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1995/11/01 第134回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第134回国会 外務委員会 第3号
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1995/11/01 第134回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第134回国会 外務委員会 第3号

#1
第134回国会 外務委員会 第3号
平成七年十一月一日(水曜日)
    正午開議
出席委員
  委員長 三原 朝彦君
   理事 小杉  隆君 理事 玉沢徳一郎君
   理事 東  祥三君 理事 松沢 成文君
   理事 松田 岩夫君 理事 秋葉 忠利君
   理事 前原 誠司君
      柿澤 弘治君    久野統一郎君
      斎藤 文昭君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    鈴木 宗男君
      二階堂 進君    原田昇左右君
      赤羽 一嘉君    岡田 克也君
      鹿野 道彦君   柴野たいぞう君
      高市 早苗君    富田 茂之君
      羽田  孜君    伊藤  茂君
      松前  仰君    山元  勉君
      古堅 実吉君    吉岡 賢治君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 河野 洋平君
 出席政府委員
        外務大臣官房審
        議官      谷内正太郎君
        外務省アジア局
        長       加藤 良三君
        外務省北米局長 折田 正樹君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   法眼 健作君
        外務省経済局長 原口 幸市君
        外務省経済協力
        局長      畠中  篤君
        外務省条約局長 林   暘君
 委員外の出席者
        農林水産大臣官
        房企画室長   田原 文夫君
        外務委員会調査
        室長      野村 忠清君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月一日
 辞任         補欠選任
  安倍 晋三君     久野統一郎君
  若松 謙維君     富田 茂之君
同日
 辞任         補欠選任
  久野統一郎君     安倍 晋三君
  富田 茂之君     若松 謙維君
    ―――――――――――――
十月三十一日
 WTO農業協定改正の提起に関する請願(根本
 匠君紹介)(第一二一号)
 日米地位協定の早期改正に関する請願(根本匠
 君紹介)(第一二二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月二十七日
 核実験反対及び核兵器廃絶等に関する陳情書外
 百二十九件(大阪府池田市城南一の一の一池田
 市議会内井上章外百二十九名)(第二二号)
 核兵器全面禁止と廃絶国際条約締結に関する陳
 情書外九件(島根県鹿足郡大字柿木村五六五の
 二楠木村議会内赤松義美外九名)(第二三号)
 核兵器に関する国際司法裁判所の手続きへの政
 府の積極的協力に関する陳情書外四件(大阪府
 茨木市駅前三の八の一三茨木市議会内茂手木幹
 久外四名)(第二四号)
 国連海洋法条約の批准による二百海里経済水域
 の設定に関する陳情書(岡山市内山下二の四の
 六岡山県議会内高橋幸定)(第二五号)
 米輸入自由化の道を食い止める農業協定改正に
 関する陳情書外四件(宮城県本吉郡津山町柳津
 字本町二一八津山町議会内堀田繁雄外四名)(
 第二六号)
 竹島の領土権の確立及び竹島周辺海域における
 漁業の安全操業の確保に関する陳情書外一件
 (山口市滝町一の一山口県議会内伊藤博彦外一
 名)(第二七号)
 西日本海域における韓国及び中国漁船対策に関
 する陳情書(大分市大手町三の一の一大分県議
 会内長田助勝)(第二八号)
 日米地位協定の見直しに関する陳情書外十五件
 (滋賀県甲賀郡甲賀町相模一七三の一甲賀町議
 会内森地辨一郎外十五名)(第二九号)
 米軍機の低空飛行訓練中止に関する陳情書外四
 件(徳島県三好郡東祖谷山村京上一五七の二東
 祖谷山村議会内長尾勇外四名)(第三〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 千九百九十五年の国際穀物協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第二号)(参議院送付
 )
 千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第三号)(参議院
 送付)
     ――――◇―――――
#2
○三原委員長 これより会議を開きます。
 千九百九十五年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件及び千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斎藤文昭君。
#3
○斎藤(文)委員 私は、本委員会に提案されております国際穀物協定並びに国際天然ゴム協定について幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
 まずその前に、本日から新食糧法の施行ということでございまして、昭和十七年以来五十三年にわたりました食糧管理法がその役割を終えた歴史的な日でもございます。新食糧法が二十一世紀の我が国の食糧の安定供給、そして我が国農業、農村の興隆のために大きく寄与することを切に願ってやまない次第でございます。
 それでは、まず最初に国際穀物協定について伺いたいと思います。
 本協定につきましては、穀物貿易に関する国際協力、途上国に対する穀物による食糧援助等について規定しているところでありまして、我が国が本協定を締結することは、世界の穀物事情や各国の穀物政策の動向を把握する上で、また食糧援助に対する積極的な我が国の姿勢を示す上で大変意義深いものと考えます。
 そこで、まず伺いたいのは、本協定に参加することにより世界の穀物事情や穀物政策の動向を把握する、そういうメリットがある、そういうふうに言われておるわけでございまして、二十一世紀における世界の穀物事情についての政府の認識についてであります。
 人口、食糧、環境問題の研究者であるアメリカ・ワールドウォッチ研究所のレスター・ブラウン所長が去る五月に来日した際の講演で、二十一世紀の中国は想像を超える食糧輸入国となり、世界に穀物危機をもたらすとの衝撃的な予測を発表したことは御承知のとおりでございます。私も、三年ほど前、実はこのワールドウォッチを一度訪れたことがございます。民間団体でございますけれども、非常に熱心に自然環境保護とかそういうことに取り組んでおられる団体でございます。その所長、レスター・ブラウン所長の講演、大変大きな反響を呼んだわけでございます。
 これは、去る十月十日の新聞報道でございますけれども、「穀物危機 中国から世界へ 米研究所衝撃の21世紀予測」という大見出しがついております。中を見てみますと、「ブラウン氏によると、十二億人を抱える中国の今後の人口増を考慮すると、二〇三〇年の穀物消費は推定四億七千九百万トン。これに対し、工業用地への転用などで農地は減り続け、二〇三〇年の穀物生産は二億六千三百万トンにしかならない。差し引き年間二億一千六百万トンを輸入に頼ることになる。これは「一九九三年の世界の全穀物輸出量に匹敵する」」「中国に大量の食糧を供給できる国はない。激しい穀物獲得競争が始まる」、こういうふうに報道されております。
 また、これはきのうの新聞でございますけれども、これによりますと、「海外経済協力基金は、中国政府農業部と共同で、中国食糧需給の見通しを二〇一〇年まで省別・穀物別に試算した。その結果、二〇一〇年には一億三千六百万トンの不足を生ずることがわかった。」ただ、その後中国側がこれから一生懸命政策努力をすれば、その不足量は約半分の六千五百万トンに縮めることも可能である、そういう報道でございまして、新聞報道、いろいろな見方が実はあるわけでございます。
 これは十月二十七日でございますけれども、先ほどの話とちょっとダブるかもしれませんけれども、「シカゴ市場で穀物価格が十数年ぶりの高値をつけ、中国の食糧需要の増加を材料に「食糧危機」を警告する予想が相次いでいる。だが、その予想には「食糧不足を過大視している。米国などには増産の余地がある」との反論が出ている。一方で、食糧を輸入に頼る貧しい国々は、日本など大消費国による穀物買い占めを恐れている。日本にとっていま必要なのは、各国で農業に取り組む人材の育成や開発支援を、長期的視野で進めることだ。」この中に、先ほどのアメリカの環境保護団体ワールドウォッチ研究所のレスター・ブラウン所長は「九月、「二〇三〇年には、中国の穀物が二億七百万トンから三億六千九百万トン不足する」という予想を発表。」こういう記事が相次いでおるわけでございます。
 いろいろ、これは中国の経済発展による一時的な現象であるというような見方もあるようでございますけれども、ただ現実に中国の最近の穀物輸入状況を見てみますと、九四年、これは穀物年度ですから九三年の七月から九四年の六月、これが六百三十三万トンだったということですけれども、九五年度については、もう倍以上の千五百八十万トンにはね上がっている、そういう報道もございます。
 また一方、具体的な数字で、これは中国税関による資料でございますけれども、ことし一月から八月の輸入量が、米が百三十九万トン。この後、実は九月にタイからも百万トン緊急輸入をしたというような報道がございますけれども、これは対前年同期比八一五%の増。それから、小麦が五百二十四万トン、同六五%増。それから、トウモロコシに至っては二百三十八万トン、これは前年度の約四千八百倍に膨れ上がっている。トウモロコシは、生活レベルが向上し豚肉の消費がふえたための家畜飼料用ということになっておるわけでございます。
 最近のこの中国の食糧不足、これは一時的なものなのかどうか。あるいはこうした傾向が二十一世紀にわたって続くとすれば、これは世界の穀物事情といいますか、大変大きな影響を及ぼすわけでございますし、この真偽はともかく、米を除いた食糧の大部分を輸入に頼っております我が国にとっても大変重要な問題である、そういうふうに思うわけでございますが、こうしたさまざまな国際機関あるいは民間シンクタンクの予測について、現在政府としてはどういう見解をお持ちなのか伺いたいと思います。
#4
○原口政府委員 大変先生御造詣が深くて、御満足いただけるようなお答えができるかどうかわかりませんが、FAOによりますと、現在、世界全体では世界人口を賄うだけの食糧生産があるということでございますが、他方、それにもかかわらず、約七億八千万人の慢性的な栄養不足人口があるという事実が存在しているようでございます。それから、過去三十年間、世界の食糧生産は人口増加を上回って増加を続けてまいりましたけれども、今後は耕地面積の拡大及びその単位当たりの収穫量の伸びも減速することが予想されておりまして、中長期的な食糧供給については不透明な面があり、楽観はできないというふうに思っております。
 御指摘の中国の食糧事情でございますけれども、あの国の非常に大きな人口規模、それから人口の増加率がたとえ少しずつ下がってきたとしても絶対量としての人口の増加というのは非常に大きいということ、それから最近非常に急速な経済成長が行われておりますことにかんがみまして、この中国の食糧需給については世界的にも関心を集めているわけでございます。今御指摘にありましたようなワールドウォッチとか、あるいは日本でもOECF等で、いろいろな民間機関あるいは政府機関から種々の見通し、予測というものがなされておりますけれども、いずれもみんな、当然のことでございますが、特定の前提を置いての試算でございますので、その前提が妥当であるかどうかということについては、各予測機関それぞれ意見の違いがございまして、正直申し上げまして、例えば二〇三〇年にどうなっているかということは正確なところは申し上げがたいことだろうと思います。
 ただ、私どもといたしましては、この中国という国、非常に大きな国で重要な国でありますし、インパクトがある国でございますので、今後ともその動向については十分注視していかなければならない、このように考えております。
#5
○斎藤(文)委員 中国が最近非常に急速に経済が伸びているということで、農業を捨ててそういう工業地帯に出ていっているという現象がかなり顕著になってきておるようでございます。これも新聞報道ですけれども、昨年、中国においては一年間で穀物の作付面積が百四十万ヘクタールぐらい減ったと。こういう傾向がこれからも続いていくとすれば、私は、大変な問題を世界じゅうに生ぜしめるのではないかという心配を実はいたしておるところでございます。
 私も、ちょうど天安門事件の一年後だったと思うのですけれども、中国に行きまして、中国政府の方から大変威張られたことがあったのですけれども、中国には世界の耕地面積の六%しかない、その六%の耕地で我々は世界人口の二五%を食べさせているんだというようなことを胸を張っておっしゃった方がおられました。二五%というのはちょっとオーバーでございまして、二割強になるかと思うのですけれども、その世界の耕地面積の六%で一年間に百四十万ヘクタールの穀物の作付面積が減ってくる。しかも、今現在中国の人口は十二億と言われておりまして、一人っ子政策をとりながらも、年間大体一千四百万人ずつ二十一世紀まで、二〇〇〇年には十三億人を突破するだろうというような予測があるわけでございます。
 そういうことを考えますと、特にこの中国で大きな食糧不足を来すということは、御承知のように今世界の穀物の貿易量というのは二億二千万トンぐらいと言われておりますから、中国がその半分以上も輸入するということになりますと、今食糧を輸入に頼っている貧しい国々というのはもう深刻な打撃を受けるわけでございまして、私どもはやはり、何とかして中国の食糧の自給率を維持していくということが世界にとっても非常に大事な問題としてこれから浮上してくるのではないか、そんなふうに思っておるわけでございます。
 そういうことを考えますと、中国に対する我が国のODAのあり方、現在中国の核実験によりまして無償援助については一部分凍結という、これはやむを得ない措置であると認識をしているわけですけれども、今申し上げましたような事情を考えますときに、私は、日本の中国に対するODA、これはやはり食糧、穀物増産に重点的に振り向けるといった、そういうような考えも必要になってくるのではないかと思うわけでありますけれども、これについての政府の御見解を承りたいと思います。
#6
○河野国務大臣 まず最初に、先般、五十周年の記念の総会が行われました国連で村山総理が行いました演説の冒頭で、総理は、二十一世紀に向けて人口は爆発的に増加すると想像される、これに対する食糧問題を考えるということは国際社会にとって極めて重要な問題だということを演説の冒頭で言っておられるわけでございます。これは、各国の首脳が国連の記念の演説の中で、それぞれ考えておられる重要な問題あるいは御自身が一番心配をしておられる問題などを触れられたと思いますけれども、総理はこの問題に触れて演説をされたということをちょっと御披露をさせていただきたいと思います。
 今お尋ねの中国の問題でございますけれども、中国自身が農業生産の向上を経済開発計画の重点事項として位置づけているということは御存じのとおりでございます。我が国としては、こうした中国の政策を踏まえて、政策的な対話を行うことによって農業分野を対中国援助の重点分野の一つとしてこれまでも位置づけてまいりました。
 これまで我が国が、中国国内の農産物の安定供給を確保するため、例えば化学肥料工場の建設あるいは三江平原農業総合試験場などのプロジェクトなどを通して、農業生産性向上のための協力を積極的に実施をしてきたところでございます。つまり、食糧が足らないということから、食糧を援助するということではなくて、むしろ食糧を増産する、そういう仕組み、あるいはその増産のために必要なものを支援するということが非常に重要ではないか、それが我が国ODAの大事なポイントではないか、こう考えているわけでございます。
#7
○斎藤(文)委員 いずれにしましても、やはり中国の食糧がどうなるかということは、これは我々重大な関心を持って見ていかなければならぬ問題だと思っておるわけです。
 そういう中で、私は、国際的な穀物の備蓄制度、そういうことも一つ考えてみる必要があるのではないかということでございまして、我が国も一昨年の大冷害ということで大騒ぎをいたしまして、百五十万トンないし二百万トンぐらいまでこれから備蓄をしていかなければならぬということになってまいったわけですけれども、これは世界的に見た場合もやはりそういうことがこれから必要になってくるのではないかな、そんなふうに思うわけでございます。特に、二十一世紀の半ばには世界の人口は百億を突破することは間違いないだろうというようなことを言われておるわけでございますし、そういう中でいろいろな、今まで申し上げましたようなさまざまなシンクタンク等が二十一世紀の世界の食糧不足を予測しているということでございますので、我々は次の世代のためにもこの難題を克服していかなければならぬ、その糸口を何とかして見つけていかなければならぬ。
 そこで、この点に関して、かつて、一九七四年だったでしょうか、アメリカのキッシンジャー元国務長官が六千万トン規模の食糧備蓄を提唱されまして、この会議は一九七九年まで続いたそうでございますけれども、多くの賛同を得ながら、結局は詰め切らずに、日の目を見ることはなかったわけでございます。
 やはり我々、この穀物協定のねらいというのは、一つには食糧の安全保障の考えを重視したものでございまして、すべての加盟国のため最大限に可能な範囲で国際穀物市場の安定に寄与し、世界の食糧の安全保障を高めるとする本協定の目的に合致するものであると思うのであります。
 食糧備蓄制度については、本協定には何らの規定もないわけでありますけれども、今申し上げましたような食糧安全保障の見地から、我が国としてぜひともこれは実現に向けてひとつやっていただけないか、そんな感じがするわけでございます。もしそういう制度ができて、食糧備蓄制度が創設されて備蓄が達成された場合、備蓄の操作、いわゆる積み増しあるいは放出によって市場価格の安定を図るべきと考えるのであります。その場合、一定の指標価格によって自動的にこのような措置がとられることが望ましいと思うのであります。そうしたいわゆるトリガー価格の実現可能性について、あわせて政府の御見解を伺いたいと思います。
#8
○原口政府委員 お答え申し上げます。
 備蓄という場合に、二つの意味があると思います。一つは、国際エネルギー機関で緊急時融通スキームというのがございまして、これは、量が絶対的に不足するというような事態を想定いたしまして、その備蓄を不足しているところへ回すというような意味での考え方でございます。もう一つは、価格安定ということを想定したいわゆる緩衝在庫ということでございます。このいずれにつきましても、国際小麦協定の歴史の中では、かつて議論されたことがあるというふうに承知しております。
 前者につきましては、各国が持っている備蓄の情報を各メンバーが共有し、必要に応じてその共有された情報に基づいて各国の備蓄政策の調整をお願いするというアイデアがあったようでございますけれども、しかし、基本的にはその備蓄は各国がそれぞれ国内の目的に沿ってつくっているということもあって、国際的な調整にはなじまないということで、そのアイデアを放棄されたというふうに理解しております。
 それから、緩衝在庫につきましても、小麦のみでも年間約一億トンという貿易量があるわけでございまして、非常に膨大でございますので、在庫の規模だとか維持すべき価格の水準、対象とする穀物の種類、あるいは在庫のため各国がどれくらいのお金を拠出するのかというようなことに関しまして、その生産国あるいは消費国の間でどうしても意見の調整ができませんで、現在までこの緩衝在庫制度も実現に至っていないというのが実情でございます。
 今回も、この協定の作成過程におきまして、経済条項をつくるべきかということで議論はあったわけでございますが、主要輸出国というのは、実は小麦の場合には米国とECとカナダと豪州の先進四カ国でほぼ九割を占めておりまして、これらの諸国というのは、基本的には穀物市場の安定は自由貿易体制の維持によって達成されるべきだという立場でございまして、どうしても賛同が得られなかったということで見送られております。ただ、現在の協定の二十二条に、必要な場合にはいわゆる経済条項を含む新たな協定の作成について交渉を行うことを可能とする条項がありまして、今後の事態の推移というようなことによっては、また事態が深刻になれば、その段階でそういう経済条項の導入ということも議論があり得る、そのように考えております。
#9
○斎藤(文)委員 これからやはり世界の流れとして非常に需給が逼迫してくるだろう、そういうときに、自然相手の農業でございますから、工業製品みたいに短期間に生産できるというものでございませんので、やはり余裕あるときに世界全体としてそういうある程度の備蓄量を持っておるということはこれからぜひ必要な、そういう時代になってくるのではないかと私は思いますので、ぜひひとつ前向きにこれから取り組んでいただければと思います。
 時間がなくなりましたので、最後に国際天然ゴム協定についてでございますが、我が国は米国に次いで世界第二位の天然ゴム輸入国であり、本協定を締結することは、我が国の天然ゴムの輸入の安定を図る上からも、また天然ゴムの輸出国である開発途上国の経済発展に寄与する観点からも大変有意義であると思います。
 ただ、本協定により採用されております緩衝在庫制度は、一定の価格帯を定め、一定規模の現物と資金を有する緩衝在庫を設置し、市場価格が価格帯の一定水準を超えて上昇する場合現物を市場に放出し、反対に、市場価格が一定水準以下となった場合に市場から現物を買い入れ、価格を支えるという制度であります。
 ところで、緩衝在庫制度は加盟国のみの取引に影響するのではなく、この操作の結果生じる価格の安定効果はグローバルに波及していくものであります。加盟国が緩衝在庫資金の拠出などの義務を負担することを考えるとき、ただ乗り的に恩恵を受ける非加盟国の存在というのは不公平な感じがするわけでございまして、余り好ましいことではないと思うのであります。
 現在、この協定加盟国は二十六カ国と承知をいたしておるわけでございますが、このような非加盟国の存在をできるだけ少なくしていく必要があると思うのですけれども、本協定への加盟を広く非加盟国に呼びかけていくべきと思うのでありますが、政府は今日までどう対応してきたのかお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#10
○原口政府委員 現在の国際天然ゴム協定の加盟国は、数はさておきまして、世界の輸出の九四%、それから輸入の七一%を占めている国がメンバーになっているわけでございますので、その意味では非常に実効性のある協定になっております。
 ただ、今先生おっしゃいましたように、例えば韓国につきましては、世界四位の輸入国でありますが、まだメンバーになっておりませんので、今後はそういう国に対しては、ぜひ入ってくれるように働きかけを行っていきたい、そのように考えております。
#11
○斎藤(文)委員 どうもありがとうございました。
#12
○三原委員長 前原誠司君。
#13
○前原委員 まず国際穀物協定について、重複を輝けて質問をさせていただきます。
 ある論文に、これはアメリカの研究所から出された論文でありますけれども、二〇三〇年には中国の穀物が二億七百万トンから三億六千九百万トン不足する、あるいは日本のOECFと中国との共同で研究をした内容については、二〇一〇年には一億三千六百三十一万トン不足する、そういう研究結果が発表されております。あるいは、先ほど大臣がお答えになりましたように、世界で爆発的な人口増加ということであります。アメリカの中では増産可能だという根強い声もあるわけでございますが、しかし、最近の穀物価格の高騰などを見ておりますと、やはり先行きに対する不安、また高騰して貧しい国々が穀物を買えなくなっているという実際面での問題、これを考えますと、我が国も真剣に食糧の増産体制というふうなものを今から検討しておかなくては手おくれになる、そういうふうに思っております。
 いわゆる新農地法によって、私の資料では大体三万ヘクタールの農地が宅地に転化をした、そして八十二万ヘクタールの農地、これは田でありますけれども、減反になっているということでありまして、今の減反政策というものと、それから今の私の申し上げた問題意識の中で、果たしてこれから先もこういう政策でいいのだろうかといったことを新食糧法が施行されたきょうお伺いすることは大変意義のあることだと思いますので、農水省から、こういう世界情勢を踏まえても減反の方向は変わらないのか、あるいは日本の米を中心とする農業をどのようにしていこうとしているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#14
○田原説明員 お答えいたします。
 まず、全体的な世界の食糧需給状況等につきましては、ただいま委員の方から御指摘のあったとおりでございますけれども、一つは、まず米の生産調整関係でございますが、米の関係は、全体的に国内需要が減退していくという中で、依然として生産志向が非常に強いというふうなことで、昨年度の場合は六十八万ヘクタールの生産調整をお願いしているという状況でございます。生産と価格を安定させるという観点から、今後とも、明年以降も引き続き生産調整は必要であると私ども認識しておりまして、その規模等につきましては、ことしの生産部分の状況でございますとか、そういった状況も踏まえながら、どういった規模にするかということは鋭意検討しているところでございます。
 ただ、私どもは、米につきましてそういった生産調整ということでやっているわけでございますが、問題は、その生産調整によりまして、余るといいますか、余剰となります水田等につきましては、できる限り我が国が生産の足らない作物、例えば麦でございますとか大豆でございますとか、そういったものに転作をしていただくというような方向で進めているところでございまして、全体といたしましては、そうした我が国の生産が足りないものの生産も充実させることによりまして自給率の低下傾向に歯どめをかけたいという方向でやっているところでございます。
#15
○前原委員 要望にとどめておきますが、そういう減反政策等を緩めてしまうとまた短期的に食糧過剰になる、余剰になるということはありますし、ほかの問題等々の、お金の問題も出てきますので、なかなか難しい問題だと思いますが、長い目で、人づてに作物ができるものでありますから、一たん農業従事者の低落傾向に歯どめがかからないということになると、幾ら田んぼをある程度またつくれるような態勢にしておくとかいうことになっても、人が返らなくては自給率がなかなか上がらないという部分がありますので、中長期的な対策をぜひこういう問題意識に沿って考えていただければと思います。
 次に、日米安保、それから沖縄の問題について大臣に質問させていただきたいと思います。
 私は、先々週の土曜日、県民大会のあったときでありますが、沖縄に行かせていただきました。それから、今週の月曜日に与党の代表団の一員として行かせていただきまして、お話を県の方からも十分にお伺いすることができました。せっかくの機会でありますので、どういった話があったのかということをぜひ大臣にお聞き願いたいと思います。
 私も日米安保のために基地は必要だということを頭の中で思っておりましたけれども、それがいかに過重な負担を沖縄の方々に押しつけてきたのかといったことを身をもって感じてまいりました。〇・六%という土地の面積に七五%の基地が集中をしている。しかも土地の経緯、基地の経緯からして、吉元副知事がおっしゃったのは、銃とブルドーザーによって本土決戦の前に沖縄は侵攻されて、それが基地として固定化をされてしまった、そういう感情的な問題もあるんだということでありました。代理署名の問題も、条件闘争ではない、幾らいい案を出してもらっても筋違いである、要は、外交の問題について裁量権のない知事がそういった問題について署名をすることについては筋違いであるということでありまして、私の感覚では、ほぼ九割九分、知事は署名をされないと思っております。
 そこでまた吉元副知事がおっしゃっていたことでありますけれども、地位協定の全面見直しというものをやってもらいたい、あるいは米軍基地の返還のための計画的なアクションプログラムというものをつくってほしい、そういう御要望がありました。私の率直な印象でございますけれども、日米安保のために沖縄に今までは我慢をしてもらってきた、しかし、その我慢の限界というところに差しかかって、沖縄の方々が納得していただけないと、逆に日米安保そのものが危うくなる、そういう状況ではないかと思っております。
 また、今回の、ペリー長官が来られたり、あるいはクリントン大統領が来られたり、外務大臣も首脳とお話しになるわけでありますけれども、ここでは、代理署名をしてもらうがためにどういう案をつくるかという観点は全く抜きにして、代理署名の問題、やってもらえるか、やってもらえないかという問題を度外視して、ここで根本的に沖縄の問題について我々が誠意ある回答を出さないと、先ほど申し上げたように、日米安保そのものが非常に揺らぐといいますか、日米安保そのものの存続が危ぶまれる事態になるという、私は危機意識を持ちました。
 そこで、与党三党で、きのう一沖縄の基地問題等の打開に対する提言というものをまとめさせていただきました。大臣にもお目通しをいただいたと思っておりますが、一つは、沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小というところまで踏み込ませていただきまして、二十二プラス三事案、これは早急に実現をするようにする。そしてさらに、継続協議になっている十四事案について、まあこれは十事案という見方もございますが、早急に合意して実行く移すための計画をつくる。そしてまた、それプラスアルファとして、これまで検討されていない事案を含む沖縄の米軍基地の整理・統合・縮小について、日米両国間で実効ある協議機関を設置して整理・統合・縮小計画を新たに策定をする、というものを与党としてまとめさせていただきまして、きのう官房長官に御報告をさせていただきました。
 また、地位協定の問題に対しても、十七条五項の。に関するもの、運用改善については、私なんかは本当に驚くぐらい早くにまとめていただいたということで、その御努力に対しては心から敬意を表するわけでございますが、沖縄の皆さん方からもありましたように、これだけではない、ほかのものも、すべても全般的な見渡しの中で、問題があるところについては鋭意見直しの努力をしてほしい、そういう要望を踏まえて、我々も運用改善など他の問題についての協定の見直しについて具体的に解決をしていくということも提言をさせていただきました。
 そういったものを受けて、政府として、今回ペリー長官がお見えでございますけれども、どのようなお気持ちで、どのような方針でその会談に臨まれるのか、その点について決意も含めてお聞かせ願えればと思います。
#16
○河野国務大臣 ペリー長官は昨日来日されまして、実は私、けさから午前中にかけて会談を行ったわけでございます。
 それはそれといたしまして、今議員がお話しになりましたように、二回にわたる沖縄訪問を踏まえて与党三党の皆さん方はいろいろと御相談になって、この沖縄問題にどう対応するか、あるいは日米安保条約堅持の体制を、日米安保条約を維持していくためにはどういう対応が必要なのかと言った方がいいのでしょうか、与党案ともいうべきものをおまとめになって、私も昨日拝見をいたしました。関係閣僚それぞれ、この案を拝見をいたしまして、官邸からはこの与党案をベースにしてアメリカ側と折衝をするように、こういう御指示がございましたので、私もこの案をもとにして、本日、ペリー長官との会談に臨んで、会談を行ったわけでございます。
 それで、幾つかのポイントがございますけれども、まず、本日の会談の中で双方それぞれ全く考え方が一致をいたしましたのは、新しい協議機関を設けようということでございます。
 これは、十月二十四日にモンデール駐日大使と払お目にかかったときに、実は私からそれらしいことを提案いたしまして、アメリカ側もそれに対して関心を示して、その後双方でやや事務的にお互いの考え方を打診したりいたしまして、本日の会談でも、期せずして双方から、こうした機関をつくることが適当ということになったわけでございます。
 それで、本日の会談におきましては、沖縄におきます施設、区域の整理統合を促進するために、日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2でございますが、そのもとに新たな協議の場を設置するということで意見の一致を見ました。この協議の場におきましては、安保条約の目的達成との調和を図りつつ、中長期的な観点から沖縄における米軍の施設区域のあり方について検討を行おう、こういうことでございました。
 さらに詳細は、事務的に詰めなければならぬこともございます、それから、それぞれ日米双方政治的な決断をする必要もあるかと思いますが、できるだけ急いでその内容等、その協議の場で一体いかなることを協議するかとか、いつから始めるかとか、そういったことについてさらに詰めよう、こういうことになったわけでございます。
 今回、日米双方大変努力をいたしまして、刑事裁判手続については今議員がお話しになりましたように運用改善についての合意を見たわけでございますが、同じように、騒音の問題でございますとか、環境保全の問題でございますとか、その他県民の皆さんから御指摘をいただいております問題点解決のために両国はさらに努力をして、解決のための努力をしよう、こういうことでも一致をいたしております。
#17
○前原委員 あわせて、もう一度お伺いしたいわけでございますが、この与党案について、きょうの新聞で、期限を初めは定めていたのに期限という言葉が外れたどうのこうのという記事がございましたが、趣旨はそうじゃなくて、我々与党三党は一致しておりまして、沖縄からの言葉というのは、核抜き本土並みということを信じ続けてきたのが二十三年間、しかし本土並みになっていない、要は口約束では沖縄県民は納得しないんだということがございました。したがって、こういう案を出させてもらった前提というのは、やはりある程度計画をつくって、また期限も付してやらなければいけない。それは文言では外れているかもしれませんけれども、気持ちとしてはそういう気持ちを込めたつもりであります。
 その点について大臣のお気持ちを伺いたいのと、それから、我が与党の中では、縮小ということ、そして継続案件の十事案プラスアルファというところまで、もちろんそれは協議機関をつくってこれから話し合いをしていこうということでございますが、それについての意欲をお示しいただきたいと思います。
#18
○河野国務大臣 できる限り早く具体的に実行するということが何より重要だというふうに考えておりまして、私どもも、もとよりそうした決意で交渉にも臨みますし、問題解決にも臨みたいというふうに考えております。
 それから、先ほど議員がお話しになりましたことで、御指摘になりました二十二事案プラス三事案、それからそれ以外の十四事案というお話がありましたが、どうもそのカテゴリーの分け方には多少問題があって、つまり三事案と二十三事案のうちの十三事案については既にどのレールに乗るかということは決められているわけでございまして、その二十三事案のうちの残りの十事案というものが、日米双方で処理をしようという合意をしながらまだどのやり方になるかということが決まっていない。この十事案は、これはもう双方でテーブルの上にのってどういうふうにするかという、あとその処理の仕方だけが残っているわけでございますからこれは一つのカテゴリーですが、そのあとの十四事案というのは、まだ少しその十事案とは違う状況にあるということなどのやりとりがございました。
 いずれにしても、新しい協議機関にどれをのせるか、あるいはどの部分はそれにのせるまでもなく先に処理をするかというような仕分けをしなければならないというふうに思っておりまして、本日のやりとりの中では、二十二事案のうち残された十事案については、これはもう双方ができる限り早くその処理の仕方について合意をしなければならないものなのだということの認識は一致しております。その他の問題については、まだこれからその認識を合わせるところからやらなければいけないということで、少し違いがあるのだという、そんな議論がございました。
#19
○前原委員 再度の質問になりますけれども、これからもちろん俎上にのせて努力をしていただくということでありますが、ちょっとカテゴリーの問題がございますが、十四事案、特に普天間飛行場とかあるいは嘉手納の弾薬庫、非常に広い面積で、沖縄県民が最も目に見える形で期待をされている部分でありますけれども、それも含めて与党としてはまとめさせていただいたわけでございます。もちろん交渉事でありますので軽々に物はおっしゃれないのは承知をしておりますが、それも踏まえて、縮小について努力をしていただけるということを再度ちょっと意欲を表明していただければと思います。
#20
○河野国務大臣 与党の皆さんに大変御努力をいただいた問題でもございます。先ほど申し上げましたように、与党の皆さんのおまとめになりましたことは、交渉のたたき台といいますか、ベースといいますか、そういうふうに考えて取り組むようにという官邸からの御指示もございます。そうした考えでまいりたいと思っております。
#21
○前原委員 終わります。
#22
○三原委員長 引き続いて、赤羽一嘉君。
#23
○赤羽委員 新進党の赤羽一嘉でございます。本日は、まず国際穀物協定につきまして幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、国際穀物協定を見ますと、その成り立ちは、一つは穀物貿易規約。この穀物貿易規約というのは、内容を見ますと、その目的は、穀物の貿易のすべての側面について国際協力を促進すること、二つ、国際穀物市場の安定に寄与すること、三つ、穀物の貿易に関する情報交換及び討議の場を提供すること等を目的とする。並びに食糧援助規約ですね。これは、その目的は、開発途上国に対して毎年一千万トン以上の食糧を援助するという世界食糧会議の目標の達成を確保することを目的とする。その食糧援助規約の二つから成り立っている。
 何回かいろいろ読ませていただいたのですが、この目的とか、また食糧援助規約と穀物貿易規約の加盟国はそれぞれ異なっておりますね。その辺も間違いがあれば御訂正いただきたいのですが、もう基本的なことで申しわけないのですが、なぜこのような二つの規約から穀物貿易協定というのが成り立っているのかというところをまず教えていただきたいと思いますが。
#24
○原口政府委員 お答え申し上げます。
 この二つの協定は本来別のものでございますけれども、片や現実の問題といたしますと、食糧援助というものが量において相当大きな規模を占めてまいりまして、実際に穀物の商業取引にも大きな影響があるということが一つございまして、そういうことから、食糧援助規約というものもつくる方がよかろうということで、二つこの協定ができたわけでございますが、他方、その食糧援助規約の発効のためには穀物貿易規約が効力を有していることが条件とされておりますし、また、食糧援助委員会の事務局は国際穀物理事会の事務局が兼ねるというようなことが規定されていることなどもありまして、発生的に見ましても、先ほど申しましたような理由から双方がいろいろな面で関係があるということで、あわせて一つの前文をつけて御審議をお願いしている、こういうことでございます。
#25
○赤羽委員 今御答弁の中に、援助する食糧の量が年々ふえている、それは穀物取引のマーケットに影響をもたらしめるだけの量になっているというふうな御発言がありましたけれども、実際そうなんでしょうか。私の認識では、そういった趣旨でこの二つの規約が恐らく一つの協定の中に盛り込まれたのだと思いますが、実態として、穀物市場のマーケット動向にインパクトを与えるだけの食糧援助がなされているのかどうか、その辺の見解について確認をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#26
○原口政府委員 私の理解では、この食糧援助規約ができた当時、譲許的取引の量というのは通常の商業取引の三分の一くらいの量を占めていたわけでございますので、やはりインパクトはあったというふうに理解しております。
#27
○赤羽委員 そうしますと、ちょっと穀物貿易規約の内容で伺いたいのですが、今のお答えの中にあったように、確かに「市場動向に関する協議」、この「国際穀物市場の動向が加盟国の利益に影響を及ぼす著しいおそれがある場合」云々ということがあったり、「報告及び記録」ということで、「加盟国は、穀物の船積み及び輸入を定期的に報告し、理事会は、その記録を保持する。」というようなこともあり、また、「目的」の中で「穀物の貿易のすべての側面について国際協力を促進することこの中に、貿易障害並びに不公正、差別的な慣行の廃止を促進するというふうなことがあると思います。
 しかし、実際は貿易障害というのは、恐らく輸入割り当て制度とか、高関税のこととか、輸出補助金とか、価格維持制度等のことを言っているんじゃないかと思いますが、これ、実際は撤廃されているとは言いがたい現状の中で、この穀物貿易の規約の中にうたわれているということは努力目標なのか、加盟国は必ず報告及び記録、例えば先ほど言いましたが、船積み、輸入等々を必ず報告しなければいけない義務なのか。どのくらいの強制力を持っているのか、教えていただけますか。
#28
○原口政府委員 お答え申し上げます。
 今の点は努力目標でございまして、法的な義務ということになりますれば、WTO等で交渉して法的な義務を課すということになると思います。
#29
○赤羽委員 わかりました。
 次は食糧援助規約についてですが、その中で、「国際社会の共同の努力により、かつ、この規約の定めるところにより、開発途上国に対し人間の消費に適する穀物の形態により毎年一千万トン以上の」援助をするという世界食糧会議の目標を達成することを目的としている。先ほど読んだところでございますが、一千万トンのこの最低限度の拠出義務の算出根拠というのは何か、教えていただきたいと思います。また、その一千万トンというのは小麦換算をしての一千万トンなのかということもあわせてお答え願います。
#30
○畠中政府委員 この目標であります一千万トンにつきましては、これは一九七二年当時の穀物の大不作に端を発しました食糧事情の悪化というものを背景といたしまして、一九七四年十一月に、国連の主催によりましてローマで開催されたいわゆる世界食糧会議のときに、一千万トンという目標を決議の中で決めたものでございます。
 ただし、この一千万トンという目標はあくまで努力目標でありまして、加盟国がこの食糧援助規約に基づきまして負います、出すべきいわゆる拠出義務量は別途定められております。一千万トンではございません。
#31
○赤羽委員 それは小麦換算量としての一千万トンなんですか。
#32
○畠中政府委員 失礼いたしました。小麦換算一千万トンでございます。
#33
○赤羽委員 現在、一千万トンという努力目標のこの数値というのはクリアをされているんでしょうか。物質的に一千万トン行っているのか。現金拠出もあるとも聞いておるのですが、その辺も含めて……。
#34
○畠中政府委員 これまでの食糧援助規約によりますと、いわゆる義務的な拠出量は合計で約七百五十一万トンでございました。それに対しまして努力目標の一千万トンというのがございますが、それに向かって各国が努力をしてまいりまして、最近の七、八年の例で申し上げますと、昨年を含めまして二回だけ一千万トンに達しない年がございましたが、そのほかは一千二百万トン、一千三百万トン、あるいは一千万トン強といったような形で、努力目標は多くの年においてクリアされております。
#35
○赤羽委員 今の問いに関連しますが、食糧援助の形態というのは、穀物の贈与とか現金の贈与等々の形態があるようです。その援助国の中には農業大国もあり、また我が国のように食糧自給率が低い国もあるわけでありますけれども、現実に、援助国各国はいかなる形で援助を行っているのでしょうか。
 また、我が国は年間三十万トンですか、小麦換算ベース三十万トンの援助を義務づけられているようですけれども、日本の実績というか、実態としてはどういった形で食糧援助を行っているのか、教えていただけますか。
#36
○畠中政府委員 食糧援助規約の加盟国は、先ほど先生御指摘のように、資金による拠出それから現物、穀物による贈与の形での拠出といったようなものがございますが、加盟国の中で、我が国とノルウェーを除きまして主要穀物輸出国がほとんどでございますので、こういう我が国とノルウェーを除いた国につきましては、主に穀物の贈与の形で義務を果たしております。我が国とノルウェーにつきましては、途上国が必要とします穀物を購入する資金を、無償で供与するという形をとっております。なお、アメリカの場合には、贈与の形以外にも、一部現地通貨との引きかえによる穀物の売り渡しや、信用供与による穀物の売り渡しの形で実施しております。
 我が国の最近の実績でございますが、年によってばらつきはございますが、ここ数年は三十二、三万トンから四十万トンの間で貢献しております。三十万トンを超えております。
#37
○赤羽委員 今お話にありました加盟国というのは、ちょっと確認したいのですけれども、日本、ノルウェーのほかに、アメリカ、EC諸国、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、そしてスイスも入っておるわけですか。スイスも穀物で輸出しておるのですか。また、それ以外に、今言った以外に加盟国があれば教えていただきたいのですが。
#38
○畠中政府委員 加盟国は、申し上げますと、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、カナダ、それからECの諸国、フィンランド、日本、ノルウェー、スウェーデン、スイス、アメリカといったようなところでございます。
#39
○赤羽委員 それで、日本の三十万トンというのは、どのようにこの拠出義務は決められたのかということと、三十万トンに相当する現金で贈与しているという御説明がありましたが、小麦の値段といってもかなりマーケット相場は荒れる商品だと思いますが、その小麦の換算量を換算するときの換算金額の根拠、そういうのはあると思うのですが、何に基づいて計算されているのか、三十万トンというのはどこから出てきた数字なのか、二つ教えてください。
#40
○畠中政府委員 各国の最小拠出量と申しますか、義務量を決めますときには、加盟国が、自国のGNPそれから援助動向それから食糧の生産及び消費動向、そういったものを勘案しながら、交渉の会議の過程で、各国が財政事情の許す範囲で自主的に決めたものでございます。
 我が国の場合、三十万トンを無償の資金供与の形で実施しておりますが、その積算根拠は、前年度の小麦価格の平均価格を基礎に予算要求をしております。
#41
○赤羽委員 三十万トンというのは大体どのくらいの金額相当になるのですか。
#42
○畠中政府委員 年によって違いはございますが、大体百三十億円程度と思っております。
#43
○赤羽委員 それでは、ちょっと技術的な、具体的なことで、おわかりにならなければ結構ですが、何か現金供与する場合には一援助を求めている相手国から直接日本に要請があって、その要請に基づいて二国間で援助を行っているというように、ちょっと調べたところなのですが、これは間違いございませんか。
#44
○畠中政府委員 食糧援助を我が国が実施してまいりますときには、主に二つの種類がございます。それは、いわゆる二国間の関係で、恒常的な食糧不足国に対しまして援助をしていきます場合、それは前年度あるいは過去においても、食糧状況というのがずっとわかりますので、前年度の実績その他を踏まえながら、その途上国からの要請、それをFAOの食糧事情の情報と照らし合わせまして、そしてどの程度にするかということを決めながら実施しております。もう一つは、最近は難民に対する食糧援助というのがございまして、これは、それぞれの難民援助をしております国際機関からの要請を踏まえ、さらにFAOその他の情報を勘案しながら、食糧援助を決めていっております。
#45
○赤羽委員 さきのWTOの条約で、我が国は本年度からミニマムアクセスを受け入れているわけですが、今後国内において、例えば米の場合、余剰米が発生する懸念がないとは言えないと思うのですが、そのような場合、この食糧援助規約の食糧援助の一環として、このような余剰米を活用できるというふうに政府は考えていらっしゃるかどうか、教えてください。
#46
○畠中政府委員 ただいまの、仮に余剰が生じた場合という御質問と思いますが、仮に、ミニマムアクセスの米の輸入の結果余剰米が発生した場合に、我が国が、かかる余剰米を食糧援助に利用すること自体は、食糧援助規約との関係のみからは、特段の問題は生じるものではないと考えております。
 ただし、国際貿易上のルールを定めるWTO協定との関係からは、本件は慎重に対処する必要があると考えられます。すなわち、このような余剰米の食糧援助への利用につきましては、我が国が米について、WTO協定の農業協定に定める特例措置を適用していること、WTO協定との整合を確保する必要があることにかんがみまして、慎重に検討する必要があるということであります。
 特に、ミニマムアクセス米自体を食糧援助に利用することにつきましては、ミニマムアクセス設定の趣旨を損なうことがないよう、かつミニマムアクセス米の取り扱いについて、諸外国の関心が非常に高いことなどを踏まえまして、極めて慎重に対処する必要があると思います。
 さらに、余剰米の食糧援助への利用の検討に際しましては、諸外国による通常の米輸出に及ぼし得る影響及び被援助国の需要状況等、関連する種々の外交的側面にも配慮を払う必要があると考えております。
#47
○赤羽委員 また、食糧援助規約は、食糧援助の対象となる途上国の定義として、OECDの開発援助委員会で使用されている定義を採用されているとのことですが、この援助の対象が援助国によって恣意的に決められた場合は、人道援助であるべき食糧援助の性質が、政治的なものへと変化する可能性があるのではないかと懸念されるわけですが、援助の対象は具体的にどのように、先ほどちょっと御説明もあったかと思いますが、決定されるのか、またそこに、政治的な意図の入る余地がないのかどうか、御確認ください。
#48
○畠中政府委員 食糧援助の対象国を決定いたしますときには、各対象国の食糧不足の度合い、貧困の度合い、あるいは援助を受け入れるための体制の整備といったようなこと、人道的な見地からの配慮が主となることは当然でございますけれども、やはり援助の一つの形態でございますので、そのときにはどの国に、例えば途上国に食糧不足の国はたくさんございます。日本としてそういう国のどの国に援助をしていくべきかということの判断につきましては、外交的な考慮も払って対象国を決めることになります。当然、食糧援助規約の加盟国というのは日本国以外にもたくさんございますので、そういう国がどの国を対象として援助対象国にしていくかということは、今申し上げましたような配慮に基づいて決められていっております。
#49
○赤羽委員 それで、我が国は、食糧援助規約によって年間三十万トンの援助を義務づけられているというか、自己申告をして義務づけられているわけですが、先日、我が国は北朝鮮に対して米の支援を決定しているわけでございますが、この北朝鮮への支援というのは食糧援助規約の枠内としてカウントされることになるのかどうか、お教えください。
#50
○畠中政府委員 食糧援助規約の義務量として報告をしておりますのは、日本が負っております三十万トンの義務量を実施するために食糧援助のための予算を毎年計上しておりますが、それを使用して義務を果たすために出した米だけを報告しております。
 先ほどの御指摘の北朝鮮に対する米の支援につきましては、例外的な人道的な措置として出しましたが、これは、私どもといたしましては、食糧援助規約の義務量を果たすための援助、支援ということの枠外ということで対処いたしましたので、報告はいたしておりません。
#51
○赤羽委員 これは、枠内としても、日本の政府の考えで処理でき得るものなんですか。どうなんでしょう。
#52
○畠中政府委員 形から申しますと、食糧援助規約上禁止されてはおりませんが、我が国としては、義務量を果たすための措置ということではございませんので、枠外として処理いたしております。
#53
○赤羽委員 そこの、今の米の三十万トンも報告し、それ以外に三十万トン従来どおりの義務を果たして、従来の三十万トンプラス北朝鮮への米支援三十万トンですか、これも報告することはできるわけですね。そこの点、何で報告をしないのか、何か意図があるのか教えていただきたい。
#54
○畠中政府委員 北朝鮮に対しましては、我が国は、ODAといいますか、政府開発援助を実施する前提といたしまして、国交の正常化が前提であるということが政府の方針でございます。そういうことが一つと、それから、過去におきまして我が国が延べ払いで米を出したことがございますが、こういうときにも実は義務量を果たすための米の支援でございませんでしたので、過去においても同様に食糧援助規約の枠内としては報告してないケースがございます。
#55
○赤羽委員 なぜしないのか余りよくわかりませんけれども、今出てきました北朝鮮への米支援についてちょっと伺いたいと思います。
 さきの北朝鮮への米追加支援協議において、北朝鮮側は、恒常的な米の不足量と合わせて約三百万トンが不足するというふうな説明があったということでございます。最近北朝鮮は、ベトナムから米十万トンをセメントとバーター取引で購入する契約を結んだとも報道されておりますけれども、このような事実から私たちが推察するには、北朝鮮において依然として恒常的な米不足、米が不足しているのではないか、この米不足の状態はしばらく続くのではないかと考えられますが、この点についての政府の御認識、御見解をお聞かせください。
#56
○加藤(良)政府委員 私どもも、北朝鮮における米、食糧不足というものはこれからも続く事態ではないのかなという推察をいたしております。
#57
○赤羽委員 一方、この前の十月十四日、韓国の李首相主催の晩さん会で、韓国の金泳三大統領は、要するに日本が韓国の頭越しに米交渉を行い、統一を妨害する姿勢をとっているというふうに言われて、北朝鮮への米支援を行った日本に強い不満を表明したそうでございます。米追加支援を決定した場合にさらなる日韓関係の悪化が予想されるところでありますけれども、今、日韓関係はいわゆる日韓併合条約に関する首相発言等々でかなり厳しい状態にあるとも伝えられておりますし、今後米の追加支援を韓国の頭越しに行うというのは韓国世論の悪化を招くことになるのではないかと心配するところでございます。
 しかし、先ほどの御答弁で、北朝鮮の米不足というのは今後も続くと予想されている、人道的な見地から協力もしなければいけないということで、本年、米の支援を決めたわけでございますけれども、今後、北朝鮮に対して政府は米の追加支援をさらに行う意思はあるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#58
○加藤(良)政府委員 政府といたしましては、そもそも北朝鮮に対する経済協力というものは、これは国交の正常化交渉の妥結が前提になるということを基本的な方針といたしておるわけでございまして、既に決定された米の支援というのは、これは我が国の緊急輸入米が活用できるという事情があったために、それに基づいてその範囲内において実施したものでございます。したがって、今回追加支援をいたしましたけれども、これで活用できる緊急輸入米の在庫はなくなりますし、こういう観点からも北朝鮮に対してこれ以上の米の支援を行うということは考えていないわけでございます。
 なお、北朝鮮との関係に対処するに当たりまして、先ほど御指摘のような金泳三大統領の発言があったということは事実でございますが、私たちとしては、至らぬところがあったかとは思いますけれども、韓国側との連絡はできるだけこれを密接に保つように心がけている次第でございまして、今後ともそういう密接、緊密な連絡体制をとってまいりたいというふうに考えております。
#59
○赤羽委員 実施決定された分は、本年というかこの二年間ですか、緊急輸入米の在庫があったからできたのだ、基本的には国交を前提としての経済協力だ。ということは、日朝国交交渉がある程度緒につけば追加支援を再開するということでよろしいですか。
#60
○加藤(良)政府委員 日朝正常化交渉が再開されれば追加支援を行うということではなくて、米の支援を経済協力として行う以上、日朝正常化交渉の妥結が前提であると私たちは考えております。
#61
○赤羽委員 ですから、妥結しないうちは、いかに不足状況が伝えられ、要請があっても支援を行う考えはないということでよろしいのですか。
#62
○加藤(良)政府委員 経済協力という文脈で行います米の支援、こういうものは日朝の正常化交渉が妥結した後でないと行うことができない、こういう基本的な立場として今も変わっておらないわけでございます。
#63
○赤羽委員 経済協力としてという前提ですか。余り意味があれなのですが、大臣、もしよければこの点で。
#64
○加藤(良)政府委員 今回の北朝鮮への米の供与は、第一次供与、第二次供与も含めて、これを非常に例外的な、緊急、人道的なケースとして処理したわけでございます。それはそういうものとして、いわば一回限りのオペレーションなわけでございます。
 それで、そういうようなことが可能であった背景には緊急在庫米として使い得る米があったということでございまして、これから先どういう状況が存在するかということは今全く予断の限りではございません。ただ、それを超えて経済協力につながるような米の支援というようなことが考えられるかといえば、それはやはり国交正常化をする、その国交正常化が達成される、そういう暁に初めてそういうことが考えられることになるということでございます。
#65
○赤羽委員 ちょっとくどいようですけれども、経済協力の枠組みではなくて、また人道的な見地から、仮に第三次目の支援要請があり、本年からのミニマムアクセスで起こる、これを言うとあれですけれども、在庫米、余剰米という余地があれば、可能性としては追加支援する可能性があるのですか、ないのですか。
#66
○加藤(良)政府委員 まず、そのような日本側の事情というものがあり得るものかどうか、全く私たちが想定できる限りではございません。
 いずれにいたしましても、現在、経済協力に至らない米の追加支援というものがあり得るかといえば、そういう要請もまだないわけでございますし、またあったとしても、それは先ほど申し上げました日本側の特殊な状況があるかということによりますし、今私どもとしてそういう考えがあるかといえば、そういうことは全く想定されておりません。
#67
○赤羽委員 現状ではそういう意思はない、政府としての意思はないということで確認いたしました。
 朝鮮半島、韓国との関係というのは日本にとっても非常に重要な問題があると思います。本年八月十五日の金泳三大統領の独立五十周年の祝辞の文言とか、それ以後、先ほど言いました併合条約に関する見解の違い等々で、日韓関係というのはかなり厳しい状況になっているのじゃないかなというふうな印象を持っております。
 私も、日韓議連の若手議員でつくっている二十一世紀委員会ということで、十一月のこの連休にソウルへお邪魔するような予定になっておりましたが、これも、理由はともあれ一応そういう会合は中止になったというような状況の中で、本当にこのままでいいのか。向こうは、聞くところによると、韓国の国会議員で国会決議をしたりとか、かなり激しい対応が見られている。これに対して、今後日韓関係を回復させていくために政府として具体的にどのような手を打たれようとしているのか、教えていただきたいと思います。
#68
○河野国務大臣 議員御指摘のとおり、現在、私どもにとって極めて重要な二国間関係とも言うべき日韓関係について、今お話しのとおり日韓議連の総会の延期など、我々にとって極めて残念な情報がございます。
 その事の起こりが、我が方にその原因があるという御指摘もございます。村山総理の国会におきます答弁について御指摘があるわけでございますが、しかし、その後村山総理は、総理としての気持ちといいますか、真意を正確に伝えるという意味もあって、国会でさらに答弁を重ねておられるわけでございます。少なくとも総理の御答弁は、村山総理御自身が八月十五日に発出された首相談話の延長線上にあるといいますか、同じお考えであって、多くの方々に耐えがたい苦しみを経験させたということについて遺憾の意を表明され、こうした歴史を直視していかなければならないということを言っておられるわけでございまして、ぜひこうした総理のお気持ち、お考えというものを御理解いただきたいものだというふうに考えておるわけでございます。
#69
○赤羽委員 いや、大臣、私は、その総理の発言とか、どう解釈しているのかとかいったことを別に今追及している意図ではなくて、こじれてしまっているというのは事実だと思うのですね。それに対して、外務大臣レベルで会談を持つとか、今のこの状況を打開する方向で、前向きな方向で具体的に政府としてのアクションは考えていないのかどうか、考えられているのか、その点についてお聞きしているのです。
#70
○河野国務大臣 ぜひ両国の関係を好転させるために努力をしなければならぬ、これは外務大臣としても当然の責任と思っておりまして、できる限りそうした行動をいたしたい、こう考えております。
#71
○赤羽委員 具体的には予定はされていないのですか。そういう意思はあられても、具体的には決められていないのかどうか。
#72
○河野国務大臣 意思はあるけれども何にもしないのかというお尋ねであれば、そういうことではございませんで、私どもとして、この問題を一日も早く解決するためになすべきことをきちんとしなければならぬと思っております。これは、でき得る限り我が方の気持ちを理解していただく場面をつくる、あるいは方法を選ぶということでございまして、これらについては我が国の先輩の方々の意見なども伺いましたり、あるいは事務方としてもどういう方法があるか、さらにはソウルにおります大使館等の意見なども聞きまして、今考えているところでございます。
#73
○赤羽委員 確かに環境づくりの上でということは大事だと思いますが、両国の外交の責任者が会って率直に意見を交わすというのが非常に大事だと思うのです。外務大臣もお忙しいと思いますが、この十一月頭の連休でソウルに飛ぶような具体的なことはできないのでしょうか。
#74
○河野国務大臣 環境を整えてよりよい方法を見つけて、できるだけ早い場面で解決のための糸口をつくりたいというふうに考えております。
#75
○赤羽委員 できるだけ早期に、APECも始まりますし、それまでに何らかのアクションをとっていただきたいと要望するものでございます。
 また、朝鮮半島の核疑惑、これは予算委員会、外務委員会等々でずっと質疑が行われているところでございますが、最近の報道によりますと、九月二十七日、国連総会の場で、アメリカのクリストファー国務長官が、インドネシア、フィリピンなどのアジア・太平洋地域二十カ国の外務大臣らと朝食会を開いて、その席でKEDOへの参加を各国に要請した。また、それを受けてタイの外務省は、KEDOに対して三十万ドルを拠出する旨を発表したとの報道もあるわけでございますが、思いますに、この北朝鮮の政治的な安定は、我が国や韓国等といった周辺の国のみならず、アジア・太平洋地域の安定に不可欠な要素であるというふうに認識しております。したがって、できるだけ多くの国にKEDOに参加を呼びかけるのが得策であるというふうに考えております。まず、この春以後のKEDOに関する進捗状況をお教え願えればと思います。
#76
○加藤(良)政府委員 春以後、KEDOにつきましてはそれなりの進展が得られておりまして、現在も御案内のとおり、現在と申しますか、十月十六日以来でございますけれども、今日に至るまで、KEDOと北朝鮮との間で、取り決めに関する第二回目の協議というのがニューヨークで行われております。この交渉につきましては、十月二十一日にKEDO、北朝鮮の共同プレスステートメントというものが発表されておりますけれども、その中の記述にございますとおり、実務的かつ前向きに本件協議が進んでいる。まだ妥結にどれぐらい時間がかかるか、ちょっと予断の限りではございませんけれども、実務的かつ前向きに進んでいるということは事実のようでございます。
#77
○赤羽委員 例えば、いわゆる韓国型の軽水炉が供与され、韓国企業が軽水炉プロジェクトにおいて中心的な役割を果たすことが確認されたということですが、これは今現在も間違いないことでございますか。
#78
○加藤(良)政府委員 韓国型軽水炉の導入と韓国が主要な中心的な役割を果たすというその基本的な点については、全く変化はございません。
#79
○赤羽委員 それから、米朝合意の中でも盛り込まれていると思いましたが、代替エネルギーの提供についても、この秋までに十万トンが提供されるといったことが入っていたと思いますが、この点ほどうなっているのか。また、追加ですが、連絡事務所の設置についても、一応御確認をお願いします。
#80
○加藤(良)政府委員 今回のKEDOと北朝鮮との交渉と申しますか、これはいろいろ広範な範囲の問題を含んでおりますことは御承知のとおりでございます。例えば、今御指摘の問題のほかにも、供給の範囲をどうするかとか、それから支払い条件というものはどういうふうにするか、あるいは事故が生じた場合の賠償責任をどういうふうにするかといったような基本問題もあるわけでございます。それとともに、今おっしゃられました代替エネルギーの提供の問題というものもあるわけでございますが、代替エネルギーの提供につきましては、とりあえず一番緊急な分については、これの手当てを何とか進めつつあるというところでございます。
 こういう基本問題についていつまでに妥結するのか、ちょっと私としてもその期日を予言することはできませんけれども、先ほど申し上げましたように、実務的あるいは前向きな協議というものがニューヨークで行われているという心証を有しております。
#81
○赤羽委員 心証ではなくて、実際は一月十九日までに代替エネルギーについては五万トン供与された、この秋までに十万トン供与される、提供されるということですが、それは確認はとれてないのですか。
#82
○加藤(良)政府委員 私どもの承知しておりますところで、既にKEDOは一部の重油を北朝鮮に送付したという状況は確保されておるわけでございます。
 それで、そういうことをベースにして、今おっしゃられたような代替エネルギーの提供というものが既存の線に沿って米国なんかが中心的な役割を果たす、またその点に関連していろいろな、参加国の範囲というものを、今後米韓日、その三原加盟国、理事国が共同しながら、協力しながら進めていって、その協力も取りつけるというような形で将来に向かって進むことになるだろうと思います。
#83
○赤羽委員 精力的に日米韓で実務的な作業が進められているという認識でよろしいわけですね。ということは、この春、随分当委員会、予算委員会でもこのKEDOに関する日本側の資金負担はどのぐらいなのかといった質問があったと思います。そのたびに、輪郭が定まらない、その時点では答えができないというのが一貫して政府の答弁だったと思いますが、現状、これだけ煮詰まってくれば日本側の資金負担もかなり明確になっているものと思いますが、どのくらいの資金負担になるのでしょうか。
#84
○加藤(良)政府委員 恐縮でございますが、前向きかつ実務的に全体としての協議は進んでおりますけれども、供給の範囲とか支払い条件とか、事故が生じた場合の賠償責任とか、今そういう基本的な問題についての詰めを行っているという状況でございまして、まだ日本の資金負担がどれぐらいのものになるかというようなことをお示しできる段階にはないわけでございます。ただ、いかなる状況にいたしましても、このKEDOに対する日本の協力というものの全体像が明らかになりました時点で、国会との関係におきましてはその実体というものに即して適切な処理をいたすことは当然であると思っております。
#85
○赤羽委員 先ほど言いましたけれども、タイがKEDOに三十万ドル拠出するという報道がありますが、これはまず事実確認されているのかどうか。また、他の参加国、KEDOに対する資金提供を申し出ている参加国はどういう国があるのか。また、並びに、中国は一貫してこの枠組みの外でいた方がいいというようなことを言っていたようですけれども、現時点での中国のKEDOに対する態度はいかなるものかお教え願いたいと思います。
#86
○加藤(良)政府委員 大変申しわけございませんが、現在手元に正確にどの国がどうというリストを持ち合わせておりません。必要であれば後刻、別途御説明申し上げたいと思いますけれども、東南アジアの国々のみならず、例えばEUなんかについてもそういう拠出の要請をするということで、前向きの反応を得ているところもございます。アラブ諸国なんかに対してもその協力を呼びかけているという状況でございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました韓米日のこの三理事国というのが互いに協力しながら、できるだけ広い国、広い機関の参加を得て、そのような問題に後顧の憂いなく対応できるような体制をつくり上げたいと思っております。
#87
○赤羽委員 具体的な資料は後でいただければ結構ですが、中国に対して日本政府としてどう働きかけているのか、現状はどうなのかということを教えていただければ。
#88
○加藤(良)政府委員 私が記憶しております限りでは、中国に対しては、もちろんいろいろなハイレベル等でのやりとり、会談等が行われるたびにKEDOに対する協力というのを呼びかけてきた経緯がございますけれども、今現在、具体的に中国から何をどのような形でというような姿で協力の対応が明らかにされているということはなかったかと思います。
#89
○赤羽委員 大臣にお伺いしたいのですが、中国に対して、KEDOに関してはどのように働きをかけるのか、かけないのか。何か枠外で中国は基本的には第三者で見守りたいみたいなのが彼らの本音のように思うのですが、そのままでいいのか、よしとするのかどうか。
#90
○加藤(良)政府委員 大変申しわけありません。先ほど私の記憶に基づいてちょっと御答弁を申し上げましたけれども、中国は、委員御指摘のとおり、自分たちはKEDOの原加盟国でもない、むしろKEDOの外にいていろいろな観点からこれを見ていきたいということを言っておりまして、その後、中国のそういう立場を踏まえて、特にそれ以上のやりとりというものが具体的に進展を示したということはない状況でございます。
#91
○河野国務大臣 中国に対しまして私どももKEDOへの参加を求めたことがございます。なかなか中国、それにロシアという国々は、資金援助、資金をもって参加をするということについては、積極的といいますか前向きではございませんでした。むしろ、その当時、北朝鮮がKEDOとの交渉、その当時はアメリカとの交渉でございましたけれども、米朝協議その他を外側から支援するということに自分たちは力を注ぎたい、こういったような説明があったということを配慮しております。
 余計なことですが、ロシアの場合には、ロシア製の炉を供給するということであれば積極的に参加をしたい、しでもよろしい、こういったような話があったということをたしか記憶をいたしておりますが、炉については韓国型ということを日米韓で既に話し合っておりましたので、ロシアからのそうした話には我々は乗らなかったわけでございます。
#92
○赤羽委員 確かに、中国は資金的な面で難しいというのはよくわかりますが、北朝鮮が最も信頼をしている国は中華人民共和国であるということは間違いない事実であると思いますし、この朝鮮半島核疑惑に対する世界各国の取り組みの中で、やはり主体的に巻き込んでいかなければいけないというふうに私は思っております。
 どうかその点で大臣のお立場からも、政府として中国に対する、形はどうあれ、これに傍観者とならずに何らかのインボルブさせていくような御努力をお願いしたいというふうに思います。
 ちょっと時間が迫っておりますので、最後にAPECの件で伺いたいのですが、十月三十日に松永政府代表が、台湾で李登輝総統と会談され、台湾からの参加者問題について打ち合わせをされたということでございますが、その結果はいかがだったか教えていただきたいと思います。
#93
○原口政府委員 我が国は、本年のAPEC議長国といたしまして、APECの円滑な運営の確保という観点から、チャイニーズタイペイ、すなわち台湾でございますけれども、台湾とも種々な形で意思疎通を図ってきたところでございます。松永大使は、現在、APECの大阪会合開催の事前調整にかかわる日本代表顧問という立場にございまして、今回は、APEC議長国である日本が大阪での会合に向けていろいろな調整を行う一環として台湾との意見交換も行ったものでございます。その際、台湾からの出席者問題も話し合ったわけでございますが、ただ、この問題についての事柄の性質上、台湾側とは静かに調整を行うことが極めて重要であると考えておりまして、その会合の具体的内容ということにつきましては明らかにすることは差し控えさせていただきたい、そのように考えております。
#94
○赤羽委員 言われている意味はわかりますが、きょうの読売新聞の朝刊をごらんになられたと思いますが、「李総統の参加断念 松永代表が折衝、合意」というふうに出ているのですね。ある意味では、ここまではっきり報道されているわけですから、十一月十四日ですか、これが始まるわけですから、もう二週間後に控えて、国会の場で質問をし、我々は別に李総統を呼ぶべきだとかと言っているわけじゃなくて、前例を踏襲してということは了承しているわけであって、それに対して折衝され、台湾としてそれが合意されたのかどうかということを確認しているわけですから、答えてください。
#95
○原口政府委員 確かにそういう報道があることは事実だと思いますが、あくまで新聞報道でございまして、台湾側からもそういう正式な発表があったというふうには承知いたしておりませんので、御了承いただきたいと思います。
#96
○赤羽委員 これはどうなんですかね。もう本当に残念としか言いようがないというか、ここの場で語られないというのは本当に、ちょっと時間もありませんからあれですけれども、前回の同僚議員の質問に対しても、全く言えないということでは、それは外交についてというところもわかりますけれども、ここまではっきり出ていて、そしてそれはAPEC大阪会議議長国として、参加国がどうなのかということはそんなに軽視できない問題だと思いますが、それについてお答えいただけないというのは本当に残念です。
 同時に、クリントン大統領の出席見送りみたいな、予算の関係または別の理由があるかもしれませんが、そういう報道もあり、マレーシアのマハティール首相の出席の見通しについても種々報道があるようですけれども、これについて、現時点で確認できているところを教えていただきたいと思います。
#97
○原口政府委員 まず、米国のクリントン大統領の件でございますけれども、私どもといたしましては、クリントン大統領を含めて全メンバーからの参加を前提として準備を鋭意進めているところでございます。一部新聞に何かそのような報道があったようでございますけれども、米側からは、クリントン大統領がAPECの非公式首脳会議出席を見送るというようなことを示唆する連絡は一切ないというのが事実でございます。
 それから、マハティール首相の件でございますけれども、先週末でございますか、塩川総理特使がマレーシアを訪問いたしましてマハティール首相と会談を行った際に、マハティール首相からは、APEC大阪会議への出欠についてはまだ決めていないけれども、これまで日本政府が行ってきている準備プロセスについては評価しているという発言があったと承知しております。
 いずれにいたしましても、我が国としては、現在、APECの首脳会議については、マハティール首相も含め、先ほども申しましたけれども、全メンバーからの参加を前提として準備を進めているところでございます。
#98
○赤羽委員 最後に、APECの貿易・投資自由化を実現するための行動指針について、報道によりますと、我が国はすべての貿易障壁に取り組むとする一方で、分野ごとに異なる取り扱いで柔軟に対応する、例外の存在を前提とすることで自由化に歯どめをかけているような節が見られます。多分農産物の自由化についてだと思いますが、この点についての政府の御見解を聞かせていただきたいと思います。
#99
○原口政府委員 昨年のボゴール宣言の中におきまして、APECの首脳は、我々の目標を達成するに当たって、すべての障害に取り組むということを決意表明いたしておりまして、APECにおきましては、自由化の対象分野については包括的にする必要があるというのが各メンバーのコンセンサスでございまして、我が国もこの点について異論があるわけではございません。
 他方、我が国といたしましては、我が国の農業分野のように各メンバーがそれぞれ抱えている困難な分野があると思いますので、こうした分野の自由化につきましては、現実的で柔軟な対応を認めることが重要であるというふうに考えておりまして、その旨、現在主張しているところでございます。
#100
○赤羽委員 時間がありませんのでもう終わりにしますが、農産物の自由化と一言で言っても、きょう本当は農林水産省の方も来ていただいて、ちょっと論議したかったのですが、ガット・ウルグアイ・ラウンドで、要するに、例えばきょうの協定の中にはありましたが、小麦の輸入について、従来の輸入割り当て制度から関税化輸入制度に変わったわけです。しかし、実際は、この関税率から見ますと、現実的には輸入ができないような関税の設定をされているのが現状であって、恐らく、本年度小麦は全く輸入されていないというふうに推察するわけです。その点について、本当の意味でのガット・ウルグアイ・ラウンドの精神というか貿易自由化について論じたかったわけでございますが、残り時間がございませんので、御足労いただいて大変申しわけございませんが、また次回に譲らせていただいて、質問を終了したいと思います。
 以上です。
#101
○三原委員長 古堅実吉君。
#102
○古堅委員 穀物協定に関連し、食糧問題についてお尋ねします。
 世界の飢餓、貧困問題はますます悪化の傾向にある、このように指摘されています。九二年の「国連世界食糧機関 二〇〇〇年の世界農業」、これによりますと、全開発途上国の穀物の純不足量は、一九六九年から七一年には二千万トン、八三年から八五年には六千九百万トン、八六年には六千四百万トンというふうになっています。世界の穀物自給能力の見通し、及び世界の飢餓、貧困を救済するのに必要な穀物はどれくらいになると予測されるか、そこらあたりの御説明をお願いします。
#103
○原口政府委員 世界の飢餓人口というのをどういうふうに定義するかという問題がございますけれども、FAOに慢性的栄養不足人口という概念がございまして、とりあえずこの指標をもって飢餓人口の変化ということを御説明させていただきますと、この慢性的栄養不足人口は、七〇年代の初めに約九億四千万人、八〇年代の初めには約八億四千万人、現在は約七億八千万人という形で推移してきているというふうに承知しております。
 それから、今度は世界の穀物の需給事情でございますけれども、FAOの資料によりますと、ことしの世界全体の穀物総生産量というのは、前年に比べて若干増加する見込みではあるものの、予想される穀物消費量に対して不十分であって、三年連続で穀物在庫が減少するという見通しのようでございます。これにより、特に穀物を輸入している開発途上国、中でも低所得の食糧不足国は苦しい立場に置かれることも予想されておりまして、具体的には、FAOの資料によりますと、こうした低所得の穀物不足国の穀物輸入量は、援助分も含めまして九四年には約六千九百万トンでございました。九五年にはこの輸入の必要量はさらに膨らんで七千五百万トンになるというふうに予想されております。
#104
○古堅委員 今御説明のとおり、本当に深刻な事態が続いている、そういうことであります。
 協定では毎年一千万トンを援助するという目標になっておりまして、食糧援助規約の九三年から九四年度の世界援助の実績は八百七十一万トンであります。その中で、日本の年間最小拠出義務量は三十万トンでありますけれども、実績は三十四万一千トンというふうになっております。先ほどの飢餓、貧困の実態や穀物の不足量、それに照らしますと極めて少ないと申さねばなりません。これでは、昨年発表された国連開発計画の「人間開発報告書・一九九四」の人間の安全保障、つまり、飢餓、貧困、病気などの慢性的な脅威から人々を守る、こううたっているものに対しても、とてもそれに見合うというものにはなっていきませんし、人道援助という立場の、緊急の面から見てもほど遠いというふうに申さざるを得ないと思います。
 そこらあたりの事情を踏まえて、大臣としてどうお考えか、御見解を伺いたいと思います。
#105
○河野国務大臣 食糧援助規約によりますと、加盟国による食糧援助の合計が、目標は一千万トンと、これは議員御指摘のとおりでございます。その一千万トンが九三、九四年度に一千万トンにも届いていないという御指摘は、私も数字を見ましてこれは残念ながら好ましくない数字というふうに思っております。それは、議員が御指摘のように、世界には飢餓に悩む、苦しむ多くの人がいるという現実があるわけでありますから、こうした目標を設定した以上は、この目標に届くあるいはこの目標を超える努力というものは必要であろうと思います。
 他方、我が国に課せられた数字、これはミニマムが三十万トンということでございまして、このミニマムをまず基本的には超えるという、その努力は当然しなければならないと思います。しかし一方で、それではもう幾らでも、多ければ多い方がいいのかということになりますと、これは全体のバランスというものがあるのだというふうに思います。そうしたことも考え、やっていかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。
#106
○古堅委員 こういう深刻な状況がある中で、どうしても納得のいきにくい実情が進行しているわけです。
 アメリカの年間最小拠出義務量は八六年の国際小麦協定で四百四十七万トン、ところが、今回の協定ではそれを約二百万トン削減して二百五十万トンにしたというのであります。本協定の年間援助目標の一千万トン、これは八六年も今回も変わりはないわけなのですが、八六年の国際小麦協定の年間最小拠出義務の総量七百五十一万トンより今回は二百十六万七千トン減らし五百三十五万トンということになっているのであります。その減少になる大半がアメリカの減少によるものになっていくわけで、この協定に加盟している大きな責任を果たさなければいかぬアメリカのあり方としてどうなのか、その責任を当然問われなければいかぬ、そういうものを持っていると思います。なぜそういうことになったのか、御説明いただきたい。
#107
○畠中政府委員 各加盟国の年間最小拠出量につきましては、その国のGNPあるいは援助動向、食糧の生産及び消費動向を勘案しつつ、一九八六年の食糧援助規約における自国の最小拠出量を基礎に財政事情の許す範囲内で交渉会議の過程で各国が自主的に決定したものであります。お尋ねのアメリカにつきましては、困難な財政事情等を理由に最小拠出量を減少させたという説明を受けております。
#108
○古堅委員 そういう説明だけでは納得のできない現状だと申さねばなりません。
 昨年発表された国連開発計画の「人間開発報告書・一九九四」でも、アメリカは高所得の開発途上国に対して一人当たり二百五十ドルの援助を供与しながら、低所得国に対する援助は一人当たりわずか一ドルにしかならない、このようにアメリカを批判しているのであります。援助を減らすのではなしに、飢餓、貧困の実態が深刻な低所得国に対して日本もアメリカもさらに援助を拡大する、そういう方向に行くべきではないかというふうに考えますが、大臣どうお考えですか。
#109
○河野国務大臣 我が国が国際社会に対する貢献ということを考えますれば、経済的な援助あるいは技術的な援助、いわゆる平和的な側面におきます援助に大いに力を使うべきだというふうに考えております。
 議員先ほどから食糧問題について御意見を開陳しておられます。私も十分注意深く伺っているつもりでございますが、ただ一方で、当面の問題としてもちろん食糧を緊急的に飢餓に悩む人に渡すということは大事なことだと思いますが、他方、食糧が足らないということで、食糧だけを援助するということでいいかどうか。つまり、食糧、農産物をつくる力をあるいは技術を援助するということも中長期的に見れば非常に重要なことではないかというふうに思うわけでございまして、そうした点にも十分注意を払って我が国の援助は行われているということにもぜひ御理解をいただきたいと思います。
#110
○古堅委員 我が国の国際に占める経済力の現状に照らしても、最低拠出量、いわゆる義務量としての三十万トン、これは少な過ぎるのではないか、こう考えます。実績としてもそれを上回る、そういうことが続いております。
 ところで、ただ単に貧困だとかいうふうなものではなしに、食糧がなくて飢餓、餓死する、そういう事態が続いておる状況です。ただ単にその食糧援助をふやしさえすればいいというふうな、確かにそういうことにはならぬでしょうけれども、国際の現状に照らしてみますというと、食べるものがなくて餓死しておるという状況のもとでは、まず国際社会がどうそれに手を差し伸べて基本的にこの問題を国際的な協力関係で解決していくか、そういうことを見ながら、当然その他の援助も拡大していき、みずからも食糧生産が増大できるとかいろいろな面で力をつける、そういう方向もあわせ考えるべきであって、食糧援助をさえすればいいなどというふうなことでもないと思うのですが、この三十万トン、確かに最低義務量はそうでありますけれども、状況を見てそれをはるかに上回る、そういう援助も必要ではないか、このように考えますが、大臣いかがですか。
#111
○畠中政府委員 先生御指摘のとおり、食糧援助で飢餓を救うという面と、それからみずから食糧をつくれるようになるための援助をしていくという両方の面で我が国は努力しておりまして、我が国の最小義務量、食糧援助に基づきます義務量が三十万トンということで決められておりますけれども、我が国は、食糧増産のためのいろいろな農業分野の援助ということで日本のODAの約一割を重点項目として支出して、途上国のそういう問題に対応するという政策をとっております。アメリカその他の主要穀物輸出国と我が国の事情が違うという面も踏まえまして、総合的に途上国の食糧問題を解決するという観点から、我が国は今申し上げましたような政策をとっておるところでございます。
#112
○古堅委員 時間が来ましたので終わりますが、私はこの問題についてODA全体とのかかわりで何遍か質問してまいりました。確かにその他の面での援助を拡大するといったことは大事です。しかし、実績に照らしてみても、九三、九四年について一千万トンの目標に照らして八百七十一万トンしか確保できなかったという状況、餓死状態が続いているということを見れば、そういう状況に照らして食糧援助そのものをODAの中にあってもさらに重視してその方向に振り向ける、そういう努力を思い切ってすべきじゃないか、そう考えます。そのことを指摘して終わらせていただきます。
#113
○三原委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#114
○三原委員長 これより両件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、千九百九十五年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#115
○三原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 次に、千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。
 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#116
○三原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○三原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#118
○三原委員長 次回は、明二日木曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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