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1996/12/05 第139回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第139回国会 内閣委員会 第1号
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1996/12/05 第139回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第139回国会 内閣委員会 第1号

#1
第139回国会 内閣委員会 第1号
本国会召集日(平成八年十一月二十九日)(金曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次のと
おりである。
  委員長 伊藤 忠治君
   理事 赤城 徳彦君 理事 岸田 文雄君
   理事 岸本 光造君 理事 御法川英文君
   理事 石井 啓一君 理事 倉田 栄喜君
   理事 金田 誠一君
      小川  元君    大野 松茂君
      大村 秀章君    佐藤 孝行君
      菅  義偉君    虎島 和夫君
      野田  実君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    渡辺 博道君
      石田幸四郎君    鹿野 道彦君
      鈴木 淑夫君    中野 寛成君
      萩野 浩基君    畑 英次郎君
      山本 幸三君    池端 清一君
      木島日出夫君    瀬古由起子君
      深田  肇君    遠藤 武彦君
―――――――――――――――――――――
平成八年十二月五日(木曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 伊藤 忠治君
   理事 赤城 徳彦君 理事 岸田 文雄君
   理事 熊代 昭彦君 理事 御法川英文君
   理事 石井 啓一君 理事 倉田 栄喜君
   理事 山本 幸三君 理事 金田 誠一君
      石崎  岳君    小川  元君
      大野 松茂君    大村 秀章君
      栗本慎一郎君    菅  義偉君
      虎島 和夫君    野田  実君
      桧田  仁君    平沢 勝栄君
      渡辺 博道君    石田幸四郎君
      鹿野 道彦君    鈴木 淑夫君
      中野 寛成君    萩野 浩基君
      畑 英次郎君    池端 清一君
      木島日出夫君    吉井 英勝君
      深田  肇君    遠藤 武彦君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)梶山 静六君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 武藤 嘉文君
 出席政府委員
        人事院総裁   弥富啓之助君
        人事院事務総局
        管理局長    武政 和夫君
        人事院事務総局
        給与局長    小堀紀久生君
        人事院事務総局
        職員局長    佐藤  信君
        総務政務次官  野田  実君
        総務庁人事局長 菊池 光興君
        総務庁行政管理
        局長      陶山  晧君
 委員外の出席者
        自治省行政局公
        務員部給与課長 浦山 紘一君
        自治省財務局財
        政課長     瀧野 欣彌君
        内閣委員会調査
        室長      新倉 紀一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十九日
 辞任         補欠選任
  岸本 光造君     熊代 昭彦君
十二月五日
 辞任         補欠選任
  佐藤 孝行君     石崎  岳君
  虎島 和夫君     栗本慎一郎君
  瀬古由起子君     吉井 英勝君
同日
 辞任         補欠選任
  石崎  岳君     佐藤 孝行君
  栗本慎一郎君     虎島 和夫君
  吉井 英勝君     瀬古由起子君
同日
 理事菅原喜重郎君十一月二十五日委員辞任につ
 き、その補欠として山本幸三君が理事に当選し
 た。
同日
 理事岸本光造君十一月二十九日委員辞任につ
 き、その補欠として熊代昭彦君が理事に当選し
 た。
    ―――――――――――――
十一月二十九日
  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を
 改正する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第二号)
十二月三日
 市民公益活動を行う団体に対する法人格の付与
 等に関する法律案(河村たかし君外四名提出、
 衆法第四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出第一号)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第二号)
     ――――◇―――――
#2
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に
      熊代 昭彦君    山本 幸三君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○伊藤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国政に関する調査を行うため、本会期中
 行政機構並びにその運営に関する事項
 恩給及び法制一般に関する事項
 公務員の制度及び給与に関する事項
 栄典に関する事項
以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#6
○伊藤委員長 次に、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正す
る法律案の両案を一括して議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。武藤総務庁長官。
    ―――――――――――――
  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
  正する法律案
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#7
○武藤国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
 本年八月一日、一般職の職員の給与の改定及び寒冷地手当の改定に関する人事院勧告が提出されました。政府といたしましては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般職の職員の給与に関する法律、国家公務員の寒冷地手当に関する法律等について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第でございます。
 次に、法律案の中身につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 最初に、一般職給与法の改正関係について申し上げます。
 第一に、俸給表のすべての俸給月額を、人事院勧告どおり改定することといたしております。
 第二に、初任給調整手当について、医師等に対する支給月額の限度額を三十万七千五百円に引き上げる等のほか、科学技術に関する高度な専門的知識を必要とし、かつ、採用による欠員の補充が著しく困難であると認められる官職に新たに採用された職員に対し、支給月額の限度額を十万円として、新たに初任給調整手当を支給することといたしております。
 第三番目に、扶養手当について、満十五歳に達する日後の最初の四月一日から満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある扶養親族たる子に係る加算額を、一人につき月額三千円に引き上げることといたしております。
 第四に、新たに研究員調整手当というものを設け、研究活動の状況、研究員の採用の状況等から見て人材の確保等を図る特別の事情があると認められる試験研究機関に勤務する研究員等に対しまして、俸給、俸給の特別調整額及び扶養手当の月額の合計額に百分の十以内の割合を乗じて得た額を月額として支給することといたしております。
 第五に、通勤手当につきまして、交通機関等を利用する職員に対する全額支給の限度額を月額四万五千円に引き上げること等といたしております。
 第六に、筑波研究学園都市移転手当を廃止することといたしております。
 第七に、宿日直手当について、通常の宿日直勤務に係る支給額の限度額を勤務一回につき三千六百円に引き上げる等、所要の改善を図ることといたしております。
 第八に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、その限度額を日額三万八千五百円に引き上げることといたしております。
 次に、寒冷地手当法の改正関係について申し上げます。
 第一に、寒冷地手当の基準額につきまして、基準日における職員の世帯等の区分に応じ、世帯主である職員のうち、扶養親族が三人以上ある職員にあっては十六万三千七百円、扶養親族が一人または二人ある職員にあっては十三万六千五百円、扶養親族のない職員にあっては八万二千九百円を、その他の職員にあっては五万九千二百円を超えない範囲内で地域ごとに内閣総理大臣が定める額に改定することといたしております。
 第二に、寒冷地手当の基準額の改定に伴い、寒冷地手当の支給額の最高限度額を廃止することといたしております。
 第三に、防衛庁職員への準用規定につきまして、所要の改正を行うことといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日、この法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することといたしております。
 引き続きまして、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました
 一般職の職員の給与改定にあわせて、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣等の特別職の職員の俸給月額を、一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 第二に、特別職の職員である常勤及び非常勤の委員等に支給する日額手当の限度額を、一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日等について規定することといたしております。
 以上が、これらの法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
 なお、この際、一言申し述べさせていただきたいと思います。
 昨日、事務次官として重い責務を担っていた者が収賄の容疑で逮捕されたことは、まことに遺憾であります。
 私といたしましては、既に一連の不祥事に関し、真に実効ある綱紀粛正の方策について、事務当局に検討の指示を行っているところであります。早急に結論を得て、各省庁においてこれを厳正に実施することにより、このような不祥事の再発防止を期してまいりたいと考えております。
 今回提出をいたしました法律案につきましては、以上を御賢察の上、御賛同いただきますよう重ねてお願いを申し上げます。
#8
○伊藤委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○伊藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井啓一君。
#10
○石井(啓)委員 おはようございます。新進党の石井啓一でございます。
 冒頭、梶山官房長官にお尋ねをいたしますが、ただいま武藤総務庁長官から、昨日の岡光前事務次官の逮捕につきましての所感がございました。長官おっしゃいましたように極めて重大な事件でございまして、国民の行政に対する不信は、もう頂点に達している。これは、我々本当に真摯に受けとめて厳しく対応していかなければならない、このように痛感する次第でございますが、まず、官房長官としての前事務次官の逮捕についての所感及び橋本内閣としての綱紀粛正への取り組みについて御答弁をいただきたいと思います。
#11
○梶山国務大臣 ただいま武藤総務庁長官から冒頭話がございましたように、大変ショッキングな出来事で遺憾のきわみと申すべきであります。
 一連の事件について、異例の事務次官会議を開いて、総理並びに私から厳重な、倫理綱領を、公務員としての倫理を守るように、そういう通達というか口頭の申し出しをいたし、今総務庁長官からもお話がございましたように、総理から総務庁長官に対して、いわばそういう精神的な訓戒だけではなくて何らかの実効ある措置があるかどうか、目下検討中であります。
 いずれにしても、逮捕者が出たということは、事のいわば真相の解明はまだ先とは言いながら、こういう事件が起きたことに極めて遺憾千万という思いがいたしますし、さらに綱紀の粛正に全力を挙げてまいりたい、このように考えます。
#12
○石井(啓)委員 また後ほどこの公務員の倫理に関しましては、武藤長官に詳しくお尋ねをいたします。
 それでは、続いて梶山長官にお尋ねをいたしますが、マスコミで報じられておりますいわゆる報復予算ということでございます。
 伝えられるところでは、十一月二十五日の自民党の役員会あるいは二十六日の役員連絡会では、小選挙区で新進党を応援した知事、市町村には予算を回す必要はないとか、あるいは新進党が勝った県の大型プロジェクトは予算配分を考え直すべきだ、こういうふうな意見が出ているというふうに報じられておりますし、また十一月二十七日の加藤自民党幹事長の記者会見では、報復予算はしないとは言いながらも、「熱心でなかったところを無視することはないが、限られた予算の中で個所づけなどは、より接触の度合いが強いところの意見が反映されることはあり得る」、実質的に報復を示唆するような発言をされております。
 言うまでもなく、税は、予算は国民のためのものでありまして、政党のものではないことはもちろんでありますし、またこのように批判勢力を強圧的に恫喝しようとする、こういう手法は民主政治を破壊するものにほかなりません。また、こういうあからさまな利益誘導政治は、政治改革あるいは行政改革の大きな流れに逆行するものでございます。
 先日、総理は衆議院本会議で御答弁をされたところでございますけれども、重ねてこのような選挙結果と絡めた報復的な予算編成について、官房長官の見解をただしたいと存じます。
#13
○梶山国務大臣 一昨日の衆議院本会議で総理が述べましたように、国の予算の配分、執行に当たっては、その政策目的等に照らし、厳正かつ公平な配分、執行が行われるべきことは当然であり、今後ともそのような観点に立って、配分、執行の適正を期してまいりたい、このように総理も述べておりますし、私も全く同感であります。
 私は、二十八日の午後の記者会見で記者の質問に答えまして、最近、新聞紙上その他にいわば報復予算ともいうべき言葉が散見されるけれども、そんなことは絶対ない。予算の決定それから執行は政府の事項でございます。そういうことはないということをぜひ御承知おきを願いたいし、私はその後も、数日前に青森の木村知事が私に突然の面会を求めてきて陳情を受けているという事実もあることも御承知おきを願いたいと思います。
#14
○石井(啓)委員 それでは、武藤長官にも同じ趣旨の御質問をしたいと存じますけれども、実は、十月二十二日付の中日新聞に、これは岐阜県版で、しょうか、「記者座談会」という記事がございまして、武藤長官が選挙中に岐阜市の集会にお出になった。武藤長官が「「野党の代議士が岐阜市から出たら、予算はやれない」と発言していた。いかにも、旧来の利益誘導のやり方で、問題に思ったよ。」こういう、記者座談会の発言でございますから事実関係ははっきりしないわけでありますけれども、長官のお立場になりまして、利益誘導といいますか、報復的な予算についてどうお考えになるか、御答弁をいただきたいと思います。
#15
○武藤国務大臣 今官房長官からも御答弁がありましたように、私ども政府の一員といたしまして、予算の執行に当たりましては、政策の目的に照らして、厳正にしてしかも公正な執行をしていかなければならない、こう考えております。
#16
○石井(啓)委員 わかりました。
 それでは、公務員の倫理の問題に戻りまして質問を続けたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、今回の岡光前厚生事務次官を初めとする厚生官僚の腐敗、この事件によって行政に対する不信は極めて高くなっている。この行政に対する国民の信頼を回復するためには、事件の真相解明、これを徹底してやることはもちろんのこと、根本的な再発防止策を講じなければならないことは言うまでもございません。
 政府においては、先ほど御答弁がございましたように、長官の御指示によって各省庁官房長会議を開いて綱紀粛正策を一カ月以内に策定する、このように伺っておりますけれども、政府委員にこれは聞きますが、長官の指示を受けて具体的にどのような取り組みをやっているのか、何をどのように検討しているのか、答弁を求めます。
#17
○菊池政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど官房長官からもお話ございましたが、去る十一月二十一日の事務次官会議に、異例な形でございますけれども、総理、官房長官直接御出席なさいまして、各省の事務次官に、綱紀の厳正な保持について、公務員の倫理観というような問題について公務員一人一人が深く自覚しろ、それで国民の信頼を戻すため最大限の努力を払う必要がある、こういうような訓示があったわけでございます。このような訓示を受けまして、私どもの総務庁長官からも、一カ月以内に綱紀粛正策というものを具体的なものを取りまとめろ、こういう御指示をいただいたわけでございます。
 大臣からの御指示の趣旨を私どもとして理解いたしますところを申し上げますと、綱紀の厳正な保持については公務員一人一人の自覚にまつ部分が大きい問題であるけれども、従来のように単に通達を出してその周知を図るというだけではなかなか効果が上がらない、こういう反省に立って真に実行される綱紀粛正の方策を検討しろ、こういう御指示であったというふうに理解して受けとめておるところでございます。
 現在、各省庁と連携いたしまして、二十一日、次官会議のありました当日の夕方でございますけれども、緊急の各省庁官房長会議を開催したのを皮切りに、関係省庁と連携して、さまざまな角度からその綱紀粛正の方策についての検討を進めておるところでございます。一日も早く成案を得て、それを周知徹底する、それを一人一人のものとして、それを遵守していくということによって綱紀粛正の実を上げてまいりたい、こういうふうに思っております。
#18
○石井(啓)委員 それでは、人事局長にちょっと続けて聞きますけれども、過日、総理は衆議院の代表質問の答弁で、この具体策が出てきたのを踏まえて、いわゆる私どもが言いますところの公務員倫理法についても必要があるかどうかについて検討する、こういう答弁をされましたが、今、具体的にこの公務員倫理法、これは仮称でありますけれども、これに準じた法律を検討しているのでしょうか、ちょっと答弁してください。
#19
○菊池政府委員 綱紀粛正のための方策ということでございますから、いろいろな角度で各省庁の間で議論をしていることは事実でございます。
 ただ、総理も本会議における御答弁の中で、公務員の服務につきましては、公務員法制により定められているところであり、これらの法律、法令を初め従来の決定事項を遵守していくということが一番大事なことで、そこを守れなかったことにより不祥事が生じている、だから、まずは当面は、既存の法制、法律あるいは決定というものを遵守させる方策を考えることが先決じゃないか、こういう御趣旨の答弁をされた上で、その結果を踏まえて、それで効果がどうしても上がらぬということであれば、将来のオプションとして法制化というようなことを、必要性の有無について検討してみたい、こういうふうにお答えになったというふうに私記憶しておりますけれども、そういうことだと存じます。
#20
○石井(啓)委員 今の答弁でわかったように、現在の国家公務員法なりあるいは人事院規則なりの法制度、この規定をいかに守らせるかという検討をしているのであって、まずそういう検討をしているということであって、新たな法制度はその次の段階だ、こういうお話ではありましたけれども、残念なことに、今の制度あるいは規定が守られていれば問題はないわけでありまして、これをいかに守らせるかという、実効ある方策をどうするかということが今問題であるわけであります。
 それは、今の法制度の中で、先ほど局長もおっしゃったように、今まで通達だとか申し合わせだとかいろいろやっても、なかなかそれが守られてこなかったというか効果が上がらなかったわけですよ。だから、同じことを、同様のことをやってももう無理だ、むだだ、これはもう今までの事実の積み重ねの上でわかっていることなんですから。
 私が心配いたしますのは、やはり行政に対する不信を払拭しない限り、これは我が国として大変なことになるのじゃないか。それは自浄能力を発揮して、お役所の皆さんが本当に厳しい方策を打ち出せればそれにこしたことはないのだけれども、残念ながら、今までの事例を見る限りなかなかそれは期待できないというか、そういう事実があるわけでございますから、この際、私どもが主
張しておりますのは、現在の法制度のみならず、米国の政府倫理法にならったような厳しい公務員倫理法ともいうべき方策をとらなければ、この国民の行政に対する不信はもう晴らせないのではないか、こういう危機意識があるわけです。
 これについて、長官いかがでございましょうか。
#21
○武藤国務大臣 今人事局長から答弁をいたしましたけれども、私としては、今御指摘のとおり、今までの通達その他で結果的に効果が上がらなかったわけですから、今までと同じようなことではいけないということで今いろいろ言っておりまして、例えば、一つの役所の中の組織の中でどういう形で仕組みを考えて、そういう今までの通達にしても徹底をするような形が何かもっとできないのかということも実は検討させております。
 いずれにいたしましても、私どもとしては、正直、例えばこういう交際はしてはいけないとか、これこれこういう何を、商品券をもらってはいけないとか、そういうようなことを法律で書くというのはいかがなものかということを人事局長は申し上げたと思うのでございます。
 ですから、総理も答弁をされておられますように、とにかく今役所の中で、どこまで、そういう従来の通達のような形ではなくて、組織の中で仕組みとして何か考えられないか、実効の上がるような仕組みを考えられないのかということも含めて検討させておりますので、二十日までには当然それは出してくることになっておりますから、それを踏まえた上で、どういう形で法律でそれをもっと補わないといけないのかどうかというのはその後の判断にさせていただきたい、こう考えておるわけであります。
#22
○石井(啓)委員 今、多少含みをお持たせになった発言だと思いますけれども、二十日ということでありますから、あと二週間であります。政府としては、まずは役所の中できちんとやれよというお話かと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、こういう問題は、政治がリーダーシップといいますか、長官がやはりリーダーシップを発揮していただいて、どういうものが出てくるか、まだ出てきていませんから私どもも評価できないわけでありますけれども、私どもが主張するような厳しい対応を、やはり長官のリーダーシップでぜひこれをおとりをいただきたい、こんなふうに思います。
 あわせて、次に移りますけれども、長官が、これは十一月二十九日の閣議後の記者会見でおっしゃったようでありますけれども、「入省から数年の職員が地方の税務署長や都道府県警の課長などとして赴任するケースがあることについて「国民への奉仕者のはずの公務員が、若いうちに地方で偉い人のように扱われるのは問題だ」としたうえで、「人事運用の面で各省庁と話し合うよう事務次官に指示した。これもできるだけ早く結論を出したい」」、こういうふうにおっしゃっております。
 今回の厚生省の事件を見ましても、厚生省から若くして埼玉県に出向された茶谷容疑者が実際に補助金に絡んでいろいろな容疑をかけられているわけでありまして、この問題もやはり重要な問題として考えていかなければいけない、こんなふうに私も思います。
 具体的に、今事務当局としては、長官の指示を受けてどんなお取り組みをされているのか、ちょっと説明してください。
#23
○菊池政府委員 お答え申し上げます。
 若手官僚の地方公共団体への出向につきましては、基本的に考えますと、若いうちに地域に密着した行政の第一線で働くことによって国民生活の実態に触れ、幅広い視野を持った人材として養成されるというような観点から、基本的には意義があることだ、こう考えております。
 しかしながら、大臣から御指示がありましたのは、余りに若い職員が地方の重要なポストにいきなりつくというようなことによって、おごりとか誤ったエリート意識というようなものを持って、そこから問題が生じているのではないかという御指摘でありまして、その是正方策について検討しろという御指示があったと受けとめております。大臣の御指示に従いまして、各省庁及び地方公共団体双方の意見や、あるいは出向の実態というようなものを踏まえながら鋭意検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
 今石井先生の御質問の中にもございましたように、将来公務員の幹部になる若手官僚の養成の一環ということで、地方への出向人事というようなものも組まれている部分がございます。そういうようなことで、公務員のキャリアプラン全体の中でどう位置づけていくのかというような観点がございまして、この辺のところにつきましては、任命権者たる各省庁の人事方針というようなものを十分聞きながら、相談しながらやってまいらなければならぬ、こういうふうに思っております。
#24
○石井(啓)委員 地方の出先機関あるいは地方自治体に出向すること自体が誤っているということではございません、もちろん、人事交流という意味もございますでしょうから。ただ、長官いみじくも指摘されたように、余りにも若い、例えば二十代後半だとか三十そこそこぐらいで県の課長になるとか、そういうのは行き過ぎといいますか、やはりそこら辺はいろいろ考える余地があるのではないか、こういう御指摘だと思うのです。これについてもぜひ長官にリーダーシップをとっていただいて、なるべく早く結論を出したいとおっしゃっておりますから、事務当局を督励いただいて、またこれは機会を改めてどうなったかお聞きしたいと思いますけれども、ぜひ実のある結論を出していただきたいと存じます。
 では続いて、いわゆる中央官僚の重なる腐敗の温床ということでありますけれども、余りにも中央の役所に権限なり財源たりが集中し過ぎている。民間企業なり法人にとっては生殺与奪の許認可権を持っていたり、あるいは事業が成り立つかどうか成否を決めるような補助金を持っている。こういうことであれば、やはり、許認可権なり補助金なりを得ようとして高級幹部公務員を取り込もうとする、こういう動きが絶たないことは、これは一連の事件を見てもう明らかなわけであります。
 したがいまして、個人の問題に帰するところも当然あるわけでありますけれども、同時にこういう構造的な問題をやはり正さない限り、官僚の腐敗の温床はなくならない。これは総理も同様の認識を示されていると思いますけれども。したがって、中央の役所の権限なり財源なりを地方へあるいは民間へという規制緩和、地方分権というのがこういう意味でも極めて重要である、こういうふうに認識しているわけでありますが、これについての政府の取り組みを、長官から答弁を求めたいと思います。
#25
○武藤国務大臣 私も御指摘のとおりだと思います。やはり今度の一連の事件を見ておりましても、許認可との関係あるいは補助金の交付との関係、いろいろそういう関係から不祥事が起きてきたということを見ますと、どうしても、今お話しのとおり、規制緩和、あるいはできるだけ官の仕事を民に移す、あるいは地方に移すということによってスリム化を今図ろうということで行政改革を進めているわけでございますけれども、同時にそれがそのようないろいろの不祥事件が起きないような環境づくりにも私は役立つことだ、こう考えておりまして、そういう意味でも、これからより一層この規制緩和あるいは地方分権など行政改革については積極的に、また早く、早期にできるものはやっていく、こういう姿勢でやっていきたいと思っております。
#26
○石井(啓)委員 あわせて、これは、こういうこの手の腐敗事件に関して、官僚の責任を問うのみならず、我々政治家の責任というのもこれも極めて重要でございます。いわゆる政官業の利権構造、この中でいろいろな腐敗事件が起きている、こういうことが事実でございます。こういう利権構造を正していくことがやはり本質的な綱紀粛正策になる、これは、公務員に求めるのみならず、我々政治家もやはり襟を正していかなければいけない、このように思うわけでありますが、長官の見解を伺いたいと思います。
#27
○武藤国務大臣 この点は多少私は意見が違うのでございますけれども、要は、今いろいろもう事件を起こしておりますけれども、それはやはり個
人個人の問題であって、構造そのものがそういう事件を起こしているとは私は思っておりません。
 ただ、そういう構造の中で、ややもすれば、いわゆる国家公務員として国民全体に対する奉仕者である、公僕であるという意識のややなくなった人がそういうことを利用しやすいという構造は私はあるかと思いますけれども、構造そのものが悪であるというふうには私は考えておりません。
 その点は、ひとつ何か聞いていると、そこに当然利権が発生してくる、これはやはり私は、政治家も公務員もあくまで公僕であり、国民全体に対する奉仕者である、そして、先ほど例えば予算の配分などでも申し上げましたけれども、公正にして厳正な態度で対処していくことが大切でありまして、その点私は、しかし、何かあれば直していくことは当然でございますが、今お話聞いていると、現在の構造がすべて何かそういう利権につながるというような御判断というのは、私はいささかその点は多少考え方を異にいたしております。
#28
○石井(啓)委員 今長官が、その構造というのはどういう意味で使ったのかちょっとはっきりしませんけれども、いわゆる癒着ですね、癒着がいろいろな腐敗の温床になっている。今すべての議員なり公務員なり業界の人間がそういう癒着をしているということではなくて、そういう癒着をするような構造自体が、そういうことが生じれば、これはまさに腐敗の温床になるということなわけであります。だから、そういう癒着をさせないように、しないように我々政治家も襟を正さなければいけないのではないか、こういう指摘なわけでありますが、長官、いかがですか。
#29
○武藤国務大臣 それは、今申し上げましたように意識の問題だと私は思いまして、政治家も含めて、いわゆる特定のことのためにいろいろの自分の立場を、地位を利用してやろうというようなことはこれはやはりいけないわけだと思います。
 先ほど申し上げました。行政も政治も公正にして、そして本当に国家国民という立場から行われていけば当然そういうことは私は起きないのではないか、こういうふうに思っているわけであります。
#30
○石井(啓)委員 それでは別の問題に質問を移しますが、公務員制度全般についてお尋ね申し上げます。
 行革の大きな目的の一つは、いわゆる縦割り行政、これを正すということにあろうかと思いますが、今の公務員の人事制度が、採用から退職まで、あるいは退職後の再就職の世話まで一つの役所に世話になっている、人事交流が余りにも少ない、こういう人事制度がいわゆる縦割り意識を生み出す、こういう指摘がなされております。
 政府においては、いわゆる本省の管理職につくまで二回ほど地方に行ったり他省庁に行ったりという人事交流をやっているということは承知しておりますけれども、より一層の、根本的には各省庁の役人ということではなく、やはり国家公務員として全体の利益を考えるんだ、こういう意識をつくるということがやはり重要なわけでありまして、今の各省庁の採用ではなくて、政府全体として一括採用してはどうか、こういう指摘もよくされるところであります。
 ちょっと長官の見解を伺いたいと思います。
#31
○武藤国務大臣 これは、総理もときたま一括採用、一括人事管理という話もしておられます。私もそれも一つの考え方として当然傾聴すべきものだと思いますが、また一面からいくと、果たしてそういうことをした場合に、例えば、この役所でこういう仕事をしたいという非常に熱意のある、そして優秀な人材というのが、そういう形で一括になっちゃったためにそういうところへもうあきらめて来ないという場合も私は考えられるのではないかと思っておりまして、もう少しこの問題は我々真剣にやはり議論して決めていくべき問題だと考えております。
#32
○石井(啓)委員 確かに長官指摘されるように、希望のところに行けるかどうかということがはっきりしなければ優秀な人材が集まらないんじゃないか、こういう指摘があることは承知しております。
 そこで、例えばですよ、一括採用といっても、公務の分野を幾つかの分野に大ぐくりにして、そのグループごとに採用することはどうなんだと、こういうアイデアがございます。例えば、産業政策グループというような形で通産省なりあるいは郵政省の情報通信分野なり、あるいは運輸省なり農水省なり、こういう産業政策を扱うグループ、こういうことで採用してその中で配属先を決めるとか、あるいは国土、環境分野というような形で建設省なりあるいは国土関係三庁なり、あるいは
 一部環境庁等も含むかもしれませんが、そういうグループで採用すると、そういう大ぐくりのグループごとに採用する、こういうことも一つ私は有力な、有力なといいますか有効な案ではないかと思うのですね。
 これはさらに、いわば省庁再編を先取りするような形でございまして、今政府は、これから真剣に御検討されるということでありますけれども、この省庁再編をスムーズに移行させるためにもこういうのは有力な案ではないかと思うんですが、長官、いかがでございましょうか。
#33
○武藤国務大臣 ちょうど今私ども行政改革会議で、総理からもぜひ、二十一世紀における国家機能のあり方はどうあるべきなのか、これからの日本の国の将来を考えた場合、いわゆるこういう国際的なボーダーレスの時代、そして少子化、高齢化時代、経済はなかなか伸びない、いろいろの観点、あるいは財政問題もございます、そういう中にあって国家機能をどう持っていくべきなのか。その中で、総理はたまたまあちらこちらの講演をされている中で、将来のあり方の一つの考え方として四つのくくりをしていったらどうかということをおっしゃっておられます。
 それがたたき台になるのかどうかわかりませんが、いずれにしても行政改革会議では、今の省庁の形とは違ったものをぜひつくっていこう、その中でやはり国家機能のあり方をまず検討してから、それに基づいて中央の省庁はどうあるべきかということをやっていこうということでございまして、もし、総理の今あちらこちらでお話しになっているような四つのくくり方というようなことになりますと、ちょうど今のお話とこれ合致してくる話でございまして、いずれにしても、行政改革会議、これから精力的に私どもは議論いたしてまいりますので、その中でこういう問題も議論をしていったらどうかというふうに考えております。
#34
○石井(啓)委員 ぜひ真剣に御検討をいただきたいと思います。
 で、もう一つ採用に関してでございますけれども、ちょうどフランスのENAという制度がございますが、一括採用した上で長期の初任研修を行うと、一年なり二年なりを研修を行った上で、その研修の成果あるいはその本人の希望を踏まえてそれぞれの省庁への配属先を決める、こういうアイデアもございます。
 これは、一つは、先ほど言いましたように、国家公務員としての全体の一体感を醸成させるということもございますし、あるいは、やはりいろいろな公務の実務を経験して、それぞれの自分に合った適性というのもわかるという利点もございますので、こういうことも一つアイデアとしてあるわけであります。
 長官、いかがでございましょうか。
#35
○武藤国務大臣 フランスのENAのお話が出まして、フランスはフランスの独自のああいう行政をやっておられるわけでございます。
 ただ、今私ども、中央から地方へという時代になってきているわけでございますし、本当のエリートだけをそういう形で養成するという目的でいろいろの研修をさせるということも、まあフランスはフランスでやっておられるわけでございますが、今私どもとしては、どちらかというともっと中央の権限を縮小して、そして地方へ移譲しようと、あるいは官から民へ移譲しようと、こういうことを一つの理念の中に入れてやっておるわけでございまして、そういうものと果たしてこれが合致するのかどうかなという点は私は今お話を聞きながら感じたのでございますけれども、いずれにしても、余り長期に研修をやりますと、せっかくの人材が、結果的にそれこそ国民の税金のむだ遣い、こういうことになってもいけませんので、
一つの考え方としては私も研究させていただきたいと思いますが、今申し上げた観点も私の頭の中に一つある、こういうことは御理解をいただきたいと思います。
#36
○石井(啓)委員 人事院が、新年度から初任時の三カ月間の合同研修を行うのですね。これは、たしか従来は一週間程度の合同研修だったと思いますけれども、新たな制度として三カ月間、新規採用者を集めて研修をさせる。私は、先ほど申し上げました趣旨からいいまして、これは非常にいいことだというふうに思っておるのですが、その目的なり概要なりを人事院の方からちょっと御説明いただきたいと思います。
#37
○弥富政府委員 お答えを申し上げます。
 将来、行政の中核を担うことが見込まれている職員につきまして、今委員が言われましたように、採用後、早い段階におきまして、言うなれば鉄は熱いうちに打てというようなこともございます。まず国家公務員としての基本的な使命感の認識を新たにさせ、また政府職員としての一体感を醸成するとともに、国の行政全体についての理解を深め、既成の概念にとらわれない柔軟な発想と幅広い視野を養うことを目的として、我々としては来年度から、三カ月という今までと比べますと長期の合同研修を計画し、実施していきたいと考えておる次第でございます。
 したがいまして、このような考え方から、平成九年度、新たにI種採用職員を、これは初年度でございますので、今のところ大体三百七十名前後になると思いますが、まず第一に、セクショナリズム、縦割り行政の排除ということ、それから二つ目には、国民の価値観、行政ニーズの多様化に応じまして、それへの対応、また、あるいは非常に国際化の波が押し寄せてきているわけでございますから、それへの十分の対応をできるということをねらいとした三カ月程度の合同研修を五月の連休明けから実施するというふうにしておるところでございます。
 現在、そのカリキュラムにつきましては、いろいろ批判をされております公務員倫理、これにまず重点を置くとともに、国民に密着した行政のあり方を認識させるために、ボランティア体験あるいは地方自治体における実地研修等を盛り込んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#38
○石井(啓)委員 ぜひ期待をしておりますが、制度の導入当初でございますので、いろいろな省庁との折衝の結果、三カ月という期間になったかと思いますが、私としては、もう少し、例えば半年なり一年なり、そういう方向でぜひ今後おやりいただければ、このように思います。
 続いて、いわゆる天下り問題につきまして、ちょっと長官にお尋ねをいたしますが、やはり縦割り行政の大きな要因になっているのがいわゆる天下り問題ではないかと指摘をされております。やはり現役の官僚にとっては、退職者の再就職先を世話するためにいろいろな業界に影響力を持ちたい。したがって、いわば業界への影響力を保持するために縄張り意識が生じる、こういう指摘がございまして、このことも大きな問題であろうと思いますけれども、この天下りの是非について、長官、ちょっと見解を求めたいと思います。
#39
○武藤国務大臣 私は、特殊法人の見直しも今しろということを指示をいたしておるわけでございますけれども、正直、特殊法人の実態を見ておると、天下りが行われていることは事実だと思います。そういう面で、私は天下りというのは決して好ましいことではないと思っております。
 ただ、これは定年の問題と実はかかわり合っていることも事実だろうと思うわけでございまして、公務員の定年制度をこれからどうしていくかということも真剣に考えていかなきゃならない問題だろうと思っております。
#40
○石井(啓)委員 今長官が御指摘されましたように、現状では、早い方では五十歳前後で肩たたきが始まる。おやめになった公務員に自分で職を探せ、こんなことになりますと、むしろ在職中にいろいろな民間企業に便宜を図ったり、あるいはまたいろいろな弊害がかえってあるのじゃないか、こういう心配は私もよくわかるのであります。
 したがって、今の定年なりの人事制度をそのままにしておいて天下りを論じるのはやはりどうかなと私は思っておりまして、この問題は、やはり天下りをしなくて済むような人事制度をつくるということが根本的な問題ではないかというふうに私は認識をしておるのですね。
 時間が少なくなってきましたので、ちょっとまとめてお聞きをしたいと思うのですけれども、天下りをしなくて済む人事制度という点から、三つのことをちょっと私なりに御提案を申し上げたいと思うのです。
 一つは、今申し上げましたように、早い方で五十歳前後からおやめになるということでありますけれども、いろいろ公務員もたくさんいますけれども、いわゆるキャリア組といいますか、幹部公務員がいろいろ問題になっていますので幹部公務員に焦点を当ててお話を申し上げますが、少なくとも幹部公務員、キャリア組については、そういう若年の勧奨退職制度といいますか、そういうものはやめたらどうか、六十歳定年まで勤務し続けられるようにしてはどうか、これが一点でありました。
 もう一点は、六十歳定年まで勤務をし続けられるようにするためには、今の現状ではポストが圧倒的に不足しているわけですよ。審議官、局長、事務次官となるとポストが少なくなるので、同期の人間がどんどんやめざるを得ない。俸給表に適用するようなポストがないということも片やこれは現状でございまして、いわゆるそういうライン職的なポストとは別にスタッフ職を充実させまして、別に審議官、局長、事務次官というふうに上がらずに、そういう専門官的なポストでその人の能力を六十歳定年まで十分生かせるようなことにする、そういう複線的な人事というのも重要じゃないか、これが二点目でございます。
 三点目でありますけれども、特に指定職でございますが、これは一般企業で言えばいわば役員、重役に相当するわけですね。一般企業でも、一般職員といわゆる役員との定年は異なっておりますように、指定職については六十歳定年を例えば六十五歳まで延長する。事務次官が六十五歳まで勤めるということになれば、当然ほかの方もそれに準じて延長していくわけでありますから、全体としてなるべく公務が、長く勤務が続けられるようになる、こういうことであろうと思います。
 この三点について、ぜひ長官の御答弁をいただきたいと思います。
 それからもう一つ。あわせて、人事院で、ことしの人事院勧告の中で、大変私の問題意識と同じようなことをちょっとおっしゃっております。特に、事務次官の定年制の延長等について述べられておりますので、長官の御答弁の後に人事院からこの点についても御説明をいただきたいと思います。
#41
○武藤国務大臣 最初の、勧奨退職をやめていったらどうかという、私も二番目の、三番目ですか、定年制の問題と非常に関連があるのですけれども、私も余り喜んでやめていく人、あるいは非常にその人の能力によって、例えば民間の企業でぜひあの人にうちの仕事をやってもらいたい、これはいいと思うのでございますね。ただ、こちらから肩をたたいて、いかにもやめていけというようなことが果たしていいのかどうかという疑問を私は持っておりまして、それで定年制を上げたらどうかということで、ちょっと事務当局から資料をいただきました。
 そうすると、民間で今六十五歳というのは、事務当局からの資料によりますと、八%ばかりしかまだなっていないというのですね。約七・九%。だから、ちょっと日本全体の社会の中で六十五歳定年というのがまだまだ普及されていないのではないかという点から考えると、なかなかその点が難しいのじゃないかなという感じがいたしております。
 それから、今のもう一つの問題は、複線的な人事管理というのは、多分今の話と同じように、長い期間やることと、あるいは特に年をとった人があったらどこかにいいポストでも考えたらどうかというお二つの考え方でおっしゃったんじゃないかと思うのでございますが、私は、長く考えるの
は、一つのライフサイクルとして全体として考えていくという考え方から、今の定年制の問題等も含めまして検討させていただきたいと思うのでございますが、何か、ある程度年配になったからその人のために何かを考えてやる、要は仕事のために人があるのであって、人のために仕事をつくるようなことでは、やはり行政改革にこれは逆行するのではないかというふうに私は考えております。
#42
○弥富政府委員 幹部職員の退職管理のあり方、これは各省の人事運用の基本にかかわる問題でございます。人事管理全般の見直しとともにこれはまた関連してくることとなりますが、他方、可能なものから着手していくということもまた考えなければならない。
 現在人事院といたしましては、今仰せられましたように、事務次官につきまして、現行定年制度の枠内の取り扱いとして特例定年という考え方もありますので、そういうふうな方向で検討をしておるところでございまして、これを契機といたしましてさらに総合的に検討を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#43
○石井(啓)委員 時間が参りましたので最後に申し上げて終わりにいたしますが、定年制の延長というのは公務員全部を延長させるのではなくて、一部ですね、例えば指定職だったら指定職だけを延長することになれば、全体的に余り早目に肩をたたかなくても済むということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 時間が参りましたので、以上で終わります。
#44
○伊藤委員長 次に、金田誠一君。
#45
○金田(誠)委員 給与法の改正に関連をいたしまして、公務員の綱紀粛正につきましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。
 今回の厚生省の事件でございますけれども、私、改選前は連立与党の福祉プロジェクトというところに所属をしておりまして、ほぼ一年かかって介護保険をまとめたわけです。毎週朝八時から与党政調の第一会議室で、事件の当事者となった方々と毎週顔を合わせてきた。介護保険についての考え方そのものでは私と相当開きもあった方々でしたけれども、職務そのものは大変献身的に、非常に有能にこなしておられたな、そう思っておりましただけに、実は大変私自身もショックを今受けているところでございます。
 よもやといいますか、本当に信じがたいような思いでいるわけでございますけれども、考えてみますと、ああいうポストの方々は大変権限が集中している。逆に言うとそれだけ誘惑の多いポストなんだなということを今改めて感じているところなんでございますけれども、この誘惑に対して、本人の公務員倫理に期待をするということは当然でございますが、それだけでは対策にならなかったのかということが、事実としてこの間、厚生省だけではなくて大蔵から始まっていろいろ明らかになったと思うわけでございます。
 そうしたときに、アメリカには、ウォーターゲート事件に端を発して、政府倫理法、あるいは訳し方によっては公職倫理法とも言うようでございますが、そういう法律があるということを知りました。
 柱は三つございまして、資産の報告義務。百ドル以上の収入はすべて報告しなければならない。利害関係のあるところからの収入というものは厳しく規制もされているようでございますけれども、百ドル以上を報告をする。そしてもう一つは、日本で言う天下り、アメリカでは回転ドアというようでございますが、これについての規制。三点目は、これらを監視する行政倫理局というものが設置をされている。この三本柱で、公務員倫理といいますか、定められているということを伺いまして、日本の公務員制度の中にもこうしたものを取り入れるべきではないのか。
 特に日本の場合は、盆暮れの中元、歳暮、あるいは転勤に伴うせんべつ、あるいは香典なんというのもございますでしょうか、欧米とはまた違う贈答の慣習があるわけでございます。これは、なかなか断りにくい、角を立てるということになりかねない、特別意図がなくても断りにくい、恐らくそういうところから始まっていって、徐々に感覚が薄れていって深みにはまっていくのではないのかなという推測をしているわけでございます。
 そうしたことから考えると、一定の規制を明確に設ける、それによって断る口実といいますか、断りやすくなる、差し出す方も差し出さない口実ができる、筋が立つわけでございます。そして報告義務をあわせて課することによって、単に倫理に頼るのではなくて、補完をするシステムが整うのではなかろうか。
 先ほど来の御答弁では、法規制あるいは総理府令なり人事院規則なり、何らかのそういうきちんとした法令による規制について、長官必ずしも前向きでないような感じてお聞きをしておりましたが、いかがなものか。現実にやはり効果を上げるためには、そこまで今踏み込む時期ではないか、こう思うわけですが、いかがなものでしょうか。
#46
○武藤国務大臣 アメリカの法律のことも承知をいたしておりますが、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたように、今お話のあったように、例えばお歳暮、お中元をもらってはいけない、それを法律にまで書かなければいけないのかどうかということは、私は実は疑問を持っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、しかし、実効が上がらなければならないわけでございまして、この二十日までに実効の上がる方策を、先ほど申し上げたように、今までとは多少違って、今までのものも含めて、役所の組織の中でもう少しそれが機能するような仕組みができないのかということで、今それも含めて検討をしてもらっておるわけでございます。機能するようになれば必ずしも法律は必要ではないのかな、しかし、機能しないようなことならば、やはり法律で決めるということも一つの方向としては考えていかなければいけないということを、私先ほど申し上げておるわけでございます。
 初めから法律ありきではなくて、法律がなくても実効が上がれば、そんな細かいことまで法律で決めるというのは恥ずかしいことだと私は思っておるわけでございます。そういう意味で申し上げているわけで、実効の上がるようなものが出てこないときは、法律というものも当然考えなければならないことはあり得ると思っております。
#47
○金田(誠)委員 日本の社会というものは、盆暮れの中元、歳暮、転勤に伴うせんべつ、それが社会通念になっております。そういう時期になって、日ごろ業務の関係のあるところ、特別な便宜を計らってもらったとか違法行為をしてもらったということでなくても、顔を合わせているだけでもその時期になれば持っていかなければならないような社会の風潮があるということはお認めいただけると思うのですね。
 そのときに、これがいいのか悪いのかという基準を定める。利害の関係のある方々からはこれらは一切だめならだめという基準をつくる、あるいは一定金額以下であればいいという基準をつくる、それはそれでいいと思うのですが、まずは基準をつくることが一つ。そしてもう一つは報告義務を課するという二つだと私は思うわけでございます。その基準を超えたとか、あるいは報告義務に違反をしたとかいう場合には、罰則を伴うということが必要だと思うのです。
 この罰則を伴う法規制、これが法になるのか、府令になるのか、規則になるのかわかりませんが、そういうものをつくらなければ、日本の社会風土というものはなかなか断れたい、そして、その時期になれば、あるいは転勤があれば意図があるなしにかかわらず出さざるを得ないという風土でないかなと思うのです。この風土、社会状況そのものはお認めいただけると思うのですが、そうであれば、規制を、基準をつくる、報告義務を課する、それの真としては罰則を伴うものにせざるを得ない。長官、この考え方自体は御理解できませんでしょうか。
#48
○武藤国務大臣 今事務当局に実は指示をいたしております中には、今の話、先ほど来申し上げておりますように、行政組織の中で何らかの形で法律によらなくても実効の上がる仕組みができないのかどうかという中に、いま一つ、報告の問題、それからもしそれを破った場合はどうするのか、ペナルティーはどうするのか、こういうことも含
めて検討を私から指示をいたしております。
#49
○金田(誠)委員 その検討の際にぜひお考えいただきたいということがございまして、これから政府委員の方に何点か質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
 今回、六千万円とか百万円とかという金額が出てきているわけでございますが、これは、受け取って便宜供与をしたという、贈収賄という関係なんだと思うわけでございますけれども、贈収賄にならない単なる中元、単なる歳暮というものがあったとすれば、それがほとんどなんだと思うのですけれども、現在、お歳暮として公務員が受け取ってもいい金額の定めというのはあるものなんでしょうか。例えば百万円相当のお歳暮であれば、これは受け取ってもいいものなんでしょうか。政府委員で結構です。事務方で結構でございますから。
#50
○菊池政府委員 急な御質問で、私どもも事前にそういう具体的な設問があるということを承知しておりませんでしたので、果たして私がお答えすることが適切かどうかというところでございます。
 一般的に言って、職務権限がある、職務上の利害関係がある者から物をもらうということについては、これは大変問題があるだろう、こう思います。
 今御指摘の、全然職務上関係のない人から百万円、こういうようなものをもらった。こういう御設定でございます。もし、職務上の関係がないということで利害関係がないということになると、これは全く、そういう意味でいいますと公務とは離れた分野での、俗に言うタニマチみたいな話になるのかな、こう思います。それ自体がどうということはありませんけれども、ただ、公務員であるということだけで、職務とは関係ないけれども、何となしに奇貨おくべしというような形で百万円のお歳暮をもらって、それを当然のように受領しているということになると、これは公務に対する信用を傷つけるというような意味で、汚職とか贈収賄という範疇ではございませんけれども、多分そちらの方で厳しく指弾されるということになるのではなかろうかと思います。
#51
○金田(誠)委員 ただいまの御答弁でございますと、職務関係のあるところからは一切金品をもらってはならないことになっているということでございますが、現実にはお歳暮、お中元のたぐい、あるいは会食に招かれるたぐいというのは日常的に行われているのではないかな、こう思っているのですが、ただいまの御答弁でよろしいものなんでしょうか。
 先般厚生大臣が出された談話なんでしょうか、綱紀の粛正の徹底という中に、職務関係者等との中元、歳暮等の授受の禁止というのがわざわざ盛り込まれているわけなんですが、わざわざ盛り込まれているということは、今まではこれは容認されていたということだと思うのですがね。ですから、私が聞きたいのは、これからつくられる方策の中には基準をきちっと定めるべきだ、定めるに当たって、現在はどうなのかなということをお聞きをしているわけでございます。現在、お歳暮、お中元のたぐいに基準はあるのか。業務関係のあるところからは一切だめだという基準があるとすればどこにあるのか、あるいは業務関係がない方でも基準はあるのかないのかということなのでございます。その辺もう一回整理してお聞かせいただきたいと思います。
#52
○菊池政府委員 具体的に幾らというような基準があるというふうには私ども承知しておりません。関係業界等からのせんべつ、贈答品は受けないとともに、送付されたものは送付するというようなことを言っておりますし、関係業者等に係る会食、遊技、贈答品の受領については特に留意するというようなことをかねて言っておるわけでございます。
 具体的に、いかなる金額以上であればいかぬとか、あるいは一般の方から幾ら以上の金額の贈答品であったらだめだとか、あるいは職務上の権限関係にある人から仮に物をもらうときに幾ら以下のものならいいというようなことで、具体的な基準が決まっているわけではないと理解しております。
#53
○金田(誠)委員 よくお役所の皆さんは講師に招かれるということがあると思うわけでございます。それは職務に関係する法律の適用についてとか運用についてとか、新たに出た通達についてとかいうようなことが多いと思うわけでございますが、その場合、勤務中に公務としてそのまま出かける場合、あるいは年次有給休暇をとって行かれる場合、あるいは休日に行かれる場合、あるいは都内である場合と遠隔地に出向いて宿泊なども伴う場合、さまざまなケースがあると思うのですが、この場合、講師の謝礼というものがある。恐らくあるだろうと思います。その基準というのは決まっているものなんでしょうか。
 例えば、公務中に都内であった場合は幾らまでなら受け取ってもいいとか、あるいは一切だめだとか、あるいは年次有給休暇をとって行ったのであれば私事であるから、それは幾らまで受け取ってもいいとか、あるいはだめであるとか、こういう基準というのはございますか。
#54
○菊池政府委員 今お尋ねございましたすべてのケースについてお答えすることになるかどうかわかりませんが、例えば、法律を改正した。あるいは新しい制度を創設した。そういうことで、それを国民あるいは関係の方々に十分承知してもらうためにその説明に出向いて、それはたまたま関係の対象の方々がお集まりのところに行って、こういう制度改正をやりましたということを御説明申し上げる、これはまさに公務だと思います。公務でございますから、公務の時間、勤務時間内に行く場合、これはもう公務そのものだ、こういうふうに私ども理解しております。
 ただ、その場合に、では地方でそういう集会があるから、ではそこのところも、まあ本来ですと公務で行くのであれば公務出張ということですけれども、わざわざおいでいただくのについては実費として旅費を支給しますというような場合もあるかもしれません。これは旅費法によって旅費の負担というのがありますから、それはそれによって行くということになると思います。
 そのときに、公務の部内であれば講演料という概念、考え方は少ないのでございますけれども、では休暇をとって行ったというような場合に、どのくらいのところが基準か、こういうことになります。勤務時間外でございますから、勤務時間外であればそれは報酬といいますか、あるのだろうと思います。
 ただ、幾らがいいとかということは言えないと思いますけれども、私個人の考え方かもしれません、基本的に、私ども政府で民間から有識者にお越しいただいて講演をしていただくというようなことは、役所の側でお呼びして来ていただくということもございます。そういうときには、必要な旅費と講演謝金というようなものをお出ししています。講演謝金というような形で、大体そういうようなものに準じたような形のものの範囲ではなかろうかな、こういうふうに考えております。
#55
○金田(誠)委員 明確な定めがないということだと思うわけでございますが、例えば、業界団体が業務に関連した講演をお願いするというときに、今後ともいろいろな面で、情報提供とかいろいろなことを期待するかもしれない。そうしたときに、講師謝礼という名目であれば合法的なものであるということで、例えば十万円、例えば三十万円、例えば五十万円といろいろな金額のランクがあるかもしれません。そういうときに、果たして幾らまでなら受け取っていいのか。
 ゼロでなければならないということはないと思うのです。休暇をとって、あるいは休みをつぶして、あるいは勤務時間中であっても負担になるとすれば、勤務時間中であれば必ずしもゼロだということでなくていいと私は思うのですが、少なくとも基準が必要だ。どういうケースにはどうだ、それは講師謝礼だけでなくて、中元、歳暮のたぐいあるいは会食のたぐい、基準が必要だろう。そして、行ってきて幾ら受け取ったという報告義務が必要だろう。それを怠ったあるいは違反をした場合の罰則ということは当然必要だろう。したがって、法律、府令、規則等々による以外にないのではないか。ぜひそういう立場で御検討いただきたいというのが質問の趣旨でございます。改め
て最後、お答えいただければと思います。
#56
○武藤国務大臣 今のお話の、基準を決めるというのは、一つの考え、当然だと私は思っております。従来はともかくといたしまして、今回新しく決めるものの中には、当然その辺の一つの物差しというのがなければ、だめだとも言えないわけでございますから、やはりだめだと言う物差しが当然私も必要だろうと思っております。
#57
○金田(誠)委員 終わります。ありがとうございました。
#58
○伊藤委員長 次に、木島日出夫君。
#59
○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。
 昨日、岡光厚生省前事務次官が収賄容疑で逮捕されました。福祉行政を自己の利益のために私物化して、国民のための福祉を食い物にした悪質きわまりないものであり、逮捕は当然だと考えます。政府はこれを踏まえて、厚生行政のみならず、行政のあり方全体にわたって総点検をすべきであると考えます。特に、政官財の癒着を生み出す構造、その構造そのものに大胆なメスを入れることが今喫緊の課題だと考えます。
 私ども日本共産党は、そのために、企業献金の全面禁止、高級官僚の天下りの禁止、さらに情報公開法の制定を求めているわけでありますが、本日は、その一つの問題として、上級職国家公務員の地方自治体への天下りの問題について指摘をして、行革担当大臣である総務庁長官の御所見を賜りたいと思います。
 今度の厚生省汚職事件の一つのかなめの地位にあったのが、埼玉県の高齢者福祉課長のポストであります。既に茶谷滋前課長も逮捕されておりますが、私、調べてみますと、昭和四十六年五月、一九七一年五月以来、実に二十五年間にわたって、厚生省本省からいわゆるキャリア組がこのポストを占め続けてきているわけです。十一代にわたっています。全部、ここに名前の一覧表を持っておりますが、厚生省本省に戻っているわけであります。埼玉県では、組織や名称を変更しているわけでありますが、このポストがまるで厚生省本省の一出先機関のような、指定席のような状況にあった。こういう状況がまさに業者と厚生省官僚との醜い癒着を生み出す温床になったのではないかと指摘せざるを得ません。
 こういうことはひとり厚生省だけの問題ではない、埼玉県だけの問題ではないということも明らかであります。総務庁長官、行政担当大臣として、こういう地方自治体の特定のポストを、関係する国の省庁の官僚がひとり占めし続ける、こういう現状は即刻やめさせるべきだと考えますが、御所見を賜りたいと思います。
#60
○武藤国務大臣 厚生省と埼玉県の間の事実関係を私は正確に把握をいたしておりませんので、正確なお答えになるかどうかわかりませんけれども、正直、地方へ出向というのは、原則、地方自治体からそれぞれの役所に対して要請があって出向者を出しているのではないかと私は思っております。今お話のございました。厚生省が自分の方からそのポストヘ出しているということではないのではないかと、常識的に私はそう思っているわけでございますので、その辺は事実関係を私ははっきりいたしませんので何とも申し上げられませんが、一般的な考え方からいけば、地方自治体から要請があって、そしてその役所の方が、それではそれにふさわしい人間をだれかという形で出している。そのこと自体は、国と地方自治体との間の理解を深めるという点からいっても、あるいはその政策をしっかりと理解をしている人間が地方自治体へ行って、ある程度そういうことを、より多くの地方自治体の皆さんに知っていただくように努力をしていただくこと、あるいは逆に、今度は地方自治体へ行って、地方の苦労をキャリアで行った人が身につけて帰ってくること、このこと自体は一般的に何も悪いことではない。
 ただ、今その中にあって、先ほど来お話のあったように、その個人がそういう地位を、私はよく言うのでございますが、どうも地方へ行くと、甘やかすというか、とにかく中央から来た人を大事にし過ぎてしまう。そして、ついその人がそれの中でおごりを持ってしまって、公務員としてのあるべき自分の精神というか、いわゆる公務員のあるべき自分のものを見失ってしまっている、そういうところにいろいろの事件が起きたというふうに私は理解をいたしております。
#61
○木島委員 地方自治体が補助金欲しさにそういう要請をすることも確かにあったと思うのです。しかし、それだけではないことはもう明白だ。国の省庁が地方を支配するためのてこにこの問題が使われている。ぜひそういう認識で、これから大事な行政改革を担当するわけでありますから、していただきたいと思います。
 次に移りたいと思うのですが、給与二法について、特に寒冷地手当の切り下げの問題について人事院に質問をしたいと思います。
 今回の法案、寒冷地手当の基準額の改定によって、平均支給額が現行の約八割となります。二割の水準の引き下げになるわけであります。寒冷地手当は、寒冷積雪に起因して増嵩する生計費に対して支給されるべき生活給であります。寒冷地における冬期間の生活費は、住居、光熱、被服、交通、教育など、社会生活全般にわたってますます増大しているのが現実であって、寒冷地手当の支給額を二割も減額するべき社会的状況は、勤労者の生活実態から全くないわけであります。にもかかわらず、今回人事院が二割の引き下げを勧告してきたのは、手当基準額の算出根拠に、寒冷地と非寒冷地の寒冷生計費の格差及び官民の手当支給実態の格差という、相対的な指標を新たに持ち込んできたからであります。
 しかし、私はこれには全く理由がないと思います。寒冷地と非寒冷地における寒冷生計費の格差が従前より少なくなってきている、人事院の言うようにもしそれが事実としても、それは非寒冷地における寒冷生計費の増大によって起きている現象であって、寒冷地の生計費が減少しているためではないと思います。したがって、むしろ逆に、その寒冷地手当の対象地域を拡大する、また、級地を引き上げる、そういう方向でこそ打開すべきことであって、これを理由に手当の減額をするのは方向が逆だと思います。
 官民較差の問題も、選定対象民間企業のとり方にも問題がありますけれども、これは、むしろ民間における寒冷地手当支給水準が低過ぎるということが問題であって、これを理由に現状でさえ寒冷地生計費に追いついていない支給水準の引き下げを行うのは、やはり方向が逆だと言わざるを得ません。
 公務員が労働基本権の制約を受け、みずからの給与の決定に直接参加できない、その代償措置として人事院の給与勧告が行われているものであることを考え合わせますとなおのこと、寒冷地手当の切り下げを勧告するなどということは人事院のとるべき道ではないと考えますが、人事院総裁の明確なる簡潔な答弁を求めます。
#62
○弥富政府委員 お答えを申し上げます。
 寒冷地手当につきましては、しばしばこの委員会におきましても御質問があり、お答えを申し上げているところでございますが、ただいま委員が言われましたとおり、寒冷地手当というのは、寒冷積雪による暖房用燃料費と生計費の増嵩分、これを補てんする趣旨で支給されている手当でございます。
 したがいまして、どれだけ増嵩したかということは、これは指定統計であります家計調査によりまして行っているものでありまして、客観的な基準があるわけでございます。これで、ただいま言われましたように、支給地と非支給地において、ただいまのような差が出てこなかったということでございます。
 それと、まさにまた委員が言われましたように、民間企業との格差が非常に大きくなっている。これは、民間の方を上げるべきだという御議論もあると思いますが、例えば、支給地で五級地の北海道の乙地というところがございまして、そこの民間と国家公務員の寒冷地手当というのは大体倍ぐらい違っておるというふうに積算が出ております。
 だから、下の方を上げればいいという御議論もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、人事院の使命といたしまして、職員全体の利
益というものを考えなければいけないわけでございます。寒冷地手当を受けている職員の数というのは、結局、我々の所管しております全体国家公務員五十万のうちの四分の一ということでございまして、あとの四分の三の職員との給与配分上の公正性、これを確保するのが我々の任務でございますので、またいろいろと御議論があると思いますけれども、ひとつそういうところを御理解をいただきまして、今の寒冷地手当、これについて何とぞよろしく御理解のほどをお願い申し上げます。
#63
○木島委員 相対的な比較ではなくて、公務員が寒冷積雪地でどんな生活状況にあるのかという、その実態を基礎に人事院は物を考えていただきたいと重ねてお願いするわけであります。
 きょう、自治省を呼んでいるわけでありますが、今回の寒冷地手当の約二割の引き下げが、対象国家公務員の問題だけにとどまらないというところが重大だと思います。今回の寒冷地手当の切り下げが地方財政のどの部分にどんな影響を与えるのか、簡潔に答えていただきたい。
#64
○瀧野説明員 今回の寒冷地手当の見直しに伴います地方財政への影響でございますが、現在地方財政計画におきましては、国の基準に準じまして、寒冷地手当といたしまして総額九百四十三億円計上しておるわけでございます。
 今回の寒冷地手当の見直しの影響は、現在まだ精査中でございますけれども、九年度のベースでおおむね一〇%から一五%程度の所要額の減少になるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#65
○木島委員 法制上、地方交付税にはね返ってこれが減額されるということは明らかであります。さらに、今大きな問題になっている問題は、地方公務員の給与、なかんずく寒冷地手当の改定の問題であります。
 これは確認したいのですが、都道府県及び政令指定都市にあっては、当該人事委員会の勧告、そしてそれを受けての地方自治体の首長の意思、さらに市町村に至るまで議会の議決による条例改正を経て、そして初めて地方公務員の寒冷地手当の改定が行われる、これは法制上当たり前だと思うのですが、そう確認していいですね。
#66
○浦山説明員 お答えをいたします。
地方公共団体の給与改定につきましては、人事委員会を設置をしております都道府県それから政令指定都市等につきましては、地域、民間給与の調査比較、及び国の人事院勧告を踏まえまして行われます人事委員会の勧告を受けまして、団体の長が国の給与改定の状況、当該団体の財政状況その他諸般の事情を総合的に勘案の上、給与改定条例一案を議会に提案をいたしまして、議会の議決を経て給与改定が行われるということでございます。
 一方、人事委員会を設置をしていない市町村につきましては、人事委員会の勧告がございませんので、今申し上げました都道府県、指定都市の手続の中で人事委員会の勧告を除きまして、その他は都道府県、政令市と同様の手続を経て決定をされるということでございます。
#67
○木島委員 ところが、自治省は、本年九月二十日に事務次官通達を発して、地方自治体に対して、寒冷地手当についても国と同様の措置を講ずることという通達を出しているわけであります。これは地方自治体の自治権に対する侵害ではないかと考えますが、どうでしょう。こういう通達は撤回すべきではないでしょうか。
#68
○浦山説明員 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、本年の国の人事院勧告の取り扱いの閣議決定が行われました九月二十日付で事務次官通知を発出いたしまして、国に準じて措置をするように通知をいたしてございます。
 地方公務員の給与につきましては、地方公務員法第二十四条第三項におきまして、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」こういうふうにされてございます。
 国家公務員の給与につきましては、人事院が毎年生計費及び官民比較等給与比較の上に立ちまして国家公務員給与についての勧告を行ってございまして、国はこれに基づいてその給与を定めておりますので、国家公務員と同種の職務に従事をいたします地方公務員の給与につきましては、国の制度に準じて定めることが結果におきまして地方公務員法第二十四条第三項の規定の趣旨に最も適合する、こういうふうに考えておりまして、そういう通知を出した次第でございます。
#69
○木島委員 時間が来たから終わりますが、地方公務員法二十四条三項は決して国だけに準じると書いてないのですよ。「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」と書いてあるのであって、国が、人勧がこういうことを出したからすぐそのとおりにしろなんということを法律は書いていません。ひとつ地方自治体の自治権というのを尊重して事に当たっていただきたいと思います。
 最後に総務庁長官へのお願いでありますが、寒冷地手当の二割引き下げというのは、当該国家公務員の生活だけではなくて、地方自治体の財政と運営、寒冷地域の社会経済に重大な影響を及ぼすわけであります。
 御案内のとおり、この地域というのは農林水産物の輸入の拡大で経済が大変疲弊をしております。若年者の流出、高齢化、過疎化、大変深刻な事態であります。今回の寒冷地手当の切り下げはこれに追い打ちをかけることになるのじゃないか、これはやはり撤回すべきじゃないかと考えます。
 最後に、総務庁長官はこういう寒冷地域の状況をどう理解しているのか、これからの寒冷地の振興や国土の均衡ある発展をどう図ろうと考えているのか、ひとつ明確な答弁を願いたい。
#70
○武藤国務大臣 私は、今回の人事院の勧告の中の寒冷地手当はどうも意見が違うのでございますが、かえって今までの定率的な考え方よりもこの定額的な考え方の方が合理的ではないか。
 というのは、扶養家族の数が多くなればそれだけ額がふえるという考え方の方が、私は、従来のように率で寒冷地手当をやっていた人は結果的に家族がなくても給料が高ければたくさんもらえる。それより、そうじゃなくて、家族が多くて扶養しなきゃならないのならば、そのために手当がふえるという方が寒冷地手当としてはリーズナブルじゃないかというふうに私は考えております。
#71
○木島委員 終わります。
#72
○伊藤委員長 次に、深田肇君。
#73
○深田委員 社会民主党の深田肇でございます。
 短い時間でございますので、たくさんの質問ができないことが残念でありますが、やむを得ないと思いますので、こちらの方で一方的にずっとまず話してしまいますから、長官、もう一言でお返事いただければいいと思います。
 まず最初に、本委員会にかかっております法案のことでありますが、基本的に私どもは賛成の立場を明らかにした上で、一、二お願いや質問をさせてもらいたいと思います。
 九月二十日の日に人事院勧告の完全実施が閣議決定されたのです。臨時国会、いろいろな都合があって延びまして、きょう内閣委員会で特別にやっていただく。加えてきょうじゅうに上がっていくという状況でありましょうが、それにしましても、閣議決定後二カ月間は残念ながら現場で働いている公務員の手元には来ないということになります。
 これはやむを得ないことだと言えばそれまでのことでありますが、民間の方がやはり四月からいけるわけでありますから、そこのところをどういうふうに、その期間を短縮する方法が何かないものか、これはやはり制度の問題として少しずつ改善方をお考えいただくことができないのだろうかというのが意外に現場公務員におるということをお伝えしながら、御意見を例えればありがたいと思います。
 いま一つの問題は、これもどこまで正確なものかと言っておしかりを受けると困るのでありますが、私どもに入った話によりますと、この閣議決定をする経過の中で、言われるところの管理職については実施を少し凍結したらどうかというような意見が大蔵省を中心にあったと聞くのでありますが、管理職といえどもこの状況の中で生活をお互いにするわけでありますから、その点はそうい
うことがないように、人勧のまさに理念、精神に照らし合わせて、この行革問題と人勧の問題とを余り絡ませずにちゃんと別の認識をお持ちいただいて、人勧がきちんと完全実施できますようにこれからも御判断をいただければいいのではないかと思っている次第でございます。
 そのことを申し上げた上で、もうしっかりとやっていただいておるわけですからいいわけでありますけれども、来年は、今日のような、先ほどから出ましたようないろいろな高級官僚の問題が出ておりますから、公務員全体に対する厳しい情勢も予想されますが、政府としては人勧尊重という基本姿勢をしっかりと維持いただきまして、先ほど申し上げたような早期の完全実施ができますように、この方針をしっかり固めていただきまして、長官におかれましては積極的に配慮いただきますことをお願いいたしておきたいと思います。
 いま一つは、これも少し話が広がるかもしれませんが、やはり現場から出る話によりますと、来年度の実施をスムーズに行うためには、九七年度の予算案に対して各省庁が概算要求の中に一%の給与改定の財源を計上しているようでございますから、これをひとつ続けてもらいたいと思うのであります。どうぞひとつ、直接長官の管轄下ではないかもしれませんが、政府部内におきまして、今日後ろ向きの検討はないと思いますが、積極的に人勧完全実施をスムーズに行うための問題点として御理解いただきまして、まとめて御意見をいただきますなり御指摘いただければありがたいと思います。
#74
○武藤国務大臣 第一点の、閣議決定が九月二十日に行われているにもかかわらず今日まで経過した。これは御承知のとおり、選挙がなかったら私はもっと早くできておったと思うのでございます。これはそういうやむを得ない事情であったと思いますから、法律がきょう、大体参議院の方もやっていただけるようでございますので、成立し次第、できるだけ早く事務当局が各省の事務当局ときちんと打ち合わせをし、できるだけ早く支給できるように努力をしたいと思っております。
 第二点の、管理職を含めて人勧を尊重しろというのは総務庁としては当然のことで、私もそのような考え方で努力をいたしてまいります。
 三番目は、一番と同じようなことでよろしゅうございますね。
 それから最後は、給与改善費の問題は、これは御指摘のとおり私の決められることではございません。財政当局が財政事情その他を勘案した上で決めることでございますけれども、総務庁といたしましては、給与改善費が従来でも計上されてなかったときでも完全実施をいたしておるわけでございます。当然給与改善費が、平成八年度、今年度は一%計上されておりますけれども、いずれにしても、計上されるされないにかかわらず、人事院勧告が出れば、それを尊重して、実施をしていく方向で努力をするのは当然のことだと考えております。
#75
○深田委員 ありがとうございます。ぜひひとつ現場の公務員のことをお考えいただきまして、御配慮、お力添えを賜りますことをお願いいたしておきたいと思います。
 残りました時間で、埼玉県を中心に起きております今回の不祥事の問題について生々しい報告を、すべての情報はもうお持ちだと思いますけれども、きょう先輩議員や同僚議員がおっしゃった話と重複を避けながら、このことを私は特徴的に少し、このことだけじゃないのでありますが、取り上げてみたいというふうに思う次第でございます。
 その前提条件は、先ほども言葉のやりとりの中で私どもが使っております政官業の癒着構造については、構造そのものはというようなお話がありましたが、やはり癒着があることはもう今や社会的常識のようになっておりますから、どこまでを癒着と言ってどうするかということはきょうの本題でありませんから外すのでありますが、私は、それはそれといたしまして、我が社民党としては、土井たか子党首が一生懸命強調しておるのでありますが、やはり企業・団体からの献金問題を、与党三党でも一定の方向は討論することになっておるのでありますから、ここらをひとつけじめをつけていくということを、政界の側からまず姿勢を正すといいますか、しっかりやろうという姿勢を示して、それで高級官僚についてはやり過ぎたやつはしっかりしかられなければいかぬし、一般の公務員までを余り締めつけるのではなくて、しっかり働いてくださいよというふうにやった方がいいのではないかと思いますので、まず我々みずからが姿勢を正そう。ではないかと反省と意思を申し上げた上で、具体的な問題に入りたいと思います。
 こういう話をしていますと時間がなくなるのでありますが、言いたいことは人事交流のことなのです。お話がありましたとおり、人事交流そのものを否定しません、一定の役割をしておられると思いますが、もう出てしまった話でありますけれども、二十五年間厚生省が一つのポストをしっかり押さえ込んでいる、これは事実なのです。それがいいか悪いかの評価は、結果が悪ければ悪いと言ったらいいと私は思うのですね。
 実は十一月二十六日の火曜日でありますが、私ども調査団をつくりまして、幹事長の伊藤茂を団長にして地元の国会議員の瀬谷英行参議院議員を副団長にして私どもが入った。国会議員を中心として、そして県会議員らと一緒になって、調査団を埼玉県庁へ送りました。埼玉県庁では副知事以下出てこられたのです。それでやりとりしました。
 そのときに、わずか短い時間であったのですが、どうも話がかみ合わない。かみ合わないので、こういう質問をしたのです。ずばり名前が出たからもう言ってしまいますが、茶谷さんの選挙のときに、もう埼玉県全域では、何かあるぞ何かあるぞ、少し早過ぎるぞというようなことはうわさになっていて、あなたたち行政の責任者は感じませんでしたかと聞いたら、全く関知しません、もう堂々と開き直って言うのです。そんなこと、うわさも感じない、そんな風評が町にあったとは思ってませんというふうに埼玉県の偉い方々はおっしゃる。
 今起きてどう思いますかと聞いたら、いや、それは、茶谷と名前は言われなかったが、その方だけのたまたまの出来事であります、その他の方々は全部大丈夫です、こう言い切ったのです。だから、長いこととかポストの問題だとか、問題はすべて個人の、その人だけの問題だと言ったのです。
 ところが、そのときに話があったのでありますが、これはもう資料が上がっておると思いますが、埼玉県の社会福祉法人認可等事務適正化、調査するのではないですよ、事務適正化対策委員会というのをつくって、これは知事や副知事が頭になるのではなくて、部長職の方が頭になってこういう委員会をつくっている。
 この委員会に茶谷さんの、名前は言いません、その次の厚生省から来た課長さんがやはり適正委員に入って取り調べをすることになっている。不正があれば不正を調べると書いているのです。その方は、県会議員の中の質問に答えて、これはもう言っていいでしょう、私は小山容疑者と全く面識がありません、おつき合いがありませんと言い切っておいて、よくある手ですけれども、しばらくしたら、いや、実はありました。ゴルフをやっていました。若干食事もしたことがある、こうおっしゃるのです。もう時間がありませんね。
 そういう状況なので、やはり考えてみれば、もうたるんでいるというか、二十五年間の長い状況の中でたるみ、緩み、そして、本省というのか、予算を持っているというのか、権限があるというのか、これに対しては、埼玉県の方々は自治体としてしっかりとした知事を持って頑張っているはずなのだが、やはり遠慮がある、コメントも余りされないという状況が実は二十六日現在ではにじみ出ている。
 その後、どんどん物事が明らかになってきたら、今度は知事の方からコメントで、すべてのことは知事がやることになっているのだが、実際は部長専決事項にしてある、その部長は、厚生省から来た課長たちに全部やってもらったものを、差別発言は使いませんが、あとはそれを了承することになっているのだ、これは慣例なのだということが県議会で明らかになってくる。
 こうなりますと、何が問題なのかということは、大きないわゆる構造的な問題もありましょう
けれども、この人事交流一つをとってみても、なれ合い、惰性があったりいろいろなことがあるということが明らかだと思いますし、それは厚生省の側なり本省の側にあるかもわからぬが、地元の方だってそれに決して恐怖は感じていないのだろう、脅威は感じていないのだろうが、何かあって、じっとそのままでいっておられるという状況があって、申し上げたとおり、後任の課長もみずからのことを伏せて取り調べの側に立って、それでそれがばれたらその役員をやめて次の方がなるということがわずか一週間の間で行われるという現状の中に、やはり人事交流というのはいいことばかりではなくて、これだけ長く、たくさんの問題が起きているということをお考えいただいて、この根源をやはり洗ってもらうことが必要なのではないかということを言っておきたいと思います。
 時間がありませんのでこれで終わるのでありますが、一言で申し上げますと、人事交流には何かルールがないのでしょうかね、ルールは。二十五年がいいとか十五年、こんなことを言っておるのではないのですが、何かやはり一定程度、いわゆる分権だとか規制緩和という言葉の延長線上でも結構ですから、これから何かそういう人事交流に対するルールをつくらないと、どうしても惰性があったり目に見えない圧力を感じてきたりするのではないかということを、直感的に感じていることを一つ申し上げます。したがって、何かお考えがあれば伺っておきたいと思います。
 いま一つは、分権といって地方自治体の方に権限は行っているのですが、財源の裏打ちが弱いですね。財源を伴わない分権で権限だけ来ておりますと、どうしてもお持ちの方へ向かって、こちらから、もらわないかぬとかなりますから、そうなりますと、そこにいわゆる二十五年の構造もできてくるだろうし、その後の方もそうなるだろうしということを感じます。
 したがって、私どもは、その後の、県民や国民の皆さんに対しても発表したのでありますが、独自の財源の裏づけのない地方への権限移譲の実態から考えたときに、やはりどうしても中央官庁の支配という状況になってしまうのではないか、したがって、こういう状況をひとつ本格的に地方自治の観点から抜本的に見直して、新しい方法を考え出すべきではないかということを感じていることを申し上げて、長官の御高見を賜れればありがたいと思います。
 終わります。
#76
○武藤国務大臣 先ほど申し上げたように、埼玉県の例は事実関係を私承知いたしておりませんが、もし万が一にも、厚生省の方からそのポストはおれの方だというような形でやっているとすれば、これは大変な問題だと思います。私は、あくまで地方の要請に基づいて出向者が出ているというふうに、一般論としてはそう申し上げておるわけでございまして、埼玉県の場合、そうでなければこれは大変な問題だと思います。
 それから、地方分権、今推進委員会でいろいろお願いをいたしておりますが、当然私は、地方へ事務配分をする場合には、いわゆる地方と国との事務配分で地方の方に行くわけでございますけれども、仕事が行くのに税財源が伴わないということでは仕事はできないわけでございますから、地方分権というのは事務の配分の見直しと同時に税財源の配分も当然それに伴うもの、こういうふうに考えております。
#77
○深田委員 ちょっと一言言わせてください。申しわけない。恐縮ですが、もう五秒ぐらいでいいのですが、二度おっしゃったからあえて申し上げるのですが、茶谷さんの場合は、二年が終わって慣例で帰るときに、厚生省の方からもう一年延ばしてくれと、わざわざ厚生省が埼玉県に言われて、埼玉県は上が言ったのだからと一年延ばした。そこでがちゃっと起きたのですよ、事件が。その事実はもうテレビ、新聞で明らかです。そのことを御承知でないのかもしれませんが、他の委員と私と両方にわざわざ、あるべき姿、一般論を押しつけられて説明されましたから、この点は事実が違うと、新しい事実を御報告だけしておきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
#78
○伊藤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#79
○伊藤委員長 この際、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、木島日出夫君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。木島日出夫君。
    ―――――――――――――
  一般職の職員の給与に関する瞥律等の一部を改
  正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#80
○木島委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由とその内容の概要を御説明いたします。
 まず初めに、本法案にある本年の給与改定は、公務員労働者とその家族の切実な要求とは大きくかけ離れた〇・九五%という極めて低い引き上げではありますが、関係労働者を初め多くの国民が一日も早い実施を期待しているものであり、我が党は本法案に賛成するものであります。
 なお、特別職の職員給与の改正案につきましては、現行の支給額自体が既に極めて高額であり、勤労者の生活実態から見ても、これ以上の引き上げには反対であります。
 この立場を前提として本修正案を提出するものでありますが、修正案の内容は、政府案の国家公務員の寒冷地手当に関する法律の第二条等の規定を削除するものです。
 次に、修正案の提案理由を申し上げます。
 政府案の中にある寒冷地手当の約二割弱の削減は労働条件の明らかな切り下げ、改悪であり、本修正案は、公務員労働者とその家族の生活を守るために現行の支給水準を維持しようというものであります。
 また、政府案による寒冷地手当の削減によって関係地方自治体への地方交付税が減額され、これを理由に地方公務員を初め多数の準拠職員の賃金が引き下げられる危険性や、地域経済への深刻な影響が危惧されています。本修正案は、寒冷地手当の現行の国の基準を維持し、これらの不安を除去し、寒冷積雪地域住民の生活を守り、地域経済の振興と国土の均衡ある発展を図ろうとするものであります。
 なお、本修正案に要する費用は約五十五億円の見込みです。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
#81
○伊藤委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。武藤総務庁長官。
#82
○武藤国務大臣 ただいまの一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。
    ―――――――――――――
#83
○伊藤委員長 これより両案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、木島日出夫君提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○伊藤委員長 起立少数。よって、木島日出夫君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○伊藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#86
○伊藤委員長 起立多数。よって、本案は原案の
とおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#87
○伊藤委員長 この際、ただいま議決いたしました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、御法川英文君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。倉田栄喜君。
#88
○倉田委員 ただいま議題となりました自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び遠藤武彦君共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  現下の厳しい財政事情及び社会状況にかんがみ、国民の理解を得るため、政府並びに人事院は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。
 一 更なる公務能率及び行政サービスの向上並びに一層の公正な公務運営の確保に努めること。
 一 国民の公僕たる公務員は、国民から疑惑を招くことのないように一層の綱紀の粛正に努めること。
 一 行政経費を抑制するため、その経費の見直しと合理化等格段の削減に努めること。
 本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。
 よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#89
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#90
○伊藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務庁長官から発言を求められておしますので、これを許します。武藤総務庁長官。
#91
○武藤国務大臣 ただいまの一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨に沿いまして努力をしてまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#92
○伊藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#94
○伊藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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