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1995/12/13 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
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1995/12/13 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号

#1
第134回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
平成七年十二月十三日(水曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十三日
    辞任        補欠選任
     下稲葉耕吉君     谷川 秀善君
     村上 正邦君     金田 勝年君
     一井 淳治君     照屋 寛徳君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木暮 山人君
    理 事
                岡  利定君
                松浦  功君
                石井 一二君
                朝日 俊弘君
    委 員
                片山虎之助君
                金田 勝年君
                鈴木 貞敏君
                関根 則之君
                谷川 秀善君
                中原  爽君
                森山 眞弓君
                勝木 健司君
                平野 貞夫君
                水島  裕君
                山本  保君
                鈴木 和美君
                照屋 寛徳君
                橋本  敦君
   衆議院議員
       発  議  者  瓦   力君
       発  議  者  伊吹 文明君
       発  議  者  鈴木 宗男君
       発  議  者  渡瀬 憲明君
       発  議  者  佐藤 観樹君
       発  議  者  三原 朝彦君
       発  議  者  錦織  淳君
   国務大臣
       自治大臣臨時代
       理        宮澤  弘君
   政府委員
       警察庁刑事局長  野田  健君
       自治大臣官房長  二橋 正弘君
       自治省行政局選
       挙部長      谷合 靖夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○選挙制度に関する調査
 (第十七回参議院議員通常選挙の執行状況等に
 関する件)
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○政党助成法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木暮山人君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、一井淳治君及び下稲葉耕吉君が委員を辞任され、その補欠として照屋寛徳君及び谷川秀善君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(木暮山人君) 選挙制度に関する調査を議題といたします。
 去る七月に行われました第十七回参議院議員通常選挙の執行状況並びに選挙違反の取り締まり状況につきまして、順次政府から報告を聴取いたします。宮澤自治大臣臨時代理。
#4
○国務大臣(宮澤弘君) この機会に、第十七回参議院議員通常選挙の結果の概要について御報告申し上げます。
 今回の選挙は、本年七月二十二日に任期が満了となった参議院議員の通常選挙でありまして、選挙すべき議員の数は、比例代表選挙が五十人、選挙区選挙が七十六人、合計百二十六人でありました。
 選挙当日の有権者数は約九千六百七十六万人で、前回の通常選挙に比べ三百五十一万人増加しております。
 次に、投票の状況について申し上げます。
 七月二十三日の投票日の天候は、台風三号の影響で四国、九州の一部で午前中雨のところがありましたが、午後は雨も上がり全国的に晴れまたは曇りでした。投票率は、四四・五%でありまして、これは前回の投票率に比べ六・二ポイント下回り、残念ながらこれまでで最も低く、国政選挙で初めて五〇%を切ることとなりました。
 次に、立候補の状況について申し上げます。
 比例代表選挙につきましては、名簿を届け出た政党は二十三政党であり、前回に比べ十五政党減少しており、その届け出名簿に登載された候補者の数は百八十一人で、前回に比べ百四十八人の減、競争率は三・六倍でありました。選挙区選挙につきましては、候補者数は三百八十六人で、前回に比べ七十五人の増、競争率は五・一倍でありました。
 次に、当選人の状況について申し上げます。
 党派別に申し上げますと、自由民主党は比例代表選挙で十五人、選挙区選挙で三十一人、合計四十六人。新進党は比例代表選挙で十八人、選挙区選挙で二十二人、合計四十人。日本社会党は比例代表選挙で九人、選挙区選挙で七人、合計十六人。日本共産党は比例代表選挙で五人、選挙区選挙で三人、合計八人。新党さきがけは比例代表選挙で二人、選挙区選挙で一人、合計三人。民主改革連合は選挙区選挙で二人。第二院クラブは比例代表選挙で一人。平和・市民は選挙区選挙で一人。諸派・無所属は選挙区選挙で九人となっております。
 次に、比例代表選挙の全有効投票に対する党派別得票率は、自由民主党二七・三%、新進党三〇・八%、日本社会党一六・九%、日本共産党九・五%、新党さきがけ三・六%、第二院クラブ三・二%、平和・市民〇・九%、諸派七・八%となっております。
 また、選挙区選挙では、自由民主党は全有効投票の二五・四%、新進党二六・五%、日本社会党一一・九%、日本共産党一〇・四%、新党さきがけ二・六%、民主改革連合四・五%、平和・市民一・四%、諸派・無所属一七・五%となっております。
 最後に、選挙違反の状況について申し上げます。
 投票日後九十日目の十月二十一日現在の今次選挙における検挙件数は三百四十六件、検挙人員は四百八十一人となっておりますが、これを前回と比較いたしますと、件数で九十七件、二一・九%、人員で五百三十六人、五二・七%減少しております。
 以上をもちまして、過般の参議院議員通常選挙の結果の御報告を終わります。
#5
○委員長(木暮山人君) 野田警察庁刑事局長。
#6
○政府委員(野田健君) ただいま大臣から本年七月二十三日に行われた第十七回参議院議員通常選挙における違反行為の取り締まりについて概略御説明がございましたが、引き続きまして、取り締まり状況について御報告いたします。
 選挙期日後九十日現在で集計いたしました数字は、お手元に資料としてお配りしてあります表に示したとおりでございます。検挙状況は、総数で三百四十六件、四百八十一人となっておりまして、前回における同時期の四百四十三件、千十七人に比べますと、件数で九十七件、二一・九%の減少、人員で五百三十六人、五二・七%の減少となっております。
 罪種別に申しますと、買収二百八十四件、三百九十人、自由妨害十七件、十一人、戸別訪問八件、二十二人、文書違反三十二件、五十三人、その他五件、五人となっておりまして、買収が検挙事件のうち、件数で八二・一%、人員で八一・一%と最も多くなっております。
 また、警告状況を申し上げますと、総数で二千七百九十九件でございまして、前回の一万九百四十件と比べ、八千百四十一件、マイナス七四・四%となっております。
 なお、警告事案のほとんどは文書関係についてのものでありまして、総件数の九一・八%を占めております。
 以上、御報告申し上げます。
#7
○委員長(木暮山人君) 以上で報告の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(木暮山人君) 公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、発議者衆議院議員瓦力君から順次趣旨説明を聴取いたします。瓦力君。
#9
○衆議院議員(瓦力君) ただいま議題となりました衆議院議員の選挙の投票方法を自書式に改める公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法の三分の二条項を廃止する政党助成法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 さきの公職選挙法の改正におきまして、衆議院議員の選挙の投票方法は、投票用紙に印刷される候補者等の氏名等の上の○をつける欄に○の記号をつける、いわゆる記号式に改められたところであります。
 しかしながら、同じ国政選挙である衆議院議員選挙と参議院議員選挙で投票方法を異なるものとした場合、有権者に戸惑いを与え、いたずらに混乱を招くおそれがあり、少なくとも衆議院議員選挙と参議院議員選挙においては同一のものとすることが適当であること。また、衆議院議員の選挙において、立候補者数または名簿届出政党数が多数となる選挙区が生じることが予想されますが、この場合、記号式投票では、有権者が投票用紙の中から投票しようとする候補者あるいは政党を見つけ出すことは容易でなく、かえって有権者に無用な混乱を与えるおそれがあること。さらに、選挙管理委員会の実務に関して、立候補の届け出の締め切り後に候補者名、政党名の入った投票用紙を調製しなければならないことや、記号式投票では一見してどの候補者、政党への投票かがわからないため、開票作業に時間がかかることなどの問題が生じるおそれがあること。とりわけ、補充立候補事由が生じた場合には、補充立候補の届け出を待って投票用紙の再調製を行わなければならないため、選挙管理委員会は時間的に厳しい制約を受けることになるなど、選挙管理委員会に過重な負担をかけること等の理由から、今回、自書式投票に改めようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、衆議院議員の選挙の投票に関する事項であります。
 投票は、自書式投票の方法により、それぞれ、小選挙区選出議員の選挙については候補者一人の氏名を、比例代表選出議員の選挙については一の衆議院名簿届出政党等の名称または略称を自書して行うことといたしております。
 第二に、施行期日でありますが、この法律は公布の日から施行することとし、改正後の公職選挙法の規定については、この法律の施行日以後その期日を公示されまたは告示される選挙に適用することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
 引き続いて、政党助成法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 さきの政党助成法の改正におきまして、政党の政治活動資金は、その相当部分を政党の自助努力によって得た国民の浄財で賄うのが基本であり、政党が過度に国家に依存することがないようにするとの趣旨から、政党交付金の交付限度額を前年収入総額の三分の二に相当する額とする規定、いわゆる三分の二条項が設けられたところであります。
 しかしながら、現実の政党の状況を見ると、その政党の歴史やその政党がどのような収入源によってきたかなどの各党の事情により、政党の自助努力による収入の状況、財政基盤には相当の差異があり、三分の二条項があるために、結果的に各党に交付される政党交付金の額に不平等が生じるおそれがあること。また、政党の運営の当否は、最終的には選挙を通じた国民の審判にゆだねるべきであることから、政党がその運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択については政党の自主性を認めるのが適当であること等の理由から、今回、前年の収入総額をもとにした政党交付金の交付限度額を廃止しようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、政党交付金に関する事項であります。
 その年分として各政党に交付すべき政党交付金の交付限度額をその政党の前年の収入総額の三分の二に相当する額とする制度を廃止することといたしております。また、各政党に交付すべき政党交付金は、四月、七月、十月及び十二月にそれぞれ交付することといたしております。
 第二に、施行期日でありますが、この法律は、平成八年一月一日から施行することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が政党助成法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#10
○委員長(木暮山人君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○石井一二君 石井でございます。よろしくお願いいたします。
 今回、上程されております公職選挙法改正案、政党助成法改正案に関しまして、マスコミもいろんな論調がございますが、押しなべて必ずしも評判がいいように感じないわけでございます。
 例えば、毎日新聞、「朝令暮改で青天井」、朝日新聞、「政党の都合を優先」、読売新聞、「お手盛り削除」、また別の日の朝日は、「自民と社・さ取引、政党は墓穴を掘った」、毎日、「ご都合主義にはあきれる」、朝日、「交付金の根拠を失い丸抱えの危険も」云々と、こうなっておりますが、全体として朝令暮改ということを言われてもいたし方ないような中身ではなかろうかと考えております。
 この改正案を離れて、一般論として朝令暮改という言葉に対しましてどのような御見解をお持ちか、三原議員の御見解をお伺いしたいと思います。
#12
○衆議院議員(三原朝彦君) 朝令暮改、来る前にちょっと図書館へ行って調べまして、広辞苑で引きましたら、古い中国の漢書の何か出典だそうでありまして、つまり平たく申し上げますと、命令が定まらないことだと、こう書いてありました。
 もちろん私どもは、みんなで考えて決めたいろんな法律でありますから、そうそう勝手に変えるわけにもいかないことは当然だと認識いたしておりますけれども、そのもとでこの一年間我々が努力してまいったところで、先ほど瓦議員の説明のとおり、内容的にはやはりマイナスの効果が多い場面がたくさん出てきた。
 その点から申し上げますならば、すなわち今度は過ちを改むるにはばかることなかれというような気持ちで我々はこの法案を出しておるということでありまして、この二つの改正案に関しましては、瓦議員の先ほどの説明のとおりでございますので省かせていただきますけれども、そういう気持ちで我々は衆議院にも臨みましたし、また本日参議院にも臨ませていただいておるような次第でございます。
#13
○石井一二君 一昨日も本会議場におきましていろいろ論議がなされました。その中で、伊吹議員の御答弁を聞いておりますと、五年後の見直しは、政治改革関連法全体ではなく政治資金規正法だけであり、今回の助成とは関係がないというようなニュアンスの御答弁がこの速記録から上がってきておりますが、そこのところをもう一度勉強させていただきたいと思いますので、繰り返し御発言を願いたいと思います。
#14
○衆議院議員(伊吹文明君) 一昨日私が申し上げましたのは、見直し条項がついているのは政治資金規正法の企業献金のあり方のところについてであって、三分の二条項が記載されておる政党助成法そのものについてのものではないということを申し上げた趣旨でございます。
#15
○石井一二君 といたしますと、政党助成法附則第六条についてどのような御見解をお持ちでございますか。
#16
○衆議院議員(伊吹文明君) 基準日のことを御指摘になっているんだと思いますが、これは政治資金規正法附則第十条を受けた規定ではないでしょうか。
#17
○石井一二君 私は、そういうことを申しておりません。附則第六条には、総額について……
#18
○衆議院議員(伊吹文明君) 附則の六条。
#19
○石井一二君 はい。
#20
○衆議院議員(伊吹文明君) 御指摘のように、附則の六条には総額についての見直しはございます。今私が申し上げたのは、三分の二条項についての御指摘でありましたから、総額と三分の二条項とは本来見直しの関係はないんじゃないでしょうか。
#21
○石井一二君 私は、五年後の見直しというものは、全体をひっくるめたものであって、片一方だけ関係があって片一方は関係がないといったような性格の論議では済まない、そのように思っておりまして、あなたの解釈がかなり偏っておるのではないかという印象を受けたのでお伺いをしたわけでございまして、ひとつ両方一対になって今後さらに我々は検討していかなきゃならぬのではなかろうか、そのように申し上げておきたいと思います。
 続きまして、佐藤議員にお伺いをいたしたいと思います。
 佐藤観樹議員の過去の御発言を聞いておりますと、例えば、平成六年一月十日、参議院政治改革に関する特別委員会におきましては、記号式の利点を強調されてございます。今もこの考え方は当然お変わりになっていないと思いますが、いかがでございましょうか。
#22
○衆議院議員(佐藤観樹君) 確かに、当時私は提案者の自治大臣として、私だけではなく政府側からも記号式の三つのメリットを申し上げました。
 一つは、投票の効力判定が容易になり無効投票が減少する、選挙訴訟が減少する、投票の秘密が確保しやすくなるということを政府側としては答弁しておったわけでございます。このこと自体は、絶対的にといいましょうか、変わりはないと私は思っております。
 ただ、その後、平成六年二月のときには、参議院の選挙制度について今後とも検討して、それにあわせて検討するという合意が与野党の中でなされているわけでございまして、御承知のように、参議院の選挙制度は変わらず、投票方法も変わらなかったわけでございます。
 そこで、瓦議員からも言われましたように、衆議院と参議院の投票方法が違うというのはいかがなものだろうかということにつながってくるわけでございまして、一種の記号式というものの機能というものからいえば、私が言ったことは間違っていると思っておりませんが、その後のいろいろな状況を総合的に考え、そして瓦議員から提案がございましたようなことを考えて今提案をさせていただいているわけでございます。
#23
○石井一二君 と申しますと、現行の法律をそのままにしておいて参議院の選挙制度の改正案をも今検討しておると、そういうことですか。
#24
○衆議院議員(佐藤観樹君) それは、平成六年二月に与野党が政治改革協議会で協議をする中で、正確に申すれば、「なお、参議院議員の選挙制度との整合性を考慮して、今後引き続き検討する。」という合意がされているわけでございます。その後、参議院においては投票方法の方式の変更というのは行われておらぬわけでございまして、ここで二つ違うことがいいかどうかという問題も今度の修正を提案させていただいた一つの理由になっておるわけでございます。
#25
○石井一二君 だから、両方が違うとおかしいという論議は原案自体がつくられたときに当然あったわけでございまして、また、現時点で何も現行の法律を改正しなくても、新たな参議院のそういったことを論議するということによって解決される道もあったわけでございますから、やや確認の意味でお聞きしたわけであります。
 それでもう一つ、平成六年一月七日、片山虎之助議員の質問に答えてあなたは、「五年間の間に」「政党としても、自助努力なり事業収入なり個人寄附なりを集めることによって頑張る中で五年後にそのあたりをトータルで見直そうこということであって、今回のような一年ちょっとたった段階で見直すことについてはむしろネガティブな発言をしておられますが、このことについて今お考えは相変わらずそういうお考えなのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。
#26
○衆議院議員(佐藤観樹君) その議事録自身を私は見ていないのでちょっとあれでございますが、いずれにしろ、先ほど瓦議員からも言われましたように、政治資金規正法上の附則九条、十条で、今後の政党の資金のあり方についてはいわばお互いの合意のもとで法律ができておるわけでございます。それは法案成立後五年たったら見直さなきゃいかぬ。ただし、そのときに個人献金等がどういう状況になっているかも勘案をしなきゃならぬ趣旨が附則九条、十条に書いてあるわけでございます。
 ですから、投票方法その他の問題は、五年以内にどうのこうのという時間的な制約というものが法律上ついている、こういうふうには理解しておりません。
#27
○石井一二君 今、その議事録を見ていないからよくわからぬと、こうおっしゃいましたけれども、議事録というのはあなたが発言されたことが活字になっているわけですよ。
 質問通告にも、佐藤観樹議員は細川内閣時代と現在と発言の内容が変わっていないか、それは考え方の変化によるものか、良心に恥ずるところはないかと、こういって通告しておるわけですからね。一応過去と変わっているところあたりはチェックしてこられるべきが私は筋だ、そういうふうに思うんですが、その点いかがですか。
#28
○衆議院議員(佐藤観樹君) 投票方法の問題については、先ほど申し上げましたように、私たちは記号式のメリットをとって提案したわけでございます。委員会の中で衆議院においても参議院においてもいろんな議論がございました。投票用紙が大きくなるんじゃないかという議論もいろいろございましたけれども、最終的には、先ほど触れましたけれども、与野党の協議会の中で、参議院の選挙制度との整合性を考慮して今後引き続き検討しようと、こういうことがついておるわけでございます。
 その後、まあ小選挙区の審議会までを言ったらいいのかどうかわかりませんが、いずれにしろ最終的には参議院の選挙制度というのは変わらなかったわけで、投票方法は変わらなかったわけでございますから、そういう事態を踏まえて今ここで修正の提案をさせていただいている、こういうことでございます。
#29
○石井一二君 私がお聞きしているのは、通告しておったけれども、(「与野党合意ができているんだよ、新生党だって賛成しているんだよ」と呼ぶ者あり)ちょっとやかましい。黙って聞いてください、今発言中ですから。
 私がお聞きしているのは、議事録を読んでいないからわからぬというようなことを言われたけれども、これはちゃんと通告していますから、議事録を読んでいないからわからぬというような内容ではないですよと。答弁者として出てこられるにはそれだけのやっぱり御準備を、きのう私通告しているわけですからね。そういった面でいかがですかという御所見をお聞きしておるわけで、やや中身の話じゃないんですが、再答弁をお願いしたいと思います。誠意が足らぬということを言っておるわけです。
#30
○衆議院議員(佐藤観樹君) 今の投票方法、議事録については自治省にちょっと見せてもらいますが、いずれにしろ、五年という問題がございますのは、政治資金規正法あるいは政党助成法の問題でございまして、投票方法に関して何か五年間変えちゃいけないなどということを議論した記憶は私はないわけでございます。
 ですから、石井委員が御指摘のことだとすれば、その五年間ということをもしそこで触れているとすれば、それは政党助成の問題あるいは政治資金規正法上の問題ではないかというふうに私は記憶をしておるわけでございます。
#31
○石井一二君 自治省にお聞きしたいんですが、必ずしも大臣代理じゃなくて結構でございますが、社会党が交付金としてもらわれる予定の金額は今年度は約六十六億九千二百九十三万円かと承っております。また、民政連の場合は六億二千五百八万円かと承っておりますが、三分の二条項の適用ということによって減額があるというように承っておりますが、具体的な数字がわかれば一応この場で御発表を願いたいと思います。
#32
○政府委員(谷合靖夫君) 御指摘のございました平成七年分の政党交付金でいわゆる三分の二条項の規定により減額された分でございますが、社会党の場合は四億五千三百二十万九千円となっております。
#33
○石井一二君 私、二つ党名言ったでしょう。民改連も言わなきゃいかぬ。
#34
○政府委員(谷合靖夫君) 失礼しました。
 それから、民主改革連合につきましては三千三百六十二万四千円でございます。
#35
○石井一二君 ただいまの数字は先般交付された金額についておっしゃっていると思うんですが、一年トータルベースになるとどうなりますか、その数字は。
#36
○政府委員(谷合靖夫君) 今年度につきましては、一月一日基準日で積算をする年トータル類と、それから七月に参議院の通常選挙がございましたので、それによって選挙時の再算定をしております。それをトータルいたしましてはじき出しました年トータルの算定額としては、日本社会党の場合は六十億七千四百八十八万七千円、民主改革連合の場合は五億三千六百七十万二千円が算定額でございます。
 それから、実際の交付額でございますか。
#37
○石井一二君 その差額を。
#38
○政府委員(谷合靖夫君) それで、この算定額について三分の二条項により減額をされた分でございますが、日本社会党の場合は四億五千三百二十万九千円、民主改革連合の場合は三千三百六十二万四千円となっております。
#39
○石井一二君 ということは、解釈のしようによっては、それだけの金額が三分の二条項が撤廃されることによってさらに多く受け取れる、そうなるということですね。
#40
○政府委員(谷合靖夫君) 三分の二条項がない場合ならば、そのとおりでございます。
#41
○石井一二君 記号式がだめだという論拠の中で、非常に不公平になる、そういう御意見があるように承っております。我々は裁判官の国民審査の場合に記号でやっておるわけですが、順序等によって不公平が生じておるかどうか、実態をどう認識しておられるか、自治省の御見解を承りたい、あるいはほかの省庁でも結構です。
#42
○政府委員(谷合靖夫君) 最高裁の国民審査は過去十六回行われておるわけでございますが、そのうち一回は審査対象が一名でありましたので、残りの十五回につきましていわば傾向的なものを調べた限りにおきましては、一番右端といいますか第一順位に置かれておる方のバツの記載数の順番ということになりますと、右から一番目の方のバツが一番多かった回数というのが八回になっておりますし、右から二番目の方のバツが一番多かった回数は五回になっておるというような形で、確かに一番右に並べられた方の方が傾向的にはバツが多いのかなという感じは受け取れますが、十五回すべてにおいてそういう形にはなっておりませんので、必ずしもすべてそうであるというような形にはなっておりません。
#43
○石井一二君 発議者の代表である瓦議員にお伺いいたしますが、この記号式による場合、ポジションとその有利不利との関係についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
#44
○衆議院議員(瓦力君) さような有利不利の問題はないと、かように考えます。
#45
○石井一二君 そうしますと、記号式をやめたらよいという理由の中に、ポジションによる有利不利ということはあなたの考えの中にはないと、そういうぐあいに理解してもいいわけですか。
#46
○衆議院議員(瓦力君) 私が趣旨説明で申し上げたことは、さようなことは申しておりませんで、国政レベルの選挙においては同じ投票方法がよかろうと。加えて、投票の方法でございますが、投票用紙に印刷される候補者等の氏名等の上に○をつける、かようなことがラインを離れたりいろいろいたすことが想定されまして混乱を招くであろうと、かようなことを申し上げておるわけでございます。
#47
○石井一二君 自治省にお伺いいたしますけれども、選挙制度に見る国際的な趨勢として自書式と記号式はどのような推移になっておるか。私の聞くところでは、フィリピンと日本ぐらいが自書式で、コンピューター時代ということもあって趨勢としては記号式に移行しておる、そのように承っておりますが、いかがでしょうか。
#48
○政府委員(谷合靖夫君) サミット参加国の投票方法について申し上げますと、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリアはそれぞれ記号式投票を採用しておりますし、フランスにつきましては、候補者側から用意をされました候補者の氏名が印刷された投票用紙を有権者が選択して封に入れる、こういう方法でおやりになっておる。それから、アメリカについては各州法で決められておりまして、いろいろまちまちのようでございますが、例えば投票機による投票であるとかパンチカードによる投票、さらに記号式投票などが行われている、このように承知をしております。
 ただ、自書式については、私どもも調査した限りでは、フィリピンがそのような形になっているという事例だけは承知しております。
#49
○石井一二君 三分の二条項があるために、各政党は前年度収入の一・五倍の収入を確保する必要があるという原点に立った場合に、政党間あるいはまた個人後援会等によるパーティーがこのごろ多くなっておるという指摘がございます。このことについて、発議者の一人であります錦織議員の御見解を承りたいと思います。
#50
○衆議院議員(錦織淳君) 皆様がパーティーを開かれている理由が三分の二条項と関連があるかどうかということは、お伺いしたこともございませんし、推測を申し上げるだけでございますが、余り直接的には関係はないのではないかというふうに思っております。
#51
○石井一二君 あなたは余り直接関係がないとおっしゃっておりますが、まあ十や二十、そういったコメントを出している雑誌や新聞はたくさんございますので、後でお届けしておきますからよく読んでいただきたい。そういう考え方もある、また世間はそう言っておると、そういう御認識で今後いろいろ問題に取り組んでいただきたい、そういう希望を申し述べさせていただきたいと思います。
 なお、次の質問でございますけれども、所属政党議員が歳費等の個人収入とかあるいは資金管理団体で集めたお金を政党に寄附して、支出制限のない組織活動費というような名目で議員がその金を受け取る。そういった場合は、領収書の要らない自由に使える金だということになる。こういった行為というものが起こり得るということが言われておるわけでございますが、こういった問題についてどのようなお考えをお持ちか。例えば伊吹議員いかがですか、御見解を。
#52
○衆議院議員(伊吹文明君) 石井議員御存じのとおり、歳費は所得税を支払うべき個人の収入でございますから、わざわざ資金管理団体に入れなくても、どこへ使うかは全く個人の自由だろうと私は思います。
 しかし、資金管理団体で集めた政治資金を政党へ入れて、そして政党から組織活動費、調査研究費という名目で議員に、議員というよりもその党に所属する人に支出をした場合には、領収書が要らずに自由に使えるというのは御指摘のとおりだろうと思います。
 ただ、御承知のように、今回の政治資金規正法の改正によって、政党の支出は五万円以上のものは政治資金規正法にのっとって当然収支報告の中に政党が記載しなければなりません。また同時に、政党の収入においてもそのことは明らかに出てまいります。
 したがって、資金管理団体からひもつきのお金を入れて、そして当該資金管理団体を管理している議員に還流をした場合には、公開されている収支報告によって当然その事実はすべて白日のもとにさらされます。それをごらんになった有権者やマスコミの人がそういうことを許すとは思いませんし、またそうなった場合には、国民が健全であれば、そういうことを繰り返している議員は当然選挙において淘汰されていくものだと私は理解しております。
#53
○石井一二君 せっかくお越しの答弁予定者の中で渡瀬議員だけまだ御発言がございませんので、渡瀬議員にお伺いをいたしたいと思います。
 この三分の二条項が撤廃されますと、単価二百五十円掛ける国民の頭数という、この単価を変えたりすることによって青天井になって政党が国家の丸抱えになってしまう、いわゆる三権分立の精神にも反しかねないというような論議があるわけであります。すなわち、政党の財政的自律性を阻害する、こういう観点から、あなたの御見解はいかがでございましょうか。
#54
○衆議院議員(渡瀬憲明君) 私は、かつて佐藤先生が自治大臣のときに実は同趣旨で質問をしたことがありました。やっぱり選挙法の改正の趣旨が、今は金がかかるから小選挙区にして金がかからないようにするんだという趣旨であったように記憶しておるものですから、それならば、この選挙法を施行してみて、そしてしばらく様子を見てからでもこの公的助成は遅くはないんじゃないかという趣旨で質問をした記憶があるわけでありますが、全くの少数意見でありまして、通りませんでした。
 それで法律は施行されました。その後、先ほど提案者から説明がありましたようにいろんな弊害も出てまいりました。それでこのように改正になったという経過を踏まえておりまして、ただいまは今提案を申し上げている趣旨で私の考えも改まっておるわけであります。
#55
○石井一二君 ちょっと私の質問に対する答えが一カ所もなかったように感じましたけれども、昔の仲間ですから、時間の関係もございますのでこの問題は一応それでおきたいと思います。
 自治省にお伺いいたしますが、実際問題として、自書式による過去の衆議院の総選挙で無効票というのがべらぼうに多いように聞いているわけですが、数字でどの程度一回の総選挙で無効票が出るのか。私の持っているデータでは、少ないときでも五十万票、多いときでは百三十万票といったような数字も持っておりますが、これがおよそ正しい数字がどうか、その辺について御示唆をいただければありがたいと思います。
#56
○政府委員(谷合靖夫君) 総選挙の無効投票につきまして、過去三回について数字を申し上げておきたいと思います。
 最近の平成五年七月の選挙における無効投票数が七十四万六百七十八票で、全体に対する割合は一・一七%でございました。それから、平成二年二月の総選挙におきましては五十万八千八百六十四票、○・七七%でございます。それから、六十一年七月、これはダブル選挙であったわけでございますが、このときの無効投票数が百二十五万五千百八十一票で二・〇三%。過去三回の無効投票の状況はこのような形になっております。
#57
○石井一二君 といたしますと、自書式による投票よりも記号式の方が無効投票の数は減るという推論はほぼ正しいと言える、そういうことですね。
#58
○政府委員(谷合靖夫君) 比較の対象となる記号式投票について私どもの経験が少ないのでございますが、ただ、例えば五つの県では条例によって記号式投票を知事選挙で採用しております。それとの比較で申し上げますと、ちょっと具体的な数字がありますけれども、例えば青森、岩手、島根、熊本、大分、これは記号式投票を知事選で採用しているところでございますが、平均の無効投票率が、平成七年では一・一八%、平成三年は一・五〇%、昭和六十二年では一・二〇%でございます。それとの比較ということが対象になるかどうかわかりませんが、いわゆる記号式投票の知事選の結果では、相当記号式投票の無効投票率は低くなっているなという感じはいたします。
#59
○石井一二君 先ほど申した裁判官の国民審査で同じ比較をした場合はどうなりますか。およその数字で結構ですよ。
#60
○政府委員(谷合靖夫君) ちょっと数値は調べておりますけれども、裁判官の無効投票についても、一部記載無効とかそういうようないろんな分類がございますが、それほど無効投票は多くなかったんではないかというふうに記憶しておりますが、数字的なものは後で申し上げたいと思います。
#61
○石井一二君 いかなる法律も、法律は改正するためにあるという言葉もございますので、我々は改正すること自体には反対をいたしておりません。施行されて二年を経過していない、また五年後にはトータルな見直し論というものもある中において、いささか残念な気がいたしております。
 特に、一回ぐらい衆議院の総選挙をやってその結果を踏まえてとか、あるいは丸一年ぐらい経過してその結果を踏まえて、それから後に修正案が出されるということの方がむしろ国民受けしたのではなかろうか、そんなように思いますが、我が会派の本会議における質問、あるいはまたこの後の討論等においてもそういった趣旨を申し述べさせていただきますので、以上をもって私の質問を終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#62
○橋本敦君 続きまして、私から質問をさせていただきます。
 私ども日本共産党としては、この政党助成法は、国民から税という名で強制的に支持しない政党にも事実上献金がなされるということで、憲法十九条に違反するという基本的な性格を持っている、そういうことを強く主張してまいりました。
 今度の参議院選挙は、御承知のように、支持なし層が極めて多いということがマスコミでも多く言われるようになったわけでございまして、その中で、今私が指摘した不合理性といいますか、違憲性の実態というのが一層明白になったのではないか、こういうように思うわけです。つまり、参議院選挙は、四四・五%という史上最低の投票率でございました。ですから、有権者の過半数を大きく超えた五五・五%にも達する棄権者の皆さんの多くが、いわゆる支持なし層と言われる皆さんというようにも解せられるわけであります。
 この問題を考えてみますと、自民党はこの選挙で全部で千百十万票、一一・四七%を取得されました。社会党は六百九十万票、七・一一%。さきがけは百五十万票で一・五〇%。新進党は千二百五十万票で一二・九三%取得された。これをパーセントで合計いたしますと、この四党で三千百九十万票の三三%でございます。
 一方、助成額がどうなるかということを見ますと、三百九億のうち自民党が百三十三億、社会党が五十六億、さきがけが八億、新進党が九十二億、こういった配分という算定が出ておりますので、合わせて二百九十五億円でございます。言ってみれば、全体の中の九八%がこれら四党に配分されるということでありますから、政党をどこも支持しないという圧倒的多数の人の意思に反してこういった状況がつくり出されるというのは、まさにこれは政党助成法の持つ重大な欠陥ではないか、それが一層あらわになったのではないか、こう考えておりますが、提案者の方ではいかがお考えでしょうか。
#63
○衆議院議員(佐藤観樹君) 今そういう計算をされましたことは、衆議院の質疑の中でもございましたけれども、今の数字は、人口と有権者数、あるいは有権者数と投票者数というもの、これについては何ら考慮のない計算だというふうに思っております。
 基本的にこの政党助成法というものは、政治活動というのはやはり一定のコスト、費用がかかるわけでございますので、民主主義のコストという意味で私たちはこれが十分妥当なものだというふうに考えているわけでございます。
 今度の選挙制度というのは、御承知のように政党本位、政策中心のものに変えていこう、その際に政党の財政的な基盤というものを強化していこうということで公的助成というものが入ったわけでございます。その意味でどうやって合理的に分けるかといえば、議員数及び各政党の支持率ということで配分をするという制度になっているわけでございまして、いわば国民の皆さん方の支持の度合いに応じてそれは配分をするということでございます。
 これによって、この基準に達しない政治活動、政党というものが許されないとか、あるいはこの配分される基準というのはあくまで外形的な基準でございまして、政党の活動の中まで入って何かするということじゃございませんから、結社の自由なり政治活動の自由というものは守られておるわけでございまして、私たちといたしましては、これは憲法違反になるということは一切考えておりません。
#64
○橋本敦君 各政党の支持に応じてというお言葉がありましたが、国民の税による支持しない政党への助成の配分という事実上の献金をどうとらえるかという問題で、やっぱり依然として重要な問題として残るんですね。
 民主主義のコストというお言葉がありましたが、民主主義のコストという点で言えば、まさに民主政治を維持するための選挙の公営あるいは国会の維持、こういったものについて国民の税の中からそれなりの支出があるのは、私は民主主義のコストとして当然だと思いますよ。しかし、政党に対する助成という、主権者たる国民から見れば事実上の献金に相当する部分がある。それまでが民主主義のコストということで政党支持の自由と関係なしにそれが出されていくという問題については、私は憲法論を軽く見てはならぬと思います。
 時間がありませんから次の問題に行きますが、三分の二条項の問題であります。
 まず、自治省に伺いますけれども、この問題について、九党が自治省に報告をした昨年度収入総額は約六百億円と承知をしておりますが、そういたしますと、三分の二条項がございますとその限度は四百億円まで、こういうことになりますが、その点ば間違いございませんか。
#65
○政府委員(谷合靖夫君) いわゆる政党助成は、一月一日の基準日において届け出をされた資格を持っておる政党について計算をされるということになっておるわけでございまして、その届け出をされた各政党の収入総額がおおむね先生御指摘のようなトータルの数字になるのかなと。今ちょっと詳しいことはわかりませんが、そういうふうに記憶しております。
#66
○橋本敦君 おっしゃるとおり、今年助成対象の九党の合計の話です。
 ですから、それがありますと、仮に国民一人当たり二百五十円じゃなくて、三百円、四百円と、こういうことで総額がふえても、前年実績の三分の二という枠がございますからそれなりに限度があるわけですね。今度はその三分の二がなくなりますということになりますと、要するに前年の収入実績に関係なしに算定上満額が受け取れるということになるのはもちろんですけれども、総額がふえればふえたに応じて、まさに算定基準どおりそれぞれの政党の自主努力とかかわりなしに助成金がもらえるということになっていくという、いわゆる青天井問題は私は重大だと思うんです。
 この問題について本会議で質問いただしましたら、例えば三原提案者は、それは杞憂である、心配ありませんという御答弁をなさいました。本当に青天井にならないという法的保障というのはどこかにあるんですか。
#67
○衆議院議員(三原朝彦君) それは政党助成法の七条にちゃんと書いてありまして、人口掛ける二百五十円というふうに書いてありますから、それでみんなでこれから先決めていく問題でありましょうけれども、我々としましては自助努力はもちろん十二分にやる、個人献金の方に向けるようにしましょうというようなことも既にいろんな附則の場面や何やかやで書いておりますので、そういうことから努力をしていく中で、まずは二百五十円掛ける一億二千万人の方々に御協力いただきたい、こういう状況でやっておるので、青天井などということは毛頭我々は起こり得ないと考えております。
#68
○橋本敦君 私の質問の趣旨は、そういうことを聞いているんじゃないんですよ。
 あなたがおっしゃるように、一人二百五十円と書いてありますよ。それで総額三百九億ということになっておる。この三百九億という総額が将来ふやされないという法的保障はありますかと聞いているんです。それはないでしょう、はっきり言って。法的保障はないでしょう。
#69
○衆議院議員(三原朝彦君) ですから、これは法律に書いてありますから、国民の皆さんがみんな認めるようになり、なおかつぞれが理解されるような状況になれば、もちろんそれはあなたのおっしゃることになる可能性もあります。
#70
○橋本敦君 そのことを聞いているんです。可能性はあるんです。その証拠に、附則六条は助成額の総額についても五年後に見直しをするというんです。この見直しは、低く見直す場合もあるとおっしゃるかもしれぬが、高く見直す場合も含んでいるわけですね。それが見直しですよ。
 だから当たり前の話で、見直しに従って七条も、今二百五十円だけれども、そのときの状況で三百円、四百円になる可能性は出てくるわけです。現に、細川内閣が提案したときは六百億円で出てきている。それからさらに四百十四億になり、三百九億になったという経過があるように、三百九億というのは絶対額でないんです。法的にも五年後の見直し制度があり、七条を改正すれば総額がふえていくということは、これは見やすい道理でしょう。
 したがって三分の二条項があれば、それをふやしても前年実績の三分の二ということで実質的な制限、歯どめはあるんだけれども、三分の二がなくなれば、七条を変えれば、見直していけば、無限とは言いませんよ、将来幾らでも総額がふえていくということにおいてまさに際限なく助成額がふやされる、そういう仕組みの法律になるではないか、こう言っているんです。首を振られていますが、そうならないという保障はどこにありますか。
#71
○衆議院議員(三原朝彦君) 三分の二は確かにございますけれども、その中でまた我々は自助努力も一生懸命やります。しかし、民主主義のコストとして、また政治にかかる政党の費用がふえていくとしますならば、三分の二は一つの確かにハードルにはなりますけれども、そのことでふえるふえないとはまた別の議論になるんじゃありませんか、それは。
#72
○橋本敦君 ハードルがなくなったらハードルの議論はなくなるんです。法的保障はなくなるんですよ。
 あなたが幾らおっしゃったって、見直していけばまさに総額がふえていくという、そのことに応じて、算定額に応じて各政党は受け取っていくんですから。三分の二のそういう実質的な制約条項がなくなっていくから、まさにそういう意味じゃ将来やり方によっては青天井方式に伸びていく。だから、国民は今度のこの改正は政党のお手盛りじゃないかという厳しい批判をしているじゃありませんか。そういう批判があることは、あなたも新聞その他を見てごらんのとおりでしょう。
 現に、この問題について、新聞で報道されておりますけれども、あなたも御存じと思いますけれども、フランスでは、八九年から政党助成制度が導入されてわずか四年で交付金が五倍に急増したというんです。イタリアではどうなったかというと、イタリアでも額を引き上げるお手盛りを続けて、そしてどんどんふえていった。ところが、汚職や資金に絡む不祥事はさっぱり減らないということで国民の批判が起こって、新聞の報道によれば、国家財政を食い物にする、そういう批判の中で、昨年、国民投票で政党助成が廃止された。まさに、これは真剣に考えるべき他国の先例の一つだと私は思うんです。
 このイタリアの例あるいはフランスの状況についてどれくらい調べておられるのか、この問題をどう受けとめておられるのか、御答弁いただけますか。
#73
○衆議院議員(伊吹文明君) 先生がおっしゃっていることは私は一面正しいと思います。しかし同時に、三分の二条項というのは国会が議決をした範囲内での歯どめにしかなりません。一番大切なのは、その一人当たり二百五十円という金額を今後我々がふやすのか減らすのかということが最大の歯どめなのであって、それは有権者に見守られている我々一人一人のむしろ見識にかかっている。それが我々のつくる法律であって、我々のつくる予算だと、そういう気構えでやっていくということじゃないでしょうか。
#74
○橋本敦君 気構えはわかりましたが、気構えどおりにいくかいかないか先の問題なんですね。私は、法的なギャランティーの問題、法律としての解釈とその保障の問題の重要性を指摘したんです。
 今おっしゃったように、一人当たり二百五十円、これをふやすことに国民が賛成しなきゃ七条の改正案は通りませんから、おっしゃるとおり国民は最後のブロックをする主権者としての力、権利があります。しかし、国会の中で国民の総意そのとおりに必ず法律が全部そうなるかというと、それはやっぱりそうでない場合もあるんです。だからそういう意味では、国民は大丈夫、二百五十円を絶対上げないよとおっしゃっても上がることはあり得るんですから、こういうような法律に変えるということに問題があるということは、依然として私は指摘せざるを得ないです。
 今の状態でいえば、国民は不景気で不況で円高で苦しんでいる。消費税率の引き上げという増税の心配もある。こういう中で政党助成法の三分の二条項を撤廃する、こんなことはやめてくれぬかと。ましてや、できればそういうことで税金を使うんじゃなくて、我々の方に、中小企業対策や震災対策に回してくれ、国民はこう願っていますよ。私はそういう立場で聞いているんですよ。
 次の問題に移りますけれども、この政党助成をやるということに関連をして、企業献金はだからなくそうじゃないかというのが基本的な話だったと思うんです。例えば、細川政権誕生のときの八党の皆さんの「連立政権樹立に関する合意事項」を見ますと、公費助成と一体ということではありますが、「企業団体献金の廃止等の抜本的政治改革関連法案を本年中に成立させる。」というお話があった。しかしながら、それはできませんでした。
 それからさらに、社会党、さきがけも加わった、細川首相の所信表明演説では、企業・団体献金については廃止の方向に踏み切るということを当時総理はおっしゃっていた。廃止の方向に踏み切る。今年一月の政治資金規正法の附則で、先ほどからも議論になっておりましたが、施行後五年を経過した場合の見直しということが出てきたわけですね。
 そこで、三分の二条項を撤廃して、政党が国民の税金からそれぞれ助成金を取るということを満額取るようにするということなら、本来のこの筋道に立ち戻って、五年後には企業献金というのはきっばり廃止するということを明確にするということが、私はこれまでの経過から見て国民に対する信義ある態度だと思うんですが、その点どうお考えでしょうか。
#75
○衆議院議員(伊吹文明君) 先ほど来先生は、三分の二を外した場合に法的な歯どめがないということをおっしゃって、法律というものを大変大切に考えていらっしゃるようですが、政治資金規正法の附則の第十条、これも法律でございますが、「この法律の施行後五年を経過した場合においては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案し、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附のあり方について見直しを行うものとする。」と書いてあります。
 したがって、先ほど来民主主義のコストというお話がございましたけれども、選挙及び政党活動の費用は何らかの形で賄われねばなりません。個人献金なのか企業献金なのか政党助成なのか。もし、そのときに個人献金のウエートが非常に上がってきて、どんどん皆さんが個人献金という形で政治に積極的に参加をしてくだすって、そして民主主義というものがそのコストを賄われて円滑に動くということであれば、企業献金はその時点で当然廃止すればいいことだと私は思います。
 しかし、企業献金そのものについては、残念ながら先生の所属しておられる政党と自由民主党は見解を異にいたしております。最高裁の判決にもございましたように、企業そのものが社会的存在であり、企業献金というものは私は必ずしも悪だとは思っておりません。
 私の極めてささやかな経験を先生に申し上げますならば、年間十二万円の企業献金をしてくだすっている企業からは、無理なことを頼まれたことは一度もございません。しかし、年間六万円の寄附をしておられる個人からは、いかがかなと思う頼み事が大変多いということは事実でございます。
#76
○橋本敦君 私は、企業献金もらったことも、六億円も六万円ももらったことはないものですからわかりませんけれども、原理原則の問題として私はやっぱり議論をしていきたいと思うんですね。
 自助努力で個人献金がふえれば企業献金をなくしていく条件が広まるとおっしゃいました。ただ、三分の二条項の撤廃は自助努力を逆に後退させるというおそれさえある問題なんですよ。だから、おっしゃるような方向に行くということになってこない、そういうものだということが一つです。
 それからもう一つは、そういった状況いかんにかかわらず企業献金は廃止に踏み切る、こういうことは今まで言われてきたんですから、そこは国民に対する関係で、国民に対して政治家の発言と責任を重んずるならば、廃止に踏み切るということを思い切ってやってもいいじゃないかと。しかし、この問題で提案者の皆さんから五年後には必ず廃止するということを言明としてまたはお考えとして聞けないことは、これは私はもうよくわかりますよ。しかし、企業献金という問題を私たちは繰り返し言いますけれども、これは諸外国の状況から見てももう本当に廃止する時期に来ていると思うんです。
 例えば西欧諸国を見ますと、大体年に十億円程度という、これは国会図書館で調べてもらった資料なんですが、一番多いドイツのキリスト教民主同盟が一九九二年度で党本部、川支部を通じて個人献金を含めて二十四億円です。それからフランスでは、企業献金は政党収入の二五%以内、こういう制限をしてふえないようにしておりますが、それでも政界の腐敗が相次いで、昨年の十二月には企業献金を廃止いたしました。ドイツでは、政党助成の改革を通じて企業献金の抑制に取り組んできておりまして、企業献金への課税を控除するという優遇措置はもう廃止するというなど、いろいろと苦労しています。アメリカでは、早くから連邦レベルでは企業献金が法律で禁止されていることは諸先生も御存じのとおりですね。
 そういうことですから、まさに政党助成ということも、あるいはまた私どもが違憲だと言っております小選挙区制ということも、国民の批判を受けて、金のかからない選挙、清潔な選挙ということが政治改革の大事な眼目としてやられてきたわけですから、その一番大事な眼目である企業献金の全面禁止、ここに向かって国会は全力を挙げてこれから努力していくべきだというその考え方はこの際はっきりと国民に示す必要がある、こう思っております。
 こういうことを申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わりますが、自治大臣代理の法務大臣にこの問題について御見解がおありでしたら一言伺わせていただきたい。
#77
○国務大臣(宮澤弘君) 企業その他の団体の寄附につきましては、先ほどもお話がございましたように、各党でいろいろな考えの違いがあろうかと思っております。
 申し上げるまでもなく、昨年の政治資金規正法の改正によりまして、現在は、政党なり政治資金団体並びに資金管理団体に対するもの以外は一切禁止をされておりますわけでございますし、それから資金管理団体に対するものは五年後に禁止をされる、それから政党なり政治資金団体に対するものは見直しをするということになっております。その時点で判断をされるべき問題であるというふうに考えております。
#78
○橋本敦君 終わります。
    ―――――――――――――
#79
○委員長(木暮山人君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 村上正邦君が委員を辞任され、その補欠として金田勝年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#80
○委員長(木暮山人君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#81
○山本保君 私は、今回の選挙で当選させていただきました山本保です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、僭越ではございますが、平成会を代表いたしまして、今回の公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法の一部を改正する法律案、両法案に対して反対の立場からの討論を行いたいと思います。
 昨年、国会においては賢明なる先輩議員のお力によりまして、何年もの論議の末、各党互いに協力し合い、国民の意見を十分に聞きながら政治の浄化を図り、政権交代の期待できる責任ある政治の実現を目指した、金のかからない政治の実現に向けた政治改革関連法が成立いたしました。今回撤廃が提案されている政党交付金の交付限度額も、その際の合意事項に従い与野党協議を継続した結果、特に自由民主党側からの主張により取り入れられたものであると承っております。
 政治改革関連法は公布後一年を経ようとしております。もちろん、政治改革といいますものはこの法律の成立によって終了したというものではなく、これからの具体的な改革はまさに進行中なのであります。政治改革関連法の成立は、私ども政治家が真に政治改革を実現してまいりますということを国民の方々に公約したものであると言ってよいと思います。
 こう考えてみますと、今回の両改正法案はまさに朝令暮改という言葉がふさわしい改悪を行おうとするものであると言わざるを得ません。両法案が与党三党の個々の利害を勘案してつくられたという報道がなされているということもさらに非常に残念なことであります。
 立法府の権威は、法律はすべて国民のために公正につくられているという信頼の上に成り立つものであることは言うまでもありません。ところが、両法案がその提案の真意においてもしも報道のとおりであるというようなことがあるならば、立法者がみずからつくった法律を守れないという問題でありますから、先ほど説明もございましたが、単なる朝令暮改にとどまらない政治としての大問題があるのではないかと思います。
 選挙と政治資金に関する法制度の改正に対しましては、国会においては以上の趣旨に沿って襟を正して行うべきことが要請されるのであります。
 以上の観点に立ちまして、以下、反対の理由を申し上げます。
 第一に、政党助成法における政党交付金交付の限度額、すなわち三分の二条項の撤廃についてであります。
 そもそも本条項は、今回廃止を提案している与党のうち自由民主党の強い御主張によって、昨年の与野党協議の結果導入されたものであると伺っております。政党助成が政党の国費への過度の依存をもたらすことは望ましくないという御主張でありましたけれども、今回この法案の審議を通じて、与党三党の提案者からは限度額撤廃に関する合理的な説明は伺えなかったと思います。
 施行一年も終わらないうちに、またその功罪を十分検討する時間もとらないうちにこれを廃止したのでは、国民に十分な納得を得られるはずもなく、政治不信をさらに助長することとなってしまいます。
 以上の理由により、政党助成法の一部を改正する法律案に反対するものであります。
 第二に、衆議院議員選挙制度の投票方式を自書式に逆戻りさせることについてであります。
 先ほども議論がございましたように、何よりも世界の投票方法は記号式がほとんどという情勢であります。それは、主権者の投票の便宜はできるだけ図るべきだという極めて常識的な判断があるからであります。民主主義を実現するには、国民の政治への参加の平等をできる限り厳格に保障することが必要なのであります。しかも、今後の投票、開票に関しては、情報技術の革新の中でより効率的、合理的な方法とすることが求められているのではないでしょうか。
 提案者側の日本社会党及び新党さきがけの方々は、政治改革関連法制定の際、現在新進党に結集しました我々とともに記号式投票の導入に積極的な御努力をなさった。これについても、今申し上げた状況を十分理解されたからであると思います。
 これに対し、自書式で行われた過去の衆議院総選挙においては、膨大な無効票が存在することは本日の質疑のとおりであります。自書式が有権者の投票の妨げになってきたことは明らかであります。あまつさえ、自書式は既成政党に有利になるという指摘もあり、これをねらったものではないかといううがった見方もされております。
 今回、与党各党が、一度の選挙も記号式で行うことなく、補充立候補者が出現した場合などの例外的な問題点を針小棒大に誇張して自書式に変えようとしていることは、民主主義における国民の真の利益を無視し、時代に逆行するものだと言わざるを得ません。
 以上の理由により、公職選挙法の一部を改正する法律案に対しても反対するものであります。
 最後に、政治改革にかかわるこうした問題は、議会制民主主義の基本にかかわるものでありますので、与野党各党の十分な合意と国民の納得を必要とするものであります。さらに、四年後には、政治改革の進捗状況を踏まえ、政党交付金の総額を含めた政治資金のあり方を問い直すこととされております。
 こうした状況の中で急遽提出された今回の国民不在の両法案に対し強く反対の意見を申し上げ、私の討論といたします。
#82
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表いたしまして、政党助成法及び公選法の改正案に対し反対の討論を行います。
 討論に先立って、私は、政党が国民の税金をみずからの懐に満額受け取る、そういうためのお手盛りの法案ではないかという国民の厳しい批判があるもとで、この重要な法案が十分な時間をかけての審議を行わないまま成立させられようとしていることに強く遺憾の意を表するものであります。
 そもそも政党助成制度は、国民にとっては支持もしない政党へまで強制的に献金をさせられる、そういった構造と実態を持つものでありまして、これは「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と定めた憲法十九条に違反する制度であると考えております。
 このことは、史上最低の四四・五%という投票率を記録いたしました七月の参議院選挙によって余すところなく一層明白になったと思います。自民党、社会党、さきがけ、新進党が得た得票数の四党合計は全有権者の三三・二%にしかならないのに、三百二億円のうち二百九十五億円がこれらの四党に配分され、全体の九八%も受けることになるという結果は、これはまさに支持する政党のない人々の膨大な税金までもがこれらの党に強制的に流されるということを意味しているのであります。
 さて、今回の改正案は、いわゆる三分の二条項を撤廃して、国政選挙の得票数と議員数を基準にした算定どおり各党が受け取れるようにするものでありますが、今年度についていえば、社会党四億五千万円、さきがけ四千万円と減額されましたが、今後は満額受け取れることになります。
 そこで、反対理由の第一は、国民が深刻な不況等に苦しめられ、その上消費税率の引き上げ等増税で苦しめられようとしているときに、こうしたことで限度枠までも外して政党だけはその取り分をふやすということは、国民から見て到底納得できないという問題であります。
 第二は、前年収入実績の三分の二条項が撤廃されるなら、政党は、現在の国民一人当たり二百五十円の助成額を将来見直しで三百円、五百円と増額する、そういったことも法的には可能であります。こうして助成総額をふやせば、政党は収入実績とかかわりなしに算定額どおりの交付金を受け取ることができるようになることであります。これはまさに仕組みとして、青天井という言葉を使いましたが、将来際限なく増大していくことが可能な仕組みをつくってしまうことになります。
 第三は、この改悪によって、政党はみずからの財政努力を怠って、公費で財政を基本的に賄ういわゆる公費丸抱え政党の出現、こういったことも理屈の上では可能になってくるわけであります。それが政党の変質や堕落あるいは自主性の欠如、そういったことにつながりかねないという批判は、これは国民から見て厳しい批判として受けとめるべきであります。
 また、記号式投票を自書式に変える、この問題については、既成大政党に有利であるという立場から自民党の要求であり、社会党、さきがけは三分の二条項撤廃の要求と引きかえにこれを認めた、こういう報道があるわけです。もしそうであるならば党利党略の取引、政治的な談合と言われても仕方がない極めて重要な問題であります。
 この際、私は、民意をゆがめる弊害を固定化して、大政党が議会で圧倒的優位を占め、国民には痛みを伴う悪政も押しつけ得る最悪の選挙制度である小選挙区制と憲法違反の政党助成法は廃止を目指す、さらには厳しく指摘をいたしました企業・団体献金の禁止こそ、まさに国民の求める真の政治改革であることを強く指摘いたしまして、討論を終わります。
#83
○委員長(木暮山人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次両案の採決に入ります。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#84
○委員長(木暮山人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、政党助成法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(木暮山人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(木暮山人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#87
○委員長(木暮山人君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 選挙制度に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(木暮山人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(木暮山人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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