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1995/03/20 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 中小企業対策特別委員会 第5号
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1995/03/20 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 中小企業対策特別委員会 第5号

#1
第132回国会 中小企業対策特別委員会 第5号
平成七年三月二十日(月曜日)
   午後二時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     佐藤 三吾君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     武田 節子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                鈴木 栄治君
                村田 誠醇君
                松尾 官平君
    委 員
                大木  浩君
                加藤 紀文君
                竹山  裕君
                佐藤 三吾君
                櫻井 規順君
                片上 公人君
                武田 節子君
                古川太三郎君
                市川 正一君
                翫  正敏君
   国務大臣
       通商産業大臣   橋本龍太郎君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房総務審議官   林  康夫君
       通商産業省産業
       政策局長     牧野  力君
       中小企業庁長官  中田 哲雄君
       中小企業庁次長  鈴木 孝男君
       中小企業庁計画
       部長       安本 皓信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        里田 武臣君
   説明員
       厚生省健康政策
       局医事課長    今田 寛睦君
       労働省婦人局婦
       人福祉課長    北井久美子君
       労働省職業安定
       局業務調整課長  井原 勝介君
       建設省建設経済
       局建設業課長   竹歳  誠君
   参考人
       国民金融公庫副
       総裁       土田 正顕君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (通商産業省所管(中小企業庁)、中小企業金
 融公庫及び中小企業信用保険公庫)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから中小企業対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として佐藤三吾君が選任されました。
 また、本日、白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として武田節子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(石渡清元君) 去る三月十四日、予算委員会から、本日二月二十日午後の半日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省所管のうち中小企業庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(石渡清元君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として国民金融公庫副総裁土田正顕君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(石渡清元君) 次に、通商産業大臣から説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
#7
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平成七年度の中小企業対策関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 近時の我が国経済は緩やかながら回復の基調をたどっているものの、中小企業の景況回復に向けた動きは極めて緩慢であり、また、最近の急激な円高の影響も懸念されるところであります。加えて、円高等を契機とした大企業の海外生産の増強を初めとした産業全体の構造調整の動き、規制緩和の進展など、中小企業は大きな環境変化に直面しております。
 政府といたしましては、これまで累次にわたる経済対策において、中小企業に対する各種の金融措置等を講じ、中小企業の経営基盤の安定に努めるとともに、中小企業の新たな事業分野への進出を支援するなど、我が国経済の構造的な変化に対して中小企業が積極的な対応を図ることを支援してきたところであります。
 また、今般の阪神・淡路大震災は、中小企業に対し甚大かつ広範な被害をもたらしましたが、政府といたしましては、平成六年度補正予算等において従来よりもさらに踏み込んだ内容の総合的な被災中小企業支援対策を講じているところであります。
 今後も引き続き、為替動向や中小企業の実態の把握に遺漏なきを期しつつ、必要な対策については適時適切に対応していくとともに、我が国経済の活力の源泉たる中小企業が、経済の構造的変化の流れを積極的に乗り切り、創造性に富んだ活躍を続けていくことにより、我が国の産業フロンティアを開拓する担い手としての役割を果たすことができるよう、積極的に支援していくことが必要であります。
 私は、このような認識のもとに、平成七年度の中小企業対策関係予算等の作成に当たり、次のような基本方針に沿って、諸施策の実現を図ることとした次第であります。
 第一は、中小企業の技術・ノウハウの開発・事業化及び創業に対する支援として、資金供給の円滑化、新規創業の支援等総合的支援策の実施に努めるものであります。
 第二は、小規模企業対策の推進として、小規模企業の創業支援を行うなど小規模企業に対する経営指導の充実に努めるとともに、小規模企業の事業廃止等に備える基盤的制度である小規模企業共済制度についてその安定的運営の確保と充実を図るために改正を行うなど、小規模企業対策を着実に推進するものであります。
 第三は、景気回復が緩慢な状況下での中小企業の経営安定と構造調整の努力に対する支援として、中小企業の経営基盤強化のため、政府系中小企業金融三機関において所要の貸付規模を確保し、その経営基盤強化等のための出資等を行うとともに、中小企業の新分野進出等について各種支援策を引き続き実施するものであります。
 第四は、革新的な流通関係形成の促進として、消費者ニーズの多様化・高度化、都市構造・交通体系の変化、流通関係規制の緩和等、著しい環境の変化に直面している中小流通業者が、製造業との連携等により新しい流通関係の形成を図るなど、厳しい競争の中で活路を切り開くための積極的な取り組みに対し引き続き支援するものであります。
 第五は、総合的な製品安全対策等の推進として、昨年七月に制定された製造物責任法の施行を間近に控え、中小企業の総合的な製品安全対策等に万全を期するものであります。
 これらの施策の実現のため、一般会計中小企業対策予算として千八百五十七億円を計上しております。また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで六兆三千十六億円を計上しております。
 以上、平成七年度における中小企業対策関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
 中小企業対策関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#8
○委員長(石渡清元君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○竹山裕君 自由民主党の竹山裕です。
 ただいまの橋本大臣の説明の冒頭にもありました円高問題、このところ、朝起きるとニュースのしょっぱなには円高ニュースが位置する。けさも、週明けの東京市場で八時台には既に八十八円六十五銭という最高値更新というようなことで、経済の回復に向けた緩慢ではあるが、その腰を折るような状態でございます。
 先週末、中小企業庁の、輸出型産地の中小製造業を対象に、これは今月八日の八十九円四十銭という時点でのアンケート調査がまとまって出ておりました。私の地元も実は静岡県浜松方面でございまして、この対象エリアであります。民間活力の発祥地のような自負を持って元気に今日までやってきているわけでありますが、このアンケート調査の報道でも、四分の一は何とも「円高有効策なし」という大きな見出しのリードがついております。九十円前後といって推移していればまだでございますが、どうも八十円台の声の方がシェアとして強くなってきている。
 こういう中で武村大蔵大臣もいろいろ積極的な取り組みの発言をしておられますが、いま一つ国際マーケットヘのアナウンス効果といいますか、日本からの大蔵大臣の発言で隔靴掻痒の思いがしております。
 こうした中で、我が日本国のまさに経済の大宗をなしております中小企業の存在基盤を揺るがしている空洞化あるいは雇用不安の問題について、政府として、大臣としての元気のいいお声を聞かせていただいて、少しでもこうした特に輸出関連の苦労をしている連中を元気づけていただければと、こんな思いで、まず、その御認識はもとよりでありますが、対策について御意見を聞かせていただければと思います。
#10
○国務大臣(橋本龍太郎君) 通産省が去る三月八日時点におきまして全国の輸出型産地の中小企業を対象として実施いたしました調査の中で、今回調査対象の中小企業のすべての方々から、既に最近の門高の影響がある、今後出てくるというお答えが参っております。実は、昨年の七月にも同様の調査をいたしたわけでありますが、その昨年の七月時点では、ないというお答えがまだある程度ありました。しかし今回は、全く影響がないというお答えはありません。現在なくても間もなく出てくるということでありまして、事態は非常に深刻なものがあります。
 また、採算レートについてお尋ねをいたしましても、昨年の九月の調査時点におきましては平均値は百十三門程度でありました。今回、試算による平均値は百十円程度となっておりまして、昨年来今日までの間に中小企業の方々がそれだけの努力をしてこられた跡が如実に見えております。しかし、それだけ円高方向への努力をしていただいております状況でありましても、現在の為替水準を考えますときに、全く焼け石に水ということを申し上げなければなりません。現実の採算レートが一ドル九十五円未満という企業は二%と、ごくわずかであります。また、九十円未満で採算がとれるという企業はゼロです。
 けさ、寄りつき八十八円台というところから、今八十九円台でもみ合っておりますけれども、これが全く現実の我が国の産業の耐え得る数字ではありません。ただでさえ最近の中小企業をめぐります環境というのは、アジア諸国などとの競争の激化もありますし、親企業の海外進出に伴う下請企業の受注難といった問題もありまして、非常に厳しい状況で一進一退の景況が続いておりました。それだけに、ここにこれだけの円高が継続するようなことになりますなら、中小企業の経営というものは非常に大きな打撃を受ける。事態を深刻に受けとめております。
 ですから、我々としては、何よりもノーマルな為替の環境をつくり出していただきたい、通貨当局に必死の努力を心から期待をいたしております。
 また、こうした状況の中で経営の安定を図りますためには、当面はさらに事態の把握を確実に行っていきますと同時に、長期低利の融資制度であります運転資金支援特別貸付制度及び緊急経営支援貸付制度などによります資金の融資に努めてまいらなければなりません。
 なお、この状況が今後ともに継続するような心配があるとなれば、これらの制度は三月三十一日をもって一応終わりにする予定であったものでありますけれども、この期間を延長することは当然のことながら、ただ単にこの期間を延長して資金供給の円滑化を図るだけでは済まない事態が来ることも我々としては覚悟しなければならなくなります。現在、そうした事態にならないことを願いながら、当面、財政当局に対しましては既にこれらの措置の延長についての御相談を開始いたしました。
 さらに、今後の対応策として新製品開発あるいは新分野展開などの前向きの取り組みを行うと言っていただいた企業もなお多数ございますけれども、一番問題なのは有効策なしというお答えをくださった企業が二五%に上るということであります。これらの企業が有効策なしということで終わらないように、そのためには、従来から講じてきております新分野進出等円滑化法など各種の施策を利用することだけではなく、先週御可決をいただきました中小企業創造促進法の施行をできるだけ急ぎたい、そして新分野の開拓、創業等を支援するための資金調達の円滑化あるいは販路開拓の支援など使えるものは何でも使って支援をしていきたい、これが今率直な気持ちであります。
#11
○竹山裕君 今、大臣からお話がありました先週我が委員会で可決をしました中小企業創造的活動促進法、大変中小企業の皆さん方から期待を持ってこの成立を待たれていたというところであります。日本でのニュービジネスといいますか、新しい起業への取り組みにはどうも初動の力が入りにくい仕組みになっている。そういう意味では、やる気満々のいわゆる業を起こす起業家の皆さん方にいろいろ人的にも物的にも応援をしていこうということで成立を見たわけであります。
 復習になりますが、長官、この資金面あるいは人的面での中小創造法という中身についてまた改めて御説明をいただければと思います。
#12
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおり、昨今の日本経済の活力の低下あるいは産業の空洞化、こういったことの懸念を払拭してまいりますためには、非常に活力に富む企業群を新しく育てる、新しい事業分野を開拓していくということが不可欠でございまして、このような観点から先般法案を提出させていただき、先週、可決成立していただいたわけでございます。
 この法案につきましては、国と地方自治体とが一体となりまして中小企業者の今申し上げましたような意欲を支援していくということでございます。
 支援の方向につきましては幾つかございますが、まず第一は資金面での支援措置でございます。このためには、まず第一に技術改善費補助金というものがございますが、技術開発等に要します資金的な支援を強化したいということでございまして、平成六年度、この補助金十七億ほどでございましたけれども、七年度の予算では三十四億程度に拡充をいたすということで、この法律とリンクして相当程度運用してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから、同じく資金面につきましては、信用保証制度の無担保保証の拡充、それから当該保証の引き受けを促進するための信用保証協会の基金補助金の増額、このようなことを予算措置として実施をいたしたいというふうに考えているわけでございます。
 また、税制面では、事業活動円滑化のための設備投資減税、七%の税額控除または三〇%の特別償却という制度を新たに設けますとともに、試験研究関連税制等の減税措置を創設するということでございます。この試験研究関連税制につきましては、試験研究費の額が増加した場合の税額控除、あるいは賦課金の任意償却、試験研究用固定資産の圧縮記帳、こういったものをその内容として含んでいるものでございます。
 また、融資制度につきましては、地域中小企業活性化貸し付けあるいは従業員独立開業貸し付け等の関連融資を拡充するということにしているところでございます。
 以上のような資金面での支援措置と並びまして私ども重視をしておりますのが、人材面での支援措置でございます。
 一つは、企業家精神涵養事業というものを明年度新たに創設をいたしたいというふうに考えておるところでございます。これは、我が国の学生とそれからニュービジネス経営者との交流の場を設けまして、学生、若い方々にニュービジネスに対する理解を深めていただこう、こういう事業でございます。
 それからもう一つ、創業者研修事業というものを、これまた新しく設けることにしておるところでございまして、技術系の創業者に対しまして経営的な視点に立った研修を都道府県及び中小企業事業団において実施をしようとするものでございます。
 以上のほか、情報提供あるいは市場の開拓等々につきましてもあわせて総合的な支援措置を講じていきたい。
 以上が今般の法律の主な支援措置の概要でございます。
#13
○竹山裕君 実際面で大いにこれが生きた、期待に沿ったような法案に育てていかなきゃいけないと強く思うわけであります。
 それと、今人材面での若手、学生さんあるいは経営者の研修ということ、この分野は大変重要でありますが、私は今こういう労働人口の流動といいますか、あるいは大手においてのリストラなどによって相当有能な人材が新しい職場に、あるいは中小にどうしても人材が集まりにくいという時代にはいわゆる大手から、むしろそういう意味では人口流動のチャンスかなと思うわけであります。
 こうした手だて、仕組みといいますか、いろいろアルバイトニュース的なものは出ておりますが、もっと体系的にこうした人材がうまく中小企業の希望に沿った線で移動ができるような仕組みというのは、現在あるとすればまた教えていただきたいし、より一層そうした面で知恵を出していったらどうかなと、こんな点をちょっと伺いたいんですが、これは長官に。
#14
○政府委員(中田哲雄君) 現在、大企業の技術者のOBの方々、このような人材をぜひ中小企業の技術開発、技術研究のためにも活用させていただきたいというふうに考えているわけでございまして、技術アドバイザー等指導事業という事業がございます。この事業によりまして、大企業出身者等を登録させていただきまして、希望する中小業者の方々にあっせんをし派遣をするということを現在やっておるわけでございますけれども、来年度、予算的にも相当大幅にこれを拡充していきたいということで予算の計上をお願いしているところでございます。
 また、この制度以外にも、大企業関係の各種の研究者、技術者の情報をできるだけ中小業者の方々にもお知らせをしていろいろな御指導をいただけるような形にしたいということで、商工会議所その他とも御相談をしているところでございます。
#15
○竹山裕君 では次に、一連の規制緩和五カ年計画の中で我が中小企業者のこれまた大きな関心事であります大規模小売店舗法の緩和についてでありますが、このところ三段階、平成二年、三年、昨年と三度にわたって大幅な規制緩和を実施してきているわけであります。
 小売商の皆さん方、それぞれの地域地域で知恵を絞って懸命の努力をしておられるわけでございます。しかし、これにも限度がありますし、物を売るという段階だけでなくて、町おこしといいますか村づくり、そういう観点からも大店法への取り組みの御苦労、これを理解しながら、商店街、小売業の皆さん方が意欲的に夢を持って取り組んでいけるような対応もしていかないとどうも街の灯の行方に大変不安がある。実際にこれは地元へ帰ってみての各地の実例がございますので、この辺についての役所としての対応を聞かせていただきたいと思います。
#16
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、大店法のこれからの取り扱いということで御質問をいただきましたが、当面私どもは昨年五月の規制緩和措置というものの円滑な実施を確保していきますと同時に、その後における流通を取り巻く環境の変化あるいは大店法そのものの運用状況なども踏まえながら、中小の小売業者の方々も含めた関係者の御意見をできるだけ広く聞きながら中期的に制度の見直しを行いたい、そのような考え方を持っております。
 現在、政府部内で進めております大店法の問題を含めました規制緩和五カ年計画、この中にこの問題をどう盛り込むかは、まだ現在政府部内におきましての検討が続いておりまして結論を出しておりません。しかし、通産省としては、昨年五月の緩和措置の円滑な実施というものを確保しながら、もうしばらく十分にその結果を見守りたいというスタンスでおることを御報告いたします。
#17
○竹山裕君 次に、介護休業法の法制化のテーマを伺いたいと思っております。
 この問題も、中小企業として、福祉社会の実現という立場から今日我々としても政府案に同意をして提案がされているわけでありますが、このところ、けさの日経にもちょっと出ておりました、休業期間を政府案の三カ月に対して一年間、あるいは施行時期を平成十一年からというのを三年前倒しで平成八年からというような野党案の話を聞くにつけ、それと休業中の賃金補償制度を設けるというこの三点が主な点だと思いますが、これはもう今日までの経緯を踏まえて、どうか我々が政府案のとおりでという思いで今日いるわけでございます。
 これは我々国会レベルでの責任といえばそうなんですが、この点についてぜひぜひ我が提案をした案どおりしっかりとやっていくんだということをこの場で御確認しておきたいと思うんです。
#18
○説明員(北井久美子君) 今国会に提出をさせていただきました介護休業制度の法制化を盛り込んだ法律案は、労働大臣の諮問機関でございますところの婦人少年問題審議会の建議におきまして、介護休業制度についてはその定着が確保できるような基本的な法的枠組みをつくるべき時期であるとしながらも、その内容については、家族による介護や労働者の雇用の継続を図る必要性がある一方で、企業の負担というものも十分考え、その調和を図る必要があるという指摘があったことを踏まえて作成したものでございます。
   〔委員長退席、理事鈴木栄治君着席〕
 したがいまして、その法制化につきましては、法ですべての企業に介護休業を一律に義務づけておりますが、その義務づけの内容は制度の最低基準を示すものといたしておりまして、それを上回る部分につきましては企業の努力義務として労使の自主的な努力にゆだねるという考え方に立っておりまして、先ほど委員御指摘のような義務づけ部分の内容になっているということでございます。
 政府案につきましては長い間、労働者代表、使用者代表それから公益委員から成ります婦人少年問題審議会の方で真剣な検討を重ねていただきまして、労使ぎりぎりの折衝を重ねてようやく政府案の提出にこぎつけたという経緯がございます。
 労働省といたしましては、今後とも政府案につきまして御理解を得るように努めてまいりまして、本法案の早期成立をぜひ今国会でお願いしたいと考えているところでございます。
#19
○竹山裕君 我々もしっかりそめ線で進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 建設省関係でお伺いをいたします。
 先般、建設産業政策大綱の中間取りまとめが発表されております。その中で、「中小元請業者の数の拡大ではなくその体質強化が求められている。」という記載があるわけでありまして、これからいきますと中小建設業者の数を減らして大手の優先に結びつくという発想をした表現ではないかということで、この辺の大綱、これは四月に最終的なまとめになるわけでありましょうが、若干懸念がありまして、この中小建設業者のあり方についての見解を伺っておきたいと思うわけであります。
#20
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。
 まず、大綱の背景でございますが、現在、一般競争入札の本格的採用など九十年ぶりの入札契約制度の改革、また建設市場の国際化など新しい競争の時代が到来しておりまして、これによりまして建設産業界には大きな不安や戸惑いが広まっております。
 そこで、建設省におきましては、建設産業の将来像と今後の建設産業政策の基本的方向について明らかにするため、昨年七月に建設産業政策委員会を設置し、本年一月の中間取りまとめを経て、現在最終取りまとめに向けて鋭意検討が委員会で進められているところでございます。
 そこで、お尋ねの中小建設業者のあり方についての認識でございますが、改めて申し上げるまでもなく、建設業者の九九%は中小企業でございます。まじめな中小建設業の方々が建設業を支えているわけでございます。また、中小建設業者は住宅、社会資本整備、災害復旧等を行うとともに、地域の雇用に寄与するなど、大手建設業者てはなし得ない役割を果たしていると位置づけ、その役割を大きく評価しているところでございます。
   〔理事鈴木栄治君退席、委員長着席〕
 しかしながら最近、中小企業の名のもとに元請として市場に参入してくる不良不適格業者が後を絶たないというのも事実でございまして、これからの建設産業政策では、このような不良不適格業者を排除して、額に汗して現場でまじめに働いておられる中小企業の方の体質強化、育成に取り組むことが重要であると考えております。
#21
○竹山裕君 この辺、一部の不心得な業者のために、お話のとおり九九%を占める中小専門建設業の皆さんに迷惑がかからないような行政をぜひお願いをしておきたいと思います。
 もう一つ、この大綱の中で分離分割発注の効率性のことについて触れられておりまして、これは分離分割発注は建設に関する中小業者の皆さん方がまさに受注機会を得る仕組みでございますが、この点を若干疑問視したような表現があるように見受けるわけであります。一括発注ということになると大手中心の受注システムになってしまうわけでございまして、この点についても中小建設業者の振興対策としてはぜひぜひ意を配していっていただきたい点が強いわけでございますので、この点についての見解を伺っておきたいと思います。
#22
○説明員(竹歳誠君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、まじめな中小建設業者は我が国の建設産業を支える大切な基盤でございます。このため、毎年の閣議決定におきましても、公共工事に関する発注に当たっては中小建設業者に対する受注機会の増大に努める、また、中小建設業者を活用して円滑かつ効率的な施工が期待できる工事については極力分離分割発注するとされておりまして、その方針を変更するものではございません。
 ただ、最近十数年間の中小元請建設業者数の推移を見ますと、地方公共団体の工事件数は一・三倍しかふえていない中で中小元請の数は約三倍にふえておりまして、幾ら細切れに発注しましても元請業者数の方がそれ以上にどんどんふえていくという状況が続きますと、今後どういうふうになるんだろうかという心配があるのも事実でございます。特に、先ほど申し上げましたとおり、これらの中小元請業者の中には不良不適格業者が相当いると言われておりまして、こういうことを許しておくとまじめに働く中小建設業者の受注機会が奪われ、せっかくの中小企業対策も効果が薄れると、こうなります。
 したがいまして、建設産業におきます中小企業対策としては、まずこのような不良不適格業者を排除する、そのほかさまざまな支援等によりまして、技術力、経営力にすぐれた中小建設業者の振興育成に努めてまいりたいと考えているわけでございます。
#23
○竹山裕君 今回の阪神・淡路大震災の貴重な、また痛ましい体験を踏まえて、震災に強い国土づくりという国を挙げての対応をしているわけでございますので、中小の皆さん方も大変意欲的にこれらの問題に取り組んでいきたいと思っている感じが十分に受け取れます。どうかその点を多としてよろしく見守っていただきたい、こんな思いを強くいたします。
 中小企業の皆さん方が元気の出るような政治の対応を、我が中小企業庁を中心に、橋本大臣、しっかりと御示唆をいただけるよう心から御期待をして、私の質問を終わります。
#24
○村田誠醇君 最初に、竹山委員も触れました円高についてちょっとお聞きをしたいと思うんですけれども、八十九円台、八十八円台というのはいっときかなと思っておりましたら、どうも依然としてこういう状況が続くということになりますと、やはりこれをある程度前提とした対策というものを打たなければしようがなくなってくるのかなと。しかし、どういう政策があるのかなということになりますと、ちょっと首をかしげざるを得ない部分というのがあるわけでございます。
 そこで、いろんなことがあると思うんですけれども、一つには先般大臣もちょっと触れられましたODAのお金の使い方ということもあるんだろうと思うんですね。これは今までは現地の要請主義といいましょうか、現地から、ここに使いたい、したがってODAを使ってくれという現地要請主義というのがあったわけでございますけれども、今後はむしろそうではなくて、日本から見てどういう開発プロジェクトにお金を出したらいいかという、その使い道をこちらできちっとするというやり方が必要じゃないかなということも考えられているわけでございます。
 その中の一つとして、環日本海経済圏構想の中にある豆満江の開発というのが国連の開発計画の中にある。我が国に一番近いわけでございますし、こういうところにドル需要を少し出してあけることも我が国の円高を防ぐ一つの方法ではないかなと思うわけです。
 あるいは、これはいろいろな論議があると思いますし、我が党の中でも決してまとまっているわけではないんですけれども、輸出比率の比較的高い産業に対して、あるいはそれに関連する部品やそれぞれいろんな関連する産業を含めて、もうちょっと労働時間を一律短縮させるような方式ということも考えていいんじゃないか。
 つまり、今までとは違った対策、発想でもってやらないとどうもまずいのではないかということが思われるわけでございますけれども、私が今言いましたのは例えばの話でございまして、そういうことについてもう一度改めて、これは別に質問通告していませんけれども、大臣としてのお考えがどの辺にあるのかもできればお示しいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今ちょうど二時現在の後場の数字が入りましたが、八十九円四十六銭から五十銭で推移しているということでありまして、私どもとしては非常にこれは深刻な数字というのが実感であります。
 今、委員から大変大きなポイントでのお尋ねがありましたけれども、私自身がこれに的確にお答えができませんのは、現在の世界経済の中で資金需要と供給とのバランスが一体どんな状況なんだろう、この辺のところの知識が実は最近のものがございません。
 その点をお許しいただいた上で多少触れさせていただきますならば、私は、今委員が御指摘されました特定のプロジェクトに限定をせず、やはり世界的に見て大きな資金の創出を必要とする地域が冷戦構造の終結以来非常に広範に広がったと思っております。それは、東欧であり、ソ連解体後のロシアあるいは中央アジアの六カ国であり、ウクライナであり、また急速な経済の発展を続けております中国、さらには民主化の進んでおりますラテンアメリカ、カリブの国々、その意味では非常に多くの国々が新たな資金を必要とする状態になっている。しかし、果たして世界経済の中でそれに対する十分な資金供給が行えるのかどうか、大きな議論をいたしますなら、問題点の一つはここにあろうと思います。
 そうした中で、少なくとも経常収支の黒字を持っております日本がその経常収支の黒字を世界経済の中で有効に活用するという視点は、我々は失ってはいけない視点であろうと思っております。
 その限りにおきまして、委員はたまたま豆満江を例示に挙げられたわけでありますけれども、そうした日本周辺にも巨額の資金を必要とするプロジェクトはあるわけでありまして、こうしたものに対して日本が、申請主義に基づいて相手国から言い出されるのを待たないで積極的に協力をしていくという視点は非常に大切なものであろうと思います。
 さらに、直接経済開発に結びつかない、言いかえればその国としては比較的投資のチャンスの少ない、例えば環境面への投資でありますとか、そうした見方を変えて日本が対応するならば、我々が対応すべきプロジェクトというものは数多く存在するのではなかろうか。これは偽らざる感じでございます。
 また、国内における労働時間短縮を特定の業種についてどう思うか。これは本来労働省の諸君がお答えになった方がいいのかもしれませんが、さて、これはなかなか私は言うべくして難しいのではなかろうか。それは、労使ともに大変大きなグループを結集され、例えば春闘等におきましても、決して一律の統一行動ではありませんけれども、ややもすると統一行動的な論議が進む中において特定業種のみが突出して労働時間の短縮というものに果たして踏み切れる客観情勢があるのかどうか、私は正直疑問に思います。
 また、かつて私が組合の下部の役員をしておりましたころでも、自分の職域でない他の業種だけが労働時間が短くなるといったら、多分それだけで私たちは相当組合の中でごたごた文句を言っただろうと思います。当時とは状況は大きく変わっているわけでありますけれども、むしろ労働時間短縮という切り口よりも分配をどうするのか、その議論の方がより必要なのではなかろうか。それぞれの産業間における差異というものがある程度生ずることを覚悟した上で、分配論の方で議論をすべきものではなかろうかというのが今御質問を承って率直に感じたところであります。
#26
○村田誠醇君 どうもありがとうございました。門高というのは、理由があって起こる場合もあるし、理由がなくても市場がそれを示していればそれが一つの意向であるということになってきますので、したがってなかなか対策が難しいとは思いますけれども、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは次に、阪神の大震災対策についてお聞きをしたいと思うんです。
 この地域、合いずれも信用補完といいましょうか、信用不足といいましょうか不安といいましょうか、こういうことが非常に起こってきているわけでございまして、保険公庫及び保証協会等に対して、その補うための施策として本年度とういうような臨時的な措置を講じられているのかどうか。それとそれに関連して、予算上一体どういうような措置を講じているのか、この二点についてお伺いをしたいと思います。
#27
○政府委員(中田哲雄君) 今般の震災の信用補完面での対応につきましては、まず信用保険の特例措置といたしまして、従来の激甚災害の特例に加えまして無担保無保証人保険につきまして一千万円の枠を追加する、かつまた、この対象を従来の小企業から中小企業一般に拡大するという措置を講じておるわけでございますけれども、この追加枠につきまして、てん補率、いわば保険公庫が係用保証協会のリスクをカバーする率でございますけれども、これを八割から九割に引き上げるというような措置を講じまして信用保証協会の自己負担分を軽減しているところでございます。
 また、あわせまして保証承諾の増加等に対応いたしますために平成六年度の補正予算で信用保証協会基金補助金を五億五千万円追加したところでございまして、被災地の三保証協会にこれを補助することにしているところでございます。
 また、信用保険公庫につきましても、保険準備基金といたしまして、今申し上げました保証承諾の増加等に対応いたします四十六億円の保険準備基金を追加する、このような措置を今般の六年度補正予算で手当てをしたところでございます。
#28
○村田誠醇君 新聞の報道によりますと、震災の影響を受けた企業に対する手形の未決済の措置を三月いっぱいで打ち切るというようなニュースが流れているんですけれども、まず、そういう報道は事実なのかどうなのか。
 それから、これが一月中が二十二億、二月中が二十三億で、累計枚数四千七百枚の手形が金額にして四十五億円と聞いているわけでございますけれども、この辺事実なのか違うのか、その辺も含めてちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
#29
○政府委員(中田哲雄君) 手形の問題につきましては逐次大蔵省銀行局とも御連絡をとっているところでございますけれども、今月末で打ち切るということについては、私ども今のところ承知をしていないところでございます。
 それから、実際に手形交換所にサスペンドの状態になっております手形の金額でございますけれども、申しわけございませんが、ちょっと手元に資料がございません。
#30
○村田誠醇君 東京都の調査によりますと、これは全部じゃないんですけれども、ケミカルシューズ関係、革靴、ゴム製品関係の業界だけを調べているデータで特徴的に出てきておりますのは、資金繰りが確かに大変だという、お金が大変だというのは片一方であるんですけれども、もう一つとの業界にも共通して川できているのが、商品が仕入れにくくなってきた、部品も含めて、部材も含めて入手困難というのが圧倒的に多くなってきたんですね。
 それは、裏返してみますと販売額が減少してくるというのが当然あるわけでございまして、これは資金繰りなら何とか手の打ちようがあるんですけれども、原材料の入手難ということになると非常に難しい。つまり、現地が早く立ち上がってくれないとどうにもこうにも手の打ちようがない。
 しかし、東京都内で緊急に調べた範囲内でもかなりの割合でこの仕入れ難というのが出てきているわけでございまして、その辺については、これもなかなか難しい問題あると思いますけれども、どのような対策といいましょうか考え方を持ってやっていただけるのか。これは靴関係、ケミカル、ゴム製品関係についてのデータでございますけれども、貸し工場等のいろんな措置はあると思いますが、その辺についてのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#31
○国務大臣(橋本龍太郎君) 特にケミカルシューズあるいは靴のゴム底といった分野を中心にしまして、震災を受けました地域が非常に産業集積度の高い地域でありましただけに、震災発生直後から私どももこうした事態は非常に心配をいたしておりました。また、現地の被災を受けた業者の方々も、自分たちの供給の立ち上がりがおくれるためにそれらのものが輸入に切りかわるという状態を非常に懸念しておられました。当初から仮設工場等の設置を急がれてきた理由も、私はそこに一つ大きなものがあったと思っております。
 今月中に仮設工場の第一段階のグループの方々は現実に作業が再開できる状態になってまいりますので、とりあえず応急の対応の第一段階はこれで終了すると思います。そして、非常に仮設工場が好評であり入居希望が多かったものですから、引き続き兵庫県、神戸市に対しまして第二期の仮設工場建設のための用地を早急にあっせんしていただきたいというお願いを申し上げて、第二期の仮設工場の用地が先日確定をいたしまして、直ちに建設に入る準備をいたしております。
 なお、これに並行いたしまして、取引のあっせんでありますとか相談についてはできるだけ現地でもきめの細かい対応ができるように体制をとっておりまして、こうしたことをできるだけ早く立ち上げに向けての努力をしていく、それによっての品不足の解消に努めたい、基本的にそのような考え方を持っております。
#32
○村田誠醇君 この震災は、あらゆる分野あらゆる地域に想像もつかないような影響が出ていますので、ひとつこれもよろしくお願いしておきます。
 それから、ちょっと個別の問題に入りますけれども、先ほどから出ています信用補完の事業、特に中小企業の信用保険業務についてお聞きをしたいのでございますが、いろいろデータを見てみますと、保険の利用の状況をずっと逐年別に見てみましたら、無担保とそれから特別小口及び公害防止とエネルギー対策に関しての項目については平成二年、一二年、四年、五年とずっと上がっている。上がっているというのは、要するに利用がふえている。しかし、海外投資関係と新事業の開拓に関しての項目については、ずっと低減傾向をたどっているんですね。普通保険については、伸びてはいるけれどもそう急激に変化しているわけではない。
 こういう大枠、四年、五年のデータがあるわけでございますけれども、これまた平成六年度の数字というのはこの統計に出てきていないんですけれども、六年度の数字というのは出ているんでしょうか。大まかどんなような傾向になっておるのか、もしわかりましたら教えていただきたい。
#33
○政府委員(中田哲雄君) 六年度の数字につきましては、まだ数字が出てきておりませんけれども、委員今御指摘のような傾向がある程度継続しているんではないだろうかというふうに思うわけでございます。
 これはやはり景気の動きに応じた保証申し込みにこれが反映をしておるということだろうというふうに思っております。特に設備投資が低迷をしております時期におきましては、新規事業あるいは海外関係とリンクいたしましたような保証の需要というのはどうしても伸び悩む、かようなことになるんではないかというふうに推測をするところでございます。
#34
○村田誠醇君 そうすると、ここで論議している、つまり新しい中小企業像とかあるいは中小企業の進むべき方向とかいうことの論議からしていきますと、受け手としての中小企業の数値はどうもこういう新事業の開拓とか海外投資にはなかなか向かっていないんじゃないかというふうに思えるんです。
 これは非常に皮肉な見方になるのかなとも思うんですけれども、その中で、無担保とそれから特別小口がかなりこれ平成四年度と五年度を比較してみると急激に伸びているわけでございまして、この辺の需要が一番強いんじゃないかなと。つまり裏返して言いますと、無担無保でできる限り貸してほしい、限度額いっぱい今使っていますよという要求の方が強いんじゃないかなと思うんですけれども、これはいろいろな見方もあると思います。ですから、この辺の数値をどういうふうに分析してなさるのか、ぜひ分析して我々に教えていただきたい。
 それと、もう一ついろんな数値をお聞きしたいんですけれども、保証協会に対する公庫の融資業務、要するにお金を貸す業務、これが平成六年度の十一月末の数値があるんですけれども、五年度と比較しますと、極端な表現をすると累積残高が約倍ぐらいに急激に膨れ上がっているわけなんですね。これは経営的に非常に保証協会の経営が不安定になっているんではないかと思うんですけれども、この辺の数値はどういうふうに考えたらよろしいのか、ちょっと教えていただきたい。
#35
○政府委員(中田哲雄君) 最初に御指摘のございました無担保あるいは小口の保証、保険の伸びに対しまして新事業等についてのものが伸びが悪いじゃないかという点でございますけれども、先ほど申し上げましたように、景気動向等も反映いたしましてつなぎ資金融資等々の小口の借り入れ需要が相当大きかった、そのための保証、保険の需要もこれまた大きかったということの一つの反映であろうというふうに思っております。
 また、新規事業につきましては、私どもやっております各種のアンケート等によりますと、やはりこの環境激変に対応いたしますためには、新しい製品をつくるあるいは新しい事業展開に向かうといった意欲は非常に強いものがあるわけでございますので、むしろこの意欲にこたえまして、新事業に向かっていただけるようなそういう基礎をつくるための保証、保険であるというふうに思っておるわけでございまして、これからますます御活用をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから、融資業務でございますけれども、融資業務につきましては信用保険公庫の融資基金というものを通じてやっておるわけでございますけれども、これが累積で六千四百七十七億ほどに現在なっておるわけでございます。平成五年度に千七十七億ほどの基金向けの出資をいたしたわけでございますけれども、平成六年度につきましては当初予算で九十五億、それから補正で百億ほどの出資をしているところでございまして、この融資の規模が急に倍になったということではなかろうというふうに思っておるところでございます。
#36
○村田誠醇君 この信用保証協会別の貸し付けの状況を見てみますと、これは多いからどうのこうのということもないんでしょうけれども、上から五番目を見てみると、大阪府の保証協会に対する貸し付けが一番多くて、以下東京、愛知。これはちょっとよくわからないんですけれども、四番目に静岡が来ているんですね。それで五番目に兵庫が来て、六番目に大阪市の方の保証協会。こういうことで、関西地区が三カ所もベストファイブの中に入り込んでいるということでは、大阪地区の信用保証というのは非常に厳しい状況があるんではないかと思うので、ぜひこの地域に対する信用補完を十二分に考えていただきたいということを含めまして、時間ですから、答弁をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
#37
○政府委員(中田哲雄君) 融資基金によります融資の目的でございますけれども、いわゆる体質強化資金という都道府県の制度融資があるわけでございまして、この融資の国の負担部分を保険公庫の融資基金を通じて府県に出しておる、かような事実があるわけでございます。
 特に関西の各県におきましてはこの制度融資につきまして大変熱心であるわけでございまして、国と府県が一対一の割合で負担をするということから、これらの府県に対する融資の額が相当な規模に及んでいるということでございます。そういう意味からいいますと、保証協会の体質自体が芳しくないから特にこの融資をこういうところに集中をしたということではないわけでございます。
 いずれにいたしましても、保証協会の経営基盤の安定ということは信用補完制度の円滑な運営のために不可欠でございますので、今後とも保険公庫の融資その他を含めまして、この基盤強化のために努力をしていきたいというふうに考えております。
#38
○片上公人君 けさのニュースで、営団に劇物による事件が発生したと聞きました。何人かの方が亡くなられた。まことに心からお悔やみを申し上げるわけでございますけれども、多くの人が入院しておると。私は思うんですが、阪神・淡路島の大震災で数千名の方が亡くなって、また多くの人が塗炭の苦しみを味わっておる中、ボランティアを初め日本じゅうの人が何とか頑張れといって支援してくれる中、そういう多くの善意がある中で、このような残忍なことをやる犯人に対して心から怒りを覚えております。
 初めに、まだまだ調査中でもあると思いますけれども、このことについてまず大臣、ちょっと御感想をお願いしたいと思います。
#39
○国務大臣(橋本龍太郎君) けさ、私も出勤途上でこのニュースを聞きまして、慌てて役所に電話を入れながら、通産省の職員無事かということを尋ねました。現在の時点で、通産省の職員で入院いたしております者三名を把握しております。そのほかに、影響を受けながら一応出勤をしてきた者が一人おりますけれども、その人にも、もうできるだけ早く帰せということを申してこちらに出てまいりました。
 今、事実関係が十分明らかではありません中で具体的なコメントの申し上げようがありませんが、報道等で申しております限りにおいて、使用された薬物がサリンという報道がなされております。
 もしそうであるといたしましたなら、先日、本院におきましても商工委員会において御審議をいただきました化学兵器禁止条約とそれを裏打ちをいたします法律案の中で、当然ながら表一剤として全く製造あるいは使用の許可、あるいは所持、譲り渡し、譲り受け、一切を制限する薬物の一つでありまして、こうしたものが日本国内において用いられましたこと自体が非常に不可解でありますし、この問題を非常に深刻なものととらえておる一つのポイントであります。
 今後捜査が進展いたします中で、犯人はもちろんでありますけれども、この薬物が何であるのかをできるだけ早く特定していただきたい。それによって、もう既に本委員会に私が参りますまでの間に六名の死者が確認をされており、多数の入院患者を出しておる状況でありますが、患者の回復のためにもこの毒物の特定ができるだけ急いで行われることを願い、その上で医療の万全を期していただきたいと心から願っております。
#40
○片上公人君 兵庫の震災のことでございますけれども、現在もなおかつ約八百以上の避難所で八万数千の人がまだ非常に不自由な生活をしておるわけでございます。そういう中で、政府としてはあらゆる手を本当にどんどん打っていただいて感謝いたしておるわけでございますけれども、現実には、現場におきましてはまだまだそういう避難所におる一人一人の方にはその恩恵といいますか、そういうのがまだ来ていないと、そういう思いの人がいっぱいおるわけでございます。
 ちょうど震災二カ月ということで、三月十六日に地元紙ではアンケートをとりました。一カ月目に一回とり、二カ月目にとった。その中を見ますと、世帯主の半数が仕事に影響して、収入も半分以下の家庭が四割に近いと。
 また、第一回目のアンケートと二回員のアンケートでは、比べますと将来への不安がさらに強まっておる。例えば仮設住宅の希望では、前回は、大変厳しい問題を抱えておるけれども「住み慣れた場所から離れたくない」、「転校して子どもがなじめるか不安」だとか、そういう声が多くて、ほとんどの人が同一市町区内へ居住を望んでいたけれども、今回の調査では、約三分の一の人が仮設住宅について「当選すればどこでもよい」というふうに答えるようになってきたと。あきらめの表情が出ておると。
 また、仕事の再開につきましても、前回は「見通したたず」という人が約四分の一だった。それに対しまして今回は、自宅待機や解雇、倒産などで見通しが立たなくなって収入のめどがつかないという人が三分の一とふえておる、このようなアンケートの数字が載っております。
 その中の言葉でもいろんな声が出ておりまして、仮設への入居につきましては、例えば遠いところの仮設へ行くと定期代がかかって困るとか、六十歳の無職の女性は「自分の土地に仮設住宅を建ててほしい」とか、あるいは避難所では「せき一つするのも気を使う。一刻も早く」入れてほしいとか、等々出ております。
 また、世帯の収入につきましては、三割弱の人が収入ゼロになっておる。そして、店舗兼住居が倒壊、夫婦でやっていた店や事業ができなくなった、そういうケースが多くて、当面の生活資金確保や事業再建のために就職先を探す人もおるけれども、ある人は、手に職はあるけれども年齢が高くていい仕事が見つからないとか、年齢のこともあって簡単には銀行は融資してくれないとか、いろんな声が出ております。アパートを経営しておった六十歳の女性も、アパートが倒れて全く収入がなくなってどう生きていいかわからないというような声も出ております。
 あるいは当面の生活の問題では、六十九歳の西宮の男性ですけれども、「高齢で借金もできない」と、あるいはある人はマンションを解約して敷金を生計に充てたいとか、あるいは住宅ローン関係では、もう御存じのように「年額二百万円のローンが二十年間残っている。一月建ての家は直せば住めるが、住宅購入のローンに加えて、修理する余力がない」という公務員の男性四十五歳の声。
 また、あるいは仕事を「再開しても以前通り客が来るか」どうか心配だとか、「仮設に当たるまで仕事も探せない。それまでは貯金を崩すしかない」とか、あるいはボーナスがだめだしどうしたらいいかわからないとか、「借金して事業を立て直すべきか、転業したほうがいいのか、迷っている一と。
 さらには、雇用対策、融資制度につきましてもいろいろ悩みの声を出しております。そして、「低金利の融資が多いのはいいが、手続きを簡素に」してもらわぬとどうしようもないとか、「住宅建築資金の融資条件が厳しい」とか、なかなか現場では将来に不安を持ちながら生活しておる。
 そして、三月十八日の新聞にも「零細業者ピンチ」という見出しで出しております。
 これは神戸とか兵庫県が中心になってつくった緊急災害復旧資金についての記事でございますけれども、例えば、「長田区の男性四十八歳は、経営していた靴加工下請け工場が全壊した。以前に同業者の保証人となったことがあったが、業者が廃業に追い込まれ、現在代理弁済中。「無担保無保証なんて、と半信半疑だったがやっぱりだめ。こんな時だからと頼んだが、自分の負債もあり保証協会の保証は無理だろう、と言われた」」と。
 また、神戸の「中央区の飲食店経営者は「借金があるので、融資には担保や保証人が必要と言われた。保証人になるような余裕のある人がどこにいるのか。復旧融資とは名ばかり」」だと怒っておる人もおる。
 また、金融制度につきましても、行けば運転資金ですか、設備資金ですかと聞かれた、これは飲食店の経営者ですが。「設備なら見積書が、加えて建物なら建築確認通知が必要となる。「運転資金です」と答えると「店が壊れたのにどうして運転資金が必要なのか」と突っ込まれた、といい、「正真言って欲しいのは生活資金。早く一息つきたい」」、このような声が実際あふれておるわけでございます。
 確かに何とかしたいと思いますけれども、今までの通常的な対策ではどうしようもない。しかも、いろんな施策をやっているけれども周知徹底もされ切っていない面もあるんではないか、そのようなことを思いますけれども、このような市民の声に対しまして大臣の感想を一言。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) 震災後二カ月たちまして、それぞれの方々が一応落ちつきを取り戻されると同時に、将来に対しての不安が本当に深刻になり、よりその御心配というものが具体的なものになっていると感じておりましたけれども、委員御紹介をいただきました内容は、私自身そうした御不安が出ておるであろうと心配しておりましたような中身のものでございます。
 ただ、私は他の分野について十分な知識は持ちませんけれども、非常に中小企業庁の諸君が立ち上がりに努力をしてくれまして、早い時期から三カ所に総合相談所を設けさせていただきました。そして、関係の各金融機関だけではなく、これはこの場をかりてお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいでありますけれども、日弁連と税理士会の方からボランティアでその総合相談所にデスクを置いていただき、あらゆる相談に応じていただける体制をつくりまして、現場として随分御相談に乗らせていただきながら一つ一つの課題に職員は解決に努力をいたしております。
 ただ、先般もある場所で御指摘をいただいたわけでありますけれども、被災地域の本来の職員は職員自身が被災者でありますから、その諸君と交代で応援の職員を入れて対応しておりますが、そうした中で、あるいは引き継ぎの中で細かい点についての注意が落ちておりましたり、あるいは制度をどんどん拡大してまいりますプロセスの中で、古い時期に御相談を受けましたことと現時点で御相談を受けますこととの間に、それだけ施策を前進させた結果食い違いが生ずるといったようなおしかりも合いただいております。
 広報活動につきましても、県あるいは市の広報を活用させていただくだけではなく、民放の番組の上での協力等も得ましてできるだけ詳細な仕組みの御説明を申し上げるようにいたしておりますが、なかなか十分とはまいりません。
 これからも、できるだけそうした点では政府としての施策を十分に知っていただき、同時に個別の御相談に応じられる体制を整備してまいりたい、率直にそう思います。
#42
○片上公人君 今、大臣がおっしゃいましたように、三月十七日に被災中小企業支援対策というのを中小企業庁で発表しておりますけれども、これを見ましても、本当に随分一生懸命やっていただいているなということを実感いたしております。
 その中で、先ほどの相談窓口受け付け実績なんかを見ましても、例えば神戸で、相談員が四十五名で、来訪、電話で一月二十五日から三月十六日まで八千句ほの件数をこなしておるわけですね。一日に一人でもう二百件近いものをやっておるということは、これは本当に忙殺というか、大変な思いでやっていただいたと私は思っております。
 そういう中で、さらにその辺を充実させていただきながら、平時ではありませんのでいろんな応援をしていただきながら、一人一人に日が届くような相談をやっていただきたいなという思いとともに、政府系中小企業金融三機関で災害相談を受けた中で、一番多いのはやっぱり国民金融公庫なんですね、八万九千件ほど来ておりますけれども。
 そこで、金融公庫にお伺いしたいわけでございますけれども、地元の中小企業から立ち上がり資金として国民金融公庫に対して融資の申請が相当出ておると思うんですね。これに対する審査等がなかなか進捗せずに申請が積み上げられておるというような声も聞くわけです。
 窓口も大変混雑しており、しかしながら地元の窓口は限られた条件の中で職員の方は実によく頑張っておられることも聞いております。私もよく承知しておるわけでございますが、物理的にこれは何か無理があるのではないか、窓口の増強を図るべきではないか、このように思いますが、金融公庫、よろしくお願いいたしたいと思います。
#43
○参考人(土田正顕君) 国民金融公庫の副総裁をしております土田でございます。
 今回の震災で国民金融公庫は一部の支店に被害を受けましたし、また職員にも被災者が発生したところでありましたが、公庫の重要な業務として災害融資に全力を挙げて取り組んできているわけでございます。
 具体的な状況を御説明いたしますと、この三月十六日までに借り入れ申し込み及び返済相談で約九万件、災害貸し付けの申し込みはトータルで一万三千件、既に貸し付けを実行したものは八千件に上っておるという状況でございます。何分にも資金需要は前例がないほど大量のものでございますので、私ども各種の対策を講じてまいりました。
 それを多少御披露いたしますと、第一に、被災地内の支店に対しまして他支店及び本店から百名以上の応援職員を派遣しております。
 それから第二に、被災者の融資相談窓口を拡充いたしますために、被災地に支店のほか、通産大臣からお話もございましたが、総合相談所を設置してそこに職員を派遣しております。
 それから第三に、国民公庫の実は東灘支店というのがございまして、これが今回の地震によりまして営業困難な状況に立ち至りましたが、これにつきましては隣接する尼崎支店で業務を取り扱いますとともに、二月一日から西宮に臨時店舗を開設して相談を受け付けております。
 それから四番目に、申し込みの相談については、今でも土曜、日曜についても神戸支店及び各総合相談所の窓nにおいて実施をしておるわけであります。
 もう一つでございますが、第圧に、さらに以上の対応のほか、被災地の代理店を拡大いたしまして窓口の拡大に努めております。
 このように、私ども被災地の復興に資するために現在まで最大限の努力を払ってきておりますところでございます。今後とも、被災中小企業者の資金需要に的確にこたえられますように引き続き努力を続けてまいりたいと存じております。
#44
○片上公人君 先ほどのアンケートにも出ておりましたけれども、制度の簡素化というのが非常に求められております。複雑で細切れな融資制度というのは利用者にとっては非常に不便であると。また、融資コストもそのために上がる原因ではないかというふうに言われております。
 例えば行政改革による政府系中小企業金融機関の一本化というのは見送られたようなわけでございますけれども、利用者の立場から見ますと窓口の一本化や制度の簡素化というのはかなり望まれておるわけでございます。現場担当機関としてその辺についてどのように思われるかお伺いしたいと思います。
#45
○参考人(土田正顕君) 制度の基本に関することにつきましては、私ども金融公庫は実施機関でございまして、なかなかコメントを申し上げる立場にはないわけでございますが、ただいまどの程度融資の事務が滞っておるのかおらないのかというお尋ねがございましたけれども、大体の例を申しますと、基本的に災害貸し付けの申し込み相談を受けました場合には、その当日もしくは二、三日以内に融資審査を行いまして、数日中に顧客に融資の決定を連絡できる体制をとっております。
 ただ、顧客との連絡が例えば災害に遭われたりしましてなかなかとりにくいという関係で、融資決定までの所要期間が一、二週間になる場合もございます。さらに、決定後の契約書類の作成等の手続に一週間から十日間程度は、やはりお客様の方のいろいろな御準備もございますので、その日数は必要でございますので、かれこれトータルいたしますと申し込みから貸し付け実行までに必要な期間はおおむね二、三週間となっているのではないかと考えます。
 ただ今回、先ほど申し上げましたような大量増員体制をとりました結果、例えば神戸支店なら神戸支店におきましてどの程度いわば未処理のものを抱えておるかということを概略見込んでみますと、これはむしろ、例えば昨年の同時期、一般的な時期よりも未処理日数は少なくなっているんではないかというふうに私どもは考えております。
 このとおり精いっぱい努力はいたしておりますけれども、なお今後も親身な相談や迅速な処理に心がけてまいりたいと存じております。
#46
○片上公人君 時間が来ましたので終わりますが、警察庁にお願いしておったんですが、また次回にします。
 本当は警察庁の方には、道路の規制について相当地元から意見が出ておりまして、流通の問題も含めましてその辺のことをお聞きしたかったんですが、最後に一言大臣に、さっきの問題だけじゃなしに、こういう交通の問題からいろんなことが震災で総合して起こっておると、そういう中にあって、私はやっぱり政府が一丸となって、縦割り云々関係なしに見事な指揮をとってくれなかったら困るなと。
 そういう中で、大蔵大臣初めいろんな経験をした橋本大臣の本当に積極的な戦いでこれを、円高もある、いろいろありますけれども、乗り切る戦いをぜひお願いしたいという御期待を申し上げまして終わりたいと思います。よろしくお願いします。
#47
○国務大臣(橋本龍太郎君) できるだけ自分の力の及ぶ限り努力をいたします。
 ただ、委員、一点だけちょっと発言をお許しいただきたいと思いますが、ただいま、警察庁をお呼びになり交通規制等についての御質問がある、それは次回にということでありました。私から一点申し上げたいのは、十七日、震災発生当日、兵庫県警の諸君は、自分も被災者であります。その職員が非常に努力をしてくれたということを私どもは肌身で感じて知っておるということであります。
 殊にマスコミ等から交通規制のおくれが非常に強く指摘をされておりましたが、実は兵庫県警として、信号の系列が切れた、電源が切れた後、主要な信号地点に警察官を配置したはずであります。ところが、その警察官の姿を見た途端に、被災された方々から、お巡りさん、あそこに人があそこに人がということで呼ばれて持ち場を離れていった。これは私はどうしても責めることはできないと思うんです。こうした事情があったこともこの機会にぜひ御披露を申し上げたい。
 同時に、近畿通産局長から、私が参りましたとき警察庁にぜひお礼を伝えてほしいと言われ、私が伝達をいたしましたのは、当日またその翌日、兵庫県警の体制が整います。その間におきまして、大阪府警のパトカーあるいは白バイの諸君が非常に機敏に対応してくれ、救援物資の輸送等について県境を越えてどんどん誘導をしてもらった。この点は、せひお礼を申し上げてほしいということで、警察庁長官に私からお礼を申し上げたこともお伝えを申し上げたいと思います。ありがとうございました。
#48
○古川太三郎君 円高と地場産業の関連についてお聞きしたいと思いますが、地場産業といっても各地方にいろいろあると思います。具体的には、私の選挙区であります福井県の鯖江市の眼鏡フレームについて具体的なお話をすればよいかなと思っております。
 眼鏡フレームの国内生産は鯖江市で九〇%になるわけですね。その中で一一五%が輸出されている。そういうことですが、これは大手がなかなか入ってこられない。これはなぜかといえば、工程が二百以上あるということからなかなか大手が入り切れない。そうしますと、中小の企業ばかりでこの地場産業を支えてきたわけなんですけれども、円高が進みますと、もうそれはとてもじゃないけれどもなかなかついていけない。
 中小企業庁の三月十六日に出された円高が中小製造業に及ぼす影響調査、これなんかを見ておりますと、新製品開発、新分野の展開、こういったことはいいでしょうけれども、一番大きな希望は国内販売の強化というようなことになっていますね。これはもう五五%の人が、去年の七月に調査されたときもそうですし、またことしの三月に調査されたときも五〇%以上の人が国内販売を強化したいと。
 国内販売を強化するといっても、なるほどこれから老齢化社会になりますから、お年寄りも眼鏡をかけなきゃならぬとかいうようなことで需要はたくさんある、またファッションの眼鏡もあるでしょうから、そういう意味での国内販売はまだまだ私は先は大きいと思いますが、いずれにしても、先ほどちょっと大臣がおっしゃったように、内需拡大ができるかどうかは国民に分配するお金の問題なので、これはやっぱり国民一人一人が豊かにならなきゃそういう世界になってこないだろうと思うんですね。
 日本は、労働分配率からいえば五%や一〇%欧米諸国よりも低い。これも厳然たる事実だと思いますし、じゃなぜ円高になっていくんだと。先ほどからの議論を聞いておっても、これはいろいろあるでしょうけれども、やはり企業体が、会社が今まで労働分配率を少なくしていたということと、株主配当も非常に少なかった。これはだれも五年後十年後の会社を見て株を買っているんじゃなくて、やっぱり今配当が欲しいという人が買う場合がたくさんあると思うんですね。会社そのものは、日本の企業は五年後十年後、将来がよくなりますよという夢を今まで確かに売っていた。こういう先行投資型の企業体である限り、これはなかなか国民にお金が還元されない。
 そういう構造そのものが円高にしていっているんじゃないか。やはり今働いて生産性を上げたという場合には、きっちりとその分配を労働者にしなきゃならぬし、また配当もその時期にしなきゃならぬ。今の人の犠牲において二十年三十年後の夢を追っても意味がないと思うんです。そういう考え方を変えること、そのときに円高はストップするんではないかなと。日本の税制も、投資減税とかいろいろのことで何年か先のことを夢のような形で国は援助してきたと思います。
 だから、やっぱり今生産できるもの、そういったものは今それに協力した人に分配していくという方向で産業構造を変えた場合には円高がストップするんじゃないかな、こういう気持ちがするんですけれども、大臣のお考えはいかがですか。
#49
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは大変私はお答えのしづらい問題だと思います。
 と申しますのは、私はたまたま証券金融不祥事という非常に不幸な事件の折に大蔵大臣をしておりまして、その責任をとる立場にありました。そして、その時点におきまして証券市場等について改めてさまざまな議論がなされたわけでありますが、私どもその時点で、でき得るならばこの不幸な事件というものをきっかけにして、証券市場というものに対する考え方、さらには国民の基本的な意識の部分において考え方が変わることはないだろうか、変化が期待できないだろうかという気持ちを持ちました。
 今、委員が言われましたしように、我が国の証券市場におきましてしばしば言われますことは、手数料の問題と同時に配当の低いということであります。例えば海外の投資家から意見を求めましたようなときにも、もっと配当を高くすべきだという声はしばしばありました。また、そうした海外の市場と同じような気持ちで日本の証券市場において投資を行った方から不満の声が出たこともございました。
 しかし、あの証券金融不祥事というものがございましても、なおかつ基本的な意識というものは余り大きな変化をしなかったんじゃないでしょうか。むしろそういう問題意識を持たれた方々、特に個人投資家はその当時市場から離れました。そして、まだ市場に十分戻り切っておらないというのが私は現状ではなかろうかと思っております。
 その資金が一体どこに行ったという問題はまた別にございます。しかし、結局その企業の安定性、堅実性、将来性というものに投資をし、それをもってみずからの生涯の資産という視点からの投資というものが依然として我が国には多いような気持ちがいたします。これは実はハイリスク・ハイリターンを目指す店頭市場等がなかなか活性化をしない。これは規制の問題もありますけれども、それ以前に国民意識の問題があろうかと思います。
 仮にアメリカのNASDAQのような市場が日本に創設されたとして、あれほどの活況を呈するか非常に疑念が残るところでありまして、やはり私は基本的には行政がどちらの方向に市場を誘導するかということはありますけれども、その指導というものも国民性を離れてはあり得ない。その場合に、必ずしも私は今委員が述べられたような気持ちが国民の大宗を占めているかどうかには疑問を持ちます。
 しかし、今違った角度から述べられた分配率を高めていくべきであるということは、私自身ある程度同じような気持ちを持っている部分もありまして、その点では考え方を一にするのかなと、率直な感想を申し上げます。
#50
○古川太三郎君 せっかくのお話で、続けたいんですけれども、きょうは地場産業の人の関係で厚生省の方に来ていただいておりますので、ちょっとそのことをお聞きしたいんです。
 眼鏡を販売する場合、検眼するということは眼鏡屋さんでは当然ですね。眼鏡屋さんに検眼室というのがありますけれども、それはお医者さんがいらっしゃらなければいけないことなのかどうか。また、そのときはいなくても、とにかくお医者さんとの顧問契約か何か名義でももらっていないとできないことか、そのことを厚生省にお聞きしたいと思います。
#51
○説明員(今田寛睦君) 検眼については、委員御承知のように、みずからの視力の程度についてみずからが判断をするような補助的な検眼を除きまして、測定者が視覚機能というものを測定する機械を用いて行う検眼、こういったものにつきましては医療行為に当たるというふうに解しております。
 したがいまして、このような医療行為につきましては病院または診療所において医師等の有資格者において行われる必要があるということでございますので、仮に眼鏡店に検眼室があり、あるいはそこに医師がどのようなかかわりをするにいたしましても、基本的に病院または診療所において行われる必要があるという考え方で私ども運用している次第でございます。
#52
○古川太三郎君 普通眼鏡を買うときに、確かに最初ならお医者さんに指示されて眼鏡をつける人もそれはいるでしょう。でも、ちょっと見にくくなったな、老眼かなあるいは近眼かなというように感じて眼鏡屋さんへ行って検眼してもらって、あなたは近眼ですよ、こう言われてすぐ眼鏡を買いますね。そういう検眼室を設けること自体お医者さんが必要なのかどうか、そのことをお聞きしたいんです。
 そしてもう一つ、そのお医者さんも、眼科じゃなくて耳鼻科の先生でもよし、胃腸科の先生でもよし、心臓科の先生でもいいんだというようなことなんですかどうかと聞いているんです。
#53
○説明員(今田寛睦君) 検眼室という定義にもよりますが、検眼室を眼鏡店に設置されることそのものについて規制を申し上げているつもりはございません。しかし、その検眼室の中で行われるであろう行為、その行為について先ほど申し上げました医療行為に当たる部分につきましてはこれを行うことができないわけでございますので、そこにかかわる医師の資格を云々する前に、その場所そのものがそういった検査ができないという意味で先ほど御答弁を申し上げた次第でございます。
#54
○古川太三郎君 だから、その医師はどういう医者でもいいんですかと言っているんです。
#55
○説明員(今田寛睦君) 検眼室をつくることについて規制をしているわけではございませんので……
#56
○古川太三郎君 そんなことを聞いていない。医者は何科でもいいんですかと聞いているんです。
#57
○説明員(今田寛睦君) したがって、医師がそれにどのようなかかわりをするかどうかも、そのつくるかどうかの要件にはかかわりはございません。
#58
○古川太三郎君 聞いたことに答えてください。どんな医者でもいいんですかと言っているんです。
#59
○説明員(今田寛睦君) 御質問の趣旨を、例えば眼科の検査ということが行える医師という意味でお答えするとすれば、その検査はどのような医師でも可能でございます。
#60
○古川太三郎君 そういうお医者さん、どの専門のお医者さんでも、要するに検眼室を設ける眼鏡屋さんが契約していればそれでいいんだというような今のお話ですと、これは何のためにそういう必要性を設けていられるのか。
 これはやっぱり今言われている規制緩和というのが円高については物すごく必要なことなんですね。私は眼鏡屋さんをつくりたい、しかしいい検眼室をつくったらこれはお医者さんと契約していないとだめですよと、こういうような形であったら、眼鏡屋さん一つつくるのに大変な苦労をしなきゃならぬ。しかも眼科のお医者さんでなくても構わないということになると、国民から見るとこれは一体何のための規制だろうと。
 せんだっても大臣からは、経済的規制はなくす、ただし社会的規制といいますか、安心とかそういう必要なものは浅さざるを得ないと。一体これが経済的規制なのか社会的規制なのか私はわかりませんけれども、やっぱりこういう規制というのはなくした方がむしろ活性化されて、そして国内でも販売がたくさんできるようになる。眼鏡を買う人というのは大体そんな医者に一々行かなくても買えるようなもう自由があっていいんじゃないでしょうか。このことをお聞きして終わります。
#61
○説明員(今田寛睦君) 御説明が不適切かとも思いますが、少なくとも医療行為を行うという意味において眼鏡店でこれを実施する施設を認めているつもりはございません。つまり、診療所または病院という施設でのみ行い得ると申し上げたわけでございます。
 したがいまして、検眼室というのはそのような医療行為を行わないためにおつくりになるという意味であればそれは御自由である、このように申し上げた次第でございます。
#62
○古川太三郎君 最後に一つ大臣にちょっと、こういったことが規制になるのかどうか、その感想だけをお聞かせいただきたいと思います。
#63
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは両方のおっしゃっていることがたまたま私わかるものですから、多少の御説明をさせていただきたいと思います。
 医事課長は、非常に厳密に医療行為というものを限定して先ほどから答弁をしておられます。その前提は、検眼というものが医療行為の一つという位置づけ、すなわち、もし眼科の疾患を有する、あるいは補整を有するものであれば治療を必要とする、その治療の前段階の検査と位置づけて非常に厳密に答弁をしておられます。
 一方、従来から眼鏡店の方々の中に、検眼用の機械が非常に進歩いたしまして、必ずしも専門医の立ち会いを必要とせずにある程度の検眼ができるような機械が出てきたことから、医師を必要としない通常の検眼というものがあり得る、普通のだんだん年をとって見つらくなったとかいうことの中で、医療行為の前段階としての検眼ではない検眼があり得るということから、眼鏡店そのものが検眼の機械を設置して、その機械を操作する専門家を操作に当てることによって眼鏡をつくるという行為がある程度一般化しておりました。
 それが、しばらく前に、眼鏡士という検眼の機械を扱う専門家の資格を認めるという議論と、同時に眼科医会また学会からは、その検眼機械の普及の結果、機械の操作のプロでありましても眼科の疾患の有無を判断する専門家ではありませんから、眼科医が診ていれば早い時期に眼科の疾患が発見されたかもしれない行為が、医師としての資格を持たない技術者の手による検眼の結果発見がおくれるというケースがある、むしろそういう点では検眼という行為を医療行為としてもう一度再確認をし、医師の資格を持った人間でなければ扱えなくすべきだという議論と、双方が非常に強く出されました。
 当時、現在の厚生委員会の前身である社会労働委員会に関係しておりましたことから、村山総理ですとか私どもはその間に入って随分議論をしたことがございます。結果としてその議論は実はまだ収束を見ておりません。
 そして、一般的な国民の常識からいくならば、眼鏡店において高度の検眼の可能な検眼機械があれば、そしてその検眼機械を使用する技術者として優秀な方があれば通常の眼鏡はできるはずだという常識は確かにあるわけです。しかし、眼科学会あるいは眼科医会が指摘されるように、そのために初期の病状を発見しにくくしたという事例が存在することもこれは間違いありません。
 そういう両方の間に挟まって非常に苦労した答弁を彼はしておりまして、それはどうぞそういう実情の上でお許しをいただきまして、むしろ私は、国会がこれから制度、資格というものを議論していく中の一つの問題点として今後検討すべき課題ではなかろうか、そう思っております。
#64
○古川太三郎君 そのことはよくわかるんですけれども、もうしかし、国があなたの病気はお医者さんにかからなかったから遅くなったんですよと、そこまで言う必要がある時代ですか。自己責任というのが盛んに言われているんですよ。だから国がそこまで関与する必要はない。これが規制緩和じゃないでしょうか。そのことだけ申し上げて終わります。
#65
○市川正一君 厚生大臣から通産大臣に戻っていただいて質問させていただきますが、今回の災害対策の金融問題であります。
 通産省は、地震発生後直ちに中小三金融機関に災害貸付制度の発動とか既往の貸付分についての返済猶予の弾力的措置を実施したのを初め、二十日には災害特別貸付制度、一月九日には金利を二・五%に引き下げて無担保無保証人の特別小口保険を別枠で一千万円にするなどの措置を講じております。また三月に入っては、兵庫県などの復興基金で金利を補助することによって実質的に無利子融資の実現を目指す方向に進んでいると、こう理解しております。
 そこでお伺いしたいのは、地震直後に多くの被災業者は、金融機関に迷惑をかけないようにということで返済猶予の措置をとりました。そして、いよいよ復興段階になりまして災害特別融資を申し込んだところ、窓口で、あなたは返済猶予の措置を実施しているから返済能力がないので融資は受け付けられないと断られる例が出ております。
 せっかくの災害特別融資が返済猶予措置をとったために受け付けられないというような事態は、これは本意ではないと思います。大いに改善すべきであると思いますが、この点についてまずお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもが少なくとも考えております範囲におきまして、返済猶予措置がとられたことそれ自体を理由として中小企業者が政府系金融機関の窓口で融資の申し込みを拒否されるといったような事態があってはならないと認識しております。
 もしそういう問題があるとすれば、私どもの指導にどこか徹底しておらなかったところがあろうかと思いますので、これから先も政府系中小企業金融機関に対しまして、個々の中小企業者の実情に配慮しながら融資の御相談に対応するようにということを指導していきたいと思います。
#67
○市川正一君 非常によくわかります。
 実際を聞いてみると、担当者はいろいろな立場がおありだと思うんですが、返済猶予の措置を実施している業者は事故扱いと同じなんだ、融資の審査にはマイナスになりますよと、こういうことも言っておられる例があるようです。つまり、受け付けても融資の審査段階で、震災による返済猶予措置が通常の融資での返済が滞っている事故扱いと同様の扱いをされるというのでは、これは本意と違うということを言わざるを得ぬのであります。
 本当に必要としている被災中小業者が融資を受けられるように、審査段階での不利益な取り扱いも、もしあるとすれば是正するという点もあわせて御徹底をお願いしたいと思います。
#68
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の災害を理由として返済猶予が認められた場合、その返済猶予が理由となって災害融資の特例措置が受けられないようなことがあれば、これは私は問題だと思います。他の理由は知りません。返済猶予ということが理由になってそういう問題が起こるということは我々の本意ではありません。この点もあわせて対応したいと思いますし、やっぱり個々の中小企業者の事情というものに対応して弾力的に御相談に乗っていくということが大事だと、私はそう思います。
#69
○市川正一君 現場にそういうことが徹底されるように、同時にまた、そのためにも保証協会などへの財政支援などで特別貸し付けに対する与信体制を確立されることを状況に応じて今後実施されることを、財政支援などを要望いたしておきます。
 次の問題でありますが、十六日に発表されました中小企業庁の調査によりますと、異常円高のもとで、一ドル九十円前後では全産地とも採算がとれない状況だというということが明らかになってまいりました。下請企業は、親企業の海外生産や海外製品との競合で、四分の三の厳しい状況と各種の調査が出ております。その一方で、一ドル八十円台でも競争力のある二十一世紀のワールドカーを生産するということで、トヨタ自動車は三〇%のコストダウンを目的としたいわゆるスーパーコストダウンを下請に押しつけております。
 それによる影響は、ここに大蔵省の東海財務局が昨年十二月に行った調査を持ってまいりましたが、要するにその結論は下位下請ほどコストダウンが非常に強く押しつけられているという、一次よりも二次、二次よりも三次というふうになって、結局三次や四次の孫請はほとんど対応が不可能だという状況に追いやられていることがこの調査によっても示されております。
 そして、中国では何円でできるからそれでやれとか、外国並みのコストを下請に押しつけるというような事例が各地で起こっております。
 伺いたいのは、下請代金法の対象は直接の親企業だけなんですね、したがって三次下請は二次下請とのコストダウンしか問題にできない。こういうことになりますと、結局大もとである例えばトヨタとかそういう発注元のメーカーや親企業に対する指導が非常に大事になってくると思うんですが、こういう実情と対応について中小企業庁はどういうふうにお考えになりますでしょうか。
#70
○政府委員(安本皓信君) 先生のお考えは多分、幹があって幹から枝が出て枝から小枝が出て葉っぱが出ているというふうなことを考えたときに、幹の部分に何か注射を入れれば全体がよくなるはずだというふうな、そういう御発想ではないかと思います。しかしながら私どもは、一つ一つのところの取引について個別にチェックいたしまして、どういうことが行われているかということを把握しない限りは全体が把握できないというふうに考えておりますので、個別的に支払遅延等防止法上問題があるのかどうかということをチェックさせていただきたいと思います。
 ただ、親企業等については支払遅延等防止法等の趣旨の周知徹底ということが大事でございますので、全体を含めて講習会等を通じてそういった精神がよく行き渡るようにしたいというふうに考えております。
#71
○市川正一君 実は先日、長野県の諏訪地方に私調査に参りました。そのときに感じたのは、大企業の海外生産や内製化による下請切り捨てが非常な勢いで進行しているという事実です。
 これは十三年間下請振興法に基づく契約書を結んである大企業の協力工場として仕事をしてきた下請が、外注に出す仕事がないと、こう一方的に言われ、一週間後には契約打ち切りの同意書を無理やり押しつけられている。あるいはその他の大企業の下請では、中国へ一緒に行かないか、そうでないと仕事はないよということで、海外進出に協力するならば国内の仕事も発注してやる、こういう圧力をかけられている事例が顕著に続出しております。
 こういうようなやり方というのは下請振興法に基づく振興基準に反する行為ではないのか、また海外進出の強制やそれに伴う不利益な取り扱いは、振興基準の第六の二、経済環境の変化に伴う留意点における親事業者の配慮事項に反する行為ではないのかという疑いを私痛感いたしましたが、こういう実態については御承知でしょうか。
#72
○政府委員(中田哲雄君) 下請振興基準に、今委員御指摘の「経済情勢の急激な変化に伴う下請事業者への配慮」という項目があるわけでございまして、これによりまして、親事業者は一般的に資金力あるいは技術力にすぐれているものが多いわけでございますので、こういう環境の激変の影響につきましては、まずみずからの合理化努力によってこれを吸収しなさい、それによってさらに下請企業者に対しましていろいろな影響の結果を不当に転嫁してはならない、こういうことを決めているわけでございます。
 現在の環境激変の中で、親企業、中小企業、下請企業ともにいろいろな努力をしているわけでございますが、その中で契約をどのように継続していくのか、あるいは国際的な展開を一緒にやるのかやらないのか、こういった点については企業間の自主的な判断によって進められるべきものと私どもは考えているわけでございますけれども、今の振興基準にございますように、各種の環境変化の結果を不当に下請企業者にしわ寄せしてはならないということでございますので、それぞれのケース・バイ・ケースよく見た上で、下請企業にそのようなしわ寄せが行われないように、下請代金遅延等防止法等に照らしまして適正な形での関係が維持されているということを確認していきたいというふうに思っているところでございます。
#73
○市川正一君 私あえて諏訪地方のことを持ち出しましたのは、ここに持ってまいりましたのは関東通産局の去年の十二月七日に発表されました空洞化実態調査報告書というもの、皆さん方の一翼ですから御存じだと思うんですが、この中に「諏訪地域における空洞化の問題点、課題等」という項目があります。
 これを拝見しますと、この実態に対する認識、今後に対する課題、そういう点が、私が打ってまいりましたちょうど去年のことですが、それと非常に相応いたしまして、詳細は申しませんが、
 今後更に、円高やリストラ等による生産や雇用 の削減、下請企業の整理や発注削減等、厳しい方針を打ち出している企業がある。特に、二次、三次下請については、受注量の著しい減少やコストダウン要請等、極めて厳しい対応が迫られていることから、将来的には、適切な対応をしないと空洞化が生じることも考えられる。こういうふうに関東通産局はリアルに問題提起をなさっているんですね。
 私は、たまたまきのうの朝日新聞の社説で、お読みになったかと思いますが、ここに持ってまいりましたが、「モノつくる民よ、戻れ」という社説がございました。
 なかなか問題提起として鋭く深いものを持っておりますが、この社説が言うのは、今までは「もっと働いて生産性を向上させ、労働コストを抑えるという経営手法が功を奏し」てきたと。こう論じた上で、しかし「急激な門高で、こうしたコスト削減は限界に達しつつある。従来の手法はもう通用しまい。これを続けていても、「働いて
 門高にして 首をしめ」」、これは日本貿易振興会、ジェトロの川柳だというんですが、私、野村総研の言うところの悪魔のサイクルというのにせんだって触れました、財界ドップも含めてそういう反省が広がっていると思うんです。
 これを打開する上で、きょう幾つか論じましたような、大企業やメーカーに対して下請振興基準を守らせる、そしてこの社説の言うようにやっぱり製造業の再生を保障していく、こういう道はやはり大事な問題提起じゃないかと思うんですが、見解を承って、ちょうど時間になりましたので終わらせていただきます。
#74
○国務大臣(橋本龍太郎君) 時間は大分過ぎております。
 そして、職人国家であるべきであるという考え方は私も同じように思っております。
#75
○翫正敏君 翫正敏です。
 阪神大震災がありましてから二カ月たったわけですけれども、史上最大級の大地震が襲って五千人以上の方々が亡くなられたことを思いますと、本当に改めて心からのお悔やみを申し上げなきゃならない気持ちになるわけなんですけれども、この亡くなられた方以外にも、中小企業を中心にした企業でもたくさんの被害が出ているわけでありますので、阪神・淡路大震災によって被災した中小企業の被害状況というものを、今までも説明していただいておるんだと思いますが、ごくかいつまんで簡単に説明してください。
#76
○政府委員(鈴木孝男君) 被害状況につきましては、中小企業庁といたしましては近畿通商産業局、兵庫県、神戸市、中小企業関係団体等から情報を入手するように努めているところでございます。
 中小企業の全体の被害額でございますけれども、地方自治体あるいは中小企業団体等からこれまでに受けました報告をベースにいたしましてマクロ推計をいたしましたところでは、一兆九千億円と見込んでおります。
 また、具体的な企業につきましてはいろいろな調査がございますけれども、一つ御紹介いたしますと、神戸市が調査しましたものによりますと、工業関係では千五百五十四社を対象として調査いたしましたところ、三百六十三社、三二%が損壊等の被害を受けているという結果になっております、
 また、商業関係では、商店街、これにつきましては二百十六の商店街、店舗数でいきますと九千六百三店舗を対象にしました調査ですと、三千百一店舗、約三二%が被害を受けているという結果が出ております。
 また、兵庫県には小売市場が大変多うございますが、八十の市場二千四十八店舗を対象にいたしましたところ、四五%の九百三十店舗が被害を受けている、こういった状況でございます。
#77
○翫正敏君 被害を受けたその事業所の中で中小企業の事業所の割合が非常に高いと思うんですけれども、パーセントで示してください。
#78
○政府委員(鈴木孝男君) 先ほどお話ししましたのは神戸市とかあるいは神戸商工会議所等、中小企業を主体にしたものでございまして、全体が中小企業の形でどうなのかというのはございませんが、先ほどマクロ推計で一兆九千億と中小企業関係述べましたけれども、その際、通産省全体、産業の全体では二兆九千六百億円でございますので、それの内訳として一兆九千億中小企業があると御理解いただければと思います。
#79
○翫正敏君 次に、労働省に来ていただいておると思いますのでお尋ねしますが、阪神・淡路大震災後に被災をした企業から解雇された労働者の人数を示してください。
#80
○説明員(井原勝介君) 被災をして解雇された労働者数というものを具体的に正確には把握しておりませんが、震災後一カ月間におきます兵庫県全体の安定所に出てきております新規の休職者数で見ますと約二万三千五百件となっておりまして、前年の二月分と比べまして約四割増というふうになっております。
#81
○翫正敏君 その人数というのはパートで働いておられた人も含まれていると、こういうふうに理解していいですか。
#82
○説明員(井原勝介君) そのとおりでございます、
#83
○翫正敏君 こうした失業された方に対する給付金の支給状況はどのようになっているか、概略を示してください。
#84
○説明員(井原勝介君) 失業給付の状況につきましては、同じく震災後一カ月間の状況でございますが、全体で約一万二千件受給資格の決定が行われております。内訳で申しますと、このうち再雇用を予約して一時的離職をした者に係るものが五百件、事業所の休廃止に伴いまして賃金を受けられない状態で休業している者が約三千五百件ということになっています。
#85
○翫正敏君 今後失業給付の期限が切れて全く無給になるという、そういう失業者の方が出る可能性ももちろんあると思いますが、こういう失業給付のお金も現在もらっていない人、それから今後期限が切れてもらえなくなる人、こういう人に対してはどのような対策を考えておられますか、また実行しておられますか。
#86
○説明員(井原勝介君) まず、雇用保険の被保険者となるべき者でありまして手続がなされていないという方々もございます。そういった方々につきましては、労働者から請求がありますれば、被保険者であった期間につきまして一定期間遡及して確認を行った上で失業給付を支給するという措置を講じております。
 さらに、そういった被保険者とならない人たち、あるいは給付を受けている人たちにつきましても給付日数が終わりますと受給できなくなるわけでございますが、そうした方々に対しましては、できるだけ早く就職をしていただくということで、職業安定所におきまして職業相談、職業紹介等をきめ細かく実施をしていきますとともに、全国安定所のネットワークを通じまして広域的にも就職をしていただくといった措置を講じているところでございます。
 さらに、就職するに当たりましては新たな能力を開発していただくということも必要になってまいりますので、そうした場合には無料で公共職業訓練を受講できることとしまして、その受講期間中の訓練手当等を支給するといった措置を講じております。
#87
○翫正敏君 そういう状況ですので、大臣に決意のほどをお伺いしたいんですけれども、今までもさまざまな中小企業への震災の被害対策をとってこれらたわけですけれども、今後の決意のほどを少しお述べいただきたいと、このように思います。
#88
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、雇用の場の方のお話が出ておりましたけれども、私どもは一番何といいましても仮設工場、仮設店舗を急ぎたいということで今日まで努力をしてまいりました。
 それは、働く方々御自身にとりましても職場の確保という意味で仮設工場等は急ぐわけでありますけれども、同時に中小企業あるいは零細企業の経営に当たってこられた方々の立場から申すなら、立ち上がりがおくれればおくれるほどそれまで働いておられた熟練した作業員が他の方へ行ってしまうということでありまして、おくれて工場ができ上がっても肝心の働き手がいないという状態もつくりかねません。これは両方の要因があると思います。それだけに、私どもは仮設工場等の建設を急いでまいりましたし、これからもまずそういう努力を一方ではいたしたいと思います。
 同時に、必ずしも中小企業ではございません、むしろ大企業に分類される企業でありましても非常に大きな被害を受けたところがございます。これらには、その系列につながる中小の事業者が多数ございます。これはそれぞれの中小企業が被害を受けておりませんでも、その親企業である大企業が立ち上がらなければ仕事が出てこないという状況であります。
 これは、労働省にも大変御配慮いただきまして、雇用調整助成金の対象にしていただくといった措置も講じ、働き手が散らばらない工夫をまずいたしました。そして今、開銀融資等も含めましてそれぞれの親企業の立ち上がりも支援をいたしております。これらが一日も早く立ち直ることによりまして系列の企業に働く方々にも仕事がきちんと回りますように必死で努力をいたしております。
 なお、これから考えなければならないこととして、政府あるいは政府関係機関の調達において中小企業のウエートをできるだけ高めていく中に、被災地の中小企業のシェアというものをどれだけ確保させていただけるか。言いかえれば、仕事の結果を受けとめる場所をつくることであります。既に中小企業庁長官の方から各省に対し、こうした点への協力の依頼もいたしておりまして、この後も思いつくままにできる限りのことをしてまいりたい、そのように考えております。
#89
○翫正敏君 一層の御努力を期待いたします。
 なお、先ほど震災によって失業されたというふうに推定される方の人数が二万三千五百人という数字がありましたけれども、今後被災した企業が再建されていく過程というものが出てくると思いますが、そういう中で労働者を新たに雇用しようとする場合、震災で解雇された人を優先的に雇っていくという、こういうことはぜひやっていただきたいというふうに私は思うんですけれども、政府としての立場でこういうことを指導できないかと思うんですけれども、大臣の方から所見があればお示し願えませんでしょうか。
#90
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、当然のことながらそうした点の御配慮は既に労働省においてもさまざまな形で御努力をいただいておると思っております。ただいまの御要請は、労働大臣並びに災害対策担当大臣にもきちんと伝達をいたしたい、そのように思います。
#91
○翫正敏君 未曾有の大震災でありましたから、これから立ち直っていかなければならないということで、政府としてもそのためおさまざまな援助、さまざまな協力をしていかなければならないと思いますので、大臣を初めとして政府全体としてさらに一層の御努力を賜りますように心からお願いと期待を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#92
○委員長(石渡清元君) 以上をもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省所管のうち中小企業庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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