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1995/10/04 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第3号
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1995/10/04 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第3号

#1
第134回国会 本会議 第3号
平成七年十月四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  平成七年十月四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 第二 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員及び裁判官訴追委
  員予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 一井淳治君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、吉村剛太郎君から裁判官訴追委員予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(斎藤十朗君) この際、
 裁判官弾劾裁判所裁判員、
 裁判官訴追委員予備員、
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員各一名の
 選挙を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官弾劾裁判所裁判員に千葉景子君を、
 裁判官訴追委員予備員に岡利定君を、
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員に久保亘君を、それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、第二順位の清水達雄君を第一順位に、第三順位の河本三郎君を第二順位に、岡利定君を第三順位といたします。
     ―――――・―――――
#7
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。菅野久光君。
   〔菅野久光君登壇、拍手〕
#8
○菅野久光君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、村山総理及び関係大臣に質問いたします。
 今さら改めて申し上げるまでもなく、ことしは戦後五十年、広島、長崎被爆五十周年という節目の年であります。したがいまして、我が国が過去に行ったアジア諸国に対する侵略や植民地主義に対する謝罪と反省の上に立って、アジアや世界の国々からの信頼を得て、今後、国際社会において責任ある行動をいかに実践し、そしてまた、困難な課題が山積する当面の内外の政治、経済情勢においてどのように的確な具体策を講じようとするがは我が国の将来にとって極めて重要であり、当然内外からも大きく注目されているのであります。
 村山内閣は、自・社・さ連立政権の中で、被爆者援護法の成立、サハリン残留韓国人永住帰国の支援、女性のためのアジア平和国民基金の発足などの戦後処理、長い間未解決であった水俣病補償問題など、村山内閣ならではでき得なかった数々の成果を上げることができました。
 しかし、反面、戦後五十年の国会決議は、衆議院では採択されたものの、参議院ではついに採択することができず今日に至っています。このことについて、アジアはもとより世界各国からも批判の声が上がったことは御承知のとおりであります。
 私どもは、戦後五十年を期して、世界に向けて過去の侵略戦争や植民地主義に対する謝罪と反省を行い、平和国家としてこれからの国際社会で生きていく決意を示すことがアジアや世界の国々からの信頼を回復し、アジアの繁栄のためにともに手を携えて進むことができると思うからであります。
 八月十五日の戦後五十年の首相談話は、戦争への反省と平和への決意を表明したものとして高く評価いたします。この首相談話に合わせて政府主催の記念行事ができたなら、どれほど世界各国からの高い評価と信頼を得ることができたかと思うと残念でなりません。まだ時間はあります。残された期間に最善を尽くすよう、政府も私どももともに努力しなければならないと思うのであります。
 以下、幾つかの問題について質問いたします。
 まず、冷戦後の国際社会における我が国の役割と責任についてであります。
 長い間の東西対立の時代は、世界がいつ熱核戦争による人類滅亡の危機を迎えるかもしれないという恐怖を抱かせるものがありました。しかし、今は、一部に不幸にしていまだ戦火の絶えない地域もあることは事実でありますが、世界の歴史は確実に対話と協調の時代へと向かっているのであり、このことは我が国の平和憲法の精神と軌を一にするものであります。そして、総理の今日までの平和外交にかける意気込みもまたこうした潮流に沿ったものであると考えるところであります。
 総理は、つい先だって中東訪問の際にエルサレムのホロコースト記念館を訪れ、かつてナチスの迫害を受けるユダヤ人に対して政府方針に反し日本人国査証を発行し続け、四千人以上の命を救った日本の外交官である故杉原千畝氏をたたえた記念杉の前で、「人道的立場に立ったすばらしい行為だった。紛争や二国間の対立は武力では解決しない」ときっぱりと言い切っだということが報道されていますが、深い感動を覚えるものであります。
 こうした世界平和に向けた我が国の基本姿勢を鮮明にし、特に軍事大国に対しては周辺諸国に対する一切の脅威を与えないことの確証を示させるとともに、中小各国に対しても軍備に依存することの無意味さとむしろその危険性を強調し、ともに軍縮が確実に進むようあらゆる努力を行うことを強く求めるべきであります。
 そして、これらの方向についても、日本みずからが軍縮の年次計画を示すなど、その見本を示すということこそ主張に説得性を持つものと考えますが、平和外交と軍縮の努力について、改めて総理の御所見を伺うものであります。
 なお、この際、外交・防衛問題に関連し、日米安保条約について申し上げます。
 言うまでもなく、我が国にとって、米国との友好協力関係の維持発展は我が国外交の最重要課題であります。それだけに、このたび起きた沖縄での米兵の集団による少女暴行事件は余りにも大きな衝撃を与えるものでありました。そして、米兵による事件の頻発は沖縄では日常的と言えるほど深刻化しているだけに、この事件を契機に、県民はもとより国民感情は激しい憤りへと大きく発展しており、極めて重大であります。
 なぜこのような事件が後を絶たないのか、国家間の協定のはざまでなぜいたいけな子供がこのような犠牲にならなければならないのか、国民感情の高まりは一気に反米感情へと発展しかねない状況さえもあると憂慮するものであります。
 そこで、外務大臣にお伺いしますが、こうした明白な犯罪は、日本政府が断固たる姿勢で犯人の身柄を拘束する、米国は進んでその引き渡しをすると考えるのが常識であります。したがって、かかることを認めている現行の日米安保条約の地位協定を早急に改定すべきであると思いますが、国民感情を踏まえて御答弁をお願いいたします。
 また、昨今の国連における我が国の常任理事国入りを初めとする改革の問題等について、外務大臣は、国連総会での演説で一定の提案を行い、あわせて環境や人権など地球的規模の諸問題について、非軍事に徹底したODAの一層の充実強化など我が国の国際協力の積極推進の姿勢を鮮明にし、そしてフランスと中国の核実験に対する抗議と全面的な核廃絶に向け強い主張を行ったのでありますが、これらに対し世界各国はどのように受けとめているか、率直な御答弁を求めるものであります。
 また、去る二日に世界じゅうからの強い抗議に耳をかさず二度目の核実験を行ったフランスに対し、今後、政府はどのような対応をされようとするのか、あわせて答弁願います。
 さらに、世界人権宣言の採択から半世紀となる今日、今後とも国内における差別撤廃を図り、人権分野における国際社会への貢献を進めていくためにも、あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約の早期批准を実現すべきであると考えます。あわせて、強い要望のあるアイヌ新法、そして部落解放基本法の早期制定についても総理の御所見をお伺いいたします。
 また、アジア諸国の平和と繁栄に向けてどのような協調が図られるかが注目されているAPECが、十一月、大阪において開催されることになっていますが、ホスト国としての我が国がどのようなイニシアチブをとろうとされておられるのか。特に、本会合においては昨年のボゴール宣言を具体化する行動指針が作成されることになっていますが、ボゴール宣言は大まかな政治的意図表明という性格のものであり、その具体化に当たっては、各メンバーとも何らかのセンシティブな分野を抱えているという現実を踏まえ、実行可能なものとして取りまとめることが不可欠であります。
 総理は、昨年秋の国会において、世界貿易機関での継続交渉に臨む立場がAPECによって決定づけられてしまう懸念はないと答弁されていますが、こうした答弁を踏まえて、我が国の農林水産分野など各国のセンシティブな分野への特別な配慮が行動指針上どのように反映されるべきと総理はお考えなのか、お伺いします。
 また、ウルグアイ・ラウンド合意の農林水産分野についての前倒しは絶対しないことを約束してもらいたいと思うのですが、あわせて、総理、御答弁をお願いします。
 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業関連対策の推進について、もう少し具体的にお尋ねいたします。
 二年前の細川内閣において、私どもは苦渋の選択として米の部分開放を受け入れました。これによって我が国の米を中心とした農業は厳しい状況に置かれております。政府は、国内対策として六年間にわたり六兆百億円、ふるさと事業交付金として一兆二千億円を投入することを約束しています。とりわけこの国内対策費は、通常の農林水産関係予算とは別枠で措置されてきております。それだけに、現在の農業情勢を踏まえて、より実効性のある対策とならなければなりません。特に、自由化によって深刻な影響を受ける中山間地域では、高齢化、過疎化で後継者もなく、数年を待たずして崩壊の危機にさらされています。
 ガット関連対策については、農業関係者の中から見直しを求める声が上がっています。せっかくの特別対策です。農家や農業関係者に喜ばれる実効性のある対策とするため、関連対策の見直しを含めた検討が必要と考えますが、いかがでしょうか。政府の見解を伺います。
 また、ガット後の対策の重要な柱としては、従来の食糧管理法にかわる主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律、いわゆる新食糧法が制定され、それがこの十一月に施行されることになっております。新食糧法の施行に伴い政省令の策定が急がれておりますが、五十数年ぶりの抜本的な改革だけに多くの課題を残しております。
 まず、米などの価格と数量の安定を図るためには、実効ある生産調整とそのための政府助成の確立が必要であります。さらに、備蓄政策が私ども社会党の主張で実現したわけでありますが、これは原則として国の責任で行われなければなりません。同時に、計画流通米の確保と計画外米の数量把握も重要で、これらのことが確実に実行されるのかどうか。政省令の策定ともあわせてこれらの諸課題に対応するためには、今まで以上の財政措置を必要としております。農林水産大臣の御見解を賜りたいと存じます。
 次に、我が国の森林・林業についてお尋ねいたします。
 森林・林業は、緑のダムとして水資源の涵養、大気の浄化など公益的機能を発揮するとともに、山村地域発展の基盤として重要な役割を果たしております。しかし、長期にわたる林業不況は、民有林、国有林ともに資金と労働力の不足が恒常化し、森林の保全が危ぶまれています。
 そこで、森林・林業の活性化のために、木材価格対策の確立、森林保全費用の公的負担拡大、林業労働力確保対策、国有林事業の累積債務処理のために一般会計からの繰入措置など必要な対策を進めるべきと考えますが、農林水産大臣の見解を求めるものであります。
 次に、漁業問題についてお尋ねいたします。
 二百海里時代の定着に伴い、我が国周辺水域の重要性が急速に増大しておりますしかるに、この水域の漁業資源は、長年にわたる我が国の漁業活動や、特に近年における韓国船等の不法操業によって著しく悪化し、その保護管理が大きな課題となっております。
 一方、政府は、国連海洋法条約の発効に伴い、来年その批准を行う方針と承知しております。同条約では、資源保護を重視した二百海里排他的経済水域の設定を認めておりますが、我が国としては、その趣旨を踏まえ、批准後早急に全面的に設定して水域内での資源保護を徹底すべきであると考えます。そのためには、まず資源管理型漁業実現のための資源調査、減船・休漁補償等の施策を飛躍的に充実するとともに、韓国船等外国漁船に対して資源の悪化を踏まえた厳しい措置をとる必要がありますが、農林水産大臣並びに外務大臣の御見解を伺います。
 次に、経済対策、特に中小企業対策についてお尋ねします。
 九月二十日、政府の経済対策閣僚会議で、事業規模として史上最大の総額十四兆二千二百億円に上る経済対策が決定されました。そこで、景気状況の認識についてお尋ねします。
 まず、過去の景気循環による不況と今回の長い厳しい景気状況の基本的な違い、今回の特徴についてどう理解されていますか。今回の経済対策は、現在の厳しい景気状況の特徴を踏まえ、過去の数次の経済対策とどのように違うか、また共通性を持っているか、総理の見解をお聞かせいただきたく思います。
 さらに、特に厳しいと記されている中小企業の状況について質問します。
 中小企業の我が国における重要な役割について、どのような評価をされていますか。今回の経済対策では、中小企業の経営基盤の安定強化のために、政府系金融機関等による運転資金の支援を拡充することを決定しています。そこで、政府系金融機関について、手続等が煩雑でかつ高い金利になっているなど、中小企業者の切実な声にどうこたえた対策になっていますか、お伺いいたします。
 また、今回の経済対策では、信用補完の充実や小規模企業対策の中で無担保無保証の特別小口保険が拡充されています。さらに、中小企業団体等から強い要望のあった既往債務の返済円滑化、負担軽減措置が講じられました。これらの措置は中小企業の要望に沿った施策として高く評価したいと思いますが、この制度によって、対象となる中小企業のおおよその推定予測できる事業所数、効果、負担軽減額はどのような規模と考えていますか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、労働問題について、労働大臣に質問いたします。
 我が国の雇用情勢は、一昨年来の円高の進行等に伴い国内生産拠点の海外移転や製品輸入の拡大などの構造変化が進展する中で、このところ有効求人倍率が低下し、完全失業率が高い水準で推移するなど、依然として厳しい状況が続いております。また、中長期的に見ると、国際化の進展、情報通信技術の発展を初めとする技術革新の進展、規制緩和等の推進などに伴う産業構造の変化が見込まれるとともに、労働供給面においても急速な高齢化の進展に伴う供給構造の変化が予想されており、こうした変化に対応し得る人材の育成や成長分野への失業なき労働移動等のための環境整備が大きな課題となっております。
 こうした状況に対応するため、さきに決定された経済対策の中でも、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出、人材確保や新分野展開を担う人材育成の推進等を内容とする雇用対策が盛り込まれておりますが、今後とも景気の動向に注視しながら機動的な雇用対策を着実に実施することが求められていると考えますが、いかがでしょうか。
 また、今日の雇用・失業状況を見ますと、学卒未就職者を含めた若年失業の増大が際立っており、特に女子学生の雇用環境の悪化が懸念されております。そこで、若年失業者の発生を防止するために、公共職業安定所を通じ求人情報を的確に収集し、新規学卒者や未就職卒業者等に対しきめ細かく情報を提供するとともに、就職面接会や説明会を全国で実施し、本年度から新たに実施されている未就職者職場体験プログラムや若年求職者能力開発事業を拡充すべきであると考えますが、いかがでしょうか。あわせて労働大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、宗教法人制度の見直しについてお尋ねいたします。
 オウム真理教事件を契機として宗教法人法の見直しを求める世論が高まっております。憲法で保障された信教の自由を尊重することは当然でありますが、一九五一年の法制定以来の時代の変化に対応し、実態にそぐわない点については見直しを行う時期であると考えます。
 その際、重要なことは、法人格付与や財産の管理運営という宗教法人法の問題と、宗教活動のあり方、税制問題など、それぞれの事柄の性格に応じて問題を区別、整理した上で、政治的思惑に左右されずに冷静な論議を行うことであります。宗教法人も、認証されると税制上の優遇措置が受けられる以上、情報開示等によって透明性差局め、国民から納得されるような社会的責任を果たすことが求められますし、所轄庁も最低限の責任は果たす必要があります。宗教法人審議会の検討結果を踏まえ、今国会においては、公益性や透明性をいかに高めるかという観点から論議を深め、必要な法改正に取り組むべきであると考えます。改めて総理の御見解と御決意をお伺いしたいと存じます。
 関連して、行き過ぎた資金獲得、家族とのトラブル、マインドコントロールなどの宗教活動のあり方への対処についてお尋ねいたします。
 教義など宗教の内的部分に対して国家が価値判断を加えたり介入することは許されることではありません。しかしながら、市民社会と接点を持つ外的な活動形態のあり方と、政治、行政とのかかわり方については、正確な事実認識に立った上で国民的論議を深めていくべきテーマではないかと考えます。
 いわゆるカルト教団が引き起こす社会との摩擦や人権侵害についての実情把握や、欧米における行政の対応についての調査研究を踏まえ、幅広い角度から宗教政策の基本を再検討する時期に来ていると思われます。そのため、宗教に関する苦情相談機関や行政の調査会を設置することを検討すべきだと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 オウムのような狂信的カルト集団を生み出した背景については総合的に検証する必要がありますが、幹部の多くが高学歴者、エリートであったことから、偏差値教育や細分化、専門化した教育のあり方についても見直しの必要性が指摘されています。この点に関しても総理の御所見を伺いたいと存じます。
 次に、福祉について質問いたします。
 現在、我が国は少子・高齢化社会を迎えており、高齢者介護の問題は切実で深刻な問題となっております。そうした中で、ことし七月には厚生大臣の諮問機関である老人保健福祉審議会が高齢者介護費用の負担に社会保険方式を導入することを打ち出しました。
 国民の間でも公的介護保険制度への関心は日ごとに高まっており、市民団体や医療・福祉関係者による勉強会やシンポジウムが活発に行われ、新しい制度に対する期待がある一方、疑問や不安の声も上がっています。
 また、医療保険制度の立て直しの問題とも密接に関係してくることであり、まず政府は、この新しい介護システムについてどのようなビジョンでどういった制度を導入しようと考えているのか、国民の前に明らかにする必要があると考えます。そして、国民生活に直結する重要な問題であるだけに国民的議論が必要不可欠でありますが、これをどう反映させていくのか、この点について厚生大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、いわゆる薬害エイズの問題についてお尋ねいたします。
 治療用の血液製剤でエイズウイルスに感染した血友病患者やその家族が国と製薬会社五社に損害賠償を求めている東京と大阪のHIV訴訟で、東京地裁と大阪地裁はあさって六日に原告、被告の双方に和解勧告することを伝えました。
 厚生大臣は和解勧告があれば謙虚に検討したいと発言されておりますが、この問題について今までの経過を見ると、被告である国と企業に責任があるのは明らかであります。患者さんが次々と亡くなられている状況で、一刻の猶予もありません。この問題の早期解決に向けての総理及び厚生大臣の御所見を伺います。
 以上、私は当面する幾つかの内外の重要課題について質問をしてまいりましたが、今、バブル崩壊後の社会経済の状況の中から、国民の政治に対する期待と現実との間には大きな溝ができております。
 私の両親は福島県出身ですが、福島県二本松市にある二本松城址に、行政の規範として価値の高いものであるため国史跡として指定された戒石銘碑があります。そこには、「爾の俸、爾の禄は民の膏、民の脂なり。下民は虐げ易きも上天は欺き難し」と記されています。あえてその意味を申し上げれば、おまえの俸給は人民があぶらして働いたものより得ているのである、おまえは人民に感謝し、いたわらねばならない、この気持ちを忘れて弱い人民たちを虐げたりするときっと天罰があろうぞということであります。
 今、金融機関や行政の中に見られる不祥事の数々、官官接待などという不明朗な政官癒着の構造に対する国民の怒りはますます政治不信へと発展しかねない状況が進んでおります。政治や行政に携わる者の倫理の確立こそが政治に対する国民の信頼回復につながることであり、かつ緊急を要するものと信ずるのでありますが、そのことについて最後に総理の率直な見解を伺い、私もまた政治に対する国民の信頼回復のために全力を挙げて努力することをお誓いし、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(村山富市君) 菅野議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 まず最初に、軍縮の推進についてのお尋ねがございましたが、我が国といたしましては、核兵器を初めとする大量破壊兵器や通常兵器の軍縮・不拡散の推進に今後とも一層の努力を行っていくことが重要であると認識をいたしておりまするし、軍縮問題への取り組みはこの内閣の重点事項の一つでございます。
 特に核軍縮につきましては、究極的核廃絶に向けて具体的な核軍縮措置を着実に積み重ねていくことが重要であるとの基本的立場に立って、今後ともすべての核兵器国に対し一層の核軍縮努力を行うよう促していくとともに、全面核実験禁止条約交渉の早期妥結に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
 また、通常兵器につきましては、地雷や小火器の問題を含め、その移転と過剰な蓄積の問題について国際社会が具体的に取り組むよう強調するとともに、通常兵器移転に関する国連軍備登録制度の拡充等の努力も行ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、我が国みずからが軍縮の見本を示すべきであるとの御質問でございますが、我が国といたしましては、周辺諸国との信頼関係の構築を進めるとともに、今後の我が国の防衛力のあり方について検討を行っておるところでございますが、この検討に当たりましては、冷戦後の国際情勢の変化、国際社会における軍備管理・軍縮に向けての努力、将来における我が国の人的資源の制約の増大等、科学技術の進歩、一段と深刻さを増している財政事情などを踏まえて慎重に検討してまいる必要があると考えておるところでございます。
 次に、人種差別撤廃条約の早期批准についてのお尋ねがございましたが、本条約につきましては、その締結につき現在政府部内で準備作業中でございますが、所要の準備が整った場合には本臨時国会に提出をすることにしてまいりたいと考えております。
 次に、アイヌ新法の早期制定についてのお尋ねでございますが、昨年十二月、与党のアイヌ新法問題プロジェクトチームより、今後のウタリ対策のあり方について幅広く検討するため、官房長官のもとに有識者による私的懇談会を設けるべきであるとの要請をいただきました。これを受けまして、ことし三月にウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会を開催いたしまして、現在七人の有識者に御議論をいただいておるところでございます。
 この懇談会では、約一年をかけまして、法制度のあり方を含め、今後のウタリ対策のあり方について御議論をいただくことにしておりますが、アイヌ新法の問題についても、本懇談会での結論を踏まえて、政府として適切に対処してまいりたいと考えていることについて御理解をいただきたいと思います。
 次に、同和問題についてでございますが、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であるという認識のもとに、政府といたしましては、現行の地対財特法に基づき、啓発等の各般の事業を積極的に推進することによりまして、同和問題の早期解決に努力いたしておるところでございます。
 同和問題の早期解決に向けた方策のあり方につきましては、同和地区実態把握等調査の結果も踏まえ、地域改善対策協議会に設置をされております総括部会におきまして引き続き精力的に審議を進めていただいておりますが、基本方針については年内に取りまとめていただくことといたしております。
 また、人権と差別問題に関するプロジェクトチームにおいて与党各党間の話し合いも進められておりますので、それらの議論の動向にも十分留意をしながら今後とも対処してまいりたいと考えております。
 次に、APEC大阪会合についての御質問でございますが、APECにおける貿易自由化に当たりましては、農業分野等の取り扱いについては日本の農業を取り巻く諸般の困難な事情を種々の機会に説明してまいりました。ウルグアイ・ラウンド合意を堅持するのが我が国の方針でございます。今後とも、APECの自由化努力との関係では、かかる我が国の立場が反映されるよう明確に主張していく方針でございます。
 また、「当初の措置」につきましては、農林水産分野を含め、現在検討中でございます。
 次に、景気対策についてのお尋ねでございますが、今回の景気の特徴として、公共投資の伸びが消費から設備投資の伸びには必ずしも順調につながらず、景気の回復スピードが極めて緩やかなことがございます。その大きな理由としては、資産価格の下落に伴う諸問題の存在や、我が国経済が構造的問題に直面していることが挙げられます。
 こうした景気の現状に的確に対応するため、今回の対応におきましては、十四兆二千二百億円に上る過去最大の事業規模のもとに、思い切った内需拡大策として、科学技術・情報通信の振興や教育・社会福祉施設の整備を含め公共投資等の拡大を行うほか、資産価値の下落に伴う諸問題を含め直面する課題の克服のため、土地の有効利用促進策や総合的な中小企業対策、雇用創出に重点を置いた雇用対策を講じ、さらに経済構造改革を一層推進するため、研究開発・情報化の促進、新規事業育成策等に取り組む等、的確かつ効果的な対策を講ずることといたしたことについて御理解を賜りたいと存じます。
 次に、中小企業の我が国における役割についてのお尋ねでございますが、中小企業が我が国事業所数の九九%、全従業員数の七八%を占めるなど、我が国経済社会において極めて重要な地位を占めておりまするし、ある意味では、国民生活を支え、雇用を支え、地域を支える活力の源泉ともなっておると認識をいたしております。
 さらに、中小企業はその持ち前の機動性、創意工夫を発揮して構造変化の波を積極的に乗り切ることにより、新しいフロンティアを開拓する担い手として我が国経済の発展を支えてきたものであると認識をいたしております。
 次に、政府系金融機関の対策につき、中小企業者の声にこたえたものとなっているかとのお尋ねでありますが、景気の足踏み状態が長引く中で、中小企業者が依然厳しい経営環境のもとにあり、政府系金融機関に対しさまざまな要望が寄せられていることは十分認識をいたしております。
 このため、政府系中小企業金融機関に対し、貸出手続の迅速化等を指導するとともに、先般決定をいたしました経済対策におきましても、政府系中小企業金融機関における既往債務の金利負担の軽減措置や特別貸付制度の創設・拡充措置等を講じ、中小企業者の資金需要に対し、より一層適切に対応することといたしております。
 今回の措置の対象となる中小企業についてのお尋ねでありますが、特別小口保険について、従業員についての要件が緩和されますと、例えば製造業について、これに該当する事業所数が約四十万から約七十万に拡大するなど、利用可能となる中小企業が相当程度増加するものと見込んでおります。
 また、既往債務に関する措置につきましては、第二次補正予算案において約八百四十三億円を計上しており、これにより政府系中小企業金融機関に五%超の債務を有する中小企業約五十万社のうち、相当数がその恩典を享受することになると見込んでおります。
 次に、宗教法人法改正についてのお尋ねでございますが、宗教法人制度につきましては、昭和二十六年の宗教法人法の制定以来、社会の状況や宗教法人の実態に変化が生じており、実情に合わない面が生じておりますので、その見直しを図るべきとの御意見が国民の間で高まっていることは御案内のとおりであります。
 政府といたしましては、宗教法人審議会で宗教法人制度のあり方について審議、検討をいただいてまいりましたが、九月二十九日に同審議会から文部大臣に報告がなされたところでございます。この報告は、信教の自由を最大限に尊重しながら、所轄庁が期待されておる責任や役割を果たすようにするとともに、法人の自治能力の向上や透明な管理運営に資するために最小限度の制度の改正が必要であるとしております。
 この報告を踏まえ、信教の自由と政教分離の原則を遵守しながら宗教法人法の改正について検討し、今国会に改正法案を提出したいと考えていることを申し上げておきたいと思います。
 宗教に関する苦情相談機関等についてのお尋ねでありますが、現在、国民の宗教に関する関心は高く、宗教に関する情報提供や苦情相談についての要望も多いことから、宗教法人審議会においてもこのような機関の設置について検討することが提言されているところでございます。今後、各方面に御理解を求めてまいりたいと考えております。
 また、このたびのオウム真理教をめぐる諸問題につきましては、信者等の社会復帰対策を中心として、現在、政府においてオウム真理教問題関連対策連絡会議を設け、関係省庁が連絡を図りながらその対策を講じているところでございます。
 いずれにいたしましても、本問題については、今後とも関係機関の連携を図りながら、内外の宗教団体をめぐる諸状況についての必要な調査研究などを進め、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、教育のあり方についてのお尋ねでございますが、現在、文部省の中央教育審議会におきまして、二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について鋭意審議をいただいているところでございます。
 今後、文部省を中心に教育上の諸課題を見直して、初等中等教育、高等教育を通じて、御指摘のような点も含め、みずから考え、理性的に判断し行動できる資質や能力を身につけるとともに、幅広い教養や豊かな人間性を涵養することなど、教育改革を推進してまいりたいと考えております。
 次に、エイズ訴訟についてのお尋ねでございますが、裁判所より近く和解勧告が出されることになっておりまするが、この和解勧告については謙虚に検討したいと考えておりまするし、具体的には各関係省庁等においてよく検討していただき、できるだけ早期に対応してまいりたいと考えております。
 次に、政治に対する国民の信頼回復についての菅野議員の御指摘がございましたが、御指摘のとおり、政治や行政に携わる者の倫理の確立こそ基本であります。この政権は徹底したスキャンダルのない内閣であることを心がけ、政治腐敗防止策の強化、公務員の綱紀粛正などに努め、また、新たに幹部職員の株取引の自粛を決定するなど、いやしくも国民に疑念を持たれることのないよう積極的に取り組んでいるところでございます。今後さらに一層の努力を重ね、国民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、日米の友好協力関係の維持発展は我が国外交の最重要課題と私も認識をいたしております。
 そこで、日米安保体制は、政治、経済、安全保障を含めた幅広い日米間の友好協力関係の基盤をなすものでございまして、その円滑な維持というものは日米の友好協力関係に最も重要なものであるという認識でございます。だからこそ、先般の沖縄におきます少女暴行事件というものはまことに私にとりまして衝撃的なことでございまして、深刻に受けとめておるわけでございます。
 政府といたしましては、この事件につきまして、その再発の防止のためにアメリカに対しまして厳重な措置をとるよう申し入れをいたしました。これは在日大使あるいはニューヨークにおきます外相会談、さらには日米安全保障協議委員会、あらゆる機会、あらゆる場を利用して強く申し入れているところでございます。
 これを受けましてアメリカ側も、沖縄に駐留する海兵隊の「反省の日」というものを設けて、通常の訓練を休止して地元への責任などについて討論を行う、あるいは講義を終日実施するというような措置をまずとっております。さらに、午後九時以降の基地内における酒類の販売を禁止するということをいたしておりますし、従軍牧師が暴力の防止についての指導を行う、あるいは米軍の機関紙及び放送を通じて個々の米軍人の責任感を喚起するなどなどの具体的な措置をとることを発表いたしております。さらに、訓練、教育につきましても徹底するとの責任者からの回答がございました。
 また、今回の事件との関連につきまして、種々御指摘のございました刑事裁判手続の問題につきましては、今般設置をいたしました刑事裁判手続に関する特別専門家委員会において真剣かつ精力的な検討を行い、早急に結論を得るよう全力を尽くす所存でございます。
 国連総会におきます私の演説についての各国の反応についてのお尋ねがございました。
 まず、私の国連におきます演説は、大きな柱を三本立てました。まず第一は、新たな視点に立った開発の重要性、つまり開発途上国の社会的、経済的な発展をどうやってサポートするかという問題、そして第二は紛争の予防・解決及び軍縮の問題、第三に国連改革と、この三つを取り上げたわけでございます。
 この演説に対しまして、国連加盟国の中の大多数を占めます開発途上国は、それぞれ大きな関心を示されたわけでございます。援助国側にはややもすれば援助疲れといいますか、援助離れがあるということについて、被援助国には心配がございます。そうした点につきまして、新たな視点に立った開発戦略と申しますか、そういったことを提案したことについて大きな関心を持っていただけたようでございます。
 また、今回の総会は国連創設五十周年でございますが、この五十周年を契機として国連改革を行うべしと。この国連改革の最も焦眉の急は国連の財政問題でございますが、この財政問題、さらには社会経済問題、そして安保理の改革問題、この三点について申し述べたわけでございますが、この国連改革の問題につきましても、それぞれ反応をしていただきました。財政問題が極めて重要だということを熱心に私のところへ言ってきてくださった方もございますし、安保理の問題についてそれぞれ御意見を述べてくださった方もあるわけでございます。
 また、核軍縮の問題につきましては、全面的核実験禁止条約交渉いわゆるCTBTにつきまして、九六年春までに妥結をし、遅くとも九六年秋までに署名をするべきだというカレンダーを提示し、さらに署名式は日本で行ってはどうかという提案を行ったわけでございますが、こうした提案につきましても、それぞれ反応があったところでございます。
 一部の国が核実験を強行しているということについて強い遺憾の意を表明いたしましたが、この我が国の姿勢についても共感をするところ大きいというふうに言ってくださった国が多々あることを申し添えます。
 フランスの核実験についてでございます。フランスの核実験が二回にわたって行われるということは、国際的な世論にまことに逆行することでございまして、この点についても我が国としては、総理大臣からフランスの大統領に既にこうした計画を撤回するようにということを伝えてございますし、さきに松永政府特使をシラク大統領あるいはドシャレット外務大臣のところに派遣をいたしました。今回も、フランスの核実験が行われました直後、私はフランスの在京大使を呼びまして強く抗議をすると同時に、官房長官は内外に政府の考え方を発表したところでございます。
 さらに今後、フランスの姿勢を何としても変えさせたいという思いで行動をしていくつもりでございますが、そのためには、一番オーソドックスなやり方は、やはり何といっても全面的核実験禁止条約を一日も早くつくり上げることが最もいい方法でございます。さらには、その条約ができる前にも実験を行ってはならないという国際的なコンセンサスをつくるということが重要だと思います。
 そこで、今回、ニューヨークに総理の指示によりまして総理特使という形で波多野前国連大使を派遣いたしまして、核実験の停止のための決議案を促進するという作業を現在いたしているところでございます。
 二百海里の問題についてお尋ねがございました。
 政府といたしましては、国連海洋法条約を早期に締結したいと考えており、具体的には明年の通常国会に提出することをめどに現在政府部内で所要の準備を進めているところでございます。
 排他的経済水域の問題については、現在、政府部内において検討を進めておりますが、御指摘のような意見のあることも念頭に置きつつ、さらに検討をいたしたいと思います。
 また、我が国周辺水域における外国漁船の操業問題については、生物資源の適切な保存・管理の推進を図るべく、関係諸国と緊密に協力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣野呂田芳成君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(野呂田芳成君) まず、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策についてお答えいたします。
 昨年十月に決定されましたウルグアイ・ラウンド農業合意関連大綱に基づき、六年間で六兆百億円を、所要の予算を確保して、特に農業・農村の活性化あるいは中山間地対策に意を用いつつ、着実に実施しているところであります。今度の第二次補正予算が御承認いただければ、一兆九千億強の事業が総事業ベースで実施されるということに相なります。
 また、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策が真に農業や農村地域のニーズに即し、また効果的に実施されるように、この九月に新たにウルグアイ・ラウンド関連対策推進連絡会議を省内に設置いたしまして、今、総力を挙げて所期の目的の達成に取り組んでおります。
 次に、新食糧法についてのお尋ねでありますが、生産調整の円滑な推進、備蓄調整保管制度の機動的な運用、計画流通制度の適切な実施を制度上位置づけたところであり、これによりまして米の安定供給に努めてまいりたいと考えております。
 また、これらを円滑に実施するためには、御指摘のように、生産調整、計画流通あるいは備蓄等に対する助成が必要でありますが、そのあり方につきまして現在関係方面と鋭意検討を進めているということを申し上げておきたいと思います。
 次に、森林・林業の活性化についてのお尋ねでありますが、森林は緑と水の源泉であります。
 森林の適切な管理と林業の活性化を図っていくためにも、まず木材の価格安定につきましては、木材需要の拡大を図るとともに、外材に対抗し得る低コストでかつ安定的な木材の供給体制を整備することが大事であります。
 また、森林保全費用の公的負担につきましては、森林の公益的機能にかんがみ、治山事業による保安林の保全整備、あるいは造林・林道事業による多様な森林の整備を計画的に推進してまいりたいと思います。
 また、林業労働力確保対策につきましては、雇用の長期化、安定化、あるいは高性能林業機械の導入促進等を通じ、林業の担い手を育成、確保してまいりたいと思います。これらの施策を総合的に実施してまいる所存であります。
 また、国有林野事業の累積債務の問題につきましては、平成三年の七月に策定されました国有林野事業の改善に関する計画に即し、林野、土地の売り払いなど自主改善努力を徹底的に尽くすとともに、一般会計からの繰り入れ等の所要の財政措置を講じてまいりたいと思います。
 最後に、国連海洋法条約の批准についてのお尋ねでございますが、国連海洋法条約批准に伴う排他的経済水域の設定につきましては、御指摘のとおり、漁業者間で全面的に設定すべきであるとの声があることは十分に承知しているところでございますが、先ほど外務大臣から御答弁ありましたとおり、現在、政府内部において、従来の経緯や周辺諸国に与える影響等も勘案しながら鋭意検討を進めているところであります。
 また、同条約に基づく海洋秩序のもとにおきましては、御指摘のとおり、資源調査を的確に実施するとともに、外国漁船による漁業の規制や減船等、漁業生産構造の再編等についても検討していくことが必要ではないかと考えているところであります。
 以上、答弁を終わります。(拍手)
   〔国務大臣青木薪次君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(青木薪次君) 菅野議員の御質問にお答えいたします。
 機動的な雇用対策についてのお尋ねでありますが、国際化等を背景として産業構造の転換等が一層進むと見込まれる中で、雇用の安定を図るためには、構造的な問題を抱える業種からの失業なき労働移動を進めることとともに、新たに雇用の創出を図ることが極めて重要であると考えておるところであります。
 このため、さきの国会で成立いたしました改正業種雇用安定法に基づきまして、構造的な要因により雇用調整を余儀なくされる業種の労働者ができるだけ失業を経ることなく労働移動することを支援するとともに、失業者の早期再就職に努めてまいりたいと考えておるところであります。
 さらに、雇用の創出を図るため、さきに九月二十日に決定いたしました経済対策の中に、中小企業の活力を生かした雇用機会の創出及び人材確保等の雇用対策を盛り込んだところであります。そして、きのうの橋本副総理の答弁にもありましたように、通商産業省とも連携いたしまして、国会に中小企業労働力確保法の一部を改正する法律案を提出する等によりまして、必要な対策を強力に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、若年失業者の発生防止に当たりましては、お尋ねのありましたように、菅野議員御指摘のとおりでありますが、女子学生を初めとする新規学卒者等の若年者の失業防止は非常に重要なことでございます。
 このために、公共職業安定所や大学を通じて求人一覧表を提供いたしまして、公共職業安定所においてきめ細かな職業紹介、相談等を実施するとともに、応募機会の拡大を図るため、九月四日の東京ドームを初め、全国各地で就職面接会を同じように積極的に開催いたしてまいりたいと考えております。
 さらに、本年度からは、体験的な就労を希望する未就職卒業者等について職場実習等を行う職場体験プログラムの実施や、各種の民間教育訓練機関等の活用をいたしまして機動的な職業訓練を実施するなどの就職支援の対策を強力に推進させてまいります。
 以上の支援策に加えまして、二次補正予算やこれらの関係するところにおきましては、学生職業センターの設置されていない四十一府県に臨時的に学生職業相談室を設けまして、きめ細かな職業紹介や相談等の一層の拡充を図っていきたいと考えているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣森井忠良君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(森井忠良君) 新しい高齢者介護システムについてのお尋ねでございますが、高齢者介護問題は国民の老後の最大の不安要因となっておりますので、その解決は国民的な課題だと承知をいたしております。
 このような状況を踏まえまして、老人保健福祉審議会において、ことしの二月から高齢者問題について集中的な検討を重ねておりまして、その中間的な取りまとめとして、去る七月、中間報告をいただきまして公表したところでございます。
 その内容は、高齢者介護問題を解決するために、高齢者介護サービスが福祉と医療に分立しております現行制度を見直しをいたしまして、公的責任を踏まえまして、適切な公費負担を組み入れた社会保険方式のもとで総合的、一体的に提供する新しい高齢者介護システムの具体的な検討を進めていく必要があるとするものでございます。
 今後、老人保健福祉審議会において、中間報告を踏まえ、具体的制度案の基本的な考え方について、年内を目途に意見の取りまとめが行われることとされておりますが、高齢者介護問題は国民の生活と密接な関係を有する問題でございまして、御指摘のように、国民的な議論が不可欠であることから、やや異例ではあるんですけれども、地方公聴会の実施も含めまして広く国民各層の意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、国民の十分な御理解をいただかなければこの制度は成り立たないというふうに判断をしていることを申し上げておきたいと存じます。
 次に、エイズ訴訟についてでございます。
 既に総理から御答弁がございましたが、私へも御質問がございましたので、簡単に御答弁をいたしたいと存じます。
 来る十月六日、御指摘がありましたように、東京地裁、大阪地裁よりほぼ同時に和解勧告がなされるわけでございます。既に期日の指定があったわけでございまして、私は、裁判所から和解勧告が出ましたならば、まさに過去既に相当数の方が亡くなっていらっしゃるというふうな環境も考えながら、厳粛に受けとめ、その内容を謙虚に検討し、関係省庁とも協議をいたしました上で、できるだけ早く国としての対応を決めたいというふうに考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(斎藤十朗君) 橋本敦君。
   〔橋本敦君登壇、拍手〕
#15
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、村山総理の所信表明に対し質問いたします。
 質問に先立って、日本共産党は、またもフランスが世界に広がる核実験禁止、核兵器廃絶の願いを踏みにじり核実験を強行した暴挙に対し、断固たる抗議を表明するものであります。
 さて、さきの参議院選挙の投函率は四四・五%と史上最低となりました。これは、米輸入自由化を初め、消費税の税率アップ、年金支給開始年齢の引き上げなどの公約違反の政治、それと国民不在の政争に対する強い批判のあらわれであります。わけても連立与党の議席の後退は、悪政推進に直接責任を負う政党に対する国民の明白な審判であります。
 総理、社会党は史上最大の敗北となりましたが、これは社会党が公然と自民党政治の一翼を担うに至り、安保、自衛隊、消費税問題などで明白にこれまでの基本路線に反した結果、国民の厳しい批判を受けたのではありませんか。無党派と言われる人々も含め多くの国民は、公約を守るまともな政治、筋の通った国民本位の新しい政治を求めているのであります。
 総理はこの国民の審判をどう受けとめ、みずからの責任をどう認識しておられるのか、明確にお答えください。
 まず、景気対策について伺います。
 今日の不況は、四年間のゼロ成長、過去最高の失業率、青年や女性の厳しい就職難、中小企業の相次ぐ倒産、廃業、個人消費の三年連続の落ち込み、中小金融機関の経営破綻などと戦後最悪の様相を呈しています。
 政府はこれまで五回にわたり景気対策に約四十八兆円もつぎ込みましたが、それにもかかわらず日本経済は一向回復の兆しが見えません。政府の今回の経済対策もその基本は、十二兆八千百億円の巨額の公共投資で景気の下支えをするという相も変わらぬ従来型の繰り返してあります。
 まず、これまでの経済対策をどう評価し反省するのか、根本的な見直しと検討が必要ではありませんか。真の景気回復の道、そのかなめは、無反省に従来型を継続するのではなく、この際、思い切って国民生活を直接向上させる対策を講ずることではありませんか。
 そのために、悪魔のサイクルと言われる異常円高の根源にメスを入れる根本対策、大企業の人減らしリストラを抑え、雇用安定を進めることはもちろんでありますが、巨額の公共投資についてその重点をもっと国民生活密着型、福祉型の公共事業優先に変えるべきであります。例えば、国民が願う教育条件の整備、高齢化社会に対応した住宅建設など、景気の活性化に直結する公共事業の需要は無数にあるではありませんか。
 阪神大震災の復興も急がねばなりません。政府も公共事業の中に震災復興対策を入れてはいますが、大きなビルが建ち並び道路ができても、それだけでは真の復興になりません。人々が我が町に戻ってこそ町はよみがえります。そのためには、被災地復興の最優先課題として、市民がそれぞれの生活圏内で住める公共住宅を大量に建設することが必要です。それとともに、我が党がかねてから主張しているように、一夜にして我が家を、資産を失った被災者に対し、個人補償を行うべきではありませんか。それは個人の住宅再建を大きく促進し、地域での多数の関連業種の仕事をつくり出し、景気回復の大きな支えになることは疑いないではありませんか。
 景気回復のもう一つの重要な柱は、国内総生産の六割を占めるといわれる国民の消費購買力を大きく引き上げることであります。
 総理、今、国民が買いたいものがあっても買えない、無理をしても貯蓄しなければならないという思いに迫られているのはなぜかおわかりでしょうか。消費税率の引き上げ、老後の不安、失業や病気の心配、高額な教育費の負担等々、庶民の暮らしは追い詰められているのです。
 しかし、こうした問題は、すべて福祉、教育、医療など、本来政府がやるべきことをやらず、後退させてきた結果ではありませんか。法人税、土地税制、有価証券取引税、みなし配当課税など、一握りの大企業が潤う見直してはなく、政治の流れを変えて庶民減税と公共料金値上げストップ、教育、福祉、社会保障の充実など、国のやるべき責任を果たしたらどうですか。そのためにも消費税増税はきっぱりやめるのが当然であります。総理、いかがですか。次に、金融問題であります。
 二信組問題に始まり、今年に入って金融機関の破綻と莫大な不良債権の処理が問題になっています。その背景には、政府や日銀が八〇年代以降金融自由化を急速に推し進め、次々と規制緩和を図り、プラザ合意以降アメリカの言いなりの超低金利政策をとって金融をだぶつかせてきたことがあります。まさにこれらの政策がバブルを引き起こしためであり、まず問われなければならないのはこの責任ではありませんか。
 さらに、住専問題をめぐっては、設立母体銀行の役割と責任、住専が不動産投機にのめり込んでいくことを事実上容認した大蔵省の指導責任、これも厳しく問われねばなりません。さらには、監督官庁たる大蔵省高級幹部の驚くべき腐敗と綱紀の緩みは何ということでしょう。これらの問題について、一体大蔵大臣はその責任をどう認識されているのか、伺います。
 次に、公的資金の導入問題であります。
 大銀行などの不良債権の処理に当たっては、預金保護や金融秩序維持の名目で、乱脈経営のツケをやすやすと国民の税金で穴埋めすることなどは断じて許されません。バブルの時期に大きな利益を上げた大銀行は巨額の内部留保を持ち、さらに相次ぐ金利の引き下げても莫大な利益を得ています。その上、今回の史上最低○・五%への公定歩合引き下げても、銀行の利益は来年の春には四兆七千億円にも上るだろうと見られています。それなのにどうして国民の税金で救済する必要がありますか。
 さらに、大蔵大臣、六兆とも八兆円とも言われるこの不良債権について、その巨額の資金の行き先ほどこなのですか。だれが返済もせず不当に利得している結果となっているのですか。乱脈経営責任の究明とともに、これらの問題を国民の前に明らかにすることは当然ではありませんか。大蔵省はどう対応しますか、具体的にお答えいただきたい。
 言うまでもなく、公定歩合引き下げによる史上最低の利子で預金の目減りに苦しめられているのは国民です。政府が真に国民の預金を保護するというのなら、せめて高齢者世帯や母子世帯の貯蓄を守るために、銀行預金、郵便貯金に対し、異常な低金利政策に左右されずに常に特別の金利を保障すべきではありませんか。総理の見解を伺います。
 次に、沖縄の許すべからざる米兵暴行事件であります。
 あどけない少女に対する米兵の非道きわまる犯行を、日本国民として、人間としてどうして許せるでしょうか。米兵が野蛮な野獣と化して抵抗もできない幼い少女をじゅうりんするその暴虐、それなのに日米地位協定のため日本の警察が犯人の逮捕もできない。その無念と民族の屈辱に沖縄県民の怒りが沸き起こり、それが今、日本じゅうに燃え広がっているのは当然であります。
 沖縄県民が犯人の引き渡しと日米地位協定の見直しを強く要求しているまさにそのときに、政府は何をしたのでしょうか。犯人の引き渡しを要求しなかったばかりか、アメリカの要求はやすやすと受け入れて、地位協定には根拠のない思いやり予算を増額し、新たに米軍の戦闘訓練費まで負担することを約束しました。何という対米追随の屈辱的な態度でしょう。なぜきっぱり拒否できないのですか。
 ある新聞は、基地が少女に襲いかかったのだ、沖縄では人間の存在と尊厳が日々侵されていると書きました。一体、総理は、戦争中は悲惨な戦場となり、戦後も米軍占領下に置かれて、今日まで基地の重みに苦しみ耐え続けている沖縄県民の怒りが本当にわかっているのですか。
 総理、日本の捜査権を侵す米軍の治外法権的特権はこのままでよいとお考えですか。日本の主権と国民の尊厳にかかわる重大問題です。日米地位協定の改定を緊急の課題として直ちに取り組むべきであります。総理の責任ある答弁を求めます。
 次に、安保・防衛問題について伺います。
 社会党はさきの参議院選挙で軍縮を公約に掲げました。その一つは、軍事費の伸び率を前年度並みに抑えるというものであります。そもそも軍事費の伸び率を抑えるというのは、それだけでは本来軍縮の名に値しないものですが、それさえ守れず、軍事費の伸び率は今年度を上回る二・九%増となりました。
 第二に、正面装備は強化しないと言っていましだが、この公約にも反し、その内容は一機百二十三億円もする支援戦闘機百四十一機、総額二兆ないし四兆円にも及ぶ戦域ミサイル防衛など限定的かつ小規模の侵略への対処という現在の防衛計画大綱を超える装備強化の方向であることは明白であり、早くも公約が破られたのです。総理、一体国民にどう説明されるおつもりですか。
 また、総理は、自衛隊の高級幹部会同で日米安保条約の強化を公言されました。そして、九月二十七日の日米安保協議では、十一月の日米首脳会談で新しい時代における日米の役割を明らかに示すことで一致したというのであります。これまで政府は、日米安保条約はソ連の脅威に対処するためと、こう言ってきました。そのソ連が崩壊してその日実がもはやなくなった今日、日米安保条約の存在そのものが問い直されるべきなのに、新しい役割の確認など一体どういう必要があるのでしょう。
 アメリカのペリー国防長官は、米軍と自衛隊が世界の安全保障のために助け合うことで将来に備える、こう演説しています。一方、九月二日訪米した衛藤防衛庁長官は、日本領域に限らず世界のあらゆる地域で行動する米軍に対して給油や輸送で自衛隊が協力するという物品役務融通協定を締結して、これをPKOにも適用したい、こう言っています。
 このように、総理、日米安保条約の再定義なるものは、現在の日米軍事同盟と日米共同作戦を世界的規模、全体に広げようとする重大な改悪であり、総理の責任ある答弁を求めたいのであります。
 日米安保条約は日本の主権を侵すだけではありません。軍事費の増大を押しつけ、さらには世界のどこでも日米共同の軍事行動を進め、憲法の平和原則を踏みにじっていく大もとになっています。今こそ日米安保条約の解消に向けて真剣に検討を進め、核も基地もない日本を目指すべきです。そうしてこそ、敵対でも従属でもない対等平等の真の日米友好関係が築かれるでしょう。それが日本の正しい進路を開く政治家の責任ではありませんか。
 次に、農業問題について伺います。
 日本の農業は、米輸入自由化、新農政による大規模経営の推進、さらにこの十一月から施行される新食糧法のいわば三悪農政によっていよいよ重大な危機に追い込まれています。
 この新食糧法は、米の生産と供給を基本的には市場原理に任せて政府の責任を放棄するもので、農民には、米の価格が暴落するのではないか、このまま米づくりを続けられるのだろうかという深刻な不安が広がり、消費者は国産米の安定供給が脅かされようとしています。既に施行を前にしてアメリカの巨大穀物商社や国内の総合商社などが米市場に参入してきており、米価の乱高下や投機の危険は現実のものとなっています。
 この事態に対し、何よりもすべての農家が安心して米づくりが続けられるように、米価の下支えの仕組みをどう確立するつもりですか。これは政府の差し迫った責任のある問題ではありませんか。農水大臣の具体的な答弁を求めます。
 この点で我が党は、当面、政府の買い入れ米の数量を三百万トンにふやし、買い入れ価格も再生産が保障できる価格として六十キロ当たり最低二万円以上にする必要があると考えていますが、政府の見解を求めます。
 最後に、オウム真理教についてであります。
 ついに坂本弁護士一家は帰りませんでした。生きて帰ってほしいという切実な願いはついえ、限りない怒りと痛恨の思いが広がっています。
 この凶悪な反社会的犯罪集団に対しては、刑法によって厳重に処断するとともに、宗教法人法により一刻も早く解散させることは当然であります。それが本来の筋道、正攻法であり、また最も実効性があるものです。しかるに、オウム事件に死に体となっている破防法を適用しようとする動きが出ていますが、これは憲法と民主主義の名において断じて容認できません。
 そもそも破防法の重大な問題は、国民の自由な政治活動を国家権力が取り締まり弾圧する目的で公安調査庁という名の秘密政治警察をつくり、日常的に調査、監視し、ひそかにスパイ活動を行うことであります。実際に公安調査庁は、これまでも調査対象は独断で決め、政党、労働組合、市民団体に対し、身分を隠したりしながら数々の不法不当なスパイ活動を行ってきているではありませんか。これが国民の結社の自由、思想、信条の自由に対する重大な侵害であることは言うまでもありません。このような秘密政治警察が憲法と相入れない存在であることはだれの目にも明らかではありませんか。
 総理、民主政治のもとで秘密政治警察の存在が許されるとお考えですか。
 破防法は制定当時、広く国民の各界から、戦前の悪名高い治安維持法の復活ではないかなど、憲法違反の悪法を許すなど大きな反対意見が沸き起こり、国民的大闘争となりました。今日までの四十三年間、一度も団体規制が行われなかったのは、この破防法がまさに民主主義の根本に背く悪法だからにほかなりません。このような破防法をオウム事件を機会に持ち出し、紛れもない秘密政治警察であり本来は解散すべき公安調査庁を認知するようなことは、それこそ民主政治に対する重大な暴挙であります。
 総理は、きのう我が党の志位書記局長の質問に対し、この法律は国民の基本的権利に重大な関係を持つものであり、厳正かつ慎重に運用されるべきものであると考えておりますと答弁して、総理自身の見解を示されましたが、そうであれば、行政庁任せにするのでなく、我が国民主政治の根幹にかかわるこの重大な問題について総理御自身の判断と責任で厳正に対処するよう強く求め、重ねて日本共産党は破防法の適用に断じて反対であることを表明して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(村山富市君) 橋本議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
 さきの参議院選挙の結果に示された有権者の意思については、厳粛に受けとめております。世界の政治、経済、社会が大きく変化をし、多様な価値観が競い合いながらも共存するという国内外の情勢を反映して、我が国も本格的な連立の時代を迎えてまいりました。
 社会党は、自民党、新党さきがけと連立政権を組むことによりまして政策合意を形成し、戦後五十年にわたって懸案となっておりました諸問題の解決を図ってまいるとともに、景気回復内閣、改革推進政権として、国民の御批判を謙虚に受けとめ、懸命に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、これまでの経済対策についてのお尋ねでございますが、今次の景気局面において政府が講じてまいりました累次の経済対策の実施に伴う公共投資の成長率への寄与は大きなものであり、また、金利も史上最低水準にあるなど、金融緩和基調を維持しております。それにもかかわらず、日本経済の回復のスピードが従来の回復初期の局面と比較をいたしまして極めて緩やかなものにとどまっておる大きな理由としては、資産価値の下落に伴う諸問題の存在や、我が国経済が構造的問題に直面していることが挙げられております。
 政府といたじましては、こうした経済の現状に的確に対応するため、去る九月二十日に、事業規模として過去最大の十四兆二千二百億円に上る経済対策を決定したところでございます。これにより、思い切った内需拡大、資産価値の下落に伴う諸問題を含めた直面する課題の克服及び経済構造改革を強力に推進していくことといたしておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、公共投資についてのお尋ねでございますが、今回の対策では過去最大の事業規模を確保しているのみならず、その内容につきましても、国民生活の質の向上や安全の確保に資するものに重点的な配分を行うことといたしております。
 具体的には、下水道や都市公園等快適な都市生活に必要な施策の整備のほか、教育・医療施設の近代化、社会福祉施設の整備や高齢者向け住宅の供給の推進、さらには災害に強い町づくりなどに従来にも増して思い切った施策を講ずることといたしておるところでございます。
 次に、被災地における公共住宅の大量建設についてのお尋ねでございますが、阪神・淡路大震災による甚大な住宅被害に対応し、被災者の方々の居住の安定を図るため、公共住宅の大量建設が必要であることは申し上げるまでもございません。
 このため、政府といたしましても、兵庫県のひょうご住宅復興三カ年計画等の円滑な実施を強力に支援することとしております。同時にまた、これまで公的住宅の建設に必要な予算の確保を図るとともに、災害公営住宅について激甚法に基づく建設費補助率の引き上げ等の措置を講じてきたところでございます。
 さらに、今回の七年度第二次補正予算におきましても、公的住宅を建設するための予算を増額し、兵庫県の三カ年計画で決められた公的供給住宅七万七千戸のうち約九割に当たる約七万戸の建設に着手することといたしております。今後とも被災者の方々の居住の安定を図るため、公共住宅の大量建設を強力に支援してまいる考えでございます。
 次に、住宅復興に資する観点から、被災者に対する個人補償を行うべきではないかとの御指摘でありますが、一般的に自然災害により個人が被害を受けた場合には自助勢力による回復が原則となっております。しかしながら、政府といたしましては、被災者の実情に配慮をした支援措置を幅広くかつきめ細かく実施をし、一日も早く被災者の生活再建が実施されるよう努力をしてきておるところでございます。
 特に、阪神・淡路大震災につきましては、被害の甚大さにかんがみまして、特別の立法などにより被災者の生活再建等への支援措置を拡充いたしておりまするし、個人補償という形ではございませんが、各般の行政施策を補完する阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置を行うなど、大幅な支援措置を講じることにより適切に対応してまいったつもりでございます。
 個人補償につきましては、私有財産制度のもとでは、個人の財産が自由かつ排他的に処分し得るかわりに、個人の財産は個人の責任のもとに維持することが原則となっている点については御理解をいただきたいと思います。
 次に、景気対策についての御提言でございますが、政府といたしましても、民間消費の拡大や国民生活の質の向上を含めて、現下の経済情勢に対応した施策の実施に十分な配慮を行ってきたところでございます。
 まず、今回の経済対策におきましては、十二兆八千億円に上る公共投資等を実施することといたしておりまするが、これにより有効需要が創出され、国民の購買力の向上につながるものと考えております。また、個人所得税につきましては、三・五兆円の恒久的な制度減税に加え、景気に配慮して、七年度におきましても二兆円の特別減税を上乗せすることにより六年度と同規模の減税を実施してきているところでございます。
 さらに、この六月の緊急円高・経済対策の具体化・補強策におきましても、八年度においても景気が特に好転しない限り特別減税を継続することとされているところでございます。
 御指摘の公共料金につきましても、今回の経済対策において、国内航空運賃における幅料金制度の導入や国際電話料金の引き下げ等を含め、公共料金の見直しについて盛り込んだところでございます。
 教育、福祉、社会保障につきましては、これまでもその充実に努めてきたところでございます。今次対策におきましても、これを主に施設面から強化すべく、教育・医療施設の近代化や社会福祉施設の整備など、国民生活の質の向上に資する施策を整備することといたしたことについても御理解を賜りたいと存じます。
 消費税についての御質問がございましたが、消費税率につきましては、昨年成立をいたしました税制改革関連法において、平成九年四月一日から、新たに創設されました地方消費税と合わせ五%に引き上げる旨が決められております。
 また、その附則におきまして、いわゆる見直し規定が設けられているところでございますが、現時点では何らの予断を持つことなく見直し規定に盛り込まれた諸点を勘案し、今後とも検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、預貯金金利についての御質問でございますが、金利水準の低下は景気回復に大きく寄与するものと考えられ、これがひいては国民生活にも好ましい影響を及ぼすものと考えております。
 なお、こうした低金利のもと、老齢福祉年金等を受給されている方々の立場を踏まえ、従来同様の金利で福祉定期預貯金を実施しておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
 次に、在日米軍駐留経費負担を中止すべきではないかとの御質問でございますが、在日米軍駐留経費負担は米軍の我が国における駐留を支える大きな柱であります。
 今般、今年度末で失効する現行特別協定にかわるものとして新たな協定に署名を行うに至りましたが、政府といたしましては、所信表明演説でも申し上げておりますように、適切に対応していきたいと考えておりますし、在日米軍駐留経費負担について中止する考えのないことを申し上げておきたいと思います。
 次に、沖縄についての御質問でございますが、沖縄県民の皆様には、戦中戦後を通じまして多大の犠牲と御苦労をおかけしております。特に、戦後は長期にわたって米国の施政下にあり、復帰後も広大な米軍の施設・区域が存在しておりますが、この間累次にわたり多くの事件が発生し、また、このたび少女の痛ましい事件が発生したことは極めて遺憾でございます。
 このような状況に対し、県民の皆様が大きな不安や憤りを抱いておられることについては、そのお気持ちを察するに余りあるものがあると思います。また、多大な御負担をかけながら御協力をいただいていることにつきましても、改めて心より感謝を申し上げたいと思います。
 しかし、こうした問題は、単に沖縄県民のみならず、国民的な支えに立ってこのような事態の改善に政府として懸命に努力すべき責任を痛感していることを申し上げておきたいと思います。
 他方、日米地位協定につきましては、今般、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会を設置いたしまして、同委員会において真剣かつ精力的な検討を行い、早急に結論を得るようにこれからも全力を尽くしてまいる所存でございます。
 次に、防衛関係費について御質問がございましたが、平成八年度防衛関係費の概算要求につきましては、その基準枠の設定に当たって、連立与党間の調整、さらには政府、与党間の調整という合意形成の過程を踏みまして、対前年度二・九%増で決定されたものでございます。人件・糧食費、歳出化経費の大幅増という当然増要因のもとで、自衛隊の維持運営に必要な経費を確保するという観点とともに、冷戦終結後の国際情勢の変化についての議論、一段と深刻さを増しておる財政事情等を踏まえ設定されたものでございます。
 御指摘の平成八年度の正面装備に係る概算要求につきましては、今後の防衛力のあり方について検討が進められている点に留意しながら、また、冷戦後の状況変化も踏まえ、新規正面契約について極力抑制するものとなっております。今後の予算編成過程において、防衛力のあり方の検討との整合を図り、十分な精査、調整がなされるものと承知をいたしております。
 次に、安保条約の役割についての御質問でございますが、御指摘のとおり、ソ連邦の解体により東西冷戦は終結をし、地球的規模の戦争の可能性が大幅に減少したことは事実だと思います。
 他方、今日の国際社会は依然としてさまざまな不安定要因も存在していることは御承知のとおりでございます。このような状況の中で日米安保体制の円滑な運営を確保していくことは、日米両国のみならず、アジア・太平洋地域にとっても重要であり、これが最も効果的に機能するために安全保障面で日米がいかなる協力を進めていくべきかにつき、これまで米国との間で種々意見交換を行ってきたところでございます。
 十一月にクリントン大統領が訪日される際、このような意見交換の成果も踏まえ、日米安保体制の重要性を首脳レベルで総括することができれば極めて有意義であると考えておるところでございます。
 次に、日米安保の再確認は重大な改悪であるという御指摘でございますが、政府といたしましては、先ほども申し上げましたように、日米安保体制の円滑な運用をいかに確保し、これが最も効果的に機能するため日米がいかなる協力を進めていくべきかについて米国との間で意見交換を行っているものであり、このようなことが御指摘のような改悪であるとは考えておりません。
 なお、日米間の物品役務融通に関する取り決めにつきましては、現時点で何らかの方針が決まっているということはございませんので、念のため申し添えておきたいと思います。
 次に、日米安保条約の解消を検討すべきではないかとの御質問でありますが、日米安保体制の必要性や意義につきましては先ほど来申し述べたとおりでございます。日米安保条約を解消することは考えておりません。
 ただ、我が国が非核三原則を遵守していくこと、また、核のない世界をつくるために全力を尽くしていくべきことはもちろんのことであり、改めて申し上げるまでもないことだと考えております。
 次に、公安調査庁の活動、業務についてのお尋ねでございますが、公安調査庁は、公共の安全の確保に寄与することを目的とし、破壊活動防止法の規定による破壊的団体の規制に関する調査及び処分の請求等に関する事務を遂行するために設立された国の行政機関であって、同法に基づき、法令の定める範囲で合法かつ適正な調査活動を行っているものと承知をいたしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(武村正義君) 金融関係のお尋ねにお答えをさせていただきます。
 一九八五年九月にプラザ合意がございました。そこから低金利状況になり、潤沢な資金状況、投機的な取引が活発化していわゆるバブル経済が発生したというのはおおむねそのとおりであります。当時とられた金融政策は、今振り返るといろいろ論議、批判がございますが、円高進行下での景気後退という状況に対処するための措置であったという認識をいたしているところでございます。
 また、いわゆるバブル経済の崩壊の過程において金融機関の不良債権問題が生じましたが、特に住専につきましても、事業者向け融資への急速な傾斜の結果、多額の不良債権が生じ、その解決が目下重要な課題になってきているところでございます。この問題については、母体金融機関を含め、当事者間の真剣な議論を強く促してまいります。その議論を踏まえて所要の検討を進め、当事者間の合意形成を促進することにより、適切にその役割を果たしてまいりたいと考えております。
 次に、大蔵省の不祥事は、財政金融政策を預かっております大蔵省への信頼を大きく損なうもので、まことに申しわけないと存じます。特に、中島前財政金融研究所長のような大蔵省の幹部職員がこのような事態を引き起こしたことは遺憾きわまりないものと考えております。先般、改めて、私自身を含めて幹部職員について処分等を行ったところでございますが、今後二度とこのようなことが起こらないように、省を挙げて綱紀の粛正に全力を尽くしてまいります。
 次に、不良債権の問題でありますが、金融機関の不良債権の早期処理は現下の喫緊の課題でございます。今後、おおむね五年以内のできるだけ早期に不良債権の果断がつ迅速な処理を行う必要があります。このため、各金融機関においては最大限の努力が求められるところであります。
 金融機関の破綻処理につきましては、まず金融機関の自助努力や、最大限の預金保険料引き上げを含む金融システム内での最大限の対応が求められることであります。そのような措置を講じた後にもなお金融機関を消滅させる一方で預金者に損失を直接分担させることを避ける必要のある場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題になろうかと考えます。
 ただ、これによりまして納税者に負担を求めることは慎重な検討が必要でありますし、大蔵省としましては、金融システム内の最大限の対応努力を求めながら、公的資金の時限的導入など公的な関与のあり方について検討を進めてまいりたいと考えます。
 最後に、個別金融機関がその不良貸付先について明らかにすることは、一般的に銀行の秘密保持義務の問題があると思われますが、不良債権問題の早期解決のためには、各金融機関がこの不良債権の早期償却に努めるとともに、御指摘のとおり、未回収債権について一層の回収を進めることが不可欠であるという認識を持っております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣野呂田芳成君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(野呂田芳成君) まず、新食糧法のもとでの米価の下支えの仕組みについてお答え申し上げます。
 新しい食糧法のもとでは、御承知のとおり、自主流通米が基本となりますが、価格の水準は需給事情や市場評価等を反映して変動することになります。稲作経営やあるいは消費者家計に影響を及ぼさないように価格の安定を図っていくことが最も肝要であると思います。
 このため、生産調整や備蓄運営を通じた適切な需給調整、あるいは計画流通制度のもとでの時期的にも地域的にも偏りのない安定流通、自主流通米価格の適切な値幅の範囲内での価格形成、政府買い入れ価格につきましては自主流通米価格の動向の反映を基本としつつ生産コスト等を参酌して設定すること、こういう諸措置を通じて米全体の価格の安定を確保してまいりたい。
 次に、新食糧法のもとにおける政府米についてのお尋ねでありますが、新たな制度のもとでは、政府は、備蓄の円滑な運営を図る観点から、必要な数量を買い入れることとしております。その場合、備蓄の水準につきましては、百五十万トンの確保を基本として、豊作等による需給変動にも激動的に対応できますように、一定の幅、五十万トンをもって運営をすることとしております。
 また、政府買い入れ価格につきましては、ただいま触れましたように、自主流通米の価格動向が反映されたものとすることを基本とし、あわせて生産コストや、あるいは米穀の再生産を確保することを旨として設定することにしております。
 八月に米価審議会に小委員会を設けまして、今、今月中にその算定のあり方について取りまとめるように鋭意作業をしていただいております。関係方面と十分この調整をしながら、適切な米価決定に向けて頑張りたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
#19
○議長(斎藤十朗君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開議
#20
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。林寛子君。
   〔林寛子君登壇、拍手〕
#21
○林寛子君 私は、平成会を代表して、総理の所信表明に関連して、教育改革、女性問題、少子・高齢化社会問題を中心として質問をいたします。
 その前に、最近の懸念すべきことから申し述べたいと思います。
 ことしは年初から次々に事件が起こり、戦後五十年かかって国民が築いた安全神話が崩れる事態になってしまいました。
 さきの一月十七日の阪神・淡路大震災、三月二十日の地下鉄オウム・サリン事件、警察庁長官の狙撃事件が相次いで発生し、また、金融業界に次々と起こる問題、しかも一人のディーラーがアメリカで十一年間に何と千百億円に及ぶ損失額を出す始末、だれも気がつかなかったという無責任ぶりまた、四十兆余に上る不良債権も抱えて、なお金融不安は増大の一途。さらには、最近、沖縄県における米兵による小学生女児暴行事件の発生など、枚挙にいとまがありません。
 このように、本年に入ってからかつてない大事件が続発しているにもかかわらず、国民の不安を解消するような具体策は何ら出されず、さきの参議院選挙で総理を出している社会党も、改選議席四十一名、当選十六名の惨敗。国民の意思が明確に示されたにもかかわらず、だれも責任をとらない。
 外国のマスコミでは、歴史のいたずらで彼は首相になった、それまでは実績もなく名ばかりの指導者である。これがサミット開催地カナダの村山総理の紹介記事。また、英国の金融専門誌にはワースト蔵相に選ばれる不名誉な始末。村山内閣は不支持率が支持率を上回り、今や最低支持率となる状況。外相に至っては前総裁などなど、面目丸つぶれ内閣と新聞に風刺される始末。
 これほど次々に起こる大事件、大問題を内閣が迅速かつ的確に対処していれば、村山総理は名宰相と言われたでしょうが、今やこの失われた安全神話を取り戻す第一の早道は、まず責任をとって村山総理が退陣されることです。それについては総理の答弁を求めます。
 さて、日本の「国づくりは人づくり」と言われる教育問題も、いじめ、自殺、不登校、入試地獄などなど、今日子供たちを取り巻いている環境は余りにも悲惨だと言えます。そして、その悲惨さが年を追うごとにその度合いを増してきているのが現状と言わざるを得ません。
 また、大勢の若者がオウム真理教に走った。しかも、その中に悲惨さを切り抜けたいわゆる受験エリートが少なからずいたという事実。我々は、これら悲惨な結果を生み出した原因をよく分析し、この一環として今日の、また今後の教育のあり方について真剣に議論し、対応する必要があります。多くの教育者が、これまで私たちがしてきた教育は一体何だったんだろうと述懐するのはむべなるかなと痛感するのであります。
 戦後の教育の機会均等の教育政策はそれなりの成果があったことは認めます。しかし、高学歴化と大衆化がもたらしている子供たちへの負の圧力の大きさに目を閉ざすことができない事態になっている事実を我々は直視しなければなりません。
 十一年前に、臨時教育審議会は「教育を受ける側の視点」を前面に出し、教育の自由化、個性化、多様化の方向を示したことは正しい判断でありました。要は、その方向での施策を急がなければならないということであります。いつまでも子供たちに地獄と感じさせるような教育を背負わせておいてはならないと痛感するのであります。地獄という言葉が教育の中で使われるのを是正しないで、このまま放置するつもりなのでしょうか。我々新進党は、教育改革推進本部も設置し、教育改革に真剣に取り組んでおりますが、この問題こそ戦後五十年を機に与野党の総力を結集して対応すべきではないでしょうか。
 ここで、私はあえて次の提案を申し上げたいと存じます。
 一つは、中高教育の一貫化であります。
 昭和五十五年に五〇%だった高校進学率は今や九七%にまで上がり、高校に進むことは社会的に当然視される時代でございます。多感な十五歳という時期の子供たちを受験戦争に追いやることの生み出す弊害は世によく理解されていることであり、要はこの問題を解決する方向で一歩前進することが肝要であると考えられます。
 十二歳から十八歳という人間形成の重要な時期を、物事を深く考えることや、よい意味での批判力を養うことのできる教育の場で過ごすことの意味を考えて、次世代の日本人の育成のために決断をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、大学教育についてであります。
 大学進学率も今日では四五%に達しており、近々には大学に行かない者の方が少数派に転じかねない趨勢にあります。このような情勢を踏まえて、教育機関としての大学のあり方について根本的な再検討が必要になってきたと感ずるのであります。青少年の数が減少していく状況の中で、我々は大学教育のあり方にこれまた抜本的な再検討を加える時期に来ていると思います。
 ここで、大学助成の現状について一つだけただしておきたいと思います。
 国立大学の場合、学生一人当たり本人負担は年間四十一万円、国からの助成は約二百六十万円、私立大学の場合、本人負担は九十八万円、国の助成は約十三万円となっております。単純計算では、国立大学は私学の二十倍の国費が使われていることになります。ところが、大学の卒業生の数を比較しますと、逆に私立は国立の三倍となっております。しかも、国立私立を問わず、これら卒業生一人一人に期待される社会的貢献に差はないとすれば、この事実は大きな矛盾をはらんでいるのではないでしょうか。
 新しい世紀を迎えるに当たって、できれば明るい希望に満ちた日本社会の未来を願う我々にとって、その重要な構成員となるべき若者たちの大学教育のあり方の一つの問題と見えるのではないでしょうか。どうでしょうか。
 このような問題を踏まえて、また「国づくりは人づくり」という基本認識に立って、私立大学の助成の一層の充実、あるいは国立大学の研究環境の改善に今後積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。次に、恒久的な世界平和の創造という観点から若干お尋ねします。御承知のように、現下の国際社会はかつてないほど大きな変革の時代を迎えており、ますますグローバルな平和への道が求められておりますが、このグローバルな平和の実現は国際的な相互の理解なくしては到底なし得るものではありません。また、真の国際的な相互理解を深めるには、二十一世紀の国際社会を担う子供たちに各国の文化や歴史に関する情報や人的交流の機会を十分に提供することが肝要であり、それが最も確実かつ永続的な方法であると考えます。
 ことしは戦後五十年に当たりますが、その節目の年に過去を顧みて、その歴史の教訓に学ぶことも大切なことでございますが、未来に向けて世界平和の創造のために我が国が率先して具体的な行動を起こしていくことも極めて重要なことであると考えます。
 先般、私は、村上幹事長を団長とする本院の特定事項調査団の一員として、オランダ、スウェーデン、ドイツの児童図書館などを調査してまいりました。各国とも少子化や小家族化が進む中で、子供たちの知的形成をいかに援助するかという観点から、中央の図書館と地方の図書館が連携を密にして児童図書についての研究や情報の収集、提供などに努めておりました。
 私もそうでありますように、だれもが子供のころに読んで感銘を受けた本があります。読書はいかなる時代にあっても、過去と現在を知り、未来への洞察力を養い、人格を形成する力をみずからはぐくむものとして必要欠くべからざるものと考えております。
 我が国では、ようやく各方面の努力によりまして国立こども図書館の設立準備が進められておりますが、将来的にはこれを核にして、世界の恒久的な平和に貢献するため、二十一世紀の国際社会を担う子供たちの相互理解に十分機能するよう、子供の本に関する資料や情報を全世界規模で網羅的に収集した「こどもの本の情報・研究センター」の設置を目指すとともに、我が国が中心になって世界各国の機関とのネットワークづくりを推進すべきであります。
 また、子供の国際交流に関するさまざまなプロジェクトに対する支援や、世界の子供たちの人格形成等に対する支援をしていくことを考えるべきではないかと思いますが、このような構想について、総理及び文部大臣の見解を伺います。
 次に、女性問題について伺います。
 ことしは、女性が参政権を得てから五十年、国際婦人年から二十年、女子差別撤廃条約の批准から十年の記念すべき年であります。我が国の人口の五〇・九%は女性であり、しかも有権者の数でも投票率でも女性は常に男性を凌駕し、本議事堂に参集されている同僚議員諸兄も、女性の支持、支援なくしてはこの場に居合わすことができなかったはずであります。また、つい先月には今世紀最大の国際会議と言われる第四回世界女性会議がアジアで初めて北京で開かれ、女性の歴史にとってはまことに意義深い年であります。
 しかしながら、我が国における女性をめぐる現状を見ますと、雇用機会均等法が整備されているにもかかわらず、昨今の経済情勢の中で来年卒業予定の女子学生は厳しい就職難に直面しており、また、育児、介護などの家族責任も女性に著しく偏っているのが現状であります。また、女性は今や雇用労働者の四割、農業の担い手の六割を占めるにもかかわらず、管理職のうちの女性の比率は八・八%にすぎません。さきの内閣改造でもこの壇上から女性閣僚も姿を消してしまいました。私としては、せめて行政における政策決定に関しては女性の参画を強力に促していくことが必要と考えるのですが、いかがでありましょうか。
 また、さきの九月四日から北京で開催された第四回世界女性会議には、女性問題担当大臣である野坂官房長官が日本政府首席代表として出席されました。しかし、重要なことは、単に世界女性会議で演説を行うことだけではなく、この世界会議の成果を国内でどのように生かしていくかということなのであります。
 以上指摘した点について今後どのような取り組みを考えておられるのか、男女共同参画推進本部の本部長たる総理、そして女性問題担当大臣たる官房長官の御答弁をお願いいたします。
 次に、少子・高齢化社会及び介護問題について伺います。
 戦後、女性の高学歴化が進むにつれ女性の晩婚化、晩産化が進み、我が国における出生率は一貫して低落傾向をたどってまいりました。一人の女性が産む子供の数を数値であらわした合計特殊出生率は年々低下を続け、平成五年にはついに一・四六人を記録し、政府の平均予想を上回る驚異的なスピードで低下を続けております。平成六年にはわずかに上昇したものの、長期的な低下傾向に歯どめがかかったと言える証拠はなく、一方、我々の平均寿命は延び続け、今や世界一の長寿国となった我が国では超高齢化社会の到来が一段と早まることは必定であります。
 政府は、現在の出生率の急激な低下の社会的な要因をどのように分析し、そのためにどのような対策を検討されているのですか。我が国の社会が子供を持った働く女性にとってすぐれた社会的環境を整えているとは言えず、その結果社会に出ようとする女性は子供を持とうとする意欲をそがれているとの声は多いのですが、政府の見解を求めます。
 次に、介護問題でありますが、すべての人間にひとしく訪れる老いと、その中で迎える老後の生活をいかに送るかは、私たち一人一人にとって重要な問題であるのみならず、超高齢化社会を迎える我が国全体にとって極めて重要な社会問題でもあります。その老後生活を支える重要な柱が介護であることは言うまでもありません。今日、在宅介護においては、家族を中心にホームヘルパーやデイサービス、ショートステイなどなど、また、施設介護においては、ささやかながら特別養護老人ホームや老人保健施設あるいは老人病院等においてそれぞれの介護が行われています。
 今後の超高齢化社会においては、マンパワーの確保とともに、その費用負担をどこに求めていくかが極めて重要な問題であることは論をまちません。
 私は、先ほど述べた海外調査の一環としてスウェーデン、デンマークなどの世界トップレベルの福祉国家を訪問しましたが、調査の結果、これらの国々においても介護等に必要な財源の確保が深刻化している事態が判明いたしました。我が国では、既に社会保障制度審議会の勧告では介護保険制度の考え方が示されておりますが、他方、老人保健福祉審議会の中間報告では、導入の前に介護すべき介護サービスの範囲や水準等をどうするのか、介護サービスが導入された場合ゴールドプランの見直しをどう進めるのか、また、介護サービスの利用方法を具体的にどうするのかなとなど、解決しなければならない問題が余りにも多いことが指摘されており、早急な導入に懐疑的な意見も多いのであります。
 政府は、導入に積極的で、次期通常国会での法案の提出準備中と言われますが、介護保険の導入を急ぐべきであることは理解できますが、その財源については財政支出による介護か、介護保険の創設が、そのいずれをお考えなのか、また、その理由について、総理及び厚生大臣の見解を求めます。
 最後に、APEC大阪会議の重要性と台湾問題の対応についてお伺いいたします。
 総理は、所信の中で、「APECの大阪会議は、今後のアジア太平洋における開かれた地域協力の発展のかぎを握る非常に重要なもの」と位置づけられました。しかし、世上では大阪会議への台湾の参加問題の是非がかしましく取り上げられておりますが、中華民国は既に世界十四位の貿易大国及び第六位の対外投資国であり、国民総生産額は世界の十九位、平均国民所得は一万二千米ドル近く、外貨準備高は一千億米ドルと、常に世界の上位。
 以上のことから見ても、アジア・太平洋地域諸国の経済発展上またアジアの安全保障上も、日中関係の原則は踏まえつつも、議長国として、会議に参加して平等な機会を与えるという毅然とした態度で臨まれるお考えはないのか、総理の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(村山富市君) 内閣は退陣せよとの林議員の冒頭の質問でございました。
 これは既にこれまでも何度となく繰り返して申し上げてまいりましたが、与党三党はさきの参議院選挙で改選議席の過半数以上の議席をいただいております。山積する内外の課題解決に向けて引き続き努力しているところでございます。今後とも、国民の御意見、御批判に謙虚に耳を傾け、安定した改革推進政権の道を歩んでいく決意でございます。
 次に、教育改革についてのお尋ねでございますが、今日、我が国の教育につきましては、過度の受験競争、いじめや登校拒否の問題などさまざまな問題点も指摘されております。二十一世紀に向けて、我が国の社会の変化を踏まえた新しい時代の教育のあり方が問われていると考えております。
 このような状況にかんがみまして、先般文部省においては、中央教育審議会を再開して二十一世紀を展望した我が国の教育のあり方について諮問を行い、現在、同審議会において鋭意審議をいただいているところでございます。
 今後、文部省を中心に、御指摘の点も含め教育上の諸課題を見直して、子供たちがみずから考え、理性的に判断、行動できる資質や能力を身につけることとともに、他人に対する思いやりのある豊かな人間性を育てることなど、心の通う教育を実現するための教育改革を推進してまいりたいと考えております。
 次に、中高教育の一貫化についてのお尋ねでございますが、これまでも政府の審議会から中高一貫教育について提言があり、文部省においてもこれらの提言を受けて調査研究を行ってきておるところでございます。
 現在、文部省においては、中央教育審議会に対して、現行学制の中で学校間の接続の改善についでも検討をお願いしております。中高一貫教育についても、このこととの関連で御審議をいただけるものと承知をいたしておるところでございます。
 次に、大学教育についてのお尋ねでございますが、二十一世紀に向け創造性あふれる社会を実現するためには、人材の育成確保や研究者の研究環境の改善を図ることが重要であるという考えでございますが、このため、私学助成や科学研究費補助金の充実に努力するとともに、国立学校についても施設の老朽・狭隘化の解消を図るなど、高等教育財政の充実のため各般の施策を講じているところでございますが、今後とも一層の努力を払ってまいる所存でございます。
 次に、国立こども図書館を核として「こどもの本の情報・研究センター」の設置等の御提案でありますが、御指摘のとおり、子供たちが本に親しみ、読書の楽しみを知ることは重要であると認識をいたしております。
 国立こども図書館の設立につきましては、国立国会図書館の支部上野図書館の今後の活用方策の一環として現在検討を進めておるところでございます。
 政府といたしましては、これらの検討の状況も見守りながら、国際交流などの点についても留意してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、女性問題についての御質問でございますが、社会のさまざまな分野に女性と男性がともに参画をし、社会を支える男女共同参画社会の実現は、今後の我が国の社会がその創造力と活力を高めていくためにも真剣に取り組まなければならない重要な課題であると考えております。
 政府といたしましても、女性が社会進出できる社会的環境の整備とともに、特に行政の分野においては、政策方針決定への女性の参加を進めるため、女子公務員の採用、登用に努めております。と同時にまた、審議会等の女性委員の比率につきましても、今年度末までに一五%とするという目標を立てて登用を促進しておりますが、本年六月末には一二・六%となっております。今後とも目標を達成すべく努力をしてまいる所存でございます。
 次に、第四回世界女性会議の成果をどのように生かしていくのかとのお尋ねでございますが、約百九十カ国の代表が参加したこの会議は、我が国の男女共同参画社会づくりの大きな弾みとなるまことに重要な会議であると承知をいたしております。また、この会議で採択されました行動綱領には、女性の人権の擁護、女性の政策決定参加の促進、女性問題に関する国内本部機構の強化など、我が国にとりましても多くの重要な事柄が含まれておると思います。
 現在、男女共同参画審議会におきましても、二十一世紀を展望した男女共同参画社会のビジョンについて鋭意審議中でありますが、その中でこの行動綱領についても十分検討を行っていただき、男女共同参画推進本部の施策に反映すべく努力してまいる所存でございます。
 次に、出生率の低下の要因とこれに対する対策についてのお尋ねがございましたが、出生率の低下の社会的背景としては、子育てと仕事の両立の難しさ、育児の心理的、肉体的負担などさまざまな要因が挙げられておると考えます。このため、子供を持ちたい人が安心して子供を産み育てることができるように、育児休業制度の定着促進、多様な保育サービスの充実など、子育て支援の総合的な施策の推進に取り組んでいかなければならないと考えておるところでございます。
 次に、高齢者の介護保障制度についてのお尋ねでございますが、高齢者介護問題は国民の老後の最大の不安要因となっております。現在、介護を必要とする高齢者がスムーズに介護サービスを利用できるような新たな高齢者介護システムの確立が求められていることは御指摘のとおりだと思います。
 こうした高齢者介護システムの財政方式のあり方については、去る七月の社会保障制度審議会の勧告において指摘されておりますように、給付を権利として受けることができるという利点や、負担と給付の対応関係が明確であり、ニーズの増大に対しサービスの充実を図りやすいことなどから、社会保険のシステムになじむものと考えられると思います。また、先般、厚生省の老人保健福祉審議会において取りまとめられました中間報告でも、「適切な公費負担を組み入れた社会保険方式によるシステムについて、具体的な検討を進めていくことが適当である。」と指摘されているところでございます。
 今後、こうした指摘を踏まえまして、新たな高齢者介護システムの財政方式のあり方について幅広く国民の意見を聞きながら具体的な検討を進め、施策に反映してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、台湾のAPEC大阪会議への参加についてのお尋ねでございますが、APEC大阪会議にチャイニーズ・タイペイが出席されることを歓迎いたします。そして、その出席者の問題につきましては、一昨年のシアトル及び昨年のボゴールでの前例を踏襲する方針でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣に答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣島村宜伸君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(島村宜伸君) まず、中高教育の一貫化のお尋ねについてお答えいたします。
 昭和四十六年の中央教育審議会や昭和六十年の臨時教育審議会の答申におきまして中高一貫教育について提言があり、文部省においてもこれを受けとめて調査研究を行ってまいっているところであります。
 中高一貫教育につきましては、これまでの提言等において、高校入試の影響を受けずにゆとりある安定した学校生活が送れるなど、その意義については私も体験者の一人としてよく承知をしておるところであります。しかしながら、また一方では、受験競争の低年齢化を招くおそれや、長期間に人間関係の固定化が生じるおそれがあるのではないかなどの課題も指摘されているところであります。
 現在、文部省といたしましては、学校間の接続の改善に関して、学校の各段階相互の教育内容の連携、大学、高等学校における入学者選抜や進路指導の改善等について中央教育審議会に御審議をお願いしております。中高一貫教育についてはこのこととの関連で御審議いただけるものと考えており、中教審の審議を注意深く見守ってまいる所存であります。
 次に、私立大学への助成の充実についてのお尋ねでございますが、我が国の私立大学は、建学の精神にのっとり特色ある教育研究活動を展開し、我が国の高等教育の充実発展に大きく貢献してきているところであります。このような私立大学の果たしている役割の重要性にかんがみ、私立大学の充実振興を図っていくことは重要な政策課題と認識しております。
 文部省といたしましては、私立大学の果たす役割の重要性や国の厳しい財政事情等を勘案しつつ、今後とも私立学校振興助成法の趣旨に沿って私学助成の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、国立大学の研究環境の改善についてのお尋ねでございましたが、学術研究は真理の探究を目指して行われる普遍的な知的創造活動であり、人類の知的共有財産として社会発展の重要な基盤を形成しております。二十一世紀に向け、我が国が創造性あふれる社会を実現するためには、学術研究を未来への先行投資と位置づけつつ、大学を中心とする学術研究の振興を図っていくことが極めて重要であると認識しております。
 文部省といたしましては、今後とも、創造性豊かな世界の最先端の学術研究を推進するため、国立大学の研究施設・設備の改善、科学研究費補助金の拡充等、学術研究環境の整備に努めてまいる所存であります。
 御質問の第四点は、国立こども図書館を核として「こどもの本の情報・研究センター」の設置等についてのお尋ねでございますが、読書は子供の知的活動を増進し、人間形成や情操を養う上で重要な役割を担っております。特に、幼児期、児童期は読書の習慣の基礎を形成する時期として重要であります。
 御指摘のとおり、国立こども図書館の設立につきましては、国立国会図書館の支部上野図書館の今後の活用方策の一環として、当該施設の基本的機能を含め現在検討を進めていると承知いたしております。
 文部省といたしましては、これらの検討の動向に関心を持って見守りながら、二十一世紀の国際社会を担う子供たちが読書や国際交流を通じて人格形成が図られるよう、適切に処理してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣野坂浩賢君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(野坂浩賢君) 林議員にお答えをいたします。
 第四回の世界女性会議には、NGOフォーラムの参加者を含めて約五万人の結集がございました。白熱的な論議があり、そして女性パワーの遺憾なきを発揮されたあの姿を見て、極めて感動的であり、感激でありました。そして、これから起こる男女共同の参画社会に弾みをつける成果は大きなものがあった、こういうふうに私は理解しております。日本におきましても、これを契機にいかに男女共同参画社会をつくるかということは大きな課題であろうと考えております。
 今お話がありましたように、私は首席代表の演説として、一つは女性のエンパワーメント、二つには女性の人権、三つにはパートナーシップの強化を申し上げましたが、特に、お笑いでございますけれども、男女共同で家族責任と社会参加の両立ができる社会づくり、政府とNGO、国境を越えた女性問題解決のためのパートナーシップの強化に力を尽くす旨を強調してまいりました。さらに、戦争におきましては最初に苦しむのは女性と子供たちである、したがって平和の尊さ、そういう面から、核実験の停止あるいは核軍縮、核廃絶に向けた真剣な努力を要請してまいりました。
 以上のようなことを要請してまいりましたが、指摘がございましたように、演説のしっ放しじゃなくて、強調した点については責任を持って実行に移していく、こういう決意であります。
 また、現在、男女共同参画社会の審議会におきましては、二十一世紀を展望して男女共同参画社会のビジョンを審議していただいております。来年じゅうに結論を出すという方向でありましたが、お願いをして来年の夏までに出していただく所存であります。したがいまして、この中では第四回の世界女性会議にも議論されたことが行動綱領が内容として盛られる、こういうふうに確信をしております。
 したがって、我々はこの審議会から答申を得て日本の国内の行動計画というものをつくってまいりたいと考えておりますが、どうぞ皆さん、女性だけではなくて、女性の問題については男性が関与することが社会づくりに何よりも必要であるということを私は強調しておきたいと思うのであります。
 どうぞ皆さんの一層の御指導と御協力をお願いして答弁にかえます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣森井忠良君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(森井忠良君) 出生率の低下の要因とこれに対する対策についてのお尋ねでございます。
 出生率の低下の社会的背景といたしましては、先ほど総理からもお答えを申し上げましたけれども、子育てと仕事の両立の難しさ、女性の社会的な進出が著しいものがございますので、そういった面、あるいは育児の心理的、肉体的負担などなどさまざまなものが挙げられるというふうに私どもも考えております。少子化への対応につきましては、子供を持ちたい人が安心して産み育てることができるように、昨年末にエンゼルプランを策定いたしまして、保育、雇用など各般にわたる子育て支援の施策を総合的に推進しているところでございます。
 特に保育対策につきましては、その緊急性にかんがみまして、昨年、緊急保育対策等五カ年事業を策定いたしておりまして、延長保育等多様な保育サービスの充実を図るなど、その着実な推進を図っているところであります。今後とも、各省庁と連絡を図りながら、子育て支援の総合的な施策の推進に取り組んでまいります。
 次に、介護問題について御質問がございました。
 高齢者介護の財政方式についてでございますけれども、現在の高齢者介護サービスは、御存じのとおり、公費による老人福祉制度と、もう一つは社会保険方式による老人保健制度という異なった制度のもとで、二つで運用されているわけでございます。
 先般取りまとめられました老人保健福祉審議会の中間報告では、こうした福祉と医療に分かれている現行制度を再編成いたしまして、同一の財政方式のもとで総合的、一体的なサービスが提供できる新たな高齢者介護システムの確立が必要であると提言をされているところでございます。
 その場合の財政方式につきましては、社会保険方式にはいわゆる過剰利用あるいは不当利用や保険料未納などの問題がございますけれども、ニーズに応じたサービスを普遍的に提供する方式として、公費方式に比べすぐれた制度であると指摘をされているのでございます。また、負担と給付の対応関係が明確であることから、負担に対する国民の理解も得やすいものというふうに判断をいたしております。
 このようなことから、新たな高齢者介護システムの財政方式につきましては、適切な公費負担を組み入れた社会保険方式を基本として検討していくことが適当であると考えております。
 いずれにいたしましても、この問題につきましては、今後の老人保健福祉審議会における具体的な検討を踏まえつつ、地方公聴会の開催等により、国民各層の幅広い御意見を承りながら検討を進める所存であります。(拍手)
#26
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 これにて休憩いたします。
   午後一時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十三分開議
#27
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 国務大臣の演説に関する件
 大蔵大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(武村正義君) まず、参議院本会議における私の発言をめぐって、新進党に対し穏当を欠いた点があったことをおわびいたします。財政演説に入ります。今般、さきに決定されました経済対策を受けて、平成七年度補正予算(第2号)を提出することになりました。御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 まず、最近の経済情勢と、さきに決定されました経済対策について申し述べます。我が国経済の現状を見ますと、景気は足踏み状態が長引く中で、弱含みで推移しているところであります。政府としましては、四月の緊急円高・経済対策を初めとして経済運営には万全を期してきたところであり、この結果、足元の経済は厳しいものの、為替や株式市場に明るい兆候が見られるようになってきております。今般、この機会をとらえ、景気回復を確実なものとするため、事業規模として史上最大の総額十四兆二千二百億円に上る経済対策を決定したところであります。
 本対策におきましては、史上最大規模の公共投資等を確保し、現下の経済社会情勢に的確に対応するため重点的な投資等を行うなど、思い切った内需拡大策を実施するほか、土地の有効利用の促進、証券市場活性化策などにより現在直面している課題の早期克服に努めることとし、さらに研究開発・情報化の推進、新規事業の育成、規制緩和等による経済構造改革の一層の推進を図ることとしております。このように、今回の経済対策は、未曾有の厳しい財政事情のもと、二十一世紀を見据え、新たな経済社会の構築に向けて力強く第一歩を踏み出したものと確信しております。
 税制面では、株式市場活性化の観点から、自己株式の利益消却の場合のみなし配当課税の特例措置を講ずることとしており、そのための租税特別措置法の一部を改正する法律案を先日国会に提出し、御審議をお願いしているところであります。土地税制につきましても、八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的に検討することとしております。
 金融政策の面では、先般、公定歩合の第九次引き下げが実施され、その水準は史上最低の○・五%となっております。
 最近の為替相場の動きにつきましては、四月二十五日の七カ国蔵相・中央銀行総裁会議で合意され、ハリファックス・サミットでも支持されました「秩序ある反転」の過程にあると考えられます。今後とも、関係各国と引き続き緊密に協力してまいりたいと考えております。
 次に、金融機関の不良債権の早期処理について申し述べます。
 金融機関の不良債権問題につきましては、その処理を先送りすることなく引き続き果断に対処するとともに、年内に対応策がまとまるよう全力で取り組んでまいります。このため、今般の金融制度調査会の審議経過報告を踏まえ、預金保険制度の拡充、協同組織金融機関の経営の健全性確保、住宅金融専門会社をめぐる問題への適切な対応等を図るとともに、公的資金の時限的な導入も含めた公的な関与のあり方につきましても、金融システム内での最大限の対応等を踏まえつつ検討を進めてまいります。
 次に、財政改革の推進について申し述べます。
 我が国財政の現状を見ますと、近年公債残高が急増し、その結果、国債費が政策的経費を圧迫するなど構造的にますます厳しさを増しています。特に今回、経済対策の重要性にかんがみ、公債の発行による思い切った財政措置を講ずることとした結果、六年度に二百兆円を突破した公債残高は早くも七年度末には二百二十兆円を超える見込みとなり、財政の硬直化が一段と懸念されます。将来の世代に多大な負担を残さず、高齢化の進展や国際的責任の増大など社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応するため、財政改革を推進していく必要はますます強まってきております。
 次に、税制上の諸課題について申し述べます。
 税制につきましては、資産課税、法人課税等の諸課題が先般の税制改革後の課題とされていること等にかんがみ、先月半ばから再開されました政府税制調査会における審議等を踏まえつつ、こうした諸課題の検討に今後鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、綱紀の粛正について申し述べます。
 先般、大蔵省の元職員に係る不祥事につきまして、私自身を含めた大蔵省の幹部職員について処分等を行いました。一連の不祥事によって、大蔵省、ひいては公務員全体への信頼が大きく損なわれたことはまことに遺憾であり、極めて重く受けとめております。
 大蔵省としましては、深く反省をし、今後二度とこのようなことが起こらないように綱紀の粛正に最大限努力してまいりたいと考えます。これらに関連し、政府部内の申し合わせを受けて、株式取引に関しましても自粛の通達を出したところであります。
 次に、今般提出いたしました平成七年度補正予算(第2号)の大要について御説明申し上げます。
 平成七年度一般会計補正予算(第2号)につきましては、歳出面において、経済対策における各般の施策を実施するため、一般公共事業関係費、災害復旧等事業費、教育・研究・社会福祉施設の整備等、土地有効利用特別対策費、阪神・淡路大震災復興対策費等、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策費、中小企業等特別対策費等、合計四兆七千百五十億円を計上しております。このほか、義務的経費の追加など特に緊要となった事項等について措置を講ずることとしております。
 また、平成五年度の決算上の不足に係る決算調整資金からの繰入相当額五千六百六十三億円につきましては、その清算である繰り戻しが行われていないという異例の状況となっておりますが、六年度決算において純剰余金が生じたこの機会に同資金に繰り戻すことといたしております。
 なお、現下の厳しい財政事情にかんがみ、既定経費につきまして五千四百七十六億円を節減するとともに、予備費について一千五百億円を減額することとしております。
 他方、歳入面におきましては、前年度の決算上の純剰余金六千七十七億円を計上し、決算調整資金への繰り戻し等に充てるため、特例として財政法第六条に基づく国債整理基金への繰り入れを行わないこととするとともに、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として公債の追加発行四兆七千二十億円を行うこととしております。追加発行する公債のうち二千百十億円につきましては、まことにやむを得ざる措置として特例公債を発行することとしております。
 なお、剰余金の処理の特例及び特例公債の発行につきましては、別途、平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 これらの結果、平成七年度一般会計第二次補正後予算の総額は、歳入歳出とも第一次補正後予算に対し五兆三千二百五十二億円増加して、七十九兆三百八十四億円となっております。
 以上の一般会計予算補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資につきましては、経済対策において、公共投資等の円滑な実施等を図るため、国債・地方債の消化等についてその資金を積極的に活用することとしているところであります。
 このため、今回の補正予算においては、国営土地改良事業特別会計等十三機関に対して総額一千二百三十四億円の財投追加を行うとともに、国債引き受けについては、資金運用部資金による一兆九千五百二十億円の引き受けを予定しております。
 以上、平成七年度補正予算(第2号)の大要について御説明いたしました。
 何とぞ、各法律案とともに、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
#29
○議長(斎藤十朗君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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