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1995/10/24 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 商工委員会 第2号
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1995/10/24 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 商工委員会 第2号

#1
第134回国会 商工委員会 第2号
平成七年十月二十四日(火曜日)
   午前九時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     齋藤  勁君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沓掛 哲男君
    理 事
                久世 公堯君
                野間  赳君
                荒木 清寛君
                藁科 滿治君
    委 員
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                坂野 重信君
                中曽根弘文君
                林  芳正君
                平田 耕一君
                加藤 修一君
                長谷川 清君
                平田 健二君
                齋藤  勁君
                前川 忠夫君
                山下 芳生君
                小島 慶三君
   国務大臣 
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       中川 勝弘君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   白川  進君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        大宮  正君
       通商産業大臣官
       房審議官     横川  浩君
       通商産業省貿易
       局長       広瀬 勝貞君
       通商産業省産業
       政策局長     牧野  力君
       通商産業省環境
       立地局長     鈴木 孝男君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       通商産業省生活
       産業局長     中野 正孝君
       中小企業庁長官  新  欣樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    木村 幸俊君
       大蔵省関税局調
       査保税課長    江川 明夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新たな事業活動の促進のための関係法律の整備
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動に、ついて御報告いたします。
 本日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(沓掛哲男君) 新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案及び繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久世公堯君 橋本副総理・通産大臣におかれましては、先般の十月三日の本会議におきましてもお話しになられたわけでございますが、「今以上に製造業が日本から逃げ出さないようにするためにはどうすればいいのか、同時に、廃業する方の数が新しく業を起こす方の数より多いというこの状況をどうすればいいのか必死で考え抜いてまいりました。」、こういうふうに本会議でおっしゃっておられます。また、同じことは先般の自民党の総裁選におきまして私どもの参議院でも承りましたし、また各地でこの例を引かれてお話をされているわけでございます。
 また、十月の月例経済報告によりますと、かなり円安等の明るい材料もございますが、個人消費あるいは設備投資の回復はまだ本格化していない、住宅投資の動きも弱い、それから鉱工業生産も七月まで四カ月連続のマイナスが続いている。毎月企画庁がまとめられておられるのは、いろいろと御苦労が多いんだろうと思いますが、ここ八月、九月、十月、こういうふうに見てまいりますと、大変弱含みで推移をしている、企業の業況判断にもやや停滞感が見られると。そこで、企画庁の発表されますところの月例経済報告では、現在の景気は足踏み状況が長く続く中で弱含みで推移していると認識をしている。言葉では持ち直しとか、さらに回復傾向だとか、それから足踏みになって、そして今月は弱含み、このように書かれているわけでございます。
 九月二十日には経済対策をおまとめになったわけでございまして、内需拡大や中小企業対策に直面する課題の克服とともに、経済構造改革の一層の推進を図ることということで、今国会に大変大きな額の補正予算と、それからきょうこれから審議をされますところの法案をお出しになったわけでございまして、非常に幅広い対策を打っておられる、こういうことについてのまず最初に大臣の基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、久世委員がお触れになりましたように、現在、日本の経済と申しますものは、設備投資は総じて緩やかに回復の動きを示してまいったものの、住宅投資が動きが弱い、あるいは鉱工業生産も引き続き弱含みで推移している、企業の業況判断にもやや停滞感が見られるという状況であります。また、雇用情勢も決して楽観できる状況ではございません。今、円安等明るい材料も多少は出てきておりますものの、中長期的に見ますと、これに加えて構造的な高コスト、その要因は顕在化しているわけでありますし、企業あるいは産業活動にとって日本という国自身が魅力を次第に失いつつあるという懸念がございます。これ以上本当に製造業が日本から逃げ出さないようにするためにはどうすればいいのか、我々にとっては極めて深刻な問題でございます。
 こうした認識の中で、先般、公定歩合が引き下げられましたのに続きまして、九月二十日に経済対策というものを打ち出しました。そして、それに基づく補正予算を先般御審議いただいたわけでありますが、総事業規模あるいは公共投資等の額でいずれも過去最大級の規模を確保する、そして従来の補正予算を大幅に上回る大規模なものにいたしました。特例債の発行まで覚悟してこれに取り組んだということでございます。これらは、景気の先行き不透明感をどうすれば払拭できるか、そして早期回復を図るためには的確かつ効果的な景気対策をと意気込んでおります政府の並々ならぬ決意を示しているものと受けとめていただけることを願っております。
 この内容として、公共投資を中心とした内需拡大や直面する課題の克服とともに経済構造改革の一層の推進という三本の柱を立てて、短期、中期、長期それぞれの視点から対策をまとめました。内需拡大におきましては、今さら委員に申し上げるまでもないことでありますけれども、一般公共事業につきまして、二十一世紀の我が国の発展のための基礎的な条件として不可欠な分野に思い切った重点投資を行う、従来の発想とはこの点が異なっております。また、直面する課題の克服では、景気低迷の影響が著しい中小企業に対しまして既往債務の返済の円滑化や負担軽減のための措置を講ずるなど、特段の施策を講ずることばかりではなく、土地の有効利国策やあるいは証券市場の活性化策等もあわせて対応いたしております。また、経済構造の一層の改革推進のためには、研究開発・情報化の推進に加えまして、新規事業の育成、新たな産業インフラの整備、輸入・対日投資の促進などにつきましても、予算措置だけではなく、本国会へ御審議を願っております関連法案の提出を含めて幅広い措置を講じてまいりました。
 これから先、我々が本当に急いで取り組んでいかなければならないもの、引き続いて行わなければならないものとしては、金融機関の不良債権問題への取り組みでありますとか一層の規制緩和の推進、さらに税制の見直しといった課題が残されておりまして、引き続き最大限の努力をこれらの問題について払ってまいりたい、そのように考えているところでございます。
#6
○久世公堯君 きょうはこの二つの法律でございますが、最初の新規事業法には中に三つの法律があるわけでございますので、その一つ一つについてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に民活法でございますが、これは実は今各地方自治体のやっておりますふるさとづくりと申しますか、この事業と非常に接近をしている、こういう実態でございますので、まず自治省がやっておりますふるさとづくり事業、これはここにおられます坂野先生が大臣のころに一番伸びた事業でございます。最初は一村一億円事業ということで、全体で三千数百億だったわけでございますが、今や累積をいたしますと十数兆にまでなっております。
 大蔵大臣をやっておられましたときにいろいろと自治省と協議をされてこの制度をおつくりになったわけでございますが、例えば大臣の御郷里の岡山県について見てみますと、この前私も参議院選挙の応援で参りましたときに、中には入りませんでしたが、あの岡山市のど真ん中に岡山シンフォニーホール、これは九十億円でそのうち六十二億円がこのふるさとづくりの絡みでございます。要するに、起債でやるけれども、あとの元利償還の一定割合を交付税で措置をしますから、大変条件のいい補助金に類する制度になっております。
 また岡山県の事業としては、国際交流センターという約五十億ぐらいのがございまして、これは民活でやっておられる国際交流とかイベントとか海外の留学生の問題とか、そういう事業を県でやっている。また、空港の近くには工業技術センター、約二百億円のものでございまして、これは岡山リサーチパークの中核施設になっております。産官学における研究者の交流のメッカになっております。
 こういうふうに見てまいりますと、民活がねらわれたところの情報とか交流とかリサーチパークとか多目的ホールとか、そういうものと非常にこの領域が接近をしているわけでございます。
 一方におきまして、民活法の実績も承ったわけでございますが、例えば幕張メッセのようなのが民活の象徴だと言われました。しかし、今全国各地であれに類する百億あるいは百数十億の施設がつくられておりますが、かなりの部分がこの地方自治体のふるさとづくりでつくられているのが実態でございます。
 どちらかと申しますと、民活は大都市には即するけれども、なかなか地方には即さないという批判も出てきているわけでございます。また、民活でなければできないという領域も、ショッピングセンターでございますとかFAZ関係の問題でございますとか、そういうのもございます。例えば、岡山県には民活は一つもございません。広島県もまたしかりでございます。そうなりますと、かなり民活というものが大都市型になってきているのではなかろうか、なかなか民活というものの条件が大蔵省がきついことを言うために、この基準がきついために、これを活用しようにも活用できない、そういう面があるんじゃなかろうかと思うわけでございます。
 私は、多々ますます非ずで、この民活ももっと活用していただきたい。しかし、同時にこのふるさとづくりと申しますか、地域総合整備事業債を活用して交付税で裏打ちをしているというのもまたそれなりに大きく伸びていくと。この両方が一緒になっている富山県の宇奈月国際会館などもあるわけでございます。
 そこで、今回は民活法施行十年、そしてここで改正を行われるわけでございますけれども、考えてみますと、民活法というものは、本来我が国の経済構造改革に資する社会資本の整備について、民間事業者の事業施行能力と、それから民間が持っておられるところのノウハウを活用することを意図したものだと思うわけでございます。先ほど大臣もお触れになりましたように、経済構造改革は今や現下の急務でございます。
 そこで、改めて民活法の存在意義と今回の改正の趣旨、特に私が承りたいのは、昨年の六月に産業構造審議会が二十一世紀に向けての十二の分野というものをお示しになって、これからの産業界あるいは国民の世論というものを喚起されようとしておられるわけでございます。この十二の分野に対して民活というものがどういうふうに活用されるのか、その点も承ってみたいと思います。
#7
○政府委員(牧野力君) 今、委員の冒頭に御指摘になりましたいわゆる地方自治体におけるふるさと支援事業、私どもも十分承知をいたしまして非常に高く評価をいたしております。今委員が詳しくお述べになりましたので、どこがどう違うとか、どこがどうだというようなことを今ここで繰り返すつもりはございませんが、いずれにしましても、このプロジェクトと私どもの民活プロジェクトと相まって地域の振興にも大いに役立てていきたいと思います。
 ただ、委員御指摘のように、この民活法はあくまでも経済構造改革ということにねらいを定めまして、この経済構造改革を推進するために、いわゆる新しい社会資本をどう整備したらいいかという観点から専ら行っているものでございます。今御指摘がございましたけれども、そういう意味合いにおきまして私どもの今後の経済構造改革のいわば具体的な将来の分野はどうであろうかということにつきましては、今御指摘がございましたように昨年の産業構造審議会で十二の分野を指し示しているわけでございます。それぞれの分野につきまして、どういった問題をクリアしたらいいのかということを詳細に検討してございます。
 その中にはいろんなものがございまして、例えば規制緩和、こういう分野について規制緩和が必要である、あるいはこういう分野についてそれを伸ばすべく、いわゆる従来型の公共投資ではない今先生おっしゃいました新たな研究開発設備でありますとか、そういったような核を、新しい社会資本を設けていくべきであるということをうたっておりますが、こういった新しい社会資本は、いわば民間の活力、ノウハウを縦横に活用しまして、それを主体に政府がそれをバックアップするという格好で整備をされていくのが最もふさわしい、あるいは運営されていくのが最もふさわしい、こういうことでございまして、これがいろいろ詳細にうたわれているわけでございます。
 この民活につきましては十年になりますが、十五類型、百三十弱のプロジェクトが認定されておりますけれども、これは累次そのときの情勢に応じてどんどん追加をいたしておりますが、今回は昨今の状況にかんがみまして新たな社会資本、例えばいわゆる生活関連型ということで大規模スタジアムでございますとか、あるいはリサイクル施設でありますとか、こういったものが新しい社会資本として、そしてこれをやることによって周辺の新しい産業が興ってくる、こういうものを新たに追加をさせていただこうということであるとともに、もう一つは、いわゆる従来第三セクターが主でございましたけれども、準民間でありましても、こういった公共的なものをやっていく意欲と能力のある人に対しては新たな助成をして整備してもらおう、こういう趣旨で法律の改正をお願いしている、こういう趣旨でございます。
#8
○久世公堯君 今、牧野局長がいろいろおっしゃいましたが、私もそのとおりだろうと思うわけです。例えば東京のサントリーホールなんというのは、あれは民活でも何でもないんだろうと思いますが、東京だったらばサントリーホールは十分成り立っていく。幾らでもお客さんも入る。それから先ほど例に引きましたけれども、幕張だとか晴海だとか、ああいうところにつくる民活だったら十分採算がとれる。しかし、今日本経済がこういう状況で、しかもアジアにどんどん逃げ出していく。そうなりますと、大都市圏自身も落ち込んでいくから、大都市圏にそういう民活を利用して施設をつくっていくということは必要なんですけれども、片やどうも地方が先ほど申しましたように全国で十六、七県がまだ民活を活用したことがないという県もございますので、やはり地方振興にもひとつ民活を使っていただけるような、こういうことをお願い申し上げたいと思うわけでございます。
 また、最近ワールドカップを目指してサッカー場というのが全国にできております。この前、私は鹿島のサッカー場をちょっと見ました。これは九十億円でございましたが、これは地方自治体、県がつくっておりますが、同時にサッカー場とか、そういうプロのチームのどこまでが民間でどこまでが公共なのか、これからやっぱり国対地方と公共対民間、どこで線を引くのか私はできれば民間というものがやるべき分野というのをもっと広げてもらいたい。そして民間の活力とノウハウを活用してもらいたい。そのために、まだ今後において民活法を改正する余地があるならば、あるいは大蔵省と折衝する余地があるならばやっていただきたい、このように要望するわけでございますが、御答弁は必要ございません。
 そこで、次の問題に移りたいと思いますが、新規事業創出のための総合的な政策についてお尋ねをしたいと思っております。
 大臣、通産省にはいろんなたくさんの法律がございます。今度もこの中小企業を含めますと全部で実数で言えば五つでございますか、法律が出されているわけでございますが、その正式のお名前を全部御存じでございましょうか。お答えは要りませんけれども、非常に通産省の法律というのは長い名前、各省にある程度は共通でございますが、特に通産は私は長いと思うのでございます。
 大臣も昭和十年代の初めのころでいらっしゃいますから、私どもと世代が大体一緒だろうと思いますが、寿限無寿限無という名前の話をよく御存じだろうと思います。そこで、通産省の法律というと、私はあの寿限無寿限無を思い出すぐらいでございまして、一体なぜ通産省は長いんだろうかということで何人かの通産省のお役人の方に聞いてみましたら、あのときの次官か官房長で非常にそういう長い名前が好きだった、こういう説もございました。また、法制局の参事官がそういう趣味があった、こういう説もありましたし、あるいは非常に優秀な方が集まって法令審査委員会というのをつくっておられるそうでございますが、そこで議論しているうちにだんだん長くなったとか、あるいは通産省の法律というのはすぐアメリカと影響するし、各国と影響するから英訳を同時につくる、そんな関係で長くなったんだと。言う人によっていろんな説がございますが、非常に長い法律が多いわけでございます。私どもが昔学校で習ったころには、たしか特許法だとか商品取引所法とか工業用水法とか短い名前であったような気がしますけれども、最近はとかく長い。
 そこで、最近通産省では、もう法律ができるかできないうちに略称をつくっておられます。今度も新規事業法と。この間の国会で通りましたあの法律も事業革新法あるいは中小創造法と。二、三年前につくられましたのが中小リストラ法と。そういうネーミングが非常にお上手でございます。長い名前だけれども、ネーミングによって事業者にあるいは国民にわかるように努力をしておられる。
 ところが、今度改正になる新規事業法、今私が申し上げました前国会の事業革新法あるいは中小創造法、それに二、三年前でございましたか中小リストラ法、この四法は非常に中小企業者あるいは中堅事業者にとっては活用しなければいけない法律だし、また活用されておる法律でございます。ところが、なかなかお互いの制度というものを考えますと非常にわかりにくい。
 そこで、きょうはこの新規事業法の改正がかかっておるわけでございますので、この四つの法律の関係、私も産業政策局に前にお願いいたしましてこれを一つの表にしていただきました。なるほど表にするとよくわかりやすいわけでございますが、ひとつできるだけわかりやすく、政府委員で結構でございますから、この御説明を賜ればありがたいと思います。
#9
○政府委員(牧野力君) 今、委員御指摘の事業革新法、新規事業法、中小リストラ法、中小創造法ということでございますが、これをできるだけ一生懸命わかりやすいように御説明いたしたいと思いますけれども、新規事業法と中小創造法が一つのペアになる、それから事業革新法と中小リストラ法が一つのペアになるというふうにまず大前提としてお考えいただきたい。
 それで、その第一のペアの新規事業法、中小創造法ですが、これはいわゆるベンチャーといいますか、端的に申しますと、我が国にない全く新しい事業を起こす場合にこれをバックアップしようということでございます。
 新規事業法は、これはもちろん規模の大小を問いません。大企業等も対象になりますが、これはいろいろ助成がございますから、高度の新規性、つまり新規性についてかなり厳格に見ていくというふうに理解いただきたい。
 ただ、中小創造法の場合は中小企業でありますので、その新規性について新規事業法ほど厳格には見ない。もう少し緩く見て、それを中小企業であるがゆえに多面的にバックアップしてという。細かいことはいろいろございますけれども、ごく大ざっぱに言うとそういう御理解をしていただいて結構だと思います。
 それからもう一つのグループの事業革新法、中小リストラ法でございますが、これはどういうことかと申しますと、要するに既存の企業が今やっている自分の事業とは違った新しい分野、これは日本の国内でほかの人がやっているのももちろんいいわけですが、既存のノウハウを活用して新しい分野、その企業として新しいものに出る場合に、リストラ方策として出る場合にこれをバックアップしましょう、こういうことでございます。
 ただ事業革新法、これはもちろん企業の大小を問いませんが、大企業も対象にしております。これにつきましては、当然大企業等も対象にしておりますので、生産なり雇用が落ち込んでいる、つまり構造不況業種といいますか、生産なり雇用が落ち込んでいるという相当厳格な条件をつけまして、雇用の問題いろいろありますから、そういう業種がみずから何か新しいものに転換していく場合にバックアップしようということでございますから、業種の縛りが非常にございます。助成措置については省略いたしますが、こういうことになっております。
 ただ、それに対して中小リストラ法でございますが、これは中小企業でございますから、今申し上げましたような事業革新法的に自分のノウハウを利用して新たなものに出る場合にも、中小企業であるから業種の縛りは設けません。その個別の業種がどんな業種に属していでもある一定の要件、若干調子がよくないとかそういうことであればあらゆる業種に属する中小企業を拾っていきましょう、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
 詳細及び非常に厳密なこととか措置の内容につきましては御案内と思いますので省略いたしますけれども、便宜大ざっぱに御理解をいただくとすればそういう説明であろうかと思います。
#10
○久世公堯君 今お話を承りましてよくわかったわけでございますが、私は、通産省というお役所は絶えず事業者のため、中小企業のためにかなりきめ細かい政策論議をやっておられる。何も国会があるなし、法律を出す出さないにかかわらずやっておられる。非常に御熱心な政策論議には常々感服しているわけでございます。そして、ここ二、三年の間にこのようなかなり大きな、そして事業者には大変ためになる法律をおつくりになった。今のお話を承っておりまして、私もこういうふうに理解したのでございますが、それでようございますでしょうか。
 この事業革新法というのは、これは一時は事業革新円滑化法ということも言っておられましたけれども、これは企業の大小を問わないで何か専門の技術を持っている、新しい技術あるいは新しい分野というものにイノベーションを行っていこう、どっちかといえば中小企業も含まれますけれども、中堅企業が非常に活用できるんではないか。そして新しい先端技術を持っているから、新しい分野に出るところにひとつプラスアルファの措置をしてやろう、こういうような法律ではなかろうかと。
 それから中小リストラ法というのは、もう一、二年前でございますが、あのときも円高で非常に親企業が海外にどんどん進出をしていく。そうなりますと、中小企業の方も一緒に出ていって、そして向こうでまた下請をやるとか、本来ならば海外に進出をして出ていってしまう企業に対して手を差し伸べるのはおかしいかもしれないけれども、進むもやはり地獄が待っているから、これは温かくしてやろう。同時に、親企業は出ていってしまったけれども、国内に残って新しい仕事をする。その両方が中小企業であるがゆえにこれを何とかしてやろう、こういうような考え、当時は新分野進出等円滑化法というような言葉も何か聞こえたような気がいたします。
 今度お出しになっておられますところの新規事業法。これは新しい事業、新しい技術、それも普通の技術じゃない、本邦初公開あるいは初演というような本当にすばらしい技術を持っている、これを事業化したい、これをひとつ手厚く応援してやろうと。したがって、従来の措置以上に今度の制度によって新しい人材の育成あるいは資金の獲得、そういうものをプラスをされた、こんなふうに私は理解いたしました。
 また中小創造法、これも初めは中小企業創造約何かという名前だったわけでございますが、中小創造法と最後にはネーミングをされたわけでございますが、中小企業の方はやはり新しい技術あるいはそれより以前に技術開発とか試験研究の初期の段階にはお金も要る、お金がなければなかなかできない。そこで、ひとつ初期段階の研究開発に対して応援してやろう、創業しようという者に対して、その技術に対して応援をしてやろうと。その事業者あるいは中小企業にとって選択は彼らに任せるけれども、メニューだけは非常に幅広くきめ細かくこういうふうに用意してやろう、こういうふうに理解をいたしておりますけれども、それでようございますでしょうか。
 それとともに、新規事業法には新しい制度としてストックオプション制度という、新しく導入される制度だろうと思いますが、アメリカでは非常に大幅に活用されているという話も聞きますけれども、それについて御説明を賜ればありがたいと思います。
 また、その前に私の理解でよろしゅうございますか補足するところがあればお願いを申し上げたいと思います。
#11
○政府委員(牧野力君) 冒頭の御説明でございますが、私の答弁よりもはるかによく整理をされた御説明でございまして、全くそのとおりであろうと思います。
 それから、次のストックオプションの問題でございますが、今委員御指摘のとおり、現在、日本ではこのストックオプションというのは一般的にほとんど採用できないような状況になっております。
 新規事業の創出というのは、先ほど大臣が申し上げましたように今度の経済改革の一つの柱でございますけれども、そういった状況の中で、新規事業の創出を大いにバックアップするというのは、非常にそういった意味で支援の政策的必要性が高いというふうに思っております。
 新規事業、いわゆるベンチャーの発展のためにはいろいろ問題がございますが、その一つに有能な人材が非常に確保できないということがございます。ベンチャーというのは山のものとも海のものともわかりませんし、初めはお金がありませんから、いい給料も払えないということで人がなかなか集まらない、これが非常に大きな悩みの種でございます。何とかこの問題を改善するための環境づくりをしようということで、ストックオプション制度を新規事業法の認定事業者に限って導入しようということであります。
 この制度は、要するにベンチャーができたあるいはその直後、株は当然未公開でございますが、将来株が上がったときに、そのときの低廉な価格でその株を入手できるという新株発行の有利権、新株確保の特例措置をそのベンチャーの従業員及び経営者に限って与えようということでございます。これによって、一つはいい人材が集まるであろうということと、もう一つは、こういうことになりますと、経営者も従業員も早く上場して有利な地位を得たいというので大いに頑張りますから、非常に勤労意欲の創出に役立つだろうということで、今回この特例措置を新規事業に限って導入しよう、こういうのがストックオプションのねらいでございます。
#12
○久世公堯君 ありがとうございました。
 また、新規事業法全体についての改正については、大臣の御所見も後ほど承りたいと思いますが、その前に、橋本大臣はかつて行財政調査会長をかなり長く、私どもがちょうど議員になったころにおやりになっておられました。非常に各省庁の行政すべてに明るい方でいらっしゃいますけれども、実は今度の新規事業法の対象が通産省の所管事業にだけ限定されているわけでございます。他省庁の所管事業について一体不都合がないんだろうか、こういうことについて政府委員から御答弁をいただきたいんですが、その前に、私は日ごろ感じていることでございますが、通産省の法律に地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律と五十文字ぐらいある、これは略して頭脳立地法、こう言っている法律がございます。
 この頭脳立地法のときに随分当時の立地関係の幹部の方と議論したのでございますが、例えばこの頭脳立地法でもいわゆる業種別の主務大臣がいる。そうすると、現実に頭脳立地の場所というのはまさに地方であって、臨空地帯であったり港湾地域であったりする。そこには通産省の所管の一般の工場もあれば流通業もある。しかし、同時に運輸省関係の輸送関係も入っている。そういうのが、これは通産省の所管だ、これは運輸省だ、ここは農水省だと、こういう所管別に立地関係の――何も通産省だけではございません、例の地方拠点都市なんかの法律には、主務大臣という言葉だけで三種類の使い方、相手が違うから使っておられますし、同時に協議大臣というのもいる。
 こういう立法自身に私は、一体どうだろうかと常日ごろ疑問を抱いているわけでございまして、特に立地だとかこういう問題については、通産大臣は立地大臣だと、立地の面においては通産省が、主務大臣でも一格上の主務大臣といいますか場合によってはそれが何とか、国家行政組織法の権限を乗り越えてといっては問題があるかもしれませんが、そういう位置づけが与えられないだろうか、こんなふうに考えていたやさきのところに、この新規事業法の対象が通産省の所管だけに限られると。もちろん七、八割から九割ぐらいまでは通産省の所管である商工業やサービス業が多いんだろうと思いますけれども、他省庁からぜひこれを使いたいんだと。中小企業の場合は全部都道府県知事でございますから、各省が違っても知事のところで一元化しているわけでございますが、そのあたりのところをちょっと教えていただければありがたいと思います。
#13
○政府委員(牧野力君) 今、委員が既に御指摘になりましたので重複しますが、私ども通産省が所掌しております商工業分野、就業者数で見ましても、事業所数で見ましても大体八割相当を占めておりますし、今後登場するいわゆる新規事業といいましても、従来の例から見ましても今後も相当部分というか、ほとんどの部分が当省の所掌に係るものであるというふうに考えておりますので、まず全体をほとんどカバーできるのではないかというふうに思っております。
 まず、こういった当省の所掌といいますか、現在の新規事業法でカバーされておりますこういう分野においてストックオプション等の新しい制度を導入して、重点的に所要の施策を講じることから始めるべきであろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
 ただし、いずれにいたしましても、新規事業法自体が通産省所管というふうに限定をされておりますので、委員も御指摘のように、これから漏れるものがあるいはないとはもちろん申し切れないわけでございます。こういう問題につきましては、他省庁にも関連する分野における新規事業の支援というものについて、もし今後問題が出てきた場合には、これは私どもとしましては、その当該他省庁からの要望等があれば新規事業法の範囲内において同法をフルに活用していくという、そういう態度はとっております。
 いずれにしましても、今後そういったものが出てきた場合に、他省庁の要望があればそうしていきたいというふうに考えているところでございます。
#14
○久世公堯君 御答弁は理解をいたします。
 通産省は、私は他省庁との関係をここ数年ずっと見てまいりますと、御自分たちで随分いろいろと政策論議をやり、よく勉強しておられる。それに加えて非常に他省庁を立てておられる。余り権限争議をやらない。
 数年前でございましたか、商店街の振興のときにも、商店街を振興させるためには駐車場が絶対必要なんだ、そのためには自分たちだけでは到底できないから、建設省の都市計画あるいは建設省の事業なり、あるいは自治省の起債なり、そういうものを導入して、そして実をとればいいじゃないか。名を捨てて実をとるといいますか他省庁を立てて、そしてうまくやっておられる。そういう例をしばしば見ておりますから、今度の場合においても恐らくそこは運用の妙でやっていかれるだろうと思ったのでございますけれども、あえてお尋ねをしたわけでございます。
 そこで、今の新規事業法の改正全体を通じて橋本大臣の御感想と申しますか、ひとつ御所見を承ればありがたいと思います。
#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日、本院の中小企業特別委員会におきましても多少本音の部分で私自身の反省を申し上げたところでありますが、先ほど委員からお触れをいただきましたように、第二次臨時行政調査会の発足前からその任務終了までの間、党における行政改革の責任者を務めてまいりました間で、今本当に実は悔いております問題が一つございます。
 それは、その当時におきましても特殊法人の整理統合あるいは廃止、民営化というものが非常に大きな議論になっておりました。その中で幾つかの特殊法人の民営化あるいは統廃合等をいたしてまいりました。当然のことながらさまざまな課題を持っておるものを整理していったわけでありますけれども、当時、通産省の中で複数の中小企業投資育成会社がございまして、確かに昭和五十年代の半ば過ぎの時期にはほとんど新しいものを育てる状態にはなっておらなかったという実態がございまして、通産省では実はこの中小企業投資育成会社、複数ありましたものを民営化の対象として私どもは選んだわけであります。
 ところが、今振り返ってみますと、まさに新規事業の創出という課題が我々に極めて大きな問題となっております中で、私自身が投資育成会社を特殊法人としてある程度国の政策的な意思で活用できたなら、どれだけ今日の状況の中で仕事ができたであろうかしばしば振り返っては当時の自分の判断の先見性のなさを内心恥じております。言いかえれば、それぐらい今日我が国の経済構造改革、産業構造改革というものの中で、新たな産業の育成というものが極めて大きな課題になってまいりました。
 今回、新規事業法を御審議いただきます中で、今委員から御指摘がありましたような他省庁主管部分についての問題等、運用の努力はいたすと申しましても、問題点があることは私自身認識をいたしております。しかし同時に、今産政局長から御答弁を申し上げましたように、各省庁が要望されるなら門戸を開くことに我々は全く異論のあるものではございません。
 これから先を考えますとき、いわゆる産構審から挙げられている十二分野というものを我々は将来の成長分野と位置づけて、その育成に全力を挙げていくわけでありますけれども、またそのためにも幾つかの法律制度を用意し、今日対応しようとしておるわけでありますけれども、我々が考えなければならないものがこれ以上ないかというなら、決してそんなことはありません。また、行政の壁を越えて他省庁と協力をすることによって一層の新たな産業分野の育成が図れるものがないとは私自身思っておりません。
 昨日も本院で御論議をいただいた部分でありますけれども、例えば福祉用具といった分野一つをとりましても、通産省だけでこの開発に取り組む、あるいは関係の業者の方々の育成強化を図っていくよりも、実際にこれを使われる民間の方々、それを主管される官庁からの意見をもっと積極的に取り入れていくことによって、利用される方々にとってはより利用しやすい質のよい商品が供給されることも期待されるわけでありますし、行政としても全く自分たちだけで、通産省だけで努力をしているよりも効率のよい仕事ができる可能性もございます。
 そうした意味では、省庁の壁を越えて積極的に他省庁と連携をとりながら、よりよい新しい産業分野の育成に努めてまいりたい、通産省全体としてそのような気持ちを持っておりますということを申し上げて、答弁にさせていただきたいと存じます。
#16
○久世公堯君 ありがとうございました。
 初めの法律の三番目がいわゆるFAZ法と呼ばれている法律でございますが、これは地方における輸入関連インフラの先行整備を図るために制定されたわけでございますが、今実績はどのようになっているでしょうか。また、地方の振興と輸入の促進にどのくらい寄与しているのか。特に、今回の改正は輸入促進のためのインセンティブになっているのでしょうか。また、輸入拡大の見込みまで言うのはどうかと思いますけれども、それはどうなっているのか、御説明賜ればありがたいと思います。
#17
○政府委員(広瀬勝貞君) 御質問の輸入・対内投資法でございますけれども、平成四年の七月に施行されまして、以来三年四カ月を経過したわけでございますけれども、この間、十八地域を輸入促進地域として承認をさせていただきまして、現に大阪市、神戸市、長崎県、それから北海道の四地域が既に開業をいたしております。また、愛媛県あるいは北九州市が来年早々に開業するというような見込みになっております。
 これらFAZ地域が地方の振興あるいは輸入促進に寄与しているかどうかということでございますけれども、何といいましても、この承認地域におきましては一つは輸入関連事業の集積が進んでおります。輸入関連事業の誘致の実現が進んでおります。それから、海外の定期航路とか空路を新たに設けるといったようなことも出てきております。
 それから、目に見えるものではありませんけれども、地方の国際化意識というのが非常に高まってきているのではないかということでございまして、この国際化意識の高まりの中で、幾つがこの事業の中にもいろいろな影響が出てきておりまして、例えば地場の小売業が広く国際的な商品を仕入れてみようというようなことで考えてみたり、あるいはこれまでは地場だけでつくっていた地場産業が一部工程を海外に委託加工という形でお願いをして、より安いものをつくろうという努力をしてみたり、あるいは原材料につきましても、これまでは国内しかシェアがなかったわけですけれども、広く海外も含めてより安い、よりいいものを原材料として求めるというような動きも出てきておりまして、こういう意味での地方の国際化という意味では大変効果が上がってきておるのではないかというふうに考えております。
 数量的にこのくらいの効果というのはなかなか申し上げにくいのでございますけれども、ちなみに輸入促進地域の承認を受けてから現在までに十八地域あると申し上げましたけれども、この十八地域のうち全体の七割ぐらいが全国平均の輸入伸び率に比べましてそれを上回るというような実績も出てきておりまして、私ども所期の効果が出てきているのではないかというふうに喜んでおるところでございます。
 今後の問題でございますけれども、今回の改正の主眼は、これまでは輸入促進地域における施設の整備ということが中心だったわけでございますけれども、おかげさまで施設の整備も進んできておりますので、これからは輸入関連事業の集積をこの地域に図っていくということが大事だなというふうに考えておりまして、そこに重点を置いた施策を考えております。
 具体的に申し上げますれば、この輸入促進地域の中に都道府県が輸入特定集積地区というのを定めることができるようにいたしまして、この集積地区に参ります事業者に対しまして、例えば地方税を減免した場合の減収補てん措置を講ずるとか、あるいは産業基盤整備基金による債務保証をやるとか、あるいは中小企業信用保険法の特例措置を講ずるとかいうようなことを行いまして、事業の集積を積極的に図っていこうということを考えております。
 こういう施策によりまして、先ほど申し上げました施設の整備と相まって、とにかく事業を集積しますと物流コストも非常に安くなります。それから、共同で受注をしたり開発をしたりという企業の行動においてもいろいろ共同行動ができるということで非常に効率化になるというようなこともあると思います。それからまた、何といいましても企業が集まるということはそこに情報が集まるということでございまして、この情報の集積によって企業活動が大変高度化をしていくのではないかというようなことで、私ども、これからは事業の集積による効果が新たに出てくるのではないかというふうに期待をしているところでございます。
#18
○久世公堯君 もう一つの法律でございます繊維産業の問題でございますが、最近長引いておりますこの不況のもとで円高が進行しておりますと、どうしても輸入が急増する。それだけに国内の空洞化現象というものに繊維業界が直撃されているわけでございます。特に繊維業界の場合、産地を形成しておりますし、中小企業が多いだけに、ここに対する直撃集中というのは非常に厳しいものがあるんだろうと思います。
 他方、承りますと、アメリカの方では情報化を軸にいたしまして繊維産業というのが再活性化しているという話を聞きまして、今度、特にクイックレスポンス体制というものを中心とする繊維産業革新事業というものを実施されるそうでございますが、その概要について簡単に承れればありがたいと思います。
#19
○政府委員(中野正孝君) 繊維産業の苦しい状況については久世委員御指摘のとおりでございます。
 一方、日本の繊維産業につきまして申し上げますと、供給サイドにおきましては新合繊の開発でありますとか染色技術、こういうものは世界のどこの国も認める超一流の技術を持っている供給産業の認識がございます。最近では、染色につきまして言いますと、一万点ぐらいのカラーをインクジェットでコンピューターでプリントする、こういう世界にどこにもない技術も持っておるわけでございます。
 供給サイドの一工程にこういう世界に誇れる技術優位の工程を持っているというのは、そもそも供給サイドとしては強みを持っているわけでございますが、売り上げ減退、需要減少、こういうもとで輸入急増ということで供給産業の特性がなかなか生きない、あるいは繊維全体で過剰在庫、いろんな問題が発生する。
 これは長い伝統がございますけれども、日本の繊維の取引が大変分散されております。一次卸、二次卸、三次卸、仲卸、私ども記憶できないぐらい取引市場が実需に基づかない、リスクの分散ということでやってきた産業でございます。したがいまして、現在はいわば全体として見ればむだの多い、非効率の形態になっているということでございます。
 同じく、今久世委員御指摘になりましたアメリカでございますが、輸入比率が三分の一から四割になって、どうやって再生するかということで一九八〇年代の後半からアメリカの繊維産業が取り組んだのがクイックレスポンス、こういうことでございます。これは消費者の実需に応じた生産流通体制を情報ネットワークでつくる、こういうことでございます。
 したがいまして、アメリカの経験で言いますと、正確な数字はありませんが、二割、三割のむだを省けて企業収益も少なくとも一割以上の企業収益を確保できる構図になった、こういうことが言われておりまして、アメリカン・カジュアルということでアメリカの繊維産業が再生し、日本の繊維輸入の約一割もアメリカから来ている、こういう状況になったわけでございます。
 このような内外の状況を踏まえまして、一昨年の十二月に関係各社あるいは有識者の方々が新繊維ビジョンというものを審議会で答申いただきまして、昨年、本法の改正を認めていただきました。ここで、日本におきましても情報化を中心としたマーケット・イン型の産業構造にしよう、あるいはデザインとか技術、クリエーションということで、世界に向けて生活文化を発信する、そういうクリエーション型の産業にしようということがこの産業の再生をしていく方向である、こういうことになっているわけでございまして、昨年の法改正以降現在まで情報化を進めるというグループが今月二つ申請がございまして、現在十七グループ、約百八十社が情報化ということを核にした流通・生産構造の効率化を目指した事業の再生を行いたいということで申請が出ておるわけでございます。
 私ども、今回の繊維産業構造改善事業協会における新しい投資事業、これはこの繊維業界の情報化を裏から支える基本的なハード、ソフト、ネットワーク、こういうものを提供しまして、この産業界の努力を支援したい、こういうことでございます。
#20
○久世公堯君 中小企業につきましては大変大きな問題でございますので、まだまだ質問したいわけでございますが、時間の関係もございますので、最後に大臣に申し上げたいわけでございますが、十月初めの日経新聞を見ておりましたら、日経新聞の「交遊抄」というところに大臣と四十年以上おつき合いのあった親しい友人の方がこんなことを書いておられました。
 橋本大臣という方は弱い者の味方をして損な役回りをすることもあるけれども、橋本さんの心の底にはとても温かい人情があふれている。また同時に、橋本さんという方は真剣に人と対応して四方八方に気配りをされる方だ、八方にらみをされると、こんなことが書いてあったわけでございます。
 私は、今の中小企業というものを見ますと、まさに八方ふさがりでございまして、ひとつ大臣におかれましては四方八方に気配りを中小企業にしていただいて、その温かい思いやりに基づく政策をぜひともやっていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#21
○荒木清寛君 平成会の荒木でございます。
 法案に入る前に一点だけ大臣にお尋ねをしたいと思います。
 先般の四極通商会議は大変に御苦労さまでございました。その中の議長声明で、WTOの中に地域統合に関する新しい委員会を設ける、そういう趣旨の議長声明があったわけでございます。ともすれば排他的になりがちな地域経済圏の動きを今後きちんと各国が監視をしていく、それを確認した意義は私はあると思います。
 ところで、日本の場合にはそういった地域的な貿易体制というのはAPECがあるわけでございまして、この十一月に大阪で会議があるわけでございます。
 ところが、先般の新聞なんかを見ますと、社説でございますけれども、「APECの「失敗」が見える」なんてことを論評しているところもあるんですが、私も今回の大阪での会議がAPECの自由化路線が後退をしたと、そういう印象を与える会議になってしまったんでは失敗であるというふうに考えますが、その点は大丈夫でしょうか。
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来から我が国はさまざまな国際会議の場におきまして地域統合の動きというものに対して、それが開かれた地域主義であることを期待する、その地域がブロック化をし、結果的に世界経済に悪影響を与えるような地域統合に対しては賛成できないということを言い続けてまいりました。同じように、今回の会議におきましても、私どもは開かれた地域主義ということを目指すべきだということを主張し、議論をしてまいりました。幸い、地域イニシアチブにつきましてWTOの委員会をつくっていこうという合意までできましたことは、その意味では今回の四極の一つの将来に向けてのプラス要因、私自身ほっといたした部分がございます。
 そこで、今委員が御指摘になりましたAPEC大阪会合についてでありますが、この四極におきましても、これは主としてEUに対する説明を行ったわけでありますけれども、先般、東京で行いました高級事務レベル会合までの段階で事務的な準備体制というものはほぼ完全に近いところまでまとめ上げてくることができたと考えております。
 問題として残っておりますのは、包括性、同等性、そして最恵国待遇という三つの問題に整理ができるかと思いますが、これらの中身につきましては十八の国と地域で構成されておりますAPECの多様性というものがそのままに出てきた形でありまして、まだ議論の集約ができておりません。
 ただ、そこで誤解のないように繰り返し私が申してまいりましたのは、日本は包括性というものについて異論は一度も唱えていないということであります。昨年のボゴール宣言の中で貿易投資の自由化、円滑化という方向を打ち出しました。それを我々は行動指針として具体化する役割を担っているわけであります。そのポイントは何かというならば、これはまさに包括性の原則でありまして、包括性の原則そのものを日本は一度も否定をいたしておりません。同時に、各国ともにそれぞれセンシティブな問題を抱えているということは現実の社会経済情勢、それぞれの国の状況の中で事実でございます。
 問題は、その包括性の原則のもとでそれぞれの国が抱えるセンシティブな問題についてどう柔軟性を持つかということにかかっているわけでありまして、これらの議論は今後なお精力的に事務的にも、また政治ベースにおきましても煮詰めていく必要がございますけれども、我々としては何らかの着陸地点を見出すことによって議長国としての役割は十分に果たしてまいりたい、そのように決心をいたしており、国会の御協力をも心からお願いを申し上げる次第であります。
#23
○荒木清寛君 次に、先ほど法案審議に関しまして大臣からも一層の規制緩和の促進というお言葉があったわけでございます。ところが、大臣がお書きになりました「政権奪回論」、私、きのうも読ませていただきましたけれども、そこに規制緩和についての大臣の所見があるわけです。
 若干引用しますと、「規制には、廃止、緩和、弾力化などによって改めなければならないものがある半面、国民生活の保護という現実的な機能があることも忘れてはならない。さらに付け加えれば、規制という措置は、弱者救済と雇用の確保という重要な機能も併せ持っているのだ。」とした上で、政府は当時は細川政権ですが、「政府の規制緩和の掛け声には、「規制緩和=善」というイメージばかりが先行しているように思えてならない。」云々という、こういうトーンの記述があるわけです。
 読んでみますと、規制緩和のマイナスの面ばかりが非常に強調されているという印象を私ちょっと持ったわけなんです。その章の表題は「野放図な規制見直しは大混乱を招く」、何かブレーキをかけるような、そういう表題になっているわけですね。また、この本を読む限りは、この規制緩和によって新しい産業を創造していくんだ、新規産業を創造していくんだという、そういう思想がないんではないかという気がしたわけです。
 そこで、私が思いましたのは、大臣はこの規制緩和ということについては、そもそも規制緩和という言葉じゃなくて規制の見直しというふうに言うべきだというのもあったんですが、若干及び腰なんではないかという懸念を持つわけでございますが、いかがですか。
#24
○国務大臣(橋本龍太郎君) その本を出版した時点で、細川内閣のもとにつくられました審議会でありましたか懇談会が発表されました付表を思い起こしていただきたいと存じます。私が当時そういう文章を書きました理由は、その付表をごらんいただけば一遍におわかりがいただけると存じます。
 あの中には麻薬に関する、あるいは覚せい剤に関する法律まで改正の対象として掲げておられました。さらに暴力団対策法まで規制緩和の対象としてずっと並べられたリストの中に入っておりました。私が動転したことは間違いありません。そして、そういう風潮を私は心配いたしましてその当時そのような記述をいたしたことは事実であります。
 ただ、同時にもう一点、確かに経済行為に関する規制で私の頭にありましたのは、当時行われておりました大店法の改正についての議論でありました。私の郷里は岡山県の総社市という小さな町でありますけれども、大店法の改正の結果幾つかの大規模小売店が出店をいたしました結果として、旧商店街には、現在ちょうど御審議をいただきます中で空き店舗対策を我々は講じておるわけでありますが、空き店舗が目立つ状態になっておりました。大店法の改正というものがかけ声だけ先行して、果たして零細な小売業者の倒産まで招くような状態を見過ごすんだろうか、そういう思いがあったことは間違いありません。そして記述が、今委員が述べられましたように、そういう思いの中からその当時の状況を踏まえて私が申し上げたことであることはそのとおりであります。
 ただ、現在私どもが進めております規制緩和あるいは撤廃と申しますものは、むしろ新しい市場の創出でありますとか消費者の選択の幅を拡大していくことによって経済社会を活性化していく、あるいは内外価格差を是正していく、さらに国際社会との調和と透明性を確保していくために。非常に必要なことだと考えておりまして、そうした視点での規制緩和を私はおくらせるつもりはございません。これは細川内閣当時のおまとめになりました規制緩和のお考え、その後ろにつけられました関係する法律のリストを見て、当時私が感じたことを率直に記したものであります。
#25
○荒木清寛君 それでは、具体的にお聞きしますが、同じ本に「産業界への指導について口頭指導がよく行われるという意味で、成文化されていない隠れた規制が通産省にはいちばん多いはずだ。」という問題を指摘されているわけですね。
 大臣、現実に通産大臣に就任されたわけですが、それでは、この口頭指導の実態調査、またそれを減らす努力というのは大臣されましたですか。
#26
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が着任をいたしまして最初に当時の次官、官房長等に対して確かめたことの一つはまさにそうしたことでありました。
 かつて私自身が民間の企業の一員でありましたときに、通産省に申請の書類を届けるというのは大変心臓に悪いものでありまして、しかも窓口から係長さんに、係長さんから課長補佐さんに、課長補佐の方から課長に、目に見える距離としては大変短いものでありましても、随分日数のかかるものだということをさんざん味わった時期がございます。そうした思いもありましたから同じような質問を当時発しました。むしろ、通産省の姿勢が大きく変化をし、その中で私のサラリーマン時代に対応した通産省と全く違った姿になりつつあることを私は当時感じた次第であります。
 問題の性質上、相対で議論をする場面、あるいはむしろ産業界そのものとじかに会議を持ち議論をする場面、その中で方向づけが合意の中でなされていくケースというのは今日も存在すると存じます。ただ、それが私どもが記憶をしておりましたような当時の、いわば口頭指導による申請処理の不受理といった事態を招くものではなくなっておるということは今実感いたしております。
#27
○荒木清寛君 次に、民活法につきましてお尋ねします。
 これは昭和六十一年に制定されまして、今回また十年間延長になるということですから、この十年間、法の趣旨にのっとった運用がなされていたのかという総括がなければ延長ということはあり得ないと思います。特に、百二十九の事業主体につきましてきちんと採算ベースに乗っているのかという検証は必要ではないかと思います。
 そこで、一点だけお尋ねしますが、特に第三セクターの企業については資金の調達難あるいは未熟な事業計画、事業運営の甘さ、人事のあつれき等のいろんな問題が世上指摘をされるわけでございます。そこで、民活法で認定されました百二十九の事業主体につきましてきちんと当初の計画の収支見込みを達成しているのかどうか、その辺の総括をした上で今回の法案提出になっているのか、お尋ねしたいと思います。
#28
○政府委員(牧野力君) 大変ごもっともな御質問であろうかと思います。
 第三セクターにつきましては、御指摘のようにいろんな問題もあるところもございます。それは否定はいたしません。最初に結論だけ申しますと、いろいろ景気が悪かったとかいろんな状況もございますけれども、総体的に見ますと私ども民活法はうまく機能してきたというふうに思っております。
 例えば、いろいろのアンケート調査をいたしましたところ、ほとんどの民活法の特定施設整備事業が当初の売上計画をほぼ達成しております。それから、民活法は各省の所管でございますが、当省の所管事業だけを見ますと、平成五年度までの売上高の実績は当初目標の五七%増というようなことにもなっております。また、テナントの入居率で見ますと非常に芳しくない、これは昨今不況の中で立ち上がってきたようなものはそういうものもございますけれども、調査対象事業の約八割におきましては平成五年度の入居率は大体八割以上というふうになっております。
 今、委員がおっしゃいましたように、第三セクターの、これは基本的にはそれぞれの人の問題とかいろいろ個別の問題もございますからうまくいっていないものもございますけれども、なお一層こういったものの運営を、何といいますか安定したものに、あるいは健全化するために今回の法改正におきまして新たに実施状況、それぞれの施設の運営の実施状況について報告徴収を行う。それで、もし運営に関しまして非常な問題がある場合にはこれを取り消すというようなことを法律で明記をするというような法改正も行おうとしているところでございます。
#29
○荒木清寛君 終わります。
#30
○平田健二君 平成会の平田健二でございます。
 七月に当選して以来、本日が初めての質問になります。先輩議員の皆さん、そして通産省の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 橋本通産大臣におかれましては、繊維開運の企業の御出身ということをお聞きいたしております。繊維にかかわる者の一人として非常に心強く思っておるわけでございます。きょうは時間も限られておりますので、繊産法についてのみ御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、大臣にお尋ねをしたいわけですけれども、繊維産業の我が国における比重は、小さくなったとはいえ全製造業の一〇%、製造、販売まで含めますと二百八十万人の雇用を創出しておる基幹産業であると私は認識をいたしております。そこで大臣に、繊維産業に対する基本的な認識、そして現状をどういうふうに把握されておるのか、最初にお尋ねをいたしたいと思います。
#31
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が御指摘になりましたように、まさに我が国の繊維産業というものは全産業の従業員の約一割を占めております。また、地方によりましては、非常に産地性の高い地域経済の中核的なウエートを占めている地域があるといった意味でも、雇用の面におきましてもなお非常に大きな役割を持つ産業であると、基本的にそのように思います。
 しかし同時に、他の産業に比較いたしますと、非常に複雑であり、かつむだが多いとまで言っては言い過ぎなのかもしれませんけれども、そういう指摘が必ずしも不適当ではない流通構造を持っている、しかも中小企業の比率も高い、そういった意味では生産性が低いということは認めなければならないであろう、そう思います。同時に、我が国の繊維産業がたびたび構造改善等を繰り返してまいりましたにかかわらず、依然として情報化が他産業あるいは諸外国の繊維産業に比べておくれをとっているということも否定はできません。
 しかし同時に、世界第二位の国内市場を有している、あるいは世界一流の、先ほど局長から幾つかの例を引きながら、技術的な分野でもその優秀な技術というものを述べておりましたし、メカトロニクスを活用したすぐれた繊維機械、さらに私どもが現役で繊維におりました当時、残念ながら我が国のデザインというものは必ずしも国際的には高い評価を得ておりませんでした。しかし今日、世界の市場で活躍されるデザイナーの方々が現に育ち、各国の市場に対して大きな影響力を持っておられる。こうした優位性を持っておりながら、その優位性と現実の現在の市場がうまくマッチしていないという問題点を抱えている、私はそのように感じております。
 それだけに、繊維産業というものがマーケット主導型のむだのない生産・流通構造に変化をしてくれること、そしてその変化に向けての改革の努力を支援していくことが今私どもに与えられた大きな役割であり、同時にそれを進めることによって我が国の繊維産業の持つ優位性というものを生かしながら未来への活路を開いていくことが今一番大切なことではなかろうか、そのように考えております。
#32
○平田健二君 基本的なことをお尋ねしたわけでございますが、次に、早速法案についてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど先輩の久世委員からの御質問にお答えがございましたので、大方この法案についての理解はできたわけですけれども、特にこの法案の成功がもたらす若干の懸念があります。それは、流通を中心とする特に零細企業への影響であるというふうに思います。
 そこで、通産省としては、製造、流通、販売の各分野においてこの法案が成功した場合にどのような影響が出るのか。とりわけ零細業の皆さんにどのような影響が出るのか。例えば、中抜きというふうな問題が出て商売がうまく立ち行かなくなるというような懸念もありますので、そこらを含めてどのような想定をされておるのかお尋ねをいたしたいと思います。
#33
○政府委員(中野正孝君) 日本の繊維産業につきましては、先ほど申し上げましたように構造的な矛盾といいますか、問題を抱えていると。
 簡単に申し上げますと、繊維の工業部門、製造・加工部門で、現在十二、三兆円の年間の出荷額でございます。日本のマーケットは二十兆から二十一兆円でございますが、これを仲立ちする卸が三年ほど前は三十五、六兆円、最近の新しい九四年のデータによりますと二十八兆円ぐらいということで、急速にしぼんでおることは事実でございます。しかしながら、通常の産業形態でありますと、製造の出荷が十二、三兆円、マーケットが二十兆円ということであれば、卸売というのはおのずとその間の数字になる、こういうものが一つの産業形態としてはあり得る姿でございます。
 ただ、繊維は長き伝統によりまして、いろいろ糸あるいは織物、テキスタイル、染色、アパレル、それぞれの市場が形成されまして、そこで供給主導型の産業構造を支えるリスクの分散、こういう機能を果たしてきたわけでございます。
 しかしながら、この開放経済の中にあって、今日このような構造は維持できないという認識は繊維業界の方々もひとしく持っておるというわけでございますが、委員御指摘の、特に流通における、卸における中小零細はどうなるんだと。大変私どもも心配しております。これは、いずれにしろ実需に合ったビジネスをする、こういう方向に行かなければならないわけでございますが、むしろ卸売業というのを抜きにして今後の情報化というのは考えられないと私どもは思っております。
 これは、従来のような金融機能でありますとか商品の取次機能ということだけではもちろんいかないと思いますが、小さな規模であれば、むしろこの情報化あるいはマーケティングということで小回りがきくわけでございまして、これからの卸売というものにつきまして考えてみますと、マーケティングでありますとか、非常に知識の広い市場の取引先等々を生かした情報化のむしろ核になる、その可能性もあると思っております。
 現に、現在、大臣承認に出てきておりますQRグループの中にも中小の卸売が中核となった、それで中小の製造業とグループを組むというような申請もございます。要は、生き残る意欲のある方はそれなりに県も私ども国も御支援申し上げていきたい、こういうふうに思っております。
#34
○平田健二君 次に、TSGの協議についてお尋ねをいたしたいと思います。
 中国との交渉もやられておるというふうに聞いておりますし、先週の十七日から第三回目の中国との交渉が行われたわけでありますけれども、TSGの発動についてどのような議論をされておるのか。また、十七日から行われた中国との交渉はどのような進展を見せたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#35
○政府委員(中野正孝君) 中国との関係につきましては、御案内のとおり日本の繊維産業、繊維製品の輸入の約半分が中国から参っておるわけでございます。これは、アメリカも中国がトップの輸入、プライマリーサプライヤーということで、中国はここ十年繊維産業に大変力を入れておりまして、各国に輸出が相当出た、こういうことでございます。
 日本との間におきましては、昨年、橋本大臣も先方の呉儀部長ともお話し合いする機会もございまして、その折にいろいろなレベルで中国が申しておりますのは、ことしの一月から中国は、特に綿及び二次製品の一部につきまして自主的に輸出管理の措置をとる、こういうことを公表いたしまして、安定的な中国から見た輸出管理の徹底ということを方針として公表したわけでございます。
 私ども交渉していると申しますのは、正確にいいますと、中国側がどのような輸出管理措置をとっておるか、そういうことにつきまして私どものサイドから日本側の懸念もお伝えをしながら、どのような展開になるかと、こういうことを問題意識として持ちまして接触しているわけでございます。
 ことし三回目の話し合いを先週行いました。率直に申し上げまして、中国の考え方は徐々に私どもも理解しておるわけでございますが、例えば一部迂回というような問題につきまして、中国側の管理措置がどのような効果を持つか等々につきまして中国側も検討していることがございます。
 いずれにしましても、これは外交的に見ますと、先方の措置に関することでございますので、詳しくは今のところ申し上げられませんけれども、方向としましては、中国ではセンシティブな品目についてはそれなりの輸出管理措置をとっておると、こういうことで話し合いを継続しているわけでございます。
#36
○平田健二君 八月、九月そしてこの十月と三度にわたって交渉をしておるわけですけれども、今局長のお話を承りますと、余り進展をしていないという印象を強く受けるわけでございます。
 私は、このTSGの問題につきましては、やはり国際ルールでも認められておるように、それぞれ発動してもいいわけですね、輸入規制をしてもいいわけですから。そこらをちらつかせてということはちょっと言葉じりが悪いんですが、中国との交渉も、自主規制をしないと発動しますよというようなことを言いながら、少しでもやはり前進するような交渉をひとつお願いしておきたいと思います。
 そこで次に、今お話しございました香港経由の迂回貿易、それから中国からの二次製品の輸入の急増、それからこれは日本企業の持ち帰り輸入、とういったものの実態がわかれば数字を示していただければ幸いと思いますが、よろしくお願いいたします。
#37
○政府委員(中野正孝君) お尋ねの点、順次申し上げますと、迂回貿易の実態でございますが、これは厳密な意味で統計上の区分がございませんので、私どものいわばサンプル調査ということになりますが、九四年の数量ベースで見ますと、現在、セーフガード措置の申請に出ております四十番手の綿糸クラスで六%ぐらい、それからポプリン・ブロード織物で二九%ぐらいというようなデータがございます。これも正確なものじゃございませんが、見当ということで御理解いただきたいと思います。
 それから、もう一つのお尋ねの二次製品でございますが、二次製品の輸入につきましては、九二年ごろから、年率でいいまして三五%、三〇%を超える中国からの輸入がございました。直近で申し上げますと、ことしになりましてから幾分増加率は落ちついておりまして、落ちついてといいますか鈍化しておりまして一六・九%、数量で申しますと三十八万トンというのが二次製品の輸入でございます。
 以上でございますが、よろしゅうございますか。
#38
○平田健二君 今お話を承りました。詳しい数字をぜひ欲しいんですけれども、難しいと思います。
 そこで次に、輸入先の偏り、特に中国から二次製品を中心としたものが大量に入ってきておる。やはりバランスよく各国から輸入をするというの一が一番いいと思います。中国から偏って大量に入ってきておることについて通産省ではどのような問題認識をされておるのか、お尋ねをしたいと思います。
#39
○政府委員(中野正孝君) 中国からの輸入でございますが、先ほど申し上げましたとおり日本の繊維製品の半分ぐらいでございます。これは綿を中心にして、二次製品では合繊物も入っておりますけれども、総括してみますと綿を中心にした輸入ということになっておるわけでございます。
 日本の繊維製品の輸入の相当部分が中国になった、なぜかと。まず、この辺はいろんな要因がございますけれども、中国は何といいましても綿花の生産では生産量で世界一でございまして、綿花自身も世界に輸出しているという国でございます。さらに、中国は繊維製品の輸出による外貨を獲得する、こういうことで申し上げますと、今中国の繊維の輸出の額が大体三百億ドル弱、これは全体の中国の輸出の三割ぐらいを占める、中国の国家から見た重要品目ということでございますからおのずと力が入る、こういうこともあると思います。
 それから、生産能力で紡績織布、紡織で見ますと、日本の大体八倍から十倍の生産能力を持っております。これは人口も大変多い国でございますから、それはそれとして大きな規模の生産能力を持つということでございますが、それが日本だけではなくて、アメリカも香港経由を入れますと約三割が中国から来ているということでございまして、中国が進めておる経済発展を支える中核産業と、こういう位置づけが先方にはあると思います。我が国も一部の企業が向こうへ行って委託加工をするということもありますけれども、いかんせん、この円高の中でやはり賃金コストが圧倒的に取引価格に占める定番品等々を中心に中国から相当の急増が見られたというふうに思っておりますが、余り特定国に偏るということは中国自身にとってもセンシティブな問題があります。
 私どもにとっても、やはり特定国だけじゃなくてもっと広くアジアの国々、最近はインドネシアとかタイとかこういうところとも友好関係を深めながら貿易を拡大しているという実態がございますので、この辺はいいか悪いかという問題ではございませんけれども、徐々に半分の輸入ということにつきましてはなだらかになっていくものではないかというふうに私ども考えております。
#40
○平田健二君 通産大臣に二点ほどお伺いをいたしたいわけですが、TSGの発動に関する結論を出す方向でひとつ早急に御検討いただきたいわけです。御承知のように、今繊維業界はどしゃ降りのような輸入ラッシュでございます。業界関係者にとってはもはやもう我慢の限界でございまして、一刻も早い前向きな結論を出していただきたいと思います。
 そこで、御確認をさせていただきたいんですが、一つはTSGの発動自体は国際的に認められた正当な権利であって、もし仮に我が国が発動しても何ら非難されることはないということ、そして今、先ほどございました現在調査中の二品目についての発動もしくは明確な前進が見られないという、玉虫色の措置で中国との交渉が終わるということはないという、この二点について大臣のお考え方をお聞きいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年ちょうど十一月であったと記憶をいたしておりますけれども、中国の呉儀対外貿易経済合作部長と会談をいたしました際も、全体の三分の一近くが繊維の議論に終始をいたしました。それだけ我が国の繊維産業の置かれた状況というものは厳しいということを繰り返し説明をしながら、中国側としても非常に積極的に自主的に管理体制をしいていきたいということを当時述べられたことを今振り返っております。
 そして、中国なりに対日輸出の秩序化というものに対し本年の一月から新たな輸出管理措置を講じたわけでありますが、その後におきましても、事務当局にこの措置が実効あるものになるようにという視点から話し合いを継続させてまいりました。さらに、今後ともにもちろんのことながら、日中の繊維貿易というものが混乱することのないような事務当局同士の話し合いの継続も進めていきたいと考えております。
 同時に、今委員の御指摘の中に漏れておりましたけれども、日中の関連業界の首脳間における交流が非常に深まってまいっておりまして、対話の機会もふえており、相手側も責任のある方々がきちんと対応していただいているという報告を受けております。
 いずれにいたしましても、やはり官民それぞれの立場の中で相互理解を深めていくことが非常に大切だと考えておりまして、そうした努力は今後ともに続けてまいりたいと思います。
 また、繊維のセーフガード措置と申しますものは、委員も御指摘のように、WTOの協定上認められている権利でありますし、通産省としては、この協定の内容に従って繊維のセーフガード措置に係る手続というものの整備を行ってまいりました。この中で、問題として考えていくべきこと、これは輸入の増加及びこれによる重大な損害等の事実に関する技術的な判断、繊維セーフガード措置の実施によるメリット、デメリットの比較考量による国民経済上の緊急の必要性に関する政策判断、その二面から総合判断を行うということになっております。
 委員が御懸念の点は、むしろこの二の部分にあろうかと思いますが、現在、綿糸の四十番手クラス及び綿製ポプリン・ブロード織物を含めて調査中でありますけれども、こうしたものも含めて、具体的な案件についての発動の可否というものにつきましては、この繊維セーフガード措置の手続などに従いながら厳正な検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
#42
○平田健二君 最後に、大臣に要望しておきたいと思いますが、大臣、自動車の交渉とか電機の交渉は精力的に海外に出かけて交渉されておるわけですが、繊維に携わる者として、どうぞ大臣、これからぜひ繊維の問題でも海外に出かけていく、そして交渉する、こういう気概で取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
#43
○加藤修一君 平成会の加藤修一でございます。
 私は、時間の関係もありますので、輸入・対内投資法、いわゆるFAZ、フォーリン・アクセス・ゾーン法と言ってよいでしょうか、これに絞って質問をいたしますので、通産大臣並びに関係省庁の皆さん、御答弁のほどをよろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、通産省に御答弁お願いしたいわけですけれども、このFAZ法によって承認されたFAZは、先ほどの説明にもございましたけれども、全国で十八地域あり、現在四地域が開業済みと伺ったわけでございますが、まず全体としての現状、すなわち輸入インフラの整備状況ですか、それについてちょっと教えていただきたいということ。
 さらに、輸入インフラの整備に伴いまして、あるいはFAZが承認を受けたことによる効果、そういったものもあるかもしれませんが、要するに輸入取引の量の状況、さらにFAZにおきます企業立地動向、これについてどのように現在認識していられるか、通産省に御答弁願いたいわけです。先ほどの答弁の中で、物流コストが非常に安くなるという御説明もございましたので、あわせてそれにつきましても具体的な事例がもしあればよろしくお願いしたいと思います。
#44
○政府委員(広瀬勝貞君) 私ども輸入促進につきましては現下の国民的課題というふうにとらえまして、いろんな面で対策を講じておるところでございます。
 一つには、輸入促進税制というようなものもございますし、あるいは輸入促進金融といったようなものもございます。いろんな意味で対策を講じさせていただいておるわけでございますけれども、このFAZ法は地方における輸入促進をしていこうというものでございます。
 輸入インフラにつきましてお問い合わせがございましたけれども、今、例えば製品輸入の大部分はコンテナによって行われておるわけでございますけれども、このコンテナの輸入インフラが特定の地域に偏っておりまして、地方でなかなか輸入のためのインフラ整備がされていないという実情でございます。数字的に申し上げますと、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、この五都府県におきまして輸入コンテナの八九%が集中をしております。あとの一二%がほかの地域でやられているというような状況でございます。
 しかし、そういうところで輸入をして、じゃ国内に陸送で配送すればいいじゃないかということになりますが、御承知のとおり国内のコンテナの運送というものはなかなかコストがかかるものでございまして、例えばシンガポールから東京まで四十フィートのコンテナを持ってくるときには八万円ぐらいでございます、一つ当たり。これを東京に陸揚げしまして今度は新潟まで運ぶということになりますと十八万円ぐらいかかるということで、国内の流通コストもなかなかばかにならないということでございまして、やはり輸入も地方に浸透させていくためには全国的に輸入インフラの整備を図っていく必要があるんではないかというふうに考えます。そういった意味で、この輸入・対内投資法、私どもは大変大事な施策ではないかというふうに考えている次第でございます。
 おかげさまで法施行以来三年四カ月経過しまして十八地域が指定になりまして、先ほど御指摘にございましたように四つの地域が既に開業をしているというような状況でございます。効果といたしましては、なかなか数量的に申し上げるのは難しいのでございますけれども、輸入促進地域の承認を受けてから現在までに、承認地域の約七割の地域においてこの期間の全国平均の輸入額の伸び率を上回る輸入の伸び率を示したというようなことで、私どもこのFAZ法によって地方の輸入マインドが大変ふえてくるのではないかということを期待しているところでございます。
#45
○加藤修一君 FAZ法が施行して何年かたつわけですけれども、必ずしも法律があるからといって十分に機能するわけじゃないわけでございまして、さまざまなプロジェクトがあった場合には当然それに対応した形で課題が山積するというのが一般的なとらえ方じゃないかなと思うんです。
 現在、FAZにおけるクリアすべき課題としては現時点でどのように認識しているかということと、さらに今後のFAZ地域のいわゆる将来的な見通しといいますか、その辺についてどのような期待をお持ちかどうかその辺についてお尋ねしたいんですけれども。
#46
○政府委員(広瀬勝貞君) FAZ法につきましては、おかげさまで承認地域におきまして中核施設、インフラの整備は大変進んでまいりました。これからの課題といたしまして、私どもの認識は、これらの施設を有効に活用しながら輸入関連事業をこの地域に集積させて、実際に輸入促進の実を上げていくということがこれからの課題ではないかというふうに考えております。
 そういう意味で、今度の法律改正というのは、私ども期間の延長ばかりではなくて、中身におきましても、輸入関連事業者の輸入促進地域への集積ということを促進するためのポイントを幾つか盛り込ませていただいているわけでございます。すなわち、この輸入促進地域の中に特定集積地区というのを都道府県において定めることができることにいたしまして、この特定集積地区に輸入関連事業者を集積するというために、例えば不動産取得税とか固定資産税を軽減した場合に、それに対して減収補てん措置を国から講ずるというようなこと、あるいは資金の借り入れを円滑に行うために産業基盤整備基金による債務保証を行うというようなこと、あるいは中小企業信用保険制度の特例措置を講ずるということ、そういったことによりまして、この地区に輸入関連事業の集積を図っていこうというふうに考えておるわけでございます。
 この集積による効果でございますけれども、私ども何といいましても、先ほどちょっと申し上げましたけれども、集積すれば事業者間の物流コストも軽減されるでしょうし、それから施設の共同利用というようなことをやることによりまして、事業そのものが共同部に行うことができてコストのダウンにつながるでしょうし、また情報が集積するということによって事業の高度化が図れるだろうというようなことで、今後さらに輸入関連事業の円滑かつ効率的な実施を私ども期待しているわけでございます。
#47
○加藤修一君 十八地域がFAZとして承認されている旨伺ったわけですけれども、FAZ法ができる当時、これに対応した形で関税法が実は改正されていると思うわけでございます。
 大蔵省にお聞きしたいんですけれども、そのときに大きく変わった点は総合保税地域制度、そういうことだと思うわけですけれども、これは現在全国で何カ所程度存在しているわけでしょうか、指定を受けた地域が。
#48
○説明員(江川明夫君) FAZ地域に指定されたのは十八地域ございますが、その中で総合保税地域の許可申請が提出されましたのは、大阪市のアジア太平洋トレードセンター一カ所でございます。これにつきましては、平成六年三月に総合保税地域として許可を行っております。
#49
○加藤修一君 次に、通産省とその後に大蔵省にお尋ねしたいんですけれども、今のお話によりますと、総合保税地域の指定は一カ所であるということで、非常に私の印象としては少ないなという感じがしているわけなんです。
 このFAZ法の第五条八項でございますけれども、その中の法文を読んでまいりますと、「主務大臣は、第一項の承認の申請があったとき、又は前項の規定による承認をしたときは、当該地域輸入促進計画につき、大蔵大臣に通知するものとする。」と、このようにあるわけですけれども、私がこれについて判断するところは、大蔵省は地域指定に向けていわゆる都道府県に指導、助言を行い、速やかに許可することが求められているものであると解釈することが妥当ではないかと、そのように考えているわけです。
 通産省並びに大蔵省にお伺いしたいことは、この条文についてどう考えるか。特に通知の中身、この辺についてはどのように判断をしていらっしゃるかどうか。この辺についてお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(広瀬勝貞君) 委員御指摘のとおり、このFAZ法五条八項に基づきましてFAZ計画の承認申請、または承認時点でそのことを大蔵大臣に通知するという規定がございます。
 これは委員御指摘のとおり、FAZ地域に指定されますと、これを関税面からいろいろ支援していただくというのが総合保税地域の制度でございまして、その総合保税地域の迅速な許可を期待するという意味でこういう通知の制度が設けられているわけでございます。
 現に、十八件承認のたびにすべてこの法律に基づきまして通知を行っておりまして、私どもといたしましては、FAZ法と関税法相まって輸入促進の実効を上げていただきたいという意味で、今後ともひとつ大蔵省とよく相談しながら総合保税地域の弾力的な運営についてもお願いをしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#51
○説明員(江川明夫君) 十八地域すべてにつきまして、通産大臣から大蔵大臣に通知をいただいております。
 ただ、この総合保税地域と申しますのは、輸入関連施設の整備が行われた後にその整備状況などを勘案しまして許可されるというものでございます。それで、現在、それぞれの輸入促進地域、FAZ地域につきまして、それぞれの計画に基づきまして輸入関連施設の整備が進められていると承知しておりますので、今後、輸入関連施設の整備が終わったところから総合保税地域の申請が出てくるものと考えております。
 大蔵省としましては、総合保税地域の許可に関しまして、既に平成五年九月の緊急経済対策におきまして弾力的に取り扱うという方針を打ち出しております。輸入促進地域に関する計画が立てられる早い段階から、大蔵省としましても関係省庁あるいは地方公共団体などと連絡をとらせていただいております。
 今後とも地元の御意見を十分お伺いしながら、積極的に検討してまいりたいと考えております。
#52
○加藤修一君 今、通知があった地域が十八地域ということでございますが、関連の都道府県と連絡をとらせていただいているということですけれども、実際に今残り十七地域の指定について考えていきますと、希望している地域は、明確な裏づけをやったわけじゃないわけですけれども、十三から十四地域あるというふうに伺っています。
 私は、通知があったということだけで、実は学校の通知表じゃないですけれども、それなりのリアクションがあるわけです。それは、例えば通知表を見てお父さんが怒るとかお母さんが怒るとかあるいは子供が萎縮してしまうとかそういったいわゆる具体的な行動がその中に入ってくるわけです。
 そういった意味を踏まえて考えていきますと、通知の中身というのは具体的に大蔵省が何らかの助言、指導というのを具体的に推し進めていく、そういう内容が含まれているというふうに考えているわけですけれども、もう少し具体的にその辺の御答弁をお願いいたします。
#53
○説明員(江川明夫君) 大蔵省としましては、通知の中身ということでございますけれども、通知がありましたら、関係の自治体あるいはもちろん関係省庁などと総合保税地域の許可ができるだけ出やすくなるように具体的に御相談させていただいております。
#54
○加藤修一君 先ほど通産省からの説明では、この件に関しましては相まって考えていくと。いわゆるFAZ法とそれから関税法におきます総合保税地域制度、これは両者ある意味では接合点、あるいは鳥で言えば両翼ですか。片方だけ羽ばたいていても意味がない。両方羽ばたいて初めて、目的の輸入促進あるいは対内投資ということが、進捗の状況が可能性として極めて大きく出てくる。そういうふうに私もとらえたわけでございますけれども、通産省が考えていたその件に関しては、大蔵省はどのようにとらえているんでしょうか。
#55
○説明員(江川明夫君) 総合保税地域は、確かに保税という関税法上の制度を活用していただいて輸入の円滑化など貿易の振興を図っていただこうということでつくられた制度でございます。私どもとしましても、総合保税地域の主な対象となるのはこの輸入促進地域であると考えております。
#56
○加藤修一君 それでは、総合保税地域を許可する場合の許可基準、それについてお尋ねしたいんですけれども、貿易関連施設の集積の程度が高いということが基準の一つとしてありますけれども、これは具体的には一体何が必要になるのか、その辺について大蔵省よろしくお願いします。
#57
○説明員(江川明夫君) 貿易関連施設の集積の程度が高いということは、許可の基準の一つでございます。
 どの程度の集積かということにつきましては、やはり個々のケースによって異なってくるかと思いますので、必ずしも統一的に申し上げられないので御理解いただきたいと思います。
#58
○加藤修一君 ちょっと時間がなくなったそうですので、最後に通産大臣にお聞きしたいんですけれども、今回のFAZ法に関連しましては、主務官庁が四つあるということで、それぞれの所掌しているところが当然違うわけでございますけれども、どうも大蔵省の答弁を聞いている限りにおいては、なかなか鳥の両翼のようにうまく羽ばたいていくことが難しい局面もあるかのように感じます。
 そういった意味では、縦割り行政の弊害的な部分もなくはないし、あるいは関税法におきましては今後規制緩和の対象の部分として考えることも十分いいというふうに私は理解しているわけですけれども、この規制緩和を含めて、あるいは縦割り行政の弊害という面につきまして今後どのように大臣はお考えになっていくかその辺の決意を披露していただければ非常にありがたいわけでございます。
#59
○国務大臣(橋本龍太郎君) 総合保税地域制度というものが、大蔵省所管の制度でありますけれども、FAZを関税制度の上から支援していただく、そして一層の輸入促進効果を導く上では非常に重要な制度だと私どもも思います。
 それだけに、今日までも、事務レベルでも大蔵省に対して指定要件の緩和を要求させていただいている、そう報告を受けております。また、各地方公共団体あるいは経済界からも指定要件の緩和の要望があると聞いておりまして、私自身としましても、これは大蔵省の諸君に対しましては、税関の取り締まり上の支障がない限り指定要件の緩和はぜひお願いをしたい。ただ、その税関の取り締まり上の問題点については留意していく必要がある、そのように考えておりまして、その範囲内、できるだけの努力をしてまいりたい、そのように考えております。
#60
○前川忠夫君 日本社会党の前川でございます。よろしくどうぞ。
 今度の臨時国会の予算委員会の審議等で通産大臣が、特に日本の製造業を中心とした雇用の問題等々を含めて大変積極的な御発言をいただいていることについて、私も高く評価をさせていただきたいと思います。
 そこで、今度の法改正について、まず最初に新規事業法にかかわって御質問をさせていただきたいと思います。
 今、日本の経済あるいは産業が構造的な転換期にある。したがって、新しい産業を育成しよう、あるいは新しい技術を開発しようと、さまざまな手だてが官民一体となって取り組まれているということについては、これからの日本の経済にとっては大変重要だというふうに私も理解をいたしております。
 と同時に、忘れてならないのは、これまでの日本の経済を支えてきたいわゆる既存の技術といいますか私はたまたま製造業の出身でございますので、例えば自動車であるとかあるいは電機産業であるとか、あるいは鉄鋼であるとか、そういった産業がいわゆる成熟期を迎えている。実はこのことは、例えばの話で例として申し上げますが、もしこういう産業がこれから成熟化して、あるいは諸外国に比較をして競争力が落ちてきたという場合に、それにかわるような産業というのは果たして本当に育ってくるんだろうかという不安が一つあります。
 もちろん、これはさまざまの問題、手だてを打って何とか解決をしていかなければならない課題でありますから、我々としても官民合わせて努力をしていかなければならないだろうというふうに考えています。
 そこで、ある意味では今は大変大きな曲がり角にいる。そういう観点から、特に産業あるいは経済というのは国民の生活にとっては大変大事な、あるいは働いている人たちの雇用という点からも大変大事なテーマでもありますので、関連をする問題について一、二御質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、これは大臣の方からできればお答えをいただきたいと思うんですが、日本の経済あるいは産業がグローバル化あるいはボーダーレス化する中で、雇用の問題について大臣もいろいろと御心配をいただいているということについては私も十分承知をしております。雇用の問題と同時に、これまでの既存の技術の空洞化という問題について、私は実は深刻なんではないかという理解をいたしております。
 例えて申し上げますと、私どものかかわっている産業の中では、鋳物産業とかあるいは金型産業とか先ほど繊維の話もございましたけれども、そういった産業が衰退をしていく。確かに現状を見ておりますと、例えば鋳物産業等を見ていますと、従業者の高齢化の問題が一つあります。まさに従来で言うところの三K職場の最たるものであります。あるいは金型産業等々についても同じようなことが言える。
 また、例えば鋳物産業あるいは金型の場合には、自動車産業が海外へ工場をどんどんつくっていく。そういう中で、国内に残っている工場や企業に対しては海外との比較においてさらにコスト引き下げの圧力がかかってくる。新しい設備投資をしようにも資金がない、あるいは人も入ってこない。これではもう会社をやめたいというのはある意味では当たり前であります。
 こういう問題について、確かにこれまでもさまざまな手だてはとられてきたということを私は承知していますけれども、一向にこの流れがとまってないような気が実はするわけです。ですから、新規事業に対する支援措置ももちろん大事でありますけれども、固有の既存技術、伝統的な技術というものを守っていく、こういう問題について大臣としての御見解があればお伺いをしたいと思います。
#61
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の秋、委員が今お述べになりましたような心配を私もいたしました。そして、私は時々、職人国家日本という言葉を使いますが、私は、本当に職人とでも言えるような、すそ野の分野における我が国の技術というものが今日の日本経済を支える大きな原動力であったと理解をいたしております。それだけに、中小企業庁の諸君に一つの例示として調査を依頼しましたのが、特に大田区に集まるような、中小というよりも零細に近い製造業の皆さんについての実態調査でありました。
 また本年、ちょうど参議院選が終わりました直後に、私自身京浜島の方に参りまして、経営者の皆さんともしばらくの時間いろんな議論をさせていただきながら、通産省として考えている方向をも御説明を申し上げて御協力のお願いも申し上げてまいりました。
 その中でやはり出てまいりましたのは、大きく分けて資金の問題、受注の減による経営の問題、そしてその中で協業化等を進めましても出てくる資金の問題、さらに技術の伝承を図るべく若い人々の就労を求めるにかかわらず、三Kという言葉で示すような一面的な世間の視線の中で、なかなか自分たちの技術を受け継いでくれるべき若い人々が入ってきてくれない。入ってきてくれてもなかなか定着をしない。さらに新たな分野に進出しようとしても、でき上がった人材を得ることになかなか困難がある。こうした視点があったところであります。
 そうした意識は決して私だけではなく通産省として共有する意識であり、例えば金型製造業につきましては、中小企業近代化促進法に基づいて、本年の九月、新たに構造改善の対象業種に指定をさせていただきました。あるいは鋳物製造業につきましては、昨年の十二月から需要構造の変化に対応した高付加価値化を促進するためにやはり中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業というものを開始いたしました。また、熟練工不足への対応あるいは職場環境の改善、さらに競争力強化のための技術開発の支援といったものについても全力を挙げて支援をいたしております。
 また本年から十一月を素形材月間として、物づくりの重要性に関する国民の理解の促進及び素形材産業の活性化を図るためのPRにも努めたい、そのようなことを考えておるわけでありまして、どうぞハウスにおいてもこうした方向に対する通産省の努力に対し御支援をいただけることを心から願っております。
#62
○前川忠夫君 ぜひこれからも積極的な御支援もあわせてひとつお願いをしたいと思います。
 そこで、今度の新規事業法に関連をして、法案の内容というよりもこの運用についてお尋ねをしたいわけですが、確かに研究開発あるいは事業化の段階等、さまざまな段階というのが企業の場合にはあるわけですから、それらの段階に応じて、先ほども久世委員の質問をお聞きしておりまして、さまざまな支援措置、助成措置があるというのを私も実は十分承知をしているんですけれども、問題は、この段階ではどこへ行ったらいいか、あるいはこの段階ではどこの制度、施策が使えるのか、余りにもたくさんあり過ぎるんですね、正直に申し上げれば。
 それぞれ一つ一つの制度に十分な予算があればいいんですけれども、私が承知をしている限りでは、正直言って予算は少ない。これはちょっと嫌みになるといけませんのでそういう意味にとらないでいただきたいんですが、今度のバブルが崩壊をしまして、どこの事業所あるいは産業へ行きましても、一番感謝をされているのは実は雇調金なんです、雇用調整助成金。これは変な言い方ですが、まさにヒット商品だと私はよく言うんです。何とかこれで雇用を守って、それで次の浮上を待つという仕組みを企業の皆さんはやったわけですね。それに比べて通産省の予算は少ないんです。細切れの予算だけに、またさらにそれをさまざまな段階ごとにずたずたに切ることはないんじゃないか。何か大きなスキームの中にくくることができないんだろうかという希望が一つあります。
 それから、今申し上げましたように、決して予算が少ないから窓口を厳しくしているんじゃないんだろうと思いますけれども、例えば中小企業の人たちが窓口に行きますと、さまざまな書類をつくらなければならない。ましてや零細企業においては専門の職員を置いているわけではございませんので、そういう意味ではもう少し簡素化ができないだろうかという要望も実はございます。
 これらについて、これからの施策の中で改善の余地があるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#63
○政府委員(牧野力君) 委員の御指摘、大変私ども理解をいたしますし、相当自戒をしなきゃいけないというふうに思っております。
 ただ、弁解ではございませんけれども、この新規事業の育成、まず研究開発段階、事業化段階、それぞれやはり見る観点が違いますし、それを見る職員の能力なりなんなりも違ったものが要求されますので、いろいろな窓口があるということについては御理解をいただきたい。
 ただ、私どもとしましても、せっかくこういう制度があるわけで、ねらいはベンチャーが成功することでございますから、これをいかに窓口を一本化といいますか使いたい人に便宜よく使っていただき、かつ次の段階には何があるかということを十分に承知していただく、こういうシステムをつくっていくことが非常に大事だというふうに思っております。
 そういうことで、私ども各通産局ごとに新規事業施策の一元的窓口を設置いたしまして、そこに行けば、まず初めの段階はどこに行きなさい、どういうことができます、次の事業化段階にはここへ行けばこうなりますということをすべてわかるように、あるいはそこに対していろいろ教えてあげるように、そういう制度を今つくっておりますけれども、これをもっと拡充といいますか充実してまいりたいというふうに思っております。
 それから、もう一つの簡素化でございますが、これはおっしゃるとおりでございまして、現在産業整備機関でございますとか、ベンチャーエンタープライスセンターでございますとか各通産局いろいろございますけれども、できるだけ書式その他につきましては簡素化いたしまして、とにかく使っていただく方々を第一に考えて対応してまいりたいというふうに思っております。
#64
○前川忠夫君 ぜひ、せっかくさまざまな努力をしていただいているわけですから、受ける側がよかったと言われるような仕組みにひとつ工夫をしていただきたいと思います。
 次に、FAZに関連をしてちょっとお聞きをしたいと思いますが、前回この法律が制定される際に議論があったときに、たしか港湾事業者の皆さん方やあるいは港湾で働いている労働者の皆さん方から、特にこの問題に関連をして雇用の問題ですとかあるいは仕事、職場、職域が失われるんじゃないかといったような議論が前回の法制定の際にあったと思います。その際に、当時の参議院の商工委員会で附帯決議がたしかつけられていたと思うんです。
 今回も特定集積地区を指定するということになってまいりますと、特に輸入を促進するということから考えれば、私ども常識的に考えれば港であるとかあるいは空港であるとかということになるんだろうと思うんですが、今度の場合には必ずしもそれが限定をされていないということになると、前回議論になった点がまた再び心配になるという点が実はございますので、前回附帯決議に盛られた事項について改めてもう一度実効措置を高めていただきたいということをひとつ要望したいわけですけれども、これについてもし御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
#65
○政府委員(広瀬勝貞君) 委員御指摘のFAZ法立法時点、これは平成四年の三月でございますけれども、このときに御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしましてFAZ法の施行に当たってまいりました。これからもこの立法時の附帯決議を十分に尊重して法の施行を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから、特に関係者の意見をよく聞いてということでございましたけれども、これにつきましてはFAZ法四条に基づく地域輸入促進指針の中に、地域輸入促進計画の作成に当たっては関係者の意見に十分配慮するように努力すべきだということを明定する方向で関係省庁と調整をしてまいりたいというふうに考えております。
#66
○前川忠夫君 今の問題は通産省だけではなくて運輸省にもかかわる問題ですので、ぜひ今申し上げた趣旨を御理解いただいて、指針の中にその趣旨を生かせるような工夫をひとつしていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 時間がありませんので、最後に繊度法の問題についてお考えをお聞かせいただきたいと思うんですが、確かに今度の提起をされておりますいわゆるクイックレスポンス、QR、これは例えば大手の企業とか産業ではもう大分進んでいるんですね。むしろ、なぜ今まで繊維産業ではやらなかったんだろうか。かなり長期間、製品の流通段階も含めましてむだがあった。しかも、お聞きをしていますと、中間マージンといいますか、非常にほかの産業に比べるとマージン率が高いというふうにもお聞きをしています。
 私、ある意味ではこういうことは当然だろうというふうに思うんですが、ただ実は心配をしていますのは、これは大臣も御存じだと思いますけれども、非常に繊維の場合には中小零細企業というのが多いんです。これは糸屋さんからずっと始まりまして、最終的な販売、流通の段階も含めまして非常に小さいところが多いわけです。果たしてそういうところが新しいこういうソフトを利用するだけの、一つは機械化の問題もありますね、ハードの問題。それから、そういうものを使いこなしていくという人の問題もあります。そういう問題を含めて対応できるんだろうか。そういうシステムの開発をしていただくことは大いに結構なんですが、一番利用しなければならない、あるいは利用してほしい人たちが本当に利用できるんだろうかという心配も一つはあるんです。
 したがって、それらに対する支援というものもやはりやっていかないと、結局は今繊維産業は海外からさまざまな安いものがどんどん流れ込んできて、まさにじり貧になるということになりかねないと思うんです。繊維産業そのものについても、新しい繊維法やあるいは新繊維ビジョンに流れる発想というのは、国際的な競争の中で勝ち抜いていこうという発想がもしあるとするならば、中小零細のところにこそまず目を向けて、どうそれを乗り越えていくのか、この辺の視点をまず大事にしてやっていくことが私は繊維産業にとって今一番望まれていることなんじゃないかというような感じがいたしますので、これは関係の局、あるいは最後にできれば大臣から決意を含めてお聞かせをいただければというふうに思います。
#67
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今委員が持たれたような懸念というものは非常に大事な視点であることは全く否定いたしません。と申しますよりも、通産省自身でも、中小の皆さんにとって使いやすい機器の開発でありシステムであることが大事である、そこを欠いた場合にはむしろマイナスになりかねない懸念がある、そうした認識を持っております。
 それだけに、今回の繊維産業革新基盤整備事業と申しますものの中で安価なハード及びソフトの開発と提供ということを目標にいたしておりますのと同時に、特に中小企業でも扱いやすいソフト及びハードを提供するという観点から、開発段階で実際にユーザーが試していただく、試用していただく、そしてその問題点などを開発される方々に対してフィードバックしていく、そうした実証式実験を行おうとしております。そうしたことをやってみれば、実際に中小企業の方々が十分使いやすいソフト及びハードが提供できる状態が生まれると考えておりますし、同時にフィードバックを行う過程で私は人材も育っていくと思っております。
 こうした努力を重ねてまいりますし、今日まで繊維法に基づいて大臣承認を受けております十その情報化グループを構成する企業を見てみますと、その約八割を中小企業が占めておるという実態もございます。
 御注意をいただきましたような点を十分に踏まえて取り組んでまいりたい、そのように思います。
#68
○前川忠夫君 ありがとうございました。
#69
○山下芳生君 大阪のアジア太平洋トレードセンター、ATCについて聞きます。
 なぜATCかといいますと、先ほどの答弁にもあったとおり、全国で唯一総合保税地域の指定を受けた、いわば全国で最も条件の整った施設、民活法、FAZ法の典型施設だからであります。
 ATCの総事業費は一千五百億円、資本金二百二十一億円のうち三分の一を大阪市が出資している第三セクターです。大阪市のパンフレットによりますとATCは、「アジア・太平洋地域をはじめ、世界の商品を取り扱う世界最大規模の国際卸売センター。わが国初の総合保税地域の指定を受け、輸入の促進に貢献、世界市場と直結できる国際卸売マートです。」とあります。
 地元なので、先日改めて現状を調査しましたが、本当に驚きました。ATCの中核施設というのは国際卸売マートです。この国際卸売マートは、当初四百店の出店を見込んで建設されましたけれども、昨年四月のオープン時には百六十四店、四割しか埋まらなかったんです。一年たったことしの三月までに新たな出店が二十ありましたけれども、逆に退席が二十五あったために入居率はいまだ四割のままであります。地上十二階建ての巨大な建物の六階から八階までは入居がいまだにゼロで、閉鎖された状況であります。ほかの階もテナントはがらがらで歯抜け状態。廊下を歩きましたけれども、空っぽのテナントルームからその窓を通じて外の景色がよく見える、こういう現状なんです。
 案内してくれたATCの総務部長さん、大阪市から出向された方ですが、こうおっしゃっています。全国から注目されて随分見学に来るが、率直に言って苦戦している。いろいろ努力しているがテナントが埋まるめどはない。そういう中を案内いただいたわけですから、私は本当に気の毒になりました。結局、初年度決算では五十五億円赤字が出ております。
 そこで、大阪市はこの十月からATCの中で新規事業を開始しています。敷金六億円、テナント料二億円、内装五億円、計十三億円の予算をかけて輸入住宅促進センターを開設いたしました。まさにタコが足を食う式の身内入居、事実上の大阪市による赤字補てんです。
 入居した各テナントの方々がどうなっているか。先月、衣料品やかばんの輸入卸売業者の方々が賃貸料を下げよと裁判所に調停を申請しました。理由は、ATCがテナント入居率を引き上げようとせず、集客の努力も怠っているために、経営改善のめどが立たないというものであります。入居した業者の経営も大変で、こうしたトラブルが起こっているわけです。
 地域の商店街や小売市場はどうかと申しますと、今大阪市の経済局などが音頭をとって、商店街や小売市場がATCで輸入品を仕入れて自分の店で販売する海外直送びっくり市というのを計画しているんですが、しかし地元の小売店主の皆さんからは、この不況で自分の店の商品も売れぬのに何でやという反発の声も出ているわけです。
 そこで、お尋ねしますけれども、一九八六年、当時の渡辺美智雄通産大臣は民活法の提案理由の中で、「このような施設の整備は、現下の内需拡大の要請にこたえ、地域経済社会の活性化を図る上でも極めて重要であります。」と言っています。地域経済の活性化を図るはずだった民活施設、しかも典型的施設がなぜこんな状況になっているのか、見解を求めます。
#70
○政府委員(広瀬勝貞君) 大阪のATCにつきまして幾つか数字を挙げてお話がございました。
 初めに入居率の件でございますけれども、御承知のとおり、これは平成六年四月に開業をしたものでございます。既に百五十八社の企業が入居されておるわけでございまして、四割しか入っていないということでございますけれども、むしろ私どもは既にして四割も入っておるか、これからもどんどん入ってもらえるんじゃないかというふうに期待をしているところでございます。
 それから、決算につきましてお話がございました。平成六年開業、平成六年度五十五億円の赤字というお話でございました。これはもう委員御承知のとおりでございますけれども、およそこういう大きなプロジェクトで行います場合に、単年度で黒字に転換するというのは大体五年ぐらいたったときからということでございまして、開業早々その年に五十五億円の赤字だったということが大きな問題かということにはやや議論があるのではないかというふうに思います。
 いずれにしましても、もう少し順調にいったらそれはそれにこしたことがないわけでございますけれども、幾つか理由がございます。
 一つは、大阪市の分析でございますけれども、大阪の都心どここを二十分で結ぶはずだった大阪の地下鉄中央線延伸というのが平成七年度末で行われるはずだったわけですけれども、これが九年度末までに延期されたということ。それから、不況が長引いておるというようなことが理由として挙げられると思います。この交通事情も今後おいおい整備されていくと思いますし、それから大阪市自身が輸入住宅や輸入部材の関係事業をここでやるというようなことも言われておりまして、今後、引き続き入居率は改善していくのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#71
○山下芳生君 最初から黒字は無理だというふうにおっしゃるわけですけれども、これは本当に重大だというふうに思うわけです。
 それから、大阪市の説明が地下鉄の延伸が大きな影響になっているということだったわけですが、もともと地下鉄の延伸は平成七年度末の予定だったわけですから、開業時には地下鉄は延びてなかったはずですので、それも理由にするというのはおかしいというふうに思うわけです。
 そもそも民活法というのは、主務大臣が特定施設ごとに基本指針を定める、そしてみずから定めた基本指針に基づいて事業者が提出した整備計画を認定する仕組みになっている。つまり、一つ一つのプロジェクトはすべて大臣が認定したものであります。責任があると思うんですね。しかも、大臣に認定された事業者は各種の助成措置が受けられることになります。
 ATCが民活法に基づいて受けた民活補助金、日本開発銀行等の特利融資、それからNTTの無利子融資の額がそれぞれ幾らになるのか教えてください。
#72
○政府委員(牧野力君) 端的にお答え申し上げますと、民活の補助金が十九億円、これは交付をいたしております。それから融資でございますが、NTT無利子融資及び開銀融資を含めましてこれは四百五十億円の融資の推薦を開銀に対して行ったところでございます。実行がどうなったかということは私ども知り得る立場にございません、開銀とATCとのいわば個別の関係でございますが、私どもとしては四百五十億円の融資の推薦を行っております。
#73
○山下芳生君 今お答えにあったとおり、民活補助金が十九億円、大阪市も同程度負担をされているはずですから、莫大な額であります。それ以外に税制上の特例措置もあります。
 いずれにしても、国民や市民の税金がこうして使われているわけで、それだけ注ぎながら事業が初年度赤字になって破綻をしている。ATC一つでこれだけですから大変なことだというふうに思うわけです。ほかにも大阪市にはWTC、大阪府にはりんくうゲートタワービルなど、いずれもうまくいっていないプロジェクトがあるわけです。これらが自治体の財政を圧迫しているということも見なければならないというふうに思います。
 大阪府の府債は八六年から八八年度おおむね一兆三千億円だったのが九五年度には二兆五千二十億円に、約二倍に膨れ上がりました。大阪市の市債は八八年度八千九百六十九億円だったのが九五年度一兆三千七百十七億円、一・五倍に膨れ上がっています。
 こうした中で、大阪市の九五年度予算案に対して、マスコミからも従来の大規模プロジェクトを大胆に見直すなどの発想の転換が求められているなどの声が上がっています。また、工業統計の数値を見ても、御承知のとおり近畿、大阪の経済というのが全国よりも落ち込みが激しいというのは数字にもあらわれているとおりです。この点でも、総額四十兆円にも上るビッグプロジェクトがメジロ押しの近畿だが地元経済への波及効果はいま一つのようだ、本来ならこうしたプロジェクトが近畿経済を活性化させ経済指標も上向くはずなのに現実は逆、などの指摘があります。
 民活プロジェクトが地域経済の活性化を招くどころか冷え込みを招いている。破綻のツケが自治体に回され財政を圧迫し、住民の福祉の向上や安全な町づくりを進める支障になっている。結局もうかったのは工事を請け負ったゼネコンだけ。こういうやり方に対する真剣な自己検討と転換が必要ではないかと思うんです。大臣の御見解を伺いたいと思います。
#74
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年、私自身ATCで開催されました第一回のアジア・太平洋国際貿易見本市に出席をさせていただきました。このとき、十八の国と地域からなりますAPECの中、十六の国と地域から二百六十の会社あるいは機関が見本市に参加されて、商談の成功件数は私どもが把握をいたしているだけでも三千六百十八件を数えました。私は、ATCは一つの例でありますけれども、数多くの意義の深いプロジェクトを推進してこられておりまして、国際経済交流の促進に寄与するといったFAZ法及び民活法の法目的に十分寄与してこられたことは間違いないものだと思っております。
 たまたま入居率の問題が先ほど委員から提起をされておりましたが、北海道のインポートマート、これは今一〇〇%と聞いておりますし、神戸のFAZ地域で震災のあった後におきましても七三・八%、あるいは長崎空港のFAZ施設の場合に九七・九%といった数字も報告をされておるわけでありまして、私は、FAZ法、民活法、それぞれの中において、このATCを含めましてそれぞれに役割を果たしてくれておると考えております。
#75
○山下芳生君 うまくいっている、テナントの入居が進んでいる例をお挙げになりましたけれども、本当に全国で唯一総合保税地域に指定されているそういう施設がこういう状況になっているという、この点でのしっかりとした責任を認識する必要があるというふうに思うわけです。
 時間が来ましたので、最後に繊維産業法案について一言だけお伺いをします。
 繊維産業の川上から川下までを情報ネットワークで結んで、需要に応じた生産、流通、販売のシステムをつくることを目指した前回法改正以降の施策というのは、繊維政策の一つの方向とも言えると思います。政府はこの施策に、中小零細企業が非常に多い今の日本の繊維産業の実態を踏まえて、圧倒的多数の繊維関連中小企業が参加できるようにするために具体的にどんな配慮をされているのかあるいはしようとしているのか、お答え願います。
#76
○政府委員(中野正孝君) 先ほども御議論ございましたが、繊維工業約十二万社ございますが、この中でいわゆる大企業というカテゴリーに分類されるのはわずか百六十社でございます。九九・九%中小企業でございまして、私どもも、この繊維の構造改善、情報化は中小企業の振興、支援そのものだ、こういう認識を持っておるわけでございます。
 先ほど大臣からもお答えございましたけれども、今回の情報化支援事業におきましては、中小企業の方、従業員の方でもコンピューターというものを意識しないで業務に使える、こういうような易しいソフトや取り扱いの簡単なハードウエア、こういうことの開発を目指しておりまして、予算の一部でも中小零細の方にこれを無償で貸与いたしまして使っていただく、問題を指摘していただく、こういうような仕組みで開発を進めたいと思っておりますし、あわせて県とも連携いたしまして、あるいは財団法人の活動もございます、もろもろの活動を通じまして情報化の人材というようなことの涵養ということも意識しながらきめ細かく進めてまいりたいと思っております。
#77
○山下芳生君 終わります。
#78
○小島慶三君 私、余り持ち時間ございませんので、ごく簡単に二、三問お伺いしたいと思います。
 最初に、今度の民活法で対象がリサイクル施設それから大規模スタジアムというふうに指定されておりますが、この具体的な中身、ちょっとイメージが浮かびませんので具体的な中身。それから、今後どういうプロジェクトが出てきて、またどういうふうな新しい産業が誘致されるのか、誘発されるのか、その辺お伺いしたいと思います。
#79
○政府委員(鈴木孝男君) リサイクル施設につきましてお答えいたします。
 今年六月にも成立いたしました容器包装リサイクル法の制定に見られますように、国民各層にごみの減量化、リサイクルの必要性に対する認識が高まっておりますが、このような背景の中で、民間事業者の間におきましてもリサイクル施設の整備に対するニーズが強まっているものと理解しております。
 今回、民活法の対象施設にリサイクル施設を追加することによりまして、具体的には、これまで整備実例の少なかったPETボトルのリサイクル施設あるいは都市ごみの焼却灰を利用いたしましたエコセメント・リサイクルプラント、そういったような施設の整備につきまして推進を図ってまいりたいと思っておりますが、これによりまして新たなリサイクル分野が開拓され、ひいては新たなリサイクル装置の製造事業、リサイクルが容易な製品を供給する事業などに関連いたしました新規事業が育成されるものではないかと思っております。
 このリサイクル関連分野は、昨年の産業構造審議会基本問題小委員会の報告におきましても今後成長が期待される十二分野の一つとされております環境関連分野、この分野を支える大きな柱でございますので、内需型新産業の一つといたしましてリサイクル分野の新規事業を育成、振興することによりまして我が国経済の発展に大きく寄与してまいりたいと思っております。
#80
○政府委員(大宮正君) それでは、私の方から大規模スタジアムについてお答えいたします。
 民間事業者の能力を活用しつつ大規模スタジアムを整備しようといういわゆる第三セクターのプロジェクトは、神奈川県の川崎市それから静岡県の浜北市等におきまして、いわゆるサッカー場でございますけれども、こういったものが具体的に計画をされているところでございます。
 また、大規模スタジアムの整備は、昨年の産業構造審議会基本問題小委員会、今お話ありましたけれども、成長が期待されるものとして報告された十二分野の一つ、生活文化関連分野のスポーツ関連産業の成長にも大きく資するものと、こういうふうに考えております。
 具体的には、こういったスタジアムを使いまして、スポーツイベントの開催により新しいイベント事業活動が誘発されるほか、スポーツ関連用品とか用具製造業の育成など我が国経済社会への大きな波及効果をもたらすものと、こういうふうに考えております。また、地域的にも各種スポーツイベントに附属した飲食、物販、各種関連サービスの振興も図られるなど、地域経済、産業への波及効果も期待されるところである、こういうふうに考えております。
#81
○小島慶三君 このプロジェクトの決定の仕方とかいろいろ問題はあると思うんですけれども、次に移ります。
 私、今度のストックオプションの制度というのはいい人材を集めるために大変おもしろい制度だと思っておりますが、いわゆるオプションを行使する段階になりますといわば無償増資のような形になるわけだと思うんですが、その場合、株主間の平等といったような情報上の原則とかいろいろそういう点、完全にクリアされておりますでしょうかお伺いしたいと思います。
#82
○政府委員(牧野力君) この制度を導入することは画期的であると私どもは思っておりますが、日本の場合、アメリカと違いまして必ずしもハイリスク・ハイリターン、株主の自己責任というのが一般的に定着しているわけではございません。むしろ、株主間の平等とか株主の利益保護ということに非常に留意しなければいけない、こういうことは今委員御指摘のとおりでございます。
 そこで、ストックオプションの導入につきましても、先般来御説明申し上げておりますように、新規事業法の認定事業者ということに限定をいたしますとともに、さらに株主問の平等や一般株主の利益の保護の観点から、例えば新株発行を受ける音ごとにその理由を開示することにいたしまして十分に判断材料を提供した上で株主総会の特別決議にかける、こういうことが一つでございます。
 それから、決議後に株式を取得した一般株主の利益を保護するために、認定の事業者に対しまして、定款や株券に新規事業法により新株の発行ができるそういった旨の記載や、決議に関する書面の通産省への提出、書面の公衆への縦覧等を行わしめるということをしておりますとともに、さらに通産省におきましても、決議に関する書面の官報への公示あるいはその書面の公衆への縦覧等を行いまして、情報開示のためのいわゆるディスクロージャーを十分に行って株主の平等、一般株主の利益の保護を図るということで株主の不平等を来さないような歯どめを、いわゆるこの制度に対して十分な歯どめをかけていきたいというふうに考えています。
#83
○小島慶三君 その辺の配慮をひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、この制度の適用を受けた者はオプションの行使という段階になりますと、これは大変に高額の所得税といいますか、そういうものが課されるということになる危険性がある、私はそういうふうに心配しておりますけれども、アメリカあたりではそういった段階でかなり影響の軽減措置というものがとられているように承っておりますが、これは大蔵省にお伺いした方がいいのかもしれませんが、この辺はどういうふうにお考えになりますか。
#84
○説明員(木村幸俊君) 委員御質問の、まず米国においてストックオプション制度の課税がどうなっているかということだと思いますが、米国のストックオプションに関しましては、例えば一年間に行使できるオプションの額を十万ドルに限るとか、それからオプションは付与後十年以内のみ行使することができる等、一定の要件を満たすものにつきましてのみそれを受け取った者がオプションの付与時及び行使時においては課税されず、株式の売却時に譲渡益課税される制度となっております。
 また、これら要件を満たさないストックオプションでございますが、それにつきましては、一般的にそれを受け取った者はオプションの行使時に通常所得として課税され、またその株式の譲渡時におきましては譲渡益課税として課税されるものと承知しております。
#85
○小島慶三君 仏つくって魂入れずということもございますので、その辺のことは十分にお考えいただいて、両省間でこの問題についての何らかの解決といいますか、そういったものを希望いたしまして、私の質問はこれで終わります。
#86
○委員長(沓掛哲男君) 他に御発言もないようですから、両案の質疑は終局したものと認めます。
 これより両案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#87
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、バブル経済の崩壊、不況の長期化と異常円高で、その破綻が明白になった民活プロジェクトについて、対象事業を拡大するとともに、大企業への支援策を拡充することは、地方自治体の負担と住民の犠牲を一層拡大し、地域経済を困難に陥れるからであります。
 大阪の実態を例に、質問の中で明らかにしたように、一九八六年に民活法を制定して以来、毎年のように対象事業の拡大、助成措置の拡充を図ってきましたが、いずれも大手ゼネコンや一部の大企業をもうけさせただけで、建設費の返済ところか施設周辺の基盤整備費も含めて地方自治体の大変な財政負担になっており、今回の法改正はこの矛盾を一層深刻化するものであります。
 反対理由の第二は、民活・FAZ施設の整備促進が特定施設の乱立と地域間競争をあおり、浪費を拡大して、必要な生活基盤整備もおくらせ、地域の振興には役立たないからであります。
 反対理由の第三は、ストックオプション制度導入によるベンチャー企業支援策が大企業や大きな銀行、商社、証券会社の利益確保に使われるだけでなく、場合によってはリクルート事件再発の温床ともなりかねない危惧があるからであります。
 日本共産党は、中小企業が技術開発力や経営能力を高めて成長、発展することを大いに歓迎しますし、そのために政府が必要な対策を実施することは重要であると考えるものであります。
 しかし、法改正によるストックオプションの導入は、単なるベンチャー企業の支援ではなく、例えば新規事業投資株式会社への出資者や役員の構成、ベンチャーキャピタルの投資の実態、あるいは大企業が分社化や新会社の設立、関係会社の株式公開を進めている現状を踏まえれば、関連大企業に巨額のキャピタルゲインを保証するものであることは明白であります。
 本法案の問題点はこれに尽きるものではありませんが、主要な問題点を指摘して反対討論を終わります。
#88
○委員長(沓掛哲男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(沓掛哲男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 荒木清寛君から発言を求められておりますので、これを許します。荒木君。
#90
○荒木清寛君 私は、ただいま可決されました新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、平成会、日本社会党・護憲民主連合及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    新たな事業活動の促進のための関係法律
    の整備に関する法律案に対する附帯決議
    (案)
  政府は、本法施行が真に実効性あるものとな
 るよう、税制上の措置を含めた支援策の一層の
 充実に努めることとし、次の諸点につき適切な
 措置を講ずべきである。
 一 民活法に基づく特定施設の整備について
  は、地域及び民間事業者のニーズと事業の実
  態に即し、かつ利用者の利便に配慮した効果
  的な支援を行うとともに、地域の基盤整備の
  一体的推進を図る観点から、地方公共団体及
  び関係行政機関との連携を一層強化するこ
  と。
   なお、阪神・淡路大震災地域における復興
  の一層の促進を図るため、当該地域に係る復
  興プロジェクトとしての対象施設の整備事
  業については、特段の支援措置を講ずるこ
  と。
 二 新規事業法に基づくストックオプション制
  度を有効に機能させるため、制度の啓発・普
  反に努めること。関連支援措置の運用に当
  たっては柔軟に対応するとともに、新規事業
  の実施計画の認定手続の簡素化・迅速化に努
  めること。
   知的財産権の担保化については、その評価
  方法について鋭意検討するほか、ベンチャー
  ビジネスに対する民間投融資の促進方策を広
  く検討していくよう努めること。
 三 輸入・対内投資法に基づく輸入促進措置を
  効果的に推進する観点から、総合保税地域制
  度の有効活用を図るための運用の緩和に努め
  るとともに、植物防疫、動物検疫等の検疫手
  続や通関手続等における体制の一層の整備に
  努めること。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#91
○委員長(沓掛哲男君) ただいま荒木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#92
○委員長(沓掛哲男君) 多数と認めます。よって、荒木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本通商産業大臣。
#93
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。
#94
○委員長(沓掛哲男君) 次に、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(沓掛哲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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