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1995/12/08 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 中小企業対策特別委員会 第3号
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1995/12/08 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 中小企業対策特別委員会 第3号

#1
第134回国会 中小企業対策特別委員会 第3号
平成七年十二月八日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     鈴木 正孝君     平田 健二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         二木 秀夫君
    理 事
                石渡 清元君
                中曽根弘文君
                今泉  昭君
                三重野栄子君
    委 員
                大木  浩君
                景山俊太郎君
                塩崎 恭久君
                平田 耕一君
                真鍋 賢二君
                阿曽田 清君
                武田 節子君
                西川 玲子君
                平田 健二君
                渡辺 孝男君
                齋藤  勁君
                前川 忠夫君
                西山登紀子君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房総務審議官   白川  進君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        大宮  正君
       通商産業大臣官
       房審議官     横川  浩君
       通商産業省環境
       立地局長     鈴木 孝男君
       中小企業庁長官  新  欣樹君
       中小企業庁次長  鴇田 勝彦君
       中小企業庁計画
       部長       藤島 安之君
       中小企業庁小規
       模企業部長    井田  敏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部下
       請課長      酒井 享平君
       大蔵省主税局総
       務課主税企画官  藤岡  博君
       大蔵省証券局証
       券市場課長    後藤 敬三君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      村木 利雄君
       労働省労政局労
       政課中小企業労
       働対策室長    草野 隆彦君
       労働省労政局勤
       労者福祉部福祉
       課長       金子 順一君
       労働省労働基準
       局賃金時間部労
       働時間課長    石川  透君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業対策樹立に関する調査
 (中小企業の労働時間短縮に関する件)
 (中小企業の景気動向と対策に関する件)
 (ベンチャー企業の育成策に関する件)
 (大規模小売店舗法の規制緩和に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(二木秀夫君) ただいまから中小企業対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十四日、鈴木正孝君が委員を辞任され、その補欠として平田健二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(二木秀夫君) 中小企業対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○塩崎恭久君 自民党の塩崎恭久でございます。きょうは橋本大臣にもお出ましをいただいて質疑をさせていただくこと、大変光栄に存ずる次第でございます。
 きょうは三点お伺いをしたいと思うわけでございますが、一つは大店法の問題、そしてもう一つは阪神大震災後の中小企業対策のフォローアップといいましょうか、その後どうなっているかという点、そしてもう一つはベンチャー企業等の資金調達の問題につきましてお伺いをしたいと思うわけでございます。
 ちょうど昨日、行政改革委員会規制緩和小委員会が「平成七年度規制緩和推進計画の見直しについて」というのをまとめたわけでございまして、きょう大きく新聞にも取り上げられていたわけでございます。この大店法、振り返ってみれば、昭和四十八年にできてから平成二年から三次にわたって緩和をしてまいりました。地元、私どもの商店街でも今回のこの規制緩和小委員会の結果というものを大変注目しておったわけでございます。
 私ども松山でも、中央商店街の中でも、例えばだんだんと東京資本のお店がふえてくるというところも見受けられますし、あるいは周辺商店街に至ってはかなり空き店舗が出ている、あるいは後継者がいないということで大変暗い雰囲気になってきているわけでございまして、こういう中でこの大店法の問題を規制緩和小委員会がどう評価するのかということを商店街の皆様方は大変心配をしておったわけでございます。
 先般、NHKホールで全国商工会連合会の総会がございまして、大臣も御出席され、また御自分の考えをお述べになったというふうに聞いているわけでございます。もちろん、私もアメリカに住んでおりまして、例えばスーパーとか大きなショッピングセンターのありがたさというか、使い勝手のよさというのは十分自分でも体験をしてまいりました。ただ、日本とアメリカというのは国の成り立ちも歴史も違うわけでございまして、日本は日本なりのやっぱり固有の問題があるということでございます。
 今回この中で、「大規模店舗と中小店舗の調整を目的とする規制は、将来的には無くしていくことが望まれる。」というようなくだりがあるわけでございます。今回、小委員会がまとめましたこの大店法のことにつきまして大臣の御見解をぜひお伺いして、全国多くの商店街の皆様方、そしてまた逆に大規模店舗の皆様方も注目をしていると思いますので、ぜひここで大臣の御見解をまずお伺いしたいと思います。
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員御指摘になりましたように、昨日、行政改革委員会規制緩和小委員会の報告書が提出をされました。その中には、「大規模店舗と中小店舗の調整を目的とする規制は、将来的には無くしていくことが望まれる。」という指摘がなされております。
 私どもの立場は、昨年の五月に第三回の大店法の見直しを行いました。そして、政府の規制緩和推進計画において決定をされましたとおり、平成六年五月からのこの規制緩和措置の実効というものを確保しながら、流通を取り巻く環境の変化などを踏まえて平成九年度を目途に制度についての見直しを行うとしているわけであります。
 そして、昨年の五月の改正以降、細かい数字は事務方に任せますけれども、相当程度新たな出店等も行われているようでありますし、その影響というものは特に地方都市の商店街においてさまざまな影響を及ぼしている実態があるということも承知をいたしております。
 私は、平成九年度を目途に制度の見直しを行う。その際に、中小小売業の方々をも含めて関係者の御意見というものを十分幅広く伺った上で検討していきたいという気持ちを現在持っておるということを即したいと思います。
#6
○塩崎恭久君 特に商店街、中小小売店の皆様方が心配していたのは、将来的にはなくすというこの文言だと思うのでございます。これから平成九年度で見直しをするということでございますが、このなくしていくことが望まれるということについて、改めてやはり大臣がこのなくすことについてどう考えられるのかということを、これ検討を平成九年度にするということでありますけれども、なかなか難しいと思いますけれども、大臣としての御姿勢をぜひお示しいただけたらと思います。
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この小委員会の報告書を拝見しながら受けとめましたもの、それはあくまでも現在の流通を取り巻く環境というものを前提とする限りにおいて、この報告書は将来の大店法の廃止を意味するとは受け取っていない。もちろん、その手続を簡素化していく必要とか、そうしたことは私はあろうと思います。しかし、言いかえれば、現在の流通の中で廃止というものがどういう影響を及ぼすかということはお互い皆見当のつくことであろうと思います。そして、その小委員会の方々も一般の零細な小売業者の死を意味するような状況を生み出されることが目的だとは思っておりません。
 ですから、現在の流通を取り巻く環境というものを前提とする限りにおきまして、私は将来の大店舗法の廃止ということをここでうたい切っているものだとは読んでいない。むしろ、我が国の流通というものをもっとより近代化し、むしろ中小零細の商店もまたきちんとその専門分野で対抗できるだけの基盤をつくった後の問題ということではなかろうか、そのように受けとめております。
#8
○塩崎恭久君 大変明確なお言葉をちょうだいいたしまして感謝申し上げたいと思います。
 通産省といたしまして、今まで随分いろいろな策を、去年も予算獲得時期に重点化枠も含めて商業パサージュの予算であるとか随分やってきているわけでございますけれども、今後やはり、今、大臣もおっしゃられましたように、小さなお店についても個性的でまた粘り強い店をつくり、また一方で大規模店舗についてもそれなりにやっぱり消費者がメリットを受けられるような形ということではあろうかと思うわけでございますが、今後の通産省としての政策のあり方、方向性について若干お話しいただければと思います。
#9
○政府委員(新欣樹君) 先生御指摘のように、中小小売業を取り巻く環境というのは非常に厳しいものがございます。
 そこで、本年五月に産業構造審議会と中小企業政策審議会の合同会議で中間答申が出てございまして、いわゆる流通ビジョンと申すものでございますが、「我が国流通の現状と課題」という報告書でございます。ここで指摘されておりますように、近年の我が国の流通というのはバブル経済崩壊後の消費者ニーズが変化しておる、また価格破壊とも称されるほどの価格競争の激化があるということ、さらにディスカウントストア等の新業態の小売業の台頭、あるいは都市構造、交通体系の変化、また郊外への大別店の進出の加速化等々、構造的、持続的な変革の中にあるというふうに位置づけされておるところでございます。したがいまして、中小小売業にとりましては大変厳しい経済環境の変化であると認識しておるところでございます。
 しかし、こうした状況においてこそ意欲を持ってチャレンジをしていくということが大事でございまして、地域に根差す消費者ニーズヘのきめ細かな対応、あるいは商店街の機能強化、共同化、異業種連携による効率化などへの取り組みを通じまして、流通構造改革の流れを積極的に活用することが何より中小小売業者に求められているものと存じておるところでございます。また、報告書もそういう指摘をしておるところでございます。
 政府といたしましても、先行きに不透明感を強く感じております中小企業者に、ただいま申し上げたような今後の方向性を示していくという努力をいたしますし、またみずから構造改革に取り組む中小小売業者を積極的に支援してまいりたいと思っておる所存でございます。
#10
○塩崎恭久君 このところいろいろな分野で価格破壊、そしてまた道路等々の整備によって人の流れも随分町中でも変わってきている。本当に構造的な変化の中で中小小売業がどう生き残っていくか大変難しい問題だと思います。私ども政治家としてやっぱり決断もしなければいけないことがたくさんあろうかと思いますが、通産省におかれましても、ぜひ今おっしゃったような方向で切れ目なくひとつ政策を続けていただきたいと思うわけでございます。
 この問題についてはこのくらいにいたしまして、次に阪神大震災の問題でございます。
 ちょうどあと一月余りで大震災が起きてから一年になるわけでございます。私も地震発生後すぐに参りましたが、あのような中から中小企業、もちろん中小企業だけではありませんけれども、果たして立ち直ることが一体いつになったらできるのだろうかと思いましたけれども、約二千億になんなんとする対策を打ってきたわけでございます。この対策がどのように生かされてきているのか、その進捗状況、そしてまた神戸での中小企業の復興の状況について、通産省として、中小企業庁としてどういうふうにごらんになっているのか、どう評価をしているのか、その点についてお伺いしたいわけでございます。
 特に、今回は事業資金につきましても、低利融資あるいは無担保無保証での資金であるとか、あるいは高度化事業等々、早期にまた仕事ができるようにということでいろいろな手は打っておるわけでございますが、それぞれどんなふうに今のところ進捗しているのか、そしてそれらを受けて中小企業がどのように立ち直ってきているのか、ぜひお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(鴇田勝彦君) 先生御指摘のとおり、一月十七日の未明でございますが、勃発いたしました阪神・淡路大震災には不幸にも累計で死者が五千五百余名、負傷者四万人以上、住宅で考えますと、全壊、半壊等を合わせまして約四十万戸の影響を受ける戦後未曾有の大災害となったわけでございます。
 例に漏れず、この大震災では地域の中小企業につきましても甚大な被害が生じたところでありまして、例えば神戸の代表的な地場産業でございますケミカルシューズ業界について考えますと、メーカーで約五百社おりましたが、全半壊及び焼失等の被害を受けた企業が九割以上に及ぶ壊滅的な打撃をこうむったわけでございます。商業関係でも、例えば神戸市長田区の大正筋商店街、これは約九十八店舗で構成をされておりますが、ほかに菅原市場等が焼失等によりほぼ全滅の影響を受けたということでございます。
 通産省・中小企業庁といたしましては、瞬時に幹部を現地に派遣いたしました。わきにおられます橋本通産大臣もみずから現地を視察される等、情報収集にまず第一に努めさせていただいたわけでございます。また、もろもろの中小企業者の方が抱える御相談に対してすぐお答えできるような中小企業総合相談所というものも即時に開設をいたしました。被災中小企業者等の支援体制を整えたところでございます。
 中小企業者に対する制度的な支援策については累次御報告をいたしておりますけれども、中小企業庁としては、地震発生後直ちに政府系の中小企業金融三機関による災害復旧貸付制度の発動をいたしましたし、またそれらの機関によるそれまでに貸し付けをしておりました分についての返済猶予、これを弾力的に行うよう指示するなど、早急に措置が可能なものについては対応をしたわけでございます。続きまして、一月二十日に閣議決定をいただきました。また、一月二十四日にも激甚災害指定をしていただきまして、被災中小企業者支援対策を取りまとめたところでございます。
 以下、実績についてお話をしたいと思いますが、今回の地震による災害が中小企業者に対しまして戦後例を見ないほど甚大かつ広範な被害をもたらしたものでありますことから、過去の災害時よりも踏み込んだ内容の総合的な中小企業対策を講じることといたしました。
 具体的には、二月九日には総合的な被災中小企業支援対策を発表いたしまして、これを実施するための阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助等に関する法律を制定いたしますとともに、平成六年度の第二次補正予算において、先生もお話ありましたように六百九億円、平成七年度の第一次補正予算において一千百七十八億円、また去る十月十八日に成立いたしました第二次補正予算におきましては二百四億円ということで、御指摘のように総額で約二千億弱の一千九百九十一億円を確保して対策に努めてきたわけでございます。
 これらの各般にわたる支援策によりまして、具体的に数字で申し上げますと、政府系の中小企業金融三機関による低利融資につきましては約二万六百件の貸し付けをいたしまして、総額で三千五百五十九億円、十一月末現在の数字でございますが、そういった低利融資が実行されております。
 また、中小企業体質強化資金による低利融資につきましては約三万四千件、金額にいたしまして四千二百五十二億円という融資が実行されております。
 さらには、信用補完措置といたしまして信用保険の特例措置をとったわけでございますが、これにつきましては約五万九千件で、金額七千五百億円という保証の実行がされております。
 これ以外にも高度化資金等を活用いたしました仮設工場、仮設店舗の建設等について操業の早期再開等、これらによって支援をいたしているところでございます。
 また、被災地に設置いたしました、先ほどお話しした総合相談窓口につきましては、十一月二十四日現在の数字でございますが、既に一万六千三百件余りの御相談に対応してきめ細やかな対応を図っているところでございます。
 こういった支援策については今後とも引き続き現地被災中小企業者の実情を踏まえ、あるいは関係自治体や関係団体と連携をとりながら、被災中小企業対策の充実とか迅速な実施に対応してまいりたいと思っております。
 答えが若干長くなりますが、復興状況についての御質問もございましたので、ついでにお話をさせていただきますと、復興状況につきましては私どもは地元自治体あるいは関係団体と緊密な連携をとりながら実態把握に常時努めておったわけですが、これまでに地元の兵庫県、神戸市、神戸商工会議所等から入手している復興・復旧状況の概要は以下申し上げるとおりでございます。
 工業関係と商業関係に関して分けて申し上げますと、まず工業関係では、先ほどお話しした甚大な被害を受けましたケミカルシューズに関しましては、日本ケミカルシューズ工業組合の神戸市内に在籍の百八十二社の組合員さんのうち百八十社が現在操業再開をされております。数字的に申し上げれば、約九九%の方が操業再開ができているという実態にございます。そのほか、各種の鉄工所等の機械金属製品業界関連の中小企業者につきましてはほぼすべて操業が再開していると把握しております。
 また、お酒の関係でございますが、酒造業界につきましてはこれもほぼ操業を再開いたしておりまして、具体的には、灘五郷酒造組合について申し上げますと、組合員五十一社のうち四十三社が操業を再開いたしております。当地にはお線香の製造業界、粘土がわらの業界、アパレルあるいは輸出用の真珠業界等々ございますが、これらにつきましてもすべて操業が再開されております。
 また、現地にございます神戸製鋼等の大手企業の下請企業につきましては、下請協力会等の協同組合関係、これもすべて操業を再開されております。
 また、仮設工場でございますが、これにつきましては六カ所建設がされておりまして、ケミカルシューズ関係、機械金属製品関係合わせまして二百四十八社の方が既に入居済みでございます。これは私どもが把握しております仮設工場に対する御要望については、とりあえずすべておこたえをしているということになろうかと思います。
 第二に、商業関係でございますが、神戸市とか西宮市等の兵庫県内の被災商店街あるいは小売市場を見ますと、十月末までに四百七十七カ所中三百六十七カ所が再開をしておりまして、約七七%の市場なり商店街が操業を、営業を再開しているということになろうかと思います。同じ商業関係についても、仮設店舗というものを御要望に応じて建設させていただいておりますが、神戸市内三十カ所、その他の地域十九カ所の合計四十九カ所で完成を見ておりまして、建設中の一カ所、計画中の十五カ所を合わせまして、一応今までいただいておる御要望については仮設店舗についてもおこたえをしているということでございます。
 今後とも中小企業者の復興をより一層促進していくために、必要な対策については執行に万全を期してまいりたいと思っております。
#12
○塩崎恭久君 執行状況としては順調にいっているんだろうと思うわけでございますが、今後の問題としてやはり必ず見落とされる部分というのは出てくると思います。先ほど相談所というのがありましたが、いずれにしてもちゃんとモニタリング、ウォッチをよくするような体制を崩さないで、適切なる、そしてまた敏速な対応ができる体制をやっぱり中小企業庁としてもとり続けるということがまだまだ大事なんだろうと思いますので、ぜひその点を配慮した上で今後とも対策をよろしくお願いしたいと思います。
 時間の都合で、きょうは大蔵省も来てもらっていると思いますので、次の問題に移りたいと思います。
 橋本大臣は、特に今回自由民主党の総裁選挙のときにも「元気を出せ日本」ということで、日本の今の経済をどう立て直すのかということに大変心を砕いていただいているわけでございます。私もことし中央公論という雑誌の二月号に「金融空洞化対策待ったなし」というのを載せさせていただいたわけでございます。もともとのタイトルは日本経済再活性化論というのでやったんですけれども、そんなタイトルじゃ売れないということでそういう名前になりました。いずれにしても、一千兆円以上個人貯蓄があるといいながら、それがちゃんと行くべきところに行っていないということが今の日本の最大の問題だろうと思うわけであります。特に、バブルの後で不良資産の問題があれだけ大きくなって今も金融機関が大変苦しんでいるわけでございますが、こういった経験をした今日、新しい企業、新しい企業家に対してリスクマネーを提供する、これが極めて大事なわけであります。
 先般、科学技術基本法というのが通りましたが、私も早い時期に事務局長で自民党の中でやっておりましたけれども、やっぱりこういった新しい技術を含めて新しい産業をつくっていかなきゃいけない。通産省も、ことしは特にストックオプションの制度であるとかいろいろと苦心をいただいているわけでございますけれども、何といってもリスクテーカーがいなくなってしまったこの今の日本の状況というのが一番問題だろうと思うんです。戦後の長い日本の復興の中で、それは銀行が主にリスクテーカーでもあった。ただ、多少のリスクがあっても、その分損失が出てもカバーするぐらいの経済のパイが大きくなったということでよかったわけでありますが、今はなかなかそれもうまくいかない。ということであれば、やっぱり知恵を出していろいろな仕組みをつくっていかなきゃいけないんだろうと思うわけでございます。
 そういう中で、今回きょうの質問の中で申し上げたいのは、ベンチャー企業等の資金調達が果たして本当にうまくいっているんだろうかというところでございます。折しも日本経済新聞に、おととい、さきおとといとたしか二日連続で出ていたような気がいたしますけれども、いわゆるアメリカ式のNASDAQ市場のようなものをイメージしてつくられております店頭登録市場、そしてこの七月に特則市場、第二市場というのをつくろうということで、まだ登録はされていないようでございますけれども、こういうものができました。
 まず、この市場についての評価をお伺いしたいわけでございますが、ちょうど海外でも、例えばフランスではヌーボーマルシェをつくるとか、オーストラリアもきのうかおとといの新聞に出ておりましたが、いずれもやっぱりベンチャーを育てようという意欲に燃えてやっているわけでございます。
 そういう観点から、現在の店頭登録の市場、そしてまた今回構想がまとまりましたこの特則市場について通産省としてどのように御判断をしておられるのか、大臣にはまた最後にお伺いをしますので、お伺いをできたらと思います。
#13
○政府委員(横川浩君) お答えいたします。
 申し上げるまでもないことでございますけれども、ベンチャー企業の発展のためには必要な資金をいかに円滑に調達できるかということが極めて重要なわけでございます。この意味で、本年七月に店頭特則市場が創設されましたことはベンチャー企業による早期公開の道を開くものであるといたしまして、私どもといたしましても高く評価をいたしているところでございます。
 現時点では、店頭特則市場の具体的案件がまだ出てきておらないわけでございますけれども、これは決算につきましての監査証明の具備などの登録のための一定期間の準備が必要であるということが大きな要因となっておるものと考えておりまして、準備が整い次第具体的な案件が出てくることを期待いたしておるわけでございます。このように、開かれました店頭特則市場への登録が円滑に進んでいくかどうかを私どもといたしましても注視をいたしながら、登録円滑化のためのさらなる措置が引き続き講じられていきますことがやはり重要であろうというように考えております。
 それからまた、店頭市場につきましては、これまで登録基準の引き下げといったようないわば入り口の問題に議論が集中してまいったわけでございますけれども、例えば米国のNASDAQに比べまして日本の店頭市場は流通性が著しく欠如いたしておりまして、入り口の引き下げのみではなくて、円滑な取引ができる状況をつくらなければ店頭市場の健全な発展は期待し得ないのではないかというように私どもは認識をいたしております。したがいまして、店頭市場全体の流通性を高めるための方策を検討することが課題として重要であろうと考えております。
 以上でございます。
#14
○塩崎恭久君 このベンチャー企業等の資金調達がなかなか今のように急拡大しないという理由の中に、いわゆる機関投資家が余り元気に投資をしていないということがよく指摘をされるわけであります。
 確かにアメリカと日本とを比べてみますと、例えば普通のニューヨークのストックエクスチェンジでも投資家のシェアというのは大体六割弱ぐらいある。それに対して日本は東証でも二割ちょっとしかない。それから、NASDAQでは四割ぐらいが機関投資家、日本では店頭登録市場では一割ちょっとしかない。ベンチャーファンドに至っては、アメリカの場合は七割ぐらいが機関投資家であるのに対して、日本の場合は一部生保などを除くともうほとんどないというぐらい機関投資家が余り機能していない、十分に機能していない。余りということじゃないんですけれども、十分に機能していないということがよく指摘をされるわけであります。
 そういう中で、機関投資家に対して運用規制があるからなかなか投資がうまくいかないんじゃないかということがありまして、例えば今回の規制緩和小委員会の中でも、五・三・三・二の年金の運用規制についても指摘がございます。
 それから、未公開株に対する投資が一部許されないということが指摘をされているわけでございまして、その点についてこれは大蔵省の方にお伺いをしたいわけでございますが、その事実、そしてまた今後の方針はどうなのかということをお聞きしたいと思います。簡単にお願いいたします。
#15
○説明員(村木利雄君) お答えいたします。
 先生がおっしゃっておられますように、今後の我が国の経済構造の円滑な転換を考えた場合に、ベンチャー企業の資金調達の円滑化ということは大変大きな課題であろうかと考えております。ただ、例えば厚生年金基金の運用に係ります機関投資家に対します運用規制、いわゆる五・三・三・二規制でございますが、これがあるからといいましてベンチャー企業等の資金調達の障害となっているというふうには一概には申し上げられないかというふうに思っております。
 なお、企業年金の株式運用の拡大につきましては、従来いわゆる合同運用口につきましては上場銘柄に限定されておったわけでございますけれども、店頭登録市場が発達してきたこと、さらに店頭特則市場ができるということも踏まえまして、本年九月二十日に発表いたしました経済対策におきまして、平成七年中を目途に市場性の高い優良な非上場銘柄を年金投資基金信託の株式口の運用対象に追加するという措置を講じるというふうにしたところでございます。
 また、機関投資家に対する運用規制におきましては、未公開株も含め一応三割まで株式に投資ができることとなっておりまして、厚生年金基金の規模、現在三十兆円強となっておりますが、そういったことから考えましても、運用規制が未公開株投資への障害となっているというふうには承知しておりません。ただ、合同運用口につきましては、合同運用の性格からいたしまして投資対象が限られているものでありまして、政策的に未公開株式の投資を禁止しているということはございません。
#16
○塩崎恭久君 今の九月二十日の対策の中で、市場性の高い優良な非上場銘柄を対象にするというふうにしているわけでございます。しかし、これは未公開株はやっぱりだめだというふうに一般的に理解をされているわけでございまして、それはそれなりの、例えば時価をどうやって算定するのかわからないとか、流動性がないとかいろいろあるんだろうと思うんです。しかし、そもそも機関投資家がこういった未公開株に投資をするというのは、将来必ず公開をされるということで、キャピタルゲインを考えて投資をするわけでありますから、この今の、勝手に自分で答えちゃあれですけれども、流動性がないとかいうようなことは、店頭登録にいけばまたキャピタルゲインを得ることができるわけでありますから、投資家としては当然これを対象として投資をしても私はいいのではないかと思うわけでありまして、そこの点を大蔵省がいけないという理由は、私は先ほどの御説明の中では根拠薄弱ではないかなと思うわけであります。
 時間も余りないので行きますが、今も通産省の方も、やっぱりもっともっと流通性を高めながら市場を育てていかなきゃいけないというお話がありました。確かに、今アメリカと比べても、会社の数でいってNASDAQと日本の店頭の社数を比べただけでも十分の一です。また、国内の例えは東証の金額とそれから店頭の出来高を比べても、あるいは売買代金を比べても、本当に一けたのパーセントしかないというぐらいしかまだ伸びていないわけでありまして、じゃ一体どうしたらいいんだろうかということであります。
 私は、今回、特則市場をつくったわけでありますけれども、本来は特別にそういう特則市場をつくるということではなくて、今回確かに赤字でも出せるとかいろいろなことを考えてやっていただいたわけでありますから、御努力を評価しないわけではないんですけれども、むしろ本則の市場の方が特則並みにならなければいけないぐらい今このベンチャー企業に対する資金調達の場としての店頭登録市場というものの大事さというのがあるんだろうと思うんです。
 例えば今回、ですから特則市場の問題についてもRアンドD比率をもう三%ということになっていますけれども、じゃ例えば小売はRアンドDなんというのは余りないわけですから、そんなことは基準にする必要もないのではないだろうか。そもそも市場が判断をすればいいことであって、それは一々大蔵省が基準をつくる必要はないんじゃないか。
 それから、今回新聞にも出ておりましたけれども、本則市場でマッチするものは特則では出せないということになっていろいろ不都合が起きているんだと、まだ実際には起きていませんけれども、そういう話もあるということもあります。
 それから、例えば公開のときの値決めでも、今の本則市場というのが一般競争入札で余りよくないというのでブックビルディングというのを特則で認めることにした。むしろ、本則でそれをやらせてもいい。あるいはまた、本則では株の配分をする場合に一銘柄五千株以内じゃないとだめだとか、そういうようなものがいっぱいあるわけであります。そういうものをもっともっと本則市場で取り込んでいくべきじゃないだろうかというような気がいたします。
 それと、全然発想は変わりますけれども、例えばアメリカのピンクシートとかローカルというのは、ローカルは違いますけれども、要はSECにディスクロージャーをしさえすればとりあえずもうそれで公開ができるという制度になっているわけでありまして、投資家保護ということがよく言われますが、そういうぐらい大胆なことをやっていかないと、ベンチャーのみならず一般の小さなところも資金調達に事欠くということが、特に先ほど申し上げたように、今、銀行がバブルの後で不良債権で大変苦労している中でありますから、直接金融の道を伸ばしていかないとこれからの日本の経済の立ち直りというのができないんじゃないだろうか、構造改革もできないんじゃないだろうか、こう思うわけであります。
 この点について証券局として、今申し上げたように、例えばRアンドD比率の問題であるとか、あるいは特則市場で今回やったものを本則の市場で適用する考えはあるのかどうか、その辺をごく簡単にお話しいただいて、その後大臣に、まさに日本が元気を出すためにこの市場に対する大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#17
○説明員(後藤敬三君) お答えを申し上げます。
 店頭市場で対象企業が限定をされているのではないか、これを撤廃すべきではないかというお話が先生からございました。これにつきましてお答えをいたしたいわけでございますけれども、この店頭特則市場はニュービジネスの育成を通じまして我が国経済の構造改革に資するために、ベンチャー企業等の営む新規事業が企業化前の研究開発段階にあって、将来性は認められるものの企業として成長途上の段階にあって、まだ収益基盤を確立するに至っていない企業に対して株式公開の道を広げるという趣旨でできたものでございます。
 この要件でございますが、新規事業に係る研究開発費の当該企業の全売上高に対する比率が三%以上であるという先生のおっしゃられた要件でございますが、この研究開発費には新規事業に係る申請費、それから新技術の開発のための試験研究費だけではございませんで、広告宣伝費でありますとか、設備投資費用その他の新規事業の企業化、いわば新商品の開発と申しましょうか、こういったもののために要する費用を一切含んでおるわけでございます。
 したがいまして、店頭特則市場は業種のいかんを問わずに新規性のある事業を実施している中小企業はその対象となっておりまして、その意味では将来性あるニュービジネスにひとしく門戸が開かれた市場でありまして、ベンチャー企業等によりまして積極的に活用されることを期待しておる次第でございます。
 店頭市場につきまして、先生が、公開ルールでありますとかの特則が設けられておって、これを本則に拡大するべきではないかという御指摘でございましたが、こうした点につきましては今までの証券行政の過程におきましていろいろな状況をめぐりましてこのルールが定まってきたわけでございますけれども、今回店頭特則市場ということでこれの見直しを行っているわけでございます。まだ市場が発足した直後でございまして、この状況を見きわめていくことが必要であろうかと私どもは思っておる次第でございます。
 以上でございます。
#18
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう委員がよく御承知のことでありますけれども、新規の事業を育成しよう、そう考えましたときにはその発展阻害要因というべきものを解決していかなければなりません。その場合に、今、委員が述べられております資金調達面、これは一つの大きな問題でありますし、さらに人材確保面におけるその困難性をどう克服するか、さらに独自技術の確立を支援する仕組み、さまざまな要件が私は絡んでくると思います。
 確かに、今NASDAQと対比されて日本の国内の問題を指摘されましたが、資金面につきまして、日本の民間部門には巨額の貯蓄が現に存在しているわけであります。しかし、その貯蓄が新規事業への投資に向かっていない。ここを解決するためにはやはり店頭登録市場のさらなる改革を進めるなど、民間資金がどうすれば新規事業への投資に円滑に向かうような環境整備ができるか、こうした方策を検討していかなければなりません。まさに、ハイリスク・ハイリターンという言葉を委員は使われましたけれども、アメリカの投資環境と日本の投資環境におけるこれらの差異をどう克服するかが一つの大きな課題であります。
 また、先般御審議をいただきまして成立をさせていただきました新規事業法の改正によりましてストックオプション制度が実現を見ることになりました。これがまだ税制等補強を必要といたしますけれども、円滑に活用されていくように私どもとしては制度の啓発普及にこれから努力をしていかなければならないと考えております。しかし、これはまさにその人材確保円滑化という視点から考えてきた対策でありまして、こうしたものも一つ必要になります。
 また、技術面におきまして、新規事業発展に不可欠な独自技術を確立していきますためには、新規事業者に対する技術開発を積極的に支援していく仕組みと同時に、どうすればより産学官の間における連携というものを育成していくことができるか、大学等との研究の連携というものを推進していく方策を考えなければならない。こうした点を問題として認識しているところであります。
#19
○塩崎恭久君 ありがとうございました。
 私も科学技術、私は引き出しという言葉を使っているんですが、科学技術の引き出し、人材の引き出し、そして資金調達の引き出し、それぞれニーズに見合ったものをどこからでもできるようにいろいろなメニューをそろえておくということが政策として必要なんじゃないかなというふうに思っておりまして、大臣のおっしゃったことはまさに私も考えているとおりでございます。
 今後とも、大蔵大臣もお務めになられた通産大臣でございますので、ぜひまた両方をよく見ながらお願いをしたいと思うわけでございまして、本日はこれで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#20
○平田耕一君 自由民主党の平田耕一でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、橋本通産大臣に御所見を伺いたいと思いますが、いわゆるバブルの崩壊後、従前に輪をかけて中小企業を経営する人々やそこで働く人々にとりましては厳しい経営状況が続いています。全体としての仕事量が減ってきていること、さらには資金繰りが悪化し、日々その工面に奔走している実態等が全国至るところで見られます。私自身、中小企業を経営しておりましたので、その苦労はわかっておるつもりでございますが、そんな状況の中で、一方では住専問題等一連の金融破綻の処理に対しまして公的資金の導入が検討をされております。
 片や命がけで資金繰りに師走の町を駆け走る中小企業者、片や現在の不況の原因であるバブル崩壊の立て役者に対する、まあ言葉で言えば安易な公的資金の導入、そういうことになりますと、全国の中小企業経営者並びにそこで働く人々の間にはどうしようもないやるせなさ、あるいはあきらめにも似た意気消沈した空気が蔓延していくのを感じざるを得ません。本当の景気の回復や安定した経済のためには、起業者マインドと申しますか、日本を支える中小企業経営者、そしてそこに勤める従業員が明るい希望とやる気を持ち続けていることが肝心だろうと思います。どうもそれに逆行するムードが起こりつつあるような危惧の念を抱いております。
 橋本通産大臣のそれらに関する御所見をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#21
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今、委員から、御自身が経営者として御苦労をされてきた体験を踏まえての御意見として真剣にお話を伺わせていただきました。そしてその中で、金融システムというものが経済の動脈ともいうべきものでありますから早期に不良債権の処理を行う、そして金融システムの機能回復というものを図るということは、日本経済を本格的な回復軌道に乗せていくために喫緊の課題であることは当然のことながら御理解をいただいていると思うわけであります。
 現在、年内に本問題を解決すべく、その対応策を取りまとめるように関係者の中で真剣な検討が行われているわけでありますが、その中で委員が御指摘になりましたように、特に公的資金を導入することにつきましては納税者に負担を求めるという結果を生ずるわけでありまして、各方面における御議論を踏まえた慎重な検討が必要な事項だと私も思います。ただ同時に、御理解をいただきたいと思いますのは、国際金融の世界から見て日本の金融システムの信頼性というものを取り戻すために何が必要かという視点、これは別途の視点としてもう一つ考えておく必要があろうかと思うのであります。
 たまたま本年、プラザ合意十周年を記念してシンポジウムが開かれました際、フランス中銀のトリシェ総裁、またIMFの専務理事でありますカムドシュさんが日本に見えました機会に久しぶりに意見交換をそれぞれ別個に持つ機会がございました。
 この二人の発言に共通しておりましたことは、金融機関の不良債権の処理に当たって公的資金を導入するということは当然のことながら慎重の上にも慎重であるべきであり、それが放漫経営を助けるようなものになってはならないということは当然のことである。しかし、たまたまお目にかかったのが大和銀行の問題が発覚しましてしばらく後の状況でありました。現在の国際金融の世界において日本の金融システムに向けられている目は非常に厳しい。その場合に、どういう救済の不良債権処理のスキームが用意をされるにしても、その信頼性を担保するためにはシンボリックな公的資金の導入が必要である。言い方は多少ずつ異なっておりましたけれども、お二人ともに公的資金の導入をどういう形かで行うことによって国がその処理のスキームに対しての保証をする、そうしたことは国際金融の世界で必要であるというそうした御指摘を受けたわけであります。私は、こういう視点も大切であろうと、感じとしてその発言を理解いたしました。
 ただ、いずれにいたしましても、中小企業が極めて厳しい経営環境のもとにあることは十分私どもも認識しておるわけでありますし、本年度第二次補正予算案を御審議いただき、成立をさせていただき、現在実行に移っておるわけでありますが、あるいは本臨時国会におきまして中小企業信用保険法の改正案を成立させていただきましたけれども、従来はとっておらなかった思い切った中小企業対策というものを講じてまいっており、こうした措置を活用していただくことによって中小企業の経営安定が図られることを私どもとしては強く期待をいたしております。
 今後も引き続き努力をしていきたい。金融機関の公的資金導入とは違った問題で我々はこうして考えていきたいと思っております。
#22
○平田耕一君 ありがとうございます。総意としての心の問題をどうぞひとつ御配慮願いたいというふうに思います。
 それからもう一つ、バブル崩壊の後処理、こういうことで土地の問題を一案として御提言申し上げ、関係者の御所見も伺いたいと思うのでありますが、実際、土地の価格、あるいはGDP、あるいは消費の動向、あるいは物価の動向等との関連性というものにひとつ注視をしていただきたい。
 これは私も確たるものがあるわけではございませんけれども、実際これも当選後いろいろ言葉で聞いたわけでありますが、土地がその収益還元価値と資産価値との問題というものをいろいろ云々されておるわけであります。これは手短に申しまして、私たちの日本の経済というのは、今後本当に限られた土地をもとにした土地本位制というものをもし考えるならば、私有である、あるいは市場原理を生かす、そういうようなことを前提にしながら、なおかつ土地が二度とバブル状況にならないように、あるいは投機はなくして、実需に基づいた流動性というものがもっと高まるように、それが永続して行われるようにというようなことをフローの経済との関連でもって鋭意ぜひひとつ突き詰めていただきたい。
 そこで、ちょっと事前には申し上げておいたんですけれども、端的に申しまして、いずれにしろ将来的に企業会計の中で土地あるいはその他のものも時価評価ということがクローズアップをされてくるのなら、実際崩壊したバブルは別にしまして、大企業、中小企業を問わずいろんな土地の簿価があるわけでありますけれども、例えば高い土地を持って簿価で記載をしてある土地、本当に安い土地で記載してある土地なんかをいずれどこかに収れんしていかなきゃならないというような方法で、高い土地は一定のところまでは償却していける、安い土地は漸次益出しをしていくというような形でその原資も稼げるし、そして市場価格というのはその想定をした低い価格に収れんしていくという方法を御提案しておきましたので、何とぞひとつそういうことを一例にして御検討いただいて、土地基本法にうたわれました、日本の土地というのは有限で、これは一にも公共の福祉を優失して使用すべきだという精神を具現できて、なおかつ私たちが資本主義の原理にのっとって従来のような感覚で仕事にも取り組み、あるいは居住を求められるというようなことをぜひひとつ御検討いただきたいというふうに思います。
 時間を早くせいということでございますので、次の問題とあわせて御見解を聞かせていただければと思っておりますが、先に申し上げます。
 先ほど塩崎さんから株式取引についてお話が出ましたが、実はそのことにもかかわるわけでありますが、ここは中小特でございますので、私自身は、中小企業というのは基本的に存在していける基盤といいますか、今は中小企業も大企業も押しなべて、生産であれ販売であれ、コスト主義といいますか、一定で固定費を数量で割る。したがって、どんどん価格破壊が起こるし、そういう競争下においては資本の論理であるとか、あるいは大企業が勝っていくとかということで、どうしても中小企業が必然的に存在していかなきゃならぬという理由がないように思うわけで、そこのところの基盤をつくっていかないと、なかなか中小企業対策というのは一定の補助なり保護なりということで終わってしまって、いつも経営を脅かされるという状況を脱却できないというふうに思っています。
 そこで、例えば一例を申しまして、スーパーと中小の町の小売店のことなんでありますけれども、スーパーにどんどん負けていく。これを幾ら大店舗法で規制をしましてもやっぱり基本的に負けていく状況にあるものをどうして生き長らえていくか、存在価値を見つけるかということについて、私は店頭とか店頭特則とかというよりもっと小さな市場で、自分自身は自分の会社を店頭登録しました。しかし、それでも本当にあの市場というのはまだまだ膨大に資金が流入しないととても正常な取引にならない。いろんな規制があって、ディスクローズしたって株価というのはそんなに動くものでもないし、一たん買った店頭の株は売ろうと思っても売れないぐらいの小さな市場でありますから、これはこれで非常に難しい問題があるというふうに思うんです。
 じゃ、そういうことを払拭できる、町のちょっとした商店のおやじさんも、あるいは小さな製造業の会社も地域で株が市場に出せるような方法というのを考えて、今の日本の膨大な預貯金というものがそういう地域での市場に流れ込んで、そして例えば商店の株を持っておる、だからおれはスーパーで買うよりこの店がわいいんや、この会社でつくった漬物はうまいからこれをみんなにPRするんや、そんな感じで地元を愛するという空気を醸成していくために、言ってみれば中小企業証券取引法みたいなものをつくって、そして県単位でもってそこで市場をつくる。
 その窓口というのは証券取引法のいろんな規制がありますけれども、それは一遍研究をすることとして、例えば前回にも橋本大臣がおっしゃいました中小企業投資育成会社というのがございまして、例えばああいうところで引き受けた株、それから今度のに出ていました、第三セクターをつくってベンチャーに投資をするという会社、こういう会社はそれぞれの中小企業の株をお金を出して引き受けるわけでありますから、引き受けた分だけ今度は県単位で、その在住者に引き受けた価格を最低価格として譲渡していく。要するに、株主数を広げるということですね。それで、その間接上場というものをそれぞれの地区で市場をつくっていけば、これはいろんな問題をきっと大蔵の方が御指摘なさると思います。
 ディスクローズの問題も地域であるからよくわかっておる。経営者の顔を見てわかっておる。彼らが何をしているかわかっておる。ディスクローズに問題はない。あるいは会社の内容についても、大体おらが町のあそこの会社は将来どうなるということぐらいは知っておるというようなことを、そういう形で中小企業証券取引法、そしてそれは県単位で、県の在住者が自分たちの町の企業や商店をかわいがってそこの株を持つ。これはもう短期の売買でなしに長期の楽しみで持つ。そして、その店をかわいがる。そして、どんどんそういうことになっていけば、一つは基本的に中小企業あるいは中小の商店というのが成り立っていくそういう空気が醸し出されるんやないかな。そしてそれは、町づくり町づくりと言ってもなかなかできない。
 そういうことから始めないと本当の町づくり、そして中小企業の育成策というのは、ベンチャーというのは、私はこれは自分の考えでありますけれども、ベンチャー企業というのは余り援助しなくても必ず銀行も今貸したがって、借り手がないぐらいなんですよね。そのくらい少ないので、ベンチャー企業だって考えてやればきっと金は集まるんですけれども、むしろ衣食住に関した広範な分野の地道な中小企業を本当に根っこから活性化するような方法というのを、その一案として中小企業証券取引法(仮称)なるものをひとつ御検討いただいて、そんなようなことをスタートしてやっていただきたい。
 土地の問題で抜本的に、庶民や中小企業者が安心して新しい土地を買っても採算が合うような土地の価格で、資産価値を失わずに、二度とバブルにならずに、そんなような形でなおかつ今高い土地を簿価で持っていても漸次そこまでは減価償却していって、高い土地を持ったところもそんなに困らない。安い土地を持ったところも、いずれかの企業会計の見直しに合わせて漸次今から益出しをしていくというような形で、一石三鳥ぐらいの効果になる土地のそういう方法。
 それから、町づくりにも関係ある、本当に日本の経済の抜本的な問題になるだろうと思うんですけれども、中小企業証券取引法なるものの雑駁な御提案というものを今ここで申し上げて、中小企業に対するいろんな政策について、いろんなお知恵も御経験もおありだと思いますけれども、関係省庁の皆様の御所見を伺いたいというふうに思います。
#23
○政府委員(鈴木孝男君) 委員御指摘の最初の土地問題の方についてお答えさせていただきます。
 適正な地価水準の実現は、企業活動にとりまして効率的な設備投資を可能にするとともに新たなビジネスチャンスを生み出し、いわば新規事業を促進するなど、我が国経済の活力を高める重要な要因の一つであろうと考えております。また、企業が国を選ぶ、いわばボーダーレスの時代になった現在、高地価が原因となりまして企業の国際競争力の減退や生産拠点の海外移転が進展する場合には、我が国経済全体のポテンシャルの有効活用が妨げられるおそれがあるわけでございます。そういう意味で、委員の御提案もこうした点を危惧されたものと考えておりますが、御案内のように、この問題は大変複雑な要素を抱えておりますし、また種々議論のあるところであることは委員も御承知のとおりだろうと思います。
 土地基本法に基づきまして平成三年に閣議決定されました総合土地政策推進要綱、この中でも、土地神話の打破、適正かつ合理的な土地利用の確保と並びまして、適正な地価水準の実現を土地政策の目標として掲げ、特に地価につきましては、土地の利用価値に相応した水準を目指すことが明記されたところでございます。
 通産省といたしましても、利用価値に応じた適正な地価水準を実現することが我が国経済にとりまして重要な課題であると認識し、今後とも関係省庁とも連携しつつ適切に対応してまいりたいと思っております。
#24
○政府委員(藤島安之君) 委員、経営する企業を公開されまして、資金調達面でのお話、重要性の問題、それから地場産業振興とこれを結びつけたローカルな資本市場といいますか、そういう市場をつくってみたらどうか、こういう御提案でございますが、中小企業の資金調達、それが中小企業の経営にとって大変重要な課題であるということは我々も認識しておりまして、本年の十月の補正予算におきましても政府系の中小企業金融機関によります金融面の支援措置を講じてまいったわけでございます。
 特に、直接金融につきましては、中小企業事業団の高度化資金を活用いたしました創造的な中小企業に対します、都道府県の財団を通じます新たな制度を創設したところでございます。これにつきましては、各県もこの政策に呼応いたしまして平成七年度、今年度から北海道を初め十県が財団を設立してこの直接金融面での制度を設けるというふうに希望を表明し、あるいは予算措置を講じております。来年度におきましても、二十その都道府県がこういう政策を実施したい、こういうふうに言っております。
 そこで、委員御提案の直接金融スキームをローカルでもう少し民間の金を活用し、それが株式という形で流通する、そういった仕組みを考えたらどうかと、こういうお話でございまして、大変示唆に富むお考えかと思います。今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、先ほど議論がございましたが、アメリカと比べまして、個人投資家が創業間もない企業に投資を行うということが十分でない日本の現状でございます。先ほど申し上げたこうしたいろんな制度を活用しながら、委員御指摘の趣旨を勉強しながら中小企業への投資が円滑に行われますような環境整備に引き続き努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#25
○平田耕一君 よろしくお願い申し上げたいと思います。
 一度本当に、可能な限りの小さな市場で、いろんな証券に関する法律というものをもう一度考え直してみる必要が世界的にあるだろうというふうに思っています。証券取引というのは本当に歴史は新しいし、例えば一例が日本のNTTにしろJRにしろいろんな形で、募集の方法が毎回違っているのはこれもやむを得ないことでありますけれども、そんな形で一度原点に戻って、そしてそれが本当に中小企業にとっていいことであればいいと思う。ただ本当に、最後の、間接上場することによって最低買い取り価格、そこは資金があるわけですから、もうできるし、非常にええ方法やと思うので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
 最後に、緊急の課題で労働時間のことをお尋ね申し上げたいというふうに思います。
 週四十時間という規定が、これはそういう把握の仕方で法律もできておるし、なんでありますが、私自身は千八百時間を達成しようというふうにとらえております。週四十時間やった、それは定時という形、八時から五時ですか、定時という形で四十時間達成しなさいよ、残業は幾らやってもよろしいよという法律でもって四十時間に罰則を設けても余り意味がないんじゃないかなと思う。
 今、千八百時間を達成しょうと思って、会社というのは、製造会社というのはどのぐらいの時間を削減せにゃいかぬのかなと。私は、昨年、一昨年で二千五百時間を二千三百時間にするのに四苦八苦でありました。そういう水準でありまして、そういう会社は多いだろうというふうに思います。
 定時を四十時間にすることはいとも簡単でありまして、すればいいので、あとは残業に繰りかえればいいのでありますが、本当の目的というのはやっぱり国民が本当に豊かな生活をするという前提でもって、私自身も千八百時間ぐらいでもって有給もたっぷりとり、日々余裕を持って暮らしていくというのは非常に健康的で、これはぜひやらなきゃいかぬことであるというふうに思います。それに至りましては、やっぱり中小企業が破綻をしないように、日本経済が破綻をしないように、そしてまた時間は余ったがまたアルバイトをしておるというようなことじゃなくて、本当に国民が豊かな生活ができるような施策にしていただきたい。
 そのためには、例えば千八百時間がいいですよ、そして法律は週四十時間ですよ、そして平成九年三月三十一日まででそれ以降は罰則ですよというのは、例えば千八百時間からほど遠い二千数百時間やっておって、そして週四十時間という、ただすればいいというだけのことでもって罰則を設けるということも、これは将来的には非常にいいことだから過程としてはやむを得ないのかもしれないけれども、総時間ですらほど遠い会社が中小企業においてはたくさんある現状からして、やっぱり時限的なものというのはぜひともひとつ再度実態というものを、各地の労基署では、四十時間ということの指導とともに総時間も指導してきておる。その点は、きのうもお尋ねをしましたら、総時間は規制していないよということなんですが、各地では指導を強烈な法律だと受けとめて苦労しているんです。二千三百時間は二千二百時間にするように、二千時間に近づけるように涙の出るような苦労をしておるわけでありますから、そこでもって週四十時間ということをやってみてどんな意味があるのかなという気も私はしております。
 何とぞひとつ実態に即した本当の調査をしていただいて、そしてもしこういった経済状況が続いていく、それはやむを得ぬことかなという御見解も一部にあるようであれば、法律的な時限のしんしゃくというものはぜひともひとつお願いを申し上げたく、御質問とさせていただきたいというふうに思います。御見解を賜りたいと思います。
#26
○説明員(石川透君) 先生御指摘のとおり、年間総労働時間千八百時間、これを目標とすることにつきましては、新たに策定されました構造改革のための経済社会計画におきましても規定されているところでございまして、労働省といたしましては、このため、まず完全週休二日制の普及促進、それから年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減に努めているところでございます。
 昨日、先生の御質問に対しまして、所定外労働時間、時間外労働につきまして何時間でもやってもよいというふうに誤解を与えたかもしれませんが、法律上上限が規定されているわけではないという意味で申し上げたところでございます。時間外労働につきましても削減していかなければいけないものというふうに私どもとしては認識しているところでございます。
 この千八百時間を実現するための第一の方策でございますが、私どもといたしましては、まず完全週休二日制を実現すべく、労働基準法を改正いたしまして法定労働時間を段階的に短縮し、平成九年四月には週四十時間労働制に全面的に移行することといたしまして、これに基づきまして事業主の指導に努めているところでございます。また、労働時間の短縮の促進に関します臨時措置法に基づきまして週四十時間労働制の適用が猶予されております中小企業等に対しまして、週四十時間労働制への円滑な移行を図るために中小企業労働時間短縮促進特別奨励金制度を創設いたしまして、その活用促進に努めているところでございます。
 このほか各種施策を実施いたしまして、特に中小企業の労働時間短縮に向けました取り組みを支援しているところでございます。また、これら主として所定労働時間の削減のための方策のみならず、年次有給休暇、それから所定外労働時間の削減にも鋭意努めているところでございます。
 先生御指摘のとおり、平成九年四月には法定労働時間四十時間に特例事業場を除きまして全面的に移行するということとされているところでございます。残された期間はあと一年四カ月余りでございますが、私どもといたしましては、平成九年四月に向けまして円滑に移行できますようにできる限り努力してまいりたいというふうに考えております。
#27
○政府委員(藤島安之君) 中小企業庁の立場から、労働時間の短縮について一言申し述べさせていただきたいと思います。
 委員お話しのように、労働時間の短縮につきましては、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現するというためにも、あるいは我が国の産業の国際的な調和を図って発展させていくと、こういうためにも大変重要な課題だと認識しております。さらに、中小企業自身にとっても、優秀な、有能な人材を確保する、労働力の確保を図るという意味でも重要な問題だと思っております。
 このため、通産省といたしましても、かねてから労働省と連携をしながら中小企業労働力確保法の策定など、労働時間の短縮に向けてさまざまな施策を講じてきたところであります。
 しかしながら、最近の厳しい経済環境を背景といたしまして、委員の御指摘のように、再来年の四月一日から四十時間に法定時間を短縮するように、これを実現しようと努力してもなかなか難しいという企業が多いことも事実でございまして、この法律の即時の実行については慎重な対応を求める声があることも確かでございます。今後こうした問題につきましては、中小企業における労働時間の現実の実態、あるいは経営の状況等を十分見きわめた上で判断していく問題と考えております。
 いずれにいたしましても、中小企業庁といたしましても、労働省と呼応しながら労働時間の短縮について引き続き全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#28
○平田耕一君 ぜひその時間のことは御検討いただきたい。
 もう一つつけ加えますならば、本当に幾多の中小企業というのは優秀な人材が欲しい。欲しいけれども、もっと大事なのは、優秀でないと言っては語弊があるけれども、汗を流すしか知らぬ人間たちが生きていく一つの器でありますから、その人たちが今の時間単価でもうちょっと仕事をしたい、そしてあれを買いたい。そういったときに、中小企業の経営者もそういう人たちと話を合わせて頑張ってもうけようというときに、労働時間を規制して罰則を与えるということが果たしていいことなのかどうなのかはもう一度ひとつ根底的にも腹へ置いていただいて、ぜひともひとつ猶予を御検討いただきたいというふうにお願いをして、予定よりちょっと早く終わったので、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#29
○今泉昭君 平成会の今泉でございます。
 前回のこの委員会におきましては、予算関連法案の審議ということもございまして、できるだけ早く上げようという協力の姿勢を示した関係上、大変時間が制限をされまして、実は十分な審議もできなかったという気持ちがございますので、前回質問する予定の問題も含めましてきょうはお話を伺いたいというふうに考えているところであります。
 もう各委員のお話にもございましたように、今我が国は大変な、戦後初めてと言われるくらい長い暗い不況に直面をしているわけでございます。この不況はこれまでの不況とはちょっと違った、根本的に違う形の対応策が必要な不況ではないだろうかということが言われておりまして、これをとらえまして、構造変化に対応する景気対策が必要だと、こういうふうに言われてきているわけであります。
 振り返ってみますと、これまで戦後五十年の間に、我が国は大体十年を周期にいたしまして大きな構造変化の波に洗われて岩だというふうに私自身は考えております。敗戦直後の昭和二十年は別といたしまして、今回を含めて四回ほど我々は大きな構造変化に直面してきたんじゃないか。
 一つは、御承知のとおりに、昭和二十年代の後半から三十年代の前半にかけまして起こりましたいわゆるエネルギー革命でございます。石炭から石油に転換する際に、我が国の経済構造を転換していくために、企業もそこに働く労働者も大変な苦労をいたしました。犠牲も受けてまいりました。しかしながら、幸いにいたしまして、世界に冠たる政府、官僚、そして労働者の協力でこれを切り抜けてきたことは事実であります。
 それから、その次、考えてみますと、昭和三十九年から四十一年ごろ、ちょうど我が国が第一次の開放経済体制に入ったとき、OECDに加盟をする、IMF八条国に移行するということで、自動車の自由化が行われたのもこのときからでございますが、いわゆる開放経済体制に向かって国際競争力をどうつけていくかという意味での大幅な我が国の経済構造の転換があったと思うのであります。このときも大変な苦労をいたしました、そこに働く我々といたしましては。しかし、これもうまいぐあいに乗り切って、これまで以上に多くの世界から賞嘆されるようなすばらしい経済成長が実現できたと思います。
 それから十年後だってみますと、今度は石油ショックでございます。このために今回に匹敵するような大変な苦労を我々は経験したわけでございまして、これを機にいたしまして、我が国の重厚長大産業がこれではいけないという形でいわゆる軽小時代に入るということになりました。この期間におきましても、もう当然でございますけれども、そこに働く人たちだけではなくして、企業も大変な苦労をしてきたことは事実であります。
 そして、今回の不況は、それから十年後にやってまいりました円高ということから来るところの空洞化という問題、これに伴う産業構造の多くの転換が必要ではないかというところに端を発した大きな経済構造の転換に対する苦しみを我々は味わわなければならない事態に立たされていると思うわけであります。
 私は暇を見て地方にいろいろ行くんですけれども、中小企業の皆さん方から、もう我慢できない、何とかしてくれやと。この声というのは、今まで私自身も長いこと労働界におりましたから、労働者の目でこれらの構造転換、苦しみに直面してきたんですけれども、今までにないぐらいこれは厳しい局面にあるんじゃないかという実感がするわけでございます。
 そういう意味で、この不況に対しましてこれまで歴代の内閣が七十兆円を上回るような景気対策を打ってきたけれども、一向にこれが効いてこない。既に今回もさきの国会で補正予算を投入いたしましたけれども、それすら一体どのような形でこれに対応できるのかどうか、私自身としても大変心配なわけでございまして、これまで打ってきた各政府の景気対策によりまして一体、今、中小企業の実情がどのような形でこの景気を乗り切ろうとしているのか。少しでも明るい資料が出ているのかどうか。そして、前回打った景気対策が効いてきているのかどうか。これをひとつ大臣のお口からお聞きしたいというふうに思うわけでございます。
 先月発表されました企画庁の月例経済報告を見ましても、設備投資の動き、あるいは住宅投資の状況、あるいは生産の動向、いずれを見ましても、我々素人の目には、回復の途上にあるとか、そういう気配が見えているというところが実は一つも受け取れないわけでございまして、大変心配なものですから、政府としてそれをどのように受けとめていらっしゃるのか、見解をお聞きしたいというふうに思います。
#30
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘がありましたように、中小企業をめぐる景況と申しますもの、これは通産省が四半期ごとに調査をいたしております中小企業の業況判断、これが四期連続して悪化をいたしておるなど、累次の円高などの影響によりまして、その多くが大変厳しい状況にありますのは委員の御指摘のとおりであります。
 そして、このところ為替相場が円高是正の方向に動いてはおりますけれども、親企業の海外移転展開の進展などによる受注の減、こうしたものも影響いたしまして、依然として中小企業の経営を好転させる状況には至っておりません。
 全国ベースで物を申しますならば、確かに個人消費あるいは設備投資が緩やかな回復にある。あるいは先月の住宅着工、百五十万戸のラインに戻ってきたといったようなものはございますけれども、なおそれが中小企業に十分な効果をもたらしているという状況では残念ながらありません。
 しかし、先月発表いたしました中小製造業設備投資動向調査、今年度の修正計画におきましては、前年度比一・五%、四年ぶりに増加する見込みになる。一部に将来の景気回復に期待を持たせた動きも出てきております。そして、その中でそれでは一体どの業種がということを考えてみましても、際立って好調な業種というものは残念ながらありません。しかし、最近になりまして、半導体、パソコン、移動体通信関連の業種、さらに公共事業関連業種などの分野に明るい動きが見え始めております。
 今後、先般実施をいたしました経済対策の効果が浸透していくこと、そしてこれが景気回復に向けた動きが確実になるということを私どもは期待しながら仕事をいたしておるという状況であります。
#31
○今泉昭君 ぜひ、大臣が期待をされているような状況が一日も早く目で見えるような形になってくることを我々としても実は願っているわけでございます。
 特に、最近問題になっている我が国の経済構造の大幅転換というのは、今までの何度かの経済構造の転換がいずれも成長過程の中におけるところの構造転換でありましたから、右肩上がりの状態でございましたから、そういう意味では比較的いろんな意味での解決の手法なり打つ手があっただろうと思うわけですが、今回の場合は成長は期待できない。むしろ、ゼロ成長が当たり前の経済実態だと言われるような中、あるいはまた逆に今度は右肩下がりのような中で我が国の経済をどのように構築し直していくかというような課題が問われているような状況にあるのではないかと私自身は思うわけでありますが、そういう中におきまして中小企業のいろいろな形態というものを私自身いろいろ分析してみますと、大きく分けて四つの形の中小企業というものがあるのではないだろうかというような認識を私自身はしております。
 それはどういうことかというと、一つはいわゆるサプライヤーとしての中小企業。これは例えが大変よくないのでありますけれども、軍隊が第一線で戦っている、その第一線に出ているのが大企業だとするならば、その大企業に対して必要とする部品なり機械なりそういうものを常時滞りなく供給でき得る力と能力を持っている中小企業。これがこれまで代表的なものとして言われていたのが、例えば自動車産業であるとか電機産業におけるところの大量生産という中での大変優秀な、同一規格の品物をメーカーが要求するだけ瞬時にいつでも望みのものをでき得るという能力を持った、いわば機械技術の基礎ベースを持った、製造業においていうならば一つの形を持った中小企業群があったと思うのであります。この中小企業群が、輸出産業を中心としてこれまで築いてきた我が国の産業の底辺の中で実は大変大きな力を発揮してきたんじゃないだろうかというふうに私自身は考えております。
 二番目に考えられるものは、今言いました中小企業サプライヤーというものが、ある意味では企業系列という一つの大きな囲みの中でどちらかといえば囲まれた形で育ってきた、あるいは保護されてきた。別な形でいえば護送船団的な意味での発展をしてきたという中小企業であったかもしれませんけれども、それとは違って、資本にも左右されない、独立独歩の独自の技術を持ちながら、そんなに大きな企業にならなくても、その産業界の中でそれなりの十分な力を発揮でき得た、独自の技術を持った中小企業。それらの企業は、国内だけではなくして、どんどんどんどん海外においても独自の力で競争し得たという中小企業。これが二つ目のグループとして私はあったのではないかと思うんです。
 それから、三番目のグループとして考えられたのは、いわゆるすき間産業に存在をしていた中小企業。いわゆる大企業みたいに大量生産をするわけではない。しかしながら、大企業が乗り出していくほどの生産量もない。そういう中で、みずからの市場をそのすき間の間でがっちりとつかみながら生活をしていき得た、こういうすき間産業の中に健全に生活をしてきた中小企業というのがあったのではないかと思うわけであります。
 それからもう一つは、これは大変悪い例えになるかもしれませんけれども、形を言葉であらわすのは大変難しいわけですが、地域に大変定着をして、市場原理で生きているというよりもむしろ地域をつくるという意味でその存在が必要になってくる。例えば、その地域の大変名士の方がその仕事を始めるとか、あるいはそこにそういう生活の場が地域として社会としてあるわけですから、そういう中にどうしてもそういう産業が必要だという意味での地場に定着をした、雑多な、これは厳しい生存競争に生き延びて生きていくという中小企業ではなくして、社会がそれを要求することになって生まれてきて生き延びてきた中小企業というのがあったと思うわけであります。
 これらの中小企業は、いずれもこれまで我が国の右肩上がりの経済成長の中でそれなりの力を発揮し、十分な社会的な貢献もしてきた産業の方々だろうと思うわけであります。
 ところが、この中で一番最初に申し上げましたサプライヤーに関しまして言うならば、生産におけるところのウエートであるとか付加価値の比率であるとかというならば大変大きなウエートを持っていた中小企業だと思うわけでございますが、これらの中小企業は今度の円高によりまして、どちらかといえば我が国の中から外に向かって実は進展をしていこうという流れが大変強いわけであります。いわば産業の空洞化というのはそこから起こっているのではないかというふうに私自身は思うわけであります。
 これらの産業は、先ほども言いましたように、物をつくるための基礎的な技術を持っている集団でございます。これらの技術がこれらの企業の海外転出とともに我が国からだんだんだんだんなくなっていく。ということは、これまでの我が国の中小企業の役割というもの、その果たしてきた影響力というものが大きく違ってこなければならないような状況になりつつある。これは、我が国のこれからの産業を考える上で大変重要なことではないだろうかと私自身は思っているわけであります。
 そこで、今、通産省におかれましても、二十一世紀に向けての新しい産業育成ということで、十二業種あたりですか、これを中心としてこれからの産業育成というものを考えていらっしゃるようでございますけれども、そういう中におけるところの中小企業の位置づけというもの、今私が申し上げました一番重要な物づくりの基礎となる力を持っている、技術を持っているところがどんどん我が国から実はなくなりつつある中において、一体これからの中小企業の位置づけ、新しい二十一世紀に向けて一体どのように考えていらっしゃるのかということをお聞きしたいわけであります。
   〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕
 と申しますのは、中小企業向けのベンチャー補助であるとかいろいろなされておりますが、どうもその中心が二番目を中心として置かれているような私自身としては印象が深いわけでありまして、これはあくまでも印象でございますから間違ったら指摘していただきたいと思うんですが、一の面に向ける目というものは余りないような気がするわけでございまして、そういう点につきましてぜひひとつ考え方をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#32
○政府委員(新欣樹君) 先生、今四つの形態に分けて中小企業の分野というものを御提示されましたけれども、確かにそういう議論があるのかということで私ども非常に勉強になるといいますか、参考になる御提案であろうかと思います。
 確かに、昨年六月に取りまとめられました産構審の基本問題検討小委員会で二十一世紀に向けての展望が行われておりますけれども、その中で、成長が期待される分野として情報・通信、医療・福祉、住宅関連分野等の十二の新事業分野が提示されておるところであります。もちろん、これらの中におきましても中小企業というものが果たす役割あるいは活動する分野というものが十分にあるということでありますけれども、中小企業という目から見ますと、本当に小回りのきく、機動性があるというこの特徴を生かして考えれば、この十二業種に限らず、よりさまざまな分野において中小企業が経済のフロンティアの拡大の担い手として役割を果たし得るというふうに考えられるのではないかと思っております。
 四つの中で、サプライヤーとしての中小企業には余り重点を置いていないのではないかという御指摘でありますけれども、私ども、技術開発とか新規事業育成とか、確かにそういったフロンティアの拡大という側面に力を入れておることは事実でございます。これは何も全く新しい産業あるいは全く新しい事業を起こすということだけではなく、これまでの製品をさらに高付加価値化していくというようなことも含んだ意味での考え方でございますので、例えばサプライヤーとしての中小企業と先生が分類されました形態の中におきましても、より高度な商品開発を進めていくというようなことにつきましても、私ども従来以上の施策の適用ということに心がけてまいりたいと思っておりますので、決して軽視をしているというものではないということを申し上げたいと思います。
#33
○今泉昭君 決して軽視をされていないということでございますので、大いにそれは期待をしたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、大変難しい構造変化の時代でございます。そういう中で、この難局を乗り切るためには相当なやはり政府主導の思い切った対策を打つ必要があるのではないかと思うわけでございますが、どうも中小企業に対する予算の額を見てみますと、今までの枠からそう大きく離れた、力を入れているように思えない一面が実は考えられるわけでございます。
 これは私の受け取り方でございますから申し上げるわけでございますが、御存じのように、これはもう大臣が常日ごろ各会合や答弁の中で言われますように、従業員の規模でいうならば七五%近くが中小企業で働いている人たちだと、こういうふうにおっしゃる。しかも、全就業労働者を六千万人というふうに考えますと、四千数百万人の人たちが中小企業で働いているのにもかかわらず、今回の一般会計予算の中では、中小企業対策予算としては二千億程度の予算が立てられている。
 それから、貸付枠をできるだけ拡大しようと言いながら、一兆二千億程度の貸付枠の対策にとどまっているんじゃないかというような思いをしながら考えてみると、あのウルグアイ・ラウンドで農業問題が大変論議になったとき、農業に対する特別な補助金が六兆円を上回るような形で国が考えていらっしゃるわけでございまして、そこに働く労働者の数だけでこれは言うわけにはいかないということは重々承知をしておりますが、我が国の農業人口というのは御存じのように三百五十万程度の人口でございまして、農業の占める大変重要な地位というのは重々承知をしているわけでございますから人数だけで私は申し上げたくはないわけでございますが、そういう予算から見てみると、どうも満足できない予算の配分だなという気がしてならないわけでございまして、ぜひひとつ今後とも中小企業に対するこれまで以上の対応策を、御協力を賜りたいというふうに考えているところでございます。
   〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕
 さて、次の問題に移らせていただきたいと思うわけでございますが、御存じのように、通産省を中心といたしまして中小企業対策としていろんな形の対応策をとっていただきました。人材の確保、人材開発、教育、さらには資金の充当、そして技術育成という面、これは大いに私どもとして感謝を申し上げるわけでございますが、前回の委員会でも私は意見だけを申し上げて、回答をいただく時間がなかったもので、これはいただいてなかったわけでございますが、実はこの中で一番欠けている面が一つあるんじゃないか。それは、そこに働いている人たちに対する目の向け方、これらに対する、補助と言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、温かい目が一つ欠けているのではないだろうかなという気がして実はならないわけでございます。
 と申しますのは、御存じのように、中小企業の場合は社長が何もかもやっておりますから、まず自分たちの企業を守り抜くということを第一義に考えるのは当然のことでありましょう。社長であり営業部長であり技術部長であり、あるときには人事部長でもあるわけでありますし販売部長でもあるわけでございまして、まず企業がいかにして生き延びていくか、そしてそこに働いている人たちの賃金をいかにして生み出すかという形で考えていらっしゃるから、どうしてもそこに働く人たちの対応策というのは一歩おくれがちになる、これはもうやむを得ないことだろうと思うわけであります。
 したがいまして、御存じのように、ただ単に中小企業と大企業のそこに働く労働条件の格差というのは力の強弱によってだけついているのではなくして、そこに向けられている専門家がいない、どうしてもこれは専門家がいないと対応がおくれるのは当たり前なわけでございます。それは自分の企業の従業員がかわいくない経営者はだれもいないわけでありまして、いたら大変なことでございますが、当然十分考えてはいるんでしょうけれども、なかなかこれは手が回らないというのが実態なのでございます。
 特に、我が国の就業者の実態をずっと見てみますと、中小零細に働いている人たちというのは実は労働組合がほとんどございません。もうこれは御存じだと思いますけれども、実は百人未満の企業で働いているところで労働組合ができているのはわずか三%でございます。今、全体の組織率が二四%程度ございますけれども、ほとんどこれは大企業と官公庁に働く皆さん方が組織化されているというような中で二四%という数字が出ているわけでございまして、百人未満の中小零細企業においては労働組合というのはないわけであります。労働組合さえあれば、これは労働組合が自分たちの仲間のことを考えながら会社に交渉をし、それなりの条件を話し合って決めていくということができるわけですが、それが実はできていないのが中小零細企業の実態なのであります。
 一般的に言いますと、経営側の立場になりますと、労働組合なんかあるとどうもこれはややこしい、もう難しいことばかり言うと、ない方がいいと思うのは人情かもしれません。しかし、これはもう古い時代の労働組合に対する物の見方ではないかと私は思うわけでありまして、むしろ健全なる労働組合を企業の中につくっていくということがいかに企業の発展、成長に大きな役割を果たしているかというふうな目で見ていただかなければ、そこに働く労働者のモラルというものに大変大きく影響するわけであります。
 企業は人なりとよく言います。その企業のために何とか自分の力を発揮したいという気持ちをわかすためにも、そこに働く人たちのモラルを高揚させるためにも、そういう人たちの組合というものを企業側も含めてむしろ育成するような姿勢というのが実は必要なわけですが、残念ながらそれができていないのが我が国の実態なのであります。
 よく、企業の実態というのは、裏を返せば、鏡のごとく、その裏には労働組合の姿があると言います。いい企業には必ずいい労働組合があるはずなんです。したがって、この中小企業育成のために、先ほど申し上げましたような人材、資金、技術などいろいろな御援助をいただいております。また、それ以外に、労働省を中心といたしまして最近は、中小企業に働く労働者の労務管理をいろいろ指導していくという意味合いで、例えば中小企業の福祉推進会議を各地方につくって、そこに企業側の方々が参加をしてもらって、そこで実はいろいろと労務管理のモデルを紹介したり指導したりする機関をつくっていますが、残念ながらこの場には労働者の代表というものが実は入っていないわけであります。
 御存じのように、これは橋本大臣も身をもって感じていらっしゃると思うんですが、トップにあると寂しいものでございます。周りの者がいろいろ言ってくることは、都合のいいことは大変言ってくるわけでございますが、耳ざわりなことはなかなか言ってくれないわけであります。私も労働組合の仕事を長いことしておりまして、各中小企業の社長の皆さん方といろんな話し合う機会、交流する場を持ってまいりましたが、社長の皆さん方が異口同音に言うことは何か。実はね、今泉さん、私は寂しいんだ。重役はいろいろいるけれども本当のことを一つも言ってくれない。耳ざわりの悪いことを一つも言わぬ。いいことばかりしか言わないというわけです。
 そうしますと、この従業員の労務管理に要する費用というのはコストにはね返るわけですから、コストにはね返るということについてはなかなか言いたがらないわけです。したがって、労働組合というものがあればそれを率直に言う。労働組合の委員長は、このやろうと思う、生意気なことを言うと思うけれども本当のことを言ってくれると。だから、私はもう自分の労働組合に感謝しているんですよということをよく聞きました。
 そういう意味で、その中小企業に働く人たちの、一つはモラルを向上するために、これら労働組合の代表が入っていけるような組織をつくるというわけにはできないものかどうか。そして、そこの場において、いわゆる労働者の目で見たところの、中小企業に働く人たちのモラル高揚のための、例えば格差の是正の問題、労働条件の問題、処遇の問題についての話し合いをするということの前提には、やはりそういう場が必要なわけでございまして、そういうものの必要性というものを労働省の方では考えられないかどうか、ぜひお聞きをしたいというふうに思うわけです。
#34
○説明員(草野隆彦君) 先生がおっしゃいましたように、この変革期に当たりまして、中小企業の人事労務管理改善はますます重要性を増してきておるわけでございます。現在の非常に厳しい状況の中、仕事をとってくるということが中小企業にとっては大変でございますが、中長期的に考えますと、やはり高度化、高付加価値化を図っていくにつきましても、人の問題、人が能力を発揮しやすい環境、人を大切に育てていく、そういう人事労務管理の重要性というのはますます増してくるものというふうに考えております。
 また、今、先生がおっしゃいましたように、人事労務管理改善を図る場合、やはり労働者側の意見、意識、こういうものを反映しつつ実施していくという、これが非常に大切なことでございます。
 私ども労務管理改善を実施する上で、そうした観点を踏まえまして中小企業労働者の意識調査を行いまして、これをもとに労務管理改善が図れるような労使コミュニケーション診断事業というものを現在行っております。これは現在製造業の中小企業を中心に行っておりますが、今後サービス業にも拡大実施するため、現在サービス業の診断技法の開発を行っているところでございまして、こうした制度の充実を通じ、労働者側の意識、意見を踏まえた労務管理のあり方、それをさらに進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから、中小企業の人事労務管理改善を図るにつきましては、当然ながら公労使のコンセンサスを図りつつ行うということが大変重要でございます。そういう意味におきまして、中央及び各都道府県におきまして、公労使の三者より成ります中小企業労働福祉推進会議なるものを開催しておるわけでございまして、先ほど今泉先生は労働者側が入っていないということをおっしゃったわけですが、一応これは公労使三者構成でございまして、労働者側代表に出席していただいて活発に御議論していただいているところでございます。
 この中身は非常に多岐にわたるわけでございますが、中小企業の労務管理改善を中心といたしまして、労働福祉全般について御議論、御検討を願っていると、こういう状況でございます。
 現在、中小企業労務管理改善施策、これにつきましては、各都道府県単位で中小企業集団を組織化いたしまして、そういう集団を通して中小企業の労務管理改善を進めておるところでございまして、本日、先生から御指摘のありました点などを踏まえまして、こうした推進会議の場などを活用してさらに活発な議論ができるよう鋭意努力してまいりたいと思いますので、よろしく御指導をお願いいたします。
#35
○今泉昭君 私ちょっと間違って申し上げました。確かに今御指摘のように、中小企業福祉推進会議には公労使が入っておりますが、私が言いたかったのは中小企業労働福祉協会の方でございまして、これには経営団体しか入っていないと、こういうことでございますので、そういう意味合いでひとつ理解をしていただきたいと思います。
 続きまして、労働省の方にお聞きしたいと思うんですが、先ほど自民党の先生からもお話がございました労働時間の問題でございます。
 御存じのように、我が国の労働基準法ができましてから四十年近くも我が国は、その基準法の中心にございました労働時間の改定がなされずに放置されていたと、こういう状態がございました。昭和六十二年でしたか、今から八年前ですか、基準法が改正をされまして、現行の週四十時間制に向けての段階的な取り組みというものが始まったわけでございます。この週四十時間制の実現というのは、実は十年かけてこれを実施していこうではないかというのがもともとのねらいであったはずでございます。
 したがいまして、この十年間に、企業側の対応としては当然それだけの法改正に向けての準備をしていくのは当たり前のことだろうと思うわけでございます。きょう改正されて、来年、再来年にすぐ変わるということではなくして、十年間の実は長い計画期間の中で何とか実現していこうではないかという形で取り上げられたものでございます。
 先ほど説明がございましたように、実は平成九年にこれが四十時間の実現という形になっているわけでございますので、これはぜひこの実現に向けまして、この前と同様に、労働省におかれましても行政上の立場から指導を進めていただきたいと思いますし、また通産省におかれましても、特に中小企業におきましては、先ほどの指摘にありましたように、決して楽でない一面もございます。しかし、史上のいろいろな事件をひもといてみましても、労働時間倒産というのはあったためしがないわけでございまして、労働時間がために経営が成り立たないということはないわけでございます。
 しかも、社会的な一つの基準として、それを中心としてどこの企業も同じベースで実は企業競争をやっていくということでございますし、この四十時間制度が西ドイツのように三十五時間制度というならまだ話は別でございますが、決して世界的な水準から見て跳びはねて短過ぎるという時間帯ではないわけでございますので、ぜひ中小企業庁におかれましても業界に対しまして十分なる御指導をお願いしたいというふうに思っているわけでございます。
 あわせまして、特例措置という業種がまだ残っているわけでございます。いつまでもこの特例措置の業種を残しておくということが果たしてその業界の発展、生産性を上げるために望ましいかどうかという問題点も別な角度からあるわけでございます。ぜひその点もあわせて御指導をお願いしたいと、かように考える次第でございまして、労働省としてはこれらのことについて今後どのような考え方を持っておられるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#36
○説明員(石川透君) 先生御指摘のとおり、最初に労働基準法を改正いたしましたのは昭和六十二年でございまして、その改正法が施行になりました六十三年から平成九年の四月まで九年間、段階的に週休二日制に対応いたします週四十時間労働制を実現しようということで取り組んできたところでございます。残された期間はあと一年と数カ月という状況になっておりますが、労働省といたしましては、平成九年四月に週四十時間労働制が円滑に実現されますよう、できる限りの指導、援助に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、あわせまして、労働基準法四十条に基づきます特例措置の今後のあり方についてお尋ねがございました。
 この特例措置につきましては、戦後の荒廃期にできたものでございまして、その後全体の労働時間短縮とあわせまして段階的に範囲も水準も下げてきたところでございますが、先般この問題について御検討をお願いいたしました労働基準法研究会報告におきましては、今後とも段階的に廃止するという方針のもとに対応すべきものというふうに報告をいただいているところでございます。また、特例措置の水準につきましては、これまで法定労働時間全体が短縮されてきたことに伴いまして、社会全体の労働時間短縮から取り残されることがないように配慮することというふうに指摘を受けているところでございます。
 現在、この研究会報告を受けまして、中央労働基準審議会労働時間部会におきまして、労使を交えまして特例措置のあり方について御検討をいただいているところでございます。
#37
○政府委員(藤島安之君) 中小企業の方々にとっても労働時間の短縮は人材確保等の面で大変重要なことは先ほども申し上げたとおりでございますが、実態についてちょっと御報告申し上げますと、私ども、毎年商工団体を通じまして労働時間の達成率の調査を行っております。
 四十時間の達成率でございますが、団体によってそれぞれ違いがございますが、従業員規模三十一から百人では、猶予対象事業場の製造業におきましては週四十時間の達成率は二〇から四〇%台でございます。建設業、運輸交通業では一〇から三〇%台。それから、先生がお話ししました特例対象事業場の商業につきましては二〇から四〇%台、接客娯楽業では一〇%台。十から三十人では、製造業で一〇から三〇%台、建設業で一〇%未満から三〇%台、運輸交通業で一〇から四〇%台、商業一〇から二〇%台、接客娯楽業一〇未満から一〇%台。こういう実態になっておるわけでございます。
 したがいまして、中小企業におきましては、現下の厳しい経済情勢で時短に伴うコストアップに対応することが困難だという声が出ていることも事実でございます。私どもは、こういう困難な情勢ではございますけれども、中小企業労働力確保等を通じまして、中小企業の労働時間の短縮のために最大限の努力を払ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#38
○今泉昭君 ありがとうございました。
 実は雇用問題が大変厳しくなっておりまして、雇用問題に絡んで幾つかお聞きしたいと思うんですが、平成二年に商法の改正がございました。この商法の改正に伴いまして資本金の底上げがなされたわけでございます。この商法の改正の実施に当たっては五年間の猶予措置が与えられまして、その猶予措置が切れるのが来年の三月三十一日というふうにお聞きしております。
 ところが、これはいろいろな調査機関のデータによって数に大変ばらつきがあるので私自身もどれが本当の数字であるかというのをつかむのに苦慮しているわけでございますが、一説によりますと、四百万事業所の中でこの条件が満たされていない、いまだに資本金の底上げをやっていない企業が百二十万事業所もあるということも聞いておりますし、ある資料によると七十万事業所という話もあるし、どれがはっきりした数字であるか私もわかりませんが、いずれにしても大変な数の事業所がまだ法の改正に対応できる資本金の底上げを実現していないわけであります。
 残されるところもうわずか、それこそ四カ月しかないわけでございまして、この四カ月の間に百何十万という企業が手続をし終えるのかどうか、これは大変疑問なことでございまして、事務量からいってもこれはもう大変なことだろうと思うわけであります。
 そこで、私が心配をするのは、たとえこれらの数字の中に多少の休眠企業があるとしても、大多数、半分以上のところはやはり何らかの企業の存続というものを望んでおられると思うわけであります。もし期限切れになりました場合に、それらの企業が条件を満たさないということで官報にこれが公示をされますと廃業の対象になってしまうわけでございまして、もし一つの事業所に、仮に中小零細であったならば二人か三人働いていたといたしましょう。百万事業所があったならば三百万人の人が仕事をなくすということでございます。
 これは極端な表現であるかもしれませんけれども、やはりこれは何らかの雇用不安に結びつく大きな要因を持っているんじゃないだろうかと思うわけであります。ただでさえ失業率は高い、二百万の大台を依然として割らないような状況の中で、一方では雇用創出という産業計画を持ちながらそれらはある時間が必要だということになると、時間が限られていて、その時点でもってそういう大量の失業者が出てくるということになると、これは雇用対策という面からいっても大変ゆゆしき事態ではないかと思うのであります。
 先ほど労働時間の猶予措置の問題がありましたけれども、これは労働時間どころの話じゃないわけでございまして、むしろそういう面についての猶予措置はど必要ではないだろうかという気持ちがするわけでございまして、この点について、やっぱり法の問題については中小企業庁特別の関係ではないかもしれませんけれども、これらの動きについて中小企業庁としてはどのように受けとめておられるか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#39
○政府委員(新欣樹君) 御指摘のように、最低資本金制度、現時点において相当数の株式会社、有限会社が法律の求める最低資本金額をクリアしていないのではないかという懸念があるということは承知しております。
 私ども、それで、全国商工会連合会に、本年十一月の時点で全会員のうちの三十三万社に及ぶ株式会社、有限会社を対象に調査を行いました。これが、全部できてはいませんが、ほぼまとまったところによりますと、最低資本金をクリアしていない企業は全体の約二割でございます。その二割のうちの七割がこれから増資または組織変更による対応というようなことを予定しておるという答えがございます。対応が未定であるとしている企業は未達成企業の四分の一でございますけれども、このうち税理士に手続をゆだねているというようなところも多くございまして、最終的にはいわゆる休眠会社を除く大半の企業が最低資本金制度に対応する、あるいは対応する努力を今懸命になって行っておるというふうに考えてございます。また同様に、日本商工会議所におきましても同様なサンプル調査を十一月に行っておりますけれども、これによりましてもほぼ同様の結果になっておるところでございます。
 この問題につきましては、猶予期間が五年ということでございましたけれども、猶予期間終了後も三年間のいわゆる救済期間というものが設けられているところでございますので、これらの期間を通じましてまた中小企業者が所要の対応を行うということも可能であるということでございます。
 さはさりながら、やはり周知が大事だろうと思っでございます。法務省におかれましていろいろと周知徹底の措置というものもとっておられますが、私ども中小企業庁といたしましても、従来から中小企業団体等を通じまして、本制度の啓発普及というものを図ってまいりましたけれども、猶予期間の終了まで数カ月を残すということで、先般また中小企業団体に対しまして傘下企業に対する周知徹底方を要請するなどPR活動に努めているところでございます。今後とも一層の啓発普及に努めてまいる所存でございます。
#40
○今泉昭君 三年間の救済措置があるというふうに言われましたけれども、実際上、三月三十一日にそういう実態が明らかになった段階で官報に発表されてしまいますと、銀行におさめている金も押さえられるとか、あるいはまた銀行が今度は融資をしてくれなくなるという実はおそれが出てくるわけでございます。三年間の間に申請をして準備をしてやればいいじゃないかとおっしゃるけれども、実質的には廃業に近いような条件の中で苦しまなければならないということもございます。今お聞きしましたところによりますと、各業種団体にもそのような指導をされているということでございますので、ぜひ引き続いて十分な周知徹底、御指導をお願いしたい、かように考えるところでございます。
 それから、これは大蔵省関係になることとは思いますけれども、実は中小企業がこのような厳しい経済状況の中で大変苦しんでいるわけでございまして、行政指導といたしましても、中小企業にできるだけ力をつけるために健全なる資産をつくっていけという指導をされていると思うんです。御存じのように、同族会社に対しましては、剰余金というのでしょうか積立金というのでしょうか、一般の税以外に加えて一般法人にはない税金がかかることになっております。
 これは、私が言うまでもないことですけれども、同族会社の場合は株式配当をしないので、それに見合う分という形での意味合いでつくられた法律だとは思うわけでございますが、実効税率といたしまして、実は一般の法人よりもむしろ厳しい税金になっているのではないだろうかという気がしてならないわけでございます。ただでさえ苦しい中小企業に対しては多少問題があるんじゃないかというような気もするわけでございまして、これらにつきまして、税法上の税体系につきましては私は素人でございますので、大蔵省の方から見解をお聞きしたいというふうに思います。
#41
○説明員(藤岡博君) 先生御指摘の同族会社の留保金課税につきましては、先生おっしゃいますとおり種々御議論があることを私どもよく承知しているところでございます。ただ、同族会社につきましては、各事業年度の留保金額が一定以上になる場合が間々ございます。その場合に、私どもは一定の控除等を設けまして税率を掛けているわけでございますが、これは次のような趣旨があるからでございます。
 税法で申しますと、同族会社というのは、仮に三人の株主が会社の持ち株割合が五割以上持っておるといったようなケースを念頭に置いているわけでございます。他方で配当いたしますと個人の所得税がかかる。そういたしますと、個人の所得税は累進課税でございますので、いわば少数の方々が会社の意思決定権を有している場合には、累進税率を回避するために毎年毎年の配当の額を変えて留保の金額を変えてくるといったような意味で租税回避が起こってくるといったような懸念もあるということで、私どもこういった制度を設けているところでございます。
 これは、我が国でも非常に長い歴史がございまして、シャウプ勧告にも淵源がございますし、アメリカにつきましても同様の制度がございます。税の公平の見地から先生のような御議論があることは重々承知いたしておりますけれども、私どもとしては税負担の公平確保の見地から妥当、適正な制度と考えておる次第でございます。
#42
○今泉昭君 大分時間が迫ってまいりましたので、二、三大蔵省にお聞きしたいことがあったんですが、ちょっと飛ばさせていただきまして、労働省の方にお聞きしたいと思います。
 一つは、中小企業退職金共済法に絡む問題でございます。
 御存じのように、中小零細企業に働く労働者を対象といたしまして各種労働条件の比較をしてみますと、一番格差が大きいのは何かというと福利厚生と退職金でございます。一般賃金水準で見るならば、大体六割から七割ぐらいの水準のところに中小企業の賃金はあるわけでございますが、退職金になりますと全然ないとか、あるいはまた福利厚生の各種手当になりますと二割、三割程度の水準しかないというのが実態でございまして、それらで働く労働者のために国でつくっていただいたのがこの中小企業共済法であろうというふうに理解をしているところでございます。
 ところが、御存じのように、この中小企業共済法でもって運用されている内容を、私も実は十四、五年前にこの審議委員をやっていた関係もございましていろいろと見てみますと、今までは実は資金の運用を国のほかの財源と同じように五・五で運用していたんですが、この低金利でございますので、今回四・五に運用基準を引き下げたということになっております。それにしても、一般的な水準から見て果たして四・五で大丈夫なのかという心配を実は労働組合サイドでは大変持っているわけでございます。一体この四・五がいつまでもつのか、もたなかった場合に一体どうしてくれるのか。
 現に、今度の改正によりまして、来年の四月一日からですか、ちょっと失念しましたけれども、新しい改正された法律が施行されるわけですが、それによりますと、古い人と新しい加入者の格差が生じる、制度の違いで適用されるというような問題を実は醸し出しているのは、この金利の大きな差によって生じてきているわけでございます。そういう事態がまた起きるということは、同じところに働く労働者としても大変これは問題なわけでございまして、そういうことがないためにも、一つはもう少し中退金に対する国からの助成というものをやってもらう必要があるのではないだろうか。
 この行政改革の流れの中で、あるいはまた財源不足という流れの中で、年々補助金が減らされているというような状態でございます。そういう意味で、これらの補助金の問題をもう少し考え直してもらえないだろうかというのが第一点。
 それからもう一つは、特殊法人でございますから、積み立てられた財源というものにいろんな規制がかかっていたわけであります、今までは。そういう意味で、資金運用もなかなか自由な運用ができなかったという実態を私もいろんな会議の際に報告を受けておりました。今回、多少それの緩和があったようでございますが、依然として四・五%という枠の中でこれは規制をされるわけでございますし、その意味では持っている財源の規制がまだ残っているわけでございます。そういう中であるならば、あくまでもこれは国がその心配のない程度の補助を与えるというのが筋ではないだろうかと思うわけでございますので、ぜひその点の労働省の方の御見解をお聞きしたい、かように思います。
 それとあわせまして、行政改革の大きな流れで、今まで一般の中小企業退職金共済事業団と、それから建設労働者、林業労働者、酒づくりで働く人たちをまとめた特別退職金共済事業団というものが将来的に合併をするという方向づけが閣議決定か何かでなされたはずでございます。そういう意味で、違った制度のものを運用していくわけですから、ますます内容が複雑になっていくわけでございます。あわせまして、私自身の気持ちからするならば、抜本的にこの退職金制度を見直す必要もあるのではないだろうか、そういう時期に来ているのではないだろうかという気がするわけであります。
 特に、民間の場で行われております独自の退職金制度あるいは年金制度も、この低金利政策の中で、例えば年金基金のように、実はもう破綻寸前だという年金基金も出てきているように、一つの企業体、連合体だけではやっていけないというような事態もこれから低金利社会では生じてくるわけでありまして、そういう意味で、この中退金も抜本的に見直していく必要があるんじゃないだろうかというふうに考えるわけでございますが、それに対するひとつ見解を聞かせていただきたい。
 それからもう一つは、この中小企業退職金共済法の対象になっているのは十名未満の本当に零細企業の方々ばかりであります。それ以上の中小企業の方々は曲がりなりにも独自で退職金を持っている。あるいはまた企業関係で、おつき合いをする銀行や信託会社、生命保険の関係で独自の細々とした共済制度をお持ちであるわけでございますが、そういう条件にない十名以下の細々とした企業の皆さん方が参加をしているわけでございますが、ここら辺で働く方々というのは、二千万を超す大変多くの方々が働いているにもかかわらず、加入をしている方々が何と二百八十万程度にしかすぎないわけであります。
 大多数の人が依然として参加をしていないというわけでございまして、参加をしていない方々に手を差し伸べて入ってもらうような指導、施策というものがますます重要になってくるんじゃないか、かように考えますので、これらについてのひとつ見解を聞かせていただきたい、かように思います。
#43
○説明員(金子順一君) お答え申し上げます。
 中退金制度につきまして、大変多岐の分野にわたりお話をいただいたわけでございまして、順番に少し御説明させていただきたいと思います。
 この中退金制度、さきの通常国会におきまして法律の改正が行われたところでございます。主な内容は先生今御指摘いただいたとおりでございまして、給付の予定運用利回りを五・五%から四・五%に改定をさせていただいたということでございます。この四・五%という水準につきましては、やはり財政の長期的な安定を図っていかなければいけないという問題、これが一番大きな問題であったわけでございますが、その一方で、先ほど先生からもお話がございましたように、小零細企業にこれを普及させていくためにはやはり魅力というものも必要だろうと、こういった点を総合的に勘案いたしまして四・五%という水準を設定したところでございます。
 しかしながら、法案を御審議していただいた時点からまた今日の状況を見てみますと、率直に申し上げまして運用環境は一層悪化をしているということだろうと思います。そういう意味で、非常に短期的に申し上げれば厳しい状況にあるということが言えるかと思います。ただ、この制度は四十五年タームで一応設計をしております非常に長期にわたる制度でございますので、そういう意味で少し長い目で見てやっていくということも非常に大切な視点だろうと思っております。
 しかしながら、資産運用という点につきましては、これも先生今御指摘があったわけでございますが、これまで少し硬直的な運用に過ぎたのではないかという御指摘も多々いただいたわけでございまして、私どもといたしましてもこの資産運用の改善は非常に大切な課題だということで現在取り組んでおるところでございます。現在、運用主体でございます中小企業退職金共済事業団におきまして、運用体制の強化を図りますとともに運用手段の多様化を図るということで、例えば投資顧問一任契約による特定金銭信託といったような新たな運用手段も導入いたしますとともに、債券のたぐいにつきましても手広く買っていくというようなことで運用に努力をしているところでございます。
 そういうことでございまして、我々といたしましては、この四・五%という水準はなかなか厳しい状況にあるわけでございますが、資産運用の一層の効率化ということで努力をしてまいりたい、このように考えております。
 それから、国の助成の関係でございますが、現状で申し上げますれば、中退金につきましては、この特定業種の制度と合わせまして事務費で五十億円、それから掛金の一部助成ということで百五十億円、年間二百億円の補助金を交付しているところでございます。対象は非常に多うございますので、一人当たりどの程度になるかということになれば大きな額ではないということなのかもしれませんけれども、我々としてはこの制度はやはり事業主の方の相互共済という基本的な考え方でございますので、そういった中でできる限りの助成というものについては今後とも十分配意をしてまいりたい、このように考えております。
 また、小零細企業に対する加入促進という点でございます。これはもう全く先生のおっしゃるとおりでございまして、この中退金制度、なかなか独力では退職金制度を整備できないところに国の退職金制度を使っていただこうということで設けられているわけでございますので、この加入促進活動を積極的に展開していくということが何よりも重要であるわけでございます。
 そういう観点から、現在新しい加入促進計画をつくりまして段階的に取り組みますとともに、やはり事業主の方にインセンティブを感じていただく必要があろうということで、いろいろな附帯サービスでありますとか、さらには還元融資の制度の利率を引き下げるというようなことで、魅力づけという点でも配慮をしながら加入促進に努めてまいりたいと思っております。
 中退金制度、これは確かに金利というものに大きく左右されるわけでございますが、やはり中小企業におきます勤労者の労働福祉施策としては極めて重要なものだというふうに考えておりますので、こういうことを念頭に置きながら今後の制度のあり方についても慎重かつ適切に対応をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
#44
○今泉昭君 時間が参りましたので、ここで終わります。
 どうもありがとうございました。
#45
○前川忠夫君 社会党の前川でございます。既に三人の方からさまざまな角度から質問等が出ていますので、多少重複をする点があるのはひとつお許しをいただきたいと思います。
 最初に、中小企業庁の方にお伺いをしたいんです。
 既に御承知のように、九月の経済対策あるいは第二次補正予算等々さまざまな直近の施策が講じられているわけですが、まだ第二次補正予算も成立をして間もなくですから、この中でとられた特に中小企業対策等のさまざまな施策がどういう効果を上げているか、今ここで答えろというのはちょっと無理かもしれませんが、例えば金利の減免措置の問題ですとか大変関心の高かった事項等について、現段階で結構ですから把握をしている状況があったらひとつお知らせをいただきたいというふうに思います。
#46
○政府委員(藤島安之君) 先般の経済対策及び第二次補正予算において盛り込まれました中小企業対策、特に金融対策を中心にして現在把握できているところを御報告申し上げたいと思います。
 まず最初に、こうした施策はやはり広報活動に力を入れて国民の皆様、中小企業の皆様に知っていただくことが第一と、こういうふうに考えまして、補正予算成立から直ちに関係機関においていろいろな広報活動を実施させるとともに、私どもも官報に掲載するなりいろんな広報活動を展開しているところでございます。
 今、委員からお話がありました一番関心の高かった政府系の中小企業三機関による金利の減免措置でございますけれども、これも第二次補正予算成立の翌日であります十月十九日から各機関で実施しております。全国にわたりまして多数の政府系金融機関の店舗がございますので、現在実施中でございまして必ずしも正確な利用状況を把握しているところではございませんけれども、中小企業金融公庫からの報告によりますれば、本措置の対象となります直接貸し付けの取引先のうち、最近時点では既に四割の企業につきましては減免の適用を決定済みということになっております。各機関によりその措置の適用の進捗状況は異なると思いますけれども、今回の金利減免措置が着実に利用されている実態がと思います。多くの中小企業にできるだけ利用されるように、さらに広報活動を徹底したいと思いますし、各機関を指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
 また、信用保証につきましては、今般の中小企業信用保険法等の改正を十一月一日付で施行させていただきましたが、これによりまして無担保保険が二千万円から三千五百万円に付保限度額の引き上げが行われたわけでございます。これに伴いまして、早速各信用保証協会におきまして業務方法書等の改正等所要の手続を完了しております。保証引き受けを開始しておりますけれども、十一月が終了したばかりであり必ずしも正確な数字は把握しておりませんけれども、サンプルで八つの保証協金に聞いてみたところ、昨年の十一月と比べましてこの無担保保険の引き受けが約五割程度の増加となっております。さらに、今回の措置によっていろいろ無担保保険、保証が着実に推進されるものと期待しておるわけでございます。
 それから、中小企業事業団の高度化融資を活用しました創造的な中小企業に対する各県の財団を通じました直接金融スキームにつきましては、既に十の県が財団をつくりたいということで今年度中に補正予算を講じてやると、こういうふうになっておりますので、これに基づきまして早速いろいろな直接金融のスキームが発動されるものと期待しておるところでございます。
 今後とも、中小企業の金融対策等につきましてはその円滑化に万全を期してまいりたい、このように考えております。
#47
○前川忠夫君 まだ成立をして間もない内容をお聞きしまして、御無理を申し上げて大変申しわけなかったです。といいますのは、直近の新しい数字がまだ私の手元になかったものですから。
 せんだって経済企画庁が発表しました経済の市場の調査の中で、例えば大企業の場合は経常利益のレベルで既にプラスに転じている。ところが、中小企業においてはまだマイナスで水面下というような数字が依然として出ているんですね。さまざまな手を打っていただいていますけれども、なかなか中小企業にまでこれが波及をしてこない。いや、そのうち時間が来れば何とかなるよというような向きもあるのかもしれませんけれども、先ほどもちょっとお話がありましたように、私は日本の中小企業の占めるウエートというのが高いだけに、やはり真剣に考えていかなければならない課題だろうというふうに実は考えております。
 これは私見ということになるのかもしれませんが、景気を回復させるさまざまな手だてというのは私はあると思うんです。私が見た限りにおいては、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、国民の間、あるいは働いている人たちの間に何とはなしにまだ景気がよくなっていない、企業の経営者からしてみるとまだまだ先が不安だと。したがって、まだまださらに合理化をしなければならない、いわゆるリストラをさらに強化しなければならない。そうしますと、自分の首がだんだんだんだん涼しくなって一向に解決をしない。さらには、親企業あるいは下請という関係の中ではさらにコストが引き下げられるんじゃないか、単価切り下げが求められるんじゃないかと。そうしますと、何とか働いている人たちの賃金も少し勘弁をしてもらおうと。既に来年の賃金交渉の前哨戦が労働界、経営団体で始まっていますけれども、どうも来年はベースアップはゼロだとか、とてもそんなものは考えられないよという話になってきますと、金を使おうにも、あるいは金を使うもとになる仕事も下手をするとなくなりかねないという雰囲気の中で、個人消費を含めて果たして景気が浮揚するんだろうかという不安が実はあるんです。
 ですから、もちろんそれは個々の企業者、あるいは経営者、あるいは経営者団体、労働組合、労働団体も真剣に考えなければならないテーマなんですけれども、そういう意味ではこれまでも御議論がありましたように、私は今度の経済対策、あるいはその後の第二次補正予算、さらには今最終局面に近づきつつあります平成八年度の予算、これらを通じてまさに切れ目のない手をやっぱり打っていっていただかないと再び失速をするということになりかねないんじゃないかという心配をいたしております。これは私の意見でありますから、もし後ほど考え方や、私はこう思うよというあれがありましたら、これは後ほどお答えをいただければというふうに思います。
 それともう一つ、これはお答えをいただかなくても結構なんですが、先ほどの通産大臣と委員とのやりとりの中で今の金融の問題について質疑があったわけですけれども、私が関係をしています兵庫県にあります小さな家庭用のなべかまをつくっている会社なんですが、ここの会社が実はせんだって破産をいたしました。原因をさまざま追及してみたんですけれども、結局は銀行から役員が送り込まれて、これはかなり前からなんですが、そこの企業の経営者はこういう仕事だからもうそんな設備投資をしたり資金をつぎ込んでもなかなかそれは回収する見込みがないからもうやめたいと。やめたいというのは仕事をふやすことをやめたい、設備をふやすことをやめたいということだったんですが、銀行から派遣をされてきた役員は、いやまだまだということでつぎ込みにつき込んで、まさにバブルが崩壊をしてがくっときてしまったわけですね。その銀行は、しっかりと債権に相当する部分は工場の資産や何かを売り払ってある程度回収をした。なおかつ、破産をしましたからまだかなりの大きな債権をその銀行はしっかり握ったまま、今、宙ぶらりんの状態になっているんですね。
 この会社は兵庫県の尼崎にありまして、御存じのように阪神大震災の非常に大きな被害を受けたところです。もちろん、破産ですから解雇予告手当が払われるわけでもなし、退職金が払われるわけでもなしという状態になっていまして、最終段階の今、破産管財人を含めて債権の処理についての山場に差しかかっているんです。
 きょうのこの場の雰囲気にふさわしくないかもしれませんけれども、やはり中小企業というのは非常に弱いものなんです、特に金融機関との関係においては。金融システムの問題、先ほど通産大臣がおっしゃったように、国内的な問題も確かにあります。私どもにしてみれば、税金をつぎ込むことのよしあしについての意見はあります。しかし、国際的に見ていつまでもこの日本の状況を放置しておくわけにはいかないというのもよくわかります。しかし、もし仮に、私は具体的な名前をあえてきょうは申し上げませんけれども、破産をして今、路頭に迷っている従業員の立場に立ってみますと、そんな銀行のためになぜおれの税金を使わなきゃならないんだという感情に陥るんですね。ですから、金融システムという議論をする場合に、やはり金融機関というのは、もちろんこれは中小企業だけ特別扱いにしろというふうに私は言っているんじゃないんです。やはり、金融機関としての社会的な責任というものをしっかりと踏まえた上でやるべきだというふうに考えております。
 きょうは債権者とそれから破産管財人との話し合いが持たれますので、この結果を待っています。場合によっては来週、衆議院あるいは参議院の別の委員会でこの問題を改めて追及することも考えていますけれども、きょうはそういう中小企業を含めた実態があるということだけひとつお聞きをいただきたいと思うんです。
 そこで、これも先ほど来ちょっと議論になりましたので私の方からも別な角度から要望をし、お考えをお聞きしたいんですが、実は中小企業の労働時間問題なんです。
 実は、先ほどお話がありました現在施行されている法律ですね、これの審議にずっと私も中央労働基準審議会のメンバーとしてかかわってまいりました。したがって、審議会のメンバーですから、もちろん使用者団体の皆さん方あるいは公益委員の皆さん方とさまざまな議論を闘わせてまいりました。その中では、特に中小企業の実態等もいろんな方からお聞きをしましたし、参考人という形で御意見を聞かせていただいたり、かなり実態をさまざまに把握をした上で審議会としての合意をして、実は今、九七年三月末までの猶予期間が設けられて進んでいるわけですね。
 お聞きをするところ、中小企業関係の使用者団体四団体からこの九七年四月以降の四十時間制移行について再々延長をしてほしいという要請が来ているというお話がございました。私も社会党の部会に参加をしておりますので事情を承知しております。私は、この労働時間問題を考える場合に、確かに先ほども平田委員の方から御指摘がありましたように、さまざまな実態をしっかり把握をして結論を出さなければならないということを十分承知をした上であえて二つの点を申し上げておきたいんです。
 一つは、憲法第十四条に規定をしている法のもとの平等という問題をやはり考えていただかないといけない。例えて申し上げますと、既に四十時間制を実施しているレベルの企業なりあるいは業種では、例えば五十時間働いたとしますと十時間分の時間外手当がつくという計算になります。ところが、まだ四十四時間のところは五十時間働いても六時間しか残業手当がつかないということになるんです。同じ五十時間働きながらなぜこんな差をつけられなければならないのか、憲法の精神に反しないんですかという問いかけを地方に行きますと聞きます。こういう意味で、今ここで私は憲法論を言うつもりはないんですけれども、やはり法律というのはどのような職場で働いていようとも同じような法の恩恵を受けるというのが法の建前でなければならないんじゃないか。しかも、いきなりやるというのじゃなくて、一九八七年に原則四十時間というものが決められて既に八年経過をしています。その間、経営者あるいは使用者団体の皆さんが座して何もしなかったと言うつもりはありません。さまざまな手だてを講じられてきたと思うんです。現にやっているところもあるわけです。
 私が反対してきた二つ目の理由に、きつかったけれども何とか四十時間、あるいは四十時間を達成できる見通しがついた、死に物狂いてやったという経営者はたくさんいるんです。そういう人たちから見ると、仮に再延長だという話になったら、何だ、まじめにやってはかを見たということにしてはいけないと思うんです。法の信頼性といいますか、そういう立場から考えてもやはり決めたことは実現をする、実施をすると。ただ、法律ですから、機械的にやってあとは皆さん方責任を持ってくださいというわけにはいきません。
 ですから、私はこれまでも実は審議会の中でも言いましたし、これまで私の持論として言っているんですが、もし具体的に例えば特例あるいは猶予、あるいは今の従業員数ですとか、あるいは業種ごとのくくりですとか、そういう問題にもし問題があるならば、そういう問題についての議論は大いにやりましょうと。これは実態に応じて議論をすればお互いに納得をして一致できる点があるんじゃないでしょうかというふうに申し上げてきました。
 ですから、本体の部分についてはしっかりやるべきだというふうに私は考えておりますので、もちろんまだ具体的にどうこうという議論が始まったわけではありませんけれども、労働省の時間課長がきょうお見えですから時間課長と、それから前回私がこの問題でお願いに、当時は審議会のメンバーとしてお願いに行ったんですが、中小企業庁さんにお邪魔をしたときには、中小企業庁としてはやっぱりどちらかというと経営者の皆さん方の声もしっかり聞いておかなきゃならぬというお話がありました。
 確かに経営者の皆さん方の声をしっかり聞かなきゃならぬという立場はわかるんですが、先ほどもちょっと議論がありましたように、やはり労働時間だけではなしに、労働、福祉面を含めてさまざまな格差があるわけですから、そういう実態を少しでも改善する。あるいは、できればこのことにょって起きてくるさまざまな問題について別な施策でカバーをするというようなことを中小企業庁として考えておられるか。これは中小企業庁というよりも通産省としてということになるのかもしれませんが、その辺がもしありましたら、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#48
○説明員(石川透君) ただいま先生の御指摘、法定労働時間について企業の規模あるいは業種等によりまして差があるということが法のもとの平等に反するんじゃないかという御指摘を興味深くお聞かせいただいたところでございます。確かに、労働基準法といいますのは労働条件の最低基準でございまして、これが差があるということは現在のところはまさに四十八時間から四十時間への移行過程であるから許容できるものというふうに私ども考えているところでございます。
 それから、平成九年四月に向けて一生懸命努力したところが、結果としてはかを見ることになるんじゃないかという御指摘も興味深く伺わせていただきました。法律に対する信頼を維持するという観点も非常に重要だというふうに考えているところでございます。
 また、現在の週四十時間労働制の達成状況につきまして、先ほど中小企業庁の方から中小企業関係団体の調査結果の数字が出されたところでございますが、私どもも全国の労働基準監督署を通じまして実態を調査しているところでございます。その数字につきましては若干の差がございます。中小企業団体の方がいい部分もございますし、また悪い部分もあるということでございます。それはまた調査方法、調査対象が違いますのでいろいろ議論もあろうかと思いますが、確かに私どもの調査におきましてもいまだ四十時間の達成状況が思わしくない部分というのがあるのは確かでございます。
 ただ、そういう状況があるからといいまして、私どもといたしましては、猶予措置を直ちに延長するといったようなことではなく、だからこそ平成九年四月に向けてできる限り努力していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
#49
○政府委員(藤島安之君) 時短の問題について中小企業庁あるいは通産省としてどう考えるのかという御質問でございますが、委員御指摘になりましたように、現在の中小企業の労働時間の実態あるいは今後の経営状況、そういうものを十分見きわめた上でこの経過措置の扱いについて画一的ではなくてその実態に即して判断すべきであろう、こういうお話でございます。私どもも全く同様の考えを持っております。ただ、この実態につきましてはなかなか難しい問題がございまして、ただいま労働省の方から数字の御紹介がございました。私ども中小企業三団体を通じていろいろ把握に努めておりますが、まだまだ十分ではないと思います。これからもそういう実態把握に努めてまいりたいと思います。
 それから、中小企業庁なり通産省としてこの時短についてどういう指導なり対策を講じているか、こういうお尋ねでございますけれども、通産省としましては、労働省と連携をしながら中小企業労働力確保法を制定いたしまして、それに基づきまして労働時間の短縮に向けた中小企業の努力に対してさまざまな施策を展開しているところでございます。
 例えば、労働時間の短縮を図るための省力化投資につきましては、政府系金融機関の金融をつけるとか税制上の優遇措置をするとか、そういうことをやっておりますし、今般の経済対策でもそういう面の対策の拡充をしておるわけでございます。そのほか、時短の好事例の紹介とかいろいろなことに努めておるわけでございます。
 一年四カ月と短い時間でございますが、実態把握と同時に、さらにこうした施策を中小企業庁としても全力を尽くして展開してまいりたい、こういうふうに考えております。
#50
○前川忠夫君 公正取引委員会の方で調査をされました下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の運用状況についての六月の調査報告を見せていただきました。下請法以外にも下請中小企業振興法ですとかさまざまな形で、いわゆる親事業者と下請との間の公正な取引という面でさまざまな施策をとられているというのは私も承知をしています。しかし、依然として違反が多いんですね。手続規定の違反あるいは実体規定の違反を含めまして、いまだに二千件、三千件の違反があるという実態ですね。
 今の下請中小企業振興法のいわゆる振興基準なるものを精査してみますと、発注元である親事業者と下請さんとの間で、例えば単価の問題についても適正な利潤が上がるようにとか、あるいは週末に発注をして週明けに納入するとか、あるいは終業直前に発注をして翌日の朝持ってこいとか、こんなことはないように十分協議をしなさいというふうに書いてあるんですね。協議をしなさいといいましても、親事業者、つまり発注元とそれを受ける下請との力関係から考えて、実際にこれは効果があるんだろうかなというふうに思うんですね。
 もちろん、公正取引委員会や中小企業庁の方でさまざまな研修会や説明会や講習会を開いておられるということも承知をしています。あるいは取引の改善委員会委員の皆さん方、あるいは都道府県、さまざまなチャンネル、場を通じて努力をされているというのはわかるんですが、私はむしろ構造的な問題が背景にあるんじゃないか、この問題をやはりしっかりとらえておかないと、ただ出てくる現象できれいごとだけではやっぱり済まないんじゃないかなというふうに思うんですね。
 もちろん、常に罰則罰則というのは私も余り好きじゃないんですけれども、例えば違反をした事業者については企業名や氏名を公表するとか、そういうようなことをやらないとなかなか直らないんじゃないか。私は、表に出ている数字がこれですから、力関係から考えて、水面下で泣く泣く泣き寝入りをしている事業者というのはどれだけあるんだろうかなという心配すらするんですよね。もちろん、これは杞憂であればいいです。しかし、実態はそうではないんじゃないかという気がしてならないんですね。
 その辺の問題について、現状についての御認識とそれから今後の問題について何か施策や強化の対策がおありになるのか、その辺をちょっとお聞かせいただければというふうに思います。
#51
○説明員(酒井享平君) 公正取引委員会といたしましても、現在、景気の低迷、それから円高等の影響の中で下請事業者が大変な困難に陥っている、そういう認識をしております。
 それで、親事業者による下請代金の支払い遅延とか減額とか買いただきなど下請事業者に対する不当なしわ寄せ行為が行われないように、それから行われた場合には下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用に努めているというところでございます。
 先生御指摘の、例えば価格において非常に下請事業者が苦しんでいるのではないかという点でございますが、平成六年度で見ますと、買いただきにつきましては九十八件ほど件数がございましたし、減額については百七十七件ほどたしか、これは記憶で申し上げておりますのであるいは正確でないかもしれませんが、これまでで一番多い件数を違反事件として措置をとっております。その中で、減額の場合には、これは額が多い場合には親事業者に対して下請事業者に返還するように、そういった指導もいたしております。そういうことで、平成六年度、勧告の事件というのは実は一件しかございませんが、減額の指導を行ったというケースはある程度多数に上っている状況にございます。
 それから、近年、円高とか景気の低迷とかが長引いているということで下請取引の構造上の変化が発生しているんじゃないかということが考えられましたので、本年、円高等による下請取引の変化に関する調査を実施して七月にその結果を公表する、こういったこともいたしておりまして、実態の把握に努め、それを法の運用の中に生かしていきたい、そんなふうに考えているところでございます。
 それから、非常にたくさんまだ、二千件前後毎年公正取引委員会だけでも違反事件を調査しているわけですが、数がいまだに多いという御指摘ですが、この数を減らしていくためには未然防止の徹底を図っていかなければいけないということで、これはちょうど本日行ったものなんですが、通商産業大臣とそれから公正取引委員会委員長の連名で、親事業者約八千五百社、それから親事業者団体約四百三十団体に対して下請法の遵守の徹底を要請した、そういったこともいたしております。
 それから、これも下請法の普及啓発の一環でございますが、毎年十一月を下請取引適正化推進月間ということにしておりまして、これは中小企業庁と共同して行っているところなんですが、全国で下請取引適正化推進講習会を開催している、こういうこともしております。
 それからさらに、本年度からは下請取引改善研修会を実施することにいたしておりまして、これらを通じて下請法の一層の周知徹底を図っていきたい、そのように考えております。
 それで、先生、勧告等の措置をとったとき公表できないかというそういう御指摘もございましたが、そういった形でこれまで公正取引委員会が法の厳正な運用と普及啓発に努めてきたと。そういったことが功を奏したのかどうかわかりませんが、公正取引委員会がこれまで下請法に基づいて勧告を行った事例では、親事業者が勧告に従わずにもう何もしなかったとかそういうことはございませんで、これは勧告に従わなかった場合は公表の措置をとるということに法律でなっておりますが、その必要が生じたことは実は一回もございませんでした。それから、これがほとんどのケースなんですが、下請法に基づく勧告に至らない場合でも、公正取引委員会の改善指導を受けた事業者はすべて自主的に是正措置をとっている状況にございます。そういったことでございますので、勧告等の措置を講ずることによりそれらの措置をとったということ、公表しないでも下請法の規制の実効はかなり上がっているものというふうに考えております。
 それから、罰則の点でございますが、罰則については、書面交付義務に違反したり、あるいは書類の作成保存義務に違反する場合、あともう一つは公正取引委員会の報告要請に対して拒んだり、あるいは検査を拒むといった場合には罰則の規定が存在しております。しかし、これまでそういった違反行為を繰り返して悪質であるとして告発を必要とするほどまでの事例はなかったということです。
 それから、勧告等の対象になるような、例えば下請代金の支払い遅延などの、そのほか買いただきとかいろいろございますが、そういったケースの場合には勧告等の措置をとって是正ができているということで、先ほどから繰り返しになりますが、勧告等の措置をとったときに比較的事業者が協力的であるという状況がございまして、この制度は抑止力として十分機能をしているんじゃないかなというふうに考えておりまして、罰則等の規定を現在勧告を行っているようなケースについて導入するという必要性は現在のところはないのじゃないか、そんなふうに考えております。
 そういうことではありますが、今後とも下請法違反行為に対しては、今申し上げましたようなこれらの規定を有効に活用して厳正に対処するとともに、一層下請法の普及啓発に努めてまいりたいと存じております。
#52
○前川忠夫君 時間が参りましたので質問をこれで終わらせていただきますが、特に最近の規制緩和の問題を含めまして、いわゆる取引のルールでの法の番人であります公正取引委員会の充実強化という点では来年度の予算編成の中でもさまざまな議論がされるようですから、ぜひ私どもはそれを期待しておきたいということを最後に申し上げて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#53
○西山登紀子君 まず最初に、業者婦人の問題について質問をいたします。
 いわゆる業者婦人というのは、お役所の用語では小規模事業婦人経営者と、このように呼ぶそうでございますが、零細な自営業の婦人のことです。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、十月二十六日にたくさんの業者婦人の代表の方々が国会に来られまして、また通産省の方にも行かれたと思うわけですけれども、業者婦人の社会的・経済的地位の向上を求めるという請願と、それから「告発」というふうに書かれた一言集なんですけれども、持ってこられまして、せっぱ詰まった状況を涙ながらに訴えられたわけです。
 全国商工団体連合会の調べによりますと、九四年四月から九五年三月の一年間に、夫の自殺は八十三名、業者婦人自身の自殺は六人を数えているということです。本人の努力が足りないのではなくて、本人の努力ではどうにもならない状況にあるからこそ「告発」と、こういう言葉になってあらわれているのだというふうに私は理解をいたしました。
 大臣も十分御承知いただいていると思うんですけれども、その業者婦人の実態、訴えについて、私もぜひ本委員会で紹介をさせていただきたいと思うわけです。
 精密機械で働いていらっしゃる、まあ経営していらっしゃるというんですか、業者婦人の訴えですが、マレーシア並みの単価でダウンを要請されて、月二万円でマレーシアの女性に仕事を覚えさせて、内職の仕事を根こそぎ持っていかれたというような訴えだとか、Tシャツ一枚の縫い賃が百四十一円だと、生地を含めた完成品が八十円で中国から入ってくる、こういう状況で大変だということ。さらには不況の問題、それから大型店の出店、こういうことで、特に料理飲食関連の業者の売り上げというのが非常に落ち込んでいるということで、朝はビルの掃除、昼は弁当屋、夜はスナックの営業、このように二つも三つも仕事を重ねながら体力のぎりぎりまで働いている。さらには、高齢化社会ということで介護の負担が業者婦人の肩にかかっている、こういうような訴えがございました。
 家事と育児とそして家業、この両方をこなそうと今必死に働いていらっしゃる自営業の婦人、しかもこの業者婦人の働き分はどのように評価されているかといいますと、白色申告の場合はわずか八十六万円の控除しか認められていない、青色申告の場合も厳しい条件がついている、こういう現状でございます。私は、業者婦人のこうした働き分を正当に評価するということは、業者婦人の一個の人間としての人権を認めていく上で大切なことだと思っているわけですけれども、まだまだ日本ではこの点の評価が十分ではない、この点、私も大変もどかしさを感じている点でございます。
 大臣にお伺いしたいわけですけれども、この自営業の業者婦人という人々は地域経済に不可欠な担い手ではないか、日本の繁栄に深く貢献しているのではないかと思うわけです。それだけではなくて、また地域の環境や社会教育、文化と伝統にも深いかかわりを持ちながら社会的にも大きく貢献していると考えておりますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が記憶をしております限り、今、委員が御指摘になりましたような角度からの問題提起は、過去に世帯単位の年金制度から妻の年金権というものの議論がなされまして、国民一人一人の年金権を確立していくプロセスの中で一度相当な議論を呼んだ時期があったと記憶をいたしております。
 まさに、商工自営業というものに携わられる女性の方々、それは我が国の企業の非常に大きな部分を占める小規模企業の中で、ある場合は御本人が経営者でおられる場合、また伴侶であられる場合、いずれのケースもあり得るわけですけれども、家族、そして家庭、経営、労働という各面において非常に大きな役割を果たしておられる、これは間違いがありません。そして同時に、地域の美化活動でありますとか、あるいは奉仕活動など非常に地域社会と密着した活動にも積極的に参加をしておられる、地域の活性化の中でも大きなウエートを占めておられると思います。
 私どもの郷里を考えてみましても、例えば地域の総合的な経済団体であります商工会、こうした団体の場合におきましても、女性経営者あるいは経営者の配偶者という方々によって構成されている婦人部というものは研修会等を開催されましたり、あるいは社会福祉活動等をなさったり各種の事業活動をしておられるわけでありまして、まさにこうした活動を通じて地域の商工業の総合的な発展を支えておられる、私はそのように思います。
#55
○西山登紀子君 大臣から非常に高い御評価をいただいたわけですけれども、それでは業者婦人の対策はどうかということなんですが、八〇年三月に中小企業庁とそれから全国商工会連合会が業者婦人の就労と生活実態調査をまとめられました。その後、このような実態調査が行われたでしょうか。
#56
○政府委員(井田敏君) 御指摘の調査でございますが、商工自営業に携わられます女性の就労、生活の実態と意識、地域活動の状況、あるいは商工会活動への意見、要望、こういったことを把握いたしますために、中小企業庁が全国商工会連合会に委託して行ったものでございます。
 非常に膨大な調査でございますが、簡単にちょっと御紹介しますと……
#57
○西山登紀子君 いいんです。その後やっているかどうかだけ。
#58
○政府委員(井田敏君) その後、中小企業庁におきましては、改めては商工自営業に携わられます女性に対する同様の調査は行ってはおりません。
#59
○西山登紀子君 実態を十分把握することがやはりよりよい施策の前提にあると思うんですね。
 民間団体でありますが全商連、全国商工団体連合会婦人部協議会、その婦人部の皆さんは三年に一度大学の先生に委託をいたしまして実態調査をやっておられます。九四年十一月に発表もされているわけです。さらに、第四回世界女性会議で採択されました行動綱領の中には、業者婦人などの労働の評価について研究と情報の交流と普及を奨励するというふうな行動綱領もございます。
 ですから、私が申し上げたいのは、民間任せにするのではなくて、これからの中小企業対策に生かしていく上でも、中小業者の担い手のおよそ半分を占める女性に、業者婦人にスポットを当てた実態調査を行う必要があるのではないでしょうか。
#60
○政府委員(井田敏君) 経済状況の変化に加えまして女性の就業についての考え方、こういう時代の変化を受けまして、事業に携わられます女性に関しましては、男女雇用機会均等法あるいは育児休業法の制定、介護休業制度の充実、各種のいろんな制度の整備が図られてきているものと私ども承知しているところでございます。
 商工自営業にかかわられます女性が持たれます種々のいろんな悩みにどう対応するかということに関しましては、私どもというよりはむしろ他省庁の施策に担われるべき部分がかなりの部分を占めるのではないかと思いますけれども、こういった改めて再度調査を行うかどうかにつきましては、商工会等が行っております各般の調査活動なども踏まえまして今後検討してまいりたいと考えております。
#61
○西山登紀子君 この調査は、八〇年の調査から既に十五年がたっているわけでございます。十年一昔という言葉もあるように、やはり時代が非常に変わっている、そして業者婦人の実態も非常にさまざまな深刻な問題を抱えているという状況ですので、ぜひこれに匹敵するような実態調査を行うように検討をしていただきたいというふうに思います。
 しかし、そういう実態調査を待つまでもなく、こういう民間の実態調査もあるわけです。そこで切実になってきている問題は、業者婦人の場合には、特に病気になったとき、あるいは出産のときの手当が欲しい。傷病手当、出産手当が欲しいという切実な御要望もあるわけでございます。
 したがって、通産省として何らかの実態把握をしていただいて、その結果は関係省庁にも伝えていただいて、業者婦人の実態についての現状認識をこれからも広めるよう努力をしていただきたいと思いますが、どうですか。
#62
○政府委員(井田敏君) ただいま委員からいただきました御意見をも踏まえまして、今後調査についての検討を行ってまいりたいと思います。
#63
○西山登紀子君 それでは次に、大店法の問題についてお伺いをしたいと思います。
 九〇年以降の大店法の規制緩和以降、大型店がふえまして売り場面積の五割を占めております。また一方、小規模店は大幅に減少している状況がございます。
 私の地元は京都なんですけれども、九一年から九四年の間に、百貨店やスーパーが三百六十七軒増加する一方で、専門店は千八百七十一軒、一般小売店で五百二十六軒減少している。これは府の統計でございますけれども、そのような結果が出ているわけです。
 大型スーパー店の進出に対しまして、最近京都で新しい動きが二つございました。一つは、大手スーパーのライフ壬生店というんですけれども、その出店に当たりまして京都の商工会議所が異例の意見をつけたということ。もう一つは、同じくライフですが、太秦というところに出店をする問題につきまして、建築確認保留の請願、出店計画見直しの請願がいずれも京都市議会で全会一致で採択をされました。こういう結果、ライフ王生では売り場面積は申請時から六〇・一%削減。ライフ太秦でも四階を三階にする、売り場面積は四九・二%削減するというようなことになったわけです。
 京都は中小業者の町でございますので、大型スーパー店の進出というものが京都らしさだとか、あるいは伝統的な文化や産業、住環境を破壊するのではないか、こういうふうな危惧が大きく広がってこのような新しい動きにつながったのではないかと思うわけです。最近では、商工会議所もまた市議会も大型店のこれ以上の進出を歓迎しなくなった、そういうことではないかと思うわけです。
 昨日の規制緩和小委員会の報告は、将来こういう規制をなくすというようなことは報告されているわけですけれども、その報告はこうした実情を踏まえたものではないというふうに私は考えています。
 さらに、最近アメリカ政府が日本に、二〇〇〇年までに大店法を段階的に撤廃するよう求めるなどの要望書を出したと伝えられるわけですけれども、大臣にお伺いしたいと思います。
 日本の中小業者を守る立場でアメリカ政府にもきっぱりとした対応をとっていただきたいと思いますし、また国内におきましてもこれ以上の規制緩和で大型店を優遇すべきではないと。中小企業を守り、また住環境や町づくりに配慮した規制の強化が必要ではないかというふうに私は考えるわけでございますけれども、最後に大臣の御見解を伺って、終わりたいと思います。
#64
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻もお答えを申し上げたところでありますけれども、大店法の今後の取り扱い、これは政府の規制緩和推進計画の中において決定されておりますとおり、平成六年五月からの規制緩和措置の実効というものを確保しながら、流通を取り巻く環境の変化などを踏まえて平成九年度を目途に制度について見直しを行うことになっております。
 その際、当然のことながら、中小企業、中小小売業の方々を含めた関係者の御意見を広く聞いた上で検討していきたい、そのように考えております。
#65
○委員長(二木秀夫君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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