くにさくロゴ
1995/12/11 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第17号
姉妹サイト
 
1995/12/11 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第17号

#1
第134回国会 本会議 第17号
平成七年十二月十一日(月曜日)
   午後零時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
    ―――――――――――――
  平成七年十二月十一日
   午後零時三十分 本会議
    ―――――――――――――
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案及び
  政党助成法の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 両案について発議者の趣旨説明を求めます。衆議院議員瓦力君。
   〔衆議院議員瓦力君登壇、拍手〕
#4
○衆議院議員(瓦力君) ただいま議題となりました衆議院議員の選挙の投票方法を自書式に改める公職選挙法の一部を改正する法律案及び政党助成法の三分の二条項を廃止する政党助成法の一部を改正する法律案につきまして、趣旨及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、趣旨及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 さきの公職選挙法の改正におきまして、衆議院議員の選挙の投票方法は、投票用紙に印刷される候補者等の氏名等の上の○をつける欄に○の記号をつけるいわゆる記号式に改められたところであります。
 しかしながら、同じ国政選挙である衆議院議員選挙と参議院議員選挙で投票方法を異なるものとした場合、有権者に戸惑いを与え、いたずらに混乱を招くおそれがあり、少なくとも衆議院議員選挙と参議院議員選挙においては同一のものとすることが適当であること。また、衆議院議員の選挙において、立候補者数または名簿届出政党数が多数となる選挙区が生じることが予想されますが、この場合、記号式投票では、有権者が投票用紙の中から投票しようとする候補者あるいは政党を見つけ出すことは容易でなく、かえって有権者に無用な混乱を与えるおそれがあること。さらに、選挙管理委員会の実務に関して、立候補の届け出の締め切り後に候補者名、政党名の入った投票用紙を調製しなければならないことや、記号式投票では一見してどの候補者、政党への投票かがわからないため、開票作業に時間がかかることなどの問題が生じるおそれがあること。とりわけ、補充立候補事由が生じた場合には、補充立候浦の届け出を待って投票用紙の再調製を行わなければならないため、選挙管理委員会は時間的に厳しい制約を受けることになるなど、選挙管理委員会に過重な負担をかけること等の理由から、今回、自書式投票に改めようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました趣旨であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、衆議院議員の選挙の投票に関する事項であります。
 投票は、自書式投票の方法により、それぞれ、小選挙区選出議員の選挙については候補者一人の氏名を、比例代表選出議員の選挙については一の衆議院名簿届出政党等の名称または略称を自書して行うことといたしております。
 第二に、施行期日でありますが、この法律は、公布の日から施行することとし、改正後の公職選挙法の規定については、この法律の施行日以後その期日を公示されまたは告示される選挙に適用することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が公職選挙法の一部を改正する法律案の趣旨及びその内容の概略であります。
 引き続いて、政党助成法の一部を改正する法律案につきまして、趣旨及びその内容の概略を御説明申し上げます。
 さきの政党助成法の改正におきまして、政党の政治活動資金は、その相当部分を政党の自助努力によって得た国民の浄財で賄うのが基本であり、政党が過度に国家に依存することがないようにするとの趣旨から、政党交付金の交付限度額を前年収入総額の三分の二に相当する額とする規定、いわゆる三分の二条項が設けられたところであります。
 しかしながら、現実の政党の状況を見ると、その政党の歴史やその政党がどのような収入源によってきたかなどの各党の事情により、政党の自助努力による収入の状況、財政基盤には相当の差異があり、三分の二条項があるために、結果的に各党に交付される政党交付金の額に不平等が生じるおそれがあること。また、政党の運営の当否は、最終的には選挙を通じた国民の審判にゆだねるべきであることから、政党がその運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択については政党の自主性を認めるのが適当であること等の理由から、今回、前年の収入総額をもとにした政党交付金の交付限度額を廃止しようとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました趣旨であります。
 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、政党交付金に関する事項であります。
 その年分として各政党に交付すべき政党交付金の交付限度額をその政党の前年の収入総額の三分の二に相当する額とする制度を廃止することといたしております。
 また、各政党に交付すべき政党交付金は、四月、七月、十月及び十二月にそれぞれ交付することといたしております。
 第二に、施行期日でありますが、この法律は、平成八年一月一日から施行することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が政党助成法の一部を改正する法律案の趣旨及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。釘宮磐君。
   〔釘宮磐君登壇、拍手〕
#6
○釘宮磐君 私は、平成会を代表して、ただいま趣旨説明のありました公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政党助成法の一部を改正する法律案に対し、質問をいたします。
 まず初めに申し上げたいこと、それは政治改革についての認識についてであります。
 我々が与野党間で、また、それぞれの党内においてもあれほどの激論を交わし、時の内閣が少なくとも二つそのために倒れ、さらには政党の分裂さえも伴って、やっとできたのが政治改革関連法ではなかったのかということであります。
 そんな政治改革関連法の改正案が、事もあろうに延長国会の最終週に駆け込み的に国民の目をかすめるがごとく提案がなされ、せっかくの成果をもとに戻すというのは、政治不信をますます募らせることになりはしないか、一人の政治家として義憤を感じるものであります。
 良識の府として、衆議院ではなされなかった本会議での趣旨説明をあえて参議院で求めたのは、世論の声を聞いてほしいという我々の願いからであります。総理を初め与党の皆さんは、このことを肝に銘じてほしいと思います。
 それでは質問に移ります。
 まず、時代認識について申し上げたいと思います。それは、政治改革関連法が施行されて約一年が経過し、政治改革は既に終わったかのように言われていることについてであります。実際には、法律はできましたが、その効果の実証はまだまだこれからという段階であり、さらに四年後にはその経過を踏まえて資金面の制度を大きく見直さなければならないという我々政治家に課せられた課題もあるのであります。すなわち、政治改革は今その緒についたばかりであるということを申し上げたいのであります。
 政治改革関連法の制定を通じて、政治家は腐敗を断ち切り、今後はみずからを厳しく律するという態度に改めることを国民に約束したはずであります。既存の政治家にとって、厳しい環境に身を投じることとなる小選挙区制の導入にあえて踏み切ったのもそのあかしであります。
 そこで、法律の執行責任者である自治大臣に伺いますが、政治改革関連法の施行後、具体的な成果としてはどのようなものが上がっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
 次に、さきの宗教法人法改正の論議の中で、政府・与党、とりわけ総理は、世論が世論がということを何回も繰り返しました。そこで、今回提案された関連二法案について見ると、世論は、与党三党が自己の都合に合わせて政治改革関連法を改革しようとしているのだと断定しているようであります。
 新聞報道の見出しを拾ってみますと、「朝令暮改で青天井」、「政党の都合を優先」、「お手盛り削除」、「自民と社・さ取引、政党は墓穴を掘った」、「ご都合主義にはあきれる」、「交付金の根拠を失い丸抱えの危険も」などなど、実に手厳しい批判にあふれています。これほど真意を見透かされた不評ばかりの法案も珍しいのではないでしょうか。
 世論は、今回の二法案を政治改革という大きな流れに逆行する国民不在のものと見ています。そして、恐らくその見方は正しいと思うのであります。与党三党は大いに反省すべきであります。
 そこで、与党を率いる村山総理に、今回の改革案は世論を反映しているとお考えなのか、御認識を伺いたいと思います。
 次に、連立政権のあり方について伺います。与党内部における法案の作成過程上について、野党の立場から云々はしたくないのですが、民主主義の理念上非常な疑問があるので、あえて伺います。
 この十月、国民は次のような多くの報道に接しました。「自書式は、新党である新進党などより自分に有利ではないかと見る自民党と、三分の二条項の撤廃で交付金の満額確保を狙う社会、新党さきがけの両者の思惑がセットで決着となった」という報道であります。与党が挙げた表向きの理由である、実績づくりのために無理な資金集めパーティーが強いられるのはよくないなどといったことより、政党の利害のために改正するのだということの方がクローズアップされているのであります。これは極めて問題であります。
 私は、あえて言いたいのですが、政党が法案をつくるとき、その動機は、第一義的には国民の利益を考えて行われるべきではないでしょうか。一昨年の政治改革関連法の制定は、まさにその目的において、また手続において、国民の利益を標榜したものでありました。しかし、今回の改正案にはそのような息吹は何も感じられません。目的において、金のかからない政治の実現、政党の民主化などの国民本位の視点があるのでしょうか。国民の真意は広く聞いたのでしょうか。
 そこで伺いたい。連立政権とは何でしょうか。単独政権であれば、国民の過半数の支持がその政党の行動を保障しているのでしょうから、さまざまな問題に対し果敢な対応もできるでしょう。しかし、連立政権は違います。各党の政策判断の最大公約数としての政策を行うときは国民の過半数の支持を背景としていると言えても、各党の政策の異なる部分を与党全体の意見として押し通す場合は、国民の過半数の支持は得られていないのです。国民の支持がなくとも連立政権内の各党間でバーターの合意さえあれば多数はとれるので、もしそうなったら野合そのものとなり、非常に怖いものになるのであります。ですから、単なる朝令暮改よりもっと重大なものを今回の法案は感ぜざるを得ないのであります。
 確かに、私たちも連立政権を組織したことがあります。そこで思うのですが、連立政権を責任あるものとしてあらしめるには、国民の意思との関連で節度が強く求められるのではありませんか。総理と与党三党の答弁者にお答え願いたい。
 次に、法案の中身について伺います。
 政党助成についての法案は、前年度収入実績の三分の二条項を撤廃しようとしております。この条項は、当時の参議院自民党が政治改革特別委員会で非常に強く主張して導入したものであります。
 導入の理由は、政治活動の資金をみずから五割も調達できないような政党のあり方は望ましくない、政党が自助努力もせずに国民の税金を受け取るのはおかしいという主張でありました。こういう主張は今も変わりはないのでしょうか。自民党の答弁者にお伺いします。
 また、政党はあくまで私的自治を尊重されるべきであります。自助努力を怠り、公的助成が主たる収入源の政党などというのは、国家丸抱えであって、政党政治としては終わりです。私たちはこの条項の問題点は認識しつつも、自民党の主張に一定の意義を認め、これと合意したのであります。
 確かに、与党のある政党の前年収入実績がその政党の規模に比べて少なく、そのために政党交付金を一部カットされたことは承知しています。しかし、それは、それが合理的だとして先般国会で決めたばかりのルールであります。全額もらえないのは不公平だというような要求はそもそもおかしいのであります。
 国会が決めた法律は、その適用によって、国民のあるものは有利に、あるものは不利になることはあり得ることであります。そこで、政権党だからということで、不利になったものが法律のルールを勝手に変えるというのは、多数派の御都合主義だと言われても当然です。立法者というものはみずからの襟を正すべき立場にあるべきであります。
 社会党、さきがけの主張によりこの条項は撤廃することとしたと聞きますが、両党の答弁者には、収入実績がなくてもいい、国家丸抱えでも政党は存在意義があると考えるのか、それとも収入と助成額との関係は不要だと言い切れるのか、お聞きしたい。
 次に、今回の改正案の説明に、パーティーが政党収入実績づくりのために競って開催され、それが弊害だということであります。制限を設けた結果、望ましくない資金集めを助長したから制限そのものをやめようということであります。
 しかし、各政党は政治改革関連法の成立に際して、政治資金の流れを政党本位にし、国民の個人献金及びその他機関誌紙などの事業収入により、政権交代を担い得る国民の支持の上に立ったものとなるよう、この五年間に体質改善の努力をすることになっていたはずであります。政党財政を強化し、政党の資金を健全化することは、立法府に参加しているすべての政党の義務であります。
 今は政治改革が緒についたばかりで、政治浄化ができるかどうか非常に微妙なときであります。この大事なときに、財政が苦しいからといって朝令暮改で改革の原則を崩すのでは、政治改革遂行の意思を疑わざるを得ません。責任ある政治とはとても言えません。制度の見直しは、本来、五年後にまとめて行うべきではありませんか。今回の改正法案の政治改革スケジュール全体の中での位置づけについて、各政党の代表者の認識をお伺いしたいと思います。
 また、四年後見直すと言っている企業・団体献金の廃止問題について、各党答弁者の見解を求めます。
 次に、自書式への復帰について伺います。
 この問題は、かつて与野党間で非常な議論をしたところであります。社会党の従来の主張は記号式であったと思います。一度も施行せず、その長所も短所も全く実証されないまま自書式に覆ることをどのように認識しておられるのでしょうか。自書式は無効票が多く出る、投票の効力判定に時間がかかる、投票の秘密が守られにくいということで、自書式は時代おくれの制度として記号式の導入を図ったのが前回の議論であったはずです。政治改革関連法案を実現させた当時の自治大臣である佐藤観樹議員にはどのような見解があるのか、お伺いをしたい。
 自民党の発議者に伺いますが、自民党の主張は、投票方法が参議院と異なると混乱を招く、事務が大変で時間的な問題があるというのでありました。しかし、現実には、有権者は参議院の比例代表制導入で政党名投票を経験しており、さらに最高裁判所裁判官国民審査で記号式に習熟しております。国民はより便利で合理的なものを望んでいるのではありませんか。また、既に選挙執行の事務体制は整っているのではありませんか。
 情報化時代の流れの中で、投開票手続もまたコンピューターの利用が進められなければならないことは明らかです。これにふさわしいのが記号式であることは明らかだと思いますが、いかがでしょうか。見解を求めます。
 以上述べてまいりましたように、今回の与党三党の提出した両法律案は政治改革に逆行するものであることを強く感じるものであります。中選挙区制復活の話も仄聞するところでありますが、政治改革に関する制度変更の問題は与野党協議の場を設け、合意をとれるところまで協議を尽くしてこそ国民の合意が得られるものになるのだということを強く申し上げたいと思います。
 せっかく政治改革の成果が徐々にあらわれてきているのに、もし政治家がみずからを律することができず連立政権の甘えの構造の中におぼれるのであれば、国民の政治に対する批判はついに政党政治を見放すものになることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔衆議院議員瓦力君登壇、拍手〕
#7
○衆議院議員(瓦力君) 釘宮磐議員の私に対する質問は、経緯にかかわる質問、並びに連立政権と国民との関連で節度が必要ではないかと。この質問にお答えをしたいと思います。
 確かに、今回改めようとする制度は、その制定から日が浅いものであることは御指摘のとおりであります。しかし、今回提案している点につきましては、新制度の導入段階で考えていた以上の問題性を含んでおるわけでございまして、与党三党間、またそれぞれの政党におきまして数次にわたって協議いたしました結果、これらの問題を明らかにして改正する必要性が高い、かように判断するに至ったわけであります。
 与党三党は、さらなる政治改革の推進を図るため、今回の法案を提出する過程で、去る十月には新進党、貴党にも経過並びに問題点の説明を行いました。選挙法は議会の根幹にかかわる問題だからであります。決しておっしゃるようなバーターによるものではございませんし、三党間での協議結果であることを重ねて申し上げておきたいと思います。
 また、連立政権を実効あらしめるためには国民との関連で節度が必要ではないかとの御見解、謙虚に承ってまいりたいと思います。しかしながら、国家国民に責任を負ってこれを判断するのは政治家でございますし、また政党でもあります。さらには議会であり、そしてその支持を受けて組織された政府でもございます。単独政権であれ、さらに連立政権であれ、これらの責任に対して対応することは当然でございまして、求められることの認識はかようなものと私は考えておるわけであります。
 現在の連立政権が国民の意思をないがしろにして政策を遂行しておる、かような指摘でありますが、決断し、さらに実行してまいるその責任を回避するものではないことは私が改めて申し上げる必要のないことだと、かように存じておるわけであります。(拍手)
   〔衆議院議員佐藤観樹君登壇、拍手〕
#8
○衆議院議員(佐藤観樹君) 釘宮議員の御質問に対しまして、社会党の提案者として御答弁を申し上げます。
 まず第一に、連立政権と国民の意思の問題でございます。
 単独政権だろうとあるいは連立政権だろうと、国民の御意思を大切にして慎重な政策運営を行うことは当然であると考えております。そして、連立政権にあっては、過去の政策決定が手直しが必要な場合においては、各党が真摯に議論し、手直しが行い得る柔軟性を持っている、こういうことが必要だと考えています。与党の一員として、今後も節度を持って政策決定に当たり、また、改革には果断に対応してまいりたいと決意をしております。
 次に、国家が丸抱えの政党は存在意義があるのかというお尋ねでございます。
 日本社会党は、党費や機関紙収入などの事業収入、また、個人から寄附をいただくことに大きな努力を払ってきておりますことは、政治資金報告書を見ていただければおわかりのとおりでございます。
 しかし、本案はもともと旧細川連立政権のときの案であり、旧連立与党でもさまざまな議論がなされ、御提案をしたものでございます。多くは申し上げませんけれども、各政党が国民の浄財によって政党資金を賄うよう最大限の努力を払う、しかし政党の政治資金の考え方についてはできるだけ政党の自主性を認め、国民にその評価について御判断をいただくことが望ましいというのが細川政権提案の考え方の基本でございました。
 そうした意味では、法案提出時には助成法に三分の二条項は不要であると考えた次第でございます。もちろん、使途の届け出や公開あるいは監査の実施等につきましては何ら変更しておりません。
 丸抱え政党は政党政治の原点からいって当然あってはならないことと考えますし、政党の自殺行為であると考えますが、最終的には選挙の有権者の判断によることが正しいと考えるわけでございます。次に、政治改革全体のスケジュールと今回の御提案の関係、また企業・団体献全廃止の問題についてお答えを申し上げさせていただきたいと存じます。本改正は、政治改革四法をより着実に運用し、その改革の趣旨を貫くための改善であり、骨格を変更するものではございません。また、政治資金規正法附則第九条、御承知のように、「会社、労働組合その他の団体の資金管理団体に対してする寄附については、この法律の施行後五年を経過した場合において、これを禁止する措置を講ずるものとする。」となっておりますし、また附則第十条につきましては、「この法律の施行後五年を経過した場合においては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案し、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附のおり方について見直しを行うものとする。」ということになっておりますけれども、社会党といたしましては、この附則の趣旨及び精神は貫かれるべきものと考え、また、各政党間の議論の中で正しい結論が導き出されることと考えております。
 最後に、記号式から自書式への変更についてでございます。
 確かに、平成六年の本院におきます答弁におきましても、記号式のメリットを三つ挙げております。投票の効力判定が容易になり、無効投票が減少すること、選挙争訟が減少すること、三つ目に投票の秘密が確保しやすくなることということを挙げており、これらのメリットすべてを否定するものではありませんけれども、国政選挙の投票方式が異なることは有権者に無用の混乱を招くおそれがある、また、地方選管も一生懸命対応しようとしておりますけれども、膨大な政党や候補者が名乗りを上げた場合に、あるいは候補者が死亡した場合など選管に過重な負担を強いることになることなど、問題点も少なくなく、総合的に考えまして、この際、政治改革四法の根幹を守るという立場からも手直しをした方がよいとの政策判断に基づいたものであります。政治改革の推進にかける決意についてはいささかも変更はございません。
 何とぞ、本院の御審議をいただきまして、両案を御可決いただきますよう提案者としてお願い申し上げ、答弁を終わらせていただきたいと存じます。(拍手)
   〔衆議院議員三原朝彦君登壇、拍手〕
#9
○衆議院議員(三原朝彦君) さきがけから出ております提案者の三原でございます。
 ただいまの釘宮議員の御質問、大体私に対する質問は四つだったと思いますので、順次お答え申し上げたいと思います。
 第一に、連立政権と国民との関連で節度が必要でないかとの御質問かと思います。
 村山政権が発足して、はや一年半になろうとしております。この間、与党三党は山積するさまざまな政策課題について議論してまいりまして、適切な対応を行ってまいったと自負いたしておるところでございます。今回の提案に当たりましても同様でございまして、今後とも与党間の協議を軸に適切な連立政権の運営に当たりまして、そしてまた、政治改革にも努力してまいりたいと考えております。
 第二に、三分の二条項の撤廃により政党財政が丸抱えとなれば政党としての存在意義がなくなるのではないかという御質問かと思います。
 私は、実は新党さきがけの財務の責任者もいたしておりまして、我が党について申し上げれば、政治活動に必要な資金を獲得するため、企業献金、個人献金、さらにはパーティーの開催等、さまざまな努力を行ってまいってきております。本年度の政党助成の交付金は約八億円でありますが、残念ながらこれだけで十分な政治活動は行えないのが実情でもあります。党といたしましては、政党助成金に加え、常に自助努力を続けていく所存でありまして、国家丸抱えの政党などとなるようなつもりは毛頭ございません。
 政党の運営費の一部を政党交付金に依存するのか全額を依存するのかは、第一義的には各政党の自主的な判断にゆだねるべきであると考えております。政党交付金を得た政党がどのように政治活動を行い、どのような支出を行うかは、各党の公党としての責任において行われるべきであると考えますし、また、最終的には選挙による国民の審判を仰ぐべきであると考えております。
 第三の御質問は、本改正案の政治改革スケジュールについての位置づけであるかと思います。
 我が党新党さきがけは、結党以来、政治改革について常に先導的な役割を果たしてきたと自負いたしております。私たちは、先般来の政治改革の精神にのっとり、政治改革四法を着実に運用することが何よりも必要であると確信いたしております。
 三分の二条項について、助成金を得るためにはその一・五倍の収入を獲得しなければならず、政治家が本来の職員を離れ、政治資金の獲得のために時間とエネルギーをとられるといった弊害も明らかになっております。
 また、自書式の点については、衆議院選挙と参議院選挙の投票方法が異なることはやはり適当ではないと考えております。衆参の同日選挙といった事態も勘案すれば、事務の不必要な混乱を回避する意味で、当面は自書式を採用すべきであると考えております。
 理想と現実のはざまで試行錯誤を繰り返しながら前進することが政治のあるべき姿と考えております。前記の二点を改正することが現時点におけるよりよい選択であると考えております。
 最後に、政治献金の五年後廃止の問題に関する御質問にお答え申し上げます。
 今日、政治資金は、事業収入等を除けば、個人献金、企業献金、団体献金、政党助成法による交付金から構成され、それに基づき政治活動が行われておるわけでございます。御承知のとおり、政治資金規正法の附則第九条において、「会社、労働組合その他の団体の資金管理団体に対してする寄附については、この法律の施行後五年を経過した場合において、これを禁止する措置を講ずるものとする。」と定められております。
 政治改革をたゆむことなく推進し、政策中心の政治を実行する立場から、我が党新党さきがけはこれを全面的に支持し、着実に実行するものでございます。政党助成法の三分の二条項を見直すことはこれを側面から支援する方途であり、ぜひとも改正をお願い申し上げたいと思います。
 私たちは、国による助成に依存するばかりでなく、みずからもクリーンな政治資金の獲得に努めるとともに、国民の血税をちょうだいしているとの自覚のもとに、国民が安心して暮らせる二十一世紀を切り開くために力の限りの努力を傾注していきたいと思っております。
 以上、御答弁申し上げます。(拍手)
   〔衆議院議員伊吹文明君登壇、拍手〕
#10
○衆議院議員(伊吹文明君) 提案者でございます衆議院議員の伊吹でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 御質問は、瓦提案者が答えました以外に四つであったと思います。
 まず第一は、三分の二条項について、自由民主党の考えが変わったのかという御質問でありました。
 我々、この三分の二条項の導入時期には、少なくとも議会制民主主義のもとにおいては、政権を形成している与党の手を通った資金をもらって政治活動をするということについてはやはり一定の限度がある、したがって当然自助努力が伴わねばならないという考えで三分の二条項を導入いたしました。その考えは今も何ら変わってはおりません。
 しかし、同時に、現在は小選挙区を前提としたまさに政界再編成の移行期でございます。昨日まである党にいた方が別の党に移るとか、あるいは新しい党が次々とできるという状況のもとでは、その政党の歴史、その政党の成り立ち等によって、資金の集め方あるいは実績等についておのずから違いがあるのは当然のことであります。
 したがって、私たちは、国民一人当たり二百五十円という歯どめの中でこれをどのように配分するかについては、すべての活動経費を公的助成で賄われる政党が出てくる、あるいは自助努力をなさる政党が出てくるということであれば、その正否はこの移行期においてはおのずから国民の投票によって判断されるのも一つの方向であるという形で、我々は三分の二条項の廃止に移行期という観点で賛成をしたわけであります。
 次に第二の点は、五年後の見直しということについてであります。
 御質問は政治改革関連法案という形でなされておりますが、釘宮先生御承知のとおり、見直し条項がついておりますのは政治資金規正法についてであります。そして、今回提案しております三分の二条項は政党助成法の改正案であることも御存じのとおりであります。
 問題は、我々が導入した小選挙区比例代表並立制というものが機能的に動いていくために、その運動量を賄うに十分な資金が政党助成あるいは企業・団体献金、個人献金でどのような形で合理的に賄われていくのかという実態を見きわめながら、五年後に見直していきたいという趣旨だと思っておりますので、当然その中の位置づけだと理解をいたしております。
 次に、企業・団体献金の五年後廃止問題について自由民主党の見解を伺うということでありました。
 我が党は、一貫して主張いたしておりますように、また、最高裁の判例もございますように、企業・団体献金は当然認められるべきものだと考えております。その中で、先ほど来申し上げましたように、小選挙区比例代表並立制を動かしていく運動量、政治活動量に見合う政党助成のあり方あるいは個人献金のあり方とも絡めて五年後に、企業・団体献金は、我々は我々の主張を申し上げながらこの法律に従って見直しの議論に参加いたしたいと思っております。
 最後に、記号式については時代の要請ではないかという御質問がございまして、その中で、参議院の選挙において政党名投票を経験しているという御指摘がございました。しかし、これは自書式で経験をしておられるわけでございます。そして同時に、最高裁判所裁判官の国民審査において記号式を経験しているということも事実でありますが、これも最高裁の判事という極めて限られた方の中で経験をしているわけであります。
 現在はまさに、先ほど来申し上げましたように、政界再編成の移行期でありまして、次々と新しい政党が生まれてまいります。同時にまた、国民の価値観の多様化の中で多くの政党が生じたことは、この法律ができた後の前回の貴院の選挙及び地方選挙を見れば、東京の選挙区あるいは大阪の選挙区でおのずから明らかなことであります。
 このような状況の中で、国民に混乱のないように政党名、候補者名を選んでいただくためには、移行期においては自書式が適切であると我々は考えて提案に至った次第であります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(村山富市君) 釘宮議員の御質問にお答えしたいと思いますが、私に対する質問は二つだったと思います。
 その一つは、今回の改革案は世論を反映しているかとのお尋ねでありますが、国民の皆さんの政治に対する信頼を確立していく、その期待にこたえていくというために何よりも大事なことは、政治家自体がまず襟を正していく、そして政治倫理を確立するということが一番大事だと思います。同時に、それだけではなくて、制度そのものを不断に見直しをしていくということも大事ではないかというふうに思っております。
 今回の自書式の投票と三分の二の条項につきましては、法改正の際、与野党の政治改革協議会におきましても種々の議論が行われ、国会審議におきましてもさまざまな御意見があったことについては、先ほど来提案者の答弁があったとおりであります。
 与党三党では、このような経緯も踏まえまして、どう国民の期待にこたえていくかとの観点に立って与党三党間で継続して協議を続けた結果、結論が得られたことにより、今回改正案の提案に至ったものと承知をいたしております。
 政府といたしましては、国会におきまして御審議の上、結論が出された場合には、その結論を尊重してまいりたいと考えています。
 次の質問は、今回の法案提出と連立政権のあり方についてのお尋ねであります。
 平成五年の七月に総選挙がございました。その総選挙の結果、日本の政治も単独で政権を得られる政党が存在しないということから、連立政権の時代に入っていったわけです。その連立政権は、細川政権と羽田政権という二つの経験を私どもはしてまいりましたが、その経験に学びながら、できるだけ連立政権というものは民主的に、透明度を高めて、国民によくわかる、理解されるような政権にする必要がある、こういう心がけで努力をしてまいったつもりであります。
 これはもともと政策の違う政党が一緒になって政権をつくっているわけですから、その政策の違いというものを明確にしながら、お互いの主張をぶっつけ合って、そしてどういう結論を出していくことが一番国民のためにいい政策の選択になるのか、こういう努力を積み重ねた結果、私どもが政治を運営しておるということについて御理解をいただき、決して野合などというものではないということについては御理解をいただきたいと思います。
 今般の提案につきましても、与党三党間で設けられた政治改革協議会におきまして、各党から出された六項目にわたる改革課題について幅広い協議を重ねた結果、この二つの事項について結論が得られましたので今回の改正案の提出に至ったと承知をいたしておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤弘君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮澤弘君) 政治改革の成果についての御質問がございました。
 先般の改革は、衆議院議員の選挙制度を個人中心から政党中心の仕組みに改めますとともに、連座制の改正など腐敗防止策を強化いたしまして、政治資金の透明性を高め、また、選挙や政治活動の中心となる政党へ公的助成を行うなど極めて幅広い内容を持ったものであると承知をいたしております。
 関連改正法が施行されて今日まで、例えば本年の統一地方選挙では連座制の適用事例が数多く出るなど、実際の選挙にも、また、政治資金の集め方などにも影響なり変化なりが出てきているものと思われますが、改革の内容が幅広いものでありますだけに、今後、政治家や政党のみならず、政治のあり方全般にも大きな影響を及ぼしていくことになるものと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(斎藤十朗君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#14
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、政党助成法及び公選法改正案に関し、総理、関係閣僚並びに提案者に質問いたします。
 リクルートや佐川急便事件など、相次ぐ金権腐敗政治に対する国民の怒りと批判が高まる中、我が党を除く各党が政治改革の名のもとで行ったことは、民意をゆがめる憲法違反の小選挙区制と、国民の政党支持の自由を侵害するこれまた憲法違反の政党助成であり、さらには腐敗の根源である企業献金の温存でありました。これが真の政治改革でないことは言うまでもありません。
 しかも、当時各党は、公費による政党助成をするかわりに、五年後には企業献金を見直し、全面禁止に向かうと言っていたではありませんか。にもかかわらず、今日、財界による企業献金あっせんを復活させ、その上、政党助成の上限枠を撤廃するなどということは断じて容認できないものであります。ましてや、深刻な不況、円高、リストラに国民が苦しめられているときに、その国民の汗して納めた税金を政党がむさぼるようなことをして一体許されるのですか。
 以下、具体的に質問します。
 国民の税金を特定の政党の活動費に支給する政党助成制度は、国民にとっては支持もしていない政党へ強制的に献金させられるものであり、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」と定めた憲法第十九条に違反する制度であります。だからこそ、日本共産党はこの悪法の制定に強く反対し、政党交付金の受け取りをきっばり拒否するとともに、今もこの制度の廃止を主張しているのであります。
 四四・五%という史上最低の投票率であった七月の参議院選挙の結果は、政党助成法の害悪を一層浮き彫りにしました。すなわち、自民、社会、さきがけ、新進が得た得票数は四党合計しても全有権者数の三三%にしかならないのに、これら四党で助成交付総額三百二億円のうちの二百九十五億円、全体の九八%も受けることになるのです。この差は、まさに有権者の過半数を超える支持する政党のない人々の膨大な税金がこれらの党に強制的に流されるということを意味しているのであります。
 総理、政党助成法が、政党を支持する自由、支持しない自由、政治信条の自由を踏みにじる憲法違反の制度であることが明らかに実証されたではありませんか。見解を求めます。
 今回の改正案は、交付金の限度額を政党の前年における収入総額の三分の一とするいわゆる三分の二条項を撤廃し、国政選挙の得票数と議員数を基準にして算定する交付額を満額受け取ることができるようにするものであります。その結果、九五年度でいえば、社会党は四億五千三百万円、さきがけは四千万円、それぞれ受け取る交付金を上積みできることになります。
 一体、何のための改正なのか。結局もらえるものは全部もらうという政党の全く身勝手なお手盛りではありませんか。提案者の明確な答弁を求めます。
 本年、交付対象の九つの政党が自治省に報告した収入総額は合計約六百億円でありますが、現行法では三分の二条項があるため、交付限度額は四百億円までとなります。しかし、三分の二条項が撤廃されるならこの歯どめがなくなることになります。新進党小沢幹事長は、自民党時代、「日本改造計画」の中で、助成のための支出は年間一千億円程度と書いています。現在の国民一人当たり二百五十円の額を三百円、五百円と増額するなど助成総額をふやせば、政党の受け取る交付金を青天井にすることも可能となるのではありませんか。提案者の答弁を求めます。
 そもそも政党は、綱領を掲げ、国民の中に根を張り、多様な意見や要求を政治に反映させるために活動する結社であり、その財源は、党費や政党機関紙などの事業収入、支持者個人からの寄附で賄うなど、みずから努力することが民主政治における政党本来のあり方であります。そうしてこそ国家権力から独立した自主的な立場が確保されるのです。今回の法改正で、政党がみずからの財政努力を怠り、公費で党財政を基本的に賄うことになれば、それは政党の変質、堕落につながりかねないという声が出ているのは当然ではありませんか。
 そこで、総理に、このような政党のあり方についての基本認識を伺いたいと思います。
 次に、橋本通産大臣は、「政権奪回論」の中で、上限規定がないと政党が国の助成を受けることで発言権を失い、ひいては政党が助成権者である政府の支配を受けてしまうような事態になりはしないか私は心配していると述べています。この見解は変わったのですか。明確な答弁を求めます。
 また、自民党は、九三年総選挙時に銀行から借り入れた百億円を返済するため、経団連に企業献金のあっせん再開を申し入れ、合意されました。そもそも経団連が自民党などへの献金あっせんをやめたのは、金権政治に対する国民の厳しい批判を受けたからではなかったのですか。これでは自民党が一層の財界の支配を受け、政治と金の関係をいよいよ断ち切れなくなるのではありませんか。自民党総裁としての見解を求めます。
 武村大蔵大臣は、先日、国家財政の非常事態宣言を発して、国民には消費税の税率アップなどさらなる負担を求めようとしています。にもかかわらず、政党だけは限度枠を外してまで交付金を満額受け取れるようにすることが許されてよいのですか。財政の責任者である大蔵大臣の答弁を求めます。
 さらに、三党首それぞれに対し、企業献金について、附則に定める見直しの際、これをきっぱり全面禁止するのかどうか、責任ある答弁を求めます。
 提案者に伺いますが、記号式を自書式に変えるのは既成大政党として有利な自民党の要求であり、社会、さきがけは三分の二条項撤廃の要求と引きかえにこれを認めたと報道されています。これでは党利党略の取引、政治的談合と言われても仕方がないではありませんか。
 さらに、与党三党は、現行五万円の企業献金公開基準の緩和を与党政治改革協議会で検討するとされていますが、これは事実ですか。もしそうなら、片や腐敗の温床である企業献金の緩和、片や国民の税金分け取りの限度枠撤廃、まさに国民を愚弄するものであり、政治不信がますます募るだけではありませんか。最後に指摘したいと思いますが、小選挙区制は政策本位の選挙、金のかからない政治となり、政治に対する国民の信頼を回復できるなどの口実で導入されました。しかし、いい制度と思っている代議士は三分の一もいない、金のかからない選挙は難しいという森建設大臣の幹事長時代の発言を初め、今日、小選挙区制見直し論が強まっています。こうした声や、外国の例にもあるように、小選挙区制は民意をゆがめる弊害が固定化し、国民に痛みを伴う悪政を押しつける最悪の選挙制度であります。企業献金の全面禁止と小選挙区制の廃止こそ国民の求める真の政治改革の道であります。総理にその決意はないか、答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔衆議院議員佐藤観樹君登壇、拍手〕
#15
○衆議院議員(佐藤観樹君) 山下議員の御質問に本案の提案者として御答弁を申し上げます。御指摘は、助成金を満額もらうためにお手盛りではないかと、そういう御指摘でございますけれども、提案者はそのような発想からこの改正をお。願いしておるのではございません。瓦提案者からもお話しございましたように、政党にはいろいろ長い長い歴史あるいは短い歴史、いろいろな成り立ちがございますし、それによって政党の活動費というものについてもいろいろな種類、特質があるわけでございます。
 今、政治改革が行われ、かつ政界再編と言われております中に、私たちは、こういった財政状況とか財政基盤に差がございますのに、三分の二条項によりまして結果として交付金の交付の不平等が生ずるおそれがあること、それから政党交付金にどれだけ頼るかどうかという問題につきましては、その政党自身が自主的に考えるべきものである、最終的には有権者が判断をすべきものであるという考え方から、この三分の二条項というのは撤廃するということをお願いしているわけでございます。
 それから、青天井になるのではないかということでございますけれども、国民一人当たり二百五十円の負担をお願いをするということにつきましては、何らそのことを変更する提案をしているものではございません。
 あの八十数%という驚異的な細川内閣のときですら実は提案は、御承知のように、総額は四百十二億円、しかし議論の末、御承知のように、三百九億円というふうになっておるわけでございまして、事は、提案をする場合には、与党の見識、そして厳しい世論、税金を使うということの重み、このことを十二分に考えて行うべきでございまして、交付金の総額を上げるという考えはございません。(拍手)
   〔衆議院議員三原朝彦君登壇、拍手〕
#16
○衆議院議員(三原朝彦君) ただいまの佐藤議員のお答えと同じようなことでございまして、私どもも三分の二条項に関しまして、もう心配していらっしゃるような青天井というようなことは全くもって杞憂であるということだけ申し上げて御答弁にかえさせていただく次第でございます。(拍手)
   〔衆議院議員伊吹文明君登壇、拍手〕
#17
○衆議院議員(伊吹文明君) 二点にわたってお答えをさせていただきます。
 まず最初は、記号式を自書式に変えることと三分の二条項とを取引したのではないかという趣旨の御質問でございました。
 与党の政治改革協議会では、実は十数項目についてお互いに議論のすり合わせをいたしております。在外邦人の選挙権の問題、あるいは在留外国人の参政権の問題、その他たくさんございます。その中で、社会党、さきがけ、自由民主党が合意をした二項目について今回御提案を申し上げたわけでありまして、取引をしたなどということは一切ございません。
 その次に、企業献金の公開基準を緩和することを条件に三分の二条項の撤廃要求を受け入れたという御質問でございますが、そのような事実は全くございません。
 ただ、私たちは、細川内閣のときに提案になりましたもろもろの小選挙区比例代表並立制のもとにおける選挙運動の態様、つまり有権者が二分の一、三分の一、選挙区が四分の一、五分の一に小さくなっておりますけれども、はがき、ビラあるいはポスター等について二倍から四倍の運動量になっていることは先生御承知のとおりであります。
 小選挙区比例代表並立制を維持していくためのこれらの部品が円滑に回るためには、所要の資金が民主主義のコストとして必要なことは否定できません。冒頭の幹事長のように、政党助成一千億などということはとても国民が許さないという状況のもとで言えば、個人献金と企業献金と政党助成のバランスをこの民主主義の部品を動かしていくためにどのようなふうに考えたらいいのか、これはお互いにこれから議論をしていこうではないかという申し合わせはできております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(村山富市君) 山下議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一に、政党助成についてのお尋ねでありますが、政党助成は、今もお話がございましたが、民主主義のコストとも言うべき政治活動の経費を国民の理解のもとに国民全体で負担をしていただくという趣旨の制度でございます。また、この助成制度によって個々の国民がおのおの自己の政治信条に基づいて政党を支持する自由は何ら制限さるものではございません。徴税及び財政支出が国会の意思に基づいてそれぞれ適正に行われるものである以上、政党助成の制度が御指摘のような自由を侵害するものであるとは考えておりません。
 次に、公費助成と政党の財政運営との関係についてお尋ねでありますが、これは今、提案者からそれぞれ御答弁もございました。
 そもそも政党に対する公的助成は、議会制民主主義における政党の政治活動の公的政策に着目をして行われるものでございます。もとより、政党がその活動資金を賄うために自助努力をしなければならないことは、政党交付金の有無とは関係なしに、当然だと思います。
 ただ、各政党ともその歴史や収入構造、支出構造をそれぞれ異にしていることから、政党交付金の交付がある場合、その財政運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択やその使途につきましては、各政党の自主性を認め、その運営の当否は最終的に選挙を通じた国民の審判にゆだねるという仕組みとなっております。したがいまして、これが直ちに政党の自主性を損なうものであると考えておりません。
 次に、昨年の政治資金規正法の改正によりまして、企業等の団体献金は、政党、政治資金団体並びに資金管理団体以外の者に対しては一切禁止されることとなりました。さらに、改正法の施行後五年を経過した場合には、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえて、政党財政の状況等を勘案し、政党、政治資金団体に対する献金のあり方について見直しを行うものとされておりますが、廃止を含めて検討がなされるものと考えております。
 次に、小選挙区制の見直し論についてのお尋ねでありますが、選挙制度のあり方をめぐってはさまざまな御議論があることは御存じのとおりであります。さまざまな御議論がございまするけれども、小選挙区比例代表並立制は国会における長期間にわたる御審議の結果導入されたものでございまして、政権の選択についての国民の意思が明確な形で示されるという特性を有する小選挙区制と、多様な民意を国政に反映するという特性を有する比例代表制を並立させ、それぞれの制度の持つ特性を相互補完的に生かしていこうという考え方に立ったものと認識をいたしております。
 次に、小選挙区制の廃止と企業献金の禁止についてのお尋ねでありますが、小選挙区比例代表並立制は、さきにも述べました経緯がございまして導入されたものでございます。新制度による総選挙もいまだ実施されておらない現時点では、この制度が正しく運用されることが重要と考えております。これを抜本的に見直したり廃止するという考え方は持っておりません。
 また、企業等の団体献金につきましては、先般の改正におきまして、政党、政治資金団体並びに資金管理団体以外の者に対しては一切禁止することとなっております。制限が強化されたところでございます。
 さらに、改正法の施行後五年を経過した場合には、資金管理団体に対するものは禁止措置を講ずることになっております。同時に、政党、政治資金団体等に対する献金のあり方についても見直しを行うものとされており、廃止を含めて検討がなされるものと考えております。残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私には三点お尋ねをいただきました。
 確かに、政党が自助努力によって政治資金を集める努力をせずに、時の政府からの交付金に過度に依存をし政党の運営や政治活動を展開いたしますことについては、政党の自主性を損ねるという観点から、各政党への政党交付金について上限を設けるべきであるというのは当時から自由民主党の主張でありましたし、私自身の考え方でありました。それが現行の政党助成法に結実したと私たちは考えております。
 しかしながら、今般の与党三党の協議の結果、現在の現実の政党の状況を見ましたとき、結果的に各政党に交付される政党交付金の額に不平等が生じるおそれがあること、政党がその運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択というものについては政党の自主性を認めるのが適当であるという判断から、三分の二条項の廃止に踏み切られたものと承知をいたしております。
 もとより、政党の運営費の全部を政党交付金に依存するようなこと、これは政党政治の原点からして否定すべきことでありますし、政党の自殺行為だと思ってもおります。一方、国家権力の政党の政治活動への介入を排除する措置が法的にとられていることは議員も御承知のとおりであります。
 次に、従来、企業献金につきまして、経団連が我が党と企業の間に立っていろいろ相談に乗っていただいておりましたのが、その復そうしたことを控えるとされておられました。
 御質問の点でありますけれども、今回、経団連は間に立つことを再開されたとは言っておられないわけであります。ただ、当時の我が党の借入金につきまして、当時の経緯から今回御相談に乗っていただいておる、そう承知をいたしております。
 そして、財界の支配という言葉を使われましたけれども、私どもは、財界のみならず、どこからも支配されてはおらないつもりであります。いわんや我が党は、その他の独善的なあるいは独裁的な団体あるいは集団からの介入、支配というものは許さない、昔から自由で民主的な国民政党として行動してまいりました。今後もその理念を変えるつもりはありません。
 また、さきの政治改革におきます政治資金規正法の改正につきましては、企業その他団体のする政治活動に関する寄附の制限などの強化を図ると同時に、政治資金の透明性を高め、あわせて政治資金の規制の実効性の強化などの措置を講じてまいりました。
 なお、政治資金規正法附則第九条において、「会社、労働組合その他の団体の資金管理団体に対してする寄附については、この法律の施行後五年を経過した場合において、これを禁止する措置を講ずるもの」とされておりますし、附則十条におきましては、「この法律の施行後五年を経過した場合においては、政治資金の個人による拠出の状況を踏まえ、政党財政の状況等を勘案し、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附のあり方について見直しを行う」、こうされておりますことは十分承知をしているつもりであります。
 今後、与党内においても十分検討していただけるものと承知しておりますが、政府の一員としては、国会における御審議の状況を踏まえて対応していきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(武村正義君) 思い起こしますと、リクルート事件があり、ゼネコン汚職があり、佐川急便事件があり、そういう中で政治改革の真剣な論議が数年間続きました。最終的には、この条文、三分の二条項は、御承知のように、当時の連立与党を代表する細川総理と野党の自由民主党河野総裁の間で急遽盛り込まれたものであります。ある意味では、各党の党内論議が余り行われずに急遽決まったという経緯があるように私は今思い出しておりますが、だから悪いというわけじゃありません。私は、この条文の改正は賛成であります。
 なぜかといいますと、例えて申し上げますと、新党さきがけ、二十五名でありますが、約十億ぐらいの公的助成が受けられる政党規模であります。A、B二つの二十数名の政党があったとして、A政党は前々から二十億ぐらいの献金をもうみずから集めている、B政党は新しい政党で五億ぐらいで前年度頑張ってきた、こういうふうに仮定しますと、このB政党にとっては、公的助成十億円を受けるためには前年度で十五億の従来の三倍ぐらいの献金を集めないといけない。しかも、三倍の十五億集めてなおプラス十億の公的助成が受けられるわけでありますから、合計すると十五億プラス十億ということで、約二十五億の確かに大変豊かな政党財政に変わることができるわけであります。
 従来から二十億の能力を持っている政党は、十億の献金を受けることは専ら問題はありません。しかし、五億の政党は、合わせて二十五億という大変大きな政治資金を無理をしながら努力していただくことになるわけであります。ある意味では政党のそうした金の力を一層急遽大きくしてしまった。ある意味では金権体質の道を政党が走るということにもなりかねない。そういう意味で、今回はそういう反省の上に立ってこの改正の議論が起こってきたというふうに率直に私は認識をいたしております。
 二番目の政治資金規正法附則第十条の改正については、もう言うまでもなく、賛成をして法律で成立させてきたわけでございますから、この見直しの目標に向かって努力をさせていただきます。(拍手)
#21
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十分散会
     ―――――・―――――



ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト