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1995/12/27 第134回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第134回国会 科学技術委員会 第5号
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1995/12/27 第134回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第134回国会 科学技術委員会 第5号

#1
第134回国会 科学技術委員会 第5号
平成七年十二月二十七日(水曜日)
    午前九時三十分開議
出席委員
  委員長 野呂 昭彦君
   理事 臼井日出男君 理事 栗本慎一郎君
   理事 原田昇左右君 理事 上田 晃弘君
   理事 上田 清司君 理事 笹木 竜三君
   理事 今村  修君 理事 渡海紀三朗君
      小野 晋也君    小渕 恵三君
      塚原 俊平君    萩山 教嚴君
      宮下 創平君    近江巳記夫君
      斉藤 鉄夫君    藤村  修君
      沢藤礼次郎君    松前  仰君
      吉井 英勝君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      浦野 烋興君
 委員外の出席者
        科学技術庁長官
        官房長     工藤 尚武君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   宮林 正恭君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   伊沢  正君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事長)     大石  博君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        事)      高橋 忠男君
        科学技術委員会
        調査室長    吉村 晴光君
    ―――――――――――――
十二月十五日
 一、科学技術振興の基本施策に関する件
 二、原子力の開発利用とその安全確保に関する
   件
 三、宇宙開発に関する件
 四、海洋開発に関する件
 五、生命科学に関する件
 六、新エネルギーの研究開発に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
 (高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム
 漏えい事故)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○野呂委員長 これより会議を開きます。
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件、特に高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム漏えい事故について調査を進めます。
 この際、十二月十八日、高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム漏えい事故の状況調査のため、福井県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表して、私から御報告申し上げます。
 本年十二月八日に起きた高速増殖原型炉「もんじゅ」におけるナトリウム漏えい事故を重視して、去る十二月十八日に同事故の実情を現地で調査するとともに、関係地方自治体から要請を聴取いたしました。
 当日の派遣委員は私のほか、原田昇左右理事、上田清司理事、今村修理事、渡海紀三朗理事、小野晋也委員、萩山教嚴委員、鮫島宗明委員、吉井英勝委員の九名でありますが、現地におきまして笹木竜三理事、辻一彦議員が参加されました。
 私どもは、まず、動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅ建設所に赴き、事業団側から、今回の事故の経過、運転員のとった措置、事故後の事業団の対応等について説明を聴取するとともに、ビデオによりナトリウムの漏えい状況及び除去・回収作業の状況等について説明を受けました。
 引き続き、「もんじゅ」の中央制御室において、事故当時の制御盤の状況、事故の起きた二次主冷却系Cループの配管室とほぼ同一構造のAループの配管室を視察いたしました。
 また、視察後、質疑を行いましたが、ナトリウム漏えいの原因及び対処策については、現段階で質問しても答えが得られないと考え、これ以外の問題、主として、諸外国で起きた漏えい事故の経験をどう生かしたか、火災報知機が作動する前にナトリウムの漏えいが検知できる仕組みになっているべきであるのに火災報知機が先だったのはなぜか、原子炉の停止がおくれたのはなぜか、地元自治体への通報がおくれたのはなぜか、の諸点について質疑を行いました。
 事業団側は当面の措置に追われ、事故の際にどのような行動をとったのか、それが行動マニュアルや地元自治体との協定に合致しているのかなとについて、事実関係の整理が十分でないとの印象を持ちましたので、事実関係の整理と原因の早急な究明を要請いたしました。
 さらに、市内のグリーンプラザホテルにおいて、福井県副知事及び敦賀市助役から、今回の事故に対する地元の要請を聴取いたしました。
 要請は多岐にわたりましたが、要点を御報告いたしますと、原因の徹底究明、運転手順の遵守と異常発生時の対応の見直し、地元自治体への通報体制の改善、安全対策の徹底、原子力防災対策の充実、地域住民の不安解消のための国の対処、被害対策、情報の公開、性能試験の全面的見直しなどであります。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○野呂委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長大石博君及び同理事高橋忠男君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#5
○野呂委員長 参考人大石博君から高速増殖原型炉もんじゅにおけるナトリウム漏えい事故について意見を聴取いたします。大石参考人。
#6
○大石参考人 動燃事業団理事長の大石でございます。
 最初に、事故状況も含めて、陳謝のごあいさつを申し上げます。
 今回の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故につきましては、衆議院科学技術委員会の先生方を初め、多くの方々に多大な御心配、御迷惑をおかけし、信頼を裏切ることになりましたことは、まことに申しわけなく、深くおわび申し上げます。また、先日は現地を御視察いただき、御指導賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
 特に事故後の対応につきましては、混乱のきわみにあるとはいえ、情報を意図的に改ざんする等により、多くの方々の不安を増大させ、信頼を著しく失墜させたことは遺憾のきわみであり、重大な事態と受けとめております。私としては、このことを深く反省しているところであり、おわびの
言葉もございません。
 まず、事故の概要を御説明いたします。
 お手元の資料にございますように、「もんじゅ」は十二月八日午後七時四十七分にナトリウム漏えい事故が発生し、午後九時二十分に原子炉を停止しました。また、翌日の午前零時十五分にはナトリウムの抜き取りを完了いたしました。その後、十二月九日よりナトリウム化合物の堆積状況の調査及び除去・回収作業を行い、今後はナトリウム漏えい箇所の特定を行うための準備を現在行っておるところでございます。
 事故の連絡通報のおくれにつきましては、福井県に対しましては事故発生後約五十分、国と敦賀市に対しましては約一時間を要しました。今後、連絡通報体制を見直し、大幅な時間短縮を図ることといたします。
 次に、事故現場を撮影したビデオの件につきましてでございますが、十二月九日午前二時ごろに撮影したビデオは公開せず、同日午後四時ごろに撮影をいたしましたビデオを意図的に短くして公表したこと等によりまして、不信感を増大させましたことは、私としても深く反省しておるところでございます。
 今後は、安全を第一として徹底した事故原因の究明、運転操作の改善等を行いますとともに、各種事故情報の事実関係の調査を徹底的に行いまして、これらの結果は積極的かつ速やかに公表していくことといたします。
 動燃事業団といたしましては、「もんじゅ」の重要性にかんがみ、その使命と役割を果たすべく、できる限りの努力をしてまいります。地域の方々の不安を解消し、信頼を回復することは容易なことではございませんが、今後は、役職員一人一人の意識改革、それから業務運営の抜本的な見直し等によりまして、動燃事業団の体質改善に積極的に取り組んでまいる覚悟でございます。
 今回の「もんじゅ」の事故につきまして、重ねて深くおわびを申し上げますとともに、事情を御賢察の上、よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○野呂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
#8
○原田(昇)委員 このたびの「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故は、高速増殖炉の将来に大きな期待を持っていただけに、まことに残念に思っております。ナトリウムの取り扱い技術は、高速増殖炉技術のかなめの一つであり、また、地元住民に大きな不安を与えたことから、科学技術委員会としても重大な関心を持っており、ただいま委員長の報告にもございますように、去る十八日に急速現地に行きまして、現状の把握に努めたところでございます。
 ところが、その後、ビデオテープ隠しや虚偽の報告など、技術以前の問題で不信感を買ったのは、まことに遺憾千万であります。
 原因が明らかでないので、原因の追求や原因についての推測、仮定の上に立った議論は原因が明らかになってからすることといたしておりますので、本日は、事故の対応、自治体への連絡、情報の公開などの問題に限って、現地での経験及びその後の説明聴取、新聞報道などを踏まえまして質問させていただきます。
 まず、大臣にお伺いしたいのですが、去る十四日に大臣から「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故について本委員会として報告を受けました。その後ビデオテープ隠しのような信じがたいことが明るみに出てきまして、また最初に配管室に入ったのは九日の十時との説明を受けて、我々が当日現場に行ったとき動燃からいただいた説明書にもそういうように書いてあります。その後の調査では午前二時だったということが明らかになって、これはうそだったということになってしまったわけであります。まことに遺憾千万であります。まず、大臣の現在の心境についてお伺いしたいと思います。
#9
○浦野国務大臣 今回の事故につきましては、原因究明を徹底的に進めるとともに、積極的かつ速やかな情報公開を行うよう、事故の発生以来これを繰り返し指示をしてきたところでございます。このような事態に至りましたのはまことに遺憾に存じておるところであり、ただいま原田先生御指摘をいただきましたまことに理解に苦しむこうした一連の問題が生じまして、原子力行政を預かる者といたしましてみずからの不明を恥じておるところでございます。
 現在では法令に基づきまして厳正かつ公正な立場で立入検査を行っておりまして、これによって徹底的に事故の原因を究明いたしまして、地元の皆様方はもとよりでございますが、国民の原子力開発利用に対する信頼が一刻も早く回復されるよう我々としては全力を傾注してまいる所存でございます。
#10
○原田(昇)委員 大臣の御決意を承ったわけでございますが、そもそもエネルギー政策の上で核燃料サイクルというのは非常に大事な問題であると指摘されてきております。この点について、通産省からエネルギー政策上の核燃料サイクルにおける「もんじゅ」の位置づけというものをしっかりとこの際確認しておきたいと思います。
#11
○伊沢説明員 核燃料サイクルは、再処理を通じまして使用済み燃料に含まれておりますウラン及びプルトニウムを繰り返し利用するものであり、ウラン資源の利用効卒の向上を図ることが可能となります。特に、高速増殖炉によりますプルトニウム利用は、軽水炉のウランの単純利用に比較しましてウラン利用効率が数十倍になるとの試算もあります。こういう意味でウランの利用効率の向上が一層図られることになります。
 このため、エネルギー資源に乏しく、かつエネルギー多消費国である我が国としましては、エネルギーの長期安定供給などの観点から、高速増殖炉開発を含めます核燃料サイクルを進めていくことが極めて重要であると考えております。
#12
○原田(昇)委員 このように、エネルギー政策のかなめにもなるような大事な「もんじゅ」について不信感が巻き起こっておるというのは大変遺憾であります。
 伝えられるところによりますと、この事故が起こってからの動燃の応急対応体制というか、事故対策というのが極めて私はきっちりしていなかったのじゃないかなという感じがいたします。第一、理事長は現地に行って陣頭指揮をやるべき必要があるのではないでしょうか。その辺はどういうことなのか。それから、事故隠しということを言われてしまっておるわけですが、どうしてこういうことが起こってきたのか、それはだれの責任なのか。つまり、私たちに十時と報告が出ておる、これは理事長御存じのはずですね、そういう点ほどういうように説明していただけるわけでしょうか。
 要するに、事故対策本部というのをつくったのはつい最近のことだ。起こってすぐ対応できない、応急措置ができていないと言っても過言ではないと思うのですね。その辺をもう少し何か改めることも考えなければならないのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
#13
○大石参考人 最初に、理事長が現地に赴いて陣頭指揮すべきではないかという御指摘だったと思います。そのことを最初に申し上げたいと思います。
 私は、かねてから、理事長就任以来、現場重視を私の経営方針として進めております。したがいまして、この「もんじゅ」の事故対応につきましても早速に現地体制を強化し、現地中心の事故対応体制をとってきております。
 さらに加えまして、全社総力体制のもとで現在事故対応を行っております。
 三点目は、他の事業所の安全の確保、職員の動揺、不安、士気の低下、こういったことも私としては大変に気になっておるところでございますし、この対策は重要なことだと思っております。
 四点目は、メーカー、電力等関係機関の全面的な協力も得てこの対応に当たっております。
 以上のようなことから、私といたしましては、常に現場と緊密に連絡をとりながら本社で指揮を
とっておりますけれども、機会を見てできる限り現地に赴いて、現地と密接な連絡のもと対応しておるところでございます。
 それから、事故対応の体制の問題でございますが、十二月八日にこの事故が起きまして、早速社内の規程によりまして対策会議を本社並びに現地に、もんじゅ建設所に設置をいたしました。その直後、それでは私は不十分だと考えまして、本社では副理事長を委員長とするこのための対策本部を設置いたしました。現地は高橋理事を委員長とする本部を設置いたしました。その後、事故の状況等を見まして、十二月十四日に、理事長の私がみずから陣頭指揮をとる必要があるということで、私が本部長でありますもんじゅ事故対策本部を十二月十四日に設置をいたしました。その下に、本社にはもんじゅ対策実施推進本部、これは副理事長が本部長でございます。現地には、高橋理事を本部長とする推進本部を設置いたしました。現在は、全社の総力体制のもとで事故対応に当たっておるところでございます。
 最後にもう一点申し上げておきますが、動燃事業団の事業を円滑に進めていくにつきましては、地元の皆様方を初め、広く一般の方々の御理解と信頼を得ることが必要不可欠でございます。このためには、積極的に情報を公開し、事業の透明性を高めていく必要がございます。今回、情報の提供、事実関係の御説明等に大変に不手際がございました。この点につきましては、私としても大変に残念に思っておりますし、深くおわびを申し上げる次第でございます。
#14
○原田(昇)委員 今のお話を聞いておりますと、本社にも何か会議があり、現地にも責任者がいる。新聞報道でも出ていましたが、本社と現地の意見が違って、ナトリウムを抜き取ることが大分おくれたとかいう話も聞いていますし、やはりこういう事故対策の場合は、指揮官をきちっと決めて、理事長が総指揮官になるんなら対策本部を直ちに設置して、そして指令がそこからきちっと一本で、現地で対応する。東京におったって事故は直らぬわけですから、現場へ行かなきゃだめですよ。そういう体制をとるべきじゃないでしょうか。
 これはあらゆる事故対策に、あるいは地震対策でも同じでございますが、きちっと責任者、指揮官がいて、その指揮系統のもとにみんなが一致団結して当たらなければならないということが事故対策の鉄則だと思いますが、そういうことができていないのかという感じを受けて残念でなりません。この点はどうでしょうか。
#15
○大石参考人 御説明申し上げます。
 本件の対応につきまして、本社は主として設計等をやってきております。現地の方は、設計よりも、どちらかといえば現場の業務を中心にやっております。それらを総合的に検討しながら本件の解明に当たっておるところでございまして、やはり本件の問題につきましては、主たるところは、中心的なところは、設計面も含めまして本社で全部取り仕切っております。その本社の設計に基づきまして現地対応を、現地では実務的なことをやっております。これは非常に根の深い問題、抜本的な究明をしなければならぬ問題でございますので、やはり本社と現地と一体となって取り組んでまいらなきゃならぬ問題だと私は承知しております。
 したがいまして、総合的な指揮をとる上で、私はやはり本社で指揮をとる方がいい、こういう判断のもとに現体制をしいておるところでございます。
#16
○原田(昇)委員 今の御意見は、本社の方で理事長がいて全体の指揮をとっていた方がいいということでございますが、私はそれでいいのかなという感じがするわけです。
 現地でどんどん情報の操作が行われ、うそがばれるとか地元に対する説明がうまくいかないとか、こういうことが事故の場合の一番大事なことの一つですよね。ですから、じゃ長期的に、どういうように復旧し、どういうようにやっていくかというのは別として、当面の応急体制というのは、事故を最小限に食いとめて、そしてみんなにも安心してもらうということが一番大事なのに、それが何もできていない。現地だけにお任せでは、もちろん現地に任せて、現地にちゃんと責任者がおっておやりになるんでしょうから。だけれども、それが今度たくさんのミスをやっちゃったということなものですから、これでいいのかねということを私は申し上げておるわけであります。
 もう一つ申し上げますと、マニュアルというのがあるだろうと思うのですね、事故が起こったときの。そのマニュアルどおりに今度やったのかやらなかったのか。やらなかったとすれば、どこがマニュアルどおりでなかったのか、説明していただきたいと思います。
 マニュアル自身が、いやこういう事故を予想していなかったとか、あるいはマニュアル自身がちょっと間違っている、これからこういうように直したいということもあわせて伺いたいと思います。
#17
○大石参考人 今の先生の御指摘でございますが、「もんじゅ」は現在研究開発中のものでございます。私どもとしては、事前の試験研究あるいはマニュアルの作成、評価、そういったものについては慎重にも慎重に検討いたしまして、そのマニュアルに基づいて現在試運転を行っておるところでございますが、やはり、実際に大型の高速増殖炉を動かしてみますと、この試運転段階でマニュアルに必ずしも明確に記載されていない部分もございます。
 したがいまして、私は、今回の問題につきましては、マニュアルの不備な点も今後の解析評価によって出てくると思いますし、それから運転操作も必ずしも完璧なものではなかった。いろいろと解析しますと、さらなる運転操作の改善も必要だと思います。
 そこで、私として考えております大事なことは、環境への影響をなくするということ、絶対に環境への影響を出さないということと人身災害を出さないということ、この二つはいついかなる場合でも確保しておく、徹底をすることが非常に重要だと思っております。
 もう一つつけ加えますと、大きな設備の損壊、これもございますが、何よりも環境への影響をなくす、人身災害をなくすということは絶対的な条件だと思っております。その上に立って、マニュアルの改善、それから運転操作技術の向上等にこれからも努めてまいり、実用化に向かって努力してまいりたいというふうに考えております。
#18
○原田(昇)委員 私の申し上げていることにお答えになっていないのです。マニュアルどおりになっていなかった点ほどこだ、マニュアルがまずかったところはどこだ、こういうように聞いているんですよ。
 例えば、最初に火災報知機で煙が感知された。職員が現場に行ったところ、煙が薄かったので小さなリークだ、こう判断したという話でしょう、御説明によると。それで、通常の方法で出力を下げた、その後また行ってみて煙が多かったので今度はとめた、こういうことなのですが、小リークというのは一体どういうことをいうのか。マニュアルでそういうように書いてあるのかどうか。その辺なんかも聞きたいし、具体的にもうちょっときちんとした説明をしてくださいよ。マニュアルどおりでないのはどこがマニュアルどおりでなかったのか。マニュアルどおりにやったけれども、マニュアルがまずかったのか。
 それからもう一つ、あなた、外部に影響を与えないようにとおっしゃったけれども、ナトリウム化合物が外に出た可能性があるのでしょう、排気口を通じて。それは、何かそっちの方は運転しておったというのだな。それはマニュアルでどうなっているのですか。
 それから、ナトリウム化合物というのは、人の健康にどういう影響があるのですか。どの程度出たのですか。その辺もしっかりと答えてください。
#19
○大石参考人 小漏えいという判断で運転操作を行いました。この小漏えいであったという判断
は、漏れたナトリウムを回収するタンクがございますが、このタンクの液面のレベルが全く変わっておりません。したがいまして、小漏えいという判断をいたしております。小漏えいという判断のもとにマニュアルに基づき運転操作をいたしました。したがいまして、原子炉は緊急停止をいたしておりません。
 それから、系統中のナトリウムを直ちに抜き取ることはいたしませんでした。それで、今先生が御指摘のように、再度現場を確認いたしましたところ、白煙がさらに増加しておる。これはナトリウムが漏れているのだ、漏れの状況は増加している、こういう判断のもとに今度は緊急停止に切りかえました。そういうのが現場の実情でございます。
 それから、環境への影響の問題でございますが、これにつきましては、事故後約三時間半、換気空調設備を動かしておりました。これは、ナトリウムが漏れますと部屋の温度が上がりますので、換気空調を約三時間半動かしておりました。したがいまして、ナトリウムの漏れた部屋の中の空気が外部に放出されました、その環境への影響がどうかということを今鋭意調査しております。これまでの調査の結果、放射能の影響はほとんどないという状況でございますが、これはさらなる調査はいたします。
#20
○原田(昇)委員 放射能のことを聞いているのじゃないのですよ。二次系の話だから放射能はないはずです。そうじゃないけれども、ナトリウムのことを聞いているのだ。ナトリウム化合物というのは人体にどういう影響があるのかということ。
 それから、先ほど来どうもちょっとあれなのですが、小さなリークだということでは、ナトリウムの液面のレベルが変わらなければ小さなリークでありますということであるのだけれども、煙がたくさん見えたら、これは大きいリークになるのですか。どういうところが小さいリークと大きいリークの違いで、小さいリークなら手動で出力を下げればいいのか。どうなっているの、マニュアルは。そこを聞いているのだ。マニュアルどおりやっているのですかということ。
#21
○高橋参考人 まず最初のナトリウム化合物の人体に対する影響ということでございますが、今お話し申し上げましたように、空調を事故後回していたためにナトリウム化合物が外に飛散されたということは事実でございます。排気ダクトその他から試料をとりまして、今分析をいたしております。その結果では、付着しておりますのがほとんどナトリウムの炭化物でございます。炭酸ナトリウムでございます。これは、ナトリウムが出ますと空気中の酸素と反応して酸化物になり、そして水と反応して苛性ソーダになり、ちょっと詳しい話で恐縮でございますが、最終的には炭酸ナトリウムになる、こういうものでございます。
 この炭酸ナトリウムにつきましては、重曹その他ということでおなじみのものでございまして、これは人体に影響がない、したがって、今回放出されたものは人体に直接に影響を与えるというふうには考えていない、こういうことでございます。
#22
○原田(昇)委員 大丈夫であるということですね。
#23
○高橋参考人 はい、そういうことでございます。
 それから、漏えいの大きさの判断でございますけれども、非常に大きな漏えいの場合には我々大漏えいと呼んでおりますけれども、まず最初に小、中、大と三つの分類がある、こういうふうに申し上げております。大規模漏えいと申しますのは、ナトリウムの液位が急速に下がりまして、それによりまして原子炉が自動的に停止するもの、これが大規模漏えいでございます。しかしながら、レベルが下がっても原子炉が自動的に停止をしないということがその中間段階にあるわけでございまして、これを中規模と呼んでおります。一方、小規模の方は、レベル計の変化がない、しかしいろいろな状況からナトリウムの漏えいだということを判断する、この三つに分類されているわけでございます。
 今回のケースにつきましては、まず最初に煙が認められた、しかしレベル計の変化はなかった、しかし、火災報知機、ナトリウム漏えい検出器、これらから総合的に判断して、小規模の漏えいと判断をいたしまして、原子炉の出力降下に入ったということでございます。
 しばらく時間を置きまして、また警報が続いて鳴り出しました。それと同時に、現地に人を派遣をいたしまして見たところ、白煙が出ている。これはナトリウムに非常に顕著なものでございますので、レベル計が下がっていないけれども中規模と判断して手動停止をした、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#24
○原田(昇)委員 今回も、どうも我々合点がいかないのは、なぜ隠す必要があるのかということなのですね。例えば、我々現地視察したときに両方のビデオを見せてもらいました。つまり、県で撮ったビデオと動燃の。県の方が詳しくてよく出ているな、何だ、動燃のは余り肝心なところが出ていないな、こういうことを言ったのを覚えておりますが、そして後で聞いたら、何かもっと詳細なものを隠してしまったのだ、こういう話ですが、それはどういうことですか。
#25
○大石参考人 御説明いたします。
 私は再三現地に参りまして、現地の幹部の話を聞きました。そこで、私が考えておりますことを申し上げますと、一つには、「もんじゅ」が国の内外から非常に大きな注目を集めておるということ、それから、ナトリウムの漏えいは試験研究段階ではいろいろとやっておりますが、実機では初めての体験をしたということで、運転員には心理的にかなりの動揺があったと思っております。そういうことで、社会的な影響を懸念し、すべてを公開することをためらったということが一つありました。
 もう一点、二つ目は、情報公開の重要性の意識の不足があった。この二点があったので、すべての情報を直ちに発表することをためらったというふうに私なりの理解をいたしております。
 情報公開の重要性の意識が足りなかったという点でございますが、最初にも申し上げましたように、我々が事業を進めていく上で地域の理解と信頼を得ていくことが大前提であることを運転員は十分認識していなかった。二つ目は、研究開発を行う技術者集団でございますので、社会面での意識に欠けておるというようなところがあったかと思います。
#26
○原田(昇)委員 いろいろ議論は尽きないわけですが、要は、今回の事態は我が国原子力政策の根幹にもかかわりかねない重要な問題だと思うのですよ。事故の究明はいずれ厳正になされなければなりませんけれども、どうかひとつ、応急対策のミス、あるいは情報を隠すというようなことによって必要以上に不信感を増すということ、そして、世界でもほとんど類例のないような装置をああいう非常に高度の技術で動かしておるわけですから、周辺地域の方々は大変心配しておられると思うのですね。福井県からも切実な要求が出てきております。私どもも、これはどうしても検討させていただいて、しっかりした事故対策を今後確立していかなきゃならぬと思っておりますが、そういう意味からいっても、動燃の今回の緊急措置については大変遺憾でございますので、理事長が本当に陣頭指揮をしてしっかりとやっていただかなきゃいかぬと思います。
 そして同時に、科学技術庁に対してもいろいろ御質問したい点が多々あるのです。時間でございますので今回はやめておきますが、しっかりとこの「もんじゅ」の原因追求をやっていただいて、そしてこれからの対策を早急に確立していただきたいと要望しまして、私の質問を終わります。
#27
○野呂委員長 小野晋也君。
#28
○小野委員 今回の「もんじゅ」の事故の知らせを聞きまして、またその後の動力炉・核燃料開発事業団の対応ぶりをお聞きいたしまして、まず思い出した話がございます。
 もう随分以前でございますけれども、ある文明のことについて書かれた文章でございまして、それはどういうものであるかというと、文明というのは新しい強力な技術を獲得することによって興隆をするのだ。しかしながら、その同じ技術が逆に文明を衰亡させるのだ。これまで多くの文明をいろいろと研究してまいりました識者によりますと、多くの文明においてこのような問題点が指摘されるのだそうでございます。
 ここで、技術というのは時とともに衰退する性質のものではございません。時とともにむしろ改良が加えられていきながらだんだんと進歩するのが技術であり、その技術の蓄積の上に現代の社会というものが構築されていることは、皆さんの御承知のとおりでございます。
 しかしながら、そのような強力な力を持つはずの技術が、なぜに文明を衰亡させるのかということを真剣に考えさせていただきましたときに、その技術を取り巻く人や組織に、時とともに考え方の違いを、おごりを生み出してしまうのではないかというふうに感じてならないのであります。
 強力な技術であればあるほどその貢献は大であります。その貢献が大でありますだけに、その技術こそが正義である、その技術を扱う人間の言うことは何を言っても通るはずであるし、どのような振る舞いを行っても、その振る舞いは世間的に受容されるはずである、このような考え方が蔓延することによって、いろいろな問題を次から次へと生み出して、最後には一つの文明が衰亡のときを迎えてくるのだろう、私はこんなことを今回の事故を通して感じたわけでございます。
 私はもともと技術者でございますから、技術のすばらしさを否定する気持ちは毛頭ございません。しかしながら、その技術を受け取る人間が考え違いをしたり、思い違いをしたときには、これは大変危険なことになってしまうということを今改めて感じているところでございます。
 それだけに、今回の「もんじゅ」の事故並びにその事故後の対応については非常に多くの疑念を抱くところがございますし、またその周辺住民の皆さん方の御批判等をお伺いをさせていただきながら、この事故が極めて深刻な大きな問題であるという認識を持っておりますことをまず御披露させていただきたいと思っている次第でございます。
 巨大技術は、一たび事故を起こせば甚大な被害を周辺に及ぼしていくものでございます。したがいまして、そのような問題を避けるために、特にこの原子力の関連の開発に当たりましては、原子力基本法まで制定をし、その推進を図ると同時に、その推進に当たる原理を定めてきたところでございます。
 その第二条には民主、自主、公開、もう皆さん御存じのとおり、一般的に言われる原子力三原則でございますけれども、このようなことが定められておりまして、この原子力関係の研究開発に当たってはこれらルールを遵守しながら暴走を防いでいこうじゃないか、こういう合意を得ているところでございますが、今回の動燃の対応は、残念ながら、特にこの公開という部分において大きな疑義を与えてしまったという気がしてなりません。
 そこで、長官にお尋ねをさせていただきたいと思うわけでございます。この民主、自主、公開の三原則でございますが、今後の日本の原子力政策遂行の上で、基本方針として今後も間違いなく堅持されるおつもりかどうか、この点についての御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#29
○浦野国務大臣 先生御指摘のとおり、我が国の原子力開発利用は、原子力基本法に基づきまして、平和の目的に限って、安全の確保を旨として、自主、民主、公開の原則を基本といたしておるところでございます。
 今回の「もんじゅ」の事故は、その中で特に公開というのが大きく取り上げられておるところでございますけれども、この公開につきましては、原子力の開発利用を推進していく上で、地元の方々はもとよりでございますが、国民の皆様方の理解と協力、これが何よりも大切なものでございまして、このために国民の意見をさまざまな形でくみ上げる努力をするとともに、積極的に情報を公開していくことが重要であると認識をいたしておるところでございます。
 今後とも、安全性に係る情報を初めといたしまして、可能な限り原子力の情報公開に努める。これはまさに、今回の「もんじゅ」のこの国民を震憾させた事故、これをしっかりと踏まえる中で、改めて自主、民主、公開の原則をしっかりと堅持していく所存でございます。
#30
○小野委員 長官の答弁のとおり、この三原則を遵守しながら国民の理解を得てこそ初めてこのような事業が推進できるのだということを改めて御認識をいただいた対応をお願い申し上げたいと思います。
 ところで、今回のこの「もんじゅ」の事故でございますけれども、先ほど申しましたとおり、単なる技術的な問題というのみならず、その周辺に数々の人的、組織的な問題を国民の皆さんに感じさせる問題であったような気持ちがいたしております。そして、このような問題が、単にこの「もんじゅ」自身の問題というのみならず、この日本の国の原子力政策全体にすらも同様のような問題を持っているのではないかというような疑念を引き起こして、大きく日本のエネルギー政策や原子力政策というものにすら影響を及ぼしかねないというような事態が今散見されるわけでございますけれども、この原子力政策を今後どのように行っていくかということについて、長官はどのような対応を考えておられるのでしょうか。
#31
○浦野国務大臣 これまた先生の御指摘になられました、今回の「もんじゅ」の事故は原子力行政そのものに影響を与える可能性がある、このことを私自身大変憂慮をいたしておるところでございます。
 そうした中で、今回の事故とその後の事態の推移が地元の方々や国民の皆様方に与えたさまざまな影響、その広がりを見るにつけまして、私どもといたしましては、当面、徹底した原因究明と、先ほども申し上げました積極的な情報公開に全力を挙げる、このことは当然のことでございますけれども、私といたしましては、今後、これらの事態が原子力行政にどのような影響を与えていくか、こうした点につきましても視野に入れていかなければならぬと思っております。
 こうした視点に立ちまして、核燃料リサイクル政策の重要性、これは踏まえつつも、今後の具体的施策の展開に当たっては、国民各位の幅広い意見をちょうだいしながら、それらを原子力政策に的確に反映してまいりたいと思っています。
 以上です。
#32
○小野委員 長官御答弁のとおり、現段階におきましては、まだ今回の「もんじゅ」の事故が、どういう技術的原因によって、またどういう操作的原因によって引き起こされてきたかということが明らかでない状況でございますから、今後の原子力政策、エネルギー政策という議論に踏み込むには、まだ現状ではそれだけ十分な材料がないというような気持ちがいたしております。したがいまして、この問題につきましては、今後の技術的な問題点ないしその対応の方策等の決定等を待ちまして十分な議論を行うべき問題だとは思いますが、きょうの質疑の中ではこの点はここまでとさせていただきたいと思います。
 ところで、これからの問題ということになってくるわけでございますが、それに先立ちまして、先ほど原田委員の方からもいろいろと動燃の対応につきまして質問が出されたわけでございますけれども、私自身も、この動燃がとった事故後の対応には非常に多くの疑義を感じている部分がございます。
 例えば、事故直後に科学技術庁ないしマスコミに対して行いました状況報告が、後になってわかった事実と随分異なっている点があるのではないかという点ですとか、先ほど御指摘がありましたとおり、VTRの存在ないしその編集というような問題、そしてさらに、炉を緊急停止せずに
徐々に出力低下を行うという作業を行ったというような点、さらに、ナトリウムの抜き取り開始までに随分長い時間を要している。これが事実をきちんと把握されながらやっていたのであればそのあたりもそれとしてお認めすることはできるわけでございますが、事実がよくわからないような状況であったというような報告も一部にあるわけでありまして、このような対応が非常に私どもとしては疑問であります。
 このようなことについて、科学技術庁として、事実関係がこれから徐々に明らかになると思いますけれども、明らかになった段階で、動燃に対してはどのような御指導を行うお考えでございましょうか。
#33
○浦野国務大臣 先ほど原田委員の御質問にもお答えしたかと思いますけれども、今回のこのナトリウム漏えいにつきまして、原因究明は徹底的に進めると申し上げてまいりました。また、積極的かつ速やかな情報公開も行うよう、私は、事故発生以来これを繰り返し指示をいたしたところでございますけれども、残念ながらごうした事態に至った、これはまことに遺憾に思っております。また、一連のこうした不祥事といいますか理解に苦しむ事柄が連続して起こったということについて、私自身、それを見通せなかったという点につきましては、みずからを恥じておるところでございます。
 動燃理事長に対しましては、これまで、直ちに情報は公開しなければならぬ、事態の重要性を再認識をしてもらって、事業団の業務遂行に関しては抜本的な見直しを行うよう、強く指示してきたところでございます。
 さらに、当庁の事務当局に対しましても、原因究明に向けて、原子炉等規制法に基づき、徹底的な調査を行うとともに、事業団に対する指導監督の強化を改めて指示をしてきたところでございます。先般、立入検査による現場での事情聴取によりまして、実際に動燃事業団が行った事故後の現場調査はこれまで当庁が報告を受けてきたものとは異なることが判明したところでございまして、現在、引き続き詳細に調査を続行中であります。
 今回の動燃事業団のとった行動につきまして、全貌をつかむように努力をいたしておるところでございますが、その法的責任につきましては、これら一連の調査が終了した時点において、原子炉等規制法に照らしまして厳正に対処してまいりたいと思っております。
#34
○小野委員 次は、理事長さんにお尋ねさせていただきたいと思うのですけれども、事故後は随分「もんじゅ」の施設内で混乱があったんだ、例えばVTRの問題にしても、混乱の中で行われたことだったから存在すらわからなかったんだというような御報告もございました。
 そういうところから判断しました場合に、今回のリークが「もんじゅ」では初めての事故でありましただけに、その対応がなかなか円滑にうまくいかなかった部分もあったのかもしれません。しかしながら、今の段階までいろいろな調査が進んできて、また情報が集まってくる中におきまして判断されるといたしまして、今回のリークは、先ほどお話がございました小リーク、中リークのあたりの判断の困難な部分はあったんだということだろうと思いますけれども、今段階で御判断されるとすれば今回は炉を緊急停止すべき事態であったかどうか、このあたりの御判断をお聞かせいただきたいと思います。
#35
○大石参考人 御説明いたします。
 先生御指摘のとおり、大分、事故の調査も進展してまいりました。私も、現地を見、事故時の運転状況も調べましたところ、私は、やはりできるだけ速やかに原子炉を停止すべきであったろうというふうに考えておりまして、その方向で検討するよう指示をしておるところでございます。
#36
○小野委員 それで、緊急停止の問題のみならず、今回の対応ぶりにはいろいろな混乱が生じました。関連する機関ということを考えてみましても、動燃の現地事務所と科学技術庁、ないしその東京の方の事務所の間でも混乱があったとお伺いをしております。そしてまた、福井県や敦賀市、現地の行政機関でございますが、こちらとの間の連絡も円滑に行われていなかった、また、その間で混乱が多少あったというふうなことをいろいろとお伺いするのでありますけれども、このようなことが起こった原因について、今回は教訓としてきちんとその対応をしておかなければ、今後、皆さん方の御理解をいただけないことになってしまうということを危惧をいたしております。
 例えば運転手順書の問題。先ほどもお話がございましたけれども、この手順書が、きちんとしたルールを定めていなくてあいまいな部分を多分に残していたのではないだろうかという疑念もございます。
 それから、ナトリウム検知器や火災報知機等の事故を検知する機器のふぐあいがあったのではないか。そして、第二配管室の中には、現地でも御指摘させていただきましたけれども、テレビカメラ等の内部状況を的確に把握するための機器も備えつけられていなかったというような問題もございまして、事故を想定した準備が不十分ではなかったろうかというような気持ちを受けるところがございました。
 それからまた、人的な側面で申し上げますならば、訓練やチェックの体制、そして指揮命令系統も、これは私どもがうがって見ているのかもしれませんが、少しあいまいさを残したものを持っていたのではなかろうかという気持ちもございます。
 そしてまた、県、市への緊急連絡体制も、ルール化されたものがどうだったのだろうかという問題。
 それからさらに、事故後の広報体制、どういう情報を的確にどの段階で出していくべきかという判断も混乱があったような気持ちがいたしております。
 これらすべてを考えましたときに、どの点に問題が存在していて、今後これら問題に対してどのような対応をするかということを明示しなければ、地域の皆さん方に御理解をいただけませんし、科学技術庁ないし国民も動燃の対応に理解を示すわけにはいかないという事態だろうと思います。この点について、どうしてこういうことが起こったのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#37
○大石参考人 御説明いたします。
 やはり一つの大きな問題は、情報連絡にまずさがあったという点があろうかと思います。
 福井県に第一報を御連絡いたしましたのは四十八分後、国並びに敦賀市には約一時間後というふうに非常に遅かったわけでございます。これはやはり通報連絡体制に問題があると私は思っております。やはり建設所長までの判断を仰いでやるということではなくて、現場の責任者が判断し、通報連絡指令を出すというふうにすることによりまして大幅な通報連絡の体制を図りたい。
 やはり初期動作に問題があった、したがって、本社にも、約一時間だったと思いますが、連絡があった、初期動作に問題があったというふうに認識いたしております。
#38
○高橋参考人 今、事故後の対応につきまして幾つが御指摘がございました。
 運転手順書でございますけれども、煙の発生状況の確認の識別の方法であるとか、あるいは火災報知機のマニュアル上の位置づけであるとか、確かに先生おっしゃいますように、あいまいな点がございました。そのときの運転主任者の自主的なといいますか主観的な判断が入ってきたということは事実でございます。このあたり、そういう余地は入らないようにしたいという方向でマニュアルは修正をしてまいりたいと考えております。
 それから、ナトリウム漏えい検出器が適切であったかどうかという議論も今ございました。このあたりにつきましては、原因を追求し、その漏えい箇所との関係においてきちっと対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 それから、この二次ナトリウムの部屋に関しま
して、テレビカメラがなかったではないか、これは御指摘のとおりでございます。この二次ナトリウムの部屋につきましては、放射能がないということから人が入れるという観点から、直接的には設けていないというような実情でございますけれども、さらにそれを確認するのを確実にするために、かつまた、安全にするために今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#39
○小野委員 今の答弁でございますけれども、やはり私どもから見ますと、事故への想定が少し安易な部分があったのではなかろうかという気持ちがしてなりません。
 二次系統の配管室には人が入れるといいながら、では現実にナトリウムが漏えいしたときに人をすぐに入れられるかといえば、吸入器を持たなければ酸欠状態になっている可能性もありますし、ある程度のリークが起こっているとなれば、そこから次の災害が起こる可能性もあるわけでありますから、従業員の安全を考えれば、必ずしもその部屋の中に人が入れる状況になるかどうかわからないというのが正直なところだろうと思います。
 現実の状況を把握することなくして対応できないというのは事故の場合の対応の鉄則でございますから、厳しい事故状況をそれぞれに想定をされながら、対応がベストで行えるような状況をつくり上げるというのがこれからの大きな課題だろうと思いますから、ぜひともこの点は抜かりのない対応を進めていただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。
 引き続きまして、設計の問題の方へも入らせていただきたいと思うわけでございますが、先日、委員長から報告もございましたとおり、当委員会での視察を行いました。その中で、二次配管室のみを拝見させていただく中だけでも幾つもの設計をめぐる問題点が感じられたわけでございます。
 どういう点かと申しますと、一つは、マスコミ等でも報告がありますとおり、高温、高熱のナトリウム配管の直下に空調ダクトの配管が設置されていて、その空調ダクトにナトリウムがこぼれ落ちたら配管が破壊されてしまうというような問題もございます。
 それから、配管に温度計のプローブがつけられておりまして、そこからナトリウムが漏れたのではなかろうかということが今指摘されているわけでございますが、この温度計プローブも、横方向の少し下側から差し込んでいるというような状況でございますが、非常に溶接が壊れやすい。壊れると言うと語弊がございますけれども、検査等の状況からいいましても、そこからリークする可能性が高いというようなプローブでありますならば、せめてやはり上側からつけるべきではなかったろうか。大した圧力差でないかもしれませんけれども、小さなことですがそんなことも感じました。
 それから、溶接のチェックの問題でございますが、先ほど申しましたとおり、温度計プローブのような小さなああいう形態のものについては、溶接の中にクラックがあるとかバブルがあるとか、こういうものについては非常にチェックしにくいのだ。恐らくそうでしょう。そういうような状況であるにもかかわらず、なぜそういうような溶接を設計段階で認めたのか。このあたりも私から見ますと疑問点でございます。
 それからさらに、二次系配管室を全体見せていただきましたけれども、この配管室の様子を見ますと、常時メンテナンスが必要な施設ではないと私は感じました。配管が大体縦横に通っているというだけのお部屋でございますから、構造的な問題をめぐって時折検査すればいい程度の部屋だろうと思うわけでございますけれども、なぜこの部屋を窒素封入にしてナトリウムが万一漏れたとしてもそれが次の火災事故につながらないような設計になされなかったのか、この点も疑義がございました。
 さらに、中に人がいるときに事故が起こった場合を想定しましたら、緊急避難をしようとすると、配管が極めて低いところを通っているということでございまして、緊急避難がなかなかなし得ない。また逆に、消火に駆けつけようと思っても、消火器を持ってあの中を走ろうとすると、その配管が邪魔になってなかなか緊急対応がしにくい。
 一時間もない短い時間の間に視察したことですから十分に細かな検査を、チェックをしたわけではございませんが、さっと見ただけでもこの程度の問題点が私ども原子力の素人から見ても感じられるような設計になっているという点について、この設計自身に問題点があるということではないのか。率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#40
○大石参考人 御説明申し上げます。
 最初に、温度計の取りつけ方がよくないのではないかということでございますが、温度計が横向きになっております理由でございますけれども、配管からナトリウムを抜くときに温度計の取りつけ部のくぼみにナトリウムが残らないようにということ、それから二点目ですが、配管にナトリウムを入れるときに温度計取りつけ部のくぼみにガスがたまることがないようにということで横向きに設置をいたしております。今の先生の御指摘もごもっともでございますので、この点、さらに検討させていただきたいと思っております。
 それから、空調ダクトの件でございますが、これは私も現地を見まして、適切な配置ではない、改めたいと思っております。
 それから、メンテナンスがやりにくいという御指摘だったと思いますが、これにつきましても、機器の配置はさらなる改善を、実用化に向けていく場合には十分な配慮が必要だと思います。
 それからもう一点、窒素雰囲気の問題があったと思いますけれども、二次系は、ナトリウムの中には放射能が含まれておりませんので、ナトリウムを放出しても環境に与える影響がないという考え方のもとに、窒素雰囲気にはいたしておりません。そういった考え方の設計をやっております。
 それから、テレビカメラの件もたしかあったと思いますが、通常状態は当然のことながら空気でございますから、運転員がパトロールできますけれども、今回のような事故を考えますと、やはり事故状況がどうかということの把握のために監視テレビの設置が必要だろうというふうに私は感じております。今後検討させていただきはす。
#41
○小野委員 「もんじゅ」の設計等の問題につきましては、また今後いろいろと検討を進めるべき課題でございましょうから、きょうはこれ以上追及は避けたいと思います。
 最後になってまいりますけれども、原子力開発に対して私が率直に感じましたのは、安全だ安全だという安全神話をつくり上げて、安全なんだからもう国民に対して十分な説明は不必要なんだというような意味の姿勢が動燃さんにあったような気持ちがしてならないところがございます。全国の原子力発電所等で小さな事故がいつもあるわけでありますけれども、このようなことが起こるたびに、安全という言葉をその場面場面に応じて適当な解釈を行って言いわけをする部分があったのではないか、だから事故への想定ということも随分甘くなってきている部分があったのではないかという気持ちがしてならないところがございます。
 安全というのもいろいろな解釈が実はあるわけでございまして、一切トラブルが起こらないということが安全であるという解釈もあれば、事故が万一起こったとしても、それが他のシステムでカバーされるということを通して問題が起こらないということ。そして、事故が起こったとしても、人的な被害を引き起こさなければ、それは安全なんだというような解釈もございます。
 このあたりについて、一度きちんとした定義を行い直して、きちんとした説明をこれからやっていく必要性があるような気持ちがいたしております。
 大きな技術、特に原子力開発というのは巨大技術の典型的な一つであろうと思っております。このような技術は、大きなお金も必要でございます
し、また安全を維持するという上にも、国民的また地域的な大きな理解に支えられなければ絶対に推進のできない事業でございます。
 そういう点を考えましたときに、これまでの質問とも重複するところがございますけれども、改めて長官から、国民の信頼を回復するということについての御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#42
○浦野国務大臣 安全についての御指摘もございました。この点につきまして、私どもは、常に事故というものは起こり得る、こうした前提の中で、いかにそれに対処するか、いかに安全を確保していくかということに全力を傾けていかなければならぬと思っております。
 そうした安全につきましての一つの考え方というもの、今日までどちらかというと、先ほどお話しになられました完璧であるという、ここに力点が置かれ過ぎたという嫌いがなしとしません。この点につきまして、国民の方々に改めて理解を得るような努力もしていかなければならぬと思っております。
 ともあれ、重ねて申し上げますけれども、私どもは、安全の確保、このことに腐心をしていく、そして国民の方々に情報公開をしっかりとしていく、そのことが今回の事故につきましての信頼の回復につながる第一のものだと現在考えておるところでございます。
#43
○小野委員 長官のただいまの決意のもとに、今回の事故が引き起こした国民の不信感、不安感、そしてまた不満というものもあろうと思いますが、これを払拭できますように、適切なまた迅速な対応をこれから進めていただきますように御期待をさせていただいて、質問を終えさせていただきたいと思います。
#44
○野呂委員長 笹木竜三君。
#45
○笹木委員 新進党の笹木竜三です。質問を始めさせていただきます。
 まだ、事故の原因そのものについては調査も始まっていませんので、事故発生後の対応のまずさ、そういった点について焦点を当てて質問をしたいと思います。
 最初に長官にコメントをいただきたいわけですけれども、科技庁の方が、事故が発生した後で、今回の事故は七段階の中でゼロプラスのレベルの事故だということですとか、あるいは想定内の小規模な事象だと、今回の事故について発言をされています。役所の方にもその後でお聞きしたいと思っていますけれども、この認識について、長官御自身は今どういう御認識で今回の事故を見ておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#46
○浦野国務大臣 ただいまの先生の御指摘につきまして、これは後ほど安全局長の方からも補足して答弁をさせていただくことになろうかと思いますけれども、科学技術庁におきましては、当庁の原子力安全技術顧問を中心としたタスクフォースを事故発生の二日後に設置をいたしまして、専門家の知恵を結集し、原因究明の検討を鋭意進めているところでございます。
 二十日からは、原子炉等規制法に基づく立入検査による現場での事情聴取といった法的強制力を有する調査を通じまして、一つ一つ事実を着実に把握し、徹底的な原因究明に当たっております。
 こうした一連の原因究明の過程で、テトリウムの漏えい量等も含めまして総合的に検討していくこととしておりまして、検討を進めておる現段階におきましては、まだはっきりした判断というものは差し控えるべきだと考えております。
#47
○笹木委員 今長官からは、まだそういった検討等を終わっていないというお答えがありました。
 科技庁の方に同様の質問をしたいわけですけれども、今回の事故はゼロプラスレベルの事故だ、想定内の小規模な事象だと。これは科技庁の方が発言をされているわけですけれども、検討はまだ続いているとして、最初の御認識に変更はないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#48
○宮林説明員 御説明させていただきます。
 事故のスケールに関します、いわゆる事故の評価尺度でございますが、これは国際的な評価尺度に基づいて考えられるものでございます。しかしながら、事故の態様が十分掌握できないところで、評価をゼロプラスとかそういうことを言うのは妥当ではないというふうに思っておりまして、私どもとしましては、それはすべての事故の態様がわかったところで初めて評価するものだ、こういう認識でおります。
#49
○笹木委員 そうしますと、最初の段階でゼロプラスだという判断をされたこと、あるいは発言の中に想定内の小規模な事象だという発言が何度かありましたけれども、これは間違いであった、そういうことですね。
#50
○宮林説明員 そこのところは、科技庁であるいは一部の職員がそういうことを言ったという事実があったかもしれませんけれども、私どもとしましては、現段階では、これは事故の態様をつかんだ上で評価すべきものであって、うかつにそういうことを断定的に申すというのは適当ではない、こういうふうに思っております。
#51
○笹木委員 次に、ナトリウム漏れのことについてお伺いをしたいわけです。最初に動燃の高橋様にお伺いしたいわけですけれども、先ほど、最初は小レベルだと思った、その後さらに確認して炉を緊急停止することにしたというお話がありました。
 これはナトリウム漏れのレベルの大、中、小ということにかかわることだと思うわけですけれども、自動的にもうシステムがとまるのが大レベル。これが、量的にはナトリウムの量が百五十トンですか、そのくらいの量に達したときに大レベルになる、自動的にシステムがとまる。
 中と小の境目については、中レベルというのはナトリウムの液面の変化を示す針、中央制御室の針が動くかどうか、あるいは白煙が現場で認められるかどうかというお話が先ほどから何度もありますけれども、じゃ中と小の、例えば中に達した場合、先ほどのナトリウム漏れの量ですね。大レベルの場合に百五十トン、中レベルで大体何トンぐらい、あるいはどのぐらいの量を想定されているのか、お答えいただきたいと思います。
#52
○高橋参考人 先生今お話しございましたように、ナトリウム漏えいにつきましては、大、中、小三種類ございます。中と小の境目でございますけれども、施設の運用上といたしましては、ナトリウムのレベルが変化をする、これはナトリウムがどこかへ漏れていったということでございますが、そのときには直ちに停止をする。これが基本になっております。それ以下におきましては、レベルの変化がなくても他の状況を、情報を集めた上で総合的に判断をする、こういう状況になっているわけでございます。そのときに火災報知機、ナトリウム漏えい検出器あるいは現場での煙の状況その他が入ってまいる。これを総合的に判断をするということがマニュアルに記載されておるわけでございます。
 先ほどから申し上げておりますように、これらの記述が具体性に欠けていた、明快性に欠けていたということは私たちも今そう考えておりまして、これについては今後修正をし、直していきたい、こういうふうに考えております。
#53
○笹木委員 今のお答えは何度も聞いているわけですから、お答えいただきたいのは、液面の変化をあらわす針が動く、この動く段階でどのくらいの量に達しているのか、その数値をお聞きしたいわけです。
#54
○高橋参考人 ナトリウムタンク、これは百五十トン入るタンクでございます。それに液面計がついております。この液面計の指示でございますけれども、この液面計の指示そのものに誤差がございます。その誤差、これとそのレベルの動きとの関係で決まってくるわけでございますけれども、今その関係をきちっと調べるべく当たっているところでございますが、液面に移動が出てくる、これは数トンのオーダーだろうというふうに考えております。
#55
○笹木委員 さらに確認しますけれども、数トンというくらいの大まかさでしか現在のところはわからないということですね。
#56
○高橋参考人 今この場で確定した数字を申し上げるという段階ではちょっとないという、そういう意味でございます。
#57
○笹木委員 現時点では、今回のナトリウム漏れは小レベルだったのか中レベルだったのか。もちろん手動停止をしたわけですけれども、総合的な判断があるとして、今振り返ってみて、これは中レベルであった、そういうふうに結論をされているわけですね。高橋様にお聞きしたいと思いますけれども、理事長でも結構です。
#58
○大石参考人 御説明申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、現在のマニュアルあるいは運転員の教育訓練の中では、今回の運転状況のもとでは小リーク、小漏えいということで運転員は処置をいたしました。ところが、白煙が増加いたしましたので、中漏えいということに切りかえて手動で停止をいたしました。
 私は、最初申し上げましたように、やはり原子炉は速やかに停止すべし、ナトリウムはできるだけ早く抜き取るべしということでございますので、この小漏えい、中漏えいについては、もっと今回の運転実績を分析評価した上で明確にし、運転員が戸惑わないように、的確な運転操作ができるように改めたいと考えております。
#59
○笹木委員 要するに、今マニュアルが非常に不備で結局判断が適当じゃなかったというふうに聞こえるわけですけれども、最初二十時の時点で原子炉の出力降下を開始して、結果的に手動の停止をしたのが二十一時二十分、一時間二十分のずれがあるわけです。この一時間二十分のずれは非常に大きいと思うわけですけれども、これだけのずれが生まれてしまったのは現在のマニュアルが非常に不備であった、そういうことですね。
#60
○大石参考人 御説明いたします。
 これまでの研究開発成果を踏まえて我々は最もこれが最適だというマニュアルを作成して、これを基本に運転員は今回の事故対応をやったわけでございます。実際に、今回実機でのこのようなナトリウム漏えい事故の経験は初めてでございます。運転員は、運転状況を見ながらマニュアルを基本に最適な運転操作をすべく努力したと思います。
 しかしながら、必ずしも最適な運転操作であったかどうか、これはこれから専門家の御意見、御指導もいただきながら、我々分析評価してまいります。そして、今回のような事態が起きたときの最適な運転操作はどうあるべきかという答えを出さなければなりません。したがって、マニュアルの見直しも出てこようかと思っております。マニュアルを最適なものにし、それに基づく教育訓練、最適な運転操作ができるようにこれから改めていかなければならないと思っております。
 こういう積み重ねでもって高速炉技術の向上を図り、実用化まではまだまだ道のりは長いのですけれども、一つ一つこういうことを改善してまいりたいと考えております。
    〔委員長退席、上田(晃)委員長代理着席〕
#61
○笹木委員 動燃の方から県に最初に連絡があった段階で、煙のために現場への入室が不可だ、そういう連絡があったと聞いております。それで、白煙の量が非常に多くなったから判断を変えて手動で停止したというお話なんですが、非常にあいまいに聞こえます。それで、最初から煙が出ていた、例えば自治体の方からは、福井県の方からは最初の段階から手動でとめるべきだった、例えば原子炉設置許可申請書の添付書類、それらに従っても火災検知器が鳴ったら緊急停止に進む、そういうふうに解釈すべきじゃないか、福井県からはそういう意見も出ております。
 マニュアルが非常にいいかげんだ、そういう実感を持ちましたけれども、今までの取り決めとかマニュアルとか総合的に判断した中でも今回は最初に手動停止すべきだったのじゃないか、そういう意見についてはどのように今お考えになっておられますか。
#62
○高橋参考人 最初に現場で確認したことでございますけれども、運転員が煙の発生を認めたということになるわけでございます。
 二次系のナトリウムの部屋で煙が発生する要素として三つございます。一つは、ナトリウムの漏えいでございます。もう一つは、配管の耐震、地震に対する振動防止上のオイルダンパーがございまして、このオイルがあるという点。それからもう一つは、ケーブルの被覆線、これが可燃物、燃え得るものでございます。
 この中で、ナトリウムの燃焼による煙が明らかに違うのは、これがはっきり白であるということを私たちは認識しているわけでございます。したがいまして、白煙の発生イコールナトリウムの漏えいである、これがマニュアルに明記されているわけでございまして、白煙の発生を認めれば直ちにとめる、こういう記述になっているわけでございます。
 では、最初の煙の発生、これが十分に判断し得なかったということがございます。そして、その場合に、安全対策としてまず出力を落とそうではないか、原因はほかにあるかもしれないけれども、ナトリウムの漏えいの可能性が高い、そうすればそのための措置として出力をまず落としていこうではないか、こういう判断で操作が行われた。これがマニュアルに沿って行われた行為でございます。
#63
○笹木委員 じゃ、もう一回お聞きしますけれども、この白煙ということを確認して、ナトリウムによる煙だということを確認して、最終的に手動停止するまでの一時間二十分、この一時間二十分はかかって仕方がなかった時間だと思われているのか、そのことをお聞きしたいと思います。
#64
○高橋参考人 基本的には現場の煙の状況、これが大きな判断根拠になっておりますので、基本的にはその監視を続けるということが必要であったかという考え方を持っております。ただし、その煙に近いところで常時人がいて安全であるかどうかという議論も一つあったかもしれませんけれども、それは別にしまして、基本的には煙の監視をして、それがナトリウムの漏えいの白煙であるということをきちっと確認をする、時間的に間を置かずに、できるだけ迅速に。この部分がマニュアル上十分に記載されていなかった、また、その措置が十分とられなかったことも考えられる、こういうことでございます。
    〔上田(晃)委員長代理退席、委員長着席〕
#65
○笹木委員 同様な質問を科技庁にもお聞きしたいわけですけれども、この一時間二十分のおくれについては、マニュアルの不備があったということは当然あると思いますけれども、現行の取り決めの中でも最初の段階でとめるべきだったとは思わないかどうか、そのことについてお聞きをしたいと思います。
#66
○宮林説明員 お答えさせていただきます。
 ただいま私どもは、立入検査をして詳細にその状況を把握しようと努めているところでございます。したがいまして、これにつきまして、今の段階で確定的な私どもの意見を申し上げるというのは差し控えさせていただかざるを得ないと思います。特に本件につきましては、先ほど大臣が申し上げましたとおり、タスクフォースにおいて十分御検討いただく、こういうふうなことをしているというところでございます。
#67
○笹木委員 次に、設計のことについて質問をしたいと思いますけれども、先ほどもお話がありました遠隔監視システム、テレビモニターがなかったという問題。今の質問にかかわるわけですけれども、白煙がどの程度になっているかどうか、実際に白煙であるかどうか、そういったことを総合的に判断して小か中かの判断をするのだということですけれども、それを一々現場に行って見る、これが不合理だとは最初に思わなかったのか。もしそういうことを考えられなかったとしたら、今回程度のナトリウムの漏れということをそもそも想定されていなかったのではないのかと思うわけですけれども、理事長にお答えいただきたいと思います。
#68
○大石参考人 ナトリウムの漏えい事故の想定でございますが、百五十立米のナトリウムの漏えいの場合に安全が確保されるかどうかという検討を
いたしまして、これで安全審査を受けております。今回はこれに比べると極めて小さな、数値的には小さなものでございますので、想定内のものでございます。
 ナトリウムの燃焼に対しましては、基本的には窒息消火、いわゆる空気中の酸素とナトリウムが反応して燃焼するわけでございますから、窒息消火ということを基本にいたしております。したがいまして、漏えいのありました配管室の中には人間は入っていかない。窒息消火をさせるということでございますから人間は入っていかないということでございますけれども、やはり今回の事故後の状況あるいは運転記録等を見まして、先ほども申し上げましたが、監視テレビが必要であろうと私は考えておりまして、その方向で検討をさせております。
 さらに加えて、原子炉も速やかに停止すべきであろう、ナトリウムもできるだけ速やかに抜き取るべきであろう、そういう方向で今検討しているところでございます。
#69
○笹木委員 質問に答えてほしいわけですけれども、小か中かの判断をするのに、先ほどから総合的な判断が必要だ、煙の量についても判断が必要だ。そうであれば当然、こういったテレビのモニターでそれを監視できるようにしておく、そういった配慮は当然普通なら考えるんじゃないかと、優秀な皆さんがそろっておられるわけですから思うわけですけれども、そういったことさえも抜け落ちていたというのが、そういったと中のナトリウム漏れについて非常に配慮がなかったというか、想定が極端に甘かったのじゃないか、そのことをお聞きしているわけです。そんなことはなかった、たまたまテレビモニターだけ忘れていたんだ、そういうことですか。
#70
○大石参考人 お答え申し上げます。
 先生の今御指摘の点、ごもっともでございまして、私ども、小漏えいと中漏えい、これの区分が明確でなかった、運転操作も適切でなかったということは深く反省しておりまして、これは今後の検討の中で改めなければならぬと思っております。
#71
○笹木委員 それとあわせて、原子炉を手動で停止するまでに時間が非常にかかったこと、これは、炉をとめる判断について当直長に任せるべきじゃないか、いろいろなところから再三声が出ているわけですけれども、その点については今後の改善点としてどう思われているか、お聞きしたいと思います。
#72
○大石参考人 お答えいたします。
 緊急事態は当直長が即判断をいたします。これまでもそうでございます。今回の場合は、緊急事態とは運転員は必ずしも思っておりませんでした。というのは、小漏えいだということで通常の運転停止でよろしい、こう考えておりました。したがいまして、当直長がその上の運転課長に指示を仰いだ、それで警報が出て、現場を確認してしばらくして、時間はちょっと今手元にあれがありませんが、早速に原子炉の出力降下を通常の手順で行いました。
 緊急時は当然、当直長の判断で操作をいたします。そのようにしております。
#73
○笹木委員 科技庁にお聞きしたいわけですけれども、先ほど、前の質問者の話にもあったダクトの位置の問題、今言った遠隔監視システムの問題、さらに福井県の方からいろいろ出ています、前兆現象を感知できないような不備があった。ナトリウム漏えい検出器の警報は中央制御室で発信する、しかしその指示記録は別室にあった。これが非常に問題じゃないかという問題。あるいは、火災報知機、最初の音声しか発報しない。その後、二十分間無監視状態になったのじゃないか。そういったいろいろな問題が指摘されておりますけれども、科技庁として、この設計段階まで含めて総点検すべきだと今思っておられるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#74
○宮林説明員 お答えさせていただきます。
 県の方のいろいろな御指摘、それから先生方のいろいろな御指摘、これは十分私ども、今後検討すべきものというふうに考えており、また傾聴すべきところもたくさんある、こういうふうに思っております。
 私どもとしましては、現在立入検査をして、具体的な状況をすべて把握をするというふうなことに努めておりまして、そのデータは、タスクフォースにおいて御議論をいただき、必要な解析をし、必要ならば対策も考えるというふうなことにしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
 なお、県の方からは、あす開催予定のタスクフォース全体会合におきまして、藤原原子力安全対策課長、それから敦賀市原子力安全対策課の松永係長にお見えいただき、これにつきまして御説明をいただくというふうなことを、失礼いたしました、本日でございました。訂正させていただきます。御説明いただき、このタスクフォースにも、十分その解析結果をお話をいただくというふうにしていることを申し添えます。
#75
○笹木委員 ぜひ設計段階も含めて総点検をお願いしたいと思います。
 それと、最後に一点だけお聞きしたいわけですけれども、例えば、科技庁のこの事故発生直後の認識が非常に甘かったのじゃないか、そういった指摘もたくさん出ております。
 例えば、運転管理専門官、事故発生のときに、「もんじゅ」と「ふげん」それぞれ二人ずつ、四人いたのが、一人は発生直後に帰京、一人は待機の状態になった。ここら辺は、非常に事故を軽く見ていたのじゃないかといろいろな指摘がございます。
 そういうこともありますけれども、今一番必要なのは、先ほど言ったように、事故発生直後にゼロプラスだと言ったり、想定内の小規模な事象だと言ったり、事故を小さく小さく見せようとしている。そういったことを根本的に変えて、この「もんじゅ」そのものの実証、実用のスピード等がおくれることを覚悟してでも今回の事故について基本的な総点検をしていただきたい、そう思っています。それについて、最後に長官のコメントをいただきたいと思います。
#76
○浦野国務大臣 御指摘の点多々ございまして、それにつきまして、私どもといたしましても、反省すべきところはしっかりと反省し、今後の対応をしっかりと図ってまいりたいと思っております。
 そうした観点から、今回の事故を私どもは非常に重く受けとめておるところでございまして、徹底した原因究明とともに、積極的かつ速やかな情報公開、こうしたことを進める中にあって、国民各位の信頼を図ってまいる所存でございますが、今回の事態というものが原子力政策そのものにどうした影響を与えるか、こうした観点も視野に入れていかなければならぬと思っております。
 この視点から、核燃料リサイクル政策の重要性、それは踏まえていきながら、今後の具体的な施策の展開に当たっては、国民各位の幅広い意見をちょうだいしながら、これを原子力政策全体に的確に反映してまいりたいと思っておるところでございます。
#77
○笹木委員 きょうは、事故発生後の対応について質問させていただきました。次回の委員会では、ぜひもっと突っ込んだ議論をしたいと思っております。
 どうもありがとうございます。
#78
○野呂委員長 上田晃弘君。
#79
○上田(晃)委員 新進党の上田晃弘でございます。ただいまの笹木委員の質問に関連いたしまして、引き続き何点がお尋ねさせていただきます。
 まず私の方からは、技術的な問題というよりは、体質、姿勢の問題に論点を集約させていただきまして、お尋ねをいたしたいと思っているところでございます。
 まず、大臣に冒頭お聞きしたいわけでございますが、今回のこの「もんじゅ」の事故、重く受けとめておる、今後とも調査の上、情報公開をする、こういうような御答弁を何回もいただいているわけでございます。この「もんじゅ」のプロ
ジェクトは、実験炉であります常陽から加算いたしますと優に一兆円を超えている、まさに国費を一兆円投入しているプロジェクトなわけでございますので、今まさに話題になっております住専の補てん、公金を六千八百五十億円投入するというこの問題にまさるとも劣らない大きな国民的関心事であろう、こういうふうに私は思っております。
 一兆円かけたから、早いうちに調査結果をまとめて、壊れた箇所のみ直してすぐさま再開、これはもう地元の方が断固納得されない。さりとて、調査の結果によってこのプロジェクトが根本的にとんざということになれば、これはこれで国民にどう説明するのか。まさにこれは、「前門の虎、後門の狼」というような問題だと私は今認識しているわけでございます。
 まず大臣といたしまして、本日ただいま現在、この一億二千万の国民の皆様、納税者の皆様に対して、どういう思いを率直に申し述べたいか、この辺のところをわかりやすい言葉でお話をいただきたいというのが一つ。
 それから続けてお願いしますが、この調査、そして再開までの考え方ですが、この「もんじゅ」の計画、何年までにはどうしてという、いろいろ長期計画があります。ともすると、いわゆる行政及びその政策推進サイドといたしましては、何が何でも年次計画を達成するのだ、こういうものがひとり歩きしやすい部分もあるわけでございます。このたびは、明確に原因が究明され、地元の皆さんが本当に安心をしたというところまではこれは再開すべきではないであろう、こんなふうに思うわけですが、この二点について、率直な御意見をまずお伺いいたしたいと思います。
#80
○浦野国務大臣 今回の高速増殖炉研究開発に際しまして、長い年月と多額な費用をかけてきたわけであります。これだけ大事にしてきたこの「もんじゅ」が、これまで御審議をいただいておりますように、こうした大きな事故を起こしてしまった。それが国民の、またとりわけ地元の皆様方の強い不信、怒りを生み出すような事態になってしまった。
 このことを私ども極めて重く受けとめておりまして、ゆえにしっかりとした、徹底的な原因究明、そして動燃事業団の業務遂行上の体質改善、こうしたものを図ってまいらなければならぬと思い、それが私ども科技庁の責任であると思っておるところでございます。
 私の認識といたしまして、確かに長い年月、そして多くの費用をかけてきたわけですけれども、恵まれた資源を持ち得ないこの国にあって、先般科学技術基本法というものも成立を見たわけでございます。我が国が科学技術をもって成り立っていくとすれば、やはりこの研究というものは、常に私は進めていかなければならぬことだと思っております。
 しかしながら、この「もんじゅ」の問題につきまして、エネルギーの長期計画、こうした点についてはどうかというお尋ねでございますが、先ほど来申し上げておりますところ、この「もんじゅ」の事故そのものは、現在の段階において、国民の方々の理解なくして再開というものは成り得ないだろう、こうした認識は持っておるところでございます。
 しかしながら、私は、将来のエネルギーというものは大事である、その中で核燃料リサイクル、この重要性というものは私なりに踏まえながら取り組んでまいりたいと思っておりますが、重ねて申し上げますが、やはり国民の方々の理解なくしてはやっていけないという認識はしかと持っておるつもりでございます。
#81
○上田(晃)委員 済みません、大臣にもう一点のみ、お尋ねさせていただきます。
 今の御答弁の中にもありましたが、動燃の体質改善という言葉が出てまいりました。先ほど理事長の方からも意識改革、体質改善というお言葉はたびたび出ておるのでございますが、大臣の率直な所感といたしまして、どの部分の体質改善が一番ポイントなんだ、こう思われますか。その点をお聞かせいただきたいと思います。
#82
○浦野国務大臣 動燃はこれまで動燃なりにしっかりとした研究開発というものを続けてきたと思います。しかし、その中で、ややもすると技術に頼り過ぎた慢心あるいは過信というものがあったと私は思います。そうした姿勢、考え方というものが、今回の事故に対しましても十分な対応をとり得なかったということにつながったと思っております。
 ゆえに、まさに私は、安全というものに対する認識の欠落というものを動燃がいま一度しっかりと肝に銘じる、それが意識の改革だろうと私は思っております。
 また、あわせて、とりわけ地元の方々に対する信頼を得るための努力といいますか、これはうそを言って信頼をから得るのではなくて、常に情報公開をわかりやすく説明をしながら、地域に立地しておる動燃でございますから地域の方々のやはり深い理解というものを得る、そうした努力がこれまたこれまでやや欠けておった、そういう認識を私は持っております。こうした点について、しっかりと監督官庁として指導していきたいと思っておるところでございます。
#83
○上田(晃)委員 それでは、続きまして参考人の皆さんにお尋ねいたします。
 やはり体質、姿勢の問題でございますが、今回多くの方がもう指摘されておるとおりでございますが、ビデオ隠し、また立ち入り時間の虚偽報告、これは唖然とするばかりの問題が多くあるわけでございますが、このビデオ隠し等の問題についても、公開すると誤解を与えるという発言がございました。ともすると、技術者の皆様の思いとして、あたら公開すると誤解を招く、こういう言葉というのはたびたびよく登場する言葉なんですが、原子力基本法の第二条、最も根幹をなしている部分、自主、民主、平和、安全、公開。この第二条にあるところの公開というものを動燃の皆様はどう解釈をされておりますか。ここで言う公開というのは、公開すると誤解を招くものは公開しないという意味での公開なのか、すべて公開なのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思いますが、どのような姿勢で解釈されていますか。
#84
○大石参考人 先ほども申し上げましたが、私は、事業を進めていく上で、地域の皆様方の御理解、御信頼がないことには事業は進められないという基本認識でございますが、これにはやはり、情報を的確に提供する、事業の透明性を確保しながら進めていくということが必要不可欠でございます。
 したがいまして、ビデオの件につきましても事実関係を率直に、速やかにお伝えすべきでありまして、どうしてそうならなかったかという点でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、技術屋集団であるということもございますし、それから皆様方にお知らせして御理解をいただくことが重要だという意識が薄い、そういうことを先ほど申し上げましたが、この辺を中心にまずは意識改革から始めなければならぬ、意識の改革と同時に管理の仕組みを抜本的に見直さなければならぬということによって体質の改善を図っていくべきであろう、そうしたい、私はこういうふうに覚悟をしておるところでございます。
#85
○上田(晃)委員 重ねての質問でございますが、今、的確な公開という御発言がございました。申しわけない、言葉じりをとらえるようで恐縮なんですが、的確な公開という御発言の中にやはりまだ私は、的確というのはどなたが的確と判断するのか。やはり当事者でしょうから、誤解を生みそうなものは公開しないとか、メーカーの特許権の侵害に当たりそうなものは公開しないとか、いろいろなさじかげんで公開するというような姿勢が何となくまだ、理事長、恐縮ですが、お言葉の中に感ずるのです。
 やはり、原則的にすべて公開する、こういうふうに明確に言い切れませんか。
#86
○大石参考人 私は、先ほど申し上げましたよう
な考え方から、すべての情報を速やかに提供していくということを大原則にしてやってまいりたいと思います。
 ただ、少しひっかかる点がございます。それは、国際約束等の問題がございます。それから、商業機密等がございます。これらにつきましてもやはり情報をすべて積極的に公開するという原則の上に立って、商業機密はどこまでが本当に商業機密なのかということは厳正に審査し、本当に商業機密であるかどうか、その辺を確認した上で仕分けをしていきたい。
 核拡散問題、核物質防護等の問題もございます。これらにつきましては、すべての情報を公開するという大原則の上に立って、十分な審査、評価をして、できるだけ情報を提供するように努力してまいりたいと思っております。
#87
○上田(晃)委員 もう時間がありませんので、短時間の答弁でお願い申し上げます。
 十五日の時点で、新進党といたしまして現地の調査に行かせていただきました。まだ現場にも入れないのに何を見に行くのだというような声もございましたが、正直なところ、現場の空気を見に行ったというのが私の率直な思いです。
 その現場の空気、申しわけないのですが、さすがに大森所長は申しわけないという雰囲気を醸し出しておりましたが、お名前は特段挙げませんが、それ以外の方は、これくらいのことで議員が来たり、マスコミが泊まりがけで押しかけてきたり、うっとうしい限りだというようなアトモスフィア、雰囲気が漂っているのですよ。
 しかも、要するに、こちらもいろいろ質問していますと、先ほど来議論ある中小リークの問題で、中小リークという分け方はもうやめなさい、もう大か小かにして、小だってもう手動で即時停止、こういうのはできないのか。どうして中小なんて分けるのだというと、この中小を分ける必要は、小リークの場合、プラントをとめるというのは合理的じゃない、こういうことを平然とおっしゃるわけですね。やはりこのナトリウムを閉じ込めるという技術が最大の「もんじゅ」の根幹をなしているわけですが、どうもまだまだ現場の意識といたしましても、ちょっとぐらいの漏れで機械全体をとめたらかえって非合理ですよ、こういう御発言が出てくるという空気を、私は若干これは危惧を感じました。
 しかも、さらには、そのとき本当に一生懸命対応していただきました大森所長が、私も何日も眠っておりません、こういうふうな御発言もあって、そうですか、体を大事にしてくださいと、こちらも人間ですからそうお言葉をかけて帰ってきたわけです。そのとき所長は、私が指示命令をして、二次災害のおそれもあるから五分以内でビデオを撮って帰ってこい、私が五分以内で帰ってこいという指示をしたのです、だからあのようなまともじゃないビデオになりましたとおっしゃいましたよ、まじめな顔をされて。だから、本当に私たちは、帰ってきてこのビデオ隠しの問題を新聞で見まして、だましそうな人にだまされたのじゃなくて、絶対人をだましそうもないような人に面と向かってだまされた、これはもう本当に裏切り行為だと、地元の今まで推進されていた方もそのような趣旨で大変怒っていらっしゃいます。
 この問題、本当に体質改善をしていただかなくてはならないのですが、体質改善をするためには、今おやりになっていらっしゃる方々の体質を改善せよということなのだから、今おやりになっていらっしゃる方では体質改善できない、こういうふうにも思うのですね。どうすれば体質改善できますか。その体質改善への方途をお示しいただきたいと思います。
#88
○大石参考人 私、理事長に就任しましてから二つのことを大きく取り上げてまいりました。これは、一つは安全の確保でございます。二点目は核不拡散の問題でございます。新たに、強力に推進するために安全月間というのを独自に設けました。核不拡散についても同様でございます。
 やはり全社的な意識改革のために、今回は、地域の皆様方の立場に立って物を考えるという、外から動燃を見る目を養成するというところが足りませんので、これを中心にひとつ意識の改革を全社的に展開してまいりたいということを今痛感しておるところでございます。
#89
○上田(晃)委員 もう時間になりましたので、最後に一点、具体的な問題のみお尋ねさせていただきます。
 マニュアルを変えていく、検討する、さまざまなお話がございました。私が強く要望したい具体的なものが一個あります。これだけの重要な、危険も伴う、しかも進めていかなくてはいけないプロジェクトを国策として進めているわけですし、皆様方はそれをその最前線で預かっていらっしゃるわけですから、中央制御室、ここにせめてボイスレコーダーを設置していただきたいと思います。
 ポケベルで所長を捜したとかポケベルで課長を捜したとか、つかまった所長がそこで、宴席の場から電話を借りて通報を手分けしてしたとか、余りにも原始的、稚拙過ぎる。やはりこれだけの大きなプロジェクトを抱えているわけですから、どういう会話がやりとりされ、どういう指示系統の中でだれが何の機械をいじったのかを全部記録に残して、これをやはりきちっと、航空機事故に見るがごとく、すべての国民の皆様に公表する、またそのくらいの危機感というか緊張感を持って今後対応していただきたいと思います。
 このボイスレコーダーの設置、ぜひこれはやっていただきたい、このことを要請いたしまして、時間になりましたので質問を終わります。
#90
○野呂委員長 上田清司君。
#91
○上田(清)委員 新進党の上田清司でございます。笹木、上田晃弘両議員に関連しまして若干の質問をさせていただきます。
 時間が少ないので端的にお伺いしますが、今、県と、知事の方からと敦賀市の方から、運転再開について、場合によっては、場合によってはというよりも強く、地元の同意がなければ拒否するというような協定を結ばなければならないということを述べておられますが、動燃及び科学技術庁としてこれについてどう思われるか。私は、個人的にはそういう協定を結ぶべきだというふうに思っておりますが、いかがですか。
#92
○岡崎説明員 お答え申し上げます。
 まず、今回の事態の深刻さを十分認識をしながら徹底した原因究明と万全の再発防止対策を講ずることが現在何より先決でございます。そのような中で、今後地元との話し合いの中で、地元の協力と理解が得られなければ何事も進めていくことはできないと認識をしておるところでございます。
 御指摘のありました新たな協定の問題につきましては、もちろん動燃事業団と地元の県あるいは市との間で話し合いが行われるべき問題ではございますけれども、いずれにしましても、今後地元の方々の御理解と御協力が不可欠であるという認識は持っておるとこみでございます。
#93
○上田(清)委員 技術的な問題だったらともかく、これは政治的決定をしなければならないというふうに私は感じております。
 と申し上げますのは、既に長官自身が総理に十二月十一日に、地元の理解が得られなければ運転は再開できないという御報告をされておられますし、また、総理自身も、知事や敦賀市長が同席した地元との要請を受けて、やはりきちんと十二月二十一日に、地元の理解がなければ運転再開ができないと申し上げておられますし、野坂官房長官も、安全性を確認できるまで稼働することは困難と十二月十一日にきちっと談話で発表しております。
 そういう点からすると、これは、この地元の話し合いの中でおのずからそういうことができますということじゃなくて、きちっと科技庁なり動燃の姿勢として、基本的にそういう地元との協定ができなければ再開しませんというようなことをむしろ堂々と宣言することによって、今回のさまざまな、信頼を本当に失うような不祥事に対してのいわば信頼回復の第一歩になると思っております
ので、そういう点においてもきちっと宣言をすべきだというふうに私は思いますが、長官、いかがですか。
#94
○大石参考人 私先ほど来申し上げておりますように、我々事業を進めていく上で、「もんじゅ」をこれから運転していく上で、地元の御理解、御信頼がなかったらやっていけません。したがいまして、今回の事故につきましても、地元の御理解、そして信頼回復がなければ運転再開はできないというふうに思っております。
#95
○上田(清)委員 きちっとした答えになっていないような気がいたします。これはやはり官房長官、総理大臣、そして科技庁長官自身のある意味では政治的決定にもつながるような発言だと私は思っているのです。それについて動燃がきちっとそういうことを言わなければ、今後地元の理解なんか得られませんよ。
#96
○大石参考人 安全協定の件でございますが、これにつきましては、県の御意向をよく伺いまして、そして電力等の関係先と協議をして今後検討してまいりたいと思います。
#97
○上田(清)委員 県の意向はもうはっきりしているのです。市の意向もはっきりしているのです。そのことを私はまず申し上げたいと思います。
 それから、我々が十八日に視察をいたしました。その時点で資料を提出されました。それから、その後副知事や敦賀市の助役からも資料をいただきました。そうすると、いかに動燃の資料が簡素にして極めて薄っぺらなものであり、県の資料が非常に詳しく、物事を的確にとらえているかということもよくわかりました。
 きょう各委員席に、「もんじゅのナトリウム漏れ事故について」という資料を十二月二十七日付で動燃から出されております。これと同じことを十八日にできたはずにもかかわらずなされなかったというふうに私は思っています。まさしく科学技術委員会の委員長以下理事の皆さん、そして委員の皆さん、現地の皆さんが全部参加したその討議の中でも、皆さんは、ある意味ではうそをついて、そして極めて問題を小さくとらえようという、そういう動きをなされたことについて、十八日の時点で、このビデオ隠しも含めて、理事長はわかっていらっしゃったのでしょうか。お聞きしたいと思います。
#98
○大石参考人 私、ビデオの件については知りませんでした。二十日の日に、夕方聞きました。驚きまして、早速記者会見をやり、翌日、各地元の自治体におわびをし、建設所に乗り込みまして、所員に厳しく追及をいたしました。これからは、かかることを二度と起こさないように、情報はすべからく正直に、積極的に、速やかに出すべしということを、幹部を初め職員に訓示をしてまいりました。
#99
○上田(清)委員 当然、動燃から出された資料ですから、しかも委員会にわざわざ出された資料ですから、長官もお読みになっていると思いますが、この二の一ですね。「事故後状況調査(ビデオ等による状況把握)」、資料編になるのでしょうか、二の一、撮影の状況について、こんな表現がございます。「事業所緊急対策室のキャビネット内に保管され忘れ去られていたが、情報公開についての理事長指示があり、探し出して十二月二十二日公開した。」と。要するに、隠したという表現をここでも、保管され忘れ去られていたが、情報公開についての理事長の指示があったので、捜し出して公開した、こういう表現をされるのですよ。
 今、三人合わせれば文殊の知恵というのですけれども、三人で文殊のごまかしというのですよ。そのくらい、この「もんじゅ」について国民の不信がある中で、隠したという表現もしないで、またここで、保管され忘れ去られたという。そして、理事長の指示があったので、捜し出したと。第一、捜し出さなければ見つからないような保管の仕方をしているのかという、こういういいかげんな表現をすることに関して、堂々と委員会に出すなんというのは、長官も長官ですよ。おかしい、このぐらい指示しなければいけません、こんな表現ではだめだと。大本営発表と同じではないですか、後ろに前進というのと。このことについてどう思われますか、長官。
#100
○浦野国務大臣 今先生の御指摘の点、まさに御指摘のとおりだと受けとめさせていただきますしかとこの点につきまして、動燃に対しましても、科学技術庁担当局よりも指導をしてまいる所存でございます。
#101
○上田(清)委員 万事が、動燃のこの報告の仕方、反省しているとか隠したとか言いながらも、この「もんじゅ」の事故があった後の最初の科学技術委員会の資料の中に、こういう形で出されてぐるということに、本当にどうしようもないなというふうに思いました。我々も視察に行って、皆さん御苦労されているので、どうぞ頑張ってください、国家的プロジェクトです、だからこれは大事にしなければいけません、それだけにきっちりやってくださいということで激励してきたのです、ある意味では。そういうことを本当に裏切られるというような、そんな思いがあります。
 そして、十二月二十五日に福井県で出した中間報告、ここにそれなりの中間的な結論を出しておられます。宮林局長の先ほどの答弁も、今後検討してきちっと出しますというお話もいいですけれども、現在の時点で結論を出せる部分というのはあるのですよ。そういうものをやはりきちんと出していかないと国民は納得しないし、地元でもそういう理解を得られませんよ。地元の理解を得なければ得なければという原則論を言っておられますけれども、そういうことを私はすごく危惧します。
 それから、最後になりますけれども、時間が余りありませんが、これから原因究明をやっていきます。そういう原因究明についても、半年後にとか一年後にすべての報告書がぽんと出るのではなくて、中間レベルでそこそこ報告が出ていかなければいけませんし、それからどういう手順で、例えば何月何日、何月何日、何月何日、三段階に分けて報告していきますとか、手順を最初からアピールして、この問題については早く報告ができます、この問題はもう少し時間がかかります、この問題はこうですというような、そういうことをきっちり最初からアピールしてからやらないと、半年なり一年なりずっと眠ったままで、いきなりぼんと、それでは本当の意味での公開にもなりませんし、地元の信頼も国民の信頼もとり得ないというふうに思うのです。
 ぜひ、この手順、その期限、そういうものについてきちっと明確に出すようなことを努力したいということを今約束してほしいと思うのです。いかがですか。
#102
○大石参考人 今御指摘の点、ごもっともでございますので、そのように私どもやらせていただきます。
 それから、現在毎日二度記者会見、記者発表をやっております。これは今後とも続けてまいります。これは前日の実績と予定と、毎日二回申し上げております。このようなことを通じて、御指摘の点、私ども努力させていただきます。
#103
○浦野国務大臣 当庁、そして安全委員会でも今原因究明に精力的に取り組んでおるところでございます。今、先生の御意見に対応するということで、私どもの方もそうした原因究明に対しての公開も、節目節目で発表させていただく、開示させていただくという姿勢で検討したいと思っております。
#104
○上田(清)委員 時間が迫ってまいりましたので最後の質問にさせていただきますが、先ほども申し上げましたように、私は今回の「もんじゅ」の事故に関して一貫して、この動燃の対応と福井県の対応をずっと比較してまいりました。極めて福井県の対応は、県民のある意味では命と安全を守るという、そういう強い意思と仕掛けができておりまして、迅速な対応もなさっておられる。それに比べて、どうも動燃側に非常に分が悪いような印象をすごく持っております。
 それで、十二月二十五日に県で出されました調査状況の中間報告、基本の路線としてはこれに書
かれていることがもう何かすべてではないかな。例えば基本認識について、大変重大な事故なんですよという、決定的な、いわば原子力開発の根幹にかかわるような重大な事故だという認識、それから先ほど同僚議員が申し上げましたように、例えば、指令室と分かれた形で基本的に安全設計というかそういうものができていなかったのではないかというような御指摘、あるいは通報システムの問題、さまざま、きっちりとそれなりの結論ももう出ております。
 こういうことについて、現地の意思ということについてかなり集約されたものだったと思いますので、これを尊重する形で、ぜひ最初に申し上げました、きちっとした対応ができなければ再開しないというようなことを早目に宣言されることを再度申し上げて、なおかつ、県の中間報告についての長官と理事長の御感想を聞いて質問を終わらせますので、御感想をお願いいたします。
#105
○浦野国務大臣 たびたび御指摘をいただいております県そして動燃、その対応ぶりにつきまして私どもも承知をいたしておるところであります。地元に立地するそうした事業所においては、先ほども申し上げてまいりましたけれども、地元のまさに協力と理解というものがなければならぬところでございまして、もちろんそれぞれの立場というものがございますから、互いにそれを尊重し合う中でひとつ緊密な連携をとっていくということが肝要だろうと思います。
 私どももまた心を新たにして、そうした点につきましてしっかりと監督指導をしていかなければならぬと思っておるところでございます。
#106
○大石参考人 ただいま先生おっしゃいましたこと、ごもっともでございます。
 私どもとしては、当面、何はさておいても徹底した原因究明をする、どこがどう悪かったのか、これを皆さんにお知らせをし、あわせてその後の徹底した再発防止対策をやる。そうしたことで御理解と信頼を得られないことには、運転再開はとてもできません。そのように認識いたしております。
 それから、福井県から御指摘のございました数々の改善点、これにつきましては全面的に取り入れていくという前向きの方向で今後真剣に検討させていただきます。
#107
○上田(清)委員 どうもありがとうございました。頑張ってください。
#108
○野呂委員長 今村修君。
#109
○今村委員 社会党の今村であります。
 私も衆議院の科学技術委員会として、また党の調査団として現場にそれぞれ入らせていただきました。今回の事故は日本の原子力行政の基本にかかわる問題を含んでいる、こう認識をしているわけであります。そういう観点から、以下幾つかの点について、動燃の皆さん方に質問したいと思っています。
 動燃については、二つの大きな問題があったと思っています。一つは、なぜ緊急に原子炉を停止をしなかったのか。もう一つは、故意にこの事故を短小化をして事故を隠そうとする、こういう行動をとった。こういう点では、私は、この二つの大きな問題があったと思っています。
 第一のなぜ緊急停止をしなかったのか。これは、最初わずかな白煙らしきもの、次は煙に変わった、こういう説明、そして、白煙を確認しなかったので、こんな答弁などをなされているわけであります。
 しかし、皆さん方の報告をされた発生状況、これを見ていくときに、一つには、ナトリウム温度が高くなって警報が出た、火災報知機が作動した、ナトリウム漏れの警報が出た、同時に現場制御盤におけるナトリウム漏えいが信号を発した、現場で煙を確認をした、こういう事象が次から次へと続きながら、これは小漏えいだ、こういう判断をすること自体が我々には納得できないわけであります。この点について、まず最初にお伺いをしておきたい。
 特に、時間がたてはたつほど漏えいの量が多くなるわけでしょう。ですから、当然とめる。これだけの事象が続いたんですから、とめるというのが一般的なんじゃないですか。この状況をとらなかったという理由について、改めてお伺いしておきたいと思います。
#110
○大石参考人 先ほど来、小漏えい、中、大漏えい、それぞれ御説明申し上げました。今、今村先生、さらに専門的な御質問でございますので、担当の理事から御説明させます。
#111
○高橋参考人 最初に煙の発生を認めたときになぜスクラムをかけなかったのか、原子炉を停止しなかったのかという御指摘でございます。
 マニュアルにおきましては、いろいろな事象から総合的に判断して、そしてその規模を推定して次の行動に移る、こういう記載をしてあるわけでございます。その中で、レベルの低下あるいは明らかにテトリウム漏えいと見られる白煙ということで原子炉停止に行く、こういう基準になっているわけでございますが、初期にその煙あるいはレベルの低下がないということから、運転員がまず出力降下をしようという判断をした。しかしながら、この漏えいという事象、これをなるべく局限化するあるいは最小化するという意味合いにおいては、直ちに停止すべきであったというふうに思いますし、また、マニュアルの改定の中にはうたい込んでいきたいと思っております。
#112
○今村委員 一つだけ確認しておきますが、結果的に今になってみると、理事長が言うように緊急停止をすべきだった、しなかったのはまずかった、こう思っているということですか、その点だけはっきりさせてください。
#113
○大石参考人 現場の状況あるいは運転記録あるいは動燃の中の設計をした人、いろんな人の意見をたくさん聞きましたところ、私は、やはり速やかに停止すべきであったであろうというふうに思っております。その方向でひとつ検討するように、それで、最終的には外部の、あるいは国の方でお決めになると思いますが、動燃としてはそういう方向で検討の指示をしております。
#114
○今村委員 次に、これはビデオを隠したり、うその報告をした、こういう内容のものであります。特にビデオの問題では、既に十二日の段階で地元の新聞に、県そのものが、ビデオを隠している、こういう発言をして問題になっていますね。それから、県と地元に大変な不信がある。
 例えば、県がビデオを撮影をするに当たってこんな発言をしています。最初、動燃がビデオを発表した。県は、あのビデオは全部出ていない、ですから、もう一度撮り直しをしてくれと動燃に要請をした。動燃は答えない。結果として県は、このままですと隠されてしまう、だから我々が撮影しなきゃならぬ、こう言って十一日の三時に中に入った。県は、動燃に事故を矮小化する体質がある、だから我々が乗り込んだ、こんな発言までしているわけですね。こういう状況を見ていくと、動燃というものは、ビデオを隠す、事故を矮小化する、こういう、最初から意図的なものがあったのではないか、この点についてお伺いをしたい。
 同時に、理事長自身が記者会見で、ほかに事故隠しが絶対ないと断言する自信がない、こう発言していますね。これは事実ですか。仮にまた別な内容で、事故後いろんな経過を隠していたという問題が発生したらどう対処するんですか。この点についてお伺いしておきます。
#115
○大石参考人 このような不祥事をしてかしたことを私としてはまことに残念に思っておりますし、深刻に受けとめております。二十日の日に、公開していないビデオがあったということを聞きまして、翌日早速現地入りをしたということは先ほども申し上げました。記者会見を現地で三カ所やりました。その中で、自信がない、自信がぐらついてきたということを確かに申し上げました。私は、再三すべての情報を積極的に公開すべしということで、本社にも現地にも繰り返し言ってきたところでありますから、まさか未発表の、未公開のビデオがあるとは思っておりませんでした。それが、それだけ繰り返している中で出てきたものですから、愕然として、早速飛び出していって、記者会見の中で自信がないということを申し
上げました。
 したがいまして、また再度未発表のものがあるのかないのか、この事実関係を徹底的に洗おうということで今鋭意やっているところでございます。
 以上でございます。
#116
○今村委員 次に、科学技術庁にお伺いをしたいと思います。
 私は、今回の事故で規制監督官庁としての科学技術庁がどんな役割を果たしたのかが大きな問題だと思っています。同時に、これは原子力行政の基本にかかわる問題だと思っています。科技庁は、私どもの再三のいろいろな要請に動燃の資料を示しながら説明をしてきたわけです。結果として、科技庁の説明は我々に対してうそを言った、こういう結果になっているわけです。このことについてどう思っていますか、お伺いをしたいと思います。
#117
○浦野国務大臣 私ども、専ら動燃の資料というもの、これはそれなりに参考にはしてきたつもりでおります。しかし、それをうのみにしてきたということはなく、それなりにしっかりと我々なりの検討を加えてきたつもりでもございます。
 現在、私どもは、これまでたびたび申し上げてまいりましたけれども、ともかく積極的かつ速やかな情報公開と原因究明に取り組む、このことが我々科学技術庁の今一番しっかりとやっていかなければならぬ責任である、こういう認識を持っております。
 もとより、我々は監督官庁として動燃を指導してまいりました、監督をしてまいりました。そうした観点から、まさにこうした御指摘、御批判をいただく、国民の不安と怒りを惹起するこうした事態に至ったことにつきましては、当然のことながら私どもの立場としてまことに遺憾に思っておるところでもございます。ともかく、国民の皆様方の信頼というものを回復するためにも、今後私たちの気持ちを新たにいたしまして頑張っていきたいと思っております。
 なお、担当局長の方から御必要があれば現時点における状況について御説明をさせます。
#118
○今村委員 私は、科学技術庁そのものが今回の事故の重大性を認識していない、こういう感じがするわけであります。地元に運転管理専門官を常駐されながら、この運転管理専門官が事故の発生を知ったのは何時ですか。地元の県は、五十分後に通報を受けて、何で直ちに通報しなかったと大変な怒りを発しているのです。ところが、科学技術庁には地元の県より遅い一時間後でしょう。そのことに対して科学技術庁は一体どんな発言をしていますか。何もやっていないじゃないですか。そのことについてどう思っていますか。
#119
○宮林説明員 お答えさせていただきます。
 結果として情報の伝達がおくれたことは、私どもとしては非常に遺憾に思っております。
 それで、まず先生の結果としての議論につきましては、十分私も理解をするところでございますけれども、私どもの規制の前提、特に事故が起こりましたときの前提といたしましては、これはやはり事業者がまず対応すべきものである、それで事業者を通じて私どもに対して連絡が入る、こういうふうなシステムをとってきております。運転管理専門官は、日勤者でございますので当日は自宅に帰っており、外出をしておりました。したがいまして、当人に伝達をされたのは、私どもの方から、本庁の方から連絡するまでは知らなかったという事態になりました。
 それで、運転管理専門官は、事業者がやります行為を監視をしたりチェックをしたり、こういうふうな役割を大きく担っているということになりますと、これは事実上人数が一人でございますからなかなか無理である、私どもはそういうシステムはとっていないことは御理解いただきたいと思います。
#120
○今村委員 地元の県は、五十分後に連絡を聞いて、なぜもっと早く連絡しなかったと怒っているのですよ。一時間後に受けた科学技術庁が当たり前のような顔をしているところに、今回の事故の重大さを科学技術庁そのものがそう感じていないという姿勢があらわれているのではないですか。このことについてはもう一度言ってください。長官、お願いします。
#121
○浦野国務大臣 私は、その辺の時系列の点についてつまびらかにはなっておりませんが、記憶ですと、今先生のお尋ねは、そこに常駐しておる者からの情報がおくれているという御指摘だと思います。これは、本人が情報を聞いて現地に赴くのに残念ながらかなりの距離があったということから時間的にかかってしまった、その点については今後我々として検討を加えていかなければならぬことだと思っております。先生のお尋ねはそういうことではありませんか。
#122
○今村委員 私が聞いているのは、現地の運転管理専門官がどういう態度をとったのかも、問題はいろいろありますよ。しかし問題は、科学技術庁そのものが事故が発生してから連絡を受けたのが一時間後であった、県は五十分後に連絡を受けても、何で連絡が遅いのだという大変な怒りを発しているわけです。科学技術庁は当然かのような姿勢をとっているわけでしょう。
 事故の対策は事業者である動燃がやるべきものだ、そういうシステムになっています、こんな認識を持っているところに、今回の大変な事故に対する認識の違い、我々との相当なずれを感ずるわけです。問題ではないですか。何とも感じませんか。もう一度答えてください。長官にお伺いします。
#123
○浦野国務大臣 確かに、今先生のお話しになった事故の情報、我々のところに一時間かかったということについて、私どもといたしましても当然もっと速やかに事故の情報があるべしという気持ちは強く持って受けとめたところでございます。
#124
○今村委員 特に、事故が発生して事故の原因を調査するとすれば、その現場を直ちに押さえるというのですか、確認をするというのは最も大事な第一歩だと思っています。科学技術庁は、みずから現場を撮影したビデオや写真を持っていますか。確認をしたいと思います。
#125
○宮林説明員 はい。十一日に運転管理専門官が現地に入りまして、そのときにビデオを撮っております。
#126
○今村委員 現地で専門官が入ったのは県、市が入った後ですよ。皆さん方の報告からいえば、現地の専門官が再三中に入りたい、こう言ったけれども、動燃から拒否されて入れませんでした、こんな報告になっているのですよ。長官、こんな対応は当たり前だと思いますか。その点についてお答えいただきたいと思います。
#127
○宮林説明員 お答えさせていただきます。
 先生のお怒り、御指摘については、結果論といたしましては、私どもも非常に反省すべきところは反省する必要があると思っておりますけれども、御理解いただきたいのは、当時私どもが得ました情報では、現場は既に完全に隔離された状況にある。それで人身事故もない。それから、外部に対する影響があるという状況でもない。あるいはその事故が拡大をしていく、こういう状況でもない。それに加えまして、その内部につきましては、ナトリウム化合物のエアロゾルと言っていますが、そういう粉末というのが室内にあって中に入れる状況にない。こういうふうな状況下にありましたので、私どもは無理押しをして入るというふうなことを避ける。
 それから、その後九日、県の方が入られる前に既に事業団の方が入られた、こういう事実を踏まえまして、私どもも入りたい、こういうふうなことを何遍も申し上げましたし、その事実を踏まえて十一日の朝には入る、こういうふうな計画を立てていたところでございます。
 私どもは、ある意味では動力炉・核燃料開発事業団につきまして、十分な対応をされるという前提を踏んでいた、そこに信頼をしていたということがあったために、結果としてそういうふうな比較的緩やかな対応になっていた。こういうふうな御指摘ではなかろうかと思います。
#128
○今村委員 結果として、科学技術庁は全部現場
の専門官に任せて、職員を配置をしたのは、本庁から職員を送り込んだのは、結果として十二日になっているわけでしょう。ここに科学技術庁そのもののこの事故に対する認識、それからこれに対する対策、対応の甘さ、問題点があると思いますよ。この点はどうです。
#129
○宮林説明員 御説明させていただきます。
 私ども既に九日の午後には原子力安全委員会の委員に行っていただくというふうなことを原子力安全委員会の委員長とも御相談をし、お願いをしております。
 それから、その後につきましては、先ほど申し上げましたような判断から、私どもとしましては、むしろ中に入れる状況になったときには、これは一瀉千里にいろいろな調査をすることが必要だろうというふうなことで、そのためのタスクフォースの選定、それから今後の対応、こういったものについて、事故後、検討を進めてきていたところでございます。
#130
○今村委員 私は、現場の状況を全部動燃に任せる、こういうスタイルで科学技術庁が対応してきたことには不満です。
 なぜそうなっているのか、それは従来の科学技術庁と動燃の関係があります。副理事長は科学技術庁のかつての、いわば役職の方が動燃へ行っている。数多くの職員が科学技術庁から動燃に出向している。こういう動燃と科学技術庁の体制が結果としてそんな対応をとらせた、こう思っているわけであります。こういう状況でいえば、結果として、科学技術庁と動燃は同じレベルだ。地元ではそう見ているわけです。そこにまた、不信が出ているのですよ。
 こうした内容でいろいろな規制監督が行われるとしたら、それは規制監督にならぬと私は思いますよ。そういう点では、今回の事故を経験にしながら、規制監督官庁の役割を果たし得ないという状況から見て、改めて検査、規制、調査のための第三者の機関をつくるべきだ。そのことが日本の原子力行政にとってもいいことだ、私はこう思っています。長官、このことについてどう思いますか。
#131
○浦野国務大臣 厳しい御指摘をいただいておりますけれども、私どもは、もとより反省するところもあります。しかし、今日我々は断固たる決意を持ってその原因究明に取り組んでおるところでございます。全くこれは、動燃と科技庁が一体であるからできないという御意見も確かに聞こえてきますけれども、私どもは、そういうことではなくて、断固たる決意でこの原因究明に取り組んでおる、そこに情の絡むものではない、その気持ちでやっておるというふうに理解をいたしておりますし、私は強く職員たちにも指示をいたしておるところでございます。
 そうした中で、別組織というお話でございますけれども、私どもはこの「もんじゅ」の経験を踏まえまして、今先生からも御指摘がございましたし、またそれ以外からも御指摘のある原因究明が果たして科技庁としてできるのかという疑念に対しましては、より一層襟を正すという姿勢を持って、しっかりとした監督をやってまいる決意でございます。
#132
○今村委員 日本の国にこれだけ数多くの原発があり、なおかつ研究開発を進めているいろいろな施設がある。こういう状況を見たときに、これらの中でトラブルや事故が起きたときに規制する官庁というのはいわば科学技術庁だ、こういう取り扱いです。第一義的に現場で対応するのは事業者だ、こうなっているわけですね。こういう状況をそのままにしておく限り、私は情報の公開や第三者から、地元から見て公平だなという取り扱いは出てこないのじゃないか。改めて日本の原子力行政を進める体制というのは、第三者から見てもきっちりなるほどなと納得できる体制をつくることが、今回の事故を経験した一番大きな課題だと思っています。ぜひともそのことを強く求めておきたいと思っています。
 そういう点から考えると、事故直後、長官に直ちに現場に入っていただいたわけです。しかし、入っていただいたけれども、発言をした内容は、地元の新聞を見ると、地元でのおわびはない、「もんじゅ」の開発は今後も進めます、こういう発言をしている。安全局長は、県が調査に入ったのはけしからぬ、こういう発言をする。通産の事務次官は、あれは想定内の事故であった、こういう発言をする。タスクフォースの宮崎教授は、小さな事故で起こるのは当たり前だ、こう発言をする。地元の人たちから見ると、原因が究明されていないのに進めることだけは既成事実としてあるというこの取り扱い、これが不信を一層増大をさせる結果になったのです。
 そういう点では、別組織をつくるということが日本のこれからの原子力行政にとっても必要だと私は思います。改めてこの点だけお伺いします。
#133
○浦野国務大臣 別組織につきましては、今再々先生の御意見がございました。じっくりと検討をしてみたいと思っております。
 なおあわせて先生から、私の現地における発言に対しまして批判があるという御指摘もございました。
 私は、十一日現地に赴きまして、地元の方々とお目にかかり、率直な意見交換の中で極めて厳しい御意見も承ったところでございます。その中で、私が原子力政策というものは堅持していくということを申し上げ、それは将来の我が国のエネルギーのことを考えるとやはりこれは大事なことだという認識からそうした発言を申し上げたところでございます。
 これまで御質問の中でお答えを申し上げておるところでございますけれども、今回の事故というものを私どもも極めて重く受けとめておるところでございまして、その影響と広がりを見るにつけまして、徹底した事故の究明、積極的な情報公開をやってまいります。こうした中で、今後こうした事態というものが原子力政策にどういう影響を与えるかという点、このことについては私どもも視野に入れていきたいと思っています。
 核燃料リサイクル政策の重要性というものは今もって私は認識をいたしておるところでございますが、今後の具体的な施策の展開に当たっては、これまた申し上げてきましたように、国民各位の幅広い意見を承りながら原子力政策に的確に反映していきたいと思っておるところでございます。
#134
○今村委員 最後になりますけれども、私は今回の状況を見て、これまで国がつくってきたプルトニウム利用計画というのは当然見直すべきだと思っています。その点について、最後に御見解をお伺いして終わりたいと思います。
#135
○岡崎説明員 今回の「もんじゅ」の事故につきましては、まさにその事態の深刻さを十分認識をしながら、ただし原因究明はまだ緒についたばかりでございます。したがいまして、今後このプルトニウム利用計画について何らかの影響が出るかもしれませんけれども、その点については、この原因究明等の推移を見ながら十分検討をしてまいりたいと考えております。
#136
○今村委員 検討していくという話ですけれども、一方では進めますという話だけがどんどんいかないように十分注意をして対応していただきますことを強く要請をして終わりたいと思います。ありがとうございました。
#137
○野呂委員長 渡海紀三朗君。
#138
○渡海委員 さきがけの渡海でございます。
 けさからの議論を聞かせていただいていて、今回の出来事の重要性というものをそれぞれの委員が改めて感じているというその実感の中で、できるだけ重複を避けて、短い時間でございますので、技術的な問題は今後事故のさまざまな原因究明が進む中でまた時間もあると考えておりますので、主に事実関係の確認なり、そして体質の問題といいますか、先ほども新進党の上田議員からもそういうお話があったわけでありますけれども、その点につきまして、再度確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 一連の経緯を聞かせていただいていて、私なりに整理をさせていただきますと、やはり大きな二つの基本的な問題がある、そんなふうに思いま
す。
 一つは、これは繰り返しになるわけでありますけれども、本当はこうなるはずでなかったものがこうなっていたということを考えますと、さまざまな点でモラルの点が問われるというふうに考えます。情報提供のあり方なり、もちろん体制そのもののモラルということもあるわけであります。先ほど来お答えをいただいているかもしれませんけれども、改めて理事長にこういった点についての認識をまず最初にお述べをいただきたい、そのように考えます。
#139
○大石参考人 お答えします。
 先ほども申し上げましたが、まずは地元重視の意識改革が必要だと思います。そのためには、広報についてはかなりやっておりますけれども、公聴機能の強化が必要だと思います。地元のお話をよく聞く、地元の皆さん方の一般的な常識あるいは感情、こういったものまで含めましてよくお話を聞く公聴機能の強化が必要だと思います。そういうことを含めまして、まずは地元を重視する意識改革、先ほど来申し上げております。
 それから二つ目は、事業運営の改善でございます。管理の仕組みを抜本的に変える、そして情報も速やかに出ていくようにする管理の仕組み、この意識の改革と管理の仕組みを変えて動燃の体質を変えてまいりたい、かように思っております。
#140
○渡海委員 もう少し体質的な問題についてもお聞きしようと思っておったわけでありますけれども、今体質を変えていきたいというお話がございましたので、あえてそれ以上は申し上げません。
 先ほど来各委員から指摘をされておりますように、これは特殊法人という一つの組織上の問題も問われておるわけでございます。政治の大きなテーマとして今行政改革ということが言われているということを考えても、この体質の問題、また組織としての問題点を今回徹底的に検討をしていただいて、そしてしっかりと国民の信頼を回復すべく努力をしていただくということは、これはもう先ほど来から議論をされておることでありますが、大変重要なことでございますので、ぜひきょうのお言葉どおりのかたい決意で臨んでいただきたいということを改めて申し上げたいというふうに思っております。
 もう一点でございますが、例えば組織がそういうふうになっている、そして操作をされるそういった方々、先ほど理事長から、聞いておりますと、ためらいがあったとか認識不足があったとか、こういうお言葉もあったわけでありますが、そういう点がすべて改善されたとしても、やはり全体のシステムの中で考え直さなければいけないことがあるのではないか。
 こういった安全性を議論するときに、先ほど来議論になっておりますような運転段階でのさまざまなマニュアルの問題等もあるわけでございますが、一重、二重、三重、要はダブルチェック、トリプルチェックといったような、たとえ何かがうまく働かなくても、例えば人間の面で問題がなくても機械の面で問題があるとか、さまざまな要因をあらゆる方面から防止をする。それも単に一つの方法だけではなくて、何重にも網をかけていくという必要があると思います。
 フェールセーフという考え方がございます。私も、技術者とは言いませんが、従来建築の設計をやっておりましたので、建築の防災ということに関してもよくそういう話をするわけでございます。火事が起こる、どちらに逃げても、実は、これは非常時でございますから、通常であればちゃんと判断できるはずの人間が間違った行動を起こす。間違った行動を起こしたとしても、例えばどちらへ行っても行き先にはちゃんと避難階段があるというような設計を考えるわけなんですね。
 そういった意味でも、やはりこのマニュアルをしっかりと見直していただいて、今回の経験が一つのいい意味での今後の展望につながるように、そういうお考えをしていただきたいと思いますし、同時に、少し細かいお話をさせていただきますけれども、今高度情報化時代でございます。そして、技術的にもさまざまなテクニックというものが開発をされておるわけであります。
 現に、一例を挙げさせていただきますと、例の美浜二号機の蒸気発生器の事故がございました。当時我々も、私はあのときも実は科学技術委員会にいたわけでございますが、視察もさせていただきました。そして、あの後、関西電力が一つの教訓として、例えば一斉ファクスシステムとか、先ほどポケットベルみたいなものじゃしょうがないじゃないか、そういう御意見も、小野委員ですか、出ていたと思いますが、さまざまなそういったシステムの上での補強を、やはりこれもダブルで行っておく、そういったことも必要かと思います。
 今回の事故の経験を生かして、先ほどから問題になっております、ボイスレコーダーの設置という提案もあったわけでございますけれども、連絡通報システムの思い切った改善策をとるというふうに思っております。これは、御検討はさらにこれからいただかなければいけないことではありますけれども、今までの段階でお考えになっていること、そしてまた決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#141
○大石参考人 お答え申し上げます。
 今回の事故の場合、通報連絡の第一報は電話で行いました。したがいまして、連絡先によっては時間の差が大分出てまいりました。第二報からは一斉ファクスを使用いたしました。それは大きな反省で、最初の第一報からやはり一斉ファクスを使用すべしというふうに今反省をしておるところでございます。
 携帯電話等も使用しておりますが、今先生御指摘の、やはり最新の連絡情報システムの勉強をいたしまして、積極的な導入について検討してまいりたいと思っております。
#142
○渡海委員 ぜひ、そういったことも含めてお考えをいただきたいというふうに思います。
 体制の問題で、けさから議論が出ておりますことを、私も実はもっと聞かせていただきたいと思っておりましたが、既に各委員がそれぞれ御質問になっておりますので、この点につきましては、再度私からも、それぞれの委員の皆さんの質問にお答えをいただいたことを着実に、責任を持って今後実施をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 情報システムの問題というのが、通報システムですね、さまざまな問題になっておりますけれども、一点私からお伺いしたいのは、今地元なり現地ということで、特に福井県、敦賀市等々の話題が中心でございますが、近隣各府県、特に、従来から例えばこのことに関して補助金等のシステムもあります滋賀県なり京都なり、そういったところに対して、実は日ごろからの広報が非常に少ないという意見があるというふうに、私どもの方にそういったクレームといいますか、意見が届いておるわけでございます。
 今回の事故に関しても、もちろん足元の敦賀市なり福井県なり、今御指摘をされておりますさまざまな住民の皆さんに対する、これは私もファーストプライオリティーだと思います。思いますが、やはりそれのみならず、近隣の周辺の皆さんにも大変な心配があるわけでありますから、そういった点について今回どういう対応をされてきたのか。また、今まで通常の広報活動において足りない部分がなかったのか。その点について、理事長より見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#143
○大石参考人 お答えいたします。
 結論から申し上げますと、今回の事故の連絡通報については、不十分な点があったことをおわび申し上げます。
 現状はどうなっているかということでございますが、京都府、滋賀県、石川県等との間では、文書で通報連絡、情報連絡のお約束をいたしております。それに基づいてやっておりますが、今回「もんじゅ」の通報連絡につきましては、不手際な点があったことを深く反省いたしております。
 なお、先生御指摘がございましたように、今後ともよく御意向を伺いながらこの改善に努めてま
いりたいと思っております。
#144
○渡海委員 短い時間でございますので、数点についてお伺いをしたわけでありますが、最後に長官の見解もお聞かせをいただきたいと思います。
 近ごろ、日本の金融システムなり、ことしは阪神・淡路大震災というものもございまして、安全であると言われていた日本のある種の神話が実は崩れつつあるわけでございます。そして、考えようによっては、さまざまな点で日本特殊論というふうなことも言われ始めている。
 そういったことを考えますと、まず国内での問題ということも、これはもう間違いなく、先ほど来議論になっておりますように重要でございます。信頼回復、そして何よりも、これからの対応において信頼を得ながら進めていくということも重要でございますが、同時に国際的にも、こういったことが起こることによって、日本の、一つは技術的な信頼、そしてまた、一つは情報公開といった意味での日本の特殊論が海外から例えば寄せられるとするならば、これはまた別の意味で非常に大きな問題になってくるわけでございます。
 そういうことも踏まえて、この通報システム、そして情報公開の問題、また技術の問題について、先ほども今村委員からも、まだまだ認識が甘い、こういった指摘がございました。私は必ずしもまだまだ認識が甘いとは思っておりませんけれども、言葉だけではなくて、しっかりとこういう態度で取り組んでいくんだということを、改めて最高責任者としての長官の決意、覚悟といいますか、お言葉を聞かせていただきたいというふうに思います。
#145
○浦野国務大臣 今回の「もんじゅ」の事故、たびたび申し上げております、私どもとして極めて厳しく、重く受けとめております。とりわけ、問題になります情報公開等、これにつきましては、私どもは、ただ単に動燃を指導監督していくというだけではなくて、我々自身もまた謙虚さと真摯さを持って、ひとつ真剣に検討を加えていきたいと思っております。
 また、日本の安全神話が崩れたということ、このことも、ややもすると安全がという言葉が先走りをしてきてしまっているのではないか。完全な安全というか、完璧なものはない。やはり万が一というのは常にあり得ることだ。だからこそ、それに対していかにその対策、最小限の被害でといいますか、また真っ先にはそうした被害、事故の起きないような、そうしたさらなる努力を積み重ねていくか。こうした考えというものを、いま一度原点に戻って考えなければならぬと思っております。
#146
○渡海委員 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきたいと思いますが、長官なり理事長のさまざまな場所での発言なりがいろいろな不信感を持たれるということは、皆さんにとっても本意ではないと思います。今後、そういった意味も十分御留意をいただいて、きょうお聞かせいただいたようなことを着実に実施されますことを改めて強く要請をいたしまして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。
#147
○野呂委員長 吉井英勝君。
#148
○吉井委員 日本共産党の吉井でございます。
 けさほど来の質疑の中で、大石理事長の方からは、すべての情報を積極的に公開するように指示しているという答弁がありました。それから、大臣の方からも、速やかな情報公開が必要だと答弁がありました。
 この情報公開の問題というのは一般論で議論をしても余り意味がありませんから、私、特に今回の事故については、あの事故からおよそ二十日間たっているのに一番はっきりしていないことの一つは、一体幾らのナトリウムが漏えいしたのか、このことがあると思うのです。
 これについては、既に提出していただいております資料等をずっと読んでおりまして、二次冷却系のCループの配管の分は、当日すぐ回収しているわけですね。それから、蒸気発生器の方のナトリウムというのは、十二月十二日に回収したという報告が出ております。それから、中間熱交換器の方は十二月十三日に、こちらはオーバーフロータンク、さきの方はダンプタンクに回収した。このことがはっきりしているわけです。
 そうすると、最初に二次系Cループに装荷したナトリウムの量が幾らか、これは記録はちゃんと残っているはずです。この十三日までにタンクに集められたナトリウムが幾らか、これもそう難しい話じゃなくてわかるわけです。その間にあって、ああいうことがあろうかとか、議論や評価するところはあるかもしれませんが、それは今後の究明に待たれることでありますからちょっとおいておきまして、装荷した分と回収した分の差によって幾らのナトリウムになってくるのか、これを最初に伺いたいと思うのです。
#149
○高橋参考人 今回の事故でナトリウムがどれほど漏れたのかという観点、今先生御指摘のとおりに二つの推測がございます。
 一つは、先生からございましたように、系統内にナトリウムを入れ、それを再びドレーンをいたしましたので、その差で幾つであるか。実は、先ほどから申し上げておりますが、レベル計の誤差が非常に大きいために、この数字が幾つという確定が非常に難しい。ただ、今までの数字では、約一トン程度がなという推測はいたしております。
 それからもう一方、実際落ちているものがどれくらいであるか。これはもう先生御存じのように、二百八十キロ今までに集めておりまして、今後いよいよ保温材を外していきますと、そこにもたまっておりますので、それらも合わせて数値を集計して出していくことになろうかと思います。
 先ほど私が申し上げましたのは、タンクのレベル計の誤差が多い中で出した数字でございまして、これが確実なものであるかはちょっとここでははっきり申し上げられるわけではございませんけれども、両者から推定して最終的な結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。
#150
○吉井委員 最初に装荷したのが二百七十トン、これもキログラム単位で出してもらわないとわからないと私は思うのです。今は、二百八十キログラムという全然違う話をしていらっしゃるのですね。そうじゃなくて、ダンプタンクとオーバーフロータンクに回収してきて、そのタンクは幾らになったか、これは小学生でわかる計算なんです。底面積と高さと、あとはその温度での密度を掛ければしまいなんですよ。それは幾らかということを聞いているのですよ。装荷量と集めた分で、これで差し引きすればナトリウムの漏えい量が出るわけですよ。それを聞いているのです。
#151
○高橋参考人 最初にCループにナトリウムを装荷をいたしまして、現在Cループは落としております。A及びBにつきましてはナトリウムが回っている、こういう段階にあるわけでございます。これらの量、特にCループのドレーンしたナトリウム量はレベル計からはかってくるということになるわけでございますが、レベル計の精度の問題はちょっと別にいたしまして、ノミナル値で考えてまいりますと、一トンの差が出ているというのが今の数字でございます。
#152
○吉井委員 ですから、現時点では一トンのナトリウムの漏えいがあったということです。本当は、もっとこれはキログラム単位で出てくるはずなんです。ただし、そこには途中でナトリウムが付着している分があるかもしれないし、それはわかりませんが、やはりそういう基本的なデータを、何でここで言っているかというと、実は、昨日の夜十時まで、科学技術庁経由で問い合わせしたのです。答えないのですね。動燃が拒否したのですよ。何で情報公開、こんな単純なことを出さないのか。私は、この秘密主義については、本当にこれは許せないことだというふうに思うのです。
 次の問題に移ります。
 「高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい後の措置について」というのを、一九九三年九月に原子力安全局が出しております。その中では、「ナトリウム漏えい検出器の指示こそれから「二次オーバフロータンクナトリウム液位等を常に監視し、ナトリウム漏えいが確認された場合は原子
炉を停止する」となっているのですね。原子力安全局は、いわばマニュアルの基本を示しているわけです。
 先ほどの答弁で宮林局長は何かのんきな話をしておりましたけれども、私は、書いてあることを読んだだけでもう十分ですから、もう答弁は要りません。大体出発点からして、対応が物すごく甘過ぎると思うのですよ。自分のところの出したマニュアルの基本どおりやっていなかったら、乗り込んでいって指導するのは当たり前じゃありませんか。
 そこで実は、これについては、現場へ入ったときに、私は十二日と十八日の二日入っておりますが、現場の技術者の方から、ナトリウム技術は確立している、もう十分研究してきたということを聞かされました。ナトリウムについて動燃ではこういう扱いになっているんだなということを知ったわけですが、実際はどうかというのを、実は九四年十二月の「動燃技報」を読ませていただきました。ナンバー九十二。
 これによると、「将来に向けた研究開発としてコラム燃焼に関する評価技術を強化する」として、今回の事故は、将来に向けての研究開発の課題であったということですね。今回、大体コラム火災であったということを現場で伺っておりますが、つまり、将来に向けての研究課題であったとしていたわけです。
 しかも、この技報の中では、漏えい量は毎秒二ないし三リットルとして、漏えい時間五分以内ぐらいのデータでコラム火災について出ております。今回の事故とは随分条件が違うわけですが、それだけにこの技報では、「コラム状の漏えい燃焼形態に関する知見を補強」する必要がある、補強するんだということも述べているのですよ。
 一方では動燃の技報でそれを述べながら、しかし所の中で、いや、ナトリウムは大丈夫だ、そういうふうな扱いになっていたということは大変な問題だと思うのです。将来の研究課題としているものを確立された技術だと確信しているものだから、実はこの科学技術庁が示したマニュアルの基本を無視して原子炉の運転を続けてきた。私は、このことは非常に重大だというふうに思っているのです。
 これまでのマニュアルが不十分であったとか、マニュアルを今後充実したものにしますとか、そんな話じゃないと思うのですね。少なくとも、科学技術庁の方から示されたこのマニュアルの基本について、なぜあいまいにしたのか。言いわけは結構ですから、一言、なぜそんなことをしたのかを伺っておきたいのです。
#153
○高橋参考人 ナトリウム火災の漏えいの形態のお話が出てまいりました。先生も御存じのように、三つの形態があるわけでございます。
 スプレーは最大の温度を上げる効果、それからもう一つは、瞬時に床へたまったときに建物に及ぼす影響が一番大きいケース、その中間がコラム状でございます。
 簡単に申し上げますと、水道のような形で出たときに、その周辺にどれだけ影響を及ぼすかということがあるわけでございます。これは、その量によって周辺への飛び散り方が違う、かなり幅のあったものであるという意味で、さらにここはきちっと検討していかなければいけないだろう、こういう観点は持っているわけです。
 それで、「もんじゅ」の方としては、設計の中で、スプレー火災を考えて、最大の状況を想定してつくっているということは御存じだと思います。
#154
○吉井委員 どうも意味がよくおわかりでないみたいですが、問題は、私が聞いているのは、安全局の出したマニュアルの基本どおりなぜやっていないのかということなのですよ。
 それで、動燃が出されたチャートを私も読みました。二次系のオーバーフロータンクの液位、これは技術屋さんであればすぐわかる話なのですが、時間軸を短くして、変位量が比較的に、相対的によくわかるようにしようと思ったら、こうしてチャートを見ればいいのですね。明らかに液位は低下しているのです。
 だから、これは安全局の示したまさにナトリウムのセンサーが警報を発しておったということが一つと、二次オーバーフロータンクのナトリウム液位が低下しておったということは、よほど技術屋さんの手法を心得ていない人を別とすれば、これは私は警報を発して二十分ぐらいのところを折ってみて見たのですよ。それでもわかるのです。もちろん一時間のところをとれば、かなり低下していることがわかります。いただいたチャートを読んだだけで、これは直ちに停止に移らなきゃいけないと判断できる材料がありながら、中央制御室で警報が鳴っても、液位が低下しているというチャートが異常を示しておってもナトリウム漏えいと認めないで運転を継続してきたことは、私はこれは重大な誤りだと思っております。
 理事長に伺いたいのですが、あなたはこの時点で、この期に及んでまだこの原子炉停止を早期に判断しなかったことが間違っていたというふうには思いませんか。
#155
○大石参考人 お答えいたします。
 私は、今回の事故後の状況、運転記録等を見て、速やかに原子炉停止を行うべきであろうというふうに思っておりまして、指示していることは申し上げました。
 ただいま先生おっしゃったレベルの問題でございますが、これはA、B、Cと三つのループがございます。Cだけがレベルが下がっているのでしたら、これは明らかに漏れでレベルが下がったということだろうと思います。私が聞いておりますのは、A、B、Cともに同じようにレベルが下がっているというふうに聞いております。これは発電機の出力を下げてまいりますと温度が下がってまいります。温度が下がりますと液体は収縮してレベルが下がるというふうに聞いております。したがいまして、A、B、Cともに同じくレベルが下がっておりますから、Cだけが漏れて下がっているということではないというふうに聞いております。
#156
○吉井委員 それは理事長が直接チャートをごらんになられたらわかります。重大なことは、警報が出た後でも十二分後に制御棒が一ミリ上がる、つまり出力上昇を続けていたということが、このいただいたコンピューター記録を見れば読み取れるわけですね。
 なぜこんなことになったのかということを私も不思議にいろいろ思ったのですが、実は、翌九日の日に専門官の立ち会いによる四五%出力でのトリップ、こういう工程に合わせて警報が出ても原子炉停止しないで運転を続けるということを優先したということが考えられるわけです。
 工程表を見せていただきました。十二月の工程というのは、極めて計画が密に組まれているのですね。その一番しょっぱなの「もんじゅ」試験運転計画であったわけですね。ここで何かトラブってしまって長引いたら十二月の予定の試験が全部飛んでしまう、だからできるだけ運転を継続して、何とかという思いがあったというふうにうかがわれる。それが私は、原子力安全局のこのマニュアルの基本を無視してしまったことにつながっているのじゃないかというふうに思うわけです。それは実は、かってのチェルノブイリのあの事故が、やはり異常を確認しながらも、試験を優先するためにああいうことをやってしまった。これは非常に共通した問題があるのです。ですから、安全過信というものがどれだけ危険なものかということを改めて大臣にも認識をしていただきたい。そういうこともあってきょう少し長々とやったわけです。
 あわせて私は、現場で聞いたところでは、この液位のチャートの誤差というのは、大体七トンぐらいだというお話を聞きました。先ほども数トンと言われたが大体七トンということで、そうするとこのチャート紙によって見られる液位の低下量というのは誤差を超えるぐらい下がっているのです。つまり、七トンぐらい漏えいしていたということも考えられるわけです。何かそれを否定する根拠があればお聞かせいただきたいのですが、あ
りますか。
#157
○大石参考人 先ほども申し上げましたように、A、B、Cともにそろって液面レベルが下がっております。これは、発電機の出力を下げていく、いわゆる原子炉の出力を下げていきますとナトリウムの温度が下がります。ナトリウムの温度が下がるとレベルは下がります。A、B、Cともにそろってレベルが下がっていることを先ほど申し上げましたが…。
#158
○吉井委員 それはチャート紙をよくごらんになられたらわかるように、A、Bと明確に違う下がり方を読み取ることができるのです。それは今後技術的な解明等がありますから、私は、きょうはもう時間がないからそれ以上はおいておきますけれども、しかし明確に、少なくともあなたのところでとられたチャートの最初の二十分ぐらいを見ただけで、少しこういうのを読める技術屋さんであれば読み取れる変化を見ることもできた。しかも、センサーの警報が出ていたのですから、なぜそこで原子炉トリップを決断しなかったかというのは、これは原子力安全局の方のマニュアルの基本にも反したことだ。そういうことがあったのに、先ほどの局長の答弁のように余りにものんきな話をしていてはだめだということを言っておきたいと思うのです。
 そこで、私は、時間がもう大体参りましたので最後に二点だけ伺って質問を終わらせていただきたいと思います。
 一つは、動燃のやはり秘密主義ということについて、私は、この科学技術委員会でもたびたび嫌な思いをしてきました。八八年に、私、参議院議員だったときですが、東海のウラン濃縮工場へ行ったときに調査の妨害を受けたり、九二年五月の衆議院の科学ではプルトニウム輸送の非公開の問題を扱いました。同年、「もんじゅ」の調査に行ったときに、やはり妨害を受けました。それから、九二年十二月の議会では、スーパーフェニックスの資料隠しがありましたし、九三年の二月にはプルトニウム輸送容器の非公開の問題がありました。せんだって、十一月七日のこの委員会でやりましたが、「もんじゅ」設置申請書が、三万ページほどの中の三割が白ぼてのページで出てくる。
 全くこの非公開のやり方、びと過ぎるというふうに思うのです。大体核物質防護にも何にも当たらないものを非公開にして明らかにしない、これ自体けしからぬと思うのですが、私は、そのときの科学技術庁の答弁はここでもう時間ありませんから紹介しませんが、しかし、科学技術庁の責任も重大だと思うのです。事故隠しの、あるいはこういうふうな秘密主義の体質を許してしまった、ここに私は、科学技術庁として重大な責任というものをやはり考えてもらわなきゃならぬというふうに思うのです。この第一点目の質問は大臣に聞きたいと思います。
 もう一つ、あわせて言っておきますが、動燃の方は、今月の十二日に我が党の調査団として入ったときに、私が、オーバーヘッドプロジェクターで見せていただいた資料ですね、それをコピーをくださいと言って、コピーでもらいました。そこには、問題になっている十二月九日二時十五分のビデオを撮影した時間に、「二次主冷却系配管室入口部を目視にて確認し、ナトリウムの漏えいであることを確認した」云々が入っているのです。
 ところが、十八日にこの衆議院の科学技術委員会で行ったときには、これは理事長も出られたときで、理事長らの資料を出しての説明の中では、その十二日の日に私に説明したときには十時の時間なんか全然載ってないのです。ところが、全くこの経緯を改ざんしてしまって、二時十五分は消えてしまって、十時というありもしないものを挿入するというとんでもないことをやっているのですね。私は、この衆議院の委員会をこれほどばかにした動燃のやり方というのは、これは本当に許せないやり方だというふうに思うのです。
 そして同時に、問題は、この十二月の十二日に我が党の調査団が入ったときに示された、これは全部本社は知っているのですよ、動燃本社はその時点で十二月の九日の二時十五分に入ったことは知っているのです。当然そのときにビデオカメラを持ち込んで等々のことは報告を受けていて当然なんですよ。
 せんだっても、二日ほど前でしたか、全国紙の一面に大きく、動燃本社もこのビデオの問題について知っていたということが報道されておりましたけれども、私は今、動燃本社も知っていたのだ、この責任は重大だということをやはり理事長に考えてもらわなきゃならぬ。それをあいまいにして、何か現場の四人ほどの責任をとらせただけで、これでおしまいだ、とんでもない話だと思うのです。
 二つ目の問題については大石理事長から、どう責任をお考えか伺いたいと思います。
#159
○浦野国務大臣 こうした事態に至ったこと、これまでたびたび申し上げておりました。私どもも極めて重く、厳しく受けとめております。
 今、動燃の体質というお言葉もございましたけれども、きょうの審議を通じまして、そうした御指摘が数々ございました。動燃が生まれ変わってもらわなければならぬ、その思いを強く感じておるところであり、監督官庁として十分自覚しながら、動燃に対しましてしっかりとした指導監督をしてまいるということを申し上げさせていただきます。
#160
○大石参考人 十二月の十八日に現場の御視察をいただきました。そのときの資料の中に、おっしゃるように、十二月九日の十時に現場を見たということを書類で柱渡しいたしました。二時という記載はございませんでした。
 これにつきまして、早速に調査いたしましたところ、十二月九日の二時の配管室内の立ち入りにつきましては、同日付でプレス発表いたしておりますので、これは先生方お見えになったときの記載漏れでございまして、まことに申しわけなく思っておるところでございます。
 それで、十時でございますが、実は記録を見ますと、二時と十時と十六時というのがございます。十時は、予定はしておったけれども入らなかった。記録がそのまま残っているという、事故後の混乱の中ということもございますけれども、これは理由になりません。記録をそのまま転記をして、事実関係を十分確かめずに御説明申し上げたことをまことに申しわけなく思っております。
#161
○吉井委員 もう時間が参りましたので、ただ一言。
 私は、我が国会の衆議院の科学技術委員会の調査に対して、これほど無礼なことはないと思うのです。それについては、後ほど委員長からも、手厳しい対応というものをよくお考えいただいて、やってもいただきたい。これは委員会としてやはり対応が必要じゃないかというふうに思うわけです。それは委員長にお願いします。
 そして、大臣は、科学技術庁としての責任が今問われているのですよ。指導監督が甘かったか何かじゃないのです。事故隠したとか秘密主義、それを許してきたそのみずからの責任というものがあるんだということを本当に自覚をしていただきたい。私は、きょうはもう高速増殖炉路線の問題とか核燃料リサイクル政策の問題については次回ということになっておりますので触れませんが、大臣、そのことをぜひ肝に銘じていただきたい。
 何かコメントがあれば伺っておきたいと思いますが、以上で終わります。
#162
○浦野国務大臣 私どもも、我々の職員を全うするために、まさに御指摘の点等を肝に銘じてやってまいります。
#163
○吉井委員 終わります。
#164
○野呂委員長 吉井君の委員会の対応の御提起については、各党理事との協議をした上で決めたいと思います。
 これにて質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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