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1995/11/07 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 労働委員会 第4号
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1995/11/07 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 労働委員会 第4号

#1
第134回国会 労働委員会 第4号
平成七年十一月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     松村 龍二君     前田 勲男君
 十一月六日
    辞任         補欠選任
    日下部禧代子君     齋藤  勁君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君    日下部禧代子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         足立 良平君
    理 事
                坪井 一宇君
                武田 節子君
                清水 澄子君
    委 員
                狩野  安君
                小山 孝雄君
                山東 昭子君
                前田 勲男君
                吉村剛太郎君
                石井 一二君
                星野 朋市君
                梶原 敬義君
               日下部禧代子君
                齋藤  勁君
                吉川 春子君
                末広真樹子君
                笹野 貞子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  青木 薪次君
   政府委員
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       松原 亘子君
       労働省婦人局長  太田 芳枝君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業安定
       局高齢・障害者  坂本 哲也君
       対策部長
       労働省職業能力
       開発局長     伊藤 庄平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐野  厚君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房男女共同参画
       室長       名取はにわ君
       文部省初等中等
       教育局職業教育
       課長       池田 大祐君
       文部省高等教育
       局大学課長    近藤 信司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (新卒者及び中高年齢者の雇用対策に関する件
 )
 (中小企業に対する雇用促進策と労働時間短縮
 の推進に関する件)
 (熟練技能者の尊重と養成に関する件)
 (外国人の技能実習制度活用に関する件)
 (産業空洞化の原因と対策に関する件)
 (男女雇用機会均等及び女子保護規定の見直し
 等女性労働者対策に関する件)
 (育児休業給付及び高年齢雇用継続給付の支給
 事務の円滑化に関する件)
 (青木労働大臣の学歴問題に関する件)
 (産業構造の変化に伴う雇用対策に関する件)
 (パートタイム労働対策に関する件)
 (労働者派遣事業の適正化と適用対象業務の範
 囲に関する件)
 (審議会の運営の在り方に関する件)
 (身体障害者雇用納付金制度の拡充に関する件
 )
 (労災ケアプラザの整備に関する件)
 (女子学生の大学学部の選択及び職業能力開発
 に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(足立良平君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十日、松村龍二君が委員を辞任され、その補欠として前田勲男君が選任されました。
 また、昨日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(足立良平君) 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○小山孝雄君 私は自由民主党の小山でございます。新進党にも小山先生がいらっしゃいますが、あちらの方は小山峰男先生、私は小山孝雄でございます。以後、どうぞよろしくお見知りおきのほどお願い申し上げる次第でございます。
 大臣、私は三年前、大臣が今執務をしておられる十六階の大臣室の隣の大臣秘書官室に、短い期間でありましたけれども、八カ月座らせていただきまして、労働行政の一端をかいま見させていただき、そしてまた実地に労働行政の何たるかを勉強する貴重な機会をちょうだいしたところでございます。
 それまで私は、国の行政の一番大事なものとして外交、防衛、教育、この三本柱と思っておりましたが、そうした経験を経まして、これにぜひ労働の仕事を挙げなきゃいけないと。なぜかなれば、労働というのは全国民がかかわることであり、そして働く人々の健康と安全を守るという点において本当にこれは大事な仕事だということをかいま見させていただいて、そう思うようになった次第であります。
 私はこの七月に当選させてもらった者でございますけれども、当選後、初めて党から連絡が来ましたのが委員会はどこに所属するか、こういうことでございました。私は迷うことなく労働委員会に所属させてほしいという要望を申し上げまして、今日ここに至っておるわけでございますが、言うなれば私は労働委員の志願兵でございます。本当に労働行政の大切さというものを身にしみて感じておる者の一人として、これから何点かについて質問をさせていただきたいと思います。
 特に、労働行政の皆さんと大変身近に接していろんなことを学ばせていただいている八カ月の間で非常に感銘深く拝見しましたのは、一つは、基準行政の中において、働く人々の安全と健康を守るという施策が本当にきめ細かに、もうこれ以上考えられないじゃないかというぐらいきめ細かないろんな施策が施されているということ、そしてまた仕事をつくる、雇用政策もこれまた非常にきめ細かに行われているということも実地に見させていただいたところでございます。
 私は、選挙区が比例区でございますので、全国各地を一年数カ月にわたってめぐり歩きました。走行距離にして二十六万キロになったそうでございますので、地球を六回ぐるぐると回ったことになるわけであります。そしてまた、千五百の集会をこなし、五十万を超す人々と直接お会いをし、お話を伺い、その生活の実態を見、仕事の現場に足を踏み込んで、いろいろな御意見をちょうだいして、その実態を本当につぶさに見てまいりました。
 そうした中で、本当に心を痛めたのは、平成大不況と言われるこの時代、その中にあってリストラにあえぐ中高年齢層の皆さんの実態、さらにまた人生のスタート台に立っている若い人たちが、自分の能力に合った適切な、あるいは自分の希望にかなった仕事がなかなか見つからない。現実には十四、五万の就職浪人の学生がいるわけでございまして、かつてのあのバブル景気全盛時代の、労働市場が売り手市場であったあの時代が本当にうそのような第一線における現状でございました。
 そうした状況も長く続いているわけでございますけれども、私の一番新しい記憶では、二百十数万の失業者が既に出ているというこの実態、大臣、この現状についてどのように受けとめておられるか、お考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(青木薪次君) お答えいたします。
 小山先生が労働問題の重要性について心から感じでおられることの御高見を拝聴いたしましたけれども、今後とも私ども、労働問題というものは今の国政の中の一番重要な、中心的な課題であるということを考えつつ対処いたしてまいりたいと思っております。したがいまして、いつの時代にありましても、雇用問題は国民生活の安定を図る上で最大の課題だと考えて対処いたしてまいりたいと思います。
 このために、今後とも労使双方との意思疎通を十分に図りながら、雇用問題の解決に向けて、さらに万全を図っていくように努力いたしてまいりたいと考えております。
#6
○小山孝雄君 今、大臣から決意のほどを伺ったわけでございますけれども、特に新規学卒者、それから中高年齢層の皆さん、女性、障害者、こういうあらゆる方々の雇用の安定を図るために本当に心を砕いていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。
 私は、各地をめぐって、いろんな方にお会いして本当に痛切に感じましたことがあります。それは、かつては人間生活の三大基盤は衣食住である、こう言われてまいりました。諸先輩の御努力によって、着る物も着ることができず、食べ物も食べることができずという人は我が日本国にはほとんどいなくなったと言っていいんじゃないでしょうか。しかし、今人間が人間として存在する一番基本は自分の能力に合った適切な職業があることだと。したがって、私は昔の衣食住の食は、これは食べ物じゃなくて職業の職だと、こんなふうに痛切に感じでまいったわけでございます。
 私も永田町かいわいで仕事をするようになりましてから二十数年になりますが、先輩の秘書の皆さんから、いろんな人が出入りするよ、いろんな人が来るからよく心して対応せにゃいかぬよと、こういう手ほどきを受けました。その一つが、来るたびに名刺の肩書が違うような人は信頼してはいかぬよ、何をやっているかわからない人だからねと、こう教えていただいたことを今思い出すのでございます。どんな仕事でもいい、自分は駅前でラーメン屋をやっている、屋台を引いておでんを売っている、それでもいいんだ、私はこの仕事をしているんだということをしっかりと言える人がやはり信頼できる人だということを先輩の秘書さんから教えられてきたのでございます。
 私は、衣食住の食は食べ物じゃなくて今や職業の職と、そして働くということを大変大事にしてきたのが我が日本人だと思います。働くことは生きることだ、生きることが働くことだ、そんな感じすらするわけでございまして、本当に生きがいのある仕事をたくさんの人々が見出せないままにいるということに非常に私は国全体の危機的な状況を感ずるわけでございます。
 こうした中で、現下の雇用情勢をどのように認識なさり、また今後の見通しについてどう見ているのか、あわせて一番新しい失業率、特に若年層の失業率、それから中高年齢層の失業率等々について、ちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#7
○政府委員(征矢紀臣君) 現下の雇用情勢でございますけれども、最新の数値、九月で見ますと完全失業率、季節調整値で三・二%と、引き続き四カ月連続になりますが、統計開始以来最高の水準で推移しているところでございます。
 特に、二十四歳以下の若年層について見ますと、八月の完全失業率が六・九%、九月につきまして若干下がりましたが六・六%でございまして、これは前年同月に比べますと〇・九%の上昇という状況にございます。
 また、高齢者の関係でございますけれども、高齢者につきましては、六十五歳以上の方は別にいたしまして、五十五から六十四歳層というところで見ますと、三・二%の完全失業率に対しまして三・六%ということでございまして、これも平均よりは高い数字になっているところでございます。
 また、有効求人倍率につきましても〇・六〇倍ということでございまして、昭和六十一年九月以来の低い水準でございまして、雇用情勢は厳しい状況が続いているというふうに考えております。
 今後の見通しにつきましては、円高の是正など明るい材料が出てきているわけでございますけれども、雇用情勢の改善につきましては、これは過去の経験から、景気の回復よりおくれるわけでございまして、そういう意味で、いずれにいたしましても当面は予断を許さない状況が続いていくのではないかというふうに考えているところでございます。
#8
○小山孝雄君 かつて有効求人倍率が一を切ったということで大きな社会問題になっておったことがありましたけれども、今〇・六〇倍。大変厳しい状況でございますけれども、私は、まさに資源に乏しい我が国が今日の繁栄を見ることができたのは人的資源が豊かだったからにほかならないと思うわけでございまして、働く人々こそ大事にする施策というものが本当に必要だと、このように痛感するわけでありまして、まさしく働く人々の汗に報いる、このことこそ忘れてはならない政治の原点であろうかと私は思うわけでございます。
 政治がこうした多くの国民の努力に報い、また自由で活力ある経済社会の創造を目指していくべきだと思いますが、このような観点からも、多くの国民が仕事がないというこの状態は一刻も早く脱していかなきゃいけない政治の重要課題だと思うわけでございます。
 大臣に改めて伺いますけれども、雇用対策の推進についてどのような取り組みをこれからなさっていくおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(青木薪次君) 現在の厳しい雇用失業情勢に対しましては、まず第一に景気循環的なものがございます。これは、一定の期間を経過いたしますと景気はよくなってくる、したがってそのうちに雇用問題等についても解決するということでありますけれども、今日の状態におきましては産業構造の変化によるところの構造的な問題もあると考えているわけでございます。
 したがって、このために改正業種雇用安定法によるいわゆる失業なき労働移動ということを考えているわけでありますけれども、失業者の早期再就職に努めるということと相まって、このいわゆる改正業種雇用安定法の問題に真剣にひとつ対応していく必要もあると考えておるところであります。
 さらに、雇用の創出を図るためには、今国会に提案をいたしましたところの中小企業労働力確保法というものを改正していただいた。そのことによって、今回の新しい対策をも十分に活用しながら、今後は雇用の安定のために全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#10
○小山孝雄君 今、大臣から労確法、この委員会で審議をして十一月一日から施行されているこの法律、私は大変すばらしい施策だと思います。特に、中小企業の人材育成・確保を支援して新たな雇用機会の創出を目指す、こういう点においてまことに時宜にかなった大変有意義な施策であると考えるわけでありまして、この制度が大いに活用されるよう心から願うものの一人でございます。
 申すまでもなく、我が国の中小企業は事業所総数の九九%を占め、そしてまた従業員総数でも七六%を抱える。産業構造の上で極めて大きな地位を占めているわけでございます。まさしく一社数千名を超える従業員を抱えるいわゆる大企業の雇用の安定、これも大変大事でございますけれども、七六%の従業員数といいますと、従業員総数五千四百万といたしますと、中小企業が賃金を払い、そして仕事を与えている従業員総数は何と四千万を超えるわけでございまして、雇用の面においてもやっぱり中小企業の存在というのは大変大きな存在だと、このように認識するわけでございます。
 私は、中小零細企業が我が国の産業界の下支えの役割を果たして、今日の経済発展の原動力になってきたと思いますし、そしてまた小回りがきくということで、知恵も汗もこの中小企業が出してきた、その力が今日の経済発展の大きな原動力だということを私は痛切に思うわけでございます。しかし、大変残念ながら、不況になりますと本当にいつも最初にしわ寄せを受けるのがこの中小零細小規模企業の皆さんでございます。私は、中小零細企業、小規模事業所が常に活力を失うことなく、時代の変化に機敏に対応していける環境を政治がつくることが日本の産業界全体の活性化につながると確信するものでございます。
 そこで、今大臣からお話のありましたいわゆる労確法、これは中小企業が事業革新を行ったり新規に開業しようとする場合に人材面からの支援を実施することが目的でありますけれども、この制度の活用ということを本当に本気で中小企業の特に経営者の皆さんにわかってもらうことが私は大変大事なことじゃないかと。
 先般、ある中小企業の経営者の皆さんが集まっておられる会合に出まして、こういう法律が通ったんですよ、十一月一日からこういう制度があるんですよと言ったら、正直言いまして、まだだれも御存じじゃなかった。そして、こういうすばらしい、いい制度ですよ、きっと各都道府県の安定課ではきちっとした対応をしてくれるはずですから遠慮なくどんどん相談に行ったらいいですよということの宣伝にこれ努めてまいったわけでございます。予算規模百十四億円、これも足らなくなるぐらいの申請がどんどん来るように、ひとつPRと施行のあり方についてぜひ御検討を賜りたいな、本気でお願いをしたいなと、こんなふうに思うわけであります。
 そこで、私は労働行政のいろんなことをかいま見てきましたけれども、非常にいい制度をたくさん持っていらっしゃいます。そして、予算もふんだんに、ふんだんにと言ったら怒られますかな、少なからぬ予算がある。しかし、意外と知られていない、利用されないままに終わっている制度はたくさんあるんじゃないかなという気がするわけでございます。特に、こういった大不況のときの雇用も創出し、大きな意義のあるこの労確法、ぜひ定着するように督励願いたい、こんなふうに思うわけでございます。
 そのPRの一つに、例えば中小企業団体の機関紙誌等々の活用、そしてまたその団体の会合にこちらから、行政側から出向いて説明に歩く、そういう営業努力が必要なのかなという気もいたしますので、この点もお考えをいただきたい。
 さらにまた、最近いろんなところで話題になっておりますインターネットなどという文明の利器もございます。実は、私も会館の事務所にインターネットを導入しまして、政治の現況、そしてまたこういった新しい制度ができたときに、こういう制度がありますよということをインターネットを通じて、今現在全国三百万の加入者だと言われております皆さんに情報を発信しようというわけで先般取りつけたわけでございます。
 これは、たまたまきのう読んだんですが、中央公論の十一月号に、本院の第一特別調査室特別調査員の畠基晃さんという方が「「情報革命」とは何か」ということを論じまして、この中でインターネットの普及、数年後にはもう数千万の加入者が出るであろうと言われておりますが、その普及が行政のあり方も政治のあり方も社会のあり方も変えるかもしれないというところまで言及された「「永田町」「霞が関」はどう変わる」という論文を発表されておりますけれども、こうした制度の活用ということもお考えをなさったらどうだろうか。とにかく国民にわかりやすい、いち早く丁寧に情報を伝えるということを行政としてぜひ心がけていただきたいということであります。
 そして、また、例えばこういう制度を利用しようとして中小企業の経営者の皆さんが行政の窓口に出かけていきますと、大体が余り愛想がよろしくない。労働省はそうじゃないのかもしれませんが、大体がそう言われております。そして、うるさいことを言われるともう面倒くさくなっちゃって、せっかくの制度も利用しないままに終わってしまうことが間々あるやに聞いております。また、かいま見てもまいりました。労働行政において、PRの方法、国民への周知徹底、そしてまた窓口の親切な対応を特に心がけていただきたいなということを強く思うわけでございます。お考えをお聞かせください。
#11
○政府委員(征矢紀臣君) 改正中小企業労働力確保法を十一月一日から施行いたしたわけでございますが、これにつきましては、御承知のように、中小企業者がまず雇用管理改善計画をつくっていただくわけでございますが、これは当然都道府県に御相談いただきましてその計画をつくり、これを都道府県知事が認定するということでございます。それに基づきまして助成措置等を講ずるわけでございますが、これにつきましては雇用促進事業団の雇用促進センターが具体的な実務を担当する、こういうことで県と雇用促進事業団が連携をとりながら対処していく、こういう仕組みになっているわけでございます。
 そういう中で、御指摘のように、この制度につきましてできるだけきめ細かく対応していく必要がある、あるいは各種の手続等をできるだけ簡素なものにし、かつその相談に応じていく、こういうことでございまして、そのために雇用促進事業団と都道府県とが連携を図りながら相談、援助を実施していく、そういう体制を整備しているところでございます。
 また、これとあわせまして、特に現下の厳しい雇用情勢を踏まえまして、雇用対策の全般的な周知を図ることとあわせて、特に今回、雇用機会の創出につながりますこの改正法に基づく制度の周知、これを重点的に行ってまいりたいということで、現在具体的に検討中でございますが、これは当然、公共職業安定所等職業安定機関を通じましてリーフレット等を活用した新たな制度の周知を行うこととあわせまして、テレビ、新聞、雑誌等各種の媒体を最大限活用した広範な周知活動も実施いたしたいというふうに考えているところでございます。
 具体的には、マスメディアの関係につきましては、テレビのスポット関係あるいは新聞、雑誌、ラジオ等、あるいは政府関係の広報、労働省広報あるいは都道府県等の広報その他というようなものがございまして、そういうものについてこれからいろいろ検討しながら、あるいは先生の御指摘も踏まえながら、その周知の方法についで具体的に工夫を凝らしながら実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#12
○小山孝雄君 安定局長、この窓口になるのはどこになりますか。私が、この制度を受けたいといったときに最初に行くところはどこになりますか。
#13
○政府委員(征矢紀臣君) 今回、この制度の適用につきましては、まず雇用管理改善計画、これは都道府県知事が認定することになっておりますから、したがいまして都道府県、具体的には商工労働部の中の職業安定課、あるいは商工関係の部門もございますが、そういうところで御相談をいただいて、この計画の認定を受けました後、具体的な助成措置につきましてはその手続を雇用促進センターが行う、こういう仕組みになっております。
#14
○小山孝雄君 職業安定課といいますと、都道府県庁になりますね。
 私は、きのう佐賀県の補欠選挙の応援に行って、佐賀県なんて、差し支えあったらごめんなさいですが、人口も少ないし小さな県で、ぱっと回ればもう全県下を一挙に回れるかなと思ったら、どうしてどうして広い。この前、私、自分の選挙のときは佐賀市内ぐらいしか回らなかったんであれだったんですが、各地を回ったらえらい広い。同僚議員でありました大塚清次郎先生が住んでいらっしゃったのは鹿島市というところですが、そこから県庁までは数時間、二時間以上かかるんですね。大きな県においてはまず行くだけでも大変な労力がかかると思いますが、すべてこれ都道府県庁の職業安定課でないと話が進まないんでしょうか。
#15
○政府委員(征矢紀臣君) 説明不十分で申しわけございませんでしたが、都道府県の職業安定課の下部機関といたしましては、御承知のように公共職業安定所がございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、公共職業安定所におきましてリーフレット等を作成いたしますので、それを活用して新たな制度の周知も行うことにいたしておりまして、そこで具体的な相談もできるように考えているところでございます。
#16
○小山孝雄君 じゃ、安定所でもいいんですね。いわゆるハローワーク、そこで具体的な申請の手続が進められるんですね。
#17
○政府委員(征矢紀臣君) 安定所におきまして具体的な相談には応じますが、実際上の計画自体は、先ほども申し上げましたように都道府県ということになっておりますので、その相談した内容等につきましては都道府県の方に提出をしていただく、こういう仕組みでございます。
#18
○小山孝雄君 そうすると、やっぱり最終的には県庁に行かなければならない、こういう理解ですが、その辺のところも安定所の窓口あたりででも事が進むようになればいいなという感じがいたしますので、御参考までに心にとどめておいていただきたいと思います。
 それから、時間も大分たってきましたが、別の案件に移らせでいただいて安定局長に再び質問させていただきますが、今現在いわゆる就職浪人、どれくらいいるんでございましょうか。
#19
○政府委員(征矢紀臣君) 恐縮ですが、手元に正確な資料がございませんので正確な数字を申し上げられませんが、最新時点で十三万人程度卒業してなお就職できない方がおられると思います。
#20
○小山孝雄君 十三万人、絶えず動いているでしょうから、正確なところはなくていいんですが、十三、四万人とすると、新規の学卒者は短大、大卒も入れまして今現在七十五万というふうに記憶いたしますが、四月に卒業した人たちの約二割がきょう現在もまだ仕事につけないというこの現状、これは非常に憂慮すべき状況だと思います。
 私が、ことしの五月に島根県のある団体の事務所に参りましたら、今までいなかった青年が働いているんで、あなたのような若い人がこの事務所に入ってくると活気が出ていいねという話をしたら、大変悲しそうな顔をして、いえ私はいわゆる就職浪人です、六月にこの団体の総会がありますのでそれが終わるまでのアルバイトでございます、これが終わればまた仕事がなくなりますと、こう言っておりました。じゃどこか大阪でも東京でも行ったらいいじゃないかと言ったら、いや、やってみましたけれどもかなった仕事がなかなかありませんでしたと、悲しい顔をされたときには本当に申しわけないなという気がいたしました。
 私が労働大臣秘書官室に座らせていただいているときに、いわゆる就職内定取り消し事件というのがございました。就職を決めた企業がその年の二月、三月になって内定を取り消すというあの事件でございます。当時は事件として取り上げられましたけれども、今ではどうも日常化しているような気すらするわけでございます。
 その当時、私が仕えましたのは村上正邦議員が労働大臣をなさったときでございますけれども、就職内定を取り消した企業名を公表しろ、果ては罰則を科せと、こう激しいことをおっしゃいまして、今ここにいらっしゃる当局の皆さんとテーブルをたたきながらその是正策について解決策を模索した、私も一緒になって加わらせていただいて議論した経験を今思い起こすわけでございます。当時の手帳を広げましたら、下手な短歌を書いておりまして、「卒業の頃となりしも若きらの就く生業のなきぞ悲しき」というふうなのがメモをされておりました。
 先般の委員会で末広委員でございましたか、御自分の体験の、学校を終えられて就職活動をなさっておられるときに、大阪の道頓堀でございましたか、目的がかなわず歩いていたときに、草花が石をのけて成長しようとしているその姿に打たれてまた頑張ろうという新たな決意をしたというお話も感銘深く聞かせていただきましたけれども、若い人たちが自分の能力にかなった、希望にかなった仕事が見出せるよう本当に心から願うものであります。
 三月だったですね、私が選挙の遊説から帰ってまいりまして新橋のところを歩いておりましたら、女子学生がデモ行進をやっておりまして、そのデモ行進のプラカードに私たちも働きたいのですという、みんな同じプラカードを持ってデモ行進をしておりました。米よこせとか賃金上げろとか、おれにも私にも食わせろとかそういう即物的なことじゃない、本当に人間として生きがいのある働きをしたい、働きたいという、そういう願いが込められているプラカードを見まして、一たん立ちどまって彼女たちのデモ行進を見送ったことがあります。
 実は、私にもことし大学四年生の娘がおりまして、同じ年ごろの子供を持つ親としても本当に身の切られる思いがしたところでございます。特に女子学生の就職はなかなか厳しいようでございます。自分の娘におまえの友達の状況はどうだと言って聞きましたら、やっぱりまだ男性よりは女子学生の方がはるかに決まっていないのが多いようでございます。
 人生のスタートに立っている青年男女に、ぜひ労働行政として支援を送っていただきたい。いろいろなことを既にやっていらっしゃると思いますが、さらなるこれからの進め方について安定局長ひとつお教えいただけますか。
#21
○政府委員(征矢紀臣君) まず、内定取り消しの問題でございますが、これは御指摘のようにできるだけ避けなければならない、そういう問題でございまして、公表も含めた厳しい対応というものをとりました結果、その後この問題につきましては余り大きな問題となることなく、今年三月卒につきましても対処することができたところでございます。
 ただし、御指摘のように雇用情勢が非常に厳しい中で、平成八年三月卒の新規学卒者の就職環境につきましてもなお非常に厳しい状況が続いておるものというふうに考えておりまして、このため二次補正予算におきましても、学生職業センターの設置されていない四十一府県に臨時的でございますけれども学生職業相談室を設置する予算をお認めいただきました。したがいまして、これにつきましてできるだけ早く業務を開始できるよう、現在関係府県におきまして設置のための準備を進めているところでございます。
 また、ことしの七月に続きまして、学生職業センターあるいはこのたび新設いたします学生職業相談室あるいは大学等を通じまして、十一月と来年三月に全国の求人一覧表を公開することとしております。そういうことによりまして、引き続き学生職業センター等におきましてきめ細かな職業紹介、相談等を実施してまいりたいというふうに考えております。
 また、応募機会の拡大を図るために現在までに二十六都府県三十三会場におきまして開催してまいりました就職面接会、これにつきましてもさらに十二月末までに二十府県二十八会場におきまして積極的に開催することといたしております。なお、年が明けましたらまた引き続き三月に向けまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、高校、中学関係の新卒者につきましては、九月末時点での求人倍率、これは高校で一・四〇倍、中学で一・四五倍ということでございまして、一は超えておるわけでございますが、従来に比べますとなお厳しい環境になっているところでございます。このため、採用選考日の早い高校新卒者のための早期求人の確保、あるいは高校と連携をとりました個別求人開拓等の積極的な実施をいたしているところでございます。
#22
○小山孝雄君 人生のスタート台に立つ青年男女が、本当に喜びを持って春を迎えられるようぜひ格段の御努力をお願い申し上げたい、こんなふうに思うわけであります。
 次に、能開局長にお尋ねをいたします。
 日本人の習性でしょうか、どうしても一つの流行、社会風潮というものに全体が無言の規制を受けるといいますか、例えばリストラというものが流行になれば、例えば百人の従業員を七十人にするという目的を立てると何が何でもしゃにむに三十人は首を切ろう、人員整理しようというふうに向かう。その中には有能な熟練した技能を身につけられた方もいらっしゃるとは思いますけれども、そういったこともあるわけでございまして、私はまさにそういった人を本当に大事にしなくちゃいけないと思うわけであります。
 そういう大変長引く不況の真っただ中にございますけれども、そうした中でも知恵を絞って汗を流して全従業員が一体となって収益を上げているという企業を最近ではあちこちで見かけるようになりました。
 私が一つ御紹介したいのは、唐津一さんの「産業空洞化幻想論」というPHPが出された本の中に、初めて知ったことでございますけれども、テレビだとかパソコンだとかあるいは新幹線ののぞみ号にいたしましても、すべてのところに使われているんだそうでございますけれども、電解コンデンサーという中に全世界の七〇%の割合で一社の絶縁体を使っている、それが日本の和紙だそうでございます。一番性能がいいのは日本の和紙で、土佐の和紙から生まれた紙だそうでございます。一枚わずか二円ぐらいの大変単価の安いものでございますけれども、全世界の七割をその会社のつくったものが使われているということですから大変な収益を上げている会社で、高知県にある中小企業であるということで、これも土佐の和紙を受け継いできた熟練技能者のしからしむところだと、こんなふうに思ったわけであります。
 さらに、また、きのうたまたま飛行機の中で読んでまいりました東洋経済の中に、「「重厚長大」の逆襲が始まっている。ヘビー級の三菱重工業は今九五年度、千五百五十五億円の営業利益を見込んでいる。トヨタ自動車の予想営業利益は千五百億円。十五年前、折からの造船不況に打たれ、息も絶え絶えだったはずの三菱重工が、同率首位で日本製造業の「利益ナンバ−1」の座につく」と。しかもすばらしいことに、あのアメリカのGE社、あそこは「何十という事業を売り払い、何万人という従業員の首を切った。しかし、三菱重工は一人の首も切らず、ただの一つの工場を閉鎖することもなく、「日本一」の高収益企業に変身したのである。」、これを非常に興味深く読んでまいりました。
 その一つに、三菱重工のヒロキというニックネームで呼ばれている広島工機工場、機械をつくる工場ですね、そこの五百五十人の従業員の悪戦苦闘というか、本当に工場長以下泊り込んで議論をし知恵を出して汗を流して、今まで万年赤字工場だったのが大黒字工場に転換したという、そういったことも書かれております。そして、その一番大事なことは、その中においてやっぱり首を切らなかったこと、そして現場を大事にしたこと、現場で技能、技術を身につけた熟練技能者を大変大事にしたということ、その人たちの意見を吸い上げたということも書かれておりまして、感銘深く読んでまいったところでございます。
 労働省には、職業能力開発局という機構がございまして大きなお仕事をなさっておられますけれども、伝統的な熟練技能者を大切にしていく施策について、その支援体制の整備をどう行っているか、ひとつ教えていただきたいと思います。
#23
○政府委員(伊藤庄平君) この高度の熟練技能を大切にしていくことにつきまして、貴重な事例等を踏まえた御指摘をいただきまして大変ありがとうございます。
 確かに、生産拠点が海外へ出ていく、そういったことが進む中で、一方若い人たちの間に製造業離れと申しますか技能離れ、そういった風潮が懸念されるわけでございまして、御指摘のように後継者が得られないまま技能者の高齢化が進んでリタイアしていく、そういったことを通じまして今までの我が国の産業活動を支えてきた高度の熟練技能が失われていくんではないかという問題につきまして、これは産業界からもいろいろ御指摘がございますし、私どもも危機感を持って大変大きな課題だというふうに認識しているところでございます。
 私ども、全国に展開しております公共の職業能力開発施設、ここにおきまして若年者を中心に技能労働者の養成に全力を上げているところでございますけれども、特にこれからの我が国の産業構造等を見てみました場合に、我が国の産業がどうしても高付加価値化あるいは新たな分野での事業展開、そこでの事業の創出といったことをやっていかなければならないわけでございますが、そういった産業活動を支えるためには非常にすぐれた技能、とりわけ機械では対応できないような精度の高い作業をこなす熟練技能、あるいは定型化ができない非常に工夫を要するといった創造的な要素を持った技能、こういったことが非常に大切にされて次の世代に継承されていかないとそういった産業活動にも支障が生ずるといったような問題があるわけでございます。
 私ども、こういった点を踏まえまして早急に、産業界のどんな分野にそういった継承すべき高度の熟練技能を持った方々がおられて、またそういった方々の後継者の育成がどんな形で行われているか、あるいは行われていないのか実態を調査してみたい、そういった調査結果を踏まえまして高度の熟練技能の継承のための支援体制の整備について検討に着手することを急いでまいりたいというふうに考えております。
 また、こういったことが円滑に進むためには技能が大事にされて技能を持った人が尊重される、そういった社会全体の機運を醸成していくことも大切でございますので、今月も予定しておりますが、現代の名工と呼ばれます卓越した技能者の表彰制度、こういったものについて一層の充実を図るなど技能者の社会的評価が高まるような努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#24
○小山孝雄君 今お話が出た卓越技能章、現代の名工と言われるあの制度なんかも非常にいい制度だと思います。
 私、この前田舎へ帰りまして、田舎は山形でございますが、私の同級生で中学校を卒業すると同時に指物屋のでっちに入りまして、そこで住み込みで二十年やりまして今一人でやっている同級生に会いました。そして聞きましたら、住み込みで仕事を覚えるでっち奉公の自分の後輩はいなくて、私もう五十一になりましたので今現在五十代で最も若い、本当に体の隅々まで技能を身につけた人のもう最後の世代ということで、そういう人を大いに顕彰することによって、またさらに、でっち奉公の住み込みじゃないけれども、新しい技能を身につけようとしている人たちの励みになろうかと思いますので、特に各地をめぐって伝統技能を身につけた工芸など、あるいは熟練した仕事を身につけた人たちの顕彰制度も大いにこれからさらに充実をしていただきたいなということを強く感じてまいりましたので、感想として申し上げておく次第であります。
 それから、次に中高年齢者の雇用問題について大臣に伺いたいと思います。
 その前に、安定局長、労働関係法で言う中高年齢というのは何歳を言うのでございますか。
#25
○政府委員(征矢紀臣君) 現在、法律につきましては、改正によりまして高齢者雇用安定法という、略称でございますがそういう法律になっておりまして、高齢者につきましては五十五歳以上の方、それから労働行政の各種助成措置の対象とする上限の年齢は一応六十五歳というふうな考え方の整理をいたしているところでございます。
#26
○小山孝雄君 中年というのは。
#27
○政府委員(征矢紀臣君) 中年といいますものは、したがいまして法律上はそういう年齢がないわけでございますが、一応四十五歳から五十五歳、そういう考え方をいたしております。
#28
○小山孝雄君 そうすると私ももうすぐ高齢者の部類に入るわけでございまして、ちなみに委員の先生方の年齢を今調べてメモしましたら、隣の坪井先生が五十六歳、足立良平先生が五十九歳、山東昭子先生はウン歳、笹野貞子先生はウン歳というわけで、委員の中ではきょうは御出席じゃないですが畑恵委員がこの辺に該当しないで、あとは全員が中高年齢層になるわけで本当に人ごとじゃないわけでございます。
 好むと好まざるとにかかわらず、これはもう高齢者人口構造の到来は目の前に来ているわけでございまして、中高年齢者の能力を生かす雇用対策というものは非常にこれからますます重要になってくるんじゃないのかな、こう思うわけでございます。青木大臣、ひとつお考えをお聞かせください。
#29
○国務大臣(青木薪次君) 急速な高齢化社会が今お話しのように進展をいたしてまいりますので、そのことに対応いたしまして我が国の経済社会の活力を維持していくためには、二十一世紀初頭までに希望すれば六十五歳まで現役として働くことができる、こういう社会を実現していくことが極めて重要なことだと考えているところでございます。
 このために、六十歳定年の問題については、六十歳定年制を基盤とした六十五歳までの継続雇用を推進するとともに、高齢者が多様な形態により働くことができるようにするためのいわゆる施策をつくりまして、そして実施していきたいと考えているところでございます。そして、今後とも高齢者の雇用、就業機会の確保のための施策が積極的に展開できるように努めてまいりたい、このように考えております。
#30
○小山孝雄君 ぜひひとつ、さらなる御努力をお願い申し上げておきます。
 時間も大分たってまいりましたので最後の質問でございますが、外国人の労働者問題、これは労働者というよりも一つは外国人技能実習制度という、これも創設するに当たって私もいろいろと勉強させていただいた経緯がございますが、既にスタートをして二年、三年ぐらいになりましょうか、今その実習制度がどのようにどれくらいの規模で実施されているのか、現状。さらにまた、この問題には今研修生の皆さんが日本に滞在できるのは二年間という制約がありまして、さらに三年までしてほしいという、こういった要望も多々あるわけでございますけれども、いずれにいたしましても技能実習制度の活用現状、これは能開局になるんでしょうか、ちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#31
○政府委員(伊藤庄平君) 御指摘のございました技能実習制度につきましては、企業の生産ラインなど実践の場について技能を身につけ、それを開発途上国へ持ち帰ってそれぞれの国の産業発展に寄与していただく、そういった人づくりに協力することを目的といたしまして平成五年の四月から実施に入っているものでございます。
 この制度の活用状況でございますが、平成五年それから平成六年度の二年間を通じまして、技能実習を希望している方が三千三百二人ということで、このところ着実に利用が伸びてきておるところでございます。
 私ども、この技能実習制度は、先進国としての、また国際的な社会との調和を図っていく観点からも人づくりの協力という意味で非常に大切な制度だと思っております。今後も、これらの制度の利用状況、活用状況等十分把握しながら、先ほど御指摘のあったような要望についても私ども承っておりますので、いろいろこれから制度の活用のために種々検討を加えながら、効果的に活用してまいりたいというふうに思っております。
#32
○小山孝雄君 この制度は、我が国の技術、技能を海外に移転するということで始まった制度であります。どうか多くの企業において活用され、我が国のすぐれた技術、技能が世界各国に発信されるよう願ってやまない次第でございます。
 最後に、これは大臣にお尋ねをしたいのでございますが、九月号だったでしょうか朝日新聞のアエラという雑誌に「忍び寄る雇用不安」とありまして、「労働省はもはや不要なのか」という大きな見出しが躍っているのを見まして読んでみました。編集部の方が書いたものです。最後のところには、「ある幹部は、自嘲気味にこう語った。「労政局は首相官邸、労働基準局は警察、婦人局は総理府、職業安定局は厚生省、職業能力開発局は文部省。それでは労働省はいらないということになる。それは困るんだ。なんとかしないとならないんだけど……」というような、だれが言ったのか、本当に言ったことじゃないのか、言ったことじゃないと思っておりますが、こんな記事も載っております。
 しかし、私は今段々申し上げましたように労働行政の大切さというものを本当にわかっているつもりの一人でございます。労働省設置法の第三条には「労働者の福祉と職業の確保とを図り、もつて経済の興隆と国民生活の安定とに寄与する」、こううたっております。さらにまた、憲法の二十七条には勤労の権利と義務、勤労することは権利だということも書かれております。そうした憲法の精神を生かすのも、具体化に資する仕事も労働省の大きな使命であろうと思います。こういう暴論が公にされたときには、ぜひすかさずこれは労働省としてその記者を呼んで説明をするなりあるいは出かけていくなり、その努力が必要だろうと思います。
 労働行政のこれからさらに最高指揮官としてお続けになられる労働大臣の決意のほどを、今こうした暴論に対して反論してないとすればその反論の意味も込めましてお考えをお聞かせください。それを申し上げて終わりにいたします。
#33
○国務大臣(青木薪次君) 労働省はどういう役所だということを問われるならば、第一に働く人たちの雇用の安定ということをまず重要に考えなきゃいけない。それから、健康と安全の確保ということが極めて重大なことである。それから、今いろいろ言われておりますように、男女の雇用機会の均等というような問題等についても特にやはり重要な課題であるというように考えているわけであります。
 そういった国政の重要な課題に取り組んでいるところでありますけれども、やはりいろいろな報道とか記事が出ることがあるわけでありますが、そういったことについては正すべきは正すべきであると思うのでありまするけれども、やはり安心して働ける豊かな勤労者生活の実現を図るためには、いろいろな課題に当たっていくことのできる行政の力をひとつ全面的に展開しなきゃならぬというように考えているところでございます。
 こういうような問題等について、いろいろな意見が出てくることがあるわけでありまするけれども、私どもは問題のいろいろな意見についてはそれ相当に対応いたしておりますけれども、やはりいろいろな勘違いとか思い違いというような問題等については正すとともに、今後とも労働行政は、今日不況といえばとにかく雇用、失業問題が起こるといったぐあいに、究極はやはり勤労者に対してしわ寄せをされるというようなことについて深く配慮しながら今後とも対応いたしてまいりたい、強い決意で対応いたしてまいりたいと思います。
#34
○小山孝雄君 今の御決意を伺いまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#35
○武田節子君 平成会の武田でございます。
 私は、まず、相変わらず好転の兆しの見えない雇用問題についてお伺いいたします。
 私は、どちらかというと労働省の雇用政策は雇用調整助成金による失業防止など、下支え、後追いによる雇用対策が多いかと思います。確かにこれらの対策に対して、一人も失業者を出さないという強い信念で取り組まれていることも承知いたしております。けれども、雇用と景気は表裏一体の関係にあることから見れば、景気を左右する経済対策、金融政策あるいは外交政策がどうなるかで雇用に大きな影響を及ぼしてまいります。したがって、雇用拡大の視点から労働省としてそれらの政策にどんどん進言していくべきではないかと思いますし、また失業を予防するという観点から積極的な雇用政策を展開していくべきではないかと思っております。
 そこで、まずお伺いいたしますけれども、産業・雇用の空洞化の原因についてどう考えておられますか、その対策についてどのように講じられておりますか、お伺いいたします。
#36
○政府委員(征矢紀臣君) 円高の進行等を背景といたしまして、生産拠点の海外移転等に伴い国内の従業員数が減少している、そういう産業、企業も御指摘のように見受けられるところでございまして、私ども非常にその点を心配しながら行政を進めているところでございます。
 こうした生産拠点の海外移転等に伴います国内雇用問題の発生を避けるためには、新たな雇用の創出、これが非常に重要でございまして、この点につきましては、ただいま御指摘にもございましたように労働省の行政だけで対処できるものではございません。産業全体、今後の日本の経済がどういう方面で発展していくか、そういうところをきちんと対応していかなければならない非常に重要課題でございます。そういうこととあわせで新たな雇用の創出を図るとともに、やむを得ず労働移動する際に失業しない形で対処できる、こういうことも極めで重要であるというふうに考えているところでございます。
 このため、労働省といたしましては、さきの国会で成立いたしました改正不況業種雇用安定法に基づきまして、労働者ができるだけ失業することなく労働移動することを支援するとともに、失業された方々につきましての早期再就職に最善の努力をしているところでございます。
 また、このたびの経済対策の一環としまして、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出を図るため、そういう視点から中小企業労働力確保法の一部改正案を今国会において改正をしていただいたところでございますが、今後これらの新しい対策も十分活用しながら雇用の安定のために全力で取り組んでまいりたいと思います。
 また、あわせまして今後の新しい産業の創出、そういう点につきましては、今後ともそういう事業所管官庁とも十分連携をとりながら対応してまいりたいというふうに考えております。
#37
○武田節子君 いろいろ対策を講じられていることは理解いたしております。
 私は、円高で輸出が採算に合わなくなって必要に迫られて生産基地を海外に移転するのでしょうけれども、産業の空洞化は我が国経済をゆがめてしまうのではないかという懸念をいたします。もっと抜本的な対策として、先進国と途上国間の労働生産性、賃金生産性の格差をなくす努力がなされなければ、本当の意味での産業の空洞化を食いとめることは不可能ではないかというふうに思っております。
 企業側から見た場合、賃金、労働力も含めた労働条件の格差があるから企業は日本から逃げていくわけでしょうが、低賃金で長時間労働、若年者の大量労働人口という後進国、途上国の労働市場、生産市場に対して労働条件や環境としての平等性、対等性、均一性がもたらされるよう働きかけることがグローバルな見地から見て産業空洞化の抜本的対策として大変必要なことではないかと思っております。そして、この点についてはILOなどの国際機関を積極的に使って働きかけることも大事ではないかと思っておりますが、いかがでございましょうか。
#38
○政府委員(渡邊信君) 途上国の労働条件につきましては、アメリカやフランス等一部の先進国が、人権の観点あるいは公正な貿易の確保の観点等から途上国の労働基準の引き上げを求めるいわゆる貿易と労働基準の問題を提起しております。
 一方、この問題につきましては、途上国を中心に保護主義につながるものではないかといたしまして強い反対のあるところであります。ILO等の国際機関の場におきましても現在議論が行われておりますが、いまだコンセンサスを見るに至っていないというのが現状がと思います。
 したがいまして、我が国といたしましては、この問題については今後ともILO等の場での議論の推移を見守っていきたいというふうに考えております。
#39
○武田節子君 失業防止は労働省の大きな役割ですけれども、失業予防のための中長期視点で、産業空洞化の抜本的防止対策のため積極的に対応していただきたいと思います。
 例えば、ODAの労働省所管の予算も積極的に要求しで、途上国の労働条件の向上を図るため検討していく必要があるのではないかと思います。また労働省としての内需拡対策としては、私は最低賃金及び最低工賃の引き上げは内需拡大に大きく効果があるのではないかと思います。賃金の上昇は逆に産業空洞化につながるとの懸念があるのではないかと思いますけれども、ここは発想を転換して、最低賃金及び最低工賃の上昇は波及効果が大きく、内需拡大に大きな効果があることを注目すべきであると思います。
 最低賃金については毎年見直しが行われていますけれども、例えば賃金については春闘で民間のベースアップが行われ、それをもとにして国、地方の人事院勧告が行われるわけですが、最低賃金はそれを上回る上昇率を断行していくべきであると思いますけれども、いかがでございましょうか。
#40
○政府委員(松原亘子君) 最低賃金制度は、先生も御承知のとおりと思いますけれども、賃金の低廉な労働者につきまして労働条件の改善を図り、これによって労働者の生活の安定に資するということなどを目的としているものでございます。そして、最低賃金の額の決定についてでございますが、これにつきましては最低賃金法によりまして労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定めるということになっているわけでございます。
 具体的には、そういったことを勘案いたしまして、公労使三者構成の最低賃金審議会というのがございますが、その最低賃金審議会におきまして、各地域の中小企業の賃金実態を調査いたしますが、そういった調査結果ですとか関係労使の意見聴取を行うなどいたしまして意見を取りまとめていただくわけでございますが、その意見を尊重いたしまして決定をしているというものでございます。
 ちなみに、過去の最低賃金の引き上げ率、これは例えば地域最賃、都道府県別に適用されます地域最低賃金というのがございますけれども、その最低賃金の過去の引き上げ率をずっと見ますと、一般の賃金の引き上げ率ですとか、また人事院勧告、その人事院勧告で示されました引き上げ率をおおむね上回っているというような状況になっているところでございます。
 労働省といたしましては、この最低賃金制度につきましては、最低賃金審議会の審議結果を十分尊重しながら決定等に当たってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#41
○武田節子君 いろいろの御努力、大変ありがとうございます。
 次に、私は金融政策についても労働省は積極的に関与して意見を述べていただきたいと思います。金融政策は大蔵省の専売特許ではございません。私は、今日の金融不安は明らかに大蔵省の金融政策が適切でなかったことに大きな原因があると思います。
 例えば、住専の融資先であります不動産業、建設業は七百万人の雇用を創出していますけれども、今日の金利の低下で銀行関係は膨大な利益を上げておりますけれども、これら不動産・建設業は不良債権処理能力も弱く、大変な苦境にございます。ひいてはこれが失業の増大にもつながっています。雇用拡大政策につながるように金融政策についても労働省は進言していくべきだと思います。
 具体的に申し上げますと、現在日銀法に基づいて政策委員会が設置されていますけれども、実質的には公定歩合の金利操作もここで決定されています。メンバーを拝見しますと、七人で構成されています。ほとんど金融と借り入れ側の関係者です。これでは金融と借り入れ側業界の利益誘導の政策が進められるのではないかと疑念を持たざるを得ないわけでございます。そうしたメンバーでございます。
 私は、日銀法を改正して構成人員を大幅に変えで、ここに労働省、厚生省、郵政省の各代表と民間の学者、消費者団体、労働者などの代表等もメンバーになっていくべきだと思います。労働省としてはいかがでございましょうか。この日銀法の施行は昭和十七年の法律第六十七号でございますけれども、戦前ですから、その後社会状況も金融界も激変しているわけでございます。これらの問題は労働省の問題ではございませんけれども、労働省としてもそういったところにぜひ御発言をして、構成人員も変えていくような行動もしでいただきたい、こう思います。労働省、そしてあわせて大臣の御所見を伺いたいと思います。
#42
○国務大臣(青木薪次君) 金融問題についではいろいろ今国民の最大関心事でありますけれども、特にこれはお説のように大蔵省だけの問題ではないと考えます。最近の金融機関に関する問題については政府全体の大きな問題だというように認識をいたしておる次第でございまして、こういう点から私としても内閣の一員としてその解決に協力しでまいりたい、こんなぐあいに考えております。
#43
○武田節子君 ぜひ力強く御発言等お願いしたいと思います。
 次に、ILO百五十六号条約についてお尋ねいたします。
 女性の就業意欲が近年特に高まってきておりまして、その能力発揮が十分行えるような環境の整備というものがますます重要になってまいります。これには仕事と家庭の両立支援の充実、男女雇用機会均等の確保といった二つの課題があると思いますが、これについてお伺いいたします。
 まず、仕事と家庭の両立の問題でありますけれども、長年の懸案でありましたILO百五十六号条約がさきの常会で承認案件として提出されて、国会の承認を経てようやく批准の運びとなりました。男女平等に向けて一歩前進と評価したいと思います。
 しかし、法整備がなされたとはいえ現実問題として仕事と家庭の両立には困難がつきまといます。民間シンクタンクの調査によりますと、働き続ける意欲は強いのに子育てと仕事とを両立させる制度が不十分で一たんは退職せざるを得ない、いわゆるM字型という働き方が見られるといいます。これが女性の地位向上を阻む大きな要因の一つとも言えると思うんですけれども、長く働き続けるための職場の条件や制度が不十分であるとの声が高いのですが、育児休業制度が実施された後もなおこうした声が高いのはなぜでしょうか。どの辺に問題があるのでしょうか。これらの声にお答えください。
#44
○政府委員(太田芳枝君) お答えいたします。
 育児休業制度の実施後の状況でございますけれども、先生御承知のとおり、平成四年四月一日に施行されました育児休業法に基づきまして、私どもといたしましては育児休業制度の定着を図ってきたわけでございます。そして、本年四月一日からは、これまで適用猶予となっておりました常用労働者二十人以下の事業所も含めまして育児休業法が全面適用になったわけでございます。
 また、雇用保険による育児休業給付がことしから支給されることになりましたし、本人の申し出によりまして育児休業期間中の社会保険料の本人負担分も免除されることになったわけでございます。またさらに、さきの通常国会におきまして介護休業制度の法制化もしていただいたわけでございまして、職業生活と家庭生活の両立支援につきましては法制度がかなり充実してきたというふうに考えておるところでございます。
 労働省におきましては、これらの法に基づきまして両制度が定着し、円滑に運用されるようきめ細かな相談、指導を実施しでおりますとともに、雇用保険によります育児休業給付の支給、それから育児・介護休業者の職場復帰へのプログラムの実施奨励金の活用などによります育児休業、介護休業を取得しやすくかつ職場復帰しやすい環境づくり、またさらに介護・育児のためのサービスを利用します従業員に対しましてその費用を補助いたします事業主に対する助成金、事業所内の託児施設を設置する事業主に対する助成金の支給などによりまして、育児・介護を行う労働者が働き続けやすい環境づくり、それからさらに育児・介護等のために退職した者に対しまして再就職の支援など労働者の仕事と育児・介護との両立を支援するための対策を総合的、体系的に推進しているところでございます。
#45
○武田節子君 よろしくお願いいたします。
 次に、男女雇用機会均等法の問題でありますけれども、均等法の見直し論議が、十月二十五日から婦人少年問題審議会の婦人部会が再開したとのことでございますが、その背景と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
 まず、均等法が施行されて十年になりますが、この間、法の問題点が指摘されておりまして改善を求める声が上がっています。そういった声を整理してみますと、募集、採用、配置、昇進の際の男女の均等取り扱いについて努力義務規定にとどまっている点、法違反に対する罰則がない点、紛争解決の手段としての調停が会社側の同意がないと開始できない点が主なものでございます。こうした法の不備が男女差別の解消いまだ不十分なままにとどまらせ、さらに今日の女子学生の就職難を引き起こしているとの指摘もございます。この指摘についで労働省はどう考えておられるのでしょうか。
 また、こうした問題点に加えて、コース別管理の問題がございます。女性を採用から排除し、採用、雇用管理での男女差別に悪用するなど、均等法逃れに利用されているとの指摘も絶えません。労働省でもコース別管理によって男女差別になりかねないケースが目立つとして調査を始めたと聞きますが、その結果はどうだったのでしょうか。目に余ると判断されるような事例がもしあったら御紹介していただきたいし、またどのような改善策をとったのか、それに対して企業は従ったのでしょうか、コース別管理問題は現行制度下で十分対応可能なのでしょうか、この点についてお伺いします。
 こうしたコース別管理は今回の審議会のテーマの一つにもなっているのでしょうか、あわせてお答え願いたいと思います。
#46
○政府委員(太田芳枝君) 均等法の見直しにつきましては、婦人少年問題審議会での議論が再開された、先生の御指摘のとおりでございます。
 労働省といたしましては、その審議結果を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。そして、現在の均等法が男女差別の解消を不十分なままとどまらせているのではないかという御指摘でございますが、近年の雇用情勢を背景に、女子学生の就職に関しましては男子学生に比べて不利に取り扱われる事案が見受けられるわけでございます。労働省におきましては、平成六年四月に均等法に基づく指針の一部を改正いたしまして、採用手続について均等な取り扱いを新たに事業主の講ずべき措置として定めたわけでございます。また、今後ともそういう均等法の趣旨、均等法とその指針の周知徹底に努めてまいりたいと思います。具体的に問題のある企業を把握いたした場合には、婦人少年室におきまして必要な指導を行っているところでございます。
 それと、もう一つコース別雇用管理制度についての御質問でございましたが、コース別雇用管理制度は、本来は労働者を意欲、能力、適性によって評価し、処遇するシステムの一形態であるというふうに考えております。しかしながら、制度の内容とか運用実態におきまして、均等法上問題があるものもあるわけでございまして、このコース別雇用管理の望ましいあり方というものを示しまして、必要な指導を行っているところでございます。
 特に本年度におきましては、コース別雇用管理を導入している企業におきまして望ましいあり方に沿った運用がされているかどうかを事情を聴取しております。現在、婦人少年室の方でそういうコース別雇用管理制度を導入している企業に出かけていって、事情を調査しているところでございます。
 そしてまた、このコース別雇用管理制度は審議会のテーマになっているのかという御質問でございましたが、均等法の見直しにつきましては、先ほど申しましたように審議会での議論が再開されたところでありますので、具体的な内容につきましては、どのような課題を検討すべきかも含めまして、労使に十分御議論をいただきたいというふうに思っております。
#47
○武田節子君 ありがとうございます。
 現行法では、都道府県婦人少年室長は、関係当事者双方または一方からの解決の援助を求められたときは必要な助言、指導または勧告ができるとなっておりますけれども、実質的には、相手に拒否されればそれ以上の進展は望み得ない。
 見直しに際して、是正、勧告、命令できるよう勧告権、調査権を各都道府県の婦人少年室に与え、専門の調査官を各都道府県に一人以上置くようにしていくべきだと私は思いますけれども、いかがでございましょうか。
#48
○政府委員(太田芳枝君) 先生のただいまの御意見も、今後の議論の一つとして参考にさせていただきたいと思います。
#49
○武田節子君 ぜひよろしくお願いいたします。
 さらに、今回の見直し論議の中で気になるのは、基準法の女子保護規定の見直しもあわせて論議されているという点でございます。何か使用者を納得させるために、均等法見直しと引きかえに女子保護規定を緩めるというような懸念も持たざるを得ません。
 そもそもILO百五十六号条約、男女労働者、特に家族的責任を有する労働者の機会均等及び平等待遇に関する条約の基本理念は、私は要するに、近代の幕あけから二十世紀の今日に至るまで、人間社会は科学技術の発展、産業、経済の成長など量的な拡大を主眼とする進歩主義への強力な信仰によって支えられてきたと言えるのではないでしょうか。しかし、その結果、そこには思わぬ落とし穴が待ち構えており、進歩主義の夢を追い求めているうちに、未来のために現在が、成長のために環境が、理論のために人間がないがしろにされてしまいました。そして今世紀の悲劇がもたらされたと思うわけでございます。
 そこで、二十一世紀への警鐘の一つとして、国連の名において、国際社会における平和、開発、平等の実現のために、男女の機会、待遇の均等の実施を目指してこのILO百五十六号条約も提唱されたものと私は理解しております。
 そうした歴史的事実を踏まえて、今こそ人間が人間らしい生き方、働き方を問い直す上で、労働問題を考えていくべきだと思っております。
 女子の中にも、男性並みに昇進昇格するには必要最低の保護規定を除き廃止すべきとの声もあることも承知しております。しかし、それが長時間の労働や深夜労働を意味するものであってはならないのではないでしょうか。長時間労働や深夜労働は、女性に限らず男性にとっても甚だ苦痛であり、健康を害し、過労死が多発し、また家庭崩壊の原因にもなっております。
 したがいまして、女性を男性に合わせるのではなく、むしろこうした苦痛を減らすことこそが必要で、現行の時間外労働や深夜労働のあり方の検討がなされてしかるべきだと思います。例えば、時間外労働に関し現行目安時間の短縮あるいは法的な限度の設定など、例えば基準法の規制強化、三十六条の撤廃、監督の強化等、男女を問わずよりよい環境で働けるような観点からの検討も並行して行われるべきと思います。
 男女がともに家事責任を担えるような労働時間短縮がぜひとも必要であると思いますけれども、いかがでございましょうか。
#50
○政府委員(松原亘子君) 労働時間の短縮は、豊かでゆとりある生活の実現という観点から極めて重要なことだというふうに考えているところでございます。
 つまり、豊かでゆとりある生活を送れるような社会を実現するということのためには、老若男女を問わず職場、家庭などの時間的なバランスがとれ、自己実現が可能となるような社会システムが実現されるということが重要であるというふうに考えているわけでございます。そういう観点から、政府といたしましては、年間総労働時間千八百時間の達成ということを目標にいたしまして、各種施策をこれまでも展開いたしてきたところでございます。
 もちろんのこと、男女を含めて労働時間の短縮が図られるということは極めて重要なことだと私どもも考えておりまして、労働省といたしましても引き続き労働時間短縮のための施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#51
○武田節子君 大臣にお尋ねいたしますけれども、均等法、女子保護規定の見直しとも労使で見解が対立しており、審議会では激しい議論が行われることが予想されていると聞いております。
 審議会で検討されるということで、労働省としての立場から明らかにできないかもしれませんが、ここはひとつ男女労働者の人命尊重という立場に立って労働省は強い指導力を発揮し、実効性ある見直しが実現するように望みますが、お答えいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(青木薪次君) 今お話しのありました均等法の見直しについては、労働基準法の女子保護規定とあわせて婦人少年問題審議会で現在御討論を願っでいるところでありまして、この審議が再開されたところでありますけれども、その審議結果を踏まえて対応いたしたいと考えているところであります。
 労働省としては、今先生の御意見等も参考にしながら、労使が十分御議論を、いろいろ踏まえた対応をしながら、今後有効な方策をお示しくださることを願いながらこの審議会の行方というものを十分見守ってまいりたい、こんなぐあいに考えております。
#53
○武田節子君 ありがとうございます。
 次に、育児休業給付金、高年齢雇用継続給付金の給付の状況についてお伺いいたします。
 先般、「今春新設の育児休業給付金 大都市で支給遅れ目立つ」との報道がなされていました。その背景には、同時に新設された高年齢雇用継続給付も重なり、事務処理がおくれ、八月以降に始まることになっていた支給が特に大都市部でおくれているとのことでございますが、その状況について労働省より御報告をお願いいたします。
#54
○政府委員(征矢紀臣君) 育児休業給付の支給についででございますが、この制度は本年四月から発足いたしたわけでございますが、具体的には本年八月から十月までに最初の支給申請を行うこととなっておりまして、現在この時期に行われました支給申請について取りまとめを行っているところでございます。
 御指摘の事務処理の遅延問題につきましては、一部で報道されているところでございますが、この報道につきましては必ずしも正確でない部分もございまして、高年齢雇用継続給付も含め、申請書が提出されれば速やかに支給決定の処理が行われているというふうに聞いておりまして、したがって、私どもといたしましては、支給事務について遅延している状況にはないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この新しい給付の支給につきまして、できるだけ円滑な事務処理が行われるよう今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#55
○武田節子君 聞くところによりますと、担当職員の方は毎晩十時ごろまで働いてもなかなか事務処理は進まないと聞いております。現場サイドからは急な人員増などの要求はできるわけではございませんので、受給者にとっても予定した収入が入らず、生活設計が狂わされては大変に迷惑でございますし、窓口の職員の方にとっても毎晩遅くまで働いて過労死でもされたらこれはまた大変なことでございますので、このような場合、上層部がきちんと対応して解決を図っていくべきではないかと思っております。
 例えば、日本で一番大きい職安と言われる飯田橋職安ですと、雇用保険給付課は二十人で対応しています。ほかに百五十人の職員の方がいます。他の部署から応援体制を組んでいくとか、あるいは東京都の雇用保険部には百十名、職業安定部には六十三名の職員の方がいますが、この中から応援体制を組んでもよいのではないでしょうか。この方たちでしたら、これらの給付に関する専門家ですからすぐに対応できます。緊急な応援体制を組んで機動的な対応はできないものでしょうか。いかがでございますか。
#56
○政府委員(征矢紀臣君) 御指摘のとおりでございまして、この新しい雇用継続給付の支給事務につきましては、ただいま御指摘もございましたが、大規模所を中心としまして各公共職業安定所において機動的に応援も含めた体制整備を行い、支給事務の円滑な処理に努めているところでございます。
 具体的な例としまして、例えば飯田橋公共職業安定所の問題、御指摘ございましたが、ここにつきましては、東京都の雇用保険部から二名の応援を出しまして、所内におきましても他の部門、求人部門あるいは求職部門、庶務部門等から機動的に応援を出しながら対処しているところでございます。あわせまして、その他の相談員も活用しながら対処いたしているところでございます。
#57
○武田節子君 労働大臣、現場サイドは大変なんです。失業保険給付者だけでもバブル時代の倍以上の給付件数があります。これだけでも大変な作業です。その上新規給付の事務処理とパニック状態なんです。未処理の申請書が段ボールで山と積まれております。大臣からも早急に対応していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#58
○国務大臣(青木薪次君) お話にありました育児休業給付及び高年齢雇用継続給付については、その支給が円滑に行われるように各公共職業安定所において、今征矢局長からも話がありましたように、機動的に体制整備を行っているところであります。今後も円滑な事務の処理が行われるように指導してまいりたい、このように考えております。
#59
○武田節子君 上野公共職業安定所においては、四月から七月までの受給者に対して、十月二十二日現在九十一人の受給確認を行っていますが、被保険者は二十一人しか申請しておりません。このままですと七十名の方が受給できなくなります。どうしてこのようなことが起きるのか、この原因は何なのか。被保険者は十月三十一日の申請締め切りまで何人が申請したのか、もしこれに間に合わなかったら政府は救済を講ずべきと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#60
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま上野公共職業安定所の具体例についてお尋ねでございますが、上野公共職業安定所管内におきまして育児休業給付の支給を受けられると見られる方につきましては十月末日現在で九十六人となっておりまして、現在そのすべての方について支給申請が行われたという報告を受けております。
 したがいまして、十月三十一日の支給申請の締め切りまでに支給申請が行われず、支給が受けられないという事態は生じていないのではないかというふうに考えているところでございます。
#61
○武田節子君 大企業とかしっかりした事業主であれば大丈夫なんですけれども、中小企業においては、制度を知らなかったり、あるいは一人で何役もやっている社長は多忙の中で申請がおくれたりして受給できなくなるようなことが心配されます。労働省はそのようなことがないようにいかなる対策を講じるつもりですか。
 あわせて、この新しい制度については受給者の立場に立って周知徹底を行うべきと思いますけれども、どのような方法で行っておられますか、お伺いいたします。
#62
○政府委員(征矢紀臣君) 育児休業給付の支給申請につきましては、これは御承知のように本人がこの支給申請を行うこととなっておりまして、仮に本人の申請に先立って事業主から賃金にかかわる証明が行われない場合につきましても、公共職業安定所の調査により支給決定を行うこととし、給付にかかわる受給権の保護を図っているところでございます。
 この具体的な事務につきましては、事業主がかわってやる仕組みと合わせまして、ただいま申し上げましたように本人が行うこともできる、こういう仕組みになっているところでございます。
 それから、この育児休業給付につきまして、本人が支給申請を行えば、仮に事業主が賃金にかかわる証明を行っていない場合においても給付を行うこととしておりますのでそういう実態は生じないと思いますが、ただ先生御指摘のとおり、育児休業給付にかかわります。知徹底につきましては、これは極めて重要な問題でございまして、現在までにおきましてもその周知徹底に最善の努力をしてきたところでございますが、引き続きあらゆる機会をとらえまして、この制度のPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
#63
○武田節子君 最善の方法のうちの幾つかを教えてください。
#64
○政府委員(征矢紀臣君) PRの方法といたしましては、全国的に新聞、テレビ等を通じた広報、あるいは事業主に対する説明会の実施、その他各種の方法による周知を行っているところでございます。具体例といたしまして、東京都の場合でございますが、事業主等に対する説明会、これを二百回近く実施いたしております。テレビ番組で四回、新聞広報八回、あるいは関係雑誌で十九回掲載、あるいは地下鉄の車内ポスター、あるいはSL自動車を使用した都内周知活動、そんなような形でいろんなPRをしているところでございます。
#65
○武田節子君 テレビの時間帯は、どんな時間でしていらっしゃるんでしょうか。
#66
○政府委員(征矢紀臣君) 具体的な時間帯を承知しておりませんが、これは例えば、ゴールデンタイム等で非常に人が多く見る場合に、その間について一定の時間をとって放映するとか、そんなことで対処しているようでございます。
#67
○武田節子君 ゴールデンタイムですから費用は大変だと思いますけれども、ぜひとも周知徹底をよろしくお願いいたします。
 大臣の学歴不備についてお尋ねいたしたいと思います。
 去る十月二十四日、閣議後の記者会見で学歴不備があった問題についで釈明され、東海大中退とあったのは誤りだと述べられ、参議院要覧の訂正をなされたようでございますが、そのいきさつについて御説明いただけますでしょうか。
#68
○国務大臣(青木薪次君) 私は、昭和十七年に国鉄に入りました。そして、助士を経て東海道線の蒸気機関士になりました。当時は、それこそアメリカのグラマンに機銃掃射を毎日かけられるというような状態でもありました。
 そういう中で、勉学の機会というものは非常に少なかったために同僚相寄って、終戦以降、硝煙たなびくような時期に、何としてもひとつ戦争中の勉学の機会というものを取り戻したいという話し合いをいたしました。
 そこで、職業をやめて東京へ行って勉強するのか、あるいはまた地元にいて仕事をしながら、職業につきながら勉強するかという点についてもいろんな相談のあったところでありますが、私たちはやはり今職業をやめるわけにいかない。したがって、どこかないかということでいろいろ相談したところ、東海大学の前身である東海科学専門学校で夜間部を開設するという募集がありました。そこで、みんなで、ほかにはもう戦争の後ですからなかったものですから、そこへ行くことになりました。
 しかし、市内から市外へ行くには約八キロぐらいあったでしょうか、その間交通の機関もありません。自転車もろくになかったような状態でありますから、そういう状態でトラックを毎日のように運転してもらって、その荷台にみんなを詰め込んで通いました。雨の日も風の日も、かっぱをかぷって毎日通ったわけであります。
 ちょうど昭和二十年の八月十五日に終戦です。それから昭和二十一年、まだ硝煙たなびくような情勢でありました。そういうときに労働組合運動もマッカーサーの指示に従ってできてまいりました。私も翌年の夏にそういう方向で指導的地位につくということになったものですから、これはまた両道は行けないので通うことをやめなきゃいけないということでありました。しかし、このときに苦労して勤労学生として通ったということの心には誇りというものがございました。そして、これはいろいろ運動をやりながら勉強するという方向に切りかえたのでありますが、その後ずっと意に介さずにやってまいりました。
 昭和四十九年に第一回の当選がありました。そのときの選挙で、卒業しなかったから中退ぐらいに考えておりましたけれども、それも気がつかずに、私は鉄道に入る前には准教員養成所の教員検定試験を受けておりまして、こういうところのものをひとつやったらどうかというような同僚の意見や、あるいはまた選挙対策の事務局の皆さんがいろいろ考えて、この当時は准教員養成所修了という形で出しました。二回目の選挙のときが昭和五十五年でありました。このときもやはりそういう形で同じように出しました。
 しかし、その後、あなたは東海大学の前身である東海科学専門学校に苦労して学んだのだから、そういう形でこれを生かしたらどうだという意見がありました。私はそういう点についてはそんなに意に介しておったわけじゃございませんけれども、まあ皆さんが中退か卒業がといったら、卒業しないんだから中退ぐらいという程度としか考えておりませんでした。そういうことで、決してこれを選挙に利用したり、あるいはまた何とかに有利に使おうなんていうのは毛頭考えておりませんでしたし、初めから昭和四十九年も五十五年もそういうことを書いていないんですから。
 そういうことで来ましたところが、先日、十月二十三日でしたか、夕刊フジの記者が参りまして事実を聞きたいと言うから、こういうわけで東海科学専門学校の夜間部に通った、学ぶということで、中退ということは余り好きじゃないから学ぶということになっているのじゃないかと思うけれども、これは重要なことだから先日静岡県の選挙管理委員会に聞いてみるということで、聞いてみました。そうしたら、昭和四十九年と五十五年は記述がなくて、昭和六十一年とそれから平成四年でしょうか、平成四年には東海大学に学ぶと書いてありました。
 したがって、ああそういうことだったのかということでありますが、中には、参議院で議員の要覧を発行いたしておりますけれども、これには東海大学中退というように書いてありましたし、あるいはまた新聞等についても中退か卒業がというので、中退で出しておけというようなことだったでしょう。そういうものもありました。
 しかし、これが紛らわしいということであるならば、私は率直に十月二十四日にこの問題について記者会見をいたしまして、そういう思い違いとかその他の関係等については、事実通って苦労して勉強したんだから、そういうことはそういうこととして文部省の正式な課程でなかった。私は正式な課程だと思っていたわけでありますけれども、そういうことでなかったとするならば、それは、申しわけないというようなことでおわびもしたわけでございます。
 ですから、そういうことで今次に至っておって、今度議員の要覧も変わる、校正の最中であるということを聞きましたものですから、秘書がこの問題については、郵政の皆さんが逓信講習所修了ということで書くならば、私は鉄道教習所修了ということに改正しちゃっで紛らわしさをとったらどうだろうかというようなことで、現在手続を行ったところだと、こういうところでございます。
#69
○武田節子君 いろいろ詳しい御説明ありがとうございます。
 私は、今回なぜこれだけ問題になったのかと考えますと、やっぱりそれは以前に新間議員が学歴詐称で有罪になって議員を辞職になるほど議員の学歴が厳しく問われたことがございます。
 大臣はうかつだったと国会で答弁されているようですけれども、今お話がございましたように、昭和四十九年に初当選されてから今日まで四回当選されております。一般紙における大臣の立候補の学歴の掲載は四回とも静岡新聞初め各紙とも東海大中退となっておりますし、また一方、選挙公報には、第三回目、第四回目の選挙のときは公報には東海科学専門学校に学ぶとなっているわけです。これも何となく不自然な思いがいたします。一般紙には東海大学中退、それでわざわざ公報には学ぶとされたのか、ちょっと理解できない面もございますが、相当学歴に対して意識されておられたのかななどというふうに私は思っていたわけでございます。
 私は、今日の余りにも学歴偏重社会になっていることに対して批判的立場でございます。今は一人一人の人間性に光を当てて伸ばしていく教育が最も大切な時代でございます。根本的には心の豊かな人間、寛容性、知性、見識を高め、個々の能力を尊重していくことが大事だと思います。今回のオウム真理教事件はまさに学歴偏重社会の弊害を端的に物語っているものだと認識しております。一流大学を出ても、何が善で何が悪か価値判断がつかない、人間として生まれで何をなすべきか、人生の目的、使命感の喪失などが言われております。
 私は今もろもろ伺いましたけれども、またある記事でも読んだんですけれども、大臣は戦後の混乱期に向学心に燃えた勤労青年だったと。そして、若いときから労働運動に挺身してこられ、中小企業者や労働者を守り、農業者を守り、頑張ってこられましたことも記事で読みました。その功績が評価され、そしてその実力が認められて今日の立場につかれたものと思います。この姿は、多くの青年にとって、また働く者にとって、男女を問わずどれほどの夢と希望を与え、今日の厳しい社会にあって大変な励みになるのではないかと、私はこう痛感しているわけであります。その意味からいっても、今回の学歴不備はまことに残念に思って、うかつとおっしゃいましたけれども、本当に残念に思っております。
 国家公務員は、国家公務員法第四十条で、「何人も、試験、選考、任用又は人事記録に関して、虚偽又は不正の陳述、記載、証明、採点、判断又は報告を打ってはならない。」と規定し、厳しい罰則がございます。国家行政組織法第十条には、大臣は「その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。」ともございます。
 大臣は、労働省職員二万四千八百七十二名をまとめ、指導、監督するお立場にあるわけですが、その責任についてどうお感じになられでいますか、お伺いいたしたいと思います。
#70
○国務大臣(青木薪次君) 私は、事実勉強して通ったわけでありますから、一日も通わないということはないのでございますから、その点については、先ほど申し上げましたように、苦労して通ったという誇りを同僚の皆さんと一緒に持っているし、そんなことが問題になるんだったら我々もひとつ公的な場所に出していただきたいということが皆さんの、一緒に学んだ勤労学生と称する夜間部の学生の、三百人ほどおったわけですから、そこでいわゆる昼間の大学の教授連が夜も一緒に勉強しで教鞭をとった、こういうことでございますものですから、そういう点からこの辺の思い違いかうかつということについては大変申しわけないと思っておりますけれども、そのことについてはこれから、今も一生懸命やっておりますから、そういう点で今先生御指摘のうかつだったというだけじゃ済まされないということについては、大変私は、余り意に介してこなかったということがこういう結果になったということでありまして、実際問題として中退という意味というものは一体どういうものだろうか。これは衆参のこの間の予算委員会の集中審議等でなされたけれども、特別な意味は持たない。持たないけれども、やはり現実にこうして問題になったということについては私の不徳のいたすところである、こういうぐあいに解釈して、これからの労働行政に真剣に努力することでもって、この問題についての私の決意というものを信じてもらって、皆さんの奮起もよろしくお願いいたしたい、こういう気持ちでおります。
#71
○武田節子君 大変ありがとうございました。さらに大臣、頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 終わります。
#72
○委員長(足立良平君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時開会
#73
○委員長(足立良平君) ただいまから労働委員会を再開いたします。委員の異動について御報告いたします。
 本日、齋藤勁君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#74
○委員長(足立良平君) 休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#75
○星野朋市君 私は、時間が限られておりますので端的に申し上げますと、最近の雇用失業情勢についてという、毎月これは労働省から出されておると思うんですが、この中に出ている数字は、実は労働省の調査とそれから総務庁の調査、両方入っています。非常にわかりづらいので私どもの方でこれを整理をいたしました。たまたまことしの四月、ちょうど失業率が三・二%になった月なんです。この月に初めてこれは就業者数というのが減りました。
 私は、かねて予算委員会それから浜本労働大臣のときにこの委員会でも為替の問題に関して、日本の製造業は恐らく約五十万人就業者数が減るだろう、それからもしこの円高に関して直ちにこれを物価に反映させるというような政策がとられるならば、流通業に相当整理の問題が起きて、やはり流通業でも四十万から五十万の失業者が出る可能性があるということをずっと主張してきたわけです。労働省は、それに対してどう対策をとるかというのが主眼だったわけです。
 それで、この四月の雇用失業情勢の表を見ますと、ちょうど製造業が前年同月に対して五十五万人減、それから卸売・小売業、飲食店、どうして卸売・小売業に飲食店が入っているのかというところがこれがようわからぬですけれども、統計上はそうなっています。卸売・小売業、飲食店が四十二万人減。両方合わせると約百万人です、前年同月に対して。ところが、それに対して農林業が八万人増、建設業が七万人増、サービス業が三十万人増、こういう形でトータル二十一万人減、こういうデータが出たわけです。
 ところが、これを四、五、六、七、八、九と半年間ずっと追ってみたんです。そうすると、何と毎月前年同月に対して減少しているのは製造業なんです。ちなみに、これを月を追って見ますと、今言った四月が五十五万人、五月が七十四万、六月が三十万、七月が四十一万、八月が五十万、それから九月が三十二万、前年同月比。これは純粋にこのトータルが減ったということじゃありません。だけれども、そういうように製造業が毎月減っている。
 それに対して、毎月前年同月比に対してふえているのは、これは建設業なんです。建設業はごくわずかずつふえでいますけれども、これは阪神大震災の問題なんかがあるから当然なんですけれども、問題はサービス業、これが毎月製造業の減というものを補っでふえている形になっている。ちなみに同じような形で申し上げますと、四月三十万、五月四十五万、六月五万、七月二十八万、八月三十一万、九月三十万、こういうふうになっているんです。
 このサービス業というのは、どういう種類のものをサービス業と労働省は分類しておるのか。漠然としてわからないんです。このサービス業の実態というものを労働省はどうつかんでおられるのか、お答えいただきたい。
#76
○政府委員(渡邊信君) 今、先生御指摘の数字は、総務庁の労働力調査に基づく数字でございますが、この労働力調査におきましては、例えばサービス業には専門サービス業というものがあります。この専門サービス業と申しますのは、医療業ですとか保健衛生・廃棄物処理業、あるいは宗教、教育、専門サービス業(他に分類されないもの)というふうになっておりますが、この専門サービス業のほかにその他のサービス業という分類もありまして、この中には娯楽業ですとか対事業所サービス、これは例えば情報サービス・調査・広告業、こういったものが含まれます。それから対個人サービス、これは旅館、その他の宿泊所、家事サービス、洗濯・理容・浴場業、こういったものが入ります。
 以上の分類に含まれないその他のサービス業といたしましては、物品の賃貸業、駐車場業、自動車整備業、社会保険や社会福祉、学術研究機関の仕事、こういったものがありまして、こういったものを含めましてサービス業というふうに分類をしております。
#77
○星野朋市君 今お話を聞きますと、種々雑多ですね。要するに私が聞きたいのは、そういう種々雑多なものを集めると、それだけ新しい雇用の吸収能力がそういう産業にあるのかどうかという問題なんです。
 後で新産業雇用創出の問題について御質問を申し上げますけれども、新しいこういうような産業というものを創出して、新しい雇用を創出して、いわゆる失業なき労働移動というのを達成させようというのが労働省の意向であるわけですけれども、現にそういうことを考えなくても、これはかなり大量の人間というものを移動させなくちゃいけませんからそれはそれで考えなくちゃいけないんだけれども、現実には毎月そういう形でかなりの人間が労働移動して、そして新しいそういうサービス産業に吸収されている。このサービス産業がいつまでこれを吸収でき得るか。
 製造業は、残念ながらもっと減る傾向にありますね。残念ながらもう少しまだ減る傾向にある。橋本通産大臣は、もうこれ以上製造業が日本から海外へ出ていくのをあらゆる手を使ってとめたい、こういうふうに言っていますけれども、それは残念ながら私は無理だと思うんです、いろんな面で。製造業は新しい産業ができるまでの間、しばらくの間、さらに減少する傾向にあります。その分を今言ったようなサービス産業というものが吸収できるのかどうか、その点労働省はどうお考えになっておられるか。
#78
○政府委員(渡邊信君) 大変難しい御質問でございますが、現在の傾向を見ますと、少なくとも先ほど先生御指摘のように製造業の就業者数が逐次減っておりまして、その分はサービス業の雇用増で、全体の就業者数はわずかですが増加傾向にあるということが一言えようかと思います。
 このサービス業のふえている内訳を見てみますと、物品の賃貸業ですとか駐車場業等のいわゆるその他のサービス業に分類されるもので増加が最も大きいという傾向が出ておりまして、そのほか情報サービス・調査・広告業等の対事業所サービス、あるいは医療や保健衛生業等の専門サービス業などで増加が大きいという傾向が見られます。
 このようなサービス業の増加傾向を見てみますと、今まで企業が自分のところでしてきた仕事を外部に出すといういわゆる外部経済化、外注化の進展等、こういったものが一つ進んでいるのではないかということと、それから個人消費に占めますサービスの割合というものが高まってきているのではないか。これを労働市場におけるサービス化というふうに言っているようでありますが、こういうふうに企業が自分で行ってきたものを、これは一種のリストラかもしれませんけれども、外でやっていただく、あるいは個人生活におけるサービス経済化というものが進んでいくというふうなことで、これは一時的な傾向というよりはある程度長期のトレンドではないかというふうにも考えられます。
 したがって、なかなかこれがいつまで続くか、雇用吸収力がこれからどのくらいあるかということは大変難しい御質問だと思いますが、少なくともサービス業がふえていくということはある程度構造的な変化をも含んでおりますので、少なくとも短期的な問題ではなくて、ある程度こういった傾向が続くのではないかと考えられるのではないかと思います。
#79
○星野朋市君 そうしますと、これは比較的小規模の数多くの企業という形で進展がなされる、こう見でもいいと思うんですね。それは医療保健なんかでこれから大規模にやろうというところも確かにありますけれども、大体は小規模な、もしくは中規模な企業というものが数多くふえていると。こういう形でこのいわゆる新規雇用といいますか、吸収能力がもう少し続くであろうと、こう考えるんです。
 実はもう一つ、これに対して心配なことがありまして、一昨年、労働基準法の改正が行われまして、もう既にことしの四月から週四十時間というのがスタートしておりますし、それから猶予期間を持っている幾つかの産業がございますけれども、その中にこの猶予期間をあるいはもう少し延長させようという動きがないわけではないというような情報も伝わっております。私にすれば、法案をつくるときは非常にみんな熱心に議論してやるわけですけれども、比較的法案というものはでき上がってしまうとその後のフォローがなかなかなされていないというのが実情だと思いますけれども、労働省は、この労働基準法の改正で週四十時間の問題について、その後どう追跡調査をなさり、それから猶予期間のものについてどう取り組んでおられるか、ちょっとお知らせをいただきたい。
#80
○政府委員(松原亘子君) 週四十時間労働制の猶予措置の問題でございますけれども、これは先生も御承知のとおり、平成九年の三月三十一日までというふうに法律上明記をされているわけでございます。したがいまして、今から一年半弱の期間しか残されていないということでございまして、私どもとしては、労働基準法の改正がなされ、平成九年四月から原則として四十時間になるということが決まって以降、とにかく週四十時間の達成に向けてすべでの企業に努力をしていただきたいということで、さまざまな施策を進めてきたところでございます。
 御承知のとおり、時短促進法も成立させていただきまして、それに基づく時短奨励金制度なども実施をしてまいり、中小企業も含めてきるだけ多くの企業が早く四十時間の達成をということで、その他の施策も含めて推進をしてまいりました。現実に、それでは猶予措置対象事業所、業種と規模によって幾つかいろいろ決められているわけでございますけれども、そういったところが四十時間制をどれぐらい達成しでいるかということについては、私ども毎年調査をいたしてきでおります。
 最新時点の調査というのは、ことし実施したものでございますけれども、例えば製造業の小さな規模も現在猶予措置の対象でございまして、四十時間ではなく四十四時間という時間、法定労働時間が定まっているところでございますけれども、そういう例えば規模三十人以下の製造業におきましては、二六、七%の事業所が既に四十時間を達成しているという状況にございます。ですから、逆に言いますれば、七割強の企業がまだ四十時間にはなってないという状況でございますが、こういったところも含めまして平成九年の四月から四十時間にしていただけるよう、先ほど申し上げました時短奨励金制度、さらに来年度はこれを充実したいというふうにも考えておりますが、そういったことで、なるべく早期に四十時間の達成に向けてさまざまの企業内の労働時間制度の見直しなどが行われるように、指導、援助に努めているという状況でございます。さらに、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#81
○星野朋市君 大変結構な話なんですけれども、大体企業は、景気のいいときは実は景気がいい産業がたくさんしなくちゃならないからということで時間延長というのを図る、景気が悪いときになると、だから余計働かなくちゃだめじゃないかといって、実際にはそこがチャンスなのにもかかわらず、時間短縮しない傾向にあるわけです。
 本来ならば、今のようなときに時間短縮というのを図って、そこから生ずる、生産性の問題というのはちょっと問題にはなりますけれども、雇用をできるだけ確保するという労働行政、これに向かわないと、今日本の失業率は三・二%というようなことで、高い高いとは言いながら諸外国から比べればかなり低い水準にある、これが諸外国並みに六%もしくは一〇%というふうなことは、日本の社会では恐らくこれは許されない問題だと思います。そこで、労働行政というのは、これから雇用の確保をどうするかというのが一番重要な問題になると私は思っておるわけでございます。
 それで、一番先に問題提起した製造業の減少という問題に絡んで、日本は多分アメリカの後追いをすると私は思っておりますのでその点が心配なんですが、かってアメリカはやはり第二次産業、製造業を軽視いたしまして第三次産業の金融に力を入れた、その点でアメリカの国力というのはかなり減少したわけです。それで、日本も製造業の問題、これをかなり重視しないと、後で申し上げることになっておりますけれども、いわゆる情報産業であるとかそういうものは実は裏づけに製造業というものがないとこの情報というのが生まれない、情報の量というのが出てこないということを考えなくちゃいけない。
 そうすると、今の日本の製造業では、けさも自民党の先生から、ある特殊な例が出されましたけれども、平均的に言うと日本の場合は賃金とそれから土地代金の高さ、これに起因して国際競争力がいろんな形で落ちている。よくハブ空港の問題が出るけれども、もう既に日本の港はハブポートの役割を果たせなくなっている。釜山であるとかシンガポールであるとか、そういうところに移ってしまっている。こういうようなことを含めて、日本の名目賃金と土地代の高さが国際競争力を失わせているということは現実に認識しなくちゃならない。
 それで、アメリカが再びここで復活してきた一つの理由の中に製造業の復活という問題がありますけれども、アメリカの今平均賃金がどれぐらいか中位数を調べてみると約三万五千ドルぐらいなんですね。御存じのように一万五千ドル以下は貧困層ですから、そこに至らない二万ドルから三万ドル程度の年収ですね、こういうような労働者が非常にふえて、それで失業率はようやく五%台になる。これは単純に比較してドル百円で三百五十万。その三百五十万対三万五千ドルの実質賃金の問題というのは、これはちょっと比べ物になりませんけれども。
 そうすると、その程度でアメリカの第二次産業というのはかなり復活しているとすれば、これはどういうことかというと、かなり競争によってアメリカの賃金というものが昔に比べて相対的に落ちているということ。だからアメリカの中産階級がだんだんいなくなっているという現実があります。そうすると、もし日本の場合に、やはり製造業というものがある特殊な競争力を持っているものは強く残るけれども、そうでないものは私が言っているようにある程度海外移転をせざるを得ない。残るものは賃金の面で国際競争力に耐えられるような形にならざるを得ないんではないか。
 非常にわかりにくいことを申し上げましたけれども、自動車労連が先日大会を開いて、二十一世紀に日本でつくる自動車の数はかなり減るだろう、そのときに自分らがそこから失業者をもうこれ以上出させないならば、あるいは賃金そのものをもう少し考え直してもいいんではないかと。なかなか労働省はワークシェアリングの問題については端的には言いがたいところがあると思うんですけれども、だけれども組合側がもう既にそういう覚悟をしている。この現実を見て、労働省はどういうふうにお考えになっているか、御見解を示しでいただきたいと思います。
#82
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまの御質問でございますが、非常に難しい課題でございますが、基本的に先生のおっしゃるような問題点が我が国の経済あるいは雇用面であるかというふうに考えます。
 それで、ただいま御質問がありましたように、サービス経済化の進展等によってサービス業が伸びてくる、これは当面、大体二十一世紀を見てそのベースでは伸びでいくであろうというふうに一般的に言われております。その辺につきましては、現在私ども雇用対策基本計画を検討する中でどういうふうに見ていくかという作業を進めておりますが、そうしますと、そういうところに雇用がふえていく、現実に統計的にも御指摘のようにふえでいる。
 一般的に言いますと、これもいろんなものがあるわけでございますが、規模が小さいあるいは賃金面で見ると賃金の水準は必ずしも高くない、そういうところの雇用がふえていく、そういう問題があるかと思います。しかし、雇用という観点でいきますと、そこは伸びていくと見られますし、そういうところを大事にしなければならない、こういう問題だと思います。
 それから、もう一点の製造業につきまして、これも先生御指摘のとおりで、我が国にとって製造業、これは極めて重要な産業であるというふうに考えます。このように国土が狭くて人が多くて、しかも資源がない国、これは基本的に製造業、これを非常に大事にしませんと国が成り立っていかない。ただ一方では、現実に非常に厳しいリストラ、あるいは労働者が減っていく、こういう状態も国際的な競争の中で生じているわけでございましで、海外移転等、こういうものも一定限避けて通れない課題である。ただ、必要以上に生産性の高い部門がそういう形で円高等を背景にしてゆがんだ形で出ていきますと、これまた非常に大きな問題、そういう意味での問題もある、こういうことでございます。
 もう一点は、そういう中で新しい産業がどういうところに今後伸びていくかという点についていろんな御指摘があって、例えば情報・通信産業であるとか福祉、住宅であるとか、そういうことが言われているわけで、これはやはりそういうところを見込んで産業が発展していく、そういう中で雇用も創出されていくということが非常に重要でございますが、そういう産業自体もやはり御指摘のように製造業と無関係ではないわけでございまして、製造業が非常に発展する中で情報・通信産業も発展していく。そういう意味では製造業とサービス関係、そういうものがミックスしたような、そんな産業構造になろうかと思いますが、そういうところも非常に今後の重要な問題であるというところで、その辺が全体としてどういうふうにバランスしていくのか、構造変化が非常に激しい中でこれは避けて通れない非常に大きな課題になっているわけでございますが、そういうところで製造業についてただいま御指摘のような問題点もあるわけでございます。
 現状、賃金がどうかということになりますと、そういう非常に難しい厳しい状況の中で雇用か賃金がというような議論も労使間でされている中で、現実の賃金のアップ率、これも非常に低い、かつてない低いアップ率で推移しているということも事実であろうかと思います。ただ、この辺について、それじゃ具体的に労働省としてどうすべきかという点になりますと、なかなかこの賃金問題というのは、高度成長期に高くしろというわけにもまいらなかった経緯もありますし、こういう厳しい情勢の中で賃金をどう考えるか。これは円高の中で非常に世界一の賃金になったと言われているわけでございますが、一方で急激な円安で百円を超えますと、これは国際的に見れば二割以上ダウンしている、こういうことになる。それから、物価が国際比較の中で見て相当高いという状況もあります。そういうところをいろいろ考えながら、全体としての国の経済バランスあるいは雇用がどういうところに吸収されていくか、そういうところを考えていかなければならない。そういう意味で先生の御指摘のような問題点があろうかというふうに思っております。
#83
○星野朋市君 ここに連合とそれから経団連が共同で研究をしてつくった「新産業・雇用創出共同研究会報告」というのがあります。これは要約版なんですが、これは恐らく労働省にも届けられて御研究なされたと思うんですね。
 今まで新産業の創出ということで産構研なんかで幾つかの提案がなされておりますけれども、この日経連と連合の研究会報告というのは非常に私はよくできている報告だと思うんです。というのは問題をこれ四つに絞ってあるんです。一つは住宅問題、住宅産業である。それから二つ目は情報産業。それから三つ目が環境という問題を取り上げでいるところがちょっと新しい形ですね。最後に福祉・医療の問題という形で四つの問題を提起いたしまして、こういう問題を解決し、こういう規制を取り払っていけば、それぞれが相当な雇用を創出できるという報告になっているわけです。
 ただ、問題は、これをこのとおり信じていいのかどうかというのは問題がありまして、例えば住宅の問題について言うと、確かに流通経路の問題とかそれから規制の撤廃によって建築資材、そういうものは安くすることはできますけれども、基本的に日本の住宅戸数は全日本的にいうと、日本の世帯数を三百万戸ぐらい上回っちゃっているんですね。これは隠された事実なんですが、日本全体で見ると既にもう住宅の戸数の方が世帯より大きい。ただ問題はその住宅の質の問題でありまして、要するにもっと広い快適な住宅が欲しいという、この欲望は幾らでもあるわけです。ところが、それはじゃ住宅資材だけ安くなればいいかというとそういう問題じゃないわけです。土地の問題が解決されないとそれはできない。
 ここに大蔵省のデータがございまして、日本の土地はどうなっているかというと、昭和三十年というところを、これは日本の高度成長期のはしりでありますけれども、昭和三十年代を一〇〇としてみた場合に、日本の消費者物価指数は昨年までで五七七、五・七倍、名目賃金指数は二一七四、二十一倍、名目GDPは五六〇六、だから五十六倍、ところが市街地の地価はバブルの状態から下がってもまだ七三三六、こういうような高さにあるわけです。
 それからもう一つ、おもしろいデータがございまして、日本の土地資産が対GDPに対してどのくらいかというと、アメリカは実に○・七倍、イギリスは一・三倍なのに対して、日本は四倍である。こういうような非常に不均衡な状態が続いているわけです。それじゃ一般勤労者のためにもう少し土地を安くすべきだというと、これはまた金融上の信用の問題があってなかなかそうはいかない、こういう問題が残されているわけです。
 そうすると、住宅産業というのはこれからどうなるか。実は今はかなり質はよくなりましたけれども、日本の住宅というのは、住宅産業、住宅産業と騒ぎながら平均して二十五年で木造住宅はぶっ壊しているんですね。木が生育するためには五十年から六十年かかる。その半分で日本の住宅というのはぷっ壊しでいるということは、いかに世界の木を収奪しているかということ。そういう問題にもぷち当たる。非常にそういう形で、なかなか難しい状態に入っていることは指摘しておかなくちゃならない問題だと思います。
 それから、情報産業。これは郵政省が発表した数字でしょうか、百二十三兆円、二百四十三万人の雇用という数字のひとり歩きがありますけれども、果たしでそういうような状態で雇用が創出されるのか。この中には綿密に調べてみると、かなりダブりの部分があるんですね。
 それから、環境の問題というのはかなり新しい視点であって、一番最初は教育の問題から出発しなくちゃならないんだけれども、要するにリサイクルの問題であるとかそういうものを含めて資源、先ほど申し上げたことも含めてリサイクルの問題、それから再利用の問題、こういう形。それから、公害を出さない、日本はそういう面での先進国であると、こういう形での産業の育成、これは考えなくちゃいけない問題である。
 最後に、確かに医療保健の問題というのは大きな問題であります。これはもう再三いろんなところで論じられでいるんだけれども、スーパーゴールドプランというので、ホームヘルパー三十万人、それからショートステイ十万人、デイサービス三万カ所、訪問看護ステーション一万カ所、高齢者介護ホーム百万人、寮母・介護職員三十万人、こういうようなスーパーゴールドプランというものが描かれでいるんだけれども、じゃ、これは果たしてこれだけの費用をだれが負担するんだという問題にぶち当たると思うんですね。そうすると、この問題が解決されない限り、これは絵にかいたもちというふうになりかねない。ところが、この数字が出たためにこの数字がもうひとり歩きしてしまっている、そういう弊害があると思うんです。それぞれこの四つの問題というのはいい面はあるんだけれども、問題を指摘するとそういう形になると思う。
 これは、新規雇用の創出という意味でかなり重要な問題であると思いますので、労働大臣はこの問題についてどういうふうにお考えになっておられるのか、最後にお聞きしたいと思います。
#84
○国務大臣(青木薪次君) お答えいたします。
 今、星野先生から高い角度からいろんな数字を並べて説明がありました。一々ごもっともな説明であります。
 今日の状態というのは、産業構造の転換や円高の影響等のもとで雇用の安定を図るためには新たな雇用創出が必要であるということは御案内のとおりでありましで、失業なき労働移動というものを進めることが重要であると思うのであります。このために、改正業種雇用安定法が先般の国会で決まって、この七月から稼働いたしているわけでありますが、この法に基づきまして労働者ができるだけ失業を経ることなく労働移動することを支援するということとともに、失業者の早期再就職に努めてまいりたいと思っているところでございます。さらに、雇用の創出を図るためには、今国会におきまして中小企業労働力確保法の改正が決められたわけでありますが、そのためにこれを有効に活用してまいりたい。
 今後は、これらの対策を含めたところの総合的な雇用対策を進めてまいりたい、こう思っているわけでありますが、このことを推進する過程で雇用の安定のために全力で取り組んでまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#85
○星野朋市君 終わります。
#86
○清水澄子君 労働大臣にお尋ねいたします。
 大臣も新聞報道などで御承知のことと思いますが、女子の新規の学卒者の就職状況は大変厳しいものがございます。
 去る十一月一日には、日弁連、日本弁護士連合会が異例の会長声明を出すまでになっております。その中で、
  当連合会は、女子学生に対する就職差別が、生存のための最も基本的な権利である労働権を不当に奪うものであり、女性の社会参加を最初の段階で拒否することによって以後に重大な不利益を及ぼし、社会における女性差別の固定化ないし拡大につながるものと考える。
  そこで企業に対しては、早急に募集・採用における女性差別を解消すること、求人紙その他報道機関に対しては、男女雇用機会均等法ならびにその指針に反する募集方法による求人広告の掲載をやめること、労働省に対しては、女性差別の解消のため実効ある行政指導を行うこと、その他あらゆる関係者に対して、女子学生の就職差別解消に向けた努力を要請する。
こういう声明を出しておるわけでございますが、大臣は、この日本弁護士連合会会長声明が指摘している女子新規学卒者の就職差別問題をどのように認識しておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
#87
○国務大臣(青木薪次君) 労働省に対しまして、就職問題に関して女性差別の解消のために実効ある行政指導を行うことなどについて求めておられることは、今先生御案内のとおりであります。
 そこで、労働省としては、問題のある企業に対しましては必要な指導等を行っておりますが、また、今後とも就職に際して女子学生が男子学生に比べまして不利な取り扱いをされることのないように、男女雇用機会均等法と指針の問題について徹底しでまいりたいと考えているところでございます。
 また、均等法の見直しについては、労働基準法の女子保護規定にあわせまして、婦人少年問題審議会での審議が十月二十五日に再開されました。このことを受けまして、労働省としてはその審議結果を踏まえて対応したいと考えております。
 先日も、先生御案内のとおり、東京ドームをお借りいたしまして、男だけ欲しいというような企業については失礼だけれども集まってもらわなくて結構だというようなことなどを含めて、強く雇用機会均等法の精神というものをひとつ主張して、そういう啓蒙のもとに差別のないような方向で具体的に指導していく、こういうことでございます。
#88
○清水澄子君 非常に何か認識が甘いように思います。
 質問を続けますけれども、次に労働省の具体的な対応をお尋ねいたします。
 労働省は、昨年に引き続いて女子新規学卒者の就職問題に関する特別相談窓口を設けて、女子学生の就職支援を行っているわけですが、この相談窓口に寄せられている相談の内容、そして相談件数、最新のデータのみ簡潔にお答えください。
#89
○政府委員(太田芳枝君) 労働省では、今先生おっしゃいましたように、都道府県にあります婦人少年室に女子新規学卒者の就職問題に関する特別相談窓口を開設いたしました。ことしの六月から八月までの間でございますが、三千九百十一件の相談が寄せられました。ただ、全部が均等法及び指針に規定するものではなくて、関連するものは三千二百十九件でございました。
 その主な内容といたしましては、四大卒の女性は採用しないと言われたということなどで、女性であることを理由として応募の機会が与えられていない場合とか、それから学生が資料要求したんだけれども女性には送られてこなかったなどということで、募集または採用に係る情報提供が男子に比べて不利に取り扱われているもの、また男女別に募集または採用する人数に限度を設けていたり、また女性に対してだけ自宅通勤者に限るなどの厳しい募集採用条件が付されていたものがございました。
#90
○清水澄子君 そのことは、今均等法の徹底ということをおっしゃったんですが、結局均等法が生きていない証拠というものがここに私は反映されていると思います。
 そこで、特にこの相談窓口に寄せられたものの中に、女子を採用しないとか、自宅通勤に限るとか、年齢制限を設けている実態があるわけですけれども、このような企業に対して、こういう特別の条件をつける企業に対して、労働省はどのような対策をとっておられるのか、お尋ねします。
#91
○政府委員(太田芳枝君) 相談内容で、学生からいろいろお聞きいたしまして、学生がすべて企業名を言うわけではないんですけれども、企業名が把握できましたものにつきましては企業からいろいろ事情を聴取いたしまして、問題があるものについては婦人少年室長が助言指導を行いまして、改善を図っているところでございます。
#92
○清水澄子君 ここに女子学生自身がとったアンケート調査があるわけですけれども、この中で、例えば面接などの際に非常にセクシュアルハラスメントの質問を受けていることが報告されています。それによりますと、例えば恋人のことを聞かれたり、生理のことを聞かれたり、それから男にもてるかどうかとか、そういうふうな全く直接就職に関係のないことを質問されている。これはまあ企業関係者の私はモラルの問題ではあると思いますけれども、その根底には明らかに女性への差別意識があると思います。
 労働省は、こういう企業に対しての特に面接などでのセクシュアルハラスメントになるような、そういう質問を啓蒙として例示されておられるわけですけれども、そういうような質問を行った企業名等を公表していくなどの、やっぱりそのぐらいの姿勢が必要だと思いますが、今後、こういうものをなくすためにどのような措置が必要だとお考えでしょうか。
#93
○政府委員(太田芳枝君) 先生御指摘のようなセクシュアルハラスメント事案でございますが、これも企業名が把握できましたものにつきましては、先ほどと同様に企業から事情を聴取いたしまして、問題のある企業に対しましてはやはり御忠告なりいろいろな指導をしているところでございます。
 労働省といたしましては、先生おっしゃいましたように、女性一般に対する通念で判断することなく、やはり個々の女性の意欲、能力に応じた形で募集なり採用がされるようになることが必要でございますので、今後とも企業に対していろいろなチャンスを生かして、つくって働きかけていきたいというふうに考えております。
#94
○清水澄子君 労働省が、男女を均等に扱うようにガイドラインによっていろいろ一生懸命努力されているという、このことも私は認めております。しかし、その努力をされても、現在の法律では均等に取り扱われなかった人に対しての行政上の救済措置は定められておりませんし、それから違反した企業に対する制裁措置もとられていないわけです。ですから、その辺がやっぱり私は問題になってくるところだと思うわけです。そこの答弁は後ほどに回したいと思いますけれども、私は最も大きな原因はそこにあるんだと思います。
 そこで、お尋ねしたいんですけれども、昨年の一月二十七日、そして二十八日に国連の女子差別撤廃委員会が開かれています。第十三会期ですね。そこに日本政府から提出されています報告書、それは女子差別撤廃条約の実施状況の第二回報告と第三回報告が出されて、それの審議が行われたわけでございます。
 その第二回の政府報告では、均等法の施行を契機に募集も採用も、教育訓練、定年退職などの雇用管理制度を法の要請に沿ったものに改善した企業が多く見受けられ、そして女子を積極的に活用していこうという機運が高まってきている、そして法の趣旨は着実に浸透しているというふうに国連には報告をされております。また、女子学生の就職についても、女子を採用する企業は増加していて、特に男女雇用機会均等法施行以前はほとんど見られなかった女子幹部候補生として四年制大学卒業者を中心に女子を採用する企業がふえていますということが報告されていて、そして第三回の報告書にも同じように均等法の趣旨は着実に浸透しているという報告がなされているわけですけれども、それと今日の実態とは余りにも私はかけ離れていると思います。
 ことしは男女雇用均等法が成立をして十年になるわけでございます。ここで本当に均等法の趣旨が着実に浸透しているというふうに労働省は受け取っていられるのか、そういうことであればもう差別はどんどんこれから解消されていくという私たちにとれば展望があるわけですけれども、少し何か不況というだけじゃなくてその他にも、不況はもちろんそれが直接影響してくるわけですけれども、それだけじゃなくて、日本では雇用管理の面でどの側面をとってみてもなかなか女子差別がなくならない、法律の実効性に疑問が持たれているのが私は現状だと思います。
 その原因の一つは、企業が女性の採用に当たって職種とか採用区分によるコース別の人事制度の雇用管理に置きかえたということ、そのことは男性は総合職とか女性は一般職とか最初からそういうふうに振り分けてしまったり、または長期に企業の一方的な転勤を条件とするような採用、結果としてそういう転勤ということを冒頭に言われる中でちゅうちょするという形で、間接差別ということになると思いますけれども、そういう間接差別をこの雇用均等法は禁じていない、そのために雇用における男女差別の解消はなかなか進まなかったんじゃないかと私は思います。
 既に均等法十年でございますから、労働省は日本においてこの雇用における男女差別解消の進まない理由というのは何が原因だとお考えでしょうか。そして、今後この差別の解消に向かってどのような政策が必要だとお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
#95
○政府委員(太田芳枝君) 男女差別解消が進まない理由は幾つかあろうかと思いますけれども、その幾つかの理由といたしまして、やはり企業によってはまだまだ女性を補助的業務に位置づけるなどという職場の慣行が残っておりまして、女子労働者の積極的活用が図られていないということもあろうかと思います。そしてまた、その背景には男は仕事、女は家庭といった固定的な役割分担意識が残っているということ、そしてまた、我が国におきましてはいわゆる長期雇用システムを前提に雇用管理がなされてきておりました関係で女性の平均勤続年数が男子に比べて短いというようなこと、また就業している分野、企業規模等々男女によって異なること、そしてさらに女性もその職業選択に当たりまして、例えば事務職など特定の職種にこだわる等の傾向があるというような問題等々があろうかと思うわけでございます。
 そして、今後の解消に向けての施策でございますけれども、まずは均等法の一層の周知徹底を図りまして、その実行に努めていきたいと思っております。具体的には、均等法の趣旨に沿いまして女性労働者の積極的活用が図られますよう雇用管理の改善をするような企業の自主的な努力に対して必要な援助を行うこと、そしてまた、女性を補助的業務に位置づけるなど、職場の慣行を是正いたしまして、固定的な役割分担意識の解消を図るため、あらゆる機会をとらえて意識啓発活動を行っていきたいと思います。
 そして、また女性自身に対しましても、特定の職種にとらわれることなく幅広く職業選択を行っていただくようなことを、これもまた意識啓発でございますが、行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#96
○清水澄子君 均等法の改正は、当然それはちゃんと政策としてありますね。それがなかったら、本当の意味の行政指導だけでは無理だと思いますが、その点はいかがですか。
#97
○政府委員(太田芳枝君) 均等法につきましても、先ほど大臣も申されましたが、この十月に婦人少年問題審議会で議論を再開いたしましたので、均等法の趣旨をさらに徹底させる有効な方策につきまして婦人少年問題審議会での議論を待ちたいというふうに思っております。
#98
○清水澄子君 まだ他の皆さんもおっしゃると思いますが、これには、先ほど申し上げたように、きちんとやはり差別というものを禁止していく、そしてやはり差別された人をきちんと本当に救済できる、そういう内容の法律に改正されることを要求します。
 次に、パート旬間に寄せてですけれども、労働省は、毎年十一月一日から十日間、パートタイム労働旬間を設けておられて、ことしは十一回目になると思います。ことしのパートタイム労働旬間の標語が、「パートがきらり」というふうに書いていますね。パートがきらりと光ると、「パートがきらり! わが社の大事なパートナー」、こういうスローガンであるわけです。それほどパート労働者というのは、今日雇用者総数の二割弱を占めていますし、総数は平成六年で九百六十七万人に達している。その中で女性は三分の二を占めているわけです。ですから、パート労働者問題というのはやはりすぐれて女性の労働問題であると思うんです。
 このパート労働者の保護の問題について、平成五年に、ちょっとパート労働者の法律とわからないような短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律という、いわゆるパート労働法が成立をいたしました。そこで、雇用管理の改善が図られることになったと思いますけれども、ここでパートタイム労働旬間にちなんで、私はこの法の施行後の状況を少しお尋ねしたいと思います。
 まず、パート一一〇番を毎年続けている地域のパートの労働組合の昨年十一月のアンケート調査によりますと、雇い入れ契約では約三割以上が口頭による契約であったとなっております、また就業規則があるのは四割というふうになっています。パート労働法では、事業主が雇い入れ通知書を交付する、それから就業規則を作成することが求められているわけですけれども、このパート労働法施行後、労働省はパート労働者への雇い入れ通知書の交付状況をどの程度把握しておられるのか、またパート労働者を対象とした就業規則の作成状況はどういう実態にあるのか、御説明いただきたいと思います。
#99
○政府委員(松原亘子君) いわゆるパートタイム労働法の施行後の状況でございますけれども、今のところ、具体的に施行後の実態を把握している調査結果というのは大規模なものとしてはございません。平成二年にパートタイム労働者についてのかなり大規模な調査をいたしましたけれども、それに続くといいますか、そういうものとしてパートタイム労働者にかかわる雇用管理の実態等を大規模に調査しておるのは現在まさにやっているところでございまして、今調査票を回収しているという段階にございます。
 したがいまして、恐縮でございますけれども、パートタイム労働法が施行されてから二年弱という時期でございますけれども、どういうような状況になっているかということをかなり大規模に把握した調査はお示しできないという状況でございます。
 ただ、規模は大分違うのでございますけれども、かつ業種としても製造業だけを対象にした調査でございますが、ことしの六月から七月にかけまして私どもから委託調査の形で実施したものがございます。その結果によりますと、パートタイム労働者の雇い入れに際しまして雇い入れ通知書を交付している事業場が五一%、労働契約書を作成している事業場は七八%、両者併用しているものが約四割でございますので、今申し上げた数字を足し上げますと一〇〇%を超えるのでございますが、そういう状況でございます。
 また、同じ調査によりますと、就業規則につきましてはパートタイム労働者用の専用の就業規則を作成している事業場は六二%、通常の労働者のものを適用している事業場が三〇%という状況を把握しているところでございます。
#100
○清水澄子君 それでは続いて、パート労働法の施行後にパート労働者は雇用保険の対象者になったと思いますけれども、現在、雇用保険の被保険者の増加状況、それはどういう状況にありますか。それはパート労働者の増加割合を反映させているでしょうか。
#101
○政府委員(征矢紀臣君) いわゆるパートタイマーの方につきましては、平成元年から雇用保険制度の中で短時間労働被保険者として雇用保険の適用を進めているところでございます。平成元年度末でこの対象者が九万一千二百七十三人であったものが、平成六年度末で見ますと四十五万九千五百七十二人に増加しているところでございます。
#102
○清水澄子君 それは非常にわずかな比率ですね。この数字を労働省はどのように受けとめておられるでしょうか。
#103
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用保険制度のもとにおきます短時間労働被保険者と申しますのは、一週間の所定労働時間が二十時間以上でかつ一年以上引き続き雇用される見込みがあること、年収が九十万以上の見込みがあること、こういうことでございましで、過所定労働時間の上限は三十時間でございます。したがいまして、過労働時間が三十時間を超える方につきましては一般の被保険者ということになっておりますので、その辺がパート労働法の関係の短時間労働者の定義と異なっているところでございます。
#104
○清水澄子君 それでは、パート労働者の年次有給休暇の取得状況はどうでしょうか。
#105
○政府委員(松原亘子君) パートタイム労働法施行後のパートタイム労働者の年次有給休暇につきましては先ほどと同じ状況でございまして、現在、どのような形で年次有給休暇がパートタイム労働者に付与されているかということについて調査をいたしているところでございます。
#106
○清水澄子君 私は、二年前のパート労働法の審議の際に十二の確認質問をさせていただきました。それらについて、きょうすべてその実態をお聞きする余裕はございませんが、二、三お尋ねをしたいと思います。
 まず一つは、通常の労働者と変わらない労働時間を働いているパート労働者、つまり疑似パートタイム労働者ですが、この人たちに対しては通常の労働者としてふさわしい処遇をすることを確認質問したわけでございますけれども、この点についてはパート労働者に対するガイドラインでも同様のことが盛られてはいるわけですけれども、労働省は疑似パート労働者がどの程度おられるのかというその実態を把握されたかどうか、また具体的に待遇の改善のための政策を実行されたかどうか、御説明ください。
#107
○政府委員(太田芳枝君) 疑似パートにつきましては、今先生御指摘のとおり、パートタイム労働指針の中におきまして「通常の労働者としてふさわしい処遇をするように努めるものとする。」というふうに書き込んでございます。
 そして、パートタイム労働法では事業主に対しましてパートタイム労働者について就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件の確保などを図るために必要な措置を講ずることを求めておりまして、現在労働省といたしましては集団説明会の開催とか事業所における短時間雇用管理者の選任勧奨などを行うことによりまして、パート法及び指針の周知徹底を図っているところでございます。
#108
○清水澄子君 そのときの質問の中で、パート労働法によって設置されました短時間労働援助センターの運営に当たって労働者の代表が参加できるように講じてほしいという要望を出しましたところ、それらのことを勘案するという答弁をいただいていたんですけれども、現在この短時間労働援助センターの運営への労働者側代表の参加状況というのは、どのようになっておりますか。
#109
○政府委員(太田芳枝君) 短時間労働援助センターの事業への労働者の意見の反映につきましては、平成五年の参議院の当委員会の附帯決議などによりまして「短時間労働援助センターの事業に労働者の意見が反映されるようにするための方策について検討すること。」とされているのは、先生御指摘のとおりでございます。
 現在、労働省といたしましては、都道府県にあります各婦人少年室に設置しております婦人問題懇話会、これは労働組合の代表の方が入っておられる懇話会でございますが、その場におきまして短時間労働援助センターの事業運営を含めまして婦人行政全般についで幅広く御意見を伺っでおるところでございます。今後とも、これらを通じて施策の一層の推進に反映させてまいりたいというふうに考えております。
#110
○清水澄子君 参加状況の実態はわからないわけですね、実態は。
#111
○政府委員(太田芳枝君) 済みません、もう一回御質問をお願いいたします。
#112
○清水澄子君 いや、今ちょっと時間がありませんから、じゃ後ほど返事をください。センターの運営に労働者代表がどの程度参加したかということを聞きたいと申し上げたんですけれども、わかりますか。何カ所に何名入っているか。
#113
○政府委員(太田芳枝君) センターと申しましても、21世紀職業財団の支所が各県にございましで、そこの事業の運営としての、センターといってもセンターというあれがあるんじゃなくて事業でございますので、その事業をやっていくときにいろいろと婦人問題懇話会等の場において労働者の方々の御意見を聞いておるというような状況になっております。
#114
○清水澄子君 それでは次に、昨年の六月にILO総会においてパートタイム労働に関する条約が採択をされました。
 この条約は、すべてのパート労働者に対して社会保障の権利、団結権、休暇などの労働条件に関してフルタイム労働者と均等の待遇の保障を求めているわけであります。賃金においても、この時間比例的に計算した基本的な賃金率でフルタイム労働者を下回らないこととしております。
 私は、平成五年六月にパート労働法を審議しました際に、ILOで国際基準が示された場合は日本はちゅうちょすることなく国際基準を取り入れるべきであるということを要望いたしました。そのとき大臣は、そのことはもう当然国際的な基準はそれを勘案したいというふうな答弁をいただいたわけですが、今度パート労働法は三年後には見直すことになって、三年後というのはこの法ができてですから来年の十二月に見直しの時期が来ていると思います。
 ILOのパートタイム労働に関する条約を批准するためにはやはり国内法の改正が必要になると思いますが、労働省はこのパート労働法の見直しとあわせて、このパートタイム労働に関する条約の批准について、それを批准しようという考えはあるのかないのか、その点についてのお考えをお示しください。
#115
○政府委員(太田芳枝君) ILOの第百七十五号条約でございますけれども、これは労働条件などの面で、本条約に定義されるパートタイム労働者が、比較可能なフルタイム労働者に与えられる保護と同一または同等の保護を受けることを確保するための措置等について規定したものであると理解をしております。
 現在、我が国では、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律などによりましてパートタイム労働者の保護について各種の措置を講じでいるところでございますが、このILO条約の批准につきましては、パートタイム労働者の定義に関しましてパートタイム労働者と比較するフルタイム労働者とはどのようなものか、また本条約の適用に関し、適用除外が認められる本条約の適用が本質的に特別の問題を生ずる場合とはいかなるものなのか、またさらにパートタイム労働者の保護に関し、比較可能なフルタイム労働者より低い基本的賃金を受け取ることがないことを保証するための国内法令及び慣行に適する措置をどのように担保するのかなとの問題につきまして、国内法制との整合性の観点からさらに慎重に検討する必要があると考えておるところでございます。
 それとまた、三年後の見直しの規定の件でございますが、現在労働省といたしましてパートタイム労働者の実態把握に向けましてパートタイム労働者総合実態調査をやっております。パートタイム労働法の規定の検討に当たりましては、国際的な動向を念頭に置きつつ、この調査結果を勘案して適切に対処していきたいと考えております。
#116
○清水澄子君 この条約を批准するということと、それからこのパート労働法が、実際は国、地方自治体の公務員にも、臨時職員、パート職員が今非常にふえているわけですけれども、こういう人たちにほとんど、本来パート労働法は民間企業のパート労働者のみが対象ですから、そこにはこの法が及ばないという問題が残されたままになっているわけです。
 このパートタイム労働に関する条約を批准するという、そういうやはり積極的な労働省の姿勢によって、さらに現在のパート労働法からは適用除外になっている地方自治体公務員や国の公務員の、このパート労働者の権利を、日本の国内でそこにやっぱり均等な待遇、権利というものを保障していくという、そういうもっと積極的な労働行政、労働政策というものを私は推進していただきたい。
 きょうは、私は要望だけで終わりますけれども、前にパート労働法を審議しましたときに当時の松原局長は、これは武田議員が質問をしていたんですが、やはり地方公務員、国家公務員に多くのパート労働者がいるというこのことに対して、そちらの人たちは国家公務員法、地方公務員法、人事院規則、条例などに基づいて手当てがされているから運用除外にしたということでございますという答弁をしているんですが、手当てはされているはずであるという思いだけであって、実態はそんなことにはなっていない。どんどんパートが公務員の中にもふえているわけですので、その辺も私は、今後労働省の中でもこういう問題をどうしていくのかということはぜひ検討課題にしていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 次に、通告してなかったんですけれども、これは婦人局長、お答えになれると思いますので、ちょっと伺います。
 九月に北京で開催されました第四回世界女性会議で採択された行動綱領についてなんですけれども、その中の二〇〇〇年までに政府が実行していく政策という戦略目標、そのところで「職業上の分離とあらゆる形の雇用差別を撤廃すること」という項がありますね。これは百八十項(b)なんですが、そこに「雇用の機会と雇用条件に関連しで、婚姻上および家族的地位に関することを含む性による直接的・間接的差別を禁止するために、法律を制定・強化し、それが同意されなかった場合の救済手段と裁判の機会を含む法の実施の方法を導入する。雇用条件には、訓練、昇進、健康と安全、そして配置転換、セクシュアルハラスメントや人種に基づく嫌がらせに対する法的保護を含む労働者の社会保障が含まれる。」という、そういう今後実行していかなければならない戦略目標があります。
 ここでは、いわゆる性による直接的、間接的差別を禁止するために法律を制定しなさい、強化しなさい、それが同意されなかった場合の救済手段と裁判の機会がうたわれているわけですけれども、これらについて、婦人少年問題審議会の婦人部会で今均等法の見直し作業が始まっていると思いますが、この第四回世界女性会議で採択された行動綱領にある部分をぜひ私は検討課題に入れて見直し作業の中に取り入れていただきたいと思いますが、労働省としてはどのようなお考えでしょうか。
#117
○政府委員(太田芳枝君) 先生御指摘のとおり、さきの北京で開催されました第四回世界女性会議におきまして、西暦二〇〇〇年に向けての行動綱領が採択されたわけでございます。今回、均等法やパートタイム労働法の検討のあり方をいろいろこれから検討していくわけでございますが、その際にはこの行動綱領に記載された事項も念頭に置きつつ、日本の実情に即した方策を講じていきたいというふうに考えております。
#118
○清水澄子君 日本の実情に即したというのはとてもいいように聞こえるんですが、それはまた違う面で絶えず国際社会では、日本政府は、ああいう国連の人権問題の会議では各国の実情に即しましてというところを見事に、各国の人権レベルに追いつくのじゃなくて、それを何といいますか外れるような立場でよく利用されることがありますが、そうじゃなくて、むしろ日本の女性労働は国際的にも非常に賃金差別も大きいし、それから雇用の問題でたくさんの古い雇用慣例がありますから、逆にそういう意味で国際社会の水準に追いつくようなという意味で国内の実情に合わせてというふうにお使いくださることをここで要望しておきます。
 そして第二点は、同じく第四回世界女性会議の行動綱領の戦略目標の中で、「男女のための仕事と家族責任のよりよい調和を促進する」という項目のところにこのパート労働に関するものがあります。この政府のとるべき行動として、百八十一項ですが「女性と男性が、平等を基礎に、フルタイムかパートタイムかを自由に選べるよう保障し、雇用、労働条件および社会保障へのアクセスに関して、型にはまらない労働者のための適切な保護を検討する。」と、あります。
 これは、さっき質問しましたILOのパート労働条約の批准とも関連する課題だと思いますけれども、この辺もぜひひとつ今後のパート労働法の見直しのところでこういう考えも取り入れていただきたいと思いますが、いかがですか。
#119
○政府委員(太田芳枝君) 繰り返しになりますけれども、今後そういういろいろ議論の過程で、行動綱領が採択され、日本政府がそれに一応賛成をしたということは念頭に置いて仕事は進めていきたいというふうに思っております。
#120
○清水澄子君 それでは次に、労働者派遣事業法の見直しについてお尋ねいたします。
 労働省の調査によりますと、労働者派遣事業に伴うトラブルには、業務以外の仕事につけさせられるとか賃金関係の問題、それから解雇、契約解除、また事前の面接、社会保険などに関するものが多いと思いますが、労働組合や弁護士の人たちが行っている派遣トラブルホットラインでは、契約の途中で解約されたというのが相談件数の五割近くになっております。しかも、その半数以上が女性であるわけです。労働者派遣事業法の第二十七条の契約解除の禁止規定では性別による差別をすることを禁じておるわけですけれども、労働省はこの労働者派遣事業法の規定に違反した事業者に対してどのような措置を講じておられるんでしょうか、お聞かせください。
#121
○政府委員(征矢紀臣君) 労働者派遣事業につきまして、御指摘の労働者派遣契約の中途解除の問題でございますが、これにつきましては法律の第二十七条で、「労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として、労働者派遣契約を解除してはならない。」ということで禁止をされているわけでございます。
 また、あわせまして派遣労働者の適正な派遣就業の確保を図るため派遣先が講ずべき措置に関する指針というのがございまして、派遣先はやむを得ず労働者派遣契約をその契約期間中に解除しようとするときはあらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申し入れを行うよう努めることとされておりまして、私ども現在これらの規定に基づき指導を行っているところでございます。
#122
○清水澄子君 ぜひ強い指導をお願いいたします。
 そこで、労働者派遣事業法第二十七条のこの契約解除の禁止という規定は、たとえ違反をしたとしてもやはり派遣先事業主に対しては何の罰則もございません。
 ことし七月、中央職業安定審議会は労働者派遣事業制度の見直しの中間報告をまとめておりますけれども、そこには労働者派遣契約の中途解約では労働者派遣契約の記載事項に損害賠償に関する方向で論議されていると報告をされておるわけです。このことは結局、労働者派遣事業法ではいわゆる事業者間の契約ですから、労働者派遣契約というのは民法上の契約として扱われているんだと思います。ですから、そこで損害賠償ということになるのだと思いますが、これで果たして中途解約された派遣労働者の不利益を解消できるのかどうか。
 労働者派遣事業法第二十七条というのは、契約解除の禁止というのは労働基準法に基づく規定と理解をするわけですけれども、そうであるならば、やはり労働基準法に基づく労働者保護と同様の規定を私は派遣先事業主に対して課していく規定を盛り込んでいくべきではないか。例えば、労働基準法ならば解雇する場合一カ月の予告手当を支給しなければならない、そういう労働者に対する最低の保護の権利を基準法並みにそこに規定していくべきではないか、このように考えますけれども、その点はどのように判断をされているのでしょうか。
#123
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の労働者派遣契約の中途解除の問題につきまして、現在具体的に中央職業安定審議会において議論されているところでございます。このあり方につきまして、現在審議会におきまして集約の方向でございまして、年内をめどに結論を取りまとめていただく予定でございまして、私どもといたしましては、この審議会の審議結果を踏まえまして法的措置も含め適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#124
○清水澄子君 質問をしたところに答えてくださらないでしょうか。
 適切に対応していきますと言っても、今審議されているのは知っているんですが、労働省はこの点についてはどんなお考えでしょうかということを伺ったわけです。
#125
○政府委員(征矢紀臣君) 私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、基本的にこの法制のあり方につきましては、公労使三者構成の審議会において十分御議論いただいて、その結果を踏まえて法的措置を含め適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、罰則措置を法律に盛り込むべきではないか、こういう御議論もその中であるやに問いておりますが、ただ一方で、これはただいま御指摘もありましたように、労働者派遣契約はこれは民事上の取引契約としての性格を有するものであるというようなことで、この辺についてコンセンサスがどう得られるか、そういう問題もあるようでございます。
#126
○清水澄子君 だけど、その働く人たちが契約解除の禁止という条項がありながら中途で解約される、そういうときに自分が一々裁判でやらなきゃいけないというのは大変なことだと思いますので、やはり最低の、労働者の権利保護ということでの観点から、私は、ぜひ労働省はそういう態度でひとつお進めいただきたいと思います。お願いいたします。
 次に、労働者派遣事業法はいわゆる昭和六十年、一九八五年に成立をして十年が経過をしております。成立の当初は、専門的な知識を持つ人、それから技術とか専門的な経験を有する労働力の適切な需給の調整という目的があったと思いますけれども、実際には中途解約とか事前面接とか業務以外の仕事などの法制度上の欠陥が目立っているわけです。このことはやはり労働者派遣事業制度が景気の調整弁としての役割を果たしているという側面も見逃せないと思います。そういう意味で、労働省は現行法の欠陥をどのように受けとめておられるのでしょうか。
#127
○政府委員(征矢紀臣君) 労働者派遣法におきましては、適用対象業務、これはただいま御指摘のように専門性の高いものについて指定をいたしましてそういう業務について派遣業務の対象にする、こういう基本的な考え方でございます。この適用対象業務以外の業務につきましては、これは労働者派遣事業を行うことは罰則をもって禁止されているところでございまして、派遣先が派遣労働者を適用対象業務以外の業務に就業させることにつきましても、この法の趣旨にかんがみ、行政によります厳正な指導の対象としているところでございます。
 ただ、現実に適用対象業務以外の業務に派遣労働者が就業している場合も見られるケースがあるわけでございまして、現在中央職業安定審議会におきまして行われているこの労働者派遣事業制度の見直しに係る審議の中におきましても、派遣就業の適正化のための措置についての検討が進められているところでございまして、私どもといたしましては、この審議の結果を踏まえまして法的措置も含めて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#128
○清水澄子君 では、労働大臣にお尋ねいたします。
 最近、この規制緩和という名目で労働者派遣を原則自由にせよという経済界からの非常に強い声が出てきております。中央職業安定審議会においても、この労働者派遣事業制度の見直しに伴って今度新たに十二業務を派遣業務につけ加えることが今検討されていると思います。こうした動きに対しまして、日本労働弁護団などから現行法の欠陥の是正が先ではないか、そして安易な派遣業務を拡大していくということは慎むべきだという意見が出されているわけですけれども、大臣はこの派遣業務の拡大に対してどのような立場に立たれるのか、その点につきましてぜひ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(青木薪次君) この労働者派遣事業のあり方については、先ほど局長からも説明がありましたように、公労使三者構成で審議中であるわけでありますが、今清水先生のおっしゃったように原則自由にしろというような意見も含めて適用業種の拡大等についていろんな御意見が実はあるわけであります。
 私は、原則自由なんということは現在考えておらないわけでありますが、適用業種の拡大等についてこれを相当程度拡大するということについては、これはやはりある意味で検討の対象であるべきだ、無制限にあるいはまた拡大するということについてはいかがなものかということを考えて、こうして労働者派遣事業のいろんな問題にかかわることについては、この公労使、中央職業安定審議会の検討結果をもってひとつ慎重に対応いたしたい、こう思っているわけであります。
#130
○清水澄子君 労働省は、働く人たちの権利をいかに保護し保障していくかという省でございますので、その点ここに問題のないようにぜひひとつ真剣にお取り上げいただきたいと思います。
 最後の質問でございますが、労働省は労働行政を進める上で各種審議会の答申をまって法制度などの改変作業を行っていると思います。今もいろいろお聞きしても必ず各種審議会に御審議をいただいておりますがということで、私たちはちっともその実際の審議状況の中で議員としてもっと私たちが政策そのものに当たっていかなきゃならないと思いながら、審議会優先になっている現状なんですが、そういう意味で、きょうも幾つかの問題がすべて、男女雇用均等法では婦人少年問題審議会の御審議をいただきましてとなりますし、労働者派遣事業法でも中央職業安定審議会の御審議を受けましてとあって、なかなか私たちが核心を議論するということが非常に難しい状況にあると思います。
 そういう中で、去る九月二十九日に閣議決定、もっと審議会の透明化、そして見直し等についての決定が行われたわけですけれども、今日この情報化社会の時代でございます。そういうときにこの閣議決定は、審議会のあり方、審議会の審議内容の公開をめぐるものであって、非常に私はこれは大切なことだと思っております。
 審議会の透明化、これは今までも幾度も問題になってまいりましたけれども、これらについて、労働省は所管する審議会の透明化をどのように図っていこうとされているか、議事録等の閲覧等を含めて閣議決定に対してどのように対応をしようとしておられるのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
#131
○政府委員(渡邊信君) 去る九月二十九日の閣議で審議会等の透明化についての決定が行われました。労働省では、先ほどから名前が挙がっております中央職業安定審議会あるいは婦人少年問題審議会等、この閣議決定の対象になる審議会が現在十三ございます。これらの審議会につきまして、先ほどの閣議決定の趣旨、内容について各審議会に現在説明をいろいろと行っておりまして、私どもとしましては基本的にこの審議会の透明化に努めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 具体的には、少なくとも議事要旨を公開するという方向で考えておりまして、それぞれの審議会におきまして、どのような方法で公開するかについての決定が早期になされるよう現在働きかけを行っているところであります。審議会の運営はもちろん審議会自身が決めるということになっておりまして、これから次々とこれらの審議会が労働省でも開かれていきますので、できるだけ早く先ほど申しましたような方向で御議論いただき、決定を願いたいというふうに思っているところでございます。
#132
○清水澄子君 終わります。
#133
○吉川春子君 高校生の就職問題、大学生の就職問題についてまずお伺いしたいと思います。
 高校生の求人倍率も大変去年に比べて低いわけですけれども、ことし三月卒業の高校生、大学生の就職状況について簡単に御報告いただきたいのと、そのことが学校教育、授業にどういう影響を与えているかについてもあわせて文部省から答弁をお願いします。
#134
○説明員(池田大祐君) お答えいたします。
 本年三月末現在で取りまとめました公立及び私立の高等学校卒業者の就職状況に関する調査によりますと、今春高等学校卒業者で就職を希望した者は四十一万五千九百七人でございましで、そのうち就職できなかった生徒は二万五千百七十人でございます。
#135
○説明員(近藤信司君) 平成七年度の学校基本調査によりますと、この春に大学を卒業した者の就職率は前年より三・四ポイント低下をしておりまして、六七・一%でございます。また、短期大学を卒業した者の就職率は前年より四・七ポイント低下をいたしておりまして、六五・四%と大変厳しい状況になっておる、こういう認識でございます。
#136
○説明員(池田大祐君) ことしの高校生の就職難がどういうふうに高校に影響を及ぼしているかというお尋ねでございますが、文部省におきましては、これまで各都道府県に対しまして、職業安定部局との連携を密にし、学校と公共職業安定所が協力してできるだけ多くの求人を開拓するよう配慮を求めてきたところでございます。
 先生御指摘のように、教員がいろいろ企業回りをいたしまして、そのために授業に影響が出ているというふうなことにつきましては、私どもも調査をしていないわけでございますけれども、教員が求人開拓のためにいろいろと努力をしているということは十分承知をしておるところでございます。
#137
○吉川春子君 授業とか学校教育にどういう影響を与えているかについて、重ねて答えてください。
#138
○説明員(池田大祐君) 先生お尋ねの、授業とか学校教育にどういうふうな影響を与えているかということにつきましては、私ども現在のところそういう実態を把握いたしておりませんので、今の段階ではよく承知をしておりません。
#139
○吉川春子君 文部省、全く怠慢ですね、それは。だって、これだけ就職難で先の見通しもない、そうしてその学生たちが三月卒業しても就職できない、授業も成り立たないし希望も持てない、そういう中で教育に物すごい影響を与えているわけですよ。私のところにだっていろいろ情報が入ってきます。それを文部省がつかんでいないなんというのはとんでもないことですね。文部省の資格が疑われるんじゃないですか。私は、どういう影響を与えているのかということも含めて実態を把握するように強く要求いたします。
 大臣にお伺いいたしますが、さきに改正されました中小企業労働力確保法について、午前中も大変いい法律だというふうに答弁をされておりましたけれども、新たに雇用創出は一万五千人を目指しているという答弁も法改正のときにそちらからいただきました。完全失業率が三・二%、六カ月連続しで失業者が二百万を超える、こういう実情に照らしで雇用創出というふうに胸を張るほどの内容じゃないと思うんですね。
 そして同時に、これは高度人材対象ということとか大企業のリストラ応援の側面があるということも指摘しましたが、今求められているのは、特に若年労働者、若い労働者の雇用の場を大いにつくるということだと思うんです。労働省としても、若者の就職の場を確保するための、そのための雇用創出の法律なりいろんな場を設けるなり、そういうことを真剣に考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
#140
○国務大臣(青木薪次君) 景気の停滞の中にあって、来春の新規学生卒業者の就職環境は引き続き厳しい状況にあることは御案内のとおりであります。
 そこで、私といたしましては、働くことを希望する、特に女子学生が男子学生と同様にその能力を発揮する機会を与えられることが非常に私は重要だというように考えているわけでありますが、けさもちょっと申し上げましたように、東京ドームを借り切ってやったときに一万八千八百人の未就職の学生が集まった。それから、企業も男子学生だけ必要だなんという人は来なくてよろしいということを言ったところが、七百の企業がやはり女子も皆同じようにひとつぜひ相談にあずかる、乗ってもらうということで、七百社の人が集まった。
 今六つの学生職業センターがございますが、これを繰り上げて四十一都道府県のものをさらに加えて四十七都道府県の学生の臨時職業センターのようなものをつくって、集団的な就職機会をつくるような努力をしながら、今学校の現場に対して年三回いろいろ職業情報をとって、そうして学生に与えて、そしていろいろと選択の条件というものをつくっていく、こういうようなことを通じまして、若い人の大学は出たけれども就職先がないということについては大変私どもも悲しい思いもいたしておりますので、そういう点についてはこれからも特段の努力をして頑張ってみたい、こう思っております。
#141
○吉川春子君 新しい職業の開拓ということはもちろんなんですけれども、雇用創出という点についてひとつ労働行政の中でも検討していただきたいと思います。
 それで、ここに私、就職黒書というものを持っておりますが、これは就職難に泣き寝入りしない女子学生の会がまとめたものでしで、先般労働省交渉のときにそちらにお渡ししてあるんですけれども、お読みいただいたと思いますけれども、どんなお気持ちでお読みいただいたでしょうか。
 私は、これを就職活動をしながらその学生たちにつくらせるんじゃなくて、労働省がぜひ実態を把握しで、そしてこういうものを白書の中に入れていく、そういう実情を把握して公表していく、そういうこともあわせてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#142
○国務大臣(青木薪次君) 今、就職黒書というものを吉川先生から提示されました。私もそれを読ませていただいて、そして今後の学生の就職活動に生かしてまいりたい、参考にさせてもらいたい、こう思います。
#143
○吉川春子君 雇用機会均等法で禁じられている採用差別が横行しています。
 労働省は、昨年四月に均等法の指針を改正しまして、募集や採用で女子の人数制限を設けないこととして、男女別の採用予定人数を明示しないように指導してきました。それとの関連で、ことし七月リクルートリサーチが大卒の女子有効求人倍率は○・四五、男子が一・三三と発表したことについて、労働省は激怒したと伝えられておりますけれども、それはなぜですか。事実に反する数値を発表されたことに怒ったのか、それとも雇用法違反の実態が暴露されたから怒ったんですか。どっちですか。
#144
○政府委員(太田芳枝君) 昨年四月に改正いたしました指針におきまして、男女を対象とする募集、採用区分において女子についての人数の限度を設けないということにしたわけでございます。
 事業主に対して募集、採用に際し、女子に対して均等な機会を確保することを求めたわけでございますが、リクルート社の新聞情報は、ちょっと先生がおっしゃったとおりマスコミ的というんでしょうか、激怒したというふうに書いてございましたが、私どもといたしましては、均等法は御承知のとおり、雇用の分野における各種の機会が男女を問わずひとしく確保されている状況を実現することを目的としておるわけでございまして、このことについて事業主はもちろん、広く社会全体の理解を得ることが重要であるというふうに考えておったわけでございます。
 そういう点で、今後とも労働省といたしましては、法の周知、理念の周知徹底に努めまして、でき得ればああいう調査が大々的に発表されることがないようにしでいただきたいというふうに思っているところでございます。
#145
○吉川春子君 この数値を見てやっぱりと思った人が多かったんじゃないんですか。ここには募集、採用の男女差別の実態がリアルに示されていると言えるんじゃないかと思うんです。私は、実態を覆い隠すのではなくて、この格差をなくすための手を打つのが労働省の仕事だと思います。これまでも女子のみ、女子優遇については、これは女子労働者の能力発揮、地位向上につながるものは許す、しかし男子のみは均等法違反だということでしたね。
 ちょっとコピーをとってきたんですけれども、これ、いつの新聞にも必ず載っているんですけれども、広告欄、求人欄。ここを見ますと、例えばこれはある日のある新聞なんですけれども、企業主に対して、求人広告は原則として次のように男女の性別で分類してありますと。そして男、女、男女と。こんなのが毎日毎日載っていますけれども、こういうことに対して労働省はどういう指導をされているんですか。雑誌でもいいですけれども。
#146
○政府委員(太田芳枝君) 労働省といたしましては、均等法に抵触するような男子のみ募集を把握した場合は、企業から実情を聴取して均等法や指針に照らし、問題のある場合は問題点を指摘いたしまして法律の遵守をお願いしているところでございます。
 ただ、男子のみ募集でもすべてが均等法違反というわけではございませんので、男子のみ募集でも均等法上許される場合もあるわけでございますので、すべてが悪いというわけではないということは御承知おきを願いたいと思います。
#147
○吉川春子君 そんなこと知ってて言っています。そういうものじゃない求人広告、常時載っていますよ。ごらんになったことありますでしょう。これで言うと、タクシー乗務員あるいはこん包発送事務、これ男子のみになっています。だから、こういうものに対して個々の企業を指導するということはもちろんですけれども、こういう広告に対して何か指導されたことはあるんですか。
#148
○政府委員(太田芳枝君) 均等法ができて以来、新聞等の広告を扱っております事業主、会社等に対しましても、均等法の趣旨の徹底はお願いをしているところでございます。また、最近そういうものがふえているというような傾向にもしあるといたしましたならば、もう一回調査をいたしまして応分の措置をとっていきたいというふうに思います。
#149
○吉川春子君 それから、募集・採用差別をなくすために、女子を採用するつもりがないのに、あるいは初めから採用枠を男性に多くしているのにカムフラージュのために女子に就職試験だけは受けさせるという企業が毎年ありますね。女子学生の先ほどの黒書にもありますけれども、二次面接では女子が極端に少なくなっているとか、明らかに男しか採りたくないという顔をされたとか。それから、先ほど来労働大臣が繰り返しおっしゃる東京ドームの説明会でも、東京ドームに行ったら、何だ女子ですかと言われたとか、あるいは最終面接でことしは女子は採らないんだよと言われたとか、こういう最初から女子を採用するつもりがない会社の例がいろいろここにも載っています。
 そして、出産とか育児休暇をとる女性は会社への貢献度を見るんだということで、女子を採りたくない理由をあからさまに言うところもあります。採用前から女性は会社への貢献度が低いなどという理由は女子差別だと思うんですね。それで、労働省は不採用の理由が就職試験の成績の結果なのか、あるいは女子であるがゆえに落とされたのか、この辺の実情の調査ということをやったことがありますか。
#150
○政府委員(太田芳枝君) 平成四年度より、新規学卒採用内定等調査というのを実施しております。そこの中で、男子のみの募集の理由とか前年度に比べた採用者数の減少割合が男子に比べ女子の方が高い理由についで聞いております。
 女子の採用の減少割合が男子よりも多い理由といたしましては、平成六年度の結果を見ますと、優秀な男子が多く応募してきたとか、女子の定着率が高まったので補充すべき人数が減ったなどが回答としては多く見られているところでございます。
#151
○吉川春子君 私は、こういう調査をぜひ労働省でもしてほしいと思うんですけれども、女子が何人応募して、そして何人採用されたのか、そしてまた不採用にされた理由が具体的にどういうことなのかということを、今二つぐらい類型言われたんですけれども、これをもっとつぶさに調査しで、そしてこういう採用差別、募集差別はもちろんですが、採用差別というものをなくすように努めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#152
○政府委員(太田芳枝君) この調査は毎年度やっておりますので、調査票につきましてはいろいろと検討もしてみたいと思うわけでございますが、ただ、意識調査でございますので、余り細かく聞くとかえって答えがどうなのかなというような危惧もございますが、そういうことも含めまして検討はさせていただきたいと思います。
#153
○吉川春子君 それから、審議会の公開問題について、今も清水議員の方からお話がありましたけれども、ぜひ審議会は公開していただきたいと思います。
 それで、十月二十五日に男女雇用機会均等問題研究会報告で結論のみ示されているわけです。これは、平成五年から何回会議が持たれ、どんな議論の経過を経て結論に至ったのかということが全くわからないわけなんですね。やはり女子大生の就職差別とか職場における女子の昇進昇格あるいは賃金差別、これを是正するために均等法はもうかなり無力だということも多くの人からも指摘されていますし、私も何遍か質問いたしました。
 やはり企業に男女平等の義務を課し、違反の場合は罰則を科する、こういう必要があると私たちは考えておりますけれども、この婦少審の審議の内容を国民につぶさに知らせていかなきゃならないと思うんですね。国民の知らないところで審議会の結論が出て、それで法律が改正されるということは、これは全く民主主義の立場からも許されないし、国会軽視ということでも許されないと思うんです。
 今の答弁に対してもっと突っ込んで伺いますので、突っ込んだ答弁をお願いしたいと思うんですが、地方分権審議会では、これ分権のところでかなり公開問題を私も質問したんですが、要旨をまず発表して、それから詳報というのを何日かおくれて発表しているんですね。本当は議事録を全部公表していただきたいんですけれども、そういうこともできないというのであればせめて詳報、要旨だけでは絶対だめです。官房長、いいですか。要旨だけでは絶対だめです。詳報を具体的に公表する。そして、労働省が配った資料も全部公開する。これは審議会の許可なんか要らないわけです、労働省が配る資料ですから。そういうものも含めて積極的に公開していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#154
○政府委員(渡邊信君) 審議会の透明化、公開の問題につきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでありまして、労働省としましては、対象となると思われます十三の審議会について原則議事要旨の公開でもって対応したいと思っておりまして、その旨、これからいろいろと開かれます審議会において決定されるように現在働きかけを行っているところであります。
#155
○吉川春子君 時間がないので一言。要旨だけではなくでもっと細かい、詳報もぜひ公表していただきたいと思います。そのように審議会に要望してもらいたいと思います。どうですか。
#156
○政府委員(渡邊信君) 本日、労働委員会におきまして、そのような議論があったことはお伝えしたいと思います。
#157
○吉川春子君 それから、非常に労働省の業務量がふえているわけですね。これはもう労働省の応援になる質問なんですけれども、業務量にふさわしい人員配置をぜひやってもらいたい。
 それで、さっき婦小室で就職問題の相談窓口の数字の報告がありましたので、これは省略いたしますけれども、ことしから育児休業給付、高年齢雇用継続給付というものが始まりましたけれども、この対象人員は、有資格者といいますか、これはざっと全体で何人でしょうか。
 それから、この給付を受けるための前提となる雇用継続賃金月額証明書、この受理件数。これ全国で本当はつかんでほしいんですが、私埼玉県に住んでいますが、とりあえず埼玉県の数字について御報告いただきたいと思います。
#158
○政府委員(征矢紀臣君) 雇用継続給付につきましては、本年四月からスタートしたわけでございますが、これにつきまして平成七年度におきます雇用継続給付の支給対象者数、最大で見積もりまして高年齢雇用継続給付につきましては三十四万人、育児休業給付につきましては十四万人、計約四十八万人と見込んでいるところでございます。
 なお、雇用継続給付につきましては、これは五年間継続するわけでございまして、そういう意味で五年後の制度が成熟した時期におきます人数としましては百十六万人を見込んでおりまして、したがってトータルでは百二十万人、こういう数字を見込んでおるところでございます。
 それから、高年齢雇用継続給付に関します賃金月額証明書の受理件数でございますが、これにつきましては現在その取りまとめを行っているところでございまして、現実の数字はまだ把握できておりません。
 ただ、御指摘の埼玉県におきます高年齢雇用継続給付にかかわる賃金月額証明書の受理件数につきましては、九月末までの累計で約九千件という報告を受けております。
#159
○吉川春子君 すさまじい数字ですよね、これは。この百三十万の人がみんな職安に来て、申請を受けて、また処理してと、こういうことを全部労働省の職安の皆さんがやっていかなきゃならないわけです。
 ちなみに、埼玉県は九千件と、今九月末の数字が出たんですが、埼玉県の失業給付の件数が大体一カ月平均九千ぐらいなんですよ。だから、もう一つ職安が必要なくらい、人数が必要なくらい、そういう業務量がふえるということ、もう現にふえているんですけれども、将来にわたってさらにふえ続けるということなんですが、それに対して人員がことしはどれぐらいふえたんでしょうか。その数について御報告いただきたいと思います。
#160
○政府委員(渡邊信君) 平成七年度の労働省の増員実績は次のようになっております。
 労働省全体では三百二十名でございます。内訳を申し上げますと、労働本省で四名、都道府県の職業安定課等及び公共職業安定所の合計で二百四十九名、婦人少年室で一名、地方労働基準局及び労働基準監督署で六十六名、合計三百二十名というふうになっております。なお、このほかに平成七年度の補正予算におきまして、平成七年度までの時限定員でありますが、阪神・淡路大震災対応として二十四名の増員が認められております。
#161
○吉川春子君 さっきの事務量の関係で、埼玉は何名ことしふえたんですか。
#162
○政府委員(渡邊信君) 埼玉県につきましては、労働基準関係で一名、職業安定関係で十一名の増員となっております。
#163
○吉川春子君 埼玉の場合、さっき言いましたけれども、平成二年は失業給付など雇用保険業務が月平均四千九百件だったんですね。平成七年は月平均で九千から一万の間と倍にふえているわけです。しかも、今言ったように、ことしから二つの事業がスタートしたと。そういう中で人員が十一名というんですけれども、全労働の埼玉支部の九六春闘アンケートの調査によれば、職場の不安、不満で最も多いというのが、要員不足と答えた人が三百八十七人、年休・代休取得困難が百十二人、仕事による健康不安が百三十一人となっているんですね。時短を進めようとか、こういうふうに言っている労働省自身が年休、代休が取得困難、こういう数が非常に多いわけです。
 それから、新規二事業の人員要求としては、埼玉に十四の職安があるんですけれども、雇用保険関係であと四十人は欲しい、こういう要求が出ています。そしてさらに、失業者の増大等で就職相談の方でもやはり同じくらいの増員が必要だというわけなんですね。婦人少年室も今女子学生の相談業務など非常に重要な仕事をやっておりまして、ここが頼みの綱にもなっているわけです、女子学生の。ところが、例えば北海道で六人しかいない、あの北海道でとか、各県とも四、五人でやっているわけです。それで、今伺ったらふえた人員が四十七都道府県で一人。大臣、これでは本当に労働行政の遂行ができませんよ。労働省の職員の健康も心配ですが、国民へのサービス、国民の暮らしが守られないんじゃないですか。人員確保については本当に真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 その御答弁を最後に大臣から伺って、私終わりたいと思います。
#164
○国務大臣(青木薪次君) 先般、私は全労働本部の三役並びに執行部の皆さんとお会いいたしまして、今何が一番問題か、やっぱりお説のように要員問題であるというようなことで、いろいろお話が出ましたように非常に新規のいろんな取扱業務がふえておりますので、そういった点などを考慮いたしまして、私もこの要員問題についてはやはり真剣に取り組んでいきたい、こう思っております。
#165
○吉川春子君 終わります。
#166
○末広真樹子君 参議院フォーラムの末広真樹子でございます。よろしくお願いします。
 まず、男女雇用機会均等法の見直しからお伺いしてまいります。
 さきの労働委員会で、均等法の見直しを秋の答申は難しいが早急に進め、早く答えを出すと大臣からお伺いいたしました。早速十月二十五日から見直しが始まったようでございますが、それに関連しまして、現在の女性雇用の問題について幾つか質問をさせていただきます。
 まず、コース別の人事管理が結局は女性差別につながっているという問題からです。労働省はこれまで、金融、民放、建設業の各事業の実態を調査しまして、さらに商社、保険、証券、四百社を調査とのことでございますが、この調査結果及びそれについてのお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
#167
○政府委員(太田芳枝君) コース別雇用管理で、今先生御指摘の各産業につきましでの調査は平成七年度の婦人少年室の事業として行っているものでございまして、まとまるのは年度が明けてからということになっております。
 ただ、私どもの方で、コース別雇用管理制度につきまして平成四年度に調査したものがございます。これによりますと、コース別雇用管理制度を導入している企業は三・八%でございます。産業別には金融・保険業が一番多くて二四・二%でございます。次いで不動産業が一四・四%となっております。規模別に見ますと、規模が大きいほど導入している企業の割合が高くて、五千人以上の規模では約半分、それから千人から四千九百九十九大規模では約三割強でございます。
 そして、このコース別雇用管理制度の導入時期を見ますと、昭和五十九年以前、均等法の施行以前とするものが三割でございます。それから、均等法施行直後の昭和六十一年から六十三年にかけてが約二五%。それから、平成元年以降とするものが三三%となっております。また、現在導入していない企業のうち九割以上の企業が今後も導入を予定していないと回答しておりますので、コース別雇用管理制度の導入を予定している企業は既に導入をし終わったのではないかなというふうに考えております。
#168
○末広真樹子君 男女雇用機会均等問題研究会が東京、大阪、名古屋の一部、二部上場企業の八百一社から回答を得ました。企業における女子のみを対象とした取り扱いについての調査によりますと、以下のような報告が婦人少年問題審議会になされております。
 これは提出しております第三表でごらんいただきたいのでございますけれども、「補助的定型的業務である」というところで、「女子のみ」というところが七〇・三%、七七・二%。それから六項目右へ行きまして「女子の方がソフトな対応ができ顧客が好む、又は女子の感性を活かせる」というところが、電話交換手、接客などのところでは九七・一%、そして九三・三%ということでございます。
 次の第四表をごらんいただきますと、労働条件等という表でございますけれども、まず「初任給が低い」というところが注目されます。それから「仕事の内容が定型的である」、これは非常に高いパーセンテージになっております。そして、「配置転換がない、又は少ない」、これも高こうございます。――失礼しました。資料を皆様にお配りしていなかったようでございます。済みません。
#169
○委員長(足立良平君) はい、許可します。
   〔資料配付〕
#170
○末広真樹子君 それでは、今のところ重複いたしますが、まず第三表からごらんいただきたいと思います。女子のみ募集というところで、「補助的定型的業務である」というのが一般事務あるいはパート等で七〇%を超えております。そして、それの欄を六つ右へ行きまして、「女子の方がソフトな対応ができ顧客が好む、又は女子の感性を活かせる」というところは、これはもう九〇%を超えております。電話交換手、接客などをごらんいただければよいかと思います。
 それから、第四表をごらんいただきたいんですが、それでは女子のみ募集あるいは女子を優先しているものの労働条件に関してはいかがであるかといいますと、まず「初任給が低い」、そして「仕事の内容が定型的である」、「配置転換がない、又は少ない」、この三項目が突出しております。女子のみを対象として募集採用する職種、コースがある企業は四一・二%に上り、概して企業規模が大きいほどその比率は高いということが注目されます。そして、その募集採用の理由は、補助的定型的業務であることと、女子の方がソフトな対応ができて顧客が好み、また女子の感性を生かせるとする割合が高い。職種やコースによる差別的採用がなされていることが明らかでございます。事実、第四表でごらんいただきましたように、初任給が低い、仕事の内容が定型的であるなど、労働条件の劣悪さが証明されております。
 そこで質問でございます。このような差別的実態を、いかにしてなくしていくことができるのか。男女雇用機会均等法はどのような役割を果たし得ると考えていらっしゃいますでしょうか。
#171
○政府委員(太田芳枝君) 先生御指摘の男女雇用機会均等問題研究会報告と申しますのは、これは均等法が、事業主が女性のみを対象として講ずる措置には均等法自身は関与しないということで解釈されてきたわけでございますが、このような女性のみを対象とする措置の中には、女性の就業分野の固定化につなかったり、均等法の目的、理念に照らして問題となるものも見られるのではないかということで、この研究会を開きましてこれらの措置の実態及び今後の取り扱いの方向について検討したものでございます。
 この研究会報告におきまして、一般職女性のみの募集とか、女性のみの接遇訓練の実施など、特定の職種への女性の固定化とか社会通念を前提とした措置について、その見直しを求めておるところでございます。
 労働省といたしましては、この報告の趣旨に沿いまして、企業における女性のみを対象とする措置について、女性の能力の有効発揮、それから女性全体の地位の向上の観点から見直しを行いまして、必要な改善が図られるよう周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
#172
○末広真樹子君 最初からコース分けがされていて、その後いかにして能力を発揮していけと仰せられるのですか。
#173
○政府委員(太田芳枝君) それぞれのコースでもお仕事はそれなりに重要な部分がございますから、一生懸命やって能力発揮をすることはできると思います。ただ、この報告書にもございますが、コース別の雇用管理になっておる場合はそのコース間の、例えば一般職から総合職への転換が柔軟に行われるような制度も一緒に充実していく方が望ましいというふうに考えております。
#174
○末広真樹子君 能力発揮という言葉の解釈の差であろうかと思いますが、能力を維持するのが発揮なのか、それとも新しく開発して掘り起こして揺り動かしていくのが発揮なのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#175
○政府委員(太田芳枝君) 仕事の能力は仕事をすることによっでいろいろとつくられていくものと思いますので、新しい能力を積極的に掘り起こし有効発揮していくことが非常に重要であるというふうに考えます。
#176
○末広真樹子君 ありがとうございます。今のお言葉に大変心強く思っております。
 では次に、雇用形態から来る女性労働の悪化についてお尋ねいたします。
 去年の八月でございました、アルバイトスチュワーデス導入で騒がれたことは皆様の記憶に新しいと思いますが、これまでの正社員スチュワーデスと異なる雇用形態が導入されたことで女性の花形の職場が随分変わったと聞いております。
 契約制アルバイトスチュワーデスの年収は、乗務時間六十時間といたしまして年収二百三十四万円、これは短大卒で勤続三年目の正社員スチュワーデスの年収約五百五十五万円に比べますと四二%にしかすぎません。これは雇用形態の違いを理由とした労働条件の切り下げではないかと推測されます。また、一年契約三年まで更新という有期、期限つきの雇用形態が事実上の若年定年制をもたらしていると言えます。これまで正社員としてのスチュワーデスがから取ってきた若年定年制の廃止、定年制の延長をなし崩しにするものです。
 そこで、質問の三つ目に移らせていただきます。
 男女雇用機会均等法などは、女性が大切にされてきた職場を破壊することを望んではいないはずです。この点で、パートやアルバイトといった雇用形態の違いによる女性労働の置かれた差別的実態をどう変えでいくのでしょうか、そこで均等法の果たす役割はどうなるのでしょうか、お答えください。
#177
○政府委員(太田芳枝君) 先ほどのお話にもございました男女雇用機会均等問題研究会の報告におきまして、女性のみ等の募集採用の問題点が指摘されたわけでございます。
 労働省におきましては、このような女性のみを対象とする措置の考え方につきましては、先ほども申しましたが、周知啓発を行いまして、均等法の趣旨、目的に沿った企業の自主的な取り組みを促してまいりたいというふうに考えております。
#178
○末広真樹子君 大臣にお伺いいたします。
 男女雇用機会均等法の見直しについて、女性と男性の公私にわたるパートナーシップが大変重要かと思いますが、どのような展望をお持ちか、今までの質問を踏まえて大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
#179
○国務大臣(青木薪次君) 均等法の見直しについては、労働基準法の女子保護規定とあわせて婦人少年問題審議会での審議が十月二十五日に再開されたことについては御案内のとおりでありますが、労働省として、その審議結果を踏まえて対応いたしたいと考えている次第でございます。
 見直しについては、現段階では、均等法を強化すべき、あるいは女子だけの保護規定は緩和する、あるいはまた廃止すべきなどのさまざまな意見が見られるわけでありますけれども、労使を初めとする関係者の意見を十分聞きながら検討すべきものと考えている次第でございます。
#180
○末広真樹子君 誤解があっではいけませんのでお伝えしておきますが、女性の労働参加とか社会参加というのは決して女性のためだけじゃないんです。男性にとってもいいことだと思います。例えば、女性が働けば保険制度や税金の男性負担も軽減されます。万一働いていらっしゃる男性が倒れても女性の力で、安心とまではいかないまでも何とかその男性を経済的に支えることができると思います。今後とも、真の男女共同参画社会の実現のために大臣ほか皆様の御努力をお願いして、次に移らせていただきたいと思います。
 続いて、女性の社会参加や政治参加の低さが指摘され続けておりまして、なかなか十分な改善を見ることができておりません。
 本年の総理府の女性の政策決定参画状況調べによりますと、女性の裁判官は八・三%、検察官は八・六%、小学校の校長が八・六%と、これはまだ伸びた方でございます。高校の校長は二・四%、大学の学長は四・一%、地方議会の女性議員は三・五%、だんだん数字が心細くなっていくんですが、地方自治体の女性首長は、市長が一人、町長が二人、村長一人といずれも低レベルのままでございます。
 そこで質問でございますが、政府機関等の女性の雇用の現状はいかがなんでしょうか、まずお教えください。その上で、現状をどう改めていけばよいとお考えでしょうか。このような社会が存続していけば男女雇用機会の均等など進み行くはずがないと思われますが、いかがでしょうか。
#181
○説明員(名取はにわ君) 女性の登用は、先生がおっしゃいますとおり、まず政府機関が率先して行うということが重要であると考えます。国の審議会等におきます女性委員の登用、それから女子公務員の採用、登用につきまして、その促進に力を注いでいるところでございます。
 内閣総理大臣を本部長といたします男女共同参画推進本部におきましては、平成八年三月末までに国の審議会等における女性委員の割合を一五%にすることを目標としております。総理府の調査によりますと、平成七年九月末現在、国の審議会等における女性委員の占める割合は一四・一%であり、本年の三月末に比べますと一・〇%と過去最高の伸びを示しております。今後、約五カ月で一五%の目標を達成するため、閣議等を通じ、その実現に向けて全省庁及び関係機関に対して積極的な協力をお願いしているところであります。
 また、先生のおっしゃいました女子公務員の採用ということでございますが、着実に伸びてきておりまして、とりわけT種につきましては、平成五年四月に採用いたしました女性の割合というのが九・一%でありましたんですが、二年後、ことし平成七年四月の採用は一四・三%でございまして、五・二%の伸びになっております。女子の公務員の採用、登用につきましても官房長官から全閣僚に対しまして一層の努力をお願いしているところでございます。
#182
○末広真樹子君 頑張れ、頑張れ、頑張れと十回ぐらい言わないとまだまだ希望するラインには届かないようでございます。
 この九月に北京で世界女性会議が開かれまして、私も私費をはたいて行ってまいりました。会議自体は正直言って実りがあったとは申せないんですけれども、幸いなことに中国婦女連合会林副主席という方がいらっしゃいまして、単独インタビューという形で九十分お話しできたんですが、中国の女性の現状についていろいろお話を聞く機会がございました。
 林副主席のお話の中で印象に残った点なんですが、中国では県知事か副知事に必ず女性を一人置くことを目指している、このことだけでもすごいなと思ったんです。中国の奥地チベットでも副知事の一人は女性なんだそうでございます。国会議員の数もさりながら、地方のこの制度こそ大切なんではないかなと感心いたしました。どうしてそんなことが可能なのかとお聞きしましたら、これはまさに、中国婦女連合会という全国組織で女性幹部を育成する組織ができている、ピラミッド型のものができているんだそうでございます。そして、さらにすごいのは天の半分は女性が支えると、これが中国の人たちのモットーだそうでございます。
 私はこれを聞いて偉いなと思ってしまったんですが、それでも中国の人がこれだけの意識を持っていても実際は女性の努力は男性の比ではないそうでございます。もちろん家事や育児があるからでございます。そして、勉強も男性並みではだめなんだとおっしゃっていました。男性を超えなければ認めてもらえないという現状があると。
 社会的支援の方も充実させていっているそうでございますけれども、身の回りの暮らしに女性の細やかな思いやりと配慮が行き届いて初めて住みよい町づくりが実施される。日本の知事、副知事はおろか、市町村議員に占める割合はびっくりするほど少ないんでございます。
 こういう資料もございます。UNDP、国連開発計画が、ことし「人間開発報告書」というのを発表しました。平均寿今、教育、収入の面から社会の水準をはかる人間開発指標というのでは、日本は世界第三位でございます。これは男女混合だからでございます。女性の社会進出度指標によりますと、日本は第二十七位と大きく下がっています。どういうことかといいますと、日本は社会全体としては豊かだが男女格差が極めて大きいということを如実に物語っております。また、国会議員に占める女性の割合は百十六カ国中六十三位でございます。そこでもって女性が国会議員になることも、私はことし身をもって体験しましたが、非常に難しい。死ぬか生きるかでございます。大変難しい。国家公務員の管理職に占める割合は八十一位と、一段と低い状態でございます。ということは、このジャンルでも女性は、頑張っているんだけれども上がれないという、非常に苦戦を強いられているんだなということが推察されるわけです。
 繰り返しお尋ねします。
 国会や政府機関等への女性の参加がこのような現状では、民間での女性参加が進むはずもありません。大臣の御意見をお聞かせください。
#183
○国務大臣(青木薪次君) 国会や行政において女性の進出が進むことは、末広先生の御指摘のとおり、まことに大切なことであります。まだまだ不満足でありますけれども、総理府から発表されました来年四月の審議会等における女性の進出を一五%にというお話がありました。私はこの内閣議において、労働省は審議会における女性の割合は一六・二%、したがって努力目標よりちょっと上に行っているということについて、これからの努力がさらに望まれるところだけれども、そういうことで一応の安心はいたしました。
 あらゆる場面での女性の能力の有効発揮という観点から見てもこれは望ましいものと考えているわけでございますけれども、私としては、さまざまな場面で女性の能力の有効発揮が図られるように関係機関とも連携いたしまして進めてまいりたい、このように考えております。
#184
○末広真樹子君 審議会に占める女性のメンバーが一五%か一六%かなんて大したことじゃないんでございましで、本当は半々でもええやないかと。一家にお父ちゃんとお母ちゃんが半々でおるわけでございますから、半々でもええやないかと。目標はもっと高く掲げていただきたいと思います。
 次に、障害者雇用における助成金に移らせていただきます。
 今国会で中小企業労確法の改正が審議されました。中小企業での人材確保のために新たに助成金制度がつくられることになりました。しかしながら、障害者雇用の分野では逆に助成金が切り捨てられようとしております。
 大企業を初めとして中小企業に至るまでリストラが進み雇用労働者が減少する中で、新規の障害者雇用数は十年前のレベルにまで大幅に減少しているにもかかわらず、分母が減っておりますので、障害者雇用率はかえって増大していることになってしまいます。まさに数字の怖さでございます。現実とは違います。ここで、従業員三百人以上の雇用率未達成企業から集めております一人分一カ月五万円の納付金が減ってくるという事態が生じております。これは五万円の納付金を集めて助成するという制度でございますね。そこで、本年十一月より雇用納付金に基づく助成金制度を改めることになったようでございます。
 そこで質問です。制度は残るものの助成金によっては大幅に使いにくくなり、実質的には助成金の削減となっていきます。これでは、特に中小企業の障害者雇用は難しくなってしまうばかりです。なぜ助成金制度を変え助成金を削減していくのか、お答えください。
#185
○政府委員(坂本哲也君) 身体障害者雇用納付金制度に基づきます助成金制度でございますけれども、これは御案内のとおり実際に障害者を雇い入れた、そしてそれに伴って具体的に費用を負担した、そういった事業主に対して一定の費用の助成を行おう、そして全体として障害者の雇用の水準を上げていこう、こういうねらいでもって昭和五十二年に創設をされたわけでございます。それ以来、障害者の雇用状況の変化に対応いたしまして支給対象となる障害者の範囲を拡大してきたり、あるいはその助成内容について見ましても助成率を引き上げたり助成期間を延長する、こういった改善もずっと行ってきたわけでございます。
 しかしながら、最近のこの助成金制度の運用の実情を見ておりますと、一部でございますけれども、この助成金制度を設備投資の肩がわりとして利用するといったような事例も見受けられる、制度本来の趣旨からしていかがなものかといったような事例も出てまいっております。そういったこともいろいろございまして、納付金財政の圧迫が懸念をされる、こういったような状況に立ち至ってまいったわけでございます。
 こういった状況を改善いたしますために、今回助成金について見直しを行ったわけでございますが、各種助成金ございますけれども、例えば一つ障害者作業施設設置等助成金というものがございます。これにつきましては、その支給対象となる設備につきましては、原則といたしまして雇い入れた障害者用に改造をしたもの、そういったものに限定するといったような形でその運用の改善を行うことにいたしたところでございます。
 いずれにいたしましても、今回の措置は、事業主が拠出する金銭を財源とする限られた納付金財政、これをいかに効果的に適正に執行をしていくか、そしてそれによって障害者の雇用の促進を図っていこう、そのための改善の措置ということでございまして、今後とも納付金制度の公正また効果的な活用に努めてまいりたいというふうに考えております。
#186
○末広真樹子君 ということは、納付金制度の活用だけしか財源を求めていない、国からの新たなる助成という観念はお持ちじゃないということでございましょうか。
#187
○政府委員(坂本哲也君) この助成金制度は、その財源は納付金ということになっておりますので、その納付金の財政の許す範囲内で適正な執行を行っているわけでございます。
 ただ、障害者の雇用促進のための助成制度といたしましては、今そのほかにも雇用保険を財源といたします特定求職者雇用開発助成金制度ですとかそのほかの制度もございますので、そういったものも効果的に組み合わせながら障害者の雇用促進を図ってまいりたいと思っております。
#188
○末広真樹子君 それでは、これらの助成金制度を活用しまして今後どのように障害者雇用を進めようとするのか。これは大臣、恐縮ですが御決意をお願いいたします。
#189
○国務大臣(青木薪次君) 障害者の雇用対策につきましては、障害者が一般の企業においで生き生きと働けるような社会の実現を目指して総合的に推進をすることといたしております。このために、重度障害者に最大の重点を置きまして、障害の種類とか程度に応じてきめ細かな対策を図っていきたいということを計画的に推進することといたしております。
 具体的には、障害者雇用率制度の厳正な運用、第三セクター方式による重度障害者の雇用の場の確保、職業リハビリテーションの推進等に努めてまいる所存でございます。
#190
○末広真樹子君 今、大臣のお答えの中で障害者も生き生き過ごせるようにというワンフレーズがございまして、まさにそのことが一番大事なのではないかと思います。
 つまり、人間にとって働くということは生きる喜びでございます。女性でも障害者でも高齢者でも生き生きと一緒になって働く、つまりともに生きる社会、これを目指していく、そのための雇用を創出していく、これが一番大事なことではないかなと思いますので、大臣の一段の御尽力をお願いしまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#191
○笹野貞子君 最終バッターになりました。午前中の御審議の中でもアエラの記事が紹介されまして、労働省無用論というようなお話も出ました。こよなく労働省にエールを送っている私としては、そういう議論に巻き込まれないで大いに頑張っていただきたいために、最初にケアプラザのことについて質問をさせていただきます。
 私は、労働委員になりまして一体労働省というのはどういうことをやっているのか、百聞は一見にしかずということでいろんな施設を見て歩きましたけれども、その中でこのケアプラザを見まして大変に感動いたしました。
 そこでお尋ねいたしますけれども、労災に不幸にして遭った方の人数は、これは大変申しわけありません、私、質問通告はしていなかったのですけれども、おおよそで結構ですので、大体病気にかかる方とけがをする方でどのくらいになるか、まずお知らせください。
#192
○政府委員(松原亘子君) 平成六年度の数字だったと思いますけれども、大体六十二万人強でございます。
#193
○笹野貞子君 私は先ほどの御議論を聞いていますと、働くということは生きることだ、働くということは生きがいなんだという、皆さんとの委員もお口をそろえでそうおっしゃいます。そうするならば、やっぱり一生懸命働くというのは日本の国にとってはまさに人的資源の、最初の勤労意欲を持つということは最も重大なことです。そういう日本の国民が安心して働くためには、不幸にして労災に遭ったときにどういう施策があるのかということは本当に重大なことだと思います。
 そこで、私が四街道のケアプラザを見ましたときに、これぞまさに日本の労働行政の最もすばらしいところだというふうに思いました。今六十何万人が労災に遭うということを聞きまして、ちょっと私は大変多い数字だなと思いながら、このケアプラザの現状は幾つありますか。
#194
○政府委員(松原亘子君) 労災ケアプラザは、これまでに千葉県、愛知県、熊本県、北海道、計四施設を設置し、運営を既に始めているところでございます。
#195
○笹野貞子君 この四つの施設は本当にすばらしいんですけれども、今約六十万人ぐらいが不幸にして病気や災害に遭うという数字からしますと、この四つでは非常に私は少ないというふうに思いますので、今後の将来の展望をちょっとお聞かせください。
#196
○政府委員(松原亘子君) 誤解があったらいけませんので追加説明させていただきますけれども、六十二万人ちょっとと申し上げましたのは、全く休業を要しなくても、例えば労働災害、ちょっと指を切ったとかいったようなことまで含めまして被災労働者の数として申し上げたわけでございます。
 一方、この労災ケアプラザの方は、不幸にして労働災害に遣われ、非常に重い障害が残ったといったような方、つまり常時他人の介護を要するようになった方のための施設でございますので、六十二万人ということと四つの施設ということをストレートに結びつけるということはちょっと必ずしも適切じゃない、恐縮でございますが、というふうに思うものでございます。しかしながら、この労災ケアプラザ、お褒めいただきまして本当にありがとうございました。私も労働基準局に参りまして早速見まして、本当にこんなすばらしい施設があったものかと、我田引水で恐縮でございますが、そういうふうに思ったものでございます。
 これにつきまして私どもは、今既に四施設動いているというふうに申し上げましたけれども、本年度は大阪府におきまして施設の建設に着手をするということにしておりますし、また広島県にも施設を設置するための土地取得を行うことといたしているところでございます。
#197
○笹野貞子君 何か強い女性を見るとちょっと意地悪を言いたくなって、大変申しわけないんですけれども、重度、三級障害者四千六百九十五という数字が私の手元にありますので、これが本当にケアを必要とする人数だというふうに思います。それにしても大変いい施設ですので、どうぞ今後こういうことをますますやっていただければ労働省の存在価値というのは世界の国々に称賛されるというふうに思いますので、ひとつ頑張って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 さて続きまして、先ほどから私は皆さんの議論を聞いていまして、私が大学を卒業した昭和二十五、六年というのは本当に女性が働くということは至難のわざで、職場は全然なし、大変な時代でした。そういうときに憲法によって女性に働く権利が与えられたということはまさに夢のような私たちは喜びで、この権利をどう具現化しようかということでした。権利というのは、その権利を行使することによって楽しいことがある。しかし憲法二十七条を見ますと、権利だけじゃなくて働く義務もあるというふうに書いています。義務というのは、これは権利と違って余り楽しくない。しかし、働く権利を全うするためには嫌なことでもクリアしなきゃいけない、こういうことだというふうに思います。そういう意味で、女性が働く喜びをかみしめる世の中をつくるためには女性自身もいろんな努力とかいろんなことをクリアしなければならないというのも、これも当然だというふうに思います。
 そして労働省は、この女性の働く権利、女性が働くことに喜びを感じるためのもろもろの施設、政策をしているわけですが、きょうの御議論の中では女性に差別がある、均等法が生かされていないというのが女性議員の趣旨だったというふうに思います。そして、なぜ女性が今のような働くということにもろもろの障害があるのかという、その中の一つに私は日本の給与体系があるのではないかというふうに思っております。
 その給与体系というのは家族給ということですから、税制の面でもあるいは控除の面でも、家族手当、いろんなものが専業主婦になった場合には優遇されるような感じすらの、そういう給与体系になっているというふうに思います。これは直接労働省に関係のある問題ではありませんが、しかし私は、これから男性と女性がまさに均等に働くということを真剣に考えるならばいろんな問題を一つ一つクリアしていかなきゃいけない、その中の一つにこの給与体系があるというふうに思います。
 例えば、配偶者控除という問題があったり特別配偶者控除があったり、あるいは家族手当、これは妻に対する手当はその企業によって違いますが、高いところでは四万円、低いところでは三千円、平均一万七千円ぐらいもらっているという、こういう実態があります。つまり、こういう実態はこれから男女が本当に均等に働いていくという、給料の面でも時間の面でも、いろんな面でも働くために、例えば百三万以上になるとあらゆる優遇がカットされちゃう、健康保険とかあるいは税制の面でもカットされていくという、こういう現状はやっぱりパートをつくり出して、補助的な仕事をしている方がいいんだという思いに私はある程度駆り立てられはしないかという危惧を持ちます。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、この給与面については、これは大問題ですからこれを突っ込みますと何時間時間があっても足りません。きょうは違うことの質問もしたいので、簡単でいいんですけれども、私の意見のように障害があるというふうにお考えでしょうか。その点をちょっと労働省の意見を聞きたいと思います。
#198
○政府委員(太田芳枝君) 先生御指摘の問題につきましては、平成五年の七月に婦人少年問題審議会の方からも建議がございまして、「妻の就労を取り巻く税制、社会保障といった社会制度の枠組みや企業の賃金制度が、妻は家庭内にとどまり、夫に扶養されるのが通常であった制定当時の社会状況を背景として作られていることにより生じている」と指摘されているという建議がございます。
 女性の生涯におきまして職業生活の比重が高まりまして、職場においても能力を発揮することを希望する女性が増加しております。女性を社会の基幹労働力として位置づける必要があるという観点からは、現行の社会制度の枠組みの見直しの検討が求められているというふうに理解をしております。
#199
○笹野貞子君 建議があったとするならば、やっぱり労働省はこの建議に対して何らかの具体的に見える形でそれを具現化しなきゃいけないと思いますが、その御決意はどうですか。
#200
○政府委員(太田芳枝君) 労働省といたしましても、今後ともいろいろな機会をとらえまして、この問題につきましで広く社会において認識され、検討が進められるように努めてまいりたいというふうに思っております。
#201
○笹野貞子君 ちょっと不満な答えですけれども、次に移りたいというふうに思います。
 私は、これから男女が本当に対等に社会を構成する一員たり得る勤労をするためには、いろんな障害があるんですが、きょうはその障害のもう一つの障害、特に女子学生がことしは大変に就職できなかった、これはどうしてなんだろうかということを聞く前に、女性は大学でどういう勉強をしているんだろうかということを突っ込んでみなければいけないというふうに思うんです。
 そこで、資料を既にお渡ししておきましたけれども、女子学生と男子学生の学ぶ学問の専門性が非常に違うということがわかります。例えばことしの学生の就職の平均を見ますと、平成元年は男は八六・九〇%就職しましたが、平成六年は八〇%に下がりました。女性は、平成元年の八一・二八%から七一・六%に下がりました。男は六ポイント下がり、女は一〇ポイント平均で下がりました。これを学部別に見ますと、文科系ですね、人文科学系をとっている男性は平成元年には七六・○%就職だったのが平成六年には六八・六三%に下がりました。同じく人文科学系をとっている学生、女性は平成元年は八二・九一%でしたが、平成六年度では七〇・一四%に下がりました。男はマイナス八%、女はマイナス一二%下がるんですね。これは、景気のよかったバブルから去年のように非常に氷河期を迎えたときに両方とも下がりますけれども、男と女ではその下がる幅が大幅に違います。
 ところが、非常に下がらないところがあります。例えば学部で見ますと、商船学部なんで見ますと男も女も一〇〇%なんですね。それから工学部を見ますと、男も女も九三%、九〇%と、男性も女性も非常に就職率がいいんです。こういうことを見ますと、一般に文科系を出ている学生は就職率が物すごく低い、そして理工科系を出ている学生は就職率が非常にいい。ところが、文科系の方を出ている女の人は男性より就職率がより悪くなっているという、こういう現状があります。この現状をどのようにまず分析しますか。
#202
○政府委員(太田芳枝君) 御指摘のとおり、男女とも就職率が下がっている中で男女の差が広がっているわけでございますが、その理由としては、一つは従来女子が多く就職しておりました事務職の求人の減少ということがあるというふうに考えます。
 したがいまして、女性の就職問題の解決のためには、事務職以外の職種にも広く女性が応募できることが必要であります。そのためには、先生御指摘のように、大学の学部の選択に当たりましで、将来の職業生活も念頭に置くことが極めて望ましいのではないかというふうに考えるわけでございます。
 労働省では、女子高校生が大学等へ進学するときに将来の職業選択をも念頭に置きまして、それぞれの能力、適性に応じた学部を選択するということが行われるようにということで、本年度から女子高校生を対象にいたしましたセミナーを全国の婦人少年室において開催しているということでございます。
#203
○笹野貞子君 今お話にありましたように、女性は事務職を選択して文科系に入るんです。ところが、文科系に入ると、不況になるとますます女性の就職率が悪くなってくる。
 ところが、理工系あみいはこれで見ると商船、工学などは非常に就職率がいいんです。そういう就職率のいい学部に女性が非常に少なくて、入らない。みんな男性が入るんです。これをどう分析しますか。
#204
○政府委員(太田芳枝君) 女性たちが大学に行くときに、たまたま周りが行っているからというようなことで自分の進路を選ぶのではなくで、もう少し職業というものを若いうちから考えて、先ほども申しましたけれども、自分は何が好きなんだろうかとか、何が適しているんだろうかということを真剣に考えるということが非常に必要なのではないかというふうに思います。
#205
○笹野貞子君 というのは、局長の今のお話でいうと、女性は学部を選ぶ以前にもう既に女性はこういう学校、学部に入りなさいという周囲の環境がそうさせているという意味ですか。
#206
○政府委員(太田芳枝君) させているという断言はいたしませんけれども、私なんかも経済学部出でございますが、例えば工学部に行くとしたら多分親が嫁にもらい手がないと言ったのではないかと思われますので、そういう傾向、部分もあるかと思います。
#207
○笹野貞子君 本来ならば、女性がこれだけ就職が大変だ大変だと大騒ぎするんですから、就職率のいい学部を受けるとそれだけ有利になるわけで、非常に今の日本の学部の選択はおかしな現象が起きているわけです。
 本来、文部省に聞きたかったんですけれども、先ほど吉川委員のお話にもあったように文部省に聞いてもしょうがないなと、これは文部省がいないから言うんですけれども。きょうはしょうがないなと思いましたので労働省だけにお話を聞くんですが、これは就職以前に問題があるということにほかならない、就職する以前の学校の専門性を身につけるというところにさかのぼらないと女性の雇用の問題は解決しないということにほかならないんじゃないでしょうか。ちょっとお聞かせください。
#208
○政府委員(太田芳枝君) そういうこともありまして、繰り返しになりますが、ことしから女子高校生を対象といたしまして、自分の適性と能力、意欲に応じた学部を選ぶようなセミナーを全国的に開催を始めたというところでございます。時間はかかるかと思いますが、こういう小さな努力を重ねていきたいというふうに思っております。
#209
○笹野貞子君 今太田局長は、周囲がそういう学部の選択に非常に影響があるというふうにおっしゃいましたけれども、これは大変意地悪質問で申しわけないのですけれども、伊藤能開局長にちょっとお尋ねいたしますが、決して女性が能力が劣っているから文科系に入るというふうには考えておりませんでしょうね。
#210
○政府委員(伊藤庄平君) 今御指摘の問題ですが、私どもはいろんな人事等も担当してまいりまして、いろんな試験の結果等を拝見させてもらってきていますが、大方の場合、女性の方が上にまいっていて、男性よりかなり試験の点数はいいというのが一般的な傾向でございまして、恐らくいろんな問題を抜きに考えれば進路等に当たって差はない。むしろ勉強の点から申せば、女性の方が相当いい点数をとる可能性が大きいのではないかというふうに思っております。
#211
○笹野貞子君 私が大変期待していた答えを出していただきまして本当にうれしいんですが、そこで能開局長の出番になるだろうというふうに思います。
 これは文部省だけに任せたりあるいは家庭教育だけに任せていたら、いつまでたっても男女の本当に対等な職業というそういう均等な社会は生まれないんじゃないかと思うんです。そこで、私はまさに労働省の出番だ、まして能開局があるわけですから、これぞ能開局の出番だと思うんです。
 ちょっと話は前へ戻りますが、リクルートが男性と女性の別々の求人倍率の数字を出したんですね。新聞によりますと、労働省の坂本由紀子婦人政策課長ははらわたが煮えくり返る思いというふうに怒っていると新聞に書いていますけれども、こればっかり固執していたらいつまでたっても解決できないわけですから、怒っていたってしょうがないですね。そこで、労働省が持っている施設の中で、大学校がありましたですね、相模原に本当にいい大学校を持っていらっしゃるんですね。
 そこで、局長にお尋ねしますけれども、今私が分析いたしましたもろもろの結果を踏まえまして、あの大学校に女性専用の勤労意欲を起こさせるようなそういう理想的な学部、あるいは技術をそこで在学中にでも四年制の大学に入っていても、私は文部省の四年制の大学というのはつまり就職のための教育ではありませんのでそれはそれでいいと思うんで、そこでやっぱり労働省が就職のために女性に対して力をつける、そういう計画というのはどうでしょうか、考えられませんでしょうか。
#212
○政府委員(伊藤庄平君) 私ども職業能力の公共の施設として、かなり高度な教育訓練を実施する機関といたしまして、一つは職業能力開発短期大学校、これを全国に二十六カ所配置いたしましてかなり高度な、民間の産業界に就職していけば技術面ではかなり中枢の仕事をこなせる人材を養成いたしております。またもう一つは御指摘のありました相模原にございます職業能力開発大学校でございまして、ここは四年制の大学でございまして、さらに大学院課程に相当する研究課程を設けて、これは本当に高度な、一つは職業訓練機関の指導員を養成するということを主たる目的にいたしております。
 最初の職業能力開発短期大学校におきましては、そういった教育を実施しでおりますけれども、近年で見ますと女性の入学者が次第にふえてきておりまして、平成四年度は五百九十五人であった女性の入学者が平成六年度には七百七十四人までふえてきております。もちろんここで相当ハードな工学系統の教育訓練が行われますが、大体全員就職を果たしている、こういった状況でございまして、かなり卒業生に対する産業界の期待も高い状況でございます。
 こういった状況でございますし、過去、女性だけの特別コースを設けますとどうしても事務系統の教育訓練が多くなってみたりしましで、今まで余り就職という面で成果が上がらなかった経験等もございますので、こういった特別コースの設定をするというよりは男性も女性も同じコースで腕を競い合って磨いていただく。それで私どもは、環境や施設あるいは教授陣、そういった方々に女性からも魅力を感じてもらえるような内容にしていく。そういった努力をして、さらに女性の方に広く門戸が開放されるように努力していきたいと思っております。
 それから、職業能力開発大学校におきましても、毎年二百人ちょっとの募集をするわけでございますが、現在二十人を上回る女性が入校いたしておりまして、卒業いたしますと公共の能力開発施設の指導員あるいは民間の生産ラインのかなり中枢の部門に進出いたしております。おかげさまで、この職業能力開発大学校の女性の方に活躍していただいていることもございましで、平成四年度には私どもの雇用促進事業団立の指導員、二十七人であった女性の指導員が、平成七年の十月段階では倍憎いたしまして五十三人になってきております。
 そういったことで現在やっておりますので、さらに私ども女性の方々にもこういった設備、内容、そのすぐれた点をPRいたしまして、女性の方に広く応募していただけるような環境をつくっていきたいというふうに思っております。
#213
○笹野貞子君 私は、そのお話を問いで全く意を強くするんですけれども、今の能開大学校は指導員養成ですからそれ以外の機能はまだちょっと目的としては未熟な面が、未熟というのは不適切ですけれども、指導員は非常に養成できますけれども、まさに一般の社会的な参加に対してはまだ余地が残っているというふうに私は思うんです。今は今で私は非常にいいと思うんですね。
 先日、私はあそこの学校に視察に行きまして学長さんとお話をしたんですけれども、学長さんも非常に意欲のある方で、文部省に任せておけない、労働省は労働省で独自に教育をするんだという、二人で上機嫌で帰ってきたんですが、せっかく労働省はああいういい施設を持っている、そしてもろもろのきょうの御議論の中でもやっぱり男女の現実め差別はあるということを認識した上で、そのもろもろの大きな障害を構造的に取り除いていく努力をしないと、本当に大臣は一生懸命東京ドームの中で御活躍いただいているんですけれども、それは対症療法として、もっと根本的な構造的な改革をしていかない限り女性の問題というのは解決しないというふうに私は思っているわけです。
 先ほどの給料の問題にしてもそうですし、学部の選択にしても高等学校のときにはまだ社会一般のことがわからない、そして女性の社会参加というのをどういうふうに力づけていくというのがわからない現状ですから、やっぱり勉強して途中になってわかる場合がある。そういうときに労働省がそういう能力をフォローするような、そんな施設になっていただきたい、こういうふうに思います。
 そういう意味で、私はできればあれをもっと規模も目的も範囲も広げて、あそこの大学校を出たら就職はもう一〇〇%いくという、そういうような施設にしてほしいと思うんです。再度局長にお伺いしますけれども、そういう展望を持っていただけないものでしょうか。現状は現状で私はすばらしいと思います。私の希望するもっと目的も規模も、そしていろんな施設も大幅にこれから拡大する、そういう展望をちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
 続いて、これは私、大臣のお部屋に行ってこの趣旨を大臣に熱っぽく語ったことがありますが、大臣のひとつ御決意をお願いいたします。
#214
○政府委員(伊藤庄平君) 先生から大変心強い励ましをいただいて、私ども職業能力の開発に関する行政を進める立場といたしましては大変ありがたく思っております。
 職業能力開発短期大学校あるいは職業能力開発大学校、これらをさらに規模を拡大してということでございますが、直ちにどこまでできるかということはなかなか難しい。予算あるいはニーズ、いろんなものを調査していかなければいけませんので、今直ちにそういった方向について明確なことを申し上げられませんが、現在ちょうど私ども能力開発行政の基本的な計画に当たります第六次の職業能力開発基本計画の策定作業中でございます。
 中央職業能力開発審議会におきまして、いろんな御議論を願いながら今計画の策定作業を進めておりますが、やはりその中でこういった公共の職業能力開発をどんな形で進めるかというのが一つのテーマでございまして、そういった中で先生の今御指摘のございました御意見等もひとつ御紹介して御議論を願いながら、私ども検討してまいりたいというふうに思っております。
#215
○国務大臣(青木薪次君) 笹野先生の御高見をお伺いいたしまして、非常に感銘を覚えておるところでございます。
 御指摘のとおり、女子学生の就職率が男子に比べて低いと先ほどからの議論でありますけれども、これは企業のニーズとの相違なんかもありましていろいろ一概には言えないわけでありますが、女子の能力は今の伊藤局長の話のようにすばらしい潜在的なものを持っているというようなことを私たちは評価をいたしているわけでありますから、やはり適切な進路決定が行われるようにひとつ啓発を行ってまいりたい。それから、公共の職業能力の開発施設における女子のいわゆる訓練につきましでも、今のお話のようなことも考えて頑張ってまいりたい。
 私ごとで大変失礼ですけれども、ここの神奈川の職業能力開発大学校から私のおいが一人採ったわけでありますけれども、すばらしい成績だということで褒めておりますので、このことでも実証されていると私は喜んでいるわけであります。
 私も勉強に行きまして、先生方の意欲と、そしてまたその中における規模と構想が時代に合ったものであり、大変すばらしいものだということで感銘いたしてまいりましたので、今後ともよろしくひとつ御指導をお願いいたします。
#216
○笹野貞子君 終わります。
#217
○委員長(足立良平君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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