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1995/11/20 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第12号
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1995/11/20 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第12号

#1
第134回国会 本会議 第12号
平成七年十一月二十日(月曜日)
   午後三時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
    ―――――――――――――
  平成七年十一月二十日
   午前十時 本会議
    ―――――――――――――
 第一 国務大臣の報告に関する件(APEC大
  阪会議等出席報告及びAPEC大阪会合を中
  心とする外交案件に関する報告について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(APEC大阪会議等出席報告及びAPEC大阪会合を中心とする外交案件に関する報告について)
 通商産業大臣及び外務大臣から発言を求められております。順次発言を許します。橋本通商産業大臣。
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先週、大阪にで開催されましたAPEC閣僚会議、APEC非公式経済首脳会議についで御報告をいたします。
 まず、十一月十六日から十七日まで開催されたAPEC閣僚会議におきましては、私は、河野外務大臣とともに共同議長を務めるとともに、多くの経済閣僚を中心に会談等を持ち、APECを中心に意見交換を行いました。
 本年のAPEC大阪閣僚会議の最大の課題は、昨年のボゴール宣言を受けて、これを実行に移すための「行動指針案」を策定し、首脳に提出することでありました。今年の一月からこの作業を開始したわけでありますが、その策定、調整の過程は必ずしも容易なものではありませんでした。特に、「包括性の原則」、「同等性の原則」及び「無差別原則」の三つの点については、閣僚会議に至るまで調整がつかず、閣僚レベルの調整にゆだねられたわけでありますが、我が国も議長として調整に努めた結果、最終的には合意を形成することができました。
 今回、日本が議長として「行動指針」の取りまとめに成功したことには極めて大きな意義があります。
 第一に、アジア・太平洋地域の信頼をから得ることができたということです。今回の取りまとめの過程において、多くの問題について、米国、中国といった大国やASEAN、さらにその他の国々の間でさまざまな意見の相違が存在しました。その中においで、日本がいずれの問題についても特定の側に偏ることなく中立公正な形で調整を行ったことは、多くのメンバーに評価されております。これはこの地域における将来の日本の経済外交にとってはかり知れない財産となるでありましょう。
 第二に、交渉あるいは拘束的、強制的な手法によるのではなく、自主性を基本としつつ、それを協調させていくというアジア的な自由化、円滑化の推進を「協調的自主的自由化」という形で正式に位置づけることができたことであります。従来の交渉を中心とした自由化の推進は、一方で緊張を高める場合もあります。特に、APECのように多様なメンバーが集まっている場合には、交渉に基づく自由化は必ずしも最大の成果をもたらすとは限りません。その意味で、自主性を基本とした自由化の重要性がとかく二国間の交渉を重視しがちであった米国等の先進国にも認められたということは、極めで意義深いことと考えております。
 また、今回の「行動指針」の中には、APECメンバーが平等なパートナーとして進めていくべき経済・技術協力の指針と具体的な協力行動の内容が十三の分野においで定められております。自由化や円滑化は経済活力の増進に大きな意義を持ちますが、他方、自由化、円滑化の順調な推進を可能にし、成長の制約を取り除いていくためには、エネルギーや技術など多くの分野において存在する制約を打破していく必要があります。今回まとめられた経済・技術協力に関する行動指針は、こうした制約の打開に大きな力を与えてくれるものと言えるでありましょう。
 十九日に開催された非公式首脳会議においては、閣僚会議から提案された「行動指針」が承認されるとともに、これを踏まえて、二十一世紀に向けての成長制約要因である人口、食糧、エネルギー、環境といった問題に対する強い決意を持って取り組んでいくことが表明されました。さらに、各首脳が自由化、円滑化への決意を示すものとして、各首脳が「当初の措置」を大阪に持ち寄りました。これはすべてのメンバーのAPECという地域社会に対する強いコミットメントの表明と言えると思います。
 我が国は、戦後、多くの課題を乗り越えながら奇跡とも言うべき経済成長を遂げ、今や世界の最先進国の一つであります。これは我が国がAPEC地域の多くのメンバーが今後直面するであろう多くの困難を既に経験してきたということでもあります。その意味で、我々には分かち合うべき経験、知識、情報などが豊富にあります。これを有効に活用し、地域内における連携を強化していくことは、地域の発展につながるばかりでなく、日本自身にとっても大きな意義のあることであります。
 今回のAPECは、東京以外の都市で開催された最初の大規模な首脳、閣僚級の国際会議でありました。そして、これは関係議員の皆様、地元各位を初めとして多くの方々の献身的な協力があればこそ可能でありました。このAPEC大阪会議が成功し、他のメンバーからも高い評価が得られたということは、地元の皆様への賛辞でもあります。これは地方の時代の幕をあける一つの大行事であったとも言えるでありましょう。改めて感謝申し上げ、私の報告といたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(斎藤十朗君) 河野外務大臣。
   〔国務大臣河野洋平君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(河野洋平君) APEC非公式首脳会議を中心とする外交案件について御報告申し上げます。
 APEC非公式首脳会議においては、「アジア太平洋地域の豊かな未来の実現のための行動」という大きな課題のもと、長期的観点から率直かつ幅広い議論が行われ、閣僚会議より提案された「行動指針」を採択するとともに、「APEC経済首脳の行動宣言」を発出いたしました。
 首脳宣言では、今次大阪会合をもってAPECが構想の段階を脱し、行動の段階に入ったことを明らかにするとともに、「行動指針」の主要な考え方を説明し、また、今後APECが長期的に取り組むべき人口、食糧、環境、エネルギー等の課題を示すなど、APECの今後の進路を示しております。
 また、首脳会談の際には、自由化に真剣に取り組む決意を内外に示すため各首脳より具体的な「当初の措置」が提示され、我が国も実質的で広範な「当初の措置」を提示いたしました。
 今回のAPEC大阪会合を通じ、今後のアジア・太平洋地域の経済発展に向けた各国の強い意欲とともに、我が国の役割に対する大きな期待も改めで感じました。我が国は、今後とも確固たる決意を持って「行動指針」を実施し、APECのさらなる進展に貢献するとともに、この地域の諸国・地域間の相互信頼関係を強化し、この地域の一層の平和と繁栄を構築していくべく力を尽くす考えてあります。
 また、今回のAPEC大阪会合の成功は、議員各位はもとより、開催地関西を初め多くの方々の多大な御尽力と御協力のたまものであり、深く感謝の意を表するところであります。
 また、APEC大阪会合の機会には、中国、韓国、マレーシア、インドネシア、豪州、タイ、フィリピンとの首脳会談を初めさまざまな二国間会談を行い、実りある意見交換が行われましたが、特に米国、韓国との関係についで触れたいと思います。
 日米関係については、クリントン大統領の訪日が米国の国内事情によって直前に延期となったことは極めで残念でありますが、その点につきましては、クリントン大統領、そして大統領にかわり訪日されたゴア副大統領より、村山総理そして日本国民に対し、おわびの気持ちが示されたところであります。
 日米双方にとって日米関係が最も重要な二国間関係であることについて、両国政府の認識は完全に一致しており、十九日の村山総理とゴア副大統領との会談においても、できるだけ早い時期に国賓としてのクリントン大統領の訪日を実現するべく、引き続き米側と具体的に日程を調整していくとの確認がなされました。
 また、村山総理とゴア副大統領との会談においては、日米安保体制がアジア・太平洋の平和と繁栄にとって引き続き重要な役割を果たしていくことが改めで確認されました。今後とも、国民の広範な支持を得て日米安保体制を円滑に運営していくためにも、沖縄問題についで日米が協力しで真剣に取り組んでいくことが重要であります。
 そのため、ゴア副大統領との会談において、村山総理より、重い負担を負っている沖縄県民の心情につきるる説明され、施設・区域の整理統合及び縮小のため協力していく必要性を強調するとともに、「沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会」を正式に設置し、二十日に第一回会合を開催することに合意し、本日、同会合を開催いたしました。
 韓国との関係につきましては、最近、歴史認識の問題等をめぐり困難な問題が生じ、事態を憂慮しでおりましたが、APECの際に行われた日韓首脳会談及び日韓外相会談におきまして、歴史認識の問題、対北朝鮮政策などに関する率直な意見交換が行われました。その結果、過去を直視した上で未来志向の日韓関係を築いていくことの重要性、対北朝鮮政策についての日韓間の緊密な連携の必要性につき両国間で認識の一致を見、今後、日韓関係を前向きに進展させる端緒が得られたと考えております。
 また、この機会に、我が国が提出しておりました「核実験の停止を求める決議案」が、去る十七日、国連総会第一委員会において多数の国の賛成を得で採択されましたことを御報告いたします。
 決議の採択は、核実験停止を求める国際社会の真剣な意思を明らかにするものであり、全面核実験禁止条約交渉の推進のためによい環境をつくるものと考えております。我が国としては、この結果を踏まえ、核実験の停止を強く求めていくとともに、全面核実験禁止条約の早期妥結のためでき得る限りの努力を行っていく所存であります。
 また、我が国が提出をいたしました「究極的核廃絶に向けた核軍縮に関する決議案」につきましでも、多数の国の賛同を得で採択されたことをあわせて御報告申し上げます。
 政府といたしましては、以上申し述べた点を含め、引き続き外交の諸課題に全力で取り組んでまいる所存であり、議員各位の御理解を得たく、ここに御報告申し上げます。(拍手)
#7
○議長(斎藤十朗君) ただいまの報告に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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