くにさくロゴ
1995/10/02 第134回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第2号
姉妹サイト
 
1995/10/02 第134回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第2号

#1
第134回国会 本会議 第2号
平成七年十月二日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二号
  平成七年十月二日
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 永年在職の議員上原康助君に対し、院議をもっ
  て功労を表彰することとし、表彰文は議長に
  一任するの件(議長発議)
 議員請暇の件
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時三分閣議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
永年在職議員の表形の件
#3
○議長(土井たか子君) お諮りいたします。
 本院議員として在職二十五年に達せられました上原康助さんに対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。表彰文は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 表彰文を朗読いたします。議員上原康助君は衆議院議員に当選すること九
 回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし
 民意の伸張に努められた
 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院
 議をもってこれを表彰する
    〔拍手〕
 この贈呈方は議長において取り計らいます。
    ―――――――――――――
#5
○議長(土井たか子君) この際、上原康助さんから発言を求められております。これを許します。上原康助さん。
    〔上原康助君登壇〕
#6
○上原康助君 このたび、院議をもって永年勤続の表彰を受けましたことは、まことに光栄であり、心から感謝を申し上げます。
 私が本院に議席を得ましたのは、沖縄がまだ米軍支配下にあった一九七〇年、昭和四十五年の十一月でした。これは、沖縄の施政権返還に備え、沖縄県の代表を国政に参加させるための特別選挙によるものでございました。
 私は、七二年五月の本土復帰までの間、パスポートを所持し、歳費も米ドルに換算するという極めて変則的な身分でありました。爾来、九回の総選挙を勝ち抜いて、今日まで二十五年間にわたり国政に参加することができましたことは、ひとえに先輩、同僚議員の御指導、御鞭撻と、郷里・沖縄県民の温かい御支援のたまものであり、ここに万感の思いを込めて深甚なる感謝と敬意を表するものでございます。(拍手)
 顧みますと、沖縄と国政のかかわりは他の都道府県とは著しく異なり、戦前においてはおくれること三十年、戦後も二十五年の長期にわたって国政から分断されてまいりました。
 本年は、日本の選挙制度が一八九〇年、明治二十三年七月にスタートしてから百五年を迎えます。この間の憲政史上、沖縄県は、実に五十五年間の長きにわたって、県民の意思とはかかわりなく、国策によって国政に参加する権利さえ全く行使できなかった差別の歴史を背負ってきたのであります。それゆえに、沖縄がいかに多くの犠牲を強いられ、不利益をこうむってきたことか、いまだに「怒りに燃え続けている島」の現状を見れば明らかであります。
 本日、私は、沖縄県出身議員として初めてこの栄誉に浴することができましたが、先達の皆さんの無念さと責任の重さを思うとき、内心忸怩たるものを覚えます。
 さて、今や、東西冷戦が終結し、私が最も論戦を交えてきた自民党一党支配の政治から連立の時代へと、世界も日本も大きく変革いたしました。この変化、変革の過程で、沖縄県民のたゆまざる努力と、国会と政府の御支援によって、沖縄の民生も次第に安定向上し、三次に及ぶ振興開発計画もおおむね進行しつつあります。
 しかし、敗戦から五十年、沖縄が復帰して二十三年余になるというのに、国政に負わされた課題は今なお山積いたしております。その最たるものが沖縄の基地問題であります。日米安保体制の犠牲をこれ以上沖縄に強いることを改めるべきでございます。
 今、日米両国の外交問題に発展し、国際世論の糾弾を受けるに至った、米兵三人による悪質きわまりない非人間的な少女暴行事件が、沖縄の現実と県民の心の痛みを如実に物語っております。この人権を踏みにじる惨事は、日本の戦後政治の貧困を意味しております。まさに日本外交の姿勢と政治の質が問われていることを痛感いたします。
 私は、今後とも、平和と民主主義を基調とする日本の未来を確かなものにするため、官僚主導の政治の打破と、沖縄の基地問題を初め国政に負わされている重要諸課題の解決を目指し、一層の努力をしていく決意を新たにするものであります。
 議員各位の変わらない御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#7
○議長(土井たか子君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 斉藤斗志二さん及び自見庄三郎さんから、十月三日から十一日まで九日間、山下徳夫さんから、十月三日から十五日まで十三日間、古いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
#9
○議長(土井たか子君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。羽田孜さん。
    〔羽田孜君登壇〕
#10
○羽田孜君 私は、新進党・民主会議を代表して、村山総理の所信表明演説に対し、提言を交えつつ、総理並びに関係大臣に質問をさせていただきます。
 質問に先立ち、本日未明、フランスは国際世論の強い反対にもかかわらず再び核実験を強行いたしました。まことに遺憾であり、政府はどう対処される方針か、まずお伺いをいたします。
 さて、この七月に行われた参議院選挙は、誕生して約一年を経過した村山連立政権が初めて迎えた国政選挙であり、その最大の争点は国民が村山連立政権に対しいかなる審判を下すかにありました。選挙の結果は、与党三党は改選議席を大幅に割り込み、特に総理の社会党は改選議席を四十一から十六議席へと大惨敗を喫したのであります。国民は村山連立政権に明白に不信任の意を表したのであります。(拍手)
 この結果は、村山連立政権のこの一年を顧みれば当然予想されたことでありました。我が国は、国際化、高齢化といった社会経済情勢の急激な変化に伴い歴史的な転換期を迎えており、旧来のシステムの抜本的改革を不可避としております。景気の長期停滞も、行財政の硬直化も、また社会の閉塞感の広がりも、かかる構造的要因に起因しております。
 しかるに、村山連立政権の姿勢は、この転換のときにどのように対応してきたのでしょうか。政権維持を何よりも最優先させ、与党間の対立を生むような問題は先送りし、敏速な改革を怠ってきたのであります。景気対策等の当面する課題についても本質的な問題に目を向けようとせず、対症療法に終始し、後手後手に回っています。先日行われた総理の所信表明演説においても言葉だけが先行し、肝心のところはすべて避けておるのであります。かかる連立政権に国民は愛想を尽かし、参議院選挙において不信任を突きつけ、その早期退陣を強く求めたのは当然であります。
 政治的空白はつくるべきではないと我々の解散要求を拒否し、統一地方選挙や参議院選挙で信は問えると繰り返してこられましたが、参議院選挙の結果をどう受けとめておられるのか、しかも、総理の奮闘にもかかわらず社会党が大敗を喫したことなどをどのように受けとめておられるのか、所信表明においては何ら触れられておりません。私は、民主主義の常道と政党政治の基本からすれば、退陣こそ正しい責任のとり方であると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。(拍手)
 次は、政治改革についてであります。
 我々は、金のかかる政治を是正し、この国の将来について正面から議論できる国会、そして政権交代の可能性のある体制の確立による議会制民主政治の健全な発展を図るため、衆議院に小選挙区比例代表並立制の導入を柱とする政治改革四法を、徹底した議論の末、細川連立政権のもとでこれを成立させたことは記憶に新しいところであります。
 新しい制度を一度も実施していないにもかかわらず、与党各党の内部に、政治改革の中心である小選挙区制度を廃止し、中選挙区制度に戻すことをうかがわせるような意見が根強く存在しております。とりわけ与党三党の中心である自民党の加藤幹事長は、既に公刊された雑誌の中で「小選挙区制導入は失敗したとみんな思っている」と発言をしておられます。小選挙区比例代表並立制の導入は、本来自由民主党が提案し、細川政権のもとにおいて両院協議会まで経た上、当の自民党も賛成した法律であります。ここに至って廃止を云々することは、その経過からしても全く納得ができません。
 二十一世紀の活力ある展望を開くため、国民の協力のもとに、たゆまざる改革の実行が求められております。改革にはすべて痛みが伴います。そのためには、まず政治家みずからが率先して痛みを伴う政治改革を実践し、国民に改革の意欲を示さなければなりません。候補者の調整が大変とか、あるいは連立政権の基盤が崩壊するからというのは政治家の甘えてあります。
 与党三党の党首である村山総理、橋本通産大臣、武村大蔵大臣に、小選挙区比例代表並立制を見直しあるいは廃止する考えがおありなのか、また、各党内に存在する見直しの声に対してどう対応するのか、このお考えをお聞きいたします。
 次は、行政改革についてであります。
 行政改革は、言うまでもなく政治改革と並んであらゆる改革の大前提をなすものであります。二十一世紀の明るい日本を築いていくためには、たゆまざる改革の断行と責任ある政治の実行が必要であり、それを円滑に進めるためには国民の理解と協力が不可欠であります。政治と行政がひとり既得権益に安住し、国民のみに痛みを伴う改革をお願いすることはできません。
 私ども新進党は、このような観点から、現在の硬直化した中央省庁を大胆に改革する中央省庁の再編、局長以上の高級公務員を内閣人事とする国家公務員法の改正、五年後の廃止・民営化を基本とする特殊法人の整理合理化などの行政改革法案をまとめ、これまで二度にわたって国会に提出したのであります。しかしながら、政府・与党は、口では行政改革は最重要課題と言いながら、数合わせの特殊法人の整理合理化等でお茶を濁すだけで、我が党の抜本的な行政改革法案に対しては、数の力をもって、委員会に付託させることもなくこれを廃案にしたのであります。これは、議会制民主主義政治のルールを踏みにじる暴挙であり、明らかな行革つぶしとも言えることでありましょう。(拍手)
 総理、行政改革を重要な課題と考えるならば、かかる暴挙は二度と行ってはなりません。私どもは、今国会に行政改革関連法案を再度提出いたします。今回こそ真摯な討議を通じ成立することを願うものであります。行政改革は政治家こそが解決すべき課題であり、立法府すなわち国会の問題であります。直接の利害当事者である官僚任せでは、行革はできません。政府委員を排し、議員同士の自由な討議を通じ行政改革法案を成立させることを国会改革の端緒とすべきであります。これら諸点についての総理の見解を求めるものであります。
 次に、経済問題についてお尋ねいたします。
 我が国経済は、戦後最大ともいえる未曾有の危機に直面しております。我々が執拗に景気対策と円高対策の実行を再三求めてきたにもかかわらず、村山連立内閣はこれを無視し、何ら有効な対策をとることもせず、タイミングを外した効果のないびほう策を繰り返してきたのであります。このような村山連立内閣のもとでは、産業の空洞化が一層進展し、中小企業の倒産はとどまるところを知らず、このままでは希望と活力なき大量失業社会が到来することは必至であります。
 我が党は、先月、真水すなわち国費で十兆円以上の公共投資追加を柱とした抜本的な景気対策を提言いたしました。しかし、翌日政府が決定した経済対策は、国費ベース予算がわずか四兆七千億円なのに十四兆二千億円と宣伝し、内容の面でも、公共事業は旧来型が中心で、生活・ソフト関連が軽視され、実効ある土地流動化対策や市場対策は盛り込まれず、規制緩和は小手先のものにとどまるなど、まさに粉飾以外の何物でもありません。また、金融機関の不良債権処理についても、年内に対応策をまとめるなどと、我が国の金融危機が我が国のみならず世界経済を深刻な事態に陥れるものであるという緊迫感を欠いた対策に終始していると申し上げることができます。今日の構造転換に対応した対策でなければ、景気回復が期待できないことは火を見るより明らかであります。現に、政府の対策が発表された翌日、日経平均が九日ぶりに一万八千円を割り込むなど、市場の反応は先が見えない対応に冷ややかであります。政府は、さきの参議院選挙における与党の敗北が経済対策の失敗にも一因があることを率直に認められ、我々の提言を受け入れるべきであると考えます。
 さきに政府が決定した経済対策は修正し、国費で十兆円以上の公共事業実施、有価証券取引税の廃止、土地譲渡所得課税の軽減、一括方式による不良債権処理、働く者が報われる税制改革などを盛り込んだ本格的な対策を実行すべきであります。総理の御所見を伺います。
 さて、今回の不況は今までの不況と異なり、我が国の経済社会システムが全く通用しなくなったことにも起因しております。戦後の日本は、政官業の協力によって一定の成果を上げてきましたが、今、この枠組みを改革し、再構築することが求められています。ひたすらシェアを拡大し、輸出に依存する右肩上がりの成長路線を転換し、国民生活の質の向上を優先させ、知恵や技術など付加価値の高い分野に重点を置いた内需主導型経済運営を確立すべきであります。景気対策に加えて、我が国の経済構造を根本から改めなくては、新しい時代を切り開くことはできません。
 ニュージーランドでは、労働党政権が、公務員の半減、国営企業の大胆な民営化と公共料金の引き下げ、通産省、科学産業研究省、エネルギー省など中央省庁の廃止、所得税、法人税の税率引き下げと税率一〇%の大型間接税の導入など、厳しくも見事なまでの改革に取り組みました。当然、そのために払った代償は想像を絶するものがあります。一時失業率は一一%に達し、一九八四年に改革に取り組んだ労働党は八七年の選挙で議席占有率は四八%になり、九〇年には政権の座から追われたのであります。しかし、その結果がニュージーランドの今日の繁栄につながっているのであります。
 同様に、米国のレーガン政権、英国のサッチャー政権も国民に痛みを伴う改革を断行し、その結果、今や両国は安定した経済成長を続け、九四年の実質経済成長率はそれぞれ四・一%、三・八%となり、我が国の○・六%とは雲泥の差があります。
 八〇年代、米国にもはや学ぶことはないと日本人は得意げになっていましたが、米国ではその間にすさまじい規制撤廃、企業のリストラが進んで、今や製造業は復権し、マイクロソフト、インテル、アップルコンピュータといったニュービジネスが急成長し、好調な経済の原動力となっておるのであります。
 今政府がやらなければならないのは、当面の景気対策に加え、経済的規制の撤廃、市場開放を柱とする大胆な構造改革を実行することであります。村山総理のお考えをお伺いいたします。
 今、世界はマルチメディア時代に突入しています。未来学者アルビン・トフラー氏が「現代は農業革命、産業革命に次ぐ情報革命という第三の波に洗われている」と論じてから、既に十五年が過ぎました。その間、この新しい波は、旧来の意識や価値観、社会のルールを根本から少しずつ、しかし確実に覆し、そのため現在では、産業、金融、医療、娯楽など、あらゆる課題においてコペルニクス的な発想の転換が求められております。
 既にインターネットによって地球規模で四千万台以上のコンピューターがつながり、無数の情報が二十四時間世界じゅうを飛び回っています。こういったコンピューターネットワーク上で、CALSとかeキャッシュという電子取引による経済活動も始まりつつあります。
 これらに対応するための教育のあり方も根底から見直さなければなりません。情報化時代は、型にはまった人間よりも、個性と創造性のある人間を求めているからであります。また、情報化による文化の問題など、さまざまな弊害も予想しておかなければなりません。
 このような情報化の流れの中で、日本の政治家や霞が関が対策に手間取っている間にも、世界の主要な国々は、情報通信が二十一世紀のリーディング産業として、社会、経済、文化の活性化を保つ上で重要な役割を持つことを認識し、情報通信の国家戦略性という観点から国における枠組みを構築しております。シンガポールやインドでは情報通信を国策の中心に据え、ソフト産業でイニシアチブをとり、今や日本をリードする気概さえ見せていることをはっきりと認識する必要があります。
 私が総理のとき、各省庁の枠を超えて政府が一体となって情報化対策に取り組むよう総理みずからが主導するとして、高度情報通信社会推進本部の設置を決めました。しかし、それを受け継がれた村山内閣でありますが、依然として各省庁のわずかな予算と断片的な政策が目立つだけで、その理念と決意のほどが感じられません。
 以上の諸点に思いをいたすとき、内閣総理大臣が強力なリーダーシップを発揮し、国益の視点に立って総合的なビジョンを策定し、情報通信関係の発展を阻害する規制に関しては思い切って撤廃するなど、政府が本気でこの課題に取り組まなければ、日本は沈没してしまいます。今こそ不退転の決意で情報化政策を推進すべきであると信じますが、総理の御見解をお聞かせください。
 次に、宗教法人法の改正問題についてお伺いいたします。
 オウム真理教団による、我が国犯罪史上例を見ない残酷きわまる大量無差別テロ、殺人及び死体遺棄、その他拉致監禁など、およそ人間の所業とは思えないほどの唾棄すべき凶行の数々が次々と明らかになりつつあります。この場をおかりして、坂本弁護士一家を初め、犠牲になられた方々に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、政治家の一人として、このような悲惨な事件は二度と起こしてはならないとかたく決意をする次第であります。
 さて、これらの一連のオウム事件について私たちがまずやるべきことは、オウム事件を徹底的に検証し、原因の究明を図ることであります。なぜ、あれほどの凶悪な犯罪を事前にキャッチすることができなかったのですか。なぜ、あれほどの化学物質を外部から不審に思われることなく大量に収集することができたのか。なぜ、松本サリン事件が起こっていたにもかかわらず、地下鉄サリン事件は防ぎ得なかったのか。なぜ、優秀な若者がオウムに魅入られていったのか。私たちが検証しなければならないことが幾つもあります。その結果を踏まえ、法律や制度の運用の問題点を明らかにし、事件の再発を防止することであろうと思います。総理の見解をお伺いいたします。
 さて、これらの一連のオウム真理教事件に便乗する形で、与党から宗教法人法の改正問題が唐突に提起されております。総理、オウム事件と宗教法人法改正問題とは関係があるとお考えでしょうか。
 宗教法人審議会の結論でも「宗教法人法が適切でないためオウム真理教の問題が起きたと思われやすいが、制度とオウムの問題は区別して論議すべき」との意見で一致したと伝えられております。また、文部省の担当幹部も「オウムの再発は宗教法人法を改正すれば防げるというものではありません」と私たちに明言をいたしております。総理、現行の宗教法人法に不備があったからオウム事件が起こり、宗教法人法を改正すれば事件の再発は防止できるとお考えか、明確な答弁を求めます。
 私は、我が国が民主主義の国である以上、憲法についてタブー視することなく議論を進めるべきであると考えると同様に、宗教の問題についても論議することは当然であると考えます。しかしながら、今回の宗教法人法改正の動きは極めて政治的であり、動機は極めて不純であると申せます。(拍手)これは、自民党の加藤幹事長の「宗教は一人の教祖の教えを原理として行動するもので、本質的に議会制民主主義と相入れず、宗教が政治の中心を占めるというのは許されない」といった偏見と独断に満ちたこれまでの発言や、当初三年程度の審議を予定していた宗教法人審議会の審議を、今臨時国会に法改正を間に合わせるため、多くの審議委員の反対を無視して強引に法改正の結論をまとめさせた経緯が証明しています。
 このような宗教に対する権力的な介入が人々の信教の自由を踏みにじり、こういった積み重ねが民主政治を破壊してきた歴史的事実を我々は肝に銘ずるべきであると考えます。(拍手)総理、政治と宗教の正しいあり方を考え、宗教を政争の具とすることは歴史に汚点を残すものであり、断じて行ってはいけません。総理の決意と今後の方針についてお伺いをいたします。
 次は、災害対策についてであります。
 阪神・淡路大震災が発生して既に八カ月が過ぎました。その後亡くなった方を含め死者は六千名を超え、全壊家屋は十万棟にも及びました。いまだに避難所生活を余儀なくされている人々や不自由な仮設住宅に住んでいる人々も多数おられます。国民の生命と財産をいかなる危機からも守ることこそが政治の最も基本的な役割であり、今回の大震災を教訓とし、安心ができる社会を築き、災害から国民の生命と財産を守っていかなければなりません。それが大震災により被害に遭われた方々に報いる道であると信じます。
 今回の阪神大震災の経験で得た結論は、現行の災害対策基本法には不備があるということであります。それは、災害発生の非常時における総理のリーダーシップや自衛隊の位置づけが不十分であり、これが初動態勢のおくれを招き、多くの犠牲を生む一つの大きな要因となっていることであります。また、阪神・淡路地域を突発的に襲った大震災や、雲仙・普賢岳の長期化する災害にも対応し切れていません。
 新進党は、大災害に迅速に対応できるよう、防災局を国土庁から官邸に移し、緊急時における総理の権限を強化し、また、災害派遣に関する自衛隊の位置づけを明確にする等々を内容とする災害対策基本法の抜本的な改正案を今国会に提出することにいたしております。政府も災害対策基本法の改正案を提出されると伺いますが、我々の提案した考えも取り入れられ、災害対策に万全を期すべきだと考えます。総理の見解をお伺いいたします。
 しばらくすると、六甲おろしの吹く寒い冬がやってきます。事情があって今なお避難所生活を余儀なくされている人や、暖房設備が十分でない仮設住宅にいる人々に対して、今後政府は何をなすべきと考えておられるのか。また、神戸は世界にも知られる国際都市であります。その復興に関して総理はどのような見通しを持っておられるのか、あわせてお伺いをいたします。
 最後に、外交・防衛問題についてお伺いいたします。
 連立三党による村山内閣の矛盾を最も端的にあらわしているのが外交・防衛政策についてであります。東西冷戦が終結し、世界が新たな秩序の構築に向けて大きく変動している今日こそ、二十一世紀に向かつて我が国の進むべき進路について、政治が新しい指針を明確に示さなければなりません。ところが村山内閣は、総理のリーダーシップの欠如に加えて、三党の基本理念が各党ばらばらなため明確な外交・防衛政策を打ち出せず、いたずらに場当たり外交を続けているのであります。
 具体的には、まず核実験問題では、六月のハリファクス・サミットにおいて核実験禁止についての先進国間の協議を行う絶好の場でありながら、時間がなかったとの理由で、焦点であったフランスの核実験再開問題に触れず、結果として容認したと受け取られたことはまことに遺憾と言わざるを得ません。その後、フランス訪問において反対を表明しても、実効性がなかったことはその後の推移を見ても明らかであります。
 また、中国の本年二度にわたる核実験に対しても、ODAの一部凍結をしたのみであります。ODA大綱の四原則にも抵触すると考えます。成熟した真の友好国として中国政府と話し合うべきと考えますが、総理はどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。
 私は、この問題は、核保有国と保有していない国との格差の問題だけではなく、保有国間の格差をどう解消するかの観点からの議論も重要だと考えるのであります。米ロの核兵器をどのように計画的に削減していくのか、二国間だけでなく国際的な話し合いが不可欠であると考えます。すべての核保有国を含む先進国首脳会議の開催を早急に呼びかけ、冷戦後の核抑止力の必要性も含め議論し、今こそ核の全面廃絶に向け国際合意を得るよう我が国がイニシアチブを発揮すべきだと考えますが、総理並びに外務大臣の所見を承りたいのであります。
 次に、先月沖縄で起きた米軍兵士による少女暴行事件に関してであります。
 当初、政府は、沖縄県住民の強い怒りに基づいて沖縄県知事が政府に対して行った地位協定改定要求に対し一顧だにすることもなく、その必要がないとの見解を示し、国民の反発が大きくなるや、地位協定の運用で対処するか改定するかを日米間で検討すると態度を変えたのであります。我が党は、この問題の処理と日米安保体制の堅持とは明確に区別することが重要であり、日米間の信頼関係を損なうことがあってはならないと考えるものであります。この視点に立って、犯罪者の取り扱いについては、人道的見地と国民の生命と財産を守るという基本認識に立って、日米地位協定十七条五項(c)を見直すべきだと考えるのでありますが、この際、政府の認識を明らかにしていただきたいと考えます。
 来る十一月十六日より大阪においてAPECが開催されるわけでありますが、今回の会議は、急速な発展を遂げるアジア・太平洋地域において、自由貿易の一層の拡大と持続的経済発展を可能とするためのアクションプランを決定する極めて重要な会議であります。APECはサミットと並び、我が国にとって極めて重要な国際会議となっております。本年、我が国はその議長国として役割は極めて重大であります。他国の政府から、日本は及び腰ではないかとの批判も聞こえますが、政府はこの会議にどのような方針と決意を持って臨まれるのか伺いたいのであります。
 次に、PKO協力についてお尋ねいたします。
 国連がゴラン高原に展開している国連兵力引き離し監視隊のカナダ後方支援部隊の一部機能を引き継ぐことを我が国に非公式に要請してきたのは、昨年五月、私の内閣のときでありました。中東和平に協力していくことは、アジアばかりでなく世界の平和の創造に積極的に貢献するという姿勢を示す重要な意義を持ったものであるとの見地から、早期に派遣する方向で検討を開始したのであります。
 しかるに、村山政権は消極的な姿勢に終始し、ようやく派遣を決定したのは本年八月二十九日、打診から一年以上もたったつい一カ月前のことであります。この間、本年六月にはカナダでサミットが開催され、総理自身がカナダ国民に表明する絶好の機会となっていたにもかかわらず、それをすることができませんでした。これらのおくれは、効果も各国の理解も減殺されることにもなります。派遣決定がこれだけおくれた理由とその責任について、総理の見解をお尋ねいたしたいのであります。
 また、与党は、ゴラン高原にPKO部隊を派遣するのと引きかえに、PKFの凍結解除問題を先送りする決定をしたと言われますが、今回の派遣とPKO協力のあり方とは本来無関係であるにもかかわらず、これを取引するようなやり方は許されてはなりません。総理はこの点についてどういう感想をお持ちでありましょうか。
 PKOの協力法施行から三年が経過しましたが、附則第三条は政府みずからにその見直し義務を課しております。与党任せではなく、政府としてどのようにこの法律を見直すのか、総理自身のお考えを聞かせていただきたいのであります。
 さて、質問を終わるに当たって、私は、「諸文明の没落は、宿命的、決定論的なものでもなければ、天災や外敵の侵入などの災害によるものではない。それは、根本的には魂の分裂と社会の崩壊による自己決定能力の喪失にこそある」と述べられた世界的な歴史家、トインビー博士の言葉を改めて思い起こしております。我が国は、二十一世紀を目前にして歴史的な転換期に見舞われ、現状は混迷の度を深めております。このときに当たり必要なことは、歴史の正しい認識と、我が国をどのようにその中で導いていくのかというビジョンであり、それを実現する政治のリーダーシップの確立てあります。自己決定能力を失った政権を抱くことほど、この国の国民にとって不幸なことはありません。
 総理の退陣を改めて促し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(村山富市君) 羽田議員の質問にお答えを申し上げます。
 最初に、今回また行われましたフランスの核実験についての御質問でございましたが、極めて遺憾なことでございます。政府としては、河野外務大臣が、本日午前、ウブリュー在京フランス大使を招致し、厳しく遺憾の意を伝達するとともに、核実験の停止を強く求めたところでございます。また、このような政府の立場を官房長官のコメントとして発表いたしました。我が国としては、今後とも引き続き、あらゆる機会を通じてフランスの核実験停止を求めていく所存でございます。
 次に、参議院選挙の結果についてのお尋ねでございますが、社会党は結党以来の敗北を喫しました。選挙結果に示された国民の御意見については、私自身はもとより、社会党といたしましても厳しく受けとめ、総括を行っておるところでございます。
 しかし、与党全体といたしましては改選議席の過半数以上の議席をいただき、また非改選議席を含めまして、参議院においても多数派を維持させていただきました。同時に、内外の課題が山積するとき、政治の空白は許されず、国民は安定した改革推進政権の継続を求めていると判断をいたしております。したがって、国民の御意見、御批判を前向きに受けとめ、引き続き三党連立政権を維持し、改革と責任ある政治に取り組んでいきたいと考えております。(拍手)
 次に、小選挙区比例代表制の見直しについてのお尋ねでありますが、この新しい制度は、長期にわたり論議が重ねられてきた政治改革の一環として関係法案が国会で議決された結果導入されたものでございます。いまだ新制度による総選挙も実施されておらない現時点では、まずこの制度が正しく運用されるよう努めることが重要であり、これを直ちに抜本的に見直すとか廃止するといった考えは持っておりません。
 次に、官僚任せでは行革はできないとの御指摘でありますが、政府といたしましては、行政改革を国政の最重要課題の一つと位置づけ、与党と一体となって、政治のリーダーシップのもとに、規制緩和、地方分権、特殊法人の改革を初め、各般の課題を着実に推進してきているところでございます。今後とも、国会を初め各方面の御論議を踏まえまして、引き続き行政改革の推進に全力を傾注してまいる所存でございます。
 次に、現下の厳しい経済情勢に対応した経済対策についてのお尋ねでありますが、政府は、御案内のように、四月の緊急円高・経済対策以降、切れ目なく各般の対策を講じてまいりましたが、さらに、去る九月二十日に、景気回復を確実なものとするため、事業規模として過去最大の十四兆円を超える経済対策をまとめたところでございます。
 この対策を修正し、国費で十兆円以上の公共事業の実施に取り組むべきではないかというお尋ねでございますが、政府はこれまで、本格的な景気回復を確実なものとするため、景気に配慮した七年度当初予算の編成、阪神・淡路大震災からの復旧のための六年度第二次補正予算の編成、四月の緊急円高・経済対策の策定とその実施のための七年度第一次補正予算の編成、公共事業等の施行促進等、機動的な内需拡大策を講じてきたところでございます。
 今回の経済対策は、事業規模としては史上最大の十四兆二千二百億円に上るものとなっており、この中で公共投資についても思い切って積み上げを図り、過去の対策を大きく上回る十二兆八千百億円の規模を確保したところでございます。間もなく提出を予定されておりまする七年度第二次補正予算案は、この経済対策を具体化したものであり、その執行が他の施策と相まって経済に好影響を与えるよう、国会における円滑な御審議と一日も早い成立を期待いたしておるところでございます。
 次に、有価証券取引税を廃止すべきではないかとの御指摘でありますが、これに関しましては、有価証券取引税の廃止が株式市場の活性化に結びつくのかどうか、株式取引に係る税負担に関し公平の観点から問題はないのか、代替財源をどのように確保するのかなと、さまざまな議論がなされておるところでございます。
 いずれにいたしましても、有価証券取引税につきましては、政府としては、政府税制調査会の御議論も踏まえつつ、今後、株式等譲渡益課税を含めた証券税制全体の論議の中で十分検討を深めてまいる所存でございます。
 次に、土地譲渡益課税の軽減についての御指摘でございますが、土地流動化の観点から土地譲渡益課税を軽減すべきではないかとの御議論がある一方で、土地需要が不足している現状下で土地譲渡益課税を軽減しても土地取引の増加につながらないのではないか等々、さまざまな議論がなされておるところでございます。
 いずれにいたしましても、土地譲渡益課税を含む土地税制につきましては、先月半ばに再開されました政府税調において幅広い観点から議論をいただいているところでございまして、政府としては、その議論等を踏まえながら、八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的に検討を行ってまいる所存でございます。
 また、税制につきましては、昨年、活力ある福祉社会の実現の視点に立った税制改革関連法案が成立し、個人所得課税の軽減と消費課税の充実が図られたところであり、現在その着実な実施に努めているところでございます。御理解を賜りたいと存じます。
 一括処理による不良債権処理に取り組むべきではないかとの御質問でございますが、金融機関の不良債権の早期処理は現下の喫緊の課題であり、政府としても、問題を先送りすることなく、引き続き果断に対応してまいる所存でございます。これまでも、経営破綻に陥った金融機関に対しては、預金保険の発動等により預金者保護、信用秩序維持を図る一方で、破綻金融機関は存続させないことを原則に処理策を講じてきたところでございます。現在、破綻処理手続の早期開始や預金保険制度の拡充等を内容とする破綻処理方法の改善についても検討中であり、全体像をしっかりととらえ、不良債権の問題について五年以内に解決のめどをつけるよう、年内には具体的な結論を得る所存でございます。
 経済構造改革についてのお尋ねでございますが、国際競争の激化等、内外環境が大きく変化する中で、大幅な内外価格差の存在、産業空洞化の懸念等、構造的な課題が顕在化しており、我が国経済の将来の姿にも変貌が見込まれます。今後、国民生活の向上を図り、ゆとりを持って生活できる基盤として、自由で活力ある経済をつくり上げていくためには、経済の構造改革が必要であることは申し上げるまでもございません。そのような問題意識を踏まえ、現在、経済審議会において、二十一世紀に向け、新たな経済社会の創造を目指した経済計画の策定をお願いしているところでございます。
 また、先般決定いたしました経済対策では、内需拡大策、資産価値下落に伴う諸問題を含め、現在直面している課題の早期克服に努めることに加え、中長期的発展に資する経済構造改革を推進するため、研究開発・情報化の推進、新規事業の育成、新産業・生活インフラの整備等による経済フロンティアの拡大、規制緩和や輸入・対日投資促進のための諸施策を図ることとしており、政府としては、今後とも、これらの着実な実施に努めてまいりたいと考えております。
 次に、高度情報通信社会の推進についてのお尋ねでございますが、まず、私を本部長とする高度情報通信社会推進本部を昨年八月に設置いたしました。その後、同本部において、各方面の有識者の方々に御議論をいただき、その御意見を踏まえ、本年二月に高度情報通信社会推進に向けた基本方針を策定いたしまして、高度な情報通信社会の実現に向けた課題と対応を明らかにしたところでございます。その後、同方針に基づき、公共分野の情報化実施指針を策定したほか、高度情報通信社会推進本部のもとに制度見直し作業部会を設置し、情報通信の高度化に対応する観点から、現行法体系の見直しの検討を行っておるところでございます。
 また、三月に閣議決定をいたしました規制緩和推進計画におきましても、情報通信関係で五十三項目が盛り込まれているところであり、今後ともその着実な実施に努めてまいりたいと思います。政府としては、今後とも高度情報通信社会推進に向けた施策に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、オウム事件の検証、原因の究明についての御質問でございますが、一連のオウム関連事件につきましては、捜査当局は今もなお徹底した捜査を継続するとともに、これら事件の検証、原因の究明も進めていると承知をいたしております。また、御指摘の同教団への若者の加入等の社会的な背景につきましても、これから検証していく必要があろうかと存じます。政府といたしましては、関係各方面による検討を踏まえ、こうした事件の再発の防止のための諸施策を講じてまいる考えでございます。
 次に、宗教法人法の改正についてのお尋ねでありますが、オウム真理教をめぐる一連の事件は、宗教法人法だけの問題ではなく、宗教法人法だけですべての対応を行うことは困難であります。しかし、今般のオウム真理教をめぐる事件を契機として、国会を初め一般国民の間でも、かつてない規模で制度自体やその運用などをめぐる論議が大きく高まっているところであります。このような国民の期待に迅速にこたえていくのが政府の責任と考えますので、昭和二十六年の法制定以降の社会の変化等に対応し、宗教法人審議会の報告を踏まえて、必要な見直しを行うことを検討しているものでございます。(拍手)
 次に、政治と宗教のあり方についてのお尋ねでありますが、宗教を政争の具としてはならないことは言うまでもありません。今回検討しておりまする宗教法人法の改正は、ただいま申し上げましたとおり、昭和二十六年の宗教法人法制定以降の社会の変化等を踏まえ必要な見直しを行うものでございまして、これを政争の具とする意図は全然持っていないことを申し上げておきます。(拍手)
 次に、新進党の災害対策基本法改正案の考えも取り入れ、災害対策に万全を期すべきではないかとの御指摘でありますが、政府といたしましては、さきの阪神・淡路大震災などの経験を踏まえ、総合的な災害対策の一層の充実強化に取り組んでいるところであり、災害対策基本法の改正案については、去る九月十一日、防災問題懇談会より提出された提言において言及された事項を中心として政府案を取りまとめ、今国会に提出することにいたしております。新進党においても同法改正案を独自に取りまとめられたようでございますが、その法案については国会において十分審議がなされるものと考えております。
 次に、阪神・淡路大震災の被災者で避難所生活を続けている方への対策及び仮設住宅の暖房対策についてのお尋ねでございますが、災害救助法による避難所につきましては、応急仮設住宅が四万八千三百戸完成したこと等から、地元地方公共団体の意向を踏まえ、八月二十日をもって解消したところでございます。個別の事情で待機所等に残っておられる方については、仮設住宅のあっせん、就労支援等の各種の援助を鋭意行っているところでございます。また、仮設住宅につきましては、冷暖房設備を設置するなど配慮を行っていることについても御理解を賜りたいと存じます。
 次に、神戸の震災復興の見通しについてのお尋ねでありますが、阪神・淡路地域の復興に向けて地元兵庫県が二〇〇五年を目標とした復興十カ年計画を策定し、この計画を基本として復興に取り組んでいるところでございます。政府といたしましては七月に、同計画に対する阪神・淡路復興委員会の御意見を踏まえ、阪神・淡路復興対策本部において、阪神・淡路地域の復興に向けての取組方針を決定し、この復興計画の実現を最大限支援することといたしておるところでございます。
 今回の経済対策においても、一日も早い復興の実現を目指し、これまでの措置に加え、阪神・淡路大震災復興関連事業等に事業費一兆四千百億円を計上したところでございますが、今後とも、復興計画に盛り込まれた復興事業の円滑かつ着実な実施のため国として万全の支援を行うべく、政府一体となって必要な措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、ハリファクス・サミットでフランスの核実験再開問題に触れなかったとの御指摘でありますが、私は、サミットの場で、核実験が停止されるべきであることを明確に述べておりまするし、河野外務大臣からも、フランスの外相に対し、フランスの核実験再開決定は大変遺憾である旨伝えております。さらに、サミット直後パリで行った日仏首脳会談においても、私はシラク大統領に対し直接遺憾の意を表明し、核実験再開決定の再考を強く求めました。したがって、フランスの核実験再開を容認したと受けとめられたとの御指摘は事実に合致しないものと考えます。
 次に、中国の核実験についてのお尋ねでありますが、改めて言うまでもなく、この核実験は極めて遺憾であります。政府としては、御承知のとおり、対中無償資金協力を一部例外を除き供与しないことといたしましたが、この決定はODA大綱を踏まえ、また日中関係全般を総合的に判断した上での決定であります。核実験の停止を含む核軍縮の問題につきましては、今後も引き続き中国との間で率直かつ真剣な対話を行っていく所存でございます。
 次に、核保有国を含む先進国首脳会議の開催を呼びかけるべしとの御意見でありますが、一つの貴重な御示唆として承りました。
 政府といたしましては、冷戦後の国際社会の諸情勢を踏まえ、核兵器の究極的廃絶に向け、一歩一歩現実的な核軍縮を進めていくことが重要であると考えております。政府といたしましては、昨年の国連総会において、究極的核廃絶促進の決議案を提出し、圧倒的多数の支持を得たところでございますが、ことしの国連総会においても核実験停止を訴える決議案を提出の予定であり、今後ともすべての核兵器国に一層の軍縮を呼びかけるとともに、まずは全面核実験禁止条約交渉の早期妥結等のため積極的に努力をしてまいる所存でございます。
 次に、先月の沖縄における痛ましい事件に関連をした御質問でありますが、この事件は極めて遺憾なものであり、政府としては、再発防止のため厳格な措置をとるよう、今般の日米外相会談、日米安全保障協議委員会を含め、あらゆる機会を利用して米側に強く申し入れてきたところでございます。また、御指摘の日米地位協定第十七条五(c)の規定につきましては、今般、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会を設置し、同委員会において真剣かつ精力的な検討を行い、早急に結論を得るよう全力を尽くしてまいる所存でございます。
 次に、APECの大阪会合に向けて、議長国として我が国がどのような方針と決意を持って臨むのかについての御質問でございますが、我が国は、APECをアジア・太平洋の経済的な発展を進めていく上で中核となる協議の場であると認識をいたしております。本年のAPECの最重要課題は、昨年のボゴール宣言に基づいて「行動指針」を策定することでありますが、我が国としては、議長国として、この「行動指針」の策定とともに、その具体化に向けての確固たる決意を内外に示すため、前向きな「当初の措置」を提示する等、来る会議の成功に向け責任ある役割を担ってまいる決意でございます。
 次に、UNDOFへの我が国部隊派遣につきましては、連立与党において、事柄の性質上、法律面や実態面につき慎重の上にも慎重な検討が行われたものであり、政府としては、その決定を十分尊重すべきものと考えております。
 PKF本体業務の凍結解除についてのお尋ねでありますが、先般、連立与党においてUNDOFへの我が国部隊の派遣につき御議論が行われた際、凍結解除は当面行わないことを確認されたと承知いたしております。政府としては、連立与党における御議論の結果を尊重すべきものと考えております。いずれにしろ、この御議論が、御指摘の取引のようなやり方であるとは考えておりません。
 次に、国際平和協力法の見直しについてのお尋ねでございますが、施行後三年を経過し、見直しの時期を迎えたことから、先般、政府として検討を開始したところでございます。今後、見直しに当たりましては、既に終了いたしましたカンボジア、モザンビーク、ザイール等への派遣といったさまざまな貴重な経験を踏まえた上で、国会等における御議論にも十分に耳を傾けつつ検討する必要があると考えておるところでございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#12
○国務大臣(武村正義君) 選挙制度についてのお尋ねでありますが、羽田議員も御承知のように、選挙制度には完全無欠で理想のものは存在いたしません。そういう中で、真剣な議論を重ねて、我々は新しい選挙制度を選んだわけであります。選んだ以上は、次回の衆議院選挙は目をつむってこの新しい選挙制度のもとで実施をすべきだと考えますし、実施をした後、選挙を総点検する中で、万一見直しの必要があれば真剣な議論をすればいいというふうに考えております。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小選挙区比例代表制の見直しについてお尋ねをいただきました。
 この問題は、既によく御承知のように、衆参両院の議決にも差異を生ずるぐらい長い議論を経てきた問題であり、その上で国会が議決をされた制度であります。全くこれを一度も実施しないままに見直す、あるいは廃止する、そうした考えは持っておりません。(拍手)
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#14
○国務大臣(河野洋平君) 核軍縮についてさらに努力をする必要があるという御指摘でございました。
 核保有国を含む先進国首脳会議を呼びかけろといった御指摘については、総理が先ほどお答えを申し上げたとおりでございます。
 私といたしましては、現在最も大事なことは、現実的に究極的核軍縮に向けて一歩一歩、歩を進めていくということが重要ではないか、こう考えるわけでございます。そのために、CTBT条約を一日も早く実現をするということが当面最も重要ではないか、こう考えておりまして、そのための努力を今行っているところでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(土井たか子君) 鳩山由紀夫さん。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔鳩山由紀夫君登壇〕
#16
○鳩山由紀夫君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表いたしまして、さきの村山総理大臣の所信表明演説に関連して質問をいたします。
 村山連立政権が透明で民主的な政治運営を旗印に昨年六月に発足して以来、十五カ月が経過いたしました。この間、村山連立政権は、三党合意に基づき着実に政策協議を積み重ね、長年の懸案を数多く解決してまいりました。加えて、ことし六月には、いわゆる新三党合意を取りまとめ、さらなる政策課題に意欲的に取り組んでいくことを確認いたしたところでございます。
 しかしながら、これだけの政策課題を実現したにもかかわらず、村山内閣の支持率を見る限りにおいては、多くの国民はいまだに少なからぬ不満を持っているように思われます。
 私は、それは、一つの時代が終わり、新たな時代への今が過渡期であり、国民全体が漢とした不安を感じているからだと考えます。戦後五十年を経た今日、これまでの歩みを踏まえつつ、国民の共感が得られるこれから五十年の日本のビジョンを明確に示し、それに必要な改革を大胆に進めていかなければならないと強く感じるところでございます。
 このため、新党さきがけは、数多くある改革項目の中から、特に重要な、総理官邸機能の強化、審議会の公開、土地バンクの創設及び国連改革についての諮問機関の設置の四項目を、村山内閣が改革政権として緊急に実現すべき課題として提案し、政府・与党においても、それを踏まえた取り組みがなされておるところであります。その意味で、この四項目はぜひとも強力に推進していただくことを期待しております。
 そこで、まず総理に、この連立政権に対する国民の不満の源はどこにあり、何にこたえていくことが必要とお考えになるか、御所見を承りたく存じます。
 また、この連立政権は、総理の誠実な人柄とその謙虚な政治姿勢、そしていわゆるハト派的色彩の強い三党首相互の政治的、個人的信頼関係を基盤に成り立っていると思われます。このたび、自由民主党新総裁に橋本龍太郎氏が就任されるに当たり、総理から、今後の連立政権の運営についてのお考えと御決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。あわせて、橋本通商産業大臣に、新総裁として村山連立政権を支えていかれるに当たっての御決意を伺いたいと存じます。
 総理、次にお伺いしたいのは、安全で安心できる国づくりについてでございます。
 従来、日本は世界一安全な国、安全がただで手に入る国として世界各国から認知されておりました。ところが、ことし一月の阪神・淡路大震災以来、地下鉄サリン事件を初めとするオウム真理教関連事件、警察庁長官狙撃事件、八王子のスーパー強盗殺人事件などの銃犯罪の多発、そして沖縄での米軍兵士による女子小学生暴行事件というように、大規模な災害や凶悪事件が相次ぐ中で、日本の安全神話が大きく揺らいております。
 普通に生活している善良な国民が大きな災害や凶悪な犯罪に巻き込まれ、痛ましい犠牲になるのを見るにつけ、深い悲しみ、そして強い憤りを禁じ得ないとともに、我々政治家の責任を痛感せざるを得ません。すべての国民が安全で安心して暮らせる国をつくっていくことこそが、政治に課せられた最大の使命なのではないでしょうか。こうした中で、日本の安全をいかに回復するか、国民の不安をいかに解消するか、そこで政治は何をすべきか、具体的な御所見を総理に伺います。
 とりわけ、日米地位協定の見直しを求める声も強くありますが、総理はこの点についてどのようにきちんと対処していかれるおつもりか、お聞かせ願いたい。
 さて、ことしは戦後五十周年の節目に当たります。冷戦の終結とともに五五年体制が崩壊し、高度経済成長が終えんを迎えつつありますが、くしくも、二十世紀が終わりを告げ、二十一世紀を迎えんとしている今、国内外に大きな転機が訪れています。総理も所信表明演説の中で、「次なる五十年のこの国と世界のありように思いをめぐらせ、日本を創出することであろうと考えます。」と述べておられます。まさにこのような世界という空間軸と五十年という長期的な時間軸という視点に立って、これからの日本を築いていくことが極めて大切であろうと考えます。
 さて、こうした視点に立って、今後五十年、これからの日本のビジョンを考える上で重要なファクターである幾つかの点につき、お尋ねいたします。
 第一にお伺いしたいことは、経済対策についてでございます。
 政府・与党は、先ごろ、景気回復を確実にするために、第二次補正予算の編成を柱とする史上最大規模の経済対策を打ち出したところでありますが、景気回復を本格的な軌道に乗せるためには、景気浮揚策を講じることと並行して、景気回復の足かせとなっている金融機関の不良債権の早期処理を行う必要があります。
 その方策として、公的資金の導入を含めた検討は不可避であると考えます。今春の東京都知事選において、青島氏は、二億組への財政支援を行わないことを公約として掲げ、当選されました。しかしながら、先日、その公約を見直し、コスモ信用組合への財政支援を行うことを決断され、都議会もこれを了承いたしました。
 我々は、当初より、保護されるべきは金融機関ではなく、あくまでも預金者と信用秩序であって、乱脈経営の問題は経営責任の問題として徹底的に追及すべきものであり、それらを混同することなく、明確に峻別して考えるべきであると主張し続けてまいりました。そして、今になってようやく私どもが主張してきたことの正しさが御理解いただけたものと信じています。
 とはいうものの、国民は、二億組、コスモ、兵庫銀行、木津信と続く金融機関の破綻、さらに住専問題に不安を募らせ、不信感を高めています。景気の本格的な回復のためにいかに金融機関の不良債権の早期処理を行う必要があろうとも、国民感情としては、公的資金の導入に当たり、金融機関の経営責任及び監督官庁の責任を徹底的に追及することは当然のことであろうと考えます。
 さらに、関係金融機関の完全なディスクロージャーを実施し、金融機関のどこに誤りがあったかを明らかにし、信用回復を図ることが急務であると考えます。この点についての見解を武村大蔵大臣にお伺いいたします。
 次に、経済構造改革について伺います。
 我が国においては、これまでと同様な経済成長は、あらゆる面で困難になりつつあります。同時に、今までの経済成長至上主義は、必ずしも国民生活の向上をもたらすとは限らなくなってきていることを認識すべきであります。実質的な国民生活の水準を持続的に向上していくためには、環境と調和した経済社会づくりと、人々の知恵と力が生かされるための質の高い実のある国づくりを目指し、抜本的な経済構造改革を勇気と責任を持って断行しなければならないと私は考えます。経済構造改革のために何をどう行うべきか、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さて、新しい五十年を展望するに当たり、行財政改革は大きな課題であります。
 昨今、国民め税金を費やしての官官接待が問題になっています。この問題について、一部の地方自治体では自粛や撤廃を決めています。しかし、官官接待の大きな原因はむしろ中央政府の側にあるのです。この問題の解決について、官官接待の全面的禁止だけでなく、その根本原因となっている過度の権限の中央への集中の排除、すなわち地方分権の推進が何よりも肝要であると思います。総理はその点についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。
 さて、経済の拡大発展に大きく寄与してきた行政システムも、戦後五十年を経て、経済社会の転換に象徴される新しい時代への対応力を著しく失っていることは既に共通の認識となっています。私たちは、今こそ行政主導の官権政治を乗り越え、民意がより強く反映され、政治がリーダーシップを発揮できる民権政治に転換することなしに、政治が活力を取り戻し、健全な社会を構築することはできないと考えます。
 また、総理は、財政事情が一段と悪化していく中で、健全な財政運営に努めていくと述べておられますが、財政改革も行政改革同様、実現には大変な困難が伴うものと思われます。行財政改革がかけ声倒れにならぬよう、どんな具体的なスケジュールを考えておられるのか、お聞かせいただきたいと存じます。新三党合意には、新首都建設が盛り込まれています。私は、これを契機に抜本的な行財政改革を断行し、効率的な行政、健全な財政を実現すべきであると思います。この新首都建設には、中央政府の規模の適正化などの行財政改革というソフト改革が伴う必要があると考えるからです。しかし、国民の多くは、首都移転は政治の絵そらごととしか考えておりません。総理の口から、ぜひ強い意欲をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、宗教法人法改正問題について伺います。
 この問題は、オウム真理教関連事件に端を発しているものではありますが、私の見るところ、議論にいささかの混乱を呈しているように思われます。オウム真理教問題への対応としては、既に犯された個々の犯罪については刑法の適用、今後の犯罪再発の予防については破防法の適用を含め検討すべきであり、さらに、宗教法人法の実態との乖離の是正については必要があれば宗教法人法の改正をと、そういった整理の上に立った論議が必要であると考えます。
 信教の自由は憲法二十条で保障されている権利であり、尊重されなければなりませんが、他の権利をも凌駕するものでは決してなく、宗教の名をかりでなされる不正な行為までが許されるわけではないことは言うまでもありません。
 いずれにしても、宗教法人法の改正に当たっては、感情論、政治論に惑わされることなく、財務情報の開示などの実態調査を行い、問題点を明らかにした上で必要な改正を行うべきであると考えます。この点につき、総理の御見解を伺いたく存じます。
 ところで、私は、オウム真理教の問題は教育の問題でもあるのではないかと考えております。伝え聞くところによれば、信者には、高等教育を受けた、本来まじめな人が多いと承っています。なぜ、そのような人たちがあのように反社会的な、そして悲惨な事件を引き起こしてしまったのでしょうか。その背景には、画一化した学力偏重の教育、学歴社会の中で、厳しい受験戦争に勝ち抜くため、小学生のころから塾通いが当たり前になっている教育の現状があるように思われます。画一化され、行き場のなくなった個性が発散される形で、オウム真理教の問題が引き起こされたように感じます。
 私は、学力偏重を改めるため、個性重視の教育への転換を進め、自立心、自己責任をしっかり身につけつつ、他人を思いやる心や助け合いの精神の醸成を図るべきだと思います。そのために、教育界にも自由競争原理を導入し、より自由な教育を認めた中で、学校間の知恵比べ、教師間の工夫比べを大いに進めるべきであると考えます。今後の教育は、経済成長至上主義を超えて、健全な精神を備えた人づくりへの転換を進めなければならないと思っています。この点につき総理がどのようにお考えか、お伺いいたしたく存じます。
 さて、今後五十年を展望するならば、世界と日本の関係をいかにつくるかを論議することが重要です。
 東西冷戦の終結により、世界政治の枠組みは大きく変わりましたが、いまだ新しい秩序への展望が開けず、混沌とした情勢にあります。旧ユーゴスラビアなどに見られるように、今まで強固な冷戦体制によって封じ込められていた宿年の宗教・民族紛争などが噴き出し、むしろ、それらによって世界の無秩序化、不安定化が深まる傾向もうかがうことができます。
 地域によっては、核兵器の拡散、軍拡競争などの不安もより深まり、その上、人類の生存を脅かす新たな問題も発生もしくは顕在化しています。それは、地球環境問題を初め、資源の枯渇、人権の抑圧、人口爆発、飢餓と貧困、麻薬やエイズなどです。これらによって、人類はいわば自滅の危機を深めていると言っても過言ではありません。
 このように、地球上には解決されるべき課題が山積し、我が国もその国際的役割を期待されているわけですが、総理はどのような姿勢で、自主的に、日本の特質を生かした世界との関係づくりを進めていかれるべきであると考えておられるのか、その御所見をお伺いしたく存じます。
 こうした世界情勢の中、ことし核拡散防止条約が無期限延長され、包括的核実験禁止条約の来年中の批准を目指し、世界が動き始めたところです。そのさなか、世界じゅうの人々の反対の叫びを無視し、中国とフランスが核実験を再開いたしました。
 私を含む日本の国会議員がタヒチの抗議集会に参加したことについて、さまざまな声があることは承知しています。しかし、今まで金しか出さないと言われてきた日本の政治家が初めて目に見える形で行動したと、内外から前向きの評価もいただいておるところであります。我々は、このような両国の行為に対し、核実験を中止するまで、断固たる態度で、でき得る限り抗議を続けていかなければならないと考えています。
 また、常任理事国になりたいがために、核実験に対する抗議に対してもし及び腰になっているとしたら、もってのほかのことでございます。
 我々は、核抑止力を否定するものでは決してありませんが、核抑止力の効果、意味合いというものは確実に減少しています。しかしながら、核の脅威というものは依然として残存しているのです。そのアンバランスが問題なのです。
 核実験は、核兵器の能力を高めるために行われるものであり、軍縮とは対極に位置し、核の脅威を増大させます。日本は、冷戦後の新しい世界秩序を構築するために、唯一の被爆国として、核廃絶のリーダーシップを発揮しなければならないと考えますが、総理の御所見を伺いたく存じます。
 また、本日、フランスが再度核実験を強行したことに対し、激しい憤りを覚えます。この際、私は、駐在大使の召還をも含め、さらなる断固たる措置をとるべきだと考えますが、政府の対応につき総理はいかがお考えか、お尋ねしたいと思います。
 次に、国連改革についてお伺いします。
 さきに述べさせていただきましたとおり、環境問題を初めとする地球規模での新しい問題は、五十年前の国連創設時においては存在しなかったか、あるいは顕在化するに至っていなかったものです。これらは人類の生存にかかわる共通の危機であり、一国のみの努力によって解決できるものではありません。その解決のために国連が中心的役割を果たすことに大きな期待が寄せられています。しかしながら、現在の国連は、期待される機能を十分に発揮しているとは言いがたく、依然として紛争処理などの対症療法的な役割を重視し、紛争や危機の原因そのものを除去する方向に向きを変えて進んでいるとは言えません。
 中国、フランス両国の核実験強行に対しても、核保有国である安保理の常任理事国は具体的な言及をしていない状況です。これは、現在の国連がその力を十分発揮できていないことを示すものでございます。核廃絶・軍縮にこそ、常任理事国のリーダーシップが今発揮されるべきなのではないでしょうか。
 新しい世界秩序の構築と、生存を脅かす諸課題への果敢な取り組みが求められている今、我が国は、国連がこうした地球的課題に取り組めるように、国連改革に先駆的役割を担っていくべきであると考えます。それゆえ、我が国は、まず国連の改革に最大限の知恵と力を結集すべきであると考えます。そして、改革された国連において初めて日本は率先して重責を果たしていくべきであり、現時点においては常任理事国入り問題には慎重に対処するべきであると考えます。
 ところで、先日、我が党が提唱した四項目の一つであります国連改革のための総理のもとでの諮問機関が発足いたしました。この諮問機関の設置については高く評価するところでありますが、この諮問機関において、国連改革について実のある結論を得るべくいかに議論していかれるおつもりか、総理に伺いたく存じます。
 次に、河野外務大臣にもお伺いいたします。
 大臣は、先月の国連総会において演説をなされました。その演説内容について、我が党は、中国、フランス両国が核実験を強行したことについて名指しによる非難をすることなど、新三党合意に沿った幾つかの要望をさせていただきました。しかしながら、ほとんどが取り入れられることなく、名指し非難をされた総理の所信表明演説と比べても極めて不十分であったと言わざるを得ません。
 また、演説の中で、常任理事国入り問題について昨年同様に言及なさいました。大臣は、昨年、我が党との間で、その演説の要旨につき、我が国の立候補表明ではなく、内外の論議並びに国民的合意形成の出発点であることを確認されています。この点につき、先月の演説についても同様であることをこの場で御確認させていただきたく、お伺いいたします。
 以上述べてまいりましたように、内政においても外交においても、これからの五十年は今までの五十年の延長線上にはありません。私たちは、今、日本人としての生き方を、日本という国の進路を改めて見詰め直さなければならない大事な変曲点の上にいるのです。
 このようなときに、社会党が新党を目指して努力をされていることは、ある意味では時宜を得たもの生言えましょう。しかし、新党はあくまでも形でございます。国民が期待しているのは、二十一世紀に通じる新党の理念でございます。実は、この問いはすべての政党に向けられるべきでございますが、総理、ここでぜひ、なぜ今新党なのか、日本をリードする新しい政党のビジョンをぜひお示しいただきたいと存じます。
 昨今、リベラルという言葉を耳にいたします。リベラルとは何かと問われてもわかりにくい言葉でございますが、私は、リベラルとはともに生きる、共生、あるいは、もっと簡単に言えば、リベラルとは愛であると答えることにいたしております。(拍手)
 政治の世界で愛を唱える者が実に少なくなってしまいました。が、四十年前、総理までさせていただいた私の祖父鳩山一郎は、友愛革命を唱え続けてまいりました。経済中心の時代から宇宙意識を持った心の時代を導いていくため、友愛精神をいま一度政治の舞台に上らせたいのであります。
 友愛に最も肝要なことは、自己の尊厳を尊重することでございます。自分が生かされているということに感謝をし、自己を磨くことによってその尊厳を尊重する、自己を尊重して初めて他人との違いを許し、理解し、信頼し、友愛のきずなを結ぶことができるのであります。これがまさに民主主義の原点ではないのでしょうか。
 国と国とも同じであります。国が尊厳を失ってしまうとき、残念ながら、みずからの過去の行為に対し素直になることができず、政治体制の異なる国に対し心を開くことができず、いたずらに大国の仲間入りを求めがちになります。日本は今、自己の尊厳を回復しなければなりません。
 しかし、最も自己の尊厳を失っているのは、まさに残念ながら、ほかならぬ政治家自身でありましょう。政治家や政党が業界団体や宗教団体やあるいは労働団体に応援されること自体は、これはまことにありがたいことでありますが、いつしかそれらの団体に心まで支配をされてしまうとき、政治家には国民の姿が映らなくなっているのであります。(拍手)選挙のためのみに行動する政治家から国民の心が離れてしまうのは、至極当然のことでありましょう。
 私は、今こそその意味で、まことの友愛の時代を目指すべきだと考えています。政治家が心の呪縛から解放され、自己の尊厳を取り戻すとき、日本の明日が見えてまいります。このことこそ真の政治改革ととらえ、私たちはこの改革に最善を尽くすことを誓いながら、まさに心を大切になさる村山総理が、景気回復内閣であるとともに、精神回復内閣として指導力を発揮してくださることと信じつつ、代表質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(村山富市君) 鳩山由紀夫議員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 最初の質問は、連立政権に対する国民の不満についてのお尋ねでありますが、戦後五十年を迎えまして、我が国の経済社会が多くの試練に直面をし、いろいろな意味で曲がり角にある中で、この連立政権に対し、御指摘のございましたようなさまざまな御意見や厳しい御批判があることは、私も十分承知をしておるつもりであります。
 私は、国民の皆様にとって、将来についての明るい展望が見通せないことや、政治に対して大きな期待の持てないことなどが、御不満や御批判の根底にあるものと考えております。このため、私は、透明かつ民主的な政策論議、情報公開の推進などにより、政治をできる限り理解しやすいものとするよう十分に努力をしながら、改革推進政権として、我が国経済社会の展望を切り開いていく決意でございます。
 次に、自民党新総裁に橋本通産大臣が就任されたことに関連をして、この連立政権の運営との関係についてお尋ねがございました。
 この連立政権の基盤はあくまでも与党三党の政策合意であり、それは、先日、自民党の橋本新総裁を含む三党首会談で再確認をしたところでございます。したがって、この連立政権の運営は、基本的に従前と変わらないものと確信をいたしております。
 次に、日本の安全を回復し、国民の不安を解消するために政府は何をなすべきかとの御質問でございますが、まず大規模災害に対しましては、阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、災害対策の一層の充実に努めるとともに、去る七月に改定されました新しい防災基本計画に基づきまして、各種施策を着実に推進してまいる所存でございます。
 また、去る九月十一日には防災問題懇談会から御提言をいただきましたが、政府といたしましては、本提言を踏まえまして、災害対策基本法等の一部改正法案を今国会に提出することにいたしております。
 次に、地下鉄サリン事件を初めとするオウム真理教信者らによる一連の事件や銃器犯罪等の凶悪事件の頻発は、私たちが目指す安全で安心できる社会への許しがたい挑戦であります。特に、サリン等の大量殺りく兵器として使用し得る物質が使用されたことが国民に大きな不安を与えたことにつきましては、サリン等による人身被害の防止に関する法律の制定を初め、再発防止のため政府が一体となった対策を講じてまいりました。
 また、銃器対策につきましては、内閣官房長官を本部長とする銃器対策推進本部を設置いたしまして、強力な取り締まりや広報啓発等の総合的な対策を推進いたしておるところでございます。
 今後とも、これらの事件について徹底した真相究明と再発防止措置を講ずることにより、我が国が誇りとしてきた良好な治安の維持に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。
 次に、先月の沖縄における児童暴行事件についての政府としての対処に関する御質問でありますが、この事件は極めて遺憾であり、政府としては、再発防止のため厳格な措置をとるよう、今般の日米外相会談、日米安全保障協議委員会を含め、あらゆる機会を利用して米側に強く申し入れてきたところでございます。また、今般、刑事裁判手続に関する特別専門家委員会を設置いたしました。同委員会において真剣かつ精力的な検討を行い、早急に結論を得るよう全力を尽くす所存でございます。
 次に、経済構造改革についてのお尋ねでございますが、戦後五十年を経た今日、我が国経済は、これまでのような高水準の成長から、環境と調和した安定的かつ持続可能な成長のもとで国民生活の豊かさを追求することが望まれております。また、国際競争の激化等内外環境が大きく変化する中で、大幅な内外価格差の存在、産業空洞化の懸念等、構造的な課題が顕在化しており、今後、国民生活の質の向上を図り、ゆとりを持って生活できる基盤として、自由で活力ある経済をつくり上げていくためには、経済の構造改革が必要であります。
 こうした問題意識を踏まえまして、先般決定をいたしました経済対策では、中長期的発展に資する経済構造改革を推進するため、研究開発・情報化の推進、新規事業の育成、新産業・生活インフラの整備等による経済フロンティアの拡大、規制緩和や輸入・対日投資促進のための諸施策を講ずることといたしております。また、経済審議会においても、同様の問題意識に立ちまして、二十一世紀に向け新たな経済社会の創造を目指した経済計画の策定をお願いしているところでございます。政府といたしましては、今後とも、経済構造改革の推進に向けて全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
 次に、いわゆる官官接待の禁止と地方分権の推進についてのお尋ねがございましたが、先般来、地方公共団体による各省庁に対する接待の問題が指摘をされておりまして、国民の疑惑や不信を招いていることは極めて遺憾なことであると考えております。この問題につきましては、従来から閣議決定により官公庁間の接待は行わないこととしているところでございますが、今般、改めて徹底を図っているところでございます。
 また同時に、御指摘のございました地方分権の推進につきましては、政府としてもこれを内閣の重要課題の一つとして位置づけておりまして、さきの通常国会において成立いたしました地方分権推進法により設立されております地方分権推進委員会の勧告をちょうだいした後、早期に地方分権推進計画を策定し、積極的に地方分権を推進してまいる所存でございます。
 次に、財政改革についてのお尋ねでございますが、まず、一段と深刻さを増した財政事情のもと、制度の根本にまでさかのぼった見直しや施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、予算編成過程を通して財政改革を強力に推進してまいる所存でございます。
 また、政府としては、行政改革を国政の重要課題の一つとして位置づけ、規制緩和や特殊法人の改革等各般の改革課題に取り組んでいるところでございまして、今後とも、政府・与党一体となってこれを推進してまいりたいと考えておるところでございます。
 このうち、規制緩和につきましては、その基本的取り組み方針と千九十一項目の具体的な規制緩和措置を盛り込んだ規制緩和推進計画を三月三十一日に閣議決定し、さらに、これを三年計画として前倒し実施することとしたところでございますが、今後、行政改革委員会における御議論を踏まえ、今年度内には規制緩和推進計画をより充実した内容に改定する所存でございます。
 特殊法人につきましては、本年二月及び三月の閣議において、十六法人について八法人への統合、五法人については廃止・民営化等の組織形態の変更等を決定したところでございますが、今後これらを着実に実施してまいりたいと考えています。
 地方分権につきましては、五月十五日に成立いたしました地方分権推進法に基づき、五年の間に集中的かつ計画的に取り組むことといたしておるところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、首都機能の移転についてのお尋ねでありますが、首都機能の移転につきましては、国会等の移転に関する法律に基づきまして設置された国会等移転調査会においてその具体化に向けた調査審議が鋭意進められているところでございますが、その第一次中間報告においても、首都機能移転の効果の一つとして、新しい政治・行政システムの確立が挙げられているところでございます。首都機能の移転につきましては、同調査会における調査審議を踏まえながら、引き続き、内閣の重要課題の一つとして強い決意で取り組んでまいりたいと考えておることを申し上げておきたいと思います。次に、宗教法人法改正に当たっての考え方についてのお尋ねでありますが、宗教法人制度につきましては、オウム真理教事件を契機として国会等で種々の議論が行われ、宗教法人の情報開示のあり方などについての問題点が指摘されたところでございます。このため、文部省の宗教法人審議会において、昭和二十六年の宗教法人法制定以来の社会の変化等を踏まえ、制度のあり方について慎重な審議が行われ、去る九月二十九日に文部大臣に所轄庁の見直し、財務情報の開示等を内容とする報告がなされたところでございます。政府といたしましては、この報告を踏まえまして、憲法の信教の自由、政教分離の原則を遵守しつつ、必要な法改正に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、オウム問題の背景に関連をして、教育改革についてのお尋ねがございましたが、今日、我が国の教育につきましては、過度の受験競争、いじめや登校拒否の問題など、さまざまな問題点も指摘されているとともに、二十一世紀に向けて、我が国の社会の変化を踏まえた新しい時代の教育のあり方が問われてきておると考えております。
 このような状況にかんがみまして、先般、文部省においては中央教育審議会を再開して、二十一世紀を展望した我が国教育のあり方について諮問を行い、現在、同審議会において鋭意審議をいただいておるところでございます。今後、文部省を中心に、御指摘のありましたような問題点も含め、教育上の諸課題を見直して、子供たちが、みずから考え、理性的に判断をし行動できる資質や能力を身につけるとともに、豊かな人間性を育てることなど、心の通う教育を実現するための教育改革を推進してまいりたいと考えております。
 次に、我が国の国際的役割についてのお尋ねでありますが、国際社会の相互依存関係が深まっている中、一国の安全と繁栄は、国際社会の平和と安全の中でしか実現できない状況となっております。我が国は、多くの分野で一層積極的な役割を果たしていかなければなりません。具体的には、地域紛争の平和的解決、核兵器を初めとする軍縮・不拡散の問題、貧困の撲滅や市場経済への移行努力に対する支援、地球規模の問題等について、我が国は我が国ならでしか果たせない積極的、創造的役割を担う資格と能力があると信じておりますので、これらの分野で努力を重ねてまいる所存でございます。
 次に、日本は核廃絶のリーダーシップを発揮すべしとの御指摘でありますが、我が国は、唯一の被爆国として、核兵器の究極的廃絶を訴え、このための現実的な核軍縮措置を提案し、それが着実に実行されるようすべての核兵器国に働きかけていかなければならないと考えております。御指摘を踏まえて、懸命な努力を今後とも続けてまいる決意でございます。
 次に、フランスの核実験についてでありますが、本日行われましたフランスの核実験は極めて遺憾であります。政府といたしましては、速やかに外務大臣よりフランスの駐日大使に対し遺憾の意を伝達し、核実験の停止につき強く申し入れを行うとともに、官房長官よりコメントを発出したところでございます。政府といたしましては、核実験が停止されるよう、あらゆる機会をとらえ粘り強くフランス政府に対し申し入れを続けていく所存でございます。
 次に、国連改革に関する懇談会についての御質問がございましたが、我が国といたしましても、国連創設五十周年の機会に、国連の機能強化を目指す改革の前進へ向けて引き続き努力する所存でございます。この懇談会は、国連改革のあり方及び我が国の役割等について有識者の方々より御意見を伺うことを目的としたものでありますが、九月二十九日に私も出席をいたしまして、第一回の会合を開催いたしました。この懇談会は、今後、国連での改革論議の動きを見ながら開催をして、実りある結論が得られるよう進めていきたいと考えておるところでございます。
 最後に、国民が期待しておりまする新党についての御質問がございました。
 社会党が目指す新しい政党は、ポスト冷戦という新しい世界状況並びに五五年体制の終えんという歴史的な変化を背景とするものでございます。したがって、新しい時代の多様な価値観を互いに認め合い、排除でなく寛容の論理によって雄々しく結集し、政権を担い得るもう一つの党の結成を目指しておるものと私は思っております。
 その理念等につきましては、これから関係者の中で議論が深められて決められていくものでありますから、私の私見になるかと存じまするけれども、お許しをいただきまして、申し上げたいと思います。
 その理念を簡単に申し上げますれば、憲法を基本として国際民主主義、経済民主主義、地域民主主義、政治民主主義という四つの民主主義の実現と言えると考えております。この理念に基づき、平和と軍縮を初め地球と人類の共通課題に取り組む党、社会的差別の克服や男女共生など公正と連帯の党といった特徴を持つ政党が期待されておるところであると私は考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#18
○国務大臣(河野洋平君) 私の国連演説についてお尋ねがございました。
 この国連演説の原稿をつくります際に、与党三党の御意見もいろいろお伺いをしたところでございます。三党間にはさまざまな御意見がございましたが、でき得る限りこれを演説の中に反映させたいと努力をいたしたところでございます。
 お尋ねの問題につきましては、昨年も申し上げたとおりでございますが、安保理常任理事国入りにつきましては、非常任理事国の選挙などとは異なりまして、立候補した上で選挙によって選ばれるという、そういう制度ではございません。安保理の改革というものが伴わなければ安保理の拡大もないわけでございまして、立候補をして選挙で選ばれるという制度ではございませんので、お尋ねのように、立候補表明ではないなというお尋ねであれば、いや、それはそうではありません、立候補声明ではありませんとお答えをすることが正しいかと思います。
 さらに、この問題につきましては内外の議論がもっと深まっていくことが重要だと私自身も考えておりますが、この一年間、かなり国内におきましても議論があちこちで進んできたというふうにも思いますと同時に、国連の中におきましても議論が相当に行われたことも事実でございます。
 いずれにいたしましても、引き続き国民の皆様の御理解を踏まえて取り組んでまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#19
○国務大臣(武村正義君) 金融問題についての御質問でございますが、金融機関の健全性確保の責任は、まずその経営者にございます。したがって、金融機関の破綻処理におきましては経営陣の退陣が当然求められるわけでありますし、また、経営破綻に至る経緯等が明らかにされ、その原因を招いた者に対しては、法の枠組みの中で、民事上も、あるいは必要があれば刑事上も、経営責任の厳格な追及がなされなければならないと思います。
 監督当局としましては、破綻に際し、処理スキームの策定等を行うことが大変大きな仕事でありますし、さらに、破綻の未然防止や破綻処理方法の改善等の施策の充実を図る責任を有しております。
 いずれにしましても、金融機関の破綻処理において、納税者に負担を求めることについては慎重な検討が必要でありますし、公的資金の導入も含めた公的な関与のあり方につきましては、今後、各方面における御論議を踏まえながら、また、金融システム内の最大限の対応等を踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#20
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私に対しましては、今後、連立政権の中でどういう考え方なのかというお尋ねでありました。
 昨年の六月に新党さきがけと日本社会党がまとめられました政策合意の案を自由民主党にお示しをいただいたとき、私は当時の政務調査会長として、結構です、テーブルに着けますというお返事をした責任者であります。そして、その言葉どおり、今日まで全力を尽くして閣僚としても働いてまいりました。
 他方、今、村山政権のもとで課題は山積をいたしております。例えば、今国会御論議をいただきます補正予算に関連し、我々は早急に対応していきたい分野についての関連法案の御審議もお願いをしなければなりません。そして、成立をいたしました段階で、それを着実に実行していく責任も負うております。
 こうした中、私は、こうした課題を解決していくために、自由民主党の総裁として、また閣僚の一員として、全力を尽くしていくつもりであります。(拍手)
     ――――◇―――――
#21
○山本有二君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明三日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。
#22
○副議長(鯨岡兵輔君) 山本有二君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○副議長(鯨岡兵輔君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト