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1996/12/13 第139回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第139回国会 本会議 第6号
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1996/12/13 第139回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第139回国会 本会議 第6号

#1
第139回国会 本会議 第6号
平成八年十二月十三日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  平成八年十二月十三日
    午後一時開議
 第一 所得税法及び消費税法の一部を改正する
    法律の一部を改正する法律案(小沢一郎
    君外二十五名提出)
 第二 地方税法等の一部を改正する法律及び地
    方財政法の一部を改正する法律案(小沢
    一郎君外二十五名提出)
 室二 農林中央金庫と信用農業協同組合連合会
    との合併等に関する法律案(内閣提出)
 第四 農業協同組合法等の一部を改正する法律
    案(内閣提出)
    …………………………………
  一 介護保険法案(内閣提出)、介護保険法
    施行法案(内閣提出)及び医療法の一部
    を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説
    明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求める
  の件
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 臨時大深度地下利用調査会委員任命につき同意
  を求めるの件
 国会等移転審議会委員任命につき同意を求める
  の件
 公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同
  意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求め
  るの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの
  件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの
  件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を
  求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの
  件
 日程第一 所得税法及び消費税法の一部を改正
  する法律の一部を改正する法律案(小沢一郎
  君外二十五名提出)
 日程第二 地方税法等の一部を改正する法律及
  び地方財政法の一部を改正する法律案(小沢
  一郎君外二十五名提出)
 日程第三 農林中央金庫と信用農業協同組合連
  合会との合併等に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 農業協同組合法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 人権擁護施策推進法案(内閣提出)
 介護保険法案(内閣提出)、介護保険法施行法
 案(内閣提出)及び医療法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時四分開議。
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きま
 す。
     ――――◇―――――
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 科学技術会議議員任命につき同意を求めるの件
 臨時大深度地下利用調査会委員任命につき同意を求めるの件
 国会等移転審議会委員任命につき同意を求めるの件
 公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 運輸輪審議会委員任命につき同意を求めるの件
 電波監理者議会委員任命につき同意を求めるの件
 日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(伊藤宗一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、
 原子力安全委員会委員に佐藤一男君、住田健二君及び松原純子君を、
 科学技術会議議員に熊谷信昭君を、
 臨時大深度地下利用調査会委員に菅原進一君を、
 国会等移転審議会委員に新井明君、有馬朗人君、池口小太郎君、石井進君、石井威望君、石井幹子君、石原信雄君、宇野収君、海老沢勝二君、下河辺淳君、寺田千代乃君、中村桂子君、中村英夫君、野崎幸雄君、平岩外四君、堀江湛君、牧野洋一君、溝上意君、宮島洋君及び鷲尾悦也君を、
 公正取引委員会委員に柴田章平君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に入山文郎君及び加藤陸美君を、
 中央更生保護審査会委員に田本勇君及び増井清彦君を、
 社会保険審査会委員に古賀章介君及び塚本宏君を、
 運輸審議会委員に村田恒君を、
 電波監理審議会委員に奥田正司君を、
 日本放送協会経営委員会委員に加藤秀俊君、櫻井孝頴君、尚弘子君及び中村桂子君を、
 労働保険審査会委員に加藤繁夫君及び川西利興君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、原子力安全委員会委員、国会等移転審議会委員、公害健康被害補償不服審査会委員、運輸審議会委員、電波監理審議会委員及び日本放送協会経営委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、科学技術会議議員、臨時大深度地下利用調査会委員、公正取引委員会委員、中央更生保護審査会委員、社会保険審査会委員及び労働保険審査会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(小沢一郎君外二十五名提出)
 日程第二 地方税法等の 一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案(小沢一郎君外二十五名提出)
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、日程第二、地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。税制問題等に関する特別委員長原田昇左右君。
    〔原田昇左右君登壇〕
#7
○原田昇左右君 ただいま議題となりました両案につきまして、税制問題等に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 御承知のとおり、平成六年秋の税制抜本改革によって所得税及び住民税の減税が実施され、一方、地方消費税の創設を含め、消費税の税率の引き上げを平成九年四月から実施することが法定されておりますが、新進党提案の両案は、消費税の現行税率三%を平成十三年三月三十一日まで据え置くことを主たる内容とするものであります。
 当委員会は、昨十二日税制及び金融問題等に関する件の調査とあわせて両案を議題とし、まず、両案の提出者野田毅君から提案理由の説明を聴取した後、政府並びに両案の提出者に対し質疑を行いました。
 その主な論点を申し上げます。
 提出者は、消費税率の据え置きなくして経済の成長はなく、財政再建は達成できないし、景気の現状にも配慮する必要があるとの趣旨の説明を行いましたが、これに対し、新進党の公約、国民との五つの契約に示された減税の具体的な裏づけである二十兆円の行政経費の削減にも、税の自然増収の考え方についても、多くの懸念があるとの指摘がありました。
 また、
 消費税率の引き上げは、所得税等の恒久減税の見合い分であるという趣旨を考慮すべきではないか、
 消費税制度そのものについては、逆進性という問題はあるものの、水平的公平、世代間の公平という点で肯定的に評価すべきではないか、
 およそ政策には長所と短所があり、長所のみを国民に提示することは問題ではないか、
 消費税率の据え置きは、歳出削減を中心とした行財政改革を実現するためにも必要ではないか、
 昨今の行政不祥事に照らして、行政に対する国民の強い不信感をいかに払拭するか
等の指摘があり、さらに、逆進性に関し、いわゆる弱者に対する配慮として、政府から、「臨時福祉給付金等のほか、さらに六十五歳以上の低所得者に新たな給付金を支給することについて与党三党の合意がなされたと聞いているが、御趣旨に沿って、誠意を持って対処してまいる」旨の答弁がありました。(拍手)
 このほか、消費税のいわゆる益税問題、個別間接税との二重課税問題、事業者免税点制度、経済構造改革、経済活性化策、行政改革など、幅広い質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくして同日両案に対する質疑を終局いたしましたところ、両案に対し、佐々木陸海君から、日本共産党の提案に係る修正案がそれぞれ提出されました。
 次いで、両案及び両修正案について内閣の意見を聴取した後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、いずれも賛成少数をもって否決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。谷口隆義君。
    〔谷口隆義君登壇〕
#9
○谷口隆義君 私は、ただいま議題となっている新進党提出の所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、新進党を代表して、賛成の討論を行うものであります。
 賛成の第一の理由は、消費税率の据え置きなくして経済再建は達成できないからであります。
 今、日本経済は表向き一時的な回復と見られているようでございますが、未曾有の不況から受けた傷は大きく、経済危機は深刻になるばかりであります。規制が多く、コストの高い日本市場は魅力を欠き、製造業を中心に産業基盤が蚕食され、企業は次々に海外に逃避し、産業の空洞化が進んでおります。雇用状況は極めて厳しく、失業率はいまだ三・四%という高い水準にあります。競争力の弱い中小企業を中心に毎月一千件を超える倒産が続き、商店街の歯抜け現象が続いておるわけであります。
 また、多額の不良債権による金融システムの行き詰まりも日本経済をむしばんでおります。先日の阪和銀行に対する業務停止命令に見られるように、金融破綻の危機は徐々に現実のものとなっております。東京証券市場も全く元気がありません。新産業ブームに沸き、最高値を更新してきたニューヨーク市場とは対照的であります。金融市場もさえず、超低金利が続いておるわけであります。
 来年以降は一%、悪ければゼロ%台の成長というのが民間研究機関を中心とした大方の声であり、証券・金融市場はその見通しを正確に反映しております。市場の声を聞くという経済の基本をないがしろにして、楽観的な経済分析を続けている橋本内閣の姿勢にはただただ唖然とするばかりであります。(拍手)
 さて、今回の不況に際して、これまで六回にわたり総額六十六兆円の景気対策が講じられ、補正予算が編成されてきましたが、さしたる効果はあらわれておりません。依然として土木事業を中心とした公共投資が主役となっており、新しい時代のニーズにこたえるものではありませんでした。また、低金利政策も逆効果になっております。〇・五%という公定歩合は極めて異常な低金利で、ここまで来るとマイナス要因しかありません。
 こうしたときにも、政府は、従来どおり旧態依然とした公共投資を中心とする補正予算を講じようとしております。もはやこのような方策は効果がないばかりでなく、経済構造改革をおくらせ、いたずらに財政を悪化させるだけであります。あくまでも景気回復の主役は、民間企業、個人消費でなくてはなりません。消費税導入時は、物品税などの間接税の廃止も行われ、価格が下がったものもありました。
 しかし、今回は消費税の増税しかありません。特別減税打ち切り、国民年金や健康保険料の引き上げも含めると約九兆円の負担増が国民に求められることになり、個人消費が低迷し、経済が打撃を受けることは必至であります。国民の暮らしを立て直し、経済再建を図るためにも、今世紀中は消費税率を三%に据え置くことが不可欠であります。(拍手)
 賛成の第二の理由は、消費税率の据え置きなくして財政再建の達成は不可能だからであります。
 政府は、みずから汗をかく行財政改革を先送りして、消費税率引き上げを強行しようとしております。橋本総理は、火だるまになっても行政改革を断行する、このように発言して、行革に対して並々ならぬ決意を示されておりますが、その実態はお寒い限りであります。
 自社さ連立時代においても、本来の行革には全く手がつけられず、特殊法人の一部整理統合が行われただけでありました。第一次橋本内閣でも、ほとんど成果はありませんでした。第二次橋本内閣にしても、総理直属の行政改革会議を設置して、中央省庁の再編や国家機能のあり方、首相官邸機能の強化等について一年以内に具体案をまとめ、再来年の通常国会に関連法案を提出する運びと聞いております。
 しかし、もはや行革のメニューは出尽くしておるわけであります。それを政治が取り組むか、取り組まないかだけの問題であります。今さら総理直属の第三者機関をつくり、屋上屋をつくって行革ごっこをやっても意味がありません。橋本内閣が取り組んでいることは、霞が関改革、大蔵省改革といったものが中心となっており、機構いじりばかりが先行し、歳出削減が伴った真の行革が欠落しております。公務員制度の改革も遅々として進んでおりません。規制撤廃についても、橋本内閣は徹底して消極的な姿勢を示しております。GDPのおよそ四割に経済的規制があり、役所が許認可権限を振りかざして民間企業の参入や活動を阻害しているからこそ経済が停滞しているのにもかかわらず、政府は経済的規制の多くを温存しようとしております。それどころか、業界締めつけを強めて政治や行政による介入を拡大しようとしておるところであります。
 特殊法人、財政投融資の改革も棚上げされたままであります。橋本内閣は、特殊法人の整理合理化に手をつけず、これら機関が公営という独占的立場を利用して、事業関連の子会社をつくり収益を上げ、高級官僚の天下り先をいたずらにふやしていることを御存じでしょうか。郵便貯金、年金など、国民の貴重な財産を運用しておる財政投融資にも全くメスが入っておりません。
 橋本内閣は、地方分権の確立にも及び腰であります。地方分権を進める上で国庫補助金制度の改革は不可欠でありますが、相も変わらず国が地方にもったいをつけて金を出して、地方の自主性を奪い、陳情政治を強いておるわけであります。政府は、地方消費税の創設だけで地方分権が進んだかのような説明をしておりますが、本格的な地方の自主財源の確立とはほど遠いものと言えます。具体的な歳出構造の見直しも歳出削減もなくして、真の行政改革はあり得ません。消費税率をいたずらに上げれば、歳出の肥大化はとめどなく続きます。行政改革を断行する保証としても、消費税率の据え置きは必要であります。
 賛成の第三の理由は、消費税率の据え置きなくして税金のむだ遣いをストップすることはできないからであります。
 政府みずからがむだ遣いを奨励し、国民の税金を食い物にしていることが国民の前に明らかになった今、消費税増税はますます国民の反発を買うことは必至であります。平成八年度予算では住専処理への税金投入が強行されました。さらには、厚生省の事務次官が関係業者と癒着して、多額の現金を受け取り、飲食、旅行などの接待、車の提供を受け、しかも提供された金品が国民の税金である補助金で賄われていたという驚くべき事実が明らかになりました。議会制民主主義や予算、税制そのものに対する国民の信頼は、著しく損なわれたと言わざるを得ません。
 国のみならず地方の税金のむだ遣いも住民の反発を買っております。目に余るような官官接待、豪華な建築物への税金投入などが目立っております。消費税率を無原則に引き上げることは、国・地方を通じた税金の使途に対する……
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 谷口隆義君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#11
○谷口隆義君(続) 監視を弱めることにもなるわけであります。
 賛成の第四の理由は、消費税率の据え置きなくして高齢社会の明確な福祉ビジョンの策定や実施ができない環境にあるということであります。
 政府は、国民の納得のいく社会保障ビジョンを明確に示さず、消費税率を引き上げようとしております。政府が拙速に提出した介護保険法案も、初めに保険制度導入ありきで、高齢社会の福祉充実のために導入された消費税との関係も不明確であります。
 賛成の第五の理由は、新進党の提出法案が……
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 谷口隆義君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#13
○谷口隆義君(続) 単に消費税率の据え置きだけではなく、二十一世紀に向けた行財政改革や福祉ビジョンの策定にも責任を持ち、国民のための抜本的税制改革につながる道をきちんと担保している点であります。
 新進党の案は、無責任な消費税廃止論にくみするものではなく、平成十三年四月一日から消費税の税率は、社会保障等に要する費用の財源を確保する観点、行政及び……
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 谷口隆義君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#15
○谷口隆義君(続) 財政改革の推進状況、租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況、財政状況等を総合的に勘案して検討を加え、平成十二年九月三十日までに決めると定めております。
 新進党の案では、政府と異なり……
#16
○議長(伊藤宗一郎君) たびたびの注意を聞かなければ、遺憾ながら発言を中止しなければなりません。直ちに発言を終わってください。
#17
○谷口隆義君(続) この条項を単なる見直し条項ではなく、抜本的税制改革に向けた厳しい前提条件と位置づけております。所得税、個人住民税の半減、法人税の実効税率の引き下げ、有価証券取引税や土地の保有・譲渡益課税のあり方などを総合的に見直しつつ、あわせて経済構造改革を推進し、スーパーゴールドプランの策定、実施を初めとした……
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 直ちに発言を終わってください。
#19
○谷口隆義君(続) 高齢社会に対応した福祉政策の充実に取り組み、さらに、国・地方を通じた行財政改革の断行、歳入歳出構造を見直した上で、適正な消費税率を決定するという趣旨であります。
 新進党提案の法案は、単なる目先の問題だけではなく……
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 直ちに発言を終わってください。
#21
○谷口隆義君(続) 経済再建、財政再建を着実に推進すべき戦略に基づいたものであります。我が国の危機的な状況を何とか打開したいという救国の心情から出たものであります。この法律案を可決して、参議院に送り、速やかに成立させるべきであります。
 自民党の公認候補者の多くも……
#22
○議長(伊藤宗一郎君) たびたびの注意を聞かなければ、遺憾ながら発言を中止しなければなりません。直ちに発言を終わってください。
#23
○谷口隆義君(続) 消費税率五%に反対の意思を演説や文書で明らかにして当選に至りました。橋本内閣の閣僚でも二人は選挙公報で消費税引き上げに反対し、民主党や社民党の議員の中にも選挙中に消費税据え置きを公約された方がたくさんいらっしゃいます。この議員の皆様には、当然御賛同いただけるものと確信いたしております。(拍手)まかり間違っても、みずからの公約を侵して、新進党案に反対するような……
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 直ちに発言を終わってください。
#25
○谷口隆義君(続) 有権者に対する裏切り行為を平然と行う議員はいないものと確信しております。我々としては、各議員の投票行動を厳しくチェックして、公約違反があった場合には国民の前に結果を発表する予定であります。
 以上をもちまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 村田吉隆君。
    〔村田吉隆君登壇〕
#27
○村田吉隆君 私は、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけ、三党を代表いたしまして、ただいま議題となっております新進党提出の所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案に対する反対の討論をいたします。
 平成九年四片に実施することが予定されております消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設は、景気動向に配慮し、これらに先立って平成七年から実施されている所得税、個人住民税の恒久的な減税とおおむね見合いのものであり、我が国における経済社会の構造的変化に対し税制面から対応する税制改革の一環であります。
 我が国においては、今後、世界に例を見ない少子・高齢化の急速な進展により、働き盛りの世代にますます負担がのしかかることとなるおそれがあり、中長期的に我が国の経済活力が損なわれないよう、経済構造改革を推進していく必要に迫られています。
 また、我が国の財政は、国及び地方の長期債務残高が本年度末には約四百四十二兆円と、国内総生産比八八・八%、国民一人当たり約三百五十二万円に達する見込みであるなど、主要先進国の中で最悪とも言える危機的な状況にあります。今後、実質三%の経済成長が続き、税収が順調に増加したとしても、現在の財政構造が放置されるならば、歳入歳出ギャップはさらに毎年二兆円ずつ増加していくと見込まれ、歳入歳出全般を見直す財政構造改革が喫緊の課題となっております。
 このため、来年度を財政構造改革元年として、三兆円、以上の公債発行減額を目指すとともに、中期的な目標へ向けて財政の健全化を図っていく必要があります。さらに、こうした経済構造改革や財政構造改革と一体不可分のものとして、官民の役割分担のあり方を根本から見直すことなどにより、行政改革や社会保障制度改革を強力に推進していく必要があります。
 今回の税制改革は、こうした一連の構造改革の一翼を担うものであります。減税を先行させたために、消費税率の引き上げがあたかも増税であるがごとくに批判する向きもありますが、仮に平成九年度以降も消費税率や特別減税について八年度までと同様とした場合と比較すれば、九年度以降三年間平均で実質国内総生産を〇・九%程度引き下げる影響があるものの、全く今回の税制改革が行われなかった場合と比べると、依然として平均〇・四%程度高い経済活動水準が維持されるものと見込まれております。
 新進党のいわゆる消費税率据え置き法案は、少子・高齢化社会に対応した税制の改革に意を用いることなくしかも現在の財政状況をさらに悪化させ、我々の子供や孫の世代に一層の負担増加を先送りする無責任なものと言わざるを得ません。(拍手)
 減税により経済が活性化し、それにより財政再建が達成できるとの議論がありますが、減税の景気浮揚効果による税収増が減税規模を上回るなどというのは空論に過ぎず、結局は巨額の財政赤字を抱えることとなり、金利高によるクラウディングアウトやインフレを招来してしまうことは、世界経済の歴史を見ても明らかであります。今後、急速な少子・高齢化の進展に直面し、ある程度社会保障費等の増大が避けられないと考えられる中で、こうした無謀で破滅的な経済運営を行っていくことはできません。
 来年四月からの消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設は、活力ある豊かな福祉社会の実現を目指す税制改革の一環であるとともに、地方分権の推進や地域福祉の充実等のために地方財源の充実を図るものであります。安易に税率を据え置けば、社会保障施策の推進に支障を来すとともに、地方の自立の妨げになることも忘れてはなりません。
 また、いわゆる益税問題については、消費税率の引き上げと同時に、限界控除制度の廃止、簡易課税制度の適用上限の引き下げ、みなし仕入れ率の改正など、中小特例措置を大幅に縮減することとしており、いわゆる益税は相当に解消するものと考えられます。
 なお、消費税率の引き上げに際しては、これによって影響を受けやすい年金生活者や低所得の方々に対して、きめ細かい配慮が必要であります。この点については、与党三党の間で徹底した議論を行い、消費税率引き上げによって影響を受けやすい、いわゆる弱い立場の方々に対して平成九年度一人当たり一万円を支給すること、低所得の六十五歳以上の寝たきり老人に対して一人当たり三万円を支給すること、六十五歳以上の低所得者に対して一人当たり一万円を支給するとともに、平成十年度以降の年金の物価スライドに含まれる消費税負担当分一・五%を最低保障するなど、社会的弱者に対する特段の措置をとることについて合意したことも申し添えます。(拍手)、あわせて、与党一体となって、抜本的な逆進性緩和策のあり方について引き続き検討を行っていくこどもお約束したいと存じます。
 以上の諸点にかんがみ、我々、自由民主党、社会民主党・市民連合、新党さきがけ三党は消費税率据え置き法案に反対の意を表し、私の討論を終わります。(拍手)
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 仙谷由人君。
    〔仙谷由人君登壇〕
#29
○仙谷由人君 私は、民主党を代表して、新進党提案のいわゆる消費税率据え置きに関する二法案につきまして、反対討論をいたします。
 私ども民主党は、真剣た議論を重ね、その結果、右二法案に反対するという選択をいたします。
 だれしも負担の増加を喜ぶ者はおりません。とりわけ、橋本内閣の行おうとする行政改革、五つの構造改革の姿が国民には蜃気楼のようにしか見えない現状において、加えて住専問題や厚生省スキャンダルなど、税の使われ方の不透明、不公正な事態が顕在化し、拒税同盟までつくられようという市民の声が充満する中では、本法案に反対することはまずます重苦しい選択をしなければならないのであります。
 私ども民主党は、さきの総選挙の際の公約の中で、今回の消費税率の五%への改定については、二年前の所得税等の恒久減税の見合い分であり、かつ、その一%は地方消費税として国から地方への財源移転を進めるものであるという意義を踏まえ、これを基本的に容認することを表明してまいりました。また、消費税制度そのものにつきましても、現行所得税がいわゆる水平的公平、世代間の公平という点で問題を有していることに照らすと、これと相補う税制として肯定的に評価すべきであるとの認識に立つものでございます。
 もちろん、消費税率の改定をめぐって国民の中になお不満の声が存在していることは、十分承知をいたしております。この不満は、一つは、消費税制度に内在している逆進性の問題に起因するものであり、また、累次の見直しにもかかわらず、いわゆる益税が完全に解消していないことに基づくものであります。
 消費税の逆進性緩和や益税解消については、これまでになされた制度改正にとどまることなく、来年四月施行までの間さらに検討を続け、低所得者層への福祉的給付の拡充や還付制度の創設、インボイスの導入、免税点の思い切った引き下げ、簡易課税制度の二層の見直し等の改革を実現し、もしくは少なくともその方向性を国民に提示することが必要であります。(拍手)
 また、徹底した行政改革を断行し、行政の効率性、透明性を高める必要性につきましては、この場で改めて申し上げるまでもないことであります。
 民主党は、先日、行政監視院法案を今国会に提出したところでございますが、政府・与党の皆さん方がこれに賛同するか否かで、税金の使われ方とその評価についてまじめに取り組む覚悟があるのか、国民に負担を押しつけながら、知らしむべからずよらしむべしとの政治と行政を続けていくだけなのかが問われていると考えております。このことを改めて申し上げておきたいと存じます。
 民主党は、引き続き、大蔵省・金融行政改革、予算編成、公共事業の抜本的見直し等の課題につきましても、順次具体的な提案を行ってまいりたいと考えております。
 民主党は、現下の我が国の財政の危機的な状況をも踏まえるならば、単に税率改定を先送りして安易にツケを将来の世代に回すのではなく、必要となる財源についてははっきりと国民の皆さん方に説明をし、かつ、税金の使途がだれにもはっきりとわかる監視のシステムを整備し、御理解をいただきながら負担を求めることこそが、未来に責任を持つ政党としての基本姿勢であると確信するものであります。
 今回、新進党が提案された消費税率据え置きに関する関連二法案は、所得税等の先行減税に関する財源の手当てはおろか、十八兆円という減税を主張しながら、この理解不能な提案をしているのでございます。加えて、単に税率を二〇〇一年まで据え置くというのみで、益税解消等への新たな制度改正提案も何ら含まれていないなど、およそ政治に責任を持つ姿勢の見出せない提案であります。(拍手)あえて申し上げれば、ポピュリズムとしか言いようがないと断言するところでございます。
 したがいまして、新進党提案の関連二法案につきましては、内容的には全く賛同する余地のないものであることを申し上げて、私の反対討論といたします。(拍手)
#30
○議長(伊藤宗一郎君) 佐々木陸海君。
    〔佐々木陸海君登壇〕
#31
○佐々木陸海君 私は、日本共産党を代表して、新進党提出の二法案について反対の討論を行います。
 新進党の提案に反対する第一の理由は、結局、新進党の法案が、増税実施の時期を先送りするだ。けで、四年後の二〇〇一年四月一日がち税率を自動的に五%に引き上げる内容となっているからであります。将来の税率はあらかじめ決めないという同党幹部の選挙戦での繰り返しの公約にも、全く反しているのであります。
 第二の理由は、この法案が、中小業者の事務負担増と経営破壊を推し進める中小企業特例の改廃等を法律どおり来年四月からそのまま実施しようとしているからであります。
 日本共産党は、党としては消費税廃止の方向を展望しつつも、国民の切実な願いにこたえる立場から、来年四月一日からの消費税五%への増税を行わない、この一点で国会内の合意を実現することを追求し、新進党に対しても、将来の税率や消費税のあり方についての立場の違いを横に置いて、五%への自動増税となる法案に固執しないことを一貫して求めてまいりました。
 遺憾ながら、新進党は硬直した態度に終始し、この求めに応じようとはしませんでした。新進党のこうした態度は、この国会での一連の日程設定に関してとった同党の態度とあわせて、消費税増税阻止という公約の実現に対するこの党の立場そのものに、根本的な疑問を抱かせるものであると言わざるを得ないのであります。
 消費税の五%への増税は、もともと九三年総選挙での公約に正面から違反して決定されたものでありました。来年四月一日から実施するというこの増税計画が、今度の総選挙を通じても国民の承認を得られなかったことは、五百人中実に三百六十人以上が、消費税増税反対を初め、この計画に何らかの異論を明確に訴える公約を掲げて当選してきた。その厳粛な事実一つをとっても明確であります。
 加えて、総選挙後に厚生省の汚職が発覚し、新聞の投書欄もこんな声で満ちています。「政、官、財界のトップの方々、あなた方は同じ社会の片偶で、暮れのボーナスどころか月々の給料さえ危ぶまれ、あげくの果ては失職かとその日の生活さえも不安に思う毎日を想像できますか。財政赤字を口実に、名目を違えた増税はどうしても納得がいきません」、こんな投書が満ちています。
 日本共産党は、こういう国民多数の切実な声にこたえるために、今国会で、会期を少なくとも三十日間はとって徹底的な審議をすることを一貫して強く求めてまいりました。ところが、会期は二十日間に縮められ、その会期の短さを口実にして、消費税問題を審議する特別委員会は、昨日わずか一日、たった七時間の質疑を行っただけで、事実上審議の幕引きがなされようとしています。自民党、新進党その他の諸党の密室での協議も含む合意によってこういう方向が進められていることを絶対に許すことはできません。(拍手)
 選挙前、九月の与党三党合意は、総選挙後に税制のあり方を国会で徹底的に論議すると確認していたのであります。税制特別委員会での徹底審議は、消費税への立場の違いを超えた、各党共通の公約だったではありませんか。与党の徹底審議の公約は一体どうなったのですか。こんなやり方は、公約違反の罪をさらに重ねるものでしかないではありませんか。
 この一カ月に国会に寄せられた増税中止の請願署名は六百四十万人を超えるなど、消費税増税を許さない国民の世論はますます高まっております。たった一日の審議で消費税問題の幕引きをしようなどという策謀には、失敗の道しかありません。
 日本共産党は、圧倒的多数の国民とともに、来年四月からの消費税増税を許さないため、引き続き全力を挙げて闘う決意を表明して、討論を終わります。(拍手)
#32
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#33
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも否決であります。
 この際、両案の原案について採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 両案を原案のとおり可決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#34
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#35
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百九十二
  可とする者(白票)       百五十五
  否とする者(青票)      三百三十七
    〔拍手〕
#36
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案外一案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案外一案を可とする議員の氏名
      安倍 基雄君    愛知 和男君
      愛野興一郎君    青木 宏之君
      青山  丘君    青山 二三君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      東  祥三君    粟屋 敏信君
      井上 喜一君    井上 義久君
      伊藤 英成君    伊藤 達也君
      池坊 保子君    石井 啓一君
      石井  一君    石垣 一夫君
      石田 勝之君    石田幸四郎君
      一川 保夫君    市川 雄一君
      今井  宏君    岩國 哲人君
      岩浅 嘉仁君    上田  勇君
      上田 清司君    漆原 良夫君
      遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      大口 善徳君    大野由利子君
      太田 昭宏君    近江巳記夫君
      岡島 正之君    岡田 克也君
      奥田 敬和君    長内 順一君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    鍵田 節哉君
      鴨下 一郎君    川端 達夫君
      河合 正智君    河上 覃雄君
      河村たかし君    神崎 武法君
      神田  厚君    木村 太郎君
      北側 一雄君    北橋 健治君
      北村 直人君    北脇 保之君
      旭道山和泰君    久保 哲司君
      草川 昭三君    倉田 栄喜君
      小池百合子君    小坂 憲次君
      木幡 弘道君    古賀 一成君
      古賀 正浩君    今田 保典君
      権藤 恒夫君    左藤  恵君
      佐々木洋平君    佐藤 茂樹君
      佐藤 敬夫君    斉藤 鉄夫君
      坂口  力君    坂本 剛二君
      笹木 竜三君    笹山 登生君
      塩田  晋君    実川 幸夫君
      島   聡君    島津 尚純君
      城島 正光君    白保 台一君
      菅原喜重郎君    鈴木 淑夫君
      田中 慶秋君    田端 正広君
      高木 義明君    武山百合子君
      達増 拓也君    谷口 隆義君
      玉置 一弥君    樽床 伸二君
      冨沢 篤紘君    宮田 茂之君
      中井  洽君    中川 正春君
      中田  宏君    中西 啓介君
      中野 寛成君    中野  清君
      中村 鋭一君    仲村 正治君
      永井 英慈君    並 木正芳君
      二階 俊博君    西  博義君
      西岡 武夫君    西川太一郎君
      西川 知雄君    西田  猛君
      西野  陽君    西 村章三君
      野田  毅君    羽田  孜君
      萩野 浩基君    畑 英次郎君
      原口 一博君    平田 米男君
      福岡 宗也君    福島  豊君
      福留 泰蔵君    藤井 裕久君
      藤村  修君    二見 伸明君
      冬柴 鐵三君    細川 護煕君
      堀込 征雄君    前田 武志君
      前田  正君    増田 敏男君
      桝屋 敬悟君    松崎 公昭君
      松沢 成文君    松浪健四郎君
      丸谷 佳織君    三沢  淳君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      村井  仁君    矢上 雅義君
      山中 Y子君    山本 幸三君
      山本 孝史君    吉田  治君
      吉田 公一君    吉田 幸弘君
      米津 等史君    若松 謙維君
      鰐淵 俊之君    岩永 峯一君
      笹川  堯君    高市 早苗君
      土肥 隆一君    平野 博文君
      渡部 恒三君
 否とする議員の氏名
      安倍 晋三君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    赤城 徳彦君
      浅野 勝人君    麻生 太郎君
      甘利  明君    荒井 広幸君
      井奥 貞雄君    伊藤 公介君
      伊吹 文明君    飯島 忠義君
      池田 行彦君    石川 要三君
      石崎  岳君    石橋 一弥君
      石原 伸晃君    稲垣 実男君
      稲葉 大和君    今村 雅弘君
      植竹 繁雄君    臼井日出男君
      江口 一雄君    江渡 聡徳君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      衛藤 晟一君    遠藤 利明君
      小川  元君    小此木八郎君
      小里 貞利君    小澤  潔君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      尾身 幸次君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 秀政君
      大島 理森君    大野 松茂君
      大野 功統君    大原 一三君
      大村 秀章君    太田 誠一君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      奥山 茂彦君    加藤 紘一君
      加藤 卓二君    嘉数 知賢君
      柿澤 弘治君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    金子 一義君
      金子原二郎君    金田 英行君
      亀井 静香君    亀井 久興君
      亀井 善之君    川崎 二郎君
      河井 克行君    河村 建夫君
      瓦   力君    木部 佳昭君
      木村 隆秀君    木村 義雄君
      菊池福治郎君    岸田 文雄君
      岸本 光造君    久間 章生君
      久野統一郎君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 市雄君    熊代 昭彦君
      栗原 博久君    栗原 裕康君
      栗本慎一郎君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    小林 興起君
      小林 多門君    古賀  誠君
      河野 太郎君    河野 洋平君
      河本 三郎君    高村 正彦君
      佐田玄一郎君    佐藤 孝行君
      佐藤 信二君    佐藤 剛男君
      佐藤  勉君    斉藤斗志二君
      坂井 藤憲君    坂本三十次君
      阪上 善秀君    桜井 郁三君
      桜井  新君    櫻内 義雄君
      桜田 義孝君    自見庄三郎君
      島村 宜伸君    下地 幹郎君
      下村 博文君    白川 勝彦君
      新藤 義孝君    菅  義偉君
      杉浦 正健君    杉山 憲夫君
      鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君
      鈴木 宗男君    砂田 圭佑君
      住  博司君    関谷 勝嗣君
      園田 修光君    田中 和徳君
      田中 昭一君    田中眞紀子君
      田邊 國男君   田野瀬良太郎君
      田村 憲久君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    滝   実君
      竹下  登君    竹本 直一君
      武部  勤君    橘 康太郎君
      棚橋 泰文君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      谷畑  孝君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    中馬 弘毅君
      津島 雄二君    塚原 俊平君
      戸井田 徹君    東家 嘉幸君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島洋次郎君    中曽根康弘君
      中谷  元君    中野 正志君
      中村正三郎君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 成彬君
      中山 正暉君    長勢 甚遠君
      丹羽 雄哉君    西川 公也君
      西田  司君    額賀福志郎君
      根本  匠君    能勢 和子君
      野田 聖子君    野田  実君
      野中 広務君    野呂田芳成君
      葉梨 信行君    萩山 教嚴君
      橋本龍太郎君    蓮実  進君
      浜田 靖一君    林  幹雄君
      林  義郎君    原田昇左右君
      原田 義昭君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      福田 康夫君    福永 信彦君
      藤井 孝男君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      古屋 圭司君    保利 耕輔君
      穂積 良行君    細田 博之君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      牧野 隆守君    町村 信孝君
      松岡 利勝君    松下 忠洋君
      松永  光君    松本 和那君
      松本  純君   三ツ林弥太郎君
      三塚  博君    御法川英文君
      宮澤 喜一君    宮路 和明君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村岡 兼造君    村上誠一郎君
      村田敬次郎君    村田 吉隆君
      村山 達雄君    目片  信君
      持永 和見君    茂木 敏充君
      森  英介君    森  喜朗君
      森田  一君    森山 眞弓君
      八代 英太君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      柳本 卓治君    山口 俊一君
      山口 泰明君    山崎  拓君
      山下 徳夫君    山中 貞則君
      山本 公一君    山本 有二君
      与謝野 馨君    横内 正明君
      吉川 貴盛君   吉田六左エ門君
      渡辺 具能君    渡辺 博道君
      渡辺 喜美君    綿貫 民輔君
      安住  淳君    赤松 広隆君
      井上 一成君    伊藤 忠治君
      家西  悟君    池田 元久君
      池端 清一君    石井 紘基君
      石毛 ^子君    石橋 大吉君
      岩田 順介君    生方 幸夫君
      枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
      大畠 章宏君    海江田万里君
      金田 誠一君    川内 博史君
      菅  直人君    北村 哲男君
      桑原  豊君    玄葉光一郎君
      小平 忠正君    小林  守君
      五島 正規君    近藤 昭一君
      佐々木秀典君    佐藤謙一郎君
      末松 義規君    仙谷 由人君
      田中  甲君    辻  一彦君
      中桐 伸五君    葉山  唆君
      鉢呂 吉雄君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    日野 市朗君
      肥田美代子君    藤田 幸久君
      古川 元久君    細川 律夫君
      前原 誠司君    松本 惟子君
      松本  龍君    山花 貞夫君
      山元  勉君    山本 譲司君
      横路 孝弘君    渡辺  周君
      石井 郁子君    大森  猛君
      金子 満広君    木島日出夫君
      児玉 健次君    穀田 恵二君
      佐々木憲招君    佐々木陸海君
      志位 和夫君    瀬古由起子君
      辻  第一君    寺前  巖君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
      春名 直章君    東中 光雄君
      平賀 高成君    不破 哲三君
      藤木 洋子君    藤田 スミ君
      古堅 実吉君    正森 成二君
      松本 善明君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    吉井 英勝君
      秋葉 忠利君    伊藤  茂君
      上原 康助君    北沢 清功君
      辻元 清美君    土井たか子君
      中川 智子君    中西 績介君
      畠山健治郎君    濱田 健一君
      深田  肇君    保坂 展人君
      前島 秀行君    村山 富市君
      横光 克彦君    新井 将敬君
      石破  茂君    土屋 品子君
      船田  元君    望月 義夫君
      園田 博之君    武村 正義君
      遠藤 武彦君    中村喜四郎君
      米田 建三君
     ――――◇―――――
 日程第三 農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 農業協同組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#37
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案、日程第四、農業協同組合法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長石橋大吉君。
    〔石橋大吉君登壇〕
#38
○石橋大吉君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、両法律案の主な内容について申し上げます。
 まず、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案は、農協系統金融の効率化及び健全な運営の確保を図るため、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併及び信用農業協同組合連合会から農林中央金庫への事業譲渡の制度を設けようとするものであり、合併、事業譲渡に関し、総会の承認、債権者の異議の申し立て、主務大臣の認可の手続等を定めることとしております。
 次に、農業協同組合法等の一部を改正する法律案は、信用事業を中心とする農協系統の事業・組織の改革を推進するため、所要の措置を講じようとするものであり、
 第一に、農業協同組合の業務執行体制の強化を図るため、常勤役員等の兼職、兼業を制限するほか、経営管理委員会制度を選択的に導入できるようにすることとしております。
 第二に、信用事業を行う組合の経営の健全性を確保するため、最低出資金制度の導入、法定準備金の積立基準の引き上げ等による自己資本、内部留保の充実を図るとともに、員外監事、常勤監事の必置、中央会監査の強化等による監査体制の強化等を行うこととしております。
 第三に、農協の広域合併を推進するため、合併経営計画につき都道府県知事の認定を求めることができる期限を平成十三年三月三十一日まで延長することとしております。
 両法律案は、昨十二月十二日本会議において政府の趣旨説明及びこれに対する質疑が行われ、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、同日藤本農林水産大臣から両法律案の提案理由の説明を聴取した後、質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取するなど慎重な審査を行いました。
 質疑終了後、まず、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案について直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。次いで、農業協同組合法等の一部を改正する法律案について討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、両法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#39
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#41
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#42
○荒井広幸君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、人権擁護施策推進法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#43
○議長(伊藤宗一郎君) 荒井広幸君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 人権擁護施策推進法案(内閣提出)
#45
○議長(伊藤宗一郎君) 人権擁護施策推進法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長八代英太君。
    〔八代英太君登壇〕
#46
○八代英太君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、人種、信条または性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に関する内外の情勢にかんがみ、人権の擁護に資するため、人権の擁護に関する施策の推進について、国の責務を明らかにするとともに、必要な体制を整備しようとするもので、その内容は、この法律の目的、人権教育及び啓発に関する施策並びに人権侵害の被害者救済に関する施策を推進する国の責務、国の責務に関する事項を審議する審議会の設置及び組織等を定めようとするものであります。
 なお、この法律は、施行の日から起算して五年を経過した日にその効力を失うこととしております。
 本委員会におきましては、去る五日松浦法務大臣から提案理由の説明を聴取し、本日質疑を行一い、これを終了し、直ちに採決を行った結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しまして附帯決議が付されていることを申し添えておきます。
 以上、御報告申し上げました。(拍手)
    ―――――――――――――
#47
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#48
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 介護保険法案(内閣提出) 介護保険法施行法案(内閣提出)及び医療法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#49
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、介護保険法案、介護保険法施行法案及び医療法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣小泉純一郎君。
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#50
○国務大臣(小泉純一郎君) ただいま議題となりました介護保険法案、介護保険法施行法案及び医療法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、介護保険法案について申し上げます。
 我が国においては、急速な高齢化の進展に伴って、介護を必要とする者の数も急速に増加しております。また、介護期間の長期化や核家族化等に伴う家族機能の変化などと相まって、今日、介護問題は、国民一人一人にとって老後生活における最大の不安要因となっております。
 介護が必要となった場合、利用者の心身の状況に応じた保健医療サービス及び福祉サービスが必要となりますが、現行制度においては、利用者の立場に立ったサービス提供や効率的なサービス提供という観点からさまざまな問題点が指摘されております。
 こうした状況を踏まえ、現行制度の再構築を図り、国民の共同連帯の理念に基づき、社会全体で要介護者の介護を支える新たな仕組みを創設するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、介護保険は、被保険者の要介護状態等に関し必要な保険給付を行うこととし、給付に当たっては、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者または施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮することとしております。また、保険給付の内容及び水準は、要介護者の有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならないこととしております。
 第二に、市町村及び特別区は介護保険を行うこととし、国及び都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう、必要な各種の措置を講じなければならないこととしております。
 第三に、介護保険は、六十五歳以上の者を第一号被保険者とし、四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者を第二号被保険者とすることとしております。
 第四に、保険給付の円滑な実施の確保を図るため、厚生大臣は、保険給付に係るサービスを提供する体制の確保等に関する基本的な指針を定めるものとし、市町村及び都道府県は、それぞれ保険給付に必要なサービスの確保等に関する計画を定めることとしております。
 第五に、介護保険制度を各主体が重層的に支え合うという観点から、国は、介護給付等に要する費用の四分の一を負担するとともに、要介護認定等の事務に要する経費の二分の一に相当する額を交付することとし、都道府県及び市町村は、それぞれ保険給付に要する費用の八分の一ずつを負担することとしております。また、第一号被保険者は市町村に保険料を納付するものとし、各医療保険者は、加入している第二号被保険者数に応じて介護給付費納付金を、それぞれ医療保険各法に定める保険料算定のルールに従って社会保険診療報酬支払基金に納付し、支払基金はこれを各市町村に対し一律に交付することとしております。
 第六に、市町村の介護保険の財政の安定化に資するため、都道府県に財政安定化基金を設けることとしているほか、市町村は、他の市町村と共同して、介護給付等に要する費用の財源について相互に調整する事業を行うことができるものとしております。
 第七に、政府は、被保険者の範囲、保険給付の内容及び水準、保険料の負担のあり方を含め、介護保険制度の全般について、地方公共団体等の関係者の意見を考慮しつつ、検討を加え、その結果に基づ岩、必要な見直し等の措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律の施行日は、一部の事項を除き、平成十二年四月一日としております。
 次に、介護保険法施行法案について申し上げます。
 本法律案は、介護保険法の施行のために必要な経過措置を設けるとともに、関係法律の規定の整備を行おうとするものであります。
 続きまして、医療法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 人口の高齢化、疾病構造の変化等、我が国の医療を取り巻く環境が著しく変化する中で、要介護者の増大に対応するために、介護体制の整備を図ること、日常生活圏において通常の医療需要に対応できる医療提供体制の整備を図ることや、患者の立場に立った医療情報提供を促進することが重要な課題となっております。
 このような状況を踏まえ、療養環境、介護体制の整備や地域医療の確保など、国民に良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の整備を図るため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、医療の担い手は、医療を提供するに当たって、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めるものとしております。
 第二に、長期療養患者の療養に適した人員配置及び構造設備を有する療養型病床群を診療所にも設置できることとしております。
 第三に、地域の医療機関が提供する医療への支援等を行う病院を地域医療支援病院として位置づけることとしております。
 第四に、医療計画において、療養型病床群の整備の目標等に関する事項、医療提供施設相互の機能分担及び業務連携等に関する事項等を二次医療圏ごとに定めることとしております。
 第五に、医療法人の行い得る業務及び医業等に関する広告規制について見直しを行うこととしております。
 この法律の施行日は、一部の事項を除き、公布の日から一年以内の政令で定める日としております。
 以上が、介護保険法案、介護保険法施行法案及び医療法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 よろしく御理解、御協力のほどお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 介護保険法案(内閣提出)、介護保険法施行法案(内閣提出)及び医療法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#51
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。安倍晋三君。
    〔安倍晋三君登壇〕
#52
○安倍晋三君 私は、自由民主党を代表して、介護保険法案、介護保険法施行法案及び医療法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 昭和三十六年に国民皆保険、皆年金を達成した社会保障制度は、経済の成長、社会の成熟とともに充実してまいりました。しかしながら、今日の社会保障制度を取り巻く環境は、諸外国にも例を見ない高齢化の急速な進展、家族形態の多様化と、大きく変貌を遂げつつあります。こうした中で、昭和四十五年には三兆五千億円であった社会保障給付費は、平成七年には六十五兆円となり、対国民所得比で一七%を超えるまでになっております。一方で、経済は低成長化し、現在、国の財政は残念ながら大変厳しい状況にあるということは御承知のとおりであります。
 今後、国民経済との調和を図りながら、社会保障が社会経済の発展の制約要因となることなく、合理的な負担のもとで、社会経済のセーフティーネットとしての役割を確実に果たしていくためには、社会保障全体の抜本的な見直しか不可欠であります。二十一世紀に向けてなすべき改革は、どんなに困難であろうとも勇気を持って取り組んでいく、それが橋本内閣の使命であると、そう信じております。(拍手)
 そこで、まず、総理及び厚生大臣にお尋ねいたします。
 介護保険制度の導入は社会保障構造改革の第一歩と言われておりますが、その導入を契機として、社会保障制度全体の大改革にどのように取り組んでいかれるのか、決意をお聞かせいただきたいと存じます。
 介護保険制度の創設は、総理も最重点施策の一つとして位置づけておられます。我が党としても、社会民主党、新党さきがけ両党とともに、この更地方公聴会を開催し、実際に介護で苦労されている家族の方々などの生の声をお聞きしてまいりました。こうした幅広い御意見をもとに、九月には制度の修正案を取りまとめたのであります。
 介護等を要す高齢者が毎年十万人ずつ増加していく中で、介護を社会的に支える仕組みの創設は、先延ばしの許されない問題であり、まさに国政上の最重要課題の一つであると考えます。これは、女性の社会進出、子供と同居する高齢者が少なくなってきていることなど、家族機能の低下を考えるとなおさらであります。そして、この問題の深刻さは、介護の長期化により、介護している方々の要介護者に対する憎しみや虐待の発生という家族関係の崩壊現象に端的にあらわれているのではないでしょうか。
 介護保険制度は、このような深刻化している介護の問題に対して、介護を社会全体で支える仕組みを構築しようとするものであります。制度創設のねらいは、介護を要する状態となっても、安心して介護サービスを利用できるようにすることにより、高齢者にとってかけがえのない財産である住みなれた家庭や地域で、親しい家族や知人とともに、自立した生活ができるようにすることを目指すものであると考えます。
 我が国においては、かねてより、家族が介護を必要とする状態となったとき、可能な限り家族がみずから自身の手で介護をしてあげようといった温かい家族のきずなの中で、多くの方々が家庭における介護を実践してこられました。現在でも、家族による介護を望む高齢者は多く、献身的に家庭で介護をしている方々が多数おられます。こうした家族のきずな、価値は、今後とも大切にしていかなければなりません。
 しかしながら、長期間、このように自分自身の時間を削りながら、まさに我が身を削って介護をされておられる方々が、身体的にも精神的にも負担を感じ、いわゆる介護疲れの状態となり、また、十分な睡眠がとれない、家を全く留守にできないといった叫びがあるのも現実であります。介護保険制度は、このような実際に家庭で介護をされている方々の負担を可能な限り軽減し、家族でなければできない、優しいいたわりの言葉といった家族本来の情愛に満ちた関係を取り戻すことにあります。
 介護を要する高齢者自身の生活の質の向上を図ることはもとより、それを支える家族をともに支援していくものでなければならないと考えます。また、従来からの自助の意識が損なわれることなく、適切に評価されていくことが必要であると考えます。この点、提案されている制度案はどのような理念でつくられているのか、厚生大臣にお伺いをいたします。
 次に、新たな社会保険制度である介護保険制度の運営についてであります。
 介護を要するようになっても、可能な限り家庭で自立した生活を送るという考え方からすれば、在宅における介護サービスの量的な充実と多様なサービスの効率的な提供が重要であります。このようなきめ細やかな在宅サービスの提供は、住民に最も身近な自治体である市町村が責任を持つことが重要であります。介護保険制度案においても、保険者を市町村としております。しかし、市町村が安定的に保険者運営を行っていけるためには、財源面、事務執行面の両面の保障がしっかりとなされることが必要であります。そこで、介護保険制度案においてはこの点についてどのような対策が講じられているのか、厚生大臣にお尋ねいたします。
 保険制度の仕組みをとる介護保険制度では、その主たる財源は保険料で賄うこととなります。将来にわたって、保険料負担について国民の理解を得ることが重要であります。また、介護保険制度を円滑に導入するためには、地域間格差のない、公平なサービス基盤の整備を図ることが必要となります。そこで、新ゴールドプランの水準で果たして十分な基盤整備が可能かどうか、あわせて、国民にとって不安材料の一つでもあります保険料負担の見通しをどのように考えておられるのか、厚生大臣にお伺いをいたします。
 介護保険制度導入に向けた基盤整備のためには、今まで。述べてきたように、引き続き公費の導入が不可欠であります。しかし、長期的な公費投入を国民の理解なくして行うことはできません。その意味において、彩福祉グループ事件、岡光前次官の逮捕はまことに残念であり、強く怒りを覚えるものであります。
 厚生行政に対して失われつつある国民の信頼を取り戻すためには、社会福祉法人に関する情報公開や補助金手続の明確化など、制度としての再発防止策を作成することが必要であると考えますが、厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 この事件に関してつけ加えさせていただきたいことは、介護保険制度作成に彩グループの小山氏とかかわりを持った厚生省職員がそれぞれの役職においてかかわったことをもってして、介護保険制度あるいは法案そのものが問題であると断じるのは間違いであるということであります。事件については徹底的な捜査とそれに伴う処分、処罰を行い、また、再発防止策を作成するのは当然でありますが、社会的ニーズから生まれた介護保険法案については冷静に審議すべきであると考えます。
 次に、介護保険関連法案として同時に提出した医療法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 介護保険の基盤整備を図る観点から、療養環境の整った医療施設である療養型病床群の整備を、既存の病院からの転換等を促進することにより速やかに実施することが必要と考えますが、今回の医療法の一部を改正する法律案での対応を含め、どのような具体的な対策を講じることとしているのか、厚生大臣にお伺いをいたします。
 最後に、若年を含めた身体障害者全体の介護をどうするかといった残された問題もありますが、今現在、介護で苦労されている家族の皆様の負担を軽減し、高齢者の生活の質の向上を目指すために、一日も早く介護保険制度が創設され、その解決が図られていくことを期待し、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#53
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 安倍議員にお答えを申し上げます。
 社会保障制度全体の改革について御質問がございましたが、急速な少子・高齢化の進展に伴う国民のニーズの変化に適切にこたえながら、二十一世紀における医療、年金、福祉などを通じ、給付と負担のバランスがとれて、なお経済活動とも両立し得るサービスの選択へ民間活力の発揮といった考え方に立ちながら、効率的で安定した社会保障制度を確立するため、構造改革を進めなければならないと考えております。
 ちょうど十一月十五日に厚生大臣に対し、そのような考え方に基づいて、関係大臣と協議連絡をしながら、全体の制度の見直しを指示いたしました。すなわち、給付と負担のバランス見直し、官民の役割分担、民間活力の活用等を内容とする構造改革の具体的なプランというものの策定に取り組んでいただきたいということであります。
 現在御審議をお願いしております介護保険制度一の創設を第一弾として、医療、年金などの改革に順次取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#54
○国務大臣(小泉純一郎君) 社会保障制度全体の改革については、ただいま総理の御答弁のとおりでございます。
 家族介護の評価に対するお尋ねでありますが、介護保険制度においては、在宅介護の重視を明確に定め、要介護者ができる限り住みなれた地域や家庭で親しい家族とともに生活できるよう、要介護者本人とその家族を積極的に支援することとしているところであります。また、家族介護の適切な評価と支援を行う観点から、短期間入所の利用枠の拡大等を行うこととしているところであります。
 市町村に対する財政面、事務面からの支援についてのお尋ねですが、財政面では、給付費の二分の一は公費、約三分の一は医療保険者が徴収する保険料を財源とした交付金で賄うこと、収納率の低下等を理由とする財源不足が生じないよう、都道府県に財政安定化基金を設置することなどの対策を講じております。また、事務運営面では、要介護認定の審査判定に係る事務を都道府県に委託できることとするなどの対策を講じております。これらの措置を通じ、実際に市町村の保険者事務の運営が円滑に行われるよう努めてまいります。
 介護保険制度のサービス基盤整備についてのお尋ねですが、新ゴールドプランは、全国の地方自治体が地域のサービス必要量を踏まえて作成した老人保健福祉計画を集大成して策定されたものであり、まずはその着実な達成に努力してまいります。さらに、介護保険制度のもとでは、各市町村がサービスの必要量を踏まえて作成する介護保険事業計画に基づき、サービス基盤を計画的に整備していくこととしております。
 保険料負担の見通しについてのお尋ねですが、必要とされる介護サービス量、基盤整備の状況等を踏まえ、施行年度である平成十二年度には全国平均の被保険者一人当たりで約二千五百円と見込んでおります。法施行後については、要介護者数の伸び、基盤整備の充実等を反映し、その負担額も伸びていく見込みであり、平成二十二年には約三千五百円となると推計しております。
 今回のような事件の再発防止策についてのお尋ねでありますが、厚生省においては、事実関係の究明とともに、社会福祉施設に関する補助金、法人認可・運営等についての再点検を行うことを目的として、省内に施設整備業務等の再点検のための調査委員会を設置したところであります。今後、この調査委員会における検討を踏まえて、御指摘の点も含めて、特別養護老人ホームの施設整備等について必要な改善措置を行ってまいります。
 療養型病床群の整備についてのお尋ねでありますが、今回の医療法の一部を改正する法律案においては、介護保険制度の基盤整備の一環として、有床診療所にも療養型病床群を設けることができることとすること、医療計画を見直し、療養型病床群の整備目標を明記することなどの改正を行うこととしております。また、介護を要する高齢者が多く入院している病院について、療養環境の整った療養型病床群への転換を図るため、医療施設近代化施設整備事業による補助を初めとして、診療報酬上の措置、融資・税制上の優遇措置等の施策を講じることとしております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○議長(伊藤宗一郎君) 鴨下一郎君。
    〔鴨下一郎君登壇〕
#56
○鴨下一郎君 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました介護保険法案並びに関係法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 私は、今、率直に申し上げて複雑な気持ちでここに立っております。
 本年五月十七日、この壇上にて、薬害エイズ問題について、国民の健康をつかさどる厚生省が二度と国民の信頼を損ねるような不祥事を起こしてはならないという思いで橋本総理に質問をいたしました。しかしながら、願いもむなしく、またしても国民を裏切ったのであります。厚生省トップの岡光前事務次官を中心とする汚職事件で、厚生省に対する国民の不信は怒りへと変わりました。こうした状況の中で、超高齢化社会を目の前にした国民の願いでもある新たな公的介護システムについての質疑をしなくてはならないことは、残念でなりません。
 橋本内閣は、十一月二十九日、介護保険法案を閣議決定し、夕刻国会に提出しました。閣議決定のわずか数時間前に、介護保険法案についての実質的な責任者である和田前審議官が、平成六年十一月に彩福祉グループの小山容疑者から審議官就任祝いとして百万円を受領していたことを、本人の口から明らかにされたにもかかわらずであります。
 私ども新進党も、多くの国民が望んでいる公的介護システムの早期の導入は最重要課題と考えております。ただ、その前にやらなげればならないことがあります。今多くの国民が抱いている率直な気持ちは、官僚はうまいことを言ってゴールドプランを食い物にして、結局その一部は官僚の車や海外旅行に充てられてしまったのではないかという行政に対する決定的な不信と怒りなのです。私自身の気持ちとしても、失礼な言い方かもしれませんが、不祥事を起こした方がつくられた法案を素直に読むこともできませんし、何か抜け道があるのではないかという疑いを抱かざるを得ないのであります。
 総理、私は、厚生省を取り巻く状況から見て、まずはこのたびの汚職事件の真相究明に全力を挙げ、厚生省の信頼回復に努めた上で、次期通常国会において本格的な政策論議を行うのが真っ当な道筋だと思いますが、総理の見解をお伺いいたします。(拍手)
 私は、性急な法案提出そのものに強い憤りを覚えつつ、また厚生省の汚職事件を踏まえ、具体的な質問をいたします。まずは、社会保障にかかるコストについてであります。
 彩福祉グループや関連企業がいわゆる丸投げなどによって得た差額は十七億八千万円に上りました。事もあろうに、その一部は官僚に還流されました。総理並びに厚生大臣には、彩福祉グループや関連会社からなどの政治献金やパーティー券の購入などの事実はないでしょうか、改めて確認させていただきます。
 要するに、福祉はもうかるのではないか、社会保障のコストにむだがあるのではないかという問題が、今回の事件で提起されたのであります。私兵老人福祉にかかる補助単価が不当に割高であるとは思いませんが、この際、補助金のあり方や社会保障にかかるコストを徹底的に見直していく作業は、不可欠であると考えます。総理並びに厚生大臣の見解をお伺いいたします。
 それに伴い、厚生省が試算している将来の介護費用の推計も当然変わってくるものと考えますが、将来の介護費用についてどう考えているのか、お尋ねしたい。
 また、このたびの不祥事を踏まえ、再発防止のために法案そのものを再点検する必要があると思いますが、真相究明の見通しと、その際の法案自体の修正を考えているのか、総理の見解を伺います。
 質問の第二は、施設・在宅サービスの基盤整備についてであります。
 新しい介護システムは、家族だけでなく社会全体で支え合い、だれでもいつでも身近に必要なサービスを受けられるものでなくてはなりません。また、高齢者の自立を支援し、二ーズに適切に対応する選択肢のあるものでなくてはいけません。しかし、施設・在宅サービスの整備状況はといえば、政府案では、平成十二年度から施設・在宅サービスの同時実施となっておりますが、新ゴールドプランが達成されてもなお、政府の試算でも在宅サービスの整備率が五〇%にとどまっております。だれでも受けられる状態とは到底言えません。このままでは、保険あって給付なし、もしくは給付水準を下げざるを得なくなるのではないかと考えますが、総理並びに厚生大臣にお伺いいたします。
 また、新ゴールドプランを見直し、新たな整備計画を早急につくるべきであると考えますが、あわせてお考えを伺いたいと思います。
 次の問題は、保険方式が果たして最善であるかどうかについてであります。
 このたび政府が提出した法案は保険方式であります。初めに保険ありきで議論が進められ、しかも短時間のうちにまとめられました。しかし、今日までの議論の経過は、現行の措置制度は硬直化した利用しにくい制度であるという前提で、初めから、租税方式は利用者本位ではないという短絡的な論法でありました。租税方式にしても保険方式にしても、新たに国民に負担を求める点では同じでありますが、私は、これまでの論議を見てみると、税方式よりも保険方式の方が国民的な理解を得やすいからという極めて安易な政治的選択によっているのではないかと疑いたくなります。
 新たな介護システムをどういった方式でスタートさせるかは、将来における日本の社会保障体系全般にわたる重要な転機になります。ですから、偏った情報だけではなく、租税方式、保険方式の長所短所を国民に明確にした上での議論がなされるべきであります。総理、租税方式、保険方式の長所と短所をどう認識し、なぜ保険方式を選択されたのか、また総理の目指す社会保障の負担のあり方は何なのか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、公的介護保険は、保険という名をとりながら、普通の保険のように、加入した段階で給付も受けられるようにはなっていません。四十歳から保険粋を納めて六十五歳から給付が受けられるということですが、六十五歳までに亡くなってしまった場合には今まで納めたお金はどうなるのでしょうか。また、六十五歳になっても審査に受からなければサービスが受けられないということですが、そもそもそういったシステムが国民に受け入れられるでしょうか。
 さらに、介護リスクは、厚生省の資料でも、六十五歳以上の方の約十三%であります。四十歳から六十四歳のいわゆる第二号被保険者になればさらに低く、リスクと負担の関係からいえば、ほとんどの方々は保険料を納めるだけでサービスの給付は受けられないということになります。この点について総理並びに厚生大臣の見解を伺います。
 保険料の徴収についても、六十五歳以上の年金生活者の方は年金からの天引き、四十歳から六十四歳の第二号被保険者は医療保険と同時に給料から天引き、その他の方は市町村の個別徴収と、徴収方法もばらばらであります。また、給与所得者については、扶養者の有無、所得の違いによって負担の差が大きく出てきます。負担の公正という点からどうお考えか、あわせてお尋ねいたします。
 質問の第四は、保険者についてであります。
 市町村は、保険者になることについては、なお、第二の国保になるのではないかという強い不安を抱いています。私は、効率的で質の高い福祉を提供していくためには、将来的にはやはり基礎的盲治体の規模を三百程度に再編し直すくらいの大胆な地方分権が不可欠だと考えますが、総理の地方分権についての決意をこの際お伺いしたいと思います。
 また、地域によって高齢化率の違いや地理的、社会的な状況も千差万別であります。そこで、ある一定水準の給付はナシコナルミニマムとして国で保障するとともに、さらに、地域の実情に沿って、NPOを含めた民間活力を生かす制度にするべき止考えますが、総理の見解を伺います。
 質問の第五は、要介護認定についてであります。
 政府案では、要介護者は、要介護状態の基準に該当するかどうか、市町村の認定審査会で認定され、状態に応じて六段階に分けられます。すなわち、要介護認定は受けられるサービスの水準を決める重大なものであり、高い専門性を有したマンパワーの確保と客観的な判断ができる認定基準が必要であります。この点について、私は、要介護認定が政治的に利用されたり認定者の恣意的な判定が入らないように、アセスメントについては福祉の専門家を交え公正に検討されなければ、介護システムそのものが崩壊してしまうと考えています。この点、厚生大臣はどうお考えか、また、マンパワーの養成確保をどう図っていこうと考えておられるのか、御見解を賜りたいと思います。
 さらに、このたびの政府案では、「目的」の第一条に「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等」となっており、若年者の障害者は対象になっておりませんが、将来的には、障害者福祉施策との整合性を考慮しつつ、対象者とするべきではないかと考えますが、総理の見解を賜ります。
 介護システムをつくるということは、新たな国のシステムをつくり直すと言っても過言ではありません。既存の行政、特に厚生省だけで介護保険を提案し、導入すれば事足りるという問題ではありません。老人医療、寄附金控除を伴うNPOの整備、高齢化社会をともに生きる若者の教育、自治体の規模へ住宅問題、税金のむだ遣いをしない行財政改革、国民負担のあり方など、あらゆる面から発想を転換して、複合的、長期的な、国を挙げての構造改革をしていかなければ、到底超高齢化社会を乗り切れるものではありません。また、新しいシステムを有効に機能させていくには、当事者である国民の皆様の協力、理解がなくては不可能であるということは言うまでもありません。
 総理、一連の不祥事に対しての国民の批判はまことに厳しく、お茶を濁すような対応では、到底、介護保険、医療保険、そして消費税増税というさらなる負担は承服できません。こうした事実を真摯に受けとめ、まずは、徹底的に厚生省に対。する信頼回復を図るため、真相究明に全力を尽くされることを切に希望して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#57
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 鴨下議員の御質問に対し、御答弁を申し上げます。
 まず冒頭、そして御質問の締めくくりに、厚生省の一連の不祥事について、大変厳しい国民の認識とともに、これに対する反省を求められました。
 我々としても、本当に残念な事件であります。そして、この汚職事件につきましては、事実関係を徹底的に究明いたしました上、厳正な処分、綱紀粛正の徹底を図りますとともに、再発防止策に取り組んでまいります。
 介護保険法案は、この内閣の最重要課題の一つであります。また、これまでの関係審議会の審議や地方関係団体との協議などの積み重ねの上に取りまとめたものでありまして、今回の事件を理由に先送りすべきものではない、内容について御審議を賜りながら成立に全力を尽くしたいと考えております。
 次に、彩福祉グループ及びその関連企業からの献金並びにパーティー券の購入はないかというお尋ねでありました。
 政治献金について、またパーティ券について、ございません。
 次に、補助金のあり方や社会保障にかかるコストという点から御論議がございました。
 今回の事件を踏まえまして、社会福祉施設に対する補助金のあり方などにつきまして再点検を行うことにいたしております。社会保障にかかる経費というもの、要する費用というものは、高齢化の進展などの中で今後増大していくことが避けられないものだと考えておりますけれども、同時に、社会保障構造改革を推進しながら、社会保障・制度全体の効率化に取り組んでいきたいと考えております。そして、この場合には、介護の費用につきましては、多様なサービス主体を参入させながら、民活を促進する等によってできる限りの効率化を図ってまいりたいと考えております。
 また、不祥事の再発防止と法案の修正についてお尋ねがございました。
 再発防止につきましては、事実関係の究明とともに補助金業務などの再点検を行いますと同時。に、手続の明確化、透明化などの改善措置を講じてまいります。しかし、介護保険法案は、これまで関係審議会の審議や地方関係団体との協議などを積み重ねて、最善のものとして提案をさせていただいたものでありまして、補助手続などの再点検が直ちに法案の修正に結びつくものとは考えておりません。
 また、介護保険制度に向けた新たな整備計画についてのお尋ねがございました。
 新ゴールドプランは、全国の地方自治体の老人保健福祉計画を集大成して策定したものでありまして、まずその着実な達成に努力してまいります。また、介護保険制度のもとにおきましては、各市町村がサービスの必要量を踏まえて作成する介護保険事業計画に基づいて、サービス基盤を計画的に整備していくことといたしております。
 次に、租税方式と保険方式の選択の件について御質問がありました。
 私は、今後増加する介護サービスの費用を賄う仕組みとしては、利用者の自由な選択を可能にし、かつ、給付と負担の対応関係が明確な保険方式が適当だと考えております。また、社会保障制度の負担のあり方といたしましては、今後とも社会保険料負担中心の枠組みを維持していくべきものだと考えております。
 次に、保険料負担と受給との関係についてお尋ねがございました。
 法案では、四十歳以上の方を被保険者として保険料を負担し、かつ、給付も受けるという構成をとっております。年齢によって介護リスクが異なる点につきましては、社会保険制度が不確実なリスクの発生を社会連帯の理念によって相互に助け合うものでありまして、負担については御理解いただけるものと考えております。
 また、保険料負担の公正の件でありますが、法案では、第一号被保険者、第二号被保険者を通じて平均的な保険料負担を同一水準とした上で、それぞれ被保険者の能力に応じた負担をお願いいたしております。また、徴収方法につきましては、既存の徴収ルートを活用しながら、それぞれの世代の収入形態や生活実態に即した方法を採用しており、簡素で確実な徴収という観点からも現実的かつ適切なものだと考えております。
 次に、地方分権についてのお尋ねがございました。
 保健福祉サービスにつきましては、多様化する住民のニーズにきめ細かに対応できるよう、住民に身近な市町村を中心として、これを国と都道府県が支援するなど、それぞれの役割を果たしていく必要があると考えております。そのためには、国、都道府県、市町村の役割分担や、議員からも御指摘を受けましたような広域的な行政体制のあり方につきまして、市町村合併の推進を含めてさらに検討を進めながら、地方公共団体の自主性、自立性を高めるなど、地方の役割の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、民間活力の活用という点で御意見をいただきました。すなわち、一定水準の給付を国が保障し、NPOを含む民間活力を生かす制度をという御指摘であります。
 この介護保険制度におきましては、サービスの質の向上、コストの効率化などの観点から、まさに民間の創意工夫を最大限に活用することが必要だと考えております。こうした観点から、標準的なサービス水準は全国的に保障いたしますとともに、地域の実情に応じて、住民参加型の非営利組織なども含めた多様な民間主体が参入できる柔軟な制度とすることとしております。
 また、若年障害者についてのお尋ねがございました。
 若年障害者に係る施策につきましては、当面、障害者プランを初めとする障害者福祉施策の枠組みの中で公費によって対応することといたしております。受給者の範囲などにつきましては、将来的には、制度全般にわたる見直しの中で、障害者プランなどの障害者の福祉に係る施策との整合性などに配慮しながら検討を行うことといたしております。
 残余の質問は、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#58
○国務大臣(小泉純一郎君) 鴨下議員の御質問にお答えいたします。
 彩福祉グループ及びその関連企業からの私への献金はありません。
 補助金のあり方や社会保障にかかるコストのお尋ねですが、厚生省においては、今回の事件を契機として、施設整備業務等の再点検のための調査委員会を設置したところであり、この調査委員会において施設整備に対する補助金のあり方等について検討してまいります。また、今後の社会保障の構造改革においては、国民経済との調和及び社会保障に対する需要への適切な対応という観点から、制度の効率化に積極的に取り組むこととしております。将来の介護費用についてもこのことを前提として推計しておりますが、今後仮に見直しが必要となった場合には、その時点で適切に対応してまいりたいと考えております。
 新ゴールドプランの見直しについてですが、これは総理の答弁のとおりでございます。
 保険料負担と給付の関係についてのお尋ねですが、四十歳から介護保険の被保険者とし保険料負担を求めることとしておりますのは、四十歳以上となると脳卒中等による要介護状態が生じる可能性が高くなること、また、みずからの親が介護サービスを受ける可能性が高まり、世代間連帯によって介護費用を支え合うことに適していることなどを踏まえたものであります。また、個々人の生涯を通じて見れば、かなりの割合で寝たきり等になる可能性があることから、社会連帯を基本とし保険料を負担し合う仕組みとすることについては、御理解いただきたいと考えております。
 保険料負担の公正についての件ですが、法案では、高齢者と若い人の一人当たりの保険料負担額が全国平均で同一水準となるよう設定し、その上で能力に応じた負担をしていただくことにしております。また、徴収方法については、医療保険料といった既存の徴収ルートや年金からの天引きというルートの活用を図りながら、おのおのの世代の収入形態、生活実態に即した方法を採用しているところであり、できる限り簡素で確実な徴収を行う観点からも現実的かつ適切であると考えております。
 公正な要介護認定とマンパワーの養成確保についてですが、要介護認定の基準については、必要な介護量の実態を踏まえ、国が全国共通の客観的なものを定めることとしております。また、審査及び判定については、専門職種の委員で構成される介護認定審査会において取り扱うこととしており、公正かつ適正な要介護認定が行われるよう基準の設定やマニュアルの作成等に努めてまいります。要介護認定に必要な訪問調査やサービス計画の策定を行う介護支援専門員については、保健、医療、福祉の専門家等に所要の研修を受けていただくことを考えており、今後、制度施行までに計画的に介護支援専阿員の養成確保が図られるよう努めてまいります。
 よろしくお願いします。(拍手)
    ―――――――――――――
#59
○議長(伊藤宗一郎君) 石毛^子君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔石毛^子君登壇〕
#60
○石毛^子君 ただいま提案された介護保険法案について、民主党を代表して、総理大臣、厚生大臣及び自治大臣に質問いたします。
 高齢社会の進行とともに介護を必要とする高齢者が増大の一途をたどっていることは、今や周知の事態であります。寝たきりあるいは介護を必要とする痴呆性高齢者また虚弱の状態にある高齢者は、二〇〇〇年には二百八十万人に上ると推計されます。恐らく痴呆性の高齢者はもっとふえると予測され、介護を要する高齢者はさらにふえるものと思われます。
 その増大する介護が現在既に多くの問題を擁していることは、改めて申すまでもありません。家族介護に携わる二人に一人は六十歳以上という老人介護の実態があり、介護している者がいつ倒れるかわからない過酷な状況にあります。社会的介護の不足のために、女性が仕事を中断せざるを得ない状況も続いています。社会的入院と呼ばれている状態にある高齢者がしばしば拘束されているという人権侵害状況も、解決を見ていません。要介護者と家族などにとって、また、今後そうした事態に遭遇することが確実に予測される市民にとって、充実した介護の社会システム化が喫緊の課題であることは言うまでもありません。
 政府においてもその認識はある程度なされてきたところであり、そのために、ゴールドプラン、新ゴールドプランの推進が図られてまいりました。しかるに、その大切な政策実現の過程において岡光問題の発生を見るに至りました。介護保険の前提となる新ゴールドプランの推進を岡光前事務次官を初めとする官僚が利権の具としたことへの市民の不信、怒りは、この問題の解決なくして介護保険の制度化を実現し得ないほどに深刻です。その一方で、繰り返しますが、社会システムとしての介護の整備充実は、市民にとって喫緊の要望であることは言うをまちません。
 法案の具体的な項目について質問する前に、御光前次官に関連した問題についてお尋ねいたします。事件の解明が進むにつれ、官と業、政と業の醜悪な癒着が判明しつつありますが、私はそれらを構造的かつ政策的な問題ととらえています。
 第一に、総理、中央官庁の職員の出向は、それ自体を否定するものではありませんが、特定ポストの独占、出向先での業者との癒着など、今回噴き出した問題をどのように認識されるのか、お示し願いたいと思います。
 自治大臣、若年の中央官僚が特定ポストにつき、それが順送りされていくことを地方自治の立場からどのようにとらえられるのか。自治体職員の育成を阻み、地方の自主的な決定を阻害するものと考えますが、御見解を伺います。
 中央省庁の職員が現場を知るために出向が必要とされるのであれば、福祉施設などの最前線のポストにつくべきであって、許認可権限を持つ職務は避けるべきと考えますが、厚生大臣と自治大臣に伺います。(拍手)
 第二に、社会福祉法人についてもさまざまな問題を指摘できます。
 九二年の総務庁報告では、社会福祉法人のずさんな運営が明らかにされ、改善の勧告がなされていますが、今回の事態を防ぐことはできませんでした。行政による行政監視には限界があり、民主党が今国会に提出した行政監視院法案の一刻も早い成立が望まれます。
 また、行政の透明性が必要とされています。監督する立場の者が事業者と癒着していれば、指導などあったものではありません。密室における行政の指導をやめ、一般に公開し、社会福祉法人を初めこの法案で設置される指定事業者などの情報の開示、説明責任を確立することが正道です。総理、厚生大臣の御見解を承ります。
 関連して、会計検査院決算報告によれば、特別養護老人ホームの入所者に生活必需品費用が届いていなかったことが明らかになりましたが、厚生省はどのような対応をとられるのか伺います。
 第三に、補助金行政の問題です。
 報道によれば、大蔵省と厚生省は都道府県の上乗せ補助金を廃止する方向を固めたとされています。これが事実だとすれば、ゆゆしき問題のすりかえであると言わなければなりません。今回の事件は交付の権限を持つ官僚が不当に補助金を交付したことであって、補助金の透明で客観的な交付こそが求められているのです。自治大臣、都道府県のいわゆる上乗せ補助金は自治の問題であり、中央省庁が口を出す必要はないと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、私は、今回の事件を契機に、補助金を包括化し客観的な交付基準を設定することが必要であると考えます。総理、厚生、自治大臣の御見解を求めます。
 第四に、日本病院寝具協会などの公益法人に厚生省出身者が再就職し、医療や介護の既得権益を握るといった事態も明らかになりつつあります。厚生大臣、厚生省が許可する公益法人に関して、厚生省OBの再就職、補助金交付などの実態を調査し、委員会審議に間に合うように国会に報告されることを求めますが、いかがでしょうか。
 総理は、岡光問題に見られる官と業の癒着の構造をどのように打開し、同時に、介護保険制度を二度と利権が寄生しない仕組みとして誕生させるためにどのような構想をお持ちか、総括的に御所見をお伺いしたいと思います。
 さて、高齢者介護について総理と厚生大臣に質問いたします。
 介護保険の目的において、介護を要する高齢者の自立がうたわれています。介護を必要とする人が社会から排除されることなく自己の意思により社会の中で生活するという意味において、人権尊重としての自立の観点を私も大切に思い、それゆえ、介護保険の目的に自立への援助が位置づけちれていることを歓迎いたします。
 そこで、自立の意味内容を考えるときに、身体的、精神的自立のみでなく、社会参加、社会的自立の実現が不可欠と言えますが、この自立ということについてどのようにお考えか、また、介護保険法案にはその自立の概念がどのように具体化されているか、御所見を賜りたい。
 以下、介護保険自体について厚生大臣にお尋ねいたします。
 第一に、保険者を市区町村とすることについては地方分権の流れに沿うものとして評価いたしますが、被保険者の限定は問題です。当初、論議の過程で二十歳以上とされていた年齢区分が、四十歳以上に引き上げられました。また、要介護の課題は、高齢者のみならず、障害者、難病者にも共通する課題であり、介護保険法である以上、当然、要介護者に共通して機能すべき制度体系であるべきです。
 関連して、サービス受給者が「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等」と規定され、しかも、四十歳以上六十四歳以下では特定疾病に限定されています。このことにより、神経性疾患等の被保険者がサービスの利用から排除されるおそれがありますが、サービス適用利用者を幅広く位置づける考えがあるのかどうかをお尋ねいたします。
 第二に、サービス基盤の整備について質問します。
 厚生省によれば、介護保険のスタートの時点と考えられている二〇〇〇年に、施設介護に関しては一〇〇%の整備が予定されているものの、在宅サービスについてはおよそ三分の一程度の整備水準にとどまるとされています。介護保険の創設は、老人保健特別会計の一部、福祉制度における一般会計の公費負担、計五千億円の減少をもたらすと推計されています。この公費負担の減少分を他施策へ流用することなく基盤整備へ投入することをも含めて、さらなる基盤整備をどのように推進するのか、お尋ねいたします。
 第三に、介護保険法案制定過程の論議において、被保険者の選択の自由を強調していたことにかかわって質問します。
 一つは、居宅サービスの種類は訪問介護など十二種類に限定され、その中には、配食などの食事サービス、通院や社会参加に不可欠な送迎サービス等が含まれていません。選択の自由を確保する意味でも社会的自立を可能にする意味でも、サービスの種類をさらにふやすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、認定審査会が市町村に対して、在宅サービス、施設サービスの適切有効な利用に関して意見を述べることができると規定しています。これらの規定は、介護保険は福祉における措置制度を克服するとした法の本旨にもとります。ゆえに、こうした措置的要素を法案から削除すべきと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
 第四に、法案において最も欠如していると考えられる被保険者の意見表明権、また被保険者への説明責任などの権利擁護について質問いたします。
 法案においては、要介護認定に対する不服申し立ての規定はあるものの、要介護状態の評価あるいは介護プランの策定においては、被保険者の意見表明について明確な権利規定がなされていません。また、介護サービス受給等の際に生ずる問題を解決するには、異議申し立て、オンブド制度が必要ですが、これについても法文には明確な規定がありません。さらに、サービス利用者への説明責任、アカウンタビリティーも、利用者の知る権利を保障する上で不可欠です。これら一連の権利擁護システムを介護保険制度に積極的に位置づけていくお考えがあるかどうか、質問いたします。
 第五に、市民参加についてお尋ねします。
 この十年くらいの期間に、介護、福祉また医療関係の領域で生じている最も大きな変化は、市民がサービス供給の担い手としても、またサービスシステムのあり方にも関心を持ち積極的な参加を果たしていることにあると考えます。法案には、サービス事業者としてまず法人等の要件が特定され、市民参加の事業については特例として位置づけられています。市民参加事業を介護保険において公認したことについて私は評価しますが、今回の社会福祉法人による不祥事を思うなら、むしろ法人規定を外す英断を持ち、保険者である市町村が事業者を情報公開のもとに指定する積極的な展開を図るべきと考えます。
 また、介護保険事業計画の策定、推進に際しても、市民の参画を明確にすべきと考えます。介護保険実施の基盤となる新ゴールドプランの実現が危ぶまれていますが、その理由の一つは、被保険者、市民による推進力、カウンターパワーが機能していないことにあると私は受けとめております。この点を含め、広く介護保険への市民参加について厚生大臣の御所見を伺います。
 最後に、女性の立場として見過ごすことのできない点を指摘したいと思います。
 法案では、六十五歳以上の保険料負担において配偶者間のみならず世帯主の負担義務が、また四十歳以上六十四歳層においては医療保険の保険料徴収システムに同化させる旨、規定されています。後者では、これにより扶養家族にある多くの女性の保険料負担が免除されることになります。これらは、社会保障制度審議会の勧告等における社会保障の世帯単位から個人単位への移行の方策に反するものであります。また、女性、男性を問わず、個人としての自立の方向に沿うところではなく、私は肯定することができません。この点を介護保険の見直しの際に重点項目として検討されるよう、強く要望いたします。
 介護保険の審議が岡光事件の発生により多大な困難に遭遇したことを大変残念に思います。その問題の解明、解決とともに、保険料と租税とによる介護保険が、二十一世紀に介護を必要とするすべての人々、市民に十分に役立つように、修正すべき点は大胆に見直し、市民参加、地方分権に基づく地域介護システムの確立として推進が図れるよう期待して、民主党を代表しての質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#61
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 石毛議員にお答えを申し上げます。
 まず第一点、中央官庁の職員の出向に対しての御質問がございました。
 今回の厚生省の出向者にかかわる事件についてのみではなく、出向者と特定の業者の癒着を疑われたりすること、また特定ポストの独占といったことは、これは厳に慎まなければならないと私も思います。今後このような事件が二度と起こらないようにするために、厚生省において出向者に倫理の向上と綱紀の厳格な保持を促すとともに、出向人事のあり方について見直す方針であると報告を受けております。国と地方のそれぞれの行政の適正な運営に配慮しながら、適切な交流を図っていくべきであると思います。
 次に、平成四年の行政監察報告への対応を踏まえての御質問がございました。
 厚生省におきましては、その御指摘の行政監察結果に基づく勧告を踏まえ、特別の利害関係を有する理事の議決権を制限する指導を行ったところでありますが、今回の事件というものは、結果としてこの指導をすり抜けるようなものと推察されるところでありますために、従来からの指導を徹底させるだけではなく、今回の事件を踏まえた新たな対応策を講じさせて事件の再発防止に努めてまいります。
 また、今回の事件の教訓として、社会福祉法人及びこの法案による指定事業者などの情報開示、説明責任を確立すべきであるという御意見をいただきました。
 利用者が良質な介護サービスを選択して利用しようとするためには、サービス事業者の指定などに関して正確な情報公開が行われることは非常に重要なことだと思います。こうした観点から、指定基準の公開やサービス事業者に関する必要な情報の開示など、制度の運用に当たっての説明責任について十分配慮してまいります。
 次に、今回の事件を契機に補助金を包括化する、そして客観的な交付基準を設定することが必要だという御指摘をいただきました。
 事件の再発を防止いたすためにも、問題となりました特別養護老人ホームを初めとして、補助対象の選考基準や選定過程の明確化、透明化についてよく検討させたいと考えております。
 また、利権の防止という観点から、この介護保険制度が二度と悪用されないようにという御注意をいただきました。
 介護保険制度におきましては、従来のように市町村の委託を受けることなく、一定の人員などの要件を満たせばサービス提供機関となることができます。こうした規制緩和や情報公開などを積極的に進めることにより、多様な事業主体の参入を図りながら、公平な競争を通じてサービスの質の向上やコストの合理化に努めてまいります。
 また、高齢者の自立という点についてのお尋ねがありました。
 高齢者が介護を要する状態になりましても、尊厳を保ち、社会の一員としてさまざまな活動に参加し、自立した質の高い生活を送ることができるようにすべく、その支援は必要なことだと考えています。こうした観点から、この法案におきましては、基本理念として、要介護者などに対する保険給付に当たりましては、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように配慮すべき旨を明記いたしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#62
○国務大臣(小泉純一郎君) 石毛議員の質問にお答えいたします。
 中央省庁職員の出向についてでありますが、福祉施設の現場といった最前線のポストにもっとつけるべきでないかというような御指摘、この御指衡を踏まえ、今後、出向のあり方についても鋭意見直しを図ってまいりたいと思います。
 指定事業者等の情報開示、説明責任についてのお尋ねでありますが、これはただいま総理が答弁したとおりでございます。
 会計検査院の指摘に対する対応についてのお尋ねでありますが、厚生省としては、今回の指摘を踏まえ、入院患者日用品費支給簿の整備を図るなど、審査体制の強化及び入院患者日用品費用の適正な経理処理について改めて指導通知を発したところであります。今後とも改善すべき点は改善し、入所者処遇の充実を第一に施設の指導に当たってまいります。
 選択の自由、自立の確保のためのサービスの種類の増加についてでありますが、介護保険制度は、これまで福祉と医療に分かれている介護サービスを再編成して、これらを総合的、一体的に提供するものであり、介護給付のサービスの種類についても、痴呆性老人のグループホームなど新たなサービスを追加し寸その充実を図っているところであります。また、配食や移送サービスなど介護給付の対象とならないサービスについても、市町村が必要と認める場合には市町村特別給付として介護給付の対象とすることができることとされております。このように、制度案は選択の自由を確保し、また自立を支援する制度となっていることを御理解いただきたいと思います。
 認定審査会の意見についてのお尋ねですが、介護保険法案では、認定審査会は、必要があるときは、要介護状態の軽減、悪化防止のために必要な療養恒関する事項等について市町村に意見を述べることができることとされております。具体的には、特にリハビリを行う必要性が高い場合等、介護認定審査会のメンバーである保健、医療、福祉の専門家が医学的な観点等から特に必要と認めた場合であり、本人の選択という介護保険本来の目的が損なわれることのないよう運用に十分留意してまいります。
 被保険者の意見表明、被保険者への説明についてのお尋ねですが、被保険者は、要介護認定の際の訪問調査やケアプラン策定時において、みずからの意見や希望を表明する機会があります。また、オンブズマン制度については、各都道府県の国民健康保険団体連合会が、サービス提供に関する被保険者等からの苦情、相談、情報提供等を受けとめ、必要な調査を行うとともに、サービス提供機関に対して適切な助言や指導を行うこととしています。サービス提供機関による説明については、具体的運用の中で基準を定め、利用者に対して積極的な情報提供を行っていくよう必要な措置を講じていく予定であります。
 サービス事業への市民参加と市町村による事業者指定についてのお尋ねですが、介護保険制度においては、サービス事業にお付る市民の活動を積極的に活用するため、法人格を有しない非営利組織であっても、一定の人員等の要件を満たすものは、市町村が必要と認めた場合には給付の対象とすることができることとしております。なお、事業者の指定については、制度案では、事業者の活動範囲は市町村を超えたものであることが多いため、広域的な行政機関によることが適当と考えられることなどから、都道府県指定としたものであります。
 介護保険事業計画への市民参加の問題についてですが、介護保険法に基づく介護保険事業計画は、市民のサービスの利用に関する意向等を勘案して作成されなければならないこととされており、介護サービスの利用希望などに関する調査の実施や幅広い関係者から成る検討会等が必要と考えております。したがって、できるだけ幅広く市民の意向が反映されるよう、市町村等に対して指導してまいりたいと思います。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣白川勝彦君登壇〕
#63
○国務大臣(白川勝彦君) 石毛議員の御質問にお答えを申し上げます。
 中央官僚の出向についての御質問でありますが、国と地方自治体の人事交流については、今回の事件に見られるように、特定ポストの指定席化等十分に注意しなければならない問題があると認識をいたしております。しかし、地方分権の推進に伴い、今後、人材の交流の意義がますます大きくなります。今後とも、相互に有益な成果を上げ得る人事交流を行うべきであると考えております。中央官僚の出向ポストとして、許認可権限を持つポストは避けるべきとの御主張でございますが、一律にそのような基準を設けることは、実りある人事交流を行う上で必ずしも適切ではないと考えます。
 次に、御指摘の上乗せ補助金についてでありますが、一部報道において、これを廃止させるよう指導する旨が報じられました。しかし、そのような事実はないとのことであります。いずれにしましても、御指摘のとおり、このような問題について中央省庁が口を出すことはないものと考えております。
 最後に、補助金についての御提言でありますが、この件については、現在、地方分権推進委員会において鋭意審議が行われており、来春には国庫補助金の部分を中心とする指針勧告が出されると聞いております。これを受けて政府が策定する推進計画の中で、御指摘の点も含め国庫補助金の抜本的整理合理化がなされなければならないと考えております。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
#64
○副議長(渡部恒三君) 児玉健次君。
    〔児玉健次君登壇〕
#65
○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、介護保険法、同法施行法及び医療法の一部を改正する法律案に対する質問を行います。
 介護問題が深刻化しています。公的介護の立ちおくれというよりむしろその欠如が、多くの高齢者から、人間らしい生活はもとより人間としての尊厳さえ奪ってきました。このような状況から脱却し、人間らしい公的介護保障制度を確立することが緊急の国民的課題となっております。日本共産党は、この課題を実現するために全力を挙げてまいりました。
 そのやさきに明るみに出たのが厚生省汚職です。まことに事は重大です。福祉の事業は、関係者の献身的な努力と多数の国民の善意で辛うじて支えられています。その福祉を一部官僚と悪徳業者が結託して食い物にした。ここに国民の怒りの激しさがあります。また、厚生省関連業界からの政治献金を受け取る政治家は、福祉を食い物にする利権構造を温存することに加担している、このように国民が厳しく受けとめるのは当然のことです。
 日本共産党は、企業・団体献金を禁止する法律案を昨日国会に提出いたしました。企業・団体献金禁止への第一歩として、国の補助金、健康保険会計等にかかわる福祉・医療業界からの献金は直ちにやめるべきではありませんか。首相並びに厚生大臣の答弁を求めます。
 福祉に関する汚職は、高齢者福祉の水準切り下げに直結します。日本共産党の不破委員長が三日の代表質問で厳しく指摘したように、これを今根絶しなければ、これからつくろうとする介護保障の制度も悪徳業者の利権の場に変えられる危険が大きぐあります。厚生省疑惑にかかわる真相の全面的な解明と厚生行政の総点検が急務です。それがどのような形でどこまで行われているか、厚生大臣の答弁を求めます。
 この事件をきっかけに、一部で特別養護老人ホームに対する補助単価等の見直しか言われています。まさにとんでもない話です。今問われているのは、日本の高齢者福祉の極端な立ちおくれを是正することです。
 新ゴールドプランの達成状況はどうでしょう。日本弁護士連合会の調査によれば、全国の七割の自治体が、計画の達成期限である二〇〇〇年三月までの達成は無理であると答えているではありませんか。多くの不十分さを含む新ゴールドプランさえ実現できないということになれば、介護保険制度の前提そのものが崩れてしまうことになります。
 自治体への国の補助の強化、福祉施設の建設に伴う超過負担の解消、劣悪な定員配置基準の改善等、この分野における国の努力を前進させることが現在特別に重要です。このことについて首相並びに厚生大臣の明確な答弁を求めます。
 さて、法案に対する質問の第一は、保険あって介護なしのおそれについてです。
 公的介護保障の制度は、家族介護依存から公的介護中心へと根本的に改め、希望者全員に一定水準の介護を保障するものでなければなりません。人材確保や施設整備の目標も、数字のつじつま合わせではなく、二十四時間対応のホームヘルプ、いつでも利用できるショートステイ、待機なしの特別養護老人ホーム、これらを実現するための必要量から導き出すべきです。
 ところが、このたび政府が提案している介護保険制度の水準は、在宅介護の場合、介護を必要とする高齢者の四割しか給付を希望しない、こういったことを前提で組まれており、新ゴールドプランの枠を一歩も出ておりません。これでは、国民の願いを満たすものとは到底言えません。
 政府の予測によれば、二〇〇〇年には介護を必要とする高齢者が二百八十万人となります。ところが、新ゴールドプランによるホームヘルパーの確保計画はわずかに十七万人です。しかも、その七割がパートです。これでは、週三回の派遣としても、最大五十万人前後の高齢者しかホームヘルプサービスを受けられないことになります。ホームヘルパーを常勤で二十万人、これを当面の目標とすべきではありませんか。
 次に、どのような場合に在宅介護サービスの対象となるか。政府案では、主に居室内で生活し、車いす使用、入浴困難、ここで線を引いて、それより障害の重い方しか給付の対象としない。これは大きな問題です。これでは、現在訪問看護を受けている患者さんの中で、かなりの部分が介護保険の給付から除外される危険があります。要介護認定の設定を現実に合ったものに改めるべきです。
 施設介護の中心となるのが特別養護老人ホームです。その計画は二十九万人分、高齢者人口の一・三%にしかすぎません。現在、特別養護老人ホームヘの入所を待機されているのは、全国で約七万人に上ります。待機者とは、ただ入所を希望しているというのではありません。行政がその方の入所が適当と判定して、なおかつ入所できないでいる方が七万人です。特別養護老人ホームの大幅な新増設に特段の努力が必要ではないでしょうか。
 橋本首相の持論とも思える給付の二階建て方式、すなわち公的サービスの水準は低く抑え、不足の部分は民間保険でという発想、これは改めて、あくまで公的介護保障の抜本的拡充を図るべきです。そのために、公的介護の財源保障を含む分野別の具体策をこの際打ち出すべきではありませんか。首相並びに厚生大臣の答弁を求めます。
 第二は、介護給付の面で、高齢者、低所得者が排除されないようにしなければならない、この点についてです。
 政府の案は、保険料を年金のみに依拠する高齢者そして低所得者からも徴収することとしています。六十五歳以上の場合、保険料負担が所得段階別になっているとはいえ、高齢者そして低所得者にとって大きな重荷となることは明らかです。一割の利用料、施設に入所した際の食費の標準負担額、日常生活費を加えると、高齢者、低所得者にとって、介護の給付を受けようとしても、保険料そして利用料等、これが二重の壁となって立ちはだかります。老齢年金受給者の四割近くが月額三万円しか受け取っていない、このような現状のもとで、保険料の拠出を義務づけ、利用料等の負担を求めるのは余りにも冷酷です。
 国は、一方で国民に負担増を押しつけながら、厚生省の試算でも、現行制度に比べて、制度発足時において国庫負担で三千七百億円、市町村負担で千六百億円を削減することとしています。年金のみに依拠する高齢者そして低所得者からの保険料徴収は決して行うべきではありません。介護を希望するすべての国民に介護サービスを保障するために、措置制度を充実強化し、保険制度と措置制度を組み合わせるべきです。厚生大臣の明確な答弁を求めます。
 第三は、介護保険は高齢者医療や障害者の介護をともに前進させるものでなければならない、この点についてです。
 介護保険を持ち出した厚生省の発想の一つが、老人医療費の抑制にあります。医療保険から介護保険に移される費用が一兆二千億円見込まれています。高齢者の医療と介護は重なり合う部分が大きく、介護への保険導入は医療の面でもその前進に役立つものでなければなりません。
 介護を必要とするのは高齢者だけではありません。障害者も同様です。しかし、法案では、六十五歳未満は加齢によって生ずる障害に限っているため、保険給付の対象とされるのは事実上高齢者だけで、若年障害者の介護が除外されています。介護を必要とするすべての国民を対象にすべきではありませんか。この点について厚生大臣の見解を求めます。
 第四に、いかなる形であれ、消費税の増税と介護保険をリンクさせてはならないという点についてです。
 消費税は貧しい方ほど負担が重い最悪の不公平税制です。介護財源を口実にしてその増税を図るようなことがあってはなりません。厚生省汚職の中心人物である岡光序治前事務次官は、保険局長のときに、「介護費用が三兆円の規模であれば、二分の一の国庫負担として一兆五千億円となり、消費税一%台で十分賄える」、このように公言してはばかりませんでした。消費税は福祉のためと言っておいて福祉を食い物にする、これは絶対に許せません。いかなる形であれ、介護保険制度と消費税の増税をリンクさせないこと、この点については首相の答弁を求めます。
 現在政府が提出している内容では、国民の介護に対する切実な要求を満たすものとは到底言えません。障害を持つ身内の介護は家族の責任に帰すべきではありません。社会全体が責任を負うべきです。そうすることによって、お年寄りに対する肉親の愛情が本当に生かせます。
 日本共産党は、国民の願いに合致する公的介護保障制度を実現するために、介護の前進を願うすべての国民の皆さんとともにあらゆる努力を尽くすことを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#66
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 児玉議員にお答えを申し上げます。
 まず、御堂が法案を提出したかという前置きでお尋ねをいただきました政治献金につきましては、政治資金規正法におきまして、政治活動に関する寄附について、量的制限のほか、例えば国などから補助金を受けている団体は寄附をできないという質的制限を設けております。特定の分野を対象とした規制は定められておらないところでありまして、その当否は、収支を公開することを通じ、国民の判断にまつべきものと思います。
 次に、特別養護老人ホームに対する国の援助の強化等に対しての御意見をいただきました。
 新ゴールドプランは、国と地方自治体がそれぞれの役割を担って推進してきた施策であり、特別養護老人ホームの整備に当たりましても、今後とも着実な整備が進められますよう、国と地方自治体が協力して取り組んでまいります。
 次に、要介護認定についてのお尋ねであります。
 現在、老人保健制度において訪問看護の対象となる方は、寝たきりまたはそれに準ずる状態の方であり、基本的にはこれらの多くの方々が要介護状態に該当するものと考えております。要介護認定につきましては、全国統一の客観的な基準を設け、必要な給付が受けられるよう適正に運用してまいります。
 次に、公的介護の財源保障を含む具体策についてのお尋ねがございました。
 介護保険制度は、公費と保険料を適切に組み合わせて、国民の自立した生活を支えるための標準的なサービスを提供し、それを超えるものは、民間サービスの活用など本人の選択にゆだねることとしているものであります。この制度のもとで、特別養護老人ホームなど必要となる各種サービスにつきましては、介護保険事業計画などにより計画的に整備を進めていくこととしております。
 最後に、介護保険制度と消費税率の引き上げについての御質問がございました。
 今回の消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設は、既に先行実施している所得税、個人住民税の恒久減税などとおおむね見合うものでありまして、この税制改革は、税制面から高齢化の進展という我が国の構造変化に対応するものであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇)
#67
○国務大臣(小泉純一郎君) 児玉議員への質問に対する答弁に先立ち、石毛議員に対してかなり答弁漏れがありましたので、補足させていただきます。申しわけありません。
 石毛議員の補助金のあり方についてのお尋ねについて、特別養護老人ホーム等の施設整備補助は、市町村や都道府県の老人保健福祉計画を基礎として、各地域間の不均衡の是正や在宅・施設サービスの適切な組み合わせを実現すべく配分することとしており、新ゴールドプランの着実な推進のためには現行の仕組みが必要と考えております。
 なお、厚生省内に調査委員会を設置しまして、事件の実態解明とともに、社会福祉施設に関する補助金、法人認可・運営等についての再点検を行うこととしており、補助対象の選考基準や選考過程の明確化、透明化についても検討を行ってまいります。
 また、公益法人への厚生省OBの就任状況や補助金等の交付額については、毎年総理府が実施している公益法人概況調査により把握をしており、結果を公表しております。なお、現在、本年分の調査を実施しているところであります。
 高齢者の自立についてでありますが、急速に高齢化が進展する中で、高齢者がみずからの有する能力を最大限生かし、尊厳を持って過ごすことができるよう、社会の一員としてさまざまな活動に参加するなど、自立した生活の実現を積極的に支援することが必要と考えております。こうした観点から、実際の給付水準としても、二十四時間対応を念頭に置いたサービス水準を目指すことにしております。また、国民は、要介護状態となった場合においても、道切なサービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとしており、自立自助の理念を明らかにしております。
 被保険者の範囲、保険給付の範囲について質問をいただきました。
 まず、被保険者を四十歳以上としていることについては、四十歳以上となると脳卒中等による要介護状態の発生の可能性が高くなること、みずからの親が介護サービスを受ける可能性が高まり、世代間連帯によって介護費用を支え合うことに適していること等を勘案したものであります。
 障害者等の取り扱い及び保険給付の範囲につきましては、障害者施策は公の責任として公費で実施すべきとの関係者の認識が強いことなどから、当面、障害者プランを初めとする障害者福祉施策等の枠組みの中で公費により対応することとしております。一受給者の範囲については、将来的には、制度全般についての見直しの中で、障害者プラン等との整合性等に配意しつつ検討を行うことにしております。
 介護の基盤整備の推進についてですが、介護保険制度のもとにおいても、介護サービス基盤の整備は強力に進めていく必要があります。このため、介護保険制度の創設に伴う公費負担への影響等も踏まえて、保険者である市町村が作成する介護保険事業計画及びこれらを広域的に支援する都道府県介護保険事業支援計画に基づいた介護サービス基盤の計画的な整備に努力してまいります。
 石毛議員、大変失礼いたしました。
 また、児玉議員に対する答弁、おくれて申しわけありません。お許しいただきたいと思います。
 次に、児玉議員に対して答弁いたします。
 政治献金についてでありますが、政治活動に関する寄附については、量的制限のほか、国などから補助金を受けている団体は寄附をできないという質的制限を設けております。私も大臣在任中は福祉・医療業界からの献金は自粛したいと思います。
 厚生省にかかわる疑惑についてですが、これは総理からも御答弁ありましたが、事実関係を確認し、来週早々にも厳正な処分を行いたいと思います。また、十一月二十九日、綱紀粛正のための具体策を決めて、その徹底を図りますとともに、社会福祉施設整備費等の仕組みが悪用されたことにつきましては、十二月五日、調査委員会を設置し、事実関係を究明した上で、補助金手続の見直しなどの再発防止策に取り組んでいくこととしております。
 老人福祉施設に対する国の援助の強化等についてですが、来る本格的な高齢化社会における特別養護老人ホーム等の施設整備の必要性は極めて高く、引き続き必要な施設を整備してまいります。なお、老人福祉施設を初めとする高齢者保健福祉サービスの整備については、新ゴールドプランに基づき国と地方自治体が一体となって推進してきており、今後とも着実な整備が進められるよう、国と地方自治体が協力して取り組んでいきたいと思います。
 公的介護の財源保障を含む基盤整備の具体策についてですが、介護保険制度は国民の自立した生活を支えるための標準的なサービスを提供し、これを超えるものは民間サービスの活用など本人の選択にゆだねることにしております。この制度のもとで必要となる特別養護老人ホームを初めとする各種サービスについては、平成十一年までは新ゴールドプランの着実な推進を図るとともに、法施行後においては市町村が策定する介護保険事業計画に基づき計画的に整備を進めていくこととしております。
 低所得者に係る保険料徴収及び保険制度と措置制度についてですが、介護保険制度は、要介護状態となったときの費用について、その普遍的なリスクを社会連帯の考え方を基本として被保険者相互で負担し合うという制度であり、すべての被保険者から保険料負担を求めることとなりますが、低所得者については負担能力に配慮し、その額を軽減することとしております。介護保険制度は、一利用者の自由な選択により良質な介護サービスが受けられることを基本的な考え方としております。
 なお、介護の放棄や虐待等により自分自身の意思によるサービスの利用が妨げられている場合については、行政の措置によりサービスの提供が適切に行われるような仕組みとしております。
 療養型病床群についてですが、療養型病床群については、長期療養にふさわしい環境や充実した看護体制などへ医療面においては介護保険施設としての機能を十分に備えているところであります。いずれにせよ、療養型病床群が介護保険施設に移行した場合においても、その入院者に対して適切な医療的処遇が確保されるよう配慮してまいります。
 若年障害者に関するお尋ねですが、若年障害者に係る施策については、公の責任として公費で実施すべきとの関係者の認識が強いこと、介護サービスのほかに社会参加等のさまざまな現行施策との調整が必要であること等から、当面、障害者福祉プランを初めとする障害者福祉施策の枠組みの中で、公費により対応を図ることとしております。ただし、四十歳以上の者に係る初老期痴呆や脳血管障害等の加齢に伴う疾病により生ずる要介護状態については、保険事故の性格や必要とされる介護サービスの体系にかんがみ、介護保険により対応していくこととしているところであります。
 以上であります。(拍手)
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#68
○副議長(渡部恒三君) 中川智子君。
    〔中川智子君登壇〕
#69
○中川智子君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました介護保険法案等三法案につきまして、橋本総理及び小泉厚生大臣に質問をいたします。
 それに先立ち、申し上げたいことがございます。
 米海兵隊岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘・攻撃機が、去る十日、那覇市西方沖十キロの海域に四百五十キロ爆弾を投棄したことに関して、私は、社会民主党・市民連合を代表し、米軍及びこの事実の公表をおくらせた外務省に対し強く抗議いたします。(拍手)
 この問題について、地元沖縄県の大田昌秀知事は、驚くと同時に怒りが込み上げてくるとして、米軍当局と日米両政府に抗議と事件の再発防止を強く要請されました。
 ある方が言われたように、まるで沖縄をごみ箱としか思っていない米軍の行動、事実を隠そうとする外務省の姿勢は、基地の縮小、撤去を求める沖縄県民を愚弄するもので、断じて許すことはできません。社会民主党・市民連合として、強く意思表示をしておきます。
 それでは質問に入りますので、聞いてください。
 かつて、この国の政治は、その貧弱な福祉政策がゆえに、重くて苦しい介護の仕事を家庭に、特に女性たちに強いてまいりました。今、かつてと申しましたが、本当に過去のこととして語られる日が来るように、万感の思いを持って橋本総理にお伺いいたします。
 緊急の課題が山積し、できることなら法案の審議にすぐにでも入りたい、にもかかわらず、行政官庁の信じがたい不祥事について、これらのことをまず問わなければならない、このことに対して、憤りを通り越して本当に情けないと心から思っております。
 しかし、薬害エイズをめぐる問題で国民の信頼が薄い上に、このたびの前事務次官らの贈収賄事件によって、さらにその信頼が失墜いたしました。多くの人々がわらをもすがる思いでその充実を待ちわびていた新ゴールドプランが、一部の人々の両手にゴールドを積み上げるようなことになったその原因はどこにあるとお考えでしょうか。そして、このようなことが二度と起きないために、どのような具体的な取り組みをされていますか、橋本総理にお伺いいたします。
 あわせて、過日、小泉厚生大臣の答弁に、企業・団体献金がテニスやサッカーなどのスポーツや音楽と全く同じレベルで語られ、それを恥ずかしげもなく正当化する御発言がありましたが、総理も全く同じお考えでしょうか。ぜひお聞かせいただきたいと思います。
 ちなみに、あの岡光前事務次官を任命されたのは菅前厚生大臣だそうですね。スタッフを選ぶ折、もっと人をよく見ていただきたかったと残念に思っております。
 それでは、介護保険法について小泉厚生大臣に質問いたします。
 年をとるのが本当に怖いとみんながささやいています。我が国のこの現状を少しでも打破するために、しっかりとこの法案について議論し、前進させることが急務だと存じます。しかし、多くの人々の意見を聞きますと、不安や疑問がたくさん聞こえてまいります。
 給付要件のことですが、要介護状態は、単に加齢や疾病と関係なく生じるものも多く、加齢による疾病との狭い枠でくくられていることへの不安の声を多く聞きます。また、難病や障害を抱え、介護を求めている人々に対してはどうなっているのでしょうか。また、いわゆる保険金支払い開始の四十歳から六十五歳未満の者への給付要件を見ますと、不平等感が否めません。
 「加齢に伴って」という表現では、判断があいまいになるおそれがありますので、認定する人や地域によってばらつきがとても懸念されます。最も大切な認定の場で、この法律がしっかりと血の通ったきめ細かな介護サービスを提供できるかどうかを小泉厚生大臣にお答えいただきたいと思います。
 来る二〇〇〇年には、要介護者の推定人数は約二百八十万人と言われています。しかし、新ゴールドプランでのホームヘルパーは十七万人、これでは圧倒的なマンパワーの不足ですし、施設のおくれも明らかです。先ほどから何回もこの中に出てまいりましたが、保険取られて給付なし、このような事態になりませんか。福祉全般の将来的ビジョンを示していただくと同時に、そこにおける介護保険の位置づけを明確にしていただきたいと思います。橋本総理及び小泉大臣の御見解を伺います。
 この介護保険法が国民の希望の光となるように、徹底した審議と国民の納得し得る結論を出していくことが私たちの責務だと考えます。
 私は、クモ膜下出血で倒れたしゅうとめを介護し、そのしゅうとめをみとった後、しゅうとはアルツハイマーを患っていて、アルツハイマーのしゅうとを一生懸命五年間介護しました。愛する人の親ですから、私は本当にできる限り優しく介護したいと思いましたが、時に心が鬼になってしまうことに自分自身と闘い続けました。そしてこの国をのろいました。そしてまた怒りました。何度も何度もこの国をのろい、そして何度も何度も怒りました。今なおのろいと怒りのただ中にいる女性たちの叫びを真正面から重く受けとめ、十分な介護システムをつくることが私たち政治家の課題だと心から思っております。
 一生懸命頑張りましょう。(拍手)
    〔内閣総理大臣橋本龍太郎君登壇〕
#70
○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 中川議員にお答えを申し上げます。
 冒頭、御質問ではありませんが、私の方からおわびを一つ申し上げたいと思います。
 米軍機の爆弾投棄の問題につきましては、情報の正確な確認を求めておりましたため公表がおくれましたことは、大変申しわけなく思っております。政府といたしましては、既に外務省より米側に対し厳重に申し入れ、この事故が発生したことに対する遺憾の意を表明いたしますとともに、同種事故の再発防止を含め善処方を求めたところでございます。政府としても、御指摘の点を重く受けとめながら、今後米側との連絡を密にし、迅速かつ的確に対処するよう指示をいたしました。おわびとともに、御報告を申し上げます。
 次に、厚生省の不祥事に対してのお尋ねがございました。
 岡光前事務次官の事件は、今後司法当局により厳正な捜査が行われる、そう思いますが、その他は厚生省において事実関係を確認し、来週早々にも関係者の厳正な処分を行うこととしております。また、十一月二十九日、綱紀粛正のための具体策を定め、この徹底を図りますとともに、事実関係を究明した上で、補助金手続の見直しなど再発防止策に取り組んでいくことといたしております。
 次に、企業・団体献金についてのお尋ねでありますが、先般も御答弁をこの場でいたしましたように、三党政策合意におきまして、「政治資金規正法附則九条、十条において、法律施行後五年を経過した場合、資金管理団体に対する寄付の禁止、政党・政治資金団体に対する寄付のあり方の見直しを定めていることを踏まえ、」「政治資金のあり方について今後、さらに協議を進める。」とされております。私はこの動向を見守ってまいりたいと思います。
 次に、福祉社会全体のビジョンの中で介護保険の位置づけはどうかという御指摘をいただきました。
 急速な少子・高齢化の進展の中で、国民のニーズの変化は大変大きなものがございます。その変化に適切にこたえますとともに、二十一世紀における医療、年金、福祉などを通じ、給付と負担の均衡がとれ、かつ、経済活動と両立し得るサービスの選択、民間活力の発揮といった考え方に立って、効率的で安定した社会保障制度を確立するために構造改革を進めていかなければと、今そのように考えております。今般、この御審議をお願いしております介護保険制度、これを創設することを第一歩として、医療、年金などの改革に順次取り組んでまいりたい、そのように位置づけております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣小泉純一郎君登壇〕
#71
○国務大臣(小泉純一郎君) 中川議員にお答えいたします。
 介護保険の対象となる疾病についてのお尋ねですが、若年障害者については公の責任で実施すべきとの意見が強いこと等から、四十歳以上六十五歳未満の被保険者については、高齢期の要介護状態の危険が早く発生したと考えられる初老期痴呆や脳血管障害等の加齢に伴う要介護状態に関して保険給付を行うものとしております。難病についても、加齢に伴うものかどうかによって給付対象とするかどうか検討することとしております。介護保険の対象とならない若年障害者や難病患者については、障害者プランなどの保健福祉施策により対応することとしております。
 四十歳から六十四歳の者に係る保険料負担についてですが、四十歳から被保険者としておりますのは、四十歳以上となると脳卒中等による要介護状態が生じる可能性が比較的高いこと、みずからの親が介護サービスを受け、世代間連帯によって介護費用を支え合うことに適していることなどを踏まえたものであります。また、個々人の生涯を通じてみれば、かなりの割合で寝たきり等になる可能性があることから、社会連帯を基本とし保険料を負担し合う仕組みとすることについては、御理解いただけるのではないかと考えております。
 介護給付の対象についてのお尋ねですが、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病」の具体的内容は、今後、老人医療の専門家等から構成される委員会において検討し、その結果等を踏まえて政令で明確に定めることとしております。このように、疾病により客観的に判断することにしていることから、判断する人や地域において認定の差異が生じることがないように努めていきたいと思います。
 施設整備についての御質問ですが、介護保険制度の円滑な実施を図るためには、介護サービスの基盤整備の充実強化は喫緊の課題であると考えております。このため、介護保険献度導入までの間については、新ゴールドプランを着実に推進することとしております。特に、基盤整備のおくれている地域においては重点的な整備を図るとともに、在宅サービスを中心に既存施策の拡充等多様な手法を活用することにより、人材確保対策を含めたサービス基絡の整備を積極的に推進してまいりたいと思います。さちに、法施行後においては、市町村か策定する介護保険事業計画等に基づき新たな介護サービスの整備目標を定め、計画的な整備を進めてまいります。
 社会保障制度全体の改革についてでありますが、国民経済との調和を図り、国民の需要に適切にこたえる効率的で安定した制度を確立するとの考え方に立って構造改革を進める必要があります。介護保険法案は、老後の介護費用への国民の不安を解消する、高齢者自身に無理のない保険料や利用料の負担をお願いする、介護を医療保険から切り離すといった点で構造改革の第一歩と言え、その早期成立に全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、介護保険の導入を踏まえ、医療については、平成九年の医療保険制度改革を第一段階として、二十一世紀初頭に向けて医療制度全般の見直しに取り組むとともに、年金制度についても、平成十一年に給付と負担の適正化等制度全体の見直しを行うなど、段階的に社会保障制度全体の構造改革を進めていきたいと思います。(拍手)
#72
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#73
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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