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1995/02/10 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 中小企業対策特別委員会 第2号
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1995/02/10 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 中小企業対策特別委員会 第2号

#1
第132回国会 中小企業対策特別委員会 第2号
平成七年二月十日(金曜日)
   午前十一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二日
    辞任         補欠選任
     片上 公人君     鶴岡  洋君
 二月三日
    辞任         補欠選任
     鶴岡  洋君     片上 公人君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                中曽根弘文君
                村田 誠醇君
                松尾 官平君
    委 員
                岩崎 純三君
                加藤 紀文君
                竹山  裕君
                梶原 敬義君
                前畑 幸子君
                吉田 達男君
                片上 公人君
                市川 正一君
                翫  正敏君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房総務審議官   林  康夫君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
       中小企業庁次長  鈴木 孝男君
       中小企業庁計画
       部長       安本 皓信君
       中小企業庁小規
       模企業部長    小川 忠夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業対策樹立に関する調査
 (中小企業対策の基本施策に関する件)
 (平成七年兵庫県南部地震に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから中小企業対策特別委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、去る一月十七日に発生いたしました平成七年兵庫県南部地震災害により亡くなられた方々に対しまして御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷をお願いします。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(石渡清元君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(石渡清元君) 中小企業対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、中小企業対策の基本施策及び平成七年兵庫県南部地震に関し、通商産業大臣から所信及び報告を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 第百三十二回国会における中小企業対策特別委員会の御審議に先立ちまして、まず、兵庫県南部地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表するとともに、負傷された方々や避難生活を続けておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 今回の地震においては、商店街、工場等、広範囲にわたって建物の倒壊、機械設備等の滅失等、中小企業の方々に甚大かつ広範な被害が生じました。私といたしましては、被災された中小企業の方々が希望を取り戻し、一日も早く事業を立ち上げることができるように、現地の声を踏まえつつ、行政の総力を挙げて万全の対応を行ってまいる所存であります。この点につきましては、後ほど改めて御報告申し上げたいと思います。
 続きまして、私の中小企業行政に対する考えの一端を申し述べます。
 我が国中小企業は、事業所数、従業員数において産業の大宗を占めるなど、我が国経済社会において極めて重要な地位を占めております。そして、その持ち前の卓越した先見性、旺盛で柔軟な企業家精神、ダイナミックな行動力を遺憾なく発揮した積極経営によって新たな市場を開拓していくことを通じて産業フロンティアの形成に貢献していくことが期待されております。
 このため、中小企業の振興は我が国経済の最も重要な課題の一つであり、私といたしましても、その他の通商産業行政と有機的連携をとりながら、全力を挙げて取り組む所存であります。
 皆様御高承のとおり、近時の我が国経済は緩やかながら回復の基調をたどっているものの、中小企業の景況感の改善傾向に足踏みが見られるなど、回復に向けた動きは極めて緩慢であります。加えて、円高等を契機とした大企業の海外生産の増強を初めとした産業全体の構造調整の動き、規制緩和の進展等構造的な変化が顕在化しております。
 政府といたしましては、これまで累次にわたる経済対策において、中小企業に対する設備投資減税や各種の金融措置等を講じ、中小企業の経営基盤の安定に努めるとともに、特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法を制定し、中小企業の新たな事業分野への進出を支援するなど、我が国経済の構造的な変化に対して中小企業が積極的な対応を図ることを支援してきているところであります。 今後の我が国経済を展望いたしますと、中小企業は経済の構造的な変化に円滑に対応するのみならず、我が国の産業フロンティアを開拓する担い手となることが期待されております。
 このためには、中小企業の創業や研究開発及びその成果の事業化の支援、小規模企業対策の推進、中小企業の経営基盤の強化のための資金供給の確保等の中小企業対策の諸課題に積極的に取り組むことが極めて重要であると考えます。すなわち、中小企業の創業や研究開発及びその成果の事業化の支援につきましては、経済構造改革のための経済フロンティアの拡大について政府一丸となって取り組んでいく旨の昨年十二月の産業構造転換・雇用対策本部の基本方針を踏まえ、我が国経済の活力の源泉たる中小企業が、現在の構造的変化の流れを積極的に乗り切り、創造性に富んだ活躍を続けていくために、中小企業の創業や研究開発及びその成果の事業化を支援することを目的とした中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案を提出しているところであり、資金供給の円滑化並びに新規創業の支援等総合的支援策の実施に努めてまいる所存であります。
 また、小規模企業対策の推進につきましては、近時、小規模企業が社会経済の環境変化に直面し、厳しい経営環境に置かれている現状にかんがみ、小規模企業の創業支援を行うなど小規模企業に対する経営指導の充実に努めてまいります。また、小規模企業の事業廃止等に備え、小規模企業の経営の安定と振興を支える基盤的制度である小規模企業共済制度につきまして、社会経済環境の変化に対応し、同制度の安定的運営の確保と充実を図るために、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案を提出しているところであります。
 次に、中小企業の経営基盤の強化を図るために行う資金供給の確保等につきましては、政府系中小企業金融三機関において所要の貸付規模を確保するとともに、その経営基盤強化等のための出資等を行うなどの措置を講じてまいります。
 さらに、消費者ニーズの多様化・高度化、都市構造・交通体系の変化、流通関係規制の緩和等、著しい環境の変化に直面している中小流通業者が、革新約な流通関係の形成を図るなど、厳しい競争の中で活路を切り開くための積極的な取り組みに対しまして引き続き支援措置を講じてまいります。
 そのほか、昨年七月に制定された製造物責任法の施行を間近に控え、中小企業の総合的な製品安全対策に万全を期するなど、中小企業対策の充実に今後とも最大限の努力をしてまいる所存であります。
 委員の皆様におかれましては、以上申し上げた施策の推進に当たり、一層の御支援、御協力を賜りますようお願いいたします。
 次に、改めて今回の兵庫県南部地震について申し上げます。
 今回の地震に対しては、当省といたしましては、政府の中でもいち早く、災害当日の一月十七日午前八時に近畿通商産業局に災害対策本部を設置したのを初めといたしまして、現地対策本部及び兵庫県庁等関係機関と連携しつつ、総力を挙げて救援・復旧活動を行ってまいりました。また、中小企業の被害状況の把握、当面の緊急措置及び今後の復旧施策の円滑な推進のため、中小企業庁長官を本部長とし、中小企業関係機関を含む中小企業関係緊急連絡本部を設置するとともに、翌十八日早朝から中小企業庁次長を初めとする中小企業庁職員を現地に派遣し、被害の実態把握等に努めてまいりました。
 このような現地の実情を踏まえまして、政府といたしましては、被害を受けた中小企業者の事業再開を支援するため、去る一月二十日の閣議決定により、従来の支援措置よりもさらに踏み込んだ災害融資等に関する特別措置を講じたところであります。具体的には、対象を従来の市町村単位の指定から兵庫県及び大阪府全域の被災中小企業者に拡大するとともに、被災地域内の事業者との取引があるために損失をこうむった全国の中小企業者も対象として、財投金利を下回る四・四五%の金利、さらに被害の著しい事業者に対しては三%という低利の融資制度を創設いたしました。さらに、同二十四日には、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づく激甚災害に係る政令指定をいたしまして、さきの閣議決定における中小企業者に対する災害融資等とあわせて異例の早さで中小企業対策を決定することができました。
 中小企業者がこのような措置を有効に活用しつつ事業再開を図るために、当省といたしましては、自治体、政府系中小企業金融三機関、中小企業事業団、中小企業関係団体等の協力を得て、一月二十五日より兵庫県南部地震中小企業総合相談所を神戸市、西宮市、津名町の三カ所で本格的に開設し、各種相談に総合的かつ機動的に対応しております。
 また、去る一月二十八日には、私自身も現地を訪れ、国、県、市等との意見交換を行うとともに、被災地区を視察して中小企業を初めとする産業の被害状況の把握を行ってまいりました。私といたしましても、今回の地震による被害は自分が想像していたものよりもはるかに大規模なものであることを改めて認識いたしました。この中で、現地からは、中小企業を初めとする被災企業等に対する強力な金融支援措置の早期実施、仮設工場等の早期設置等について当省に係る要望を承りました。
 私は、まず、被災中小企業者の経営の安定や従業員の生活再建を図りつつ、地域社会、地域経済を再興し、この災害が我が国経済に与える悪影響を最小限のものとするためにも、被災中小企業の一刻も早い立ち直りを支援することが緊要であると判断し、関係大臣に呼びかけ閣僚間の協議を行うとともに、中小企業庁幹部に指示し、関係地方公共団体と緊密な連携をとらせながら検討を急ぎ、昨日、次の諸点を中心に思い切った内容の総合的な被災中小企業対策を打ち出しました。
 第一に、被災中小企業者の当面の資金需要に応ずるとともに、事業の立ち上がりを支援するため、中小企業の資金調達の円滑化を図るための措置を抜本的に拡充いたしました。
 具体的には、政府系中小企業金融三機関による災害融資制度につきまして、被災中小企業者のうち被害の著しい者に対して激甚災害の指定等によって講じた措置からさらに思い切って踏み込むこととし、事業者の金利を当初三年間は実質二・五%にするなど一層の引き下げを行うとともに、貸付期間、据置期間の大幅な延長、貸付限度額の大幅な引き上げを実施することといたしました。また、国と関係地方公共団体との連携により、中小企業体質強化資金制度を活用し、貸付金利二・五%、貸付期間十年との貸し付け条件による特別融資制度を創設することといたしました。
 私は、被災中小企業者の立ち直りの動きに弾みをつけるためには、資金繰りが最も苦しいと見込まれる事業再建の初期に事業者の負担を思い切って軽減することが重要であること、それを実現するためには県や市の御努力に政府全体の支援が相まつことが不可欠であることを念頭に置きながら、関係大臣と協議し、どのような工夫が可能かを検討してまいりました。これら融資については、県、市等が被災者の救済、復興のためにつくられる基金を活用して、被災の程度の著しい直接被害者に対して当初三年間実質無利子とするような利千補給措置をとることを検討していると伺っております。これに必要な基金の造成が速やかに進み、具体的な支援措置が実施されることを期待しております。政府としても、基金の設置等について適切に支援してまいりたいと考えております。
 さらに、被災中小企業者の多くが建物など資産を失うなどの状況にあることを勘案し、無担保・無保証人での信用保証制度の枠を拡大するとともに、対象を小企業から中小企業一般にも拡大するなど、信用保証制度の充実を図ることといたしました。
 第二に、事業の再開こそが生活の安定のみならず、再建に向けた第一歩を踏み出すための希望の源泉であるとの認識に立って、被災中小企業者に対して速やかに操業の場を提供することにより、事業の一刻も早い再開を支援するために、仮設工場、仮設店舗や賃貸方式の共同工場、共同店舗などの整備を促進するための中小企業事業団の無利子融資制度を創設いたします。また、被災した工場団地や商店街の再建を支援するために、中小企業事業団の災害復旧高度化事業を拡充するとともに、事業協同組合、商店街振興組合等のアーケードなどの共同施設の再建に対する国庫補助を拡充することといたします。
 これらのほか、中小企業者の悩みや疑問に個別に応じるための経営相談の実施を初めきめ細やかな施策を総合的に講じてまいります。
 私は、被災中小企業者の立ち直りは復興の重要なかぎだと考えております。瓦れきの中から事業再建に向けた新たな取り組みが見られ始めていることに勇気づけられつつ、これに対する支援策の提示が時期を失することのないよう、また思い切ったものとなるよう心を砕いてまいりました。今後、こうした措置の早急かつ円滑な実施に努めるとともに、被災中小企業の方々によりこれらの措置が積極的に活用され、速やかな復旧が図られることを強く期待いたします。
 以上、兵庫県南部地震の被害への対策につきまして、私の考えを申し上げました。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(石渡清元君) 以上で大臣の所信及び報告の聴取は終了いたしました。
 なお、平成七年度通商産業省関係予算のうち、中小企業対策関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。
 大臣の所信等に対する質疑は後日行うことといたします。
 大臣、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(石渡清元君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。中曽根弘文君。
#8
○中曽根弘文君 広島県及び山口県における中小企業の実情に関する調査のため、去る十二月十三日から十五日までの三日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣は、石渡委員長、鈴木理事、松尾理事、井上委員、中川委員、市川委員及び私、中曽根の七名による派遣委員で行われました。
 まず、中国地方の経済、商工業の概要を申し上げます。
 中国地方は、人口、経済、工業出荷額等主要経済指標のウエートが全国の六から八%を占めており、こうしたことから一般に七%経済と言われております。
 景気の動向については、中国地方でウエートの高い化学、鉄鋼、輸送機械等が比較的堅調に推移し、緩やかながら回復の方向に向かっております。
 次に、広島県の平成六年度の重点施策の概要を申し上げますと、新製品開発や新分野進出など中小企業の前向きな取り組みを支援するため、新分野進出促進事業費に対する助成やリストラ支援技術開発事業を実施しております。また、二十一世紀を展望した県内産業の育成のため、起業家支援事業やそのための施設の整備事業を実施しております。
 以下、視察順に概要を申し述べます。
 中国電力株式会社技術研究センターは、地域社会との共生に役立つ技術開発、技術支援、情報の提供などを産官学の連携のもとに進め、開かれた技術研究センターを目指しており、地元中小企業との具体的な研究開発事例も視察いたしました。
 次に、黒石鉄工株式会社志和工場は、従業員百二十二名によりステアリングホイールを月に二十万本生産しており、マツダ株式会社を初め内外の自動車メーカーから高い評価を得ております。工場で使用している専用・汎用機械の多くが自社製品で、その一部は海外へも輸出されております。広島・呉地域の自動車・同付属品製造業は、平成五年十一月に特定中小企業集積活性化法に基づく活性化計画の承認を受け、現在高付加価値自動車部品の開発を進めていますが、同社はその中心的な役割を果たしております。
 なお、同社社長との懇談が行われ、円高に伴う親会社からのコスト引き下げ要求の状況や二次、三次下請への影響、品質管理方法等について質疑がなされました。
 次は、広島本通商店街振興組合についてであります。
 広島本通商店街振興組合は、昭和二十三年に協同組合として発足して以来、商店街の近代化に努めてきました。平成二年度には約十四億円をかけてアーケード改装工事を実施し、平成三年度から四年度にかけては約六億円をかけてカラー舗装工事を実施しております。広島本通商店街は、江戸時代からの歴史を持つ由緒ある商店街でありますが、こうした関係者の努力により、昭和六十二年には商業の近代化及び地域社会への貢献により通産大臣表彰を受け、また平成五年には広島市長表彰も受けております。
 関係者との懇談では、商店街近代化施策の効果や防災対策等について質疑が行われました。
 続きまして、十四日の視察概要について報告いたします。
 オタワクソース株式会社は、昭和五十三年、広島市内の商工センター内に本社工場を新設し、平成六年には高度化融資を受けて同工場の高層化を完成しております。平成五年の売り上げは九十八億円に達しております。昭和四十一年には中小企業庁より全国優良中小企業として表彰される等、食品産業として高い評価を得ております。
 関係者との懇談では、顧客ニーズの把握方法、容器のペットボトルへの切りかえ、海外からの原料調達、今後の海外展開の意向等について質疑がなされました。
 次に、中小企業大学校広島校ですが、同校は昭和六十三年に開校しました。研修事業としては、中小企業の当面する課題や環境問題等について、特に参加型研修を重視して実施しております。平成五年度は延べ定員が千十名のところ受講人数が約千五百名を超える盛況ぶりで、研修生の評価も、研修を受けてよかったとするものが圧倒的多数を占めております。
 関係者との懇談では、研修生一人当たりの研修コストとその負担のあり方、講師の選定基準と受講生の募集方法、講義内容のあり方、研修施設の一般利用、研修の効果、女性受講者の動向等、多方面にわたり質疑が行われました。
 次に、株式会社美和は、従業員三十七名で、金型部品、金属製品を製造しております。特に精密金型の自動システムで業界に知られており、特許は、取得、公開、申請中を含めて国内外合わせて六十数件に達し、平成五年度の売り上げは約十五億五千万円に達しております。平成六年には中小企業新分野進出等円滑化法の認定を受け、自動車部品製造で培った技術及びパイプ継ぎ手技術を利用して建設用部材等の製造分野に進出しております。
 関係者との懇談では、パイプの結合技術や現在開発中の技術、特許の取得状況などについて質疑が行われました。
 この後、山口県に入り、周南地域地場産業振興センターを視察いたしました。
 同センターは、周南地域の下請地場産業のハイテク化、人材養成、情報拠点を目的とした施設で、平成元年にオープンしました。異業種交流グループによる新商品開発についても、空気圧を利用した家庭用エレベーターであるエアエレベーター等、既に二グループが商品化に成功し、株式会社を設立しております。全体では特許十五件、商標十件を取得する等、高い成果を上げております。
 引き続きまして、最終日、十五日の視察概要について報告いたします。
 山口県は瀬戸内海臨海部を中心にさまざまな工業の立地が進んでおりますが、さらにバランスのとれた工業構造への転換を図るため宇部フェニックステクノポリスを建設しております。その中核工業団地として平成四年には山口テクノパークを完成させ、地域への多面的な波及効果が期待できる優良企業の誘致、学術研究機関の充実と中小企業の育成を図っております。
 株式会社エスイーは、架橋に用いられるSEEE工法を昭和四十三年にフランスから導入し、これを日本の自然環境に応じたものに改良した結果、本州四国連絡橋や鳴子大橋等にその成果が生かされることになりました。視察しました山口工場は、山口テクノパーク内に建設され、全員現地採用の二十七名の従業員で、年間約十四億円の生産額を見込んでおります。
 関係者との懇談では、外国資材の導入や受注動向、アジアへの進出状況、今後の技術開発の方向、円高の影響等、多方面にわたる質疑が行われました。
 次に、株式会社超高温材料研究センターは、NEDOの産業技術研究基盤整備事業として平成二年に第三セクターの会社として設立されました。その目的は、超高温材料の創製とその超高温下での物性、機能等を試験、評価するための諸施設を整備し、幅広く一般の賃貸利用に供しようというものであります。同じ山口テクノパーク内に所在しております。
 関係者との懇談では、平均的な研究期間や小中学生を対象としたセミナーの開催等、同センターの有する高度でかつ特殊な技術の開放のあり方、科学技術教育のあり方等について質疑が行われました。
 以上が視察先の概要でありますが、今回の視察で特に印象に残りましたことを最後に指摘いたします。
 それは、我が国中小企業が長期の不況と円高、大企業のリストラ等により厳しい状況に直面している中で、消費者のニーズを的確にとらえ、独自の技術を開発し、それらを武器に新分野への進出を図るなど、元気な中小企業が育っていることであります。日本経済が大きな変革期にある今日、こうした意欲的な中小企業の創業を促し、いかに発展させていくかが今後の大きな政策課題でありますが、今回の視察によりその実情の一端に触れたことは大きな収穫であったと思います。今回の視察で勉強してまいりましたことを今後の委員会の審議に生かしたいと思います。
 最後に、今回の委員派遣において御協力いただいた藤田広島県知事を初めとする広島県の皆様及び平井山口県知事を初めとする山口県の皆様、両県の視察先の関係者、並びに視察に終始御同行いただいた三宅中国通産局長を初めとする同局関係者には大変お世話になりました。この機会をおかりいたしまして御協力に感謝する次第であります。
 以上、広島、山口両県に対する参議院中小企業対策特別委員会の委員派遣報告を終わります。
#9
○委員長(石渡清元君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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