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1995/04/26 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
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1995/04/26 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号

#1
第132回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
平成七年四月二十六日(水曜日)
   午後三時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         三重野栄子君
    理 事
                野村 五男君
                増岡 康治君
                一井 淳治君
                大脇 雅子君
                広中和歌子君
                乾  晴美君
                立木  洋君
    委 員
                岡  利定君
                佐藤 静雄君
                関根 則之君
                楢崎 泰昌君
                南野知惠子君
                吉村剛太郎君
                久保田真苗君
                谷本  巍君
                長谷川 清君
                浜四津敏子君
                星野 朋市君
                笹野 貞子君
                西川  潔君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        堀籠 秀昌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (派遣委員の報告)
 (産業・資源エネルギーに関する調査会最終報
 告骨子案に関する件)
 (経済の構造的変化への適応の円滑化に関する
 臨時施策案に関する件)
 (企業によるフィランソロピー活動(社会貢献
 活動)の推進施策案に関する件)
 (新エネルギー・システムの導入促進に関する
 施策案に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○会長(三重野栄子君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。
 まず、先般本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。増岡康治君。
#3
○増岡康治君 委員派遣の概要について御報告申し上げます。
 去る二月一日と二日の二日間、一井理事、南野委員、山口委員、牛嶋委員、長谷川委員と私、理事増岡の六名は、新潟県において産業・資源エネルギー問題に関する実情調査を行いました。
 以下、その概況を御報告申し上げます。
 一日目は、長岡市の株式会社レーザー応用工学センター、燕市の株式会社遠藤製作所、三条市の北陽産業株式会社を視察いたしました。
 株式会社レーザー応用工学センターは、レーザー応用技術の推進のために、国の研究開発基盤事業の一環として、新エネルギー産業技術総合開発機構、新潟県、長岡市及び民間企業三十八社の共同出資によりまして、第三セクター方式で平成二年三月に設立されました。同社は、高田カレーザーを初め、最先端かつ多様なレーザー応用技術の研究設備を集中的に整備しておりまして、産官学の共同研究の場を提供することによって、内外の研究者の共用に供しております。
 レーザーは大きな光エネルギーを一点に集中して広範囲な加工ができ、しかも分子、原子を操作して物質を変換でさるすぐれた特性を持つエネルギー源であります。その応用領域は、材料の切断、溶接などを初め、表面改質などを通じて医療、バイオテクノロジーなど広い分野に及んでおります。レーザー応用技術の普及のために同社の今後の役割が大きく期待。されております。
 次に、最近の急激な円高により大きな影響を受けております輸出産地の実情を調査するため、燕市と三条市の関係企業を視察いたしました。
 燕市はステンレスを素材とした洋食器、台所用器物、調理用具などのハウスウエアの産地であり、三条市は鉄を素材とした作業用工具、機械加工関連製品の産地であります。
 隣接した両市ではありますが、燕は加工関連のプレス、熱処理、研磨などの技術の集積地であるのに対しまして、三条は板金、プレス、鋳鍛造、熱処理などの技術の集積地であります。類似した技術を有しながら、ステンレスと鉄という素材の違いから、地域の産業として展開の方向に相違をもたらしております。
 燕市の株式会社遠藤製作所は昭和二十五年に設立され、資本金九千万円でありますが、最近ではゴルフクラブを中心に、業務用厨房用品、家庭用器物、精密機械部品、金型など多分野にわたる製品を製造しております。同社は、金属製品製造業という範囲にとどまりながら、時代の変化には製品の転換、多角化等柔軟な発想と、それを具現化する技術力で対応しております。
 これに対し、三条市の北陽産業株式会社は昭和二十三年に設立され、資本金九千五百万円でありますが、会社設立の後、営業範囲を作業用工具製造のほか、不動産、保険代理業、ホテル、保育園等へ広げて別会社として独立させ、これら全体を北陽グループとして形成しております。この中で、北陽産業株式会社は一貫して作業用工具の生産を手がけながら、各種金属部品、機械加工等の分野にも進出しており、最近では自動車部品の排気ガス防止機器の研究開発に取り組んでおります。
 現在、これらの企業は産業構造の変化に対応して内需への転換、事業分野の多角化等、真剣な努力を重ねておりますが、これらを支援するため、設備投資促進策等、その創造性を生かすためのきめ細かな施策の実行が重要であります。
 二日目は、柏崎市の帝国石油株式会社天然ガス試掘井「東条TS−1号井」、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所、上越市の株式会社上越ウイングマーケットセンターを視察いたしました。
 我が国は、石油、天然ガスのほとんどが輸入ですが、国内の油・ガス田は新潟、秋田両県を中心に分布しております。帝国石油株式会社は国内産石油、ガスの生産及び探査を行い、新潟県においても積極的に探鉱を進めておりますが、柏崎・長団地区は県内においても豊富な天然ガス産出地域であります。
 試掘井「東条TS−1」は柏崎市の東方十一キロメートルのところにあり、周辺には大規模ガス田である南長岡・片貝ガス田と吉井・東柏崎ガス田が存在しており、そのほぼ中間に位置しております。
 ガス田の探鉱開発には長い年月と巨額の開発投資を必要とし、しかも、危険負担が大きいと言われております。当試掘井の地下深部には、先に開発に成功いたしましたガス田と同様の地質条件を備えていることが想定され、鉱床形成の可能性があることから、昨年八月より掘削が行われております。予定深度は五千五百メートルとのことですが、こうした貴重な国産エネルギー開発を着実に推進するために、一層の条件整備が望まれます。
 これからの主要電源として原子力の比重が高まってきておりますが、原子力発電は一つのサイトで大容量発電が可能なことが特徴であります。
 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所は、現在、建設中のものを含めて七基の原子炉を擁しており、これらが完成いたしますと総出力は八百二十万キロワットと世界最大規模の原子力発電所となる予定であります。当発電所は、昭和四十四年に柏崎市、刈羽村が誘致を決定、地元との調整手続が進められましたが、昭和五十三年に第一号機が着工され、その後、平成二年までに五基が完成し、営業運転を続けております。
 原子炉の形式は、運転中のものが出力百十万キロワットの沸騰水型五基、建設中のものが出力百三十五万キロワットの改良沸騰水型二基であります。
 原子力発電所は安全性の確立が不可欠な条件であります。このため、多重防護という基本的な観点に立って、誤操作によるトラブル防止のためのインターロック機能、機械故障時の安全性確保のためのフェールセーフ機能、異常時の原子炉自動停止装置、ECCSと呼ばれる非常用炉心冷却装置等を備えております。
 また、今後の立地については、特に地震に対する安全性についても十分に国民の理解を求める必要があります。このため、原子力発電所の設計、施工、運転に係る安全の確保が図られるよう、厳格な耐震設計とともに、震災時の行動指針の整備等、各種地震対策の強化を図ることが重要であります。
 株式会社上越ウイングマーケットセンターは、我が国初の本格的なパワーセンターとして昨年七月に営業を開始したものであります。パワーセンターは、家庭電気製品や食料品などの各種専門の安売り店が多数集積した郊外立地型の小売商業施設であります。商品の価格が安く、種類も豊富な上、広い駐車場を有し、交通アクセスもよいためアメリカにおいて急速に伸びてまいりました。
 上越ウイングマーケットセンターは、地元の土木工事業の株式会社新進商事が事業主体で、同社系の株式会社ウイングが運営主体となっております。主な出店店舗は、大型店は食肉、食品雑貨の株式会社カーボーイ、衣料品、日用品の株式会社パティオ、株式会社水澤家具等で、このほかに地元の専門店等約九十店舗が出店しております。店舗面積は三万七千平方メートル、年間予定販売額は三百五十億円となっております。商圏としては二十キロメートル圏を想定すると人口二十五万人となっております。同社は、商圏人口が問題になると思われますが、北陸自動車道のそばという立地条件から見て広範囲な集客力が予想されております。
 従来のショッピングセンターは、特定の大型小売店が核店舗となって店舗展開を進める形が一般的でしたが、パワーセンターは人件費、流通経費等を合理化して、低価格商品の提供を図る等、あくまで消費者の側に立った新しい商業のあり方を推進しているのが特徴と言われ、今後の展開が注目されております。
 以上でありますが、最後に、今回の調査に当たりまして御協力をいただいた関係各位に対し厚く御礼申し上げて、私の報告を終わります。
#4
○会長(三重野栄子君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
#5
○会長(三重野栄子君) 次に、自由討議を行います。
   〔会長退席、理事一井淳治君着席〕
#6
○理事(一井淳治君) 前回までの調査会の議論を踏まえまして、理事会において産業・資源エネルギーに関する調査会最終報告骨子案をまとめております。
 また、前回までの調査会の議論の過程で述べられた意見、提言の中で、何点か立法化の提唱もあり、理事会において協議を重ねた結果、経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時施策案、企業によるフィランソロピー活動(社会貢献活動)の推進施策案及び新エネルギー・システムの導入促進に関する施策案の三件を立法化の検討を行う施策案として選定を行いました。
 本日は、この四案につきまして自由討議を行いたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、四案を産業分野と資源エネルギー分野に分け、前半に産業分野、後半に資源エネルギー分野について委員相互間で自由に意見の交換を行いたいと存じます。
 それでは、まず産業・資源エネルギーに関する調査会最終報告骨子案のうち、産業分野及び立法化検討施策案のうち経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時施策案、企業によるフィランソロピー活動(社会貢献活動)の推進施策案について意見交換を行いたいと存じます。御発言のある方は挙手を行い、私の指名を待って御発言をいただきたいと存じます。
#7
○岡利定君 理事の皆さん方の大変な御努力で本当にうまくまとめていただいていると、読ませていただいて思っております。そういう意味で非常に技術的かもわかりませんけれども、表現の仕方についてちょっと御検討いただけたらと思ったものですから、一点だけ発言させていただきたいと思います。
 この調査会報告骨子の新しい産業分野への構造転換ということの中で、情報通信だとか環境、福祉等の分野への進出という点がこの二ページから三ページに述べられておりますが、その中で、「なお、省庁間の意思統一がない下で、情報通信産業が将来産業として成り立ちうるかは疑問であるとの指摘がなされた。」という表現があるわけでございます。確かに省庁間の意思統一がない中でやっていくということは大変難しいということはわかるわけでございますが、この分野は世界的にもあるいは国内の面でも非常に期待されている分野であるということで、当調査会の報告の中でも、否定的な書き方じゃなくて肯定的な書き方をされてはいかがかなと。
 というのは、政府は去年から総理大臣をキャップとしての高度情報通信社会推進本部なるものを設置し、そしてことしの二月にも高度情報通信社会推進に向けた基本方針なるものをつくって、できるだけ統一方針のもとに進めていこうと努力をされておるわけでございますので、そういうことも含めてということもありましょうけれども、もう一つはやはりこの分野は非常に大事だということから、例えばの話ですけれども、将来大変重要なものであるんだから、省庁間の意思統一をした上で進めていくことが必要だという指摘があったとかというような前向きの表現に変えられるのはいかがだろうか。そうでないと、このなお書きですとやや否定的に感じられるのかなと思いましたのでちょっと御意見具申し上げました。
#8
○増岡康治君 今のお話はどういうときに出た議論なのかな。こういう議論が出ましたですか。ただいまの先生がおっしゃるような各省の意思統一がない、それが大きなネックだというような議論がありましたか、この会議で。
#9
○立木洋君 私がしゃべりました。
 新聞で報道されている限りにおいても、各省庁間でいろいろ意見が異なっているように見られる、だからもう少し省庁間で統一したやり方をするのがいいんじゃないかということが一つ。そして、アメリカでいろいろ視察してきた経過がありましたので、情報産業をやればすべてがうまくいくというふうに余り誇大に言わない方がいいと。つまり、一極集中も解除されるし高齢化社会にも対応できるし、何か情報産業がうまくいけばすべてが解決できるんだというふうな表現が一部見られるので、そういう点は考えた方がいいんじゃないかと。ですから、この情報通信産業が将来産業として成り立ち得るかどうかは疑問であるということは私はしゃべっていません。
#10
○増岡康治君 だから、岡先生の言ったように肯定的な意味で書かないと確かにちょっと趣旨がおかしいなと思いますね。
#11
○長谷川清君 今の三ページの件、これの一番大事なところは、やはり六百三十兆の公共投資の重点的な方向を早く示すべきですね、四の五のあるでしょうけれども。そのことがここでのポイントになると思います。
#12
○広中和歌子君 それであるんだったら、やはりこれからの新産業分野として情報そして環境産業、もう既に十何兆という予測がされているぐらいですから、情報、環境そして高齢者福祉産業をこれできっちり書いた方がいいんじゃないかと思うんです。
 そして、「疑問であるとの指摘がなされた。」というところでございますけれども、もし立木委員がよろしければ、情報産業というのは非常に大切な分野であるだけに一日も早い省庁間の意思統一が必要であると、そういうふうにおさめていただければいかがでございましょうか。
#13
○久保田真苗君 二つあるんです、この分野で。
 一つは、一番初めの「我が国の産業経済をとりまく環境の変化」というところで、成長の低下と構造の変化というふうにあるわけです。私はここに、取り巻く大きい環境の変化としてUNCEDでも、その前の環境会議でもキーワードとなってい至言葉がありますね、それは持続可能な発展という言葉なんです。それを私はこの前半にも後半にも入れていただきたいと思うんです。それが一番大きい国際的な環境の変化になっていくことは明らかだろうと思っているんです。
 それから、今の括弧一の中の文言なんですけれども、ここに「こうした経済構造下において」「高齢化社会の到来に対応した福祉関連産業の発展と雇用の創出、情報化の進展による関連産業の急速な成長、流通形態の多様化に対応した」と、私は、もしできましたら、ここに環境保全型産業とかリサイクル型産業とかを、それは新しい雇用分野を提供すると思いますので、そういう形で入れていただきたいなと思うんです。その中にはもちろんリサイクルがあり解体業があり、それから新エネルギー関係がありコージェネレーションもあり、あるいは資源やなんかを効率的に使っていく新しい技術と産業、そういう分野を一つ追加していただければと思うわけです。
 どうもありがとうございます。
#14
○大脇雅子君 四ページですが、労働市場の変化と雇用に関しまして「中長期的に取り組むべき労働関係問題」というところがありますが、ここでは「女性や中高齢者等の雇用促進」云々とありますが、そこで最後の一行に、「加えて国際的に見て公正な労働基準の確立も要請されてきている。そこで労働時間短縮の推進等の必要な施策を行う」というふうに書いてありますが、労働時間短縮と同時に、今回日本でもILOの百五十六号条約が批准されましたが、いわゆる家族的責任、子供の養育だとかそれから老人の介護や、その他保護を要する近親者に責任を持つ男女労働者の働きやすい職場環境の整備、これが非常に次の世紀に対して整備すべき問題であろうと思いますので、「労働時間短縮の推進等」の前に、家族的責任を負う男女労働者の働きゃすい環境整備とかという言葉を入れていただけたらと思います。
#15
○理事(一井淳治君) 会長代理は余り発言しない方が本当かもしれませんけれども、これは一応骨子を調査室がまとめて出しているだけでございまして、今後これに対して相当大幅な肉づけができますので、完成されたものはこれとは全く変わったもっと分厚いものになってくると思います。
 ですから、きょうの御議論はここに書いてあることに余り限らないで、この論点についてはこういった問題も忘れないでやっておいてほしいとか、御自由に御意見を賜ればよろしいんじゃなかろうかというふうに思います。
#16
○楢崎泰昌君 二点申し上げたいと思っています。
 一つは、企業によるフィランソロピー活動の推進施策ということなんですが、これは星野委員と私と一生懸命議論してきたし、もう随分いろんな方が議論されたわけですが、そのときに私どもが議論させていただいたのは税金の話を随分やったんですね。ところが、これは税金がさっぱり欠落しちゃっている、何のための法律じゃと、こういう感じが非常に強くするんです。
 いろいろ伺いますと、税金の話というのは法人格の問題とかいろんな問題があってなかなか難しいんだよという話がありましたけれども、私どもは立法府の人間ですから、それは税金の話だって何だって、法人格の話があるなら法人格の話も含めて議論をすべきではないかというぐあいに思うんです。
 それで、今、広中先生が多分ボランティア基本法ですか何か一生懸命おやりになっておられて、それと隣接している領域の話だと思いますけれども、フィランソロピーの話は、まず企業がいかなる社会的あるいは地域的な貢献ができるのか。そして、二十一世紀の社会の中で企業が社会貢献もするという意味で、そのレーゾンデートルがあるだろう。特に諸外国に進出している日本企業はそこの点が欠けているね、日本においてもそうだね。そして、例えば阪神大震災に際してボランティアが大きな活動をした、しかし、それに対して企業とかなんとかがどのような貢献をなし得たんだろうかということも頭の中に置いておかなきゃいかぬ。
 そうすると、社会の中で企業がやるボランティア活動というのかフィランソロピー活動というものに対して、経費で落ちるものは別として、経費で落ちないものが随分あるんですね。例えば非営利団体に対する援助、これは税金がかかるからやらないということになっているということに着目していろんな議論が行われたわけですから、当然ここの中で税制に関する話が書いておかれねばならぬ。
 税制というのは非常に難しいんで、本当の任意団体にばかばか寄附をして、それでそれが税金控除になるという性格のものでもないんではないかという議論が行われるし、それはやっぱり法人格が欲しいという議論も当然行われる。そうすると、民法法人というのは最近非常にうるさいですから、簡単に設立てきるということは一つの要件でございましょうし、税金を免除するということになればそれなりの資格要件というものも持っていなきゃいかぬ。余り規制をやっちゃうとかえってぐあいが悪いのかもしれないけれども、やっぱり税金というものと関与してくれば何らかの要件がどうも必要だというようなことが、これはここで議論がなされなければならないし、書いてもらわなきゃ困る。
 それで、特に広中先生の方がどういうぐあいにやっておられるのか詳しいことを存じませんけれども、ボランティア基本法との関連において、恐らく民間非営利団体について基本法をつくられるんだと思いますが、それとの関連を明らかにしていかなければならぬ。どうも自民党が乗っているのか乗っていないのか僕は余り詳しく知らないんですけれども、それはともかくとして、これから個人のボランティアというものを非常に重視するという意味では当然そうなってくるはずだと思っています。
 それからさらに、企業が従業員のためにフィランソロピー活動に参加する、まあボランティア活動と言った方がわかりやすいと思いますけれども。そういう場合に「業務に対する影響等を考慮した上でこと、うまいですな、もうちょっときちんと書けぬかいなというような感じが一つします。
 それからさらに、フィランソロピーという言葉ですが、私も舌をかみながら言っているわけですけれども、何でこれを日本語で書かないんですかね。括弧書きで社会貢献活動と書いてあります。この訳がいいかどうかは私はよくわかりませんが、これはやっぱり日本語で書くべき性格のものじゃないんでしょうか、そんな感じがいたすということが一つでございます。
 それから、「経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時施策」という御提案がございまして、これは大変恐縮な話なんですけれども、ぱっと感じますのは、どうも大きな政府という印象が非常に強く出てくるんです。そして、ここにも書かれておりますけれども、加工組み立て型製造業等については何らかの形の、これは余計なことをやっているというぐあいに私は思いますけれども、これにさらに枝葉を生やしてそれを支援するサービス業について云々、こういう発想でございます。私は、特にここの中で書かれている内外価格差というものを軸として物を考えるということについて相当の疑問を感じているところでございます。と申しますのは、サービス業というのは実を言えば人件費の塊なんです。その人件費の塊のところで雇用問題に思いをいたさずして何をやるのかなという感じが非常に強いんです。
 この前、やはり自由討議のときだったと思いますけれども、産業の空洞化に応じて我が国の雇用問題について大きな影響が出てくるだろう、それについて論じなければならないじゃないか。我が調査会は従来雇用が足らなくなるよ足らなくなるよということを主として一、二年目は論じていた。しかし現時点においては、もう雇用が余ってくる情勢があるばかりじゃなくて、賃金が上がらないという状態に今少しずつなり始めている。そういうような状態の中で、まあこれは雇用の問題も当然入っているんだと思いますけれども、雇用の問題は抜きにして内外価格差ということだけに着目してやられても困るなと。
 それから、もう一つ付言させていただきますと、どうも大変失礼な話ですけれども、これは具体的に何を言っているんだかよくわからない。いろんな壮大な計画だとかなんとかというのはありますけれども、それこそ計画倒れになる構想が強いなというような感じがいたします。
 もう一点つけ加えさせていただきますと、「公正取引委員会との関係」ということで公正取引委員会との調整のことを書かれているわけですが、規制緩和で自由化だと言っているときに、これは談合しろと言っているわけですね、ちょっと極端な言い方で申しわけありませんけれども。どうもそういうことかなという感じも若干感じておりまして、私は法律案という点からいうとどうもちょっと疑問があるなというような感想を持っていることを申し上げたいと思います。
#17
○乾晴美君 企業によるフィランソロピーの活動のことなんですけれども、これは日本の国内のことを問題にしているようですけれども、これから青年海外協力隊などのように多く外国に出ていくボランティアというか、そういうことについては全然触れられていないように思うんですが、やっぱりそれは別に考えるべきなんでしょうか。少し触れておくといいのになという感想を持っております。
#18
○立木洋君 今、楢崎さんのおっしゃったことについて若干開運して、私もそういう感じがするんです。
 何カ所かで円高の問題に触れているんですが、その一番最初の書き出しが、「最近の急速な円高の進行は、」「空洞化が懸念されている。」と。円高は前提としているような格好になってしまうんで、円高問題それ自体についてもやっぱり少し考える必要があるんじゃないかという気がするんです。
 最近の報道を見ていますと、日本の閣僚の中でもいろいろ批判も出ていますし、それから業界でも今のアメリカなんかの対応の仕方にいろいろ批判的な意見も出ているわけです。プラザ合意からの事態というのは、だんだん円高が進んできてもう八十円台を割るみたいな状態にまでなってきている。今まで見てみると、結局、円に対してだけじゃなくてドイツのマルクに対しても、それからスイス・フランに対してもドルは大変に低落しているわけです。
 だから、もう基軸通貨であるドルの全面的な低落、それに対してアメリカが責任を持った対応をしているのかということになると、最近のいろいろな交渉の実態を見てもなかなかそうなっていない。クリントン政権は、日米通商交渉の中では、円高は最高のてこだというふうな主張までされているようだし、結局、ドルの安定で政策的な努力を放棄しているんじゃないかとまで考えられるような状態になっている。これは二月のG7で出された、為替相場は経済の基礎的条件を反映させるべきだということが為替安定の国際的な合意になったわけですけれども、それが無視されているんじゃないか極端に言えば。そういうことまで指摘できるような状態になっている。
 一九八二年からちょっと調べてみますと、十二年間にアメリカは一兆一千億ドルの経常収支の赤字をつくっているんですね、これは大変なドルの垂れ流しですよ。だから、この赤字を減らすために節度ある財政政策、金融政策、通貨政策をアメリカに求めるというのは私は当然じゃないかというふうに思うんです。閣僚、大臣の中でもいろいろそういう指摘もあるようです。ところが、ことしの二月にアメリカが発表した予算教書を見てみますと、九六年度の財政赤字を一千九百六十七億ドルまで四年ぶりに拡大するというふうになっているんです。縮小するどころか拡大していくと。
 だから、やっぱり日米の経済関係というのは非常に緊密ですから、日本の経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時施策を、こういう大変なドル安の状態を是認したままで考えることはできないんじゃないか。だから、その点はもっとメスを入れる必要があるんじゃないかということが、最近特に円高の問題を通じて痛感している点です。
 それから、もう一つの問題というのは、円高が進むとやっぱり何とかして競争力を強めなければならないというふうなことでリストラが行われる。そうすると賃金が結局抑えられて、中小企業も大変な状態になる。そういうリストラを進めることによって国際競争力がまた強まってきて、そして貿易がふえて、それで黒字になって円高になる、こういう悪循環だというのがこれまでも何回かここで議論されたわけです。だから、そういうことにメスを入れてやるということになると、ここで言うような輸入を拡大するというふうなことでその問題が解決されるのかというと、なかなかそうではないんではないかというふうな気もします。
 それから、内外価格差の問題について言うならば、為替レートと消費者物価の購買力平価との乖離が一番問題になるわけで、一九八〇年代の半ばごろまでは大体均衡しておったんです。それが今大変な乖離の状態になっているという点に、この内外価格差の大きな問題があるんではないかというふうに言えるわけです。だから、今言ったような賃金の抑制、あるいは中小企業の単価の切り下げ等々の問題に目を向けないで、競争力を増すという方向で、企業に対する援助が拡大するということだけが問題になるならば事態は改善されないんではないだろうかと思います。
 ですから、対応策の基本としては、前々から私の方としては主張している、海外に進出する企業については適切な規制措置やリストラに対する支援策というのも見直す必要があるんじゃないかという問題と、それから、内需拡大策の基本にあるのは個人消費のための購買力の増強策ですから、賃金を抑えるという問題ではなくて、それから中小企業の単価切り下げ等ではなくて、これらの問題に対するあり方も考える必要があるんではないか。
 そして日本で言えば、そういう競争力を増強するだけの企業に対する支援策というのは、こういう今日の円高が進んでいる状況の中では、経済の構造的変化への適応の円滑化の施策にはなり得ないんじゃないかというふうな感じがするので、この点については若干意見を述べさせていただきたい。
 以上です。
#19
○長谷川清君 この産業・資源の調査会で活動してきた一般的な国内における産業全体のこれまでのまとめ、経緯はみんなちゃんと入っているんですけれども、これは僕はいいと思いますが、その後、ついせんだって三十二年ぶりに電気事業法の改正が既に行われ、石油においても行われ、そこに競争原理が取り入れられて電源の自由化、そういうことは今日的に今の時点から見ると非常に大きなこと。その大きな電気事業法の改正や石油法の改正が行われた具体的な事実というものはどこかに入れておく方が私は今日的でいいと思うし、そのことが入ることによって、後で審議いたしますエネルギーという分野と関連が出てくると思うんです。それが一点。
 それから、今もちょっと議論になっております内外価格差とか料金とかそういうものを書く場合には、単独でそれだけをつまみ出すというんではなくして、エネルギー以外のものでありましても、産業は良質な商品を安定的に供給するということがまず一つあります。それと、環境に優しいということと料金は二律相反する概念です。料金だけを下げようと思えば環境を悪化してでも、環境コストを投入しなければその分料金は安くなるんです。それと、楢崎さんも言われたように雇用とか賃金とかという問題。いろいろファクターが絡んでおるわけですから、だから内外価格差ということだけをぽんと取り上げて、それを単純に下げればいいという議論は現実的でない。そういう点はやはりちゃんと文章の中でわかるように明記しておく必要がある、そのように私は思います。
 総合的、中長期的、そして利益者一人一人にいかなる高い利益をもたらすか。使う側の方の消費者から見ますると、単に料金だけが安ければ本当にいいのか、必ずしもそうではない場合があります。環境は満たしてもらわなきゃ困ります、そして安定供給は必要なんですということを全部セットにして、トータルで利用者の利益を高める、そういう視点がないとこれは片手落ちになる。私は、楢崎先生が先ほど言ったことの言葉をかえればそういうことではないか、それが正しい態度だ、この二点をこの中では申し上げたい。
#20
○谷本巍君 内需主導型経済の部分で、三ページの冒頭に公共投資基本計画の予算配分をめぐって生活関連分野への重点配分ということが強調されております。この点を私はもっと積極的な位置づけを図るべきではないのかという気がいたします。
 といいますのは、これまで円高が年々進んできた。円高は進んでも貿易黒字というのは減らない、逆にふえるというような状況が続いてきたわけです。なぜそういうことになってきたのか。いろいろなことが考えられるでしょう。一つは、例えば国内価格を維持してそれでもって輸出の方を安い値段で維持する、対応するというやり方もあったわけですし、またサービス残業等に見られるような長時間労働の問題もあったでしょうし、それから主婦パートの労働力の動員といったようなもの等々もあったと思うんです。
 そういう問題が際限なく起こってくる土壌というのは一体何なのか。一つには住宅問題もあるでしょうし、あるいは老後の問題つまり福祉問題もあるでしょうし、あるいはまた教育費の問題等々もあると思うんです。そういう中で、この生活関連への重点配分ということはきちっとやっていきませんと、やっぱりこの仕組みというのは依然として直っていかないのではないだろうか。
 例えば、生活関連への重点配分で教育の問題で言えば、保育園へは全部入れる、それから大学だって全部入れたらいいんですよ、出さなきゃいいんだから、勉強しないやつは。そういうふうにして、今のように受験勉強、受験勉強でもってまた教育費の負担がさらにかさんでいくというようなやつを解消できるようにしていっただけでも随分私は違ってくると思うんです。
 今の国民生活の支出というのは、必需支出が二分の一を下回っておりましょう。二分の一以上が選択支出です。そのうちで一番大きなものは何なのかといえば、教育費ですよ。だから、そこのところが削減されてくれば今のような無理な労働はしなくたって済むようにもなってくるし、そこのところが削減されてくれば選択支出の方がもっとふえていくわけです。つまり、内需刺激ができるような状況をつくっていくことができるわけです。そういうことを考えてみれば、やっぱり生活関連分野への思い切った重点配分というのをやらないというと円高問題というのは解消できません。だから、ここのところをもっと全面的に、積極的に位置づけるというか、これが必要ではないかということを申し上げておきたいということが一つであります。
 それから、もう一つ申し上げておきたいと思いますのは、やはり円高問題と関連しまして雇用の問題が出てきておるわけです。雇用の問題が出てきているんですが、時間短縮ということを雇用問題ともっと結びつけて積極的に打ち出してみてはどうなのか。仮に時間短縮が二割できたとすれば、それによって算術的に、機械的に言えば二割の雇用をふやすことも不可能ではないというような状況をつくることができるわけです。
 ここではもちろん時間短縮の問題は触れられております。「国際的に見て公正な労働基準の確立も要請されてきている。そこで労働時間短縮の推進等の必要な施策を行う必要がある。」、こう言っているんです。これは対外関係の問題だけじゃなくて、国内的な市場自体、今のまま行ったら確実に狂うんですから、だから雇用をどうふやしていくかということとの絡みでも時間短縮の問題というのはもっと積極的に強調されてよいのではないかと思います。
#21
○広中和歌子君 その関連で申し上げます。
 たまたま先週でしたか、ニューズウイークに出ていたあるインタビューを読んだんですけれども、リフキンという方が、「雇用のない社会」というようなタイトルで本を書いているんです。彼が大学生だったころ、つまり一九六〇年代のアメリカは三三%の人がブルーカラーワーカーであった。ところが、現在では一七%に落ちた。西暦二〇二五年には恐らく、これはアメリカだけじゃなくて、世界じゅうで二%の人が働けばいいような、つまりロボットが肩がわりをするような時代になるであろう。そしてさらに、その部分だけではなくて、サービス産業の分野であっても、今現実に日本でも起こっておりますようにどんどんサラリーマンたちの立場が、雇用が危なくなっている、そういう状況があるわけです。
 これはアメリカで起こったことですけれども、当然日本でも起こり得るわけで、どうやったらみんなに満足した暮らしをしてもらえるか。
 私たちはやはり仕事を持つことによって一つのアイデンティティーというんでしょうか、セルフリスペクトというんでしょうか、ある種の自尊心を保っているようなところがありますから、仕事がなくなった状況をつくるというのはもう非常に社会不安とか起こすわけです。それだけではなくて、経済的に収入がないという状況であれば暴動も起こるかもしれない、おかしな事件も起こるかもしれないという中で、やはり仕事をどういうふうに分かち合うかということで、そういう意味でも時短というのを絶対的に入れなくちゃならないんじゃないかなと思います。
 そして、多くの仕事がコンピューター、ロボットでかわれますけれども、しかしかわれない分野というのはソーシャル・スキル・セクターとこの人は書いているんです、つまり社会分野。そうすると、人のサービス、世話をする、そういうところはだれもお金を払ってくれないような仕事です。そういうようなところに関してもっと政府が積極的に雇用をつくっていく。
 一方では、ボランティアを盛んにしなくちゃならないということがありますんで、ここに書かれているように、ボランティアを単に企業に限ることなくもっと社会全体に広げていって、すべての人がボランティアに参加しやすいような、その活動をしやすいような社会を構築していくというようなことが必要なんじゃないか。
 しかし、ただ働きでは余り長く続きませんから、そしてまた、それがたかだかボランティアと言われるようではだめですから、やはり評価のシステムであるとかある種の経済的なコンペンセーションみたいなもの、補償がもらえるようなボランティア社会というのもつくっていく必要があるんじゃないかと思います。
 ですから、企業のフィランソロピーについて提案なさると同時に、私はボランティア基本法的なものを考えておりますが、政府・自民党はもっと踏み込んだ、例えば法人格取得あるいは税制上の配慮、そういうものに焦点を当てて今検討中だそうでございます。大変結構なことだと私は思っておりますので、企業だけじゃなくて、もうちょっと幅広い視点でとらえていただきたい。
 このリフキンさんのおっしゃっていることは多少言い過ぎな部分もあるのかもしれないけれども、ある程度二十一世紀に向けて我々はその準備をしなくちゃならないという意味で、ボランティアの位置づけというのは非常に大切だろうと思います。
#22
○南野知惠子君 先ほど楢崎先生もおっしゃいましたし、今先生もおっしゃいましたそのボランティアの問題でございますが、やはりグローバルな観点に立った組織が必要であろうと。また、スボンティーニアスにいろいろな形で起こっておりますので、先ほどもおっしゃいましたように、与党の立場ではNPOという形で、ノンプロフィットオーガニゼーションという形で今検討されておるわけでございます。海外に向けては、何となくNGOという言葉が今認知されているかなと思っているんですが、それらとまたフィランソロピーという言葉と、まあそういった言葉がもういっぱいあちこちに出てくると思いますので、これをおまとめの節はやはりそれらの言葉の定義も含めていただくと、読む人が、ああこれはこういう分野、こういう分野と日本語で理解できるのかなというふうにも思います。そういったボランティアの問題点は、特に大切であろうと思っております。
 さらにまた、ここでは女性や中高齢者の活動、仕事ということにおいては働きやすい環境をつくるということもぜひこの中で取り入れて文章化していただきたいというふうにも思ったりいたしております。
 それと、仕事と関連しますと、専門分野の教育ということにも当然なりますので、そこら辺も大きな課題がいろいろな専門分野にまたがって出てくるであろうというふうに思っておるわけでございます。これは医療関係であればPSWだとかMSWだとか、そういう看護の分野においてもいろいろな問題で、専門分野とはどのようにしていけばいいかという職業または雇用の問題、外国人の労働の問題、そういったように大きく広がっていくわけなんです。
 そこで、気になるのは最近の、本当に局部的な問題でしょうが、オウムの問題で、あれだけ高学歴を持った人がどうして、まあこれは宗教だから理解できない部分もあるんだと思うんですけれども、仕事ということへの魅力よりも、そういった精神的な魅力を持って、今ある既存の仕事から離れていっているような感じがするわけなんですが、そこら辺はどういうふうに我々これから考えていかなければいけないのかなということもちょっと思ったりいたしました。
#23
○増岡康治君 今のお話ですが、これはあくまで産業という分野であったから、企業というのが頭についちゃったわけですね。
 諸先生のお話聞くと、これ立法して推進したらどうかという話があったんですが、まあ民間のお話を若干聞いてみるとどんどんやっている人はやっているんですね、現在。ここで楢崎先生がちょっと触れられましたが、新しいものをこう植えつけると、せっかくやった方々が、何かまた規制みたいなものが出てきやせぬかと。やはりプライドを持っておやりになっていますね、今。海外でも国内でも既に実行されてますわね。そういう人たちが影が薄くなるんじゃないかと。やっている人はどんどんやっているんです。
 そういうようなときに、企業という観点だけでも何かやると、せっかく一生懸命やっておった人が元気がなくなりゃせぬかという話を聞いたんですが、果たしてそういうことなんでしょうかということと、楢崎先生がおっしゃったような税制面でどうしたらいいかという話、もうちょっと聞きたいんですが。
#24
○楢崎泰昌君 先ほどちょっと広中先生が触れられましたように、政府ではボランティア活動についての委員会を各省から呼んで今大分詰めているんです。僕は詳細は新聞でしか見てないんで、具体的にいっどのような提案があるのかということはわかりませんけれども、少なくともこの提案よりははるかに進んだ提案をドラフトとしてはつくっているんです。
 私は、これはどこの省が所管するのといって実はさっき聞かれたんですけれども、これを所管する省は物すごく難しいんですよ、方々と関係している。だから、今まで各省の施策として出てこなかったんだと思います。要するに、縦割りの弊害の一つだと思うんです。
 私ども議会ですから、それは当然いろんな観点から議論ができますから、そういう意味でこれの提案を、私はこれは法制化して出すということになれば大変な波紋を呼ぶと。政府はもたもたしていますから、少なくともそっちよりこっちの方が先に多分なるんだろうというぐあいに思いますけれどもね。まあ若干ずるい考え方かもしれませんけれども。
 大体私が指摘したような点が政府の委員会では指摘をされているわけですよ。ですから、いずれにしろそれにつけ加える点があるとすれば、今仰せられたように、その周辺についてどう物を考えるかということは、私どもとしてはできます。
 ただ、増岡先生が言われたように、これは産業として取り扱っていますから、産業以外のところは何かねと、こういう話があるんですけれども、こっちは縦割り行政じゃありませんから自由自在に物を考えておやりいただいてよろしいのかなと。しかし、余りこう手を広げ過ぎちゃうと焦点がぼけちゃうから、社会貢献の中で今一番皆さんがお困りになっているのはお金なんですよ。人はついてくるんです。やりたくないという人は幾ら法律をつくったって役に立たぬわけですから。だけど、お金がついてこないというところが一番の問題なんですね。したがって、宗教団体が一番ボランティア活動を今やっている。
 ただ、阪神のあれについても宗教団体が非常にやっていますけれども、宗教団体についてはめて書くとごますったように思われちゃうからというんで、新聞は書かないわけです。しかし、宗教団体は大変なボランティア活動をやっていますよ。宗教団体は、お金もある、人手もあるということでやっているんです。
 しかし、それだけに頼ってたんじゃいかぬので、いろんな方がやっぱりボランティアをやりたいという意思を持って、あるいは盛り上がっていると言ってもいいぐらいだと思いますけれども、それを支援するために宗教団体のベースでなくて物を考えていけば、やっぱり企業がお金を出す。企業だけじゃない、これは実のこと言えば個人の寄附についても当然税制がかかわらなきゃいかぬ問題だと思いますけれども、そういうようなものをやる。そして、人をどういうぐあいにして集めるかというのは、これは政府が鐘と太鼓で集めたって何ともなるものじゃないんで、ここで言えば民間非営利団体と言われる人たちが自発的におやりになる、こういう形態に私はなるのかなという感じを持っているんですが、いかがなものでございましょうか。
#25
○乾晴美君 ボランティアの話なんですけれども、今企業がお金を出すということもおっしゃいましたけれども、このボランティアというのが社会的に評価されて、本当にすばらしいことなんだという認知をまずしていただく。そのためには、さっきちょっと教育のことも言っていましたけれども、企業そのものが入社試験をするときに、高等学校のときにどんなボランティアをやりましたか、それから大学のときにどんなボランティアをやりましたかということで、ボランティアの評価を高くすればおのずから学生も、それから企業の方も、お金だけじゃなくて精神的な面でも、また評価の面でも上がっていくのではないかというように思うわけです。
   〔理事一井淳治君退席、理事増岡康治君着席〕
 ですから、金銭の面も大事ですけれども、企業がまずボランティアをどれだけ社会的に高く評価するかということ、PRするかということにもかかっているんではないかというようにも思います。
#26
○楢崎泰昌君 仰せのとおりだと思いますよ。ボランティア活動というものを社会の中軸の中にどういうぐあいに位置づけていくか、それは恐らく学校教育の中でも当然あるわけです。だけど、しかしそうは言ってもお金がないと何もでぎぬということが問題なので、お国として何かしてさしあげることができるとすれば、それはお金という面、それから恐らく人格形成の面の教育について国として関与できるというようなことじゃないでしょうか。
 そして、ボランティアが社会的に評価されていけば、就職の際に仰せのようなことがおのずから行われてくるというようなことを頭に描いて、いや、まあ、お金大事ねと、こういう感じで物事を申し上げているわけでございます。やっぱりお金がないと何にもできないんですね。
#27
○一井淳治君 今フィランソロピー活動につきまして、お金を集める、その反面税制上の問題の御指摘があり、ほかにもボランティア団体の登録とか、あるいは情報の集中とかそういったいろいろの課題があるわけなんですけれども、私は、理事という立場で、きょう出された案について別な案を言うことはちょっとどうかという気もするんですが、私学振興財団みたいなもの、そういったものができまして、何らかの民間の法人をつくって、そこで情報とか登録とかあるいは寄附集めとかいうふうなことをして、その団体に対して寄附をしたら税制上の優遇措置なんかがあって、またその法人を非常に公正な法人にしておけば寄附金の分配なんかもうまくできるんじゃないかと考えたりしております。この間震災の問題もありまして、この調査会としてもフィランソロピー活動についてどうするかということは非常に重要な問題でございまして、きょうの議論をお伺いした次第でございました。
 それから、もう少し大きな課題といいますか、皆様方の御協力をお願いしたいことなんですけれども、三年間の調査のまとめの段階になってまいりまして、突然急激な円高の問題が起こってきて、我々の課題が二十一世紀に向けての産業政策の課題という極めて大きな課題でございますので、戸惑いもあるんですけれども、しかし目の前に起こっている非常に大変な円高という、急激に円高が進むという難関についてこの報告書で触れないわけにはいかないだろうと。ただ、この問題については、十分な論議もなかなかできていないということがございます。
 そこで、お許しをいただけるならば、個々の論議が十分こなせていない、あるいは十分にはこの調査会で触れられていないけれども、少し先走りになるかもしれませんが、報告書のまとめの中で多少前進したところまで書かせておいていただいて、事後的に先生方に十分お読みいただいて、そして文章化の段階ではいろいろ御意見を賜って加除訂正させていただきたいと、そういう思いが一つあるわけでございます。
 それからもう一つ、今お話が出ましたけれども、省庁間の縄張り争いの中で、この調査会はそういった点を乗り越えられるという非常に積極的な面もあるんですけれども、今後立法化というものが進めていけるかどうかわかりませんけれども、一応の努力をしてみよう、最大限の努力をやってみようとは思っているんですが、そういった中でどのような問題が新しく起こってくるか、これは一つの課題ではなかろうかという感じも持っております。そのことにつきましては、いろいろとお知恵をかりなくちゃいけませんので、立法化に向けて余り無理をしてもいけませんし、ここにいらっしゃる先生方のいろいろ御協力を賜らないと前進をしないと。これは国会と官公庁との関係だと思いますけれども、そういった問題も出てくると思いますので、御協力を賜りたいというふうな思いを申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、きょう省庁間の問題も出てきたんですが、結局、大きな時代の課題を乗り切っていくためには内閣法の改正といいますか、内閣総理大臣の権限が非常に弱いんじゃないかという問題、あるいは予算の編成で、一つの省の中での重みの変更はできるんですけれども、ある省の予算をこっちの方の省へ持ってくるとか、そういったことはとても今の総理大臣の権限のもとではできないような感じがいたします。この問題を取り扱うのはこの調査会としては荷が重い、この調査会は内閣の権限とかそういった問題には権限外でありますから、その問題に余り深入りはできないと思いますけれども、二十一世紀に向けてという大きなテーマを考える場合には、重点施策とか予算の重点配分とか、そういった問題についても多少触れさせていただきたいという考えを持っております。
 それからもう一つ、前の期から続いてモーダルシフトについて論議が進んでおりまして、今回の骨子にも触れられておるところでございます。この問題は、モーダルシフトがよろしいということは共通の認識になっているんですけれども、ではどういうふうに進めるかということになりますと非常に困難な課題に直面しております。
 私は個人的には、今のトラックオンリーでは環境問題とかあるいは労働力問題等で行き詰まってしまうわけですから、当面は東京−大阪間の鉄道を強化しなくちゃいけないんじゃないかという感想を一つ持っております。今の鉄道事業は大変余裕がない状況ですから、レールを敷くといってもだれもそんな力はありません。道路の場合でしたら国あるいは自治体、あるいは事業団の方が道路を提供して、利用者は自由に走れるということがあるんですけれども、レールについても一部の区間については国とか事業団とかそういったものが所有して、上を通る人は使用料を払って通過するとかそういったことを考えていかないと日本の将来の物流が十分に確保できない、日本の将来の産業の発展に支障を来すんじゃなかろうか、そんなふうな感想も持っておりますことを申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#28
○理事(増岡康治君) 今、一井先生から中身をふやすためにこういう先取りもしてみたいとか、この範囲を超えて何か書きたいと、いろいろ御希望があったんですけれども、これに対して諸先生方御意見がありましたら、どうぞ。
#29
○楢崎泰昌君 後段の方で述べられました内閣の話あるいはモーダルシフトの話等々は、そんなことを言っては申しわけないんですけれども、余り煮詰まってないんですよ。モーダルシフトの話はいいねという観念的な話はあるけれども、それじゃ経済性に乗るのかね、実現可能性はあるのかねということになってくると、どうもちょっと皆さん首をひねられていたというような感想を私どもは持っております。
 それから、円高の問題は確かに触れなきゃいけないと思うんですけれども、お触れになるとすれば、実は為替をどうするかという話では全然なくて、それが産業界に及ぼしている影響というものをどういうぐあいに我々としてはキャッチし、どういう方向性を示すかということだろうというぐあいに思っているんです。
 一つは、中小企業で下請が成立しなくなるという、橋本大臣のお話によれば約二割の中小企業者はもうどうしようもない、廃業寸前だという御報告がございますし、それから私自身は、大変恐縮な話ですけれども、産業の空洞化というよりも、加工組み立て工業等を中心とする産業は海外進出をせざるを得ない。それは昔、日本の中で東京から地方に大移動を起こしたのと同じ現象が世界的規模で行われているわけですから、それを多少緩和するために、さっき私はつくらなかった方がいいと思うと言ったような法律を通産省がお考えになったのは、成立しちゃったからしょうがないんですけれども、そういう意味からいうと、むしろ進まざるを得ないという認識のもとに立ちますと、やっぱり雇用問題なんですよ。
 さっきからタイムシェアリングの話なんかがございました。タイムシェアリングの話は一遍私も申し上げたことがありますけれども、余りこれも深く議論していない。タイムシェアリングをやるとすれば、総労働平価というか、労働の価格が大きくなるようだとどうもやっぱり日本の実勢には合わないということですから、タイムシェアリングをやるとすれば、賃金を労働者の間で分かつんだということが前提にならないと、ドイツのある自動車会社がそれをおやりになったというぐあいに聞いていますけれども、そういうようなことを前提にするのかしないのかというのをこの委員会でも少し議論をし、本当は有識者と議論をしないと問題点の指摘だけになるんじゃないかというぐあいに思いますが、いかがなものでしょうか。
#30
○一井淳治君 まとめ方は非常に難しいことですが、例えば円高の原因についてもいろんな見解がありますし、共通の認識といいますか、共通の賛同が得られる範囲ということを前提に進めていくとすれば、今先生がおっしゃられたようなことに大体限られてくるんじゃなかろうかと思います。
 そして私は、ちょっと先走りというふうに申し上げたのも、先生方の御意見は大体わかっておりますので、そういう前提でないと文章化ができないものですから、五月中にはまとめないと、後は皆さん走り出されるものですから、ですから、そういったことで今回は特別にちょっと大目に見ていただかないと、何回も開くわけにいかないものですから、そういうことでございます。
 例えば円高対策についても、内需振興こそが円高対策であるという意見もありますし、真反対に内需振興はかえって円高を招くんだという考えもありますし、その辺の議論のあるところは避けて、共通の認識のところを大体まとめていかせてもらいたいと思っておりますので、御了解を賜りたいと思います。
#31
○久保田真苗君 ちょっと一言内外価格差の問題で、それは結局雇用問題に期するのだと、そのことは確かにそうだと思います。また日本の場合、人件費、サービス業の問題があるということなんですが、ただサービス業の問題あるいは人件費についていえば、それは先進国にはある程度共通の問題で、その意味で先進国は高いと思います。
 問題は物なんでして、物についての内外価格差が大きい。つまり、今の円高でいいますと、購買力と為替レートの差は倍、もしかするとそれ以上になっているかもしれません。そうしますと、私は内外価格差というのは一つの警告のシグナルだというふうに思わざるを得ないんです。そして、それは結局、例えば輸入を制限するような障壁が政府規制かもしれないし、あるいは民間の取引慣行、参入規制みたいな民間の慣行かもしれないんですけれども、それがあるという、そのことが数字になってあらわれている結果だろうと思いますと、私はここのところで少し真剣な取り組み、つまり貿易黒字というものをどういうふうにするのかという方向を考えるということはやはり必要だと思うのです。
 確かに、雇用にも影響があるでしょう。先生のおっしゃるとおり機械産業は、特に今までリーディングインダストリーと言われたものは、既に電機の方は輸入と輸出がちゃんぽんになっています。自動車もそれを追うかもしれない。そういうことだと思いますけれども、それは私は円高だから空洞化なのではなくて、もともと海外立地するようなところに膨大な需要があるということを考えますと、私もそうなっていくであろうと。
 したがって、時間をかけるということは非常に必要なんだけれども、雇用の方も転換を図っていくということが必要だし、ワークシェアリング、労働時間の短縮というのは、日本はまだ二千時間ですからまだまだ減らす余裕があるんです。そういうことをみんなでわからなきゃいけないし、それから内外価格差を減らすという意味では、さっき言いましたように、目に見えない民間の参入障害という方がむしろ大きいかもしれない。そうしたものをどうするか。
 例えば、自動車産業はたくさん流出しています。だけれども、ドイツを見れば、輸出もしているけれども同じくらい輸入しているということがあるんで、なぜ日本では外国の車が売れないのかというと、やってくれるディーラーがいないわけです。その状態というのはすごい参入規制だろうと。
 そういうふうに私は要所要所を解決していくということはできると思うので、内外価格差が雇用問題に関係し、時間がかかるということを認めながらも、そういう要所要所に手を打っていくような道をこの調査会も勧告をしていきたいものだというふうに思っております。
#32
○関根則之君 先ほどからお話に出ている内外価格差の問題も含めて、皆さんの御意見は私も大賛成なんですけれども、いわゆる産業の空洞化というのも、ばたばたと物すごい穴があいちゃって全部外へ出ていっちゃうというような感覚の議論が行われているんですけれども、そんなことはない。
 それは大変深刻な問題ですから積極的な対応策をしていかなきゃいけないだろうと思うけれども、やはり田舎と都会で値段が違うのはある意味で当然な面もあるわけでしょうから、同じ飲む水にしたって、山で飲む水はほとんどコストはゼロですけれども、東京で飲む水は高いのは当然の話なんで、いろいろと情報、設備なんかが整っている都会でのある物の全く同じ物であっても利用価値というのは全然違っちゃうということもありますし、それからコストも違っできます。
 そういうようなことを考えていきますと、いわゆる発展途上国でのある物の値段とそれから日本におけるある物の値段とが違ってくるというのは当然のこと。同じことは労働力についても言えるのであって、日本の十分の一だとか百分の一だとかという賃金が現にあるわけですけれども、それはそれで、すべて日本の製造業がそういった十分の一の地域へ行かなきゃいけないということにはならない。
 短期的な問題と、それから長期的な問題とを区別して物を考えていかなきゃいけないだろうと思います。短期的には当然金利の問題に対する対策というものが出てくるでしょうし、いろいろな規制の緩和の問題もあるでしょう。しかし、規制の緩和なんというのは相当遅効性だろうと思いますから、そう簡単には効果は出てこないと思うんです。それから、一番長期的な問題というのは産業構造の高度化といいますか、新しい技術に基づく新しい産業の開発を日本のような国はやっていかなければだめなんだと、そういうふうに思います。
 そういう物の考え方をしますと、やっぱり円は高くなるんです。円が安くちゃ困っちゃうんです。日本は非常に高度産業社会、産業社会というよりはもっと情報産業等を入れた第三次産業分野で物すごく高度化しできますから、どうしたって日本という国は生産性がもちろん高くなりますし、そういう形で行かなきゃいけないと思いますんで、そういう問題を考える場合には、技術開発に基づく新しい産業構造への転換というものを、長期的な課題としてどうしても問題意識にとどめておいてもらいたい、そんな感じがしてならないんです。
 それから、ワークシェアリングの話が今出ているんですけれども、ワークシェアリングの話も、今二千時間働いているやつを例えば千八百時間にする、千五百時間にだんだんしていくということになるとどういうことになるのかというと、その分だけ賃金を下げりゃいいんですよ。賃金を下げればいいんだけれども、一人が千五百時間しか働かないで、しかも今と同じ程度の絶対量の賃金をもらおうとすると、これは日本における労働コストというのは物すごく高くなっちゃうんです。日本における労働コストが高くなったということが今の経済、国際的な比較において一つの非常に大きな問題なんですから、その方向というのは円高を物すごく刺激する方向と同じなんです。
 だから、それに耐えられるだけの新しい産業が開発されなければさっきの中小企業の話と同じで、全部外へ出ていかないと採算が合わないということになっちゃうわけですから、そうなってくればワークシェアリングなんか成り立たなくなっちゃうという問題もあるわけです。そこのところは非常に難しいわけですけれども、現状での技術水準だとか産業の構造だとか、そういうものをそのままにしておいてワークシェアリングをやると逆な結果になりますよということ。
 したがって、そこのところで日本の経済問題等を考える場合にはどうしたって産業構造の新しいものへ手をつけていかなきゃいけない、どうもそこのところへ帰ってきちゃうような感じがするものですから、そういう問題意識を持つ必要があるんじゃないかということだけ申し上げておきます。
#33
○立木洋君 円高の問題で、やっぱり大きな問題の一つは、直接原因には為替投機の問題があると思うんです。これは大きな問題なんですね。今の一日平均の貿易額というのが約百億ドルでしょう。実際に為替の取引というのは一兆ドルですよ。それぐらいの規模になっているというんだから、これについての規制というのは手早くやらないと、どうしても為替投機の問題というのは重要な問題じゃないかと思うんですね、一つは。
 それから、今関根先生のおっしゃった言い分に若干違う考えもあるんです。時間を短縮する、時間短縮しても同レベルの賃金を求めるということになると、やっぱり海外の安い賃金のところに企業が流れていく。これは企業の原理としては当然そうなるんです。
 ところが問題は、今の企業がやっているリストラというのは、日経連の会長なんかも明確に言っているように、今の売り上げがこれ以上伸びない、伸び方がゼロであっても利潤だけはさらに高い利潤を確保できるようにしなければならない。それが結局、だから賃金を上げるということは困るんだという論理と、それから、やっぱり中小企業にも苦労してもらわないと困るんだということになってくるので、そこらあたりもちょっと考えておいていただかないと、企業対策に対する支援という問題だけではやっぱりなかなか解決にならないんじゃないかというもう一つの面もひとつお考えいただきたいと思うんです。
#34
○関根則之君 ちょっと、お話がありましたから、一言だけ。
 いわゆる労働の取り前と資本の取り前、利潤の取り合いの話というのは当然あるんですけれども、今我々がここで議論している議論というのはその問題じゃないんです。根っこをどうふやしていくのか、雇用の機会も確保しながら産業の存立も図っていかなきゃならない、そのための産業のあり方をどうすべきかということなものですから、労働賃金の単価を下げて、それで利潤をふやすと、そんなことを私は考えているわけじゃないということだけ申し上げておきましょう。
#35
○理事(増岡康治君) ちょっと速記とめてください。
   〔速記中止〕
#36
○理事(増岡康治君) 速記を起こして。
 産業分野についての意見交換はこの程度にとどめ、次に、産業・資源エネルギーに関する調査会最終報告骨子案のうち、資源エネルギー分野及び新エネルギー・システムの導入促進に関する施策案について意見交換を行いたいと思います。御発言のある方は挙手を願い、私の指名を待って御発言願います。
#37
○長谷川清君 この七ページから八ページにかけてのところです。
 最初に八ページのところ、「地球環境問題への対応」というところでは、CO2は出ておりますけれども、それ以外の環境問題、SOxとかNOxとかそういうようなものについても日本は優等生の状況ですね。だから、これはCO2だけが書かれておりますから、CO2を書くのであれば、それ以外の硫黄酸化物や窒素酸化物などのことも並べて書いておいた方がいい。日本の現状では、CO2は八十七グラム、キロワットアワー当たり、これは欧米に比較して六割。SOxは○・二三グラム、キロワットアワー当たり、これは欧米では七・六二とまるで高い。NOxは○・三二グラム、欧米では二・九六。どうせここで書くなら、いずれも世界の中の優等生の成績ということを入れておいた方がいい。
 それから、次の「エネルギー供給体制の整備」というパートで、供給体制ということは需要があっての供給ですから、その需要はというと年々歳々、二〇一〇年に向かって一年で大体五百二十一万キロワットふえている。五百二十万キロワットといえば大型の原子力百三十万キロの大体四基分ぐらいふえる、こういう状況にありますから、需要と供給というものの中長期視点、ここでも非常に切迫しているというようなことはあると思いますが、それがもう少しくはっきりと数字でわかるように、その問題がやはり非常に大きく危機的であるというか、心配を残しております。
 ですから、次の括弧二の「原子力発電の現状と課題」というのがあります。ここでもちゃんと原子力というのがベース電源としての中核とうたってありますから、私はこれはいいと思います。
 いま一つ弱いのは、先ほどもちょっと申し上げたように電気事業法が変わりまして、電源の自由化ができます。そうすると、新規採用の電源というのは大体が一〇〇%近く石油という燃料に想定されております。その分だけやっぱり今度は環境への問題が出てくるし、よく我々が勉強したように、各参考人の先生が言ったように、世界のベストミックスと国内のベストミックスという視点から見ますると、原子力というもののベース電源の期待というか役割は、好き嫌いは別にしてますます客観的には高まると、こういう関係になってくる。そういうものについてこうでありながら、原子力はもう悪者扱いをかなり受けている。それが前にも楢崎先生でしたか、原子力三十基の計画のうちの十六基ぐらいしかめどが立っていない、そこに不安定さがある、こういう指摘がありました。そのとおりです。
 ですから、私はこの原子力の中では括弧一と二、一つはぜひ大学の理工系、それから工業高校系の社会に輩出する量がどんどん減ってきておりますのでありますから、そこら辺の質と量の確保ということ、こういう点が大事になってくると思います。
 それから二点目として、原子力というものが、今言うように必要性は高まる一方、一方においては悪者扱い、嫌われる、こういう現象が進んでおります。ですから、小学校、中学校の学校教育の中で、原子力というものの歴史であるとか今日の平和利用における現状の貢献とか、しかし一歩間違えば大変に危険なんだということの客観的な事実を小学校、中学校の教科書の中ではっきりと取り入れるということが必要だと思う。
 私は過日の商工委員会でもそのことを文部省を呼んでただしましたが、文部省はそれを是認の方向で近くやっていこうと。通産大臣もうなずいて、その方向でということまではせっかく出ておりますから、そういうものをやはりちゃんとこの調査会報告の中に明記しておくべきではないか。このことを求めたい。
 それから、今言うこの三番にも関係しますけれども、今後の対策という問題については、一つは省エネルギーというものを中長期かけて徹底的に努力をしていかなきゃいけない、これがまずベースとしてある。第二にはベース電源の安定的確保ということ、どうしても病的な不足なんですから、これをやはり二番目に。三番目には新エネルギーの徹底的な開発、研究、実用化、これに努力する。それ以外にもあるでしょうけれども、少なくともこの三点は明確に対策の中でその方向を示していくということがあってしかるべきではないか。
 以上のことを申し上げておきたいわけです。
#38
○広中和歌子君 大したことじゃないんですけれども、七ページに「最近のエネルギー情勢」、それから「エネルギー利用の効率化と環境問題」というのがございます。それの括弧二に「地球環境問題への対応」というのがございますが、CO2削減の後に続きまして、共同実施といったような形で、例えば中国その他諸外国との環境協力、それも必要だなと思って、後の方を見ましたらば、十ページに「エネルギーの国際協力の推進」というのが入っておりますので、私は「エネルギーの国際協力の推進」を「地球環境問題への対応」のすぐ後にくっつけていただければ非常にいいんじゃないかと思うんです。
 つまり、我が国が地球環境問題へ対応すること
 したがって、そこのところで日本の経済問題等を考える場合にはどうしたって産業構造の新しいものへ手をつけていかなきゃいけない、どうもそこのところへ帰ってきちゃうような感じがするものですから、そういう問題意識を持つ必要があるんじゃないかということだけ申し上げておきます。
#39
○立木洋君 円高の問題で、やっぱり大きな問題の一つは、直接原因には為替投機の問題があると思うんです。これは大きな問題なんですね。今の一日平均の貿易額というのが約百億ドルでしょう。実際に為替の取引というのは一兆ドルですよ。それぐらいの規模になっているというんだから、これについての規制というのは手早くやらないと、どうしても為替投機の問題というのは重要な問題じゃないかと思うんですね、一つは。
 それから、今関根先生のおっしゃった言い分に若干違う考えもあるんです。時間を短縮する、時間短縮しても同レベルの賃金を求めるということになると、やっぱり海外の安い賃金のところに企業が流れていく。これは企業の原理としては当然そうなるんです。
 ところが問題は、今の企業がやっているリストラというのは、日経連の会長なんかも明確に言っているように、今の売り上げがこれ以上伸びない、伸び方がゼロであっても利潤だけはさらに高い利潤を確保できるようにしなければならない。それが結局、だから賃金を上げるということは困るんだという論理と、それから、やっぱり中小企業にも苦労してもらわないと困るんだということになってくるので、そこらあたりもちょっと考えておいていただかないと、企業対策に対する支援という問題だけではやっぱりなかなか解決にならないんじゃないかというもう一つの面もひとつお考えいただきたいと思うんです。
#40
○関根則之君 ちょっと、お話がありましたから、一言だけ。
 いわゆる労働の取り前と資本の取り前、利潤の取り合いの話というのは当然あるんですけれども、今我々がここで議論している議論というのはその問題じゃないんです。根っこをどうふやしていくのか、雇用の機会も確保しながら産業の存立も図っていかなきゃならない、そのための産業のあり方をどうすべきかということなものですから、労働賃金の単価を下げて、それで利潤をふやすと、そんなことを私は考えているわけじゃないということだけ申し上げておきましょう。
#41
○理事(増岡康治君) ちょっと速記とめてください。
   〔速記中止〕
#42
○理事(増岡康治君) 速記を起こして。
 産業分野についての意見交換はこの程度にとどめ、次に、産業・資源エネルギーに関する調査会最終報告骨子案のうち、資源エネルギー分野及び新エネルギー・システムの導入促進に関する施策案について意見交換を行いたいと思います。御発言のある方は挙手を願い、私の指名を待って御発言願います。
#43
○長谷川清君 この七ページから八ページにかけてのところです。
 最初に八ページのところ、「地球環境問題への対応」というところでは、CO2は出ておりますけれども、それ以外の環境問題、SOxとかNOxとかそういうようなものについても日本は優等生の状況ですね。だから、これはCO2だけが書かれておりますから、CO2を書くのであれば、それ以外の硫黄酸化物や窒素酸化物などのことも並べて書いておいた方がいい。日本の現状では、CO2は八十七グラム、キロワットアワー当たり、これは欧米に比較して六割。SOxは○・二三グラム、キロワットアワー当たり、これは欧米では七・六二とまるで高い。NOxは○・三二グラム、欧米では二・九六。どうせここで書くなら、いずれも世界の中の優等生の成績ということを入れておいた方がいい。
 それから、次の「エネルギー供給体制の整備」というパートで、供給体制ということは需要があっての供給ですから、その需要はというと年々歳々、二〇一〇年に向かって一年で大体五百二十一万キロワットふえている。五百二十万キロワットといえば大型の原子力百三十万キロの大体四基分ぐらいふえる、こういう状況にありますから、需要と供給というものの中長期視点、ここでも非常に切迫しているというようなことはあると思いますが、それがもう少しくはっきりと数字でわかるように、その問題がやはり非常に大きく危機的であるというか、心配を残しております。
 ですから、次の括弧二の「原子力発電の現状と課題」というのがあります。ここでもちゃんと原子力というのがベース電源としての中核とうたってありますから、私はこれはいいと思います。
 いま一つ弱いのは、先ほどもちょっと申し上げたように電気事業法が変わりまして、電源の自由化ができます。そうすると、新規採用の電源というのは大体が一〇〇%近く石油という燃料に想定されております。その分だけやっぱり今度は環境への問題が出てくるし、よく我々が勉強したように、各参考人の先生が言ったように、世界のベストミックスと国内のベストミックスという視点から見ますると、原子力というもののベース電源の期待というか役割は、好き嫌いは別にしてますます客観的には高まると、こういう関係になってくる。そういうものについてこうでありながら、原子力はもう悪者扱いをかなり受けている。それが前にも楢崎先生でしたか、原子力三十基の計画のうちの十六基ぐらいしかめどが立っていない、そこに不安定さがある、こういう指摘がありました。そのとおりです。
 ですから、私はこの原子力の中では括弧一と二、一つはぜひ大学の理工系、それから工業高校系の社会に輩出する量がどんどん減ってきておりますのでありますから、そこら辺の質と量の確保ということ、こういう点が大事になってくると思います。
 それから二点目として、原子力というものが、今言うように必要性は高まる一方、一方においては悪者扱い、嫌われる、こういう現象が進んでおります。ですから、小学校、中学校の学校教育の中で、原子力というものの歴史であるとか今日の平和利用における現状の貢献とか、しかし一歩間違えば大変に危険なんだということの客観的な事実を小学校、中学校の教科書の中ではっきりと取り入れるということが必要だと思う。
 私は過日の商工委員会でもそのことを文部省を呼んでただしましたが、文部省はそれを是認の方向で近くやっていこうと。通産大臣もうなずいて、その方向でということまではせっかく出ておりますから、そういうものをやはりちゃんとこの調査会報告の中に明記しておくべきではないか。このことを求めたい。
 それから、今言うこの三番にも関係しますけれども、今後の対策という問題については、一つは省エネルギーというものを中長期かけて徹底的に努力をしていかなきゃいけない、これがまずベースとしてある。第二にはベース電源の安定的確保ということ、どうしても病的な不足なんですから、これをやはり二番目に。三番目には新エネルギーの徹底的な開発、研究、実用化、これに努力する。それ以外にもあるでしょうけれども、少なくともこの三点は明確に対策の中でその方向を示していくということがあってしかるべきではないか。
 以上のことを申し上げておきたいわけです。
#44
○広中和歌子君 大したことじゃないんですけれども、七ページに「最近のエネルギー情勢」、それから「エネルギー利用の効率化と環境問題」というのがございます。それの括弧二に「地球環境問題への対応」というのがございますが、CO2削減の後に続きまして、共同実施といったような形で、例えば中国その他諸外国との環境協力、それも必要だなと思って、後の方を見ましたらば、十ページに「エネルギーの国際協力の推進」というのが入っておりますので、私は「エネルギーの国際協力の推進」を「地球環境問題への対応」のすぐ後にくっつけていただければ非常にいいんじゃないかと思うんです。
 つまり、我が国が地球環境問題へ対応すること源立地等々を考えねばならぬと書いていただくと私の趣旨に合うんですけれども、反対になっていてどうもぐあいが悪いな、こういう感じがしているということであります。
 以上、二点申し上げます。
#45
○久保田真苗君 新エネルギーの問題というのは、例えば太陽光発電は住宅用並びに公共施設用、そういうおとなしいものなんで分散型の極めてたくさんの発電所があるということでございまして、これを巨大な工業用に使うというようなことをだれも言っているわけじゃないんです。ただ、住宅用というのも三分の一ぐらいはあるんですよ、電力からいえば。そういう点からいいますと、今の一・二、十五年先の三%というのは低過ぎる。少なくとも電力に関する限りの三分の一のまた三分の一ぐらいまで当然いけるのではないか、そういうふうな形だと思います。
 確かに今は経済性がないけれども、十万、二十万という件数が出れば経済性は十分引き合うというそういう御説明を京セラの方にいただいたわけです。それがどこまで立証できるのかということは、やはりそっちを向くか向かないかという問題だろうと思うんです。ですから私は、やはり今の余りにも控え目な新エネルギー推進というのは姿勢を変えていいんじゃないかと申し上げたわけで、私は何も原発の問題にこれ関連したわけじゃなくて、原発の問題はここに整々と書いてございます。
 ただ、原発について申しますと、このうちプルトニウムを利用するというものについては私は前にもここでリザベーションをしております。それはウランと比べてもう次元の違う毒性を持っているということ、それからテロリストなどの爆弾に転化が極めて容易であるということ、それから高レベルの核廃棄物の処分について将来計画が決まってないということ、それから一般的な核拡散のとばくちになるのではないかと。
 こういうことは私のみならず広く言われていることでございますから、それに関する厳重な国際管理のもとに置くというような条件が出て初めて推進ができることであって、そのめどがないうちに踏み出すということは責任という点からいって甚だいかがなものかということがございますので、私の立場からいたしますと、ここにそのことを書いていただいてないということです。私はほかのところを仮に削ったとしても、プルトニウムについてはこれこれの困難があるから、したがって極めて慎重にやるべきだという意見があったと、むしろそう書いていただきたいのでございます。それは確かにここが全部推進派でないことは明らかでございます。
#46
○長谷川清君 久保田先生の太陽光に対する期待、それはもう十人が十人、私もスタートはそこから、同じでございます。なろうことなら三%ではなくて二けた以上のものができればと。ただ、それを阻害している要素という現実があると思うんです。
 阻害している要素の第一は、これはまず価格という問題。価格というのは製品をつくる生産コストがまず一つあります。それからもう一つは、太陽光の場合には広いスペースを必要としますけれども、一番過密な東京のようなところはビルの屋上とか民家の屋根を利用する、ここで価格を少しでも抑えられる。屋根の上につけますと、太陽がさんさんと照る日もあれば雨の日もあるし梅雨の日もある、だから耐用年限の問題がどうしても二番目に出てくる。これもやはりコストに関係しできます。
 それと、日射率はロンドンよりも東京の方が悪いんです。皆さん考えると、ロンドンといえば傘を持った紳士で、四六時中雨が降っているみたいに思いますが、雨量からいきますと、三百六十五日のうちの日照りというのは東京の方が少ないぐらいであります。
 つまり、日射率という問題、広いスペースという問題、そしてコストという問題、こういう問題が簡単なようだけれども、今までも何年もずっと研究開発をやっておるんですが、そういう物理的な条件に事欠いている。サウジアラビアが利用率で一三%と一番今高い。しかし、それはベース電源までは至っていないんですね。これは三%の限度をとにかく実行に移すのに相当みんな関係各省が頑張って、やっと三%にいけるのかどうかという数字になっているという現実があると思うんです。ですけど、その割には期待が非常に強いんですね。
 風力だ、波力だ、地熱だ、ごみ発電だ、いろんな新エネルギーというのはみんな一長一短がそれぞれにあります。太陽光は太陽が照る場合には活用できますけれども、雨が降ったときにはじゃ電気を供給しないというわけにはいきません。そうすると予備電源、これもトータルでコストにはかかってまいりますね。いわゆる長短という点からすると非常に供給上は不安定である。お天気任せなんです。
 ですから、そういったようなことの総合和で、電気というのはやっぱり空気と同じように、いつでもどこでもスイッチでつかなければ安定供給というか利用価値はない、みんなそういうふうに思っています、夜中でもボタンを押せばつくという。そういうことを考えますと、トータル的なベストミックスと。
#47
○広中和歌子君 もう時間でございますので、最後に申し上げます。
 私、どちらも否定することはないと思うんです。やってみればいいんで、もしうまくいけばよろしいじゃないですか。
 ですから、新エネルギー・システム導入促進に関する施策案、これは今法制局で準備していただいておりますので、ぜひこれを前向きに御検討いただきたいと思います。原子力の方も新エネルギーとして今までどおり、あるいはそれ以上に推進していただくことも必要でございましょうけれども、他方、太陽エネルギーというのも今の段階で難しい点をそれほど挙げる必要はないんじゃないか。むしろもっとやってみて、もしかしたらと、そういう期待を込めて、これはもしかしたら日本にとって二十一世紀の新たな産業分野になるかもしれませんので、ぜひそれを申し上げたいと思います。
#48
○立木洋君 簡単に申し上げます。
 意見が違っているんだから両論併記しなければならない報告書になるということは、もうこれは当たり前だと思うんですね、分量が多いか少ないかというのは、一井先生がおっしゃるようなことがあるかもしれませんけれども。
 だけれども、原子力の問題については今までも何回も繰り返し述べていますからもうその原点は述べませんけれども、最近起こっている高レベルの廃棄物ですね、これがクローズアップされているので、この点については我々調査会としてもやっぱりちゃんと念頭に置いておく必要があるんじゃないか。
 九二年の五月から高レベルの廃棄物の施設がつくられていって、三十年か五十年やられるわけだけれども、結局あれも一時的な施設だということですよね。だから、最終的な処分がどうなるのかということが決まっていない、計画が未定だと。それから最終的にどこが責任をとるのかという責任の主体も明確ではない。
 何か聞くところによると、あれは相当毒性が強いものですから長期にわたって毒性をなくすことができないという状態にある。今後、日本ではあの使用済核燃料、使用したのを再処理するのが一割ぐらいしかできないという状態だと。結局、再処理は全部外国に依存して、そういう各種のレベルの廃棄物は全部日本に持ってくるというふうなことになると、これは大体月に一回ぐらいの程度で三十年ぐらい続くんじゃないかというような、それは本当かうそかわかりません、そういう話も聞きました。
 だから、そういうことになるとこれは大きな問題になるんで、やはりそのことは念頭に置いておく必要が我々としてはあるんじゃないかということだけ申し上げておきたいと思います。
#49
○大脇雅子君 エネルギーのベストミックスの考え方が重要だというお立場は十分理解できるんですが、私はそういう考え方には前から反対だということを申し上げて、それもいろいろと意見を言ったと思うので、それはやっぱりそういう異論があったということはきちっと書いていただきたい。これは何回も申し上げているんですけれども、それはお願いいたしたいと思います。
#50
○岡利定君 時間がありませんので結論的に申しますと、何しろ供給面では大変難しい。だから省エネが大事だということでいっても、これもまた実際難しいんだというようなことでさっぱり進まない。しかし、どこがふえているんだということでいろんな議論を聞いていますと民生部門が多い。となってくると、やっぱり生活ルールとの関係もあって、難しいんだ難しいんだということでちょっとなおざりにされているんじゃないんだろうか。
 そうなってくると、供給が難しければやっぱり効果的なところというのは省エネ部門でありますので、難しいけれども、ここでその必要性みたいなものぐらいはもう少し強調して書いていただいたらどうかなと思っておりますので、よろしくお願いします。
#51
○一井淳治君 これは調査会の目的になってくると思うんですが、この骨子案を見ますと、最初に研究成果みたいなことが書いてあるんですが、これなんかは余り意味がないわけですね。結局「提言」の部分、法制化に進むかどうかわかりませんけれども、そういったことが調査会の存在価値として意味があるわけでありまして、余りそれ以外のところを論議してやってみてもだれにも余り読まれませんし、読まれるとすれば「提言」以下の部分だと思います。
 そんなところで、やっぱりポイントに論議を集中していただいたらいいんじゃないかというような感想だけちょっと言わせていただきました。
#52
○理事(増岡康治君) 資源エネルギー分野についての意見交換はこの程度にとどめます。
 以上で本日の自由討議は終わりました。
 委員の皆様には貴重な御意見、御提言をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。いただきました御意見、御提言につきましては、本調査会の最終報告に向けて反映させていただきますよう、理事会において十分協議、検討を進めたいと存じております。
 なお、本日使用いたしました資料のうち、発言内容把握のため必要と思われるものにつきましては、本日の会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、御了承いただきたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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