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1995/10/03 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第2号
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1995/10/03 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第2号

#1
第134回国会 本会議 第2号
平成七年十月三日(火曜日)
   午前十時一分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第二号
  平成七年十月三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る九月二十九日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。石井一二君。
   〔石井一二君登壇、拍手〕
#4
○石井一二君 私は、平成会を代表して、さきに行われた村山総理の所信表明演説並びに最近の政局に関連して、総理及び関係閣僚に質問をいたします。
 なお、カバーすべき当面の重要案件のうち、教育問題、女性問題、福祉問題等につきましてはあすの我が会派の林寛子議員の代表質問で、また財政問題につきましては明後日の寺澤芳男政審会長の代表質問でそれぞれ質問をいたしますので、本日の私の演説からその分野は割愛されております。
 総理、我が参議院においては、去る七月二十三日に改選のための通常選挙が行われました。その結果、あなたの率いる日本社会党は、改選前の六十三議席から惨敗、当選議員わずか十六名、非改選議員を足しての合計でも三十九議席へと激減したのであります。連立三与党全体でも、あなたが勝敗のめどとしてはばからなかった改選前の七十五議席をはるかに下回る六十五議席に終わりました。また、あなたは、日本社会党独自で三年前の選挙で獲得した二十二議席の確保が勝敗の分かれ目だと公言されておられたが、結果は、これまた獲得目標議席を大幅に下回る結果となったのであります。
 選挙に負けた、すなわち国民の信を得ることができなかった内閣や政党が政権の座からおりる、これは民主主義のもとにおける憲政の常道であります。多くの国民が、いや国内のみならず世界じゅうの政治に関心のある多くの人々が、村山内閣の退陣、そして新しい斬新的な行動力のある政権の誕生、発足を予想したのでございます。
 ところが、現実はいかがであったでありましょうか。選挙の最終結果がまだ出ていない段階で早タと決められたことは、社会、自民、さきがけ三党首がそろって閣内にとどまることであり、そしてこのことを大前提とする内閣の改造でありました。国民にとっては実に奇異な事態の展開となったのであります。
 しかも、その決定過程における三人の党首の言動は実におかしなものであったのであります。一たん辞意を表明した村山さん、外相をやめて副総理・無任所大臣の軽いポストで自民党総裁選挙の準備に専念したいとする河野さん、党首をやめたいと意思表示した武村さんの、やめたいトリオの大合唱であったのであります。
 このような個利個略に基づくやめたいやめたいの大合唱のもとで、難問が山積し前途多難な我が国を果たして背負って立つ新たな力がわいてくるのでしょうか。国民はもとより、世界はそのようなさめた目であなた方を見詰めているのであります。
 総理、あなたはこのような情景を背景にその後世界じゅうを飛び回っておられますが、世界の首脳等にお目にかかられたときに、内心恥ずかしいとお思いにならなかったでしょうか。
 参議院選挙後、はや二カ月余りの歳月が経過しつつありますが、国内では村山内閣の支持率は、主要各社の世論調査が示すごとく、まさにつるべ落としのごとくぐんぐんと下降傾向を示しております。例えば、不支持率四五%、支持率三四%というのが最近の朝日新聞の調査結果であります。また、フジテレビの最近の調査では、不支持率は実に六一・一%となっております。総理、あなたはこの事実をどのように理解しておられるのでしょう。
 事態が事ここに至った理由としては幾つかの事実が想定されます。以下、幾つかの事例を指摘してみましょう。
 例えば、これまで幾つもの公約違反や路線の変更、具体的には自由民主党の党是の自主憲法制定がトーンダウンし、社会党の日米安保条約、消費税及びPKO活動の是認や原発容認等々、そしてさきがけの小さな政府をつくるための行政改革論の立ち消え等々であります。
 三党間で話し合いがつかず、ずるずると先送りされる重要課題への取り組み、例えば国際的信用を失墜しつつもずるずると今日まで先送りされたゴラン高原へのPKO派遣決定や、土地税制の緩和策や有価証券取引税の廃止論議。与党間の理念、政策の不一致から生ずる政策のあいまいさ、例えば足して三で割る方式で決まった防衛費の概算要求基準。いつまでもよくならない景気回復、今回の内閣改造劇に見る裏舞台のどたばた、自民党内の相も変わらぬ派閥中心の役職の配分、パフォーマンスのみを優先させるさきがけの言動、次々と新聞をにぎわす閣僚や前閣僚の失言、虚偽申告等の物議、現実的で魅力ある政策を打ち出すことができない低い政権担当能力、そして失礼でございますが、原稿棒読みの村山総理の答弁等々がその主な原因でありましょう。
 とりわけ我々野党はもとより多くの国民が極めて残念に思ったことは、我々の強い呼びかけにもかかわらず、政府・与党三党が山積する内外の重要課題についての国会論議を回避し、参議院議員選挙直後の臨時国会を八月四日からたったの五日間とし、議席指定と委員会等議会構成の決定のみにとどめて実質審議をボイコットしてしまったことであります。この結果、それでなくても投票率が五〇%を割り込み鮮明となっている国民の政治不信をより一層助長する結果となってしまったのであります。
 これらを踏まえて、私は、総理に対して以下の諸点について御所見をいただきたいのであります。
 まず第一は、選挙結果に対する総理の御所見及び臨時国会をすぐに開かずに遅きに失した今回の国会召集に至ったことに対する釈明であります。
 次いで、社会党は今、新党づくりを進めておられますが、総理、あなたが党首になられなかった場合でも、非党首の首相として政権にすがりつかれるおつもりですか。それでも党と内閣に対して強い求心力を持つ首相として職員を果たしていくことができるとお考えですか。総理の決意と自信のほどを伺いたいのであります。
 次に、経済、景気問題について質問をいたします。
 我が国経済は、本年三月以降急激な円高に見舞われ、我々はその景気への影響が甚大であると見て、政府に対して早期かつ大規模な経済対策の実施を繰り返し求めてまいりました。しかるに、政府の対策はことごとく時期おくれ、小出しで、景気に効果的なインパクトを与えることができず、つるべ落としの景気失速を招いたのであります。ここに来てようやく円高是正の動きが出てきたものの時既に遅く、雇用情勢も一段と悪化するなど、景気は上昇のきっかけを失い腰折れ失速状態で、このままでは今世紀いっぱい慢性不況のまま推移する危険が高く、縮小均衡のデフレ状態の悪循環に陥りかねません。
 九月二十日、政府はようやく総合経済対策を策定し、これを受けて七年度第二次補正予算を編成されました。新進党が本年四月に約十兆円規模で提案した景気対策計画におくれること実に六カ月であります。この中で、政府は、公共事業の追加八兆円を柱とする総事業規模十四兆二千二百億円の対策は過去最大級なものだと自画自賛しておられますが、このうち国の一般会計追加額、つまり国の負担は四兆七千億円と半分以下で、村山内閣の誇大広告の感をぬぐえませんが、これで景気が実際回復すると断言できるのでしょうか。
 改めて申すまでもなく、最近の不況の要因は経済構造の根本的な変化がその背景にあり、従来型の対策に終始するばかりではとても的確かつ有効な対策とは言えませんが、時代の流れに沿った新しい視点を今回の対策のどこに生かしておられるのですか。国民にわかるように明確にお示しいただきたいのであります。
 加えて、今回の経済対策によるGNP押し上げ効果をどの程度と見ておられるのか。これで七年度政府経済見通し二・八%は達成可能ですか。しかと承りたいのであります。
 宮崎経済企画庁長官は、九月十三日の外国特派員協会の講演の中で、日本の経済の状況がよくならなかったり経済構造改革が進まなければ辞任すると明確に断言されたと翌日の日本経済新聞は報じておりますが、経済の状況がよくならないとは具体的にどういうことですか。また、その期限はいつですか。今年度政府見通しの二・八%成長が達成できなければおやめになるという意味ですか。これらの疑問に明確に答えていただきたいのであります。言いたいことは言い放題で責任は追及されないという評論家的な言動は、少なくとも閣内におられる間は慎んでいただきたいのであります。
 政府が有効な円高対策を講ずることができず、昨今は多少是正されたものの一ドル八十円台という円高が半年近くも続き、企業の海外への移転の動きはさらに加速をいたしております。産業空洞化の懸念が高まっており、片やベンチャー企業育成の重要性が一段と高まってまいりました。これらを踏まえて政府内部でもベンチャー支援の機運が高まっておりますが、現在のところでは各省庁の施策はそれぞればらばらで、依然として縦割り行政の弊害感はぬぐえないと言えるのではないでしょうか。
 ベンチャー企業の育成には、資金面の手当てが可能な制度的枠組みの整備とともに、税制上の優遇、経営面のサポート体制整備など、各省庁の施策を統一的、一体的に進めていかなければその実は上がらないのではないでしょうか。政府の所信を求めます。
 次に、雇用、失業問題について伺います。
 現在、企業は二百万人もの過剰雇用を抱えていると言われ、今後、早期退職制度の運用が本格化すれば中高年層の失業者の急増も懸念されるなど、雇用を取り巻く状況はまさに危機的状況にあります。もはや雇用調整助成金を中心とした従来型の雇用維持政策では対応困難であり、一刻も早く雇用の流動化及び新しい雇用創出を前提とした雇用対策への転換を急ぐべきであります。我々は、今後三年をめどに、失業の増加が懸念される中高年層がみずからの経験を活用できるような雇用流動化対策を集中的に実施すべきだと考えております。
 現在の雇用不安は何も中高年に限ったことではありません。夢と希望を持って社会に出てくる新卒の学生諸君の就職の門は、昨今極めて狭いのであります。特に女子学生の場合は、問題はより深刻なものとなっております。そして、この波はパートタイムの御婦人方にも及びつつあるのであります。
 我が会派では新しい雇用を創出させるための勉強会を既に発足させ、各方面にわたる総合的な雇用対策について論議を始めております。かつて米国がそうであったように、資本や優秀な人材の海外流出を指をくわえて黙って見ているのではなく、発想を転換し、雇用機会の確保と、あわせて産業構造の転換を図っていくことが必要なのではありませんか。総理の見解を求めます。
 次に、金融問題についてお伺いをいたします。
 バブル時代における一部金融機関の無秩序、無節操な行為は、バブル経済の崩壊によって一気にその矛盾が噴出し、今日、経営破綻に陥り、社会的金融不安さえ引き起こしかねないおぞましい状況をさらけ出しております。旧東京協和、安全両信用組合問題に始まり、コスモ信組、木津信組、兵庫銀行のみならず、果ては住宅金融専門会社を初めとする全金融機関の抱える膨大な不良債権の存在は、我が国金融機関のずさんさと信用力の低下を内外に印象づけることとなったのであります。
 これら一連の金融不安問題に対して、指導的立場にある政府はその責任を免れることはできないはずであります。政府の見解はいかがでございましょうか。
 政府の公式見解では約四十兆円、内外の調査機関によれば六十兆円とも百兆円とも言われる金融機関が抱える不良債権の処理なくして我が国の金融不安の解消は不可能であり、不況からの脱出も困難であると言っても過言ではありません。
 さきに金融制度調査会は、破綻金融機関への公的資金導入は今後の検討課題であると審議経過報告で述べておりますが、公的資金導入に対する政府の見解とともに、導入の前提条件及び基準を国民の前に明確にお示しいただきたいのであります。よもや経営者の責任を明確にしないままに公的資金を導入することはないと存じますが、総理の明快な答弁を求めます。
 公的資金と一口に言っても、一般会計からの政府資金、財政資金の低利融資、日銀特別融資、都道府県による資金援助等いろんなケースが考えられますが、まず公的資金の定義をお示しください。
 さらに、住専問題については、母体行責任か貸し手責任かをめぐづて激しい論議が繰り返されてきましたが、深刻化する一方の金融不安の解消のためには、もはや一刻の猶予もならないのであります。
 いずれにしろ、公的資金の原資は国民の血税であることを我々は忘れてはならないのであります。したがって、もし公的資金を導入することになれば当然経営責任は免れず、住宅専門会社は解散、整理するのが筋と思いますが、いかがですか。
 これらの諸点について政府の見解を求めます。
 さらに、今回の金融不安の発端となった東京都及び大阪府の信用組合の経営破綻の処理について、大蔵省は機関委任を受けた東京都及び大阪府の財政支出を期待いたしておりますが、監督責任の一端は国にあり、大蔵省や日銀の責任は極めて大と言わざるを得ないのであります。大蔵大臣の所見をお伺いいたします。
 次に、オウム事件の再発防止問題と宗教法人法の見直し問題についてでありますが、さきの参議院選挙直後、まだその興奮も十二分にさめやらぬ九月の初旬、自民党の当時の政調会長加藤紘一氏は宗教法人法の改正の必要性を発表しました。あたかも何か特別な政治的意図があるかのごとき性急な要求、提案であったのであります。もしこれが特定教団の抑圧を目的とした法改正提案としたら、それは憲法違反の宗教弾圧にほかならないのであります。
 ちょうどそのころはオウム真理教事件解決への捜査の真っ最中であり、多くの人々の中にはこの法律改正によってオウム真理教事件のごとき宗教団体による犯罪が事前に防止できるのだと感じた方も多かったようであります。
 我が会派は、民主主義国家である以上、宗教問題について論じ合うことは大いに結構との観点から、この問題について早々とプロジェクトチームをつくり、分析、勉強を始めた結果、少なくとも次の二つのことが明確になってまいったのであります。
 一つは、オウム真理教は宗教法人であるものの実態は暴力主義的破壊活動集団であり、宗教法人法の改正はこのような事件、行為の再発防止には結びつかないということであります。いま一つは、我が国の憲法が保障している基本的人権の主要な柱である信教の自由及び政教分離の原則に対して、宗教法人法の改正内容によっては宗教に対する国家権力による管理統制への道を開く可能性が大であるということであります。
 オウム真理教事件の解明が進むにつれ、オウム真理教に対して、その解散に向け法務省は破壊活動防止法の適用が一つの有力な方法だと判断を固めつつあると報道されております。また、事実オウム真理教関連容疑者は、刑法、薬事法、武器等製造法、麻薬及び向精神薬取締法を初め十数本の法律違反でそれぞれ検挙されております。かかる事件の解決と再発防止策の確立こそ、今、最も大切なことであります。そのためには、それぞれのケースに当てはまるこれらの法律を適宜適用していくほかはないのであります。
 皆様方も御承知のごとく、現行宗教法人法は第八十六条に「宗教団体が公共の福祉に反した行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。」と明確に規定し、悪いことをした場合、いかなる宗教法人も特別な例外的保護扱いを受けることはあり得ないことが法律で定められているのであります。
 以上を踏まえて、私は、総理及び関係大臣に以下の点をお伺いいたします。
 今回、性急に政府が行わんとしておる宗教法人法の見直しの目的は何か。また、今回の見直し案によってオウム類似事件再発を防止できるとお考えなのか、総理及び法務大臣にお伺いをいたします。
 また、審議会報告における質問権は、これまで言われてきた調査権とはどう違うのですか。
 また、審議会報告の取りまとめが、まだ一部委員に異論があるのに、それを強引に抑えての取りまとめであった、審議会の報告書の有効性についても議論の余地があると一部マスコミは報じていますが、いかがですか。
 次に、さきに出され左示教法人審議会の制度見直しが実施された場合、憲法の定める信教の自由と政教分離の原則が侵されることになりはしないか、お伺いをいたします。
 第五に、宗教団体の政党支援、政治活動は法に触れるのですか、触れないのですか、お伺いいたします。
 第六に、宗教法人法は宗教団体をむしろ取り締まるためのものではなく、宗教団体に法人格を付与することを唯一の目的としたいわば宗教法人の戸籍法とも言うべき法律と解釈してよろしいのでしょうか。
 第七に、文化庁発行の宗教年鑑によると、全国にある宗教団体数は約十八万四千、また重複分を入れて信者合計数は何と二億二千万人とも言われていますが、このように関係者の極めて多い宗教法人の活動の根幹に係る法改正を論ずるには十分な時間をかけ、全国民的な議論を展開した後に慎重に結論を出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 第八に、破防法の団体規制すなわち解散の指定の適用に対する村山総理としての御所見及び日本社会党委員長としての御所見をお聞かせください。もし両所見が同じで、ともに適用に対し是である場合、総理、あなたは党内をおまとめになる自信がおありなのですか、お答えください。
 次に、私の地元兵庫県及び神戸市の問題でありますが、阪神・淡路大震災の復興対策についてお伺いいたします。
 ここで改めて六千余名のとうとい命を落とされた各位の御冥福を祈るものであります。
 震災から八カ月強がたちました。おかげをもちまして、損壊した住宅やビルの取り壊しが急ピッチで進み、町には空間が多くなりました。新しいビルや住宅の建設はまだまだ進んでいないため、風通しはよくなったものの、都会の中の砂漠とでも申しましょうか、一種の寂しさと悲しい思い出を誘う今日でございます。
 総額十七兆円に及ぶ復興計画もまとまり、今、被災地では「頑張ろう」を合い言葉に、防災に強い新しい兵庫・神戸の再建に向けて歯を食いしばっての努力が続けられておるのであります。今後さらなる国及び国民の皆さんの御支援を願うものであります。
 特に、今回の大震災はお年寄りに被害が集中したいわゆる高齢社会型災害とも言われ、苦渋を強いられている多くのお年寄りの悲惨な姿には目を覆うものがございます。いまだ行くべき場所が見当たらず待機所におられる二千余名の方々の大部分はお年寄りの方々なのであります。地域では心のケアを行うボランティア活動もいまだ根気強く続けられ、胸が熱くなるものを感じますが、お年寄りを中心に震災で痛んだ心の傷は予想以上に深く、迅速な行政の対応が望まれております。
 総理の信条とする人にやさしい行政を実践なさるためにも、今後、本格的な復興に向けてどのように取り組んでいくのか、所信のほどをお聞きしたいのであります。
 かかる観点から、復興に向けて今国会に提出された補正予算に一兆四千億が盛り込まれておりますが、具体的にどのような施策が対象として織り込まれているのか、明らかにしていただきたいのであります。
 また、政府の負担分がこれだけとしても、予定した事業を適正に消化していくためには地方自治体の負担が必要であります。今、兵庫県、神戸市を初め、芦屋、西宮、宝塚の各市や北淡町等の地方自治体は自主財源難に悩んでおります。もちろんその最たる原因は、一方では震災の影響をもろに受けての税収を初め歳入の減少があり、他方、もろもろの出費の急増であります。また、復旧に対してはだれしもが、まだしも手厚かった交付税措置等の地方自治体に対する特例措置は、事、復興となると厳しいものを感じる昨今でございますが、これは私のひがみでございましょうか。補助率のアップや補助事業の採択基準の拡大等、財政支援措置の拡大についてぜひぜひ御再考をお願いしたいのであります。
 総理、いつも大勢の人々に取り囲まれ分刻みの生活を送っておられるあなたには、あの忌まわしい大震災が遠い遠い過去の出来事のように感じられ出しておるのではないでしょうか。その証拠に、今回の組閣では震災対策担当大臣が選任されなかったではありませんか。総理、まさか震災復興対策はひとまず完了したとでもお考えなのではないでしょうね。
 さて、補正予算の中には公的住宅の供給に関する予算も含まれていることとは存じますが、遠くて狭いはるか郊外の仮設住宅で不便で寂しい生活を強いられている幾万の住民の姿を思い出すとき、一日も早い日常生活の安定のためには何といっても住宅の早期かつ適切な供給が基本であります。公的住宅の供給にどう取り組んでいくつもりか、お伺いをいたします。
 建設費についてはかなりの努力の跡がうかがえるようでありますが、特に公営住宅用の用地購入費については、例えば金利負担のような格別の配慮がどうしても必要のように感じられてならないのであります。
 震災で自宅が倒壊した跡地にまたマイホームを建設したくても、失業やローンの組み立てが各自の年齢や前のローンの残債のためにできず、途方に暮れておられる方々も多いのであります。中小企業金融も含めて、政府はもっともっと融通性に富んだ融資制度を提示すべきではないでしょうか。また、容積率の緩和を初め、規制緩和についてももっともっと考えるべき余地があるのではないでしょうか。
 一方、住宅供給とともに被災地復興のための土地区画整理事業を積極的に進めていくことも重要な課題でありますが、同時に地域住民の意思の尊重ということも重要であります。話し合いに対する新たな基準づくりや行政指導に期待するものであります。
 また、神戸の町は港で栄えてきた町であります。横浜と日本一、いや東洋一を争う神戸港の存在は、関西圏の経済的繁栄にも不可欠であります。神戸港の港湾施設の復旧状況及び貨物取扱量など、港湾機能の回復状況をどう把握されておりますか。また、今後、神戸港の復興にどう取り組んでいくか、お聞かせください。
 特に、復興に向けては安全な地域づくりが重要な課題であり、建築物の耐震改修の促進を初め、二十一世紀に向けた新たな防災都市づくりに特別な配慮がなければなりません。すなわち、阪神・淡路大震災からの復旧・復興は、単にもとの姿に戻すということではなく、二十一世紀にふさわしい我が国全体のモデルとなるような地域づくりを進めていくという意気込みで取り組むべきだと考えますが、あわせて総理の決意のほどをお聞かせ願いたいのであります。
 次に、外交・安全保障問題についてお伺いをいたします。
 本年五月、世界の国々が核不拡散条約の無期限延長の合意にこぎつけた際、核保有国は包括的核実験禁止条約の発効まで核実験を最大限自制することを約束したにもかかわらず、フランスと中国が核実験を強行したことは国際信義にもとるものであります。
 我が党は、中国が実験を強行した際、対中国ODAの全面凍結と核保有国首脳会議の開催を政府に申し入れました。また、衆参両院議員が一人四万円ずつ費用を分担し合って、フランスの一流紙ル・モンドに一ページ大の核実験反対の意見広告を掲載し、世界の世論に訴えました。
 しかるに、政府は、再三にわたる中止を中国に申し入れたにもかかわらず無視され、しかも無償援助凍結を伝えた際には、米国の核の傘のもとにある日本が反核を主張するのは公正ではないと開き直られるありさまであります。本年わずか五億円程度の無償資金協力のみに触れ、ここ数年分として合意済みの約七千億円の円借款の見直しをちゅうちょする政府の及び腰の姿勢が、中国に我が国民の核廃絶への熱望を伝えるに至らない大きな原因と見ますが、総理、いかがでしょうか。
 一方、フランスに対する中止の申し入れや抗議姿勢は、オーストラリアなどの強い姿勢表明の後追い的なものに見えるのであります。そうこう言っているうちにフランスは、昨日、第二回目の核実験を強行しました。あたかも一部マスコミが河野さん自身及び我が国の河野外交を落ち目、裏目、修めと比喩している言葉を裏づけるかのごとくでありました。我が国の核実験に対する抗議姿勢について、総理の釈明を求めます。
 なお、武村大蔵大臣、あなたは先日、有力金融誌「ユーロマネー」から、世界一のワースト、つまりだめな蔵相に選ばれましたが、それはさておき、フランスから独立を要求しているポリネシア解放戦線の主催する核実験反対行動に個人としての資格という逃げ口上をもって参加し、フランス政府より内政干渉との批判を受けるなど、まずはパフォーマンスありきの姿勢を見せてくれました。
 また、個人と公の立場の境界線をどう区別されておるのでしょうか。しかも、国内では、円高対策、金融不安、低迷する景気など山積する問題に対処すべき立場をどう考えておられるのでしょうか。政府が不十分とはいえ外交活動を行っている最中にであります。蔵相としては、政府のやり方に不満があったからですか。それならば閣内不一致ということになり、総理の統率力が問われるわけですが、蔵相の真意を明らかにしていただきたいと存じます。
 また、冷戦構造の終えんに伴い、日米安保条約のあり方が日米両国間で問われております。私は、混迷する世界の情勢がにわかに改まるとは考えられない現状からして、日米安保体制が、今日と見通し得る将来にわたり、我が国及びアジアの安全と平和のために必要かつ有効なものであると考えております。
 十一月には日米首脳会談が持たれ、新安保宣言が取りまとめられる予定と伝えられています。その際、我が国として心すべきは、第一に朝鮮半島問題の不透明性、第二に我が国に対するアジア諸国の目、第三にアジアの包括的な安全保障措置への展望、第四に防衛力整備努力、第五に理にかなった地位協定の運用であると考えます。
 特に、沖縄における米兵の非道な暴行事件にかんがみ、かつ日米の円滑な防衛協力を確保する見地からも、地位協定の見直しに関する論議は極めて重要であります。運用で対処するのか、改定か、総理の御見解及びその理由をお示し願います。
 また、米軍駐留経費の日本側負担を一層ふやすと言われている日米新特別協定が調印されたが、思いやり予算を含めて、ふえ続ける日本側経費負担の趨勢とその理由を伺いたいのであります。
 なお、今般、沖縄の米軍用地の強制使用手続に係る代理署名を、法律で義務づけられた機関委任事務にもかかわらず、沖縄県知事が署名拒否をしておりますが、政府としてはどう対処されるのですか、政府の考え方をただします。
 あわせて、現在作業中と伝えられる防衛大綱の見直しについても、総理の基本的考えを伺っておきたいと考えるものであります。
 次に、私たち日本人の主食である米について、本年十一月より施行予定の新食糧法を中心に若干の質問をいたします。
 現在、米の食糧消費に占める割合は依然低下傾向が見られるものの、国民一人当たり約七十キログラムを消費し、カロリーベースでも四分の一強を占め、日本人の主食は米であると多くの国民が認識をいたしております。特に米は作柄が天候に大きく左右され、生産量が毎年大きく変動するため、社会経済の安定を図るため、大幅な価格変動や供給量の不足といった事態を防止することが重要であります。
 かかる観点から、これまで我々も米及びその管理する食管会計についていろいろ論議をしてまいりました。また、これらは農家のみならず一般国民にとっても極めて関心の深い問題であります。
 そこで、私がお伺いしたいのは、まず新食糧法が施行されると、農家はみずから生産した米について、現在の食管法におけるような政府への売り渡し義務がなくなり、みずからの判断で売り渡し先を決定できるようになる反面、政府の買い入れ保証がなくなり、過剰生産や大豊作の結果として米価が暴落した場合、経営が立ち行かなくなるおそれがあると言われております。
 かかる観点より、新食糧法のもとにおける米価安定の基本的考え方について、まずお伺いをいたします。
 次に、新食糧法のもとでは政府の買い入れ米価に自主流通米価格の動向を反映させるとしているが、現在検討している具体的な算定の考え方をお示しいただきたいのであります。
 第三に、新食糧法のもとでは、政府は減反の実行を強要しない方針であるので生産調整がうまくいかず、今後、米需給は一層緩和することが予想されますが、実効ある生産調整をどのように推進していくおつもりですか。全く生産調整に関与しないとおっしゃるのですか。
 質問の第四は、一昨年のウルグアイ・ラウンドの合意を受けて日本は米のミニマムアクセスを余儀なくされておりますが、一方、国内の米余りが予想される中でこれら輸入米の処理に対してどう取り組む所存か。緊急輸入米で行ったような援助輸出に今後積極的に取り組む必要があると感じますが、いかがですか。今後の援助需要の見込みいかんを御披瀝願いたいのであります。
 本件に関する最後の質問ですが、新食糧法では米の流通規制が大幅に緩和され、卸売業者や小売業者は従来の許可制から登録制になるとのことであります。私は、これまで日本の食管会計を背負ってきた特に零細企業の多い小売店に対しまして格別な援助の手を差し伸べるべきだと考えますが、政府の御所見をお伺いするものであります。
 終わりに、総理、私は昨年にも総理就任後間もないときに村山総理に、本日と同様、代表質問をさせていただきました。総理はきっともうお忘れのことと思いますが、私はそのとき、あなたに一つの御忠告を申し上げました。失礼な表現ながら、それは、御自慢のまゆが長過ぎて見通しが悪く、日本の将来が見えていないのではないですかというものでありました。
 私は、昨今の村山総理の置かれている立場や言動をつぶさに拝察するにつけ、始めるときに終わりを考えることの重要さという言葉を思い出さずにはいられません。その意味するところは、とかく人間は引き際、おさめどころを考えておかぬと、権力や地位におぼれ、思わぬ深みにはまり込んでしまうということであります。政治のような権力争奪を事とする世界ではなおさらのことでしょう。
 我が国において、明治憲法のもと憲政がスタートして以来、伊藤博文公以下歴代五十二人の首相が総理官邸に入られました。書籍等によりますと、歴代の首相のほとんどが首相官邸に入るときに引き際について考えていたと言われております。
 総理、あなたは六月三十日、どのような心境で官邸に入られたのでありましょうか。権力の座の怖さは、なれてくるにつれ、その維持のみが目的と化し、とにかくその座に座り続けていたいとの願望のみが先走りし出すことであります。昨今の村山内閣はまさにこのような状態に陥っているのではないでしょうか。私はここで総理に、あなたは引き際を誤りつつあるのではないですかとお伺いしたいのであります。
 思えば、今までにもそのタイミングは何回もあったはずであります。例えば、阪神大震災の予算が成立した六月の国会終了時、七月のハリファクス・サミットの直後、そして参議院選挙敗北の直後等々であります。このことを一番よく知っているのは、総理、あなた自身のはずであります。
 総理、私を挟んであなたのちょうど反対側には、このたび自由民主党総裁になられ、また副総理にもなられた橋本大臣が座っておられます。その橋本大臣及びその周辺はかねてより、最終的には自由民主党首班政権を目指す、当面は村山政権を維持していくと公言してはばからないのであります。外国からミイラ政権と呼ばれた村山政権でありますが、総理、あなたの存在感は今や日増しに希薄化しつつあるのではないでしょうか。
 今や内外に解決されるべき問題が山積し、国民はさめたうつろなまなざしで政治を見詰めているのに違いないのであります。にもかかわらず、村山総理の所信表明演説や、総理と閣僚の昨日の衆議院での答弁を聞く限り、内閣は問題の深刻さを自覚していないように見受けられるのであります。今や村山内閣は無為無策、無責任内閣となり果て、国民の意識、願望と大きく乖離してしまっているのであります。そのことは、冒頭にも述べたごとく、参議院選挙の結果や政党支持率からも明らかであります。人は引き際が大切であると言われるゆえんもここにあるのであります。
 総理、事ここに及んでは、早急に衆議院解散・総選挙を実施し、民意に立脚した政治を行うべきではありませんか。私は、我が国政治の再生を願う立場から、国民が支持していない、国民から見放されている村山内閣の退陣を要求しつつ、代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(村山富市君) 石井議員の質問に答弁を申し上げる前に、去る七月の参議院通常選挙で当選をされた皆さん方に心からお祝いを申し上げたいと思います。今後ともよろしく御指導と御協力のほどを心からお願い申し上げます。
 まず、内閣支持率について御指摘がありました。
 最近の内閣支持率の動きにつきましては、景気回復や行政改革の問題を初め国民の期待する重大課題が山積している結果と理解をしており、御批判は厳粛かつ率直に受けとめております。しかし、内閣としては、これまでもできる限りの努力を続けており、御承知のとおり、この国会においても第二次補正予算を初め多くの景気回復関連法や施策を御提案する予定でございます。
 私としては、三党間の信頼関係を基礎として、新たな陣容のもとで、国民の皆様の御期待に沿うことができるよう全力で取り組んでいく決意でございます。
 次に、参議院選挙の結果につきましては、連立与党全体といたしまして改選議席の過半数を超える議席を与えていただきましたが、そこに示された国民の皆さんの御批判、御不満につきましては厳しく受けとめておるところでございます。
 また、臨時国会の召集が遅過ぎたとのおしかりをいただきましたが、景気回復を確実にするため、経済対策や第二次補正予算案の作成準備にそれだけの時間を必要としたわけでございまして、御理解を賜りたいと思います。
 次に、総理である私が新党の党首にならなかった場合についてお尋ねがありましたが、新党の準備の主体は社会党そのものではなく党外の有志の皆さんであり、我が党もその一部として参加させていただくことにいたしております。したがいまして、その党首がいつどのようにして決められるのか、率直なところ責任ある見通しを申し上げるわけにはまいりません。現段階におきましては、三党連立政権の総理としてひたすら職員を全うすることに専念をする所存でございます。
 次に、今回の経済対策の規模、内容についての御質問でございますが、今回の対策におきましては、その規模はもちろん、内容につきましても現下の経済情勢に対応した十分な配慮を行ったところでございます。
 まず、規模については、早期に景気回復を確実なものとするため、総事業規模の十四兆二千億円のみならず、公共投資等の事業規模も十二兆八千億円と過去最大のものといたしました。国及び地方を通じた公債発行を活用しての直接の投資も過去に前例のない規模となっておりまするし、厳しい財政事情にもかかわらず、今回の経済対策の重要性にかんがみ、特例公債も発行することといたしたところでございます。
 内容につきましては、現下の経済情勢や景気回復の障害となっている要因を踏まえ、以下の施策を講ずることといたしております。
 まず、内需拡大策では、阪神・淡路大震災復興関連事業、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策を盛り込むほか、国民生活の質の向上や新しい産業の創出につながる分野等に重点を置いてまいりました。
 また、直面する課題を克服するため、土地の有効利用促進策や証券市場の活性化策を講ずることとしたほか、土地税制については平成八年度税制改正において結論を得るべく総合的かつ積極的に検討することや、金融機関の不良債権問題について年内に対応策がまとまるよう取り組む旨を明らかにしたところでございます。
 さらに、経済構造改革を一層推進するため、研究開発・情報化の促進、新規事業育成策、新産業・生活インフラの整備及び輸入・対日投資の促進などについて、予算措置のみならず、本臨時国会への関連法案の提出を含め幅広い措置を講ずることといたしたところでございます。
 まず、経済対策の効果についてお尋ねがございましたが、今回の対策では、事業規模として史上最大の総額十四兆二千二百億円に上る思い切った内需拡大策を実施することにより、先行き不透明感の払拭と消費者・企業マインドの改善を図り、消費、設備投資の活性化を通じ早期に景気回復を確実なものとすることといたしております。
 また、我が国経済が直面する課題を克服するため、土地の有効利用の促進対策や証券市場の活性化対策などを盛り込むとともに、中長期的発展に資する日本経済の構造改革を推進することといたしております。
 今回の対策においては、これら各般にわたる措置が全体として一つの対策にまとめられており、本対策の着実な実施と機動的な経済運営を行っていくことによりまして、景気に関する効果は一層確実なものとなると考えておるところでございます。
 また、平成七年度の経済見通しは達成可能かどの御質問でございますが、足元までの景気の足取りを見ると、足踏み状態が長引く中で弱含みで推移しておりますが、為替や株式市場における明るい兆候が見られる中で、政府としては、今回、過去最大規模の公共投資を含む経済対策を取りまとめたところであり、今回の対策の着実な実施によりまして、先般の公定歩合引き下げの効果も加わって、我が国経済は本年度後半には着実な回復に向かうものと考えておるところでございます。
 次に、ベンチャー企業育成策についてお尋ねがございましたが、政府といたしましては、新規事業の資金調達の円滑化に資するため、店頭特則市場の創設を行ったところであり、今後さらに公的機関による支援策の拡充強化を図っていく方針でございます。
 また、税制面においても、これまで中小企業創造活動促進法等を通じまして、各省庁の施策とともに統一的、一体的に配慮してきているところでございますが、新規事業者に対する経営指導についても、その強化を図るため、新規事業法の改正を含めた所要の対応を行っていく考えでございます。
 このように、新規事業育成のためには、これまでも政府全体を挙げて対応してきたところでございますが、今後とも各省庁の施策の連携協力に十分留意をしてまいる所存でございます。
 次に、雇用対策についてお尋ねがございましたが、国際化等を背景として産業構造の転換が一層進むと見込まれる中で、雇用の安定を図るためには、構造的な問題を抱える業種からの失業なき労働移動を進めるとともに、新たな雇用の創出を図ることが重要でございます。
 このため、さきの国会で成立をいたしました改正業種雇用安定法に基づき、構造的な要因により雇用調整を余儀なくされている業種の労働者ができるだけ失業を経ることなく労働移動することを支援するとともに、失業者の早期再就職に努めているところでございます。
 さらに、雇用創出を図るため、政府といたしましては、九月二十日の新たな経済対策の中で、新規事業法に基づく支援措置の拡充を図るほか、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出及び人材確保等の雇用対策を盛り込んだところでございまして、今国会に中小企業労働力確保法の一部を改正する法律案を提出する等により必要な対策を今後とも強力に推進してまいる考えでございます。
 次に、公的資金導入に対する政府の見解及び公的資金導入の前提条件、基準及び公的資金の定義についての御質問でございますが、金融システムは経済の動脈ともいうべきものであり、早期に不良債権の処理を行い金融システムの機能回復を図ることは、日本経済を本格的な回復軌道に乗せていくために喫緊の課題であると考えております。
 金融機関の破綻処理につきましては、まず金融機関の自助努力や最大限の預金保険料引き上げを含む金融システム内での最大限の対応が求められておりますが、そのような措置を講じた後にもなお金融機関を消滅させる一方で預金者に破綻処理費用を分担させることが困難な場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題になろうと考えております。ただ、これにより納税者の負担を求めることについては慎重な検討が必要であることは申し上げるまでもございません。
 政府といたしましては、今後、各方面における御論議や金融システム内の最大限の対応等を踏まえつつ、公的資金の時限的導入も含めた公的関与のあり方について慎重な検討を進めてまいる所存でございます。
 次に、住専について、公的資金導入の場合、経営責任は免れず、住専は解散・整理すべきではないかとの御質問でございますが、住専問題につきましては、政府といたしましては、住専の今後の方向を含め当事者間の真剣な議論を強く促すとともに、不良債権等の受け皿となる機関等について検討を行い、年内に処理方策を固めたいと考えておるところでございます。
 次に、宗教法人法の改正についてのお尋ねでありますが、今般のオウム真理教をめぐる事件を契機として、国会を初め一般国民の間でもかつてない規模で宗教法人法の制度自体やその運用などをめぐる論議が大きく高まっておることは御案内のとおりであります。このような国民の期待に迅速にこたえていくのが政府の責任と考えますので、昭和二十六年の法制定以降の社会の変化等に対応し、宗教法人審議会の報告を踏まえて必要な見直しを行うことを検討しているものでございます。
 オウム類似事件の再発防止につきましては、もとより宗教法人法だけではなく、他の法令の活用を初め関係機関等においてあらゆる対策を講じていくことによって再発防止に努めてまいる所存でございます。
 次に、宗教法人審議会報告にある「質問」についてのお尋ねでございますが、宗教法人審議会における今回の制度改正の審議におきましては、一般的に相手方の施設に立ち入って帳簿、書類等を検査することも含む意味で用いられている調査権ではなく、宗教法人に対し必要な事項の報告を求め、質問する権限を付与することが適当と判断されたものと承知をいたしております。
 また、審議会報告書の取りまとめ方についてのお尋ねでございますが、今回の報告につきましては、宗教法人審議会において慎重な審議を経て、大方の委員の意見をまとめた報告の形で取りまとめ、提出されたものと聞いており、問題はないと承知をいたしております。
 次に、宗教法人法の見直しは憲法の信教の自由及び政教分離の原則が侵されることにならないかとのお尋ねでございますが、現行宗教法人法は、信教の自由と政教分離の原則を基本として、宗教法人の責任を明確にするとともに、その公共性に配慮するという趣旨から全体系が組み立てられておると承知をいたしております。
 去る九月二十九日、文部大臣に宗教法人審議会の報告が出されたところでございますが、この報告におきましては、現行宗教法人制度の基本を維持しながら、最小限の法改正を行う必要があるとされたものでございます。
 政府といたしましても、宗教法人制度をより適切なものにする観点から、憲法の定める信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、必要な法改正を検討しておるところでございます。
 次に、宗教団体の政党支援、政治活動についてのお尋ねでございますが、一般の個人ないし団体に対し、憲法第二十一条第一項が集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を保障している趣旨にかんがみ、宗教団体が政党の支援や政治活動を行うことは許されるものと解しております。
 次に、宗教法人法は戸籍法とも言うべき法律ではないかというお尋ねでございますが、宗教法人法は法所定の宗教団体に法人格を与えることを目的とする法律でありますが、法人としてよるべき一定の組織、運営や所轄庁の権限についても規定がなされております。したがって、戸籍法に類似したものとは考えていないところでございます。
 次に、宗教法人法の改正は慎重に審議すべきではないかとの御質問でございますが、宗教法人法の見直しにつきましては、信教の自由や政教分離の原則にかかわる問題であることから、宗教法人審議会で宗教法人制度のあり方について慎重に審議検討いただき、去る九月二十九日、報告をいただいたところでございます。
 政府としては、この報告を踏まえ、国民の世論も十分踏まえた上で宗教法人法の改正について検討し、改正案がまとまり次第これを今国会に提出をいたしますので、慎重な御審議をお願い申し上げたいと思います。
 次に、破壊活動防止法による団体規制につきましては、その性格及び立法経緯等を十分に踏まえ、公安調査庁及び公安審査委員会において法と証拠に基づき厳正かつ慎重に運用されるべきものと考えております。こうした認識についての社会党と私の見解について、基本的な差異はございません。
 次に、阪神・淡路地域の今後の復興への取り組みの所信についてのお尋ねでございますが、阪神・淡路地域の復興に向けては、阪神・淡路復興委員会の御意見を踏まえ、七月二十八日に阪神・淡路復興対策本部におきまして「阪神・淡路地域の復興に向けての取組方針」を決定し、地元兵庫県の復興計画を最大限支援することを基本とした政府としての姿勢、取り組むべき課題、施策等を明らかにしたところでございます。
 この「取組方針」に基づきまして、今次の経済対策及び近く提出を予定しております平成七年度第二次補正予算案では、生活の再建、経済の復興及び安全な地域づくりの各課題に対応した緊急かつ必要不可欠な復興関連施策が広範に盛り込まれておるところでございます。
 政府といたしましては、今後とも阪神・淡路復興委員会の御意見を踏まえつつ、被災地域の一日も早い復興に向けて政府一体となって必要な措置を講じてまいる所存でございます。
 次に、補正に組み込まれている復興支援事業についてのお尋ねでございますが、その具体的な内容といたしましては、本年七月の「阪神・淡路地域の復興に向けての取組方針」の中で示されました生活の再建、経済の復興及び安全な地域づくりの各課題に対応した広範な復興関連事業等が盛り込まれており、具体的には、生活再建のための事業として、公的な住宅の供給、土地区画整理事業等による被災市街地の整備等でございまするし、経済の復興のための事業といたしましては、神戸港等の港湾の整備、各種中小企業支援策等でございます。また、安全な地域づくりのための事業としては、災害時の緊急活動等を支える幹線道路の整備、防災拠点となる都市公園の整備、災害に強い水道施設や共同溝の整備等が盛り込まれておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、補助率のアップや補助事業採択基準の拡大などについてのお尋ねでございますが、今般、地元地方公共団体の負担の軽減を図るため、公的住宅供給や土地区画整理事業、市街地再開発事業について支援措置の充実を図るとともに、所要の地方財政措置を講じることとしたところでございます。
 政府といたしましては、このような復興事業の円滑かつ着実な実施に万全の措置を講じることとしておるところでございますので、これもまた御理解を賜りたいと存じます。
 次に、震災担当大臣のポストがなくなって大丈夫かとのお尋ねでございますが、阪神・淡路大震災への対応は内閣の最重要課題であるとの認識のもと、また、政府におきましても既に私を本部長とし全閣僚で組織いたしておりまする阪神・淡路復興対策本部を設置し、大震災対策に全力を挙げているところでございます。
 今後の復興に当たっても、国土庁長官には阪神・淡路復興対策担当大臣として専任大臣の心構えで全力を挙げて取り組むよう指示をしているところでございまするし、復興事業の円滑かつ着実な実施のため、国として万全の支援を行うべく政府一体となって必要な措置を講じてまいる所存でございます。
 次に、公的住宅供給への取り組みについてのお尋ねでございますが、阪神・淡路大震災による甚大な住宅被害に対応し、被災者の方々の居住の安定を図るため、恒久住宅の早期大量建設が必要であると認識をいたしております。
 このため、政府といたしましても、兵庫県のひょうご住宅復興三カ年計画等の円滑な実施を強力に支援することとしておりまするし、これまで公的住宅の建設に必要な予算措置の確保を図るとともに、災害公営住宅について、激甚法に基づく建設費補助率の引き上げ、用地費の一定割合について毎年度補助する制度の補助率の引き上げ等の措置を講じたところでございます。
 また、近く提出を予定いたしておりまする平成七年度第二次補正予算におきましても、公的住宅を建設するための予算を確保することにより、兵庫県の三カ年計画で決められた公的供給住宅七万七千戸のうち、約九割に当たる約七万戸の建設に着手することといたしたところでございます。今後とも被災者の方々の居住の安定を図るため、公的住宅の早期大量建設を強力に支援していく所存でございます。
 次に、被災者に対する融資制度についてのお尋ねでございますが、被災したマイホーム再建に対する融資制度につきましては、住宅金融公庫において、被災した民家の再建・補修に係る大幅な貸し付け条件の優遇措置等を講ずるとともに、民間金融機関に対しましても被災者の便宜を考慮するよう要請してきたところでございます。
 また、被災した中小企業者に対する融資制度につきましては、被災した中小企業者の復旧・復興に対処するため、政府系中小企業金融機関による超低利融資を初めとする施策の充実に最大限の努力をしているところでございます。今後ともこうした措置の早急かつ円滑な実施に努め、速やかな復興が図られるように対処してまいりたいと考えております。
 次に、神戸港の復旧状況及び復興の取り組みについてのお尋ねでございますが、神戸港につきましては、一日も早く全施設の復旧を図るべく努力をし、現在はおよそ半数の施設が応急措置により利用可能となっております。これらの施設を利用し、本年八月の時点でおおむね前年の六割強の貨物量を取り扱う状況となっております。
 また、神戸港の復興は、神戸市の復興のみならず、我が国の貿易活動の国際競争力の確保の観点から不可欠であり、平成七年度第一次補正予算に加え、近く提出を予定しておりまする第二次補正予算案におきましても、港湾機能の復旧と強化に積極的に対応する所存でございます。
 具体的には、水深十五メートルコンテナターミナルや地震に強い港づくり及び人工島へのアクセス道路の整備等を重点的に推進をしてまいる所存でございます。
 次に、阪神・淡路大震災からの復旧・復興は、二十一世紀に向けてのモデルとなるような地域づくりを進めるべきとの御指摘でございますが、このことは既に地元兵庫県が策定いたしました復興計画でも、新たな視点から都市を再生する創造的復興をなし遂げることが重要であると位置づけられております。
 また、七月二十八日に阪神・淡路復興対策本部で決定をいたしました先ほども申し上げました「阪神・淡路地域の復興に向けての取組方針」におきましても、「「経済の復興」は単に震災前の状態に戻すことによって達成されるものではなく、阪神・淡路地域の経済社会や将来に向けより一層の活力を持つように努めていくことが必要である。」と明記いたしたところでございます。
 こうした考え方は、阪神・淡路復興委員会においても示されておりまするし、現在、このような基本的考え方のもとに、長期的視点から十カ年を通じて復興のために特に重要と認められる戦略的プロジェクトあるいは復興のシンボルとしてふさわしい施策事業について、引き続き御議論をいただいているところでございます。
 政府としては、こうした委員会の御意見等を踏まえて、地元の復興計画に盛り込まれた復興事業の円滑かつ着実な実施のために、国として万全の支援を行うべく、引き続き政府一体となって取り組んでいく所存でございます。
 次に、中仏の核実験につきましては、政府としては、両国に対し、あらゆる二国間、多国間の場において、首脳、外務大臣を初めとするあらゆるレベルで核実験の停止を強く求めてきております。
 我が国としては、強い遺憾の意を伝達するために行った中国に対する無償資金援助の原則停止は前例のない強い措置であり、またフランスに対しては、核実験再開発表直後から他国に先駆けて私から直接シラク大統領に申し入れるなど強い働きかけを行ってきており、及び腰あるいは他国の後追いとの御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、先月の沖縄における少女暴行事件は極めて遺憾であり、政府としては、再発防止のため厳格な措置をとるよう、今般の日米外相会談、日米安全保障協議委員会を含め、あらゆる機会を利用して米側に強く申し入れてきたところでございます。
 また、日米地位協定の見直しに対する御指摘につきましては、今般、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会を設置いたしまして、日米安保体制の円滑な運用を確保する観点から、同委員会において真剣かつ精力的な検討を行い、早急に結論を得るよう全力を尽くす所存でございます。
 次に、在日米軍駐留経費負担は、米軍の我が国における駐留を支える大きな柱となっており、我が国は、日米安保体制の円滑かつ効果的運用を確保していくとの観点から、これまで自主的にできる限りの努力を払ってきたところでございます。
 このような観点から、現行の特別協定失効後の来年度以降の措置につきましては、今般、在日米軍駐留経費の負担に関する新たな協定について署名を行うに至ったところでございます。現行の特別協定のもとにおいては、締結当時の日米両国を取り巻く諸情勢に留意をし、我が国による段階的な負担の増大を図ることとしたところでございますが、新たな特別協定におきましては、我が国の厳しい財政事情にもかんがみ、これまでのような負担の増加とならない範囲内での改善充実に努めたところでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、駐留軍用地特措法の手続についてのお尋ねでありますが、日米安保条約の目的達成のため、我が国に駐留する米軍に施設・区域を円滑かつ安定的に提供することは我が国の条約上の義務でございます。このため、引き続き米軍の用に供する必要がある土地で契約により使用権原が得られないものにつきましては、やむを得ず駐留軍用地特措法を適用し、使用権原を取得する手続を進めているところでございます。
 この手続の一環として沖縄県知事に要請している機関委任事務である署名押印について、昨日これを拒否する旨の文書を受領いたしました。しかし、国と県との間において機関委任事務をめぐり訴訟となるような事態を招くことは望ましいことではございませんので、同知事の協力を得るべく、話し合いにより解決するべく、全力を挙げて今後とも取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 次に、防衛計画の大綱の見直しについて御質問がございましたが、現在我が国といたしましては、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、今後の我が国の防衛力のあり方について検討を行っているところでございます。
 この検討に当たりましては、冷戦後の国際情勢の変化、国際社会における軍備管理・軍縮に向けての努力、将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえながら慎重に検討する必要があると考えております。
 安全保障会議においては、今後の防衛力のあり方についての検討を実施しておりますが、今後、必要な事項について十分審議の上、十一月をめどに防衛計画の大綱の取り扱い方について結論を得たいと考えているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、米価安定についてのお尋ねでありますが、新食糧法のもとでは民間流通する自主流通米が基本となり、価格の水準は需給事情や市場評価を反映して変動することとなりますが、稲作経営や消費者家計に影響を及ぼさないよう、価格の安定を図っていく必要があると考えております。
 このため、生産調整や備蓄運営を通じた適切な需給調整、計画流通制度のもとでの時期的にも地域的にも偏りのない安定流通、自主流通米価格の適切な値幅の範囲内での価格形成、政府買い入れ価格については、自主流通米価格の動向の反映を基本としつつ、生産コスト等をしんしゃくして設定すること等の措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
 最後に、早急に衆議院の解散・総選挙を実施し、民意に立脚した政治を行うべきとの御指摘でございますが、御指摘は十分拝聴いたしましたが、戦後五十年の節目を迎えるとともに、二十一世紀を間近にした今日、戦後の我が国を支えてきた経済社会システムの思い切った見直しや改革のためにこの内閣が取り組むべき課題は内外ともに山積をいたしております。私は、この内閣に課せられた使命の重大さと求められている施策の緊急性を痛切に感ずるがゆえに、国民の皆様の声に謙虚に耳を傾けながら、改革と責任ある政治に引き続き取り組んでいく決意でございます。
 このように政治の空白が許されない現状においては、早急の解散・総選挙は全く考えておりません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮崎勇君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。
 まず最初に、景気回復に取り組む姿勢についてでございます。
 政府としましては、今般、過去最大規模の公共投資を含む経済対策を取りまとめたところであり、今回の対策の迅速かつ着実な実施によりまして、先般の公定歩合引き下げの効果も加わって、我が国経済は本年度後半には着実に景気回復に向かうものと考えております。
 さらに、今後いろいろの機会をとらえ、景気回復を確実にし、日本経済の新しい時代への発展につなげていくために、政策を切れ目なく展開していくことが重要であると考えております。
 具体的には、金融機関の不良債権問題への対応、税制改革など既に予定されている一連の政策を国民の経済活動に好影響を与えるように効果的に実施すべきものだと考えております。
 次に、経済構造改革に取り組む心構えについてであります。
 我が国経済には次のような構造的な諸問題が顕在化しております。産業面では、次代を担う新規成長産業の展開のおくれ、不良債権問題の顕在化、産業・雇用の空洞化懸念、生活面では少子・高齢社会に対する不安、国際経済面では国際収支黒字の累積等、世界経済との調和の欠如等がございます。
 こうした諸課題に対処するために、我が国経済の回復を着実なものとするとともに、まず規制緩和の推進や社会資本整備等による新産業の創出、福祉、社会保障の充実や雇用政策等による生活面の不安解消、経常収支の黒字の縮小等を通じた構造調整を進めることが必要だと考えております。
 なお、以上を含めて、現在、経済審議会で新経済計画の策定を急いでいるところでございます。
 なお、最後に御質問がありました私の外国特派員協会での発言の経緯について述べたいと思います。
 去る八月二十九日、総理から、九月二十日をめどに景気回復のための経済対策をまとめるようにと指示がございました。この指示を受けて、関係各省の協力で政府案としてまとめましたのが九月二十日の経済対策であります。
 それに先立つ九月十三日に、私は、日本政府の考え方を海外にも理解してもらおうとの趣旨で外国特派員協会で話を行いました。その折に外国記者から、そのような対策で景気が回復すると期待してよいのか、その自信はあるのかという質問がありました。私は、新しい政策によって平成七年度後半には景気回復が見えてくるであろうと述べ、その期待と決意のほどを明らかにするという意味でお尋ねのような発言をした記憶がございます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(武村正義君) まず、一連の金融問題についてでありますが、御指摘のように、東京協和・安全信用組合、コスモ信用組合、そして木津信用組合、兵庫銀行の経営破綻に対しましては、いたずらに処理を先送りすることなく速やかに対応することが我が国金融システムの一刻も早い機能回復について大変大事な課題であるという認識のもとに、速やかな処理を行ったところであります。
 これらの個別金融機関の経営をめぐる問題のみならず、我が国金融機関は推計で約四十兆円にも上る不良債権を抱えております。その早急な処理が求められているところでございますが、金融制度調査会の結論を踏まえながら、大蔵省としましては、こうした金融システムの安定性確保のため万全の施策を講じ、果敢に対処をしていく所存であります。
 次に、信用組合に対する責任についての御質問でありますが、信用組合に対する指導監督権限は、中小企業等協同組合法等の規定によりまして都道府県知事に委任をされているのは御承知のとおりでございます。
 この指導監督権限の中には、信用組合の経営破綻に際して、業務改善命令等により経営内容の改善を図る等、破綻回避に努めるとともに、破綻が回避し得ない場合には、法令上解散命令等の権限が定められているところから見て、全体として処理方策の取りまとめなど破綻処理を行う責任も有しているというふうに考えております。
 この際、大蔵省、日本銀行も我が国の信用秩序維持の観点から都道府県と密接な連携協力を行うことは当然であります。
 最後に、私のタヒチにおける核実験反対の行動に対する御質問でございますが、まずパフォーマンスありきとの御批判は当たっていないと思います。私の信念を行動に移してきたものであります。政治家としてしなければならない当然の行動だと思っておりますし、御承知のように、国会決議の趣旨にも合致をいたしております。
 もちろん、今回の行動は大蔵大臣としての所管に属する行動ではありません。公私を区別し、閣議の了解もいただき、一政治家として私費により私的な旅行として行動をしたところでありますし、また大蔵省は、今御指摘のような問題が確かに山積はしておりますが、この解決に支障があってはならないのは当然であります。そのために、十分注意をいたしまして、ゼロ泊四日という、金曜日の夜九時に出発して月曜日の十時半過ぎに帰ってくるという、土、日、週末を基本として往復をしてまいりました。金融問題や予算編成など大蔵省の仕事はこの旅行によっていささかも揺るぎを起こしていないことを御確認いただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣田沢智治君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(田沢智治君) 石井議員からの、今回の見直し案でオウム類似事件の再発を防止できると考えているかとの質問でありますが、現段階では見直し案の内容が具体的に提案されていないので所見を申し上げられないことを御理解いただきたいと存じます。
 なお、オウム真理教をめぐるこの事件は、類例のない凶悪事件であると思われるので、宗教法人法だけの問題ではなくして、宗教法人法だけですべての対応を行うことは困難であると私は考えております。
 以上。(拍手)
   〔国務大臣野呂田芳成君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(野呂田芳成君) 石井議員の御質問にお答えいたします。
 まず、政府買い入れ米価についてのお尋ねでございますが、新しい制度のもとでは制度的にも実態的にも自主流通米が主体となることを踏まえまして、政府買い入れ米価につきましても自主流通米の価格動向が反映されるものにするということを基本にいたしまして、あわせて生産コストを参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として設定してまいりたい、こう考えております。
 こういう考え方を基本にいたしまして、私どもは八月に米価審議会に小委員会を設けまして、現在その小委員会において算定方式のあり方について検討をいただいております。さらにまた、関係方面との意見を十分調整しながら、御指摘のように、適切な米価を決定してまいりたい、このように考えております。
 次に、実効ある生産調整についてのお尋ねでありましたが、平成八年度から実施される新しい生産調整の具体的な取り組みにつきましては現在検討を急いでいるところでありますが、基本的には、生産調整目標につきましては、全体需給の調整を図ることを基本としながら、極力生産者、地域の意向を踏まえまして調整した上で決定したい。また、生産調整実施者につきましては、政府買い入れの対象とする。さらに、生産調整助成金を交付する。また、生産者が取り組みやすいように生産調整手法を多様化する。こういう措置を講じてまいりたいと思います。
 いずれにしましても、御指摘のように、実効ある生産調整を推進してまいりたいと考えております。
 次に、ミニマムアクセス輸入米の処理の考え方及び今後の援助と需要の見込みに関するお尋ねでございましたが、ミニマムアクセス輸入米については、需要等を踏まえて輸入を行うとともに、原則として主食用及び加工用等に供給し、また、その一部を備蓄に充当してまいりたいと考えております。その際、備蓄の機動的運営、新規の加工用途の拡大等の措置について検討し、国産米への影響を極力最小限度にしてまいるつもりであります。
 また、食糧援助への活用につきましては、本年、緊急輸入米等の在庫について関係国と協議を行った上で、ラオス、ネパール等に対し食糧援助を実施したところであります。今後ともWTO協定やFAOの余剰処理原則等の食糧援助に関する国際ルールとの関係を配慮しつつ検討してまいりたいと思っております。
 なお、今後の米の援助につきましては、世界や各途上国の食糧需給事情の動向により変わるものでありますから、現時点でその需要量を見込むことは困難でありますが、いずれにしましても、開発途上国等から我が国に対しての米の援助要請を踏まえまして、関係省庁との密接な連絡と連携のもとに検討してまいる方針であります。
 最後に、既存米穀販売業者に対する具体的な支援策についてのお尋ねでありますが、新しい制度によりまして一定の要件を充足すれば新規参入が可能な登録制としたものでありますから、このため、食糧管理法のもとで長年にわたり消費者に対し米穀の安定供給という重要な役割を果たしてきました既存米穀小売業者等が、御指摘のように、新制度に円滑に移行し得るよう、その経営の体質強化や設備の高度化を推進するための支援措置が必要であります。このため、借入資金に対する利子助成、税制措置、経営改善指導等の支援措置を講じているところであり、今後とも必要な措置を講じてまいりたいと思っております。(拍手)
#10
○議長(斎藤十朗君) 岡部三郎君。
   〔岡部三郎君登壇、拍手〕
#11
○岡部三郎君 私は、さきの内閣総理大臣の所信表明演説に関して、自由民主党・自由国民会議を代表し、村山総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今回の参議院議員通常選挙は戦後十七回目に当たり、当選された新議員の方々はいわば二十一世紀へかかる任期を有するわけでありまして、私ども一同、その御活躍を大いに期待しているところであります。
 まず冒頭、今回の参議院選挙を振り返りますと、最大の問題は、何といっても投票率が四四・五%と史上最低の水準に落ち込んだことであります。この結果は、まさに議会制民主主義の危機と言われるほどに衝撃的であり、我々はこれを厳しく受けとめ、その原因を真剣に究明していかなければなりません。
 投票率低下の原因は、まず政治や政党に対する不信感が高まったことであります。その理由として、政党の離合集散がいとも簡単に行われ、その理念、哲学や政策の違いが明確でないことが第一に挙げられますが、これについては質問の最後で触れたいと思います。
 さらに、連立政権が続いたため、政党の公約と内閣の政策が必ずしも一致しないことがもう一つの理由として挙げられますが、私は、これについては必ずしも納得できないのであります。
 昨年六月末、自由民主党、社会党、さきがけ三党による村山連立政権が誕生して以来、責任と安定の政治により国民のためになるならば、我が党の首班でなくとも真剣にこれを支え、難局に対処しよう、我々はそう決心し、この一年余り村山総理を中心に与党三党の民主的な政策協調により内外の難しい問題を次々に処理してまいりました。選挙制度の改正、年金改正、税制改革、WTO加入のための国内農業対策等、どれ一つとっても長年の懸案であった大問題であります。
 さらに、本年に入り、国難とも言うべき阪神・淡路大震災、オウム真理教による歴史上例を見ない凶悪なサリン事件等への対応、さらに特殊法人の統廃合、地方分権を初め、約千項目にわたる規制緩和計画の策定、前倒し実施等、政府・与党一体となって取り組んでまいりました。
 さきの通常国会においては、内閣提出百二法案を一〇〇%成立させるとともに、平成七年度予算を戦後最も早期に上げ、さらに細川政権のとき決裂した日米包括協議も粘り強い交渉の結果、六月末、最大の自動車部品分野で妥結し、世界の自由貿易と国益を守り通したのであります。
 水俣病問題についても、公式発見から四十年目にようやく解決しようとしております。
 これら多くの成果は、過去のイデオロギーの対立を越え、何が国民の役に立つのかを真剣に考え、全力を挙げて取り組んだ結果、初めて達成されたものであります。国益のため、国民の生活を守るため、政党間の信義を尊重しつつ現実的に着実に課題を処理していくことこそ戦後五十年にして初めてなし得た大改革であることを、国民にもっともっと深く理解していただくのが信頼回復の基本であると思います。
 総理大臣は、こうした点に関し、政権を担われた一年余りを振り返り、どのようにお考えか。さらに、六月三十日の新三党合意を踏まえ、最近の厳しい情勢に対応するため、これから失いかにリーダーシップを発揮して新しい政策を打ち出していかれるか、その方針と御決意をお伺いいたします。投票率低下のもう一つの原因は、衆議院に対する抑制、補完、均衡という二院制のもとにおける参議院の役割が国民に十分理解されなかったことではないでしょうか。参議院は衆議院のカーボンコピーだと言われて久しいわけでありますが、いまだにそうした論調が後を絶たないということはまことに残念であります。
 参議院こそ、政治は国民のものという議会制民主主義の原点に立って、重要な国策や国民の多様なニーズに的確な展望を示し、また、議員はその六年間の安定した任期を生かし、政策的研さんを積み、議員立法等の手段を活用して立法府としての使命を果たさなければならないと思います。そのためには、今までの慣行にとらわれず、参議院のあり方を根本から見直し、まさに政治を変える参議院改革を実現させなければなりません。新議長は、既に議長の諮問機関として参議院改革を検討する会を提案され、設置されつつあります。
 総理は、こうした二院制のもとにおける参議院の使命、役割をどう理解され、また参議院はどうあるべきだとお考えになりますか、お聞かせください。
 このたび、自由民主党においては、内外の厳しい状況に対処するため、景気回復、信頼回復、安心回復の三つの自信回復を公約に、「元気を出せ日本」と訴えて、橋本総裁が誕生しました。我々は、新総裁のもと、一致協力して連立政権を支え、公約の実現に懸命に取り組んでまいらなければなりません。新総裁となられた橋本副総理の力強い御決意を承ります。
 次に、外交問題についてお尋ねします。
 総理は八月十五日、戦後五十年に当たっての談話を発表され、過去の一時期日本が行った行為に対して痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明されました。これはいわばけじめに当たり、各国からもおおむね評価されているようであります。私には、例えば侵略の断定など三党合意の枠を越えると思われるものもあり、いささか気がかりですが、総理の御認識を承ります。
 次は核実験についてであります。
 世界じゅうからほうふつとして起こった非難と抗議の声を無視して、二日朝、フランスは再び核実験を強行しました。まことに遺憾であり、これは本年になり二回実施した中国の核実験とともに、我々はかかる暴挙を断じて許すわけにはまいりません。
 政府は、中国に対しては無償資金協力の削減を打ち出しておりますが、フランスに対しては、これまでのところ松永特使の派遣による中止要請以上の行動はとられておりません。今後、このように核実験を繰り返す両国に対してどのような措置をとられるのか。包括的核実験禁止条約発効まで核保有国は最大限実験を自制することが合意されたはずなのに、それも守られないようでは核不拡散条約の信頼性を損なうことになりかねないことを、唯一の被爆国として政府は声を大にして訴えるべきです。
 先般の国連総会やIAEA総会においても行われましたが、個人の資格ではなく、閣僚として、政府の代表として国際会議等のあらゆる機会をとらえて堂々と主張すべきだと思いますが、総理、外務大臣の答弁を求めます。
 次は日米関係についてであります。
 冷戦構造は崩壊したとはいえ、アジア・太平洋地域は朝鮮半島を初め依然として不安定、不透明な状況にあります。米軍の存在は、日本にとってのみならずこの地域全体にとって必要不可欠であり、日米安保条約の重要性は増しこそすれ減ることはありません。また、日米の経済関係は今や世界経済を左右するほどまでに大きなものとなっており、二国間はもとより、世界的な利益の見地からも大局を見誤ることのないよう冷静なかじ取りが望まれます。
 総理は、十一月に開かれるAPEC大阪会議の際、クリントン大統領と首脳会談を持たれるようでありますが、これらの問題についてどのようなスタンスで臨まれるのか、その方針をお伺いします。
 九月四日に発生した沖縄米軍基地の兵士三人による少女暴行事件は極めて遺憾であります。これを契機に日米地位協定の見直し問題について沖縄県民を初め各方面から強い要請がなされておりますが、このことについてどう対処されるのか、外務大臣の方針をお伺いします。
 さらに、APEC大阪会議は、日本にとって単に議長国としての役割だけにとどまらず、アジアを支える日本としての能力が試される重要な会議であります。台湾代表の出席問題を含め、APECへの対応について外務大臣にお伺いします。
 次は、我が国の国連安保理常任理事国入りについてであります。
 河野外務大臣は、先日の国連総会において、新たにグローバルな責任を果たすべき立場にある国を常任理事国として加えることを提言し、憲法の枠内で国際貢献をするという考え方のもと、安保理常任理事国として責任を果たす用意があると言明されました。安保理改組の見通し、我が国の参加の可能性について外務大臣はどのように見ておられますか。
 日本の常任理事国入りに関しては、このような考え方に沿って、今後も憶することなく参加の意思を表明していくことが必要と思いますが、総理の御方針をお伺いします。
 次に、防衛問題についてお尋ねします。
 冷戦構造の崩壊により、世界的規模での戦争勃発の可能性は確かに遠のいておりますが、我が国の周辺では依然として軍縮の流れに逆らう現象が見られます。
 朝鮮半島の緊張は続き、中国による軍事力の充実強化は周辺諸国の脅威となっています。特に中国と台湾との関係、南沙諸島をめぐる情勢は大きな懸念材料です。東南アジア諸国も急速な経済成長を背景に国防力の増強に努めております。こうした時期に、果たして我が国の防衛力整備はただ縮小の方向を目指すばかりでよいのでしょうか。総理の御所見を承ります。
 本年は、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件など、自衛隊は本来業務以外で大いに注目を浴び、評価されました。こうした経験を踏まえ、今後は例えば武装難民、ハイジャック、テロ活動なども含めた多様な危機に対応する法制や組織、装備の見直しを検討すべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 次に、景気対策、経済構造の改革について質問をいたします。
 一時一ドル八十円を切り、日本経済のファンダメンタルズから著しくかけ離れ、国内経済に大きな不安をもたらしていた円相場は、数次にわたる円高対策、日米独の協調介入、日銀の公定歩合再引き下げ等が功を奏して、最近は百円前後まで戻し、やっと一息ついているというのが実感であります。
 しかしながら、円レートがこのまま推移したとしても、これだけで景気が足踏み状態から自律的に上昇に転ずるほど生易しいものではありません。経済の実態はデフレ不況の様相を呈し、不良債権の大きな重荷により金融不安が顕在化しつつあります。
 経済は生き物であるとの観点から、日本経済の症状をどのように見ておられるのか、手おくれにならないような処方を、不況問題の名医として期待される経済企画庁長官にお伺いいたします。
 政府は、九月二十日、景気回復を確実にするため十四兆二千億円余に上る過去最大級の経済対策を発表したことは大いに評価いたしたいと思います。このための補正予算並びに関連法案の早期成立を期してまいりたいと存じております。
 具体的な内容に及ぶ事項は後日の財政演説に対する質疑に譲りたいと存じますが、この際、総論的に若干お聞かせください。
 第一に、景気対策の目玉として、産業の再建、新規分野の開拓のためのインフラ整備、生活環境整備、震災復興等について、公共投資を初めとする思い切った内需拡大策を打ち出していますが、問題はこれを切れ目なく早期に実施する体制をいかに整備するかであります。この点について総理の御方針をお伺いいたします。
 直面する課題を克服するため、公共用地の取得による土地の有効利用の促進策が手当てされておりますが、景気回復の足かせとなっている四十兆円以上に上る不良債権の処理方針や、土地流動化のための税制の改正が先送りとなっております。これらは景気回復のネック解消のため極めて重要であり、早急に具体的方針を打ち出すべきですが、総理の御所見を承ります。
 急激な円高の影響や長引く景気停滞のため、産業の空洞化が進行するとともに、中小企業の経営や雇用において、もはや限界と思えるほど厳しい状況が続いております。経営再建、雇用の安定確保にあらゆる手だてを尽くすべきであり、経済対策の一刻も早い具体化が望まれます。
 また、経済の構造改革についても、研究、教育、福祉、新規産業の育成を初め、規制緩和の一層の推進等、盛りだくさんに挙げられていますが、日本経済の新しい姿をどのように考え、それを目指してこうした施策をどういう手順で推進していくのか、中小企業をどう元気づけ、雇用を安定させていくのか、いま一つはっきりしません。わかりやすい説明を総理並びに通産大臣にお願いいたします。
 次に、国土政策について伺います。
 政府は、本年より、四全総にかわる次期全国総合開発計画の策定作業に着手しました。新しい計画は、我が国が二十一世紀において国民一人一人が豊かでゆとりある生活ができるよう、安全で活力ある国土づくりを目指すものでなくてはなりません。
 今、我が国は、人、物、情報の流れが年々増加し、かつ複雑になりつつありますが、にもかかわらず、情報ネットワークやハブ機能を持つ空港、港湾等の施設整備は国際的に見ても大変おくれております。また、高速道路も青森から鹿児島まで幹線はつながりましたが、地域間の交通網はまだ未整備のところが多く、整備新幹線に至っては言うに及びません。確かに東京圏の人口移動は出超に転じましたが、過疎過密問題も依然として国民経済社会上大問題であることは言うまでもありません。
 さらに、今次計画の最大の課題は、大震災を初めとする各種災害に対して万全の対策を講じ、防災国家の確立を目指すことであります。例えば、活断層に起因する直下型地震を含めた地震現象の観測を強化し、広域的な調査研究体制の整備等も喫緊の課題であります。また、新たな国土軸の形成を中心とした総合的な地域振興策を早急に打ち出す必要があります。
 この秋にも計画の基本的考え方の取りまとめに入られるようですが、総理は、地方の意見を十分取り入れながらこれらの問題に対してどうこたえられるか、御披瀝をお願いしたいと思います。
 次に、首都機能の移転について伺います。
 平成二年の国会決議に応じ、平成四年には国会等移転調査会が設置され、既に二回の中間報告が出され、今年末には最終答申がなされると聞いております。連立与党もこの秋にはシンポジウムを開催し、合意形成に努めてまいりますが、最近では、国民の各界各層において移転の機運が大変盛り上がってきたことは力強い限りであります。
 移転には景気回復や行革等の効果も期待されますので、今こそ新首都建設に向けエネルギーを結集し、活力ある国家を再構築する格好の機会であると思います。移転先の選定等困難な問題も数多くありますが、新しい日本をつくるため、総理の勇断を期待し、御所見を伺います。
 次に、食糧、農林漁業問題について伺います。
 近年、世界の食糧事情点、生産が人口の増加に追いつかず悪化の一途をたどっております。食糧の外国依存の危険性を説いたマルサスの主張は、二百年近くたった今ようやく見直されようとしております。今後、各国は自国の食糧の確保に責任を持ち、他国に迷惑をかけないようにしなければなりません。
 しかるに、我が国の農林漁業は、担い手の減少、遊休農地の増大、農山漁村の活力低下により、自給率は著しく下がって、その責任を果たし得ないのみならず、本年からはWTO加入による輸入の増大に直面し、農林漁家はその将来に大きな不安を抱いております。
 農林漁業が持つ本来の魅力を引き出し、若者がこれに夢を託せるよう、二十一世紀を展望した農政の枠組みを新基本法でしっかり示すべきだと思いますが、総理の御見解を承ります。
 農業は、言うまでもなく豊凶を繰り返す自然を相手とする息の長い仕事であります。これを改善するには、絶え間なき研究開発とともに徹底した基盤整備を少ない農家負担で行い、その上に立って創意と工夫が生かせる農業経営を育成することが大切であります。
 また、農山漁村地域は、生産の場であるとともに自然環境や国土保全にも大きな役割を果たしており、国民全体にとっても健全な余暇活動や憩いの場でもあります。その特徴を生かした環境整備を進めることにより、住民の利便を図るとともに、都市と農村との交流を促進し、お互いの理解を深める必要があります。
 当面の問題として、新食糧法の施行が間近に迫っております。生産調整の実効を上げ再生産が確保される米価水準を維持するために、新しい体制のもと、どのような方針で臨まれるか。
 以上三点について、総理の明快な御答弁をお聞かせください。
 砂漠化の進展等によりこの地球から緑が急速に消えようとしているとき、日本においても緑を守り育ててきた国有林野事業の経営が急速に悪化しており、このまま放置するわけにはいかず、思い切った改善の方向を示すべきだと思いますが、総理、いかがでしょう。我が国水産業は、公海漁業に対する規制強化、周辺水域の資源悪化、魚価の低迷等により厳しい状況にあり、今後、国民に安定的に水産物を供給するためには、つくり育てる漁業などへの思い切った措置を講ずる必要があると思いますが、あわせて御答弁願います。
 次に、村山内閣最大の課題であります行財政改革に移りたいと存じます。
 村山行革第一弾として、政府・与党一体となり、本年二月、九十二ある特殊法人のうち統廃合等により十の法人を削減し、さらに七月には、輸出入銀行と海外協力基金を統合することを決定いたしました。また、規制緩和につきましても、国民各界各層の意見を反映しつつ、千九十一項目にも及ぶ規制緩和推進五カ年計画を策定し、これを二年前倒しして推進することとしております。さらに、長年の懸案でありました地方分権推進法の成立を図り、地方分権元年ともいうべき画期的なスタートを切りました。
 わずか半年の間に行政改革についてはこのように大きな仕事を着実になし遂げたにもかかわらず、その割には世論の反応、評価が余り高くないのは残念であります。その原因としては、行政改革を達成するための理念が必ずしも明確でなく、規制緩和等によって国民がどのような具体的メリットを受けるのかがわかりにくかったのではないでしょうか。
 総理はこれからの行革をどのように進めようとお考えか、御見解を承りたいと存じます。
 規制緩和は経済構造改革の中心であり、車検制度を初めとして国際的にも注目されている問題も多く、明らかに弊害が生じるおそれのあるものを除き、総論賛成各論反対とならないよう、ここで改めて総理の決意をお示し願いたいのであります。
 地方分権問題の成否のかぎを握る地方分権推進委員会は、七月初めに発足しました。中央集権型の行政組織を根本的に改め、地方から日本の新しい活力を生み出していくために、自立的な地方行政システムが地域の声を反映しつつ形成されていくことを強く期待しております用地方分権を成功させるためには、地域住民に対する身近なよりよいサービスが可能となるようその財政的な裏づけが不可欠であります。他方、国が小さな政府になっても、地方政府が肥大化し、非効率になっては何にもなりません。
 このため、与党としては、昨年十月、全国の都道府県、市町村においてそれぞれ独自の行政改革推進本部を設置するよう要望しており、その中で、地方公共団体の行革大綱を決め、三ないし五年の計画で定員の適正化、組織機構、外郭団体の見直し等を実行するようにお願いしていますが、これについて現在どのように進んでいるのか、総理にお伺いします。
 去る第百二十二回通常国会において、参議院の国民生活に関する調査会は、三年にわたる論議の結果、議員立法として高齢社会対策基本法案を発議し、参議院では全会一致をもって衆議院に送付したのですが、残念ながら衆議院では継続審査となってしまいました。この法案は、今後の高齢社会対策を総合的に進めていくべき方策をうたったものであります。同調査会のこうした活動は参議院における政策論議の一つのあり方を示したものとして高く評価されており、一日も早い成立を切に望むものであります。
 次に、オウム真理教事件及び宗教法人法改正問題についてお伺いします。
 オウム真理教の集団が引き起こした凶悪きわまりない数多くの事件は、我が国社会を根底から揺さぶり、治安の大切さを我々に痛感させたのであります。さらに大きな衝撃は、人々を救済すべき宗教法人により、猛毒サリンの使用を初め、想像を絶する殺人や武装化が行われたことであります。
 オウム真理教の反社会的な数多くの凶悪犯罪に対し、六月三十日、東京地検と東京都はその解散請求を東京地裁に行いました。しかし、解散に至るまでには手続上かなりの日にちを要すると言われております。国民の不安を一日も早く解消させるためにも、早期の解散が行われるとともに、教団財産の隠匿防止、一般信者の社会復帰等の対策を強く望む次第であります。
 また、破防法の適用について、証拠固めの最終段階にあると伝えられていますが、総理としてはこれに対してどのようなスタンスをとられるのか、お伺いいたします。
 また、オウム真理教による一連の事件の反省を踏まえ、捜査体制に万全を期するため、科学的捜査や広域捜査体制を強化し、要すれば警察法の改正も検討すべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 さらに、このような事件の背景となった宗教法人法も見直す時期に来ていると思います。
 確かに信教の自由は憲法で保障されている基本的人権の一つであり、守られなければなりません。しかし、信教の自由と宗教法人の自由とは異なるのであります。宗教法人制度が聖域化し、他の基本的人権をも侵害する行為の温床となるというようなことは、決して許されることではありません。今こそ政治がリーダーシップをとって、信教の自由と政教分離の原則を遵守しながら、社会状況や宗教法人の実態の変化を踏まえ、宗教法人法の改正に取り組むべきではないでしょうか。
 現在、政府は改正案を今国会に提出すべく検討に入っていると聞いておりますが、その検討の方向並びに提出時期を総理並びに文部大臣にお伺いします。
 豊かで平和な社会の中でオウムのような狂信的集団がなぜ生まれたのか、また高学歴の若者たちが入信し凶悪な犯罪に加担してしまった原因は何か、そして教団の拡大を見逃してきた社会のあり方に問題はなかったのか等、我々は真剣に考えていかなければなりません。
 古来、さじの教えということがあります。幾ら高学歴であっても他人に対する思いやりや痛みがわからない者は、幾らおいしいスープをすくってもその味のわからないさじと同じだと言えましょう。現在、多発しているいじめの問題にしても、相手の立場に立って物のよしあしが判断できないということは、今の教育に何か欠けているものがあるのではないでしょうか。
 戦後五十年を迎え、文部省と日教組が和解しつつある今こそ、原点に立ち返って教育のあり方について真剣に取り組むべき好機ではないかと思いますが、総理大臣並びに文部大臣の御決意をお伺いいたします。
 次に、文化・科学技術の問題に言及いたしたいと存じます。
 我が国は欧米に追いつけ追い越せをモットーに経済大国としての地位を築いてきましたが、成長優先の経済社会システムは今や内外において大きな壁にぶつかり、閉塞状況に陥っております。かようなとき、世界の歴史をひもとき、国家、文明の興亡の変遷を巨視的にたどり、歴史に学ぶことがいかに大切であるかを痛感いたします。
 ギリシャ、ローマの時代からペルシャ、唐の時代へ、そして近代西洋の時代へと文明は東洋と西洋の間を交互に移動してきました。これに伴い、東西文化が交錯し、新たな発展のエネルギーがその都度生まれてきたのであります。八百年周期によりこのような世界史的な転換が行われるという説も見られます。この長期的サイクルの間に幾つかの覇権国の盛衰が見られ、新しい秩序ができるまでに、混沌、いわゆるカオスの状況が出現しております。
 ルネサンスが始まってからおよそ七百年になろうとしている今、東西冷戦の終えんにより米国の世界支配力にも陰りが見え始め、アジアが世界の成長センターとも言われるようになってきました。しかし、アジア諸国の国情も多様で、依然として不安定な状況にあります。まさにアジア・太平洋地域を「実りの海」とするための産みの苦しみであり、夜明け前の暗さとも言えましょう。
 東洋にありながら、近代西洋の科学技術をマスターし、唯一の先進国となった我が国としては、この渦中から逃れることはできません。むしろ今までの経験を生かし、積極的に新しい文明の先導役を務めるべきではないでしょうか。
 戦後五十年を迎え、いまだアジアにおける日本の地位が確固としたものとは言いがたいことを十分に反省しつつ、経済最優先主義を改め、豊かな東洋文化の恩恵によりはぐくまれたアジアの一員としての自覚と謙虚さをしっかり持ち、人間と自然は一体のものという奥深い東洋の哲学、文化と先進科学技術とをうまく調和させながら社会に包み込んで生かしていくことが肝要です。
 異質な文化の交流するところ、試行錯誤の結果、必ずや独創性が芽生えできます。こうした独創性を組織的にはぐくみながら、世界に開かれた科学技術創造立国を目指すことこそ国としての新しい展望を切り開く道筋になるのではないでしょうか。総理はこうした長期的視点に立った日本の進路をどのように見ておられるか、お伺いをいたします。
 我が国が科学技術創造立国を目指すには、まず国民的なコンセンサスを得ることが必要であり、このため科学技術振興の基本的枠組みとなる科学技術基本法を超党派の議員立法として早急に制定することが緊要であります。この基本法により、自由で競争的な研究環境をつくり出し、基礎研究の抜本的強化、産官学の研究交流、国際交流を活発に行えるようにすべきであります。
 次に、研究開発は知的資産を確実に子孫に残す先行投資ですから、公共事業と同様の効果をもたらすものととらえ、国の研究開発投資をできるだけ早期に、例えば二〇〇〇年までに倍増すべきです。また、研究開発の先行投資の拡大に伴い、研究体制の整備も必要です。
 基礎的研究の推進に重要な役割を果たしていると十一の国立研究機関に勤務する研究公務員約一万一千名の研究活動は、国の機関であるがゆえに、予算、会計、身分、財産管理等において研究一開発を行う上での制約が多く存在します。この際、国立研究機関をできるだけ統合して、理化学研究所ないしはその原形となったドイツのマックス・プランク学術振興協会型の特殊法人とし、国を初め民間からの出資により運営することにしたらいかがでしょうか。こうすることにより研究者は公務員として研究するよりもはるかに自由な研究ができるし、大学や民間、海外との交流も今よりしやすくなる。さらに、国はこれに投資することにより公債対象経費の扱いができる等の利点があると思います。
 研究体制整備の一環としてのこの提案を含め、総理は今後の科学技術振興策をどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
 質問をまとめるに当たり、最後に一言申し上げます。
 日本の行く末を思い、いろいろな問題に言及してまいりましたが、要するに効率的で活力ある国家、政府をいかに形成し、個性を伸ばし創造性を生かすオープンな経済社会システムをどのようにして築いていくか、そのためにいかにして国民のコンセンサスを醸成し、エネルギーを結集していくかに尽きると思います。
 改革、革新には破壊の痛みが伴うことは歴史の必然であり、これをめぐっていろいろな論争、対立が起こることは当然であります。我々は、経済社会の再生・発展について国会で大いに生産的な論議を展開することが大切であり、それにより政治不信の原因となった各政党の理念、政策の違いが明確になっていくものと思います。
 政局動向、政界再編については予断を許さないのが昨今の状況でありますが、このような政党の理念、政策について国民の判断を得るという観点から考えると、条件が整えばなるべく早期に解散する必要があろうかと思いますが、総理は総選挙の時期をどのようにお考えであるかお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。(拍手)
#12
○議長(斎藤十朗君) 先ほどの石井君の質疑に対する答弁に関し、武村大蔵大臣から発言を求められております。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇〕
#13
○国務大臣(武村正義君) 議員の質問に無関係のことにつき意見を述べたことは、これを取り消します。
#14
○議長(斎藤十朗君) 先ほどの石井君の質疑に対する武村大蔵大臣の答弁につきましては、議長において適切に措置いたします。
#15
○議長(斎藤十朗君) 次に、岡部君の質疑に対する答弁に入ります。村山内閣総理大臣。
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(村山富市君) 岡部議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 参議院選挙の低投票率についてのお尋ねでございましたが、御指摘のように、この内閣は、政治不信を克服するためにあらゆる努力を重ねておりますが、国民の皆様にはさまざまな御意見や厳しい御批判があることは十分承知をしておるところでございます。
 私は、連立政権の特徴である透明かつ民主的な政策論議、情報公開の推進などにより、政治をできる限り理解しやすい、わかりやすいものにするよう努めるとともに、引き続き、改革推進政権、景気回復内閣として我が国経済社会の展望を着実に切り開いてまいる決意でございます。
 次に、参議院の役割についてのお尋ねがございました。
 連立与党のいわゆる新三党合意におきましては、「参議院については、長期的展望に立った基本施策の立案審議等独自性を発揮するため、参議院のあり方、機能について検討する。」とされております。これに基づきまして、これから参議院改革に関し本格的な検討が行われるときであり、私もこれに大いに期待を寄せているところでございます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 去る八月十五日の私の談話が三党合意の枠を超えるのではないかとの御質問でございますが、さきの私の談話は、内閣総理大臣としての私の戦後五十年に当たっての思いを込めて、内閣の責任において内閣としての見解として取りまとめたものでございます。
 昨年六月の三党合意には、「新政権は、戦後五〇年を契機に、過去の戦争を反省し、未来の平和への決意を表明する国会決議の採択などに積極的に取り組む。」とありますが、さきの私の談話は、過去の戦争を反省し、未来の平和への決意を表明しているといった点におきまして三党合意と共通した考え方に貫かれており、三党合意を十分踏まえたものと考えております。
 次に、中国、フランスの核実験への対応についての御質問でありますが、中国、フランスの核実験実施は極めて遺憾であり、今後とも両国に対し、あらゆる機会を通じてあらゆるレベルで核実験停止について率直に訴え、強く働きかけてまいります。
 また、全面核実験禁止条約交渉の早期妥結に向け積極的に取り組むとともに、今次国連総会において核実験停止を求める決議案の採択を推進すべく、ニューヨークに総理特使を派遣することを決定いたしておるところでございます。
 次に、日米関係についてのお尋ねでありますが、御指摘のとおり、日米関係は日本外交の基軸であり、その友好的な協力関係を一層発展させていくことが、アジア・太平洋、さらには世界の平和と繁栄のために重要であると考えております。
 このような認識のもと、来る十一月のAPEC大阪会合後のクリントン大統領との首脳会談においては、政治・安保、経済、グローバルな協力の三つの分野から成る日米パートナーシップを一層強化していくことについて話し合いたいと考えておるところでございます。
 次に、我が国の常任理事国入りの問題についての政府の立場は、昨年九月の私の所信表明演説及び河野外務大臣の国連総会演説において述べ、また先般、国連における河野外務大臣の総会演説でも改めて述べたとおりでございまして、我が国は憲法が禁ずる武力の行使は行わないという点を含む我が国の国際貢献に関する基本的考え方のもとで、多くの国々の賛同を得て、安保理常任理事国として責任を果たす用意があるというものでございます。
 いずれにいたしましても、この問題につきましては、今後ともより多くの国々の賛同と国民の皆様の一層の御理解を踏まえて取り組んでまいる所存でございます。
 次に、我が国の防衛力のあり方についての御質問がございましたが、現在、我が国としては、周辺諸国との信頼関係の構築を進め、今後の我が国の防衛力のあり方について検討を行っているところでございますが、この検討に当たりましては、冷戦後の国際情勢の変化、国際社会における軍備管理・軍縮に向けての努力、将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、一段と深刻さを増している財政事情等を踏まえて慎重に検討することが必要であると考えております。
 安全保障会議におきましても今後の防衛力のあり方についての検討を実施いたしておりますが、今後、必要な事項について十分審議の上、十一月をめどに防衛計画の大綱の取り扱いについて結論を得たいと考えているところでございます。
 次に、自衛隊に関する法制、組織、装備の見直しについての御質問でございますが、御指摘のありましたような多様な危険に対応する課題については、安全で安心できる社会の構築のための重要な課題であると認識をいたしております。これに対する自衛隊の対応につきましては、今後の我が国の防衛力のあり方の中でも鋭意検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、経済対策の早期実施についてのお尋ねでございますが、対策に盛り込まれた諸施策をこれまでの取り組みに加えて早期に実施していくことは、景気回復に対する効果を一日も早く確実なものとする上で極めて重要であると認識をいたしております。
 このため、本対策の実施に必要な七年度第二次補正予算案については、従来の補正予算を大幅に上回る大規模なものとするとともに、対策決定役速やかに国会に提出することとしたところでございます。本年度上半期において施行促進を図ってきた公共事業等の追加を初め、今回の対策を早急に実施していくために、補正予算案や関連法案の円滑な御審議と早期の成立をお願い申し上げる次第でございます。
 なお、公共事業等の施行につきましては、当初予算、第一次補正予算分に加え、今回新たに追加されるものを含め、国、地方を挙げて公共事業等を全体として円滑かつ着実に実施してまいりたいと考えていることについても御理解を賜りたいと存じます。
 次に、早急に具体的な不良債権処理方針を打ち出すべきとの御質問でございますが、金融機関の不良債権の早期処理は現下の喫緊の課題であり、政府としても、問題を先送りすることなく、引き続き果断に対応することといたしております。
 当面の対応方針につきましては、先般、大蔵省において、金融制度調査会の審議経過報告を踏まえ、「金融機関の不良債権の早期処理について」を公表したところでございまして、ディスクロージャーの拡充や預金保険料の引き上げ等の措置の実施を表明するとともに、破綻処理方法の改善、信用組合の経営健全化のための所要の措置を講ずるほか、住専をめぐる問題や公的資金の時限的な導入を含めた公的な関与のあり方について検討を進めたところでございます。
 政府といたしましては、今後、不良債権問題の全体像をしっかりととらえ、五年以内に解決のめどをつけるべく、年内に具体的な対応策をまとめるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。次に、土地流動化のための土地税制について早急に具体策を打ち出すべきとの御指摘でございますが、この点に関しましては、土地税制を緩和しても土地流動化には必ずしもつながらないのではないかなど、さまざまな議論がなされているところでございます。
 いずれにいたしましても、土地税制につきましては、先月半ばに再開されました政府税調におきまして幅広い観点から議論をしていただいておるところでございます。政府としては、その議論等を踏まえつつ、平成八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的に検討を行ってまいる所存でございます。次に、構造改革についてのお尋ねでございますが、我が国が二十一世紀にふさわしい自由で活力と創造性にあふれ、かつ国際経済と調和した経済社会をつくり出すためには、経済構造改革に引き続き取り組むことが緊急の課題でございます。
 まず第一になすべきは、規制緩和であります。そのため、行政改革委員会におきまして活発な御議論をいただき、その意見を最大限尊重し、今年度内には規制緩和推進計画をより充実した内容に改定する決意でございます。
 さらに、経済フロンティアを開拓し、経済社会の活性化を一層強力に推進することも経済構造改革の重要な柱であります。そのため、研究開発・情報化の促進、新規事業の育成策、新産業・生活インフラの整備及び輸入・対日投資の促進などについて、予算措置のみならず、本臨時国会への関連法案の提出を含め、幅広い措置を講ずることにいたしております。
 以上のような経済構造改革を進めるとともに、政府といたしましては、今年中に経済改革を策定し、二十一世紀に向けた我が国経済社会の展望を切り開いてまいりたいと考えていることについても御理解を賜りたいと存じます。
 次に、中小企業の活性化と雇用の安定についてのお尋ねでございますが、我が国経済の活力とも言える中小企業の方々が、先行きに明るい見通しを持って、持ち前の機動性、創意工夫を発揮して構造変化の波を積極的に乗り切っていけるようにすることが何よりも重要と認識をいたしております。
 このため、九月二十日の経済対策に基づきまして思い切った内需拡大策を実施し、景気回復への足取りを確実なものとしていく中で、中小企業の経営基盤の安定強化を図るとともに、技術開発や新規事業の創出等、創造的な事業活動を展開する活力ある中小企業に対する支援を一層強化してまいりたいと考えているところでございます。
 また、雇用問題につきましても、新規事業の創出を含め中小企業の活力を生かした雇用の創出を図るため、中小企業の人材の育成確保等を支援することといたしておりまするし、所要の法律案を今臨時国会に提出することといたしておりますので、何とぞ御審議のほどお願い申し上げたいと存じます。
 次に、次期全国総合開発計画についてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、現在、国土審議会におきまして、平成八年度中をめどに来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針を示す新しい全国総合開発計画の策定作業を進めているところでございます。
 御指摘の安全で質の高い国土づくり、新たな国土軸の形成等の諸課題につきましても、非常に重要な課題として検討を進めてまいる考えでございます。
 さらに、計画策定に当たっては広く国民の意見を踏まえたものとすることが重要と考えており、節目節目で検討内容を公表し、地方の意見を初めとして国民各層の幅広い声を反映するように努めてまいる所存でございます。
 次に、首都機能移転についてのお尋ねでございますが、御質問にもございましたように、現在、国会等の移転に関する法律に基づき設置されております国会等移転調査会におきまして鋭意調査審議が進められておるところでございます。
 首都機能の移転につきましては、二十一世紀の我が国の政治、行政、経済社会の改革を進める上で極めて重要であるとともに、内需拡大の効果も期待されるところであり、引き続き内閣の重要課題の一つとして取り組んでまいる所存でございます。
 次に、新たな農業基本法の制定についてのお尋ねでございますが、農業基本法は昭和三十六年に制定されましたが、その後の社会情勢の変化や国際化の進展という状況変化も踏まえ、昨年十月に緊急農業農村対策本部において決定をいたしましたウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱で新たな基本法の制定に向けて検討に着手することとしたところでございます。
 これを受け、農林水産省におきましても、農林水産大臣主催の農業基本法に関する研究会を発足させるなど既に検討に着手しているところでございますが、新たな基本法の制定の検討は農政の根幹にかかわる重要問題であり、また、国民合意のもとに進めなければならないことから、腰を据えた十分な論議を積み重ねることを基本として行ってまいる所存でございます。
 次に、農業経営育成のための研究開発と基盤整備についてのお尋ねでございますが、創意工夫が生かされる効率的でかつ安定的な農業経営を育成するため、生産性の飛躍的向上や農産物の品質の改善等に必要な技術開発を強力かつ着実に推進するとともに、第四次土地改良長期計画に基づきまして、農家負担に配慮して農業生産性の向上に資する生産基盤の整備を推進してまいりたいと考えております。
 次に、農山漁村の環境整備と都市農村交流の促進についてのお尋ねでございますが、農村地域は、生産の場のみならず、国民にゆとりと安らぎの場を提供する等の機能を果たしており、都市に比べおくれている生活環境を改善するため、今後とも農道、林道、集落排水施設等の整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 さらに、農村地域の活性化及び都市と農村の相互理解を図るため、グリーンツーリズムの推進やふるさと情報の提供など、都市と農村の交流に努めてまいりたいと存じます。
 次に、米価水準の維持についてのお尋ねでございますが、新食糧法のもとでは民間流通する自主流通米が基本となり、価格の水準は需給事情や市場評価を反映して変動することになりますが、稲作経営や消費者家計に影響を及ぼさないよう価格の安定を図っていく必要があると考えております。
 このため、生産調整や備蓄運営を通じた適切な需給調整を図るとともに、計画流通制度のもとでの時期的にも地域的にも偏りのない安定流通、自主流通米価格の適切な値幅の範囲内での価格形成、政府買い入れ価格については自主流通米価格の動向の反映を基本として生産コスト等をしんしゃくして算定すること等の措置を講じてまいりたいと考えておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、国有林野事業についてのお尋ねでございますが、森林は緑と水の源泉であり、我が国森林面積の三割を占める国有林野事業の経営の健全化を図ることは、林業の振興を初め森林の有する国土保全、水資源の涵養など、公益的機能を発揮する上で極めて重要な課題であると考えております。
 このため、今後とも国有林野事業の重要な使命を適切に果たしていくため、国有林野事業の改善に関する計画に即して自主的改善努力を尽くすとともに、所要の財政措置を講じることにより、経営の健全性の確立に向けて最大限の努力を払ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、つくり育てる漁業についてのお尋ねでございますが、我が国水産業は、国際漁業規制の強化、我が国周辺水域の資源状態の悪化など極めて厳しい状況にございますが、周辺水域の高度利用を図ることが重要な課題となっております。
 今後引き続き、沿岸漁場の整備開発、栽培漁業の推進など、つくり育てる漁業の一層の振興を御指摘のとおり図っていきたいと考えております。
 次に、行政改革の進め方についての御質問でございますが、行政は、国民の期待にこたえ、その役割を最も効果的かつ効率的に果たし得るよう常に簡素化、効率化の努力を払うべきものであると考えます。
 これに加えて、近年、国民経済の成熟化、急速な高齢化、国際情勢の激変など行政を取り巻く内外の情勢は大きく変化しており、これらの変化に柔軟に対応していくためにも既存の行政の制度、運営のあり方を見直し、改革していくことが重要な課題であることは御認識のとおりであります。
 このような理念に立ちながら、昨年末以来、規制緩和、地方分権、特殊法人などの各般の改革課題につき順次閣議決定を行い、これらに沿って行革の着実な推進に取り組んでいるところでございます。
 今後とも行政改革を国政の最重要課題の一つとして取り組み、国民の目に見える形でわかりやすい成果を上げるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、規制緩和についてのお尋ねでありますが、規制緩和は、我が国経済社会を国際的に開かれたものとし、市場原理がより有効に働く自由な経済社会としていくために、ぜひとも取り組むべき課題であると認識をいたしております。
 このような考え方に立ちながら、規制緩和を進めるに当たっての基本的取り組み方針と千九十一項目の具体的な規制緩和措置を盛り込んだ規制緩和推進計画を本年三月三十一日に閣議決定したところでございます。
 今後は、この計画に基づき、個別の規制緩和措置について平成九年度までの三年間で計画的にその実現を図るべく着実に推進するとともに、内外からの意見、要望、行政改革委員会の監視結果を踏まえ、毎年度計画の見直し、改定を行うなど政治のリーダーシップのもとに、引き続き積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、地方公共団体における行政改革の進捗状況についてのお尋ねでございますが、国といたしましては、昨年十月、地方公共団体の自主的、主体的な行政改革の一層の推進に資するため、「地方公共団体における行政改革推進のための指針」を策定し、地方公共団体に通知いたしたところでございます。
 地方公共団体におきましては、厳しい財政事情等を踏まえ、既に定員管理の適正化の推進、組織機構の見直し等、行政改革に積極的に取り組んでいるところでございますが、先般の指針を踏まえ、現在、すべての都道府県、指定都市において行政改革推進本部が設置され、行政改革大綱の策定に向けて精力的な取り組みが進められているところでございます。新たに策定される行政改革大綱に沿って、住民の理解と協力のもとに、地方公共団体の行政改革が今後一層推進されるものと考えております。
 政府は、二十一世紀初頭の本格的な高齢社会の到来に備え、昭和六十一年以来、長寿社会対策大綱に基づき、広範な分野にわたる施策を総合的に推進してきたところでございます。
 参議院から提案をされ、全会一致で衆議院に送付されておりまする高齢社会対策基本法案につきましては、今後の高齢社会対策の基本理念を示し、主要施策の基本的方向などを規定したもので、関係施策の充実に積極的な意義を有するものと考えておりますので、その審議促進に期待していることを申し上げておきたいと存じます。
 次に、オウム真理教の早期解散についてのお尋ねでございますが、オウム真理教に対する宗教法人法に基づく解散命令につきましては、裁判所において判断される事柄でございますのでコメントすることは差し控えたいと思いますが、検察当局におきましては、できるだけ早期に裁判所の解散命令が得られるよう、東京都と共同し、解散事由の迅速な立証に努めていくものと承知をいたしております。
 次に、オウム真理教の教団財産の隠匿防止についてお尋ねですが、一般論として申し上げれば、同教団に対して損害賠償請求者等が、教団の財産に対する裁判所の仮差押命令を得て、その財産の隠匿を防止する措置を講ずることが可能であります。既に一部ではそのような処置が現に講じられていると聞いております。政府といたしましても、個人の権利の適正な救済が図られるよう適切に対処してまいりたいと考えております。
 次に、一般信者の社会復帰対策等についてお尋ねがございましたが、去る六月、関係省庁の局長から成る連絡会議を設け、現在、その幹事会においてオウム真理教被害対策弁護団からヒアリングを行うなど、具体的な諸問題に関し検討を進めております。今後、事態の進展に対応できるよう引き続き政府として検討を行い、地方公共団体の協力も得ながら必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 オウム真理教に対する破防法適用へのスタンスについてお尋ねがございましたが、オウム真理教が引き起こした一連の事件につきましては、犯罪史上例を見ない極めて凶悪な犯罪であり、こうした事件を再び許すようなことは絶対にあってはならないものでございます。と同時に、破防法の適用につきましては、その性格及び立法経緯等を十分に踏まえ、公安調査庁及び公安審査委員会において、法と証拠に基づき厳正、慎重に運用されるものと考えております。
 次に、科学的捜査や広域捜査体制の強化を図る必要があるのではないかとのお尋ねでありますが、昨今の治安情勢には大変厳しいものがあり、良好な治安に対する国民の信頼に陰りが生じていることから、現時点で早急に手を打つ必要があるものと認識をいたしております。
 今回の一連の事件の経緯を踏まえ、警察において、科学捜査力の強化や広域捜査体制の充実を図るとともに、極めて大規模かつ複雑な犯罪についての都道府県警察相互の関与のあり方について検討を進めてまいるものと認識をいたしておるところでございます。
 次に、宗教法人法の改正についてのお尋ねでありますが、昭和二十六年の法制定以降の社会の変化等により実情に合わない面が生じ、国民からはその見直しを図るべきとの意見が高まっていることは皆さん御案内のとおりであります。
 政府といたしましては、九月二十九日の宗教法人審議会からの報告を踏まえ、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、宗教法人法の改正について検討し、改正法案がまとまり次第、これを今国会に提出したいと考えているところでございます。
 次に、教育のあり方についてのお尋ねでありますが、先般、文部省において中央教育審議会を再開して、二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について諮問を行い、現在、御指摘のありましたような諸点も含め、鋭意御審議をいただいているところでございます。
 今後、文部省を中心に教育上の諸課題を見直して、子供たちがみずから考え、理性的に判断をし行動できる資質や能力を身にづけるとともに、他人に対する思いやりのある豊かな人間性を育てることなど、心の通う教育を実現するための教育改革を推進してまいりたいと考えております。
 次に、科学技術創造立国を目指した日本の長期展望についてのお尋ねでございますが、独創的、先端的な科学技術は私たちの未来を創造する知的資産であり、新たな経済フロンティアを開拓し、知的でダイナミックな経済社会を構築するかぎであると認識をいたしております。
 我が国の科学技術振興については、閣議決定をされました科学技術政策大綱にのっとり、地球と調和した人類の共存、知的ストックの拡大、安心して暮らせる潤いのある社会の構築の三つの目標を掲げ、積極的かつ総合的な科学技術政策を展開しているところでございます。今後ともこのような方針に基づき、科学技術創造立国を目指して全力を傾けてまいりたいと存じます。
 次に、国立試験研究機関の特殊法人化などの研究体制整備を含めた今後の科学技術振興策についてのお尋ねでございますが、政府といたしましては、ただいま申し上げましたとおり、科学技術創造立国を目指して、研究開発基盤整備や産学官の連携の促進等により研究開発活動の活性化を図り、積極的に科学技術の振興に努めてまいる所存でございます。
 特に、国立試験研究機関につきましては、世界的に高く評価される中核的研究拠点を育成すること、研究交流促進法による民間企業、大学等との研究交流の円滑化を図ることなどにより、研究開発活動の柔軟性を確保しながらその活性化を図っているところでございます。
 御指摘の点につきましては、一つの御提案として承りますが、今後とも国立試験研究機関の研究活動の充実強化に努めてまいりたいと存じます。
 最後に、総選挙の時期についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、政党政治の議会制民主主義のあり方から見て、各政党がその理念や政策を鮮明にして国民の御判断を仰ぐことは最も大切な要素であり、各政党が互いに切磋琢磨し選挙に臨むべきは当然と考えます。
 また、政治には常に民意を問う姿勢が求められており、いずれしかるべき時期に総選挙を実施することは当然であります。
 ただ、内外の課題が山積し、政治の空白が許されない状況のもとでは、全く考えておりません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般の参議院選結果が判明をいたしましたとき私が受けました印象は、まず第一に、まだ自由民主党に対する信頼が残念ながら回復をしておらないこと、そして比例代表区において第二位を与えられたことでありました。しかし、それ以上に、最終的な結果が出ましたとき、私は、史上最低と言われる投票率の中で、政党、政治全体に対する国民の期待が失われてしまったのではないだろうかと、これに対する保危機感を本当に持ちました。
 そうした現実の中で、私は、国民にもう一度政治に対し、そして政党に対し目を向け直していただき、その中で自由民主党にも信頼を回復していただきたいと心から願っております。そして、そのためには、連立政権を支える第一党としての私たち自由民主党が元気でたくましい政党として国民の前にその姿をあらわさなければなりません。
 私は、自由民主党の総裁として、時間のある限り全国津々浦々を駆け回りながら、一人でも多くの国民に我が党の理念と政策を訴え続け、粘り強く信頼回復に努めてまいりたいと願っております。
 また、現在の状況にかんがみるとき、国政に一刻も空費が許されないと言われるのはそのとおりであります。
 今日、我々は多くの課題を抱えております。今回、この国会でこれから御論議をいただきます景気回復に向けて取りまとめました経済対策の早期かつ着実な実施のために、補正予算のみならず、私どもの役所からしましても関連法案を一日も早く御審議をいただき、成立をさせていただかなければなりません。それをまた我々は実行していく責任がございます。責任政党である自由民主党の、そしてまた現内閣の閣僚の一人として、国政に対する責任を逃れることなしに全力を尽くしてまいりたいと願っております。
 また、先ほどの御質問の中で触れられましたように、私自身、今以上に製造業が日本から逃げ出さないようにするためにはどうすればいいのか、同時に、廃業する方の数が新しく業を起こす方の数より多いというこの状況をどうすればいいのか、必死で考え抜いてまいりました。我が国にとりましては、国内の高コスト構造の是正やあるいは研究開発基盤の整備を含めた構造改革、そしてそれによる社会資本の整備、そしてまた新しい事業分野発展のための基盤整備による経済フロンティアの拡大にどう取り組んでいくか、これによって経済構造改革を進めて、中長期的な発展基盤を築いていかなければなりません。
 去る九月二十日に取りまとめました経済対策の中に、思い切った内需拡大、中小企業対策などの直面する課題の克服と同時に、経済構造改革の一層の推進を大きな柱として掲げております。今、重要なこと、それはこれらの施策を早期に具体化することであり、研究開発・情報化の推進や、新規事業の育成など新たな産業インフラの整備や、また輸入・対日投資の拡大の促進、こうしたことに対して、予算措置だけではなく、今国会で関連法案の御審議をいただき、幅広い対策を講じていく状況をつくり出すことであると考えております。
 また、中小企業について御心配をいただきました。
 八月以降、為替の水準が円高是正の方向に向かっており、少し肩で息をする部分が出たと言う方もあります。しかし、八月二十九日の時点において輸出型の中小企業の採算分岐点はなお百八円という数字でありました。依然厳しい状況が続いておるわけであります。
 こうした中で、中小企業の経営基盤の安定強化を通じて先行きの不透明感をどこまで払拭できるか、そして中長期の観点に立って構造改革に向けた努力を支援していけるかがこれからの我々の役割であると考えております。
 このため、引き続き切れ目のない対策を講ずべく、今回の経済対策におきましても、中小企業対策につきまして約一兆二千五百億円の貸付規模を追加いたしますと同時に、中小企業対策の補正予算規模として過去最大の二千七百六十八億円に上る予算を追加計上し、思い切った対策を講じさせていただきたいと考えております。
 その中には、既往債務の返済の円滑化、負担軽減措置、あるいは信用補完の充実等幾つかの柱を立てており、今後ともによろしく御支援を賜りたいと思うのであります。
 最後に、雇用の問題につきましては、新しい事業を創設していくことに加えて、依然として厳しい状況下にある中小企業の労働力確保、労働力の多様化、高度化の要求に対応するために、現在、労働省と共同で所要の法案を今国会に提出させていただきたい。作業中でございます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(河野洋平君) まず、核実験に関するお尋ねがございました。
 既に総理から御答弁がございましたけれども、中国、フランスの核実験は五月にNPTの無期限延長が決定をされた後の核実験でもございます。NPT上特別の地位を与えられた核保有国は非核保有国の信頼を裏切ってはならない、私はその点を特に中国、フランスには申しているところでございます。
 我が国といたしましては、あらゆる機会を通じてこの核実験に対する抗議を行っているところでございます。北京の女性会議では官房長官が、あるいはIAEAの会議では科学技術庁長官が、国連では私も演説をしたわけでございますが、これらにつきましては、中国、フランスそれぞれ外務大臣に対しましても直接抗議の我が国の意思を伝えているところでございます。
 さらに、今後の核実験をいかにしてやめさせるかという点につきましては、一つの国の力ではなかなかこれは十分ではない、こう考えもいたしまして、国連におきまして核実験停止の決議案を提案してできる限り多数の国の賛成でこの決議案を成立させたい、こう考えているところでございます。
 次に、沖縄の米兵少女暴行事件についてお尋ねがございました。
 この事件、まことに遺憾な事件でございまして、政府としては、その再発の防止のために厳重な措置をとるよう今般の日米外相会談あるいは日米安全保障協議委員会を含めて米側に強く申し入れてきたところでございます。
 また、御指摘の日米地位協定の見直しに関しましては、今般、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会を設置いたしまして、現在の日米地位協定の枠組みのもとでの刑事裁判手続の仕組みの改善の方策について検討を開始したところでございます。同委員会において真剣かつ精力的な検討を行って、できる限り早急に結論を得るよう全力を尽くす所存でございます。
 同時に、岡部議員御指摘のとおり、冷戦後の国際情勢、依然として不安定、不確実な要素を内包いたしておることにかんがみまして、日米安保体制は日本の安定及びアジア・太平洋の平和と安全にとり引き続き極めて重要であるということも忘れてはならないと思います。政府といたしましても、一層の努力に加え、日米安保体制の信頼性の向上のために各般の努力をしてまいりたいと考えております。
 APECについてお尋ねがございました。
 我が国はアジア・太平洋における安定を支える力になるべきであるというのが私どもの考え方でございます。APECはアジア・太平洋の経済的な発展を進めていく上でその中核となる協議の場でありまして、特に本年、我が国は議長国としてAPECの一層の発展に努力をしていかなければならないと考えます。
 本年のAPECの最重要課題は、「行動指針」の策定であります。これには、昨年のボゴール宣言が貿易・投資の自由化、円滑化及び経済・技術協力の推進という目標を掲げたのを受けまして、中長期的な観点に立ってAPECの行動の総合的、具体的な枠組みを形成する意義がございます。
 我が国といたしましては、議長国として、十分な内容のある「行動指針」を策定するとともに、その具体化に向けての確固たる決意を内外に示すため前向きな「当初の措置」を提示するなど、来る会議の成功に向け、責任ある役割を担っていかなければならないと決意を新たにいたしております。
 また、APEC大阪会議へのチャイニーズ・タイペイ、台湾からの出席者の問題に関しましては、一昨年のシアトル及び昨年のボゴールでの前例を踏襲する方針でございます。
 最後に、国連総会の安保理常任理事国入りについてお尋ねがございました。これも先ほど総理から御答弁がございました。
 安保理改革の問題につきましては、国連の作業部会において現在議論がされておりまして、この作業部会、九月の報告書におきまして、現在行われております第五十回の国連総会でも作業を継続するということを決定いたしております。具体的な改革案についてはまだ議論が収れんをしていない状況でございます。
 我が国といたしましては、九六年九月までに改革案の大枠に合意できるよう加盟国と協力しつつ努力をしてまいりたいと考えておりますが、我が国の常任理事国を含む具体的合意を早期に形成できるかどうかは依然として、途上国の代表をどうするか、その他幾つかの問題もあり、予断を許さない状況にあると考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣宮崎勇君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(宮崎勇君) 日本経済の症状について、また、手おくれにならないような処方せんについてお尋ねがございましたのでお答え申し上げます。
 これまで累次の経済対策が実施されましたにもかかわらず、今回の景気の回復は従来の回復に比べて極めて緩やかであります。その上、景気の現状も足踏み状態が長引く中で、弱含みに推移をしております。
 これは公共投資から消費や設備投資といった民間需要へのバトンタッチがうまくいっていないということによるわけでありますけれども、このように当初期待いたしました対策の効果が十分出ていないということにつきましては、次のような点が考えられます。
 第一に、家計や一般企業において負債比率が上昇いたしましたので、消費あるいは設備投資が大変慎重になっているということであります。第二番目には、金融機関の不良債権がその貸し出し態度に大変影響を与えて、ひいては中小企業の設備投資の足かせになっているということでございます。それからさらに、急速な円高に伴う産業の空洞化の懸念や内外価格差の拡大、生産性の部門間格差の拡大等、構造的な問題に直面しているからであります。
 このような経済の現状を見ますと、今後はまず今回の対策を迅速かつ着実に実行するとともに、既に総理あるいは副総理がお述べになりましたように、いろいろの機会をとらえ、日本経済の新しい時代への発展につなげていくに役に立つような政策を切れ目なく展開していくことだと思われます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(島村宜伸君) まず、宗教法人法改正についての御質問にお答えいたします。
 宗教法人法は昭和二十六年に制定されたものであり、それ以降、社会の状況や宗教法人の実態にも変化が生じているところであります。
 宗教法人制度につきましても、この間、実情に合わない面が生じており、国民からはその見直しを図るべきとの意見が高まっているところであります。
 このため、文部省におきましては、宗教法人審議会で宗教法人制度のあり方について慎重に審議、検討いただいているところでありますが、九月二十九日に同審議会から文部大臣に報告がなされたところであります。
 文部省といたしましては、この報告を踏まえ、所轄庁のあり方、情報開示のあり方、所轄庁における活動状況の把握のあり方等について、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、宗教法人法の改正について検討し、改正法案がまとまり次第、これを今国会に提出したいと考えているところであります。
 次に、教育のあり方についてのお尋ねでありますが、今日、我が国の教育につきましては、過度の受験戦争、いじめや登校拒否の問題などさまざまな問題点も指摘されているとともに、二十一世紀に向けて、我が国の社会の変化を踏まえた新しい時代の教育のあり方が問われてきていると考えます。
 こうした状況にかんがみ、先般、中央教育審議会に対して、二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について諮問を行い、現在、今後の教育のあり方及び学校、家庭、地域社会の役割と連携のあり方、一人一人の能力、適性に応じた教育と学校間の接続の改善、国際化、情報化、科学技術の発展等社会の変化に対応する教育のあり方を主な検討事項といたしまして鋭意御審議を行っていただいているところであります。
 私といたしましては、中央教育審議会の審議を踏まえつつ、教育は国づくりの基本であるとの認識のもと、子供たちがみずから考え、理性的に判断し、行動できる資質や能力を身につけるとともに、豊かな人間性を育てることなど、知・徳・体のバランスのとれた人間形成を目指して全力を挙げて教育改革を推進してまいりたいと考えております。(拍手)
#21
○副議長(松尾官平君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(松尾官平君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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