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1996/12/05 第139回国会 参議院 参議院会議録情報 第139回国会 法務委員会 第1号
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1996/12/05 第139回国会 参議院

参議院会議録情報 第139回国会 法務委員会 第1号

#1
第139回国会 法務委員会 第1号
平成八年十二月五日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         続  訓弘君
    理 事         久世 公堯君
    理 事         前田 勲男君
    理 事         浜四津敏子君
    理 事         橋本  敦君
                遠藤  要君
                岡  利定君
                志村 哲良君
                下稲葉耕吉君
                中原  爽君
                服部三男雄君
                林田悠紀夫君
                大森 礼子君
                山崎 順子君
                及川 一夫君
                照屋 寛徳君
                菅野 久光君
                本岡 昭次君
                斎藤 十朗君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任       補欠選任
     本岡 昭次君     伊藤 基隆君
 十二月四日
    辞任       補欠選任
     照屋 寛徳君     田  英夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         続  訓弘君
    理 事
                久世 公堯君
                前田 勲男君
                浜四津敏子君
                橋本  敦君
    委 員
                遠藤  要君
                岡  利定君
                志村 哲良君
                下稲葉耕吉君
                中原  爽君
                服部三男雄君
                林田悠紀夫君
                大森 礼子君
                山崎 順子君
                及川 一夫君
                田  英夫君
                伊藤 基隆君
                菅野 久光君
   国務大臣
       法 務 大 臣  松浦  功君
   政府委員
       法務大臣官房長  頃安 健司君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  山崎  潮君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  原田 明夫君
       法務省人権擁護
       局長       大藤  敏君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総長       泉  徳治君
       最高裁判所事務
       総局総務局長   涌井 紀夫君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀籠 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 恒男君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    栗本 英雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(続訓弘君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十五日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として畑恵君が選任されました。
 また、去る十一月二十八日、畑恵君、田英夫君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として岡利定君、照屋寛徳君及び及川一夫君が選任されました。
 また、去る十一月二十九日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として伊藤基隆君が選任されました。
 また、昨日、照屋寛徳君が委員を辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(続訓弘君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(続訓弘君) この際、泉最高裁判所事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。最高裁判所事務総長泉徳治君。
#6
○最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 去る十一月二十九日、最高裁判所事務総長を命ぜられました泉徳治でございます。前任の金谷事務総長が東京高裁に転出しました後を受けまして、司法行政の任に当たることになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 改めて申し上げるまでもございませんけれども、裁判所は、個々の具体的な事件の裁判を通じまして、基本的人権を擁護し法秩序を維持するという重要な責務を負っております。この責務を果たすために、微力ではございますけれども、司法行政の面で全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 幸いにいたしまして今日まで、当委員会の委員長並びに委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援をいただきまして、裁判所の運営は逐次充実してまいっております。今後とも一層の御支援を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(続訓弘君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、政府から両案について趣旨説明を聴取いたします。松浦法務大臣。
#8
○国務大臣(松浦功君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。
 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じ、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は次のとおりでございます。
 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することにいたしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。
 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。
 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様、平成八年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。
 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、お願いを申し上げます。
#9
○委員長(続訓弘君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○久世公堯君 今回のこの給与二法は、今、法務大臣から趣旨説明がございましたように、例年、人事院勧告の趣旨に基づいて一般の政府職員の例に準じて給与を改善する措置を講ずるということがその内容だと思われます。給与水準は相応の合理性を持たなければなりませんし、また加えて、法務行政として裁判官や検察官の地位、職分を常に考慮することが重要であろうかと思います。
 橋本内閣が発足いたしまして、松浦法務大臣には新しく御就任になられたわけでございますが、本日は、この給与問題も含めて、大事なり組織の
 基本について何点かお伺いいたしたいと思います。
 第二次橋本内閣の大きな柱は行政改革であります。橋本総理もこれを強力に推進することを表明しておられるところでございますが、しかし昨今、
 公務員、殊に行政の中枢にある公務員の不祥事が相次いでおり、このままでは行政に対する国民の信頼は失われてしまうと思います。
  のような情勢のもとにおいて、法秩序を守り国民生活の基盤を支える法務行政の使命はますます大きくなってくるのではなかろうかと思います。新法務大臣におかれましては、こういうような重大な時期に就任されたわけでございます。
 法務大臣には、元来、非常に広い視野の中で行政に対する見識を持っておられ、特に公務員制度なり公務員行政の権威でもいらっしゃいますが、法務行政の責任者としての御決意をまず承りたいと思います。
#11
○国務大臣(松浦功君) ただいま久世委員御指摘のように、政府の公務員の中に常識外れの不祥事が起きておりますこと、まことに残念に思います。私も久世委員と同様に公務員の経験者でございますが、私どもの常識ではちょっと理解しかねるような事態になっておるように思います。
 この問題について厳正に処理をして、国民の皆様方の公務員に対する信頼を回復していくように努めていかなければならない時期ではないかと思っております。その意味において、全く久世委員御指摘のように私も考えております。これから行政改革というものを通じ、あるいは綱紀の粛正ということを通じて、日本の政治が少しでもよくなるように努力していかなければならないと考えております。
 特に、法務省の責務としては、治安の維持ということと国民の権利の保全ということが中心であろうかと思いますが、このことをしっかり胸にたたき込んでこれから一層頑張ってまいりますので、皆様方の御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
#12
○久世公堯君 ちょうど一年前でございますか、政府の行政改革委員会から「規制緩和の推進に関する意見(第一次)」として、サブタイトルでは「光り輝く国をめざして」という報告書が出たわけでございまして、その「法務」というところに、
  規制緩和が進み自己責任の原則が徹底する社会では、意見の対立は、行政によってよりも、むしろ司法によって解決されることが原則となる。その意味で、司法は規制緩和後の世界の基本インフラと言える。
 したがって、規制緩和を進めていくためには、我が国の司法の機能を一層充実・強化する必要がある。このように述べられているわけでございます。
 そこで、行政改革によって許可認可等の民間活動に対する規制の緩和が進められるならば、いわゆる個人責任の原則による分野というものが拡大して、円滑かつ公正な社会経済活動を確保するためには、社会のさまざまな分野において発生する紛争を法令に従って迅速公正に解決するとともに、法律専門家が早い段階から法的問題に関与して紛争を未然に防止することが一層重要になるのではなかろうかと考えられます。ただいまの答申に書かれているのは、そういう趣旨ではなかろうかと思います。
 こうなりますと、裁判所の機能なりあるいは違法な行為に対して厳正に対処をする、さらには当事者同士の紛争を解決していく行政庁の処分に対してどう対応するか、こういうような法律専門家の任務はいよいよ重くなるわけでございまして、いわば司法の果たすべき役割が非常に重要なものになってくることは明らかでございます。
 したがいまして、多角的に司法の機能の充実を図っていく必要があると思われますが、この点についての大臣の御所見を承りたいと思います。
#13
○国務大臣(松浦功君) 全くお説のとおりでございまして、これからますます法務行政を充実していくということが必要であるということは、全く久世委員の御意見に対して同感でございます。
 私といたしましては、人的なあるいは物的な面で十分努力をして、ますます法務行政が確固たるものになっていくように努めたいと思っております。
 特に、皆様方に御理解をいただきたいのは、もちろん機械化等によってできるだけ能率を上げて、極端な人員増ということをお願いしないで済むようには努力したいと思いますが、個々に、御承知のように、例えば検察官でございましたら、これは機械化によってどうにでもなるというものではございません。そういう意味において、人の面において非常に法務行政には問題があると思っております。その部分に力を入れて大蔵省との折衝に当たってまいりたいと思っております。
#14
○久世公堯君 第二次橋本内閣は行革が非常に大きな柱でございますが、この行革を含めて五つの改革、すなわち経済構造改革、財政構造改革、金融システムの改革、さらに社会保障制度改革と、この五つの改革の中において対処をするということを明言しておられるわけでございます。
 第二次橋本内閣が発足をして間もなく、私ども新聞紙上におきまして、大蔵大臣、法務大臣、通産大臣等が官邸に行かれまして、そして総理と今後のこういう対応についてかなり綿密な打ち合わせをされたというふうに伺っております。従来、こういう場に法務大臣ということは少なかったような気がいたしますが、恐らく松浦大臣の広い識見というもののもとに、最近におきましては住専問題もあり、また金融システム改革も関連をするのではなかろうかと思うわけでございますが、そのときの内容とか、あるいはそれに対する法務大臣としての対応というようなものを、もしお話を承れれば承りたいと思っております。
#15
○国務大臣(松浦功君) 先月の十一日に総理からお呼び出しを受けまして、大蔵大臣と私とで金融改革について協力をして、できるだけ早く問題の解決に努めるようにという指示をいただきました。
 具体的には、総理が考えておられて特に発言が強かったのは、東京金融市場、これが非常に、何と申しますか、力がなくなってくるということは問題だと、ヨーロッパにおいてユーロ等の問題があるわけでございますが、やっぱり円というものをきちんと世界の中の国際金融の中軸にしていくと、こういう考え方のもとに東京市場の活性化を図れという御指示であったと私は記憶をいたしております。
 具体的にどういう対策をとるかについては大蔵で十分検討していただいて、その法律的な裏づけを法務省として十分強力にするようにという御指示であったように思います。私どもとしては、今一生懸命大蔵と連絡をとりながら、どういう形に大蔵が考えているのか、金融市場でございますが、その問題について検討し、そして必要があればそれに対する法的な裏づけというものを考えていきたいと思って勉強しておる最中でございます。
#16
○久世公堯君 ただいまのお話にもございましたように、最近、社会経済の実態というのが大きく変わってきているわけでございまして、法務省に限らず各省庁とも、こういう社会経済の実態なりあるいは国民生活の変化に伴って、行政組織の体制あるいは人員の配置、きょうの本論でございますところのこういう人事、組織、給与というような問題に対応していくことが要請されているのではなかろうかと思います。
 そこで、政府委員にお尋ねをいたしたいと思うわけでございますが、一つには、最近の特に企業の活動が情報化、国際化という趨勢にありまして、そういう進展の中において従来の法体系、特に基本法でございます商法などもかなり、特別法その他幅が広くなってきているような気がいたします。私どもが若いころには、経済法という分野がやがて広がるんだというようなことも教えられたわけでございますが、まさに企業活動に関する法令というものの範囲がかなり広がっているような気がいたすわけです。
 また、いわゆる国際私法という分野には、たしか日本には法例という昔ながらの条文の法律があったような気がいたしますが、そういう分野におきましても、これは個人にかかわることで国際的な婚姻、あるいは国際的な財産の相続、国際的な取引、こういうような面で非常に広がってきているんではなかろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この情報化とか国際化の大きな波、今、大臣から答弁をいただきました金融システムということも、こういう国際化の中において特に東京などは大きく変わってきているんだろうと思います。そういう面において、一体法務省とされましてはどういう体制をもって臨んでおられるのか。法務省自身、あるいはこれは裁判所になるのかどうなのかよくわかりませんが、そのあたりの組織、運営、対応というものを承りたいと思います。
 また、我が国の犯罪の情勢というものを見ますと、大型の汚職事件なり、あるいは金融機関の役職員による大型の背任事件、あるいは薬物事犯の増加、オウム真理教関係によるところのさまざまな犯罪、これもやはりこういう新しい時代において発生してきている問題ではなかろうかと思います。そこで、検察が迅速適正な処理を行い、法秩序を守っていくということが国民のサイドから強く要請されているものと考えるわけでございます。
 そこで、こういうものに対処をするために一体法務省御自身としてはどういう対応をしておられるのか、また検察庁ではどういうふうに対応して組織なり人員等の体制の整備についてやっておられるのか、そのあたりを承りたいと思います。
#17
○政府委員(濱崎恭生君) まず、御質問のうちの前半の民商法の体系等に関する御質問について私の方からお答えを申し上げます。
 委員御指摘の、最近の企業活動の国際化、情報化の進展、そういったことを含む時代の進展に応じた民事法の見直しということが大変重要であるということは私どもも認識しているところでございます。
 これまでも、例えば商法につきましては平成二年、五年、六年、それぞれ時代の進展に応じるという趣旨からの改正を行ってきております。そのほか民商法につきまして可能な限りの対応をしてきたつもりでございます。しかしながら、今後、そういった国際化、情報化、それから御指摘のありました国際私法であります法例の問題、そういったものについては一層適切に対応してまいる必要があると考えております。
 大臣から御答弁申し上げました金融システムの改革につきましても、大臣から御指示をいただきまして、私どもとして金融政策を所管される大蔵省と協力して必要な対応に努力をしてまいりたいというふうに考えております。そのために必要な執務体制ということでございますが、そういった観点につきましても、関係各方面の御理解を得ながら、一層整備に努めながら努力をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#18
○政府委員(原田明夫君) 最近の我が国の犯罪の情勢を概観されました上でのお尋ねでございます。御指摘のとおり、近年、いわゆる財政経済事件を初め、社会の変動に伴いましてますます大型化、複雑困難化する事件がございます。いわゆる住専問題を初めといたします破綻した金融機関の役職員による巨額な背任等事件や金融機関からの借り手による債権回収妨害事件、財産隠匿事件も相次いで摘発されているところでございますし、一方、一連のオウム真理教等関連事件や銃器事件あるいは麻薬・暴力事件等、我が国の治安の根幹を侵害するような事犯に加えまして、外国人による事犯も頻発している状況にございます。そのために検察の業務もますます困難かつ多忙なものとなっていると考えております。
 このような状況を踏まえまして、特捜、財政経済事件や治安の根幹を侵害するような事件等への対応を強化するために、平成八年度には、長い間そのまま据え置かれておりました検事の増員がおかげさまで図られたところでございます。また、組織的にも名古屋地方検察庁に、東京、大阪に次ぎまして三番目の特別捜査部が新設されますとともに、これら三つの地方検察庁を除く地方検察庁、部制庁十庁に特別刑事部が新設されるなどしたところでございます。
 しかしながら、検察が御指摘のような犯罪情勢に今後とも適正また迅速に対応して法秩序を維持してまいるためには、引き続き検事の増員及び執務体制の整備など検察の組織体制の充実強化が不可欠であるということで、今後とも所要の体制整備が図られますよう努力してまいりたいと存じます。
 ただ、そのような人的な面また数の面あるいは組織の面のみならず、やはり資質と申しますか、検察官を初めとする検察事務官、検察を構成する人員がきちんとした仕事をやっていくために今後ともますます研修制度の充実等を含めまして努力してまいりたいと思いますし、また、このあたりのことはひとり検察だけでできることではございません。警察当局、国税当局、その他法執行に関係ある諸機関とも連携を図りまして、また協調しながら、国民の皆様方の脇に落ちるような、そのような法執行ができますように努力していくことが私どもの責務であると考えておりますので、今後ともよろしく御指導くださるようお願いいたします。
#19
○久世公堯君 重ねて今の点について、刑事局長はかなり細かく私の質問にお答えいただいたわけでございますが、民事局長の方は総論的なお話にとどまったわけでございます。
 私は、今まで法務省の方々に、私から先ほど申し上げましたような新しい社会経済の実態や国民生活で範囲が広がっている、そういうときに、それを御説明をいただきたいというようなことについてお尋ねをいたしますと、民事局あるいは刑事局からいろいろ来られる、局付という方が、局付検事という方が、いつも違った方がいろいろ来られる。どこの省におきましても、最近の行政機構というのはスタッフ的な要素が広がっておりますし、参事官とか企画官とかというのは比較的多くなっておるわけですが、承るところによりますと、民事局、刑事局それぞれ十数名、二十名に近い局付検事がおられて、それがいろいろと分担をしておられるやに承っております。
 それで、先ほど私は、この企業活動、商法、特別法また法例というような例を出したわけでございますが、どのように本省において担当しておられるのか。
 また、刑事局長の御答弁によりますと、名古屋地検でございますか、そこに特捜部を、従来、東京、大阪だったのを特に名古屋地検に置かれたという出先の体制のお話がございましたが、民事局の場合は出先ということになりますとちょっと違いますが、片や、これは御答弁が民事局長がいいのかどうかわかりませんけれども、裁判官の方も同じような対応が迫られていると思うわけです。
 きょうは給与に関する質疑でございますので、私は、組織とか人事とか、絡んでいる問題の御質問を申し上げたいということをお願いしたわけでございますが、重ねて民事局長の御答弁をお願いしたいと思います。
#20
○政府委員(濱崎恭生君) 委員のただいまの御質問の中にもございましたように、刑事局長の答弁と私の答弁との違いは、刑事局の場合は検察全体で対処される問題でございます。それに対しまして、私の方に対する御質問は、これは立法関係の問題でございます。
 そういうことですので、現在、私ども民事局の立法関係のスタッフがどういうことになっておるかと申しますと、各分野を担当する責任者として官房参事官を含め参事官が四名、それにそれぞれの分野ごとに約十名の、局付検事と呼んでおりますが、それがそのもとでスタッフとして活動しているわけでございまして、そういうスタッフをもって民事局の所管する各立法の立案作業それから各省庁との立法問題等に関する合い議に対応しているわけでございます。
 さらに、どういう分担をしているかと申しますと、私どもの所管する民事基本法の分野の中で、大きく分類いたしまして、民法の中に財産法の分野と、今、夫婦別姓等について検討をしております身分法の分野、その二つの分野がございます。そして、商法の分野がございます。それから、先般改正を実現していただきました民事手続法の分野がございます。現実にはその四つの分野ごとに参事官がそれぞれ責任を分担し、そのもとで今申しました十名程度の局付検事がそれぞれその補佐をして立案あるいは検討に当たっていると、こういう実情でございます。
 そういう状況の中で、今御指摘の国際化の進展に伴った対応もできるだけ頑張っていかなければならないと思っているわけですが、そういう人数の整備ということにつきまして、先ほど申しましたように、これは私どもだけで実現できる問題ではないわけでございます。関係各方面の理解を得て一層整備をして、御期待にこたえるように努力をしていきたいと考えているところでございます。
#21
○久世公堯君 今の御答弁によりますと、民事局の方は、立法を中心として民法なり商法なり、あるいは民法でも財産関係、身分関係とか、そういう法律を中心として局付の参事官なり局付検事というもので対応しておられると。私はもう少しそういう点を伺いたいんでございますが、きょうは時間の制約もございますので、また次の機会にいたします。
 以上、私は、今回の給与法の改正法に関連をいたしまして、新しい時代に対応するところの法務省の法務行政のあり方、特に給与も含めて組織なり運営なりあるいはそれに関連して行革に絡む問題について質疑をさせていただいたわけでございます。
 申すまでもなく、裁判官につきましては憲法上その独立が保障されている。それから検察官につきましては、検察庁法に公益の代表者としての職責ということが書かれているわけでございまして、私は、裁判官なり検察官が十分にその職責を果たしていくためにはこれにふさわしいような行政組織、あるいはその運営、さらに給与制度、こういうものを確保することが必要であると考えるわけでございます。
 今回の二法を審議する機会に、新法務大臣のもとにおいて司法行政のさらなる充実を願いたいと思うわけでございますが、最後に法務大臣の御答弁を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
#22
○国務大臣(松浦功君) 久世委員の御指摘をまともにちょうだいいたしまして、最大限の努力をすることを表明させていただきます。
#23
○浜四津敏子君 平成会の浜四津でございます。
 まず、法秩序を守り、正義、公正、公平の実現を使命とします法務行政の責任者でいらっしゃる松浦法務大臣に御質問させていただきます。
 本年十一月二十五日の自民党役員会で、知事が新進党を応援した県などに予算を多くやる必要はないとの意見が噴出したと、こういう新聞報道がなされました。また、同党の首脳は、新進党が勝利した大阪や愛知などに予算を多く配分しても仕方がないという意向を示したとのことであります。またさらに、自民党の加藤幹事長は十一月二十九日の記者会見で、政党が自分たちの気持ちや要望を反映させたいと考えるのは当然だと、こう述べて報復予算論を容認した、こう伝えられました。
 この報復予算論につきましては、見逃すことができない多くの問題がございます。ついに事務次官逮捕にまで至った厚生省の汚職事件、また泉井問題にかかわる通産省の疑惑、あるいはまだほかにもたくさんございますけれども、こうした不正、腐敗、疑惑を次々と生んできたその土壌が政官業の利権構造でございます。この報復予算論というのは、まさにこの政官業の利権の構図、構造、これを是認し前提とする発言であります。官と政が特定の予算やあるいは補助金を出す見返りとして関係業界から票や献金を受ける構図そのものであります。報復予算論者の姿勢は、まさにこの利権政治の復活を目指すものと言って過言ではありません。政治改革、行政改革を求める国民世論に逆行していると言わざるを得ません。また、国政そして予算を私物化するこういう発言は民主主義に反するものでございます。すべて公務員は全体の奉仕者であると、こう決めております憲法にも違反すると考えますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(松浦功君) 国の予算の配分あるいは執行、これは政策目的に照らして厳正かつ公正に行うべきものだと思っております。
#25
○浜四津敏子君 ぜひ厳正そして公正になされますようにお願いしておきます。
 次に、平成六年の一連の公職選挙法改正によりまして、いわゆる政治腐敗防止策の一環として選挙違反行為に対する制裁の強化が図られました。その一つが連座制の拡大強化でございます。中でも、平成六年十一月の改正によりまして連座制適用の範囲がさらに拡大され、組織的選挙運動管理者等の選挙違反についても連座制が適用されることとなりました。すなわち、公職選挙法二百五十一条の三にはこう規定されております。組織的選挙運動管理者等が買収等の罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたときは、その候補者等であった者の当選は当然無効とし、かつ連座裁判確定から五年間その選挙区から立候補ができない、こう規定されております。つまり、連座制の効果の一つとしてその当選が当然無効とされる、こういうことになっているわけでございます。
 しかし、この当選無効を確定させるための手続として、ここで公益代表者としての検察官の関与が要請されているわけでございます。すなわち、組織的選挙運動管理者の買収等の選挙犯罪の裁判が確定しますと、検察官は確定の日から三十日以内に高等裁判所に対しまして当選無効等を求める行政訴訟を提起しなければならないと、このように公選法の二百十一条で定められております。つまり、行政訴訟を提起しなければならないと、こう規定されているわけでございまして、することができる、悠意的に検察官の判断で行政訴訟を起こしたり起こさなかったり、こういう悠意が認められるという制度にはなっておりません。裁量の余地がないというふうに言われております。
 そして、この組織的選挙運動管理者等が選挙犯罪を犯して禁錮以上の裁判が確定しましたら連座制が適用される、そして当選は当然無効と。この手続につきまして、検察官も厳正に公正に、悠意的判断によらずにこの手続を進める、これがこの法の求めるところでございますけれども、この連座制についての大臣のお考え、御見解を伺わせていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(松浦功君) 公選法の改正によりまして、新しく連座の制度、範囲が拡大された、それはただいま浜四津委員の御指摘のとおりでございます。
 この改正は、政治腐敗防止に関する世論の高まり、そういったものから選挙浄化の徹底を図るという目的で設けられたものでございますので、あくまで検察当局におきましてもその適用について、法と証拠、これに基づいて厳正公平に取り扱っていくべきものと思っておりますし、またそのように検察官一般に対しまして指導してまいりたいと思っております。
#27
○浜四津敏子君 それでは、法務省に伺います。
 ここで言います「組織的選挙運動管理者」という場合の「組織」とはどういう組織を指すのかについてお伺いいたします。
 「研修」と題する雑誌がございます。これは検察官あるいは検察実務者向けの雑誌かと思われますが、平成七年七月、五百六十五号の中に、「「組織」とは」という定義が解説されております。これは法務省の刑事局局付検事の小川新二氏が書かれたものでございますけれども、「「組織」とは、特定の公職の候補者等の当選を得しめ又は得しめない目的の下に役割を分担して活動する人的結合体を指す」と、政党支部あるいは後援会とか会社、そういったものはその典型だけれども、必ずしもこのような既存の組織による必要はない、当該選挙のためにつくられた一過性の人的結合体でも組織に当たる、また、組織の規模の大小を問うものではない、「構成員が役割を分担し、相互に協力しあって選挙運動を行っているという実態が認められれば、組織に当たる」と、こう書いてございます。
 法務省の見解を伺いたいと思います。組織についてどのように定義を解釈しておられるか。
#28
○政府委員(原田明夫君) ただいまお尋ねがございました「組織的選挙運動管理者等」にいいます「組織」の意義につきましては、国会審議の過程で当時の立法担当者から、特定の公職の候補者または公職の候補者になろうとする者の当選を得しめまた得しめない目的のもとに役割分担をして活動する人的結合体またはその連合体と定義づけられるとの説明がなされているものでございまして、検察官といたしましても立法者の意思をそのように理解いたしまして法の執行に当たるものと考えております。
#29
○浜四津敏子君 それでは次に、「組織的選挙運動管理者等」というのはどういう人を指すのかについてちょっと確認したいと思います。
 これは立法のときにも随分議論されたものでございますけれども、腐敗選挙をなくそうと、こういう本法の立法趣旨から考えまして、これをいたずらに狭く解釈するようなことがあってはならないのは当然のことだと思います。
 これも先ほどお話ししました雑誌「研修」の平成七年の五百六十五号に、どういう人を指すか、こういう解説が載っております。それによりますと、「組織的選挙運動管理者等」とは、組織の総括的立場にある者、例えば政党の支部長とか後援会長とか労組の委員長、こういうトップとは異なる概念である。つまり、中枢的な役割を果たす必要はなく、それより下であってもいい、下にある管理者あるいはさらに末端の管理者であっても「組織的選挙運動管理者等」に当たり得ると、こう書いてございます。
 また、自治省も解説書やあるいはパンフレット等で説明をなされ、いろんな形で自治省の行政解釈を示しております。この自治省の行政解釈によりましても、後援会などの組織の上層部はもちろん、地域支部などにおける選挙運動において選挙運動全体の計画を立てる人、ビラ配りの計画を立てる人、弁当の手配を行う人など、ある分野を担当する末端の責任者もこれに当たると、こういう解釈を示しております。
 また、昨年、平成七年十月九日の仙台高裁の判決で示された判断としましては、後援会の常勤職員、これが「組織的選挙運動管理者」に当たると、こういう司法の判断が示されました。
 検察官は組織的選挙運動管理者等の行政裁判を請求することが義務づけられているわけで、その解釈基準は当然持っておられると思いますけれども、法務省としては自治省あるいは裁判所の判断の定義と同じ御見解でしょうか、それとも違うところがございますでしょうか。
#30
○政府委員(原田明夫君) お尋ねの「管理者等」の意義でございますが、さまざまな形で解説あるいは判例もございますが、あくまで事実関係に即して判断されるべきものということでございます。
 この面でも国会審議の当時の過程で立法の担当者から、当該選挙運動の計画の立案もしくは調整を行う者につきましては、選挙運動全体の計画の立案または調整を行う者、ビラ張り計画、ポスター張り計画、個人演説会の計画、街頭演説等の計画を立て、その流れの中で調整を行う者、いわばヘッドクオーターの役割を担う者。また、当該選挙運動に従事する者の指揮もしくは監督を行う者につきましては、ビラ配り、ポスター張り、個人演説会、街頭演説等への動員、電話作戦等に当たる者の指揮監督を行う者、いわば前線のリーダー。その他当該選挙運動の管理を行う者につきましては、選挙運動の分野を問わず、それ以外の方法により選挙運動の管理を行う者であり、例えば選挙運動従事者への弁当の手配、車の手配、個人演説会場の確保等、選挙運動の中で後方支援活動の管理を行う者である旨の説明がなされているものと理解しているところでございます。
 やはりこの面につきましても、個別の事案につきまして検察官は事実認定と法の適用を考えていくものと思いますが、このような立法者の意思と申しますか、当時国会審議の中で示されたその意思を尊重して判断してまいるものと考えております。
#31
○浜四津敏子君 それで、公職選挙法の二百十一条による連座訴訟でございますが、先ほどもちょっと触れましたが、この連座訴訟を提起するか否かについて検察官に裁量の余地があるかどうか。
 これにつきましても、先ほどの雑誌「研修」、法務省の刑事局付検事の方が書いておられる説明によれば、「法二百十一条一項は「訴訟を提起しなければならない」と規定していますから、買収等で禁錮以上の刑を受けた者が「組織的選挙運動管理者等」に該当し、おとり、寝返り、相当な注意の免責事由がないと判断される以上、検察官は連座訴訟を提起しなければならないものと解されます。」と、こういうふうに解説されております。
 組織的選挙運動管理者等に該当するかどうか、あるいは免責事由があるかどうか、この最終的な判断は裁判所がその司法判断によってなされる、こういうことが予定されているわけで、組織的選挙運動管理者等に該当するかどうかについて検察官の大幅なあるいは悠意的な判断が挟まれる余地はない、つまり裁量の余地はない。一応、選挙運動管理者にどうも客観的に該当する、こういう客観的な蓋然性がある場合には裁量の余地がない、こう考えられますけれども、法務省はどうお考えでしょうか。
#32
○政府委員(原田明夫君) 買収罪等によりまして被告人が禁錮以上の刑に処せられた場合におきまして、当該被告人が組織的選挙運動管理者に当たると認められる場合には、ただいま御指摘のとおり、公職選挙法第二百十一条第一項は、検察官は高等裁判所に訴訟を提起しなければならないと規定しているところでございまして、検察官は連座制の要件が認められる場合には連座訴訟を提起しなければならず、これを義務づけられているものと承知しております。
#33
○浜四津敏子君 それでは、連座制の要件が認められるかどうかというのは、いつ、だれが判断し、決定するのでしょうか。
#34
○政府委員(原田明夫君) 先ほども浜四津委員御指摘いただきましたように、連座制が適用されるか否かを最終的に判断するのは、連座訴訟を審理する裁判所によってでございます。
 連座訴訟を提起するかどうかにつきましては、買収を行った者を禁錮以上の刑に処する刑事判決が確定した後に、検察当局におきまして、捜査、公判の過程で得られた証拠その他の調査結果を総合的に勘案いたしまして、所定の連座要件が認められるかどうかを判断いたしまして、これに従って決定するものと考えております。
#35
○浜四津敏子君 その判断が現場で恣意的になされないための制度的な担保としてはどうもちょっと制度が不備で、例えば不起訴の場合の検察審査会のような制度がないわけですけれども、検察全体としては、公正、厳正、そして悠意的になされないというための何らかの担保は考えておられるでしょうか、それとも現場に任せるということでしょうか。
#36
○政府委員(原田明夫君) 各検察庁におきましては、具体的事件に関します刑事事件の処分、また検察官の権限と規定されました規定の適用につきましては、適宜上級庁と協議いたしましてその指揮を受けるなどしているところでございます。また、各種の会議等におきまして必要な情報交換を行うなどもしているところでございまして、連座制の運用全般につきまして検察当局全体によって適正な対処がなされているものと承知しております。
#37
○浜四津敏子君 今回の衆議院選挙は、本来、政策本位で金のかからない選挙の実現を目指していたはずでございました。しかし、この目指していたところと現実とはかなりの乖離があった、そういうところが多かったと言わざるを得ません。また、そういう声が大変多く聞かれました。
 例えば、テレビ、新聞等でこれは幾度も取り上げられたものでございますけれども、栃木四区、個人名を出して申しわけありませんが、自民党の佐藤議員と新進党の山岡候補が争った選挙区でございます。そして、佐藤陣営から大量の違反者が摘発された、こういう事件でございました。
 日本テレビのニュース番組「きょうの出来事」で、町ぐるみの集票マシン、こう題しまして今回の栃木四区の町ぐるみの選挙違反について特集が組まれました。町民の間では、町ぐるみで巨額の金が飛び交った、億単位の金が飛び交ったといううわさが公然とささやかれたと、こんなふうにも言われております。また、相手方候補を中傷する怪文書が全世帯に郵送されたと、このニュース番組で報道されました。また、郵送された怪文書もテレビで映しておりました。
 そして、十月二十一日、投票日の翌日、栃木県茂木町の助役と町議会の副議長が買収容疑で逮捕されました。現在、既にこの二人につきましては、買収行為をした公選法違反で起訴されております。茂木町では、町長を初め十七人の町の議員らが今回当選した議員のための後援会を結成していた事実が確認されております。この助役はその後援会の事務局長として町内での運動を立案していた、こういう多数の証言があります。また、「選挙のための助役」とまで言われたと、こう新聞には報道されました。
 また、先ほどの当選した議員の後援会に入っていた町の十七名の町議会議員の一人ですけれども、後援会の会合に出、そこで配られるパンフを自分の集落の分をそれぞれ分担して持ち帰り、そして投票を依頼したと。その人がこの日本テレビの取材に応じて具体的な生々しい証言をしたのが、先日、放映されました。
 例えば、ことしの九月九日に後援会の結成の会合を旅館で開いたと。現在議員になっておられますけれども、その候補も出席した。その会合の進行を起訴されたこの助役がした。また、その会合の議長は町長がした。そして、会合後その旅館で、そこに出席した町議会の議員らがみんなでそれぞれ分担して受け持ちの集落の世帯数に合わせた数のポスターやパンフを持ち帰った、こういう証言がなされました。そして終盤では、その十七名の町議がパンフを持って町民の人たちのところに当たり前のように戸別訪問をしていた、こういう報道がありました。また、このテレビの報道の中で、ある町民の証言として、町議会の議員と建築屋がタオルの裏に五千円をつけて配った、こんな報道もなされました。
 つまり、町ぐるみ、町議会ぐるみの買収選挙、買収事件と、新聞にもそう報道されたわけですけれども、この助役、それから副議長、この人たちが後援会でどういう立場にいたかということもこのテレビでは放映しております。組織図を見せまして、この組織、トップが支部長、一番下は会員ですけれども、その上の役員は幹事、その間に四段階ランクがあります。支部長、副支部長、幹事長、副幹事長、常任幹事、幹事、こういう順になっております。支部長は町長、副支部長は町議会の議長、商工会長、農協の組合長、幹事長が今回逮捕された副議長、事務局長が今回逮捕された助役、そして町議会議員二名、それと前副議長、副幹事長、常任幹事、幹事、いずれも町議会が占めている。そして、実際に町民のところを回って支持依頼をしたのは副議長あるいは町議、こういう人たち、そして助役は事務局で町の議員たちを指揮し管理する立場だったのではないか、こういうふうに言われている。
 具体的な事例を挙げて申しわけありませんけれども、この助役あるいは副議長の買収等の有罪判決が確定したら、当然連座制が問題となるケースだと考えられますけれども、法務省、いかがですか。
#38
○政府委員(原田明夫君) 具体的な事件につきまして、現在公判中というふうに承知しておりますので、それらの事態につきまして、法務当局としてその評価にわたるようなことにつきましてお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存ずるわけでございます。
 連座訴訟を提起するかどうかにつきましては、当該刑事事件が確定した後に、検察当局におきまして、先ほどもお答えさせていただきましたが、捜査、公判の過程で得られた証拠その他の調査結果を総合的に勘案いたしまして、それらの実際の証拠に基づきまして、所定の連座要件が認められるか否かを判断して決定するものと考えております。
#39
○浜四津敏子君 わかりました。
 そうしますと、この助役と副議長の有罪判決が確定した時点で検察当局として判断される、こういうことですね。
#40
○政府委員(原田明夫君) その段階で最終的な判断はなされるものと思います。
#41
○浜四津敏子君 先ほど、くどいように説明させていただきましたこの「組織的選挙運動管理者等」の解釈、自治省による行政解釈あるいは法務省の先ほどの御説明、あるいは裁判所の判断、どの判断の基準を当てはめてみても、少なくともこれは当然連座制が問題とされるケース、検察官の勝手な恣意的な判断で、いやこれは連座制に当たらないんだということは許されないケースだと考えます。
 ところが、本年十二月三日付の新聞、朝日、読売、産経、下野新聞、さまざまな新聞に載りましたけれども、十二月二日、宇都宮地検の次席検事がこういう発言をされた。「捜査を尽くし、法律の趣旨と照らし合わせて検討した結果、連座制の適用になる要件が見当たらなかった」、こういうふうにコメントした。これは大変話題を呼んだコメントでございます。
 つまり、なぜこの時点で、最終的な判断は有罪判決が確定したときに検察当局が検察の責任で判断する。ところが、早々に、起訴した事件について、もう連座制はないんだと次席検事が発言する。最終的な判断は裁判所の仕事です。少なくとも、検察官が連座制の適用について悠意的な判断をする、狭めて判断する、そして裁判所に判断させない、こういうことは到底許されないと考えますけれども、法務省、いかがでしょうか。
#42
○政府委員(原田明夫君) お尋ねの事件につきまして御指摘の趣旨のような報道がなされていることは承知しているのでございますが、私どもが受けております報告によりますと、宇都宮地検におきましては、起訴の段階では裁判所に対していわゆる公選法所定の百日裁判事案であることの連絡をしていない旨を述べたというふうに受けとめております。
#43
○浜四津敏子君 このコメントにつきましては、多くの人がどうもおかしい、納得できない、こういう声が多いわけですけれども、これは一般の方だけではなくて、例えばこれは十二月三日付の朝日新聞に載りました。連座制の適用対象者について、土木武司筑波大学教授、この方は元最高検検事、検察庁の大変理論派と言われた方でございますけれども、この方がこう発言しておられます。「公選法の中では抽象的にしか決められておらず、判例を重ねていくことで対象者が具体化されていく」、また、「町の助役が選挙運動をすること自体が悪質だ。買収金額や陣営内での役割の大小にかかわらず、法律の精神から考えて、連座制を適用すべきではないか。これが悪い先例とならないよう、適用しないなら、その明確な理由を公表すべきだ」、こういうコメントを載せております。つまり、一般の人もどうも納得がいかない、こういう最高の専門家の方も、いやこのコメントはおかしい、こういうふうにおっしゃっている。法は最高の常識のはずでございまして、この常識にも反する。こういうコメントの内容、悪い先例を残さないようにしていただきたい。
 つまり、この助役、そして元副議長の有罪が確定した段階で、検察庁全体として責任を持って、連座制の適用があるのかどうか、これは裁判所の判断にゆだねていただきたい。そして、仮に検察庁が、いやこれは連座制の適用がないんだと判断される場合には、その理由、その根拠、明確にだれもが納得いくように公表していただきたい。法務省、いかがでしょうか。
#44
○政府委員(原田明夫君) 連座制適用の有無につきましては、公選による公職の候補者等の身分に関する極めて重要な事柄でございます。国民の皆様方の関心も高いところでございまして、その運用が適正になされていることについて大方の理解をいただくごとは重要であると承知いたしております。
 ただ、検察官の判断理由の説明につきましては、関係者の名誉、プライバシーの保護や捜査上の秘密保持等の要請もあり、これらとの調整など困難な問題もあるのでございますが、御指摘の点を踏まえつつ、法の許容する範囲で適切に対処してまいりたいと存じます。
#45
○浜四津敏子君 この公選法改正につきましては、政治改革ということで、国会の先輩の議員の方々、同輩の議員の方々、皆さん本当に一生懸命国会で積極的に前向きに取り組みまして、この連座制というのを取り入れたわけでございます。
 また裁判所も、先ほどお話しいたしましたこの仙台高裁の判決に見られるように、非常に厳しい判断をしている。つまり、政治の腐敗をなくそうというこの立法趣旨に沿って非常に厳しく判断をし、そしてみんな熱意を持っていろんなところで取り組んでいるところでございます。
 検察だけが後ろ向きあるいは消極的だという批判を受けないように、検察は法による正義を実現する使命をお持ちの官でございますから、ぜひともそれを自覚されて、公正にそして皆が納得いくような、また政治腐敗をともになくしていく、こういう積極的な姿勢で臨んでいただきたいということを望んでおきます。
 また、今、厚生省の疑惑に見られますように、国民の方々の行政に対する不信あるいは政治に対する不信、大変厳しいものがございます。つまり、政治家と行政とそして業界が癒着している、こういう腐敗の構図、これを怒っているわけでございます。検察よ、おまえもかと言われないように、つまり検察も官の一部でございますから、この政官業の癒着の同じ官かと言われないように、ぜひとも公正な仕事をなされるように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#46
○及川一夫君 裁判官、検察官の報酬、俸給等に関する法律につきましては、私どもは賛成をする立場ですから、この報酬の改定によって、ぜひ裁判官の方、検察官の方、国民の期待にこたえる立場で努力をしていただきたいということをひとつ注文しておきたいと思います。
 それだけに、こういった報酬やあるいは俸給を改定するということは、公務員にとっては待遇改善の一つですね。しかし、今の厚生省、通産省に見られる、官僚と言われるのか官の皆さんと言うのか、どちらにしてもかなりの乱れがあるわけでございまして、もう行政に対する信頼は失われるというところまで来ているんではないか。それだけに、今回こういう待遇改善に基づいて、なお一層気持ちを引き締めて頑張ってもらわねばならないなというふうに率直に思います。
 そういう立場で、実は橋本総理の答弁がございました。特に厚生省のスキャンダル問題に関連して、どの政党の方も問題を指摘して、いわば現在の公務員法だけの規律で果たしていいのだろうか、別の角度からもっと明快なものを出すべきではないかという多くの質問がございましたけれども、総理の方からは、理解をしつつも、そういう必要性はないのではないか、むしろ今決められている国家公務員法とか人事院規則というものをそのとおり守っていただければ、現実に岡光さんに象徴されるようなスキャンダルというのは出ないんだ、したがって別建てで法律を考える必要はないんではないかという見解が示されています。
 これは、大蔵の検査・監督問題と同じでして、大蔵からいえば今の体制が一番いいと言っているわけですね。それでどんな事態にも対応できるようになっているから、大蔵から検査とか監督業務をいわば切り離すということについては御免こうむりたいと、こういう立場なんですよ。だけれども、そういう立派な体制になっているのに、なぜ住専問題が起きたり大和銀行問題が起きるんですかと、こう問われると、それは何か緊張感を欠いたみたいな話でお答えが返ってくるんです。そんなものだろうかと。各党の意見というものをそういうふうに受けとめて、切り離し御免こうむりますというような態度で一体いいのかどうか。
 各党の大体集約されている問題としては、特に与党関係では三党合意というのがございまして、検査と監督は切り離すべしと。総理もそのように方向づけされている。こういうことが示すように、今ある国家公務員法あるいは人事院規則というのは、そんなものじゃ私はいけないんじゃないか。どう見ても、公務員法の第八十二条を見ましても、いわば「職務上の義務に違反し、」「職務を怠った場合」、あるいは「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」と、こういう表現をされているんですけれども、では人事院規則なんかを見ると何かということになれば、宣誓文というのがあって、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務をしっかりと受けとめなさいという意味が書いてあるわけです。どの条文を見てもほとんど同じようなものだけでして、しかし現実に犯罪につながるような不祥事が起きている。
 こういうふうに考えますと、公務員法だけでもう事足れり、あとは守っていればいいんだと言ったって、一人一人によってこれの解釈が水準の問題として私はいろいろ上下があると思うんです。そういうことがむしろはっきりしていないことが今日の不祥事というものを起こしているんじゃないか。したがって、公務員法だけではなしに、少なくとも公務員の倫理に関する、あるいは政府職員の倫理に関するという意味合いで、具体的にこういうことをやれば悪いんですよ、悪いことをしたことになるんですよ、だからこれ以上のことはしてはいけないというような基準めいたものを別途やはり法律で示す必要があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、法務大臣、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(松浦功君) 御指摘はまことにごもっともと存ずるわけでございますが、本会議において総理から御答弁がありましたように、趣旨は理解をしつつも、なかなかそういう法律をつくることについては問題も惹起しないではないと、そういうやや消極に見えるような答弁がなされております。
 もちろん、倫理法の問題について検討しないと申し上げているわけではないようでございますけれども、要は公務員一人一人の心がけの問題だということに最後はなると思うのでございます。いろいろ具体的な例を申しまして掲げたといたしましても、それに該当しないような新しいことが出てくると、またその法律を直さなければならない、イタチごっこになりかねないというような点を考えても、やはりきちっと今の国家公務員法を守り、人事院規則を守っていくということを中心に問題を考えていくのが至当ではないかというふうに考えております。
#48
○及川一夫君 ということで従来ずっと終わってきているわけですよ。依然として絶えないわけです。だから、各国の例を見ましてもあるんですよ、具体的に。アメリカの例を見ましても、あるいはヨーロッパの例を見てもあるわけです。ですから、これはきょうの議題にはなじまないようですから、実はもう与党三党としては調整会議でも論議をして、具体的に措置をしようというところまで行っている問題ですから、ぜひ法務大臣も関心を持っていただくようにお願い申し上げておきます。
 第二の問題としては、実は「“法律援助”が作る透明な社会」という表題で法律援助制度の充実ということについて、これは東京新聞のようですけれども、私も率直に言って法務委員会は初めてなものですから、自分の頭を整理しているうちにこういう問題がちょっと見つかりまして、ああこれは大事な問題だなという認識を新たにいたしました。
 これを見て驚くのは、貧しい人が、これは問題だ、裁判にかけたいといってもかけられない人が国からの援助でもってかけられるという制度になるわけですね、これは実際問題として。しかし内容を見てみると、英国では一千七百億もお金がそのためにあるのに、我が国では三億とか二億五千万とかそういう援助の額しかないと。ことし、また少し値上げをされるというか財政規模をふやすようなお話も承っているんですけれども、もう少しこれは思い切った対応はできないんでしょうかというのが私の質問の趣旨なのであります。
 法務省も財政的には小さいとは言いながら、五十億の要求が出てきてみたり、あるいは三千億の要求が出てきているというようなことがあるわけですから、ぜひこういう国民のための人権にかかわるような問題については思い切った提案をしていただくと、私などはすぐ賛成したくなるというような気持ちなんですけれども、いかがでしょうか。
#49
○政府委員(大藤敏君) 委員御承知のとおり、法律扶助制度は国民の裁判を受ける権利を実質的に保障する、そういうための大変重要な制度でございます。
 そこで、法務省は、財団法人法律扶助協会が行っております法律扶助事業に対しまして交付しております補助金の増額に努めてきましたし、本制度の充実を図ってきているというところであります。
 また、法務省としましては、この制度の果たす役割の重要性にかんがみまして、法律扶助制度のあり方について調査研究することが必要であるという観点から、平成六年度から法律扶助制度研究会を発足させまして、最高裁判所、日本弁護士連合会、それから財団法人法律扶助協会に、あと学者の参加をいただきまして、我が国の司法制度に適合した法律扶助制度のあり方について本格的な検討を現在進めているところでございまして、今後ともこの制度の充実のために努力してまいりたいと考えている次第でございます。
#50
○及川一夫君 ぜひ法務大臣にお願いをしておきたいんですけれども、この論評によりますと、確かに国民の中には犯罪者というものを国の金で擁護するというのはおかしいではないかという抵抗感が一つあるというものが紹介されております。しかし、人権というものを考えると、犯した犯罪にそれこそそれなりの見返りでお返しをするという、そういう刑法上の立場というものを正しく受けさせるという点では非常に大事な問題だと思うんです。この論評の中で、その考え方は否定しないけれども、ここの中には法務省が非常に消極的だと書いてあるんです。
 だから、私も法務省の方々とそんなにおつき合いがあるわけじゃありませんからまだわかりませんけれども、どちらにしてもそういう物の見方、考え方があるということを考えますと、法務省としてもぜひぜひこういうものに万全を期すようにひとつお願いをしておきたいというふうに思います。
 それで、時間がなくなりました、最後の問題なんですけれども、新聞報道を見ていますと、犯罪が起きた場合には、知る権利というものがあるわけですから、どうぞ報道してもらって結構だと思うんですが、報道の仕方の中で、例えば今の段階でそんなことがわかるのかなというものが報道される。これは恐らくリークされたんじゃないか、いやリークしたんじゃないかというような話で返ってくるような状況が今日非常に多いと思うんです。だから、そういう意味で言うと、同じ政治献金だ、あるいは泉井さんからもらったというだけでもう一緒くたにしてばんと出すものですから、すべてが政治献金のように見える、こういう形で報道されてえらい迷惑をこうむった方々も実はおるわけです。
 ですから、リークは本来あってはならないんだろうけれども、別に法務省がやっているとか検察がやっているとか国税庁がやっているとは私は言いませんけれども、そういうものをやる場合であっても、出ているお金の性質というものは一体どういうものかということをはっきり見た上で、またある程度の裏をとってやるぐらいでないと私は大変だなという気持ちを持つわけです。
 だから、新聞記者でも裏をとりに来るけれども、とりに来たってそのとおり書かないのが大半です。そして、表現は悪いけれども、おもしろおかしく、できれば大きな政治問題になるような書き方をされるということについても、これは別に法務大臣の責任じゃありませんけれども、マスコミ関係者の皆さんに僕らは話をしていかなきゃいかぬというふうに思います。
 捜査段階で、被疑者、容疑者が確定をしていない段階でのああいう報道の取り上げ方ということは、私は批判をしなければいけないなという思いですから、まさか法務省が指導してこれを出せあれを出せとやっているとは思わないけれども、その辺のことは刑事局長どうなんですか、見解だけお伺いして、終わります。
#51
○政府委員(原田明夫君) このような席でお答えさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 実は、御指摘の点は、私どももっとに大変、心を痛めているところでございます。従来から、関係者の名誉、プライバシーの保護、そして何よりも適正に捜査を進めていくという観点からは、捜査上の秘密の保持ということはとても大切にしなきゃならないことでございます。ましてや、捜査に先行する形である一定の事実が報道されていく、あたかもそのことが事実であるかのように受け取られていくということは、私どもとしては絶対にあってはならないことじゃないだろうかというふうに考えております。
 ただ、一面におきまして、最近のいわゆる調査報道と申しますか、新聞各社ともとても大規模なチームをつくって、ある一定の事柄について調査しているような状況でございます。場合によっては、こんなことを申し上げると語弊を招くかもしれませんが、捜査官以上に既に事実を知ってしまっているというようなことがございます。
 そういうことからいたしますと、私がかつて第一線で捜査官の仕事をやっていたときに、前打ち報道といいますか、今後こういう捜査が行われるというような報道が出た場合には、上司からもうやめなさいと言われてやめたこともございます。それだけ神経を使いつつ関係者の立場も考えていかなければ、刑事司法の本当の意味での公平さは保たれないというふうに私どもは考えております。
 しかしながら、昨今のように、特にいつごろかわかりませんが、大変ないわばもう何十人何百人という各社ごとのチームが動いて調査をしていくということになってまいりますと、かなり事件が大規模になりますと、ある段階で、検察当局におきましてもある一定の行動に移る場合にそのことが察知されてしまうということがあります。
 それに、ある一紙が早くそういう皆様方が集めた資料を、そのままあたかも捜査当局の状況のようにそれが伝えられるという場合に大変心を痛めますし、実際問題として捜査について支障を来すということもございます。そうした場合に、もうそれでやめてしまっていいのかという問題もまた出てくるのでございます。
 そうした場合に、結局は何のための司法かということを考えてみますと、やはりそのような場合でも非常に難しい中を捜査を進めていかなきゃならないという事態があったのではないだろうかと考えております。しかしながら、何度も御指摘いただきましたように、捜査上の秘密の保持について格別の配慮をしていくということがいかに大切かということを機会を得て私どもも肝に銘じてまいりたいと思いますし、第一線に対してもそのようなことを要請していきたいというふうに考えている次第でございます。
#52
○及川一夫君 終わります。
#53
○橋本敦君 私は、今回の裁判官の報酬、検察官の俸給等に関する法律の一部改正案には賛成の立場で質問をいたします。
 給与の引き上げは、それ自体、人勧に基づきまして当然であります。それに関連をいたしまして、きょうは時間がございませんが、今日の裁判の実情、検察の実情から見て、国民のための司法を進めていく上で切実な課題になっていると思われる裁判官、検察官の増員問題について見解をお聞きしたい、こう思っております。
 私の手元に、日本弁護士連合会の司法改革推進本部が「忙しすぎる裁判官」ということでシンポジウムを行った記録があるんです。時間がないので詳しくこれを御紹介するわけにまいりませんが、忙し過ぎる裁判官ということの実情の一端として、アンケートで、「裁判官が忙しすぎると考えるか」という問いに対して、「忙しい」という答えが二十八、「部署・人により忙しい」が十八ということで、「必ずしもそうは思わない」という十の答えに対して三倍以上が裁判官は忙しいということを明確に答えているわけであります。
 そして、裁判官が忙しいということが実際の司法にどういう影響を与えるかという問題になりますと、それぞれ大変お忙しいものですから、証拠調べが不十分になりかねないという問題、そして当事者に司法の判断を求めるよりも、ついつい和解をしなさいということで、当事者の意思に反してとまでは言いませんが、いわば和解を押しつける傾向になりがちだ、こういった回答もあります。したがって、訴訟の進め方について裁判官の忙しさが「何らかの影響あり」と思うかどうかという問いに対しては、影響があるという答えが三十七、影響なしはわずか八という実情になっているわけでございます。
 こういう状況を考えますと、本当に国民に信頼される司法を充実するという観点からいきますと、裁判官の増員というのは裁判所もこういった実情を踏まえられて近々の大事な課題になっていると思うのですが、最高裁はいかがお考えでしょうか。
#54
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 平成三年ごろから民事事件を中心にしまして事件が急増しておりまして、しかもその事件増が全国一様ではございませんで、どちらかといいますと大都市を中心にそういう傾向が生じております。したがいまして、首都圏を初めとします大都市の裁判所で民事事件を担当しております裁判官、そういう裁判官の負担が重くなってきているということは委員御指摘のとおりであろうと思います。
 私ども、こういった事件の動向を踏まえまして、直接事件の処理に当たります裁判官と書記官の増員に努めてきておるところでございまして、数字で申し上げますと、平成元年から本年八年までの合計数で申し上げますと、裁判官を六十六名、それから書記官を二百五十一名増員してきております。ただ、事件増の傾向というのはなかなかおさまりを見せませんので、来年度、平成九年度の予算要求におきましても、裁判官を二十名、それから書記官を百五十六名という大幅な増員要求を行っておるわけでございます。
 今後とも、事件の動向を見ながら、事件の適正迅速な処理に必要な人員の確保には十分努めていきたい、かように考えております。
#55
○橋本敦君 最高裁からいただいた資料によりますと、大都市部の大規模庁の場合に、裁判官一人当たりの単独事件数が約二百五十件前後、弁護士の諸君に言わせると通常三百件ぐらいお持ちだというように言っておりますが、二百五十件前後、刑事事件としては五十件前後、一人でこれだけの事件を担当されておる。これは間違いないわけですね。
#56
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 大都市部の繁忙な庁になりますと、それだけの件数を抱えておる裁判官がおることはそのとおりでございます。
#57
○橋本敦君 これ自体は大変な過重負担、過重な仕事の問題ですから、家庭生活にも影響があって、家に帰っても仕事がのしかかってくる、そういう訴えを私はよく聞きます。
 今お話がありましたが、裁判官の定員は、三十五年間をとってみますと三百八十三人ふえております。二二%増です。ところが、仕事量を推定するものとして民事訴訟の第一審の新受件数の増加を見ますと、年々増加をいたしまして実に二・四倍になっておるわけです。人員はわずかに二二%しかふえない、しかし新受件数は二・四倍になっている、こういうわけでございます。
 したがって、今お話しのように、来年度二十名の増員ということがございましたけれども、端的に言って、一遍にはいきませんけれども、本当に国民に奉仕する適正な司法行政を進める上での裁判官増員が一体どれくらいかといいますと、当面の増員要求を日弁連は五百二十九人と試算しているわけです。これは大変な開きがあります。また、一遍にできるわけはありません。しかし、こういった大事な問題が給与の引き上げと並んで日本の裁判所を取り巻く状況に今あるということについて、来年度二十名の増員要求ですが、これからも重ねて毎年度増員計画を立てて一層の努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#58
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 最近の社会情勢からいたしますと、恐らく裁判所に持ち込まれます事件というのは今後ますます増大するだろうと思っております。
 また、最近、法曹三者の間で法曹人口の大幅増加の議論もしております。法曹の人口がふえてくるということになりますと、これは恐らく裁判所に参ります事件もそれに応じてふえてくるということだろうと思います。そのあたりも十分見ながら、今後必要な人員の確保に全力を傾けていきたい、かように考えております。
#59
○橋本敦君 諸外国の裁判官数と我が国との比較をすれば、もう詳しくは申しませんけれども、人口一人当たりで、日本の約六万人に一人の裁判官に対して、イギリスは一万五千人に一人、フランスは一万二千人に一人、アメリカでは八千六百人に一人ということで、これはよく知られていることです。したがって、今後とも努力をしていただきたいんです。
 さきの国会で当法務委員会におきまして、二十三年ぶりに裁判所の人的・物的充実に関する請願が採択をされました。全会派一致しての請願採択ということで、やっぱり非常に大事な課題でございます。
 特に裁判所について申し上げましたが、検察官の問題につきましても、最近の事情あるいは重大な違法事件の頻発に当たりまして、先ほど原田刑事局長からも検察官の増員も必要だというお話がございました。この点についても、まさに国民の期待にこたえる正義の検察という役割を果たす上でさらに増員が必要だというように思いますが、具体的な増員計画等いかがですか。
#60
○政府委員(原田明夫君) 御指摘のとおり、最近の犯罪情勢を見てまいりますと、各種の事件はますます大型化、複雑困難化いたしておりまして、これらの状況に対処するために検察の業務は極めて多忙かつ困難なものになっております。
 このような状況を踏まえまして、特にいわゆる財政経済事件、特捜事件、あるいは治安の根幹を揺るがすような事件に対処する必要があるということで、平成八年度にはおかげさまで昭和四十七年以来初めて検事の増員ということで、検事三十五人の増員が認められたわけでございます。これは極めて画期的なことでございまして、しかも累次にわたる検察官のさまざまな環境についての改善、またいろいろな研修計画、その他もろもろの御理解を賜った結果もございまして、かつては検事の採用につきましてなかなか困難な面もございまして、定員割れというような状況もあったんでございますが、委員御承知のとおり、いただきました定員増を含めまして検事の充足が図られつつあるという状況でございます。そういう状況を踏まえまして、なお明年度の予算におきましても検事の増員を要求させていただいております。
 そういうところで、法務省全体の立場ということからいたしますと、現在の一般的な予算状況の中で極めて大きな難しい問題はございますけれども、今後ともそのような観点から御理解を得つつ、そのような人的な体制の整備にも努めさせていただきたい、そういうふうに考えております。
#61
○橋本敦君 法務大臣、お聞きのとおりでございますが、検察庁あるいは裁判所の増員要求につきましては、今私がお話しした全会一致の請願の問題もこれあり、今の厳しい行革という大きな流れの中でありますが、少なくとも国民の権利と人権を守る大事な司法行政の分野については、今それぞれお話のあった裁判官、検察官の増員要求について法務大臣としても一段の御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(松浦功君) 精いっぱい大蔵省と折衝いたしたい、こう思っております。
 大体、法務省という役所は、赴任以来まだ日にちは十分たっておりませんけれども、人員と営繕、それ以外には私どもが頑張る箇所は余りないような気がいたします。人員の配置の強化によって法務行政が充実していくように精いっぱい努力をいたしたいと思っております。
#63
○橋本敦君 御期待を申し上げて、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 さて、話題は変わりますが、厚生省のトップの岡光次官が逮捕されるというまさに異常な事態についに発展をいたしました。この事件は、国の福祉行政に巣くった利権あさりが、さらに厚生省トップに対するわいろということで重大な事件になるという、国民から見てまことに許しがたい、怒り心頭に発する事件だという状況になっておるわけでございます。
 警察庁にわざわざお越しいただきましたが、この事件について、まさに悪質な極めて重大な事件であり、徹底的な事案の解明が必要だという、そういう決意のもとで捜査を進められているに違いないと思いますが、まず、この捜査に臨む姿勢について、決意について一言お伺いしたいと思います。
#64
○説明員(栗本英雄君) ただいま委員御指摘のとおり、これまでに警視庁におきまして元厚生省事務次官らによる贈収賄事件及び元埼玉県の高齢者福祉課長らによります贈収賄事件を検挙いたしました。現在、その事案の全容解明に向け鋭意捜査中でございます。
 また、この捜査の結果におきまして、証拠と事実に基づいて、刑罰法令に触れる行為がありますならば、警察といたしましても一層厳正に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#65
○橋本敦君 今、逮捕された直接の容疑事実を簡単に言ってください。
#66
○説明員(栗本英雄君) お答えいたします。
 昨日、逮捕いたしました厚生省の元事務次官らによります事件につきましては、特別養護老人ホームなどの設置等に関する補助金の交付等に関し有利な取り計らいをしたことなどの謝礼といたしまして、社会福祉法人理事長から、平成四年六月ころ、社会福祉法人理事長の関連会社がレンタカー会社から三年の期間で借り受けました普通乗用車一台を無償で貸与され、賃借料相当の利益を受けたものであります。
 また、平成六年七月から同八月ころまでの間、二回にわたり現金合計六千万円の供与を受けたものであります。
 さらに、平成七年七月ころ、同社会福祉法人理事長の関連会社が同じくレンタカー会社から三年間の期間で借り受けました普通乗用車一台を無償で貸与され、賃借料相当の利益の供与を受けたという容疑であります。
#67
○橋本敦君 その六千万円の供与については、驚くべきことに大臣官房の官房長室で受け取ったというように言われております。これは事実ですか。
#68
○説明員(栗本英雄君) そのとおりでございます。
#69
○橋本敦君 全く公務員としての倫理観の欠如という程度で済まされない、国民をまさにばかにし、政治をばかにした思い上がりも甚だしい事件だと思うわけであります。
 岡光氏は、新聞報道で、あるいは官房長の調査に対して、六千万を含む金銭の授受は一切否認しておりました。しかし、いやしくも強制捜査で逮捕という状況にまで発展したということは、捜査当局はこの六千万円は小山容疑者から渡されたということについては証拠によって認定できるものだという容疑を固めていることは間違いありませんね。
#70
○説明員(栗本英雄君) 捜査当局といたしましては、まさに先生御指摘のとおり、そういう容疑を認定して、現在、強制捜査に踏み切ったということでございます。
#71
○橋本敦君 伝えられるところによりますと、それにとどまらず、岡光容疑者が受けた利益は一億円にも及ぶと言われております。こういった全貌について徹底的な解明を必要といたしますが、これからそういった立場で全容の解明をなさることは間違いありませんか。
#72
○説明員(栗本英雄君) 先ほども御説明いたしましたように、現在捜査中でありますので、この関連の事件の全容解明に努め、その中で刑罰法令に触れる行為がございますれば厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
#73
○橋本敦君 和田審議官が百万円を受け取ったということも報道されましたが、和田審議官にとどまらず、厚生省の主要な官僚、幹部、あの福祉研究会に出席した人ももちろんですが、同じように現金を小山容疑者から受け取ったということも報道されておりますが、こういったすべてについても私はこの際徹底的にうみを出さなくちゃならぬと思います。まさに小山容疑者の厚生省に対する贈賄工作や資金工作がどういうものであったか、こうした関係も含めて全容解明に努力されますか。
#74
○説明員(栗本英雄君) ただいま委員御指摘の各種の疑惑につきましては報道等で承知いたしておりますが、個々の事案につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
 なお、先ほども御説明いたしましたように、現在捜査中の事件に関しまして事案の全容解明に努め、その中で刑罰法令に触れる行為がありますれば厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
#75
○橋本敦君 茶谷氏が立候補するに当たって二千万円の選挙のための政治資金を提供したと報道されております。これは調べておられますか。
#76
○説明員(栗本英雄君) 個別の捜査の内容にわたりますことに関しましては、現在捜査中でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#77
○橋本敦君 御存じのように政治資金規正法二十二条の三、これは警察庁も御存じと思いますが、まさにこの点については国と特別の契約関係があるようなところからの政治献金は禁止しております。国から補助金を受けているそういうところから政治活動に関し、あるいは公選法百九十九条では選挙に関して寄附をしてはならない、こうなっている。そうなりますと、この茶谷氏に対する二千万の供与はわいろ罪の可能性があるかどうかという調査も必要ですが、公選法の観点から見てもおろそかにしてはならない、調べるべき問題であります。
 公選法の観点から見て、国の補助金を受けているあの福祉団体、彩何とかいう会あるいは小山個人か、これは調べなきゃなりませんが、政治資金として二千万を提供したと、こういう報道されている事実も当然捜査としては視野に置いて捜査をする必要がある違法性のある行為だと思いますが、それはどうお考えですか。
#78
○説明員(栗本英雄君) 今、具体的に御指摘のような事実が犯罪行為になるかどうかというものは、自六体的事実関係に即して、証拠に基づいて判断するものでありますので答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、先ほど申し上げましたように、元埼玉県高齢者福祉課長らによります事件につきましては現在捜査中でございますが、その事案の解明には努めてまいりたいというように考えております。
#79
○橋本敦君 その関連した重要な事実として当然これも視野に置いて捜査をしていただかなくちゃなりません。
 それからもう一つの問題は、この茶谷氏が立候補するということについては岡光氏の強い意向があったと報道されているんです。そして、この茶谷氏を選挙で当選させるために、岡光氏のそういう意向を受けて、厚生省の幹部が厚生省と関係の深い医療福祉団体、製薬会社、これらに対して埼玉六区内のその会社の社員と家族に茶谷君への投票をよろしくと、こう言って投票を依頼した、こういうことが報ぜられている。もしこれが事実だとしますと、この問題も言うまでもありませんけれども、まさに公務員の地位利用ということで公選法にもろにひっかかる違法行為であることは言うまでもありません。
 その地位利用というのは一体どういうことかということについては、これはもう判例も出ておりますけれども、その点について言うならば、対象者との間に密接な職務上の関係がある、厚生省の官僚は許認可権を通じて製薬会社と密接な関係があります。その職務の行使を通じて何らかの利益やあるいは影響を及ぼし得る立場にある者が、影響を及ぼし得る立場にある者であることは間違いありませんが、その影響力を利用して効果的な選挙運動に類する行為をやれば当然公選法百三十六条の二に該当します。これはまさに二年以下の禁錮または三十万円以下の罰金に相当するわけですから、明白な犯罪を構成する。
 私が指摘をしたいのは、小山氏は岡光氏に多額のわいろを贈り、岡光氏は茶谷氏を通じて国の補助金をどんどん引き出して不当な利益をもうけさせ、そして茶谷氏を今度は政界に送り込むについて岡光氏の意向が働き、そのもとで厚生省の幹部が製薬会社を集めて茶谷をよろしくと、こういった地位利用の選挙活動をやるとなりますと、これは厚生省の汚職、腐敗まみれどころじゃありません。法を平気で踏み破って好き勝手にこういう違法行為をまさに厚生省ぐるみの違法選挙としてやる、そういうことを放任することになる。こんなことは絶対に許していいことではありません。こういう問題も含めて、厚生省汚職の事件については徹底的な捜査が今求められているということは明白であります。
 こういう問題について、私は、検察庁としても積極的に警察庁の捜査に御協力いただいて、検察庁としては徹底解明のために特別の人員の配置その他努力をしていただきたいと思いますし、その点について刑事局長の御見解をお聞きしたいのと、このような犯罪について、これはもう厚生省の問題ではありません。まさに日本の法と秩序を守る、そういった立場で法務大臣についても一段と決意を固めて全容解明に当たっていただくということが必要だと思いますが、最後に法務大臣の御見解を伺って、質問を終わります。刑事局長、よろしく。
#80
○政府委員(原田明夫君) ただいまお尋ねの事件につきましては、今後、検察当局におきまして、警察当局との緊密な連携のもとに事案の解明に向けて鋭意所要の捜査を遂げまして、法と証拠に基づきまして適正に対処するものと考えております。
#81
○国務大臣(松浦功君) ただいまお尋ねをいただいたわけでございますが、逆にお励ましをいただいたものと受け取ります。
 今回の不祥事についてはまことに残念のきわみでございます。官僚OBの一人としてもまことに不愉快な残念な思いでいっぱいでございます。法務省としては、刑事局長から今お話がございましたように、法と証拠に基づいて厳粛、公正にこの問題に当たっていくことをお約束申し上げたいと思っております。
#82
○橋本敦君 時間が参りました。終わります。どうもありがとうございました。
#83
○菅野久光君 まず、松浦大臣の御就任に心からお祝いを申し上げたいと思います。
 きょうは裁判官の報酬そして検察官の俸給等についての法律案の審議でございますので、大臣に対する質問は所信をいただいてから質問をしたい。きょうは事務方にひとつお答えをいただきたいと思います。
 私もこの委員会では初めての質問でございますので、この法律案をいただいて、ゆうべも夜中にふっと目が覚めてこの俸給表をずっと見まして、やはり裁判官やあるいは検察官が安心して仕事に励まれるような、特に最近いろいろな大きな事件が起きておりますので、悪いやつは眠らせない、そのためには安心して仕事に打ち込めるそういう給与が必要ではないのかというふうに思いまして見ているうちに、一般の公務員とはやはり違う俸給表のあり方が目にとまりました。
 だからこそ、法務省やあるいは裁判所で別建てでこの俸給表が提案されているのではないかというふうに思いますが、その一つは、報酬や俸給の間差額が普通の一般公務員の場合には大体なだらかになっているわけですけれども、次に上がるときに二段階ぐらい一遍に上がるような、そういう間差額になっているわけです。
 例えば、判事の三から判事の二に上がるときには七万八千円の間差額がありますが、判事の二から判事の一に上がるときには十五万六千円という間差額なわけですが、そのほか途中でも間差額が大変差のある等級があるんですが、それは何か特別な意図があって、お考えがあってこういう形になっているのか、それを教えていただければと、こう思います。
#84
○政府委員(山崎潮君) ━━━━━━━━━━━━━裁判官及び検察官の俸給につきましては、一般の行政職とはある程度の格差を持ちながら、それに準拠しながら体系を立てているわけでございまして、基本的には政府職員一般の給与体系の並びでできておりますので、それに準拠しているという形でございます。
 ただ、一般的に言えることは、やはり上の方に行きますとそれだけ職責が重くなるということから、給与の上がり幅はかなり大きくなっていくということが言えますが、ちょっとこのばらつきについてはなお私も勉強したいというふうに思います。
#85
○菅野久光君 ちょっと理解しがたいところがあったものですからお尋ねしたわけですが、そこのところは、初めての質問だったかもしれませんが、ちょっと一般公務員とは違うなということでございます。
 それから、裁判官あるいは検察官については、一般公務員の場合には管理職手当というのがあるわけですけれども、裁判官やあるいは検察官については管理職手当というのがないわけですが、これはなぜでしょうか。
#86
○政府委員(山崎潮君) 裁判官、検察官は、御存じのように例えば真夜中でも逮捕状が必要であるという場合には執務をいたします。あるいは土曜、日曜も執務をすることになるわけでございます。そういう点もすべて含めまして給与の中に織り込んでおりまして、二十四時間勤務ということで給与体系をかなり上の方にしながら組んでいるわけでございます。そういう点から、管理職手当とかあるいは時間外手当とか、そういう手当はすべて本給の中に織り込み済みだと、こういう体系でできているわけでございます。
#87
○菅野久光君 裁判所であれば裁判所の所長、それから検察庁であれば検事正がトップになるというふうに思うんですが、こういう方々の所長手当、これは管理職手当になってしまうんでしょうか。検事正に対するトップとしてのいろんな職務にかかわる手当というのも今のような考え方で、ない、こういうことなんでしょうか。
#88
○政府委員(山崎潮君) 一般の公務員につきましても同じような体系をなしていると思いますけれども、やはりそういう管理の部門にある方につきましては本給の中にその分を織り込んでいるということで考えられているというふうに思っております。
#89
○菅野久光君 一般公務員の場合には管理職手当何%ということでついているわけですよ。
 それから、検察官、裁判官の初任給調整手当というのがあるわけですね。初め、この額だけ見ているとえらい安いので、これではいい人材が集まらないのではないかというふうに心配しておりましたが、調査室からの資料を取り寄せたところ、初任給調整手当というのがついていて、ああこれで一般公務員よりはやはり大事な仕事をして、先ほどお話しのように超勤もつかないといいますか、本給の中にあるいは報酬の中に織り込む、そういうようなことでこういうことがなされているのだなと、こういうふうに思います。
 これは、初任給調整手当は平成元年以来改定されてないと。この初任給調整手当というのは、いつからこういう手当がついたのでしょうか。
#90
○政府委員(山崎潮君) この初任給調整手当につきましては、昭和四十六年に導入されたものでございまして、その後、昭和六十一年と平成元年に改定をしております。
#91
○菅野久光君 調整手当ということですから、この俸給表の中には直接は出てこないわけです。私は、裁判官あるいは検察官、判事補、こういう方々が大事な仕事をしているわけですから、それにふさわしい報酬なり俸給を出しているということが国民の中にもはっきりした方がいいのではないかというふうに思うんです。
 そういう意味では、調整手当をずっと出している補の五から補の十二までの間に出している、初任給調整手当というんじゃなくてもう初めから今のこの俸給に上乗せをした額を出す、やるべきじゃないかというふうに思うんです。それを出せば年末手当だとかあるいは夏季手当という手当にはね返るから出さないということなのか。もうこうやって二十年もやっているわけですから、むしろ調整手当ということよりも本給にしてそれを手当にもはね返らせるということで、検察官やあるいは裁判官の仕事に対する俸給、報酬ということにした方がいいのではないかというふうに私は思うんですけれども、その辺はどのようにお考えですか。
#92
○政府委員(山崎潮君) この初任給調整手当は、司法研修所で二年間、裁判官になる人、検察官になる人、あるいは弁護士さんになる人、皆同じように修習を受けてそこで道を選択するわけでございます。その場合に、弁護士になる方で、いわゆるいそ弁と言われておりますけれども、弁護士事務所に雇われる弁護士さんでございますが、その方の報酬、それと比較いたしまして裁判官、検察官の給与が著しく低くなるとやはり人材の確保がしにくいという点で、いそ弁の報酬との格差を埋めるために設けられたものでございます。
 そういう性格はございますが、やはりこれを本給の中に入れるということになりますと極めて初任給が高く出てくるわけでございます。それはやはり一般の政府職員との並びという問題を考えました場合には、かなり体系的なバランスを欠くということにもなりますし、あるいは急激に弁護士の報酬が上がったり下がったりする場合に、それをすべて一々法律で変えていくということは非常に動きが鈍くなるわけでございますので、緊急な場合にも対処できるという意味では最高裁規則あるいは法務大臣の準則で定めるという方が妥当だというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#93
○菅野久光君 実際には払っているわけですね。ですから、むしろ私は、国民の前にそういったようなものもやっぱりはっきりしてあげた方がいいのではないかと、そういうふうに思います。
 日本の国の俸給、給与というのは、これは年功序列型になっているわけですね。それで、初任給から判事の特なんでしょうか、その辺までいきますと大体五・七倍か八倍、六倍弱ぐらいなんですね、格差が。これからの少子・高齢社会ということで、子供を多く産んだ人たちにはできるだけ安心して生活ができるような、そういう賃金体系というものも必要ではないのか。
 そういう意味で、今回も人勧の上げ幅の率が下の方に少し厚くなって上の方の率は少ないんですが、額が多いものですから結果的には額は多くなるわけですけれども。ある程度、子育ての時期の人たちの、俸給の体系を変えるということができないのであれば、せめて扶養手当だとか、何か子供が大学に行っているあるいは学校に行っているときの手当というものをやっぱり上げて、そういう人たちが安心して子育てができ、そして仕事もできるというようなことをこれから全体として考えていかなければならないのではないかなというふうに私は思っております。
 今回の裁判官の報酬、そして検察官の俸給の改定については、これでいいのかなという気持ちはありますけれども、提案されたことについては私は賛成をしていきたい、このように考えております。先ほど申し上げましたように、俸給表を見たときに一般の行政職とちょっと違うところがあるものですからお尋ねをいたしましたけれども、その辺などもまたこれからいろいろ研究していただければと、こう思っております。
 以上で私の質問を終わります。
#94
○委員長(続訓弘君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(続訓弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(続訓弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(続訓弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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