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1995/10/19 第134回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第7号
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1995/10/19 第134回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第7号

#1
第134回国会 本会議 第7号
平成七年十月十九日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第六号
  平成七年十月十九日
    午後一時開議
 第一 新たな事業活動の促進のための関係法律
    の整備に関する法律案(内閣提出)
 第二 繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改
    正する法律案(内閣提出)
 第三 中小企業信用保険法の一部を改正する法
    律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員辞職の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙
 裁判官訴追委員の予備員の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 国会等移転調査会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 日程第一 新たな事業活動の促進のための関係
  法律の整備に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 繊維産業構造改善臨時措置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 中小企業信用保険法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 通信・放送機構法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 中小企業における労働力の確保のための雇用管
  理の改善の促進に関する法律の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 建築物の耐震改修の促進に関する法律案(内閣
  提出)
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を
  改正する法律案(議院運営委員長提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)並びに租税特別措置法の一部を改正す
  る法律案(海部俊樹君外二十四名提出)及び
  地方税法の一部を改正する法律の一部を改正
  する法律案(海部俊樹君外二十四名提出)の
  趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員辞職の件
#3
○議長(土井たか子君) お諮りいたします。
 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員甘利明さんから、予備員を辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出を許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なししと呼ぶ者あり〕
#4
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙
 裁判官訴追委員の予備員の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙
 国会等移転調査会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
#5
○議長(土井たか子君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、裁判官訴追委員の予備員、検察官適格審査会委員及び同予備委員、国土開発幹線自動車道建設審議会委員、国会等移転調査会委員、北海道開発審議会委員及び日本ユネスコ国内委員会委員の選挙を行います。
#6
○山本有二君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。
#7
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に尾身幸次さんを指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は第一順位といたします。
 次に、裁判官訴追委員の予備員に
    高橋 辰夫さん 及び 伊吹 文明さん
を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、高橋辰夫さんを第一順位とし、伊吹文明さんを第三順位といたします。
 次に、検察官適格審査会委員に
    後藤田正晴さん    高村 正彦さん
    船田  元さん 及び 坂上 富男さん
を指名いたします。
 また、
 中島洋次郎さんを高村正彦さんの予備委員に、
 村井仁さんを船田元さんの予備委員に、
 細川律夫さんを坂上富男さんの予備委員に指名いたします。
 次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に
    山崎  拓さん 及び 永井 孝信さん
を指名いたします。
 次に、国会等移転調査会委員に西田司さんを指名いたします。
 次に、北海道開発審議会委員に
    鈴木 宗男さん 及び 今津  寛さん
を指名いたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に濱田健一さんを指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第一 新たな事業活動の促進のための関
  係法律の整備に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 繊維産業構造改善臨時措置法の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 中小企業信用保険法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
#9
○議長(土井たか子君) 日程第一、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案、日程第二、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第三、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長甘利明さん。
    ―――――――――――――
 新たな事業活動の促進のための関係法律の整備
  に関する法律案及び同報告書
 繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する
  法律案及び同報告書
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及
  び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔甘利明君登壇〕
#10
○甘利明君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果について御報告を申し上げます。
 まず、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。
 本案は、内外の経済情勢の変化に対応して、我が国における経済活動の活力を維持し、経済の自律的発展を円滑化するため、民間事業者の能力の活用による施設の整備、新規事業の実施の円滑化、輸入の促進に寄与する事業の支援等、新たな事業活動を促進するための措置について、その拡充を図ろうとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の期限を十年延長し、支援対象となる特定施設を追加するとともに、いわゆる純粋民間事業者の借り入れに関する利子補給制度を設ける等の措置を講ずること、
 第二に、特定新規事業実施円滑化臨時措置法の期限を十年延長し、新規事業者の人材確保を円滑化するためのいわゆるストックオプション制度を創設する等の措置を講ずること、
 第三に、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法の期限を十年延長し、輸入促進地域内に新たに特定集積地区を設けること等により、輸入促進事業を一層支援するための措置等を講ずることなどであります。
 次に、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、繊維産業をめぐる内外の著しい環境変化にかんがみ、新技術の開発、情報処理の効率化等を通じて、繊維産業の構造改善を一層推進するための措置を講じようとするものでありまして、その主な内容は、繊維産業における新技術の開発等の業務に必要な資金について、繊維産業構造改善事業協会が国から出資を受けることができることとするための措置を講ずることなどであります。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、最近の中小企業をめぐる経済環境の変化にかんがみ、中小企業信用補完制度の拡充を行おうとするものでありまして、その主な内容は、無担保保険、特別小口保険及び新事業開拓保険について、それぞれ付保限度額を引き上げるとともに、特別小口保険の付保の対象となる者を拡大することであります。
 三案は、いずれも去る十月十一日当委員会に付託され、十七日橋本通商産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、昨十八日質疑を終了した後、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備等に関する法律案については討論を行いました。
 採決の結果、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備等に関する法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。また、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、両案ともそれぞれ全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備等に関する法律案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#12
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第二及び第三の両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#14
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#15
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
#17
○議長(土井たか子君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正す
る法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長大木正吾さん。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案及び同報告書
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案及び同報告書
 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改
  正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大木正吾君登壇〕
#18
○大木正吾君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、本年八月一日付の人事院勧告を勧告どおり実施しようとするもので、一般職の職員の給与について、全俸給表の全俸給月額、初任給調整手当、扶養手当及び宿日直手当の額を改定するとともに、調整手当、住居手当及び通勤手当の特例措置を講じようとするものであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、内閣総理大臣、国務大臣、大使、公使及び秘書官等の特別職の職員について、一般職の職員の給与改定にあわせて、その俸給月額の改定を行おうとするものであります。
 次に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、防衛庁の職員について、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額の改定を行おうとするものであります。
 以上三法律案は、十月十三日本委員会に付託され、十七日江藤総務庁長官及び衛藤防衛庁長官から提案理由の説明を聴取し、本日一括して質疑を行いました。
 質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、一般職の職員給与法改正案は全会一致をもって、特別職の職員給与法改正案及び防衛庁の職員給与法改正案は賛成多数をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、消防組織法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#23
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
#25
○議長(土井たか子君) 消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長平林鴻三さん。
    ―――――――――――――
 消防組織法の一部を改正する法律案及び同報告
  書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔平林鴻三君登壇〕
#26
○平林鴻三君 ただいま議題となりました消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、消防事務の円滑な運営に資するため、消防本部に消防職員委員会を置くとともに、災害の規模等に照らし緊急を要する場合等における消防の応援に関する特例を創設しようとするものであります。
 その内容は、
 第一に、消防職員の勤務条件及び厚生福利、消防職員の装備並びに消防用施設に関して消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づき消防長に対して意見を述べさせ、もって消防事務の円滑な運営に資するため、消防本部に消防職員委員会を置くことといたしております。一第二に、災害の規模等に照らし緊急を要し、被災地の都道府県知事の要請を待ついとまがないと認められる場合や、人命の救助等のために特に緊急を要し、広域的に消防機関の職員の応援出動等の措置を的確かつ迅速にとる必要があると認められる場合についての、消防の応援に係る特例を設けることといたしております。
 本案は、十月十一日本委員会に付託され、十七日深谷自治大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。本日質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#27
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#29
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#30
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正す。
  る法律案(内閣提出)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正す。
  る法律案(内閣提出)
#32
○議長(土井たか子君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長加藤卓二さん。
    ―――――――――――――
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
  法律案及び同報告書
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
  法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔加藤卓二君登壇〕
#33
○加藤卓二君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 両案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例に準じてその給与を改定するもので、その内容は次のとおりであります。
 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給については、これに対応する内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給の増額に準じ、その他の裁判官の報酬並びに検察官の俸給については、これに対応する一般職の職員の俸給の増額に準じて、それぞれこれを増額すること、
 第二に、これらの給与の改定は平成七年四月一日にさかのぼって行うことであります。
 委員会においては、本日両案について宮澤法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、これを終了し、直ちに採決を行った結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、通信・放送機構法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#37
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 通信・放送機構法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
#39
○議長(土井たか子君) 通信・放送機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。逓信委員長中川昭一さん。
 通信・放送機構法の一部を改正する法律案及び
  同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中川昭一君登壇〕
#40
○中川昭一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、電気通信分野における研究開発施設を一層充実することにより通信・放送技術の向上を図るため、通信・放送機構業務に高度通信・放送研究開発を行うための基盤的な施設を整備して、研究開発を行う者の共用に供する業務を追加しようとするものであります。
 本案は、去る十月十一日本委員会に付託され、本日井上郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#41
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#42
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#43
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#44
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 中小企業における労働力の確保のための雇用
  管理の改善の促進に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
#46
○議長(土井たか子君) 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。労働委員長笹山登生さん。
    ―――――――――――――
 中小企業における労働力の確保のための雇用管
  理の改善の促進に関する法律の一部を改正す。
  る法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔笹山登生君登壇〕
#47
○笹山登生君 ただいま議題となりました中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における中小企業の労働力の確保に関する状況にかんがみ、労働力を確保するために中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置を一層促進するため、高度な人材の確保に係る改善計画の認定、雇用保険の雇用安定事業等としての必要な助成及び援助等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、個別の中小企業者は、高度な人材の確保を図るための雇用管理の改善に関する計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができること、
 第二に、政府は、計画の認定を受けた事業協同組合等の構成員たる中小企業者または計画の認定を受けた個別の中小企業者であって、高度な人材の受け入れ、育成等を行い、認定計画の目標を達成したものに対して、雇用保険法に基づく必要な助成及び援助を行うこと、なお、これらの助成及び援助を行う場合、これから労働者を雇用しようとする中小企業者、内定中の者についても対象とすること、
 第三に、雇用促進事業団による資金の貸し付け並びに中小企業信用保険法、中小企業近代化資金等助成法及び中小企業投資育成株式会社法の特例措置の対象範囲の拡大等の措置を講ずること等であります。
 本案は、去る十月十一日付託となり、本日の委員会において青木労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#48
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#50
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、建築物の耐震改修の促進に関する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#51
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 建築物の耐震改修の促進に関する法律案(内
  閣提出)
#53
○議長(土井たか子君) 建築物の耐震改修の促進に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長遠藤和良さん。
    ―――――――――――――
 建築物の耐震改修の促進に関する法律案及び同
  報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔遠藤和良君登壇〕
#54
○遠藤和良君 ただいま議題となりました建築物の耐震改修の促進に関する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、建築物の地震に対する安全性の向上を図るため、国による耐震診断及び耐震改修に関する指針の策定、所管行政庁による指導、国及び地方公共団体による支援のための措置等を講ずるとともに、建築基準法の特例及び住宅金融公庫の貸付金の利率の特例を設ける等、所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る十月十一日本委員会に付託され、本日森建設大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#57
○山本有二君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#58
○議長(土井たか子君) 山本有二さんの動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部
  を改正する法律案(議院運営委員長提出)
#60
○議長(土井たか子君) 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事額賀福志郎さん。
    ―――――――――――――
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を
  改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔額賀福志郎君登壇〕
#61
○額賀福志郎君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、国会議員の秘書に適用される給料表の全給料月額等につきましても同様の改定を行い、本年四月一日から適用しようとするものであります。
 本案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出したものであります。
 何とぞ御賛同くださるようによろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#62
○議長(土井たか子君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)並びに租税特別措置法の一部を改
  正する法律案(海部俊樹君外二十四名提出)
  及び地方税法の一部を改正する法律の一部
  を改正する法律案(海部俊樹君外二十四名
  提出)の趣旨説明
#64
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに海部俊樹さん外二十四名提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。大蔵大臣武村正義さん。
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#65
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における社会経済情勢にかんがみ、株式市場の活性化の観点から、上場会社等による利益をもってする株式の消却の促進を図るため、上場会社等が株式の利益消却を行った場合のみなし配当について、特例措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 まず、上場会社等が利益をもってする株式の消却を行った場合には、その消却された株式に対応する資本の金額のうち消却されなかった株式に対応する部分の金額については、みなし配当課税を行わないこととしております。なお、法人株主については、受取配当として申告することを選択できるものとしております。
 次に、公開買い付けによる株式の消却に応じた個人株主が交付を受ける金銭の額のうち資本等の金額に対応する金額を超える部分の金額については、みなし配当課税を行わず、株式の譲渡による所得として課税することとしております。
 これらの措置につきましては、この法律の施行の日から平成十一年三月三十一日までの間に、利益をもってする株式の消却を行った場合について適用することとしております。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#66
○議長(土井たか子君) 提出者野田毅さん。
    〔野田毅君登壇〕
#67
○野田毅君 私は、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、新進党・民主会議を代表して、提案の趣旨を説明いたします。
 今、我が国経済は、戦後最大とも言える未曾有の危機に直面しています。急激な円高は、そのもたらす自国内への影響を憂慮した米国がドル高への軌道修正をした結果としてやや持ち直したとはいえ、基調としての円高は続き、国内産業、特に製造業の基盤を蚕食し、雇用不安が現実のものとなっております。バブルのツケともいうべき不良債権によって金融システムは既に混乱が始まり、邦銀の格付は驚くべき下落を見ており、住専問題を初めとして焦眉の急を要する課題が山積しております。米国議会において日本の金融システム問題が世界的な影響を及ぼし得るとして公聴会が催されている事実は、深刻な現実の端的な表現であります。
 このような実体経済の投影として、証券市場は極めて不活発、株価は低迷し、先が見えない状況であります。さらには、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件がもたらした経済的・心理的打撃、貿易摩擦の激化や産業の空洞化の進行があります。
 そのような事態が一向に改善されないのはなぜか。その最大の理由は、現下の不況は従来のものとは全く質が異なり、それゆえに新しい発想に基づく対策を実施しなければこれを克服できないことを、村山内閣が全く理解していないことにあります。既に累計約六十兆円もの経済対策が講じられ、公定歩合も史上最低の〇・五%にまで引き下げられたにもかかわらず、目に見える効果はあらわれていません。公共投資を柱とする財政出動は景気浮揚につながらず、空前の低金利が利子収入に頼る高齢者等の生活を圧迫し消費低迷を招来するなど、逆効果さえ見られます。
 私たちは、以下の三つの点を正さなければ、本格的な景気回復を図ることは到底不可能と考えます。
 第一は、村山内閣の退陣であります。(拍手)今日の不況はまさに政治不況であり、花咲かじいさんとみずから名乗っている村山総理の正体がどうやら貧乏神であることは、今やだれの目にも明らかです。村山総理、そして武村大蔵大臣に象徴される現政権が続く限り、経済マインドは冷え切ったままであり、国民はうつむきかげんのまま暮ら
さざるを得ません。
 第二は、経済構造の抜本的改革であります。冷戦の終結、世界的パラダイムの転換、メガコンペティション時代の到来、戦後の我が国の経済社会システムの行き詰まりなどにかんがみれば、大胆な規制撤廃等の構造改革なくして今日の経済危機を乗り越えることはできません。
 第三は、土地の流動化、証券市場の活性化であります。できるだけ早く村山内閣にお引き取りいただき、経済改革を断行しなければなりませんが、それまでの間、有効需要政策を中心とする従来型の景気対策に依存するのではなく、今日の不況にかんがみれば、不動産市場・株式市場対策を緊急に講ずる必要があります。
 この視点から、今ここに私たちが税制改正を提案し、与党の心ある方々の御賛同を得てその成立を図りたいと考えている次第であります。(拍手)
 私たちは、冒頭に述べた日本経済の現在の深刻な事態に対処して、効果のあることは何かを真剣に検討しました。私たちは、金融システムの混乱のもとである不良債権の解消の一助として、土地の流動化を促すために土地譲渡益課税の軽減を図り、あわせて証券市場の活性化を図るために有価証券取引税の停止を提案しております。しかも、今の日本経済が活性化するためには思い切って今ここでカンフル剤を打たなければならないという観点から、三年間の時限的な措置として提案しております。さなきだに困難な財政事情を配慮しつつ、しかも現実の効果が期待できる臨時異例の措置として提案していることの意義をお酌み取りいただきたいと存じます。
 以下、概要をお示しします。
 第一は、長期保有の個人の土地譲渡益課税の軽減であります。個人の土地等の長期譲渡所得課税につきまして、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分について、国、地方合わせて三二・五%の税率を二六%に引き下げます。なお、自由民主党は、野党時代、平成六年三月に同じ内容の法案を提出していることを申し添えておきます。
 第二は、所有期間が二年を超える土地の譲渡等について、個人の事業所得等の課税の特例制度及び法人の土地等の追加課税制度の適用を取りやめることであります。
 第三は、特定の事業用資産の買いかえ等の課税特例制度の拡充であります。すべての制度を二年間延長することとし、さらに、いわゆる中小企業リストラ法、事業革新法、長期所有土地等から既成市街地等以外の建物、機械装置等への買いかえに係る課税繰り延べ割合を拡充します。
 第四は、有価証券取引税を課さないこととする措置であります。
 なお、先国会におきまして、我々は、株式の利益消却の際のみなし配当課税の特例につきましても法案を提出した経緯がございますが、遅きに失したとはいえ、今回、政府案として法案を提出されたことは一歩前進であると受けとめております。
 以上が提出法案についての趣旨説明でありますが、日本経済の現状を憂慮する良識ある議員各位の党派を超えた御賛同をいただけるものと確信しております。とりわけ自由民主党の議員各位におかれましては、必ずや賛成いただけるものと確信しております。(拍手)
 橋本通産大臣は、さきの総裁選立候補に当たって、「元気を出せ!日本「自信回復宣言」」において、地価税凍結、固定資産税軽減を含め、土地保有税や土地譲渡益課税を、有価証券取引税などの証券税制、法人税などの企業税制を抜本的に見直すことを公約されて自民党総裁になられました。
 今回、我々が提出した法案に自由民主党が反対したとすれば、まさに公党としての存在を放てきするものと言わざるを得ません。自民党が自由主義経済を信奉し、真剣に景気回復を図る政党であるならば、我々の提案に対してイエス以外の回答を示すことはないと信じております。提出法案を真剣に御議論いただきまして、速やかな成立をお図りいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、私の趣旨説明を終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)並びに租税特別措置法の一部を改
  正する法律案(海部俊樹君外二十四名提出)
  及び地方税法の一部を改正する法律の一部
  を改正する法律案(海部俊樹君外二十四名
  提出)の趣旨説明に対する質疑
#68
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。谷口隆義さん。
    〔谷口隆義君登壇〕
#69
○谷口隆義君 私は、新進党・民主会議を代表して、ただいま御提案のありました政府提出の租税特別措置法の一部を改正する法律案について、村山総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。
 今回の法案は、まさに税の立場から景気の活性化を図るものであり、そのような観点から、現下の経済不況の根底の問題としての金融機関の不良債権についてお尋ねいたします。
 我が国は、現在、戦後最大量悪の経済不況の渦中にあります。昭和五十年代の初めに高度経済成長からいわゆる安定成長に移行し、また、昭和六十年代から平成にかけては急激な好況を呈し、我が国の財政におきましても、一時、特例公債がゼロという時期があったわけであります。まさにバブルと言われるような時代でありました。バブルの崩壊とともに日本経済の右上がり神話は消え去り、それとともに戦後日本経済の構造的な問題が露呈化されたのであります。
 戦後の日本経済は、欧米の新たな知識を効率的に吸収し、いち早く製品化した上シェア拡大を目指し、大量生産により薄利多売を続ける一方、獲得した市場には参入規制等を設け排他的領域とすることで利益の確保を図るメカニズムが構築され、それを通し、日本企業のシェア重視、低収益体質と、経済社会全体にわたって強い既得権体質が生み出されたわけであります。
 このような経済構造の中で、我が国に対する国際的な自由化の要請等や、リーディングカンパニーの勢いが低下したことや、またバブルの崩壊等により経済全体が横ばいになり、数々の問題が露呈化いたしたのであります。これに対して、政府は過去五次にわたって累計四十六兆にも上る経済対策を講じたのでありますが、顕著な効果がなく、今般の十四兆二千億の大型経済対策の効果も疑わざるを得ません。
 それは、現下の経済不況の元凶に、硬直化した
構造上の問題と日本の金融システムの危機的な状況があるからであります。また、このような金融システムの状況は、今や世界経済破綻の火種になる様相を呈しております。これは先日のG7において大きなテーマになり、武村大蔵大臣が欧米諸国に対し説明されたと聞いております。
 そこで、まず初めに、戦後最大、十四兆二千億の今回の経済対策について、金融機関の不良債権の処理について方向が明確でない状況でどれほどの効果があるのか、経済企画庁長官に景気の先行きについてまずお尋ねいたします。
 また、G7の大きなテーマになるほど欧米諸国が我が国の金融システムに危機感を持っているわけでありますが、これについて大蔵大臣の御所見をお願いいたします。
 十月十六日に、米国議会下院銀行・金融委員会による日本の金融システムに関する公聴会が行われたそうであります。その際に、日本の不良債権の実態、また大蔵省の対応の仕方について不透明であるというようなことであったようでございます。
 私も先日の大蔵委員会で質問いたしたわけでありますが、不良債権の四十兆というのは根拠のない推定値であります。一刻も早く、積み上げ計算による不良債権総額を開示するところからスタートすべきであると申し上げたわけであります。米国議会下院の銀行・金融委員会のジム・リーチ委員長も、延滞債権の把握の仕方で日本は六カ月、米国は三カ月等の違いがあるにせよ、アナリストによれば公表額の二倍に当たる八十兆との試算もあると、このようにおっしゃっているようであります。四十兆からそれほどふえることはないと答弁された武村大蔵大臣の御所見をお聞きいたします。
 先日も申し上げたわけでありますが、不良債権の処理をめぐっては、まず不良債権の全容を把握することから始まるものと考えております。国民の間に、全容を把握されておらない何とも不気味さが不要な不信感を生み出し、預金者は預け入れ金融機関に過敏になり、企業家は不透明な状況の中で設備投資にちゅうちょをいたしておるわけであります。地域金融機関は突然の預けかえの恐怖に恐れております。そこで、一刻も早く全金融機関の不良債権の開示を行うべきと考えます。
 本年九月の金融システム安定化委員会審議経過報告におきましては、都銀、長信銀、信託二十一行は、平成八年三月期より、破綻先債権、延滞債権、金利減免債権はすべて開示の方向になっておりますが、地銀、第二地銀は金利減免債権は開示の方向ではありません。また信用金庫は、一定規模以上のみ破綻先債権を開示し、あとは対象になっておらず、信用組合においてはすべて開示の対象になっておらないわけであります。
 そこで、総理、大蔵大臣にお聞きいたしたいのでありますが、なぜ全金融機関の開示が一挙にできないのですか。できないとするなら、その理由を提示してもらいたい。また、米国における基準と同様に、より厳しい開示基準の御検討をお願いいたしたい、このように思うわけであります。これらが不良債権処理の第一歩であることを念頭に入れていただいて、御所見をお願いいたします。
 次に、先日、邦銀が経営危機に陥った場合、米国連邦制度理事会、FRBが、日本の金融当局が保有する米国債と引きかえに即座に数十億ドルの範囲内でドル資金を供給することで日本側と合意したと一部マスコミの報道がありましたが、これはまさに米国が日本の金融システムがいかに危険であると見ているかという証左であります。この合意の有無も含めて、大蔵大臣の御見解をお願いいたします。
 次に、現在の我が国の金融行政の中で、地方自治体に機関委任事務の関係から一部欠落していると言ってもよい信用組合の経営破綻処理についてお尋ねいたします。
 信用組合の経営破綻に伴う費用を賄う特別基金を、国、地方自治体、民間金融機関から資金を集めて五年間の時限措置で設置する方針だとお聞きいたしております。預金保険機構とは別組織で、当初の基金規模は一千億から二千億程度のようであります。現在、御存じのように、国民の側からは公的資金の導入について大変厳しいものがございます。経営責任の追及、金融機関の自助努力等の前提で公的資金の導入が検討されるべきであります。大蔵大臣の御所見をお願いいたします。
 今回の租税特別措置法の一部を改正する法律案には、土地税制が盛り込まれておりません。御存じのように、土地取引が鎮静化いたしております。バブルの崩壊により地価が下落し、また、金融機関の貸出金の見合いの担保として徴求された不動産は、不良債権化した貸出金とともに沈滞した状況にあります。土地取引の活性化は景気を刺激し、活性化の大きな要因となるものであります。
 今回の新進党案に盛られておる長期保有の個人の土地譲渡課税の軽減については、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分につき、国、地方合わせて三二・五%の税率を二六%に引き下げ、土地の流動化を促進しようとするものであります。自民党は平成六年に同じ内容の法案を提出しており、賛成されるものと理解しておりますが、社会党の委員長である村山総理に御所見をお尋ねいたします。
 また、次に、所有期間が二年を超える土地の譲渡について、個人の事業所得等の課税の特例及び法人の土地等の追加課税制度の適用を取りやめることと、特定の事業用資産の買いかえ等の課税の特例制度の拡充等、景気刺激策としての土地取引の流動化を促進する税改正についても、同様に総理の御所見をお願いいたします。
 土地取引の鎮静化とともに、証券市場におきましても、一九八九年に日経ダウ三万九千円をつけて以降、一時は一万四千円台まで下落し、金融機関の所有しておる有価証券の含み益がなくなるのではないかという危険ラインまで危惧されたわけでありますが、現在は一万八千円台で推移いたしておりますが、まだBIS基準の問題や、金融機関の貸し出し姿勢が慎重になり、貸し渋りから、より景気を鎮静化させるのではという心配は取り除かれておりません。
 今回の政府案の自己株式の利益による消却の際に生じるみなし配当課税の特例は、消却する際のネックになっていたものであり、バブルの渦中で行われたエクイティーファイナンスの結果、市中に流通しておる過大な株を消却することにより、株価変動を活性化させるものであり、新進党が前国会に提出していた法案を今回政府案として提出されたものでございます。遅きに失したとはいえ、評価されるものであります。
 しかし、それと同時に、現在、株式取引のもう一つのネック、有価証券取引税の非課税に触れておらないのはバランスを逸していると言っても過言ではありません。今こそ均衡財政理論に一時的に目をつぶってもカンフル剤を打たなければ、失速した証券市場の回復は望めません。そのために有価証券取引税の三年間の凍結について、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、地価税についてお伺いいたします。
 土地基本法の精神から、保有にかかわる税金に重点を置くべく導入されたもので、固定資産税が激変緩和措置があるにせよ急激に上昇する中で、地価税のあり方が問われております。また、納税者が偏在しておるというような批判をされておる中で、地価税負担が重くのしかかっておるわけであります。私は、固定資産税とのバランスの中で、地価税は一時凍結すべきものであると考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
 国際的調和の観点、また産業の空洞化の原因として、我が国の法人税の引き下げの方向が政府税調で検討されていると聞いております。その中で、課税ベースの拡大ということで引当金、準備金の縮減が考えられているようでありますが、企業会計上、租税特別措置法上の準備金と本法で限定されている引当金は区別する必要があります。政策目的により計上が認められている利益留保性の準備金と負債性引当金として妥当な額の計上が義務づけられているものとの区別であります。税法の観点のみならず、企業会計原則の観点からも検討する必要があります。大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
 いずれにいたしましても、現在の経済不況の原因は、我が国の抱える構造的なものであり、従来型の経済対策では顕著な効果を上げることは困難だと考えます。抜本的な改革という外科的治療を講じなければならない現在、自社さきがけの政権で抜本的な経済対策を行い得るのでしょうか。
 土地税制、また不良債権処理をめぐっても意見は相反する中で、現政権の無策ぶりは大多数の国民の認めるところであります。戦後五十年、我が国国民が営々と築き上げてきた日本経済が今や破綻寸前であり、欧米諸国から大きく評価を下げている現在、村山政権は大いにその責任を自覚し、形だけの政権維持に固執せず、一刻も早く国民に信を問うべきであります。
 政治家のかじ取りが今ほど必要なときはなく、国家百年の大計は今このときであるとの自覚のもとに、議場のすべての議員に共通の問いかけをさせていただきまして、皆様方の御清聴に感謝し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#70
○内閣総理大臣(村山富市君) 谷口議員の御質問にお答えを申し上げます。
 なぜ金融機関の開示が一挙にできないのか、また米国における開示基準と同様の基準を検討すべきではないか、こういうお尋ねでございますが、ディスクロージャーは、金融機関経営の透明性を高める、また経営の自己規制を促す効果を有しております。金融機関の不良債権め早期処理を促す上で大きな意義を持っておるというふうに私は考えております。
 このため、平成八年三月期には、主要二十一行においてすべての不良債権の開示が行われることになっております。また、地方銀行、信用金庫の金融機関につきましては、これまでのディスクロージャーの実施状況や信用秩序に与える影響をも配慮する必要がございます。今般、開示範囲の拡大を段階的に進めることといたしたところでございます。
 なお、この開示範囲の拡大は最低限の目安であり、より多くの金融機関が自発的に開示範囲の一層の拡大に努めることが適当であると考えておるところでございます。
 諸外国を見ると、米国においては、法制上、金融機関の不良債権にディスクロージャーを求めており、先進国の中で最も厳格な基準を決めていると承知をいたしております。一方、ヨーロッパ諸国におきましては、金融機関監督当局による監督により金融機関の経営の健全性を確保するとの考えが基本とされておりまして、不良債権のディスクロージャーについては自主的な開示が行われておると承知をいたしております。
 このように、金融機関の資産の健全性に関するディスクロージャーにつきましては国によりまちまちな考えがございますが、我が国といたしましては、ディスクロージャーは不良債権の早期処理を促す上で大きな意義を持つものと考えておりますので、今後おおむね五年以内に、できる限り早期に十分な開示が行われるよう、ディスクロージャーの充実に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、土地流動化の促進の観点から、個人及び法人の土地譲渡益課税の軽減や特定の事業用資産の買いかえ等の課税特例の拡充等をすべきではないかとの御提案でありますが、これにつきましては、御指摘のような議論がある一方で、土地需要が不足いたしておる状況のもとで土地譲渡益課税を軽減しても土地取引の増加にはつながらないのではないか、こういう意見がございます。また、勤労所得と土地譲渡益との課税のバランスといった公平の観点を保持すべきではないか、こういう意見もございます。現行の法人の土地譲渡益追加課税制度におきましては、幅広い適用除外措置があることなども考えれば、これが必ずしも土地取引を阻害しているとは言えないのではないかと思います。
 また、御提案のございました課税特例の拡充につきましては、事業用資産の買いかえは一般的な設備投資の促進等を目的とするものであり、特に国土・土地政策に資するものではないことから、これを有利に取り扱うことは政策の整合性の観点から問題があるのではないか等、さまざまな議論があるところでございます。政府といたしましては、今後さらに議論を積み重ねる必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、土地譲渡益課税を含む土地税制につきましては、土地政策との関連を含め幅広い観点から、平成八年度税制改正において結論を得るべく、総合的かつ積極的な検討を行ってまいる所存でございます。
 次に、地価税についてのお尋ねでございますが、地価税に関しましては、土地流動化や企業負担の軽減等の観点から凍結すべきであるとの御指摘がありますが、一方で、土地保有課税である地価税の軽減は土地を保有しやすくするだけであり、土地流動化にはつながらないのではないか、こういう意見もございます。また、地価税負担の
軽減は大きな土地資産を持つ特定少数の企業に対する税負担の軽減措置であり、問題があるのではないか、こういう意見もございます。今後、政府としては、こうした意見も踏まえて、さらに議論を積み重ねていく必要があると考えております。
 先ほども申し上げましたように、地価税を含む土地税制につきましては、土地政策との関連を含めた幅広い観点から、平成八年度税制改革において結論を出せるよう、総合的かつ積極的な検討を行ってまいる所存でございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#71
○国務大臣(武村正義君) まず、経済対策と不良債権問題の関係の御質問でございますが、これまで政府は累次の経済対策を重ねてまいりました。
 なかんずく公共投資は効果がなかったんではないかという御指摘がございましたが、私どもはそうは考えておりません。公共投資はかなりの効果があった、今日までの経済対策もそう認識をいたしております。公共投資を含めた経済対策がなければ日本経済はさらに悪い状況になっていたことも考えられるからであります。
 ただ、今回の四年続きの景気の低迷は、御承知のように、そしてまた総理自身もおっしゃっていただいておりますように、単なる循環型の不況ではありません。バブル崩壊後の資産デフレという状況がございますし、また、戦後五十年たって日本経済みずからが大きな転機に立っている、そこに構造改革の大変困難な課題に直面をいたしております。加えて、本年は大地震とか急激な円高等が加わっておりまして、こういうさまざまな状況の中に立っていることを考えながら、今回の経済対策を政府としてはまとめたところであります。
 単に公共事業だけでなしに、そういう意味で、土地に対する対策も加えておりますし、また経済構造改革の対策も大きな柱にいたしているところであります。少なくとも、経済企画庁長官も御答弁を申し上げておりますように、向こう一年間ぐらいの視野で考えますと二%ぐらいのGDPに対する貢献はあるという期待を強く持っているところであります。
 さて、金融機関の不良債権問題は、御指摘のとおり、我が国の経済の先行きに不透明感をもたらしていることは否定できません。金融機関が日本経済の血液の役割を担う機関として融資機能を適切に果たしていくことは、これからの日本経済の持続的な発展にとって欠かすことのできない大事な前提であります。このために、金融機関の不良債権の早期処理、これは我が国経済にとっての文字どおり喫緊の課題だと認識をいたします。大蔵省としましては、この処理を先送りすることなく果断に対応してまいりたいと考えておりますし、また、住専をめぐる問題あるいは預金保険の拡充等の課題につきましても、年内に対応策がまとまるよう全力を挙げて取り組んでまいります。
 なお、欧米諸国においては、一部に、我が国の金融システムに対する過度に悲観的な見方も見受けられるところでありますが、これについては、先般のG7、IMF暫定委員会等々さまざまな機会を活用して、我が国における不良債権問題の状況やこれに対する私どもの取り組み姿勢などを説明をし、この外国との認識ギャップの解消に努めてまいったところであります。
 次に、アメリカの下院公聴会の発言でありますが、不良債権の総額は、推計でありますが、この三月で約四十兆というふうに見ております。アメリカの下院銀行委員会の公聴会におきますリーチ委員長の冒頭発言の中に、確かに「民間アナリストの中には、不良債権の総額が八千億ドルに近いとする者もある」という部分があることは承知をいたしております。こうした民間アナリストの推計の根拠を個別に私どもは詳細に承知をいたしているわけではありませんが、大蔵省との推計額の差は、恐らく推計の前提や不良債権の定義の差に由来するものではないかと考えます。
 冒頭申し上げた大蔵省の推計は、我が国におけるディスクロージャーを行う際の定義に従って一定の条件を置いて行ったものでございますし、そういう意味でこの額は実態からかけ離れたものとは考えておりません。目下、本年九月の各金融機関の不良債権の状況の把握に努めておりまして、来月末ぐらいにはその総額を公表できるものと思っております。
 次に、より厳しい開示の基準についての御発言でございますが、この点については総理からお答えをいただきました。
 アメリカは、金融機関の不良債権にディスクロージャーを法制上求めております。そういう意味では、先進国の中で一番厳しい基準を定めているというふうに承知をいたしております。一方、ヨーロッパの場合を見てみますと、金融監督当局による監督により金融機関の経営の健全性を確保するという考え方が基本になっておりまして、ディスクロージャーにつきましては自主的な開示、これが基本になっているようでございます。
 いずれにしましても、ディスクロージャーこそ不良債権の早期処理を促す上で大変大きな意義を持つものであります。総理がお答えいたしましたように、今後、段階的ではありますが、着実に開示に向かって推進を図ってまいります。
 次に、ドル資金の供給の御質問でございましたが、アメリカの銀行監督当局とは、日本の銀行のアメリカでの活動について随時意見交換を行ってきております。当局からは「注意深くモニターをしているが、具体的な支障を来しているとは聞いていない」旨伝えているところでございます。
 大蔵省としましては、国際的に業務展開を行っている邦銀について、御指摘のような海外市場での外貨資金繰りが支障を来すことのないよう――そういう事態が今起こるというふうには考えておりません。今後とも、アメリカの銀行監督当局とも連絡をとりながら、海外支店を含めた邦銀の流動性の資金繰りについては引き続きモニターをし、万が一にも御指摘のような事態が起こらないよう適切に対処をしてまいります。
 次に、公的資金の導入の前提の御指摘でございますが、不良債権の処理は何よりも金融機関の自助努力により対応すべきものであります。各金融機関においては最大限の合理化努力や早期の引き当て、償却等が求められるところでございます。
 さらに、金融機関の破綻処理につきましては、経営陣の退陣がまず求められますし、その原因を招いた者に対しては、法の枠組みの中で、民事上もあるいは刑事上も厳格な責任追及がなされることは当然であります。
 この破綻処理におきましては、まず最大限の保
険料引き上げを含む預金保険の発動など、金融システムの中の最大限の対応により破綻処理に対応し得るかどうかの検討が必要でございます。その上で、そのような措置が講じられた後にもなお、金融システムの安定性に対する国民の信頼を確保するために、金融機関を消滅させながら預金者に負担を求めることを避ける必要がある場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題になってこようかと考えております。
 ただ、納税者に負担を求めることにつきましては慎重な検討が必要でありますし、金融システム内での最大限の対応や今後の各方面における真剣な御論議を踏まえながら、私どもは判断をさせていただきたいと考えます。
 次に、有価証券取引税の凍結の御提案でございますが、有取税の凍結については、他方で、凍結が本当に株式市場の活性化に結びつくのかどうか、あるいは公平の観点から問題はないのかどうか、あるいは代替財源はどうするのかなと、さまざまな論議が真剣に行われているところでございます。政府としましては、今後、株式等譲渡益課税を含めた証券税制全体の議論の中で判断をさせていただきたいと考えております。
 なお、株式市場の活性化に関しては、みなし配当課税の特例措置を講ずることにさせていただいて、そのための法案を今まさに御審議をいただいているところであります。
 最後に、準備金と引当金の御質問でございますが、法人所得課税のあり方及びその負担水準につきましては、今までも申し上げてまいりましたように、課税ベースを拡大しながら税率を引き下げる、これが基本方針でございます。この基本方針に立って検討を進めてまいります。課税ベースの拡大には当然、準備金や引当金の問題も具体的な検討課題になってまいります。その際、引当金につきましては、企業会計上は費用収益対応という考え方に基づきまして、会社利益を合理的に計算するために設けられているものであることも十分念頭に置きながら、検討を進めさせていただきたいと考えます。(拍手)
    〔国務大臣宮崎勇君登壇〕
#72
○国務大臣(宮崎勇君) 私からは、お尋ねのありました今回の経済対策の効果と景気の先行きについてお答えしたいと思います。
 政府は、今回の景気回復局面におきまして、累次にわたり相当規模の経済対策を実施してまいりました。ただいま大蔵大臣が申されましたように、決してそれらの対策の効果が小さかったとも考えておりまぜん。
 それにもかかわらず、経済の回復のスピードは、従来の景気回復局面と比較しまして極めて緩やかなものにとどまっているのも事実でございます。その大きな理由は、資産価値の大幅な下落による影響や、我が国経済が直面している構造的問題の存在があると考えられますが、金融機関の不良債権問題もその一つであります。こうした状況のもとで、残念ながら、公共投資から消費や設備投資といった民間需要へのバトンタッチがうまくいかなかったと言わざるを得ません。
 そこで、政府は、当面の経済情勢や景気回復の障害となっている要因を十分踏まえ、そして為替や株式市場に明るい兆候が見られるようになった今を好機と考え、今般、経済対策を取りまとめたところであります。具体的には、詳細な説明は割愛いたしますが、過去最大規模の内需拡大策に加えて、景気回復の障害となる諸課題への対応策や経済構造改革のための施策を幅広く織り込んでおります。
 御指摘の金融機関の不良債権問題につきましては、その早期処理が喫緊の課題であり、政府としても、問題を先送りすることなく、引き続き果断に対応することといたしております。今回の対策では、そうした姿勢を明らかにしつつ、施策の基本的方向、最終的な取りまとめの期限を明確にしたものであります。
 いずれにいたしましても、今後、本対策を確実かつ効率的に実施するとともに、不良債権問題への対応を初め、これに続く種々の政策を切れ目なく講じていくことによりまして、一日も早く景気の回復を確かなものとしてまいる所存であります。その結果、先般の公定歩合の引き下げ効果もあり、我が国経済は本年度後半には着実な回復に向かうものと考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
#73
○議長(土井たか子君) 濱田健一さん。
    〔濱田健一君登壇〕
#74
○濱田健一君 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけを代表し、ただいま御提案のありました政府提出の租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに新進党提出の租税特別措置法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について質問を行います。
 現在、景気回復の足取りは想像以上に重いものがあります。日本経済の再生のためには、政官民の英知を結集し、多面的な経済対策が必要であることは論をまちません。こうした観点から、私たち政府・与党は、累次にわたり文字どおり切れ目のない経済対策を打ち出してきたところであります。特に今回は、何としても景気浮揚の実を上げるべく不退転の決意を込め、質量ともに万全を期した経済対策及びその実現を図る平成七年度第二次補正予算を提案し、このたびその成立を見たのであります。こうした政策努力の結果、一時は危機的な水準を超えていた為替や株式市場に明るい兆候も見られるようになってまいりました。
 この一連の経済対策を受けて提出されたのが、政府提出の租税特別措置法の一部を改正する法律案であります。本法律案には、証券市場の活性化に関する、自己株式を利益消却する場合のみなし配当課税の特例措置が盛り込まれております。このみなし配当課税の特例措置は、自己株式の利益消却が我が国企業にとって初めての経験であることから、政府をして企業、業界の実態等を十分に把握させた上で講じられたものであり、全体として実効性のある仕組みとなっているものと確信しております。
 確かに、前の国会で新進党から出された議員立法の中に、みなし配当課税の特例措置が盛り込まれていましたが、それは今回政府から提案した内容に及ぶものとはなっていませんでした。というのも、今回の政府案は、具体的仕組みを措置するに当たり、企業の実態を十分把握したからであります。その点で、新進党の法律案はそうした詰めを怠っていたと言わざるを得ません。
 さて、そこで、今回の措置によって企業における自己株式の利益消却が進み、株式市場にも好影響を与えるものと期待するものでありますが、今
回の措置により、どの程度の企業が自己株式の取得・消却を行うと見込んでおられるのか、さらに、政府はこれにより証券市場の活性化にどのように資すると考えておられるのか、まず大蔵大臣にお伺いいたします。
 一方、新進党から提出されている租税特別措置法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案についてでありますが、その内容は、土地流動化の観点からの土地譲渡益課税の軽減と、証券市場活性化の観点からの有価証券取引税の非課税化を図るというものであります。
 そこで、最初に土地税制についてお尋ねいたしたいと思います。
 我が国経済は、いわゆる資産デフレの懸念を強める中、不動産価格の下落が進み、地価の底値が見えないことが不動産取引を萎縮させ、景気の先行き不透明感を払拭できない状況にあると言われています。恐らく新進党の提案も、こうした現状認識のもと、土地取引を活性化させようというねらいから出されたものと思います。しかしながら、残念なことに、この提案については大きな難点があり、意気込み倒れに終わっているのではないかと思われます。
 そもそも、今土地取引が停滞していると言われますが、それは一体なぜなのでしょうか。この点に関して、まだまだ地価が下がるのではないかという予想がある中で、土地の買い手がつかないからなどの指摘があります。土地需要の不足こそが土地取引を萎縮させている原因なのであり、むしろ土地の供給圧力は十分ある、したがって土地譲渡益課税を軽減して土地の供給インセンティブを付与しても何の効果もないのではないかというわけです。現下の地価下降局面での土地譲渡益課税の軽減は、土地取引活性化のための有効な処方せんたり得ないのではないかとの一部の批判についてどのようにお考えでしょうか。
 もし仮にこうしたことを十分承知の上での提案であるとするなら、何か別の意図があるのでしょうか。土地市場に対して、もはやこれ以上の地価下落は適当でないとのメッセージを土地譲渡益課税の軽減という形で伝えさせることに意味がある、つまりはあのバブル時代を再現させるというバブル待望論ではないかといったうがった見方すら指摘され始めていますが、以上の点もあわせて提案者である新進党の見解をお伺いしたいと思います。
 御承知のとおり、土地に関するいわばバイブルである土地基本法において、土地の公共性が明記されています。その中では、土地の価値が主として公的サービスなどの外部的要因により増加することが喝破されている点は大変重要であります。こうした見地から、土地譲渡益の性格を考えれば、額に汗して得られる勤労所得とバランスがとられるように課税すべきは当然のことであります。
 新進党の提案は、土地の流動化という一面にばかり気をとられ、税制の基本である公平という観点を見落としているのではないかと思いますが、新進党としてどのような考えのもとにこの提案をされたのか、お尋ねいたします。
 土地税制については、論ずる人の立場によってさまざまな議論があり得ます。だからこそ、土地の取引実態、地価の動向を十分に見きわめながら、また、国民全体の真の願いがどこにあるのか、その思いにも耳を傾けながら、国民的な議論を起こす必要性を痛感するところでございます。こうしたことから、我々は、土地税制全体について一体今何が必要かつ有効なのかを総合的かつ積極的に検討し、来年度税制改正で結論を得ることとし、その覚悟のほどを既に内外に明らかにしたところでございます。
 そこでお尋ねですが、新進党の法案では、土地譲渡益課税の軽減に限定した内容となっていますが、どうしてそういうことになったのか、保有課税についてはどう考えておられるのか、その真意及び検討の経緯について明確に御答弁いただきたいと考えます。
 また、新進党案は、地方税法の一部改正法の一部改正として、長期譲渡所得課税における市町村民税の税率引き下げについても提案されています。地方税収の動向は、三年連続して前年度実績を割ることに象徴されているように、極めて厳しい現状にありますが、この改正によって地方税収にどういう影響を及ぼすのでしょうか。財源確保策のない減税の提案は無責任のそしりを免れないと考えますが、税収減の見込みと地方財源の確保策についてどのように考えられようとするのか、明らかにしていただきたいと思います。
 次に、有価証券取引税についてお尋ねいたします。
 我が国の株式市場をめぐっては、空洞化しているのではないか、株価動向は依然不透明であり、何よりも株式市場の活性化が急務ではないかといった声がしばしば聞かれます。恐らく、今回の新進党の有価証券取引税の凍結の提案もこうした問題意識をベースにしたものと考えられます。
 しかしながら、もう少し冷静になって考えてみますと、「相場は相場に聞け」という格言のとおり、株式市場は、結局のところ、その国の経済のファンダメンタルズを抜きにしてどうこうできるものではありません。実際、有価証券取引税の軽減の有効性を疑問視する指摘があるのも事実であり、現に、譲渡金額の〇・三%、日経平均一万八千円に対して五十円余りの負担でしかないものを課税せず凍結したとして、どれほどの効果を期待できるとするのか、納得がいく説明を求めるものであります。
 もとより、有価証券取引税を考える場合には、この税の存在が取引コストを高めているのではないかとの観点から、絶えず注意を払うことは重要であります。しかし、他方で、公平の観点から、株式の取得、保有、譲渡といった各段階の課税バランスをどう確保していくのか、要するに株式の譲渡益課税の適正化という要請との整合性をどのように図っていくのかといった点も、また軽視し得ないのは当然ではないでしょうか。資産課税の充実を求める国民の視線は実に厳しいものがあります。新進党においてはこの点について十分検討されたのかどうか、お尋ねいたします。
 さらに、仮に有価証券取引税を軽減するとしても、御承知のような大変厳しい財政事情をこれ以上悪化させるようなことは、絶対にあってはならないことは言うまでもありません。次の世代に負担を残さないよう、財源も含めたところで責任ある政策決定を行う必要があります。三年間の時限的措置であるからといって、財源論をなおざりにすべきではありません。財源の補てん策を用意し
ない新進党案については、無責任と思いますが、新進党としてどのように受けとめておられるのか、明確な答弁をお願いいたします。
 幸い、最近の株価は一時期に比べますと堅調な動きとなっており、その意味で、冷静な議論のできる環境が整いつつあります。有価証券取引税についても、今はいたずらに結論を急ぐことなく、原点に立ち返った議論を徹底的に行い、国民的な合意形成を図るべきではないでしょうか。
 新進党の提案は、これとは対照的に、効果面、財源面等において配慮を欠いており、余りに拙速ではないかとの印象を国民に与えかねないと思いますが、果たして掘り下げた検討、論議をきちんと行ったかどうかを説明する義務があると考えます。
 この点についての明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣武村正義君登壇〕
#75
○国務大臣(武村正義君) 今回のみなし配当課税の特例措置の効果についてお尋ねをいただきました。
 今回の措置により、自己株式の取得・消却が促進されることになるわけでありますが、実際に自己株式の取得・消却がどの程度行われるのかとの点について、基本的には個々の企業の経営者の判断、ひいては株主の判断にゆだねられているものでありまして、確定的なことを申し上げることは難しゅうございます。
 しかし、通産省が行った本年八月のアンケート調査によりますと、みなし配当課税が凍結された場合には、七割を超える企業が、自己株式の取得を検討する、あるいは場合によっては検討するとしているところでありまして、相応の企業の積極的な取り組みが期待されるところであります。
 また、今回の措置によって発行済み株式数を減少させることによって、バブル期において大量に行われたエクイティーファイナンスの結果、株式の供給過剰感のある市場に対して、需給バランスを改善させる方向に働くことが期待されます。さらに、株主資本利益率の向上や一株当たり利益の向上を通じて、当該株式が投資対象としてより魅力的なものになると考えられます。こうしたことを通じて、自己株式の取得・消却は、株式市場の活性化に資するものと考えます。(拍手)
    〔村井仁君登壇〕
#76
○村井仁君 ただいまの濱田議員の質問のうち、主として土地関係の国税につきましてお答えをさせていただきます。
 その前に、濱田議員の御発言に関しまして若干申し上げたいと存じますが、冒頭に濱田議員は、累次にわたる経済対策など政策努力の結果、為替や株式市場に明るい兆候が見えてきた、このようにお述べになりました。それが現在の経済に対する政府・与党の認識であるとするならば、私は、これはまことに甘く、憂慮にたえません。(拍手)
 例えば為替一つとってみましても、日本をつぶしては自分が大変だ、こういうアメリカなどの認識の結果、わずかに現在小康を得ている、これが実情であります。また、株式市場に明るい兆候が見られる、このような発言は、政府・与党の自画自賛は別といたしますと、どこのだれが一体言っているのでありましょうか。私は余り聞いたことがありません。
 また、政府提案の租税特別措置法改正案のみなし配当課税特例は、我々が夏の臨時国会に提出したものを、役人が詰めの作業をして政府案として出してきたものであります。先国会で審議をしておれば、この程度までの詰めの作業はできたはずでありまして、ここまでおくれたのは、すべてを官僚の主導にゆだね、政治決断を怠ってまいった政府・与党の責任であると断ぜざるを得ません。(拍手)
 さきに、総理は答弁で、土地税制につきまして考慮すべき事項、諸点を列挙されましたけれども、この分でまいりますと、我々が今提案しておりますこの法案が万が一否決されたといたしましても、土地税制について、いずれ役人のリーダーシップによりまして、我が党が提案している方向の政府案が次の通常国会あたりには提案されるのじゃないか、そのように推測するものであります。
 さて、御質問の第一点は、土地譲渡益課税の軽減が土地取引活性化に効果がないのではないか、こういう点であります。
 もとより実需があるか否かの議論があることはよく承知しておりますが、金利もこれ以下にはできないところまで下げてしまった、金融面などでできることはやり尽くした、その現状を重視しなければなりません。土地を売ったら三分の一は税金で持っていかれる、リストラのためにやむなく土地を売っても法人の場合頭から一割取られる、こんな税制が足かせになって土地の流動化が進まないということは、これは否定できないことであります。緊急措置として、三年を限って従前の税率水準に戻すべきであると主張するゆえんであります。経済の世界では、やってみなければわからないということもたくさんあります。大切なことは、この緊急事態に対して実施可能なすべての対策を尽くすことだと私は考えます。(拍手)
 第二点は、我々が、これ以上の地価の下落を防ぎ、バブルを再来させることをねらっているのではないかという御趣旨の御質問でありますが、これは経済の実態を全く無視した妄想であります。
 私は、たまたま平成六年度の税制改正に際しまして、当時の連立与党の税制に関するチームで作業に当たった一人でありますけれども、国税、地方税合わせて三九%の譲渡益課税を二六%に引き下げることを当時においてあえて避けましたのは、私の認識では、これによって地価の極度に急激な低下、下落が生じ得ることを恐れたからであります。私は、土地の流動化が進む過程で、実需との関係で地価が一層下落することも十分に考えられると思っております。それによってもたらされる痛みも相当大きなものとなり得ることも覚悟しなければなりませんが、そのような事態を乗り越えながら土地の流動化を図らなければ、金融システムの健全化など日本経済が直面する焦眉の急の課題に対処できない、そのような事実に注意を喚起したいのであります。
 第三点は、公平の視点に関する御質問であります。
 公平というのは、もとより税制を考慮する上で大切な観点でありますが、税の公平は税制全体をとらえて論ずるべきでありまして、野田提案者からも御説明いたしましたように、私たちは、今ある雇用不安、中小企業の経営危機、産業の空洞化等がとどまるところを知らない現下の経済状況を
極めて深刻にとらえております。不動産市場の低迷が、不良債権問題を通じて金融不安を招き、景気回復の足を引っ張れば、ひいては勤労所得まで引き下げることにつながり、結局は国民生活を破綻させることになる。今私たちはそのような危機的な状況にあり、対策は一刻の猶予もならないことを声を大にして訴えたいと存じます。
 第四点は、保有課税についての御質問であります。
 土地の保有課税につきましては、私たちは、現在の企業経営の実態から見ていささか重過ぎる水準になっており、地価税、固定資産税の関係の調整も含めまして水準を見直すことが必要と考えております。しかし、技術的観点から見ますと、保有課税はいわゆる年度改正の課題でありまして、譲渡益課税のように年度途中からでも決めれば実行できる、施行できる、そういうものとは違います。土地に関係する税制のうちで、直ちに実施でき、しかも効果のあるものに限って提案したのが我々の案である、このように御了解をいただきたいと存じます。
 以上、御答弁を終わります。(拍手)
    〔粟屋敏信君登壇〕
#77
○粟屋敏信君 濱田議員の、改正による地方税収減の見込みと地方財源の獲得策いかんという点につきまして、御答弁を申し上げます。
 我が党提案の改正案による地方税収への影響は平成八年度から出てくることになりますが、その増減収見込み額につきましては、もっとも濱田議員は、この改正が通れば必ず減収額が出るというお見通しでありますけれども、私どもは、この法律改正によりまして土地流動の活性化が進みまして、増収の場合があり得る、必ずある、こういうふうに感じておるところでございますが、増減収いずれの見込み額を問わず、土地取引の実態がさまざまであり、不確定な要素が多いこと等により、現在においてその見込み額を予想することは困難でありますので、御了解を得たいと思います。
 なお、最近の税収の動向を見ますと、平成四年度の七千六百四十六億円に対しまして、平成六年度にはこれが二千九百十四億円と大きく減少をいたしております。私どもといたしましては、今回の改正によりまして、土地取引が活性化して増収に転ずるものと考えておるところでございます。
 以上、お答えを申し上げます。(拍手)
    〔北側一雄君登壇〕
#78
○北側一雄君 有価証券取引税の凍結についての御質問にお答えいたします。
 現在、為替市場においては、世界を一日一兆ドル規模の巨額のマネーが駆けめぐっていると言われております。
 一方、我が国市場は国際金融センターとしての魅力が急速に減退しております。その一つの事例が、東京証券市場から外国企業が激減していることであります。一九八五年末には二十一社であった東証上場の外国企業が、一九九〇年末には百二十五社に、その後百二十七社をピークに減少の一途をたどり、一九九四年末では九十七社と、ちょうど三十社もピーク時から減少しております。一方、ニューヨークや香港市場は大幅に増加を遂げ、ロンドンも増加をしております。東証の会員権の返上も続きました。
 経済の心臓部であります資本市場の空洞化は、何としても回避しなければなりません。その最大の施策の一つが有価証券取引税の撤廃にあることは言うまでもありません。
 先進各国は、ほとんどが有価証券取引税を撤廃か、あるいはその方向で進んでおります。アメリカは既に撤廃し、ドイツも一九九一年に撤廃しました。また、イギリス、フランスは税率の引き下げを実施するとともに、全廃の方向で検討に入っております。
 有価証券取引税を撤廃した場合の効果でありますが、例えばフランスは、一九九四年一月に非居住者への有価証券取引税を廃止いたしましたが、その結果、一九九四年上半期の出来高は前年同期比、実に六八%の上昇を見ております。また、例えば日本証券業協会の試算では、これだけで株価が一割以上、上昇するとの試算を示しておりますし、また、ほかの民間研究機関の試算では、撤廃すると、株価上昇、出来高の増加、収益の回復などで、逆にキャピタルゲイン課税、法人税などで四千六百億円の税収増になるとの試算もございます。
 効果の点、国際的な調和の点、いずれの面から見ましても、有価証券取引税は非課税化することが適当と考えるわけでございます。
 次に、株式譲渡益課税の適正化との整合性をどう図っていくのかとの御質問でございますけれども、有価証券取引税の非課税化は、これまでの税制改正の経緯からも撤廃することが本来しかるべきと考えております。有価証券取引税は、昭和二十八年にキャピタルゲイン課税の代替として導入されました。その後、昭和六十三年にキャピタルゲイン課税が原則課税となりました時点で、本来、有価証券取引税は廃止されてしかるべきであったと考えております。
 御指摘のように、公平の観点から株式譲渡益課税の適正化の要請との整合性をどう図っていくかという課題がありますが、現在、政府税調等においても資産課税のあり方が検討されているところでもあり、また、我が党におきましても現在議論を重ねているところでございます。したがいまして、その結論を待ちつつ、景気に対するインセンティブの意味をあわせ持ちまして、当面、三年間の時限的凍結ということにいたしたということをぜひとも御理解いただきたいわけでございます。
 次に、財源の補てん策についての御質問でございますが、私どもは、逆に財政悪化を防ぐ意味からも有価証券取引税の非課税化が必要であると考えております。本来、財政事情は、均衡主義によって歳出を引き締めれば税収がふえるというものではありません。景気の回復により税収増を図るという観点からの経済財政運営が今こそ重要だと考えるものであります。
 現在、深刻なデフレ危機に直面する我が国経済を立て直すには、証券市場の活性化が不可欠であります。金融機関等の不良債権を株式の利益によって償却することで臨んでいる実態、また含み資産の激減等の状況から考えましても、証券市場活性化のための施策として、有価証券取引税の非課税化は喫緊の施策だと考えるものであります。
 最後に、株価が堅調などの御指摘がありましたが、私どもは、現在の株価は極めて底の浅いものと認識をしております。株価は堅調などというものではなく、日本発の世界恐慌を恐れるアメリカ、ドイツの懸念によって一時的にドル安・円高
基調が鎮静化したことによって、外国人を中心にして一時的に買い支えられているだけであります。金融機関等の不良債権問題のしこり等、我が国の投資家が安心して買い出動できる本格的な地合いには全く至っていないと言わざるを得ません。この程度の株価の状況で堅調と考える根拠を伺いたいぐらいでございます。
 こうした経済情勢に対する政府・与党の認識の甘さこそが現下の深刻な経済情勢を招いていることに反省を促したいと訴えまして、私の答弁とさせていただきます。
 以上でございます。(拍手)
#79
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#80
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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