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1996/12/05 第139回国会 参議院 参議院会議録情報 第139回国会 内閣委員会 第1号
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1996/12/05 第139回国会 参議院

参議院会議録情報 第139回国会 内閣委員会 第1号

#1
第139回国会 内閣委員会 第1号
平成八年十二月五日(木曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         鎌田 要人君
    理 事         板垣  正君
    理 事         鈴木 貞敏君
    理 事         鈴木 正孝君
                海老原義彦君
                岡野  裕君
                狩野  安君
                村上 正邦君
                矢野 哲朗君
                依田 智治君
                猪熊 重二君
                大久保直彦君
                永野 茂門君
                山崎  力君
                齋藤  勁君
                清水 澄子君
                笠井  亮君
                聴濤  弘君
                萱野  茂君
   委員の異動
    ―――――――――――――
 十二月三日
    辞任        補欠選任
     萱野  茂君     朝日 俊弘君
 十二月四日
    辞任        補欠選任
     朝日 俊弘君     萱野  茂君
 十二月五日
    辞任        補欠選任
     岡野  裕君     上吉原一天君
     萱野  茂君     朝日 俊弘君
  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                板垣  正君
                鈴木 貞敏君
                鈴木 正孝君
                齋藤  勁君
    委 員
                海老原義彦君
                狩野  安君
                上吉原一天君
                村上 正邦君
                矢野 哲朗君
                依田 智治君
                猪熊 重二君
                大久保直彦君
                永野 茂門君
                山崎  力君
                清水 澄子君
                笠井  亮君
                聴濤  弘君
                朝日 俊弘君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       任用局長     角野 敬明君
       人事院事務総局
       給与局長     小堀紀久生君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       総務庁恩給局長  桑原  博君
       大蔵省主計局次
       長        溝口善兵衛君
   事務局側
      常任委員会専門
      員         菅野  清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鎌田要人君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十八日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君が選任されました。
 また、本日、萱野茂君及び岡野裕君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君及び上吉原一天君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鎌田要人君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に齋藤勁君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鎌田要人君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(鎌田要人君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。武藤総務庁長官。
#8
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本年八月一日、一般職の職員の給与の改定及び寒冷地手当の改定に関する人事院勧告が提出されました。政府といたしましては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般戦の職員の給与に関する法律、国家公務員の寒冷地手当に関する法律等について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 最初に、一般職給与法の改正関係について申し上げます。
 第一に、俸給表のすべての俸給月額を人事院勧一告どおり改定することといたしております。
 第二に、初任給調整手当について、医師等に対する支給月額の限度額を三十万七千五百円に引き上げる等のほか、科学技術に関する高度な専門的知識を必要とし、かつ採用による欠員の補充が著しく困難であると認められる官職に新たに採用された職員に対し、支給月額の限度額を十万円として、新たに初任給調整手当を支給することといたしております。
 第三に、扶養手当について、満十五歳に達する日後の最初の四月一日から満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある扶養親族たる子に係る加算額を一人につき月額三千円に引き上げることといたしております。
 第四に、新たに研究員調整手当を設け、研究活動の状況、研究員の採用の状況等から見て人材の確保等を図る特別の事情があると認められる試験研究機関に勤務する研究員等に対し、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額に百分の十以内の割合を乗じて得た額を月額として支給することといたしております。
 第五に、通勤手当について、交通機関等を利用する職員に対する全額支給の限度額を月額四万五千円に引き上げること等といたしております。
 第六に、筑波研究学園都市移転手当を廃止することといたしております。
 第七に、宿日直手当について、通常の宿日直勤務に係る支給額の限度額を勤務一回につき三千六百円に引き上げる等、所要の改善を図ることといたしております。
 第八に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、その限度額を日額三万八千五百円に引き上げることといたしております。
 次に、寒冷地手当法の改正関係について申し上げます。
 第一に、寒冷地手当の基準額について、基準日における職員の世帯等の区分に応じ、世帯主である職員のうち、扶養親族が三人以上ある職員にあっては十六万三千七百円、扶養親族が一人または二人ある職員にあっては十三万六千五百円、扶養親族のない職員にあっては八万二千九百円を、その他の職員にあっては五万九千二百円を超えない範囲内で地域ごとに内閣総理大臣が定める額に改定することといたしております。
 第二に、寒冷地手当の基準額の改定に伴い、寒冷地手当の支給額の最高限度額を廃止することといたしております。
 第三に、防衛庁職員への準用規定について、所要の改正を行うことといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日、この法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することといたしております。
 引き続きまして、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明を申し上げました一般職の職員の給与改定にあわせて、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣等の特別職の職員の俸給月額を一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 第二に、特別職の職員である常勤及び非常勤の委員等に支給する日額手当の限度額を一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日等について規定することといたしております。
 以上がこれらの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
 なお、この際、一言申し述べさせていただきます。
 昨日、事務次官として重い責務を担っていた者が収賄の容疑で逮捕されたことはまことに遺憾であります。
 私といたしましては、一連の不祥事に関し、真に実効のある綱紀粛正の方策について既に事務当局に検討の指示を行ったところであります。早急に結論を得て、各省庁においてこれを厳正に実施することにより、このような不祥事の再発防止を期してまいりたいと考えております。
 今回提出いたしました法律案につきましては、以上を御賢察の上、御賛同いただきますよう重ねてお願いを申し上げます。
#9
○委員長(鎌田要人君) 久間防衛庁長官。
#10
○国務大臣(久間章生君) ただいま議題となりました防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、このたび提出された一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じて防衛庁職員の給与の改定等を行うものであります。
 防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定するほか、附則において、施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。
 なお、事務官等の俸給、扶養手当、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の改正によって、同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#11
○委員長(鎌田要人君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#12
○海老原義彦君 自由民主党の海老原義彦でございます。
 きょうは十七分ほどにわたりまして、まず武藤総務庁長官に、それからその後、人事院に御質問いたしたいと思います。
 初めに、武藤総務庁長官に伺います。
 今のお話にもありましたように、昨日、事務次官逮捕というようなことで公務員の不祥事はまことに憂慮すべき事態に立ち至っているわけでございます。
 私は、十一月二十六日の決算委員会におきまして、いろいろと質疑もいたしましたし、意見開陳もいたしました。御提案もいたしましたので、本日はそのことには触れませんけれども、あのとき申し残したことが一つございますので、この際申し上げたいと思っております。
 それは、こういった打ち続く不祥事で公務員というのはみんな悪いやつだという思想が国民の間にびまんしております。九九%以上の公務員はもう本当に立派な公務の運営を、行政の運営を担って一生懸命やっているまじめな公務員でございます。こういう方々がいわば一握りの悪い人のために大変な被害に遭っておる。家へ帰れば近所の人から後ろ指を指され、飲みに行ったって変に絡まれたり、タクシーに乗れば公務員はどうこうと言われるというような惨めな生活を送って、だんだん肩身が狭くなっている。これは公務遂行上、職員の士気の問題でゆゆしき問題だと思うわけでございます。
 本日は給与法の審議でございまして、できればきょう給与法が可決、成立ということになればいいと思っておるわけでございますが、そうなることは、人事院勧告という公務員の労働基本権制約の代償措置として非常に重要なもの、これの実現でございますので、公務員の士気を高める上にもこれは非常に大事なことだろうと思っております。
 人事院勧告につきましては、ここもう数年来というか十年来と申しますか、ともかく長い期間にわたりまして人事院勧告を尊重する、しかもなるべく早期に実施するという慣行が確立してきたわけでございまして、これはまことに結構なことだと思っております。
 今後とも人事院勧告尊重の姿勢を貫かれるのか、まず総務庁長官にこのことを伺いたいと思います。
#13
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども申し上げましたけれども、あのような岡光次官の逮捕という本当に残念な事態になり、まことに私ども、なぜあんなことをしたのかという怒りに燃えているわけでございます。今お話しのように、公務員の大半は国民全体への奉仕者であるという、いわゆる公僕という立場で一生懸命努力していると私も信じております。
 そういう面におきまして、今御指摘のとおり、人事院勧告は公務員の労働基本権制約の代償措置の根幹をなしているものでありますから、私どもといたしましては、今後とも人事院の勧告を尊重して対処してまいりたいと考えております。
#14
○海老原義彦君 次に、また総務庁長官にお伺いいたします。
 公務員は人事院勧告によって民間給与を反映して給与が年々引き上げられていきます。昔公務員であった者、これは共済年金の受給者もおりますけれども、もっと昔、軍人も一種の公務員でございます。軍人として国のために忠誠をささげたという方々、こういう方々に対して国は今どう報いているのか。
 私は、いつも軍恩連盟の会員の皆さんからいろいろとお話を聞いております。そうすると、今、日本には憂うべき事態がございます。ただいま公務員が一部の悪い連中のために肩身を狭くしなきゃならぬというお話を申し上げましたけれども、昔の軍人については、例えば一例を挙げますと、南京入城部隊というのも我が会員にたくさんおります。これは京都と金沢、それから熊本の部隊でございますけれども、この一員であった人が、ある日、孫娘の見る目つきが変わってきたと。おじいちゃんは今まで優しいいいおじいちゃんだと思っていたけれども、南京に行って女、子供をたくさん殺した、三十二万人殺したというようなことをきょう学校で教わったと。とんでもないおじいちゃんだったと。しかも、はっきり言えば、強姦とか略奪とかし放題だという話も聞いてきたと。そういう悪いことをやった人なのかというので、孫娘のおじいちゃんを見る目が変わってきた、こういうような不幸な状況でございます。
 教科書問題はここで論ずる場所ではございませんので、私、お答えを求めるわけではございませんけれども、こういうような不幸な状況の中でそのおじいちゃんは言ったそうです。いや、そんなことはない、私は青春を国のためにささげて一生懸命働いてきたんだ、だから国でも恩給をくれておるじゃないかと。そうしたら、おじいちゃんみたいな悪い人たちには恩給なんか上がりゃしないわよという話まで出まして、それは老後の短い我が会員だけでなくて、恩給受給者、旧軍人の恩給受給者、旧軍人であった夫を失った遺族の方々あるいは戦争に行って体を損ねて帰ってきた方々、そういった方々が実にたくさんいるわけでございます。百七十万人の恩給受給者がいる。こういう方々は、教科書などでおとしめられているけれども、国家補償としての恩給をいただいておるということ、これが一つの誇りであり、これがまた生活の支えでもございます。
 ところが、それが近ごろの状況では、まことにベースアップも微々たるものであるというこの流れの中で、少なくとも公務員給与が上がったらば現職の公務員と同じようにベースアップを確保していかなければならない、こういう問題がございます。
 また、恩給は国家補償であるということは、歴代の総務庁長官、それから官房長官も歴代、例えば前の野坂浩賢先生などもはっきりと国家補償であるということを申されて、それゆえにできるだけの措置をするんだということをおっしゃっております。
 武藤長官はもとより恩給に大変理解の深い方として私ども十分期待しておりますので、そういった基本的な姿勢をお述べいただきたいと思うわけでございます。
#15
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は従来から恩給関係をお手伝いしてきたものでございまして、そういう立場からいたしましても今のお話は本当に十分理解ができると思います。
 いずれにいたしましても、今お話のあったように、恩給というのは国家補償という性格を持っておるわけでございますので、それを踏まえて十分政府としては対処していかなきゃならないと思っております。具体的には、昔は国家公務員の給与にスライドして大体恩給年額が改定されてまいりましたが、最近は総合勘案方式という形になっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、恩給を受給しておられる方々の年齢層も非常に高年齢化してきておりますし、その辺も踏まえて、ぜひ恩給の改定が従来と同じように、あるいはそれ以上にきちんとされるようにしていく努力をしてまいりたいと思っております。
#16
○海老原義彦君 ありがとうございました。
 恩給受給者は皆高齢に達しまして、平均年齢七十八歳でございます。毎年五万人、ということは十分間に一人、こうやって話している間にも一人亡くなっていく。もう先がないのであります。ですから、早急に改善をお願いしたいと思うわけでございます。
 公務員給与は民間に即応して上がっていった。ところが、恩給は公務員給与に必ずしも即応しない一定の方式で、物価を勘案した方式でやっておる。その差が何と十年間の新方式の実施によりまして約三百億。年々五万人亡くなっていくということで、それによる減額だって五百億もある。そういった現在の状況を勘案されまして適切な措置をお願いしたいと思う次第でございますが、今もう予算の時期も迫っておる微妙な時期でございますから、これはお答えは求めません。
 私の持ち時間が残りわずかになってしまいましたけれども、少し人事院勧告そのものの問題について伺いたい。また、さらに時間があれば報告に盛られた事項についても伺いたい。これからは人事院に対する質問でございまして、総務庁に関する質問は終わります。
 それでは、まず人事院勧告そのものの問題といたしまして、今回の勧告に基づく給与法の一部を改正する法律案にも書いてありますけれども、この俸給表の備考に二項というのがございます。ところどころに二項がある。この二項というのは、要するに大卒のT種採用者については初任給を少し低くするんだということを法律上明確に規定するという趣旨でございます。
 何でこんな不思議なことをやるのか。こういう俸給表は、私、不勉強だったので見たことないというと申しわけないんですが、去年からあるようでございますけれども、確かにそれまではそんな不思議な俸給表というのはなかったと思うんです。これはどうもすっきりこない。初任給を民間に合わせるためということなんでしょうけれども、初任給を低目に抑えておるという国民に対する。パフォーマンスのような気もいたします。
 どういうことでこういう規定が入れられたのか。これは人事院のまことに技術的な問題でございますから、給与局長からお答えいただきたいと思います。
#17
○政府委員(小堀紀久生君) 今御指摘の問題は確かに去年から実施しているものでございます。これは御指摘のとおり、例えばT種試験採用者は従来は三級一号俸の金額を使うということでやってまいりましたが、それは実は初任給の号俸であるとともに、在職者も下から上がってきた人は使うという号俸であったわけでございます。したがいまして、私どもはその三級一号俸を改定する場合には、初任給の状況、それから在職者の実態等を総合的に勘案いたしまして改定をお願いしてきたわけでございます。
 ところが、昨年は大変厳しい経済状況等を反映いたしまして、民間の大企業の大卒の初任給というのがかなりの部分で凍結が行われております。私どもの三級一号俸というのは大卒の中でも高い金額で採用しているところでございまして、念頭に置きますのはやはり大企業の初任給みたいなもので、普通の初任給より若干高くなっております。そういう初任給の水準等を考えますと、公務員の場合にも凍結をするのが適当ではないかということで、ここで初めて在職者の給与と離れて初任給を定めさせていただいたものでございます。
 それで、本年度につきましても民間大卒初任給の抑制傾向というのはまだ続いておりまして、もとに復するという状況にはなっておりませんので、〇・五%程度だけ上げさせていただく、そういうことをさせていただいて勧告をいたしました。
 こういう状況は、民間でも初任給は世間並みのものを支給し、半年ないし一年後には在職者の給与体系の方へ移行するということがよく行われておりまして、そういう方式に今移行しているというところでございますが、これにつきましては、今後、初任給をめぐる状況等を勘案いたしましてさらに検討をさせていただきたいと思っております。
#18
○海老原義彦君 質問したいことは人事院に対してあとまだ数問ございます。五問か六問あるんですけれども、本日は大変時間を詰めて一刻も早くきょうじゅうにこの給与改定を実現させて公務員を安心させたい、内閣でも一生懸命早くやろうとしている、国会でも一生懸命早くやろうということでございますので、それに協力いたしまして、本日の私の質問は終わります。
#19
○猪熊重二君 法案の審議に先立ちまして、自由民主党幹部の予算編成に関する発言について若干質問させていただきます。
 新聞報道によると、十一月二十五日の自民党役員会及び同月二十六日の自民党の役員連絡会において、出席幹部の中から、「小選挙区で新進党を応援した知事、市町村長には予算を回す必要はない」、「新進党が勝った県の大型プロジェクトは予算配分を考え直すべきだ」等の意見が多く出されたということであります。この点に関し、二十七日、自民党加藤幹事長は記者会見において、「より我々と交流の深い所の声がより響くことは当然ありうる」と述べた旨報道されています。この報道は国民主権原理に対する非常に大きな挑戦であると私は思っております。
 官房長官に伺いますが、この発言の有無について官房長官はどのように認識しておられますか。もし何の確認も行っておらず発言の存否について知らないのであるとすれば、どのような見解のもとに何の確認も行わなかったのか、あわせて伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(梶山静六君) 十二月三日の本会議において総理からも御答弁を申し上げているとおり、国の予算の配分、執行に当たっては、その政策目的等に照らして厳正かつ公正な配分、執行が行われるべきは当然であり、今後ともそのような観点に立って配分、執行の適正を期してまいりたい、このように総理が答えているわけでありまして、私も全く同様であります。
 実はそういうことがマスコミに報道された直後の十一月二十八日、私は内閣のスポークスマンとして、記者会見の中で記者から質問が出ましたので、同様の趣旨の発言をいたしました。また、過日、青森の木村知事が、これは予告なしてございますが、ぜひ面会して陳情をしたい、そういうことがありましたので、官房長官室でゆっくり陳情を聞いたという事実があります。
 我々は政府を代表して厳正中立な方向でやっていることをぜひとも御認識願いたいと思います。
#21
○猪熊重二君 この発言が問題であるのは、予算編成がどのような目的に沿って行われるべきかという原点に対する全く無知かあるいは故意の歪曲であるからであります。
 予算編成に関する主務大臣は大蔵大臣であり、予算編成の最終決定権は内閣にある。しかして内閣はこの予算を編成する。特に歳出予算を編成するに際しては、国会が定立した法律の執行という観点と、それから内閣の志向する政策目的実現という観点から予算編成するべきは当然なんです。
 ところが、おれの方を応援する人には余計にやって、おれに反対するのには少ないんだなんということは、どのような政策判断からそういう問題が出てくるのか。要するに、国家予算の本質をどう考えておられるのか。まさに国会議員としての見識を疑う暴論だと私は思うんです。
 官房長官には今お話を伺いましたが、総務庁長官、防衛庁長官の国務大臣としての所見を伺いたいと思います。
#22
○国務大臣(武藤嘉文君) 今の官房長官のお話のとおりでありまして、予算の配分、執行に当たりましては厳正にして公正な執行をしていかなければならないのは当然であると考えております。
#23
○国務大臣(久間章生君) 総理が先日の代表質問において答弁されましたとおり、また今、官房長官が答弁されましたとおり、予算の配分、執行については、その政策目的、効果などを踏まえて厳正かつ公正に対処すべきものと認識しております。
#24
○猪熊重二君 この発言が非常に重要だというのは、今申し上げましたような予算編成の原点に対する誤解という問題のほかにもう一点、国会議員と予算編成ということに対する重大な問題を含んでいると私は思うんです。
 国会議員が予算の編成に関して各省庁の長や主務大臣たる大蔵大臣にいろんな意見や要望を言っていくのは当然であります。しかし、国会議員は憲法四十三条に言うように全国民を代表する立場にある。そして、国会議員の活動を含めすべての国家活動の源泉は国民にある。憲法前文にあるように、そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであるということであって、この場合の国民というのを、自分に都合がいい人間だけを国民に入れて、自分の意見に反対する者を国民の中から除外するなんということは憲法にあり得ない暴論だと思います。
 ですから、このような発言をした人は、日本国民の中から特定の政治的立場あるいは信条に立つ者についてだけ政策実施し歳出予算を配分しようというふうなことは国会議員としてはまことにあるまじき行為だと私は思うんです。
 これについても所見を伺おうと思いましたが、各大臣とも総理のおっしゃったことをおっしゃるだけですので、もう一つ次のことについて御意見を伺っておきたい。
 議院内閣制においては、与党が政策決定を内閣において実現することを本来的に制度目的としております。ですから、与党の政策決定が内閣の業務執行に影響を与えることを当然の前提にしている。そうだとすれば、与党の幹部の多くの人がこのようなことを言うとすれば、幾ら総理大臣がきのう、おとといの参議院本会議で、予算編成は厳正、公正、中立てしっかりやります、そんなことはありませんと言ってみたところで、議院内閣制というこの制度のもとにおける与党と行政担当府たる内閣との関係を考えたら、そんな一片の言葉だけで事がおさまるというふうには考えられない。
 そこで、橋本内閣として、あるいは橋本総理は自民党の総裁という立場であったとしても、与党の正式機関においてこのような差別的な懲罰的な予算編成などあり得ないということを議決することを指示されたらどうですか。あるいは、そのような発言をした与党の幹部に対して発言の取り消しを求めるというぐらいのことをしたらどうなんでしょうか。これは議院内閣制というものの本質から考えて、ただ内閣としては別です、うちは小正、不偏不党、中立、政策目的実現だけですと言っただけではおさまらぬ問題だと私は思うんです。
 官房長官の御意見を伺いたい。
#25
○国務大臣(梶山静六君) 委員御指摘のとおり、議院内閣制であり、政党政治を志向しながら今の政治の運営がなされていることは御承知のとおりであります。
 ですから、政党の発言は確かに重みがございます。しかし、一々一つ一つの発言があったとして、それが結論を導いていない段階で内閣に進達をされるはずはございませんし、内閣がこれに拘束されることは全くない。しかも、総理は自民党の総裁であります。自民党の総裁は党の意見を集約し、その意見を内閣の総理大臣として反映しているわけでありますから、総理の言うことは、まさに自民党総裁としてもかくあるべしという思いで発言をされておるわけでございますので、どうかひとつ御理解をちょうだいしたいと思います。
#26
○猪熊重二君 官房長官、ありがとうございました。もう時間があれでしょうから結構でございます。
 次の問題に移りたいと思います。
 本来、公務員給与法の一部改正審議でございますが、同じ公務員にかかわる問題として、その服務の公正、妥当性について質問したい。
 先ほど武藤総務庁長官からも厚生省の岡光前事務次官逮捕の件に関して御発言がありましたが、まことに許しがたいことである。
 しかし、このような次官の逮捕は今回が初めてじゃないんです。昭和六十三年十月にリクルート事件が発覚し、当時の労働省事務次官加藤孝が平成元年三月八日に収賄で逮捕されているんです。同じ二十八日に元文部事務次官高石邦男が逮捕されて、それぞれ有罪判決を受けている。加藤孝の方は確定し、高石の方はまだ現在控訴中でありますが、いずれも一審で有罪判決を受けている。
 このような上級公務員の腐敗、堕落、汚職、金権体質はもう十年に及んでいる。しかし、十年一日のごとく全然改善されていない。この状況を見たときに、何でこういう事態が十年たっても変わらないんだろうということに関して、まず現行の公務員の服務に関する規律に不十分なところがある、あるいは欠落している部分がある、そのためにいつになってもこういう事態が改善されない、改革されない、このように思います。
 私も時間がありませんので、質問というより私の方から申し上げます。
 要するに、一般職の国家公務員の服務に関する原則規定としての国家公務員法には九十七条、九十八条、九十九条、百一条、百三条、百四条にいろんな規定がある。そのほかにも一般職の職員の勤務時間等に関する法律だとか職員の兼業許可に関する法令とか、あるいは営利企業への就職に関する人事院規則とかにいろいろ書いてある。しかし、このような規定があってもほとんど実効性がない。その原因がどこにあるということをやっぱり考えてみなきゃならない。
 というのは、今申し上げた各条文、時間の関係でお読みしませんけれども、ここで書いてあることは、法令に従って仕事しろとか、その官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるような行為をするなとか、あるいは職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用いろとか、要するに規定としては悪いことするな、一生懸命頑張れという規定にすぎないんです。業者からただ飯をもらっちゃならぬぞということは書いていないんです。要するに、仕事をするについては、職務を執行するについてはこういうふうに一生懸命頑張れ頑張れと書いてあるけれども、書いてある中身は抽象的な一般的な規定であって、具体的な行為に対する基準、規範としての意味内容が非常にない。しかも、それが職務に関する問題だけの規定になっているから、職務の前後だとか職務外の問題だとか、そういう問題については全く野放しになっている。そこに一番問題があると私は思うんです。
 総務庁長官、今私が申し上げた国公法だとかいろんな法律の規定で、これだけの規定があれば公務員の直接的な職務執行以外に公務員の職務にかかわるすべての行為の基準として十分であるとお考えなのか、それともまだほかに足りないところがあるというふうにお考えか、その辺をまず出発点としてお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(武藤嘉文君) 今いろいろ御指摘のありましたような法律条文が書いてある、しかし現実にはこういう事態が何回も起きたではないか、こういうことでございます。
 今回私どもは本当に今後このような事態が起きてはいけないという考え方に立って、そうなると今御指摘のようにこういう抽象的な表現だけではなくて、やはり物差しをつくって、こういうことはしてはいけないということを具体的に示さないといけないのかなと。こういう考え方に立って、今私は事務当局に命じまして具体的にそのような物差しをつくる、そしてそれが実際に実行されるように各官庁の組織の中で何か仕組みを考えていく。そういうことを守らない人がもしあったならば、それに対してペナルティーをどういう形でかけていくのか、こういう点についても今検討を指示いたしておりまして、大体この二十日までにということで期限を切ってやっておるわけでございます。
#28
○猪熊重二君 人事院総裁、これに対して総裁としての御意見があったら簡単にお述べください。
#29
○政府委員(弥富啓之助君) ただいま総務庁長官の方からお話がございました。人事院といたしましても、政府の方で綱紀粛正の問題についてただいま鋭意検討をされているということでございます。その結果を踏まえまして、我々としてなすべきことがあれば十分に対処いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#30
○猪熊重二君 私が伺いたいのは、仕事そのものについてしっかりやれ、頑張れというのはいいけれども、仕事にまつわる、仕事に関連することに関してどのような規制をするべきかということなんです。例えば利益供与の問題一つ考えてみましても――その前に、要するに役人と業界の関係者との飲食についてまず伺います。その次に利益供与の問題について伺います。
 まず、総務庁長官、業者と高級官僚との食事を伴う会合について役所全体としてどう考えているのか。勤務時間中であっても、お昼前から二時、三時ぐらいまでホテルへ行って、何の仕事しているんだか知らぬけれども会食している。勤務時間が終わった後、また業者と会食している。しかも、この会食がすべて業者の負担ということになっている。こういうふうな問題についてなぜ総務庁なりあるいはそれぞれの省庁は許しているんだろうか、何でそれが適法なんだろうか、私には全然理解できない。このような現行の取り扱いについてどうなっているのか。
 大体、局長と課長と課長補佐と三人で何日だれと会うためにどうだということについて、だれが許可してだれの決裁を得て行っているのか。自分勝手に行っているのか行っていないのか。きのうはだれが行ったんだ、きょうはだれが行ったんだということが役所の中でわかっているのかわかっていないのか。その辺の問題について各省庁はどのように事態を把握し、総務庁として全体の省庁がどうしているかということを把握しているのかしていないのか伺いたい。
#31
○政府委員(菊池光興君) 幾つかのお尋ねがございました。公務員が業者と会食、会合を行うことについて政府としてどう考えているのか、総務庁としてどう考えているのか、こういうことでございます。
 先ほど委員お引きになりました国家公務員法第九十九条は、言うまでもなく官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となる行為については信用失墜行為として禁止しているところでございます。
 職務上利害関係のある者からおっしゃるような会食あるいは供応を受けた、接待を受けたということになると、これは程度によりまして刑法上の収賄に当たるというような場合もあろうかと思います。職務上の利害関係がないいわゆる第三者的な業者、たまたまその人が業界、業者であったという人と会食をするということになりますと直接収賄とかというようなことにはならないと思いますけれども、その程度によりましては当然のことながら今申し上げました信用失墜行為ということで、やはり指弾されるべきことということになるわけでございます。
 そういうことで、政府としては、従来から閣議決定等により、国民の疑惑を招くような行為、これは厳に慎むことということを言ってきておるわけでございまして、会食等については特に留意するということにしてきたところでございます。
 それで、後段のお尋ねでありますが、じゃそういうようなことについて各省庁はどのように対応しているのか承知しておるか、こういうお尋ねでございました。
 この服務の関係は、国家行政組織法なりの系統で、それぞれ各省大臣初め各委員会の委員長あるいは各庁の長官というポストがこの一般職の職員の服務の統督に当たる、こういうことになっておりますから、私ども人事局、総務庁として、各省庁がどういうふうにやっているかというようなことを制度的に承知し得る立場にあるわけではございません。
 ただ、私どもいろいろ実情等を聞いてみますと、省庁によっては、御指摘のように事前に上司の承認を得て行くというようなことをやっておる省庁もございます。省庁の実態によってさまざまな対応が図られている、こういうことだと思います。
 では、そういうことがどういうような形で記録に残されておるのかというようなことについては、そこまでは私ども承知しているところではございません。
#32
○猪熊重二君 だから、今あなたが答えたとおりなんです。信用を失墜するような行為をするなというような抽象的な一般的な規定だからほとんど効果がないんです。そんな抽象規定だから、あなたが言っている中で、ひどくなれば収賄です、しかしそこまでいかないのもありますと。では、どの辺がどうなんだ、国民の信用を失墜するのせぬのというのをだれが判断するんです。
 私がこの問題に関して一番最初に質問したのは平成三年十二月十七日の決算委員会です。当時の大蔵省証券局が証券業界と会食し、しかもそれは全部ホテルで、証券業界の費用持ちだと。月にならして四・八回。四・八回というと週に一回以上なんです。これを一年間続けているんです、週に一回以上をですよ。それが、局長が出ていくのもあれば、課長が出ていくのもあれば、何とか部長が出ていくのもあれば、向こうから来るのも、証券業協会の会長が出てくるのもあれば、四大証券の社長が来るのも、副社長だの、株式本部長だ何だかんだたわ言を言って、週に一回以上証券局の人間がホテルで、しかも勤務時間であるべき昼前からお昼を挟んで二時間も三時間も話をしている、あるいは仕事が終わった後の夜、会食しているんです。
 こんなもの一つ一つを、あなたが言うように、国民の目から見て公務員としての信用を失墜するのはどれかなあれかななんてことを言っている暇はないんだ。すべての業者との会食をやめろということを決めたらいいじゃないですか。それを決めれば、国民の信用を失墜するとかしないとか、少しひどくなったら収賄だとか、そんなところは考える余地はないんです。昼間の勤務時間であれ勤務時間後であれ、業者との飲食を一切するなと。
 どうしてもする必要があったら、こうこうこうだということで上司の許可を得よ、許可を得てその内容を報告せいと。その報告した文書をきちんと各省庁でとっておいて国民の目にさらせ、情報公開せよと。国民の目にさらされても私は恥ずかしくないだけのことをやっているんだ、だから帝国ホテルで三万円だか五万円の会食したんだと。国民の前に開き直れるような情報公開したらどうだと。
 これは私は怒っているわけじゃないんだ。もう前から同じことを何回言ったって、全然うんでもなきゃすんでもない。そして、今回だって相変わらずそうでしょう、通産省はだれとだれがいっどうやって飯を食ったか食わないか本人に聞いてみなきやわからぬと。もう結論が出たか出ないか知らぬけれども、そんなばかな話がありますか。
 世の中で、例えば総務庁長官にしろ防衛庁長官にしろ、人と飯を食うときに相手の費用持ちで飯を食うというのは何か関係があるからです。関係がなくてだれも私になんか飯くれる人はいやせぬ。要するに、一切合財飲食をやめろということを法律で決めるべきだ。こんな通達だとか綱紀粛正の次官会議だとか、そんなものじゃだめだ。十年河清を待つに等しい。
 利益供与も同じです。もうリクルートのときから始まっているんです。株の有利な取得をするとか、低利の金融を受けるとか、住居だとか車だとか物品の無償供与を受けるとか、ゴルフだとか海外旅行等に無料接待を受けるとか、目に余る国民に対する反逆行為をしている。こういう問題は一切やるなという規範を定立したらどうなんですか。
 何か自分の演説みたいになって申しわけないが、質問しなきゃいかぬけれども時間がないもの
 だから申しわけないんですが、私が言いたいのは、こういう具体的な規範を定立すれば公務員自身の行動の指針になるんです。公務員がわざわざそこへ落ち込んでいかないことになるんです。人間だれだって、こうこうこうだから来てなんていって頼まれれば、私だって酒好きだから、ついそうかいなんて行っちゃう可能性がある。人間は弱いものです。
 だから、飯を食っちゃいけないという法律になっている、株もあんたから買っちゃいけない、あんたと一緒に旅行したりゴルフへ行っちゃいけないことになっているんだというふうにやってやれば、公務員自身もそんなところへ落ち込んでいかないで済むんです。国民の目から見てもフェアな公正なものになる。それを何だか、綱紀粛正に関する次官会議だとか、それから何とかかんとか内部でそうこちょこちょやっていてももうだめだ、十年たってだめなんだから。十年たって、今度の次官会議で、あるいは総務庁の通達ですべてが世の中変わるなんということはありゃせぬと私は思うんです。
 法律をつくるというのは国会の仕事でもあるんです。国会の仕事でもあるから、今ほかの会派でもつくろうということを言っていますから、それは大いにつくったらいいと思うけれども、しかしこれはやっぱり内閣が自分のことなんだから、国会に言われる前に自浄能力として内閣が内閣法として定立するということについて、防衛庁長官はちょっとあれなんだけれども、総務庁長官、私の時間はあと一分しかないから、何とか法律をつくるように頑張ってくださいよ。総理も何とかかんとか次官会議で、今回はふんどし締めてとかやっているけれども、そんなのじゃだめだ。
 以上、最後の点についてお答えいただいて、終わります。
#33
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘の点は私もよくわかるわけでございまして、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、従来とは違って、具体的にこういうことをやってはいけない、ああいうことをやってはいけないという物差しをつくり、それを実際にチェックをする機能というか、そういうものをそれぞれの役所の中につくっていく。それでも、しかしやった人に対してどういうぺナルティーを加えるのか。これを法律でやるべきなのかそうでないのか。
 私は率直に言って、個人的には、まさか法律の中に今お話しのように、ゴルフをやってはいけませんよ、あるいはこういうところからなにをもらってはいけませんよというのは果たして法律になじむのかどうか。私は、そういうことからいって、必ずしも法律ではなくてやれるのではないかと。しかし、ペナルティーとなると、ひょっとすると法律をつくらないと拘束できないのではないか。その辺は最終的には法律をつくるということを含めて今検討しており、とりあえずまず事務当局として二十日までに思い切った案を私の方へ持ってくるようにと、こういう指示をいたしておるわけでございます。
#34
○猪熊重二君 終わります。
#35
○齋藤勁君 ただいまの猪熊委員の質疑の後を続ける部分もございますけれども、私は後段の方にさせていただきまして、最初にこの法改正につきまして幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
 私も政治家になる前に実は地方公務員の時代がございまして、今も若いつもりでございますが、さらに若いころでございます。さまざまな不祥事があったときに、例えば同僚の公務員の職員が納税徴収に行くというときに、全くポジションも違うが何かあったときに、もうつらい思いをして市民と接触をする、こういうことがたくさんあるわけですね。今回のことを思いますと、厚生省と聞いただけで、多分厚生省の職員の大部分の人がもう首をすくめてしまう。公務員といっても国家公務員も地方公務員もあるのに、押しなべてそうだということで私は大変なことだというふうに思います。しかし、大多数の公務員の方々は誠実に仕事をしているというふうに私は受けとめさせていただいています。
 そういう意味で、この給与法の改正というのは、官民較差が確かにあったということで人勧が出、そして閣議決定されたということで、速やかに行うようにという立場に立つならば、綱紀粛正は綱紀粛正、倫理は倫理ということできちんとしていくという前提はございますけれども、給与法改正につきましては速やかに行っていくべきであるということを、私はそういうまじめに誠実に仕事をされている公務員の方々の立場を思いまして実は感じるところでございます。
   〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
 そこで、まず第一点目にお伺いさせていただきますけれども、きょうこの後、本会議が予定をされております。衆参あわせてこの法改正が可決をされるという運びになっていきますけれども、成立をするといたしまして、この公布日、それから支給日、これはいつになる見込みなのか、まずこの点についてお伺いさせていただきたいと思います。
#36
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもの総選挙がありましたので、これは結果的におくれておるわけでございます。法律が通れば、人事院勧告どおり実施できるということになるわけでございますので、法律が通りますれば、うちの事務当局と各省の事務当局とよく打ち合わせをしながらとにかくできるだけ早いときに支給できるように、私としては極力年内には支給できるように努力をしてもらいたい。日にちをどうということはまだ申し上げられませんけれども、何とか年内には支給できるように努力をしてもらいたいということを申しておるわけでございます。
#37
○齋藤勁君 長官の年内にということについては承らせていただきます。
 ただ、事務当局の方々とお話しさせていただきまして、法改正をして、これからまた閣議等があり、それからいろいろ事務手続があるんでしょうが、例えば一般的に一週間、二週間と、これからの事務的なスケジュールでございますけれども、役所の方はこれからどういうふうな事務手続になっていくのかということを御説明いただければありがたいんですけれども。
#38
○政府委員(菊池光興君) 今、武藤大臣からお答えしたところでございますが、事務的な部分については私の方で。
 本年度給与を改定した後の差額支給の具体的な時期についてのお尋ねでございます。
 各省庁におきます給与事務のコンピューター化、その職員数あるいは官署、役所が地方支分部局だとかがどのくらい散らばっているかというようなことによって差額の算定とか支給事務が相当違ってまいりますので、一概に幾日ということを申し上げることはできません。ただ、私ども大臣の御指示を受けておりますが、いずれにせよ差額の支給につきましては、本来四月一日にさかのぼって改定されるべき給与でございますので、そういう給与法の趣旨に照らしまして、できるだけ早く各省庁で職員の皆さんの手元に差額が渡るよう最大限努力をしてもらうべく、各省庁にも既に人事管理官会議等の場を通じまして要請をしているところでございます。
 その前提として、今、先生がおっしゃった閣議決定というのは、法律が成立いたしまして公布のための閣議決定というのをやらなきゃならなくなります。もし本日成立させていただけるというようなことになりましたらば、明日の閣議で公布のための閣議決定をやらせていただく、ただあと若干事務的な、官報に登載してというような段取りがございますが、そういう運びになろうかと思います。
 いずれにしましても、年内できるだけ早い時期に差額が具体的に支給されるように努めていくということでございます。
#39
○齋藤勁君 いわゆる人事院勧告の率が低率でございますから、四月から遡及をいたしましても、多額の方もいらっしゃるかもわかりませんが、多少の金額の少なさはあるかもわかりません。いずれにしましても、これは本来ならば、今御説明ございましたように、四月に官民較差としてあったということであり、そして先ほど長官からも御説明があったとおり、ことしの場合は早く閣議決定しても総選挙があったということで今国会になったということは、これはある意味でいたし方ないことだと思うんですが、一日も早い差額精算につきましてより一層努力をしていただきたいと思います。
 総選挙があったということでありますけれども、結果的に支給日が年末ぎりぎりになってしまう。そうすると、冒頭申しましたように、早期完全実施ということにずっと年々なってきたんですけれども、ちょっと後退をしたような印象がぬぐい切れないわけでございます。確かに給与法定主義というのはあるにせよ、私は、早期完全実施というのが当然のことだということならば、過去に公務員給与の問題がさまざまな全然次元の違うことで、言葉が適当ではないかもわかりませんが、例えば国会の中でほかの法案との関係で取引になったり、そんなようなことも歴史的にあったような気がいたします。そんなことを思いますと、少なくとも給与法定
 主義という前提はとりつつも、早期完全実施ということで何らかのルール化をし早くしていくべきではないかというふうに思いますが、この点についてのお考えがあれば伺いたいと思います。
#40
○政府委員(菊池光興君) 人事院勧告を受けて、国家公務員の給与の取り扱いにつきましては、御承知のとおり、行政の最高責任を負う内閣が、納税者たる国民の理解や納得を得られるよう人事院勧告制度尊重の基本姿勢のもと、国政全般との関連等につき検討した上で所要の給与法の改正法案を作成し、国民の代表でございます国会に御審議をお願いしているというところでございます。
 総務庁の立場といたしまして、国家公務員の給与の取り扱いについては、今後ともこのような基本姿勢に立ちつつ、勧告をできるだけ早期に完全実施すべく最大限の努力を尽くしてまいりたいと思います。
 今お話しございましたように、ここずっと完全実施ということになっております。こういうような実績の積み重ね、その定着ということが具体的なルール、実質的なルールとしての確立につながっていくんじゃないか、こういうふうに考えております。
#41
○齋藤勁君 これから検討する部分もあるかもわかりませんが、早期完全実施のための制度、ルールづくりというのを、さまざまなことに惑わされることなくスムーズにいくということをやはり検討していくべきではないかということで、この点についてはぜひ申し入れをさせていただきたいというふうに思います。
 次に、先日の内閣委員会で人事院勧告の御説明をいただいたときに、当時の中西総務庁長官にもお伺いさせていただきましたいわゆる公務員制度審議会の廃止にかかわる今後のありようの問題なんですけれども、これは御承知のとおり公務員の労働基本権にかかわる問題でございます。公務員制度審議会の廃止だけがずっと先行していくと私は大変問題であろうかというふうに思います。
 今、総務庁で予定をされております公務員制度調査会、これは仮称だと思うんですけれども、この公務員制度調査会の総務庁の考え方について前長官は最大限努力をしていきたい、これは予算事項でもあるがと、こういう前提があろうかと思うんですけれども、新長官、総務庁としてのこの公務員制度調査会に対する今後の努力の方向についての決意を伺いたいと思います。
#42
○国務大臣(武藤嘉文君) 今御指摘のありましたとおり、総務庁としては従来からこの仮称である公務員制度調査会、これをぜひ設置してもらいたいという形で要望し続けてきたわけでございます。特に今、公務員に対するいろいろな問題が指摘をされているときでもございますので、幅広い見地から公務員のあり方あるいは公務員制度に対していろいろ議論できるような機関ができれば大変いいことだと思っておりまして、私も努力をしてまいりたいと思います。
#43
○齋藤勁君 次に、ここ一両日と申しましょうか、昨今の高級官僚の、具体的に言えば厚生省の岡光前次官が昨日逮捕と、ついにという印象もありますけれども、実は衝撃的な事件でございまして、国民の怒りはまさに頂点に達しているのではないかというふうに思います。
 やはり昨年の今ごろ、大蔵省の中島さん、肩書は大蔵省の所長さんですね、実はこのときにいわゆる退職金の扱いの問題が議論になりまして、言ってみれば在職中に公務員として刑事事件になりということで、依願退職をしても、国家公務員退職手当法第十二条の二というのがございまして、これは言うまでもないと思うんですけれども、「退職した者に対し一般の退職手当等の支給をした後において、その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたときは、その支給をした一般の退職手当等の全部又は一部を返納させることができる。」、こうあるんですが、「禁錮以上の刑に処せられたとき」ということであり、今の時点で言いますと、法的にはこの岡光前次官というのは通常の退職手当を払う、そういうような運びになるわけですね。
 昨年も大蔵省の中島前所長が問題になったわけですが、実はそのときに当時の大蔵大臣がこれは法的にも非常に問題がある、そして当時の中山総務庁長官が検討しますということを発言している記事がございます。
 このことについて、検討して今日に至っている、法改正していないわけですから、検討したけれども難しかったのかどうかということも含めてお聞かせいただきたいと思います。
#44
○政府委員(菊池光興君) 昨年の時点におきまして、懲戒免職を経ずに退職した、退職手当法上は退職手当受給権が発生するわけでございますけれども、退職手当はその後の経過を見るということで支払わなかったわけでございます。支払わなきゃならぬか、こういうことで当時の大蔵大臣と中山総務庁長官が話をされてちょっと相談を受けられた。そのときに、検討してみようということを言われたことがどうもファクスか新聞かに制度改正というような話で伝わったわけでございます。
 実態としては、私ども事務方で検討しまして、制度的に支払わないということについてはなかなか難しい、受給権を消滅させるということは制度的には難しいということで、起訴されて禁錮以上の刑に処せられた場合ということが必要でございます、こういうことになったわけでございます。
 ただ、そこの部分についてはもう少し様子を見る必要があるというようなことがありまして支給をしないでいて、それでことしの二月に退職手当の支給については返上するということになって落着したというような経緯があるわけでございまして、そういうことと私ども承知しております。
#45
○齋藤勁君 禁錮以上の刑に処せられたというときでないと確かに難しいのかなというのが法的な部分ではあると思うんですね。しかし、国民感情からいいますと、これは納得できないということが当時もあったし、今もあろうと思うんですね。これから多分出てくると思うんですね。
 それから、時間もありませんのでまとめて言いますが、先ほど猪熊委員の御指摘で、新しい綱紀粛正に関する物差しづくりという話がございました。昨日までの本会議では明確に新しい法をというふうに言っておりませんが、要はいろいろあった、たくさんあったけれども、しかし実効が上がらなかった、今さら何かA、B、C、いろんなルールをつくってなんというのは子供だましみたいではないかというような気がします。でも、実効が上がっていないことは事実なんですから。
 既に複数の政党がこの倫理法ということを、与党の中でもこれは出ているわけですから、少なくとも今そのことを目指して総務庁長官のもとに各省庁から集められているさまざまな案も含めて取り組んでいくんだという決意がないと、退職金の返納問題の検討もそうですが、一年たったけれども、検討したけれども何にもなかったと、今度も新しい物差しづくりをしたけれども、ほかの今までの法令や規則をちょっといじればいいんだとかそういうことでは、私は国民感情として納得できないというふうに思いますので、やはりこれについては明確な考え方を示していただきたいと思います。
 梶山官房長官もお見えになりましたので、官房長官、総務庁長官それぞれお二方から、ぜひ再度この綱紀粛正に向けまして新たなルールづくりをしていくということについての決意を示していただきたいということで御答弁いただきたいと思います。
#46
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほど猪熊議員にも答弁をいたしたと思いますが、今私どもの作業としては、とにかく従来のものでは効果が上がらなかった、だから効果を上げ得る有効な方法を考えなきゃいけないと。それで、先ほどもお話のあった、抽象的ではなくて具体的ないろいろなケースについても、こういうときはこうだというようなことの物差しをひとつつくるべきであり、そしてそれに対してはそれぞれの役所の中に何らかの形のチェック機能を設けるようにすべきであり、そして万が一それを犯した場合にはペナルティーをかけるということを考えなきゃいけない。
 そういう中で、先ほども申し上げておりますが、必ずしも法律になじまないいろいろのこともあると思いますから、今法律ありきではなくて、いろいろの物差しをつくって実効が上がっていけばいいわけで、しかしそれが実効が上がらないものがあるとするならば、この部分については法律でやるかということが出てくるのではないかなというふうに私は思っております。決して法律をつくらないとかそういうことではなくて、法律になじまないものはやっぱり別にやるべきであり、法律で規制をしなきゃならないものがあればそれは法律をつくっていく、こういうことではないかと思っているわけであります。
#47
○国務大臣(梶山静六君) 担当の武藤長官からお話があったとおりでありますが、いずれにしても公務員の綱紀の問題はすぐれて個人の資質ないしは心の問題あるいは生活態度の問題であります。さりとて、実効のある対策がとれないかどうか、これはそれぞれが今苦心をいたしているところでありますが、私が一番恐れるのは、どんなことでもやろうと思えばやれるかもしれません。しかし、大半の方々が善良に公務員の精神に基づいてやっているのに、それにまで全部網をかけて、どちらかというと消極的にしてしまうことが国民の奉仕者としていいのかどうなのか。私は事が起きれば厳罰にという思いがあります。しかし、さりとて全部に網をかけることが果たしていいのかどうなのか。
 ですから、私は、それぞれの省庁、任務が異なる場合もありますから、その省庁の置かれている特殊な事情を勘案しながら各省ごとにそれぞれの内規的な規定をつくり、あるいはむしろ内部から盛り上がるような行動、決意ないしそういうものがみずから行われて、内から出る力がそういうものを排除するという思いにならなければ、幾ら網をかけて厳罰体制をとってみても、しょせんやろうと思う者はやるわけであります。内部のチェックないしは盛り上がるような使命感、こういうものが横溢しないといずれにしてもこの問題を避けることはできない、そういう感じがいたして、これから総務庁とも相談をいたしながらもろもろの問題に対処してまいりたい、このように考えます。
#48
○齋藤勁君 終わります。
#49
○笠井亮君 先ほど来議論になっておりますように、一連の一部の官僚、幹部職員の問題に示された政官業の癒着と腐敗という実態を目の当たりにして今国民は憤激をしているということで、まさに国民は政府と国会の対応について大変に注目している、そういう状況ではないかと思うわけでございます。昨日、岡光前次官が逮捕されましたけれども、まさに今回の汚職でも一番の被害者といえば国民であり、そして第一線でまじめに働いている福祉労働者の方々、そして多くの一般職員の方々だと思うわけであります。そういう点で、そういうまじめに働いている多くの一般職員の給与改善については、〇・九五%という形で全く不十分でありますけれども、それはそれとして直ちに実施すべきだし、他方でそういう職員の方々への手当の切り下げあるいは引き下げということについてはやるべきでないというふうに思うわけでございます。
 その点で、まず寒冷地手当の引き下げの問題について伺いたいと思います。
 今回の法案の中での手直しで、手当の水準が平均で現行の約八二%に引き下げられるということになっております。このために最も大きな被害をこうむる北海道の甲地ですか、それの世帯主で扶養なしという区分の職員では平均で現行より約三万円以上の減収となるということが明らかになっているわけですが、これは実質的に収入が目減りしている職員の生活に深刻な打撃を与えるものになるというふうに思うわけであります。
 そもそもこの手当は寒冷地での生活のために必要となる経費を補うという趣旨で支給されているものでありまして、人事院が引き下げの理由としているような民間の支給実態との比較だとか、あるいは基本的な生活の実態を無視したような単純な支出内容の比較によって、それに基づいてこの手当を切り下げるというのは、この間も繰り返し議論がありましたけれども、私は妥当性がないというふうに考えますが、その問題について総務庁長官にお考え、御見解を伺いたいと思います。
#50
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は残念ながら同じ考え方ではないのでございますけれども、今度の寒冷地手当は、人事院が勧告なさいました内容を聞いておりますと、要は従来は定率で上げておったのを、今度は定額といいますか、扶養家族が多ければそれだけ多い額になるし、扶養家族がなければそれだけ減っていく、こういう考え方でなされたと私は聞いておるわけでございます。
 今お話しの寒冷地手当というのはそれぞれの寒冷地にある公務員の家庭を維持していくための手当でございますから、そういう点からいけば、やっぱり扶養家族が多いところが多くなり扶養家族のない方が少なくなるというのは私は合理的な考え方ではないかと思います。確かにトータルとしては結果的に引き下がるのかもしれませんけれども、それはトータルの数字であって、そういう形に寒冷地手当が直されたことは、私はかえってそれは合理的な考え方に基づいたものではなかろうかと受けとめているわけであります。
#51
○笠井亮君 長官、今最後にトータルとしては引き下げられることになるかもしれないとおっしゃった。まさにその点で、仕組みを変えたとかそういういろんな問題はあるにしても、結果としてかなりの公務員の方々が引き下げになるということが問題だと思うんですね。
 それで、国家公務員の手当を当事者が納得し得るような根拠なしに改悪するとすれば、それは大問題だということを申し上げたいと思いますし、そういう政府の姿勢がさまざまな問題を引き起こしてくるということを率直に申し上げたいわけです。
 勧告に対する閣議決定が九月二十日に行われまして、それを受けて自治省が、同日、事務次官名の通達というのを出されております。各都道府県知事と各指定都市の市長あてに、この寒冷地手当の問題で「地方公共団体の寒冷地手当についても同様の措置を講ずること。」ということで、国の措置、制度の改定に伴ってそれに従うようにという通達を出されているわけであります。
 その問題で具体的に伺いたいんですけれども、そういう通達もある中で、札幌市の人事委員会がその通達に先立って九月六日の勧告で、積雪寒冷地にある本市の特殊性、制度の趣旨等を考慮しつつ、支給水準等について慎重に検討していく必要があるということで、国にそのまま準拠した実施をやるということについては見送る勧告を行ったわけであります。それに対して、調べてみますと、自治省は札幌市に対して特別交付税の削減をほのめかすようなことがあったということだとか、十月七日には札幌市の担当者が東京に呼ばれて、市の独自の調査をするのは無意味だ、すぐに勧告をし直すように働きかけてもらうことが必要だとか、人事委員会の勧告は出てしまったから今度は市長の考えで独自にやってもいいんじゃないかという形で言われたということがあるわけであります。このように、人事委員会やその勧告があろうとなかろうと、人事院が勧告したんだからそれに従うようにということになりますと、これは大変な問題になるというふうに思うわけでありますが、総務庁長官、こういう事実を札幌市について把握をされているかということと、それから札幌市当局の方はこれに対して人事委員会の勧告は尊重すべきだという態度をとっているということなんですが、そういう市当局の態度はそれはそれとして当然だと思うんですけれども、この問題について長官はいかがお考えでしょうか。
#52
○政府委員(菊池光興君) お尋ねの件につきましては、地方自治体と自治省との関係でございますので、総務庁長官にお尋ねいただいても、総務庁は実態を把握しているところではございません。
#53
○笠井亮君 今全体として人事院勧告があり、国としてはそれを受けて法案をつくっていくという中で、自治省は自治省として地方もそれに従うようにという流れの中の問題ですから、これはぜひ総務庁長官にもこの事実を調べていただきたいと思うわけであります。
 総務庁は人勧尊重ということを言われますよね。そういうふうな態度をとられるのであれば、市当局と人事委員会あるいは県当局と人事委員今の関係でも尊重という関係は当然だと思うわけでありまして、そこが狂ってくるとまた大きな議論になってくると思うわけであります。
 そういう点で伺いたいんですけれども、寒冷地手当の議論の中で私たちもさんざんやらせていただきまして、人事院は四国や九州の家計調査との比較あるいは民間との比較ということを根拠とされてやってきたと思うんです。要するに、国家小務員の中での配分の問題だということで理解をしてもらいたいということがあったと思うんです。そういう中で引き下げが提起されたと。
 今の問題とかかわるんですけれども、それを地方自治体に対して準拠しろという形で自治省を通じていくわけですけれども、機械的に当てはめてもいいものかというふうに私は思うわけであります。日本全体にいる国家公務員の手当の問題あるいは寒冷地にかかわるところの手当の問題と、札幌市の職員の手当を決めるのと、これはもう当然状況が違うのは明らかだし、それぞれの労使関係もある。札幌は札幌として調査して判断するのは当然だというふうに私は思うんです。
 人事院に伺いたいのは、勧告が出て、それに基づいて政府が検討をして閣議決定して、そして自治省が通達を出すという流れになっているわけですけれども、勧告を出されるときに地方公務員のことまですべて自治体に準拠させることを前提にした実態調査などをされているのかどうか、その事実について伺いたいんです。
#54
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。
 御承知のとおりに、人事院の所管といたしますのは一般職の国家公務員の給与制度でございます。したがいまして、地方自治体について準拠されること等を前提として調査をしたりしているのかという御質問でございますが、それは人事院の所管以外のことであるとお答えせざるを得ないわけでございます。
 なお、この寒冷地手当の見直しに当たりましては、御承知のとおり昨年から問題でございまして、今までいろいろと各省庁及び関係団体等に対しまして見直しの検討を行う旨を表明して以来、各省庁、関係団体の意見を十分にお聞きしながら検討を進めてきたところでございますので、そういう意味で、人事院の意図と申しますか、そういうのは関係各省庁あるいは関係団体を通じて地方にも伝わっているのではないか、そういう点でお答えを申し上げるほかないわけでございます。
#55
○笠井亮君 今、総裁が答弁されたように、まきに人事院の勧告はそういう形で地方にまで準拠されるということを前提にした調査をして勧告されているんじゃないということがはっきりしたと思うんです。
 そうなりますと、人勧を受けてそのままそれを地方に持ってきて準拠させるということも含めて、まさに地方の経済だとか、今のやり方でいけば、この寒冷地手当の問題をとりましてもさまざまな影響が甚大なものとして起こってくると言わざるを得ないと思うわけであります。
 実際、人事院勧告を受けて福島県の人事委員会も、人事院が総合的勘案ということを言われているけれども、今まで言ってきたこととそういう点では変わらないじゃないか、明確な削減の根拠がないので非常に困ったものだということを言われているようでありますけれども、そういうことも含めてこの影響をとらえていかなきゃいけない問題があると思います。
 そこで、官房長官にこの問題の最後に伺いたいんですけれども、今回の寒冷地手当の切り下げによって地方や地域の経済とか寒冷地のさまざまな問題に影響してくるということが既に指摘もされておりますし、官房長官も御承知のとおりだと思うんですけれども、具体的には地方交付税交付金だとか措置費だとかあるいは生活保護費だとか、そういう問題にさまざま影響が起こるということが危惧をされているわけであります。
 今回の寒冷地手当の引き下げをこの法案に基づいてやるということで、それを機械的にそういう部分にも連動させて、さまざまな地方に係る経費について削減するようなことがあってはならない、それだけ影響が大きいわけですから。しかも、先ほど申し上げたように、単純に準拠できるものじゃないということも明らかになっているわけでありますし、地方分権を政府の立場としては推進すると言われている、そういう立場からも機械的に連動させないということについてどのようにお考えか、御答弁をお願いしたいと思います。
#56
○国務大臣(梶山静六君) 論拠法律やその他を私は詳しく知りませんけれども、人事院の勧告というのはいわば公務員の労働に対する対価を、あとう限り民間との較差をなくするために、その立場に立って勧告をされているものだというふうにまず理解をいたしております。ですから、いろいろな財政事情その他が苦しくとも、あとう限り人事院の勧告は尊重しようという立場を今日までとってきております。この問題には各省それぞれの意見がありましたけれども、最終的には人事院の勧告どおりにいたそうという決定をし、そして今回提案をいたしておるわけであります。その点はまず御認識をいただきたいと思うのであります。
 そして、その寒冷地問題がどういう問題であるか。私のうろ覚えの記憶によれば、例えば支給日については今まで夏に買い入れをしたものを冬までとっておくために夏に支給する根拠があったやに聞いておりますが、今はそういうことは実際としてはない。ですから、なるたけ合理的なものに直していこう、現実に合ったものに直していこうという努力がなされたものというふうに私は理解をいたしたわけであります。ですから、寒冷地手当が全面的になくなったというよりは、むしろその部分だけに対する計算の仕方が変わったというふうに私は理解をいたしております。
 それからもう一つは、これが地方自治体にどういう影響を及ぼすか。人事院の勧告がそのままストレートに地方自治体にどう影響するかは別な問題でありますが、公務員である国家公務員、地方公務員それぞれ独自性はあるものの、まるきり枠をはみ出してやれるものではない。そういうことはお互いに理解をし合ってやらなければなりませんから、一義的にお答えとして言うのは、地方自治体を拘束はいたしませんよ、しかし大きな枠内でお互いの協調を図っていきましょう、そう言わないと成り立たないと思いますので、私の極めて常識的な判断でありますが、お答えになるかどうかわかりませんが、御要望でありますからお答え申し上げました。
#57
○笠井亮君 地方公務員法でも地方公務員の給与についてどういうふうに決めていくかということが規定されているわけですし、今おっしゃったように全く無縁のものではないのは明らかであります。しかし同時に、人事院勧告が出たから地方においてもそのとおりのことをやれというような自治省の通達があるとすれば、それはまた違った問題になると思うんです。既にこの問題では八百五十にも及ぶ地方議会が意見書を上げているように、公務員だけの問題じゃなくて、その地域全体の問題であるということも含めて、こういう手当の改悪はすべきでないということを重ねて強調して、次の問題に移りたいと思います。
 もう一つは、研究員調整手当の問題なんですが、従来の筑波研究学園都市移転手当が期限切れになるに当たって、現地の公務員労働者からは、これにかわる新手当の内容を全員を対象にした東京並みの一律支給、異動保障を三年とするように求める声が出ております。九月の本委員会でも私は申し上げましたが、この間の経過からも当該職員の生活実態からも当然の要求だと思うわけであります。あのときに人事院総裁は、関係団体、関係者と十分協議して、研究員調整手当、新しく設けるものについて協議もするというふうに言われたわけでありますが、実際に現地ではさまざまな不安も起こっております。
 具体的に一点だけ聞きたいんですけれども、国土地理院というのがあります。筑波にございますが、先日、当局の方に業務研究内容を伺いました。人事院は、対象機関について、先端的な問題とか、その研究が非常に重要だということも含めて検討するという四つの基準、二十項目というのを挙げられましたが、国土地理院はその点でまさに地震予知のためのGPSの連続測量だとか、地球全体の表面のプレートの動きを調べることを含めて大事な研究をやっている機関であり、地震予知連の中でも大事なことをやっていると思うんです。人事院が言われているような考え方からすれば、当然この国土地理院も研究員調整手当の機関指定の対象になり得るというふうに考えてよろしいんでしょうか。端的にお願いします。
#58
○政府委員(小堀紀久生君) 研究員調整手当の創設の趣旨は、これは我が国の科学技術の振興が重要課題とされていること等を考慮いたしまして、研究員の人材確保やあるいは研究の活性化を図るということで創設をお願いしているものでございます。
 国土地理院につきましては、業務の内容に一部研究的なものがあるというふうに私どもも伺っておりますけれども、実質は行政職としておやりになっているわけでございますので、私どもといたしましては研究員調整手当の支給対象にするつもりはございません。
#59
○笠井亮君 確かに国土地理院は区分からいえば行政職ですべて構成されているということなんですけれども、やっぱり国民の命と安全とか暮らしを守る上で本当に大事な、基礎研究だけじゃなくて先端研究もやっているということで、今おっしゃったように研究的な部分も担っているわけですね。しかも、採用者についても大半は地球物理とかあるいは地質学、数学を修めているわけでありますから、研究職以上に大事な研究を一方でやりながら行政面もやっているという点で、今回の法案を見ますと、十一条の八の権衡職員として、教育職だとか指定職ですか、二項で設けていますが、そういうことをやるのであれば、当然こういうことも検討に入れるべきだと私は考えるわけであります。
 最後に、官房長官に、この前の宿題で、私の方から伺いそびれたというか、時間の関係でできませんでしたので、大局的な大所高所の話なんですけれども伺います。
 筑波手当を廃止して研究員調整手当を設けるということがあるわけですが、大きな意味でいいますと、科学技術基本法というのができて、橋本総理を議長とする科学技術会議が決定した科学技術基本計画ということで、拝見しますと、科学技術創造立国を目指すということで将来にわたってのプランも立てられるということになっていると思うんです。そういう点で見ますと、政府の立場から見ても、国策としてつくった筑波研究学園都市の位置づけというのは増しこそすれ低下することはないと思うんです。
 今一例だけ挙げたんですけれども、研究学園都市の中で、職分からいくと国土地理院は大事なことをやって科学の振興にも役立つというふうに私は思うんですが、全員が行政職だから今回の対象には入らずに手当がもらえないという形になるわけです。ますます筑波研究学園都市の役割が大きくなるときに、研究者の処遇改善あるいはそこに働いている公務員の処遇を充実させなきゃいけない、まさにそういう時期じゃないかと思うんですけれども、茨城出身でもあられる官房長官の見解を、筑波の状況についてよく御存じだと思いますので、最後に一言伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(梶山静六君) 茨城が辺地でなくなって、前は筑波というと皆さん行くのを嫌がったんですが、最近は大変喜んで行っていただいております。それから、民間の各種の研究機関もぜひあそこに立地をしたいという希望があることは大変うれしいことであります。
 そして、今、橋本総理の言葉を引いて、日本を創造的な科学技術立国にしなきゃならない、これは当然なことでありますが、私がよくわからないのは、これと国土地理院の方々の給与か何かの問題について、その手当がつかないのは科学技術立国にもとるのではないかというのはちょっと論理の飛躍だという気がするんですが、どうでしょうかね。
 今、科学技術の振興は一生懸命やっているんですよ。それをやらなければだめだというんじゃ、これはちょっと本末転倒だという気がするのです。質問の意味がわからないんですが、科学技術立国を総理が言ったから、それを引いて何とかというのは、これ説明してください。私にはよくわからないんだけれども、国土地理院のどこをどうすれば科学技術立国になるのか、ちょっとお教えを願いたい。
#61
○委員長(鎌田要人君) いいですか。もう時間が来ました。
#62
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。新しい統一会派でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、私の方からは、もう既に先ほど来幾つかの議論がなされてきておりますので、できる限り重複する質問は省略をして、審議促進に多少とも協力したいというふうに思います。
 まず、基本的な立場として、今回の人事院勧告は例年どおりこの夏に出されたわけですけれども、幾つかの事情がありまして給与法案の審議がやっときようになったということで、時期的には大変おくれてきております。そういう意味では、ぜひとも私としては一日も早くこの法案の成立を強く求めたいと思いますし、さらに現実的な問題としては、ぜひとも年内差額支給が可能となるように関係する部局の皆さんの今後の御努力を強く要請しておきたい、こんなふうに思います。
 その上で、関連して幾つか御質問させていただきたいと思いますが、まず最初に総務庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 実は、今回の人事院勧告の完全実施に当たる閣議決定に至る過程において、例えば一部管理職にかかわる部分については返上あるいは凍結したらどうかというような動きもあったやにお聞きしております。しかし、私は率直に申し上げて、こういう考え方についてはいささか疑問であります。
 きょうもいろいろ御議論がありました。公務員の問題を議論いたします場合に、特に昨今、どうしても一部官僚の不祥事件の問題と絡めた議論になったり、あるいは無理やり行政改革の問題と結びつけたような議論になったり、そういう傾向が多く見受けられると思います。誤解のないように申し上げますが、私自身は、例えば不祥事件に関して言えば、司法のレベル、行政のレベル双方で徹底した実態の解明と、その結果に基づいてしかるべく責任を追及し、あるいは処分をしていくということが求められることは言うまでもありません。さらに行政改革について言えば、これからの行政サービスの仕組みをどのような形に組み立て直さなければいけないか、こういう観点で大所高所からの論議がぜひとも必要だろうというふうに思っています。
 そのことをあえて強調した上で、しかし今回の給与法の改定の問題とこれらの問題とをストレートに結びつけるような議論はいかがなものかというふうに思います。公務員の賃金等にかかわる人事院勧告を尊重してその早期完全実施を目指すということと、今申し上げたような幾つかの昨今の課題とは正確に言えば次元の異なる問題であるというふうに受けとめ、給与の問題は給与の問題できちんと論議をし、きちんと答えを出すという態度が必要ではないかというふうに思います。
 そういう立場から、私から改めて申し上げることもありませんが、この人事院勧告制度というのは公務員の労働基本権制約の代償措置でもありますし、もちろん管理職を含めて公務員全体に、さらには公務員に準じた形でさまざまな賃金決定の仕組みをしているところもありますので、それらの働く人たちのことを念頭に置きながら、その勧告は最大限尊重されるべきである、そして可能な限り早期完全実施を目指すべきである、こういうふうに考えておりますが、この点について改めて総務庁長官のお考えをお尋ねしておきたいというふうに思います。
#63
○国務大臣(武藤嘉文君) 今御指摘のとおり、この人事院勧告は公務員の労働基本権を制約しておる代償措置の根幹でございますから、私ども総務庁といたしましても、従来どおり、人事院勧告があればそれが早期にかつ完全に実施されるように努力をしていくというのは当然のことだと思っております。
#64
○朝日俊弘君 これまでもそのようなお考えで御努力をいただいてきたと思いますので、ぜひ引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。さて次に、ちょっと来年の話をするのは気が早いかもしれませんが、現在、来年度予算編成の作業が本格化しているという時期でございますので、来年度の公務員賃金改定の実施をできるだけスムーズに行うためにも、既に各省から概算要求という形で出されていると思いますけれども、来年度予算案の中に一%程度の給与改定財源をぜひとも計上しておく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点についてまず大蔵省のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
#65
○政府委員(溝口善兵衛君) 給与改善費は公務員の給与改定に備えるための財源措置でございまして、おっしゃるとおり、八年度予算では一%分が計上されているわけでございます。
 来年度どうするかにつきましては、現在、予算編成作業中でございまして確定しておりませんけれども、年末までに確定されることになると思います。財政事情等を総合的に勘案いたしまして、適切にその対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#66
○朝日俊弘君 今適切に検討を行っていくというお答えでございますが、ぜひ積極的に検討を行っていただきたいと私の方からも強く申し上げておきたいと思います。
 それでは最後に、再度総務庁長官に、ただいま大蔵省の方からも適切にというような御答弁があったわけでございますが、大蔵省は大蔵省として鋭意御努力をいただくとして、その一方でぜひ総務庁としても今後大蔵省との折衝を含めて最大限の御努力を要請したいというふうに思います。この点について総務庁長官の御決意をお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
#67
○国務大臣(武藤嘉文君) 今、主計局次長が御説明を申し上げたとおりでありまして、これから予算編成をしていくわけでございます。そういう中で、これはやっぱり財政当局が一体どういう形の予算をつくったらいいのかという観点から進めていくわけでございます。
 それで、これは私どもがとやかく言うべきことではないのでございますが、総務庁の従来からの姿勢といたしまして、正直、例えば給与改善費がゼロであった、計上されなかったときもありますけれども、そういうときにおいても人事院勧告がなされた場合にはそれを完全実施してもらおう、こういう努力をして完全実施してきたわけでございます。
 どうかそういうことで、財政当局の決めることまで私がとやかくここで申し上げられませんのであれでございますが、どういう形になろうとも、来年になって平成九年度で人事院勧告が出た場合、それが完全実施されるように努力をしてまいります。
#68
○委員長(鎌田要人君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の修正について笠井君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。笠井君。
#69
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その提案理由と趣旨について御説明申し上げます。
 提案の理由の第一は、政府案が二年連続して一%未満という、全く職員の生活改善につながらない給与改定となっている一方で、寒冷地手当の水準を引き下げることとしていることから、この手当の受給職員の生活に深刻な打撃を与えるためであります。
 最も大きな影響をこうむる北海道甲地の世帯主・扶養なしの職員では、経過措置を終えた後に平均で現行より三万円以上、場合によっては十万円以上の減収となります。これに対して修正案は、公務員労働者とその家族の生活を擁護する立場から、現行の寒冷地手当の水準を維持しようとするものであります。
 提案の理由の第二は、人事院がこの手当の引き下げの理由としている寒冷生計増嵩費が減少しているという説明に根拠がないことです。
 人事院の試算に用いられている総務庁の家計調査は、昨年春の本委員会での我が党の高崎委員の質問で実態とかけ離れていることを指摘したところであり、その後この手当の性格になじまない官民比較を人事院が持ち出していることも容認しがたいものです。
 提案の理由の第三は、この手当の引き下げが地方公務員や多数の準拠職員の生活を直撃し、支給対象地域の経済にも大きな打撃となるものであるからです。
 この計画の表面化以降、既に八百五十近くの地方議会で決議が上がっていることからも明らかなように、寒冷地手当の引き下げ反対は広範な世論となっており、政府はこれに謙虚に耳を傾けるべきであります。
 次に、修正案の概要を申し上げます。
 政府提出の一般職職員給与法等改正案の第二条及び第三条の改正規定及び附則のうちのこれに関連する部分を削除し、現行の寒冷地手当の支給水準を維持しようとするものです。
 なお、本修正案に要する費用は約五十五億円の見込みです。以上が修正案の提案理由とその概要であります。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
#70
○委員長(鎌田要人君) ただいまの笠井君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。武藤総務庁長官。
#71
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいまの一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対でございます。
#72
○委員長(鎌田要人君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 初めに、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、笠井君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(鎌田要人君) 少数と認めます。よって、笠井君提出の修正案は否決されました。次に、原案全部の採決を行います。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#74
○委員長(鎌田要人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#75
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#76
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。鈴木君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木正孝君。
#77
○鈴木正孝君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 現下の厳しい財政事情及び社会状況にかんがみ、国民の理解を得るため、政府並びに人事院は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。
 一 更なる公務能率及び行政サービスの向上並びに一層の公正な公務運営の確保に努めること。
 一 国民の公僕たる公務員は、国民から疑惑を招くことのないように一層の綱紀の粛正に努めること。
 一 行政経費を抑制するため、その経費の見直しと合理化等格段の削減に努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#78
○委員長(鎌田要人君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(鎌田要人君) 多数と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武藤総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤総務庁長官。
#80
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいまの一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨に沿いまして努力してまいりたいと存じます。
#81
○委員長(鎌田要人君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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