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1995/12/01 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 宗教法人等に関する特別委員会 第7号
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1995/12/01 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 宗教法人等に関する特別委員会 第7号

#1
第134回国会 宗教法人等に関する特別委員会 第7号
平成七年十二月一日(金曜日)
   午前零時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     太田 豊秋君     真鍋 賢二君
     猪熊 重二君     平野 貞夫君
     大森 礼子君     益田 洋介君
     都築  譲君     和田 洋子君
     阿部 幸代君     筆坂 秀世君
     椎名 素夫君     本岡 昭次君
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                上杉 光弘君
                関根 則之君
                松浦  功君
                白浜 一良君
                平井 卓志君
                渕上 貞雄君
                有働 正治君
    委 員
                尾辻 秀久君
                太田 豊秋君
                鎌田 要人君
                久世 公堯君
                小山 孝雄君
                下稲葉耕吉君
                坪井 一宇君
                中島 眞人君
                楢崎 泰昌君
                服部三男雄君
                保坂 三蔵君
                真鍋 賢二君
                村上 正邦君
                荒木 清寛君
                猪熊 重二君
                魚住裕一郎君
                大森 礼子君
                釘宮  磐君
                都築  譲君
                直嶋 正行君
                平野 貞夫君
                益田 洋介君
                山下 栄一君
                和田 洋子君
                伊藤 基隆君
                齋藤  勁君
                竹村 泰子君
                前川 忠夫君
                阿部 幸代君
                筆坂 秀世君
                椎名 素夫君
                本岡 昭次君
                国井 正幸君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  宮澤  弘君
       大 蔵 大 臣  武村 正義君
       文 部 大 臣  島村 宜伸君
       自 治 大 臣
       会委員長)    深谷 隆司君
       国 務 大 臣  野坂 浩賢君
   政府委員
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       附閣法制局第一
       部長       津野  修君
       内閣法制局第二  秋山  收君
       官房       山本 博一君
       警察庁生活安全
       局長       中田 恒夫君
       警察庁刑事局長  野田  健君
       警察庁警備局長  杉田 和博君
       法務大臣官房長  原田 明夫君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省刑事局長  則定  衛君
       法務省人権擁護
       局長       大藤  敏君
       公安調査庁長官  杉原 弘泰君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       国税庁次長    若林 勝三君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     辻村 哲夫君
       文部省初等中等
       教育局長     井上 孝美君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文化庁次長    小野 元之君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省行政局選  谷合 靖夫君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
       消防庁長官    秋本 敏文君
   事務局側
       補任委員会専門
       員        青柳  徹君
   法制局側
       法 制 局 長  田島 信威君
   説明員
       宮内庁長官官房
       審議官      伊原 正躬君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○公聴会開会承認要求に関する件
○宗教法人法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十一月三十日、小島慶三君が委員を辞任され、その補欠として国井正幸君が選任されました。
#3
○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 宗教法人法の一部を改正する法律案の審査のため、十二月四日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#6
○委員長(倉田寛之君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 宗教法人法の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、十二月五日、一日間、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#9
○委員長(倉田寛之君) 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 宗教法人法の一部を改正する法律案の審査のため、十二月六日午前十時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午前十時に再開することとし、休憩いたします。
   午前零時四十八分休憩
   午前十時二分開会
#12
○委員長(倉田寛之君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、太田豊秋君、猪熊重二君、大森礼子君、阿部幸代君及び椎名素夫君が委員を辞任され、その補欠として真鍋賢二君、平野貞夫君、益田洋介君、筆坂秀世君及び本岡昭次君が選任されました。
#13
○委員長(倉田寛之君) 宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○小山孝雄君 おはようございます。
 まず、本論に入る前にぜひ申し上げたいことがあります。それは、参考人の招致をめぐりましてのこの数日間のことでございます。
 与野党の協議につきましては、昨夜遅く、この八日までの道筋がつけられたわけでございますけれども、その内容につきましては、諸先輩方が大変御努力をなさってようやっと得た結論でございますので、あえて私見は申し上げませんけれども、しかしその過程において大変残念なことがありました。
 それは、十一月二十八日夜の佐々木満前委員長を初め理事各位を参議院会館の委員長室に長時間にわたって監禁した事件が起こったということであります。それも、実行部隊になったのは本院の議員ではなく、多くは衆議院から来た議員、そしてまたその関係者であったということであります。あえて政党は申しませんが、そういう事実があったことは大変残念なきわみであります。
 さらに、一昨日以来、きょうは傍聴人は一人もおりませんけれども、傍若無人にも多くの衆議院議員が傍聴と称して本委員会になだれ込んで、無礼にも一般国民のための傍聴席、そしてまたマスコミの諸君の席を占領して、やじや怒号を発して神聖な国会審議を再三にわたってとめたこと、そんな暴挙を厳しく糾弾しなければならないと思います。
 長い長い参議院の歴史においても、よその院からかくもこの参議院、本院がじゅうりんされたことはかつてなかったことであります。まさしくあのような行為は、これは称して院外団と言うのでありますが、この院外団的な暴挙であり、断じて許されるところではなく、国民の間からも強い批判の声がほうはいとして起こっております。
 きょうの読売新聞には、「議員や秘書を大量動員しての二十八日夜の委員会開会阻止行動はこ「新進党にとって創価学会、とりわけ池田氏の存在がいかに大きいかを国民に印象づける結果になった。」と書いております。私はあの状態を、一人の本院の議員として本当に残念きわまるものがあるのでございます。国民は今、本委員会の審議の行方に本当に注目をしております。本委員会の論議を実り多いものにするためにも、私たちの要請する参考人の御出席を切にお願いするものであり、私もまた委員の一人としてその責務の重大さを痛感しつつ、この責務を果たしたいと思うわけでございます。
 さらにまた、きょうの毎日新聞の一面には、委員長、こういう写真が載っております。(資料を示す)これは、しかもその下の絵解きが、「参院宗教法人特別委員会に押し掛けこ、ここまではいいんですが、「平成会の議員とどなり合う自民党議員」と、こう書いております。これは間違いであります。毎日新聞に本席をかりて強く抗議するものでありまして、押しかけてきたのは衆議院議員であります。そのことを強く強く抗議するものであります。
 こうした事態、委員長、どのように受けとめられましたですか。先にお伺いをいたしたいと思います。
#15
○委員長(倉田寛之君) 小山君のただいまの発言は受けとめさせていただきます。
#16
○小山孝雄君 はい、ありがとうございます。
 さらに、私は大変残念な記事も見ました。朝日新聞の社会面に「女性議員ハイヒールで武装」、こう書いております。「委員会室では、新進党議員らにこ「「作戦」が伝わっていた。高市早苗代議士には「所定の位置で思い切り悲鳴を上げるように」など指示。畑恵参院議員」、きょうお見えですかな、「「あたし、大久保(直彦)先生(平成会会長)のおっしゃる通り、一番とがってるのをはいてきたの」と、つま先の鋭いハイヒールを同僚に見せていた。」、こんなことまで書いてあります。このような悲しい現状、これをしっかりと、私もまだ議員になって四カ月でありますが、心にとめて、これからの議員活動に臨んでまいりたいと思うわけであります。
 それでは、本論に入ります。
 私は、憲法第二十条に関して御質問を申し上げますが、この問題につきましては既に同僚議員から段々の御質問があり、せんだっては政府統一見解を出す、こういうところまで進んでおります。したがって、私からは、その統一見解を出すに当たっての、こういう点に留意をしていただきたいということを申し上げさせていただくわけでございます。
 ここに一つの日本語を用意させていただきました。(資料を示す)四大臣、ひとつごらんをいただきたいのでございます。また法制局長官もごらんいただきたいのでございます。
 向かって左方から、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」とございます。この主語は何ですかと聞かれた場合に、だれもが「国及びその機関」、これが主語だと、こう答えるはずでございます。右の方、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」とございます。この主語は何になりますかと聞かれたときに何と答えるか。だれが見ても「宗教団体」と答えるんじゃないんでしょうか。素直に日本語を読んでひとつ統一見解の作業にお入りをいただきたい、心にとどめていただきたい。これが第一点でございます。
 そして、この「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と。その中身は、私は二つの意味が書いてあると思います。いかなる宗教団体も国から特権を受けてはならない。もう一つが、いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならない。この二つに、素直に日本語として読めばそうしか読めないのではなかろうかと私は思います。その点を第一点、ひとつ御留意をいただきたいのでございます。
 そして、この文章は、御案内のとおり、右方が憲法第二十条第一項の後段の規定でございます。左方が第三項でございます。素直に読めばまさしくそういう文章、日本語であると、こう理解できると思うんですが、これまでの政府答弁においては、そのような読み方を素直になさっていただけない、別の答えが返ってきているということを申し上げておきたいのでございます。
 したがって、政治上の権力を行使してはならない、その名あて人はだれかこれは素直に読めば宗教団体であると。特権を受けてはならない、政治上の権力を行使してはならない、その名あて人は宗教団体にほかならない。私は、一人の日本人として日本語を素直に読んだときそうとしか思えないわけでございます。どうかこの点を御留意願いたいのでございます。これは法制局長官、文理解釈からいってもそのようになるんじゃないかと、こう思うわけでございます。
 それから第二点は、これまでの政府解釈が、宗教団体が行ってはならないこと、これは公権力を使って布教活動をしたりあるいは他の宗教に介入をしたりすることはいけないんだと、これが第一点。そしてもう一点は、国または地方公共団体から正式な意味において権利を授けられて公権力を行使する、こういうことがあってはならないんだと、こういう解釈でございますが、果たして現代の日本において、宗教団体が地方公共団体または国から正式な意味において権利を授権するということは、これはあり得ない話じゃないんでしょうか。その点もしっかりとどめておいていただきたいのでございます。
 実質的に宗教団体が国及び地方公共団体から権利を授けられるなんという、それは荒唐無稽なことでありまして、あり得ないことを憲法は書いているんじゃないと私は思うんです。それは、形の上しゃなくて実質的に宗教団体が公権力を行使してはならないんだということがこの条文の解釈であろうと、私はこう思うわけであります。その点も心にとどめておいていただきたいのでございます。
 きょうは文部大臣、自治大臣、そして官房長官、橋本通産大臣、大蔵大臣、お見えいただいていますが、二党首の大臣におかれまして、そしてまた官房長官におかれましては、これからの作業においてぜひこの点をしっかりとどめておいていただきたい。このことをお願い申し上げる次第でございます。
 さらに、形の上しゃなくて実質的に政治、公権力を行使するということもこれがあるんだということ、これもとどめておいていただきたいわけでございます。
 政治上の権力を行使してはならないということは、たとえ法令などの正式の定めがなくとも実質的に宗教団体が公的な権力を行使することがあってはならないという意味をちゃんと踏んでいるんだ、これは論理解釈上からいってもそうじゃなかろうかと、こう思うわけでございます。
 それでは、実質的に宗教団体が公権力を行使するというのはどういうことを想定されるのかということを一つの事例を申し上げながらお尋ねするわけでございますが、仮定の話といたしまして、ここに例えば王仏冥台宗という宗教団体があったといたします。そして、その宗教団体が宗教上の理念を実現するためには政治上の権力を掌握する必要があるとしてつくられた党が王仏冥会党、そうした政党を使って公権力を行使していく。王仏冥合というのは、王法すなわち政治、王仏の仏は仏法、これは宗教、政治と宗教が微妙に一致することが正しい政治が行われるんだと、こういう理念に基づいてつくられた宗教であり、政党でございます。
 その政党が、国会で過半数を占め、政権を掌握し、その党首が総理大臣に指名された場合、果たしてどうなるかといった問題があります。今までの政府解釈は、そうなったとしても直ちには政教分離の原則には反しないという見解でございました。なぜかなれば、人物が別人格だから、別存在だからと、こういう見解でございました。
 しかし、私はこういうことを想定いたしました。その王仏冥台宗には、かつて総裁だったのでありますけれども、ある事件で社会的批判を浴び、今は総裁を辞任し名誉総裁をしている絶対的な最高指導者がいたといたします。
 絶対的最高指導者というのは、王仏冥台宗においても、王仏冥会党においても、ともに人事、財政、組織の全権を掌握してすべての信者と党員の上に君臨する存在と、こう想定をしていただきます。
 王仏冥会党は、その絶対的最高指導者の意向に忠実に運営されておりまして、それを批判する議員は党から除名される状態にあるといたします。そのため、大臣が政策判断を行う際に、その絶対的な最高指導者がいろいろと指示をし、大臣はそれに逆らうことができないわけでありますから、指示どおりに行政が行われる事態が生じた場合、果たしてこれが合憲と言えるのかどうか。
 昭和四十五年以来の政府答弁で、宗教団体と国政を担当することになった者とは法律的には別個の存在であると言っております。二十五年たった今でもちっとも変わっていないわけですが、しかし法律的には別個の存在であるとしても、この王仏冥台宗のように宗教団体と国政担当者とが実質的には一体となっている、そういう事態については昭和四十五年当時は想定していなかったはずでございます。したがって、こういう場合について新たに政府の解釈を示す必要が出てきているのじゃなかろうか、こう思うわけであります。
 ここで、法制局長官は法律家でございますから、どういう状態があるのか、そういう事例を申し上げてみますけれども、この絶対的な最高指導者というのは、先ほど申し上げましたように、王仏冥台宗も王仏冥会党も、ともにその人事、財政、組織、そのほかもろもろすべての実権を掌握しておるわけでございます。さらに、選挙に臨んでは、候補者の選考、選挙区の選定から始まって、選挙戦術、選挙後の政権の動向にまで口を出すお方でございます。宗教団体も政党も思うがままに操るわけでございます。
 時は千九百九十マル年マル月マル日、あすからは天下分け目の戦い、衆議院選挙が始まろうとしているところでございます。絶対的最高指導者は、王仏冥台宗の本部幹部会で全国各地から集まった県幹部と側近がひれ伏す中、どっかと一人大きな安楽いすにあぐらをかき、こんなことを話します。
 候補者にはたいしたのはいないかも知れないけどね。ゴーゴーでさ。ゴーゴー全員大勝利と、こういうことで行きましょう。もう淡々とね、余裕で、たいしたことないよ。
 ”大激戦、楽しく勝ちゆけ面白く、日本全土をあっと言わせろ”だよ。
 広島A区の甲藤乙夫。これ大変有名な博士。本当は衆議院なんかもったいなかった。あすこは原爆がおっこったからね。博士がいいだろうってさ。大丈夫だよ広島A区
 三重B区。前回おっこった奴さ。桂三枝、桂三枝と呼んでやんなくっちゃいけない。そういえば当選すんだよ。これからは名前の良い人を選ぼう、山田小作のような。
 東京よ、東京四苦八苦ってね。いつもそれこそ落ちてんだよ。布施博よ、俳優の、似てるのよ、名前も長いよ、六文字もあるよ。東京C区全然燃えないの。火事の後みたい
 神奈川D区の、西田丁、これ知らないね、余り。出身は農水省。ナニヨ、病院入ったほうがいいよ。衆議院という病院に。まだまだ激励の言葉が続くのですが、これぐらいにいたしますけれども、絶対的最高指導者は和歌もお詠みになります。「我が友が障魔に負けぬ大法戦、君ら戦え天下とるまで」、「邪悪なる自民四月を追い越して、仏の使いの友を讃む」、そして驚くことに、「政教の一致批判も何のその、勝利の凱歌に諸天は見つめむ」と政教一致を信者たちに呼びかけてはばからない。そういう状態も想定をしていただきたいのでございます。
 そしてまた、選挙後の組閣の際にも、労働大臣にはだれだれ、総務庁長官にはだれだれ、郵政大臣にはだれだれを任命せよと総理大臣に命じ、総理もそれに逆らえませんから、そのとおりに国務大臣を任命いたしたといたします。
 法律的には、形式の上では任命権はあくまで総理大臣にございますけれども、実質的な任命権はこの絶対的最高指導者が握っている場合でも、法律的に別個の存在、こういうことが果たして言えるのかどうかということをしっかり心にとどめていただきたいのでございます。
 官房長官、そして法制局長官、御感想をお聞かせください。
#17
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えします。
 憲法二十条に関する御質問といいますか御意見をちょうだいしました。従来からお話を申し上げておりますように、憲法制定時の金森国務相の発言、あるいは昭和六十三年に行いました大橋敏雄議員の質問主意書、そして春日一幸氏の質問、こういうようなことを十分検討はいたしております。しかし、憲法は他の法律よりもより重大でありますから、十分に検討する必要があろうと。
 おたくの方でも、きょうの新聞を見ますというと、なかなか相当の期間が必要ではないかというようにも情報が流れておりますが、憲法を十分に議論するためには相当な期間が必要であるということを私も答弁しております。
 小山先生の御意見は十分聴取をいたしましたので、それをも参考にして十分に勉強してまいりたいと、このように考えております。
#18
○政府委員(大出峻郎君) お話にありましたところのいわゆる実質的にはと、こういう関係の問題でございますけれども、これはその趣旨は、宗教団体が公職の候補者を推薦し、または支持した結果、これらの者が公職に就任をして国政を担当するに至ることを指す、そういうふうに理解をされるわけであります。仮にそのような状態が生じたといたしましても、当該宗教団体と国政を担当することとなった者とは、これは委員もたびたび御指摘されておりましたように、法律的には別個の存在である。事実上の問題はともかくといたしまして、法律的には別個の存在である。宗教団体が政治上の権力を行使しているということには法律的にはならないというふうに理解をされるわけであります。
 そういうことで、憲法二十条一項後段違反の問題というのは生じないというふうに従来も考えてきているところであります。
#19
○小山孝雄君 昭和二十一年の憲法制定議会における議事録の中に法制局長官が今お答えになられましたことが書いてあるわけでございますが、その政府見解に引用されております金森国務大臣の御答弁の前段にこういうことが書いてございます。これはほとんど今までも引用されておりません。「宗教団体其ノモノガ政党二加ハルト云フコトガアリ得ルカドウカハ遽カニ断言出来マセヌケレドモこということを前置きをしまして、宗教団体が国及び地方公共団体から公権力を正式に授けられて行使することはいけないんだ、こういう答えが後に出てくるわけでございます。
 今、私が申し上げましたのは仮定の話でございますけれども、これは現実に起こり得る事態だと私は思います。政府統一見解をお出しになられるに当たって、どうかひとつこのこともしっかり御留意を願いたい、このように強く要望するわけでございます。
 私は仮定の話として申し上げておりますけれども、この点に関しまして、文部大臣、自治大臣、そして橋本大臣、御感想をお聞かせください。
#20
○国務大臣(島村宜伸君) 憲法二十条の「政治上の権力」とは、一般的に、国または地方公共団体に独占されている統治的な権力を指すと考えられるわけであります。したがいまして、この規定は、宗教団体がこのような統治的な権力を行使することを禁止しているものでありまして、この禁止に違反すれば当然憲法違反となると、こう理解いたしております。
#21
○国務大臣(深谷隆司君) 憲法解釈につきましては、総理大臣が今まで申し上げていたことと同じ立場をとります。
 しかし、このたび官房長官が統一見解をまとめ上げられるということでございますので、私は内閣の一員として私なりの考え方もその折に申し上げさせていただきたいと考えております。
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、自治大臣・国家公安委員長が述べられましたのと同様のことを私もお答え申し上げたいと思っておりました。現時点において、私どもは閣僚の一員として、内閣の代表である総理、また法制局長官の述べられた見解を受け、その範囲にとどまる、それが我々の務めであろうと思います。
 しかし、統一見解を作成するに当たりまして、さまざまな立場から当然閣内においての議論もいたすわけでありまして、そうした中での調整をする過程における議論、そこで自分たちの意見をそれぞれまとめていく努力をしていきたい、そのように思います。
#23
○小山孝雄君 ちょうど今、大蔵大臣またお座りになられましたので、私が前段で申し上げました政治と宗教の分離の問題、そして、こういう状態も想定されます、こう仮定の話を申し上げましたけれども、そういったことに関しまして御感想をお聞かせください。
   〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
#24
○国務大臣(武村正義君) 橋本大臣と同じ見解でありますが、内閣はこれは統一した見解をとらなきゃなりませんし、そういう意味で、総理がおっしゃっておりますように、今日ではこれまでの見解を踏襲いたしております。しかし、ここでのいろいろな議論を拝聴しながらも、内閣としても勉強をさせていただいて、これでいいのかどうか真剣に考えなきゃならぬと、こんなふうに私は受けとめております。ですから、きょう現在の考え方はそうでございますが、私自身も一層真剣に皆さんの御議論に啓発を受けながら勉強をさせていただきたいと存じます。
#25
○小山孝雄君 官房長官は統一見解の作業に入ると、こうおっしゃっておられましたが、ぜひ私が今申し上げさせていただいた点を考慮に入れていただいて回答をお出しいただきたいし、また少しでも早くこの作業をお進めいただきたいと思いますが、いかがですか。
#26
○国務大臣(野坂浩賢君) 各大臣からそれぞれお答えがございました。十分勉強して、憲法の解釈というものを慎重に、拙速主義はとらないで検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#27
○小山孝雄君 どうかよろしく御要望を申し上げておきます。
 橋本大臣は国務がおありのようでございますので、以上でお帰りいただいて結構でございます。官房長官も結構でございます。ありがとうございました。
 次に、文部大臣にお尋ねいたしますが、このたびの宗教法人の改正法案、今、数点出ているわけでございますけれども、本法案がまとまるまでの審議会の過程においていろんな点が出ております。
 その中で二つの点が今回の法案には盛り込まれていないわけでございます。一つは宗教法人設立にかかわる規則の認証の方法のあり方、二つ目は宗教法人の解散のあり方と聞いておりますが、以上の残された課題について、今後の取り扱いについてお尋ねをいたします。
#28
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 なるほど御指摘のとおり、このたびの法改正は、社会状況の変化や宗教法人の実態の変化等に対応して、所轄庁がその責任を果たし、宗教法人はその自治能力の向上が図れるよう必要最小限の規定の整備を行おうとしているものであります。
 宗教法人制度のあり方につきましては、宗教法人審議会において鋭意御検討を願ったわけでありますが、審議会は所轄のあり方、情報開示のあり方、そして活動報告の把握のあり方の三点に絞られて、そしてその御検討の結果を御報告いただいたところであります。
 したがって、今後も社会状況の変化などに対応して必要な見直しを行っていきますことは十分考えられることでありまして、そうした際には各方面で十分な議論を行い、よりよい結論を得るための努力をしていくことが肝要であると思います。
 具体的には、御指摘がありましたように、例えば認証のあり方とか、あるいはいわば財産保全の措置の問題等々、この委員会でもしばしば御指摘がありましたけれども、こういう事々もそれぞれの必要に応じてまた改めて御検討いただくようなことがあろうかと、こんなふうに思います。
#29
○小山孝雄君 宗教法人審議会は引き続き、今の二点についてもこれから、既に出されたそのほかの問題についても審議を続ける、こういうことでよろしゅうございますか。
#30
○国務大臣(島村宜伸君) これは、今時点で何々をお願いするということで申し上げるのは少し行き過ぎかと思います。これからよく検討をいたしまして、必要に応じ、それぞれの道に通じられた審議会の皆様の御意見等を承る機会は当然あろうかと、こういうことに受けとめていただきたいと思います。
#31
○小山孝雄君 わかりましたが、さらに申し上げたいことは、各宗教団体からこの問題が起こってまいりましたときにいろんな御意見が寄せられました。これは要望でもございますけれども、その中で寄せられた意見は、宗教法人の特色に対応した宗教法人制度の導入を前向きに検討してみたらどうですかと。
 確かに、我が国の宗教には本当にいろんな、数も多いけれどもいろんな種類がございます。伝統的な宗教もあれば新宗教もあれば、そしてまたいろんな形の宗教があるわけでございます。信者に限って利用できる宗教施設を設けている宗教法人であるとかあるいは檀家と檀家寺のような関係の宗教法人もあります。また、信者に限らず不特定多数の人々に境内地や境内建物を提供している公共性の高い宗教法人等もございます。
 このようないろんな形があるわけでございますので、ひとつ、宗教と一くくりすることではなく、宗教法人の特色に応じた法人制度のあり方も検討したらいいんじゃないかという卓見も寄せられております。文部大臣の御見解をお伺いいたします。
#32
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、宗教法人法は、やはり宗教法人の性善説を前提としてこれが組み立てられております。この姿勢は今後も貫きますし、当然のことに信教の自由、政教分離の原則、これらを基本にしていろいろな検討をすることもまた当然でございます。
 ただ、今までは一たび認証するともうそれで後は全く何もわからないと、そういう中に所轄庁としての責任が問われ、国民の皆様からも非常に高い率で、特に、衆議院の宗教法人特別委員会でもいろいろな解明がなされる過程で内容等が皆さんに知らされても、相変わらず世論調査の結果は非常に高い率を示しておられるわけでありますから、こういう国民の声を率直に受けとめて今回必要最小限の改正を行う、こういうことでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと、こういうふうに思います。
#33
○小山孝雄君 宗教のあり方というもの、これは本当に私たち人間社会が続く限りあろうかと思います。それを所管される文部省でございますので、それを指揮される文部大臣でありますので、どうか今の点、日本の宗教には本当に形の違ったいろんな宗教があるんだということ、それを一からげで、宗教ということで、法人法でその一点だけでくくることができるのかどうかということも心にとどめおきいただきたいと思います。
 次に移ります。
 法制局長官、信教の自由に関する御質問でございますが、信教の自由の中には、信仰する自由もあれば信仰しない自由もあり、そしてまた、一つの宗教団体に入っても、それを抜ける自由もこれまた信仰の自由だと、このように思いますが、いかがでございますか。
#34
○政府委員(大出峻郎君) 信教の自由と申しました場合に、その中心的なものが信仰の自由、それぞれの人の内心の自由ということであろうかと思います。その信仰の自由の内容につきましては、ある宗教を信仰する自由、そしてまた別にその宗教を信仰しない自由ということも当然その内容になっておるわけであります。
#35
○小山孝雄君 この点に関しましては、猪熊議員でございましたか、先般御質問がございまして、また村山総理ほか閣僚の皆さんとの意見も一致したことであり、まことに喜ばしいことであります。信教の自由、信仰の自由、そして人々の内心の自由、これは非常に大切にしていかなきゃいけない、このように思うわけでございます。
 最近、私が質問に立つということになりましたら、いろんなところからいろんな方が訪ねてまいりまして、いろんなことを申してこられました。それは、大変残念なことでございますが、猪熊委員がその内心の自由、信教の自由、それを大変大事にしなくちゃいけないと、本当に達見だと思います。同感でございますが、猪熊委員が応援を受けておられる創価学会の周辺で、この内心の自由や信仰の自由が侵されている反社会的な事件が次々と起こっているという情報がたくさん寄せられてまいりました。
 それは、創価学会は現在、日蓮正宗総本山大石寺から破門され、また池田大作名誉会長ら役員は宗教法人日蓮正宗の信徒を除名されておりますが、こうしたことに嫌気が差した日蓮正宗の熱心な信者が創価学会から脱会した場合あるいはしようとした場合、さまざまな嫌がらせや脅迫などの暴力的な行為を受けているという訴えでございます。既にこうした被害に遭ったたくさんの人々によって昨年十一月に創価学会による被害者の会という団体もできておりまして、被害に遭った脱会者から多くの苦情や訴えが寄せられているのでございます。
 ここにたくさん持ってきております。その一部を御紹介申し上げますが、(「証拠はあるのか」と呼ぶ者あり)ちゃんと実名も入っております。加害者の名前も入っております。和歌山県東牟婁郡、それ以上はあえて申しません。Nという人物でございますが、日蓮正宗の末寺の坊さんのところを訪れて、いいか、今からおれの言うことをよく聞けよ、おまえの息子を殺し、そして女房を殺し、おまえをぶっ殺すというような暴言を吐いたとかその発言の要旨、おまえと家族を殺す、早く寺を出ていけ、純真な創価学会員をだまして脱会運動をするな、池田先生の悪口を言うとおれが地獄に落としてやる、おれはきょうで死ぬ、死ぬのは怖くない、おれは鉄砲玉である、このようなことであります。
 あるいは、ごらんになってください。(資料を示す)このような手紙を、はがきをごらんになってください。こういったことを、脱会しようとした人に対してはがきを送り、あるいは家の門に張りつけたりと。読んでみます。「死ね!」、「このハガキを届けて下さる方へ。ここの家には悪魔が住んでいます。おそろしい一家です。」、「この世からきえされ!」、「ニドトニンゲンニウマレカワレナイゾ ムケンジゴクヘオチテシマエ!」、このような書き方もあります。「必ず地獄の沙汰が迎えに来るから覚悟しておけ 早く死ね!!」、このような状況。
 もし事実であるとすれば、国家公安委員長、これは刑法第二百二十二条、脅迫罪に当たるんじゃないんでしょうかお聞きいたします。
#36
○国務大臣(深谷隆司君) あなたの今お示しになった事実関係については承知しておりません。
 ただ、一般論から申し上げたら、先ほどあなたがおっしゃったように、宗教を信ずること、それから信じないこと、宗教団体に入ること、また脱会すること、それはいずれも憲法で認められている自由でございます。それらについての相談事が旧来から警察にはどこの団体とは申しませんがございまして、相談には応じてまいったところであります。そして、その相談の実際が法に触れる場合には、当然のことながら警察当局としては厳正に対応するということでございます。
#37
○小山孝雄君 このような事実は本当にはないことを切に祈るものでございます。
 文部大臣、信教の自由を担保する上においても、新たな立法として、信仰集団からの脱会の自由も法制化を考えてみたらいかがかと、このように提案申し上げるわけですが、いかがお考えですか。
#38
○国務大臣(島村宜伸君) 憲法二十条の保障する信教の自由には、具体的内容として信仰の自由、宗教上の行為の自由、宗教上の結社の自由等が含まれているところと考えられます。信者の脱会の自由を侵害することは、したがって信教の自由を侵害することとなるわけでありますから、これは許されないことであります。各宗教法人においては信者の脱会の自由を保障しなければならないのは当然のことでありまして、信者の脱会を阻止するため刑法等の法令に触れる行為が行われる場合には、当該法令に従い厳正に対処されるべきであります。
 なお、問題はこういうことに対して、今、自治大臣も御答弁なさいましたように、行き過ぎた事例があればこれは当然にそれなりの処罰を受ける形になるでしょうし、また同時にこういう行為が余りに常識化した場合にはこれはそれ相応の対応が必要だろう、こういうふうに思いますが、現在時点でこの問題についての立法の必要は認識いたしておりません。
#39
○小山孝雄君 ぜひひとつお考えになってみられたらどうかなと、こう思うわけでございます。
 私はこの七月に当選したばかりでございますが、一年半しっかり全国各地をめぐっていろんな方の御意見をお伺いいたしました。
 ある高僧にお会いしましたときに、ちょうどオウム事件のさなかにあったときでございます。昔からいい宗教か悪い宗教かを見分ける判断が三つありますよ、一つはその教祖あるいはその宗教団体のトップリーダーが質素な生活をしているか、ぜいたくをしないかということであります、二つ目には強制的に寄附を求めない、そういう団体であるということ、そして三つ目には脱会の自由があるということ、この三つですよということをある高僧から教わったことが非常に耳に残っているのでございます。
 あの忌まわしいオウム事件も、抜けたいとする人をつなぎとめたい、そのためにだんだんだんだん高じていって殺人事件にまで発展したわけでございます。確かに脱会する自由を認める法制化というのは非常に難しいかと思いますが、何らかの歯どめを法制度上において確立すべきかな、こんなふうに思うわけです。改めてお尋ねいたします。
#40
○国務大臣(島村宜伸君) 私は信仰というのは非常に大事なものだといつも考えています。これだけ激動の時代でありますし、世の中の常識というのももうどんどん塗りかえられていきます。また、情報ははんらんしているわけでありますから当然社会不安というのはつきまとうわけですね。また、これだけ豊かな社会になると人間の欲望にもいろいろな誘惑が忍び寄るわけでありまして、そういう人間が神ならぬ身の常としていろんな迷いを生じますが、そういう迷いを救済したり、人間として正しくあるための道を説いたり、そしてまたその不安から救ってあげる、こういう意味において信仰というのは極めて大切だと私は考えている人間です。
 しかしながら、現実に私自身の体験におきましても、日常活動の中で真夜中にさんざん嫌がらせの電話やおどかしの電話を受けたこともあります。また、明け方から起こされて睡眠不足のようなことはよくあります。そういうことをもし一つの手段として用いるような宗教団体があるとすれば宗教本来の道を逸脱していると、私はそう考えている人間であります。
 したがいまして、あなたのお考えに私の申し上げたことが合致するかどうかはわかりませんが、宗教団体、特に法人格を認められた宗教法人というのはやはり性善説に立って多くのいわば高い公益性が評価され期待されているわけでありますから、それらを十分わきまえて行動されることが望ましいし、これは国民の皆さんの御意見と合致するものだと確信いたしております。
#41
○小山孝雄君 ぜひお考えをいただきたい、このように思うわけであります。
 また、私が先ほどこういった資料をお持ちして申し上げたところ、証拠はあるのか、こう後ろからやじが飛んでまいりました。(「やじなんか気にするな」と呼ぶ者あり)
 実は、私のもとにこういう資料も寄せられております。文部大臣、お聞きください。自治大臣、お聞きください。これは創価学会の東住吉東本部の資料、こういうふうに伝わってまいりました。
 「「勇気のエンジン」大作戦大綱」、こう書いております。その名称は池田大作名誉会長が関西代表協議会でスピーチしたところからとった、こう書いておりますが、テーマが「御供養泥棒 漆畑行雄、その袈裟をはぎ返せ」、こうおっしゃったというんです。そしてまた、「極悪日顕の手先、法住寺の漆畑行雄の悪業を白日の元に晒し糾弾する。」ことを目的とし、「会員を悪の手先から守り抜き、断じて「寺に行かない・行かせない」」、こういう目的で行動をするということで、活動指針として「ビクトリー活動」、こう書いております。
 第一が「D作戦」。「CUTされたら」、「CUT」というのは恐らく創価学会員をやめたらということに理解できます。「脱会者・法華講にアタックする脱講チーム」、それで「D作戦」だと言うのでございます。
 さらにまた、「特別個人指導班」、大変行き届いておりまして、「A班(葬儀・法要・墓・納骨の問題等に回答できるスペシャリスト。)」を用意しろと。「B班(宗問題解説班、寺信心の色のついた人の脱色作業を行う。)」、それで名指して「ハイターチーム」だそうであります。「C班(生に怨嫉問題等で活動しなくなった人へ手をさしのべられるチーム。別名、人間復興・ルネサンスチーム)」、こう書いております。
 三点目、あのフォーカスであります。「FOCUSチーム(漆畑行雄、女房、所化の悪業を暴くネタ取材班)」、こんなふうに書いております。
 四番目、「賢者の利剣チーム一ミニコミ誌・仮称「利剣」を新たに編集発行する)」、「利剣」というのはよく切れる剣で、仏典の中の言葉でございます。
 「特攻野郎Sチーム(男子部の特殊潜行活動班。別名、鉄砲玉)」。
 六、「ワイフ・キャッチャーチーム」、坊さんの女房を徹底糾弾する、婦人部の追っかけチームをつくれ、こう書いております。
 七番目、「四条金吾チーム」、耳なれない言葉でございますが、四条金吾と申す方は実在した人物だそうでございまして、鎌倉時代の大変熱心な日蓮宗の信者だそうでございます。壮年部にそれをなぞらえて、「(壮年部の特別抗議行動チーム。別名、八九三部隊)」と書いておりますが、これはヤクザ部隊と読むのだそうでございます。
 八番目、「十羅刹女チーム(婦人部の電話抗議行動チーム。別名、極道の妻たち)」と書いております。
 九、「ネットワークチーム(寺周辺地域包囲対策作戦、略称、ネット)」と書いております。
 いろんなことが書いてございますが、自治大臣・国家公安委員長、このようなことが本当に行われていないことを切に私は祈るものでございますが、いかがでございますか。
#42
○国務大臣(深谷隆司君) 随分詳しくお調べになったと感心をいたします。あなたのおっしゃったことについては、承っておきますとしか言いようがありません。
#43
○小山孝雄君 こういった事例を申し上げても、結局その事例につきまして詳細に承知いたしておりませんと、こういうのがこれまでの政府答弁でございましたけれども、こういったことが現実に行われていないことを切に祈りつつ、どうかしっかりと警察当局の役目をお果たしいただきたいことを心から要望するわけでございます。
 以上申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#44
○理事(松浦功君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、都築譲君が委員を辞任され、その補欠として和田洋子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#45
○真鍋賢二君 自由民主党の真鍋賢二であります。
 きょうは宗教法人法の問題について質疑をいたすわけでありますけれども、もはや衆参両院におきましてこの宗教問題にいろんな角度から質疑がとり行われておるところであります。議事録等も拝見させていただいたわけでありますけれども、全部が全部それを消化するに至っておりません。そういう点をお考えいただきまして、各大臣にはもはやもう答弁済みというところは整理をするという意味で簡潔にお答えいただく、そしてまた初めて質問をするところには簡潔であって大胆に、また丁重にお願いをいたしたいと思うわけであります。
 現行宗教法人法制定当時の政治的・社会的事情でございますけれども、昭和二十六年の四月に現行宗教法人法は制定されたわけであります。当時はサンフランシスコ講和条約の数カ月前でありまして、日本は占領下にありました。独立前に駆け込みで宗教法人法の制定を行ったように見えますが、当時の政治的な情勢と政治を支配する風潮は近代西欧独立国家の法体制に近づけることを目指したのではないかと思われるわけであります。
 本法制定当時の政治・社会情勢について、文部大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。
 宗教法人法は戦後間もない昭和二十六年に制定されたことは御高承のとおりであります。その前に、昭和二十一年には日本国憲法が公布されまして、我が国は復興に向けて歩み始めたわけでありますけれども、宗教法人については、廃止された宗教団体法にかわる宗教法人令が昭和二十年十二月に制定されました。しかし、この宗教法人令は、ポツダム勅令であることや主務官庁に届け出るだけで法人格が得られる、こういう極めて法律上不備な点が指摘されまして、そのことにより新たな宗教法人制度の確立が各方面から要望された状況にあったと、こういうふうに受けとめております。
 こうした中で、宗教団体に法人格を与え、宗教法人が自由で、かつ自主的な活動をするための物的基礎を確保するために、日本国憲法の信教の自由と政教分離の原則を基本とし、自由と自主性、責任と公共性の二つの要請を骨子とした宗教法人法が昭和二十六年四月三日に公布、施行されるに至ったものであります。
 以上です。
#47
○真鍋賢二君 宗教法人の数と特殊性についてお伺いいたします。
 昭和三十一年当時は十七万五千、それが平成五年には十八万三千となり、この三十七年間に約八千の宗教法人の増加があったわけであります。一年に約二百以上の宗教法人ができたことになります。こんなに宗教法人が増加する理由はどんな事情でございましょうか。新興宗教法人の増加した数とそのほか事由による増加とを分けて、文部大臣からお答えをいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 我が国の宗教法人の数は、平成五年十二月三十一日現在十八万三千九百九十六法人でございます。御指摘のとおり、昭和三十年には十七万九千九百九十八法人、三十八年間に、今、委員は八手法人とおっしゃいましたが、これは四手法人と私どもは受けとめております、の増加であり、平均して年百法人程度の増加に当たるわけであります。
 もう少しこの数字の内訳を申しますと、神社が約八万、それからお寺が七万七千、その他、例えば天理教とかキリスト教とか新しい宗教法人とか、こういうふうに分かれるわけでございます。
 文部大臣所轄の包括法人の数につきましても、昭和三十年には三百七十七法人、これが平成五年には三百七十三法人となって、ほとんど変わっておりません。しかしながら、単立宗教法人の数につきましては、昭和三十年には二千七百七十二法人であったものが、平成五年には五千九百八法人となっておりまして、三十八年間に倍以上に増加しているということでございます。これらの増加分の中には、新しい宗教法人の設立による増加分と、伝統的な包括宗教法人からの離脱による増加分の双方が含まれていると考えられております。
 以上でございます。
#49
○真鍋賢二君 古来より、「衣食足りて礼節を知る」とか「倉廩実ちて礼節を知る」とか言われております。本宗教法人法制定の昭和二十六年当時は、我が国は敗戦後のどん底経済と言われた時代で、国民はその日その日の飢えを満たすのに必死になっていた時代であります。そういう当時でございますので、宗教に十分な寄附行為、寄進やお布施を出すゆとりはなかったのではないかと思います。その意味では、宗教法人法を制定し、宗教の物的基礎を保護、充実する理由は十分にあったと思うのであります。また、宗教や信仰を保護することは今日でも大切なことであると思います。
   〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
 しかし、戦後我が国は奇跡の経済発展をなし遂げ、国民所得は当時の数百倍となり、平成七年の国民一世帯当たりの貯蓄額は千二百八十七万円となり、世界一の貯蓄高を誇っております。まさに、衣食は足り、倉廩は満ちているのであります。したがって、礼節はもとより、信仰にも多くの部分を割けるゆとりが出てまいりました。
 このような情勢の変化を踏まえ、宗教の優遇は結構なのですが、昭和二十六年の現行宗教法人法の制定当時の優遇税制措置のままでよいのかどうか、大いに疑問の残るところであります。
 宗教法人とその政治活動についても、これまでの解釈を固執するのが国民の希望に沿ったものであるかどうか、非常に疑問であるわけであります。
 これらの事情を踏まえて若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、憲法第二十条の信仰の自由と政教分離の原則について、これまでいろんな質問がなされましたが、これを補足する意味でお尋ねいたしたいと思います。
 憲法二十条第一項の「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」とある規定の解釈は既にたびたび質問されている問題ですが、国のあり方の基本にかかわる重大な問題であります。これまでの質疑と政府の答弁を整理する意味で、あえて質問をしておるわけであります。
 憲法上の解釈には一点の問題もないと思うのですが、先日来の衆議院の論議、さらには本院の論議でもこの解釈論がたびたび繰り返されております。島村文部大臣及び法制局長官、政府委員のこれまでの答弁を要約すると、宗教団体が「政治上の権力を行使してはならない。」という憲法第二十条の条文の「政治上の権力」とは、国または地方公共団体に独占されている統治的権力を言い、宗教団体がこのような統治的権力を行使することを禁止していると言っておられます。この条文の説明が十分理解できないのであります。もう少し具体的に国民にわかるような説明をしていただきたいのであります。
 これは、宗教団体の政治上の運動を一切禁止するという意味ではなく、国から授けられて正式な意味において政治上の権力を行使してはならぬという趣旨だと言われます。この趣旨がはっきりしないので、もう少しかみ砕いて御説明をいただきたいわけであります。
 また、宗教団体がやってはならないということですが、それは宗教教団または宗教法人そのものがやってはいけないということでしょうか。ほとんどの人は宗教の信者です。したがって、特定の教団に属する信徒が大臣になったり地方自治体の首長になるのを禁止するのは憲法に違反することは明らかでありますが、宗教団体が政治権力を行使するということはどういうことか具体的にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。しかも、統治的政治行為をやるとはどのようなことを指すのか、明快に御説明ください。
 団体が統治的な地位につくことができないのは明らかです。とすると、ここで想定しているのは具体的にどんなことでございましょうか。政治上の地位につくのは選挙権のある自然人でなければなりません。とすると、ここで禁止されているのは教団が人事権を握るということでしょうか、それとも教団が自己の目的のために政治的統治権を持つ自然人の意思を支配するということでございましょうか、その点について法制局長官の御見解もいただきたいと思います。
#50
○政府委員(大出峻郎君) 日本国憲法の第二十条の第一項後段でございますが、「いかなる宗教固体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と、こういうふうに規定をいたしておるわけであります。
 この規定の中での「政治上の権力を行使してはならない。」という部分をどのように理解するかということが中心であろうかと思いますが、ここに言うところの「政治上の権力」というのはどういう内容のものであるかということでありますけれども、委員も御指摘になっておられましたように、これは国または地方公共団体に独占されているところの統治的権力、政治上の権力というのはそういう趣旨のものなんだというふうに考えられておるところであります。宗教団体がこのような統治的権力を行使するということをこの条文は禁止いたしているものであるというふうに解しているわけであります。
 この辺につきましては、昭和二十一年七月十六日の制憲議会におきまして当時の金森国務大臣は、この憲法第二十条第一項後段に関して、同条項は宗教団体が政治上の運動をすることを直接とめた意味ではないということをまず述べておられます。この点は、いわば宗教団体が政治活動をするということを禁止している意味のものではないと、こういう趣旨のことの答弁であろうかと思います。
 引き続きまして、国から授けられて正式な意味において政治上の権力を行使してはならぬ、これが政治上の権力を行使してはならないということの意味であるという趣旨の答弁を金森国務大臣は当時されておるわけであります。同条項が、宗教団体が国または地方公共団体から統治的権力を授けられて、これを宗教団体が宗教団体として行使をすることを禁じている旨を述べているわけであります。政府としては、現在もこのような考え方を変えていないということであります。
 幾つかのいろいろな具体的な観点からの御指摘もございましたが、宗教団体がやってはならないとは、宗教教団あるいは宗教法人そのものがやってはいけないということかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、政治上の権力を行使してはならないのは、これは宗教団体が宗教団体としてそのような政治上の権力を行使するということを禁止したものである、こういうことであります。
 それから、宗教団体が政治上の権力を行使するというのは具体的にはどういうようなことなのかというお話もあったかと思いますが、これは先ほど申し上げましたように、いわゆる統治的権力を授けられ、これを宗教団体が宗教団体として行使をするということを禁止しておるということでありますが、この統治的権力というのは、国や地方公共団体が独占しているところの行政権、例えば課税権だとか公務員の任命権だとかそういうようなものを含んでいるということであろうかと思います。
 それから、宗教団体が統治権を行使するというのは具体的にどういうことかというようなことでありますが、これは例えば、宗教団体が国等から課税権を授けられてこれを団体として行使するというようなことが念頭にあるということであろうかと思います。
 それから、人事権の問題に関連をして、その自然人の意思を事実上支配するというようなことになれば人事権を行使したことになるのかというようなお話もございましたが、ここで申し上げております政治上の権力というのは、そのような事実上の支配というようなものまでは含んでいないというふうに理解しておるわけであります。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、公権力としての公務員の任命権を行使することになれば、これは宗教団体が政治上の権力を行使したということにつながると思いますけれども、いわゆる事実上の支配と称せられるようなケースというものについては、それはここでは含まれていないというふうに解しているところであります。
#51
○真鍋賢二君 さすが法制局長官でありまして、大変細かい点まで御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、宗教法人または教団が政党を結成することについてお尋ねをいたしたいと思います。
 政府の見解では、憲法二十条の規定は、宗教団体が政治上の運動をすることを一切禁止するという意味ではないと言っております。当然のことでありましょう。だからこそ、戦後政治で宗教団体が結成した政党があり、また活動もいたしておるわけであります。
 そこでお伺いしたいのですが、宗教団体が政党を結成するということはどんな意味を持っておられるのでしょうか。
 我が国には、先ほど申しましたように、十八万三千もの宗教法人があり、宗教法人法に定める要件を満たせば原則的には認証が得られることになっております。信仰の自由のもとで、その内容は問われません。私は、精神的自由と政治上の権力を厳密に区別し、相互に相侵すことなく、我が国の文化的・物質的条件が相互に相補い、国家社会の資質の向上に役立てようと意図したのが憲法の基本精神だったと思います。
 大宗教法人の指導者が、教団の目的を達成するためには政治活動は必要なので絶対にやめないという趣旨の発言をしたということが衆議院の審議の中で出てまいりました。これは事実であったのでしょうか。はっきり言って、これは池田大作創価学会名誉会長の発言だと共産党の正森議員は指摘しております。事実関係をお尋ねしたいと思います。もし事実のような発言をなさったのなら、どのような趣旨で政治活動が創価学会に必要なのか、大変理解に苦しむところであります。文部大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(島村宜伸君) 私も実は共産党の正森議員の御発言を衆議院の宗教法人特別委員会で伺いました。法律家らしい極めて緻密な何か論証をされたように記憶をいたしております。たしか新聞記事を、その新聞は恐らくはその宗教法人の新聞と、こう記憶しますが、記憶に間違いあるかもしれません。しかし、それをお読みになってこういう指摘をなさったように記憶しております。ただ、私自身として、実は創価学会の池田名誉会長の発言とか創価学会の政治活動の必要性についてどういうふうに言われたのかということは承知をいたしておりません。
 ただ、一般論として、宗教法人というのは宗教活動を主体の目的とするいわば団体でありますから、これが逆に政治活動を主体に行うような疑問を持たれるようなことになるといろいろなまた問題が発生するのかなと、こんなふうには思います。
 ただ、何度も申し上げておりますように、政教分離の原則の解釈につきましては、今、政府の統一見解を官房長官のところでおまとめいただいておりますので、それをまた後刻御報告することになろうかと思います。
#53
○真鍋賢二君 オウム真理教の麻原彰晃は衆議院選挙に立候補いたしました。彼の弟子も大勢その選挙に立候補しました。幸いにしてというか、不幸にしてというか、皆落選いたしたわけでありますが、彼らは教団の宣伝のために立候補したのではなく、みずからの当選を目指したと思うのですが、その意図は何であったのでございましょうか。麻原のオウムは政党を結成することは可能でした。もしそれを結成し、その目的を達成するようなことがあれば、彼らはオウム帝国の建設を目指していたのでしょう。
 問題は、それが実現するか否かではないのです。論理的に、法的にその可能性があるかどうかということであります。仮定の問題ですが、その可能性はあったのでしょうか。幸いにして日本国民の良識は麻原の野望を粉砕いたしました。しかし、論理的、法的にその可能性が閉ざされていないのなら、いっそのような野望を抱く不逞の集団があらわれ、我が国を乗っ取ろうとするかもしれないのであります。まさに肌寒くなるような落とし穴がぽっかりとあいており、その穴は今次の宗教法人法の改正案や憲法第二十条の解釈では残念ながら埋められていないのであります。このような危険を完全になくすることが国民の願いであろうと思っています。
 文部大臣、どのようなお考えでおられるか、御見解をお伺いいたします。
#54
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法は宗教法人を規制、監督するための法律ではありません。また、憲法解釈上、宗教団体が政治活動をすることは禁止されておらず、宗教法人法上も宗教法人が政治活動をすることは許されると考えられておるところであります。したがって、宗教法人法によって宗教法人の政治活動を規制することは困難であります。このことから、今回の改正で危険な宗教団体が政治権力を握ることを法的に不可能とするようなことができないことは言うまでもないわけであります。むしろ、こうした問題はその国の民主主義の成熟度にかかわる問題ととらえるべきだと思います。
 なお、宗教法人法は宗教法人の規制、取り締まりのための法律でありませんので、オウム真理教事件の再発を宗教法人法の改正のみによって防止することは困難であり、また政治活動その他についてこれを宗教法人法によって抑えるということは、先ほど申したような特異な例を除いては何か困難と、こう申し上げるべきだと思います。
#55
○真鍋賢二君 自治大臣と文部大臣に、それじゃ一緒になってお答えをいただきたいと思います。
 麻原のオウム真理教が多数の信徒を立候補させた点について伺いたいと思います。
 彼らの選挙資金、供託金や運動資金は、個人個人がめいめいの所得から拠出し、負担したのでしょうかそれとも教団が一括して負担したのでしょうか。この点をお調べになりましたか。
 オウムはあのとき政治結社として届けを出していたでしょうか。もう時間が余りないようですから文部大臣と一緒にお聞きしますが、もし政党を結成していたとしたら、教団が諸費用を一括して支出することが許されるでしょうか。現行宗教法人法では、信徒を大量に立候補させる資金を教団がすべて丸抱えでやることは許されるのでしょうか。宗教法人の活動にはこのような政治運動は許されていないと思うんですけれども、いかがでございましょうか。自治大臣と文部大臣、お二人に質問をして恐縮でございますが。
#56
○国務大臣(島村宜伸君) 自治大臣とのお話し合いで、私が先にということでございますが、実は実態は全く把握できておりません。
 ただ、世間一般の情報として得ていたことは、あくまでその法人自体がそれらを負担したように受けとめて今日まで参りました。しかし、これは事実を確認した上での話ではございません。
#57
○国務大臣(深谷隆司君) 委員の御質問にお答えいたしますが、まず、オウム真理教は平成元年に政治団体の設立の届け出をいたしまして、その政党名は真理党と言ったのであります。代表者は松本智津夫すなわち麻原でございます。これは、届け出は東京都選挙管理委員会を経て自治大臣の方に提出されているわけであります。
 それで、平成二年に行われました衆議院の総選挙におきまして、真理党に所属する者として届け出があった候補者は、埼玉、千葉、東京、もう一つ神奈川、それも含めて合計二十五人でございました。
 そして、その公表された選挙運動の費用は、収支報告書の要旨を見ますと、二十五人の収入額はおおむね一人が二百万円あるいはその他は百万円ないしは百五万円となっております。それぞれの収入の内訳はすべて寄附以外の収入になっていて、その調達先は寄附行為でありませんので記載されておりませんから不明でございます。
#58
○真鍋賢二君 個人が負担していないということはもう歴然としておるわけでありますけれども、宗教法人が負担したとすれば、その資金は税制上非課税になっている金をこのような活動に利用したことになるわけであります。
 そこで、大蔵大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、宗教法人はかなり多くの分野で税制の優遇がなされております。非課税とは、税制上課税されてしかるべきものを政策的に免除しているものを指すと思うのであります。宗教法人の税制上の優遇は、宗教法人の特権的権利ではなく、国民の税金で賄われている政策的恩恵ではないでしょうか。
 そうだとすれば、宗教法人の政党に対する援助は、ある良識の範囲というか節度があってしかるべぎだと思うのであります。いやしくも政党が宗教法人を隠れみのに使うことは断じて許されないことは言うまでもありません。現在、そのようなことが行われているか否かは別にして、今後一切そのようなことが行われないようにするため、宗教法人に対し諸税制の見直しを行い、優遇すべきものと優遇すべきものとしてはならないものを峻別すべきであろうと思います。
 政府は、今後さらに宗教法人法の見直しをし、税制上の扱いの見直しを行うという方針であるとの姿勢を承りましたが、その基本理念、基本原則はいかにあるべきか宗教法人の方々に不安や心配のないような形で御明示いただければありがたいと思います。
 大蔵大臣のお答えをお願いします。
#59
○国務大臣(武村正義君) 先ほど来の議論で、いわゆる宗教団体が政治活動をすることが否定はされていないということでありますが、税の面から見ますと、これはごく常識的な見方ですが、何回も御答弁を申し上げておりますように、収益事業でないものは非課税と、結果としてはそういう扱いになっております。
 そうなりますと、認められている政治活動に使われるような資金も結果としては非課税、もっと極端な例を言えば、オウム真理教のサリンをつくったり武器をつくったり、ああいう活動に回る資金まで結果として非課税になっていると、こういうことでありますし、このことに私も問題意識を強く感じているわけであります。
 そうしますと、非課税措置のあり方にまでさかのぼって論議をしなければいけないということになりますし、委員の御質問のように、何が宗教活動なのかきちっとそこを見て税制上の措置をとるべきではないかというふうな御趣旨でございましたが、そうなりますと、収益事業以外は非課税という今の我が国の税制の対応がこれでいいのかどうかという問題提起にもなるわけであります。
 片方、政治活動との関係でもいろいろ御意見を出されております。私は政治活動そのものを所管する立場じゃありませんが、今ざっと欧米の主な国の制度を調べておりまして、簡単に御紹介を申し上げますと、税の両面から申し上げますと、アメリカは連邦選挙運動法というのがございまして、この法律で企業とか労働団体とか、いわゆる法人全体であろうと思いますが、こういう団体から政党等への政治献金を禁止いたしております。こういう法律が片方にありまして、また税法の立場からも、一定の政治活動をするような団体は非課税要件としてこれを認めないという措置をとっております。
 ドイツはどうかといいますと、ここもやはり政党法というのがございまして、この政党法によって政党が、ここは企業は入っていませんが、公益団体等から政治献金を受けること、もう宗教団体は当然入っています、受けることは禁止をいたしております。他方、税法の方は、税法もこの法律の考え方を受けて、非課税要件として政党等への政治献金の禁止規定を税法の方でも設けているということであります。
 イギリスはどうかといいますと、慈善団体法という法律がございます。チャリティー・コミッショナーと言うんですか、こういう法律があって、判例でございますが、慈善団体による政治活動は禁止をされています。宗教法人も含めてこれはもう原則禁止されております。税法にはしかし特別の規定はありません。
 最後になりましたが、フランスは政治献金に関する法律というのがございまして、この法律によっていわゆるアメリカのように法人等による政党への献金をもう全面的に禁止しているということであります。
 この四カ国を押しなべて言えることは、政党法とかあるいは政治活動法とか、そういう我が国で言えば自治省所管の法律によって、ある国は企業まで含めて、ある国は公益団体に限ってというふうに幅はございますが、いずれにしても宗教法人の献金に対して一定の制限を設けているということであります。
 他方、税法上の非課税措置は、先般来申し上げておりますように、アメリカ、ドイツ等は原則は課税である、そして宗教活動に対しては事前審査をしながら免税措置をとる、こういうやや日本よりは幅の狭い厳しいやり方をしているということであります。この辺はぜひ参考にしていかなければならないと思っております。
#60
○真鍋賢二君 本会議等の都合もあるということでございますので、時間をカットして、文部大臣に質問するべき時間的な余裕が少し少なくなったので、お許しをいただきたいと思います。
 宗教法人法の税制上の優遇措置についてでございますが、この問題にはいろんな側面があり、それだけで大変な疑義があるのですが、私は宗教法人が保有する境内建物、境内土地についてお尋ねをしたいと思います。
 現行の宗教法人法においても、また今日審議している改正案においても、宗教の教義や信仰の内容は一切審議せず、宗教の物質的基盤の強化に資することに基本が置かれていることは何ら変わりはありません。したがって、宗教の境内建物、境内土地は、宗教法人認証の必須の条件であり、税制上の優遇も手厚くされております。
 ところで、境内建物と境内土地の規定は、例示的ではありますが、概念的に明確な規定がありません。我が国の十八万宗教法人の大部分は、境内土地や建物について大きな変化はないのですが、一部の宗教法人は戦後爆発的な拡大をしたものがあります。境内建物のために、用地であれば境内土地として税制上の各種の優遇措置がとられておりますが、どこまでが税制上優遇されてしかるべき土地、建物なのか境内と境内以外の境界はいかにして区別するのか、その定義をお尋ねしたいと思います。
 住民税は非課税、不動産取得税は用途非課税、固定資産税も用途非課税など広範な税制上の優遇措置がとられておるわけでありますが、境内等非課税対象になる土地、建物などの範囲や認定は宗教法人の申告によるのかそれとも大蔵省なり文部省なり所轄の官庁や都道府県の担当者が認定するのかどうか。認定の実情と態様をお尋ねしたいと思います。
 時間がございませんので続けて申し上げます。
 境内建物を建立するという時間的猶予は与えられるのか、もし与えられるとしたならば、どのような基準でだれが認定するのか。このような理由で税制上の優遇が与えられるとしたら宗教法人の過保護に当たらないかどうか。八兆円近い土地、建物や流動資産を持つという宗教法人があると言われておりますけれども、これらの巨大な宗教法人の境内建物や境内土地についてはどのような概念規定が当てはめられているのか。境内と境内以外の境界線についてどのような判断基準を持っておられるのか。その辺をお聞かせいただけたらと思います。
#61
○国務大臣(深谷隆司君) 例えば、宗教法人の固定資産税について申し上げますと、宗教法人が専らその用に供する、主として宗教法人法第三条の規定に基づく境内建物、境内地については非課税ということになっているわけでございまして、その他は課税であります。
 前にも申し上げたのでありますが、本当に専らその本来の用に供されているかどうかここの判断基準はきちんとしておかなければならない。これは私は、私の所管でもございますから、各地方団体にそこいらは厳正に区別をして、非課税措置ができないものについてはきちんと課税をするように指導をしてまいりたいと思いますが、境界の問題につきましては具体的な事例でありますので、税務局長からお答えさせたいと思います。
#62
○政府委員(佐野徹治君) 何点かに御質問がわたっております。
 まず、境内土地、境内建物の定義の問題でございますけれども、地方税法には先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたような規定がございますけれども、具体的な境内建物、境内土地は宗教法人法の方に規定がございます。
 それを御説明いたしますと、境内建物というのは、これは宗教法人が宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成するという主たる目的のために必要な、その宗教法人に固有の建物、工作物を言うものでございまして、具体的な例示といたしましては、本殿だとか拝殿だとか社務所、庫裏、教職舎等、こういうものが列挙されているわけでございます。
 それから境内地につきましては、宗教法人の主たる目的のために必要なその法人に固有の土地で、基本的に不動産登記法上登記される土地を言うものでございます。これも具体的には宗教法人法に規定されておりまして、例えば、境内建物が存在いたします一画の土地、それから参道として用いられる土地、こういうものが挙げられているわけでございます。
 それから認定の問題でございます。あくまでも専ら宗教本来の用に供するもの、これが非課税対象となるものでございますけれども、それが宗教本来の用に供されているのかどうかこういうことにつきましては、固定資産税の例で申し上げますと、各施設の利用の実態を見まして、課税権者でございます、課税庁でございます市町村が判断されるべきものである、こういうように考えておる次第でございます。
 それから、境内建物を建立するという時間的な猶予にかかわる問題でございますけれども、これは不動産取得税について申し上げますと、その課税客体は不動産の取得でございます。したがいまして、非課税用途に供されるものであるか否かということにつきましては、不動産を取得した時点で認定されることとされております。
 課税当局、これは都道府県でございますけれども、課税当局におきましては、不動産の取得時にその宗教法人から都道府県に対しまして非課税の申告書等を提出していただき、その申告書等をもとにいたしまして、必要がございますれば現地調査も行い、その取得された土地の用途をできる限り的確に把握するように努めているところでございます。
 以上でございます。
#63
○真鍋賢二君 自治大臣、大臣に今質問しようとしていたんですが、お話し中で大変恐縮でございますけれども、政府委員からの答弁もございましたけれども、私は公正公平を旨とするならばもう少し徹底してやるべきだと思うわけであります。その点につきまして、やるぞという自治大臣の決意を私はここでお伺いいたしたいわけであります。
#64
○国務大臣(深谷隆司君) 法律で、例えば固定資産税なら固定資産税の非課税措置はきちんと書かれているわけですから、そこで宗教法人の場合に、専らその用に供する、そして宗教法人法第三条に基づく境内建物、境内地は非課税で、そうでないものは課税だと、こういうことになっているんですから、法律をきちっと守るというのは、先生のおっしゃるとおり、全く当然のことだと思います。そういう点では今までのあり方について批判されるべき要素もあるかと思います。
 私は、せっかく強い御発言でございますのでそれを真摯に受けとめまして、今後地方公共団体に対して、さまざまな角度から厳正に区分けをして、そして課税すべきものはきちんと課税をすると、そういう姿勢で進むようにぜひ徹底させたいと思います。
#65
○真鍋賢二君 その決意のほどをしかと承りましたが、今後よろしく御指導をお願いいたしたいと思います。
 最後に、今後とも宗教法人法の見直しを不断に続けていくことが国民に対する責務と思うわけであります。文部大臣、その決意のほどをお述べいただきまして、質問を終わりたいと思います。
#66
○国務大臣(島村宜伸君) 今回の法改正は、いわば法治国家の面目を維持するといいましょうか確保するためのものと、こう考えておりますし、私は衆議院の特別委員会でも申したんですが、政治家個人あるいは政党、あるいは政治にかかわる者すべての良心の問われる今回の御審議ではないか、こう思ってこの委員会に臨んでいる次第であります。
 したがいまして、今回の法改正は国民の要望する範囲を下回るかもしれませんが、少なくも必要最小限の改正と、こう考えておりますので、ぜひとも成立をさせていただきたい、こうお願いする次第であります。
#67
○真鍋賢二君 ありがとうございました。
#68
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#69
○委員長(倉田寛之君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○平野貞夫君 昨晩の深夜、与野党の代表者の方々の合意によりまして、この改正案の成立も含めもろもろの問題の一応の決着を見たわけでございますが、何だか幕がおりた後踊りを踊るような感じもしないわけじゃございませんが、問題の重要性を真剣に大臣の先生方初めにぶつけてみたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 最初に、この宗教法人法問題について私の基本的な考え方を申し上げておきます。
 憲法の基本原理の柱の一つでございます信教の自由、これを適切に生かすために昭和二十六年に制定されたのが現行の宗教法人法でございます。我が国は、大変古い伝統を持つ複雑多岐な宗教事情でございます。この二十六年にできました法律というのは、こういう状況に即応するために大変工夫されたすぐれた法律だと思います。とは申しましても、永遠不変のものじゃございません。制定後四十数年もたっていますし、社会状況などの変化に対応するため適切な見直しを行うことは必要だと私も考えております。
 しかし、見直しを行うに当たってはいろんなことを配慮しておかなけりゃならぬと思います。それは、信教の自由という憲法の基本権、こういうことだけではなくて、人間の存在とか人間のあり方の根本にかかわる問題だからでございます。関係者、専門家の意見、協議、これを徹底的に行って、まずは政治や行政から離れた第三者機関で協議、調整した上で公正な結論を出して見直しの運びにするのが順当なやり方じゃないかと思います。そうしないことにはやっぱりいろいろ重大な問題が発生する可能性があるわけでございます。
 我が国でもめにもめましたこの宗教法人法改正問題、今これは国際的にも非常に話題になっておることは大臣の皆様も御承知だと思います。その中で一つを御紹介して、お三人の大臣の御所見をまず伺いたいと思います。
 それは、オックスフォード大学のブライアンという博士で、この方は国際宗教社会学名誉会長でございます。こういうふうに述べております。もしも日本政府が今、はかない自分たちの偏狭な政治的な利益のために、信教の自由を守るかたい決意、すなわち真の民主主義を保障するものを捨ててしまうということになるならば、それはもはや悲劇以外の何ものでもない、このように語っておられます。
 文部大臣からひとつ御所見をいただきたいと思います。
#71
○国務大臣(島村宜伸君) その御発言の内容を詳しくは存じておりませんが、その方も申されたように、もしも何々ならばということですが、少なくもそのもしも何々ならばに該当するような背景はございません。
 そして、これは何度も申し上げたことですが、これは必要的諮問事項ではないものの、あえて宗教法人審議会にその御検討をお願いしたということ、それからその宗教法人審議会が三点に絞って十二回の会議で結論をまとめられたこと等からお考えいただいても、これは恣意的なものではないというのは御理解いただけると思いますし、私は衆議院の委員会では質問もあったので何度がお答えしたんですが、私は就任以来宗教法人審議会のメンバー表を手に入れることが極めで簡単ですし、何かの形で連絡することもできたわけですが、一切電話一本せずに私は結果をただお待ちしたと、こういうことでございますから、恣意的な要素は全く入っておりません。
#72
○平野貞夫君 そこまで私は各論を聞いていませんので、大臣の御見識を例えれば結構でございます。
 法務大臣と国家公安委員長に同じことで御所見を。
#73
○国務大臣(深谷隆司君) いろんな学者の方々あるいは評論家の方々がさまざまな意見を内外ともにお出しいただいていることは承知をしております。憲法二十条で言う信教の自由が確保されるということは大変大事なことでございますから、そのことに私たちは反論する思いはありません。
 しかし、一方において憲法十二条は自由や権利の乱用を禁止しているわけであります。そこいらあたりのありようが今後どうあるべきかということが、まさに宗教法人法の改正の問題の一つのテーマだろうと私は思っていますが、これらにつきましては国民の広範な御意見を背景にして、この議会で十分に議論を尽くしていただいて結論を求めるというのが民主主義の原則だと思っていますし、そういう意味では、この改正は政府が提案したものでありますから、御理解をいただいて、一刻も早く議決をしていただきたいと願っている次第であります。
#74
○国務大臣(宮澤弘君) ただいまお示しの博士のお話というのは伺ったばかりでございますけれども、私は信教の自由というものが非常にとうといものであるというお考えを吐露されたものではなかろうかと思います。
 申し上げるまでもなく、信教の自由を初め国民の権利は日本国憲法の基本の柱でございまして、公共の福祉に反しない限り、国政上最大限尊重されるということは、これはもう御承知のとおりでございます。今回の宗教法人法の改正も、私の理解している限りにおきましては、信教の自由なり政教分離というような原則を尊重しながら、宗教法人の適切な運営を図っていくということを考えているものというふうに理解をいたしております。
#75
○平野貞夫君 何か三人の大臣の先生方に所見発表の機会を与えたような感じがしますが、少しずつニュアンスは違いますが、基本的には共通な認識じゃないかと思います。
 法務大臣、公共の福祉に反しない範囲で信教の自由があるという御発言でございましたが、かなりこれは問題の発言であります。後ほどまた申し上げますが。
 そこで、やはり問題は、私たちと政府側の方たちにこの信教の自由についての認識の基本的な違いがあるんじゃないかそこがこの問題のいろいろ議論のかみ合わないポイントではないかと私は思います。
 そこで、たしか明治憲法では、基本的人権というものは法律の定めの範囲内で認められていたというように記憶しておりますが、この基本的人権、信教の自由ももちろんその中に入るわけでございますが、これの現憲法での位置づけといいますか、これはいかがなものでございましょうか。内閣法制局長官、お願いします。
#76
○政府委員(大出峻郎君) 基本的人権の現憲法における位置づけということでございますが、憲法は第十一条におきまして、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と規定し、さらに第十二条において、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定して、基本的人権の尊重を定めておるわけであります。
 このように、基本的人権の尊重は日本国憲法の基本的原則の一つであり、国政の運営に当たりましては、基本的人権について「最大の尊重を必要とする。」というふうにされているところであります。
#77
○平野貞夫君 そうすると、基本的人権というのは憲法で国家が国民に付与したものだ、こういう考えでございますか。
#78
○政府委員(大出峻郎君) 憲法の定めるところの基本的人権の中にはいろいろな性格の基本的人権というものがあると思います。
 一方において、いわゆる自由権としての精神的自由と言われるもの、あるいは身体の自由と言われるようなもの、それから二十世紀になってから各国で認められるようになったと言われるような、いわば社会的な意味での生存権的な基本権と言われるようなもの、それから同じく自由権であっても経済的な自由権と言われるようなもの、いろいろあると思うわけであります。
 精神的自由だとかあるいは身体の自由とか、そういう伝統的な自由、まあ経済的な自由も含めてでありますが、そういうものの中には、この憲法が制定される以前から認められているといいますか保障されているもの、そういう性格の人権というものもあるということだろうと思います。
#79
○平野貞夫君 わかりました。
 基本的人権の種類、内容によって憲法で認められたもの、あるいは憲法以前からあるもの、こういう御答弁だと思います。
 午前中も長官が御説明していたと思いますが、現憲法の生みの親である金森徳次郎博士、この方が昭和二十七年に「憲法遺言」という本を書かれております。この中に、基本的人権についての位置づけを幾つか書いております。御紹介します。
 「基本的人権は、根本的にいえば国家を超越したる、もっと大きなところからこの原理がくる。」、まあ最近新しく出てくる基本的人権は必ずしもこうじゃないかもわかりませんが、根っこはこれだということです。
 「普通の意味の国家によっては侵すことのできないものである。何となれば、国家がきめたのではなくて、国家よりももっと根本にある人間がきめたものであるからだ。」、こういうことも金森博士は言っております。
 そして、「この憲法は、基本的人権について法律優先の原理を認めないのであるから、法律をもってするも基本的人権を制約することはできない。」とはっきり書いてあります。
 「この実際上の効果は、法律はそのときの国会の意思によってきまるものであって、時と場合によっては無理をすることも考えられ、殊に多数が少数を圧迫するようなこともありうるのであるが、この憲法においては、時の多数勢力も基本的人権を制限することができない。」、こういうふうに金森博士は書いております。
 恐らく金森博士はこういう思想と方針でこの憲法をつくられたと、私はそう思っております。
 そこで、こういう認識で私は憲法運用、憲法解釈に当たるべきだと思いますが、公共の福祉の範囲の中において基本的人権が認められるという考え方では、私はいささか官僚主義的じゃないかと思います。特に、信教の自由という基本権、この位置づけ、これをやっぱり明確にしておくべきだと思います。
 そこで、文部大臣にお尋ねしますが、先ほど来申し上げましたように、憲法には各種の基本的人権がございます。思想の自由、良心の自由、集会・結社の自由、言論・出版等の自由、学問の自由というのがありますが、これらの基本的人権で一番基本になるものは、文部大臣、何とお考えでしょうか。
#80
○政府委員(大出峻郎君) 憲法で定めるところの基本的人権は、先ほど申し上げました憲法十二条の規定にありますように、「公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ということでありまして、いずれの基本的人権でありましても、これは最大の尊重をしなければならないということは当然のことであろうかと思います。
 ただ、そういう中にありましても、いろいろな性格の基本的人権というものがあるわけでありますが、信教の自由は、精神的自由権の一つとして、他の基本的人権とともに侵すことのできないものとして憲法はこれを保障しておるということで、非常に重要な人権であるということは間違いがございません。
#81
○平野貞夫君 このことを法制局長官と問答するつもりはございませんが、大臣、政治家の見識として、認識論をお尋ねしているわけでございます。公共の福祉に反しないことは当然のことでございます。私の言っておりますのは、哲学論を言っているわけです、認識論を言っているわけでございます。
 政治思想の立場で言えば、学問の自由、思想の自由、言論の自由、表現の自由、そういったことの根本、これが歴史的には信教の自由に淵源があるというのが一つの物の考え方でございます。そういうふうに信教の自由というのを位置づけて、憲法の運用なりあるいは法律の制定なりというものを考えるべきでないかと私は思っているわけでございます。
 文部大臣、いかがでございましょうか。
#82
○国務大臣(島村宜伸君) お考えに特に異論はございません。
 ただ、何の自由が一番大切かと言われますと、私はそれぞれの自由がみんな大切だという認識しか持っておりませんので、特定してこの自由が一番大切だというふうに限定することが私にはいささか判断に余ったところであります。
#83
○平野貞夫君 ここも認識論ですからいろんな意見があってしかるべきだと思いますが、歴史的に考えましても、近代デモクラシーということを考えましても、信教の自由を淵源にしていろんな各種の自由がこの近代化の中で制度化されていった、少なくともここのところを認識していただきたいと、私はこう思うわけでございます。
 時間の関係がございますので、次に移ります。
 再三再四この改正案で議論されておりますが、憲法二十条の冒頭に「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」という規定がございます。法制局長官、これの解釈を何度もされていると思いますが、念のためもう一度お願いします。一発言する者多し)
#84
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#85
○政府委員(大出峻郎君) 憲法二十条に言いますところの信教の自由というのはいかなるものかという御質問かと思いますが、憲法二十条は、信教の自由について、第一項前段で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」と規定し、さらに信教の自由の中でも宗教上の行為の自由について、第二項におきまして「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」旨を規定いたしておるわけであります。
 憲法の保障するこういう信教の自由の内容としては、一般に信仰の自由、これは内心において宗教を信ずるとかあるいは信じない自由、そういうものがまず挙げられると思います。さらに、宗教上の行為の自由あるいは宗教上の結社の自由などが信教の自由の中には含まれているというふうに考えられているところであります。
#86
○平野貞夫君 教科書的なことを申し上げて非常に申しわけありませんが、この「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」ということの意味として、公権力によって信教の自由を侵害することを禁ずる意味だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#87
○政府委員(大出峻郎君) そのとおりでございます。
#88
○平野貞夫君 参議院の法制局長さんにお尋ねしますが、この公権力というのは国会も入りますか。
#89
○法制局長(田島信威君) お答えいたします。
 憲法第二十条第一項前段では「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」と規定され、いわゆる信教の自由が保障されております。
 これは、公権力によって信教の自由を侵害することを禁ずる意味であるとされておりますが、ここで言われております公権力の主体には国会も含まれているものと解されております。
#90
○平野貞夫君 そうしますと、一般論として申し上げますと、国会の委員会の議決、例えば参考人の出頭要求とか証人の喚問などはこの公権力の行使だというふうに考えていいと思います。
 したがいまして、この宗教問題、信教の自由にかかわる問題を国会、委員会で取り扱う際には、ここのところ、憲法上のこの原理をよく踏まえておくべきだと思います。委員長にそのような委員会の運営を切望いたしておきます。
 なお、昨晩の深夜、参議院の慣例に従って全会一致で参考人を招致するということを中心とする合意が与野党間で確認されたことは、私は参議院の良識においてよかったと思っておりますし、各党の関係された方々の御尽力に敬意を払うものでございます。
 そこで、内閣法制局長官に確認をしておきますが、内閣法制局長官は、この政教分離の部分の憲法解釈として、政教分離の原則は宗教団体が政治活動をすることを排除するものではない、宗教団体の政治活動は憲法二十一条のいわゆる表現の自由の一環として尊重されるべきである、憲法上、宗教団体は選挙運動などの政治的な活動が許されているというふうに一貫して発言されておると思いますが、それでよろしゅうございますか。
#91
○政府委員(大出峻郎君) ただいまの御指摘は、平成六年十月十二日における衆議院の予算委員会において冬柴委員に対する私の答弁として申し上げたことかと思いますが、そういう趣旨のことを申し上げたと思います。
#92
○平野貞夫君 ちょっと私が気にかかりますのは、私が申し上げた最後の、憲法上、宗教団体は選挙運動などの政治的な活動が許されているという、この許されているという部分でございます。
 許されているということは、禁止しようと思ったら禁止できるというお考えでございましょうか。
#93
○政府委員(大出峻郎君) 私も答弁の議事録を網羅的に調査しておりませんのでちょっと確信がございませんけれども、許されているという言い方を私はあるいはしていないのではないかというふうに思います。認められているという言い方をしているところはございます。
#94
○平野貞夫君 私もこの辺明確に確認していませんので、ちょっとこれは保留いたします。
 けさの各新聞によりますと、自由民主党の加藤幹事長が京都で政教分離基本法をつくったらという構想を発言されております。
 その内容は、直接聞いたわけじゃございませんが、新聞ですからそのつもりで申し上げますが、「政教分離の観点から、宗教団体がその施設を使って政治活動をしてはならないとか、宗教法人の職員が選挙活動をしてはならない」と、こういったことをこの法律で規定したいという意向のようでございます。
 そこで、この考え方が憲法の信教の自由あるいは政教分離の原則とどうかかわるかということは重大な問題点だと思います。
 そこで、私の意見はこれは憲法に違反した発言じゃないかという意見ですが、私は素人でございますので、法制局長官、これは一般論で結構でございます。別に加藤幹事長の発言ということを意識することはございませんが、一般論として、宗教団体がその施設を使って政治活動をすることが法律でくくれるかどうか宗教法人の職員が選挙活動をしてはならないということを法律でくくれるのかどうか、ひとつ憲法論上の立場から御答弁いただきたいと思います。
#95
○政府委員(大出峻郎君) ただいまの発言の内容につきまして私は承知をいたしておりませんので、答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#96
○平野貞夫君 一般論としていかがでございますか。
 現在は、宗教団体がその施設を使って政治活動をすることを法律で禁止はしていませんし、憲法上も可能であるということで解釈はされていると思います。それから、宗教法人の職員がいわゆる選挙活動をすることについて、先ほど申したように認められていると、憲法上。
 ですから、仮にこれを法律にするといった場合に、今までの政府の信教の自由、政教分離の原則に対する憲法の解釈を変えるのか変えることによってこれが可能なのか、あるいは変えなくてもできると法制局は考えるのか、あるいは憲法違反なのか、御答弁いただきたいと思います。
#97
○政府委員(大出峻郎君) ただいまの御質問の中心は、信教の自由との関係、政教分離原則との関係についての観点からのお話であったかと思いますが、まず政教分離原則の問題について申し上げますと、憲法の定める政教分離の原則というのは、憲法第二十条第一項前段に規定する信教の自由の保障を実質的なものにするため、国及びその機関が国権の行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨である、そういうふうに解しておるわけであります。それを越えて、宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨のものではない、これが政教分離原則に関する考え方であります。
 また、その政治的活動の自由は、これは憲法第二十一条の第一項が集会、結社及び言論その他一切の表現の自由を保障しているという趣旨にかんがみ、当然のことながら尊重されるべきものと考えておるところであります。ただ、いずれにいたしましても、先ほどの御発言の詳細というものを承知いたしておりませんので、これ以上言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
 それから、先ほど、認められているという意味のことを申し上げたことがありますということを申し上げましたが、これは去る十一月六日、衆議院における特別委員会におきまして井出委員の御質問に対しまして私が答弁したところの中に、「認められている」という言い方をしている部分がございます。
   〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
 したがいまして、政治資金規正法だとかあるいは宗教法人法等のいろいろな制約がある場合は別といたしまして、宗教団体が特定政党を支援するなどの政治活動を行うということは認められているものというふうに理解をいたしております。」と、こういうような言い方をしている部分がございますが、これは政教分離原則で政治活動というものは排除していないということを、裏からといいますかわかりやすくといいますか、説明した部分、その場合に「認められている」という言葉を使ったという部分がございます。
#98
○平野貞夫君 大変いろいろ問題の多い村山政権の中で、法制局長官はやっぱりしっかりとこの憲法の問題について認識されていらっしゃるので敬意を表します。どうか、これからもいろいろな問題が起こると思いますので、ただいまのお考えをきちっと政権の中で、憲法に狂いのない一つの運営を、解釈を期待しております。
 宗教法人法改正案の問題に入ります。
 審議会のいろいろな問題につきましては、衆参両院で先輩、同僚の方々がやりましたので、私は申し上げません。しかし、けしからぬことだと思っています。二旨だけ申し上げます。
 残念ながら、多神教の我が国では歴史的に見て政治が宗教を支配する、管理するものだと、ずっとそういうことで何百年も来たものですから、明治以来の文部省は、宗教を統制管理する、そういったものを自分のところの縄張りにするということが本能的に好きだったようでございます。
 明治憲法の時代、民法ができまして、明治三十二年に宗教法をつくろうということになって、文部省、文部官僚は一生懸命何度も法案を準備して何回か帝国議会に出すわけです。結局、四十年できませんでした。それは日本の宗教事情の問題もあると思いますが、やっぱり帝国議会の議員さんたちがしっかりとしていたからだと思います。明治憲法といえども信教の自由というものを相当に認めておりましたものですから、各宗教、いろんな人の意見を調整するのに時間をかけたと思います。そして、戦時体制の昭和十四年になってやっと宗教団体法というのができるわけでございます。そして、宗教の管理統制を完成させたわけでございます。こういった歴史を見ましても、現憲法の信教の自由というのは非常に大事な原理だと思います。
 私は、この政府提案の法律を政府提出とは実質的に思いたくないんです。政府部内で本当に真剣な、細かないろんな問題にかかわることが議論されたかどうかということに疑問を持っております。したがいまして、これは実質議員立法みたいなもので、島村文部大臣、亀井自由民主党国民運動本部長、加藤幹事長のお三人提案の議員立法だというふうに私は実質的に考えております。これを欧米流に言いますと、島亀加法案と言うんです、島亀加法案。私は法律論につきましては、そんなに頭よくありませんから法律論は申しませんが、この改正案に対してごく一般の人たちの感情といいますか気持ちといいますか、そういうものを中心にこれからお尋ねしたいと思っております。
 まず、政府部内の関係省庁間で十分慎重な協議が行われたかどうか、文化庁お願いします。
#99
○政府委員(小野元之君) 政府提案でございまして、一般に、通常各省が法案を出す場合、各省協議を行うわけでございます。本件法案につきましても、関係省庁に対して事前の協議を行ったものでございます。
 具体的には十月五日に各省庁に事前協議を開始したわけでございます。この法案の閣議決定日は十月十七日でございますので二週間に少し足りない期日でございますけれども、関係の省庁に対して御協議を申し上げて、それぞれの省庁から異議がない、特に問題はないということで次官会議に事前に御報告を申し上げ、閣議決定し、そしてさらに次官会議に正式に後から御報告をするという手続をきちんととって提出をさせていただいたものでございます。
#100
○平野貞夫君 二週間時間があればこれは真剣にやれば十分議論できると思います、協議できると思います。各省問題ないと言ったということでございますね。
 それで、これは国家や国民生活に重大な問題がある、国民感情的に見て重大な問題があると。素人の私が気がついたことでございますからいささか恥ずかしいんですが、それを一、二点申し上げたいと思います。
 文化庁、宮内庁とは協議されましたか。
#101
○政府委員(小野元之君) この法案につきまして事前協議を行ったのは五省庁、特にこの法案の内容について具体的に関係のある各省庁に御協議を申し上げたところでございます。したがいまして、私どもとしては宮内庁さんがこの法案に直接御関係があるということではないというふうに判断いたしておりましたので、そういった形での事前協議は行っておりません。
#102
○平野貞夫君 宮内庁は皇室のお仕事をされているわけですが、天皇家と関係の深い宗教法人がかなりあると思います。
 そういう意味で今回の改正案で問題点はなかったんでしょうか、文化庁。
#103
○政府委員(小野元之君) この法案に関連いたしましてこの委員会等でも何回か御論議があったわけでございますけれども、今回の宗教法人法の一部改正は特定の宗教法人を念頭に置いて改正を検討したというものでは全くないわけでございます。
 宗教法人一般に対して、昭和二十六年制定以降の社会の状況の変化や宗教法人の実態の変化ということで制度が実態に合わない面が生じておる、国民の間からも見直しを図るべきだという意見が非常に強いといったようなことで、審議会の報告を尊重しつつ検討をさせていただいたものでございまして、特にこの法律が私どもとしては宮内庁さんと具体的な中身について深い関係があるというふうには思っていないところでございます。
#104
○平野貞夫君 我が国は天皇家の御繁栄と天皇制の維持発展があってこそ私たちの幸せがあると、私はそう思っております。天皇家と関係の深い神社、寺院には歴史的、伝統的に慣例がありまして、国家にかけがえのないいろいろな宝物等がございます。こういったものは宗教法人の財産目録とし、あるいは収支計算書等、そういったものと一緒に所轄のところにこの改正案で提出することになりますね。
#105
○政府委員(小野元之君) この法案をお認めいただけますと、収支計算書や財務関係の財産目録等を毎年度所轄庁に対してお出しをいただくということになるわけでございます。
 ただ、そういった書類をいただくものでございますけれども、そういう収支計算書や財産目録といったものは、例えば収支計算書でございますと、一会計年度における総体としての収支の状況、あるいは財産目録も当該時点における財産の総体としての財務面での記載、それが計数としてあらわれるというものでございまして、このことは特に信教の自由なり、それぞれの宗教法人のお持ちである宝物等の具体的な内容について所轄庁がとやかく申し上げるためのものでは全くないわけでございまして、一会計年度における総体としての収支の状況、こういったものをお出しいただくというものでございます。
#106
○平野貞夫君 質問していないことを発言する必要はありません。
 要するに、提出をされる、そういうことになりますと、この法の二十五条第二項の事務所備えつけ書類はいわゆる信者その他の利害関係者の閲覧の対象になる、理論的にはそういうことになりますね。そうかそうでないという回答だけで結構です。
#107
○政府委員(小野元之君) 宗教法人の事務所に備えつけの財務関係書類、これについては閲覧の対象となるわけでございます。
#108
○平野貞夫君 そうなりますと、先輩、同僚の方々が何度も質問しました信者その他の利害関極人というものの概念が非常に問題になるわけでございます。言葉には正当な利益があるとか不当な目的によらないものというようなものがありますが、こういうものは言葉だけで実際とれだけ効き目があるかというのは保証がないわけでございます。
 我が国には残念ながら天皇制に反対するグループがたくさんいます。文部大臣はたしか学習院の御学友とお聞きしておりますが、こういう過激反天皇制グループが悪知恵を出していろんな問題を起こしたり潜り込んだりする可能性があると私は心配していますし、多くの国民も心配しています。こういったことがないようにきちんとした宮内庁との協議、これが行われるべきじゃなかったんですか。
#109
○政府委員(小野元之君) 具外的な閲覧請求権につきましては、昨日も御論議があったわけでございますけれども、正当な利益があって、かつ不当な目的を持っていない信者その他の利害関係人に対して、事務所に備えつけている書類についての閲覧請求を認めるというのが今回の法改正の趣旨でございます。先ほどから申し上げておりますように、これはいずれもそれぞれの毎会計年度の収支計算を一会計年度全体としての計数としてあらわした書類、そういったものでございます。
 こういったものの閲覧請求があるわけでございますけれども、昨日来も申し上げておりますように、信者についてもその他利害関係人についても例示を申し上げておりますけれども、正当な利益があり不当な目的でないというふうに宗教法人の方で判断できるわけでございますから、仮にそういった由緒ある宗教法人に対して無用の混乱を招くおそれがあるという方であれば、それはきっぱりとお断りになるということができるわけでございますし、宗教法人が御判断できるというふうに考えております。
#110
○平野貞夫君 要するに、いろいろなことをおっしゃっていますけれども、そういう危険性、可能性はあるわけですよ。
 そこで、宮内庁、そういったことにどういうような御所見をお持ちでしょうか。
#111
○説明員(伊原正躬君) お答え申し上げます。
 宗教法人に関することは宮内庁の所管するところではないことから、今回の宗教法人法改正法案について宮内庁は言及する立場にございません。
#112
○平野貞夫君 役人の答弁としてはそのとおりだと思いますけれども、しかしやっぱり我々は気持ちの上ではそういうものを大事にせにゃいかぬと思うんです。そのためにもきちっとした、いろいろ各方面に対する気配りを持って慎重な議論が要ると思うんです。その点では残念だと思います。
 次に移ります。
 この閲覧権の問題ですが、国民生活に重大な影響のある問題がもう一つございます。私は十月十九日の参議院の法務委員会で、今回の改正案で暴力団や総会屋が大変喜んでいるという話を取り上げました。情報開示によって、宗教法人への嫌がらせをやり、資金源にしようとの情報を聞いたからでございます。私の質問に対して法務省当局は、指摘のような意見があることを法務当局において承っているという趣旨の答弁がございました。私は極めて重大だと思っております。そして、調査をお願いしたわけでございますが、その後どんな状況でございましょうか。お答えいただけませんか。
#113
○政府委員(原田明夫君) お答えを申し上げます。
 ただいまの十月十九日の法務委員会における御質疑でございますが、委員の御指摘になったような状況があるということで御質問があったわけでございます。そのような御指摘があるということは承りましたということを申し上げたのでございます。
 なお、その際に法務省に対しまして、暴力団あるいは総会屋等のかかわりに関しまして調査要請がございました。その後も委員から宗教法人法の改正を喜んでいる人たちの実態の調査という観点での御要請を受けまして、法務省といたしましても法務省なりに調査をしたわけでございますが、現在までのところ、暴力団の関係者等が宗教法人法の改正を喜んでいるというような情報には接しておりません。
#114
○国務大臣(深谷隆司君) 国家公安委員会委員長としてこの問題についてはどうしても一言申し上げなければなりませんから、御指名ありませんけれどもお許しをいただきたいと思います。
 過日も同じ質問がございました、この宗教法人法の改正で暴力団が喜んでいる、そのような事実は全く把握しておりません。今も同じことをおっしゃられたわけでありますから、失礼でありますが、どういう暴力団が喜んでいるのか、もし御存じでしたら教えていただきたい。その場合には徹底して私たちは問題が起こらないような体制を整えます。教えていただきたい。
#115
○平野貞夫君 私も国家公安委員長の御所見を聞こうと思っていたところでございます。
 それから、率直に言いまして私は具体的に暴力団の名前は知りません。それはあるジャーナリストから聞いた話でございます。(発言する者多し)
 しかし、我々はそういう疑義があることについては確かめて、そういうことがないようにするのが仕事だと思っております。これは、あらゆることを心配しておかないといけませんよ、国民生活に関することですから。
 それでは、国家公安委員長、このことに関しては一切心配は要らないということですね。
#116
○国務大臣(深谷隆司君) 私が申し上げたのをきちんと聞いていただきたいんですが、心配があるとかないとかいうようなことまで言及しておりません。あなたが暴力団が喜んでいるという情報があるから云々という話で、あたかもこの宗教法人法に対する反対の理屈づけの一つに入れるような感じがございましたから、そのような情報というのは把握していない、もしそういう暴力団があったらむしろ教えていただいた方が安全を守るためには大事なことだと思いますから逆にお尋ねしたわけであります。
 私どもといたしましては、いずれにいたしましても、善良な宗教団体にせよ他の団体にせよ、暴力団その他が介入して法に反するようなことがあったら断固対応するという覚悟で警察が構えておりますことは間違いのないことでありますから、そういう意味で全力を挙げるということは改めてここでお誓い申し上げたいと思います。
#117
○平野貞夫君 私は、心配はあるのかないのかということを改めて聞いたんですよ。だから、ないならそれで結構ですよ。(発言する者多し)
 残念ながら、私にその情報を伝えた人は具体的な話を伝えていませんので、私はその方から具体的な話を聞きまして、長官のところ、委員長のところへ持ってまいります。それでひとつ対応していただきたいと思います。
 文部大臣、文部大臣は改正案の趣旨説明で、「改正すべきとの世論も高まっているところであります。」ということを衆参両院の本会議で発言されました。私から言いますと、確かに世論調査は高いです。しかし、この世論というのはつくられたものです。私はそういうふうに解しています。
 それは、私は大変文部大臣のお父さんにかわいがられたからこんなことを言うのは嫌ですけれども、現在、新聞、出版の再販制度の見直しというのが議論されております。私は個人的にこれは見直しは慎重であるべきだと思っております、私個人の意見は。しかし、どうも文部省は、大臣はとは言いませんけれども、所轄が同じ文化庁でございますから、この点、マスコミを世論づくりに協力させたというか、取引をしたんじゃないかと私は疑念を持っておるんですが、いかがでございますか。
#118
○国務大臣(島村宜伸君) 正確にお答えをしたいと思います。
 文部省としては、宗教法人審議会において宗教法人制度に関する検討が精力的に行われ、また国民の宗教法人に関する関心も高まりを見せていることから、宗教法人審議会における検討の状況の説明を主なマスコミの論説委員等に対して行うこととしたものであります。
 通常は論懇というのがありまして、御専門の論説委員の方にお集まりいただいてするわけでありますが、たまたまそれが物理的に不可能で、皆さんの御都合がつかなかったので、特定の人たちを外してやることよりはこの際というので、私はまだごあいさつもできておらなかったことですから出向いてお話をした。
 それで、訪問の際に新聞の再販制度については全く話題に上りませんでした、どこも。また、マスコミの権威に照らしても、そういうことで何かをすることが果たして可能かどうかはよく御理解がいただけると、こう思うわけであります。
 なお、この説明は宗教法人法を担当する論説委員等に対して行ったものであって、再販制度問題に関して圧力になったとは全く考えておりませんし、そのことは話題にも出なかったし、もちろん我々も話題に出さなかったし、また関係の筋にも聞いたところですが、そういう事実は私は全くない、こういうことを前にもお話ししたところであります。
#119
○平野貞夫君 私が次に聞こうと思ったことをもう答弁されますからね。
 大臣のお気持ちといいますかお話はよくわかりましたが、私は、私の危惧であったら幸せなんですけれども、どうやら信教の自由の抑圧から言論の統制へ時代背景が移りつつあるんではないかという嫌な予感を実は持っておるわけでございます、改正案の内容、そして一連のそういったことについて。これは危惧でございます。答弁は結構でございます。そういうことにならないようにぜひひとつしっかりとやっていただきたいと思います。
 それと、マスコミの権威とおっしゃいましたけれども、まあ余りマスコミの悪口を言うと、私は別に構いませんが、例えばあるテレビ会社のニュース番組で、宗教法人法改正案と医療法人の一覧表をつくって、許可とか届け出とかそういうものの比較はこうだというふうにして解説しているわけなんですよ。これは文部省がやったとは思いませんよ、その社がやったと思いますが、私は必ずしも全部が全部のマスコミが見識があるとは思っておりません。そういうことでつくられた世論でもあったということを申し上げておきます。
 次に、オウム事件に入ります。
 破防法の適用でございますが、私は五月以来そのことを主張してまいりました。しかし、私は何が何でも破防法を適用せよという主張ではございません。法律に該当すれば、これは淡々とその法律の執行をやるべきだという主張でございます。
 ほとんど年の暮れになってきましたんですが、もうぼつぼつ見通しといいますか、私たちに安心を与えてほしいと思っておりますが、法務大臣、お考えをお願いします。
#120
○国務大臣(宮澤弘君) 破防法の問題でございますが、ただいまおっしゃいましたように、法律に該当すればと、まさにその点につきまして法と証拠に基づくという観点から検討を続けておりまして、公安調査庁もそういう観点から調査をいたしておりまして、先般も申し上げましたけれども、ただいま最終の検討段階に入っている、私もなるべく早い機会に結論を見出すように努めたいと思っております。
#121
○平野貞夫君 わかりました。大臣の一層の御見識の発揮を期待しておきます。
 私は、オウム事件で非常に不可解なのは、これは本質的に公安事件だと思います。我が国の危機管理、安全保障の問題だと思っております。しかし、こういう認識を政府はされているかどうか。当初はされていたけれども、どうも途中から宗教法人の単なる刑事事件というように切りかえたんじゃないかこういう感じを持っていますが、大臣、どうでございましょうか。
#122
○国務大臣(深谷隆司君) 宗教団体に名をかりたこういうテロ集団が出るということ自体、今までの犯罪の歴史の中では想定できなかったというのはそのとおりでございます。
 しかし、実際問題として、警察官の不眠不休の努力によって数々の証拠も集め、犯人も逮捕してまいりますと、まあやや漫画チックなところはありますけれども、実際にサリンをこしらえたり武器をつくったりして国を転覆するような、そんな大きな目標を持っていたということも判明しつつございます。また、現実に死者を出したし、負傷者も相当の数に上るわけでございますから、私どもはこれらの問題の解決のためにとにかく全力を挙げることだと、そのように考えておりまして、一つの公安事件とか犯罪事件とかいう区別をすることなく、事件の解明、解決を図るために全力を挙げる、そういうことで今努力をいたしております。
#123
○平野貞夫君 この事件で私が理解に苦しみますのは、アウトローの世界とこのオウム真理教とのつながり、それから第三国とのつながり、ここら辺の解明が意外に問題の本質かもわかりません。しかし、それは捜査当局の調査を待つしかありませんが、例えばアメリカの上院ですと、政治活動の小委員会で公聴会を開かれて、どんどんそういう情報が議会で公表されておるわけなんです。ところが、我が国会はちっともそういうことに対する感覚が、ないとは言いませんが少ない。
 そこで、私が五月二十四日の本会議で、早川被告とロシア、北朝鮮との関係、これを指摘しておいたんですが、その後、早川は捕まったわけでございまして、取り調べをしていると思いますが、何か新しい情報はないでしょうか。
#124
○政府委員(杉田和博君) 御指摘の点については、オウム真理教の海外活動の実態の解明という一環で、早川被告とロシア等の関係について鋭意捜査を進めておるところでございますけれども、現時点で既に申し上げた以上のことはございません。
#125
○平野貞夫君 何かあって出さないんじゃなくて事実がないと、そういうふうに理解します。
 法務大臣と公安委員会の委員長にお願いをしますが、オウム真理教事件で公安に関連する資料、情報というのが相当あると思いますが、これを資料として国会に出していただけないでしょうか。それが真相解明の根本になりますし、また再発防止の根本にもなりますし、宗教法人法改正の絡みとの問題が明確になりますので、それはいかがでございましょうか。
#126
○政府委員(則定衛君) いわゆる捜査資料と国政調査権との関係にわたる問題でございますけれども、今の御質問、御趣旨は大体わかりますけれども、極めて抽象的な表現でございますので、いずれまた具体的なことに絞ってお話がございましたら、その時点で、今申しました国政調査権と捜査資料との関係等々を勘案しまして考えさせていただきたいと、こう思っております。
#127
○平野貞夫君 アメリカの上院のこの資料は、日本の政府、行政関係から随分情報が行ったと見えて、そういう書き方をしております。ですから、日本の行政が日本の国会に資料を出せないということはないと思いますが、公安に関する資料を全部と言うと確かに抽象的でございますが、それでは早川被告関係の捜査資料を国会に出してくれませんか。
#128
○国務大臣(深谷隆司君) 具体的な捜査にかかわる問題ですから担当者から報告させますが、ただいま捜査中でございまして事件が解決したわけではありませんから、一般論としてそう簡単には出せない資料が圧倒的に多いだろうと思います。
 それから、今のな言葉に格別逆らうつもりはありませんが、アメリカの調査員が日本に参りまして警察庁の方にも資料その他要求がありましたが、これは本当に限られた、捜査に支障のない部分だけの協力でございまして、国会に出さないのを向こうに回すなどという愚かなことは全くやっておりません。
 同時に、調査員は、我々のところだけではなしに、マスコミ関係、その他もろもろを回ってかなり範囲の広い調査を行ったようでございまして、公聴会で発表したことについては、私どもも非常な関心を抱いでいるという状況です。
#129
○平野貞夫君 捜査中の資料が出せないあるいは出しにくいことはよくわかります。そこはやはり国政調査権と行政の調整が必要だと思います。
 お願いをいたしたいんですが、国会としても一日も早く事件の真相と本当の問題というものを把握する必要があると思います。そういう意味で、捜査中であってもあるいは公判以前であっても、刑訴法四十七条ただし書きで、当委員会が要求すればあるいは決議すれば出せるはず、そういう仕組みになっているはずでございます。したがいまして、私は具体的に今ここでこれを出せ、あれを出せということは申しませんが、今後、そういう問題の調査の展開によってはぜひひとつ、私は問題を保留しておきますので、平成会としてそういう問題提起を今後していくと思いますので、御留意をいただきたいと思います。
 それから、村井という者が殺傷されましたですね。そして、徐という被告が、一審の判決が終わったようでございますが、この背景についてここで御説明いただけないでしょうか。
#130
○政府委員(杉田和博君) 御指摘の事案につきましては、徐という者、これは実行行為者でございますけれども、そしてこれを使嗾した者として上峯という被告、これを検挙しておるところでありますけれども、その背後と申しますか、その先につきましては現時点で判明をいたしておりません。
   〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
#131
○平野貞夫君 それでは、判明する可能性はありますか。
#132
○政府委員(杉田和博君) このような事案については背景というものが大変重要でございますので、鋭意努力をいたしておるところでございます。
#133
○平野貞夫君 私は、オウム真理教事件の捜査、情報、そしてオウム真理教という事件のマスコミによる展開、こういうものを巧みに政権側が利用して宗教法人法の不備というものにすりかえて、そしてこの改正案が出された。この改正案の内容、この詰めはいろいろ非常に問題がある。もう法律論的にも、先輩、同僚諸氏が指摘しましたが、私はきょうは国民感情論として申し上げたわけでございます。
 そういう意味で、本来もう少し宗教法人法の改正は第三者機関とか、あるいは二、三年の時間をかけてやるべきであったということは、私は歴代の自由民主党の総理大臣をやられた方の御意見だというふうに仄聞しております。どうしてこんなに急ぐのかそこのところを大臣、もう一度お聞かせ願いたいと思います。
#134
○国務大臣(島村宜伸君) この法案をつくるに当たりましては、本年四月から御検討願っておることは御存じのとおりですが、その中には十一名の宗教法人の関係の代表者がおられますし、憲法学者も民法学者も、あるいは宗教関係の学者も含まれて、それで十五名の方がまさに夏休み返上で御検討いただいた結果であります。
 また、今、国民感情を何か逆なでするというか、そういうような御発言がありましたけれども、なるほど読売新聞、東京新聞、NHK等が六月、七月、九月と、こうやってきました世論調査、この高率の世論調査の結果については、これは内容を御存じないからだという御批判が御堂の方々からよく寄せられたんですが、実質的に、十一月二十三日と記憶しますが、ついせんだっての世論調査でも八三%を記録している。これは衆議院の宗教法人法の審議、いろいろ皆さんもごらんになっての上でありますけれども、率が落ちていないということは率直に認めるべきじゃないんでしょうか。
 それから、これは何も今例示しただけじゃなくてテレビその他でいろいろ、我々と少し異なったような立場からいろいろ解説をなさるテレビでも同じように世論調査の結果だけは高いものが出ていると、そう思います。
#135
○平野貞夫君 最後に、私は申し上げたいことがございます。随分新進党、創価学会攻撃がこの国会の場でも行われました。私は三年首無所属で自由民主党と公明党の推薦で国会に出していただいた者ですが、創価学会に対するいわれなき中傷、発言、随分あると思います。
 日蓮上人さんの教えを実行する、これは普通の、お葬式とか法事を宗教としている考え方と違うと思います。民衆の救済、これはアメリカで言いますとホイットマンのコモンマン運動、草の根デモクラシーの精神でこの人たちは必死にやっております。私はいろんな宗教団体からの御推薦もちょうだいしておるんですが、本当にまじめにこの人たちはやっております。
 それは、政治活動といえども自分たち民衆の救済、平和や環境や人権や福祉について実現してくれるこの人たちをどうやって国会で活躍してもらうかということ、そういう素朴で純粋で草の根のデモクラシーの活動を一つ一つ積み上げているところですよ。そこを、その真実を押し曲げて、特定の政治目的、特定の一つの方向に世の中を引っ張っていこうということは本当に間違っておると思います。
 最近出されましたその人たちの「私の社会貢献」という本を見ても、実に地域地域で涙の出るような努力をされている。そういうものをともに私たちは社会のために働いていこうと、こういうことでやっているわけでございますので、これはひとつ御理解いただきたいと思います。
 なお、昭和五十年から平成五年のこの二十年近い間、自民党の政権がなぜ続いたかということは、そういう人たちの素朴な協力があったからだと思います。
 そういうことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。答弁は要りません。一拍手)
#136
○益田洋介君 平成会の益田洋介でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 これまで衆参両院においての当委員会におきましてさまざまな角度から質疑が行われてまいりまして、切り口が違い、また深度が違い、大変鋭意、皆様御検討されて質疑が進んでまいりました。昨日は私の同僚の大森礼子議員が法文の細部にわたっての注釈をいたしました。したがいまして、私はきょうは切り口を少し変えて、まず最初にオウム事件の一部の検証、それから大和銀行の破綻事件、大蔵省幹部による不祥事件について質問をさせていただき、そして政府の危機管理問題、そして現在の政府の行政管理の責任の実態をつまびらかにしたいと考えております。
 それから次に、近代諸国における基本的人権の考え方の基礎をなしていると言われている一七八九年のフランス人権宣言における基本的人権の考え方と我が国の現行憲法第二十条の相関性を概観いたしまして、政府の憲法解釈を確認させていただきたい、このように考えております。
 まず、文部大臣にお尋ねをいたしたいんですが、一般紙に報道されているところによりますと、去る十一月二十七日、安斎伸上智大学名誉教授、飯坂良明学習院大学名誉教授、この方は文部大臣の御卒業の学校の名誉教授でございますが、政経学部の御出身である大臣は果たしてこの先生からお学びになったかどうかはわかりませんが、それら五人の学者グループの方々が連名で宗教法人法改正に疑義を呈する声明文を村山総理大臣と島村文部大臣に対して提出されたと聞いておりますが、文部大臣はこのことを御存じだと思います。
 声明文には、立正佼成会や日本基督教団、天台宗、妙智會、善隣教、世界救世教(新生派)、真宗大谷派、真言宗智山派、日本キリスト教協議会、日本神宮本庁、京都仏教会など五十に近い有力宗教法人が賛同団体として名を連ねております。そして、近い将来には百を超える団体が趣旨に同意して賛同団体となる予定だというふうに伺っております。
 声明の内容は、改正案が複数都道府県にまたがる法人の所轄庁を文部省に移管したり、情報開示義務、質問権などを盛り込んでいることについて、宗教全般に対する国家の恒常的な監視体制が確立されてしまうおそれがある、また弾圧の歴史を繰り返さないために憲法に規定された信教の自由と相入れないものである、このような批判を展開しているわけでございます。
 これだけ多くの強い抗議がありますので、文部大臣は御理解をいただけるものと思いますが、この点につき所感を伺わせていただきたい。
#137
○国務大臣(島村宜伸君) 確かに、十一月二十七日に五名の学者の方から出された「宗教法人法改正問題についての声明」は、直接ではございませんが受け取っております。
 同声明文には、今回の改正案は改正の動機、改正の手続、改正の内容に問題があるとし、諸宗教がともに手を携えて幅広い議論のもと、宗教の使命を実現するための具体的方策を練り上げ、これを実施することを提言するとしております。
 同声明文には、さきにたしか四十という御指摘がありましたけれども、三十の宗教団体が賛同団体として付記されております。
 今回の改正法案は、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、社会の状況や宗教法人の活動の実態の変化に対応するための必要最小限の改正を行おうとするものであり、むしろこの改正は宗教法人の運営の透明性、適切さを向上させるという意味で宗教法人自身にとっても望ましい改正ではないか。言いかえれば、私も非常に立派な宗教活動をなさっておられる団体をたくさん存じ上げておりますが、そういう宗教法人のためにも、今回の改正はかえって社会の信用を回復されるためにも非常に大きなプラスになるのではないかと、こう受けとめております。
 なお、現行制度について御批判があることも承知はいたしておりますが、宗教法人にとって長年なれ親しんできたものでありますから、変更することには抵抗を感じたり不安に思う向きもあろうかと思いますが、改正の御趣旨をよく事実として内容を把握されれば、その憂いはいわば雲散霧消するんだろうと。
 一言だけ申し添えさせていただきますが、今お話があった飯坂教授にはかつて講義を受けたことがございます。個人的にもいろいろなお話をするおつき合いがあります。もし飯坂先生が私とじかにお話しする機会があれば、必ずその誤解を解いていただけると私は確信いたします。
#138
○益田洋介君 ありがとうございました。
 私は、文部大臣がこのかつての先生に対して返書を送られて、さらに論議を重ねられることを望んでおります。
 さて、次にオウム事件の検証に移りますが、この事件がもともと大きな広がりを見せた事実上の発端は、一九八九年十一月四日の坂本堤弁護士一家の失踪でございました。三日後の七日、家族から神奈川県警に捜査願が提出されました。そして、十五日には県警は何と公開捜査に踏み切ったわけでございます。
 本来、誘拐された可能性のある事件であるならば、被害者の生命の危険をおもんぱかって非公開で捜査を進めるのが常識でございますが、捜査願が提出されてからわずか一週間で公開に踏み切った理由は一体どういうことでございましょうか。
#139
○政府委員(野田健君) 坂本弁護士一家が、今、委員おっしゃるとおりの経過で所在が不明になったという届け出がありました。至急本部の鑑識課あるいは捜査一課の捜査員も現場に急行いたしまして捜査を開始したわけであります。
 そうしますと、坂本弁護士はオウム真理教被害者の会の救援活動に従事しておる、そのことで同教団との間に激しい対立関係があった、あるいは同氏宅に同教団のバッジ、いわゆるプルシャと言われておりますが、そういうものが残されていたというようなことがありまして、そういうような関係から、場合によっては拉致されたというようなことも十分考えられるし、またそういうことでどこかで監禁されているという危険性もあるのではないかということで公開し、そしていわゆる一課事件ということで本格的な捜査本部を設置して捜査を始めたということでございます。
#140
○益田洋介君 そうしますと、そのプルシャというバッジが落ちていたということ、それからまた失踪した坂本弁護士がオウムの事件に深くかかわり合っていたという経過から、これはオウム関連の事件が発生したものと捜査本部は考えて一週間後に公開捜査に踏み切ったと、そのように理解してよろしいのかと思います。
 オウムの幹部の事情聴取を開始したのはいつのことか、そしてだれから事情聴取をしたのか、またそのときの聴取の結果はどういうものだったのか、お答え願います。
#141
○政府委員(野田健君) 極めて具体的なお尋ねでございまして、現在ちょっと手元に資料がございませんので、後ほどお答えいたしたいと思います。
#142
○益田洋介君 九四年六月二十七日、死者七名、負傷者約六百名を出した松本サリン事件が発生しました。発生の当時は青酸ガス発生事件と呼ばれていたわけですが、長野県警は事件発生の翌二十八日、第一通報者で、事件当夜、緊急入院したある会社員宅を被疑者不詳の殺人容疑で家宅捜査いたしました。このときの捜査本部の捜査員は実に三百十名であったと聞いております。
 七月二日、現場付近からサリンを検出、県警はその会社員を入院の翌日からベッドで事情聴取しており、一カ月後に退院した七月三十日、三十一日には二日で合計十五時間に及ぶ聴取をしている。そして、八月四日には捜査本部は捜査員を三百十名から百九十名に減員しています。
 この減員の理由は、これまでの聴取でその会社員の容疑が固まったと見たためと考えていいのでしょうか。
#143
○政府委員(野田健君) いわゆる松本サリン事件は、平成六年六月二十七日に発生したわけであります。午後十一時三十分ごろ、松本広域消防局から松本警察署に原因不明の病院収容事案が通報されて本件を認知いたしました。翌日午前七時には、死傷者多数を伴う中毒事故捜査本部ということで、三百十名の体制で捜査態勢をとったということであります。
 そして、その日亡くなった方が七名ありますが、それぞれ亡くなった方の家、あるいは第一通報者であり、また同時にそのお宅の周辺でガスが発生したということが考えられたことから、河野さん宅の検証許可状、そして捜索差押許可状を被疑者不詳ということでとったものであります。
 その後、委員御指摘のような経過がありましたが、体制を落としましたのは河野さんに容疑が出たということでは決してございませんで、それまでの初動的な捜査、亡くなった方が七人ある、広範囲な捜査が必要がないということで落としたものでございます。
#144
○益田洋介君 それから、ことしの三月二十日になりまして地下鉄サリン事件が発生し、二日後の二十二日にやっと警視庁と関係県警が全国の教団施設二十五カ所を一斉に強制捜査して、初めてオウムに対する実質的な本格捜査が始まったわけであります。坂本弁護士一家失踪事件発生後、実に五年四カ月が経過していたことになるわけです。未然防止可能であった数々の大惨事発生を導いた結果になったこうした捜査の不首尾を、自治大臣・国家公安委員長はどのように説明していただけますか。
#145
○国務大臣(深谷隆司君) 事件の解明が今日のように進んでまいった時点から見れば、何でこんなに時間がかかったのかという御批判やあるいは御注文があることは承知しております。私は、警察の皆さんに、捜査に関して弁解は無用、一体どれだけの努力をしたかで国民の皆さんにわかっていただくしかない、そう常々申しておりますが、私の気持ちはそのような気持ちでおります。
 極めて少ない証拠、それから宗教集団であるということで、その指導者と弟子との間の狂信的な結びつき、そのために集団による隠ぺい工作、さまざまな捜査の上での難航がございました。しかし、そういう中を一歩一歩証拠と法に基づいて今日のような状況になり、まだ十分ではありませんが、やや見通しが出始めた段階まで至った、私はその苦労はそのまま評価してあげたいというふうに思いますし、こういうような経験を生かして、二度と再びテロ事件などが起こらないような情報収集も含めた捜査体制を確立していくことが最も大事なことだと心得ております。
#146
○益田洋介君 ありがとうございました。
 それでは次に、前大蔵省財政金融研究所所長中島義雄さんについて、検察庁にお伺いしたいと思います。
 中島氏は、大蔵省主計局次長、首相秘書官といった省内での要職を歴任する間に複数の知人から資金提供や低利融資を受けて資産を形成しておりましたが、税務申告をしていなかったと言われております。大蔵省の調査で資金提供は贈与に当たるということはわかったわけでありますが、この贈与はどのような趣旨で行われたかについて当局はどのような関心を持っているか、お聞かせ願いたいと思います。
#147
○政府委員(則定衛君) 今の御質問の趣旨でございますけれども、国税当局の課税処分等のほかに、検察当局がどういうふうに受けとめているか、こういう御質問と理解してよろしいのでございましょうか。
#148
○益田洋介君 それでは、検察庁にお願いいたします。かいつまんで申し上げます。
 大蔵省前財政金融研究所所長、元主計局次長、首相秘書官中島義雄氏の在任中の複数の知人からの資金提供や低利融資について伺っておりますが、この資金提供が贈与であるということが大蔵省の調査でわかったということでありましたが、贈与はどのような趣旨で行われたかということについて検察当局はどのような関心をお持ちかというのが質問です。
#149
○政府委員(則定衛君) 御質問の事柄につきましては、かねてマスコミの報道等がありますし、また御指摘のように、大蔵当局が内部調査をされました結果も公表されておるわけでございます。したがいまして、当然のことながら、検察当局といたしましてはそのようなことは承知しておるわけでございます。
 一般的に申しまして、検察といたしましてどのような事柄について捜査を開始するのかどうか、これらを含めましてそれぞれ独自に決定、判断して行っておるわけでございまして、これまた一般的に申しまして、刑事事件として取り上げるものがあれば、検察当局としては適正に対応するものと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#150
○益田洋介君 友人から市中金利より低い金利で一億円以上のお金を借りていたということですが、通常金利との差額は贈与に相当すると国税庁はお考えでしょうか。
#151
○政府委員(若林勝三君) 一般論で申し上げますが、個人が個人から財産の贈与を受けた場合には、贈与を受けた個人に対しましては贈与税が課税されるわけでございます。お尋ねの個人から無利息または低い利息で融資を受けたというような場合でございますが、その個人が通常支払うべき利息相当額またはこの利息相当額との差額は、原則といたしまして贈与を受けたと見なされるわけでございまして、贈与税の課税の対象として取り扱われることになります。
#152
○益田洋介君 きょうは大蔵大臣にお願いしていたはずでございますが、大蔵省の方、どなたかお見えでしょうか。(「大蔵大臣がいますよ」と呼ぶ者あり)失礼しました。
 このように、予算配分権を持つ主計局のエリートによるいわば権力犯罪の頻発について、大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#153
○国務大臣(武村正義君) 金融問題にことしは忙殺されてまいりましたが、これと並行しながら、大変残念でありましたが、大蔵省内部で過去の私的な行為ではありましたけれどもいろいろな状況が明るみに出ました。主としては田谷氏と中島氏でありますが、法律に違反する等々の問題には今のところ至ってはおりませんが、それにしましても、状況から判断して、健全な国民の常識から見て逸脱をしている、そういう判断をいたしまして厳しい処分措置をとったところであります。
 ことし起こったというよりも、バブルのせいにするつもりはありませんけれども、これまでの日本の社会経済情勢の中で、我が大蔵省の一角ではありましても、そうした状況の中でこういうゆがんだ時代があったということは、これはもう率直に反省をしなければなりません。
 並行して官官接待等の問題も、政府と地方団体あるいは地方団体相互の問題として幅広く問われているときでもございますだけに、心を改めて、省内全体に綱紀粛正の徹底を図っているところであります。
#154
○益田洋介君 十一月二十七日、ワシントンDCで、アメリカ上院の銀行住宅都市委員会で大和銀行事件について公聴会が開かれました。そして、我が国大蔵省の銀行管理業務に批判が集中したと報道されております。
   〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
 さらにまた、住専問題の処理と損失負担により、海外業務を行う邦銀に求められる自己資本比率が達成できなくなるのではないかという銀行が続出するだろうという現状も伺っています。
 さらにはまた、こうした主計局の幹部の腐敗、金融行政での失態、危機宣言を発表するほどの財政危機といった山積みされる諸問題にありまして、それが国政の場で十分に議論が交わされることを国民は本当に望んでいると私は考えますが、大臣はどのような御意見をお持ちでしょ、つか。
#155
○国務大臣(武村正義君) 先般も本会議で申し上げましたように、本当にことしはいろんな事態が起こりまして、人ごとのように申し上げているつもりはありません、一つ一つに対して大蔵省の責任者として張り詰めた気持ちで対処をしてまいったつもりでございます。
 また大蔵省みずからも、過去の政策等も含めて反省をしなきゃならないこともあるわけであり幸すし、また、今申し上げた不祥事等については、文字どおり他山の石として省内全体で綱紀の粛正を図っていかなければならない、そんな思いでありました。
 大和銀行の問題については、先般ワシントンで、あれは上院でございましたか公聴会が開かれました。グリーンスパン議長の証言等もあったわけでありますが、大蔵省からの通報がおくれたことは残念である、リグレッタブルだという証言をされております。しかし、その後同議長も、我々は大和問題の発覚後は日本の当局が事件解決のために米国監督当局と全面的に協力してきたことに満足しているという証言もなさっているわけであります。
 率直に今振り返りますと、あの問題が大和銀行の頭取から、要するに本人の告白が頭取に届いた直後に、こういう告白がありました、真偽はまだ定かじゃありません、早速役員等をニューヨークヘ派遣して調査にかかりますという報告があったときに、担当者は、急いで調査をしてください、そして結果を報告してくださいと言って別れたわけでありますが、それから約四十日時間がたって、そして大和銀行から大蔵省に、精査をした結果こうこうこういう事態でありましたという公式の知らせがあったわけでございまして、この四十日という時間がやや長過ぎたという反省をいたします。
 確かにその間、大蔵省、当時の担当部局は、例の木津信用、兵庫銀行がもういつ流出が起こって破綻するかわからない、そういう緊迫した日々を送っておりましたこともありますけれども、それにしても、もう少し早い時期に何回も大和銀行に督促してどうだどうだという努力をなぜしなかったのか、すればこの四十日があるいは三十日とか二十五日とかもう少し短縮できたかなという、そんな意味でやや反省をいたしているところでございます。
 というのは、日米のこういう問題に対する取り組みの姿勢といいますか、その後私も認識したわけでありますが、アメリカの場合は事件が起こりますと、特に犯罪のにおいのある事件が起こりますと、まだ未確認であっても定かでなくても関係当局に通告する、場合によってはそういうものでも公表をするというのが習慣だそうであります。
 これは大蔵省だけの体質ではないと思っていますが、やや結果としてはのんびりしたというか、そしてそのことがアメリカの不信を買ったと。しかし私どもは、これで意図的におくらせたとか隠ぺいしたとかそんな考えは全くありません。これは全く事実にもとります。
 しかし、反省すべきは反省しながら、この事件なんかも日本の金融界全体として、今後、外国で事業を営む以上はしっかりその国のルールを守りながら対応をしていかなきゃならない、そういう指導、監督を強く痛感をいたしている次第であります。
 いずれにしましても、金融、財政、さまざまな困難に直面いたしておりますが、こういう時期であるからこそ一つ一つの問題を間違いのない認識に立って乗っ越えていく、解決を図っていく、そういう努力が大変大事だと、みずからにもそう言い聞かせている次第であります。
#156
○益田洋介君 こうした現存する金融行政、財政危機、沖縄の基地問題、日米安保といった重要課題にこそ本来は特別委員会を設けて、私たちが国政の場で審議すべき現況にあると私は思うわけでございますが、昨日、同僚の大森議員よりるる指摘のあったとおり、法律文書の体裁すらなしていない宗教法人法の改正案を急いで成文化させたいという政府・与党の現在の考え方に私は強い疑義を抱くものであります。こうした姿勢は国民の真の要望を無視した横暴な政治手段と言わなければならない。そしてこのことは議会制民主主義の終えんであろう、そうした事態であると言わざるを得ないと私は考えるわけでございます。
 この点につき文部大臣の御意見を聞かせていただきたいと思います。
#157
○国務大臣(島村宜伸君) この場でも何遍も御答弁申し上げているところですが、これは全く恣意的なことではございませんで、なるほどオウム真理教事件をきっかけにしたことは事実でございますが、要は、あの時点でも、委員も御承知かと思いますけれども、所轄庁は一体何をやっているのか、そして文部省は一体何をしていたのかという御批判は大変強く受けました。
 しかし、一たび認証いたしますと現行宗教法人法では全く宗教法人の実態がわかりません。特別、登記の変更その他がございますときのみでして、ふだんはなるほど収益事業の停止命令とか認証の取り消しとかあるいは解散命令の請求等はできますものの、先般のオウム真理教の解散命令請求をしたときにも残念ながら検察庁の資料をお借りしたり、あるいは警察庁のお力添えをいただいたりして初めてそういうことができるぐらいの状況ですから、いわばそういうことでは所轄庁としての責任が果たし得ないという考えで、そのことから前文部大臣の与謝野文部大臣から宗教法人審議会にお願いをして、そしていろいろ御検討いただいた結果を踏まえての今回の法改正でございまして、我々は決してやみくもにするわけでもありませんし恣意的な改正でもない。この点だけは法律の専門家でいらっしゃるんですから御理解がいただけると思います。
 私はあえてこういうことを申したんですが、やはり日本の国が法治国家として最小限度の法の整備というものは必要である。言いかえれば、オウム真理教事件の遠因の中には法の不備であったという点も指摘できると、こういうことを申してきたところであります。
#158
○益田洋介君 それでは次に、最近、憲法二十条第一項の解釈をめぐりまして内閣官房長官が、解釈は時代が一九七〇年代の憲法解釈であるために、時代は変わりつつある、状況も変わりつつある、したがって解釈の方法について、解釈の内容について慎重にいろいろな方々から広く意見を求めて検討をしてまいりたいということをたびたびおっしゃっておりますが、私は憲法解釈に対する一般的な考え方について法制局長官にお伺いしたいと思います。
 憲法解釈は、一体、三権のうちどの機関が行うものなんでしょうか。
#159
○政府委員(大出峻郎君) 御承知のように、憲法第八十一条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と規定し、いわゆる違憲立法審査権というものを定めておるわけであります。したがいまして、憲法の最終的な解釈は最高裁判所において示されるものでありますが、当該権限は、これは司法権の作用であるわけでありますから、その判断が示されるためには具体的な訴訟事件というものが提起されることが必要と考えられるわけであります。
 他方、憲法第九十九条は公務員の憲法尊重擁護義務を定めているところでありまして、立法府や行政府がそれぞれその権限の行使を行うに当たりまして、憲法を適正に解釈していくことは当然のことと考えられるわけであります。
 行政府について申し上げますというと、第一義的には、法律の執行の任に当たるそれぞれの行政機関により、必要に応じて関連する憲法の規定の解釈が行われることがあるわけでありますが、この行政府部内においてのこのような解釈について仮に疑義が生じた場合には、内閣がその疑義を解消するというような形になってくると思います。
 以上でございます。
#160
○益田洋介君 よくわかりました。そうしますと、最終的な憲法判断、憲法解釈は最高裁判所が行うものである、行政府が行うものではない、そういったお答えだというふうに理解をしてよろしいわけだと思います。
 もう一点ございます。
 ドイツ、スイス、オーストリアといった国では憲法裁判所があり、そこの裁判所における憲法裁判は、憲法解釈に関する疑義を裁判手続で解決する制度があるというふうに聞いております。したがいまして、その目的は、その時々の政府または議会の解釈によって憲法の意味が変わることを防ぐことを目的とするものだと、このように理解しております。つまり、時の流れや状況の変化によって憲法解釈は変えられるものではない、そうしたことを明確にするチェック機関がこうした憲法裁判所であるというふうに考えております。
 一方、日本国憲法第八十一条に基づく最高裁の違憲法令審査権とは若干違ったような形態だと思いますが、法制局長官、我が国にもこうした憲法裁判所の法的効果を有するような手続はあるものでしょうか、あるとすればどういった手続でしょうか。
#161
○政府委員(大出峻郎君) ただいまドイツのいわゆる憲法裁判所を引用されましてのお話でございましたが、我が国の場合におきましては、先ほど申し上げましたように、こういうような形での憲法裁判所というものは存在をしないわけであります。
 そうではなくて、先ほど憲法八十一条というところで最高裁判所がいわゆる違憲立法審査権というものを持っておるということを申し上げたわけでありますが、これはあくまでも司法権の作用ということで、具体的な訴訟事件というものを通して、そしてその場合に憲法との関係が解釈をされていくということがあるということであります。
#162
○益田洋介君 今回の宗教法人等の特別委員会におきましては、ほとんど大半の質問に対して答えていただいているのが小野文化庁次長でございまして、私の場合に限って一問も質問いたさないというのはかえって小野次長に対して失礼に当たるかと思いますので、若干質問させていただきます。
 法律案に、第二十五条の見出し中の「及び備附」という字句を「、備付け、閲覧及び提出」に改めるとあります。通常、商法におきましては備えづけについては備えつけ期間というのが設定されておりまして、例えば前年度における備えつけ書類だけを備えつければ義務を達成できる、あるいはまた逆に五年間にわたって備えつけ義務を設定しているというような場合がありますが、この今回の法律につきましては、備えつけと閲覧というふうに言っておりますが、備えつけの期間あるいは閲覧できる期間、一年じゅういつでも閲覧できるということではないと思いますし、この備えつけ期間、閲覧の期間という二つの大きな要素が欠落しているわけでございます。
 それでは一体、この法律のもとで備えつけを必要とされるこうした書類におきましては、永遠に備えつけておかなきゃいけないのかあるいは半年でいいのかそうしたことが全くわからないわけでございます。
 こうした点でも本当にこの法律は不備な法律であると私は考えるわけでございまして、こうした法文の体裁もなしていないような法律をなぜ政府は急いで今国会で成立をしたいというふうにお考えなのか、私はその真意を疑うわけでございますが、とりあえず小野次長、この特別委員会は小野委員会とも言われているほどしょっちゅう登場されていらっしゃいますが、この質問で私は終わりにさせていただきたいと思いますので、どうかわかりやすく簡明にお答え願いたいと思います。
#163
○政府委員(小野元之君) 御指摘の第二十五条の備えづけについて、いつまで備えつけるかということでございますが、例えばこの第一号の規則及び認証書といったものは、規則の変更があればもちろんその最新のものを備えつけられればいいわけでございますけれども、変更がない限りはずっとそれをそのまま備えつけていただければいいわけでございます。
 それから、財産目録等につきましても、これは毎年度金額等が変わるわけでございますから、その時点で新しいものと差しかえていただければいいというふうに考えておるわけでございます。
 もちろん現在におきましても、そういった備えつけがあるわけでございまして、この基本的な事項は変わっていないところでございます。
#164
○益田洋介君 お答えでは、ケース・バイ・ケースあるいはそういった何の取り決めもなく備えつけろと、こうした内容の法律であるかのごとくうかがわれますが、そうしたことでは備えつけを義務づけられている宗教法人はどのようにそうした備えつけの書類を扱ったらいいのかさっぱりわからぬわけでございます。
 ですから、私の提案は、この法案はもう少し熟慮して検討をして、そしてもう一回国会に提出すべきものである、そのように考えるんですが、その意思はありますか。
#165
○政府委員(小野元之君) 規則及び認証書につきましても先ほど申し上げたとおりでございますし、収支計算書等につきましては毎会計年度終了後四カ月以内に御提出をいただくということになるわけでございまして、もちろんこういった書類につきましては事務所に備えつけるわけでございます。最新のものをきちんと備えつけていただければそれで差し支えない。その備えつけているものについて利害関係人等からの閲覧請求があれば、それを閲覧していただければいいものでございます。
#166
○益田洋介君 備えつけ期間は。
#167
○政府委員(小野元之君) 期間といたしましては、ですから同じ書類については、規則が認証のときから変わっていなければ、それは認証の時点から現在までずっと備えつけていただくということでございます。
#168
○益田洋介君 新しい書類は。
#169
○政府委員(小野元之君) 新しい書類は、もちろん毎年度収支計算書が変わるわけでございますから、その時点で新しい収支計算書に差しかえていただければ問題はないということでございます。
#170
○益田洋介君 質問を終わります。(拍手)
#171
○伊藤基隆君 私は、社会党・護憲民主連合の伊藤でございます。
 まず、警察庁にお尋ねいたします。オウムの資産隠しについてでございます。
 現在、オウム事件の全貌が明らかになりつつありますが、こうした凶暴なカルト教団のしわざの犠牲になられた多くの方々に対して同情して余りあるものがございます。亡くなられた方々やいまだサリンの後遺症で苦しんでおられる方はもちろん、長い間オウムの横暴で苦しんだ上九一色村や波野村の方々を初めとする関係住民の方には、この上は一刻も早くオウムに対する解散命令が確定し、オウムからの賠償が行われることを期待しているのだと思います。私たちもそうなることを望んでおります。そのための関係機関、関係者の御努力をお願いしたいわけでございます。
 その上に立ちまして、今マスコミなどで盛んに言われていることは、オウム教団が解散の確定前に資産隠しに躍起になっているとのことでございます。せっかく解散命令が出されましても、その時点で賠償に向けられる資産がなければ被害者は救済されないことになります。そのことの是非は別にして、現在関係当局は、オウム教団の幹部の動向などについて細心の注意を払っているようでございますが、いわゆる資産隠しと言われるような実態について把握しているのか、まずこのことをお尋ねいたします。
#172
○政府委員(杉田和博君) オウム真理教が、その所有いたします不動産、さらにまた車両、機械、こういったものの処分を急いでおるということは承知いたしております。また最近、富士山総本部の土地、建物、こういったものを初めその所有する不動産を信者の個人名義、さらにまたダミー会社の名義に変更しておる、いわゆる財産隠しという動きが見られることについても承知をいたしております。
 警察といたしましては、今後こうした財産の異動については詳細にこれを把握するということが必要と考えておりまして、そうした中で違法行為があればこれに対しては厳正に対処してまいる、こういう考えでございます。
#173
○伊藤基隆君 十一月二十六日の読売新聞の内容でございまして、今答弁の中にもありました案件も含まれておりますが、資産隠し全国で十カ所という実態が明らかになっております。静岡県富士宮のヘリ駐機場、以下そういう案件が新聞に載っております。
 これらの個々については申し上げませんけれども、新聞に報道されている内容は事実として確認できるものであるかどうか、お伺いしたいと思います。
#174
○政府委員(杉田和博君) お示しの報道の内容につきましては、すべて把握をしてございます。
#175
○伊藤基隆君 次に、資産隠しと整理対象資産との関連でございますが、これまた読売新聞十月三十一日に掲載された署名入りの記事でございます。すなわち、
 解散命令のもう一つの意義は清算手続きだ。命令が確定すれば、教団の財産は裁判所の選任した清算人の管理に移される。清算人は教団の債権債務を調べ、財産が負債を上回れば、債権者らに財産を分配する。地下鉄サリン、松本サリン事件などの被害者も、債権者として届け出ることは可能で、財産分配が順調に進めば事件の被害者らは補償を手にすることができる。私もこれを読みまして、解散命令の確定以前に実は駆け込みで所有権がダミー会社などに移っているという事実が今警察庁の御答弁で出ていました。
 宗教法人法には、破産法や会社更生法のような資産隠しを防ぐそういう強力な規定があるのかないのか、または改正法規でそのことが可能なのか、法務省、文部省にお聞きしたいと思います。
#176
○政府委員(濱崎恭生君) 破産手続に関する御質問かと存じましたけれども、破産手続になりますと、破産法のもとでは管財人がいわゆる否認権を行使することができるということにされておりまして、債権者が破産財団に属する財産に関して行った行為が、債権者を害するものであるとかあるいは一部の債権者のみを満足させるものである等の場合に、その行為の効力を否定して、一たん破産財団から失われた財産を破産財団に回復させる制度があるわけでございます。
#177
○政府委員(小野元之君) 宗教法人法の規定の上におきましては、破産法等にございます資産隠しを防ぐための規定はないわけでございます。ただし、宗教法人法では自己の債権の保全を債権者が行う場合には、民事保全法によりましてこれに対して保全措置をとることはできるわけでございますけれども、宗教法人法の規定の上には宗教法人独自の規定としてはそういったものはないわけでございます。
 ただし、こういった財産移転等につきましては、信者等への公告も必要でございますし、責任役員会等、宗教法人の正規の手続にのっとった不動産の売買等が行われていなければいけないわけでございまして、そういった点については清算人が清算が確定した時点でそういったことに対して当該物件の明け渡し等を求めていくということはあり得るというふうに理解をしているところでございます。
#178
○伊藤基隆君 私のささやかな法律の勉強でございますけれども、会社法の中で解散命令、すなわち第五十八条でございますが、「裁判所ハ左ノ場合二於テ公益ヲ維持スル為会社ノ存立ヲ許スベカラザルモノト認ムルトキハ法務大臣又ハ株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ノ請求二依リ会社ノ解散ヲ命スルコトヲ得」というところで、二項で「前項ノ請求アリタル場合二於テハ裁判所ハ解散ノ命令前ト雖モ法務大臣又ハ株主、債権者其ノ他ノ利害関係人ノ請求二体リ又ハ職権ヲ以テ管理人ノ選任其ノ他会社財産ノ保全二必要ナル処分ヲ為スコトヲ得」と。宗教法人が民法上の規定の特別法規で成り立っていることからすれば、民法の準用というようなことでこの会社法のような対応ができないものであろうかということについて、法務省にお聞きします。
#179
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の商法五十八条の規定、これは商法で規定しております営利を目的とする団体であります会社についての規定でございます。
 一方、民法上の公益法人一般に関しましては、これは民法に法人に関する規定があるわけでございますが、公益を目的とする社団または財団については主務官庁の許可を得て法人になることができるということになっておりますが、そちらの方ではただいま御指摘の商法のような規定は用意されておらないところでございます。
 なお、宗教法人法につきましては民法法人に関する若干の規定が準用されておるところでございますが、ただいま申しましたように、民法法人に関する規定の中には御指摘のような制度はございません。
#180
○伊藤基隆君 今回の法改正ではそういうことについて触れていないということでございますけれども、国家の怠慢という批判は免れないんじゃないか。そういうことについて国民が納得できるような何らかの方法はないのか、今後の検討ということでもそのことについてできないのかこのことを文部省にお伺いします。
#181
○政府委員(小野元之君) 財産保全制度につきましては、この国会でも宗教法人についてオウムの実例等を挙げながら、その措置の検討をすべきだという御指摘をいただいておるところでございます。
 この問題につきましては、他の財産保全制度との関係、それから管財人を選定するというようなことに恐らくなると思われますので、そういった場合に、宗教法人の信教の自由との関係、それから現行の解散命令制度のあり方との関係、さらには他の公益法人にこういった制度が今ないわけでございまして、そういったものとの均衡等を考えなければならないわけでございまして、さまざまな課題があるわけでございますけれども、私どもとしては慎重に検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#182
○伊藤基隆君 次の質問に入っていきます。
 法務大臣にお聞きいたします。
 民法第三十四条で「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益二関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノ」を公益法人として設立できることとされております。祭祀、宗教、慈善、学術、技芸は特別法による法人に移行しておりますが、特に宗教法人についてお尋ねするわけでございます。
 明治時代、民法上、公益法人として設立できるとしたことの積極的な意味についてまずお尋ねいたします。
#183
○政府委員(濱崎恭生君) 民法の規定の問題でございますので、事務当局からお答えさせていただきます。
 営利活動を行うことを目的とする営利法人につきましては商法においてその法人格を認めておりますが、そのほか民法におきましては、御指摘のとおり公益を目的とする団体、すなわち不特定多数の者の利益を目的とする社団、財団につきまして主務大臣の許可によって法人格を取得することを認めているわけでございます。
 その趣旨が那辺にあるかということのお尋ねかと存じますけれども、これは立法当時の資料等が必ずしもございませんが、社会に存在する営利法人以外の団体のうちで公益性が高いものにつきましては、これに法人格を付与してこの活動の円滑化を図る要請が強いということ、一方では、公益性のある団体につきましては主務官庁が設立の許可をし、あるいは適切な監督をすることによって法人格の乱用による弊害といったものも可及的に防止し得るということ、そういったことの考慮から、公益を目的とする団体について一般的に民法上法人格を付与することとしたものというふうに理解しております。
#184
○伊藤基隆君 その上でお尋ねするわけでありますが、先ほど申し上げたように、公益法人として宗教法人法、社会福祉事業法、私立学校法がございます。特に宗教法人につきまして特別立法で公益法人として認めてきた、その特別立法をした立法目的、これについて文部省にお伺いいたします。
#185
○政府委員(小野元之君) 先ほど法務省の方から御答弁ございましたように、公益法人一般の中で、特別に宗教法人制度というものを宗教法人法は設置しておるわけでございます。これは、宗教活動が国民にとって大変重要な意味を持つということがございます。さらに、憲法上、信教の自由と政教分離の原則というものがあるわけでございますけれども、こういったものを最大限尊重しつつ宗教法人を、民法法人の並びではございますけれども、特に信教の自由を尊重していく、宗教団体の自由で自主的な活動は最大限保障するという必要性がございましたから、別途に宗教法人制度が設けられたというふうに理解をいたしております。
 学校法人についても同じような目的でございますけれども、学校教育といったものを目的としているわけでございまして、学校の設置主体に対して、学校教育に必要な資産を有する、そして安定的、継続的に学校教育を実施していく必要があるということで、学校経営が少数の方の専断に陥ったり営利目的になってはいけないということで、私立学校法で学校法人制度が設けられているものでございます。
#186
○伊藤基隆君 民法上の目的ないしは特別立法の立法趣旨ということをお伺いしまして、私は実は法務大臣の御所見をお聞きしたいわけでございますが、その上で思うのでございますが、この委員会でもたびたび宗教法人法、これは宗教性善説を基盤として形成されている、すなわち法律は破られるものというような一般的な話もございますけれども、そうではないんで、絶対に破らない者という位置づけで宗教法人法はできているということだと思っております。
 そうしますと、国や社会が公益法人を尊重し、なかんずく宗教法人を尊重してこれを守るという意識をきちんと持っておるわけでありまして、そういうことがある以上、法人みずからの存在の重みを知ってみずからを律する責任があるのではないかというふうに思います。法的拘束力はないかもしれませんが、そのために法人みずからが自主的なルールをきちんと決めて社会に公表するということもとられるべきではないかというふうに考えますが、法務大臣のお考えはいかがでしょうか。
#187
○国務大臣(宮澤弘君) 宗教法人の問題に関連をして、一般の法人全体についての御質問だと思います。
 おっしゃいますように、この近代社会におきましては、法令に規定をされたルールに従うということは当然でございますけれども、それ以前と申しますかそれの基本にあるものといたしまして、法人であろうと個人であろうと社会の一員として、自己責任と申しますか、そういうことを考えて行動していくということが必要なことであろうと思います。
#188
○伊藤基隆君 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 大蔵省の国税当局にお尋ねいたしますが、公益法人等の数につきまして、民法三十四条の法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、その他別で実態をお知らせいただきたいと思います。
#189
○政府委員(若林勝三君) 平成六年十二月末の調べということで公益法人等の数を申し上げますと、民法三十四条に基づいて設立された法人は二万五千九百六件でございます。また学校法人は七千四百八十八件、社会福祉法人は一万四千五百二件、宗教法人は十八万三千八百九十七件、それ以外の公益法人等は二万一千三百六十三件、公益法人合計で二十五万三千百五十六件となっております。
#190
○伊藤基隆君 その上で、公益法人等の申告状況について同じ分類でお示しいただきたいと思います。
#191
○政府委員(若林勝三君) 収益事業を営む公益法人等の申告件数でございますが、民法三十四条に基づいて設立された法人は七千六百八十一件でございます。また学校法人では千九十七件、社会福祉法人は二百七十件、宗教法人は一万五百八十四件、それ以外の公益法人等で千九百六件、全体で二万一千五百三十八件ということでございます。これは、平成五年の二月一日から平成六年の一月三十一日までの間に事業年度が終了したものでございます。
#192
○伊藤基隆君 手元にある資料で、民法三十四条法人が七千六百八十一件、千五百八十六億円の所得金額となっています。宗教法人が一万五百八十四件で四百三十六億円の所得金額となっています。これは、宗教法人で収益を上げている、所得が高いといいましょうか、収益を上げている法人が少ないということを意味するんでしょうか。
 さらに、十億円以上の公益法人が二十三団体あるようでありますが、その中に宗教法人は含まれているか、含まれているとしたら何団体含まれているか、お聞きします。
#193
○政府委員(若林勝三君) 宗教法人が全体で十八万三千件余りございますうち、一万五百八十四件が申告をしておるということでございまして、そのようなものについては収益事業を行っていないということで申告をされていないものと理解いたしております。
 それから、十億円以上の法人云々についてはちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、恐縮でございます。
#194
○伊藤基隆君 では、今の十億円以上の団体の中身について後ほど私に教えていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
 次に、収益事業の範囲でございます。政令に定めて三十三項目になっております。物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、旅館業、料理店業その他飲食店業、浴場業、理容業、美容業、ずっとございます。三十三件ございます。
 公益法人が行う収益事業は、この状況から見ると必ずしも公益とその法人の性格とは合致していないんじゃないか、そういうことでも構わないということでやっているのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
#195
○政府委員(薄井信明君) 法人税法の体系上は、宗教法人を含むいわゆる公益法人等につきまして、その公益性にかんがみて民間と競合関係のある収益事業から生ずる所得に限って法人税を課税する、ただしその税率は低くするというアプローチの仕方をしております。
 これは、今申し上げましたように、民間と競合関係にあるということに着目しておりますので、そういう近づき方をいたしますと三十三の項目が挙がってくるということで、当初はそれほどなかったわけですが、新しい経済活動がふえてきたということから追加をしてきております。最終的には三十三の事業が民間と競合する事業であるという見方をしているということでございます。
#196
○伊藤基隆君 そこで、種類別法人税率の推移ということで調べてみました。基本税率、いわゆる普通法人に対する税率と公益法人との税率の差について、昭和三十年は一〇%低いわけです。昭和四十五年が一三・七五%低い。昭和五十九年が一七・三%低く、昭和六十年が一五・三%低く、平成二年は一〇・五%低い。
 いずれも低いわけですけれども、普通法人の税率の変化もございますけれども、その差の変化がこれだけ著しく変わっております。この税率のずっと変化してきた理由というものはどこにあるのだろうかという疑問がわきますので、この点についてお尋ねいたします。
#197
○政府委員(薄井信明君) シャウプ税制以降の税率の推移を申し上げますと、昭和二十五年におきましては、一般の営利法人とそれから公益法人等に対する、公益法人等の場合は収益事業に限りますけれども、適用税率は同じ税率三五%が適用されておりました。その二年後の昭和二十七年に営利法人に課税される基本税率が三五から四二に引き上げられたときに、公益法人等の収益事業に対する税率は据え置かれたということで、昭和二十七年に七%の差がついたわけでございます。
 その後は、委員御指摘のように、基本税率につきましてもそれから公益法人の収益事業に対する税率につきましても変化はございますが、公益法人に対する税率につきましては、その公益性の配慮の程度の違いというものが税率の水準にあらわれてきているかと思います。
 また、基本税率の方につきましては、いろんな理由がありましたが、昭和四十五年以降を考えますと、税収を法人税収からふやしたいといった際に営利法人を中心に税率の引き上げを行う、そのときに公益法人にまで同じような負担を求めるのはいかがかというようなことから差がついてきたかと思います。
 ただし、この状況につきましては、政府税調等の答申では、差はなるべく縮めるべきである、公益法人等につきましては収益事業にだけしか課税していないわけですから、そこに適用する税率は一般の法人と同じでもいいのではないかという考え方が示されておりまして、最近では基本税率が下がってきております。その際に、公益法人等に対する税率は据え置くということで、両者の間差を縮めていくという努力を重ねてきているところでございます。今後ともこの差を縮めていくことが方向かと思います。
#198
○伊藤基隆君 大蔵大臣がせっかくおいででございますので、大蔵大臣にお尋ねいたします。
 平成五年十一月十九日の政府税調におきまして、公益法人等に対する考え方が出されております。
 宗教法人、学校法人等の公益法人等については、その営む事業が一般法人の営む事業と競合する場合があることから、その収益事業から生ずる所得に対しては課税されている。公益法人等に対する課税の適正化については、軽減税率、収益事業の範囲、金融資産収益に対する課税のあり方、寄附金の損金算入限度額の特例といった点について、その活動実態等を踏まえ、検討していく必要がある。ということでございます。
 この特別委員会の議論の中で、大蔵大臣は税のこれについて検討するという答弁をされましたが、政府税調でその見解を述べたところ、やや否定的なものが政府税調の中にあるというような報道がけさの新聞でなされました。報道が正しいかどうかわかりませんけれども、そのことは別にしまして、今日までの議論の経過の中で、税制上の問題を検討するとしたら、政府税調がかつて指摘した全般的に行うのか特別に例えば軽減税率問題とか、今差を縮める努力されているという御報告がありましたが、そういうことでなさるのか、基本的な変化をさせるのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(武村正義君) 御指摘の点については、今まで四点を挙げているわけでございます。私どもが挙げているというよりも、既に御指摘のように政府税調の中でこの四点に絞りながら今日までも議論がされてきているわけでございます。
 これは基本的には政府税調、並行して三党の与党税調の御議論にゆだねる、その帰趨を待つという姿勢でいきたいと思っておりますが、いずれも論点である以上は論議が必要でありますし、一定の改正の方向を見出すことができれば改正の方向で前進を図りたいという気持ちでございます。今この時点で、私の方からどこをどの程度いじるという示唆は、そこまで勉強もできておりませんが、示唆をすることは避けたいと思っております。
 私は、きのうも政府税調へ参りまして、ここでの論議を紹介することも含めて少しお話をさせていただいたわけであります。何となく政治の雰囲気が政府税調に持ち込まれたというふうな感想を会長が、新聞を見ると、後で語っておられるようであります。それはそうかもしれませんが、しかし政治の論議であるからこそ一層政府税調においても真剣に、こうした点については国民の最大の関心の問題であるということで論議をお進めいただきたいというふうに思っております。
#200
○伊藤基隆君 次に、質問の視点を大きく変えまして、教育問題とカルトの問題と宗教法人の問題、この関連で文部大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 いじめが原因で自殺をしました愛知県の大河内君の一周忌の当日に、新潟県でまた同じような悲劇が発生いたしました。新潟県上越市、市立春日中の伊藤準君。あいつらは僕の人生そのものを奪っていったということの遺書を残されたようでございます。大変痛ましいことでございます。
 いじめの問題は大きな社会問題として日本全体での問題になっておりまして、教育関係者はそれなりの努力をしていると考えておりますが、きょうの日経新聞によりますと、全国の警察が処理したいじめ事件は前年同期比八四・八%増ということでございます。
 これは社会的現象、社会の根幹に原因があるということについて私は考えているわけでございますけれども、後々私の考えも申し上げますが、文部省が直ちに都道府県、政令指定都市の教育長を集めて、文部大臣みずからもそこに出席して対策を話し合うということについては、その迅速な対応について敬意を表するところでございますが、文部大臣のいじめ問題に対する認識についてお伺いしたいと思います。
#201
○国務大臣(島村宜伸君) またも中学生の自殺が報道されまして、ちょうど丸一年後のことであります。まことに痛ましく極めて遺憾なことと思っておりますが、実は大河内君の事件もさることながら、最近非常にいじめ問題がいろいろ指摘され、またその一方では登校拒否の問題がありまして、自殺者は大きく数を減らしているものの、やはりこういうことがあることは非常に大きな社会問題だと、こう受けとめております。
 私自身は、たまたま委員の質問の主意書を拝見して何か同世代に育った共感を持ったわけでございますが、またまたこれは問題発言としておしかりをいただくかとは思いましたものの、私はいじめ問題のことについては、メディアを通じて、いじめの問題が起きると学校が悪い、文部省は何をしているんだというおしかりがある。
 これも確かにそういう問題がないではないけれども、しかし私はその一方で、私たちの子供のときにもなるほどいじめはあったけれども、我々のときにはたまたま先生の中にもそういうものがうかがえますが、家庭で親から世間様には迷惑をかけてはいかぬぞということと、もう一つは弱い者いじめをするということは立派な人のすることじゃないんだと。親の言ったままを言えば、いわば人間のくずのすることだと私は厳しくいつも教えられた。
 これは私だけでなくて、皆さんがそういう家庭教育をしっかり受け、いわばしつけをしつけられて学校に参加していましたから、いじめはなるほどありましたけれども今のような陰湿なものはなかった。今よりはるかに貧しかったにもかかわらず、いわば友人の懐をねらうような話もなかった。少なくも数の上において圧倒的にそういうものが少なかったし、もしいじめなどが起きますと、今度は仲間がそのいじめる人間を制裁するというような正義感もまた社会にあったわけでありまして、私はこういうことを含めて、これからのいじめ問題を根本から考え直さないといつまでたっても後を絶たないと、こんなふうに思います。
 そういう意味では、私たちのときより子供が少ないわけで、親子の対話あるいは接触の機会が長いはずであるにもかかわらずこういう問題が起きるのは、どうも親の方にももう一度家庭教育というものを見直していただく必要があるんじゃないか。そして、学校は当然のことに、よりさらに対策を講じ、今、スクールカウンセラー等を配置し、これの数をふやして未然にこういう問題を防ぐような努力もしているところでございますが、親子の対話あるいは師弟の対話、師弟といいましょうか、教師と生徒の間の対話等がもっと緊密に行われるように、もしこういういじめの問題があったとすれば、未然にそういう情報が確保できるような努力をすることがこの対策を私はより一層効果あらしめると思っています。
 さらには、委員の質問の中にも書いておありになりますけれども、我々も子供のときに悪いことをすると、近所のおじさん、おばさんにしかられたり、たたかれたりしました。こういう社会教育もまた非常に大事だと思いますので、文部省としては、家庭と学校と地域社会、それぞれの立場からいじめ問題を根本的に洗い直そうと、そういうことで今取り組んでいるわけでございます。
#202
○伊藤基隆君 全く私も同感でございますが、もう少しこれを掘り下げていったときに、学校における校内暴力ということがかつて盛んに行われました。今そのことが顕在化しないで、ひそかにひそやかに、潜在的に同じ現象として起こっているんじゃないかというふうに思います。集団による個に対する繰り返しのいじめということでございます。子供たちが精神のよりどころとして集団を形成して、他者に対して攻撃するということが事件の内容でよくわかってきております。
 カルト集団のオウム教が引き起こした一連の事件はこれと同一の社会現象の中にあるんじゃないか、社会的アノミーとしてとらえる必要があるんじゃないか、それは日本の国や政治がつくってきたそういう社会の状況に根差しているものではないかというふうに私は思います。
 ですから、宗教法人法をもってカルト集団のそういった反社会的な犯罪行動に対応できないというのはだれもがわかっているわけでございます。ある程度の効果は当然あると思いますけれども、根本は日本社会の根底の問題について解決しなけりゃならないんだというふうに私は思っております。
 そこで、少し文部大臣にお聞きしたいことは、まずは、文部大臣が今おっしゃった日本の社会の中で重要な位置を占めている、根源的な位置にある教育という問題が基本となることだろう。さらには産業政策と雇用関係の改善、労働時間の短縮、介護システム、育児システムなどの社会システムの転換を図らなくてはならないんじゃないか、地域社会の連帯システムというものも政治が主導してさまざまなボランティア集団とともにつくらなきゃならないんじゃないか。先ほど大臣も、近所に悪いことをするとしかるおやじがいたということでおっしゃってくれました。さらには男女の社会的平等の達成、家庭の役割、父親と学校、地域との関係をどうするかこういう問題を政治が解決しなかったらだれも解決してくれない。
 このことこそ、まずカルト集団オウム真理教を根絶する、そのようなものを根絶するものとして、政治の場において非常に広範な、しかも深い、粘り強い、難しい、財政的な措置もしなきゃならないことは多々あるということもありますけれども、これこそ今後国会が議論していく課題ではないだろうかと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
#203
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、文部大臣を拝命いたしまして、文部省の幹部諸君といろいろ話し合いをする過程で、ことしは戦後五十年、なるほど教育制度その他についても長い間のいろんな経験に照らして、まさに真剣に築き上げてきたものには違いないけれども、この際思い切って今までのものを一回忘れ去るような気持ちで再構築するぐらいの気概が必要ではないだろうか。そして、前から言われているように、知育に偏ったある意味での偏差値教育と言われる現行の教育のあり方というものを根本から見直す必要がありはしないか。その意味では、私は徳育も体育も含めてバランスあるものを言葉だけでなくて現実のものにするための具体的な環境づくりが必要だということを申してきたところであります。
 そして、今申したように、家庭と学校と地域社会、まさにたて糸よこ糸にしてこれを見直すということも大事でありますし、また同時に、核家族化という言葉が一時期いろいろ言われましたけれども、最近は核人間化、核子供化という感じがしないではないんです。要するに、学校と予備校の間を行って帰って、家には寝に帰る、そしてたまたま家にいるときには自分の部屋に閉じこもって、極端に言えば余裕のある人はかぎをかけて、それで勉強をしていい成績さえとれば、親はお利口さんと。こういうことは、結果的には子供も不幸にし親も不幸になっているのではないか。私は、こういうことをもうすべてが、政治にかかわる者はもとよりでありますけれども、全国民がこういうものの意識に目覚めて根本から教育を考え直したら教育は必ず立ち直るし、いじめの問題もゼロにはならないでしょうが今のような陰湿なものほかなり影を潜めて改善されるであろうと、こう考えております。
   〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
#204
○伊藤基隆君 カルト教団が引き起こした問題をめぐって、実はEC議会での決議の問題が社会党の竹村委員、参議院フォーラムの本岡委員の方から提起されました。
 法務大臣の御答弁を私も聞いておったわけでございますけれども、この十項のさまざまな規制が課されておるわけですけれども、これらはすべて宗教活動を規制しているのではなくて、公益法人としての宗教法人が地位や免税特権、信者の労働、社会福祉の保障について基準に留意して対処するように求めているという、その公益法人たる立場を認めるための前提として経済活動に対して、宗教の内実にも入っておる項目もございますけれども、求めているということがあります。
 私は、このことは、早急に取り入れない事情があるがゆえに御高説を拝しましてなどという御答弁も聞きましたが、そうでなくて、カルト集団、日本の社会の病んでいる部分をどうしていくかということについて、幅広い有識者による行政の調査会を設置することや、この問題を集中的に討議する場を直接対応問題として国会の中に設けるべきではないかというふうに考えますが、法務大臣、いかがでございましょうか。
#205
○国務大臣(宮澤弘君) カルト集団に対する今のEUの考え方をまとめた援言、私もその後いささか勉強をいたしました。今、経済的行為が中心ではないかというような意味のことをおっしゃいましたけれども、例えば宗教団体について、構成員に手紙や電話が来た場合はそれを直ちに構成員に伝達をすべきであると、もうまことに当たり前のようなことでございますけれども、その辺がカルト集団のような狂信的な団体においてはそういうことが行われていないということからでもあろうと思いますが、そういうことも書いてございますし、いろいろな面で私ども今後物を考えていく場合に参考になるべきことが多いと思います。
 国会でそういう機関をつくられるかどうかということは、これは国会が御判断になることであろうと思いますけれども、今申しましたように、私どもも宗教団体なり今後の社会生活というものを考える場合に大変参考になる提言であったと私は思っております。
 宗教団体は信教の自由なり宗教活動の自由が保障されておりますけれども、しかしその活動によって基本的人権が侵害を受けるということはあってはならないことであるというふうに私は思います。しかし、一方においてまた、あのような決議との関連で申しますと、憲法の保障する信教の自由等にもかかわりがございますので、そういう意味合いでそういう制度をつくることについては慎重に検討がなされるべきものではないかということで御答弁を申し上げたわけでございます。
 また、法務省、特に人権擁護という立場から申しますと、カルト集団等の宗教活動によって人権が侵害をされたといったような場合には、関係者から救済の申し立てがなされますと、人権擁護機関において事実関係を調査いたしまして、人権が侵害されていると認められますときには、関係行政機関と密接な連絡をとって具体的事案に即して適切に対処をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、今の十数項目ということにつきましては、私もなお勉強をさせていただきたいと思っております。
#206
○伊藤基隆君 最後に文部大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
 今回の宗教法人法改正に対する国民的な支持がございます。これは直接的にはオウム真理教事件を契機とした関心またはその不安というものから起こってきたと思いますが、根底に宗教法人の経理等の不明朗さ、または透明性のなさ、さらには以前から漠然とした不信感がそういうものにあって、この事件を契機にそこに関心も集まってきているんだというふうに見るのが至当だと私は思います。
 オウムに関する事件の再発防止については、宗教法人制度の見直しにとどまらず、今、法務大臣の御答弁もございましたが、あらゆる角度から検討されるべき問題であって、ここに実は今回のこの特別委員会の本当の重要な意味合いがあるというふうに私は思っております。今回の法改正の後に、宗教活動のあり方、政治と宗教のかかわりなど、信教の自由や宗教政策の基本にかかわる問題については、今後も引き続き長期に客観的、冷静に論議を進め、国民の認識を結集していかなければならないというふうに思います。
 私もこの委員会で論議をお聞きしておりまして、特に信教の自由の問題について、さらには政治の宗教への介入の問題について、さらには宗教への外部からの不当な意図による介入についての十分な防止の手だてについても引き続き協議が必要と考えますが、いかがでございますか。
#207
○国務大臣(島村宜伸君) 全くおっしゃるとおりだと、こういうふうに思います。
 先ほど伊藤先生、法務大臣に御質問なさいましたけれども、国、社会が公益法人を尊重し保護するとともに、宗教法人もみずからの存在の重みを知り、みずからを律する責任があると考えると、こういう御指摘がありました。私は全く同感でありまして、もとより宗教法人、大変立派な活動をなさっているところを幾つも承知いたしておりますが、宗教というのは、人々の心を安んじ、正しい方向に導き、社会の安泰に貢献するという高い公益性に対する期待あるいは信頼、こういうものがあるわけでありますから、みずからをきちっと律することも当然必要でありますし、また社会全体に対してどこから見られても全く恥ずかしくない、むしろそういうお手本としての自覚があっても決して行き過ぎでない、こんなふうに思います。
 したがって、これは法その他を改正しあるいは厳しくすることでその活動を律するのでなくて、本来は自主的に、こういういろんな指摘の起きないようなことをむしろ自分たちの活動の中で世間に知らしめるという活動が本来のものだろうと、こう考えております。したがって、御指摘のように、冷静に客観的に見ておかしな問題があれば、当然宗務行政の所管をする文部省の責任においてこれは何かの対応をいたしておきますが、これは政治的な介入とかそういうことを一義的に考えるものじゃなくて、あくまでどなたがお考えいただいても御理解いただく範囲にとどめていくのがあるべき姿だと、こう考えます。
#208
○伊藤基隆君 ありがとうございました。
 これで質問を終わります。(拍手)
#209
○筆坂秀世君 私は、宗教法人の財政問題を中心にきょうはお伺いしたいと思うんですけれども、まず文部大臣にお伺いしたいんですが、フランスで一九八〇年代に宗教団体の活動のあり方というのが大きな社会問題、政治問題になったことがございます。当時のフランスのモロワ首相はこの問題を非常に重視しまして、社会問題・国民連帯相付家族問題担当閣外相に対して事態の調査を依頼する。この依頼を受けた同大臣は、アラン・ヴィヴィアン議員に対して調査を行うよう委任指示をしました。この報告書が一九八三年二月にフランスにおける宗派と題するレポートとしてまとめられております。
 ヴィヴィアン報告というのは、調査をどう行ったかについて冒頭に次のように述べています。宗派の数の多さや多様性のゆえに、徹底的なアンケート調査を行うことは不可能であった、そこで狂信的な団体を幾つか分析することにしたと。その結果、疑似宗教団体、広辞苑によると本物とよく似ていて紛らわしいと、こういう宗教団体として世界基督教統一神霊協会、いわゆる統一教会を挙げておりますけれども、大臣はこれを御存じでしょうか。
#210
○国務大臣(島村宜伸君) 今お話があったほど詳しくはございませんが、そういう事実があったことは承知いたしております。
#211
○筆坂秀世君 同時に、このヴィヴィアン・レポートというのは統一教会と並んで創価学会も名指しをしていると思うんですけれども、これは御存じでしょうか。
#212
○国務大臣(島村宜伸君) そのように承知いたしております。
#213
○筆坂秀世君 この中で、フランスの仏教協会の会長がSGI、創価学会インターナショナルの池田大作会長にあてた手紙も紹介しつつ、創価学会の資金問題について三点にわたって問題点を指摘していると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#214
○政府委員(小野元之君) ヴィヴィアン報告書の中に、お話がございましたようにフランスにおけるセクトということで、精神の自由の表現があるいは精神を操作するものかという表題で、公式報告書ということで出されたということは承知をいたしておりまして、その中でフランス仏教協会の会長からSGIの会長池田大作氏にあてられた批判的な書簡が紹介されておるということについては、概要は承知をいたしております。
#215
○筆坂秀世君 中身を言わなきゃだめじゃない、中身を聞いているんだよ。そんなこと聞いてないよ。
#216
○政府委員(小野元之君) お尋ねの三つの指摘でございますけれども、こういったフランスの仏教協会の方から創価学会インターナショナルの会長にあてられた批判的な書簡でございますが、具体的内容につきまして、私どもの方として事柄は承知しておりますけれども、この中身が正しいものという言い方は失礼でございますけれども、そういうふうに文化庁として公式にそういったものを判断しておるというわけではございませんので、その具体的内容を紹介することは差し控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
#217
○筆坂秀世君 何びくびくしてるんだよ、何も文化庁の見解を聞くなんて言ってないよ。ヴィヴィアン・レポートでどう書いておるか聞いているんじゃないか。読み上げるだけでいいじゃないか、それなら。言ってみろよ。
#218
○政府委員(小野元之君) 御指摘でございますので、もちろんこの報告でどういったことを言っているかの概要についてでございますが、どうしてもそれを言えということでございますので御報告させていただきます。
 三つの問題点の内容ということでございますが、フランス日蓮正宗の金銭上の疑惑につきまして、会員に金銭を支払わせるための圧力、それから集められた資産について監査を要求する会員への暴力、それから日蓮正宗ヨーロッパインスティチュートと日蓮正宗フランスの間の経理区分のあいまいさ、この三つについて指摘がなされているというふうに承知をいたしております。
#219
○筆坂秀世君 そのとおりですね。私も原文を取り寄せました。フランス語は読めませんけれども、翻訳していただきましたよ。
 要するに、会員に対して寄進を強制しているということですね。もう一つは、その経理の公開、これを要求するメンバー、会員に対して暴力を振るっているというのが、これがこの手紙も含めてヴィヴィアン・リポートとして出されて、そして公式の報告として出されておるわけです。これは非常に重大な問題です。
 それで、問題はこういうことが果たしてフランスだけなのかということです、本当にフランスだけなのかと。日本国内じゃやられてないのかということですよ。
 それで、私はきょう幾つかの資料を持ってきましたけれども、例えば大臣、よく創価学会の財務ということが言われます。大体この財務というもので一年間どれぐらい創価学会が金を集めているかということを文部省としてつかんでおられますでしょうか。
#220
○政府委員(小野元之君) 創価学会は東京都の所管の法人でございますし、私どもとしては全く承知をいたしておりません。
#221
○筆坂秀世君 要するに全然つかまれてないということですよ。世上、二千億円とか三千億円とか言われていますよ。大変な額ですよ。
 では、この財務が今まさに行われておるということについてはいかがでしょうか、御存じでしょうか。
#222
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、一昨年、民主政治研究会という議員のグループを組織していささか勉強したことがございますので、毎年財務と称するお金を集める行為を行っていることは承知をいたしております。
#223
○筆坂秀世君 これが今まさに行われているんです。
 私はざくら銀行の「創価学会財務納金の振り込みについて」という文書を手に入れました。事業統括部長、業務渉外部長、関西業務渉外部長名でさくら銀行の各支店に出されたものです。これを読んでみますと、この財務というのが大変巨額なものだということはこれを読んだだけでも容易に推定できますね。
 期間は、東日本が先月二十八日から今月の十五日、西日本が十二月一日ですからまさにきょうですね、きょうから始まって十二月二十日まで、これが取扱期間だと。ただし、取扱期間から外れてももちろん受け取ります、結構ですというふうに書かれていますよ、振り込んで結構ですと書かれているんです。なかなからゃっかりしていますよ。
 しかも、取扱店の留意事項として、本取り扱いの振り込みデータは創価学会本部ヘデータ伝送され電算機処理されると。見本も、見本といいますか書式ももうちゃんとできているんですね、振り込み用紙がもうちゃんとできているんです。私は元銀行員ですが、余りこんな振り込み用紙はないんですよ。だって、振り込み人の名前と整理番号だって書いてあるんですよ。言ってみればその会員の背番号ですよ。あと書くのは金額だけです。こういう振り込み用紙がつくられているんですよ。あと金額さえ書いて最寄りの……(発言する者あり)ちゃんと聞きなさいよ最後まで。そして最寄りの支店に行けばいいんです。
 そして、行けば創価学会本部で、これ直接すぐ打っちゃうんですよ、それで電算機処理されると。すごいですよ、本当に。だれが幾らやったかと、過去のデータだってボタン一発で出てきますよ。それで、どの地区でどのぐらい集まっているか、この地区は成績悪いとかあるいはこの会員は少ないとか、もう直ちにわかるようになっているんです。これは大変なものです。こういうことがこのさくら銀行の資料でわかります。
 そして、注意事項で、ある支店では取扱期間になると毎日百件以上の受け付けがある、ミスも起こり得るので、これは大変だからミスを起こさないようにと。毎日百件ですよ、毎日ですからね。そうすると一つの支店で何千ですよ。そして、この最後には、さくら銀行の取りまとめ店というのがさくら銀行の場合は四十三店舗ある、これの一覧表が載っています。こういうやり方がされているんです。
 私は、文部大臣に伺いたいと思うんですが、そもそも御供養というのは信心の真心から出る、だれかに強制されるんじゃなくてそれぞれの個々の自由意思に基づいてやられる。お金のない人は、これはできない人だって当然いるわけでしょう。それが普通だと思うんです。ところが、最初から名前、整理番号入りの振り込み用紙を渡されている。ある人はこう指摘しています。個々の会員の真心から発したものではなく、冷厳な一元的徴収管理システムだ、これで本来の御供養と言えるのかという疑念を提起しています。私はこれは当然だと思うんです。
 ここに私は、池田名誉会長が一九九三年、ロサンゼルスで開かれた第二回SGI・USA総会、ここで発言されたビデオテープを持っています。なかなかのものですよ。
 どういうことを言っているかといいますと、お世辞を使った方が広布基金をたくさんとれることを私は声を小さくして言っておきますと。こういう言い方がお好きな方なんですが、お世辞を使ってということはつまり言いくるめたということですよ、俗に言えば。そして、たくさんとれと言うんですよ、とれと言うんです。そんな御供養がありますか、とれなんという。自分の真心から出すものでしょうが。(「どこの文献なんだよ」と呼ぶ者あり)知らないからそんなことを言うんだよ。
 本当にたくさんとれというふうなことで、御供養だとかあるいは寄進だとか文部大臣、そんなことを言えると思いますか。
#224
○国務大臣(島村宜伸君) 事実とすれば問題のあることだと思います。
#225
○筆坂秀世君 ところが、実態はもっとひどいですよ。池田名誉会長の発言ところじゃないです。
 私たちは百十五人分の訴えを聞きましたよ。そして領収書もついています。私は領収書も持っていますよ。百十五人で一億四千九百万円余り、約一億五千万円です。わずか百十五人でですよ。
 どういう訴えをされているかその一部を御紹介しますと、京都の方は、家屋を購入したところ、幹部が、昨年は五十万円した、ことしは百万円と言われた。その上、住宅は解約をして財務に回せと言われたと。秋谷会長の五十万円の領収書もあります。
 広島の方。ある婦人部の方は生命保険を解約して財務に出された。また、ある婦人部長はローンでお金を借りて財務に出されたと言われて、あなたは家もあるし、大手の会社に勤めているんだから毎年百万円財務に出すように言われたというんです。
 新潟。副婦人部長が次のような体験談をして財務を迫ったと。長男が大学受験に失敗して入学金が浮いた。そこで百万円を財務に出し、大きな功徳のできる出口ができたというんです。子供が大学受験に失敗して入学金が浮いたから、これで功徳ができる出口ができたと。
 新潟。小児、学生といえどもお年玉や貯金、バイトのお金を出して福運を積ませるようにとか、生活保護を受けている人にはしっかり財務をさせて宿命転換をさせてあげるようにと言われたというのです。
 これは福岡の方で、支部で金額の目標を決めていた。十万円以上を大口と言い、十世帯以上の目標を決めていたと。こういうケースが山ほどありますよ。
 私はこういうやり方が、文部大臣、フランスでは会員に対する寄進の強制というふうに言われたんですよ。そして一体どう使われているんだ、知らせてほしいと言うと、フランスでは暴力まで振るったというんですよ。日本では変わらないところかもっと大がかりにやられておるということですよ。
 さっきこういうことをおっしゃっていまして、日蓮上人の教えは草の根デモクラシーだと言う方がいらっしゃったけれども、これはそういうふうに思いますか、大臣。
#226
○国務大臣(島村宜伸君) 私は日蓮宗に余り詳しくございませんので、このコメントは御遠慮申し上げます。
#227
○筆坂秀世君 しかも、こういう金が一体何に使われたのかといいますと、これまで私ども衆議院でも参議院でも正森議員、橋本議員が取り上げてきました。選挙のときには宗教施設どころか選挙施設と化すような全国各地の会館があると。(「そんなことはないよ」「それは本当だ」と呼ぶ者あり)本当ですね、これ。池田名誉会長の別荘や豪華専用施設、あるいはルノワールの絵画購入事件というのもありました。十五億円、不明ですよ。あるいは一億七千五百万円入りの金庫が投棄される、こういう驚くべき事件もございました。政党に流れたという疑惑だって指摘されていますよ。その使途は非常に不明朗です。
 文部大臣、仏教の言葉で三輪清浄という言葉があることを聞かれたことがございますでしょうか。
#228
○国務大臣(島村宜伸君) 恐縮ですが、存じません。
#229
○筆坂秀世君 これは高野山大学の村上先生が書かれておるので私も知ったんで、御存じなくたって別にどうってことはないんですが、三輪というのは、布施をする人、もらう人、お布施そのもの、これを三輪と呼ぶらしいです。つまり、布施をする人も、もらう人も、布施そのものも清らかでなければならないというのが仏の教えだと、三輪清浄、私もいい勉強をしました。
 今の創価学会のやり方というのは、この財務というのは、今お聞きになった三輪清浄ということに当てはまると思いますか、大臣。
#230
○国務大臣(島村宜伸君) 具体的な感想はこの機会は御遠慮申し上げたいと思います。
#231
○筆坂秀世君 創価学会は一般信者には全く財務を公開していないでしょう。しかも、今指摘したような実態を見たときに、今回の宗教法人法の改正で収支計算書などを備えつける、信者や利害関係人への閲覧を義務づけるという改正が行われる。これはもう全く当然のことで、こんなものは宗教弾圧とかなんとかいう筋合いのものでは全くない。これはもうごく当たり前のことだと思うんですけれども、いかがでしょうか、大臣の見解を。
#232
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほどの質疑にもあったのですが、宗教法人というのは、人々の心を安定し社会の安泰に貢献し迷える者を救うという、まさに高い公益性をお持ちなのですから、そういう意味ではそれへの、社会の期待とか信頼にこたえる行動に徹するべきだと、基本的にそう思っています。
#233
○筆坂秀世君 また今度の改正案では、毎年、財産目録であるとか収支計算書、貸借対照表、境内建物に関する書類などを所轄庁に提出することになっていますね。私はこれは当然だと思うんです。
 そこで、文部大臣にお伺いしますけれども、例えばカトリック関係の教会であるとか、あるいはその他の大きな宗教法人がございますね。こういうところは、非課税の恩典を受けている以上、我々として当然所轄庁に対し、財産目録あるいは収支計算書、こういうものを提出するのは当然のことだという態度をとっておられるんじゃないでしょうか。
#234
○国務大臣(島村宜伸君) そうあるべきだとはっきり申しておられる大きな宗教団体もございます。
#235
○筆坂秀世君 例えば立正佼成会は、年間の収入、支出を自主的に税務署に届けている。「私は少なくとも活動報告ぐらい義務づけても良いと思っていますよ」というふうに広報部の東さんはおっしゃっております。あるいはカトリック中央協議会、ここは住所録に至るまで文化庁に提出されているそうです、私はそこまで出す必要があるのかと思いますけれども。税務署への会計報告ももちろん行っている。事務局長の森一弘司教はこうおっしゃっています。「非課税の恩恵を受けているのだから、それなりの責任を果たすべきだと思います。政府に報告を行うことと、国が宗教に介入することとは全く別のことですから」というふうに述べておられます。
 この見解をお聞きになって、大臣、どう思われますか。
#236
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、現在、宗務行政全体の責任者でありますから一般論として申し上げますが、望ましい形であると、こう思います。
#237
○筆坂秀世君 国際基督教大学の古屋先生はこうおっしゃっていますね。「概して日本人の宗教というのは、商売繁盛とか家内安全とか、何かが自分のためになる「御利益主義」。だから宗教が商売をして、いんちきが横行する。また政府と宗教の距離の取り方もルーズなものになっている。寛容と無関心といいかげんは区別しなくちゃいけない」というふうに述べておられます。私はこの意見というのもなかなかもっともな意見だというふうに思うんです。
 そこで次に、私は、政教一致の問題でお聞きしたいと思うんですけれども、本委員会でも政治と宗教のあり方、あるいは創価学会と公明と新進党の問題が取り上げられてきました。私どもの橋本議員も、これが高じて利益誘導選挙まで行っているという問題について指摘をし、自治大臣も事実とすれば重要な問題だというふうに御答弁をされました。
 ところで、橋本議員の指摘した問題について、自治省として調査をされるというお気持ちはございますでしょうか。
#238
○国務大臣(深谷隆司君) 選挙を所管している役所ではありますけれども、自治省自身が調査をするという権限は持っておりません。
#239
○筆坂秀世君 いや、自治省じゃなくたって警察でいいですよ。
#240
○国務大臣(深谷隆司君) 具体的な刑法に触れるような犯罪要件があれば、当然でありますが捜査いたします。
#241
○筆坂秀世君 あと一つ私は問題を指摘したいんですけれども、具体的に。
 文部大臣ちょっと聞いてくださいね、これからある文書を読み上げますから。(「だれが書いたんだ」と呼ぶ者あり)後で言いますから、ちゃんと待っていなさい。おはようございます。毎日暑い中のF活動御苦労様です。残すところ、二日間となりました。福岡選挙区のこば健太郎、比例区の新進党、鹿児島選挙区の長野すけなりの依頼はいかがでしょうか。こば健太郎は終盤に入って他の候補と激しいデッドヒートを演じています。十六日に北九州にて自民党の亀井静香運輸大臣が学会誹謗、池田先生に対しての悪口などを街頭演説の際に言っていたとの事です。このような、自民、社会の攻撃を受けまして切り崩しされているようです。いままで頼まれた友人の方に再度確認の電話をお願いします。又、新しいこば健太郎のFも探して下さるようお願いします。比例区の新進党、長野すけなり氏の依頼も宣しくお願いします。残す二日間を悔いのない戦いをやって見事な大勝利を勝ち取って参りましょう自治大臣でも文部大臣でも結構ですけれども、これを聞いて、これ宗教法人の文書と思われますか、それとも政治団体の文書だと思われますか。
#242
○国務大臣(深谷隆司君) ただいまお読みになられたものがどういうものか私はわかりませんので、コメントはいささか控えさせていただきます。
#243
○筆坂秀世君 これは、鹿児島の真砂地区というところの馬見新純子さんという学会の女性幹部の方がその地区の学会員の方に檄を飛ばして出された文書ですよ。
 我々は、もちろんこの方々の政治活動あるいは選挙活動をやるということを否定するなんということは、これは毛頭考えておりません。しかし、これまでどういうことをおっしゃってきたんですか、創価学会の方々は。
 例えば、一九七〇年五月、池田大作氏は、あの言論出版妨害事件がありまして、その反省を示しつつ、政治進出は宗門、学会の事業とは無関係であり、創価学会と公明党を分離していく、こういうふうに述べられました。これはもう皆さんよく御存じのとおりですよ。公明党も同年六月の大会で、支援団体である学会と公明党との関係を体制、機能、運営の面でさらに明確に分離していくというふうに述べて、綱領から「王仏冥合」、この文字を削除いたしました。これはもうよく知られていることです。
 ところが、実際にはどうかというと、こういうことをおっしゃったけれども、これまでの審議でも取り上げてきましたけれども、選挙があれば池田名誉会長が得意の和歌を送られる、そして檄を飛ばされる。
 例えば、今度の一斉地方選挙だってそうでしょう。秋谷会長が全国を十数カ所回って、そして四月の統一地方選挙には、私どもは力強く公明の支援をしてまいろうではありませんか、一人一人が満々たる前進の意欲に燃えて、勇気ある行動と知恵で率先して対話に挑戦し全国に勝利の花をらんまんと咲かせていこうと。
 これを全部どこでやったかというと、全国各地にある非課税の措置を受けている宗教施設でやってきたんですよ。全部そこでやってきたんです。ですから、何が悪いかということじゃないんですよ。そういうことを非課税の宗教施設でどんどんやってきたんですよ。それが問題なんです。それが問題なんです。
 こういうことが、しかも上から、トップから末端のところまで全部これでやられている。これが今の実態だということです。政教分離なんか全く実現してないんじゃありませんか。そう思われませんか。文部大臣、どうですか。
#244
○国務大臣(島村宜伸君) 事実を今正確に把握いたしておりませんので、答弁は差し控えたいと思います。
#245
○筆坂秀世君 事実を正確にとおっしゃいますけれども、宗教施設を使っていることは事実ですよ。そこが非課税になっていることも事実ですよ。その非課税施設を使って専ら選挙活動、政治活動をやっている。これは自民党だって認めているじゃないですかみんな。もしそうならどうなんですか。
#246
○国務大臣(深谷隆司君) 二通りの御質問だと承ります。
 一つは、宗教法人に非課税措置があるのは、その宗教法人の主たる専らの用に供しているという部分について、その公益性を認めて非課税措置をしている。したがって、そうでない場合というのは課税の対象になるわけで、そこらの判断は地方自治体が判断することでございますが、そのことについてきちんと把握をし厳正な対応をなさいということは私どもの方から指示ができる立場だということで、きょうの質問に対してもそのような言い方を申し上げました。
 それから、もう一つは公職選挙法に触れるかどうかということでありますが、これは、具体的な事実に照らして刑法に反するかどうかという判断で、犯罪的な要素があれば当然のことですが警察は捜査をするということでございます。
#247
○筆坂秀世君 終わります。(拍手)
#248
○本岡昭次君 きょうは総理がおられませんので、文部大臣にお尋ねいたします。
 二十八日に私が村山総理に次のような質問をいたしました。現行の宗教法人法の持っている基本的なスタンス、これを今回の宗教法人法改正によって変えようとするのか変えないのかという質問をいたしました。そうすると、総理は、「今までの議論の中でも明らかにしておりますけれども、基本的スタンスを変える考えはありません。」と明度におっしゃいました。しかし、その最後の方、「最低のことは行政としてやるべき責任があるのではないかというふうに思いますしということで、行政としてやるべき責任というものを最後に持ってこられています。私は、この基本的スタンスを変える考えはないということと、行政としてやるべき責任があるとおっしゃっていることはいささか矛盾すると考えます。
 そこで、現行宗教法人法の基本的スタンスとは何かということなのであります。これは今から私が申し上げるようなことであるのかないのか、文部大臣に明快に御答弁をいただきたいのです。
 要するに、現行宗教法人法はいわゆる取締法でも何かを管理監督する法律でもありません。だからこそ認証とかあるいは所轄といった用語が使われ、しかも政令というふうなものも持っていません。こうした緩やかな法で、基本は宗教界、宗教団体の自律・自発性に基礎を置く法律だというふうに私は見ています。ということは、つまり行政の責任を求めないという法律であるというふうに私は思っているんですね。ここのところはいかがでしょうか。
#249
○国務大臣(島村宜伸君) 基本的スタンスを変えないと総理がおっしゃった意味は、これはあくまで宗教法人に対する管理監督のための法ではないという宗教法人に対する認識は変える気持ちがないと、こういうことだと思います。
 ただ、それはそれとして、先生御承知のように現在は、一たび認証をし法人格を与えますと、後は全くどういう活動をなさっているかということが把握できない。これは無責任のそしりを免れないのではないか、所轄庁として応分の宗教法人それぞれの御活動というものを把握する必要があるのではないか。むしろ、そういうことに由来して全く把握できないまま放置したことが結果的に、例えばオウム真理教事件のようなああいう極端な事件にもつながったのではないか。国民の皆さんがこの法改正を求めるその気持ちもそこにあるのではないか、私はそう判断をいたします。
 そういう意味で、現行法では所轄庁は、宗教法人の活動状況について、規則変更の認証とかあるいは一定事項の登記変更の届け出等で把握するしかなくて、宗教法人法の定める権限を適正に行使する上で問題がある、すなわち七十九条、八十条、八十一条。そういう意味では、今のあれではとても問題があるので、今回の改正点でお諮りしておりますように、所轄庁の変更と、それから情報開示、それから活動報告の把握のあり方と、それからいま一つは七十九、八十、八十一条に疑いがある場合に宗教法人審議会にお諮りした上で報告の徴収あるいは質問権を行使する、こういうことの改正をお願いしていると、こういうことでございますから、私は総理がお答えになったこととそれから今回の法改正は矛盾しないと、こう考えます。
#250
○本岡昭次君 私は、依然としてやっぱり矛盾していると思うんです。
 それで、昭和二十六年二月二十八日、当時の天野文相がこの法律を提案されたときの理由説明、これを取り寄せてよく読んでみました。こういうことが書いてあります。
 次にこの法律案の骨子となっております主要な点について申し上げます。
 この法律の目的といたしますところは、宗教団体に法人格を与え、宗教法人が自由で、かつ自主的な活動をするための物的基礎を獲得させることであります。これがためには、あくまでも信教の自由と政教分離の原則を、基本としなければならないと考えます。それとともに、宗教法人の責任を明確にし、かつその公共性に配慮を払うこともまた忘れられてはならないのであります。このような趣旨から、この法律案は、常に自由と自主性、責任と公共性、この二つの請を骨子として、全体系が組み立てられてあるのであります。ここにも責任という言葉が出てまいります。だけれども、ここに出てきている責任ということは行政の責任じゃないんですね。これは宗教法人、宗教団体の責任ということを述べている。責任はどこにあるかというと、現行法は、行政の責任を求めているんじゃなくて、法人格を取得したその団体の責任を求めているというのが基本的なスタンスではないかと私は思うんです。
 だから、それは変わっておりませんかと尋ねたら、変わっておりません、しかし行政の責任がありますとおっしゃるから、その責任という意味は現行法で言うところは全然違うんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#251
○国務大臣(島村宜伸君) 少し例え話で恐縮ですが、先生と旅をともにする、もう終着駅間近である、そこまでは全く意見も何も一緒である、本当にそのおりる間際のおりるスピードの違いぐらいのずれをそこで感じるんですがね。
 問題は、何が違うかというと、昭和二十六年当時の社会環境、これは今の環境と大きく変わっていることは認めざるを得ないですね。経済もたしかGNPが八十七倍、そしてこれだけ交通手段が発達するとは、私も正直言って子供のころから考えて予測できませんでした。すごい国になったと思います。情報メディアにしても同じですね、情報通信の。こうなりますと、当然にそれらを背景に宗教法人の御活動も大変広域化しましたし、我々のまたとてもとても想像もしないような大きな展開を見たわけですから、もし天野文部大臣が御在世であれば恐らく私の考えをお認めいただけると、こんなふうに思います。
#252
○本岡昭次君 いや、文部大臣がおっしゃるように変わりました、本当に変わりました。大変な時代に生きたものだと私も思います。しかし、宗教法人法の持っておる基本的スタンスを変えるのか変えないのかというのは、私は非常に大事なことだと思っているんですね。
 だから私は、変えないとおっしゃったから安心して賛成しようかと思ったんですよ。ところが、行政の責任、行政の責任と、こうおっしゃっできますから、最後の方に。責任というのは、これは監督権がなかったら包括的な責任を持てませんわね、そうでしょう。調査権もなければ責任を持てませんわね、行政の責任という場合は。だから、行政の責任とおっしゃるということは、これは管理監督権というんですか、そういうものを強めていく方向にだんだん責任の内容と度合いが深まってくると思うんです。だからそこにおそれを持つ、こういうことで御理解いただけると思うんですね。
 そこで、自主的という面で、要するに提出しなくてもよい備えつけ書類、それを現在、私は文部省の方から書類をもらいますと、文部省所轄の三百七十二法人中、平成六年に百三十八法人、平成七年十一月二十九日現在、百二十三法人が、これは前も文部大臣おっしゃいました、自主的に備えつけ書類を文部省に提出している。これが天野文部大臣がおっしゃった、「常に自由と自主性、責任と公共性こという一端が私は具体的にあらわれていると思うんですよ。
 この三百七十三の百三十八、約三分の一近いところがこのように宗教法人法の持つ基本的スタンスを踏まえてなぜきちっとやるようになっているのかというところを一体どういうふうに押さえておられますか。
#253
○政府委員(小野元之君) 御指摘のように、平成七年度で約三分の一程度の百三十三法人から既にそういった財務関係書類を出していただいているわけでございます。
 これは、財務関係書類を提出していただくというのは、自分たちの法人はこういうふうに活動しておりますよ、財政面も別に何も問題ございませんよということで、法人の方から自主的にみずからの管理運営が透明であるということをお示しいただく。私どもの方にもいただくし、信者の方にももちろんお見せいただいているということで、これは確かにおっしゃいました自主性、公共性という観点から非常に望ましいことで、ありがたいものだというふうに考えておるところでございます。
#254
○本岡昭次君 そこで、都道府県の所轄する法人、それはどういう傾向にありますか。
#255
○政府委員(小野元之君) 私ども、完全に調べているわけではございませんけれども、幾つかの県に聞いた限りでは、余りこういったものを御提出いただいているという例はないようでございますし、非常に少ないというふうに聞いております。
#256
○本岡昭次君 そこで、大臣、よろしいですか。私は、この基本的なスタンスを変えないで、天野文相が昭和二十六年に宗教法人法という法律をつくるときに出された目的なり考え方を実現していく方向というもの、これをいましばらく努力して追求をするという余裕がなぜないのかということが今度また疑問に思うんです。
 それと、宗教法人審議会というものを置いて、ストレートに文部省が権限を発動する、あるいは所轄庁が発動するというようなことをしないようにやっておりますが、この審議会というものが、それでは一体どういう機能をこれから果たしていくのかという問題も、本当に自主性とかいうふうなものを尊重していく方向に果たして行くのかなという疑問も今度は持ってくる。
 というのは、これはまた総括質問のときでも時間があれば主として聞きたいと思うんですが、例えば、三角さん、私はあの人をよく知っているんです。私が国会に来てからずっと文部省におられて、随分あの人と議論を交わしたものです、文教関係に対して。言うたら文部省の主のような方です。その方が宗教法人審議会の会長として今度仕切られたという、私はそこのところははてなと。審議会というものが第三者機関として公平公正に、天野文相が示されたような方向にこの宗教法人法というものが健全な形で存在をしていくようにと見ていった場合に、一体その人事はだれがどのようにやったのか、どう考えても不適切な人事じゃないかなというふうに私は思う面もあるんですよ。
 だから、その基本的スタンスを変えないとおっしゃった総理の言葉をもう少し大切にしてこの議論をやっていただかないと、私はどうもまだ腑に落ちぬところがあるということだけきょうは申し上げまして、また次の機会に発言をさせていただきたいと思いますが、最後に言いかがですか。
#257
○国務大臣(島村宜伸君) 先生はよく三角さんを御存じだそうで、私は伺っているだけで余り詳しくは存じません。しかし、大変高い学識のある立派な人格者と承っております。三角さん、大変気の毒なお立場に立っておりますが、わずか四名の学識経験者、十一名の宗教法人代表者というこのバランスの中で、仮に、三角さんがそういう聞くほどの人格者ではなくて強引な方であっても、果たして審議を懇意的な方向に何か結論を導くことができるでしょうか。先生も団体の長をなさっておられたんだからその辺はよく御理解がいただけるはずでありますし、御本人がおりませんので、これはむしろ三角さん御自身がいかに心を砕き、バランスのある運営をなさったか、しかも三角さん御自身は文部省の任命の会長でなくて、委員の皆さんの互選で選ばれたということも御理解いただきたいと思うのであります。
#258
○本岡昭次君 終わります。(拍手)
#259
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。
 これまで憲法第二十条あるいは八十九条の観点から随分この宗教法人法の改正に関する議論がなされてきたというふうに思うわけでございますが、私は、憲法第十二条の観点からひとつ御質問をさせていただきたいというふうに思うところでございます。
 御案内のとおり、憲法第十二条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」と、こういうふうなことがあるわけでございます。
 そして、昨日もお聞きをしたんですが、改正法案の第二十五条三項に、信者その他の利害関係人は、「正当な利益があり、かつ、その閲覧の請求が不当な目的によるものでないと認められる者から請求があったときは、これを閲覧させなければならない。」と、こういうふうなことになっているわけでございます。
 昨日、私は、信者あるいはその利害関係人というのはどういう範囲なんだろうか、こういうことで御質問させていただいて、なおかつこの辺は不明なんでありますけれども、同じことをやっていてもなかなか進まないということでありますので、ちょっと角度を変えて御質問させていただきたいというふうに思います。
 一つは、例えば大変教団あるいは宗教法人に興味があって、ぜひこれは調べてみたいというふうに興味を持っている者は、いわゆるこの備えつけ帳票等を閲覧することができるのかできないのかその辺いかがでしょうか。
#260
○政府委員(小野元之君) この二十五条の三項の書類の閲覧でございますけれども、正当な利益があり、かつ、不当な目的でない、しかもその対象は信者その他の利害関係人というふうに規定されておりますので、単に宗教的に興味があるから見せてほしいという方はこの条項による閲覧請求ということはできないと思うのでございます。
 ただし、宗教法人もできるだけ自分たちの存在をアピールするあるいはオープンにしていくというようなこともございますから、文化庁でも編集しております宗教年鑑にある程度の情報も入ってございます。そういったものは自由に見ることができますし、それから宗教法人の御理解を得て、協力を得て、うちなら見せましょうということであれば、この条項に基づかなくてもさまざまなことを教えていただけるということは当然あるわけでございます。
#261
○国井正幸君 この改正法案が成立をしても、文部大臣の所管になる宗教法人、それから相変わらず都道府県知事の所轄になる法人というふうにあると思うんですが、今、各都道府県で情報公開条例が制定をされつつあるというふうに思いますけれども、各都道府県でどの程度情報公開条例が制定をされているのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
#262
○政府委員(松本英昭君) お答え申し上げます。
 都道府県におきます情報公開につきましては、現在四十六団体におきまして情報公開条例等により制度化をいたしているところでございます。
#263
○国井正幸君 国あるいは自治体等においても、特に地方自治体においては情報公開条例、都道府県に限らず市町村等においても制定をしているところが大変ふえつつあるように私も認識をしているわけでございます。
 そういう観点からいたしまして、いわゆる都道府県の情報公開条例にのっとって、例えば県知事に届け出た書類が開示されることになるのかならないのか、その辺はいかがでしょうか。
#264
○政府委員(松本英昭君) 一般的には各都道府県の情報公開制度におきまして非開示事項の基準を明示しております。
 具体的には、法令等により公開できないこととされている情報、公開することにより不利益を与えたり正当な利益を害することとなる法人等に関する情報などがその非開示事項として定められているところでございます。開示請求がございました場合の具体的な運用は、このような非開示事項の基準を踏まえまして、各都道府県において適切に判断されるものと思っております。
 なお、宗教法人から提出されました書類につきましては、文部省におかれまして慎重な取り扱いがなされるよう都道府県に対して御指導されると聞いているところでございます。
#265
○国井正幸君 何だかわかったようなわからないような話なんですが、いわゆる財務諸表を含めて、こういう書類をつくって提出しなさいと、こういうことが決まっているわけでございまして、この書類については、いわゆる都道府県の情報公開条例にのっとって開示されるべき情報なのかそうでないのか、その辺を明確に答えていただきたいというふうに思います。
#266
○政府委員(小野元之君) 基本的には、先ほど行政局長の方からお答えがあったとおりでございますけれども、今回、所轄庁に対して宗教法人が財務諸表等について提出をいただくわけでございますけれども、この中身につきましては、先生御指摘のように、一般に知られていない情報でありまして、宗教法人としてはプライバシーにかかわるような情報も当然含まれておるわけでございます。
 それから、宗教法人に関する事務は国の機関委任事務でございます。それから、この改正法におきましても閲覧請求権が認められておりますが、この対象も、正当な利益を有し、かつ不当な目的を有しない信者その他の利害関係人、こういった者に限定して認めておるということでございます。
 こういったことを勘案いたしますと、各都道府県においても、この情報の開示ということにつきましては宗教法人のプライバシー等を侵害してはならないというふうに思うわけでございますので、慎重な取り扱いがなされますように、法の改正が実現いたしましたならば、都道府県に対して適切に指導を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#267
○国井正幸君 私も実は、一番心配するのは、どうもこの議論なんかを聞いていても、ためにするような議論というのも非常に多いような感じを受けております。そういう意味では、極めて思想・信条の問題ですから、余りのぞき趣味みたいなもので入っていくのはいかがかと、こういうふうに感じるところでございます。
 そういう意味で、これからあるいは国においても情報公開法等が時代の趨勢の中で制定される場合もあるだろうというふうに思います。そういうことを含めて、この情報公開条例で今、文化庁の小野次長は適切な指導をしていきたい、こういうふうなことでありますが、文部大臣、ぜひこれを担保していただけますか。
#268
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#269
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
#270
○国務大臣(島村宜伸君) 失礼いたしました。答弁の正確を期するためにちょっと今お話を聞いておりましたので。
 小野次長が御答弁申し上げたことについては、私は責任者として当然にその趣旨を徹底するように指導してまいります。
#271
○国井正幸君 ぜひそういう立場で、むやみやたらに何でも見せればいいということでもないですし、あるいは憲法第十二条においても「これを濫用してはならない」と、こういうふうなことであるわけですから、ぜひその辺については適切な御指導をお願いしたい。あわせて行政庁においても、やはり思想・信条の自由を侵害しないというふうなことで、人間の自由というのは空気みたいなもので、何の束縛もなく威圧も受けずにやれることが一番いいんではないか、私はこういうふうに思っていますので、そういう立場から適切な指導をぜひお願いしたい。
 このことをお願いしまして、時間を残しますけれども、私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
#272
○委員長(倉田寛之君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#273
○委員長(倉田寛之君) この際、御報告をいたします。
 先刻、委員長に御一任いただきました参考人の人選につきましては、次の方々に御出席いただくことといたしました。
 神社本庁総長岡本健治君、駒澤大学文学部教授洗建君、日本大学法学部教授北野弘久君、創価学会会長秋谷栄之助君、善隣教教主力久隆積君及び全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長山口廣君、以上六名でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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