くにさくロゴ
1995/11/02 第134回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第11号
姉妹サイト
 
1995/11/02 第134回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第134回国会 本会議 第11号

#1
第134回国会 本会議 第11号
平成七年十一月二日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  平成七年十一月二日
    午後一時開議
 第一 千九百九十五年の国際穀物協定の締結に
    ついて承認を求めるの件(参議院送付)
 第二 千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締
    結について承認を求めるの件(参議院送
    付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び
  安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並
  びに日本国における合衆国軍隊の地位に関す
  る協定第二十四条についての新たな特別の措
  置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の
  協定の締結について承認を求めるの件の趣旨
  説明及び質疑
 日程第一 千九百九十五年の国際穀物協定の締
  結について承認を求めるの件(参議院送付)
 日程第二 千九百九十五年の国際天然ゴム協定
  の締結について承認を求めるの件(参議院送
  付)
    午後一時四分開議
#2
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明
#3
○議長(土井たか子君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につき、趣旨の説明を求めます。外務大臣河野洋平さん。
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#4
○国務大臣(河野洋平君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う経費の日本側による一層の負担を自主的に図り、日本国にある合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を締結することにつき、平成六年三月以来、アメリカ合衆国政府と交渉を行いました。その結果、平成七年九月二十七日にニューヨークで、私と先方クリストファー国務長官との間でこの協定に署名を行うに至った次第であります。
 この協定の主な内容としましては、まず、日本国が、この協定が効力を有する期間、日本国に雇用されて合衆国軍隊等のために労務に服する労働者に対する一定の給与の支払い及び合衆国軍隊等が公用のため調達する電気等の支払いに要する経費を負担することとしております。さらに、日本国政府の要請に基づき、合衆国が合衆国軍隊の行う訓練を他の施設及び区域を使用するよう変更する場合に、その変更に伴って追加的に必要となる経費を負担することとしております。この協定は、二〇〇一年三月三十一日まで効力を有するものとされております。
 この協定の締結は、日米安保条約の目的達成のため我が国に維持されている合衆国軍隊の効果的な活動に資するものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むアジア・太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものと考えられます。
 右を御勘案の上、この協定の締結について御承認を得られますよう格別の御配慮を得たい次第でございます。
 以上が、この協定の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。松田岩夫さん。
    〔松田岩夫君登壇〕
#6
○松田岩夫君 私は、新進党を代表し、ただいま趣旨説明のありました在日米軍駐留経費特別協定に関連して、総理及び関係閣僚に御質問いたします。
 沖縄事件を契機に噴き出した米軍基地問題などで、戦後五十年かけて築き上げてきた日米関係が今大きく揺らいでいます。この危うさをどう克服していくかが、日米両国にとって極めて重要な課題となっております。
 そんなやさき、村山総理は、十月二十二日から国連創設五十周年特別総会に出席のため訪米されました。その際、総理は、中国及びシンガポールの首脳、そしてガリ国連事務総長と会談をされました。なぜその中にクリントン大統領の名前が見当たらないのでしょうか。
 その理由として、衆議院予算委員会において河野外務大臣は、総理の日程が極めて厳しく、短時間の滞在しか持てない状況であり、遠からず東京で首脳会談を開く予定があるからと、予想どおりの答弁をされていますが、事実はそうではなかったのではないですか。米国務省筋によりますと、安保再定義の作業が大詰めを迎えているこの時期に沖縄事件、盗聴、大和銀行事件などが相次いだので、当然日本側から首脳会談の求めがあると思っていた、会談の要請がなかったのは予想外だったと報道されています。
 緊密な連携が最も求められるこの時期に、日米
首脳会談を当初から放棄するという外交無策ぶりを改めて露呈したと言わざるを得ません。(拍手)村山首相が日米関係の重要性に真に思いをいたしておられるならば、何はさておいても日米首脳会談に時間を割かれるべきであったと思います。総理はどうして日米首脳会談を放棄されたのか、その理由を説明していただきたい。
 さて、この二十日には、APEC首脳会議に出席のためクリントン大統領が来日されることになっています。もっとも、一部の報道によれば、大統領の訪日中止説がくすぶっていると言われています。念のため外務大臣にお尋ねしておきますが、まさかそんなことはありませんね。当然お越しいただかねばなりません。お越しいただいて日米首脳会談を持たれるわけですが、今度こそはぜひ有意義なものにしていただきたいと思います。
 その際、日米安保に関する共同宣言を出される予定と聞いております。冷戦終結後も、北朝鮮の核疑惑問題、朝鮮半島での軍事対立、強大な軍事力を保有するロシアの動揺、中国と台湾の対立、南沙諸島などの領土紛争など、依然不透明な国際情勢が続いております。この共同宣言は、こうした国際情勢において、日米という二大経済大国が、新たな国際秩序、特にアジア・太平洋の平和と安定、さらには繁栄に向けて安全保障面での協力の強化を打ち出す意味で、歴史的な意義を持つ文書になると考えます。
 日米両国がお互いの広範な協力関係を政治的基盤としつつ日米安保体制を維持し発展させていくことが、日本の防衛のみならず、アジア・太平洋の平和と安定の維持に大きく貢献していくことになるわけであります。内容豊かな宣言となるよう、大きな期待をかけております。総理のこの共同宣言にかける決意のほどをお聞きいたします。
 この日米共同宣言においては、また、自衛隊と米軍の相互支援を可能とする物品役務融通協定の締結、国連平和維持活動分野についての日米協力、防衛面での日米共同研究開発の推進など、日米の一層の協力関係が強く打ち出されるべきものであると考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 日米間の共同研究開発や共回生産を推進していく上で、同盟国である米国にさえ武器の輸出を慎むという武器輸出三原則が問題となります。去る十月三十一日に出された通産省の研究会の報告書には、こうした場合におけるこの原則の弾力的運用は将来に向けての検討課題であると述べております。また、去る五月、経団連は、共同開発・共回生産で必要となる部品などを対米輸出できるよう武器輸出三原則を弾力的に運用すべきだとする要望書を出しています。通産大臣はどのように対応していかれるのか、お伺いします。
 この日米安保体制の維持にとって、米軍の日本駐留は最も重要なことであります。米軍は、本国を遠く離れ、我が国の平和と安全のために日々任務を遂行しているものであり、受け入れ国として一定の支援を行っていくことが極めて重要であります。
 さらに、米国は、厳しい財政事情を抱えつつも、世界の平和と安全の維持のため、その役割を引き続き果たしているわけであります。米国内において、一部に孤立主義、内向き化の傾向が見られ、海外での戦力の削減や役割の見直しを求める議論も出つつある状況を見ても、この支援の面において我が国が積極的姿勢を示すことがますます必要になってきていると思います。今回の在日米軍駐留経費負担に関する新協定で、新たに訓練移転費を追加するなど、その充実が図られたことは、適切な対応であると考えます。総理の認識をお伺いいたします。
 日米安保がなぜ必要であり、なぜ日本国内に米軍の基地があるのか、これまで余りその説明が政府から国民になされてきませんでした。最近の世論調査を見ると、日米安保の必要性を感ずる国民が減少していることを示しており、大変憂慮いたしております。また、日米安保の重要性や意義について、本来であれば国民の間でももっと議論がなされてよかったと思います。
 なぜそうならなかったのか。あえて言わさせていただくならば、それは従来、日米安保に反対し、反基地運動をしてきた村山総理や社会党が長年にわたりこれを封殺してきたからであります。
 総理、遅きに失する感がないでもありませんが、今こそあなたの口から、日米安保の重要性、米軍基地の必要性を国民の皆さんに具体的にわかりやすくお説きになることがせめてもの罪滅ぼしになるのではないでしょうか。(拍手)総理、そのようにしていただけるかどうか、お尋ねいたします。
 九月四日のあの忌まわしい米兵による少女暴行事件の後、大田沖縄県知事は上京され、九月十九日、河野外務大臣、野坂官房長官をそれぞれ訪ね、事件への県民の強い怒りを伝え、日米地位協定見直しの必要性を説かれましたが、両閣僚とも知事の要請を否定されました。沖縄県民からは、両閣僚に対し厳しい批判の声が上がりました。政府・与党内部からも批判の声が出て、二転三転したあげく、結局は協定の運用改善というその場しのぎの対応となりました。結果的に、沖縄県側からは国の誠意が全く見られないとの不満が高まり、ついに九月二十八日、知事は米軍用地の強制使用の代理署名を拒否されました。
 事件当初から、この事件がもたらす重大性を予測し、沖縄県民全体が抱える重大な問題を内包している、そうしたしっかりとした認識があれば、おのずとこれまでの展開に違いが出ていたと思われます。政府としてのこうした認識の甘さと誠意のない対応が沖縄基地問題を一層拡大させてきたことについて、総理のお考えを伺います。
 新進党は、日米地位協定第十七条第五項(3)については、日本国民の生命財産を守るという基本的認識に立って見直すべきであると主張してきました。
 先般の刑事裁判手続に関する日米合意は、殺人と強姦という限られた犯罪についてのみ、日本側からする被疑者の起訴前の身柄の引き渡しの要請に対し米側は好意的考慮を払うという便宜的な運用の改善にとどまっています。これでは不十分で、政府は、引き続きこの問題について見直しのための話し合いを米国政府と続けていくべきであると考えます。
 村山総理は衆議院予算委員会で、「協定の見直しはしませんよといって断定的に考える必要は私はないと思う」と述べられ、運用改善にとどまらず、今後も見直しを進める意向を示唆しておられます。これに対し、外務省は一貫して日米地位協定の改正は行わないと表明しております。協定見直し論議が日米安保条約にまで波及しかねないと懸念するからでありましょう。私たちは、第十七条第五項(3)の見直しか地位協定や日米安保条約全体の見直しに波及することはないし、またそのようにさせてはならないと考えています。
 総理に改めて、見直しを行うということなのか、その真意をお聞きします。さらに、日米安保条約にまで波及しかねないと考えておられるのかどうかも含め、外務省の見解を外務大臣にお聞きします。
 次に、米軍用地の使用権原をめぐり大田知事が代理署名を拒否している問題について伺います。
 衆議院予算委員会で防衛庁は、総理の代理署名のタイムリミットについて、知事があくまで拒否を続けることを想定した場合、手続面からいえば今既に時間的に大変厳しい状況にある旨の答弁をしています。総理は、十一月四日に大田知事と会うので、その際、お互いの理解と了解が得られるよう最大限の努力をするとだけ答弁されておられます。総理と大田知事との会談で知事の了解が首尾よくとれれば問題はないのですが、現状はそれほど甘くないと思います。先日の与党代表団の訪問の際にも、代理署名を拒否する知事のかたい決意が伝えられました。
 このままでは、数多くの手続を経て本当に来年
の三月末までに使用権原を取得できるのか、当該用地の不法占拠という事態にならなければいいがと心配であります。今、総理が手続をとられないことが、不法状態をつくってしまうことになりかねないのです。一方、大田知事は「国はみずから手続をとらず、拒否する地方に代理署名をさせるのは不合理である」と述べてもおられます。総理、四日の知事との会談では何をお話しになるのか、お伺いします。その際、代理署名をお願いになるのですか。また、総理には知事の代理署名が得られる自信がおありなのか、あわせてお伺いします。
 野坂官房長官が「総理の署名は、あり得るとすれば日米首脳会談後になる」と早くも述べられたとの報道もありますが、私は、既にタイムリミットに来ている現状では、総理みずからが手続を始められるべきであると考えます。この点についても総理の見解を伺います。
 最後に、沖縄の米軍基地の整理統合についてお伺いします。
 当面は、三事案、二十三事案の早期解決に全力を挙げていただきたいと思います。さらに、中長期的には、日米安保条約の目的達成と調和を図りつつ、沖縄県民の希望しておられる基地の整理統合を図っていくべきであります。そのために、従来の日米合同委員会のほかに、今回新たな話し合いの場を設けることとして、きのうもペリー国防長官と話し合われたと聞いております。どのような新機構をおつくりになるのか、外務大臣にお伺いします。
 沖縄の基地は、言うまでもなく、地政学的、戦略的見地から見て重要な機能を有しているものが多いと思われますが、なぜ七五%の基地が沖縄に置かれなければならないのか、そうした機能の中で本土に移し得るものがあるのかどうかといった観点からの真剣な検討は、これまで行われてこなかったのが現状であります。また、基地の内部の運用の改善によって基地の縮小が可能となる場合があると思いますが、これまた、これまで日本側から内部の運用に立ち入ってまで検討することはなかったと思います。こうした点も含め、高いレベルで真剣に検討していただきたいと思いますが、そうされるのですね。防衛庁長官にお尋ねします。
 また、一昨日来日された米国のシャリカシュビリ統合参謀本部議長は、私にこうおっしゃっておられました。「米国側で整理がつき、日本側に引き渡せる状況になった地域については、とりあえず日本政府の責任で引き取ってもらうことができれば基地の整理統合ももっとはかどるのではないか」と。この点についても防衛庁長官の見解を伺います。
 我々の英知と努力によって一刻も早く沖縄の基地問題が解決され、揺るぎない日米安保体制が定着し、我が国とアジア・太平洋地域の平和と繁栄が永続発展することを願って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(村山富市君) 松田議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず第一に、国連五十周年記念総会特別会合出席の機会に、なぜ日米首脳会談が行われなかったのかとのお尋ねでありますが、確かに、先般の私のニューヨーク訪問の際には、日米双方の日程の都合もあり、また、予算委員会で外務大臣が答弁されましたように、十一月には日米首脳会談が行われることが既に決定をいたしておりますから、短時間であいさつ程度の会合では意味がないんではないかというようなこともございまして、首脳会談は行われませんでした。しかし、私はクリントン大統領との間で既に四回の首脳会談を行っており、首脳間の意思疎通、コミュニケーションは十分行っていると考えております。
 次に、クリントン大統領訪日の際の日米安保に関する共同文書についての御質問でありますが、冷戦後も依然として不安定要因を内包する今日の国際社会において、日米安保体制は我が国の安全の確保にとり不可欠でございます。また、日米安保体制は、国際社会における広範な日米協力関係の政治的基盤ともなっており、さらに、アジア・太平洋地域における安定要因としての米国の存在を確保し、この地域の平和と繁栄を促進するためにも不可欠であると認識をいたしております。
 クリントン大統領が来日される際は、首脳レベルで、このような日米安保体制の重要な意義を改めて確認し、安全保障分野での日米協力関係を深めていくこととしたいと考えております。この際、何らかの共同文書を発出することとなれば、日米安保体制の重要性についての両国国民の理解を深めるという観点からも極めて有意義であると考えております。
 他方、この共同文書の内容、形式につきましては、いまだ米側と協議を行っているところであり、このような段階で、共同文書に盛り込まれる具体的内容について予断を与えるような発言を行うことは適当でないと考えております。
 次に、在日米軍駐留経費負担についての御質問でございますが、これは米軍の我が国における駐留を支える大きな柱であって、御指摘のとおり、日米安保体制の円滑かつ効果的運用を確保していく上で極めて重要であると認識をいたしております。このような観点から、これまでも自主的にできる限りの努力を払ってきたところでありますが、今後とも適切に対応してまいる所存でございます。
 次に。日米安保と米軍の必要性について国民の皆様にわかりやすく説明してはどうかとの御質問でございますが、御指摘のとおり、日米安保体制を円滑かつ効果的に運用していくためには幅広い国民の理解を得ることが必要であることは、申し上げるまでもございません。日米両国政府は、ここ一年間について見ましても、さまざまな形での安保対話を集中的に行ってきたところでございますが、このような対話の内容については、国民の皆様の日米安保体制に対する関心を高め理解を深めるとの観点から、可能な限り公表をしてきたところでございます。さらに今後とも、御指摘も踏まえ、広報の面でさらにいかなる方法があるのか、鋭意工夫検討してまいりたいと考えております。
 次に、日米地位協定の見直し問題への政府の対応についての御指摘でございますが、政府といたしましては、先般の沖縄における児童暴行事件を許すべからざるものであるとの認識を持って、日米地位協定のもとにおける刑事裁判手続の改善について米側と真剣かつ精力的に協議をし、その結果、先週、我が国の関心にこたえる形での手続の改善を見た次第でありまして、政府といたしましては、誠意を持って懸命にこの問題に取り組んできたと考えておる次第であります。
 次に、大田知事が署名押印を拒否したことについてのお尋ねでありますが、同知事は署名押印拒否について、国の機関委任事務として定型的に処理するには多くの問題を内包しており、この際、沖縄県に余りにも過重な負担を強いている米軍基地のあり方を厳しく問わざるを得ないとして拒否をされたと理解をいたしております。
 本件に関する私の考えといたしましては、これまでも再三申し述べてきたところでございますが、戦前、戦中、戦後を通じて沖縄の置かれてきた立場というものを十分に理解しているつもりではありますが、十一月四日に予定されている沖縄県知事との会談におきまして、あくまで同県が抱えている基地問題等について誠心誠意話し合いを行い、我が国として条約上の義務を履行できないような事態が生じないよう最大限の努力を払う所存でございます。
 次に、先般の衆議院予算委員会における私の答弁についての御質問でありますが、御指摘の答弁において私が申し上げましたのは、政府として、刑事裁判手続以外の問題につきましても、日米安保条約の目的達成との調和を図りながら、改善に
向け米側と真剣に協議を行っていきたいとの趣旨を述べたものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、四日の大田知事との会談内容及び署名手続のタイムリミットについてのお尋ねでありますが、代理署名問題については、これまでも申し述べておりますとおり、国と県との間において訴訟となるような事態を招くことは望ましいことではないと考えております。この代理署名につきましては、法に基づく手続についてのタイムリミットは迫っておりますが、十一月四日に予定されている沖縄県知事との会談においては、あくまで同県が抱える基地問題等について誠心誠意話し合いを行い、同知事の理解を得、我が国として条約上の義務を履行できないような事態が生じないよう最大限の努力を払ってまいるつもりでございます。
 次に、沖縄の振興策についてのお尋ねでありますが、沖縄の振興開発につきましては、沖縄の置かれておる特殊事情を踏まえ、これまで沖縄振興開発計画に基づき、毎年度所要の予算……(発言する者あり)これは質問にないそうでありますから、答弁はやめます。差しとめます。(発言する者あり)
#8
○議長(土井たか子君) 静かにしてください。静粛に願います。
#9
○内閣総理大臣(村山富市君)(続) いや、あらかじめ通告があったと聞いておりましたから、答弁漏れがあるといけないと思ってお答えしたのでありますが、私の聞き違いでありますから、答弁は差し控えます。(拍手)
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。
    〔国務大臣河野洋平君登壇〕
#10
○国務大臣(河野洋平君) クリントン大統領は今月十七日に訪日し、十九日から二十一日まで国賓として東京に滞在され、これまでどおり有意義な首脳会談、村山・クリントン会談が行われるものと考えております。現時点で、アメリカ側からお尋ねのような連絡は一切ございません。
 今回の沖縄におきます事件など在日米軍に関する種々の問題は、日米両国間で話し合い、具体的にその解決をこれまでも図ってまいりました。御心配をいただきましたが、日米間には十分な信頼関係がございます。今後とも、問題解決のためにそれぞれ適切に対応してまいりたいと存じます。
 昨日の私と衛藤防衛庁長官とペリー国防長官との会談におきまして、新たな協議の場を2プラス2の下に設置することで合意をいたしました。この協議の場におきましては、安保条約の目的達成との調和を図りつつ、中長期的な観点から、沖縄における施設、区域のあり方などにつき検討を行うこととなっておりますが、検討の内容、日程などを含め具体的な協議の取り進め方につきましては、今月下旬のクリントン大統領の訪日までに日米間でさらに調整を行うこととなった次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
#11
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私に対しまして、武器輸出三原則についてのお尋ねがございました。
 武器の輸出につきましては、政府としては、従来から武器輸出三原則等に基づきまして慎重に対処してまいりました。通産省としても、防衛生産・技術をめぐる環境変化等の中で、装備、技術面での米国との幅広い相互交流の充実の重要性を認識しており、具体的案件が生じました場合には、その時点で武器輸出三原則等との関係について検討してまいりたいと考えております。
 しかし、その場合におきましても、通産省としては、今後とも、国際紛争を助長することを回避するという武器輸出三原則等のよって立つ基本理念を引き続き尊重してまいる所存であります。(拍手)
    〔国務大臣衛藤征士郎君登壇〕
#12
○国務大臣(衛藤征士郎君) 沖縄の基地の問題の解決に向けた高いレベルでの検討をすべきだという松田議員の御指摘でありますが、ただいま河野外務大臣のお答えのとおり、新たな協議の場を設置することが日米間で合意されました。この新たな協議の場におきましては、防衛庁からも局長クラスのほか防衛施設庁及び統合幕僚会議の代表者も参加させ、松田議員の御指摘の点もよく含めまして、安保条約の目的達成との調和を図りつつ、中長期的な観点から、沖縄における米軍の施設、区域のあり方や、施設、区域との関連で訓練あるいは安全といった運用手続に関する事項も含めて、総合的に検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、シャリカシュビリ米統参議長の発言についてのお尋ねでありますが、御指摘のシャリカシュビリ米統参議長の発言の内容については私は詳しく承知はしておりませんが、沖縄県に所在する施設、区域の整理統合につきまして一般論を申し上げれば、政府はこれまでも米側の協力を得ながら、日米安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、整理統合の問題解決に向けて各種の努力をしてきたところであります。
 また、特に本年は戦後五十年目の節目でありますので、まず沖縄県民の要望の強い、松田議員も特に言及されましたいわゆる沖縄三事案やいわゆる二十三事案を中心に、一つでも多く解決できるように努力をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、沖縄県所在の施設、区域の返還に当たりましては、跡地利用計画の策定状況や土地所有者の意向にも十分配慮し、地位協定等の手続に従いまして、日米合同委員会や昨日合意を見ました新協議の場等を活用いたしまして、さらなる整理統合の推進を図ってまいる所存でございます。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(土井たか子君) 古堅実吉さん。
    〔古堅実吉君登壇〕
#14
○古堅実吉君 日本共産党を代表して、日米地位協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する協定について、総理に質問いたします。
 今、沖縄県民と日本国民が強く要求しているのは、日米地位協定の抜本見直しと、諸悪の根源、米軍基地をなぐせということであります。戦後五十年もの間、米軍基地あるがゆえのあらゆる屈辱的犠牲を強いられてきた沖縄県民の積もり積もった憤りと怒りの爆発が、十月二十一日の県民総決起大会だったのであります。
 しかるに、昨日のペリー米国防長官と河野外相、衛藤防衛庁長官との日米会談では、アメリカの言いなりに、日米地位協定の改定は行わないということを確認し、米軍のアジア・太平洋地域に十万人の前方展開戦力と、日本に四万七千人を駐留する戦力維持を確認し合ったのであります。
 これは、沖縄県民と国民の強い要求を真っ向からじゅうりんするものであり、国民の声に対する挑戦ではありませんか。また、米軍専用基地を七五%から七三%程度へのわずかの整理統合にとどめ、沖縄県民には引き続き重荷と犠牲を背負ってもらうということではありませんか。それで沖縄県民への顔向けができるとでも考えておられるのかどうか、総理の答弁を求めます。
 今回の日米特別協定はアメリカの要求に全面的に従ったものであります。日本国に負担をかけないという地位協定二十四条の規定にさえ反して、米軍が負担すべき巨額の費用を日本が負担する、これが特別協定の内容であります。
 地位協定にも違反するアメリカのごり押しを受け入れ、国民の要求する日米地位協定の抜本的見直しをするところか、好意的配慮などというアメリカ側の恩着せがましい運用改善を評価している政府の態度は、全く屈辱的、言語道断としか言いようがないではありませんか。(拍手)総理、こういう批判にあなたはどう答えられるのですか。
 アメリカは、在日米軍の費用の約七〇%を日本が負担しているのだから、軍隊を日本に配備する方が本国で維持するよりも安上がりなのだといって、それを日本に米軍を置く最大の理由にしてい
ます。まさに、日本政府が負担する巨額の思いやり予算が米軍基地の存在を永久化する何よりの口実となっているのであります。
 沖縄に関していえば、政府は、沖縄復帰の際の基地縮小の約束を棚上げにしてきたばかりか、最近の三事案のうち、那覇軍港の返還といっても、隣の浦添市に兵たん基地と直結した新軍港をつくるという横暴な基地増強計画を進めているものでしかありません。総理は、日米特別協定を含めた日本の思いやり予算が沖縄を含めて米軍基地の恒久化につながっている現実をどう考えますか。
 この特別協定は、米軍の訓練経費まで負担しようとしています。耐えがたい騒音をもたらし、命と安全を脅かすNLPや沖縄米軍の実弾射撃演習を中止せよ、これが沖縄県民や国民の要求であります。事もあろうに、政府は国民の血税まで出してその演習を維持継続させようとしているのであります。総理、国民の願いにこたえて、こうした演習を中止させることこそ政府のとるべき道ではありませんか。明確な答弁を求めます。
 十一月二十日の日米首脳会談で、政府は日米軍事同盟をアジア・太平洋の規模さらには地球的規模にまで拡大しようとしており、この日米特別協定は、日本の安全などとは無関係に、こういう軍事同盟の危険な拡大を支えるものであります。日本共産党は、これに断固として反対することを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(村山富市君) 古堅議員の質問にお答えをいたします。
 沖縄県民の声についてどう考えているかとの御質問でありますが、私はたびたび申し上げておりますように、沖縄県民の皆様には、戦前、戦中、戦後を通じて多大の犠牲と御苦労をおかけしております。特に戦後は、長期にわたって米国の施政下にあり、復帰後も広大な米軍の施設、区域が存在しておりますが、この間、累次にわたり多くの事件が発生をし、また、このたび少女の痛ましい事件が発生したことは、極めて遺憾であると考えております。
 このような状況に対し県民の皆様に大きな不安や憤りがあることはよく理解できるところでございますし、そのお気持ちは察するに余りあるものがございます。政府といたしましては、このような沖縄県民の声に対し誠心誠意耳を傾け、問題の解決のために努力をしてまいる所存でございます。
 次に、今回の日米合同委員会合意についての御指摘でありますが、今回の合意によって、従来の手続に比較をして、我が国の要請にこたえる形で手続が大幅に改善されたものであり、屈辱的とか言語道断の御指摘は当たらないと考えております。
 次に、在日米軍駐留経費負担についての御質問でございますが、新特別協定によるものを含め、このような経費は米軍の我が国における駐留を支える大きな柱であって、我が国は、日米安保体制を堅持し、その円滑かつ効果的運用を確保していくとの観点から、これまで自主的にできる限りの努力を払ってきたところでございます。政府といたしましては、今後とも、安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りながら、地元の御協力も得ながら、在日米軍の駐留に関連した問題の解決に引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、艦載機夜間離発着訓練や実弾射撃訓練に関する御質問でありますが、これらの訓練により周辺地域住民の皆様にさまざまな影響を及ぼしていることについては十分承知をいたしておりますが、夜間離発着訓練につきましては硫黄島への移転を進めてきており、また、県道百四号線越え実弾射撃訓練につきましても、日米合同委員会のもとに特別作業班を設置いたしまして、その移転につき検討作業を進めているところでございます。
 また、今国会において御承認をお願いしておりまする新特別協定におきましては、我が国の要請により米国が訓練を移転した場合に追加的に必要となる経費の負担を我が国が行うこととしているところであり、政府といたしましては、まさに新特別協定に基づくこのような措置により、御指摘のような施設、区域に関連する問題への一層適切な対応が図られるものと考えているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。(拍手)
#16
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 千九百九十五年の国際穀物協定の
  締結について承認を求めるの件(参議院送
  付)
 日程第二 千九百九十五年の国際天然ゴム協
  定の締結について承認を求めるの件(参議
  院送付)
#17
○議長(土井たか子君) 日程第一、千九百九十五年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件、日程第二、千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長三原朝彦さん。
    ―――――――――――――
 千九百九十五年の国際穀物協定の締結について
  承認を求めるの件及び同報告書
 千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結につ
  いて承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔三原朝彦君登壇〕
#18
○三原朝彦君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、千九百九十五年の国際穀物協定について申し上げます。
 本協定は、千九百八十六年の国際小麦協定にかわるものであり、平成六年十二月にロンドンで開催された国際小麦理事会会議及び食糧援助委員会第六十九回会議において採択されたものであります。
 本協定は、穀物貿易規約及び食糧援助規約から成っており、穀物貿易規約は、穀物の貿易のすべての側面について国際協力を促進すること等を目的とするものであり、穀物に関する需給、各国の政策及び貿易の動向等についての情報交換並びに国際穀物理事会、市況委員会の権限、任務等について規定しております。また、食糧援助規約は、開発途上国に対して毎年一千万トン以上の食糧を援助するという世界食糧会議の目標の達成を確保することを目的とするもので、加盟国の年間最小拠出量等について規定しており、我が国の年間最小拠出量は、小麦換算で三十万トンであります。
 次に、千九百九十五年の国際天然ゴム協定について申し上げます。
 本協定は、千九百八十七年の国際天然ゴム協定にかわるものであり、平成七年二月十七日にジュネーブで開催された国際連合天然ゴム会議において採択されたものであります。
 本協定は、天然ゴムの価格の安定及び供給の確保を目的とするものであり、この目的を達成するために国際的な緩衝在庫を設置し運用すること、並びに国際天然ゴム機関、国際天然ゴム理事会の権限、任務等について規定しております。
 以上両件は、去る十月二十五日参議院から送付され、同日河野外務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨十一月一日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(土井たか子君) 両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。
     ――――◇―――――
#21
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト