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1995/10/20 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 逓信委員会 第1号
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1995/10/20 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 逓信委員会 第1号

#1
第134回国会 逓信委員会 第1号
 平成七年十月二十日(金曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         及川 一夫君
    理 事         岡  利定君
    理 事         陣内 孝雄君
    理 事         広中和歌子君
    理 事         松前 達郎君
                加藤 紀文君
                景山俊太郎君
                河本 英典君
                北岡 秀二君
                保坂 三蔵君
                守住 有信君
                小林  元君
                鶴岡  洋君
                西川 玲子君
                山本  保君
                伊藤 基隆君
                上田耕一郎君
                山田 俊昭君
                水野 誠一君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     林 久美子君
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     北岡 秀二君     狩野  安君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     狩野  安君     北岡 秀二君
    ―――――――――――――
出席者は左のとおり。
  委員長           及川 一夫君
  理 事
                岡  利定君
                陣内 孝雄君
                広中和歌子君
                松前 達郎君
  委 員
                加藤 紀文君
                景山俊太郎君
                河本 英典君
                北岡 秀二君
                保坂 三蔵君
                守住 有信君
                小林  元君
                鶴岡  洋君
                西川 玲子君
                林 久美子君
                伊藤 基隆君
                上田耕一郎君
                山田 俊昭君
                水野 誠一君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井上 一成君
   政府委員
       郵政政務次官   吉村剛太郎君
       郵政大臣官房長  谷  公士君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       郵政省通信政策
       局長       山口 憲美君
       郵政省電気通信
       局長      五十嵐三津雄君
       郵政省放送行政
       局長       楠田 修司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星野 欣司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○通信・放送機構法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(及川一夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(及川一夫君) 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業、通信、放送及び電波等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(及川一夫君) この際、井上郵政大臣及び吉村郵政政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。井上郵政大臣。
#6
○国務大臣(井上一成君) このたびの内閣改造により郵政大臣に就任いたしました井上一成でございます。
 逓信委員長を初め逓信委員会の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして格別の御指導をいただき、厚くお礼を申し上げます。
 就任以来二カ月余りを経て、郵政行政を預かる長としての重責を改めて痛感しているところでございます。
 郵政行政は、郵政事業分野におきましても、また電気通信行政分野におきましても、国民が安心して暮らせる社会生活基盤をつくり上げるという大きな仕事、使命を背負っていると強く認識をいたしております。郵政事業は、長い間、国民からの日々の信頼を積み重ね、国民の暮らしの中に根づいてきた生活文化を担っておると強く私は認識いたしておる次第でございます。また、電気通信行政は、マルチメディアという高度な情報通信を地球社会のだれもが享受できるような未来を国際的な協力の中で築いていこうとしておる次第でございます。
 この機会に所管業務の当面する主要課題につきまして申し述べさせていただき、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 まず、郵便事業でありますが、平成六年度決算において累積欠損金を解消するなど、着実に事業財政の改善を図ってまいりました。また、この十一月から個人の利用者向けの小包郵便物の割引制度を導入するなど、引き続いてサービス改善を進めるとともに、新郵便番号制導入等の効率化施策も積極的に推進をし、真に健全で安定的な事業財政の確立に努めてまいる所存でございます。
 次に、為替貯金事業では、安心して暮らせる社会づくりに国営事業としての立場から貢献を念頭に、来年度の予算要求では、高齢化社会に対応した要介護者等生活応援サービスの提供や、ボランティア活動支援のための国内ボランティア口座の創設などに取り組んでまいりたいと存じます。
 簡易保険事業では、すべての国民が健康で生きがいを持って安心して暮らせる長寿福祉社会を実現するため、加入限度額の見直しやお客様へのさらなるサービスの充実に取り組んでまいる所存でございます。
 また、郵政事業は、国民の暮らしをぬくもりある人手により支えている事業でありますから、要員の安定的確保とその効率的配置を図るため、郵政短時間職員等の施策を推進することといたしております。
 次に、電気通信行政関係について申し上げます。
 情報通信は、新産業の創出、産業の活性化、豊かな国民生活の実現を可能とするものであって、我が国が直面する諸課題の解決の決め手と期待されております。
 このため、二次補正予算において、緊急に措置すべき課題として、情報通信ニュービジネスの振興、だれもが利用できる情報通信基盤の実現、阪神・淡路大震災復興対策の推進といった施策の総合的かつ重点的な展開を進めるほか、来年度の予算要求においても二十一世紀型経済発展基盤の整備等を重要課題といたしております。
 また、電気通信事業につきましては、市場の活性化方策について、現在、電気通信審議会において御審議を進めていただいておるところでございます。さらに、放送事業では、放送のディジタル化の第一段階となる衛星ディジタル多チャンネル放送の円滑な導入に向け、積極的に対処していくことといたしております。
 以上、当面する主要課題について申し述べさせていただきましたが、いずれも我が国の将来にとって重要な課題でございます。私としては、あくまでも一人一人の国民の安心と豊かさにつながる行政を念頭に置き、率先してこれらの課題に取り組んでいく所存でございます。
 委員各位におかれましても、郵政行政の円滑な運営のため、なお一層の御支援を賜りますよう心からお願いを申し上げ、私のあいさっとさせていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(及川一夫君) 次に、吉村郵政政務次官。
#8
○政府委員(吉村剛太郎君) 去る八月十日、郵政政務次官を拝命いたしました吉村剛太郎でございます。
 逓信委員会の皆様方の御指導を賜りながら、郵政行政の円滑な運営のため井上郵政大臣を補佐してまいりたい、このように存じております。一生懸命頑張りますので、どうか皆様方よろしく御指導、御鞭撻をお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(及川一夫君) ただいまごあいさつをいただきましたから、ひとつ御両氏に皆さんで激励の拍手をお願いしたいと思います。
   〔拍手〕
    ―――――――――――――
#10
○委員長(及川一夫君) 次に、通信・放送機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。井上郵政大臣。
#11
○国務大臣(井上一成君) 通信・放送機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、電気通信分野における研究開発のための施設を一層充実することにより、通信・放送技術の向上を図るため、通信・放送機構の業務に高度通信・放送研究開発を行うための基盤的な施設を整備してこれを研究開発を行う者の共用に供する業務を追加するものであります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 通信・放送機構の業務に特定研究開発基盤施設を整備してこれを高度通信・放送研究開発を行う者の共用に供する業務を追加し、政府が当該業務に必要な資金を通信・放送機構に出資する場合、研究開発推進業務に必要な資金としてその金額を示すこととしております。
 なお、この法律は公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#12
○委員長(及川一夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。
 大臣、御就任おめでとうございます。御就任になってからもう二カ月が過ぎました。大変熱意を持って、かつ真剣に郵政行政にお取り組みいただいておるということを聞かせていただいておりまして、まずもって敬意を表させていただきたい次第でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 先ほどの大臣のごあいさつの中で、郵政行政は国民が安心して暮らせる社会基盤をつくり上げることが使命だということをおっしゃいましたが、全く同感でございます。
 郵政事業は、国民生活あるいは地域住民に密接した事業でありまして、大臣の善言葉をもってしますと、生活文化を担うことになるということでございます。したがいまして、事業運営のあり方あるいは適否というのが国民生活に直接影響を及ぼすというものでありますだけに、その運営のあり方は時代の進展に即応したもので、それが適時適切に行われるということが必要ではないかと思う次第でございます。
 いろいろな課題が事業についてあると思いますけれども、その中でも最も近い将来確実に到来すると言われております高齢化社会にどのように郵政事業が対応していくのかというのが大きな課題だろうと思う次第でございます。
 大臣はごあいさつの中でもその点についても触れられましたので、重複する面もあるかもわかりませんが、地方行政の現場に大変明るく、豊かな経験をお持ちの大臣のお立場から、この点についてどのように郵政事業に取り組まれていくのがいいのか、お考えがあれば御所見をお伺いいたしたいと思います。
#14
○国務大臣(井上一成君) 励ましをいただき、またすぐに迎えるであろう、いや、もう現実に到来している高齢化社会に対して郵政事業がどうあるべきか、そういう御趣旨の御質問でございます。
 私どもは、郵政事業は国民の暮らしの土台骨だと、そのように認識をし、先ほどもごあいさつで申し上げましたように、生活文化を担っているんだと、そういう意味合いからも非常に暮らしにかかわりが深い、積極的にこれからの社会を見通して誤りなき対応をしていかなけりゃいけない。高齢化社会にとりわけ郵政の果たす役割というのは、国民にひとしく、あまねく公平という表現がありますけれども、そういう形の中で積極的に取り組んでまいりたい、かように思っているわけであります。
 既に、もう今まで年金保険や福祉定期郵便貯金等、高齢化の時代に対応したサービスを提供させていただいているところでありますが、来年三月にはさらに高齢者向けの郵便切手等の発行、配布を実施し、これはもう九月十四日に既に郵政省の考えを国民の皆さんにお知らせいたしたところであります。その上、先ほども申し上げましたが、要介護者等生活応援サービス、これは仮称でございますけれども、その方々に対する対応もぜひ来年度予算、来年度の施策で取り入れてまいりたい、かように思っている次第であります。高齢者向けの加入者福祉施設の整備等もぜひ充実をさせていきたい、これも来年度の一つの大きな柱としてまいりたいと思っているところであります。
 今後、さらに施策の充実強化を図るとともに、高齢化時代における地域づくりの拠点として私は郵便局が全国に持つネットワークを有効に生かしてまいりたい、むしろ地域の皆さんのよりどころとしての可能な限りの拠点としての役割を今後果たし得るように、特に高齢者の皆さんやいろいろな立場にいらっしゃる方々に喜んでもらえるような拠点づくりに邁進してまいりたい、つくり上げていきたい、このように思っておる次第でございます。
#15
○岡利定君 ありがとうございました。
 次に、郵政行政の中でも大きな分野であります電気通信行政関係についてお伺いさせていただきます。
 やはり大臣のごあいさつの中で、情報通信は我が国が直面する諸課題の解決の決め手と期待されておるというようにおっしゃいました。まさに二十一世紀を迎えるに当たって郵政行政は最重要の行政分野であると考えます。情報通信の主管庁である郵政省の任務と責任というのはそれだけ大変重いわけでありますが、郵政省は平成七年度をマルチメディア元年というように位置づけて、この分野についても積極的な行政展開を図られておるわけでございます。
 その点も含めましてでございますけれども、大臣は現時点で特に、電気通信行政といいましょうか、情報通信の分野で取り組んでいくべき課題あるいは施策というのはどういうものをお考えなのか、御抱負があればお聞かせいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(井上一成君) 先ほど申し上げましたように、郵政三事業が現実の暮らしの土台骨であるというこの一つの認識、さらにマルチメディアという言葉で象徴される二十一世紀、未来をどうつくり上げていくかこれはいわば現実と未来という二つの側面を郵政は担っているわけでありまして、そういう意味では情報通信というのはまさに二十一世紀をどのような世紀にしていくかということになろうかと思います。
 私は、今後の産業なりあるいは生活文化というか暮らしの中に限りない可能性がそこにはある、未知の分野であるだけに未来には限りない可能性がある。それを本当に暮らしの中に生かしていけるように切り開いていくというんでしょうか、新時代をつくり上げていく原動力にしたい、そういう強い考えを持っているわけであります。
 同時にまた、それは科学技術の進歩と同時に精神文化とのバランスを、調和をいかに保っていくか、このことも私は非常に大事なことだと。情報通信インフラ、情報通信の分野が、科学技術がどんどん進んでいく中で、精神文化というか、それが取り残されるようなことがあってはいけないのではないだろうか。そういう意味で、高度な情報を利活用できるようなそういう社会、あるいは科学技術と精神文化とが一体となってバランスよく調和した正しい世の中をひとつつくっていきたい、それが求められる二十一世紀像ではないだろうか、こういうふうに思っているわけです。
 もとより、情報をだれもが格差なく、情報の格差がないというか、だれもが享受できるような、そういうことは言をまたないわけでありますが、経済活動も含めて暮らしの中に生かしていける新たな発展基盤の構築を目指してまいりたい。むしろ、そういう意味では、今私が強く申し上げておきたいことは、既成概念にとらわれずに先見性を持って時代を読むというか先を見るというか、そういうことが必要ではないだろうか。先見性を持った新しい発想で、そして調和のとれた社会をつくっていくということが郵政に与えられた大きな役割であり、私自身、目指すべき二十一世紀はそういう社会をつくり上げてまいりたい、かように思う次第です。
#17
○岡利定君 大臣のお答えにもありましたとおり、郵政行政は我が国のあるいは国民生活の現在それから未来に大きな影響を持つ大変大事な分野だということ、おっしゃるとおりでございます。そういう意味で、行政の最高責任者のお立場での大臣の的確なかじ取りを確信すると同時に、よろしくお願い申し上げたい次第でございます。
 ところで、去る十月十三日でございますか、政府は十月の月例経済報告を発表されました。それによりますと、我が国の経済についてでございますけれども、「我が国経済においては、景気は足踏み状態が長引くなかで、弱含みで推移している。なお、雇用情勢は厳しい状況が続いている。」というようなことで現状を分析されております。この表現そのものは九月の月例報告と大体同じ文章だということで言われておりますが、「足踏み」という表現はもう四カ月も続いておって、それで本当に回復基調にあるんだろうか。いや、そうじゃなくて、また最も好ましくないような状況に入りつつあるんじゃないかというような批判が新聞などでも見られるくらい景気の回復というのが思うように進んでいないというのが現実であるんじゃないかと思っております。
 そういう我が国の経済全般の中で、郵政省が所管される情報通信産業分野、特に電気通信事業あるいは放送事業というのはどのような状況にあると認識しておいていいのか。全般的なことで結構でございますから、お教えいただきたいと思います。
#18
○政府委員(山口憲美君) ただいま委員お話しの電気通信あるいはCATVを含めた放送事業がどういう状況にあるかということにつきまして、私どもが調査をいたしまして把握しているところを現在の経済状況というふうな絡みでお話をさせていただきます。
 一つは、七年度の設備投資計画額、こういう電気通信事業なり放送事業者がどういうふうな設備投資計画をしているかということを御紹介させていただきますが、全産業、私どものあれを含めた全産業では対前年比三・五%の減というのが今の日本の状況だというふうに私どもは把握しておりまして、そういう中で通信産業というのは一二・八%の増というふうな状況で、こういう状況の中でもかなり積極的な設備投資をしようとしているというふうな状況でございます。
 それからまた、七年度につきまして売上高の計画で見ましても、全産業の平均が一・八%増というふうな状況なのに対しまして、通信産業は六・三%の増というふうなことが見込まれているというふうな状況でございます。
 このように、全体の産業が売上高とか設備投資の面で減少とか横ばいとかというふうな状況の中で、通信産業というのは全般的に見て好調に推移をしているというふうに思っております。
 また、特に最近ではPHSというふうなことを初めとする移動体通信の伸びが非常に大きくなっているということがございますし、放送の分野でも都市型CATVが伸展をしているとかあるいは衛星ディジタル多チャンネル放送がサービスインするということが予定されているというふうなことでございまして、そういったサービスの面でも非常に活気を呈してきているというふうなことでございまして、景気回復の原動力としての役割が期待されている分野ではないかというふうに思っている次第でございます。
#19
○岡利定君 全般的に大変厳しい中で、今お答えがありましたとおり、情報通信分野は全般的には好調だということで、大変明るい状況を御報告いただきまして本当に結構だと思います。せっかくのこの状況を将来とも維持できるように、しっかりとした行政をお願いいたしたいと思う次第でございます。
 ところで、景気の先行きに対する不透明感あるいは円高の継続、産業の空洞化など、我が国経済が直面しております閉塞状況を打ち破るためには、創造力に富んだ起業家精神、この精神を喚起して経済フロンティアの拡大を図っていくことが不可欠だというように言われております。産業構造改革の推進が我が国の喫緊の課題となっておるわけでありますが、そのためにも新産業の創出、ベンチャービジネスの育成支援というのが求められておる状況にございます。
 情報通信の分野というのは特にその面で大きな可能性を持つ分野だというように言われておりますが、郵政省といたしましては、この面についてどのように取り組んでおられるか、あるいはどのようにお考えなのか、お聞きいたしたいと思います。
#20
○政府委員(山口憲美君) 情報通信分野におきまして新しい事業を起こすということを考えました場合には二つの段階があるのではないかというふうに思います。
 それは、そういう事業化をする前段階でいわゆる研究開発というふうなものが伴うケースが非常に多いわけでございまして、そういう研究開発段階と、その上に立った事業化を進めていく段階、そういった二つの段階に分けて支援施策を考えていく必要があるというふうに考えております。
 まず、研究開発段階での支援でございますが、これにつきましては、今回の第二次補正予算におきまして、いわゆるベンチャー企業等の研究開発に対しまして助成金を交付するということができるような道を開かせていただいているということでございます。
 それからまた、事業化段階での支援につきましては、従来から、いわゆる通信・放送機構を通じまして出資であるとか債務保証を通じまして支援というふうな形のものをさせていただいているところでございますが、今回の補正予算におきましても、さらに日本開発銀行から新規事業に対しまして低利融資あるいは超低利融資というふうなことが行えるような措置を講じたところでございます。
 郵政省では、こういった措置を通じまして情報通信分野のベンチャー企業の活動を支援していくというふうな所存でございます。よろしく御支援を賜りたいと思います。
#21
○岡利定君 ぜひともこの点にも重点を置いて行政展開をお願いいたしたいと思います。
 今、局長のお答えの中にもありましたように、まず研究開発の面が大変大事だと。その分野でも、やはり情報通信分野というのが大きな役割を果たす分野だと言われておるわけでございます。きょうはこの点については、この分野でもしっかりやってほしいということをお願いいたしておきまして、法案について幾つかお聞きいたしたいと思います。
 今回のこの機構法の一部改正法案は、通信・放送機構がみずからというか自分で特定研究開発基盤施設を整備して、それを他の研究開発を行う者の共用に供するという業務を機構の業務に追加するという内容であるわけでございますけれども、このようなことを、ほかの方法ではなくて、機構みずから整備を行うということの必要性及び意義についてお聞かせいただきたいと思います。
#22
○政府委員(山口憲美君) 先ほど来お話ございましたように、情報通信分野というのはこれからの新産業とか新事業のいわばリード役になるというふうなことでございますが、この情報通信分野では特に研究開発というものがその源泉になると言っていいというふうに思っておりまして、そういった意味で研究開発を推進するということが非常に大きな課題であるというふうに思っている次第でございます。
 そこで、今の経済状況というものがなかなか厳しいというふうなことから、最近では民間の情報通信分野での研究開発投資というものが減少傾向にあるということがございます。それからまた、特に資全力の乏しいそういった企業と申しますか個人と申しますか、そういった分野の皆様方のところにベンチャー的なニーズというものがあるというふうなことがございます。そういった意味で、公的支援の拡大というのが今の状況の中ではやはり求められているのではないかというふうに考えている次第でございます。
 そういったことから、このたびの機構法の改正をお願いしているわけでございますが、この改正によりまして共同で利用できるような、今申しました民間の皆様方、ベンチャーでこれからというふうな皆様方が共同でできるような基盤的な施設を機構が整備いたしまして、そしてこれを皆様に活用していただいて、そういった研究開発の実を、成果を上げていただくようにと、こういうことでお願いしている改正でございます。
 こういうふうなことを通じまして、技術力の向上であるとか、さらにはそれが国民の皆様方に対する新しいサービスの提供というふうなものにつながっていくようにと祈念している次第でございます。
#23
○岡利定君 次に、特定研究開発基盤施設、これ大変抽象的というか難しい言葉なんですが、どのようなことをイメージすればよいのか、お伺いいたします。
#24
○政府委員(山口憲美君) この施設のイメージというお話でございますが、先ほど来申し上げておりますように、共同で利用できるような施設をつくりまして、広く国の内外の皆様方に利用していただくように開放するということでございます。
 そこで整備されます施設あるいは設備というふうなものの具体的な内容につきましては、これは当然私どもが国という観点から見て研究開発テーマとして適当であるというふうなこと、あるいはまた整備を行う地域の特性、要望、そういったものを勘案いたしまして具体的な内容というものはそれぞれ詰めていくということになろうかと思います。この法律に基づきまして詰めていくということになろうかと思います。
 一般的なイメージということで申し上げさせていただきますれば、例えばシミュレーション装置というふうな設備をイメージしていただくといいと思いますが、そういった実験に要するいわゆる設備を整備すること、それからこの設備と一体となって装備されるソフトウエアの整備、それから当然これを収納する建物というふうなものが必要でございます。そういったふうなものを、形をイメージしていただければと思う次第でございます。
#25
○岡利定君 まだはっきりわかったようなわからないような感じなんですけれども、その辺が今度の第二次補正予算で実行する、だから今回のこの法律改正は予算関連法案だというふうにお聞きしておるわけでございますが、そういう意味で今回の第二次補正予算でこの法律に基づいて行う施策というんですか、その概要についてお教えいただきたいと思います。
#26
○政府委員(山口憲美君) ちょっとイメージが余りはっきりできないということで恐縮でございましたんですが、今回の補正予算で実は神戸市において新しい施設を整備したいというふうに考えておりますので、その内容を御紹介させていただきたいと思いますが、ここで考えております、どういう設備を設けようとしているのかということでございますが、三つほど御紹介させていただこうかと思います。
 一つは、あらゆる通信速度に対応できるようなそういったATM交換機というふうなものを設置いたしまして、大体今二千四百ビットから六百二十二メガぐらいまでの非常に低速な状況から超高速のハイビジョンが送れるとか、そういったものを自由に操作して、速度を調節しながら実験ができる、そういうふうなものを設備としてつくっていきた、いというのが一つでございます。
 それから、そこでスピードが非常に調節できるそういうふうなものができた、そこで行われる通信手順、プロトコルと言っておりますが、そういったものも多様なプロトコルに対応できるようなものを備えたいということでございます。接続用の、インターフェース用の機器をいろいろ整備して、そういったものをつくっていきたいということでございます。
 それから、さらにはいろんな条件設定をするようにしたい、例えばある一時期に非常に通信が、ばっとトラフィックがふえるという状態を人為的に起こして、そういう状況の中でいろいろ実験ができるようにするとか、あるいは逆に非常に多くの端末からランダムにアクセスが出てくる状態をつくってみるとか、そういう条件設定をいろいろ厳しくしたり緩やかにしたりというふうなことが変えられる、そういうふうな機能を持った設備を設けたいということでございます。
 そういった今申しましたようなものを整備することによりまして、そこで実験をされる皆様方がそれぞれ自分の機械の開発のねらいというものに合わせた条件設定をされて、そこでいろいろ実証される、そういうふうなことを考えているところでございます。
#27
○岡利定君 そういう施設ですと、日本じゅうどこへ置いてもいいわけですけれども、神戸市を選んだというのはどういうことでしょうか。
#28
○政府委員(山口憲美君) 今回、神戸市を選ばせていただいておりますのは、実は震災の復興計画というものが神戸市でこの六月に策定されておられるわけでございます。その中で、神戸市では幾つかのプロジェクト、十七ほどのプロジェクトを取り上げておられますが、その中の一つにいわゆる起業支援になるような、核施設と言っておりますが、核施設の誘致ということを挙げておられます。
 そこで、地元からの御要望もございまして、こういった中核施設、核施設の一つといたしまして、こういった施設を設けるということによってこの地域が情報通信分野の研究開発の集積地域に発展をしていくというふうなことをねらいとして神戸市を設定いたしまして、神戸市の復興計画の一助にしたい、こういうことでございます。
#29
○岡利定君 法案の関係は以上でございますが、いずれにしましても、この法律が通ってこの施策を実行していくということになりますと、いろいろと手順とか詰めも必要だろうと思いますが、せっかくそういう有意義なものをつくるわけでございますので、関係の皆様、しっかり御努力いただきたいとお願いを申し上げておきまして、私の質問を終わります。
 以上でございます。
#30
○林久美子君 平成会の但馬久美こと林久美子と申します。
 今回、井上郵政大臣及び吉村郵政政務次官の御就任、おめでとうございます。私自身も、この八月三日に初登院いたしまして、きょう初めての質問でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ずっと今のお話を伺いまして、本当にこの電信、通信という夢のある、また希望あふれる委員会にこうやって来させていただきまして、伺っておりまして、今本当に経済が大変なときに、こうやってあらゆる分野で、ましてや通信という分野でこのように大きく広がっていくことの希望に対して、私は今本当に感動いたしております。
 そんな中で御質問させていただくんですけれども、通信・放送機構法の一部改正法案、先ほどの岡先生とダブる点もあると思いますけれども、少しずつ御質問させていただきます。
 本法案による神戸復興への経済的効果について三点お伺いいたします。
 今回の法案は、今までの通信・放送機構に高度な情報通信研究開発のための共同施設を整備させるとともに、神戸復興のための経済波及効果をねらったものと言われております。
 そこで、共同利用施設の第一号として、先ほどお話もありましたけれども、神戸市のポートアイランドにテレコム・テストベッドというのがつくられます。この施設をつくろうとした経緯及び施設の概要について、まずお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(山口憲美君) 先ほどもちょっと御説明をさせていただきましたんですが、神戸市では本年の六月に神戸市復興計画というものを発表されまして、その中で、特に重要で緊急を要する施策として十そのシンボルプロジェクトというのを掲げておられます。その中の一つが神戸市起業ゾーン整備構想でございまして、神戸経済の復興を図るために新しい産業の導入を図っていくことが必要だという観点から、神戸市への企業の集積を推進するというふうなことを目的としてこのプロジェクトが設定をされております。
 その具体的な内容といたしまして、先ほど申しましたように、起業支援の核施設の誘致ということが掲げられておるわけでございますが、この核施設の内容をなすものといたしまして、八月に神戸市から、新たな企業誘致の核となる施設といたしまして、ディジタル映像通信技術に代表されるような先端的な情報通信技術の研究開発を行う施設を誘致したいという要望が寄せられたということでございます。
 そこで、こういった御要請にかんがみまして、この法律を改正していただいて整備が可能となるようにしていただく、そして予算の方でも二次補正予算に所要の経費を盛り込んでいただいた、こういうことでございます。
 具体的に神戸市において整備をしようとする施設の内容ということでございますが、先ほども御説明いたしましたように、速度を変えられるとか、あるいは通信手順を、プロトコルを変えられるとか、あるいはいろんな条件設定ができる、そういうふうな形の施設を整備して、研究開発をされる皆様方がそこで自分の開発を実証される、あるいはそういうものと対話をしながら新しい研究開発を進めるというふうなことをねらいとしているということでございます。
#32
○林久美子君 そして、特に地域産業の復興という面からどのような経済的な波及効果が期待されるのか、その件に関して。
#33
○政府委員(山口憲美君) ただいま御説明申しましたように、今回のこの神戸市におきます施設整備の趣旨は、いわゆる阪神・淡路地域に研究開発型の産業を集積する、そういうものの呼び水になればというふうなことでやる施策ということでございますので、私どもとしては非常に大きな波及効果があるものというふうに考えております。
 ただ、計数的になかなか今この時点でこれだけの投資をするとどれだけの経済効果があるのかということを把握するというのは非常に難しゅうございます。
 ただ、定性的なことで恐縮でございますが、この研究開発ということで私どもが一定の投資をすると、そうしますと、そういうふうな施設を使っていろんな研究開発をしようというふうな形でのいわゆる民間の投資というものも起こってくるという意味での投資を誘発するという効果があるというふうに一つ思っております。
 それから、さらにはその成果物、ここで開発された技術の成果物がいろんな形でサービス等に使われるということに伴って生ずる波及効果というのも非常に大きいものがあるというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、この施策が非常に大きな波及効果を持つものだというふうに考えて期待をしている次第でございます。
#34
○林久美子君 どうもありがとうございました。
 活性化につながって、私自身も神戸出身なものですから、今回震災に遭いまして、やはり新たなそういう分野において神戸の活性にもそれは本当に必要だと思っております。
 今回の第二次補正予算案において、特定研究開発基盤施設の整備については七十五億八千万円計上されています。従来においては、第三セクター方式で自治体や民間から資金提供を受けながら施設整備を行おうとしたようでありますけれども、なぜ一般会計で整備するように変わったのか、その理由をお聞かせくださいませ。
#35
○政府委員(山口憲美君) お話しのように、従来、この種の整備につきましては、こういった施設整備を行うという民間の企業等に対しまして国が出資をするという形で、いわば民間の皆さん方と共同でこういう施設整備を行うというふうなことを進めてまいりました。
 しかしながら、現在、情報通信に関して大変関心が高く、個人でもあるいは企業でもこちらの方に、転身と言うとちょっと言葉が過ぎますが、そちらの方にもいろいろ目を向けて研究開発してみたいというふうな動きが、ニーズというのが非常にあるというふうに私たち感じております。ただ、そういう中で、現実には経済状況が余りよくないということから投資がなかなか振り向けられないというふうな状況がございまして、なかなか民間と国が共同でということだけではうまく進展していかないという状況がございます。
 そこで、今回は国が予算を確保いたしまして、機構が施設をすべてつくって、民間の皆さんにここを使っていただくという形での支援をいわば強化するというふうな措置をとらせていただいたということでございまして、神戸市の状況等を考えますと、どうしてもそういう施策が必要なんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#36
○林久美子君 では、次に移ります。
 情報通信と災害対策ですけれども、第二次補正予算における生活面での震災復興対応で、今回の震災復興には産業基盤の復興の面と、そしてまた生活基盤の復興の面があります。
 私は、生活者重視は政治の基本姿勢でありますので、第二次補正予算においては社会生活面での震災復興のためにどのように対応なさっていらっしゃいますか、そのことをお聞かせください。
#37
○政府委員(山口憲美君) 今回の震災の関係につきましてちょっと御説明させていただきたいと思いますが、震災が起こりました直後につきましては、いわゆる被災いたしました電気通信設備でありますとかCATVを一番早く復旧するということが何よりも大切だというふうなことから、情報通信インフラの復旧のための融資制度というふうなものをとりました。それからまた、災害対策用の移動通信機器等の配備というふうなことにも予算を充当したという形でいたしました。
 現在は、当初の応急・復旧期を経まして、本格的な復興への取り組みという時期に来ているというふうに考えておりますが、そういう際に経済復興というふうなことが非常に重要な一つの要素でございますので、先ほど来御説明しておりますような形で共同利用型の研究開発基盤施設というふうなものを整備する、あるいはまた、この施設を一部利用しながら次世代ディジタル映像通信に関する研究開発をこの地域でやってみたいと思っています。
 これは、一つの動画像というものをこれからつくるわけですが、それを離れたところ、あるいは共同で制作できるというふうな、一つの動画像を多くの人たちが離れたところからでも制作に参画できる、なかなか技術として難しいんだそうですが、そういったことができるような技術を開発したいということでございまして、神戸地域がこういった映像文化のいわば中核的な都市になりたいというふうなお話もございまして、こういうふうな施策も今やっているということでございます。
 そのほか、今生活というふうなことでお話ございましたんですが、これも神戸市の経験をいろいろ踏まえさせていただくという意味で、神戸市で防災情報通信ネットワーク、これも従来の音声というふうなことじゃなくて、映像を中心にした防災情報通信ネットワークというものの技術開発をしていきたいというふうに考えております。これは、実際に災害が起こったときにケーブルテレビだとか無線というふうなものを活用しまして、映像によって情報を収集するというための技術を開発する。これは、神戸市はもちろんでございますが、うまくできれば全国の皆さん方にこういったものを使っていただけるというふうにも思っております。
 そのほか、神戸市には私どもの通信総合研究所の関西支所がございますので、ここの研究開発というふうなことにつきましても、特にアジア地域あるいはヨーロッパ地域との間の回線設定に非常に高速のものをつくって、人材のいろんな研究交流とか、そういったふうな形のものをしていきたいということで、私どもの内部の施策としても神戸市の支所の充実に力を入れていくというふうなことでございます。
#38
○林久美子君 どうもありがとうございました。
 それでは次に、災害に強い情報通信基盤整備について、政府の取り組み状況をお伺いいたします。
 今度の大震災を私も実体験しまして特に強く感じたのは、情報伝達施設の被災によりまして全くと言っていいほど情報が不足いたしました。したがって、災害に強い情報通信基盤の整備こそが望まれる最大のポイントでありますけれども、通信・放送機構の業務の中に基盤整備の政策支援策があると聞いております。それは信頼性向上施設整備事業と言われているものでありますが、先ほどと少し重複しておりますけれども、その事業の概要について具体的に御説明願えますでしょうか。
 また、大震災の教訓を事業にどのように拡充していくか、また生かしていくか、そのことに対してお聞かせくださいませ。
#39
○政府委員(五十嵐三津雄君) 先般の震災におきましては、電話を含む通信のネットワーク、特に具体的には加入者回線の部分でございますが、ここが大変ダメージを受けたということですが、それぞれ家屋、ビル等の整理に伴って回復したと、ネットワーク全体としての回復としては比較的早くいったというふうに考えているところでございます。
 私どもの取り組みということで若干申し上げさせていただきますと、まず従来より行っているものとしまして、電気通信事業法というのがございますが、私どもその法令に基づきまして震災等の災害対策を定めているところでございます。それからもう一つ、これは公衆網ではございませんが、いわゆる防災用の行政無線というのがございまして、このシステムの普及を図り、またその使用についての訓練というようなことをやってまいりました。
 こういうことでございましたが、先般の阪神・淡路大震災の教訓を受けまして、検討会も行いまして、震災対策の見直しについて幾つかの提言がなされてまいっております。促そういうことも踏まえまして、取り組んでおりますことを二、三御紹介を申し上げさせていただきたいというふうに思いますが、一つは、先ほども申し上げましたように、加入者ケーブルの部分、加入者回線の部分、これが大変ダメージを受けたというようなことで、それの地中化ということについて取り組みたいというふうに考えております。いわゆる電柱にかかって架空になっているものと地下に入っているものを比べると、三十倍ぐらいの格好で地下に入っている方が守られたという実績がございます。そういうことで取り組んでまいりたい。
 それからもう一つは、やはり加入者ケーブルの部分の光ファイバー化ということにも取り組んでまいりたい。光ファイバー化してループ化してまいりますと、片方が切れましても逆の方からまた信号が回るということで、こちらが生きてくるという形になります。そういうことについても取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 さらに、今回はいわゆる通信に使う電力という問題がございまして、停電対策ということも非常に重要なことでございます。そして、具体的な機器の構築に当たっての震災対策、それからバックアップルートの問題、そういうことについて現在見直しをやっておりまして、十一月を目途にそのことについてのガイドラインあるいは設備規則といったものの制定をしてまいりたいというふうに思っております。
 あわせまして防災行政無線、これにつきましては非常時通信のためのマニュアルを今作成しつつあります。さらに、補正予算等で確保した可搬型衛星地球局、これを使っての実践訓練というようなことも考えております。さらに、CATVという分野につきましても災害対策のガイドラインの策定ということの検討に入っております。
 今後とも、私ども先般の教訓を踏まえましてネットワークの耐災性、災害に強いネットワークということを心がけてやってまいりたいというふうに存じております。
#40
○林久美子君 どうもありがとうございました。ぜひ本当によろしくお願い申し上げます。
 信頼性向上施設整備事業への支援は、現在、債務保証と、そして租税特別措置というのがあります。また、特に税制措置については、大震災の後にもかかわらず、この春たしか反対の方向に変更されました。しかも、施設整備のための利子補給措置がこれにはないので、それらの理由について御説明をお願いいたします。
#41
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生御指摘のありましたように、私ども従来からネットワークの確保というような観点から、現在は三つのことについてだけ認められているその対象がございます。
 それは、一つはケーブルを地下に収容する洞道をつくる場合、大きな地下の道路のような部分でございますが、それから回線を他のルートに切りかえる回線切りかえ装置、それからもう一つは障害の発生した箇所を直ちに保守者に通知するネットワークの監視設備、こういったものにつきまして、いわゆる金融という面ではNTTの株の売却益を使ってのNTT−Cタイプ、これは無利子でございます。それからC’という低利融資、こういう支援がございます。また、税制につきましても、先生お話のありました信頼性向上促進税制という中で、洞道あるいは回線切りかえ装置、これが対象になっております。
 御指摘のありましたとおり、税制の見蔵し全体の中で率が下がっているという現状がございまして、私どもとしては残念なことだというふうに思っておりますが、この対象につきまして、先ほど申し上げましたように、さらに加入者線のネットワークの確保というような観点、こういうことも念頭に置きまして、管路をさらに対象にしてもらうというようなこと、あるいは先ほど申し上げました電源というような意味で非常時用の電源設備、これも対象に入れるというようなこと、あるいは非常用の無線設備というようなことについて、先ほど申し上げました金融あるいは税制というような観点において追加をしたいというふうに現在考えておりまして、まだ概算部分でございますので政府内部でございますが、そういう折衝を続けているところでございます。
 それからもう一つ、平成七年度の予算におきましては、先生方の御支援もいただきまして、いわゆる加入者系の光ファイバー網の整備についての特別融資制度、これが創設されております。こういったことにつきましても、さらにその改善、向上に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#42
○林久美子君 ぜひその創設をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、災害に強い情報通信基盤整備への大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。
#43
○国務大臣(井上一成君) 阪神・淡路大震災の直後に、翌日私は現地へ参りました。あの惨状を見て胸詰まる思い、言葉も出なかったということでございます。同時に、食料などと同様に情報というものが生活の糧であるということを私は強く感じました。
 そういう意味からも、災害に強い通信網を整備するということがいかに大事であるかということは、先ほどからも局長が具体的に幾つか答弁いたしましたけれども、私としては、さらに技術の基、準あるいは安全、さらには信頼性のガイドラインの整備等ハードの面あるいは税制の問題あるいは金融、融資の問題、そういうことについても十分力を尽くしていかなきゃいけないと思っているわけです。
 同時に、既に幾つかの郵便局ではそういう施設を持っているわけでありますけれども、地域の公共施設等も含めて、衛星利用などいわゆる災害に強い電波を送受できるような施設を拡大していかなきゃいけないんではないだろうか、こういう思いも持っているわけであります。そして、さっき申し上げたように、情報が生活の糧である、食料と同様に。それぐらいの強い認識をさきの阪神・淡路大震災で私は痛感をしたわけであります。
 そういう意味で、今申し上げたように、今後、情報供給システムの確立をひとつ、先ほど林さんからも激励をいただき大変意を強くいたしておりますし、全力をもって取り組んでまいりたい、かように思っております。
#44
○林久美子君 どうも大臣ありがとうございました。神戸も復興といってもまだほど遠い状態でありますので、本当にどうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、通信・放送身体障害者利用円滑化事業への支援についてでございます。
 例えば、聴覚障害者への情報提供手段として字幕放送番組の制作があります。この事業は、民間から二億円の出資金を提供していただき、その運用で字幕番組放送等利子補給金や、また障害者中心の放送助成金を捻出しようというものでありますけれども、民間からの出資金は集まらなく、既に平成五年、平成六年度ともに利子補給並びに助成金はゼロの計上でありました。これはどのような手違いがあったのか、御説明をお願いいたします。
#45
○政府委員(山口憲美君) 今お話しのように、郵政省では、平成五年の五月に公布しました身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律によりまして、聴覚障害者、視覚障害者等の身体障害者の方々の利便の増進を図る通信・放送サービスの円滑な利用のための事業を推進しているということでございます。
 そこで、今お話しのように、一つは民間の寄附金ということでやりたいということになっておりますが、これにつきましては、御存じのように、今は非常に景気の動向が思わしくないというふうなことがございまして、寄附金をちょうだいして、これで運用益をというのが非常に困難な状況だということでございます。要は、景気の動向がどうも思わしくないということが非常にそういうことにつながっているということだと思っております。
 そこで、この円滑化事業につきましては、もう一つの道でございます通信・放送機構の衛星放送受信対策基金の運用益の一部を活用いたしまして字幕放送の助成を現在行っているというのが実態でございまして、平成六年度には助成実績として二千九百二十万円、平成七年度の予算では二千九百九十万円の助成を見込んでいるというふうな形でございます。いずれにいたしましても、通信・放送機構の衛星放送受信対策基金の運用益で今のところしのいでいる、こういうふうなことでございます。
#46
○林久美子君 ありがとうございました。
 郵政省の阪神・淡路大震災の対策の一つに、災害放送における聴覚障害者への情報提供手段として字幕スーパー挿入という対策が盛り込まれております。それはどのような事業概要だったのか、資金面もあわせて御説明いただきたいと思います。
#47
○政府委員(楠田修司君) お答え申し上げます。
 今日、テレビジョン放送というのは国民生活に非常に欠かせないものでありまして、聴覚障害者にとりましてやっぱり字幕放送というのが非常に重要なことは先ほどお話のあったとおりであります。
 どのようにしてこういうふうな字幕スーパー番組をふやしていくかということでございますけれども、先ほど通信政策局長から御説明いたしましたように、一つは受信対策基金を使いまして、その利子で、約三千万円弱でありますが、例えばこれで二百四本から五本ぐらいを平成六年度では助成をしてまいったわけであります。ただ、金額的にはまだこれでは十分できませんけれども。
 もう一つは、この字幕放送をやる局をふやしていただきたいということが一つございまして、そのために文字放送の普及推進協議会というようなものをつくりまして、これはメーカーさんとか放送事業者が入りまして、あるいは受信機に字幕を見られるようなものをたくさんつくっていただいて安くしていただく、こういうような協議会をやりましたのが一つ。
 それから、これからの対策でありますけれども、一つは、衛星放送等将来出てまいりまして、これを使った字幕番組等の専門放送システムというようなものができないかということで、その実証実験等をやりたいというようなことを予算的にやりまして、考えているところでございます。
 それから、将来でありますが、コンピューター等を使いまして字幕番組等をできるだけ効率的に安くつくりたい。例えば、シナリオがございますけれども、字幕に入る字数というのは決まっておりまして、シナリオを全部入れることはできない、じゃ、それをどのようにしたら内容が充実したシナリオができるか、こういうようなことも研究してまいりたいということで、番組をつくる助成金のみならず、これら総合的な政策をとってやっていきたいということが今回のこれの趣旨であると考えております。
#48
○林久美子君 わかりました。どうもありがとうございました。
 神戸・淡路の震災においては既存産業が大変流出し、そのために新事業の創設及び誘致は大きな課題となっております。
 そうした状況にかんがみ、ポートアイランドにおけるテレコムニアストベッドの設置はそれらの願いの幾分がはかなえてくれるものと大きな期待と夢があります。このことは、私も先ほどから申し上げておりますように、心から歓迎いたしております。
 それとあわせて、情報弱者のための字幕番組放送や障害者通信、そして放送に資するための資金づくりに力を入れておかなくてはいけないと思います。その中で、テレコム・テストベッドの予算は七十五億八千万円であるのに対して、基金づくりの方の予算はわずか二億円であります。このことに関して、ぜひ大臣の御決意を聞かせていただきたいと思います。
#49
○政府委員(山口憲美君) 身体障害者を初めとする、情報弱者という言葉が適当かどうかわかりませんが、こういった皆様方への支援ということは非常に大事なことだというふうに私どもは考えております。
 今、基金のお話がございましたが、そのほかにこういった皆様方に対するいろんな技術開発をして、使いやすいというふうなことをいろいろ考えるような施策というのも非常に大事だと。
 せっかくの機会ですので、今どんなことをやろうとしているかというようなことをちょっと御紹介させていただきたいと思いますが、例えば非常に手が震えられるというような方につきまして、キーボードを押すというようなことになるとなかなかうまくいかないというようなことが一つの機器を使う上での障害になっているわけです。そうなりますと、使おうというときにキーボードがばっと大きくなるというふうな形になると非常に使いやすいということで、自動的にそういうものが大きくなるとか、あるいは視覚障害がおありになって目が若干弱い、不自由だというような方がボードを見られて、そこを見たときに、その見た文字のところだけがばっと大きく出るとか、そういうふうな機械でありますとか、あるいは聴覚障害者の場合に骨伝導技術というふうな形で今いろいろ研究開発しております。
 こういったものの性能も上げて、音楽なんかも聞けるような品質の高いものを開発していこうというふうなこと、あるいは、今放送行政局長からも御説明申しましたんですが、字幕番組だとか解説番組を自動的につくれるというふうな技術というものをつくっていきたいということでも予算の確保等やってきております。
 そのほかいろんな障害者のためのサービスというふうなこともございますが、そういうふうな技術開発を通じまして、いろいろ皆様方にひとしく使っていただけるような道を開いていきたいなというふうに思っているんです。
 今の基金のお話でございますが、これはいろいろ検討しておるんですが、今非常に金利がとにかく低いというふうな状況でございまして、こういう基金で対応するということが可能なのかどうかというふうなことがございまして、ちょっといろいろ検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。
#50
○国務大臣(井上一成君) 今、林さんは情報弱者への支援策をどうしていくか、そういうことだと思います。
 私は、情報通信が国民生活の暮らしの中に重要な役割を果たしていく、そこに格差が生まれるようなことがあってはいけない、そういうために情報サービスを使いこなせるような環境をつくっていくということも一つは大事であるし、そのためにどういうことが必要になるのかと。例えば、高齢者だとか障害者の方々が利用しやすいようなそういう機器の開発をより進めていかなければならないし、あるいはまた高齢者、障害者の方々に特に有効な新しいサービスの開発というものもこれまた考えていかなきゃいけないなどなど、国として一層の振興策あるいはそういう環境づくりを含めて具体的な支援策にこれからも力を入れていかなければいけない。
 さっき局長が答弁をいたしました基金の問題等も含めて後退するようなことがあっては、これは私から言えば何ら明るい未来なんというのはないわけでありますから、どうしてより多くの、いわゆる情報格差をなくするためにどんな知恵を出していくか、そういう意味で今後とも皆さんの御支援なりあるいはまたお知恵もいただきながら、郵政としては、いや、もう国全体がやっぱりこれは取り組むべき問題である、私はそういう認識を持っているわけであります。
#51
○林久美子君 大臣、どうもありがとうございました。ぜひ御努力をお願いいたします。
 それでは、変わりまして、大地震対応の通信ネットワーク体制に関する検討会についてでございます。
 大震災直後の二月にこの検討会が発足して、ことしの五月にこの検討会から報告書が提言されていますが、まず、この検討会からの報告書はどういう位置づけで、どう扱われているのか、お聞かせくださいませ。
#52
○政府委員(五十嵐三津雄君) 阪神・淡路の大震災に当たりまして、通信関係の体制というのは大体一月の末をもってほぼ平常に復しました。そのときを契機に、とりあえず短期間でこの体験を踏まえてどう取り組むべきかというようなことで検討会を、大学の先生初め事業者等々の方にお集まりをいただきまして検討会を持っていただいたところであります。
 今、先生お話がありましたように、幾つかの提言がなされてまいりました。その中で、大きくくくりますと五つのことがあったというふうに認識をいたしております。
 その一つは、被災防止のためのネットワークの強化策、これをどうするかということが一つでございました。もう一つは、重要通信確保のための災害関係機関の連携という問題がございました。もう一つは、災害時における情報伝達手段の確保ということでございます。四番目は、災害対策のための研究開発ということでございます。それから五番目は、災害に関する国際的な連携の推進というような、太くくりいたしますと五つのことについて提言をいただいたところでございます。
 私どもがこれをどう反映させていくかというお尋ねでございますが、先ほど大臣からも申し上げさせていただきましたように、私どもの平素の行政という意味では、例えば技術基準を見直していくとか、あるいはガイドラインを定めていくという作業に入っておりまして、これは十一月に完成を目指しております。
 さらに、予算、税制というような取り組みをいたしておりまして、平成六年度の第二次補正、現実には三月になったわけでございますが、そのときの予算あるいは平成七年度の補正予算、それから税制というようなことに反映させていただいておりまして、これによって情報関係の災害に強いネットワークづくりに努めていきたいというふうに考えておりますし、また平成八年度に向けても、同様に予算、税制等について取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#53
○林久美子君 ありがとうございました。
 それでは今度、米国の国家通信システムのNCSと我が国の対応について、非常時における重要通信を確保するために米国では国家通信システムのNCSが存在しておりますけれども、我が国においてもNCSを参考に、災害発生時に各種の電気通信システムの運用を調整する体制を整備していくことが必要だと報告書では提言しております。
 米国の国家通信システムとはどのような通信システムなのか、またその調整体制の整備がどう進められているのか、お聞かせください。
#54
○政府委員(五十嵐三津雄君) アメリカのNCS、ナショナル・コミュニケーション・システム、私ども国家通信システムというふうに記させていただいておりますが、この機関というのは一九六三年に大統領令のもとでつくられているものでございます。
 簡単に申しますと、NCSという国家通信システム、ここのセンターが中心になりまして、国家安全保障会議のもとに所属するという形で、国の公的な通信システムあるいは民間の通信システム、こういうものの総合的な調整をするということでございます。このNCSの責任者が、たしか五月でございましたと思いますが、日本を訪ねて、私どもとの意見交流をやる、あるいは神戸に実際に入られるというような行動がございました。
 私ども日本の場合には必ずしもこういう体制にはないということでございまして、政府全体としての取り組みももちろん必要でございますが、先般、平成七年度の第一次補正予算におきまして予算が認められまして、ある意味でいいますとこのアメリカのNCSというものが一つの参考でございますが、こういうものにつきまして、私どもとして具体的に情報通信の全体的なデータベースをつくる、あるいは重要通信確保のための体制ということについての調査を開始するということで、今そこに着手したところでございます。
 先生お尋ねのアメリカのこのNCS自身は、最近の一九八九年のサンフランシスコの大地震とか、あるいは一九九二年のアンドリュー・ハリケーン、こういったところでも活躍したというふうに私どもは承知をしているところでございます。
#55
○林久美子君 どうもありがとうございました。
 時間が参りましたので、私はこれでありがとうございました。
#56
○伊藤基隆君 日本社会党の伊藤基隆でございます。
 会議の冒頭で自民党の同委員からさまざまな問題提起がされて、私も郵政省との討論をお伺いしておりましたけれども、私自身も郵便局に実際に勤めて、その後、郵政職員で組織する全逓信労働組合の役員もしてきました。労働組合側から郵政省に対してさまざまな政策、制度改善等を提起してきたこともありますから、郵政事業に対する私自身の思いも込めまして、郵政大臣に幾つかお尋ねしたいと思います。
 まずは大臣の就任を心からお祝い申し上げます。
 今日の社会を私なりに幾つかのキーワードで特徴づけますと、一般的な常識でございますが、一つはグローバル化、一つは高度情報化、一つは成熟化あるいは高齢化、このように特徴づけることができると思います。このような社会が到来する中で、国民がひとしく安心とゆとりと豊かさを実感できる生活を求めておるわけでありまして、政治の役割がここにあるというふうに考えております。これは岡先生もそのように指摘されておるところで、全くの同感でございます。
 以上のことを考えた場合に、郵政省の役割を見ますと、一つは郵便事業、郵便貯金事業、簡易生命保険事業、いわゆる三事業というものと電気通信に関する事務という、大きく分けて四つの役割があろうかと思います。これらの事業、事務は、国民生活と経済上あるいは社会政策上、日常生活と深くかかわっているわけでありまして、国の性格を言えば基本的には三権をもって統治するということであろうかと思いますが、郵政事業の持っている役割というのは国でありながらサービスを提供するというところに非常に大きな特徴があって、国と国民とのかかわりがやわらかな関係を日常的に保っていく役割を持っておるかと思います。
 その中にあって、電気通信に関する事務は、マルチメディアに象徴される高度情報社会の中で、またはインターネットに代表される情報通信のグローバル化の中で、政策官庁としての郵政省の位置づけがますます重要になってきているというふうに思います。
 また、三事業を見ますと、郵便事業は国民の最も身近な基盤的な通信手段でございます。マルチメディア、マイクロエレクトロニクスの対極として人間が介在する通信サービスというものが大きな特徴であり、それが郵便局ネットワークの基盤となっているというふうに思っております。
 ここで委員の皆様にも一つのエピソードを紹介したいと思うのでありますが、実は全逓信労働組合から郵政省に提案した一つにふれあい郵便というものがあります。これは独居老人、一人でお住まいのお年寄りに郵便を配達しながら声をかけるという制度でありまして、これが郵政省試行の後に施策として取り入れることになりました。
 さきに私どもの集会、どのようなことが行われているかの集会を開いたときに一つの例が報告されまして、私も実は感動したのでございますが、山間地においてお年寄りが一人で住んでいる。そういうお年寄りにはなかなか手紙が参りません。ですから、手紙がないところに郵便局員は配達できませんから、伺うことができない。吹雪の中で縁先からばっぱ生きているかというふうに声をかける、そうすると中から生きてるよという声が聞こえてくる、そこで安心して次の配達に向かうという話がありました。私は、人が介在する通信というものの最も究極的なよさというものがそこにあろうかと思います。
 これは郵政省にお願いですけれども、でき得るならば地方自治体から往復はがきを出していただければ、大手を振って玄関から入って話を聞いて、その状況を町役場や村役場、市役所に届けることができるというふうに考えております。ひとつエピソードとしてお聞きいただきたいと思います。
 郵便貯金事業は、金融自由化の中で、とりわけ今日本良債権問題が出て、または一部の民間金融機関の不祥事などが起こっておりまして、金融システムそのものに国民の不信が高まっているときに、簡易で確実な貯蓄手段と言われる郵便貯金の役割は一層重要になっているというふうに考えます。
 さらに、高齢化社会を迎えて、生活環境基盤の整備などに公的な資金が必要とされているときに、財政投融資資金の調達機関としての郵便貯金の役割は改めて評価されていいというふうに考えます。
 さらには、日本の高齢化は、私が言うまでもなく、世界に例を見ないものでありまして、これに対する国民の不安は高まっておって、若者さえもそのことを話し合うというような状況になっておるというふうに思います。公的保障を補完する制度としての簡易保険事業、国民の自助努力を手助けする重要な役割が一層高まっているのではないかというふうに思います。
 第一線で働いている人たちに、ぜひ大臣から、この場から、最高責任者としての所信をお伺いしたいというふうに思います。
#57
○国務大臣(井上一成君) 伊藤さんおっしゃるとおり、全く同感ですとまずは申し上げたいと思います。
 社会が高齢化していく、さらには高度情報化の時代を迎える、国際化が進展していく、そういう中にあって、国民のみんなが、だれもが安心と希望を持って暮らせる、そういう社会生活基盤をつくっていくことが非常に大事なことである、これはもう申し上げるまでもないんですけれども、まずはそういう認識を私は持っているわけなんです。
 郵政事業というのは、本当に長い間国民生活に根づいてきた生活文化のまさに大きな柱である、生活文化だ、そういうことを私は申し上げているわけなんです。この現実をやっぱり大事にしていかなきゃいけない。そういう意味で、郵政三事業の果たしている現実、そして他面、一方、二十一世紀を展望した中にあって、マルチメディアという未来の新技術、先ほども申し上げましたけれども、未知の世界への挑戦をしていくわけでありますから、そういう未来をつくり出す新技術を、新しい産業を興していく、あるいは産業活動を活性化していく、そのことが豊かな国民生活づくりにつながっていく、こういうことが大事ではないだろうか。
 そういう形で郵政事業が展開をしていくそのときに、さらに今以上に国民の皆様にぬくもりを私は感じていただける、人に優しい郵政行政ということはそのことではなかろうか。一言で言えば、郵政の事業というのは暮らしとかかわりが深く、かつまたその暮らしを支える土台骨であるということ、同時にハートフルビジネス、私はハートフルビジネスこそ郵政の事業である、そういう強い思いを持って、これからも皆さんの御指導と御協力をいただきながら全力で取り組んでまいりたいと強い決意を持っております。
#58
○伊藤基隆君 ただいま大臣の所信をお伺いいたしました。全く私と同じ考えでありまして、意を強くしたところでございます。
 その上に立ちまして、郵政大臣がそのように考えられて、郵政省の組織ないしはネットワークがそのように整備されるということがあっても、第一線で働く者の姿勢が悪ければどうにもなりませんし、第一線で働く者が仕事に誇りを持つ、生きがい、働きがいを持って仕事をするということが問われてくると思います。それには意識も重要でありますが、適正な要員の配置や処遇ということも重要視されなきゃならないわけでありまして、そのことについてお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(井上一成君) お説のとおりでありますということを申し上げてすべての答えにするのがいいのか、さらに私の方から申し上げさせていただくならば、安心して働ける職場環境の整備を進めるということもまた大事ではないかと。さらに、国民生活に深くかかわっているという、先ほども決意の中で申し上げましたけれども、そういう深い使命感というんでしょうか、これは私を含めて使命感を持ち続けるということが重要なポイントである、私はそういうふうに思っている次第であります。
#60
○伊藤基隆君 ありがとうございました。
 次に、電気通信局長にお伺いします。
 情報通信は、ディジタル技術や光ファイバーなど飛躍的な技術革新によってコンピューターと通信の融合、通信と放送の融合をもたらして、マルチメディアと言われる高度で多彩なサービスを可能にするというふうに多くの期待があろうかと思います。
 マルチメディアは、社会、経済、文化に大きなインパクトを与えて、国民生活を豊かにするとともに、日本の産業、経済の発展にも大きく貢献するというふうに思います。したがって、情報通信の目覚ましい技術革新の成果を産業の活性化と生き生きとした多様な国民生活の実現に向けて最大限生かしていくことが重要と考えております。このことは先ほどの平成会の林委員との討論の中でも十分にお伺いできたところでございます。
 さて、世界に目を転じまして、各国のキャリアは国境を越えて提携して、情報通信のグローバル化の進展と国際的競争が激化する状況にあります。これらの状況認識から、AT&Tの国際戦略はそのターゲットをアジアに向けているのではないかと私も思いますし、そのようにも言われております。日本の情報通信産業がこれに伍していける条件が整っているのかどうか、まずこのことをお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(五十嵐三津雄君) 今先生からお話のありましたように、国際経済学会が開かれた昨年一月以降、あるいは産業界という意味でも、いわゆる大競争時代と言われるような時代に入ってまいっております。
 御指摘のアメリカの動向というのを見てまいりましても、ATTという会社、あるいは一九八四年に旧ATTを再編成いたしました七つの地域会社がありますが、国内の活発な競争というのを背景にしながら、合成長いたしておりますアジアヘ向かって積極的に国際進出を図っているという姿が見えます。
 また、アメリカの産業の動向ということを、特に情報通信産業の動向という観点で見ますと、ベンチャー企業というのも盛んに伸びておりますが、知的所有権を背景にデファクトスタンダードというような格好での国際競争力の向上あるいは保持というような姿が見られるというふうに私ども受けとめております。
 これに対しまして、我が国におきましては、過去、国内の電気通信網の構築に力が注がれてまいりまして、戦後の国内の情報通信、電気通信ネットワークの構築というのは昭和五十四年をもっていわゆる自動化ができたということで、そこに大変力を注がれてまいりました。あわせて日本の国内に大きなマーケットがあるというような面もありまして、いわゆる電気通信の端末機器等は海外にたくさん出ております。ある意味で言いますと貿易摩擦になるような流れがあるぐらい出ているかというふうに思いますが、通信のシステム全体という意味では必ずしも活発になっているとは言えない状況にあるということは先生御指摘のとおりであります。
 ただ、我が国のキャリアの方々の動向というのは最近活発になりつつあります。一、二の例を申し上げさせていただきますと、NTTにおきましてはタイの電信電話公社への出資、経営参加ということを果たしました。あるいはKDDにおきましてはロシアのボストークテレコムというようなことで極東ロシアとの通信を確保する、その会社に出資をするというような例も見られます。あるいは、最近アライアンスという言葉があるんでございますが、提携というような意味でKDDがワールドパートナース、このワールドパートナースという提携の組織というのはアメリカのATTが中核的な役割を果たしております。そういったものにも参加をするというようなことであります。
 あともう一つ、通信のシステムという意味では、PHSのシステムにつきまして、今急成長いたしておりますアジアに向かいまして、私どもアジアの情報通信基盤の高度化ということにも役立てるのではないかということで、昨年来、特に産業界の方々と一緒になりましてこれのセミナーを開く、あるいは個別にコンサルタントを行うということで、今九カ国、十二回にわたりましてセミナーを実施したりしております。
 そんな中で、例えば香港あたりからはPHSシステムの免許申請を行った事業者が出てくるというような形で、マルチメディア時代ということを考えますと、ディジタルということですのでPHSはまさにそれに対応できるシステムだというふうに考えておりまして、さらにこんなことに力を注いでまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては、我が国の情報通信産業が活力に満ちた発展を遂げまして、世界的な情報通信基盤整備等に貢献をしていくというようなことになるように適切な政策の展開に努めてまいりたいというふうに存じております。
#62
○伊藤基隆君 ただいまの答弁で、日本の情報通信産業がアジアを目指しているということについて大変心強いことだと思っています。
 ただ私は、AT&TにしてもBTにしてもDTにしても、これが中国、特に沿岸とのネットワークと結びつく戦略を持っていたときには今後のアジアにおける情報通信産業に大変影響が強い、特に日本の産業に影響が強いというふうに考えておりまして、そういう場合、こういう状況の中で極めて重要な政策目標、経済目標になっているわけでありますから、これが今後二十一世紀に向けた我が国のリーディング産業として発展の可能性がある、またそうしていかなきゃならないということがありまして、情報通信産業のあり方、NTTのあり方等、広く論議して国民合意のもとに進めなきゃならないというふうに考えております。
 そういう状況の中で、新聞等をにぎわしました十月三日に郵政省電気通信局長の研究会がNTTの分割を示唆する報告をまとめたとの報道がなされました。電気通信審議会で現在審議中の中でこのような案件を先行して発表することは、審議会の論議に影響も与えかねないし、基盤的な形成を図るときに極めて重要な意味になっていくのではないかというふうに考えまして、この間の経過について、または電気通信局長の考えについてお聞かせいただきたいと思います。
#63
○政府委員(五十嵐三津雄君) 先生御指摘のように、二十一世紀に向けた新しい情報通信産業の将来像研究会というのが、今の技術革新あるいは国際的な動向というものを踏まえまして、我が国の二十一世紀の情報通信産業がどうあればいいかということを目的として昨年から研究会を開いていただいてまいりました。
 この研究会の内容につきましては、新聞等の報道はいろいろございます。融合を示唆したと言っているもの等々いろいろございますが、この報告書の内容を少し申し上げさせていただきますと、一つはインフラを活用する新しいネットワークビジネスの展開、あるいは技術革新を反映した異業種の融合の進展、さらに競争を通じたダイナミズムの創出というようなことの重要性に触れております。
 そういった中で、新事業の創出、異業種の融合を進めて、ユーザーの利便を高める上でボトルネック独占、地域の部分がボトルネック独占という評価になっておりますので、その独占の取り扱いが重要な課題となるが、ボトルネック独占の取り扱いについては二通りの方法が考えられるというふうにこの報告書は言っておりまして、その第一案としてボトルネック独占に対する構造的な措置を講ずる案、第二案としてボトルネック独占を構造的には存置したまま行政の関与により独占力の乱用防止を図る案がある、こうしておりまして、また、「ボトルネック独占に対する二つの選択肢とその特徴について概略的な位置づけを行うに止めているので、今後さらに検討を進めた上で、選択が行われることが必要である。」、こういうふうに記載されている部分がございます。このことにつきましても、座長からこのように報告をされております。
 したがいまして、この報告書にありますように、この研究会の報告についてはNTTのいわゆる分離・分割について結論を示しているというものではございませんし、また局長の、私の研究会の検討結果でありまして、郵政省の見解とか局長の見解といったものではございません。
 いずれにいたしましても、先生からお話のありましたように、NTTのあり方につきましては電気通信審議会で今審議をいただいておりまして、今後審議会の答申を踏まえて結論を得るということになっている次第でございます。
#64
○伊藤基隆君 さらにこのことはさまざまな場面での議論にしていきたいと思います。
 最後に一法案にかかわって幾つかお伺いしたいのですが、時間がありませんのではしょってまとめてお伺いします。
 私も阪神・淡路復興の一環としての取り組みについて評価をしているところでありますが、この点については林委員との討論の中で十分に認識されました。私も同様に評価いたしたいと思います。
 そこで、我が国の情報通信分野の研究開発の現状と欧米との対比、さらにはこの法改正によって十分な研究開発体制が整い得るのかということ、さらには高度情報通信社会推進本部の副本部長省という立場から、郵政省としては二十一世紀に向けた情報通信分野の研究開発政策についてどのような方向に持っていかれようとしているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#65
○政府委員(山口憲美君) 技術開発の関係についてのお尋ねでございますが、まず第一に我が国の研究開発というものがどういうふうな状況にあるかということでございますが、欧米との比較ということで御説明するといいのかなと思いまして、端的にちょっと申し上げますと、我が国の技術の国際取引の状況を示す技術貿易というふうな形で我が国の技術力というものをちょっと考えてみますと、全産業では黒字になっておりまして、我が国の技術力は輸出型でございますが、情報通信産業分野につきましては赤字というふうなことで、技術導入の方が勝っているというふうな状況でございます。入超というふうなことでございまして、いわゆる重要な技術は外国に大きく依存しているというのがその姿でございます。
 特に、私どもがいろいろ考えなければいけないと思いますのは、民間企業のこういう研究開発投資というものが非常に減少傾向になってきているということに注視をする必要があるというふうに思っております。
 そこで、欧米におきましては政府がかなり力を入れて取り組みを行っておりまして、アメリカにおきましてはHPCC計画というふうなものを例えば御説明いたしますと、政府が五年間で五千億円の投資をするとか、あるいはヨーロッパにおきましても汎欧州ネットワーク構想というものを実現するための各種の研究をしておりますが、そういったものにも五年間で四千億円の投資をするというふうなことを聞いておりまして、かなり積極的に取り組もうとしているということでございます。
 こういうふうな背景がございます中で、本年六月、実は電気通信技術審議会からこれに関連した答申をいただいたところでございまして、その中では、これから二十一世紀に向けて我が国は情報通信分野の先端的な分野での研究課題として二百九十三課題あるということが言われておりまして、そういった中で約一兆円規模の研究開発費というものが必要なんじゃないかというふうなことが提言されております。
 特にその中で、我が国の将来を左右する重要な課題というものをさらに抽出されまして、五十三課題というものを提言されております。この五十三課題については政府が先導して計画性を持って推進していく必要があるというふうな提言がございまして、これに要する経費というふうなことでは三千三百億円程度のものになるということを言っておられます。
 私どもといたしましては、今るる御説明しましたような状況でございますので、一つはやはりこういった研究開発に力点を置いた施策の展開をこれからしていくということは非常に大事なことだというふうに考えているということでございます。
 そこで、今回の施策で十分かというふうなお話でございますが、私どももこれは非常に大きな環境整備が促進されるものだというふうに考えておりますが、ただいま御説明申し上げましたように、政府の果たすべき役割というふうなことを考えますと、研究開発の予算でありますとか要員というふうなものにつきましてさらにいろいろと努力をしていかなきゃならない問題があるというふうに思いますし、それからさらに民間の研究開発力とか大学の力というものも十分に活用させていただくということも今後必要になってくるんではないかというふうに考えております。
 民間の研究開発能力を活用するような委託制度、あるいは独創的な研究開発を推進するというふうな形で大学との連携を深めるような一つの公募研究制度というふうなもの、さらには研究者の交流制度というふうな体制整備というものも今後の課題としてやっていく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、今申しましたような点につきましては平成八年度の概算要求の中でも実現を図りたいということで私どもは要求をしているということでございます。
 そこで最後に、これからの研究開発についてどういうふうな方向に持っていくのかというふうなお話がございました。これはなかなか大きな問題でございます。ただいま申しましたように、予算の問題とか体制整備の問題というふうなものは非常に大きな課題だと思っておりますが、先ほど申しましたように、さらに民間の皆さんも含めてこの情報通信分野の研究開発を促進していくというふうなことを考えますと、先ほどの五十二課題というふうなことの御提言もあるわけですが、今後国として推進していくという研究開発項目というものを明確に皆様方におわかりになるようにお示しをするということがひとつ必要ではないかというふうに考えております。
 私ども、こういう研究開発項目、今後私たちが果たしていかなきゃならない、国の研究機関で果たしていかなきゃならない研究項目というふうなものを絞り込みまして、そして中長期的な研究開発計画というものをつくって明らかにしていきたいというふうに考えているということでございます。
 そういった際には、いわゆる国際的な標準化ということがこの分野では非常に大切でございますので、標準化、特に公的標準ということだけでなくて、今は非常にデファクトスタンダードというふうな形で標準化というものは進んでおりますので、そういったことも十分視野に入れた、あるいはそういうものと国とのかかわりというふうなことを考えながら、こういったものの検討を進めていかなきゃいけないのかなというふうなことを考えているということでございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
#66
○伊藤基隆君 どうも済みませんでした、時間が超過しまして。
#67
○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。
 私、ずっと建設委員会に所属しておりまして、逓信委員は初めてでございますので、大いに議論させていただきたいと思っておりますけれども、教えていただくことも多いと思いますので、よろしくお願いします。
 たくさん資料もいただいて、それからきょうもいろいろ議論がありましたが、高度情報通信社会などについても目下勉強中なんですが、去年の五月の電気通信審議会のかなり反響のあった答申も読みましたし、それから経済審議会の高度情報通信社会小委員会の中間報告なども見たんです。
 首相を本部長にして高度情報通信社会推進本部ができて、郵政大臣が副本部長ですね。その基本方針、高度情報通信社会推進本部において基本方針がことしの二月二十一日に決められております。
 それで、いただいた通信に関する現状報告を見ると、この基本方針というのは有識者会議からの意見を踏まえてできているんだと、こうあるので、この中に有識者会議の意見要旨というのが載っていて、これも読みました。
 これは、ほかのものもいろいろ考えなきゃならぬことが多いと思うんだけれども、ちょっと幾つか驚いたんです。総理大臣を本部長にするこの本部の基本方針を決めるのに踏まえた有識者会議の意見なんです。高度情報通信社会の意義、三つ革命があるというんですが、第三次産業革命、情報革命、それから市民革命に匹敵するネティズン革命というのだけれども、これは聞いたことがないですね、ネティズン革命というのは。まずひとつ、大臣、教えて下さい。何ですか、これは。
#68
○政府委員(山口憲美君) これは私から御説明するのは正確性があるかどうか、ちょっとあれでございますんですが、情報革命、これから情報化が進展していくということになりますと、その情報を通じましてネットワークが形成される。そのネットワークを通じていろんな社会的な活動が行われてくるというふうなことで、そういう社会をネティズン、ネットワークの市民、そういうふうなことかと思っております。
#69
○上田耕一郎君 大臣も知らないとんでもない革命ができたみたいで、これでどういう社会ができるかというと、こう書いてある。製品価格が低下する、各種公共料金、医療や教育の価格、さらに租税負担率に至るまで低下していくことが可能になり、産業化の二十世紀システムのもとでは不可能とみなされていたインフレなき経済成長と高福祉低負担社会が実現するだろうと書いてあるんですね。これはまことにすごいことなんだが、郵政大臣もこういうふうになるだろうと確信があるんですか、これは。――いや、郵政大臣にきいているんだ、大臣に。
#70
○国務大臣(井上一成君) 私は、先ほどからもたびたび申し上げているように、情報通信というのは今後の生活文化というんでしょうか産業経済に限りない可能性を引き出していくであろうと。それは新時代を切り開いていくと。そこで、考えなきゃいけないということは、高度化を図ると同時に、科学技術の可能性と精神文化とのバランスに配慮していかなきゃいけないと。
 そういう意味合いから、総理を本部長としたいわゆる高度情報通信社会を推進していく副本部長ということでございますが、基本方針というものがあって、その中でも基本方針は大きくは三つあろうと思うんです。一つはやっぱり社会的弱者への配慮をしていかなきゃいけない、同時に中央と地方の情報のギャップを解消していく、情報格差をなくしていこうと、さらには情報の安全性、プライバシーの確保、こういう行動原則を明示しているわけなんです。
 そういう意味では、この基本方針というものを基本に置いて、今後とも基本方針を検証しつつ、先見性を持って高度情報通信社会を構築するために努力をしていきたい、こういう考え方でいるわけであります。
 そういう意味では、さっき二十一世紀に向けた通信・放送の融合に関する懇談会でのネティズン革命ということが尋ねられたわけですけれども、今局長からそれは説明をいたしましたし、私は、多くの方々から幅広くあらゆる角度から御意見をちょうだいしながらよりよいものをつくり上げていく、そのことがより可能性を広げていくことになるんではないだろうか、このように思っております。
#71
○上田耕一郎君 私は、この九月に科学技術行政の調査ということで議員派遣団でシンガポールに行きまして、あそこは国家計画を立てていて日本より進んでいる面があるというんですけれども、二〇〇五年までには光ファイバーですべての家庭を結ぶという。国家コンピューター庁へ行って責任者といろいろみんなで議論したんですけれども、確かにこういうマルチメディア、インターネット等々、新しい可能性は生まれているけれども、社会と文化を変える、それにはいろいろマイナス面もあるだろうけれども、どういう対応を考えているかと言ったら、責任者が、それが一番の問題なんだ、結局教育になるだろうということでいろいろ述べておられて、大変興味深く聞いたんです。
 私が読んだ中で岩波新書に西垣教授の「マルチメディア」というのがある。あの本を読むと、専門家ですから新しい可能性をずっと書いてあるけれども、同時にかなり警告も発しておられるんです。これは一つの文化的事件だ、怪物をつくり出すおそれもある、創造能力、思考能力、こういうものも衰退する危険もある、途方もない知的荒廃がもたらされる可能性もないとは言えない、物がどんどん入ってくるアメリカニズムが今度は情報のアメリカニズムになってきている、そういうこともかなり警告も発しておられる。
 やっぱりそういう問題もだんだんいろんな問題がわかってくると出てきているわけで、十月二日の読売の社説「幕開くマルチメディア時代」、「マルチメディアをビジネス志向・優先だけでとらえ、理念欠如で突っ走ると伝統的な文化を壊滅させ、貴重な文化遺産を失いかねないとの指摘が出ている。」、「文化の本質にかかわるものとして考えるべきだ」という社説がありまして、僕が先ほど読み上げた有識者の意見というのは一面的だと思うんですよ。
 こういう日本の文化、日本の知性、社会の変化に対して何ら顧慮なしに一方的に、僕に言わせればほとんどデマゴギーに近いようなことを言っているというのはちょっと問題だと思うんだ。メンバーを見ると三菱電機社長、日本IBM会長、NTT会長、これは有識者というより、やっぱりこういうことを進めることで利益を得る方々だから有識者より有利者と、そう私は思うぐらいなんです。
 これを見ますと、有識者の具申を踏まえて本部が仕事をしていくと書いてある。そうなってくると、やっぱりこの有識者会議のメンバーの中にマルチメディア社会についてもっと全面的にいろんなものを考えられる、意見を出せる人を入れておかないとまずいのではないか、私は読んでそう率直に感じたんです。どうですか、郵政大臣。
#72
○国務大臣(井上一成君) 先ほどから私はごあいさつでも申し上げましたように、情報化、科学技術の振興、そのことと同時に精神文化、このバランスをいかに保っていくかということを再三申し上げてきたわけであります。基本方針も申し上げましたし、情報通信の分野が新しい産業を興し、さらには新しい時代をつくるということは、これは否定でき得ない事実であります。
 しかし同時に、再三申し上げているように、科学技術と精神文化のバランスに配慮しつつマルチメディアを推進していくことが重要である、こういうことを申し上げているんです。だから、いろんな方の御意見をやっぱり拝聴し、私としては今申し上げたそのような考えを持って対応してまいりたい、こういうことでございます。
#73
○上田耕一郎君 やっぱりこの基本方針そのものに、最後のところにこう書いてあるんですよ。「有識者会議は各省庁の実施状況に対する意見をとりまとめ、」「本部に具申する。」、「本部は、有識者会議の意見等を踏まえ、所要の措置を講じる。」、こう十八ページにちゃんとなっているんで、今郵政大臣は各方面の意見というふうに言われたけれども、私は有識者会議そのものをやっぱりもっと改組すべきだと思うんですが、本当に各方面の批判的な意見なども大いに取り入れて、大事な国民的課題なので進めていくことを希望したいと思います。
 もう時間も余りなくなったので、機構法の改正についてちょっと幾つか少しまとめて質問させていただきます。
 九二年の改正で整備会社に出資を決めている。四月にも債務保証事業が追加されている。こういうやり方ではちょっと進まないので、今度は機構自身が施設を整備して支援するということなんですね。そうすると、本来民間企業が自分のリスクと責任で実施すべき基盤施設による研究開発を国が肩がわりする。民間企業のリスクの軽減を図ることになるのではないかというのが第一点です。
 第二点は、神戸でこの施設を実際に必要としている企業は一体どこなのですか。今まで説明を聞きますと、二つのケーブルテレビ、第二種電気通信事業者とともに、神戸製鋼、三菱重工、川崎重工、NECなどの企業名もお聞きしたんですけれども、そういうことなのか。
 三つ目に、これらの企業は負担はどうなるのか。研究成果は例えば国に戻ってくるのか等々、これが三つ目の問題。
 それから四番目に、私ども神戸市にこの問題で聞いてみたんですが、どれだけの効果があるのかは、マルチメディアというのはこれからのことなので今具体的に挙げることは難しいと、効果については。それで、郵政省から話があって神戸市が乗って、地元負担なしで共同施設が整備されるのはこれはありがたいんだということで、具体的な活用については、先ほどいろいろお話があったけれども、十そのプロジェクトの一つだというので、本当に神戸市が積極的だったというような返事はどうも私ら余り受けなかったんです。
 そうなると、震災の復興という点でいいますと、私どもは被災者の生活、打撃を受けた中小企業の復興が一番大事だと。建設国債で今度三十億円使うんでしょう。建設国債で三十億ありますと、中小企業向け無利子融資の貸付規模は一千億円になるんですね。そういうことに使った方が神戸市の復興、それから市民の被害に対する救援という点ではむしろ効果的なんじゃないかというふうに思うんですけれども、以上四点、お答えをいただきたいと思います。
#74
○政府委員(山口憲美君) たくさん御質問ございましたんですが、一つは、なぜみずから整備するような形に持っていったのか、こういうお話でございます。
 先ほど来御説明を申し上げているんでございますが、従来反間と国が共同で出資して民間ベースでやっていただくという形でやってきておったんですけれども、民間の発意でやるというふうな状況が今は経済状況が悪くて投資がなかなか振り向けられない。ただ、やっぱりやりたいという、あるいは二十一世紀がマルチメディアとかこういう時代だということで、そちらの方にビジネスチャンスがあるというふうなことで関心は非常にお持ちなんですけれども、投資を振り向けるわけになかなか今の状況でいかない、そういうふうな状況があるということでございますので、今度さらに一歩支援を進めまして、機構がつくって、それを皆さんに利用していただくというところまで施策を拡大したということでございます。それが第一点目でございます。
 それから第二点目は、神戸市でどういうところが利用されるのかというお話だったかと思いますけれども、これは神戸市、今非常に地元から大変私どもは熱意がある陳情をいただいているというふうに考えておりまして、今お話しのように、幾つかの企業を申されましたが、そういった企業の皆様方も新しい分野へというふうなことで御利用になるのかと思いますし、あるいはもっとベンチャー的にこれからこういう世界で新しいビジネスを開いていこうというふうな方々もおられるのではないかということを考えておりまして、私どもとしてはこういったものについては非常に皆様方の期待が高いものだというふうに考えているということでございます。
 それから、負担の問題でございますが、これまで御説明をしてまいりましたように、今回の施策というのは新しい社会をつくるその源泉になる研究開発、情報通信分野の研究開発を進めていく、そういった分野を切り開いていく、そういった意欲と言うとあれですけれども、意欲を促し、あるいはそういう意欲を持つ方々を支援していこう、こういうことでございます。
 したがいまして、私どもといたしまして今考えておりますのは、ちょうだいするものとしては、利用料として光熱費でありますとか設備の維持費等の運営経費に相当する部分をちょうだいするというふうな形で進めていきたいと考えているということでございます。
 中小企業の他の施策との関連等でいろいろお話がございましたんですが、私、通信政策局長という立場でいろいろこれからの社会ということを考えますと、非常にこの分野というのは大事な分野だというふうに考えておりまして、こういった研究開発投資というものは計数ではなかなか把握できませんけれども、将来に及ぼす影響というのは非常に大きいのではないかというふうに考えております。これはアメリカでもヨーロッパでも非常に力を入れている分野でございまして、やはりそれらの国々も将来の国を支える非常に重要なものということで力を入れているのではないかというふうに考えて、私どもも進めていきたいと考えている次第でございます。
#75
○上田耕一郎君 終わります。
#76
○山田俊昭君 二院クラブの山田でございます。二、三質問させていただきます。
 最初に、景気対策に対する郵政省の基本的な考え方をお尋ねいたします。
 今、日本の経済は、民間投資と雇用の伸び悩み等に見られるごとく、閉塞状況の中にあります。これを憂慮した政府は、情報通信基盤整備による経済構造改革の推進を最良の有効策と位置づけられまして、いわゆる新社会資本整備を目玉として数次にわたる経済対策を打ち出されました。しかるに、この経済対策は一向に効果が上がっていないように思われるわけです。すなわち、企業の投資意欲はますます冷え込み、町には就職未内定の学生があふれ、金融機関に預金することさえ危機感を覚える状況にあります。
 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、情報通信基盤整備を推進すれば本当に需要が喚起されまして、新たな需要の受け皿の創出につながって有効な景気対策になるのかどうか、お尋ねいたします。
#77
○国務大臣(井上一成君) 山田委員御指摘のように、我が国の景気は平成三年度以降低迷し、今日足踏み状態であると言われているわけであります。しかし、情報通信産業の設備投資は、平成三年に比較して、平成七年度では二五・七%の伸び率があるわけです。中長期的に見ましても、情報通信産業は経済構造を改革するリーディング産業というんでしょうか、同時にまた郵政省の試算では百二十三兆円という新たな市場をつくり出す、あるいは二百四十三万人の雇用がそこに生まれてくるのではないだろうか。これは郵政省の試算でございますけれども、そういう意味合いからも私は景気対策の一つの大きな起爆剤というか先導的な役割を果たすのではないだろうか、こういうふうに思っているわけです。
 とりわけ、従来型の公共投資という経済効果、これは平成三年度のベースですけれども、一・九八倍だと言われておる。ところが他方、情報通信分野への投資は二・〇九である。同じ三年度ベースで経済白書なりあるいは通信白書で示されているわけなんです。
 そういうことから、経済効果等も考え合わせ、従来型の公共事業でない、いわゆる既成の概念にとらわれない新しい発想での今回の郵政としての景気対策、内需拡大、景気刺激対策の一環としての事業費四千億を追加させていただいたわけでありますけれども、この対策を受けて、とりわけ神戸における震災復興として今回の予算を有効に活用され、かつまた景気への効果が期待できるものではないだろうか、このように思っている次第です。
#78
○山田俊昭君 確かに、従来の経済構造じゃだめで、情報産業ビジネスを生み出していくということで短期的な経済効果を得るというのは非常に難しい要素もあるかと思います。中長期的な目で見たいとは思いますが、この産業を興すことによって日本の経済が浮揚するのであれば積極的にびしびし進めていっていただきたいということを希望いたします。
 次に、これも重複質問になるかもしれませんけれども、阪神・淡路大震災に対する郵政省の復興施策について、これまでいろいろ出ておりましたが、まとめてお尋ねをします。
 今度の阪神・淡路の大震災は未曾有の大災害をもたらしまして、政府の対応の悪さからむしろ人災であるとの意見さえあるわけであります。しかし反面、その復旧と復興の過程で、市民の安否と情報の収集、伝達、あるいは救助活動に関するさまざまな指示とか情報の伝達等、情報通信が大きな役割を果たすことが再認識されたことも事実であります。
 そこで、郵政省といたしまして、情報通信分野において今後どのような復興施策を展開していく予定なのか。神戸の復興対策とか施策とかいろいろ先ほど来から出ておりましたけれども、情報通信関連分野における阪神・淡路の復興対策というのはまだまだ幾つかあるように思われますが、今後の施策展開の予定をお尋ねいたします。
#79
○政府委員(山口憲美君) お尋ねの点につきましては、ちょっと今までの答弁とダブる部分が多いかと思いますが、一つは、今回の施策ということで共同利用型の研究開発施設をつくらせていただく、これが一つでございます。これに関連をいたしまして、ディジタル映像研究所というふうなものをつくりまして、いわゆる動画像を遠隔地から多くの人たちでつくれるようなそういう技術、これからのマルチメディア時代には動画像というのは非常に重要な要素になってまいりますので、そういったものがどういうふうな形でつくれるかということは非常に大きな技術でございまして、そういう技術開発というふうなものを地域で実施することによりまして、同じようなこういう映像メディアについての集積ができればというふうな形での施策を一つ考えているということでございます。
 それから、先ほどもちょっと御紹介いたしましたように、神戸市では映像対応型の防災情報通信ネットワークというふうなものを設けて技術開発をしたいというふうに考えておりまして、災害時にケーブルテレビだとか無線を活用して、映像によって市内の各地の被災情報や復旧情報を収集、伝達して、迅速な対応ができるような、そういう形のシステムというものを開発していくということをこの地域で実験しながらやっていきたいというふうに考えております。これができますれば他地域にも大変有効な施策につながるんではないかというふうに思っております。
 それから第三でございますが、神戸市が同地域のマルチメディア産業の集積というふうなことを促進するということの施策にも関連するかと思いますが、私どもの通信総合研究所の関西支所というものがございまして、ここでアジア、欧州の研究機関と高速衛星通信を介した共同実験を行うというふうな形の施設を整備していきたいと考えております。
 これは、これを介していろんな研究開発技術の交流でありますとか、あるいは遠隔医療というふうな、これは私どもパートナースというふうな名称で言っておりますが、アジアの地域の皆様方のところに今衛星で回線をつないで遠隔医療というふうなことをやっております。それからまた、遠隔教育というふうなことで人材育成ということもやっておりますが、そういったものの中身を充実するというふうなことを通じまして、そういう回線を通じて海外との間でいろんな技術開発あるいはそういう人的交流、技術交流というふうなものができますと、私どもの中の施策でありますが、この地域のやっぱり活性化にもつながっていくんではないかというふうなことを、今のところ具体的に考えているのはそういうことでございます。
 なお、この御提言の問題につきましては阪神・淡路復興委員会がいろいろ検討されておりまして、そういった中で情報通信に関してのいろいろ御提言もされるというふうに聞いておりますので、そういったものをお聞きしながら、また適切な対応を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。
#80
○山田俊昭君 よろしくお願いいたします。
 郵政省との絡みで民活法についてちょっとお尋ねをいたします。
 民活法は昭和六十一年にできまして、来年には丸十年で、いわゆる時限立法でございまして、さらに十年間延長をするということと、何か部分的に改正がなされるように、郵政省関係だけでちょっとの改正らしいんですけれども、なぜ十年の延長、そして改正部分はどこなのか、どうして改正しなきゃいけないか、その点を簡単にお述べいただきたい。
#81
○政府委員(山口憲美君) 今お話しのように、民活法は六十一年に制定されました。これはいわゆる経済社会の基盤の充実になるような特定施設というものを整備する際に、民間の皆様方の能力を活用させていただいてこの整備を促進するんだということでこういう法律がつくられているものでございまして、私どももこれまでこの法律を通していろいろ施策を展開させていただいておりますけれども、地域の情報化というふうなことに一つの役割を果たしているのではないかと考えているところでございます。
 私どものところでやっております施設といたしましては、テレコム・リサーチパーク、テレコムプラザ、マルチ・メディア・タワー、テレポート、それから特定電気通信基盤施設というふうな形で、具体的な内容の説明はちょっと省略させていただきますが、そういった形で地域の皆様と結びついた形での情報化施策を展開しているということでございます。
 今のところ十八の施設が認定をされておりまして、そのうちの十四の施設が既に開業しているというふうな状況でございますが、開業間もないというふうなこともありましていろいろ課題を抱えているところもございますが、開業しているところはおおむね当初の計画どおり、当初の計画よりも前倒しでやっているところもございますが、行われておりまして、私どもとしてはこれらの施策は非常に所期の成果を上げているのではないかというふうに考えているところでございます。
 そういうこともございまして、時限でございましたんですが、今回法律を延ばしていただく必要があるだろうというふうに考えました。そして、その際に、私どもの関係につきましては、今申しました施設を整備していただく方が純粋の民間事業者だというふうな場合には利子補給という形での財源を確保いたしまして、今の低利融資にさらに有利な超低利というふうな道を開くという改正を今回お願いしているということでございます。
#82
○山田俊昭君 私が聞いたのは民活法十年がなぜ延びたか、改正部分だけを聞いたんですが、私が次に質問したいことが先にそちらへ行っちゃっているみたいで、それを答えられていささかあれなんですが、今、郵政省認定の民活法認定施設が全国で十八カ所あるということで、実際今お話にちょっと出ていたんです。
 私は逓信委員になってまだ日が浅いんで、これらの施設を一カ所も見ていなくて質問するのは恐縮なんでございますが、いろいろうわさでございますけれども、機能しているのが、十八カ所あってもほとんど機能していないといううわさを聞いていて、今挙げられた二、三カ所は確かに非常にいいという、設けられた設置理由が十分目的達成だと聞いているんですが、何かこの掲げられている十八の中の二という項目のテレコムプラザだとか特定電気通信基盤施設等に関しての機能が、せっかく多額な資金を投入してつくられたんですが、十分な機能を発揮していないというふうなうわさを聞いているんですが、この点、いかがでしょうか。
#83
○政府委員(山口憲美君) 個別にいろいろ課題を解決していかなきゃならない、これはこの施策も初めてといいますか実績を踏まえてということでなくて、いろいろ試行しながら進めていかなきゃいけないというふうなものですから、それぞれ課題を抱えているところがあるのは確かだと思います。
 ただ、総体として、先ほどから御説明していますように、計画どおり順調に進んでいるところが多いということでございます。そういった個別の問題を抱えているところにつきましては、それ相応にまた地元の皆さん方ともいろいろ研究をしていかなきゃいけないことだろうと思っておりますが、全体の施策としては私どもとしては評価していただけるんじゃないか、こういうふうに思っているところでございます。
#84
○山田俊昭君 せっかくの施設がつくられているわけでありますから、十分の機能を発揮されることをお願い申し上げまして、質問を終わります。
#85
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 大臣、御就任おめでとうございます。
 まず、郵政大臣に御質問をしたいと思いますが、今回の法改正は、通信・放送機構が神戸市に二十一世紀を想定した擬似的な公衆網を光ファイバーを使用して整備して、研究開発を行おうとする企業に共同で利用させるものとのことであります。この点については各委員からも既に御質問がありました。この施策は本年一月の震災により大きな被害を受けた阪神・淡路地域にマルチメディア産業を誘致することによって経済復興を促進しようというものでありまして、私は基本的に賛成でございますし、意義あるものというふうに考えております。
 しかし、通信・放送機構というもの自体は本来放送衛星、通信衛星の管制を行うための許可法人として設立されたものである。また、通信・放送機構法というものはそのための法律であるというわけでありますが、その後、研究開発業務がそこに加わり、さらには通信・放送に関する基盤整備や新しい事業の立ち上げのための支援業務をその機能の中に毎年のように追加している、こういうことが言えると思います。一例を挙げるとすれば、さきの通常国会の中でも受信設備制御型放送番組促進法が新たにこの通信・放送機構法に追加成立をしている、こういうことが伝えられております。
 情報通信が二十一世紀の中核産業になると期待されている今日、狭い範囲に限定された支援策が連携を図ることなく次から次へと打ち出されているという印象をその中からも受けるわけでありますが、特に自由な発想のもとに行われるべきである技術開発などに対しては、余り細かく目的を限定することなく、柔軟な支援措置が行われる必要があるのではないかというふうに理解をしております。
 このためには、毎年出てまいりますプロジェクトを大きく包含する法整備が必要ではないかというふうに考えます。例えば、通信・放送振興法的なもの、あるいはマルチメディア基本法というべき包括的な支援立法が必要なんではないかなというふうに考えるわけでありますが、郵政大臣の見解を伺いたいと思います。
#86
○国務大臣(井上一成君) いろいろ御指摘をいただきました。大枠で私から答弁をして、あと局長に補足をさせたいと思います。
 マルチメディアの二十一世紀に果たす役割については水野さんのおっしゃることと私も全く同感でございますし、そういう意味合いからは郵政省という一つの小さな、小さなというか一省だけで取り組む問題ではなく、そういう意味で高度情報通信社会推進本部、私と通産大臣が副本部長で、政府が真剣に前向きに取り組む。
 それで具体的に、ちょっとこれは一例ですけれども、今後推進していかなきゃいけないいろいろなテーマが生まれてくるわけなんです。そういうテーマ、例えば保健とか医療とか福祉の分野の情報化というものには厚生省だとかあるいは通産省、自治省も含めて郵政が一緒になって協力、対応していく。
 そういうことに関連して、今制度的なフレームという、そういう御提言がありましたが、まさしく御指摘の各種課題が出ている今日、新しい制度的フレーム、法的な問題も含めてそういうものが必要になるのではないかという御提言、まさしく私としてもそういう御提言をいただいて、ぜひお力をかりて積極的に取り組んでまいりたい、かように思います。
#87
○政府委員(山口憲美君) 通信・放送機構の関係で業務追加というふうなことに関連していろいろお話がございましたんですが、通信・放送機構で今やっております実態は、先生御存じのとおりに、一つは衛星関係の分野、それから研究開発の分野、それから支援スキームといいますか民間事業者に対する支援分野というふうな形での実態で行われているということでございまして、それぞれの分野ごとに、その時々の要請に応じまして内容を充実させてきている、こういうことでございます。
 ここのところをこういうふうに活用していくということにつきましては、人材だとか資金をこういうところに集中させるとか、あるいはいろんなこれまでの支援の経験を踏まえたノウハウを持っているというふうなこともございますので、私どもとしては、支援業務をやっているこの支援の分野にまた今回のものも加えるということは、非常に効率的な業務運営ができるという意味ではメリットがあるのではないかというふうに考えております。そういった意味で、いろいろ制度的な仕組みをどうするかという問題はございますが、今回の法律に関しましては、この分野にこういった形でこの機構にこういうものをやっていただくというのがよいのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#88
○水野誠一君 通信・放送機構は、これまでも基礎研究から応用研究への橋渡しになる先導的な研究開発を各地のリサーチセンターで実施するということをやってくるとともに、研究開発施設の整備のためにさまざまな出資をなさってきたというふうに承知しております。
 例えば、これは皆さんも御存じと思いますが、京阪奈におけるプロジェクト、あるいは横浜における共同利用型の研究施設が通信・放送機構の出資によって整備され、運営されているというふうにも聞いております。これまでも、こうしたように国あるいは民間、例えばNTTに例を引きますれば、大容量の光ファイバー回線を無料で提供して、大学や数多くの企業が参加して共同利用実験を実施しているというようなこともあるわけであります。
 過去のこうした国や民間で行われた実験の成果というものに基づいた研究開発が、今回この法案に言われております阪神地区でも行われるべきではないかなというふうに思うわけでありますが、こういった過去の実績あるいは反省点というものが生かされているのかどうか、この点について御説明をいただきたいと思います。
#89
○政府委員(山口憲美君) 御指摘のように、いろいろ今研究開発を進めているということでございます。
 端的に申し上げさせていただきますが、今回の施設というのは、先ほどもちょっと岡委員からもお話がございまして御説明したんですけれども、多数の端末、例えば家庭というふうなものを想定いたしまして、そこに光ファイバー網というものを敷設して超高速の通信が行われているという擬似的な状況をつくった施設ということでございます。こういうものは少なくとも初めて整備するものでございます。
 そこで、これまで研究開発で、民間の皆様方もそうでしょうし、あるいは国の支援を受けた場合もありましょうけれども、いろいろ開発をされてきているそういったものをこういうところに持ち込むなりつなくなりして、いろいろ実証実験をされるというふうな形で有機的に機能するのではないかというふうに私ども考えておるところでございます。
#90
○水野誠一君 その点は大いに期待をしたいというふうに思います。
 先ほど上田委員からも御質問があったわけなんでありますが、現在、情報通信のための施策というのは、郵政省あるいは通産省を初めとして、またさらに言えば自治省とか厚生省とか数々の省庁にまたがって実施をされているということが言われております。
 そのために、省庁間の調整を政府として行うという名目で高度情報通信社会推進本部というものが設置されたということでありますし、大臣がその副本部長におつきになっているということは承知しているわけでありますが、その活動の内容についてはどうも余り詳しく報告されていない、あるいはバブリシティーに余り登場してこないということもあって余り我々には見えできていない、こういう感じがしております。
 実際に高度情報通信社会推進本部がどのような成果を上げてきているのか、またその期待されている総合調整機能というものを果たして本当に発揮しているのかどうかということをひとつ伺いたいというふうに思うわけであります。また、とりわけ今回の法案について通産省等との間での調整がどのように行われたのかということについても伺いたいというふうに思います。
 また、それに関連して、私も時々霞が関のいろいろな役所を訪ねることがあるわけでありますが、その感想としては、まだまだ肝心な、霞が関の役所、これは郵政省なんかもそれに含まれると思うんですが、本当の意味での情報通信化というものがなされていないんじゃないか。ぺーパーレスの時代と言いながら、いまだに書類の膨大な量に私たちも含めて大変悩まされているという中で、霞が関が率先してこういった制度の取り入れをしていくということも必要であるということで、これも制度見直し作業部会というものが設置されたというふうにも聞いておりますが、その辺の活動状況がどんなふうに進んでいるのか、これもあわせて御質問させていただきたいと思います。
#91
○政府委員(山口憲美君) 大変たくさんの御質問でございまして、簡単に御説明させていただきます。
 高度情報通信社会推進本部、これからの情報化というのは、先ほども大臣もお話し申し上げたんですけれども、これは特定の省庁だけでできるというふうな問題じゃございませんで、実は推進本部は全閣僚の皆様方が結果的にはお入りになってでき上がっているということでございます。
 その活動といたしまして、先ほど御指摘がございましたように、基本方針というものがこの二月に出ました。その基本方針に基づきまして推進すべきテーマごとに実施指針というものをつくりました。八月につくったものでございますが、この実施指針をつくる際には関係する省庁がそれぞれ寄り合って協議をして、そしてつくり上げていくというふうなことでございまして、省庁間のいろんな問題もこういうふうな形で実績を積み重ねていくような作業になってきているということでございます。
 それから、霞が関で情報化が進んでいないんではないかというお話がございましたんですけれども、これはいろいろ私どもも一生懸命にやっておりまして、私どもの役所でも省内LAN、無線のLANを使ってやっておりますし、地域によっては各郵便局にも入れてやっているというふうなことでございます。ただ、お話しのように、十分これから一生懸命に先導的な意識、今はキャッチアップのような状況でございますけれども、さらに先導するというふうな状況を覚悟してやっていかなきゃいけないと思っております。
 制度見直し部会、これは非常に大切な今回の推進本部の活動になっているというふうに思いますので、ちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
 制度見直し、マルチメディアというふうなものを進めていくということになりますと、従来からある制度ではなかなか進められないいろんな障害がございます。そういったものを全般的に見直していこうではないかということがこの基本方針の中にあるんでございますが、実はこの中で、この八月に制度見直し作業部会というものを設けまして、成果の上がるように少し焦点を絞ってやっていこう、こういうふうなことになりました。
 その結果、民間の皆様方からも要望が強くて、社会的な影響も非常に大きいんじゃないかということで書類の電子データによる保存、もう紙で保存しなくてよろしいですよと、あるいは申告や申請をする際の電子化、ペーパーレスで申請ができる、そういうふうなことができるような形での制度の見直しをしていこうじゃないか、そこに焦点を絞ってやっていこうというふうなことで、これは各省にいろいろまたがる問題になるわけですが、今制度作業部会が進めているというようなことでございます。予定としては、来年の六月を目途に一定の検討結果を取りまとめてお出ししたいというふうなことで作業を進めているというふうなことでございます。
 それから、通産省との関係でございますが、今回の法律をお出しする際に、当然各省の調整ということを経なければ閣議に出せませんので、十分調整をした上でお出ししているということでございます。
#92
○水野誠一君 ありがとうございました。
#93
○委員長(及川一夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#95
○上田耕一郎君 通信・放送機構法の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、本法案が国の丸抱えにより専ら大企業のための研究開発施設を整備しようとするからであります。
 通信・放送機構が整備する共同研究施設を利用されると目されている企業は、神戸市のCATV会社などともに、神戸製鋼、NEC、三菱重工など、阪神地域に拠点を置く大企業が中心となっています。マルチメディアやネットワークビジネスは、大企業にとって新たなもうけ口と注目されている事業であり、商品化には多くの研究開発費が必要となっています。
 しかるに、建設国債、つまり国民の借金で整備する共同研究施設を利用する企業の負担は、私の質問で明らかになったように、光熱費、設備の維持費程度だけてあります。民間企業がみずからのリスクと責任で実施すべき研究・商品開発について、そのリスクを国が肩がわり、軽減を図るものであり、断じて認めることができません。
 第二の理由は、阪神・淡路大震災復興対策としての効果が期待できないからであります。
 本法案で予定している共同研究施設は疑似的公衆網です。この施設による研究は、政府が二〇一〇年に完成を目指すという光ファイバー網を前提にしたものであります。この計画そのものが余りにも多くの問題点を持っている上、この研究による経済効果があらわれるには十年以上を要すると言われています。この共同研究施設が被災地の経済復興にどの程度の企業誘致や雇用創出があるのか、疑問のあるところであります。
 被災地の復興に何よりも必要なのは、被災者の生活再建であり、打撃を受けた中小企業の復興であります。国民の将来の借金である建設国債による三十億円余の予算を大企業のリスク肩がわりに振り向けるのではなく、中小企業への無利子融資に利用すれば一千億円の融資規模が可能など、生活関連の事業に向けることが真に求められているのであります。
 日本共産党は、マルチメディアそのものを否定するものではありません。しかし、大企業の生産拠点の海外移転やリストラなどによる産業空洞化、中小企業のスクラップ化を前提にした上で、新産業としてのマルチメディア、情報通信産業が百二十三兆円の市場、二百四十三万人の雇用を創出するなどとする無責任な経済構造転換路線には同意できません。国民生活や経済、文化の健全な発展に寄与する方向での研究開発が進むべきであることを表明して、私の反対討論を終わります。
#96
○委員長(及川一夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 通信・放送機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(及川一夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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