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1995/12/13 第134回国会 参議院 参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第18号
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1995/12/13 第134回国会 参議院

参議院会議録情報 第134回国会 本会議 第18号

#1
第134回国会 本会議 第18号
平成七年十二月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
  平成七年十二月十三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(現下の金融
  問題について)
 第二 平成四年度一般会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(その2)(第百二
  十九回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議
  院送付)
 第三 平成四年度特別会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(第百二十九回国会
  内閣提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第四 平成四年度特別会計予算総則第十四条に
  基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費
  増額調書(その2)(第百二十九回国会内閣
  提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第五 平成五年度一般会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(その1)(第百二
  十九回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議
  院送付)
 第六 平成五年度特別会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(その1)(第百二
  十九回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議
  院送付)
 第七 平成五年度特別会計予算総則第十三条に
  基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費
  増額調書(その1)(第百二十九回国会内閣
  提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第八 平成五年度一般会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(その2)(第百三
  十二回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議
  院送付)
 第九 平成五年度特別会計予備費使用総調書及
  び各省各庁所管使用調書(その2)(第百三
  十二回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議
  院送付)
 第一〇 平成五年度特別会計予算総則第十三条
  に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経
  費増額調書(その2)(第百三十二回国会内
  閣提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第一一 平成六年度一般会計予備費使用総調書
  及び各省各庁所管使用調書(その1)(第百
  三十二回国会内閣提出、第百三十四回国会衆
  議院送付)
 第一二 平成六年度特別会計予備費使用総調書
  及び各省各庁所保管使用調書(その1)(第
  百三十二回国会内閣提出、第百三十四回国会
  衆議院送付)
 第一三 平成六年度特別会計予算総則第十四条
  に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経
  費増額調書(その一)(第百三十二回国会内
  閣提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第一四 平成四年度決算調整資金からの歳入組
  入れに関する調書(第百二十九回国会内閣提
  出、第百三十四回国会衆議院送付)
 第一五 平成五年度決算調整資金からの歳入組
   入れに関する調書(第百三十二回国会内閣
   提出、第百三十四回国会衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第一五まで
 一、自動車損害賠償保障法の一部を改正する法
  律案(衆議院提出)
 一、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
 一、政党助成法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
     ―――――・―――――
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(現下の金融問題について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。武村大蔵大臣。
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(武村正義君) 現下の金融をめぐりましては、バブル崩壊の後遺症等から大変厳しい状況が続いておりますが、当面の主要な問題について申し上げます。
 まず、金融機関の不良債権問題について申し上げます。
 金融は、経済活動に必要な資金の供給という、経済全体にとっていわば動脈ともいえる重要な役割を担っております。健全で活力ある金融システムは、我が国経済の持続的な発展のための不可欠の前提であります。したがって、金融機関の不良債権問題を早期に解決することは、我が国経済にとっての喫緊の課題であり、その処理を先送りすることなく果断に対応していく必要があります。
 このため、ディスクロージャーの拡充に積極的に取り組んでまいりますとともに、金融機関経営の健全性を確保するための早期是正措置、破綻処理手続の早期開始に関する制度の創設や民間資金の拠出に関する透明性の高い枠組みの時限的な導入等について検討を進めているところでございます。また、信用組合の経営の健全化を図るため、検査・監督面での自治体と国との連携強化や受け皿機関の整備等を進めてまいりたいと考えております。さらに、公的資金の時限的な導入も含めた公的な関与のあり方につきましても、金融システム内での最大限の対応等を踏まえながらも検討を進めているところでございます。
 鼻柱、金融制度調査会金融システム安定化委員会の審議等を踏まえながら、年内に不良債権問題の解決に向けての対応策が取りまとまるよう全力で取り組んでいるところでございます。法律改正等が必要なものにつきましては、次期通常国会に所要の法律案を提出させていただきたい考えでございます。
 次に、不良債権問題の中で象徴的かつ緊要な課題となっている住宅金融専門会社をめぐる問題について申し上げます。
 住専問題の解決に向けて、大蔵省はこれまで、母体及び貸し手金融機関の間の協議等を通じた当事者間の合意形成を促進するとともに、その論議を踏まえながら行政として所要の検討を進めてまいったところでございます。
 本問題につきましては、現在、大蔵省、農林水産省間において緊密に協議をしながら、処理方針の策定について全力を挙げております。去る八日には、両省の大臣間で意見を交換したところでございますが、大蔵省としましては、早急に問題解決のめどをつけるべく、さらに強い決意を持ってこの問題に取り組んでまいります。
 最後に、大和銀行問題について申し上げます。
 今回、同行のニューヨーク支店における従業員の不正行為等に加え、銀行による不適切な業務運営が指摘をされ、現地金融監督当局から厳しい措置を受けるに至った大和銀行の一連の事件については、まことに遺憾であります。大蔵省としましても、大和銀行に対し、銀行法及び信託業法に基づく命令並びに外国為替及び外国貿易管理法に基づく処分を発出いたしたところであります。
 また、今後、外国金融監督当局との一層緊密な情報交換の促進、銀行の内部管理体制等に対する監督の充実及び海外拠点に対する検査の充実等を図っていかなければなりません。我が国の金融行政に対する内外の信頼を確保してまいる所存でございます。このため、省内にその具体的な方策を検討するための局長クラスから成る委員会を発足させ、現在、検討を進めているところでございます。
 いずれにしましても、大蔵省としましても、今回、邦銀の海外拠点における不正事件の相手国への通報につきましては、相手国の銀行監督に関する対応の仕方への配慮が欠けていたことを率直に反省し、これを貴重な教訓としてまいりたいと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(斎藤十朗君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石川弘君。
   〔石川弘君登壇、拍手〕
#6
○石川弘君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました現下の金融問題について、総理並びに関係大臣に質問を行います。
 まず、不良債権問題の中で、緊急の処理を要する住専をめぐる問題について伺います。
 住専問題は、平成三年、本院においても取り上げられましたバブル崩壊に伴う証券及び金融問題とその本質において軌を一にするものでありますが、現在の住専問題の処理を困難としておりますのは、同年下期三月に住専の経営問題が表面化したにもかかわらず、一次、二次の再建計画が策定され、その処理が今日まで四年間も先送りされていたこと、母体金融機関みずからの貸し付けではなく、いわばワンクッション置いた実質的な子会社の問題であること、一つの住専に多いものでは八十九行もの母体行がついていることなど、母体行の責任意識が希薄となっていたのではないかということであります。
 したがって、住専問題の本質は、この不明確となっている責任の所在を明らかにすることと考えますが、総理、大蔵大臣、農林水産大臣の見解を伺います。
 次に、この責任問題を前提とした負担問題について伺います。
 本年九月の金融制度調査会金融システム安定化委員会の審議経過報告の中で、「経営にあたっている住専自身及び母体行が主体的役割を果たし、今後の基本的な方針や債権の処理の仕方等につき合意形成を行うことが必要である」と述べられております。また、十二月一日につくられました与党政策調整会議の「住専問題の処理について」におけるロス負担割合を決める場合の考慮事項に、「住専設立から今日の破綻に至った経緯等を十分踏まえたものであること」とされております。
 このことは、その設立経過において、住専は母体行の住宅金融機能を補完する目的で設立された母体行の金融子会社であり、母体行は出資や主要役員の派遣等により住専の経営を支配してきたこと。
 住専の業務展開と経営悪化の背景には、住専は住宅ローンを中心とした業務展開を行っていたが、その後、母体行みずからがリテール分野への積極的進出を志向し、子会社である住専との業務分野を調整しないまま、みずからの住宅ローン業務を拡大させ、住専の業務を侵食し、このため住専は不動産、建設業等住宅関連分野への業務シフトを余儀なくされたこと。
 また、住専の再建計画の経緯として、平成三年以降にバブル崩壊等による経営問題が表面化し、第一次、二次と再建計画が策定され、住専を十年計画で再建することが平成五年に関係者間で合意されましたけれども、その際、住専、母体行から系統には迷惑をかけないので協力を願いたいという強い要請があり、母体行からは計画に沿って責任を持って対応する旨の意向が示され、主務省からも計画に沿った対応がなされるよう所要の指導を行うとの意向が示され、系統としても債権回収の方針から金融システムの安定性確保に協力する観点で残高維持と金利減免に応ずることとしたこと。
 このような事情がございます。
 破綻後の母体行・住専対系統金融機関の協議の中において、住専問題の先ほども申し上げました再建計画の途上におきまして、ある種の念書が取り交わされたことは周知の事実でございます。しかし、母体行側はその存在を最初は認めておりません。次いで、存在を認めましたが、その文書は正式の文書ではない、正式の銀行印を押していないというような理由でその法的効力を否定しました。さらに、再建計画のための念書であり、整理については約定していないんだとまで申しまして、その責任を貫徹いたしておりません。
 私は、以上の経過を非常に簡単に整理しました新聞のコラムがその事情を非常によく示していると思います。それは「信用守らるべし」と題したものでございます。その一文を読ませていただきますと、
 もともと住専は、政府の支持も得てつくられた金融会社であり、一九九〇年ごろまでは順調に業績を上げていた。おかしくなったのは、母体行が住専の主力業務である個人の住宅融資に手を出し、見返りに高いリスクの不動産融資案件を回すようになってからだ。
 それでもこの時点で合併していれば、今日の事態にはならなかっただろう。ところが現実には、住専が不動産融資に手を染めだすと、優良融資は母体行、リスク案件は住専となり、しかも第一抵当は母体行、第二抵当が住専の図式になって住専融資の不良債権率七五%ができ上がったという。母体行などの紹介融資もすでに白日の下に出ている。こうしてみる限り、住専の不良債権は単にバブル崩壊の遺物とだけは言えまい。
 その住専のトップ層には母体行OB、大蔵省OBが名を連ね、当時としては社会的ステータスも高かった。農林系金融機関は、そうしたバックを信用して大量に貸し込んだ。これは例の「覚書」の存在からも明らかである。行政の責任もまた重い。これからが申し上げたいことですが、
 銀行は「信用」がバックボーンである。住専問題に関する限り、貸手に責任を求め今日の傷を小さくして逃げ得たとしても、そのために「銀行は常に自身の利益と安全だけを考えて行動する」というレッテルを張られるだろう。
 信義誠実が社是であるべき業種の人々が、(自らが手を貸した)巨額の不良債権を前にして「赤信号をみんなで渡る危険」をあえて冒すのだろうか。金融界の「巨(おお)いなる企て」だが、最後は政治の出番だろう。と書かれております。
 普通、この種の経済問題に政治の出番を求めるということは、私は少ないと思います。ここでは、まさしく今が政治の出番であると思います。
 大蔵大臣、大蔵大臣としてこの政治の出番をいかにお考えになり、どのように対処なさるかを伺わせていただきたいと思います。
 また、報道によれば、母体行の責任などが自己債権を上回るロスの負担について、株主代表訴訟を提起させるおそれがあり対応できないとか、国際的に透明性がある手法ではない、あるいは破産、清算等の法的整理手続では債権者平等が原則とされているといったことを理由としてこれを拒否する動きがあります。
 実業界、とりわけ金融界の実務上は、子会社の整理を法的手続にのっとって行うという実態にはなく、ほとんどすべて親会社が子会社の経営責任を負っている。このことは、税務上もまた株主代表訴訟の判例からも認められているところでありまして、母体行がこのような主張をすればするほど、系統金融機関は覚書を根拠にして損害賠償請求を行うといたしております。これでは、住専問題の処理は急を要するというガイドラインの趣旨に沿わないのではないかと思います。大蔵大臣の御意見を伺います。
 母体行は法的整理も辞さないと発言しておりますけれども、再建計画時に取り交わした覚書の内容から見ても、私は不誠実ではないかと思っております。ガイドラインでは、ロス負担について、当事者が有する経営状況、対応力等を考慮したものであることとされており、大手金融機関などは低金利のもとで収益を上げることによりまして不良債権償却を積極的に進めることが可能と考えられますけれども、系統金融機関は法制上も収益を組合員へ還元するというのが原則でございます。そうした制度の違いを念頭に置いて処理策を検討すべきと考えますが、大蔵大臣の御見解を承ります。
 それから、総理及び大蔵大臣の御発言の中で、今月十九日あるいは二十日までに問題が解決するように努力をするというお話がございます。予算編成を頭に置いての御議論だと思いますが、私は、先ほど申しましたように、責任問題というものがはっきりしませんと実は負担問題がなかなかはっきりしません。したがいまして、この十九日あるいは二十日とおっしゃっておりますものは、何らかの財政措置を前提とした処理案のスキームをお考えになっているのではなかろうかと思いますが、この点につきまして総理及び大蔵大臣のお答えをいただきたいと思っております。
 もう一つの観点から見ますと、大銀行は特に最近、合併等を通じまして大変力を強くしております。また、全然別の角度から、金融の安定性と申しますか、そういう観点からはむしろ郵貯が、これは国がやっているから安全だということでその資金量を増大させております。その間に入る中小金融機関、信金あるいは信組あるいは農協といったものは、地域や産業別に果たしております本来の役割等がいささか軽視されながら相対的に力が弱ってきているという状態にありますが、この点につきまして、このままでいいのかどうか、大蔵大臣及び農林水産大臣にお答えをいただきたいと思っております。
 今回の大和事件、これは一銀行員による大変大きな不正事件でございましたけれども、それが一行員の問題にとどまらず、銀行の組織ぐるみと考えられまして大変問題を大きくし、さらに加えて、この通報のおくれから、単なる民間だけの話ではなくて官民一体でこのようなことをしているのではないかという大きな疑惑を招き、そのことから、米国から謝罪を求められるような大変悪い状態ができております。そのことがいわゆるジャパン・プレミアムというような形で経済的にも大きな負担を生ずることとなっております。
 私は、この問題について既にいろんな処置が行われておることは承知しておりますけれども、金融機関が内部コントロールができないというような、このような不祥事がどうして起こったのかということ、それからこういうことについて行政当局においても監督の面においていかなる手抜きのことがあったかということにつきまして、これは厳正に対処すべきものと考えておりますので、大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
 大蔵大臣のただいまの御説明におきまして、不良債権問題について、金融システム安定化委員会の審議を踏まえつついろいろな措置についてこれから実行に移すというお話がございます。
 私は、実は今回この質問をするに当たりまして、平成三年の金融・証券プロジェクトチームをつくられましたときの勉強の経過を見ますと、今回言われていることのかなり多くの部分が当時既に論議をされております。それが本当に実行されますれば、今回のあらゆる不祥事にむしろプラスに働いたのではないかと思っております。
 そういう意味で、単なるぺーパープランではなくて、これをどのように実行なさり、あるいは御発言の中にありますように、法制化をするのであれば、どういう部分についてどういう手順で法制化をお考えになるかをお聞かせいただきたいと思っております。
 私は、以上、不良債権問題についてお尋ねをいたしました。
 実は、金融の問題は裏と表がございまして、片方に不良の債権がある、もう片方には優良な債務と言うとおかしゅうございますが、金融機関にとってはありがたい預金というものもあるものでございます。
 今回のこの不良債権問題について考えてみますと、金融機関の健全化を図りながらその安定を求めるということは、先ほどのお話にありましたように、必要なことでもあり、また、その実行が経済の血液として大事なことは私も十分理解をいたしております。しかし、この超低金利時代で銀行が相当な利ざやを持ちながら大きな収益を上げていることもまた事実であります。
 このような条件のもとで、一切金融機関に迷惑をかけないそういう優良な預金者が、ますます下がっていく金利の中で、特に年金生活者のような方々がこの問題を違った目で見ていらっしゃるのではないかと大変不安に思います。
 もちろん、こういう問題は金融だけで処理できる問題ではないと思いますが、やはり政治の場においてはどちらかというと不良債権の処理というような意味での産業の活力化ということも必要でございましょうが、今申し上げました善良な預金者、そういう方々がこの問題をいかに考え、この問題に対してある種の協力ができるのか、あるいは政府において、そのようなことも含めた金融政策の展開があり得るのではないかと思っております。
 この点につきまして総理並びに大蔵大臣の御答弁をお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(村山富市君) 石川議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 第一の質問は、住専問題の責任及び早期解決に向けた取り組みについての御質問でございますが、住専をめぐる問題は現在の不良債権問題の中でも象徴的かつ緊要な問題でございます。我が国金融界、国民のみならず世界からも注目をされ、その解決が求められておると考えています。
 住専問題につきましては、御指摘のように、母体行及び貸し手としての多数の金融機関が関係しておりますので、基本的には当事者間の問題でありますから、関係者それぞれが厳しくその責任を自覚しつつ、解決へ向けた努力がされるべきものであると考えております。
 政府といたしましても、当事者間の御議論を踏まえて、現在、所要の検討を進めているところでございますが、処理案の作成については全力を挙げて結論を得るべく取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、住専問題解決の時期のめどについてのお尋ねでありますが、ただいまお答え申し上げたとおり、政府といたしましては、現在、処理案の作成について全力を挙げて取り組んでいるところでありますが、いずれにしても年内に結論を得るべく努力をいたしておりますが、できるだけ二十日ぐらいまでに何らかの結論を出せないのか、こういって今、真剣に取り組んでいるところでございます。
 次に、善良な市民、特に年金生活者は不良債権問題をどのように見ているかとのお尋ねでありますが、金融は、申し上げるまでもなく、経済の動脈として国民生活に深くかかわっております。金融機関の不良債権問題の早期解決の緊要性、必要性については、広く国民の皆様からも御理解をいただいていると私は思っておりますが、しかし、いずれにいたしましても、国民の理解が何よりも必要であるということは申し上げるまでもございません。
 また、金利水準の低下は、これは単に金融機関を利するというだけの問題ではなくて、景気回復のために必要だということからとられておる措置でございますから、その点については、景気全体が国民生活に好ましい影響を及ぼすようにしていかなきゃならぬというふうに思っておることについては御理解をいただきたいと思います。
 ただ、こうした金利の低下が、老齢福祉年金等を受給されている立場の方々からすれば老後の生活設計に大変な影響をもたらすわけですから、深刻な問題であるということについては御指摘のとおりだと思います。
 したがって、何らかいい方法はないかといって真剣な検討もいたしておりまするけれども、とりあえず、年利四・一五%という従来からとられておりました福祉定期預金を、これは来年に期限が切れるわけでありますけれども、これを延長するという方策をとってもらっておるところでございまして、いろんな方法を考えながらそうした方々のお気持ちに何らかの形でおこたえしなきゃならぬというふうに考えて、これはもう歳入だけではなくて歳出面についても慎重な配慮が必要であるというふうに考えて努力をいたしておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(武村正義君) 石川議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 特に冒頭から、責任の所在、さらには金融システム安定化委員会の経過報告の引用もございまして、当事者間の相互互助が行われていると考えてよいのかとか、経営者に十分な責任の自覚を持たせて処理することも含まれていると思うがどうかとか、あるいは母体行は法的な整理も辞さないと言っているし、系統は損害賠償請求だと言っている。熾烈な対立になっているが、これではガイドラインの趣旨に反するのではないか。さらに、大手銀行は収益を稼ぐことができるが、系統は組合員への配慮があって経営上大変厳しい。そうした系統と大手銀行の仕組みの違いを念頭に置いて処理案を検討すべきであるというふうな御指摘をまず冒頭からちょうだいいたしました。
 全体としてまとめてお答えさせていただきますが、御承知のように、与党三党は、先般、二十数回にわたる議論を経て、ガイドラインと称されておりますが、この問題解決の枠組みをお決めいただきました。相撲で言えば土俵をつくっていただいたということであります。心から敬意を表したいと思っておりますし、私どもは農水大臣ともども、この土俵、与党でおつくりいただいたガイドラインの上に立ってこの問題の解決に全力を尽くしていきたいと思っております。このことが基本であります。また、総理が申し上げたように、目標は年内年内と言ってきましたが、大蔵省内示、予算の内示を行います二十日をまず目標にしていきたい、目下はそういう意気込みでございます。
 過般、農水大臣と初めて協議をさせていただきまして、第一点は、このガイドラインを基本にして両省で詰めていこうということでありますし、第二は、どうしても七つの住専の債権債務関係を処理するためには受け皿機関をつくる必要があるという点で認識が一致をいたしました。また、何らかの財政的措置が必要であるという点についても両大臣間で合意を見たところであります。
 今後さらに会談も重ねながら努力をしてまいりますが、どうぞ、総理が今答弁申し上げましたように、これは住専という会社があって、そしてこれが住宅ローンから始まって宅地開発等にどんどん事業を広げていった、これに、設立にかかわった母体行があって、そしてまた数多くのこの住専に融資をした金融機関がある、こういう構図でございます。大変大きな問題、債権の額でございますし、個々の金融機関にとっても場合によっては存亡にかかわるぐらいの大きな問題であります。
 あくまでも基本はこうした住専、母体行あるいは融資機関という民間の金融機関の問題だということを改めて認識しなきゃなりませんし、私どもが、全権委任で両大臣が決めればそれですっと事が済むという、そういう立場ではありません。あくまでも当事者間の納得、合意を目指して私どもも精いっぱいの努力をしていくということであります。そのことはぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
 それから、大銀行は合併などで力を強めている、郵貯も安全性から資金がふえている、一方、農協等中小金融機関は相対的に力が弱まっているという御指摘がございます。
 信金、信組、農協等の協同組合組織形態の金融機関は、相互扶助の精神に基づいておりますし、そういう意味では、一般の金融機関から融資を受けにくい立場にある中小企業や個人や農林漁業者等の分野において、いわば地域に密着したきめの細かな金融サービスを提供いただいているところであります。今後とも当然そういう意味でも存在意義は大きいというふうに考えます。
 金融機関を取り巻く環境が一段と厳しいものとなっていく中で、こうした協同組織金融機関におきましては、今後とも、本来の役割を十分に認識をしながら、経営基盤の強化と経営の効率化を図っていくことがぜひ必要であるというふうに考えております。
 また、大和銀行の問題でありますが、今回の大和銀行の一連の事件につきましては、先ほど冒頭で申し上げましたように、大和銀行の元従業員が不正行為を行ったことに加え、銀行自身が不適切な業務運営を行っていたことが指摘をされて、大和銀行が米国金融監督当局から極めて厳しい措置を受けるに至ったものであります。
 あくまでも今回の処分は大和銀行自体の行為に対して決定されたものであります。そのことを前提にしながら、これまで大蔵省は金融機関に、こうした不祥事が起こった場合には、まず金融機関自身が事実の解明を行う、政府はその調査結果の報告等に基づいて改善指導の措置を行う、こういう手法でやってまいりました。このことが今回の事件では大蔵省みずからにも問われたというふうに認識をいたしております。市場機能の一層の活用や国際化の進展に伴う監督手法の共通化の観点を踏まえて、こうしたこれまでの手法を反省して、再検討しなければならないと考えているところでございます。
 したがって、局長クラスで委員会を早速設置しながら、年内を目指してこれも鋭意対策の検討をいたしているところでございます。年内には一定のラインを公表させていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、大蔵省みずからとしましても、今回の邦銀の海外拠点における不祥事件の相手国への通報につきましては、相手国の銀行監督に関する対応の仕方への配慮が欠けていた。「郷に入れば郷に従え」という言葉がありますが、事がアメリカで起こっております以上、アメリカの考え方、アメリカのルールが何であるかという認識に欠けていたことを率直に反省をいたします。今後の貴重な教訓にしていかなければならないと思っているところでございます。
 不良債権の問題、どういう手順で解決をしていくのかという御指摘でございます。
 この問題が喫緊の課題であることは冒頭申し上げたとおりでございますが、また、果断に年内を目指して対処をしていくという方針にも変わりありません。
 こういう考え方に立ちながら、一つは金融機関の経営の自己規制を図るためのディスクロージャー、これを拡充してまいらなければならないと思っております。不良債権の額そのものも、一定の基準でございますが、そういう意味で来年三月を目指して各行が全部ディスクローズする方向で努力をいただいているさなかでございます。
 二つ目は、不良債権の処理の過程で生じ得る金融機関の破綻処理のための預金保険の拡充措置等であります。
 ことしは、昨年の二信組に引き続いて、さらに三つの金融機関が破綻をすることになりましたが、こうした貴重な経験に学びながら、一たび金融機関が破綻した場合のさまざまな仕組みについて真剣な検討をいたしております。特に、早期是正の措置をとることが必要だと。なるたけ早目にモニタリングをしながら銀行の経営状況を判断して、そして必要があれば早期に措置をとる、対応をなるたけ早期に開始をする、こういう仕組みをぜひっくり上げたいと思っております。
 さらに、住専問題への対応は当然でございますし、これに伴って破綻処理を円滑に行うための受け皿機関、住専の破綻だけでなしに、むしろ信用組合等を含めた今後予想される破綻金融機関に対する処理の受け皿機関についても、真剣に今、詰めているところでございます。そして、公的資金の時限的な導入も含めた今後の関与のあり方についても具体的な結論を見出さなければなりません。
 こういう幾つか申し上げた大事な点について、金融制度調査会の報告も受けながら、大蔵省みずからも今、真剣な詰めをいたしているところでございまして、ぜひ来通常国会におきましては法案の提出まで運ばせていただきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、不良債権の早期解決という大変大きな問題の解決に向けて、私どもも全力を挙げてまいります。
 最後に、超低金利時代に年金生活者が一体どう考えているのかという御指摘がございました。
 総理からお答えがございました。全く同じでございますが、公定歩合の操作は日本銀行が行うものでございますが、あくまでも経済状況を踏まえて、端的に言えば、経済が低迷している不況のときには公定歩合を下げる、好況のときには過熱しないように上げる、こういうことを基本にしながら運用をされているものであります。あくまでも経済政策、景気対策を基本にして操作が行われているというふうに私どもは認識をいたしております。
 しかし、結果として、公定歩合が下がることで貴重な国民の皆さんの預金金利が少なくなる、今回のように史上最低の金利であるということは、本当に預金に期待をされている数多くの国民の皆さんに大変つらい思いをさせていることを率直に認めないわけにはまいりません。ただ、そういう中で、公定歩合は景気がよくなればまた上がる、悪くなれば下がるという形で戦後一貫して操作がされてきていますし、諸外国でもそういう形で金利政策は操作をされてきているところについてもぜひ御理解を賜りたいと思うのであります。
 総理がお答えしましたように、老齢福祉年金等を受給されている方々、弱い方々に対して、これは銀行、金融機関が自発的に行っている措置でございますが、従来の福祉定期預貯金制度がございます。このことも一層PRをしなければなりませんし、総理のお答えにございますように、これの期間の延長等についても真剣に考えてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣野呂田芳成君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(野呂田芳成君) 石川議員の御質問にお答えいたします。
 まず、住専の責任の所在についてのお尋ねでございますが、私は住専問題の本質等に関する認識は石川議員と全く同じであります。
 まず、住専は金融機関各業態が共同で出資、設立した金融子会社であります。また、母体行は経営幹部を派遣し、業務面でも深く関与していたという、こういう住専の設立の経緯とか性格、それから母体行が住専の業務分野を調整しないまま住宅ローンにみずからの経営を拡大していって経営不振を招いたという住専経営破綻の原因、さらには、再建に当たっては母体行が責任を持って対応するという誓約書を大蔵省に出しているのであります。
 その誓約書をもとにして、当時の農水省と大蔵省の関係局長が覚書を結んで、さらに念を押して、再建に当たっては母体行が責任を持って対応する、系統にはこれ以上の負担はかけないということを覚書で明記しているのでありますから、このことは遵守していただかなければいけません。
 こういうことを考えれば、私は、母体行がぎりぎりの責任を果たすべきである、こういうことを大蔵大臣との折衝に当たっても強く主張しているところであります。
 また、処理策についてのお尋ねでありますが、銀行は営利を目的とした株式会社であります。したがって、利益を内部留保して充実させ得るものであります。ところが、農協系統は非営利の協同組織であって、末端の農家組合員の貯金を各段階で運用して還元することを任務としておりまして、内部留保にはおのずから厳しい制約がございます。
 また、住専処理については、与党の調整会議から示されたガイドラインでも、処理案の作成に当たっては、それぞれの当事者が有する経営状況、対応力等を考慮しなければならないと明記されております。当然こうした経営の仕組みや体力、対応力の違い、これはいわば鯨とフナぐらいの違いがありまして、こういうことを考慮しないとこの問題は解決しない、こういうふうに私どもは考えております。
 それから最後に、農協等中小金融機関の力が相対的に弱まっているのではないかとのお尋ねでございましたが、協同組織金融機関の一つである農協につきましては、農家組合員の営農、生活に密着したきめ細かな金融サービスの提供、農業分野とその関連産業分野の円滑な資金の供給など、一般の金融機関のみでは十分な対応が困難な分野へ対応するものとして、農協等中小金融機関が重要な役割を果たしているところであります。
 しかしながら、農業分野等における資金需要が停滞する中で、金融自由化の進展等による業態間競争が激化しており、農協を取り巻く状況が大変厳しくなっております。このため、系統は、金融自由化の進展等取り巻く厳しい状況に対応して、合併や組織整備等の推進に加え、労働生産性の向上と経営合理化に向け、今、真剣な努力を傾注しているところであります。
 我が省としましても、こうした農協系統の自主的な取り組みに対しまして積極的な指導と支援を行いつつ、住専問題の適切な解決等、農協系統信用事業がより一層円滑に展開するよう努めてまいる所存であります。(拍手)
#10
○議長(斎藤十朗君) 広中和歌子君。
   〔広中和歌子君登壇、拍手〕
#11
○広中和歌子君 私は、平成会を代表し、ただいまの金融問題に関する御報告について、総理並びに大蔵大臣に質問します。
 しかし、その前に、八日夜の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故についてお尋ねいたします。
 今回の事故に際しても、村山内閣の危機管理能力の欠如が甚だしく露呈いたしました。地元自治体への通報が事故発生後一時間もかかり、官邸への報告に至っては、事故発生から二時間を経過していたことは、政府の原発事故対策シミュレーションが完全に欠落していたか、全く機能不能に陥っていたと断ぜざるを得ません。今後の通報体制について政府の決意を求めるとともに、今回の事故を契機に我が国の核燃料リサイクル計画に何らかの変更を加える方針をお持ちかどうか、お伺いいたします。
 我が国経済は、バブル崩壊後、村山政権による緊張感を欠いた経済対策によって低迷状態が長期化しております。景気回復の大きな制約要因となっているのが金融システムの不安定性、なかんずく金融機関の抱える不良債権であり、その早期処理が急務であります。このままでは、我が国経済に対する悲観的な見方が増幅し、デフレスパイラルに陥り、早く手を打たなければ日本を震源地とする世界金融恐慌にもつながりかねません。その不安を解消するため、今こそ必要な総理の強力な指導力は現政権には求め得べくもないのでしょうか。
 まず、日本の金融システム全体への強い不信感を生んでいる金融機関の不良債権の処理問題について伺います。
 我が国金融業界と大蔵省は、アメリカが商業銀行の不良債権処理に短期決戦で臨んで成功したように、不良債権処理にかかわる教訓、すなわち危ない銀行の温存は時間がたつほど国民の負担が大きくなることを学び、そのように行動すべきでありました。
 しかるに、大蔵省は、物事の決定について論理的判断よりその場の空気に支配され、ずるずるとなし崩しに時流に流されていく護送船団行政から一歩も踏み出そうとはしませんでした。問題は先送り、責任はほおかぶり、これでは金融危機の解決にはほど遠いのではないでしょうか。
 去る十一月二十二日、大蔵省は木津信用組合の破綻処理スキームを発表いたしました。これによれば、東京共同銀行を改組して、米国の整理信託公社RTCのような債権回収機能を持たせた日本版RTCにするようでありますが、これに公的資金が投入されるか否か、また、新たな機構は強力な執行権限が付与されているのかどうかなど、具体的な道筋については全くあいまいで、内実は継ぎはぎだらけの対応が行き詰まった末の結論ではないかと思います。
 総理は、今国会冒頭、金融システムの安定性を確保するため、金融機関の不良債権問題の早期解決を期し、引き続き果断に対処していくとの決意を述べられました。しかし、その後は公的資金導入の是非についても一向に明確な方針を伺うことができませんでした。
 私は、各金融機関が直ちに不良債権を完全にディスクローズし、短期にこれを一括処理することも視野に入れるべきだと思いますが、不良債権問題に関し、公的資金導入の可能性についてどのような方針で臨まれるのか伺います。
 さらに、財政資金を導入される場合に、無節操な融資を繰り返した金融機関に対し断固として責任を追及されるお考えはあるのか、これらの点についても具体的な答弁を求めます。
 次に、住専問題について伺います。
 目下、住専処理についてのスキームづくりが与党関係者、大蔵、農水両省において行われておりますが、母体行及び農林系金融機関の損失分担、また、財政資金導入の道筋については全く不透明であり、国民の批判をかわすためにきゅうきゅうとしているのが実情であります。
 住専問題解決の前提として、まずこの問題の本質と責任の所在を明確にしなければなりません。すなわち、住専設立の金融政策上の位置づけ、住専の設立に関する母体行、金融当局の関与、並びにその後の母体行のかかわり方、巨額の不良債権を抱えるに至った経緯と住専の経営の実態など、これらを明らかにすることが必要です。
 こうした点を検討し、次の観点から問題解決の処方せんを作成することが、今、必要ではないでしょうか。
 まず、経営悪化の主な原因として、何ら業務調整をしないまま住専の本来業務である個人住宅ローンに親会社である母体行が本格的に進出し、市場のパイを圧迫したことが指摘されます。また、住専の債権には母体行の紹介や移しかえなどがあったとの事実も指摘されており、これらの点から母体行の責任を見逃すことはできないのであります。さらに、設立の経緯のみならず経営面においても、役員、主要幹部職員の派遣等を含めて深く関与してきており、出資者たる母体行は負担能力の限界まで責任を負うべきではないかと考えます。
 こうしたことを考慮すれば、まず母体行が全責任を負う完全母体行主義をとるか、もしくは母体行が債権を全額放棄し不良債権を圧縮、残った資産を受け皿会社に移し、その会社に母体行が出資、贈与、低利融資を行うという修正母体行主義の考え方をとられるのか、見解を伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 後者の場合、非母体行は元本が保証されることを前提として贈与と低利融資で協力を行う方式を採用することが妥当ではないかと考えますが、総理、大蔵大臣の答弁を求めます。
 さらに、今回の住専問題で明らかになったことの一つに、農林系金融機関の経営基盤の脆弱さがあります。今後、金融再編という動きの中で農林系金融機関はどうあるべきか、総理のお考えを伺いたい。
 また、住専処理に関する公的資金の投入についてはいつごろ結論をお出しになるおつもりなのか、そしてその結果、政府保証も含めて何らかの形で財政資金を投入するつもりがあるのか、その内容について伺います。
 こうした住専の処理方策については、国民的理解を得るために、公開性と透明性を担保する観点から、住専の実態解明とその問題の経緯並びに責任のあり方について政府から筋の通った説明が行われる必要があります。さらに、住専の許認可、指導、さらに債権計画を含めて行政は深く関与しており、住専の経営陣に大蔵省出身者が多いことを考えれば、行政はその責任を痛感しなければならないと思いますが、その点について大蔵大臣はどのような責任をとられるのか、御答弁を求めます。
 次に、大和銀行事件についてであります。
 今回の大和銀行ニューヨーク支店における巨額損失事件の発生は、十一年間にわたる不正な取引が行われた期間の長さ、一千百億円という金額の大きさ、いずれをとっても日本の金融機関の信用力を大きく失墜させ、信頼を失う事件であります。米国金融当局の大和銀行に対する業務終結命令は、これまでに例を見ない厳しい内容であり、一大和銀行のみならず日本の金融機関全体の行動が問われるとともに、日本の金融当局の信用をも大きく揺さぶる問題であると考えます。
 武村大蔵大臣は、事件が公表された当初は、一行員が引き起こした事件で、内部管理のお粗末さはあるにしても、大和銀行にも日本の金融システムにも問題がないとの見方を強調されました。しかし、ニューヨークの金融界及び金融当局は、今回の事件を行政を含めた日本の金融システム全体の腐敗と崩壊の例としてとらえ、それゆえに大和銀行に対し米国における業務の撤退を命じたのであります。
 十一月に入り、事ここに至って、さすがに楽観的な見方を撤回され、事態の深刻さを認識され、FRBに遺憾の意を表されたようでございますが、その対応の遅さ、無責任さを感じるのは決して私一人ではありません。既に、国際金融市場では、日本の銀行がジャパン・プレミアムと呼ばれる上乗せ金利を支払わないと資金を取れない状況が続いており、事態が我が国金融機関全体の問題に拡大していることを知らされることになったのであります。
 大蔵大臣に、今後の国際金融市場でのジャパン・プレミアムの見通しと流動性確保について、まず見解を伺います。
 次に、今回の事件に対する大蔵省の対応について伺います。
 大和銀行が元行員から事件の告白状を受けたのが七月二十四日、その後、大蔵省が大和銀行から報告を受けたのが八月八日のことでありました。しかし、実際に米国連邦準備制度理事会、FRBに報告されたのは九月十八日であり、その間の四十日の空白について米当局は日本の金融当局に強い不信感を持ち、これが米国当局の処分の決定に大きな影響を与えたことは明白です。少なくとも大蔵省は八月八日の時点で米国に通報義務があったと考えられ、また、遅くとも大和銀行自体も米国銀行事故報告の慣行としての一カ月以内にみずから通報すべきであったと思われます。
 加えて、告白状入手二日後の七月二十六日、大和銀行は資本金の二八%に当たる第三者割当優先株五百億円を発行したこと、また、事件による十一億ドルの損失が大和銀行の自己資本六千八十三億円の一八%に達していること等から、大和の支払い能力や存立基盤に大きな影響を与える重大な経営情報として、直ちに海外の金融市場に対してタイムリーディスクロージャーを行うべきでありました。
 大蔵省は通報に関して重大な信義違反を行ったと考えますが、この点について大蔵大臣の見解を求めるものであります。
 さらに他の邦銀に、現在、同様なあるいはそれに近いような重大な損失が隠されていないか、伺います。もし、ないという御答弁であれば、それはどのような信頼に値する調査によるものなのか、伺います。
 今回の大和銀行事件は、業界との密着、保護育成型の行政が時代の流れに立ちおくれた象徴的な出来事であり、今後、金融行政は、金融自由化の進展に合わせ、業界の保護から監視型の行政に転換していくことが求められると考えます。
 行政は、透明なルールを決め、これが守られているかを監視する、そして経営判断を誤り破綻しそうな銀行をいち早くつかみ、全体のシステムを損なわないように処理する、それが自由化時代の行政の姿なのであります。
 今回の事件を契機に、政府としては金融行政を監視型に転換する必要があると思われますが、この点について総理並びに大蔵大臣の見解を求めるものであります。
 さらに、今後の金融業務に関する検査体制のあり方について伺います。
 八四年以来、大和銀行は、自行の検査部をニューヨークヘ派遣して六回にわたり検査を実施したと聞いておりますが、この元行員がニューヨーク支店や本部の勘定の米国債を勝手に売却したり、残高証明を偽造していたことは見抜けなかったのであります。大蔵省でも、国際金融局が八九年二月から三月に、また、金融検査部が九四年五月にそれぞれ検査を行ったとのことでありますが、本店検査以上に甘く、ここでも不正は見抜けなかったのであります。こうしたことからも、早急に検査体制の見直しを行う必要があります。
 その際、考えなければならないのは、金融は自分の業界というオーナー意識を引きずったままのレフェリーでは適正な判定を下せないということであります。さらに、かつて証券不祥事のときそうであったように、改革のかけ声を人員増や機構増大などの権限拡大にすりかえられてはならないということです。
 こうした点から、大蔵省とは別の総合的な金融監視システムの機構を創設し、そしてこのシステムの監視役は役人である必要はなく、むしろ、大和銀行事件の教訓からいっても、実務を知っている銀行業務経験者や弁護士、会計士などの民間のマンパワーを活用した組織を検討すべきだと思われますが、大蔵大臣の見解を伺います。
 以上、金融に関する諸問題について質問してまいりました。今、我が国は、低金利時代に入り、何がしかの金利収入に依存していた人々の期待を大きく裏切っております。そのことが民間消費の低迷、ひいては景気回復の足を引っ張っているのは明らかであります。それが景気全体の回復のために必要だと言われても、実際は金融機関救済のためにすぎず、こうした低金利政策がなぜ今必要であるのか、国民に対してはっきりと説明する必要があると考えますが、総理にお伺いいたします。
 そして最後に、けさのニュースによりますと、北朝鮮において異常な事態が起こるかもしれないとの情報があります。村山連立政権は北朝鮮との特別な関係があり、今後の成り行きについて危惧しております。我が国の安全や経済に関して重大な影響があり、事態の把握をしっかりとするように要望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(村山富市君) 広中議員の質問にお答えを申し上げますが、冒頭に「もんじゅ」のナトリウムが漏れたことによる事故について質問がございました。
 私は、何よりもなぜこんな事故が起こったのかという原因の徹底的な究明をする。そして、何よりも安全を確保して再びこのような事故が再発することのないように万全の対策を講ずる。同時に、これは地元県民の理解がなければできないことでありますから、地元県民の不安を解消するためにあらゆる情報を公開して、そして徹底的に理解をしてもらうということが大事だということも申し上げまして、現在、原子力安全委員会等においても正面からこの問題に取り組んでおるところでありまするし、一昨日は浦野科学技術庁長官も現地に赴きまして直接調査をし、私もその報告を受けたところでありますから、今後とも、以上申し上げましたような考え方に立って万全の対策を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、各金融機関は直ちに不良債権を完全ディスクローズし、短期に一括処理をすべきではないかとの御質問でございますが、不良債権の償却につきましては、会計原則に照らしましてそれぞれの債権の置かれた状況により判断することとなりますが、いずれにせよ、各金融機関においては、最大限の合理化努力や早期の引当金等により、できるだけ早期に不良債権を償却していくことが求められるところでございます。
 また、早期に不良債権の処理を行い、金融システムの機能回復を図ることは、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくために喫緊の課題であります。政府としても、金融機関の不良債権問題については、処理を先送りすることなく引き続き果断に対応するとともに、年内に不良債権の早期処理のための対応策がまとまるよう全力で取り組んでいるところでございます。
 さらに、ディスクロージャーの拡充は、金融機関経営の透明性を高め経営の自己規制を促す効果があるだけではなく、金融機関の不良債権の早期処理を促す上で大きな意義を持つものでございます。
 こうしたことから、金融制度調査会においては、今後五年以内のできるだけ早期にすべての不良債権を開示する方向で検討が行われており、政府といたしましても、その審議経過を踏まえながら、ディスクロージャーのさらなる拡充に努めてまいる所存でございます。次に、公的資金導入の可能性についての御質問でございますが、金融機関の破綻処理につきましては、金融機関から融資を受けている者からの徹底的な債権の回収や金融機関経営者の経営責任の追及等、金融機関の厳しい自助努力がまず求められることは当然であると思います。
 次に、預金保険の保険料の最大限の引き上げを含む金融システム内での最大限の対応が先決でありますが、そのような努力をした後にもなお、金融機関を消滅させる一方でペイオフにより預金者に損失を負担させることが困難な場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題になろうと考えております。
 ただ、これにより納税者に負担を求めることにつきましては慎重な検討が必要であり、何よりも国民の理解を得ることが必要であることは申し上げるまでもありません。政府といたしましては、各方面における御議論等を踏まえながら、年内に結論が得られるよう取り組みを急いでいるところでございます。
 次に、財政資金が導入される場合、無節操な融資をした金融機関に対し断固とした責任追及をすべきではないかとの御質問でございますが、不良債権の処理は金融機関の自助努力により対応すべきものであり、各金融機関における最大限の合理化努力等が求められます。
 さらに、経営の破綻した金融機関につきましては、経営陣の退任が求められ、法の枠組みの中で経営責任の厳格な厳しい追及がなされることは当然であると考えております。
 次に、住専の不良債権処理における責任論ないし方式についての御質問でございますが、住専をめぐる問題は、現在の不良債権問題の中で象徴的かつ緊要な問題であり、我が国金融界、国民のみならず、世界からも注目をされ、その解決が求められておることは御案内のとおりであります。
 政府といたしましては、先ほど大蔵大臣からも答弁がございましたが、大臣間の意見交換を含め関係省庁間で緊密に協議をしながら、処理案の作成について全力を挙げて取り組んでいるところでございます。政府としては、引き続き鋭意検討を進め、早急に問題解決のめどをつけるべく、さらに強い決意をもって取り組んでまいる所存でございます。
 次に、農林系金融機関の今後のあり方についてのお尋ねでありますが、農協系統金融機関は農家組合員の余裕資金を原資とし、農家組合員の生活及び生産活動に必要な資金を相互扶助の観点から融通するとともに、余裕金については効率的に運用することを目的として信用事業を運営しているところでございます。
 特に近年においては、地域経済の発展のもとで、組合員への資金融通に加えて、関連産業や広く金融市場の資金のニーズにこたえてきており、いわゆる地域金融機関として一層重要な役割を果たしていると考えております。今後とも、農家組合員の多様な金融ニーズにこたえると上もに、預金者の資産を効率的かつ安全に運用できるよう農協系信用事業の健全な運営について指導してまいりたいと考えております。
 次に、住専処理に関する公的資金導入についての御質問でございますが、ただいまお答え申し上げましたとおり、住専問題の処理につきましては早急に問題解決のめどをつけるべく取り組んでおるところでございまして、住専処理に際しての財政的措置の問題については、各方面の議論を踏まえながら早期に解決できるよう全力を挙げて取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
 次に、今回の大和銀行の問題についての御質問でございますが、本件は、大和銀行の元従業員が不正行為を行ったことに加え、銀行自身による不適切な業務運営が指摘をされ、大和銀行が米国金融当局から極めて厳しい処置を受けるに至ったものでございまして、まことに遺憾なことであると考えております。今回のような海外拠点の問題については、相手国の考え方やそこにおけるルールを十分認識し、今後こうしたことが起きることのないよう関係者の厳しい一層の努力を求めたいと考えております。
 また、政府といたしましても、今後、外国金融監督当局との一層の緊密な情報交換に努めるとともに、海外拠点に対する監督、検査の充実を図ることにより、我が国の金融行政に対する内外の信頼を確保してまいる所存であります。
 なお、市場を中心とした金融環境のもとでの行政と金融機関のかかわりについては、自己責任原則の徹底と市場規律の十分な発揮という観点から、今後大きな課題と考えております。
 次に、金利政策についてのお尋ねでありますが、厳しい経済情勢のもとでは、金利の引き下げは景気の回復を通じた国民生活の向上をもたらす効果があることを御理解いただきたいと思います。
 公定歩合の操作は日本銀行の所管事項でありますが、日本銀行は従来より、景気の動向や金融市場の状況など内外の経済情勢を総合的に勘案した適切な対応をとってきたと考えているところでございまして、このような日本銀行の対応は今後とも変わらないと理解をいたしております。残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(武村正義君) 広中議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず最初は、完全母体行責任あるいは修正母体行主義、あるいは非母体行に元本保証をしてはいかがかという御提案等々の御質問でございました。
 今も総理がお答えをいたしましたが、住専をめぐる問題は、現在の不良債権問題の中で極めて象徴的しかも緊要な課題であります。我が国金融界、国民のみならず、世界からも注目をされ、その解決が求められているところであります。このことをしっかり認識してこの問題に取り組んでまいりたいと思います。
 あくまでも、母体及び貸し手金融機関の間の協議等を通じたいわゆる当事者間の合意形成を促進することが基本であります。行政としましても、その間、最大限必要な対応をさせていただきたいと思っているところでございますし、大蔵省、農水省双方の協議も、また、大臣間の意見交換も含めて緊密に協議をしながら、年内解決に向かって最善を尽くさせていただきます。
 なお、完全母体行責任とか一般行くの元本保証などの御提案がございましたが、当事者間で今申し上げたように最後の真剣な話し合いが行われているさなかでございまして、ここでこうした御提案に対して肯定的なコメントを申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 住専の実態解明と責任の問題でございますが、既に発表いたしておりますように、住専の状況につきましては、過般、大蔵省が立入調査をいたしまして、八社全体について不良債権の額などについて公表をさせていただいたところでございます。住専問題は基本的には、先ほども申し上げたように、民間当事者間において対応が図られるべき問題であるという認識に立ちながら行政の責任を全うしてまいります。
 次に、大蔵省の住専の許認可、指導等の関与についての御指摘でございます。
 住専は、改正前の出資法に基づくいわゆる届け出制の会社であります。決して責任逃れで申し上げるわけでありませんが、一般の金融機関は認可でございます。したがって、届け出制でございますから、銀行等に対するようないわゆる業務改善命令措置、役員の解職等まで含めた広範な経営監督指導を行っている立場ではありません。ただ届け出を受けるのは大蔵省であるという、この性格をぜひ御理解いただきたいと思うのであります。
 一方、先ほども申し上げたように、住専の個人住宅ローンから事業者向け融資への急激な傾斜、背後にバブルがございましたけれども、このことに十分行政が目を向けていたのかどうかという点の御指摘については、謙虚に大蔵省としても受けとめるべきであると考えておりますし、今後の貴重な反省材料にしてまいらなければならないと思っております。
 次に、ジャパン・プレミアムの御指摘でありますが、邦銀に対する格付低下の動き等を背景としまして、本年夏ごろからジャパン・プレミアムの拡大が見られたところでございます。秋は大変心配をいたしましたが、十月下旬ごろをピークとして最近ではその幅は縮小してきております。
 このジャパン・プレミアムの水準に関しましては、市場における資金需給関係による面が大変大きいわけでありますが、これまで邦銀の外貨資金繰りにおいて資金の量的な確保に困難が生じているといったような報告は上がってきておりません。今後とも、邦銀の外貨資金繰りについて注意深くモニターを続けまして、万が一にも資金繰りに困難を来すような事態が生ずることのないよう適切に対処をしてまいりたいと考えます。
 次に、大和銀行の事件に関して、通報に関する重大な信義違反を行ったと、これも大蔵省に対する御指摘であろうかと思いますが、御意見がございました。
 今回の米国の処分は、あくまでも大和銀行自体の行為に対して決定されたものであります。日米金融監督当局間の通報の問題としては、それは別の問題であると。要するに、少なくともアメリカの司法当局や銀行監督当局が処置をした、あるいは司法当局が起訴をした理由にこのことが挙がっているわけではありません。
 しかし、八月八日に告白状が届いた、そしてその概要についての通報がありました。通報があったら直ちにこの情報を公表する、これはとてもできないと私は思っています。なぜならば、これは大和銀行自身が、まだ真偽のほどが定かでありません、とりあえずこういう告白状が本人から来ました、金額はこうです、私どもはこれから真剣に調査をいたしますという、いわば調査を開始する前の報告でございます。早く調査をして、判明し次第、一刻も早く大蔵省に報告してくださいと、これが八月八日でございますから。
 問題は、それから四十日たって、実は大体告白どおりのこういう結果でございましたという正式に報告があったのが九月十二日でございます。この四十日の期間がやはりちょっと長過ぎたのではないか、こういう見方が当然ありますし、このことについては私どもも、ちょうど木津信用や兵庫銀行の問題に追われていた面もありますが、もっと催促するとか急がすような努力を十分したのかどうかということも含めて、やはり日米間にこれだけ、一たん事が起これは情報開示に対する考え方が違うということをしっかり認識をして、そのための努力、最善を尽くしたかどうかということは素直に反省をしているところでございます。
 そういう意味で、三人の局長で早速、この今回の通報等を含めた国際的なかかわりをどう教訓として生かしていくのかということで、さまざまな視点から今、成案をまとめているところでございます。
 なお、この事件の発表のときに、大和銀行に問題がないという発表を私はしておりません。大和銀行の今後の経営に心配はありませんと、これは申し上げましたし、むしろ強調しました、意識的に。なぜならば、これはまさに金融問題でございますから、私ども通貨当局としては、このことで大和に預金をされている方、大和に関係していただいているたくさんの方々が大きな不安を起こされては大変だと。実際、この一千百億については九月の中間決算で処理しますというのが大和の方針でございますから、処理能力が十分あるということも含めて、経営そのものには心配ありませんということをあえて強調しませんと、責任回避で申し上げているわけではありません。
 木津、兵庫銀行のときに、これ以上大きな、一兆円を超すような大きな金融機関が倒れることは当分ありませんとあえて申し上げましたのも、これも二信組から始まってコスモ、木津ときて、これからばたばた大きい金融機関が倒れるのじゃないかという国民に対する不安が出たのでは大変でございますから、あえて大蔵大臣としては、事実そういうことが当分はないという自信を持ちながら、そこはむしろ明確に申し上げていることもぜひ御理解をいただきたいと思うのであります。
 FRBに謝ったことはありません。ルービン長官に電話をして、通報のおくれに対して遺憾の意を表しました。
 次に、他の邦銀は一体どうなのか、また隠れた問題があるのではないかという御指摘でございましたが、私ども、大和銀行事件発覚後、念のため、海外支店を有する各銀行に対しては市場営業部門における内部事務管理体制等について点検を行いました。当局に報告するよう指示をしまして、その結果によりますれば、各銀行からは特に問題は認められないという報告を受けております。
 調査の結果については、虚偽の報告を行っていた場合は銀行法第二十四条に基づく虚偽報告として罰則が適用されるものでありますし、信頼性は確保されているものと考えております。
 いずれにしましても、各金融機関に対して、特に海外で営業を営む金融機関に対しては、今後ともこうした事件が二度と繰り返されることのないよう最大限の努力を重ねてまいります。
 次に、金融行政を監視型に転換すべきではないかという御指摘がございました。
 この点については、今も申し上げました大蔵省内部の今回の事件の反省に立った前向きの委員会の議論の中で四点ほど取り上げながら議論を進めているところでございまして、ぜひこういう御指摘も含めて年内には成案を得て、その結果を公表させていただきたいと考えております。
 次に、金融監視システムに対する考え方について御指摘がございました。
 いわば、今回の事件から、監督と検査の機能を分けて考えてはどうかという御趣旨でもあったかと思いますが、今回の教訓を生かさなければならないというふうに思っておりますが、金融機関の監督と検査はむしろ一体として進めることの方が、金融機関の業務、財産の健全性確保を図ることを目的としてまいりますと、むしろその方がべ夕ーではないかと、私どもはなおそういう考え方に立っております。
 この問題については、これからもさまざまな御論議の中で私どもも真剣に、今回の事件からどういう機構改革あるいは行政の運営をどう改めていくかという新しい知恵をぜひ生み出していきたいと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○副議長(松尾官平君) 萱野茂君。
   〔萱野茂君登壇、拍手〕
#15
○萱野茂君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、総理及び関係閣僚に質問をしたいと存じます。
 私のこの登壇は、アイヌ民族にとっては憲政史上初めての本会議場での登壇であります。(拍手)
 このような機会を与えてくださった議長初め先輩議員、そして日本社会党に対し、心から厚くお礼を申し上げるものであります。
 昨今、我が国において金融破綻が相次ぎ、つい最近も大阪信用組合が経営破綻を来したところであります。また、大和銀行事件のような金融不祥事も発生しております。
 これら一連の事態もさることながら、住専問題に象徴される我が国金融機関の不良債権問題は、海外からも国際金融市場や世界経済全体に悪影響を及ぼすとの懸念を持って見られております。
 このため、我が国の金融機関が欧米の銀行から資金を調達する際、金利を上乗せされる事態が発生しております。仮に不良債権問題の解決がおくれるようなことがあれば、このようなことがさらに拡大し、海外における我が国の金融機関の資金調達に重大な影響を及ぼしかねません。
 このように、金融機関の不良債権問題は、一たびその処理を誤れば、我が国経済、ひいては世界経済全体を不安定化しかねない重大な問題であります。
 こうした観点から、政府は、この問題を一刻も早く解決し、我が国金融システムに対する内外の信頼を回復すべく全力を挙げて取り組むべきであると考えます。しかし、今日に至るまで一向に政府の具体策が見えてこないのが現状であります。
 そこで、まず不良債権問題の早期解決に向けての総理の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、金融機関の不良債権処理について伺います。
 当然でありますが、金融機関の不良債権の処理は、まずもって金融機関自身によるリストラなどの自助努力によるべきものであることは当然です。しかし、金融機関は、今なお多額の内部留保を抱え、相変わらず一等地に店舗を構え、また、職員の給与水準も高く、本当に不良債権の処理に向け真剣な努力を行っているか、大いに疑問でありますが、この点について大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
 次に、信用組合の経営破綻に対する対応についてお伺いいたします。
 去る八月三十日に、木津信用組合が経営破綻をし、大阪府から業務停止命令が出されました。その後の大阪府による検査結果によると、回収不能額が約九千六百億円と、資産総額の七割を超える額に達しており、常識では考えられないような状況にあります。
 このような信用組合の相次ぐ経営破綻に対して、政府は、現在の墓反共同銀行を抜本的に改革して時限的な受け皿金融機関をつくることとしていますが、こうした受け皿機関をつくることは今後の破綻金融機関の処理をスムーズに進める上で一定の役割を果たすものであると考えます。しかし、一方で、破綻金融機関の経営責任をあいまいにしたまま安易な救済が行われる危険性も否定できません。こうした点を踏まえ、日本版RTCについて具体的にどのような整備を図っていくのか、大蔵大臣にお伺いいたします。
 次に、不良債権問題に対する今後の対応についてお伺いいたします。
 これまで金融機関の破綻処理は、預金保険の発動など金融内部の負担により行われてきたところでありますが、この問題を一刻も早く解決するためには公的資金を導入すべきであるとの意見もあります。この場合、納税者である国民の十分な理解が前提であることは言うまでもありません。この点も含め、公的資金の導入について大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。
 また、これまでは金融機関の破綻処理がどうしてもおくれる場合が多く、このために問題のある金融機関の経営内容が一層悪化するケースが多かったのではないかと考えております。このような事態を招かないためにも、金融機関の経営内容が悪化した場合には直ちに問題金融機関に対して監督当局が強力な改善指導を行い、それでも経営悪化に歯どめがかからない場合には早期に破綻処理の手続を開始できる制度を設けるべきと思いますが、この点について大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、住専問題についてお伺いいたします。
 住専問題は、我が国の金融、経済にとって実態的にも心理的にも大きな重荷になるとともに、国民にも本問題の重大さは広く知られるところとなっております。また、我が国の金融システムが世界の金融システムの中で極めて重要な地位を占める中、諸外国は住専問題の早急かつ適切な解決を求めてきております。住専問題の早急かつ適切な解決は、世界の金融システムに直結するという意味でも、かりそめにも国内事情によってその対応を誤ることは許されないと考えます。
 また、住専問題の解決は、基本的には当事者間で解決されていくべき問題であります。しかし、残念ながら、当事者間の協議は難航し、歩み寄りはなかなか見出せない状況と伝えられております。
 こうした中、私ども与党としても、住専問題の処理についての基本的なガイドラインを示し、大蔵省及び農水省に対し、処理案の作成に取りかかるよう指示したところであります。
 ただ、住専については、農林系統金融機関が債権の多くを抱えることから、末端の一人一人の農民の中には、解決案の行く末に関し不安を覚える方も少なくありません。住専設立から今日の破綻に至った経緯を十分踏まえるなら、問題解決に際して農林系統金融に責任を問うことは余りにも酷であり、むしろその責任は再建計画立案に当たっての行政指導に求められるべきであります。このことを踏まえ、大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
 最後に、大和銀行に関する一連の事件についてお伺いいたします。
 今般、大和銀行ニューヨーク支店の事件はまことに驚くべき事件であります。この事件に関して米国の金融監督当局からは、大和銀行に対し米国から撤退するよう命令が出されており、また、日本においても、大和銀行に対し業務改善命令を出すなど厳しい措置が打ち出されております。
 しかし、これら一連の事件については、官民の当事者がそろって米国への報告をおくらせたのではないかということが国際的不信感を助長し、それが日本への上乗せ金利の拡大の一因となっているとの声が強く聞かれるところであります。
 現在どのような改善策を検討されているのか、また、再発防止策について、大蔵大臣にお伺いいたします。
 さて、私、萱野茂、本会議場に登壇し発言の機会を得たことは、冒頭申し上げましたように、アイヌ民族にとっては国会史上初めてのことであり、極めて感慨深いものがございます。
 しかし、本日の議題であります金融破綻や不良債権問題、その金額たるや巨額であり、庶民にとっては雲の上の話であります。また、その原因は、バブル経済の便乗や行内の不祥事など、一方的な金融機関の責任問題であります。
 政府にあっては、現在、官房長官のもとにウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会を設置し、アイヌ新法の制定の御審議を鋭意いただいておりますが、北海道には、木彫りや日雇いなどさまざまな生業で暮らし、年末の資金繰りなどで苦労するアイヌの仲間たちがいることを私は忘れることはできません。
 村山総理初め、政府として、国民の理解と納得のいく金融再建の方策をお立てになることを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(村山富市君) 萱野さんが感慨を込めて述べられたことについて、私も全く同感をいたしました。これからもますますお元気で御活躍を御期待申し上げます。
 次に、質問についてお答えを申し上げたいと思いまするが、不良債権問題の早期解決に向けての決意についてお尋ねがございましたが、金融システムは経済の動脈ともいうべきものであって、日本の産業界、経済界に重要な役割を果たしておるということについては申し上げるまでもございません。したがって、早期に不良債権問題を解決して金融システムの機能回復を図るということは、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくためにも喫緊の課題であるということについては既に御指摘のとおりでございます。
 政府といたしましても、金融機関の不良債権問題の早期解決を図るための具体的な対応策について年内にまとめるよう、現在、全力を挙げて取り組んでおるところでございまして、そうした問題について御期待におこたえできるように早期に解決を図る決意でございます。
 次に、今回の大和銀行の問題についての御質問でございますが、本件は、先ほども御答弁申し上げましたが、大和銀行の元従業員が不正行為を行ったところでございまして、それに加えまして、銀行自身による不適切な業務運営が指摘をされて、米国金融当局から極めて厳しい措置がとられたところでございますが、まことに遺憾な出来事であると言わなければならぬと思います。
 今回のような海外拠点の問題につきましては、相手国の考え方やそこにおけるルールといったようなものを十分に正しく認識をして、今後こうしたことが起きることのないよう関係者の厳しい一層の努力が求められていると言わなければなりません。
 また、政府といたしましても、今後、外国金融監督当局との一層の緊密な情報交換等に努めるとともに、海外拠点に対する監督、検査の充実を図ることによりまして、御指摘にもございましたような点を踏まえながら、我が国の金融行政に対する内外の信頼を回復していかなければならぬというふうに思っておるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(武村正義君) 萱野議員の御質問にお答えします。
 まず、金融機関自身のリストラの御指摘がございました。当然のことだと思っております。自助努力により対応すべきものである以上、各金融機関におきましては、店舗網の見直し、人件費を含めた徹底した経費の削減合理化など、経営組織全体を通じた最大限の合理化努力はどうしても必要だというふうに思っております。
 日本版RTCについてのお尋ねでございますが、先般、木津信用組合の処理に関して公表をしましたときに、現在の東京共同銀行を改組して、今後五年間に発生する全国の金融機関の破綻処理を円滑に行うための時限的な受け皿機関とすることを発表いたしました。このことが日本版RTCというふうに報道もされているところでございます。
 この機能としましては、第一に、既存金融機関から受け皿金融機関を見出せない場合に、破綻信用組合の事業を譲り受けて、預金の払い戻し、債権回収を行った上で事業の清算を行う。第二に、既存金融機関への事業譲渡に際して、当該金融機関が譲り受けを拒む不良債権を譲り受けて回収に当たる。次に、最終的な譲り受け金融機関を探し出すまでの間、一時的に破綻信用組合の事業を引き継いで運営する。こんなことを想定いたしております。
 不良債権の回収については、法的な措置を含め、厳正かつ迅速に進めることが大事でございますし、その点での専門的な立場にある関係当局、法律家、不動産取引の専門家等の参加、協力も得て回収に当たるといったことを考えております。
 なお、金融機関の破綻において保護されるべきは、預金者、そして信用秩序であります。破綻金融機関そのもの、経営者、株主、出資者、従業員を保護するわけではありません。破綻した金融機関は存続をさせないということが原則であります。経営の破綻した金融機関につきましては、経営陣の退陣が求められ、法の枠組みの中で経営責任の厳格な追及がなされるのは当然であると考えております。
 次に、公的資金の導入の問題でございますが、まず最大限の保険料引き上げを含む預金保険の体制を強化していきたいと考えます。その上で、そのような措置が講じられてもなお、破綻金融機関を消滅させる一方で預金者に損失を直接分担させることを避ける必要がある場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題になってくるのではないかというふうに考えております。
 なおまた、金融機関が破綻に陥る以前の段階にありましても、不良債権処理のおくれが金融システム全体に著しい悪影響を及ぼすこととなるような場合には、公的資金の導入も含めて早期に問題の解決を図ることについて、金融制度調査会安定委員会においてさまざまな意見が出ております。この審議報告においても、引き続き検討が必要とされたところでございます。
 いずれにしましても、公的資金の時限的な導入により納税者に負担を求めることにつきましては慎重な検討が必要でありますが、大蔵省としましては、金融システム内の最大限の対応や各方面における御論議等を踏まえながら、この公的資金の時限的な導入など公的な関与のあり方について結論が得られるよう検討を進めてまいりたいと存じます。
 次に、情報開示の取り組みについての御指摘でございますが、ディスクロージャーは金融機関経営の自己規制を促す効果を持つとともに、預金者の自己責任原則確立の基盤としても大変重要であります。大蔵省としましても、できる限り早期にディスクロージャーを充実させ、預金者に自己責任を問い得る環境を整備してまいりたいと考えております。
 次に、早期の破綻処理手続の開始についての御指摘でございますが、破綻処理については先送りをしないで果断に対処していくことが大事であります。今後は金融機関経営の早期是正を促していくことが必要でございますので、このために監督当局が、例えば自己資本の充実度などの一定の基準に基づいて、自主的な経営改善計画の提出指導や業務改善命令等の法令上の措置を講じていくことによりまして、金融機関経営の健全性確保を図っていくことが必要であると考えます。
 また、金融機関の場合は、その財務内容が実質的に破綻状態に陥っておりましても、流動性が確保されておりますと営業が続きます。また、経営者もそれを強く望む傾向がございますため、結果として破綻処理がおくれて処理コストが拡大しやすいという面があります。こういう事態を避けていくためには、金融機関の破綻処理手続を例えば債務超過に陥った段階から開始するというような工夫が必要ではないかと考えているところでございます。
 こうした考え方を整理しながら、次期通常国会にぜひ所要の法律案を提出させていただぎたいと考えます。
 次に、護送船団方式についての御指摘がございました。
 これはもう既にお答えを申し上げましたが、市場を中心とした金融環境のもとでは、行政と金融機関はやはり一定の距離を置いて互いに緊張関係を保っていくことが大事だというふうに考えております。これまではどちらかといいますと競争制限的な規制の関係でございましたから、どうしても行政と金融機関が一体になって事を運んでまいりました。国際的にも自由化がこれだけ進んでおりますし、こういう状況の中で、むしろ一定の距離を置いて緊張関係を持つような、そういう状況にこれまでを振り返って変えていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
 次に、住専問題でありますが、もうたびたびお答えを申し上げましたように、住専の現行の再建計画は、住専会社及び関係金融機関の協議、合意によって策定されたものであります。大蔵省、農林水産省としましては、その当事者間の協議が円滑に行われるよう行政として可能な限りの対応をしてまいりました。
 いずれにせよ、大蔵省はこれまで母体及び貸し手金融機関の間の協議等を通じた当事者間の合意形成を促進するよう努めてきたところでございますが、現在、大臣間の意見交換を含めて、農水省と緊密に協議をして処理案の作成に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。協議の過程で残された課題についても鋭意検討を進めて、早期に問題解決のめどがつけられるよう全力を挙げてまいります。
 最後に、大和銀行の報告に関する御指摘でございます。
 先ほど広中議員の御質問にもお答えをさせていただきました。前向きには、今後の対応課題として、省内で委員会を発足させておりますが、一つは、外国金融監督当局とのより緊密な情報交換の促進をどうしたらいいのか、銀行の内部管理体制等に対する監督の充実はどうしたらいいのか、金融機関における不祥事件の取り扱いも、より今回の事件から適正化を図るにはどうしたらいいのか、さらに海外拠点に対する検査の充実はいかにしたらいいのか、こういう四つの視点に絞って年内に新しい考え方をまとめさせていただきますので、いましばらく時間をいただきたいというふうに思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○副議長(松尾官平君) 筆坂秀世君。
   〔筆坂秀世君登壇、拍手〕
#19
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、現下の金融問題について、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
 今、大和銀行の巨額損失事件、住専問題や膨大な不良債権など、今日の金融問題における政府・大蔵省と大銀行の責任が根本から問われています。
 そこで、まず大和銀行ニューヨーク支店で発生した十一億ドル、一千百億円という巨額損失事件と、驚くべき隠ぺい工作について伺います。
 アメリカ通貨当局が、この巨額損失を十一年間も放置し事件発覚後もひたすら組織ぐるみの隠ぺい工作に狂奔した大和銀行に対し、アメリカからの追放という厳罰を科しました。これは大和銀行の不正は言うに及ばず、アメリカヘの通報を怠った大蔵省の責任をも厳しく問うものであり、アメリカや国際金融市場関係者は、日本に対しルールなき資本主義だと厳しい批判の声を上げています。
 この重大事態をどう受けとめているのか、総理の答弁を求めます。
 ところが、大和銀行も大蔵省も、反省するどころか、開き直りに終始しています。大和銀行は、頭取が各部店長にあてた内部文書で、「井口被告の不正取引により被害をこうむったのは唯一当行」などと許しがたい強弁を行っています。大蔵大臣は、これでも大和銀行が真摯に反省していると言うのですか。
 大蔵省の責任ももちろん重大です。八月八日に大和銀行から報告を受けながら四十日間も通報がおくれたことについて、調査結果を待っていたなどと言っていますが、こんな弁明は全く通用いたしません。なぜなら、ニューヨーク連邦地検の起訴事実を見ても明白なように、大和銀行頭取と銀行局長の会談直後から大和銀行がやったことは、事実の調査究明などではありません。証拠隠滅、虚偽報告、にせ取引等々、ひたすら隠ぺい工作をはかることであり、これでは大蔵省黙認の隠ぺい工作だったと言われても仕方がないではありませんか。
 一体、大蔵大臣は銀行局長からいつ報告を受け、どういう指導をしたのですか。あわせて答弁を求めます。
 次に、不良債権問題についてであります。
 住専問題で政府・与党が今検討している処理案は、銀行の乱脈経営やそれを許した大蔵省の責任は不問にして、公的資金の導入を前提にしたものです。ただ国民の批判をかわすため、直接財政資金を投入するのではなく、当面は日銀融資などで時間を稼ぎ、受け皿機関で実損が発生した段階で国民の税金を投入するという手の込んだ欺瞞的手法だと言わなければなりません。
 しかし、住専七社のほとんどは大銀行が資金も人事も経営も握り、銀行の別働隊として利用してきたものではありませんか。それがバブル経済のもとで暴力団や地上げ屋への融資、母体行の指示による不良融資など、乱脈に次ぐ乱脈で破綻したにすぎません。
 しかも、住専七社には大蔵省OBが次々と天下り、ピークの一九九一年には住専七社のうち三社の社長、四社の会長が大蔵省OBによって占められています。銀行と大蔵省の責任は余りにも明白であり、国民の血税である公的資金で穴埋めするいわれはどこにもありません。毎日新聞の世論調査でも、実に七三%もの人が公的資金の導入に反対だと回答しています。この声にこそこたえるべきではありませんか。
 武村大蔵大臣は、阪神大震災の被災者への個人補償を求めたとき、日本は私有財産の国と、冷たく拒否しました。不良債権への公的資金の導入こそやめ、被災者への個人補償をこそすべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 アメリカでは、貯蓄金融機関、SアンドLの破産に対し、徹底的な経営責任、監督責任が追及され、千三百六十九人が有罪、千十三人が投獄され、通貨監督庁長官は辞任にまで追い込まれました。ところが、日本はどうですか。大蔵省も銀行も何一つ責任をとらず、日銀融資や国民の税金で賄おうというのであります。このような、初めに公的資金の導入ありき、このやり方を断じて容認することはできません。
 今、何よりも急ぐべきは、母体行紹介案件、大口貸出先一覧など焦げつきの実態を国民の前に明らかにし、同時に大蔵省と経営者の責任の所在を明確にすることではありませんか。大蔵大臣の答弁を求めます。今、国民が何よりも憤っているのは、銀行の社会的規範を踏みにじる行動であり、また、それと一体となって大銀行の利益擁護のために働き、バンク・オブ・大蔵省などとやゆされる政府・大蔵省の国民をないがしろにしたやり方に対してであります。銀行は、バブルのときに何をやりましたか。不動産融資を無制限に行い、その結果、悪質地上げ屋をばっこさせ、相続税、固定資産税を引き上げ、都心から住民を追い出しました。また、必ずもうかるなどという詐欺的商法で庶民を株投機、ビル建築、変額保険等々に走らせ、多くの被害者を悲劇的事態に追い込んできました。
 こうした悪徳商法で、大手二十一行だけでもバブル期の八八年から九〇年の三年間で六兆五千億円もの業務純益を上げています。そして、バブル崩壊後も、共国債権買取機構による減税、公定歩合のたび重なる引き下げなど、政府・大蔵省の支援のもとで九二年から今日までに十一兆円もの業務純益を上げ、内部留保は昨年九月期末で二十兆円を超えるという大もうけぶりであります。
 いかなる名目、手法をとろうと、この銀行をさらに手助けする必要など全くないではありませんか。また、金融自由化を叫び、公的規制の緩和を言う政府・与党、財界が、破綻すると今度は公的資金の導入や公的支援を言うとは余りにも身勝幸ではありませんか。総理の答弁を求めます。
 このもとで、まさに踏んだりけったりなのが国民の側であります。九一年以降、九回にわたる公定歩合の引き下げで利息の目減りは何と百兆円にも上っています。これだけ国民から銀行などへの所得の移転が起こったということです。年金生活者など国民は、銀行の史上空前の大もうけの陰で史上最低の超低金利に泣かされているのであります。また、倒産による解雇を初め、多くの銀行労働者も、出向、配転、相変わらずのサービス残業などリストラ攻撃の犠牲になっています。これらの人々の願いにこたえ、暮らしを守ることこそ政府が第一にやるべき仕事ではありませんか。
 日本共産党は、大蔵省と銀行の癒着を断ち切り、国民のための金融行政実現のため、独立した監督機関の設置を提案していますが、この提案を今こそ真剣に受けとめるべきときではありませんか。総理の答弁を求めます。
 最後に、金融行政の民主化のため全力を尽くす日本共産党の決意を述べて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(村山富市君) 筆坂議員の質問にお答え申し上げます。
 大和銀行事件に関する行政批判についての御質問でございますが、まず今回の大和銀行に対する米国の処分は、先ほども申し上げましたように、あくまでも大和銀行自体の行為に対して決定されたものであることについては御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、今回の邦銀の海外拠点における不祥事件の相手国への通報について、相手国の銀行監督に関する対応の仕方への配慮が欠けていたことを率直に反省し、これを貴重な教訓として、国際化の進展に伴いまして監督のあり方等について各国が共通するような部面等について、これまでの我が国の行政手法についてさらに再検討する必要があるというふうに考えておるところでございます。
 次に、バブル期の銀行の行動及び公的関与のあり方についてのお尋ねでございますが、いわゆるバブル期において金融機関は適切なリスク管理を欠いたまま安易な融資拡大を行った面があったことは否定し得ないと私も思います。こうした過程で発生した金融機関の不良債権の処理は、まず金融機関の責任のあり方を明確にし、金融機関の自助努力により対応すべきものであることは当然であると考えております。
 次に、破綻金融機関に対して公的資金等による救済を行うべきではないとの趣旨の御質問でございますが、金融システムは経済の動脈ともいうべきものであり、早期に不良債権の処理を行い金融システムの機能回復を図ることは、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくために喫緊の課題であることは皆さん御理解のとおりであります。
 政府といたしましては、金融機関の不良債権問題については、処理を先送りするのではなく、引き続き果断に対応するとともに、年内に対応策をまとめるように全力で取り組んでいるところでございます。
 金融機関の破綻の処理につきましては、先ほども申し上げましたが、第一に、金融機関から融資を受けている者からの徹底的な債権の回収努力をすること、金融機関経営者の経営責任の追及など金融機関の厳しい自助努力、第二には、預金保険の保険料の最大限の引き上げを含む金融システム内での最大限の努力をした後にもなお、金融機関を消滅させる一方でペイオフにより預金者に損失を負担させることが困難な場合には、公的資金の時限的な導入も課題になろうと考えております。
 ただ、これにより納税者に負担を求めることにつきましては慎重な配慮が必要であり、今後の各方面における御論議を踏まえながら取り組んでまいる所存でございます。
 なお、このような公的な関与によって保護されるべきは預金者及び信用秩序でございまして、破綻金融機関、経営者、株主・出資者、従業員ではないということは言うまでもないと考えております。
 次に、国民のための金融行政の実現のため独立した監督機関を設置すべきではないかとのお尋ねでありますが、大蔵省は従来より適正かつ公正な金融行政の実現に努めてきておりまするが、大和銀行問題及びその対応等についての内外からの御批判を謙虚に受けとめ、今後とも国民の信頼にこたえるための努力をしていかなければならないと考えております。
 なお、現在、大蔵省が担っている財政機能と金融機能とはいずれも経済運営上密接に関連する重要な政策手段でございまして、両者を一つの省で一体的に運営することは、我が国経済の円滑かつ効率的な運営に必要不可欠であると考えていることについては御理解をいただきたいと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣武村正義君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(武村正義君) 筆坂議員にお答えいたします。
 まず、大和銀行の問題でありますが、事情聴取したところによれば、当該文書の中で、御指摘の「当行は、井口被告の不正取引の唯一の被害者」という記述につきましては、「米国検察当局による起訴について」という文章の中で述べられております。しかしながら、これについては、現在、米国において係争中でございます。大蔵省としての見解については差し控えさせていただきます。
 なお、大和銀行としては、今回の不祥事件については深く反省をし、今後、信頼回復に向け努力したいとのことであります。当然のことであります。
 次に、大蔵省黙認の隠ぺい工作だったのではないかという御指摘でありますが、そんなことは全くありません。こういう一千百億円という巨大な金額を隠ぺいできるなどとはだれ一人考える者はいなかったはずであります。
 なお、この事件の報告を私が銀行局長から受けましたのは九月十四日であります。当然でありますが、驚きながら適切な対処を指示したところであります。
 次に、公的資金の導入についての御指摘でございます。
 住専の設立に関し、母体金融機関が人的、資本的に関与していたのは事実でございます。ただ、法的に見ますと、住専は母体金融機関とは別個の人格でありますし、住専の経営に対する母体金融機関の関与度合いも各社ごとに、また、各時代によってもかなり大きな違いがあります。住専の場合、複数の母体により設立された会社が多いという事情もございまして、その後の経営をスムーズに行っていく観点から、こうした各母体に中立なものとして、それぞれの銀行がたくさん設立に参加しましたので中立的な立場で、大蔵省在籍の経験のあるOBが請われて会長、社長等に就職したものと聞いております。
 いずれにしましても、会社の経営はそれぞれの会社の経営者にゆだねられたものでありますし、会社の経営の健全性は会社それぞれが維持していくことが基本であると考えております。
 なお、住専処理に際しての財政的な措置の問題については、国会を含め各方面の論議を踏まえて結論を最終的に見出してまいりたいと存じます。
 次に、阪神大震災とのかかわりで、被災者への個人補償について御指摘がありました。一般的には、自然災害により個人が被害を受けた場合には自助努力による回復がこの国の原則であります。しかしながら、政府としましては、被災者の実情に配慮した支援措置を幅広くかつきめ細かく実施し、一日も早く被災者の生活再建が実施されるよう努力してきたところでございます。
 特に、阪神・淡路大震災については、被害の甚大さにかんがみ、特別の立法などにより被災者の生活再建等への支援措置を拡充してまいりました。個人補償という形ではありませんが、各般の行政施策を補完する阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置を行うなど大幅な支援措置を講ずることにより対応をしてきたところであります。
 次に、個別貸出先については、個別会社の経営内容ないしは民間当事者間の取引に関する事柄でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。
 最後に、公定歩合についての御指摘がございましたが、金利水準の低下は景気回復に大きく寄与するものと考えられます。それがひいては景気回復を果たして、国民生活にも好ましい影響を及ぼすものというふうに考えるものであります。
 なお、こうした低金利のもと、大変厳しい状況に立たされている方々に対する金利の特別の計らいを福祉定期預貯金の制度として実施いたしているところでございます。
 また、金融機関を含む民間企業の職員の待遇につきましては、まさにそれぞれの企業の労使間の問題であると考えます。
 いずれにしましても、金融機関には、不良債権問題を早期に解決して我が国金融システムの機能回復を図る観点から、経費の削減合理化等、経営組織全体を通じた自助努力が求められているところであります。(拍手)
#22
○副議長(松尾官平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#23
○副議長(松尾官平君) 日程第二 平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)
 日程第三 平成四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書
 日程第四 平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総額害及び各省各庁所管経費増額調書(その2)
 日程第五 平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
 日程第六 平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
 日程第七 平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)
  (いずれも第百二十九回国会内閣提出、第百
  三十四回国会衆議院送付)
 日程第八 平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)
 日程第九 平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)
 日程第一〇 平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)
 日程第一一 平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
 日程第一二 平成六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
 日程第一三 平成六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)
  (いずれも第百三十二回国会内閣提出、第百
  三十四回国会衆議院送付)
 日程第一四 平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書(第百二十九回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 日程第一五 平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書(第百三十二回国会内閣提出、第百三十四回国会衆議院送付)
 以上十四件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長浦田勝君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔浦田勝君登壇、拍手〕
#24
○浦田勝君 ただいま議題となりました平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外十一件、並びに平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書及び平成五年度の同調書につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、予備費関係十二件は、憲法及び財政法の規定に基づき、平成五年三月から平成七年一月までの間の予備費の使用等について、国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。
 それらの主な費目につきまして申し上げますと、まず一般会計の予備費使用は、皇太子徳仁親王殿下の御結婚に伴う経費、老人医療給付費負担金の不足を補うために必要な経費、国連平和維持活動に係る分担金の支出に必要な経費、河川等災害復旧事業等に必要な経費などであります。
 次いで、特別会計の予備費使用は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧の買入れに必要な経費、外国為替資金特別会計における外国為替等売買差損の補てんに必要な経費などであります。
 また、特別会計予算総則の規定に基づく経費の増額は、郵便貯金特別会計一般勘定における支払利子に必要な経費、港湾整備特別会計港湾整備勘定における港湾整備事業の調整に必要な経費などであります。
 次に、決算調整資金からの歳入組入れ調書二件は、一般会計の歳入歳出の決算上生じた不足を補てんするため、同資金から一般会計に、四年度は一兆五千四百四十七億円、五年度は五千六百六十三億円を組み入れたことについて、決算調整資金に関する法律に基づき、国会の事後承諾を求めるために、それぞれ提出されたものであります。
 委員会におきましては、これら十四件を一括して議題とし、まず大蔵大臣から説明を聴取した後、予備費の増額とPKOへの活用、老人医療給付費等に対する国庫負担金への予備費使用、関税割当制度の見直しに伴う予備費使用及び決算調整資金制度の存在意義などについて熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党の筆坂理事より、平成四年度特別会計予備費、平成五年度一般会計予備費(その1)、平成六年度一般会計予備費(その1)、決算調整資金からの歳入組入れ調書二件にいずれも反対、その他の予備費関係九件には賛成、自由民主党・自由国民会議の佐藤理事より、予備費関係十二件及び決算調整資金からの歳入組入れ調書二件についていずれも賛成の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、平成四年度特別会計予備費、平成五年度一般会計予備費(その1)、平成六年度一般会計予備費(その1)、平成四年度決算調整資金からの歳入組入れ調書及び平成五年度の同調書は、いずれも多数をもって、その他の予備費関係九件は、いずれも全会一致をもって、それぞれ承諾を与えるべきものと議決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○副議長(松尾官平君) これより採決をいたします。
 まず、日程第二、第四、第六ないし第一〇、第一二及び第一三の予備費使用総調書等九件について採決をいたします。
 九件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#26
○副議長(松尾官平君) 総員起立と認めます。
 よって、九件は全会一致をもって承諾することに決しました。
 次に、日程第三、第五及び第一一の予備費使用総調書三件について採決をいたします。
 三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○副議長(松尾官平君) 過半数と認めます。
 よって、三件は承諾することに決しました。
 次に、日程第一四及び第一五の決算調整資金からの歳入組入れに関する調書二件について採決をいたします。
 両件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○副議長(松尾官平君) 過半数と認めます。
 よって、両件は承諾することに決しました。
 これにて休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時五十一分開議
#29
○議長(斎藤十朗君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長寺崎昭久君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔寺崎昭久君登壇、拍手〕
#31
○寺崎昭久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、既に任意の自動車共済を扱っている全国労働者共済生活協同組合連合会及び全国自動車共済協同組合連合会といった消費生活協同組合及び事業協同組合が、保険会社及び農業協同組合と同様に自動車損害賠償責任共済の事業を行うことができるようにするものであります。
 委員会におきましては、提出者の衆議院運輸委員長から趣旨説明を聴取した後、法律改正の意義と消費者に与える影響、農協について十年間の経過措置を設けた理由等の質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(斎藤十朗君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(斎藤十朗君) この際、日程に追加して、
 公職選挙法の一部を改正する法律案
 政党助成法の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。選挙制度に関する特別委員長木暮山人君。
    ―――――――――――――
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
   〔木暮山人君登壇、拍手〕
#36
○木暮山人君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、選挙制度に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案は、衆議院議員の選挙の投票方法を記号式から自書式に改め、小選挙区選出議員の選挙については候補者一人の氏名を、比例代表選出議員の選挙については一の衆議院名簿届出政党等の名称または略称を、それぞれ自書して行おうとするものであります。
 なお、施行期日は公布の日としております。
 次に、政党助成法の一部を改正する法律案は、その年分として各政党に交付すべき政党交付金の交付限度額を当該政党の前年における収入総額の三分の二に相当する額とする制度を撤廃するとともに、各政党に交付すべき政党交付金の交付時期に四月を加え、七月、十月、十二月の年四回としようとするものであり、平成八年一月一日から施行することとしております。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、発議者衆議院議員瓦力君より趣旨説明を聴取した後、政治改革における改正案の意義、望ましい投票方法のあり方、三分の二条項撤廃の妥当性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、平成会を代表して山本委員、日本共産党を代表して橋本委員より、それぞれ反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、政党助成法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(斎藤十朗君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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