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1995/12/05 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 決算委員会 第2号
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1995/12/05 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 決算委員会 第2号

#1
第134回国会 決算委員会 第2号
平成七年十二月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     小島 慶三君     国井 正幸君
     堂本 暁子君     水野 誠一君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     中尾 則幸君     本岡 昭次君
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     続  訓弘君     加藤 修一君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     続  訓弘君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     海老原義彦君     北岡 秀二君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     海老原義彦君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     国井 正幸君     武田邦太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         浦田  勝君
    理 事
                大木  浩君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                星野 朋市君
                山崎 順子君
                筆坂 秀世君
    委 員
                岩井 國臣君
                海老原義彦君
                景山俊太郎君
                笠原 潤一君
                清水嘉与子君
                陣内 孝雄君
                長峯  基君
                松村 龍二君
                守住 有信君
                牛嶋  正君
                武田 節子君
                続  訓弘君
                寺澤 芳男君
                山下 栄一君
                朝日 俊弘君
                伊藤 基隆君
                今井  澄君
                栗原 君子君
                山口 哲夫君
                本岡 昭次君
                武田邦太郎君
                水野 誠一君
   国務大臣
       外 務 大 臣  河野 洋平君
   政府委員
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       外務大臣官房長  池田  維君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     朝海 和夫君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省欧亜局長  浦部 和好君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省経済協力
       局長       畠中  篤君
       外務省条約局長  林   暘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        貝田 泰雄君
   説明員
       水産庁振興部沿
       岸課長      石木 俊治君
       海上保安庁警備
       救難部警備第一
       課長       淡路  均君
       海上保安庁警備
       救難部警備第二
       課長       後藤 光征君
       会計検査院事務
       総局第一局長   山田 昭郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計歳入歳出決算、平成四年度
 特別会計歳入歳出決算、平成四年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成四年度政府関係機関
 決算書(第百二十九回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百二十九回国会内閣提出)(継続案件)
○平成四年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百二十九回国会内閣提出)(継続案件)
○平成五年度一般会計歳入歳出決算、平成五年度
 特別会計歳入歳出決算、平成五年度国税収納金
 整理資金受払計算書、平成五年度政府関係機関
 決算書(第百三十二回国会内閣提出)(継続案
 件)
○平成五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百三十二回国会内閣提出)(継続案件)
○平成五年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 百三十二回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(浦田勝君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十月三十日、小島慶三君及び堂本暁子君が委員を辞任され、その補欠として国井正幸若及び水野誠一君が選任されました。
 また、去る十月三十一日、中尾則幸君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
 また、昨四日、国井正幸君が委員を辞任され、その補欠として武田邦太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(浦田勝君) 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、外務省の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(浦田勝君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(浦田勝君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○佐藤泰三君 自由民主党の佐藤でございます。
 本日の外務関係の委員会で二点ほど御質問を申し上げます。時間も限られておりますので、多少舌足らずな点もあるかも存じませんけれども、御勘弁願いたいと思っております。
 ちょうどことしは戦後五十年。一九四五年八月十五日、第二次大戦が終わりまして、沖縄におきましては、日米両軍並びに沖縄県民の三十万近い大きな犠牲を払い、焦土と化して、一応米軍占領下になったわけでございます。
 その後、一九七〇年代になりまして日本に返還され、本土並みということで政府の強い支援、また県民の努力によりまして、経済、また非常におくれておりました公衆衛生施設、平均寿命も本土並みになったわけでございますが、日米安保体制のもとに、極東の平和のため、引き続き米軍の軍事基地として嘉手納等各空港施設等もございます。そのために県民とのトラブル等もなかなか絶えないところでございます。過日も暴行事件がございましたが、外務当局、また皆さんの非常な御努力によりまして犯人引き渡しが済みまして、どうやら円満にいきそうで何よりでございます。
 沖縄問題はそれとしまして、私、一つの疑問を感じますのは北方の漁船拿捕の問題でございます。
 御案内のように、北方領土は、一九四五年、米英ソ三国によりましてヤルタ会談ですか、戦後は南樺太、また千島列島はソ連に帰属すると。しかし、歯舞、色丹、国後、択捉は含まれておらないという協定がありまして、ソ連軍に占領されたわけでございます。日本国有の領土であります北方四島は戦争終結後に不法占拠され今日に至っているわけでございます。
 一九五六年ですか、鳩山総理、また河野農林大臣、ソ連におきましてフルシチョフ、またブルガーニン議長と協定を結びまして、いずれ日本とソ連が平和協定を結んだ時点では日本に返すということが言われているのでございますから、日本古来の領土に変わりないのですが、依然占拠が続き、また軍事基地もつくっているわけでございます。
 それはそれとしまして、このモスクワにおける協定のときにも、漁業資源の保護、またお互いの漁船の避難の場合の保護という協定を結んでおるようでございますが、以来、日本の漁船が領海侵犯あるいはその他によりまして非常に不法拿捕されている。平成三年から本年までの五年間に日本漁船が三十一隻も拿捕されております。また、漁船員が銃撃され非常な負傷もして連行されておる。これは独立国としてゆゆしい問題だろうと深く感ずるものでございます。
 この九月もタコ釣り単身漁船が宗谷海峡の中間で銃撃、拿捕されている。このような重大事件が余り報道にも載らないし、国の対応も何か手ぬるいんじゃないか。その点、沖縄の対応は官民挙げてまことに見事な対応をしましたが、事北方になると何か余りにも温度差が激しいんじゃないかなというふうに感じます。
 そこで、外務省にお尋ねしますが、この拿捕の真の原因は何でありましょうか、まずお尋ねします。
#8
○政府委員(浦部和好君) お答えいたします。
 ロシア側は、ロシア側のいわゆる一方的に主張する国境の侵犯であると、あるいは不法操業等を理由に日本漁船を拿捕しているというふうに承知しております。
#9
○佐藤泰三君 そうしますと、一九五六年のモスクワにおきます鳩山・ブルガーニン会談の協議書がございますが、これには返還するとうたっていますから、その言葉はちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、それにつきましてちょっと日本政府が弱腰じゃないんでしょうか。
#10
○政府委員(浦部和好君) 特に、拿捕されている漁船のほとんどがいわゆる北方四島周辺十二海里水域内でございます。これは明らかに、ロシアが主張する国境侵犯であるとか、あるいは不法操業という話がそもそも起こらないところであるべきでございます。といいますのは、これは我々日本側の水域でございますから、基本的にはその操業秩序の確保というのは日本の国内法に当然よるべきところである、こういうふうに我々は考えております。
 したがいまして、こういう事態が生じた場合には、ロシア側に対して、まずは北方領土問題に対する我が方の基本的な立場がありますということをはっきりさせ、このような拿捕は認められませんということを強く抗議するとともに、あわせて漁船及び乗組員の即時釈放、及び我が方への引き渡しを強くそのたびごとに求めているということでございます。
#11
○佐藤泰三君 しからばお尋ねしますが、この三十一隻の拿捕、また抑留された漁船員がおりますが、それはどのような結果になっておりましょうか。
#12
○政府委員(浦部和好君) 拿捕された漁船員は連行され抑留されますが、その後、ロシアにおいて不起訴処分で釈放される場合、あるいは有罪判決が出て禁錮刑に服する場合等があると承知しております。また、漁船についても、我が方に返還される場合、あるいは裁判の結果没収される場合があるというふうに承知しております。
 しかし、いずれにしましても、現時点ではロシア側に拿捕、抑留されている我が国の漁船員はおりません。また、我が方にて返還を要求している漁船もないと承知しております。
#13
○佐藤泰三君 そうしますと、あれは九月ですか、タコ漁船の被害者はもう当然帰っているんだろうと思うのでございますが、これからもあることで、この日本漁船の保護ですね、例えば巡視艇が巡回するとか、あるいは水産庁で絶えず監視船を出すとか、何かしないとまずいんじゃないかと思います。国家の存立は、国民の生命、財産を守ることが第一義でございますから、その点、いかがでございましょう。
#14
○説明員(後藤光征君) お答えいたします。
 ロシアと接する根室海峡それから宗谷海峡は好漁場でございまして、しかも小型漁船が容易に出漁できる距離にあることなどから、多数の漁船が出漁しておりますが、海上保安庁では、ロシアによる拿捕が発生するおそれの高い根室海峡に三隻、宗谷海峡に一隻の巡視船を常時配備して巡視を行い、出漁船に対し直接拿捕防止指導に当たるとともに、漁業協同組合などを通じて拿捕防止指導を行っておるところでございます。
#15
○佐藤泰三君 ただいま海上保安庁から承りましたが、外務省としてはこういう事件が起きた場合にすぐに対処なり、あるいは外務省から担当官が実際向こうに乗り込んで折衝をしていらっしゃるんでしょうか。
#16
○政府委員(浦部和好君) お答えをいたします。
 先ほど来先生御指摘の去る九月の事件でございますが、これは九月二十七日の午前中に事件が起きました。九月二十七日、その日の午後には我が方モスクワ大使館員がモスクワ政府にはっきりとその抗議の意思表示と即時釈放、返還を要求しております。
 また、場所が、サハリン等に本人たちがいたものですから、ウラジオストクの総領事館の館員が九月二十九日には現地に赴いて、本人たちと面会し、向こうの当局者とも話をしております。
#17
○佐藤泰三君 そこでまた、これは反対の立場からですが、領海侵犯をした外国の船舶が当然あると思うんですが、例えばロシアの漁船がこちらに領海侵犯したという場合、日本はどうしているのか。
 ちょっと私は不勉強ですが、領海は普通私は三海里と記憶しておったんですが、最近は十二海里になったんですか。その点もあわせてお聞きします。
#18
○説明員(淡路均君) 先生今お尋ねの件でございますが、領海は十二海里ということでございます。
 海上保安庁といたしましては、我が国の領海において侵犯操業を行った外国漁船に対しましては、外国人漁業の規制に関する法律というのがございます。この法律違反ということで、例えば違反があった場合には当該漁船等を差し押さえるということ、それから船長あるいは操業責任者を逮捕し検察庁に送致するということで取り締まっております。
 ロシアに関しましては、平成三年以降を見ますと、我が国の領海内において侵犯操業を行った事例はございません。
#19
○佐藤泰三君 ロシアの漁船が根室港等によく出入して、日本の古い自動車を買っていったり、あるいは船員が上陸して買い物をしているとよく聞くんですが、これはどうですか、まだ国交も正式にないし、国際法上どうなんでございましょう。
#20
○説明員(石木俊治君) お答えいたします。
 外国漁船の我が国の港への寄港につきましては、外国漁船の漁業活動の増大につながり、我が国漁業の正常な秩序維持に支障を生ずるおそれがあることから、外国人漁業の規制に関する法律で一般的には許可を要することとされているところであります。しかしながら、海難を避けるとか航行もしくは人命の安全保持に必要な場合等については許可を要しないこととされておりまして、このほか外国の港から積み出された外国積み出し証明書の添付してある漁獲物等を我が国の港へ陸揚げする場合についても、これは先ほど申しました外国漁船の漁業活動ということとは一応断ち切れた通商ベースのものということになっておりますので、これにつきましては、そういった趣旨からの寄港の許可は要しないというふうになってございます。
#21
○佐藤泰三君 そうしますと、根室港に向こうの船が自由に入ってきてこちらの中古車等をいっぱい買っていく、写真で見ましたけれども、これはよろしくて、日本の船がちょっと領海に入ると銃撃、拿捕と。何かちょっと納得いかないものがあるんですが、どうでしょうか。
#22
○政府委員(浦部和好君) 確かに、北方四島周辺十二海里水域内でいろいろなことが残念ながら起こっていることは私も大変残念に思っております。
 したがいまして、そのたびごとに、先ほど申し上げましたように申し入れあるいは遺憾の意等をやっておるわけでございますが、基本的な問題の解決に資するために、去る三月、両外務大臣の話し合いの結果、北方四島水域に係る操業の枠組みをお互いにつくってきちんとしようということに今なっておりまして、既に三回ほど交渉を行いました。できれば年内にも四回目の交渉を行い、できるだけ早急にこの枠組みをきちんとして、かかる事態が起きないようにしようというふうに努力をしているところでございます。
#23
○佐藤泰三君 日本国とソビエト社会主義共和国連邦との共同宣言、一九五六年十月十三日、日本国側からは内閣総理大臣鳩山一郎、農林大臣、今外務大臣のお父さん河野一郎さんが署名しているのでございますが、外務大臣どうですか、父親の遺志を継ぎましてこれを再度ひとつ向こうに行って協議していただきたい。いかがでございましょう。
#24
○国務大臣(河野洋平君) 今日の日ロ関係は、我々にとって解決すべき問題、つまり領土問題というものが残っておりまして、この領土問題をどうやって解決するかについては、もう先生も御承知のとおり国を挙げて領土問題の解決ということになっているわけでございます。
 先ほど来からお話のございます両国間にございます漁船拿捕問題その他について、私も何度かロシアの外務大臣コズイレフ氏には直接会いまして、こうした問題が起こらないように善処方を求めているわけです。あるいは強く抗議をしているわけでありますが、なかなか、今欧亜局長から申し上げましたように、きちんとした枠組みがございませんので、この枠組みをつくるということがこうした問題を一応回避することになる。
 基本的にこうした問題を解決するためには領土問題が解決するということが何より重要でございますが、その領土問題の解決までには若干の時間がかかると現在考えざるを得ません。これはどういう意味がと申しますと、ロシア側の政治体制その他がもっと安定してくるということが重要であろうと私は見ているわけでございます。
 エリツィン大統領が日本に参りまして、東京宣言というものを、先生は一九五六年のものを引き合いに出されますが、その後、最近エリツィンさんが東京でなさった東京宣言というものがございまして、この東京宣言の中には、明らかに領土問題というものが問題だ、日ロ間でこうした問題を国際的に法と正義に基づいて解決しよう、こういうことを言っておられるわけで、こうしたことに着目をして一日も早く問題を解決するために努力をしたい、こう考えているところでございます。
#25
○佐藤泰三君 次に、外務省でございますが、日本の外務省の人員がアメリカの四分の一、イギリス、フランスの二分の一、ドイツ、イタリアよりも少ない。非常に外務省が人手が少ない。また、予算面におきましても七千二百四十七億ですか、このうちODAが五千五百三十七億と七六%を占めておる。外務省が人的面、予算面でも何か非常に経済大国の割に少ないんじゃないか。
 外務省の諮問機関であります外交強化懇談会からは、外務省の定員を千人程度速やかに増員すべきという諮問があるようでございます。これからもやはり経済大国日本でございますし、ロシアも、援助物資はどんどん送る、そのお返しとして漁船拿捕、銃撃と。これはやはり外務省の力が弱いと言われてやむを得ぬと思います。もっと腰を据えていただきたい。それには予算面、人的面でもうちょっと要求すべきものを要求して、やはり独立国ですから国の権威を守っていただきたいということを私強く感ずるんですけれども、いかがでしょう。
#26
○政府委員(池田維君) 事実関係でございますので私の方からお答え申し上げます。
 我が国外交の重要性というのはますます増大しております。そして、御指摘のございましたように、定員を初めとする外交の実施体制を強化いたしまして、外交に遺憾なきを期する必要があるわけでございます。
 ただいまの状況で、例えば定員について申しますと、主要国と比べましてまずまずの状況ではございますが、まだ十分ではないという認識を持っております。そして、平成三年に外交強化懇談会ができまして、その場でただいま御指摘のような提言が出されました。その後、平成四年度以降につきまして百数十名の毎年の増員ということでまずまずの増加を見ておりまして、現在この傾向が今後とも続けられるということを私ども強く期待いたしているわけでございます。
 もちろん、行財政状況というのは厳しいものがございますけれども、主要関係国に比べましても遜色のないだけの外交実施体制の整備を図っていきたいということで頑張っている状況でございます。
#27
○佐藤泰三君 時間ですから終わります。ありがとうございました。
#28
○山崎順子君 平成会の山崎順子です。
 外務大臣にお尋ねしたいと思います。
 先日のAPEC大阪会議では大変お疲れさまでございました。その折、クリントン大統領の来日が延期されました。そして、日米首脳会談も先送りとなりました。今後のクリントン大統領の来日工程はどうなりますでしょうか。四月ごろになるというような話もありますし、また新聞報道によれば無期延期などというように書かれているものもございますけれども、いかがでございましょうか。
#29
○国務大臣(河野洋平君) 先般のクリントン大統領の訪日延期は極めて我々にとっては残念なことでございました。アメリカの国内事情ということでやむを得ないことだと考えておりますが、私どもといたしましてはできるだけ早く国賓として大統領をお迎えしたい、こう考えてアメリカと具体的な時期について折衝を続けているところでございます。いまだに調整中としかお答えできないのはまことに申しわけないことでございますが、お互いに双方の都合のいい、できるだけ早い時期に日程を決めたい、こう考えております。まだ双方の都合のよい時期というのが具体的に見つかっていない状況でございます。
 新聞その他、一月は無理ではないか、あるいは四月ごろではないかといろいろ書いておりますけれども、これらは私の知る限り根拠のないこと、つまり私どもとしてはいまだに、今でもできるだけ早い時期、それは一月であろうと二月であろうと、できるだけ早い時期を見つけたい、こう考えているところでございます。
#30
○山崎順子君 この日米首脳会談の際に日米共同安保宣言を出すことになっていたと思いますけれども、これを出す意味合い、ねらいはどこにあったのでしょうか。また、それがおくれたことで今後の日米関係に悪い影響や不安材料が発生していないのでしょうか、心配なのでお答え願います。
#31
○国務大臣(河野洋平君) 私といたしましては、ことし年末、十一月にアメリカから大統領がお見えになれば、それは戦後五十年という一つの区切りでもございますから、ここで日米両国首脳が会談をして、その会談の成果を共同宣言の形で発出することができれば非常に意味がある、これは五十年の締めくくりという意味でも意味がある。さらに、これから両国がどうやって両国関係を良好に発展させていくかということなどについても合意ができれば、これまた大変意味があると考えておったわけでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、先方の国内事情によって訪日が延期されたということでございますから、この共同宣言は発出することが、無論会談がないわけですからできなくなりました。しかし、御承知のとおり、大統領はお見えになりませんでしたが、APECに参加をするということで副大統領が訪日をされました。副大統領と村山総理との間では会談が行われました。
 そこで基本的に、日米間の良好な関係、あるいはこれまでこの良好な関係を一番大きいきずなとして結んできた安保体制、こういったものを堅持をして引き続きいこうというような基本的なことについては話し合われたわけで、この点は両国間に何の不安材料もないというふうに私は承知をいたしております。
#32
○山崎順子君 御存じのことと思いますけれども、ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所の報告では、日本側に自国の安全保障という重大な政策テーマを真剣に考えないようにする悪効果が日米安保にあるのではないかというふうに論じているような、そういったものもアメリカではいろいろ出てきておりますけれども、これについて大臣は御意見ありますでしょうか。
#33
○国務大臣(河野洋平君) 御承知のとおり、アメリカにはたくさんいろいろな政策研究所がございまして、さまざまな研究の成果といいますか、それぞれの意見を発表しております。その中に一、二、この日米関係について、とりわけ安保体制について否定的な意見を発表しているところがあることは承知をいたしております。
 しかしながら、私どもはその事実関係を確認してみましても、またその後、こうした研究所の意見に対しまして直ちに否定的な意見もほかからも出てきておりまして、私どもはさまざまな意見がアメリカの国内にはあるということを承知しながらも、私は現在日米両国間にはそうした心配はないと思いますし、また日本でこうした問題、今おっしゃるようなケイトー研究所の指摘するようなことは我が国にはないと。
 すなわち、日米安保体制があるから日本は本気で自分自身の防衛とかそういうものを考えないという指摘は間違っているのであって、我が国には我が国の歴史を踏まえた今日の考え方というものができているということを、私は研究所に呼ばれればきちんと説明をしたい、こう思っております。
#34
○山崎順子君 私は、日本自身が我が国の安全保障についてどうもしっかりした意見がきちんと論議されていないし、形成されていないのではないかというふうに思っておりますので、どうも大臣と意見が違うようでございますけれども。
 別のことで、大和銀行のニューヨーク支店の国債不正取引事件に関連してでございますけれども、十一月二十七日、アメリカの上院銀行委員会の公聴会で米国連邦準備制度理事会のアラン・グリーンスパン議長がこういうふうにおっしゃいました。大蔵省の情報公開と緊密な協力に対する喪失が国際金融システムに対する信用を損なったという、その遺憾の意を表明したわけですが、またその公聴会の冒頭では、アルフォンス・ダマト委員長が激しい糾弾を行いました。大蔵省が大和銀行幹部と共謀して米国金融当局に対し事件の物的情報を隠したのは、日米両政府間の信頼の重大な裏切りだということですね。
 こうしたことが日米外交に悪影響を及ぼさないと断定できるでしょうか。御意見を伺いたいし、また大蔵省はいまだ公式謝罪をしていないと思いますけれども、大蔵大臣みずから責任をとって辞任すべきではないかと思うのですが、河野さんいかがでしょうか。また、それが日米関係のみならず国際的にも我が国が信用を取り戻す道だと思うのですが、御意見伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(河野洋平君) 私は、山崎議員が日本の防衛についてお考えを持っておられるということを伺いまして、ぜひ一度具体的に伺いたいと思います。
 私は、今日の日本の防衛というものは、自主防衛という日本の防衛力をさらに強化することによって日本の防衛をやるべきだというふうにも思いませんし、現在の日本の防衛が、我が国の必要最小限度の防衛力に日米安保体制、安保条約によって日本を守るという基本的な防衛についての考え方は、我が国の例えは経済的な発展にも、そして我が国とアジアの国々との関係から考えても、歴史的な経過から考えても、私は適当な方法だというふうに考えておりますことを一言だけ申し上げます。
 今の大和銀行の問題については、大蔵省の問題についてはちょっと所管外で、私から申し上げることはお許しをいただきたいと思いますが、この問題、アメリカ側が非常に厳しい対応をされたということは、実は私にとりましても少し予想外でございました。しかし、予想外でございましたけれども、そのことによって日米関係にひびが入るとか、信頼感が著しく落ちるというふうには承知しておりません。
 日米関係にはさまざまなやりとりがあって、関係がございまして、民間のやりとりもございます、あるいは防衛の問題もあります、その他の政策の問題もございます、大蔵省の問題もございましょう。いろいろなやりとりの中で、時には相当激しい議論をすることもございますが、その基調は、日米双方はやはり協力関係というものをこれから先も進めていかなければならぬ。こういう思いは、例えばことしの一月の村山・クリントン会談でも、日米両国の協力関係というものは非常に大事だということの確認がなされておりますし、基本的にはこの考え方は何も狂ってきておりません。
 したがいまして、さまざまな場面でさまざまなやりとりはありますけれども、その最も基本的な問題を我々としてはきちんとしていくということをこれから先も大事にしていきたいと思っております。
#36
○山崎順子君 国民の安全と世界の平和を願う気持ちは、多分大臣も私も基本的には同じだと思います。ぜひ今度、お時間がありましたらお話し合いをさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 さて、人口問題、地球規模の問題と、それからODAについて御質問したいと思います。
 先日のAPEC大阪宣言において、我が国は、エネルギー需要の急増と環境汚染に対応するために、長期的視野に立って各国が共同行動をとることを提言いたしました。これは一昨年のシアトル会議において、当時の細川総理が提案した問題でもありますし、そのときに、九四年度から二〇〇〇年までに三十億ドルを人口・家族計画・エイズの国際協力に供与すると発表しておりますが、真水の部分は微増で、援助受領国の期待を大きく裏切っているというような指摘も聞いております。
 そこで、幾つかの質問をしたいのですが、まずODA全体に占める人口・家族計画に対する援助の割合を教えていただけますでしょうか。
 それから、一九九一年の統計なんですが、家族計画に対する日本の支出のGNP比は〇・〇〇一八%と極めて低いんですね。ノルウェーはトップなんですが、〇・五一八%で、日本はそのおよそ三百分の一ぐらいになるんじゃないかと思うんです。もちろん、九一年以降この割合がふえているなら教えていただきたいんですが、そのあたり、この二つお教え願えますでしょうか。
#37
○政府委員(畠中篤君) ただいまお尋ねの九四年度から二〇〇〇年度までの七年間、我が国は三十億ドルをめどといたしまして「人口・エイズに関する地球規模問題イニシアティヴ」ということで援助を実施していく目標を掲げましたが、そのうちの人口・家族計画、女性、教育問題といったようなものが九四年度、全体の二国間ODAの中で占めます割合は約三・三%でございます。
 また、国際機関等への拠出金等多国間援助に関しましては、九四年におきます拠出金、全部で七百七十六億円ございますけれども、そのうちの約九・三%に当たる七十二億円を国際機関に拠出しております。ただ、国際機関に拠出します統計の算出の仕方、例えばこのベースは暦年でございますけれども、私が先ほど申し上げました二国間援助の割合は会計年度でございまして、ちょっと統計上の難しい比較がございますけれども、全体といたしまして、大ざっぱに申しまして現在九四年度実績でODAの中に占めます割合は約三・六%程度だというふうに認識しております。
#38
○山崎順子君 そうしますと、かなり割合が上がっているということで、国連人口基金の評価ではDと大変悪いんですが、これも上がっていると解釈してよろしいでしょうか。
#39
○政府委員(畠中篤君) 国連人口基金の方での評価につきましては手元にございませんので申し上げられませんが、先ほど申し上げました目標、二〇〇〇年度までに三十億ドルを実施するという目標に向かいまして現在鋭意努力しておるところでございます。
 ちなみに、九四年度の実績、三十億ドルとの比較でどのくらい実施できたかということを申し上げますと、全体で四億六千五百万ドルという九四年度で実績が出ておりますので、七年度の平均より以上の実績が出ております。そういうことで、これからもこの重点項目については目標達成のために努力してまいりたいと思います。
 ただ、申し上げたいのは、この人口・エイズといった分野の援助は従来の伝統的な援助とは違いまして、非常に相手国との政策調整あるいはいろんな専門分野の知識も必要でございまして、案件形成がにわかにすぐふやせるといったものではなくて、時間をかけて相手と政策対話を続けながら、この努力目標に向かって努力してまいる所存でございます。
#40
○山崎順子君 確かに、おっしゃるとおり時間もかかりますし、専門知識も大変必要だと思います。そこで、人口問題の専門スタッフの養成ですとかいろいろなことが必要かと思いますが、途上国の政府と話し合うときに人口問題に与える優先度が低いのじゃないかなと、今の三十億ドルの出資とかでどんどん努力をしていらっしゃることはわかりますが。
 それはどうしてかといいますと、日本政府に提出する援助要請リストの中に、人口・家族計画プロジェクトというのが下の方にしかいろんな国で出てこないというような問題は、例えば日本には余り人口問題で期待できないと見られていないか、また日本の技術協力が評価されていないのではないか。例えばタイのプロジェクト評価に見られるように、日本の技術協力の実態はただ機材供与の比重が圧倒的に高いのではないか。こういったことについていかがでしょうか。
#41
○政府委員(畠中篤君) 先ほど申し上げましたとおり、人口問題、家族計画の分野で援助の内容を決めてまいりますのは大変複雑なプロセスが必要でございまして、簡単ではございません。しかしながら、我が国が途上国に援助をしてまいりますときには、我が方からもその都度ミッションを派遣いたしまして、我が国のその国に対する援助の重点分野ということを明らかにして、我が国としてはそういう分野について特に援助をしたいということで、ただ先方からの要請を待つだけではなくて、こちら側の重点分野も示しながら案件発掘、先方の理解を求めておるところでございます。
 しかしながら、人口問題につきましてはいろんなアプローチがございますけれども、人口そのもの、子供の数を減らすということで直接アプローチをすることについては、なかなか相手国のいろいろな思想上の問題あるいは人権問題とかいろんな議論がございまして、直接のアプローチが難しい国もございます。そういった国に対しましては、いわゆるプライマリー・ヘルス・ケアと申しますか、乳児死亡率を下げるためのそういうような協力をするとか、いろんな協力の仕方を工夫しながら、相手国の理解を求めながら今努力をしておるところでございます。
#42
○山崎順子君 おっしゃるとおり、先日、北京での世界女性会議にも出まして、中国の一人っ子政策ですとか、また人口政策に関してはそれぞれ宗教の問題や人権の問題、いろんな問題があって大変難しいということはわかりますが、今おっしゃったとおり、たしか女性の識字率を高めることがかなり人口の問題に寄与するということですよね。
 例えば、ここにもありますけれども、ドミニカですとかジャマイカ、スリランカ、コロンビア、タイなど、女性の識字率が八〇%近くまたはそれ以上になっているような国は大変人口の増加率が低くなっております。反対に、イエメンですとかアフガニスタン、マリ、スーダン、パキスタンなど、二〇%以下の識字率しか女子の識字率がないところは大変人口増加率が高いわけです。これはもう皆様御存じのとおりです。
 ですから、女性の教育の向上ですとか地位の向上というものが大変有効になってくる。それには確かに時間がかかることだと思いますけれども、ぜひともこういうところに力を入れていただきたいし、そしてそのためには、例えば日本のような国よりも逆にタイとかそういったところが協力するという南南協力ですね、こういったものがとても有効ではないかというふうに思います。
 一九九二年九月にジャカルタで開催された第十回非同盟諸国首脳会議では、この人口・家族計画の南南協力を要望する宣言も出していらっしゃると聞いております。百八カ国の人たちがこれに加盟しているようですが、今まだ南南協力等は数が日本では少ないんじゃないかと思いますが、こういった非同盟諸国首脳会議で要望を出されたところにこれから南南協力を実施する御予定はあるのかどうかお聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(畠中篤君) 今御指摘のとおり、ある特定の国に人口・家族計画といったような非常に難しいその考え方の問題からアプローチする、あるいは教育の問題からアプローチする、非常にアプローチそのものが幅広い複雑な要素を含んでおります。そういう中におきまして、相手国に受け入れられやすい形ということでいろんな方法を考えていく必要があることは御指摘のとおりでございます。
 その中の一環として南南協力といったようなものが、例えばタイからインドシナ半島の国々に対して看護婦さんの養成あるいはプライマリー・ヘルス・ケアといったようなことで若干の実績がございますけれども、これも南南協力と申しますのは、日本と相手国、二国間だけではなくて第三国を含めて話をしていきますので、私どもとしてはできるだけこういった南南協力の面もふやしながら、今後とも人口・家族計画にアプローチしていきたいと思っております。
 先ほどちょっと御質問の中で、払お答えするのを忘れましたんで今お答えさせていただきますが、技術協力の無償の中で機材の面が非常に大きいんではないかという御指摘がございました。これは、私どもはやはり機材を出すだけでは日本の協力、顔にもなりませんし、その使い方その他どういうふうになるのかも非常に不安がございますので、こういった技術協力をしてまいりますときには、その日本の考え方、日本の専門家、そういったものを中心にプロジェクトを形成して実施しております。
 ただ、予算面だけを見ますと、実際には技術協力の予算の方が大きいわけですが、人件費よりは思ったより機材費というものが大きく見える場合もございますけれども、私どもの考え方といたしましては、やはりこういったものは手づくりといいますか、人間の物の考え方を変えていくといいますか、そういった要素も大きいものでございますので、今後ともそういう方向で努力したいと思っております。
#44
○山崎順子君 アメリカなどでは、私的な家族計画組織グループの規模ですとか、途上国のプログラムに対する専門知識や技術において大変ユニークな活動をしていらっしゃって、また活発だと聞いておりますけれども、我が国では、人口問題等ではNGOが上手に活用されていないのではないかという気がするんです。それとも、その数が少ないのか、それなら養成をなさったらどうか。
 阪神大震災のときに、若い人たちのボランティア活動などが随分活発で、有為の人材がたくさんいるということがわかりましたし、今度、不幸にして亡くなられた中田さんのような、そういう国際ボランティアに対してのいろいろな保険ですとか、そういった国からの援助などもなさるようでございますけれども、もっと若い人材をボランティアとして活用なさるとか。
 それから、今お話しになりました、確かにいろんな国で日本の人たちが活躍しておりまして、例えばかまどでお水を沸騰させて、それで子供たちが悪い水を飲んで不衛生な状況から病気になるのを防げるとか、そういったことを日本の女性が開発なさったとかいろいろ聞いておりまして、随分活躍なさっているのは存じております。
 そういった若者やまた女性たちの意見をどんどんくみ入れられるような、そういう政策は今後広げておいきになる予定なのかどうか、お聞きしたいと思います。
#45
○政府委員(畠中篤君) ただいま御指摘の日本の若い人たちあるいはNGOを通じてのこの分野での協力ということでございますが、日本のNGOに対する支援というのはここ数年大変政府も力を入れてやってきております。その中の一つの重要な部分がこの人口・家族計画でございます。日本にも幾つか、もう二十年以上にわたってこういう分野で地道な努力をしておられるNGOも幾つかございます。ただ、先ほど申し上げましたようになかなか難しい分野でございますので、一挙にはなかなかそういう方々の数その他がふえませんけれども、私どもといたしましては、こういった形でのNGOの支援というのは大変重要な柱だと思っております。
 特に、相手国の中におきましても、実は政府のみならず相手国の、途上国のNGOがこういったことで活躍しておられるケースが多々ございます。そういった先方のNGOとそれから我が方のNGOが協力していろいろ実績を上げておるケースもございます。私どもといたしましては、全体的に政府と話をしてプロジェクトを形成することが難しい場合にも、こういった草の根と申しますかグラスルーツの交流を通じてこういった面での支援を深めていきたいと、そう思っております。
#46
○山崎順子君 人口増加の問題は食糧の問題、エネルギーの問題、そして環境汚染の問題と地球規模で本当に重要な問題を含んでいると思いますので、ぜひ日本はそういった面でODAに力を入れていただきたいと私も思っておりますし、女性の立場からも、女性の地位向上、教育向上を日本政府がどんどん援助してほしいと思っております。
 さて、そのODAの対GNP比率ですね、現在たしか〇・二八%と思うのですが、国際的にはGNP比〇・七%程度に上げるべきだというふうなことが言われておりますが、まだまだそれにはほど遠いという状況でございます。
 ところが、日本では国内にこういった財政危機がございまして、来年度の予算案でODAの伸び率を九五年度当初予算比で過去最低の二%台に抑制する方針を大蔵省が固めたというふうに報道で聞いておりますけれども、確かに財政危機の折ですからODAの伸び率をそんなに上げられないというのもわかるんですが、このあたり外務省は財政についてどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#47
○政府委員(畠中篤君) 今お話しの我が国の全体のODAのGNPに占めます比率でございますけれども、九三年の実績は〇・二七%でございましたけれども、九四年の実績は〇・二九%にわずかでございますが上がっております。
 そして、この〇・二九%という数字は、確かに御指摘のとおり、〇・七%と比較いたしますとかなり低い水準でございますけれども、DAC、すなわち主要援助国二十一カ国ございますけれども、開発委員会というところでいろいろの議論をしておりますが、この二十一カ国全体の中で日本は十四番目、高くはございません。しかし、全体をならしてみますと、ちょうど平均が〇・二九%でございます。私どもといたしましても、できるだけこのGNP比率を高めるべく努力をしてまいる必要がございますけれども、やはり日本の援助そのものが非常に大きいのみならずGNPが物すごく大きいわけでございますので、一挙にこういう目標を直ちに上げるということはなかなか難しい面がございます。
 しかしながら、来年度の予算の予測と申しますか、報道がさっき御指摘のような形で非常に低い数値で出されておりますけれども、私ども外務省といたしましては、ODA全体につきましては九三年から五年間でODA実績を七百億ドルから七百五十億ドルの間までふやすという目標、いわゆる第五次中期目標を掲げて今努力をしておる最中でございまして、ちょうど九五年、ことしが真ん中でございます。そういうこともありまして、このODA中期目標を何とか実施できる予算を確保すべく現在大蔵財政当局と鋭意折衝しておるところでございます。
#48
○山崎順子君 貧困というものが戦争などを引き起こす原因になりますので、ぜひともこの経済協力開発ですとか、そういったところにきめ細かな配慮をして、また、開発難民というようなものを出さないような形でぜひとも地球規模の平和貢献に頑張っていただきたいと思います。それを願って私の質問を終わります。ありがとうございました。
#49
○栗原君子君 日本社会党の粟原君子でございます。
 実は私は、先般、中国遺棄化学兵器国会議員調査団の一員として参加をいたしました。その調査団の中には、神奈川大学の常石教授あるいはまた中央大学の吉見教授、臨床の立場から広島大学の山木戸教授、環境問題の立場から綿貫礼子さん、さらには社会新報の林記者、そういったメンバーで調査をしてまいりました。
 一問一答いたしておりますと大変時間がかかりますので、一気に私の方から申し上げますので、それに対してまた時間の限り御答弁をいただければと思います。
 まず、広島県竹原市忠海町の沖に、さきの大戦中地図から消されていた小さな島がございます。その名は大久野島といいます。これは、一九二九年五月十九日、旧日本陸軍の手によって完成し、終戦まで猛毒の窒息剤のホスゲン及びびらん性のイペリットガスや青酸ガスを軍の監視のもと常時五千名が働きながら約千二百トンを年間製造いたしておりました。当時の従事者約六千数百名のうち今日までに被害に遭って亡くなった人は既に二千四十三名に上っております。製造された毒ガス兵器の大半は中国大陸に送られ、使用したという中国帰還者の証言もあるわけでございます。
 そしてまた、中国大陸におきましては、終戦時、旧日本軍はそれらを地中やあるいはまた河川に捨てて帰ってまいりました。そして、その数というのは今日二百万発とも、あるいはまた液体にして百万トンとも言われているわけでございます。この間、中国においては国民の人たちが被害に遭っておりまして、その被害者は二千名を超えているとの報告も受けているわけでございます。
 私たち代表団は、吉林省のハルバレイでは、中国側が百八十万発埋蔵したという第一号坑、第二号坑の現地の確認もいたしましたし、さらに今年五月、外務省が旧日本軍のものと相違ないとしました三百六十発は既に埋め戻されていたわけでございます。地区周辺は大変な湿地帯でありまして、下流にはダムもございました。埋められている土質は砂地であるために、特に環境汚染について強く訴えられたわけでございます。
 黒龍江省ハルビンにおきましては、被害者二人の人から実態を聞かせていただきました。その中で、広島大学で長年原爆被害者やあるいはまた大久野島の毒ガス患者の治療を続けてこられました山木戸教授から、二人の患者は毒ガスによる被害であることにほぼ間違いないという報告を聞くことができました。同じくハルビンでは、日中政府によって密封されまして倉庫に保管されている化学兵器五十八発の確認もして帰ったわけでございます。
 また、チチハルに参りまして、一カ月前に鉄工所のくず鉄の中から出たという二百四十六発をすべて確認することができました。これらはかなり腐食をいたしておりまして、それでも赤や黄色の色の確認もすることができました。そしてまた、中国人民解放軍が手にとって振ってみせてくれました。そういたしますと、ぴちゃぴちゃと音のするものもありました。それから信管がついたものもありました。
 これらの様子をビデオカメラで撮りまして、それを在中国の日本大使館に派遣されております防衛庁の宮嵜武官にその映像を見ていただきました。それらは大変な危険な状態であると、そしてまたほぼ日本軍のものであろうといったことを宮嵜武官が言ってくださいました。
 いずれにせよ、大変危険な状態にあるわけでございまして、早く処理をしなければますます被害が続出し処理も大変難しくなってくる、こういったことを感じて帰ったわけでございます。
 そこで、何点かにわたりまして質問をさせていただきたいと存じます。
 九三年一月十四日から二日間、百三十カ国が化学兵器の使用禁止と十年以内の廃絶を目指す化学兵器禁止条約がパリで調印されました。遺棄化学兵器について、条約の批准をしている日本は締約国内のものを処理することになっておりますが、その際は、日中友好の精神に基づき、日本国民に見える形で、そして早期にこれらの処理を進めていただきたいと思います。この処理計画についてお伺いします。
 さらに二点目は、これらは特別な委員会の設置をしなければ処理ができないものと思うわけでございます。今では外務省が窓口になっておりますけれども、これでは不十分でございまして、さらに防衛庁とか厚生省とか環境庁とか大蔵省など、総合的な委員会とかあるいはまた連絡会の設置が必要ではなかろうかと思います。このことについてお尋ねいたします。
 三点目は、また情報の収集も大変重要な問題であろうと思います。
 中国の人々にとりまして、旧日本軍がどこに捨てたのか全くわからないわけであります。毎日、危険と不安の中で生活をしているわけでございます。当時の軍関係者の中にはどこに捨てたのか覚えている人もあろうと思うので、ぜひそういった人たちは申し出ていただきたいという旨の呼びかけをしていただくとか、あるいはまた防衛庁などに手がかりとなりますような資料を提出していただくとか、そしてまた中国も協力をしていただく。さらには、専門家の言葉をかりるならばアメリカやロシアにもこの関係の資料があるんではなかろうかと、こういったお話もあるわけでございます。そうした情報の提供についての呼びかけについてどうお考えであるのか、お伺いをいたします。
 さらにまた、四点目は、環境調査をぜひしていただきたいと思いました。砲弾もかなりもうさびて、朽ちておりました。中身の出ているものもありました。さらにまた、その危険性のあるものを私たちは確認をしてまいりました。現に被害者も続出しているわけでございます。土壌汚染や水質汚染についても大変心配をされるわけでございますが、ぜひそういった環境調査をしていただきたいと思います。
 五点目に、今回も専門家に同行していただきまして、大変成果を得ることができたわけでございます。問題解決のためには、日中両国研究者の交流とかあるいは活動の支援をしなければ、これは大変話を進めるのにまた難しい問題ではなかろうかと思いますので、そういった専門家のグループに対しての支援をぜひお願いしたいということでございます。
 六点目には、いずれにせよ現在確認されているものからでも、もう急がなければいけない問題であろうと思います。例えば、処理方法について確たるノウハウは全くないわけでございますけれども、そういった中でも高温で燃やすとか、あるいは中和をするなど化学処理をするとか、そういったことを試験的にでもやってみる必要があるのではなかろうかと思います。
 以上、六点にわたりまして質問いたしますので、外務大臣を初め関係者の皆さんの答弁をお願いします。時間があればまた再質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
#50
○政府委員(加藤良三君) 大変詳細な御質問をいただいたわけでございますが、我々の計画といたしましては、御案内のとおり、これまで過去五回現地視察、調査及び専門家協議を実施してまいっております。そういうものを通じて、実態の調査に着実に取り組んでいるつもりでございます。
 ことしの二月からは、砲弾の種類の鑑定、それから数量の確認に加えまして、先ほど委員から御指摘があったところに関連すると思いますけれども、化学剤の漏れる危険性がある腐食の著しい砲弾については密閉処置を行ってきた経緯がございます。その結果、化学砲弾百四十発、ドラム缶九缶というものが処理されたわけでございます。
 もちろん、中国側の数字によりますと二百万発、バルク状にして百トンの化学兵器ということでございますから、まだまだ物事はほんの緒についたばかりなんでございますが、私たちとしては、これから今までの予備調査を超えて本格的な調査に移りたいというふうに思っているわけでございます。そういう予備調査から本格的調査に進むという段取りは、どうしても物事が非常に複雑な状況なものですから必要だというふうに思うのでございます。
 来年度、つまり平成八年度につきましては、化学兵器の最大の埋設場所と言われておりますハルバレイ、ここに再度調査団を派遣する予定でございます。その埋設地域周辺の環境や地形調査について本格的な調査を実施する計画でございますが、その他の埋設場所につきましても、環境調査を含めた詳細な調査を行う。要するにこれが本格的な、予備調査でない調査というものの第一歩になるというふうに考えております。
 私たちといたしましては、今後ともこの問題の解決に向けて、誠意を持って対応していく考えでございまして、その旨は中国側にも明確に表明してございます。最も最近においては、APECの際に行われました日中外相会談において、河野外務大臣からその旨を明確に表明されました。
 私たちとしては、実態把握の調査に引き続いて力を入れまして、それを踏まえて具体的な処理のあり方、これが本当に言うはやすく行うはかたいというか、非常に複雑なものになろうと思いますけれども、中国側と協議していきたいというふうに思っております。ちなみに、中国側は大変これまで協力的に対処してくれているという認識を持っているわけでございます。
 特別委員会の設置ということの絡みでございますけれども、確かに外務省として、これまでそういう現地調査を通じまして実態把握を行う、あるいは中国側との窓口としての役割というのを果たすということはしてまいりました。
 ただ、確かに本件につきましては化学兵器等に関する技術、専門的知識を必要といたします。そういうものは外務省には残念ながらないわけでございます。したがいまして、外務省として対応し切れない部分というものについては、これまでも防衛庁あるいは民間企業の協力を得て調査を行ってきたわけでございますが、今後の仕組みというものはやっぱり総合的に考える必要があろうかと思っておるわけでございます。
 現在行われている現地調査の結果を踏まえて、処理方法に関しでもできるだけ早急に研究開発を行う必要があることは言うまでもございませんし、それから、我が国以外にも御指摘のとおりノウハウを活用できることがあるかもしれません。そういうものがあればこれを活用していく必要があるというふうにも思っております。そして、そのための国内の体制も一般的に整備していかなければならないと思っているわけでございます。そういったもろもろの過程を通じまして情報収集に力を入れるべきは、それはまた当然だろうと思います。できるだけの努力をいたしたいと思います。
 環境調査というものに特に委員から言及されたわけでございますけれども、前に申し上げましたとおり、今度の本格的な調査の段階において環境調査というものも行ってまいりたい、これがその環境調査を行う第一歩になるというふうに考えております。専門家その他の協力が多々要るであろうことは言をまたないところでございます。
 いずれにせよ、御指摘がありましたような点も含めたノウハウの蓄積というものに早急に取り組みたいというふうに考えております。
 以上、雑駁でございますが、お答え申し上げます。
#51
○国務大臣(河野洋平君) ただいまアジア局長が御答弁申し上げたとおりでございます。
 私といたしましても、国際的な条約もございます、あるいは日中間の信頼関係というものもございます、できるだけ誠実にこの問題には取り組まなければならないと思って指示をいたしております。
 今御答弁申し上げましたように、相当広い範囲にあるという情報もございますし、何せ五十年という月日が過ぎておりますから、すべてを掘り当てるというのにはまだしばらくの時間もかかるんだろうと思います。多くの方の御協力もいただかなければならないと思います。
 一方、今議員から御指摘がございましたように、時間がたって腐食が進むということから、周辺にもし人がおられるとすればそうした方々の不安は募ると思いますので、これは急がなければならないというふうにも思っております。それをとりあえず応急に密閉措置をして調査を先に進めるという方法を今とっているわけでございますが、どういう処理の仕方をするか。つまり、一カ所に集めて、そこにプラントをつくって、そのプラントで処理をするということなどが考えられているわけでございますが、一カ所に集めるといってもあれだけ広いところから一カ所にというわけにはなかなかまいりますまい。
 その他どういう処理の仕方が、最も早く効果的に完全に処理ができるかということについて検討をいたしておりまして、基本的には急がなければならないという認識を持って検討に取りかかっているという状況でございます。
#52
○栗原君子君 先ほど御答弁いただきましたように、これは大変急いでいただかなければいけない問題であろうと思います。日本政府の調査団が三回にわたりまして調査をなさったと報告を聞いておりますけれども、ぜひ早急にこれに取り組んでいただきたいと思います。
 それとまた、これは中国大陸だけではございませんで、広島にも終戦時残りましたものを埋めました。その上は公園にいたしておりまして、公園からガスが発生しているという状況がありまして、広島市も広島県も大変悩んでいる。あるいはまた、北海道の屈斜路湖にも大量にそれを投棄してあるものがある。潜水夫が潜りましてそれも確認をされているといった報告もあるわけでございます。
 中国大陸だけでなくして日本国内にもこうした問題がまだあるわけでございますから、そういったものを総合的に解決していただくための窓口などをやはりまずつくっていただくことも必要ではなかろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 私たちも、被害者の皆さんからその被害の状況を聞かせていただきまして、大変胸が痛む思いがいたしました。まさに、広島県の多くの島で毒ガス被害に遭われたその状況と、中国での今日の被害者の状況というのは一体でございました。
 ぜひ早期解決をお願いいたしまして、与えられました時間が参りましたので終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
#53
○筆坂秀世君 沖縄県が日米地位協定の見直しに関する要望を十項目まとめて出しておりますけれども、そのうちの一つが、今、那覇空港などの民間機の進入管制業務、これが一九七二年の沖縄の本土復帰以来、嘉手納RAPCONと言われる米軍に握られたままになっておる、この早急な移管を実現してほしいというのが、この十項目の要望の中の大事な一つとなっています。
 この問題というのは、なぜこういうことになったかといえば、これは運輸省の航空局長も私の質問に運輸委員会で答えましたが、恐らく民間機の進入管制業務を外国の軍隊がやっているという国というのは余り常識的には考えられないというふうにおっしゃっております。
 当時なぜそうなったかといえば、管制技術、管制施設が不十分だったと。そこで、一九七二年の五月十五日の日米合同委員会合意で、暫定的に米軍が進入管制業務を行うと、こういうことをうたったわけです。以来、既に二十三年たっています。
 日米合同委員会の下部機関として、民間航空分科委員会というのが設置されています。運輸省は、既に十二年前の一九八三年に、もう日本の管制技術、管制施設は十分米軍から進入管制業務を移管していただいて結構だと、日米合同委員会の合意に基づいてぜひ返還していただきたいと、こういう要望を、以来十二年間やっております。
 ところが、いまだに米側はこれを拒否したまま。何で米側は拒否しているのか。まず、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#54
○政府委員(折田正樹君) 今、委員御指摘の点につきまして、今回沖縄の方から御要望があるというのはそのとおりでございます。
 それから、四十七年五月十五日に日米間で合同委員会合意がございまして、その中で、日本政府が当該進入管制業務を行うまで「暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施する」というふうに合意されております。まさしく先生おっしゃるように、「暫定的」という言葉を使っているわけでございます。
 その後、日米合同委員会の民間航空分科委員会におきまして、何度がにわたりまして米側に要請を行っているわけでございますが、昭和六十三年でございますけれども、米側より、嘉手納飛行場は米軍にとって極めて重要な飛行場でありまして、種々の米軍の運用上の所要にかんがみ、本件移転は極めて困難であるという感触が米側より示されたと承知しております。
#55
○筆坂秀世君 限られた時間なので、私が言ったことをもう一遍なぞってもらわなくて結構ですからね。
 何でかと言うと、こういう回答なんですよ、米側は。航空管制業務は米国軍隊の運用上欠くことができない重要案件であり、興味ある提案であるが、貴局の申し出はお断りすると。なめた回答ですよ。興味ある提案だと。何が興味あるかだ。だって、あれでしょう、一九七二年五月十五日の日米合同委員会合意では、管制業務の技術、施設が不十分だと。これ、唯一の理由ですよ。だから暫定的だったと。以来何年たっている、二十三年たっているんですよ。今や日本の航空管制技術は世界のトップクラスだと運輸省の航空局長も答えている。そして、我々が返還を求める正当な理由があると。これは当然のことです。だから返還を求めてきた。
 ところが、米側は新たな理由を持ち出してきたんですよ、軍事上欠くことができないと。二十三年前にはそんな理由ないじゃないですか。もう明らかに日米合同委員会の合意に違反しているでしょう。これまで外務省は、何かといえば日米合同委員会合意を大事にしてきたわけじゃないですか。日本は守るけれども、守らされるけれども、アメリカは合意やってもちっとも守らない。
 平沼運輸大臣は、十二月十四日に今度航空分科委員会ある、ここで返還求めると、こう言いました。しかし、私はここでの協議では問題解決しないと思うんですよ。もっと高いレベルで、日米合同委員会であるとか、あるいは今度特別行動委員会というのが設置されました。こういうところに問題を持ち出していく。そして、七二年の合意を守ってほしい、守るべきであるということを当然求めるべきだと思いますけれども、外務大臣の御所見をお伺いいたします。
#56
○国務大臣(河野洋平君) 運輸大臣が御答弁になっておりますように、分科会その他でこの問題が協議されるということであれば、まずその協議の推移は報告をいただいて検討したいというふうに思います。たしか今月の半ばごろと伺っておりますので、その協議をまず見させていただくということを申し上げておきたいと思います。
#57
○筆坂秀世君 今月十四日に行われます、これは。もし、しかしそこでも米側から拒否回答があるということであれば、これは合同委員会合意に、上部機関である合同委員会にかけていく、あるいは特別行動委員会にかけていくというのが沖縄県民の願いに照らしても当然じゃないでしょうか。
#58
○国務大臣(河野洋平君) 私どもといたしましては、沖縄県の県民の日常生活その他の状況等を十分伺っておりますので、この進入管制業務が沖縄県民の日常生活その他に直接的な影響があるということであれば、恐らくその分科委員会等においてもそうした御説明がきっとなされるだろうと思うんです。それについて米側がどういう回答をなさるか、その回答の例えは理由とかそういうものをよく伺ってから検討をしたいと思います。
#59
○筆坂秀世君 じゃ、回答によっては合同委員会にかけるということもあるということですね。
#60
○国務大臣(河野洋平君) ただいま御答弁申し上げましたように、分科委員会の米側のつまり回答、理由その他ですね、よく伺って、こちらの判断をしたいと思っております。
#61
○筆坂秀世君 はっきりおっしゃらないんだけれども、これ日米合同委員会合意に違反しているんですよ。民間航空分科委員会の合意に違反しているんじゃないんです。合同委員会で「暫定的に」ということを言っているんです。そこへ新たな理由を持ち出してきたんですよ。合同委員会にかけるのが当たり前じゃないですか。そんな答弁ばっかりじゃだめだよ。
#62
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来申し上げておりますように、航空管制の問題でございますから、運輸省がこの分科委員会におきましてどういう対応をなさるかということも私ども十分御説明を運輸省からも伺いながら、先方の対応を見きわめたいと思います。
#63
○筆坂秀世君 同じことの答弁ばっかりなので、次の問題に移りますけれども、米軍用地の特借法にかかわって、昨日、沖縄県の大田知事が、強制執行命令に対してこれを拒否するという回答を文書で送られたようです。これについて、昨日、大田知事は記者会見をされて、記者団に対して、強制使用の対象の土地が五十年余も所有者の意思に反して強制使用されてきた、こういうことは普通の社会にあってはならないことだと。あるいは土地の物件調書といったって実際には基地内には立ち入れないわけですから、実際の土地なんか全く見ないで調書を作成しなけりゃならない、こんなことは法律上許されるのかという、私は全く素朴な疑問だと思うんです。
 この点について、まず外務大臣、この沖縄県の大田知事の御見解に対してどういう御感想をお持ちでしょうか。
#64
○国務大臣(河野洋平君) これまでの大田知事のいろいろな言動を拝見いたしておりまして、お気持ちは十分理解できると思っております。
#65
○筆坂秀世君 そこで、この問題なんですけれども、今、村山首相が代行すべく諸手続が開始されています。
 防衛施設庁に聞きますが、今の執行命令、それを拒否する、次はいよいよ裁判ということになってきますわね。それが終わって土地収用委員会に裁決の申請をする。ここでの審理が終わり、この間もう一度公告縦覧で裁判ということになるでしょう。そして、最終的にどうなるかわかりませんが、権原を仮に取得すると。過去、裁決申請から土地の使用権原取得まで、前回の委員会で大体一年半ぐらいだというふうにお答えになったと思うんですけれども、それは間違いないですね。
#66
○政府委員(小澤毅君) ただいま委員がおっしゃったとおりでございます。
#67
○筆坂秀世君 外務大臣、もちろんもう御存じだと思いますけれども、お聞きになったとおりで、土地収用委員会に裁決申請してから使用権原の取得まででもう大体一年半。これまでで言いますと一年九カ月かかったこともございます。これプラス二つ裁判が当然行われるということになりますから、どう常識的に考えても二年半とかあるいはそれ以上かかる、こういうことも当然あり得ます。
 ところが、例えば楚辺通信所は使用期限が来年の三月三十一日で切れることになっております。つまり、あと四カ月しかない、四カ月切っている。政府がどんなに努力したって、これはもう括弧つきの努力ですけれども、努力の限界を超えている。これはもうどうやったって使用権原が取得できない事態になる。これは明らかだと思うんですね。法律によっては半年間暫定的に延ばすことができるというふうになっていますけれども、それを入れたって十カ月ですから、一年未満ですから、一年足らずですから、これは全く間に合わない。
 そこで、新聞報道を見ると、特別措置法の上にさらに特別法をつくるというふうなことも今検討されているというふうに聞いています。これは事実なのかどうなのか。もし権原取得ができなければ、当然この楚辺通信所の当該の土地は返還するという措置を始めなければなりません。この点について外務大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。
#68
○政府委員(小澤毅君) 一部事務的なことがございますので、私の方からまず御答弁させていただきます。
 ただいま先生おっしゃいましたように、今後の手続に要する期間等いろいろ考えますと、大変厳しい状況になっているということは十分我々も認識しております。特に楚辺通信所、先生が挙げられました施設でございますけれども、ここにつきましては来年三月末に契約期間が満了するということで、我々も大変憂慮しているところでございます。
 我々といたしましては、あらゆる可能性について追求して、いずれにせよ我が国として安保条約上の義務を履行できないような事態が生じないよう最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 また、ただいま先生がおっしゃいました特別立法等につきましては、我々まだ全くそういうことは考えておりません。
#69
○筆坂秀世君 最大限の努力をすると言われるけれども、通常の手続では最大限の努力をやったって絶対に無理なんだよ、そんなの。やりようがないでしょう。土地収用委員会だけだって一体幾らかかると思っているの。通常の手続じゃ最大の努力をやったって絶対に無理なんです。じゃどうするんですか、一体。
 これは大臣に最後に御見解をお伺いしたいと思うんです。
#70
○国務大臣(河野洋平君) 本件は防衛施設庁が所管官庁でございますが、今施設庁から御答弁申し上げましたとおり、私どもとしては、沖縄県民のお気持ちを十分大切にしながらも、国際的な条約、さらには我が国の安全という見地を考えて最大限の努力を、施設庁おっしゃいましたけれども、まさに私どもとしてなし得る努力を最大限するという気持ちで対応しなければならぬ、こう思っております。
#71
○筆坂秀世君 終わります。
#72
○本岡昭次君 参議院フォーラムの本岡でございます。
   〔委員長退席、理事大木浩君着席〕
 私は、与えられた時間、旧日本軍の従軍慰安婦問題について、真の解決はいかにあるべきかという点について外務大臣の御見解を伺います。
 ことしの七月の末に国連の人権小委員会の公式の調査団が訪日をしたということについて、外務大臣は御承知いただいていますか。
#73
○国務大臣(河野洋平君) 承知いたしております。
#74
○本岡昭次君 その調査団がこの十二月の末には報告をまとめ、それが人権小委員会に提出される、そしてそれは来年の春、人権委員会での議論になる、やがてそれは経済社会理事会または国連総会というふうに日本の従軍慰安婦問題の解決をめぐって国際的な場に上っていくという状況についても外務大臣は御認識いただいておりますか。
#75
○国務大臣(河野洋平君) 私どもといたしましては、誠心誠意この問題に対応しなければならぬ、こう考えております。
 私はかつて官房長官をいたしておりましたが、官房長官在任中にこの問題について我が国の調査の結果が判明をいたしまして、私の役割としてその調査の報告をいたしたことがございますが、その報告を私見るにつけましても、大変あの一時期過酷な運命と申しますか、過酷な状況の中で筆舌に尽くしがたい経験をなさったこれらの方々に対して、人間として何かしなければならないという思いが非常に強うございました。
 ただし、我が国としては、国と国との関係については議員も御承知のとおり一切の問題が終わったという状況にございますので、こうした状況の中で我々はどういうことをなすべきかということを考え、我々がなし得ることを何としても少しでもやらなければならぬという気持ちでまず基本的にはおります。
 しかし、その上で、今議員がお尋ねのように、いろいろ国連その他からの調査団等の方々の調査が今おっしゃるような展開になっていくこともあるだろうというふうに認識しております。
#76
○本岡昭次君 国連の人権小委員会では、ことしの八月、この問題の議論がかなり突っ込んで行われました。日本の政府代表も女性のためのアジア平和国民基金をつくって云々の話もそこでなさっています。いろんな議論はありましたけれども、そこで決議として一応採択された中身は次の二点です。
 一つは、行政審査機関を設置してはどうか、もう一つは国際仲裁裁判所を活用してはどうかということであります。この行政審査機関の設置問題は私も必要だと思うんです。なぜならば、女性のためのアジア平和国民基金を民間ベースで設置して国民の皆さんからひとつ募金をとお願いする、私は反対です。
 しかし、その方法をとるにしても、一体従軍慰安婦というものはどういう形で存在したのか、一体何名いたのか、だれがいつどのような方法でそういうものをつくったのか、アジア全体のどこにどのような形で存在したのか。一体、戦争が終わったときにその人たちはどうなったのか、現在はどうしているのかということがほとんどわからないままに国民の皆さんに募金をお願いするというようなことは、私はおかしいと思うんですよ。ただ何となく解決しなければならぬということであってはならぬ。
 だから、やはりこの真相を、真実を解明するということでの行政審査機関というものを国に求めて、そして、今外務大臣もおっしゃった、国と国とのこの問題の処理は終わったとするけれども、しかし一方、人道的な問題、裁判にかかれば戦争犯罪というふうにして、オランダではインドネシアにおけるオランダ人女性を従軍慰安婦に駆り立てた人たちは裁かれて最高死刑、あとは十年とかいう有罪の判決が既に出ている。それは戦争犯罪者として裁かれているんですよ。とすれば、やはり国の責任を明確にした上で、問題をどう解決するかという方法を、国と国とが終わったんだからできないんだじゃなくて、国際法上この問題を解決していく道筋を見出さなければならないのではないかと、私はこのように思うんです。
 そこで外務大臣、我々はやっぱり国連というものを大切にしていこうと。国連中心外交とも言われているわけなんです。そして、そうした基本的人権の問題は普遍的な問題なんです。国際法という中で、日本がきちっとした解決の方法をその国際法の道筋の中で毅然とやっていく。日本にとって厳しいかもしらぬ、つらいかもしらぬ、だけれども、今後の世界のためにはそういうことをやるべきではないか、私はこう思うんですが、外務大臣、どうですか。
 恐らく国連の勧告が何らかの形で出ると思うんです。その勧告を尊重して、そしてその勧告に基づいて処理をしていく、新たな国の法律をつくって問題を解決していく。そのことによって日本は国際的に高い評価を受けると私は思うんです、人権問題について。どうでしょうか、これはやっぱり大臣の決断なんですよ、外務大臣なり担当する大臣、総理大臣の。いかがでございますか。
#77
○国務大臣(河野洋平君) この問題、私どもも無関心ではございません。何とか過去のああした本当に厳しい状況の中で、いろいろな方々がいろいろな経験をされた。そして、五十年たった今もそうした問題、そういう過去を背負って生きておる方々がおられるという事実が実際あるわけですから、これらに対してどういう対応をするかということを真剣に考えなきゃならぬということはもうおっしゃるとおりだと思います。
 ただ私は、議員も御理解をいただいておりますように、どうしても政府の立場ということになりますと、国と国との関係を考えざるを得ません。そうなると、賠償でございますとか財産請求権の問題は終わっているよという、国と国との関係ではそういうことになるものですから、国の、政府の立場としては限界がある。
 そうしたことから、かつて五十嵐官房長官などが大変奔走されまして、女性のためのアジア平和国民基金の創設などのアイデアを考えられたのだろうというふうに思いますが、今議員がいろいろ御指摘になりました国連におきますさまざまな問題については、恐縮ですが、政府委員から少し我々がどういう認識をしているかということについて御答弁をさせていただきたいと思います。
#78
○本岡昭次君 いや、ちょっと委員長、私は時間が十三分しかないので、もう少し言いたいことを言わせてください。
 十二月三日に国際会議が開かれております。「女性のためのアジア平和国民基金」反対!国際会議ということで、韓国、フィリピン、マレーシア、台湾から元従軍慰安婦の方もおいでになり、それぞれの国のNGOの方も参加されたようであります。もちろん日本のNGOもこれに参加しておりますが、そこの決議文、これはやはり私たちはしっかりと胸に入れておかなければならぬ言葉だと思います。この概要を読みますと、まず国民基金に対する評価なんですが、「被害女性への侮辱である。」というところから始まるんです。そして、
 平和を求め、人権を重んじる国際世論への侮辱である。被害女性の名誉回復と共に、いまだ存在する女性に対する暴力をなくすために、多くの誠意ある働きがなされてきた。だが日本政府のしてきたことは、こうした国際世論の無視、事実の隠蔽、故意に曲げた解釈と抗弁等々、そして結論が「国民基金」。こんな破廉恥があろうか。
 心ある市民への侮辱である。事実を曲げて伝え、責任の所在を明らかにしないまま、国民総体の責任へと問題をすりかえ、わずかな金を差し出すことで償いをした気持ちにさせようとしている。こんな欺瞞があろうか。とおっしゃっているんです。
 私も日本の国会議員として、このことに対して、いやおれはこうだということはありますが、今は言いません。しかし、こういう内容の決議を上げて何とか国連の問題解決の方向の中で日本も解決してもらいたい、こうおっしゃっているんです。
   〔理事大木浩君退席、委員長着席〕
 そこで、大臣、国と国との関係は終わったというそのことを是認した上での話として、アメリカのことがよく例に取り上げられる、国連の人権委員会でも取り上げられているんです。強制収容所に日系のアメリカ人が送られて、財産は没収される、それで強制収容されたということに関して、このこと自身は戦時中のことであり法的に問題はないという判決が下った。一応決着がついた。しかし、アメリカの議会では、いろんな働きかけもあってやっぱりまずいんではないかと。基本的人権の問題として重大な人権侵害を米国はやったことになる、だからこの人たちに対して補償をやろうと。しかし、今の国の仕切りではできないから新たにそれだけの法律をつくって補償したんです。私の親戚にも二万ドルもらった人がいます。そして、ちゃんと大統領のサインの入った謝罪文がついてお金を送ってきた。それも、そのことだけの別の法律をつくって解決したんです。
 だから、日本でも解決しようと思えば従軍慰安婦問題の賠償、補償に関する法律というのを別途につくって、そして、今おっしゃっている国と国とのこの問題は終わっていると、だけれどもそれはそれとして、別に人道的な問題として、また国際世論の中から出ている性的奴隷制というふうな言葉でもって今言われているこの事柄に対して、日本はきちっと償いましたというふうにやって国際的にアピールしていく。このことは非常に私は重大な意味を持つ、こう思うのでありますが、外務大臣、こういう方向の議論をどうでしょう、政府と国会とで真剣にやってみようというお考えはございませんか。それだけをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#79
○国務大臣(河野洋平君) この問題、大勢の方が関心を持ってかかわられて、したがってさまざまな意見があるというふうに私は承知しております。
 私には私として個人的には意見がございます。しかし、そうしたことは、意見は意見としてお互いに議論をしながらも、私は、まずこの国民基金というものを全く否定してしまわないで、やはりここにはそれぞれの善意の基金が集まって、過去の厳しい経験を引きずって大変困難な状況になっておられるということであるならば、それに対する我々の気持ちは気持ちとしてお届けをするというようなことがあってもいいのではないかというふうにも思うわけです。
 しかしまた、議員のような御意見もございましょう。それから、決議の中に込められたお考えもあるだろうと思います。私は、この問題はぜひそれぞれのお考えを持ちながらも話し合うということが何より大事だと。あんなものはもうだめなんだと頭から否定してしまったり、ああいう意見には聞く耳持たぬというような態度がまた一方にあるということであってはならない。
 これはやっぱり我々として、かつて従軍慰安婦であって、人生の大変大事な一時期をもう本当に台なしにしてしまった、さらにそれを引きずって今日まで来ておられる、そういう方々に対する我々の気持ちをどうやってあらわすか。いや、お金をやればいいというものでもないだろうという御意見もたしかあったかと伺いましたけれども、どういうふうに我々の気持ちをあらわすかということについて、やはり十分話し合う必要があるだろうと思います。基金は基金として、これをまた頭から否定するのではなくて、基金にはやはり善意のお金が集まるということが、またこれは日本の国民のそうした気持ちを示すことにはやはりなるのではないかというふうに私は思っております。
 この問題、まだまだいろいろ御意見があるんだろうと思いますが、また私も十分考えさせていただきたいと思います。
#80
○武田邦太郎君 毎々同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、きょうもまた似たようなことをお尋ねするわけであります。
 世界の一番のODA大国として、日本の援助が対象国の国民生活の向上あるいは平和的建設に役立ってもらいたい、軍隊の強化などには使ってほしくない、こういう熱願を持つわけでありますが、こういうことは一応日本としては特定の措置をとるのですか。
#81
○政府委員(畠中篤君) 我が国がODAを供与してまいりますときには、その相手国との間でODAのお金が軍事目的で使用されないように、そしてもう一つは紛争を助長するような形でその援助が使われないようにというようなことをその都度先方政府と話し合いをして、きちっとそれを処理してODAを実施しております。
#82
○武田邦太郎君 それで、先般、中国が地下核実験をやりましたとき、日本側からはこれに抗議を申し込んで無償援助を打ち切るというようなことがあったときに向こう側は、日本の侵略戦争で中国に与えた損害に比べれば日本の援助などわずかなものだ、こういうことを言ったように聞いておりますけれども、少なくとも日本側の援助が正当な平和意思として向こうに通じていない、こういう現実はあるわけですね。
 先般も、日中友好議員連盟の幹部が中国大使と懇談したときやはり核実験の話が出まして、向こうは中国人ですから非常にソフトな弾力的な言い方をしておりましたけれども、よく言われることでありますけれども、日本はアメリカの核の傘の中に安心しておられるから結構だろうが、我々はそういうわけにいかぬのだと、こういうことを言って随分長い時間やったのでありますけれども、物別れですよ。
 こういうような日本と中国の間がこのままずっと続いていいはずはありませんので、やはりそこに何らか世界の平和なり東アジアの平和なりについて日本と中国とが、あるいはさらにアメリカをも入れて共通の歴史の羅針盤を持つべきではないか、こういうことを申しましたら、これはにこやかに笑ってうなずく程度で、返事はありません。
 そこで、中国が膨張主義をとっておると言えば向こうさんは怒るのでありましょうけれども、軍事予算を見ますと、アメリカは大体三千億ドルぐらいですね、日本は六百四十億ドルぐらいですか、これはイギリスの国際戦略研究所の九四年−九五年にかけての数字でありますが、中国の方は三百億ドルに足らないですね。もちろん、アメリカの軍事予算というものは全世界的な戦略に配当するわけでありましょうけれども、しかし、いざとなったときに東アジアに集結し得るアメリカの軍事力とそれに中国の二倍以上の日本の軍事予算がプラスされれば、数倍の軍事力が中国に対応するということにならざるを得ないんじゃないかと思うんです。
 でありますから、日米安全保障条約というこの軍事体制に対抗して中国に膨張主義をとるなということが客観的に見て筋が通るのかですね。それとも、それはよくないから、それでは日本とアメリカの側がそういう心配をさせないような体制をとりましょうと、こういうふうに考えることはできないのか。特に、沖縄の米軍基地は中国の横腹にドスを突きつけたようなものでありまして、中国としては危険きわまりない状態であると。現に中国の要人の言葉として、いつかも申し上げましたが、ソ理解体以後において沖縄の米軍基地はどこをねらっているのかと。もう明らかに中国に対する重大な脅威であるととっておることは間違いないと思うんですね。そういう状態で日本が中国と本当の仲よしになれるか。
 もちろん、我々はアメリカとも対等の親友にならなければ、これは経済力からいっても両国で四割ぐらいのパワーを持っているわけでありますから、日米が争ってはならない、世界の平和のために争ってはならぬ。また、両国の幸福のためにも協力しなきゃならぬけれども、その最も密接な外的条件として、中国ともまた心からの親友にならなければならない。でなければ、そんなことは万々ないと思いますけれども、最悪の場合は中米核戦争の最前線に沖縄以下が立たされる、そういう条件も絶無ではないわけでありますから、これは何とかして日本、中国、アメリカの心から安心できる国際関係を構築すべきじゃないかと、こう思うんです。
 大臣は基本的に御賛成というのは重々承知しておりますけれども、これは何とか早急に具体化しなければならないんではないかという気がするんですが、まずこの機会にもう一度。
#83
○国務大臣(河野洋平君) 武田議員からはかねてからお考えを御披瀝いただいておりまして、私どももそのお考えの幾つかの点について全く同意だということは申し上げております。
 長期的に見て、アジアの平和と安定を考えれば、中国の動向というものは極めて重要でございます。それだけに、アメリカは中国に対して非常に気を使ってといいますか、米中関係をよくしていこうというそういう気持ちで対応しているというふうに思います。日本もまた、日中関係を極めて重要視していることはもう御承知のとおりでございます。つまり、アジア地域におきまして、アメリカと中国と日本と、少し不遜であるかもしれませんが、この三つの国がいい関係を持って、あるいは安定した関係を持っているということがアジアの平和と安定のために極めて重要だという議員のお考えには私も全く同意見でございます。
 したがって、この関係をよくするために我々がどういう努力をさらにするかということについて申し上げれば、かねてからARF、ASEAN地域フォーラムなどの場におきまして、信頼醸成措置を進めていくということを考え、議論をし、各国がそれぞれ防衛力の透明度を高めるということが重要だということをお互いに認識し合っております。
 今、我々にとっては中国の防衛力というものの透明度をもう少し高めてほしいというふうに思って、このARFの場などで話をしているわけですが、このたび中国から国防白書が発表されまして、その国防白書はこれまでより透明度という意味でかなり進んだものでございます。もっともっと透明度は高めてほしいという気持ちはございますが、しかし、そういう国防白書を発表して中国が自国の防衛力その他について外に向かって懐を見せることを始めたということは、我々は大変歓迎していいことだと思うんです。こうしたことは信頼醸成について大きな意味がございます。少しずつではありますがこうしたことを進めながら、アメリカ、中国、そして日本、もちろん朝鮮半島もそうでございますけれども、とりわけこうした安定した関係というものを進めていきたい、こう考えております。
#84
○武田邦太郎君 そういうことに関連しまして、これもお耳に入れたことありますけれども、大陸間弾道核兵器の出現ということは、人類の戦争手段で恐らくこれ以上のものは考えられないと。アーノルド・トインビーが忠告しましたように、人類が破局の状態に達するか、でなければ国家対立のない世界をつくるか、この二者択一の関頭に今人類は立っていると、こういう非常に大きな視点での警告を発して死んだわけであります。
 そういう意味において、今後少なくとも三十年くらいの相互不可侵条約を締結すれば、恐らく文明の進歩が非常に加速しますので、今後三十年の進歩というのは恐らく過去の百年以上の変化だと。それはもう進んでいく方向はわかり切った話で、国家対立のない方向、あるいは途上国は生活のレベルが高くなる方向に行くことは間違いありませんから、三十年我々が何とか平和を確保すれば、トインビー氏が言ったように国家対立のない世界の実現にこぎつけ得るではないかと、こういうふうに考えております。これは現職大臣にお尋ねすることは非常にお返事しにくいことはよくわかりますので、御検討をお願いしたいと、こういうふうに思います。
 それにつけましても、日本がはっきりとした世界の理想像というものを描いてその実現に向かって前進するという、そういう世界政策的なものを持ち得ていない。それで、外務省も外国とのおつき合いじゃなくて、そういう理想社会を実現する中心的な省であるということをいつも考えるわけでありますけれども、それにしては八千億円足らずの予算というのは余りにも貧弱です。私は、防衛費の予算がだんだん要らなくなる方向に歴史は動いている、それでも五兆円近い予算を持っている。少なくとも外務省は二兆円を超す予算を持って、先ほど来問題になっておりますエネルギーの問題とか食糧の問題その他について世界の世論をリードするような、そういう御努力を期待したいと、こういうふうに思います。
 時間がありませんので、終わります。
#85
○水野誠一君 外務大臣にODAの実施体制について伺いたいと思います。
 大臣も御承知のとおり、総務庁がこの四月に経済協力に関する行政監察の結果を公表いたしました。この中では援助業務の非効率な点が幾つか取り上げられておりますが、本日は時間の関係もありますので、その一部について伺いたいと思います。
 今回の勧告では、無償資金協力の実施に関しまして外務省から国際協力事業団、すなわちJICAへの一層の業務委託を求めているわけであります。その中では、現在外務省所管に計上されております無償資金協力予算を事業団に計上して実施段階の事務のすべてを事業団に移管すれば、外務省は政策立案あるいは援助案件選定等に専念ができ、またJICAの方も事務手続の簡素化によって迅速な事務の実施が可能になるという指摘がされているわけであります。
 そもそもこの点に関しましては、振り返ってみますと、昭和六十三年の行政監察においても既に指摘されている問題でもあり、その時点で外務省の見解としては、前向きに検討したいという回答がなされております。にもかかわらず、また今回の勧告を受けるまで外務省に予算計上がなされ続けているということはなぜなのか。行政改革等の視点も含めて、省内においてさまざまな検討があったのではないかと思うのでありますが、その経緯について伺いたいと思います。
 また、援助実施段階の事務のすべてをJICAに移管し、業務の効率化を図っていくつもりが外務省にあるのかないのかという点についても伺いたいと思います。
#86
○政府委員(畠中篤君) 昭和六十三年の勧告を踏まえまして、それまで実施しておりました業務の一部を国際協力事業団に移転いたしましたが、現時点の状況を申し上げますと、無償資金協力の効果的、効率的な実施体制確保ということを踏まえまして、ちょっと細かくなりますが、一般プロジェクト無償、水産無償、食糧増産援助といったような無償援助、そういう種類の無償援助に関する入札管理等のいわゆる実施促進業務を国際協力事業団が今現在担当しております。
 しかしながら、一方で無償資金協力の実施促進以外の部分、事務一般につきましては、政府といたしましては、外交政策判断に密接にかかわるものであるということから現在のところ外務省が所掌しております。
 政府といたしましては、そういう現在の状況はございますけれども、援助の一層の効果的、効率的実施という観点を踏まえて、やはりできるものから、どういったものを移せるかということは引き続き検討してまいりたいと思いますが、現状は今申し上げましたようなところでございます。
#87
○水野誠一君 続きまして、ミャンマーについて、我が国の援助について伺いたいと思います。
 ミャンマー民主化勢力の中核であります国民民主連盟、NLDが先月二十九日、憲法制定のための国民会議をボイコットしたことが我が国でも大きく報道されました。ミャンマーの民主化の第一歩として期待されていましたこの憲法制定会議が、早くもこのような状況になったということは大変残念なことだと思います。
 我が国の対ミャンマー援助は、一九八八年より停止しておりましたが、本年三月には十億円の食糧増産援助が行われ、また七月にはスー・チー女史の軟禁が解除されたということから十六億円の無償資金協力が行われたということで、事実上の援助再開がなされたわけであります。
 我が国の政府開発援助はODA大綱の四原則に基づいて実施されているわけでありますが、ミャンマーに関しては、民主化の促進、市場指向型経済導入の努力、並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払うという第四の原則が問題になるわけであります。スー・チー女史が解放される四カ月以上前に十億円の援助を行ったことに関して、これはODA大綱の原則に触れるではないかという見方もありますが、外務省がこの援助を実施するまでに至った経緯、並びにミャンマーの民主化をこの時点でどのように評価して実施されたのかという点について、できますれば外務大臣に御説明をいただきたいと思います。
 また、今回の十六億円の無償援助再開に際して、外務省としてミャンマー政府に対して今後の民主化の促進並びに基本的人権の保障についてどのような要望をされたのか、この点についてもあわせて伺いたいと思います。
#88
○政府委員(畠中篤君) 事実関係のところだけ先に御答弁させていただきますが、対ミャンマー援助につきましては、御指摘のとおり、八八年のクーデター、その後の政情等を踏まえまして、一定の分野を除いて原則停止としてきたところでございます。
 しかしながら、昨年来、ミャンマーにおきましても現政権とアウン・サン・スー・チー女史との間で対話が実施され始めまして、同国は対外的にも国連、欧米諸国等との対話を少しずつ始めてまいりまして、より開放的な姿勢が認められてきたこともありまして、我が国はその段階でこうした動きを評価し、民主化や人権状況の改善へのさらなる努力を促すといった意味で基礎生活分野における協力を進めることといたしまして、先ほどお話のありました本年三月、食糧増産援助を実施したものでございます。したがいまして、この援助は対ミャンマー援助を全面再開したというものではございませんで、そういう意味ではODA大綱を踏まえつつ、ミャンマー側の状況を踏まえて実施したものでございます。
 いずれにいたしましても、七月のアウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁措置の解除等、さらに事態の進捗がございましたので、今後はさらに民主化及び人権状況の改善を見守ることとしつつも、当面は既往案件あるいは民衆に直接役立つ基礎生活分野の案件を、その事態の状況を見つつ少しずつ実施していくということで看護学校の援助を決めたところでございます。
#89
○国務大臣(河野洋平君) 議員御承知のとおり、ミャンマーと我が国との歴史的な関係を考えますれば、欧米の諸国に比べてはるかに我が国はミャンマーにさまざまな意見を述べる、あるいはミャンマーの状況を聞くということができる立場にございます。
 今、政府委員から御答弁申し上げましたように、我が国としてミャンマーに対しまして食糧その他の人道的支援をいたしました折にも、私どもはミャンマー政権に対しまして、こうした支援は政権がもっと民主化に向けてスピードアップしてほしいという強い希望を我々は持っていますよということをメッセージとして伝えながら、こういうことをしているわけでございます。
 今、議員御指摘のとおり、今の状況は憲法制定議会を一方がボイコットすると。これは何日間かボイコットすればそれでもう資格を失うということになってしまうわけで、一方は資格を失ったようなことになっているわけですが、私どもとしては、こうした状況を現地におります田島大使をして政権側にもできる限り、憲法制定議会は幅広くいろいろな立場の人の意見を聞くべきだと思いますという我々の希望を伝えております。他方、NLDのサイドに対しましても、意見を積極的に述べた方がいいということをまた我々は伝えているわけでございます。
 私は現地からの電報をずっと見ておりますが、我が方現地の大使館は大変努力をしておりまして、政権側にもNLD側にも十分な話し合う信頼関係を持っておりまして、お互いが意見を出し合ってよりよい憲法をつくる必要がある、つくった方がいいという我々の希望は双方に伝えておるところでございます。
#90
○水野誠一君 最後に、経済協力基金の繰越額の歳出予算額に対する割合について伺いたいと思います。
 歳出予算額に対する繰越額の割合が昭和六十一年度には七割を超えている、また平成元年には五割台となり、平成四年度には四割台というふうに、多額の繰り越しが常態化するという状況は大分改善されてきているわけであります。しかし、この経済協力には相手国の事情があって、相手国の受け入れ体制を十分考慮せずに予算執行を急ぐということがありますと、結果的にむだを生じるということになりかねないわけであります。
 ODA予算が今後ますます増加していくという中で、その効果的、効率的な予算執行を行うためには、一般会計における厳格な単年度主義を適用していくのにはいささか問題があるのではないかというふうに考えるわけであります。この弊害を直視して、ODA予算の複数年度にわたる執行について検討すべき時期に来ているのではないかと思うわけでありますが、外務省の御見解を伺いたいと思います。
#91
○政府委員(畠中篤君) 外務省のODA予算のうち繰り越されております大宗はいわゆる無償資金協力の予算でございますけれども、御指摘のとおり、現在のところ約五割程度が繰り越される状況にございます。
 無償資金協力予算につきましては、先ほど御指摘のとおり、単年度一般会計の予算で実施しておりますので、当該年度の予算成立後に実際問題として相手国と話をしながら案件を決定し、そして国際約束であります交換公文に署名して、そして入札、契約等を経て工事の実施ということに至りますので、途上国であることもありまして、相手国の事情等によりまして実施までに相当な時間がかかるということも事実でございます。
 しかしながら、こういう状況を踏まえて、実施率をできるだけ上げるという努力を、私どもといたしましてはできるだけ年度当初から実施できるような準備を前年度に完了する努力、すなわち、案件の最終決定は一般会計の予算をいただいてからでありませんとできませんが、その前にいろんな調査をして案件を固めてまいります。
 そういうことで、できるだけ年度当初から実施できるように事前の調査を早目に行う努力を一方においていたしますとともに、それでもやはり年度後半に着工したプロジェクトについては次年度にまたがらざるを得ないのが現状でございますが、調査の結果、当初からこの案件については年度内に終わらないと。すなわち、おかげさまで一般無償の援助額もふえておりまして、昔と異なりましてかなり大きな額の援助を実施していけるようになっております。そういうものにつきましてはいわゆる国庫債務負担行為というものをとりまして、多年度にわたって予算を実施することをあらかじめ御承認いただいて、そういうものについては年度をまたがってできるだけ実施率を上げるという努力を今しておるところでございます。
 そういう努力の結果、先ほど御指摘のありましたように少しずつその実施率が上がっておりますが、今後ともこういった事前の調査をできるだけたくさんし、国庫債務負担行為にできるものはできるだけそういう形で実施率を上げていく努力をしてまいりたい、そう思っております。
#92
○水野誠一君 終わります。
#93
○委員長(浦田勝君) 他に御発言もないようですから、外務省の決算の審査はこの程度といたします。
 次回の委員会は十二月十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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