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1995/10/05 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第4号
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1995/10/05 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第4号

#1
第134回国会 本会議 第4号
平成七年十月五日(木曜日)
   午後三時十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四号
  平成七年十月五日
   午後三時開議
 第一 常任委員長の選挙
 第二 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第二
 一、参議院制度改革検討会の設置についての報
  告
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 常任委員長の選挙
 農林水産委員長大塚清次郎君は、去る三日逝去されました。ここに謹んで御報告申し上げます。
 これより欠員中の農林水産委員長の選挙を行います。
 つきましては、農林水産委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、農林水産委員長に鈴木貞敏君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#5
○議長(斎藤十朗君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 科学技術会議議員に関本忠弘君及び中根千枝君を、
 臨時大深度地下利用調査会委員に芦田甚之助君、植下協君、大田弘子君、鎌田薫君、岸谷孝一君、五代利矢子君、今田徹君、鈴木精二君、鈴木礼治君、藤田宮靖君、松本嘉司君及び味村治君を、
 公安審査委員会委員に鮫島敬治君を、
 また、日本銀行政策委員会委員に後藤康夫君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。
 まず、科学技術会議議員のうち関本忠弘君、臨時大深度地下利用調査会委員のうち芦田甚之助君、大田弘子君、鈴木精二君、鈴木礼治承及び味村治君、公安審査委員会委員並びに日本銀行政策委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、科学技術会議議員のうち中根千校君並びに臨時大深度地下利用調査会委員のうち植下協君、鎌田薫君、岸谷孝一君、五代利矢子君、今田徹君、藤田宮靖君及び松本嘉司君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#7
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
 よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 昨日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。寺澤芳男君。
   〔寺澤芳男君登壇、拍手〕
#9
○寺澤芳男君 私は、平成会を代表いたしまして、昨日の財政演説につきまして、村山総理並びに関係大臣に質問を行いたいと思います。
 村山内閣の発足とともに、我が国の景気は再びしぼみ始めました。ことしに入って一ドル七十九円七十五銭という異常な円高によって、日本経済は失速しかねない事態に陥ったのであります。円は現在百円前後で推移しておりますが、輸出産業・中小企業の経営は依然厳しい状態であり、また、雇用不安が中高年や女子大生を襲い、さらに資産デフレの弊害はとどまるところを知りません。
 村山内閣はみずからの内閣を、最近、景気回復内閣と呼んでいらっしゃる。しかし、村山内閣発足後の日本経済を見ますと、村山内閣は、不景気内閣、景気腰折れ内閣と言わざるを得ません。
 未曾有の円高に見舞われたこの四月、総理と武村大蔵大臣は、この円高は経済のファンダメンタルズと無関係な投機筋によるものと釈明し、何ら有効な手を打ちませんでした。阪神・淡路大震災のときと同様、初動対応を誤ったのであります。ようやく出した四月十四日、六月二十八日の経済対策も市場織り込み済みの新味に乏しい内容であり、円高の根本の原因である千三百億ドルの巨額な経常黒字を解消し、経済構造の転換を進めるものではありませんでした。
 いよいよ景気は悪化し、このままでは日本経済そのものが沈没しかねないがけっ縁に追い込まれて、政府はやっと今回の経済対策を出してまいりました。しかし、まずその提出が遅過ぎます。我々は、八月中にも国会を召集して、速やかな第二次補正予算の成立を求めてまいりました。しかし、政府はこれに何ら耳を傾けず、昨日に至りようやく予算を提出するといったていたらくであり、タイミングを完全に失しました。
 なぜ、なぜここまで補正予算の編成がおくれたのか。経済対策の取りまとめにどんな障害があったのか。これはひとえに水と油を一緒にしたような自社さきがけ連立不安定内閣の限界であると考えますが、総理の所見を求めます。
 また、その規模も、我々が早くから国費だけで十兆円規模の経済対策をとるべきと主張していたにもかかわらず、政府の経済対策においては国費ベース予算は四兆七千億にとどまっております。出し惜しみの証文とはこのことであり、事業規模が十四兆二千二百億円であると水増しして自画自賛してみても、この経済対策がいかに中途半端なものであるかは、市場が極めて冷ややかな反応しか示さなかったことが端的に物語っております。東京株式市場では発表の翌日に平均株価が九日ぶりに一万八千円を割り込み、為替もほとんど反応することもなく、まさに肩透かしを食ったのであります。
 総理、市場のこの冷ややかな反応をいかに受けとめておられますか。
 さらに、史上最大と宣伝する経済対策も、その中身を見ますと旧態依然で、その投資配分シェアに大きな変化をもたらす工夫もなければ、二十一世紀に向けた経済・産業構造改革への展望もない水膨れの公共事業と言わざるを得ません。我々が主張する、従来の縦割りの配分比率を変え、情報通信や科学技術へ重点配分するという政治の強いリーダーシップはまるで感じられません。この対策で二十一世紀高齢社会を展望した社会インフラ整備を進められるのか、さらに、これで果たして今年度の政府目標である二・八%成長が達成できるのか、甚だ疑問でありますが、総理大臣並びに経済企画庁長官の所見を求めます。
 さらに、税制について言えば、今回の経済対策において、土地の有効利用促進のためとして三兆円余に及ぶ公共事業等用地の先行取得を掲げておりますが、肝心の土地税制についての対応が全く欠落しております。現行土地税制では、土地取引が停滞し、金融機関の不良債権問題の解決を困難にしていることは自明の理であります。
 与党内では、地価税の凍結などにより資産価格の下落に歯どめをかけるべしとする意見と、現行税制を堅持すべしとする意見とが対立していると報じられておりますが、政府・与党の取り組みの姿勢は一体どうなっているのか。与党各党の代表である総理、大蔵大臣並びに通産大臣にそれぞれ所感を求めます。
 さて、総理、来年九月には消費税見直し条項への対応が迫っております。これに関連して、ことしの冒頭この場で、総理、あなたが、制度・施策の根本までさかのぼった財政改革を強力に推し進め、税制改革の大前提としての行政改革の断行に不退転の決意で臨むとの所信表明を行ったことを私は鮮明に思い起こします。
 しかし、今、遅々とした村山行財政改革に頼っていたのでは、何ら全くらちが明かないことがはっきりとわかりました。村山行革では、特殊法人の見直しについても輸銀と経済協力基金との統合など枝葉の改革にとどまり、目ぼしい改革はありません。真の行政改革とは、新進党の出した法案のように、特殊法人はもとより中央省庁の統廃合をも含む、スクラップ・アンド・ビルドより踏み込んだスクラップ・アンド・スクラップであります。
 総理、これで村山行革に終止符を打とうとしているのですか。反論があれば、この際、国民の前に披瀝していただきたいと思います。
 このように、村山行革の成果は微々たるものであり、財政支出削減に結びつくものは皆無であります。財政需要に対応するために、このまま行革をせず、ずるずると消費税率を引き上げるおつもりですか。消費税見直し期限を来年に控えながら、消費税の見直しが政府・与党内で真剣に討議されているとの声は一向に聞こえてまいりません。検討状況は一体どうなっておりますか。
 また、特別減税を続行されるのは当然のことですが、個人消費が低迷していることから、上乗せの追加減税をするつもりはありますか。いずれも国民生活に直結することであり、総理の明快な対応を求めます。
 さらに、経済のボーダレス化が進む中で、法人税制や金融取引税制が我が国の産業経済並びに金融市場の空洞化を助長しております。実際、超円高に加えて企業課税が重い我が国から、製造業を中心とした日本企業が生産拠点を次々と海外に移し、これが雇用に悪影響を及ぼしていることは紛れもない事実であります。また、せっかく日本に進出した欧米金融機関の多くは、シンガポールや香港など税制面で有利な地域に撤退しているのが実態であります。
 こうした流れを遮断するためには、早急に諸外国と均衡のとれた法人税制、金融取引税制を実現する必要があります。法人税の税率を引き下げるおつもりがありますか。有価証券取引税の軽減ないし撤廃を約束していただけますか。税調という隠れみのを使って答弁逃れするのではなく、総理並びに大蔵大臣御自身がみずからの責務を全うする意味からも、これら税制のこうあるべき方向性を国民に示すべきではないでしょうか。
 これに関連して、最近の証券市場が、一時ほどではないにしても、ピーク時に比べれば株価で五五%も落ち込み、出来高では当時のたった一〇%、火の消えたような状況が続いていることに、かつて証券界に籍を置いた私にとっては断腸の思いであります。
 証券市場の活性化を図るべく、一つ、投資家の自己責任の徹底に万全を期した上で新しい金融商品の発行登録に関する大蔵省の審査を緩和する、一つ、有価証券取引税を撤廃する、一つ、証券業を免許制から登録制にする、以上三項目の具体策が考えられますが、大蔵大臣の所見をお示しください。加えて、総理、金融市場の国際化のためにぜひとも検討していただきたいことがございます。
 現在、為替は一ドル百円前後で推移しておりますが、先進国の中で対ドル二けた後半ないし三けたの通貨単位は我が国とイタリアだけてあります。インフレではなくデフレである今こそ、景気対策上の効果も期待できるデノミを断行するチャンスと考えますが、いかがでしょうか。通貨はその国の顔であります。総理並びに大蔵大臣の所見をお尋ねいたします。
 次に、規制緩和について伺います。
 今回の対策では目ぼしい規制緩和が皆無であり、いずれも小粒であったことは失望のきわみであります。自由主義経済の原点は規制を排した自由競争と自己責任であります。さらに、この不況は構造的なものであり、新規産業の創造、新規参入、これを促す規制緩和なくしてその回復はあり得ないという視点を政府は欠いているのではないでしょうか。
 規制緩和のすぐれた効果は、携帯電話の売り切り制導入で関係業界が活性化し、自由な競争が展開され、消費者利益も図られたことでも実証済みです。
 今、我が国経済は、規制を撤廃し、活発にして自由な経済取引が行われるよう変革を求めております。勇断を持って縦割り行政の弊害や関係団体の反発を打破し、その緩和・撤廃に向けて真剣に取り組むことが必要です。総理の御決意のほどをお示ししていただきたい。
 さらに、国民の身近な問題として特に、各種規制に守られて、私鉄運賃を初め多くの公共料金の引き上げが抵抗のすべもなく実施されていることに国民は深い憤りを抱いていることを総理はどう認識されますか。
 民間では、企業の存続をかけ、円高対応などのために価格破壊とも言われるほどに血のにじむ努力を重ねているのに比べ、競争原理が働きがたい公共料金は手当たり次第に値上げされ、現実の国民の生活が脅かされているのであります。
 今回の経済対策では、競争原理を取り入れるべく一部にプライスキャップ制度を導入する趣旨が盛られてはおりますが、具体的には公共料金の合理的な決定システムをどのようにつくっていくのか。そして、果たして公共料金の抑制ができるのか。抜本的な規制緩和によって競争原理を導入することこそ公共料金の抑制には必要だと思いますが、総理並びに宮崎経済企画庁長官の御所見をお尋ねいたします。
 次に、金融機関の不良債権問題についてお伺いいたします。
 この問題について、昨日、武村大臣は、年内に対応策がまとまるよう全力でとおっしゃいました。大臣、正直申し上げまして、今ごろ何を言っているのかと思わざるを得ません。金融機関がばたばたと倒れている現在の事態は三年前からわかっていたのではありませんか。今、国民は金融システムに対して大きな不安を抱いております。総理と大蔵大臣は、広がりつつある金融不安をどのようにお考えなのでしょうか。
 銀行の破綻について言えば、大蔵省は検査をしながら、公表する不良債権の額を小さく発表し続けてきた。大蔵省の銀行局長を務めた人物を頭取に送り込んだ兵庫銀行では、ことし三月期の決算で回収不能債権は六百九億円と発表されておりました。もちろん、大蔵省と打ち合わせての発表であります。それが最近では七千九百億と言っている。大臣は、預金者と国民を欺くこうした手法をどう考えているのでしょうか。
 また、住宅金融専門会社、いわゆる住専について言うならば、第一次オイルショック後、住専の母体の金融機関みずからが個人向け住宅ローン貸し出しに進出したあの時点で、住専はその本来の存在意義を失ったのであります。しかし、大蔵金融当局は、得意とする護送船団方式によって住専を強引に存続させました。しかも、バブル崩壊後においては、多額の農林系資金が住専に流入する事態を容認しております。
 さらに、住専が八兆四千億円もの不良債権を抱えているのが現実なのに今まで国民に対して過少申告をしていたことは、行政に対する不信の念を一層高める原因となったのであります。
 こうした経緯では、なぜ公的資金を使うのか、さらに住専を清算するのかしないのか、国民の納得を得ることが非常に難しくなっております。国民が納得いくよう、大蔵大臣、金融機関の不良債権の額、公的資金導入のルール、さらには金融機関をつぶすか否かのルール、経営者の責任追及の基準、これらをお示しいただきたいと思います。
 さて、この金融不安は我が国にとどまらず、世界の金融市場の危機を招きかねない大問題であります。武村大蔵大臣はあさってワシントンのG7に出席されるそうですが、そのG7で米国のルービン財務長官が日本の金融不安に対する懸念を表明すると報じられております。大臣、その懸念を払拭する自信がありますか。お持ちでしたらここで披瀝していただきたい。
 最後に、大蔵官僚の綱紀の乱れ、不正蓄財問題などの不祥事が引き金となり、予算の作成と執行、税の徴収と財源の配分、さらに金融機関の認可と監督など、余りにも多くの権限が大蔵省に集申していることに対する批判が高まっております。この際、肥大化した大蔵省の役割と機構を抜本的に洗い直す必要があります。国民にわかりやすい行政を実現するため、行政機構の見直し及び行政情報公開の法制化に直ちに着手することが必要であります。
 大蔵大臣の反省の弁と総理の決意とをお尋ねして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(村山富市君) 寺澤議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 なぜここまで補正予算編成がおくれたのかという御指摘でございますが、政府は景気回復を重視した七年度当初予算、本年四月の緊急円高・経済対策、五月の七年度第一次補正予算、六月の緊急円高・経済対策の具体化・補強を図るための施策、公共事業施行の促進、八月の海外投融資促進対策と、切れ目のない政策をとってまいりました。この間、金融面でも金利の低目誘導や公定歩合の引き下げが行われました。
 こうした切れ目のない経済政策を打ち続けてきた結果、最近、為替や株式市場に明るい兆候が見られるようになってまいりました。この機を逃がすことなく、今こそ的確に効果的な景気対策を打つべきであるとの考えのもと、九月二十日に政府・与党が一体となって、事業規模としては過去最大の十四兆円を超える経済対策を取りまとめたところでございます。これに必要な補正予算は、昨日、国会に提出をいたしました。
 このように今回の対策が適時のタイミングで内容の充実した力強いものとなったのは、政府・与党一体となった政策運営によるものと考えております。したがって、経済対策のタイミングを失した等の御指摘は当たらないと思います。むしろ、景気回復のためには速やかに補正予算の成立と関連法案の成立に御協力をいただきたいと思います。
 次に、経済対策及びその評価についてのお尋ねでございますが、今回の対策においては、早期に景気回復を確実なものとするため、総事業規模の十四兆二千億円のみならず、公共投資等の事業規模も十二兆八千億円と過去最大のものとなっております。国及び地方を通じた公債発行を活用しての直接の投資も過去に前例のない規模となっており、また、厳しい財政事情にかかわらず、今回の経済対策の重要性にかんがみ、特例公債をも発行するなと思い切ったものとなっておることを御承知願いたいと思います。
 また、現下の経済情勢や景気回復の障害となっておりまする要因を踏まえ、思い切った内需拡大策に加え、資産価値の下落に伴う諸問題を含めた直面する課題の克服及び経済構造改革を強力に推進することとしており、現下の経済情勢に的確に対応した効果的なものとなっており、中途半端なものではなく、評価されるべき内容と考えております。
 まず、公共投資についてのお尋ねでございますが、今回の対策では、過去最大の事業規模を確保しているのみならず、その内容についても、国民生活の質の向上や安全の確保、新しい産業の創出につながる分野に重点投資を行うことといたしております。
 具体的には、下水道や都市公園等、快適な都市生活に必要な施設の整備のほか、教育・医療施設の近代化、社会福祉施設の整備や高齢者向け住宅の供給の推進、災害に強い町づくりとともに、研究開発・情報通信の振興など、従来にも増して思い切った施策を講ずることといたしております。
 また、平成七年度の経済見通しは達成可能かどの質問でございますが、景気の足取りは、足踏み状態が長引く中で弱含みで推移しておりますが、為替や株式市場に先ほども申し上げましたように明るい兆候が見られる中で、政府としては、今般、過去最大規模の公共投資を含む経済対策を取りまとめたところでございまして、今回の対策の着実な実施により、先般の公定歩合引き下げの効果も加わって、我が国経済は本年度後半には着実な回復の兆しが見えてくると思います。
 次に、土地税制に関する取り組み姿勢についての御質問でございますが、土地税制につきましては、地価下落をとめるため、あるいは土地流動化のために土地税制を緩和すべきではないかとの議論、地価下落にはメリットも多いことから、現行土地税制の緩和に反対するとの議論、土地税制の緩和は土地流動化につながらないとの議論などのさまざまな議論がなされていることは御承知のとおりでございます。
 今回の対策において、土地税制が欠落しているということはなく、最近の経済情勢にかんがみ、土地基本法の理念を踏まえつつ、八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的に検討するとしたところでございます。今後、この方針に沿って政府・与党内で鋭意検討を行ってまいりたいと考えております。
 次に、抜本的な行政改革を行うべきであるとの御指摘でありますが、政府は行政改革を国政の最重要課題の一つと位置づけ、規制緩和、地方分権、特殊法人の改革を初めとして着実に推進をしてきているところでございます。
 具体的には、この一年だけでも規制緩和については千九十一項目の具体的な規制緩和措置を盛り込んだ規制緩和推進計画を閣議決定いたしました。また、特殊法人については、十六の法人の八法人への統合、五つの法人の廃止・民営化等に加え、すべての法人の事業の合理化、効率化、財務内容の積極的公開等を内容とする閣議決定を行うなどの改革を推進するところでございまして、これらは過去の例を見ても最大規模の改革だと考えております。したがって、枝葉末節の改革との御指摘は当たらないものと思います。
 政府としては、引き続きこれらの改革を着実に実施するとともに、規制緩和推進計画の見直し、改定、地方分権の推進を含め、国民の目に見える形で成果を上げるよう今後とも行政改革に全力を傾けてまいりたいと考えています。
 次に、消費税の見直しについての御質問でございますが、見直し規定に盛り込まれた行財政改革などの勘案項目については、既に相応の取り組みがなされてきているところでございます。
 いずれにいたしましても、消費税率につきましては、この見直し規定を踏まえ、平成八年九月末という期限を念頭に置きながら、各項目の状況を総合的に勘案して検討を行うことになりますが、現時点では何ら予断を持つことなくこの検討を進めていく所存でございます。
 次に、所得減税についての御質問でございますが、所得減税につきましては、昨年の税制改革におきまして三・五兆円の制度減税に加え、景気に配慮して七年度において二兆円の特別減税を上乗せし実施してまいりました。これらの所得減税は、六年度から合わせますと総額約十五兆円に達し、しかも必要な財源を確保しながら先行実施されているものでございます。
 御指摘の追加減税の問題につきましては、そもそも減税の財源的裏づけがないこと、まず今回取りまとめられた経済対策を含め一連の経済対策を着実に実施することが重要であると考えておりますから、これを行うことは適当でないと思っております。
 なお、平成八年度における特別減税につきましては、この六月の緊急円高・経済対策の具体化・補掛策におきまして、景気が特に好転しない限り特別減税を継続するとされておりますが、この具体的な取り扱いは、平成八年度予算編成の際に景気全体の動向を勘案しながら判断をしていきたいと考えております。
 次に、法人税率についてのお尋ねでございますが、法人所得課税のあり方及びその負担水準につきましては、公平中立を基本とし、産業構造の変化等の観点も踏まえ、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるという基本的方向に沿って今後検討を進めていく考えでございます。
 ただし、この見直しにつきましては、検討すべき事柄が多岐にわたるほか、企業間、産業間の税負担に大きな変動をもたらすものとなるため、慎重な議論が必要であると考えております。
 次に、有価証券取引税の軽減ないし撤廃をすべきではないかと御指摘がございましたが、これに関しましては、株式市場の活性化に資するのかといった効果の観点、株式取引に係る税負担の公平確保の観点、代替財源確保の観点などからさまざまな議論があることは御承知のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、有価証券取引税につきましては、政府としては、今後、株式等譲渡益課税を含めた証券税制全体の論議の中で十分検討を深めてまいる所存でございます。(「すぐやれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)検討もしないまま結論を出すのは無責任だと言わなければなりません。
 次に、デノミに関するお尋ねでありますが、デノミは国民各層にわたり幅広く影響を与えるものでありますので、国民の受けとめ方、経済・社会環境、実施に伴う技術的困難等を総合的に判断すべき問題であり、実施する考えはございません。
 次に、規制の撤廃・緩和に取り組む決意についてお尋ねがございましたが、政府は、先ほど来申し上げておりまするように、規制緩和の重要性にかんがみ、千九十一事項の具体的な措置を盛り込んだ規制緩和推進計画を本年三月末に閣議決定し、これに基づき、平成九年度までの三年間でその着実かつ計画的な推進を図ることといたしております。
 この中には、例えば電気事業規制の見直しや米穀流通に関する規制緩和を初め、新規事業者の参入による競争の促進や関係業界の活性化の観点からの措置も盛り込まれているところでございます。
 政府といたしましては、今後とも行政改革委員会を初め各方面の御意見を伺いながら、現行計画をより充実した内容に改定していくなど、規制緩和に引き続き積極的に取り組んでいくつもりでございます。
 次に、公共料金についてのお尋ねでございますが、公共料金については従来から経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分考慮いたしまして厳正に取り扱ってきたところでございます。
 また、昨年十一月には今後の公共料金の取り扱いに関する基本方針を取りまとめ、経営の徹底した合理化、規制緩和の推進等の取り扱いを一層徹底することといたしたところでございます。今後とも、競争的環境の整備、事業の効率化の促進にあわせ、事業の内容、性格等を勘案しながら、価格設定のあり方の検討、料金の多様化、弾力化を推進してまいる所存でございます。
 次に、金融システムの安定性についてのお尋ねでございますが、金融システムは経済の動脈ともいうべきものでございまして、早期に不良債権の処理を行い、金融システムの機能回復を図ることは、我が国経済全体を本格的な回復軌道に乗せていくための喫緊の課題であると考えております。
 政府といたしましては、金融機関の不良債権問題については、処理を先送りすることなく引き続き果断に対応するとともに、住宅金融専門会社をめぐる問題、預金保険制度の拡充等の問題についても年内に対応策が取りまとめられるよう取り組んでおるところでございます。今後とも、我が国金融システムに対する内外の信頼を確保すべく万全を期してまいる所存でございます。
 次に、大蔵省についてのお尋ねでありますが、今回の大蔵省の不祥事は、大蔵省ひいては公務員全体への信頼を大きく損なうもので、国民の公務員の綱紀に関する御批判については、これを謙虚に受けとめていかなければならないと考えております。大蔵省は、国の行政事務のうち財政金融を一体的に遂行する責任を負う機関であり、これまでも簡素にして効率的な行政の実現に努めてきており、今後とも効率的に財政金融政策が運営されるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、行政機構の見直しと行政情報の公開の法制化についてのお尋ねでございますが、行政機構は、変化への対応力に富み、総合性及び整合性が確保され、簡素にして効率的であることが必要であると思います。このため、規制緩和や地方分権の推進状況などを踏まえつつ、引き続き見直しを行いながら進めてまいりたいと考えます。
 また、行政情報を公開するための法律の制定その他の制度の整備につきましては、専門的観点から種々検討すべき事項があり、昨年十二月十九日に設置されました行政改革委員会の中に行政情報公開部会を設けまして、専門家による調査審議が既に精力的に行われているところでございます。同委員会から、委員会発足後二年以内に意見具申をいただくことになっております。
 このような努力を積み重ね、国民から信頼される行政の実現に向けてこれからも一層努力をしていきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(武村正義君) まず、土地税制でありますが、ただいま総理から答弁がありましたが、さまざまな議論がなされておりまして、必ずしも国民の間にコンセンサスが得られている状況にはありません。また、土地税制の見直しの具体案を検討しようとする場合には、御承知のように、その前提としての土地に関する最新の各種データの収集等を行って再検証を行う必要がありますこと、などから、議論を積み重ねる必要もあるわけでございます。
 私どもは、今回の経済対策の中で、平成八年度税制改正において結論を得るべく総合的かつ積極的に検討を行う方針を明らかにしているところでありまして、対応が全く欠落しているわけではないことを御理解いただきたいと思います。
 法人税の税率の引き下げについては、既に総理から答弁がありました。
 法人所得課税のあり方あるいはその負担水準につきましては、税負担の公平、経済活動における中立性などの基本的視点に加えまして、昨今の産業構造の変化等の観点も踏まえながら、課税ベースは拡大をして税率は下げるという基本的方針に沿って今後真剣に検討を進めてまいります。
 ただ、法人課税の見直しは検討すべき事柄が大変多岐にわたります。企業間、産業間の税負担に大きな変動をもたらすものであり、腰を据えた幅広い観点からの検討が必要であります。
 次に、有価証券取引税の軽減、撤廃の御意見でございますが、これも総理から答弁がありました。
 有取税の撤廃が株式市場の活性化に結びつくのかどうか、株式取引に係る税負担に関し公平の観点から問題はないのかどうか、代替財源はどう確保するのかなとの立場からさまざまな議論が必要でございます。
 いずれにしましても、有取税については、政府としては、今後、株式等譲渡益課税を含めた証券税制全体の議論の中で十分検討を深め、結論を見出していきたいと考えます。
 次に、新しい金融商品の御指摘でございますが、我が国の証券市場における新たな金融商品を発行するに当たりましては、発行登録を要するということはありません。また、原則として大蔵省が審査を行っているということもございません。ただ、新たな商品の発行に際して、その商品の発行に係る法的な問題点の有無等については、大蔵省に対し照会がなされた場合には、その照会に対して必要に応じ関係省庁とも相談しながら適切な回答を行ってきているところでございます。
 次に、証券業の登録制についての御意見でございますが、証券業の免許制は、過去において乱立による過当競争、資力や人的構成に問題のある会社の廃業により投資家に多大の被害が生じたことがございます。投資家保護及び証券市場の健全な発展を図ることを目的として維持されているわけであります。
 現在、免許の基準は明確化されておりまして、銀行の証券子会社や外国証券会社の新規参入が進んでいる一方で、既存の会社の統廃合等も行われているところであります。今後とも、免許制を適切に運用しながら証券市場の活性化を図る観点から、引き続きさまざまな規制の緩和に取り組んでまいります。
 次に、デノミの問題であります。
 これは総理から答弁がありましたとおり、現在考えておりません。
 なお、デノミが実施されますと、一部の関連する産業には確かに需要が生じますが、他方、そのコストは多くの企業の負担により賄われなければなりません。デノミが景気対策として果たして成り立ち得るのかどうかも大いに検討を要すると考えます。
 次に、金融システムへの不安と信用低下の問題でありますが、金融システムは経済活動に必要な資金の円滑な供給という重要な役割を担っております。その安定性確保は、我が国経済の持続的な発展にとって不可欠の前提であります。大蔵省としましては、金融機関の不良債権問題について、総理がたびたび申し上げましたとおり、処理を先送りはいたしません。引き続き果断に対応してまいります。
 そして、先般の金融制度調査会の審議経過報告を踏まえて、預金保険制度の拡充、協同組織金融機関の経営の健全性確保、そして住専をめぐる問題への適切な対応等を図るとともに、あわせて公的資金の時限的な導入も含めた公的な関与のあり方についても、金融システム内での最大限の対応等を踏まえながら具体的な検討を進めてまいります。
 次に、ルールの問題でありますが、我が国金融機関の不良債権の総額は本年三月末時点で約四十兆円と推計をいたしております。しかし、破綻先債権、延滞債権に係る引き当て状況等を勘案いたしますと、その全額について今後処理を要するわけではありません。
 次に、公的資金の導入に関しましては、金融機関の破綻処理に際し、まず金融機関の自助努力や最大限の預金保険料引き上げを含む金融システム内での最大限の対応が求められます。このような措置を講じた後にも、なお金融機関を消滅させる一方で預金者に損失を直接分担させることを避ける必要のある場合には、公的資金の時限的な導入も検討をしなければならない。ただ、これによって納税者に負担を求めることについては慎重な検討が必要でありますし、大蔵省としましては、金融システム内の最大限の対応努力を求めながら、公的資金の時限的な導入など公的な関与のあり方について検討を進めさせていただきます。
 また、金融機関の破綻処理手続につきましては、金融制度調査会の審議経過報告において、破綻処理手続を、例えば債務超過に陥った段階から開始し得るような制度の整備が必要とされたところであります。今後、同調査会の審議結果も踏まえて、次期通常国会に法律案を提出したいと考えます。
 なお、金融機関の健全性確保の責任は、言うまでもなくその経営者にあります。金融機関の破綻処理において、経営陣の退任が求められるとともに、経営破綻に至る経緯等を踏まえてその原因を招いた者に対しては、法の枠組みの中で民事上あるいは刑事上の厳格な責任追及がなされることは当然であると考えております。
 次に、大蔵省に権限が集中し過ぎてきているという御指摘でございますが、まず不祥事につきましては、総理からもお答えがございましたが、大蔵省への信頼を極めて大きく損なうもので、まことに申しわけなく考えております。
 大蔵省は、国の行政事務のうち財政金融を一体的に遂行する責任を負う機関でありますし、各種の政策手段の整合性を保ちながら、財政金融政策に遺漏のないように努めているところでございますが、今後さらに効率的な運営に努力をさせていただきます。
 最後に、行政機構の見直し、行政情報の公開の法制化につきましても、総理と同様お尋ねがございましたが、これは全く総理のお答えと同じであります。大蔵省としましても、政府の一員として、総務庁と協力をしながら最善を尽くさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣宮崎勇君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮崎勇君) 寺澤議員お尋ねの二点についてお答えいたします。
 まず、公共投資についてでありますけれども、今回の対策では過去最大の事業規模を確保するとともに、内容につきましても、国民生活の質の向上、安全の確保、新しい産業の創出につながる分野に重点投資を行うことは総理の御発言のとおりであります。今後とも、中期経済計画、公共投資基本計画のもとで国民生活の質を重視しつつ、お説のように、急速な高齢化の進展に対応した福祉の充実を図るとともに、高度情報化等にも適切に対応を図っていくこととしております。
 なお、今後の経済の見通し、今回の対策の効果につきましては総理が述べられたとおりでありまして、本年度後半には着実な景気の回復を期待しております。
 次に、公共料金についてでありますが、これも総理がお述べになりましたように、公共料金については従来から厳正に取り扱ってきたところであり、また、昨年十一月には公共料金の取り扱いに関する基本方針を取りまとめました。
 今回の経済対策におきましても、国内航空運賃等における標準原価を最高額とする福運賃制の導入や国際電話料金の引き下げ等を含め、幅広く公共料金の見直しを盛り込んだところであります。
 今後とも、公共料金については個別案件ごとに厳正な検討を加えるとともに、競争的な環境整備、事業の効率化の促進にあわせ、事業の内容、性格等を勘案しつつ、価格設定のあり方の検討、料金の多様化、弾力化を推進していく所存であります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 土地税制についての取り組みについての御質問をいただきましたが、政府・与党の方針は、既に総理、大蔵大臣から御答弁を申し上げたとおりであります。
 今後、この方針に沿って政府・与党内での検討が行われていく中で積極的に論議に参加してまいりたい、そのように思っております。(拍手)
#14
○議長(斎藤十朗君) 答弁の補足があります。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇〕
#15
○国務大臣(武村正義君) 最終追加されました質問を逃しましたので、補足をさせていただきます。
 ルービン長官がG7の場で日本の金融不安に対する懸念を表明するとの報道についてのお尋ねであります。まだ出席が決まっておりませんが、決まるという前提でお答えいたします。
 G7という会議は、先進各国のマクロ経済を討議する場であります。したがって、我が国のこうした金融システムについて正式な議論の対象になるかどうかはまだ明らかではありません。仮に議論が及んだ場合は、当然我が国として、日本の金融システムに関する内外の懸念を踏まえながら、その処理を先送りすることなく、先ほど来御答弁申し上げました考え方に立って、今後、果断に処置をしていく旨の説明をしてまいりたいと考えております。(拍手)
#16
○議長(斎藤十朗君) 岡野裕君。
   〔岡野裕君登壇、拍手〕
#17
○岡野裕君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府の財政演説に対し、村山総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず冒頭、村山総理に対して緊急質問をいたします。
 史上未曾有の凶悪犯罪を犯したオウム真理教に対し政府がどんな対処をするか、今、日本国民はもとより、全世界は非常な関心を持ってこれを注視しております。
 マスコミによれば、オウム真理教に対する破壊活動防止法の適用については既に証拠固めの最終段階に入った、こう伝えられております。ところが、総理の対応は、去る九月二十七日の記者会見における「政治的に判断することではない」の発言から、十月三日夕刻、法務省幹部を呼んでの「いろいろ問題があるので十分慎重に検討してほしい」まで、大きく軌道修正をしているかに報道されております。
 しかしながら、およそ破防法の適用は、いやしくも党利党略、政治判断によって左右されるべきものでは断じてなく、公安調査庁長官の証拠に基づくかつ適正なる手続を経た請求により、公安審査委員会が厳正かったんたんとこれを決定すべきものであります。伝えられる総理の発言は、一部にはいわゆる指揮権発動にも似た動きではないかと懸念されるおそれもなしとはいたしません。
   〔議長退席、副議長着席〕
 よって、この際、総理の真意を御披瀝いただき、国民にいたずらな誤解を与えぬよう、この点について明確な答弁を求める次第であります。
 なおまた、所管の法務大臣は、御意見があればいかがでありましょうか。
 さて、次に移ります。
 このたび我が自由民主党は、テレビ公開討論会、所信発表演説会、そして全国的な街頭演説会等、新しいメディアもこれをふんだんに取り入れた文字どおり開かれた総裁選挙を行い、党所属国会議員、全国党員党友の圧倒的支持のもと、橋本龍太郎新総裁が誕生いたしました。橋本総裁、まことにおめでとうございます。
 また、前総裁、河野外務大臣には、二年二カ月の間、政治改革、党改革、とりわけ三党連立内閣の実現等、数々の業績を残されました。改めて河野前総裁の御努力に対し深く感謝申し上げる次第であります。
 ところで、ただいま申し上げた我が党の総裁選挙において第一の論争の柱とされましたのが、ほかならぬゼロ成長からの脱却であり、本格的な景気回復、これであります。去る七月の参議院選挙を戦い、全国を駆け回った私どもがひとしく耳にした有権者の要望もこれまた、長引く不況はもう真っ平だ、一日も早く克服をしろ、この叫びでありました。
 今や我が国は、バブル崩壊の後遺症と超円高の進行という悪条件が重なり、三年連続のゼロ成長、おまけに価格破壊と呼ばれるデフレ状態の悪循環、これに陥りかねない戦後最大の難局にあります。ために、国民の多くはその渦中にあえいでいると言って過言ではありません。
 されば、村山総理も、第二次内閣の発足に当たりみずからを景気回復内閣と名づけて、今国会冒頭の所信表明演説において、従来の発想を大きく乗り越え、思い切った経済・財政政策を断行しようとするの決意を表明なさいました。総理、この本会議場で拝聴をいたしておりました私は、思わず、とんちゃん、そこだと。失礼をいたしました。いや、総理、それで行けと、こう叫んで大きく評価をした次第であります。
 大蔵大臣の財政演説によりますれば、今回の経済対策は、その規模、総額において十四兆二千億円、うち公共投資等十二兆八千億円、しかも真水の部分は実に八兆円に達するという、名実ともに史上最大の規模であります。(「それでもよくならない」と呼ぶ者あり)これはよくなる。これは第二次補正予算五兆三千億円についても同様であり、これらの対策は、円高やバブル崩壊で活力を減退させている個々の家計や企業にとって必ずや強力なカンフル剤となり、もって我が国を着実な景気回復へ導くものと信じて疑いません。
 そこで、このような未曾有の経済対策、思い切った補正予算を組まれた総理に対し、景気回復にみずからをかける御決意のほどをお伺いし、また、この命題達成に向けてどのような政治手段を講ずるのかをお尋ねいたします。
 総理、役人の作文ではなく、総理のお人柄を愛し、総理をお支え申し上げている我々にお顔を向けて、あなたの生の声をぜひお聞かせください。
 次に、このたび総裁御就任の橋本通産大臣は、過般、日米自動車協議で強靱かつ積極的な交渉を展開され、見事、世界の自由貿易と日本の国益とをあわせて守られましたこと、既に御案内のとおりであります。
 その橋本総裁は、このたびの就任に際し、決断と責任の政治を標榜され、具体的に三つの自信回復、とりわけこの一年は本格的な景気回復に献身すべき旨を訴えられました。この主張を、自由民主党総裁として、はたまた三党連立政権下における景気回復内閣の副総理として、どのように実現されるお考えか、その御抱負をお聞かせ願えればまことに幸せであります。
 次に、今、景気回復の最大の足かせとなっておりますのが巨額の不良債権であり、土地流動化の停滞であります。
 不良債権は、大臣も申されたとおり、四十兆円以上、うち最大二十兆円とも言われる最終損失をどう処理するのか、この大問題を解決しない限り金融信用システムに対する不安は払拭できません。著名銀行の国際格付もがた落ち、国際的にも批判が強まっているところであります。
 振り返って、不正、乱脈をきわめた東京協和、安全の二億組に始まり、コスモ信組、さらには関西に飛んで木津信組と兵庫銀行の経営破綻が明らかになりました。いずれも巨額の不良貸し付けを抱え、放漫な経営の実態が明らかになりつつあり、その処理、支援のあり方をめぐって大きな議論を引き起こしております。住専八社を初め、不良債権の処理は極めて困難な課題でありますが、経済回復のためには何としても早く解決いたさねばなりません。
 村山総理もこの不良債権の処理について、金融制度の維持、預金者の保護を考えて処理しなければならない、必要ならば公的資金も、かような発言をなされておられます。
 ただ、政府のPRはどうしていつもこう下手くそなのでありましょうか。国民の中には、信用維持に対する理解がだめで、バブルに乗って巨大な利益を上げ、今日なおリストラも不十分、休職中であるのに月に八十万円ももらっているとかの函館ハイジャック犯人や、今度の大和銀行ニューヨーク支店など、何かと話題の多い銀行になぜ公金を出すのかとの声もあります。
 この際、不良債権について、財務内容のディスクロージャーや経営責任のとり方、そして、国、日銀、地方団体、預金保険機構等の資金援助のあり方なとできるだけ早く具体策を示し、金融システムに対する信頼の回復を図らなければなりません。総理及び大蔵大臣から自信のある御答弁をちょうだいいたしたい、かように存じます。
 次に、土地の流動化についてであります。
 なるほど地価の下落はマイホームを夢見る庶民にとっては望ましいことでありましょう。しかし、三大都市圏でも五年連続して地価が急落しております。これが資産のデフレを招きます。金融機関の不良債権を膨らませます。企業の投資余力が減退いたします。そして、それらがみんな現下の景気低迷の原因となっております。
 今まで我が国の経済金融システムは、土地本位制的な面もあり、凍結状態の土地の流動化を図ることが経済を元気づけるには一番であります。このためにはバブル時の土地税制の見直しが不可欠であります。地価税を凍結し、土地譲渡益課税の一層の緩和に踏み切ることであります。そして、有取税、これの再検討、固定資産税の軽減等の措置を強く要望いたすものであります。大蔵大臣の前向きのお考えを承りたいと存じます。
 中小企業対策であります。
 急激な円高は国内経済の空洞化を急速に進め、とりわけ中小企業にかつてない厳しい経営環境をもたらしているところであります。
 市中金利は今や史上最低であります。しかし、中小企業は、かつての年利七、八%という高金利で長期に借りている企業も少なくありません。こうした高金利時代に借り入れた既往債務の負担にあえいでいる経営の救済、これを図るべきであります。
 この際、通産大臣に、金利負担の大幅な軽減と返済の円滑化について、できるだけ多くの企業が対象となり、経営再建に積極的に取り組める、そんな条件の整備をお願いいたしたいと存じます。御方針をお聞かせください。
 次は雇用情勢であります。
 現在、完全失業率は三二一%と戦後最悪、企業内過剰雇用も考えますと、雇用調整がさらに厳しくなるのではないかなという心配が残ります。
 一番のしわ寄せを受けるのは虫周年、女性、新卒の労働力であります。就職浪人は十五万人が見込まれ、女子学生はお断りだという企業が少なくありません。若者の社会人としての夢がそのスタートから破れるというような事態は、何としても早急に打開しなければなりません。
 雇用支援事業の適用範囲の拡大や職業紹介の規制緩和、その他学生のための総合的な就職支援について、総理のいわゆる人にやさしい政治の観点から具体策をお伺いいたします。(「何もない」と呼ぶ者あり)今、総理の答弁を求めているんです。
 終身雇用、年功序列のシステムが崩壊していく中、うまく労働力を流動化するための受け皿づくりが急がれます。このため、ハイテク産業など成長分野を中心に雇用を拡大していくため、就職支援・能力開発の分野を助成する新たなアクションプログラム、これを検討すべきであります。
 以上の点について総理の方針をお伺いいたします。
 さて、経済構造改革についてであります。
 世界は今や大競争時代に突入しつつあります。我が国の経済もこの大波に洗われ、視界が必ずしもはっきりいたしません。日本経済の構造改革が叫ばれて久しいものがありますが、円相場、株式市場とも最悪の状態を脱した今こそ、貿易黒字の大幅な削減目標を設定し、輸入促進、円高差益の還元、ベンチャービジネスの育成、経済フロンティアの拡大等、これを中心に経済構造改革を断行すべきであります。
 そのためには、いつまでもぐずぐずしていてちっとも進まない公共事業の概念の見直しを初め、従来型の財政から大きく脱皮し、新たな産業・雇用を創造する起爆剤の役割を果たす分野、例えば情報通信・科学技術を国の最重点分野と位置づけ、かの光ファイバー網の整備やその利活用の方策、そうして情報通信技術の開発などに重点的に投資を行うべきであります。総理並びに郵政大臣の御所見をお伺いいたします。
 今回の経済対策が発表されて直後、先ほどもどこかで御発言がありましたが、円相場や株式相場に一時的若干マイナス現象が生じました。投機筋の相場に一喜一憂は慎むべきでありますが、市場等に材料の出尽くし感が出ていることはやはり熟考すべきであります。その大きな原因としては、日本経済の中長期的な政府の展望が明確でないことを挙げなければならないのではないでしょうか。
 橋本総裁は、創造的経済システムの構築を目指し、強い日本経済再建の三段階のシステムを主張されております。このように、今一番求められているのは、斬新なイメージで国民のエネルギーを結集できる具体的な計画、これであります。
 目下、経済審議会で新経済計画の策定を検討されている趣でありますが、この中で、前述の貿易黒字の大幅な削減目標を明確にし、景気回復、構造改革のためのダイナミックなシナリオが織り込まれるべきと考えます。総理並びに副総理、いかがでございましょうか。
 以上、私の質問を締めくくるに当たり、最後に一言申し上げたいと存じます。
 今まで申し上げた経済問題以外に、今後、APECの議長国としての責任ある対応など、重要な外交課題がメジロ押してあります。オウム真理教のような凶悪事件の未然防止対策や宗教法人法の改正、阪神大震災等、震災等の危機管理体制も大きな内政上の課題となっております。
 このようにかつてない国内外の難局に対処するためには、与党三党すべからく一体となって取り組むとともに、議会においては与野党ともに国民、国益のため真剣に審議を進めてまいらなければならないと存じます。
 私ども自由民主党は、橋本総裁のもと、新しい体制で重要懸案事項の処理に尽力する所存でありますが、政局は予断を許さず、総理のおひざ元にもその帰趨の不透明な部分が決してないわけではないようでございます。
 総理とされましては、現下の最大の政治課題、使命達成のため、大局的視点に立って、ぜひとも強いリーダーシップを発揮され政治への信頼回復を図られますようその御決意を伺って、質問を終わります。
 村山総理、一生懸命頑張ってまいりましょう。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(村山富市君) 岡野議員の質問にお答えを申し上げたいと思いまするが、冒頭に緊急質問という形でもってオウム真理教に関連をする破防法の問題についての御質問がございました。
 私は、オウム真理教が引き起こした今度の一連の事件というのは、犯罪史上例を見ない極めて凶悪な犯罪である、こういう事件が再び起こってはならない、こういうことで厳しく取り組みをしておるところでございます。
 したがって、先般、法務当局から本件に関しまして、破防法の扱いについて現状の報告がございました。私は、このときに申し上げましたのは、この法律は国民の基本的な人権に重大な関係を有するものだ、したがって法と証拠に基づいて厳正かつ慎重な扱いをしてほしい、こういうことは申し上げた。
 しかし、それ以上のことについてどういう判断を下すかということについては、これはもう司法的な立場というものが大変強うございますから、したがって、政治が権力をもって、これはいいとか、これは悪いとか、そういうふうなことをすべきものではないということは、もう一貫をして申し上げておるところでございます。
 したがって、私は当初から、この慎重な扱いをすべきであるということは申し上げておりまするけれども、政治がこれを左右してはならないということについては一貫して申し上げておりますので、私の言動に変動はございません。
 それから、景気回復に取り組む決意について、顔を上げて申し上げろと、こういう御指摘でございます。
 私は、率直に申し上げまして、今の日本の経済の現状というのは、ある意味では、これだけ経済が国際化して、各国際的な経済の競争が非常に強まってきておる。ですから、どこの国もやっぱり構造改革をやり、リストラをやっておるわけです。同時に、開発途上国がどんどん経済発展を遂げて追い上げてきておる。こういう厳しい環境の中に今の日本の経済は置かれておる。
 その上に、バブルが崩壊して資産価値が下落していくというようなことも加わってまいりまするし、急激な円高も作用して、日本経済はもう非常に厳しいいろんな困難な状況を一遍にひっかぶってきておる。こういう現状にあるんではないかということを厳しくとらえて、この現状を打開するために何をする必要があるかということを真剣に議論をして、今取り組んでおるところなんです。
 したがいまして、私は、五月から八月にかけて緊急円高・経済対策もやってまいりましたし、それをさらに点検をして必要な追加をし、補強する対策も講じてまいりました。そしてまた、先般は、経済対策をさらに総まとめをして、そして史上規模最大の十四兆二千二百億円という事業規模を持った計画を立てたわけです。それに基づいて今御審議をいただいておりまする補正予算も提出をして、そして皆さん方の御審議をいただいているわけです。
 私は、そういう政府でやり得る対策は万全に講じていきながら、同時に、構造改革をするためには、やはり日本の国は急速に経済成長を遂げてまいりましたから大変無理をしている面があるのです。その無理の面がどこにあらわれているかといいますと、やっぱり必要以上な規制が加わってきておる。この規制というのは、ある意味では経済を成長させるために必要な規制であったんです。だけれども、これだけ経済が発展をして国際化してきている中では、今度は逆にその規制が邪魔になっておる、足かせになっておる、こういう規制もあると思いますね。
 したがって、そういう規制の問題については真剣に点検をして、もう役割の済んだ規制については排除していく。足かせになる規制はなくす。同時に、必要な規制はさらに守っていく。こういうことをやっぱり思い切って行って、そして日本の経済の体質を変えていく。
 同時に、二十一世紀を展望して、日本の国は非常にすぐれた科学技術を持っておりますし、人的資源もあるわけですから、そういういい面は率直にこれを大事にして伸ばしていく。そのためには、情報通信あるいは科学技術というものをこれから成長する経済の分野として開拓をしていく。そういう二十一世紀を展望した日本の新しい経済分野というものを構築していくための努力も精力的に行わなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。
 しかも、これだけの厳しい環境の中でそうした問題を思い切ってやっていくためには内閣が一体となって取り組む必要がある、こう考えておりますから、内閣総理大臣として、先頭に立って内閣一体となって取り組む決意であることを申し上げておきたいと思います。
 次に、金融システムについての御質問がございましたが、金融システムは経済の動脈ともいうべきものでありまして、その動脈が断たれれば人間の体は崩れるわけですから、あるいは金融システムというのはやはり経済全体の動脈的な役割を担っておる、したがってこの金融システムが壊れてまいりますと日本経済は倒れてしまう、こういうことになる重要な問題です。したがって、私は、日本経済を本格的な軌道に乗せるためには、やはり金融の安定化を図る必要がある、金融秩序の維持を図る必要がある、このことは喫緊の課題だというふうに受けとめております。
 したがって、政府としては、当面、ディスクロージャーの一層の拡充等の措置を講ずるとともに、さらに年内に不良債権問題解決に向けての対応策がまとまるように全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。このために、預金保険制度の拡充等を図るとともに、公的資金の時限的な導入など公的な関与のあり方についても、金融システム内の最大限の対応努力を前提とした上で検討を進めてまいる所存でございます。
 なお、その際、納税者に負担を求めることについては慎重な検討が必要であることは申し上げるまでもございません。
 また、経営責任の問題につきましては、経営が破綻をした金融機関の経営陣の退任が求められ、法の枠組みの中で経営責任の厳格な追及が必要であることは申し上げるまでもございません。
 私は、東京の二億組の問題の際につくづく思ったんですけれども、これはやはりこの破綻をした二億組を救済するというんではないんです。この二億組はもう当然責任を持ってやめてもらわなきゃならぬ。しかし、金融秩序の維持と預金者の保護をどうするかという問題はこれは残るわけですから、したがってその救済のために共同銀行を設立して、ここに新しく金融秩序を守っていくようなものをつくっていこうというふうに考えたんであって、不正をやって悪いことをした金融機関を助けようなんという考えは全然ないわけですから、そのことについては誤解のないように御理解を賜りたいと思います。
 次に、新たな雇用対策についてのお尋ねでありますが、先ほども申し上げましたように、国際化等を背景として産業構造の転換が求められているときに、私は、全体の日本の経済を見た場合に、その産業構造の改革に乗り切れる産業と乗り切れない産業があるんです。その乗り切れない産業の場合には、これはやはり雇用は非常に深刻な問題になってくるわけです。
 したがって、そういう構造改革に乗り切れないような企業が抱えておる雇用というものをどういうふうに守っていくかというところから考えますと、やはり流動化させなきゃならぬ。雇用を新しい職場に流動化させていく。その流動化していく場合にどうするかということになれば、そこで失業させないように政府が給付金を支給して、そして雇用を確保していこうと、こういう方策もとっておりまするし、それから同時に、先ほど申し上げましたように、積極的に新しい雇用の分野を開拓していく。そのためには情報通信を徹底的に拡大していって、そこに新しい雇用の開拓をしていく。
 同時にまた、二十一世紀に向けて日本の国は高齢化していくわけですから、したがって、高齢化社会に対応して介護や福祉やそういう政策の面も充実をさせて、そこに新しい雇用を開いていくということも大事なことだというふうに思いますが、そういう政策を積極的に進めていきながら雇用の確保と安定を図っていきたいと考えているところでございます。
 次に、情報通信・科学技術分野についての投資の重点的取り組みについての御質問でございますが、政府は昨年十月に、平成七年度からの十カ年にわたる社会資本の着実な整備を図る上での指針とするため、公共投資基本計画を取りまとめたところでございます。公共投資につきましては、社会経済情勢の変化や多様化、高度化する国民ニーズに対応し、重点的に配分していく必要があります。本計画では、高度情報化等のために生ずる新たなニーズについて重点的、効率的配分を行っていくことといたしました。
 今般の経済対策においては、新しい産業の創出につながる科学技術・情報通信の振興、研究施設等の整備について、従来の配分にとらわれることなく重点的な資金配分を行ったところでございます。
 政府は、財政の健全性に配慮しながら公共投資基本計画の積極的な促進に努めることといたしておりまして、今後とも官民の適切な分担に配慮しつつ、これらの分野の整備が着実に進むよう適切に対応してまいりたいと考えております。
 本年末を目途とした新経済計画の最終答申においては、可能な限り具体的な政策目標を掲げるとともに、想定される平成十二年度までの我が国の経済の姿を定量的に展望することとしておりますが、具体的にどの項目をどのように定量的に示すのか、提示した数値等を政策目標として位置づけるかどうかについては、現在、経済審議会において御審議をいただいているところでございます。
 また、御指摘のとおり、新経済計画につきましては、我が国が高コスト構造等の構造問題を抱え、国内産業空洞化の懸念、雇用不安に直面している中で、来るべき二十一世紀に向けて我が国経済の展望を切り開くよう、中長期的な新たな発展への道筋と経済構造改革に向けた具体的な施策について、国民にわかりやすい形で示すことが肝要であると考えております。こうした構造改革を推進することによって、経常収支の黒字縮小の定着が図られ調和ある対外経済関係を構築するように、引き続き最大限の努力を払ってまいることが重要だと考えております。
 最後に、政治に対する信頼回復に向けての私の決意についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、戦後五十年という時代の大きな転換点にあって、早急に取り組むべき内外の課題はメジロ押してございます。私は、これまで築いてきた連立三党間の信頼関係を基軸としながら、開かれた率直な政策論議を行いながら、一つ一つ着実に課題の解決に努めてまいる所存でございます。そして、国民の皆様にとって政治ができる限り理解しやすいものとなるように努力をしていかなければならぬと考えています。
 私は、この三党の連立政権がそれぞれ持っておる政策を率直に披瀝をし合いながら、十分な討議も透明度を高めて民主的に行いながら、議論をして合意点を見出していく、その合意点というのは、ある意味では多様な意見を持っている国民のコンセンサスではないかというふうに考えておりますから、これほど民主的な透明度の高い政権はないと確信を持っておるところでございます。
 その政権を守りながら、国民の皆様が将来に明るい展望を持ち、政治に対する期待と信頼を取り戻していただけるように、私自身が内閣の先頭に立って頑張りたいと考えております。皆さんの一層の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(武村正義君) 私には、金融システムに対する御質問でありました。
 先ほど来もお答えをいたしましたが、金融機関は、言ってみれば、人体に例えれば血管であります。金融システムはその血液だと思うのであります。この日本の資本主義社会の中における動脈も静脈も含めた血管に問題が生じてまいりますと、日本経済そのものが大変心配であるわけであります。
 問題は、私どもの推計では約四十兆円と見込んでおりますが、この不良債権の四十兆円が即いわゆるロスといいますか、回収不能額ではありません。当然担保能力がありますから、その何分の一がは償還されるわけであります。
 それで、今の日本の大中小金融機関の現状からいたしますと、その多くはしっかりこの不良債権は消化してくれる、対処してくれると私は思っております。それぞれ年間の業務純益が上がります。あるいはこういうことのために特別勘定を設けて積んでおります。あるいは貸倒引当金制度のようなものもございます。さらには株式等のような含み資産もございます。そういうさまざまな能力でもって一つ一つの金融機関が真剣に不良資産に対応していけば、そう遠くない時期にこれは乗り切っていけると私どもは診断をいたしているところであります。
 しかし、それでも最後に残ってくるのは、いわゆる住宅金融専門会社のこの問題であります。ここには農協系の金融機関も大きく絡んでおりますだけに、この問題を政治も含めて最終どう処理をするのか、大変複雑でありますけれども、責任分担、そして最終の処理の方式、そのことも含めて公的な関与のあり方も私どもは加えながら、年内にしっかりした処理方策をまとめさせていただきたい。これはもう先延ばしをしないで果断に対処をすると総理もおっしゃっていただいておりますように、大蔵省としてもしっかり年内に対処をさせていただぎたいと思っております。
 土地税制についてのお尋ねがございました。
 土地税制、一口に言いましてもさまざまな税目がございます。目下、地価税とか譲渡益課税が焦点になってきておりますが、それでも地価税を議論すれば固定資産税の問題も一体であります。また、流通を議論するならば登録免許税もありますし、これは都道府県税でございますが、不動産取得税という税もございます。むしろそういう税を軽減した方が効果的であるという主張もあるわけでありますが、いずれにしましても、一つ一つの税について長短真剣な議論をこの秋進めていただく中で私どもは最終的な結論を見出していきたい。決してずるずる先延ばしの姿勢で申し上げているつもりはありません。御了解いただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣田沢智治君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(田沢智治君) 岡野議員にお答えを申し上げます。
 オウム真理教に対する破防法適用問題は、オウム真理教が引き起こしました一連の犯罪史上類例のない凶悪な犯罪に対して、二度と再びこういう事件を起こしてはならないという決意を持って対処しなければならないと、私はそう思っております。
 それゆえ、本件に関しましては、現在、公安調査庁において、破防法所定の団体規制の適用要件に合致するか否かを法と証拠に基づいて厳正に着々と検討している段階にあると報告を受けております。
 以上のように、総理の見解と基本的な違いはないという考えでございます。御了解ください。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(橋本龍太郎君) 岡野議員から、大きく三点についてお尋ねをいただきました。
 まず、当面の景気をどう考え、対応するのかという御指摘であります。
 私は、先般行われました総裁選の際にも、これ以上製造業が日本から逃げ出してしまわないようにするためにどうすればいいのかを考えなければ、そのようなことを申し上げてまいりました。
 そうした観点から考えますとき、今回政府がまとめました経済対策、そしてそれに基づく補正予算というものは、総事業規模におきましても公共投資などの額の面でもいずれも過去最大という規模を持っておりまして、私は、現行の景気の先行き不透明感、あるいは早期回復のために大きく役立ってくれるものとかたく信じております。そして、その内容につきましても、既に議員よく御承知のように、公共投資を中心とした内需拡大と当面する課題の克服に対し、また、経済構造改革に向けた一層の推進の柱を立てて動いているわけであります。
 私は、この対策を進めながら、これに続いてまさに金融機関の先ほどから御論議が出ております不良債権問題への取り組み、あるいは一層の規制緩和を進めていくこと、さらに市場の開放の努力を進めていくことで我々はこの時期を切り開いていかなければならないと考えております。
 しかし、それだけですべてが尽きるかというなら、企業が国を選ぶ段階になった今日、我々は高コスト構造を何としても直さなければなりません。この高コスト構造が存在する限りにおいて、我が国は、企業あるいは産業活動への魅力を失いつつあるわけであります。
 これ以上製造業が日本から逃げ出さないようにする。また、廃業する方の数が新しく業を起こす方の数を上回るといった状態、これを解決するためには国内の高コスト構造の是正でありますとか、研究開発基盤の整備を含めた構造改革型の社会資本を整備していくこと、新規産業が発展していくためには立ち上がりをどう支援していくかが非常に大事でありますけれども、新規産業発展のための条件を整え、経済フロンティアを拡大していく努力、そしてこうした基盤整備を進めていくことによって経済構造の改革を進め、中長期的な産業基盤を築いていく、その方向に向けて我々はもう全力を尽くさなければなりません。
 政府として、先ほど総理からお触れになりましたように、去る九月二十日に取りまとめた経済対策においてさまざまな施策は講じてきたわけでありますが、なおこれらの問題の解決に加えて、今後の日本経済の再建に向けての具体的な計画づくりが急がれみことは議員の御指摘のとおりであります。
 先ほど総理が答弁されましたように、現在、経済審議会において御審議をいただいております新経済計画の中に、経済構造改革に向けた目標、具体的な施策について御提言をいただけることを私は信じております。そしてまた、そうした施策が貿易収支の黒字の縮小傾向の定着にもつながっていく、私はそう信じております。
 そして、最後に、既往の高金利時代における政府系金融機関から融資を受けておられる中小企業に対するお尋ねがございました。
 かつてない低金利局面が展開をいたします中で、政府系金融機関の既往債務の問題が深刻なことは十分に承知をしておるつもりであります。そして、こうした状況を踏まえまして、今般の経済政策におきまして、中小企業の経営基盤の安定強化のために、政府系中小企業金融機関に五%超の高金利債務を有する中小企業に対し、赤字企業だけではなく黒字企業の中でも厳しい経営環境にある方々も対象として、一年間の元利返済資金融資を実施することといたしております。さらに、そのうちの事業経営改善計画の認定を受けた中小企業の皆さんに対しましては、五%を超える部分の金利の一部または全部について減免措置を実施するなど、今までとったことのない支援策を講ずることといたしました。
 こうした措置によりまして、五%超の高金利債務を有する中小企業のうちかなりの部分がこの制度の恩典を受けていただけることになる、特に経営基盤の改善を図る中小企業にとって力強い支援となることを願っております。(拍手)
   〔国務大臣井上一成君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(井上一成君) ただいま総理から答弁がございましたが、岡野先生が御指摘になりました、情報通信はまさに我が国の経済機構の改革の先導的役割を担っていると思います。そういう意味で、郵政省も、二〇一〇年をめどに光ファイバー網を全国的に整備完了したい、そういう取り組みをいたしております。
 そのことにより、高度情報化社会がつくり上げられることにより、新たに百二十三兆円という市場が生まれ、二百四十三万人という雇用が創出でき得ると郵政省では推定しているわけであります。まさに新しい時代の先端を担っている、情報通信がその役割を担っていると私は認識をしています。
 そういう意味から、情報通信技術の開発に当たっては、国はもとより民間企業に対してもそのことが可能であるような環境づくりをこれまた整備していかなければならない、このように思っているわけであります。
 なお、その取り組みに当たっては、全国的に均衡がとれ情報格差がないという、そういう意味では国民だれもが使いやすい状況を実現していく、そしてそのことが暮らしの中に生かされていくという、情報がまさに生活の分野の中に溶け込める、そういう社会こそ、そういうことが留意されるべき重要な点だと認識をしているわけです。
 情報の格差をなくして、情報を暮らしの中に生かしていくということは、これは地球社会全体の私は課題だと思っています。科学技術と精神文化、これのバランスをとることによって世界というものが平和的共存を実現し、世界的にも貢献でき得るものだと信じています。
 既成の概念にとらわれることなく、先見性を持って新しい発想でそこに取り組むときに限りない可能性があるということを申し上げ、岡野議員、さらには各先生方の御指導と御協力を心からお願いして、お答えにいたします。(拍手)
#23
○副議長(松尾官平君) 藁科滿治君。
   〔藁科滿治君登壇、拍手〕
#24
○藁科滿治君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、昨日の財政演説につきまして、総理及び関係閣僚に質問をしたいと存じます。
 第一に、経済対策について伺います。
 政府・与党は、これまで緊急円高・経済対策の策定とその実施のための平成七年度第一次補正予算を編成され、さらに公定歩合の二度にわたる引き下げや円高是正のための海外投融資促進対策を講じられてきたところであり、この結果、最近では為替や株式市場も持ち直しつつあります。
 さらに、このタイミングをとらえて、事業規模が総額十四兆二千二百億円、また、補正予算における追加財政需要が約四兆七千億円という史上最大規模の経済対策を打ち出されました。まず、このような思い切った対策を打ち出されました政府関係者の決断に心から敬意を表したいと思います。
 しかしながら、九月の月例経済報告でも指摘されておりますように、我が国の経済は依然として景気が足踏み状態にあります。鉱工業生産と消費はなお停滞し、倒産件数も高水準が続き、完全失業率も三・二%という最悪の状況を示すなど、事態は一段と深刻化しつつあります。
 バブル崩壊以降、政府は景気対策として五回にわたる大規模経済対策を実施されてきましたが、残念ながらこれらは、景気を下支えしたものの、景気浮揚につながる十分な成果を上げるに至っていません。
 そこで、今回の経済対策がその規模と内容において景気回復に向けての確かな起爆剤となり得るのか、まずその展望について大蔵大臣の見解をお伺いします。
 あわせて、今回の補正予算では、経済構造改革策として科学技術・情報通信振興関係予算に重点が置かれており、このことを私どもは高く評価いたしております。景気対策という面からこれらがどのような成果をもたらすのか、あわせて大蔵大臣の見解を伺います。
 さらに、経済政策に関連し、規制緩和の問題についてお伺いします。
 今回の経済対策では、公共料金の見直しで一歩踏み込んだ規制緩和施策が打ち出されましたが、全体としては本年三月末に閣議決定された内容の再確認にとどまっております。規制緩和そのものが経済を活性化させる機能を持つことから、私どもは推進計画のさらなる前倒しや具体的規制緩和策の早期実行を期待しているところであり、これについての総務庁長官の考え方をお伺いいたします。
 第二に、現在、景気の足を引っ張っている要因の一つの不良債権問題についてであります。
 現在、政府部内では公的資金を使った金融機関の救済について検討が進められていますが、果たしてこのことが納税者である国民の理解を得られるかどうか、大きな懸念が持たれるところであります。
 金融市場の安定は経済活動の基盤であり、信用秩序を維持し、さらに預金者の保護を図る立場から、公的な支援に踏み切らざるを得ない事情は理解できます。しかし、そのためには、まず当該金融機関の経営責任が追及され、明確にされなければなりません。
 さらには、金融機関に対する国、自治体の監督責任の明確化や預金者が的確な判断ができるようなディスクロージャーの徹底など、このような事態の再発を防止するための金融システムの改革が並行して講じられるべきであると考えます。信用秩序を維持するための手段が新たな不信感を呼ぶことのないように十分な配慮が必要であります。
 既に現在までの質疑を通じて一定の解明がなされておりますけれども、金融機関の大元締めでもある大蔵大臣の見解を改めて伺いたいと存じます。
 第三に、税制問題についてお尋ねいたします。
 現在、景気が低迷する中で、土地取引を活性化させるため地価税を凍結すべきという意見が上がっていますが、これについては、土地保有のコストが下がることでかえって土地取引は停滞するという意見もあります。
 もともと地価税は、土地基本法に基づき、土地の公共的性格に着目し、その資産としての有利性を縮減することを目的とするとともに、所得、消費、資産のバランスのとれた課税のあり方を追求する中で打ち出されたものであります。したがって、慎重な対応が望まれると考えます。
 現在、政府の税制調査会でも、賛否両論を踏まえて審議が進められていますが、この問題に関し、大蔵大臣の見解を伺いたいと存じます。
 次に、消費税について伺います。
 消費税は、平成九年四月一日からの税率改定に向け、社会保障の費用、行財政改革の推進状況や財政状況等などを勘案し、来年の九月三十日までに所要の措置を講ずることになっています。しかし、行財政改革は財政事情の好転につながるような施策は現在のところ具体化されておりません。また、今回の補正予算の編成により、国債の累積額が二百二十一兆円にも上るという財政の現状を考えますと、消費税率の見直しについては、さらに負担を求める方向に行くのではないかという国民の懸念も根強いものがあります。この点について、現段階における大蔵大臣の見通しと見解を伺いたいと思います。
 第四に、経済の成長見通しについてお尋ねいたします。
 我が国経済はここ三年間は実質ゼロ成長が続き、本年度についても民間研究機関は同様の予測を行っています。
 そこで、経済企画庁長官に、年度末に向けての景気の見通しについてお伺いいたします。
 経済企画庁としては、今回の大規模の経済対策の効果をどのように分析されているのか、そして今年度の政府見通しの二・八%の達成は可能かどうか、その見通しを伺いたいと思います。
 そこで留意していただきたいのは、結果的にはゼロ成長が続いている中で、政府はここ数年、常に成長率二ないし三%台の経済見通しを立てて予算編成をされてきました。このように、政府の見通しが結果的に意味を持たないということになりますと、民間の経済主体は展望を見出せないまま活動を縮小していかざるを得ないという、こういう事情を私は懸念をいたします。
 経済審議会でも、現在、新経済計画の策定作業を進めていますが、景気停滞が長引く中で、政府の経済見通しや経済計画の実現可能性が真に問われているのではないかと考えますが、経済企画庁長官としての見解を伺いたいと存じます。
 最後に、開会冒頭の所信表明に関連して、景気回復に向けての村山総理の決意のほどをお伺いしたいと存じます。
 言うまでもなく、今次補正予算は、我が国経済が回復基調に乗るかあるいは低迷状態に埋没するかの岐路を決するものであり、国民生活の向上、産業の活性化、雇用の安定、そして災害復興など、各面からその効果に強い期待が寄せられています。また、その成果と動向は、来年度の予算編成の組み立てに大きな影響を与えるものであります。
 総理は、所信表明の中で、景気回復内閣、改革推進政権としての取り組みを強調されました。この補正予算が実効を上げ、景気回復、災害復興を実現するためには、何よりも内閣内の連携強化と総理の強力なリーダーシップが不可欠であります。改めて総理の強い決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(村山富市君) 景気回復に向けての私の決意について、最後に締めくくりで御質問がございました。
 先ほど景気回復問題についての私の決意は申し上げましたけれども、日本経済はバブル崩壊後の後遺症がまだ残っておりますし、同時に、急激な円高や震災等も加わって大変困難な状況にあるということはもう申し上げたとおりであります。
 従来からとられてきている政策というのは、景気回復のためには、公共投資をふやす、それから公定歩合を引き下げる、減税を行う。公定歩合を下げて企業が仕事がしやすいような条件を整備していくと同時に、減税を行って消費を高めていく、これが景気回復の三大柱であったわけです。
 ところが、それだけではもう現状の日本経済には対応し切れない。もちろんその三つも必要でありますけれども、これはもうやり尽くしておるわけです。その上に必要なのは何かといえば、先ほど来申し上げておりますように、規制緩和を徹底して日本経済の構造を改革していくと同時に、新しい分野を開拓して、そして二十一世紀に対応できる日本の産業というものを構築していく、こういうところに私は当面掲げられた大きな課題があるというふうに考えています。
 そこで、今度のこの経済対策におきましても、あるいは補正予算におきましても、できるだけ従来の公共投資の配分率にとらわれなくて、あるいは各省の立場を超えて、今申し上げましたような日本経済全体の構造改革をどう進めて景気の回復を図っていくかということに最大の眼目を置いて、内閣は一体となって取り組んでおるということだけは申し上げておきたいと存じます。
 私は、その先頭に立って、リーダーシップをとってまいりたいというふうに考えておりますので、皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(武村正義君) まず、景気回復の展望でありますが、もう総理もお答えいたしております。
 額が大きいということだけでなしに、このことが実際GDPにどういう影響を与えるか。試算でありますが、一年間、向こう一年間といいますと今年度と来年度にまたがるわけですが、融資分を除いて試算をいたしますと、名目GDP二%を超えるプラスの影響は出るというふうに推計をいたしております。これに、今お話しのような構造改革、規制緩和等については、これはもう定量的にとらえられない施策であります。そういうものも含めてかなり大きなプラスの影響が出るものと私どもは確信をいたしているところでございます。
 次に、科学技術・情報通信関係予算の重点配分、評価をいただきました。
 この額は今年度の第一次補正予算を上回る額でもあります。ぜひこれらの研究開発や情報化の推進のための諸施策の着実な実施が他の施策と相まって、景気の不透明感払拭、ひいては我が国経済の回復に貢献するものと期待をする次第であります。
 次に、金融機関の経営責任あるいは監督責任のお尋ねでございます。
 金融機関の健全性確保の責任は言うまでもなくその経営者にございますし、金融機関の破綻処理におきましては、経営陣の退任がまず求められる。そして、経営破綻に至る経緯等を踏まえて、その原因を招いた者に対しては、法の枠組みの中で民事上あるいは刑事上の厳格な責任追及がなされることは当然であります。
 また、検査監督当局におきましては、破綻に際し処理スキームの策定等を行うことが求められるとともに、破綻の未然防止や破綻処理方法の改善等の施策の充実を図る責任を有しております。
 また、ディスクロージャーにつきましては、金融機関経営の透明性を高めて経営の自己規制を促す効果を持っているわけでありますが、預金者の自己責任原則確立のための基盤ともなります。そういう意味で両面からディスクロージャーは充実をしていかなければなりません。
 当局としましても、不良債権のディスクロージャーをさらに推進し、おおむね五年以内の、しかもできるだけ早期に預金者に自己責任を問い得る環境を整備するよう努めてまいりたいと考えます。
 地価税の凍結でありますが、もう御承知のように、土地基本法の理念と、所得、消費、資産等のバランス確保の観点から創設されたものであります。地価税に関しましては、土地流動化のために凍結をすべきであるという熱心な議論も出てきておりますが、他方、土地保有課税である地価税の軽減は土地を保有しやすくするだけであり土地流動化にはつながらないのではないかという反論も出てきております。
 そんな中で、先ほども申し上げましたが、他の土地税制とあわせて、この秋の政府税調、そして与党税調の真剣な御議論を踏まえて、八年度税制改革において結論を得るべく努力をしてまいります。
 最後に、消費税の問題でありますが、これは附則でいわゆる見直し規定が設けられているところでございます。したがって、今の時期では予断を持たないで、この見直し規定に盛り込まれた諸点を勘案しながら検討を続けさせていただきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣江藤隆美君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(江藤隆美君) 規制緩和推進計画はただ決められただけでそのままになっておるのではないか、こういうお尋ねであります。
 ことしの三月に千九十一項目の閣議決定を行いまして、規制緩和を進めていこうということになりました。その中で、五年間でやろうということでありましたが、前倒しをして三年でこれを完成させようということに相なりまして、既に実施したものもあります、わずか半年でありますが。
 これは千九十一品目といいますと、大きいものもあればほんの小さいのもあります。さまざまの規制がかかっておったということを改めて感心するものがあるわけです。
 例えば、もう既にことしの七月に実施したものでは車検制度の改革があります。いわゆる車検の期間を長くする、あるいは前車検でもいいですよ、後車検でもいいですよ、六カ月点検は廃止しますよと、こういうのもありますし、あるいはプッシュホン料金、そういうものはもう届け出制でいいですよ、あるいはああいうものが認可制だったのかと思いますが、グリーン料金ですとかあるいは特急料金というようなものも、これも届け出制でいいですよと、こういうふうに既に実行したものもあります。
 この千九十一品目を本年度中に約六〇%前倒しをしてやりたいということで、実はただいま取り組んでおるところでありまして、既に今年度中に実施するもの、実施したもの、例えばパスポートの期限の延長、それから来月から新食糧法が施行されますから、いわゆる米の流通について、集荷・卸売業者あるいは小売店等の規制緩和を行って、そうして準備をして来年の六月には実施をするということになります。
 ただ、六〇%を今年度はやりますが、厄介なものもあるんです。それは何かといいますと、大店舗法であります。どんどんどんどん地方都市まで大店舗をつくって、地方の商店街とのかかわりは一体どうなるのかと。あるいは、もう一つ大きいのは新聞の再販制度があります。新聞の再販制度をなくしたらどうだという意見と、そうすることは言論界の混乱につながるのではないかという、それはやっぱり激しい議論の対立等もあります。
 そういうものをこなしていく必要があるわけでありまして、さらに千九十一品目に加えて、来年の三月までには、ことしじゅうにまた御答申をいただいてさらに追加をして、そしてさらにこの規制緩和を進めていこうというものがあります。
 ところが、これも皆さんとは皆関係がありますが、この中には、例えば農畜産物価格の価格支持政策はあるべきかやめた方がいいのかという議論があります。我が国の食糧政策の基幹にかかわることでありますから、それらの問題を決して避けることなく、真正面から取り組んで、そして総理の決意表明にもありましたように、景気回復、日本の経済構造改革が一段と進むように規制緩和に向かって努力をしてまいる所存でございますので、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げて、答弁といたします。(拍手)
   〔国務大臣宮崎勇君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(宮崎勇君) 藁科議員からは二つの御質問をいただきました。
 まず、今回の経済対策の内容、効果等につきましては、既に総理大臣、大蔵大臣からお述べになったとおりであります。今年度の後半に景気が着実に回復するということを期待しております。
 次に、政府の経済見通しや経済計画の実現可能性の問題についてであります。
 過去、政府経済見通しや経済計画の成長率の見通し等の数字が実績と乖離することがあったことは事実であります。予見しがたいいろいろの事情があったとはいいましても、この点は厳粛に受けとめたいと思います。
 政府経済見通しや経済計画は、単なる予測ではなく、政府の政策指針を示した上で経済のあるべき姿を示すものとして大変重要だと思っております。その策定に当たりましては、国民の信頼を得られるよう最善の努力を払ってまいりたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○副議長(松尾官平君) 吉岡吉典君。
   〔吉岡吉典君登壇、拍手〕
#30
○吉岡吉典君 日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 政府は、事業費が十四兆円を上回ることをもって今回の景気対策を史上最大規模の景気対策だと大いに誇っております。ところが、これで景気が回復するという声がほとんど出てきません。なぜだと思いますか。
 それは今回の景気対策が、見かけは大きくてもその中身は、あなた方がどんなに弁明しようとも、九二年八月以来の過去五回、総額四十八兆円に上る対策によっても見るべき効果を生んでいない大型公共事業費中心であり、その従来型政策の金額だけ膨らませても効果は期待できないからであります。
 実効ある景気対策というなら、我が党の橋本議員がきのうこの本会議でも指摘したように、従来の景気対策への突っ込んだ検討と反省に立った転換が必要であります。宮崎経企庁長官も、あれだけ大きな公共投資を続けながらなぜ期待したような効果が上がっていないのか、これをまず反省する必要がありますと新聞インタビューで述べております。
 宮崎長官、あなたは従来型景気対策のどの点をどう反省すべきだと思いますか、所見をお伺いいたします。
 そして、大規模な景気対策には大規模な財政赤字が伴い、今回の補正予算では赤字国債を含め四兆七千億円の国債の増発が予定されています。ここにも安易に赤字国債に頼る従来型があらわれていますが、これによって国債発行残高は二百二十兆円台になり、歳出に占める国債の割合、いわゆる国債依存度は二五・五%になります。アメリカは国債依存度が一〇・五%というとき、我が国の財政は飛び抜けて悪い状況なのではありませんか。この事実は認めるでしょう。
 大蔵大臣、赤字国債発行に踏み切った一九七五年以降、赤字国債を発行しなかったのはわずか三年だけです。赤字国債発行が常態化し、国債依存の戦時財政の厳しい反省に基づいて規定された財政法の公債不発行主義の原則は完全に無視されております。この事態をどう考えますか。財政構造の根本的な転換が必要と思いませんか。
 問題は、このような大量国債発行が毎年の予算の中で利払い費を膨らませ、福祉等生活関連予算を圧迫すると同時に、将来これを償還するために消費税増税など国民への大増税が避けられなくなることであります。それは国民の消費購買力をますます冷え込ませることは明らかであります。そうでないというなら、どのように支出を抑えるか、行財政改革をどう進めるか、不公平税制をどう是正し、税収増をどのように図ろうとしているのか、具体的に示してください。
 このように従来型の政策を続けたのでは、消費税は五%どころか、加藤政府税調会長が言っているように、六%も避けられず、さらに七%にも引き上げ、国民にそのツケを回すことにならざるを得なくなるではありませんか。
 総理及び大蔵大臣は、消費税の税率問題に全く白紙などの答弁を続けていますが、税率引き上げを避けられなくする施策を次々進めておきながら白紙とは、余りにも白々しい答弁ではありませんか。
 さて、総理、このように日本経済と財政が極めて深刻な危機に直面しているとき、我が国は毎年米軍基地存続のため巨額の財政負担を強いられ、ことしも六千二百五十七億円を負担することになっています。しかも、この中には、いわゆる思いやり予算、特別協定によって地位協定上は当然米軍が負担することになっているものまで含まれており、その額は一九九五年度分で二千七百十四億円に上ります。ことしの思いやり予算は、中小企業対策費千八百五十七億円より八百五十七億円も多いという実態であります。思いやりの相手を間違えた驚くべき事実と言わざるを得ません。総理は、日本経済を支える中小企業よりも米軍が大事だとお考えになりますか。
 総理、国債依存度がアメリカの二倍以上という国債依存財政の綱渡りをやっている日本が、なぜ地位協定上アメリカが負担することになっている経費まで分担しなければならないのですか。明確な答弁を求めます。
 この際お伺いしておきますが、日本がこれまで米軍駐留のために負担した経費は総額幾らになりますか。占領時代の経費総額及び安保条約下の総額と、そのうちのいわゆる思いやり予算、特別協定に基づく負担を明らかにしてください。
 それに加えて、沖縄での少女暴行事件に国じゅうで大きな怒りが渦巻いているまさにそのとき、主権侵害を改めるのではなく、新特別協定を結んで米軍駐留に伴う日本側負担を一層拡大することに合意しました。これは国民の到底納得できるものではありません。
 外務大臣、一体アメリカはどういう理由でどのような要求を持ち出してきたのでありますか。
 史上最悪と言われる不況から抜け出す上で、今、求められているのは、こうしたことに金をつぎ込むのではなく、我が党が強調し続けているように、暮らし、福祉を優先させて国民の購買力を高め、生産に活力を与える方向に日本経済の方向を転換することであります。総理はどう考えますか。
 それにもかかわらず、消費に対する課税をふやす消費税の増税は、消費を抑え、景気回復に逆行するものではありませんか。大企業には優遇税制、国民には大きい負担を求める消費税増税という不公平な現在の税構造を改めることが必要であります。
 財源はあるのです。我が党は、各種引当金、準備金の整理圧縮、法人税に緩やかな累進制の導入、償却資産の法定耐用年数の延長など、大企業、大金持ちに対する不公平税制を是正して税収増を図れば、消費税は税率の引き上げでなく廃止することができることを主張してきました。
 ところが、政府は、財界などからの要求にこたえ、法人税率の引き下げや、地価税や有価証券取引税の軽減を図ろうとしています。しかし、法人の実質税負担は大企業になるほど軽くなっており、資本金百億円を超える大企業の実質税負担率はほぼ二九%です。これを例えば資本金一億円の中堅企業の負担率三二%並みにすると、数兆円の税収増となります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 また、我が党が繰り返し提起してきたように、これまで発行した既発行国債の高金利負担を異常な低金利のもとで軽減することも検討課題にすべきであります。
 これら過去の発行分を繰り上げて償還し低利の国債に借りかえれば、平均で二%以上の金利負担が引き下げられ、四、五兆円の財源を生み出すことが可能です。我が国でも外国でも過去に実施した例があり、自民党の藤尾元政調会長も提起したことがあるものです。
 未曾有の財政危機のもとで、このような思い切った政策を選択することも検討対象にすべきであると思いますが、どうですか。答弁を求めます。
 次に、今、大きい政治・社会問題になっている金融機関の不良債権問題、特に住専問題について尋ねます。
 第一に、住専を破綻に追いやった責任についてであります。
 住宅金融専門会社、いわゆる住専は、一九七〇年代、大蔵省の指導のもとに相次いで八社が設立されたものです。これは、国民の住宅ローンに対する需要が高まる一方、収益性が確実でないことなどを理由に都市銀行が十分対応しない状況のもとで、銀行が本体ではなく子会社形式で行うために設立されたものであります。大蔵省は、その設立に深くかかわり、住専各社へ社長以下多くの重役を送り込んできたのであります。
 ところが、住専の住宅ローンがもうかる仕事だとわかると、銀行みずからが住宅ローンに乗り出し、みずからの系列子会社である住専の顧客にさえ借りかえを勧め、住専の本来業務を侵食していったのであります。そのため住専は、本来の業務である住宅ローンから離れ、折からのバブルの波に乗り、次第に危険な不動産業務にのめり込んでいったことは周知の事実であります。
 これらの事実は当時からわかっていたことであります。銀行とともにそれを推し進めた大蔵省の責任は極めて大きいものがあります。大銀行と大蔵省の責任についての大蔵大臣の見解をただします。
 第二に、銀行の住専向け融資を農協系金融機関に肩がわりさせた責任であります。
 バブルによる地価高騰対策として、大蔵省は、九〇年不動産融資に関する銀行融資に枠をはめる総量規制及び三業種規制の通達を出しました。これらの通達によって規制を受けなかった農協系の資金がどっと住専に流れ込んだことは、今や明らかであります。これが今日問題の農協系金融の住専融資がふえた原因であります。総量規制対象から住専を外したのはなぜですか。また、三業種規制から農協系金融を外したのはなぜですか。当時の大蔵大臣であった橋本通産大臣の責任は免れません。お答えを願います。
 第三に、大蔵省、銀行の責任をあいまいにして公的資金を導入しようとしていることについてであります。
 住専の経営破綻が明らかになり、二次にわたる再建計画が作成され号したが、九三年の再建計画では、大蔵省が主体になり、母体行責任で再建することが合意されたはずであります。
 にもかかわらず、今、不良債権が余りにも大きいことがわかると、母体行や大蔵省は責任回避に終始し、その負担を国民に押しつけ、公的資金の出動まで考えているというのであります。これには預金者保護という理屈さえ成り立ちません。責任をあいまいにしたまま、乱脈経営の破綻によるツケを国民に回すことをどうして認めるのですか。明確な説明を求めるものであります。
 最後に、総理の八・一五談話についてこの際お伺いします。
 総理が八月十五日の談話で述べた「植民地支配と侵略の反省」という言葉は、従来政府が言っていた「侵略行為」、「侵略的事実」と同じ意味ですか、それとも戦争全体を侵略戦争と認めようとする新しい積極的意思を込めたものですか。重要な問題ですので、はっきりさせていただくようお願いします。
 総理、日本政府は、一九六五年の日韓条約国会以来、朝鮮併合条約を日韓が自由な意思、対等の立場で結んだ条約だとする立場、認識を繰り返し表明してきました。当然、これは朝鮮植民地支配を合理化するものと内外の厳しい批判を受けてきました。植民地支配の反省と言うからには、自民党政府のもとで公式に表明されてきたこの立場、認識をきっぱり転換し、朝鮮併合は朝鮮人民の意思と無関係に日本が強制して朝鮮を植民地支配下に置いたものであることを認めたものですか。明確な答弁をお願いします。
 以上、その一端を見てきたように、戦後五十年、自民党政府と連立諸党が進めてきた政治は、安保外交政策も財政政策も金融政策も重大な矛盾と破綻に直面しており、今その根本的転換が求められていることを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(村山富市君) まず、経済対策についてのお尋ねでございますが、今回の対策におきましては、たびたび申し上げておりますように、早期に景気回復を確実なものとするため、総事業規模の十四兆二千億円のみならず、公共投資等の事業規模も十二兆八千億円と過去最大のものとなっております。
 内容につきましては、現下の経済情勢や景気回復の障害となっております要因を踏まえ、思い切った内需拡大策に加え、資産価値の下落に伴う諸問題を含めた直面する課題の克服及び経済構造改革を強力に推進することといたしております。
 政府といたしましては、今回の対策は現下の経済情勢に的確に対応した効果的なものとなっていると認識をしており、これを着実に実施することにより、先般の公定歩合引き下げの効果も加わって、我が国経済は本年度後半には着実な回復が図られるものと考えております。
 次に、消費税率の見直しの前提となる行財政改革について示せとの御指摘でありますが、政府といたしましては、行政改革を国政の重要課題の一つとして位置づけていることはたびたび申し上げているところでございまして、規制緩和や特殊法人の改革等、各般の改革課題に取り組んでいるところであり、今後とも政府・与党一体となって推進してまいる所存でございます。
 また、一段と深刻さを増した財政事情のもと、制度の根本にさかのぼった見直しや施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、予算編成過程を通して財政改革を強力に推進してまいる所存でございます。
 次に、不公平税制の是正への取り組みについての御質問でございますが、税負担の公平確保につきましては従来から不断の取り組みを重ねてきているところであり、今後とも絶えず追求されるべき事柄であることは申し上げるまでもございません。
 最近の例で言えば、平成七年度税制改革において、項目数、増収見込み額から見て近来にない大幅な租税特別措置等の整理合理化を行ったほか、昨年秋の税制改革において、限界控除制度の廃止等の中小特例の大幅縮減等、消費税制度の抜本的な改革を行ったところであります。
 今後とも引き続き、租税特別措置等の整理合理化など、税負担の公平確保に努めてまいる所存でございます。
 次に、在日米軍駐留経費負担についての御質問がございましたが、冷戦の終結後も国際社会が依然不安定要因を内包している中で、日米安保条約は引き続き我が国及び極東の平和と安全を確保し、広くアジア・太平洋地域の発展を図っていくための不可欠な枠組みであると考えておりますが、我が国としては、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保していく必要があると考えております。
 他方、日米間の経済力の相対的関係が変化してきている中で、米国は膨大な財政赤字を抱えながらも国際の平和と安全の維持のための役割を果たしている一方、在日米軍経費の逼迫に直面している状況にございます。
 我が国財政も厳しい状況にはありますが、以上のような状況にかんがみまして、我が国は日米安保体制の円滑かつ効果的運用を確保していくとの観点から、米軍の我が国における駐留を支える大きな柱である在日米軍駐留経費について、これまで自主的にできる限りの努力を払ってきたところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、消費の向上についてのお尋ねでございますが、民間消費はGDPの約六割と大きなウエートを占めている重要なものであります。今回の経済対策においては十二兆八千億円に上る公共投資等を実施することとしておりますが、これにより有効需要が創出され、国民の購買力の向上につながるものと考えております。
 また、個人所得課税については、六年度、七年度に行われた減税も民間消費の増加につながるものと考えているところでございます。
 次に、消費税率引き上げの消費、景気への影響についてのお尋ねでございますが、今般の税制改革では、当面の経済状況に配慮をし所得減税を約三年先行して実施することにしており、消費税率の引き上げは平成九年四月から実施することといたしております。税制改革全体としては、このような先行減税の効果の蓄積もあり、当面の景気動向にプラスの効果を持つと考えております。
 そもそもこの税制改革は、勤労意欲や事業意欲に好影響を与え、経済社会の活力が高まること等を目指したものであり、中長期的に見ても経済に対する好影響をもたらすと考えているところでございます。
 去る八月十五日の私の談話における「侵略」という表現についてのお尋ねでございますが、さきの私の談話において私が「侵略」という表現を用いたのは、さきの大戦において我が国が多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたとの認識を率直に述べたものでございまして、特に「侵略行為」または「侵略的事実」と「侵略」を異なった概念として使い分けたわけではございません。御理解をいただきたいと思います。
 次に、韓国併合条約に関する政府の立場、認識についてのお尋ねでございますが、韓国併合条約は当時の国際関係等の歴史的事情の中で法的に有効に締結され、実施されたものであると認識をいたしております。
 しかしながら、今申し上げましたような認識と韓国併合条約に基づく統治に対する政治的、道義的評価とは別の問題であり、政府としては、朝鮮半島地域のすべての人々に対し、過去の一時期、我が国の行為により耐えがたい苦しみと悲しみを体験されたことについて、深い反省と遺憾の意を従来より表明してきたところでございます。このような考え方については、政府としては、累次国会等において明らかにしてきたところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(武村正義君) 我が国の公債依存度は、平成七年度で二五・五%となります。一方、アメリカの公債依存度は九六年度予算で一〇・三%となっておりまして、我が国の公債依存度はアメリカの約二・五倍ということになります。
 次に、最近の特例公債発行は三回ございまして、一つは税制改革に係るもの、一つは阪神・淡路大震災に係るもの、そしてもう一つは今回の景気対策であります。赤字国債を常態化させていくことは避けなければならない、当然そう思っておりますしっかり中長期的な財政改革にも取り組むことによって、赤字国債の発行はしないで済むように最善を尽くしてまいりたいと考えます。
 次に、赤字国債の償還財源をどこに求めるかということでありますが、どんな形でありましても、いずれは国民の皆様に支えていただかざるを得ないものであります。その具体的な方法については、歳入歳出両面にわたり、国民各層の御意見や国会での御論議を踏まえながら結論を見出していかなければなりません。
 行財政改革についてお尋ねがございましたが、今さら申し上げるまでもなく、国政の重要課題でありますし、規制緩和、特殊法人、地方分権等々各般の課題に政府を挙げて取り組んでいるところでありますし、今後とも取り組んでいかなければなりません。
 不公平税制についてもお尋ねがございましたが、これも最近の例で申し上げますと、平成七年度税制改正におきましては、項目の数、増収見込み額等から見ていただきますと、近年にない大幅な租税特別措置の整理合理化を推進することになりました。昨年秋の税制改革におきましても、中小特例の大幅縮減等、消費税制度の抜本的な改革を行ったところであります。今後とも引き続き、租税特別措置の整理合理化など、税負担の公平確保に努めてまいる所存であります。
 次に、消費税の税率でありますが、見直し条項にいう四点の勘案項目については、決して白紙ではありません。既に相応の取り組みをしてきているところでございます。
 消費税率につきましては、今後の取り組みも含めて見直し規定に盛り込まれた勘案項目の状況を点検し、その上で検討を行うこととなるものでありまして、現時点では予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
 米軍駐留のための負担経費の御質問でございますが、占領時代の昭和二十一年度から二十七年度四月まで、これは終戦処理費でありますが、総額五千三百八十六億円、旧日米安全保障条約時代の昭和二十七年度から三十五年度の間、日米行政協定に基づく防衛支出金総額三千六百十九億円、そして現行日米安保条約時代の昭和三十六年度から平成七年度まで三兆六千七百二十六億円、思いやり予算が昭和五十三年度以降我が国が負担している在日米軍従業員の格差給等給与及び福利費等並びに提供施設整備費を指しているのであれば、これらの総額は一兆五千五十六億円であります。
 なお、六十二年度以降の特別協定に基づく経費負担額の総額は六千二百億円であります。
 次に、国債の低利借りかえでありますが、国債の繰り上げ償還等は制度的には可能であるが、現在のように金利が相対的に低い局面におきましては、期限未到来の高金利既発国債は額面を上回る価格で取引されるため、これを一方的に額面で繰り上げ償還すれば国債保有者に不測の損害をもたらし、国債保有に対する安定性を著しく損なうことになりかねず、その結果、国債の発行条件の悪化をもたらし、必ずしも財政負担の軽減につながらない、ひいては国債の消化そのものに重大な支障を生ずるおそれも出るわけでありまして、そういう意味で御指摘のような低利借りかえを実施することは適当でないと考えます。
 次に、住専設立にかかわる責任の問題でございますが、住専各社は、当時の旺盛な住宅資金需要に応じていくべく、金融機関等の共同出資により、個人に対する住宅ローンの提供を主たる目的に設立されたものであります。
 行政としては、いわゆるノンバンクである住専に対し、預金取扱金融機関のような全般的な指導監督権限を有するものではありませんが、その後、住専が、環境の変化もあり、経営判断として事業者向け融資に急激に傾斜した結果、多額の不良債権が生じ、その解決が緊要な課題となってきたわけであります。
 いずれにせよ、大蔵省としましては、今回の住専問題の処理に当たり、当事者間の真剣な議論を強く促すとともに、その議論を踏まえ所要の検討を進め、適時に当事者間の合意形成を促進することによりまして最終的な解決に到達していきたいと考えております。
 次に、この関係で総量規制の御質問でありますが、不動産業向け融資にかかわるいわゆる総量規制通達、一九九〇年三月二十七日でありますが、この総量規制通達を住専に対して発出しなかったのは、この通達が特定業種向けの融資量の調整を求めるという極めて厳しい内容でありまして、こうした厳しい通達の対象機関はあくまで免許業種である金融機関等に限ることが適当と考えられたためであります。したがって、免許業種でない住専を含むノンバンクについて総量規制通達は発出されておりません。
 また、いわゆる総量規制通達の発出時においては、農協系金融機関に対しても他の金融機関と同様の指導を行ったところであります。
 当該通達において農協系について、いわゆる三業種、不動産業、建設業、ノンバンクでありますが、この三業種に対する貸し出し報告を求めなかったのは、既に他の方法によってその状況を把握していたこと等によるものであります。当時、農協系の住専への貸し付けが伸びたのは事実でありますが、そのことは御指摘のような措置が必ずしも原因となったとは考えておりません。
 最後に、公的資金の導入でありますが、住専問題は現在の不良債権問題の中で象徴的でありかつ緊要な問題となっておりまして、その早急な解決が国内のみならず諸外国からも注目されているところであります。この問題解決の緊要性にかんがみ、当事者が解決の具体策づくりに積極的に協力し合うことが強く望まれるところであります。その真剣な取り組みを一層促してまいりたいと思います。
 なお、公的資金の導入は、納税者に負担を求めることについては基本的には慎重な検討が必要であります。今後の各方面における御論議等を踏まえながら、最終的な結論を見出していかなければなりません。(拍手)
   〔国務大臣宮崎勇君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(宮崎勇君) 吉岡議員にお答えいたします。
 今次景気回復局面におきましては、累次の経済対策にもかかわらず、回復のスピードがこれまでに比べて極めて緩やかなものになっております。これは公共投資から民間需要へのバトンタッチがうまくいっていないということでありまして、このように当初期待いたしました対策の効果が十分出ない大きな理由としては、資産価値の下落に伴う諸問題や、あるいは我が国経済が構造問題に直面しているということがございます。
 こういう経済の状況に対応するため、今回の経済対策においては、事業規模として過去最大を確保するとともに、内容的にも、科学技術・情報通信の振興、あるいは教育・社会福祉施設の整備、さらに土地の有効利用促進、新規事業育成等に取り組むなど、構造政策を的確かつ効果的に進めることにいたしております。(拍手)
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(河野洋平君) 在日米軍駐留経費負担に関する新協定が持ちます意義とか必要性については、先ほど総理が御答弁になったとおりでございます。
 その合意に至りますまでの米側との協議の内容についてお尋ねでございましたが、先方との関係もございまして、答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(橋本龍太郎君) 吉岡議員から御指摘をいただきました九〇年の総量規制通達についてのお尋ね、大蔵大臣から御答弁をされましたものとほぼ同趣旨でありますが、一点追加をさせていただきます。
 こうした厳しい通達の対象機関は、あくまで免許業種である金融機関等に限ることが適当と考えてこうしたわけでありますが、この中には農中あるいは信連を含んでおります。そして、その結果として、いわゆる三業種に対する貸し出し報告を求めませんでしたという点につきましては、既に他の報告によって状況を把握していたといった理由によるものであります。(拍手)
#36
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(斎藤十朗君) 議院運営委員長から、参議院制度改革検討会の設置について発言を求められております。この際、発言を許します。議院運営委員長志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
#38
○志苫裕君 参議院制度改革検討会の設置について御報告申し上げます。
 本院の組織及び運営の改革につきましては、これまで歴代議長のもと、同僚議員並びに各会派の御協力によりまして、幾多の改善策が実施され、その成果を上げてきたところであります。
 このたび、さきの通常選挙により院の構成が改まりましたのを機に、去る九月二十八日に開かれました斎藤議長と各会派代表者との懇談会におきまして、我が国の二院制のもとにおける参議院のあり方に関する諸問題とその改善策を検討するため、新たに本院議員で構成する議長の諮問機関を設置することが合意され、その取り扱いについては議院運営委員会において検討することとなりました。
 これを受け、検討を重ねてまいりました結果、本日の議院運営委員会におきまして、委員十一名をもって組織する参議院制度改革検討会を設置することに決定いたしました。
 以上、御報告いたしますとともに、本院が参議院本来の機能を発揮し、真に国民の信託にこたえるため、本検討会が所期の成果を上げることができますよう、議員各位の御協力を心からお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#39
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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