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1995/10/19 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 内閣委員会 第1号
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1995/10/19 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 内閣委員会 第1号

#1
第134回国会 内閣委員会 第1号
平成七年十月十九日(木曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         宮崎 秀樹君
    理 事         板垣  正君
    理 事         真島 一男君
    理 事         吉田 之久君
    理 事         山口 哲夫君
                岩崎 純三君
                海老原義彦君
                岡野  裕君
                鈴木 栄治君
                村上 正邦君
                依田 智治君
                小川 勝也君
                大久保直彦君
                鈴木 正孝君
                永野 茂門君
                萱野  茂君
                角田 義一君
                笠井  亮君
                聴濤  弘君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     友部 達夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 秀樹君
    理 事
                板垣  正君
                真島 一男君
                吉田 之久君
                山口 哲夫君
    委 員
                岩崎 純三君
                海老原義彦君
                鈴木 栄治君
                村上 正邦君
                依田 智治君
                大久保直彦君
                鈴木 正孝君
                友部 達夫君
                永野 茂門君
                萱野  茂君
                角田 義一君
                笠井  亮君
                聽濤  弘君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長)  野坂 浩賢君
       国 務 大 臣
       (総務省大臣)  江藤 隆美君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  衛藤征士郎君
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       給与局長     小堀紀久生君
       国際平和協力本
       部事務局長    高野幸二郎君
       総務庁長官官房
       長        河野  昭君
       総務庁人事局長  池ノ内祐司君
       防衛庁参事官   小池 寛治君
       防衛庁長官官房
       長        江間 清二君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛庁教育訓練
       局長       粟  威之君
       防衛庁人事局長  萩  次郎君
       防衛施設庁長官  宝珠山 昇君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等
 に関する法律案(内閣提出)
○一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査並びに国の防衛に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎秀樹君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九月二十八日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として萱野茂君が選任されました。
 また、去る十月二日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として友部達夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮崎秀樹君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(宮崎秀樹君) 国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。衛藤防衛庁長官。
#6
○国務大臣(衛藤征士郎君) ただいま議題となりました国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律案について、その提案理由及び内答の概要を御説明いたします。
 防衛庁といたしましては、国際社会の平和と安定のためには、軍備管理・軍縮または人道支援の分野における国際社会の努力に積極的に貢献し、また諸外国との相互理解を一層深めることが重要と考えております。
 そのためには、これまでの施策に加え、防衛庁の職員の識見や技能及び国際機関等からの要請等を考慮して、軍備管理・軍縮または人道支援の分野等の業務に従事させるため、防衛庁の職員を国際機関等に派遣することが必要と考えております。
 しかしながら、防衛庁の職員については、国際機関等に派遣された職員の処遇等に関する制度が整備されていないため、一般職の国家公務員、特別職の国家公務員である国会職員及び一般職の地方公務員と同様に、派遣された職員が安んじて派遣先の業務に従事できるよう、給与、災害補償等の処遇等を整備する必要があります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容についてその概要を御説明いたします。
 第一に、防衛庁長官または防衛施設庁長官は、条約その他の国際約束もしくはこれに準ずるものに基づき、または我が国が加盟している国際機関、外国政府の機関等からの要請に応じ、これらの機関の業務に従事させるため、職員を派遣できるものとすることとしております。
 第二に、それらの業務を、軍備管理または軍縮に関する条約その他の国際約束で我が国が締結したものに基づいて行う査察その他の検証または技術上の協力、人道的精神に基づいて行う医療その他の援助、学術に関する研究または教育等とすることとしております。
 第三に、派遣職員は、派遣期間中、防衛庁の職員としての身分を保有しますが、その職務に従事しないものとし、派遣が終了したときは職務に復帰するものとすることとしております。
 第四に、派遣職員には、派遣期間中、俸給、扶養手当、調整手当、住居手当、営外手当及び期末手当のそれぞれ百分の百以内を支給できるものとすることとしております。
 第五に、派遣職員が派遣先の機関の業務に関し災害を受けたときは、公務上の災害を受けたものとみなして障害補償等を行い、国家公務員等共済組合法による障害共済年金の支給等ができるものとすることとしております。
 第六に、退職手当の算定については、派遣期間を職員としての在職期間としてそのまま通算することとしております。
 第七に、派遣職員には、特に必要があると認められるときは、赴任の例に準じ旅費を支給することができるものとすることとしております。
 第八に、派遣職員が職務に復帰したときの任用、給与等に関する処遇については、部内の職員との均衡を失することのないよう適切な配慮が加えられなければならないものとすることとしております。
 以上が国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#7
○委員長(宮崎秀樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○依田智治君 自由民主党の依田でございます。
 第百三十四国会の三つの参議院先議案件のうち、この国際機関等に派遣される防衛庁職員の処遇法がトップバッターとして出てきたわけですが、さらにそのトップバッターとして質問させていただく光栄に浴しまして、お礼を申し上げる次第でございます。いささか緊張しておるわけでございます。
 きょうはせっかくこういう法律が出ておりますし、それに給与、厚生面だけでなくて派遣される職員が本当にしっかりと活動できるためには、例えばPKO等でもいろいろ考えるべき問題もあるんじゃないかということで、そういうような問題も質問させてもらおうと思っております。
 今日何といっても防衛なり安全保障をめぐる問題として沖縄の問題と我が国の安保体制という問題は大変重要な問題です。私は予算委員として、三日間、きのうまでいろいろお話を伺っていたんですが、私なりに次の二つの視点というのがやや議論の中に欠けているんじゃないかなという感じがしますので、その点を二つ私見として申し上げますので、まず初めにこれについて防衛庁長官並びに官房長官の力強い御答弁をお願いしたい、こう思うわけでございます。
 その第一は、やはり地位協定という問題につきまして、米兵の大変破廉恥な暴行事件と関連して改定すべしと、もう大変な騒ぎになっておるわけですが、この地位協定という問題は我が国だけの問題ではない、これは御承知のとおりだと思いますが、我が国の協定はどちらかといえば、世界的に見れば、常識に照らせば、むしろ我が国に緩やかになっているという点があるわけでございます。
 例えば、私ども日本から自衛隊員をPKO等でカンボジア、モザンビークいろいろ派遣していますが、例えば国連職員を国連から派遣する場合の地位協定というのはどうなっているか。余り公表されていませんが、原則としては裁判権というのは、刑事事件をしてかしたような場合にすべて送った側の国の専属的管轄に属する、こういうことになっておって、派遣された国は一切そういう裁判ができないという建前になっていますし、身柄は相手国が逮捕した場合でも速やかに最寄りの国連代表部に持っていく。
 ということは、こういう軍隊とかそういう組織構成員が本当に士気を保ちつつ故国から遠く離れたそういうところで活躍するためには、やはりある程度の国の保護というものと、受け入れる国としてもその送ってもらう国の指揮、主権なりなんなりいろいろ尊重しながらやっていくという妥協の産物としてできておるわけですね。だから、ドイツのときはボン協定ということで、起訴前に身柄引き渡しについては考慮を払うというような規定になっておってもほとんど米側に任せておるというか、そういう運用になっておるわけです。
 そういう点を考えますと、これを直ちに改正すべしというような形でなくて、この地位協定の問題は時代の変化に応じて長期的にグローバルな視野に立って考える。しかし、西ドイツ等と比較した場合には、やはり日本のもせめて西ドイツ並みくらいの運用上の規定はすべきじゃないか、これはやっぱりやった方がベターじゃないか。
 ただ、重要なのは、この事件で本当にしっかりと処罰されるのかという問題が一つと、あと一つは米側が絶対にこういう事件を起こさないということをしっかりさせるということが重要じゃないか、私はこういう点を感ずるわけでございます。
 そんなことで、何か大変に不公平、不平等なような感じを受けますが、必ずしもそうでないという面も踏まえて冷静に対処していくということが大変重要じゃないかと思います。
 あと一つ、安保の問題でございますが、基地縮小、いろいろ訓練についてあります。
 確かに沖縄は大変過密になっており、本土の方でそういう負担をある程度していかなきゃいかぬという問題があるわけですが、日本の今の憲法体制下で日本のみの安全保障、防衛ということを考えた場合には、到底日本のみの今の近衛隊の力では守れるものじゃない。法制局の解釈では、我が国の自衛隊というのは戦力でないわけです。戦力でないもので国が守れないわけです。そういう点を補完する意味で、またアジア地域における安定という意味で安全保障体制というものがあるわけです。そのためには基地が最小限必要であり、またそのための訓練が必要である。
 したがって、ただ縮小縮小だけでなく、また訓練の移転だけでなく、基地もある程度縮小しつつも確保して、訓練も確保して、そして安保体制の効果的運用を図るということが大変重要で、そのためには結局地域住民の協力というものが不可欠である、こういう点で私は総論は大体賛成ですが、いざ自分のところになってみますと、私の出身の山梨のところでも、何か部会でけさ北富士に演習場が移ってくるというようなので大丈夫でしょうかと言われ、確かにそういうのはあるけれども、これから皆さんとも相談してやる問題じゃないか、そうなると反対です、こうなるわけですね。基地がある町にとっては、自分のところだけしわ寄せを受けておると思っているわけです、本土でも。
 そういう点を考えますと、これはよほど政府もまた我々政治家も真剣になって国民を説得し、そして安保体制というものを維持していくということが大変重要じゃないか、こう考えるわけです。
 そういう意味では、けさ方、実は宝珠山さんの発言を見て何かちょっとびっくりしたんですが、この点、やはりあくまでも話し合いということで強力にやっていくということが、そういう面からすると、県民なり国民の協力なくしてこの安保体制にしても何にしても維持できないということを考えますと、その発言の真意等もできれば伺いたい、こう思うわけです。
 以上二点、私は予算委員会で感じたわけでございますが、ひとつ力強いこの問題に対する解決へ向かっての御意見を防衛庁長官なり官房長官からお願いいたしたいと思います。
#9
○国務大臣(衛藤征士郎君) 委員にお答えを申し上げます。
 第一点のいわゆる安保、またそれに裏打ちされるところの地位協定の問題でございますが、これにつきましては、言うまでもなく我が国の安全を確かに守り抜くために、確保するために我が国の専守防衛努力と、そしてもう一つの柱として日米安保体制、安保条約、そういうものがあるわけでございまして、国の安全を確保するという職員にある責任者としましては、しっかりとした確かな安全保障を構築せねばならぬ、こういう基本に立っていることは論をまたないところでございます。
 地位協定の問題でありますが、これにつきましては、ただいま十七条五項(c)について、司法手続の運用改善について、日米合同委員会に設置されました日米専門家委員会におきまして鋭意作業が進行中であり、この作業の結果が近々に出てくるものと思います。その作業の結果を踏まえて、この手続問題、運用改善問題、こういったことにつきましてどういう形でこれを処理するか、そういうことについて米側の協力もいただき結論を得たい、このように思っておるところであります。
 それから、御指摘の我が国の地位協定が世界の国々とのいわゆる地位協定と比較して決して劣後にあるものではないという委員の指摘がありましたが、それは私もそのように思っております。
 今回の沖縄県における少女暴行事件に見られるような極めて凶悪な犯罪につきまして、その協定があるにしろ、事前に身柄が引き渡せないかということを要求してきたことも事実であります。その要求につきまして、ただいまそれが運用面において可能かどうかということが日米専門家委員会の中で検討、協議されておる、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 それから、沖縄の問題でございますが、この問題につきましては、いつも言われますが、沖縄にありましては米軍の施政下にあって布令布告により強権的に基地が構築された、こういう歴史的事実があります。また、沖縄県は本土復帰におくれること二十年という特別なハンディキャップがあるわけでございまして、さらには終戦時における沖縄県の本土決戦を前にした特別な事情がありまして、大変大きな犠牲を強いられていることも事実であります。現に本土復帰がおくれたという経緯これあり、ために沖縄県の県民所得というものが全国平均から見まして著しく劣後にある、それから県や県下の市町村の財政力指数も弱い、こんなことを政府としていかにサポートするか、そういうことでいろいろと補助率のかさ上げ等が、あるいは沖縄開発庁における第三次にわたる振興開発施策、そういうものがとられてきた、これは御案内のとおりでございます。
 さて、基地の問題ですが、我が国の本土面積の〇・六%である沖縄にありまして、我が国にある在日米軍基地の七五%が沖縄に集約されておるということも現実であります。この点からいたしましても、私どもいかにしてこの沖縄の在日米軍基地を整理統合、そして結果として縮小を進めるかということで鋭意努力してまいりました。御案内のとおり、現在米軍側と合意できたもの、返還手続に合意されたもの二十三事案プラス三事案がございまして、この中で残り十事案ということにつきましてもこれから鋭意返還に向けての作業にあらゆる努力をしていかねばならぬ、このように考えておるところでございます。
 特に新しい三事案、ことしの一月、クリントン大統領と村山総理におきまして話された、またことしの五月、前玉沢防衛庁長官とペリーさんの間で話されましたこの三事案の中の県道一〇四号線越えの実弾射撃の訓練場の移転問題、これにつきましては、今月の十二日から日米合同委員会の中に特別な作業班を設置いたしましてその作業班の作業が始まった、こういうことでありまして、私どもはこれを受けまして、本土の中におきましてこの射撃演習が可能な演習場がどこにあるかといったことにつきましても調査を進める、こういうことで作業が始まったということであります。
 当然、沖縄の基地のこの問題につきましては、沖縄県を除く四十六の都道府県皆さんでこの問題を全国民の共通共有の問題として取り上げ、そして沖縄県民の苦痛、苦渋、そういうものも十分に分かち合う、そしてその問題を解決する、そういう努力がなきゃならないということを予算委員会で総理が答弁されましたが、私も全く同じ考えをしておりまして、防衛庁長官としてそういった方向に向けてあらゆる努力をしてまいりたい、このように考えておるところであります。
 なお、もう一言申し上げますならば、戦後、沖縄の基地の返還等々、政府も米軍も進めてまいりましたが、その努力が十分であったかというと、必ずしも十分ではなかったのではないか、努力不足の面が否めないのではないか、こういうことを私は感じておるということも申し上げたいと思います。
 以上であります。
#10
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 防衛庁長官から地位協定の問題等については詳しくお話がありましたし、依田議員はその道の専門家でありますからよく御存じだと思っております。安全保障条約と地位協定は表と裏の関係があるということも御案内のとおりであります。
 二十二年前に沖縄は日本に返還されました。佐藤総理が当時言っておりましたように、本土並みにしなきゃならぬと、こういうことは今でも私どもはよく覚えております。
 今回、公的な時間に少女に対するあのような痛ましい暴行事件が起きたことについては、日本国民全体が悲痛な気持ちになっておると思います。沖縄県民は、これを契機にして、今までに忍耐をしてきたことが爆発をしたというふうに受け取るべきだろうと思っております。
 この事件を解決するために鋭意努力をいたしましたが、身柄を拘束することは地位協定の関係からでき得なかった。十七条五項の(c)、これについては一体どうするか。日米合同委員会のもとに専門家委員会が開催されまして、鋭意検討されております。
 今までに、聽濤さんも十六日もお話しになったように、何千件もあったときに泣き寝入りをしたと。今度は泣き寝入りはできぬという激しい日本の声というものもアメリカに伝わったと私は思います。クリントンさん初めクリストファー国務長官、そういう方々が痛ましい事件であった、ざんきにたえぬ、深く反省をするということを言われ、現地でも反省の日が設けられて反省されております。綱紀の粛正、二度と再びこのような事態が生まれないように双方が努力しなきゃならぬと思っております。
 この専門家委員会の中で運用改善の話もありますが、あるいは踏み込んで地位協定そのものについても言及がある場合があるというふうに我々は注目をしております。それらを受けて今後どのように対応するかということは、沖縄県民の心をよく受けとめて対応しなければならぬと考えております。
 二番目の問題につきましては、御案内のように宝珠山長官の御発言であります。
 今、日本政府は挙げて沖縄の皆さん方の気持ち、そして長かった悲惨な姿、苦しみ、そういうものを受けとめております。この問題を契機にして土地問題等がいろいろ起きております。あるいは知事さんが代理署名を拒否されております。そういう点を踏まえて何とか話し合いをしなきゃならぬ、困難な道であろうけれども、その障害を乗り越えながらアメリカとも話し合っていかなければならぬだろう。そして、沖縄県民の皆さん方にも我々は情理を尽くして、本当に申しわけなかっだということも含めて話し合い、この基地の整理統合、そして縮小という方向について懸命な努力をすることが我々の当面の使命であり任務であろう、こういうふうに考えております。
#11
○政府委員(宝珠山昇君) お答えいたします。
 防衛施設庁の首脳が、昨日、内閣総理大臣を批判する発言を行ったという報道がございましたが、私はそのような批判を昨日行ったという記憶は持っておりません。誤解を解いていただくために、若干の発言をお許しいただきたいと思います。
 現在、防衛施設庁が取り組んでおります大きな仕事、これが来年三月三十一日、それから平成九年五月十四日に使用期限が切れる駐留米軍用地の使用権原の取得事務でございます。先般、この手続の一環でございます沖縄県知事のいわゆる代理署名というものが、今、官房長官からもお話がございましたように、拒否されるに至りました。このため、私ども現在、知事の理解をいただくべく懸命の努力を続けていることは御理解いただきたいと思います。
 これとの関連におきまして、昨日、官房副長官からお呼びがございまして、沖縄の基地の実情と、県知事の要望を満足するような基地の整理統合事案を見出すというのは大変困難であるという状況、今のところどんなに努力いたしましても大幅な基地の整理縮小というものは困難であると認識しているというようなことを御説明差し上げました。
 また、知事の拒否の決意というのは非常にかたいと私は受けとめておりますという認識を申し上げ、これまで基地の整理統合ということで検討いたしましたところでも、このかたい決意を変えるに十分な材料は見出せない状況であります、すなわち大変厳しい状況にありますと。
 しかし、今、官房長官からお話がございましたように、誠意を尽くして話し合い、そういう中で解決の糸口を見出せという大方針のもとで努力させていただいております。防衛庁長官も来週訪問いただき、県知事と会談されるなど、その努力の一環であると理解しております。
 しかしながら、このような努力を続けたといたしましても知事の御協力をどうしても得られないというような最悪の事態というのも、私ども基地行政を補佐する立場の事務当局といたしましては考えなければならない。そういうことを予想して準備をせざるを得ないのが私どもの置かれている立場である。そういう最悪の事態に至りました場合には、地方自治法の規定に従いまして、主務大臣としての内閣総理大臣が淡々と手続を進めていただく以外にないという趣旨のことを申し上げさせていただきました。また、県知事もこれを拒否するに当たりましてそのようなことを十分御認識の上でなされたということも説明差し上げました。引き続きよろしくということでお別れしたわけであります。
 昨日はちょうど定例懇談会の日でございまして、若干おくれて戻りまして、直後にこれに臨み、官房副長官との話の模様について質問があり、今申し上げたようなことをお話ししたというのが実情でございます。
#12
○依田智治君 沖縄県民の気持ちも十分踏まえ、私が先ほど指摘いたしましたような問題点を踏まえまして、根本的な早急な解決をいただくようによろしくお願いしたいと思います。
 あと五分しかなくなってしまいましたが、結局この処遇法は今までならば休職というような形でやらざるを得なかった、そのために思う存分防衛庁職員が活動できなかった、今度はこの法律によって国内にいると同じ条件でやることができると。
 それから、目的は今、軍備管理一軍縮、人道的とか教育目的と限られていますが、もしその他の目的が出てくればまた法改正なりなんなり審議するということになるのか、この点を一言簡略にお答えいただきたい。
#13
○政府委員(萩次郎君) 御指摘がありましたように、基本的な理解といたしましては、国内におけると同等の処遇を受けるということを目的としております。基本的には派遣先の機関が給与等の面倒を見るということになるわけですが、どうしても派遣先機関から支給されます給与とか災害時の補償というのが十分でない場合が予想されます。そのために、そのような場合には日本国政府から俸給とか各種の手当につきまして日本国内におったときの百分の百まで支給ができるようにしておこう、それから公務災害補償もできるようにしようということでございます。
 それで、二番目にお話がございましたように、現在の我が方の法律案では軍備管理・軍縮、人道目的、学術研究、教育という目的を限定してございます。これらがさらに他の場合にも必要になるかどうかということは、現在のところでは今の目的で十分カバーできると思っておりますが、将来的に必要になりました場合には、そのニーズの背景、内容といったものを考慮して適切な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
#14
○依田智治君 あと一点、給与なり厚生という問題は大変重要な問題ですが、やはり自衛隊等の部隊が海外で活動する場合には、そのほかにやはりいろんな特異な環境の中で十分自分のノウハウを発揮して活動できるということが大変重要なわけです。政府はゴラン高原にPKOを派遣することを決定し、現在、政府調査団が、間もなく帰ってくるようですが、伊藤さん以下行っておるということでございます。こういう教訓を踏まえ、またきょう時間があればモザンビーク、カンボジア等の教訓もお伺いしようと思ったんですが時間がありません。
 PKO法はもう八月十一日に三年が経過している。せっかく三年後に見直すということになっていますので、そういう点も踏まえて、十分現地に派遣される者が国際的期待にこたえて活動できるような見直しをお願いしたい。その根本には私は憲法問題等も多少あると思うんですが、国連に加盟していて国連の停戦後のPKO活動に参加するという形において出る限り、少なくとも憲法上の問題は生じないということでPKO法もあるんだと思います。そういうことで、ぜひひとつ官房長官、調査団の結果、これまでの教訓を踏まえて、自衛隊員等が十分活躍できるような体制にしていただくように見直しをやっていただくことが必要じゃないかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
#15
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えいたします。
 PKO協力法につきましては、依田先生から御指摘いただきましたように、本年八月で三年を迎えることになりました。三年経過した後これらは見直すべきだということでございまして、今お話がありましたように、カンボジアとかザイールとかモザンビークとか、そういうところにPKOを派遣しておりますので、そういう経験も踏まえて、そして先生方の御意見もよく聴取をして、間違いのない検討をこれから開始するところでございますので、十分踏まえて間違いのない方向というものを決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#16
○依田智治君 時間が参りました。終わりますが、やはりこれから国際化がますます進展し、日本が得意わざを発揮していろいろ汗を流す道というのはあると思うんです。そういう場合に、自衛隊員というのはやっぱり長年の訓練をやった大変な蓄積を持っている集団でございますから、そのノウハウが十分発揮できて活躍できるような体制にしていただきたいという点をお願いして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#17
○永野茂門君 官房長官並びに防衛庁長官、連日大変御苦労さまでございます。
 本日は、国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律案が提案されておりますので、最初にこれに関しまして若干の御質問を申し上げます。
 この法律案の提案を受けて最初に感じたことは、一体今までなぜこれが立法化されていなかったんだろうかというのを率直に感じたわけであります。私もかつて自衛隊にいた者として、最近は特にそうでありますけれども、単にPKO等だけではなくて、そういう業務だけではなくて、個人的にあるいは数名が一団となって国際機関にいろいろと出ていくという要請がだんだんふえてきておることはよく承知しておったわけであります。
 そこで、第一に、従来他省庁の職員の派遣につきましては立法化されておったにもかかわらず、防衛庁職員の派遣について全く定められていなかったというのはなぜであったんでしょうか。単に人数が少なかったとか、あるいは一般職員の方に身分を変換していくというような便法があって、それで間に合っていたからだというようなことであるならばそれでも結構でございますけれども、一体どういう理由があったんでしょうか、お伺いします。
#18
○政府委員(萩次郎君) お尋ねのように、一般職の公務員につきましては二十五年前の昭和四十五年に法律が整備されてございます。特別職の方も国会職員は法律が整備されてございます。
 二十五年前のことにつきまして定かではございませんが、一口で申し上げますならば、その当時、防衛庁職員なかんずく自衛官の国際機関派遣というものの環境が整っていなかったんではなかろうかというふうには思いますが、一方、最近になりまして、国際社会におきます軍備管理・軍縮、人道精神に基づく救援といった事態が大変必要性が増してまいりました上、具体的に防衛庁の職員を派遣してくれという要請も入るようになってまいりましたので、そういうこと等を考えて今般おくればせながらお願いをするということになったものでございます。
#19
○永野茂門君 次に、日本加盟の国際機関あるいは外国政府の機関及びこれらに準ずる機関等に派遣するということになっておりますけれども、いろいろあると思いますが、重要なものの機関名を業務別に御説明をお願いしたいと思います。
 また、近々に派遣を予定されている、あるいは派遣が予想される機関にはどういう機関があるのか、そしてそこにはどういうような人たちあるいは人数を派遣しようとしているのかということをお伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(萩次郎君) まず、我が国が加盟している国際機関、具体的に既に要請が参っておりますのが化学兵器禁止条約に基づきます化学兵器禁止条約機構、これがオランダのへーグに設立される予定になっておりますが、そこへの査察員を既に数名要請されております。この法律をお認めいただけましたら、防衛庁からは二、三名の派遣を考えているところでございます。
 それから、医療その他の援助に該当するようなものでございますと、現在要請は来ておりませんが予想されるものとすると、国際連合難民高等弁務官事務所、UNHCRと呼ばれているようなものが予想されるのではないかというふうに考えております。それから、学術の研究、教育というものがございますが、これは例えば外国の学校とか研究所というものが予想されるかというふうに考えます。
 それから、準ずる機関ということになっておりますが、これは例えば条約で設立することになる機関でも当分の間は暫定機関という場合がございますので、そういったようなものを考慮に入れて規定をしておるものでございます。それから、外国政府の機関というものに準ずる機関としては、例えば外国の州とか、それから自治体の学校とか研究所というようなものが予想されるんではなかろうかというふうに考えております。
#21
○永野茂門君 制服が派遣される場合も多いと思いますけれども、制服が派遣された場合には制服の着用は可能なのですか。あるいはまた、階級につきましては、階級を呼称しながら勤務するということは法文の解釈からいって私はできると解釈しますが、いかがでございますか。
#22
○政府委員(萩次郎君) 防衛庁の職務を離れるわけですが、防衛庁の身分をそのまま保有するということになっておりますので、階級、制服はそのまま有効であるということでございますので、制服を着用することは当然可能でございます。
 ただ、派遣された場所における仕事の内容によっては、その当該機関において制服ではなくて作業服にした方がいいとかというそれぞれの機関の決まりがございますので、そういうときはその機関の定めに従うことになろうかというふうに考えます。
#23
○永野茂門君 派遣された人たちが防衛庁全体として有効にかつ快適に国際的に貢献ができるようにこの法律が活用されることをお願いして、本件に関しては質問を終わります。
 二番目は、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力についてお伺いをいたしたいと思います。
 具体的な内容に入る前に、十月十六日付の産経新聞では、防衛庁は中国の台湾への侵攻が否定できないといたしまして、確率としては低いんであるけれども起きた場合には日本に対する影響は極めて甚大であろうというようなことで、情報収集の強化を打ち出したということが一たん報道されました。官房長官はその直後たしかこれを御否定になったと思いますし、本日の新聞によりますとさらに防衛庁は重ねてこれを否定しておられますが、真相はいかがだったんでしょうか、お伺いします。
#24
○政府委員(小池寛治君) お答えいたします。
 中国の台湾侵攻の可能性を否定できないという見解を防衛庁として、先月二十七日ニューヨークで開かれました日米安全保障協議委員会のためにそういう見解を取りまとめたのではないかという報道がございますが、そのような事実は一切ございません。
#25
○永野茂門君 こういう見積もりを持っていても出すべきもの、あるいは出すべきときでないかもしれません。
 いずれにしろ、中台間の軍事関係について防衛庁はどういう見解を持っていらっしゃるかということについて、お話ができる範囲内で結構ですから、お伺いいたします。
#26
○政府委員(小池寛治君) 先生御承知のとおり、中国の首脳の方が何度がにわたりまして、台湾との統一に当たっては平和的な統一を目指す、しかしながら武力行使の可能性のオプションについては放棄していないということをたびたび発言しているところは御承知のとおりでございます。また、最近では、本年七月、八月に台湾近海においてミサイルの発射訓練などを実施するといったような動きを示しております。
 こういう中国の動向につきましては、近年国防費というのが大幅に増加しているということ、あるいは海空軍の近代化を進めているという状況を踏まえまして、防衛庁としても今後とも十分注目していく必要があるというふうに考えております。我々としても、我が国周辺の軍事情勢等に関しての情報収集、分析を鋭意行っているところでございます。
 しかし、こういう報じられたような台湾侵攻の可能性といったような問題については、事柄の性格上、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#27
○永野茂門君 台湾問題にいたしましても、それから最近発生している北朝鮮の問題にいたしましても、日本に対する直接の脅威でなくても日本にとって重大な影響を与える事態というものをいろいろと考えておかなければいけないようになってきていると思うわけであります。
 御承知のように、七八年の十一月に日米防衛協力のための指針というものが出ておりますが、その中においては、研究、協議の結論の取り扱いは「日米両国政府のそれぞれの判断に委ねられる」ということ、そしてその結論は「両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではない。」と規定されております。
 両国あるいは自衛隊並びに米軍を何らかの意味で拘束する計画などの作成へこれを発展させていくという構想はお持ちでしょうか、あるいはまだそういう段階でないというようにお考えでしょうか。今までのやり方でいきますと、単なる意思疎通でありますとか、あるいはまた相互の原則の理解でありますとか、あるいは漠然とした計画へのガイダンスというようなものであって、事態の発生が予想されるような段階においては到底これは間に合うものではないと思いますので、いろいろと段階を上げていった方がいいんじゃないかと私は感じているわけですけれども、これに対しての御見解を承ります。
#28
○政府委員(秋山昌廣君) ただいま御質問にありました日米防衛協力のための指針に関する点でございますけれども、この指針に基づく各種の研究につきましては、先生御案内のとおりでございますが、あくまで研究でございまして、その結論を日米両国に義務づけるものではないという前提でやっているわけでございます。この指針の枠内でかかる研究を続けまして、その成果を蓄積すること自体は、自衛隊と米軍が共同対処行動をさまざまな侵略事態に対応して円滑かつ効果的に実施する上で有益だと我々は考えております。
 なお、この指針を離れまして一般論として申し上げますと、我が国を防衛するために自衛隊と米軍との間の共同作戦計画等を作成することももちろんあり得ないことではないと考えております。おりますが、仮にその共同作戦計画を作成する場合になりますと、一体それがどのような形式でなされるのか、あるいはこれは日米間の問題でもございますので、どのような手続でやる必要があるのかといったさまざまな解決すべき問題点も予想されるところでございます。この点につきましては、先生の御指摘を踏まえまして、なお今後勉強してまいりたいと考えております。
#29
○永野茂門君 手続だとかあるいは様式、形式、あるいは検討の場所だとかそういうことをいろいろ、プロセデュアについて検討を要するということを秋山局長おっしゃったわけですけれども、もうちょっと早めておかなきゃいけないんではないか、今ごろそういうことを言っておられたんでは困るんじゃないかなと私は思っております。これは御回答は要りません。
 そこで、同じ日米防衛協力の指針において、実際の協議は、事態の発生が予想されるというか、そういうことが起きた場合、起きそうな場合、その都度協議をするということに一番最後のところで規定されておると思いますが、そういう協議は今までやったことがありますか。ないかもしれませんけれども、もしあるとするならば、その協議あるいはその協議に基づく研究の段階で、平時から特別に立法を準備しておかなきゃいけない、あるいは法律の修正をやっておかなきゃいけないというようなことは提起されたことがあるでしょうか。具体的な内容は必要ありませんけれども、そういうことがあっなかなかったかということについてお伺いします。
#30
○政府委員(秋山昌廣君) ただいまの御質問は、このガイドラインの最後のところに書いております「日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力」という点だと思いますが、「日米両政府は、情勢の変化に応じ随時協議する。」というふうになっているわけでございます。
 御指摘の点についてでございますけれども、極東における事態で特に日本の安全に重要な影響を与える場合には、特に情勢の変化に応じ随時協議すべきであるという一般的な考え方をあくまで念のため表明したというものでございまして、したがってこれを指針として、今後このような場合、すなわち六条事態ということでございますけれども、このような場合における特別な随時協議のあり方を研究、協議するというようなことを考えているわけではございません。
 ただしかし、極東における国際の平和及び安全の維持に関連する諸情勢につきましては、より広く日米間で随時協議できることは御承知のとおりでございまして、米国との間ではこれまでも各般のレベルで緊密に安全保障面での対話を行っておるところでございますし、具体的に申し上げますと、例えば昨年の春ですとか、あるいはことしの春も若干そういうような情勢がございましたけれども、これは日米間で常に協議をしているということでございます。
#31
○永野茂門君 情勢の変化は目まぐるしいところがありますので、緊密に連携をしながら誤りなきょうにお願いをしたいと思います。
 次の問題に移ります。
 次の問題は、平和維持隊本体業務の凍結解除と国際平和協力法の見直しについて、官房長官並びに防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
 第一は、自衛隊による平和維持隊本体業務は協力法によって自衛隊が参加することは憲法上許されておる、問題ないということになっていますが、その実施につきましては別途法律に定める日までの間はこれを実施しないとされております。法律施行後既に三年が経過しておりまして、法律の実施状況に照らして、この凍結解除を含めまして協力法の実施のあり方について見直しをすることが必要になっておると私は判断しておりますけれども、この見直しをするつもりはありますか。
 そしてまた、今国会の開会当初における総理の所信表明ではこの点は全く触れていなかったわけでありますけれども、一体どうしてこういう重要なことが触れられなかったんでしょうか。その点について、まず官房長官にお願いしたいと思います。
#32
○国務大臣(野坂浩賢君) 永野議員にお答えいたします。
 今お話がありましたように、PKO法につきましては施行後三年を経過いたしました。おっしゃったとおり、いわゆる見直しの時期が来たということでございます。したがって、先般、政府は検討を開始いたしました。
 今後、見直しに当たりましては、先ほども依田先」生からお話がありましたように、カンボジアとかモザンビークとかザイールというところに派遣をした貴重な体験もございますので、この上に立って、先生を初め皆さん方の国会の論戦というものも十分耳にして我々は見直しを検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
 PKFの本体業務の凍結解除の問題につきましては、与党三党とも十分連絡をとっておりまして、しばらくは凍結を解かないということが六項目の中に書いてありますので、三党の皆さん方の意向を十分受けとめて対応してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
 第二番目の、これは重要なのに総理大臣が演説しなかったじゃないか、こういうことでありますが、総理大臣は世界の平和に対しては考え方をきちんと所信表明で述べておりますけれども、PKF、PKOの内容にまで触れておりません。
 ただ、御案内のように、今回は景気回復の問題、行政改革の問題あるいは財政改革というような諸問題もたくさんございましたが、全般的には世界の平和貢献のために全力を挙げなければならぬということを述べたわけでありまして、それらについて一般的には申し上げましたけれども、代表質問等でそれを補完していただいて、その答弁によって考え方がわかる。したがって、きょうは永野先生がそれを受けて具体的に内容をお示しになっておるわけでありますから、考え方を総理にかわってといいますか、そういうことを申し上げて答弁にかえる次第です。
 以上です。
#33
○永野茂門君 防衛庁長官、何かつけ加えられることはありますか。
#34
○国務大臣(衛藤征士郎君) 国際平和協力法の見直しにつきましては、ただいま官房長官が答弁されたことに尽きるわけであります。また、本庁におきましても、官房長官から関係省庁の協力を得つつ所要の作業を開始するよう指示がありましたので検討を開始しておる、こういうことであります。
#35
○永野茂門君 今の問題は、検討を開始したことは非常に結構だと思いますけれども、検討検討ということが多過ぎまして後回し後回しになる傾向がありますので、これは十分に慎重に検討しなきゃいけませんけれども、またタイミングを外さないようにしていただきたい。私はもう既に凍結を解除し、そしてまた派遣のための五原則の中の武器使用につきましても、先ほどちょっと話がありました派遣に伴う教訓としていろんなことが出てきておるわけでありますから、こういうことにつきましてはもはや見直しを速やかにやる時期に来ておると思いますので、御努力をお願いしたいと思います。
 次は、今の五原則の一つに関連することでありますけれども、防衛白書にも国際平和協力業務につきましては多くの教訓が出ております。
 その教訓の中で一番顕著に重大なことは、武器の使用が個人の判断によって個人の防護にしか使えない、こういうことになっておる点でありまして、これは相手が一人とか二人とか三人とか、そういう状態でこちらが対応する場合には警察の行動と同じようにまさに一人一人の判断でやって間違いなく対応できるわけでありますけれども、相手が部隊である場合にこちらも部隊で、そしてその中で個人の判断で武器使用するということは、部隊の安全上には大変に悪い影響といいますか、大変に危険な武器の使用の仕方であります。
 どの目標を撃つか、いつ撃つか、あるいはじっとして撃たないのか、一斉射撃をするのかとかいうようなことは、これはもうその部隊の安全にとって極めて重大なことであって、そういうことを隊員が全体のことをわからずに自分で判断してやらなきゃいけない、あるいはまた自分が最初に武器を使用することになるということについて大変に負担を感じておるということでありまして、戦闘といいますか防御の原則に非常に反する武器の使用の仕方であって、教訓の中に出ておりますように、この点はやはり検討して考え直した方がいいんじゃないか。防衛庁の方でもそういう声がいろいろと出ておるということを新聞で承知しておりますが、防衛庁長官、この点についてどういうようにお考えでございましょうか。
#36
○国務大臣(衛藤征士郎君) 御指摘の件につきましては教訓、反省事項の中でも最たるものでございまして、この問題につきましてはこれまで国会等におきましても議論をされておりますし、またいわゆる国際平和協力法の見直しに当たってもこの問題が見直しの検討項目に入ってくる、このように認識をしております。また、これにつきましては、現行法の運用の枠の中で解決できるのか、あるいは現行法を見直す必要があるのか、こういうことも含めまして慎重に検討をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#37
○永野茂門君 非常に重大な問題ですから、慎重にかつタイミングよく御検討をいただきたいと思います。
 次に、緊急質問といたしまして追加した件につきまして官房長官にお伺いしたいと思います。
 先ほどの依田委員の質疑の中でもある程度は触れられましたけれども、沖縄県知事の今回の米軍基地強制使用に関する代理署名の拒否問題であります。これが非常にまずく動きますと日米安保体制を揺るがすようなことになることも心配されるわけでありまして、こういうことはもう断じてあってはならないわけでありますが、政府はこの問題をどういうような方針で処理しようとなさっておるか、処理するつもりであるか、御方針をお伺いいたしたいと思います。
#38
○国務大臣(野坂浩賢君) 今御提起された問題は極めて重大な問題として受けとめております。内閣全体として取り組んでこの問題の解決に当たりたい、そう基本的には考えております。
 先生も御案内のように、日米安全保障条約の目的の達成のために我が国に駐留する米軍に施設・区域を円滑かつ安定的に提供することは我が国の条約上の義務、こういう位置づけはあります。しかし、今の沖縄の実態、そしてスムーズに日本全体の国民の皆さん方が理解をしていただけるような方途を考えていくためには話し合いが何よりも大事である、そして日米安保というものも堅持するということを今の内閣は申し上げておるわけでありますから、その中に入って解決の糸口を見つけるために内閣が一体になって強力に推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
#39
○永野茂門君 防衛庁長官、いかがですか。
#40
○国務大臣(衛藤征士郎君) 村山総理も予算委員会で御答弁されましたが、一つは日米安保を堅持する、それからもう一点は沖縄が置かれておる戦後五十年の特別な状態、状況というものをしっかり踏まえて問題の解決に当たる。そして、この問題については、特に知事が機関委任事務であります署名押印の拒否をした理由を防衛施設庁にも文書をもってよこしましたので、そういったことをよく踏まえまして粘り強く誠心誠意解決に向けて努力したい。そのために、近々政府として防衛庁長官を沖縄に派遣する、そして知事との解決に向けたテーブルを用意して知事にもテーブルに着いてもらい、そしてあらゆる努力をする、そういうことでこれからの始まりにしたい、このように考えておるわけであります。
 いずれにいたしましても、この問題につきましては何としてでもまずは話し合いによって解決する、あらゆる努力をするということを申し上げたいと思います。
#41
○永野茂門君 時間が参りましたのでこれで質問は終わりますけれども、一番最後に質問いたしました件は本当に極めて重大なことでありまして、沖縄県民の声を十分聞きながら、そしてまたその気持ちに沿えるように図りながら、かつまた日米安保の重大性に基づいて、私どもも協力いたしますけれども、政府を挙げて、国民、特に沖縄の皆さんが御理解いただけるように、そして日米安保が万全の状態で動くことができるように力いっぱいやっていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
#42
○聴濤弘君 法案に即した質問をする前に、きょうの新聞に出ていることについて冒頭に一、二質問をさせていただきたいと思います。
 きょうの新聞に、政府は昨日、七八年にできた日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインにかわって、アジア・太平洋地域で有事の際に自衛隊と米軍が協力する新しいガイドラインを策定する方針を固めたという報道が一面に大きく出ておりますけれども、そういうことなんでしょうか。
#43
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答え申し上げます。
 七八年十一月の日米防衛協力のための指針、それに取ってかわる新しい指針をつくる、そういうふうなことを決めたということはございません。
#44
○聴濤弘君 そうすると、この新聞の方に申しわけないけれども、これはうその報道だということになるんですか。
#45
○国務大臣(衛藤征士郎君) 防衛庁は防衛庁として粛々として行政事務を執行しておるわけでありまして、ただいま答弁申し上げたとおりであります。
#46
○聴濤弘君 防衛関係、それから外務関係というのは、いつでもこういうふうに新聞に報道があって、こういうことは本当かと質問すると、いや、今交渉中で何とも言えない、大体そういう答弁が返ってきて、最後にはそのとおりになるというのが大体の常である。こういう大きな問題を国会に対してそんないいかげんな答弁でごまかしておく、これはやっぱり許されぬと思うんですね。ともかく、あなたの答弁はそういう答弁だったということだけは確認をしておきます。
 次に、これとも関連するんですけれども、十一月のAPECの際に日米首脳会談が行われる。そこで日米安保再定義問題が出てきて、共同声明がいろいろ出て、内容がこうだこうだといういろんな報道があります。
 アメリカのこの問題での当局者、中心になって作業を進めている一人であるナイ国防次官補、これはもうよく御承知だと思います。このナイ国防次官補がこういうことをアメリカの議会証言として文書で送っております。それは、現在の日米安保というものの意義についてアメリカ側からの考えとして次のようなことを言っております。
 我々が求めている日米同盟関係というのは、二国間の諸問題、これは日米ですね、そして地域の諸問題、これはさっきも言ったアジア・太平洋地域の諸問題、そして地球規模の諸問題、この三つの分野があって、それで協力をする。それで、ここのところよく聞いていただきたいんだけれども、その協力の中身は我々の防衛部隊が力を合わせてともに働く仕方を向上させることにあると。
 これはナイ国防次官補が議会に提出した文書証言です。講演したり演説したりしたときのものと違って、文書で提出した証言ですから、しかも議会に提出した証言ですから非常に大きな重みを持っております。
 ナイ国防次官補は、共同声明づくり、あるいはこの十一月の会議のアメリカ側の非常に責任ある担当者として事を進めている人ですが、その人が今のようなことを言っているわけです。こういう方向が十一月の日米共同声明に出るんですか。
#47
○国務大臣(衛藤征士郎君) 十一月のクリントン大統領来日の折の村山・クリントン共同文書、それにどういうことを盛り込むかについては日米双方の事務方で今詰めておるところでありまして、防衛局長の方から今までの経緯について説明をいたさせます。
#48
○政府委員(秋山昌廣君) ただいま大臣の方から答弁がありましたとおりでございまして、現在、村山総理とクリントン大統領の日米首脳会談の後の共同宣言文の中身につきまして日米で詰めている最中でございますが、共同宣言を出そうではないかという方向は先般の日米安全保障協議委員会で確認されたところでございます。
 中身につきましては、ただいま御質問がございましたドクター・ナイの考え方といいますか、現在のアメリカ政府の考え方ももちろん聞きながら、我々も納得できるような中身にいたしたいと考えているところでございまして、現時点でその中身が確定したところではございません。
#49
○聴濤弘君 今私が読みましたこのナイ国防次官補の日米安保の意義づけについて言えば、これは日米安保条約の範囲をはるかに超えたものであることは明確だと思うんです。日本の防衛以外の目的ではない防衛的条約だというのが、これが日米安保条約である。ところが、これは二国間の問題以外で、さらに地域の問題、地球規模の問題で、しかも我々の防衛部隊が力を合わせると書いてあるんですから、米軍と自衛隊が力を合わせてこれらの問題に対処していこうというふうに、日米安保をそういうものにしていくんだという考え方ですから、今交渉中だ、今作成中だと言われますが、こういう考え方を盛り込もうとアメリカが言った場合に、日本の側としてはそれを拒否されますか。
#50
○政府委員(秋山昌廣君) これまでの日米間の協議の中で、今お触れになりました日米安全保障条約、五条、六条というのが中心になるかと思いますけれども、日米安全保障条約にいささかの変更もないという前提で作業をしているところでございます。
 それからもう一点につきまして、二国間あるいは地域のため、あるいは世界の安定とか平和のために日米間で協力をしていきたいという点につきましては、若干解説的な言い方になって恐縮でございますけれども、日米安全保障条約をベースにした日米安保体制、そしてこの日米安保体制を中心にした日米間の非常に強いきずな、これをベースにして実は日本の外交も進められているということは先生も御理解いただけると思います。したがいまして、安全保障条約そのものの変更はいささかも考えておりませんが、これからの地域あるいは世界の安定とか平和に対しまして日米間で協力してやっていこうではないかという点については我々も十分うなずけるところでございまして、そういう方向で今議論を進めているということでございます。
 ただ、今の御指摘の点につきまして、それでは正確に英語でどんな文書が議会に出されたのか、今まで我々が聞いているところでは今御指摘のような心配は全くなかったわけでございますけれども、私自身確認してみたいと思います。
#51
○聴濤弘君 一般的な日米の世界的規模での協力ではなくて、今申しましたように、双方の防衛部隊が世界的な規模で共同していくというふうに彼は言っているわけで、文書はアメリカンセンターにちゃんとございます。私はそこでもらってきた文書を読んでいるわけで、確認をしてもらわないと、交渉の相手が何を言っているのか余り知らないで交渉していたんじゃこれは大変なことになりますから、そのことを言っておきたいと思います。
 もう一つ、きょうの新聞で、私は防衛施設庁の宝珠山長官にお伺いしたいんですけれども、先ほどから問題になっております大田知事が拒否をしている署名拒否の問題ですね。拒否をし続けるならば法的措置をとる必要があるということを言われたという記事ですが、そのことについて私は次の点をお聞きしたいと思うんです。
 大田知事が拒否をする、それで来年の三月で切れる。あなたは総理がちゃんと手続をとるべきだと言われたんだけれども、理論的に言いますと、拒否がされる、それで来年の三月が来てしまう、もう間もなく来る。それから裁判に日がかかるわけですから、裁判自体は、だれが考えても、そして多くの人々が指摘しているわけですが、相当長期間にわたりますよ、この裁判というのは。そうすると、結果が出るまでの間に相当な期間がある。もう大田知事はやらない、サインしない、じゃ首相がサインするというのは裁判の結果が出てからですから、それ以前に署名できないわけですから。そうすると物すごいブランクができる。その期間は一体あなたはどういうふうにこの問題を処理しようと考えておられるのかという質問です。
 もちろん私の立場で言えば基地はない方がいいんですが、そういうことはもう別個の問題として、ともかくそういうことが想定される。それに対してはどういうふうな立場を、どういうふうに処理をされようとしているのかお伺いしたい。
#52
○政府委員(宝珠山昇君) お答えいたします。
 来年三月三十一日に楚辺通信所の一部の用地につきまして契約を拒否されました一件がございます。これは私ども本件処理に当たって最も緊急を要するものでございまして、努力を続けているところであります。
 御指摘のとおり、今拒否されていることを前提にいたしてでございますが、そういうことにならないように最大努力するというのが政府の方針ではありますが、私ども事務方としては、今御指摘のありましたような最悪の事態も考えながらいろいろ検討しなければならないということで御理解いただきたいと思います。勧告、そして執行命令、それも拒否されました場合に裁判ということになるわけでありますが、裁判を経て初めて署名が行われ、収用委員会の裁決の審理に入るということで、どんなに短く見積もりましても五カ月とかそのくらいはありませんと進まない。
 今御指摘のように、極めて長いということになりますとどうなるのかということについて今まだ見通しを持ってないわけでございまして、なるべく早く知事の御協力をいただいて、円満に四月一日からの使用権原を取得させていただきたいと努力を続けているところでございます。
#53
○聴濤弘君 最後まで拒否をされて、それでさっき言いましたような段取りになっていった場合にかなりのブランクが出るのでどうなるかということを質問したわけです。最後のところでお答えになったのは知事にさらに努力を重ねていきたいということなんで、実際上はお答えになっていないと私は思うんですけれども、やはり策をお持ちでない、その先のことについては策がないというふうに今のお答えでは思わざるを得ないと私は思います。
 いいです。わかりました。法案そのものに即した質問に移らないと時間がございませんので、そういう答弁であったということだけ確認をさせていただきます。
 法案そのものですけれども、私はこの法案は処遇法というよりもむしろ派遣法だというふうに認識をいたします。化学兵器の禁止条約をいわば突破口にして、自衛隊が隊員を国際的ないろんな分野に派遣する、そのための法律だというふうに思うんです。
 では、なぜこの法律が今必要なのかということなんですが、現在でも自衛隊法施行令の第五十六条に次のようなことが規定されております。「外国の政府又はこれに準ずる機関の招きにより、その隊員の職務と関連があると認められるこれらの政府又は機関の業務に従事する」ことがあると。ですから、ここには国際機関という言葉はありませんけれども、外国の政府から招かれて行く場合があるということはちゃんと自衛隊法施行令の五十六条にあるわけで、これは今まで発動されたことはないんですか。大分前にできたもので、一回もないのか、一体これでやれないのかということなんです。
#54
○政府委員(萩次郎君) 御指摘のとおり、自衛隊法施行令五十六条、これは自衛隊法四十三条からきておるものでございますが、これは私どもいわゆる派遣休職というふうに呼んでおりまして、従前は外国政府等から要請があった場合はこれで出そうということでつくられておったものでございますが、実はこの存在こそが処遇法が必要になったもとでございまして、この派遣休職という手続で派遣をいたしますと、給料は七割だけになるし、公務災害補償はもらえないし、退職手当は二分の一になるし等々大変不利になるということで、一般の職員にとても勧められないということで、今まで私ども庁側も勧めたこともないし希望する職員もいなかったということでございます。
 今回、化学兵器禁止条約機構から来年一月にはぜひとも出してもらいたいという大変強い要請が来ておることもありまして、この派遣休職ではとてもだれも行ってくれないだろうということもありまして、一般職と同じ処遇法をぜひお願いしたいというのが今回のそもそもの発端でございます。
#55
○聴濤弘君 そうすると、これはあるけれども一回も行ったことはないということですね。
 外国の大使館にいわゆるアタッシェというのがありますね。これは外務省の職員になって行くというふうに聞いておりますが、それで戻ってきてまた自衛隊に戻って、それでも何か給与の面だとか年金だとかその他で障害があるんでしょうか。
#56
○政府委員(萩次郎君) 基本的に違いますのは、この処遇法案で外国に派遣をするということは、日本国政府の業務から離れて国際業務あるいは外国政府の業務を行うということで、その間は日本国政府の公務をやらないことになるわけであります。
 他方、アタッシェのように外務省に出向して外交官の一人として活躍をするということは、外務省の職員、すなわち日本国政府の職員として日本国政府の業務を行うということでございますので、一時的に所属が変わりましてもその間身分が途切れるとか処遇が変わるということはございません。
 要するに、日本国政府の仕事をやらなくなってしまうものですから、その期間どうしても日本国政府からの処遇が十分に行えなかったのが従来のケースで、それをカバーしようというのがこの法律の意図でございます。
#57
○聴濤弘君 だから、処遇そのものというよりも、そういうやらない仕事にも行けるようにするというところにこの法律の一番の問題が私はあると思うんです。処遇の点がうまくいかないのでというよりも、そのことはいろんな形でやっていくことができるけれども、ともかく外国に行って国際機関や外国の機関で別の仕事をするというための法律だというふうに思わざるを得ないわけです。趣旨説明では、休職扱いになっていて、その間の身分がどうで、だから金銭の面等いろんな点で不都合な点が起こるからというようなことがかなり強調されますけれども、やはりそうじゃない、今おっしゃったとおりだと私は思うんです。
 そこで、活動の対象範囲の問題について、法案に即して幾つかの点をお伺いしたいと思うんです。
 この法律は、軍備管理条約あるいは軍縮条約その他我が国が国際的に約束した条約、協定なんかだと思いますが、に基づいて行う査察、検証、そういうところに防衛庁の職員が出ていくということになっているんです。
 少し具体的にお聞きしたいんですけれども、NPTがありますね、核拡散防止条約、これは明らかに軍備管理・軍縮に関する条約ですが、これの査察、それから検証等に出かけるという場合には、そうすると例のIAEA、あれに自衛隊員が出ていくということがあり得るのか。そうすると、例えば北朝鮮の例の核問題がありますが、あの北朝鮮の核の査察に自衛隊員が行くということになるんでしょうか。
#58
○政府委員(萩次郎君) まず、化学兵器の方ですが、これは査察、検証ということで、これはいわゆる査察員をヘーグの禁止機構に派遣をして、中立的な業務を行うために本国から業務が切り離されて行われるということになります。
 これは具体的に来ておる業務の一つでありますが、そのほか今後予想されます中に、先生御指摘になられました包括的核実験禁止条約に基づくものとか、それから生物兵器禁止条約に基づくものとか、それから特定兵器禁止条約、現在議論がなされておりますが、そういった軍備管理・軍縮にかかわる条約が現在続々と進んでおります。
 ところで、今御指摘のあったIAEAとのかかわりでございますが、IAEAは御存じのとおり国際原子力機関ということで、ここの業務はいわゆる軍縮ではございません。したがって、包括的核実験禁止条約ができましたときは多分別の国際機関が設立されて、そこで核実験を行う国の査察、監視というものが必要になるだろうというふうに思われますので、いわゆるIAEAの北朝鮮の査察というのはIAEA自体が軍縮機関ではありませんのでこの法律の対象にはなりません。
 それから、包括的核実験禁止条約で監視、査察をやるということになりますと、これは核兵器の実験でございますので、北朝鮮が核実験をやるかやらないかの問題で、多分もうやらないだろうと私どもは思っておりますので、そうなるとそれにしても対象にはならない、こういうことではないかと思います。
#59
○聴濤弘君 さっき言いましたNPT条約が核軍縮に関する条約だということは明白なので、だからこそ我が国もそれに入ったわけなんですが、それに付随する活動はしない。今来ている要請のことだけが何か念頭におありになるようだけれども、この文面から読めば、そういうものの活動に参加するというのは当然だということになると私は思うんですけれども、それはそういうところには参加しないんだと。この文面のどこを見てそういうことが言えるのか私にはようわからぬです。
 それからもう一つ、学術研究に参加するということが書いてあるんですが、学術研究といってもまさか経済学をやったり文学をやったり芸術をやったりするわけじゃない。特に自衛隊員が行ってやるんですから、やはりそれなりのそれに即したいろんな研究だということに、当然だれでもそう思うと思うんです。
 それで、過去の例ですけれども、中曽根内閣の時代にSDIのことが大きな問題になりました。日本もその研究には参加するということになったんだけれども、しかしここで憲法の問題、集団的自衛権の問題、それから国会が決議した宇宙の軍事利用禁止の決議等からいって、自衛隊はもちろんのことですが、日本の政府機関がこの研究に参加するということはよろしくないということで、この研究に参加したのは民間の企業です、三菱重工とか日本電気とか富士通だとか。ところが、各国はいわゆる軍隊が参加をいたしました。日本だけです、こういう形で民間が参加してSDIの研究をやったのは。
 これでいきますと、今度のこの法案を読みますと、学術研究に関する作業には参加者を送ることができるということになるわけですから、仮にSDIの場合に、今ならTMDの問題がありますが、これには自衛隊員を、職員を派遣することができる、こういうふうに読めますが、そういうことでしょうか。
#60
○政府委員(萩次郎君) まず最初に、先ほど私もちょっと混乱をいたしましたが、NPTというのは核拡散防止条約でございます。これでIAEAは原子力発電所の平和利用について査察をしておるんですが、これは私どもが対象としている軍備管理・軍縮の世界ではございません。ですから、これは除外をされます。
 もう一方、包括的核実験禁止条約といいますか、核実験禁止について現在いろいろ国際会議がなされて、その条約をつくろうということでやられておりますが、将来的にそういうものができ上がって、また事務局ができて査察員とか監視員というものが国際的に要求されるようなことになれば、それはこれの対象に入ってくるであろう、こう申し上げましたので、このNPTとIAEAの関係は、これはまだこの法律とは別だということをまず申し上げておきます。
 それからその次に、「学術に関する研究又は教育」ということで、SDIのようなものに参加できるのではないかというお話でございましたが、本法案によります「学術」というものは、私どもこれは法制局とも調整をいたすんですが、文字どおり大変厳しくとらえておりまして、人文科学、自然科学、そういったものの真理の探究を目的とする、いわゆる実務とは区別されたものであるのが学術であるというふうに考えております。
 他方、御指摘のSDIといったようなものは、これは言ってみれば防衛システムの開発にかかわるような実用的な研究でありますので、この「学術」というものからは読めない。したがって、例えばこういったSDIのような研究は「学術に関する研究」には当たらないということで、この法律で派遣されるような対象ではないというふうに考えております。
#61
○聴濤弘君 ちょっと僕は無理だと思うんです。SDIを研究するためには宇宙に関する科学、宇宙、理論物理、地球天体学等々の知識がなかったら、ミサイルが飛んでいく研究をやるわけですから、そういうことは実務に属して、学術というのは今あなたがおっしゃったようなのが学術だと言ったって、これはとても世間に通る話じゃないと思います。しかも、そんなことは何も書いていない。ただ「学術に関する研究」と書いてあるんだから、どこへでも問題は広がるというふうに思います。
 それから、包括的核実験禁止条約の問題とNPTはこれは別個だというような仕分けというのはそんな簡単にできるものじゃないと思うんです。ここの法律のどこを読んだってそういう仕分けができるとはとても考えられない。そういうことは明記されてない。
 それからもう一つ、あともう二分ぐらいしかなくなってしまったんですが、派遣する国際機関というものについての範囲です。一般的に国際機関としか書かれていないんだけれども、その中には国際機関だけじゃなくて「外国政府の機関」と言っているんですけれども、外国政府の機関というと、これは軍隊は入るんですか。例えばNATO軍の何かに行くとか、それからもちろん米軍の何々に行くとか、そういう政府の機関というんですから、どこまでのそういうものが入るのか。外国の軍隊そのものも入るのか、どうなんでしょうか。そのことを聞いて、私の時間はもう来てしまいましたけれども、ひとつお答え願いたいと思います。
#62
○政府委員(萩次郎君) 外国政府の機関に例えば学校とか研究所といったような機関が置かれているという場合には、派遣先の機関に含まれる場合があるのではないかというふうに考えます。
#63
○聴濤弘君 もうあと数秒しか残ってないんですが、ともかくいろいろ規定されているんだけれども、どこにもここまでなんだとかという、ともかく歯どめというものがこれではどうしてもない。どこまででも拡大をしていってしまう。まさに処遇法というよりも派遣法だ、いろんな分野にどんどん派遣していく法律だというふうに私は思わざるを得ないということを申し上げて、質問を終わります。
#64
○委員長(宮崎秀樹君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国際機関等に派遣される防衛庁の職員の処遇等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#66
○委員長(宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#68
○委員長(宮崎秀樹君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。江藤総務庁長官。
#69
○国務大臣(江藤隆美君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
 本年八月一日、一般職の職員の給与の改定に関する人事院勧告が提出をされました。政府としては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般職の職員の給与に関する法律について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、俸給表のすべての俸給月額を人事院勧告どおり改定することといたしております。
 第二に、初任給調整手当について、医師等に対する支給月額の限度額を三十万二千九百円に引き上げること等といたしております。
 第三に、扶養手当について、満十五歳に達する日後の最初の四月一日から満二十二歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある扶養親族たる子に係る加算額を一人につき月額二千五百円に引き上げることといたしております。
 第四に、調整手当について、特別の法律に基づく官署の移転に関する計画その他の特別の事情により移転等をした官署に在勤する職員に係る特例措置を講ずることといたしております。
 第五に、住居手当について、単身赴任手当を支給される職員で配偶者等が居住するための住宅を借り受けているものに係る特例措置を講ずることといたしております。
 第六に、通勤手当について、官署を異にする異動等に伴い、通勤の実情に変更を生ずることとなった職員で、通勤のため新幹線鉄道等を利用するものに係る特例措置を講ずることといたしております。
 第七に、宿日直手当について、通常の宿日直勤務に係る支給額の限度額を勤務一回につき三千四百円に引き上げる等、所要の改善を図ることといたしております。
 第八に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、その限度額を日額三万八千三百円に引き上げることといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日、この法律の施行に関し必要な経過措置等について規定することといたしております。
 引き続きまして、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました。一般職の職員の給与改定にあわせて、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣等の特別職の職員の俸給月額を一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 第二に、特別職の職員である常勤及び非常勤の委員に支給する日額手当の限度額を一般職の職員の給与改定に準じて引き上げることといたしております。
 以上のほか、施行期日、適用日等について規定することといたしております。
 以上がこれらの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#70
○委員長(宮崎秀樹君) 衛藤防衛庁長官。
#71
○国務大臣(衛藤征士郎君) ただいま議題となりました防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて防衛庁職員の給与の改定等を行うものであります。
 防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定するほか、一般職におけると同様、特別の法律に基づく官署の移転に関する計画その他の特別の事情により移転等をした官署に在勤する職員の調整手当について特例措置を講ずることとしております。
 以上のほか、附則において、施行期日、適用日、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定しております。
 なお、事務官等の俸給、扶養手当、医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、一般職の職員の給与に関する法律の改正によって、同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
 以上であります。
#72
○委員長(宮崎秀樹君) 以上で三法律案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#73
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。
 最初に、給与法改正の問題ですが、今回の給与改定が人勧史上最低の〇・九%という賃上げ水準にとどまることや諸手当の問題など、公務員の要求や生活実態に照らせば極めて不十分なものだということは重ねて指摘せざるを得ないと思います。
 長引く不況から抜け出すという国民的要請があるもとで、個人消費の回復が何よりも必要であり、公務員の給与改善もこれにふさわしく進められるべきであります。政府、人事院の努力を強く求めたいと思います。
 私はその上で、一連のF15戦闘機の事故について質問をしたいと思います。
 報道にもありますように、昨日、沖縄の南方海域で米軍のF15戦闘機が墜落しました。米兵による少女暴行事件で米軍基地や演習への怒りが高まっている中での事故だけに、県民の憤りは大変なものです。
 私も現地から新聞を取り寄せましたけれども、きのうの夕刊では各紙一面トップで載せていますし、きょうの新聞でも引き続き大きく取り上げて、「米軍基地 犯罪の温床 事故の根源 県内各政党、怒りの抗議」ということで、日本共産党だけじゃなくて、すべての政党が抗議するということで強い態度表明しているようです。
 県当局は、F15は昨年嘉手納弾薬庫近くに墜落し、先月はハリアー機が墜落したばかりであり、今回は海上であっても今度いつ住宅に落ちるかわからないということで不安を県民に与えたということで、嘉手納の司令官とか一連のところに抗議もし、事故原因の究明と再発の防止、それから原因究明までのF15の飛行中止を申し入れているわけですけれども、防衛庁長官、政府はこの問題にどう対応されているのか、伺いたいと思います。
#74
○国務大臣(衛藤征士郎君) これは外務省の所管だそうでありますが、防衛庁長官として答弁をいたします。
 F15の墜落事故は極めて遺憾な事故でありまして、時あたかもこの沖縄の基地問題等につきまして国会におきましてもいろいろと審議が行われているところであります。防衛庁といたしましても、米軍に対しまして、事故の原因究明、さらには再発防止に向けての最大限の抗議と要求をいたしておるところでもあります。沖縄県民の気持ちというものを十分にしんしゃくいたしまして、再発防止に向けての引き続いての努力をしてまいりたいと思います。
#75
○笠井亮君 復帰後、米軍機だけの事故でも百二十一件も繰り返し発生して、そして米軍当局が正式に原因の報告を日本側にしたというのは二件だけだということなんですね。そういう問題も含めまして見ますと、今外務省の管轄と言われましたが、防衛庁長官は二十四日にも沖縄に行かれるということですけれども、今の御答弁ぐらいでは沖縄の県民は本当に納得しないと思うんですね。
 それで、アメリカ政府に厳重に抗議して、速やかな原因の報告を求めて、県民の要求に基づいて申し入れるべきことは具体的にやる、厳重にやるということをしなきゃいけないと思うんです。大体、説得に行かれる方向が逆だと思うんですよ。
 関連してなんですけれども、つい先日、十月六日なんですが、自衛隊の航空総隊総合演習の中で、石川県の小松基地でも全く同型のF15機が炎工事故を起こして、原因究明もされないうちに通常の訓練が再開をされている。そうしますと、現地でもまた沖縄と同じ機が墜落したということで大変に不安が広まっているわけです。私、小松基地でも調査をしてまいりましたけれども、具体的に幾つか質問したいと思います。
 まず、この小松の事故について調査委員会が調査を進めているということを聞いているんですけれども、もう報道でも出ているし私も聞いてきましたので、事故の細かい経過はいいです。要するに、調査委員会の調査の進捗状況と見通しがどのようになっているか、防衛庁、お答え願いたいと思うんです。
#76
○政府委員(粟威之君) 本事故につきましては、事故の発生が十月六日でございましたけれども、翌日、航空自衛隊の事故調査委員会の構成員の主任調査官を初めとする係官を現地に派遣しまして、これ以降、現場検証、それから事故関係者の事情聴取、機体の検証等を内容とする現地調査を現在鋭意進めているところでございます。
 いつ終了するかという御質問でございますけれども、航空事故調査に要する期間というものは、機種、それから事故発生当時の状況、原因の究明に資する証言、それから残された物件の多い少ない等によりまして大きく異なります。本事故につきましても、現時点でいっ終了するかということは申し上げられる状況にございません。また、事故原因についても現在調査を行っている段階でございまして、全く申し上げられる段階にないということを御理解賜りたいと思います。
#77
○笠井亮君 そうしますと、私が基地で伺ったところでは、パイロットの問題と機体及び整備の問題の二つの側面から主に調査していると聞いたわけですが、事故の原因が究明されていないと今御答弁もあったと思うんですけれども、そのままに通常の訓練が同じF15を使って行われている。これで本当に安全が確保されていると言えるんでしょうか、その点、御答弁をお願いします。
#78
○政府委員(粟威之君) 自衛隊が有事の際にその任務を有効に遂行するためにはふだんから訓練を行うことが必要であるということはもう当然のことでございます。また、特に航空機の事故調査につきましては、終了するまでに大変長い時間がかかることも事実でございます。その期間、全く航空機を訓練に使わないということは国の貴重な現有の装備を有効活用しないということにもなると思います。したがって、とり得るできる限りの安全対策を講じた上で飛行を行うことは必要である、こういうふうに考えております。
#79
○笠井亮君 そんなことはいいんですけれども、有効活用と言っていたって、F15は沖縄だけでもきのうの事故も含めて十四回も事故を起こしているわけですね。それで、だれでも問題があるんじゃないかと思わざるを得ないような状況が続いているわけで、こんなことで周辺住民の安全が確保できるんだろうかということだって、全然できないというふうに思うんです。十二分の対策が講じられるべきで、まずそれが優先されなければいけないというふうに思うわけです。しかも、小松の場合を見ますと、あそこは官民共用の空港でありますし、飛行差しとめを訴えている騒音公害訴訟も今行われている最中であります。そういう点でいいますと、本当に事態は重大だと思うんです。
 その点で、例えば小松での整備点検の体制なんですけれども、私も現地へ調査に行って驚いたんです。F15一機について三、四人がチームをつくって点検整備をやる。演習中は午前五時半から六時ごろに出勤をして、そして七時半ごろまでに点検整備する。さらに、午前一回、午後一回、夜一回のフライトの終了ごとに二十五分から三十分間の燃料補給と点検をして、夜の演習が全部終わってからさらに二時間やる。二時間さらに整備をやるということで、拘束を解かれるのが夜の十時から十時半になるということです、土日も含めて。基地側の説明でも、演習時の点検整備の仕事量は通常訓練時の倍近くになるということが言われているんですね。こんな過密な勤務では、整備員が大変だというだけじゃなくて、安全上の問題も当然出てくるだろう。こんな状態を続けていて重大事故につながらないのかということもあるわけですが、一体どんな対策を考えているのかということをちょっと伺いたいと思います。
#80
○政府委員(粟威之君) 私ども、従来から自衛隊の航空機の事故に関しましては、直ちに安全対策を実施するということとともに、自衛隊で航空機事故調査委員会が中心になって事故原因を徹底究明して、必要な事故防止措置を講じているところで、事故の再発防止に万全を期しているところでございます。
 このたびの小松の事故につきましては、事故発生後すぐに演習も一時中止いたしまして、速やかに事故機の収容と、それから次の日も休みまして、安全対策として操縦者に対する不測事態の対処要領の確認等、緊急手順等の所要の教育を行いました。また、F15全機に対する、操縦系統でございますとか燃料だとかエンジンだとか、そういう系統の安全点検ということも行いまして調べた結果、F15については異常が認められない、こういうことから訓練を再開したということでございます。
#81
○笠井亮君 六日に事故があって、一時やめられたと言うけれども、十一日から再開していますね。もう本当にわずかな期間です。しかも、先ほど御答弁があったように、原因究明はまだですというところで、安全ですと幾ら言ったって、これはなかなか住民にしてみれば納得できないと思うんですよ。
 だから、そこは本当に重大問題で、私も小松空港におり立った途端に、私が乗った民間機の真上で耳をつんざくように自衛隊機が訓練もやっているわけですね。そういう状況があるわけですから、住民が飛行差しとめ要求するのは当然だと私も改めて思いました。周辺住民の環境や生活、安全を確保するという点で、体制の問題を今申し上げたけれども、この際そのことも含めて訓練自体のあり方を見直すべきじゃないか、やっぱり今もうソ連がなくなっているもとで毎年十七回もこういうことをやるのか、そういうことも含めて見直すべきじゃないかというふうに思うんですね。
 次に伺いたいことは、この日の演習なんですけれども、当日の昼になって突然一時間の時間延長が小松市側に通告されて、市当局もびっくりしたということだったようなんですけれども、これはこれまで十七回の総隊演習の中でも初めてのことで、基地としても異例だというふうに説明されていました。この時間延長と、事故がそういう中で起こったわけですけれども、関係はないんでしょうか、伺いたいと思います。
#82
○政府委員(粟威之君) 今回の事故は、パイロットが離陸しようとした際に飛行機が離陸できなくて、ために離陸を断念して、滑走路の延長線上でバリアに当てて飛行機をとめた、こういうような事故でございまして、訓練時間を一時間延長したことと関係がない、こういうように考えております。
#83
○笠井亮君 基地側の説明によりますと、この日は、事故のあった夜に先立って、特に岩国の米軍機FA18というのが四機、訓練の支援ということで来て、米軍機の側が仮想敵機の役割を果たしてくれたということがあったんです。米軍の支援というのは午前と午後、その事故のあった日に二回やられたということを言っていたんですけれども、それが時間延長や事故に結びついたということはないんでしょうか。
 あらゆる側面で事故原因を究明するということになれば、パイロットの問題あるいは機体整備の問題はもちろんですけれども、こういう問題はその日どういう演習が実際行われたかという中での流れもやっぱりきちっと見なきゃいけないと思うんです。当然この米軍の支援についても、事故に至るまでの経過の中でどういう、インパクトがあったか。やっぱり通常なかったような時間延長がやられたわけですから、そういうこともきちっと調査すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#84
○政府委員(粟威之君) 今、日米共同訓練のお話がありましたが、日米共同訓練は十月六日の昼までで訓練を終わっておりまして、この事故が起きましたのは六日の夜八時過ぎでございますので、特に関係はございません。
#85
○笠井亮君 いや、その日の訓練の流れというのがあるわけですから、その日の昼になって突然時間延長なんということもやられたりするわけで、それが米軍機が四機来援してやったことによってそういうことになったのかもしれない。延長することによって、整備の問題を含めていろんないつもと違うことが起こって、そして事故につながることだってあり得るわけですから、それは関係ないなんということで切っちゃうということにはならないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、ちゃんとその点も調査委員会で調べていただきたいというふうに思います。
 そこで、今の米軍の支援の問題なんですけれども、この小松から日本海側のG空域というところでの訓練だけではなくて、今回、福岡県の築城だとか、それから宮崎の新田原なんかでもこの総隊総合演習の中で米軍機の支援があったというふうに聞いているんです。日米共同訓練ではないということのようなんですが、これは実は十月二日から六日、事故のあった六日まで南方の沖縄周辺では洋上訓練空域で日米共同訓練があったということで防衛庁側も説明があるようなんですけれども、そういう期間中のことであって、それが今実は米軍機がそういう形で支援して日本側の自衛隊の訓練に参加するという形になっているわけです。だから、実際は沖縄周辺空域以外でも広範囲に日米の共同訓練が行われていたということにならないんですか。その辺はどうなんでしょうか。
#86
○政府委員(粟威之君) 訓練の空域は日本全域、それから日本周辺空域ということでやっております。ですから、必要があれば小松から南方の方まで行くということになると思います、南方というか沖縄の方まで。そういう意味で、日本周辺の空域ということで共同訓練をやるという地域を御連絡してあります。
#87
○笠井亮君 そうしますと、共同訓練というのは二日から六日まで沖縄の南方地域だけではなくて日本全域でやられていたということですね。
#88
○政府委員(粟威之君) はい。
#89
○笠井亮君 それは共同訓練ということですね。
#90
○政府委員(粟威之君) 主として南の方でありましたが、訓練の場所としては日本全域でございます。
#91
○笠井亮君 私が基地や防衛庁から聞いたことと大分話が違うんですけれども。
 実際に総隊総合演習を自衛隊がやっているという中で、米軍機がその特定の地域だけじゃなくて日本空域全域でそういう形で来援を受けながら共同訓練をやっているということであれば、それはそれで重大なことだと思うんです。
 そういう中で、結局基地側も非常にいろんな意味で苦労したみたいで、私もなかなか大変なんだろうと思って説明を聞きました。当日のシナリオがなかなか読めないということを基地の担当者の方が言われていましたけれども、そういう中で時間延長されて、それで先ほど言ったような整備でも過密な状況があって、いろんなことがかかわりながら、結局結果的には周辺住民に大変安全に脅威を呼び起こすようなことが訓練という形でやられているということになりますと、これはもう本当に重大な問題だというふうに思うんですね。
 それで、米軍機の墜落事故といい、それから今申し上げた小松の事故といい、国民の安全と生命にとっては本当に死活問題としてやっぱり直接そういうことを感じるわけですね。そういう問題があるわけですから、防衛庁長官、事故の原因がはっきりするまで、先ほどもうある程度わかっているから大丈夫だということで説明があったんだけれども、そうじゃなくて、やっぱり原因究明がきちっとされるまで通常の訓練も含めて中止するということがまず当然の安全対策の第一歩じゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。防衛庁長官に答弁をお願いします。
#92
○国務大臣(衛藤征士郎君) お答えを申し上げます。
 御案内のとおり、我が国の制空権を航空自衛隊がしっかり担保しておるわけでございまして、そのためには御案内のとおり二十四時間体制を組んで事に当たっておるわけであります。この事故につきまして、事故の原因究明をすると同時に、一方ではそういった航空自衛隊としての職務の完遂があるわけでありますから、私といたしましては、これをやはり両立させねばならぬ、基本的にはこのように考えております。
 しかし、いたずらに基地周辺の皆さんにいろいろと御迷惑をおかけしたり御心配をおかけすることのないように、その管理運用について十分な体制で臨みたい、かように考えておるわけであります。
#93
○笠井亮君 実際にこういう事故が起こったときに訓練を中止したことが、例えば浜松のブルーインパルスのときなんかあったはずだと思うんですけれども、それが周辺住民や国民との関係でいうと、まず訓練を中止して原因を究明するということが最低限の対策だと思うんですね。それなしに安全保障なんといったって、やっぱり国民の安全が守れなくてどうなのかということになると思います。
 沖縄での少女暴行事件の後、米軍基地では綱紀粛正などさまざまな措置がとられたというふうに言われていますけれども、また今度の墜落事故が起きたわけで、県民の生命、安全を守ることには実際には何ら誠実な態度が示されていないということだと思うんですね。訓練優先、軍事優先ということに、結局はいろいろ言ってもなっているということでこのような事態を招いていると思うわけで、それを根本的に改めるときが今来ているんじゃないかというふうに私は思います。
 沖縄でも、さらに基地の存在そのものあるいは日米安保条約の廃棄そのものが、この沖縄の新聞を見ても、日本共産党だけじゃなくてもう各党からそういう声が上がっていると書いてあるんですよ。だから、本当にそういうことが党派を超えて今全国でも問われ始めているもとで、今の政府の検討の内容ではやっぱり沖縄の県民も国民も、そして小松周辺の住民も納得しないというふうに私は思います。
 小松についても、事故の原因を速やかに調査してその全容を公表すること、その結果が出るまで通常の訓練を中止すべきことを改めて強く求めて、質問を終わります。
#94
○委員長(宮崎秀樹君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより三案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 初めに、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(宮崎秀樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#100
○委員長(宮崎秀樹君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。
 先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。山口哲夫君。
#101
○山口哲夫君 委員派遣の報告をいたします。
 宮崎委員長、真島理事、吉田理事、依田委員、大久保委員、鈴木委員、小川委員、聽濤委員及び私、山口の九名は、去る九月五日から七日までの三日間、静岡県、愛知県における国の地方支分部局及び自衛隊の業務運営並びに国家公務員制度等の実情について調査を行ってまいりました。
 以下、その概要について御報告申し上げます。
 まず、航空自衛隊浜松基地は航空自衛隊発祥の地であり、基地面積は約三百十五万平方メートルで、幅六十メートル、長さ二千五百五十メートルの滑走路があります。同基地は、航空自衛隊の教育部門を一元的に統括する航空教育集団の司令部を初め、航空団、術科学校など教育訓練の中枢の地となっており、約二千四百五十名の隊員がおります。
 最近の同基地の事案といたしましては、早期警戒管制機AWACSが平成九年度以降同基地に配備されることから、必要な誘導路、格納庫等の整備に着手することとしております。また、航空自衛隊への理解促進のため、同基地に航空博物館を設置することとし、平成十年のオープンを目指し、今年度後半に着工することになっております。
 次に、愛知県公文書公開条例及び愛知県個人情報保護条例は昭和六十一年十月及び平成四年十月にそれぞれ施行されております。平成六年度の公文書公開請求件数は千四十一件であり、非公開を除いた実質公開率は九三・五%、不服審査申し立て件数は一件となっているとのことでした。また、自己情報の開示請求は口頭請求と合わせて二千三百三十四件で、不開示等六件を除きすべて開示し、訂正や削除要求及び不服申し立てはないとのことでした。
 次に、三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場は小牧基地に隣接して昭和二十七年に建設された工場で、航空機の部品組み立て、最終組み立て、艤装、飛行整備、飛行試験、修理作業を行っており、二十九万七千平方メートルの敷地面積に格納庫を六棟を有し、約千四百名の職員が働いております。なお、防衛庁が来年度概算要求を行っているFSXの組み立て作業を行っていました。
 次に、人事院中部事務局の平成六年度における業務実績を申し上げますと、十四種類の国家公務員採用試験を実施しておりますが、ここ数年は景気の低迷に伴い申込者数が増加傾向にあるとのことであります。また、民間給与実態調査は、管内九百六十五事業所について各県の人事委員会等と共同して実施しており、その結果が人事院勧告に反映されております。
 次に、総務庁中部管区行政監察局の平成六年度における業務の実施状況を申し上げますと、中央計画監察を四十本、地方監察を十九本実施しているとのことです。行政相談の受け付け件数は二万九千四百六十件、うち行政相談委員の受理件数は二万七百五十二件となっております。
 次に、名古屋防衛施設支局の主要事案といたしましては、平成六年八月に米側から返還された旧依佐美通信所の処理があります。本年度にアンテナ等を、平成八年度ではアースマット等をそれぞれ撤去すべく所有者と調整を行っているとのことであります。また、次期支援戦闘機FSX及び新小型観測ヘリコプターOHXの飛行試験は岐阜基地及び明野駐屯地で行う計画であり、このため受け入れ施設の整備工事に着手または実施しているとのことであります。
 次に、国立療養所中部病院長寿医療研究センターは、政府のゴールドプランの一環として、国立療養所中部病院との一体運用によって研究部門と臨床部門をあわせ持つ国内最高レベルの長寿医療専門機関として本年七月にスタートし、老化メカニズムの解明及び老年病の病態・治療・予防に関する研究活動を行っております。
 最後に、御協力いただきました関係各位に御礼を申し上げまして、報告を終わります。
 なお、委員長のお手元に調査報告書を提出しておりますので、本日の会議録に掲載するよう、委員長においてお取り計らいをお願い申し上げます。
 以上でございます。
#102
○委員長(宮崎秀樹君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいま山口君から要請のありました報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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