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1995/11/01 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 環境特別委員会 第2号
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1995/11/01 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 環境特別委員会 第2号

#1
第134回国会 環境特別委員会 第2号
平成七年十一月一日(水曜日)
   午前十一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二日
    辞任         補欠選任
     上山 和人君     朝日 俊弘君
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     中尾 則幸君     末広真樹子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大渕 絹子君
    理 事
                河本 英典君
                野村 五男君
                釘宮  磐君
                竹村 泰子君
    委 員
                石川  弘君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 泰三君
                長峯  基君
                西田 吉宏君
                野間  赳君
                馳   浩君
                足立 良平君
                畑   恵君
                広中和歌子君
                和田 洋子君
                朝日 俊弘君
                矢田部 理君
                有働 正治君
                末広真樹子君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  大島 理森君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        田中 健次君
       環境庁企画調整
       局長       大西 孝夫君
       環境庁企画調整
       局長       野村  瞭君
       環境庁自然保護
       局長       澤村  宏君
       環境庁大気保全
       局長       大澤  進君
       環境庁水質保全
       局長       嶌田 道夫君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林 五津夫君
   説明員
       警察庁生活安全
       局生活環境課長  吉川 幸夫君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部地球規模
       問題課長     吉川 元康君
       外務省経済局海
       洋課長      高田 稔久君
       文化庁文化財保
       護部記念物課長  水野  豊君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   木下 正明君
       林野長業務部経
       営企画課長    前田 直登君
       通商産業省産業
       政策局商放課商
       務室長      松尾 隆之君
       通商産業勝環境
       立地局保安課長  成田 公明君
       通商産業省基礎
       産業局化学品安
       全課長      福水 健文君
       通商産業省基礎
       産業局化学品安
       全課オゾン層保
       護対策室長    上田  孝君
       建設省道路局有
       料道路課長    竹歳  誠君
       建設省道路局有
       料道路課長    佐藤 信秋君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (水俣病問題に関する件)
 (生物多様性国家戦略に関する件)
 (環境アセスメントに関する件)
 (オゾン層保護対策に関する件)
 (産業廃棄物処理対策に関する件)
 (海洋環境保全対策に関する件)
 (世界遺産自神山地の保全対策に関する件)
 (愛知万博と環境保全に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大渕絹子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十四日、中尾則幸君が委員を辞任され、その補欠として末広真樹子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大渕絹子君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。野村五男君。
#4
○野村五男君 御報告いたします。
 去る八月三十日から九月一日までの三日間、公害及び環境保全対策に関する実情調査のため、大渕委員長、山下理事、竹村理事、野間委員、有働委員、それに私、野村の六名で秋田県及び青森県を訪れ、両県にまたがる白神山地世界遺産地域の保護管理状況を中心に調査を行ってまいりました。
 初めに、調査日程の概略を御説明いたします。
 第保一日目は、秋田県庁において概況説明を聴取した後、八郎湖及び五城目町の秋田県環境と文化のむらを視察いたしました。
 第二日目は、自神山地世界遺産地域の保護管理状況について、秋田県藤里可及び青森県西目屋村において関係行政機関から説明を聴取するとともに、同遺産地域及び世界遺産センター建設予定地を視察いたしました。
 第三日目は、十和田湖畔において国立公園・十和田八甲田地域の管理状況等について説明を聴取した後、同地域を視察いたしました。次いで、青森県庁において概況説明を聴取いたしまして調査の全日程を終えました。
 以下、視察先を中心として、調査の概要を御報告いたします。
 まず、八郎湖の水質汚濁対策についてであります。
 国営八郎潟干拓事業により、防潮水門によって閉鎖化、淡水化された八郎湖は、富栄養化が進行し、アオコが発生するなど水質の悪化が大きな問題となっております。その汚濁要因は、生活排水はもとより農業排水等からの影響が極めて大きいことが特徴であります。
 このため秋田県では、水質汚濁機構解明調査を実施するとともに、八郎湖技術検討委員会を設置して水質浄化対策を検討してきておりますが、水質を改善するためには膨大な行政投資と複雑な汚濁機構を勘案した抜本的な対策が必要であるとして、国に対して窒素、燐等の汚濁物質除去技術の研究開発への取り組みを要望しております。
 この八郎湖の水質汚濁対策に関して、派遣委員からは、水質汚濁による影響、湖水における水位調整の仕組み、排水機能の能力等の問題のほか、導水等の対策の実施可能性などについて熱心に質問が行われました。
 次に、秋田県環境と文化のむらについてであります。
 環境庁の補助を受けて五城目町の里山に整備された本施設は、環境と文化のむらとしては全国で四番目、東北地方では最初のものであり、ことし六月にオープンしたばかりであります。主な施設としては、自然ふれあいセンターや野鳥の森等の自然ふれあい施設のほか、地元の古代遺跡の出土品等を展示する文化の館があり、自然の仕組みを理解しながら古代の人々の生活、文化にも触れることができるようになっております。
 施設の管理運営は条例に基づき秋田県が行っておりますが、運営については地元町、自然保護団体、ボランティア及び地元関係団体の参画を得て行っているとのことであります。
 次に、自神山地世界遺産地域の保護管理状況についてであります。
 青森県と秋田県にまたがる約十三万ヘクタールの広大な白神山地は、我が国有数のブナの天然林を主体とする地域で、イヌワシやクマゲラ等の希少鳥類の生息を初め多様な生態系を有しておりますが、このうち人為的な影響をほとんど受けてこなかった世界最大級の原生的なブナ林が分布する一万六千九百七十一ヘクタールの区域が、平成五年十二月、世界遺産条約に基づき世界遺産一覧表に自然遺産として登録されました。
 この遺産地域は、自然環境保全地域や森林生態系保護地域等複数の制度による指定地域が重複し、管理体制が複数であることから、ユネスコの世界遺産委員会から統合された管理計画を策定するよう勧告を受けており、現在、環境庁、林野庁、文化庁の三庁により自神山地世界遺産地域管理計画の策定作業が進められております。
 遺産地域の保護管理に関する地元県の取り組みとしては、青森県が平成六年三月に白神山地保全・利用基本計画を策定しており、また、秋田県では白神山地世界遺産周辺地域保全・活用計画の策定作業が進められております。
 この遺産地域の保護管理に関して、派遣委員からは、入山者の増加など世界遺産に登録されたことによる影響、遺産地域の巡視体制、関係行政機関の連絡調整状況、世界遺産センターの果たす機能などについて熱心に質問が行われるとともに、遺産周辺地域のブナ林の保護にも積極的に取り組むこと、遺産地域の保全活用に当たっては地元の自然保護団体や専門家など幅広い層からの意見を聞くこと、入山規制問題では話し合いの場を設け円満な解決を図ることなどの要望も申し述べられております。
 今回は、日程の都合上核心地域まで行くことはできませんでしたが、実際に遺産地域内に入り、うっそうと生い茂るブナ林の中をめぐる中で、白神山地の世界遺産としての価値を感じ取ることができました。
 なお、今年度から環境庁により世界遺産センターがまず青森県側に整備されますが、同センターの整備に関しての要望が秋田、青森両県から出されております。
 次に、十和田八幡平国立公園・十和田八甲田地域の管理状況等についてであります。
 十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田連峰から構成される本公園地域は、標高九百メートル付近まではブナを主体とする落葉広葉樹林が広がるなど、豊かな植生に恵まれ、クマゲラ等の鳥類など数多くの野生生物が生息しております。公園利用については、十和田湖を中心に利用者が多く、年間三百万人に上っております。
 この公園地域の現地管理に当たるのは環境庁の東北地区国立公園・野生生物事務所でありますが、実員約十名の同事務所では、十和田八幡平国立公園とともに陸中海岸国立公園も管轄し、あわせて青森、秋田、岩手立宮城の四県における野生生物業務を担当しているほか、白神山地世界遺産地域の保護管理等の任にも当たっております。
 なお、今回視察いたしました十和田湖については、観光客の増加、観光施設の増設等により水質が悪化してきているため、青森、秋田両県が共同で十和田湖特定環境保全公共下水道の整備を進めております。
 調査概要報告の最後として、秋田、青森両県の環境行政にかかわる課題等について申し述べたいと思います。
 今回訪れた両県は、他の都道府県同様さまざまな環境上の課題を抱えておりますが、いずれも自神山地に代表されるようにすぐれた自然環境に恵まれたところであります。このため両県とも、この恵まれた環境を将来の世代に継承していくことが重要である旨を強調しており、その取り組みに期待いたしたいと思います。同時に、視察先の地元町村からは、自然環境保全と地域活性化との両立に苦心しているとの率直な声も聞かれ、当委員会にとっても一つの大きな課題が投げかけられたと認識した次第であります。
 以上が今回の調査の概要でありますが、既に一部その内容を御紹介いたしましたように、秋田、青森両県からそれぞれ要望書が提出されております。また、白神山地の地元市民団体からも要望書をいただいておりますので、これらの要望書を本日の会議録の末尾に掲載していただきたく、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
 最後になりましたが、今回の調査に御協力いただいた秋田、青森の両県並びに関係各位に御礼を申し上げ、報告を終わります。
#5
○委員長(大渕絹子君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの野村君の御報告にございました秋田県、青森県等からの要望書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(大渕絹子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(大渕絹子君) 次に、公害及び環境保全対策樹立に関する調査につきまして質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○釘宮磐君 平成会の釘宮磐でございます。当面する諸課題につきまして数点お伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、水俣病問題についてお伺いをいたします。
 去る十月二十八日に水俣病被害者・弁護団全国連絡会議が政府・与党が示した最終解決案の受け入れを決定、三十日には正式に回答を行いました。これで主要五団体が受け入れを決めたことになります。これを受けて政府は全面最終決着へ向けた政府内調整作業に入ることになるわけですが、今回の解決案について環境庁長官としてどのように評価をされておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。
#9
○国務大臣(大島理森君) 私もこの最終案づくりに経過の中でかかわった一人でございますから、どう評価するかというとなかなかこれはあれでございますが、まず第一に、釘宮議員も御承知かと思いますけれども、経過を若干申し上げながら所感を申し述べてみたいと思っております。
 私が八月八日に長官を拝命したときに、総理から、特に水俣の問題については全力を尽くせという御下知をいただきました。その前の六月二十一日に与党三党が、この問題をいわば政治のステージで解決しなければならぬ、こういうことでまず大きな枠組みをつくっていただきました。私はそれを憲法だと、このように称してまいったわけであります。
 それを受けて私どもは調整案をつくらせていただいた。調整案に、さらに各団体の皆様方、与党の皆様方、そしてまた地元の皆様方に御議論いただいて、素案を九月二十八日に出して、それを受けて三党で最終的に決めていただいたという意味では、まさに戦後の経済社会の処理であるという総理の強い決意、政府・与党の重要課題である、そういう認識のもとでいろいろな議論をいたしながらつくったものであるというふうな意味で、私どもは今はそのことを誠実に実行していくことが必要だな、こう思っております。
 その問いろいろな御意見をちょうだいしたことに感謝を申し上げますが、この後はそういう決意でやっていかなきゃいかぬな、こう思っております。
#10
○釘宮磐君 水俣病が公式に発見されたのが一九五六年、四十年が経過したことになるわけです。その間、公健法上で認定された人々だけについて見ても多くの方が亡くなっておられます。平成五年度までの認定者数二千九百四十六人に対して平成六年三月に生存する者千五百三十二名、実に約半数の方が既に亡くなっています。
 訴訟原告についても同様のことが言えます。今回、鹿児島県の原告団の女性が、みんなで集まって話をしたがこれ以上闘っていく元気はない、政府案を受け入れたいと総会で発言をしたという新聞談話に象徴されるように苦渋の選択であったと言えると思います。政府は、これら原告の皆さんの痛みを率直に受けとめ、真摯な対応を行うよう強く要望いたしたいと思います。
 今、長官から、政治主導で今回の解決案をつくったというようなお話をされました。私は、水俣病問題がここまで長引いたことに対しては政治の責任が非常に大きいというふうに思いますし、また問われてくるというふうに思うんです。
 ことしの七月の参議院選挙のときに、村山総理が水俣問題に関して、もう少し企業も行政も手を打っていけば、これだけ被害を拡大せず、繰り返すこともなかった、このように発言をしましたが、その直後に環境庁の幹部が、政府に法的な責任はないとすかさず首相発言を取り消したとの報道がありました。
 また、去る二十九日の朝刊に水俣病訴訟弁護団長の千場茂勝氏の談話が次のように載っております。水俣病問題の解決を終始阻んできたのは、行政に誤りはないと信じ込んでいる官僚たちだったと。この方は建設官僚だったそうでありますが、自分が役人のときは気がつかなかったが、水俣病を通じて、政治家よりも官僚の力が強いことをまざまざと感じたと述べておられます。
 長官、私は、水俣病問題はまさに五五年体制による政治体質が生んだ官主導、政治の無力が引き起こした戦後政治の象徴ではなかったか、このように思うわけであります。政治の責任を痛感するわけでありますが、この点どのようにお感じになりますか。
#11
○国務大臣(大島理森君) 来年の五月を受けて公式認定四十年という節目の年でございます。その歴史の中で、その時々においていろいろな御意見あるいは御批判等々もあったかと思いますが、また一方では、何とか解決をしなければならない、その努力の歴史でもあったと私は思います。その当時その時々においてそれぞれの方々がいろいろ努力された、歴代の環境庁長官も努力された。
 私はそういう歴史を見ながら、ただ一つ言えることは、そういう努力をしていただきながらもここまで解決ができずにいたこともまた事実である。したがって、そのことに対して、先般水俣にお邪魔しましたときに率直に反省をしなければならないという言葉を使わさせていただきました。
 今後私どもは、まさに先般全国連の皆様方が受諾をしていただいたことによって大きな進展だとは思いますが、まだまだこれを乗り越えなければならない問題がございます。チッソに対する支援策あるいはその他たくさんございます。それらを全力を挙げて努力し、まさに政府・与党で今最終的解決案の中に盛り込まれております全面的最終的解決に向けてそれを成就することがその責任を果たすことだ、このように私は思っております。
#12
○釘宮磐君 今回の最終決着へ向けての動きは、少なくとも政治主導で行われたと私は理解をしております。五五年体制の崩壊が今回の結論を生んだと言っても言い過ぎではないと思います。今後の課題解決に向けても政治のリーダーシップが強く求められると思います。ぜひ頑張っていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
 次に、この解決案の中で、「国及び熊本県は、」「遺憾の意など何らかの責任ある態度を表明する。」と、このようにありますが、だれがいつどのような責任ある態度を表明するのか、お伺いいたしたいと思います。
#13
○政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。
 今、大臣からも申し上げましたように、この先私ども、なおチッソ支援策なり地域の再生・振興策なりいろいろまだ課題があるわけでありますが、そういうものとあわせまして、三党合意にも示されております遺憾の意など責任ある態度の表明をどうするかというのがやはり大きな課題でございます。
 これにつきましては、今言いましたいろいろな課題を関係方面となおこれから調整していく過程になりますが、それを終えた段階で水俣病に関する関係閣僚会議の開催をお願いすることになりますが、その遺憾の意の内容、だれが行うかといったこともその閣僚会議の場でいろいろ御検討いただくということになろうかと考えております。
#14
○釘宮磐君 今の時点で答弁を求めるというのは非常に難しいというふうに思いますが、私はここでぜひ長官にお願いをしたいんです。これ以上メンツにこだわることなく、やはり誠心誠意、患者の皆さんの胸に落ちるような態度表明をぜひお願いしたいというふうに思います。
 次に、一時金についてお伺いをしたいと思います。
 まず、一時金の対象者を、現に総合対策医療事業の特別医療を受けている人と申請受け付け再開後の総合対策医療事業において熊本県知事または鹿児島県知事が判定検討会の意見を聞いて一時金の対象とされた人、このようになっております。
 そこで、認定行政から取り残され、にせ患者呼ばわりされた未認定患者に対して一時金を支払うということが今回救済対象者に行われるわけですけれども、この場合救済対象者を水俣病被害者として認めることになるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
#15
○国務大臣(大島理森君) 今回の一時金の性格につきましては、汚染者負担の原則にのっとりまして、この問題が生ずる原因となったメチル水銀の排出をした者としての社会的責務を認識して企業が支払うというふうに最終解決案にはなっております。
 また、私は水俣市に伺いまして、いわゆるにせ患者と言われるものではない、このようにも申し上げました。
 先生も御承知かと思いますが、この歴史の中で一つの法律もまた生まれて、そういう歴史がこういうふうな決着をさせていただいたわけでありますが、私どもはこの性格につきましては先ほど申し上げたような形で支払われるものと、このように思っております。
#16
○釘宮磐君 これはいわゆる水俣地域での差別問題というような問題にまでなっておるわけでありまして、この点いわゆる患者に対する我々の立場から言わせていただければ、こういう患者さんの心の痛みというものを感じたときに、認定そのものが従来の差別を解消していくということにつながっていくような、そういう結論をぜひ出していただきたいなというふうに思うわけです。
 次に、未認定の方、この人たちが約一万人近くおられるわけですけれども、今回いわゆる判定検討会の意見を聞いて熊本、鹿児島両県知事が対象と認定をする人がこのうちどれぐらいおられるというふうに予測しておられるのか。
 また、その対象から外れた人はさらに裁判が延々と継続されると思います。これでは最終的全面的な解決は望めないということにもなるわけでありますが、これらの人についての対策を政府として何か考えておられるのか。この二点について。
#17
○政府委員(野村瞭君) お答えを申し上げます。
 まず、救済の対象となるかどうか、その数がどのくらいかということでございますけれども、御指摘のように関係県に置かれている判定検討会で御判断をいただくということでもございますし、また全く新規に申請をされる方もおりまして、具体的にどれだけ申請があるかも不明確ということ等の理由によりまして、救済の対象者数を現時点で申し上げるということは困難でございますので、その点について御理解をいただきたいと存じます。
 また次に、一時金の対象者から外れた方々に対してどういう対策をとられるかということについてでございますが、今回の三党合意におきましては、国、県が取り組むべき検討課題といたしまして、対象に該当しないと判断された者の中で一定の要件を満たす方々に対する保健福祉対策も記述されておりまして、私どもといたしましても、この問題も含めまして三党合意に基づき誠実に実行していきたいと考えておるところでございます。
#18
○釘宮磐君 次に、一時金の額でありますけれども、これを二百六十万円とした根拠というのは何かあるんですか。
#19
○国務大臣(大島理森君) この長い間の歴史、またそれぞれの皆様方の主張、そしてまたいろいろな法廷での議論、そういうふうなものを勘案して決めたものと、このように思っております。
#20
○釘宮磐君 微妙な時期なので、私はこれ以上は申し上げません。
 次に、原因企業が一時金を支給する根拠についてお伺いをしたいと思います。
 これは見舞金なのか、それとも解決金なのか、あるいは損害賠償金のいずれなのでありましょうか。
 それから、解決案では、原因企業がみずから排出したメチル水銀が水俣病を引き起こしたことの責任を重く受けとめ、社会的責務として支払うと規定をしております。これは、原因はある、しかし結果に責任はないということなんでしょうか。その辺について明らかにしてください。
#21
○国務大臣(大島理森君) 今、先生がお読みになったそこのところがまさにそのとおりでございまして、それ以上でもなければそれ以下でもない。
 改めて申し上げますと、「汚染者負担の原則にのっとり本問題が生ずる原因となったメチル水銀の排出をした者としての社会的責務を認識してこ企業は支払う、このように御理解いただきたいと思います。
#22
○釘宮磐君 ちょっとよくわからないんですけれども、今後の交渉の推移を見守っていきたいと思います。
 次に、各団体への加算金についてお伺いをします。
 解決案にはそれぞれ、全国連三十八億、患者連合七億等々、各団体に対しての団体加算金について明示がされております。そこで、まず一つお伺いしたいのは、団体加算金について五団体に限定した理由を聞かせてください。
#23
○国務大臣(大島理森君) 釘宮先生もお隣の県のことでございますからこの長い歴史をよく御存じだと思いますが、この問題を振り返って私も勉強をさせていただきました。そして、先ほど委員からも御質問の経過の中でお話がございましたように、まさに一たん認定作業が終えた後の大変な大きな問題が起こり、そしてその後にそれぞれの団体がいろいろな思いを持ちながら今日までの長いいわば運動をしてこられた。その運動の形態、あるいはそこにお集まりになっておられる皆様方の数、さらにいろいろな活動の状況、こういうふうなものをそれぞれ勘案してこのように決定をした、このように理解しております。
#24
○釘宮磐君 それでは次に移ります。
 団体加算金は各人への配分を規定しております。患者連合など幾つかの団体は救済から漏れた人への配分を検討している。しかし救済漏れの人数が不確定というようなことを新聞報道等では書かれておりますが、算出の根拠、これについて聞かせてください。
#25
○国務大臣(大島理森君) 先ほどの答弁と同じでございますけれども、例えばそれぞれの団体には、法廷の場において自分の主張を通そうとする方々、あるいは自主的に交渉して自分たちの主張を理解してもらおうとする努力をされてきた皆様方、あるいはまた違った形で、東京においでになったりあるいはまたいろいろな活動をしてこられた皆様方、それぞれの団体の皆様方にはそれぞれの手法やらあるいは人数のあり方やら、そういうものが違います。そういうものを総合的に判断して決めた額であり、また対象である、このように御理解いただきたいと思います。
#26
○釘宮磐君 どうもよく私は理解ができません。
 この問題について今後私どもも詰めていきたいと思いますが、ここで一つ問題点として残るのが、一時金を受け取ることは国やチッソに対する訴訟を取り消すということを前提としております。例えば団体加入の一部原告が訴訟を継続した場合、いわゆる対象からも外されたということによって私はこれからさらに訴訟を続けるんだというふうになった場合に、その団体の加算金というのはこれは認められるのかどうか。
#27
○国務大臣(大島理森君) この案は全面的最終的解決案です、そしてそのためにはこれこれこれこれでございますと、そういうことを御理解いただいた上で受諾していただいたわけでありますから、私どもはそれを御理解いただいた上でそのように運営していただけるものと思っております。
#28
○釘宮磐君 ということは、団体の中から訴訟を継続するという人が出た場合には団体加算金というのは認めないということですか。
#29
○国務大臣(大島理森君) 何回も同じことを申し上げますが、私どもこの案は、いわば最終的全面的解決をしたいんだ、するためにはこれこれしかじかの内容でございますと、こういうことをお示しして、それぞれの団体が非常に苦しい議論あるいはまた大変な議論をした上で御理解をいただいたものと、このように思っております。
#30
○釘宮磐君 それじゃ、もう時間がありませんので急ぎますが、チッソ支援に関してお伺いをしたいと思います。
 水俣病の最終解決のためには原因企業の新たな負担が問題となります。その支援策をどうするか。国が原因企業に対する支援を実施するとした場合、その根拠が問題となるのは、PPP原則をどう乗り越えるかということでもあります。チッソに対する支援策、具体的にここで御開示できる範囲で教えてください。
#31
○政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。
 チッソの支援策につきましては、三党合意の中で「国及び県はこ「一時金の支払いが確実に遂行されるよう、チッソ支援策について適切な施策を講じる。」とされておるところでありまして、私どもこの趣旨を踏まえまして現在具体的な案の煮詰め作業を一生懸命やっているところでございまして、今後関係者との相談も行って対応していきたいと思っておりますが、現時点ではまだ具体的にどういう方法というところまで申し上げ得る状況にはございませんので、御理解を賜りたいと思います。
#32
○釘宮磐君 チッソの累積債務が一千五百億円ですか、それから水俣病関連の支払いが年間約百億、経常利益は十億から三十億ぐらいということでありますから、これは実質的にはチッソがこれから独自でやるということは、これはもう不可能であると思います。
 私は、今回のこのチッソ支援の問題を考えるときに、国はチッソに対して事実上肩がわりをすることになりはしないのか、そうなりますと汚染者負担の原則が事実上崩れてしまいはしないのか、その結果他の公害問題に波及する可能性もあるんではないか、このように危惧をするのでありますが、その辺はどのように考えておられるのか。
#33
○政府委員(大西孝夫君) まず、今回の解決案に基づきます一時金支払いが確実に遂行されるように適切な支援策を講じたいということで現在鋭意作業を行っているところでございますが、いずれにしましても、今回の支援策もPPPの原則を踏まえたものでなければならないということを私ども肝に銘じておるところございます。
 そこで、今お話しのように、確かにチッソが非常に大きな累積損失を抱えておる状況の中で今後の経営が大丈夫かという御懸念をいただくのも無理からぬところでございますが、私ども一つの明るい材料としては、チッソが平成四年度経常利益十五億円を底に、今少しずつ回復基調になっているという点が一つありがたい方向であると思っております。同時に企業自身も、実は昨年九月、中長期的な支援策を取りまとめた際、企業としても一層の努力をしていくということで、企業経営の安定化に今御努力をいただいているところでございますが、私どもも、先ほど先生が御指摘のような懸念が今後生じないように常に気を配って見守りつつ、適切な支援をしていかなきゃならぬと思っております。
 しかしその場合も、基本的にはあくまでPPPを踏まえてということでありまして、その原則を維持しながら、企業が患者補償の支払い等、債務を着実に支払いながら成り立っていけるような状況を、会社としても鋭意努力していただく必要がありますが、私どもとしましてもそういう支援を適切に行っていって御懸念のような事態にならないように努力をしてまいりたいと思っています。
#34
○釘宮磐君 最後に、水俣病問題の中ではいわゆる地域振興策ということがこれから非常に大事になってこようと思うんです。この点については先ほど長官からも力強いお言葉をいただきましたが、これから予算折衝等が行われるんですけれども、どうも大蔵省はこれに対して厳しい対応をなさっておる。
 私は、ここまでやっぱり患者団体の皆さんが苦渋の選択をしてまでもこの問題についてテーブルに着いたわけですから、この点については何とか環境庁頑張っていただいて、長官にぜひ頑張っていただきたい、これは要望をしておきたいと思います。
 それから、最後に環境基本計画について質問をしたいと思うんですが、二十一世紀半ばを展望して同初頭までの施策の方向を示したのが環境基本計画ですが、これは環境基本法の持続可能な開発を目指し環境保全の視点から経済発展を制御していこうという理念実現のため政府がつくる最も重要な手段がこの環境基本計画であると思います。環境問題は、行政や企業とともに私たち国民も大切な担い手です。次代への責任を果たすためにも、さらに実効ある基本計画にしていく必要があります。
 そこでまず、同計画には数値目標が盛られていないとの指摘があります。同計画の第五節にも見直し規定を設けて、「五年後程度を目途」としていますが、環境基準の達成時期、汚染物質の削減量など数値目標がないと見直し自体も客観的な目標がなく、逃げ道を残すことになりかねません。数値目標の設定にどのように取り組んでおられるのか、この点をお伺いします。
#35
○政府委員(大西孝夫君) 環境基本計画におきましては、個別の課題に係ります数量的目標について、環境基本計画の基本的な方向に沿って必要に応じて見直し、必要な分野については新たに具体的な目標を設定するというふうにまず明定されております。
 これを踏まえまして、本年六月、とりあえずでございますが、私どもは新たに十一の数値目標を定めた国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取り組みの率先実行計画、いわゆる率先実行計画というふうに言っておりますが、を閣議決定いたしまして、まず国が率先してやっていこうということでそれぞれの分野の取り組みを進めておりますが、これに関連した数値目標を定めたところでございます。
 それから、長期目標として循環、共生、参加、国際的取り組みという四つの目標が示されておりますが、その達成状況や目標とそれから施策との関係といったものをやはり具体的に示す物差しがあくまで必要なわけでございまして、これにつきましては私どもは既に関係省庁一体となった検討に着手いたしております。
 それから、専門家にお願いして総合的環境指標検討会もつくることといたしまして、実は明日その第一回の会合を開かせていただくことにしておりますが、私ども着実に今取り組んでおるつもりでおります。
#36
○釘宮磐君 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますが、いずれにしましても環境問題というのは今もう地球的規模で問われている問題であります。それゆえに環境庁のこれからの取り組みというのは極めて大事になるわけでありますが、受け身で対応するんではなくて、環境行政のかなめの官庁として主導的な立場をとっていただいて、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
#37
○畑恵君 平成会の畑でございます。まず冒頭に、新人にもかかわりませず早速に質疑の機会をいただきましたことを、諸先輩、先生方、そして環境庁長官、そして政府関係者の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、どうぞ今後とも御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
 まず、昨日関係閣僚会議で決定されました生物多様性国家戦略について伺いたいと思います。
 全文で百十七ページということでございまして、大変おまとめになるのに御努力ありましたこと、まず敬服いたしておりますけれども、ただいまの釘宮委員の方からも環境基本計画の中に具体的な数値目標、そういうものを欠いているという御指摘がありましたけれども、こちらの百十七ページ全部読ませていただきましたが、残念ながらこちらにも同じような感を否めませんでした。
 やはり生物多様性国家戦略ということでございますので、通常、経済戦略にしましても外交戦略にしましても、戦略と名がつく場合には、まず現状分析がなされて、そしてそれに基づいた評価がなされて、ついては、ではそれを解決していくに当たって具体的に処方せんというか戦略が示されると。ただ、こちらの方には一番最初の状況分析というもの自体が余りございませんで、まずそれにやや失望をいたしました。
 この流れでこれを拝見いたしますと、現状どおりの、これまでどおりの従来の土地利用ですとか制度ですとか管理方法で国家戦略はよしとされているのかなというふうにも読み取れる部分がございました。
 もちろん長官御存じだと思いますけれども、今、日本で百十種の動物と百四十七種の植物が絶滅の危機に瀕しております。果たして今回のこの生物多様性国家戦略で日本列島のそうした動植物が救えるというふうにお考えかどうか、御所見を伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(大島理森君) 畑先生には早速にその分厚い本をお読みいただいて、心から感謝を申し上げます。
 今、質問の結論として二百五十種類の絶滅危倶種を救えるか、こういう御質問でございますが、残念なのは、トキがこれはなかなか難しい状況に今あります。それ以外のものは私は守り切れると思っております。
 戦略、ストラテジーと、こう言われるんで畑先生もその辺はお詳しいと思いますが、戦略というのは守らなければならないいわば目的というものをまずきちっと置く、そしてそれに基づいて基本的にどのようにそれを守るかというものが戦略、さらにそれを具体的にするのが戦術であろう、私はこのように思います。
 したがって、今回初めてこの国家戦略をつくりました。いろいろな御意見をちょうだいしながらつくりましたが、私どもはこの基本的な方向をここで決めたわけでございますので、それをまず第一に環境庁として今持っている法律を最大限に生かす、各省庁においてもきちっと理解をしていただく、そういうふうなことを努力させていく。まさにそれが調整だろうと思いますが、そういう中で努力をしていかなければなりませんし、私どもが直接かかわる種の保存法に基づく各種の施策の推進をしっかりとやりながら効果的な活用を図っていかなければならない、このように思っております。
 加えまして、これに一番大事なことは、今二百五十ということを先生がお話しされましたが、それだけではない、いろんな多様な動植物を私どもは知見をしていくことがまず大事なんだろうと思います。ですから、知見、そしてそのためのまず調査をきちっとやっていく、それからデータを管理する、そしてさらにそれをどう具現化していくかというそういうふうな段階もまた必要であろう、こう思っておりますので、今後とも御理解と御協力をいただきたい、このように思っております。
#39
○畑恵君 今、環境庁長官からトキ以外は全部守れるという非常に力強いお言葉をいただきましたので、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思うんですが、この国家戦略についてのお言葉の中に現在の法律を最大限生かしながらというお言葉がありましたけれども、私のこれは私見でございますが、最大限生かしても無理ではないかというところも多々あると私は思っております。
 やはり今まで開発を主な目的としてきました森林法ですとか河川法ですとか、あとリゾート法ですとか、そうした法改正というのは、私はどう考えてもこれはある程度行わない限りは救えないのではないかと思うんですけれども、この部分についてお尋ねいたします。
#40
○政府委員(澤村宏君) この国家戦略におきましては、まず生物多様性の保全とその持続可能な利用という新しい考え方を政府の各種関連施策の中に組み込みまして、それぞれの施策の分野ごとの基本的な考え方を示すことを通じまして各種施策の内容に反映させていく、そういう仕組みになっているわけでございます。
 ただいま御指摘がございました既存の法制度の見直しを行うかどうかということについてでございますが、この国家戦略に示されました目標の達成に向けてそれぞれの主管省庁が施策を実施していくこととなっているわけでございます。また、この国家戦略の取りまとめを行いました関係省庁連絡会議におきまして毎年実施状況の点検を行うということも考えているわけでございます。そうした各種取り組みが進められていく中で、そうした法の問題につきましてもその必要性の有無も含めまして検討が進められていく、そういう問題であるというふうに考えております。
#41
○畑恵君 やはりなかなか点検そして検討というその次の段階をおっしゃっていただけないのが多少心残りではございますけれども、法改正まで至らないとしましても、先ほどの数値目標を定めるとか、あと保護区の問題につきましても、先ほど環境庁長官の方から種の保存法のお話がございましたが、この保存法の中でも、主要な生息・生育地を指定するよう努め、種の絶滅のおそれの回避に取り組むというだけで、じゃ実際にどうするのかという具体的な部分というのがなかなか示されていない。
 例えばイギリスでしたらば、保護区につきまして二〇〇四年までに特別保護区の指定を完了するというようなそういう具体的な項目がきちんと条文に載るわけですけれども、数値目標ですとか保護区についてもう少し具体的な案を盛り込めなかったものなんでしょうか。
#42
○政府委員(澤村宏君) ただいま先生御指摘がありましたように、この国家戦略の中に保護地域の指定の促進と、そういうことがはっきりとうたわれております。私どもこの方向に従いまして各種保護地域の指定に向けまして努力をしてまいります。
 なお、この報告書の中にもいろいろ書かれてありますように、我が国におきましてはいろんな形で保護区等が設定されているということも御理解いただけると思います。
 現実の保護区の設定との絡みでございますが、保護地域の指定のためには、まず地方自治体あるいは土地の所有者あるいは利害関係者等、いろんな方の同意が必要になってくるわけでございます。私どもの今までの経験からしましても、調整には物によりまして大変長い期間を要するというようなことがあります。したがいまして、今回の国家戦略の中では具体的な数値を示すということについてなかなか困難だった、そういう状況があったということにつきましてはぜひ御理解を賜りたい、そのように考えております。
#43
○畑恵君 本当に御努力をなさっていらっしゃるということは重々存じ上げておりますし、こういう問題について環境庁の方にこういう御質問を重ねてするのは本当はかえって恐縮だと思っております。それよりもそれぞれの問題の主務官庁の方にこれは伺わなければいけない話で、それをお答えいただくというのは本当にかえって申しわけない気さえいたしますけれども、そういうことからも考えて、やはり環境庁の、先ほど釘宮議員の方からもお話がありましたように、環境庁そのもののイニシアチブを強めるという、そういう方向で調整を図っていただきたいということもございます。
 あと、申しわけないんですけどもう一つだけ。
 今回の国家戦略でございますが、この部分はやはり環境庁の方にお尋ねしたい部分なんですけれども、専門家や自然保護運動団体など一般市民の意見を果たして十分に反映させられていたんだろうかということで、この原案の作成後八月十一日に説明会が行われて、それに対する意見の締め切りが八月二十五日であったと。検討期間がたった二週間であったということについてNGOなどからかなり声も上がったというふうに聞いておりますけれども、これは事前に何か処置はできなかったんでしょうか。
#44
○政府委員(澤村宏君) 今回の国家戦略の策定作業につきましては、私ども先ほどの各省庁連絡会議等の場におきましてことしの二月ごろから開始されました。何分にも初めての、生物多様性というまだなかなかなじみがないことを対象にするというようなこともこれありまして、原案の取りまとめに七月の末まで要したわけです。
 その後直ちに、八月一日に意見の聴取の手続に入りました。今お話しありましたように、十一日には説明会を開く、あるいはそのときの御意見等を受けまして八月にたしかもう一回説明会をするというようなことをいたしました。また、意見の締め切りにつきましても事実上二週間以上さらに延長をするというようなことをいたしまして、当初の予定を変更しまして十月下旬までに都合五回意見をお伺いするというような機会も設けまして、政府案の検討にあわせてそういう機会を設けたということで、もうぎりぎりまで聞く努力をしたということは御理解賜りたいと思います。
#45
○畑恵君 御努力なさったというところは事実だと思いますので、この問題については大体これぐらいにとどめさせていただきますけれども、ちょっと気になりましたのが、この最後のページに見直しという項がございます。そして、先ほど環境基本計画の話がありましたけれども、こちらも五年を目途というふうに書かれていらっしゃる。やはり環境問題というのは本当にこちらの方も日進月歩で深刻化しますし、また重要化している。五年を目途というのは非常に長過ぎるなと思うんですけれども、これはいかがでございましょうか。
#46
○国務大臣(大島理森君) 五年程度を目途にして、ここのところが大事でございますから、なかなか含蓄のある言葉だと私は思っておりますが、先ほど局長からお話がございましたように、私はサーベイランスと言うんですが、毎年ともかく関係閣僚会議を開いて検討会やっていこうと、そういう中にNGOの皆様方の私は意見を聞く機会もあるんだろうと思うのでございます。また、いろんな形で意見が伝わってくるんだろうと思います。
 したがいまして、当然に、私ども限られた役所の中でそういうふうな情報というものが大事でございますから、閉鎖的にするのではなくて、そういう御意見を聞きつつ、ここの基本戦略に書かれております五年程度を目途にしてという中で見直し作業をしていかなきゃならぬと思っております。
 最初の基本戦略でございます。この基本戦略がこれから本当に実効性のあり、また生きていくためには国民の理解をいただかなきゃなりません。私は、今これを見直すという議論の前に、国民の皆さんにこの国家戦略、先生が本当にお勉強していただいて見ていただきましたが、先生ですら読んでもなかなかわからないというぐらいに難しく書かれてあるところがございまして、環境庁の局長にはもっとわかりやすいものをつくれと。そして、予算がございますれば、環境白書を漫画で書いたのがございます。非常に人気があるんです、これ。そういうふうなものをいろいろ知恵を出しで、国民の皆様方にこの生物多様性の問題について、本当に人類も植生物も共生ということがこれから人類が生きていく上でも大事なんだという理解をまず示していかなきゃいかぬと。
 そういうふうなことをまずさせていただきながら、先生の御意見も今貴重な御意見だと思っておりますので、努力をしてまいりたいと思いますので、一層御理解と御協力をいただきたい、このように思っております。
#47
○畑恵君 では、次の質問に移らせていただきます。
 次は、東京湾横断道にかけられました橋脚、橋げたでございますけれども、これが環境アセスメントを終えた後、地元住民に説明されないままに形が変更されたという問題についてでございます。これはことし十月二十六日付の毎日新聞の夕刊に載った記事でございます。これをもとにいたしまして現地にも少し取材をさせました。
 ちょっと話が、形が見えた方がいいかと思いましたので図を用意しましたけれども、まず当初の形はこちらでございます。(図を示す)このくし形でございます。直径一・六メートルの柱が十二本から十四本、こうしますと水の流れがいい、抵抗がないということで、こちらを使うということで話が進められていました。そして、一九八六年にアセスメントが実施されました。住民の方も、これだったら環境に優しくていいだろうということで、そこでアセスが終了した。
 ところが、五年後の一九九一年に地盤調査を行った結果、干潟の地盤が弱いということが判明したと。そうした理由で、コンクリート柱一本で支えます、ちょっと長い名前ですのでY字型と呼ばせていただきますけれども、こちらになった。直径が十メートルの柱が一本立っております。実際、現在この柱だけではありませんで、これに船などが衝突したときに危ないということで、これにガードがついておりますので実際の幅としてはこれの倍ぐらいになっているそうです。こういうものがふさわしいということで、実際こちらの方式が使われまして、三十二基すべて昨年十月までに完成いたしております。
 ところが、この変更について地元住民が知ったのは工事の開始半年後の九二年四月でありまして、つまりアセス終了後に住民に何の説明もないままに了解事項を変更してしまったと。
 どうしてこういうことが起きたのかという理由として、建設に当たった道路公団サイドは、設計変更は軽微、ささいなことであるのでアセスのやり直しは必要ないと判断したと御説明なさりたと聞いております。そのアセスメントの実施要綱の建設省の所管の部分、私論み直してみましたら、「ただし、その変更が環境に著しい影響を及ぼすおそれがないと認められるときは、この限りでない。」というふうに確かに記されてはあります。
 そうしますと、このことが軽微であったのか軽微でなかったのか、ここがまず一つ問題になりますので、では今どのように東京湾がなったかというので写真を撮ってまいりました。
 まず一つの問題としまして、先ほどの図に戻りますけれども、こちらのY字型の柱が使われましたことによって、ちょっと言葉が専門的なんですが流昇水、海底の水がここにぶつかって上がってきてしまう。海底の水というのは酸素が少ないんだそうでございまして、低酸素水というのが上がってきてしまう。これによって、このあたりというのは貝類、特にアサリの大産地でございますけれども、アサリですとかバカガイ、こうしたものが大変な被害を受けている。
 それからもう一つが、当然水の流れが妨げられる。そうしますとよどみができるわけですね、それも非常に広い範囲にわたってです。それで起きましたのがこちらです。(写真を示す)こちらが、上に砂がたまっています。漂流砂公害ということでございます。下が藻ですね、ヘドロ。これは漂流藻公害ということでこういう姿になってしまったと。
 じゃ、前はどういう姿だったか。(写真を示す)ちょっと写真が小さくて本当に申しわけないんですけれども、こういうふうに非常に美しい波模様というんでしょうか、こういう形であれば水生生物というのがきちんと繁殖できる姿、これが今、こうですとかこうですとかこういう形になってしまったということでございます。
 私はこれを見まして、実は木更津というのは、私ごとなんですけれども私の母の郷里でございまして、小さいころから夏ごとに行って、ここで私は潮干狩りを何度もいたしておりますので、随分変わったなという感は否めません。
 そして、今回の変更が直接原因であったかどうか、これは私にはうかがい知るものではありませんけれども、果たして軽微であったのかどうか。そうではないという声を地元の方からたくさん伺いますと、確かにそうだなという気がいたしてきてしまいます。ただ、ここは私には判断できません。ただ問題は、軽微であるかないかということを、これは主務官庁であります建設省、または建設省というよりも事業者でございますね、現在のままではこの事業者だけが軽微かどうかの判断をできると。
 軽微であるということであれば、アセス後でもどんな変更でもできてしまうというこういう要綱でありますので、これはやはり要綱自体に見直しの必要性があると思うんですけれども、どのようにお考えでございましょうか。
#48
○説明員(佐藤信秋君) 東京湾横断道路に係ります環境影響評価につきましては、昭和五十九年の八月二十八日に閣議決定されました「環境影響評価の実施について」を受けまして、これに基づいて定められました建設省所管事業に係る環境影響評価実施要綱、これに基づきまして事業者である日本道路公団が所要の手続を行いまして昭和六十二年七月に完了していますが、この場合、この実施要綱の手続と並行しまして関係する地方公共団体、川崎市が条例を持っていますし、千葉県は要綱を持っております、の条例や要綱に基づく環境影響評価の手続と整合をとりながら実施された、こういうことであります。
 その後の調査を踏まえまして、ただいまの先生のお話の橋脚の型式でありますが、地盤が弱い、こういう部分もその後わかってきまして、先生お示しになられましたくいのたくさんある多柱式の壁式橋脚、こう言っておるんですが、から現在の鋼管矢板井筒基礎のY型橋脚、こういうふうに変更した、こういうことであります。変更の理由自体は、強度を増さないかぬ、安定性を強めないかぬ、それから景観に対する配慮も必要だろう、それから環境への影響も実はコンパクトにする方がよりいい面もあるんじゃないかと、いろんなことを総合的に判断してこんな型式に変えることにしたと。
 問題はそこの手続なのでございますが、学識経験者等から成ります東京湾横断道路環境委員会というのが、これは日本道路公団のお願いしている委員会として設置してございます。そこでいろいろ御検討いただいた上で、先ほど申し上げましたように千葉県が要綱を持っておりますので、千葉県の環境部局とも御相談申し上げて、軽微な変更に当たるかどうかという点について御議論させていただいた上で、流れに与える影響自体はむしろ軽微といいますか、より軽くなる方向もあるなど、こういうことで軽微な変更として取り扱わせていただくことにした、こういうことであります。
 地元に対する御説明の方ですが、漁業関係者と道路公団と、それから東京湾横断道路株式会社というのが実際施工の方はやることになっておりますので、から成る東京湾横断道路の建設連絡協議会というのがございます。ここに平成三年三月に事前に御説明申し上げまして、一応そういう変更ならよかろうということで御了解をいただいた。
 問題は、海の中なものですから、陸における住民の皆様に対する御説明がこの段階では確かに申し上げてなくて、漁業関係の方々には御了解いただいたと、こういうことになっておりまして、その後、地区の住民の皆様に対しましても、金田地区の対策協議会というのがございますので、そこに平成四年の四月に御説明させていただいている、こういうことでございます。
 昭和六十二年以来いろんな環境の調査を継続してやっておりますが、今のところはBODとかCODとか底質の問題とか大きな影響が出ていないので、毎年調査結果を公表させていただいておりますが、そういうことで引き続き調査を継続しながら監視を続けてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#49
○畑恵君 御説明いただいたことは事実だと思います。ただ、先ほどY字型の太い方ですね、こちらの方が環境に優しいというお話がありましたけれども、本当にそういうふうにお思いでいらっしゃったらば、なぜ地元住民にも、説明会というのは定例でずっとなさっていらっしゃいましたですよね、この金田地区の対策協議会の皆様と、ですから、定例でなさっていれば、環境に本当に優しいというのであればそこで御報告なさればそれで済んでいたことだと思うんですけれども、どういうわけか着工して半年後に、九二年四月になさったということが誤解を生むといいましょうか、憶測なのか、そういうことになったわけです。
 やはりこちらの住民に対する説明というのは、環境アセスメントというのは住民の合意をとるというこれが一番重要なポイントでございますので、やはりこれに反したということは事実ですから、今後このようなことがないようにしていただきたいと思います。
 実際、これがどちらの影響であるかということは本当にわからない部分でありますので、もうこれ以上突き詰めるつもりはないんですけれども、ただ問題は、実際にこのような形で環境アセスメントが行われた後の海がこうなってしまっていると。
 環境アセスメント自体が十年余りたちまして、これはやはり見直しを大幅に迫られているんではないか。十年間で環境問題は大変深刻になっておりますので、やはりアセスメントから後、着工後のフォローアップということでございますけれども、実際どのようなことが起きてどのような被害が起きて環境にどのような影響があったか。先ほど点検というのも長官からいろいろお話しありましたけれども、このフォローアップのシステムをぜひ環境アセスメントに盛り込んでいただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#50
○政府委員(大西孝夫君) 現在の環境影響評価の実施要綱の中でフォローアップの手続が定められていないのは事実でございまして、私どもとしましては、やはり予期し得なかった影響が後から出てきたというための事後調査、それから必要に応じて事業を実施している間、完了後にも適切なフォローアップができるようにするということは望ましいことだというふうに考えております。
 しかし、そういう論点も含めて、現在総合研究会でいろいろ環境影響評価のあり方について調査研究を行っておりまして、その後いろいろな内外の制度の実施状況等を踏まえながら分析整理をしていきたいと思っておりますが、そういう結果を踏まえた上で必要な見直しをするという方向で今進んでおりますので、先生御指摘の点も十分私どもも踏まえて対応してまいりたいと思っております。
#51
○畑恵君 ぜひともよろしくお願いいたします。
 時間も来てしまいましたが、このアセスメントにつきましては法制化というのがまだということも重要な問題でございます。先進国二十三カ国中、アセスメントが法制化されていないのは日本だけでございますので、ぜひそこのところの法制化に向けましても御努力をいただきますよう期待いたしまして質問を終わらせていただきます。
#52
○国務大臣(大島理森君) 畑先生のフォローアップの点も非常に重要な問題提起だと思っておりますし、法制化の問題も非常に重要なことだと思っております。ぜひ積極的に取り組んでまいりたいと思いますが、来年の夏を目途に、何としても先ほどお話しされたような議論をしながらいろんなことを取りまとめて、そして法制化に向けていろいろ頑張ってみたい、こう思っておりますので、また御協力いただきたいと思います。
 なお、畑先生に、さっき私は国家戦略で関係閣僚会議と、こう申し上げましたが、関係省庁連絡会議でございますので、閣僚会議ではなくて省庁会議、ここでサーベイランスをやります、こういうことで御理解いただきたいと思います。
#53
○委員長(大渕絹子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#54
○委員長(大渕絹子君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#55
○和田洋子君 和田洋子でございます。よろしくお願いします。
 地球環境の保全についてお伺いをいたします。
 人々に豊かさを与えて社会の成長に大きなすばらしさをもたらした資源エネルギーの莫大な消費が、自然容量あるいは回復力を超えて大きな環境の破壊を起こそうとしております。オゾン層の破壊や地球の温暖化、熱帯林の減少、海洋汚染などなど、地球規模の環境汚染は今や人類が抱える大きな課題であると思われます。
 今、国連を中心として環境問題に熱心に取り組んでおりますが、地球環境汚染の当事者、いわゆる先進国の起こした責任は重く、汚染が近代工業社会の産物であることは大方の人の認めるところであります。人類が存続のために避けて通れない最も重要課題であり、今を契機に全人類の英知を出し合って後世に青い地球を残すことが肝要であると思われます。
 去る平成四年の六月に、ブラジルで約百八十カ国の参加で環境と開発に関する国連会議、いわゆる地球サミットにおいて二十一世紀に向けての地球環境保全と持続可能な開発を理念とするアジェンダ21が策定をされました。策定以来二年を経過しておりますが、国の取り組み、施策にどのようなものがあったかをお知らせください。
#56
○説明員(浜中裕徳君) お答えを申し上げます。
 ただいま先生お触れになられましたアジェンダ21でございます。地球サミットで採択をされたものでございまして、二十一世紀に向けて世界的に持続可能な開発を実現していくためのいろいろな課題を述べた行動計画といったものでございますが、我が国は大規模な経済活動を営み、地球環境に大きなかかわりを持つと同時に環境の保全に関するさまざまな経験と技術を有しておるわけでございまして、そうした先進国としての我が国は、まずみずからの経済社会システムを環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものにつくりかえていくということとともに、あわせまして我が国の能力を生かし、地球環境保全が国際的協調のもとに積極的に推進されるよう貢献を行っていくことが必要である、このように考えているところでございます。
 このような観点から、我が国におきましては、アジェンダ21に掲げられました施策の着実な実施に向けた我が国の取り組みをまとめましたアジェンダ21行動計画というものを一昨年十二月に政府として策定をいたしました。現在、関係省庁と一体となってその推進に努めているところでございます。
 また、地球環境時代に即した新たな環境保全の枠組みを定めた環境基本法に基づきまして、昨年十二月に環境基本計画を閣議決定したところでございまして、さらにことしの六月には、「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画」、いわゆる率先実行計画と申しておりますが、こうしたものにつきましても関係省庁と一体となって策定をしたところでございます。
 国際的には、アジェンダ21の実施に向けまして国際社会の取り組みを点検しております国連の持続可能な開発委員会、いわゆるCSDでございますが、これに参加をいたしますなど、地球サミットのフォローアップのための国際的な取り組みに積極的に参画をしてきているところでございます。
 また、アジア・太平洋地域諸国の各国政府の閣僚レベルを含みますハイレベルの代表者などの参加をいただきまして、アジア・太平洋地域における持続可能な開発に向けました取り組みの推進とそのための協力の進展を目的といたしましてアジア・太平洋環境会議、私どもエコ・アジアと呼んでおりますが、そうした会議を開催してきているところでございます。
 さらに、アジェンダ21のフォローアップの一環といたしまして、アジェンダ21に記述されておりますさまざまな都市環境問題の解決とそのための地方公共団体の役割について国際的に討議をいたしますために、明二日から四日にかけまして、神奈川県及び神奈川県内市町村とともに環境にやさしいまち・くらし世界会議を主催することとしております。
 以上申し上げましたように、さまざまな取り組みを現在推進しているところでございまして、今後ともアジェンダ21の着実な実施に貢献をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
#57
○和田洋子君 今の御答弁で、地方の公共団体が神奈川でというふうにおっしやいましたが、アジェンダ21においてその実施主体として地方公共団体の役割を期待しておりました。地方公共団体の取り組みを効果的に進めるローカルアジェンダの策定を求めている。
 そこで次に、地方公共団体がローカルアジェンダにどのように取り組んでおられるか、全国の例などをお知らせいただきたいと思います。
#58
○説明員(浜中裕徳君) お答えを申し上げます。
 アジェンダ21におきましては地方公共団体がローカルアジェンダ21というものを策定することが提唱されておりまして、環境庁におきましても、これを受けまして昨年六月、ローカルアジェンダ21策定に当たっての考え方というものを取りまとめまして、地方公共団体がそうしたローカルアジェンダ21を策定するに当たりまして参考としていただけるような指針をお示ししたところでございますが、ことしの十月現在の調査によりますと、ローカルアジェンダ21を現在策定している自治体の数は全部で十八の自治体でございます。そして、現在策定中であるとお答えをいただいたところが十六の自治体でございました。
 環境庁といたしましては、今後とも地方公共団体の取り組みを引き続き積極的に支援をし、ローカルアジェンダ21の作成を推進してまいりたい、このように考えているところでございます。
#59
○和田洋子君 地方のローカルアジェンダの支援の方、よろしくお願いいたします。
 次に、オゾン層の破壊の元凶と言われるフロンについてお伺いをいたします。
 フロンは我々の生活のありとあらゆるものに利用されており、クーラーとか冷蔵庫とか冷房機器の冷媒や脱脂、そして洗浄剤など、快適な生活を営む上で欠かせない必需品となっております。
 このフロンが大気中に放出をされてオゾン層を破壊していると言われておりますが、オゾン層でオゾン量が一%減少すれば有害な紫外線が二%増加し、これにより人体には皮膚がんとか白内障などの健康被害をもたらすと言われております。守らなければいけない地球を人間みずからが汚している事実は見逃すわけにはいかないと思っております。
 そのような観点から各種の施策が実施されておりますが、我が国が実施してきたオゾン層の保護対策の成果と今後のオゾン層の回復の見込みについてお伺いをいたします。
#60
○政府委員(大澤進君) オゾン層のこれまでの経過、取り組み等のお話でございますけれども、御承知かと思いますけれども、フロン等によってオゾン層が地球規模で破壊されていると、そういう状況から各国が将来の地球を大変懸念いたしまして、一九八五年に世界的に各国が取り組むということで条約を採択したわけでございまして、その具体的内容、技術的あるいは今後の方策等については一九八七年にモントリオール議定書をモントリオールにおいて採択したわけでございます。
 我が国もこれらの条約、もちろん議定書等にも参画して、国内あるいは国際的な協力のもとにいろいろな施策を進めてまいりましたが、その間に通産省と共管のいわゆるオゾン層保護の法律の制定にも努め、各種の施策に取り組んでまいりました。
 さらに、オゾン層のこの問題に取り組むにはいろいろなところ、省庁といいますか分野がかかわるものですから、政府の段階においても関係十八省庁、その他の一部オブザーバーも入れますと二十を超えるところの省庁が一同に集まりましてオゾン層保護対策推進会議、こういうものを設置しまして、国内における各種の施策というものを、排出源対策あるいは回収の問題とか破壊の問題とか、それから技術的な研究開発問題等いろいろあるわけでございますが、それぞれの省庁がそれぞれのかかわる分野について鋭意検討して、ことしの六月にその取りまとめの総合的な方針がまとまりまして、それを各自治体あるいは関係者にも配付、提供しまして、それぞれの立場、責任に応じていろいろの対応、対策を今現在進めているところでございます。
#61
○和田洋子君 フロンの使用がことしいっぱいで禁止になるということですが、今使われている製品は各家庭にもたくさんあるのでありまして、今度はそれらの家電製品とかそういうのが使われなくなるときに、製造者とか私たち利用している者とか行政、だれかがどこかで責任を持ってそのフロンを始末しなければいけないというふうに思っています。
 きょうの朝のニュースで、茨城県日立市のフロン回収のガス抜きのことなどを放映しておりました。また、福島県沖では漁船でフロンの放出で犠牲者が出ておりますが、フロンの最終処理技術の開発とかそのようなことはどのぐらいの進捗で進んでいるのか、また国が今地方の公共団体にどのくらい支援をしているのか、そしてそれがどんなふうに実行されているのか、お伺いいたします。
#62
○政府委員(大澤進君) フロンの回収、破壊にかかわる技術の問題でございますが、これにつきましては、先ほども申しましたがモントリオール議定書締約国会合において、専門的な会合が中心なんですが、そこにおいてフロン等を破壊するための技術的な要件等を検討し、設定しております。
 フロンは御承知のように高温でないとなかなか破壊されないわけですが、一定の温度前後になってくるとまたいろんな排出ガスが出る、こういう問題も出てくるわけです。ですから、どの程度の高温でどの程度の排ガスにおさめなきゃいかぬかとか、あるいは分解率が一定率以上ないとこれまた使い物にならぬわけですが、そういう要件を技術的、専門的に検討して、現在およそ使えるものとして国際的に認められるのは五つ六つあるんですが、私どももいろいろ文献等も含めて検討したところ、日本では二つないし三つ実用的になるんじゃないかということがわかっております。
 一つは、産業廃棄物の焼却炉を活用したロータリーキルン法、こういうものがございます。それからもう一つは、セメントの焼成炉といいますか、セメントを製造するときの炉を活用するわけですが、それを活用したセメントキルン法、この二つが私どもの実験研究、まだ短期の段階でございますが、およそ実用的に可能性があるんじゃないかと、こういう研究結果が出つつあります。なお、このほかに通産省においても研究が推進されておるわけでございますが、極めて高い温度、一万度前後ですが、これを発生させる装置であるプラズマ分解法、こういうものも実用可能であるというのがだんだんわかりつつございます。
 私どもとしても、これらの技術的な検討というのはまだ中途の段階でございまして、平成六年度から実施しておりまして七年度、この二年間ではさらに先ほど申したいろいろな要件についての基礎的なデータの収集をいたして、さらにこれを、これは短期の実験でございますので、フロンの回収というのは当分の間、相当期間続くわけでございますから、しかも全国自治体において実施されるわけでございますので、年単位といいますか月単位といいますか、そういう長期間においてもこれらの炉が実用的に使用可能かどうか、こういう点の検討を来年度以降実施しようということで、これは来年度の話で予算要求を合しているところでございます。
 それから、いろいろな回収等への支援でございますが、私どもとしてもこれは大変重要な分野と認識しておりまして、平成五年からこの回収についてのモデル事業を実施しております。これは自治体を実施主体として国が財政的な支援をしていく、技術的にも相談に乗っていく、こういう仕組みをつくりまして、五年と六年、二年間にわたって十一自治体においてこのモデル事業は実施されました。
 その結果もことし取りまとめまして、かなり分厚い冊子になりましたが、それを報告書にまとめまして、いろいろな貴重な効果的な回収を進める上での問題点なりあるいは条件というのが明らかになったわけでございますが、それらの冊子を各自治体等、関係等にもやはり配付、提供いたしまして、さらに回収に努めてまいりたいと。
 今後とも私ども、自治体に対する支援あるいは技術の開発、それからやはり何と申しましても国民、消費者も直接かかわるわけでございますので、消費者並びに関係者に十分このオゾン層の問題といいますかフロンの問題というものを認識していただく、さらに回収にも理解、協力を求めるということでいろいろな普及用のパンフレット等を作成して普及しようと今取り組んでいるところでございます。
#63
○和田洋子君 何とぞよろしくお願いします。
 次に、廃棄物の不法投棄についてお伺いいたします。
 廃棄物の発生量は増大する一方で、減量化、再資源化などが停滞ぎみのために、処理施設について都市計画関係法等の手続や住民の反対などで確保が大変困難になっています。こうした中で、産業廃棄物の不法投棄、不適正処理が特に意図的に大規模に行われていることが多く、それらのことが悪循環になっているような現状であります。
 そこで、全国で産業廃棄物が不法に投棄されて、全部は発覚しないわけでありますけれども、発覚した量、そしてその種類などをお知らせください。
#64
○説明員(吉川幸夫君) 平成六年中に発覚いたしました不法投棄の内容についてでありますが、これについてはそれぞれの事犯の捜査の過程で得られた資料や現場の状況等からの推定によるわけでありますけれども、平成六年中の総量は約百十一万トンと推定しております。
 その内容は、建設廃材が約九十二万トンで全体の八三・八%を占めております。次に多いのは建設汚泥の約十万トン、次に廃タイヤ等の廃プラスチック類の約五万トン等となっております。
#65
○和田洋子君 不法に投棄されないために各都道府県や警察及び産業廃棄物協会などが組織して対策組織が設立をされると聞いておりますが、その進捗状況をお伺いいたします。
#66
○説明員(木下正明君) 御説明いたします。
 平成五年十二月より、私ども厚生省と警察庁及び社団法人の全国産業廃棄物連合会、この社団法人は産業廃棄物の処理を行う事業者の団体でございます、で不法投棄防止連絡協議会を設置いたしました。また、各県におきましても同趣旨の協議会の設置を進めておりまして、平成七年五月現在では四十五都道府県で設置されております。
#67
○和田洋子君 さきのお答えのとおり、不法に投棄されたものの大部分が建設廃材ということでございますが、今まで道路だったとかビルだったのが壊されるとすぐに産業廃棄物となるわけでありますが、その産業廃棄物をどうかしてリサイクルできないか。そして、リサイクルは私たちがよく埋立地などでは見ておりますが、それをもっともっと地方で、建設会社の方々なんかが砕いてコンクリートにする材料なんかに使えないかどうか、お伺いします。
#68
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。
 建設廃棄物の多くは資材としてリサイクルが可能でありまして、再生資源の利用の促進に関する法律などの関係法令に基づいて今そのリサイクルを推進しています。
 この結果、最近の建設省の調査によりますと、このリサイクル率は、平成二年度が四二%であったのが平成五年度には五一%となっております。このようなリサイクルをさらに推進するために、私どもの方で建設副産物対策行動計画、リサイクルプラン21というのをつくりまして、二〇〇〇年までにこのリサイクル率をさらに八〇%まで上げたい、このように考えております。
 今、先生から御指摘ございましたように、コンクリートを砕いて道路に再利用するとかいうようなリサイクルのモデル事業とか技術開発、このようないろいろなことを今進めているところでございます。
#69
○和田洋子君 要望として申し上げますが、その砕く機械というのは大変高価なものだそうで、各地方の建設会社等ではなかなか求めにくいものだというふうに聞いておりますので、国の指導でというか、そういうことでぜひ地方でも容易に使われるような方向でお願いをしたいと思います。
 次に、福島県いわき市の沼部地区において廃油の不法投棄事件が昭和六十二年にありました。裁判の記録によりますと、廃棄の量は八千九百七十六キロリットル、ドラム缶で約四万四千八百八十本相当になるそうであります。これは倒産をしてしまった業者などがいたりして、県がそのくみ上げの代執行をしているわけですが、今までの回収率は二千四百二十二キロリットルです。地域住民は、廃油に含まれた有機塩素系の有害物質があることから、地下における汚染の広がりを大変心配しております。
 今後の対策として、国はいろんな調査事業をしていただけるとか聞いておりますが、取り組みはどのようになっているか、お伺いをいたします。
#70
○説明員(木下正明君) 御説明いたします。
 いわき市の不法投棄問題でございますが、基本的にこうした不法投棄の原状回復につきましては、不法投棄を行った者がその負担で行うことが原則でございます。
 ただ、今回のいわき市の不法投棄問題につきましては、福島県知事が廃棄物処理法に基づきまして措置命令を平成四年から五年にかけまして三回この不法投棄者に行っておりますが、この不法投棄者そのものは無資力でありまして、結局福島県がその三回の措置命令について行政代執行を行ったところでございます。
 その後、福島県は、行政代執行も引き続きまして、平成六年度より県の事業といたしまして、環境汚染の懸念を周辺の方がお持ちでございますから、汚染状況の調査及びそうした放棄された汚染水の回収等を実施してきております。
 また、厚生省としましても、平成四年度よりこうした福島県の対応につきまして汚染状況の調査技術あるいは原状回復のあり方、技術等につきまして研究を行っておりまして、こうした福島県の事業を技術的に支援をさせていただいておるところでございます。
 また、基本的にはこうした不法投棄の防止あるいは放棄された場合の原状回復の措置についての対応が必要でございまして、非常に重要な課題と私ども認識しておりますが、今後さらにそうしたことについての対応の検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#71
○和田洋子君 先ほど釘宮委員のチッソのお話がありましたけれども、チッソの大きな拡大解釈というふうに私は先ほどちょっと感じたんですけれども、そのようなことからすれば、この福島県の不法投棄の廃油のくみ上げを国が支援をしていただけるんではないかなというふうに感じたのですけれども、それはぜひ検討をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、産業廃棄物の最終処分場の残存容量は、平成五年四月現在で全国で二・三年分しか確保されていませんが、特に首都圏では七カ月分というまさに危機的状況にあります。施設の建設がおくれているというのは、今のように不法に投棄をされたり、またごみだ産業廃棄物だということと、処理施設のイメージが悪かったり、地元住民の安全性や信頼性に対する不安がさらに大きくなって、これが住民運動にも広がって施設がなかなかできない、不法に投棄される、これが大きな社会的な悪循環を繰り返していると思います。
 住民の廃棄物処理に対しての理解と信頼を確保するためにも、事業者や処理業者に対して指導、監視を徹底して、公共団体が持つ信頼性を生かした公共関与による施設確保を進めていかなければならない時期が来ていると思われますが、国の産業廃棄物施設の取り組みについてお伺いをいたします。
#72
○説明員(木下正明君) 産業廃棄物処理施設につきましては、排出事業者処理責任の原則に基づきまして、主として民間事業者による整備が行われているところでございますが、先生のお話のとおり、こうした民間事業者による施設整備のみでは、資本力の不足あるいは用地の確保が困難であるという理由によりましてその整備が進んでいないのが現状でございます。
 このため、従来より廃棄物処理法では、地方公共団体がその事務として産業廃棄物処理施設の整備を行うことができるとされておりましたが、さらに平成三年の同法の改正によりまして、地方公共団体が関与して施設整備を行う廃棄物処理センター、これは厚生大臣が指定する指定法人でございますが、廃棄物処理センター制度を導入いたしまして各都道府県に一カ所の整備を行うこととしております。
 廃棄物処理センターに対しましては、国庫補助、税制上の優遇措置、無利子または低利子の融資、債務保証等の金融上の措置等によりまして国としてもその支援に努めているところでございます。現在七つのセンターが指定されておりますが、今後とも廃棄物処理センターの制度の活用等によりまして産業廃棄物処理施設の整備を推進してまいりたい、このように考えております。
#73
○和田洋子君 産業廃棄物の処理場というのは、今も申し上げましたとおりに規制があってなかなかできない。国では規制を決めながら、つくるとなれば規制がなかなか厳しくてできない。しかし、もう残存容量が少ないために不法に廃棄される。
 私たちの福島県になんかは、ごみの捨て場というふうにいろんな山の中とか谷とかに捨てられております。それは発覚しないだけで、大変なごみ捨て場になって私たちは苦労をしているわけです。規制だけを決めるのではなくて、国が必ず関与をしてその処理場ができるような方向でやっていただけるように要望をいたしまして私の質問を終わります。
#74
○竹村泰子君 初めに、大臣の御決意を冒頭伺いたいというふうに思います。
 水俣問題、先ほども同僚の釘宮議員からも御質問がございましたけれども、解決に四十年かかったわけでございます。しかし、大臣を初め国会議員その他多くの人々が努力をしてここまで解決に向かってこぎつけた。本当に喜ばしいことなんですが、私どもやっぱり問われておりますのは、もっと早く解決をするべきはできなかったかと。あるいは、たくさんの方がもう死んでいかれました。そして、これも決して国が責任を認めたわけではないし、水俣病患者であると認定をしたわけでもないという非常に複雑な解決の仕方でして、手放しでなかなか喜べない、そういう思いでいっぱいなんです。
 心配いたしますのは、患者が公的検診を受けていることと、それから自分の病院で診断書を持っておられるという方、このどちらかの要件しかないという方がこぼれ落ちないかという心配と、それから裁判権の問題ですね。つまり、これまで裁判で闘ってこられた方がこれによって裁判をおりてしまわれる。そういう問題とか心配なところが多々ございますが、今の二点を含めて御決意のほどを伺わせていただきたいと思います。
#75
○国務大臣(大島理森君) まず、全体的なことを申し上げまして、あと保健部長、局長からちょっとお答えをさせることになるかもしれません。
 この問題は、村山総理のまず決意があったと私は思います。そして、そのことによって三党が、いろいろな論争のポイントがある、しかしそれを一つ一つ片づけていくということになりますと非常に難しい、加えて救済を求められる方々が数千人と言われる方々である、したがってそれを政治の場でひとつ解決をしていくという決断を与党三党がされた、それが六月二十一日の私は三党合意であったと思います。
 私自身も、八月八日に環境庁長官を拝命して、そして総理から、この問題は特に戦後処理の一つだと思う、ぜひ解決をしてほしいと強い御要請がありました。したがいまして、私自身も、この問題を解決するに当たってどういうことを考えればいいだろうかと、いろんな人から意見を聞いたり、歴史を学びました。難しいことはいろいろあるわけでありますが、第一に必要なことは、その四十年あるいは三十年その中で苦しんでこられた、そういう方々、それはいわゆる救済を求める方々だけではなくて地域の方々もそうなんですね。そういう方々のその歴史をできれば全部知ってからやろうというその努力から始めなければいかぬのじゃないか、こう私は思いました。
 したがいまして、あの三党合意の中にある最終的全面的解決という、そこはまさに精神だなという思いの中で、先ほど竹村先生がお話しされた二つの具体的な問題もいろいろと考えていかなければならないことだと思っておりますし、三党合意もそういうことを前提にしてつくったものであるということですから、それを誠実に私どもがやっていくことに相なろうと思います。
 その中で、まず第一に判定検討会における一万の審査の資料しかない人はどうするかという問題は保健部長から、それから裁判の問題につきましては、もちろん私ども先ほどもお答えしましたが、これは最終的全面的解決でございますということの中でお示しし、それを受諾をしていただいたことですから、私は団体に入っておられる皆様方はまたそれを御理解いただいてそういうことがないように御期待を申し上げたい、このように思っておりますけれども、そういう中にあって具体的にどうするのかねということにつきましては、これは局長の方からお答えをさせていただきます。
#76
○政府委員(野村瞭君) 基本的な問題につきましてはただいま長官の方から申し上げましたが、実務レベルの立場で救済対象者から落ちこばれるのではないかという御心配について私から答弁をさせていただきたいと思います。
 具体的には、片方の資料しかない場合にどうされるのかということだと思いますが、公的な審査会資料がない場合には、改めて公的な指定された病院で検診をしていただいた上でこの判定会にかかることになるわけでございます。それから、公的資料しかなくて民間診断書がない場合、これは御本人の意思によるわけでございますけれども、希望すれば必ずしもいわゆる民間診断書を必要としないで、判定検討会に提出しなくてもいいということでございますけれども、希望すれば当然民間診断書も提出していただくということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、救済対象者の判定というのは、先ほども長官から申し上げましたように、その運用については三党合意に従いまして誠実に対応していく所存でございます。
 以上でございます。
#77
○政府委員(大西孝夫君) 裁判権との絡みの部分につきまして、大臣から私に振られましたものですから、私からお答えをさせていただきます。
 大臣から申し上げましたように、今回の解決案が、国の賠償責任を追及することでは解決が困難という考え方を踏まえて、与党で政治的な解決の枠組みをおっくりいただいたわけでございますが、そういう中で、皆様方の合意が得やすい形としてどういうものがあり得るかといういろいろなお知恵をお出しいただいた上の案でございます。したがいまして、御質問いただいたような箇所について必ずしもきっちり理論的に詰め切っているわけではない部分もあろうかと思います。
 私どもとしましては、この三党合意を今後実施に移す過程で、でき得れば全面最終解決に持っていきたいというこの合意の精神を踏まえまして、一歩でもそういう評価を得られる方向へ持っていきたいと思っておるわけでございますが、制度として今の時点でどういうふうに考えるか、どういうふうに理論づけるかというふうにぎりぎり詰めてまいりますとなかなかお答えも申しにくい問題に突き当たりますが、私どもとしては、一つは判定検討会の運営の仕方にも絡む話でございますし、関係する方々の御納得が得られるような解決の道を求めて、この三党合意の精神を踏まえながら運営をしていく過程で、でき得ればそういう方々の御了解が得られるような落ちつきを求めて努力してまいりたいと思っております。
#78
○竹村泰子君 たくさんの悲劇を生みました。亡くなられた方たちの霊にこたえるためにも、本当にこれからも御苦労ですが、十分な力を発揮していただきたいと強く求めておきます。
 それでは、きょうはちょっと次の質問に入りたいと思いますけれども、陸上起因の汚染から海洋環境を保護するための世界行動計画をテーマにした会議というのがちょうど今ワシントンDCで十一月三日まで開かれております。
 余り日本の新聞は書きませんので余りよく知られていないんですが、これはきっかけとなったのは一九八二年に採択された国連海洋法条約であります。これは海の憲法とも呼ばれて、海は私たちの母なる命の源でありますから、この海に関して基本的な取り決めを国際的に行ったものであります。九三年には批准国が六十カ国に達しているんです。これは略してLBS会議というふうに呼ばれているんですけれども、これには日本からはどなたが出席されたでしょうか。
#79
○政府委員(嶌田道夫君) 先と言われました会議には、私ども環境庁の水質保全局の田部という室長が出席しております。
#80
○竹村泰子君 田部さんが行かれているんですが、外務省とかほかの関係省庁からは出席されていないんでしょうか。
#81
○政府委員(嶌田道夫君) 私ども聞いておりますところによりますと、外務省からは在ワシントン日本大使館の公使が出席されているというふうに聞いております。
#82
○竹村泰子君 田部和博さんは環境庁水質保全局の瀬戸内海環境保全室長でいらっしゃいますね。
 こういう国際会議にやっぱり一人でというか、公使が御出席だと思いますが、公使も御多忙でしょうからずっといらっしゃるわけにはいかないと思いますので、こういう国際会議には、大臣、やっぱりもう少し各省庁から、これたくさん関係省庁があると思いますけれども、もう少し重要視していただいて、決して軽視していらっしゃるとは思いませんけれども、少なくとも外務省の地球環境担当の方とか厚生省の方とか、担当省庁の方が行けるように、もちろんお金もかかりますけれども、そういう前向きの姿勢で対処していただきたいと思うんです。
 そこで、この国連海洋法条約というのがどんな日程でどのように批准されていくのだろうかと。日本は、署名はしたけれどもまだ批准はしていないんですね。どのような御予定か、お聞きしたいと思います。
#83
○説明員(高田稔久君) 政府といたしましては、国連海洋法条約を早期に締結したいと考えておりまして、具体的には明年の通常国会に提出することをめどに、現在政府部内で所要の準備を進めているところでございます。
#84
○竹村泰子君 これに付随して、海洋法条約は第十二部の二百七、二百十二条で、陸上起源からの汚染の防止、軽減、規制するための国内法制定、世界的、地域的規則、基準を設定することなどの目標を定めております。これに従って日本ではどのような国内法の整備を計画していらっしゃるんでしょうか。
#85
○説明員(高田稔久君) 国連海洋法条約の規定、およそ海洋の利用に関しますほとんどすべての事項に及んでおりまして、条約の附属書及び実施協定の条文数を含めますと約五百条に及ぶ大部の条約でございます。したがいまして、国内法令の整備を含め、条約の締結に当たりましては相当の準備が必要かと考えております。
 現在、政府部内におきましては条約に向けての作業を行っておるところでございますが、このような作業の一環として、国内法整備についても関係省庁において鋭意準備、検討を行っておるところでございます。
 先生御指摘の条項との関係につきましても、そういった特定の条項とそれから我が国の国内関係法令との関係につきまして、現在政府部内で慎重に検討をいたしておるところでございます。
#86
○竹村泰子君 大臣、お聞きしたところによりますと、次の通常国会に提出して批准の運びというふうにお聞きしておりますが、間違いないでしょうか。大臣、どうぞ。
#87
○国務大臣(大島理森君) それは海洋法ですか、それとも今の……
#88
○竹村泰子君 海洋法です。
#89
○国務大臣(大島理森君) 海洋法、じゃ外務省に。
#90
○説明員(高田稔久君) 先ほど申しましたとおり、政府といたしましては明年、平成八年の通常国会にお諮りをするということで、現在所要の準備を進めておるところでございます。
#91
○竹村泰子君 今、大臣にお聞きしまして申しわけなかったんですけれども、やっぱりこれ条約ですから外務省なんですが、陸上起因の汚染から海洋環境を保護するための世界行動計画と、長い名前なんですけれども、いかに陸上から汚染を出していかないようにしようかと。それはただ単に海を汚さないということだけではなくて、今開かれているLBS会議の方のドラフトの概要では、特に対象とする汚染物質として、難分解性有機汚染物質、POPs、ポップスと略されているようですけれども、それから放射性物質、下水、重金属、石油類、栄養塩類、沈殿物、ごみ、物理的変更と生息地の破壊というこの九種類の項目が挙げられておりまして、これは廃棄物などは厚生省が主務省庁でありますけれども、ほとんど環境庁の範囲、範疇といいますか、そういうことに私はなると。
 非常に大事な海洋法条約を批准するためのLBS会議、行動計画ということで、非常に重要に思っているんですけれども、陸上起因汚染源の現状について日本政府はどのような把握をしておられますでしょうか。
#92
○政府委員(嶌田道夫君) 陸上活動に起因いたします海洋汚染の主要な原因でございますが、世界的に見てみますと、今先生言われました世界行動計画案に挙げられておりますように、下水による病原菌、残留性有機汚染物質、重金属、窒素・燐などの栄養塩類などが問題となっておりますけれども、我が国におきましては、水質環境基準の設定や水質汚濁防止法等による発生源対策、それから下水道整備などを総合的に講じることによりまして公共用水域の水質改善に努めてきておりまして、海洋汚染は全般的にいいますと改善の傾向にあるというふうに思っております。
 しかしながら、東京湾などの閉鎖性海域におきます栄養塩類によります富栄養化の問題、それから残留性有機汚染物質によります汚染などの課題も残されておりまして、引き続き適切な対応を行っていく必要があるというふうに考えております。
#93
○竹村泰子君 今いろいろお挙げになりましたけれども、これは環境庁でしょうか、その中で一番難解であるというか一番大きな汚染源は何だと思っておられるでしょうか。
#94
○政府委員(嶌田道夫君) 海洋汚染の主要な発生源といたしましては、これは各汚染の原因ごとに異なっております。例えば東京湾などの閉鎖性海域におきましては、富栄養化について、これは生活排水の寄与が最も大きい、それから工場、事業所からの産業排水というふうなことになっております。また、残留性有機汚染物質につきましては、製品としての使用や廃棄に伴って発生するものなどが考えられます。
 このようなことから、汚染原因ごとに主要な発生源を的確に把握しまして適切な対策を講じていくことが必要であるというふうに考えております。
#95
○竹村泰子君 今お話がありましたいわゆる難分解性有機汚染物質、POPsと言われるものは、有機塩素化合物だけでも一万一千種以上もあると言われているんですけれども、日本ではごくわずかしかモニタリングされていない。
 このPOPsの優先指定十二物質というのをUNEPの管理理事会がことし五月に出したんですけれども、その優先指定十二物質というのはどのようなものなのか、教えていただけますでしょうか。
#96
○説明員(福水健文君) 御説明申し上げます。
 POPsにおきましては現在十二の優先物質が挙げられておりまして、現在日本国内では、難分解性の性状を有し人の健康を損なうおそれがある化学物質による環境汚染を防止するためには、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして必要な規制を講じているところでございます。
 このうちPOPsの優先物質である十二物質につきましては、そのうち入物質につきまして化審法におきまして第一種特定化学物質に指定しておりまして、製造、輸入等につきまして厳しい規制を行っているところでございます。残り四物質のうちマイレックス、トキサフェンにつきましては、日本では製造、使用の実績がないというふうに承知いたしております。
 なお、残りの二物質、ダイオキシンとフランにつきましては、非意図的に発生する物質であるため、我々が担当しております化審法の対象にはならないというふうに理解しておるところでございます。
#97
○竹村泰子君 その十二物質の概要をもしできれば表にしてほしいとお願いしておいたんですが、できておりませんか。
#98
○説明員(福水健文君) 連絡が悪くてできておりませんが、後日先生の方に提出させていただきます。
 ただ、ここで申し上げますと、防腐剤でありますとか農薬の中間体でありますとかあるいはシロアリ駆除剤でありますとか、そういう物質が主だと承知いたしております。
#99
○竹村泰子君 通産省、だめですよ、ちゃんと議員が要求しているものは出していただかないと。簡単なことでしょう。
 では、私が申し上げます。アルドリン、クロルデン、DDT、ディルドリン、ダイオキシン、フラン、エンドリン、ヘプタクロールそれからヘキサクロロベンゼン、マイレックス、PCBs、トキサフェンなんですね。
 今、トキサフェンとマイレックスは日本では使用されていないというふうにおっしゃいましたけれども、これはもう農薬の問題でよくわかるとおり、日本で使われていなくても、それが開発途上国などでは生産されたり使われたりしている例もたくさんあるわけで、やはり私たちが行動計画を達成していくために途上国への資金的、技術的な援助が不可欠だと。この行動計画でもそう言っているし、事実そのとおりだというふうに思うんですが、日本はどのようにこの問題を先進国として解決していく御予定でしょうか。何か計画があれば教えてください。
#100
○政府委員(嶌田道夫君) 開発途上国に対するいろいろな取り組みでございますけれども、我が国といたしましてはこれまでいろいろな経験とか技術、知見、ノウハウがございます。開発途上国が今先生言われました世界行動計画に従いまして取り組みを進める際には、我が国といたしまして積極的に必要な支援を進めてまいりたいというふうに考えております。
#101
○竹村泰子君 積極的にぜひそういう行動を起こしていただきたいと強く要望しておきます。
 ところで、私のところへ逐一入ってきている報告によりますと、今このLBS会議、ワシントンDCで開かれている、瀬戸内海室長がお出になっている、これで日本がその行動計画に対してただ一国反対し続けているという情報が入ってきているんです。もしかしたらこれは時差のずれがあるかもしれないんですけれども、初めの情報では、カナダ、オーストラリアとともに強硬に反対をしていたと。POPsについては、その影響と危険性が多くの科学者によって既に指摘されているし、バンクーバーでのことし六月の共同宣言もあるわけで、国際社会の中でこのような日本の態度はやっぱり非常な批判を受けるだろうと思います。
 その後のニュースでは、カナダ、オーストラリアなどは二十七日、金曜日の段階でPOPs規制の支持に転じ、ポジションをあいまいにしていたアメリカも支持に加わりました。この結果、工業先進国の中で日本は文字どおり唯一の反対国となっているというふうに聞いているんですが、その後の情報、もしそうじゃないならそうじゃないと、そうであるならその理由を聞かせていただきたいと思います。
#102
○説明員(吉川元康君) お答えいたします。
 我が国といたしましても、いわゆるPOPs、残留性の高い有機汚染物質が人体及び環境に悪影響を与えることを懸念しておりまして、国際的取り組みが必要であると考えております。そのため我が国といたしましては、まず既存の国際的枠組みにおいて進められている科学的評価、現状の分析に基づいて、いかなる具体的な方策をとることが必要であるかにつき十分検討することが重要と考えており、今回の政府間会合でもかかる立場から意見表明を行ってきたところでございます。
 しかし、今次の会合におきましては、御指摘の点に係る一連の協議の過程で、先生ただいま御指摘なさいましたようにオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ等と緊密に協議を行ってきておりまして、我が国だけがこれらの国々と異なり反対の立場をとったとの事実はないものと承知しております。
#103
○国務大臣(大島理森君) 竹村先生、大変この問題に御熱心で、御理解が深くて、鋭い御質問をされて大変私ども勉強させていただいておりますが、グリーンピースの皆様方がよこした手紙を拝見いたしました。それで、早速私もどうなんだねと、こう聞いたら、我が国のお役人というのは非常にまじめでございまして、もうかなり詰めた議論をしたんだそうです。それがどうやら何となく反対みたいにとられたようでございまして、決して反対をしたということではございません。
 改めて環境庁の立場で申し上げさせていただきますと、この今の会議は非常に重要なものだという認識はされておりますし、そこで近々に採択されることに相なりますれば共通のこれは指針になるわけでございますから、私どももそういう評価とそれからそれを踏まえていろいろなこれからの対策をまた考えていかなきゃならぬ、このように思っておりまして、反対はしていないと、こういうことでございますので、ひとつどうぞ御理解をいただきたいと思います。
#104
○竹村泰子君 三日ですからあさってですね、三日には閣僚会議というのも開かれるんです。本当は環境庁長官に行っていただきたいと私思いますが、国会中でございますので御出席できないんでしょうけれども。
 本当はそうやって、私はどなたが行かれるのかなと思っていたんですけれども、そこまで大事にみんなが思っていて、六十カ国以上の国の人たちが集まってきて閣僚も出しているというところへ、日本の、このなぜかよくわからない、十二品目については規制に賛成だけれども、しかし一万一千、総称でPOPsの規制と言われると、これはちょっとただいまというふうなことも聞こえているんですけれどもね。
 その辺のところはちょっと田部さんとよく連絡をとってみてくださいと私お願いしておいたんですが、どんなふうな状況でしたでしょうか。
#105
○政府委員(嶌田道夫君) 今まさしく先と言われましたようにワシントンで政府間会合が行われているところでございまして、今大臣からも申しましたように、非常にこの問題につきましてはいろんな健康影響の観点からも国際的な規制の取り組みを行う必要性は高いというふうに我々環境庁としても認識しています。
 それで、今先生言われたことでございますが、残留性の有機汚染物質と考えられる物質、これは十二以外に数多くありまして、これらにつきまして環境中の残留状況や健康影響の把握を行って適切な対応を行っていく必要があると考えておりまして、実はこの点につきまして私どもの田部室長が少し精密に言ったということでございまして、この辺が、今大臣がちょっと言われましたようにその趣旨が十分伝わっていなかったんではないかと。というふうにとられたんではないかと考えております。
#106
○竹村泰子君 それで、どうなんですか。賛成するんですか、どうなんですか、最終的に。
#107
○政府委員(嶌田道夫君) 先ほど外務省の方からもお答えしましたように、本会議におきましては、全体の流れもございますけれども、我々環境庁といたしましてはこの問題につきまして、伝えられていますように反対というふうな立場ではございません。
#108
○竹村泰子君 日本は穏やかな反対というふうに聞いているんですけれども、じゃ違いますね、穏やかな反対はしないで賛成に回りますね。
#109
○説明員(吉川元康君) お答えいたします。
 先ほど先生が御指摘なさいましたオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ等と同じ歩調でございますので、それが穏やかな賛成ということでございましたらそのようなことかと考えております。
#110
○竹村泰子君 わかりました。じゃ、そのように御連絡ください。国会で取り上げられてそのように答弁したとお答えください。
 やっぱり先進国らしく、こういうのは少し大胆に踏み出していただきたいと、私は強くそう思います。
 それでは次に、先ほども同僚議員からフロンの御質問がありましたけれども、私はオゾン層保護に関連して特定フロンの回収問題についてきょうは絞ってお伺いしたいというふうに思います。
 九月十六日、日本など二十一力国の共同研究プロジェクトであります欧州北極成層圏観測計画、これが、この冬の北極圏上空のオゾン量の減少は観測史上最大で、例年の二〇から三〇%減を記録したと言っております。上空では毎日一・五%ずつ減る場所もあった、そういう発表も行いました。
 それからまた、今度は南ですけれども、南極上空のオゾン量の減少が七月から九月を通じて過去最大の速さで進んでいる、オゾンホールの面積は欧州、ヨーロッパの広さに匹敵し、前年の二倍に達したと。北と南からありがたくない新記録達成のお知らせであります。
 八月に出された環境庁の年次報告でも、札幌でオゾンの減少傾向が確認されるなど、オゾン破壊の深刻な状況が続いております。
 御承知のように、ことしでフロンの中でもCFCは全廃されますが、日本も含め先進諸国はとりあえずフロン全廃にめどをつけた形ということなので、確かに環境庁の年次報告を見ても大気中のフロンの濃度の増加は一応とまっております。しかし一方で、オゾン破壊力は比較的弱いとされるフロンの代替物質であるHCFCなどの大気中濃度は著しく増加をしておりまして、排出済みのフロンなどと相まってオゾン層破壊は今後さらにふえ続けるだろうというふうに言われています。
 だからこそ、たとえ全廃になって、そしてもう使えなくなったから安心ということではなくて、流通しているフロン等の回収、再利用、破壊をきちんと進めていかなければ私たち人類にとって非常に深刻な結果をもたらすだろうということなんです。
 最初に、環境庁初め通産、厚生省等、オゾン層保護関係十八省庁から成るんですか、オゾン層保護対策推進会議の取り組みの現状、フロン問題についての現状認識とその対応策について簡潔にお願いしたいと思います。
#111
○政府委員(大澤進君) 簡単に申し上げますが、オゾン層保護対策推進会議の取りまとめでございますが、これはモントリオール議定書第四回締約国会合においてフロンの回収等の推進が決議されて、我が国もその対応を検討しておったわけでございますが、本年の六月にフロン回収等の促進方策をまとめ、既に地方自治体、関係業界等に通知しているところです。
 その内容ですが、要点だけ申し上げますが、基本的な方針としては、フロン等の用途にかかわらず、技術的、経済的に実施可能であれば積極的に回収等を推進すべきだという基本認識のもとに、フロンの利用機器ごとに、例えばエアコンとか冷蔵庫等ですね、利用機器ごとにフロン回収の考え方を整理しておるわけでございます。
 特にその中で廃冷蔵庫等については、その回収を進める要点としては、一点目は、やはり地域において冷蔵庫等の使用者である消費者、それから廃棄物処理を担当する市町村、フロンやフロンを含む冷蔵庫等の製造者、販売者である事業者等々が共同、協力して取り組むことが必要でありまして、またこれらの関係者がそれぞれの役割分担についてコンセンサスを形成し、それに基づき回収に取り組んでいくという姿勢が必要という整理をしていまして、二点目としては、国としてはフロン破壊技術の確立あるいは関係者に対する情報の提供、支援、普及、啓発等、これに努めることが必要であるというぐあいに取りまとめたところでございます。
#112
○竹村泰子君 いろいろと取り組みを進めておられるようですが、まだまだこれからというところですね。私は、フロンの対策が多くの省庁にまたがっていることは十分承知しておりますけれども、あえて環境庁に強力なリーダーシップをとってもらいたいということです。
 環境庁が九三年、九四年度に実施したフロン回収に取り組む自治体支援事業、これは私持っておりますが、北海道のモデル事業の要約版でありますけれども、こういう報告書が出されました。(資料を示す)これを見ましても、例えば北海道、私は北海道に住んでおりますから、北海道は平均六〇%程度ということで、比較的高率で回収したとする横浜市で七三%ぐらいと。
 この事業を実施した十四団体、これは委託してモデル事業となったようですけれども、全体的に回収率は上がっていないんじゃないかというふうに考えられるのですが、いかがでしょうか。
#113
○政府委員(大澤進君) 今、北海道が例示されてありましたが、このモデル事業というのは、まさにモデル実験的に冷蔵庫等からのフロンの回収を行うために、フロンの回収等の社会システムの基礎的な条件、つまりいろいろな関係者がいるものですから社会的にどういう回収システムが一番適当か、そういう基礎的な条件とかそれにおける問題点とか、それからさらに技術的な問題、こういうものについて明らかにするために環境庁が平成五年度からモデル的に自治体にお願いしてやってきた事業でございます。
 今御指摘の北海道の例なんかで非常に回収率が悪いと。これは内容は御承知かと思いますが、機器というか種類によって回収卒が高いものと低いものとがあるというようなデータが出ておりまして、北海道の例では、どうも気温が低いと物理的に気化する割合が低くなるというような状況から回収し切れないという点があろうかと思います。
 しかし、この点が私どもとしては、比較的温度の低い地域、北海道とか東北、中央アルプス等、そういう地域においては温度が低いと回収率が悪いということが今回の実験でわかったわけですから、それを参考にして、冬場回収するときにはできるだけ温度の低くない状態でそういう回収をするということがポイントになると、まさに参考になったわけでございます。
 その他、いろいろな問題点なり回収における条件等が明らかになりつつあるわけでございまして、私どもとしては、この二年間やりまして、十四自治体のモデル実験の状況をかなり細かく整理しまして一冊の本にしまして、それを関係自治体にお配りして、それを参考にしていただいてそれぞれの地域なり自治体で積極的に取り組む、こういうことで進めておるところでございます。
#114
○竹村泰子君 自治体においてフロンの回収作業、実際に回収現場でどういうことが起こっているかということをやっぱり把握してもらいたいんです。
 もちろんいろいろ調査をしていらっしゃると思いますけれども、例えばこの北海道の例でいいますと、環境庁と厚生省と大きく管轄が二つにまたがっている。通産省も関係していますね。現場では、環境庁や厚生省、通産省などのいわゆる縦割り行政、これを越える形でなければ回収作業はできないんですね。ですけれども、各省庁間の実際に回収事業をしている自治体に対する取り組みの指導というかやり方というか調整というか、そういうものはやっぱり縦割り行政でやっているんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
#115
○政府委員(大澤進君) 御指摘のように、この問題については大変国の段階でも多くの省庁がかかわっているわけでございまして、私どもとしては、問題が問題でございますので、関係省庁がやはり連携協力して取り組むことがまず極めて重要であると、そういう関係省庁の共通の認識に立ってやることが基本であろうかと思っております。
 自治体におきましてもそれぞれの部局があるわけでございますが、私どもとしては、環境部門が中心になるとした場合においてもできるだけ関係部局、商工、労働なりあるいは建設なり、その他のフロンの回収問題にかかわる部局が参画していただいて、県レベルなら県レベルで協議会なり連絡の場を設けていただいて、しかもさらに市町村の段階では市町村の段階でまた関係の人たちが集まって、これは消費者とか事業者も関係するわけですから、そういう人たちがやはり集まってやっていくということが大事かと思います。
 できればそれは一カ所で集中的にやるというのが望まれるところでございますが、非常にフロン問題というのは多岐にわたるものですから、私どもとしては、国の段階ではやはり関係省庁の連携をさらに密にして、適宜、問題があり、あるいはないときにおいても定期的に集まって今後の対応について検討し、効果的な方策を進めてまいりたい、かように考えております。
#116
○竹村泰子君 そうですね、少しダブると思いますが、フロン回収にかかわる自治体など各主体のフロンの位置づけがオゾン層保護法や廃棄物処理法など法制度上も明確になっていないように見えますし、北海道でのオゾン層保護対策地域実践モデル事業のこの報告を見ていますと、どこの自治体でもそうだと思うんですが、フロンを高効率的に回収するためには、フロン回収に当たっての役割分担や負担のあり方、その整理が求められているのではないかと思うんです。
 つまり、国の方向性と自治体や関係業界や消費者の役割の明確化とコストの負担、現状で環境庁は主務省庁としてどのように考えておられますでしょうか。
#117
○政府委員(大澤進君) 法律でも幾つかの法律がかかわるというようなことがございまして、私どももスムーズに進めるためにいろいろ検討したわけでございますが、各関係者の役割分担というのを法律等において一義的に明確にするのは、非常に多岐にわたっているものですから、法定的になかなか困難であるというようなことから、私どもは国の段階の推進会議を設けて進めているところでございます。
 さはさりながら、やはり現場でどのように行うかということは一つの方針、大綱というものを示す必要があろうかと思いまして、その推進会議の場で、その役割分担、費用負担のあり方も含めてですが、一つは、やはり冷蔵庫等の使用者である消費者、それから廃棄物処理を担当する市町村、フロン等を含む冷蔵庫等の製造者や販売者等、関係者が多岐にわたるので、まずそれぞれの役割、責任を十分認識していただく、しかもその上でそれぞれが応分の役割分担を積極的に行うということが重要であろうと考えておりまして、またその役割分担を踏まえた上で、コンセンサスを形成しながら共同、協力して取り組んでいくということが必要であろうと考えております。
 環境庁といたしましても、今回取りまとめた方針に基づきまして国の段階あるいは自治体等においてもスムーズにいくよう、相談に乗ったり指導したりしてまいりたい、かように考えております。
#118
○竹村泰子君 もう一つよくわからないんですけれども、縦割り行政の弊害が出ることなく国と自治体と回収業者とそれから消費者と、私は消費者だって、後で申し上げようと思いましたけれども、これは函館で冷蔵庫を回収処理するときに、処理費用を一キロ当たり十八円として一台平均千二百円、それから回収費用として千五百から三千円ぐらいの消費者の負担を、そして「お別れする時もお金がかかります」というキャッチフレーズで冷蔵庫を処理してもらう。当然フロンの回収もきちんとしてもらう。そういうふうなことがあちらこちらで広がってきていると思いますので、地球規模の環境のためですから、みんながどういうふうに役割をきちんと分担をすることができるか、十分十八省庁で、もちろん自治省も入っていらっしゃいますから、ぜひお考えをいただきたいと思います。
 初めに言いましたように、フロンの生産は全廃されても、まだ流通しているフロンは相当あり、かつ排出済みのフロンなどとともにきちんと対応していかなければオゾン層をまだまだ破壊していくだろうという予測がされています。ちなみにある説では、そのピークは今世紀末だろう、二〇五〇年ごろにやっと一九八〇年ごろの状態に戻るのではないかと。大臣、そういうふうに言われていて本当に深刻だと思うんです。
 そこで、オゾン層保護にかかわるフロン対策の将来的な方向性の明確化というか、つまりフロン対策の最終目的が代替フロンも含めて回収対象をどの範囲にまでするのかというお尋ねをしたいのですが、意味がおわかりくださるでしょうか。
#119
○政府委員(大澤進君) フロンと申しましても大変多種類でございまして、それからその破壊能力といいますものは弱いものから強いものまでいろいろあるわけでございます。私どもとしては、関係省庁とも議論した中で、この回収につきましては、その形態とか状態、例えば気体の状態とかあるいは曲とまざっているとかそういう状態もあるわけでございますが、そういう形態、状態にかかわらず、オゾン層を破壊する能力がより強く、しかも大気中により多く放出される、こういう可能性の高いものからやはり優先的に取り組んでいくことが非常に重要であるというか必要であると、かように考えております。
 しかし、先ほどの代替物については破壊能力も低いものが多いんですが、これらについても技術的あるいは経済的に実施可能であれば回収に努めるべきだと、このように考えております。繰り返しになりますが、やはり一番大気、オゾン層に影響の強いものを優先的に回収あるいは破壊に努める、これが基本がと考えております。
#120
○竹村泰子君 大臣、フロンはもう全廃されたというふうに聞きますと、何かもうオゾン層の破壊はとまったかのように一般には勘違いしてしまうんですけれども、実情はこういうふうに非常に厳しい、二〇五〇年ぐらいまでかかってやっと一九八〇年代に戻るかなというところで、それまではオゾン層を破壊し続けるわけなんですね。
 そういったPRも含めて、環境庁は政府広報をお出しになります、新聞広告もお出しになりますけれども、そういうときにも、オゾン層は破壊され続けています、だからきちんとフロンを回収してくださいというふうなことも含めてPRしていただきたいなと思うんですが、ちょっと大臣の御決意を。
#121
○国務大臣(大島理森君) 確かに先生御指摘のように、オゾンの問題につきましてはフロンの、新しい冷蔵庫なんかにもどんどんそういうラベルを張ってあれしていますが、何となく今先生とうちの局長との議論を聞いていまして、まだまだ警鐘乱打しながら、まさに国民の皆さんも参加していただいて、そして対処していかなければならぬと、そういうことをしなきゃならぬなという思いが今の議論を伺いながらつくづくしました。関係省庁に対しても、さらにそういう場を通じて私ども徹底もさせていただきますし、国民の皆さんにも警鐘乱打していかなきゃいかぬなと、こう思っております。いろいろと議論しながら進めていきたいと思っております。
#122
○竹村泰子君 ありがとうございます。頑張ってください。
 そして、これは規制緩和の一つとなると思いますけれども、御承知のように業務用の冷凍空調設備などからのフロン回収に当たっては設備業者が行っており、高圧ガス取締法に基づく高圧ガス製造の許可を有しておりません。加えて業務用設備からのフロン回収に当たっては新たに回収装置を導入するなど経費負担が大きくなっています。これでは、実際に回収に当たる設備業者は大変ではないかと思うんです。
 そこで、高圧ガス取締法にのっとっての専門技術と回収装置外の技術や設備によるフロン回収が実行可能である既存設備業者については、安全上の確保や回収装置に準じた一定の基準装置を確保した上での緩和措置などの検討が重要と考えますが、いかがでしょうか。
#123
○説明員(成田公明君) 御説明させていただきます。
 委員御指摘のように、フロンガスの回収は、フロンガス回収装置への高圧ガスの充てん、すなわち高圧ガス取締法上の高圧ガスの製造に該当するため、高圧ガス取締法の一般原則によれば、フロンガスの回収に当たっては都道府県知事の許可を必要とすることになります。しかしながら、高圧ガス取締法は、安全性が高いと認められる装置内における高圧ガスであって政令で定めるものにつきましてはこのような許可を要しないということにしております。
 フロンガスの回収につきましても、平成二年に一定の安全性を備えているフロンガス回収装置を使用する場合には高圧ガス取締法上の許可を必要としない旨の制度改正を行ったところでございます。この制度に基づきまして、これまでに約百種類の簡便なフロンガス回収装置により、高圧ガス取締法上の許可を要することなくフロンガスの回収が可能となっております。
#124
○竹村泰子君 わかりました。
 それで少し改正されているということがわかったんですけれども、一般の廃棄物を扱う上での適正処理困難物と同様に、このフロンも、フロン使用製品の生産、流通、消費の段階と廃棄がやっぱり一貫していない現状があるんじゃないか。例えばフロン回収という点で見れば、業務用冷蔵庫やきちんとディーラーに戻される車はそれなりに企業が努力もしているし回収対象となっていますが、家庭用冷蔵庫では野放し状態と言えるのではないか。
 先ほど私申し上げましたように、フロン回収を含む物流の経済システムの確立と回収費用を含めた役割分担、消費者負担も含めてですね、これが整理されていないために、どの段階でフロンを回収するのか、また廃棄物処理の段階で、既にフロンが回収されたものかどうかを確認する手だてが現場には全くないのではないか。そのためフロンの管理が極めてあいまいになっています。さらに、処理コストも明確になっていないために多くが単に廃棄物として処理されてしまっている。担当省庁としてはこの辺をどのようにお考えになるんでしょうか。私は、処理コストの負担などは製造業者も含めてきちんと位置づけるべきだと考えております。
 それから、そもそも適正処理困難物をつくったり使ったりするに当たって、その処理、処分に至るまで、PL法も成立いたしましたし、PPPの原則ということもありますし、製造者は責任をきちんと最後まで負うべきであるというふうに思うのですけれども、これは大臣、どのようにお考えですか。
#125
○政府委員(大澤進君) 処理コストも含めてですが、先ほども申しましたが、フロンの回収にかかわる者というのは、自治体を初めユーザーから事業者、販売者、製造者等、非常にいろんな段階でかかわるわけでございます。そこで、コストの負担のあり方だけ一つ取り上げて議論しても、どの者がどの程度負担するかというのは、正直言ってなかなか議論が詰まらないというか結論が出ないというような状況も私どもの検討の段階ではあったわけでございます。
 しかし、先ほどもちょっと例示もありましたが、函館では回収費用等を含めてユーザーといいますか消費者からもいただいているというような例もございます。そういうことで、私どもとしてはそれも一つの方向というかあり方かと思いますし、それぞれの地域において関係者が議論をしてコンセンサスを得てシステムを構築していく、あるいはそれを効果的に実施していくということで、国といいますか私どもの段階で一律的に明確に幾ら要るからコストをどなたが負担するということまではなかなか出せない問題である、かように考えております。
#126
○竹村泰子君 これはちょっと通告してないかもしれませんが、通産省、これはやっぱり製造業者の責任というのは非常に大きいと思うんです。消費者ももちろん決してただでと言っているわけではないけれども、やっぱりこういう適正処理困難物をつくったり使ったりした場合には最後まで責任をとるべきだと、そういう指導はできませんか。
#127
○説明員(上田孝君) お答え申し上げます。
 ただいま環境庁の方からも御説明ございましたように、費用負担のあり方については、通産省といたしましても自治体、製品の製造販売事業者、それからCFCの製造販売事業者、製品の使用者、そして廃製品の処理者等のコンセンサスを図ることが重要であると考えておりまして、先生御質問のございました、例えば家庭用冷蔵庫の冷媒等のように再利用が困難なCFCの回収費用の負担につきましては、このコンセンサスに基づき、CFCを使用した製品のメーカーにつきましても応分の費用を積極的に負担すべきものと考えております。
#128
○竹村泰子君 答弁を聞いて、やっぱりまだまだ甘いという感じがするんです。PL法の前と後とでは全然違うと思うんですね、次元が。ですから、ぜひ頑張っていただいて、こういう適正処理困難物を製品の中に入れちゃうんですから、それはもう最後まできちんと回収する義務があるんだということを、ぜひこれは大臣にもお伝えをいただきたいというふうに思います。
 長官、一言。
#129
○国務大臣(大島理森君) コストをどういう形でどう負担させてどうするかというのは、今局長やその辺が答弁したように、確かに技術的にはいろんな多様性を持っている難しい点があろうかと思いますが、私はいろいろとこれからも実態を把握しながら勉強もしていかなければならない問題だなと、議論を聞きながらそう感じました。
 一方、フロンの破壊技術の開発ということは一方において早くしなきゃいかぬなとも思っておるんです。八年度にその要求をいたしておりまして、そういう社会的なシステムをどう確立するかと同時にその破壊の技術を確立する、両面のことが大事だなということを今先生との議論を聞きながら感じたことでございますので、さらに勉強させていただきます。
#130
○竹村泰子君 大変前向きな御答弁をいただいておりますが、破壊のことをフロンの最後に申し上げようと思ったんですが、御承知のように今千葉の破壊処理業者だけしか破壊できないんですね、全国でただ一つ。これが一カ所しかない。だから、送ってないものはボンベにためている現状というふうに聞いております。これはどんどんたまっていくばかりですし、これでは破壊の効率は非常に悪い。ひいてはフロン回収に熱が入らないということも危惧されます。
 環境庁としてフロン破壊モデル事業を計画して予算請求もしていただいているということなんですけれども、五千四百万ですか、概算要求してありますけれども、これ通産も予算要求とまではいかないのかな、技術指導をぜひと思いますが。国としてやっぱり破壊技術の開発普及にきちんと取り組むことは大変よいことだと思います。
 私ここに持ってきましたのは帯広なんですが、現存の焼却施設に新型の焼却炉を導入して高熱で破壊できる焼却施設を利用してやっている。実行可能な方策であると思いますけれども、そういうモデル事業の中での技術基準の確立あるいは支援、そういうことについて環境庁、通産省、両方お伺いしたいと思います。
#131
○政府委員(大澤進君) フロンの破壊技術についての研究開発でございますが、その前提と申しますか要件としては、まず幾つかございまして、一つはフロンを破壊する分解率、どの程度破壊できるか。これは非常な高度の、九九・九%以上のものを要求されておりますが、この高分解率を確保できるかどうかということ。それから二点目としては、やはり焼却する過程の中でいろいろな排ガス等が出てくるわけでございますが、それが環境等に安全なレベルにおさまるかどうか。それから三点目としては炉の影響がどの程度あるか。四点目としては維持管理というか技術的な操作、この点についてもそれほど難しくないかどうか。
 こういう点が破壊実験といいますか開発実験のときに要求される要点でございまして、私ども平成六年度から国の段階でこの破壊実験に取り組んでおるところでございまして、六年度と今年度の二年間で、短期的、つまり短時間といいますか、ある短い時間でまず先ほど申しました二つの炉について、産廃の関係とそれからセメントの方の炉ですが、これらを利用しながら短期的に実験して、今申し上げたようないろいろな要点、条件がどの程度満たされるか、あるいは問題があるかということを整理しようと思います。その上で、年単位で使う場合にはどういう問題があるかということを八年度で、先ほどお話にありましたように八年度予算で五千四百万ほど要求している、こういうことでございます。
 なお、帯広の御紹介がありましたが、これは大変民間で熱心に取り組んでおられるということは私どもも関心を持っているところでございますが、そういう場合には、やはり私が今申し上げたような要点を十分配慮して、留意されてやることが非常に重要かと思いますし、それぞれのところで、民間でも開発研究に取り組むということは非常に望ましいことである、かように考えております。
#132
○説明員(上田孝君) 通産省といたしましては、従来から工業技術院資源環境技術総合研究所等におきましてCFC破壊技術の研究開発を行ってきておりまして、現在その成果を応用いたしまして、新エネルギー・産業技術総合開発機構におきましてプラズマを使用いたしましたCFC破壊技術の実証研究を進めているところでございます。さらに、本年度におきましては燃焼法によるCFCの破壊技術に関する調査研究も進めているところでございます。
 先生のお話にございました破壊技術の開発につきましては、関係機関とも今後とも連絡をとりながら、CFCの破壊技術確立を図りますために研究開発を引き続き推進してまいりたいと考えております。
#133
○竹村泰子君 時間が参りましたのでやめなければなりませんが、先ほど大臣、アセスメントについて大変よいお答えをしてくださいましたので、決意を伺って終わろうと思います。
 私ども、環境基本法をつくるときに、アセスメントを伴わなければ意味がないんだということを非常に強く主張したんですけれども、やはり私どもの非力でアセスメント法案もできませんでした。ぜひ夏ごろまでにと先ほどおっしやいましたけれども、私たちも応援団として大いに頑張りますので、どうぞアセスメント法を成立させるように、御決意を伺って私の質問を終わります。
#134
○国務大臣(大島理森君) 先ほどもお答えしましたが、来年の八月ごろまでに検討を精力的にいたしまして、そしてこの問題、中身、そういうものをどう考えていくか、全力を尽くして来年の夏ごろまでにまとめ、その上でどう進めていくか、そういうものを頑張ってやってみたいと思いますので、どうぞひとついろいろと御支援のほどお願い申し上げます。
#135
○有働正治君 私は、幾つかの問題で御質問いたします。
 一つは、在日米軍基地内の環境汚染問題、また米軍横田基地の燃料漏れ事故対策をめぐってであります。
 現在、沖縄の米軍基地問題あるいは安保問題、これが国政上の大問題になっています。米軍基地の存在が地域住民に大きな負担、犠牲、被害を与え、沖縄県民を先頭に国民が深刻な実態を訴えて国民本位の解決を強く求めているところでありますが、基地問題は環境分野でも、ここで一々私例示いたしませんが、これまでも、また今日も幾つかの問題が発生しているわけであります。
 そこで、まず環境庁長官にお尋ねしますけれども、国民生活、環境を守る立場から、米軍基地内あるいは周辺の環境問題、汚染問題等、毅然としてきっちり厳しく対応していく必要があると考えるわけでありますが、長官としてのまず基本姿勢をお伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(大島理森君) 環境問題には粛々と取り組まなければならぬと思っております。
#137
○有働正治君 在日米軍横田基地で、一九九三年十月、基地内の航空燃料補給施設で空軍演習中にドラム缶三百四十本相当のジェット燃料漏れの事故が起きました。米軍側は、ことし五月に約四百ページの最終報告書を環境庁に外務省を通じて渡したと聞いています。
 私も当時、発生直後一昨年十一月十日の本委員会でこの問題への対応を求めました。当時の環境庁長官も、米側に申し入れるなど必要な措置を講じていくと、こういう答弁をされているわけでありますが、本件につきましてその後の環境庁の米側への申し入れその他の対応、今日どうなっているのか、簡潔に御説明いただきたいと思います。
#138
○政府委員(嶌田道夫君) 平成五年十月の横田基地の燃料漏れ事故発生以来、日米合同委員会の補助機関でございます環境分科委員会の場を通じまして、事故の実態、汚染の状況、汚染の除去対策につきまして米軍の対応を聴取する一方、環境についての専門的見地から日本側として必要な意見を述べてきたところでございます。
 また、周辺環境の監視の見地から、東京都を指導いたしまして周辺地下水の定期的なモニタリングを実施してきたところでございます。
#139
○有働正治君 地元の東京都昭島市など、ここは地下水に頼っているわけであります。そこで大きく市民の心配事になっていたということでありますが、関係の五市一町でつくります横田基地周辺市町基地対策連絡会、ここに報告が届けられたのは、事故が起きて二年後の去る十月十二日になってからのようであります。
 報告書によりますと、漏れ出した現場付近の土壌サンプルからは最大一千ppmの有機物ガスや全石油系の炭化水素TPHが検出されています。このTPHは日本の規制項目にはありませんが、アメリカの多くの州で採用しています環境基準に比べて最高二百倍近い濃度のサンプルもあったというふうに承知しているわけでありますが、その除去作業がことし九月から一年計画で始まっているようであります。
 一つは、アメリカの調査着手から現地に報告が公表されるまで二年もかかっている。現地は二年間非常に心配していたわけでありますけれども、こういう問題はもっと早く調査して結果を速やかに公表するということが求められていると思うわけでありますが、この点について。
 そして、長官の方にお尋ねするわけでありますが、さきに述べました地元の基地対策連絡会はアメリカ軍及び日本政府に対しまして申し入れを行っています。それは、除去作業の進捗状況を把握するため定期的な報告書を開示していただく、また横田基地周辺市町基地対策連絡会に現場を確認させていただきたい、除去した燃料の処理方法について安全性確保及び環境保護の観点から文書で報告願いたい、航空燃料施設の安全管理に万全を期すこと等々、再発防止を含めた切実な要望として米軍及び日本政府の対応を求めているわけであります。先ほどの答弁の立場に立って、担当大臣としてこういう地元住民、自治体の要望に対して積極的に対応していただきたいという点でありますが、いかがでありましょうか。
#140
○国務大臣(大島理森君) 地元住民の重大な関心を背景に要望がなされたものでありますので、今後日米合同委員会、環境分科委員会というのがその中にございますが、その場を通じて再度その趣旨が米軍に伝わるよう努めたいと思っております。
#141
○政府委員(嶌田道夫君) 二年間経過していたではないかと、その間の経緯はどうかというような御質問でございましたので、簡単に御説明したいと思います。
 先ほど言いましたように、平成五年の十一月、アメリカ側から地下施設の燃料漏れが発生したという発表があったわけでございますが、その後汚染状況把握のための第一次調査が実施されまして、平成六年六月にはアメリカ側から調査結果が発表されております。それによりますと、概略の汚染範囲が特定されておりまして、差し当たり基地外への汚染の拡大のおそれはないというふうなことでございました。
 この調査結果に基づきまして詳細調査の方法を検討した上、平成六年九月から平成七年五月まで第二次調査を行いまして汚染の状況を詳細に把握するとともに、汚染除去措置の方法について取りまとめがあったということでございます。
 この調査結果を踏まえまして、先ほど先生が言われましたようにアメリカ側におきまして本年九月から除去作業が実施されておりまして、明年七月までに完了の予定というふうに聞いております。
#142
○有働正治君 関係自治体の方では、やはり住民にも安心していただくために当事者が現場を確認するなり必要な手だてをとっていただきたいということは強い要望であるわけです。
 やはり米軍基地内におけるこういう問題について日本側として現場を立ち会う、あるいは確認する、立ち入り調査も行うと。あるいは大臣述べられましたように、日米合同委員会に提起した結果どういうふうになっているのか必要最大関係自治体、住民に政府としてきっちりお知らせして、情報公開の時代であります、そういうことを含めてこの基地内の環境問題に対応していただきたいと思いますが、大臣、決意のほどを。
#143
○政府委員(嶌田道夫君) 地方自治体によります現地の立ち入りにつきましては、去る十月五日に基地周辺市町代表によりまして現場確認が行われたというふうに承知しております。
 ただ、今後の現場確認でございますけれども、要望書にも盛り込まれておりますので、日米合同委員会の環境分科委員会の場を通じまして、再度その趣旨が米軍に伝わるように努力していきたいというふうに考えております。
#144
○有働正治君 アメリカ軍の問題、基地内の環境問題は、かなり大きな問題として米国内においても国内においてもいろいろ指摘されてきているわけであります。毅然たる対応を求めておきます。
 次の問題といたしまして、本委員会の冒頭委員派遣報告もございましたが、白神山地の世界遺産の問題にかかわりましてこの地域の管理計画問題をめぐって質問したいと思います。
 この管理計画作成をめぐりましては、九月四日にその骨子案が初めて公表されて、現地で地元意見を聴く会が連絡会議主催で催されているわけであります。また、文書による意見も受け付けられているということであります。その中で、かなり現地から関係自然保護団体を含めまして強い要望が出されているようでありますが、その状況はどうなのか、この要望についてどう対応されていくのか、まずお聞きします。
#145
○政府委員(澤村宏君) ただいま白神山地の管理計画、それがどのように今進められているかということでございますが、関係者の意見につきましては、地元意見を聴く会におきまして十七人の方々から意見の陳述がありました。また、十四人の団体、個人から文書による意見の提出がございました。
 主な意見といたしましては、一つは入山規制の問題、それから二番目には遺産地域周辺部の扱いの問題、それから管理体制の整備が必要ではないかというようなこと、さらには民意の反映が不十分ではないか等のいろいろな意見が寄せられました。
 これらの意見につきましては、地元の方々の間でも必ずしもコンセンサスが得られていない問題もございます。また、本管理計画の範囲を超えるような、そういった御意見もありましたが、これらの意見を参考にしながら管理計画の策定を現在進めているところでございます。
#146
○有働正治君 この意見を聴く会の模様を報道いたしました地元の新聞にはかなり厳しい批判が指摘されているわけであります。見出しその他を見ましても、「国の姿勢に批判相次ぐ」、「民意反映されず」、こういう指摘であります。その中では、「骨子案に対する民意吸い上げの時間と機会が少ない点に不満が続出。」したと。「「本当に意見を聞く気があるなら、意見聴取の場を何度か設けるべきではないか」など、連絡会議や国への不信感が噴出した。」等々出されているわけであります。
 今、担当局長はこれらの意見を参考にして作成するということでありますが、一般的に聞きおきました参考にしますというふうに受け取られるような答弁、これでは地元民は納得するはずがないわけであります。地元民の方々、意見を述べられた方々は、私もいろいろ御意見をお伺いしたわけでありますけれども、それぞれの御専門の立場から必死で地域環境あるいは希少動植物の保護、保全のために頑張っておられる専門的な方も多々おられるわけであります。そういう地元の意見を大いに吸い上げて、そして世界遺産にふさわしいものにするということが求められているわけでありますが、この点について今の局長の答弁では全く納得できない。
 大臣としてこういう意見にどう対応されていくのか、基本的な姿勢をお伺いしたいわけであります。
#147
○政府委員(澤村宏君) ただいま説明が足りなかったという点につきまして補足させていただきますが、例えば入山規制につきましては、主な意見として、核心地域への入山は禁止すべきだという意見がある一方で登山等を否定するような入山規制はすべきではないというようなこと等出ました。あるいは、この管理計画の外のことになるわけでございますが、遺産地域周辺部の扱いにつきましても、遺産地域の外側に緩衝帯を新たに設定すべきというような意見があるとともに、遺産地域の拡大はせず、区域外は木材生産をすべきだというような御意見等もございました。
 いろんな意見がありましたが、そういう中で、例えば管理計画の細部にわたります取り扱いにつきましては必要に応じて地元関係者等の意見を聞いていくということにするというようなこと、あるいは社会条件の変化等を踏まえて必要に応じ管理計画の見直しを行うということといたしまして、その際にも地元関係者等の意見を聞くこと等、そういったような御意見につきましては取り入れる方向で今考えている、そういうことを御報告したいと思います。
#148
○有働正治君 大臣、重ねてお聞きします。
 本当に国民の皆様あるいは関係専門家の方々、地域住民の方々、これは遺産を守りたい、自然を幾久しく保全したいという気持ちから述べておられて、その意見を本当に尊重していただきたいということであるわけであります。
 そういう点では、長官として積極的に吸い上げて、そして取り入れるべき内容は取り入れて充実させていく、そういう方向を明確にして積極的に対応していただきたい。いかがでありますか。
#149
○国務大臣(大島理森君) 先生方が白神に行っていただいて大変ありがとうございました。
 広く地元といえば私も地元になるのかもしれませんが、今局長からお話がございましたように、実は最初にこの世界遺産という概念に地元の皆様方の思いというか理解がちょっといろいろ違っていた部分が相当ある。
 それはそれとしまして、さらに私もたまに青森へ帰りますといろいろな意見を聞くわけですが、さまざまあるのでございますね、先生御承知のように。絶対入山させちゃいかぬよという意見もあれば、あるいは、いやさはさりながら少し入らせてくれないとおれたちは困るよという人たちもあれば、いろいろあろうかと思います。
 しかしながら、私はそのときにいつも申し上げるのですが、守って生かすことが世界遺産の私どもに与えられた大きな哲学じゃないだろうか。そういう中にありまして、あの地域に精通している地元民の皆さんがたくさんおられます。したがって、そういうふうな方々の人材を生かしながら、またいろんな意見を率直に聞き入れながら世界遺産の管理を進めていく姿勢が大事だ、私はこのように思っております。
#150
○有働正治君 具体的な問題を幾つかお尋ねしますけれども、指定された境界線についてもいろいろ問題点が関係者から指摘されています。
 林野庁に聞きます。白神山地一帯に生息する天然記念物クマゲラの生息調査、その実施要綱、それから調査結果を受けてその保全、保護にどう対応されるか、簡潔にお願いしたい。
#151
○説明員(前田直登君) 白神山地におきましては北部を中心に数カ所でクマゲラの生息が確認されているところでございますけれども、これにつきましては、生息数ですとかあるいはその生息域、こういったクマゲラの生息に関します具体的情報が少ない、また生息地周辺の森林施業のクマゲラヘの影響が明らかでないというようなこともございまして、今後の対応を慎重に検討していくことが求められているところでございます。
 こういったことを受けまして、私どもといたしましては、平成七年度中に白神山地におきますこのようなクマゲラの生息に関しまして、生息の可能性の高い地域の判定調査でございますとか、あるいは生息域を確認するための現地調査、さらにはこういった調査結果を踏まえましたクマゲラの保護に配慮した森林施業の検討、こういったことにつきまして調査を実施するということで現在検討を進めているところでございます。
#152
○有働正治君 環境庁、今のクマゲラの問題、調査結果を踏まえつつ、必要があれば境界線を広げるなり、その保全、保護に積極的に対応するということ、いかがでありましょうか。簡潔に。
#153
○政府委員(澤村宏君) ただいまの問題は、遺産地域外のことではございますが、そして基本的には管理計画の対象外ではございますけれども、遺産地域の外でありましても、クマゲラあるいはイヌワシ等貴重な生物の生息状況等につきましては環境庁としても関心を払ってまいりたい、そのように考えております。
#154
○有働正治君 今、局長が述べられましたけれども、イヌワシについてあるいはオオタカについて関係者の話を聞きますと、イヌワシの赤ちゃんが生まれて巣立ったという地域もあるようであります。ところが、そういう地域が周辺に林野庁の伐採計画があるということで、自然保護団体が先行きを大変色倶しているところがあるわけであります。
 こういう希少動植物の保全の点につきまして、今環境庁の方はおっしゃられましたけれども、林野庁も、自然保護団体の意見、要望、実態調査等もお聞きになってきっちり対応していただきたいと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。
 そして、この問題、大臣、今それぞれ述べられた方向で、できるだけこういう希少動植物の保全、保護については環境庁長官として関係省庁とも御相談されて積極的に対応していただきたい。最後に御答弁いただきたいと思います。
#155
○説明員(前田直登君) イヌワシあるいはクマタカ等といった貴重な野生鳥獣の生息関係の御質問でございます。
 私ども、国有林におきましては、日ごろからの巡視活動でございますとか、あるいは森林計画の調査時の調査、さらにはいろんな関係者の方々からの情報、そういったものも得ながら貴重な野生動植物の生息状況、こういったものの把握に努めているところでございます。
 ちなみに、例えばことし六月でございますけれども、青森県の白神山地の国有林におきまして間伐予定地の近くにクマタカの営巣地が確認されております。このため、当該地につきましては当面間伐は見合わせるということにいたしますと同時に、今後の営巣地周辺の森林の取り扱いにつきましては、森林施業がクマタカの生息にどのような影響を与えるかというようなことも含めまして、専門家の意見を聞いた上で、例えば一定の範囲内につきましては伐採を制限するといったようなことも考え、適切に対処してまいりたいというように考えている次第でございます。
#156
○国務大臣(大島理森君) 多様な希少な動植物を保護するというのはまさに環境庁の大きな仕事の一つであるわけでありまして、そういう意味でいろいろな法律を今日までつくってまいりました。鳥獣保護に関する法律、あるいは平成四年には種の保存法、そして昨日はまさに国家戦略を閣議了解させていただきました。その法律あるいは基本戦略に基づいてしかるべく政策をやることが私どもの仕事だと、このように思っております。
#157
○有働正治君 次の問題で、茨城県霞ケ浦周辺に飛来する渡り鳥でありますオオヒシクイ保護対策をお尋ねします。
 環境庁にお尋ねします。オオヒシクイというのは、翼を広げますと約一・五メートルにもなる国内で最も大きい型のガンの一種で、冬渡来するガンであると私は承知しているわけであります。
 一九七一年六月二十八日、天然記念物にも指定されているわけであります。関東地方で唯一の越冬地であります茨城県の霞ケ浦周辺、稲波、引舟、羽賀、小野川流域の越冬状況、保護状況、どういうふうに把握しておられるか、簡潔にまずお願いいたします。
#158
○政府委員(澤村宏君) 霞ケ浦に飛来するオオヒシクイは、環境庁の調査結果によりますと毎年五十羽程度でございます。また、霞ヶ浦に飛来するるオオヒシクイは、主に霞ケ浦南部の干拓地の水田を採餌、休息、ねぐら等として利用しておりまして、当該地は県設の鳥獣保護区が設定されている、そういう状況にございます。
#159
○有働正治君 県の鳥獣保護区の問題でありますが、この地域が特定の地域に限られている、このことを今自然保護団体は問題にしているわけであります。この保全の上で保護区をもう少し広く設定していただきたいと。つまり、稲波地区のほかに霞ケ浦、引舟、羽賀、小野川、地域全体を、越冬地全域を鳥獣保護区に設定するように求めたいという要望があるわけでありますが、この点についていかがでありましょうか。
#160
○政府委員(澤村宏君) そうした地元の要望を受けまして、茨城県におきましては今月、まさに十一月一日からオオヒシクイの生息地が含まれます鳥獣保護区域を拡大したところでございます。
 この拡大に当たりましては、これまで行われましたオオヒシクイの生息状況の調査結果、それから専門家から成る検討委員会の提言を踏まえたものと聞いております。
#161
○有働正治君 実は、この保護区が限られた地域に限定されたというのは、圏央道ルートがここにあるという問題があるわけであります。引舟地域周辺であります。この茨城県内の圏央道建設計画にかかわります環境アセスに対して、所管庁であります文化庁、どう対応なされたのか、簡潔にお述べいただきたい。
#162
○説明員(水野豊君) 圏央道建設計画に伴います天然記念物ヒシクイの保護についての文化庁の対応状況でございますが、平成三年に茨城県の教育委員会からこの道路建設工事等に伴いますヒシクイヘの影響対策についての私ども相談を受けたわけでございます。その時点で、ヒシクイの生息に悪い影響を与えないように必要な対策を講ずる必要があるということを指導したわけでございます。
 その後、県の教育委員会から継続的に御報告を受けておりますが、それによりますと、平成三年から三年間の生息の調査等を踏まえまして、建設省、茨城県で設置いたしましたヒシクイ保護策検討委員会が平成六年三月にヒシクイの保護に関する提言を出されておるわけでございます。その内容は、鳥獣保護区の拡大でございますとか、乱開発防止と生息環境の保全等いろいろな面にわたっております。
 私どもといたしましては、建設省及び県等におきまして立てられました基本方針に即しまして、現在必要な施策が進められているというふうに承知をいたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、文化庁といたしましては、工事等の実施等によりましてヒシクイの生息に重大な影響が及ぶことがあってはならないわけでございますので、今後とも県教育委員会に対しまして必要な指導を行いつつ経過を見守りたいと思っておる次第でございます。
#163
○有働正治君 重大な影響があることが危惧されているんです。県当局はあくまで圏央道を優先させると、建設省もそういう立場で、引舟、羽賀地域を保護区にしていないわけでありますが、オオヒシクイの越冬地域内には稲波という指定地域以外にこの引舟、羽賀の二カ所の採食地があるわけでありまして、このままではこの地域には越冬しないで、採食地も一カ所となって越冬が続けられなく、ここには来ない可能性もあると先行きを大変色倶されているわけであります。そういう点を十分考慮すべきであるということを指摘しておきます。
 同時に、保護に対しまして幾つかの緊急の手だてを要請したいと要望が出されています。例えば狩猟の自粛、この点を広く宣伝していただきたい、また立て看板その他、看板を設置していただきたい、あるいは公園の夜間照明をとめていただきたい、あるいは上空に夜間ヘリコプターが飛来した事例もある、関係機関と相談し飛行の中止の問題、また水上バイクの航行の自粛、やめていただきたい、鳥獣保護員による監視活動を強化していただきたい等々、今文化庁が言われているようなそう甘いものではないという立場からの緊急の要請その他も出されているわけであります。
 この点について、環境庁としても、大臣として地元民の要望に関係自治体、関係省庁とも協議の上、積極的に対応していただきたいということであります。簡潔にお願いします。
#164
○政府委員(澤村宏君) 茨城県からは、さきに述べました鳥獣保護区の拡大、すなわちねぐらや飛翔ルート沿いなどを中心に保護区を倍増する、そういうことでオオヒシクイの渡来地の保護の観点からいろいろ配慮したということでございました。
 また、引舟地区につきましては、送電線が設置されているほか、排水工事などによります水田の簡素化が進んでいるためにオオヒシクイの生息地としては良好とは言えない状況にあり、また現にオオヒシクイが確認された回数も少ないというようなことが言われているわけでございます。そういうような状況の中で、まずは鳥獣保護区の拡大をされたわけでございます。
 さらに、ただいま先生からお話のございました地元団体の要望ということも踏まえまして、今月より保護区に隣接して銃猟禁止区域を設定することとしたほか、巡視活動の充実、近接する公園の夜間照明の縮小、それから説明板あるいは広報紙によります水上バイクの自粛等々、いろいろな施策をしているわけでございます。その中にヘリコプターの自粛というようなことも含まれているというようにお伺いしているところでございます。
#165
○委員長(大渕絹子君) 時間が来ています。
#166
○有働正治君 最後の問題を一つだけ。
 熊本県川辺川にニホンカワウソが生息している可能性があるという問題があるわけであります。関係自治体、教育委員会、地元住民はこの問題を非常に重視して積極的に対応しているという状況であります。
 現地では、ニホンカワウソ研究会球磨支部というのが、支部長さん、そしてカワウソ探検隊長、会員の方々が、ニホンカワウソ研究会の援助等も得ながら必死で調査し、そして生存の可能性の上に立って対応したいということでやっているわけでありますが、公的な支援その他がない中で活動が限られているということで、この問題に何らかの支援活動その他環境庁としても対応できないか、こういう要望がありますので、御検討いただきたい。
#167
○政府委員(澤村宏君) ニホンカワウソにつきましては、現在では高知県の一部に残存する可能性が指摘されているのみでございまして、熊本県では確実性のある生息情報は得られていない、そのように承知しているところでございます。
 なお、一般論で申しますと、環境庁ではこれまでも民間団体と協力しつつ野生生物の調査等を実施してきておりまして、そういう中で今お話しのようなことがどのように考えられるか考えてまいりたいと思います。
#168
○有働正治君 どうも済みません。ありがとうございました。終わります。
#169
○末広真樹子君 参議院フォーラムを代表しまして、地元で取り組んでまいりましたことに関しまして早速に質問の機会を与えていただきましたことを皆様に感謝いたします。よろしくお願いいたします。
 まず、愛知万博開催に対する環境庁の姿勢についてお伺いしたく思います。
 二〇〇五年の万博候補地として愛知県瀬戸市、瀬戸市と申しますのは豊田市の隣にある市でございますけれども、その誘致運動を一九九〇年より行っておりますが、地元住民や自然保護の市民グループなどから猛烈な反対の声が上がっております。
 反対の理由は、この瀬戸の森、中でも陶器づくりや農業でこの里山で暮らしてきた人々、そして今では都市近郊ではほとんど見られなくなりました里山の自然環境を壊さないでほしいという人々の、万博するならもっとほかの場所でやってという極めて素朴な訴えなのでございます。
 委員長の許可を得まして、少し付近の自然環境をごらんいただきたいと思います。それでは、VTRお願いいたします。
#170
○委員長(大渕絹子君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
   〔ビデオ映写〕
#171
○委員長(大渕絹子君) 速記を起こしてください。
#172
○末広真樹子君 ありがとうございました。
 今ごらんいただいたのは残念ながら空気が伝わっておりませんが、森特有のにおいというものがあるということを皆様よく御存じだと思いますけれども、これを二十一世紀の空とするか、それとも万博を空とするか、ここが価値観の大いなる分かれ目であるかと思います。
 初めに瀬戸ありきで始まりました愛知万博は、世界博という大きなスケールで、このすばらしい天然二次林が無残にも壊されようとしております。広さにして六百五十ヘクタール、レッドデータブック掲載の国内希少植物はシデコブシを初め九種類、動物はオオタカ、ギフチョウを初め五種類、さらに地元自然観察ではオシドリなど三種類が発見されております。
 そこで、質問に移りたいと思います。
 長官にお願いしたいんですが、愛知万博開催についての環境庁としての見解、まだ出ていないのならば、十二月の閣議了解までには必ずお出しになると思いますが、どのような過程を経て見解をお出しになるのか、またこれまでにどのような調査をなさったのか、今後どのような調査をなさるのか、お答えいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(大島理森君) 先生から実はお手紙も一回ちょうだいをいたしました。なかなか御達筆でございます。
 今、ビデオを見させていただきました。愛知万博の会場候補については、環境庁としましても地元県から環境調査の内容等について詳細な資料を求めております。さらに、担当官を現地に派遣させまして、まず現地の状況をきちっと把握しようということで、今その努力をいたしております。
 私も、実は長官の拝命を受けてから、この問題についていろんな方から御陳情なり御意見をちょうだいしてまいりました。写真も見て概況を把握しておりますし、今またビデオを見させていただきましたが、いわゆる身近な自然との触れ合いの場であるとともに、レッドデータブック掲載種を含む多様な動植物が生息あるいは生育しているなど、良好な自然環境を有する地域だなという認識はいたしております。
 したがいまして、万博につきましてこれまで通産省や地元愛知県などと意見交換を行ってきたところでありますが、大事なのは、自然環境の保全対策や地元でのコンセンサスの形成などの点について引き続き検討を要する課題があると私は認識しております。
 今後、地元愛知県の対応を踏まえまして政府一体となって検討していくものと理解していますが、環境庁としては、その中で会場候補地の現状を十分に踏まえながら、自然環境の保全等の観点から適切な対応に努める考えであります。
#174
○末広真樹子君 自然保護に対する環境庁の考え方についてもう少しお尋ねしたいと思います。
 この万博は、一九八八年、オリンピック誘致に名古屋が失敗しましてがっくりしている愛知県に対しまして、オリンピックがだめなら万博があるさと通産省主導で始まりました。日本じゅうが好景気に沸きまして土地売買に浮かれ、よもやバブルの崩壊があろうとはだれ一人として考えなかった時点でございます。
 ところが、バブルは実際にはじけまして、金融不安、経済は右肩下がりになって、世間の人々が時代の変革を感じ始めました。これからの日本、日本人としての価値観、何を優先させ何を守らなければならないのか。
 残念ながら、一度走り出しました行政という名の列車はとまるところを知りません。東京都の青島知事は財源という観点から都市博を中止させました。しかし、それよりもはるかに大きな財政と環境破壊を強いる世界博が瀬戸の海上の森で行われるべく、ことしじゅうに閣議了解される方向なのです。
 そこで、お尋ねいたします。環境庁は、政府、地方公共団体、民間企業の開発計画にどうタッチできるのか、壊されていく森や自然を守るための環境庁の基本的姿勢はどの程度のものなのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
#175
○政府委員(澤村宏君) お答え申し上げます。
 種々の開発計画におきます自然保護への配慮につきましては、基本的には、事業者において貴重な野生動植物の生息地の保全や自然環境への影響を最小とする配慮を立地選定を含めた計画の早い段階から講じられることがまず肝要なことであるというふうに考えております。
 このためには、動植物の分布データや保全対象となる動植物の生息地などについての情報が整備されて、計画の策定者がこれらの情報を踏まえた意思決定を容易に行える環境を整備することが必要であると考えておりまして、当庁といたしましてはこのための調査あるいは情報基盤の整備に取り組むこととしております。
 また、閣議決定に基づく環境アセスメントが実施され環境庁の意見が求められる、そういう場合におきましては、具体的な開発計画に対しまして環境庁が関与する場合には、健全な生態系の維持や生物多様性の保全等、自然環境保全の観点から適切に対処していく、そういう考えで対処しております。
#176
○末広真樹子君 次はエコミュージアムに関してお尋ねしたいと思います。
 平成七年度新規事業としてエコミュージアム整備事業というのが始まりましたが、どのようなものなのか御説明願いたいと思います。
 また、これは国立公園、国定公園に限定せず、その周辺地域にも拡大していくことはできないのでしょうか。そうすれば、一部に国定公園を含む瀬戸の森、とりわけ物見山、海上の森一帯もエコミュージアムとして保存可能となりますが、その点はいかがでございましょうか。
#177
○政府委員(澤村宏君) ただいまお話にありましたエコミュージアム整備事業は、国立公園それから国定公園の中において、訪れる方々が生き物や植生などと触れ合い、自然を学ぶことができる中核施設を整備するもので、平成七年度から開始した事業でございます。より具体的には、地域の自然を初めとする各種利用情報の提供、自然学習、利用指導を行うエコミュージアムセンターと屋外で自然体験をすることのできるエコフイールド、そういったものを一体的に整備していく、こんな考え方がことしから始まりました事業の内容となっているわけでございます。
 したがいまして、エコミュージアム整備事業は国立公園、国定公園内で実施する事業でございますので、ここの物見山、海上の森にこれを導入するということにつきましては、ここの地域がまず国定公園として拡張されるということがその前提となる、言葉をかえて申しますと国立公園、国定公園外ではこの事業につきましては対象としていないということでございます。
#178
○末広真樹子君 今の私の質問は、ここを拡大解釈して国定公園の拡大ということは不可能なのでしょうかということでございまして、事業費一区画八億円、整備期間三カ年というすばらしいものでございますけれども、平成八年度予算は概算要求だけで箇所指定は決まっていないと伺っております。その点、可能性はこの瀬戸の森に関しましては全くないのでしょうか。
#179
○政府委員(澤村宏君) ただいま申しましたように、これは国立公園、国定公園ということを前提にしております。したがいまして、この地域が国定公園になるという前提に立てますればそういう可能性があるわけでございます。
 なお、こういう構想につきましては、例えば国立公園以外であるということであるならば、規模等につきましては若干変わってまいりますが、例えば私どもふるさといきものの里事業というようなこともやっておりまして、そういうことの可能性はあり得ようかと思います。
#180
○末広真樹子君 時間がありませんので次に参ります。
 住宅開発に対する環境庁のお仕事についてお尋ねいたします。宅地開発に対する環境庁としてのチェック機能についてお答えいただきたいと思います。
 万博跡地に二百五十ヘクタールの新住宅市街地開発事業を推し進めようとしておりますが、環境庁としてチェックできないのでしょうか。と申しますのは、一九七〇年、日本で初めての万博が大阪の千里の竹やぶ三百万平方メートルを造成いたしまして、伐採したわけです。跡地を住宅にいたしました。まだこの年は環境庁という官庁が誕生していなかったのでございます。ですから、ノーチエックで誕生したわけでございます、やむを得ませんが。
 千里ニュータウンというのは、御承知のように地下鉄で都心部へ三十分という交通のよさ、そしてあこがれのニュータウンということでいわゆる団地族のはしりとなりまして、四十歳前後のエリート家族がこぞって入居いたしました。ところが、二十五年たちまして、建物も老朽化しまして、住む人々も子どもたちが出ていってしまいまして、かつてのニュータウンが六十五歳前後の人たちが住むオールドタウンとなってしまいました。今後の課題を抱えているのが現状でございます。
 一挙に大規模住宅が出現することの問題点、そして瀬戸の森では、まず何よりも水の供給という大きな問題も地元農家の人からは出ております。跡地としての宅地開発についてお尋ねいたします。
#181
○政府委員(大西孝夫君) まず、現行の環境影響評価実施要綱の考え方から申し上げますが、新住宅市街地開発事業につきましては、その要綱によりますと、面積が百ヘクタール以上のものにつきましては環境影響評価が実施されるということになっておりまして、御指摘の愛知万博の会場候補地もその対象事業になるということでございます。
 具体的な手続はこの際あえて省略いたしますが、そういう形で行われました場合に環境庁がどういうスタンスになるかということにつきましては、この現行の決定要綱につきましては、規模が大きくその実施により環境に及ぼす影響について特に配慮する必要があると認められる事項があるときに主務大臣が環境庁長官に意見を求めるということになっておりまして、本件の新住宅市街地開発事業につきましても、そういう観点から本事業所管の主務大臣、建設大臣から意見が求められた場合に意見を述べるという形になっております。
 それで、今先生御指摘の、一挙に大規模な住宅開発が生じる場合のいろいろな問題あるいは水供給の問題等につきまして御意見を述べられ、私どもの意見も今お聞きになられたわけでございますが、環境影響評価という範囲内の問題もあるしまたその範囲外の問題もあろうと思いますが、いずれにしてもそれはそれぞれの立場の方がいろんな考え方を持とうと思います。
 それを環境という側面でどのように整理し、意見を集約するかという一つの制度として今閣議決定要綱がございます。その運用の様式をはからねばいかぬと思いますが、一般論として、そういう大きな住宅地開発をする際に、当然環境に対する悪影響を残さないように配慮することはもちろんでございますし、また環境面という意味ではなくて、そこに住む住民の方々がその後快適に暮らせるようないわゆるアメニティーと申しましょうか、そういう観点から市街地開発計画を進めるということは非常に重要なことでありますし、そういうことを踏まえて事業者が推進していただけることを私どもとしても期待したいと思っております。
#182
○末広真樹子君 いずれにしましても、環境庁としての独自性でもってイニシアチブを持って十分な調査をなさる、御決断をくださるということをここに要請しておきたいと思います。
 次の質問は通産省にお尋ねいたします。
 ことしの十月二十六日、やっとの思いで県主催で地元の自然を守りたいグループと一緒にシンポジウム開催までこぎつけました。通産省の松尾室長との八月四日以来の約束であったわけですが、非常に残念なことに前日になって末広の意見発表が突然取り消されまして、プログラムから名前も消えていた事態を重く見まして、私はシンポジウムをボイコットさせていただきまして、自然を守るグループは壇上から途中退場いたしました。
 お伺いしたいのは、今後きちんとした意見交換の場を設定するお気持ちがおありでしょうか、お尋ねいたします。
#183
○説明員(松尾隆之君) 通産省といたしましては、国際博覧会の開催に際しまして地元における合意形成が重要であると認識いたしております。
 このような認識のもとに、十月二十三日に国際博覧会予備調査検討委員会におきましてこれまでの検討状況が取りまとめられた後も、二十四、二十五日両日で直ちに地元での説明会を開催いたしまして、二十一世紀型の新しい国際博のあり方について地元の理解を得るよう努めてきたところでございます。
 さらに、地元での合意形成の促進に向けまして、愛知県に対しましても地元における継続的な対話の実施を要請してきたところでございます。十月二十六日の愛知県の主催によりまして開催されました二十一世紀万国博覧会県民シンポジウムにつきましても、二十一世紀の新しい国際博覧会のあり方などにつきまして県民の認識を深め、地元での合意形成に資するという観点から開催されたものと承知いたしております。
 通産省といたしましては、今後とも地元からの意見聴取に努めますとともに、愛知県に対しましては、地元環境保護団体も含めました実質的な対話を継続するように要請することを通じまして地元レベルのコンセンサスの形成を促進してまいりたいというふうに考えております。
#184
○末広真樹子君 地元との対話を重視なさるのであれば、前日になって突然発言予定者をプログラムから抹消してしまうというこそくな手段をおとりになるべきではない。それはコンセンサスを得るどころか溝を深める結果になってしまっていると私は認識しておりますし、報道の方でもそういうふうに報じられております。これは松尾室長も、大変御苦労なすった割には実りがなく、マイナスに働いてしまったということでじくじたるものがおありになろうかと思います。
 どの点をどう改善して、閣議了解までに何回ぐらいシンポジウムを御計画なすっているのか、お話しいただきたいと思います。
#185
○説明員(松尾隆之君) 通産省といたしましても、地元におきまして公開対話の場が可能な限り設けられることの重要性は御指摘のとおり十分認識しておりまして、地元レベルでの公開対話の場として、先般のシンポジウムに引き続きまして今後いかなる場を設けることができるかにつきましては、今お話しございました委員の御指摘を踏まえまして、愛知県とも連絡をとりつつ、早急に前向きに対応していきたいというふうに考えております。
#186
○末広真樹子君 それはなんでございますか、適当にやっとけよと、それで当日になったら末広を黙らせて、プログラムから外してしまって、それでシンポをやったという形だけ残して足跡としろと、こういう御意見でございますか。
#187
○説明員(松尾隆之君) 先般のシンポジウムにつきましては県の方でもいろいろ場を設ける調整はいたしたというふうに聞いておりますが、まだまだ不十分であると認識しておりますので、今後もそういう場を設けていろんな方を、一般住民の方を含めまして継続的な対話を進めるということで県も指導しながら、私どもも一緒に参加してやる工夫も考えていきたいと思っております。
#188
○末広真樹子君 これ以上申し上げても全然胸に響かないようでございますので、これぐらいにいたします。
 自然を守りたいと願っている人たちの当日の声は、私と通産省との約束、シンポジウムをやりましょう、一緒にやりましょう、末広議員も二十分意見発表願いますと、これが突然に約束がほごにされたら、約束を守らない人と自然を守ってほしいというようなお話し合いを続けることは不可能だ、こういう声が聞こえていることをお伝えいたしまして、これ以上追及いたしません。
 最後になりますけれども、これはひとつ長官にお願いしたいと思いますけれども、愛知万博閣議了解についてでございます。
 聞くところによりますと、長官はまだ瀬戸も海上の森もごらんになっていないということでございます。お忙しくて大変だろうと思いますが、学識経験者の意見も結構でございますけれども、幾ら優秀な頭脳を集めてもこの金融破綻を防げなかったのが現状なんですね。ぜひ頭ではなく皮膚感覚で、人間も一つの生命体と認識して、皮膚感覚で現場を見てやっていただきたい。そして、そこにおる一寸の虫にも、ここはどういう土地かね、土地柄かねと聞いてやっていただきたいと思います。シデコブシの木が群生じております。これを移設すればいいじゃないかとおっしゃっていますけれども、そんなものじゃないと思うんです。なぜ君たちはこの土地にすみついたのかねと聞いてやっていただきたいと思います。
 こういう経験はございませんでしょうか。大好きな木を友人から譲り受けられて御自分の庭に移しかえた、うまくいかなかった。これはもう本当に友人に対しても申しわけないし、それから自分でも残念だし、もっと木に対しては済まない思いたし、そういう非常に残念な思いをなすった御経験が皆様一度や二度はおありになると思うのでございます。生態系というものの複雑な仕組みを人間はもっと尊重して、今までの乱開発の非を認めるべきではないでしょうか。そういう時期に来ているんじゃないでしょうか。
 まず長官の現地視察、そして閣議了解の前提条件としましてすべての大臣の現地視察をお願いしたいと思います。十二月までに日程的に無理だとおっしゃるのであれば、閣議了解を半年延ばされてはいかがでございましょうか。お願いいたします。
#189
○国務大臣(大島理森君) 私は、長官になりましたときに、私の人物評として各新聞社がいろいろなことを書いておりまして、頭は悪いけれども行動力がありそうだと、こう書いていただきました。政治において大事なことは、先生おっしゃっるように現場を踏まえることというのは大事なことと認識いたしております。
 今日までなかなか愛知まで足が参りませんでしたのは、熊本の方が忙しゅうございまして行けませんでした。ただ、私から全閣僚行かせなさいというのは、私は内閣総理大臣でもありませんし、私ごときではそういうことはなかなかできませんが、今の愛知万博の持っているいろいろな諸問題、先生が今お話しされましたけれども、先ほどは竹村先生から、あんた何で外国へ行かぬのやと、こう怒られもしまして、国会との関係を見ながら、もし時間があればお邪魔をして見なければならないのかなという思いで今御意見を伺いました。
 以上でございます。
#190
○末広真樹子君 私が質問しておりますときに、長官がシデコブシとは何やねんとそっとお聞きになっていらっしゃいましたので、これ「海上の森の詩」という写真集でございます。
#191
○国務大臣(大島理森君) 二回拝見いたしました。持っております。
#192
○末広真樹子君 そうですか。これでは本当にそのものの持っている、それこそ皮膚感覚で伝わるような感動は薄いかもしれませんが、これをひとつどうぞごらんになりまして、そして今大臣がおっしゃられました、何事も現場、現場を踏んでからというここをひとつ重視していただきまして御精査賜りまして、自然を守りたいという人の声をいっぱい現場で聞いてやっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#193
○委員長(大渕絹子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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