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1995/10/20 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 労働委員会 第3号
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1995/10/20 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 労働委員会 第3号

#1
第134回国会 労働委員会 第3号
平成七年十月二十日(金曜日)
   午前十一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
十月二十日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     狩野  安君
     林  芳正君     佐々木 満君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         足立 良平君
    理 事
                坪井 一宇君
                松谷蒼一郎君
                武田 節子君
                清水 澄子君
    委 員
                狩野  安君
                小山 孝雄君
                佐々木 満君
                山東 昭子君
                松村 龍二君
                吉村剛太郎君
                石井 一二君
                今泉  昭君
                星野 朋市君
                梶原 敬義君
               日下部禧代子君
                吉川 春子君
                末広真樹子君
                笹野 貞子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  青木 薪次君
   政府委員
       中小企業庁長官  新  欣樹君
       中小企業庁計画
       部長       藤島 安之君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者  坂本 哲也君
       対策部長
       労働省職業能力
       開発局長     伊藤 庄平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       通商産業省産業
       政策局企業行動
       課産業労働企画
       官        藤田 義文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業における労働力の確保のための雇用管
 理の改善の促進に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(足立良平君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、林方正看及び北岡秀二君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君及び狩野安君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(足立良平君) 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○松谷蒼一郎君 初めに労働大臣にお伺いいたしたいと思いますが、バブルがはじけましてここ数年、景気が大変低迷をしております。経済企画庁の見通しでも若干薄日が差したように思われるという局面もあるかと思えば、まだまだ停滞をしているというようなことで、非常に不分明な状況にあるわけですが、当然この景気の低迷に関連をいたしまして雇用の状況は非常に厳しい局面にあるんじゃないかなというように思います。この点について、大臣から御説明をいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(青木薪次君) 松谷先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 バブル経済の崩壊以後、お話しのように日本の産業経済の現状というものは極めて厳しい局面に立たされております。それは、何といいましても国際化の進展あるいはまた国内における円高不況等と相まって、私は深刻な雇用失業情勢にあると思うのであります。
 雇用問題については、特に失業率が三・二%という統計史上初めて出るところの大きなパーセンテージを示しているわけでありますので、この問題を私は労働大臣として最も深刻な問題ととらえまして、これから先生方の御意見をお聞きしつつ、本法律案の趣旨を踏まえてこれからも頑張ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#6
○松谷蒼一郎君 通産省の中小企業庁長官にお伺いしますが、今大臣からもお話がありましたように景気が非常に低迷をしている、その景気の低迷の中で大企業に比べて中小企業がどういうような位置づけになっているのか、特に中小企業の不況というものが厳しい状況にあるのかどうか、どういうふうに把握しておりますか。
#7
○政府委員(新欣樹君) 中小企業をめぐる景況についてのお尋ねでございますけれども、最近、為替相場は円高是正の動きを示してきつつはありますけれども、しかしこれが中小企業にとっていまだ経営が好転するというところまでは至っておりません。
 私ども四半期ごとに中小企業の業況判断を調査してございますけれども、この四半期、四期連続をしてマイナス幅が拡大をしているということでございますので、累次の円高等の不況により多くは厳しい状況に直面をしておるというのが総括的な御説明でございます。
 大企業との対比はどうかということでございますが、日銀の短観、本年八月の調査におきまして、主要望造業の業況判断指数でございますけれども、大企業はマイナス一八であるのに対しまして中小製造業はマイナス三〇ということになってございます。
 また、私どもで行っております規模別製造工業生産指数、これを見ましても、これは平成五年の十月、これを今回の景気の谷と見ております。これを一〇〇といたしましてこの八月時点、二十二カ月後の時点でございますけれども、この数字が大企業の数字にいたしまして一〇九・四、これに対して中小企業は一〇三・四ということでございまして、その回復が非常に緩慢であるというところ、しかも大企業に比べましても生産の回復が緩慢であるということが言えようかと思います。
 こういったことで、大企業に比べて中小企業はより停滞感を強めているという認識でございます。
#8
○松谷蒼一郎君 私は、我が国経済が戦後非常に大きな成長、発展を遂げてきたその基本的な基盤というものは我が国の中小企業にあるというように考えているわけです。その中小企業が現在非常に深刻な状況にある、長官からもお話がありましたように、大企業がマイナス一八、中小企業マイナス三〇である、回復の力も大企業に比べて非常に弱い、こういうような状況にあるわけであります。
 そうなってまいりますと、そうでなくても足腰の弱い中小企業ですから当然雇用にしわ寄せをされる。先ほど大臣は、失業率が戦後未曾有の三・二%であるというようなお話でした。これに対して労働省は一体どういうような対策を行っているのか、その具体的な対策とその成果がどう上がっているのか、それについて大臣の方から御説明をいただきたいと思います。
#9
○政府委員(征矢紀臣君) 中小企業に対する雇用対策でございますけれども、中小企業におきます労働者の雇用の安定と福祉の向上を図るため、労働省といたしましては本日御審議をお願いしております中小企業労働力確保法に基づく措置を実施しているわけでございますが、そのほか中小企業退職金共済制度の運営あるいは中小企業勤労者福祉サービスセンターの設置支援、あるいは雇用関係の各種助成金につきましては中小企業への高率助成などの施策を実施しているところでございます。
 これらの施策により、どのくらいの雇用効果が数量的に考えられるかという点につきましては、なかなか数量的には難しいわけでございますけれども、これによって直接雇用が維持され、あるいは創出される効果のほか、中小企業そのものの発展に寄与し、そのことによる雇用効果も考えられるところでございます。中小企業におきます失業の予防あるいは雇用創出につきまして一定の役割、効果を持っているものというふうに考えているところでございます。
#10
○松谷蒼一郎君 今、大臣に伺ったんですが、局長からの御答弁を伺っておりましても、非常に一般的、抽象的であって、どういうふうにどういうような効果があったかというのがちょっと把握できないわけです。
 私も、今度の労確法ですか、ただいまかかっておりますこの法律につきましても、労働省として何とか雇用の安定に資したいというその熱意はわかるんですが、これがどの程度本当の雇用に結びついていくのかな、あるいはベンチャービジネスの育成というんでしょうか、そういうようなものにどう効果があるのかなというのがちょっと不分明な気がいたしまして、過去のこれまでとってきた政策がどういう政策効果があったのかということを伺いたかったんですが、まだ具体的な的確な御答弁がないんですが、もう一度お答え願います。
#11
○国務大臣(青木薪次君) 今までの雇用失業対策につきましては、まず第一に企業の中で失業者を出さないという政策、これは現在百九十その業種において非常に効果を上げているわけでありますが、これはいわゆる景気がよくなればそのまま雇用も拡大する、しばしの我慢だと。労働省はそのところへ三分の二の賃金の保障をいたしまして、そうして早く景気の回転を待つということでありますが、これは景気循環的な対策で、待っていれば必ずサイクルを描いて景気がよくなってくるであろう、こういう対処でありました。
 ところが、今日、私が先ほど申し上げましたように、産業の国際化、日本の生産拠点がそのままアジアその他に行ってしまうというような状態の中で、これだけでは対処できなくなったわけであります。そこで、改正の業種雇用安定法に基づきまして今七十二の業種を指定いたしておりまするけれども、ここで失業なき労働移動ということを考えてやっていく。しかし、それだけの問題ではなくして、今安定局長からも申し上げましたように、新しい高度の技術を持った人を中心といたしまして、その周りに雇用を拡大するというようなことを考えていかなきゃいかぬのじゃないかと。
 それと同時に、中小企業は労働環境が極めて悪い。例えば冷暖房の設備がない、あるいは休憩施設がないというようなところについても、そういうような場所を提供していく。中小企業者は頑張っていく、そういうような施設をつくって新しい労働者に入ってきてもらえるような環境をつくっていくというようなことと同時に、この間私は神奈川県の職業能力開発大学校を視察いたしました、十日ほど前でありましたけれども。
 松谷先生も東大工学部を卒業されているわけでありまするけれども、そういうようなところを、いわゆるハイ・スクールの皆さんがこれに、例えば東京工業大学にプラスいたしまして、例えば実験もやるというようなこともいろいろつけ加えて、そうして勉強は勉強でやる。そしてこの新しい勉強、頭だけ入っちゃだめだと。実際に実務の訓練もやるというようなことをやっております。そういうものを労働省は、影響下にある例えば能開短大その他を加えて、これを活用いたしましてひとつ大いに産業の技術転換を図る、構造転換を図る、こういうことで頑張っているところでございます。
#12
○松谷蒼一郎君 今、大臣の御答弁の中でもございましたが、産業構造が非常に変化をしてきている。企業も海外へ進出をしていきまして、いわゆる空洞化現象も起こっている。今後、これがさらに年を追って激しさを増していくんではないかというように思われます。
 こういった産業構造の変化を見通した上での、雇用の見通しというものを労働省としてはお立てになっているのかどうか。立っているとすればどういうような見通しであるか、これについてちょっと御答弁をお願いします。
#13
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおり、今後国際化の進展等を背景といたしまして、大幅な産業構造の転換が予想されるところでございます。また、あわせまして高齢化であるとかあるいは女性の職場進出が一層進むことが見込まれております。このように、今後労働市場が大きく構造変化に直面するものと考えられておりまして、そういう意味で雇用の安定が今後一層重要な課題になるものというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、そういう背景のもとに、さきの国会で成立いたしました改正業種雇用安定法に基づきます失業なき労働移動の支援、あるいは本日御審議をお願いしております中小企業労確法に基づきます新しい雇用機会の創出等、いわゆる構造問題に対応した雇用対策を積極的に展開することによって、できるだけ雇用の安定を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#14
○松谷蒼一郎君 もう少し、具体的な数字をきちっととまではいかないにしても、何らかの見通しというものが三年後、五年後というようにあるのかなというように思いましたが、どうも今の答弁では非常に抽象的ではっきりしないんです。
 ところで、時間がありませんので本法に入りますが、長たらしい名前の法律ですからここでは一応分確法と言っておきますが、この労確法が当初立法されましたときにいわゆる三K対策として、中小企業になかなか就職しようという人がいない、だから今の状況とかなり違った状況の中で制定をされたわけですが、その立法の趣旨がどのくらい実現されたのか、その効果について、いかがですか。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) この労確法につきましては、先生御指摘のように、これは景気の持続的拡大が続きまして、今からいいますといわゆるバブル経済期におきます中小企業における労働力不足の状況、そういうものにかんがみまして、中小企業におきます労働時間の短縮であるとか、あるいは職場環境の改善であるとか、あるいは福利厚生の充実等、魅力ある職場づくりのための雇用管理の改善を促進することによって、中小企業におきます労働力の確保を図ることを目的として立法されたものでございます。
 これにつきまして、これは雇用管理改善計画を都道府県知事が認定して、その対象の団体について対策をとるということでございますけれども、平成三年の法律施行以来、本年三月末までに対象団体に認定された団体は五百八十一件に上っておりまして、この各団体におきまして業種やあるいは地域の特性を生かしながら、傘下の中小企業の労働力確保のための雇用管理の改善にかかわる自主的な取り組みが行われてきたところでございます。
 その効果としましては、数量的にはなかなか把握することは困難でございますけれども、その団体あるいは傘下の中小企業におきまして労働時間の短縮であるとかあるいは職場環境の改善の取り組みが行われ、福利厚生の充実あるいは募集・採用活動の改善の取り組みが行われてきているところでございます。
#16
○政府委員(新欣樹君) ただいまの計画認定組合数五百八十一件でございますが、この組合の構成員ということで中小企業の数を申し上げますと、約十万以上ということになってございます。
 それで、法施行以来、私ども雇用環境改善のためのコンサルティング等に対しまして補助金を交付しております。四年間で二百六件、十四億円でございます。また、中小公庫、国民公庫におきまして中小企業労働環境改善整備貸し付け、これにつきましても四年間で二千四百五十九件、額にいたしまして千四百二十五億円。また、この措置につきましては税制措置、設備投資減税がございます。これにつきましても百五十二件の実績があるところでございます。こういった実績にかんがみますと、本法は時短を初めとして中小企業の雇用管理の改善について一定の成果を上げていると考えるものでありますけれども、私どもが平成六年十二月に行った調査によりますと、特に人材確保面、中小企業が新分野に進出しようとする場合に人材確保面が最大の課題だというような調査がございます。
 したがって、中小企業の労働力の確保は依然として重要な政策課題であろうと認識しておりますし、また、そういうようなことから今回の法律改正もお願いしている次第でございます。
#17
○松谷蒼一郎君 今の答弁の中でもある程度改正の趣旨が出てきているんですが、労働省並びに通産省からの答弁のように、この法律はなかなかの成果が上がってきている、実績もあるということであります。
 それであるならば、その法律をそのまま存続をしてより高い実績を得るようにというようなことでいけないのかというように思うわけですけれども、今回、法改正に踏み切った、法律の改正といえば非常に大きなことでありますが、これはどうしてこれだけの実績のある法律を今回特に法改正に踏み切ったのか、具体的な点についてお話しください。
#18
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま中小企業庁長官からのお答えにもありましたように、現在、中小企業が非常に厳しい状況の中で直面しております最大課題は、やはり何とか新分野に展開をしていきたいと。そのために必要なのは、高度人材と言っておりますけれども、高度の技能、知識を持った方、あるいは経営管理のノウハウを持った方、そういう人材を連れてきまして、そういう方が中心になって新分野の方に展開していく。あるいは、ベンチャー企業につきましては、新しくそういう新分野についての企業を起こす、こういうところが非常に重要課題だということでございます。
 現行の労働力確保法につきましては、これは事業協同組合等の中小企業の団体をつかまえまして、それを都道府県知事が認定して、その傘下の組合員であります中小企業者について一定の施策を実施する、こういうものでございます。
 したがいまして、ベンチャー企業であるとか個別の中小企業者が新分野展開に努力をしようというときに、それについて雇用面から支援する、そういう枠組みは現行法ではとれないわけでございまして、したがって今回の法律改正で、従来の事業協同組合等を認定して支援する仕組みとあわせて、個別の中小企業者が新分野等を展開する場合にそれに対する支援をしよう、こういうことで今回法律改正をお願いしているものでございます。
#19
○松谷蒼一郎君 現在、既にある中小企業あるいは協同組合については当然その認定の対象になるわけですが、新しい分野に進出をしよう、そこで新しい企業を創生じて、それから高度な人材を雇ってやっていこうという、現在はまだ企業ではないというようなものについても、その認定の対象になるんでしょうか。
#20
○政府委員(征矢紀臣君) ベンチャー企業等についてなかなか難しい問題もありますけれども、先生御指摘のようにベンチャー企業につきましては、これから新しい分野についていろいろ調査研究をし、行動を起こし、それでそれが固まっていけば企業になっていく、こういうことでございます。
 したがって、雇用対策で考えますと、労働者がまだいない段階で支援することはなかなか困難なわけでございますが、いろいろ積み上げて将来労働者を雇っていく、そういうことであれば、そういうことを前提にしてその準備段階からも支援をできるようにしよう。こういうことで、高度人材等を連れてきた場合、将来一定の計画に基づいてあわせて労働者を雇うという計画に基づきまして、現段階ではまだそこまで至っていないものについても、今回この法律の支援の対象にしようという考え方をとっているところでございます。
#21
○松谷蒼一郎君 その考え方は、私はなかなかいいと思うんです。やはり、これからの我が国の産業構造が大きく変化していく、その中で新しい企業というんでしょうか、将来性のある企業を育成していかなくちゃならぬ。そういう意味では大変いい制度であるというふうに思うんですが、片や通産省の方では、こういったベンチャー企業の育成について何らかの新しい措置をおとりになる用意がありますか。
#22
○政府委員(新欣樹君) 私ども、中小企業がただいま直面しております非常に厳しい状態、これを何とか乗り切っていくために、やはり構造改革というようなことを進めていく必要があるだろう。そのことがまた中小企業自体の活力を発揮させる、あるいはそれがまた日本経済のフロンティアを拡大するという意味において、御指摘のベンチャー企業を初めとする新規事業を育成する重要性を認識しているところでございます。
 このため、私どもといたしましては、本年四月に中小企業創造活動促進法というものを制定させていただきまして、中小企業の創業及び研究開発などに対しまして予算面、税制面、金融面等によって総合的に支援をしてきておるところでございます。また、今回の第二次補正予算におきましても、創造的な事業活動を行う中小企業の資金調達を多様化するために、中小企業事業団の高度化融資を活用して、都道府県とも御協力をして、新しい直接金融制度の措置を講じたところでございます。こういった措置を活用されて、何とか中小企業がこの難局を乗り切って新しい分野にチャレンジしていってもらいたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#23
○松谷蒼一郎君 両省相携えて、何とかこういった新分野に進出する企業の育成を積極的に図っていただきたいと思います。
 もう時間がありませんので、最後に、今後の雇用対策推進について大臣の御決意を伺います。
#24
○国務大臣(青木薪次君) 雇用問題がいつの時代でも最も重大な問題である、このことなくして生活はあり得ないというように私は理解をいたしているところでございます。
 このため、当面の対策として、先生が御指摘し評価していただきました中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善という問題は一番大きな問題だと。今おっしゃられたように、日本の産業経済の機能を変えていく、新しい分野を開発する、ベンチャー等の企業を開発するという、そういう意味も含めまして、通商産業省と提携いたしまして、そうして今後の日本の産業経済の振興をすると同時に、新しい日本の行く道というものをつくっていくように、先生方の御協力をいただいて頑張ってみたい、このように考えておる次第でございます。
#25
○武田節子君 平成会の武田でございます。
 初めに、法律案の内容について論ずる前に、労働力の需給見通し、今日の景気停滞の中での中小企業の役割、産業の空洞化への対応、中小企業に対する官公需の拡大等について伺ってまいりたいと思います。
 本法律案は平成三年の第百二十回国会で審議されて成立したわけでございます。当時、労働力の確保対策が求められた背景として、景気が拡大傾向にあり、有効求人倍率も一・四と高い状態にございました。また、出生率の低下等を反映して労働人口が減少に向かうことも予想されて、労働力不足が将来的にも問題になることが見込まれたわけでございます。特に中小企業にとっては、それが経営上の問題にまで発展するほど深刻な事態にありました。当時、中小企業動向調査によると、経営上の問題点のうち求人難を訴える人が三七・三%と常にトップにあったことから見ても明らかでございます。そのため、本法律案が成立したわけであります。
 一方、今日における状況はどうかといいますと、景気は長期停滞の中にあり、有効求人倍率も○・六一と大変厳しい雇用環境にございます。見方を変えれば、中小企業の人材難には好機とも言える状況になっているわけですが、大臣、本法律案の改正にあって、その背景と今日的課題についてどのような認識をされておられますか、お伺いいたします。
#26
○国務大臣(青木薪次君) 最近の厳しい雇用情勢への対策といたしましては、まず第一に失業なき状態をつくっていかなきゃいけない。そこで、現在やられておりますように、雇用関係のための雇用調整助成金をまず制度としてつくってきたわけであります。それから、これだけではいけないということから、先ほども御答弁申し上げましたけれども、改正業種雇用安定法をつくって、そして失業なき労働移動ということを中心として対策を進めてまいりました。
 しかしながら、今も御指摘いただきましたけれども、今日の情勢というものはそれだけではいけないということから、新しく雇用の創出を図るということが最も重要な問題である。雇用の創出を図るというのは何か、それはやっぱり新しい高度の技術を備えた人を中心といたしまして、これらの人の移動を前提にいたしまして、その援助を労働省としては行っていくというようなことと同時に、先ほども申しましたように、雇用関係の改善を図りながら対応していくということが必要であると思うのであります。
 今回の、この法案の改正によりまして新たな雇用機会を創出することができれば、これは私は大きな成果であると思いますし、ベンチャー企業等を支援いたしまして、そしてここから今申し上げましたような全体として日本の産業レベルの向上、アップを図っていく、このことが今日重要なことであって、本法案提出の理由もそこにあるということを御理解いただきたいと思うのであります。
#27
○武田節子君 いろいろ雇用政策を進めても労働力需給がいかに景気の動向に大きく左右される性質のものであるか、今日の現状はそれを端的に物語っていると思います。
 当然、雇用対策を担当する労働省としては、景気の動向が労働力の需給の変化に対して機敏に的確に対応し、努力されていることも承知いたしております。雇用調整助成金について業種の指定基準の緩和を行うなど、懸命に努力されていることもわかります。しかし、今日の失業率三・二%という結果に対しての景気の動向、労働力需給見通しが甘かったのではないかと思われますけれども、いかがでございましょうか。
#28
○政府委員(征矢紀臣君) 現在の失業率三・二%につきましては、これは統計開始以来最悪の数字でございまして、一方有効求人倍率も〇・六倍台という低い水準で推移しておりまして、これは極めて厳しい雇用失業情勢が続いているというふうに考えているところでございます。
 これにつきまして、我が国経済はいわゆるバブルの崩壊以降、戦後二番目の長い景気後退を経験しているところでございますが、その後一たん緩やかながらも回復に転じたわけですけれども、今年に入りまして全く予想外の極めて厳しい阪神・淡路大震災、一月十七日に経験いたしまして、また三月以降は御承知のような、円が七十円台に突入するというような急激な円高が進行したわけでございます。こうした過程で、企業の海外進出、あるいは製品輸入の増大など構造的な問題が生じてきているところでございます。このように経済情勢が変化する中で、我が国経済の先行きに対する不透明感も高まりまして、そういうものを反映してこういう厳しい情勢が続いている、こういうふうに理解しているところでございます。
 私どもといたしましては、政府全体としては本年に入りまして三度にわたります切れ目ない経済対策を実施してきたわけでございますが、労働省といたしましても、先生御指摘のようにまず雇用調整助成金によります企業の雇用維持努力を支援する、そのほか構造的な要因が非常に深刻でございまして、そういう面から雇用調整を余儀なくされている業種、企業の労働者につきましてはさきの国会で成立いたしました改正業種雇用安定法に基づき失業なき労働移動の支援を行う、あるいは失業者の方については早期再就職の促進に努めているところでございます。
 そういうことで、雇用の安定に向けて最大限努力をしてきているところでございますが、なかなか先行きの見通しは難しい面がございまして、そういう面で認識の甘さがあったのではないかという御指摘でございますが、そういうことにつきまして私どもできるだけの努力はしてきておりますけれども、そういう面があったかもしれません。
#29
○武田節子君 局長よりただいまもろもろの御努力等を伺い、また阪神・淡路大震災の思ってもみない災難等があって、現在の厳しい雇用情勢をかんがみますと、雇用対策については思い切った施策の実施が必要でございまして、そのための予算措置が不可欠であると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますけれども、既に成立しました第二次補正予算の前提となっている経済対策のうち、雇用対策部分の概要と、その中において今回の法改正がどのような位置を占めているかについて御説明をお願いいたします。
#30
○政府委員(征矢紀臣君) 去る九月二十日に取りまとめられました経済対策におきましては、本年七月から推進してきました新総合的雇用対策について雇用創出を重点とした拡充を行うこととしたところでございます。
 具体的には、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出・人材確保、これにつきまして予算措置としては百十四億円、高付加価値化・新分野展開を担う人材育成の推進十三億円、円高等構造問題を抱える業種等を中心とした失業の予防二億円、新規学卒者、未就職卒業者の就職支援四億円、離職者の再就職促進支援対策の推進十億円、この五点を柱といたします対策を盛り込んだところでございます。
 この中におきまして今回の法改正、これはこれまでの雇用維持あるいは失業なき労働移動の支援のための対策からさらに一歩踏み出しまして、雇用機会を新たにつくり出していくことを目的とするものでございまして、今般の雇用対策の中では最大の課題でございます。このため私どもといたしましては、本法案の成立後速やかにこれらの諸対策を全面的に実施し、雇用情勢の改善に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#31
○武田節子君 この厳しい雇用情勢の中で、新進党は景気対策を最も緊急の課題として取り組んでいますが、特に不良債権処理問題による金融不安は景気回復に大きな足かせとなっております。
 今国会で宗教法人法改正案を政府は提出しましたけれども、臨時国会は緊急の課題である景気対策を最優先にし、国民の基本的人権にかかわる問題である宗教法人法改正は慎重に検討を尽くしてから出すべきであり、今国会に提出する必要はなかったのではないかという疑問を持たざるを得ません。むしろ、景気対策にこそ国会が与野党一体となって審議すべきだったと思います。
 ところで、政府は十四兆円規模の補正予算を組んだとして大変景気の先行き、見通しに楽観的でございますけれども、しかしこの金融不安は景気の足を引っ張ることは間違いないと思われます。国民生活に直につながる雇用を預かる労働省として、この金融不安が景気の動向に与える影響についてどうお考えになっていますか。
 また、経営破綻したコスモ信組などの金融機関の職員が失業と生活不安におぴえているなどの新聞記事も目についた記憶がございますが、これらの問題はどうなっておりますか、あわせてお尋ねいたします。
#32
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおり、不良債権問題によりまして幾つかの金融機関等の経営破綻が表面化しておりまして、今後の経過によりましては当該金融機関あるいは関連企業の雇用問題に大きな影響を与えるおそれがありまして、私どもといたしましても大変心配しているところでございます。
 現在のところ、再建計画等が明確になっておらないため、雇用問題につきましても具体的な方針が定まっていないところでございますが、既に本年九月に関係都道府県に対しまして、当該金融機関等に関する従業員の雇用の安定の確保に最大限配慮するよう事業主を指導するとともに、必要な支援を行うよう指示しているところでございます。
 今後とも、関係する職業安定機関により実態の把握に引き続き努めるとともに、雇用の維持あるいは新たな雇用の場の確保等が図られるよう指導、援助を実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#33
○武田節子君 私は、大企業は経済優先で海外進出、中小企業は国内経済の厳しい中でじっと耐えて日本経済を支えるために頑張っているように思います。
 新規事業、新分野の事業は大変なリスクを背負います。しかも、景気の変動の激しい中で大海に浮かぶ小舟みたいなものだと思いますけれども、中小企業の振興に向けた中小企業庁長官のお考えをお伺いいたします。
#34
○政府委員(新欣樹君) 中小企業は全事業所の中でも九九%を占めます。また、従業員をとってみましても七八%が中小企業で働いておられる、こういうことでございますので、国民経済の中で非常に重要な役割を占めるということは御指摘のとおりだろうと思います。
 したがいまして、私ども中小企業の振興のための対策に遺憾なきを期してまいってきておるわけですが、特に昨今の経済情勢、先ほど申し上げましたように、非常に厳しいものがございます。こういった中で重要なことは、やはり思い切った内需拡大ということを行って、我が国全体の景気回復に向けた足取りを確かなものにしていく。そうした中で、中小企業の経営基盤の安定強化を通じて中小企業の先行き不透明感を払拭するということが一つ。それともう一つは、中長期的な視点に立って、先ほど申し上げたような構造改革に向けた努力というものを支援していくということが必要だと思っております。
 こういった中で、先般九月二十日に過去最大規模の経済対策というものを決定いたしたわけでございまして、その中でも中小企業対策につきまして貸付規模を一兆二千九百億円追加いたしました。また、補正予算といたしましても、中小企業対策の補正予算規模としては過去最大の二千七百六十八億円という思い切った対策を実施することとしたところでございます。
 この対策の具体的な中身でございますが、第一には、中小企業の経営基盤の安定強化策といたしまして、中小企業が政府系中小企業金融機関に有する既往高金利債務の返済の円滑化あるいは負担の軽減措置、さらには中小企業信用保険法改正をこの国会にお願いをしておりまして、これによります信用補完の充実ということを図ります。
 また、第二には、中小企業の構造改革支援策といたしまして、創造的な事業活動を行う中小企業を支援するための新たな直接金融制度の創設でございますとか、あるいはいわゆる商店街の中におきます空き店舗対策に取りかかるというようなことを行いまして、可能な限りの措置を盛り込んで中小企業の振興を図るということにしておるところでございます。
#35
○武田節子君 ぜひとも九九%の中小企業、そして七八%の従業員の、本当に日本の経済を支えている、ここに全力で御努力をお願いしたいと思います。
 現下の危機的雇用情勢に対応して、例えば新進党は既に本年七月に新産業創造・三百万人雇用創出三カ年計画を提唱し、今国会においても新産業インフラ整備の観点から予算の組みかえ要求が行われております。また、高度情報通信社会推進調査会、これは仮称ですけれども、が設置されて、新産業の発展を通じた雇用創出に一層力を入れている状況にございます。私といたしましても、法人税の問題や土地流動化の対策、規制緩和の推進など、企業に元気が出るような対策により現在の雇用を守るとともに、新しい産業をつくっていくことは極めて重要だと考えております。
 新進党の新産業創造・三百万人雇用創出三カ年計画においては、新産業創造支援法の制定等の中で、成長、高付加価値、雇用創出産業を税制、金融面で支援する旨提唱されておりますけれども、これに対応した対策はとられているのでしょうか、通産省にお伺いいたします。
#36
○説明員(藤田義文君) 新規産業の育成によります雇用の創出につきましては、昨年産業構造審議会におきまして審議が行われまして、二十一世紀に向けての展望が行われたところでございます。この中で、将来の新規成長分野といたしましては、情報通信、医療・福祉、住宅関連分野を初めといたします十二の分野が成長分野として期待されているというところでございます。
 しかしながら、構築しました成長分野、新規成長分野が順調に育ちますためには、思い切った経済構造改革を行うということが前提であろうかと考えております。産業の空洞化を防ぎまして、また新規産業の創出によって経済を発展させていくというためには、御指摘にもございましたように、第一に規制緩和あるいは税制などの制度改革を通じた国内の高コスト構造を是正すること、それから第二に研究開発基盤の整備など内需主導型の経済構造を実現するための良質な社会資本の計画的な整備を行うこと、それから第三に新規事業分野の発展が可能となるような、そういった意味での企業活動を具体的に支援していくこと、こういった構造改革の努力が必要だろうと考えておりまして、そういった面におきまして我々といたしても積極的に取り組んでまいる、そういう所存でございます。
#37
○武田節子君 次に、産業、雇用の空洞化についてお伺いいたします。
 企業の海外進出の原因として、円高で国内生産品が国際競争力を失い、また円高で輸出が採算に合わなくなり、生産基地として海外に移転等がございます。現下の状況を見ますと、企業の海外進出もせざるを得ない面もありますけれども、近年は海外進出の形態も技術の研究開発施設までが海外移転の動きがございます。
 経済の国際化、貿易の自由化の流れの中で、政府が円高の是正を図り、またどうしたら生産コストを引き下げられるのか、規制緩和、社会資本の整備等、政府は経営基盤の改善に最大限努力をされることは当然でありますけれども、その上に立って産業、雇用の空洞化を防ぐために労働省としてはどのような政策を講じていくお考えでしょうか、お尋ねいたします。
#38
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の企業の海外進出あるいは製品輸入の拡大に伴います国内雇用問題の発生、これを避けるためには、やはり新たな雇用の創出を図ることが極めて重要でございますし、あわせまして失業のない形での労働移動、そういうものを進めることが大切だというふうに考えております。
 このため、労働省といたしましては、さきの国会で成立いたしました改正業種雇用安定法に基づき、労働者ができるだけ失業を経ることなく労働移動することを支援するとともに、やむを得ず失業された方々につきましては、その早期再就職に努めているところでございます。
 さらに、今回の経済対策の一環といたしまして、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出を図るため、本日御審議をお願いしております中小企業労働力確保法の一部改正案、これを本国会に提出しているところでございます。
 今後は、今回の新しい対策も十分活用しつつ、雇用の安定のために最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#39
○武田節子君 それでは次に、中小企業の官公需の確保について通産省にお尋ねいたします。
 今日、景気停滞の中で中小企業の経営は大変厳しいものがございます。中小企業動向調査によりますと、経営上の問題点として、売り上げ停滞が九五年四月から六月まで四八・二%と前期比で五ポイントも上昇し、トップを占めております。
 政府は、中小企業の官公需確保対策として、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律に基づいて、毎年度国等の契約に関し中小企業者の受注機会の増大を図るための中小企業者に関する国等の契約の方針を定めていますけれども、九月二十日の経済対策においても中小企業の官公需については触れられてはおりません。
 そこで、通産省にお伺いしますが、中小企業向けの国と地方公共団体の官公需の年度目標、実績について、比率も含めて過去三年の推移を御報告お願いいたします。
#40
○政府委員(藤島安之君) 官公需の問題でございますが、お話がございましたように、官公需確保法に基づきまして、国につきましては毎年度閣議におきまして国等の契約の方針というものを決定して発表しているわけでございます。その中に、官公需の中小企業向けの比率を目標として設定しておりますし、その際に過去の実績も発表している、こういうことでございます。
 ただ、地方公共団体におきましては、国の施策に準じてやっていただくということで中小企業の受注確保のためのいろいろな施策を要請している、国に準じてやっていただくということで要請しているというのは今委員御指摘のとおりでございます。
 その数字でございますけれども、過去三年間の実績及び目標、実績比率でございます。国の方からまいりますと、平成四年度、目標額四兆四千三百四十億円、比率は三九・九%、これが中小企業向けでございますが、実績が四兆四千七百十二億円、比率は、実績値は三七・七%でございました。平成五年、目標額四兆六千六百六十億円、比率三九・九%に対し、実績五兆三百四十六億円、比率は三八・七%でございました。平成六年度は、目標額四兆八千七百億円、比率三九・九%に対し、実績額四兆四千三百二億円、比率は三八・五%でございました。
 また、地方公共団体につきましては、目標額はございませんが、実績を把握しております。都道府県及び十万人以上の市を対象にして実績をとっております。平成四年度、実績額十五兆二千五百三十七億円、中小企業の受注比率は六八・七%でございました。平成五年度、実績額十五兆八千六百五億円、比率は七〇・一%、平成六年度、実績額十四兆九千二百四十八億円、比率は六八・四%、こういうふうな数字になっております。
#41
○武田節子君 目標そのものは義務づけているものではありませんけれども、比率で見た場合、例年国の場合、目標を下回っています。また、地方公共団体分についても目標を下回っていると同時に下降傾向にありますけれども、その理由は何なのでしょうか。
 また、この十年間、中小企業官公需の目標比率が国の場合三九・八から三九・九で変化をしておりません。せっかく中小企業に対し近代化、高度化対策を講じても、実績に出てこなければ意味がございません。本当に政府が中小企業育成を掲げるのであれば、中小向け目標額、比率を引き上げるよう受注機会の増大にさらに努力されるべきだと思うのですけれども、この点についてお答え願います。
#42
○政府委員(藤島安之君) 今、二点御質問があったかと思います。
 一つは、官公需の目標に対して実績が下回っておるのではないかという、その原因はいかがなものであるか、こういうものと、国の中小企業の受注機会の目標数字が最近、三九・九%に張りついているけれども、これを引き上げるべきではないか、こういうお話だったかと思います。
 第一の点でございますけれども、委員も今御指摘ございましたように、官公需の契約目標というものは、会計法規を頭に置きながら、基本的には中小企業者の受注の機会の確保ということで、結果としての比率を義務づけているものではございませんで、努力目標と、こういうものでございます。
 確かに目標値に対して実績は、国の場合は下回っておるわけでございますけれども、その原因をいろいろ推測してみますと、第一には、どうも工事の建設費を縮減したい、効率化したい、こういうことから発注ロットがどうしても拡大するといったような傾向が出てきておるように思われますし、また委員も御指摘のように、景気の低迷が長引いております。そういうことから、大企業と中小企業の間の競争が大変激しくなってきているようなことも見られます。
 それから、中小企業の受注機会が高い、受注の期待できる災害関連事業が総体的に最近は減ってきておるといったような事情もあります。さらには、WTOに基づきます政府調達コードに基づく一般競争入札案件の拡大、そういったようなものがありまして、中小企業の官公需の受注については大変厳しい環境になっている、そういうものを反映しているのではないかと推測しているわけでございます。
 しかし、これに対して私どもとしてはできるだけ中小企業の受注機会の増大を図りたい、こういうことで具体的にいろいろな工夫をさせてもらっております。例えば、地方支分局における地元中小企業者等の活用のために分離分割発注を推進する、従来もやってまいりましたけれども、これも努めていくということでございます。
 それから、ことしはさらに優良な工事実績、成績を上げた中小建設業者につきましては、上位の等級に属する工事についてもチャレンジできるような、そういうような配慮をしてもらうとか、あるいは中小企業者の一般競争入札に参加した場合に、受注が高く見込まれる案件、役務、そういうのを調べましてこれを中小企業団体中央会から関係の協同組合等に情報を流すとか、そういうようなことでいろいろな努力をしておるわけでございます。そういうことで、今後とも目標の実現に努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから、地方公共団体の官公需の問題でございますが、これは国等の契約の方針を参考にして頑張ってもらいたい、こういうことでございまして、目標は、数字はつくってもらっておりません。実績だけ把握しておるわけでございます。平成三年度は六五・二%で、平成六年度では六八・四%ということで、必ずしも地方公共団体の場合は中小企業の官公需受注比率が下がっているわけではございませんけれども、引き続き地方公共団体の自治を尊重しながら、今後とも中小企業の受注機会が増大するように頑張っていただきたいというふうに要請してもらいたいと思っております。
 それから第二の御質問で、目標比率が三九・八とか三九・九で張りついているじゃないか、これをもう少し引き上げろと、中小企業庁でも頑張れと、こういうお話でございます。
 毎年、閣議決定をする際に、私ども各省庁と大変厳しい折衝をしておるわけでございます。何とか受注比率を上げる努力をしてください、こういうことを申し上げておるわけでございます。予算の公正なあるいは効率的な執行を図るということで、各省も会計法規に基づいて良質廉価なものを購入したい、こういう建前があるわけでございますが、その中でも最大限の努力をしてもらいたい、こういうことで大変な時間をかけていろいろやっておるわけでございます。
 先ほど申し上げました分離分割発注の推進とか、あるいは官公需適格組合を活用してもらうとか、あるいはさらには情報提供をいろいろしてもらってなるべく中小企業の受注機会の確保を図る、こういうことでお願いしておるわけでございますが、目標値については引き続きそういうことで各省にお願いして努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
#43
○武田節子君 ありがとうございました。
 次に、法案の内容について労働省にお尋ねいたします。
 本法律案は、雇用環境改善による今なお厳しい中小企業の人材確保と新事業創業、転換、拡大等を推進し雇用の創出を図ろうとしておると思います。しかし、中小企業動向調査によると、新規投資が一四・六%と下降状況にあり、実施せずが七一・○と上昇傾向にございます。新規投資意欲はかなり弱含みのように思われます。
 このような中で、その目的を達成することが可能かどうか、その見通しについてお伺いいたします。
#44
○政府委員(征矢紀臣君) なかなか厳しい経済情勢下の中で、中小企業の方々につきましても大変苦しみかつ御努力いただいているわけでございますが、ただ、一方で今後のことを考えた場合に、何とか新分野展開を図りたい、そういうことを希望し努力をしている中小企業者の方も相当おるわけでございます。
 そういう意味で、今回の改正におきましては個々の中小企業が新分野展開等を図る上で必要となる人材の確保のための支援措置として、高度な人材を出向あるいは雇用という形で受け入れる場合、あるいは高度な人材の育成を図る場合についての助成、労働環境の改善のための設備あるいは福祉施設を整備し職場の魅力向上を図る場合の助成を創設することとしているところでございます。
 これらの助成によりまして、中小企業が必要な人材を円滑に確保できるようになれば、事業展開の条件も一つ整うことになるわけでございまして、先生御指摘のような中小企業の投資意欲を喚起することにもつながっていくのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 また、あわせましてこれが中小企業におきます雇用の創出を実現する、そのための一つの手だてになるのではないかというふうに考えているところであります。
#45
○武田節子君 それでは次に、新たに導入される助成金についてお伺いいたしますが、法改正によって三種の助成金が創設されるようですけれども、少し詳しく説明していただきたいと思います。
 また、申請手続や認定に当たってどのような基準を設けるのか。申請から認定、実際に支給されるまでの日数はどうなっているのでしょうか。また、どのくらいの期間、支給されるのでしょうか。その点をお尋ねいたします。
#46
○政府委員(征矢紀臣君) 助成金についての具体的なお尋ねでございますが、中小企業雇用環境整備奨励金につきましては、魅力ある職場づくりのため、労働環境改善設備、これは空調設備とかあるいは防音装置等でございますが、または福祉施設、これは従業員宿舎あるいは保健施設、食堂等でございますが、そういうものの設置、整備を行い、あわせて労働者を雇い入れた事業主に対しまして、施設整備に要した費用を労働者の雇い入れ数等に応じまして助成するものでございます。
 それから、創業等支援人材確保助成金、これは仮称でございますが、これは新分野展開を担う基礎となる人材を受け入れ、あわせてその基盤となる人材と同数以上の他の労働者を雇い入れた事業主に対しまして、基盤となる高度人材、その受け入れにかかる経費を、これは最大限三人分を限度に最大一年間助成するものでございます。
 それから、人材高度化能力開発給付金につきましては、高付加価値化やあるいは新分野展開を担える人材の育成のため、事業所内外の教育訓練あるいは有給教育訓練休暇の付与、能力開発のための人材交流等を行う事業主に対しまして、派遣費、運営費及び賃金を最大三年間助成するものであります。
 改善計画につきましては、中小企業者が計画を作成しまして都道府県知事に提出することとするわけでございますが、知事は労働大臣及び通産大臣の定める雇用管理の改善に係る措置に関する基本指針に照らしまして、計画の内容が適切であると認められたものについてこれを認定することといたしております。
 なお、新設いたします三種の助成金の支給手続等につきましては、これは細部について現在最終的な詰めを行っている段階でございまして、支給までに要する日数についてはまだ明確に申し上げられない状況でございますが、できるだけ詰めを急ぎまして、お認めいただければできるだけ早く実施に移してまいりたいというふうに考えております。
#47
○武田節子君 支給される期間も、まだ決まっていないのでしょうか。
#48
○政府委員(征矢紀臣君) この中心的な助成金でございますいわゆる高度人材、これを連れてきた場合に、これについての助成につきましては、その賃金等の三分の一の額を最大一年間助成することを予定いたしております。
#49
○武田節子君 中小企業が新規事業の創業に対しては、高度の人材が来るか来ないかは大きなポイントでございます。高度な人材は、中小企業よりどうしても大企業に引っ張られがちでございます。中小企業の高度人材雇い入れはなかなか厳しいと思うのですけれども、高度人材とはどういう分野のどういう人材を想定しているのでしょうか。また、それは何によって定められるのでしょうか。高度か否かの判定はどうするのでしょうか。お伺いいたします。
#50
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の改正におきましては、個々の中小企業がその企業の経営管理やあるいは新商品開発等に指導力を発揮し、新分野展開等を支えることのできる高度の技能及びそれに関する知識を有する人材を確保することができるようにするための支援措置でございます。
 このような考え方から、この高度の技能及びこれに関する知識を有する人材の具体的な内容としましては、学歴等にかかわりなく主として実務経験、研究経験、そういうものを踏まえまして経営のための管理的職務を行う能力を有する方、あるいは技術的事項の企画、管理、指導等を行う技術者等を想定しているところでございます。これにつきましては、具体的に判定につきましては実際の助成業務を行う雇用促進センターが行うわけでございますが、この高度人材の範囲につきまして、これは具体的な助成業務等に関する通達あるいは支給要領の中で示していく予定で、現在検討しているところでございます。
#51
○武田節子君 このたびの法律の中で、高度人材一人受け入れに対して、ほかに一人ないしそれ以上の労働者の雇い入れが必要であるとしておりますけれども、なぜこのような規定がされたのでしょうか。
 これは、私取り越し苦労かもしれませんが、もしかして何人か、新規事業とか雇用機会の拡大の問題点で考えられたことでありましょうけれども、例えば言葉はよくありませんけれども、ところでんを押したように、連れていかれた方の企業で解雇になったりというようなことにならないような歯どめはあるのでしょうか。なぜ他に一人以上の労働者を雇い入れるようになったのか、その点を踏まえて、ちょっとお答え願いたいと思います。
#52
○政府委員(征矢紀臣君) 今回、ベンチャー企業あるいは中小企業の新分野展開、これについて労働省といたしましては雇用面からどんな支援ができるのか、最大限どこまで支援ができるのか、そういう検討をいたしまして、したがってそういう観点からいきますと、一方で、中小企業者の方々にとって新分野展開の際にそういう高度人材が非常に重要な役割を果たしそれが新分野展開に非常に役に立っている、こういうお話が一方でございます。
 雇用面から考えますと、そういう人材とあわせてやはり一般の雇用をふやしていただく、雇用機会の拡大を図る、そういうことも必要でございまして、その辺について一応の判断としまして、高度人材一人連れてきた場合、それに支援するのにあわせて一人以上の労働者を雇い入れていただく、こういう考え方で対処しているところでございます。
 この一人以上雇い入れていただく労働者につきましては、これはどこから雇い入れなければならないということではないわけでございまして、これはやはり別途、失業者の方あるいはどういう形であるにしろ適切な方を雇い入れていただく、こういうことでございます。
#53
○武田節子君 ありがとうございます。
 高度人材確保のための措置として、その対象を個別中小企業者、構成中小企業者として、対象を個別中小企業者としたその意義と効果についてお伺いいたしたいと思います。
#54
○政府委員(征矢紀臣君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、現行の中小企業労働力確保法におきましては、これは労働力確保という観点について、事業協同組合等の中小企業団体をつかまえましてそれを都道府県知事が認定し、その構成員である中小企業者が雇用管理の改善等をする場合に、これを支援するという仕組みでございます。
 今回、新たな雇用機会の創出を図るという観点から中小企業者が新分野展開をする、あるいはベンチャー企業等が努力をしていただく、そういうものを支援するという観点で考えますと、これはもちろん事業協同組合等の団体の傘下の中小企業者の方は対象になるわけでございますが、それだけでは不十分であって、やはり団体傘下でない中小企業者の方等につきましても雇用の機会拡大を図る、そういう観点から新分野展開を行う場合にこれはそういうものを支援することが重要であろうということで、今回この考え方を整理したわけでございます。
 したがいまして、そういう観点からいきますと現行の中小企業労働力確保法では対応できませんので、この法律改正をお願いし、新しい対策がとれるような仕組みを検討したところでございます。
#55
○武田節子君 認定中小企業については、当然できる限り成功してもらわなければなりませんけれども、もしそうならなかった場合は助成金はむだになってしまうことになります。この辺のことについて、どうお考えになっていますか。また、雇用保険に加入していない中小企業の取り扱いはどうなるのでしょうか。あわせてお伺いいたします。
#56
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもの対策は、先ほど来申し上げておりますように、雇用機会の拡大を図る、雇用創出を図るという観点から、あわせて労働者を雇っていただく、こういうことを条件にいたしているわけでございまして、したがってそういう労働者が雇い入れられたことを確認し、かつ賃金助成につきましては御承知のようにこれは実績を踏まえた六カ月後の後払いでございますので、そういうことでこの制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
 その際に、結果としてベンチャー企業等でうまくいかなくなった方についてどうするかという問題につきましては、これは今後具体的な実施に当たって検討しなければならないわけでございますが、一般的にそういう意味で悪意があっなかなかったか、あるいは助成金等によってどう対応するか、そういうところについて検討しなければならないわけでございます。
 それから、あわせまして雇用保険の未適用事業についてどうするかということでございますが、これは雇用保険は御承知のように全面適用でありまして、具体的な中小企業で手続をしておられないところもあるわけでございますが、これは手続をしていただければ対象になるわけでございます。それからベンチャー企業につきまして、労働者がいない場合には雇用保険の対象にならないわけでございますが、これについては、したがってこの法律で手当てをいたしまして、労働者を雇っていただくという条件のもとに制度を適用し、雇っていただいたときに助成をすると、こういう仕組みで対象にするという考え方でございます。
#57
○武田節子君 今回の法改正による雇用創出効果について、さらに実効を上げるためには民間の需給調整機能が有効に活用されることも重要ではないかと考えておりますけれども、この点についての労働省のお考えを伺わせていただきます。
#58
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の法改正におきましては、認定中小企業がみずから労働者を募集したり、あるいは民間の需給調整システムを通じて労働者を雇い入れた場合におきましても、雇い入れの経路を問わず新分野展開を担う人材の確保等に係る助成措置の対象とすることにいたしております。
 この点で、今回の法改正につきましては、民間の需給調整システムが積極的に利用されることを想定したものとなっておりまして、このような仕組みにより、民間の需給調整システムも雇用創出に積極的な役割を果たしていただくことを期待しているところでございます。
#59
○武田節子君 本法律は中小企業に現実に使われて初めて雇用創出の効果が発揮できるものですから、このためのPRは十分に行われるのでしょうか、当然そうだろうと思いますけれども、また計画作成などについての相談体制などはどうなっているのでしょうか。
 私がこの辺を心配するのは、これまでとかく法律はつくってもなるべく使っでほしくないような感じでPRが余り積極的に行われてこなかったことなどをよく目にしているものですから、この辺の行政のあり方、このPRには積極的に取り組まれているのかどうか、御説明いただきたいと思うんです。
 特に、人にやさしい村山政権下の労働行政でございますから、非常に温かい思いやりがある行政指導を特にお願いしたいと思って、この辺の説明をお願いしたいと思うわけでございます。
#60
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、今回の法改正に当たりましては、新たに設けます支援措置が中小企業に幅広く活用されるよう特に重点的に制度の周知を行っていくことを予定いたしております。そのための準備も進めているところでございまして、具体的には公共職業安定所等、職業安定機関を通じて重点的に新たな制度の周知を行うことのほか、テレビあるいは新聞、雑誌等各種の媒体も活用いたしまして、広報活動を積極的に実施してまいりたいというふうに考えております。
 また、中小企業者が各種の助成金を活用しやすくするため、相談援助体制の強化も図ることといたしております。具体的には、改正法に基づきます助成措置を実施するのは各都道府県の雇用促進センターであることから、同センターの体制強化を図りますし、またそのセンターにおきまして助成金の支給手続等に関する相談をするのはもちろんのこと、助成措置の前提となります改善計画の作成に当たりましても、都道府県と連携を図りつつ、きめ細かな相談援助等を実施する体制を整備いたしたいと考えております。
#61
○武田節子君 よろしくお願いいたします。
 最後に、労働大臣にお伺いさせていただきます。金属労協、日経連共同報告は、創造的人材育成に向けた教育研修制度の確立についての必要性を提言しております。中小企業にとっても、我が国全体にとっても活力ある創造的人材育成はますます重要になってくると思いますが、これは提言でも述べているように、教育制度にかかわってくる問題だと思います。こうした人材育成に向けて、教育制度の見直しも必要となってくると思いますけれども、労働大臣の御所見を伺わせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
#62
○国務大臣(青木薪次君) 新分野の展開を図っていくためには、先生御承知のように、活力ある創造性のたくましい豊かな人材をつくっていくことが必要であると考えておるところであります。
 そういう立場から、教育制度につきましては文部行政でありますけれども、先ほど私が申し上げましたように、労働省としても非常にすばらしい教育機関を持っているわけでありますから、全国に展開されました労働省のいわゆる教育機関等も十分活用いたしまして、しっかりと教育制度を活用して頑張ってまいりたいと思っているところであります。労働者のいわゆる自発性といいますか、創造性を開発いたしまして、創造力豊かな人材の育成のために努力をいたしてまいります。
 特に、労働省としては今後ベンチャー等の支援、それから企業の発展を促進するための援助をする、それからいわゆる産業のレベルアップを考えていくということから、何としても雇用の機会を新たにつくり出すということが一番この法律の趣旨でもありますので、そういう立場に立って、労働省は通産省と提携しながら真剣に具体的に努力をすることをお誓いいたしたいと思います。
#63
○武田節子君 ありがとうございました。終わらせていただきます。
#64
○委員長(足立良平君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十分開会
#65
○委員長(足立良平君) ただいまから労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#66
○清水澄子君 まず、労働大臣にお尋ねいたします。
 労働省が十月に発表されたことし八月の雇用失業情勢によりますと、完全失業率が三・二%で二百十五万人、有効求人倍率は○・六倍となっております。依然として厳しい状況にありまして、この三%を超える完全失業率をどう見るのかというのは非常にこれは議論のあるところでございますが、潜在失業率は一五%に達するという見方さえあります。これは、円高に伴う産業の空洞化が製造業から卸、小売、そして金融まで雇用調整が進んできた結果だと私は見ております。
 そこで、労働省として、この完全失業率三・二%という事態をどのように受けとめておられるでしょうか。そしてまた労働省として、今後の雇用情勢の見通しと雇用対策をどのように進めようとされておられるのか、あわせてお伺いしたいと存じます。
#67
○国務大臣(青木薪次君) ただいま清水先生御指摘のとおり、完全失業率が三・二%ということと、有効求人倍率が〇・六一倍ということは、統計をとって以来最大の緊迫した情勢であることを私たちは認識いたしまして、このことを重大な問題として考えております。
 そこで、従来まで景気循環対策として雇用調整助成金に頼ってまいりました百九十七業種があるわけでありますが、この業種の関係につきましては相当に寄与することができているわけでありますが、これだけではいけないということから、ことし七月から発効いたしました改正の業種雇用安定法に基づきまして今日七十二業種を指定いたしまして、この人に失業なき移動をお願いするというようなこと、これは前提として労使協議の結果によるわけでありますが、これらの皆さんが何としても失業なき労働移動をするということが最大の課題であるわけでございます。
 しかし、それだけではまだいけない。今も清水先生御指摘のように、いわゆるあのバブル経済が終わってから円高に見舞われました。こういうときに産業の空洞化というものがあらわれてきている。為替の率に関係なく移動が行われるということは、これはもう先生方御承知のとおりでありますから、この対策を打たなきゃならぬ。どうして産業空洞化を防止するかというようなことと同時に、その場合に空洞化が起こることについて、今回御提案申し上げておりますような中小企業の労働力確保法の一部改正という立場に立って、今日的に新しく雇用の創出を図るということを中心といたしまして、新しい高度な技術を持った人を招き入れる。そして、その周りに労働者を配置いたしまして新しい雇用の創出を図っていくんだと。
 私は、サボテンの周りに新しいものがまたできてくると、こういう形で雇用の創出を図ることがこのねらいであると同時に、労働者が働く環境を改善するということを考えながら、しかもまだ勉強に励んでもらうというようなことで各種の手当てを行いながら、全体として労働力を確保し、雇用の改善を図っていく、雇用の増大を図っていくということで生活の確保に努めることが重要であると、こういう立場に立つで真剣に深刻に考えて対応したいと思います。
#68
○清水澄子君 今、大臣が御説明されました今回の法律改正の目的が、そういう厳しい雇用情勢の中で、中小企業の人材を育成して、そして雇用創出の機会をつくるという意図のもとであるということをお伺いして、私はそのことについては歓迎をしたいと思います。
 しかし、その意図が本当に有効に働くかどうか、非常に難しい問題も抱えていると思います。といいますのは、最近のデフレ経済の傾向の中で、いわゆる終身雇用制を軸としてきた日本的雇用慣行が崩れてきておりまして、企業が有能な人材を確保するために年俸制を取り入れるようになっております。
 そうしますと、今回の改正で言います高度の技能と知識を持つ人材は、むしろ大企業に行って中小企業から遠ざかるのではないでしょうか。今回の法律改正がそうならないための改正であるというねらいだとは考えるんですけれども、しかし本当にこの改正が現在の雇用問題に対して有効に働くのかどうかという危惧もございます。ですから、この点について労働省の、これがいかに有効に働くのであるという確信を持った御答弁をお願いしたいと思います。
#69
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の改正におきまして、個々の中小企業者が新分野展開等を図る上で必要となる高度の技能及びこれに関する知識を有する人材の確保のための支援措置として、高度な人材を出向等も含めまして受け入れる場合、あるいは高度な人材の育成を図る場合についての助成制度を創設することといたしているところでございます。
 先生の御指摘にもございますが、中小企業は非常に厳しい経済状況の中で生き残るためには何とか新分野展開を図って、そちらの方にシフトしていきたいと、こういう希望が非常に強いわけでございまして、その際にそちらの方面の専門的な高度な知識を持つ高度人材、これが必要であると、こういうことでございまして、それを雇用対策の面から何とか支援をして雇用創出につなげていきたい、こういうことでございます。
 特に、この高度人材につきましては、新たな雇い入れの場合だけでなく、出向の場合も含めて考えておりまして、中小企業におきまして高度の人材の確保がしやすくなるものと考えておるところでございます。
 また、今回の法案とあわせまして、人材銀行あるいは学生職業センター等に、計画を実施中の中小企業等につきまして、企業情報の提供あるいは人材ニーズの把握、紹介等を行う担当者も配置することといたしておりまして、職業安定行政機関といたしましても、この高度人材の確保について積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
#70
○清水澄子君 そこで、さきの質問とも関連するわけですけれども、現行法は、まだ景気拡大基調にあった平成三年に、中小企業での人手不足から、中小企業の労働力確保を目的として制定されたものであったと思います。しかし、それが果たして有効に働いたのかどうか、非常に疑問なところもあるわけです。
 この現行法の施行状況を見ますと、この改善計画の提出とか認定件数が五百八十一件、そして認定組合への資金貸し付けが一件のみでございます。委託募集の特例が五件という、これがこれまでの実績であるわけですが、しかもこの現行法の対象としていました事業協同組合の数は平成六年で四十八万五千四百四十三あったわけでございますから、実績数から見ますと余り現行法は利用されていなかった制度だということがうかがわれるわけでございます。
 それはなぜ利用されなかったのか、その原因は何にあったのでしょうか。そして今度の改正によってどのように利用しやすい仕組みになっているのかということを、お聞かせいただきたいと思います。
#71
○政府委員(征矢紀臣君) 中小企業労働力確保法につきましては、平成三年に制定されまして以来、本年三月末までに人材確保のための取り組みを行おうとする五百八十一団体の計画を認定してきたところでございまして、この経緯につきましては一定の実績を上げてきたものというふうに考えております。
 ただ一方、例えば現行の福祉施設等の設置、整備に対する助成につきましては、空調設備等の労働環境改善設備と労働者住宅等の福祉施設を、これを同時に整備するのでないとこの助成の対象にしないというようなやや要件の厳しい面もございまして、必ずしも御指摘のように実績が上がっていないものもございます。
 今回、この労働環境改善設備または福祉施設のどちらか一方の整備でも助成対象とすることといたしまして、また助成額の引き上げも行うなど、事業主の方にとって使いやすい仕組みというものを考えておるところでございまして、そういう面から中小企業に積極的に活用していただけるように考えているところでございます。
#72
○政府委員(新欣樹君) 先ほども御説明を申し上げましたが、組合の認定件数五百八十一件でございますけれども、そこを構成しております中小企業の数が十万以上ということでございます。なお、実績で申し上げましたとおり平成三年度から六年度までの四年間で私どものコンサルティング等に対する補助事業、二百六件、十四億円、また中小公庫、国民公庫の中小企業労働環境整備貸付については二千四百五十九件、千四百二十五億円、それから設備投資減税につきましては百五十二件という実績があるところでございまして、こういった実績から見ますと、やはり中小企業の雇用管理の改善について一定の成果を果たしてきたものというふうに私ども考えております。
#73
○清水澄子君 私はこちらの現行法のことでちょっとお伺いしたわけですがいろいろ御説明をいただいてありがとうございます。
 先ほど、武田議員の高度人材についての質問の答弁で、労働省は学歴等にかかわりなく実務経験が豊富で経営管理の能力のある者、また高度の技術の能力を持つ者という趣旨の御説明がございました。そうなりますと、既存の企業にも有用な人材でもあるわけですね。そういうふうな人材の移動を積極的に進めるということになると、かえって既存の企業の経営力を弱める結果になりはしないのかという心配がありますけれども、この点を労働省はどのように配慮されていらっしやるのでしょうか。
#74
○政府委員(征矢紀臣君) なかなか難しい御質問でございますが、高度人材につきましては、これは、例えば当然失業者の方々の中にも高度人材がおられるわけでございます。
 それから、一般論で申し上げますと、そういう高度の技術、技能を持った方というのは大企業に多数おりまして、そういうところの中から、例えば今回、出向でも高度人材は対処できるようにするという意味は、出向というような形で話し合いの中で一定期間移っていただく、こういうようなこともあり得まずし、一般論といたしますと先生御懸念のような問題がそう大きくはないだろうというふうには考えておりますが、そういうケースが考えられる場合もございます。
 ただ、他面、労働者の側からいきますと、自分の仕事についての選択として諸般の事情の中で移るということも当然あり得るわけでございまして、そういう中で、今回非常に重要課題でございます新たな雇用機会の創出という面から、中小企業あるいはベンチャービジネス等が新規分野にウエートを移していく、そのためにどうしたらいいかという点につきましては、非常に重要な問題点として、そういう高度人材が非常に大きな役割を果たす、こういうことでございまして、そういう意味でこれについての支援をしていこう、こういう考え方で今回の法律を御提案申し上げているところでございます。
#75
○清水澄子君 ぜひそういう点は十分配慮されるようにお願いいたします。
 次に、今回の改正では労働者を雇用していない中小企業者も労働者を雇い入れることを前提に助成措置を講ずることになっております。雇用保険法の適用事業者でないものに対して雇用保険法からの助成措置を講ずることについて、これは労働省の御見解を聞かせていただきたいと思います。
#76
○政府委員(征矢紀臣君) 先ほども御答弁申し上げましたが、雇用保険につきましては全面適用になっておりまして、ただ、現実にその手続をしていないところにつきましては、これは手続をしていただければ当然その制度の対象になるということでございますが、先生御指摘のように、まだ労働者を一人も雇用していないベンチャー企業等について、今回雇用保険制度の中で制度の対象に加える、こういうことでございます。
 したがいまして、これは一定の考え方とかつ法律的な、法制的な手当てが必要になるわけでありまして、今回特にこのベンチャー企業について雇用面からの支援が重要であるという観点から、計画を出していただきましてそういう中で一定の積み重ねをした結果、労働者を雇い入れていただく、こういう計画を出していただきまして、そういうことを前提にして法律の手当てをした上で雇用保険の対象にする。現実に支援をしますのは、そういう準備が進みまして労働者を雇い入れていただいた時点で支援をする、こんな考え方で特例制度として法律改正の中に盛り込んだところでございます。
#77
○清水澄子君 今回の法改正でもう一つ懸念されます問題ですが、大企業の雇用過剰感から労働者の出向、配転がふえていると思います。これの新たな受け皿づくりに利用されはしないかということですけれども、特に労働者を雇用していない中小企業者も利用できるということで、この点が特に私はちょっと心配されるわけでございます。
 労働者の雇用の安定のためであるというこの法律が、雇用の不安に結びつくおそれのないようにすべきだと思いますが、労働省の見解はいかがですか。そして、そうならないための歯どめはどのように考えていらっしゃるか、お聞かせください。
#78
○政府委員(征矢紀臣君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、当面の中小企業等におきます最大課題が何とか新分野展開を進めていきたいということでございます。
 したがって、そういう新分野展開をするために最大限努力するという観点からいわゆる高度人材を必要としているわけでございますから、そういう意味では、新しい分野を開拓するために役に立たないような人材を受け入れてもこれは全く効果がないわけでございまして、したがって、一般論で言うリストラの受け皿、これはなかなかこの仕組み自体がなりにくい、そういう性格のものではないかというふうに考えているところでございます。
 ただ、歯どめという意味でいきますと、そういうことにならないように、そういう面からいきますと、都道府県知事が認定を行います雇用管理改善計画の認定に際しましては、今後の雇用増の見込みについて確認するとともに、労働者の雇い入れを要件とする助成につきましては、その支給に係る審査に当たって雇用が増加していることの確認を行う、そういうようなこともあわせ行いまして、御心配なことが生じないようにしてまいりたいというふうに考えております。
#79
○清水澄子君 次の質問ですけれども、この改正によりまして助成支援が非常に容易に受けられるようになります。こうなりますと木正に使われるおそれもまた大きくなる可能性もあると思います。そういう意味で、労働省は不正防止のためにどのような対応をなさるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#80
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の法改正による助成金制度の拡充等によりまして、助成金の利用件数が相当増加することが見込まれるわけでございますが、助成金の支給に当たりましては、やはり従来同様、厳正綿密な要件の確認を行い、適正な支給を行っていきたい。ただ一方で、手続が余り煩雑化しますと、これまた制度の利用が難しいという面もございますので、その辺の兼ね合いを考えながら適正な支給を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、このために助成金の支給業務を実施いたします雇用促進センターの体制の強化をするとともに、公共職業安定所との情報交換等、関係機関との密接な連携も図りながら進めてまいりたいと考えております。
#81
○清水澄子君 ベンチャー企業などの新分野に助成支援を拡大するというそういう趣旨には賛同いたしますが、一方、国際競争力の低下、そして技術革新の停滞、国内市場の成熟によりまして経済環境に閉鎖感が広がっていると思います。中小企業にとって、どの分野が成長するのかというその判断というのはとても難しい問題だと思います。
 そこで、中小企業庁にお伺いしますが、産業政策の観点から今後発展を期待できる産業というのはどのようなものが考えられるのでしょうか。また、発展分野の新産業にどのような施策を実施しているのかという点について、お尋ねしたいと思います。
#82
○政府委員(新欣樹君) 中小企業にとってどういう分野が成長分野と考えられるか、こういう御質問でございますが、これは非常に難しい御質問でございます。
 昨年六月に、中小企業ということではなしに、日本の産業としてどういった分野が成長する、成長が期待される分野かということで、二十一世紀に向けての展望を行ったものがございます。これは産業構造審議会基本問題小委員会報告書というものでございますが、これでは十二の新規事業分野が提示されておるところでございます。
 御紹介申し上げますと、住宅関連、医療・福祉関連、生活文化関連、都市環境整備関連、環境関連、エネルギー関連、情報・通信関連、流通・物流関連、人材関連、国際化関連、ビジネス支援関連、新製造技術関連、この十二分野でございまして、二〇一〇年にはこれらの十二分野で約三百五十兆円弱の市場規模になり、雇用規模といたしましては千三百七十万人程度の雇用規模になる、こう提示をいたしておるわけでございます。
 ただ、こういう分野、確かに中小企業としても大いに活動、活躍のできる分野と思いますが、中小企業というのはこういった分野に限らず、やはりちょっとした創意工夫、アイデアというものを生かして、持ち前の機動性あるいは小回りがきくといった特徴を生かしていろいろな事業分野にチャレンジをしていくということがこれから期待されるわけでございます。したがって、私どもはこの分野に限らず、いろいろな分野にチャレンジする中小企業をバックアップしたいと考えておるところでございます。
 こういう例がいいのかどうかあれでございますが、例えば豆腐製造業などでおからの処理に困っておるというようなときに、おからをケーキにするというような、お菓子のケーキでございますが、こういったようなものを開発しているということで繁盛しておるところもございますし、こういったちょっとしたアイデアをうまく生かしていく、ここにはやはりアイデアと創意工夫、それに技術といったものをいかにこれから育て発揮させていくかということだろうと思います。
 こういった観点から、私ども本年の四月に中小企業創造活動促進法という法律を制定いたしまして、創業支援あるいは技術開発の支援というようなことに予算、税制、金融等の各面で総合的な対策を実施しているところでございます。また、このたびの第二次補正予算におきましても、都道府県と協力をいたしまして、中小企業事業団によりますいわゆる高度化資金、この制度を活用した新しい直接金融制度、いわゆるベンチャー企業に対する株式の引き受けあるいは社債の引き受け、こういったものに対する金融措置でございますけれども、こういう新しい制度も創設をいたしまして、中小企業がこういったものを積極的に活用されて新たな産業群が創出されることを期待しているところでございます。
#83
○清水澄子君 ぜひその案が本当に現実的に中小企業の活性化、希望につながるように御尽力をいただきたいと思います。そして、今お話を伺ったそういう政策と相まって、今回の中小企業労働力確保法の改正とが一体となることによって、大きな雇用創出の効果がもたらされることを私も期待をしております。
 そういう意味でも、先ほども質問ありましたけれども、中小企業の方にとってこの助成金制度を本当に使ってみようという、そういう意欲とチャンスが提供されていくためにももっと、具体的なPRもそうですし、もう少しそれを援助していく、支援していくという体制が必要だと思いますが、労働省としてはこれらの中小事業主に対してこの助成金制度の周知徹底と活用の仕方、そういうものをもっとどのように進めていくのかということを、具体的に御説明ください。
#84
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、今回の改正法を前提といたしまして現在私ども省令あるいは支給要領と通達等、鋭意詰めているところでございますが、その際に手続等が余り複雑にならないようにするという面も考えながら内容を詰めまして、これにつきまして具体的にはできるだけまずPRをするということで、公共職業安定所等を通じまして重点的なこの制度の周知を行うほか、テレビあるいは新聞、雑誌等各種の媒体を活用いたしまして広範な広報活動を実施したいというふうに考えております。
 また、中小企業者が各種の助成金を活用しやすくするため相談援助体制の強化を図る必要がございまして、そういう意味では、改正法に基づく助成措置を実施するのは各都道府県の雇用促進センターであることから、このセンターの体制強化を図る、あるいはセンターにおきまして助成金の支給手続等に関する相談はもちろんのこと、助成措置の前提となります改善計画の作成に当たりましても都道府県との連携をよく図りながら相談、援助等を行い得るような、そんな体制の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#85
○清水澄子君 今回の法改正に伴う補正予算八十七億円が計上されているわけですが、これらが今年度末までに主としてどのような中小企業分野を想定して使われるのか、その点をお伺いして、私は最後の質問にします。
#86
○政府委員(征矢紀臣君) その点につきましては、先ほど中小企業庁長官からお話のありましたような基本的な考え方に基づきまして、特に対象分野を一部に絞るということなく、中小企業について高度人材が必要であるかどうかというような判断で対処してまいりたいというふうに考えております。
#87
○吉川春子君 質問いたします。
 総理の所信表明で、失業なき労働移動の支援と失業者の早期再就職に努めている、雇用機会の創出、人材確保の雇用対策を盛り込んだ中小企業労働力確保法の一部改正を提出したと、こういうふうに述べられて、今の雇用対策の中心としてこの法律案の改正を提案されたと言っておられます。
 労働移動というふうに非常にスマートな言い方をしておりますけれども、中身は失業であり転職である、人々が定年まで同じ会社に勤められなくなっている、こういうことです。労働省の白書でも、途中で転職をした場合に退職金は七百万から一千四百万損をすると、こういう指摘があるわけです。
 今、大企業でリストラの名のもとに大幅な人減らし、合理化が進められていて、雇用破壊とまで言われ、国民は大変な目に遭っています。いわゆるこれらの雇用移動、雇用の流動化、この原因にメスを入れて、雇用維持対策に全力を尽くすことが緊急に必要であり、これこそがまさに労働省の仕事ではないでしょうか。
 こういう観点からいって、今度の法改正は有効な手段たり得るのでしょうか。まず、その点の見解を大臣に伺います。
#88
○国務大臣(青木薪次君) 今、吉川先生からお話のありましたように、その点は非常に私どもも心配をいたしておりますけれども、何といたしましても、今日の産業空洞化なり、あるいはまた今日現に失業中の人も三・二%いる状態であるわけであります。
 そういう人たちに対して、新しい生活を確保する、生活権を守るという立場と同時に、こういう産業空洞化のこの厳しい現実の中にあって、新しい産業形態の今日の現状をしっかり見据えて、そしてそのもとに、いわゆる失業なき労働移動というような形を使っておりますけれども、これはていのいい首切りじゃないかとか、あるいはまた合理化じゃないかというようなことでなくて、そこでしっかりと現状を踏まえて、そうしてその企業の実情というものをあらゆる観点からとらえて、内容を明確にして、そして労使の協議によってその人が失業のない形で労働移動を伴う、その間における今言われました退職金や年金等の関係等についてもいろいろと話し合いをして、その人に損のないような、その人が損失をこうむるなんというようなことのないような状態というものをしっかりつくり上げてまいりたい、こう思っているところであります。
#89
○吉川春子君 現実を踏まえてという今の大臣のお話でした。それで、現実の数字をまずお伺いしたいと思います。
 労働省はリストラの実態などをどの程度つかんでおられるのでしょうか、まず一つずつ端的に数字をお聞かせください。雇用対策法二十一条による三十人以上の大量離職者を生ずる事業所について届け出るようになっていますが、この数字は幾つでしょうか。三年間ぐらい御報告ください。
#90
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の雇用対策法に基づきます大量雇用変動の状況でございますが、平成四年度事業所数四百八十一、離職者数三万七百八十七人、平成五年度事業所数七百九十八、離職者数四万九千九百四人、平成六年度事業所数六百三十一、離職者数三万九千四百二十四人でございます。
#91
○吉川春子君 続いて、雇用動向調査では離職理由別離職者数の統計をとっておられますけれども、それは全部でなくていいんですが、会社都合でやめたり希望退職でやめたり、この数字のみ御報告ください。
#92
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用動向調査によりますと、平成六年の一年間に離職した者の総数が約五百二十八万人でございますが、このうち出向等を含めた経営上の都合により離職した者は約三十九万人となっております。
#93
○吉川春子君 個人的な理由の中に希望退職も含むと聞きましたが、この個人的な理由は何人ですか。数字だけで結構です。
#94
○政府委員(征矢紀臣君) 数字で申しますと、個人的な理由につきましては平成六年で三百七十七万六千人でございます。
#95
○吉川春子君 続いて、昨年労働省が行いました企業が海外進出によって雇用に与える影響調査の数を御報告いただきたいと思います。どんな影響がありましたか。
#96
○政府委員(征矢紀臣君) 平成六年八月に私どもの公共職業安定機関を通じて実施いたしましたヒアリングの結果によれば、海外進出により従業員が減少した企業の割合は三割弱でございます。
 これらの企業がとった減少の方法といたしましては、新規学卒の採用抑制、中途採用の停止、削減がそれぞれ約六割、臨時・季節、パートの削減が約五割、出向、希望退職者の募集が約二割、解雇は一割未満、こんな数字になっております。
#97
○吉川春子君 今それぞれ違う角度からの離職者数というか、そういう数を報告していただいたんですが、今回の法改正により雇用の創出を図るとされておりますが、この法改正によって何人程度の雇用の創出が可能と見込んでおられますか。具体的な数字をお願いします。
#98
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の改正につきましては、中小企業者あるいはベンチャー企業等新分野開拓をするに際して、高度人材、これが非常に重要な役割を果たすということで、この高度人材を出向あるいは雇用し、その方が中心になって新分野の展開を図っていく、そういうことによって雇用の増大を図っていく、こういう仕組みでございます。
 その際に、高度人材一人につき一般労働者一名以上雇用していただく、こういう考え方でございますが、直接的な効果としてこれがどのぐらいの効果があるかという点につきましてはなかなか難しい問題でございますが、当面の予算上の数字としましては、直接的な雇用は約一万五千人ということで積算をいたしているところでございます。
#99
○吉川春子君 百万人とか数十万大規模の離職者、これは全部リストラとは言いませんけれども、あの二倍組の問題でも何千人という、そこだけでそういう失業者がかなり出そうだと、こういう状態の中で一万ちょっとぐらいの見通しというのは余りにも実情に合わないというふうに思うんです。
 私は、雇用創出ということも非常に重要だと思いますし、これを否定はしないんですが、大臣、今報告していただいた数字だけでも大変な数ですね。特に海外移転に伴っては、例えばパート労働者の雇いどめとか新規学卒者の就職難、女子学生の就職差別、こういう問題も起こっているんですけれども、こういう深刻なリストラ、離職問題に対してまず歯どめをかける。雇用創出もやっていただいて結構なんですが、歯どめをかける、これこそ雇用対策のかなめではないかと思いますが、この点について労働省はどういう対策を今講じておられますか。
#100
○国務大臣(青木薪次君) 企業の海外進出とか、あるいはまた、いわゆる製品輸入が拡大をするというようなことも心配されているわけでありますが、国内雇用問題の発生を避けるためには、今先生がおっしゃられた新たな雇用の創出という問題も非常に重要だと思うのであります。そういう点から、予算委員会でも問題になったわけでありますが、いわゆる産業空洞化を防止するにはどうかということについて、これはなかなか先ほど申し上げたように為替の変動等には関係なく行くものは行ってしまうという可能性というものが実はあるわけです。
 そういうような場合に、それを防止するには国内にあってやることのできるということについては、まず第一に今日の高コスト構造というものについていろいろ考えなきゃいかぬじゃないかというようなことも議論をされているわけでございます。そういう点から、税制の問題等もそうでありましょう、あるいはまたあらゆる経費の点等についても全く考えなきゃならぬ点でありまするけれども、今回労働省が提案いたしました労働力の新しい確保のための対策というものは、平成三年にできたときの条件とは、先ほどもお話のありましたように、状況は違いまするけれども、新たな産業構造の変化、すなわち産業空洞化を含む円高問題等の関係等に対処いたしまして、新たな今日の高齢化社会の到来とかいろんな問題を背景にいたしまして、この法律で新しく労働者の雇用創出を図りながら、魅力ある職場をつくるために、働く環境の改善のためにどうするかというようなことも考えつつ、いわゆる新しい教育分野の拡大といったような形のもとにベンチャーとかその他の新しい事業展開を図っていく、そういうようなことで頑張っていかなきゃいけないのじゃないかというように考えております。
#101
○吉川春子君 今、雇用の創出の数字、大体予定していらっしゃる数字は伺いましたけれども、そういう離職者、失業を食いとめる努力もぜひやっていただかなくてはならないし、こちらの方が非常に重要だというふうに思うんですが、雇用移動などと言って原因をそのまま放置しておくべきじゃないんですね。
 これは全労連の調査なんですけれども、一部上場の四百四十社を調査したところ、九四年三月末で一年間に二百十五社で六万八千四百七十二人、一社当たり平均三百十八人もの人減らしが行われているわけです。そして、そのうち何と百十二社は内部留保をふやしているんです。人を減らすことによって内部留保をふやす、こういう実態が数字でも明らかになっているわけなんです。こういうやり方を改めさせていくために力を注ぐべきじゃないかと思うんです。
 例えば、大量に大企業がリストラをやるでしょう、合理化計画を発表するでしょう。そうしたら、具体的に言えば本当にそれは希望退職なのか、事実上の解雇じゃないのか、希望退職とは言っても強制がなかったのか、そういうことを労基署とか何かが飛んでいってちゃんと調査して、少しでもそういうものに対して労働者の犠牲を減らせるようにする、こういうような具体的な手だてを講じながらいく必要があるんじゃないかと思いますが、その点はいかがお考えですか。
#102
○国務大臣(青木薪次君) 現在の実態を労働省で調べまして、今日の雇用情勢というものについては、これはつい二、三年前でありましたか、いわゆる希望退職を募るあるいはそれでだめだったら解雇する、企業閉鎖をするという乱暴なことがしょっちゅう行われた経験があります。これじゃいけないというようなことで、労働省はお説のようなそういう労使関係の安定ということを労政局あたりでもやっております。
 そういった立場から、例えばリストラという場合においては、新規採用は確かにこれは採用しないかもわからぬ、残業規制もするかもわからぬ、あるいはまた出向その他についても制限するかもわからぬというようなことなどを通じて、リストラをするというのはそういう展開に変わってきている。
 私は、この間あるところで調べたわけでありまするけれども、例えば今の不況の状態の中で、いわゆる不況下の中で、私の地元の静岡県の浜松でありまするけれども、ここでは全国的に機械工業が発展をしております。人口五十三万人でありまするけれども、これが将来このままほうっておけば三十数万人に減ってしまうのではないか、自動車の城下町と言われるところでありまするけれども、ここで新しく事業展開をしなきゃならぬということが今非常に語られております。
 そういうようなことを通じまして、やはり労使関係でよく話し合って、そして当面の雇用を守るためにどうしたらいいかということを、今日的情勢の中にあって展開急を図っていくべきじゃないかというように考えておるところであります。
#103
○吉川春子君 労使関係で話し合うだけでは足りないのでありまして、やはり労働行政としてそういうことを最小限に抑えるための行政指導その他をぜひ積極的にやっていただきたいということを要望しておきます。
 雇用調整助成金について伺いますけれども、今回の不況に入って以来、鉄鋼業、電機業で従業員規模別に一体どの程度の雇罰金が払われたのか。そして、それらの事業所で本当に雇用は維持されたのか、その数字を御報告ください。
#104
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用調整助成金制度の利用状況でございますが、産業別あるいは企業規模別にそれぞれにおいて集計しておりまして、なかなか産業別と企業規模別をクロスしたものはないわけでございますけれども、平成五年度におきます産業別の支給実績を見ますと、産業計約三百七十二億円のうち、鉄鋼業につきましては約五十八億円、電機産業につきましては約三十七億円となっております。
#105
○吉川春子君 大企業、中小企業別の統計はとらないんですか、あったら報告してください。
#106
○政府委員(征矢紀臣君) 失礼しました。
 支給実績、これを企業別に見ますと、大企業につきましては約百五十七億円、中小企業につきましては約二百十六億円となっております。
#107
○吉川春子君 それは何についてですか。全部言ってくださいね、出向とか教育も含めて。
#108
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの数字につきましては、休業、教育訓練、出向すべてを含めた数字でございます。
#109
○吉川春子君 それから、例えば鉄鋼でいきますけれども、五年間に労働者の数がどの程度減っているのか、その数字をお知らせください。
#110
○政府委員(征矢紀臣君) 鉄鋼につきまして、これは鉄鋼連盟の調べでございますが、鉄鋼大手五社の従業員数、これで見ますと九二年三月末が十六万四千六百四十七人、九五年三月末が十五万千二百四十五人でありまして、この間一万三千四百二人の減少となっております。
#111
○吉川春子君 今報告されました雇調金、大企業向けの大部分は鉄鋼五社が使っていると思うんですけれども、使いながら一万三千何百人も人減らしが行われている。しかもこの企業はほとんど黒字に転じたところが多いですね。
 こういう便われ方について、大臣、どう思いますか。雇用調整助成金というのは、雇用を守るためでしょう。そして、鉄鋼業は不況産業ということで大量の公費を使って、そしてこの間一万三千人以上人減らしをしてそして黒字と、こういう雇調金の使われ方についてどう思いますか。
#112
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用調整助成金制度につきましては、これはいわゆる景気変動期、不況期におきましてできるだけ雇用を維持していただく、こういう観点からのいわば不況期の短期対策として活用をしていただく、こういうものでございまして、これによって失業の予防、雇用の維持を図っていただく、こういうことでございます。
 ただ、他面非常に状況が厳しいということの中でいろんな形で雇用調整が行われ、結果としてただいまのような数字で人数が減少している、こういうことになっているわけでございますが、雇用調整助成金制度につきましては、ただいま申し上げましたように、できるだけ失業の予防を図るという観点からの制度として実施しているものでございます。
#113
○吉川春子君 この点について、もう一言大臣に聞きます。
 つまり、たくさんの何億、何十億というお金が大企業に雇用を守るために支払われた、しかし一万三千人も減っている、こういう雇用調整助成金の使われ方でいいんですか。やっぱり雇用を守るという行政指導も一緒にやらないと、お金だけ払うというんじゃよくないんじゃないんですか、どうですか。
#114
○国務大臣(青木薪次君) 御承知のように、雇用調整助成金は、これは雇用を守るという立場に立って三分の二の金を一年間に限ってお支払い申し上げる、それはもちろん事情を調べて、そして支給しているわけであります。
 これは、大企業だけじゃなく中小企業だってある。この業種は百九十七業種あるわけでありますが、そういうお金によって、今までの循環型の経済の場合においてはそのうちに景気がよくなるだろう、そうすればそこで我慢して、三分の二の雇用調整助成金を出して頑張ってもらって、そのうちに景気が回復すれば雇用が戻るということで、首を切っでしまったりなんかしないようにというような、当然労働省の行政というのはそこに働いているというように考えております。
#115
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの労働者の減少でございますが、これは解雇というような形での雇用調整が大幅に行われているということでございませんで、例えば非常に状況が厳しいということで定年退職者の後の欠員不補充ということで新規採用を抑制する、そんな形でのいわゆる自然減、これが主たる中身であるというふうに考えております。
#116
○吉川春子君 要するに、大変なリストラ、合理化が行われているわけで、雇用調整助成金をたくさん出している企業でそういうことをやって、もう時間がないから追及できませんけれども、出向だって物すごい多いんですよ、新日鉄の数字なんかは。それで、そういう企業に雇用を守るということでお金を出すんだったらば、やっぱり雇用を守らせるという行政指導も労働省はきちんとやるべきだ、その点を私は強く要求しておきます。
 中小分確法の問題を、もうちょっと具体的に伺います。
 国民金融公庫の総合研究所によれば、中小企業の創業パターンというのは四つあって、創業者が他社の経験がなくて独自に創業する独自型、それから脱サラ型、のれん分け型、分社型、こういうふうになっているんですけれども、八九年以降は独自型が減って、それに比べて企業をやめて独立する脱サラ型が四五%、大企業の一部を別会社にする分社型は二八%となっており、合わせて七三%は大企業のリストラの影響を受けたものと見ることができるんじゃないかと思います。
 この法律は、雇用創出効果というより大企業のリストラの受け皿づくりとなりはしないか、こういう懸念が指摘されておりますけれども、その点についてはいかがですか。
#117
○政府委員(征矢紀臣君) さまざまな形はあろうかと思いますが、中小企業、非常に厳しい状況の中で、当面の最大課題はやはり何とか新しい分野、そちらの方に展開し重点を移していきたい。あるいはやめる企業が多い、開業率が廃業率より低い、こういう状況の中でのベンチャービジネス、これをできるだけ起こしていく、そういうものを支援する必要がある。
 こういうことから、今回この法律改正をお願いいたしまして、高度人材を採用してそれを中心として新分野展開を図る、そういうものについて雇用面から支援をする、こういう観点でこの対策をとっていく、こういう趣旨で法律改正をお願いいたしているものでございまして、そういう観点から対象になるケースについては今回の助成の対象にしていく、こういうことでございます。
#118
○吉川春子君 その御説明はもう朝から数回聞いておりまして、これは答弁にはならないんですよ。そういうおそれがあるんじゃないか、それをどうやって歯どめをかけるのかということを私は伺ったので、それについて端的にお答えをいただきたいと思うんです。
 例えば、大企業では合理化のために職場ごと分社化するということが盛んに行われております。一番のあれはNTTですね。その部署をそれぞれ別会社にしていくということなんです。だから、分社化の場合はオフィスも変わらないんです、机も変わらない、きのうと同じ人と一緒に仕事をしている、しかし会社だけは子会社になっている。こういう分社化が進んでいるわけなんですけれども、今度こういうものに対して助成をするということになれば、企業のリストラ、合理化、分社化に手をかすことになるんじゃないか。その点の歯どめはありますか。
#119
○政府委員(征矢紀臣君) 先ほど来申し上げておりますように、新分野を展開するに当たって必要な高度の人材、そういうものを出向あるいは雇い入れで受け入れて対処する、こういうケースに助成するということでございますから、単なる分社化ということで、先生おっしゃるようなことでやるということになりますと、そういうものについては今言った高度の人材が必要であるかどうか、こういう観点からのチェックはする必要があると思います。
#120
○吉川春子君 高度の人材なんということはすぐ条件は整うわけであって、そういう条件が整えばいわゆる今言ったような分社化についてもその歯どめがないということになれば、分社化というかリストラ、合理化の一つの形態に対して歯どめがないという、そういう便われ方は問題なんじゃないんですか。もう一問質問をしたいので、簡単に答えてください。
#121
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の法律改正におきまして、雇用管理の改善の計画につきまして都道府県知事が認定を行うこととしておりますが、その際に、今後の雇用増の見込みについて確認するとともに、労働者の雇い入れを要件とする助成につきましては、その支給に係る審査に当たって雇用が増加していることの確認を行うなど、そういう形での制度の確認を行いながら対処してまいりたい、そういう意味でのチェックをしてまいりたいというふうに考えております。
#122
○吉川春子君 今の御答弁では、私の指摘したようなそういう形態については別に除外するということじゃなさそうですね。だから、そういう意味ではリストラ、合理化の一端を担いで労働者を苦しめるような制度にしてはいけないということだけ申し上げておきます。
 最後にちょっと一間、もう時間がなくなりましたが、派遣労働者の問題なんです。
 これも雇用の移転ということで非常に大きな問題になっています。具体的には、名古屋のデパートの美術館に働いている派遣労働者が給料をもらえなくてその派遣元が倒産してしまった、倒産というかなくなってしまった、そういうケースで、今その具体的な問題について労働省の方に労働者保護対策をお願いしておりますが、私は人材派遣法の適用範囲拡大の法改正が行われようとしていますので、こういうような事例が次々に起こったときに、労働者の賃金の不払いという問題が救済できないという問題が起きてくるわけですね。こういう問題について、例えば建設業の下請労働者に今制度がありますけれども、そういうような制度に類似の制度をつくるとかして、非常に条件の悪い中で働いている人材派遣会社の労働者の権利、それをぜひ守っていただきたいと思います。
 この点を最後に質問して、終わりたいと思います。
#123
○政府委員(松原亘子君) 賃金の不払いというような事態が生じました場合には、労働基準監督署におきまして事業主に対してその支払いを強く指導いたしているわけでございますけれども、先生が今御指摘になりましたような倒産といいますか事業主もいなくなってしまったというような、実際に企業が倒産し、支払い能力がないというような場合があるわけでございますから、そういう場合につきましては未払い賃金の一定範囲を国が事業主にかわって立てかえ払いをするという制度があるわけでございます。
 これは、もう既にスタートして相当になるわけでございますけれども、御指摘の労働者派遣業につきましてもこの未払い賃金の立てかえ払い事業というのは適用されるものでございます。今、具体的な例をちょっとおっしゃいましたけれども、その件につきましては労働基準監督署の方に既に申請が来ているものでございまして、現在私どもの方で事実関係その他、この立てかえ払い制度については当然一定の要件があるわけでございますが、そういったものに合うかどうか等を今調査をいたしているところでございます。
#124
○吉川春子君 時間なので終わります。
#125
○末広真樹子君 皆様のもとに資料をお配りしてよろしいでしょうか。
#126
○委員長(足立良平君) はい、配ってください。
   〔資料配付〕
#127
○末広真樹子君 初めてこういった委員会で質問させていただきまして、何分にもふなれでございますので、失礼な点あるいはミスがあるかもしれませんが、その点前もっておわびしておきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の出身は愛知県でございますけれども、愛知県は、御承知のように三百人以下の中小企業が九三から九五%でございます。もう中小企業県と言っても言い過ぎではないと思いますけれども、前年度比ほとんど求人が減ってきております。二十九人以下の従業者を抱えているところは、ことし八月には一九・五%減ということでございまして、何か雇用対策も大変重要でございますけれども、中小企業救済対策というものをすぐにやってあげないとばったばったとつぶれていく。ということは九三から九五%が中小企業、中小企業県としては県が危ないという事態というふうに認識しております。
 まずこの法案、中小分確法改正の効果についてお尋ねいたします。
 平成三年にこの法律ができまして四年になるわけでございますが、これまで事業協同組合等の組合総数四万八千五百四十四に対しまして、雇用管理改善計画を提出して決定されました件数は合計五百八十一件でございます。年間平均にしますと百四十五件、組合数の〇・三%にしか至っておりません。
 ところが、この改善計画に基づいて実施する雇用管理の改善に関する調査研究、指導そのほかの事業に対しまして毎年十二億円から十七億円、一件当たりにしますと平均六百万円の助成金が出されております。さらに、平成五年度よりそのフォローアップ事業に対しまして六千万円から二億円、一件当たり平均二百万円の助成金が出ております。つまり、四年間で五百八十一件、五十億円が助成され、それが全体の○・三%であったということでございます。
 それで、大企業で育った人材というのは川上で育った人材でございます。が、果たして川下の中小企業、例えば二十九人以下の小さな小さな中小企業に行って働けるのかどうか。例えば、エキスパートで川上で働いていらっしゃった方が中小企業へ行きますと、それこそどぶ掃除から何から何までやらないと、おれはこれしかできませんよというんでは済まされない現状なんですね。何でもやってもらわな困りますよという、そういう変身ができるのかどうかという点が疑問に思います。
 そこで、お尋ねいたします。
 これまでの改善計画及び中小企業人材確保推進事業助成金の中小企業における雇用効果はどれほどであったのでしょうか。どういうところに問題があって今改正しようとなさっているのか、この点について局長にお尋ねいたします。
#128
○政府委員(征矢紀臣君) 中小企業労働力確保法につきましては、中小企業におきます労働力確保の観点から、労働時間の短縮あるいは職場環境の改善、福利厚生の充実等、雇用管理の改善を図り中小企業を魅力ある職場とすることをねらいとして、平成三年から発足しているものでございます。
 この施策によりまして、どの程度の雇用創出効果があったかという点につきまして、数量的に申し上げることはなかなか困難でございまして、数量的には先生御指摘のとおり五年間で五百八十一団体を認定いたしまして、その団体の構成員たる中小企業者、そういうところでただいま申し上げましたようないろんな雇用管理の改善を図っていただいてきている、こういうことでございます。
 そういうことによりまして、現に働いている労働者の定着が図られる、あるいは労働力需給のミスマッチが解消される、そういうようなことによって中小企業におきます採用が円滑に進む、そういう効果を上げていただく、こういう趣旨で運用されているものでございます。ただし、現状の仕組みにつきまして必ずしも十分な成果を上げていない、こういう面があるのは御指摘のとおりでございます。
 と同時に、当面の非常に重要な課題としまして、先ほど来申し上げておりますように、非常に厳しい経済情勢の中で中小企業、何とか新分野展開をして、今後そちらの方にウエートを移すことによって生き残っていきたい、こういう考え方も非常に強くあるわけでございまして、そういう意味での方向転換をするに際して何が一番重要かということにつきましては、いわゆる高度人材、高度な技術あるいはそれに関する知識を持った方、そういうものが必要であるということで、これは具体的にそういう方を採用して成功した例も聞いているところでございますが、そういうものが重要であるということから、雇用面からその点について支援するということで今回の改正法案を御提案申し上げているところでございます。
 現実問題として、規模の小さい企業においてそういう人材が確保できるかどうかという点について、なかなか難しいのではないかという御指摘でございますが、確かにそういう面もあろうかと思います。そういう意味で、今回、特にそういう高度人材ということになりますと、採用面でも給料等でも相当の給料ということになりますから、そういう給料の三分の一を支援する、そういうようなことでこの高度人材を得やすくしようということを考えているわけであります。
#129
○末広真樹子君 採用しにくいという面と、それからまあ一年間は黙って働いておられても、その高度人材と称する方が川下には住みつかないという現実があるのではなかろうか。じゃ、一年間の助成金は何だったのだということになるので、この法案の使われ方、今後十分に目線を配っていく必要があるのではないかなと思います。
 次に移ります。
 今回の法改正によりまして、事業協同組合等の組合組織から個別中小企業にまで雇用改善計画の作成主体を拡大して、果たしてどれだけの雇用拡大へのインパクトが得られるのでしょうか。さらに、助成金を三つの柱、一本目が中小企業雇用環境整備奨励金、二つ目が創業等支援人材確保助成金、三つ目が人材高度化能力開発給付金、このように三本立てに拡大することでどれほどの雇用効果が見出せるのでしょうか。
 これまでの中小企業雇用環境整備特別奨励金に例をとってみますと、四年間でわずか二件、合計七十五万円の助成金しか支給されていないのでございます。より手続が面倒で細分化された制度ができたところで、それに対応して使いこなす力量が中小企業に果たしてあるのでしょうか。そんな暇があるのでしょうか。だれがやるのでしょうか。かつてこういう実例がございます。国民金融公庫から融資を受けるだけでも、書類並びに審査手続の煩雑さに、それでなくても人手の足りない中小企業では困難を極めた、嫌になっちゃったと聞いております。
 以上を大臣にお伺いいたします。
#130
○国務大臣(青木薪次君) 今回の法改正案というものについて、今末広先生も御指摘がありましたけれども、いわゆる風上に育った人が風下に行って仕事が通用できるかというような点については、これはそれぞれのその人の能力とか経験とか今日の待遇とか、そういったものについて個々にその中小企業との間でいろいろ話し合ってもらう。
 私も、具体的に身近にいろいろありますけれども、それはやっぱり自分の意気込みだ、自分のやる気だと。今までは我々はホワイトカラーでネクタイして背広を着て座っておったけれども、これが窓際になっちゃったと、そういう世の中でないということの中で、実際にこのごろの学生にも話をしているわけでありますが、千人以上が大企業だと。千人以下または中小企業の皆さんのところへ行けば、その学生が大学で勉強したことが生かされていくというようなことについて、やはりそこに就職した人、大企業をやめて中小企業に就職した人は来てよかったという人も私はよく聞いているわけであります。
 一般的意味では、末広先生のおっしゃることはよくわかります。よくわかりますが、そういう点は、個々に中小企業主とそして今回例えば労働移動しようとする人、あるいはまた新しい一つの能力を持った人、そのもとに労働者を集めて雇用創出効果を図ろうということでありますから、あくまでもこれはマン・ツー・マンといいますか、とにかく話し合って、そして持っている技能とか能力というものを生かしてもらう、待遇もそのことによって話し合ってもらうということを今回の法改正によってやっていきたい。そこまで一つ来ている。
 日本の産業経済の仕組みというものをだんだんと、昔は日本も模倣経済だった、新しく物をつくって研究開発していこうというようなものは非常に少なかった。そういうものじゃないはずだ。日本人の能力とか日本人の創造力とかいうものを、今回の法改正はそういうものも手助けしながら、助成しながら一緒になってひとつこれからの日本の企業の体質というものを変えていこう、これが産業空洞化にこたえる道でもあるというように考えているわけでございます。
#131
○政府委員(新欣樹君) 政府系金融機関の手続が非常に煩雑であるという御指摘、私もいろいろなところから伺うことがございます。さはさりながら、政府系三機関は民間金融機関ではなかなか供給しにくい資金というものを供給するということで、特に国民公庫の例をお出しになりましたけれども、国民公庫につきましてはできるだけ簡便に、どちらかといえば小口の資金というものの貸し付けを行っている機関でございまして、私ども手続の面においてもいたずらに中小企業の方々の負担にならないように簡素化を図るように日ごろから指導しているところでございます。
 もし、いろいろな苦情その他がありましたら、ぜひお申しつけいただければと思います。
#132
○末広真樹子君 ありがとうございます。
 この法案の高齢者雇用への影響について、次は触れさせていただきます。
 まず、高齢者という認識が五十五歳だそうでございますね。
#133
○国務大臣(青木薪次君) まあ、これから能力開発の面では四十五歳に着目して……。
#134
○末広真樹子君 これから四十五歳になるんですか。
#135
○国務大臣(青木薪次君) いや、四十五歳も対象に……。今現在五十五歳です。
#136
○末広真樹子君 そうでございますか。
 高齢者雇用、より雇用が困難な中高年、高齢者、これは女性も男性も含めての雇用拡大を推し進めることが現実的には中小企業にとっては、現実的にはですよ、有益なのではないでしょうかと思うのです。
 六十五歳までの継続雇用制度の導入は、依然低い水準にとどまっております。平成七年六月の労働省の雇用管理調査によりますと、希望者全員が六十五歳まで雇用されている企業は一九・一%、つまり二〇%にも満たない現状でございます。平均寿命がどんどんと延びて、気力、体力、知力が充実しておりますのに、現行六十歳定年制とか、あるいは高齢者というものが五十五歳である、今また大臣は、いや四十五歳に次はなるんだというような御提示をいただきますと、まことに残念。大臣がそれだけ情熱を持ってかくしゃくとしていらっしゃるんでございますから、いわば心技体整った、人生の花を迎えた人々の活力、これを生かせる道はないものでしょうか。
 高齢者に対する雇用助成制度というのは現在非常に多岐にわたって複雑になっております。これが御提出いたしました参考資料でございますけれども、いい法律があるんですよ、この中に。三番とか五番とか見ていただきますと、中小企業の方にもうちょっとこういうのを知っていただいて、高齢者を雇うとお得よなんというPRをもっともっとしたいなと思うんでございますが、先ほども武田先生の御質問の中に、新しい法案も含めてのそういうPR予算というのは一体いかほどおとりに、お見積もりになっていらっしゃるのかというのも追加で一つ聞かせていただきたいと思います。
 局長に二つ質問させていただきます。
 高齢者雇用に対する助成制度はどの程度効果を発揮しているのでしょうか。現状をお教え願いたいと思います。二点目、高齢者雇用に対する助成制度を整理し、中小企業にとってよりその能力を活用できるような方策をつくり出すことこそが中小企業の人材確保にとって有益ではないでしょうか。そうした配慮がこの新労確法に欠落しているのではないでしょうか。
 以上、二点プラス予算でお願いいたします。
#137
○政府委員(坂本哲也君) 高齢者の雇用対策の助成金関係の実績ということでございます。
 資料としてお配りをいただきましたように、高齢者雇用、六十五歳までの継続雇用を推進するために各種の助成金制度を設けておるわけでございますけれども、この中で特に利用されておりますのが、この資料の三番目にございます高年齢者多数雇用奨励金、これの平成六年度の支給実績を見ますと十六万三千七百七十人について支給をされております。
 それから、この資料の五になりますが特定求職者雇用開発助成金でございます。これにつきましては、これは五十五歳以上六十五歳までの高齢者を安定所を通じて雇い入れた場合に支給されるわけですが、平成六年度の支給実績は九万三千二百三十九人ということになっております。
 なお、一番上の継続雇用制度導入奨励金ですけれども、これは六十一歳以上までずっと引き続き雇用できるような制度を設ける事業主に対して支給しておりますけれども、これの支給実績は平成六年度二千百三十三の事業所に対して支給されておる、こういった状況になっております。
#138
○政府委員(征矢紀臣君) 今回の法律改正で中高年への雇用の配慮が欠けているのではないかという御指摘でございますが、今回の法改正につきましては、最近の厳しい雇用情勢に対処するため、新たな雇用機会の創出につながる中小企業の新規開業あるいは新分野展開を進めていくために、ベンチャー企業等の中小企業の事業活動を人材面から支援していこう、こういうものでございます。
 この対策は、そういう意味では年齢的な区分を設けて対処するというものではございませんが、ただ、一般論で申し上げますと高度の技能及びこれに関する知識を有する者、高度人材と言われる者は一般論としては中高年齢者に多いのではないか、実務経験が相当ある方という面からいきますと、そういうふうに考えているところでございます。
 それから、広告、周知徹底の関係でございますけれども、これにつきまして確かに御指摘のように、一方でできるだけ手続を簡素化するという必要性、これは実施に当たってでございますが、そういう面と、一方で事故のないようにするというチェックと両方を考えなければならないわけでございますが、両面考えながらできるだけ手続を簡素化してかつ周知徹底を図る、こういう考え方でまいりたいと思います。
 当面、できるだけの周知徹底を図る必要があるということからの広報としましては、新聞広告等で約二億円、それからテレビ等のスポット等で約一億円の予算を計上いたしております。
#139
○末広真樹子君 ありがとうございます。
 広告費としては微々たるものではないかなと。テレビで一億円かけて何本スポットが打てるかというのは御承知だと思います。そんなのでは周知徹底とは言えないという感想を持っていますし、それからPRということに対して、こんなに漢字が長く連なっていると一般に理解せよと求めてもちょっと難しいのではないかなと。これをもう少し何とか一般の耳になじむ法案とかあるいは制度を今後考えていただけないものでございましょうか。大変僭越ではございますけれども、愛するがゆえの提案をさせていただきたいと思います。
 それから、時間がなくなってきておりますが、今大変な女子学生の就職氷河期と言われております。私自身も一九六七年、大阪万博の三年前に四大を卒業いたしました折にちょうど今のような不景気の状況下でございまして、前年度までは女子学生が採用されたのにことしに限っては採用ゼロというまことにむごい時代にちょうど遭遇してしまいました。そういった時代のあおりを食うようなことがあってはならない。どの時代に生まれようが、どの時代に遭遇しようが、満遍なく就職のチャンスというのはめぐってこなくてはいけないはずなんでございます。
 男女雇用機会均等法というのがせっかくできていても、見直す必要があるあるというかけ声だけで終わっている現状でございまして、これでは同じ教育の機会を得て学んできた女子学生に対しては本当にかわいそうなというか、私の場合は就職先がなくて道端を歩いておりまして、アスファルトが塗り込められておりまして、ちょうど私がそのとき社会に対して出口なしというアスファルトを上にはっと塗り込められた状況だったものですから、歩いておりましたときに一本の雑草が、そのアスファルトを持ち上げて十文字にぶち破って、たった一本ですけれども咲いていた姿に私は感動して我を忘れて泣いてしまいました。この花のように生きなければと。つまり、女子学生は求められていないから、自分から動いて世の中へ出ていく場所を見つけなくてはいけないんです。
 そういう現実的な差別というのが、私は学校を卒業してもう二十五年以上になりますけれども、再び過去に戻ってはいけないのではないか、時代というのは常に前に前に進んでいかなくてはいけないのではないか、その点を強く思いますので、どうか、もう聞くのはうんざりだというぐらいこの男女雇用機会均等法見直してはあろうかと思いますけれども、いま一度真剣に取り組んでいただきたいということをお願いして、最後にこの点に関して大臣の所信、お気持ちをお聞かせ願って、最後とさせていただきます。
#140
○国務大臣(青木薪次君) 今、末広先生から男女雇用機会均等法の問題等を含めまして切々たる訴えがあったわけでありますが、先日、九月四日でありましたけれども、労働省では東京ドームをお借りいたしまして、大学卒業者で就職を希望する人はぜひ集まっていただきたいということで、企業の皆さんにも、首都圏のこの近所の企業に御通知申し上げました。このときに、男性だけ採用したいという人は来なくてよろしいという注文をつけました。そのときに七百社の企業が集まりました。それから、学生は一万二千八百人集まりました。
 この中で、産業別、業種別に、地域的にいろいろと話し合いをいたしまして、順次今就職が決まりつつありますが、この中で、特に今御指摘ありました女子学生の超氷河期と言われるこのことについては何とかしなきゃいけない。
 もうこのことを、それこそこの問題に携わる労働省の職員はねじり鉢巻きでこの問題を考えておりまして、今六つある学生職業センターというもの、これをもう本日通していただいて、二十五日に参議院の本会議を通したらすぐさまこれを適用するということで、全国四十七都道府県全部に臨時であっても学生職業センター、学生の職業安定所、ハローワーク、これをつくって、そしてそれこそ集団面接会というようなものも数多くやる。この東京近辺でももう一回来年一月か二月にやるというようなことを通じまして、ひとつ何とかこの問題について考えていきたい。
 男女雇用機会均等法の問題については、十年にもなるのでいわゆる何とかしてくれというような調子でなくて、ある意味では強制力を持った男女雇用機会均等法をつくるべきだという御意見もございます。特に労働省は女性出身の幹部が多いものですから、その辺の希望というものは非常に強いということもあわせて紹介しておきます。
 それで、この秋にはそういった形で婦人少年問題審議会に答申をいただくというように考えているわけでありますが、そういったことを通じまして、この学生の雇用問題については、ことし就職できなかった人、来年三月卒業する人を含めてひとつこの問題は相当真剣に、深刻な問題として考えていきたいし、もちろん雇用、高齢者の問題、今高齢・障害者対策部長から話がありました高齢者の問題とか、あるいはまた障害者の問題とか、女子全般の問題とか、現に失業中の者とか、そういう問題もあわせまして公共職業安定所において真剣にこの問題の対策を行っていきたい、こう考えております。
#141
○政府委員(征矢紀臣君) 婦人局長欠席いたしておりますので、かわりまして事務的に御説明を申し上げさせていただきます。
 ただいま先生御質問が、雇用機会均等法につきまして非常に重要課題ということで見直しすべきであるということでございまして、ただ、これにつきましては一面で労働基準法の女子保護規定の見直し問題とあわせて検討すべきだ、こういう御指摘もございまして、これは婦人少年問題審議会で検討してきたわけでございますが、休んでおりましたものを、大臣ただいま申し上げましたが、この審議会を再開し議論を今後していこう、こういうことでございまして、なかなか秋までに結論が出るということはまだ想定いたされませんけれども、そういう状況でございます。
#142
○末広真樹子君 ありがとうございました。
#143
○笹野貞子君 最後の質問者となりました。
 まず、中小企業庁長官にお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 高度人材の育成とか、あるいはその人材によって活性化をさせて新しい企業を起こすという、こういう言い方といいますのは、私が子供のときに私の父はよく商いは人なり、あるいは芸は身を助く、こういうふうに言っていまして、お前も大きくなったら何か一つ人に負けないものを持たなければ芸は身を助くという言葉には当たらないんだというようなことを何十年前に言い聞かされました。この法案を読みましたときに、私が父に何十年前に言われた商いは人なり、芸は身を助くというのを、ちょっと近代的に何か難しく言うと法律というのはありがたく思うものですから、わかりやすく言うとそういうことなんだなと。とするならば、まさにこれは人間社会の基本であり、そこから私たちのあらゆることが出発しているわけですから、そういう意味におきまして今回のこの労確法の改正には私は非常に評価をいたしたいというふうに思っております。
 しかし、一万翻って日本の経済を見ますと、先ほど委員の皆さん方からも、まさにバブルは崩壊したり、あるいは円高であったり、また金融機関のもろもろの不祥事などがあって社会不安が起きたりしております。そしてそれに加えて、産業の空洞化と申し上げるんでしょうか、そういうことが非常に中小企業を脅かしております。
 例えば、産業の空洞化というものをちょっとちなみに分析いたしますと、先ほどもどなたかの御発言にありましたけれども、製品輸入について見ますと平成七年度上半期は前年比の三五・九%増。金額でいきますと九百四十二億ドルもアジアを中心として大きく伸びておりますし、輸入量に占める製品輸入比率は五七・七%と、半期ベースでいくと過去最高を記録している。
 こういう状況を見ますと、これは中小企業にとっては大変な直撃というんですか、経営にとっては大変だというふうに思います。どちらかといいますと、景気のいいときに不況になったときの対策を本来ならばとっておくのがこれが賢明な策だろうと思いますが、私などもなかなかそうはいきません。
 ですから、そのことはさておきまして、今度の法案、高く評価するものですけれども、この法案がスムーズにいく対策としては、やっぱり大企業に対する中小企業の格差というのを埋めるような中小企業に対して経営指導その他の支援をしなければ、せっかくいい法案が現実のものとなりません。
 そこで、長官にお尋ねいたしますけれども、この法案が出る以前つまり現在と言っていいんですが、現在中小企業に対して経営その他、これは特に人材育成が主ですので、そういうことに対する支援あるいは指導、あるいはベンチャー企業と言われているものに対して、ベンチャー企業というのは突然出てくるわけではなくて、今までも大いにそれが叫ばれているわけですが、そういうものに対する指導とかそういう援助というのはどのようになさっていたのか、お伺いいたします。
#144
○政府委員(新欣樹君) 昨今の中小企業を取り巻く経済情勢は非常に厳しいということは御指摘のとおりでございます。それからまた、日本にはいわゆる資源というものがございません。したがいまして、日本の持っている資源というのは頭脳資源といいますか人材であるというところは強く認識しているつもりでございます。
 ただ、これまでの企業経営において必要な資源は何かといえば、よく言われることですが人、物、金と言われたわけですが、最近は、こういったものはもちろん重要でございますが、特に強調されるのが人というものとそれから新たに情報というところが資源として非常に重要視されるような時代になってきているかと思うわけでございます。
 そして、今回の経済状況でありますけれども、従来のようないわゆる循環的な景気要因というよりは、御指摘のようないろいろな円高による企業の海外移転の問題、あるいは発展途上国からの製品輸入の問題等々、いわゆる構造的な要因というものによってもたらされているところも多々ございます。したがって、単に循環的な景気対策というのに加えてやはり構造的な対策というものが必要になっているわけでございまして、それがまさに新規分野あるいは創業といった経済のフロンティアを拡大するようなところに政策の力を入れていかなきゃいかぬということになっているわけでございます。
 そういう意味で、私どもことしの四月に中小企業創造活動促進法という法律をつくって、財政、金融、税制各面からの援助もいたしましたし、平成五年におきましてはいわゆる中小企業新分野進出法という法律をつくりまして、企業が新分野に進出する等の新しい展開を図る場合の支援措置も講じた次第です。なお、この新分野進出法につきましては、ことしの五月、準備の段階にある人たちについての支援ということも行ってきたわけです。
 こういうようなことに加えて、人材開発という面におきましては、中小企業事業団の有する中小企業大学校というものがございます。東京校を含めて今まで八つでございましたが、このたびこの十月に熊本県の人吉に九番目の大学校ができた次第です。こういったところを通じまして、中小企業経営者あるいは経営管理者、技術者、こういった人たちの人材開発というものに努めている次第でございます。また、各都道府県の経営指導員等を通じましての人材開発ということも行っている次第でございます。
#145
○笹野貞子君 今のお話保を伺いますと、直接人材、経営者の育成、そしてこの五月からはそういう援助ということですので、私は本質的にこの法案に賛成ですので、今まで通産の方々も人材育成というものに対しては直接お力を余り入れていなかったということが理解できますので、これからは労働省とどうぞ一緒にこの法案の実現のために通産もできるだけの力を発揮していただきたいというふうに思っております。通産の方は長いこと本当に御苦労さまでした。私の質問はこの一問で終わりますので、どうぞお帰りいただいて結構かと思います。
 続きまして、大臣にお伺いいたしたいというふうに思います。
 新産業とかあるいは雇用創出、こういう言葉は非常に今私たちの労働意欲を刺激したり、あるいは注目を大いに払わなければならない、そういうことになっております。私が所属します連合も、経済運営につきましてことしの九月に村山総理に対しまして要請を行ったところですが、この雇用創出とかあるいは中小企業の育成、ベンチャービジネスの創業支援というのをその要請の中でうたわせていただいております。
 また、連合と日経連の共同研究であります新産業・雇用創出研究委員会というところが共同して出しました研究の結果で、住宅、情報・通信、環境、福祉・医療の四つの分野において雇用創出の効果を大いにこれから生み出さなければならないという、そういう報告を出しております。
 そこで大臣、私たちの連合が出しておりますこの研究結果を大いに参考にしていただきまして、これからの雇用対策に取り組む、この法律を出すに当たりましての御決意をまずお伺いいたしたいというふうに思います。
#146
○国務大臣(青木薪次君) 笹野先生への御答弁をする前に、先ほど優秀な女性出身の幹部と言いましたけれども、これは間違いでありまして、優秀な女性幹部ということでありまして、その点一つ訂正をさせていただきます。
 それから、今の笹野先生の御指摘にありましたように、連合が、経営者団体もそうでありましたけれども、総理に申し入れるときに私も立ち会っておりましたものですから、内容的に今のいわゆる住宅、情報・通信、福祉・医療を中心といたしましたあの御提言についてはまことに時宜を得たものであって、長い間の情勢分析の結果をまとめられたものであって、さすがなものだと考えて今検討されておるし、それから総理のこの国会の所信表明演説の中にもそれらのことが取り上げられているということも、ぜひひとつ申し伝えていただきたいというように考えます。
 それから、けさほどからもお話がありましたように、今までは景気循環的な雇用対策という形で、もう少し待っておれば景気がよくなって、今雇用調整助成金なんかで、首を切らないで会社でもって頑張ってもらうというようなこと等についてもそれで対応はできました。
 しかし、今日では構造的な不況であります。したがって、その構造的な不況というものは、これはやはりこれに対応する形として雇用調整助成金だけじゃいけない。したがって、ことしの七月一日から改正不況業種雇用安定法、先生も労働委員長をやっておられたからよく御存じのとおりでありますが、そういう中で失業なき労働移動ということも考えていかなきゃならぬということでやってきたわけであります。
 しかし、そればかりでもいけないということから、今回御提案申し上げておりますように、中小企業労確法の改正案というものを出して、一つは雇用創出、一つは何としてもいわゆる能力開発のための勉強をしてもらうと。そのために手当を出す、給料の助成をするというようなことをしながら、教育訓練費用についても相当高額な補助をする。あるいはまた、いろいろと立派な施設に勤めるということは格好いいけれども、中小企業に行ったら非常に不衛生だ、あるいはまた待遇が悪いと。施設が悪いというところについては冷暖房施設もつくろうじゃないか、あるいは休憩施設もしっかりつくろう、食堂もつくろうというようなことも通じまして、できたら運動施設あたりもつくったらどうかというようなことで、そういう努力をしたところについてはそれだけ補助をしようというようなことも含めまして、今回の労確法の改正というものはそういうものから成っておると。
 今申し上げました雇用の創出、新しく有能な人を中核としてその周りに結集して新しい一つの事業展開を図っていく、それからまたベンチャービジネス等の応援もその一環であるということで、この際今までのことから一歩転じて、雇用確保のためにどうしたらいいかということでここに今こぎつけてきたということでございます。産業構造転換に伴う今日最大の法案であると考えておりますので、先生も御理解いただいておりまするけれども、よろしくお願いいたしたいと思っております。
 先ほど私、雇用機会均等法、これは答申をいただくということについて、私も相当焦っておりますものですから、これはこれからちょっといろんなことがありまして、均等法の関係については討議を、一応緩やかだったんですけれども急いでひとつこの問題の審議に入っていただくということになったわけですから、答申をすぐいただくということじゃございませんので、急がしておりますけれども、よろしく。
#147
○笹野貞子君 時間が迫りますので順序を繰り上げまして、能開の方、能力開発の分野の質問をさせていただきます。
 去年でしたか、私は相模原の職業能力開発大学校というところに視察に参りました。非常に風光明媚な高台に、大変いいところにありまして、しかし、校舎といたしましてはもしもっとお金があるともっとデラックスなものができるんでしょうけれども、質素の中にも機能的な大学校でした。
 この大学校を視察いたしまして一番感心いたしましたのは、福祉工学部というのがありまして、これからの老人やあるいは身体障害者のそういう方々に対していろんな補助機器を開発しているのを目の当たりに見まして、大変私は感激いたしました。これからこういう新しい学部をつくることによって新しい技術者、そして新しい職業というのがつくれるんじゃないかというふうに思いました。
 この大学校は、ポリテクカレッジとか能力開発センターというところの先生を養成している大学ですけれども、こういういい大学校を労働省は持っているわけですから、こういうのに全く新しい学部をこれからつけて新しい技術者を養成するという、そういう展望はいかがなんでしょうか。
#148
○政府委員(伊藤庄平君) 御指摘のございました職業能力開発大学校におきましては、全国の公共の能力開発施設の指導員を養成するわけでございまして、その全国の施設におきまして産業構造の変化など時代に合った教育を展開するわけでございます。そういった意味では先生御指摘のように、時代のニーズまたこれから産業あるいは雇用構造が進む方向に合致したものを、常に最先端の教育内容にしていかなくてはいけないというふうに考えております。
 御指摘のございました工学あるいは心理学の面から、障害者の職業訓練等を行う人材を養成するために福祉工学科を設けたりいたしております。また、新分野への事業展開、そういったことのための人材を教育するために情報工学科あるいは電子工学科などを設けておりまして、そういった訓練科目で常に最先端の教育を実施しておりますが、これからも産業構造の方向あるいは社会のニーズを十分見きわめながら常に教科内容等の充実に努めていきたいというふうに考えております。
#149
○笹野貞子君 私が所属しています連合も、名称は別といたしまして連合大学というのか勤労大学というのか、そういうものをつくりたいという意欲を持っております。私も以前から、労働大学というようなものをつくって、これから新しい人材や新しい分野、そして高齢者の生きがいというようなことを言っておりますけれども、できましたら指導員を養成する大学校ではなくて一般の人を入れて、労働省もこんないいことをやっているんだという大いにPRをしていただきたいというふうに思っているんです。
 これは通告しておりませんでした。でも、非常に勉強家の伊藤局長のことですので、かつて私と二労働基準法改正のときに遠くから議論をいたしますのでちょっとかみ合いませんでしたけれども、きょうは近くにいますので、その展望をちょっとお聞かせいただけませんか。
#150
○政府委員(伊藤庄平君) 私ども全国に都道府県のものを含めますと三百四十ほどの公共の職業能力開発施設を持って展開をいたしておりますが、近年特徴的なことは、やはり産業構造の変化などに合わせて新しい技能、技術を身につけるための在職者に対する訓練のウエートが非常に高まってきております。そういった意味では、これからの公共の職業能力開発のあり方として、社会人といいますか在職者に対してその能力の向上を図って、これからの経済や産業構造の変化の方向に合わせた人材の育成を図るということが大変重要になってきているかと思います。
 また、そういった中でとりわけ、私どもの今まで取り扱った分野といたしましてはどうしても技能の関係に偏りがちでございましたが、近年ホワイトカラーの方々の生産性の向上というようなことがございまして、その能力の開発向上について何か抜本的なあり方を工夫して実施すべきではないかというような御指摘もございます。そういった意味で、私ども現在、生涯能力開発センターを都内に建設中でございまして、そこでホワイトカラーの方々、当然在職者を対象にしたものが中心になるかと思いますが、教育訓練のモデル的なものを開発、実施していく、そういったシステムも現在検討中でございます。
 当面、こういった形を通じまして、社会人といいますか在職者の方々を私どもできるだけ多く受け入れて、その能力開発、向上に努める中で、その積み重ねの中で今後のあるべき方向といったものをひとつ検討してまいりたいというふうに考えております。
#151
○笹野貞子君 今お聞きしますと、これからこの大学校に対する大いなる期待を寄せることができるというふうに思います。先ほど、中小企業庁長官のお話にもありましたように、通産の方でもそういう経営指導の学校を持っていらっしゃる。通産は多分予算がいっぱいあるというふうに思いますので、労働省は本当に予算が少ないので私などは気の毒だなというふうに思って、これから労働省ももっと一般会計の財源をふやさなければいけないというふうに思っておりますので、そこは、これからそういう大学校の人材育成というのを共管しながらやっていったらいいのではないかなというふうに思ったりもいたしております。
 それでは、この法案について、能開の果たす役割をお聞きしたいというふうに思います。
 私のところに統計がありまして、中小企業庁が出している経営戦略実態調査というのがあります。これを拝見いたしますと、新分野に進出する問題点の克服策、問題点に何があるかという統計がありまして、それを見ますと中小企業の方々は既存従業員の再教育が一番問題点であって再教育が重要だ、こういうふうに答えております。そういうところから見ましても、いかに能力開発というのが重大かということがわかります。これが全体の三三・九%を占めておりますので、相当数の中小企業が能力開発が重大だと答えているわけです。
 そこで、今回の労確法の能力開発の面で支援の内容はどういう内容が、そして今回の法案に対してその能力開発の対策はどういう位置づけになっているかを、ちょっと聞きたいと思います。
#152
○政府委員(伊藤庄平君) 現在、この職業能力の開発といった行政分野でも最大の課題は、産業構造等が変わる中で高付加価値化あるいは新分野での事業展開を担う人材の育成が大変大きな課題でございまして、そういった意味で私ども公共の能力開発施設もそういったことにチャレンジする中小企業あるいはその団体に対しまして積極的な協力援助体制をしいております。
 今回の法案では、この法案に基づいて計画等の認定を受けた中小企業の事業主に対しまして、そういった公共職業訓練の援助を受けていろいろ事業所内外で実施される教育訓練、あるいは有給の教育訓練休暇を与えて学習機会を与える、あるいは能力の開発のために人材交流等を行う、そういった場合にその実施に要する費用やその期間中の賃金に対する助成を盛り込んでいるところでございます。
 これらの措置は、今般の補正予算の中に盛り込まれている人材高度化支援事業、これは高付加価値化や新分野の展開を担う人材の育成のために広く実施するものでございますが、今回の改正法案に基づいて実施される中小企業事業主に対しましては、そういった通常の場合の助成率三分の二を特に四分の三、高いものといたしまして、支給期間も最大三年間と、こういった形で実施していくことを考えております。
#153
○笹野貞子君 まだまだお聞きしたいんですけれども、時間がなくなりましたので、最後に大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 先ほど、中小企業庁長官にいたずらともとれる、あるいは私の本音ですけれども、この予算というのは非常に重大で、私などは雇用というのを守るためには労働省は十分予算というものを確保しなきゃいけないというふうに思っております。今回の第二次補正を見ましても、総事業費十四兆という大型補正でしたけれども、これ総事業費ですね、その中で雇用対策に係るお金は百四十三億円、そして今回のこの改正法に係る予算が百十四億円ということです。私は、この予算というのは全体の予算からすると非常に少ないのではないかなという、もっとあったらいいのにな、またもっとあるべきだというような感じがいたします。
 そこで大臣、この百十四億円という今度の補正予算で、大臣が労働行政をやるために、このお金で満足がというのは変ですけれども、これでもって自分の思いを達せられるだけの額が、そして大臣がこれからの労働行政をやるために現状の予算でどの辺まで思いを達せられるか、そのことをお聞きして、私の質問の最後にいたします。
#154
○政府委員(征矢紀臣君) 予算額の問題でございますので、事務的に申し上げます。
 確かに、今回の補正予算でこの中高年労働力確保関係につきまして全体で百十四億円ということでございますが、これにつきましては、御承知のように賃金助成につきましては、これは六カ月後の後払いということでございまして後年度負担になっております。したがって、その辺の必要予算は八年度予算で手当てをすることにいたしておりまして、これはそういう意味では相当伸びるというふうに考えております。
 それから、今回の補正で総額といたしましては、雇用保険の失業給付等についての補正もいたしておりまして、これにつきまして三千億円を超える補正をいたしております。
 そういうことで、必要な雇用対策関係予算につきましては確保しているというふうに考えているところでございます。
#155
○国務大臣(青木薪次君) 一言だけ笹野先生の質問に答えたいと思いますが、おっしゃるとおり、労働省は今日のいわゆる雇用失業の状態、この経済状態、そしてまた職場で傷つき倒れた皆さんとかそういった場合における労災の関係とか、そういうもので五兆三千億の金が概算要求の中に入っているわけです。このことは非常に重大な役割を果たしているわけでありまして、そういう点から私は、労働省は非常にそういう面では縁の下の力持ち的な役割を果たしている。ただ、特別会計が主たるものでありますものですから、今先生御指摘の点については、もっと一般会計をとるべきだという主張を私も持っております。
 したがって、そういう意味でこれからの事態に対応いたしまして、当面は大蔵省との間に法律の施行に伴う関係、今職安局長から話しましたように満たしておりますけれども、これからは別の角度から対応を考えていくべきだ。笹野先生の提案については、好意的立場において検討いたしたいと思っております。
#156
○笹野貞子君 終わります。
#157
○委員長(足立良平君) 速記をちょっととめてください。
   〔速記中止〕
#158
○委員長(足立良平君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(足立良平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(足立良平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(足立良平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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