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1996/11/07 第138回国会 参議院 参議院会議録情報 第138回国会 科学技術特別委員会 第1号
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1996/11/07 第138回国会 参議院

参議院会議録情報 第138回国会 科学技術特別委員会 第1号

#1
第138回国会 科学技術特別委員会 第1号
平成八年十一月七日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
平成八年十一月七日議長において本委員を左のと
おり指名した。
                岩永 浩美君
                上杉 光弘君
                海老原義彦君
                鹿熊 安正君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                松村 龍二君
                吉川 芳男君
                及川 順郎君
                大久保直彦君
                高橋 令則君
                畑   恵君
                広中和歌子君
                大渕 絹子君
                松前 達郎君
                阿部 幸代君
                立木  洋君
                川橋 幸子君
                奥村 展三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         広中和歌子君
    理 事
                鹿熊 安正君
                吉川 芳男君
                及川 順郎君
                松前 達郎君
    委 員
                岩永 浩美君
                海老原義彦君
                木宮 和彦君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                松村 龍二君
                大久保直彦君
                高橋 令則君
                畑   恵君
                大渕 絹子君
                阿部 幸代君
                立木  洋君
                川橋 幸子君
                奥村 展三君
   事務局側
       第三特別調査室  塩入 武三君
       長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特別委員長互選
○理事選任の件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
   〔志村哲良君委員長席に着く〕
#2
○志村哲良君 ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 本院規則第八十条により、年長のゆえをもちまして私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。
 これより委員長の選任を行います。
 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
#3
○吉川芳男君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。
#4
○志村哲良君 ただいまの吉川君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○志村哲良君 御異議ないと認めます。
 それでは、委員長に広中和歌子君を指名いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
   〔広中和歌子君委員長席に着く〕
#6
○委員長(広中和歌子君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま皆様方の御推挙によりまして、引き続き本特別委員会の委員長に選任されました。
 委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正、円滑な運営に努めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○委員長(広中和歌子君) ただいまから理事の選任を行います。
 本特別委員会の理事の数は四名でございます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(広中和歌子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に鹿熊安正君、吉川芳男君、及川順郎君及び松前達郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(広中和歌子君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 第百三十六回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。吉川芳男君。
#10
○吉川芳男君 去る九月九日及び十日の二日間、京都府、兵庫県において、関西文化学術研究都市及び大型放射光施設を視察してまいりました。派遣委員は、広中委員長、石田理事、木宮委員、河本委員、海老原委員、松村委員、山崎委員、大渕委員、立木委員、阿部委員、佐藤委員及び私、吉川の十二名であります。
 以下、視察先の概要について申し上げます。
 関西文化学術研究都市は、近畿圏において培われてきた豊かな文化、芸術、研究の蓄積を生かし、我が国の文化、学術、研究、教育の向上、産業及び国土の均衡ある発展と国際社会にも貢献する都市として、さらには二十一世紀を展望した文化学術研究機能の新たな展開のための拠点となる都市として、京都、大阪、奈良の三府県にまたがる京阪奈丘陵に産学官の協力により、一九八五年から建設が進められております。
 本都市は、文化学術研究地区と周辺地区により構成されており、開発面積は三府県全体で約一万五千ヘクタール、計画人口は約三十八万人であり、二十一世紀初頭の概成を目指しております。
 本都市の特徴としては、従来の一点集中型開発方式をとらず、文化学術研究地区を十二地区に分散配置、各地区ごとに機能を分担させるとともに、これらを交通、情報のネットワークによって、全体として有機的に結ぶ多核心連携型の開発を行っていることであります。また、本都市内には、整備済みのものを含め、全体で七十八の施設が建設される予定であり、さらに、十二の文化学術研究地区のうち、土地区において事業が着手されているとのことでした。
 ただ、分散型都市開発ゆえに都市の顔が見えないとの指摘もなされており、開発計画がセカンドステージに入った今日の課題もそこにあるとのことでした。
 委員からは、行政組織の異なる二府一県の都市基盤一体化に向けての取り組み状況、研究都市の土地所有の状況、民間研究施設参入の進捗状況及び地元中小企業の技術開発との関係、環境に悪影響を及ぼす研究開発への対処策、分散型都市構想の妥当性、若い研究者への住環境づくりの必要性等について質疑が行われました。
 次に、関西文化学術研究都市の中核的施設である国際電気通信基礎技術研究所と地球環境産業技術研究機構を視察しました。
 国際電気通信基礎技術研究所は、電気通信分野における基礎的、独創的研究の一大拠点として、内外に開かれた研究所を設立するとの構想のもとに、産学官の幅広い支援により一九八六年三月に設立されました。同研究所は四つの研究開発会社を持っておりますが、そのうち、音声翻訳、知能映像、人間情報の三つの通信研究所を視察しました。
 特に、音声翻訳通信研究所では、音声の波形をコンピューターで認識させ、それを英語やドイツ語に翻訳、音声合成する技術の研究を行っておりますが、異なる言語によるコミュニケーション実現のためには国際協力が不可欠であり、十二カ国二十の研究機関と研究協力を進めているとのことでありました。また、人間の発語は個々人によってアクセントやイントネーションが異なりますが、それらの研究も進めることにより、二〇一〇年から二〇二〇年には実用化が可能ではないかとのことでありました。
 地球環境産業技術研究機構は、一九九〇年六月に我が国が世界に提唱した地球再生計画を具体化する上で最も重要な柱の一つとなる革新的な環境技術の開発及びCO2吸収源の拡大を国際的に推進する研究機関であり、同年七月に設立されました。
 同研究機構の活動は、研究開発、研究シーズの育成、国際的研究交流と普及の三つから成り、研究開発においては、CO2の固定化、有効利用や環境に負荷をかけない物質の開発に取り組んでおります。具体的には、排ガスからCO2だけを回収する世界最高水準の高分子膜の開発や、回収したCO2と水素からメタノールを合成する高性能触媒の開発などであり、砂漠の緑地化対策として、植物の耐乾燥性に重要な役割を果たしているルビスコという葉緑体の酵素の改良による光合成能の高率化の研究開発なども行われております。
 また、研究開発シーズ育成策としては、地球環境問題の解決に寄与する可能性が高い優秀研究企画について一千万円を限度として研究委託を行っており、一九九五年度は国内外合わせ百五十二件の応募があったとのことであります。
 次に、大型放射光施設について申し上げます。
 大型放射光SPring8は、電子を八十億電子ボルトのエネルギーまで加速し、発生する放射光を利用する施設であり、日本原子力研究所と理化学研究所が平成二年度より総工費千百億円をもって兵庫県播磨科学公園都市に建設しており、当初の予定より一年早い平成九年十月から供用が開始されることになっております。
 放射光とは光速に近いスピードで直進する電子を磁力を利用して曲げる際に発生する極めて明るい光であり、この光を物理学、化学、生物学の研究や材料の開発、医療への応用などに利用するものであります。
 本施設は、既存の装置の十億倍から百億倍明るい世界で最も明るいエックス線光源であること、産学官に開かれた共同利用施設であること、世界最高性能の実験施設など世界で最もすぐれた先端的科学技術研究施設であること、アジア太平洋地域の研究拠点であること等の特徴を持っております。
 私どもは、電子銃から撃ち出された電子を十億電子ボルトまで加速する線形加速器、線形加速器から送られた電子を八十億電子ボルトまで加速する周長三百九十六メートルのシンクロトロン、シンクロトロンから送られた八十億電子ボルトの電子を貯蔵する周長千四百三十六メートルの蓄積リングを視察いたしましたが、シンクロトロン棟や蓄積リング棟内には、既に電子の軌道を曲げる偏向電磁石、電子ビームを収束させる四極電磁石及び電子ビームの違いによる収束力の差を調整する六極電磁石が棟内の円周上に配置されておりました。また、蓄積リングに送り込まれた八十億電子ボルトに加速された電子は、偏向電磁石の磁場により運動方向を円軌道に変えながら十時間以上も回り続け、その際に発生する放射光をビームラインから取り出して利用しますが、このビームラインは同時に多数の実験が行えるよう全体で六十一本設置される予定であり、うち三十本は共同利用されることになっております。そのための研究課題の公募、選定作業はこの九月から行うとのことでした。
 委員からは、八十億電子ボルトという世界最高水準の放射光施設設置の意義、世界各国の放射光施設設置の状況、共同利用ビームラインの利用料徴収の見通し、本施設利用希望者の状況、本施設に対する予算面での配慮の必要性等について質疑が行われました。
 以上が視察先の概要ですが、最後に、今回の調査に当たり御協力を賜りました関係者各位に心から感謝を申し上げ、報告を終わります。
#11
○委員長(広中和歌子君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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