格好でまとまるかはなお待ちたいと思いますけれども、法律制定は法律制定として、まず何ができるか、それをやってみて、しかしやっぱり法律でなければだめだということがあればお説を考えていく、この方が私はベターだと思います。
 それから、余り重箱の隅をつつきまくるような細かいことを言うのはどうだろうか。日本の特に中央のお役人の皆さんは大変優秀ですから、私は角を矯めて牛を殺すようなこともいかがかなと、こういう気がいたしているわけであります。
 そういうことを前置きにいたしまして一つ申し上げたいのは、今回、厚生省や通産省で、前には大蔵省でいろんな問題が起こりました。私は、やっぱり信賞必罰ということはどうしても必要だと思うんですね。どうもお役所の処分というのは中途半端なんですね、中途半端。
 私は、国公法という法律がちゃんとあって、八十二条が懲戒処分だったでしょうか、信用失墜行為が九十九条でございますけれども、そういうことから見て、やっぱりぴしっとすべきものはもう情を超えて、大義親を滅すですから、しっかり処分していただかなきゃいかぬ。しかし、それから見てそうでないことは不問に付せばいいんですよ。それが、中をとったようなことをやるからなかなか国民の理解が得られない。やった処分については、最近はやりのアカウンタビリティー、きちっと説明責任をとると、こういうことが必要だと思うんですね。
 そこで、まずお伺いいたしますが、厚生省の前次官の岡光さんの問題について私が一番あれなのは、十一月十九日付で依願退職にしちゃったことなんですね。何で官房付で残さないのか。官房付で残せば、今問題になっているボーナスも退職金もどうにでもなる。まあどうにでもなるというのはおかしいですけれども、出さずに済むわけですね。後の体制をお考えになって、厚生大臣は苦慮されたと思いますよ、おかわりになって間もなくで。しかし、あれをそのまましゅつと依願退職にするのが今までの我が国のやり方なんですよ。
 これについて厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
#15
○国務大臣(小泉純一郎君) 十一月十九日の未明に辞表を受理したこと、そして直ちに退職金の支給を停止したこと、そして速やかに新次官を決定したこと、これは山積する厚生行政の進め方について一日も早く体制の立て直しを図る必要があるということで私が判断したものであります。
 そして、官房付にすればいいじゃないかという話でございますが、当時はまだ本人が新聞に出ている疑惑を否定しております。官房付にすることも不利益処分であります。事実確認を待って、官房付にし、逮捕された時点で懲戒免職にすればいいじゃないかという議論がありました。しかしながら、事実確認には時間がかかる。なおかつ、逮捕された時点で懲戒免職にしたとしても、その場合はボーナスは一〇〇%支払わなければならない規定になっております。逮捕された時点が十二月四日でありますから、十九日に辞任したということでボーナスは八〇%支給しておりますが、もし逮捕された時点で懲戒免職にした場合は、十二月一日にも在職しておりますから、一〇〇%ボーナスは支給しなければなりません。
 諸般の情勢を考えまして、私はあの当時の判断は妥当なものと今でも思っております。
#16
○片山虎之助君 厚生大臣の言われることはわかるんですが、更迭するならすればいいんですよ。官房付で残して、調査をされているんですから、調査がきちっと明らかになってから厚生省としての意思決定をされればいいんですよ。
 それから、今懲戒処分になってもボーナスは一〇〇%ですか、そこのところがよくわかりませんから、事務方、答えてください。
#17
○政府委員(菊池光興君) 懲戒処分前でございますと、当然職員として在職しておりますから、期末手当は一〇〇%出るということになります。もちろん、懲戒処分後でございますと、懲戒免職を受けた後と、こういうことになれば手当は当然なくなります。
#18
○片山虎之助君 そうなると退職金の問題になるんでしょうか。
 そこで、やっぱりこのさっさとやめさせるということが国民の目から見ると臭い物にふたをしたような感じを与えるんですよ。厚生大臣、現に和田さんは官房付で残しているわけでしょう。そのバランスはどうなるんですか。
#19
○国務大臣(小泉純一郎君) 和田氏の場合は官房付にしても厚生行政全体を進める上において支障がないと私は判断いたしました。
#20
○片山虎之助君 余り押し問答したくないんですけれども、岡光さんの場合には支障があり和田さんの場合には支障がないというのは、ポストのことですか。私は残して何の支障があるんだろうかと思いますよ、岡光さんの場合に。
#21
○国務大臣(小泉純一郎君) 最高幹部の次官と審議官の違いであります。
#22
○片山虎之助君 いやいや、それはそういうことを言うのがまたおかしいんですよ。官房付にするのは次官も審議官も同じなんですよ。次官を残すのがおかしくて審議官や局長を残すのが何でおかしくないのかということは一つも説明できない。官房付にした後は仕事は別に特定のあれがあるわけじゃないんですからね。まあ結構ですよ。
 そこで、今盛んに新聞に和田さんその他の例の彩グループの何とか研究会に関する人の処分の報道が載っています。おもしろいんですね、免職から停職からその他まで。これは、処分については基本的にどういう対応をされるおつもりですか。
#23
○国務大臣(小泉純一郎君) 岡光氏の場合は辞表を提出しましたが、和田氏の場合は辞表を提出しておりません。私はできれば本日中には他の処分対象者とともに厳正な処分を行うつもりでおります。
#24
○片山虎之助君 余りこういうことで、私も与党でございますのであれでございますが、通産省の処分につきましても、大変申し上げにくいんですが、私は甘いと思うんですね。というのは、次官だけが減給十分の一、ニカ月なんですよね。あとの官房長と資源エネルギー庁長官と総務審議官でございましたか、三人は訓告で、局長二人は厳重注意か何かなんですよ。それで、訓告、厳重注意は、御承知のようにこれは処分じゃないんですね。しかりおくという事実上の行為で、効果が皆無とは言いませんよ、しかしもう皆無に近い。そういう意味で、次官に、おまえ一人でかぶれと、こういう感じで処分されたんじゃなかろうかと思いますが、私はそれについては特に言いません。
 ただ、これまたマスコミに報ぜられたところによりますと、通産大臣は記者会見で、若干倫理観が欠けても優秀な人がいるんでいいんだと言われたか、どう言われたかわかりませんが、そういう発言をされたということを言われている。私は、正直な言い方でよくわかるんです。よくわかるんですが、やっぱり公務員、特に高級公務員は国民の模範だと思うんですね。若干でも倫理観が欠けることを許すというようなことは私はぐあいが悪いんで、その発言を今さら取り上げるのもいかがかと思いますけれども、通産大臣の御説明をお願いいたしたい。
#25
○国務大臣(佐藤信二君) 通産省の場合は、あくまでも事件性よりか綱紀粛正ということであのような処分をいたしました。確かに、特定の人と何回も会合を持つ、そこにおいて綱紀というものを正さなきゃいけない、こういうことで六名の処分をしたんですが、会食だとかあるいはゴルフ、そういうものの頻度によって訓告、厳重注意処分にしましたし、次官の場合は総合的に監督責任ということにしたんです。
 ここで御理解いただきたいのは、今度の場合は本人の申し立てということを主にいたしました。ということは、事態の推移によって新たな事実が発覚した場合には、本人が虚偽の申告をしたということで直ちに追加の処分を行う、こういうことをはっきり申し渡してございますし、そしてまた、違うことでもって綱紀の素乱があれば、当然処分はいたします。
 今、私がどのように発言したかというふうな御指摘がございましたが、そのようなことを言ったことは事実です。それにはいろんな実は考え方がありましての発言ですから、この場ではちょっと説明は差し控えたいと思います。
#26
○片山虎之助君 まあよろしゅうございましょう。
 そこで次に、先ほどもちょっと言いましたが、私は、公務員の倫理確立の方策の一つとして、もっとオープンに広範に各省庁の人事交流をやったらどうかと。各省庁だけじゃありませんよ、地方ともやる、民間ともやる、国際機関ともやる、大学ともやる、研究所ともやる、いろんな人事交流をもう前広にもっと活発にやるということが一つ。
 人事交流の過程で、自分は実は厚生省なんだけれども通産省の方がいい、通産省に残りたいという人がおったらそれが残れるような、移籍というんでしょうか、プロ野球もフリ一エージェントなんてありますけれども、それを出す方も受け入れる方も移籍自由の環境をつくっていく、横断的なそういう仕組みを、オープンシステムを公務員の制度や運営の中に取り入れていくことはいかがかと思います。
 自分ではそれがベターではないかと思っておりますが、公務員の大先輩でもございます外務大臣に御所見があればお聞きいたしたい。
#27
○国務大臣(池田行彦君) 私が御答弁するのに適格者であるか否か、いささか頭をひねりながらこの場に立っておりますが、私は、一般論といたしまして、人事交流を盛んに行うということ、また、ただいま委員御指摘になりましたように、場合によって最初に入省した官庁とは違う官庁へ移籍するということも従来以上に促進されてしかるべきかと思います。
 ただ、一方において忘れられてならないのは、それぞれの官庁に入りましたときに、自分自身は社会福祉行政に生涯をささげようという気持ち、あるいは教育に生涯をという、そういったお気持ちもあったと思うんですね。そこのところも大切にしなくちゃいけない。そして、一方で幅広い知識を得るためにという人事交流、あるいは途中における移籍というものを考えていく、その両方の兼ね合いではないかと存じます。
#28
○片山虎之助君 外務大臣、外務大臣と申し上げたのはいけません。国務大臣として、公務員OBとしての御所見をお聞きいたしたわけであります。
 それで、人事交流と並びまして、人事交流は総務庁長官の言われるように、課長になるまで原則二回出向だと、あれは大変いいと思います。ぜひもっとそれを大々的にやっていただきたいと思いますが、採用の方も前から一括採用の話があるんですね、よその国にはありますけれども。ただ、これは後の人事管理ができませんし、私は大変難しいと思いますが、それなら次善の策としてグルーピングで採用していく。それで、ある程度ソフトな、緩やかな、広域的な、広域的というんでしょうか横断的な人事管理をしていく。
 そういうことができれば、これもいいことではないかと思いますが、これまた国務大臣にして公務員OBの亀井建設大臣の御所見を承ります。
#29
○国務大臣(亀井静香君) 公務員の採用、その後、任用、配置等のあり方というのは、理屈ではいろいろありますが、非常に難しい問題があると思います。
 一つは、一括採用の問題ですが、私は警察官を希望したんですけれども、警察を希望して入ったら建設省の仕事ばかりさせられるとか、あるいは通産省の仕事ばかりさせられるというのであれば、人生の目的というのがそれぞれにあるわけですから、公務員のモラルという面においてもやはり問題が生じてくる可能性があると私は思います。
 それと、野球でもセリーグ六球団ありますけれども、第一巨人軍、第二巨人軍というように巨人が一括採用して六つに分けて試合をやったって、これは余りおもしろくもおかしくもありませんし、緊張感が欠けるという点もあると思います。
 やはり私は、それぞれの独立性、人生を公務員で生きていこうという場合もそれぞれ目的があるわけですから、それをいわば機械のような形で公務員を扱うということは問題であろうかと思います。ただ、視野を広げるとか省庁間の疎通をスムーズにするという意味で、人事交流をやるということは私はいいと思います。
#30
○片山虎之助君 私は、一括じゃないんですよ、グルーピングで。例えば、建設省と似たような幾つかの省で技術系の方を中心に一括採用して、機械的じやありませんよ、本人の意向を中心に建設省なら建設省が採る、ほかの省ならほかの省と、こういうことができないかと。
 昔の内務省は、建設大臣よく御承知のように、今五つか六つに分かれておりますけれども、みんな内務省で採っていろんなところへやったんですよ。そうですね。厚生省から、建設省から、警察から、労働省から、自治省から、もういろんなことをやったわけです、今の総理府みたいなことまで。私は、何か緩やかな形でそういうことができることが、今の縦割り、タコつぼ、クローズドシステムの打破につながるんではなかろうかと、こう考えているわけであります。
 そこで、この前も予算委員会で議論が出ましたが、私は、やはり官僚を志してお役人になったら、終生、官僚で終えることができる、貫徹することができるシステムをつくるべきではないかと。もう五十のころから最も働き盛りの人の肩をたたいてやめさせていく、そのために外郭団体や認可法人をつくっていく、こういうあり方がいいとは思いませんね。国家的な人間の使い方の経済からいってもこんなにむだなことは私はないと思う。だから、ピラミッド型になっておりますから同期がだんだんポストが少なくなるのは仕方がありませんが、ただ、同期の中の何人かは局長になり次官になっていっても、残りの人もちゃんと所を得て働ける、スペシャリストというんでしょうか、スタッフ職というんでしょうか、何かそういうものをあんばいして、トータルとして六十定年なら六十定年まできっちりやっていける。
 優秀な人は勤務延長で六十五まで。もう今皆さん若いんですから、年齢掛ける〇・八なんだから、六十でも、六、八、四十八なんですよ。だから、そういう人をうまく使っていくということを考えた方が、何かわけのわからぬと言ったらしかられますけれども、天下り先を開拓して必死になって官房長が朝から晩まで走り回るとか、御本人もそわそわして、こびを売るわけでもないんでしょうけれども、一生懸命ごまをするような今のあり方が私はいいとは思わない。
 とにかく、きちっと役人として生涯を国のためにささげて終わる、そのためには待遇もしっかりしている、こういう仕組みをぜひつくっていただきたいと思いますが、総務庁長官いかがでございましょうか。
#31
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに退職規定では定年は六十歳ということになっておるわけでございますから、六十歳まで働きたい人は私はできるだけ働くようにしていくというのが本当だろうと思います。そして、結果的に勧奨退職が天下りの要因にもなっていることも事実だと思いますし、世間から天下りが非常に批判されていることを考えれば、余り勧奨退職を積極的にやるべきではないと。
 ただ、この間も御答弁申し上げましたように、本人自身が、五十幾つになった、新しい分野でひとつまた自分の能力を発揮していきたい、こうやっておやめになることは私は結構かと思うのでございますけれども、本人の意思に反してまでやめたらどうかということを非常に強く言うというのはいかがなものであろうか。
 ただ、もう一つその中で、これは私も今勉強中でございますが、退職金規定の問題がたしかあると思うんです。結局、年をとってくると何かしらん退職金はふえていかないというようなところにも私は一つの問題点があるのではないか。この点も私はあわせて、これからの一つのこういう問題をどう持っていったらいいのかということの中でぜひ検討していきたい、こう考えております。
#32
○片山虎之助君 公務員の現役時代、OBといいますか、退職を含めての待遇改善については私は御検討いただきたい、こういうふうに思います。
 次に、先ほど総務庁長官は、全体の奉仕者である意識が公務員にあれば今回のいろんな不祥事も防げたし、もっといろんな前進があったろうという御発言をされましたが、私はそういう意味での、省ごとじゃなくて全体の奉仕者、国民の公僕という観点からの研修というんでしょうか、教育というんでしょうか、そういうことが、今もされていると思いますけれども、もっと徹底されてされるべきではないかと。
 それから例えば、公務員になる人には申しわけないんだけれども、半年か一年かは介護や福祉のボランティアをもう義務づけてやらせる、そういうことを含めての何か思い切ったアイデアはないかと思いますが、人事院総裁、来られておりましたら御所見をお願いいたします。
#33
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。
 ただいまお話がございましたとおりに、公務員はまず何よりも国民全体の奉仕者であるという認識を基本とする公務員倫理を実践することが強く求められておるところでございまして、このため職員の公務員倫理の綱領とそれを維持するための不断の努力が必要とされているところでございます。
 さらに、省益にとらわれずに政府全体の立場、かつ国民の立場に立った価値観とか行政ニーズの多様化に対応していく行政を遂行する姿勢が求められているところでございますが、人事院といたしましては、職員の意識、態度の改善向上を図る教育活動としての研修がこれに大きな役割を果たす、御指摘のとおりでございます、その認識に基づきまして今後その拡充を図る所存でございます。
 なお、来年度から実施いたしますT種試験の省庁合同の長期初任研修を、初年度でございますのでとりあえず三カ月でございますが、全体の奉仕者としての公務員のあり方や心構えや国民に密着をいたしました行政のあり方を学ばせるためのただいま御指摘のボランティアの研修などについて特に力を入れてまいりたいと考えておるところでございます。
#34
○片山虎之助君 それでは、この問題の最後に、いわゆるキャリアシステムーキャリア、ノンキャリアなんでいい言葉じゃないんですけれども、キャリアシステムのあり方についてお伺いいたしたいと思います。
 公務員の採用試験が上級と、上級も分かれておりますけれども、中級と初級があるのは私は仕方がないと思う。しかし、それで通った後、仕事の類型もある程度最初はスタートが違っても仕方がないと思います。思いますけれども、扱いをきっちり固定していくというのはいかがかなと。中級や初級でも優秀な人は大勢おるんです。上級でも必ずしもという人もおるわけであります。
 私はそういう意味での、固定化じゃなくて流動化というんでしょうか、場合によってはいわゆるノンキャリアの人でも上に上げていく、こういう仕組みをぜひ取り入れたらどうか、こういう気がいたしますが、これにつきましては同じく国務大臣で公務員OBの労働大臣の御所見と、その後、総括を総務庁長官にお願いいたします。
#35
○国務大臣(岡野裕君) 片山先生、先ほどメリットシステムというお話がございました。上級甲で、言葉の使い方が古いのでありますが、上級甲、上級乙あるいは中級職等々の資格試験で通った者をそれぞれ相当人員数各役所で採用しているかと思います。しかしながら、長い職場生活の中で十年、二十年たつまでの間には、その者の学歴あるいは最終卒業校の成績といいますものと、その役所におきますところの仕事ぶり、その成果のいかん、おのずと差異が出てまいっております。
 したがいまして、各省庁全部共通だとはよくわかりませんけれども、私が若干存じておりますところでは、上級甲で入りました者でも課長クラスあるいは地方局長クラスで終わるという者もございますが、上級乙あるいは当該省庁の中における研修システムの優秀者、これを本省局長をもって遇するというような本人の能力主義、これが官庁においても相当数取り上げられているのではないか。私は短い経験の中で物を申しておりますので全体の省庁についてではございませんけれども、私の一応の見解を申し述べますと以上のとおりであります。
#36
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど私、八月と申しましたが、七月二十日のようでございます。そのときにお決めいただいたのが、T種は五年間で三割縮減をする、それからU種以上の、あるいはU種以外も結構でございますが、そういうところからよりよい人材というものは積極的に活用していこうと、こういうことでそのときお決めをいただいたようでございますので、今はそれに従って私どもやっているわけでございます。
#37
○片山虎之助君 それでは、次に行政改革の問題に移りたいと思います。
 橋本総理は、第二次橋本内閣発足以降、五つの改革を掲げられまして果敢にそれに取り組んでおられる。特に行政改革にかける総理の熱意は、「身を燃焼させ尽くしても」と、こういう表現をされているぐらいの熱意を示されておりますことに敬意を表したいと思います。
 巷間では火だるま行革だとか、あるいは火の玉でしょうか、財政再建の方は火の車でございますけれども、そういう意味でいろいろなことが言われているわけでありますが、私は、行政改革が成功するためには国民の理解と協力、特に応援がなければなかなかできないと思うんですね。そういう意味で国民にわかりやすく伝えていただくことが必要ではなかろうか。国民の方の熟度というんでしょうか、熱意は今のところ私はもう一つだと思いますね。
 橋本総理とともに行革を頑張られた第二次臨調の土光敏夫会長は、増税なき財政再建ということを言われて、これは大変わかりやすいんですね。あの当時の行革でそれが人口に膳表されたわけであります。メザシの土光さんでございますけれども、そういう意味でぜひ国民にわかりやすく伝えていただくことと、それからできれば橋本行革のキャッチフレーズを何かつくっていただいて、私はそれを旗印にしていただいたらいかがかと思いますけれども、総理の御所見をお伺いいたします。
#38
○国務大臣(橋本龍太郎君) その点に触れる前に、先ほど武藤総務庁長官からも御答弁のありましたキャリアシステムの見直しについて一言私からも感想を述べたいと思います。
 今、高齢社会というものが現実のものになりまして、お年寄りに対する行政というものが極めて大切になっております。しかし、その行政の基本になっております老人福祉法は、私の記憶するところでは、当時の厚生省としては珍しいキャリア外の課長の発案により、しかも省内の空気は非常に冷たい空気でありました中で、彼が二年ぐらいかけてその必要性を訴え続け老人福祉法の制定に結びつけていったと考えております。
 しかしその後、それが公務員としての評価につながったかというならば、つながらなかったと私は記憶いたしておりますが、現在、老人福祉法がなければ高齢社会における行政の基本法を我々は持たないわけでありまして、そうした点からも私は人材の登用というものはより弾力的であるべきだと思います。そして、そういうことを進めていきますためにも、私は今の行政の仕組みというのは変えなければならないと思っております。
 もともと私は、本当に人生五十年の時代に形づくられました行政の仕組みが、人生八十年の時代になってもう限界ではないかという視点から行政改革というものを唱えてまいりました。それに加えて、土光臨調の時代と全く異質になりましたのは、まさに国際情勢の変化であります。いわゆる東西二大陣営の対立といったものがなくなり、各国ほとんどの国が民主主義を標榜し、同時に市場経済を主張するようになり、本当にその意味では世界が大きく変化をいたしました。まさに二大陣営対立の時代に形づくられた行政の仕組みで世界じゅうが市場経済化していく中に対応できるのか、こういう視点も私はあると思っております。言いかえるなら、我々は今、本当に激変する社会の中で、どうやったら二十一世紀というものを見据えて、二十一世紀の日本というものがなお活力を持った社会を維持し続けることができるのか。
 高齢化というものはもう現実のものになりました。そして、それに対し世界も大きく変化をいたしております。それに伴って、当然これに対応する経済社会システムというものも我々はつくり出さなければなりません。言いかえれば、そういう時代にそれでは国家が果たす役割、機能というのは何なんだ。私は、まずこれを明らかにしたいと思いますし、その上で中央省庁のあり方というものを考えていきたいと思います。当然ながら、その間に規制の緩和、撤廃というものは進むわけでありますし、また地方分権も進めなければなりません。その一点からだけでも中央の行政はスリム化できるわけです。
 こうしたことを皆組み合わせながら、私は、時代の変化に対応できる、そして国民のニーズに合ったサービスを提供できる、しかもそれを効率的に提供できる行政の仕組みというものを実現する、そのような目標を行政改革というものに置いております。それには財政の仕組み、社会保障の抱えている課題、国際的に基軸通貨が二つ生まれようとしている金融システムに対応する金融システム、当然ながらそうしたものは全部必要になってきます。産業自身もそうです。
 私は、キャッチフレーズづくりというのは自分でやったこともありませんし、そういうものは余りうまくありませんけれども、要するに国民のためになる行政あるいは国民のニーズにこたえる行政、それを求めていくのが我々の責任ではなかろうか、そのように考えております。
#39
○片山虎之助君 今、総理が大変整理して言っていただきました。国際的な変化への対応あるいは国民のニーズにこたえる行政、財政再建、私は大ざっぱに整理すればそういうことに行革の目標、ねらいはなるんではなかろうかと思うんです。
 私が今申し上げたのは、国民にわからせる、わかってもらって、よし、そうでなきゃいかぬなと国民に思わせる、こういう努力をやらないと、永田町や霞が関というか東京といいますか、ここだけでやっているんではなかなか行革はうまくいかないんではなかろうか、こういうことを申し上げた次第であります。
 今、もう先に総理に答弁していただいたんですが、私は、行革の基本は公の仕事減らし、国民の税金を使ってやる公の仕事の量を減らして質を高めることだと思うんです。そういう意味では、公と民というか官と民の線引きをきちっとして、しかも国民のニーズにこたえてそれを絶えず見直すことではなかろうかと。
 恐らく、ミニマムは夜警国家なんでしょうね、夜回りだけすればよろしいという。それから、恐らくマキシマムは国民の非常にいろんなことにすべてこたえる福祉国家なんでしょうね。その間の選択を時代時代で私はしていくことだろうと思いますけれども、国は何のためにあるのか、何をすべきか、そのためには限られた国民の税金で、公の仕事はどの範囲か、しかもその範囲の仕事はできるだけ質を高めて効率化する、こういうことが私は行革の基本だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 だんだん行革がホットになってきますと、場合によっては、オール永田町対オール霞が関なんかということにならぬ方がいいんですけれども、一緒に手を組んでやるのが私はいいと思うんですけれども、もしそういうことになりましても、オール永田町のキャプテンとしてぜひ総理には陣頭に立って頑張っていただきたい、それが国民の期待だと思いますけれども、重ねて総理の御決意をお伺いいたします。
#40
○国務大臣(橋本龍太郎君) 多分本日、参議院の御審議のすべて終了いたしました段階で、行政改革委員会の方から官民の役割分担、言いかえるなら行政と民間の活動領域を洗い直すための基準を意見としてちょうだいできるのではないか、そのように期待をいたしております。
 そして、議員が御指摘になられたように、簡素で本当に効率的な、しかも質の高い国民本位の行政システムというものを求めてまいります。当然のことながら官民の役割分担というものを明確にしていく必要がございますし、それは行政が民間の活動領域を侵すことなく必要最小限の活動領域を担う、そして民間部門が自立的かつ主体的に活動できるシステムを構築する、そのようなところにあると存じます。
 オール霞が関対オール永田町と言われましたが、土光臨調時代、党側の責任者としての私の感じは、オール霞が関プラス永田町の相当部分までが敵軍であって、永田町のごく一部からの支援によってあの時期を乗り越えたという記憶でございました。どうぞ各論の段階になりましても、せめてオール永田町で戦うことができますような御協力をぜひよろしくお願いいたします。
#41
○片山虎之助君 永田町側の足並みが乱れるなら、ぜひ総理、国民を味方につけて、国民の大応援団の力で行革を進めていただきたい、こう思います。
 そこで、今言いました仕事減らしならば、規制緩和や地方分権が先行すべきで、それをやった後、仕事が減った後、中央省庁の再編成をどうするかなんですね。それをほっといて中央省庁の再編成を並行でやりますと、仕事が減らない限り中央省庁の再編成をどうやっても人も組織も予算も私は減らないと思うんです。組み合わせを変えるだけみたいな話になるんで、徹底的な規制緩和、徹底した地方分権をやって仕事の総量を減らした後、中央省庁の再編成をやることが順番として適当ではないか。その辺はどうでしょう、今何か並行して走るんではないかと。私は、並行して成功するだろうか、こういう気がいたしておりますが。
#42
○国務大臣(橋本龍太郎君) 仮に、例えば十年なり十五年というタイムラグをとってこの目標を追求することが許される状態であるなら、私は議員の御指摘はそのとおりだと思います。しかし、果たして現在の日本にそれだけの時間的なゆとりを与えられているかといいますと、私はそれほどの時間差を与えられていると思っておりません。
 そして確かに、私、自分が総理になりましてから、ことしの春、住宅関係、輸入住宅の規制緩和を一つ例示的に取り上げて強引にこれを進めてみました。全く予想しない省庁を含めて、輸入住宅が入ってきて建てられるまでに規制緩和を必要とする省庁は六省庁にまたがりました。
 こういうことを考えてみますと、私は議員が御指摘になる手順を踏むのは本筋だと思います。そして、その中には地方の持っておられる権限部分を地方に直していただくものもございましたから、時間が十分にあるなら私は議員の御指摘は至当なものだと思います。しかし、それほどの時間のゆとりは我々にはない。
 となれば、並行しながら走っていく、そしてしかも一定の成功のラインには到達しなければならない。非常に厳しいハードルを与えられておりますけれども、我々はそれをやり上げなきゃなりません。ぜひお力添えを心から願う次第であります。
#43
○片山虎之助君 総理の言われることはよくわかります。私は、中央省庁の再編成をやるにしましても、やはり規制緩和をしっかりやる、地方分権をやるということを前提にというのか、観念的に、それをきちっとした上でないと、そっちの方はほっといて中央省庁再編成というのは余り意味がないと、こういうことを申し上げたいわけであります。
 そこで、今世界的に大変行革した例にニュージーランドとカナダが挙がっているんですね。もうニュージーランドについてはここにおられる閣僚の皆さん、議員の皆さんも相当いろいろお知りになっていると思いますけれども、徹底した自由化というか経済構造改革によって、ある意味では
 ニュージーランドの経済や財政やいろんなものを、産業を生き返らせた、こういうふうに思うわけであります。
 そこで象徴的に言われるのが、運輸省は三千人おったというんです、ニュージーランドは。小さな国ですからよくも三千人おったと思うんですけれども、やっぱり国営企業だったんでしょうね、運輸関係の。それが六十人になったと。日本の運輸省は三万人幾らだそうですから、その伝でいくと六百人になる、こういうことになるわけであります。
 それは置いておきまして、もう徹底したバスやタクシーや飛行機や港湾を含めていろんなことの自由化をやった、許認可を取っ払った、それによって人数も減りいろんなプラスの効果が出た、こういうことが言われておりますけれども、日本でも運輸省は許認可の塊みたいなものだと、こういうことを言う人もいます。
 そこで運輸大臣、ニュージーランドの例につきましての御所見、御感想をお伺いいたしたい。
#44
○国務大臣(古賀誠君) 先生御指摘のとおり、ニュージーランドがよく行政改革の成功と申しますか、例として言われるわけでございます。運輸省だけではないと思いますが、運輸省に限って今御指摘をいただいた点でございますが、運輸省といたしましても規制緩和、規制の廃止につきましては今積極的に取り組ませていただいているところでございます。
 また、ニュージーランドの例を私なりに調べてみましたけれども、ニュージーランドの運輸省では交通関係も実は所管してあったようでございまして、これらの職員の方々は警察庁の方に移籍をされているようでございます。また、従来の行政業務を新たな行政業務に移管されたり、また同時に新しい公社を設けられたりというようなことで、行政改革が進められているように承知いたしております。
 ただ、我が国とニュージーランドは、委員も今御指摘いただいたように、例えば人口だとか経済の規模も大変大きく違っております。また、社会の成り立ちも違っているようでございます。ニュージーランドのように、今お話しいただいているような職員の大幅な減少ができるかどうか、甚だ今の段階では疑問に思っているところでございますが、これからの行政改革の中で十分参考にさせていただき、私たちも学んでいきたい、このように認識をいたしております。
#45
○片山虎之助君 カナダの場合は財政赤字を削減するということが大きな目的だったようでありますけれども、九四年から四年間に連邦経費を平均二一・五%カットした、それから公務員も四万五千人縮減したと、振りかえはもちろん民営化と外注化でしょうか、そういうことのようですけれども、これもしかしかなり思い切ったことをこの国もやったなという気がいたしますが、総務庁長官、御所見があれば。
#46
○国務大臣(武藤嘉文君) 率直に言って、ニュージーランドの場合には余り私は参考にならないんじゃないかと。カナダの場合はやはり日本とある程度似通った、人口は確かに少のうございますけれども、社会経済情勢などは似ておりますので、私はカナダの行政改革というものはぜひひとつ十分参考にしてこれから進めさせていただきたいと考えております。
#47
○片山虎之助君 そこで、行政改革と絡むのが国民負担率のあり方なんですね。これはいろいろ議論がございますが、現在の国民負担率はどのくらいかということと、それから、来年度はまだぴしっと決まったわけではありませんが、総理の御答弁その他から特別減税は打ち切る、あるいは消費税が上がると、そういうことを含めて来年度の国民負担率はどういうことになるのか。それから、あるいは二十一世紀初頭でも結構でございますけれども、その国民負担率の推移について、大蔵大臣、御説明お願いします。
#48
○国務大臣(三塚博君) その前に、この負担率でありますが、平成八年度では三七・二%、御案内のとおりに租税負担が二三・一、そして社会保障負担が一四・一で、三七・二であります。
 象徴的にいつも対比されまするのが北欧三国のスウェーデン、大変社会保障が、オギャーと生まれましてから天国に召されるまで、人生をエンジョイしながら、この国のため、この地域のためにということで頑張っておられる民族であります。スポーツも強い、国際社会における文化、芸術の分野においても極めてすぐれておるという評価があります。七〇%に相なっております。租税負担が五〇・二、そして社会保障負担が一九・八、言うなれば一九・八は個人の負担と、こういうことになりますでしょうか。
 こういうことで、これからどうなりますかという片山委員のことでありますが、着実に微増していくことだけは我が国の場合見てとれるわけであります。各種調査会、審議会等の報告にもありますように、二〇二〇年、二〇二五年ということになりますと、五〇を超えるであろう。しかし、五〇を超えると、我が国経済は国民の活力がどうなりますかという深刻な問題がありますから、そうなりませんように行財政改革、経済システムというものを変えていかなければなりませんし、最大のポイントは、自立する国民、自己責任を持つ国民というこのコンセンサスが生まれてまいりませんと、あなた任せで大きな政府ではどうにもならぬのではないでしょうか。
#49
○片山虎之助君 来年度の国民負担率、わかりますか、事務方。
#50
○政府委員(林正和君) 現時点ではわかりません。
#51
○片山虎之助君 国債によって肩がわっているものを含めた国民負担率を潜在的な国民負担率と財政審の特別部会なんかは言っているんですね。これはどのくらいになるんでしょうか。
#52
○政府委員(林正和君) 先生御指摘のように、先般財政制度審議会におきまして取りまとめられました最終報告によりますと、我が国における国民負担率は、財政赤字の分が負担されていないことから見かけ上低くなっているという指摘をした上で、国民負担率に財政赤字を加えたこのものを、潜在的な国民負担率という概念を考え合わせる必要があるというふうにしてございます。
 潜在的な国民負担率については私ども必ずしも明確な定義があるわけではございませんが、例えば先般経済審議会が公表されました試算におきましては、国民負担率に一般政府の財政赤字比率、対国民所得比でございますが、これを加えたものを潜在的な国民負担率として考えておられます。この試算によりますと、平成六年度末で、国民負担率三五・八%、これに一般政府の財政赤字対国民所得比三・四%を加えたもの、三九・二%というようになってございます。
#53
○片山虎之助君 潜在的な国民負担率というんですけれども、国民負担率なんですよ。本来、税で持つべきものを、今言いましたように国債に肩がわっているわけですから、国民負担率の議論をするときに、正式な国民負担率は租税負担と社会保障負担なんですけれども、私は念頭に置きながら議論しないとおかしいことになるんではなかろうかと。
 そこで、総理は将来の国民負担率はできれば四〇%台の半ばがベターである、こういうことを言われたと思うんですが、今の念頭に置くべき潜在的国民負担率を入れますと平成六年度末で四〇%なんですね。私は今はもう四二、三%だと思いますよ。そういうことで、その辺を含めて将来のあるべき国民負担率について総理はどのようにお考えでしょうか。
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私がこの数字を使い始めましたのは、第二次臨時行政調査会の作業の中におきまして、国民負担率の目標というものを高齢化のピークに達する時点においても大体五〇%以内、できれば四五%程度にとどめたいという考え方が示されました時点からでございました。そして私は、当然のことながら、議員が今指摘されましたように、潜在的な国民負担率という言葉が本来は国民負担率そのものだと思っております。ですから、今改めて九四年度の数字において三五・幾つという数字を言いましたが、私は外でお話をするときに、多分三八から九ぐらいでしようという言い方でこの問題について触れてまいりました。
 ということは、ここから先、我々はこの財政赤字を縮小させることに非常に大きな努力を払わなければならないということであります。そして、今、産構審あるいは経済審等々、部会、小委員会等でさまざまな作業がなされておりますし、その数字にはいろいろな変化がございますけれども、いずれにしても、財政構造改革も行わず社会保障構造改革も行わない場合においては、二〇二五年時点における日本が完全な破産状態であるという見通しはだれの数字も間違いがありません。
 となれば、私どもは次年度の予算編成からスタートをし、まさにこれから先いかにして国民負担率の上昇を、その潜在的な部分も含めながら抑えていくかに対しての方途を講じていかなければなりません。しかし、それだけの状況にあることを必ずしも国民に十分お知らせをしてこなかったことも事実でありますから、我々は産構審あるいは経済審、財政審等の御議論の中での現状と将来の何らシステムの変更がない場合いかなる状態になるかということとともに、そのために我々はこうした施策をとりたいということを国民に御説明をしていく責任があると思います。そして、いずれの試算によりましても、財政構造改革と同時に並行して社会保障制度の構造改革を行っていかなければ、潜在的な部分を含めまして国民負担率は破局に向かうという数字が出ております。
 当然ながら、高齢化の進展に伴って国民負担率はある程度上昇せざるを得ません。要は、次代の国民が背負い切れる範囲にこれを縮小するために何をするか、それが求められることであり、そこから財政構造改革並びに社会保障構造改革ということを今回も私は訴えております。
#55
○片山虎之助君 そうなんですね。これから行財政は大変なリストラ、行革をやっていく。国民の皆さんに対するサービスはもう低下せざるを得ない、いろんな意味で、それと同時に、国民の皆さんの自己負担というんでしょうか、利用者負担というんでしょうか、それがふえていくことの選択を私は国民の皆さんにわかっていただく必要が今後あると思いますね。それはもう痛みを国民に分かつような大変厳しい努力ですけれども、ぜひそれをお願いいたしたいと、こういうふうに思います。
 そこで、今次行革の試金石と言われるのが大蔵省改革なんですね。金融機関に対する検査や監督機能を大蔵省から分離して、一体として、今のところ総理府の外局なんでしょうか、国家行政組織法三条機関をつくってそこで一元的にやるけれども、大蔵省の方には、企画立案かあるいは国際的調整か何か知りませんが、金融局ができてそっちの方に残ると。あるいは、大蔵省所管の金融機関ではなくて、農水省や労働省や通産省所管の金融機関についても一元的にそこで掌握する、場合によっては共管にすると、こういうことが与党三党で議論され煮詰められているようでありますけれども、私は個人的に見まして、大変これも難点が多いような気も実はするわけですね。
 私は大蔵省から分離することは賛成ですけれども、完全な分離というのはなかなか大変なことになるわけですね。あるいは一部の政党が言うように、企画立案まで一元的に持っていくということも一つの案だと思いますけれども、そうすればそうしたで難点が出る、大蔵省の方に全く検査や監督機能を残さなくてもいいのかという議論になる。あるいは、仮にトップをお役人にした場合に責任大臣はどういうことになるのか、国際会議はどういうことになるのか、あるいはほかの省の金融機関の検査・監督まで全部一元化した場合に、共管で残すとすれば手続や責任のあり方が大変わかりにくくなるんではなかろうかと、難点があると思います。
 しかし、ここまで来た以上ぜひ成功させなければなりませんけれども、総理も国会で答弁されておりますが、再度総理の基本的な考えを、現時点で言える範囲で結構ですけれどもお聞きいたしたいと思いますのと、統合側に入っております農林水産大臣のこの問題に対する御所見をお聞きいたしたいと思います。
#56
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員からも御指摘がございましたように、金融行政機構のあり方につきまして現在与党三党において検討が進められておりますし、私どもは、当然ながら政権の責任を持ちつつ、与党と十分御相談をしながら、その政策的な合意を踏まえてできるだけ早期に具体的な結論を出す責任がございます。
 そして、私どもは次期通常国会に関連する法律案を提案させていただきたいと考えておりますが、私自身の頭の中にございますのは、住専国会等の御論議の中から摘出されましたさまざまな問題を考えましても、改革を行いました後の機構というものは、現在大蔵省が所管をしている民間金融機関だけではなくて、さまざまな民間金融機関を行政の対象とすることの方が望ましいのではないか、これは私自身そのような思いを持っております。そして、当然ながらその場合には、現在の大蔵省という行政庁から切り離された存在にこの機関はなるでありましょう。その上で、国際会議と今御指摘がありましたので、その場合にどういうつながりを、例えば点線なのか下線なのか実線を引くのかといったような問題はございます。
 それから、やはり金融市場というものの一体性、特にその金融システム改革等を考えてまいりますと、縦割りの業態でありますとか、あるいは業法の枠を超えてその市場を考えなければならなくなるわけであります。そうした観点から考えましたとき、大蔵省の証券局と銀行局が統合されて、仮に金融局とでもいうんでしょうか、そうした仕組みに変化をするといったことも金融システム改革を実現していくという視点を考えますときに必要なことではなかろうか、そのように思っております。
#57
○国務大臣(藤本孝雄君) 先生御承知のように、農協系統は信用事業、経済事業、それから共済事業、そういう事業を総合的に行っておるわけでございまして、同時にその信用事業と経済事業、共済事業というのは非常に密接な関係がございます。そういうことから農林水産省といたしましては、農政上の見地、つまり系統の経営の安定という見地から総合的に今まで検査・監督を行ってきた、こういう事情がございます。
 今度、金融の一元化ということで金融検査・監督庁というものができて、農林水産省の検査・監督をしております信用事業をここで検査・監督する、そういうことになりました場合にも、先ほど申し上げましたように非常に関係があるわけでございますので、我々としては、農政上の見地からこの信用事業につきましてはこれまでと同じように検査・監督をする必要があるというふうに思っております。
 それから、効率の問題、共管の問題についてのお尋ねでございますけれども、これは従来から大蔵省と共管でやってまいったわけでございまして、要はやり方によって効率は十分図っていけるというふうに考えております。今、与党を中心といたしましてこの組織の問題、業務範囲の問題について御議論があるわけでございますので、その行方については私どもは注意深く見ておる、こういう状況でございます。
#58
○片山虎之助君 今、総理及び農水大臣から御答弁いただきましたが、大蔵省の分離といいましても大蔵省との人事を全く考慮しないと、独自で、行った人は行きっ放したと。何とか庁がそこで自分で採用して養成していくということがスムーズにできるのかどうか。大蔵省に依存するようなら、また大蔵省の植民地になっちゃいますしね。その辺は大変難しい問題があるし、農水大臣に今お話を聞くと、共管でもやり方だということでございますけれども、その辺の整理をしながら、ぜひ大蔵省改革のいい案ができることを期待いたしたい、こう思います。
 それから、最近大変関心がありますのはNTTの分割の問題でございまして、先般、郵政省とNTT当局でおおよその合意になった。お互いの意見がそれまではやや対立的であったわけでありますけれども、持ち株会社をつくって三つに分割していく、しかも連結納税方式を入れると。ところが、持ち株会社も連結納税もまだ我が国の制度にはないんですね。ただ、特殊会社だから例外的に認めるというのか、あるいはこれが一般的な制度の一つの突破口になるのかよくわかりませんが。
 それはおいておきまして、私個人の感想を言いますと、両方の言い分をうまく取り入れた大変頭のいい人が考えた案だと思いますけれども、その結果、この仕組みによるメリット、効果がちゃんと出るんだろうかなと。例えば、これによって本当に競争が起こってサービスがよくなり、料金が下がるんだろうか、適正な競争条件があってほかの会社の間でも保たれるんだろうか。あるいは、NTTが盛んに言っておりました基盤的な研究開発を一元的にやらないと国際的に立ちおくれるんだ、こういうこともちゃんといくんだろうか。まあその辺はいくかもしれませんね。あるいは、西日本会社というのはどうも赤字臭い、これはどういうことになるのか。
 その辺につきまして、恐らくこれからの話だと私は思いますけれども、郵政大臣の御所見を、国民は関心がありますから、お聞かせいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(堀之内久男君) ただいま委員の御指摘いただきましたNTTの再編成につきましては、もう御案内のとおり、今回、持ち株会社を中心にして、地域二社そして長距離一社という三社の体制で再編成に合意をいたしたところでございます。この再編成の方針を定めるに当たっては、電通審の趣旨に沿って関係者であるNTTの意見を十分聴取して行ったところでございました。
 ただいまこういう三社に再編成することによってのメリットということについてのお尋ねがございましたが、一番心配されておりました研究開発につきましては、特に基盤的研究開発を持ち株会社に全部行わせると、こういう点でNTTの懸念にも配慮をされておるわけであります。
 また一方、再編各社間の相互競争や地域と長距離間の公正競争の確保については、公正有効競争が確保されるように、今後この再編成に当たっては、我々いろいろ配慮をしていきたいと思いますので相当程度の前進がなされると、こういうように考えております。こういう競争の改善を通じまして、料金の低廉化やサービスの向上が図られていくものと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#60
○片山虎之助君 それでは、財政再建に入ります。
 我が国の財政が大変悪化していることは御承知のとおりであります。国、地方合わせて四百四十二兆円の債務残高、国民一人当たり三百五十二万の借金を抱えておりまして、ストックで言うとGDP比約九〇%、フローで言いまして七・四%。イタリアという国がありますけれども、世界最悪の水準であります。これがために、当面の目標としてプライマリーバランスをとるべきだ、国債費を除いた歳出と国債発行による収入以外の歳入をバランスさせると、こういうことで来年度は財政構造改革元年と、こういうことが打ち出されておるわけであります。
 そういう中で総理は、来年度の国債発行を三兆円減額しろと、こういう御指示を出した。私は財政構造改革元年にするための第一歩だと、こういうふうに受けとめておりますけれども、三兆円の根拠はどういうことでございましょうか。
 それと、平成八年度の補正予算議論が盛んであります。決まったかどうか、私も必ずしも定かではありませんけれども、五兆二千億か何かになる。
 そこで、こういうことも言いにくいんですけれども、私はあえて申し上げますと、今までの我が国の予算編成は、当初予算はシーリングが厳しくて大変なんです。補正予算はそうでもないんです。緩急バランスがとれてうまくやってきたようなところが実はあるんです。そこをしっかりしないと、来年度は財政構造改革元年ですか、ということになるのかなという心配をいたしておりますけれども、この点、総理と大蔵大臣の御所見を承ります。
#61
○国務大臣(三塚博君) ただいまの危機的状況の分析は御説のとおりであります。よって、思い切った決断でリーダーシップを発揮する中で財政危機を乗り切っていかなければならない初年度にしていかなければならぬ、こう決意をいたしております。三兆円をめどに、三兆円以上を達成するためにありとあらゆる努力をいたしますから、御期待ください。
 それと、もう一つは補正予算でありますが、御説のとおり、当初予算の際の深刻な論争、決定の経過と、補正はその都度起きます経済、災害等々の問題でありますから多少の違いはありましょうけれども、財政再建元年ということでありますと九年度当初と一体的に見ていかなければならぬのではないでしょうか、そう思っております。
#62
○国務大臣(橋本龍太郎君) 何回か大蔵大臣と平成九年度予算についての考え方、打ち合わせをさせていただきました。そして、今まで過去一番多かった公債の減額幅は、昭和五十六年度予算二兆円というのが一番大きかったようでございます。
 私は、正直それを頭に置いたわけでもありませんけれども、今回少なくともその三兆円規模というものは縮減をする必要がある。今回、十二兆円の特例公債を含めて二十一兆円という公債発行に依存せざるを得なかった八年度編成を考えますときに、少なくともそれを三兆円ぐらいは下回る、そこまで圧縮する努力はすべきだ。そんな感じで、過去最大の公債減額幅を上回る三兆円以上の公債減額を実現するように最大限努力してほしいということを私は大蔵大臣に申し上げてまいりました。
 そうした意味で、私はいろんな問題点はあると思います。そして、委員からプライマリーバランスのお話もございましたけれども、そうした視点も必要でありますし、むしろ平成九年度予算の編成を終わりますと、我々として、当然のことながら新たな財政健全化目標というものをどう組み立てるのが一番いいのかも考えていかなければなりません。
 例えば、その中にはEUにおける財政赤字の対GDP比基準、こういう考え方もありましょう。あるいは、アメリカとかイギリスにおいて目指している、あるいは予想している財政収支均衡、こんな考え方もありましょう。我が国では、過去におきましては特例公債脱却あるいは公債依存度引き下げ、そのような目標を工夫してまいったこともございます。
 何が一番我が国の実態に合うか、これは少々議論をしてみなければならないことでありますけれども、先般の財政審の報告で、ベビーブーム世代が六十歳を超える、そして貯蓄率の低下が予想される二〇〇五年までのできるだけ早い時期に国及び地方の財政赤字の対GDP比を三%以下で可能な限り均衡に近づける。国の一般会計については、特例公債から脱却すると同時に公債依存度の引き下げに努める。さらに、以上を通過した後には、債務残高が絶対額で累増しない姿を目指すと。こうした非常に貴重な提言もいただいております。
 我々は、九年度予算編成そのものに当たりましても、そういった意味ではそれぞれの事業、聖域を設けず見直していかなければなりませんけれども、その後にもこうした目標設定の中で極めて厳しい議論の調整をしていく必要があろう、そのように考えております。
#63
○片山虎之助君 総理の言われることはよくわかります。
 そこで、財政再建法をつくるべきだという意見がありまして、政府の方でも大変前向きに、政府・与党でも取り上げられておると。場合によっては次の通常国会中に財政再建法を出すとかという報道もあるわけですね。それまでに余り時間がありませんから間に合うのかどうかということ、あるいはその中身、あるいはどういう手法。今、総理が言われましたように、例えばGDP比三%以内のEUの通貨統一の基準、赤字をですね、そういうものを持ち込むとか、あるいは、国債依存率を下げるとか、赤字公債を出さないとか、経済成長率よりも歳出は大幅に抑えるとか、そういういろんなあれがあるわけでありますけれども、現在検討中の中身を言える範囲で御発表いただけると大変ありがたい。
 大蔵大臣、お願いいたします。
#64
○国務大臣(三塚博君) 財政再建法をいつごろ提出するかということでございますが、ただいまのところは確たる時点というのを申し上げる段階まで来ておりません。大蔵改革そして予算編成ということもこれあり、しかしながら、論議を承って国民的理解を得るポイントは何なのかということをつかみ切ってまいりませんと、絵にかいたもちになってはならないのではないでしょうかと思っております。
 御指摘のように、EUの諸国は三%を目指して努力をいたしております。これを踏まえることは当然でありますし、あのアメリカ合衆国ですらさらなる財政再建に向けてスタートを切る、こういう世界的な諸状況にあるわけであります。よって、これを参考としながら、目標を定めるだけではなく、具体的な個別の歳出削減措置等が国民の皆様方の合意のもとで実現をしていくということで、このことに大蔵として、政府として方針を明確にしていかなければならないのではないでしょうか。
 いずれにしても、国権の最高機関は国会であります。国民代表の皆様方の御論議をいただきながら、これを十分に反映させていただきながら取り組んでまいるということでありますので、暫時御議論を見詰めさせていただきたいと存じます。
#65
○片山虎之助君 大蔵大臣、こういうことでしょうか。今のお話だと、歳出削減措置を国民合意の上で盛り込むという点、具体の歳出削減措置は盛り込めませんよね、歳出削減の仕組みを盛り込む。例えばスクラップ・アンド・ビルドだとかサンセットだとかあるいは順位をつけるとか、そこのところが必ずしも定かでないのですが、なお御説明できることがあったらしてください。あるいは事務方でも結構です。
#66
○国務大臣(三塚博君) 今、ポイントを申されました。そのことについて十二分に取り組むことは当然でございます。そういう点で、具体的な項目を特定いたしてやるわけではございませんが、トップをどうするのか、それと内容をどのようにしていくのか、プライオリティーをどのように見ていくのか。これも国会の御論議、国民の御動向、また政府として経済見通し等を考えながらやることでありますので、個別的な問題について、それじゃ政府委員から答弁させます。
#67
○政府委員(林正和君) 私どもただいま財政健全化のための具体的な方策の一つとしてこの再建法について検討しておるわけでございますが、歳出の上限、キャップでございますか、それからスクラップ・アンド・ビルドの原則、個別的な歳出削減措置等を法定化しております諸外国の例、こうしたものを参考としてやっておるわけでございます。
 御指摘の点につきましては、諸外国の例でございますが、社会経済システムが異なりますので、そのままこうした制度、手法を当てはめるわけにはいかないと存じますが、ただ諸外国の取り組みを参考にいたしますと、ただ単に目標だけではなくて、具体的な歳出の削減措置等が国民的な合意のもとで実現されることも重要だというように考えておりまして、そのような勉強もしておるところでございます。
#68
○片山虎之助君 時間がありませんので急ぎますが、国鉄長期債務問題は大変深刻な問題であります。現在、自民党では委員会をつくりまして、私もメンバーに入っておりますけれども、鋭意検討中でございます。そろそろ中間的な一つの方向づけをしなければいかぬ時期に来ておりますが、今、委員会で議論されております一つは、二十八兆に及ぶ長期債務のお金を財投から借りているんです。財投の利子が五・五%で大変高うございまして、この低金利の時代にそれだけの利子を払うということは、まるで国が高利貸しをやっているのかと、世上こういう悪口を言う人もいるわけであります。単年度の利子だけが約一兆円なんですから、毎年住専と同じだけの財政支出が出ちゃっている。この場合は払っていません、たまっているわけですけれども、こういうことになる。
 そこで、委員会としては、利子を棚上げにするというのか、これ以上ふえるのをストップするということ。元本は大変な額ですから、二十何兆ですから、これについてはいろんな角度から検討しながら国民的合意を得て長期的対応を決めていくと。最終的に国民負担というと何かというと、税なのか。JRのお客さんから上乗せの、これも税みたいなものでしょうか、あるいはほかの税金を転用するか。例えば、ガソリン税なんというとわあっと道路関係の人は怒りますよね。それじゃ、相続税免除の無利子国債を出すのか。そういうものが税の体系からいって許されるのかどうか大議論がある。あるいは、国債の許容の仕組みの中でいろんな議論がある。
 そこで、私はこれは時間をかけて議論しなければいけないと思いますけれども、国民の皆さんはよく御存じないです、これだけの大借金がちゃんとあるということを。一方では整備新幹線の議論が進んでいる、これはきょうはおいておきますけれども。それはそれとしまして、私は、国鉄長期債務について国民の理解や関心をこれまた深めて、行財政改革と同じように、その中でいい知恵を国民合意で出して方向づけをしないと大変なことになるんではなかろうかと思いますが、その努力を果たして今政府がおやりになっているかどうか、私はやや疑問に思う。
 その辺について運輸大臣の御所見を承りたい。
#69
○国務大臣(古賀誠君) 国鉄長期債務の処理問題につきましては、委員にも党の機関の中で大変御苦労いただいておるわけでございます。また、それぞれの角度から今御指摘をいただいたとおりでございます。
 この処理問題というのは、国鉄改革のいわば総仕上げの意味からも大変重要な課題であるということは御承知のとおりでございます。昭和六十三年、閣議決定におきまして、最終的に残る債務等につきましては国民に負担を求めざるを得ないということが実は決められているわけでございます。それだけに、この処理につきましては、国民の皆様方の理解を得るということは極めて重要なことだと思います。そういう意味で、今まで国鉄の長期債務について国民の皆様方にどれだけの理解を得ているのか、御認識をいただいているのかということは大変心配をされるところでございます。
 今までも、事業団の債務の状況等につきましては国会においてその都度御報告を申し上げ、土地の処分状況や債務の状況につきましても定例の発表を行ってきているところでございます。しかしながら、今私が申し上げましたように、本当に国民の皆様方のこの長期債務の問題についての理解、それから認識を考えると甚だ心配な点が多いことも事実であります。
 これらの処理問題については、より国民の皆様方の理解を得る努力と同時に、国民の皆様方に理解される処理法というものについて抜本的に検討してまいりたい、このように思っております。
#70
○片山虎之助君 それと、財政再建で並ぶもう一つの問題点は地方財政なんですね。例えば、本年度の国の予算は七十五兆三千億ですか。ところが、地方財政の方は八十五兆数千億なんですよ。国の財政のスケールよりは地方財政の方が十兆多いんです。しかも、単独事業は地財計画ベースだけで言うと二十兆を超えている。補助事業は十一兆なんですよ。昔は補助事業の方が多かったんです。補助事業というのは主として公共事業です。単独事業は補完だった。ところが、今や単独事業の方が倍近くなっている。
 私は、単独事業のあり方を、政府では自治省でしょうけれども、国会も大変な関心を集めてしっかりしていかないと、中央が締めても地方でしり抜けになると同じことになるんですね。そういう意味で、私は地方単独事業のあり方について自治省にしっかりしてもらいたいと思う。不要不急のものや妙な箱物、まあテーマパークやいろんなものがありますけれども、そういうものをしっかり見直して、人気取りばかりやっちゃいかぬのですよ。私は、そういう意味で、しっかりした地方財政、特に単独事業のリストラをやってもらいたい。これまた量じゃなくて質なんです、行財政改革と同じように。
 しかも、チェック機能が必ずしも今の地方自治の仕組みではしっかりしていない。そういう意味で、今度地方制度調査会が外部監査システム導入を答申されるそうで、私はかねての持論であり大賛成でありますが、つくるのなら実効あるものにしていただかないと、格好だけじゃ手間やお金がかかるだけでありますから。
 以上の二点につきまして自治大臣の御所見を承ります。
#71
○国務大臣(白川勝彦君) 片山委員おっしゃるとおり、橋本第二次内閣の自治大臣を命ぜられたその日から、私の仕事は何だろうか、このことを考え続けてまいりました。
 収入ベースでは国二に対して地方一でございますが、補助金も最終的には地方が発注するわけでございまして、支出ベースで見ると国が一に対して三千三百の地方自治体から支出されるのが二であるわけでございます。
 ですから、橋本総理がこれだけ行政改革を内閣の課題とする、こう言っているんだから、そして国民は、冒頭ございましたように、国家公務員がいかぬと言っているんじゃないです、およそ公務員はこれでいいのか、こう言っているわけでございますから、この地方行革をやらずして国民が求める行政改革は進まないと思うし、総理が考える行政改革の実は上がらない、このことを肝に銘じて今日までやってまいっております。
 国で我々がこういう議論をしている、そういう思いが三千三百の議会でなされているだろうか、あるいは首長さんと住民との間でそういうホットな議論がされているだろうかというと、私は率直のところ、もう少し地方は地方においても財政再建、行政改革ということを考えていただきたいというのが一番言いたいことでございます。
 単独事業、監査制度その他の問題についても、私は、地方は地方の問題として、自分たちの税金の問題なんだということで進めていっていただきたい、これだけを申し上げておきます。
#72
○片山虎之助君 もう少し詳しい御答弁を期待したんですが、また別の機会に譲ります。
 それで、財政再建各論を公共事業、社会保障を中心にお聞きするつもりでございましたが、時間の関係がありますので、もし時間がありましたら後ほどさせていただくことにして、一応税制改革に入りたいと思います。
 まず、特別減税でございますけれども、特別減税の打ち切りは、平成八年度で終了は総理の御答弁にもあったわけであります。
 もともと平成六年度秋の税制改正で、五兆五千億の特別減税を、制度減税三兆五千億と特別減税二兆に、二階建てに組みかえたわけですね。それで、平成七年度はもちろん財源措置がパッケージであったわけでありますが、平成八年度は、これは景気がよくないから続けよう、財源手当てはなくてもやろう、こういうことでやってまいったわけであります。しかも、その減税財源はいわば赤字国債でありますから、私は打ち切りはやむを得ないと思いますし、仮に打ち切らず、手直しして続けろという議論が一部の党でございますけれども、やっても、これは効果が乏しく手間が大変で、ラーメン減税になっちゃうんですよ、そういうことを言うとしかられますけれども。
 したがって、私は打ち切ることはもうやむを得ない選択だと思いますけれども、一方で消費税が上がる、特別減税を打ち切る、こうなると、今なだらかな回復基調にある景気でこの増税分を飲み込むことができるかどうかという議論になる。
 そこで私は、まず経済企画庁長官に、来年度の経済見通し、予算編成の前に決めるわけでありますから、現在関係省庁で鋭意御検討中だと思いますけれども、報道では一・八とか二・〇とかいろんな説が言われておりますけれども、来年度の経済見通しについてどう考えるか。
 さらに、その見通しの中で、この増税分、消費税と特別減税廃止分を飲み込むことができるかどうか。影響があることは私は必至だと思いますけれども、飲み込むことができるかどうか。
 その二点についての御答弁をお願いいたします。
#73
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問のございましたいわゆる特別減税打ち切り、消費税二%引き上げ等によって与えられます影響につきましては、他の委員の方にも御答弁を申し上げておりますとおり、これは平成九年から十一年までの平均で出しておりますので、単年度で出すというのはなかなか難しいところですが、平均をいたしますといわゆる国民総生産を〇・九%トータルで引き下げるであろうと予想されておるところであります。
 これによって当然のこととして来年度の経済成長に与える影響は確実であろうと思っておりますけれども、経済見通しにつきましては、十二月十九日に各省庁調整の上で御説明を申し上げられると思っておりますので、いまだ調整中のところでありますので、今幾らになると数字を申し上げることができません。
 今、御議論をいただいておりましたいわゆる経済構造改革等々、いろいろな行政改革、規制の見直し等々が行われますと、それによりましていわゆる景気に対する影響、民間というものにとりましては、これだけ規制が緩和されるとなれば、商売につながるとなれば、そこらの動きは速いことになりますので、そういった動きが来年度の後半には出てくると思っておりますので、七−九ぐらいまでのところにはかなりの影響が出てくることは覚悟しておかねばならぬとは思っておりますけれども、年全体で見ますとそれなりの成長は期待できるのではないかと思っております。
#74
○片山虎之助君 隔靴掻痒の答弁でよくわからないんですが、この増税分の影響が、三カ年度平均というのがよくわからないんですが、まあ推定作業上そういうことになるんでしょうか、〇・九%の引き下げ。そうすると、経済企画庁長官、来年度の、今数字は言えないと言われましたけれども、一・八か幾らか知りませんが、その中にはもちろん増税分を織り込み済みでございますね。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税につきましては織り込み済みであります。
#76
○片山虎之助君 ことしはどのぐらいの最終見込みになりますか。二・五だったでしょう。
#77
○国務大臣(麻生太郎君) 二・五いけると思っております。
#78
○片山虎之助君 総理、今の経済企画庁長官のようなお話なんですが、そうしますと今の景気で一・八なり二・○、数字はわかりませんけれども十分いけるというお話。そうすると、もう何らの景気対策のための当初予算以外新たな措置をとらずともどうにかいける、こういうお見込みでございましょうか。
#79
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今巷間言われておりますのは、次年度における消費税の改定を前提として、駆け込みの需要が特に住宅あるいは自動車等において発生しているという言われ方であります。確かにそういう現象を私は全く否定することはできないと思います。一方、経済企画庁として今お答えを申し上げましたように、消費税率が二%引き上げられ、特別減税が廃止をされればマイナス〇・九ぐらいの影響が出るということが言われております。
 当然ながら、それを前提に入れながら九年度予算の編成はいたさなければなりません。殊に私どもとして注意をすべき時期というのは、年度当初、すなわち四ー六の経済運営というものを、いかにその消費税の影響がありながら一定の伸びを維持できるような運営にしていくかということであろうと存じます。
 一方で、平成九年度の補正予算の議論は、先ほど来大蔵大臣もお答えを申し上げておりましたけれども、当然のことながら阪神・淡路大震災関係の経費、あるいは金額的にはそれほど大きくありませんけれども、O157の影響の吸収、さらに、先般来も大きな災害を起こし、なお行方不明者を捜索中であるという状況の中でありますが、この災害復旧等、当然のことながら必要とされるものがございます。
 また、阪神・淡路大震災によって国土の再点検の中で緊急防災対策を講じていかなければならない等々、そうしたものにやはり四ー六の影響を吸収あるいは軽減でき得る要素を加味するということは、当然ながら我々の頭の中にも全くないことではございません。ただ、それは従来型の補正予算、議員が冒頭御指摘になりましたように年初の当初予算を非常に抑えておきながら補正予算でそのしりが抜ける、そのような御批判をいただくようなものにはならないかと、そのように思います。
#80
○片山虎之助君 そこで、消費税の二%アップでありますが、これはもう粛々としてやるほかはありません。これを据え置きなんという法案が衆議院で出て否決されたようでありますけれども、これを今据え置くなんということは国も地方の財政も破綻をさせると、私はこういうことにつながると思います。これは平成六年秋に引き上げを決めてから毎年度与党税調で引き上げを確認してまいりましたし、来年度の税制改正大綱の段階でも、今与党税協というんでしょうか、与党税制協議会で今議論いたしておりますけれども、おおむねこれを是認しようという、こういう方向で最終調整中であります。
 しかし、そういう過程の中で、弱者対策として約一千五百億の措置がせんだって決まったようでありますが、その内容と考え方について大蔵大臣、簡潔に御説明をお願いいたします。
#81
○国務大臣(三塚博君) 弱者対策という三党の決定を受けまして追加措置を講じたところでありまして、既に六年度に決めました方向は一万円、三万円ということでありますが、低所得者に対しまして新たに一万円を支給する、対象が一千万人ぐらいかなと、ここのところが精査しなけりゃわかりませんが、そういう見積もりの中で一千億ということになったということであります。
 まだ、本件だけは三党の決定が寄せられまして予算措置にするという作業に入ると、こういうことになります。
#82
○片山虎之助君 そこで、消費税に絡みましてよく問題になりますのが例の益税対策なんですね。これにつきましては間断なき見直しをしておりまして、来年度からのアップに伴いましても、例えば限界控除の廃止だとか、あるいは簡易課税を二億円までに縮減するとか、あるいは日本型インボイスというものにしたわけですね。今までは「帳簿又は請求書等」どちらかを保存しておけばいいというやつを、「又は」というのを「及び」に直しまして「帳簿及び請求書等」と、こういたしたわけでありますし、あるいは免税点制度についても御議論がありますけれども、例えば一千万を超える新設法人については適用をしないとか、そういうことを入れたわけであります。
 私は、来年度の二%アップについての益税対策はほぼ整ったんではないか、来年四月、来年度以降を見てさらに考えることはあっても、とりあえず私は益税対策としては一応まとまった、一応とり得たんではないかと、こういう認識を持っておりますが、これにつきまして大蔵大臣、通産大臣の御所見をお伺いします。
#83
○政府委員(薄井信明君) 消費税のいわゆる益税問題につきましては、私どもずっと議論をしてまいりました。御存じのように平成六年の改革の際に、今御指摘のように、例えば一番大きな益税と言われている限界控除をやめてしまうということを含め措置をしたところでございます。いずれも来年の四月から動き出すということです。
 また、昨年の税制改正でも簡易課税制度につきましてみなし仕入れ率の改善をいたしております。そういう意味で、来年四月に向けてのできる限りのことは措置させていただいたと考えております。
 ただし、これは今後とも議論していくべきことだと思いますので、広く調査をしながら実情に合うように将来的に考えていくべき問題だと考えております。
#84
○国務大臣(佐藤信二君) いわゆる益税問題、これは御存じのように転嫁の問題でございますが、この転嫁の実態を見ますと、中小企業者の転嫁の割合が相対的に低いことから、益税が広域かつ多額に発生しているとは考えておりません。
 そこで、今言われたように、今回の税制改革においては、事業者の消費税実務の習熟度を考慮し、中小企業者の実態も踏まえつつ、制度の公正性を重視する観点から、限界控除制度や簡易課税制度の適用上限の引き下げなど抜本的な見直しを行いましたので、益税問題は相当解消されたと考えております。
 この免税点の現行適用水準が維持されることについては、小規模零細事業者の広範な存在及び事務処理能力の脆弱性を考慮した結果であると認識しておりまして、当該事業者に過重な負担を負わせないという観点から配慮がなされていると、かように評価しております。
 いずれにいたしましても、その中小特例措置の見直しに当たっては、中小企業者の転嫁能力や納税事務能力の実態を踏まえつつ、制度の公平性と簡素性との間でどのように均衡を図っていくかという観点から論議が行われることが必要だと思っております。
#85
○片山虎之助君 税制改正の中で大きなテーマは法人課税の問題なんですね。我が国の法人課税は世界で一番高い。一番でもないんですけれども、一番に近いことは事実であります。欧米が大体三〇から四〇ぐらいですね、アメリカが四一です。それから、アジアは大体一五から三〇でありまして、我が国は四九・九八ですから、これは高いことは間違いない。だから、経済界を中心に法人課税の実質減税に強い要請があることは事実なんですね。ところが、政府税調なんかでは、税率は高いけれども課税ベースが狭いんだという議論がある。
 そこで、政府税調は、レベニュー・ニュートラルといいまして、増税をした範囲、増税と言うとおかしいんですが、課税ベースを拡大した範囲で税率を下げたらどうかと、こういう議論が出てきたんですね。これはなかなか経済界には受け入れがたかろうと、こう私は思います。やっぱり税率は税率として、課税ベースは課税ベースとしてしっかり検討して、課税ペースも今の課税ベースの仕組みができてからもう大体三十年たっているんですから、課税ベースの方もよその国並み、世界の先進国並みという国際化対応の税制にすべきだと、私はこういうふうに思っておりまして、そのためにはなお検討する必要があると。
 しかし、我が国のこれからの経済界や産業界のことを考えると、例えばエンゼル税制のようなベンチャービジネスをもっと活性化して頑張れというようなものは私は取り入れていったらいいんではなかろうかと、こういうふうに思うわけでありますが、それについての大蔵大臣の御所見をお願いします。
#86
○国務大臣(三塚博君) 法人税課税軽減につきまして、政府税調、党税調、三党協議の中において真剣な論議が交わされたことは承知をいたしております。
 後段、片山議員が言われましたベンチャービジネスというようなことも、同時に世界経済の同じような税負担、法人課税の横並びというんでしょうか標準化というんでしょうか、こういうことになりますと、経済活動もそこからよくなるということも承知をいたしておるわけであります。
 そのことは私どもはそう思うのでありますが、二%消費税を御承認いただき、スタートを切るわけであります。片や、こちらで御辛抱いただいておりますのに法人税を減額するということは、政治判断としても、国民皆様の御辛抱を勘案いたしますと、この際レベニュー二一ユートラルをと。課税ベースを広げることによって財源をみずから法人関係で見つけていただく、論議の中でもそれを特定していただくということであれば、〇・五なのか一%なのかという論議の御決定をいただいた上で私どもは誠心誠意この問題に対処する、こういうことになろうかと思います。党税調、政府税調、まだ結論を出しておりませんものですから、その趨勢を見まして対応してまいりたいと思います。
#87
○片山虎之助君 それでは最後に、税制は大変重要になってきた、国民の関心も大変高くなったと私は思うんですね。今、予算の方が、財政の方が大変窮屈で硬直化してきているものですから、むしろ政策的な誘導は税制でやろうという傾向が出てきた。それから、今言いましたように税に対する意識が大変強く詳しくなってきたと、そういう意味で税制のあり方というのは重要だと思いますね。もともと国会というのは時の権力者、国王がむちゃくちゃ税金を取るのを抑えるためにできたんですから、そういう意味で税についての議論を盛んにやる、この税制特別委員会の意味は大いにあると思います。
 引き続いてこの議論を今後ともやらせていただくことを申し上げまして、大蔵大臣が今言いましたように、党税調等では来年の税制改正の大詰めの段階でございますので、よき税制を政府としても頑張っていただきますようにお願いして、私の質問を終わりまして、関連質問で松谷さんが引き続いて質問させていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#88
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。松谷蒼一郎君。
#89
○松谷蒼一郎君 自民党の松谷蒼一郎でございます。
 初めに、総理に御所見を伺いたいのでございますが、ただいま同僚の片山委員からも御質疑がございましたので、若干ダブるかもしれません。今次橋本内閣の発足に当たりまして、総理は、行財政改革に火だるまとなって取り組むという断固たる決意を示された。大変敬意をと存じておるところでございますが、行財政改革に取り組むその目的といいますか、どういうところで行財政改革に取り組まなきゃならないか、その辺につきまして御所見を伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的には私は、何といいましても、二十一世紀というものを我々がどうとらえ、その中で国家機能はいかにあるべきかということを突き詰めて議論し、その中からあるべき行政の姿を見出す、それが今次行政改革の目的という言葉に集約されると思います。
 そして、そういう議論を考えなければならなくなりました大きな要因の一つは、私は人口構造の大きな変化であると考えます。そして、これは当然のことながら産業構造にも変化を与えますし、社会保障構造にも変化を与える大きな要因であります。一方では、我が国の財政構造の問題がございます。そして同時に、産業構造、経済構造というものも変わっていく。そうした大きな流れの中で、行政が人生八十年時代にふさわしいあり方を模索する必要がある、これは私は従来から考えてきたことでございました。
 しかし、それに加えて、東西冷戦構造が消滅をいたしました瞬間から世界は大変な勢いで動き始めました。そして、いつの間にかほとんどすべての国が民主主義というものを採用する、そして計画経済からほとんどの国が市場経済を目指す、その中においてすべてのありようが変化してきました。
 私どもは、そうした中で従来から、例えば規制緩和についてあるいは地方分権について議論を深めてきていたところでありますけれども、そうしたトータルの上で中央省庁そのものが果たすべき機能というものを議論し、官民の役割の整序等をも含めた上で中央政府そのものの機構改革まで本気で考えなければならない時期に今や至っている、私はそのように考えております。
#91
○松谷蒼一郎君 ただいま総理から御所見をいただいたわけでございますが、先ほど同僚議員の質問に対して総理から、例えば輸入住宅の円滑な実現を実施しようとしたところが六つの省庁にわたったと、こういうようなお話がありました。
 私は、やはり行政改革の効率的な実現のためにはあわせて規制緩和を実施していかなきゃならないというように思います。いろいろな分野がかなりダブって各省庁に分かれております。それは住宅だけではないわけでございまして、そういう意味で規制緩和を強力に実施する必要があるわけでございますが、総務庁長官の規制緩和についてのこれからの取り組み方についての御見解を伺います。
#92
○国務大臣(武藤嘉文君) 今、総理からもお話がありましたように、規制緩和は行政改革の一つの大きな柱でございます。そういう意味合いで、ことしの三月に規制緩和推進計画、千七百九十七案件について今やっているわけでございますけれども、もう少しこれは前倒しができないかというようなことも今進めております。そして、大体きょう総理のところへ行革委員会から意見具申が出てくると承知をいたしておりますが、これは来年の三月の改定を目指していろいろこれからの規制緩和のあり方について意見が出てくると承知をいたしております。
 その中で、原則はまだまだ十分じゃないと私は見ているのでございますけれども、経済的な規制は原則廃止だ、社会的規制は白地から見直すんだと総理も所信表明演説の中でおっしゃっておられます。こういう観点から進めていかなきゃならないことと、もう一つは、こういう新しい時代の経済構造改革、そういうものを踏まえまして高コストの今の構造を直していくとか、先ほど来お話のありますようにベンチャービジネス、新規産業を創出していくとかという観点もやっぱり一つ入れていかなきゃいけないんじゃなかろうか。
 たまたま総理の所信表明演説を例にとらせていただきますと、規制緩和については情報通信、物流、金融、土地・住宅、雇用、医療・福祉、この六分野を中心としてやっていきたいと総理もおっしゃっておられますので、私どももそのような観点に立って進めていきたいと思っております。
#93
○松谷蒼一郎君 政府は、本年三月の末、千七百九十七項目の規制緩和策を発表したわけであります。その中身は数は非常に多いわけですね。千七百とか、二千項目に近いわけですが、その中身は非常に形式的で、こういうものまで規制緩和の中に取り入れるのかというようなものが数多く見られます。中にはもちろん重要なものもありますけれども、非常に形式的で羅列的である、積み上げ方式である。
 例えば畜舎建築、これは豚か鶏か知りませんが、そういう畜舎建築についての基準のあり方の検討とか、道路上空通路について安全に留意しつつ許可基準の弾力的運用を図る、こういうのは規制緩和というよりは私は行政事務そのものではないかというように思うわけです。そういうものがたくさんあって千七百九十七項目になっている。
 こういうような形式的な、単なる各省から積み上げてきてもらったものだけを規制緩和と称していれば、私は、行政改革の一番大きな柱である規制緩和がそういうような状態であれば行政改革そのものも、総理は火だるまになってやるとおっしゃっていますが、なかなか火が燃えないんじゃないかという気がするわけであります。
 やはり私は、規制緩和の理念が見えなきゃならないと思います。どういう目的で規制緩和をやっていくんだ、何をやるのか、その効果はどういうふうになるのか、こういうふうなことにつきまして、総務庁長官はすばらしい長官でありますので、すばらしい考え方をこの委員会でぜひ表明していただきたいと思います。
#94
○国務大臣(武藤嘉文君) 今も御答弁申し上げたのでございますけれども、おっしゃるとおり行政改革の大きな柱の一つでございます。そういう面で規制緩和をやっていかなきゃならないわけでございます。
 確かに、千七百九十七出てきている中には非常に細かいものもございます。今度改定計画の中で入ってくる分にも、どうも残念ながらそういう細かいものも入っております。しかし、また一方、大きなものもあるわけでございまして、そして大きなものは逆に言うと、どうも私が聞いておると、省庁間に問題が多い。小さいのは余り問題がないのであって、大きな問題になるとそれぞれ所管の省庁の抵抗が非常に強いということを聞いております。
 しかしながら、幾ら抵抗があってもこれはやらなきゃならない話でございまして、私が先ほど申し上げましたように、経済的な規制というものは原則廃止をするんだという一つの方針、それから社会的規制についてもぜひこれはひとつ白地から白紙に戻してもう一回見直すんだと、こういうことでございます。
 それを踏まえて私が今言っていることは、それをもう少し平たく言えば、いわゆる国の安全であるとか、あるいは国民の皆さんの生命を守るという安全であるとか、こういう規制とか、社会あるいは自然環境が破壊されることのないような規制であるとか、本当にお気の毒なハンディキャップを背負っている方とかあるいは経済界でいけば零細企業の方であるとか、何かそういうようなものはひとつある程度の規制をしていかなきゃいけないんじゃないか。
 先ほど申し上げました、経済の規制は原則撤廃、そして社会的規制は白地から白紙に戻って見直すというのも、そういう観点から進めていきますと、私はもう少し思い切ったことができるのではないかと思っておるわけでございます。きょう夕方、総理の方へお出しをいただくものも踏まえながら、それにとらわれないで、例えば去年は何か二千件だったものがことしは御要望は二千二百件ぐらい出てきている、こう聞いておりますので、そういうものを無視することなく、できるだけ今のような観点に立って実施ができるように努力をしていきたい、こう考えております。
#95
○松谷蒼一郎君 今、長官のおっしゃることはよくわかるのでございますが、私が言おうとしているのは、規制緩和の項目を一つ一つまとめて、そしてそれについてどういう理念でやるのか、その道筋を示しながら、それがもし成功したときにはどういう効果があるのか、そういうことについてきちっとした考え方を示すべきではないかと。
 総理、ひとつお願いします。
#96
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的に例を拾い出して申し上げてみたいと思いますが、前内閣の時代に、情報通信、物流、金融、土地・住宅、雇用、医療・福祉、この六つの分野を中心にして規制緩和を推し進めたいということで各省に指示を出してまいりました。
 これは、先ほども引用されました輸入住宅の規制緩和をやろうといたしましたときに、本当に予想しないところまでその権限がかかっておりまして、その六省庁すべてが一斉にそれぞれの権限を動かしませんと効果が出ないということを骨身にしみたものですから、規制の数ではなくて質だということから、この六分野を中心にした検討を今進めております。
 そういたしますと、例えばこういう問題が出ます。これは運輸省の諸君が非常によく努力をしてくれて、原則として人流、物流の全事業分野において目標とする期限を定めて需給調整規制を廃止するという方針を打ち出してくれております。これは私は非常に大きく物流の世界を変化させると思います。しかし、その瞬間、例えば私どもは、離島に対する航空路あるいは水上の航路、あるいは過疎地域におけるバス、鉄道等、通常の経済ルールでいきましたなら採算に到底乗らない、しかしその地域住民にとっては生活の足として絶対に必要なものをいかに事業を継続させるかということに答えを出さなければなりません。一方ではそういう検討は当然していくことになりますが、私は、運輸省はよく目標期限を掲げた需給調整規制の廃止というところまで踏み込んでくれたと思っております。
 これは、一方で金融システム改革等につきましても同様の問題点はあるわけでありまして、二〇〇一年までにいわゆるビッグバンとマスコミで報ぜられておりますような金融システム改革を私は考えたい。既に大蔵大臣、法務大臣に対しての指示をいたしておりますけれども、同様検討すべきことは非常に幅広くまたがっている、そうした点があることをぜひ御理解いただきたいと思います。
#97
○松谷蒼一郎君 今、総理からお話がありましたが、また総務庁長官からも経済的規制は原則的には撤廃だ、社会的規制はその目的に応じて撤廃をしていくんだと、こういうお話がありました。
 総理からも今物流の問題が出ました。私は、規制緩和というのは生き物でありますから、経済的規制は全面的に撤廃だといって、じゃ撤廃して経済的無秩序な状態が起こっていいのかどうかというような問題があると思うんですね。
 ですから、例えばアメリカで航空自由化が十数年前に実施されました。大変な混乱になった。今、総理からお話がありましたように、不採算路線が全部カットされてしまったんですね。例えば離島、私どもは長崎ですから離島を抱えております。長崎新幹線を何とかやっていただきたいと思っておりますが、それはまた別といたしましても、しかしそういったいろいろな不採算なところがカットされていきますと全部大都会に集中してしまうというようなことになってしまうんですね。
 そういう意味では、例えばタクシーの自由化等々も言われておりますが、地域圏をずっと拡大してしまえば採算のある都市にタクシーは全部集まってきまして、それで小都市のタクシーはなくなってしまう。大都市というか中都市は非常に交通が渋滞をしていって、小さな都市はタクシーはほとんどなくなるとかいうようなこと。あるいは個人タクシーの免許手続は確かに大変でございます。だから、これを簡素化するのは非常に重要でありますが、じゃ全部どんどん自由化してどうぞ個人タクシーになってくださいと言えば、これは法人タクシーは全部つぶれてしまうわけであります。そういうような経済的に無秩序な状態を容認しながら、いきなり経済的規制撤廃だというわけにはいかないだろう、それはおのずからの段階的な措置というものが重要だろうと思うんですね。
 たまたまこういう物流の問題等もありますので運輸大臣にお伺いしたいのでございますが、そういう点についていかがでございましょうか。
#98
○国務大臣(古賀誠君) 今後の運輸行政につきまして一総理の方からも内容について大変御丁寧に触れていただいたところでございます。
 運輸省といたしまして、先般、運輸行政の根幹をなしてきました需給調整の規制原則廃止ということで打ち出させていただいたところでございまして、このことについては、今もお話があっておりますような経済規制の原則撤廃という考え方に沿ったものであるというふうに認識をいたしているところでございます。
 しかし、委員が今御指摘いただきますように、経済社会の混乱ということも十分私ども予想しておかなければいけないところでございまして、またそれにどう措置をしていくのか、どう対応していくのかということも極めて大事な分野だというふうに思っております。お話があっておりますような生活路線の維持をどう確保するのか、また利用者の方々の安全の確保、環境の確保等いろいろ考えていかなければいけない問題、措置していかなければいけない問題は当然あるだろうというふうに認識をいたしているところでございまして、これらの問題につきましては、いろいろな機関の中で御議論をいただき、そして必要な措置を行っていきたい、このように考えているところでございます。
 なお、タクシーのお話が出ましたけれども、御承知のとおり、タクシーの問題につきましては、今申し上げました需給調整規制の一つといたしましてタクシーの分野も入っているわけでございますが、このことを行わせていただくことによりまして、事業の活性化または規制緩和、こうしたことを進めていく一方で、今申し上げましたような利用者の保護や安全面、これらの面についての措置は十分行ってまいりたいというふうに思っております。
 一方、事業者側の立場に立っては、需給調整の段階的な緩和、また今御指摘いただきました事業区域の拡大等の規制緩和等は、その都度その都度その効果を見守りながら順次進めていく必要があるだろう、このように考えているところでございます。
 需給調整廃止に関するさまざまな検討課題はたくさんあろうかと思っておりまして、これから運輸政策審議会の場で十分検討していただく、このように考えているところでございます。
#99
○松谷蒼一郎君 今、運輸大臣から御答弁をいただきましたが、政府としては国土の均衡ある発展を図るということが大原則であるわけであります。ところが、経済的な規制緩和をどんどん進めていきますと、やはり不採算路線というものが全部カットされていってしまう。そうすると、過疎地域等離島、そういうようなところに非常にしわ寄せが来る、均衡ある発展にならない、一極集中になってしまう、そういうような点があってなかなかこの問題は難しい問題を抱えていると私は思います。そういう意味で、十分御検討をいただきながらやっていただきたいというふうにお願いをする次第であります。
 ところで、明日、閣議報告があると聞いております、「経済構造の変革と創造のためのプログラム」ということで通産大臣の方から閣議報告があると。それはどういうことかといいますと、先ほど総理は規制緩和について六分野のお話をされました。私はそういうふうに絞っていくのが非常に重要なことであると思いますが、明日のプログラムでは十五分野の発展のための規制緩和という考え方をしている。この十五分野について、規制緩和であるとか技術開発であるとか、そういうようなものに集中的に政策的な配慮を加えながら目的を達成していく。すなわち、新しい産業を育成していく、あるいは産業の活性化を図る、コストダウンを図っていくということが具体的に書かれております。
 そういう意味では極めて私は評価できる。これからの規制緩和のあり方というのはそういうような目的意識をはっきりして、こういうような形でやっていくんだ、それが住宅とかあるいは情報とか、そういうような分野であるんだということを明確に示しながら、国民にわかりやすく規制緩和の方向を示して実を上げていくことが重要ではないかというように思うわけであります。
 ただ、問題は、これは各省にわたっております。その実行について、じゃどういうような体制でやっていくのか、またそのスケジュールが必ずしも明確ではありません。どういうようなスケジュールで実施をしていくのか、こういうことにつきまして、通産大臣から御見解を賜りたいと思います。
#100
○国務大臣(佐藤信二君) 今、松谷委員御質問のように、明日の閣議でもって決定するのが総理から御指示がございました「経済構造の変革と創造のためのプログラム」でございます。これにおきましては、新規産業の創出とそして国際的に魅力ある事業環境の創出ということをいかに総合的に体系的に盛り込むかという点でございまして、このうちの新規産業ということに関しては、御存じのように個別産業分野ごとのニーズに対応した規制緩和、人材育成、技術開発等の総合的な施策、それから新規産業創出にかかわる共通の課題を解決するための資金、技術、人材面の施策を盛り込むことになっています。
 また、魅力ある事業環境の創出に関しましては、高コスト構造是正のための規制緩和、企業と労働に関する諸制度の改革、地域産業、技能集積の活性化等の施策を盛り込む予定でございます。
 そして、今御指摘の点は、この中で実施スケジュールにつきましては、直ちに実施に着手すべき項目は平成九年度予算への反映、次期通常国会への法律案提出等によって早急に実行に移すべく政府を挙げて取り組んでいく、こうした所存でございます。
#101
○松谷蒼一郎君 今、通産大臣から伺いましたが、通産省が出しているということになりますと、あれは通産省がやっているんじゃないかということで、各省が必ずしも協力しない場合がえてして多いんです。
 これは閣議報告でありますから、報告をしつ放しということかどうかわかりませんが、私はこの答申案というのはなかなかすばらしい考え方だと思うんですよ。これは何とか具体的に実施をしてもらいたい。これはやはり総理が決意を持ってお取り組みいただければと思うんですが、いかがでございましょうか。
#102
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、通産大臣から御報告をいたしました内容に対し、委員からの御指摘は私もそのとおりだと思います。そして、これはむしろ産業分野ごとの関係省庁の連絡体制、連携体制を整備するといったようなやり方をとりながら、政府一体でこれには取り組みたいと思っております。
 実施のスケジュール、これは直ちに実施に着手すべき項目はまず平成九年度予算への反映という作業から始まるわけでありますし、次期通常国会への法案提出などによりまして早急に実行に移したいと思います。そのほかの項目につきましても、来年の春をめどにスケジュールのさらなる明確化を含めて一層の具体化を図ってまいりたい、そのように考えております。
 例えば労働者派遣制度について、平成九年めどということで見直しの基本的方向を打ち出すなど、現段階でできる限りの具体化に取り組んでまいりたいと考えておりますし、その結果につきましては、毎年の経済構造改革の進展状況、また施策の実施状況などについてのフォローアップを行う、そうした形で具体的にチェックもしてまいりたい。
 いずれにいたしましても、産業分野ごとの関係官庁の連携体制を強化する、整備する、こうしたやり方でこの問題には取り組みたい、そのように思います。
#103
○松谷蒼一郎君 この報告の中に書かれていることは、どういうような産業分野をこれから我が国として伸ばしていかなきゃならないのか、そのためにはどういう項目について規制緩和をしていかなきゃならないのか、いろいろな労働技術、そういうような問題はどう助成をしていったらいいのかとか、そういうようなことで最終的にはこういうような効果が出てくるんだというようなことが示されているわけでございますが、やはり規制緩和の目的といえば経済、産業を活発化していく、国際競争力をつけていくというようなことになると思うんですね。
 そういう意味で、この規制緩和の効果につきまして本年の九月に経済企画庁が主要項目について経済効果を試算したと聞いておりますが、経済企画庁長官いかがですか。
#104
○国務大臣(麻生太郎君) 質問を再確認させていただきますが、予測の方でございますか、それともこれまでの結果。
#105
○松谷蒼一郎君 九月に経企庁が経済効果を試算しているんですね。
#106
○国務大臣(麻生太郎君) 試算の方でございますか。
#107
○松谷蒼一郎君 はい、そうです。
#108
○国務大臣(麻生太郎君) 失礼しました。
 これは昨年計画をされました構造改革のための経済社会計画というものに基づきまして試算を出されたものでありますけれども、平成十二年度までの実質経済成長率を平均で割っております数字であります。これは、今言われておりますような構造改革を進めるというのを前提に、うまくいった場合という例を前提にしておりますので、幾つかの前提がついておりますが、年平均約三%ぐらいの経済成長率が見込まれております。仮にうまくいかなかった場合は、逆に大幅に落ち込んで二%を切って、一コンマ四分の三とかいろんな表現がありますけれども、その辺まで落ち込むであろうという予測であります。
 今、経済効果というものがどの程度これまであったか等々、いろいろ御質問も出ておると思いますけれども、平成二年度以降ずっと規制緩和というのをさせていただいた分に関しまして全体で一・六九%ぐらい年平均で経済成長を押し上げた、額にして約七兆九千億という試算が挙がっております。
#109
○松谷蒼一郎君 これは主要項目でありますし、試算の中身を若干拝見しますとかなり粗っぽい推定ではあります。しかし、こういうようなものが数値的に出てきますと、今後できるだけそういうものを精査しながらこういう規制緩和をやればこれだけの効果が出てくるんだということが国民に十分理解ができるようになるんじゃないだろうかと思います。そういう意味でぜひお続けいただきたいと思う次第でございます。
 ちょっと後先になりますが、私は現在最も改革が求められているのは金融市場改革であろうというように思うわけです。そういう意味では、ことしの十一月十一日に総理が「我が国金融システムの改革 二〇〇一年東京市場の再生に向けて」ということで指示を出された、いわゆる東京ビッグバンであります。これは何としてでもやらなきゃならないと私は思います。まさに総理の指示は時宜を得たものと思うわけでありますが、総理の基本的な考え方をお伺いいたします。
#110
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうどことしの夏から秋にかけましてヨーロッパの首脳が次々に訪日をされる、あるいはそのほかの場所でお目にかかる機会を得ましたとき、私が集中して議論をいたしましたのは、一体その通貨統合というものが本当にヨーロッパでどのぐらいのスケールで、誕生させようとしているユーロというものの強さはどの程度の強さのものにするのか、そうした観点からの議論でございました。そして、その中で間違いなくユーロは誕生じようとしているわけでありますし、これに関連いたしまして、欧米の金融システムというのは極めてダイナミックに変化をいたしております。
 こうした中で、国際通貨の一つとしての役割を受け持っております円の地位の向上という視点からも、また国民の資産の有利な運用という視点からも、同時に次代を担う新たな成長産業、成長を期待される産業に対する資金供給が円滑に行われるために、さらに世界への円滑な資金供給という観点からも、このままの東京市場というものではどうにもならないという思いになりました。
 そうした中から、法制度等をも含めて、法務大臣と大蔵大臣に対して、金融システム改革というものに対して具体的な検討項目の例を含めて作業に着手するような指示を求めたわけでございます。遅くとも二〇〇一年までに完了という明確な期限を付したわけでございますが、実はその中で検討すべき問題は非常に大きなものがございます。お許しをいただいて、その時点で私なりに考え、指示をいたしました。
 基本的には、不良資産の処理と構造改革というものをいかに円滑に組み合わせていくかという、その視点は忘れないでもらいたいということの上で、私はフリー、フェア、グローバルという言い方をいたしましたけれども、一言にフリーと申しましても、これは市場原理が働く自由な市場というものを目指すということですから、当然ながら銀行あるいは証券、保険などの分野への参入促進を含め、新しい活力の導入というものが必要になります。
 また、長短分離などに基づく商品規制の撤廃でありますとか、証券、銀行の取扱業務の拡大といったことを含めて、幅広いニーズにこたえる商品、サービスというものが問題になります。あるいは当然のことながら、多様なサービスと多様なその対価というものが設定されるその前提には、各種の手数料の自由化というものがなければなりません。さらに、自由な内外取引という視点からいぐならば、為銀主義をやめるということも必要になります。同時に、一千二百兆円という個人貯蓄の効率的な運用というものを考えました場合、資産運用業務規制といったものの見直し、同時にディスクロージャーの充実、徹底というものは必ず必要になるはずであります。
 また、フェアという、言いかえれば透明で信頼できる市場をつくろうということになりますと、自己責任原則を確立するためにも十分な情報の提供とルールを明確化すること、ディスクロージャーの充実、徹底というものは避けて通ることはできません。同時に、ルール違反に対しての積極的な処分というものが当然のことながら必要になります。これが発動できる体制をつくっておくこと。さらに、デリバティブなど新たな金融商品がどんどん開発されております状況の中で、これに即応した法制度の整備と会計制度の国際標準化といったものも避けて通ることはできないわけであります。
 そして、その上で、各国の金融当局、大蔵大臣同士の間におきましては、特にG7を中心としてグローバルな監督協力体制というものの確立に向けて既に動いておりますから、こうしたG7サミットあるいは蔵相会合等における積み重ねを崩さずに、新しくその仕組みを変えていきましても、そこの中できちんと日本が対応できるそれだけのものはやっていかなければならない。思いつくままにこうした問題点を列記しながら、大蔵大臣と法務大臣に具体的な検討をお願いいたしております。
#111
○松谷蒼一郎君 一時は金融市場についてはロンドン、ニューヨークに並んで東京が三つの大きな金融市場と目されていた時期がありましたが、かなり落ち込んできているというように聞いております。そういう意味では総理の指示はまことに適切であると思うわけでございますが、この指示を受けて大蔵省としてどういうような取り組み方をされているか、大臣に。
#112
○国務大臣(三塚博君) 東京ビッグバンとよく言うんですが、国民の皆様にわかりやすいように申し上げるつもりで一分ほどお許しください。
 これは天文学で宇宙の創成時の大爆発をビッグバンと、こう言うんです。十年前、ロンドンは、御案内のとおりロンドン市場が非常に低迷をいたしましてイギリスどこに行くのかという時代に、証券市場の活性化のために手数料はもちろん、総理が今言われた数々の問題を撤廃いたしまして自由濶達な市場をつくり上げました。取引高が十二倍になり、御案内のように、資金の調達、また個人資産等々の活用、こういうことで自由主義市場における活力をロンドンが回復したわけであります。
 首相からの指示、御案内のとおりであります。私は直ちに関係する大蔵五審議会、為替等の審議会、保険等の審議会、銀行等の審議会等々ございます、五会長においでをいただきました。現下の厳しい東京市場は御案内のとおり復権を果たしていきませんと経済大国日本の展望は開けないし、円がローカルカレンシー、東南アジアの国々と、そういう意味で言っているわけではございませんが、世界に通用しない通貨になったのではこの国の展望は全く開けないことに相なります。
 いろいろなことがあろうとは思いますが、審議日程を繰り上げてもぜひともこのスタートが一日も早まりますよう御協力を賜りたいと。外為法の改正についての答申は来春早々御提出をいただけるというような報告も受けているところであります。他の審議会との相提携もしていきませんと、別々のエリアでやりますとやはりグローバルな今日の対応がいまだしになりますものですから、本件についてもそれぞれの調整、調和を図るということにいたしておるところであります。
 金融市場改革を進めていくためには、総理の指示が日本の国家の復権にもつながる大変大事なポイントでありますから 全力を尽くして努力をしてまいります。大蔵改革の第一歩がここにあるわけでございますから、また格段の御鞭撻、御支援をくださいませ。
#113
○松谷蒼一郎君 大変すばらしい決意を示されました。どうか、これが効果ある成果を得られますよう、実現に努力をされるようお願いをいたします。
 なお、後先になりましたが、先ほど経企庁長官に伺いました主要な規制緩和項目につきまして経済効果を試算しましたら七兆九千億の効果が出ている、誘発生産額で十四兆円であると言われております。雇用増は百三万人、一・五七%の増と、こういうような結果が出ております。
 こういうような規制緩和について、主要項目、規制緩和をすればこういうような効果が出るんだということを十分に見据えながら経済企画庁と連携をとって総務庁としては規制緩和を進めていくべきではないかと思いますが、長官いかがですか。
#114
○国務大臣(武藤嘉文君) そのとおりだと思います。ただ、数字を逆に示してしまって、それが実行されればいいのでございますけれども、結果的にその数字とまた大変乖離した結果が出てきたとなると、これまた問題があるわけでございますので、その辺は慎重に。
 今度の規制緩和というのは、小さな政府をつくって国民本位の行政にしていこうと、こういうことでございますので、その中でいろいろと定量的なものも私どもは努力をいたしてまいりますけれども、余り無鉄砲には、無鉄砲と言うと大変失礼でございますが、かけ離れた数字が出ないようにやっていかなきゃいけないとなると、これまたなかなか難しい問題もあるということだけは御理解をいただきたいと思います。
#115
○松谷蒼一郎君 行政改革の柱はやはり規制緩和の実施だと思います。たびたび申し上げまして大変恐縮でございますが、単なる数合わせでは規制緩和の効果は上がらないし、かえって国民もさめた目で見るというようなことになると思うんですね。
 そういう意味で、各省と連携をしながら、やるべきところはきちっとした筋を、理念を掲げながらやっていっていただきたいと思うわけでございますが、重ねて長官の決意を伺いたいと思います。
#116
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど来申し上げておりますように、行政改革の本当に大きな柱でございます。そして、とにかく効率のよい、新しい時代に対応できる、そして簡素な行政機構にしていかなきゃならないし、今も申し上げましたけれども、国民の主体性を尊重した国民本位の行政に切りかえていかなきゃならない。全く今までとは変わった形にしていくわけでございますから、従来の行政システムの中でやってまいりました規制というものは思い切ってなくしていく、あるいは緩和をしていかなきゃいけないというのは当然でございます。
 その辺は十分踏まえて、各省庁ともそれはもう御連絡をとりながらやっていかなければ、私どもだけで幾ら言ってみても、それぞれの関係省庁が横を向かれていたんじゃこれはいけませんので、ぜひ各閣僚にも御協力をいただきながら、そして私どもが各省庁をひとつ督励させていただいて、ぜひ実効の上がるようにしていきたいと思っております。
#117
○委員長(遠藤要君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#118
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本一太君、三重野栄子君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として沓掛哲男君、角田義一君及び瀬谷英行君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#119
○委員長(遠藤要君) 休憩前に引き続き、行財政改革・税制等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#120
○松谷蒼一郎君 厚生省にかかわります特別養護老人ホームの事件について質疑を行いたいと思います。
 社会福祉法人彩グループが厚生省や埼玉県などの補助金を受けて建設をいたしました特別養護老人ホーム、七カ所で工事費が約百四十五億、補助金の総額が九十億と言われておりますが、その工事費百四十五億円を丸投げして約二十七億円の利ざやを稼いでいたというように言われております。
 ということは、この特別養護老人ホームが違反な建築であったのか、安全性に問題はなかったのか、特別にその仕様の手抜きがあったのかどうか。そうでなければ、補助単価が適正であるならば、そんなに二十七億、三十億近い利ざやが稼げるはずはないわけでございますが、この点につきまして事実関係をお伺いいたしたいと思います。
#121
○政府委員(江利川毅君) 御指摘のように、ジェイ・ダブリュー・エムにかかわる施設建設に係る契約金額、それから下請をした建設会社につきまして埼玉県、山形県が聴取した契約金額、その差額は御指摘のように約二十七億円ぐらいございます。
 どのように捻出したかということにつきまして、材質等を安いものにしたのかとか、あるいは下請企業が割安に受注したのかとか、その点を現在調べているところでございます。
 なお、建物につきましては、建築基準法の手続に従ってしかるべき手続を経た上で仕様されておりますので、安全性そのものは問題ないのではないかというふうに思いますが、それも含めまして調査をしたいというふうに思っております。
#122
○松谷蒼一郎君 調査といって、もうこの問題が起こったのはニカ月ぐらい前ですか、それなのにまだ調査が進まないというのは一体どういうことですか。直ちに調査をすべきではないかと思いますが、今どういうような調査をやっているんですか。
#123
○政府委員(江利川毅君) 十一月二十五日の月曜日に埼玉県と山形県に担当者を派遣して調査をいたしましたほか、十二月に入りまして現地の方の特別監査もやっております。それから、厚生省全体として調査検討委員会を設けまして、実態究明をさらに県の方と打ち合わせながら進めていくということでございます。全体につきまして、一月末をめどにまとめたいというふうに思っているところでございます。
#124
○松谷蒼一郎君 建築基準法は最低の基準ですから、当然、特別養護老人ホームについては特別な仕様であるとか設備であるとか、そういうようなものが必要であるというふうに思うんですね。そういうようなところで設備の手抜きがあるとか、そういうことはないんですか。そういうのならすぐわかるわけですからね。
#125
○政府委員(江利川毅君) 今把握しているところでは、それはまだわからない、手抜きまではわからないというところでございます。一応、うちの方で示しているそういうおふろの基準とか部屋の基準とかには合致をしておるということでございます。
#126
○松谷蒼一郎君 こういうことではやっぱり行政改革を徹底的にやらなきゃならないというように思いますね。こんな簡単なことが直ちに報告できないというのには大変問題があるというように思います。
 いずれにいたしましても、三十億近い利ざやを丸投げで稼いだというのは非常に異常なことであります。一括下請については建設業法で禁止をしているはずですが、建設大臣いかがですか。
#127
○国務大臣(亀井静香君) ジェイ・ダブリュー・エム社のそうした疑いにつきましては、東京都の許可にかかわるものでございますので、今東京都において、無許可でやったのかあるいは丸投げでやったのか、この調査をいたしております。
 厚生省に対する御質問とも関連しますが、警視庁が資料を押収しておりますから、都の調査もなかなか進まないというのが現状でございます。結果に対してはきっちりと告発なりあるいは行政処分を都がやるように我々としては指導したいと思っています。
#128
○松谷蒼一郎君 安全性とか設備その他に特に問題がないということでありますが、だとすれば私は補助金の単価の設定に問題があるんじゃないか、非常に甘い単価であったのではないだろうかというように思うわけです。
 厚生省はこういった特別養護老人ホームの補助単価については独自に単価の見積もりをして実施をしているんでしょうか。
#129
○政府委員(江利川毅君) 施設の単価につきましては、厚生省で独自に調査したこともございますし、厚生省と大蔵省、自治省と共同で調査したこともございます。そういうものの調査結果を踏まえて単価の設定をしているところでございます。
#130
○松谷蒼一郎君 いや、だからそういうような手順はわかりますが、このたび起こったような事件から見てこの補助単価が適正なものであるかどうか、それについてはどうですか。
#131
○政府委員(江利川毅君) 今回の事例におきましては、補助単価のほかに融資を受けているわけでございます。補助単価がありまして、それで国と都道府県あるいは本人が負担をする。そういう施設をつくる場合には融資を受けられるようになっておりますが、基準単価の三割増しぐらいまでその融資が受けられるというようになっているわけでございます。それが全体の総事業費になっております。
#132
○松谷蒼一郎君 いや、融資はわかりますが、補助単価の設定についてのことを聞いているわけです。
#133
○政府委員(江利川毅君) 補助単価そのものにつきましては、実勢価格に比べて高いということではございませんので、今回のことをもって基準が甘過ぎるというふうに思っているわけではございません。
#134
○松谷蒼一郎君 そんな甘過ぎると思っていないと言いながら、何で三十億近い利ざやが稼げるんですか、おかしいじゃないですか。
#135
○委員長(遠藤要君) 質問者の質問の要旨をよくわきまえてお答えください。
#136
○政府委員(江利川毅君) 補助単価につきましてはそういうことで実勢価格を踏まえながらつけているわけでございますが、実際に建築をするに当たりましては、補助単価で考えられている基準以上に融資も受けてやっている、その総事業費の中で捻出をしているということでございます。
#137
○国務大臣(小泉純一郎君) 今回の不祥事は、補助基準を大幅に上回る豪華な施設をつくった、その中でこの仕組みを悪用して利ざやを稼いだと、丸投げで。でありますから、この補助基準が標準実勢価格と乖離しているんじゃないかという御疑問があると思うんです。ですから、その実勢の価格との乖離をできるだけ解消していかなければいけない、その努力は今後も続けていきたいと思っております。
#138
○松谷蒼一郎君 ということは、補助単価の定める基準に対して非常に豪華なものをつくった、それを丸投げしたから三十億の利ざやが稼げた。通常、補助単価というのはそういう豪華なものに云々という話じゃないんですよね。ちょっと事務局、(「過剰補助しているんだ」と呼ぶ者あり)過剰補助をしているという形になりますね。
#139
○政府委員(江利川毅君) 補助単価はすべて共通で決まっておるわけでございまして、豪華なものをつくったからといって、それに合わせて補助単価が上がるわけではありません。
 つまり、基準をつくって、それを超える部分は融資を受けるとか、そういう形でやっているわけでございまして、補助単価そのものではないわけでございます。
#140
○松谷蒼一郎君 これ以上言っても堂々めぐりみたいな気がいたしますが、しかしいずれにいたしましても七カ所で三十億の丸投げで利ざやを稼ぐということは補助単価の設定に問題があると私は思うんです。
 その補助単価ということを、これは積算ですから、積算というのは、建築の場合非常にこれは専門的な技術を要する、かなりの経験と工事現場に張りついた経験がなければなかなかこの見積もりというのはできない。そういう意味で、厚生省には補助単価の見積もり、積算の専門家というのがいないんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#141
○政府委員(江利川毅君) 福祉施設につきましてしかるべき構造基準等をつくっていて、それをまた実態調査をしてやっているわけでございますので、担当部局で適切に対応しているということでございます。(「専門家がいるかどうかと聞いているんだ」と呼ぶ者あり)施設の関係の担当者がいて、適切にやっているところでございます。
#142
○松谷蒼一郎君 専門家がいるかどうかということを聞いたわけで、適切にやっていると言えば、何でもかんでもそれは適切にやっているわけですから、それは答弁にならないね。
#143
○委員長(遠藤要君) 質問者の要旨をよく頭に入れてお答えください。
#144
○政府委員(江利川毅君) はい。
 建設の専門家ということであれば、老人福祉部局にはそういう建築基準士とかという意味での専門家はおりませんが、施設関係の整備をずっと担当している、そういう意味での専門家というんでしょうか、それはいるわけでございます。
#145
○松谷蒼一郎君 施設基準の専門家ということを聞いているんじゃないんですよ。見積もりの専門家がいるかどうかということを聞いているんですが、もう時間がなくなってまいりましたので、これはまた後に譲るといたします。
 いずれにしても、公共建築の発注単価の算定というのは非常にノウハウが必要なことでもありますし、各省庁別に行うんじゃなくて、ルールを決めて統一的に行う必要があるんじゃないかと思うんですが、建設大臣いかがですか。
#146
○国務大臣(亀井静香君) 建設省に専門家が多いわけでありますから、建設省が一括してやっても結構なんですけれども、現在の仕組みはそうなっておりません。
 しかし、統一性をできるだけ確保していくという観点から公共建築工事積算研究会、これを関係者でつくっておりまして、そうした統一的な運用をする努力はいたしております。
#147
○松谷蒼一郎君 なかなかまだ納得はしませんが、もう時間がございませんので。
 いよいよ年末に入りまして政府予算案の取りまとめに入るわけでありますが、先ほどから若干私は敷衍をいたしましたが、国土の均衡ある発展のためにぜひ過疎地域、離島地域、そういうようなところもお忘れなくきちっとした予算づけを行っていただきたいと、こう希望いたしますし、我が県にとっては長崎新幹線は大変重要な件でありますので、どうかひとつよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
#148
○寺澤芳男君 平成会の寺澤芳男です。
 行財政改革の前提として金融改革、経済改革をぜひ成功させたいという立場から、橋本総理の御提唱の日本版ビッグバンについてまずお伺いしたいと思います。
 まず、今日の株価が非常に低迷しているという実態を皆様に御説明したいと思います。(図表掲示)
 主要国の株価なんですが、一九八七年、例のブラックマンデー、十月十七日以降を見ましても、今ほとんどの国が二倍とか三倍、日本だけが相変わらず非常に株価が低迷をしております。資本主義、市場経済の国日本にとって、株式市場の低迷あるいは全く活気のない株式市場は大変残念なことであります。
 日本の株式市場の低迷にはいろんな理由があるわけですが、もちろん企業収益の見通しが余りよくない、これもあるでしょう。しかし、日本の経済が民主導ではなくて、残念ながら今まで官主導でやってきたではないか、あるいは日本の市場に透明性が欠けているではないか、公平性が欠けているではないかというような見方を世界からされている。だから、なかなか世界の金が日本にやつてこない。アメリカの今の株高の大きな原因は、アメリカ国内の投資信託が株を買っているということもありますけれども、世界の金が今アメリカに入っていっている。日本の市場が非常に透明度が低い、よくわからないということがやはり企業収益の低下と伴って日本の株安の一つの大きな原因になっていると私は思います。
 ことしの三月、住専の処理に公金を、税金を使うことに対して我々は反対をいたしました。このときに政府が言った金融秩序を維持するためという大義のもとで公金を使うことが断行されました。
 三月二十六日の日本経済新聞では、橋本総理大臣が、国会が正常化されたということを好感して久保大蔵大臣が、あのときに株が上がるだろうという感触を得た、それと同じように株価が上がったというようなことをダウが二万一千円に上がったときにおっしゃっておりました。今、二万百五十円の株価というのは、あの住専の処理の後よりもまだ下がっている。
 また、あのときに、日本の銀行が世界の市場からお金を借りるときに、ほかの国の銀行よりも若干金利の上乗せをしないと借りられない、これをジャパン・プレミアムと言うわけですが、このジャパン・プレミアムがまたまた上がってまいりました。今〇・二五。あの住専の処理のときに久保大蔵大臣は、もしこの住専の処理に成功するならば、あの当時の〇・五のジャパン・プレミアムを〇・一以下に下げることができるということを二月、当院の予算委員会においておっしゃっておられました。
 こういう日本の金融市場が大きな打撃を受けている。これは日本の国民経済にとって大変なマイナスです。これについて橋本総理大臣の所感をお伺いいたします。
#149
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど大蔵大臣在任中、当時のブレイディ財務長官と、たしか平成二年の春であったと思いますが、日本の市場が全体的に崩れている、その共連れの状況の中で円安を防止したいということから論議をいたしましたとき、たまたまブラックマンデーの後の市場再建の責任者のような役割をブレイディさんは演じられたようでありまして、そのときの体験に即してさまざまな議論をなさいました。
 その時点で非常に目立ちましたのは、三市場が全部連れて弱含む。しかもそれほど外国の投資家が日本から離脱をしている形跡がない。自分の体験としてはこれが理解できない。なぜなら、ブラックマンデーのとき、確かに大きく証券市場から引き揚げたアメリカの国内資金というものは為替市場並びに国債市場に向かった。だから、一方で減価した資産がどこに移動したかが非常にはっきりと把握できた。自分は日本の状況をじっと注意深く見ているけれども、外国に資金が流出した形跡も余り見当たらない。そして一方で、三市場ともに弱含みあるいは崩れている状況の中で、どこかにシフトした形跡もない。そういう状況の中で、非常に自分としては円安是正に対する協力はしにくい。それが当時のブレイディ財務長官の主張でありました。
 結果、その後のパリのG7まで時間はかかりましたが、ドイツ連銀までを巻き込んだ協調介入によって一応の突つかい棒をかうことができたわけでありますが、確かに、私はそのときも市場は非常に不思議な動きをするものだということは実感をいたしました。
 そして、今回、議員から今御指摘のように、本年の春先、住専の不良債権の処理というものが非常に大きく議論をされましたとき、そして国会でその方向が確定をいたしましたとき、それなりに市場が好感をしたことは議員もお認めいただけると思います。
 そして、その評価というものの一端を私が感じましたのは、リヨン・サミットの際、世銀総裁あるいはIMF専務理事等とお話をします中において、住専の処理というものが軌道に乗ったということよりも、そこに日本が公的資金を投入するという手法を採用したことによっていわば国際的に保証をつけた、そういう受けとめを自分たちはしているということでございました。大変厳しい御批判を浴びました後だけに、そうした見方も国際金融の世界においては成立をし得るものと、改めてそのような感じも持っております。
 そして、現在の水準、これが高いとか低いとか私の立場として申すべきではないと存じますが、一時期の市況と対比をいたしました場合、先ほどのグラフを拝見いたしましても、相当程度に戻ったところで日々の売り買いが成立をしているという状況があることも一方ではお認めがいただけると存じます。
 問題は、ここから後、一体どういういわば市場の関心から市況に変化が生ずるのか、それはプラスに転じるものなのかマイナスに転じるものなのか、マイナスに転じる可能性があるとすればどのような対応策を用意しそれに対処すべきかということでありましょうが、これは逆に、議員もよく御承知のように、前ぶれをいたすことのいわばエコーがどんな影響を市況に及ぼすかということについて我々は非常に注意深く見なければなりません。先般来の本院における税制改正の影響あるいは補正予算の必要性の有無といいました議論にも極めて注意深くお答えを申してきた理由もその辺にあることは、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#150
○寺澤芳男君 先ほど大蔵大臣から、ビッグバンということは百五十億年前に宇宙が大爆発したというような御説明がありましたが、今からちょうど十年前にロンドンでその大爆発のビッグバンがあった。今から二十六年前にはニューヨークでメーデーというのがあって、それぞれが大変な痛みを伴いながら金融改革をやっていったわけであります。
 たまたま一九七五年五月一日のニューヨークのメーデーあるいは一九八六年ロンドンのビッグバンを現地にいて目の当たりに経験した者として申し上げたいんですが、ニューヨークの場合はたまたま五月一日だったものだから、例の労働者の祭典のメーデー、もう一つの意味が御存じのようにテレビや映画でSOSのかわりにメーデー、メーデーという打電をする。手数料の自由化が行われると証券会社が多分つぶれるだろう、助けてくれという意味のメーデーということをウォールストリートの人たちは使ったわけですが、本当に証券会社が半分ぐらいつぶれました。
 あのときに、ウォールストリートのあの取引所の前にニューヨークの市警、ポリスのパトカーが何台もとまって、ニューヨークの市警、ポリスマンをウォールストリートから募集しておりました。ウォールストリートの証券会社で首になった人々がその前で長蛇の列をつくっておりました。
 ロンドンの場合は、ニューヨークに一歩先んぜられたものだから、物すごい言葉でロンドンをアピールしようと思ってあえてビッグバンという言葉を使って、そしてニューヨークの証券取引、すなわち特に株の手数料の自由化のみならずギルド社会を全部破壊して新しい金融制度をロンドンの場合は取り上げた。
 何が起こったかというと、多くのロンドンの銀行あるいはマーチャントバンク、証券関連のいろんな金融機関が外資系の、特にアメリカ系、ドイツ系の銀行によって乗っ取られました。しかしながら、サッチャーはあえてそれを選択した。ロンドンは貸し座敷でいい、ロンドンが栄えるためには必ずしもロンドンの金融資本がロンドンの金融を支配しなくてもいいという、これは彼女の選択だったわけであります。
 このビッグバンに伴う痛みというのは、短期的には非常に大きな痛みがくると思います。その辺のことも、特に監督大臣としての大蔵大臣、よく御存じなんでしょうね。
#151
○国務大臣(三塚博君) 寺澤委員は国際的エコノミストであり、経験的なただいまの偶然のお立ち会いだと思うんですが、ブラックマンデーとロンドン・ビッグバンにおられて見られた中の御見識を披露されました。自由市場というのは本来そういうものでなければならぬと思います。結果はそういう方向に行くのだと思うんです。新しい時代を迎えるというこの時点に立って痛みのすべてを計算してやるということになりますと、物事は中途半端になり、逆に中小の業界の方々にまで大きなハンディを背負わせるということになるのではないかと思うのであります。このままで何もじないでおりますと、二〇〇一年を待たずして東京市場はまさに混迷から低落の形になるのではないのでしょうか。
 橋本首相がそのことをつとに分析し、知悉いたしておりましたから、大蔵大臣、これでいかなければ我が国の資本市場は、他の追随を許すということだけではなく、ローカルカレンシーに落ちて、先輩がつくり上げたこの日本というものが後塵を拝し、憲法に私どもが掲げた名誉ある国家ではなくまさに大変な事態になるのかなと。
 御案内のように上海、まさにアジアのビッグバンを目指して、資本市場を目指して準備に入りました。ロンドンとフランクフルトは指呼の間でありました。東京市場と上海、まさに同じ距離であります。そしてシンガポール、香港、ボンベイまでこのポテンシャルの高いアジア地域をにらんで資本市場の準備に入っておるわけであります。それぞれがそれぞれの立場でやるわけでございます。
 ここまで積み上げてまいりました経済国家であります。国際的に貢献してまいりました。そして、千二百億円の預貯金を持っておる国民であります。政府を信頼し、市場を信頼してお預けをいただいております。そういうことでありまして、やり抜かなければやらない前よりも大変なことになる、やったことによって、このことは痛みを伴いますが、着実に前進して発展していける、少なくとも安定して国民の皆様に御信頼をいただく、こういうことであります。
#152
○寺澤芳男君 大蔵大臣、二〇〇一年まで待てますか。それまでに御指摘のようにシンガポール、韓国がビッグバンを始める、一九九七年には香港が中国に返還される、一九九九年には多分EUでの通貨統合が行われる、非常に速いスピードで世界が動いている。おっしゃるとおりです。二〇〇一年まで待てますか。待てないとすれば前倒しが考えられますか。
#153
○国務大臣(三塚博君) 橋本首相からは、二〇〇一年を目指すということではあるが、一月一日ということになりますと三カ月前、こういうことになります。できるだけ協議を相進め、準備を相進め、対応してほしいと。
 先ほども申し上げましたとおり、五つのこの分野の審議会がございます。それぞれがそれぞれの分野の一流の学者であり、経済専門家でございます。民間の方々を中心に構成されておりますが、実は寺澤議員の言われるような危機感を私も共有しているものでありますから、この各位に首相の言葉としてこのことを伝え、ぜひとも早期の結論をお出しいただけませんでしょうかと。為替に関する外為審議会、来春早々その報告をいただけるのではないかと思っております。
#154
○寺澤芳男君 橋本総理のビッグバン構想について、もう一つ御指摘を申し上げたいと思うんです。
 この構想では公的金融の改革に触れていない。現在、市場原理を無視した公的金融、これは市場を撹乱する要因になっております。民間の金融だけを自由化したところで、郵便貯金などの公的金融が非常に大きなウエートを占めている今のままでは金融自由化というのは非常にゆがんだものになると私は思います。金融自由化によって非常に激しい競争が起こってまいります。廃業する金融機関もあるでしょう。そんなとき、政府によって手厚い保護を受けている郵便貯金、そういうものが民間と競合する、これは市場経済ではありません。
 仮にビッグバンの完成目標の二〇〇一年、これは郵便貯金の十年物の定額貯金の満期が集中します。郵便貯金から資金を逃したくないばかりに、二〇〇一年にもこれまでのように貯金の限度額を一千万円からさらに上げるようなことをしたら、総理のお考えになっている金融の自由化は一体どうなるんだろう。公的金融機関の今後のあり方について、総理、郵政大臣のお考えをお聞かせください。
#155
○国務大臣(橋本龍太郎君) ここしばらくの間、信金、信組等を含めました民間の金融機関にさまざまな不安が発生をいたし、一部は現実に破綻という状態になりました。その間、そこから離脱した資金というものが相当部分郵貯に回ったという事実を私は否定いたしません。同時に、それだけ国民が安心してお使いになっているものであるという事実も、これは否定ができないと思います。
 そして、私は何も郵貯をかばうつもりも、また必要以上に悪口を言うつもりもありませんけれども、高齢化の進展がとりわけ顕著である、そうした地域の住民を含めて基礎的な金融サービスという役割を果たしている部分が非常に大きくあったという現実は、私は議員も否定はされないと思います。しかし、当然ながら、将来の問題として国がいかなる機能を果たすべきなのか、そうした意味での聖域のない検討の中において検討対象にならないという種類のものでないことも事実であります。
 と同時に、先ほど二〇〇一年まで待てますかというお話がございましたけれども、一方で、不良資産の処理というものと改革を車の両輪として動かしていきます場合に、遅くとも二〇〇一年という言葉を私は使いました。その中で、早く手のつけられるものは当然ながらどんどん手をつけていくという必要性があることは私は全く否定いたしません。
 しかし同時に、その速度として、ユーロについての欧州側の最終的な合意というものがどういう細かい内容を持つものであるのかを調べたい、そう言って今私は指示をいたしておりますが、ユーロが本当に強い統一通貨になり得るのか、非常に極端な言葉を使いますならば、現在Dマルクの価値を維持するためにドイツ連銀が採用しております厳しい基準をもってユーロが運用されることになるのか、スタートをすることになるのか。あるいは、それよりもより制限の緩いと申しますか、幅のある対応が許されておりますものにある程度引きずられた形でシフトをいたしますのか、それによっても状況は全く変わってくると思います。
 しかし、いずれの場合でありましても、アジア太平洋地域において、あえて私はキーカレンシーとは申しませんが、他の二極の通貨に対して安定した水準を維持し得る通貨が存在をし、その通貨を主として取り扱う市場というものが、アメリカでどんどん開発されておりますような先端的な商品をも含めまして信頼性のある市場において取引をされることの重要性は今さら申し上げるまでもありません。その意味では、私は遅くとも二〇〇一年にはこれらの作業は完了しなければならないと思っておりますけれども、一方での不良資産の処理の問題と、そして新たに生まれるユーロというものがどの程度の強さを持つのかによってその辺は弾力を生じるのではないか、そのような意識も持っております。
#156
○寺澤芳男君 郵政大臣。
#157
○国務大臣(堀之内久男君) 基本的なことはただいま総理から御答弁ありましたが、郵便貯金はかねてから金融自由化に適切に対応しつつ、全国各地に二万四千六百の郵便局を持ちまして、ネットワークを通してあまねく公平に個人の基礎的金融サービスを提供いたしておるところでございます。しかも、その資金は社会資本の整備のために大きな役割を果たしております。そして、今後とも金融自由化には十分対応しつつその役割を果たしていきたいと思っております。
 先ほどこの貯蓄のあり方についてもありましたが、寺澤委員は金融、証券の専門家でありますからその点は大変詳しいわけでしょうが、我々の郵便貯金が約二百二十兆、国民の金融資産は約千二百兆、そのうちの二〇%前後なんです。これは今も十年前もほとんど変わっておりません。恐らく国民の相当数あるいは庶民大衆、私のような田舎者は別でありますが、私の農村あたりで株とか信託とか、これは関係ないわけなんです。みんな五分の一ぐらいは非常に安全な郵便貯金とか本当に元金の保証されたようなものに国民が自動的に預ける。これは私は人間の本能だと思うんです。自分の財産を確実に貯蓄しようということで、私は、大きくもふえない、減りもしませんが、大体二割前後で今日推移をしてきておる、このことが郵便貯金の姿だと思います。
 そして、五年後の二〇〇一年に郵便貯金の解約のピークが来たときの限度額をどうするかと、こういうことですが、これも私はやはり、国民の金融資産が総体的に伸びればあるいはまたそのときに国民の要求もふえるかもしれません。しかし、その限度額というのは勝手に郵政省が決めることはできません。これは国会の御審議を経て、ここで限度額も決めていただくものでありますので、五年後のことについて今ここでどうこう申し上げる、意見を申し述べる段階ではないと思います。
#158
○寺澤芳男君 この問題は非常に大きな問題で、ちょっと時間が足りませんので、後ほど機会があったらゆっくりまた質問をさせていただきたいと思います。
 総理はフリー、フェア、グローバルということをおっしゃっている。グローバルということで、日本は時差の面である意味では非常に有利な立場にある。まず日本の市場が午前九時に開く、夕方になるとロンドンが開いて、そしてロンドンの五時間後にニューヨークが開くということで、日本の金融市場というのは為替も株も債券もそういう意味では非常に有利な立場にありますが、同じ立場にあるのは香港もそうだしシンガポールもそうであります。
 今、たまたま、三大証券市場の株式売買代金のシェアなんですが、(図表掲示)僕が申し上げたいことは、東京が去年の段階でこんなに落ちています。非常に今シェアが低くなっている。これを皆さんに指摘したかった。
 どうして日本のシェアが低くなっているのか。いろいろあるでしょう。そのためには日本でのビッグバンが必要になってくるわけですが、結局、会計制度とかあるいはデリバティブ取引の法制度、こういうものを整えるという問題もあるでしょうが、具体的には日本の商用語を英語にしないとこれは非常にうまくいかないロンドン、ニューヨークはもちろん英語です。もはや英語はアメリカとか英国とかオーストラリア、カナダで使われている国語ではなくて世界の言葉になってきていますから、特に金融市場ではやはり英語が商用語になるんだろうと思います。ローヤー、弁護士も公認会計士も、周りの人たちがすべて英語を理解するようなそういう市場を東京につくり上げていかないと、ロンドンとニューヨークと東京、この三つが金融センターになるのは非常に難しい この日本の英語の問題なんですが、非常に英語教育に日本は力を入れておりまして、中学三年、高校三年、人によっては大学四年、英語に十年時間とエネルギーとそして金を使っているにもかかわらずなかなかうまくいかない
 この英語教育について文部大臣はどうお考えになっているのか、ちょっと御意見をお聞きしたいんですが。
#159
○国務大臣(小杉隆君) 寺澤委員は、フルブライト留学生でペンシルベニア大学の大学院を卒業し、野村証券の米国の社長になり、また民間人として初めて国際機関であるMIGAの総裁にもなられた、大変国際社会の中で英語の重要性、必要性というものを痛感された経歴を持っている方であります。私も、寺澤委員の指摘されるとおり、国際化を迎えてこれからの日本人の英語教育は非常に大事な段階に来たと思っております。
 今、学習指導要領においても、いわゆる文法とか作文ではなくて、コミュニケーション、会話ですね、この能力をもっともっと身につけさせるということを目標にしておりまして、例えば中学、高校におきましてはJETプログラム、外国人の教師を呼んでくる、こういうことが年々強化されまして、昨年度は四千八百人、来年度の予算要求では五千三百人を要求しております。また、こちらから英語教師を外国に派遣する、これも今年度は三百二十名、それから平成九年度は三百三十六人を要求しております。
 そして私は、大学におきましても英語による教育というものは非常にふえていかなければいけないと思っております。これは、大学におきまして私は三つの分野があろうと思います。まず、日本の学生がもう少し国際的な英語能力を身につけるということ、それから外国から留学生を積極的に招致して世界の人材養成に貢献するということ、そして研究交流とか人材交流とかそういう学術研究の場においても日本の大学の果たす役割は大きいと思っております。あるいはまた、大学におきましても英語による授業というものが年々ふえておりまして、例えば英語を初めとする外国語で教育をしている大学は百七十に上っておりますし、大学院においては八十八の大学で実施しております。
 いずれにいたしましても、こうした国際化の中で、大学におきましても、中学、高校におきましても、さらに一層実践的な英語能力を身につけさせるために最大の努力をしていかなければいけないと考えております。
#160
○寺澤芳男君 とにかく日本の若い人たちが、僕らの年配はもう無罪放免ですが、二十代、三十代、四十代の若い人たちが特にいわゆる国際語の英語というものが普通にできない。しゃべり、聞くじゃなくて、むしろ僕は読み書くということに重点を置きたいんですが、日本のマスメディアだけではなくて英語によるマスメディアを読み、見ていないと、やはり世界の動きにはなかなかついていけないんだろうとかねがね思っております。
 だんだん時間もなくなってまいりましたので、先ほど大蔵大臣がちょっと触れてはおられましたが、非常に大切なことだと私は思いますので、自己責任ということについての私の考え方を申し上げて、それについての総理のお考えをぜひ聞きたいわけです。
 このビッグバンの根底には、やはり一番大きな考え方というのは自己責任だろうと思います。この自己責任という言葉は、初めに英語があって、それを日本語に多分訳したんだろうと思うんですが、いわゆる英語でもってセルフレスポンシビリティーとか、我々日本人が考える自己責任の裏側にあるであろうと思う英語を調べてもない、アメリカでもそういう言葉はないいろいろ考えてみますと、十九世紀のアメリカの哲学者であったエマーソンが「セルフリライアンス」というエッセーを書いておりまして、それが今ウォール街で大きな反響を呼んでおります。自己責任というとちょっとニュアンスが違ってくるんですが、むしろ自分を信頼すると。だから、私をも含めた日本人のグループ単位の行動様式というのが根本から変わらない限り、このビッグバン構想というのは非常に難しい根本的な問題にぶち当たるんじゃないかと思います。
 この自己責任という考え方、平等という考え方が、結果ではなくて機会、チャンスはすべてに平等に与えるけれども結果はわからないという徹底した自己責任のもとで行われないととてもだめだろう。このセルフリライアンスとかセルフリスぺクトという言葉は、橋本総理大臣の母校、慶応義塾の創始者の福沢諭吉先生の独立自尊の自尊に限りなく近い言葉だろうと、僕は非常に重く受けとめております。
 この改革のもとにある日本人の自己責任、このことについて総理のお考えをぜひお伺いしたいと思います。
#161
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、議員と小杉文部大臣のやりとりを聞いておりまして、私は世をはかなみたい心境になっております。
 子供のときから語学に関する才能は全く欠落しておりまして、日本語も時々使い間違えてしかられるぐらい、外国語に関して私は全く才能がございません。ですから、議員が今、自己責任原則というものを大変さまざまた言葉に置きかえられましたが、そのうちのどの訳語が適切であるかを判断する能力を持ちません。
 しかし、私は、自己責任原則を確立するというのは、金融システム改革の中で極めて大切な柱だと思います。
 一方、今すぐ自己責任原則を強調できるかというなら、私はその前にやらなければならないことがある。それはまさにフェア、透明で信頼できる市場というものを目指しました場合に、その自己責任原則というものを確立するためにも、十分な情報の提供と同時にルールの明確化というものを先行させなければなりません。そのためにはディスクロージャーを充実、徹底させるということが必ず必要なはずでありまして、私は、まずこれがあって、その上で自己責任原則というものを我々は国民に対してお願いができる、そのように思います。
 また同時に、現在そのディスクロージャーが必ずしも十分でない状況の中におきまして、例えば破綻金融機関に対するペイオフというものを考えた場合、預金者に自己責任を問い得るだけの環境整備というものをできるだけ我々は早急に行わなければなりません。言いかえますならば、破綻金融機関のペイオフに対して、預金者にその責任を問い得るだけの環境整備というものを二〇〇一年までのできるだけ早い時期に我々は進めていく必要があるわけでありまして、その準備ができ上がりまして初めて破綻処理の選択肢の一つとしてこれを選択することも可能になるでありましょう。
 自己責任原則を確立するためにも、私は、やはり十分な情報の提供とともにルールの明確化を急ぐといった行為を先行させるその努力が必要である、そのように考えております。
#162
○寺澤芳男君 ビッグバンの中に、銀行、証券の垣根を限りなく低くする、あるいは証券会社の株の手数料を自由化する等々あるわけですが、結局、再三私はお願いを申し上げておるんですが、証券会社の行政の中の免許制を登録制にすべきであるとか、あるいは有取税を廃止すべきであるとか、あるいは銀行がずっと今まで産業支配をやってきて、今でも銀行が会社の普通株を持てる状態、アメリカでは持てませんが、そういう非常に有利な立場にある。
 そういう実態等々について、大蔵大臣に今の三点について、今のお考えをお聞かせ願えれば大変ありがたいと思います。
#163
○国務大臣(三塚博君) 英国流のビッグバンを目指す以上、垣根は一つ一つ越えていかなければならないと、御説のとおりでございます。よって、五つの審議会に向けまして早急に結論を得てくださいますようと、先ほど申し上げたとおりであります。特に、手数料の自由化というのは必須の条件になってくるでありましょうし、そのことの答申がどういう形で出てまいりますか、お待ちを申し上げるということであります。
 有価証券取引税については、活性化を図るために、既に平成八年度においての〇・三の税率を〇・二一ということにしております。少ないのではないかという御指摘もあろうと思いますが、今日の状況の中で、まず八年度でスタートを切ったところでございます。
 今後におきましても、さらに金融関係税制については大蔵省として、また私たちとしても検討を続けてまいるつもりであります。
 特に、有取税について一言申し上げますと、今後の証券市場の構造改革の進展状況、そして株式市場の動向等を踏まえまして、株式等譲渡益課税を含む証券税制全体の中で検討していかなければならぬと、このように思っておるところでございます。
 以上、申し上げさせていただきました。
#164
○寺澤芳男君 これで終わります。
 関連を荒木さんにお願いいたします。(拍手)
#165
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。荒木清寛君。
#166
○荒木清寛君 荒木清寛であります。お尋ねをいたします。
 今、公務員の綱紀粛正ということが政治また行政にも一番求められているところでございます。そのやさきでありますけれども、私はその中央の行政官庁の最高責任者である、ある大臣につきまして、大臣としての資質にかかわるのではないかという、そういう報道に接したわけでございます。
 これは十四日の朝刊でありますけれども、簡単に言いますと、亀井建設大臣が十数年間にわたりある大学のグループ企業が所有する国会近くのマンション、パレロワイヤル永田町の一室を使用料、家賃を払わずに政治団体事務所などに使っていたということがわかったという、そういう報道でございます。
 そこで、建設大臣に聞きますけれども、この報道のようにパレロワイヤル永田町の一室を使っていた事実があるのか。あれば、それはいつごろからか、だれから借りたのか、そしてどういう目的で使われたのか。お答え願います。
#167
○国務大臣(亀井静香君) 極めて不愉快な質問を受けたわけでありますが、あの部屋は私の友人が都内の事務所として使用するために購入されたものでありまして、ただその方を中心に、政治家あるいは文化人、マスコミの方もいらっしゃいましたけれども、研究会を定例的にその場で催すような状況が長く続いてまいりました。
 そういうことから、私は個人事務所もございませんので、その方から、人と会うときに込み入った話をするとき等、議員会館だけでは不便でしょうから、そういうときにはどうぞお使いくださいということで時々使わせていただいておったような状況でありまして、そういうことでありますから、私だけではなくて、他の政治家の中にもそうした時々お客さんと会うためにあの場所を使われた方もいらっしゃるわけであります。
 そういう意味で、政治資金規正法上の届け出を要する、そういうものではない、この報道は極めて不見識な報道だ、私はこのように考えております。
#168
○荒木清寛君 いいですか、大臣、この報道には十一月から家賃三十万円を支払い始めたと書かれていますが、事実でありましょうか。もしそうであればなぜ十一月からお払いになるのか。お答えください。
#169
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども御説明いたしましたように、それまで時々お客と会うときに使っておったわけでありますけれども、私も当選回数を重ねてまいりましてそうした長時間込み入った話をする機会もふえてきたわけでありますので、この際ここを正式な事務所として使いたいと。
 なお、その後もその方も同じようにその事務所をお使いになるということでございます。
#170
○荒木清寛君 自治省にお尋ねをいたしますが、この新聞のコメントとして、事務所の家賃を払わずに無償で借り受ける場合には政治資金規正法上の献金として処理すべきだというコメントでございますけれども、それでよろしいでしょうか。
 今、大臣からお話がありましたけれども、亀井大臣につきましては今までそういうこのパレロワイヤル永田町につきまして届け出があったのかなかったのか、御報告願います。
#171
○政府委員(牧之内隆久君) 一般論として申し上げますと、政治資金規正法上、「「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。」とされているところでございまして、物品等の無償貸与もここで言う財産上の利益に該当すると解されているところでございますが、いずれにいたしましても、寄附に該当するかどうかは個別具体の事実関係に即して判断されるべきものと考えております。
 また、パレロワイヤルでございますか、そこのところにつきましてはまだ確認をいたしておりません。
#172
○荒木清寛君 それでは、我々も今後さらに調べまして、通常国会におきましてさらにただしていきたい、そのように考えております。(「新聞記事で軽々しく質問なんかするな」「偉そうに言うな」「おかしいぞ、大臣が」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり)
#173
○委員長(遠藤要君) 静粛に。
#174
○荒木清寛君 じゃ、ちょっと総理にお聞きしますけれども、今、新聞記事を云々言われましたけれども、私は事柄は重大だと思うんです。これは要するに政治家の倫理にかかわる問題ですから、やっぱりきちんとしなければいけないと思います。
 きょうも総理は、公務員の規律を正す、二十日には決定をしまして、なるべく早くそれを実現していくという、そういうやさきでのこういういわゆる大臣の倫理に関する記事でございまして、このことにつきまして総理として何か御見解はありますか。
#175
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、実はその記事を読んでおりませんので詳細は存じません。しかし、いずれにせよ、建設大臣も今自分で説明をしておられましたが、自治省として、先ほど現在まだ調査をしていないという答えだったわけでありますから、当然ながらそれなりの事実確認を行うでありましょう。その上で御判断を双方ともされる種類の話だと私は思います。
 ただ、その上で政治家として、それぞれの政治家もまたみずからを省みることがなければならないと思いますということは先ほど午前中の答弁で公務員の倫理の問題に触れましたとき私自身が申し上げたことであります。
#176
○荒木清寛君 次に、消費税問題につきまして質疑をいたします。
 先週の衆議院本会議で新進党提出の消費税据置法案が否決をされました。消費税五兆円増税、所得税減税打ち切りで二兆円、また社会保険料アップ二兆円、来年は九兆円の大増税元年になるわけでございまして、そのことが景気の足を引っ張ることを私は非常に懸念をするわけであります。
 さらに、私は大変残念でありましたことは、自民党の代議士の方がこの消費税問題に関しまして選挙の前と後でくるっと態度をお変えになった、少なくない方が、その事実でございます。もう何回もこれまで議論になっておりますけれども、当選をされた代議士の方だけでも自民党で百人以上の方が反対とか税率アップ凍結等々を主張され、私が選挙公報で確認をしただけでも三十人近くの当選をされた方が税率アップ反対という公約であったわけです。
 ところが、実際、先週の三%据置法案への採決では出席をされた自民党の方全員が反対をしたということですね。要するに、もう選挙の前と後でくるっと態度が変わっているわけでありまして、そういうことが私は国民の政治家不信を増長するのではないか、そう思いますけれども、総理いかがですか。
#177
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、今回の衆議院選に突入をいたします時点で、消費税率の引き上げというものは平成六年の秋に議論をした上で決している内容、そのような思いで選挙公報にそれを記しませんでした。そして、告示の初日に街頭の遊説に立ちましたときには、その問題に触れるより私はむしろ沖縄の問題等に触れてまいりました。しかし、一日たちまして、むしろ私が予期したのとは異なり、行政改革その他の問題よりも消費税の税率の方がこの選挙では問題になると感じまして、二日目以降、街頭すべての場所で私は消費税率を二%引き上げさせていただきたいという訴えを続けました。
 告示以来、自分の郷里を除きまして私が回りました小選挙区数はすべてで百六でありますが、その百に近い選挙区で私はその税率を引き上げさせていただきたいという訴えを申し上げ、少なくともそのとき私と一緒に並んでおりました候補者の中でそれには反対だと言った我が党の候補者はおりませんでした。
 私は、当然のことでありますけれども、税制というもの、これは国民の信頼と理解がなければ十分に機能しない、国民の理解と協力が何より重要なものであることは言うまでもないと思います。そして、選挙中の発言、それにつきましては国会での論議あるいは行政改革の実行などを通じて税に対する国民の御理解と信頼を高めていくことが非常に重要だ、そういう趣旨と理解をしてまいりました。
#178
○荒木清寛君 次に、内容に入りますが、いわゆる消費税率の見直し条項についてです。所得税法及び消費税法の一部を改正する法律附則第二十五条というのがありまして、要するに「消費税の税率については、社会保障等に要する費用の財源を確保する観点、行政及び財政の改革の推進状況、租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況、財政状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」という、二年前の改正のときに成立したわけです。
 要するに、これは増税ですから、慎重の上にも慎重を期して本年九月三十日に最終結論を下すという意味だと私は思います。しかも、増税という問題は景気に対する影響が非常に大きい可能性があるわけですから、慎重の上にも慎重に配慮をして、ぎりぎりの段階まで本来は結論が出ない問題ではないか、そう思うわけでありますけれども、しかし実際には、ことしの住専国会が六月十九日に終わりまして一週間もたたないうちに、六月二十五日という早い段階で、早々とこの五%は変更しないという閣議決定といいますか確認があったわけでございます。
 そこで、私は経済企画庁にお尋ねをしますけれども、この税制改革が物価、経済に与える影響試算という資料をいただきました。これは平成八年七月に試算をされたということで、もう少し聞きますと、七月二日にこのような試算をしたという話なんですね。
 なぜこの段階でこういう試算をされたのか、なぜ七月二日に消費税が景気と物価に与える影響の試算をなされたのか、長官にお尋ねをしたいと思います。
#179
○政府委員(坂本導聰君) お答えいたします。
 六月二十五日の閣議決定におきまして、「消費税及び地方消費税の税率について」ということにおいて、消費税の五%への引き上げについて確認がなされました。これを受けまして、私どもはその直後に試算を行ったということでございます。(発言する者あり)
#180
○荒木清寛君 後ろからも声がありましたけれども、逆だと思うんですよね。要するに、景気に与える影響がどうか、足を引っ張らないのか、それを検討して最終決断をするというのが本来のこの見直し条項の趣旨だと思うんですけれども、決定をしてから試算をするというのであれば、どういう意味があるんでしょうか。
 そこで、総理にお尋ねいたしますけれども、随分早い段階で閣議決定をなされましたけれども、本当にいろんな情勢を慎重に検討して御決断をいただいたんですか。
#181
○国務大臣(三塚博君) この件につきましては見直し条項の解釈の問題になると思うんです。
 その前に、平成六年秋に決定された税制改革の一環として実施するということでありますし、政府においても、その際設けられた消費税率の検討条項を踏まえながら、平成七年度、八年度予算編成等を通じ、付記されております社会保障、行財政改革、課税の適正化等にさまざまな取り組みを行いますとともに、国会等における質疑を通じまして、こうした取り組み状況や税率に関する考え方を明らかにしてきたことは御案内のとおりであります。
 こうした取り組みの状況を踏まえながら、決定されました五%という税率で十分かどうかについて議論を重ねてきましたけれども、一点として、五%という税率は所得税、個人住民税の恒久減税におおむね見合うものでありまして、この税制改革は我が国の経済構造改革の柱の一つであるということ、また、我が国財政は危機的な状況にありますことは御案内のとおりであります。
 減税見合いの消費税率引き上げすら行わないのでは財政状況は一層悪化をし、後世に借金を残して顧みないという現代の批判もあるわけでございますが、我が国経済に取り返しのつかない影響を与えるだけではなく、次世代に対する現代の責任という意味で、政治責任、議会制民主主義の原点すら問われることになりかねないのではないだろうかという懸念があります。
 社会保障につきましては、施策の充実とともに効率化、適正化に向けた議論が行われておる最中でもあり、行財政改革について国民負担率の上昇を抑制していく観点からも財政構造改革の議論が始まっていることであります。
 これなどを勘案いたしまして、本年六月二十五日、政府として消費税率はおおむね法律で定められておりますとおり、先行実施されている恒久的な所得税、個人住民税への減税と見合いの五%で施行する旨を確認したものでございます。
 そういう観点からいいますと、消費税率を変更する必要があると認めたときにとるべき措置について規定しておるのが附則二十五条である、必要がないと認めたときのとるべき措置について何ら規定のないことは委員御案内のとおりであります。
 したがって、消費税率を変更しない場合には、内閣の立場で文書を国会に提出し、これについて国会で議論し結論を得るという手続が求められているとは考えておらず、提出資料そのものが五%の引き上げの審議対象となるものと考えておらない、こういう討議と分析、附則の目指すところはそういうことであったということであります。
#182
○荒木清寛君 私が聞いていないことを半分以上お答えになったわけなんですが私が今聞きましたことは、経済企画庁は閣議決定の後でそういう試算をしているわけなんですけれども、本当に最終決断をするときに、この三から五への増税が日本経済を失速させないのか、慎重の上にも慎重に検討したんですかということを聞いたわけでございます。
 もう時間がありませんから、次の問題に行きます。
 今の大蔵大臣の答弁にもかかわりますけれども、消費税の見直しを九月三十日までにするというこの条項の解釈なんですが、私は、本質的に六月二十五日の閣議決定が一番問題であると思いますのは、国会がまだ何も議論をしていないのに、内閣限りで、あるいは政府限りで最終決定をしてしまった、そこが財政民主主義といいますか、国会のそういう財政に対する権限という意味からしましても非常に問題があるんではないかというふうに考えるわけなんです。
 そこで、内閣法制局長官にお尋ねいたしますけれども、この見直し条項、いわゆる第二十五条によりますと、いろんな状況につきまして検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずるというふうにされておりますけれども、そういう検討をして必要な措置をする責任を負っているのは国会である、私はそういう解釈をしているわけです。これはもう法律で決まっている税率を見直すための条項でございますから、当然国会が検討をして見直していくという条項だと思いますけれども、そういう解釈でよろしいでしょうか。
#183
○政府委員(大森政輔君) 委員御指摘のとおり、この検討条項、第二十五条には、明文上はその主体が書かれておりません。したがいまして、こういう場合にだれが行為の主体であるかということは事柄の本質から考えていくべき問題であろうと一般的には言えるわけでございます。
 そこで、本件の場合を考えてみますに、憲法が採用します租税法律主義に基づきまして、消費税率のような基本的な課税要件手続と申しますのは国会の議決による法律によらなければならないということに当然なろうかと思います。したがいまして、最終的に国会が御判断なさる事柄であるということにつきましては委員御指摘のとおりでございます。
 それとともに、同時に御指摘の税法一部改正案の提出者である政府の立場といたしましては、この検討条項は、事柄の順序といたしまして政府において第一義的に検討を加える、その結果消費税の税率を変更する必要があると積極的に判断した場合に、それに沿う改正案を国会に提出し国会の判断を仰ぐということをも予定しているということでございまして、先ほど大蔵大臣から御答弁がありましたように、政府といたしましては積極的に消費税率を変更する必要があるとは認めなかったわけでございますから、御承知のような経過をたどったということでございます。
#184
○荒木清寛君 最終的には国会が判断をする責任を持つという趣旨だと思います。
 そういう意味では、新進党は九月九日に臨時国会召集要求書を憲法に基づいて出しましたけれども、結局冒頭解散になってしまったわけであります。九月三十日までに議論をすることができなかった。だから、消費税隠したとも言われたわけでございます。
 そこで、橋本総理にお尋ねしますけれども、こういう国民的な議論を避けるというやり方が私は問題であると思うんです。これでは、いまだに五%への国民の理解というのは十分得られておりませんし、やはり財政に関する国会中心という考え方からすれば問題があったんじゃないかと私は思いますが、いかがですか。
#185
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、事実関係として、この五%という税率が平成六年十一月に国会において可決、成立されます前に、国会の衆参両院におかれてもそうでありますし、世間的にも大変議論のあったことであるということをまず一つ申し上げたいと存じます。
 そしてまた、大蔵大臣から今お答えを申し上げましたように、この検討条項というものは、税率を変更する必要があると、そう認めたときとるべき措置についての規定をしているわけでありますけれども、変更する必要がないと考えましたときにとるべき措置というのは何ら決められていないその意味では、私どもとしては法律上問題がある行動だとは考えておりませんし、現に今国会になりましてからも、この消費税率の引き上げの問題につきましては、本院におかれてもまた衆議院におかれましても随分御論議をいただいている、事実問題としてそのように思います。
#186
○荒木清寛君 それにしましても、九月三十日に向けてこれから国会が議論をしようとするその前に決定してしまう必要はないと私は思うんです。
 そこで、この検討条項、見直し条項の内容的なことを、要するに見直し条項でどういう点を見直すのか、社会保障あるいは行財政改革の推進等々の点につきまして若干お尋ねしたいと思います。
 総理、増税の、国民に税負担を求める前提としての行政改革というのは、この二年間で十分に済んだというふうにお考えですか。
#187
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは何をもって十分と言い、あるいは十分でないと判断をされるのか、そのルールも明確なものではございません。
 しかし、少なくとも前村山内閣におきまして、三党連立政権のもとにおいて、閣内におきましても与党の内部におきましても、例えば特殊法人の問題について相当な議論が行われ、特殊法人の改廃についての一定の方向が定められ、その計画は現に進行しつつあります。あるいは、規制緩和の内容あるいは数、これもいろいろな御論議の存するところでありますが、規制緩和計画というものも着実に現在進行中であります。あるいは国家公務員の定員削減というものも既定の計画に基づいて進行いたしております。
 そういう意味では、行政改革は、高らかに声を上げながらというのではございません、地道に進行してきている。しかし、それで足りるかというならば、我々は今もっと本格的な行政改革を必要とする。それは今国会に入りましてから繰り返し申し上げておるところであります。
#188
○荒木清寛君 今の総理のお話を聞きましても、二年前の十一月に五%を決めた、二年間本当に政府が身を切るような行革をやったとは私は思いません。特殊法人のこともおっしゃいましたけれども、これも数合わせだというふうに言われてしまったわけです。実際、平成六年度、平成七年度、平成八年度の特殊法人に対する国からの支出を見ますと減っていないわけで、ふえているわけなんです。また、将来幾ら減りますという提示もないわけです。
 また、総理は中央省庁の統廃合、再編を発表になりました。一年かけて成案を得て五年後から実行するということです。私はそれでも遅いと思っていますが、しかし相当な決意でやるというふうにたびたびおっしゃっております。しかし、もしこれも二年前にそういう決断をしておれば、もう既にそういう省庁再編の姿というのは国民の前に明らかになっておったわけです。実際、その間新進党は何回も中央省庁の再編を含む行革の法案を出しましたけれども、与党は御審議をされなかった。そういう状況から考えますと、本当にこの二年間一生懸命やりましたと言って国民に理解してもらえる状況ではないと私は思います。
 財政改革につきましても十分やったかどうかお尋ねするわけですけれども、一点だけお尋ねしたいと思います。
 それは、きょうも午前中お話がありました国鉄清算事業団に引き継がれた昔の国鉄の借金の清算問題ということですね。当初、十年前は二十五・五兆円であったわけでありますけれども、当時は橋本総理が運輸大臣でありました。努めて国民負担を減らしますというふうにおっしゃいましたけれども、十年たって結局二十七兆円にまで膨らんでしまったわけです。これはもう住専どころではない大変な問題でございまして、毎日毎日この借金の利子が三十五億円もふえているわけです。もしこれが全部国民の負担になるとすると、土地や株の売却を考えましても一人十七万円という、まさに一日の猶予も許されない問題ではないかと思うんです。
 ところが、残念ながら政府におきましてはこの借金の返済についての抜本解決を先送りしたという話です。その一方で整備新幹線につきましては財源確保を本当に一生懸命やっていらっしゃる。私は、この整備新幹線の必要性、先ほどもお話がありましたけれども、決して否定はいたしませんけれども、これは公共工事全体の優先順位の見直しという中で考えていく問題だと思うんです。決してその分だけその公共工事の枠をふやす、国民負担をふやすという話ではないと思うんですけれども、実際に政府における議論はそういう方向に進んでいってしまっている。(「政府じゃない」と呼ぶ者あり)与党ですか。私の認識では政府もそのような方向で考えているのではないか。
 もしそうであれば、これは全く本末転倒ではないかと思うんですよ。借金の返済のことは先延ばしにして、新たな国民負担の可能性のある問題を一生懸命議論するというのは順序が逆ではないかと思いますが、総理、財政改革の観点からお答えいただけますか。
#189
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昭和六十一年十一月十二日、本院の国鉄改革特別委員会で私は、
 この三千三百三十ヘクタールの処分用地というものをできるだけ効果的に売却をしていき、少しでも上積みを図ることによって最終的に国民に御負担をいただく金額を圧縮したいと考えておりますから、十四兆七千億を少しでも減らしたいと考えておりますが、仮定値を置いた上での論議としては今十四兆七千億という数字が最終的に国民に御負担を願う数字ということになります。
  ただ、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、私どもはこの用地処分というものを最も効果的に行いたい、しかも国民に疑惑を受けることのないように一般公開入札を前提としてできるだけ高く売ってまいりたい、それによって最終的に国民に御負担をいただく金額はできるだけ縮減をしたいと考えております。
確かにそのとおりの答弁をいたしました。
 そして、ここでは、今たまたま答弁を探しましたところ、この土地に関するものだけが早急に探したものですから出てまいりました。JR株式など含めました事業団の資産の処分というものについて全体の御答弁を当時申し上げておったと思います。
 しかし、その後の不動産市況や株式市況の低迷によりまして資産売却が思うように進まなかったことなどから、長期債務残高は、確かに御指摘のように事業団発足当初の二十五兆五千億円から平成八年度首二十七兆六千億円に増加するという結果になってまいりました。この点は当時の見通しの甘さをおわび申し上げなければなりませんけれども、私どもが野党でありました時期をも含めましてこの問題が今日まで残ってまいりましたのは、それだけの難しさのある問題であろうということは間違いありません。
 ただ、私どもはようやくJR西日本の株式の上場にまで今こぎつけてまいりました。資産の売却により少しでも早くこれを埋めていく努力をしてまいりたい、私自身としてはそのように考えております。
#190
○荒木清寛君 しかし、そうおっしゃいますけれども、現実には政府として年内にこの解決策を決定するということは先延ばしになったんじゃないですか。
 じゃ、運輸大臣、簡単に、私の持ち時間ですから。
#191
○国務大臣(三塚博君) 私から。
 もう経過は総理が当時の責任者として話をされました。私も立ち会いました一人でございました。
 支払いができるという計算値の中で来たわけでございますが、総理の答弁にありましたとおり、土地の暴落、土地売却停止命令、地価安定ということで、得べかりし売上高がそこでストップに相なりました。その後は土地の値下がり不況と、こういうことの中で二十八兆に近い負債になりました。五兆円は返せる見込みがあるのかなと思います。株の売却等であります。
 そういうことで、残りの二十兆を超える部分は、当時の申し合わせば、残った場合は国民の負担とすると、こういう決定に相なっておりますものですから、それにしても大変な額でありますものですから、ただいま与党三党において協議をいただいておるところであります。その協議を見詰めながら、その結論を受けて、財政担当大臣として最終的には相談を申し上げながら方向性を決定していかなければならぬだろう。来年一年で最終期限でございますから、ことしそれが繰り延べになったとしても、貴重な国有財産でありますから、有利な条件の中で売却をし原資を得なければなりません。来年度いっぱいの中で最終結論を出すということであります。
#192
○荒木清寛君 私は、それは消費税が上がる前のことし決着すべき問題であるというふうに思います。そうでなければ、またこの国鉄債務の返済方法が決まったときに消費税の増税になるんではないかという不安を国民は抱くわけでありまして、行政改革も財政改革も私は決して十分やってこられたというふうには思いませんし、ぜひこの五%への増税につきましては見直しをされたいということを要求しまして、質疑を終わります。(拍手)
#193
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。浜四津敏子君。
#194
○浜四津敏子君 平成会の浜四津でございます。
 先週、衆議院で新進党の消費税三%据置法案が残念ながら否決されまして、来年四月からの消費税五%への引き上げが決まりました。
 本来前提である徹底した行革もほとんど進まずと、こう言われている。国民の理解を得た上で引き上げをする、こういう約束だったのが理解も十分には得られていない。また、益税あるいは累進性、食品などへの課税などの問題も抜本的な解決がなされないまま税率だけは上がる、こういうことが決まりました。これは消費税上げたけではありませんで、それに加えまして、政府は次々と国民の皆さんに重い負担を負わせようとしております。
 その一つは、所得税、住民税の特別減税打ち切り。大体一人平均七万円減税されていたのが打ち切られることになります。二つ目は、厚生年金と国民年金の保険料及び保険率の引き上げ。三つ目は、お医者さんにかかって支払う医療費。これまでは本人一割負担だったのを二倍にする、二割負担にする、こういう方向で決められようとしていると報道されております。
 その上、もう既に二年もの長期間続いてまいりました超低金利政策、本来金利として国民の皆様のもとに入るべきもの、試算によりますと、大体一年間で五十万から七十万、二年間続いたために百万から百四十万、これが国民の方々から奪われた、こういうふうに言われております。
 また、消費税引き上げに対応いたしまして、来年四月から公共料金が次々に値上げされる見通しであります。日常生活に密接にかかわる公共料金、いわゆる官が料金を決める、こういうことになっております。例えば電気、ガス、水道、郵便料金、電話、鉄道の運賃、あるいはバス、地下鉄、タクシー、公団家賃、自動車保険料、NHK受信料などたくさんありますけれども、もともとこうした日本の公共料金というのはそのほとんどが世界一高い、こう言われてまいりました。それがさらに値上がりすることになります。
 例えば、その一例は高速道路の料金。先進諸国の中で高速道路の料金を取っているのは日本とフランスぐらいのものであります。アメリカもドイツもイギリスも高速道路はただ、無料であります。そのフランスでさえ日本の三分の一の料金。これがまた値上げになります。
 そのほかも、ほかの先進諸国に比べて非常に高いわけですけれども、なぜこんなに高いのか。そして、民間の企業は必死のリストラをやりあるいは企業努力をして、物価が価格破壊とまで言われるくらいかなり下がっても、なお公共料金だけはほぼ二、三年ごとに大幅な値上げを繰り返してまいりました。下がるということがまずない、こう言われてまいりました。
 公共料金がなぜ高いのか、なぜ値上げが続くのか。その原因は幾つか指摘されてまいりました。
 料金決定システムそのものに問題がある。あるいは、公共料金を徴収している経営主体はほとんどがいわゆる特殊法人。特殊法人だけではありませんけれども、こういう特殊法人は多額の公的資金を投入されている。また、よく批判されておりますように、官僚の天下り先となっている。その特殊法人の経営に問題がある、これも指摘されております。
 また、例えば道路工事あるいは水道工事、こういう工事などは税金で行われる公共工事、これもたびたび指摘されておりますが、公共工事は民間より二、三割高い、これも税金のむだ遣いと批判されております。これがまた料金にかかってまいります。また、この公共料金の値上げ、官が介入して決めるその内容、手続が非常に不透明である。さまざまな原因、問題点が指摘されております。
 これらを抜本的に見直さなければこれからも公共料金というのはずっと値上げが続く、そういう仕組みになっております。
 こういう今原因として挙げたものを抜本的に見直せば日本の公共料金は二割から三割は安くなるはずである、こういう専門家の指摘があります。
 羽田内閣のときにはこの見直しのために公共料金の値上げ凍結を決めたわけですけれども、村山内閣になって一番先になさったことがこの公共料金値上げ凍結の解除でございました。そして、その後すぐに値上げラッシュが始まったわけであります。
 この公共料金の見直しとは、まさにイコール行政改革そのものであります。規制緩和とかあるいは特殊法人を見直す、公共工事を見直す、つまり公共料金の見直しは行政改革と表裏一体の問題でございまして、行政改革を本当に実行すれば公共料金は安くなる、つまり国民の方々の負担がさまざまな形で軽くなるわけであります。
 この行政改革、言葉としてはいろんなところで出てまいりますけれども、国民の皆様の目から見て非常にわかりやすい形で本当に行政改革がなされたかというのは、その結果として公共料金の値下げとなってあらわれてくるのではないでしょうか。
 総理は、橋本内閣を行革内閣と名づけられました。そうであれば、例えば各料金の具体的な誘導目標を政府が決める、あるいは政府、地方自治体、企業ごとの方策を明示するなど、そういうところから具体的に見直しに取り組むべきではないかというふうに考えますけれども、総理に公共料金見直しに取り組むおつもりがあるかどうか、お伺いいたします。
#195
○国務大臣(橋本龍太郎君) 経済企画庁長官から答弁させます。
#196
○国務大臣(麻生太郎君) まず第一に、公共料金が高いのではないかという御質問の点につきましては、総じて我が国の公共料金は国際的に見て割高であることは否定し得ないところだと思っております。
 先ほどフランス等々の高速道路料金の値段の話もあっておりましたけれども、御指摘のとおり先進国で高速道路料金が有料になっておりますのは日本とフランスのみ、フランスに対して三・三倍ぐらい高いというのも事実であります。
 その他いろいろおっしゃいましたけれども、それを全部申し上げるといろいろな数になりまして、資料もお持ちだと思いますので……
#197
○国務大臣(橋本龍太郎君) できるだけちゃんと言ってくれ、だからこそ君に任せたんだから。
#198
○国務大臣(麻生太郎君) 水道料金につきまして、対アメリカとの比較、イギリスとの比較、ドイツとの比較いろいろありますが、ドイツに対しましては、ドイツの方が約倍高く、日本の方が逆に半分ということになりますけれども、イギリスに対しましては一・三倍、アメリカに対しては三・二倍等と高い……
#199
○浜四津敏子君 結構でございます、簡単に。あるかどうかを答えてください。時間がありませんので、見直すかどうかだけを。(発言する者多し)
#200
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろ御要望が多いので……。
 したがいまして、公共料金に対しまして参入規制を緩和する、価格設定方式の改革をする、情報公開の徹底等々、先ほど総理から一部お話があったところでありますけれども、八年の三月、物価安定政策会議基本問題検討会におきまして、いろいろな意味で、事業の効率化を促すような公共料金の価格設定のあり方等について提言があっておりましたとおりであります。いずれも、御存じのとおり、例えば値段の幅に枠を持たせる等のゾーン制を採用してみたり、鉄道料金につきましては上限の価格制、いろいろな検討が今なされておるところでありまして、最終的には基本問題検討会が平成九年三月ごろ取りまとめる予定で、公共料金関連事業に関する参入規制のあり方についての答申を得るべく目下作業をさせていただいております。
#201
○浜四津敏子君 いずれにいたしましても、公共料金がどうなっていくかを行革が実現されているかどうかをはかる目安の一つとして今後ともしっかり見続けていきたいと思います。
 ところで、私の世代の友人たちはよくこう言います。年金あるいは福祉、医療などを十分に不安なく受けることができて老後の心配が本当にないというのであれば、それに見合う税金や保険料の負担、別に払っても構わないんだ。しかし、日本では税金は払ってもどこに消えたかわからない。政官業の腐敗の、癒着の構造の中で、そういう一部の人たちのところに税金がばらまかれる。本来、国民のために使われるべき税金が国民のためにはきちんと使われていないのではないか。そういう声が寄せられます。そしてまた、日本では税金はどぶに捨てるようなものだ、こういうふうに言う人がいるけれども、本当にそう思えてならないと。非常に不信感が強いわけであります。
 私ごとになって恐縮ですが、かつて北欧諸国に行きました。一般の市民の方々の声を聞いたことがあります。北欧諸国は理想的な国だとは言いませんけれども、少なくとも税金の受けとめ方、税金の使われ方については私たちは学ぶべきことがあるなという思いがして帰ってまいりました。
 こういう国の方々の声をいろいろ聞きましたけれども、こうおっしゃる方が多かったわけです。確かに私たちの税金は高いと。当時、私が訪ねたときの国民負担率は七十数%でございました。しかし、教育費はかからない、医療費あるいは住宅、日常の生活に、心配はない、老後の生活も安心、障害者になっても介護が必要になってもきちんとサービスが受けられる、普通の人と同じように生活ができる、税金がこういうさまざまな政策になって私たちに返ってくる、だから私たちは税金を貯金だと思って納めていると、そう言う方々が結構おられました。そしてまた、具体的な政策となって返ってくるというだけではなくて、私たちが払っている税金で自分たちがっくりたい社会をつくっているんだ、こういうお話でした。
 日本から向こうに帰化された方がおられまして、その方からも話を聞きました。日本は確かにビルや高速道路の立派なのが建っている、デパートに入れば物があふれている、しかしこちらの国々では、私たちはそういう社会を必ずしも豊かな社会とは思っていません。それも豊かさの一つの基準かもしれないけれども、普通の市民が何の不安もなく安心して自分の人生を充実して暮らせる、それが本当の豊かな社会だというふうに自分たちは考えている、こういうお話でございました。
 市民の方々が税金を貯金だと思って払う国と、税金はどぶに捨てるようなものだ、こう言われている国と何が違うのか。議論の時間がありませんのでまた次回に譲りますけれども、この日本の国民の方々の行政不信あるいは政治不信、それから税金をむだ遣いされている、こういう疑惑と不信を決定的にしたものの一つが今回の厚生省の汚職事件でございます。
 厚生省の岡光前事務次官、もう何度も報道されておりますけれども、巨額の収賄をした、そういう容疑で逮捕されました。この岡光容疑者に先日一三百二十万円のボーナスが支払われた。国民の税金から払われたものでございます。閣僚の皆様は民間のボーナスの支給額、大体平均幾らぐらいか御存じでいらっしゃいますでしょうか。お答えいただかなくても結構ですけれども、恐らく皆様が考えていらっしゃるよりははるかに低い中小企業ではボーナスが出ないところもある。今期の民間ボーナスの平均支給額は五十三万六千三百円でございます。三百万円台のボーナスというのはごく一部の大手の企業の役員の方ぐらいのものでございます。
 ところで、この岡光前事務次官に対するボーナス、これが払われたことに関しまして、厚生大臣は先日、法律に従って支払わざるを得ない、こう答弁されましたが、もともと支払わざるを得ないという結果にしたのは厚生大臣ではないでしょうか。疑惑の渦中にあった前事務次官を何の処分もせずに辞表を受理した。これはボーナスが支払われることになるのは当然の帰結でございます。
 国家公務員法八十二条に、公務員の懲戒事由が規定されております。公務員法違反の場合あるいは職務上の義務違反、義務解怠、全体の奉仕者にふさわしくない非行、この懲戒事由があったときに懲戒権者である厚生大臣は懲戒権を行使できた。しかし、権限を持っておられたにもかかわらず、懲戒処分にはせずに穏便な辞表受理という形をとられた。なぜ懲戒権を行使しなかったのか、懲戒事由がないと判断されたのか、お答えいただきたい。
#202
○国務大臣(小泉純一郎君) 十一月十八日の新聞報道によって疑惑が報道されました。その時点において、深夜、岡光前次官が辞表を提出したわけでありますが、当時は本人は疑惑を否定しておりました。そして、今御指摘のように、それでは官房付にして逮捕の時点で懲戒免職にしておいたら退職金は払わないで済んだではないかという御指摘だと思います。
 しかし、もしそのような形で逮捕の時点で懲戒免職にした場合にも、期末手当、ボーナスは一〇〇%支払われます。私は、十八日の時点で、疑惑はあったが、本人は否定しているけれども、厚生行政を進める場合に支障はないだろうか、そういう判断の中で、岡光前次官が辞表を提出した、私は受理した、退職金の支給を停止した。直ちに三日後に新次官を決定して、介護保険法案等提出に支障なきような体制をとらなきゃならないと思ってやった。この辞表受理と退職金支給停止と新次官の決定、今でも妥当なものだと思っております。
#203
○浜四津敏子君 何度聞いても理解ができませんが、ともかく今回の事務次官と同様に官僚のトップである事務次官の犯罪が発覚したものを振り返ってみますと、平成元年にリクルート事件で労働省の事務次官が逮捕されました。これは六百八十万円相当の収賄罪で有罪が確定いたしました。この事務次官も懲戒免職にはなっておりません。勧奨退職、つまり勧めて辞職をさせたと、こういうことになっております。
 また、同じリクルート事件で文部省の事務次官がこれも逮捕されました。約二千三百万円の収賄、この容疑で有罪判決が出されております。この人はどう扱われたかといいますと、事件発覚前に辞任しております。なぜ辞任したかといいますと、翌年予定されていました衆議院選挙に福岡三区で自民党から出馬することになり辞職していた。今回の厚生省元課長補佐の茶谷容疑者と同じパターンでございます。
 いずれにしても、こうした先例を見ますと、高級官僚は業者から金や利益をもらって便宜を図る、そういう収賄の犯罪を犯そうが、あるいは業者との癒着が発覚しょうが、懲戒免職にはしない、穏便に辞表を受理する、その結果ボーナスも退職金も受け取る権利を与える、こういう扱いがなされてきたわけであります。
 今回の岡光前事務次官もこの先例に従っただけだと、こういうことになるのかもしれません。しかし、収賄罪というのは単なる国家公務員法違反などという程度をはるかに超えた刑法犯、犯罪でございます。それを懲戒免職にしない、何の処分もしない、だからボーナスも払われることになる。到底一般の社会では通用する論理ではありません。
 かつて、ある公務員の方の刑事事件の国選弁護人を引き受けたことがあります。郵政省の職員として貯金の勧誘、集金の業務に従事していた方です。長年まじめに働いてきましたけれども、ちょっとした出来心で集金の金を手にしてしまった。数百万円だったと記憶しております。逮捕され、そして刑務所に送られました。発覚直後に懲戒免職になっております。首でございます。もちろんボーナスも退職金も支払われておりません。下の人にはこれほど厳しい。
 また、元厚生省の神戸検疫所検疫課長の宮本政於さん、昨年懲戒解雇になったそうでございます。理由は無断欠勤。休暇願を出したけれども、なかなか認めてもらえなくて自発的に休んだ、そういうふうに聞いております。自発的に休んで職場に戻ってきてみたら首になっていたと、こういうふうに伝え聞いております。
 この宮本政於さん、「お役所の掟」とかあるいは「お役所のご法度」、こういう本を書いて、ベストセラーになっております。日本の官僚制度の問題点を現場から指摘し続けた方でございますが、この方は無断欠勤で懲戒免職、首になっております。
 つまり、こういう下の人とか、あるいはこういう本を出して官僚制度のいろんな問題点を世間に公表する、恐らく厚生省にとってはいてほしくない人だったんだろうと思いますけれども、下に厳しく上に甘い。あるいは国民の方々はこう思っておられる。つまり、政官業癒着の構造に連なっている身内の人には甘いのではないか、こういう声もあります。
 下に厳しく上に甘い厚生大臣、どう考えてもおかしくないですか。そして、今でも間違っているとは思わないと、こうおつしゃいますけれども、やっぱりこれは間違っている、間違っていたと認めるべきではないでしょうか。そうでなければ、また次も同じような事件が起きたときに懲戒免職にできないんじゃないですか。お答えください
#204
○国務大臣(小泉純一郎君) 私は本人が疑惑を否定している段階でみずからやめるという責任のとり方は重いと思いました。また、その疑惑が事実なら、捜査当局でしかるべき判断をすると思いました。現に四日に逮捕しております。
 本人に対して、私は今においてもあの当時の判断は誤ったと思っておりません。
#205
○浜四津敏子君 ともかく、立場が上で強い権限を持っている人ほど責任は重いはずなのに、上に甘く下に厳しい、これでは本末転倒である、こういうふうに思います。
 こういう高級官僚の方とか、あるいは要するに地位の上の方、つまり社会をリードしていく方々が本来の使命を忘れて私利私欲に走るようなことがあれば、あるいは特権を使って平気で不正をする、腐敗、堕落していくとすれば、社会全体に悪を容認する風潮を生んでいくと思います。そして、モラルハザードを引き起こしてしまう。現にこんな使われ方をする税金なんか納めたくないという声が広がっている。大変危惧すべきことであると思います。
 ところで、先日、会計検査院が一九九五年度の決算検査報告を出しました。それによりますと、税金のむだ遣い、不適切な処理、これは二百七十二件、二百八十六億六千六百八十七万円、過去十五年間で最悪と、こういうふうに伝えられました。この数字は、検査院が調べる対象の全体のたった九%を調べたその結果でこれだけが出てきたわけでございます。つまり氷山の一角と、こういうことになります。
 また、この会計検査院の検査のあり方についていろいろ指摘されているわけですけれども、検査自体十分と言えない。職員が検査対象、本来調べなくてはいけない先から接待を受けたりしている、あるいはその関連の特殊法人への天下りがある、こういう批判もあります。
 まず、検査のあり方、例えば会計検査院の充実あるいは公正を担保する方策、また国会にもこういう監視機関を置くなどの見直しを早急に実現すべきと考えますけれども、総理の御見解をお聞かせください。
#206
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変幅の広い御質問でありましたので最後の検査院の部分について私からお答えを申し上げたいと思います。
 内閣に対して独立した機関としての会計検査院、これは従来から憲法上の機関としてその充奥強化には意を用いてまいりました。定員についても、最近では毎年一名から三名ぐらい増員をしているという状況にあります。そして、検査院の職員につきましては、検査業務そのものが相当の経験を必要とするということもありまして、できるだけ長く働いていただくことを基本としていると聞いておりますけれども、これから先も検査院の検査活動が円滑かつ厳正に行われて、その機能が十分に発揮できるように配慮してまいりたいと存じます。
 私どもの体験の中でも、実は検査院の出張旅費を他の職種における出張旅費と同等に節約をかけました結果、検査対象の施設を借りる、あるいは本当にビジネスホテルにも泊まれないといったような状況を現出した時期が一時期ありまして、国会として慌ててその是正に対応した時期がございました。
 私どもは、会計検査院という機関の独立性、またその業務の内容というものに対し、ただ単に敬意を持ってこれを扱うというだけではなく、常にその検査官の検査時における処遇等に対しても意を用いることが検査機関としての独自性を発揮させるためには必要だということをその当時痛感したことであります。
#207
○浜四津敏子君 ところで、私も国会の委員会でのこういう質問とかあるいは議論を何回か経験させていただきましたけれども、恐らく皆様共通して思っていらっしゃる、なかなか本質的な議論に至らない、問いと答えがなかなか的確にかみ合わない。先ほどもどなたかから隔靴掻痒の感がすると、こういうお話がありました。
 またさらに、政府から発表される統計の数字あるいは説明に使われる数字、これもどうも表向きあるいは見せかけの数字が多いんじゃないか。都合の悪いものはなるべく出さない、あるいは出さざるを得ないときもなるべく表向きの小さな数字を出す、こういう不信が高まっております。
 例えば、きょうの午前中にも出ました国民負担率、平成八年度は三七・二%。ところが、経済審議会で指摘されたように、これは表向きの数字である、本当の国民負担率という場合には財政赤字分もこれに含むべきだ、つまり潜在的な負担率はもう約四〇%に上っているんだ、こういうお話が出ました。本当は公共料金の高さも国民負担に組み込むべきだという意見すらあるはずであります。実質負担率はもっと大きい、それを何とか小さく見せるための数字ではないかという疑問がわいてまいります。
 また、国の借金を語る場合にもいわゆる隠れ借金というものがあります。これも国民の皆様には非常にわかりにくいあるいは住専の国民負担分につきましても、第一次の負担は六千八百五十億だ、第二次あるいはそれに続く負担というのはわからない、こういうところから出発いたしました。つまり、本当は巨額になるものでも第一次分として小さなものだけ見せておこうという思惑があったように思えてならないわけであります。
 また、日本の金融機関が抱える不良債権の総額はどれくらいか、こういうことが話題になったときに、大蔵省の発表では約四十兆の数字が発表されました。国内の専門家がいろんな角度から調べまして、ある人は六十兆だ、ある人は八十兆だあるいは百兆だと、いろんな数字が出されました。またアメリカでは、実は百四十兆に及ぶんだと、こういう数字が発表されております。
 私は、国権の最高機関と言われる、また立法機関、つまり国の本当の一番重要な政策、方針を決めるこういう場で出される数字あるいはなされる議論、本当に本質的な議論、そしてまた正確な数字を出すべきではないかと、こう思います。それは私たち全員がやはりそういう方向に向かって努力すべきだというふうに考えますけれども、突然で申しわけありません、総理どうお考えでしょうか。
#208
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は議員の指摘に一面同意いたしますと同時に、一面反対であります。
 と申しますのは、先ほど国民負担率、そしてその潜在的負担率、この数字についてのお話がございました。学問的に国民負担率というのは租税負担並びに社会保険料負担、その合計というのが従来の定説であったと存じます。そして、それで議論をする限り、三十五・幾つという数字でありましたが、確かに私自身もこれは不正確だと。そして、むしろ国及び地方公共団体の公債残高というものを加えた数字で割り戻して考えるべきだと考えておりましたから、選挙中国民に訴えましたのも、国、地方を合わせて約四百四十兆円の負債を抱えている、国民一人頭については約三百五十万円の借金を抱えている、これを足し算した数字を申し上げてまいりました。私はむしろその方がより正確だと存じます。
 しかし、その潜在的国民負担率として議論をする場合にも、私はそこに公共料金とかそういうものを入れて議論するという手法があるとは思いません。それはまた全く別途の問題であり、国民負担率として潜在的負担としての国及び地方公共団体の公債残高を加え、それを負担率に直して議論をするという点には、私は同じような思いで自分もおりますけれども、その他のつけ加えられた要因を採用して国民負担率として国民に訴えることは、私は国民をミスリードする結果になりかねないと思います。
#209
○浜四津敏子君 終わります。(拍手)
#210
○一井淳治君 社会民主党の一井淳治でございます。
 まず、岡光前事務次官問題につきまして一歩踏み込んで質問をさせていただきたいと思います。
 まさに行政改革が最大の課題でありますけれども、行政改革の実現のためには、官僚に対する政治主導、国民から選ばれた政治家の優位というものが確立されなくちゃならないと思います。
 過去にもリクルート事件で文部省の高石事務次官が逮捕されたことがありましたけれども、そのときには文部大臣は官房長、生涯学習局長、初等中等教育局長の三名を辞職させているわけであります。ところが、岡光前事務次官の場合にはいわゆるボーナス問題が起こるということがあり、大変大きな問題になっていると思います。
 そこで、まず人事院の方にお伺いしたいわけでありますけれども、岡光前事務次官のように既に辞表が受理されまして依願退職になっている、こういう公務員につきまして、依願退職というものが一たん確定いたしますとこれはもう絶対に取り消すということができないんだろうかと。
 私は、こういうあくどい、特にみずから懲戒免職になることがわかっていることをだまして辞職の申し出をしているわけですから、こういった場合には、こういった場合にはというのは質問がよくありませんが、一定の場合には過去の依願退職も取り消して懲戒処分にもう一遍できるんじゃないかと思いますが、その法律判断をまずお聞きしたいと思います。詳しくはよろしいですから簡単にお答えください
#211
○政府委員(角野敬明君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げれば、辞職承認の成立に重大な瑕疵があり、取り消し得べき行為である場合を除きましてはそのような辞職承認処分を取り消すことはできないものと考えております。
 過去に辞職承認が取り消されました事例といたしまして私どもの承知しておる範囲で申し上げますと、いずれも職員本人に辞職の意思がなかった場合についてのものでございます。例えば上司からの強制により辞職を申し出た場合というような場合でございまして、任命権者の側の錯誤等による場合について取り消された事例は承知いたしておりません。
#212
○一井淳治君 取り消し得べき場合があるということのようでありますけれども、結局その依願退職の成立に瑕疵がある場合には取り消しができるということのようであります。
 今、人事院の方のお話にもありましたし、新例などを見ますと、例えば年金の受給資格があると思い込んで辞表を出した場合とか、あるいは辞職の申し出が強迫に基づいておったとか、そういうふうな一定の瑕疵がある場合には取り消しができるというふうになっておるわけであります。
 そこで、あとはこれはもう厚生大臣のお考え一つと、職権で行政処分を取り消すことができるわけでありますから。行政処分の取り消しということは過去にもたくさん事例があると思います。私は厚生大臣に、今まであれだけ自信を持ってお答えであったわけですから、ここですぐ即答を聞きたいという気持ちはありませんけれども、しかし少なくとも今言ったように瑕疵がある場合には取り消しが可能であるということでありますから、そこのところをもう一遍お考えいただきたい、もう一遍検討を願えないだろうかということについてお答えをいただきたいと思います。
#213
○国務大臣(小泉純一郎君) 当時は、新聞報道にある疑惑で厚生省の職員も大変動揺しておりました。また、本人も否定しておりました。しかし、問題は山積している、早く厚生行政を進めなきゃならないという時点での本人の辞意であり、私が辞職を認めて、退職金支給を停止して、新次官を決定した。
 その間において、自分が疑惑を否定しながら、厚生行政全体を考えてやはり自分はやめた方がいいだろうと。その判断を尊重いたしました。国会議員の中で、やめろやめろと言われながらいまだにやめない議員もいることを考えますと、私はそれなりに一つの男として責任のとり方だと思いました。私の判断において瑕疵があったとは思っておりません。
#214
○一井淳治君 しかし、これだけ問題になっているわけですね。そして、和田審議官について、百万円については返還しているわけですけれども、この和田審議官を懲戒処分、どの程度になるかわかりませんけれども、これとの均衡ということが問題になりますね。
 それからもう一つは、この事務次官というのは官僚の中で最高の人であります。最もルールを守らなくちゃいけない人ですね。この人が大臣をだました。もうしばらくすると自分の悪事が露見して懲戒処分になるだろうということがわかっておって大臣をだましたわけですね。まさにこれは検事総長が放火や殺人をやったと同じだと思うんですよ、一番最高の責任者がこういうことをやったわけですから。
 それを大臣は許すわけですか。許すかどうかは大臣の責任なんですよ。大臣のそれを取り消すかどうかですね。取り消して懲戒処分を発令すれば、これはきれいになるわけです。ところが、大臣がそれをあくまでやらないというふうになられたら、この問題を最後までネグっていく、そして悪い慣例が残っていく、そうなるわけであります。
 今、行政改革をやろうということでみんな一生懸命やろうとしておるんですけれども、この行政改革の勢いが厚生省から崩れていくんじゃないでしょうか。
#215
○国務大臣(小泉純一郎君) 私をだましたことが事実ならば、今逮捕されておりますから、当然有罪判決を受けると思います。
#216
○一井淳治君 私は、刑事処分じゃなくて、大臣として、今行政改革の中で、大臣の責任を果たして、行政上の懲戒処分を発令して、はっきりとした政治の優位というものを示してもらいたいと言っておるわけでございます。近く厚生省の方でもこの一連の処分を発令されるようでございますので、それまでにでき得ればもう一遍お考えを願いたいという要望を申し上げておきたいと思います。
 次に、公務員の綱紀の粛正でございますけれども、この問題はもう繰り返し繰り返しさまざまな対応がとられました。しかし、ますます守られなくなりつつあると私は思うわけであります。
 最近、刑事事件が幾つか発生いたしておりますけれども、関係業者への接待が必ず出てまいります。ちょっと振り返りますと、昭和六十三年十二月十六日に、これはリクルート事件との関係でありますけれども、閣議決定がなされまして、例えば関係業者との接待、会食は厳しく禁止されたわけであります。そして時の内閣官房長官が、特に留意するようにという指示を公務員に対してなされたわけであります。
 翌年の平成元年四月二十日に関係省庁の事務次官の申し合わせができまして、各省庁に綱紀点検調査委員会を設置して、実施状況を毎年点検調査する、そしてこれを総務庁に毎年三月末までに報告するというふうになっているわけであります。途中、この点検事項も何度か変わりました。しかし、やはり関係業者との会食については自粛を指導しているかということがきちんとこの点検項目に入っているわけであります。
 そこで私はお聞きしたいんですが、このようにずっと厳しく点検、指導がなされておる、そして年一回必ず総務庁に届け出をするようになっておるのにもかかわらず、いまだになお起こっておるわけですね。
 そこで総務庁にお聞きしたいんですが、きちんと毎年一回の点検をやっておったのかどうか、どういうことが行われておったのかということを簡単で結構でございますからまずお聞きしたいと思います。
#217
○政府委員(菊池光興君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の官庁綱紀の点検調査委員会でございます。申すまでもなく、官庁綱紀の保持のためには公務員一人一人の自覚と日々の努力が重要でございますが、各省庁における反復、継続的な活用が必要であるということからこの委員会を設けたものでございます。毎年、そういう制度、仕組みが有効に機能しているかどうかをチェックし、あわせて反復、継続することによって職員の自覚を促そうと、こういう趣旨で平成元年以来やってまいっているわけでございます。各省庁が毎年調査点検を実施いたしまして、その結果の報告を先生今御指摘のように私ども受け取っているわけでございます。それを三月末で受け取りまして、大体夏ぐらいには取りまとめまして、次官会議等で報告し、公表しているところでございます。
 今御指摘の点でございますが、七年度の点検調査実施状況、御指摘の接待等の自粛あるいは官公庁間の接遇というような問題につきましてもチェックをいたしまして、各省庁の報告によればそれぞれ適切な指導が行われている、こういうような報告は受けておるところでございます。
#218
○一井淳治君 このように適切に指導が行われているにもかかわらず、このようなものが出てくるわけですね。これは特に一番規律をきちんと守らなくちゃならない偉い人が、事務次官のような人がきちんと守っていないという問題点もありますし、また社会全体の緩みということもあると思うんです。それにしても、これだけきちんきちんとやっておるのに依然として発生しておる、かえって減らない状態にあるということは、官僚という方々に対してはもうこういうふうな内部規律だけでは済まないんじゃないか、そんなふうなことも感じるわけでありますけれども、なぜこういったことが起こるのかということを総務庁長官の御説明をいただきたいと思います。
#219
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに、今までいろいろの通達が出され、また今答弁をいたしましたように、各省庁にそれぞれ委員会ができてチェックをしているわけでございます。それなのになぜ出てきたかと、こういうことでございますが、私は率直に言って、いつも申し上げておりますけれども、やはり公務員の皆さんが国民全体への奉仕者であるという意識が正直薄れてきておることは事実だろうと思います。もう一回、高いその使命感というか、あるいは倫理観というか、ぜひ自分たちは公僕として国民の皆さんに奉仕をしなきゃならないという気持ちをしっかり持つ必要が私はあるんではなかろうかと。そういう面では、今いろいろ研修会もやっているようでございますけれども、これからもっときめ細かく研修会をやって、残念ながらもう一回公務員の皆さんに意識改革をしていただくということがまず第一に必要であろうと思っております。
 それ以外には、この問答弁しておりますとおり、二度と起きないように、今までやってきたのでは効果が上がっていないのでございますから、もう少し効果が上がるように、今の委員会というシステムはありますけれども、もう少ししっかりしたシステムをそれぞれの省庁の中につくっていただくべきではなかろうか。あるいは、守らなかったときのペナルティーをどうするかということも考えていかないと、私は今までは性善説だったと思うんです、みんな悪いことをしないという考え方に立っていたんじゃなかろうかと。やっぱりある程度性悪説というか、多少悪いことをする人もあり得るよというような観点から、ひとつ今度はペナルティーをある程度かけるようなことも考えていかなきゃいけないんじゃないかと、こう考えております。
#220
○一井淳治君 そこで私は、性悪説か性善説か、これはわかりませんけれども、しかし幾ら公務員に対して公僕たれということを教え込んでも限界があるんじゃなかろうか。今までの実績を見ていくと、やはり法律をつくっていかないとこの状態は改まらないんじゃないかと思います。
 もちろん、法律はつくらずに済めばつくらない方がいいわけでありまして、こういったものは役人の良識に任せるべきものであります。しかし、法律でもつくらないとどうにもならないところまで来ておるんじゃないかと思います。世論も公務員倫理法の制定を強く期待しているわけでありますし、社会民主党といたしましても外国の立法例などを研究いたしまして提言をしているところでございます。
 総理におかれましては、法律案の作成の可否までを視野に入れながら考えてまいりたいという御発言をいただいて、お考えを賜っているわけでありますけれども、私とすれば、世論の要望もありますし、通常国会に公務員倫理法というものを出していただくような方向で御検討を賜りたいわけでございます。そして、そういった場合には、特別公務員といいましょうか議員といいましょうか、そういった人も含めて対応していかないと、この政治不信、行政の信頼回復はできないんじゃないかと思うわけでございますけれども、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#221
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在発生しております事実そのものについては、既にもう議員がお触れになりましたから重複をするつもりはございません。
 私は、本来何といっても、今日現に存在する規定、従来の決定事項というものを改めて一人一人に遵守させることが重要だと思っております。そして、そういう思いの中で、真に実効の上がる綱紀粛正の方策についての作業を政府部内で命じ、これが二十日ぐらいまでには結論が得られるという中間の報告を受けております。
 そして、私は本当に、公務員倫理法というのか、倫理法制と仮に呼んでおきましょう、までを今視野に入れて考えなければならない状況にあることを大変情けなく思いますけれども、そうした法律を制定しなくても、これならと世間が納得してくださるような考え方というものが政府部内から報告をされる内容となっていることを願っております。これは本気でそう思います。
 殊に、私は国家公務員をしておりました親の息子ですから、そして自分の親を誇りにしておりましたから、公務員というものはそれだけの自負心のあるものだと教えられて育ってきました。それだけに、法律を必要とすることのないような、世間の納得していただけるものが私のところに届けられることを願っています。
 ただ私は、国会議員の場合はおのずからやはり政治家として別の視点があろうと思います。それは国会において御議論をいただくべきことでありますけれども、既に例えば閣僚、政務次官等資産の公開等の方法を講じておりますし、これは少なくとも就任時と退任時を突き合わせることによってその資産の異動等はチェックをすることができる状態は既に確立をしておるわけでありまして、そうした上にのっとっておのずから私は別な議論をすべきものではなかろうか。しかし、政治家もまたみずからを戒めることが必要なことであること、それは間違いはありません。
#222
○一井淳治君 何としても行政に対する信頼を回復しなくちやいけないわけでありますから、いい方法があればそれにこしたことはないわけでありますけれども、いい方法がない場合には法律で縛るということも最悪の場合は考えながら、早急な対応を御要望申し上げたいと存じます。
 次に、行政改革を私どもは進めようと各方面に訴えておるわけでありますけれども、それは我々国会議員自身も苦労をともにするといいましょうか、あるいはみずからの改革を考えていかなくちゃならないとも思うわけであります。
 この国会では政治資金規制の問題が取り上げられておりますけれども、例えば日本病院寝具政治連盟とか日本メディカル給食政治連盟から政治献金を受けた方が、政治資金規正法にのっとり適正に処理されているから問題はない、悪いとは思わない、そういう答弁もこの国会では聞かれておるわけであります。しかし、これは法律の誤解があるんじゃないかと私は思います。
 政治資金規正法というのは、要するに、選管に政治資金の流れを届け出して国民に公表して、国民の監視によって政治資金をきれいにしていこうと、それだけのことでありまして、政治資金規正法の届け出をしたから、それによって政治資金が公正であると認定されたというわけではない。要は、国民監視のまないたの上にのっただけである 今後国民の皆様どうぞ料理してくださいと、それだけのことではないかと思うわけでございますけれども、自治大臣にこの政治資金規正法の届け出の意味をお尋ねしたいと思います。
#223
○国務大臣(白川勝彦君) 政治資金規正法で政治資金の流れについて規制をしているものもあります。そして、その規制に反した場合は罰則のある場合もありますが、同時に、特に何も書いてないということは、その範囲内であれば現在の社会通念上あるいは諸般の事情から見てそれは許容されると。
 ただ、委員が今おっしゃったような問題については、政治、特に民主政治における政治資金は、それ自体が法律で規制することではなくて、それはまた国民の監視を通じて本来規制されるものだと、こういう思想が大きくあると思っております。
#224
○一井淳治君 届け出というのは、結局届け出をして国民の監視下に置く、それによって透明性を高めて政治資金をより内容のよきものにしていこうと、そういう趣旨ではないんでしょうか。
#225
○国務大臣(白川勝彦君) ほかのことでもそうでございますが、あることがいいとか悪いとかということを全部法律で強制することもできません。また、法律がなくても、何々はいいとか悪いとかということも必ずしも一義的に言えないことがあるわけでございます。それを有権者である国民の皆様方の、その政治資金の流れを見て、その政治家が適切に政治資金を集めているのかいないのか、それが是なのか非なのかを含めてそれは国民の判断に従うという意味で、公表それ自体は大変大きな意味のあることだと思っております。
#226
○一井淳治君 それで世論から批判されれば、そのお金を返すか返さないかは議員の判断でありますし、また返したから済むという問題でもない要するに、そういう批判が起こらないように、きれいな政治資金を受け取るように議員個人個人が心していかなくちゃいけないという問題ではないかと思います。
 また、この使途においても、例えばかつては、数千万円の政治資金の届け出があるけれども実態はゴルフ場で使っていたとか、そういったふうな問題もあるわけでありますけれども、この政治資金の使途の方についても国民の厳しい監視のもとに置いて、政治資金がよく使われるようにしていかなくちゃいけないということが私は政治資金規正法の趣旨ではないかと思います。
 政治資金規正法は、規正の正というのは、制限をする、規制をするというんではなくて、正しくするということになっております。そういう意味ではないかと思います。
 そこで、自治大臣にお尋ねしたいわけでありますけれども、私どもはかつて与党の政治改革プロジェクトにおきまして、政治資金の透明性をより強めるために選挙管理委員会に届け出をされている書類のコピーをできるようにしたらどうだろうかということを検討した経過がございましたけれども、どの程度まで検討されておるんでしょうか。例えば、場所はどれくらい要るとかコピー代が幾らぐらいかかるだろうかということを自治省の方で検討されておるんじゃないかと思いますけれども、検討結果についてお聞きしたいと思います。
#227
○政府委員(牧之内隆久君) 政治資金収支報告書のコピー問題につきましては、ただいまお話がございましたように、平成六年以来、自民党、社民党、新党さきがけ三党によります与党政治改革協議会で御協議が行われてきたところでございますが、平成七年に政治資金制度が大きく変わりましたので、収支報告書の分量がどの程度になるのかということを見きわめる必要があるということで、平成七年十月に、平成七年分の収支報告書が出たのを見た上で結論を出すとされたところでございます。
 平成七年分の収支報告書、自治大臣分につきましては九月に公表いたしましたが、都道府県知事届け出分につきましては、大体そろってまいりましたけれどもまだ数件未公表の段階でございます。
 こういう状況を踏まえまして、私どもでは、コピーをだれが行うのか、どの程度のスペースが要るのか、どの程度の費用になるのかといったようなところを詰めておる段階でございます。
#228
○一井淳治君 新しい自治大臣、ぜひその点の検討を十分深めていただきまして、透明性を強めるということで、コピーをすることも含めまして前進を図っていただきたいと要望を申し上げたいと存じます。
 それからもう一つ、自治大臣にお尋ねしたいことは、九四年一月に自治大臣が腐敗防止法案というものを発表されております。一つは、政治家の地位利用罪の新設、これは国会議員等が地位を利用して利益供与を受けた場合に処罰するという地位利用罪を新設するということ。もう一つは、政治倫理委員会を国会に設立するという法律をつくる。この二点を提案されておるわけであります。
 当時は違うんですけれども、今はまさに政治改革、政治倫理等の担当大臣となったわけでありますから、私は自治大臣のかつての理想をこの際ぜひ実現していただいたらいいんじゃないかと思うわけでございますけれども、御所見を伺いたいと思います。
#229
○国務大臣(白川勝彦君) 御指摘のように、平成六年の一月に、当時の社会党の代議士でございました伊東秀子さんと中心になりまして、政治及び選挙の腐敗防止並びに政治倫理の確立に関する法律案というものを発表させていただきました。
 私ども、私どもだけではありませんが、二人はたまたま弁護士ということでやらせていただいたわけでございますが、当時、政治改革というものが大きなテーマになっていたわけでございますが、私どもはどう考えても選挙制度の変更が政治改革という、当時細川内閣のもとで行われていたのはどうも私どもが国民から受ける感覚とは違う、国民は政治の腐敗防止あるいは倫理の確立等を期待しているんだという気持ちがあって出したわけでございますが、正直申しまして、当時のマスコミ、そしてこの国会の中におきましても、実はこれは改革つぶしだ、守旧派だといってぼろくそにやられました。
 そして、まさに政治改革の名のもとに成立した、その年の一月の末に行われた制度でことしの十月二十日に総選挙が行われたわけであります。これで政治改革が貫徹したのかしないのかは後世の史家が判定してくださることだと思いますが、いずれにしろ私自身は、政治改革は政治活動を始めたときからの自分の原点にしようと思って常に心がけてきたものでございます。
 どうぞ、各党各会派におかれて議論を深められて、私は自治大臣でございますから、どういう難しいボールが投げられてきても事務当局として、自治省として対処してまいるつもりでございます。
#230
○一井淳治君 ボールを投げなくても、みずから野球のバットをつくったりグラウンドをつくったりするぐらいのファイトを持ってぜひともお願いしたいと思います。
 それから次に、財政改革についてお伺いをしたいと思います。
 財政赤字が大変な課題になっているということはもう言うまでもないことでありますが、橋本総理が財政再建元年にするという御努力をされていることに対して期待を申し上げたいと存じます。
 今後どういう形で財政再建を図っていくか、法案化が進められていくと思いますけれども、十二月十二日付の財政制度審議会の最終報告を見ますと、対GDP比三%というものを一つの指標にしながらその方向に向かっていくことを示唆しておるわけであります。
 財政赤字対策、財政回復を目標とする場合に一番大切なことは、しり抜けになってはいけない、法案がきちんと守られ実行されて、現実に財政赤字が回復していくという形ができなくちゃならないと思うわけでございます。
 アメリカでは、これは皆様御承知のとおりでありますが、一九八五年にグラム・ラドマン法というのができましたけれども、しかし残念ながら、これは当初の予算で形成するということになっておったために、税収を高目に見積もったためにしり抜けになったとか、後に補正予算をやって抜け道ができておったとかいうふうなことがありまして、財政再建をするためには歳出削減策やあるいは増税策というものを具体的にやっていかないと結局はしり抜けになってしまうんじゃなかろうかということが言われておるわけであります。
 そこで、ざる法にならないような立派なものをつくっていかねばならないと思いますけれども、どのような枠組みをおつくりになるとか、あるいはどのような指標をお使いになったらいいかとか、その辺のことについて御所見を伺うことができれば幸いでございます。
#231
○国務大臣(三塚博君) 財政再建はまさに待ったなしという環境であります。
 ただいま委員御案内のとおり、御披瀝をいただきましたヨーロッパの国もアメリカも健全財政を目指して取り組むと、こういう決心の中にあります。減税という論議の真つただ中の論議もあります。しかし同時に、後世に借金を残すなという、足腰の強い、たくましい現在における基礎づくりというのも、これも強く国民各位から要望されておるところでありますものですから、これにも全力を尽くさなければいけません。
 そういう中で橋本首相から指示をいただいておりますのは、赤字国債は来年度予算編成において三兆円以上減にすべきであると、こういうことであります。同時に、一般歳出についても考えるべきであると、こういうことでありますから、大蔵原案をつくる主管大臣とすれば、諸制度を見直し、それで切り込むところは切り込んでいかなければなりませんし、現代においてもう使命が終わったという概算要求は出るはずがございませんけれども、国民サイドから見ますと、それは終わっておるのではないかという指摘なども本委員会にも出される。
 こういうことでありますから、それは公平に、その制度が現代に合っておるか、同時に二十一世紀に向けて必要なものなのか、自助努力の中で民間活力でやり得るものは民間活力でいかなければなりませんでしょうし、精細に歳出をカットするという、こういう決意の中で事務当局に要請をし、指示をいたしておるところでございます。
 隗より始めよということで大蔵改革も御提案をいただいておるわけでありますが、それはそれとして、ただいまのところは来年度予算編成、三党の協議がまとまりましたところで補正予算一体として取り組まなければならないと、このように思っております。
#232
○一井淳治君 何か枠組みをつくる法律などの制定ということもあわせて御配慮をいただきたいと思います。
 ここで、清水澄子議員からの関連質問をお許しいただきたいと思います。
#233
○委員長(遠藤要君) 関連質疑を許します。清水澄子君。.
#234
○清水澄子君 私は、国鉄清算事業団の長期債務の処理についてお伺いいたします。
 戦後最大の行革と言われた国鉄分割・民営化は、当初の予定によれば来年度で国鉄清算事業団の債務処理業務を終えてその残りを国が処理する、つまり国民負担ということであったと思います。ところが、今日その債務処理は何ら解決されていないばかりか、逆に膨大な借金に膨れ上がっているわけです。
 当時、旧国鉄から国鉄清算事業団が引き継いだ債務は二十五兆四千億円、そのうち国民負担と見積もられた金額が十三兆八千億円であったと思いますが、その後、今日では二十兆円を超す金額になっている。そして、八九年の閣議決定でも用地や株式を早期処分するということを決定しておりますし、そういう面では、それらを処分するチャンスといいますか、政策的な判断をやはり見誤ったのではないか、こういうふうに私は思います。そして同時に、清算事業団債務の利払いを市中銀行の二倍にも当たる、そういう利子の高い財政投融資からの追い貸しで賄っている、そういう中で今日年間一兆三千億円にも及ぶ金利を返済しなければならないという現状ですが、これではますます私たちの国の財政を借金地獄に追い込んでいくものと思います。
 これは明らかに私は行政と政治の怠慢と言われてもやむを得ないのではないかと思いますが、こうした政策、行政的な面、また政策的な見通しの甘さ、そういうことで国民負担を増加させた責任の所在を運輸大臣はどのように認識しておられるか、その明確なお答えを伺いたいと思います。
#235
○国務大臣(古賀誠君) 先生御指摘いただきましたように、昭和六十二年四月に国鉄改革が実施をされまして、この長期債務の処理問題というのはいわば国鉄改革の総仕上げという観点から大変重要な問題だというふうに思っております。
 今御指摘いただきましたように、その長期債務が、いろいろな反省点も我々含めまして、経済や社会状況の変化の中で逆に累憎いたしているということで、この処理というものは大変重要な、重大な問題だというふうに認識をいたしておりまして、それだけに私といたしましては、この国鉄の長期債務処理問題につきましては国民の理解を得る処理法を早急に財政当局とも御相談をいたしまして策定していく必要があるだろうという認識をいたしております。
 ただ、今お話をいたしておりますように、この問題は極めて国民的な課題の分野でもございます。国民の御議論を十分踏まえて策定をしていくということも一方では大変重要なことだという認識に立って検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#236
○清水澄子君 私は、この問題の責任の所在はどこにあるかということをお尋ねいたしました。
#237
○国務大臣(古賀誠君) 責任の所在は、御案内のとおり、細川内閣、羽田内閣当時を含めまして、政府そして我々政治家一人一人が担っていく問題だと、このように考えております。
#238
○清水澄子君 非常に私は不十分な答弁だと思っております。
 当時、この国鉄改革を担当された運輸大臣は橋本総理であったと思います。行革のねらいは財政支出のむだをなくして効率的な行政を実現することであるということが主張されましたし、そして現橋本政権最大の課題が行政改革だと思います。
 そこで、私は総理にお伺いいたしますけれども、この国鉄改革は結果的に国民に巨額な負担を強いるものとなったわけで、その金額は住専処理の二十四、五倍に当たります。ですから、それだけでも私はこの国鉄の債務処理は行政改革のかぎであると言われるゆえんだろうと思いますが、総理はこの中曽根行革による国鉄改革からどのような教訓を読み取り、そして今後の行政改革に生かしていこうとされておられるのか、お尋ねいたします。
#239
○国務大臣(橋本龍太郎君) 衆議院の厚生委員会で本年五月十七日に同様の趣旨の御質問がありましたとき、当時を振り返りながら私はこのような御答弁を申し上げております。
 昭和六十二年の四月に事業団が発足いたしました当時、大都市を中心として地価が異常に高騰する状況の中におきまして、当面の地価対策というものが国家的な緊急課題となっておりました。そして、その中で、地方自治体あるいはその他からの御要請もありまして、昭和六十二年の十月十六日には、政府自身の方針として緊急土地対策要綱が閣議決定をされ、旧国鉄用地について、現に地価が異常に高騰しつつある地域内の用地の売却については、現に公用、公共用の用途に供することが確実と認められる場合などを除いて、その地域の地価の異常な高騰の鎮静化するまでこれを見合わせるという措置をとったわけであります。
  当時、この措置については、国会からの御支援もございました。私は、緊急土地対策要綱そのものは、その当時において、国家的な緊急事態であった当面の地価対策という観点、事業団に係る土地処分方法の公正さを確保するという観点及び国民負担の軽減という観点を総合的に 勘案してとられた措置だったと思います。当時、そのような御答弁を申し上げました。
 現時点になりまして、この異常高騰のさなかに大量の国鉄用地というものが供給されていればあるいは地価の鎮静化に役立たなかったであろうか、そうした思いかないわけではありません。しかし、こうしたことが清算事業団の意思にかかわらず売却のおくれというものをもたらしたことは否めなかった事実でありますし、もう少し工夫の余地があったということは、実はこの五月十七日の答弁でも私は認めてまいりました。
 そして、今非常に大きな課題になっております中で今後どうしていくべきか、できるだけ早く結論を出さなければならない非常に重い課題、そのように認識はいたしております。
#240
○清水澄子君 次に、大蔵大臣にお伺いいたします。
 今現在、非常に高金利の財政資金の貸し付けを受けているわけですが、まずその債務を放置しないためにそれを変更する必要があると思います。
 それから、大蔵大臣は先ほどから何回も当時の申し合わせば最終的には国民の負担だとおっしゃっていますが、その国民の負担になる前に、ここで書かれていることは、「極力国民負担の軽減に努めるものとする。」ということが閣議決定であるのであって、我々の政策的な失敗というんですか、見通しの甘さが全部国民負担になるという、そういう考えでは決してないと思います。
 そこで、今後最終的にどのように処理されていくのか、その借金返済計画の基本的な考え方をぜひ一言お答えください
#241
○国務大臣(三塚博君) 清算事業団処理についての御建議やら御激励を大変ちょうだいしております。どうしようもない状態だということでこれをシュリンクするわけにはまいりません。決められた法律のとおり全力を尽くさなければなりません。
 当面考えられますことは、財投は三・一でしたけれども三・〇になりまして、これでお預かりを申し上げ、それで運用をいたしております。その分野はあります。しかし、民間銀行は超低利レートでありますから、この際財投と振りかえまして民間資金を、都市銀を中心に借り入れによりこれをチェンジすることによりまして利率をまず下げる努力を全力を挙げてやってみるべきだと、こう命じております。
 そういう点で、そのことの進行状況をにらみながら、最終的に全体をどう見るか決めてまいりたい。まず民間銀行にこの際御協力をいただく、国鉄時代からよいお得意さんだと言われたわけですから、都市銀、信託その他から。そこで苦労しながら利払いをしてきたことがありますから、苦しいときはお助けいただくのは人生の常であります。
#242
○一井淳治君 次に、消費税についてお伺いしたいと思います。
 まず、医療に対する消費税でありますけれども、これは病院の規模にもよりますが、診療報酬では回収できない消費税分が一%から〇・五%ぐらいあるということで、赤字経営傾向の強い病院から非常に問題にされておる課題でございます。
 そこで、大蔵省にはゼロ税率あるいは軽減税率というものが適用できないだろうかということをお尋ねしたいと思います。
 そして厚生省に対しては、診療報酬との関係で、これは三%から五%になると大変な矛盾が激化するわけでありますから、どのように対応されるかということをお尋ねしたいわけでございます。
 あと二分しかありませんので、一分ぐらいで簡単にお願いしたいと思います。
#243
○政府委員(薄井信明君) お答えいたします。
 医療についての消費税の問題、前々から御関心をお持ちいただいているわけでございますが、三%あるいは五%という税体系の中で、軽減税率という問題が難しいということが端的に申し上げられるのではないかと思います。
 それから、ゼロ税率ということにつきましては、確かにゼロ税率が適用になる分野では非常にうまくいくことになりますが、結局そのことが他へ波及するということから、例えばEUの指令でも、これはとるべきではない、これをとり出すとよそに波及し他の税率が高くなると言われていることでございまして、この点については採用しがたいと思っております。
#244
○一井淳治君 厚生省の対応をお願いします。
#245
○政府委員(谷修一君) 医療機関から幾つかの要望が出ていることは承知をいたしておりますが、今大蔵省の方からも御答弁がございましたが、この問題に対する対応といたしましては、医療機関に消費税の差額負担が生じないよう、診療報酬及び薬価基準等の改定によりまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#246
○一井淳治君 消費税の問題につきましてはこれまで社民党も真剣に取り組んできたところでございまして、このたび六十五歳以上の低所得者に対する特別の御配慮をいただいたことに対してもありがたく思っておりますし、福祉予算の充実とかあるいは郵便料金について大変御配慮をいただいたわけでありますけれども、水道料金の非課税など公共料金が上がらないための対策とか、今後とも社会的な弱者の人たちの生活を守るという観点から、逆進性の緩和という観点から御配慮をお願いしたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)
#247
○吉岡吉典君 日本共産党を代表して、消費税問題を中心に質問いたします。
 我が党は消費税そのものに反対であります。そもそも消費税は、経済力、担税力を度外視してすべての国民の消費に一律に課税する典型的な不公平税制だからであります。
 この消費税導入は、一方での法人税減税の動きと相まって、戦後曲がりなりにも貫かれてきた民主主義的な税制の原則を、庶民には増税、大企業、大金持ちには減税の方向へ根本的に転換しようとするものであります。その五%への増税というのはとんでもないというのが私どもの主張してきているところであります。我々は、あくまでも来年四月一日からの増税実施の中止を求めるものであります。
 今、国民の間で公約にも違反した消費税増税に強い怒りの声が起こっております。消費税増税による負担増に加えて、特別減税の打ち切りあるいは健康保険料負担増など、来年度から新たに十兆円を超える負担増、一世帯当たりにすると年間約二十五万円ぐらいの負担増になるということが国民の怒りを一層駆り立てております。
 そして、増税中止の声がどんなに強いものであるかということは、このごく短期間に消費税増税中止を要求する国会請願署名が六百四十万を超えていることにもあらわれております。国会は、こうした国民の声に真剣にこたえて徹底した審議をする重要な責任を持っていると思います。
 ところが、衆議院でわずか一日、七時間の審議で新進党提出の法案が否決されたことをもって消費税問題の決着はもうついた、これ以上論議をする必要もないというような雰囲気がつくり出されており、これに対しては国民の間からもマスコミからも徹底審議の公約に反するものだという強い批判が噴き出しております。与党三党は、総選挙前に消費税増税批判に対して、国民の厳しい声を重く受けとめ国会において徹底審議する、そのために国会に特別委員会を設置することを公約していたのですから、わずか一日の審議で終わりということになれば一層厳しい批判が沸き起こることは当然のことであります。
 総理、国会も政治も、こういう国民の批判を受けるようなことなく徹底した審議を今後も引き続き続けていく必要があると思います。衆議院、参議院ともわずか一日ずつの審議で消費税問題の審議はすべて終わったというふうなことになってはならないと思います。公約と国民の声に忠実であろうとすれば当然通常国会も含めてこれらの国民の声にこたえる論議を続けていくべきだと思いますが、総理はどのようにお考えになりますか。
#248
○国務大臣(橋本龍太郎君) お言葉を返して恐縮でありますが、衆参両院が日程をどう設定するかについては、我々からその可否について御批判をすべきものではないと心得ておりまして、国会で決められた日程に政府としては従ってまいります。
#249
○吉岡吉典君 私は、国会日程のことをお伺いしたんじゃないんですよ。政治と国会、ともに国民の声にこたえ、審議を尽くしていく必要があると思うということを言ったんですよ。もうその審議、国民の声にこたえる必要はないということではないでしょう。
#250
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成六年秋までにも消費税については随分御議論をいただきました。今国会におきましても、両院を通じまして予算委員会におきましても消費税の問題は多数の委員が取り上げられ、議論の場に供しておられます。本日もまたしかりであります。今後におきましても、院においてこの問題が取り上げられました場合において、政府側としてそれにお答えをする責任はあろうかと存じます。
#251
○吉岡吉典君 総理はどうして国民の求めている審議を今後とも続けると言えないんですか。与党三党の公約というのは、総理は自民党の総裁ですけれども、選挙後国会において徹底的に審議すると言っていたわけです。ですから、国民のさまざまの問題提起がある限りこれにこたえて審議していくということは当たり前のことであって、それにこたえるというふうに言えないのでは、これは政治、国会が国民の声にこたえていないことになるわけですよ。国民に安心してくれと、こうはっきり言ったらいかがですか。
#252
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますけれども、どうして私の申し上げているのを素直に受けていただけないんでしょう。今までも御議論がございました。政府としてはそれに対し真剣にお答えを申し上げてまいりました。これからも国会において御論議があれば政府として当然ながらそれを真剣に受けていく、私は当然のことを淡々と申し上げたつもりであります。
#253
○吉岡吉典君 今後とも審議を続け、質問には答えていくという答弁であったと思います。
 それでは、次に進みます。
 我が党は、当然のこと、通常国会でも消費税問題の徹底した審議を通じて四月一日からの増税実施を中止するよう求めていくということをここでも明らかにしておきます。そのためにも、この際、衆議院で新進党提出の法案に我が党が反対した理由について明らかにしておきたいと思います。
 その最大の理由は、新進党の法案が、増税実施の時期を先送りするだけで、四年後の二〇〇一年四月一日から自動的に税率を五%に上げることになっていたからであります。これは、将来の税率はあらかじめ決めないという同党幹部が選挙戦で繰り返した公約にも反するものであります。我が党は、四年後五%に増税する法案に賛成するわけにはいかないから反対したのであります。このことを明らかにした上で、本論である消費税の問題に入っていきます。
 まず、不公平税制の是正や浪費型財政構造を改め、巨額のむだを削ることによって消費税の増税をやめることができるという問題であります。
 第一に取り上げたいのは外国税額控除の問題です。今、日本の企業は海外進出で利益を増大させているのに、外国税額控除などで大企業へのさまざまな税制上の優遇措置があることから、税の空洞化の危険が大問題になっております。こういう税制については、これを絶えず見直していかなければ財政再建もできません。税の空洞化を消費税で埋めようなどということはもちろん絶対に許せないことであります。
 私はかつて、外国税額控除によって日本の七大商社があるときそろって日本では法人税を一円も払っていないときがあったということを取り上げたことがあります。こういうことは今の税制の制度でも起こり得るということを私はまず指摘した上で、こういう税制はやはり見直していかなくちゃいかぬということを問題にしたいと思います。私は、日本の税制の実態を具体的に明らかにするために個別企業の名前も挙げていきたいと思います。
 そこで、総理に伺います。世界的に有名なあのソニーは、平成七年度に日本で法人税、住民税を幾ら払っていたと思いますか。
#254
○国務大臣(橋本龍太郎君) 存じません。
#255
○吉岡吉典君 大蔵大臣。
#256
○国務大臣(三塚博君) 申しわけありません、わかりません。
#257
○吉岡吉典君 これは御存じないということでなく、私はもう先週の金曜日にこの質問を行うことを通告しておりましたから、知らないことで通したいということだと思います。
 これは答えてもらわなくてもいいんです。公表を義務づけられた法律に沿ってソニーが大蔵省に提出して、印刷し、天下に公表されている有価証券報告書のソニー株式会社という版にもちゃんと出ております。私はソニーの代表にも詳しく説明を聞きました。平成七年度のソニーの法人税、住民税の税額はこの有価証券報告の三十九ページに出ておりますけれども、これは還付額七十八億四千百万円と書かれております。つまり、平成七年度についていえば、日本で法人税も住民税も一円も払っていない反対に七十八億以上の還付を受けている、こういう結果になっております。
 ソニーといえば、三千億円の資本金を持つ売り上げ約二兆円の大企業ですね。これが日本で住民税も法人税も納めないで七十八億円も税金を返してもらっている。これが今の実態です。どうしてこういうことが起こるのか。ソニーの代表の説明によれば、主な最大の理由は外国税額控除だと、こういうことでありました。
 こういうことが現に起こっている実態をどう思われるか、そういう結果が出る日本の税制はやはり検討をする余地があるとお考えにならないかどうか、総理、お伺いします。
#258
○政府委員(薄井信明君) 外国税額控除についての御質問ですが、外国税額控除というのは、委員御承知のとおり、国際的な二重課税を排除するためのものでございまして、例えばソニーが全世界で上げた所得に対して日本で法人税を計算します。外国で納めた法人税をそこから引きますということで、外国税額控除だけによって還付が起きるということはないはずでございます。
 ただし、外国の課税が年度がずれていたり、あるいはソニー自身が国内で配当とか利子を受けるときに源泉徴収を先に受けている、そことの関係で年度によっては還付が生じるかもしれませんが、これは外国の税金を戻したということではございません。
#259
○吉岡吉典君 私は外国税額控除の仕組みぐらいは知っております。私が今言ったのは、その上で七十八億も還付を受ける。ちゃんと書いてあるわけですから、これは大蔵省印刷局発行の有価証券報告。社の代表に私は直接詳細な計算上の根拠まで説明を受けたんですよ。何もソニーは隠していない、何も不正をやっているわけじゃない、日本の税制どおりにやるとこういうことが起こるという説明ですからね。
 だから、私も悪いことをやっていると言っているわけじゃない。しかし、こういう大企業がある年度であるにしろ日本で全然税金を納めないで七十八億円も返してもらう、こういうことが起こる税制というのは私はやはり問題がある、検討の余地があると思います。しかも、このソニーの場合には赤字だからということじゃありません。この有価証券報告によりましても、税引き前の純利益というのは二百八十五億ですか、こういうのが出ております。
 そして、私は特にここでこの税制のあり方として考えていただきたいと思うのは、前の年はゼロではありませんよ、もちろん毎年ゼロだなどと私は言いませんが、しかし大事なことは、私はここに表もつくって持っていますけれども、ソニーの売り上げがだんだんふえている、ふえているのに九〇年度をピークにして納税額がぐっと減り出して、とうとう平成七年度はマイナス七十八億と、こういうことになっているわけですね。これは企業の海外進出に伴って、外税控除だけと私は言いませんでしたよ、さっきも最大の理由はと相手の会社の説明もおっしゃったと、こういうふうに言っているわけですから。
 そういういろいろな今の日本の税制の結果、これは明らかに税の空洞化傾向があらわれていることだと私は思うんですよ。ソニーの代表もそうですねと、こうおつしゃつていたんですから。ですから、私は具体的に一企業の数字を細かくここで公表しようとは思いません、細かく説明聞きましたけれども。
 それで、片方で消費税が大きくふえる。来年度から新しく一世帯二十五万円も負担がふえるというようなことが起きようとしているときに、片方ではあの世界じゅうに有名なソニーが全然税金を払っていない、売り上げはふえて税がどんどん減っているわけですから、これは税の空洞化傾向としてやはり検討を要する余地があるんじゃないか。やめろと言っているんじゃないですよ、外税控除を。外税控除のあり方としては検討の余地があるんじゃないかということを私は申し上げているわけです。
 大蔵大臣もやっぱり絶えずそういうものは検討し直していかなくちゃいかぬとおっしゃるだろうと思います。
#260
○国務大臣(三塚博君) この外国税額控除制度というのは国際約二重課税の排除措置として国際的に確立した制度でありますことは税制に詳しい吉岡委員も御案内のとおりだと思うんです。
 我が国におきましても、企業が国際取引を行う上で障害になり得る二重課税を是正するために重要な役割を果たしてきておることは事実であります。こういうことで、受取配当の益金不算入制度は法人の支払う配当と法人株主が受け取る配当に対する二重課税を調整するために設けられておるということです。したがって、法人税収の減少を防止するといった観点から、これらの措置を見直すことは適当ではないと思っております。
#261
○吉岡吉典君 繰り返すようですが、これは黒字で、だから金はあるわけですね。この同じ年度、七十八億円の還付を受けたときに国民政治協会、自民党の政治団体に二千万円の政治献金が行われているということも官報を見たらちゃんと出ておりました。こういうことがあると、やはり国民から見てこれはおかしいということになると思います。
 外国で払った税額を二重課税にならないように還付するというんですが、これは議論があるところですが細かくは言いません。しかし、ソニーの説明によっても、外国で払った税額の多くの部分はソニー本社じゃない、その子会社が海外で払った税金を日本国民から取り立てた税金で還付する、こういう仕組みで、私は外税制度をやめろと言っているんじゃないんですよ、そのあり方については絶えず検討が必要だと。
 そういうことをおっしゃるなら、政府税制調査会の法人課税小委員会がこの十一月に提出した報告の中でも何カ所かにわたって外税控除のあり方、国際課税のあり方の検討について提起しているんですよ。そして、その中で、このあり方いかんによっては税制に対する国民の信頼を大きく損なうことにもなりかねないと、こう言っているんです。これうまくやらないと大変なことになるわけですよ。
 そういう意味で、私は、あり方についての細かな議論はやりませんけれども、少なくとも国民に余りにも非常識だと思われることのないように検討を加えていくということは必要だと思いますが、こんな政府税制調査会の報告はもう眼中にないというんですか、そうじゃないでしょう。
#262
○国務大臣(三塚博君) 政府税調に国民代表がおられますから、全く両眼で見詰めております。拝聴も時にその報告という形でいただいておるわけであります。租税法律主義は、御案内のとおり、負担を求める場合は国会に法律を提示して御審議をいただく、こういうことでありまして、その観点から言えば、当然国民の中から税の公正公平を欠いておるのではないかという指摘には絶えず耳をかし、その都度審議をしていくことは当然であります。
 吉岡議員の本問題の提案も、法人課税の課税ベースの適正化についてということで制度全般について政府税制調査会で御審議をいただいておるところでありまして、お説のとおり、税の公正公平を御理解いただかなければならぬわけでありますから、引き続き検討してまいります。
#263
○吉岡吉典君 引き続き検討するということですから、この問題はこれくらいにいたします。
 私どもは、こういう外税控除のような問題を初め、税制調査会の報告を見ても日本のいろいろな問題についての見直しを提起しております。私どもと違った立場からではありますが指摘して、いろいろな解決すべき矛盾もあるということを言っている。そういうことを本当にまじめにやれば、少なくとも五兆円ぐらいの財源を生み出して、消費税の増税なしに財政再建もできるということが私どもの主張であるということを申し上げて、もう一つの問題。
 私どもは、消費税増税なしにやれるというものとして、この十一日に予算委員会で筆坂議員も問題にしましたが、公共事業の見直し、ゼネコン中心の浪費型公共事業を額の面でも構造の面でも見直す必要があるということを主張し続けております。
 その点でも一つお伺いしておきたいと思いますが、我々は、この六百三十兆円、十カ年間での計画ということ自体がもう破天荒な数字で、こういうのは全面的に見直さなくちゃならないと思っております。同時に、公共事業の構造というのは、空港や港湾など公共事業にはどの分野にもそれぞれ長期計画がつくられておって、その長期計画に基づく毎年の予算が決められるという既得権確保のやり方が続けられておる。本当に必要なところへ公共投資をやるという仕組みになっていないという構造、これはマスコミでも最近も取り上げておりましたが、私どももそれを正していく必要があると思います。
 ここにそれを示す表があります、両方違った表ですけれども。(図表掲示)皆さんから見られるのは公共事業の事業別の割合。これは、農業基盤整備、下水道、環境、住宅、港湾、道路というふうに、この十年、全然比率が変わらないんですね。これは当初予算ですけれども、公共事業の。こっち側を見ていただくと、これは公共事業の省別の当初予算。国土庁、沖縄開発庁、北海道開発庁から運輸省、建設省が圧倒的な比重を示していますけれども、この割合も十年一日のごとく全然変わらないわけです。日本の公共事業というのは、本当に日本の情勢に合った必要なところへ重点を置かないで、既得権を確保し合うということになっていることのあらわれだと思います。
 その点で、総理、まず六百三十兆円という額は見直しの余地はないのか、そしてまた、こういう構造は今後とも見直す必要はないとお考えになるのか、あるいは見直しが必要だとお考えなのか。我々はこれは見直さなくちゃいかぬと思いますけれども、お答え願います。
#264
○国務大臣(三塚博君) 二つのポイントを言われたと思います。公共投資額十カ年で六百三十兆を見直せ、こういうことでございます。
 一年当たりにしますと三十兆円というふうに見られるでしょうか、そういう中で、本件の御指摘に対しましては、同計画の具体的な運用に当たり、財政の健全性を確保しながら各時点での経済財政状況を踏まえて機動的、弾力的に対処をするというのが政府の基本的な理念であります。
 六百三十兆と言いまして、十年に割り当てれば六十三にならなくちゃいけないのを三十兆と私が申し上げましたのは、民間活力すべて、各企業の協力、協調を見込むという点を含み、財政の中で考えられるべきものが三十兆円と、こういうことでありますから、今申し上げたとおりでございます。
 それと、公共事業シェアは変わらぬじゃないかと、せっかくの図面を御提示いただきました。党内論議も盛んに行われ、三党の中でも行われ、国会の中でも行われておるところでございますが、公共事業配分に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえながら、より重点的な配分に努めることが必要であるということを財政再建元年に向けての基本方針に据えております。そして、その上に立ちまして、国民生活の質の向上に直結する分野や次世代の発展基盤等経済構造改革に資する分野への重点的、効率的な配分に努めよというのが橋本首相の私に対する指示であります。そういうことで全力を挙げておりますから応援してやってください。
#265
○吉岡吉典君 私は、今の年間十兆円を超える額の公共事業予算を、アメリカの圧力で増大する以前の水準、つまり一九九〇年度に戻すだけで二兆五千億円は削減できる、そのほか談合によってアメリカより三割高いと言われる単価を普通にすること、あるいは今言ったさまざまの矛盾を解決すれば少なくとも四兆円ぐらいの削減は公共事業でもできるというのが我が党の主張であり、そういう点で皆さんが本当にこういうことにもメスを入れて消費税増税をやめることを求めると同時に、質問時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、再度通常国会でも引き続きこの消費税問題を徹底して論議していくということを申し上げて、終わりといたします。(拍手)
#266
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。時間が限られておりますので、主に行政改革の問題と消費税の問題で質問したいと思います。
 十二月八日、日曜日のある新聞の社説にこう書いてあります。当社の「世論調査で、橋本内閣の支持率が五六・五%を記録した。二か月前の調査に比べ、一気に一〇・九ポイントも上昇した。支持理由としては、「政治姿勢を評価」する人が最も多く、評価できる政策では「行政改革」の比率が最高だった。」というふうに書いてあります。そしてその後に、「第二次橋本内閣の発足に合わせるかのように、」、きょう一日議論されておりますように、霞が関の数々の不祥事が起こっている、大蔵省の問題も記憶に新しいと。引き続いてこう書いてあります。「不祥事の続発は、内閣支持率の低下をもたらしても不思議ではないにもかかわらず橋本内閣の支持率が上がったのは、うみをえぐり出すことも含め、行政改革の断行で、システムを変革しなければならないところまで来ている、との認識が国民に浸透しつつあることを物語っている。」と。
 総理は、この前の所信表明演説の中でも「身を燃焼させ尽くしてもやり抜きます。」という御決意を述べておられます。私どもはそれに大いに期待したいところであるわけですが、しかし、先ほどちょうど政治改革の問題をめぐって白川自治大臣のお話にもありましたように、細川内閣が成立したとき支持率は七十数%、大変な高いものでありました。
 国民の政治改革に対する期待というものは非常に大きかった。にもかかわらず、確かに政治資金規正法とか公職選挙法とかについての改正、前進もありましたけれども、いわゆる選挙制度改革ということに終わってしまったわけであります。その政治改革、この選挙制度がいかがなものであったかということは、今度の総選挙で国民からまた大きな批判も受けているところであります。
 私は、これだけの大きな国民の期待を受けながら行政改革が、総理の御決意にもありますように、本当に国民の期待にこたえられるような形で行われないならば政治不信はますます深まるだけではなく、言われておりますように日本丸が沈没をしかねないという財政的にもシステム的にも大変な危機に来ていると思います。
 そこで、政治改革のときと同じような過ちを繰り返さないために、行政改革は一体どういう認識で、どういう理念で行わなければならないのかということについて総理の御認識を伺いたいと思っているわけであります。
 所信表明演説を読ませていただきますと、行政改革の中核は中央官庁の再編ということであるというふうなこともありまして、特に行政改革がどうしてやらなければならないかというと、「時代の変化に的確に対応でき、国民のニーズに合ったサービスを効率的に提供できる行政に生まれ変わらせるために、行政サービスの内容と提供の仕方を抜本的に」見直すんだ、そのために省庁の再編をすると。
 課題としては、「二十一世紀における国家機能のあり方」、きょうも午前中の御答弁でありました。それから「それを踏まえた行政機関の再編のあり方」、それから「官邸の機能強化」等が述べられているわけでありまして、そのほかにも確かに規制緩和の問題とか地方分権とか、民間へできるだけ渡せるものは渡すとか、あるいは「情報公開法の早期制定」ということが一行だけ書かれております。
 問題は、どういう時代認識のもとにこの行政改革をしなければならないかということだろうと思います。そのことが非常に実は大事なことだと。
 その時代認識について総理は所信表明演説の中で、「我が国の行政システムは、戦後、貧困や社会の不平等を解消しながら、効率的に経済を発展させるという明確な政策目標のもとでは有効に機能してまいりました」と。そこまでは、若干の細かいことは別として、私もそういう認識で基本的にいいのではないかと思いますが、しかし、「近年、複雑多岐にわたる行政課題に直面し、その限界を露呈しております。」、だから行政改革をやらなきゃならないと。
 私はやっぱりこれはおかしいんじゃないかと思うんです。行政の課題が複雑多岐になったんだったら、じゃ行政機能も行政システムもその複雑多岐さに合わせるようにどうするかということになっていくわけだと思うんです。
 私どもは、ここで時代認識をどう考えているかというと、これまでの日本の戦後の歩み、あるいはさかのぼって明治維新からの歩みは、きょうもこれは総理自身のお言葉にもあったと思いますが、いわゆるキャッチアップだったんですね、先進国に追いつけ追い越せ、そういうキャッチアップ型だったと。そうすると目標は極めて明確なんですね。それで、多少のことは目をつぶってでも、とにかく一切の権力、権限、資源、人材、そういうものを中央に集めて、そこで一定の方針を立てて強引に日本じゅうを引っ張っていくという形だった。そして、それは一定の成果を上げたことは間違いないだろう。
 しかし、カレル・バン・ウォルフレンという人は、経済的には大きな世界の経済の奇跡をなし遂げたけれども、同時に日本には民主主義がなくなったということを言っておられるわけです。「人間を幸福にしない日本というシステム」という中でそういうことを言っておられるわけですが、このキャッチアップ型の段階、これはちまうどきょう、恐らくこれが終わると総理のところに行政改革委員会から三つの提言が提案されるんだろうと思います。
 官民活動分担小委員会の報告が十一日に出ておりますけれども、その中でこういうことが書いてあるんですね。「一九七〇年代半ばまでのキャッチ・アップ過程においては、目指すべき方向についての不確実性が相対的に小さかったことから、我が国は、先発国たる欧米の実情を参考にすることで将来の見通しを得て、目標に向けて努力することができた。」と。そういう意味では、官僚独裁と言われるこれまでのやり方というのはそれなりに歴史的な意味を持っていた。しかし、今はそうではない官民活動分担小委員会の表現によれば不確実性の時代になった。別の言い方をすれば多様性の時代になった。国民の意識も多様化した、ニーズも多様化した、そういうことが言われているというふうに思います。
 そこで、私が考えるには、行政改革のこういう時代認識に基づいた位置づけからすれば、非常に大事なことは、行政というのは政治の重大な一部であると思いますけれども、政治への国民参加だと思うんですね。これまでのようについてくればいいよという時代ではない。まさにそこに成熟社会になっての政治のあり方の根本が問われているんだと思います。そうだとすれば、行政改革の基本的に重要な問題は国民参加。国民参加のためには、一つは国民の生活に近づけるための地方分権、そしてもう一つが情報公開、この二つにあるんではないかというふうに私は思いますが、総理の認識はいかがでしょうか。
#267
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員の述べてこられました相当程度の部分に私は全く異論がありません。
 そして、今回の選挙中私が国民に訴えてまいりましたのも、いわば中央省庁の改編のみにとどめた、矮小化した行政改革を訴えてきたつもりはありません。むしろ規制緩和を進めていく、それによって中央省庁の役割はそれだけ減る、地方分権を進めていく、それによっても中央省庁の役割は減る、そうした組み立ての中から私は中央省庁の再編についても触れてきたつもりでございます。
 そして、そういう意味で、私の発想の中には、住民参加というものは分権、あるいは規制緩和だって本当は私はそうだと思います。しかも、それは裏打ちとして自己責任というものを伴ってくるわけでありまして、当然ながら意識も変わらなければなりません。その中に情報公開を加えて議員は立論をされました。私は、そういう位置づけに情報公開を使われるという、自分ではそう位置づけておりませんでしたけれども、なるほどと考えて伺っておった次第であります。
#268
○今井澄君 よく日本では第三セクターというと、官民の合同でやっている会社のことを第三セクターと言うようですが、アメリカや世界的な考え方ではどうもそうでないようでありまして、第一のセクターは公的セクター。第二のセクターが民間の、言ってみればこれは営利のセクターですね。それに対して、今世界的な傾向は第三のセクターとしての非営利の市民活動、こういうものが非常に大きな力を持ってきている。アメリカなどにおいても国内総生産の十数%を占めているという、それ自身が単なるボランティアではない社会的な活動になってきていると思います。
 我が国においても、この前の阪神・淡路大震災のときに、こういったいわゆるボランティアと言われる人たちの自発的な非営利の活動、これがなければ、行政とかだけではできないと。もちろん、いろいろ危機管理システムがうまくいっていなかったということがあったにしても、行政だけではできないということは明らかですし、営利活動だけではできないということは明らかです。
 そういう意味で成熟社会というのはやはり国民参加、もちろん国民は一般の企業に働いている人だけではなく、企業を経営している人も含めてすべて国民だろうと思いますが、そういう人々の自己責任、自立に基づいた参加ということが非常に大きいんだろうと思います。
 そういう意味では、行政改革は、これまでと同じようにとにかくついてこいという形、そして霞が関あるいは永田町を中心として物事を決めて引っ張っていくと、こういう時代ではないそういう行政改革の視点を持たないと、単なるまた、公務員の数を減らせばいいとか、民営化すればいいとか、省庁の数を減らせばいいとか、そういうことになってしまうと本質を見失うんではないかと思うので申し上げたんです。
 国民と言うときに、ちょっと飛びますけれども、私はきょう質問の中には全然前もって通告はしてなかったんですが、きょうの議論を聞いてきて、国民負担率という議論が行われましたので、ぜひ国民負担率という言葉は使わないでいただきたい、これからは公的負担率という言葉を使った方がいいんではないかということを提案したいわけです。というのは、国民という言葉が非常にいいかげんに使われるのはまずいと思うんですが、国民負担率という言葉がなぜまずいか四つの理由を挙げます。
 まず第一は、国民負担率というといかにも国民の負担という印象でとられるんですね。確かに税も保険料も国民の負担ですが、例えば医療の問題をとってみても窓口の自己負担というのがあるわけです。これは昨年出された社会保障制度審議会の勧告を見てもわかるように、この税と保険料の負担を減らせば一方自己負担がふえる、これはトレードオフの関係にあるわけです。ですから、国民にとっての負担というのは公的にあらかじめ納める負担だけではなく自己負担というものがあるという意味で、国民負担率という言葉は誤解を招くというのが第一の理由です。
 それから第二に、負担と言っても税と保険料とは負担の意味が違うんですね。保険料は、ある意味では負担ではなくてお互いに出し合って戻ってくるものだということも言えるわけです。
 それから三番目の理由は、先ほど随分議論がありましたように、税と保険料だけで国民がどれだけ今負担しているのか、今後負担しなければならないのか明らかにならない、これは累積債務等を入れなければならないということで、これは経済の指標にならないということを経済学者も言っているわけです。
 そして最後に、これは三塚大蔵大臣も午前中の御答弁の中で言われましたが、これが高いか低いかということだけでその国の経済成長率が高いか活力があるかどうかのあれにはならないんですね。スウェーデンは国民負担率を上げながら高度成長をなし遂げて、しかし今苦しいところに来ているということなわけです。
 それで、外国を見ましてもこの国民負担率という言葉を使っている国はありません。いろいろ調べてみますと、イギリスあたりでは公的負担率という言葉を使ったり、あるいはストレートに税と保険料の国民所得に対する割合、あるいはGDPに対する割合という言葉を使っておりますので、最近経済学者、財政学者等も国民負担率という言葉を公的負担率という言葉に変えつつあります。したがって、誤解を余り生まないようにそういうふうにした方がいいと思うんです。
 ところで、一方的にしゃべっていて申しわけないんですが、それで一つの問題は官僚の腐敗の問題ですけれども、けさほどの御答弁の中で総理がこういうふうに言われたので私はほっとしたわけですが、公務員の倫理の問題や何かについて政治家もまた責任がないわけではないと。まさに私はそうだと思うんですね。今度のような、厚生省のああいう腐敗が起こったことの第一の理由は、先ほども御答弁にもありましたが、中央集権、許認可権や補助金の権限を握り過ぎているということからもああいうことが起こった。第二は官僚のおごりと堕落だと思いますが、それは政治家の鏡でもあるんではないだろうかと思いますし、一方政治家がほとんど官僚に実権を渡しておいて好きなようにやらせておきながら政治家も勝手なことをやっているということだろうと思いますし、私はもう一つ理由があると思うんです。
 それは、今度起こったのは特養の建設です。先ほど丸投げの問題が大分出されましたけれども、やっぱり日本の福祉自身が公共事業的、土建国家的な色彩があるということがあってああいうことが起こったんじゃないかと思うんです。本来の福祉はもうちょっと、箱物をつくってそこへ人を入れるという従来の福祉ではなくて、ノーマライゼーションの考え方、老人福祉で言えば老人ホームをつくって人をそこへ死ぬまで入れておくということではなくて、むしろ寝たきりにしない、在宅医療を充実する、在宅介護を充実するという方向に福祉がまだ転換してないから起こったんではないかというふうに思います。
 こういう官僚の腐敗を直すためには、中央集権をやめるということ、政治家自身が姿勢を正すということ、指導性を発揮するということ、そしてこういう福祉についても土建型をやめるという、こういうことについては総理及び厚生大臣はいかがにお考えでしょうか。
#269
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今第一、第二、第三と、こう言われましたうち、第一に本人が一番悪いというのを実はちょっと言いたい気持ちがいたしました。しかし、私は、権限が中央政府に集中している、その他の部分については異論がありません。
 そして、実は昭和四十年代の半ばから五十年代の初めにかけまして、障害者福祉で施設入所中心、大規模施設建設中心の福祉を組んで、我々は非常に苦い失敗をいたしました。私は、その反省は老人福祉の場合には生きておると思います。その施設管理者、施設長が入所者のお顔を見て、少なくともその方に関連するデータが思い出せないような巨大な施設というものを老人福祉の場合に考えているケースはまずないでありましょう。そして、我が国の住宅事情あるいは地域環境の中である程度施設が必要だということを私は否定はできないと思います。
 問題は、それがいかにして地域社会に根づいた施設になり得るか、地域社会から隔絶した施設にならないこと、それが大切なことではなかろうか。私自身にも、かつて大規模施設収容中心時代に非常に苦い思い出を後に持つに至った体験もございます。それだけに私は、施設が不必要だとは思っておりません、むしろいかに身近に小規模な、地域の方々との触れ合いの中で接し得る施設をつくり得るか、それが問題ではないでしょうか。
#270
○国務大臣(小泉純一郎君) 委員の国民負担率の問題、また政治姿勢の問題、官僚の綱紀の緩みの問題、そして在宅サービス等の御指摘は当たっていると思います。参考にしたいと思います。
#271
○今井澄君 今度の厚生省の腐敗の問題でも、埼玉県の川里村の老人ホームの場合は、地元の何か学校の先生をやられた方がつくりたいというので、自分の土地を提供してつくろうということを言われた。その方の土地は村の真ん中に近いところにある。しかも広い土地ですから、当然老人の福祉施設ですから一階建て、平家でつくりたいと思っていた。そこへ彩福祉グループが乗り込んできて、村の外れの村有地を提供させて、そこに四階建ての特養をつくったということなんです。
 全くこういうことは、言ってみれば、これは厚生省の官僚も悪いんですけれども、現場の市町村長さん方は一体何を考えておられたのかというふうなことで、地方分権をこれから進めなければならないわけですが、現場の皆さんも考えていただきたいというふうに思うんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。
#272
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今のお話を聞きますと情けなくなりますし、委員と全く同じ感想を持ちます。
#273
○今井澄君 ちょっと時間がないので、唐突に今度は消費税の方に移りますけれども、私は、消費税というのは高齢社会を迎えてどうしても必要な税だと思っております。特に、所得の把握ということが十分にできない段階では所得税だけに頼るということは非常に難しいですし、そういう意味で消費税は必要だと思っているわけでありますけれども、この消費税については、本当に国民の皆さんの納得が得られるような形でいかないとこれからの高齢社会を乗り切っていけないわけですが、先ほどからの消費税をめぐる議論をお聞きして、私はちょっと不思議だなと思ったことがあるんです。というのは、四つの見直し条項ということが盛んに言われましたけれども、私は、これは条件ではないし、見直し条項と言われるほどのものではないというふうに認識しております。
 というのは、これはもう三年ぐらい前からというかもつと前からですけれども、もともと所得税の減税をすべきだと。ほうっておくと所得税はどんどん重くなってくるわけですから、何年かに一回は見直さなきゃならないわけです。課税最低限なり控除なり、いわゆるブラケットという幅を見直さなきゃならない。数年前に低所得者層の所得税減税をやった。今度は中間所得者層の減税をやらなきゃならないというのはもう三、四年前から言われていた。そこへもってきて、大変な不景気ですから、景気対策として所得減税をやるべきだという意見があって、それを受けて細川さんが夜中に突然七%というのを発表されたわけですね。
 これは余りにもおかしいじゃないかということで、その後議論をいたしまして、七%まで一挙に上げるというのはいかがなものだろうかということで、しかし所得税減税はやらなければならない、ついでに景気対策の特別減税もやろうと。そうすると、その財源として何%にしたらいいかという議論の中で、七までは無理だからとりあえず五のところで国民の御理解をいただき、あわせてその中から福祉財源も五千億ほど出そうということを決めたのが一昨年の九月三十日だったと思うんです。
 当然、だからその所得減税をすると同時に、消費税も五%にアップしなきゃならないのが当たり前。ところが、今ここで一方で所得税減税をして、一方ですぐ消費税を上げたのでは景気に対しても悪い、だから二年延ばそうということをおととし決めたのが、実は消費税について決めた現実だったと思うんですね。
 ただし、二年後に消費税はおくれて上げるんだけれども、それまでの間には状況の変化がいろいろあるから、その状況については検討する必要があるなというのが四つついたので、別に五%というのはもう決まったことであって、それを見直す条件ではなかったということを私は一つ思っております。
 それからもう一つ。あの当時はゴールドプランを新ゴールドプランにかさ上げしなきゃならない、そのために財源が要る、だから消費税は五%では足りないという議論がありました。しかし、日本の福祉ビジョン全体ができていないから、それができたところで五じゃなくて六に上げるかどうかを決めようという議論から始まって、しかし一方節約ができれば下げることもあり得るというふうな話だったと思うんですね。
 そういう過程を抜きにして議論をすると国政の場では無責任な議論になると思うんですが、さはさりながら、そういう過去のことは皆さん忘れてしまって、やはりこれから上げるものとしてしか国民の皆さんには受け取っていただけない。
 そうすると一体何に使うのか。ああいう官僚に使われるのは嫌だということになってくるわけですから、もちろん議論しなければならないわけですが、その中で一つは、消費税についてはそういうことなんですが、消費税の持つ根本的な欠陥というのがあって、それは逆進性だと思うんですね。その逆進性対策として既に決めていることが二つあるわけです。
 一つは臨時福祉給付金。三百五十万人の人に一人当たり一万円出す。それから臨時介護福祉金。三十三万人の人に一人当たり三万円を出す。
 それで、今度与党の方で臨時特別給付金ということで、一千万人ぐらいの人に一人当たり一万円を出すということを決めたそうですが、この根拠を教えていただきたいんです。というのは、真に手を差し伸べる人たちがここに挙げた一千三百八十三万人の人だ、そしてそれぞれについて一万円ないし三万円が必要だということになった根拠についてお答えをいただきたいと思います。
#274
○国務大臣(三塚博君) 本件の経緯は、与党である社民、さきがけ三党協議の中で、弱い立場の方々の対策を講じてほしいと。今、今井委員御披露いただきましたとおり、六年の恒久減税、そして特別減税がスタートをし、福祉その他にきちっとゴールド、ニューゴールドプランの中で配慮をされておりますが、いよいよ明年四月一日のスタートを踏まえまして厚みを増してほしいという、こういうことであります。
 その根拠は、低所得者でございまして、年代も六十五歳以上とほぼ退職をされておられる方でございまして、低所得の方、すなわち住民税非課税の人々を対象に痛みを緩和しようということでお一人一万円ということにさせていただきました。
#275
○今井澄君 それではちょっとわからないんです。
 例えば一人一万円ということは、これは単なる特別給付金ですか、それとも逆進性を緩和するために、例えば一人当たり一万円ということは、三%から五%に二%上がる、そうすると、もし年間の最低限の消費、例えば食料品が二%分で一万円だと五十万円ですか。もし五十万円の消費があると、それに対して上がった二%分は一万円になるわけですよね。そういう計算をされているんですか。例えば、そういう逆進性緩和策ということで、これは軽減税率を入れる方法もありますし、また、カナダのように還付するという方法もあるんですね。
 この一人当たり一万円、生活保護の方、老齢福祉年金受給者等について一人当たり一万円というのは、その二%上がる分について、およそ消費を五十万と見込んでいるとかいう理由でもあるんでしょうか。
#276
○政府委員(林正和君) 今回、与党におきまして新しい臨時特別給付金が確認されたわけですが、その趣旨は、先生御案内のとおり、主として年金生活者等に対する消費税率の引き上げに伴う激変の緩和措置ということでございます。この給付金の一万円につきましては、基礎年金の平均受給年額、これが五十一万六千円といたしまして、消費税率の引き上げに伴います物価上昇率一・五%、この分を勘案し一万円というように確認されたというふうに承知しております。
#277
○今井澄君 臨時介護福祉金の方は、三十三万人に対して一人当たり三万円なんですね。そうすると、これも同じように考えていいんでしょうか。やっぱりこの辺のところはきちっと、どこに真に手を差し伸べなければならない人がいるのか、どのぐらいいるのか、その人に対して逆進性緩和というのはどういう論理的な根拠でやるのか、これをはっきりさせないと、ただ何となくつかみ金を渡して、ちょっと我慢してくれということになると思うんですね。私はこれではいけないと思います。
 この逆進性緩和については、基礎的食料品等を軽減税率にするのかどうかとか、あるいはカナダのように払ったであろう消費税分を還付するのか、その辺のところをきちっと位置づけていかないと、これは国民に納得されないと思いますので、その辺について、インボイスのきちっとした導入も含めて今後御検討いただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#278
○佐藤道夫君 私からは、当委員会が今取り組んでいる行財政の改革、それから税制の改革、これの原点ともいうべき問題、出発点となった問題と言ってもいいかもしれません、これを取り上げさせていただきたいと思います。
 一言で申し上げますれば、二百四十兆円という膨大な赤字国債を一体どのようにしていつごろまでに解決していくのか、償還していくのか、こういう問題であります。そのうち何とかなるだろうと、植木等の無責任男みたいなことを言っていても物は始まらないわけですから、具体的に一体いつごろまでにこういう方法で解消できるんだということをそろそろ示すべき時期ではないか。もう二十一世紀がそばまで来ておるわけですから、こういう問題をきちっとさせた上で新しい時代を迎える、そういう気持ちになっていきたい、こう思っておるわけであります。
 日本の赤字はこのほかにもたくさんありまして、先ほど問題になりましたが、国鉄の関係でも二十数兆円、それから地方債では百兆円、その他あれやこれやでもう五百兆を超えているというふうにも言われております。全部を取り上げますと焦点がぼけてしまいますので、この二百四十兆円の赤字国債に絞ってお伺いしていきたい、こう思っております。
 二百四十兆円というのはどんなに膨大な数字かといいますと、今首都機能の移転が問題になっております。首都機能を移転するのにどれだけの金がかかるか。国土庁が試算いたしましたら十四兆円だと。私、これはうそではないかと一瞬思ったんですけれども、いずれにしましても、十四兆円で新しい首都機能を持つ町がつくれるんだそうです。そういたしますと、その二十倍の借金というのは一体どれほど膨大なものか見当もつかないということが正直な話であります。
 今私の手元に、昭和五十五年八月、大蔵省発行の「財政再建を考える」という簡単なパンフレットがございます。昭和五十五年というと大平内閣から鈴木内閣にかわったころだと思います。これが実に的確にこの問題を指摘しておりまして、いろんな問題とその対策を打ち出しておるんですけれども、その実態は十数年たっても全然変わっていない、むしろ財政状態が悪化したという結果だけが残っておる。
 今そのさわりの部分だけをちょっと紹介させていただきます。もちろん、このパンフレットは政府の資料でありまするから、皆さん方もお読みいただいておるということを前提にしての話であります。
 まず第一ページに「国債という名の借金が積もり積もって約七十一兆円。」と書いてございます。それから十数年たちまして、現在は三・五倍の二百四十一兆円となっております。国民一人当たりは、この当時は六十万円、現在は二百五十万円になっておるようであります。
 それから、「自慢になりません。世界一の国債発行額。」、要するに世界一だということを半ば自慢しておるわけであります。この当時は二十一兆円を発行しておりましたが、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、この四カ国を足した発行額をはるかにオーバーしておったわけです。現在もこの状態はほとんど変わっておりません。
 それから、これはいささか問題だなと思うわけでありますけれども、「このまま国債の大量発行を続けると、インフレという高い代償を支払うことにも」なりかねませんよと。インフレという言葉がここではっきりこうして使われております。
 実は、先日さる経済学者と議論をしておりまして、この二百四十兆円はどういうふうにしたら解消できるんだろうかなと質問いたしましたら、彼は暗い顔をして腕組みをして、なるようにしかならないようでございますよ、ただ財政当局にはインフレ待望論があるようにも聞いておりますがと。まさかそんな悪らつなことを今日考えておる財政当局があろうとは思えませんけれども、いずれにしろ、貨幣価値を物すごく切り下げてしまいまして猛烈なインフレを招来すれば、こんな二百四十兆なんというのはあっという間に返還できるわけですから、そういう魅力に取りつかれないとも限りません。警戒を要することです。いずれにしろ、十数年前にインフレという文字が使われておることも記憶していいんじゃないかと、こういう気がいたします。
 それから、「国債の大量発行は、子孫に大きなツケを残します。」、これはもう当たり前のことで、みんな承知の上で営々と借金を積み上げてきたわけであります。
 これもある政治学者と議論をしておりましたら、彼がいわく、しかし我々は借金をして大変な財産をつくり上げたんだ、橋、空港、それから新幹線、建物、特別養護老人ホーム、幾つもつくった、そういうことになっておるんだと。それを子孫に引き継いで、子孫はそれを使いながら借金を払ってもらう、そんなに悪いことではないだろうというふうにその政治学者は申しておりました。
 子孫というのは、我々の子や孫から見ますれば、彼らが使うころにはこういう建物もかなり老朽化しておって、補修費に相当金がかかるでしょう。そういう金のかかる財産を押しつけられて、しかも借金は丸ごと払えと言われたのでは、子孫の立場から見ますると、何と無責任な先祖であったのか、先祖の墓なんか壊してしまえというふうにも言いかねないような気もいたすわけであります。
 それから、高齢化社会に備えて財政再建を急げと。これはもう言うまでもないことですが、十数年来こういうことが叫ばれておる。
 次に、赤字国債を解消するためには財政再建しかない、これには三つの道があると。一つは公共サービスの引き下げ。要するに、行政改革もこの中に入るんだろうと思います。それが第一。第二は負担の増加、これは増税であります。第三の道として、この二つを兼ね備えた道があると。今回消費税を三%から五%に引き上げること、それから行政改革を行うこと、少なくともこれだけはこのパンフレットに従った対応策が打ち出されたようであります。
 それから、税の自然増収を当てにしてはいけないということも言っておるようであります。これはよく言われることですけれども、借金をして、それで公共投資をして景気を刺激すると税収がふえて、それで払えるだろうと。これはもう十何年来言われていることで、全然効果はあらわれていない。もう考えを直す時期であろうと思います。
 最後に、「支出をへらす再建策」といたしまして、十数年前の話ですが、これまでも「実行してきました。これからも実行します。」、これは支出の節減合理化をやらねばならないということを言っておるわけでありまして、公務員の数の削減、それから行政改革の計画的な推進、補助金についてもこれから四年間で四分の一割愛しますということをはっきり言っておるんですが、結果は皆さん方御承知のとおりであります。
 十数年前に実は行政改革として佐藤内閣が一省一局削減というのを打ち出しました。御記憶のある方、皆さんそうだと思いますけれども、あれは佐藤さんのすぐれた政治力をもってして断固不退転の決意でやり抜くということでやり遂げたわけであります、一省一局削減を。
 何をやったか。国民の立場から見ますると、例えば十の局のある省は一つの局を削減すれば費用と人員丸ごと十分の一削減される、スリムになる、スマートになる、浮いた金は借金の返済に充てることができる、こういう発想でやったのだろうと思いますけれども、現実にやったところは何をやったかといいますと、一つの局の名前を部にした。局長はいなくなりましたが部長が誕生した、こういうやり方が一つ。
 もう一つは、A局とB局を足してAB局にした。名前を変えただけ。防衛庁の場合で恐縮ですが、人事局と教育局を合わせて人事教育局にして、これまた局長が一人減った。しかし、これだけの犠牲を払ったのだから何か見返りを出せということで部長と局長の中間にいる官房審議官をそれぞれ獲得しておる。それで、十数年たちましたらもとに戻っておった。何のことはない、名前は多少変わっておりますけれども、残ったのは官房審議官だけ。
 要するに、機構いじりというのは大体こういうことになるんですね。今回の行政改革の目玉として省の数を半分ぐらいに減らしたい、こういうことも言われておるようですけれども、これを打ち出しますと、例えば建設省と通産省を合体させて通産建設省というふうな名前でやったやったと、こういうことになりかねないんですが、また十数年たってみますると、やっぱり建物も違いますしやっていることも違うからこれが一緒になっているのは何かと不便だ、別れようということでまたもとに戻っちゃう。
 行政改革をやるからには、一番大事なことはこれでもって一体いかほどの冗費をつくることができるかということだろうと思います。年間五兆なら五兆、人数も相当削減する。それから、すっぱりとこの部分は切り捨ててしまう。それによって五兆なら五兆冗費を生み出してそれを国債の支払いに充てる。こういう時代が来ておるんだろうと思います。
 財政再建法が提案されるらしくてまことに結構なことではあろうかと思いますけれども、抽象的な訓示規定などを羅列してはほとんど意味がないと思います。この法律の上で、これから五年なら五年、十年なら十年かかって赤字国債依存の体質はやめる、それから二十年なら二十年かかって赤字国債はすべて解消する、償還する、それぐらいのことを法律に打ち込むべき時期ではないか、こういうふうに私は考えております。
 恐れ入りますけれども、どうか私の今のことについて総理の御所見を承れればと思います。
#279
○国務大臣(橋本龍太郎君) 語り来り語り去られたすべての話の中に私どもの記憶に残っておりますケースがいろいろございました。一省庁一局削減などもまさにその思い出の一つであります。
 それだけに、また将来同じことになるのではないかという御心配は真剣に承りながら、とにかく我々として、何回も申し上げてきておりますように、中期的な財政健全化目標というものを設定していきますにつきましても、EUの手法あるいはアメリカ、イギリスにおいて目指しておる手法、我々自身がかつて行いました特例公債脱却、公債依存度の引き下げなど、いろんな幾つかの手法をとってきました。こうした中でどれが一番いいか。
 同時に、目的達成のための方策として、歳出の上限設定がいいのかスクラップ・アンド・ビルドの原則がいいのか、あるいは個別的な歳出削減措置などを法制化するやり方がいいのか、そうしたことも含めて財政再建のための法律について幅広く考えていきたいと思います。
#280
○田村公平君 先ほど来ずっといろんな話を聞かさせていただきました。私は小会派なものですから、あと十分皆さん我慢をしていただきたいと思います。
 総理にちょっとお尋ねをしたいと思います。
 「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」、これは憲法第六十六条の三項でございます。中でも、総理は言うまでもなく内閣の首長でございます。これは憲法六十六条の第一項。行政のあらゆる部門を指揮監督する立場にあるまさに最高責任者であります。
 そこで、内閣は連帯責任を負うのだから、個々の行政分野を所管する主任としての大臣が新たな政策、新たな方針を打ち出した場合でも当該大臣の個人的責任でやったということはあり得ないというのは御案内のとおりであると思います。総理自身も内閣としての方針というのを各大臣に指揮命令しておると思います。その総理の指示に従えないという大臣がいればいつでも総理は大臣の罷免ができる、これは憲法六十八条の第二項。このことについて間違いないことをまず総理に確認させていただきたいと思います。
#281
○国務大臣(橋本龍太郎君) 法律解釈を聞かれたのですから、法制局。
#282
○田村公平君 じゃ法制局、済みません。
#283
○政府委員(大森政輔君) ただいま委員お尋ねの件はおおむねそのとおりでございます。
#284
○田村公平君 こちらにおられますけれども、倉田前自治大臣は、十一月一日、外国人の地方公務員への任用について、公権力の行使または公の意思の形成に参画させない条件をつけて国籍条項を撤廃することは、将来にわたる適切な人事管理という点、将来における公務員に関する当然の法理に基づいた任用の確保という点から適当でないと記者会見で述べられております。
 ところが、その一週間後、第二次橋本内閣の白川自治大臣は日経新聞のインタビューの中で、国籍条項が当然の法理だとは思わないと、十一月二十二日には、就任できるポストに一定の制限をつければ一般職でも外国人の採用は可能だと述べたと伝えられております。
 要するに、倉田前大臣は昇進制限つきの採用はだめ、白川自治大臣は昇進制限つきの採用オーケー、俗に川崎方式と言われておるものです。これは大変重要な、大きな政策の変更であると私は思います。この点について橋本内閣の方針はまるで百八十度変わったと私は理解するところであります。
 ところが、今度は総理御自身が十一月二十七日に記者団の質問に答えて、不完全な議論のままでは必ず昇任の問題が発生すると述べたということがマスコミが報道されております。総理は、地方自治体の一般事務職への外国人の昇進制限つき採用についてどうお考えになっておられるのか、また認めるのか認めないのか。自治大臣は問題がないと言って、総理が問題があるということであれば、これは地方分権のことを含めて、地方の三千三百の自治体の首長さん、知事を含めて市町村長さんは大変な大混乱を招くと思いますけれども、総理の御見解を承りたい。
#285
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府としては、公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とし、それ以外の公務員となるためには必ずしも日本国籍を必要としないという公務員に関する基本原則は国家公務員のみならず地方公務員の場合でも同様であると解しておりまして、この考え方に変わりはございません。このことは、先月二十二日に出されました白川自治大臣の談話においても明確に述べられているところでございます。
 その談話の趣旨は、この問題は職員の任用にかかわるものであり、何よりもまず地方公共団体が公務員に関する基本原則を踏まえながら、責任を持って適切に判断していただくべき事項であり、国としては、御相談などを通じて、これまでの政府の考え方なども踏まえながら協力、助言する立場でその役割を担っていくことが重要であるというこの問題についての事務の進め方について述べたものだと理解をしております。
#286
○田村公平君 確かに、従来から政府は昭和二十八年の内閣法制局の見解をよりどころに四十年以上公務員に関する当然の法理を言ってまいりました。内閣法制局というところは、先ほど長官からも御答弁がありましたけれども、私の理解するところでは行政府における最高裁のようなものではないかと思っております。その内閣法制局が、公務員になるためには日本国籍を必要とする、それは当然の法理であると言ってきた。それを自治大臣が当然の法理だとは思わないと言うということであると。
 私は去る平成八年の二月二十二日と三月二十六日の参議院の地方行政委員会でもそのことを質問させていただきましたけれども、何か閣内不統一という感じがしてしょうがないわけです。そのときの議論の中にも大臣としての個人的な発言とかいろんな話がありましたけれども、大臣であれ総理大臣であれ、これは二十四時間職務権限者でありますから個人的見解はないというふうに理解をしております。
 実はこういうことを申し上げたのは、私は高知県から選出されておりまして、平成三年十一月に、総理である橋本龍太郎さん、当時は総理大臣じゃなかったんですけれども、たった一人の大変大事な弟です、どうか高知県民の皆さん、自慢の弟ですから合格点をつけてあげてほしいということで、私もその声を聞きましたけれども、その高知県知事である橋本大二郎さんが、川崎方式で、いわゆる国籍条項を撤廃したいというようなことで、今私どものところは大変混乱をしております、議会との関係において。
 今、政治不信とかいろんなことが言われておりますけれども、一番大切なことは、それぞれの政治家が、それぞれの任にある者がやはり責任を持って、内閣であれば内閣はきちっとした石組みを持って国民に対して真剣に訴えていくことが本当の政治不信を取り返していくことだと私は思っております。菅直人厚生大臣が当たり前のことを言ったら、それが国民的人気を得たということはまさに私はおかしなことじゃないか。当たり前のことをやったらそれが評価されるぐらい、今政治不信が満ち満ちております。
 こういう問題を考えたときに、先ほど来申し上げましたが、三千三百の自治体に、それぞれ判断をしなさい、そうしたら自治省がこたえますよと、そういうレベルの問題じゃなくして、きっちりした線引きをしたら、その線引きというのは法制化ということであります。
 私が言っておる国籍条項は、ドイツ連邦の方もアメリカ合衆国の方もそうです。そして、その国内法をきっちり整備することが三千三百の自治体にとってもよりどころになると思います。それと同時に、相互主義、平等互恵主義に基づいて、我々日本人が、例えばドイツのデュッセルドルフ、あるいはシンガポールは二万人ぐらいおります、そこの子弟がその国の政府の役人になりたい、あるいは州政府の役人になりたいと、平等互恵のことまで考えた、おやりになるんであればですよ、そういうことをすべきだと私は思います。私は特定の国のことを言っているわけではありません。国籍条項というのはそういうことだと思います。
 そういうことで、立法措置が必要じゃないかと思いますけれども、これはだれに聞けばいいのでしょうか。僕はやっぱり最高責任者である総理にお伺いしたいと思いますが。
#287
○国務大臣(橋本龍太郎君) 冒頭お答えを申し上げたことに戻らざるを得ません。すなわち、大変失礼でありますが、弟の名前を出されましたし、私は確かに弟を非常に大事な弟だと思っております。県民が選んで知事の座につけていただいていることを光栄に存じますけれども、それは高知県民の選択であって、彼が知事としてどのような行政をしているか、それを云々されることは大変迷惑であります。
 その上で、公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とし、それ以外の公務員となるためには必ずしも日本国籍を要しないというその公務員に関する基本原則というものは、国、地方において変わりのないものだと考えております。そして、それは先月二十二日でありますか、白川自治大臣の談話においても私は変わりがないと思います。
 そして、地方公共団体の組織とか職制、あるいはその人事運用の実態というのは、それはそれぞれの特色もありますし、さまざまな観点で行われるものがありましょう。ですから、やはり私は、憲法あるいは法律を守る立場におありになる各地方公共団体が、その基本原則の法理をきっちりと踏まえた上で判断をしていかれるというのは何ら問題のあることではないと思います。
 と同時に、私は、地方自治体の職員に外国人を採用するかどうか、それはむしろそれぞれの国の法制にゆだねられることではないでしょうか。そして、これは相互主義の見地から各国との間に交渉をすべきと、言いかえれば、私のところであなたの国の人を公務員に選びますから、私のところの、すなわち日本人です、をあなたのところの公務員にしなさいといった交渉になじむものではない私はそう思います。
#288
○田村公平君 終わります。
 ありがとうございました。
#289
○委員長(遠藤要君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度といたします。 
    ―――――――――――――
#290
○委員長(遠藤要君) 次に、請願の審査を行います。
 消費税率五%の中止に関する請願外百五十一件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、すべて保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#291
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#292
○委員長(遠藤要君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 行財政改革・税制等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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