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1995/03/20 第132回国会 参議院 参議院会議録情報 第132回国会 科学技術特別委員会 第4号
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1995/03/20 第132回国会 参議院

参議院会議録情報 第132回国会 科学技術特別委員会 第4号

#1
第132回国会 科学技術特別委員会 第4号
平成七年三月二十日(月曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高桑 栄松君
    理 事
                河本 三郎君
                志村 哲良君
                久保田真苗君
                浜四津敏子君
    委 員
                井上  孝君
                二木 秀夫君
                前島英三郎君
                守住 有信君
                穐山  篤君
                稲村 稔夫君
                瀬谷 英行君
                林  寛子君
                乾  晴美君
                西山登紀子君
                下村  泰君
   国務大臣
       国務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       田中眞紀子君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        関根 則之君
       科学技術庁長官
       官房長      石井 敏弘君
       科学技術庁科学
       技術政策局長   落合 俊雄君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   工藤 尚武君
       科学技術庁研究
       開発局長     沖村 憲樹君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    笹谷  勇君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        堀籠 秀昌君
   説明員
       警察庁刑事局刑
       事企画課長    篠原 弘志君
       外務省総合外交
       政策局科学原子
       力課長      高原 寿一君
       厚生大臣官房厚
       生科学課長    篠崎 英夫君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全管
       理課長      三代 真彰君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、平成七年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、平成七年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(科学技術庁))
○放射性同位元素等による放射線障害の防止に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高桑栄松君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 去る三月十四日、予算委員会から、本日の午後の半日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁について審査の委嘱がございました。
 この際、本件を議題といたします。
 本件の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入りたいと思います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○志村哲良君 大臣への質問も一つございますが、大臣が地下鉄の事故に関して聖路加病院にいらっしゃりたいというお申し込みをいただきましたので、私の質問の最後に伺いたいと思います。
 今まで質問を幾つかさせていただきましたが、どうもその質問がすべて御無理ごもっともという質問だけに終始しておりましたので、本日はごもっともとはいかない件に関して質問をさせていただきたいと思います。
 私は、元来、科学というのは理論と実験が統一していかなくてはならないと考えております。理論で形づくられたものは実験で確認されていく、もちろん即座に確認されることの困難な問題もありますが。例えば、アインシュタインの相対性理論ですらその後年月を経て実験でこれが確認できておるというようなことでございますので、科学技術庁あるいはその関連諸団体でいろいろ皆さんが英知を絞って、宇宙のあるいは海洋の諸問題に関していろいろ理論を組み立てられた。それをもとにして、言うなれば宇宙で、海洋で、壮大な実験が行われるわけでありますが、必ずしもこの実験が私は成功だとばかりは考えておりません。また、科学というのはそれでいいんだと考えるのであります。
 例えば、その幾つかの例を挙げてみましても、一九八〇年にN1ロケットで打ち上げた実験用静止通信衛星あやめ二号の通信が途絶したという事件がありました。これに関してひとつつぶさな御説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(沖村憲樹君) 今、先生御指摘ございましたように、一九八〇年、N1ロケットで打ち上げましたあやめ二号の通信途絶ということがございました。
 これは、アポジモーターを点火しました後、衛星からの電波が途絶したわけでございますが、その後いろいろ調査をいたしましたところ、原因といたしましては、当時、このアポジモーターは米国で製造されたものでございましたが、その固体燃料に微小なひびが入っておりまして、その結果、燃焼に異常が生じまして衛星が破損したというようなことでございました。これにつきましては、その燃料の微小なひびを検出できるようにアポジモーターの非破壊検査方法を改善いたしますとともに、アポジモーターの国産化を進めまして、その後このモーターにつきましてはふぐあいが生じていないわけでございます。
 この件に関しまして、検査方法の改善でございますとか国産化の推進ということによりまして信頼性を向上いたしまして、今日までの衛星技術の確立に資しているところでございます。
#5
○志村哲良君 次に、一九八四年のNUロケットに関してですが、五号機で打ち上げられた放送衛星ゆり二号の電波中継機能、動作が停止したということを伺いましたが、これに関してまた御説明を願います。
#6
○政府委員(沖村憲樹君) 今、先生御指摘のゆり二号aの電波トラブルでございますが、これはゆり二号aに積んでございました電波中継器、トランスポンダーが三本ございましたが、そのうち二本の電源が切れてしまいまして、送信電波が停止をしてしまったというのがそのトラブルでございました。
 この原因でございますが、この電波中継器はフランス製でございまして、熱対策といいますか放熱対策が不十分でございましたために、宇宙空間の真空中で温度が予想以上に上昇いたしまして、トランスポンダー、中継器に異常な電流が流れて電源が絶ってしまったというのが原因でございました。これにつきましては、真空中での放熱対策ということにつきまして、十分その後時間をかけて試験を実施いたしまして、それに基づきました対策を施しまして以降、BS2bのトランスポンダーにつきましては正常に動いたということでございます。
 これにつきまして得た教訓といたしましては、放熱対策、検査方法の改善あるいは国産化の推進ということで、衛星に対する技術の信頼性の向上を得たということでございます。
#7
○志村哲良君 今、それぞれの事故の説明を伺って、どうもフランスとかアメリカからの輸入品に事故が多いんじゃないかというような思いがいたしますが、その点はいかがですか。
#8
○政府委員(沖村憲樹君) 輸入品が一概に悪いということも言えないかと思うんですけれども、当時の技術導入におきましては、いわゆるブラックボックス的といいますか、技術をそのままきちんと把握しないままに部品として導入した例が多かったということで、この部品が原因で出ましたふぐあいにつきましては、逐次国産化の勉強の材料にさせていただいているということでございます。
#9
○志村哲良君 質問の前に、ニュースでも伺いましたし御報告もいただきましたが、HU三号機の打ち上げがめでたく成功裏に完了したという報道がありましたが、おめでとうございました。
 次に、海洋開発関係に関して伺います。
 一九八二年、有人潜水調査船の「しんかい二〇〇〇」のコネクターから漏水による絶縁の低下が起こったという報に接しましたが、これはいかがですか。
#10
○政府委員(沖村憲樹君) 御指摘の「しんかい二〇〇〇」のトラブルでございますが、「しんかい二〇〇〇」の中にいろんな装置がございますが、その装置の機器を結んでおりますケーブルのコネクター、ここが漏水をいたしまして絶縁が低下したということが起きました。
 原因は、そのコネクターの部分に小さい剥離が生じていたということが原因でございまして、これにつきましては、その当該コネクターを交換いたしますとともに、その剥離が生じないように十分な措置を講じたということでございます。以降、「しんかい二〇〇〇」につきましては、御案内のように非常にトラブルがなく、関係方面に広く利用されて、日本の深海科学技術の推進といいますか、そこへ大きく貢献をしているところでございます。
#11
○志村哲良君 もう一つ「しんかい二〇〇〇」であったんですが、主電源の電圧低下の問題がありました。「しんかい二〇〇〇」による潜航調査中に蓄電池の電圧が低下をしたという事故がありましたが、これらの原因と対策。
 それから、今までそれぞれいただいた御説明とこれらの経験が、例えば「しんかい二〇〇〇」の場合には「しんかい六五〇〇」に、私はいい教訓となって生かされてきておるのではないかと考えますが、それらに関してもひとつ御説明を願いたいと思います。
#12
○政府委員(沖村憲樹君) 今の「しんかい二〇〇〇」の電池関係のトラブルでございますが、潜航中に蓄電池の電圧が低下したことがございます。これは、蓄電池を構成いたしますパーツの一部が高温下で劣化いたしましたことが原因でございます。
 これにつきましては、電池の中の部品、バーツの一部を分離するセパレーターというのがございますが、それを十分に改善いたしまして、今、先生御指摘ございましたように、「しんかい二〇〇〇」はもちろんでございますけれども、「しんかい六五〇〇」の電池にもこの設計の思想、この成果を反映いたしまして、その成果を生かさせていただいているところでございます。
#13
○志村哲良君 次は、この前所信表明に関して質問をいたさせていただきましたが、若干積み残しがあったんです。田中大臣がそんなことで今聖路加に行っておられるということですので、お帰りになられましてから大臣に質問をさせていただきたいと思っております。
 そんなことで、委員長、この時間を残して、大臣への質問ですから、次の質問ありましたら。
#14
○委員長(高桑栄松君) 速記をとめてください。
   (速記中止)
#15
○委員長(高桑栄松君) 速記を起こしてください。
 ちょっと説明をさせていただきます。
 田中長官から志村先生に、今度の地下鉄、ただいま目下進行中でございますが、この地下鉄の事故に関連をして、長官が聖路加病院においでになった。そういうことで、科技庁の方からは、約二十分間ぐらい見ていただきたいということでございました。
 それで志村先生は、長官がおられなくてもいい質問をまずなさって、そしてそれが終わったところで長官がおいでになればちょうどいいと、こういうことであったわけですね。予定よりも少し先生早くお済みになったものだから、それで急に稲村先生に次のバトンをいかがかと、そういう意味で先生がおっしゃったようなんですが、先生がやっぱり長官がおられないと困るような質問であれば、ちょっと待っていただきたいなと。
 それでは、先生やっぱり少し待ちましょうか、五十分の範囲内で間に合うのなら……
#16
○志村哲良君 私の質問は、それでは以上をもって終わります。
#17
○委員長(高桑栄松君) それでは、今、志村先生からの御発言で、先生の御質問はこれで終わりになさると。そういたしますと、稲村先生、あと長官がおいでになるまで休憩いたしますから、先生済みませんが、時間多分早まると思いますから、御準備もしていただきたいと思います。
 それでは、暫時休憩いたします。
   午後一時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十四分開会
#18
○委員長(高桑栄松君) ただいまから科学技術特別委員会を再開いたします。
 再開に当たりまして、長官から、長官がおくれられたことについて。
#19
○国務大臣(田中眞紀子君) 一言おわびを申し上げさせていただきたいと思います。
 地下鉄で化学ガスを使った無差別の事故がございまして、この事件の実態、被害状況を、お見舞いをすべく、今聖路加病院に一番大勢の方、数百人が収容されておられますものですから、それのお見舞いと実態把握でございますが、参りましたものですから、大変遅くなって会が中断されましたことをおわび申し上げます。
#20
○稲村稔夫君 大臣、大変御苦労さまでございました。お見舞いに行かれてどんな御感想を持たれたのか伺いたいということもございますけれども、その前に私は、国会の立場ということで一言やはり申し上げておかなければいけないんではないかと思います。
 それは、本日は委員会が開かれているわけでありますから、そこの聖路加病院、一番大勢入院しておられるところでありますから、本当に大変なことが起こったんですから、科学技術庁としてきちっと一つの目的を持った形で、その目的のためにお見舞いかだがたとか何とかということはそれはあるかもしれません。いわば科学技術庁のやはり業務とのかかわりというものをまずどういうふうにお考えになるかということが一つ。国会の開会、しかも委員会の開会されることがわかっているときでありますから、そういうことがきちっとされなければいけないんではないだろうかというふうに思います。
 いずれにいたしましても、化学物質による殺傷事故ということでありますから、これはもう本当に重大な問題でありまして、科学技術の分野からいきましても、その物質の特定の問題から、いろいろと今後重要な役割を果たさなきゃならない側面があると思います。しかし、それはそれで、化学物質の特定はもう既に警察とかそういうところでそれぞれ行われているわけでありますから、今度はそういうものをもとにして、一たん収集されたものをもとにして、いわばそこから科学技術庁として何をやらなきゃならないかということが決まってくるんではないだろうかと思います。これは多少日時がかかるのではないかというふうに思います。
 大臣の機敏な行動については敬意を表しますけれども、しかし同時に、国会開会中、しかも委員会開会というときということも、やはり十分事務方の方がその辺はきちんとサポートしてもらわないといけない問題なんじゃないだろうかというふうに思います。事務方の方に目的は何だと聞いたら、科学技術庁としての目的というのははっきりしていないわけでありますから、これではやはり今後のこととして問題があると思いますから、その点は私はきちっと申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 そこで大臣、言うべきことはちょっと言いましたので、今行かれた状態の中で、あなたはどういうことを感じ、そしてまた今後どうしようというお気持ちになってお帰りになりましたか、お聞かせをいただければありがたいと思います。
#21
○国務大臣(田中眞紀子君) 御迷惑をおかけいたしましたことを心からおわび申し上げます。
 実は私、お恥ずかしいんですが、きょうの十一時までこの事件があったことをわからなかったものですから、それで、しかもこのような薬品を使った犯罪で死亡者が出たということが十一時の段階でわかりましたので、これはもうこの委員会に間に合うのであればすぐと思ったんですが、そのような報告が全然役所からも来ませんでしたので、今、帰路パトカーの先導で吹っ飛んで築地から帰ってまいりましたが、こういう情報については、やっぱり危機管理という問題、それから初動のおくれということはこの間の地震でもう本当に痛いほどみんなわかっているはずなんだから、そういう情報はすぐに役所から、役人の皆さんから知らせてもらわないと困ると。判断は私がするし、責任は私がとるけれども、やはりそういう情報というものは、電話があるんだから必ず役所から知らせてくれるようにということを今パトカー先導で帰ってきながら厳しく秘書官に申し上げたところでございますし、また、きょうおられます科技庁の幹部の皆様にも。
 この委員会は大変重要な会でございます。またそれから、初動の問題、危機管理、そういうことについても、特に首都圏でパニックが起こったらどうするかということは衆参両院の委員会で常特質問が出ていたことでございますので、私も本当に勝手を申し上げましたけれども、こういうふうな行動に出ましたことをおわび申し上げます。
 それから、今簡単に御報告申し上げますが、陸上自衛隊の中央病院からも毒ガス専門のドクターが来られて、たまたま私、一番患者さんが多いところで国会の近くということで聖路加病院に行ってまいりました。治療の細かいパンフレットをいただいて、まだ読んでおりませんけれども、同じ症状で強弱があって、聖路加の場合一名亡くなられて、それからもう一人、意識不明であったのに意識を回復されたという若いお嬢さんにICUでお会いしてきました。
 大変強力なものであったらしゅうございまして、口のきける方、それからチャペルの中で横になっている方、座っている方たちも皆さん呼吸が苦しくて、今治療を受けておられました。もう瞬間的なことらしゅうございまして、こういうことに薬品等が使われるということは、ふだん原子力の安全の問題等、それは大きな話ですけれども、安全、平和利用ということをしょっちゅう言っていますのに、手近にある薬品で、これは原因は警察で解明されていくと思いますけれども、無差別に不特定多数の一般市民の平和な生活を、まじめに働いて営んでいる方々がこのように亡くなったり苦しまれたり、後遺症が随分出る可能性があると今お医者様方がおっしゃっておられましたけれども、こんなことがあってはならないわけでございます。
 また同時に、別件ですが、新しく二年前に聖路加病院を建てるときに、緊急時にヘリポートが必要なんだということを再三言ったのに東京都からだめだと言われてしまったと、本当に緊急事態に私たち生活者を守るための政治をやってほしいということを今院長先生からおっしゃられまして、まさしく私どもはそれを目指しているはずでございますので、そのためにも諸先輩の御指導を仰ぎたい、かように考える次第でございます。
#22
○稲村稔夫君 その点では大変御苦労さまでございました。
 危機管理の観点からのことは、それこそ私たちがいろいろと今後工夫もしていかなければならないということになりましょう。しかし、危機管理といいましても、これまた人間の問題でもありまして、人間の心構えといいましょうか、そういうことも非常に大きな役割。何事も危機管理の形ができればいいということでもないと思うんです。
 特に、今回は化学薬品によるあれなんですから、科学技術庁の職員の皆さんがその辺のところは敏感に感じて情報収集などきちっとされて、本来、大臣にその情報をきちっと提供する、こういうことが大事なんで、その辺の心構えのことも非常に大きな問題なんだと思います。何事も危機管理の体制ができていないからと言って言い逃れをしてはいけないという側面もありますから、その点も申し上げておきたいと思います。言い分があれば聞きましょう。
#23
○政府委員(石井敏弘君) 先ほど来、大臣の行動に関しまして、私どもの補佐が至らないために本委員会に対しまして大変御迷惑をかけ、かつ内部的な意味合いにおきましても、大臣に即情報を入れていない、私ども今現在も十分な情報を取り得ていませんが、大変ないろいろおしかりを受けたところでございまして、事務方といたしまして大変申しわけなく思っておりまして、今後さらに誠心誠意やっていきたいと思いますので、よろしく御指導のほどお願いいたします。
#24
○稲村稔夫君 私がこんなことを事務方に申し上げましたのは、大臣は今、十一時ごろまで御存じないというお話だった。しかし、テレビでは随分早くから流れていたんですよ。もうテレビを見ている人は知っているんですよ。そして、聖路加病院にかなりの人数の人たちが送り込まれたということはみんな知っていたわけですから、それを大臣が随分遅くまでわからなかったというそのことは、やっぱりあなた方自身の問題として心構えということで私は申し上げたんです。大事な問題ですから、今後こういうことが起きないように十分心がけていただきたい、強く要望しておきたいと思います。
 それで、これだけやっておりますとまた時間が随分過ぎてしまいますので、これでもって準備したやつの三分の一ぐらいすっ飛んじゃったような感じがいたします。
 実は、科学技術庁予算の委嘱審査を受けるに当たって、毎回私はそのことを主張するんですけれども、科学技術庁予算というのは、原子力と宇宙と、そして少し段ががたんと落ちるけれども海洋というようなところが目立ちまして、そして大臣が日ごろから言っておられる生活者に密着したそういう科学技術の研究というものと、予算の編成上の配分の行き方だけを見ていくとまだずれがあるような感じがいたします。
 そういう観点から、幾つかの点についてこれから伺っていきたいと思うんです。
 まず第一は、この間の委員会でいろいろと私が地震と活断層について伺いました。この活断層については、工業技術院の方が来て専門的な観点からいろいろと意見も聞きましたが、特にB、C級、B級は露頭が出ているから見やすいという点もないわけではないということを言われましたけれども、C級、あるいは厚い堆積地域であります都市部等での活断層の発見というのは非常に難しいということも言っておられました。未知のものというのはかなりあると。今度の神戸の場合も、工業技術院は多分伏在断層というのはないだろうと判断をしていますという話だったけれども、しかし、伏在断層という指摘をしている学者もいる。
 しかも、これは朝日新聞の二月十五日、大阪版です。これを見ますと、海の方で海上保安庁が詳細な調査をしたと。これは新聞記事のとおり読みます。「日本の海底断層に関する本格的調査は今回が初めて。」と、そして新たに六本の海底の活断層が発見されたということが指摘をされております。
 海底の活断層というのは、もうこれはほとんど知られていないんです。我が国は海でずっと囲まれている。例えば、これは「日本の活断層」のそこの部分のコピーです。これで言ったら、大阪湾の真ん中に一本すっとS1というのがある。これは大阪湾活断層と推定される、こういうのがある。これが今回の調査で、この図の中で言ったらこんなわずかなものですけれども、今度の調査ではこんなに長い層であるんです。ですから、それが確認をされたということも出ております。
 それから、こういうことでいきますと、活断層の発見とかあるいは観測と調査、探査ということについてはこれはかなりの経費をかけなきゃいけない。陸上の活断層でもボーリングをしたりトレンチを掘ったりといろいろな経費がかかるわけでしょう。海の方になりますと、音波探査機は一定のスピード以上で走ったらほとんど発見できないんですから、ゆっくりとやらなきゃならない。それだけでも大変な労力が必要ですし、経費もかかる。ということになりますと、まさに阪神・淡路大震災の示した、残した教訓というのは、とりあえずは、活断層はかなり重点的に調査、研究をしていかなきゃならない課題だというようなことが示されたと思うんです。
 そこへもってきてもう一点は、プレートテクトニクス論にかかわって境界地震が起こるんではないかということで、東海あるいは関東の方にはかなり機器を配置したりなんかしていろいろな対策を立てておられる、予知という形で。ところが、内陸部は全然それができていないんです。
 一番極端な例でいきますと、地震予知連が指摘をした特定な地域があります、地震の警戒をすべき地域ということで。これの中に原発が置かれている地域だってあるんです。予知連の一番新しい資料でもそうです。その辺のところも考えていくと、今後、これはかなり詳細な調査というのを必要とするんではないか。予知連の方も、大体これはまだ予測の話ですから、アバウトなところがかなりないわけじゃないでしょう。これは確実に確認していかなきゃならないという課題にもなるということになりますので、その辺のところを、かなり重点的に地震対策にも経費が割かれなければならない。
 特に、プレートテクトニクスにかかわる境界地震の方も手を緩めたらだめなんです。しかし、内陸の方はほとんどないんですから、内陸の方を今度飛躍的に強化しなければならない、こういう課題になるわけでしょう。工業技術院の方が質問をとりに来られたときに議論をしたときも、全部きちっとしようとしたらエンドレスに金がかかるようになりますが、というくらい大変なんです、これ。
 地震というのは、生活者にとっては重大な問題です。我が国からどこか地震のない国に引っ越していくということはできないんですから。そうすると、こういう活断層の地震の研究というようなものにかなり重点的な力を入れていただかなきゃならないんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺、ことしの予算はこうなっていませんが、まだそこまで行っていないと思います、そうでしょう。
 一般会計があって、それの三分の一くらいの大きさでまた特別会計があってという形になっています。この一般会計の中で、今計算しかかっていて間に合わなかったんですけれども、実際は原子力、宇宙というものにかなりの経費が偏った形になっています。確かに、科学技術庁、努力して予算を全体にふやしている、少しずつふえているんだけれども、しかし、偏りがまだ是正されたという姿になっていない。
 この辺のところはどういうふうにお考えになりますか、今後の問題として。
#25
○政府委員(石井敏弘君) 科学技術庁予算につきまして、ただいま原子力あるいは宇宙といったようなものに偏っておって他の分野への予算配分というものが弱いのではないかという御指摘でございますが、御案内のとおり、原子力開発あるいは宇宙開発といいますのは、施設、設備の整備あるいは実験等が非常に多額の資金を要するというような面がございます。しかしながら、原子力あるいは宇宙というものも極めて重要な政策事項でございまして、したがいまして、そういった意味合いから、これまでも科技庁予算の中で大きなシェアを占めてきたということは事実でございます。
 一方、近年の基礎研究の重要性の高まりといったようなことから、科学技術庁におきましては、平成六年度予算案のみならず、これまでも大変そちらの方に力を注ぐという政策的態度で対応してきておるところでございまして、平成七年度の予算案におきましても、科学技術振興調整費をこれまでにない三十億円の増額といったようなことに見られますように、基礎研究の充実強化ということに非常にウエートを置いた対応をしてきたところでございます。
 また、公共投資重点化枠の活用につきましても、地震予知とかあるいは雪害対策、がん絡みといったようなことから、生活関連といったようなことに重点を置いてやってきたところでございます。
 かつ、この七年度予算の一般会計で基礎研究あるいは防災科学技術分野の予算全体は百一億円増ということで、科技庁におけるシェアというものも一%ぐらい伸ばしておりまして、二一%強というような形で、徐々にではございますが、私ども先生の御指摘のような方向が今後の科学技術政策の大きな方向であるということで努力をいたしておるところでございまして、政策大綱でもそのような方向が明示されておるところでございます。
 今後ともそのような方向で対応してまいる所存でございます。
#26
○稲村稔夫君 全然向いてないと言ってないんです。少しずつ是正されてきているということは僕も認めます。そして、今お答えいただいたようなことをここのところお経のようにしょっちゅう聞かされるわけです。しかし、今こういうことが起こっているときに、それこそ一つの重大な教訓を残しているわけですから、将来の問題として、一遍になかなかいかないにしたって、かなり急速な、こういう新しい教訓を受けた上での対応ということが予算の面でもあらわれてこなきゃいかぬのじゃないですか。
 だから、ことしの予算がどうなったかということを今僕は言ってないんだ、まだ。これからのことを聞いているんです。これは大臣から伺った方がいいですね。
#27
○国務大臣(田中眞紀子君) 予算も少しずつ増えておりますけれども、なかなか思うに任せません。日本では二千を超す活断層があって、そこに日本列島があるという宿命は逃れられませんけれども、活断層で地震の予知というふうなことになりますと、私は、このことで一番大事なのは、調査をする技術自体がやっぱりネックになっているんではないかと思うんです。その技術自体を高度化するような進歩といいますか、研究、そういうものがさらにされないと、今おっしゃっているように、いつもお経のように、こんなふうに予算がついてます、あとはボーリングをやってます、トレンチやってます、こう言いますけれども、それでだめであれば、それ以上に何ができるかというふうにこそ予算を振り向けていきたい、かように考えます。
#28
○稲村稔夫君 大臣の言うように前向きにあなた方も考えてくれなきゃ困るんです。できる範囲のことはどういうことがある、どういうところに突破口があるんだということをいろいろと工夫してくれなきゃということです。
 それでは、もう時間もなくなってきましたから次に移ります。
 原発施設の耐震設計についてちょっと続きをやらせていただきたいと思います。
 まず、岩盤上の最大加速度というのが今度の阪神・淡路大震災ではかなりはっきりと出てきています。例えば、神戸市開発局のポートアイランドにある一番深い地震計、七十九メーターのところで岩盤上の加速度をはかったら、これは六百七十九ガル。
 これは、ガルとカインというのがあってガルとカインとごっちゃにして使われるから、なかなか比較のしようがなくて困るところもときどきあるんですけれども、このごろマスコミはもっぱらガルですから、一応ガルでいきましょう。
 そうすると、片一方では液状化現象が起きたせいなのかもしれないけれども、地表部分では三百四十一ガルだったんです。地表になるにしたがって減衰してくる。といったら、今度は大阪ガスの記録したやつが八百三十三ガルというのがあるでしょう。これは地表部です。それで、今度逆に地下に行ったらもっともっと大きくなるということだってあり得る。
 これをどう見るかということはいろいろとまだ今後分析を要することでしょうが、問題は、今の原発の耐震設計で、四百ガルを上回る水平動が出てきたときにこれをクリアできる設計になっているところは東海と浜岡の二、三号だけでしょう。それは、この間毎日新聞で、日本原電が調査をしたというのが出ています。この阪神震災級では全国の五十一基のうち四十八基が設計値オーバーだということが出ています。そうすると、耐震設計については根本から少し検討し直すことが必要だという問題を提起していることが一つ。
 それからもう一つは、古い原発というものの耐震設計の設計値、例えば、東海二号は百八十ガル、伊方原発は二百から二百二十ガルの範囲ですね。それから島根一号は二百ガル、福島第一と第二は低い方は百七十六、大きい方で百八十ガル、これが耐震設計のあれですね。九州の玄海、川内はともに百八十から百八十九ガルということでしょう。そうすると、この古い原発の耐震設計というのは、これは一体今後どういうふうにしていったらいいんですか。
 阪神・淡路では、高速道路だとかなんかでも、今の設計基準でいったら大丈夫だったけれども、古い設計でやったやつがだめになったということをよく指摘されました。古い基準というか、今の基準に満たない部分と言ったらいいんでしょうか、そういうものについて何かの手当てをしていかなければならない、これは阪神大震災が教えていると思うんです。この点は今の見直しの中でいろいろと検討されていることですか、ちょっとそこをお答えください。
#29
○政府委員(笹谷勇君) お答えいたします。
 先生御指摘のございました、今回の地震でいろんな値が観測されているということは、私どもも各方面で検討されている報告書を安全委員会の検討の場に取り寄せまして現状把握をやっている過程で承知いたしております。現在、このデータについてはその地盤等あるいは計測の実態等含めまして詳細に検討しているところでございます。
 先生御指摘のございました、現在設置されております原子力発電所の耐震設計のガル数がほとんど今回の地震との対比でいいますと上回っているのではなかろうか、それが耐震設計指針の基本的な考え方に触れることになるのではなかろうかという御質問だったと思いますので、まずそちらの方の御説明をさせていただきたいと思います。
 現在の耐震設計指針の考え方は、これまでも御説明申し上げましたが、その立地点で想定される地震に対しまして設計を行う、こういう考え方が基本でございます。したがいまして、例えが悪くて恐縮でございますが、仮に今回発生いたしました神戸のあの付近に原子力発電所を立地する場合は、現在の指針の考え方によりますと、それに十分耐えるような構造設計をすると、これは考え方でございますので、そういう考え方を御理解いただきたいと思います。したがいまして、現在立地されております原子力発電所の耐震設計の基準になっております地震の入力は、その立地点、立地点で想定されます地震に対しまして十分耐え得るものだ、こういう考え方でなされているものが現実でございます。これが第一点でございます。
 それから、特に古い原発の耐震設計について、やはり今回、橋あるいは建物で特に耐震設計の古い基準に基づいたものにトラブルが起きているということは今の古い原発に対しても教訓になるだろうという御指摘、私どもそういう考え方は検討する際十分教訓として受けとめております。
 ただ、参考までに御説明させていただきますと、古い原子力発電所の耐震設計と申しますのは、現在の耐震設計の考え方とは基本的には同じになっております。岩盤の上に設置するとか、あるいは重要度分類によって重要なものについては十分耐えるようなものにするとか、またその地点での地震で最大のものを考えてやるというような、基本的には同じものになっておるわけでございます。
 新しい指針になった際、その前の指針で建設されております原子力発電所につきましてもチェックをいたしまして、そのチェックの結果、十分安全裕度を持って設計されておりますので、そういう観点から十分耐え得るものだということを聞いております。
 ちょっと長くなって申しわけありません。
#30
○稲村稔夫君 細かくいろいろとお話を聞けば聞くほど言いわけになってくるんです。問題は、今いろんな面を含めて見直しをして、今後大丈夫なように、できるだけ安全なように今度改めていくという姿勢が全面に出てこないとそれはだめなんですよ。
 さっき僕はちらっと言いましたけれども、これは地震予知連の特定観測地域と観測強化地域の指定の簡単な地図なんですけれども、これでいったら、例えば、僕は自分が住んでいるところがすぐ入ってくるけれども、新潟県柏崎だとかなんかというのはみんな入るんだよ、この中へ。それから、今度の阪神はもちろんここに入っています。
 そうすると、地震が起こるかもしれないんです。活断層についてもまだわからないところがいっぱいあるんです。そうでしょう。岩盤の上に設置しているからといったって、岩盤での横揺れが七百ガルもあったんでしょう。というようなことになってくれば、そんな安全安全とばかり言っていられない、大変厳しいものがあるんです。だけれども、僕は、見直しをして前向きなものが出てくればそれで黙っていようと思ったけれども、言いわけみたいな形になるからつい言いたくなるんだ。
 そうすると、仮に地震が起こってスクラムが起こったら、制御棒が入るのにどのくらい時間がかかりますか。
#31
○政府委員(笹谷勇君) 私の先ほどの説明が長くなって恐縮でございますが、先生おっしゃいました今回の地震を踏まえて、地震のメカニズム自体をよく解明するということがまず大事でございます。こういうものについて十分検討の段階で反映させていただきます。
 それからもう一点、その検討の過程におきまして、指針等新たな知見が得られまして、またそれによって十分現存の原子力施設についても検討するということになりましたら、先生御指摘のとおり検討させていただきます。
 また、スクラムでございますが、恐縮でございますが、数字は「もんじゅ」ですと一・二秒ということでございます。
#32
○稲村稔夫君 そうですね、大体一秒から一・五秒ぐらいの間が普通なんでしょう。そうしたら、ぐらっときたら、何十分の一秒でぐらっとくるときにうまく制御棒がさっと入ってくれるという保証があるんだろうか、その辺のところもいろいろと今後検討されるんですか。
#33
○政府委員(笹谷勇君) 耐震の設計が実際のものに対応した場合の試験、これは実物大は無理でございますが、先生も御承知だと思いますが、多度津にございます大型耐震実験台で、ある縮尺モデルで耐震の実証試験が行われております。この実験の段階で制御棒の挿入も行われております。
#34
○稲村稔夫君 そこで、私はいろいろとミニチュアでやってみることも必要だと思います。それは決して否定しません。しかし、スケールアップしていって、そのミニチュアをスケールアップしていったらすべてそのとおりというふうには物事というのはいかないんですよ、それが世の中なんだよ、それが。世の中というか科学でもあるんです、それが。
 だから、ぐらっときたときは本体が動いて、制御棒とのかかわりということでいくと微妙なずれが生ずることだって起こり得るんです。瞬間的にそういうことというのは起こり得るんだよ、それは。ミニチュアでやったときにはうまくいったけれども、スケールアップしたらうまくいかなかったというようなことというのはいっぱいあるんです。ですから、実物大でのテストというのも、安全の上を考えたらそれはやっぱり必要なんじゃないですかということを私はまた指摘もしておきたいと思います。
 私は、まだきょうは幾つか予定をしていたんでありますけれども、時間がなくなりましたから、この耐震設計だけでちょっと終わってしまいそうです。
 Aクラス、地クラスの場合にだけしか鉛直動を計算をしていないのは、これはどういう意味があるんですか。それは二分の一ということになっていますね、耐震設計上は。
#35
○政府委員(笹谷勇君) 耐震設計の鉛直震動については二分の一でやってございます。重要度に応じましてこの耐震設計を考えているのが指針の基本的な考えでございます。その入力を設定する際にはその重要度別に考えておりまして、Aクラスについては非常に原子炉の安全上から重要なもの、でございますので、これについては……
#36
○稲村稔夫君 二分の一にした理由を聞いているんです。
#37
○政府委員(笹谷勇君) この二分の一にした理由でございますが、指針を策定した当時の地震学上の知見を集大成しますと、工学的見地から検討する場合二分の一が妥当であろうということでございます。
#38
○稲村稔夫君 これでもう時間がなくなりましたからあれですが、アメリカは三分の二ですね。どうして日本が二分の一でいいということになったのかな。もちろん、地震の大きな水平動にしても垂直動にしても、日本で経験のない大きさがアメリカでは実際に測定されているというようなことなども含まれているのかもしれませんけれども。
 この間も触れました、今度の阪神の場合は垂直動の方が水平動を上回ったという地域もあると、そういうデータもあるんです。ということになると、二分の一でいいというこの点はやっぱり見直しをしてもらわなきゃならない課題の一つじゃないかと思うけれども、いかがですか。
#39
○政府委員(笹谷勇君) 先生御指摘になった点は、今回の地震の現象の中でも特徴的な一つの傾向でございまして、今回検討するに当たりましては、先生の御指摘を踏まえまして十分にその点検討させていただきます。
#40
○稲村稔夫君 時間がなくなりましたので、終わります。
#41
○浜四津敏子君 警察庁はいらしてますでしょうか。
 緊急に来ていただいて申しわけありませんが、本日の営団地下鉄での毒ガスによるものと思われる事件についてお伺いいたします。
 本日朝、営団地下鉄日比谷線及び丸ノ内線などの地下鉄構内において、広範囲にわたって毒ガスと思われる異臭が発生して多数の被害者が出たということが報道されました。不特定多数の無差別な人々を対象にした事件と思われまして、私も非常に驚きまた憂慮しておりますけれども、国民の方々も非常に不安を抱いております。
 現在までに判明している状況について、警察庁の方から御報告いただきたいと思います。
#42
○説明員(篠原弘志君) お答えいたします。
 現在、警察におきまして目撃者などからの情報の収集把握に努めておるところでございますけれども、現在までに判明した事項におきましては、本日午前八時過びごろ、何者かが新聞紙に包みました液体入りの容器を地下鉄の車両もしくは駅構内に置き去ったということによりまして、営団地下鉄日比谷線、丸ノ内線などの築地駅、霞ケ関駅など、現在判明しているところでは十三駅におきまして異臭のするガスが立ち込めて、その結果、乗客、駅職員の方々などにガス中毒の被害が生じたということでございます。
 十二時三十分現在のまとめにおきましては、死亡者六名、負傷者八百六十四名、うち重症の方が十名前後ということでございます。
 現在までの判明の状況は以上でございます。
#43
○浜四津敏子君 非常に多数の被害者が出ておられるようですけれども、警察としてはこれまでにどのように対応されたのか、御説明いただけますか。
#44
○説明員(篠原弘志君) 警視庁におきましては、一一〇番通報によりまして事案を認知した後に、直ちにレスキュー部隊を含みます機動隊を大量動員して現場に派遣しております。そして、救助活動や雑踏整理を行う一方で、築地警察署におきまして特別捜査本部を設置するなどいたしまして、まだ現在のところ幅広い聞き込みや鑑識活動を行っているところでございます。
 また、警察庁におきましては、午前九時に刑事、警備局の合同の対策室を設置しまして所要の対策を講じるとともに、公共の交通機関におきます警戒を強化して再発の防止に努めるよう全国の都道府県警察に指示をしているところでございます。
#45
○浜四津敏子君 その毒ガスがサリンであるという報道を耳にしておりますけれども、それは確かに検出されたんでしょうか、あるいは何かサリンであるという根拠があるんでしょうか、お伺いいたします。
#46
○説明員(篠原弘志君) 現在、警視庁におきましてその成分を分析中でございますけれども、一部の駅で採取しました遺留物を検査しております現在の状況では、サリンの疑いが強いものというふうに聞いております。
#47
○浜四津敏子君 今後も原因の究明、そして犯人の判明、また再発防止に全力で当たっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。もう結構でございます。
 それでは次に、高レベル放射性廃棄物についてお伺いいたします。
 この高レベル放射性廃棄物、最終処分地が決まらないまま、その輸送船が日本へ向けフランスを出航いたしました。この使用済み核燃料をどうするかにつきましては、アメリカではこの使用済み核燃料を再利用しないでそのまま処分する方式をとっております。一方、日本では再利用する道を選んでいるわけですけれども、今回この高レベル放射性廃棄物を輸送し、また処分しなければならなくなったというのは、後者の方式を選んだためであります。
 そこで、なぜ日本はアメリカのような方式をとらずに再利用する方法を選択したのか、その理由についてお伺いしたい。また、この二つの方式のメリット、デメリットについて御説明いただきたいと思います。
#48
○政府委員(岡崎俊雄君) 先生御指摘のとおり、原子力を利用している国、特に原子力発電を行っている国の中を見ますと、アメリカのように発電所から出てまいります使用済み燃料というものを再処理しないでそのまま直接処分をしようとする国、それから、我が国のように使用済み燃料を再処理して核燃料リサイクルを行おうとしている国、あるいは当面発電所から出てくる使用済み燃料をそのまま貯蔵している国、こういった大きく分けて三つの種類に分かれるかと思います。
 この政策の違いは、それぞれが置かれておりますエネルギー事情、特にエネルギー資源という観点から、どの程度将来にわたってその資源を確保できるかどうかという見通し、あるいは経済性の観点、こういったエネルギー事情であるとか、あるいはその国の核不拡散に対する考え方、こういった事情からそれぞれの政策がよって立っている、このように理解をしております。
 そのような観点から、我が国のように、特にエネルギーを多く使いあるいは資源が少ない、こういった国は、ウランといえども、限られた資源というものを最大限有効に活用し将来にわたって原子力というものを安定したエネルギー源としたいという観点。それからもう一点は、使用済み燃料をそのまま処分するよりは、廃棄物の適切な管理という観点からも、再処理をして必要な資源と最低限やむを得ない廃棄物とに区分をしてこの廃棄物を適切に管理をする。こういう主として二つの観点から、我が国はリサイクル政策というものをとっておるわけでございます。
 もちろん、こういったリサイクル政策をとるに当たりましては、プルトニウムを利用していくという観点がございます。したがいまして、この観点からは、安全の確保であるとか、平和利用の確保ということに厳しく限って、これを大前提に進めていくことは言うまでもございませんが、さらに加えて、こういった点について内外の理解を適切に求めていく、こういう努力が必要であろうかと思っております。
#49
○浜四津敏子君 それでは、現在日本に向けて航行中の高レベル放射性廃棄物輸送船パシフィック・ピンテール号ですが、この輸送船の領海の通過禁止あるいは懸念を表明した国が三十カ国を超える、こういう報道がありました。これは、グリーンピースという団体が入手した情報というふうに伝えられております。
 例えば、昨年の十二月二十日にフィリピン共和国ロムロ外務長官、この領海通過禁止、公海通過にも反対、こういう声明が発表された。同じくフィリピン、十二月二十一日、ラモス大統領が、非常に有害で放射能の高い廃棄物が領海に入らないよう国防省、内務自治省及び海軍コーストガード、海上警察にあらゆる対策をとるように指示した、こういう声明が発表された。同じく昨年の十二月二十三日、カリブ共同体、プルトニウムその他のいかなる有害物質も非核地帯であるべきカリブ海を通過させない、これも声明がなされた。同じく昨年十二月二十八日、プエルトリコ自然環境省、プエルトリコは高レベル放射性廃棄物の領海通過を禁止する、輸送前の環境影響評価を要請、これも声明があったというふうに伝えられております。
 また、本年に入りまして一月十七日、ミクロネシア連邦、破壊的事故を招く高レベル放射性廃棄物輸送船のこの地域の通過に懸念を表明。一月十九日、ドミニカ連邦外務省、カリブ海通過に反対。二月二十三日、南アフリカ共和国、情報公開を求め核物質と核廃棄物の輸送の総括的禁止を働きかけていく。同じくチリ共和国あるいはブラジル、エクアドル、インドネシア、さまざまな国からこうした禁止あるいは懸念の表明がなされております。
 科技庁としては、この事実を掌握されているんでしょうか。
#50
○政府委員(岡崎俊雄君) 先月の二十三日にフランスの港を出航いたしまして、現在航行いたしております。
 その過程におきまして、御指摘のとおり、カリブ海諸国でありますとか、あるいは太平洋諸国、東南アジアの国あるいは南米地域のいろんな国から、この輸送に関する問い合わせ、具体的に何を運ぼうとしているのか、あるいは特にその安全性についての問い合わせ、あるいは場合によりましたら、先生御指摘のとおり、領海を通過することに対する懸念もしくは領海を通ってほしくないという表明、こういったものが寄せられております。
 これは、私ども科学技術庁におきましても、外務省の在外公館でありますとか、あるいは事業者から、あるいは報道等によって私どもも承知をいたしております。
 もちろん、こういった懸念であるとか御心配に対しまして、今までもこの輸送に関係しています日本とイギリス、フランスの三カ国の特に事業者がそれぞれの国に出向いていって御説明を申し上げたり、あるいはそれぞれ現地の大使館を通じたり、あるいは場合によりましては在京のそれぞれの大使館の方々に対して今回の輸送の実態、特にその安全性に対する私どもの配慮、こういったものについて説明をしてきたつもりでございます。
 今後とも、そのような問い合わせであるとか懸念に対しては、それこそ誠実に丁寧に対応してまいりたい、このように思っております。
#51
○浜四津敏子君 それでは、こうした国々に対しまして、外務省にこれを伺いますが、政府としてどのように対応しておられるんでしょうか。
#52
○説明員(高原寿一君) お答え申し上げます。
 我が国政府及び事業者は、本件ガラス固化体輸送の安全性に関する客観的方説明を行うことを中心といたしまして、輸送に関心を有します諸国の懸念を払拭し、これら諸国の理解を深めるということを目的といたしまして、一連の努力を継続してまいっております。
 またかかる努力は、英仏両国の政府、事業者によっても並行してなされてきているものと承知しております。
 このような説明でございますが、具体的には次のルートで行っております。一つには、我が方在外公館による説明、次に、東京にございます各国公館からの照会に対する説明、また、電気事業者の専門家が各国を訪問しての説明でございます。
 本件輸送が、輸送船につきましては国際海事機関、輸送容器につきましては国際原子力機関の国際基準を十分満たして行われ、本件輸送の安全性には周到な配慮がなされていることは委員御案内のとおりでございますが、さらに具体的に、私どもといたしましては、この安全性の点に関しまして次のような説明を行っております。
 輸送船につきましては、使用済み燃料輸送において従来すべて無事故で過去百四十二回、一九六九年以来二十年以上の実績を有する専用運搬船を使用している。耐衝突構造を施した二重船殻構造で、衝突や座礁にも耐えられるようになっており、極めて沈みにくい構造となっていること。次に、輸送容器につきましては、IAEAの輸送規則において定められております一連の試験に係る条件を満たすように設計されているというような事柄でございます。
 これらの結果、当初見られましたような客観的な事実誤認に基づく懸念というのは払拭されてきていると承知しておりますが、今後ともさらにかかる努力を継続し、本件輸送が安全かつ円滑に行われることを確保してまいる所存でございます。
#53
○浜四津敏子君 今後、このような輸送船による日本への高レベル放射性廃棄物の返還というのは、どの程度行われる予定になっているんでしょうか。
#54
○政府委員(岡崎俊雄君) イギリスとフランスに再処理を委託しておりました結果、発生いたします。したがいまして、今後十数年間にわたりまして、現在の見積もりでございますと約三千数百本のガラス固化体を返還するための輸送を行う、このように考えておるわけでございますが、今回の輸送は輸送容器一体、その中にガラス固化体が二十八本収納されておりますので、輸送そのものはごく少量ではございました。
 今後、この経験を踏まえまして、事業者において例えば年に一回か二回程度輸送を行う、それが十数年間続いていく、このように理解をいたしております。
#55
○浜四津敏子君 今後多数回にわたって輸送が行われることになるわけですけれども、そのたびに今回各国から表明されましたさまざまな懸念やあるいは通過禁止、こういう声明が表明される、こういうことが予想されます。また、回数が重なっていきますと予期せぬ事故が起こる可能性もふえてまいります。
 政府としては、こうした状況をしょうがないということでこのままにしていくのか、それとも何らかの対策を今後打ち出していくお考えがおありなのか、お答えください。
#56
○政府委員(岡崎俊雄君) 申すまでもございませんが、こういった輸送に対して安全の確保というのは万全でなければならない。もちろん第一回は関係者大変緊張いたして輸送しておりますのであれでございますけれども、今後十数年間続くということに対して、これからも十分関係者が気を引き締めてこの安全確保に万全を期すということは当然であろうかと思います。
 さらに加えまして、この輸送、今回の経験を照らしてもできる限り内外の理解を求めていくという努力はさらになされなければならない、こう思います。したがって、こちらの方の努力も、事業者あるいは政府、それぞれ一体となりまして引き続き努力を進めていきたい、このように思っております。
#57
○浜四津敏子君 返還されます廃棄物はフランス核燃料公社で加工されました。これは、液状の廃棄物を濃縮してガラスと混ぜて、ステンレス製の容器に入れて固めてあります。ガラス固化体と呼ばれているようですが、これを放射線を遮る専用輸送容器に入れて現在運んでいるわけでございます。
 このガラス固化体の専門家の中には、輸送容器の重要なシール部分、このシール部分に安全性の高い金属シールを使わないで安い合成ゴムが使用されている、したがって安全性に問題があるのではないか、こういう指摘がなされておりますけれども、この点はいかがですか。
#58
○政府委員(笹谷勇君) 高レベル放射性廃棄物の輸送容器に使われておりますゴム製のシールにつきましては、優秀な閉じ込め機能を有するものでございまして、同じ材質のシールにつきましては使用済み核燃料輸送容器にも使われておりまして、十分な使用実績を有しているものでございます。
 また、このシールにつきましてはIAEAの輸送規則に基づく耐火試験条件、八百度C、三十分でございますが、こういう試験条件下においても密封機能が確保されるものと考えております。
#59
○浜四津敏子君 重ねて申しわけありませんけれども、金属シールよりも合成ゴムの方がむしろ安全性が高いというふうにお考えでしょうか。
#60
○政府委員(笹谷勇君) シールの方法には先生御指摘のとおり、ゴム、いわゆる弾力性のあるもの、それからメタル、こういうものがございます。これはケース・バイ・ケースでございまして、この輸送容器を設計する際の耐熱性あるいは落下衝撃性を既に実証された解析コードで解析いたしまして、密封部の応力解析でゴムのシールでやる方が現実的であるということからこういうシールになっているわけでございます。
#61
○浜四津敏子君 それでは廃棄物の内容、あるいはガラス固化体の特性についての安全審査は、政府としてはどのように行っているんでしょうか。
#62
○政府委員(笹谷勇君) ガラス固化体のその貯蔵にかかわります安全審査につきましては、ガラス固化体そのものの何といいますか、安全を審査するという形ではございませんで、ガラス固化体から出ます放射線を適切に遮へいし冷却を行うというようなことでこの安全を確保しているわけでございます。
 したがいまして、いわゆる管理施設につきましては、こういうガラス固化体の性状をもとに遮へいとか冷却、そういう設計条件が定められておりまして、そういうもので設計がなされるわけでございます。この施設について、国は原子炉等規制法で設計の段階から工事あるいは完成、運転、管理に至るまで規制を行っているわけでございます。
 また、実際返還される固化体を管理施設に入れます際は、国の検査官が行きまして一個一個確認するということになっております。
#63
○浜四津敏子君 それでは、そのガラス固化体の受け入れ基準はどのようになっていますか。
#64
○政府委員(笹谷勇君) ガラス固化体を廃棄物管理施設に廃棄する際には、廃棄物管理設備に適合するものであるということが必要になります。
 具体的には、容器に固形したものであること。それから種類、これはガラス固化体の寸法、重量、強度、発熱量、こういうようなものでございます、こういうものを数字で決めてございます。こういうものがこの管理施設で管理することができるようなものであること。また、放射性物質の種類ごとの放射能濃度がこの管理設備において管理できるものであること。また、容易に飛散しあるいは漏えいしないというようなことが基準になってございます。
#65
○浜四津敏子君 今回返還されるガラス固化体は青森県の六ケ所村の一時貯蔵施設に保管されることになっておりますけれども、例えば、この施設において仮に地震が起きたような場合、空気の出入口がふさがれたりして内部の温度が上がり、またガラス固化体が破壊され大量の放射能放出事故につながることがあるのではないか、こういう懸念を示す人もいますけれども、こうした危険、懸念は実際に起こる可能性があるものでしょうか。
#66
○政府委員(笹谷勇君) この廃棄物管理施設におきましては、ガラス固化体の冷却は専用の冷却系統が設けられております。これは自然対流によってガラス固化体をその収納容器の外側から冷やすということになっておりまして、空気に直接触れるような構造にはなっておりません。また、特別な冷却のための送風機とか動力等を必要とする機器もございません。
 地震の際、この自然冷却の空気取り入れ口、それから空気を出すところ、またその途中の経路等については耐震設計上最も重要な施設として位置づけまして、耐震設計指針で設計してございますので、冷却がうまくいかないというようなことは今の指針に基づいて設計している限りないものと考えております。
#67
○浜四津敏子君 このガラス固化体、一時六ケ所村の施設に貯蔵される、こういうことですけれども、一時というのは何年ぐらいのことを予定されておられるんでしょうか。
#68
○政府委員(岡崎俊雄君) 最終処分に至りますまでの間、結論的に申し上げますと、三十年から五十年間貯蔵をいたす、このようにしてございます。これは、昨年六月に原子力委員会がまとめました長期計画の中にもそのように書かれておりますし、それから、今回の六ケ所村におきます貯蔵に当たりましての事業者と青森県の地元の方との結んだ協定の中にもそのような期間が明示されております。
 これは御承知のとおり、廃棄物の中にはいろんな放射性物質がまざっておるわけでございますけれども、この放射能というのは時間とともに減衰をいたします。それに伴って、主として放射能の減衰とともに発熱量も下がってまいります。したがいまして、この三十年から五十年間の後にはいわゆる工学的な判断として、あるいは一般的な地質条件等を勘案して、そのころになりますと処分が可能な状態になるということが判断の根拠となっておるわけでございまして、したがいまして三十年から五十年間ぐらい貯蔵をいたす、このような計画でございます。
#69
○浜四津敏子君 三十年から五十年といいますと二十年の幅があるわけですけれども、多少アバウトな感じがしないでもありません。いずれにしても、このガラス固化体を覆っているステンレス鋼がその期間、高熱と強い放射能にさらされることになります。このステンレス鋼というのはこの期間十分に耐えられるものなんでしょうか。この管理施設から取り出そうとしたときに穴があくとか、あるいは破壊して漏れるようなことがあれば大変問題であるというふうに思いますが、この点はいかがですか。
#70
○政府委員(笹谷勇君) 先生御指摘のとおり、この施設に三十年から五十年間ステンレス鋼の容器に入りましたガラス固化体を管理することになっているわけでございますが、この安全性につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、その固化体とそれを入れます施設、この両者でその健全性を維持するという審査を行っているわけでございます。
 施設の方につきましては、先ほど申しましたように、設計から建設、管理に至るまで法令に基づきましてきちっと管理することになっているわけです。
 また、ガラス固化体そのものにつきましては、先ほども申しましたように、直接外気と接触しないように冷却いたしまして固化体容器の腐食を防止するということを講じているとともに、長期間、五十年を念頭に置いてあるわけですが、この管理を想定したガラス固化体容器の腐食、また放射線による劣化等も十分考慮して、また貯蔵に必要な強度も九段積みにするわけですが、こういうものについても十分検討してございます。こういうことによりまして、三十年から五十年安全に管理されるものと考えております。
#71
○浜四津敏子君 その三十年から五十年たった後の問題ですけれども、この貯蔵後、最終的にはどのように処分される予定でおられるのか。また、この最終処分後、地震とかあるいは容器の腐食によって中の放射能が漏れて地下水が汚染されるとか、あるいは飲み水や環境が汚染されるというような危険がないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#72
○政府委員(岡崎俊雄君) この高レベル廃棄物の最終処分については、もちろん原子力発電を利用する国々にとって解決すべき大きな課題であることだけは間違いございません。この最終処分に当たりまして、当然のことながら放射能の影響が長期間にわたって、いわゆる人間環境から適切に隔離をされている、すなわち人間であるとかあるいは環境に対して影響を与えないようにする、こういうことが基本であろうかと思います。
 この観点から、今国際的にもフランス、スウェーデン、アメリカ、カナダ、各国とも最終的には地下数百メートルぐらいの安定した地層に処分をする、こういう方針のもとにそれぞれの国が研究開発に鋭意取り組んでおるわけでございます。
 もちろん、現在考えられております計画によりましても、このガラス固化体、先ほど先生御指摘のステンレスに覆われているわけでございますけれども、それを直接地下に処分するのではなくて、それをさらにオーバーパックと称する鋼鉄製の容器で囲み、さらに処分に当たりましてはベントナイト系、すなわち水を通しにくいそういう障壁網を設ける、こういった形で最終処分をしていこうということで、現在、技術的にはほぼ安全に行える見通しが得られつつあろうとも申し上げてよろしいかと思います。
 このような研究開発を進めますと同時に、この最終処分に当たります実施主体が果たしていかなる主体が適切なのか、こういう観点からの検討も今鋭意行われているところでございます。
 現在の計画でございますと、二〇〇〇年ごろにこの実施主体を設立しようということで、既にもう準備会もでき上がってその準備を進めておるところでございます。この二〇〇〇年ごろに設立されます実施主体が処分地を選定し、安全評価もきちっと行って、最終的には現在から三十年から五十年後、すなわち二〇三〇年代から遅くとも二〇四〇年代ぐらいにはこの処分の事業が行われるように、こういう計画で今関係者総力を結集して当たっておるところでございます。
 それから、先生御指摘の最終処分された後、地震の問題であるとか、あるいは特に水を通していわゆる地表あるいは人間環境に影響を及ぼすのではないかと、そこが懸念されることは全く御指摘のとおりであるわけでございますけれども、この観点についても科学的にあるいは技術的にそういうことを十分克服できるような技術開発が今進められておるところでございます。
#73
○浜四津敏子君 新聞の報道によりますと、高速増殖炉「もんじゅ」は、フラッシュタンクの設計ミスで水と蒸気が十分に分離できないことがわかったと、こういうふうに伝えられております。そして動燃は、設計する上での配慮が足りなかった、こう述べておられるようですが、この事故のために送電が約三カ月おくれる、こんなふうに伝えられております。
 貴重な予算を設計者の無配慮というミスによって浪費することは許されないのではないかと思いますけれども、この事故に関する原因、そして対策について御説明いただきたいと思います。
#74
○政府委員(岡崎俊雄君) 大変御心配をいただいております高速増殖炉原型炉「もんじゅ」、電気出力で二十八万キロワットのいわゆる高速増殖炉の技術開発段階にある原子炉でございます。昨年臨界に達して以来、いわゆる炉物理試験という物理的な試験を行ってまいりました。
 大変順調に進んでおったわけでございますが、この二月十七日からいよいよプラント全体、すなわち蒸気を起こして発電機を回し、電力を起こしてみるいわゆる起動試験というものに入ったわけでございます。
 その試験の過程におきまして、二月二十一日に、原子炉自体の運転そのものは大変順調であったわけでございますけれども、御指摘の水・蒸気系、ちょっとこれは言葉で説明するのは大変難しゅうございますけれども、この「もんじゅ」というのは原子炉の冷却剤にナトリウムを使っでございます。原子炉を回る一次系、それからそれを蒸気に伝える間に二次系のナトリウムループ、さらにその外側に水・蒸気系ということで、そこで蒸気を起こして発電をすると、そういう水・蒸気系があるわけでございますが、そこの試験の過程において、一部フラッシュタンクと言われるところのタンクの圧力が低下をいたしました。この低下によりまして十分な水が流れないという事象が起こりました。
 その後、鋭意動燃事業団はこの原因究明のための試験を実施しましたところ、原因として二つ見つかったわけでございます。
 一つは、フラッシュタンクの底から水が流れ出るところに蒸気を巻き込んでしまうという現象が生じたこと、さらに、それに続いております配管が少し細くて十分な流量が得られない、こういう事象が起こったわけでございます。したがいまして、この三月十五日早朝に原子炉を停止いたしまして、フラッシュタンクの底の巻き込みを防止するための改造、あるいはそこにつながります配管の一部口径を大きくするための改修工事に取りかかったわけでございます。
 そのようなことから、この試験がおくれてしまうことは大変残念なことでありますけれども、原因を徹底的に究明し、対策工事も万全に行って、安全確保を大前提に所要の試験を引き続き進めていきたいと思っております。
#75
○浜四津敏子君 それでは、時間が迫ってきましたので、最後に、大臣に一言。
 この「もんじゅ」につきましては、二月十二日に市民の方々の意見を聞く会を開いたというふうに伝えられております。大臣も御出席されたというふうに伝えられております。こうした対話の機会を持つということは非常に望ましいものであるというふうに私たちも考えております。今後もこのような対話を進める機会、あるいは積極的な情報公開を進めていただきたいというふうにぜひ思います。
 また、何かあったときには現場にすぐに行くというのは、私はリーダーとしては当然の姿勢であるというふうに思います。
 例えば、旧ソ連のゴルバチョフ大統領もアルメニアの大地震のときにはすべてのスケジュールをキャンセルして現場に行った。あるいは中国の周恩来首相も大地震のときに現場に行ってテントを張ってみずからそこのテントに寝泊まりしながら陣頭で現場で指揮をとった、こういうふうに言われております。
 本日の大臣の聖路加病院へのお見舞い、これにつきましては、なるべく委員会軽視という批判が出ない御配慮をいただきながら、しかしこれからも、対話をするあるいは現場にすぐに飛んで行く、こういう姿勢はぜひ持ち続けていただきたい。私は、立場あるいは主義主張の違いを超えまして、そういうリーダーの姿勢については一生懸命声援させていただきたいというふうに考えております。
 一言もしございましたら。
#76
○国務大臣(田中眞紀子君) ちょっと一言で終わらなくて、たくさんいい質問をしていただきましたので、一言申し上げさせていただきたいと思います。
 対話につきましては、これは必須で当然の義務でございまして、皆様の理解がなくてできることではございませんから、もう当然のことであるし、今後も続けてまいります。
 それから、先ほど来ずっと先生がお尋ねくださっています核燃料リサイクルの問題に対する私の基本的な認識をしっかり申し上げておきたいと思います。
 日本は資源がなくて、そしてこのようにプルトニウム利用までもしなければならないということは現実でございます。そして、その中で安全、平和利用ということを最善に、もう当然のこととしてやっているわけでございます。ただ私は、こういう日本の宿命といいましょうか、そういう中でもって一番感じますことは、エネルギーの需要が増大していくという中でもって自分たちがどうやってこういう生活を維持して、次の世代にそれを伝えていくのかという基本的な素直な観点に立ちましたときに、本来でしたらばこういう廃棄物の問題というものは生活ごみと同じでして、自分で片づけるべき問題で、それが理想であるし、最終的な姿だろうというふうに思います。
 ほかの国にお願いしていて、そして、そのルートがどうであるとか、先ほど細かくおっしゃったように、ゴムの使用でいいのかとか、キャニスターの安全はどうかとか、今後埋設はどうするのかとか、三十年後、五十年後にとってどうやっていくのか、もしも漏えいが起こった場合どうするかというふうな疑問を私たちみんな持つわけでございます。
 ですから、そうであれば、私はむしろ科学技術というものを、例えば筑波へ金材研、無機材研を視察に参りましたけれども、いろいろ優秀な、堅牢な材料開発というふうなこともされておりまして、こういうことをすることによってすばらしい容器というものができ上がるということも考えられます。
 それからさらには、廃棄物に対しましても、今回はたった二十八体で、そして年に二回も、今後何十回もほかの周に依頼していくということ自体がおかしいことでございまして、そうした廃棄物を国内でどのように科学的に処理ができるのかというふうなことについても相当研究しなければならないんです。
 ですから、今できる科学技術の範囲内で世界の協力を得ながら最善の努力を安全第一でやってはおりますが、これで踏みとどまっていていいなどと全然私は考えておりません。こういう日本の実情の科学の限界の中であればあるからこそ、むしろ予算を有効に使って人材の開発とかというふうな、本当の本質的な科学はどうあるべきなのかということを、平たく言うと生活に役立つ、私どもすべてですけれども、日本人として世界に迷惑をかけないでエネルギーの安定供給をするために、安全確保をするために予算を生かしていく、人間づくり、知恵を働かせるということに尽きるだろうというふうに思っております。
 そしてそのためには、いろいろな考えの方がいらっしゃるわけですから、それは当然のことです。ですから、むしろそのためには「もんじゅ」も含めまして対話をする、みんなが自分の問題としてエネルギー政策を考えていくような体制づくりというものに力を注いでいきたいというふうに考えております。
#77
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
#78
○乾晴美君 よろしくお願いいたします。
 同僚議員がみなさん触れていらっしゃいますのでどうしようかと思いましたが、私もやっぱり、長官が急いで事故現場といいましょうか病院に駆けつけられたということは高く評価したいと思います。
 ニュースによりますと、六人もの方が亡くなりましたし、また重症の方が十人もいらっしゃるということで、私もその事件をテレビで見ましたときには非常な驚きとまた怒りを感じたわけでございます。
 長官が十一時ごろに知られたということで、非常に遅かったということも残念だったんですけれども、この委員会が一時から始まるということは御存じだったので、行ってすぐ引き返してくるということだったと思います。二十分おくれるという連絡があったそうですけれども、二十分で帰ってこられるというように思っていらっしゃったのか。もっと大変でしたら向こうにずっといらしたのか。情報を聞いたりいろんなことをするときにもっと時間がかかるというように考えられたのか。それとも、そういうときには政務次官がいらっしゃるわけですから、政務次官の方に行っていただくとか、毒物がサリンとか、また、サリンは無臭だから混合物だったかとかと言っていますので、そういった毒物に造詣のある方に先発隊として行っていただくというような方法もあったんではなかろうかと思うんですけれども、やっぱり二十分ぐらいおくれて帰ってこれるというようにお考えになってお出かけになられたんでしょうか。
#79
○国務大臣(田中眞紀子君) 二十分おくれた上に、私が自分で大変ざんきに耐えませんことは、実は、十一時に主人が知っているんだろうねと言って国会から電話をくれるまでテレビも見ていなかったという事実でございます。
 これが八時からだったということ、すぐテレビをつけましたら、子供が八時過ぎから被害が出ているとテレビが言っている生言ったものですからびっくりして、ああ、やっぱり政治家なんというのは、朝からテレビは自分でつけておかなかったら、危機管理は人に任せてはいけないんだと思って、すぐ役所に電話をかけて何で言ってくれなかったんですかということを言ったんです。いや、一時からの会議でございますのでお迎えはそれまでにというんで、とんでもない、今すぐに私は自分で行ってみたいと。そしてまた内閣とも連絡をとりましたが、官房長官は会見をなさっておりまして官房副長官とお話をいたしまして、私は委員会がありますけれども、閣議がまだ全然招集もされていないようですし、自治大臣が官邸にいるということでしたので、初めの段階で死亡者が出たり、こんなに大勢の被害者が出ているのに、会議会議というのが私はもうとにかく得心がいきませんで、自分でまず行ってこようということで出発いたしました。
 もっと早くに自分がこのことをわかっていれば、もう九時でも十時でも吹っ飛んで行ったのに残念だと思っております。遅刻しましたことは重ねておわびを申し上げますし、以後気をつけます。
#80
○乾晴美君 よくわかりました。
 この委員会が一時からということは初めから決まっておりましたものですから、時刻が八時半ごろだったとか九時だったとかいうことですけれども、これはいつ起こるかわからないわけでして、そういうような危機が起こったときに、大臣は委員会を大切にされるのか、また、そういった現場の方を大切にされるのかということをちょっと聞いてみたかったということでございます。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思いますけれども、三月十八日に打ち上げられましたHU三号機の成功は私も大変うれしい、もう地震があったり、そしてまた円高だったりして、非常に国民が暗い気持ちになっているときに成功して本当にほっといたしております。非常によかったというように思っているわけなんです。
 これは純国産であるということで、総開発費というかお金のことがちょっと気になっておりまして、二千七百億円かかるということで、一機の値段がドルによってそれぞれまた違うでしょうけれども、日本円では百九十億円ぐらい、二百億円ぐらいかかるというようなことなんです。日本の国じゃなくて、アリアン四号というかアリアン4というんでしょうか、同じような機能を持っているロケットがあるらしいんですけれども、そのアリアンスペース社でつくった一機につきましては約一億ドルぐらいだということで、今の円に換算するとまあ九十億円ぐらいということになるわけなんです。
 高いんではないかと思うんですが、しかし安かろう悪かろうということでは困りますので、日本はやっぱり成功率が非常に高いから、これは一機のお金が高くても仕方がないというように思っていらっしゃいましょうか。この経費についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#81
○政府委員(沖村憲樹君) 今回の打ち上げに関しまして、いろいろ御支援を賜りましてありがとうございました。心より御礼を申し上げたいと思います。
 今、ロケットのコストについてのお尋ねでございますが、先生御指摘ございましたように、HUロケット一機製作いたしますと百九十億円ということでございます。
 このロケットは、当初開発いたしましたときは、一ドル二百四十円のもとで国際的に十分競争力あるロケットになり得るということで開発を進めたのでございますが、御案内のとおり、現在では九十円を切るということになりましたので、今のところ国際的に比較いたしますと大変高額なロケットになっております。
 ただ、このロケットにつきましては、この後三割程度のコストダウンを図っていきたいというふうに考えております。と同時に、今、先生御指摘いただきましたように、この信頼性につきましては、今回、HTロケットも含めまして日本のロケットは非常に高い評価を受けておりますので、コストダウンを図りました価格とこの信頼性をもっていろいろ世界的にも利用を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#82
○乾晴美君 これはやはり、世界の主力ロケットのもう仲間入りしたというように私も思わせていただいていますし、皆さんもそのように考えていらっしゃるだろうと思いますけれども、国際競争力を考えると、やっぱり先行きは決してそんなに明るいものでないというように思っています。
 それからもう一つは、宇宙開発事業団の五代理事からのお話がありまして、日本のロケット技術開発は防衛と全く結びついていない、しかし、これは世界でもまれな例でして外国には理解しがたいんではないか、どこの国でも宇宙開発は兵器ですというような言葉を以前に申されたことがあると思うんです。私たちは平和目的で使っていると思っていますけれども、世界の人たちは、軍事に転用しやすいそういったロケットを開発したというように見ないわけでもないわけですから、せっかくのこの成功に当たって、その意義を内外にきちんと明らかにしていく必要があるだろうというように思いますけれども、いかがでしょうか。
#83
○政府委員(沖村憲樹君) 御指摘の点につきまして、日本の宇宙開発は平和目的に限るということで国会でも御決議いただいておりますし、また、事業団法等でもきちんと規定されておりますので、この方針に従って宇宙開発を進めてまいりたいということでございます。
#84
○乾晴美君 私は、先ほどから同僚議員のやりとりを聞いておりまして、先ほどそちらの方のお答えで、浜四津議員が「もんじゅ」のことで、水とか蒸気系のトラブルは大丈夫だったのかとか、それから、その蒸気を吐き出す細い管がどうのこうのとか、いろいろ説明をなさっておりまして、それは言葉で説明するのは非常に大変難しゅうございますがという話があったわけなんですが、私はこれは前から思っているんです。
 それは、科学技術の進展というのは非常に目覚ましいものがあるわけなんですけれども、それこそ科学技術庁がかかわっているこの科技特といいましょうか、この委員会こそもっともっとこの委員会にふさわしい審議のあり方があるんではないかと思うんです。国会百年を過ぎて、やっぱり百年前と同じように、前にこうして速記してくださっている、そして説明のわかりにくいことを言葉で言っていくということじゃなくて、もっと視聴覚機器を使ったりメディアを使ったりしてふんだんに説明していく場面があったっていいのではないかと思うんです。
 私は、特にこの科技特もそうですけれども、予算委員会や何かでこういう問題が出ましたときに、ガラス固化体が大丈夫なのかとか、輸送されているときにガラス固化体から放射線が漏えいしないのかとかということが出たときに、これはこうこうこういうふうになっていますから大丈夫ですということをびちっとスライドででも、それからビデオみたいなものにでも撮ってはあっと放映すると国民一般の人もよくわかるし、聞いている本人もよく理解できますし、ということがあるなというように思います。
 若者の科学技術離れといいますけれども、今、国会をとってもよく見てくださっていますので、そういう機会を通じて、科学技術庁がかかわっている委員会だからこそどんどんもっと改良していけばいいのにという意見を持っておりますけれども、長官、いかがですか。
#85
○国務大臣(田中眞紀子君) メディアを率先して利用してわかりやすくしていった方がよろしいという御指摘はそのとおりでございまして、私も、衆参両院で閣僚が、先生方が大変御熱心でありがたいことの結果でございます。ですが、重複質問が大変多くて、国会が本当に、重要な問題は何度も何度も大切なことございますけれども、総理も本当にお気の毒だと思うこともございます。
 ですからそういうときに、やっぱり一回わかっていただけるように、この地震の問題でも随分衆参両院時間がかかりましたし、それから、今おっしゃっているような「もんじゅ」の問題も、どういうふうな構造で高レベルの廃棄物が返還されてくるかというふうなことにつきましても、今おっしゃるようにスライド利用とかそのほか、せめて科学技術委員会だけでももっとわかりやすく短時間でできるようにするということは必要だろうというふうに思います。
#86
○乾晴美君 それでは、日本の自然科学の研究費についてお伺いしてみたいと思うんです。
 先進主要国と比較して日本の科学技術に対する費用が非常に少な過ぎるんじゃないかというようなことでいろいろ調べてみましたら、新しいデータもありますというようにおっしゃっていただきまして、一九九三年の数字を見せていただきました。やっぱり自然科学の研究総額が一九九三年で十二兆五千億円ということで、国民総生産費が四百七十一兆円でしたから、国民総生産費に対する割合は二・六六%だったわけです。
 この数字は先進主要国と比較して遜色はないわけなんですけれども、しかし、政府負担研究費は三兆円ということで、国防研究費を除くと二兆八千億円なわけで、つまり、政府負担割合は日本は二〇・四%ということで、国防研究費を除いた政府負担の割合が二〇・八%というようになっております。これは諸外国と比べて大分少ない数字です。防衛費を除いた政府の負担割合は、例えば、アメリカでは二二・九%、ドイツでは三三・八%、フランスは三二・九%、イギリスは二一・六%となっているわけなんですが、我が国のこの研究費の政府負担割合がなぜこんなに少ないんだろうか、これからどうしようとお考えなのかを聞かせていただきたいと思います。
#87
○政府委員(落合俊雄君) ただいま御指摘ございましたように、確かに我が国の政府負担割合、諸外国と比較いたしますと少ないことは事実でございます。
 この理由でございますが、これまで科学技術を産業の現場に適用しようとする民間企業の強い意欲と努力を背景といたしまして、民間企業を中心とした産業競争力の確保のための応用開発段階の研究開発に対する投資が大きかった。そのために、基礎研究の充実に必要な政府研究開発投資の比率が総体的に低かったというふうに考えております。
 この点につきましては、平成四年四月二十四日に閣議決定されました科学技術政策大綱におきましても、我が国の研究開発投資構造が、産業競争力の確保のための研究開発に対する投資の比率が極めて高いというものを踏まえまして、それをさらに基礎的な研究に調和のとれたものへ転換していくことを促していくということを科学技術政策大綱でも述べているところでございます。
#88
○乾晴美君 日本のそういった研究というのは民間企業に非常におんぶしているところが多いだろうというように思うわけなんですが、今、円高で非常に企業は不況に悩んでいるわけでして、そういったところに投資していくというのが低迷していくんではないかというように思うわけです。やっぱりもっともっと我々が考えて、もっと政府の方からもしっかり応援していけるような方向になっていかなきゃいけないだろうと思うんです。アメリカは大分減っていると言いつつも、やっぱり二五%ぐらいは援助しているというか、出しているわけですから、日本が二〇%程度しか出ていないというのは非常に少ない数字だというように思います。
 そういった今後の方針で、今度、新年度予算ではどのように頑張るというか、方針がなされていますでしょうか。
#89
○政府委員(工藤尚武君) 今、先生御指摘のように、日本の研究開発投資の中で民間の占める割合、約八割でございます。その八割に当たる民間の研究開発投資が長い不況で低迷をしておりまして、平成四年度の総務庁の統計によりますと、この調査が始まって以来初めて前年度を下回る、〇・五%でございますが減少したという初めての事態が生じたわけでございます。その後平成五年度におきましては、この前年度の下回り方が四・二%とさらに落ち込んでいるという状況でございまして、これは大変な事態であるというふうに考えておるわけでございます。
 そういうことから、科学技術庁といたしましても、特に税制面あるいは金融面の措置を通じまして民間の研究開発投資を支えていくということをやっておりまして、特に税制面につきましては、試験研究費が過去の最高額を超えた場合に、超えた金額の二〇%を税額控除するという増加試験研究費の税額控除制度というものがございますけれども、これは一番基本的な研究開発税制でございますが、これを昨年度の税調におきましても二〇%を維持するということで、先生方の御理解を得てこれが維持できたわけでございます。
 そういう税制でございますとか、いわゆる基盤技術開発研究用資産の取得価額の五%相当額を控除するというハイテク税制、そういった税制面におきましてこの民間の研究開発投資を支えております。さらに、開銀の融資でございますとか、そういった金融面の措置、低利の融資あるいは出資制度によります金融面の措置についてもいろいろと努力をしているわけでございまして、今後ともこういう税制、金融上の措置を通じて頑張っていきたいと思っております。
#90
○乾晴美君 時間と思いますので、ありがとうございました。
#91
○西山登紀子君 まず、大臣が遅刻をされた問題ですけれども、私はお答えは要りません。
 私も理事会で事が事だけに了解をいたしましたけれども、やはり委員会の開会が一時というふうに決まっていて、予算委員会から委嘱をされた大事な委員会だということで、理事会に事後報告といいますか、事後承認というようなことが問題だったというふうに思っています。お答えは要りません。
   〔委員長退席、理事志村哲良君着席〕
 それで、きょうは私は関西電力の大飯原発二号機の事故の問題についてお伺いをいたします。
 阪神大震災の経験から、原発の安全性について、特に近畿圏、私は京都出身ですけれども、住民の不安が高まっている中で、二月二十五日、関西電力大飯原発二号機が事故を起こしたわけです。私も三月二日、関西電力京都支社に、真相の解明などを申し入れに行きましたけれども、関西電力の対応は、私は必ずしも親切なものではなかったんじゃないかというふうな感想を持ちました。
 この事故は、蒸気発生器の伝熱管が破損し、放射能を含む一次冷却水が二次冷却水に漏れて手動停止したんですけれども、その際外部電源の切りかえがうまくいかずに、主蒸気逃し弁から放射能を含む蒸気が大気中に放出されたという事故だというふうに伺っておりますけれども、科学技術庁原子力安全委員会のこの事故の評価、どのように評価をされているか、お伺いをいたします。
#92
○政府委員(笹谷勇君) 原子力安全委員会では、従来より原子力発電所等における故障あるいはトラブル等が発生した場合には、安全確保の一層の向上の観点から、常にその一つ一つに対しまして徹底した原因の究明を行いまして、これに基づきました所要の再発防止対策、こういうことを講じているわけでございます。
   〔理事志村哲良君退席、委員長着席〕
 今回の関西電力の大飯発電所二号炉の手動停止、これに伴うトラブルにつきましても、ただいま申し上げましたような考え方によりまして、慎重に審議を行いまして、安全の確保に万全を期していきたい、このように考えております。
#93
○国務大臣(田中眞紀子君) これに関連して、私からも一言お答えを申し上げたいと思います。
 先週の衆議院の科学技術関係の委員会でもこのお尋ねが出まして、これは大飯ではなくて、関電が事故が多いという御指摘がありまして、私も実はそのように、数えていただきましたら、このところ何かもう十五回ぐらい何年間かの間にありまして、そして、気の緩みがない、とは言われるかもしれませんけれども、安全安全と言っていて、一つの会社から問題が起こり過ぎるのではないかと、頻発していると思いました。
 そして原子力安全委員会が、通産省において行われています。その詳細な調査の報告を徴して、その後に慎重なその審議を行うそうで、それはまどろっこしいんですね。それをまた安全委員会が待っているのもおかしいですね。安全委員会自身が、こんなに頻発しているよといってブザーを鳴らさなきゃいけないはずですのに、そういう手順を待っているということでございましたので、私は三月十六日に関西電力に電話をいたしました。
 社長にじかにお話をさせていただこうと思いましたが、外遊中でいらっしゃいましたので、原子力担当の副社長さんの鷲見さんという方とお話をして、注意喚起をいたしまして厳しく申し上げましたらば、今週じゅうぐらいには多分説明に来るということでございましたので、それをまた聴取した結果、先生の事務所にでも御返事を申し上げます。やはり人間が機械を動かしているわけでございますので、最終的にとまればいいとか、そういうことではないんですね。絶対あってはならないことでございますので、結果はまた御報告を申し上げます。
#94
○西山登紀子君 大臣、私が質問をする先に御答弁をいただいたようですけれども、私も大変不思議に思っているんです。日本全体での原発の放射能漏えいトラブル十六回、そのうち十五回が全部関電なんです。これはおかしいじゃないかと思います。
 そういうことをもう根本的におかしいと思うんですが、今回のこの蒸気発生器の事故というのは、昨年七月に定期検査が行われているんですね。昨年七月に定期検査が行われているんです。ところが、そのときにはわからなかった、問題はなかったということでしょうか。
 その調査結果なども教えていただきたいし、私なんかが考えましても、それではその定期検査をもっとターミナルを短くするとか、あるいは精度をもっと精密なものにするとか、そういう小さなトラブルでも発見できるようなものにしておかなければ意味がない。あるいはこの蒸気発生器本体がもうそもそも老朽化してしまって、廃棄しなければいけない根本的な問題を抱えているんじゃないかというようなことも考えますけれども、どうですか。
#95
○説明員(三代真彰君) 実用発電用原子炉について安全規制を担当しております通産省から御説明させていただきます。
 今御指摘のありました点でございますけれども、原子力発電の開発利用、これを推進するためには徹底した安全性の確保が大前提であるということは申すまでもございません。このため、従来から原子炉等規制法及び電気事業法に基づきまして、原子力発電所の設計、建設、運転の各段階において厳重な安全規制を実施するとともに、各サイトに運転管理専門官を派遣するなど、電気事業者に厳しい指導監督を従来から行っているところでございます。
 運転の段階におきましては、電気事業法に基づきまして約一年に一回原子炉を停止して定期検査を行っております。先生御指摘の蒸気発生器伝熱管につきましては、毎回、その伝熱管の全数、全長にわたりまして渦電流探傷検査、これはECTと申しておりますが、これを行うことによりその健全性をチェックしております。
 それで、大飯発電所二号機に関しましては、昨年二月から七月にかけて定期検査を行いました。当時の結果では、今回損傷が発見された当該管では有意な損傷は認められませんでした。なお、定期検査におけるそのECTにおいて有意な信号を検出した伝熱管につきましては、すべてスリーブ補修や施栓により対策を講しているところでございます。
 そのほかにも、運転中におきましても一次冷却水の漏えいを厳しく監視し、有意な漏えいを検知した場合には、直ちに原子炉を停止する等の措置を講じることとしております。徹底した対策を講じております。
 今、先生御指摘の、今まで十五回関西電力で起きておるのではないかというお話でございますけれども、その内訳を見てみますと、美浜一号機で六回、それから美浜二号機で四回ということでございまして、やはり初期の段階の蒸気発生器においてこのようなトラブルがよく見受けられているわけでございます。これらについては、今後というか、既に美浜二号機については蒸気発生器の交換を行いましたし、美浜一号機においても今現在蒸気発生器交換の作業をしている最中でございます。
#96
○西山登紀子君 時間が余りないんですけれども、昨年七月にやったときには有意な差はなかったと。半年後にこの事故が起こっているんです。だから、定期検査の内容だとかあるいはターミナルを短くするだとか、抜本的な改善策をとらなければだめじゃないのかとお聞きしているんです。そのお答えがなかったように思うんですけれども。
#97
○説明員(三代真彰君) 昨年行いました定期検査でございますけれども、大体蒸気発生器一体につきまして三千三百八十八本、それから、その一本当たりの長さは二十メートルの伝熱管が入っているわけでございます。大飯二号機の場合には、蒸気発生器が四機あるわけでございます。それについてすべて、先ほど申し上げたECTをやっております。
 昨年の定期検査におきましては、先ほど申し上げましたとおり、ECTの結果、有意な信号を検出した伝熱管についてはすべて施栓しております。具体的には、昨年の定期検査のときには二百十九本の伝熱管においてこのような有意な信号が得られまして、それは施栓しております。
#98
○西山登紀子君 お答えが得られないわけですね。そのときに異常がなかったとしても半年後に異常になっちゃったと。それならば、その半年前にちゃんと異常が発見できるようにもっと精密な検査が必要じゃないかと、普通私は常識的に考えてもそうじゃないかと思うんですけれども。私、今のお答えで十分納得はいたしませんが、時間がないので次に移ります。
 次に、この事故記録を見せていただきましたけれども、これは、高感度主蒸気管モニターという、通常値の二倍を記録して警報を発信いたしました後に、最初のサンプリングを行うまでに五十五分もたっています。その後、出力降下を開始するんですけれども、原子炉を手動停止したのは最初の警報が出てから三時間もたっています。その間に細管破断というような大事故になった可能性もあると考えると、私はこの点は非常に重要だと考えます。
 この高感度モニターを設置したというのは、九一年のあの関西電力美浜原発の蒸気発生器の破断事故が起こって、教訓からもっと感度のいいやつをつけようということでつけたはずなんですが、それが警報を発信して、五十五分たってやっとサンプリング調査が行われたということは、私は非常に解せません。警報が出た場合に原子炉停止を行うとの運転マニュアルがあるわけですけれども、そのとおりに行われたと報告されていますけれども、そのマニュアルの内容を教えてください。
#99
○説明員(三代真彰君) 美浜二号機のトラブルを踏まえて作成した対策でございますけれども、通産省といたしましては、平成三年十一月に再発防止対策の実施等につきまして電気事業者を指導してございます。その結果、蒸気発生器伝熱管漏えいの監視につきましては、漏えいの早期発見のため厳重な監視を行い、二次系冷却水の放射能濃度等に有意な変化が認められた場合には原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずるということを各社の社内規定に規定したというふうに報告を各電気事業者から受けているわけでございます。
 それで、先生御質問の高感度型モニターでございますけれども、美浜二号機が起きてからこのようなN16というものがこのように発生したのは初めてでございまして、電気事業者の社内規定におきましては、やはりこのモニターが正確に作動しているかどうかというのをチェックして、なおかつ美浜二号機のときには、有意な事象が起きたときにはその後原子炉をとめなさいという指導をしたわけですけれども、そのときの判断基準に至る前に電気事業者が自主的に早く原子炉をとめております。
 以上でございます。
#100
○西山登紀子君 この時系列をずっと見せていただきますと、午前三時十分に高感度モニターが警報を発して、そして実際サンプリングを開始したのが四時五分。五十五分もかかっているわけです。どうして五十五分もかかるんですか。警報が鳴ったらすぐ警戒態勢に入ってすぐ調べるということを開始してもよさそうだと思うんですけれども、どうして五十五分もかかったんでしょうか。
#101
○説明員(三代真彰君) その辺の経緯については今現在調査中でございますが、その経緯書に書いてございますように、R19という蒸気発生器ブローダウン水モニターというのがございます。そして、最初の高感度型モニターが警報を発したときには、このもう一つのモニターは一切警報を発していなかったわけでございますので、高感度型モニターが正確な信号を発しているかどうかということを調べて、その後、R19という普通の蒸気発生器ブローダウン水モニターが約一〇%増しの数値を打ったということで、自主的に関西電力の方で原子炉を停止したというふうに我々は調査してございます。
#102
○西山登紀子君 もう一度お伺いしますが、三時十分に高感度モニターが警報を発した。そして五十五分後にサンプリング分析が開始された。この間、五十五分間の中でそのサンプリングを行う人材がその場所にいなかったということはありませんか。
#103
○説明員(三代真彰君) 御指摘の点もあったかと思います。
#104
○西山登紀子君 非常に重大だと思うんですね。
 美浜の原発事故の教訓から、早く見つけようということで高感度の警報器をつけた。その警報が鳴った。さあサンプリングあるいは分析を開始しようと思ったらその場にそういう人材がいない。こういうことでは、やはり不安になるのは私は当たり前だと思うんです。そういうことをきちっとしていただくようにお願いをしたいですが、どういうふうに指導されますか。
#105
○説明員(三代真彰君) 今の先生の御指摘でございますけれども、実際の運転停止に至るまでの手順と申しますのは、先ほど申し上げたとおり、K19というブローダウン水モニター、ここで有意な変化、ここでは関西電力の場合、約二〇%以上というふうに聞いておりますけれども、そういう数字になったときには、サンプリングができようとできまいと自動的にそこの当直室にいる人間が原子炉を停止するというふうになっております。ですから、今のところ、各電気事業者において化学分析を行う作業員が常時駐在はしておりませんけれども、それは問題ないというふうに考えております。
#106
○西山登紀子君 私はその御答弁、納得できません。二重三重に安全な体制をとってこそやはり責任ある企業だというふうに思います。
 時間がないので次に移りますけれども、今回の事故はそういう問題だけじゃなくて、外部から電源を入れる際にスイッチが切られていたというような重要なヒューマンエラーが起こっているわけです。電気は来なかった、停電が起こっちゃったというふうなことが起こっておりまして、時間がありませんので、その改善策を含めまして、こういう再発防止のための指導をどのようにとるのかということを通産省にはお聞きしたいし、最後に大臣に、今のお話を聞いていただいてもわかるように、非常にずさんです。本当に常識で考えたって起こってはならないようなことが頻発しているということについて、これはやはり電力会社というのは多少のトラブルならできるだけ原子炉の運転を停止しないでおきたい、停止すれば重要な損失を起こすということで、安全性より経済性を優先するというようなことで、住民の安全が私は大変不安にさらされているというふうに思います。
 そこで大臣、最後に、科学技術庁原子力安全委員会をお持ちの大臣としてどのように指導をなさる御決意なのかをお伺いします。
 通産省、先にお答えを。
#107
○説明員(三代真彰君) 原子炉を手動停止する際に電源切りかえのための装置が正常に動作しなかったということが今回起きたわけでございますが、これは昨年十月二十四日から十一月十九日に行われた事業者の起動変圧器の点検後にスイッチが投入されなかったためであるというふうに判明しております。
 このため、再発防止対策といたしましては、このような遮断器を操作したときには、復旧操作においてチェックシートを整備して、なおかつ各機器ごとに操作札、これはタグと我々申しておりますが、これを設けて作業を確実に実施するよう事業者に指導したところでございます。
#108
○国務大臣(田中眞紀子君) 決して企業が安全性をおろそかにして経済性のみを優先しているというふうには思いませんし、思いたくもないし、そうあってはならないです。
 ですが、私はこの問題で思っていますのは、いつも縦割り行政にぶつかるんです、先ほど安全委員会のこともおっしゃいましたけれども。やっぱり縦割りの中でもって、ほかのところで何かチェックが来てその資料が出てくるのを待っているというふうなことの欠点が一つ。
 それからもう一つは、今回のロケットも本来は二月一日に打ち上げるはずでございましたけれども、私はかなり厳しく、確実だろうかと、この大型のロケットは莫大な費用で国民の税金を使って上げる、そして、阪神の震災があって特別の出費もしなければいけない、国の財政状態が厳しい、消費税も上げなきゃいけない、そういう中でもっていろんなことが起こっていて、本当に確実にもうパーフェクトなものにしなかったらだめですよと言って、チェックを何度もしていただいたら、やっぱりいろいろな事情があって、事故につながらないとは思いますけれども、人的に取りかえられる部品があったりとか、そういうものが発見ができて、そういうふうにもう石橋をたたいてたたいてやっと上がったわけです、ロケットにしましても。
 ですから、経済性を追求して安全性はいいなんということは企業が絶対思っているはずもないんですし、もしもそうであれば、私は今回秋山社長にお目にかかったときにしっかり申し上げようと思いますけれども、やっぱり気の緩みといいますか、安全を期するためのチェック体制が、前回種子島へ行きましたらロケットにはたくさん赤い札が下がっておりまして、それを複数の目でもう縦からも横からも斜めからも全部見て、すべてのチェックが済んでいるかということを、声がけて電車の発進やりますね、何とかよし何とかよしと、あれみたいなことを複数がやっているわけです。それを原子力施設もやってくださっていることを本当に願いますけれども、いま一度、やっぱり人間のミスで大きなことが起こってしまっては経済性も追求できないわけですから、それも重ねてよく申し上げるようにしたいと思っておりますし、また通産大臣にも重ねてこういうお願いをいたします。
 縦割り行政がかなりいろいろありまして、私はNEDOとかエネ庁なんというのは科技庁にくださればいいじゃないかと思っております。ですけれども、御支援いただきたいと思います。
#109
○下村泰君 前回に続きまして、ライフサイエンスに関してお伺いしたいと思います。
 まず、ヒトゲノム解析事業の概要と現状について御説明をいただきたいんですが、私が知りたいのは、こうした遺伝子に関する研究が私たち人間にとってどういう意味、目的があるのかということなんですが、まずここから伺わせてください。
#110
○政府委員(沖村憲樹君) 今のお尋ねでございますが、御承知のとおりヒトゲノム解析、人間の遺伝子というのは十万程度ございまして、それのもとになっております塩基の組み合わせが三十億程度あるというふうに言われております。こういうことがきちんとわかってまいりますと、どういうふうに人間の病気が起こってくるか、あるいは病気をもとにどういうふうに診断したらいいか、またそれをもとに病気のための薬をどう使ったらいいか、いろいろなことがわかってまいります。
 また同時に、人間そのもの、生物そのものの生命現象の本質といいますか、そういうこともわかってまいりまして、二十一世紀に向かいましてこういうことがわかってまいりますと、ライフサイエンスという分野は非常にいろいろな幅広い成果が得られるというふうに考えておりまして、そのための基盤研究を現在鋭意進めさせていただいているところでございます。
 また、この遺伝子の問題は人間ばかりじゃございませんで、植物でありますとか家畜でありますとか、いろんな遺伝子を解析しますと同じような成果が得られるというわけでございまして、関係行政機関においてあるいは大学において大いに研究が進められているところでございます。
 これにつきまして、科学技術庁では、科学技術会議におきましてかなり早くからライフサイエンスを大いに振興すべきであるということで、ヒトゲノム解析懇談会という懇談会もおつくりいただきまして、研究の方向等も示していただいております。当庁といたしましては、関係省庁も大いにやっていただいておりますが、私どもといたしましては、理化学研究所でありますとか、放射線医学総合研究所でありますとか、基礎的な研究を進めさせていただいております。
 また同時に、これに伴って生じます情報につきましては、世界的にGDB、ゲノムデータベースというデータベースができておりますが、これの窓口には科学技術庁の日本科学技術情報センターがなっておりまして、日本の情報をまとめましてGDBに入れる、あるいはGDBからの情報を国内にお配りするといったこともやらせていただいております。
 また、ことしからはこの遺伝子解析を特に飛躍的に進めたいというふうに考えておりまして、特に遺伝子を含む大きなところにつきまして解析できるように、日本科学技術情報センターでその解析、塩基配列を決定いたしまして、その情報をまた蓄積していくというような施策もとらせていただいているところでございます。
 今後とも、関係省庁とも連携を密にいたしまして、この分野の研究を大いに進めてまいりたいというふうに考えております。
#111
○下村泰君 厚生省来ていらっしゃいますか。
 難病の治療への期待は大きいわけなんですが、そこで厚生省に伺いますけれども、先般、北海道大学でADA欠損症の患者さんへの遺伝子治療が承認されましたけれども、そのことも踏まえまして、世界及び日本における遺伝子治療の現状についてちょっと御説明してください。
#112
○説明員(篠崎英夫君) 先生御案内のとおり、遺伝子治療は、がん、エイズあるいは先天性の遺伝子疾患など、現在有効な治療法の確立していない疾患に対しましては、画期的な治療法となるといいうことが期待をされております新しい医療技術でございます。
 海外では、アメリカを中心として既に約三百例の患者を対象に臨床研究が進められておるような状況でございます。我が国におきましても、先般、二月十三日でございますが、北大病院より申請のありましたADA、アデノシンデアミナーゼ欠損症と申す遺伝性の疾患でございますが、それの治療臨床研究の実施計画が承認をされました。近いうちに我が国第一号の研究が開始されるというふうに考えております。
 ADA欠損症以外にも、先ほど申しましたさまざまな難治性の疾患に対して、厚生省が所管しております研究機関あるいは大学等を中心に研究が行われております。私どもといたしましても、研究費助成を行うことにより研究の一層の推進を図ってまいりたい、このように考えております。
#113
○下村泰君 今後、遺伝子治療が進むことによって、人間あるいは難病患者にとってどういう恩恵があり、また可能性がありますか。さらに、問題点があればそれもひとつ教えてください。
#114
○説明員(篠崎英夫君) ADA欠損症のように、今まで治療法のないものが画期的に治るというような大きな効果も期待できるわけでございますが、ただ、現在のところいろいろな遺伝子治療臨床研究が実施をされておりますけれども、現在まで成功したと確認されているものにつきましては、米国のNIHにおいて実施されました先ほどのADA遺伝子治療臨床研究の二例だけでございます。したがって、遺伝子治療は技術的にはまだ確立をしていない医療技術ということでございます。
 しかしながら、何の治療法もない難病を初めとしたいろいろな疾患に対しましては、画期的な医療技術になるということが期待されておるわけでございまして、私どもといたしましても研究の推進に最大限の努力をいたしたいと思っております。
#115
○下村泰君 個別のことでまことに申しわけないと思いますけれども、私自身が多くの筋ジス患者とおつき合いをしてきて、随分数多くの方が亡くなっておるのをみとっているわけですけれども、難病の中でもこれは歴史的に古いんです。既に取り組まれて何年かたっんですけれども、筋ジスなどはこの遺伝子治療でどうなんですか、治療できる、つまり完治できるというような予想は立てられますか。
#116
○説明員(篠崎英夫君) 筋ジストロフィーの疾患につきましても、これは遺伝性に基づくものが多く、神経変性疾患でございます。したがいまして、遺伝子治療の対象に十分なるということでございます。現在、国立精神・神経センターにおきまして、残念ではございますがまだ基礎的な研究がやられておるわけでございまして、近いうちに犬を中心とした動物実験に移る段階というような状況でございます。
#117
○下村泰君 実は私は、難病問題に当選以来ずっとかかわってきたわけですけれども、最近、遺伝子研究の進展で幾つかの難病に希望が見えてきたというふうには思うんです。その意味では、国などの予算は余りにも少な過ぎるんです、こういう方面には、いつも申し上げるんですが。一見華やかに見える方の医学については大変予算も多く出ます。例えば、一番早く言えばがんなんかそうです。そういった方には非常に予算が出るんですけれども、こういう肝心な基礎医学的なことに関しては余り予算が出ていないんで、これが払いつも残念に思うんです、地道な研究に対する国民の理解不足があるかもしれませんけれども。
 前回も申し上げましたけれども、科学技術庁というのはロケット、原発ぐらいだけじゃだめなんで、申し上げますけれども、正直和もこうした委員会に入って勉強させていただいておりますが、いろんなことでこういった科学技術というものが難病にもかかわってくるということを知ってから、これは大変なところだなと思いました。このライフサイエンスについてももっともっと国民に知ってもらって、議論して理解を深めてもらう努力をしてほしいと思います。私も微力ながらお手伝いをさせていただきますけれども。
 ただ昨年夏に、フランスでは生命倫理法という法律ができまして、人体は自然の一部である、人はむやみにそれに手をつけるべきでないという考えのもとに遺伝子治療にも規制が設けられました。これはなかなか難しい問題がありますけれども、避けていたのではよくないと思います。やはり情報の公開、これをベースにして倫理面などさまざまな議論を尽くす努力が必要と思います。
 今後、ヒトゲノムの遺伝子治療を進める上で、こうした点について厚生省及び科学技術庁長官としてのお考えをひとつお示し願えれば幸いです。
#118
○国務大臣(田中眞紀子君) 以前、臓器移植のお話が相当話題に上りましたときに、私も一緒に委員会で勉強させていただいたところでございます。
 遺伝子操作というものは、下村先生が御関心のある筋ジスのような、先ほどの厚生省のお答えでも対応できる可能性があるということで大変希望が持てると思いますが、同時に、ほかの面でこういう分野というのは人間の尊厳を侵す可能性もありますし、非常に微妙なデリケートな問題があります。
 むしろ、アレルギー反応が起こるということが言われておりますけれども、入れ歯だって随分進歩して昔に比べたらばいい入れ歯ができてきて、アレルギー反応、拒否反応がなくなったりしているわけですから、人工臓器をつくるとかそのような面の研究開発も科技庁も一生懸命やりたいし、そのための予算も獲得していかなければいけないというふうに思っております。
#119
○説明員(篠崎英夫君) 厚生省におきましては、平成六年二月に臨床研究を実施するに当たっての指針を定めて告示をいたしました。その中で、科学的安全性はもとより、生殖細胞の遺伝的改変の禁止、また被験者の人権保護などの倫理性について遵守すべき事項を定めたところでございます。また、遺伝子治療臨床研究中央評価会議というのを設置いたしまして、科学的妥当性とともに倫理性についても御審議をいただくことになっております。さらに、遺伝子治療に対する国民の理解を深めるために、前回北大のADA遺伝子治療の審議につきましては中央評価会議を公開して行ったところでございます。
 今後とも、同評価会議における審議などを通じまして、遺伝子治療臨床研究の科学的な安全性とさらに倫理性の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
#120
○下村泰君 ありがとうございました。
 今度は、脳死とそれから人工臓器についてちょっとお伺いしたいと思います。
 実は私は、難病の一つである胆道閉鎖症の子どもを守る会などと一緒に募金をしたことがあるんです。と申しますのは、オーストラリアに王立の子供病院がありまして、日本の胆道閉鎖症のお子さんたちはみんな向こうに行って手術を受けるんです。ところが、その王立病院を改造しなきゃならないというので、一番世話になっている国にひとつこれだけのお金を何とか都合してくださいと、日本に割り当てられたのが五億円なんです、当時。そうしますと、オーストラリアには企業がたくさん行っているわけです。そして、向こうの資源を全部持ってきていろんな品物にして輸出してもうけている大企業がいっぱいあるわけなんです。そういう企業を回ったんです。どこもお金をくれないんです。どうも日本人というのはああいう点はだめですな、アメリカとか諸外国と違ってそういうことに対するボランティア精神がまるでない。
 しょうがありませんから、お母さん方と御一緒に経団連の方へお話に伺いまして、経団連方式というのがあるんです。各企業に幾ら幾ら寄附してくださいと、こういうふうにやるわけです。それ、やるだけなんです。それを持ってお願いしに行くのは、本人たちが行かなきゃいけないわけです。そうすると、バブルのはじけたときですから、くれるところもあればくれないところもある。でも、何だかんだ言いまして五億円のうちの一億五千万、約二億円近くが集まったんです。ブリスベーンでしたか、オーストラリアの王立の。
 そういうことがありまして、いわゆる臓器法案ということに対しては、大変私も何といいますか、関心はあるわけです。移植法案というのも各党協議会に参加してやったんですが、どうも素朴な質問なんですけれども、脳死というものの判定がいまだに私わからないんです。まるで素人ですから、どこまでが脳死で、本当に脳死というのがあるのかないのか、それもわからない。委員長も専門家ですから、協議会のときにずばっとおっしゃっていましたけれども、おっしゃっていることはわかるんですが、言葉はわかってもわからないんです、何となく。
 そうしましたら、ここに「脳・神経機能解明促進のための基盤形成に関する総合的な研究開発の推進方策について」という答申が出ておるんですけれども、中を読ませていただきますと、解明されているとか明らかになってきているという表現と、全く不明、明らかでない、未解決であるというような表現が出てくるわけです。
 そこで、まずこの審議会の概要、目的と、答申の内容について御説明いただければ幸いなんですが、そのついでといってはなんですけれども、脳の機能、生理学的に脳というのは一体どんなものなんですか、説明してください。
#121
○政府委員(沖村憲樹君) 今最後に先生お尋ねの、脳はどういうものかというのは、素人で恐縮なんですけれども、科学技術庁といたしましては、脳神経機能の解明というのは非常に重要視しておりまして、これは人間の機能の中で物事を認識するとか、考えるとかあるいは意思決定をするといったような、そういうような高度な精神機能をつかさどる必要不可欠なところであるということで、脳の研究は、機能の解明のために必要不可欠なことであるということでございます。
 また、これが解明されますと、先ほどの繰り返しになりますけれども、いろいろなことがわかってまいりますし、また特に神経系統につきましては医療に役に立つ、あるいは場合によっては工業の分野に役に立つというようなことがございます。
 現状でございますが、脳・神経が遺伝子レベルでどういうふうに発生しあるいは分化していくかといったようなことが多少わかりつつございます。また、最近では核磁気共鳴画像でございますとかいろいろ先端技術がございますので、それを外側からきちんと把握できるといったようなものも大いに進化してきておりますので、今後はそういう研究が進んでいくんじゃないかというふうに期待しておるわけでございます。
 科学技術庁で、特に理化学研究所におきまして国際フロンティア研究システムというシステムがございまして、ここには理化学研究所の職員ばかりじゃありませんで、外国の有名な先生でございますとか国内の研究者でございますとか、具体的には伊藤先生がセンター長でございますが、そういう内外の優秀な研究者にお集まりをいただいて進めるシステムがございます。ここで脳・神経を取り上げておりまして、思考機能でありますとか、脳・神経の機能を利用した情報処理研究でありますとか、それから神経細胞の研究でありますとか、いろいろ幅広い研究を進めさせていただいております。
 また、振興調整費を用いまして厚生省あるいは大学等々、脳につきましては、脳に異常がある場合にはどういう原因で出てくるのかといったような基礎研究もやらせていただいているところでございます。
 それから、今御質問がありました答申でございますが、これにつきましては、一応脳・神経系統を解明するために我が国としてどういう研究をやっていったらいいか、またその研究の基盤となるためにはどういうことをやっていったらいいかということを総括的に諸先生方にお集まりいただきまして方法を示したものでございます。
#122
○下村泰君 報告書の中でもヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムということに触れられておりますけれども、日本も大いにひとつ国際的な貢献を果たしていただきたいと思います。日本の医学技術とか、あるいはこれを助けるサイドからの科学技術というものは大したものだと思いますので、どうぞひとつ頑張っていただきたいと思います。
 骨髄バンク設立のときに御一緒しました国際医療センターの高久先生が、二十一世紀は脳研究と遺伝子治療の時代だとおっしゃっているんです。それだけに科学技術庁のお仕事も大変だと思います。
 続いてずっと質問があるんですが、もう時間でございますので、一番おしまいのところへちょっと飛びたいと思います。
 ここにフロンティア研究システム、こういうのがあるんですけれども、この中に、ちょっと時間一、二分出ますが勘弁してください、生体ホメオスタシス研究というんですか、こういうのがある。これちょっと聞きたい。
#123
○政府委員(沖村憲樹君) その言葉自体は、生体が異常にならないように、生体が常に平生といいますか恒常性を保つといいますか、そういうような機能を保つようにという研究でございます。
#124
○下村泰君 これをちょっと読ませていただくと、「生体は無数の細胞がつくる高度な細胞社会です。この細胞社会の基本をなす細胞間相互作用に重要な役割を果たすのが情報分子としての「糖」です。」と。これを読んでいきますと何かものすごいことが書いてあるんです。「人間の寿命を可能な限り延ばすことや、身体の健康維持と精神の安定を助けることを目的としており、ガンや免疫疾患などの治療、人工臓器の開発に貢献します。」。こうなると、秦の始皇帝が求めた不老長寿の薬の効能書きみたいに見えるんですけれども、果たして人工臓器、そこまでいけるんでしょうか。
#125
○政府委員(沖村憲樹君) 人工臓器につきましては、大変難しいということで先生御認識になっていると思うんでございますけれども、研究自体はかなり前からやっておりまして、私ども科技庁では昭和五十二年から人工心臓、人工腎臓、そういった研究を基礎的にずっと進めさせていただいております。
 また、厚生省、通産省ではそれぞれ、その後人工腎臓の研究を進めておりまして、特に通産省では、人工臓器をコンパクトにするということで、肝臓でありますとか、心臓でありますとか、腎臓でありますとか、そういう研究をずっと進められております。
 また最近では、科学技術庁では、特に人工臓器のいろいろな動きをモデル化いたしまして、そのモデル化したもので人工臓器の研究を大いに進めようということでやらせていただいております。
 いずれにしましても、各省とも重点を入れて研究を進めさせていただいておりますけれども、非常にいろいろな要素が入って難しい分野であるということでございます。
#126
○下村泰君 今、お話を聞いて田中長官、下手すると田中長官の美貌がそのまま永久に保存されるというような臓器ができるような可能性も出てくるという話ですけれども、これからどういうふうに取り組みをなされますか。お気持ちだけ聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。
#127
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、専門的なことは余りわからないことが多過ぎてお恥ずかしいんですけれども、とにかくいい方角に皆様の御指導を仰いで頑張っていきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
#128
○委員長(高桑栄松君) 他に御質問もないようですので、質疑は終局したものと認めます。
 これをもちまして、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち科学技術庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(高桑栄松君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#130
○委員長(高桑栄松君) 次に、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聞くことといたします。田中科学技術庁長官。
#131
○国務大臣(田中眞紀子君) 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律は、昭和三十二年に制定されて以来四十年近くを経過しており、この間、放射性同位元素等の利用は国民生活に密着したさまざまな分野において幅広く普及するに至っています。
 こうした中で、近年、放射性同位元素の賃貸に対するニーズ等、放射性同位元素の利用に関する新たなニーズが生じてきており、このような状況に適切に対応するためには、安全性の確保を図りつつ、放射性同位元素に関する規制の合理化を図ること等が必要です。
 このため、放射性同位元素の賃貸の業に関する規定を整備すること、安全性の高い特定の放射性同位元素装備機器について、安全性の確保を前提にその使用に係る管理義務を合理化すること等を図ることとし、本法律案をここに提出した次第です。
 次に、本法案の要旨を述べさせていただきます。
 主な内容は以下の三点です。
 第一は、適切な放射線障害防止対策がとられることを前提に、放射性同位元素の賃貸の業を認めることとし、放射性同位元素の賃貸の業の道を開くことです。
 第二は、設計・構造上高い安全性が確保されている特定の放射性同位元素装備機器のみを使用する者については、安全性の確保を前提に一部の管理義務を免除することです。
 第三は、使用施設等の変更の許可を受けようとする許可使用者等に求められている許可証の訂正手続を簡素化することです。
 以上、この法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#132
○委員長(高桑栄松君) 以上で本案の趣旨説明は終了いたしました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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